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かわいいゆっくりゲットだぜ!!外伝-中(ありがとうなんだぜ。れみりゃ) ゆっくりれみりあ(れみりゃ)の捕食種設定ありです。俺設定もありです ひどいあつかいのゆっくりと性格の悪いゆっくりや悪魔のような性格(?)のゆっくりがいます それでもよければどうぞよんでください れみぃと呼ばれるれみりゃは、自分の育ての親達を愛していた 迷子になった自分を連れて旅をしながら育ててくれた2匹には心から感謝していた だから、2匹のうちの1匹がいったことを何も疑いもせずに信じてしまったのだ そして、れみぃの本当の苦労は…その時から始まったのかもしれない では、本編開始です ある林の中の小屋、そこには数十匹のゆっくりと呼ばれる生物がすんでいる。 まんじゅうが生命を持ったでたらめな生き物…それがゆっくりと呼ばれる生き物である だが、その小屋の中のゆっくり達は名前と違って全くゆっくりしていなかったその理由は… その群れのリーダー格の50cm台のまりさはいくつかの問題を抱えていた。 一つ目の問題、越冬の食料が全然足らないのだ 二つ目の問題、誰でもゆっくりできる場所があると聞いたゆっくりが集まってくるのだ 三つ目の問題、…それはこの小屋の屋根裏にいるのだ そして、屋根裏からは楽しそうな声が聞こえてくるのだった 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 「むきゅ!れみぃは、ほんとうにゆっくりできるわね。わたしたちのじまんのこどもよ♪」 「こぁ、れみぃさまおいしいごはんをありがとうございます♪」 …食糧問題を抱える下のフロアーのゆっくりとは逆の楽しそうな声が聞こえてくる。 何故、このような状況になったのだろうかとまりさは悩んでいた まりさは屋根裏の3匹が群れに加わった時を思い出していた。 少し前までまりさはぱちゅりー達が隠している食糧があればゆっくり冬が越せると考えていた。 だが、まりさ達がおうちの入り口付近で騒いだために天井が崩れてしまったらしい。 もちろん、食料は土の中に埋まってしまったらしい。 その直前に出てきたぱちゅりーは自分たちのおうちが崩れたのはまりさたちが原因だから一緒に小屋に住むといい始めた。 まりさは表面上では反対していたが、内心で予定とは違うがれみりゃがいれば食糧問題は解決すると喜んでいた 群れの数は、大人が10匹で子供の数は赤ゆっくりを含めて40を超えている。 子供が大人になれば現在の食料では足りなくなるのが確実だった。 このゆっくりプレイスを手に入れたときに安心して子供を作ってしまったのが問題だったのだろうか… 時期的に食料調達ができる時間はあと少ししかない 食料調達係としてぱちゅりーの知力と手下のれみりゃに相談してみるかと考えながらまりさは眠りについた 次の日の朝にぱちゅりーが群れのみんなに提案をしてきた。 「むきゅ、これからしょくりょうちょうたつのためのぐるーぷをはっぴょうするわ」 そういうとぱちゅりーは群れ全体の食料調達の説明を開始した れみりゃは、木の上に残っている果物や木の実を集める係 体力のあるまりさとみょんとちぇんは森の中や川付近までいって虫などの生き物を調達する係 ありすはこぁと一緒に食べれる茸や山菜を覚えながら探しに行く係 子ゆっくりは、ぱちゅりーとれいむ種と一緒に地面に落ちている枯れ葉や枯れ草などの暖房道具とどんぐりなどの木の実を集める係 赤ゆっくりは、残りのれいむが面倒を見てあげる。子ゆっくりの係と交代制 まりさとしてはリーダーのように振舞うぱちゅりーに不満があった。 だが、自分自身の意見を持っていなかったのでぱちゅりーの意見を聞くことにした。 適材適所のこの作戦は、うまく作用して順調に食料を集めることができた そして、1週間が過ぎて冬ごもり開始の直前には小屋の中のゆくっりのいないスペースに木の実や茸と虫が小さな山のように集まっていた。 床にはみんなで集めた枯葉や枯れ草がひかれていてとても暖かい。 詰まれた食料を満足そうに見ながらぱちゅりーは群れのみんなに語り始めた 「みんなよくきいてちょうだい! これでふゆごもりのじゅんびがおわったわ!」 「「「「「ゆっくり、りかいしたよ!!」」」」 「このしょくりょうをじょうずにたべていけばふゆはこすことができるわ!」 「「「「「ゆっくり、りかいしたよ!!」」」」 「ぱちぇとこぁとれみぃはこやをでるけど…みんなはゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!…ゆっくり、りかいできないよ!?」」」」」 ぱちゅりーの発言に混乱している群れのゆっくりを無視してぱちゅりーとこぁとれみぃは小屋を飛び出していった その場所に残っているのは混乱しているゆっくりの群れだった。 その中であのリーダ格だったまりさが最初に冷静になった 「ゆっくりおちつくんだぜ!ごはんさんがこれだけあるんだからふゆさんがきてももんだいないんだぜ!」 その言葉に落ち着いたゆっくり達はゆっくりと好きなことをしはじめた。 まりさ種・みょん種・れいむ種・ありす種のおとなや子供たちがゆっくりとしている… その様子をみたまりさは考えていたこれからの幸せな冬ごもりの日々を・・・ 一方、そのころのぱちゅりー達 ゆっくり達のおうち(人間の小屋)から抜け出したぱちゅりー達は自分たちのおうちのあった場所の近くの大木に来ていた 周りを見回した後に咳き込みながらぱちゅりーはしゃべりはじめた。 「ケッホケッホ、ここまでくればだいじょうぶね」 「こぁ、だいじょうぶですか?ぱちゅりーさま」 「うー! うー! うー? うー!?」 「だいじょうぶよふたりとも…はやくいえにかえりましょう。わたしたちのゆっくりぷれいすへ」 「こぁ、ゆっくりわかりました♪」 「うーうー♪ まんまぁー♪」 そういうとぱちゅりーはこぁとれみりゃに木の根元あたりを掘るように指示を出して自分は周りに注意を払った。 5分ほど経つと木の根元にゆっくりの通れるぐらいの穴ができていた 「さあ、ゆっくりなかにはいるわよ」 「こぁ、ゆっくりわかりました♪」 「うーうー♪ まんまぁー♪…う、う、う…」 3匹は穴にはいるとそこにはゆっくりとした空間と奥に行く道が何本かあった 全員が入ったのを確認するとぱちゅりーは入り口に枯葉と木の板を置いて外敵にばれないようにカモフラージュをした 疲れたので奥の部屋でゆっくり休むと部屋を出て行った 「うーうー♪ まんまぁー♪…う、う、う…」 「こぁ、いなくなりましたね。れみぃさまやくそくはおぼえていますね?」 「…う、う、う…」 れみぃは約束のことを思い出して悲しくて泣きそうになるのをこらえた。 約束とは1週間ほど前にさかのぼる巣の裏口を破壊した時の約束の事だった。 「こぁ、れみぃさまにおねがいがあるのです」 「うーうー♪ うー?」 「こぁ、れみぃさまにこのすからでていってほしいのです」 「う、うぁ?」 「れみぃさまがいるとたのゆっくりたちにまんまぁーたちがゆっくりできなくなってしまうのです!」 「う、うぁ? 」 「こぁ、れみぃさまがいたおかげでむれをはなれてたびにでました。そして、このすにをみつけました」 「う、うぁ? 」 「でも、れみぃさまがいるためにおいだされそうになっています」 「うっぐ、ひっぐ……」 れみぃは泣きそうになりながら話を聞いていた 群れを出た理由は自分と一緒にいるためだった 柿の木の下に入れなかったのも自分のせいだった 外にいるゆっくりの群れに追い出されそうになってるのも自分のせいだ …ゆっくりできないのは誰のせいなのだろうか… 今までの楽しい出来事が両親にとっては自分がいたせいで両親がゆっくりできなかったことに気付いたのだ そして、たえきれずに泣き出してしまった その時に、こぁが耳元(?)に囁いてきた 「かんちがいしないでください。ちかくにすをつくってべつべつにくらして、はるにあえばいいのです!」 「……う~?」 「こぁ、ゆっくりりかいしてください!! ちかくにすをつくればはるになればまたあえるのです!!」 「うーうー♪ うー♪」 「では、ぱちゅりーさまがもどってくるまえにせつめいをしますね」 こぁの説明は、おうちの近くにある空洞の大木で冬をすごせばいいというものだった。 そこには非常食と防寒具も用意してあるという。 れみぃは家から出たくはなかったが、本当の母親の様においていかれるのではなくまたあえるのだからと自分に言い聞かせた。 そして、話しは今に戻る 「むきゅー!? おうちをでるとはどういううことなのれみぃ?」 「うっうー☆うあうあ☆」 「こぁ、ゆっくりりかいしてください!! れみぃさまはじぶんのおうちをつくられていたのです」 「むきゅー!? そこにすだちをしたいということなのれみぃ?」 「うーうー♪ まんまぁー♪」 こくこくとうなずくれみぃを見てぱちゅりーは納得がいかないようにこぁをみた。 確かに大きさや戦闘力ならばこの中で一番に違いない。 だが、少し前まで子供のようだったれみぃが一人で暮らせるのかが心配だった。 「ゆっくりとこぁにまかせてください」 「むきゅ…ほんとうにだいじょうぶなの?」 「こぁ、あくまでこあくまですから♪」 そういうとれみりとこぁは巣の裏口のひとつから出て行った。 木の根本に作られたこの巣は、うさぎやネズミによって掘られて出来たものだ。 木の根もとの大きな入り口とモグラが地面に出たときのような出口が二つある。 そのうちのひとつはこの前ぱちぇの手によって埋めてしまったのだが… 「れみりゃさま、つきましたよー」 こぁが案内した場所には落雷でも落ちたのか中に空洞のできた大木が倒れていた。 穴の大きさは人間でもかがめば入れるぐらいの大きさだった。 奥のほうには、毛布と大量の食料が置かれている 「うーうー♪」 「こぁはかえりますが、なにかあったらこぁたちのおうちにかえってきくださいね」 「うーうー♪」 わかったという様にれみぃは頷き返してた こぁはそれをみてパタパタとぱちゅりーのおうちへと戻っていった れみぃは自分がいなくなったことでまんまぁー達がゆっくりできると思い眠りについた。 夢の中では自分の本当の母親の胴体付きれみりゃや兄弟達、 それにこぁまんまぁーとぱちゅりーまんまぁーと一緒にさくやの作ったぷっでーんを食べる夢を見ていた。 そして、時間は過ぎていき11月が終わり、12月の暮れとなった。 ぱちゅりーの巣 「むきゅ、もうすぐ、くりすますね。くりすますにはさんたさんがいいものをくれるのよ」 「こぁ、ぱちゅりーさまにおねがいがあるのです。」 「むきゅ、なんなのいってみなさい」 「こぁ、えさのもんだいもないのにこのすでふたりですむのはさびしくありませんか?」 「むきゅ、れみぃがいないとひろいわよね。このすは・・・」 「こぁ、さんたさんではなくぱちゅりーさまにおねがいがあります…こどもをつくりましょう」 「そうね、しょくりょうももんだいないし…ふたりはさびしいわ」 そして、彼女たちが子作りを開始した。 こぁは今までの苦労を思い出していた。 川の土手にすんでいた時、まりさが好きなぱちゅりーを自分に振り向かせる方法を悩んだ日々。 土手を離れるためにれみぃを利用してしまった事に対する後悔 3匹でのつらくも楽しかった日々 ぱちゅりーと二人きりになりたくてれみぃを追い出してしまった事に対する後悔 この瞬間のおかげですべての苦労や後悔が報われた気がする。 「こぁ、あくまでこあくまですから♪」と内心で舌を出す小悪魔がいた 年が明けて1月、話は大量に増えてしまったゆっくり達とれみぃと呼ばれたれみりゃに戻る 大量のエサに満足した群れでは、若い越冬を知らない世代のゆっくりがすっきりを行い続けた。 植物型にんっしんっであり9・10匹の子供をそれぞれが授かる事となった。 大人が25匹、子供が40匹、赤ゆっくり30匹、蔦の子供が40匹に増えていた 床がバレーボールやソフトボールやミニトマトで埋められているような状態だ。 さすがにまずいと思った各種のリーダーの相談の結果、子作りを禁止にした。 冬籠もり中の餌不足は抗えぬ問題であった。 しかも巣周辺の食べられそうなものはすでに取り尽くした状態である。 妊娠した子供を持つ親はえさを取りに行く事ができない。 遠出をしても往復に時間が掛かるため量も沢山は採れず、取ってきた分はその日の内に消える。 加えて雪が降る日もあるので食料探しにいけない日もある 最近では、初めての子供のために頑張ろうとして力尽きたのか帰ってこない成体ゆっくりも増えてきた。 中には自分の寝具である干し草を食べたゆっくりもいる 怖がって食料調達にでないゆっくりもでてきている。 「どぼじでごはんがすぐな゛いのお゛ぉぉぉぉ!!」 「おかーしゃんおにゃかへっちゃよ!!」 「しゃっしゃとごはんもっちぇきてね!!」 「しゃむいよ! あったたかいかれはさんがないよ!」 「まりしゃもおふとんでねちゃいよ!」 ボロきれのようなシ-ツと中身がこぼれだしているフトンもあるが赤ゆっくりと小さな子ゆっくりで埋まってる 巣に轟く親の絶望の叫びとご飯も満足に出せない親への不満を口々に吐き出す子供達の叫び声が響いていた。 その状態にリーダー格のまりさは困りはてていた。 残りの保存食は、最低源の食料を食べたとしても半月もたないだろう。 ぱちゅりーが用意したのは冬ごもり前の子供が成長しても足りる分の食料を用意した。 だが、現在のゆっくりの数は冬ごもり前の2倍を越えているのだ。足りるはずがない。 「こまったんだぜ…」 どんなに悩もうと食料が出てくるはずもなく相談できる相手もおらず途方にくれるしかなかった 「まりさ、そうだんがあるんだよ。」 「いってみるんだぜ。れいむ」 そこには越冬を経験をした事のある1匹のゆっくりれいむがいた。 彼女は優秀でいつも他のゆっくりよりも多くの食料を拾ってきてくれる。 彼女の話したこと驚きの内容だった。 まりさは現在、それぞれの種でリーダー的役割になっているちぇん・みょん・ありすをよんで事情を話した れみぃと呼ばれたれみりゃの巣 「うーうー♪ うーうー♪」 巣の中でごろごろと転がっているゆっくれみりゃは上機嫌だった。 今日はあのゆっくりは来るのだろうかと最近、仲のよくなったゆっくりれいむのことを考えていた。 巣の食料をわけると喜んでくれて一緒に歌を歌ったりして遊んだ。 足音が聞こえるので外にでて木の上から近づいて脅かしてやろうと木の枝に隠れた。 だが、普段と様子が違うし人数も多い。 「ここにれみりゃのすがあるのかだぜ」 「そうだよ。いつもごはんをわけてくれるんだよ」 「こわいんだよー。はやくにげたほうがいいんだよー」 「ちんぽ!」 「とかいはなのだから、みんなでゆっくりなかにはいりましょう」 そういって5匹のゆっくりは巣の中に入っていた。 この5匹は群れに最初からいた中心的なゆっくり達で越冬についての知識も多く持っていた。 そのために自分たちの状況を改善するために食料を少しでも増やそうと考えていた れみりゃの食料を分けてもらえればと考えてやってきたのだ その様子をみていたれみぃはどうしたのだろうかと後ろからそっと近寄っていた。 「おさないでちょうだい」 「わからないんだよ! ありすのうしろのはだれもいなんだよ!」 「うーうー♪ うーうー♪」 「「「「れみりゃだぁぁぁぁ---っ!!!」」」 驚いて巣から逃げようとしますが入り口にはれみりゃがいて逃げられません。 そんな中かられいむが前に出てれみりゃに話しかけます。 「ゆっくりおねがいがあるんだよ! ごはんさんがなくなりそうだからわけてほしいんだよ!」 「うーうー? うーうー!」 れみりゃはその場から少し離れた木の洞に止まると中から木の実や茸を取り出し始めた。 「このごはんを…くれるのかだぜ?」 「うーうー♪ うーうー♪」 そういうとコクコクともっていけというように首を振ります。 「できればもっとほしいんだぜ。さがしてくれないんかだぜ!」 「うーうー? うーうー!」 れみりゃはあちらに行けと促すように首を左に振ります その先にあったのは松の木でした。 れみりゃは木の上に上ると松の実(まつぼっくり)を落とし始めました 5匹はそれをすごい勢いで食べはじめた。 少し硬いが空腹の5匹にとっては久々のごはんだ 次にれみぃはヒラタケ(シメジ)を落としてきた。 この様子をみていたまりさは足の速いちぇんに仲間をつれて来る様に頼んだ。 銀杏の実や山イチジク(イヌビワ、食用)の葉などの食べられる植物を1箇所に集めた。 これだけの量があれば冬を乗り越える可能性が出てきた。 何日も同じことをすれば全滅の可能性が格段に低くなるはずだ。 「ありがとうなんだぜ。れみりゃ」 心からの感謝をれみりゃに言った だがその希望はちぇんの報告によってもろくも崩れ去ってしまった 下編かわいいゆっくりゲットだぜ!!外伝 1-下に続く 【あとがき】 作者名無しです。 なんか矛盾点が出ているのは、ぱちゅりーの話を私(主人公)が勘違いしたりしたり子悪魔の罠です… ぱちぇたちの冬眠する前の話と3話との間のれみぃと野生ゆっくりとの外伝です。 野生の生き物を書くのが面白くて驚いてます。文章下手ですが・・・ 下編はここで書いて問題ないか悩んでます。 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1・2・3 外伝 名前 コメント
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もくじを見る 概要 所持ポケモン 関連項目 コメントフォーム 概要 所持ポケモン No. 名前 特性 通常特性 隠れ特性 関連項目 特性 あ行 ARシステム アイスフェイス アイスボディ あくしゅう あついしぼう あとだし アナライズ あまのじゃく あめうけざら あめふらし ありじごく アロマベール いかく いかりのこうら いかりのつぼ いしあたま いたずらごころ いやしのこころ イリュージョン いろめがね いわはこび うのミサイル うるおいボイス うるおいボディ エアロック エレキスキン エレキメイカー えんかく おうごんのからだ オーラブレイク おどりこ おみとおし おもかげやどし おもてなし おやこあい おわりのだいち か行 カーリーヘアー かいりきバサミ かがくのちから かがくへんかガス かげふみ かぜのり かそく かたいツメ かたやぶり かちき カブトアーマー かるわざ かわりもの がんじょう がんじょうあご かんそうはだ かんろなミツ ききかいひ きけんよち きずなへんげ ぎたい きみょうなくすり きもったま ぎゃくじょう きゅうばん きょううん きょうえん きょうせい ぎょぐん きよめのしお きれあじ きんしのちから きんちょうかん くいしんぼう クイックドロウ クォークチャージ くさのけがわ くだけるよろい グラスメイカー クリアボディ くろのいななき げきりゅう こおりのりんぷん こだいかっせい こぼれダネ ごりむちゅう こんがりボディ こんじょう さ行 サーフテール サイコメイカー さいせいりょく さまようたましい さめはだ サンパワー シェルアーマー じきゅうりょく じしんかじょう しぜんかいふく しめりけ しゅうかく じゅうなん じゅくせい じょうききかん しょうりのほし じょおうのいげん じりょく しれいとう しろいけむり しろのいななき しんがん シンクロ じんばいったい しんりょく スイートベール すいすい すいほう スカイスキン スキルリンク スクリューおびれ すじがねいり すてみ スナイパー すなおこし すなかき すながくれ すなのちから すなはき すりぬけ するどいめ スロースタート スワームチェンジ せいぎのこころ せいしんりょく せいでんき ぜったいねむり ゼロフォーミング そうしょく そうだいしょう ソウルハート た行 ダークオーラ ターボブレイズ たいねつ ダウンロード だっぴ たまひろい ダルマモード たんじゅん ちからずく ちからもち ちくでん ちどりあし ちょすい テイルアーマー てきおうりょく テクニシャン てつのこぶし てつのトゲ テラスシェル テラスチェンジ テラボルテージ デルタストリーム テレパシー でんきエンジン でんきにかえる てんきや てんねん てんのめぐみ とうそうしん どくくぐつ どくげしょう どくしゅ どくのくさり どくのトゲ どくぼうそう どしょく とびだすなかみ トランジスタ トレース とれないにおい どんかん な行 ナイトメア なまけ にげあし にげごし ぬめぬめ ねつこうかん ねつぼうそう ねんちゃく ノーガード ノーてんき ノーマルスキン のろわれボディ は行 ハードロック はがねつかい はがねのせいしん ばけのかわ はじまりのうみ パステルベール はっこう バッテリー はとむね バトルスイッチ ハドロンエンジン はやあし はやおき はやてのつばさ はらぺこスイッチ バリアフリー はりきり はりこみ パワースポット パンクロック ばんけん はんすう ビーストブースト ヒーリングシフト ひでり ひとでなし ひひいろのこどう ビビッドボディ びびり ひらいしん びんじょう ファーコート ファントムガード フィルター ふうりょくでんき フェアリーオーラ フェアリースキン ふかしのこぶし ぶきよう ふくがん ふくつのこころ ふくつのたて ふしぎなうろこ ふしぎなまもり ふしょく ふとうのけん ふみん ふゆう プラス フラワーギフト フラワーベール フリーズスキン プリズムアーマー ブレインフォース プレッシャー フレンドガード ヘヴィメタル ヘドロえき へんげんじざい へんしょく ポイズンヒール ぼうおん ほうし ぼうじん ぼうだん ほおぶくろ ほのおのからだ ほろびのボディ ま行 マイティチェンジ マイナス マイペース マグマのよろい まけんき マジシャン マジックガード マジックミラー マルチスケイル マルチタイプ ミイラ みずがため ミストメイカー みずのベール みつあつめ ミラーアーマー ミラクルスキン むしのしらせ ムラっけ メガランチャー メタルプロテクト メロメロボディ めんえき もうか ものひろい もふもふ もらいび や行 やるき ゆうばく ゆきかき ゆきがくれ ゆきふらし ようりょくそ ヨガパワー よちむ よびみず よわき ら行 ライトメタル リーフガード リベロ リミットシールド りゅうのあぎと りんぷん レシーバー わ行 わざわいのうつわ わざわいのおふだ わざわいのたま わざわいのつるぎ わたげ わるいてぐせ コメントフォーム 名前 コメント すべてのコメントを見る ※こちらは「情報提供欄」です。質問や雑談はご遠慮ください。
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No 名前 ★ コスト 属性 タイプ 限界突破 HP アタック ガード 0816 りき ★★★★☆ 17 雷 アウトロー - 261 37 16 スキル Lv:-- 好敵手★1 スキルの攻撃力を+30% Lv:+25 好敵手★2 スキルの攻撃力を+40% 花園高校の番長。くにおのライバルであり、その喧嘩やスポーツの実力はくにおと双璧をなす。
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ゆっくりとギャンブル 15KB 虐待-普通 パロディ 自業自得 野良ゆ 現代 ざわざわ 寒風吹きすさぶ工業団地の一角にある公園の中 そのゆっくり達はいた。 「風さんぴゅーぴゅー吹かないでね!れいむは寒いんだよ!」 「ゆーどうなってるのぜ?どうしてこんなに虫さんいないんだぜ!」 「むきゅ・・・去年はこんなに寒くなかったのに」 「花さんも全然ないわ、こんなの都会派じゃないわ」 れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありす、4匹はブルブルと 震えながら、突然の寒波に戸惑っていた この地域は本来温暖であり、冬眠や冬篭りの習慣もなかったが今年は例年 になく、気温が下がり辛い冬となった 当然ゆっくりの餌となる虫や草は激減、寒さはお家に枯れ草を敷いたり 仲間同士かたまりスーリスーリすることでどうにか凌いできたが飢えだけ はどうしようもならない 「ぱちゅりーこのままじゃみんなお腹がすき過ぎて永遠にゆっくりしてしまうわ」 「そうだよ、ぱちゅりーれいむはあまあまが食べたいよ!なんとかしてね!!」 「むきゅ・・・そういわれてもこんな寒い冬さんはぱちゅも初めてだし・・・」 「なにが森の賢者なのぜ!!ぜんぜん役立たずなのぜ!!」 「むきょーー!ひどいわ!・・・んっ・・・あれはなにかしら・・・」 ぱちゅりーは公園の入り口の方に視線を向けた、話をはぐらかそうとしたわけではない 近くの工場の作業員であろうか男が一人、公園のベンチに腰掛けていた 時間は12時昼時である、男は手に持ったビニール袋からメロンパンの袋を取り出し、その封を開ける 「ゆわーー!!おいしそうだよ!パンさんはれいむの大好物だよ」 「あれはメロンパンさんだわ、すごく都会派な匂いよ」 その時まりさの目がキラリと光った。 「ゆっへっへっ!あのメロンパンさんを全部いただくのぜ!」 「なるほど・・・分けて貰えるようにお願いするのね。むきゅん」 「いいや、あの人間からメロンパンさんを奪うのぜ」 「無理よ・・人間さんには敵わないわ都会派じゃない事になるわよ」 「ゆふっゆふふ・・・」 その会話を遮るように不気味な笑い声が聞こえる。 「ゆふふふ・・・れいむにはまりさの考えがわかったよ。あの人間さん髪の毛は真っ白だよ お爺さんなんだよ、そして普通工場の人間さんは暖かいお部屋でみんな仲良くご飯を食べるのに あの人間さんは寒いお外で一人で食べようとしている・・・きっと嫌われ者なんだよ」 こういったゲスな事には鋭いれいむである 「なるほど、お爺さん相手だったらありす達なら楽勝ね」 「嫌われ者なら痛めつけても他の人間からの報復はないわね、むきょきょ」 「そうと決まればあのメロンパンをじじいから奪い返すのぜ!!」 そう言うが早いかゆっくり達はメロンパンにかじりつこうとする男の前に飛び出した。 「んっ・・・ゆっくりか・・・なにか用か?お前ら・・・」 「用も何もないんだぜぇ!!じじい誰に断ってここでご飯をムーシャムーシャしようと してんだぜぇ!!」 「そうよ!!ここはありす達のゆっくりプレイスよ、痛い目みたくなかったらそのメロンパンさん をよこしなさい!!」 「れいむ強いんだよ!ぷくーー!」 「むきょきょ、抵抗は無意味よ!」 普通なら問答無用で叩き潰される言動・・・セルフ死の宣告・・・ 「・・・なんだ・・・この寒さでエサが取れず苛立ってるって所か・・・いいぜ 食えよ・・・」 男はメロンパンを4つに千切るとれいむ達の前の置いてやる 「むーしゃむーしゃ、しっしあわせーー!」 「うめっこれめっちゃうめっ!がつがつ!」 「都会派な味だわ、でりーしゃすよー!」 「むきょーおいひいわー!」 メロンパンを食うゆっくり達、貪り喰う 「・・・それじゃ俺はアンパンでも食うか・・・」 男は袋からアンパンを取り出す、しかしその行動をゆっくり達は見逃さない 「待ってね!ハグハグ、そのアンパンさんもれいむ達の物だよ。ガツガツ!」 「そうなんだぜぇムシャムシャ!!白髪のクズじじいが食う位ならまりささまが食べてやるのぜ!パクパク」 「そうよこの田舎者!都会派の常識よぉ!」 「むきゅ・・・誰かお水を・・・パンさんが喉に・・・」 強欲!際限なき要求! 「おいおい・・・ずいぶんと欲張るじゃないか・・・ふーん・・・いいぜくれてやっても・・・」 にやりとほくそ笑むゆっくりたち(ぱちゅりー意外)相手が絞れると見れば絞れるだけ絞る最後の血一滴まで まるでヤクザ・・・テロリスト・・・最悪の思考! 「ゆふん!れいむに恐れをなしたね、なかなか利口な判断だよ」 「さあ白髪じじいはとっととアンパンさんをよこすのぜ」 「あら?ぱちゅりー食べてすぐ寝ると牛さんになるわよ」 「・・・きゅ・・・ちが・・・水・・・」 しかしゆっくり達は見逃していた、男の口の端がわずかに笑みを浮かべていたことに 「・・・俺一つと賭けをしようじゃないか・・・簡単なギャンブルさ・・・ 俺の投げたコインをお前らが裏か表か当てる・・・一回勝てばアンパンだけじゃなくこの 袋にあるポテチとオレンジジュースもやろう・・・嫌なら俺はもう戻るぜ・・・」 そう言うと男はベンチから腰を上げ公園を出る素振りを見せた 「ゆゆっ?まってねレイムのポテチさん返してね!」 「そうなんだぜ!白髪じじいに負けるわけないぜ、オレンジジュースさんはまりさのものなんだぜ!」 「そうよぉ!都会派にアンパンさんゲットだわ」 「む・・・・きゅお・・・・・・」 こうして勝負は開始された・・・ゆっくりの根拠のない自信と共に・・・ 「一番はれいむがやるよ、白髪ジジイを瞬殺だよ」 そういってふんぞり返りながら男の前にれいむが踊り出た 「フッ・・・れいむが一番手か・・・いいだろう・・・だがお前にはその頭の上のリボンを賭けてもらう・・・」 男の予想外の発言に唖然とするれいむ。自分は勝利しあまあまをムーシャムーシャする、それだけで頭がいっぱいだったのだ 「・・・なっ何言ってるのぉー!!おリボンさんがなくなったらゆっくりできな・・「やるのぜ!!」 れいむの抗議の声をまりさがさえぎる 「ばりざぁなに勝手な事言ってるのぉ!れいむのおリボンさんでしょぉー!」 「大丈夫なのぜれいむ、あんな白髪じじいに負けるはずないのぜ!それにここでゴネたらじじいに逃げる口実をやる だけなのぜ」 「そうよ、れいむなら都会派に完勝できるわ。ねっぱちゅりー」 「・・・・・・・」 ぱちゅりーはパンが喉につまりすでに永遠にゆっくりしかけていた。が、お昼寝を始めたと勘違いされ見事にスルーされていた 「決まりだな・・・始めるぜ・・・ピンッパシッ・・・さあ表か裏か・・・」 男は親指でコインを弾くと右手の甲で受け取り左手で挟みこむ 「さあ・・・れいむ・・・表か・・・裏か・・・」 おリボンを賭けた今れいむに当初の勢いはない、それどころかダラダラと砂糖水の汗を流している 「ゆゆぅ・・・表・・・嫌、裏のような気もするよ・・・」 「なにやってるのぜ!れいむそんなじじい相手にびびってんじゃないのぜ!!」 「そうよれいむ都会派じゃないわ!」 苛立つ外野の声、乱れるれいむの心、真綿のごとし 「ゆっ決めたよ!!表にするよ!!」 「・・・わかった・・・オープンだ・・・」 男はゆっくりと手をどかす・・・注がれる視線 コインは裏、敗北!覆る・・・れいむの絶対勝利! 「コインは・・・裏だ・・・お前の負けだれいむ・・・」 「ゆゆっ!ぞんなーどぼじでコインさん表じゃないのぉ!!」 「れいむなにやってるのぜー!そんな白髪じじいに負けるれいむはグズなんだぜ!!」 「この田舎物!制裁っしてやるわ!」 まりさとありすに挟まれ激しい暴力を受けるれいむ。まったくの加減なし 「おいおい・・・そのへんにしておけよ・・・とりあえずれいむのリボンはもらうぜ・・・」 「ゆんやぁ・・・れいむのおりぼんさんがえじでぇ・・・」 仲間にぼこぼこにされおリボンまで奪われるれいむ・・・もはや動く気力もない 「さあ・・・次は誰だ?・・・まりさかありすか・・・」 「まりさ様が勝負するのぜ!!」 勢いよくまりさが名乗りを上げる、その表情に一切の恐れはない 「いいだろう・・・ならばまりさお前にもそのとんがり帽子をかけて「まつのぜ!!」 男の話をまりさがさえぎった 「まりさが賭けるのはそこでお昼寝しているぱちゅりーのお帽子をなのぜ!」 「まりさ!何言ってるの都会派じゃないわよ!」 意外、まりさの提案。他人のお帽子を賭ける暴挙!しかも本人の承諾一切なし!! 「フッ、なるほどね・・・いるんだよな・・・自分は安全地帯で他人を危険にさらし勝負しようとする奴・・・ 今まで他人をハメることばかり考えて来た奴の思考・・・痩せた考え・・・」 実際まりさは他のゆっくりを犠牲にすることで生き延びてきたゲスである、仲間を囮にお野菜を盗んだり 口先だけで口説いたゆっくりとすっきりーをしそのまま母子共々捨てたことすらあった 「ゆっそれは違うぜじじい!ぱちゅりーはまりさの親友なのぜ!まりさのお帽子より・・・いや・・・まりさ 自身より大事なのぜ!その大切な物を賭けることでまりさは背水の陣をしいたのぜ!!」 「まりさ・・・そこまでぱちゅりーの事を・・・感動だわぁ!」 無茶苦茶な理論であるがまりさは大真面目である、無意識のゲス。罪を意識しないもっともドス黒い悪、それが まりさなのだ 「フフッ・・・アハハ・・・そう来るか・・饅頭の癖になかなかおもしろい事いうじゃないか・・・ ならば俺も少しはお前の狂気に答えなくちゃな・・・」 「じじい何を言ってるのぜ?」 「何・・・このままじゃまりさお前を鉄火場に引き込めない・・・だから掛け金を上乗せするのさ・・・ 俺は、当初のアンパン、ポテチ、オレンジジュースに加え先ほど得たれいむのおリボンを賭ける・・・ 倍プッシュだ・・まりさ・・・これでお前は自分の帽子を賭けざるをえなくなった・・・」 見る間に青ざめるまりさの顔 「なっ何言ってるのぜー!そんなこと勝手に「やるよぉ!!」 まりさの声をさえぎったのはれいむであった、その顔は腫れまるでゾンビである 「ヒィィッ!でいぶぅぅ!!」 「やるよねぇまりさぁ・・・逃げたりしないよねぇ・・・れいむに言ってたよねぇ・・・ あんな白髪じじい楽勝だってぇ・・・」 「そうよ、まりさは逃げたりしないわ!!だって自分より大事なぱちゅりーのお帽子を賭けたのよ 今更自分のお帽子なんてうんうんみたいなもんよ!!」 「ぞんなぁぁ!!」 まりさ追いつめられる、行動がすべて裏目。完全な自業自得・・・ 「決まりだな・・・いくぜ・・・ピンッパシッ・・・裏か・・表か・・・」 「ゆあー!かってに始めるなだぜー!」 ありすとれいむの応援が響く 「まりさ!!まりさ!!まりさ!!まりさ!!MARISA!!」 「ばりざぁ・・・ばりざぁ・・ばりざぁ・・・」 まりさに掛かる重圧、プレッシャー、ストレス、この状況から抜け出したい その一心でまりさは答えた 「はぁっはぁっ・・・表なのぜぇ!!」 「オープンだ・・・」 コインの向きは・・・ 「・・・裏だな・・・残念だったなまりさ・・・」 「ゆがーん!ウソなのぜぇー!」 「まりさぁ!この田舎物ぉ!」 「まりさぁ・・・まりさのお帽子素敵だよねぇ、でももう似合わないようにグシャグシャにしてあげる ねぇ・・・てめーの顔面の方をな!」 「やべでーばりざに近寄るなー!」 こうして男はまりさとぱちゅりーのお帽子を得ていびつな饅頭は二つになった 「さあ、ありす・・・次はお前だ・・・」 「来なさい、白髪じじい!ありすは負けないわ!」 ありすには秘策があった、裏・裏と連続したのだ次まで裏のはずがない。 事実コインギャンブルの確立は常に1/2である、確立的にも最善、安全な選択 「表よ!」 「・・・死ねば助かるのに・・・」 「えっ?」 「オープン・・・裏・・・」 三連続で裏はない・・・この考えはギャンブルでは通用しない・・・埋まっている・・・首まで底なし沼に! 「都会派じゃないわーーー!」 「ありずー」「制裁っ」 そのころぱちゅりーは三途の川で生死の境をさまよっていた 「むきゅ・・・ここは何処かしら大きな川さんね・・・あらなんだか光が見えるわ・・・それにあたたかい ゆっくりできるわぁー」 「おいお前、そこのぱちゅりーお前だよ!!」 声をかけたのは三途の川の渡し役、ゆっくりこまちである 「むきゅ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!じゃないよせっかく仕事さぼってすーやすーやしようと思ってたのに 悪いタイミングで死にやがって!」 「そう言われても、ぱちぇはなんだか川の向こう側へ行かなくちゃいけないような気が・・・」 「うるさい、あたしはお昼寝がしたいんだとっとと現世に帰れ!」くぱぁ! 「むきょおおー!」 川原の地面に穴が開きぱちゅりーは落ちてゆく 「・・・ぐえっ!がはっごほっ・・むきょ!」 ぱちゅりーが気が付くと背中の上にはぼろぼろのありす、自分の目の前には吐き出した餡庫にまざりぱちゅりー の喉を塞いでいたパンが落ちていた。 「みんながぱちゅの背中を押して助けてくれたのね・・・」 「まりさのせいで負けたんだよーこのゲス!」 「うるさいんだぜ!このレイパーのせいなんだぜ!」 「違うわよ、田舎者のでいぶのせいよ!」 「そこまでよ!」 「「ぱちゅりー」」 「なんだ・・・お前・・・てっきり死んだと思っていたが・・・生きていたのか・・」 どうやら男だけはぱちゅりーが死にかけていたことに気がついていたようだ 「むきゅ・・・たしかにぱちゅは一度死んだわ・・・でも地獄の鬼達を叩き伏せこの世に舞い戻ったのよ!」 「すごいのぜぱちゅりー!」「都会派よ!」「だかられいむにあまあまちょうだい!」 仲間の声援を一身に受けぱちゅりーは周りを見回すと瞬時に状況を理解した 「どうやらぱちゅ達は負けたようね・・・」 「なんだ・・・お前初めて見た時とはまるで別人だな・・・いや別餡とでも言うのかな・・・」 死線を潜り抜け、ぱちゅりーは何かを得ていた。神は困難を乗り越えた者に新たなる力を授ける事があるのだ 「むきゅむきゅむきゅー!」 ぱちゅりーの餡庫脳が唸りを上げ計算を開始する、この状況を打開するロジックそして勝利へのルート 「むきゅ!ぱちゅ達は白髪じじいに再戦を申し込むわ、ただしギャンブルの種目はぱちゅが決めるわ」 「何いってるのぉぱちゅりー!」「どうしたのぜー!」「すーやすーやzzz」 れいむ達からすれば寝耳に水である 「いいぜ・・・受けて立とう・・・ただお前らには相応の物を賭けてもらう・・・」 「当然ね・・・ぱちゅは全員のもみあげさんを賭けるわ!」 「何言ってるのぜ狂ってるのぜ!」「いやじゃぁーもみあげさんなくなったらゆっくりできないぃ!」「ぱちゅりー都会派な提案だわ!」 「ありす、あなたはもみあげさんがないからぺにぺにをかけてもらうわ」 「全然都会派じゃないー!」 阿鼻叫喚・・・当然であるゆっくりにとってもみあげを奪われる事は、人間が両腕を奪われる事に等しい 「面白い・・狂気の沙汰ほどおもしろい・・・ギャンブルらしくなってきたじゃないか・・・」 「白髪じじい・・・ぱちゅ達は作戦会議をするから少しまってちょうだい、みんなこっちに来て」 あまりの出来事の連続で混乱するばかりの仲間を落ち着かせるため、そして間を空ける事で男の勝負熱を下げ 流れを返るため、ぱちゅりーは作戦会議を始めた 「ぱじゅりーのばがーどうじでれいむのもみ上げさん賭けたのぉ!」 「勝手に人の物を賭けるなんてゲスすぎるんだぜぇ・・・」 「ありすのぺにぺに・・いやぁ!」 先ほどの敗戦が効いているのか、浮かぶのは敗北のイメージばかりである 「むきゅ作戦を説明するわ、勝率100パーセント、絶対勝利の計画をね・・・」 男はタバコをふかしていた、タダの暇つぶしのはずがここまで面白くなるとは正直思っていなかった 公園の端からはギャアギャアとゆっくり達の嘆きが響いている、しかしその声が止まったかと思うと不気味な 笑い声へとかわった・・・ 「ゆっへっへっこれは絶対勝てるのぜ、白髪じじいめ」 「白髪じじいも年貢の納め時だよ、ゆふふふ」 「田舎者の破滅する姿がみえるわぁ」 「むきゅきゅきゅ・・はじめましょうか」 ニヤニヤしながらゆっくり達は再び男の前の立つ、気持ちの悪い笑みには絶対的な自信が見え隠れしていた 「終わったか・・・ギャンブルの内容を説明してくれ・・・」 「ええ・・勝負は、れいむの左右のもみあげさんどちらかにコインを握り じじいがそれを当てる。それだけ・・・一回勝負よ」 「なるほどね・・・」 「ただし、れいむはじじいみたいにコインを弾けないから握る時にはじじいには後ろを向いて貰うわ」 「わかった・・・コインだ・・・」ピンッ・・・パシッ 「ゆふふ、たしかにれいむが受け取ったよ・・・後悔させてあげるね」 「やめるなら今なんだぜぇ白髪じじい!」 男はまりさの挑発を一切無視するかように後ろを向いた 「いいぜ・・・始めよう・・・」 「ふんっ・・・まりささまにびびってやがるのぜ」 にやりとぱちゅりーが笑いゲーム開始の合図を出す 「始めるわ!れいむはコインを握ってね!」 「わかったよぱちゅりー、コインを握るよ!」 れいむはコインを右のもみあげから左のもみあげに移し、そのままコインを 投げた、コインの行く先は大口を開けたまりさの口の中である。 そしてれいむは空になった両方のもみ上げを空のまま握りこんだ 「(むきゅきゅ、れいむ、まりさ完璧な仕事よ)」 これがぱちゅりーの作戦だった。 男が右左、どちらのもみあげを選んでも男の勝利はない、勝利を示すコイン自体 れいむのもみあげにはなく、まりさの口内にあるのだ。 あとは、男の指定した空のもみあげが開き男の負けが確定した瞬間、ありすがれいむによくやったと 飛び掛り全員で大騒ぎ、そのドサクサにコインを地面におけばいい。 完璧すぎる作戦、並の人間ではまず打破不可能な作戦とゆっくり達は思っていた しかしゆっくり達は思い知ることとなる、この男が並ではないことを・・・ 後半へ続く みなさんならどのようにぱちゅりー達の作戦を打破するでしょうか もし宜しければ推理して感想欄に書いてみて下さい。 後半はすでに出来ていますのでみんなの推理を見てから結末を変えるような ズルはしません、ご安心を。 後半は2日以内にはあげます。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る DIO「この人間が、条太郎が吉良に行ったセリフを言ってた気がする」 ブロリー「?」 DIO「まあ、ジョジョ知らないお前には、分からないだろう」 -- 2015-02-04 22 34 28 カイジネタはゆっくりできるね! -- 2014-03-09 03 20 38 白髪じじいなら兵藤会長だろ・・・ -- 2013-09-12 21 54 37 ↓白髪だからア〇ギのほうじゃね? -- 2011-07-16 12 59 39 おいwwこいつカ●ジだろww -- 2011-07-12 18 14 06 ロト紋読んだやつには通用しない -- 2010-12-03 03 42 50 うーん、…言葉を使い、ゆっくりの顔色を見て正解を当てる、かなぁ。 -- 2010-11-17 19 14 43 どっちにコインがあるかじゃなくて、どっちにコインがないかを当てるんじゃないか? -- 2010-10-28 16 43 11
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あるところに一匹の若いゆっくりぱちゅりーがいた。 よく晴れた春の日餌を探して巣から出たところで 「むきゅううう!!こないでええぇぇ!!」 ぱちゅりーはゆっくりありすの群れに出くわし 「ぱ、ぱちゅりいいぃぃぃ!!」「病弱っ娘かわいいぃよおぉぉおお!!」 「やめでえええぇぇぇぇぇ!!」 「「「すっきりー!!」」」 ありす達は当然のごとくその場を立ち去り、あとに残されたのは衰弱したぱちゅりー 「ゆ゛う゛う゛ぅぅぅ…」 やせ衰えた体を引きずって巣に戻ったぱちゅりー そこでぱちゅりーは気がついた。自分が妊娠している事に。 はたしてこの体で産めるのかしら? ぱちゅりーは薄暗い巣の中で唸った。 数日後にはぱちゅりーの腹ははちきれんばかりに膨らんでいた。 『動物型出産』と称される出産方法であるのは明白、本来十分に成熟した個体が行なう方法であるが 衰弱した体ではこの方法がよいと肉体が選択したのだろう。 もはや一匹分の体力しか残されていないのだ。 まだ出産の経験がないぱちゅりーにもその時が近づいている事はよくわかった。 この数日間での回復具合からして生む事は出来るだろう。だが自分は無理なようだ。 負担の少ない植物型出産ならばあるいは生き延びられるかもしれない。 だがその先はどうだろうか。ただでさえ弱い体をありす達によって痛めつけられた自分では未熟な子供を育てきれるかどうか。 ならば比較的成長した状態で生まれてくるこの方法に賭けてみよう。それがぱち。。 ゅりーの結論だった。 ぱちゅりー種は巣に大量の餌をため込む習性をもつ。 ほとんど動けなかったこの数日を生き抜き、体力を回復する事が出来たのもそのおかげ 動物型出産ならばこの備蓄した食糧が食べられないほど幼いという事は無いはず 自分がいなくともしばらくは生き延びれるだろう。 跳ね回れるくらいに成長して生まれてくれればさらによいのだが 自分の体を省みてみるとそれは望めそうにもない。 それからまた数日が過ぎた時ついに「その時」がやってきた。 膨れ上がった腹にわずかな亀裂が走り、みちみちと拡がってゆく。 「むぎゅぅぅううう…」 同時に凄まじい痛みがぱちゅりーを襲った。 この方法で生むには若すぎる体であるとは思っていた。だがここまでとは!! 全身からじっとりとした脂汗が流れ、足元に溜まってゆく この痛みはかつて腐りかけの魚を食べてしまった時の比ではない。 「む゛ぎゅう゛う゛ぅぅぅ…」 同時に腹の亀裂は拡がりきって穴となっている。きっと真正面からは赤子の顔が見えているだろう。 果たしてどんな子か、自分はそれを見ることができるのか。 幾度か気絶しそうになりながら痛みに耐えるぱちゅりー もはや死産を覚悟しかけた時、ポンと音を立てて腹から赤子が飛び出した。 「ゆぅぅぅ~~~!!」 蜂蜜色の髪に赤のヘアバンド、ぱちゅりーではない。 ゆっくりありすであった。 「ゆっ…くり…していってね…」 息も絶え絶えになりながらわが子に話しかけるぱちゅりー 「ゆっくりしちぇいっちぇね!!」 元気よく返すありす。植物型出産の子よりは幾分大きいが動物型出産によって生まれる子の平均よりは大分小さい。 どうやら跳ねることはできそうにもないようだ。這うのが精一杯だろう。 若すぎる体から生まれた以上当然といえば当然であるがこれでは外に餌を探しにいけそうにもない。 成長するまでは蓄えが頼りだろう。 まさかありすなんてね――――――――――――我が子を眺めながらぱちゅりーは思った。 めったに生まれないはずであるありすが虚弱な自分から生まれる。異常は異常を呼ぶらしい。 とはいえ自らの子である。かわいくないわけがない。 その時猛烈な疲労感と眠気がぱちゅりーを襲った。 ああ、ついにこの時が来た。産むことができたのはよかったが、まだこの子は幼い。 餌のこと。仲間のこと。愛すること。できればもう少し色々と教えてあげたかったがそれもできそうにない。 誰かが拾って育ててくれると良いのだが。 はたして一人きりで生き延びられるのかしら?願わくば健やかに育たん事を。 「ゆっくりしてね…」それがぱちゅりーの最後の言葉だった。 生まれてからわずか数分にしてありすは孤児となった。 とはいえ亡母の遺した蓄えは十分にある。すぐに死ぬという事はないだろう。 ありすの生の始まりは安穏としたものになりそうだ。 それから外に出られるようになるまでの間ありすは巣の中で暮らした。 備蓄された食糧は赤子一匹には十分 長期保存を考えて日持ちの良いものが中心であり傷むという事も無かった。 「ゆぅううううう…」 食料の中には防犯対策にいくつか毒餌が混ぜられていたが、ありすがそれを食べたときには数日間寝込む程度で済んだ ありすが育った巣は立地条件にも恵まれていた。 ゆっくり随一の頭脳を持つゆっくりぱちゅりーによって作られたその巣は 外敵から身を守ることができる茂みによって巧みに隠され 周囲には餌も豊富であった。 外に餌探しにでるようになったありすは様々なものを見つけた。 おいしそうな木の実やいい香りのキノコ 経験のないゆっくりがつい食べてしまうこれらをありすは避けた。 かつて寝込む羽目になった餌に似ていたからである。 母が遺した食料は「食べてもいいもの」と「食べてはいけないもの」を教えてくれた。 ある意味で最大の幸運といえるのは茂みに大きな蜘蛛が住み着いたことである。 「ゆ、ゆううぅぅぅ!!ゆっくりしていってね!!ゆっくぅぅぅ!!」 ありすはこの蜘蛛を恐れ避けた。この蜘蛛がを避けるために 今までしたことがなかった『跳躍』をしたのだ。 ありすのように赤子の状態で親をなくしたゆっくりは 他のゆっくりに拾われなかった場合、長くても一か月で死ぬ。 原因は様々である。 外敵に襲われる。毒のある餌を食べる。巣作りができず衰弱死する。 本来なら親によって守られる死にさらされ続け、最後に飢えがやってくる。 この飢えは周囲の餌を食べつくしたことによる飢えである。 ゆっくりの『跳躍』は親に教わるべきもっとも重要なものである。 これができず這うことしかできない場合行動範囲は大幅に制限される。 その結果が一ヶ月後の飢え死になのだ。 蜘蛛という敵を得たありすは『跳躍』を習得した。 これによりありすの行動範囲は餌が尽きかけていた巣の周囲よりさらに拡大した。 そしてありすは 「ゆ!はじめてみるこだよ!!」 野イチゴの木の下で生まれて初めて他のゆっくりに出会った。 ありすと同じ年頃かもう少し年上のゆっくりの一団 彼らも始めてみるありすに興味津津である。 「なまえはなんていうの?」 「ゆっくりしていってね!!」 「どこからきたの?」 「ゆっくりしていってね!!」 「…このこおかしいよ?」「ゆっくりできないこ?」「でも…」 別にありすはおかしいわけでもふざけているわけではない。 生まれたときから一人だったありすは「ゆっくりしていってね!!」以外の言葉をしらないのだ。 何をいっても「ゆっくりしていってね!!」としか言わないありすに ゆっくり達は困り顔、だんだんと皆黙っていってしまう。 ありすも皆の困惑を察して黙ってしまう。 その場に流れる気まずい空気 それを破ったのは 「そいつからはなれてえええ!!」 「にげてえええぇぇぇ!!」 猛烈な勢いで走ってきた親ゆっくり達だった。 「おかーさん!!」「どうしたの?」「なになに?」 「そいつからはなれて!!そいつは『ありす』だよ!!」 「「「ありす!!」」」 ありすの周りにいたゆっくり達が一斉に後ずさる。 『ありす』、それは彼らにとっての忌まわしきもの つまるところあのゆっくりありす達のことである。 ぱちゅりーを襲ったありす達はこの群れも襲っていたのだ。 発情したありすは容易には止められない。 この群れにおいても交尾に耐え切れずに衰弱死するものや 望まぬ妊娠をすることになるものが続出し大きな被害を被った。 その結果がこの状況である。 「またきたねこのしきま!!」 「むきゅ、とかいはのありすなんていってるけどけっきょくはばいたよ」 「ゆっくりしていってあげるよ!なんていわれてもねがいさげだよ!!」 「またはなのあなをふくらませておいかけまわのね」 一匹の若いありすのために群れのほとんど全員が駆けつけていた。 それほどまでにこの群れのありすへの憎しみは強い。 親たちは憤怒の表情でありすをにらみつけ 幼いころから『ありす』の怖さを聞かされて育った子どもたちは 親たちの影からじっとありすを見つめている。 ありすは後ろを向いて立ちさがるしかなかった。 夕日を浴びながらありすは今日投げかけられた言葉を思い出していた。 はじめて…なまえ…きた…そいつ…おかーさん… 初めて聞く言葉の洪水の中に混じる何か ありす…とかいは…ありす…とかいは… 聞いた覚えはない。だがどこか懐かしい気がする。 動物型出産で産まれたゆっくりは親の記憶を引き継ぐ、という説が発表されたことがある。 なぜならゆっくりは親の脳である餡子を受け継ぐから。 一笑に付されて終ったその説は あるいは一分の真実を含んでいたのかもしれない。 「ときゃいひゃにょありしゅ!!」 ありすが自分を知った瞬間だった。 一度拒絶されながらもありすはあの群れの子どもたちに近づいた。 あの日のことを思い出すと話しかけることはできなかったが 物陰から眺めることはできた。 そんなありすを子供達も気づいてはいた。 ありすの生態を知らない彼らはありすを拒絶する事は無かった。 だが親たちから聞かされた話を思い出すと気軽に「ゆっくりしていってね!!」とは言えなくなる。 ありすと子供たちの関係は平行線をたどったまま時間だけが過ぎていった。 ありすは毎晩巣の中で会話の特訓をした。 会話といっても相手がいるわけでない。 その日耳にした言葉を思い出して喋るのである。 「れ、い、む、は、き、の、み、が、す、き、だ、よ」 「ま、り、さ、は、き、の、こ、が、す、き、だ、ぜ」 ありすは少しずつ、少しずつ言葉を覚えていった。 「あ、か、ちゃ、ん、は、と、て、も、か、わ、い、い、よ」 「お、か、あ、さ、ん、は、す、ご、い、ん、、だ、よ」 時々ありすにはわからない言葉が混じる。 それらについてありすは想像してみることがあった。 あかちゃんもおかあさんもなにかとってもいいものらしい。 おいしい食べ物かな?でも一緒に遊んだらしいからそうじゃないよね。 そういえば「お母さんのマネ」するときは膨れていた。 なにかおおきいものなのかな? 同時にあの子たちとゆっくりすることも考えた。 おいしい食べ物をもってけばゆっくりできるかな。 頭には花を挿しておめかしをしよう。 甘い木の実を咥えていってあの子たちに会う。 それでとかいはのありすがゆっくりしてあげるよ!!というと あの子たちもゆっくりしていってね!! と返してくれて、それからみんなで… 夏が過ぎ秋が過ぎ冬が訪れようとしていた頃。 結局ありすはあの群れに交じることは出来なかった。 幾度も接触を図った。 おいしい餌を咥えていったこともあった。 勇気を出して茂みから飛び出したこともあった。 だがどうしてもその先ができない。 あの日のように「ゆっくりしていってね!!」と言えない。 「とっ、とかひゃのありしゅがゆっくるぃ…」恥ずかしさの余り走って逃げた。 いつもいつも妙な言葉を叫んで逃げるへんな子、それがありすの評判だった。 ありすと同世代のゆっくりはお姉さんになって妹達の面倒を見るようになり そして親になってあの場所に来なくなる。 群れの巣から近く外敵もいないあの場所は子供達のえさ場であり訓練場である。 あの場所で過ごすことでゆっくりは餌の取り方や幼いゆっくりの世話の仕方を学ぶのだ。 秋のなかば頃にはありすは自分の妹、あるいは子供ほどのゆっくりと仲良くしようとしていたのだ。 「餌場に現れる変な子」の話は姉から妹、親から子へと受け継がれる。 最後の頃にはありすが現れるだけできゃいきゃいと騒ぎ出し、仲良くなるどころではなかった。 ありすの越冬の準備は問題なかった。 餌に囲まれて育ったありすは餌を貯蔵することを自然に覚えたのだ。 冷たい風が吹きはじめたころにアリスは他のゆっくりを真似て 木の葉と泥と苔と石で穴を塞ぎありすは冬ごもりを始めた。 巣の入り口は不慣れなアリスでも塞げる程度にごく小さく作られていた。 今は亡きパチュリーは今もアリスを守り続けていた。 冬中アリスは黙ったままだった。 食べ物はある。寒さが入り込んでくる事もない。 だがアリスの心は猛烈な飢餓感と寒さを感じていた。 特訓もシミュレーションも何の意味もなかった。 ついに一人の友達も出来なかった。 ついに誰かと会話する事は無かった。 一緒に餌取りに出かける事も笑いあう事も無かった。 雪に埋もれた巣の中でありすは泣いた。 なぜか心に『いなかもの』という言葉が浮かんだ。一度も聞いたことのないその言葉は なぜか自分のことであるかのように思えた。 数ヵ月後 春の訪れと共にありすは巣を開いた。 今年こそはと思っていた。 今年こそはあの群れと仲良くなろう。 友達を作って一緒にゆっくりしよう。 大丈夫、きっと大丈夫だ。 春の日差しはこんなにも心地よいのだから。 その時だった。 一匹のゆっくりがありすの巣に向かってやってきたのは。 蜂蜜色の髪にヘアバンド そうそれはありすの同族であるゆっくりありすだった。 今だかつて自分の巣に誰かが来たことなどなかった。 だがいまそれが目の前に来た。初めての来客 ありすは急いで外に飛び出した。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってあげるよ!!」 「あ、ありしゅのおうちへようこそ!!どうぞなかにはいってね!!」 「おじゃまします!!」 初めてのお客様、丁寧におもてなししなくては たしか去年の胡桃がまだこのあたりに… 食料庫を覗いていたありすは気づけなかった。 この来客の目に浮かぶ危険な光に 来客は突然ありすの尻に圧し掛かると猛然と腰を降り始めたのだ。 「んほおおおぉぉぉぉ!!」 「いやあああああああぁぁぁぁ!!」 ありすには何をされているのかはわからなかった。 ただ不快な行為である事のみが感じられた。 「やめてぇぇぇぇ!!やめてよおぉぉぉ!!」 「んほっ!!んほほ!!ありす!ありす!ありすかわいいよぉぉぉ!!」 そのままその行為はいつ果てるでもなく続いた。 なんど叫んでも、なんど懇願しても終わらなかった。 終わらない苦痛の中でありすの意識は薄れていった。 気がついたときあの来客はいなくなっていた。 見回すと冬篭りの食料の残りが殆ど消えていた。 周囲には飛び散った唾の後、よほど急いで掻きこんだのだろう。あるいは元々目こちらが目当てだったのかもしれない。。 その時ありすは違和感を覚えた。体の重心が動いたような奇妙な感覚 なにがあったと頭上を見た時ありすは違和感の正体に気がついた。 頭から蔦が生えているのだ。 うねうねと伸びたその先には粒状のものがいくつか。よくみると蜂色の髪と赤いヘアバンドが見て取れる。 赤ちゃんだ…ありすには確信できた。 コレが赤ちゃんだ。きっとそうだ。自分にもできたんだ。赤ちゃんができたんだ。 体の疲れも忘れてありすは叫びだしそうな喜びを覚えていた。 数日間ありすは最小限の行動を心がけてすごした。 なるべく急がないようん、なるべく静かに 今年が食用になる植物が多く、餌には困らなかった。 なんて運がいいんだろう。ありすは思った。まるでなにもかもが自分を祝福しているようだ。 そして出産の時 ありすはじっとその時を待った。 もう赤子たちは十分育った。あとは…あとは… 眠っていた子供たちは次々と目覚め、その身を揺すって落ちてくる。 この日の為に集めた柔らかな下草の上に一匹、また一匹と 「「「ゆっくりしちぇっちぇね!!」」」 合計八匹、初産としてはかなり多い。 全員を一箇所に集め終わりありすはやっと一息ついた。 自分の赤ちゃん、ありすの赤ちゃん その眼には一片の曇りもない。その声に一片の不安もない ありすは確信していた。 ああきっと、きっとこの子達は自分を押し上げてくれると。 惨めな一人ぼっちのいなかものから皆に愛され、尊敬されるとかいはへ変えてくれると あの群れと…あの群れと仲良くなって一緒に笑え合えるようにしてくれると。 「ありすのあかちゃん!!とかいはにそだててあげるよ!!」。 「なんでたべてくれないのおぉぉぉぉ!!」 巣の外まで聞こえそうなありすの叫び声 その原因は一匹の赤子、なぜか一切の餌を受け付けないのだ。 かじる事はある。だが飲み込むところまではいかない 初めは好き嫌いの問題だと思った。八方手を尽くし様々な餌を集めた。 甘い木の実にいい香りのキノコ、丸々太った芋虫 しかしどれも食べてくれない。 何で?どうして?もしかしてありすがきらいなの? 日に日に弱ってゆくその子を見ながらありすはもうどうすることもできなかった。 ありすには分からぬことであったがこの子供は先天的に虚弱体質だった。 餌を食べないのではなく食べられなかったのだ。 ゆっくりにも時折こういう子供が生まれる。 普通その場合は親が餌を柔らかく噛み砕いて与える。そうすれば数週間後には丈夫な子になる。 数日後その赤子は動かなくなった。 もう「ゆっくりちていってね!!」とは言わない。「おかーしゃん、あったかい」と甘えてくる事もない。 ありすは他の子供に餌を与えた後、一匹でお墓を掘った。 「おかーさんはだいすきだったよ。」言えたのはただそれだけだった。 誰かに相談する事も出来ずにただ一匹だけでの子育て せめてあのありすがいてくれれば、と思うがそれももう叶わない。 この子達には自分しかいないのだ。無邪気な寝顔を見るたびにそう思う。 自分のように一人きりのいなかものにしてはならない。きちんととかいはにしなければ。 またある日ありすはとてもいいものを見つけた。 色とりどりの木の実がなった木だ。 どれもありすの好物であり味は抜群、普段はなかなか手に入らないのだが今日は運良く沢山見つけることが出来た。 ちょうど季節なのだろうか。木の付近にはたくさんのゆっくりがいた。 とり尽くされるかもとも思ったが無事とって帰ることが出来た。なぜか避けられている実があったからだ。 普段ありすも普通に食べている実であるので危険があるはずはない。 口いっぱいに押し込んで子供たちの笑顔を思い浮かべながら帰路を急いだ。 「おかーしゃん、ごはん!」「まんま!まんま!」 「はーい!みんなごはんだよ!!」 育ち盛りの子供たちは皆争うように木の実を食べてゆく。 「みんななかよくね!!まだまだいっぱいあるよ!!」 結局その日とった木の実はほとんどが赤子の餌となった。 「みんなおいしかった?」 「おいしかった!!」「またたべたいよ!」 子供たちの笑顔はやはり良いものだ。眠りにつきながらありすは思った。 深夜、ありすは奇妙な音によって目覚めた。 まるで唸るような、空気を絞りだすような奇妙な音 不思議に思ったおりすが外に出ようとした時、その原因に気がついた。 「ゆ、ゆぐぐぐぅぃぃ…」 「ありすのあかちゃん!!」 赤子達が猛烈な腹痛に呻いていたのだ。 顔は蒼ざめ体はぶるぶると震えている。 「どうしたの!みんな!!どうしたの!!」 「ぐるじいぃぃぃょぉぉ…」「ぐぎぎぃぃぃ…」 「みんな!!」 腹痛の原因はあの木の実の毒素だ。 あの木の実には微量の毒素が含まれる。大人が食べてもどうということはない。 だが子供が、しかも大量に食べれば話は別。 他のゆっくりがこの実を避けていたのは子供が誤って食べてしまう事態を避ける為である。。 翌朝、ありすは三つの墓を前の墓の隣に建てた。 犠牲となったのが三匹、残りは四匹。わずか数週間の間に半減したのだ。 ありすの衝撃は計り知れない きっと地面の下ではみんな仲良く遊んでいるに違いない。ありすはそう思いたかった。 そしていっそう強く思うのである。もうこのような悲劇を繰り返さないと。 それから数週間、赤子たちは順調に育っていった。 巣の外への興味も出始めたらしく、しきりに「おそとにはなにがあるの?」と聞いてくる。 そんな時ありすは答えるのだ。「とってもいいところだよ」と。 まだ外には出せないなとありすは考えている。とにかく子供たちを危険な目に合わせたくない。 毎日出かける時は「おそとにでないようにね!!」が欠かせなかった。 いつもの様に餌を集めて巣に戻る。 今日は大きなミミズを捕まえられた。子供たちも喜ぶだろう。 勢いよく跳ねながら巣に戻ったありす。 そこでありすが見たのは 「ゆ!ありしゅのだよ!!」「ちがうよ!ありしゅのだよ!!」 餌をめぐって争う子供たちだった。 「!!!!!!!」 「ありしゅのごはんだよ!!」「ゆぅぅぅ…ありしゅがみつけたんだよ!!」 争っているのは子供たちのうちの二匹 ほかの子供たちは遠巻きに見ているだけだ。 二匹の間には一弁の花びら、花びらはこのあたりによく咲いている花のものであり 蜜が多くありすも時々子供たちに与えていたものだ。 二匹はこの花びらを巡って争っているらしい。 「とったのはありしゅだよ!!だからありしゅのだよ!!」 「でもみつけたのはありしゅだよ!!!ありしゅがとろうとしたらありしゅがとったんだよ!!」 この類のケンカはさして珍しいものではない。 『自分のもの』という意識が芽生える頃にはよくあること。『他人のもの』を知るのはもう少し先のことだ。 つまるところは子供のケンカであり、放っておけばそのうち仲直りするだろう。 たとえどちらかが勝ったとしてもきちんと餌を与えれば成長にはなんの問題もない。 よほどの事がない限り親はただ見守ればよい。 だが 「だめでしょおおおおぉぉぉぉ!!」 ありすにはそれがわからない。 「なんでけんかするの!?なんでなかよくできないの!?おんなじとかいはでしょ!?なんでなんでなんで!!」 猛烈な勢いで怒鳴りつけるありす、子供たちは驚いてありすの方を振り向いた。 一人きりで育ったありすにケンカの経験もない。 昨日まで自分が与える餌を仲良く食べていた子供たちが争う。到底受け入れられるものではない。 少なくともありすにとってはそうだった。 「とかいはのありすのあかちゃんはとかいはじゃなきゃいけいないの!!いなかものじゃだめなの!! わかった?ねえわかったの?!わかんないよね!!だからそんなふうにけんかするんだよね!!」 捲くし立てるありすに呆然とする子供たち。それにも気づかずに叫び続けるありす 結局この時は数分後に我に返ったありすが「みんな、どなってごめんね。」と謝って終わった。 だがその数日後 いつも通り餌をとって巣に帰ってきたありすは巣の中を見てぎょっとした。子供たちがいないのだ。 「み、みんなどこ!?どこにいっちゃったの!!」 ありすは巣を飛び出して子供たちを捜した。 誰かにさらわれたのか?何かに襲われたの? それとも… もしかして自分が嫌いになったのでは?みんなでここを逃げ出そうと計画していて、実行したのでは? だとしたら また一人ぼっちに戻るの? ありすの頭の中で止め処もない考えが流れてゆく。 幸い子供たちはすぐに見つかった。 巣からさして離れていない木の下で遊んでいたのだ。 「あ、おかーしゃん!!」「ゆっくりちちぇっちぇにぇ」 木の葉を咥えて振り回しながら母親にじゃれ付く子供たち 外に出たのは遊びたかったから。真に子供らしい理由 そんな子供たちはをありすは無言で口の中に押し込んだ。 子供たちは「まっくらだよ!!」「おかーしゃん!!だして!!」と叫んだが ありすは口を開くことなく巣まで帰り、子供たちを口から出した。 その日ありすは一人で夕食を食べた。 子供たちの食事は抜いた。 言いつけを守れなかった罰が必要だと思ったから。 子供たちはひもじさに泣いていたが怒鳴りつけて黙らせた。 ありすは思い通りにいかない子育てに苛立ちを覚え始めていた。 ささいな事でも怒鳴りつける。食事抜きに始まった罰もエスカレートし圧し掛かりや噛み付きも加わった。 ありすは必死だった。この子達を育てきれないのではないかと、この子達も孤独ないなかものに育ってしまうのではないかという不安と戦い続けた。 誰にも相談できなかった。ありすは一人だった。 子供とは存外に鋭いものである。親自身も気がついていない感情を読み取る事もある。 ありすの苛立ちは子供たちへも伝わっていた。子供には解決できないその苛立ちはストレスとなって心身に食い込んでくる。 子供たちに出来るのはただひたすらにありすに従い、いい子になる事 自分勝手に動いてはならない、おかあさんは嫌がるから。 騒ぐのは悪い事、ケンカするのは悪い事、勝手に外に出るのは悪い事 お母さんが言う事をきいて、みんなでとかいはになろう。それがおかあさんが望んでいる事だから 初夏の頃 子供たちは皆大きく育った。だがそれ以上ではなかった。 「ゆっくりしていってね!!」と叫ぶ子供はいない。外に飛び出して餌をとってくる子供もいない。 無言で巣の中を這い回り、ありすの取ってくる餌を食べる。それだけで一日を終える。 ありすの目には子供たちは落ち着いてくれたように見えた。やっとわかってくれたんだと。 もう帰ってもケンカしていたり、勝手に外に出て迷子になるような事は無くなった。 きちんと巣の中でおりこうにしてありすの帰りを待っている。 とかいはの子は当然聞き分けがいいはずだ。自分の言う事を分かってくれる子供たちはもうりっぱなとかいはだ。 そんな子供たちをありすは誇りに思った。 ありすの子供たち 無気力でうつろな目をした彼らにはなにか健康上の問題があるわけではない。跳ねる事ができないくらいだ。 そう、彼らは跳ねることが出来ない。 外出を禁止され、餌はすべて与えられた。そんな彼らが跳ねる事ができないのは当然の事であった。 本来なら大問題である。前述のようにそれはゆっくりの生命に関わることなのだ。 だがありすにとっての最大の問題は「この子達をいかにとかいはに育てるか」ということ。 そして子供たちはありすの考えるとかいはの条件を全て満たしている。 おとなしく、聞き分けが良くて慎み深い。親の言いつけを破るようなことはもちろんない。 ケンカをすることはない。勝手に外にいく事もない。 ありすが「おいしい?」と問えば「おいしいよ」と答える。 ありすが「たのしい?」と問えば「たのしいよ」と答える。 もうはや完璧なるとかいはである。 この子達が一緒ならばあの群れとも仲良くなれるだろう。このとかいはの子供たちを見れば皆驚くだろう。 「ゆゆ!!すごくかっこいいゆっくりだよ!!」「あれはどこのこ!?」「ありすのこだってよ!!とかいはのゆっくりはやっぱりちがうよね!!」 そうなれば皆仲良くしてくれる。きっと仲間になれる。 自分自身も「とかいはのありす」になるのだ。 ゆっくりと餌を食べる子供たちを見ながらありすは幸福な未来を思い、微笑んだ。 by課本 /****今までに書いたもの ゆっくりいじめ系383 畑番めーりん ゆっくりいじめ系522 ゆっくりめーりんの話 ゆっくりいじめ系550 体付きゆっくりの冬 このSSに感想を付ける
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前編より 「美味しいね!すっごくゆっくり出来るよ!」 「ゆっくり!ゆっくり!」 「オイオイ…何だよこりゃあ…」 場面は変わり村の畑の中。 仲良く農作物を齧る3匹のゆっくりの前に男が立ち尽くしていた。 男は人の言葉を解するこの生物の事を他所の村人から聞いてはいたものの 見るのは初めてな事もあって、どうしたものかと頭を抱えていた。 「「む~しゃ!む~しゃ!しあわせ~♪」」 そうとも知らずに食事を続けるゆっくり達。 いい加減止めない事には始まらないと考えた男は 三匹のゆっくり達の近くにしゃがみ込んでまず食事を止めさせた。 「オイ、お前等な」 「ゆ?人間さん?」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 それを聞いて『話に聞いた通りだ』と眉を顰める男。 ゆっくりー中身は餡子だが、基本的に草食で畑に姿を見せる事もあり、 何かに遭遇すると大きな声で『ゆっくりしていってね!』と叫ぶこの生き物。 どうして森の餌にならないでここに来れたのか、実に不思議だ。 だが、その辺の説明は賢い人が上手い事見つけ出せば良い。 俺の仕事は野菜を育てる事とそれを守る事なのだからな。 男は困った様な表情で 人の言葉を解すると言うゆっくりに説明する事にした。 これはお前等の食っていいものではないと。 「どうしたのオジさん!ゆっくりしていってね!」 「あのなぁお前等、これは…」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「やっぱ死んでるんじゃねーかな?」 「いいや、息してるよ」 「ゆぅ…ゆぅ…」 場面は変わり、4匹のゆっくり達がいるのはある小さな廃屋の中。 元々は誰かの倉庫だった様だが、少年達が産まれた頃から誰も使っておらず 今では少年達の秘密基地として活用されている。 廃屋とは言え綺麗好きな少年達の手によって掃除が行き届いている為 中は綺麗なものである。 ぱちゅりー達は秘密基地に行く途中の この少年達に見つかって気絶し、連れて来られたのだった。 「ゆっくりって何食うんだろ?」 「そんなの知るワケないだろ… りんごでも食わせ…オイ、起きたぞ!」 「………?」 横たわっているぱちゅりーは気絶から目覚めた時、 何か暖かいものの上に自分の体があるのを背中に感じた。 何だかゆっくり出来るもの、いつかの母の頬の様な暖かいもの。 ふと視線を動かすと他の3匹も寝ているのが見えた。 柔らかい毛布の上でゆーゆーと寝息を立てて寝ている。 「急に動かなくなったから死んだかと思ったな」 「っていうか今でも動いてない」 その視線が少し上を向いた時、ぱちゅりーは恐怖に凍りついた。 見下ろしているのは数人の人間。 自分達を殺そうとした人間達よりもかなり小型だが、同じ姿をした生き物。 ぱちゅりーは余りの恐怖から声も出なくなった。 「…………!!」 「何で動かないんだろ?つまんねぇな」 「やっぱコレ、怪我だったんだろうな」 そう言ってぱちゅりーを持ち上げてひっくり返す少年。 凍りついたまま動けないぱちゅりー。 ぱちゅりーの底部には包帯が巻いてあった。 顔まで覆わない様にと、下膨れの部分に不器用に何重にも巻いてあるそれは ぱちゅりー達を持ち運ぶ際に一人の少年がぱちゅりーの怪我を見つけ、 治療のつもりで巻いたものだった。 「○○、もういい加減暗くなるから帰ろうぜ おれ薪割り手伝わなきゃいけねーんだ」 「おお」 「コイツ等どうするの?」 「……放っておくか、持って帰るわけにもいかないし」 そう言って二人の少年達はぱちゅりー達を一瞥すると 鞄を肩にかけると廃屋から出て行き、民家の方へと夕暮れの道を歩いて行った。 「…………」 ぱちゅりーは最後まで口を開く事が出来ず 震えながら少年達の背中を見送る事しか出来なかった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ぱちゅりーが少年達に出会った次の日。 4匹のゆっくり達はまだ廃屋の中に居た。 廃屋の扉は開かれていた。 昨日の少年達がゆっくりが出て行ける様にと開けておいたからだ。 しかし4匹が出て行かなかったのは、ぱちゅりーがまだ動けないからだった。 「ゆっくり食べていってね!」 「早く良くなってね!」 「むきゅ…れいむ、ありがとう…ごめんね」 動けないぱちゅりーにご飯を用意する3匹。 ぱちゅりーは巻かれた包帯のせいで 今までの様にまりさの帽子の上に乗せられても、直ぐに滑り落ちてしまう。 それが包帯のせいだと中々気付けない4匹は、 やはりぱちゅりーを見捨てられず、人間の巣の中で過ごす事を余儀なくされた。 「…!? オイ!○○!昨日のゆっくりまだいるぞ」 その日の夕方近くになってから、また昨日の少年達は姿を現した。 少年達が驚いたのは、この4匹のゆっくりが きっと一晩の内に何処かに行ってしまうだろうと考えていたからだ。 (当然の事ながら少年がぱちゅりーに包帯を巻いたのは 不器用ながら善意からのものだった、 少年はそのせいでゆっくりが廃屋から出られなくなるとは想像していなかったのだ) 「「「「……………」」」」 そんな事も知らない4匹にとっては絶体絶命の状態。 何しろ違う個体とは言え、 自分達の群れを滅ぼそうとしたのと同じ生物が5人も集まったのだ。 当然4匹は恐怖で震える筈であった。 だが、ぱちゅりーは昨日の件から今まで何も考えずに過ごして来たわけではない。 人間達が昨日、何故自分達に対して何もしなかったのか。 それを考えていたのだ。 一晩掛けて考えたその結果、 ぱちゅりーは『何も喋らなかったから人間は自分達に危害を加えなかった』 そう解釈するに至った。 思い返してみればあの日、群れが滅ぼされた日に人間に向かって 色々話しかけてから急に人間は暴れ始めたのだ。 食い扶持を減らされた事もあったのだろうが もしかしたら人間は自分達ゆっくりの喋り方が嫌いなのかもしれない、と。 ぱちゅりーは他の3匹のゆっくりにも 人間が来たら決して口を開かない様にと釘を刺しておいた。 口を結んで少年達を見上げる4匹のゆっくりの前で 話に聞いているゆっくりとは随分違うな、と首を傾げる少年達。 実際の所、これは身動きの取れなくなるという窮地に立たされたぱちゅりー達が、 殆ど自分を安心させる為に考え出した無茶苦茶な作戦であった。 「やっぱ紫のだけじゃなくて他のも喋んないね…」 「おかしいよな…ゆっくりって喋るんじゃないのかよ?」 「「「「…………………」」」」 だが、この的外れな思い込みこそが 後にぱちゅりー達を救う事になる。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「帰れ!この饅頭もどき!!」 「「「ゆわーーー!!!」」」 男がゆっくりに農耕について説明してから20分後、 そこには畑から放り出されて宙を舞うゆっくりの姿があった。 比較的我慢強いところのあるこの男も ゆっくりに農耕を概念を説明する事を諦めたのだ。 べたべたっ、と音を立てて土の上に落ちるゆっくり達。 「ゆっぐり”でぎないぃぃいぃ!!」 「ゆ”ぐうぅうぅ!! オジさんもゆっくり出来ない人なんだね!大っ嫌いだよ!」 「帰れ帰れ!二度と来るな!バカ饅頭!」 「ゆん!ありす!まりさ!もう行こ!」 そう吐き捨ててプンプンと山の方へと跳ねて行く三匹のゆっくり達。 全くゆっくりしていない。 結果的にこの様な形になってしまったが、 短い時間の中で男は畑のものは自分達が育てた物だと言う事を ゆっくりに懸命に教え込もうとした。 種を野菜の赤ちゃんと例え、 土の中で太陽の光と、自分達の与える水と栄養を食べて成長する事も。 そして自分が母親代わりとなって何ヶ月も世話をする事で ようやくこの様な姿になって、自分達の食べ物になってくれるのだと。 そこまで育てた自分達にこそ食べる権利があり、 だからこそゆっくり達はこれを食べてはならないと。 『オジさんは赤ちゃんを食べるの?』 『そんな事よりゆっくりしていってね!』 『このご飯は勝手に生えてくるんだよ!!』 『おじさん!嘘はゆっくり出来ないよ!』 『む~しゃ!む~しゃ!しあわ』 ゆっくりに野菜の事を教える事は、実に難しい。 だがあんな目に遭わせてやったんだからもう来ないだろう。 去って行くゆっくり達を青筋を浮かべて見送りながら、男はそう願った。 「おぉーい!!○○!今のゆっくりだろ!?」 そこに男の友人が訪ねて来た。 それは男と同じく畑を耕す者。 「おお○○3日ぶり、聞いてくれよ 初めてゆっくりを見たんだが キャベツ齧られたんで今追い出したところなんだ」 「途中から遠くで見てたよ 災難だったな、お前も」 「でも、痛い目に遭わせてやったんだから もう来ないだろ……『お前も』?」 「…あのゆっくり達、今お前がやったみたいに 一昨日俺が痛めつけてやった奴等と同じなんだ…」 「え?」 「一昨日は俺のところに来たんだよ あいつら、そんなに頭は良くないんだってさ …○○サンなんてとうとう畑で見つけ次第殺すようになったぞ」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 結果から言うとぱちゅりーの立てた作戦は成功した。 少年達は喋らないぱちゅりー達に対して暴力を持って干渉する事は当然無く、 それどころか少年達がオヤツにと家から持って来た煎餅やキュウリまで与えてくれた。 それに対して、4匹のゆっくりは警戒心から中々口をつけなかったが 少年の中の一人が自分の分の煎餅に口をつけると 4匹は安心して目の前でいい匂いを放つ煎餅に口をつけ始めた。 (細かく砕かれた煎餅はカケラも残さず美味しく食べたが 過去のトラウマから、野菜であるキュウリだけは決して手をつけなかった) 少年達は自分達で塩を付けながらキュウリを食べると、 廃屋の中でドタバタとチャンバラ遊びを二時間程してから また昨日の様に、扉を閉めずに家へと帰っていった。 初めは内心恐怖でどうにかなりそうだったぱちゅりーも、 ありすも、れいむもまりさも勝ち誇った顔つきで確信していた。 自分達が喋らなければ人間はゆっくりしてると。 何故なら少年達が無口な自分達に対して危害を加えない事に加えて 少年達の中の一人が連れて来ていた、4匹のゆっくりと同じ様に口を利かない子犬が 少年達に大切そうに扱われているのを見たのだ。 それを見た4匹のゆっくりは最早、間違いない、 喋らなければ自分達は怖い人間達ともゆっくり出来る、そう確信した。 だが、少年の中の一人が帰り際に言ったこの台詞。 「じゃーなゆっくり!ゆっくりしてけよ!」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 4匹はそれを言った瞬間死を覚悟した。 しかし『やっぱそれだけは言うんだな』と笑って廃屋から出て行く少年達を見て ぱちゅりー達は『ゆっくりしていってねだけは言っても大丈夫』と認識した。 この廃屋に少年達以外の、 あの日ぱちゅりー達の群れを滅ぼした人間と 同じサイズの人間が来るのはこの次の日の事だった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「どうじでごんな”ごどずるのぉおぉぉお!!?」 場面は移り、いつかゆっくりを放り投げた男の畑の中。 男の目の前には頬を蹴られて泣くゆっくりありすとゆっくりまりさ。 そしてそれぞれの口から吐き出されたキャベツのカケラ。 この二匹のゆっくり、かつて男に放り投げられたゆっくり達と同個体である。 その顔を真っ赤に染めて男は次の様に言った。 「お前等!二度とここに来るなと言っただろうが!」 「どぼじでえぇえぇ!? ばでぃざもあでぃずもゆっぐりじだがっただけなのにいいぃぃ!!」 「…………」 それを聞いた男は少し頭を冷ました様で、泣きわめく2匹のゆっくりに対して また1から、野菜は自分の育てたものでゆっくりのご飯では無い事を、 そしてここに来るのはお互いの為に良くないと説明しようとした。 「…いいかお前等、この前も言った事だがな ここにある野菜…いや、ご飯は俺が作ったものでな」 「…ゆ!まりさぁ!こっちだよ!」 「まりさ!こっちに来て加勢して頂戴!」 話を聞けと怒ろうとした瞬間、男は 二匹の視線の先に随分大きなゆっくりまりさが跳ねているのを見た。 そのゆっくりまりさは二匹の声に気付くと 怒った様にこちらに向かって急いで跳ねて来た。 それを見て畑の主である男は嫌な予感しかしなかった。 大きなゆっくりまりさが2匹の元に辿り着くと 男をまるで敵の様に睨んでから叫ぶ様に言った。 「ゆ”!人間さんがまたご飯を独り占めしてるんだね! いい加減ゆっくりさせてね! ご飯を守るよみんな!」 「「「えいえいゆー!!」」」 そう言って男を囲んで攻撃して来る3匹に増えたゆっくり。 2匹の体当たりは大した事は無いが、 大きなゆっくりまりさの体当たりは当ったところが少し痛むくらいの衝撃がある。 「オイお前等!やめろ!!」 急な展開に驚き、ゆっくり達から少し距離を取った男は 後ずさりながらなんとか冷静さを取り戻し、 こちらに向かって跳ねて来るゆっくり達を見ながら 前々から考えていた事を頭の中で纏めようとしていた。 「ゆっくり!ゆっくり!」 「…………」 そうする事は悪い事なのだろうか? 目の前のゆっくりを殺す事は悪い事なのだろうか? 山に住むゆっくりは人間と違って山の中のルールに従う野生動物と同じだ。 俺が稀に殺す機会のあるその野生動物と目の前のゆっくりを区別している理由は何だろう? 同じ言葉を使う?それは何の意味があるだろうか? 数瞬の内に生まれた疑問に対して、男は ゆっくりまりさからのふくらぎへの噛み付きの痛みの御陰で 強引ながらも答えを出せた。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 男の視線の先にあるのは広がった餡子やカスタードに段々と集っていく、蟻の行列。 そして痙攣する大きなゆっくりまりさ。 激情にかられてやってしまったと少し嫌な気分になったが それも大したものでは無かった。 「ゆ”っ……ゆ”っ……ゆ”っ」 「………………」 痙攣している大きなゆっくりまりさはまだ生きている。 いっそのこと楽になって貰おうかと男は思ったが、 かつて他所の村から来た男に聞いた話を思い出して止めた。 『近くの山の中のどっかに群れがあるんだよ どこかって?見つけるのは簡単だ 捕まえた一匹を群れまで道案内させりゃいいんだからな』 その言葉を思い出してから男は一つ後悔した。 それは小さな方のゆっくりを殺さずに残しておけば良かったと言う事。 コイツでは大き過ぎて持ち運びに苦労する。 そんな事を考えていた男がふと、廃屋のある方向に目を向けると このゆっくりよりも小さそうなゆっくりが廃屋の周りで跳ねているのが見えた。 縛る事で動けなくなるのかどうかは疑問だったが、 男は縄を用いてボロボロのゆっくりまりさを縛って倉庫に置くと ゆっくりと廃屋の方向へと歩いていった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「ゆっくり!ゆっくり!」 「ゆっくりしていってね!」 廃屋の前の野原で追いかけっこをして遊ぶゆっくりありすとゆっくりれいむ。 口を開かないというのもゆっくり出来ないと感じる4匹のゆっくりは 許された只一つの言葉『ゆっくりしていってね』だけは喋る様になっていた。 それは不思議な感覚だった。 まるでそれが元々の自分達の言語だったかの様に、 最近ではその言葉だけで4匹の間では大体の意思疎通が出来る様になっていたのだ。 「ゆっ?」 「「ゆゆ?」」 二匹はその体に影がかかった事に気付き、その視線を上げた。 その先に居たものは知らない人間。 それも成体の人間、先程の男である。 「「ゆ”ゆ”ーーーー!!」」 「あっ!おい、待て!」 ゆっくりれいむとゆっくりありすは今度は恐怖から 男が驚く程の叫び声を上げると廃屋の玄関へと跳ねていった。 4匹のゆっくり達が今まで少年達に対して、それ程怖がらずに相手出来ていたのは かつて群れを滅ぼした人間よりもずっと小さかったから。 そういう所もあったのだ。 あの群れの崩壊の日から、久しぶりに成体の人間を見た2匹は 男から何かゆっくり出来ないモノを敏感に感じ取り、 ぱちゅりーとまりさが昼寝している廃屋の中へと、 そして少年達のいる廃屋の中へと入っていく。 それを追って男も廃屋に入っていった。 「……? こんなトコで何やってんだお前…」 「ちゃ…チャンバラごっこ… 父ちゃんこそ何やってんの?」 「「………………」」 「ゆっ…ゆっ…」 父親に秘密基地とチャンバラごっこを見られた少年と ゆっくりを追って子供達の秘密基地に入って来た、その父親との気まずい空気の中 ゆっくりれいむとゆっくりありすの泣き声だけが静かに響いていた。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「コイツ等はそんなのと絶対そんなのと違うって 野菜も食わないし、それに人間の言葉だって喋んないじゃん」 「つってもなぁ…」 「ほら見て、野菜食べない 最初からこうだったんだって、そうだろ皆!」 差し出されたキュウリから逃げる様に顔を背けるゆっくりれいむ。 そして少年の言葉に頷く周りの少年達。 この時、既に4匹のゆっくりは少年達の秘密基地のマスコット的存在となっており、 少年達は自分達の秘密基地であるこの廃屋に住み着いた (と言ってもぱちゅりーが動けないだけだが)4匹のゆっくり達と 『秘密を共有している』という意識から仲間意識を持つ様になっていた。 男がこのゆっくりを捕らえようとしていると知ったその息子は 4匹のゆっくりを守る様に父親を説得し始めたのだ。 「ホントだ…ゆっくりってのも色々あるのかね?」 「でしょ?」 先程のゆっくりだったら迷わずキュウリを口に含んだ事だろう。 それに廃屋の玄関で会った時から今に至るまで 4匹のゆっくり達は怯えた視線を男に送るばかりで何も喋らない。 目の前でゆっくりはまるで先程のものとは別生物の様だ。 そう思った男は 何もこんなにゆっくりを保護しようとしている息子から 無理にゆっくりを捕らえる事も無いと考え、 先程の2匹のゆっくりに向かってごめんなと謝ると 今度は唯一他のゆっくりと姿の異なるぱちゅりーが気になって目を向けた。 「………」 「ゆっくりしていってね…?」 無言でこちらを見つめる男に怯えながら 取り敢えずの挨拶を済ませたぱちゅりーは、 返事をしない男に対する恐怖でまたその身を強張らせた。 「何だよアレ?包帯? お前等、あんなのをゆっくりに巻いてたら動けなくなるんじゃねぇの?」 「あぁ、それは怪我してたみたいで… でももう治ってるかも ちょっと解いてみようぜ」 少年の手がぱちゅりーを素早く持ち上げて包帯を解き始めた。 何重にも巻かれた包帯が床に落ちてとぐろを巻いていく。 「む…きゅ?」 「怪我、もう治ってるみたいだな」 そう言って少年はぱちゅりーを床に置いた。 数日ぶりに露になったぱちゅりーの口から下の体。 包帯から解放されたぱちゅりーは開放感と共に、 その裂けかけていた底部が既に治っている事を実感した。 「ゆ…ゆ…」 「ん?」 「ゆっくりしていってね!」 久しぶりに言った本心からの『ゆっくりしていってね』 この少年がぱちゅりーの怪我を治したわけでは無かったが、ぱちゅりーは 目の前の少年がいつからか自分を縛る様になった鎖を解いてくれた様な気がしたのだ。 その喜びからぱちゅりーは少年に言いたくなったのだった。 ありがとうという意味の『ゆっくりしていってね』を。 その意味を理解したのか、していないのだろうが 少年は頭を掻くと父親に耳を引っ張られながら 畑仕事を手伝いの為に廃屋から連れ出された。 そしてその後ろを子犬がトコトコと付いていった。 この日を境にぱちゅりー達は少年達にだけは信頼を置く様になり、 夕方に来る彼らに対して『ゆっくりしていってね』と歓迎する事さえする様になった。 結局4匹のゆっくりは、ぱちゅりーの底部が治る事で いつか見つけたゆっくりプレイスに戻れる事も出来る様になったが それはせずに廃屋の中で暮らす様になった。 廃屋に来る人間はゆっくりしてるし、この廃屋も雨風も通さず、 ご飯も周りにあり、4匹全員で住める立派なゆっくりプレイスだと分かったからだ。 4匹は少年達以外の、成体の人間に対しても、 いくつかの事件を通じて段々と心を開く様になっていくが、それは別の話である。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ それから数日後の山の中。 村の男達は数人で山道を歩いており、 その中の一人が縄で縛られた大きなゆっくりまりさの縄を掴んで乱暴に揺すっていた。 「ゆぎいいぃいぃぃ!!だずげで!! ゆるじでえぇえぇ!!」 「うるさいな全く… ホレ、次はどっちだ?」 「ごご!ごごの広場に皆がいる”よ”!!」 「おぉ、アレか? 本当だ居た居た オイ皆!こっちだこっち!」 「ゆ?皆!人間さんが来たよ! ゆっくり挨拶してね!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 「…………」 男達は冷めた目つきで挨拶をするゆっくり達を見渡した。 ぱちゅ達の抜けた時点ではまだ20数匹は居た群れの ゆっくり達の数は既に10匹ちょっとまで減っていた。 『狩り』に行った際に段々と始末されていったからだ。 「オイ、お前等全員これを見ろ」 そう言った男が手の中で暴れるゆっくりまりさを 集まっているゆっくり達に向かって放り投げる。 「「「ゆ…?」」」 ズザーッと音を立てて着陸する大きなゆっくりまりさ。 実はこのゆっくりまりさ、この群れのリーダー的存在だった個体だ。 「「「まりざああぁあぁ!!?」」」 「「どうじでええええぇえぇえぇ!!?」」 ゆっくり達の悲鳴に眉を顰めた男は 今度は背負った籠から齧られたキャベツを取り出す。 かつてゆっくりに齧られたキャベツだ。 「ゆ!人間さん!それをれいむにゆっくり頂戴ね! そうしたらおじさんの事ゆっくり許してあげるよ!」 そのキャベツを見てポンポン跳ねて男に近づいて来るゆっくり達。 そのゆっくり達に教え込むように男は説得を始めた。 「…いいか、そこのゆっくりまりさはこの野菜を食べたからこうなった これから俺等人間の元に来てこの野菜を食べる奴は」 「ゆぴ」 男の説得が終わるまで待たずに 一人の男が集まって来たゆっくりを一匹踏み潰した。 説明を始めようとしていた男は驚いた風も無く ゆっくりを踏みつぶした男に顔を向けた。 「ゆ”ゆ”!?」 「もういいだろそんなマネは とっとと終わらせて戻ろうぜ」 「れいむぅぅぅうぅぅうぅ!!?」 「この前2匹も殺しておいてなんだが 丁寧に長い時間かけて恐怖を絡めながら教えれば きっといつかは聞く様になると思うんだがね…」 「どぼじでごんなごとずるのぉぉおおぉおおぉお!!?」 「来る前に決めていた事だろ? …それにそんな時間掛けても俺等には何の得も無い」 「ゆっぐりでぎない人間はゆっぐりしねえぇぇえ!!」 「全部踏みつぶせば解決する事なんだからな」 この群れのゆっくり達にとって、それは気付きようも無い事だった。 人の言葉を理解出来なければゆっくりまりさは 人間に群れの場所や情報を教える事も無かった事に。 人と同じ言葉を話さなければ人を怒らせる事も無かった事も。 この日群れは壊滅し、以来この村は 畑を荒らす他のゆっくりの群れに対しても 他所の村がそうする様に群れ単位で責任を取らせるようになった。 ゆぎゃああぁあぁぁあぁ!!! 「ゆっくりー! ゆっくりしていってね?」 『れいむ、今何か聞こえなかった?』 「ゆっくり!ゆっくりしていってね!」 『分かんないよ!ゆっくりしていってね!』 その頃4匹のゆっくりは廃屋の中で、どこまでもゆっくりしていた。 いつしか4匹の喋る言葉は『ゆっくりしていってね』の中の10文字だけとなり、 それだけで会話をする様になっていた。 不思議な事に、かつて使っていた言葉を使って話す事はもう出来なくなってしまったが、 そんなものはもう4匹のゆっくりにとってどうでも良い事だった。 日が昇ってからゆっくりと廃屋の外に出て、 その辺りに生えている雑草をついばみ、たまに『お煎餅』を貰う。 たまにあの少年やおじさん達がくれる『お煎餅』は凄くゆっくり出来る。 お腹が膨れたら4匹揃って横になってお昼寝をする。 そしてお昼過ぎに起きては皆で遊んで、 夕方になったら廃屋の中で少年達と遊んで、帰っていくのを見送ってから また巣で食べる為のご飯を口の中や帽子の中に詰めて廃屋の中へ持ち帰るのだ。 どこまでも争いの無い平和な廃屋の中。 4匹のゆっくりは皆、幸せ一杯に暮らし、 どんな時でもゆっくり出来るようになった。 ー完ー ーーーーーーーーーーー後書きーーーーーーーーーーーーーー 前作がゆっくりボールマンさんの作品と余りに被ってて恥ずかしかった… ボールマンさんすいませんでした。 このSSに感想をつける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 402 れいむ・マスト・ダイ(後編)/コメントログ」 つまり...どういうことだってばよ -- 2010-07-26 17 11 58 黒幕に人間がいて、その人間が遊びか実験かでゆっくり達に独裁国家ごっこをさせていた・・・って感じかな? 最後で奇行に走ったぱちゅりーは、第三帝国末期の某ナチ高官やバチカン特務機関の某シスターみたい。 教義のためなら教祖をも殺す・・・か。単純なゆっくりらしいと言えばゆっくりらしいかな。 ・・・生き残りのれいむは幸せになって欲しい気がする。愚鈍ゆえに過剰に欲することも、他者に行為を強要することも なさそうな良いれいむっぽかった。 -- 2010-08-18 06 23 06 いろいろアイデアがあるのは分かったけど 全体的に読みづらいです ぱちぇの行動もいま一つわかりづらい -- 2010-10-03 18 31 28 最後の人間は何を書いていたのかな? 気になるー -- 2010-10-07 20 45 23 最後のれいむってぱちゅりーが変化した奴じゃないかな。一人称がぱちゅりーだし、結界ていう新しい能力まで持ってたし。文中でも全てのゆっくりはみんなれいむだった、なんて話も出てたしね。 -- 2010-10-13 19 13 57 最後のれいむは純粋のれいむでぱちゅりーでは無いと思う -- 2010-12-30 17 40 19 ↓↓>一人称がぱちゅりーだし 文章読解力が皆無だなアンタ、洞窟を覗き込んでるんだかられいむの巣じゃないだろ >結界ていう新しい能力まで持ってたし にわか乙、けっかいは他のSSでもふつうに使われていますよ? -- 2011-09-22 18 03 23 独裁者だから真っ先にヒトラーを思い出したけど、やってることを見るとキリスト教を思い出すな 前編ではれいむは全てのゆっくりはれいむ種から生まれた事を知っていたのか、案外バカではないのかもしれない -- 2013-01-21 07 37 58 ド臭い者www -- 2014-08-24 12 38 10 ↓座布団1枚! -- 2023-04-20 06 39 35
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現在はUIが変更されており、スクショと違う部分もあります。 (以下2019/9/9のじゅりさんのツイート)元ツイート 🌱タオバオアプリ使い方虎の巻🌱 くっそ適当にまとめたから気が向いたら見て 試しにアプリ入れたけどわかんねぇ〜〜〜て人向け このページけっこう色々機能詰まってる とりあえず見て おわり
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書きたかった事 ゆっくりの動物型妊娠の正体は卵胎生だったんだよ ゆっくりブリーダー 無意識に精神的でしかも真綿で首を絞めるような虐待を目指すよ ちぇえええええん(*´∀`) 注意点 賢いゆっくりが出てきます バッジ設定とかあります 幻想郷の住人が出てきます(村人Aとかじゃないよ) 書きたい事は迷走してます 作者 チェンマガツ? 「むきゅぅ……もうだめね……」 今まさに天寿を全うしようとしているゆっくりぱちゅりーがいる。 息は弱々しく、精根尽き果て眼を開く気力もないようだ。 「ちぇんは……」迫り来る死への不安からかぱちゅりーは伴侶の名を呼ぶ。 「ここにいるよー」 今にも泣きそうな笑顔でゆっくりちぇんがぱちゅりーの正面で声を振り絞る。 二匹がいるこの部屋には無表情な男が肘を抱えた状態で直立している。 男がこうしてゆっくりの静かな死を見守るのは何度目だろうか。 といっても男にとっては死の回数は別段気に掛ける事では無かった。 「ちぇん、…ぱちゅりーとちぇんの子どもたちを……」 「まかされたんだねー、わかるよー」 「それを聞いて…、安心したわ」 この場には二匹の子供はいない。正確にはまだ生まれていない。 「お兄さん…」 「なんだ?」ぱちゅりーの最期の言葉にしっかり耳を傾ける。 「今まで…わからなかったことが、ようやくりかいできたわ……」 男は無言で続きの台詞を待つ。 そして消えていく声だったがしっかりと聞こえた「これが死、なのね……」と。 最期の表情はどこか笑っているようでそれでいて無念が滲み出ている、そんな気がした。 我慢できずちぇんの頬を一筋の涙が流れる。 これまで一緒だったのにひとりこの世に残された寂しさ。 とても利口でいつも笑みを絶やさなかったパチュリーへの愛しさ。 何も出来なかった自分への悔しさ。 ちぇんはすべてに耐えようとしていたが依然涙は止まらなかった。 ちぇんの様子を観察しながら男はそっとぱちゅりーを持ち上げる。 もう既に動く事は無いと分かっていてもこの暖かさからは命を感じずにはいられない。 彼らにあるとするならまだ魂は体の中にあるような、そんな感覚だ。 ぱちゅりーを抱える男に足下のちぇんが物言いたげに見つめてきた。 「もう手の打ちようがない。ぱちゅりーは限界まで生きた」 そう言うとちぇんは肩を落としたように俯き、男は部屋を立ち去さろうとドアに近づいた。 ドアを開けると冷気が廊下から部屋に滑り込んできた。 暖房の効いた部屋からの移動で、もはや意識が無いながらも献体に影響が出ては困る。 刺すような冷気にぱちゅりーを晒さぬよう出来るだけ腕でくるみ部屋に背を向けて呼びかける。 「ちぇん」そう言うと俯いていたちぇんがこちらに顔を向けたような気がした。 「泣きたいときは泣いた方が良い」 そう言い放って部屋を出てドアを閉めると後から悲痛な叫び声が聞こえてきた。 ぱちゅりーを抱えた男はこの家の地下に設けた部屋に入っていく。 まずぱちゅりーの帽子を取り小さい袋に入れ、本体を部屋の中心に鎮座している台にそっと乗せる。 そして男は本来の姿に着替えていった。 白衣を着て、マスクとゴム手袋をはめ、眼鏡をかける。 ゆっくり加工所、ゆっくり生態研究部門で働いていた頃の正装である。 男はゆっくりの研究に没頭するあまり生産的ではないとして解雇されたのだ。 現在は飼いゆっくりのブリーダーとしての表の顔と今でも研究を続けているサイエンティストの裏の顔があった。 まずはぱちゅりーの頭に手際よく電極を左右対称に八本刺していく。 近くにある機械の電源のスイッチを入れると脳波の電気信号として表示される。 この様子だと完全に死の状態に陥るのはすぐだと判断した男は次の機材の準備をする。 部屋の奥にある機械を調整し始めた。 これはゆで卵を輪切りにするようにゆっくりを空気の刃で輪切りにする装置だ。 脳波が完全に止まった電気音が部屋に鳴り響くと急いでぱちゅりーをこの装置に設置した。 死んでからは中身の餡子の腐敗が進行するため時間との勝負となる。 輪切りにし終えたら、真ん中付近の大きい円状のパーツ二つを台に戻して残りを冷凍保存する。 小さいパーツは真空パックに丁寧に詰め込んだ後タッパーで密閉し、同じような容器が整然と並ぶ冷凍庫に入れる。 大きいパーツの一つは餡子だけを取り出しミキサーで撹拌させ、もう一つは目視観察に用いる。 撹拌の作業が終わるまでにぱちゅりーだった物の断面図を写真撮影し、内容物の種類、割合、分布、硬度を調べていく。 一般的に飼いゆっくりは野良のそれと比べ、運動量が少なく、ぱちゅりー種なら顕著になる。 それ故ゆっくりの中身を構成する餡子は体内であまり流動することなく、 色や柔らかさが異なる餡子が眼でも確認できるほど一匹の体内に何種類も見て取れる。 色が薄く硬い餡子はとてもまずく、逆に色が濃く柔らかいものはとても甘くなっている。 そのことからある程度はその餡子を持つゆっくりの生活状況が見て取れるのだが。 「先代のものより明らかに色の濃い部分が多くなっている」 メモを取りながら考えてみるが、男はこの状況に対する原因が全く思い当たらない。 飼育日記を確認しても先代のぱちゅりーと比較したが特に変わったことをした覚えもない。 ぱちゅりー種持ち前の病気の線も考えたが、健康優良児だったことは認められていた程だ。 ふむ、と唸りながら混ぜ終わった餡子を糖度計にかけ、また薬匙で一口すくって食べてみた。 「甘いな……」 糖度計に目をやると値にして5ポイントの上昇が確認できた。 ゆっくり出来ていたはずのぱちゅりーは何故苦しみながら死んだのか? 「ぱちゅりーはゆっくりできたのかわからないよー」 泣き腫らした赤い眼のちぇんは男に呟く。 ちぇんと男は敷地内でも一番広く日の当たる部屋に移動している。 ここからは庭で遊ぶゆっくり達も見えるし、なによりこの暖かさがちぇんにも子供達にも良い影響を与えると判断したからだ。 男はゆったりとしたソファーに腰を掛け、膝の上にゆっくり用座布団にちょこんと座ったちぇんごと乗せている。 「おにいさんはどうおもう?」 「そうだな……」 男は実験室で書いたレポートを思い出しながら考えた。 『……5世代目以降のゆっくり達の内容物の餡子に糖度の著しい上昇という目立った変化 が現れている。1世代目の平均10.8ポイントから下がり始めた糖度は5世代目で平均1.2 ポイントにまで減少。しかし6世代目からそれぞれおよそ5ポイントずつの大きい上昇 率でついに8世代目で平均16.0ポイントに到達した。原因は未だ不明。これらは……』 「私はぱちゅりーは幸せではあったと思う」何故かちぇんの眼を見ながら言う事は出来なかった。 「ちぇん、お前は悲しんでばかりもいられない。ぱちゅりーとの宝物を守っていかなくちゃならないからな」 「うん、わかるよー」 男はそう言ってちぇんの気分を逸らそうと試みる。 二匹の宝物とは二匹の子供達である三個のゆっくりの卵だった。 ぱちゅりーは卵を産んだために餡子の糖度が上がったのか?いいや、それは違う。 これまで男が育てたゆっくり達は最初のものから全て卵から孵化し卵を産んでいたからだ。しかもぱちゅりーの産んだ卵の数は平均より少なかった。 男が加工所から追い出されたのはゆっくりの卵に起因している。 度重なる実験から男はゆっくりの体内妊娠型増殖は実は卵胎生によるものだと気が付いた。 この世には卵を自分の体内で孵化させ、ある程度育った後体外に排出する魚や動物が存在している。 これに注目した男は野生のゆっくり種が稀に鶏のような卵を生み出すことを重視し実験を重ね、 ゆっくりは植物型増殖、似非妊娠型増殖、卵型増殖の3タイプの増殖方法が可能であることを確証させたのだ。 つまり植物型を除けば、ゆっくり達の増殖方法はは卵を体内で孵化させるか、体外で孵化させるかの違いでしかないのだ。 また関連研究により厳しい環境で親が生き残れないため卵を産むのでは無く、 卵を産むからさらに死期を早めていることも発見した。 これは卵の殻を構成するカルシウムが体内孵化の場合ほぼ必要なかったり再吸収されるのに比べ、体外孵化の場合不足した分を補う必要があり、 また卵を産むことによる急激なカルシウム欠乏による運動能力の低下や内容物の崩壊から死に至ると結論づけた。 しかしこれらのゆっくり界の新発見は加工所にとっては意味のあるものではなく、男は解雇を余儀なくされた訳だ。 卵による増殖方法はゆっくりの死期を早めるとはいったものの、勿論きちんとカルシウムの摂取を促せば通常の方法と遜色なく行える。 そうなると俄然卵型増殖の利点が生かせるようになる。 一点目は親の情報を多く引き継ぐ事。 これは生まれた後すぐにでも狩りの仕方や巣作りの方法を親から習わなくてもいい事から分かるように、 多くの記憶情報や行動規範を赤ゆっくりに引き継がせる事が出来る。 二点目は孵化するまでの時間が長い事。 この時間を胎教に利用して生まれた直後から人間界のルールやマナーを憶えた状態に躾けることが可能となる。 この『ゆっくり達を卵で増やす』という方法で男は幻想郷屈指のゆっくりブリーダーの地位を獲得し、 研究施設兼ゆっくり達との家を建てるまでになっていた。 男の育てたゆっくりはとても賢く人間生活にとけ込むには充分過ぎるほどだった。 8世代目ぱちゅりーについて悶々と考えていると呼び鈴がなった。 おきゃくさんがきたよと玄関のほうからゆっくり達の声が近づいてきた。 腰を上がる前に男はちぇんの頭をそっと撫でながら言い聞かす。 「そしたらちぇん、この前のように子供達にゆっくり生きる知恵を授けてやってくれ」 ちぇんは文字を読む事ができる。その為マニュアルを渡しておけば卵の世話ができた。 「わかったよー」 そう言ってちぇんは子供達の元に跳ねていった。 この家を訪れる人は多かったが今日は特に来客の予定は入ってなかったはずだ。 玄関に続く廊下を歩きながらゆっくり達を部屋に入るようにうながしていく。 ふと男はぱちゅりーの死が近づいたときに飼いゆっくりのバッジを認定する機関に近いうちに訪れるよう連絡を入れていたのを思い出した。 訪問させる用件は、ぱちゅりーに与えられた特に優秀であると認められたバッジを返納するためだ。 バッジの流用を防ぐためにバッジのついた帽子ごと返納しなければならないのがいささか辛いところではあるが。 しかしこうもタイミング良く来るものなのだろうかと心によぎったが気に留めなかった。 「お待たせしました」 そう言って男は開けたドアのノブを握ったまま固まってしまった。 扉を開くとそこにいたのは金色の長い髪でところどころにリボンをし、 紫色の瞳で貫くような視線をこちらに向ける女性だった。 「あの、どちら様で?」 少女趣味な洋服をきてフリルの付いた日傘を差すような認定機関の職員を男は知らない。 「はじめまして、私妖怪をやっております八雲紫と申します」 そして扇子で口元を隠しながらさらっと物騒な事を言ってのけた。 「異変を解決するためにあなたを殺しに参りました」 男は咄嗟にドアを閉める。 冗談じゃない! 俺がいつ妖怪に反感を買うことをした。 跳ね上がる心拍数は抑えきれず、思考もうまく回らない。 混乱する頭に最初に思い浮かんだのはちぇんの心配だった。 急いで先程の部屋に戻る。 とこかくあいつだけは逃がしてやらねば。あいつは何かと賢い。 あいつなら他のゆっくりを先導して避難させることができる。 最悪の場合でもその先生き延びる事もできるだろう。 「ちぇんいるか? ちぇん!」 そう言って飛び込んだ部屋には、 「あら、お邪魔しております」と玄関先で見た妖怪八雲紫が既に入り込んでいた。 そしてその手にはちぇんの姿があった。 「……そいつだけは離してやってくれないか」一瞬息を呑んだが、なんとか懇願してみる。 「意外と冷静な人間なのね、血が凍ってる見たい」 口元をゆるめて不敵な笑みを浮かべる妖怪。 どうしていいかも分からずうろたえるちぇんに大丈夫だと無言で男は頷いてやる。 部屋の中にいる誰もが動く事の出来ないほど緊張の糸が張りつめている。 その均衡を崩したのは紫であった。 「貴方はどうしてこの子を解放させたいのかしら」 「それは……」 即座に答える事ができない。何故男はちぇんを離して欲しいと願ったのか。 「それは、大事な大事な実験道具だからよね」 「えっ…!!」自分を抱く突然の訪問者の言葉に驚いたちぇんが彼女の顔を見上げた。 「貴方の知的欲求を満たすためにゆっくりを用いた実験を行った。そして生まれたのが ここにいる子達。ちぇん、あなたもその内の一人よ」 紫がちぇんの表情を覗くと驚いているようにみえる。ついでにとどめとばかりに言葉を続けた。 「それに死んだこの子達を貴方、バラバラにして食べてるわね。もちろんあのぱちゅりーも」 男は否定する事は出来ずに沈黙を通す、その男の行動にちぇんは絶望を感じていた。 どうして違うと言わないのか、本当にそんな事をしているのか、今まで育てられたのもそんなことするためなのか。 ゆっくりの中ではゆっくりを食べる事はタブーである。 百歩譲って男は人間であるが、家族とも思っていたものに仲間が食べられたことはショックだった。 「どおじで……」ちぇんが涙が混ざった声で呟く。 「どおじで、ばちゅりーをだべじゃっだの゛おおぉぉぉ!!!う゛ああぁぁぁぁ!!!」 いつか、いつかこの日が来る事は分かっていたつもりだった。 その時は自分の口から伝えたかったが、言う勇気がなかった。 今、紫に自分の裏の顔を告げられ、激しく責め立てられるととても胸が痛んだ。 自分から言えばある程度柔らかい表現で説明できたのかも知れない。 しかし他人に言われたのであれば、取り繕う為の言葉は言い訳に過ぎない それゆえ男は沈黙を貫き通した。だが解せないのはちぇんの台詞だこれではまるで……。 滝のような涙で泣くちぇんを余所に紫はさらに男を突き放す。 「それとは別に貴方は、ゆっくりという種の存在を脅かす事をしているわね」紫の目がキッと鋭くなった。 「最近生まれたゆっくり達は一見幸せな一生を終えたが、実際の所苦しんで死んでいってている、違う?」 どうしてこの妖怪はここまでの情報を知り得ているのか男は疑問に思った。 「あぁそれ紛れもない事実だ。実験結果がそう示している」 「ならあなたの生み出したゆっくり種の血がなんらかの事故で野生種の血に入り込んだ とき、ゆっくりはゆっくりできなくなる。そうなるとゆっくり種がこの幻想郷から消 えてしまいかねませんので、そうなる前にあなたには消えて頂きます。」 男は身構える。逃げるにしてもちぇんを置いてはいけない。なんとか隙を見つけなければと思案する。 「でも何を苦しむ事があるんでしょう? あなたはわかってますよね、ちぇん」 この台詞もまた紫に先に言われてしまった。自分がわからないことは直接本人達に聞けば良かった。 何がそんなにお前達を苦しめているのかと。 しかし目の前の妖怪は不思議な事を言う。ちぇんはその答えを断言できるような言い方だ。 ちぇんは飼いゆっくりとしては至って普通のゆっくりだ。あのぱちゅりーと同じ八代目ではあったが、 ぱちゅりーほど聡明でもなかったし、どちらかといえばその記憶力や思考力、 また行動パターンなどは普通のゆっくりレベルに近いものがあった。 「ゆっ? おねえさんのいってることはわからないよー」 それも当然だ。ちぇんにはそれほど難しいことは分からないのだ。 「……そう、貴方はとぼけるつもりなのね」 不意に向けられた禍々しい殺気にちぇんは咄嗟に紫の手から足下に飛び降りる。 「わかるよーおねえさんはゆっくりできないひとだねー。ここはちぇんのゆっくりぷれ いすだからさっさとでていってね!!」と頬を膨らませて怒るちぇん。 「ちぇんたちはとてもゆっくりできてるよ。おにいさんはわるくないよ!!」 「ちぇん止めろ!」男は慌ててちぇんを制した 紫に対してこれ以上の挑発は良くない。相手の機嫌を損なえば殺されかれない。 しかしちぇんは止めようとしなかった。いつもなら命令はちゃんと聞くのに意固地になっているようだ。 「ちぇんはちぇんだよ!! みんなもぱちゅりーもゆっくりだよ!! ちぇんたちは ゆっくりできるからゆっくりできないおねえさんはゆっくりでていってね!!」 「そう。つまりあなた達はただのゆっくりと変わらないし、そこのお兄さんはあなた達 が苦しむような事はしてない。そう言いたいのね。」 「そういってるのわからないの?ばかなの?」 「えぇ、理解しました。あなたがそう言うならそこの人間は不問としましょう」 「これでおにいさんはかんけいなくなったね」 紫はそう言うとちぇんには興味を無くしたように男の方を向く。 一方のちぇんはとても安心したような表情だ。 ただ二人のやりとりを見ていて男の頭は混乱していた。 先程のちぇんの非難や会話の内容がただのゆっくりのそれと変わらないじゃないか。 飼いゆっくりとしては普通とはいったが、粗暴な野良ゆっくりの様な話し方をしたことは今まで無かったのに。 「ですが」 紫はほっとしているちぇんに再度話しかける。 「ですがあなたは私を侮辱しました。ただのゆっくりならどうなるかわかってわよね」 言い終わるが早いかちぇんは蹴り上げられ空を舞う。 時が速度を緩め、ちぇんがゆっくり回転しながら壁に叩き付けられるまでが男にははっきり見えた。 鈍い音と声にならない音が漏れる。 男はすぐさまちぇんの元へと駆け寄った。危害を加えた紫に目もくれず、ただちぇんの元へと。 「おい、ちぇん! しっかりしろ!」男はちぇんの怪我の様子をくまなく調べながら呼びかける。 体を不用意に揺らしては中の餡子を漏らしてしまうので、見える範囲の穴を手で塞ぎながらちぇんの意識を確認する。 「お…お兄さん……」ちぇんは苦痛の混じる声で男の存在を確認する。 「大丈夫かちぇん! いいからあまり喋るな!」男は蹴られて穴の空いた特に重傷の部分の様子を確認する。 傷の様子は決して良い状態とは言えない。自然治癒は難しくこちらで補修する必要がある。 「お兄さんが、助かって…良かった…よ」 何と言った? いや、誰が言った? ゆっくり独特のアクセントが抜けてまるで人間が喋ったようなそんな言い方だった。 「ちぇ…ん?」男は目の前のゆっくりの名前を問うた。 「そうだよ……、ちぇんだよ」 ちぇんは自分はちぇんだと言う。当たり前だがますますちぇんではないような錯覚に陥る。 「ごめんね…今まで隠してきて……」ちぇんは痛む体のはずだが穏やかな表情だ。 「ホントはねもっと早くこうしてれば良かった……。お父さんも、お母さんも、ぱちゅ りーも、他の兄弟もみんなお兄さんとゆっくりじゃない会話したかったんだよ」 絶句している男に優しい目をしたちぇんはゆっくり語っていく。 「私達ね、みんな人間になりたがってた。人間になってお兄さんとお食事したり、手を つないで散歩したり、仲良く遊んだりしたかった……。でも私達はゆっくりだった。 お兄さんは私達をゆっくりとしてとても愛してくれた。だから私達はゆっくりとして お兄さんと接した。それでも幸せだった。でもやっぱり人間になりたかった。知識が 膨らんで、思考が止まらなくなった頃からゆっくりできなくなった。ゆっくりできな いから人間になりたかった。人間になればお兄さんの生活を助けて上げられるのに、 自分達の身の回りのことは自分達で出来るのに。でもやっぱり私達はゆっくりだった。 お兄さんの不器用だしどこか機械的だけどとても暖かい愛が嬉しかった。その愛に応 えたかったけど、どうしようもなかった。それが……とても……つらかった……」 ちぇんがそう言い終えた頃にはどちらともなく涙が止まらなかった。 男の献身的な愛が賢くなりすぎたゆっくり達には負担となり、苦しめていたのだ。 この苦しみは精神的苦痛となり、じわじわとゆっくり達の餡子を甘くしていた。 男はいつの間にかちぇんを抱きしめ、ちぇんは抱かれていた。いや、気持ちの中では男 を抱いているのかも知れない。 「紫さんといいましたか、あなたはいつからこの子らのことに気が付いていたんです?」 男は背を向けたまま紫に説明を求めた。どう考えても最初から男の実験を見ていて、 彼らの状態も把握している様子だったからだ。 「私の計算でゆっくりが故意に卵生増殖を始めるのがあと218年先のことと分かってお りました。その頃にはゆっくりはゆっくりとしか話せぬ単純な生命体と、体を持ちあ る程度人間との共存をなしえた知的生命体の二種類に分化し、知的生命体側がより明 敏な頭脳を手に入れるための手段が貴方が発見した方法そのものです」 もはや紫からは殺気は消え去り、丁寧な口調で科学者に持論を展開する。 「しかし、あなたはただのゆっくりに対してこの方法をとってしまった。ある程度の記 憶力、思考力、理解力の向上までは良かったのですがあまりにも賢くなりすぎた。現 在その子はゆっくりの皮を被った人間と変わりやしません。精神と肉体との乖離が始 まってとてもゆっくりできる状態でもないですわね」 男が振り返ると紫は部屋の空間にできた裂け目に手を突っ込んでいた。 「貴方の研究した資料をもらっていきます。これらは破棄せず私の信頼するしかるべき 研究機関に預けます。それとこれらの方法によるゆっくりの繁殖方法が五代目までと し、現在ここにいる六代目以降の子達はいっさい外部に出さぬよう。既に人間への譲 渡行為はあなたも私も許さぬところにあると思っているでしょう」 そして、といって空間からとりだしたのはちぇんの子供の卵だ。 「この子達は私が預かります」 ちぇんは声を出そうとしたが、紫は手のひらを前に出し制した。 「あなたの子供を別に取って食いやしません。然るべき時に孵化させ、しっかり成長を 見届けさせてもらいます」そう初めて見せる優しい表情でちぇんを説得させた。 「いつから貴方を見ていたか、私は珍しい人間が加工所にいるものだと思いしばらく観 察させてもらいました。ゆっくりを殺す場所にいながら、ゆっくりを助けようとして いたあなたは、少しずつひびが入っていく心に気が付かないでいた。私は少し工場長 を脅してゆっくり達とあなたが過ごせるようにしましたが、差し出がましかったかし らね」 男はゆっくりを愛し、その愛にゆっくりは応えようとした。 人間への思いを強くし男のためになろうとしたが、その気持ちをひびの入った心では気が付いてやれなかった。 ゆっくりは男を愛し、その愛に男は応えようとした。 ゆっくりの未来を案じてゆっくりを賢くしたが、その気持ちをゆっくりの小さな体は受け止めきれなかった。 冷たい心で熱い愛をゆっくりに捧げた男は自分の仕業がゆっくりを苦しめたことを後悔する。 しかしここにいるちぇんはもはや全てを打ち明け、苦しむ事はないのだ。 男もこれから二人で歩む新しい道が見えていた。 「お姉さん」ちぇんが紫を呼ぶ。 「目の前に好きな人がいるときはどうしたらいいかわからないよー」 まるでゆっくりちぇんのように問いかける。男は心に温かさが戻ってきたそんな気がした。 「そんなときはね……ってあらあらお熱いこと」 馬に蹴られる前に退散退散と言いながら紫はスキマに消えていった。 エピローグ 「紫様が直々異変解決とは珍しいですね」 そう言ってペットの八雲藍がお茶を出してきた。 私だってたまには仕事もしたくなるわよ。 「しかし老婆心が過ぎたかしらね」 「紫様はまだまだ充分お若いですよ」 とりあえずスキマに放り込んでお茶をすする。 すれ違う愛があまりにもじれったいからといって手を出すのも考え物か。 うちのペットもあれくらい愛してあげればいいのかしらね。 今度油揚げ風呂にでも入れてやれば忠誠心を取り戻してくれるだろうかと考えながら紫は昼寝を始めた。 おまけ どたばたと慌ただしく廊下を走りこちらに向かってくる人間がいる。 部屋に入って来るなりこちらに向かって叫んだのは博麗さんだった。 「今、ここに異変は来なかったか?」 「紫さんが…」 「バカモーン!!そいつが異変だ!!」 そう言って走り去る博麗さん。慌ただしい人だ。 ……あれ? 虐待はどこいったよ(; `・д´・) 一応精神的にも肉体的にもボコボコにしてるから虐待SSってことで勘弁してくだせい このSSに感想を付ける
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「ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 一匹のゆっくりまりさが大急ぎで跳ねていた。 「ゆゆーっ! ぱちぇは!? ぱちぇはいるのぜ!?」 公園に駆け込んできたまりさは、そう言いながら周囲を見回す。 そこかしこにある段ボールのおうちからゆっくりたちが出てくる。 「ゆ? ぱちぇなら、おうちにいると思うけど、どうしたの?」 れいむがゆっくりしてない様子のまりさを不思議がって言った。 「とってもゆっくりできそうな話を聞いたのぜ! でも、ほんとうにゆっくりできるかど うかぱちぇに聞きたいんだぜ!」 「ゆゆっ!」 れいむばかりか、その場にいた他のゆっくりたちも「ゆっくりできそうな話」という言 葉に反応する。 まりさを先頭に連れ立ってぱちゅりーのおうちへと殺到、と言っていい勢いで跳ねてい く。 「むきゅ? どうしたの?」 ぱちゅりーはおうちにいた。押しかけてきたまりさたちに驚いた様子は無い。それとい うのも、元飼いゆっくりで今やこうえんのけんじゃと言われるぱちゅりーの所へ相談にや ってくるゆっくりは珍しくないからだ。 「ゆっ! まりさは、にんげんさんの話を聞いたのぜ」 まりさの言うところによると、餌を探してゴミ捨て場を漁っていたところ、人間がやっ てきた。慌てて隠れたまりさに気付かず、人間はその上にゴミ袋をぶん投げて去って行こ うとしたが、そこへ別の人間がやってきた。 その人間たちは知り合いのようで、挨拶をしてから世間話を始めた。 ゴミ袋に圧迫されながら、まりさは出ていくわけにもいかず、じっと動かずにいた。 そこで聞くともなしに、人間の話を聞いた。 「そういえば、こないだ火事になった湯栗さん!」 「ああ、おうちが全部燃えちゃったんでしょう、大変ねえ」 おうちが燃えた、という言葉に、まりさは震えた。 ゆっくりはとにもかくにもゆっくりすることを至上とするが、そのために自分の住居、 すなわちおうちに対する執着が強い。 「そりゃ大変だったでしょうけどね、保険がおりて、むしろ焼け太りらしいわよ」 「へえ、そうなの」 「ええ、そのお金で新しい家建てて、それでも余るって」 「まあ、うらやましいわねぇー、でもだからって今住んでる家が焼けるのは嫌だけど」 「そうよねえ、燃えたら二度と戻らないものもあるしねえ」 まりさの中でその話をなんとか整理した。 その結果、つまりはおうちが焼けるというとてもゆっくりしていないことがあったにも 関わらず、ほけんというものがおりたおかげでむしろ前よりも新しいおうちを手に入れる ことができて、その上にまだあまあまが余るということらしい、という結論に達した。 なんだか結果を聞くと凄くゆっくりしている話である。しかし、どうしてもおうちが焼 けるというゆっくりしていない事態から、なぜそうなるのかがわからない。 どうも、ほけんがおりる、というのがポイントのようなのだが……。 まりさの話を聞いて、ゆっくりたちもまりさと全く同じ疑問を抱いてあれこれと議論を 始めた。しかし、やはりわからない。 ここは、けんじゃのぱちゅりーの意見を聞きたい、と皆がキラキラした目をしながら頼 むと、ぱちゅりーは誇らしげに「むきゅん」とそっくり返った。 「保険っていうのは、おうちが燃えたり、損した時におりるものよ。損した分よりも多く のものが貰えることもあるわ」 飼いゆっくりだったぱちゅりーにはその程度の知識ならあった。言い換えれば、その程 度の知識しかなかった。 そもそも、街の公園に住むここの野良ゆっくりたちは、元飼いゆっくりというだけで、 なにやら自分たちが知らぬ人間の知識を持っている賢いゆっくりであると崇拝するところ があった。それがぱちゅりー種となれば尚更である。 ぱちゅりーは、飼い主の人間の生活が苦しいのを見かねて自ら家を出たかのように野良 になった経緯を話していたが、実際はただ単に捨てられただけである。 ぱちゅりー種にしてはあまり賢くないのに失望した飼い主が、無責任にも捨てたのだ。 その際にぱちゅりーは自分のプライドを守るために、最近餌の味が落ちたことから、飼い 主の生活が苦しくなったためだ、と思い込んだ。実際は、失望しかかった段階で餌のグレ ードを落とされただけである。 公園のそばに捨てられたぱちゅりーは、すぐにこの公園にやってきて、そこにいた野良 ゆっくりたちに自分は元飼いゆっくりで人間のところで勉強してとても知識があるとハッ タリ(とは当のぱちゅりーは思っていないが)をかまして、けんじゃと持て囃されるよう になった。 「ゆゆっ! それなら、おうちに火をつけて燃やせば、ほけんがおりてゆっくりできるん だね!」 まりさが言うと、みんながざわめいた。 「むきゅ! ……そ、そうよ!」 ぱちゅりーは、一瞬戸惑ってから断言した。 こうえんのけんじゃたるもの、無知蒙昧なぼんくらゆっくりどもの質問にはたちどころ に答えなくてはならぬ。 一瞬の戸惑いは、さすがにそんなうまい話があるだろうかと思ったからだが、飼いゆっ くり時代に、やはり家が燃えてしまったが保険がおりて却って儲かったという話を聞いて いたのがこのぱちゅりーの断言を後押しした。 「やけぶとり……そうよ! やけぶとりよ!」 聞きかじった言葉を口に出す。 「ゆゆ! そういえば、まりさが話を聞いたにんげんさんも、そんなようなことを言って たのぜ!」 「やけぶとり、っていうのは、やけてふとる、っていうことよ」 「ゆゆ! やけぶとりはゆっくりできるんだね!」 「やけぶとり! ゆっくりしないではやくやけぶとろうよ!」 「むきゅ、それには火をおこさないと……だれか、ライターかマッチを持ってないかしら」 ぱちゅりーに言われてゆっくりたちは各自のおうちに帰って、自分たちの宝物を持って きた。 ゆっくりは、珍しいものなどを「ゆっくりできるたからもの」などと称しておうちに持 ち帰ることが多い。 「むきゅ……むきゅ……むきゅ! これはライターだわ!」 とあるれいむが持ってきたのが、まさにライターであった。 喜び勇んで着火しようとするが、ゆっくりにはライターをつけるのは極めて難しかった。 噛んでつけようとすると、目の前に火が出現してしまうために誰も彼もついた瞬間にゆわ ぁと悲鳴を上げてライターを放り出した。 途中から、これは無理だと思ったぱちゅりーは、さらに宝物の山を漁り、とうとうマッ チの箱を見つけ出した。 一匹のゆっくりがマッチを口にくわえ、別のゆっくりが箱の上に乗って固定する。 勢いをつけてこすると、マッチに火がついた。 「ゆわああああ! やったあ!」 「ゆっゆっ! これでやけぶとりだよ! ゆっくりできるよ!」 しかし、マッチについた火はすぐに消えてしまった。 「ゆゆぅ……」 「ぱちゅりー……」 「むきゅ、まかせなさい」 ぱちゅりーはあれこれ考えて、可燃性のものを集めてそれにマッチの火が消えぬうちに 火を移すことを思いついた。 「むきゅぅぅぅぅ、そうだわ!」 さらに、少し離れて置いてあった段ボールのおうちを移動させてびっしりと密集させる ことを指示した。 「こうすれば、火はおとなりのおうちに燃え移るわ」 「ゆわぁ、さすがぱちぇ!」 「さすがこうえんのけんじゃだね!」 「むきゅきゅきゅ」 みなに褒め称えられて、ぱちゅりーはそっくり返った。 「それじゃあ、やるよ。じゅんびはいい?」 マッチをくわえたまりさが言うと、ゆっくりたちは今一度おうちの中に誰か残っていな いか、おうちの中から宝物やごはんは運び出したかを確認し合う。 「ゆっくりもういいよ!」 「ゆん! それじゃあ、いくよ!」 まりさがマッチをすり、生じた火をおうちの塊の傍らに積み上げられた落ち葉の山に着 火する。 ぼわっ、と火が燃え上がると、まりさは大急ぎで後ろに跳ねて距離をとった。 火は、落ち葉の山から接触していたおうちへ、そして、その隣、また隣へと計画通りに 燃え広がっていく。 「ゆゆーん! これでやけぶとりでゆっくりできるよ!」 「やけぶちょり! やけぶちょり!」 「まりしゃ、あたらしいおうちたのしみだじぇ」 「もえてね! ゆっくりしないでもえてね!」 歓声を上げておうちが燃えていくのを眺めているゆっくりたち。 「あ! なんだなんだ!」 そこへ通りかかった男が、燃え上がる炎に驚いて立ち止まり声を上げた。 「とりあえず燃え移らないように」 男が駆けてきて、燃え上がる段ボールの塊の周囲をぐるりと周った。 草に燃え移りそうなところを見つけると、段ボールを蹴って草から離す。 「……これで、延焼の危険はないかな……にしても、誰だ。こんなことしたのは」 なおも燃えている炎を見て、男が呟く。 「にんげんさん! なにしてるの!」 「ん? ここに住んでたゆっくりか……あ、これ、おまえらの家か」 よくこの公園を通るその男は、燃えている段ボールがなんなのかに思い当たった。 「いったいどうしたんだ。悪い人間にやられたのか」 まず思いついたのが、虐待好きの人間の仕業ではないかということだ。男はゆっくり愛 護家というわけではないが、このように火をつけたままどこかへ行ってしまうような行為 はゆっくり虐待の範疇を超えて、人間に対しても危険な行為であり、憤りを感じていた。 「ちがうよ! これはまりさたちが自分で火をつけたんだよ!」 「……は?」 だが、思わぬ言葉を返されて呆然とする。 「なんで? 家がないと困るだろ……なんで?」 まったく見当のつかない男は疑問符だらけの顔である。 「むきゅ、それはぱちぇが説明するわ」 ぱちゅりーがえらっそうに前に出てきた。その間にもおうちは燃え続け、それをゆっく りたちが大人も子供も嬉しそうに囃し立てている。 「……と、いうわけなのよ」 ゆっへん、とそっくり返ったぱちゅりーとその後ろでニヤニヤ笑っているゆっくりたち に、心底哀れんだ目を向けつつ、男はため息をついた。 段ボールは燃え尽き、火は小さくなっていた。 「ゆわーい! おうちがぜんぶ燃えたよ! これでほけんがおりるよ!」 「やけぶとろうね! ゆっくりやけぶとろうね!」 「やけぶちょり! やけぶちょり!」 狂喜したゆっくりたちが跳ね回っているのを見て、もう一度ため息をついた。 「いったいどうしたんだい」 そこへ、後ろから声がかかった。年配の男を筆頭に、近所に住んでいる人間が何人かや ってきていた。 「いやぁ……それが」 男が説明すると、案の定と言うべきか、近所の住人たちはこれでもかというぐらいに呆 れた顔をしてそれを見合ってから、はしゃぎまくっているゆっくりたちを見て、一斉にた め息をついた。 「ゆわーい、ゆわーい」 「ゆっくりできるよ! やけぶとりだよ!」 「やけぶちょり!」 「ほけんさんはゆっくりしないではやくおりてきてね!」 なおも喜び続けるゆっくりたちには、人間たちのため息はもちろん、年配の男が呟いて 他の者をハッとさせた言葉も全く聞こえていなかった。 「あいつら、火が使えるのか……」 「ゆぅ……ほけんはまだおりないの」 「やけぶとりはまだなの……」 「おうちがないとゆっくりできないよ……」 「ゆぅぅ、ぱちゅりー……」 さて、数時間もすると喜びも去り、いつまで経ってもほけんがおりてやけぶとりできな いことに不平と疑問の声が上がっていた。保険に入ってなどいないゆっくりたちに保険が おりるわけもないのだから当たり前だ。 「むきゅ! ほけんがおりるには時間がかかるのよ!」 ぱちゅりーは自信満々に言った。いつか聞いた家が焼けて焼け太りになった話も、ほけ んがおりるまでにはかなり時間がかかったという話であった。 「ゆぅ、とりあえずむーしゃむーしゃしようか」 「ゆん、そうだね、ほけんがおりればゆっくりできるよ」 おうちから運び出しておいた備蓄の食糧に口をつけようとしたその時、 「いたぞ、あいつらです」 「よし、まかせてください」 先ほどの年配の男が、ゆっくりたちを指差していた。そして、その周りには作業着姿の 男たち。 「よーし、やっちまうぞぉ」 袋を持って軍手をして、大きなトングを持っている。 もはや言うまでもあるまい、ゆっくり駆除業者の人間である。 「むーしゃむーしゃ、しあ」 そこまで言ったれいむが、トングで掴まれて袋に入れられた。 「ゆゆゆ!」 「な、なんなの! にんげんさん!」 「れいむになにするの! ゆっくりできないよ!」 慌て始めるゆっくりたち。だが、仕事で駆除をやっている人間たちは、ゆっくりの言葉 にいちいち反応しないようになっている。 次から次へとテキパキとトングを操ってゆっくりたちを袋に入れていった。 「むきゃぁぁぁ! なにずるの! ぱちぇはこうえんのけんじゃなのよ!」 「……」 そっくり返ったその姿勢が気に食わなかったのか、ぱちゅりーはトングで掴み上げられ て一度地面に叩きつけられてから、もう一度掴んで袋に入れられた。 「やべでええええ! れいむたち、なにもわるいごとじでないよぉぉぉ」 「やけぶちょり! やけぶちょりなのじぇ! にゃ、にゃんでぇぇぇ!」 「やけぶとりでゆっくりできるはずなのに、どぼじでごんなことにぃぃぃぃ!」 おうちを焼いたら保険がおりて焼け太りできる、などというしょうもない動機などどう でもよかった。 ゆっくりが火を使った、という事実が問題であった。 火は文明への第一歩だ。 だが、同時に使い方を誤れば恐ろしいものである。 それをよく知る人間たちは、ゆっくりのような後先考えない、或いは考えるだけの知能 が無い連中がそれを使うことを許さなかったのである。 ゆっくりが放火をするかもしれない――。 そんな恐るべき噂は広がっていった。 人間の家をおうち宣言してから、おうちを焼いて焼け太りしようなどと考えて火をつけ るのでは……そう思ってゾッとしない者はいなかった。 全国的に野良ゆっくり駆除が行われ、公園や空き地に、いわばおめこぼしで住むのを黙 認されていたものたちも次々に駆除されていった。 多くは、焼却処分された。 終わり また似たような話(半端な知識でひどい目にあう)を書いたのはのるまあき。 10kb前後の小ネタは乗ってしまえば二時間ぐらいで書けてしまうから続く 時は続くなあ。 そして、この手の話で賢くない方のけんじゃの便利さは異常。 過去作品 anko429 ゆっくりほいくえん anko490 つむりとおねえさん anko545 ドスハンター anko580 やさしいまち anko614 恐怖! ゆっくり怪人 anko810 おちびちゃん用のドア anko1266 のるま anko1328 しょうりしゃなのじぇ anko1347 外の世界でデビュー anko1370 飼いドス anko1415 えーき裁き anko1478 身の程知らず