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「いらっしゃいませ~、はい。チーズケーキですね。1200円になりまーす」 こんばんは。朝比奈みくるです。え?今何をしているのかって? 見ての通りアルバイトですよ。ケーキ屋さんでアルバイトです。 今ケーキ屋さんは大忙し!なんたって今日はクリスマス・イヴですからね! クリスマスイヴと言えば……思い出すのは去年のこと。同じ1人身の同士を集ってSOS団に闘いを挑みました。そう、「しっと団」として。 あれから何度かちょっかい出したり対決したりしましたが、全て失敗。今年の3月に解散しました。 そして私は今……浪人生。未来から指示されていた大学に受かることが出来なかったためです。 まあそりゃそうですよね。大事な受験の時期にあんなことしまくってたらそりゃ落ちるってもんです。 場合によっては未来から手を回して(裏金的な意味で)入れてくれたりもするんですが、私の場合は浪人を命令されました。 まあそりゃそうですよね、最後の方は未来からの指示とか無視しまくって暴走してましたからね。 でも私は後悔などしていませんよ。あの時の私は間違いなく人生で1番輝いていましたし、そのおかげで今は1人身に悟りを開いて、穏やかな毎日を過ごしています。 もう決して嫉妬などはしません。本当ですよ? 「いらっしゃいませ~……あ。」 「あ、朝比奈さんじゃないですか。お久しぶりです。」 店に入ってきたのは国木田君でした。隣に居るのは……あれ?どこかで見覚えが…… 「お久しぶりなのね、朝比奈さん。」 思い出した!この人は確か……阪中さん!ルソーの事件の時にご一緒したキョン君のクラスメイトの方です。 今でもそうなのかは知りませんが…… でも……クリスマスイヴに二人でこんなケーキ屋に入ってくることから考えると…… 「お久しぶりです。あの、もしかしてお二人は……」 「ええ、恋人同士です。今年の春頃から。」 はい出た。また私を差し置いて1カップル成立ですよ!ま、まあ脇役同士お似合いなんじゃないですか? その後二人はいちゃいちゃしながらケーキを買って帰りました。まあ悟りを開いた私はまったく心乱されませんでしたけどね!ほ、本当ですよ? しかしさらに私に精神攻撃をしかけてきた人がいました。 「おーっす、みくる~!」 「あ、鶴屋さん。」 鶴屋さんです。県内トップレベルの大学に合格して、今はキャンパスライフをエンジョイしています。 それでも浪人生の私とも時々会ってくれます。とてもありがたいです。 しかし…… 「そのケーキ1つ貰うっさ!」 その……隣にいる人は…… 「おいおい、1番高いヤツじゃないか。」 「構わないっさ!こういうのは豪華な方が雰囲気出るっさ!」 コ、コ、コ…… 「まったく、君らしいね。」 コンピ研部長!? 「あああありがとうござざざいます。あああの、ももももしかして二人はつつつつ……」 「うん!実は同じ大学でねっ!夏頃から付き合っているっさ!なかなか面白い人だよ!」 「いやはや、長いこと二次元しか見ていなかったが、三次元も良いものだね……」 私はいちゃいちゃする二人を、呆然と眺めるしかありませんでした…… ~~~~ 午後8時、バイトも終えた帰り道。私は一人悶々とした気持ちを抱えていました。 まあ国木田×阪中は許しますよ。ええ。脇役同士で出番少ないとは言え、割とよく見かけるカップルですしね。 でも!でもコンピ研部長×鶴屋は無いでしょう!!それは流石に!どう考えても需要が存在しません!! お、落ち付け。落ち付けみくる!落ちついてこのシリーズで成立したカップルを数えるんだ! ハルヒ×キョン、長門×古泉、会長×喜緑、谷口×朝倉、新川×森、国木田×阪中、鶴屋×コンピ研部長…… 私思うんですけど、男と女が居たらとりあえずカップルにしよう的な流れって良くないと思うんですよね! トランプの神経衰弱じゃないんだから!別にカップルにならなくたって……カップルにならなくたって! 「あ、あの~、朝比奈さん……」 私は1人身です!だけど生きている!生きているんだぁぁ!! 「あ、朝比奈さ~ん……」 ……あれ?私が悶々とした思考をしているうちに、誰かに声をかけられていたようです。 振り向くとそこにあったのは……ツインテール。この人は確か…… 「橘さん、でしたっけ?」 「覚えていてくれて光栄なのです。」 そりゃ覚えてますとも!この私を誘拐した人ですからね!と私は警戒心を強めました。 「あっ、そんなに警戒しないでください。もうあんなことはしませんから。」 「はぁ……それで、私に何か用ですか?」 「ええ。お願いがあるんです。これは機関とかじゃなく、私個人として…… そして、しっと団の団長を務めたあなたへのお願いなのです!」 「ちょ、ちょっと待ってください!なんであなたがそのことを!?」 「藤原君が教えてくれました。未来では結構有名みたいですよ?」 あのパンジー野郎め!っていうか、未来で有名!?どうしましょう、未来に帰れないですよ……恥ずかしくて。 「それでそのパンジー君は今どうしているんですか?」 「彼ですか?九曜さんとラブラブデート中なのです。」 あのヘタレパンジー野郎!!ああ、またカップルが1組増えましたね…… パンジーのくせに生意気な…… 「でも、今回はそっちはどうでもいいんです!問題なのは佐々木さんで……」 「佐々木さんも誰かと付き合ってたり?」 「はい……」 「でも、多分主要な男キャラはほとんどカップルにされちゃったと思うんですけど…… あとはもう多丸兄弟ぐらいしか……あ、でもあれはあれでカップルかな……」 「何を言ってるのかさっぱりわかりませんが……佐々木さんが付き合ってるのは、キョン君です。」 はい? 「い、今なんと……」 「だから、キョン君と付き合っているらしいんです。」 「でもキョン君は涼宮さんとうざったいぐらいラブラブですよ?」 「ええ。ですからキョン君は、涼宮さんと付き合いつつ佐々木さんとも付き合っているらしいんですよ。」 な……なななな 何をやっているんですかキョン君!!あなたいつの間にそんな女たらしに!! 「この件については佐々木さん自身から話を聞いた方がいいと思います。実は近くの喫茶店に来てもらっているのです。……来てくれますか?」 「分かりました。とりあえず詳しい話を聞かないと……私もまだ少し混乱していますし。」 ~~~~~~~~~ そして私は橘さんに連れられて、近くの喫茶店へとやってきました。 そこには既に、キョン君の中学時代の同級生……つまり佐々木さんが居ました。 「やあ、朝比奈さん、だったっけ。久しぶりだね。」 「お久しぶりです、佐々木さん。それでいきなりですが……キョン君と……」 「うん、お付合いさせて貰っているよ。」 や、やっぱりそうなんだ…… 「でも、キョン君は涼宮さんと付き合っているはずですけど?」 「ああ。知ってるよ。だからこそ燃えるのさ!不倫というのもなかなかいいものだよ。」 佐々木さんはうっとりとした目でそう呟きました。ダメだこの人、完全にこの状況に酔っている…… 私が呆然としていると、隣に居た橘さんが叫び出しました。 「それじゃあダメなのです!佐々木さん、それでも男ですか!」 「いや、女だけども……」 「言葉のあやです!いいですか佐々木さん、このままこの状態を続けてても、最終的にはキョン君は涼宮さんを選びますよ!?」 「う……し、しかし」 「しかしもお菓子もありません!そして涼宮さんはキョン君と結婚して幸せな家庭を築いて、あなたは影でそれを羨むだけ! ドラマで言うと完全に悪女のポジションですよ!?」 「だ、だけどどうしようもないじゃないか。彼女の方が先に付き合っていたのだから……」 「とにかくこの現状を変えるしかありません!そのためにその手のエキスパートである朝比奈さんを呼んできたんですから!」 え……ええ~……? なんか私が変なエキスパートになっちゃってるんですけど…… 「そうだね……略奪愛と言うのも悪くはないね。ここは1つ、朝比奈さんに全てを任せてみてもいいかもしれない。」 なんか私が全部任せられる流れになってるんですけど!困りますよ! ていうかこの人はなんでそういうシチュエーションが大好きなんでしょうかね!不倫だとか略奪愛だとか…… 齢18にして物凄く捻くれてますよ。 まあでも……私としてもこのままキョン君の横暴を許すわけにはいきません。 何よりも、先程の出来事や今聞いた事実を知ったことで、久しぶりに燃えあがってきました…… そう、「しっと」の心が!! 「……いいでしょう!協力します。というか私について来てください! あなた達二人の「しっと団」への加入を認めます!」 「やったー!よろしくなのです!」 「ふふ、面白くなってきたね。」 歓喜の声をあげる橘さんと含み笑いをする佐々木さん。 さて、じゃあまず最初にすることは…… 「入ったからには、これからはコードネームで呼び合います。これはしっと団始まって以来の伝統です。 ちなみに私は『トゥモロー』。これからは朝比奈みくるでなくこの名で呼んでください。」 「はい!『トゥモロー』!」 「了解したよ、『トゥモロー』。」 そう、コードネーム決めです。 橘さんはあっさり思いつきました。この人、なんか雰囲気とかウサギっぽいんですよね。だから…… 「橘さん!あなたは『ラビット』です!」 「わあ、かわいい!ありがとうございます!」 で、問題なのは佐々木さんです。この人は雰囲気的にはキツネなんですよね。 しかし「フォックス」は既に他の元団員に使ってしまいました。 ええ、第二回ですぐに抜けて全然印象に残っていないであろう、生徒会長です。 ということで動物的なものは諦めます。あとは……イメージですね。 佐々木さんのイメージ……うんちく……哲学……哲学者といえば…… 「さ、佐々木さんのコードネームは……ソ、『ソクラテス』です!」 ……………… 空気が、凍りました。 橘さんを見ると、見るからに「ええ~……?」って感じで引いています。 佐々木さんはうつむいてプルプルしてらっしゃいます。うわあ、こりゃ怒らせましたかね…… 「や、やっぱりダメですよね、変えますからそんなに怒らないで……」 「いや、怒っていないよ……」 「え?でも先程からプルプルと……」 「違うよ……これは……歓喜の震えさ!!」 顔を上げた佐々木さん。その顔は、とても輝いていました。そう、親にプレゼントを貰った、子供のように……! 「『ソクラテス』……なんて知的な響きなんだ!こんなコードネームを僕にくれたことに感謝するよ! このようなコードネームを貰ったからには、『トゥモロー』に忠心するしかないね!橘さん!!」 「え!?あ、そ、そうですね……」 急に話を振られてしどろもどろに答える橘さん。その顔は完全に苦笑いです。 いやはやまさか、『ソクラテス』と名付けられてここまで喜ぶ女子高生がいるとは思いませんでした。 なんというか、最初はまともな人かと思いましたが、この人も結構アレですね…… 「よ、喜んでくれたみたいで何よりです。とりあえずあの二人は絶対デートをしているはずです。 その現場に行くことが出来れば、デートの邪魔も出来るし不倫関係にケリをつけることが出来ます。 問題は、あの二人がどこでデートをしているか……心当たりはありますか?」 「うーん、僕には検討がつかないよ。僕もクリスマス、恋人と過ごすなんてことはしたことが無いからね……」 頭を悩ます私と『ソクラテス』。そりゃモテない女二人が知恵を振り絞ったところで分かるはずがありません。 私にとってデートなんて「なにそれ?おいしいの?」って感じでしたからね。 う~~~~~~~ん…… 「セントラルタワーです!」 ……!?『ラビット』は、力強く宣言しました。その顔には自信に満ち溢れています。 セントラルタワー……それは恋人達の聖地と呼ばれている場所です。特にクリスマスには力を入れています。 そして去年のクリスマス、そこで涼宮さんカポーと長門さんカポー相手に死闘を繰り広げました。無様に負けましたけどね…… 「な、何故そう言いきれるんですか?」 「そうだね。確かにセントラルタワーは恋人達の聖地だ。かと言って彼らがそこに行くとも限らないだろう。 特に涼宮さんと普遍的なことを嫌う傾向があるからね。」 「大丈夫です!私が直接聞きましたから!」 「え?会ったんですか?」 「いえ、盗み聞きしました!お忘れですか?私だって『組織』の一員なのです!彼らをつけるぐらい朝飯前です!」 ああ、そう言えば…… でもなんとなくこの人、『組織』って感じがしないんですよね。古泉くんや新川さんと比べると、格が落ちるというかなんというか…… 「ちょっと『トゥモロー』!今何か失礼なこと考えましたね!」 「い、いえとんでもない!流石『組織』の人は違うなあと思って感動してたんですよ!」 「お手柄だよ。たちば……いや『ラビット』。でも涼宮さん達にしてはありきたりな気がするなあ。」 「なんでも、『去年は変な軍団に邪魔されたからね!今年こそ純粋に楽しみましょ!』『そうだな、今年は純粋にハルヒと二人きりで過ごしたいね。』『バカ……』だそうで……」 「変な軍団とはなんですか!!」 「何が二人きりだ!!!」 私と『ソクラテス』は同時に『ラビット』につめよりました。『ソクラテス』は物凄く恐ろしい形相です。そして私も…… 「ひえええ!!お、落ちついてください!言ったのはあの二人ですから!私じゃないですからぁ~!!」 「はっ!……すいません『ラビット』。つい……」 「僕としたことが取り乱してしまったようだね。」 『ラビット』は半べそをかいています。そんなに怖かったんですかね?大げさだなあ。 まあなんにせよ、今のを聞いて私の嫉妬パワーはもはや限界値を超えようとしています。 久々に見せてあげますよ……「しっと団」の力を……!ふふふ……ふふふ……ふふふのふ……!! 後編に続く
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「だから違うって言ってるでしょぉ!? 私はしっとの戦士! しっとレディであって! フェイト=T=ハラオウンでは断じて無いんだってばぁ!! お願いだから分かって頂戴!!」 しっとレディはエリオとキャロの視線の痛さをごまかす様にまだ倒れてる桜花の上で 地団駄を踏みながら必死に自分がしっとレディである事を主張するが、二人の視線は変わらなかった。 「分かりました…。今の貴女はしっとレディですよ。フェイトさん…。」 「しっとレディとして頑張ってください…フェイトさん…。」 「だからフェイトって呼ぶなぁぁぁ!!」 しっとレディはやけくそになって駄々をこねるようにバルディッシュを振り回していたが、 そこでやっと蘇生した桜花が立ち上がった。 「何時まで私の上でジタバタやっているか!? 相手に立つなら徹底的にやってやるぞ!!」 今度は桜花の拳がしっとレディに放たれ、防御魔法で防御したが衝撃は緩和させる事が 出来ずに吹っ飛んでいくしっとレディに追い討ちをかけるべく桜花は高速で駆け出して行った。 「ああ! 桜花さん!」 桜花が遠くへ行ってしまい、そこにはしっとマスクとエリオ&キャロが残された。 「フッフッフッフ…桜花はしっとレディが相手してくれるとして…お前等何時まで ベタベタベタベタベタベタ!! くっついとるんじゃぁぁぁぁぁぁ!!」 未だくっついたままのエリオとキャロにしっとマスクは血の涙を流し、しっとの炎を燃やした。 もう全身から炎の様に見える強烈なオーラが発せられていた程である。 「うあっちゃッちゃっちゃっちゃぁぁぁぁ!!」 と思ったら本当に燃えていた。慌ててしっと団員の一人が水を満載したバケツを持って 消火活動に勤しんでいたが、その間にエリオとキャロはバリアジャケットを装着し、戦闘態勢に入った。 「とにかくだ! エリオとやら! お前には死んでもらうぞ!」 「どうして? どうしてエリオ君を殺そうとするの!?」 「それは自分の胸に聞きやがれぇぇぇぇ!!」 またもしっとマスクは血の涙を流しながら号泣した。持てない男達の精鋭である彼等にとって エリオがどれだけ羨ましく、また妬ましい存在であるかは想像にも出来ないだろう。 「自分の胸に聞けと言われても僕にはお前達に恨まれる筋合いは無い!」 「くあああああ!! それが腹が立つぅぅぅぅ!!」 やはりエリオとキャロに何故しっとマスク達がエリオを恨むのかは理解していない様子であり、 それが余計にしっとマスク達を余計に激怒させてしまうのである。 「こうなったら行けぇ! しっと団員達よ!」 「オオ―――――――――!!」 しっとマスクの号令によってしっと団員達が一斉に飛びかかった。エリオはストラーダを構え、 キャロを守る様に前に立っていたのだが、しっと団員達はエリオを無視してキャロの方に突撃していた。 「ハッハッハッー! キャロちゃんお持ち帰りー!!」 「嫌ぁぁぁぁ!!」 何と言う事か、しっと団員達はエリオを殺すと見せかけてキャロを抱き上げていたのである。 これにはキャロも悲鳴を上げる。と言うか、褌一丁のオヤジに抱かれるのは誰でも嫌だ。 「ハッハッハッハッー! あんなクソガキなんかより俺の方がよっぽど良い男って事を教えてやるぜ!」 「ああああ! ヒゲ痛いヒゲ痛いヒゲ痛い!」 挙句の果てにはブツブツヒゲで頬擦りされてしまう始末。もうキャロは完全に泣いていた。 このまま自分はこのキモイオヤジ軍団に18禁同人誌みたいな事されてしまうのかと…。が… 「くおらぁ! キャロちゃんは俺んだぁ!」 先程までキャロを抱いていたしっと団員が別の団員に殴り飛ばされてしまった。 「キャロちゃ~ん! おじちゃんが何でも好きな物買ってあげるよー!」 「いやぁぁぁぁぁ!!」 「こらてめぇ! キャロちゃんは俺の様な逞しいナイスガイが好きなんだよこらぁ!」 と、キャロを巡ってしっと団員同士の醜い仲間割れが勃発してしまっていた。 忽ち周囲でしっと団員達の壮絶な殴り合いが展開されてしまうのだが、その隙にキャロが 何とか彼等の囲いを脱出していた。 「はぁ…はぁ…怖かったよぉ~…。とりあえず今の内に逃げようエリオ君…ってあれ?」 そこにエリオの姿は無かった。が、良く見ると… 「ああ!」 いつの間にかにしっと団員達の醜い殴り合いに巻き込まれてタコ殴りにされるエリオの姿があったとさ。 「オラオラ! お前の様な軟弱な男は女の子一人守る事も出来んぞ!」 「ああ! エリオ君!!」 キャロはエリオを助けたかった。しかし…しっと団員達の殴り合いの中に飛び込んで 行く事は彼女には出来なかった…。 「フェイトさん! これで…これで貴女は本当に良いんですか!?」 「だぁから私はフェイトじゃねぇっつってんだろ!!」 なおも桜花と戦闘中のしっとレディに向かってキャロは叫ぶがやはり否定された。 そりゃしっとレディ=フェイトだってエリオが心配だし助けたい。 しかししっとレディとしての立場上その様な事は出来ないのである。 だからこそ…今は何も考えずに桜花との戦闘に集中するしか無かった。 「行け! プラズマランサー!」 「消えろ!!」 しっとレディのプラズマランサーと桜花の桜三型光学熱線砲が空中でぶつかり合い、 次々に爆発音が響き渡っていく。その光景にキャロも絶望した。 「も…もう神も仏もいないの…そんな…そんなぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁ!!」 その時だった。突然桃色の輝きを発する魔法がしっと団員達に降り注ぎ、次々に 大爆発を起こしてしっと団員達を吹っ飛ばしていた。 「おひょぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「え?」 「みんな大丈夫!?」 突如現れたのはなのはだった。そしてキャロの前に降り立つ。 「なのはさん…。」 「様子を見に来たらこんな事になってるなんて驚きだよ。さあ後は私に任せて下がって…。」 なのははレイジングハートシューティングモードを構え、しっと団員達に狙い定めていたが… 「そんな事よりアレを見てください。フェイトさんが…変態マスク女に堕ちてしまいましたぁぁ!!」 キャロは血の涙を流しながら、なおも桜花との激戦を繰り広げるしっとレディを指差すが、 そのしっとレディを見た瞬間になのはの顔は歪んだ。 「はぁ? それひょっとしてギャグで言ってるのぉ?」 「え…。」 「だってそうでしょ? あれの何処がフェイトちゃんなのかな?」 「え? あれどう見てもフェイトさんですよ! 分からないんですか!?」 説明させていただくと、なのはだけはしっとレディの正体がフェイトである事に 真剣に気付いてはいない。だからこそなのははキャロの頭が可笑しくなったのだと考えていた。 「考えても見てよ! フェイトちゃんはあんな馬鹿な事はしないよ! まったく… フェイトちゃんとあんな馬鹿変態覆面女を一緒にするなんてフェイトちゃんに失礼だよ! 何なら今ここでキャロの頭冷やさせてあげても良いんだよ?」 「あああああああ!! ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!!」 その時のなのははかつてティアナの頭を冷やさせ、見ただけで桜花の背筋を絶対零度にまで 凍り付かせた恐怖の顔になっており、キャロも血の涙を流しながら高速連続土下座するしか無かった。 「まあいいわ。今はあの変態達を何とかするのが先…。」 既に先の砲撃によって吹き飛んだしっと団員達も回復し、なのはに向かって来ていた。 「うおお! 美人のおねぇさんどぅぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「あのおねぇさんは俺んだぁぁぁぁ!!」 「いや、俺んだぁぁぁぁぁぁ!!」 なのはの攻撃魔法が彼等に通用していないワケでは無い。だが、彼等の女性に対する 欲望のパワーが彼等の身体を突き動かしていたのである。しかしなのはにとっては迷惑千万だ。 「ああ気持ち悪い! アクセルシューター!!」 「ギャァァァ!」 「おわぁぁぁぁ!!」 レイジングハートから多数の魔法弾丸が発射され、しっと団員達を次々に吹っ飛ばしていく。 どさくさに紛れて何故かエリオまで攻撃を受けていたりする始末。 そして桜花対しっとレディの方も双方互角の大熱戦が繰り広げられていた。 「殺してやる! 今度こそ殺してやるぞ変態金髪覆面!!」 「ならば私はお前を破壊してやる!!」 桜花は近くに生えていた大木を強引に引き抜き、しっとレディに殴りかかるが しっとレディはザンバーフォームバルディッシュで大木を両断する。 続けてしっとレディは超高速で桜花の周囲を飛び回り、その全身を斬り裂こうとするが… 桜花の重装甲には傷一つ付かず、かと言って桜花の方もしっとレディのスピードを 捉える事が出来ずに翻弄されていた。 「くそ! 何て素早い奴なんだ!?」 「くそ! 何て装甲の堅い奴なんだ!?」 桜花が重戦車ならしっとレディは超高速戦闘機。お互い決定打を持たない互角の勝負が展開されていた。 「しかし…スタミナは原子炉稼動の桜花が遥か上…ここは早い内に決着を付ける!」 流石のしっとレディもスタミナ面で桜花に劣るのは否めなかった。彼女も生身の人間なのだから。 だからこそスピードを生かして何とか関節等、装甲の薄い場所を破壊して桜花を倒そうとしていた。 そして桜花もまた、長期戦に持ち込んでしっとレディが疲れて動きが鈍るのを待ち、その後で 熱線を当てて決着を付ける作戦に移行していた。 「肉を切らせて骨を断つ…最後まで耐えて耐えて痛い一撃をお見舞いしてやる!」 桜花は防御体制に入り、それと同時に熱線のエネルギーチャージを開始していた。 なのははしっと団相手に大暴れ、巻き添えで一緒にフルボッコされるエリオ、 桜花としっとレディ=フェイトはパワー対スピードの大熱戦の真っ最中。 もうこの場で戦っていない者はキャロ一人しかいなかった。 「もうやめて…みんなやめてよ…。」 キャロは血の涙を流しながら言った。しかし…誰一人戦いをやめようとしない。 「やめて…やめてよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 キャロの血の涙が周囲に飛び散り、彼女のバリアジャケットを赤く染め上げた瞬間だった。 その周囲に巨大な魔法陣が出現、さらに巨大な黒竜が姿を現すのである。 「ヴォルテェェェェェェル!!」 「おわ――――――――――――!! 何かでかいのが出てきた――――――――――――!!」 これには流石の皆も慌てた。しかし…その直後にはキャロの召喚したヴォルテールが 有無を言わせずに吐いた火炎がキャロを除くその場にいた全員を飲み込んで行った… ヴォルテールが姿を消した時、そこには彼方此方にクレーターの出来た広大な荒野の 真ん中に一人立つキャロの姿のみが残されていたと言われている。 もちろんその後でキャロはみっちり叱られたそうな。 しっと団の逆襲! 狙われたエリオとキャロ 編 完 前へ 目次へ 次へ
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こんばんは。朝比奈みくるです。 あの戦いから約50日が過ぎました…… 私達は「しっと団」として戦いました。残念ながら敗れましたが…… 結局あのバカップル×2のいちゃいちゃは止まらず、嫉妬に燃える日々をすごしています。 あんちくしょうめ……あんちくしょうめ……!! 失礼しました。そんなこんなで今は2月の13日。 明日にあるイベント……ご存知ですね? そのイベントに先立ち、久しぶりに「しっと団」のメンバーを召集したのです。 そう、朝比奈みくるではなく、『トゥモロー』として……! 「お久しぶりです、みなさん。よく来てくださいました。」 みなさんちゃんと来てくれました。やはり「しっと」で繋がれた絆は深いんですね。 「当然!朝比……もとい、『トゥモロー』の頼みならば、いつでも駆けつけます!」 この人は谷口君。通称、『ジャッカル』。カッコイイコードネームのくせに瞬殺された雑魚っぽい人です。 「また何か計画があるのですかな?」 このダンディなおじさんは新川さん、通称『スネーク』。 彼女いない暦48年という脅威の履歴を持っている方です。 「ふふ、また何かやるのね?楽しみだわ♪」 この人は朝倉さん、通称『キラー』。長門さんに情報連結解除される前の過去から連れてきました。 「どうせ戻っても消されるだけだし」と言ってこの時間に留まっています。 そうするとパラドックスとかいろいろアレになるのですが情報操作で大丈夫なそうです。 だから深くツッコまないように。 「……」 そしてこの人は生徒会長さん、通称『フォックス』。 ……あれ?何か様子が変ですね……? 「どうかしたんですか?『フォックス』。」 「いや、その、申し訳ないんだが、私はこの組織を抜けさせてもらおうと思ってね……」 「はい!?」 なんでまた……まさか……!! 「実は先月、喜緑くんと付き合うことになってね。 いやはや、彼女は実はツンデレだったんだよ、意外だろう? だが私のアタックにようやく答えてくれて、今ではデレデレなのだよ。 それで……」 『フォックス』が彼女自慢を始めました。 私は『キラー』に目配せをします。『キラー』は頷きました。 「彼女の二人っきりでの時の甘えっぷりは凄いぞ? 是非1度君達にも見せて……って『キラー』、どうした?」 「じゃあ、死んで♪」 ぎゃあああああああああああああああああああああああ…… 「……裏切り者には死を、です。」 「流石『トゥモロー』!それでこそ「しっと団」の団長だぜ!」 「では、これから作戦を説明します。っとその前に……『ジャッカル』君!」 「な、なんですか?『トゥモロー』。」 「はい!1日早いですけど、バレンタインのチョコです♪」 私は『ジャッカル』君にチョコレートをあげました。 「マ、マジですか!!『トゥモロー』に貰えるなんて、俺死んでもいいっす! た、食べてもいいですか?」 「どうぞ。口に合うかわからないけど……」 「合うに決まってるじゃないですか!いただきまーす!!……もぐもぐ。 ……すっげえおいしいです!……ん?」 『ジャッカル』のお腹から、私達にも聞こえるほどのゴロゴロゴロという音がしました。 「ト……ト……TOTOTOトイレェェェェ!!」 『ジャッカル』君はお腹を押さえてトイレへと走っていきました。 「今のはなんですかな?」 「チョコレートの中に、超即効性の下剤を混ぜたものです。 食べたらすぐにトイレに行きたくなり、そのまま30分はトイレから出られません。 そして出てきた時には、心身ともに消耗してしまうという代物です。 名付けて……」 「「名付けて……?」」 「『血世古霊斗』。」 「「『血世古霊斗』!!」」 二人ともハモりました。驚いているようです。 私はこの1ヶ月間、これの開発に勤しんでいたのです! 「今頃涼宮さんと長門さんは手作りチョコを作っているはずです。 そのチョコを、こっそりこの『血世古霊斗』に変えてしまうのです! そして何も知らずチョコをあげる彼女達……食べる男達……そして下痢…… 二人の関係に亀裂が!そして破局……!」 「素晴らしい、素晴らしいわ『トゥモロー』!」 「この『スネーク』、感動して泣きそうでございます。」 「さあ、早速すり替えに行くのです!『キラー』は長門さん、『スネーク』は涼宮さん! バカップル達に鉄槌を食らわすのです!」 「「イエッサー!」」 ふふふ……もういちゃかせたりはしませんよ……ふふふ……ふふふのふ…… こちら新川、もとい『スネーク』でございます。 『トゥモロー』殿の命を受け、ただいま涼宮様宅に潜入しているところです。 私、機関では潜入捜査のプロとして通っております。 小娘一人の家に侵入することなど、朝飯前なのです。 「あら?あんなとこにダンボールなんておいてたかしら……?」 さて、目的のキッチンへと辿り着きました。 ……見つけました。これが精魂込めて作り上げた涼宮様の手作りチョコレート。 さてこれを『血世古霊斗』にすりかえたいと思います。……任務完了。 彼には気の毒ですが、いちゃつくカップルは悪!因果応報なのでございます。 「あっれー?ダンボール移動してない?……チョコ作りで疲れたのかしら。寝ましょ……」 私は今長門さんの部屋の前にいるわ。 言い忘れてたけど、私今は長門さんの隣の部屋に住んでるの。 時々お邪魔してたりするから、堂々と中に入れるってわけ。 ピンポーン♪ チャイムを押す。ちょっとして長門さんが出てきたわ。 あら?エプロンつけてる。チョコを作ってたってわけね。 「何か用?」 「おでん買ってきたのよ。一緒に食べない?」 「……入って。」 長門さんを釣るには食べ物ネタが1番!簡単に侵入できたわ。 さ、て、と…… 「暖めるからレンジ借りていい?」 「いい。」 ほーら簡単にキッチンへ。見つけたわ~これね? 「あら?チョコレート。手作り?」 「そう。」 「ふ~ん、古泉君にあげるんだ~。」 「あなたには関係ない。」 あらあら照れちゃってw でも残念ね。そのチョコレートは私の手によって『血世古霊斗』に変わるの♪ ……はいすり替え完了!明日が楽しみだわ~♪ いよいよバレンタイン当日。 私はHRが終わったらとっとと家に帰った。 そして、インターフェイスの力を使って壁にSOS団部室の様子を映し出す。 長門さんだけみたいね。チョコ持ってそわそわしてるわ♪かわいいわね♪ でも残念。あなたが持ってるのは『血世古霊斗』なのよね♪ 「おや、長門さんだけですか?」 「そう。……あなたに渡したいものがある。……あげる。」 「これは、チョコレート……手作り、ですか?」 「そう。食べて。」 「ありがとうございます。では頂きますね。」 古泉君が『血世古霊斗』を口に入れた! さあ下痢来い!……あら?来ない……? 「すごくおいしいです。ありがとうございます。」 「よかった。」 あ、あれ?おかしいなあ。なんで? 不思議がってる私に、どこからか声が聞こえてきた。 『あなたの企みはバレバレ。朝倉涼子』 ……!テレパシーね!なんで分かったの? 『モテないあなたが取り得る行動を考えた結果、安易に予測できた。』 この女……! 『だからあなたが交換をする直前に、あなたの持っている毒入りチョコと私の手作りチョコを入れ替えた。 そしてあなたは入れ替わったのを元通りに交換した。』 や、ら、れ、た……!! 『くやしいのう、くやしいのう。』 黙りなさい!この貧乳女! 『今から私の行う行為を見ているといい。』 え?行為……? そう言うと長門さんは古泉君に近づいた。 「口にチョコがついている。」 「あ、失礼、汚いところを……」 「とってあげる。」 「え……」 な……ななななな!!!! 長門さんはそう言うと古泉君にキスをした! 意味わかんない!手で取ればいいじゃない手で!お前はアヒルか! 有希のくせに有希のくせに有希のくせに!! あ、顔がほてって……これってまた……オーバー……ヒー……ト…… そして私は倒れた。目覚めたのはすっかり夜になってからだったわ…… さてここからはまた私、みくる視点に戻ります。 私が部室に入った時には、なんか古泉君と長門さんがキスしてました。 ……しくじりましたね、『キラー』…… まあいいです。『スネーク』はきっとやっていてくれているはず。 あ、ほら二人が入って来ましたよ。 「はい!チョコ!」 「お、くれるのか?」 「しょうがないからね!手作りしてやったわ!」 「ありがとなハルヒ、食べていいか?」 「食べなさい!おいしいって言わなきゃ死刑なんだからね!」 ふふ、そのチョコレートは涼宮さんのじゃありませんよぉ。 私が丹精こめて作った『血世古霊斗』です♪ 「うん、うまいよハルヒ。……ん?」 「どうしたの?」 「す、すまん、ちょっとトイレに……!」 そう言うとキョン君はトイレに駆けて行ってしまいました。 計画は成功のようですね!『スネーク』、GJ! 「………」 涼宮さんの顔色が優れません。 そりゃそうでしょうね。自分のチョコ食べさせた後トイレから戻ってこなければ不安になるはずです。 プププwwww破局まであと1歩でしょうかwwww 30分たって、ようやくキョン君が戻ってきました。 「ふう……」 「キョン!大丈夫!」 「ああ、大丈夫だ。」 「ウソ!私のチョコ食べてお腹の調子壊したんでしょ!」 うんうん、いい感じいい感じ♪ 「バカ言え、お前のチョコは最高に上手かったぜ。」 「でも……!」 「俺はたとえ腹を下そうとも、お前の作ったチョコを食べる。 だって、お前が俺のために、作ってくれたんだもんな……?」 あれ?なんか変な方向に…… 「なんで……なんでそこまでするのよ!」 「お前を……世界で1番愛してるからさ、ハルヒ。」 「……バカァ!私の方が……もっと愛してるわよ!」 なにこれ……よくこんな臭いセリフ吐けますね…… ていうか何?『血世古霊斗』を踏み台にして愛を確かめあってる……! 私はピエロですか……次のコスプレもピエロに決定ですね…… ふふ……ふふふふ……ふふふのふ……!! 「ちっくしょーー!!!!」 私は叫びながら、部室を出ました。 他4人の奇異なものを見る視線が私に突き刺さりますが気にしません! これで勝ったと思わないでくださいね! この世にカップルが存在する限り、「しっと団」の戦いは続くのです!! おしまい
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こんばんは。朝比奈みくるです。 あの戦いから約50日が過ぎました…… 私達は「しっと団」として戦いました。残念ながら敗れましたが…… 結局あのバカップル×2のいちゃいちゃは止まらず、嫉妬に燃える日々をすごしています。 あんちくしょうめ……あんちくしょうめ……!! 失礼しました。そんなこんなで今は2月の13日。 明日にあるイベント……ご存知ですね? そのイベントに先立ち、久しぶりに「しっと団」のメンバーを召集したのです。 そう、朝比奈みくるではなく、『トゥモロー』として……! 「お久しぶりです、みなさん。よく来てくださいました。」 みなさんちゃんと来てくれました。やはり「しっと」で繋がれた絆は深いんですね。 「当然!朝比……もとい、『トゥモロー』の頼みならば、いつでも駆けつけます!」 この人は谷口君。通称、『ジャッカル』。カッコイイコードネームのくせに瞬殺された雑魚っぽい人です。 「また何か計画があるのですかな?」 このダンディなおじさんは新川さん、通称『スネーク』。 彼女いない暦48年という脅威の履歴を持っている方です。 「ふふ、また何かやるのね?楽しみだわ♪」 この人は朝倉さん、通称『キラー』。長門さんに情報連結解除される前の過去から連れてきました。 「どうせ戻っても消されるだけだし」と言ってこの時間に留まっています。 そうするとパラドックスとかいろいろアレになるのですが情報操作で大丈夫なそうです。 だから深くツッコまないように。 「……」 そしてこの人は生徒会長さん、通称『フォックス』。 ……あれ?何か様子が変ですね……? 「どうかしたんですか?『フォックス』。」 「いや、その、申し訳ないんだが、私はこの組織を抜けさせてもらおうと思ってね……」 「はい!?」 なんでまた……まさか……!! 「実は先月、喜緑くんと付き合うことになってね。 いやはや、彼女は実はツンデレだったんだよ、意外だろう? だが私のアタックにようやく答えてくれて、今ではデレデレなのだよ。 それで……」 『フォックス』が彼女自慢を始めました。 私は『キラー』に目配せをします。『キラー』は頷きました。 「彼女の二人っきりでの時の甘えっぷりは凄いぞ? 是非1度君達にも見せて……って『キラー』、どうした?」 「じゃあ、死んで♪」 ぎゃあああああああああああああああああああああああ…… 「……裏切り者には死を、です。」 「流石『トゥモロー』!それでこそ「しっと団」の団長だぜ!」 「では、これから作戦を説明します。っとその前に……『ジャッカル』君!」 「な、なんですか?『トゥモロー』。」 「はい!1日早いですけど、バレンタインのチョコです♪」 私は『ジャッカル』君にチョコレートをあげました。 「マ、マジですか!!『トゥモロー』に貰えるなんて、俺死んでもいいっす! た、食べてもいいですか?」 「どうぞ。口に合うかわからないけど……」 「合うに決まってるじゃないですか!いただきまーす!!……もぐもぐ。 ……すっげえおいしいです!……ん?」 『ジャッカル』のお腹から、私達にも聞こえるほどのゴロゴロゴロという音がしました。 「ト……ト……TOTOTOトイレェェェェ!!」 『ジャッカル』君はお腹を押さえてトイレへと走っていきました。 「今のはなんですかな?」 「チョコレートの中に、超即効性の下剤を混ぜたものです。 食べたらすぐにトイレに行きたくなり、そのまま30分はトイレから出られません。 そして出てきた時には、心身ともに消耗してしまうという代物です。 名付けて……」 「「名付けて……?」」 「『血世古霊斗』。」 「「『血世古霊斗』!!」」 二人ともハモりました。驚いているようです。 私はこの1ヶ月間、これの開発に勤しんでいたのです! 「今頃涼宮さんと長門さんは手作りチョコを作っているはずです。 そのチョコを、こっそりこの『血世古霊斗』に変えてしまうのです! そして何も知らずチョコをあげる彼女達……食べる男達……そして下痢…… 二人の関係に亀裂が!そして破局……!」 「素晴らしい、素晴らしいわ『トゥモロー』!」 「この『スネーク』、感動して泣きそうでございます。」 「さあ、早速すり替えに行くのです!『キラー』は長門さん、『スネーク』は涼宮さん! バカップル達に鉄槌を食らわすのです!」 「「イエッサー!」」 ふふふ……もういちゃかせたりはしませんよ……ふふふ……ふふふのふ…… こちら新川、もとい『スネーク』でございます。 『トゥモロー』殿の命を受け、ただいま涼宮様宅に潜入しているところです。 私、機関では潜入捜査のプロとして通っております。 小娘一人の家に侵入することなど、朝飯前なのです。 「あら?あんなとこにダンボールなんておいてたかしら……?」 さて、目的のキッチンへと辿り着きました。 ……見つけました。これが精魂込めて作り上げた涼宮様の手作りチョコレート。 さてこれを『血世古霊斗』にすりかえたいと思います。……任務完了。 彼には気の毒ですが、いちゃつくカップルは悪!因果応報なのでございます。 「あっれー?ダンボール移動してない?……チョコ作りで疲れたのかしら。寝ましょ……」 私は今長門さんの部屋の前にいるわ。 言い忘れてたけど、私今は長門さんの隣の部屋に住んでるの。 時々お邪魔してたりするから、堂々と中に入れるってわけ。 ピンポーン♪ チャイムを押す。ちょっとして長門さんが出てきたわ。 あら?エプロンつけてる。チョコを作ってたってわけね。 「何か用?」 「おでん買ってきたのよ。一緒に食べない?」 「……入って。」 長門さんを釣るには食べ物ネタが1番!簡単に侵入できたわ。 さ、て、と…… 「暖めるからレンジ借りていい?」 「いい。」 ほーら簡単にキッチンへ。見つけたわ~これね? 「あら?チョコレート。手作り?」 「そう。」 「ふ~ん、古泉君にあげるんだ~。」 「あなたには関係ない。」 あらあら照れちゃってw でも残念ね。そのチョコレートは私の手によって『血世古霊斗』に変わるの♪ ……はいすり替え完了!明日が楽しみだわ~♪ いよいよバレンタイン当日。 私はHRが終わったらとっとと家に帰った。 そして、インターフェイスの力を使って壁にSOS団部室の様子を映し出す。 長門さんだけみたいね。チョコ持ってそわそわしてるわ♪かわいいわね♪ でも残念。あなたが持ってるのは『血世古霊斗』なのよね♪ 「おや、長門さんだけですか?」 「そう。……あなたに渡したいものがある。……あげる。」 「これは、チョコレート……手作り、ですか?」 「そう。食べて。」 「ありがとうございます。では頂きますね。」 古泉君が『血世古霊斗』を口に入れた! さあ下痢来い!……あら?来ない……? 「すごくおいしいです。ありがとうございます。」 「よかった。」 あ、あれ?おかしいなあ。なんで? 不思議がってる私に、どこからか声が聞こえてきた。 『あなたの企みはバレバレ。朝倉涼子』 ……!テレパシーね!なんで分かったの? 『モテないあなたが取り得る行動を考えた結果、安易に予測できた。』 この女……! 『だからあなたが交換をする直前に、あなたの持っている毒入りチョコと私の手作りチョコを入れ替えた。 そしてあなたは入れ替わったのを元通りに交換した。』 や、ら、れ、た……!! 『くやしいのう、くやしいのう。』 黙りなさい!この貧乳女! 『今から私の行う行為を見ているといい。』 え?行為……? そう言うと長門さんは古泉君に近づいた。 「口にチョコがついている。」 「あ、失礼、汚いところを……」 「とってあげる。」 「え……」 な……ななななな!!!! 長門さんはそう言うと古泉君にキスをした! 意味わかんない!手で取ればいいじゃない手で!お前はアヒルか! 有希のくせに有希のくせに有希のくせに!! あ、顔がほてって……これってまた……オーバー……ヒー……ト…… そして私は倒れた。目覚めたのはすっかり夜になってからだったわ…… さてここからはまた私、みくる視点に戻ります。 私が部室に入った時には、なんか古泉君と長門さんがキスしてました。 ……しくじりましたね、『キラー』…… まあいいです。『スネーク』はきっとやっていてくれているはず。 あ、ほら二人が入って来ましたよ。 「はい!チョコ!」 「お、くれるのか?」 「しょうがないからね!手作りしてやったわ!」 「ありがとなハルヒ、食べていいか?」 「食べなさい!おいしいって言わなきゃ死刑なんだからね!」 ふふ、そのチョコレートは涼宮さんのじゃありませんよぉ。 私が丹精こめて作った『血世古霊斗』です♪ 「うん、うまいよハルヒ。……ん?」 「どうしたの?」 「す、すまん、ちょっとトイレに……!」 そう言うとキョン君はトイレに駆けて行ってしまいました。 計画は成功のようですね!『スネーク』、GJ! 「………」 涼宮さんの顔色が優れません。 そりゃそうでしょうね。自分のチョコ食べさせた後トイレから戻ってこなければ不安になるはずです。 プププwwww破局まであと1歩でしょうかwwww 30分たって、ようやくキョン君が戻ってきました。 「ふう……」 「キョン!大丈夫!」 「ああ、大丈夫だ。」 「ウソ!私のチョコ食べてお腹の調子壊したんでしょ!」 うんうん、いい感じいい感じ♪ 「バカ言え、お前のチョコは最高に上手かったぜ。」 「でも……!」 「俺はたとえ腹を下そうとも、お前の作ったチョコを食べる。 だって、お前が俺のために、作ってくれたんだもんな……?」 あれ?なんか変な方向に…… 「なんで……なんでそこまでするのよ!」 「お前を……世界で1番愛してるからさ、ハルヒ。」 「……バカァ!私の方が……もっと愛してるわよ!」 なにこれ……よくこんな臭いセリフ吐けますね…… ていうか何?『血世古霊斗』を踏み台にして愛を確かめあってる……! 私はピエロですか……次のコスプレもピエロに決定ですね…… ふふ……ふふふふ……ふふふのふ……!! 「ちっくしょーー!!!!」 私は叫びながら、部室を出ました。 他4人の奇異なものを見る視線が私に突き刺さりますが気にしません! これで勝ったと思わないでくださいね! この世にカップルが存在する限り、「しっと団」の戦いは続くのです!! おしまい
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「私がしっと団エリア11本部団長 ゼロである!」 「私はすべての彼女・彼氏のいない人間の味方だ!」 (ナナリーに近づく男は殺す! この立場はそれを行うのにふさわしい……) 仮面を使い、彼は目的を果たそうとする―――――― (ラクシャータ謹製のリア充スカウターに反応が……! バカな! 何故しっと団のアジトにリア充力5000ガバスのやつがいる……!) フジサンでのエリア11しっと団メンバーの会議にライがいることに驚愕するゼロ いっぽう、クリスマスにはびこるアベックを殲滅した功績をたたえられて本部に呼び出されるリヴァルとライもそこで目にしたしっと団エリア11本部団長ゼロに驚きを隠せなかった 「何故チョコを渡すのか―――――愛を確認することが本来の目的ではないか――――――性欲におぼれるアベックは死ね!」 「さすがゼロ! 見事な三段論法」 果たしてバレンタインの悪しき習慣を断ち切ることができるのか!? 「なにやってるのよ、リヴァル」「私はしっとリーダー、決してリヴァルという好青年ではない!!!」 「ライ君、なにやってるの?」「僕はしっとエース、決して特派のエースパイロットではない!!!」 「ゼ・・・ゼロ・・・?」「私はしっとジャスティス・ハイパー! 決して黒の騎士団団長のナイスガイではない!」 「ばかな……あの女、しっと力100億×200立方メートルだと……!」 「ユーフェミア様をたぶらかす悪い男……!」 ちなみに一般しっと団団員たちは1000万ヘクトパスカルだ! 我々は、彼女を持つものが、彼女を持たざるものを襲うとき、再び現れるであろう。 たとえそのアベックがどれだけ大きな力を持っているとしても。 彼女を持つものよ、我を恐れよ! 彼女を持たざるものよ、我を求めよ! 世界は我々しっと団が裁く!! 『アッシュフォード学園しっと団 ヴァレンタイン変』 2010年2月14日 投下予定 ※なお、この予告は実際の本編と多少異なる点があります 本編 全力感想人Y 44 *
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しっと団の逆襲! 狙われたエリオとキャロ 編 ミッドチルダの地下に管理局にもその存在を知られる事無く存在する謎の空洞が存在する。 それこそしっとマスクが組織したしっと団のアジトであった。 「これからしっと団定例会議を行う!」 しっと団の総統であり、定例会議の議長を務めるしっとマスクの号令により しっと団定例会議が開始された。無論…この会議にはしっとレディ=フェイトも出席している。 「我々しっと団がアベック撲滅運動を推進するにあたって機動六課が最大の障害に なっている事は皆も知っての事だろう。故に今回は機動六課のメンバーをピンポイントに 狙った作戦を私は提案したい!」 「それはどんな作戦なんですか総統?」 「うむ。まずこれを見て欲しい。」 しっとマスクがリモコンをコントロールすると、会議室のモニターに一枚の写真が映し出される。 それは機動六課のメンバーの一人、エリオ=モンデゥアルであった。 「彼…エリオはただでさえ美女揃いの機動六課の中でも数少ない男性隊員である。 これは由々しき事態だとは思わないか? 見たまえ彼のこの顔を! 見るからに ショタ丸出しで女の子に持てそうな風貌のこやつが美女揃いの機動六課にいるんだぞ!? 思い切りハーレムも同然じゃないか!!」 「おお!! 許せねぇ!!」 「このガキをぶっ殺せぇ!!」 「畜生…俺があのガキ位の歳の頃は女の子から臭いから寄らないでって 言われたのにこのガキと来たら…うおおおおおおおお!!」 ある者はエリオに憎悪を燃やし、またある者は自分との差に悔やみ涙を流していた。 「だがそれだけでは無いぞ!! この写真を見ろ!!」 さらにしっとマスクがリモコンをコントロールし、また一枚の写真が映し出される。 それは同じく機動六課のメンバーの一人、キャロ=ル=ルシエの写真だった。 「この写真の女の子の名はキャロと言ってな、先に見せたエリオはこの子と 付き合っているらしいとのもっぱらの噂だ! これもまた由々しき事態だとは思わないか!? 二人ともまだ10歳だぞ! 10歳でそこまで進行してるんだぞ!? そりゃ俺だって小さい子供同士のカップル襲う程外道じゃねーよ! でもこいつ等はやべーよ! こういうのが後5~6年すりゃラブホテルとか行って『ピーッ!!』とか『ズギャンドギャン!!』とか やっちまうんだよ! だから今の内に潰しておくべきだろこの二人は!!」 「当然ですよ総統! 俺達も気持ちは同じですぜ!」 力説するしっとマスクの言葉にしっと団員達の誰もが賛同した。 「俺あのエリオとか言う奴絶対にぶっ殺すよ!! そしてキャロちゃんお持ち帰りするんだ!」 「馬鹿野郎!! キャロちゃんは俺の嫁ぇぇ!!」 「まあまあ、まずそこはエリオとか言う奴を殺した後で考えようじゃないか!」 「すまん…俺達熱くなりすぎちまった…。」 そりゃしっと団員達は管理局を含め、ミッドチルダ全土から集められた 持てない男達の精鋭部隊。当然その中にロリコンが混じっていても可笑しくあるまい。 だからこそ彼等はエリオに憎悪を燃やし、キャロに興奮していたのである。 そしてしっと団員達は大いに燃え上がっていた。一人を除いて… 「よし! それでは次の作戦はエリオ&キャロ襲撃と言う事で決定だな! 勿論しっとレディ! 君も参加してくれるよな!?」 「あ…ああ…。」 「よし頼むぞ! しっとレディ!」 しっとマスクはしっとレディの肩をポンと叩くが、彼女は断れなかった。 フェイト=T=ハラオウンとしての彼女にとってエリオとキャロは家族も同然。 だが…しっとレディとしての立場上その様な事を口に出す事は出来なかった。 「エリオ…キャロ…ごめん…。」 しっとレディは小声でそう呟く。少なくとも彼女はどさくさに紛れて しっとレディをやる目的…桜花の破壊とユーノの抹殺の方に集中しようと考えていたが、 エリオとキャロがちゃんとしっと団の猛攻を凌げるかどうか心配だった。 しっと団の恐るべき野望など知る由も無く、前回桜花がガジェットの残骸から作り上げた 桜三型飛行翼を装着した桜花とエリオ&キャロを乗せたフリードが空を飛んでいた。 「わっとっと! 出力の調整が! 中々これが!」 「わっ! 危ない!」 「もう見てられません!」 前回土壇場での使用だった桜三型飛行翼での飛行に完全に慣れる為に桜花は飛び、 それにエリオ&キャロ&フリードが付き添うと言う形だったのだが(監視役とも言う) 元々陸戦用の機体に翼と推進装置を付けて強引に飛行させる形を取った 桜花桜三型飛行翼装備形態は上手く飛行出来ていなかった。 出力的には桜花の超小型高性能原子炉から直結しているので申し分無いのだが、 その出力調整などが実に難しい。出力を上げれば前回みたいに月まで飛んでいってしまいそうだし、 かと言って出力を下げれば落ちてしまう。その為に急激に上がったり落ちたりする 桜花の危なっかしい姿はエリオ&キャロとしても寿命が縮む思いだった。 「わー! キャー!」 「まったく危なっかしくて見てられないよ…。」 「本当…。」 当然周囲の被害を考慮して街から離れた何も無い場所で飛んでいたのだが、 本当に危なっかしく飛んだり落ちたりする桜花の姿にエリオとキャロは呆れていた。 「あのー! そこまで無理して飛ぶ必要は無いと思いますよー!?」 「いいえ! 絶対飛びます! 飛んで見せます!」 桜花は何が何でも飛ぶつもりだった。それだけ自在に空中を移動出来る なのは達に憧れを抱いていたのだが…気持ちだけではいかんせんどうにも出来ず、 ついには桜三型飛行翼が急激な出力の上下に耐え切れずに煙を吹いてしまった。 「あっ! キャァァァァァ!!」 「危ない!」 桜三型飛行翼の故障によって落下する桜花をフリードが追って掴み上げようとするが、 桜花元々の七百五十貫(2.8トン)の自重に加え、さらに落下によって付いた勢いは フリードの力を持ってしても止める事が出来ず、皆一緒に落っこちてしまいましたとさ… 「おひょぉぉぉぉぉ!!」 周囲にその様な皆の悲鳴と大爆発が響き渡った。 「あ……………。」 「い……………。」 「う……………。」 それから…桜花達が地面にめり込んでピクピクと痙攣していると言う 一昔前のギャグ漫画の様な光景が展開されていた。 だが、一昔前のギャグ漫画の様な状況だからこそ、桜花はともかく生身の人間であるエリオと キャロが高高度から落下しても死ぬ事は無かったのかもしれない。 「あらら…桜三型飛行翼がもう壊れちゃいました…。元々がぜっとの残骸から 作った奴ですからここまで持てば良い方ですけど…。」 「がぜっとじゃ無くてガジェットですよ…桜花さん。」 ロボットでありかつ頑丈な桜花は一番先に立ち直り、落下の衝撃で損壊した 桜三型飛行翼の心配をしていたのだが、未だ地面にめり込んで死にそうに痙攣しながらも 桜花に対して突っ込みを入れている辺り、エリオとキャロもかなり大丈夫だろう。 それから何とかエリオとキャロも回復し、皆で海でも眺めながらゆっくりしていた。 「ミッドチルダでの生活にはいい加減慣れましたか?」 「え…ええ…おかげさまで。」 「そんな事言ってまたフェイトさんを熱線で撃つんでしょ? それはやめてくださいよ。」 未だに桜花はフェイトを敵と認識し、容赦なく熱線を撃っていたのだが、 そこにはエリオとキャロとしても困っていた。 「でもアレだけは分からないんですよね。」 「私達としても桜花さんが金髪に反応すると言う習性がある事や、それがフェイトさんを 撃つ理由だと言う事は知ってますが…どうしてユーノさんも同じ金髪なのに平気なんですか?」 「前にも昴さんに同じ質問をされた事があります。」 「あの~昴では無くスバルでは無いかと…。」 未だにスバルの事を「昴」と呼ぶ桜花にエリオとキャロは呆れていたが、桜花は真剣だった。 「実は私にもそこは分からないんです…。あの人も金髪なのに…敵意が沸いてこないんですよ。 と言うより…撃ってはいけない何かを感じてしまうんです。」 「そ…そうなんですか? 不思議な事もあるものですね?」 やはり何故ユーノが桜花に敵と認識されないのかは謎であったが、やはりそれが ユーノの持つ人徳と言う奴なのかもしれない。 その後、エリオとキャロ、フリードも先の高高度落下による痛みも随分と引いて来たので 皆で帰ろうと言う事になっていたのだが…そんな時だった。 「ちょっと待てぇぇぇ!!」 「ん!?」 突如として何者かが現れ、立ちはだかった。 「誰だ!?」 「持てない男を助け、持てる男とアベックを挫く愛と正義としっとの使者! しっとマスク! 参上!!」 突然現れたのはしっとマスクだった。そして高く飛びあがると共に桜花達の前に降り立つ。 「また現れたな変態!!」 桜花は拳を振り上げ、しっとマスクを殴り飛ばそうとした。が… 「おっとそうはさせない!」 「うあ!」 直後に何者かが急接近し、桜花を逆に吹っ飛ばす。それはしっとレディだった。 「アベックも許さないがフェレットも許さない! それがこの私! しっとレディ参上!」 「…………………。」 吹っ飛ばし、地に突っ伏した桜花を足蹴にしながらしっとレディがバルディッシュを 格好良く構え、それにはエリオとキャロも一瞬声が出なかった。 そして余程恐ろしい光景に写ったのか、キャロは思わず目に涙を浮かべてエリオに抱き付いていた。 「エリオ君…フェイトさんが…フェイトさんが何かおかしいよぉぉ!!」 「フェイトさん…いくらなんでも…それ絶対頭おかしいですよ…。」 エリオもまた哀れな者を見るような目でしっとレディの目を見つめていた。 そう、エリオとキャロもまたしっとレディの正体がフェイトである事を見抜いていたのである。 まあしっとレディ自体がただフェイトがしっとマスクを被っただけで、首から下は 何時ものバリアジャケット装着状態だったのだから仕方ないけど。 「違う! 私はしっとレディであってフェイト=T=ハラオウンでは断じてない!」 「無理して正体を隠さなくても良いですよ…フェイトさん…僕達は何も思ってないですから…。」 「そうですよ…一体何が貴女をそうさせてしまったのかは分かりませんが… そんな変態に身を堕としてしまってもフェイトさんはフェイトさんです…。」 相変わらず可哀想な者を見る目で見つめるエリオとキャロにフェイトは苦しかった。 前へ 目次へ 次へ
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「しっと団」との戦いも残すところあと一人となった。 だが、今の俺がおかれている状況はなんだ?なんなんだ? どうして朝比奈さんが俺に銃口をつきつけてるんだ! 「バレちゃってましたか。やっぱり流石ですねぇ長門さん。 どうしてわかったんですかぁ? 朝倉さんに情報プロテクトを頼んでおいたんだけどなあ。」 「朝倉涼子が言っていた。自分がここにいるのは『トゥモロー』のおかげだと。 情報連結を解除した存在を復活させるのは情報統合思念体しか出来ない。 そうでないならば、考えられることは一つだけ。過去から朝倉涼子をこの時間につれてきた。 故に、あなたが『トゥモロー』である可能性が高いと判断した。」 「完璧です長門さん。朝倉さんも快くついてきてくれましたよ。 『長門さんはあなたを消した上に、古泉君といちゃいちゃしている』と伝えたらね♪」 「涼宮さんに、何をしたんですか?まさか……」 「安心してください。ただちょっと眠ってもらっているだけですから♪ キョン君とはぐれるフリをして涼宮さんに睡眠薬をかがせたんですよ。」 おかしい。いつもの朝比奈さんじゃない。 舌ったらずでビクビクオドオドしている可愛らしい朝比奈さんはどこに行ったんだ。 「どうしてです朝比奈さん!なんでこんなことを!」 俺は今1番強く思っていることを叫んだ。 すると朝比奈さんの顔色が、怒りへと変わる 「なんで、ですって?憎かったからですよ、あなた達が!!」 憎い、だって……?俺達はSOS団の仲間じゃなかったんですか!? 「そんなことよく言えますね! はっきり言いますけどね!1ヶ月前のあの日から、SOS団はSOS団では無くなってました! ただの2カップルのいちゃつき場所です! 右を見ればキョン君と涼宮さんがいちゃいちゃ、左を見れば長門さんと古泉さんがいちゃいちゃ、 私はそれを眺めながらお茶を出すだけ!湯のみポッドと変わりませんよあの部屋での私の存在なんて!」 なんだろう、この気持ちは…… ああそうか。悪いことをして親に怒られてる時の気分だ。 長門と古泉にも目をやる。どうやら同じ気分のようだ。ものすごーく気まずそうにしている。長門ですら。 「特にキョン君。最初は私のメイド姿かわいいとか言ってくれたのにね…… ふふ、今じゃ涼宮さんしか目に入っていないでしょう?」 「そ、そんなことは……」 「ウソ言っても無駄です。試しに1日だけバニー姿になっても誰からも反応ありませんでしたもん。 あれは辛かったなあ……寒かったし……私以外の4人は熱々でしたけどね!」 やばい、朝比奈さんが止まらない。上手いことまで言い出した。 「だからもういいんです。私のことを見てくれないキョンくんなんていりません……さようなら。」 ……!!朝比奈さんが銃の引き金を引いた。ここまでか……さよなら……ハ……ルヒ…… ……?生きてる。真横を見ると……国旗? 銃口からヒモで繋がれた国旗が垂れ下がっていた、パーティーグッズでよくあるアレだ。 「本当に殺すわけないじゃないですか♪」 はは……なんだ、びっくりした……情けないことだが、俺はヒザから崩れ落ちた。 「それと安心してください。爆破なんて始めからするつもりありませんから。爆弾も持っていません。 谷口君や新川さんには少しホラを吹いただけです。」 「そうなのですか?」 「私の目的は始めからあなた達だけです。そしてまもなく、目的は達成します。」 「……達成?」 「ええ。……時間です。」 ゴーン……ゴーン…… 時計の鐘が鳴った。12時になったのだ。 「はい!これでクリスマスイヴは終わりました! あなた達のイヴのラブラブデートを阻止できたってわけです! しかもこんなくだらない「しっと団」なんかに付き合って! くやしいのうwwwwwwくやしいのうwwwwwwww」 朝 比 奈 さ ん が ぶ っ 壊 れ た 俺達はなんというか、笑い続ける朝比奈さんを呆然と見ることしか出来なかった ん?朝比奈さんの後ろに、見なれた人物が……あなたは…… 「もうやめなさい、昔の私。」 ……朝比奈さん(大)だ!っていいんですか!?本人に姿を見せて! 「構いません。今回は昔の私に会うために来たのですから。」 「あなたは……未来の私?」 おお、ついに大と小の感動の再会だ。感動……か? 「そうですよ。私はあなたの荒んだ心をケアしに来たのです。」 「え……?」 「大丈夫です。今はちょっと運が無いだけ。いつかきっと、いい人にめぐり合えますよ。」 「本当ですか……?」 「ええ、きっと。だからもう、やさぐれるのはやめましょう。素直なあなたが、1番魅力的ですよ。」 そう言うと朝比奈さん(大)はにっこりと微笑んだ。 そして(小)の方も、つられて微笑んだ。 ああ、ようやくエンジェルスマイルが戻ってきたな。ついさっきまではデビルだったからな。 「ところで、あなたは未来の私なんですよね?」 「ええ、そうですよ。」 「結婚はしているのですか?」 「え」 俺は見逃さなかった。朝比奈さん(大)の顔に冷や汗が出たのを。 「き、禁則事項です。」 あのー朝比奈(大)さん?目が泳いでますよ。それじゃあしてないって言ってるのと同じじゃあ…… 「じゃあ、今付き合ってる人はいるんですか?」 「……禁則事項です。」 「いい雰囲気の人は?」 「…………禁則事項です。」 「今の私の年齢からあなたの年齢になるまで、付き合った人はいましたか?」 「…………………………………禁則事項、です…………」 「……」 「……」 「……」 「で、でもね?何も恋人を作るだけが人生じゃないと思うの。 一人身は一人身で楽しいものよ?好きなことできるし、お金だって溜まるしね。 なんというかもうこのまま一生独身でも別にいいかなって思えるようになって 開き直りの境地というか、悟りを開くというか」 「ふえぇぇぇぇぇぇぇん!!!」 朝比奈さん(小)は泣きながら走り去ってしまった。 まあそうだろうなあ……(大)の歳になるまで恋人出来ないことが確定しちゃったからなあ…… 「……一人身万歳!」 そう言い残して朝比奈さん(大)も未来に帰った。 心のケアをするどころか、傷口を更に深くえぐっただけでしたね…… 「う……ん……」 お、ハルヒ起きたか。今回影薄かったな、お前。タイトルに名前があるってのに。 「あれ?私は……」 「戦いは終わりましたよ。」 「本当!?爆破は大丈夫なの!?」 「爆破なんて始めから無かったそうです。我々のクリスマスイブを台無しにするのが目的だったようで……」 古泉は苦笑いしながら言った。まあ苦笑いするしかないよな。 「何言ってるのかしら。全然台無しじゃないわよ。」 ん?どういうことだ。 「普通のデートじゃつまらないかなと思ってたのよね。 悪の組織と戦うクリスマスデート!こっちのが有意義に決まってるわ!」 朝比奈さん?どうやらハルヒの方が一枚上手だったようですよ。 まあコイツは、こうでなきゃな。 こうして今回の戦いは幕を閉じた! だが忘れてはいけない!モテない人間がいる限り、第二第三のしっと団が現れることを! とりあえず俺は、これから部室でのいちゃつきはちょっと自重しようかなと考えるのであった…… 「やれやれ。」 おしまい
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「しっと団」との戦いも残すところあと一人となった。 だが、今の俺がおかれている状況はなんだ?なんなんだ? どうして朝比奈さんが俺に銃口をつきつけてるんだ! 「バレちゃってましたか。やっぱり流石ですねぇ長門さん。 どうしてわかったんですかぁ? 朝倉さんに情報プロテクトを頼んでおいたんだけどなあ。」 「朝倉涼子が言っていた。自分がここにいるのは『トゥモロー』のおかげだと。 情報連結を解除した存在を復活させるのは情報統合思念体しか出来ない。 そうでないならば、考えられることは一つだけ。過去から朝倉涼子をこの時間につれてきた。 故に、あなたが『トゥモロー』である可能性が高いと判断した。」 「完璧です長門さん。朝倉さんも快くついてきてくれましたよ。 『長門さんはあなたを消した上に、古泉君といちゃいちゃしている』と伝えたらね♪」 「涼宮さんに、何をしたんですか?まさか……」 「安心してください。ただちょっと眠ってもらっているだけですから♪ キョン君とはぐれるフリをして涼宮さんに睡眠薬をかがせたんですよ。」 おかしい。いつもの朝比奈さんじゃない。 舌ったらずでビクビクオドオドしている可愛らしい朝比奈さんはどこに行ったんだ。 「どうしてです朝比奈さん!なんでこんなことを!」 俺は今1番強く思っていることを叫んだ。 すると朝比奈さんの顔色が、怒りへと変わる 「なんで、ですって?憎かったからですよ、あなた達が!!」 憎い、だって……?俺達はSOS団の仲間じゃなかったんですか!? 「そんなことよく言えますね! はっきり言いますけどね!1ヶ月前のあの日から、SOS団はSOS団では無くなってました! ただの2カップルのいちゃつき場所です! 右を見ればキョン君と涼宮さんがいちゃいちゃ、左を見れば長門さんと古泉さんがいちゃいちゃ、 私はそれを眺めながらお茶を出すだけ!湯のみポッドと変わりませんよあの部屋での私の存在なんて!」 なんだろう、この気持ちは…… ああそうか。悪いことをして親に怒られてる時の気分だ。 長門と古泉にも目をやる。どうやら同じ気分のようだ。ものすごーく気まずそうにしている。長門ですら。 「特にキョン君。最初は私のメイド姿かわいいとか言ってくれたのにね…… ふふ、今じゃ涼宮さんしか目に入っていないでしょう?」 「そ、そんなことは……」 「ウソ言っても無駄です。試しに1日だけバニー姿になっても誰からも反応ありませんでしたもん。 あれは辛かったなあ……寒かったし……私以外の4人は熱々でしたけどね!」 やばい、朝比奈さんが止まらない。上手いことまで言い出した。 「だからもういいんです。私のことを見てくれないキョンくんなんていりません……さようなら。」 ……!!朝比奈さんが銃の引き金を引いた。ここまでか……さよなら……ハ……ルヒ…… ……?生きてる。真横を見ると……国旗? 銃口からヒモで繋がれた国旗が垂れ下がっていた、パーティーグッズでよくあるアレだ。 「本当に殺すわけないじゃないですか♪」 はは……なんだ、びっくりした……情けないことだが、俺はヒザから崩れ落ちた。 「それと安心してください。爆破なんて始めからするつもりありませんから。爆弾も持っていません。 谷口君や新川さんには少しホラを吹いただけです。」 「そうなのですか?」 「私の目的は始めからあなた達だけです。そしてまもなく、目的は達成します。」 「……達成?」 「ええ。……時間です。」 ゴーン……ゴーン…… 時計の鐘が鳴った。12時になったのだ。 「はい!これでクリスマスイヴは終わりました! あなた達のイヴのラブラブデートを阻止できたってわけです! しかもこんなくだらない「しっと団」なんかに付き合って! くやしいのうwwwwwwくやしいのうwwwwwwww」 朝 比 奈 さ ん が ぶ っ 壊 れ た 俺達はなんというか、笑い続ける朝比奈さんを呆然と見ることしか出来なかった ん?朝比奈さんの後ろに、見なれた人物が……あなたは…… 「もうやめなさい、昔の私。」 ……朝比奈さん(大)だ!っていいんですか!?本人に姿を見せて! 「構いません。今回は昔の私に会うために来たのですから。」 「あなたは……未来の私?」 おお、ついに大と小の感動の再会だ。感動……か? 「そうですよ。私はあなたの荒んだ心をケアしに来たのです。」 「え……?」 「大丈夫です。今はちょっと運が無いだけ。いつかきっと、いい人にめぐり合えますよ。」 「本当ですか……?」 「ええ、きっと。だからもう、やさぐれるのはやめましょう。素直なあなたが、1番魅力的ですよ。」 そう言うと朝比奈さん(大)はにっこりと微笑んだ。 そして(小)の方も、つられて微笑んだ。 ああ、ようやくエンジェルスマイルが戻ってきたな。ついさっきまではデビルだったからな。 「ところで、あなたは未来の私なんですよね?」 「ええ、そうですよ。」 「結婚はしているのですか?」 「え」 俺は見逃さなかった。朝比奈さん(大)の顔に冷や汗が出たのを。 「き、禁則事項です。」 あのー朝比奈(大)さん?目が泳いでますよ。それじゃあしてないって言ってるのと同じじゃあ…… 「じゃあ、今付き合ってる人はいるんですか?」 「……禁則事項です。」 「いい雰囲気の人は?」 「…………禁則事項です。」 「今の私の年齢からあなたの年齢になるまで、付き合った人はいましたか?」 「…………………………………禁則事項、です…………」 「……」 「……」 「……」 「で、でもね?何も恋人を作るだけが人生じゃないと思うの。 一人身は一人身で楽しいものよ?好きなことできるし、お金だって溜まるしね。 なんというかもうこのまま一生独身でも別にいいかなって思えるようになって 開き直りの境地というか、悟りを開くというか」 「ふえぇぇぇぇぇぇぇん!!!」 朝比奈さん(小)は泣きながら走り去ってしまった。 まあそうだろうなあ……(大)の歳になるまで恋人出来ないことが確定しちゃったからなあ…… 「……一人身万歳!」 そう言い残して朝比奈さん(大)も未来に帰った。 心のケアをするどころか、傷口を更に深くえぐっただけでしたね…… 「う……ん……」 お、ハルヒ起きたか。今回影薄かったな、お前。タイトルに名前があるってのに。 「あれ?私は……」 「戦いは終わりましたよ。」 「本当!?爆破は大丈夫なの!?」 「爆破なんて始めから無かったそうです。我々のクリスマスイブを台無しにするのが目的だったようで……」 古泉は苦笑いしながら言った。まあ苦笑いするしかないよな。 「何言ってるのかしら。全然台無しじゃないわよ。」 ん?どういうことだ。 「普通のデートじゃつまらないかなと思ってたのよね。 悪の組織と戦うクリスマスデート!こっちのが有意義に決まってるわ!」 朝比奈さん?どうやらハルヒの方が一枚上手だったようですよ。 まあコイツは、こうでなきゃな。 こうして今回の戦いは幕を閉じた! だが忘れてはいけない!モテない人間がいる限り、第二第三のしっと団が現れることを! とりあえず俺は、これから部室でのいちゃつきはちょっと自重しようかなと考えるのであった…… 「やれやれ。」 おしまい
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僕達は「しっと団」からカップルを守るために、セントラルタワーの東館にいます。 しかしそこで、ありえない人物と出会ったのです…… 「『キラー』って呼んで♪」 ……本人はこんなことを言っていますがこれは軽く流すとしましょう。 朝倉涼子。僕自身はあまり彼女とは接点はありません。 しかし長門さんや彼から聞いた話では、長門さんと同じインターフェイスであり、 放課後の教室でキョン君を殺そうとした人物でもあります。 その時に、長門さんに情報連結を解除されたはずなのですが…… 「じゃあ、早速始めるわよ♪」 朝倉さんは右手を振り上げました。 すると周りの空間が変化していき、一瞬にしてセントラルタワーが異空間と化してしまいました。 「長門さん!これが彼女の空間なのですか!?」 「そう。でも問題無い。前と同じように情報連結を……。」 長門さんがそう言いかけて止まりました。どうかしたのですか? 「……情報操作を行うことが出来ない。」 「なんですって!?」 まさか長門さんの能力が封じられた!? 「そうよ♪この空間は長門さんに負荷をかけることのみに焦点を絞って生成されてるの。 長門さんには今膨大な量の情報データが圧力をかけている。 長門さんの小さな身体じゃあ、その圧力を振りきって情報操作を行うことは不可能だわ♪」 「何故です!?何故あなたは蘇ってまで、こんな組織にいるのですか!」 僕は思っていた疑問をぶつけた。 朝倉さんならこんな「しっと団」なんて組織に入らなくても長門さんを攻撃できるはずだ。 「文字通りよ……嫉妬してるからに決まってるわ!」 「嫉妬…ですか?」 「そうよ!あんた達聞けば最近イチャイチャしまくってるそうじゃないの!!」 ……あれ?なんか前にもこんなこと言われたような…… ああ、会長さんの時でしたね…… 「信じられない!私の情報連結を解除して、あなたは古泉君とイチャイチャ!? 許せない……所詮あんたはAマイナーのくせに……私はAAランクプラスなのよ!? あのまま学校生活を送っていたらきっと、 私の彼氏達だけでホストクラブが経営できるぐらいになったはずなのよ!」 今この状況は朝倉さんに圧倒的に有利で、僕達にとって彼女は恐怖の対象のはずなのでしょうか…… なんでしょうか……彼女から涌き出ている、「負け組」のオーラは…… ていうかホストクラブって、あなた何股かけるつもりなんですか? 「無理。」 今まで黙っていた長門さんが口を開きました。 「はぁ?何が無理ってのよ!」 「あなたでは、モテるのは無理。」 「冗談じゃないわ!絶対あなたより私のが……」 「そのマユゲでは、無理。」 ピキッ…… そんな漫画的効果音がどこからか聞こえた気がしました。 「……ゆ~る~せ~な~い……」 マズイ!本気で怒り出してしまいました! ダメですよせっかく時間かせいでたのに相手を刺激したりしたら! 「大丈夫。打開策はもう考えてある。」 「本当ですか?」 「あなたの身体と同期することで私の身体にかかっている情報圧力を軽減させる。 そしてこの空間を消滅させる。」 「僕と、同期?」 「そう。そのためには身体を密着させる必要がある。」 密着? そして長門さんは一呼吸置いてこう言った。 「私を、抱いて。」 ……ええええ!?マジですか!それ!マジですか! 「マジ。早く。」 し、しかしですね、いきなりそんなこと言われても、 他人の見ている前でやるのなんて始めてですし…… 「何を話しているのかしら!死になさい!!」 朝倉さんがナイフを持って迫ってきます。もうそんなことを考えてる場合ではありません! ガシッ! 僕は長門さんを力いっぱい抱きしめました。 するとカラーンと言う音が響きました。朝倉さんがナイフを落としたようです。 見ると口をあんぐりあけて呆然としています。 「こ、これでいいですか?」 「まだ。あなたの口を介して情報コードを言わなくてはならない。 故に唇と唇も密着させねばならない。」 「そ、それって……!」 もしかしてもしかしなくてもキスじゃないですか! 他人の見てる前でやるのなんて(ry 「……私は構わない。」 ……分かりました。僕も男です。覚悟を決めます。 僕は長門さんに口付けをしました。 その体勢のまま長門さんが例の早口呪文を唱えると、周りの空間は一気に崩壊し、元の風景へと戻りました。 「……帰属完了。」 ようやく不利な条件から脱したわけですね! さあこれから反撃……ってあれ? 「朝倉さんは……どこでしょうか?」 「あそこ。」 長門さんが指差した先には、仰向けに倒れている朝倉さんの姿がありました。 顔が、ゆでだこのように真っ赤になっています。 「彼女は私達の行為を見て興奮し、体内の熱が許容範囲を超えたため機能停止した。 オーバーヒートモード。こうなると半日は活動再開しない。もはや無視できるレベル。」 「……もしかして、彼女って、物凄くウブなんですか……?」 「そう。ウブ。」 僕もあまり人のことは言えませんが、それにしたって見ただけで倒れるなんて…… そんなんじゃホストクラブなんて夢のまた夢ですよ。 「それよりも、彼女が何故復活したかの方が問題。」 「あ、そうですよね!『トゥモロー』という組織のボスのおかげだと言っていましたが……」 「それに関して、私は1つの仮説を立てている。 その説が正しければ、『トゥモロー』の正体も推測できる。」 「説明お願いできますか?長門さん。」 「時間が無い。このままでは彼らが危ない。」 「涼宮さん達が!?」 「そう。説明は移動しながら。今は一刻も早く西館へ。」 「わかりました!急ぎましょう!」 そして僕達は西館に向けて走り出しました。 SIDE 西館 くそ、ハルヒと朝比奈さんはどこにいるんだ! 向こうも移動してるんなら探すのは困難だ! まだ「しっと団」のメンバーが残っていることを考えると、うかうかはしていられない! ん?あそこにいるのは……! 「キョンく~~ん!!」 朝比奈さんだ!ハルヒも一緒に……ってハルヒ!? ハルヒは、倒れていた。 「ふぇぇ、キョンく~ん。」 「一体何があったんですか?ハルヒは大丈夫なんですか!?」 「うぐっ……敵が襲ってきて、涼宮さんが私をかばって…… ごめんなさいキョン君……ふぇぇ……」 「朝比奈さんは悪くないですよ。でも……くそっ!」 ハルヒの様子を見る、目立った外傷は無いし、眠っているだけのようだ。 だがハルヒに危害を加えるとは許せねぇ! 「キョンくん、これからどうしましょう~……」 「とりあえずハルヒを安全な場所へ運んで、敵のボスを探し出しましょう。」 「ふえぇ、怖いですよぉ。」 「大丈夫です!俺が守りますから!」 とそこに、誰かが走っている足音が聞こえてきた。……こっちに来る! 敵か!?俺の腕にしがみつく朝比奈さんを守りながら、警戒する。 しかしそこに現れたのは……味方だった。 古泉と長門だ!よかった!これで安心できる! 「古泉に長門!無事だったか!大変なんだ、ハルヒが……」 「離れてください!!!」 古泉が叫んだ。 え?離れる?誰とだ?今この場にはSOS団しか…… 「え?」 思わず声を出してしまった。 そりゃそうだ。朝比奈さんが、俺の頭に銃口を当てているんだからな。 ……おいおい、なんの冗談だよ。これじゃあまさか…… 長門!一体どういうことだ!という思いをこめた目配せをすると、長門が口を開いた。 「この組織を作ったのは、朝比奈みくる。『トゥモロー』は、彼女。」 続く!
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僕達は「しっと団」からカップルを守るために、セントラルタワーの東館にいます。 しかしそこで、ありえない人物と出会ったのです…… 「『キラー』って呼んで♪」 ……本人はこんなことを言っていますがこれは軽く流すとしましょう。 朝倉涼子。僕自身はあまり彼女とは接点はありません。 しかし長門さんや彼から聞いた話では、長門さんと同じインターフェイスであり、 放課後の教室でキョン君を殺そうとした人物でもあります。 その時に、長門さんに情報連結を解除されたはずなのですが…… 「じゃあ、早速始めるわよ♪」 朝倉さんは右手を振り上げました。 すると周りの空間が変化していき、一瞬にしてセントラルタワーが異空間と化してしまいました。 「長門さん!これが彼女の空間なのですか!?」 「そう。でも問題無い。前と同じように情報連結を……。」 長門さんがそう言いかけて止まりました。どうかしたのですか? 「……情報操作を行うことが出来ない。」 「なんですって!?」 まさか長門さんの能力が封じられた!? 「そうよ♪この空間は長門さんに負荷をかけることのみに焦点を絞って生成されてるの。 長門さんには今膨大な量の情報データが圧力をかけている。 長門さんの小さな身体じゃあ、その圧力を振りきって情報操作を行うことは不可能だわ♪」 「何故です!?何故あなたは蘇ってまで、こんな組織にいるのですか!」 僕は思っていた疑問をぶつけた。 朝倉さんならこんな「しっと団」なんて組織に入らなくても長門さんを攻撃できるはずだ。 「文字通りよ……嫉妬してるからに決まってるわ!」 「嫉妬…ですか?」 「そうよ!あんた達聞けば最近イチャイチャしまくってるそうじゃないの!!」 ……あれ?なんか前にもこんなこと言われたような…… ああ、会長さんの時でしたね…… 「信じられない!私の情報連結を解除して、あなたは古泉君とイチャイチャ!? 許せない……所詮あんたはAマイナーのくせに……私はAAランクプラスなのよ!? あのまま学校生活を送っていたらきっと、 私の彼氏達だけでホストクラブが経営できるぐらいになったはずなのよ!」 今この状況は朝倉さんに圧倒的に有利で、僕達にとって彼女は恐怖の対象のはずなのでしょうか…… なんでしょうか……彼女から涌き出ている、「負け組」のオーラは…… ていうかホストクラブって、あなた何股かけるつもりなんですか? 「無理。」 今まで黙っていた長門さんが口を開きました。 「はぁ?何が無理ってのよ!」 「あなたでは、モテるのは無理。」 「冗談じゃないわ!絶対あなたより私のが……」 「そのマユゲでは、無理。」 ピキッ…… そんな漫画的効果音がどこからか聞こえた気がしました。 「……ゆ~る~せ~な~い……」 マズイ!本気で怒り出してしまいました! ダメですよせっかく時間かせいでたのに相手を刺激したりしたら! 「大丈夫。打開策はもう考えてある。」 「本当ですか?」 「あなたの身体と同期することで私の身体にかかっている情報圧力を軽減させる。 そしてこの空間を消滅させる。」 「僕と、同期?」 「そう。そのためには身体を密着させる必要がある。」 密着? そして長門さんは一呼吸置いてこう言った。 「私を、抱いて。」 ……ええええ!?マジですか!それ!マジですか! 「マジ。早く。」 し、しかしですね、いきなりそんなこと言われても、 他人の見ている前でやるのなんて始めてですし…… 「何を話しているのかしら!死になさい!!」 朝倉さんがナイフを持って迫ってきます。もうそんなことを考えてる場合ではありません! ガシッ! 僕は長門さんを力いっぱい抱きしめました。 するとカラーンと言う音が響きました。朝倉さんがナイフを落としたようです。 見ると口をあんぐりあけて呆然としています。 「こ、これでいいですか?」 「まだ。あなたの口を介して情報コードを言わなくてはならない。 故に唇と唇も密着させねばならない。」 「そ、それって……!」 もしかしてもしかしなくてもキスじゃないですか! 他人の見てる前でやるのなんて(ry 「……私は構わない。」 ……分かりました。僕も男です。覚悟を決めます。 僕は長門さんに口付けをしました。 その体勢のまま長門さんが例の早口呪文を唱えると、周りの空間は一気に崩壊し、元の風景へと戻りました。 「……帰属完了。」 ようやく不利な条件から脱したわけですね! さあこれから反撃……ってあれ? 「朝倉さんは……どこでしょうか?」 「あそこ。」 長門さんが指差した先には、仰向けに倒れている朝倉さんの姿がありました。 顔が、ゆでだこのように真っ赤になっています。 「彼女は私達の行為を見て興奮し、体内の熱が許容範囲を超えたため機能停止した。 オーバーヒートモード。こうなると半日は活動再開しない。もはや無視できるレベル。」 「……もしかして、彼女って、物凄くウブなんですか……?」 「そう。ウブ。」 僕もあまり人のことは言えませんが、それにしたって見ただけで倒れるなんて…… そんなんじゃホストクラブなんて夢のまた夢ですよ。 「それよりも、彼女が何故復活したかの方が問題。」 「あ、そうですよね!『トゥモロー』という組織のボスのおかげだと言っていましたが……」 「それに関して、私は1つの仮説を立てている。 その説が正しければ、『トゥモロー』の正体も推測できる。」 「説明お願いできますか?長門さん。」 「時間が無い。このままでは彼らが危ない。」 「涼宮さん達が!?」 「そう。説明は移動しながら。今は一刻も早く西館へ。」 「わかりました!急ぎましょう!」 そして僕達は西館に向けて走り出しました。 SIDE 西館 くそ、ハルヒと朝比奈さんはどこにいるんだ! 向こうも移動してるんなら探すのは困難だ! まだ「しっと団」のメンバーが残っていることを考えると、うかうかはしていられない! ん?あそこにいるのは……! 「キョンく~~ん!!」 朝比奈さんだ!ハルヒも一緒に……ってハルヒ!? ハルヒは、倒れていた。 「ふぇぇ、キョンく~ん。」 「一体何があったんですか?ハルヒは大丈夫なんですか!?」 「うぐっ……敵が襲ってきて、涼宮さんが私をかばって…… ごめんなさいキョン君……ふぇぇ……」 「朝比奈さんは悪くないですよ。でも……くそっ!」 ハルヒの様子を見る、目立った外傷は無いし、眠っているだけのようだ。 だがハルヒに危害を加えるとは許せねぇ! 「キョンくん、これからどうしましょう~……」 「とりあえずハルヒを安全な場所へ運んで、敵のボスを探し出しましょう。」 「ふえぇ、怖いですよぉ。」 「大丈夫です!俺が守りますから!」 とそこに、誰かが走っている足音が聞こえてきた。……こっちに来る! 敵か!?俺の腕にしがみつく朝比奈さんを守りながら、警戒する。 しかしそこに現れたのは……味方だった。 古泉と長門だ!よかった!これで安心できる! 「古泉に長門!無事だったか!大変なんだ、ハルヒが……」 「離れてください!!!」 古泉が叫んだ。 え?離れる?誰とだ?今この場にはSOS団しか…… 「え?」 思わず声を出してしまった。 そりゃそうだ。朝比奈さんが、俺の頭に銃口を当てているんだからな。 ……おいおい、なんの冗談だよ。これじゃあまさか…… 長門!一体どういうことだ!という思いをこめた目配せをすると、長門が口を開いた。 「この組織を作ったのは、朝比奈みくる。『トゥモロー』は、彼女。」 続く!