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anko1691 でいぶがくるよ01 anko1692 でいぶがくるよ02
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「そこのじじぃ!れいむはしんぐるまざーなんだよ!かわいそうなんだよ!じじぃはれいむのためにあまあまもってきてね!」 「「あみゃあみゃもっちぇきょい!じじぃ!」」 「そうか、お前はしんぐるまざーでかわいそうなのか!かわいそうなれいむには、やさしくしないといけないな!」 「ゆっふっふ!なかなかみどころのあるじじぃだね!れいむのどれいにしてあげるよ!」 「やっちぇねおきゃあさん!」 「どりぇいにはまりちゃのうんうんをたべちゃちぇてあげるのじぇ!ちゅっきりー!」 とある公園の隅で、とあるお兄さんはしんぐるまざーのれいむとれいみゅ、まりちゃの家族に絡まれた。 普通の人なら無視するか、潰すしてゴミ箱に放り込むかであろう。 しかし、お兄さんはこの饅頭共を持ち帰ることにした。なぜなら私もまたでいぶ一家を求めていたのだから。 「さぁ、私の家についたぞ」 「ゆっふっふ!なかなかよいいえだね!」 「「きょきょをれいみゅの(まりちゃの)ゆっくちぷれ」 「なにいっでるのぼー!ごごはでいぶのゆっぐりぶれいずでしょー!」 「「「どぼじでぞんなごどいうのー!!!」」」 お家宣言を邪魔された三匹が声のした方を向くとそこには薄汚いでいぶとれいみゅ、ありちゅがいた。 こちらは我が家に先程侵入したしんぐるまざーの一家である。 紛らわしいので、まりちゃがいる方の家族をでいぶ1、れいみゅ1、まりちゃ ありちゅがいる方の家族をでいぶ2、れいみゅ2、ありちゅとしよう。 ありちゅ「くそどれい!きょんないなきゃもののゆっきゅりをちゅれてきゅるにゃんて、とんだいなきゃものね!」 れいみゅ2「おーうんうんきゅさしゃいゆっきゅりぢゃね!ちきゃよりゃにゃいでね!」 でいぶ1「ゆがー!でいぶはいながものじゃないー!」 まりちゃ「まりちゃうんうんきゅさきゅないんだじぇ!ゆ...まりちゃうんうんしたきゅなってきちゃよ!ちゅっきりー!」 ゆっくり達は互いを罵り合っている。しかし、れいみゅ1のセリフで事態は進展することとなる。 れいみゅ1「れいみゅおなきゃちゅいちゃよ!あみゃあみゃもってきちぇね!」 「「「「「ゆ...」」」」」 でいぶ1「そうだよ!くそどれいはいますぐあまあまをもってきてね!」 ありちゅ「いなきゃもにゅのどりぇいは、ありちゅのちゃめにときゃいはならんちをよういしゅりゅのよ!」 まりちゃ「まりちゃのすーぴゃあうんうんたいみゅはじまりゅよ!」 「ああ、何たることだ!」 「「「「「「ゆ!?」」」」」」 「お兄さんは!より!かわいそうなゆっくりに優しくしてあげなければならないのにっ!」 でいぶ1,2「「そうだよ!でいぶはかわいそうなんだよ!どれいはやさしくするのがとうっぜん!なんだよ!」」 「いったい!どちらのでいぶの方がかわいそうなのか!私には分からない!ああどうすればいいのだ!よりかわいそうなでいぶにあまあまをあげなければならないのに!」 でいぶ1,2「「ゆ!?」」 赤ゆたちは相変わらずあまあまをよこせとわずわらしいが、親でいぶ達はわざとらしく叫ぶお兄さんの言っていることが分かったようである。 要するにより可哀想なのはどっちなのか、可哀想なほうにあまあまをやるということである。 でいぶ1,2「「そんなのでいぶにぎまっでるでじょー!でいぶはしんぐるまざーなんだよ!」」 でいぶ1,2「「ゆ?」」 「ああ!何という不運なのだろう!どちらも同じしんぐるまざーだなんて!これではどちらが可哀想かなんて分からないじゃないか!ああ!」 うん、ちょっとノリノリになりすぎた、落ち着くんだ私。 でいぶ1「でいぶは、あいするおっとにさきだたれたんだよ!そんなうすぎたないでいぶなんかよりでいぶのほうがかわいそうなんだよ!」 話を聞くにこのでいぶ1はとある野良まりさと番になり、2匹の子ゆっくりを産んだらしい。 ところが、でいぶ1が子育てに毎日必死だというのに、まりさはろくに餌をとってこれないうえ、日衰弱死してしまったらしい それから仕方がなく、おちびちゃんをつれて狩りをしたが、愚かな人間はだれもでいぶにご飯を献上してくれなくて、ひもじい思いをしていたらしい。 「なるほどねーせっかく手に入れたどれいまりさは役立たずで使えなかったわけか。」 でいぶ1「そういうことだよ!わかったらどれいは、かわいそうなでいぶにあまあまをちょうだいね!」 でいぶ2「ゆっふっふ!そんなのぜんぜんかわいそうじゃないよ!でいぶはれいぱーにおそわれたんだよ!」 曰くこのでいぶ2は元飼いゆっくりであり、ある日無能な飼い主はあろうことか偉大な自分を捨てたという。 でいぶ2は飼い主に復習を誓うが、ある日レイパーに襲われ命からがらに逃げ延びるが、その頭に二匹の命が宿る。 仏のでいぶ2はれいぱーの子でもその溢れる母性により育てることを決心し、その教えを理解しないおろかなぱちゅりーを制裁し、食してやった。 なのにあろうことか、それ以降他のゆっくり達はでいぶ2を見ると一目散に逃げ出し、だれもお布施をしなかったという。 「うーむ、なるほどねぇ。うーん...まぁお前(でいぶ2)の方が可哀相だな!」 でいぶ1「どぼじでぞんなごどいうのー!!!」 でいぶ2「ゆっふっふ!とうっぜん!のことだよ!」 でいぶ1「なんでー!でいぶはみぼうっじん!なんだよ!がわいぞうじゃないの!」 「いやー、そりゃあ奴隷に死なれて面倒事増えたのはわかるけどさー!こっち(でいぶ2)はれいぱーだぞ、れいぱー」 でいぶ2「そうだよ!でいぶはのぞまぬにんっしん!をしたんだよ!」 でいぶ1「ゆ...」 流石のでいぶ1でもれいぱーに襲われることを恐怖は分かるようだ。こちらは望みのまりさとすっきりしたのに対して向こうはれいぷである。どうにも分が悪い。 でいぶ2「さぁ、はやくどれいはれいぷされてかわいそうなでいぶにあまあまをもってきてね!」 「そうだな、今持ってくるぞ。いやーお前も(でいぶ1)残念だなー、お前よりも可哀想なでいぶがいてさぁ。お前がもっと可哀想なら私もお前達にあまあまをあげるのになぁ。」 でいぶ1「ゆ?」 「例えばだなー愛する子供に先立たれるとか...いやぁそんなことがあったら向こう(でいぶ2)よりも可哀相だな!でもお前の子ども元気だもんなー!」 れいみゅ1「ゆんやーどーちてれいみゅにあみゃあみゃきゅれないの!れいむぷきゅーしゅりゅよ!ぷきゅぅぅ!」 まりちゃ「まりちゃ、みょっとうんうんしたいんだじぇ!しょのちぇみにもっちょむーちゃむーちゃちたいんだじぇ!」 「残念だなーこいつらがケガとかで死んじゃったらとてもかわいそうなんだけどなー。まぁそんなことあるわけないか!さぁあまあまをとりにいくぞ!」 お兄さんはそう言いながら、台所の方に消えて行きドアを閉める。このドアの窓はマジックミラーになっており、ゆっくり達からはここで覗いているのは見えない。 でいぶ2「おちびちゃん!いまどれいのにんげんがあまあまをとってくるからね!」 れいみゅ2「しゃしゅぎゃおきゃあしゃんだにぇ!」 ありちゅ「ときゃいはね!」 勝利の祝福をあげるものと れいみゅ1「ぷきゅぅ!あみゃあみゃちょれないむにょうなおやにゃんちぇれいみゅのおやじゃにゃいよ!」 まりちゃ「はやきゅまりちゃにみょっとうんうんしゃせりゅんだじぇ!」 敗者をやじる声。 でいぶ1「ゆっくりしていないがきはしね!」 まりちゃ「ゆぎゃ!」 れいみゅ1「ゆ?」 れいむ1がまりちゃを圧し潰した。回りには見事な餡子の花が咲いている。れいみゅ1は目の前のことに思考がついていけずフリーズしている。 れいみゅ1「ゆ、ゆぴゃあ!おきゃあしゃん!どぼじでいみょうとを!」チョロチョロ 漸くれいみゅ1の思考が現状に追いついたらしく、おそろしーしーをしている。妹がうんうんまりちゃなら、姉はちーちーれいみゅか。 でいぶ1「うるさいね!おかあさんはもともと、つかえないまりさににていてうんうんくさいがきなんてだいっきらい!だったんだよ!せいぜいおかあさんのためにしんでね!」 せめてもっと小さな声で言えよ。これじゃあ、お兄さんがわざと見てなくても分かるぞ。しかし、むこうのでいぶ2のかぞくはこちらの事などつゆ知らず、お歌を歌ってやがる。 「さぁ、かわいそうなゆっくりちゃんたちー!美味しい饅頭さんだぞー!」 でいぶ2一家「「「ゆわーああ!」」」 でいぶ1「お!おちびちゃーーーーーーーん!!!」 でいぶ2一家「「「ゆ?」」」 「こ...これは!まりちゃ!どうしたんだ!」 まりちゃ「ゆっ...!ゆっ...!」 でいぶ1「ぐぞにんげんん!!おちびちゃんをだずげろおお!」 「これは...無理だもう手遅れだ...」 まりちゃ「もっちょ...うんうん...しちゃきゃった...」 れいみゅ1「れいみゅのいみょうとがー!」 でいぶ1「まりさによくにたれいむのかけがえのないおちびちゃんがー!りっぱにそだてるってまりさにちかったのにー!れいむはせかいいちかわいそうなゆっくりなんだー!」 でいぶ1「だからあまあまちょうだいね!」 呆然としているでいぶ2の家族にお兄さんは言う。 「なぁ...あいつらとっても可哀相だと思わないか?」 でいぶ2一家「「「ゆ?」」」 「だってそうだろ?あいつらとっても大事なまりちゃが死んじゃったんだぞ?今まで不幸な目にあってきたお前らなら分かるだろ?」 でいぶ1「そうだよ!でいぶはいとしのとちびちゃんがしんじゃってしゅうっしん!なんだよ!かわいそうなんだよ!だからまんじゅうさんをでいぶのものなんだよ!」 「ああ、そうだ。これは可哀想なお前たち(でいぶ1)のものだ。」 でいぶ2一家「「「ゆーーーー!?」」」 「いや、子どもが死んだのに饅頭だけだったら不十分だな。もっと立派なあまあまがまりちゃの弔いには必要だな!」 でいぶ1「ゆっふっふ!とうぜんだよ!じじぃははやくもっとりっぱなあまあまをもってきてね!たくさんでいいよ!」 れいみゅ1「ゆ...あみゃあみゃ、れいみゅのみょの?ゆー、あんにゃうんうんきゅしゃいまりちゃ、れいみゅのいもうちょじゃないとおもっちぇちゃんだよ!」 れいみゅ2「にゃんでー!」 ありちゅ「ごにょ、いにゃきゃみょのー!」 でいぶ2「ぐぞどれいい!ごれはどぼいうごどなの!?」 「いやーだってさ?おまえらの子ども二匹とも元気じゃん?残念だなーもしどっちか死んでいたら弔いとしてすごいあまあまをあげるのになー でも、母性溢れるでいぶお母さんに限ってそんなわけ無いしなー。お前らも恨むなら仏のように立派なお母さんを恨むんだな。じゃああまあまとってくるね!」 そう言ってお兄さんは台所からゆっくり達の動向を観察する。 れいみゅ1「やっちゃね!おきゃあしゃん!」 でいぶ1「ゆっふっふ!なんたってでいぶはせかいいちかわいそうなゆっくりだからね!あまあまたべたらこのいえをれいむたちのおうちにしようね!おちびちゃん!」 れいみゅ2「ゆんやー!どぼじでおきゃあしゃんはきゃわいしょうにならにゃいの!ちゅきゃえにゃいおやだにぇ!」 ありちゅ「いにゃきゃみょののみゃみゃにゃんて、ありちゅちらにゃいわ!」 グチャ でいぶ2「ゆっふっふ!れいぱーのこはゆっくりできないよ!でいぶがせいっさい!してあげるよ!」 れいみゅ2「お...おねいちゃん...?」 「喜べーシュークリームだぞー!」 でいぶ1一家「「ゆわーい!」」 でいぶ2「お...お...おちびちゃん!!!いっだいどぼじだの!」 でいぶ1一家「「ゆぇ?」」 「あ、あ、ありちゅ!ひどい!どうしたんだ!」 でいぶ2「ゆわーん!ゆめにでてきたほとけさまにしゅくふくされた、でいぶのしこうのおちびちゃんがー! れいぱーのこでもわけへだてなくあいっじょう!もってそだてたのにー!でいぶはちきゅういちかわいそうなゆっくりなんだー!」 でいぶ2「こんなきけんなところにつれてきたどれいには、しゃざいとばいしょうをせいっきゅう!するよ!」 ありちゅ「ありちゅ...もっちょ...ちゅっきりしちゃきゃった...」 れいみゅ2「おねいちゃーーん!」 「いやー困ったなぁ」 でいぶ1,2「ゆ?」 「可哀想なでいぶのために饅頭とシュークリームを用意したんだけどなぁ」 でいぶ1,2「「ゆ、そうだよ、かわいそうなでいぶにあまあまちょうだいね!...ゆ?」」 「だろ?お前らどっちも1匹だけ子ども死んじゃったじゃん。これじゃあお兄さん、どっちが可哀想かわからないよ...。」 でいぶ1,2「「ゆええ!!??」」 「もし、もしもだ。おちびちゃん2匹とも死んじゃったら、もっとかわいそうになるんだけどなあー」 れいみゅ1,2「「ゆ!?」」 れいみゅ達もようやく事態がつかめてきたようである。しかしでいぶ達の反応が鈍い。自分に似ているれいみゅを殺すことに戸惑いは感じているらしい。 ここはその背中を押してあげることにしよう。 「そうだ!この前ゆんやーデパートでケーキを買ってきたんだ!」 「「「「け、けーき!?」」」」 れいみゅ2「ちょうらいね!けーき!れいみゅにちょうらいね!」 れいみゅ1「けーきしゃんありゅの?ゆわー」チョロチョロ ケーキ、それは野良ゆっくりにとって至高の味 一口食べればあんよは天にも浮かび 三口食べればすっきりよりも強い快感が身を包むと言う 「でもなぁ...あれは飛び切り可哀想なゆっくりのために買ってきたんだよ。それこそ子どもが全部死んじゃったような。 でもお前らは子ども1匹ずつ生きているからなー。ケーキやる程可哀想じゃないよなー。」 れいみゅ1,2「「けーき!けーき!...ゆ、にゃんでれいみゅのおりぼんしゃんにゅれてりょの?」」 れいみゅたちが振り返ると、ヨダレを垂らした親の姿がいた。 「そうだ!万が一って事もあるからな!もしかするとお兄さんがケーキを取りに行って間にれいみゅちゃんたちが死んでるかもしれないしな! そうなったら、子どもがみんな死んじゃったでいぶには可哀相だからケーキをあげよう!まぁそんな事絶対ありえないけどね! れいみゅちゃんたち!お母さんから離れちゃだめだぞ!」 バタン れいみゅ1「お...おきゃあしゃん...?」 れいみゅ2「やめちぇね...れいみゅをきょろしゃにゃいでね?」 でいぶ1,2「「おちびちゃん...?」」 れいみゅ1,2「「ゆぎっ!」」 でいぶ1「でいぶなんて...おかあさんじゃない?」 れいみゅ1「ゅ」チョロチョロ でいぶ2「でいぶが...つかえないおや...?」 れいみゅ「ゆぇ!ぎょめんなしゃい!ぎょめんなしゃい!」 でいぶ1「ゆっくり」 でいぶ2「してないがきは」 でいぶ1,2「「ゆっぐりじねええええ!!!!!!」」 れいみゅ1,2「「ゆぎゃああああああああ!!!!!!!!!!」」 さて、そろそろいいだろう。あと、そろそろでいぶ1とかでいぶ2とかつけなくてもいいよね?別にどっちかなんて大した問題じゃないよね? 「いやー実に美味そうだなーゆんやーデパート特性の特上クリームケーキだ!思わず涎が垂れるぞ!お前たちもそう思わないか?あれ...?」 「ゆんやー!お、お、おちびちゃんが!でいぶによぐにだおちびちゃんがあ!」 「どぼじでごんなごどに...どぼじでごんなごとに...」 「お...おまえら...これは...なんて事だ!なんで!なんで!どうしてこの世はこんなにも悲しいのだ!なぜだあああああああ!」 「「うちゅういちかわいそうなでいぶに、けーきをちょうだいね!」 「でもお前ら、どっちも子ども全滅してるぞ?」 「「どぼじであっちのあかちゃんもじんでるのー!?」」 「いやー困ったね、これじゃあ振り出しだね。どっちもケーキをあげるぐらい可哀想なのは確かなんだけど、一体どっちがより可哀想なんだ?」 「そろーり」 「そろーり」 「ゆっふっふ!」 「いまのうちに!」 「あっちのでいぶのうしろにいって!」 「きしゅうするよ!」 「そしたらけーきは!」 「でいぶのものだよ!」 「「どぼじでおんなじごどがんがえでるのーー!!??」」 「あー喧嘩か。それ、いいね。」 「「ゆっ?」」 「ほらさ、例えば喧嘩って負けた方が可哀想じゃん。だからお兄さん、先に体当されてでいぶのほうが可哀相だからそっちにケーキあげるよ。」 「「ゆぅぅーーー!!??」」 「さぁ、早速決闘開始だ!レディーーー!ゴーーーーー!!」 二匹はお互いをにらみ合いどちらも動かない。相手の出方を伺っているのか...これは長期戦になりそうだぞ...! しかし...でいぶ達の口から出たのは...お兄さんには信じがたいものであった! 「どうしたの!はやくかかってきてね!」 「そっちこそだよ!はやくでいぶにたいあたりをしてね!」 「なにいっでるのー!だいあだりはいだいでじょー!そんざくるじいおぼいを、おばえがじなぐでもいいんだよ!」 「おばえごぞ、あがぢゃんがじんぢゃったあとでじょー!くるじみもがなじみのぜんぶ、でいぶがひきうげるよ!」 「そ...そんなバカな!あの...あのでいぶが...他者の悲しみをいたわり、自らが犠牲を引き受けるだとっ!あのでいぶがっ...!」 「でもこれじゃあ何時まで経っても、どっちが可哀想かわからないよね」 「「ゆぅぅ...」」 「フッフッフ、安心するがいい!そんなでいぶ達のためにお兄さんからプレゼントだ!」 そう言ってお兄さんはゆっくりの前に剣山を用意した。そう、ゆっくり躾兼虐待用の特大剣山ボードである。 「そ...それはなんなの?」 「と...とげとげさん?」 「そうだよ!でいぶ達はこれの上でこれから跳ね回るんだ」 「「ぞんなごとできるばげないでじょー!」」 「い...いや、別に強制しているわけじゃないんだ!ただ、これの上で跳ねたら痛そうだなーって思って」 「あだりばえでじょー!」 「じじぃはあだまぐざっでるの?」 「だからさぁ、そんな痛い思いをするゆっくりにこそお兄さんケーキあげようと思うんだ。」 「「...」」 「特性チョコケーキ追加だあ!」 「「いだーい!!!」」 でいぶ達は苦悶の顔で剣山を跳ね回るが、この剣山は躾用でもあるのでそうは大怪我は負わない。 しかしゆっくりは痛みに弱いナマモノである。まるで、地獄に落ちたかの表情を見せてくれる。 「ご...ごれで...」 「でいぶはいぢばんがわいぞうな...」 「「なんでおばえもごごにいるのー!?」」 「あ...あ...あにゃるが!でいぶのすいーとなあにゃるが!なんて!かわいそうなの!」 「ゆぎゃあああ!でいぶのほうせきのようなまむまむがああ!なんてあわれなの!」 「「いだいよー!!!!」 「痛けりゃ出ればいいじゃん。何故そうしない?」 「ぞ...ぞんなわけには...」 「そうだよ...でいぶはがわいぞうになるんだ...ゆ?」 「ゆ...?なんで?でいぶじあわぜになりだいのに...じあわせになるためにがわいぞうに...ゆゆゆっ!?」 「な...なんで、でいぶはごんなごどを...?」 「特性ホワイトチョコケーキ!!!!」 「「でいぶのひかりかがやくおかおさんがー!!!」」 「ゆぇ...!おぃ!ぼうごれいじょうやるど、おばえもゆっぐりでぎなぐなるぞ!」 「いやだよ!おばえぼいいかげんに!じあわぜになでよ!」 「何ということだ!あの..でいぶが!でいぶがああああ!他者のゆっくりを!幸せを!心の底から祈っているなんて! これは夢じゃないのか!これは夢じゃないのかああああ!涙!お兄さんの目から溢れるこれは涙なのかあああああ!」 「ごのよの!」 「いだみも!」 「ぐるじみも!」 「がなじみも!」 「ぜんぶ!」 「がわいぞうなでいぶが!」 「「いっじんにひぎうけるんだー!!!」」 「うめっ、うめっ!これめっちゃうめっ!」 「「どぼじで、でいぶのげーきたべちゃうのーーーーー!!!!!?????」」 「いやーお兄さん思い出したんだよねー」 「「なにを!!」」 「世の中にはもっと可哀想なゆっくりもいるってことさ」 そう言ってお兄さんはゴソゴソと何かを取り出した。そして剣山で固まっているでいぶ達の前に見せつけてやった。 「ュ...ャェ...」 「「なんなのー!ぞれええ!!!」」 ひどい有様だった。"それ"はゆっくりであった。 しかし、体中は傷だらけで、目のあるはずのところはただ餡子があるだけで、底部は焼き焦がされ、髪の毛は刈り取られていた。 その他にも一体どれだけの事をすればこうなるのか、でいぶ達には検討もつかないような有様であった。 そんな中でもその頭の上には確かに"それ"がゆっくりであることを示す飾りがあった。 "それ"はゆっくりれいむであった。 「「ゆ...ゆ...ゆぎゃあああああああああああああああああああ!!!」」 二匹は漸く理解した。 目の前にいる人間がどの様な人間なのかを。 もう二匹の態度にこの家に来た時の態度は微塵も残っていない。 「こーゆ、ゆっくりにこそあまあまをあげないとな!ほれオレンジジュースだぞー!」 「ヤベデッ!ボウアバアバボジグナイ!ヤベデッ!ゴロジデ!」 「「ゆげぇぇぇ!!」」 でいぶ達...いやでいぶ達だったものは完全に動けないでいた。 本能は今すぐに動け、逃げろと言っていた。しかし動けない。剣山があんよに刺さっているからではない。 しかしお兄さんはそんな二匹にも実に優しい笑顔でこういうのでした。 「さて!お前たちの願い事をかなえてやらないとな!」 「ゆ...?」 「けーき...くれるの?」 一瞬だけその顔にでいぶの顔が戻りかける。しかし 「いや、もっと最近言ったのがあるじゃん」 「「ゆぇ?」」 「ん、さっき言ったばかりじゃん。ほら、この世の...」 「「...」」 「痛みも...」 「「ゆ!?」」 「苦しみも...」 「「ゆ...ゆ...ゆわぁぁぁ!」」 「悲しみも...」 「やめで...!やめでぐだざい!!!!」 「全部...」 「ゆぇっ、ゆぇっ...ゆわないでぐだざい!!!!」 「可哀想なでいぶが...」 「ゆぎゃあ!ぎぎだぐない!ぎぎだぐない!」 「一身に引き受ける...でしょ?」 「「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」 「あらあら気絶したみたいだね。可哀想なでいぶ達。フッフお兄さんがもっと可哀想にしてあげるからね。でも先に謝っておくよ。 お兄さんじゃとてもじゃないけど、この世の全ての痛みと悲しみと苦しみを与えることはできないよ...でもできるだけお兄さん頑張るからね!」 「さあ、可哀想なでいぶ達!あまあまの時間だぞ!」 「ぼ...ぼうやべでぐだざい...もうでいぶだぢ...あばあば...ぼじぐない...」 「ど...どうしてそんなこというんだ!こんな可哀想なでいぶを見たら、お兄さんは優しくしなきゃいけないでしょ!あまあまをあげないといけないでしょ!」 「でいぶだぢ...がわいぞうじゃないよ...どでもじあわぜだよ...だがらぼう...あばあばはいだないよ...」 「なんだと...お前たちは...そんな姿になっても...こんな生活を味わっても...幸せだというのか!?」 「ぞうだよ...」 「おにいざん...ありがど...」 「「だがら...もう...あばあばはいりまぜん...」 「そうか...」 ((やっだよ...ごれで...じねるよ...)) 「良かった!お前たち...今の生活が幸せだったんだな!」 「「ゆ...?」」 「そうだよなー!おかしいと思ったんだ!まさかゆっくりが自ら苦行に励もうとするなんて」 「「ゆ...?ゆ...?」」 「お前たちにとっての幸せってこういう事だったんだな!そうだよ!生き物はみんな幸せになろうとするもんな!お前たちももっとゆっくりしたいもんな!」 「「!?!?!?!?!?」」 「いいぞ、お兄さんが」 (やべで!やべで!やべでええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!) 「これからもずうっと!」 (ゆ...ゆ...ゆ...ゆんやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!) 「この生活を続けさせてやろう!」 「「...」」 「まぁ今はとにかくオレンジジュースを浴びて休んでろ。心配すんなって!回復したらいつものやつやってやるからさ!」 返事はない。これからも二匹のでいぶ達は...いやゆっくりれいむ達は幸せに生きることであろう。 ガラガラ 「ゆーようやくゆっくりしてないとびらさんがあいたね!さすがでいぶだね!」 「おきゃあさんしゅぎょい!」 「わきゃるよーおきゃあしゃんはしゅぎょいんだねー!」 「ゆ...にんげん?おい!ぐぞにんげんはいますぐでていってね!でいぶはしんぐるまざーなんだよ!かわいそうなんだよ!」 「ああわかったよかわいそうなでいぶ、お兄さん、今に君を幸せにしてあげるからね、約束だよ」
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『でいぶ刑』 この日、群れのゆっくり達が見守る中、 一匹のれいむと、その子供達が犯した罪に対して、 裁判長えーき様から判決が下された。 「くろっ!」 (訳: 主文、被告れいむ及び娘2匹は、『でいぶ刑』に処す。 理由、れいむは群れのみに使用の許される洞窟に無許可で侵入。 共同で管理されるべきゆっくりプレイスである洞窟におうち宣言を行うという暴挙に出た。 さらに、群れの者たちに対して食料の援助を一方的に強要、 それを断られた後、群れ全員の共有財産である貯蔵食料を強奪し、 うんうんまみれ、食べカスまみれにした。 しかも、群れ長であるぱちゅりーの、年端もいかぬ子供たちを誘拐し、 群れ全員の服従を強制、結果的に子供達を自殺に追い込むという凶悪な犯行に出た。 なお、以上はいずれも、群れ全員が見ている中で行なわれた犯行であり、 その事実は確定的に明らかである。 以上の犯行は、被告れいむ及び娘2匹を『でいぶ』と認めるに充分であり、 掟第3条1項『でいぶ罪』を適用されるものである。 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 ) 「むきゅ、はんけつはでたわ! れいむとおちびちゃんたちは『でいぶけい』ね!むきゅん!」 「でいぶはでいぶじゃないぃぃいいい!!」 「でいびゅ?なにいっちぇるにょ?ばかにゃの?ちぬの?」×2 れいむ・・・いや、でいぶ一家は当然、 『でいぶ』なるゆっくり出来ない称号に対して拒否反応を示したが、判決が覆ることはない。 ゆっくり社会に控訴・上告などというものは存在しないし、 あったとしても申し出は棄却されていただろう。 「でいぶだって・・・」 「でいびゅだにぇ・・・・」 「やっぱりでいぶみょん・・・」 えーき様と長ぱちゅりー、でいぶ一家を囲むようにして裁判を見守っていた群れゆっくり達も、 その結果を聞いてガヤガヤと騒がしくなる。 「むきゅ!みんな、はんけつはでたわ!けいをゆっくり、そくざにしっこうしてね!」 「こふー・・・わかるよー。こふー・・・」×30 お帽子の中央あたりに2つ小さな穴を開け、まるで処刑人がかぶる目出し帽のように、 そのお帽子を顔面にかぶった『処刑ちぇん』達が、でいぶ一家を一斉に取り囲み押さえつける。 「ゆぁぁあああ!?でいぶはしんぐるまざーなんだよ!ゆっぐりざぜなぎゃだめなんだよぉぉぉ・・・」 「ゆぴゃぁぁん!?ゆっくちさせちぇぇぇ・・・」×2 「こふー・・・わかるよー・・・こふー・・・」 そして、でいぶ一家は刑罰を受けるため、 処刑ちぇん達の手(?)で広場から連れて行かれたのであった。 ************************************************* 発端は、この日の朝に遡る。 ここは、人間さんの町から遠く離れた、山奥の森の中。 この、豊かな自然に包まれたゆっくりぷれいすには、 長い間この地域に定住を続けてきた、とある賢明なゆっくりの群れがあった。 この群れは、十年以上前にこの森にやってきた、一匹のドスと、数匹のゆっくり達が作り上げた群れであった。 ドスが突然失踪してかなり経つ現在でもその頃受けた教育による影響は絶大であり、 群れ創生初期の生活スタイル・習慣は大切に受け継がれてきている。 例えば 群れの規模を適正に維持するため、胎生型にんっしんを推奨することであったり、 周辺の食料をとり過ぎないように、群れ全体で食料を管理したり、 ドスが硬い岩肌に『つるはしさん』や『まいとすぱーく』を駆使して掘った洞窟に、群れ全員で住んだり、 そして何より、ドスが制定した『掟』を遵守すること、などなど・・・。 この様に言うと、何やらがんじがらめでゆっくり出来なそうに思えるかもしれないが、 群れのゆっくりからすれば、先祖代々受け継いだ習慣を大切に守っているという程度の感覚だった。 それに、掟やその他の習慣を守っている限り、 ゆっくりプレイスはいつまでもゆっくりプレイスであり続けてくれた。 群れのゆっくり達は食糧難に怯えることもなく、強力な外敵に襲われるでもなく、 たまには果物などのあまあまにも恵まれ、冬はみんなで楽しく冬ごもり。 現在の群れ育ちのゆっくり達は、こんなゆっくりプレイスを残してくれたご先祖様を、 心から敬い、感謝していた。 そんな群れに、この日の朝、洞窟に転がり込んできたのが、例のでいぶ一家だった。 「れいむはれいむだよ!ゆっくりしたれいむが、このみすぼらしいむれにはいってあげるね!」 「はやくむーちゃむーちゃさせちぇにぇ!あまあましゃんでいいよ」×2 でいぶ一家は、以前いた群れを(理由は大体想像つくが)追い出されたゆっくり一家だった。 無論、この群れのゆっくり達の目も節穴ではなく、せいぜいガラス玉程度だったので、 でいぶ一家の振る舞いに対して不安を感じてはいた。 「おさー。なんとなく、ゆっくりできないれいむだよー。」 「むれのそとのゆっくりなんて・・・ぱちぇもはじめてだわ。むきゅぅん・・・」 とはいえ、困っている放浪ゆっくり達に一晩の宿も貸さないようではゆっくりできない。 長ぱちぇは、渋々ながらでいぶ一家を迎え入れることにした。 「むきゅぅ・・・なら、むれの『おきて』をまもってくれるってやくそくし・・・」 「ゆふぅん!れいむとおちびちゃんのみりょくに、ぱちゅりーもめろめろなんだね!」 「きゃわいくってごめんにぇ!」×2 そう言うが早いかでいぶ一家は、長ぱちゅりーの話も聞かずに、 群れみんなのおうちである、大きな洞窟へと飛び込んで行ってしまった。 「む、むきゅー!?おはなしをきいてー!!」 「ゆぅぅうう!!すっごくゆっくりしたどうくつさんだね!!ゆっくりー!!」 「ゆっくち!」×2 無論でいぶ一家がそんな長ぱちゅりーの態度を気にするはずもなかった。 そして・・・ 「ゆふん!ここはゆっくりしたれいむがつかってあげるよ!みんなさっさとでていってね!」 「むきゅ!?むきゅ・・・?」 「ここはれいむのおうちだよ!ゆっくりしていってね!!」 「ここはれいみゅたちのおうちだよ!ゆっくちしちぇっちぇにぇ!!」 「む?むきゅぅぅうううう!?」 群れ全員のおうちであるこの洞窟に対して、でいぶ一家のおうち宣言が炸裂した。 甘い態度を取ろうとした途端にこの仕打ちである。 「む、むきゅん!こまるわ!?ここはみんなのおうちなのよぉぉおお!?」 「れいむたちは、おうちがなくてかわいそうなんだよ!?ばかなの?しぬの?」 「ゆっくちできにゃいぱちゅりーは、ゆっくちちんでにぇ!」×2 「むきゅぅぅう?どうしてそんなことい・・・れいむぅぅうう!?なにしてるのぉおお!?」 「むーしゃむーしゃ、うめっ!まじぱねぇ!むっしゃむっしゃ!!」 「わがらないよーっ!?みんなのごはんさん、どうしてたべちゃうのー!?」 でいぶ一家は、長ぱちゅりーの話を相変わらず無視し、 こともあろうに群れ全体の食料庫に飛び込むように顔を突っ込んで、 慎ましく蓄えられていた食糧をめちゃめちゃに食い荒らし始めたのである。 「むっしゃむっしゃ!これはれいむのおうちにおちてたごはんなんだよ!?れいむのにきまってるでしょ!?」 「わがらないよぉぉおお!?」 赤でいぶ達も母でいぶに負けていない。 「うんうんしゅるよ!しゅっきりー!むーちゃむーちゃ、うんうん、しゅっきりー!」×2 食ってはうんうん、食ってはうんうんを繰り返し、群れ全員分の食料を、 うんうんに変えてしまうか、もしくはうんうんまみれにして食べられないようにして、 いもむしさん一匹・木の実一個すら残さず台無しにしていく。 「と、とかいはじゃないわ!?ここはごはんをためておくばしょなのよー!?」 それはまさに、群れを丸ごと餓死に追い込むことを望んでいるとしか思えない、 でいぶの本領を発揮した衝撃的な姿だった。 この、群れのゆっくり達からすれば理解を超えた怪物のような振る舞いには、 群れ全員が呆然としてしまい、でいぶ一家を止める気力すら吹き飛ばしてしまっていた。 「わ・・・わきゃらな・・・」 「む・・きゅ・・・」 そこに、でいぶ一家はさらに付け込む。 ぐしゃ!ゆぴぃいいいいい!? それから少し経った頃、洞窟内に赤ゆっくりと思しき悲鳴が響いた。 「むぴゃぁぁああん!?はなしちぇぇぇえ!?」 「やめちぇにぇ?まりしゃのおぼうち、かえしちぇぇぇ!?」 食料貯蔵庫の前で呆然としていた長ぱちゅりー達が振り返ると、 そこには悲惨な状況になった食糧貯蔵庫以上にゆっくりしていない光景があった。 「む、むきゅう!?おちびちゃんたちに、なにするのぉぉおお!?」 そこにいたのはでいぶ一家と・・・母でいぶにお飾りを奪われ踏みつけられた、 長ぱちゅりーのおちびちゃん達だった。 それはぱちゅりーが、今は亡きだーりんのまりさから授かった、 大事な大事な2匹だけのおちびちゃん達だった。 「みゃみゃあ!!たしゅけ『ぺしっ!』ゆぴぃ!!」 「ばーきゃばーきゃ、ゆっくちしちぇにゃいまりしゃは、ゆっくちくるしんじぇにぇ!」 「れいみゅたちに、ぷくーっなんてしたばちゅだよ!ゆっくちちね!」 ぽにゅん!ぺしょん! 父まりさそっくりの勇敢で妹思いの赤まりさは、 母でいぶにお帽子を奪われた上、赤でいぶ2匹から執拗に体当たりを繰り返され、 元の可愛らしい笑顔が想像できないほどに、全身痣だらけになってしまっている。 「むぴゅ・・・きゅ・・たちゅけ・・」 「ゆふぅん。うごくと、おぼうしがゆっくりできなくなるよぉ。」 その赤まりさの妹、長ぱちゅりーそっくりの、穏やかで姉を慕っていた赤ぱちゅりーは、 赤まりさ同様お帽子を奪われ、体の後ろ半分を母でいぶに踏みつぶされていた。 もとより体の強くない赤ぱちゅりーは、今にも永遠にゆっくりしてしまいそうに、 ぜぇぜぇと弱りきった呼吸を繰り返し、時折苦悶の声を漏らしている。 そして、群れ全員の絶望しきった表情に満足した母でいぶは、 赤ゆっくり達のお帽子を加えた口から、決定的な言葉を発したのであった。 「ゆふん!れいむをむれのおさにしてね!さもないと、このおちびちゃんたちがゆっくりできなくなるよ!」 「みんにゃ、れいみゅたちのどれいになっちぇにぇ!」 「みんにゃ、ゆっくちしたれいみゅのどれいなんだにぇ!こうえいにおもっちぇにぇ!」 。 「れいむたちは、もっとごはんがないとゆっくりできないよ! みんなもおうちから、さっさとごはんさんをもってきてね!ぜんぶでいいよ!」 洞窟の中は、一気に静まり返った。 「む、きゅ。・・・・・・。」 そして、これがでいぶ一家の最大の失策となった。 「・・・・・・わかるよー。」 群れ全員の目から動揺の色が消え、その表情から感情が急速に消えうせていく。 「おさー。『おきて』は、ちゃんとまもるよー。」 「むきゅ。・・・みんな、『おきて』のとおり、おねがいするわ。」 「・・・りょうかいだみょん・・・」 もそもそもそもそ・・・・ それは、群れ全員がまるで一匹の巨大な生き物に変わったかのような、 あっという間の動きだった。 その場にいた群れゆっくり数10匹が、 まるで打ち寄せる波のように隙間なくでいぶ一家を囲み、 その囲いを徐々に狭めていく。 「ゆ・・・?ゆぅ?な、なにしてるのぉぉおお!?おちびちゃんたちが、えいえんにゆ『おちびちゃんたち!!』」 母でいぶとほぼ同時に、長ぱちゅりーも声を発する。 「ゆ・・・ぴぅ・・・」 「むれのために、えいえんにゆっくりしてね!むきゅ!!」 ゆっくちりかいしちゃよ・・・・・・ ごぼぼっ!!ごびゅ!ゆびぇ・・・ その言葉とほぼ同時に、長ぱちゅりーのかわいい2匹のおちびちゃん達は、 自分達から餡子とクリームを大量に吐き出し、永遠にゆっくりした。 「な、なにじでるのぉっ!?ゆわぁぁああ!やめでね!ごっぢごないでねぇええ!?」 「ゆぴぃ?ゆっくちできにゃいぃいいい!?」×2 そして、何の障害もなくなった群れゆっくり達は、 逃げ場のないでいぶ一家を『掟』通り傷一つ付けずに捕らえ、 『掟』通りえーき様の簡易裁判の場に連行したのであった。 こんなわけで、でいぶ一家は群れに出会って20分もしないうちに数々の罪を犯し、 裁判を受けることになったのである。 でいぶ一家の誤算は、2つあった。 1つは、この群れにドスが与え、根付かせた数々の掟の中に、 このような非常事態に対する対処法が存在していたことである。 その掟とは、 『ドス以外のゆっくりが群れの幹部になる時は、みんなで相談して決めるよ!』 『ムリヤリ幹部になるのは、ゆっくりできないゆっくりだよ!』 であり、 『ゆっくりできないゆっくりに捕まったら、足手まといだからさっさと死んでね!』 『ゆっくりできないゆっくりは、捕まえてからじっくり痛めつけてあげてね!』 『痛めつける方法は、ドスがちゃんと考えるよ!ひゃっはー!』 であった。 そしてもう1つは、この群れの『掟』が、 他の群れとは比較にならないほど強力な縛りをゆっくり達に与えていたことである。 通常の群れで掟と言えば『言い伝え』とか『道徳』程度の存在感しかないのだが、 かつてドスによって、れみりゃ以上のトラウマとして植えつけられた『掟』破りに対する恐怖は、 ドスの失踪後十数年が経った現在でも、群れのゆっくり達を縛り続けているのであった。 ************************************************* そして、広場から再び洞窟奥に連行されてきたでいぶ一家は今、 『でいぶ刑』を受けている。 ぺちんっ!ぺちんっ! 「ゆぴゃぁぁあん!あんよぺんぺんは、ゆっくちできにゃいぃいいい!!」 「やめでね!おぢびぢゃんが、いだがっでるよぉぉおおお!!」 ぺちんっ!ぺちんっ! 「わかるよー。でいぶがいたがると、ちぇんはとってもゆっくりできるよー。」 「ゆぁぁあああ!!ゆっぐぢでぎないぃいいいい!?」 ぺちんっ!ぺちんっ! 顔に目出し帽をかぶった処刑ちぇん達によって、 でいぶ一家のあんよが鞭打ちの刑を受け、皮が破れないギリギリの手加減でボロボロにされていく。 それは、虐待鬼意山も真っ青のテクニックであった。 無論初代処刑ちぇんに技術指導を行なったのは、かつて群れを率いたドス自身である。 「ゆぅぅ~・・・おうちにかえるよ。」 「ゆっくちりかいしちゃよ・・・・・・。」×2 鞭打ち刑は終わり、でいぶ一家は解放された。 さすがに処刑ちぇんの技術は確かで、でいぶの『自称・すらりと伸びたカモシカのようなあんよ』は、 でいぶ自身気づいていないが、這うことくらいはできても、一生障害が残る程度に痛めつけられている。 そんな事とはさすがに気づいていないものの、でいぶも治療と休養が必要な事は感じて、 ゆっくりできるおうちで『むーしゃむーしゃ』と『すーやすーや』をするため、 処刑場である洞窟奥から、たまたま一番近くにあった横穴に向かっていった。 そして、たどり着いて中を覗いてみると、そこには別の家族、まりさとありすがいた。 「ゆゆっ!?なんな『ここは、れいむのおうちでしょぉぉおお!?さっさとでていってね!!』ゆゆっ!?」 「しょーだよ!れいみゅたち、あんよがいちゃくて、かわいしょーなんだよ!ゆっくちでていっちぇにぇ!!」 「ゆっくちしてにゃいゆっくちは、ゆっくちしにゃいで、さっさとちんでね!」 一気にまくしたてるでいぶ一家。 ちなみに、皆さんの察する通り、このおうちはでいぶ一家のモノであったことは過去一度もなく、 これまでずっと、このまりさとありすのモノである。 この強引なおうち強奪は、でいぶ一家がこれまで何度も行ってきたおうち獲得方法であった。 「・・・・・・。」×2 だが、まりさとありすは、退こうとしなかった。 まあ、でいぶ一家の強烈な『押し』に怯むのでなければ、抵抗するのは当然であるのだが。 ただし、その抵抗は、これまででいぶ一家が受けてきたモノとは、何かが違っていた。 まりさとありすの口元が、くいっっとつり上がり、でいぶに対して陰湿な笑顔を作る。 「まりさとありすがきたときには、だれもいなかったよ!だからまりさたちのおうちだよ!ゆっくりりかいしてね!」 まりさは、そう言うと同時に、 ぽゆんっ!! 「ゆぴぃっ!?」 「お、おちびちゃぁぁああん!?」 あんよがボロボロで動けない赤でいぶに、殺さない程度に加減した体当たりをぶちかました。 「どうぢでおぢびぢゃん、いぢめるのぉぉおお!?」 「ゆぴゃぁぁああん!?れいみゅたち、とっちぇもゆっくちしちぇるのにー!!」 だが(当然ながら)、まりさもありすも悪びれた様子も無く、 ニタニタと笑いながら、さらに母でいぶと、もう一匹の赤でいぶにも体当たりをぶちかます。 ぽゆんっ!!ぽゆゆんっ!! 「ゆびゃぁぁああん!!?どうぢでぇぇえ!?」 「ゆふん!ぶさいくなれいむたちは、まりさのつよさをおもいしってね!」 「ゆぅ~ん!まりさは、とってもとかいはね!さすがありすのだーりんね!」 ありすも、歯グキをむき出しにした、最高にいい笑顔でまりさとイチャイチャし出す。 そこには(当然だが)でいぶ一家の事を気遣う態度は微塵も無かった。 「このこぎたないでいぶは、もっとゆっくりできなくしようね!」 「そうね!とってもとかいはだわ!!」 「ゆ、ゆ、ゆぴぃぃいいいい!!!」×3 それから10分後、全身アザだらけになったでいぶ一家は、洞窟の中でも一番外に近く、 居心地・安全性ともに低いために、現在誰も使っていない横穴に、 ダストシュートに放り込まれるゴミ袋のように投げ込まれたのであった。 「ゆぎ、ぎぃ・・・」 「いちゃぃぃ・・・」 母でいぶは、先ほど自分に降りかかった不幸が、信じられなかった。 これまで、でいぶが正しいと信じた事は、全て正しかったのに! これまで、でいぶが望んだ事は、その通りになってきたのに! 「ゆぅぅぅ!れいむにごはんもってきてね!れいむはかわいそうなんだよぉぉおお!」 「むーちゃむーちゃさせちぇー!!!」×2 当然だれも持ってくることはなかった。 それから数十分後、 「お、おちびちゃん・・・かりにいこうね。」 「ゆぴぃ・・ゆぅ・・ゆっくちりかいしちゃよ。」×2 あんよペンペン刑による消耗もあり、さすがに空腹がシャレにならなくなったでいぶ一家は、 餓死よりはマシ、と狩りに出ることにした。 「みゃみゃ・・・れいみゅ、たくしゃんむーちゃむーちゃしちゃいよぉ。」 「ゆふふ、おちびちゃん、だいじょうぶだよ。おかーさんにまかせてね。」 強がりではない。 母でいぶは一応、こんな性格でも生きてこれただけの能力は本当にあった。 「はっぱさんをどかすよ!ゆんしょ!ゆんしょ!」 「ゆぅ?・・・ゆわぁあ!!みみずしゃんだー!」 「みゃみゃ、しゅごーい!ゆっくちー!」 森の奥ということもあって、森の土はゆっくりにとっても適度に掘りやすい。 一般的なゆっくりは、身近にあるゆっくりしたごはんに気づかず、 ちょうちょさんやバッタさんを追い掛け回す不毛な狩りを行なうものだが、 この母でいぶは、地面を掘って幼虫やミミズを捕まえる、と言う狩り方法を編み出していたのだ。 だが、 「ゆっへん!れいむは、かりのめいじんなん『ドゴッ!』ゆべぇっ!?」 その時母でいぶに、一匹のちぇんが背後から体当たりをぶちかました。 「わかるよー。」 「ど、どうぢででいぶにぞんなごどずるのぉぉおお!?でいぶはがわいぞうなんだよぉ!!」 「ちぇんはとってもおなかがぺーこぺーこなんだよー。ちぇんのほうがかわいそうなんだよー!わかってねー。」 そう吐き捨てるように言うと、ちぇんはでいぶ一家が集めたミミズを、 一匹残らず口に頬張り、むーしゃむーしゃし始める。 「ゆぴぇぇえええん!?れいみゅたちのみみずしゃんがー!?」×2 泣き叫ぶ赤でいぶ達。 だが、母でいぶは泣いてばかりではすまさなかった。 それもそうだ。 ちぇんの帽子からは、恐らく自分で集めたのであろう山盛りのミミズが顔を出していたのだから。 「ゆがぁぁあああ!!!」 ひょいっ! しかし、母でいぶの渾身の体当たりもちぇんに軽やかにかわされる。 「どうしてよけるのぉぉおお!?」 「でいぶこそなにするのー?みみずさんをひとりじめするなんて、ゆっくりできないねー。」 騒ぎを聞きつけ、群れのみんなも集まってきた。 そして、そこでもでいぶ一家の味方は一匹もいなかった。 「みょーん。みみずさんをひとりじめするなんて、ゆっくりしてないみょん。」 「ひとりじめしてるのは、ちぇんでしょぉぉおお!?」 「でいぶはほんとに、いなかものね。うそまでついて、ゆっくりしてないわ。」 「ゆぅぅううう!!うそじゃないぃいいい!!」 無駄、全ては無駄だったのだ。 でいぶ一家が、でいぶ認定された時点で、嘘も真も無く、 でいぶ一家が全ての悪者とされるのは、決定付けられていたのだから。 「わかるよー。せいっさいだよー。」 「てつだうみょん。」 「ありすも、ぺにぺにがむかむかするわ。てつだうわね。」 3匹の顔に、わざとらしいほどニタニタと歯グキをむき出しにした、いやらしい笑顔が浮かぶ。 その顔は、つい先ほどでいぶ一家を痛めつけた、まりさとありすの表情と、そっくりであった。 「ゆぁぁ、どうぢで、でいぶ、どっでもがわいぞうなのにぃいいいい!?」 「ゆぴゃぁぁああん!ゆっくちさせちぇぇぇええ!!」×2 結局、夕暮れ時になって洞窟入り口近くの横穴に帰ったとき、 でいぶ一家の収穫は、雑草が少しと全身に残る痛々しい痣だけだった。 「どうぢで・・・」 「むーちゃむーちゃ・・・ゆびぇ、にぎゃい・・。」 「むーちゃむ・・・ふしあわしぇ・・・。」 雑草でも腹が膨れるだけマシだろうと、我慢してむーしゃむーしゃしてみるが、 赤でいぶはこれまでの生活で、すっかり舌が肥えていて食べることができない。 やむを得ずでいぶ一家は、もはや夕暮れで暗くなった洞窟内を這いずり、他の食料を探すことにした。 そして、意外と早く別の食事を見つけることができた。 洞窟内には、新参のでいぶ一家にとっては不思議な事に、 壁のところどころにキレイなお花が飾ってあったのである。 それは、この群れが多少なりとも裕福な、憩いを求めるだけの余裕がある群れである証明であった。 洞窟内をお花やキラキラ光る石で飾り、夜や雨の日でもゆっくりできるように、という。 そんなこと、お腹を空かしたでいぶ一家には関係ない事であったが。 「おちびちゃん!ゆっくりしたおはなさんがおちてるよ!ゆっくりむーしゃむーしゃしようね!」 「ゆっくちー!きっと、れいみゅたちがゆっくちしちぇるから、 おはなしゃんがむーちゃむーちゃされたがっちぇるんだにぇ!!」 「きゃわいくっちぇ、ごめんにぇっ!!」 「「「ゆっくり(ち)いただきます!!」」」 ぼゆんっ!! 「ゆぴぃぃいい!?」 まさに、お花をお口に頬張ろうとした瞬間、背後から強烈な衝撃を受けたれいむ一家は、 もはや踏みとどまる事も出来ずに、顔面から地面に思い切りよく突っ伏した。 「・・・・・・。」 でいぶ一家がよろよろと背後に振り返った時、そこにはニタニタと嗜虐的な笑みを浮かべた、 一匹のありすが立っていた。 「とかいはなおはなさんを、むーしゃむーしゃするなんて、とんだいなかものね!!」 「でいぶはがわいぞうなんだよぉ・・とってもおなかがすいて・・・」 「おはなさんがかわいそうでしょぉぉお!?ばかなの?しぬの? おはなさんは、とかいはなありすが、とかいはなこーでぃねーとのためにつかってあげるのよ!」 「で、でも、でいぶたちはおなかが・・・」 「そんなのどうでもいいでしょぉおおお!? ありすのこーでぃねーとのために、でいぶたちががまんするのはとうっぜんなのよ!?」 「ゆ、ゆぅぅうううう!?」 無論この後、すでにボロボロのでいぶ一家に対してありすから一方的な折檻が行われたのは、 描写するまでもないであろう。 散々だった。 初体験の事ばかりだった。 でいぶは、こんなに勝手で、容赦のない、情の欠片も無いゆっくり達の群れを、他に知らなかった。 自分達のことは棚に上げて。 そして、でいぶ一家は空腹を全く癒すことができず、 這うのもやっとという有様で元のおうちに戻ったのであった。 怪我だらけ、空腹、情けないやら惨めやらといった満身創痍の有様でおうちに戻ると、 そこには、先ほどとはまた別のみょんが、まるで自分のおうちであるかのようにくつろいでいた。 「ゆっくりできないおうちだけど、とくべつにゆっくりしたみょんがつかってやるみょん。 ありがたくおもうみょん。」 。 おうちが、今度こそ本当に奪われたのだった。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆぁぁああああああああああ!!」 叫ぶ母でいぶ。 だが、みょんはそんなものそよ風程度にも気にせず、ひょこりと姿勢を直して、でいぶに言い放った。 「でいぶがうるさいみょん。みょんは、『あいじんよう』の『まんしょん』がひつようなんだみょん。 このおうちはつかってやるから、ありがたくおもうみょん。」 「ど、ど、どうじでそんなごどいうのぉぉおお!?でいぶ、でいぶはぁぁああ!?」 「「「うんうんしゅるよ!」」」 「ゆゆっ!?」 そんな、泣いているのか怒っているのかよくわからなくなってしまった母でいぶの後ろから、 聞き覚えのない赤ゆっくりたちの、すーぱーうんうんたいむ宣言が聞こえた。 「ゆぴ・・・ぴぃ・・・」 「く、くちゃ・・いぃ・・・・・」 「「「しゅっきりー!!」」」 背後を見れば、母でいぶの可愛い2匹のおちびちゃん達が転ばされ、 周囲を囲んだ赤・子ゆっくり達に一斉にうんうんを浴びせられていると言う、 ゆっくりできない光景が広がっていた。 「ゆぴぃぃ・・・でいびゅ、おといれしゃんじゃ、にゃいよぉ・・・」 そして、空腹が限界に達していた赤でいぶ達に、それを逃れるだけの体力は残されていなかった・・・ 「くそでいびゅのあかちゃんは、うんうんよりきちゃにゃいんだよ!」 「まりしゃたちのうんうんで、きれいきれいにしてあげるにぇ!」 うんうんまみれで虫の息の赤でいぶ達を囲んでいる赤・子ゆっくり達の表情は、 これまででいぶ一家を痛めつけてきた群れのゆっくり達同様、 ニカッと歯ぐきをむき出しにし、喜びを前面から溢れださせているような、とても不快な笑顔を浮かべている。 「ゆぎ、ゆぎぃ、ゆぁぁああ!!おぢびぢゃ、どうじでぇ、どうぢでごんなごどずるのぉぉおおお!?」 ぽゆんっ!! 「のろみゃー。」 ぽゆゆんっ!! 「でいびゅは、こっちこないでにぇっ!」 「ゆぎぃぃいい!!どうぢでにげるのぉぉおお!?でいぶがかわいそうでじょぉぉおお!?」 母でいぶは、こんな仕打ちをした赤ゆっくり達をせいっさいしようとするが、 もはや体力が残されていないでいぶは、それもかなわず、軽快に跳ね回る赤ゆっくり達に逃げられてしまう。 「どうぢで、どうぢで・・・、でいぶはがわいぞうなんだよぉおお!?どうぢでいぢめるのぉおお!?」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、」 「お、おぢびぢゃぁああん!?ゆっぐぢぢでぇぇええ!!」 そしてついに、赤でいぶ達は非ゆっくり状態が続いたストレスで、ゆ、ゆ、ゆ、と最後の痙攣をはじめる。 「ゆ・・・どうぢで、ゆっぐぢさせちぇ、くれにゃいにょ・・・?」 「こどもを、・・ゆっぐぢざぜない、ぐぢゅおやは・・・ちねぇ・・・」 うんうんまみれで、空腹で、全身ボロボロの赤でいぶ達の恨みは、 もはやそれをした群れのゆっくり達にまで届かない。 その恨みの視線は、ただひたすら、自分達をゆっくりさせるために存在する奴隷、 つまり、母でいぶに向けられていた。 「ゆぁぁあぁああああ!!どうぢで、どうぢでぇぇええ!!」 「・・・あなたにされたことを、そのままかえしただけよ、むきゅん。ゆっくりりかいした?」 振り返る母でいぶ。 そこには、長ぱちゅりーが悲しそうな表情で立っていた。 「むきゅ。おもいだして。れいむは、みんなにどんなことをしたか・・・」 「ゆ・・・でいぶは・・・」 「じぶんがゆっくりするために、ほかのゆっくりのおうちを、とったりしなかった・・・?」 「ゆぅ・・・でも・・・」 「じぶんがゆっくりするために、ほかのゆっくりのごはんを、とったりしなかった・・・?」 「ゆぅぅ・・・」 「ほかのゆっくりのおちびちゃんを、いじめたり、ころしたりしなかった・・・?」 「ゆぅぅううう・・・・」 うつむく母でいぶ。 母でいぶは、一瞬、ホントに一瞬だけ、何かに気づいた、あるいは気づきそうな表情をした。 「・・・ぃぃ・・・ぃぃいいぅぅう・・・・」 母でいぶはうつむいてぱちぇから視線を外し、歯を食いしばって、 こみ上げるモヤモヤした感情を必死にこらえる。 「ぃぅうぅううぃぃ・・・」 だが、それでもでいぶは所詮でいぶだった。 モヤモヤとした感情を、自分に向けられた悪意に対する猛烈な怒りに変え、 でいぶはすべての負の感情をむき出しにした、憤怒に塗り固められた顔をあげた。 「ゆぎ、ぎ、ぎぃ、ぱちゅ・・・」 そうして顔を上げた母でいぶの目の前には、だらしない笑みを浮かべ、よだれを垂らして喜ぶ、 下品でゲスな表情をした長ぱちゅりーの顔があった。 「むきゅふぅううう!!ゆっくりできないでいぶが、めーそめーそないてるわぁ、 とってもきぶんそうっかいね!ぺろんぺろ~ん!!むっきゅり!」 ぱちゅりーは愉快そうに笑いながら、舌をぺろんぺろんさせ、 おちびちゃんが永遠にゆっくりしそうで悲しんでいるでいぶを、思いっきり小馬鹿にしていた。 そう、全く、でいぶになど一欠片の同情も与える価値は無いと、そう言うかのように。 「ゆ・・・ゆぎひぃぃいいいあああ!!」 怒り、憎悪、絶望、あらゆる負の感情を全身からほとばしらせた母でいぶ。 しかし、所詮あんよをズタズタにされた母でいぶには、何もできなかった。 「むっきゅ~ん。たのしいたのしい『すーぱーせいっさいたいむ』はおわりよ!みんな、でいぶたちをはこんでね!」 「こふー・・・わかるよー・・・こふー・・・」 「ぐるなぁぁああ!!でいぶにちかづくなぁぁあああ!!ゆぁぁあああああ!!!」 長ぱちゅりーに寄り添うように立っていた処刑ちぇん達が近づく。 だが、でいぶ一家に逃げ場など存在しない。 母でいぶが気が付いた時には、周囲には長ぱちゅりーとまったく同じ、 ゆっくりしてない下品な笑みを浮かべた群れのゆっくり達がとり囲んでいたのだから。 この後、でいぶ一家に待っていたのは、処刑ちぇん達による、最後の仕上げだけだった。 親子ともども、まむまむに木の枝を突き刺され、 餡子の臭いが壁全体にこびりついた、洞窟の近くにある木の洞に放り込まれた。 洞の中には、あらかじめそこらの雑草を、それこそ半年は食べられるほど山盛りで突っ込まれている。 動けないでいぶ一家でも、味に不満を言わず、食べる量さえ節約すれば、 当分生き続けることができるであろう。 「ゆぁぁあああ!!やべでぇぇえ!ゆっぐぢぢだい、ゆっぐぢぢだいぃいいい!!」 「ゆぴぃ・・・やめちぇ・・・・・・」 「こんにゃの・・ゆっくり、できにゃ・・・」 そして処刑ちぇん達の手で、洞の入り口は、固く固く閉じられたのであった。 。 この『でいぶ刑』で閉じられた洞は、越冬期などを挟む事があるにしろ、概ね半年ほどで開けられる。 雑草とはいえ食料を満載して閉じられるのは、 生き延びるだけの気力と能力があれば、生きて出る事も出来るようにだ。 この群れにおける処刑とは、命を奪うことでなく、あくまでも罪に応じた罰を与えるためのものなのだから。 だが、この洞を開けたとき、生きたまま外に出てきたでいぶは、これまで一匹もいない。 洞を開けた時飛び出すのは、いつも決まって、大量の羽虫や良くわからない昆虫達だった・・・・・・ 今では、この群れの中に伝わる教えの中ですら、このように言い伝えている。 善良なゆっくりの体は土に還り、 ゲスやでいぶの魂は死後虫に変わる。 ゲス達は善良なゆっくり達の糧になるまで、永遠にゆっくりした眠りを得られない・・・ ************************************************* 後日、群れの集会。 「むきゅ~。どすのおきては、ちゃんとまもらないとだめだけど・・・でいぶのまねってつかれるわ。」 「わかるよー。」 「ゆふぅ・・・とってもゆっくりできないみょん。」 「そうね。あんなとかいはじゃないこと、せいっさいでもやりたくないもの・・・。」 誰もが、無理して作ったキモチワルイ笑顔でこわばった顔をほぐすように、 のーびのーびしたり、すーりすーりしたりしながら、嫌な目に遭ったと言わんばかりの表情で話し続ける。 今日の議題は、『でいぶ刑』なるゆっくり出来ない刑を廃止して欲しいと言う内容だ。 「ねぇ、えーきさま。もっとちがうほうほうって、なにかないのかしら。ありすたちも、あんなのやりたくないわ。」 だが、かつて群れの秩序維持を、伝説のドスまりさに託されたえーき様(金バッジ付き)は、 厳格な表情を崩すことなく、その甘い意見を一刀両断する。 「くろっ!」 (訳: 却下。 我らが群れの掟は、偉大なる開祖ドスまりさによって制定された、 時代をも超越した法の中の法である。 とはいえ、もし万が一、掟が群れを取り巻く環境の変化によって、 著しく不具合を生じているのであれば、群れ全員の討議によって改正するもやむを得ないであろう。 しかし、少なくとも『でいぶ罪』および『でいぶ刑』に関する事柄において、 さような不具合が出ている事実は存在しないとえーきは判断する。 よって、個人的な都合、一時的な感情によって掟を改正する必要は断固として認められない。) 「む、むきゅぅ・・・」 そう、こうして掟は、もはや伝説の中の存在となったドスがいなくなってからも、 ずっと、ずっと変えられることなく守られ続けられてきたのである。 群れの洞窟に、伝説のドス、 いや、ドスに扮して群れを教育したお兄さんによって設置されたビデオカメラが、 すっかり使われなくなって久しい今でもなお。 「ゆぅ・・・。しょうがないわ。むきゅん・・・。」 「ゆぁーん。れいみゅ、もうでいびゅ、しちゃくにゃいよー。」 「あんにゃの、ゆっくちできにゃいよぉ。」 「だめよ。おきてをまもって、ゆっくりできないことでもやるの。 そうしないと、とってもゆっくりできなくなっちゃうのよ。」 「ゆぅーん。ゆっくちりかいしちゃよ。」 そうだ。 結局、この群れはもはや、これまでとは違う掟、違う生活などできはしないのだ。 これからも、 何らかの自然災害か、 他の大規模な群れによる襲撃か、 人間による駆除がやってくるまで、永遠に・・・ だから、長ぱちゅりーと群れのゆっくり達は、 ただ一つだけ、いつまでたっても解けない疑問を抱えながら、これからも掟を守って生きていくのである。 「むきゅぅ・・・どうしてでいぶは、こんなゆっくりできないことをするのかしら・・・むきゅん。」 挿絵:街中あき
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『でいぶ虐め』 昔々あるところに、性格の悪いクソでいぶがおりました。 でいぶは、どこにでもいるでいぶと同じように、好き勝手な理屈でわがまま放題を続けました。 可愛い自分にご飯を寄こせ、と言っては他のゆっくりが必死に集めたご飯を奪う。 しんぐるまざーでかわいそうな自分をゆっくりさせろ、と言っては他のゆっくりのおうちを奪う。 逆らうなんてゲスに違いないから制裁してやる、と言ってはまだ幼い赤ゆっくりを踏みつぶし悦に浸る。 ゆっくりの捜査能力はゼロといってよく、 特にゆっくり殺害時には家族ごと全滅させていたので、 一応でいぶは制裁を受ける事はありませんでした。 とは言え誰が悪事を働いているかなどと言うことは大体わかるものです。 こんなでいぶを他のゆっくりが好ましく思うはずはありません。 でいぶはその内、誰からも避けられ、無視され、群れからも追い出されそうになりました。 いつしか群れのみんながでいぶを監視するようになったので、今では下手な略奪もできません。 でいぶがいかに高貴にして神聖、強大な力を持っているとはいえ、 相手は野蛮で数にモノを言わせるゲス達、勝ち目は薄いでしょう。 そんなわけで困ったでいぶは、群れの住む町中の空き地を飛び出し、 町中にたくさんいる人間さんを脅して、食糧とおうちを手に入れる事にしました。 ・・・・・・ どごっ! 数分後、でいぶは一人のお兄さんに蹴り飛ばされ、空き地へと帰ってきていた。 どむっ! 「ゆびぃいいいい!!いじゃぁぁああい!?」 「てめぇ。なんて言った。」 「ゆぁ、ゆぎゃぁぁあああ!!もみあげさんひっぱらないでぇぇえええ!!」 みちみちみちみち・・・ぶちっ!! 「ゆびゃぁぁああ!!れいむのしるくみたいにつややかなもみあげさんがぁぁああ!?」 「家と食いもんよこせだぁ?なめんなよ、ゴミが。」 どむんっ!! 「ゆぎぃ!?けらないでぇ!!どうぢで、どうぢでごんなごどずるのぉおおお!? でいぶはしんぐるまざーなんだよ!ゆっぐぢさせなきゃだめでしょぉおお!!」 ごっ!ぼむ!!ぼぐっ!ぼぐっ!! 「ぴやぁぁあああ!!たたくなぁぁあ!!くそどれい!くそど『どごむっ!!』ゆびぇぇ、でいぶのまえばさんがぁぁ・・・」 「おい、てめぇの家はどこだ。ここに住んでんだろ?『ゴッ!ゆびぃっ!』早く言え。」 痛みで意識が遠のきつつあるでいぶは、引きちぎられていない方のもみあげで、 空き地の奥、茂みの中に置かれたダンボールの方を指した。 「ほぉ?これか。おい。ガキども、いるか。」 もしょもしょ・・・ お兄さんの声に反応したのか、中からはでいぶの可愛いおちびちゃん達、3匹の赤でいぶが顔を出した。 「ゆぅ?じじいはだれにゃの?かわいいれいみゅをみにきちゃの?」 「きゃわいくってごめんにぇ!」 「ゆっくちしたら、あみゃあみゃもってこい!くしょじじい!もってきたら、しゃっしゃとしんでにぇ!」 どむっ!! その瞬間、でいぶのおうちは、貯め込んだ食料と、家財道具と、赤でいぶ達を入れたまま、宙高く舞い上がった。 お兄さん渾身の蹴りによって。 「「「おしょら!」」」べしゃべしゃべしゃんっ!! そして、勢いよく空き地の木塀に叩きつけられ、餡子の染みを三つ残してバラバラに飛び散った。 「・・・でいぶのがわいいおぢびぢゃぁぁああん!!どうぢで、どうぢでぇぇええ!!」 「可愛くねえからだろ。ゴミを3つも生産しやがって。」 どごっ!!ごっ!どむっ!どごっ!!ごっ!どむっ!どごっ!!ごっ!どむっ!どごっ!!ごっ!どむっ! お兄さんはそれだけ言うと、さらにでいぶを折檻し続けました 「てめぇがゆっくりしてるだぁ?ふざけんなよ。不細工なゴミ饅頭。」 「ゆ・・・ぐぢ、ぢでる・・・ゆっぐぢ・・・」 「てめぇがゆっくりしてるなら、どうして誰も助けねぇんだよ。おら、おい。聞いてんのか?」 でいぶが、まぶたが腫れあがって半分閉じた視界で、必死に周囲を見回すと、 あるまりさは茂みの影から、あるみょんはおうちの中から、それこそ空き地に住み着いた群れのゆっくり達が、 全員でいぶとお兄さんを覗き見る姿が見えた。 だが、その中の誰ひとりとして、でいぶを助けようというそぶりを見せるゆっくりはいなかった。 それに、ゆっくりだけでは無い。 空き地の隣家では、でいぶの泣き声に迷惑そうな表情を浮かべる中年男性もこちらの様子を見ている。 空き地前の道路では、買い物帰りのお姉さんや、早く空き地でサッカーをやりたそうな少年達もこちらを見ている。 その中には、飼いゆっくりを連れている少年少女もいた。 だが、その人間さん達も、飼いゆっくりも、誰ひとりとしてでいぶを助けようとはしなかった。 「おら、どうだよ。理解したか?」 「ゆ・・・ゆぁぁ・・・みんな、みんなげすだがらぁ・・・だがら、だずげでぐれな」 どごっ!! 「ゆびぇぇ・・・」 「てめぇを助けるヤツなんざいねぇんだよ。まだわかんねぇみてぇだな。おい。」 ごっ!どむっ!どごっ!!ごっ!どむっ! 「おい。ゴミ。『れいむはごみです。ゆっくりできないくそれいむです。』って言ってみろよ。」 ごっ!!ごっ!ごっ!ごっ!ごっ!ごっ!ごっ! お兄さんは、でいぶの後頭部を掴み、その額を何度も何度も地面に叩きつける。 「いぎっ!ゆびぃ!やべぢぇ!ゆべっ!」 「ほら、ゴミって言ってみろよ。ごみっ!ごみっ!ゴミッ!ゴミッ!ゴミッ!ゴミッ!ゴミッ!・・・」 それが10分ほども続いた頃、でいぶは何だか、自分が本当にゴミになったような気分になっていた。 「れ・・いむ・・・ごみです・・・ごみ・・・ごみ・・・」 「ちっとは理解したか。」 そしてお兄さんは手を休めると、周囲を見渡しながら空き地内のゆっくり達に声をかけた。 「おい!野良ども!ちょっとこっちに集まれ!出てこないと家ごとぶっ潰すぞ!!」 カサカサカサカサッ・・・・!! 先ほどまでのお兄さんの狂行を見ていた野良ゆっくり達は、 ゆっくりらしからぬ迅速さででいぶの周りに集合する。 「お前ら。このれいむと知り合いか?」 「む、むきゅ!れいむは、ぱちぇのむれのいちいんよ!みんなここにすんでるの!!」 「ふーん。」 それだけ聞くと、お兄さんは手に持っていた買い物袋を漁り、 野良達にもおなじみの毒薬、餃子についてるラー油を取り出した。 「えーと、こいつでいいか。」 さらに、空き地におちていた泥だらけの割り箸を拾うと、それにラー油を塗る。 そして・・・ 「おい、お前ら。このれいむに恨みがあるヤツは、この割り箸を、どこにでも好きにブッ刺していいぞ。」 「「「「ゆゆゆっ!?」」」」 「誰も恨みが無いなら別に何もせんでいい。俺がコイツを踏みつぶして終わりだ。」 群れのゆっくり達は、顔を見合わせた。 野良ゆっくり達は、みんなラー油の危険性をよく知っている。 うっかり一滴舐めた時の痛み、苦しみ。 あの猛毒を、さんざん折檻された惨めな姿のでいぶの体内にねじ込めと言うのである。 どうせ死ぬなら、あの苦しみを味わうことなく、一気に潰されたいであろう。 「・・・・・・。」 でいぶは、その話をぼぉっと聞きながら、せめてひと思いに殺される事だけを願っていた。 「まりさにやらせてね!!」 「・・・・・・ゆ?」 一匹のまりさが名乗りを上げた。 「おお。まりさだけか?」 「まつみょん!みょんだってれいむをぶっころしたいみょん!!」 「まちなさい!ありすもりっこうほするわ!むほぉおお!!」 「むきゅむきゅ。それじゃ、むれのおさとして、ぱちぇもさんかしておくわ。」 群れの成体ゆっくり全員が名乗りを上げた。 「・・・・・・ゆぅ?」 「まっちぇにぇ!ゆうかもやりちゃいわ!わくわく!」 「わきゃるよー!!ちぇんもやりゅよー!!」 「めしゅぶたてんこにもやらせちぇにぇ!ちゅいでに、てんこにもさしちぇにぇ!」 赤ゆっくり、子ゆっくり達も全員名乗りを上げた。 「なんだ。随分恨まれてるじゃねえか。」 「むきゅん。しょうこぶそくでせいっさいできなかったけど、 このれいむには、かぞくをころされたゆっくりもおおいわ。どうせしぬなら、おもいっきりせいさいするわね。」 「・・・・・・・して。」 でいぶが、生気を失った表情を向けて、お兄さんに語りかける。 「おに、いさん・・・おねがい・・・いっきに・・・ころして・・・」 「ダメだな。理解したろ。お前は好かれていない。嫌われてる。恨まれてる。 さんざん自分勝手な事して迷惑かけたみたいだな。お前は苦しんで死ね。」 「そ・・・そんな・・・」 その姿を見て同情を向けるゆっくりは、一匹もいなかった。 「さて。おい、まりさ。ちょっと待て。」 「ゆ!?とめないでね!おにーさん!!」 「いや。その割り箸で刺してたら、お前ら全員に順番がまわる前に死んじまう。こっちにしとけ。」 そう言って、お兄さんはラー油を塗りたくった竹串を渡した。 「自分がゴミだってことを理解させてから殺してやれ。」 「「「ゆっくりりかいしたよ!!」」」 「・・・や・・・やべでぇ・・・ごべんなざいぃ・・・」 でいぶは、自分の行い全てを告白させられ、 自分がどれほど皆に迷惑をかけ、恨まれ、憎まれ、 どれだけ罪深いゆっくりだったかについて、完璧に理解させられてから殺された。 最期まで一瞬もゆっくりさせてもらうことなく。
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『愛するでいぶ』 7KB 愛で いじめ 小ネタ 改造 昔どこかでこんなの見たことが 初投稿 虐待なのか愛でなのか微妙に判別し辛いかも 『愛するでいぶ』 僕はでいぶが好きだ。面の皮が厚く、極めてタフだ。公園でも森でも適当に漁ればすぐに見 つかるあたりも、不便がなくていい。 「ゆ? でいぶになにかよう? あまあまもってるならはなしくらいはきいてあげるよ! で いぶはこころがひろいからね、20あまあまくらいでいいよ! おい、きいてるのかくそどれ い?」 よしよし見つかった。 僕は鼻歌まじりででいぶのもみあげを掴む。 「いぎ!? いだっ、いだっ! なにするんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! でいぶのびいなすが おそれおののくもみあげえええいだだだだいだいだいだいだい!」 暴れるでいぶの下腹部を適当に痛めつけ、僕はアパートに帰宅する。一人暮らしではあるが、 アパートの壁は薄いので、まず最初に口を塞がなきゃならない。 「よぐもやってくれだね!? でいぶおこってるよ! くそじじいはさっさとあまあまもって ごいいい!」 はいはい、持ってきましたよと。ガスバーナーやコンロ、半田ごてと口を塞ぐには色んな方 法があるけど、僕のような目的がある場合は、どれもお勧めしない。 多少手間は掛かるけど、小麦粉とオレンジジュースで塞ぐのが常道だろう。 僕はでいぶを、台所のでいぶ専用まな板に載せる。さて、まずは口臭を確認……生ゴミの臭 いはそれほどキツくはない。ともあれ、まずはこの口を掻き出さなくちゃ駄目だな。 「でいぶのみわくてきなくちびるをいじるなあああ! さっさとあまあまもってこいくそじじ じいいいいい!」 雑音は無視して、まずは……歯を全部引っこ抜こう。もう必要ない し。 ペンチを使って、奥歯から順々に抜いていく。 「い……いがああああああああああああ!? やめで! やめでえええええええええええええ ええええ! いだふがっ! いだいいだいゆっぐりでぎないいぃぃぃ!」 無視して、汚らしい歯を一本一本抜いては砕き、ゴミ箱に捨てていく。 「ふがががががががっ! はがあああああ! はがあああああいだいいいいいいいい! や゛ め゛ろ゛おおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!」 歯を引っこ抜いても、口臭はまだ気になる。続いては香料がややキツ目の液状石鹸だ。たわ しにたっぷりとまぶして、咥内を洗浄していく。 じたばたと暴れるでいぶに、傷がつかないよう下腹部を殴る。 「おががおがおががおごあががががががが! ぎもぢばるいいいいいいいいいいいい!」 おっと。舌を引っこ抜くのも忘れずに、と。 もう一度口臭を嗅ぎ、石鹸の匂いしかしなくなったことを確認すると、僕は小麦粉とオレン ジジュースを使って口をきっちり埋めていく。 ここからは慎重な作業を要求されるので、ラムネで強制的に麻酔を掛ける。 口元が盛り上がらないよう、逆に口から飲み込まれすぎて餡に変換されないよう、細心の注 意を払ってでいぶの口を無くしていく。 「よし、と……」 口が完全に埋まったことを確認すると、続いて頭を剃っていく。砂糖細工の毛が残っている と、ちくちくするので頭をほぼ丸ごと剥がしてから、小麦粉で埋め立てるのが手っ取り早い。 とはいえ、カミソリでスパッと剃るのも気持ちがいい。初心者は皮を剥ぎ、ベテランならカ ミソリで完全に剃るのが無難だろう。 僕は既にこれを作り始めて長いので、カミソリで皮一枚剥がさず、髪の毛だけを剃ることが できる。 さて、残る行程は四つ。 (ゆ? ゆゆ? あたまががるくなっだぎがずるよぉぉ) あら、起きたか。 (あれ? どうしてでいぶはしゃべれないの? おいくそじじい。どういうことなの?) 何か問いたげなでいぶの頬をしっかりと握り締め、スプーンでつるんとした眼球を抉り出す。 (…………え? え? え? えぇぇぇぇぇっ!? なにずるのおぉおおおお! でいぶのお べべじゃんがあああああああ! みえないいいいい! なあああんんいもびえないよおおおお おおおおおおおおおおおお!) そこにも小麦粉とオレンジジュースを流し込んで埋めていき、最後に瞼を切り落とす。 これでもう、でいぶは何かを見ることはできない。 さあ、続いてはまむまむとあにゃるだ。洗浄して、去勢して、小麦粉とオレンジジュースっ と。 (ぐらいいいいいいいいいい! まっぐらでなんにもみえないいいいいいいいいいいい! い やあああああ! まむまむとあにゃるをもてあぞばれるううううう!) 両方とも埋めて、臭いを確認。……よし、問題なさそうだ。どうやら、つがいのまりさを酷 使してゴミをあまり食べてこなかったタイプのでいぶらしい。 生ゴミを貪るタイプのでいぶは、一度あまあまと薬草を配合した餌を食わせて、古い餡を吐 き出させる必要があるのだが、そこに至るまでに一度餌を与えるというのが、虐待派の人には ストレスが溜まる作業なので、要注意かもしれない。 次に、あんよを動けなくする。簡単にやるなら、焼いてしまっても構わないが感触が気にな る、という人も多いだろう。 なので、まずあんよの厚い皮を適度に薄く切ってから、小麦粉をあんよにふりかけ、オレン ジジュースで伸ばしていくのがもっとも簡単だ。 あんよ独特の蠢きも、小麦粉で固められてしまえば不可能になる。 (どぼぢでにげられないのおおおおおおおおおおおおおおおお!) 残るは全身洗浄。 あまり水を当てすぎると、でいぶの厚い面の皮といえどもふやけてしまって用をなさなくな るので、スピード重視で、テキパキと仕事を片付ける。 (あぎぎぎぎぎ。おみずいやあああああああああああ!) 水と洗剤で全体の汚れを落とし、脱臭剤をつけて臭いを確認。 ……よし、どうやら大丈夫そうだ。 (なにごれええええええええええ! ゆっぐりでぎないいいいいいいいいい! うごけないい いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! だずげろう゛ぁりさああああああああ! がわいいれいびゅをたすけええええええええええ!) ドライヤーで乾かせば、すぐに使用できるが天日感想の方が望ましいだろう。どうせ動かな いし。 そして自然乾燥に任せて二時間――。 (どぼぢでどぼぢでどぼぢでええええええええええええええええ! うごげええええええええ えええええええええ! ぐぞあんようごげええええええええええええええええ!!!!!) もごもごと蠢く抱き枕が完成した。でいぶはタフだ。この状態でも二週間以上はもつだろう。 動きが激しすぎる場合は、薄いラムネ注射を適当なところに注射しておけば問題ない。 そして、最後の行程が一番重要だ。 アロマテラピー用の精油を少しでいぶに振りまいて、微かな香りがでいぶから放たれるよう にする。 僕は主に鎮静作用のあるラベンダーオイルを使っている。 わくわくしながらひとっ風呂浴びてパジャマに着替え、ベッドで蠢く白い白い抱き枕をしっ かりと抱き締める。 「ああ……」 思わずそんな感嘆の息を零してしまう。 ほんのり温かく、ゆらゆら動く抱き枕。人間ではないが、人間に限りなく近いような感触。 幼い頃、母に抱き締められていた刻のような……。そんな、温かい感覚。 不眠症で悩まされていた僕は、この抱き枕を使用することによってぐっすりと熟睡できるよ うになった。 (おなが……ずいたよおおお……でぼうごけないいいいおめめがみえないいいいいく く く くちもひらけないいいいいいい!) 彼女たちには、本当に感謝している。 そう、愛していると言ってもいい。僕は彼女が返事をしてくれないのを承知で、愛と感謝の 言葉を何度も何度も夢見心地で囁くのだ。 「ありがとう、でいぶ。愛してるよ、でいぶ」 (あいじでいるならどおおおしでだずげてぐれないのおおおおおおお! でいぶはしんぐるま ざーでがわいぞうなんだからねえええええええええええええ!) 騒音もなく、臭い口もなく、動く足もなく。ただ僕に身を任せて時折震えるだけの温かくて 良い香りの抱き枕。 それが、僕にとってのゆっくりでいぶである。 (いぎゃああああああああああああああああああああああああああ! だずげでええええええ ええええええええええええええええええ!) 半月後。 僕の推測より、一日長く保ってでいぶは死んだ。餓死であろう。ゆ っくりは死ぬとすぐに硬くなり、抱き枕としては用を為さなくなるの で、ゆっくり用のゴミ箱に捨てて終了である。 さて。 また新しいでいぶを探さないとな。
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『駄目でいぶ』 7KB 虐待 ゲス 虐待人間 初投票 駄文 『駄目でいぶ』 虐待 ゲス 現代 人間 虐待鬼異惨 初投稿です 駄文 わからな(ry 回想文多すぎる 「まっでえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!」 なんか後ろから大声がする、振り返ると紅白糞饅頭(しんぐるまざー)どもが俺の後ろにいた 「でいぶたちはきんばっじのがいゆっぐりでじだ、おといれさんのばしょもわかりまず!」 「あみゃあみゃよこちぇくしょどれりぇー!」 「おじびぢゃぁぁぁぁぁぁぁん!!どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおお!」 「だまっちぇにぇ!おやのくしぇにれいみゅをゆっくちさしぇないくしぇに!!」 「まぁまぁ、何があったか知らんが話だけは聞いてやろう。」 れいむ達からの話はこういう事だった 最初に行ったとおりれいむは飼いゆっくりだった だが主人と一回公園に外出した時一匹の野良まりさにうんめいのであい(笑)をした だがある日、 そのまりさを家につれて来てしまった、 主人も飼っていいと許可をだした そこが甘かった 「おい!くそどれい、はやくあまあまをもってくるのぜ!!」 「よこちぇーくしょどりぇー!」 「れいみゅたちはあまあまがたべたいんだよ!」 「そんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 『『『ばきゃはちんでにぇ!!!』』』 三日でこのゲスっぷり まりさがゲスであったためゲスがれいむに移ってしまった れいむがしんぐるまざーになったのは翌日の事であった 「い゛じゃいぃぃぃぃぃぃぃ!!やべろぉくそどれぇぇぇ!!」 「まりしゃはゆっくちにげ『グチャ!」もっどゆ゛っぐぢしたk『グチャ!」 「どうぢてごんなごどずる゛のお゛おおおおおお!!」 「ゆっくりやめt「バキッ!」い゛じゃい「ドカッ!」ごべんな゛ざ「バァァァァァァァン!!」 主人の蹴りがれいむに当たり、れいむは玄関の外の壁に直撃した。 れいむたちのゆっくりぷれいす(笑) からまりさ達の声がする 「バキッ!ガスッ!グチャ!「い゛じゃい゛い゛い゛い゛゛゛いいいいいいい」 「おい!くしょおやたしゅけりょぉ!「グチャァ!!」 「まりさのかみもうらやむおちびちゃんがあああああああ!!」 「ゆぅ・・ばりざぁぁぁぁ」 「おぢびぢゃぁぁぁぁぁん」 「バキャ!ドゴォ!「まりざのさいきょうのおめめがぁぁぁぁ!!」 れいむは逃げるしかなかった 逃げないと永遠にゆっくりさせられる 這いずるように逃げた 「も゛うだいじょだからねぇ」 すると口の中から隠していたれいみゅを出した 「ゆぴぃゆぴぃ」 「ゆぅおじびぢゃん・・・」 それからのこと子れいみゅに全てのことを話した 近くの公園の群れに入り群れの一員となった そしてだ、また悲劇(笑)は起こった 野良ゆにとって最悪の日だった 「ゆっくりおきるよ!!」 「ゆっくちおきりゅよ!!」 れいむ達はまだ知らなかった 「ゆゆーん、ゆっくりしてってね!!」 「ゆーゆーゆゆゆーゆー」 今日は一斉駆除の日だとは 「ゆっ?み、みんなどうしたの?」 「おきゃーしゃんどうちたにょ?」 「おちびちゃんみちゃだめぇ!!」 公園にあったのは大量のゆっくりの死体だった 「うわー回収メンドっ」 「文句いうなy、うわw何この量」 公園の入り口から白い服を着た人がたくさん来た 「おちびちゃんかくれるよ!」 (まずいよにんげんだよ!) (おにいさんからきいたことあるよ、かこうじょのにんげんさんはしろいふくきてるって!) 翌日 「ゆえーんおにゃかしゅいたぁぁぁぁぁ!!」 (ゆぅどうしようごはんさんがないよ。) 「でいぶはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!わかったらごはんさんをちょうだいね!!」 「ゆぅわかったのぜ」 (でいぶはおこらせるとやっかいなのぜ) (そうだよそのてがあったよ!) れいむのきんばっじ(笑)餡子脳がだした結果だった 一日目 「れいむはしんぐるまざーなんだよ、ごはんをだしてね!」 「だしちぇにぇ!」 「わかったよー、すこしまってねー」 二日目 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!ごはんさんをだしてね!!」 「はやくだしちぇねぇ!」 「ちーんぽ びっくまら まぐなむ!」 四日目 「でいぶはしんぐるまざーなんだよ!!わかったらごはんさんをぜんぶだしてね!!!」 「しゃっしゃとしりょ!くしょまりしゃぁ!!」 「ゆぅ、ごはんさんなんてもってないのぜ。」 「ごはんもってないつかえないくそまりさはゆっくりしねぇぇぇぇ。」 「ゆっ?ゆっ?」 「しぇーしゃい!しぇーしゃい!! 「「ドォォォォォン!!」「ゆっぎゃあああああああああああ!!もっとゆっぐじ」 四日でれいむはでいぶになりゲスになっていた 「げすなまりさはせーさいしたよ!!」 「れいみゅたちにごはんさんをあげないからこーなるんだよ!!」 『『げりゃげりゃげりゃ!!』』 「ゆっ?あまあまのにおいがしゅるよ!」 「ゆゆっ!このくそまりさからだよ!!」 『『むーしゃむーしゃしあわぜえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』』 「うっめ!うっめ!まじぱっねぇ!!」 「げすなくそまりさもやっとやくにたったね!」 (ゆぅ、もっとあまあまのがたべたいよ) (そうだよくそにんげんをだましてくそどれいにすればいいんだよ!!) (くそにんげんはあたまがかわいそうだからでいぶのかわいそうでかわいいおかおみればどれいになってくれるよ!!) (かわいくてごめんねぇぇぇぇぇぇぇ!!) そして現在に至る 「まっでえええぇぇぇぇぇぇぇえぇぇ!!」 (このよわそうであたまがわるそうなじじいをくそどれいにするよ!!) 「でいぶだぢはがいゆっぐでじだ、おといれのばじょもわ゛がりま゛ず (はやくゆっりさせろくそどれいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!) 「あまあまよこしぇー!くしょどりぇー!」 (このくそちびぃぃぃぃぃ!!なにい゛っでるんだぁぁぁぁぁぁ!!) 「おじびぢゃぁぁぁぁぁん、どぼじでぞんなごどいうのおおおおおお!!」 (ゆっがああああああ!このくそちびがあああああ!) 「いいよ」 「ゆっ?」 「飼ってやるよ」 「ありがどうござい゛ばずぅぅぅぅ」ニヤニヤ 「やっとれいみゅのかわいしゃがわかったんだにぇ!!はやきゅれいみゅのゆっくちぷれいすにあんにゃいしりょお!!くそどれい!」 もう分かってる、コイツらはゲス 普通「飼ってやる」なんて言ったら飛び跳ねて喜ぶ 成体に近いのに子ゆっくりみたいな喋り方してる奴もいる 「君達のゆっくりぷれいすまで遠いからこのあまあまを食べてくれ」 「どれいのくせにきがきいてるにぇ!!」 「はやくよこせぇぇぇぇどれいいいい!!」 親でいぶは飼われると分かった瞬間ゲスになっていた。 ちなみに渡したのはラムネ ゆっくりにとってラムネは睡眠薬のような物 ドス駆除にも使われている 「なんだかねむくにゃてきたよ!!」 「ゆっくりねるよ!!」 私は二ゆを箱に入れ自宅に走って帰った 「ガァン!!」ゆべっ!!」 「ゆがぁぁぁおきゃーしゃんににゃにしゅるんだくしょどれいぃぃぃぃ!!」 「黙れ」 ドンッ! 成体に近いれいみゅを蹴り 「いじゃぁぁぁぁぁぃ!!」 両手でれいみゅを殴る 左手『いじゃいぃぃ!!」右手「やべろぉぉぉどりぇいいい!!」左手「ゆぎぃぃぃぃ!!」 10分後・・・ 「ゆ゛っゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 「おらよォ!!」「ズンッ!」おもっいきりれいみゅを蹴ると バァァァァァァァァン!! れいみゅは壁に当たると同時に爆散した 「ゆぷぷぷ、くそちびはゆっくりしんでね!!さっきからいらいらするんだよ!!」 「おいくそどれいくそちびをころしたおれいにあまあまをたくさんもってこい!!でいぶのめいれいをきけることはどれいにとって せかいいちゆっくりできるんだよ!!」 「だから?」 「ゆっ?」 ヒュン! ドオォォォォォォォォォォォォォン!! 「ゆがぁっ!!」 「なにするんだくそどれいぃぃぃぃぃぃ!でいぶはかいゆっくりなんだぞぉぉぉお!!だからゆっくりさせないとだめでしょおおおお!」 「いや飼うといったけどさぁ」 子れいみゅと同じように 右手で殴る「いじぁぁぁぁいやべろぐぞどれぃぃぃぃぃ゛」 「いやいやwいきなり出てきて」 左手で殴る「やべろっつてんだろぉぉぉぉ!!」 「ゲス饅頭に衣食住譲ったり」 右手で殴る「でいぶはげすまんじゅうじゃなぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁい!!」 「奴隷になるわけないだろw」 「それじゃあ糞紅白饅頭、永遠にゆっくりしていってね!!」 「ゆぎゃあああああああああああああああああ!!」 (なんでこんなにかわいいでいぶをいじめるのぉ!!) (でいぶをゆっくりさせないやつらはぁ!!) (みんなじねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!) 「もっとゆ゛っぐぢし「言わせるかよ」ベチャ!!」 完 あとがき 初投票です(※二回目) SS作るの大変 慣れてる人が凄すぎる あとちるのかわいいよちるの
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ここは某島国の領土の一つ、その中でも最も南に位置する島。 一年中暖かい気候のため、寒さに弱い生物にとっては正に楽園であった。 それは寒さに弱いゆっくりのとっても同じだった。 「くそ!またやられたか!これじゃ野菜が売り物にならんな…」 「こっちはサトウキビをやられたぞ!糞でいぶめ!」 このようにゆっくりの被害は深刻なものになっていた。 ゆっくりの数が増えるほど、農業や自然界への影響が大きくなっていった。 そのゆっくりの中でも最も蔓延っていた種があった。 「いたぞ!赤いリボンが見えた!」 「逃がすなよ!叩き潰せ!」 「ゆぷぷ!むのうなにんげんがこっちにくるよ!れいむはうんうんしてにげるよ!」 れいむはうんうんをすると、そのまま飛び跳ねながら逃げていく。 男達葉その姿を見て慌てて追いかけて行く。 「おらぁぁ!逃がさねえぞぉぉ! 『ズルッ!』 あっと!」 「おい!だいじょうぶか?!」 「くそ!うんうんで滑ったぜ……くっ!逃げられたか?」 「やられたな…ったく妙な知恵つけやがって…」 そう、生物の底辺であるゆっくりの中でも、更に下を行くれいむ種がこの島では蔓延っていたのだ。 もっとも、この島のれいむ種は「でいぶ」と呼ばれるほど、太っていて厚かましい奴らであったのだが… 元々この島にはゆっくりなどは居なかった。 人間が食用兼愛玩用で島に持ち込んだものが野生化し、島の気候に適応してあっという間に増えていった。 特にその中でもれいむ種は、己の無能さ故に本来ならば淘汰されそうではあるのだが、 醜いまでの自己愛、種を繋ぐ為の闘争本能のお陰で他のゆっくりを踏みにじり、この島の生態系の頂点に立ったのだ。 まあ、あくまでゆっくりの生態系ではあるが。 他の動物に捕食される事もあるのだが、無駄に増えるゆっくりの繁殖力に加え、れいむ種独特の自己愛、 同族愛の性で増加に歯止めが掛からなくなっていった。 「おやさいやおはなは、れいむにたべられるためにはえてくるんだよ!」 農作物や貴重な野草を食い荒らし、 「むしさんは、れいむにたべられることをかんしゃしてね!」 希少な昆虫類を食い荒らし、 「むのうなくずゆっくりは、れいむのためにしんでね!」 他のゆっくりを犯し、殺し、食らい増えていき、 「きにいったよ!ここをれいむのおうちにするよ!」 民家はおろか、歴史的に貴重な建造物等へのおうち宣言、 「このしまはれいむのものだよ!にんげんや、ほかのどうぶつはでていってね!」 今やこの島は我が物とばかりに思っていた。 だが島民もやられてばかりではなかった。 罠や毒入りの餌等ででいぶ駆除を試みたが、他の動物や希少なゆっくりにも影響が出てしまう。 そこで導入されたのが「ゆるさなえ」という種類のゆっくりだった。 「ゆるさなえ」というゆっくりはさなえ種の亜種のゆっくりで、何故かれいむ種を敵視している。 れいむ種にとっての天敵なのだが、捕食種と違って他のゆっくりには無害であるのだが、希少種なので数が少ない。 それでも何とか20匹ほどを導入してでいぶ駆除にあてた。 「ゆん?なんなの?さなえのくせに………ゆっぎゃぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃ!どぼじでれいむをいじめるのぉぉぉぉ?!」 「ゆるさなえ!ゆるさなえ!!」 「ゆぎぎ…ぐるじぃぃぃぃぃ!がわいいれいぶがじんじゃうぅぅぅぅぅ!!」 「ゆるさなえ!!」 ゆるさなえはれいむ種を見つけると、でいぶだろうが、れいむだろうがお構い無しに攻撃を加えていった。 これにより、比較的知能の高いれいむは町や畑に近づこうとはしなかったが、 でいぶや、知能の低いれいむは懲りずに人前に姿を晒していた。 ゆるさなえも順調に数を増やしていき、農家等で飼われる様にもなったのだが、 れいむを追いかけてそのまま山や森に消えて行き、そのまま野生化する者が現れた。 そればかりか、そのまま胴付化した者が出たという情報も飛び交い、 胴付きゆるさなえを探しに、山や森に足を踏み入れては遭難する若者が出たりもした。 そんな中で、島民の一人がゆるさなえに目を付けて、でいぶ対ゆるさなえショーを始めるのだった。 最初は面白半分に、近所の人間にそれを見せて居たのだが、思っていた以上に受けが良かったので、 数名で山狩りをして、でいぶを大量に捕獲してはショーで使うようになった。 「ゆふふふ!どれいこうほのくそにんげんが、いっぱいいるよ!どれにしようかまようよ!」 『おらー!さっさとでいぶをころせー!!』 『さっさとゆるさなえをだせー!でいぶをころせー!!』 「ゆん?なんだかゆっくりできないにんげんがおおいね!こんなやつらじゃ、れいむのどれいにはふさわしくないね!!」 「ゆるさなえ!!」 「ゆん?なんなのこのさなえは?」 『キター!!ゆるさなえだー!!』 『でいぶをころせー!でいぶをころせー!!』 「ゆるさなえ!」 「ゆっぎゃぁぁぁ!やめろぉぉぉぉ!!」 『すっきりぃぃぃぃぃ!!』 何時しかショー目当てに島を訪れる観光客も現れて、島は大いに賑わった。 だが、ここで問題が起こった。 でいぶの捕獲が間に合わなくなってきたのだった。 低脳なでいぶをある程度狩り尽くしてしまった結果、知能の高めなでいぶが残ってしまい、非常に捕まえにくくなったのだ。 そこで島民はショー用のでいぶの養殖を始めた。 時には只甘やかされて、増徴しただけのれいむもショーに使われるようになった。 増やししすぎてしまったでいぶは、干しでいぶや、でいぶの寒天漬けなどに加工されて土産にされた。 中には、でいぶをカラッと油で揚げたお菓子、 「ユンギャーアンダギャー(現地の言葉で、でいぶの唐揚げ)」なるお菓子も登場した。 みやげ物は、より苦悶の表情で死んでいるでいぶの方が好まれたため、加工中に無駄に虐待するものも現れた。 「ゆっぎゃぁぁぁぁ!れいむのまぶたさんがぁぁぁぁ!!」 『うるせーな、どうせ干からびたら瞼なんで意味無いんだから良いだろ?それにしても良い声で鳴くなぁ……… ほら、しっかり太陽をみてひからびるんだぞ!』 「やめろぉぉぉぉぉ!たいようさんはゆっくりできないぃぃぃぃぃ!!」 『ほら、れいむの大好きな塩さんだぞぉぉぉ!!可愛いおめめにたっぷりぬってあげるよ!』 「ゆぎゃぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃぃ!やめろくぞにんげんがぁぁぁぁぁぁ!!」 『はっはっは!干しでいぶ作りは楽しいなぁ!』 『ほーら、熱々の寒天だぞー!ゆっくりあじわってね!』 「やべろぉぉぉぉぉ!あついぃぃぃぃぃ!!いきができないぃぃぃぃぃ!!ゆっくりできないぃぃぃぃぃ!!」 『何言ってるんだこいつは?ゆっくりって息なんてしてるのか?』 「ゆぎぃぃぃぃぃ!ぐるじぃぃぃぃぃ!ゆごぼごぼごごご……」 『もっと苦しんでくれよ!そのほうが良い商品になるからな!』 でいぶ加工所の就職率も大分上がり、正に島はでいぶで栄えていった。 しばらくすると、そんな状況を良く思っていない連中も現れ始めた。 そう、ゆっくり愛護団体がでいぶショーや、でいぶの加工品にクレームを付けて来たのだった。 だがその頃には、でいぶで生計を立てている関係者があまりにも多かった事や、 島の経済がでいぶで潤っている事もあり、結果として「でいぶ対ゆるさなえショー」を無くす事くらいしか出来なかった。 しかし、それでも一部農家は番犬代わりにゆるさなえを飼っており、 農村ではいまだ、でいぶとゆるさなえを戦わせていたりもした。 でいぶによって苦しめられたこの島は、今ではでいぶによって発展していったのである。 「やめてね!れいむはでいぶじゃないよ!ゆっくりりかいしてね!」 『お前がでいぶだろうと、れいむだろうと関係ない。この島のために死ね!』 「どぼじでそんなごどいうのぉぉぉぉぉぉ?!れいむだっていきているんだよぉぉぉぉ!」 『この島で湧いて出たのが不味かったな、まあお前の不運を呪って死んでくれ、むしろ島の発展を祝って死ね!!』 「ゆ?!…………………ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 今日も島のあちこちで、でいぶの悲鳴が聞える。 完 コンペ用に書いていましたが、アウトっぽいので普通に上げておきます。 徒然あき
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『でいぶ最強伝説』 ある日。 とある空き地の片隅に、一つのダンボールが放置されていた。 中に入っているモノは一匹の成体れいむ。 そう、このれいむは捨てられたのである。 「くそどれい!!でいぶにはやくあまあまをもってきてね!たくさんでいいよ!」 「でいぶはゆっくりしてるんだよ!はやくだーりんをつれてきてね!かっこいいまりさでいいよ!」 「おちびちゃんはゆっくりできるでしょぉおおお!?くそどれいがなに、くちごたえしてるのぉおお!?」 とまあ、こんな感じの事が色々あったわけだ。 見た目からして下膨れがだぶつき、表情は見ているだけで人間をイライラさせる。 それでいて口をきけば、見た目以上に人間をイライラさせるのだ。 いわゆる『でいぶ』と言っていいだろう。 飼い主がなめられていたからこそ、捨てる事を決心せざるを得ないほど増長したわけだが、 その飼い主が軟弱な性格だったからこそ、でいぶは加工所に連れていかれることなく、 ここに捨てられるだけで済んだ。 それがいいか悪いかは別の話ではあるが。 「ゆぴー・・・ゆぴー・・・。ゆ、ゆゆっ!?」 そんなわけで、でいぶが目を覚ますとその目の前には、 いつも通りのおうちの部屋ではなく、草がまばらに生えた空き地が広がっていた。 「ゆぅぅ?く、くそどれいはどこなの!?あまあまもってきてね!!」 返事はもちろん無い。 「ゆぎぎぎぎぎ・・・でいぶをゆっくりさせられないなんて、ゆっくりしてないね! もうあいそがつきたよ!あんなどれいはくびだね!!」 こうして、でいぶは正式に飼い主を解雇し、新たな生活を満喫する事にしたのであった。 と、そんな時、空き地に住み着いている野良ゆっくり達が、でいぶの前を通りがかった。 「「「・・・・・・。」」」 でいぶと目が合う。 「ゆぅ、かわいいでいぶにみとれてるの?でいぶでゆっくりできたら、あまあま・・・」 「「「でいぶだぁぁああああああ!!!」」」 その瞬間、空き地の中は阿鼻叫喚に包まれた。 「ゆ?でいぶがうつくしいっていっても、ちょっとさわぎすぎ・・・」 「わぎゃ、わぎゃらにゃぁぁああああ!!?」 「むぎゅ!?えれえれえれぇ・・・」 「ゆびぃぃいいい!!ぱちゅりぃぃぃいいい!!ゆっぐぢぢでぇぇええ!!」 大混乱状態の野良ゆっくり達。 「ゆ?ゆゆ?みんな、でいぶのおはなしをき・・・」 「ぴぃ、ぴぃぃいいい!!でいびゅごわいぃぃいい!!」 「おちびちゃん、まりさのおぼうしにはいってねぇぇえ!!」 「みょ、みょおぉおおおん!!」 その中にでいぶの話を聞くものは無く、 「あま、あま・・・ちょうだい・・・」 先ほどまで空き地でゆっくりしていた野良ゆっくり達は、ゆっくりとしては異常な早さで荷造りをし、 一匹残らず空き地の外へと去っていったのであった。 でいぶは、この後も同じような状況に、たびたび出くわした。 「ゆふぅん。でいぶはでいぶだ・・・」 「ゆ?ゆびゃぁぁああああ!!でいぶだぁぁあああ!!」 出会う全てのゆっくりは、でいぶの顔を見た瞬間、発狂したように叫び逃げ去っていく。 いくらでいぶがでいぶとは言え、一言も会話が出来なくては話にならない。それに、 「ゆふふ、ようやくおいついたよ。ゆっくりしてい・・・」 「ゆひぃっ、ゆぃぃぃ!ま、まりしゃはここでしんじゃうけど、い、いもうちょだけはまもりゅよ『ぐちっ!』ゆびぇ・・・」 「どうぢで、べろさんかみきっちゃうのぉおおお!?」 必死で追いついたと思ったら、舌を噛み切るなりドブに身を投げるなりしてさっさと命を絶ってしまう。 この子まりさも、でいぶにおうちの場所を知られないため、 わざわざおうちの逆方向に逃げた末、自分で舌を噛み切って果てた。 それに、れいむはもう一つおかしな事に気づいていた。 「・・・ど、どうぢで、でいぶいがいに、でいぶがいないの・・・?」 れいむ種と、町中で一度も出会わないのだ。 「なんなの?どうぢででいぶを、ゆっぐぢざぜでぐれないのぉおおおお!?」 そんなある日、ついにでいぶの疑問が氷解する時がやってきた。 「「「でいぶは、ゆっくりしんでいってね!!」」」 野良ゆっくり十数匹の決死隊が、各々木の枝や小石で武装し、でいぶに襲いかかってきたのである。 「ゆ!?なにするの?でいぶはどれいがいなくってかわいそうなんだよ!ゆっくりさせなきゃだめなんだよぉぉお!!」 「ゆ、ゆぅぅっ、で、でででいぶは、ゆ、ゆっくりできないんだよぉぉおお!!」 残念な事に決死隊にはでいぶの声など届かず、・・・そしてこれが、決死隊の最期の雄姿となった。 あるみょんは、 「みょ、みょぉぉおおお『ぐしゃあ』・・・」 でいぶに対する恐怖のあまり、木の枝を咥えて目をつぶったまま前方に突進し、ブロック塀に激突して潰れた。 あるちぇんは、 「や、やっぱりわがらないよぉぉおおぉおお『ぼちゃん』・・・」 恐怖に耐えられず逃走を図り、前を見ずに走った挙句ドブ川に特攻して沈んだ。 「むぎゅぅぅううう!!むっげぼぉっ!!」 ぱちゅりーはストレスに耐えられず、全てを吐いて果てた。 でいぶが茫然とする目の前で、決死隊十数匹は、ことごとく自滅してその命を散らしていったのであった。 「ゆ、ゆぁ、ゆぁぁぁぁあ、やべでぇ、でいぶごわい、でいぶごわいぃいいい・・・」 そして今、でいぶの目の前には、怯えたまま塀にまで勝手に追い詰められ、 そのままあんよが恐怖で固まり動けなくなった、一匹の野良子まりさだけが残されていた。 「ま、まってね!なんなの、なんなのこれぇぇええ!!ゆっぐぢおはなしきかせてねぇっ!!」 でいぶは必死で子まりさをなだめる。 いい加減、でいぶもこの異常な状況に気が狂いそうになっていた。 「どうぢで、でいぶからにげるのぉおお!?でいぶ、まだなにもやってないでじょぉおお!?」 「ゆぴ、ゆぴぃっ!?で、でいびゅは、ゆっくちできにゃいよぉおお!!」 「なにいっでるのぉおお!?でいぶは、ゆっぐぢぢでるでじょぉおおお!?」 「ゆぴぃいいいい!?」 でいぶは、何とか得た情報源から、必死で情報を引き出そうとする。 そして、子まりさは涙とおそろしーしーで全身ぐっしょりにしながら、何とか口を開いてくれた。 「で、でで、でいびゅは、まりしゃのおとーしゃんのおとーしゃんたちが、じぇんぶころしたのに・・・」 「ゆ?」 「でいびゅは、いきちぇるだけで、みんな、ゆっくちできにゃくなるんだよ!!」 「な、なにいっでるのぉおお!?」 衝撃の事実だった。 この町の野良達は、れいむ種を文字通り根絶やしにしたのだという。 その理由が、『でいぶ達は生きてるだけで皆がゆっくり出来なくなる』というのだ。 「ぞんなわげないでじょぉお!?でいぶは、ゆっくりしたおうたがうたえるんだよ! こそだてじょうずなんだよ!それに、こんなにあいくるしいびぼうのもちぬしなんだよぉおお!?」 子まりさも泣きながら反論する。 「しょ、しょーやって、でいびゅはまりしゃたちのゆっくちを、じぇーんぶとっていくんだよ!」 「ゆっくりしたれいむに、ごほうしするのはあたりまえでしょぉおお!?」 「しょんなわけないでしょぉおお!?みんな、ぶさいくで、じぶんかってなでいびゅなんて、きらいにゃんだよ! いまだって、みんにゃゆっくちできてにゃいんだよぉおお!!」 でいぶをのゆっくりした美貌を見て、でいぶにご奉仕することがゆっくりできない? でいぶはそんな話を信じる事が出来なかった。 だが・・・子まりさはトドメの一言を口にした。 「みんな、でいびゅにやられりゅくらいなら、じぶんでしぬほうがいいんだよ! しょれくらい、きらいにゃんだよ!ゆっくちりかいしちぇにぇぇぇええ!!」 ・・・そうだった。でいぶがこれまで出会ったゆっくりは、皆逃げだすか、逃げきれなければ自殺していった。 でいぶに奉仕するどころか、口を聞くことすら拒み・・・ 「で、でいびゅにつかまりゅくらいにゃら・・・みゃみゃー!!もういちどあいたかっちゃよぉおお!!!」 ぐしゃっ!! 茫然とするでいぶの目の前で、子まりさはアスファルトの地面に思い切り顔面を叩きつけ、永遠にゆっくりしたのであった。 でいぶは、この時初めて気がついた。 自分が、奉仕されるべき存在などでは無い事に。 「ゆ・・・・?」 そして、奉仕されるどころか、町中の全てのゆっくりから恐怖され、拒まれ、憎悪されていることに。 「ゆぅ・・・?」 よく周囲に気を配ると、でいぶの周囲、電柱の影やポリバケツの裏、路地裏などから、 でいぶを監視する視線を感じることに。 その視線は、恐怖に塗り固められたものであることに。 「ゆ、・・・ゆっ・・・」 そして、自分が孤立した存在である事に。 「お、おにいざぁん・・・ゆ、ゆっぐぢでぎないぃ・・・」 そんなれいむでも世話してくれていた飼い主さんが、もはや自分のそばにいない事に・・・ 「お・・・おにいさん、おにいざん!ゆっぐぢもどっでぎでぇぇええ!! でいぶがわるがっだでず!ゆっぐぢごめんなざいぃぃいいい!! わがままいいまぜん!ゆっぐぢいうごどぎぎまず!だがら、だがら、ゆっぐぢいっしょにいてぇぇええ!!」 でいぶと一緒にゆっくりしてくれる存在は、この町には一人も、一匹もいなかった。
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でいぶの恩返し 週の始まりの月曜日 それは突然の出来事だった・・・。 僕の家には今、僕と金バッチのれいむの二人しかいない。 その二人でなければいけないのだ! でも仕事から帰ってきた時・・・この家にれいむはいなかった。 いたのは僕と・・・ れいむに付けていた筈の金バッチをつけたでいぶであった。 「やっとかえってきたんだね、どれいのくせにおそ(ズドム!)っぶぁああ!」 「お決まりのテンプレを聞いている暇はない!」 目の前のでいぶに蹴りを喰らわせ、僕は靴を脱ぐのも忘れて家中を見て回った。 だが居間、僕の部屋、台所、風呂場にトイレ、押し入れの中まで見たが外から進入された形跡は何処にも見当たらなかった。 見つかったのは恐らくでいぶが喰い荒らしたと思われるゆっくりフードやお菓子の袋と食べカス それと田舎から送られて来たばかりの野菜の無残な姿、それを入れていたと思われるボロボロになったダンボール そしてそこら中に撒き散らされたうんうん、しーしー・・・ つまり・・・認めたくはないがあのでいぶが僕の飼ってたれいむだという事だ。 でもそれを素直に認めたくはない・・・。 それでふと思い出した・・・ 僕の飼っているれいむのあんよにはまるでコーヒーみたいな色のシミが付いている。 僕は慌てて蹴飛ばしたでいぶの元へ行き、でいぶのあんよを見た・・・。 見て・・・泣きたくなった。 このあんよのシミ・・・間違いなく僕の飼っているれいむだった。 一体どうしてこんな事になってしまったのか・・・ そう考えてる間にでいぶは意識を取り戻した。 「やいジジイ!でいぶはきんばっちさんなんだよ! なのにこんなことしていいわけないでしょ! いしゃりょうとしてあまあまをようっきゅうっするよ! グズグズしないではやくもってきてね!たくさんでいいよ!」 「やかましい!」(ブチョッ!) 僕はでいぶの右目に拳を突き刺す様に殴った。 「っが、ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・」 その結果でいぶの右目は完全に潰れ、でいぶはそのまま痛みに悶えている。 その間に僕は散らかされたゆっくりフードやお菓子の袋、たった一口で食べるのを辞められた野菜を集められるだけ集めた。 「いだいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! でいぶの、でいぶのうるわしいおめめがあああああああああああああああああ!」 バシャッ! 潰すにしろ説教するにしろ、このままでは話が進まないので泣き叫ぶでいぶに少量のオレンジジュースをかけてやった。 「すすす、すっきりー!」 と、このままではテンプレ通りの自分勝手な主張が来るので何かを言う前に僕から話を切り出す。 「おいれいむ・・・いや、でいぶか・・・これは一体どういう事なんだ?」 僕はでいぶが喰い散らかした食べ物の残骸を見せて聞く。 「どうもこうもないよ! でいぶはおかあさんになれなくなっちゃったんだよ! だからいしゃりょうとしてもらってあげたんだよ! そんなこともわからないなんてばかなの?しぬの?」 ・・・ 確かに昨日、れいむを買ったペットショップから連絡があった。 その内容はこの(元)れいむはぺにぺにを切り落としはしたけど何かの手違いでまむまむがまだ残っていたらしい。 だから代金タダにするから去勢に来て欲しい・・・という物であった。 正直この不景気でボーナスどころか毎月の給料すら怪しくなっている身としては勝手に子供を増やされる訳にはいかない。 可哀想だけど仕方がないと、丁度休日だったし去勢に連れていった。 そして無事去勢は終わり、今朝までずっと泣きっぱなしで部屋から出ようともしなかったのだが・・・ まさか僅か半日でここまで変貌するとは思ってもいなかった・・・。 「なにグズグズしてるの! はやくいしゃりょうのあまあまもってきてね!たくさんでいいよ! おちびちゃんをうめなくなったでいぶにはたくさんのあまあまをたべるけんりがあるんだよ! いくらクズでもそれぐらいわか(ズブッ!)っぎいぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 あまりにもうるさかったので、かつてまむまむがあった所に丸のままの生姜を埋める様に突っ込んだ。 この生姜も実家から送られて来た物で歯形が付いていた・・・ 食べたら死ぬぞと飼い始めて最初に教えたのにそれを忘れて食べようとしたらしい。 が、幸か不幸か繊維質でとても硬い生姜は氷砂糖の歯では噛み切る事は出来なかったようだ・・・ 噛み切って食べて死んでくれれば手間も省けたし、諦めもついたのに・・・。 「うぎぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい・・・ しびれるぅうううううううううう、からだじゅうがしびれるぅううううううううううううううううう!」 ・・・生姜ってゆっくりを痺れさせる効果があったのか? 山椒やコショウならまだ分かるけど・・・今更ながらデタラメな奴だ。 「どぼじでごんなごどずるのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! でいぶはおちびちゃんもうめなくなってかわいそうなんだよ! だったらどれいはせいっいっぱいなぐさめるのがあたりまえでしょぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! わかったらはやくあまあ(ズチュッ!)っがああああああああああああああああああああああああ!!!」 どうした物かと悩んでたらまたうるさくなったので、でいぶが喰い散らかした大根をあにゃるに突っ込んでやった。 流石に全部は入らず、大体3分の1ぐらいが限度だった・・・ 食べ物を無駄にするなと怒られそうだがこのでいぶがかじった野菜を食べる気にはなれない。 責任を持って処理して貰おう。 「ざげるぅうううううううううううううううううううう・・・ でいぶのあにゃるがざげぢゃうううううううううううううううううううううう!」 大根を突っ込んだまま苦しんでるでいぶを余所に、箒と塵取りを持ち出しでいぶのうんうんを集めた。 このままじゃ寝れないし・・・。 「くそどれい!そんなのよりはやくでいぶをたすけろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお! でいぶはいますっごくくるしいんだよ! わかるでしょぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 騒ぐでいぶを無視しながら今度はしーしーを雑巾で拭き始めた。 このままじゃ部屋中がベタベタしてカビが生えちゃうし。 「むしするなぁああああああああああああああああああああ! はやくでいぶをたすけろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお! それとあまあまもってこぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!」 1時間半かけてようやく吹き掃除が終わり、塵取りに集めたうんうんを持ってでいぶの元へ行った。 「やっときたねこのクズ!のろま! いまならまだはんごろしでゆるしてあげるよ! だからゆっくりしないでさっさとたすけてね!いますぐでいいよ!」 僕はそのままでいぶの口を左手と右足でこじ開け、集めたうんうんを全てでいぶの口の中に詰め込んだ。 すかさずクレ○ップを取り出し口を開けられない様に巻き、ガムテープで補強してやった。 「ん゛ー!ん゛ー!」 「どうしたんだいでいぶ?お望みのあまあまだよ?沢山食べてよね」 「ん゛ん゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 口から吐けない代わりに目から餡子が漏れ出している・・・。 このままじゃすぐに死んでしまうと思い、辺りを見回した。 ズブッ! まず、潰した右目の代わりにやっぱり歯型が付いていた玉ねぎを詰め込んだ。 「ンヴォアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」 その衝撃のせいか左目が飛び出し、取れた。 ズボッ! 左目の代わりには言うまでもなく歯型が付いたジャガイモを突っ込んだ。 「ン゛ッ!ン゛ン゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 このまま死なれると腹の虫が納まらない・・・ そう思い、コップ一杯のオレンジジュースをかけてやった。 「ンフー!ンフー!」 どうやら落ち着きを取り戻したらしい・・・ 改めて話をする事にした。 「でいぶ・・・お前は今日、3つの過ちを犯した」 「ン・・・(ガクガク)」 ゲシッ!「ッブファアアアア!」 まずでいぶの頬に蹴りを入れた。 「1つ目、実家から送られて来た1週間分の食料(野菜)を食い荒らした事!」 ジュポッ!「ン゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」 でいぶに突っ込んだ大根を更に奥まで踏む様にして突っ込んだ。 大根の頭の部分・・・青首大根で言う白と緑の境目あたりまで押し込まれた。 「2つ目、もうすぐオマケのカードがコンプリートのゆっくりチップスをオマケごと喰いやがった事!」 ズドムッ!「ンガアアアアアアアアアアアア!!!」 でいぶの頭を踏みつけて・・・ 「3つ目、僕の等身大胴付ふらん抱き枕をしーしーまみれにしやがった事!」 グリグリと頭を踏みにじり、更に話を続ける。 「ガッ、ガアアアアアアアアアアアア・・・」 ふと、足元を見る・・・ 「何だいその顔は? どぼじでごんなごどずるのーって言いたそうな顔だね・・・」 一旦足をどけておかざりを掴んで目線の高さまで持ち上げる・・・ 見ると口を塞いだクレ○ップが盛り上がっていた どうやら締め方が緩かったらしい・・・。 「でいぶ、今君はこう思ってるんだろう? 何で可愛いでいぶがこんな目に合わなきゃいけないんだ、何ででいぶが奴隷に負けているんだ・・・って」 でいぶはキッと睨んできた・・・ もっとも既に両目がないが眉間にシワが寄ってるので察しが付いた・・・。 どうやら当たりらしい。 「やれやれ・・・この分だと相当前からゲス化しつつあったんだね? それが昨日の事で爆発した・・・と」 ドスッ!「ッブェ!」 でいぶの頬に拳を叩き込む。 「・・・ふざけるなよ!」 ブンッ! ドシンッ! そのまま力任せにほおり投げ、壁に叩きつけられ床に落ちた。 その時に手には握ったままになっていたおかざりがあった。 それをバッチだけ取ってゴミ箱に捨て、でいぶを投げた方を見る。 「っが、がぁっ!」 壁にぶつかった際に中に突っ込んだ生姜や大根が餡子をかき回したらしく、ビクビクと気持ち悪く悶え、痙攣も起こしていた。 またでいぶに近寄り、蹴りを入れて話を続ける。 「ッブェエエエ!」 「いいかい、でいぶ・・・お前は僕に飼われているんだよ? 決してお前の奴隷や下僕になった訳じゃないんだ・・・ なのに君は飼われてると思ってはいなかったんだね」 ズンッ!(ボキッ!)「ッぐああああああああああああああああああああ!!!!」 でいぶの後頭部付近を踏みつけた際に中に突っ込んだ大根が折れた音がした。 今、でいぶは相当な痛みを感じている事だろう。 「良く考えれば分かる事だろう? お前が自分で思ってる様な至高の存在ならこんな事にはなっていないだろう? 本当に至高の存在なら僕みたいな普通の人間に負ける訳がないからね・・・」 ズボッ!「ッビギィ!」 まだあにゃるからはみ出てた大根を完全に奥まで突っ込んでやった。 折れた部分と生姜がぶつかり合ってかなりの激痛を感じる筈である。 「お前達ゆっくりは、特にでいぶ・・・君は決して至高の存在じゃない お前は人間はおろか、犬や猫、カラスやゴキブリなんかよりもずっと下の存在・・・」 段々とでいぶの目から生気が失われていく・・・ どうやら生姜か大根が中枢餡にぶつかったらしい・・・。 「ただただ回りに迷惑をかける事しか出来ない・・・そのくせ自分だけじゃ生きる事は出来ない」 玉ねぎとジャガイモを突っ込まれた・・・さっきまでは目があった所から砂糖水と少量の餡子が漏れる。 「凄く愚かで、とても弱い・・・その癖すぐに付け上がる最低で最弱の生き物なんだよ」 その言葉がでいぶが最後に聞いた言葉となった。 でいぶは断末魔をあげる事もなく、とても苦しそうな表情のまま・・・逝った。 1週間後・・・ 「ただいまー」 「おきゃえりなちゃい、おにーしゃん!」 飼ってたれいむがでいぶとなった日から1週間が経った。 あの日、死んだでいぶをゆっくり回収箱に入れに公園に行った時・・・ 「・・・えなんか・・・むの・・・ゃないよ!」 「さっさと・・・ね・・・のクズが!」 何やら声が聞こえたので茂みに入ってみた。 そこに居たのはでいぶとゲスまりさとその赤ゆ(まりさ1れいむ1)と・・・ 「ゆびぃ!ゆぇえーん!!」 あの2匹から偶然生まれたのか、あるいはたまたま付いてきてしまったのか・・・ もしくは留守中におうちを強奪したのかは定かではないが胴付ふらんがいた。 「ふらんなんてまりささまにかかればいちげきなのぜ! ゆっくりしないで・・・さっさとし(ズドン!)っぐぇええええええええええ!」 僕は思わずふらんに飛び掛ろうとしたまりさを一蹴した。 「大丈夫かい?」 「ゆっぐ、ゆっぐ・・・う・・・うん」 「ゆぎぎぎぎ・・・まりささまをけとばすジジイはゆっくりしないでしねぇええええええええええええええええええ!」 再びまりさが飛び掛ってきたので持ってたでいぶの死体を突っ込んだ袋を振り回して弾き飛ばした。 (ボンッ!)「っぎゃああああああああ!」 そのまままりさはでいぶにぶつかり・・・ 「っいだああああああああああああああああああ」 でいぶは倒れて自分の子供を押しつぶした。 「ゆげぇっ!」 「ゆびいっ!」 そのまま野良一家を同じ袋にほおり込んで、ゆっくり回収箱に入れた。 (ボチャンッ、ポチャポチャッ、ドボッドボンッ!) ゆっくり回収箱の中には相当量の水が入っているらしく、豪快な音が響いた。 その日ふらんを連れて帰り、明日仕事が終わったら親を探してやろうと思ったが・・・ そうふらんに説明した所・・・ 「ふりゃん・・・きょきょにいりゅ・・・きょきょにいちゃい」 僕にしがみ付き、上目使いな上に目をウルウルさせて言われて断れる訳もなく・・・ というか、断る奴居たら出て来いよ、殴るから! と、まあ結局そのまま僕が飼う事になった。 とりあえずバッチ試験を受けるまでの間飼いゆっくりだと証明するべくでいぶから引っぺがした金バッチを付けてある。 細かい事を言うと犯罪なのだがこの際気にしない、気にするな、気にしたら負けだ! 「・・・しゃん、おにーしゃん!」 「ん?ああ・・・どうしたんだいふらん?」 「おにーしゃん、いっしょにおふりょ・・・はいりょ?」 「分かったよ、それじゃちょっと待っててな」 「うん!」 今日、僕は初めてでいぶに感謝する。 あの日、でいぶを潰していなければこうして胴付のふらんと一緒に生活する事は出来なかっただろう。 でいぶが死ぬのがもう少し遅かったらふらんは潰されていたかもしれない。 あの日、あの瞬間に死んで、あの時間に公園に行ったからこそふらんと出会えたのだ。 ありがとうでいぶ、これが子ゆっくりの頃からずっとこの家にいたお前の・・・ 最初で最後の恩返しだったのだ。 ~~Fin~~
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「ゆんしょ!ゆんしょ!ゆっ!ここにもごはんさんがあるよ!」 ポヨンポヨンと音をたてながら、まりさが森を跳ね回っている。 どうやら狩りの最中らしい。頭の帽子には今まで取った食料がパンパンに詰まっている。 その量はとても一人では食べきれないほど大量であった。 「ゆふー!つかれたよ!でもおちびちゃんのためにがんばるよ!」 そう呟きながら、活発に飛び回るまりさ。成る程、どうやらのこのまりさには子供がいるらしい。 それで自分ひとりではとても食べられないほど大量に食料を集めているというわけだ。 まりさ種はどのような種族と番になってもその性格や、運動能力の高さから狩りの役目を分担する場合が多い。 このまりさも例にもれず食料集めが担当のようだ。 このような光景は、ゆっくりが生息している森ならばごく当たり前に見られる光景だった。 と、そこへ 「ばりさああああ!やっとみつけたよおおおおおお!」 怒気をふくんだ大声を上げながら、突然でいぶがまりさの前に姿を現した。 「ゆぴぃ!で、でいぶ!どうして!?な、なんでここが!?」 いきなりの事態に慌てふためくまりさ。 本当にどうして?まりさはまさかここででいぶと遭遇するとは思ってもみなかったのだ。 いや、できればたとえどこであろうともう二度と会いたくないと思っていたというのに、 こんななに簡単に見つかってしまうなんて! 「ゆっふっふっふっ!でいぶからにげようとおもってもそうはいかないんだよ! さあ!おちびちゃんをかえしてもらよ!あとしょくりょうもいしゃりょうとしてぜんぶもらっていくよ!いいね!」 勝ち誇ったよな顔で堂々と宣言するでいぶ。 「なにいってるのおおおおおおお!そんなことできるわけないでしょおおおおおおお! おちびちゃんはぜったいわたさないよおおおおおおおおおお!」 しかしまりさの答えはきっぱりとした拒絶であった。 「ゆぎぃい!ばりさ!ふざけないでね!おちびちゃんたちをひとりじめしているうえに、 しょくりょうもわたさないなんてとんだげすゆっくりだね!」 「そっちこそふざけないでね!あわせないっていったらあわせないからね!さっさとどっかにいってね!」 「ゆふふふふふふ!」 「ゆっ?なっ、なんなの!」 てっきりもっと怒り出すかと思ったまりさ。だがでいぶは不気味な笑みを浮かべている。 「ゆふん!べつにまりさがあわせたくないというならそれでもかまわないよ! まりさのおうちまでかってについていくだけだからね!」 「!」 驚愕の表情を浮かべるまりさ。 なんということだ!おうちにまで付いてこようというのか! だめだ!それだけは絶対阻止しなくては!おうちの場所がばれたら最後、 絶対にいつまでもしつこく居座るに違いない。 「ゆー!おねがいだよ!それだけはかんべんしてね!おちびちゃんたちだけはゆっくりさせてあげたいよ!」 「はああああああああああああああん!なにいっているのおおおおおおおおおおおおお! おちびちゃんはでいぶといしょにいることがさいこうのゆっくりなんだよ!そんなこともわからないの!ばかなの!しぬの!」 だめだやはり話しが通じるような相手ではない。 いや、そもそも話してわかる相手ならばこんなことにはなっていなかったではないか。 どうしてこんなことになっていしまったのか。起こってしまったことを嘆いてもしかたないがそれでもこの不幸は嘆かずにはいられない。 「ゆー!わかったよ!とりあえずしょくりょうをおいていくよ!だからきょうはみのがしてね!」 そう言うと、まりさは帽子につめてあった食料を全てばら撒いた。 「ゆっ!ごはんさん!」 よほど腹をすかせていたのだろうか、でいぶは、ばらまかれた食料を見ると、わきめもふらずに食らいついた。 「ゆっ!むーしゃ!むーしゃ!うっめ!これめっちゃうっめ!」 汚らしく地面におちた食料を食い漁るでいぶ。 「ゆっ!いまだよ!もうにどとこないでね!」 その隙に一目散にでいぶから逃げ出すまりさ。 「むっちゃ!むっちゃ!ゆ!まりさああああああああ!まてええええええええ!」 ようやく逃げられたことに気づくでいぶ。 だがとき既に遅し。まりさの後姿ははるか彼方。とうに追いつける距離にはなかった。 「ゆがああああああああああ!ぜったいにがさないからねええええええええええ! おちびちゃんはぜったいでいぶがたすけるよおおおおおおおおおおおおおおおお!」 まりさの背中からでいぶの絶叫がいつまでも響いていた。 れいむとまりさは共に、大きな群れなどが存在せず、家族単位のゆっくりがバラバラに暮らしている森で生まれた。 これらのゆっくりが、いつの間にか集まって群れをつくるなどということはよくあったが、それはまた別のお話し。 そこまで森のゆっくりの数が多くなかったことや、ゆっくり同士のコミュニティの形成がそれ程活発ではなかったという理由から ついにまとまった群れはできなかった。これも一つの自然の形である。 しかしいくら群れが存在しないとはいえ、近くに住むゆっくり同士のいわば近所づきあいのようなものはある。 この二匹は生まれた時期やお互いの巣が近かったためいわゆる幼馴染の関係であった。 「むきゅ!このきのこさんはどくがあるからたべちゃだめよ! それからこっちのきのみさんはほぞんがきくからおうちにためておくとべんりよ!」 「ゆゆ!むしさんはしょうめんからおいかけていってもにげちゃうよ! つかまえるならうしろからこえをださないようにひっそりとちかづくといいよ!」 「ゆー!ゆっくりりかいしたよ!」 まりさは、優秀な親まりさと、親ぱちゅりーから知識や狩りの仕方などをしっかりと学び、 ゆっくりとしてはかなり高い能力を持つように成長していった。 「ゆー!おちびちゃんはね、とってもゆっくりできるんだよ! だからおちびちゃんもおおきくなったら、たくさんこどもをつくるんだよ!」 「ゆーゆー♪ゆっくりー♪おうたさんはとってもゆっくりできるでしょ! ほら!おちびちゃんもいっしょにうたってみて!」 「ゆー!ゆっくちりかいしたよ!」 一方れいむは、シングルマザーであった親れいむから子育て?の仕方やお歌?の歌い方、 ゆっくりの仕方などを学びながらゆっくりと甘やかされて育てられた。 ちなみにそんなことして、食料はどうしていたかというと、優秀だがややお人よしのまりさ一家から分けて貰っていたようだ。 その結果れいむは世間知らずで一匹では何もできないゆっくりへと成長していった。 さて、時が経ち、れいむもまりさも無事に成体ゆっくりへと成長し、 いよいよ番を持つような段階にまで来ていた。 そして当然のようにこの二匹は番となった。 こういったゆっくりの数が少ない場所では、近所の歳の近いゆっくりが番になることは割と自然なことであったのだ。 「ゆゆ!まりさ!おちびちゃんをたくさんつくってとってもゆっくりしようね!こそだてはれいむがいるからあんしんしてね!」 「ゆう……わかったよ!まりさにまかせてね!」 正直な話しまりさは、甘やかされて育てられて、ややわがままなところがあるれいむと番になるのに そこまで乗り気というわけではなかった。 だが入り好みできるほどに、この森のゆっくり密度は高くなかった。 まりさと歳の近いゆっくりが、まわりにれいむしかいないのだからしかたない。 それにまりさとて一ゆっくり。ゆっくりとしたおちびちゃんは是非とも欲しかった。 れいむだって今は多少わままなところがあるかもしれないが、おちびちゃんができれば母性により親の自覚を持ち、 きっとしっかりとしてくれるに違いないだろう。 まりさはそう思い、れいむと番になることを承諾したのだ。 晴れて番になった二匹は親元を離れ、新しい巣穴を作り、そこで子作りの体制を整えた。 勿論、巣をつくったのも、餌をとってきているのも全てまりさが一匹で行ったことである。 まあこれくらいは仕方ないなとまりさは思っていた。 なんだかんだで、幼馴染としてれいとのの付き合いは長い。 れいむと番になれば、恐らくはじめはこういうことになるであろうとまりさは容易に想像はつき覚悟はしていた。 しかしそれでもいざ子作りの段階では揉め事が起こった。 まりさは、初めての子作りということで、比較的子の数が少なく、ある程度成長して安全な状態で生まれてくる 胎生にんっしんっを考えていたのだが、れいむは断固植物型にんっしんを主張したのである。 「おちびちゃんはたくさんいたほうがゆっくりできるんだよ!そんなこともわからないの!ばかなの!?しぬの!? だいたいもしかずがすくなくて、れいむにそっくりなおちびちゃんがうまれなかったどうするのおおおおおおおお! それにたいせいにっしんはとってもつらいんだよ!れいむがかわいそうだとおもわないのおおおおおお! おまけにおちびちゃんにあえるまでとってもじかんがかかるでしょおおおおおおおおお! れいむはすぐにおちびちゃんとあいたいんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「ゆっ…ゆう……」 まりさがいくらはじめての子育てなので、あまり沢山おちびちゃんがいないほうがいいと説得しても、 れいむは一向にゆずらなかった。 所詮苦労を知らずに育ったゆっくり。 そういった先のことに対する苦労だとかやりくりの計算はまったくできないし、理解できないのだ。 結局わめき散らすれいむに渋々まりさが折れる形で植物型にんっしんすることに決まった。 まりさは少なからず不安を感じてはいたのだが、しかし自分に似たおちびちゃんが沢山生まれれるといのは、 それはそれで抗いがたい誘惑ではあったのだ。そんなわけで、 「「ゆー!すっきりいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」」 その晩二匹はすっきりした。 次の日 「ゆふふふふ!おちびちゃんゆっくりはやくうまれてきてね!」 「ゆー!とってもゆっくりとしたおちびちゃんだよぉ!」 れいむの額から茎が伸び、数匹の赤ゆっくりが成ってる。 その数は丁度赤れいむ三匹と赤まりさ三匹だった。 それを感極まった様子で眺めるれいむとまりさ。 どうやら無事餡子が行き渡っているようで、未熟児らしきゆっくりも見当たらない。 「ゆっ?まりさ!なにしてるの?さっさとごはんさんをとってきてね!」 「ゆっ…でも…」 「でもじゃないよ!れいむはおちびちゃんにあんこをあげたからおなかすいてるんだよ! れいむがむしゃむしゃしないと、おちびちゃんもゆっくりできないよ!」 れいむが言っていることは本当だった。そんなことはまりさも分かっている。 まりさが躊躇ったのは、赤ゆっくりが、もういつ生まれてもおかしくない状態だったからだ。 生まれた瞬間の赤ゆっくりに「ゆっくりしていってね!」というのはゆっくりとして最大級の幸せである。 今狩りのにかけると、その瞬間にまで戻ってこれないかもしれない。そう考えるとどうしても出かけることを躊躇ってしまうのだ。 「なにもたもたしてるの!はやくいってきてね!ぐずはきらいだよ!」 「ゆううう……しかたないね!ゆっくりはやくかえってくるよ!」 子への義務感が勝ったのか、狩りの出かけるまりさ。 引越ししたばかりで食料の備蓄もまったくないため、 生まれたばかりのおちびちゃんが、おなかを空かせてはいけないという判断だった。 そもそもこんなことになったのは、まりさが十分な食料をためてから子作りしようとしていたのに対して、 れいむが一刻もはやく、すっきりしようと迫ったのが原因なのだが 今さらそんなことを言ってもはじまらないと思ったまりさは、大急ぎで行って戻ってくることにしたのだった。 「ゆー♪ゆー♪ゆっくりー♪」 上機嫌で一匹、歌?を歌うれいむ。 するとピクンと実ゆっくりが震えだした。 「ゆっ!うまれる!おちびちゃんうまれるよおおおおお!」 どうやら出産のときが近いようだ。 ピクンピクンと次第に震えが大きくなっていく実ゆっくたち。 そしてついにプチンと音をたて一匹の赤れいむが地面に落下した。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっきゅちいっていちぇね!」 満面の笑顔で挨拶するれいむに舌足らずな発音で答える赤れいむ。 「ゆゆーん!れいむににてとってもゆっくりしたあかちゃんだよー!」 今間違いなくれいむはゆっくりの絶頂にいた。 「ゆっきゅちいっていちぇね!」「ゆっきゅちいっていちぇね!」 次々と生れ落ちる赤れいむたち。 その一匹一匹に最高の笑顔と「ゆっくりしていってね!!!」を返すれいむ。 そして、あらかたれいむ種が生まれ終わると、次に落ちてきたのは赤まりさたちだった。 「ゆっきゅちいっていちぇね!」 赤れいむと同じように挨拶をする赤まりさしかし 「………ゆっくりしていってね…」 れいむはどことなくめんどくさそうに赤まりさに挨拶を返した。 「ゆっきゅちいっていちぇね!」「ゆっきゅちいっていちぇね!」 次々と生まれる赤まりさたち。 だが、れいむはもう挨拶を返そうとはしなかった。 (ゆーなんだかこのこたちはれいむににてなくてあんまりかわいくないよ…) これがれいむの本心だった。 流石に口に出しては言わなかったが、れいむの関心は全くと言っていいほ赤まりさに向けられなかった 「ゆー!おにゃかすいちゃあ!」 「ゆっ!そうだったね!ごめんねおちびちゃんたち!」 赤れいむの一言で正気に戻ったれいむは自分の頭の茎を折り、地面い置いた。 「さあおちびちゃんたち!ゆっくりこのくきさんをたべてね!」 「「「むーちゃむーちゃ!ちあわちぇー!」」」 地面に落ちた茎をおいしそうに食べる赤れいむたち。 「まりちゃも!まりちゃも!」 それを見て、赤まりさもくきを食べようと近づいてきた。 「ゆっきゅちたべりゅよ!」 茎に赤まりさが噛み付こうとしたそのとき。 ドンッ 「ゆぴぃ!」 赤まりさはでいぶの体当たりによって吹き飛ばされた。 「なにやってるのおおおおおおおおおおおおおおお!でいぶのおちびちゃんたちがまだたべてるとちゅうでしょおおおおおお! じゅんばんもまもれないのおおおおおおおおおおおお!なんなのこのげすなこはああああああああああああああ!」 鬼の剣幕で赤まりさにくってかかるでいぶ。 「お、おかーしゃん。れいみゅはべちゅにみんなでいっしょでも……」 その様子を見て、躊躇いがちにでいぶに話しかける一匹の赤れいむ。 「ゆー!おちびちゃんはなんにもしんぱいしなくていいんだよ!おなかいっぱいむしゃむしゃしてね! なんならぜんぶたべちゃってもいいよ!」 コロッと表情を変え、優しく赤れいむに話しかけるでいぶ。 「ゆー!いちゃいよー!」 「おねえちゃああああん!」 「おにゃかしゅいたああああ!」 巣の端で痛みに泣く赤まりさとその周りを囲む姉妹たち。 「ちっ!まったくうるさいねえ!」 でいぶが鬱陶しそうに赤まりさに視線を向けたそのとき 「これはいったいどうゆうことなのおおおおおおおおおおおおお!」 狩りから帰ってきたまりさの絶叫が響きわたった。 まりさは驚愕していた。 しゅっさんに間に合うように、急いでおうちに帰ってきたら、すでに赤ゆっくりが生まれていた。 そこまでは仕方ない。間に合わないかもしれないことはある程度覚悟はしていた。 だがしかし、おうちの光景はまりさの想像を軽く超えたものだった。 本来ならば赤ゆっくりが生まれたときのはじめての食事は、茎をみんなでむしゃむしゃするものだ。 だというのに、食べているのは赤れいむだけで、赤まりさはなんと全員端に追いやられているのだ。 何故こんなことになっているのか、まりさには全く理解できなかった。 「れいむ!いったいどういうことなのかしっかりせつめいしてね!」 「ふん!れいむのおちびちゃんたちがまだたべてるとちゅうなのによこからわりこもうとしたげすに せっいっさいしただけだよ!」 「なにいってるのおおおお!みんなおんなじかわいいまりさたちのおちびちゃんでしょおおおおおお! いみのわからないこといわないでね!」 「おんなじ?ばかなこといわないでね!おめめだいじょうぶなの? かわいいかわいいでいぶににているおちびちゃんがゆうぐうされるのはとうぜんのことでしょ! しっかりしてよね!いつまでもひとりみのつもりじゃなくて、しっかりおやのじかくをもってもらわないとこまるよ!」 「……………」 まりさは言葉を失った。 なんてことだろう!このでいぶは自分に似ているという理由で明らかに子供たちを差別している。 まりさとて自分に似た姿の赤ゆっくりはそりゃかわいいと感じる。 だから多少の贔屓差が出てしまう気持ちはわからないでもない。 だがここまであからさまに差別をするとは!しかもでいぶはそれが当然のこと思っている様子だ。 「れいむ!よくきいてね!たとえすがたがじぶんににていなくても、みんなまりさたちふたりのかわいいおちびちゃんなんだよ!わかるでしょ! ごはんもみんなでむしゃむしゃしたほうが、きっとずっとしあわせー!になるんだよ! さあおちびちゃんたちにあやまって、みんなでなかなおりのすりすりをしようね!」 「なにいってるのおおおおおお!さっきからきいてれば、でいぶのきょういくほうしんにくちだしばっかりしてええええ! まりさは、ごちゃごちゃいわずにしょくりょうだけってくればいいんだよ!」 その後結局仲直りはせず、まりさがとってきた食料を赤まりさに与えてなんとか場はおさまった。 まりさは、はやくもでいぶの子育てに不安を感じていたが、まさかこれだけの数の赤ゆたちをずっと一人で面倒みるわけにもいかない 苦肉の策として、でいぶに、赤ゆたちを差別しないことと、決して体罰をしないことやや強引に約束させた。 これでとりあえずはなんとかなるだろう。まりさは何だかんだ言ってまだでいぶのことを一応信じてはいたのだ。 それからは、表面上は穏やかな毎日が続いた。 だが決して根本的な問題が解決したわけではなかったのだ そしてついに悲劇は起こることになる。 「ゆー♪ゆー♪ゆっくりー♪はいおちびちゃんうたってみて」 「「「ゆー♪ゆー♪」」」 でいぶが子供たちにお歌?のレッスンをしていた。 自分の後に続いて歌うように言うでいぶ。 子れいむたちは嬉しそうに後に続いて雑音を奏でるが、子まりさたちは退屈そうだった。 それも当然で、お歌を歌うのはれいむ種が殆どで、歌を歌うまりさ種の性に合っていなかったのだ まりさ種はどちらかといえばみんなで飛び回ったりじゃれあって遊んだりするほうが好きだった いわゆるじっとしていられない子供というやつで、お歌のレッスンはただただ退屈でつまらない時間であった。 「みゅー!おうたなんてちゅまんにゃいー!」 退屈だったのだろう。ふと一匹の子まりさがぼやいた。 「ゆっ!おちびちゃんいまなんていったの!おうたをうたってるときにしゃべらないでね!」 それを目ざとく聞きつけるでいぶ 「おうたなんかちゅまんにゃいよ!みんにゃであちょんだほうがたのちいよ!」 子まりさはそう訴えた。 子まりさたちは、こんなところでじっとしてないで、もっとみんなで飛んだり跳ねたりして遊びたいのだ。 これは子供なら当然の欲求である。 生まれたばかりの子は目に入る全てのものが新鮮で、その有り余る好奇心を満たすために様々な行動をし、 時に新しい発見をしたり、失敗したりしながら成長していくものなのだ。 ずっと家に押し込めて、なんの役にもたたないお歌などを練習させるのではなく、外にくりだす我が子らを 危険がないように見守るのが本来の親の役割である。が、 「なにいってるのおおおおおおおおおおおおおお! おかあさんはおちびちゃんのしょうらいのためをおもっておうたのれんしゅうさせてるんだよおおおおおおおおお! そんなこともわからないのおおおおおおおおおお!げすなおちびはせいっさいするよおおおおおおおお!」 でいぶはこの上ない怒りを感じていた。 まったく。おちびちゃんが将来困らないようにせっかくこの優秀な母親であるでいぶが英才教育を施してやってるというのに なんてワガママな子だろう。 まりさには体罰は禁止されていたが、温厚なでいぶでも、もう我慢できない。 やはりこういったわからずやのゲスには身体に教えてやらねばわからないのだ。 そう。これは教育なのだ。自分はこんなに一生懸命子供に尽くしているのにそれを理解しない子まりさへの愛のムチなのだ。 「ゆあああああ!くちでいってもわからないげすなこは、せいっさいするよおおおおおおおおおおお!」 でいぶは突然雄たけびを上げると、文句を言った子まりさに強烈な体当たりをぶちかました。 「ゆぎゃああああああああああああああああああ!」 「おねえちゃんが!」 「ゆあー!まりしゃのいもうちょがぁ!」 でいぶの本気の体当たりは、子まりさを軽々とおうちの端までふっとばした。 ビタンと激しく壁に叩きつけられた子まりさは、ゆげえ!と口から大量の餡子を吐いた。 「もっど…ゆっくり…した…かった」 その呟きを最後に子まりさは永遠にゆっくりした。 「ゆっ?おっ…おちびちゃん?」 困惑するでいぶ。静まり返る洞窟内。 あれ?どういうことなの?なんでおちびちゃんが永遠にゆっくりしちゃったの? でいぶにはわけがわからなかった。 殺すつもりなどなかった。ちょっと軽く叱っただけなのになぜ永遠にゆっくりしてしまったのか? このトンチンカンな疑問はでいぶの今までの生活に原因があると言えた。 このでいぶは今まで殆ど家の中で育ち、あまり運動をしたことがなかったため、 力の加減というものがまるでできていなかったのだ。 さながら今時のケンカを一度も経験しないで大人になってしまった子供のようなものだ。 だから殺意はなくても、体格が二倍以上ある成体ゆっくりである自分が体当たりすれば、子ゆっくりは死ぬ。 そんなことすらわからなかったのだ。 呆然とする一同。そこへ。 「これはいったいどうゆうことなのおおおおおおおおおおおおお!」 狩りから帰ってきたまりさの絶叫が響いた。 まりさは驚愕していた。 まだ多少差別的な振る舞いは残っているが、とりあえずはでいぶの行動も落ち着いてきており、 このまま、まりさ似のおちびちゃんとも触れあっている内に、だんだん親としての自覚を持ってくれるものと思っていた。 だがしかし、おうちの光景はまりさの想像を軽く超えたものだった。 なんと!でいぶが子まりさを!実の子供を潰していたのだ! 何故こんなことになっているのか、まりさには全く理解できなかった。 「でいぶ!いったいどういうことなのかしっかりせつめいしてね!」 すさまじい剣幕で、でいぶにつめよるまりさ。 「ゆゆっ!で、でいぶしらないよ!ちょっとしかったら、かってにおちびちゃんがえいえんにゆっくりしちゃったんだよ!」 「それじゃあやっぱりあれはでいぶがやったのおおおおおおおおおおおお! どうして!なんで!じぶんのおちびちゃんをおおおおおおおおおおおおおお! ふざけないでねえええええええええええええええええええええええ!」 「…………(イラッ)」 激しく自分を責め立てるまりさにちょっとでいぶはイライラとしてきた。 ゲスで劣っているおちびが一匹ぐらいいなくなったからどうだというのだ。 大体、自分は日々大変な子育てをしているのになぜ外で食べ物をもってくるだけしか能のない まりさにこんなになじられなければならないのか? 「うるさいよ!でいぶのきょういくほうしんにくちをださないでね!」 「そっちこそふざけないでね!このゆっくりごろし!かえせ!まりさのおちびちゃんをかえせ!」 「だからころすきはなかったっていってるでしょおおおおおおおおおおおおお! へんないいがかりつけないでね!いいかげんにしないとでいぶおこるよ!」 ガミガミと醜く言い合う二匹。 話しはどこまで行っても平行線だった。 「もういいよ!でいぶにこのおちびちゃんたちはまかせておけない! このこたちはまりさがりっぱにそだてるよ!」 そう言うと、まりさはおうちの隅でで震えている子まりさたちに声をかけた。 「さあおちびちゃんたち!もうあんしんだよ!まりさといっしょにこのおうちをでようね!」 「ゆえーん!」 「おちょーちゃあん!」 親まりさにくっつく子まりさたち。 まりさは本音では、赤れいむも自分が連れて行きたかったが、 流石に一匹でこんなに沢山のゆっくりの面倒をみるのは限界があった。 苦渋の策だが、でいぶは赤れいむは可愛がっているようなのでその場に残しておいても多分大丈夫だろうという判断だった。 とにかくいま優先されることは、でいぶから赤まりさを遠ざけることだった。 「ふん!かってにすればいいよ!まりさがでいぶみたいにきちんとしたこそだてができるとはおもわないけどね! せいいぜいしょうらいだめなゆっくりになってからこうかいするといいよ! あと、でていくのはかってだけど、ごはんはちゃんともってきてね! これはおやとしてさいていげんの『ぎむ』だよ!」 まりさたちを尻目にそう吐き捨てるでいぶ。 まったくばかなまりさだ。狩りをするぐらいしか能のないまりさに 子育てというでいぶにのみに許された高等な行為ができるはずもないのに。 成体ゆっくりになってもお歌もうたえずみじめな思いをし、不良ゆっくりになり社会の底辺をさまように違いない。 「いわれなくてもまいにちちゃんとごはんはとどけるよ! でいぶじゃなくてそっちのおちびちゃんたのためにね!」 そう捨て台詞を残し、まりさと、子まりさたちはおうちを後にした。 こうして、二匹のシングルマザーが生まれ、それぞれ独自の方法で子育てをすることとなった。 数日後 「ゆー♪ゆー♪ゆっくりー♪していってねー♪はいおちびちゃんうたってみて」 ゲスで劣ったおちびも、なにかと口うるさいまりさもいなくなり これでやっと子育てに専念できると張り切ってお歌のレッスンをするでいぶ。 しかし子供たちは 「みゃみゃーれいむねみゅたいよ!」 「ゆー!もうちゅかれたよー!」 「ねむいよー!」 と不満げな様子だった。 これもまた当然の反応といた。 いくら歌が好きと言われているれいむ種といえど、同じ事ばかりさせられれば当然飽きる。 たまには他のことをして遊びたくもなるだろう。 だがそれよりももっと大切なことがある。それは昼寝だ。 まだ幼く身体ができていない子供には体力を回復させる上でも、毎日頭にはいってくる膨大な量の記憶を統合するうえでも、 昼寝は欠かせないといえる。 その時間を削ってまでお歌のレッスンを強行することは悪影響以外のなにものでもなかった。 「ゆがああああ!なにいってるのおおおおおお!しっかりれんしゅうしないと、りっぱなゆっくりになれないでしょおおおおお! なまけてないでさっさとうたえええええええ!」 そんなことを知る由もないでいぶは眠がる子ゆっくりたちに無理やり歌の練習を強要していた。 「ゆうゆう」 「すぴー」 「ゆっ!おちびちゃんたちゆっくりねむっているね! いまのうちにかりにいくよ!」 一方出て行ったその日の内になんとか即席で新しいおうちをこしらえたまりさは、 子供たちが昼寝をしている間に、急いで餌を捜しに行った。 子供たちだけをおうちに残すのは不安もあったが、でいぶと一緒にいるよりはましなはずだ。 きちんと昼寝をしている赤まりさたちはゆっくりと成長していった 「ゆっ!これがきょうのぶんのしょうくりょうだよ!」 あれからさらに数日後。赤れいむのために、でいぶのところにも日々食料を運ぶまりさ。 「おそいよ!すくないよ!くずなまりさはもっとたくさんしょくりょうをもってきてね」 「ふん! ぴったりはんぶんこしてるんだからもんくいわないでね! ふまんがあるならじぶんでとってきてね!」 もはや毎日の日課となった憎まれ口をたたきあう二匹。 「まったくほんとつかえないまりさだねえ! さあ、おちびちゃんごはんだよぉ!ゆっ!このあまいきのみさんをたべようね! かたいところはおかあさんがかんでやわらかくしてあげるね!」 「ゆわーい!」 「ゆっくちゆっくち!」 好物の木の実を与えられてご機嫌な赤ゆたち。 「…………」 それをなにか言いたげに見つめているまりさ。 「ゆっ!なにみてるの!くずなまりさはじゃなだからさっさとどっかにいってね!」 「でいぶ!こどもたちにすきなもをすきなだけたべさせるのはかんしんしないよ! きのみさんがとれないときや、しょくりょうがすくないときだってあるんだから くささんやむしさんもちゃんとたべさせないと、いざというときにこまったことになちゃうよ! それにたべるときも、じぶんでしっかりかませるようにしないと、いつまでたってもそのままだよ!」 でいぶのやり方に思うところがあったのか、つい口出しをしてしまうまりさ。 まりさの言っていることはいちいちもっともだった。 偏った好物ばかりたべていれば、人間のあまあまほどではないにしろ、 だんだんそれ以外の食べの物を受け付けなくなっていくだろう。 それにいつまでも親が子供に食べさせやるのもよくない。 親の力をかりず、一匹でやれば当然赤ゆは始めは当然うまく噛むことができないだろう。 だが何度も繰り返しているうちにできるようになっていき、さらにもっと上手になっていく。 これが成長するということなのだ。 でいぶの行為は子供の成長の機会を奪うどころか、なんでも子供の変わりに親がやってやることにより、 子供の向上心が育たず、依存心ばかりが強くなってしまうのだ。 「ゆがー!でいぶのきょういくほうしんにくちをださないでって、いってるでしょおおおおおおお! おちびちゃんのすきなものをたべさせないなんて、とんだげすゆっくりだねえええええ! ねっ!おちびちゃんもそうおもうでしょ?」 「ゆゆ!げすなおやはゆっくりしんでね!」 「ゆー!もっとたくさんあまあまもってこい!」 「……ゆう…」 いきり立つ二匹の赤ゆ。だが最後の三匹目は困惑気味な表情をしていた。 自分たちのために食料を持ってくるまりさに文句をいう姉妹たちに罪悪感を持っていたのだ。 まあ、この赤ゆたちを攻めるのは少々酷ではある。 小さな子供にはまだ将来の長い時間にわたって展望する力ない。 本来それを補うのが親の務めなのだが…。 「…またくるよ」 今は何をいっても無駄と判断したのかまりさはくるりときびすを返し、自分の住処へと戻っていった。 「さあおちびちゃん!きょうはくささんと、むしさんをむしゃむしゃするよ!」 「ゆー!あれはまずいよー!」 「きのみさんがたべたよー!」 「だめだよ!それはきのうたべたでしょ!きらいなものでもなんでもたべないとゆっくりできなくなっちゃうよ!」 「ゆゆー!このくさかたいし、にぎゃいよ!」 「ほら!ゆっくりでいいからよーくかんでね!」 「ゆーゆーごっくん!まりちゃひとりできたよ!」 「ゆー!えらよおちびちゃん!」 でいぶと同じ轍を踏むことのなかった赤まりさはゆっくりと成長していった。 「ゆっ!これがきょうのぶんのしょうくりょうだよ!」 「おそいよ!またこれだけなの!くずなどれいはさっさとたくさんごはんをもってきてね」 「くじゅが!くじゅが!」 「どりぇい!どりぇい!」 「………」 ぽよんぽよんと跳ねながらでいぶの暴言のまねをする二匹の赤ゆたち。 三匹目の赤れいむは無言で俯いている。 「でいぶ!おちびちゃんたちのまえでそんなきたないことばをつかうのはゆっくりできないよ」 「くずどれいにむかってくずどれいといってなにがわるいのおおおおおおおおおおお! いいからさっさとまりさはごはんをもってくるかきえるかしてね!めざわりだよ!」 子供というのはすぐ周囲の言葉や言動を真似するものである。 親は子供の悪い見本にならないように注意しなければならない。 まあこのでいぶはこれらの言動を悪い事とは思っていないようだが…。 「さあ、おちびちゃんたち!ごはんをたべおわったらおかあさんと、すーりすーりしようね!」 「しゅーりしゅーり」 食後に思い思いの方法でゆっくりし始めるでいぶたち一家。 「…………」 それをなにか言いたげに見つめているまりさ。 「ゆっ!まだいたのまりさ!ゆふふふふ!わかったよ!でいぶのりっぱなおちびちゃんたちを見てうらやましいんでしょお! とうぜんだね!でいぶがこそだてしてるんだから!こんなにゆっくりしたおちびちゃんはほかにいないよ! いまさらくやんでもおそいよ!せいぜいこうかいしてね!」 見当違いの優越感を感じ得意になるでいぶ。 だがまりさが語ったのはまったく別のことだった。 「でいぶ!いつもそうやっておうちにおちびちゃんといっしょにずっとこもっているの? ちゃんとおそとにつれだして、そとのせかいをみせたり、かりのしかたをおしえたりしないとだめだよ! しょうらいゆっくりできなくなっちゃうよ!」 「ゆがー!いいかげんにしてね!くるたんびにくちだしばっかりしてええええええええええ! でいぶはおちびちゃんの『じしゅせい』を『そんちょう』しているのんだよ! おちびちゃんたちは、おそとになんていきたくないんだよ! おうちでおうたをうたっていたほうが、ゆっくりできるんだよ! こどもをおそとにだして、つらいめにあわせようなんてとんだげすおやだねええええええ!」 「自主性」を「尊重」。なんでこの饅頭はこんな言葉しっているのであろうか? まるで最近の小学校を不登校にさせている母親のようだ。 これは子供がイヤということは無理やりやらせなくてもよい。子供が本当にやりたいことをやってほしいという理屈である。 そういえばゆとり教育のテーマもこんなような感じだった気がしないでもない。 だがこのご大層に聞こえる理屈には一つの穴がある。 それは、子供がいやなことはやらなくてもいいけれど、その結果どうなるか? その責任は子供自身が背負っていかなければならないということだ。 でいぶは考えたことがあるのだろうか? 外に殆ど出たこともなく、ろくに自分で食料も確保できないゆっくりの末路を。 でいぶの親は運よくまりさ親子から食料を恵んでもらえた。自分は運よくまりさと番になれたからいい。 だが子供たちは?巨大な群れならともかく、ゆっくり密度の低いこの森でそう都合よく行くだろうか? そもそも現在のでいぶの状況が、もうすでに異常といえる幸運の上に成り立っているこことにでいぶは気づいていなかった。 「…ふう…またくるよ」 そう呟くと、まりさは踵を返した。 このままではこの子たちはきっとだめになる。いっそのことこの子らも自分が育てようか? いやだめだ。とても自分ひとりでこれだけの数を育てることはできない。 それにでいぶが納得しないだろう。無理にでも連れて帰れば、自分の住処まで押しかけてくるに違いない。 それではわざわざ別々の場所で赤まりさを育てている意味がない。 可哀相だが、切り捨てることも視野に入れなければならないかもしれない。 そう憂鬱な気持ちになりながら、おうちを後にしようとしたまりさの背中に、 「ま、まってね!」 一匹の赤れいむが声を掛けた。この赤れいむはいつも遠慮がちにしている赤れいむだった。 「れ、れいみゅもおそとにつれてってね!」 「ゆゆっ!ほんとうに!」 驚いて振り返るまりさ。だが、 「なにいってるのおおおおおおおおおおおおお!おそとはきけんなんだよおおおおおおおおおおおお! それにおそとではねまわったりしたら、きたならしくなるでしょおおおおおおおおおおおお! そんなこともわからないのおおおおおお!おちびはよけいなことしないでいでゆっくりしてればいいんだよおおおおお!」 でいぶの絶叫がそれを遮る。 「ゆっ、ゆう、でもれいみゅおそとがどうなってるかみてみたいよ! おうちでゆっくちするのもいいけど、でもそれはだけがゆっくりじゃなきがするよ!」 「なにばかなこといってるのおおおおおおおお!おうちでゆっくりおうたをうたうことこそがさいこうのゆっくりなんだよおおお! でいぶはおいびちゃんのためをおもっていってるんだよおおおおおお! それがわからないのおおおおおおおおおおおおおお!」 「でいぶ!でいぶはおちびちゃんの『じしゅせい』を『そんちょう』しているのんでしょ! だったらおちびちゃんのいうことをきいてあげるべきだよ!」 ここぞとばかりにまりさが訴えた。 そう。今ならまだ間に合うのだ。 今ここで外にくりだすかどうかが、この子の将来に大きく影響するということを理解していたまりさは必死だった。 「ふん!まったくばかなこだねえ!こうかいしてもでいぶはしらないからね!かってにまりさのところにでもいけばいいよ!」 「ゆっ、ゆう…」 でいぶに拒絶され、意気消沈気味にうつむく赤れいむ。 それをまりさはやや強引に咥えて外に連れ出す。 「ゆう!いくよおちびちゃん!」 そう言ってまりさは外へ飛び出した。 そして赤れいむは生まれて始めて広大な外の世界を目撃することとなる。 「おちびちゃんたちただいま!」 「おかえりなちゃい!ゆゆ?もしかしていっしょにいるのは?」 「おちびちゃんたちのおねえさんだよ!きょうからまたいっしょにくらすからあいさつしてね!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 赤まりさたちの活発な様子にややたじろぐ赤れいむ 赤れいむは何か、この赤まりさたちから自分らにはなかった活力や活気のようなものを感じていた。 「それじゃおちびちゃんたち!かりにいくよ!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「ゆゆ?かり?」 聞きなれない言葉に首を傾げる赤れいむ。 「ゆっ!そうだよ!みんなでごはんさんを集めにいくんだよ!」 このまりさは、はやいうちから子どもたちに狩りのしかたを教えていたのだ。 もちろんまだ赤ゆっくりなので大したものはとれないし、量もほとんどゼロといっていいだろう だが大切なのはこういった経験を繰り返させて、食料をあつめるということはどういうことかを 身をもって体験させることが重要だとまりさは考えていた。 それになるべく子どもだけで留守番させるよりは、自分の目の届くところにいたほうがいいという理由も大きかった。 「?????」 赤れいむはまりさの言っていることがよく理解できなかった。 なぜわざわざ食料を集めるなどということに時間を割くのだろうか、と。 それも当然で、今までの流れから容易にわかることだが、でいぶは赤れいむたちに食料のとりかたなど教えていなかったからだ。 赤れいむにとってごはんとは、自分おなかをすかせたときにはいつも魔法のように目の前にすぐ現れるし、 おなかがすいてなかったときでもいつの間にか目の前にある。そんな認識のものだった。 こんなことが続けば、対して努力しないでも食料は手に入ると考えてしまっても無理からぬことである。 「さあみんなしゅっぱつだよ!」 「「ゆー!」」 「ゆっ…ゆ」 困惑する赤れいむをよそに今日も家族での狩りが始まった。 そこで赤れいむは、はじめて知るたくさんの事実に驚愕し、失敗し、ふてくされ、しかし最後にはちいさなちいさな収穫と大きな満足を得た。 これらは家に居たのでは決して得られなかったものだろう。 赤れいむは一日にして今までの短いゆんせいの全て以上の体験をした。 「ゆふふふふ。でいぶのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! さあ!おかさんとすーりすーりしようねええええええええええええええええええええええ!」 「「ゆー!すーりすーり!」」 「ゆふふふおちびちゃん!でいぶのかわいいおちびちゃん!おちびちゃん!!おちびちゃん!!!おちびちゃん!!!!おちびちゃん!!!!! ゆぐふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……… 触れ合うでいぶたち親子。 本来ならば微笑ましい光景のはずである。しかしなぜだろうか……それは…なんとも…… 時は流れ、赤ゆっくりだった子どもたちも、子ゆっくりと呼べるほどに成長していた。 「くそどれぃぃい!おそいよ!またこれだけなの!ほんとつかえないねえ!」 「しね!ゆっくりしね!」 「どれいはさっさとごはをもってきてね!たくさんでいいよ!」 「……………」 ギャーギャと騒ぐでいぶと、子れいむ。 それを無表情で見下ろすまりさ。 別段でいぶたちの言動に飽きれや怒りを感じているというわけではない。こんな暴言はいつものことだ。 ただこの子れいむの現状には少々感じ入るものがあった。 それはなんというかあきらめに近い感情だった。やはりこうなってしまったか、という。 今や子れいむたちの姿は、成長期の偏った食事と暴食、運動不足により 健康な状態の楕円系とは程遠く、でっぷりと縦に太ったいわゆるナスビ型となってた。非常にキモイ。 ろくに運動もしなかったため跳ねる事はできず、ずーりずーりと地面を這い蹲りながらでないと移動ができない。 口をひらけばしねだのくずだのどれいだのゆっくりできない暴言ばかり。 しかもお歌と称してゆぶーゆぶーと雑音を周囲に振りまく。 何も教えられず経験もしなかったために、当然最低限の生きる知識もない。 運動能力はぱちゅりー以下、知能はれいむ以下、口の悪さはげすまりさ以下、見た目の醜さはれいぱーありす以下 という欠点のハイブリットゆっくりとなっていた。 「ゆゆーん!でいぶのおちびちゃんかわいいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! さあ!きょうもおうたをうたおうねええええええええええええええええええええ!」 「ゆぶー!ゆぶー!」 「ゆっぐじぃ!ゆっぐじぃ!」 だがしかしでいぶにとってそんなことは何の関係もなかった。 なぜならば、でいぶはおちびちゃんがかわいいから。理由はそれだけでいい。 「…でいぶきいてね!」 まりさが意を決して話しかける。 「ゆっ!まりさまだいたの!ゆふふふふ!わかったよ!ゆっくりしたおちびちゃんたちを見てうらやましいんでしょお! まりさのところにいるおちびちゃんたちはほんとにふこうだねぇ! でいぶのところにいればでいぶがこんなにゆっくりさせてあげたのにねぇ! おちびちゃんもそうおもうでしょお!」 「ゆっゆっゆっゆっ!」 「ゆばばばばばばば!」 「ゆゆーん!おちびちゃんかわ…『ごはんさんをもってくるのはきょうでさいごだよ』」 「…………は?」 静寂。 しかし次の瞬間でいぶのぷるぷると震えだし、凄まじい表情でまくし立てた。 「なにいってるのおおおおおおおおおおおおおおおお!ごはんさんをとってくるのはおやのやくめでしょおおおおおおおおお! ばかなのおおおおおおおおおおおお!しぬのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「ごめんねでいぶ。まりさはおやしっかくだよ」 「はあああああああああああああああああ!ふざけるなああああああああああああああああああ!」 「まりさはもう、まりさがそだてているこどもたちにせんねんしたいんだよ。 みんなとってもかしこくて、いい子にそだってるけど、まだまだおしえなきゃいけないことはたくさんあるよ。 こどもたちのたべるぶんもふえてきたし、そろそろまりさだけでぜんいんのこそだてとしょくりょうあつめはできないんだよ」 「だからこそだてはでいぶがするっていってるでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ぐずなまりさはとっととごはんだけよういしてればいいんだよおおおおおおおおおおおおおおお!」 「まりさもそうしたかったよ。でも、ざんねんだけどでいぶにこそだてはまかせられないんだよ。 じぶんのこを、えいえんにゆっくりさせちゃうようなでいぶには」 「がああああああああああああ!あれはじこだっていってるでしょおおおおおおおおおおおおおおおお! おわったことをいつまでもむしかえしてえええええええええええええええ!」 無論、まりさがでいぶに子育てをまかせられない理由はそれだけでいはない。 いま目の前にいるどう見ても育児失敗といった子れいむを見ての判断もあるのだが、 それを言ってもでいぶは理解できないだろうと思ったまりさはあえてそのことを言わなかった。 「それじゃあねでいぶ。おちびちゃんたちといっしょにゆっくりしていってね!」 「まてえええええええええええええ!まりさああああああああああああああああ! ゆぶ!」 去って行くまりさを追いかけようとしたでいぶだが、長い間の運動不足がたたってか、 なにもないところで豪快にすっころんでしまう。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ!このげすがあああああああああああああ! いくじほうきゆっくりめええええええええええええええええ!」 まりさは振り返らなかった。自分が食料を届けなかったら、あの子れいむたちがどうなるかは何となく理解できた。 だからまりさは、自分が親失格だといったのだ。 仮にもし、でいぶの育て子が正常に育っていれば、まりさはムチャをしてでも全員を育てただろう。 だがああなってしまえば更生はほぼ不可能だろう。 どんな子でもわけへだてなく、育てろというのは確かに正しい。 だが正しいだけでは野生では生きていけないのだ。 「ゆがああああああああああああ!くそどれいめええええええええええええええ! さっさとしょくりょうもってこいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 数日後。そこにはおうちでただひたすらにわめくでいぶの姿があった。 まりさが去った当初、でいぶはまだこの事態を軽く見ていた。 なぜなら、いくらげすなまりさとはいえ、こんなにかわいいおちびちゃんを見捨てるはずがないと その内に後悔して、かわいいおちびちゃんのために食べ物を持ってこさせてくださいと 土下座して謝りに来るに違いない。そう思っていたのだ。 しかし待てど暮らせどまりさはやってこなかった。 「ゆびー!おにゃかすいたよう!」 「げすなおやはさっさとごはんもってきてね!」 「ゆっ!おちびちゃん!」 しきりに空腹を訴える子れいむたち。 しかし実際にはいままで身体が変形するくらい食いだめしていることもあり、まだかなり余裕があるのだが、 今まで飢えるということが一度もなかった子れいむの辞書に我慢などという言葉は無い。 ただひたすらに食料をよこせと、貪欲に主張する。 「ゆぐぐぐぐぐ!しかたないね!おかあさんがごはんさんをとってくるよ! おちびちゃんはそれまでまっててね!」 このままでは子どもたちがゆっくりできなくなってしまう。 そう思ったでいぶは、しぶしぶながらもついに、外にに自分で食料を探しにいく決心をしたのだった。 「ゆふう!ゆふう!なんででいぶがこんなことを……」 ぜえぜえと息をしながら久しぶりに外の世界に出るでいぶ。 長い間の運動不足がたたってか、その動きはゆっくりだということを考慮しても酷く緩慢だった。 それにちょっと動いただけですぐにハアハアと息を切らしてちっとも前に進まない これではとても満足に食料を確保することなどできないだろう。 「ゆううう!まったくおそとはゆっくりしてないよ! こんなところにおちびちゃんをつれだしてるなんてまりさはとんでもないげすおやだよ!」 そう憤慨するでいぶ。お外は危険な上に疲れるからゆっくりできない。これがでいぶの基本的な考え方だ。 その認識自体はそう間違っているとはいえない。だが、だからといって子どもをまったく外で遊ばせず、 家にずっと閉じ込めておくのが本当に子のためになるかはまた別の話である。 そういえば、とでいぶは思い出す はるか昔。もうほとんど忘れてかけている赤ゆっくりだった時の記憶。 おうちでゆっくりしていたかったでいぶを、無理やり外に連れ出していたゲスな親が自分にもいたような? もう顔も覚えていないそいつは、でいぶの将来のためだとかぬかしてやがったが、余計なおせわというものだ。 まあ、そのげすな親はでいぶが子ゆっくりになるくらいには、いつのまにかいなくなって 今のとってもゆっくりしたおかあさんだけになったからよかったのだが もし、そのげす親がいつまでもおうちにいたらと思うとゾッとする。 きっと自分は今のような立派な親ゆっくりにはなれてなかっただろう。 「ゆっ!かんがえごとをしているひまはないよ!はやくおちびちゃんのためにごはんをさがさないと!」 でいぶはそう呟くと、再び不器用な食料集めを再開した。 「ふうふう!おちびちゃぁぁぁぁん!ゆっくりかえったよおおおおおおお!」 ボロボロのでいぶがおうちの前で叫んだ。 でいぶが必死になって集めた食料は、まずい草や虫の死骸など簡単に取れる物ばかり しかもいつもまりさがもって来る量の四分の一程度。つまりまりさがいつも取っている総量の八分の一である。 だがでいぶの食料集めの経験がほぼないことを考慮すれば、奇跡といっていいほどの量である。 これでとりあえずの飢えはしのぐことはできるだろう。 まあ、口の肥えた子れいむたちがこれらの食料を食べることができればの話だが…。 とはいえ結果的にその心配はなかった。 「おちびちゃぁぁぁぁん!どこにいるのおおおおおおおおおおおお! へんじしてええええええええええええええええ!」 何故ならば、子れいむたちはおうちにいなかったからだ。 「ゆべー!ゆっくち!」 「ゆー!ゆゆー!」 でいぶがおうちにたどり着いたその頃、子れいむたちはくねくねとキモイ動きをしながら、森をふらふらとさまよっていた。 なぜ外に出たかというと、いつまでたってもご飯をもってこない使えないくず親にかわってれいむさまがじきじきにご飯を食べに行ってやろう。 と、まあよくあるそんな感じの理由だ。 しかし一度外に出てしまえば見るもの全てが新鮮な世界。いかなおうち好きのれいむ種とはいえ、そこはやはり子ども つい空腹感も忘れ、いろいろと見て回っているうちに現在に至るというわけだ。 「ゆゆ!みたことないこがいるよ!なんだかいなかものっぽいかおしてるわね!」 「わかるよー!なんだかへんなからだだねー!」 と、そこへ子ありすと子ちぇんの姉妹が通りかかった。 この場所は普段二匹がよく遊び場として使っている場所だったのだ。 「「ゆゆゆ?」」 子れいむたちは驚いた。それも当然。 なにせ今まで見たことがるゆっくりといえば両親であるまりさ種とれいむ種だけだったのである。 だがその姿形から、同じゆっくりであるということはかろうじて理解できていた。 同じゆっくり。だが自分たちとは違う存在。そこから導き出した子れいむたちの結論は 「ゆー!どれいはちゃっちゃとれいみゅたちにごはんをもってきてね!」 「たくちゃんでいいよ!はやくしてにぇ!」 …………だと思ったよ…… 「なにいきなりわけのわからないこといってるのかしら?このいなかものたちは!」 「なにいってるのかいみがわからないよー!」 これにたいして至極最もな反応を示す二匹。 そりゃそうだ。 「むー!なんなの?どれいのくせにれいむにさからうきなの!」 「ききわけのないどれはせいっさいするよ!」 予想外の反応にいきり立つ子れいむたち。生まれてはじめての自身を否定する言葉にこの上ない怒りを感じていた。 奴隷の分際で、このれいむさまにたてつくとは絶対に許せない。 「「ゆっくりしねー!」」 言うが早いか子ありすと子ちぇんに襲い掛かるこれいむたち。 「なによ!このいなかもの!」 「わかるよー!けんかなんだねー!」 それに対して体当たりで応戦する二匹。 「「ゆぎゃーーーー!」」 見事に吹っ飛ばされる子れいむたち。 普段から外で遊びまわっている子ありすと子ちぇんとの実力の差は歴然としていた。 「ゆえーん!いたいよおおおおおお!」 「ゆあーーたちゅけてえええええ!」 ちょっところんだだけで、別に大怪我したわけでもないのに派手に泣き叫ぶ二匹。 だがその様子にちょっと悪い事したかなーと思った子ありすと子ちぇんは二匹に歩み寄ることにした。 「もう!きゅうにおそいかかってくるからいけないのよ!ほらだいじょうぶ?」 「わかるよー!やりすぎちゃったんだねー!ごめんねー!」 ケンカの後は仲直り。基本である。 こうやって友達をつくり子ども同士の和を広げていくものだ。 そうこうしていくうちに他人との付き合い方や距離のとり方を覚えていく。 そう。これは子れいむたちの成長への第一歩 と、なるはずだった………。 「ゆがあああああああああああああああああああああああああああああああああ! おちびちゃんをなかしているのはだれだあああああああああああああああああ!」 でいぶが現れるその時までは。 「ひっ!」 突然物凄い剣幕のでいぶの乱入に思わず声を上げる子ありす 子ども同士のケンカにまさかの親の介入である。 本来ならば有り得ない。否。あってはならない事態である。 だがそんなことはおかまいなしに、子ありすを睨みつけるでいぶ。 「おまえかああああああああああああああああああああ! でいぶのおちびちゃんをなかしたのはああああああ!このげすれいぱーありすがああああああああ! しねえええええええ!ゆっくりしねえええええええええええええええええ!」 そう叫びながら、子ありすに向かっていき… グチャ。 子ありすはでいぶによって潰された。 「あっ、ありすううううう!わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 一部始終を目撃していたちぇんは恐怖からか脱兎の如く逃げ出した。 正しい判断だった。いかにでいぶが愚鈍なゆっくりとはいえ、大人と子どもでは勝負にならない。 「ゆっふっふっふ!あくはさったよ!まったくでいぶのおちびちゃんをなかそうなんて とんだげすがいたもんだよ!ねっおちびちゃん!ゆっ?」 でいぶが子どもたちに視線を向けると、 「むーちゃ!むーちゃ!しあわせー!」 「うっめ!これめっちゃうっめ!」 なんと!子れいむたちは子ありすのクリームを貪っていたのだ! 「ゆー!だめだよおちびちゃん!そんなげすをたべちゃあ!ゆっくりできなくなるよ!」 でいぶが注意するが、どうにも論点がおかしい。 「うるちゃいよ!れいむはおなかすいてるんだよ!じゃましないでね!」 「もーしかたないねぇ!それじゃあおうちにかえってからむしゃむしゃしようね! おそとはゆっくりできないよ!はやくかえろうね!」 「ゆうー!ゆっくりわかったよ!」 ゆっくりを食うという禁忌をあっさりと見逃すでいぶ。 でいぶが子どもの要求を断るはずもなかった。 でいぶは子ありすの死体を持ち上げると、そのままおうちへと向かっていった。 子れいむたちもその後に続く。 そういえば親子でこうやって歩くのははじめてのことである。 でいぶはたまにはこういうのも悪くないなと思った。 「ゆふう!ゆふう!おとびちゃんのためにゆっくりごはんをさがすよ!」 次の日。再び外でごはんを探しまわるでいぶ。 だがやはりろくな食料は集められなかった。一日や二日で狩りが上手くなるようならなら苦労はない。 それならわざわざ小さい時から訓練させたりしないだろう。 当然今日の収穫も昨日取った分と大差なかった。 しかし、とでいぶは考える。足りないようならば、昨日の様にほかのおちびを潰して与えればいいのではないかと。 ゆっくりを潰す事は悪い事。さすがのでいぶもそのぐらいは理解していた。 だがおちびちゃんのためというなら話は別だ。 でいぶの特別なおちびちゃんをゆっくりさせるためなら、そのくらいのことは許されてしかるべきだろう。 「ゆーん!こんなことになるならあのときのげすちぇんをにがすんじゃなかったよ!」 一緒に潰しておけば、少なくとも今日の分の食料は確保できていたのにしくじった。 そんな悪魔的なことをでいぶは考えていた。 だが結果的には食料の心配をする必要はなくなった。 「おちびちゃぁぁぁぁん!どうしてえええええええええええええええええ! へんじしてええええええええええええええええ!」 何故ならば、おうちの子れいむたちは二匹ともズタズタにされ苦悶の表情をしながら息絶えていたからだ。 「なんでえええええええええええええ!どうしてえええええええええええええええええ! いったいだれがこんなことおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 勿論やったのは、昨日潰した子ありすの両親である。 あの惨事のあと息も切れ切れに両親のところに戻った子ちぇんは事情を話し、 親とともに再びあの場所に戻ったのだ。 現場には既にでいぶたちの姿はなかったが、かわりに子ありすのカスタードの後が点々と続いており それがこのおうちまでの道しるべとなっていたのだ。 そもそもあのナスビ子れいむが単独でたどり着けるような距離である。 でいぶのおうちとあの場所はそんなに離れていなかったのだ。 そんなわけで、親ありすとちぇんはでいぶがいないところを見計らい、報復として子れいむを襲撃したというわけだ。 野生の掟は基本的に、目には目を歯には歯をのハンムラビ法典式である。 これは怒りのままに行動して際限ない報復合戦になるのを避けるための知恵である。 例えばでいぶまで殺してしまうと、今度はでいぶの番や両親、友達などが今度は復讐にくる可能性があった。 このため腸が煮えくりかえってはいるが、ありすやちぇんはでいぶまでは手をださなかったのでる。 実際問題として潰す瞬間をじかに見ていない親二匹は、常識としてでいぶが殺意をもって子ありすを殺したなどとは思っておらず、 いわばはずみの事故として殺してしまったものと理解をしていたという側面もあった。 「ゆがああああああああああああああああ!うそだあああああああああああああああああ! こんなことあるわけないいいいいいいい!おちびちゃああああああああああんへんじしてえええええええええ!」 だがそんなことはでいぶの知る由もなく、 おうちの中をでいぶの絶叫がいつまでも響いていた。 「ゆっへっへっへ!おちびちゃん!どこかなぁあぁっぁああ! かくれてないででておいええぇえぇえええええええ!」 森のなかを虚ろな目をしたでいぶが、ふらふらとさまよっている。 その様子はどこからどう見てもまともなゆっくりのそれではない。 でいぶの餡子は、子どもが永遠にゆっくりしたとうい情報を受け入れていなかった。 おちびちゃんはきっとまたお外に出て行ってしまったんだ。おうちの中にあった死骸はミセモノだ! そうであって欲しい。そうに違いない。 ゆっくり特有の餡子思考でそう結論し、子どもを捜し続けるでいぶ。 すると、でいぶの耳にどこからか、なつかしい声が聞こえてきた。 「ゆゆ!ほらみておとうさん!きのみをみつけたよ!」 「ゆー!すごいよれいむ!これはなかなかみつけられないあまいきのみさんだよ!」 「おねえちゃんすごーい!」 「ゆへへ!」 それはでいぶのもとを去った、あのまりさ一家の声だった。 「あっ…あ、あああああああああああ!!!」 いた!いたよ!おちびちゃんが!でいぶのおちびちゃんがあんなところにいたよおおおおおおおお!!! なんてゆっくりとしたおちびちゃんなんだろう!あれこそが本当のでいぶのおちびちゃんの姿だよ! 今までのはなにかがおかしかったんだよ!こんどこそあのおちびちゃんといっしょにとってもゆっくりするよお!! 健康ですくすくとまりさに育てられた子れいむや、子まりさは、でいぶが育てていたナスビ型の子れいむより はるかにゆっくりとした子ゆっくりに成長していた。 きっとあっちがでいぶが育てるべき本当のおちびちゃんで、いままでのはきっと間違いかなにかだったのだ。 そうとわかれば、さっそく迎えに行かなければ! 「ゆああああああああああ!おちびちゃああああああああああああん! おかあさんだよおおおおおおおおおお!いっしょにおうちにかえろうねええええええええ!」 奇声を上げながら、まりさたち親子に向かって突っ込んでいくでいぶ。 「ゆっ!で、でいぶ!」 「お、おかあさん!」 突然のでいぶの登場に戸惑う一家。 「そうだよおおおおおおおおおおおおお!かあさんだよおおおおおおおおおおおおおおお! いままで、つらいおもいをさせてごめんねえええええ!これからはおかあさんがゆっくりさせてあげるよおおおおおおおお!」 そうのたまいながら、子どもたちに近づこうとするでいぶを、 「ちかづかないでね!」 ドンッ 「ゆべらっ!」 まりさが体当たりで跳ね返した。 「ゆがあああああああああああ!なんのつもりだ、このくそまりさがあああああああああああ! そこをどけええええええええええ!」 「でいぶ!きいたよ!ありすたちのこどもをえいえんにゆっくりさせちゃたんだってね! あのこありすと、こちぇんはとってもゆっくりとした、おちびちゃんのともだちだったのに! おかげでまりさたちのたちばもわるくなって、とってもめいわくしてるんだよ! じぶんのこばかりか、ほかのこどもたちまでてにかけるなんて、とんだげすゆっくりだよ!」 「げすはおまえだろおおおおおおおおお!だいたいあいつらはおちびちゃんをなかしたんだよおおおおおお! だからせいっさいしてやったんだあああああああ!なにがわるいいいいいいいいいいいいいいい!」 「!!!そんなりゆうで……。でいぶ!もうにどと、まりさやおちびちゃんのまえにあらわれないでね! めいわくだよ!さあみんないくよ!」 そういい捨て、去って行くまりさ一家。 「ゆがあああああああああ!まてえええええええええええ! でいぶのおちびちゃんをつれていくなああああああああああああああ!」 体当たりのダメージがまだ抜けていないでいぶは追いかけることができなかった。 げすなまりさに無理やり連れて行かれる(でいぶの目にはそう映っている)可哀相なおちびちゃんたち。 「まっててねええええええ!おちびちゃああああああああああん! でいぶがからなずおちびちゃんたちをまりさからたすけだしてあげるよおおおおおおおお!」 それから数日後。 「ゆうう!こまったよ!」 まりさはすっかり参っていた。 あのでいぶとの遭遇してからというもの、スキあらばでいぶが子どもたちを取り返そうと襲ってくるのだ。 さいわいにして、今のところは大事には至ってないが、まりさとて24時間子ずっとどもたちを見張っている事などできない。 しかもあの危険なでいぶに付きまとわれていることは近所の噂にもなっていた。 子どもを潰してしまうような危険なでいぶが常に近くにうろついている子と仲良くするように言う親などいない。 仲が良かった子ありす子ちぇんの親子をはじめとして、ほかの付き合いがあった家族とはみんな疎遠となっていた。 他の子と遊べないのは子どもたちのためにもよくないだろう。 せっかくまりさが子どものときと違って、歳が近いゆっくりが周りに沢山いるというのにこれでは逆効果だ。 「ゆーん!いっそのことでいぶを……」 一瞬危険な思考がまりさの頭をかすめる。いや!だめだ!一体何を考えているんだ。 いくらげすなでいぶとはいえ、ゆっくり殺しを犯したゆっくりの子が周りから白い目で見られるのは明らかだ。 それにあんなんでも一応産みの親だ。子ども達の影響にもよくない。 そんなことを考えながらおうちに向かうまりさ。だがしかし、 「みつげたよおおおおおおおおおおおお!おちびちゃあああああああああああ! さーあおかあさんといっしょにかえろうねえええええええええええええええ!」 「やべてええええええええ!」 「はなせ!おねえちゃんをはなせ!」 「なにやってるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 おうちの前まで帰ってきたまりさが見たものは、おうちの中に侵入し、子れいむを連れ出そうとしてしているでいぶの姿だった。 なんということだ!今までおうちの場所はばれていなかったに、とうとう見つけられてしまったのだ。 「おちびちゃんからはなれてねぇぇぇえ!」 「ゆべし!」 まりさの体当たりがでいぶに炸裂する。 「でいぶ!いいかげんにしてね!もうまりさたちのまえにあらわれないでって、なんかいいったらわかるの!」 「ゆっへっへっへっおちびちゃあああああああん!」 ゾクリ。 でいぶのもはや正気とはいえない目を見て、まりさは寒気がした。 もうだめだ。こいつは既にまともじゃない。子どもを失ったショックでおかしくなってしまったのだ。 きっともう口で言ってどうこうできる相手ではない。 何度追い返しても決して諦めないだろう。 もう、逃げる以外の方法がない……。 「おちびちゃん!まりさといっしょにこのもりからでるよ!」 「ゆえええ!そんな!」 「どうして!れいむこのばしょがきにいってるよ!」 「まりさだってそうだよ!でもこのままじゃみんなゆっくりできなくなっちゃうんだよ!さあじゅんびして!」 あの後、なんとかでいぶを追い返したまりさは、子どもたちに引越しをすることを告げた。 まりさとて、住み慣れたこの森を離れ、別の場所へ移り済むのは嫌だった 道中危険もあるだろうし、自分たちが上手く住める場所が都合よく見つかるとも限らない。 だがしかし、どんなに追い返しても、この森内で自分たちの居場所を変えたとしても、でいぶは決して諦めないだろう。 もう残された手段はこの森から出て新天地を目指すほかなかったのだ。 こうしてその日の夜、まりさ一家は住み慣れた森を後にし、新たなるゆっくりプレイスを目指した。 道中さまざまな危険な目に遭いながらも、一家は力を合わせて乗り越え、やがてある群れにたどり着くのであった。 そして時は冒頭へと巻き戻る。 「ゆっくりかえったよ!」 「むきゅ!おかえりなさい!きょうはおそかったわね!」 「ほんとうよ!こどもたちがまちくたびれちゃったわ!」 「ゆー!ごめん!ぱちゅりー!ありす!」 ここはあれからまりさがたどり着いた群れの長であるぱちゅりーとその番であるありすのおうちである。 森を出てから放浪していたまりさ一家は運よくこの群れにたどり着き、受け入れられることとなったのだ。 群れに属すのは初めての経験だったまりさだが、 優秀で善良な個体だったため、群れのみんなとは、すぐ打ち解けれられたのだった。 群れには、昔個別に生活していたときと違い、掟があったがそれはすっきり制限をきちんとすることとか ほかのゆっくりに迷惑をかけてはならないとかそういった類のもので、まりさには何の苦もなく受け入れらた。 まりさのようなきちんとしたゆっくりにとっては、群れとはとても居心地の良い場所だったのだ。 「ゆーおとうさんおかえりなさい!」 「ゆー!きょうはぱちゅりーからおやさいさんのことをおそわったよ! おやさいは、にんげんさんがはたけでそだててるんだって!」 子れいむと子まりさたちが、出迎える。 シングルマザーであるまりさは、自分が狩りに行っている間子どもたちをぱちゅりーのところに預かってもらっていたのだ。 これにはまりさはかなり助けられていた。 まりさの子どもたちは、狩りをしたり、おうちをつくったりと、実践的な能力は悪くないのだが、 知識的な能力は、まりさだけでは教えきれていなかったのだ。 その点このぱちゅりーは長をしているだけあって知識は申し分なく、まりさは安心して狩りに集中できたのだ。 まあ、それも今日でいぶに遭遇するまでの話だったが…。 「ゆう……」 「むきゅ?どうしたのまりさ、くらいかおをして」 「ゆっゆう…」 まりさは迷ってた。今日会ったでいぶのことを話すかどうか。 あのでいぶはこのままほおって置けば、自分はもちろん群れのゆっくりたちに対しても迷惑をかけるに違いない。 その元つがいや子どもが群れにいるとなればみなはどんな顔をするだろう? それに、まりさたちがやって来なければ、あのでいぶが群れに来なかったという見方もできる。 以前居た森以上にゆっくりたちの繋がりが強い群れのことである。いわゆる村八分にされてしまうかもしれない。 それではまた以前と同じことの繰り返しだ。折角得た安住の地である。もう引っ越しはごめんだった。 「ゆう!ぱちゅりー!ありす!こどもたちをおうちにおくったらそうだんしたいことがあるんだよ!」 結局まりさはでいぶのことを隠さず、全てを話すことにした。 この長ぱちゅりーやありすはかなり賢く、話のわかるゆっくりだ。 なにかいい対策を考えてくれるかもしれないし、事前に話を通しておけば村八分も防げるかもしれない。 「ゆ!わかったわ!それじゃああとでね!」 こうしてまりさはいったんおうちに帰るったあと、二匹に事情を説明する事となった。 「ゆー!それはとんだいなかもののでいぶね!」 「むきゅ!はなしはわかったわまりさ!」 「ゆっ!ほんとう!」 こどもたちをおうちで寝かしつけた後、まりさはぱちゅりーとありすに今までの事情を説明したのだった。 「ぱちゅりーきいたでしょ!そんなおちびちゃんをつぶすようなでいぶをむれにいれるわけにはいかないわ! こんどやってきらたみんなでおいだしちゃいましょう!」 そう憤慨するありす。このありすは子ども好きなのだ。 でいぶが過去に子どもを潰した事があると聞いて怒りの様子を見せる。 「まあまって、ありす!これはれいむのほうの、しゅちょうもきいてみないとはんだんできないわ!」 「ゆっ!まりさうそついてないよ!」 ぱちゅりーの発言に反応するまりさ。 自分の言っていることが信用できないとはとても心外だった。 「まりさがうそをついてるとか、そういうはなしじゃないの! おさとして、かたほうのはなしだけをきいて、いっぽうてきにはんだんをくだすわけにはいかないわ! こんどみんなで、そのでいぶのはなしをききにいく。そのうえでどうするかをきめることにするわ!」 「ゆう!わかったよ!」 たしかにぱちゅりーの言うとおりだとまりさは思った。 それにしてもこのぱちゅりー本当に賢い。さすが群れの長をしているだけのことはある。 まりさがしきりに関心していると、 「ふふふ!ぱちゅりーはときどきこのむれにかくにんにやってくるにんげんさんにいろんなことをおそわっているのよ!」 と、ありすが教えてくれたが、まりさにはなんのことかさっぱりわからなかった。 きっとこの話しとはなんの関係もないんだろうと思った。 次の日 「おちびちゃあああああああああああん!でいぶのかわいいおちびちゃああああああああああん! どこにいるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 群れの近くの森をでいぶがふらふらとさ迷っていた。 それにしても、このでいぶ、こんななりでよくここまでたどりつけたものである。 いくらまりさたちが、子連れで、移動スピードがそれ程はやくなかったといっても、 何処へ向かったかわからないまりさ一家の追跡に成功するとは恐るべき強運とカンの良さである。 でいぶとよばれるゆっくりは、理由は不明だがその特徴の一つとして時折物凄い強運を発揮するという例が幾つも報告されている。 あるいはこのでいぶもそうなのかもしれなかった。 だが、その強運も今日終わる。 「むきゅ!そこまでよ!でいぶ!」 「ゆゆ?」 でいぶはふらふらしていて、気づかなかったが、いつのまにか周囲をたくさんのゆっくりに囲まれていた。 「なんなの?でいぶはいそがしいんだよ!じゃましないでね!」 そこはさっすがのでいぶさん。大勢にかこまれてもまったく怯んだ様子がない。 それどころか周囲を噛み付かんばかりの勢いだ。 まあ確かに現時点ではでいぶには何の非もないのでその態度もわからないこともないが。 「でいぶ!ゆっくりぱちゅりーのいうことをきいてね!」 と、そこへまりさがでいぶの前に現れた。こどもたちも一緒である。 「ゆあああああああああああああああああ!おちびちゃああああああああああああああああん! やっとあえたよおおおおおおおおおおおおおおお!」 でいぶが飛び出そうとするが、となりにいたみょんとちぇんにおさえつけられた 「おとなしくするみょん!」 「わかるよー!うごかないでねー!」 「ゆがあああああああああああ!なだおまえらああああああああああああああああ! じゃまするなああああああああああああああああああああああ!」 でいぶが激しく暴れるが、両脇をがっちり押さえられているため身動きがとれない。 「でいぶおちついて!わたしたちはあなたのはなしをききたいだけよ! あなたのしょうじきな、しゅちょうがすじのとおったものなら、このむれでおちびちゃんといっしょにくらせるわ!」 「ゆっ!ほんと!だったらはやくしてね!ぐずはきらいだよ!」 おちびちゃんと暮らせると聞いて、途端に大人しくなるでいぶ。 反対にまりさには緊張が走っていた。 でいぶの主張が認められることなど有り得ない。 そう確信していても、もしぱちゅりーがでいぶのほうを信用してしまったらと思うと気が気でなかったのだ。 だがもうここまできてしまったらあとは、ぱちゅりーを信じるしかない。 「それじゃあしつもんするわね。うまれたばかりのあかまりさたちが、くきをたべようとしたとき、 じゃまをしたというのはほんとう?」 「ゆゆとうぜんだよ!でいぶににたおちびちゃんたちが、まだたべてるのによこからたべようとしたんだよ! こんなげすをせいっさいするのはおやとしてとうぜんのつとめだね!」 さも当然というふうに語るでいぶ。 だが、にわかに周りが険悪な空気になった感じした。 それはでいぶに対する、不審や軽蔑からくるものだが、とうのでいぶは何処吹く風である。 「むきゅ!それじゃあつぎのしつもんね!おうたをうたうのをいやがったあかまりさをせっかんして、 えいえいんにゆっくりさせてしまったのはほんとう?」 「ゆーまたそのはなしなの?ほんとしつこいねえ! だからあれはおちびちゃんが、かってにえいえんにゆっくりしちゃたんだよ! でいぶのせいじゃないよ!」 「でもでいぶがたいあたりをしたんでしょ?」 そう問いかけるぱちゅりー。 「そうだよ!ききわけのないこだったからせいっさいしてやったんだよ! あいのむちだね!ゆゆ!でいぶのこそだてがじょうずすぎちゃってごめんねー!」 ざわ…ざわ… みなのでいぶにたいする嫌悪感は、こんどはよりはっきりとしたざわめきとなりあたりを包んだ。 「むきゅ!みんなせいしゅくに!それじゃあつぎのしつもんね……」 ぱちゅりーは様々な質問をした。 子どもたちが望むままに同じものばかりを与えていたのは本当か? 子どもたちをずっと家に押し込めていたのは本当か? などなど。 でいぶは得意げにその通りと答えていたが、周りの視線はでいぶの子育て方法に対してあきれかえり、二の句が告げない状態だった。 そして決定的だったのが次の質問だ。 「でいぶ!じぶんのこどもとあそんでいた、ほかのこゆっくりをえいえんにゆっくりさせてしまったのはほんとう?」 「はあああああああああああああああ!なにいってるのおおおおおおおおおおおおおおおおお! あいつらはでいぶのとくべつなおちびちゃんを、なかせてたんだよおおおおおおおおおおおおお! あんなげすはしんでとうぜだよ!ほんらいならそのくそおちびのおやが、せきにんをもってつぶすべきところを でいぶがかわりにせいっさいしてやったんだよおおおおおおお!」 「ぱちゅりー!もうこれいじょうのしつもんはじかんのむだよ! こんないなかもののでいぶははじめてみたわ! いっぽたりとも、こんなきけんぶんしをむれにいれるわけにはいかないわ!」 でいぶの悪行に堪え切れなくなったのか、ありすがそう叫び、周囲のゆっくりたちもそれに頷く。 いまや周りのゆっくりたちは、はっきりとした敵意の目ででいぶを見つめていた。 「むきゅう!それもそうね…」 本来ならまだまりさ一家への迷惑行為の真偽を問う質問が残っているのだが、この様子では余罪は明らかだろう。 「むきゅ!わかったわ!むれのおきてにより、でいぶはえいきゅうついほうよ! こんごいっさいのむれへのでいりをきんしするわ! むりやりむれへ、しんにゅうしようとしたら、みつけしだいせいっさいするからそのつもりでいてね!」 「はあああああああああああああ!なにいっるのおおおおおおおおおおおおおおおおお! はなしがちがううううううううううううううう!でいぶうそついてないよおおおおおおお!」 「そうね!あなたはうそをついていない!まりさのはなしといっちすることからそれはあきらかね! でもねでいぶ!うそをついていたほうがまだまだすくいがあったかもしれない あるいは、あなたはとっても『じゅんすい』なゆっくりなのかもしれないわね!」 嘘をつくということは理由はどうあれ、それが社会的に悪いことであると認識しているということである。 だがでいぶは嘘をつかなかった。全ての真実を自信満々に語った。それは自分が正しいと確信していたから。 「ゆがああああああ!わけわかんないこといってるぱちゅりーはゆっくりしんでね! とにかくでいぶはおちびちゃんとゆっくりするよおおおおおおおおお! はなぜええええええええ!そこをどげえええええええええええ!」 じたばたと暴れるでいぶ 「みょん!おとなしくするみょん!」 「わかるよー!こいつになにをいってもむだなんだねー!」 だが屈強なみょんとちぇえんに押さえつけられてるでいぶは全く抵抗できない。 「ゆううううううなんなのおおおおおおおおおお! でいぶはおちびちゃんとゆっくりしたいだけなのにいいいいいいい! ゆっ!そうだ!おちびちゃあああああああああああん! おちびちゃんからもなんとかいってえええええええええええええ! おかあさんといっしょがいいってこのげすどもにいってやってええええええええええ!」 そうだった。でいぶの中では、子どもはまりさによって無理やり連れてかれているというストーリーだったのだ。 だからでいぶは、子どもたちの口からでいぶがいかに求められているかをみなに聞かせようとしたのだった。 きっと子どもはでいぶに助けを求め、その子育てを賞賛し、自分と一緒にいたいと言うに違いない。 それを聞けば、周りのバカなげすどもも、誰が親として相応しいか納得せざるを得まい。 そうだ!はじめからこうすればよかったんだ!でいぶがいかにおちびちゃんから求められ………… 「……………………しね」 「…え?」 なんだ?今なんて言った?何かとてもゆっくりできない言葉が聞こえたような… 「おかあさんなんかゆっくりしんじゃえ!かおもみたくないよ!」 「そうだそうだ!まりさたちをさんざんおいかけまわして!なにかうらみでもあるの!」 「かえせ!むかしころしたおねえちゃんをかえせ!」 「????????」 どうして?、え、あれ、だってでいぶはおちびちゃんを、なんで?、しねってどうくこと? でいぶはおかあさん、おちびちゃん?、しね?、でいぶに? 「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! どうじでぞんなごというのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! でいぶはおちびちゃんのためにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 己の全存在を子どもたちから否定され、混乱状態のでいぶ。 「いいかげんにするみょん!」 「わかるよー!にどとむれにちかづかないように、みんなでぼこぼこにしてむれのそとにほうりだすんだねー!」 その様子に業を煮やしたみょんとちぇんは、でいぶを周囲のゆっくに向かって放り出した。 「そうだやっちうよ!」 ドン 「ゆげらはあああ!」 「こどもたちにあんなにきらわれるなんてさいていのおやだよ!」 ズカ 「ゆびばあああ!」 「まったくあんなでいぶみたことないね!」 バキ 「ゆびいいいいいい!」 「あんなおやにはなりたくないよ!」 ドカ 「ゆべら!」 「かまうことはないよみんなでふくろにするよ!」 ボカ、ガン、グサ、ズゴ、グチャ 「ゆがあああああ!もうやべてえええええええ!」 でいぶは群れのゆっくりから体当たりをされたり、石を投げられたり、木の枝で刺されたりと、ボコボコにされた。 「さっおちびちゃんもういくよ!」 子どもの影響に悪いと思ったのか、まりさがそそくさと子どもたちをつれてその場を後にする。 これを最後のにでいぶとまりさ一家が面と向かって会うことはもう二度となかった。 「はあ、はあ、どじで!でいぶなにもわるいことしてない!」 群れのみなからせいっさいされ、ぼろぼろになったでいぶは群れの外れにある森で放置されていた。 今のところ命に別状はないが、これから先でいぶが一匹で生きていくのは難しいだろう。 「ほんとうになにがわるかったのかわからなかったのかぜ?」 と、そこに一匹のまりさが話かけてきた。 このまりさもあの群れの一員であり、当然一部始終を目撃していた。 にもかかわらず、わざわざせいっさいされたでいぶに話しかけるとは物好きなまりさもいたものである。 「しらないよ!そんなこと!でいぶわるくないよ!」 本音だった。一体何が悪いのかでいぶにはさっぱりわからない。 「どうじてじぶんはわるくないとおもうんだぜ?」 「とうぜんでしょ!でいぶはおちびちゃんをゆっくりさせようとがんばったんだよ! おうたをうたったり、すきなものをたべさしたり、おちびちゃんのためをおもって…」 「どうしてそれがおちびちゃんのためだとおもったんだぜ?」 「ゆ?そ、それはでいぶのおかあさんからそうしてもらったからだよ! でいぶはそれでとってもゆっくりできたよ! だからでいぶもおなじように、おちびちゃんにそうしてあげてるんだよ!」 「それで、でいぶはいまゆっくりしているのかぜ?」 「そんなわけないでしょおおおおおおおおおおおおおお! なんなのおおおおおおお!さっきからしつもんばっかりいいいいいいいいい!」 イライラする。なんなんだこいつは。 このまりさの姿、声、全てが癇に障る。 そう。それはすっと昔のゆっくりできない思い出のまりさに…… 「それならよろこぶべきなのぜ、でいぶがいままでどおりのこそだてをしていたら でいぶのおちびちゃんも、ゆっくりできないゆっくりにせいちょうするところだったのぜ!」 「そ、そんなわけないでしょおおおおおおおおおおお! それはみんながいじわるするから……」 「どうしていじわるされるのか、かんがえたことがあるのかぜ?」 「しらないよ!でいぶのおちびちゃんはとくべつなんだよ!」 「じぶんのおちびちゃんをとくべつにおもうことはわることじゃないんだぜ でもそれはほかのおやたちにとってもおなじことなのぜ じぶんのおちびちゃんがつぶされるかもしれないとおもったら、だれだってでいぶにいじわるしたくなるのぜ」 「ゆぐぐぐぐ、でも、でも……」 「でいぶ。おちびちゃんをゆっくさせてやるのはいいことなんだぜ でも、でいぶがいなくなったあとおちびちゃんたちはどうなるんだぜ? いままででいぶにたよりっきりだったおちびちゃんはどうやっていきていくんだぜ?」 「ゆっうううううう。………そんなのわからないよ!!!!! だってそんなことおかあさんおしえてくれなかったよ! でいぶはなにもしないでただゆっくりしてればいって! おうたをうたいながらたくさんのこどもをつくって、ずっとゆっくりしてればいいって!!!! なんで!!どして!!それはまちがってるの?」 「………まちがってるんだぜ… おやは、ただこどもをゆっくりさせれば、それでおやになるわけじゃないんだぜ やがてひとりだちするときにそなえて、いろんなちしきや、けいけんをつませてやるのがほんとうのおやのつとめなんだぜ でいぶのやりかたじゃ、こどもたちはしょうらいゆっくりできなくなってしまうのぜ ちょうどいまのでいぶのように……」 「ゆあああああああああああ!そんなの!そんなこといまさらいわれたって!!!!」 『あるいは、あなたはとっても『じゅんすい』なゆっくりなのかもしれないわね!』 ぱちゅりーは最後にそう言った。あるいはそれは正しかったのかもしれない。 だかこそでいぶは育ての親のれいむ教えを忠実に守った。 それが子どものためになると信じて。 だが、でいぶの行為に同情の余地はない。 生まれたばかりの子まりさを差別したり、子ありすを潰したりと、身勝手な行動も散々してきた。 しかしきちんとやってよいことと、悪いことの区別をしっかり教えられていればあるいは…… いや、やめよう。でいぶはでいぶ。その事実はなんら変わる事はないのだ。 「……ごめんだぜでいぶ。これはまりさのせきにんでもあるんだぜ」 「え?」 「まりさはにげだしたんだぜ。いうことをまるできないあかゆっくりと、 いえでもんくばかりいうつがいのれいむから… まりさはいくじほうきでさいていのげすゆっくりなんだぜ」 そう。このまりさは、 「おとうさんなの!?」 「ごめんだぜでいぶ。まりさがもっとしっかりいろんなことをおしえていれば でいぶはこんなことにならなかったかもしれないのぜ」 でいぶは赤ゆっくりのころ親まりさのことが嫌いだった。 ゆっくりできない外には連れ出すし、あれをするなこれをするなと口うるさくぜんぜんゆっくりできない。 それに対して、親れいむはでいぶのことをとってもゆっくりさせてくれた ごはんも好きなだけ食べさせてくれたし、おうたも歌ってくれた。 でいぶは子どもながらに、自分をゆっくりさせない親まりさは自分のことが嫌いなのではないかと思っていた。 だから言うことをきかなかったし、余計に親れいむにたいする依存が強くなってった。 だが現実は違ったのだ。親まりさはしっかりでいぶのことを考えていた。 実際問題として、親れいむと同じ教育をしていたでいぶの赤れいむがナスビ型になったのに対し、 でいぶがナスビ形になっていないのは、赤ゆっくりから子ゆっくり間の教育に親まりさが加わっていたからである。 以前のでいぶならばそんなことを言っても否定しただろう。 だが今まで自分が歩んできた経験の結果として、この今の自分の惨めなありさまを直接に体験した結果として でいぶは親まりさの言うことが正しかったと認めざるを得なかった。 「ゆう…それじゃいままででいぶがしてきたことは……」 ここにきてやっとでいぶは理解した。 自分は最低のゆっくりだった。最低の親だった。 自分は………『でいぶ』だった。 そして時は流れ 「ゆううう!おとうさん!しなないでね!でいぶひとりになっちゃうよ!」 「でいぶ、ごめんだぜ!まりさはもうだめなのぜ さいごにすこしだけだけど、でいぶとくらせてよかったのぜ」 あのあと、でいぶたち親子は二匹で生活を始めた。 でいぶは一匹では生きれなかったし、 まりさにはこうなってしまった贖罪の意味もあっただろう。 まりさはでいぶに狩りのしかたや、おうちのつくり方など生きるための知識を授けた。 でいぶは真剣にそれに取り組んだ。 それは失った時をもどす儀式のようなものだったのかもしれない。 そしてまりさの寿命がきた。昔親れいむと別れたあと、自暴自棄になり、 群れにたどり着くまで散々ムチャしてきたツケが回ってきたのだ。 でいぶは穴を掘り、親まりさの死体を埋め簡単な墓を作った。 墓の前ででいぶは呟く。 「さよならおとうさん。 おちびちゃんが近くにいるこの場所で、でいぶだけで暮らすのは辛いからでいぶはもう行くね。 でいぶはわかったよ。でいぶは、自分も、おちびちゃんも、まわりのゆっくりたちも不幸にするゆっくりのことだよ。。 そして、でいぶはまた次なるでいぶ生み出すよ。でいぶも危うく自分のおちびちゃんをでいぶにするところだったよ。 今思えば、番のまりさはとっても優秀なゆっくりだったんだね。 でいぶにはもったいないまりさだったよ。 でいぶはこれから同じでいぶを探す旅に出るよ。 どこまでできるかわからないけど、同じような悲劇が起こらない様になんとか努力してみるつもりだよ。 それだけが、でいぶにできる唯一のことだよ。 それじゃあね。おとうさん、おちびちゃん、まりさ。もう二度とでいぶはここにはこないから安心してね。」 それだけ言うと、ポヨンポヨンと音をたてでいぶは群れとは反対方向に去って言った。 「…ゆっぐじ…じでいっでね!れいむ!」 墓の後ろの木の陰で、一匹のゆっくりが泣いていた。 おしまい。