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森の中にゆっくりれいむの家族が住んでいた。両親と数匹の子供という平均的な規模だ。仲良くゆっくり暮らしている。 しかし最近生まれた末娘は生まれつき目が見えなかった。 母れいむがその子を妊娠していたとき、餌が不足してしまったのが原因だった。 両親は悲しんだが、どんな子でも大切な我が子。愛を持って育てることにした。 幸い姉たちともうまくいっている。それにその子はとても利口だった。 ほかの子達よりも早く言葉を覚えたし、数を数えたりもできた。 少し大変ではあったがその一家は幸せだった。 しばらくして目の見えない赤れいむは姉たちの世話もあり元気な子れいむになった。 人間は適当にサイズで判断するが、ゆっくり達の中でも赤ゆっくり、子ゆっくり、大人ゆっくりの区別があるようだ。 「きょうはおちびちゃんがこれいむになったおいわいをするよ!!」 「「「おいわいおいわい!」」」 はしゃぐ姉れいむ達。おちびちゃんと呼ばれた子れいむもうれしそうである。 ところがその時、子れいむに何かが聞こえてきた。足音のようだ。近づいてきている。 当然、子れいむは親に知らせる。 「誰かがこっちに来る音がするよ」 「ゆっ? おかあさんにはなにもきこえないよ?」 「きのせいだよおちびちゃん それよりはやくおいわいしようよ!」 「そうだよおなかすいたよ!」 どうやら他の家族には聞こえていないようだ。しかし子れいむには気のせいだとは思えなかった。 動物的勘というやつだろうか、ここにいたらゆっくりできなくなると子れいむは感じた。 親に必死で訴える。 「どんどん音が大きくなるよ! ここにいたらきっとゆっくりできない!!!」 「やっぱりなんにもきこえないよ?」 「でも、でも! ゆぅぅぅぅ…」 子れいむにはどう伝えればいいのかわからなかった。 しかしいつもはおとなしいおちびちゃんが取り乱す様子に親れいむも何か感じたようだ。 「みんな! ゆっくりおそとでおいわいをすることにしようね!!」 「ゆゆっ! それもいいね!! ゆっくりはやくいこうね!!」 「おそとー!!」 こうして一家は巣を離れた。親が聞き入れてくれたことに子れいむはほっとした。 そしてお祝いをみんなで楽しんで戻って来ると巣の中は無残に荒れ果てていた。 何があったのかわからなかった。集めていた食料は無くなり、子供達が大切にしていた宝物は壊れている。 なんだかよくわからない汚いものが散らばっていた。少し前まで仲良くゆっくりしていた我が家はどこにも無かった。 子供達はあまりのことに泣き叫んでいる。自分も泣きたかった。だが自分は親だ。子供の前で涙を見せるわけにはいかない。 「れいむのだがらものがぁあぁっぁ!!!!!!」 「どうじでぇえぇっぇぇぇ!!!」 「うわああああぁぁぁああぁん!!!!」 「ゆっぐりでぎないよおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」 「「みんな!!! ないてたらゆっくりできないよ!!!! ゆっくりげんきになってね!!」」 「わかった。ゆっくりしたいから……なかないよ……」 「「いいこだね。えらいよ!」」 両親の懸命な励ましで子供達は少し落ち着いたようだ。 そしてこれはどうやらニンゲンのせいだろうと親れいむは考えた。 あの子が気になることをいったから、巣にいなくて助かったのだ。もしつかまっていたら…… だとしたら、ここはゆっくりできない場所になってしまった。引っ越さなければならない。 「みんなここはあぶないからとおくへいっておうちをさがすよ!」 「「「「どうしてあぶないの?」」」」 子供には巣が荒れていたこととこの場所が危ないということは結びつかないようだ。 「これはニンゲンがやったにちがいないよ!!! またきたらつかまっちゃうんだよ!!!」 「ニンゲン!? はっはやくとおくにいこうね!!」 「つかまるのやだぁあぁああ!!!!!」 「だいじょうぶだよ!! さあみんなでおひっこしだよ!!!!」 こうしてこの家族は引っ越した。しかしそこでも同じようなことが起こった。 だが毎回おちびちゃんの聞く音のおかげでつかまらずにすんでいた。 どうやら目が見えない子れいむはその分聴覚が発達しているようだった。 勿論ゆっくりにそんなことがわかるはずも無いが、家族は以前にもましておちびちゃんを大切にしていた。 だがある日、森の中で大きな音がなった。 普通のゆっくりはひどく驚く程度で済んだがおちびちゃんは気絶してしまった。 あわてる家族のもとに一人の男がやってきた。 「やあ、どうしたんだい? ゆっくりしてないねぇ」 「おちびちゃんがあぁぁぁ おにいさんこのこをたすけてあげてえぇぇええ!!!!」 巣の中を見ると、なるほど一番小さな子れいむが目を回している。 ほおっておけば目を覚ますだろうが、親は気が気でないのだろう。 「よし。助けてあげよう。みんな付いてきな」 「はやくたすけてあげてね!!!」 「心配しなくていいよ。ゆっくりに詳しい人に見てもらうからね」 そうして彼らが向かったのは加工所だった。 「おにいさんここはゆっくりできないよ!!!」 親れいむが抗議の声を上げる。どんな所かよく知らないがここはだめだとわかる。 「いいの? この子助からないけど?」 「ゆっ! それはだめだよ!! ちゃんとたすけてね!!!!」 「じゃあここに入らないと」 「わかったよ……ぜったいたすけてね」 「はいはい」 男はその手に子れいむを一匹のせ、その他を引き連れて加工所内を進んでいく。 ゆっくり達は特に怖いことも無いので安心していた。しばらく歩いて、男とゆっくりはある部屋に入る。 そこには白衣を着た男が一人、コーヒーを飲みくつろいでいた。 「よう。暇そうだな」 「いや、忙しいさ。なにせ君が来たからね」 二人は知り合いのようだ。のんびり世間話をしている。その様子を眺めていた親れいむが口を突っ込む。 「おちびちゃんをはやくたすけてね!!!」 「おちびちゃん?」 「ああ、こいつだ。このれいむの子供らしい。気絶してる」 「ふぅん、別に外傷も無い。ほっとけばいいだろう。まっ一応水でも飲ませてみるか」 そう言うと白衣の男は子れいむの口に水を注ぐ。すると子れいむは目を覚ました。 ずいぶん適当な生き物だ。改めて二人の男は思う。 「ほれ、元気になったぞ」 「よかったよ!! おにいさんありがとう!!!」 「「「「ありがとう!!!」」」」 男は(やれやれ加工所にいるってのに暢気なものだ)なんて考えていると、ふと妙なことに気づいた。 目を覚ましたはずの子れいむの目が開いていないのだ。 「なあ、そいつは何で目を閉じてるんだ?」 「おちびちゃんはめをあけてもみえないんだよ。だからとじてるの」 なんと盲目のゆっくりとは。たいていの野生動物は障害のある子供を育てたりしないもんだが こいつらはよくできたゆっくりらしいな。男は俄然このれいむ一家に興味を持った。 白衣の男に研究してもらうつもりのようだ。 「適当に言いくるめてお前のところで調べてみてくれよ。」 「なんでそんなこと、といいたいところだが確かに興味深い。いいだろう」 白衣の男がゆっくり達に近づき話しかける。 少し怯えるゆっくり達 「ゆっくりしていってね」 「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 「ははっ元気だね。さて、そこのおちびちゃんなんだけど、本当に大丈夫かどうか調べたいんだけどいいかな?」 「ゆ? おちびちゃんはげんきだよ? へんなことしなくていいよ」 「別に変な事はしないよ。ともかく今は元気でも後で大変なことになったりもするんだよ。心配じゃないかな?」 「ゆうぅ……」 「お母さん心配しないでね。この人たちはいい人だよ」 「これいむがそういうなら」 「よし決まりだ。それじゃ君達の家を用意しないとね。それにご飯もだ」 「「「「「わーい! おにいさんだいすきーゆっくりしていくね!!!!」」」」 さっきまでの不安そうな様子は微塵も無い。 「つくづく単純なやつらなんだな」 男は一人つぶやいた。 一ヶ月後、男は白衣の男の部屋に訪れていた。 彼は過程には興味が無いのだ。何か面白いことがわかっていないか様子を見に来たのだった。 「ゆっくりしていってね」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 部屋に入るとまずはゆっくりに挨拶をする。ずいぶんいい暮らしをしているようだ。 元気百倍といった感じだ。あれはアンパンだが。 「どうだい調子は?」 「ああ、君か。なかなか面白いことがわかったよ」 「へえ、聞かせてくれよ」 白衣の男は咳払いをひとつして、語り始めた。 目の見えない個体は家族の中でも特に大事に扱われているらしい。 親れいむに訳を聞いたところ、 「おちびちゃんがきくおとのおかげでかぞくがたすかったから」 だそうだ。よくわからなかったが本人に聞くと理解できた。 本人はまともな会話ができ、おかげで無駄に疲れることも無かった。 その結果判明した事実は非常に価値ある発見となった。 子れいむになる少し前から他のゆっくりに聞こえていない音が聞こえた (極端に小さい音や遠くの音) 音の動く方向が鮮明に把握できるようになっていった 似たような音の聞き分けができた (通常ゆっくりでは一緒くたにされる) これらの能力で外敵に見つかる前に引越しができたということらしい 他には 数を数えられる 簡単な加減算すら可能 論理的思考 そう。知能レベルと聴覚の発達が異常に高レベルでゆっくり種とは思えないほどである。 おそらく視覚が存在しないことがその原因なのだろう。 ともあれこのゆっくりには利用価値がある。 これからどう人間のために役立てるか考えるつもり。とりあえず本部の研究者には報告済みだ。 興奮した様子で白衣の男は語った。目が輝いている。 あまり妙なことをしでかさないといいが、と男は思った。 さしあたってこいつを使って野良ゆっくりを捕まえることになった。 最近はゆっくり共も捕まえにくくなった。意外とうまいこと隠れたりするのだ。 人海戦術という手もあるが面倒だ。そこでこいつの聴覚を利用して、隠れたゆっくり共を見つけ出そうというわけだ。 協力させるに当たっては、他のゆっくりもここでゆっくりさせてあげたいからだ、といったらあっさり信用した。 こいつら一家はここで快適に暮らしているからだろう。 いくら頭がよくても、加工所の本当の姿を知らなければ疑う余地も無い。 おかげで馬鹿な野良ゆっくりをずいぶんと捕まえられた。役に立つゆっくりなどはじめてみた気がする。 その後もこの一家は丁重に扱われた。 加工所である実験が始まった。後天的に視力、聴力などを失った場合の変化を調べることにしたのだ。 実験用のゆっくりは大量に確保できているので遠慮は要らなかった。 殺さなければやり方は問わないとのことだったので、職員達は嬉々としてゆっくりの目や耳(と思われる部位) を様々な方法で痛めつけた。加工所内にゆっくりの悲鳴がこだまする。 「ゆぎゃあぁぁぁあぁっぁぁぁあっぁ!!!!! めがめがめがいだびいぃぃ!!!!!!!」 「だずげでぇぇぇええぇぇ!!!!!! わるいごどじでないびょおおぉぉぉぉおお!!!!!!!!!!!!」 「ぎごえないぃいぃいいぃいぃぃ!!!!! なんにもぎごえないよぉおおぉぉぉ!!!!!」 「まりざのめがえじでえぇえぇえぇええ!!!!!!!」 「どおじでまっぐらなのおおぉぉぉぉ!!!!みんなどごおぉぉぉぉおおおお!!!!!!!」 「おじざんがなにいっでるがわがんないぃぃっぃいぃ!!!!!!!」 中にはやりすぎて殺してしまう者もいたが概ね上手くいった。 しかしながら、その後残った感覚が発達したり知能が向上したりはしなかった。 次に寝ているうちに感覚を奪う実験が行われたが結果は変わらなかった。 どうやら先天的に障害が無ければならないようだ。ゆっくりの場合は。 となれば障害を持ったゆっくりを繁殖させるしかない。 これまでにも障害のある、畸形ゆっくりは生まれたことがある。しかし特に役にも立たないということで 他のゆっくりの餌にするか適当に処分するかだった。基本的に親は育てようとしないし、時には自ら殺してしまう。 だが今回は意図的に作るのである。だがあの子れいむはまだ繁殖には耐えられないだろうし、今では「上手くいかなかった」ではすまない存在になっている。通常のゆっくりで実験は行われた。 方法としては 劣悪な環境での妊娠 妊娠してからの環境の悪化 有害物質を餌として与える 適齢期で無い個体の使用 同一個体に対しての複数回の交尾 といったところである 実験により多くの畸形ゆっくりが生まれた。その多くは見るに耐えないものであった。 あの子れいむのように目を閉じているだけなどといったものはいない。 髪の生えていないもの、飾りの無いものなどマシなほうだ。 片目のもの、歪な形のもの、口が無いもの、色のおかしなもの、二箇所口があるもの 三つ目以上目があるもの、いわゆるシャム双生児てきなもの、ほか様々であった。 役に立ちそうも無かった。 ほとんどの親は 「ごんなのまりざのごどもじゃないぃいぃ!!!」とか 「なにごれぎぼぢばどぅいぃいぃ!!!!」だの わめき散らしていた。まあ無理も無いだろうがやはり醜いものだ。 だが極一部は必死で育てようとしていた。そいつらに期待するしかなさそうだった。 幸せそうに眠るれいむ一家 しかし"おちびちゃん"子れいむは眠れなかった。自分だけにはずっと聞こえていたのだ。ゆっくり達の悲鳴が。 そして頭がよいから理解していた。そんな目にあわせたのが自分であることを。 これほどまでに音が聞こえる自分をいやだと思ったことは無かった。 色々なことをきちんと覚えておけることを恨めしく思ったことは無かった。 どうせなら音も聞こえなければいいのに、何もかも朝になったら忘れていればいいのに せめて家族も同じ思いをしてくれればいいのに。だが叶わぬ願いである。 子れいむの閉じた目からとめどなく涙が流れていた。 おわり あとがき 最後まで読んでいただいてありがとうございます。 初めて書いたのでだいぶ読み難かったかと思います。 他の人の作品を読んでいるとなんだか自分にも書けそうな気がしてくるんですが 甘すぎました。 精進あるのみですね。 ペンネーム ALSUS このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/wiki14_anime/pages/58.html
参考文献 <オープニング> ちびまる子ちゃん OP1「ゆめいっぱい」 ちびまる子ちゃん OP2「おどるポンポコリン(B.B.Queens)」 ちびまる子ちゃん OP3「うれしい予感」 ちびまる子ちゃん OP4「ハミングがきこえる」 ちびまる子ちゃん OP5「おどるポンポコリン(ManaKana ver)」 ちびまる子ちゃん OP6「Kinkiのやる気まんまんソング」 ちびまる子ちゃん OP7「おどるポンポコリン(B.B.Queens)」 <エンディング> ちびまる子ちゃん ED1「おどるポンポコリン(B.B.Queens)」 ちびまる子ちゃん ED2「走れ正直者」 ちびまる子ちゃん ED3「針切じいさんのロケン・ロール」 ちびまる子ちゃん ED4「あっけにとられた時のうた」 ちびまる子ちゃん ED5「ゆめいっぱい」 ちびまる子ちゃん ED6「じゃがバタコーンさん」 ちびまる子ちゃん ED7「ちびまる子音頭」 ちびまる子ちゃん ED8「休日の歌(Viva La Vida)」 ちびまる子ちゃん ED9「宇宙大シャッフル」 ちびまる子ちゃん ED10「アララの呪文」 ちびまる子ちゃん 劇場版ED「ゆめいっぱい」 <ドラマ版> ドラマ・タ行
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1980.html
娘のれいむが久しぶりに帰ってくると手紙をくれた、自分の子供も連れてきてくれるという。 あのおちびちゃんだったれいむももう母親…ちょっと複雑な気分、ゆふふ と思うゆかりんだった…」 「母さんはずっと、おちびちゃんおちびちゃんって可愛がってたからね。 あの子が家を出た日は号泣し続けたあと抜け殻みたいにカサカサしてたし」 「ゆかりんのぴちぴちお肌にカサカサな日なんてないわ!ぷんすか☆ぷんすか!」 「だけどいよいよありすもグランパかぁ…れいむの赤ちゃん楽しみだね」 「!!!」 その時ゆかりに電流走る。 娘の子供という事は自分にとってはOMAGOSAN、なら自分は必然的に……… ダメ!禁断の言葉口ニシタラ娘ノ子供トイエ…『つい、やっちゃうんだ♪』 「し、しない!させない!それにゆかりん17歳だもん!! ダーリン(ありす)は母さん、娘(れいむ)はお母さんだから、れいむのおちびちゃん(れいむの子供)なら… おねえさんorおねえちゃん♪ これ!これなら全てが丸く!」 「ゆっはっは、ありすは母さんのそういう所好きだなぁ、けど多少現実もうけいれてこうか」 そんなありすの言葉もむなしく、ゆかりは「これよー!」と笑い続け、 そんな妻の姿はありすにフォローの効かない不安を与えるのだった。 そして結局様々な不安を抱えたままの中、れいむが帰省してきた。 「お父さん、お母さんただいま!」 「「ゆっくりおかえり!ゆっくりしていってね!!」」 久しぶりの娘は家を出た時よりも一回り大きく立派になっていた。 まぁ、その頃のれいむはまだだいぶ子ゆっくりだったから仕方ない。それというのも… 「おちびちゃ~ん!久しぶりねぇ~!」すりすーり 「ゆぅ…お母さん相変わらずだ、もう『おちびちゃん』はやめてよー!」 これが嫌でれいむは人一倍「早く自立したい!」という気持ちが育った末の結果だった。 しかし自分の成長に一役かったのは事実と邪険にできないのと、久々だと満更でもないのが合わさり、 親子の再会は非常に和やかさ満点で行われ、そしてついにその時はきた。 「ほら赤ちゃん、ママのお父さんとお母さんだよ」 「ゅぅ~」 れいむに言われるままの後ろからちらちら顔を覗かせた赤ちゃん。 待望の孫は娘に似たれいむだった。 「その子だね?わぁー、れいむが小さかった頃を思い出すね!ねぇ、母さん」 「…………」 「母さん?」 しかしその姿を目にした妻から返事がない。 「ほら、ごあいさつしようね」 「ゆ!じぃじ、ばぁば…ゆっくり!」ぴょん! 『しゅばっ!!』 その一言を聞いた刹那、ゆかりの体が物凄いスピードで宙に飛んだ 《まずい―!》 ありすは咄嗟に思った。 『その言葉』に触れた時の妻の行動は冗談では済まない、 その昔、冗談で口にしたであろう者達は皆『つい、やっちゃうんだ ♪』されてきた… それは久しぶりとはいえ娘も承知しているはず。 しかしなんの配慮も躊躇いもなく『その言葉』はストレートに妻へ放たれてしまった。 《なんとかしないと!》 だが時すでに遅く、ゆかりは孫であるれいむの前へと降り立った後だった。 もうダメ…、そう思った次の瞬間。 「おぉ~!よしよしよしよし!ゆかりばぁばですよ~♪すーりすりすりー」 「ゆっ、けらけら♪ばぁばくしゅぐったぃ~♪」 「・・・あれ?」 そこにあったのは、ただただ初孫を可愛がるデレデレ甘々なおばあちゃんの姿だった。 「お父さん、ちっちっち…だよ」 「れいむ、こうなるとわかって?」 「お母さん子供好きだしね、小さい《ぁ》の位置が違うだけでひとは幸せになれるんだよ。それに」 「欲しいものがあったらばぁばに何でも言ってね」 「あまいのー!」 「は~いはい、好きなだけあまあまさんあげようね~♪」 「わーい!」 「あまあまはみんな好きでしょ?」 甘さを扱いこなす娘の姿に「あぁ、ホントに立派になった」とありすは胸をあつくするのだった。 おしまい by. とりあえずパフェ ゆっくりのおばあちゃんってめずらしいなあ -- 名無しさん (2010-05-09 11 25 35) ↑スキマ決定 -- 名無しさん (2010-05-09 11 47 22) 「ついやっちゃうんだ☆」 -- 名無しさん (2010-05-09 16 17 28) まさかの胸熱 -- 名無しさん (2010-05-13 20 39 05) じゃおじゃお! -- 名無しさん (2010-11-28 13 19 24) ふっ、ばばぁだろ・・・・えっ、ちょ!なに!?(ピチューン -- 名無しさん (2012-08-08 18 54 32) ありすとゆかりを掛け合わせてれいむはみょんに納得 -- 名無しさん (2013-07-07 12 06 36) 名前 コメント
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「なんか気持ち悪いなコレ......一体どうなってんだ?」 その光景は昨夜見た末っ子のれいむとは思えない謎の物体が、水槽型虫かごの底に溜まっていた。 緑の網の蓋にしっかりと嵌っていた頭部はいつの間にか抜けて、白くデロデロとした何かの上にちょこんと乗ってだらしなく舌を垂らしていた。 「あー頭から下は朝露でふやけたのか。」 ぴったりと嵌っていた所もふやけたらしく自重で頭が抜けたようだ。 「しっかし気持ち悪いなぁ。」 そう言うと俺は蓋を外してから水槽を傾けて中身を出した。ずいぶんと気持ち悪い姿になった末っ子のれいむは傾けられた水槽の壁をデローっと伝って足台の上に落ちて 時折「ゆ”ゆ”ゆ”...」と声らしき音を鳴らした。 「あ、おにーさん!ゆっくりおはようございます。」 「ゆっくりおはようございます!」 「おにーさん、それはな...に?...ゆーーーーー!」 「ゆぅ?....れ・れいむ?........ゆーーーーーー!れいむーーーーー!!」 幾ら家族とはいえ、即座にその気持ち悪い物体が自分の家族の一員だと思えなかった。いや、思えないほどに姿が変わっていたのだ。 「れいむ!れいむ!れいむ!ゆ・ゆっくりしていってね!」 「おちびちゃあああああんん!いったいどうしてぇぇぇええ!」 「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”...。」 「おちびちゃんしっかりしてね!ゆっくりしてね!おかーさんだよ。れいむぅぅぅううう!」 「れいむ!だいじょうぶ?れいむ、なにかおはなししてよ!」 おーおー♪うろたえているなぁ、凄い取り乱しようだ。喋っている言葉の意味が不明だ。 「おちびちゃん、おかーさんが「ぺ~ろぺろ」で治してあげるからしっかりしてね!」 「れいむも「ぺ~ろぺろ」するよ!」 親のれいむと姉のれいむは急いで変わり果てた姿の末っ子のれいむを舐め始めた。だが末っ子のれいむの大半は既にゲル状に溶けている。 「ゆごっ!ゆべぇえええええ!ぎぼちわるいいいい!」 「ゆぶっ!ゆべっ!....れいむ...えぶっ」 「おにーざん!なんどがじてくだざい!おぢびじゃんを、おじびじゃんをだずけてぐだざいいいいい!」 「れいむぅ!れいむぅ!ゆびぇえええええん!」 「えー!なんとかしろって言われてもなぁ.....そもそも治るのか?これ。」 お、コイツいつものスタイルじゃなく足にすがりついて涙やら涎やら垂らして泣いてやがる。あーあー!やめろっつーの!服が汚れる! たしか、オレンジジュースが良いとか何とか聞いたが、家にはそんなもん無いしなぁ。そもそも、そんなもんぶっ掛けたら流れて悪化しそうだ。 砂糖水?いや結果は同じか。.....ん~面倒だからコーヒー用のグラニュー糖でもぶっ掛けるか。 「ちょっと待ってろ」 俺は家の茶箪笥からコーヒー用のグラニュー糖が入っている防湿瓶を持ってきて適当に直接ザザッと山盛りに振りかけた。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎ.....ぎっ!ぎぎっ!」 なんか悪化したような気がするが.............あ!これ塩だったわ。 「おにーさん、なんだかおちびちゃんへんだよ?くるしそうだよ」 「れいむ!れいむ!ねぇおへんじしてよ!れいむーー!」 「大丈夫、大丈夫♪ほら、溶けてた体が元に戻ってるだろ」 たしか浸透圧だか浸透作用だかで、ふやけた体が引き締まってきた。さすがだな俺は、歯槽膿漏も塩が入った歯磨き粉で治ると聞いたし。 「ぎぎぎぎぎ...ごぷっ..ごぷっ」 「あぁ!おちびちゃん!あんこさんはいちゃだめーーー!おねがいだからはかないでー!」 「れいむしっかりして。おねーちゃん、もうだいきらいとかいわないから...。」 あー、やっぱダメかぁ。しょうがない、ちゃんとグラニュー糖ぶっ掛けるか。 俺は再度、家に戻ってグラニュー糖がちゃんと入っている防湿瓶を持ってきた。末っ子のれいむの上にかかっている大量の塩をフーっと息で吹き飛ばしてから、 さっきと同じようにグラニュー糖を大量に振りかけた。 「これで大丈夫だ。しばらく様子見てろ、俺は仕事があるからもう行くわ!」 「おにいいいいざぁん!ほんどうにあじがとうございまず!あじがどうございばず!」 「おにーさん、れいむおにーさんのこと、だいじゅぎでず!ぼんどうにだいじゅぎです!!!」 うわぁ...気分悪いわぁ。お前はマジで俺をメンタルクリニック行きにしたいのか? そして、庭に残された2匹と変な1匹...... 「おかーさん、おにーさん行っちゃったね。おにーさんはほんとうにゆっくりしているね。」 「おかーさんは、おにーさんのところにきて、ほんとうによかったわ。」 塩やらグラニュー糖やらをぶっ掛けられた末っ子のれいむは体内の餡子を吐き出すのを止めて今は落ち着いている。時折「ぎっぎぎぎぎ...」と呻いたり 「ふひゅー...ふひゅー...」と息を荒げたりして身を捩っている。 当初2匹は、そんな様子の末っ子のれいむの傍らに寄り添って絶え間なく話しかけたりして看病していたが、春の日差しが誘う暴力的なまでの睡魔にやられて すっかり寝込んでしまったようだ。 「....おきゃーしゃん?.....おにぇーしゃん?....。」 「ゆぅ....ゆぅ....ゆぅ...ゅ...ゅ...ゆ?...ゆ!ゆゆ!....れいむ?れいむ!!れいむなの?れいむーー!....おかーさん!おかーさん!」 「ゆゆっ!どうしたの?おちびちゃん....おかーさんはゆっくりしているわ....ゅ....ゅ...」 「ゆっくりおきてよ!おかーさん!れいむが!れいむが!」 「....ゆあ!おちびちゃん?おちびちゃんだいじょうぶなの!」 「ゆぅ~♪れいむがなおったーー!れいむ!れいむ!れいむ!」 「おちびちゃーん!ゆっくりよかったわ....ほんとうに...よかった。」 「おにぇーしゃん、おかーしゃん.....れいむさびちかったよ.....。」 後から掛けたグラニュー糖が効を奏したのか、はたまた春の日差しが余計な水分を蒸発させたのが良かったのか真相は謎だが、末っ子のれいむはすっかり元通りになっていた。 外見上は.....。 しばらくの間、れいむ一家は末っ子のれいむに身を寄せ、泣きながら「す~りすり」を繰り返して死の淵に居た末っ子のれいむの生還を喜んでいた。 「おちびちゃん、おなかすいたでしょう。あたらしいおうちにいって、あまあまさんをたべましょうね♪」 「れいむのぶんもたべてもいいからね。れいむはおなかさんすいていないから。」 「さぁあたらしいおうちに、ゆっくりいこうねぇ~♪」 「れいむ~はやくおいでよ♪あまあまさんたべたら、れいむといっしょにおさんぽしようねぇ。」 「ゆ?どうしたの?おちびちゃん?」 「はやくこないとれいむが、あまあまさんぜんぶたべちゃうぞ~♪」 「あみゃあみゃさん!あみゃあみゃさん!れいみゅいっぱいたべりゅ~♪...........ゆっ....ゆっ...ゆ?....ゆぅうううううう?!!!」 「にゃんにゃのこりぇー!!!あんよしゃん!れいみゅのとっちぇもゆっきゅりしたあんよしゃんうごいちぇー!!」 「おちびちゃんどうしたの?!あんよさんうごかないの?」 「れいむ、ゆっくりれいむに、あんよさんみせてみて.........ゆぅ....なんともないよれいむ。いったいどうなってるの?」 「にゃんでぇー?!どぼちてぇー!にゃんでうぎょきゃないにょ?れいみゅの、あししゃん!ゆっきゅりしちぇないでうぎょいてよ!」 「まってねおちびちゃん、おかーさんがいま「ぺ~ろぺろ」してなおしてあげるから。」 「れいむも「ぺ~ろぺろ」するから「あんっしん」してね、れいむ。」 親のれいむと姉のれいむがひっきりなしに末っ子のれいむの足を長い舌で舐めるが、一向に動く気配がない末っ子のれいむの足。 「...どーしちぇ?どーしちぇれいむのあんにょしゃんうごきゃないのぉぉぉおお!!おきゃーしゃん、おにぇーちゃん、にゃんでれいむのあししゃんなおしちぇ きゅれないの?!ばきゃなの?しぬの?はやきゅゆっくちなおちてよおおおおお!!!」 親のれいむと姉のれいむが一生懸命に舐めているが全然治らない。それどころか、舐めすぎて足の皮が溶け出し、末っ子のれいむの足に激痛が走り始めた。 「いじゅああああいいい!にゃーみぇーちぇー!れいみゅいちゃんだじょ!れいみゅいちゃいっていっちぇるでしょおおお!!れいみゅほんっきゅでおきょるよ! こにょ.....ばきゃどもめえええええ!!」 「....れいむ....。」 「おちびちゃん....。」 「お・おちびちゃんは、おなかがすいてるのね....それで....くっ。」 「おかーさんゆっくりしてね!そうよ、れいむはおなかがすいてるのよ、けがもひどかったし。あまあまなごはんさんをたべれば、あんよもきっとうごくようになるわ。 ね!れいむ!おねーちゃんが、いまもってきてあげるからまっててね。」 そう言うと姉のれいむは、新しいお家から最後となった残りのバウムクーヘンを咥えて足台の上に持ってきた。 「ゆぅ~♪れいむのあみゃあみゃしゃんだー!ゆっくちたべるにょおおおお!!」 「そうねおちびちゃん、みんなでいっしょに「む~しゃむしゃ」しようねぇ~♪」 「れいむはちょっとだけでいいから、れいむはいっぱいたべてね♪」 「さぁ、おちびちゃんたち~いっしょに~♪」 「む~しゃむしゃ、む~しゃむしゃ」 久々の一家団欒というところか、れいむ一家の3匹は最後のバウムクーヘンに噛り付いて食事を始めた。 「し・しあわ」 「しあわせ」 親のれいむと姉のれいむが最後のバウムクーヘンを食べ、食事中のゆっくりがやる特有の行動「しあわせ~」を言いかけた所で、それを遮る絶叫がこだました。 「ちょっとぉぉおおおお!にゃにしてんのー!!!」 「え?」 「なに?れいむ?」 「こにょあみゃあみゃしゃんは、れいみゅがみちゅけたあみゃあみゃしゃんだよ!にゃに、かっちぇにちゃべちぇくれてんにょー?!」 「こ...このこは....ほんっとに!このこは....」 「....れ・れいむのわからずやー!」 親のれいむがプルプルと怒りに震えながら黙って左右のもみあげを使い、まだ末っ子のれいむが齧っているバウムクーヘンを取り上げ、頭の上に乗せて新しいお家 の中に消えていった。 「かえちぇにょー!それはれいみゅのあみゃあみゃしゃんだにょ!かえちぇよ!きょのくしょばばぁ!」 「かーえーしぇー!いいきゃげんにしゅろよ!ばきゃおや!きょの........げしゅ!げしゅおや!」 「ゲス」それは、ゆっくりの間でも最高ランクの罵声である。あまりにも酷い形容詞がゆえに言った本人も卑下されるほどの醜悪な言葉。 さすがの親のれいむも、それには我慢できなかった。いくら出来が悪くても、植物性妊娠を遥かに凌駕する程の母性が芽生えると言われる胎生妊娠を経て実際に 腹を痛めてまで産み落とした最愛の子供であろうとも、自分に向かって「ゲス」と罵るのは容認はできなかった。 親のれいむは、一度新しいお家に入ったものの、その発言にかってないほどの怒りをその顔に表し、新しいお家の中から飛び出してきた。 末っ子のれいむが動けずに佇んでいる足台に勢いよく飛び降りると、怒りの一閃をもみあげで打った。 「ゲスはあんたのことよ!」 たった一言、大声で怒鳴ると親のれいむは新しいお家の中に戻り沈黙した。姉のれいむも、いつものように末っ子のれいむに優しい言葉を投げかける事はせず、黙って 母と同じように新しいお家の中に入って行った。 「いじゃいいいい!いぎいいいいい!きょのげしゅおや!れいみゅ、にゃんにもわりゅきゅにゃいのに!「ぎゃくったい」しゅりゅばきゃおやは、ちねええええ!」 「....いじゃい.......ゆぅ?きょきょはどきょ?にゃんだきゃへんだにょ?......ありぇ?ゆっゆっゆ!うごきぇにゃい?うごきぇにゃいいいい!!!」 親のれいむが放った強烈な一閃で打ち飛ばされた末っ子のれいむは、足台の上を勢いよく転がり、家の壁と足台の間にある隙間に顔を上にして、すっぽりと 嵌りこんでしまったのである。 言い方を変えれば、巨大なクレバスに仰向けで落ちて身動きが取れなくなった様子と酷似している状態だ。 「おにぇーしゃーん!おにぇーしゃーん!れいみゅにゃんだかうごきぇにゃいよー!しゃっしゃとたちゅけてね!いましゅぐでいいよっ!!」 「.....おにぇーしゃん!ちゃんときいちぇるの?きゃわいくちぇ、ゆっきゅりとしゅた、れいみゅがにょんでるんだにょー!」 「.........しゃっしゃとたちゅけろー!にゃにやってんのおおおおお?!ばきゃにゃの?ちゅぬの?きょのぐじゅうううううう!」 末っ子のれいむが、いくら叫ぼうと誰も来ない。 一方、お家の中では......。 「おかーさん、ゆっくりね。ゆっくりおちついてね。」姉のれいむは、そう言いながら「す~りすり」を繰り返す。 「...ゆ....ゆ..ゆううう。おちびちゃん。おかーさんはどこでまちがえたの?」 「おかーさんはとってもゆっくりしているよ。れいむがいちばんわかっているよ。」 「ゆぅ、れいむ...。」 「おかーさん....。」 ~~~その日の夜~~~ 「あれ?いねぇな?...........お、いるじゃねぇか。なんだ寝てんのか?!」 「ゆ!ゆぅ~。おにーさん、ゆっくりしていってね。」 「....ゆぅ。ゆっくりしていってね。」 「なんだよ、なんかお前ら元気ねぇな~。はは~ん、お前らバカだから餌を全部食っちまって腹減ってるのか?だが約束は約束だ!ちゃんと約束の日が来るまで 餌はやらんぞ!」 「おにーさん、ごはんさんはまだだいじょうぶよ。おかーさん、ちょっとつかれているの。ただそれだけだから「しんっぱい」しないでね。」 「はぁ、そうっすか?ところであの半分溶けていたクソガキが見当たらないけどどうしたよ?」 「......。」 「.....ゆぅ。」 「ん?」 「........た.....たちゅ.....たちゅけりょ....たちゅけりょ!きょのくしょじじぃ!どりぃえーは、ちゃっちゃとれいみゅをたちゅけりょー!!」 「ん?んん?....どこにいるんだ?」 「.....きょきょだ、きょよきょ!ばきゃにゃにょ?ちぬの?きょのくしょどりぇー!」 「ん~?なにやってんだお前、しかもそんな狭い所で。」 「だしぇー!れいみゅをだしぇー!はーなーちぇー!」 「離せって....お前....バカだろ?お前って嵌るのが趣味なのか?」 「いいきゃら!はやきゅれいみゅをきょきょきゃらだしぇー!!!きょのぐじゅ!」 「相変わらずだな....お前は.....んなもん知らんわ!」 ガラガラガラ....ピシャッ! 「....にゃんで....にゃんで...にゃんでだりぇもたちゅけちぇきゅれないの?.....れいみゅにゃんにもわりゅくにゃいのに.......」 「ゆぅぅ......れいみゅにゃんだきゃ「うんうん」しちゃくなっちぇよ。....ん...んん!.....ちゅっきりいいいいいいい!!!!」 「ふぅ、ひしゃびしゃの「うんうん」は、きもちぇにょかったにょ。きゃわいっくてごみぇんね!」 末っ子のれいむが放出した大量の便は、地面に黒い小山を築き、その先端はだらしなく未だ末っ子のれいむの肛門と繋がっている。 「ゆぅ?」 「ゆぅぅぅううううう!!!くちゃいいいいい!!!めっちゃくちゃいいい!!だれきゃ!はやきゅ「うんうん」を、きゃたじゅけてね!いましゅぐでいいよっ!」 「ゆゆっ!はやきゅきゃたじゅけりょっていっちぇるだろおおお!!!」 「だりぇかー!おへんじしちぇー!」 「......おねーしゃん......」 「ゆぅ....くちゃいよぅ.....」 「.......。」 ~~~次の日の朝~~~ 折角の休みだと言うのに俺は何の予定もなく、ただダラダラと正午過ぎまでリビングのソファの上で休日を過ごした。 リビングの窓を開け、庭で跳ねる姉のれいむをボーっと眺めてビールを飲んでいた。BGMはもちろん足台と家の壁に嵌っているクソガキの叫び声だ。 たまに聞こえる叫び声に姉のれいむはビクンと反応するが、ぎこちなく無反応を装っている。その姿が滑稽で見ていて面白い。 親のれいむは一生懸命、花やら、庭を這う虫やらを捕まえては、新しいお家に運んでいる。野生生活が長かったんだなぁとボンヤリ思った。 「おにーさん、おにーさん。」 跳ねるのに飽きた姉のれいむが窓際に登ってなんか言っている。 「おにーさん、れいむそっちに行っていい?」 「ダーメ!お前らは外だ!」 「ゆぅ.....れいむ、おにーさんと「す~りすり」したいよ。」 「丁重にお断りする。」 「ていちょぅ?ゆぅ?」 「なんでもいいから、そっから入ってきたら蹴飛ばすからな!」 「ゆぅぅぅぅ!れいむ、おにーさんだーいすき!だから....「す~りすり」しようね!」 「断る!!!」 もう...勘弁してくれよ。饅頭じゃなくて人間の女に「す~りすり」したいって言われたいぜ。まったく。 ピンポーン.....ピンポーン....... んだよ!うっせーなー!新聞も宗教も全部いらねぇぞ! ドタドタドタ....ガチャ...「あーはいはい、なんですか~?」 「あのー、こんな「ゆっくりのれいむ」を、見かけませんでしたか?」 不機嫌そうに開けたドアから春のそよ風に乗っていい香りがやってきた、そこには髪の長い綺麗な女性が眩しいほどの笑顔で一枚のビラを持って佇んでいた。 「...あの。」 「は!....はいはいはい、ま・迷子とかですか?」 「えぇ、私の飼っていた、ゆっくりなんですけど。」 「はぁ~かわいい「れいむ」ですね~」 「ありがとうございます。....このゆっくりが、よく「れいむ」だと、ご存知で。」 「まぁ~俺....いや、私もゆっくりが好きでね、今も.....」 ~~~一方、庭では~~~ 「おかーさん、あおむしさんたべちゃうの?」 「そうよ、おちびちゃん。とっても「えいっよう」があるのよ。おいしいわよ~」 「ゆぅ、なんだかかわいいそうだよ.......」 「...............。」 「おかーさん?どうしたの?おこったの?れいむだいじょうぶだよ、ちゃんとたべれるよ。」 「.............。」 「おかーさん?」 「.....ゆ......ゆ......ゆぁ.....ゆあああああああああああああああああ!!!!!!!!」 春のそよ風は懐かしい香りを運んできた。ペットショップで生まれ両親から無理やり引き離され、絶望のどん底だった自分を優しく包んでくれたあの香り。 苛烈なバッジ取得のための「おべんきょう」も、この香りと、あの微笑があったからこそ乗り越えられた。いつしか自分の両親より傍に居てゆっくりできたあの頃の香り。 もう二度と....もう二度と....そう思って絶望し諦めた、あの香りがする。陽だまりでゆっくりしていたあの頃の思い出が荒波のように襲ってくる。 どっちだ!どこからだ!親のれいむは体を右へ左へと捩りながら探した........こっちだ! 聞こえる!聞こえる!自分をいつも、ゆっくりさせてくれたあの声だ!時には厳しく叱られたが、後で数十倍の優しさで包んでくれたあの声だ! どこだ!どこから聞こえる!お願いです、教えてください!もう一度だけ....もう一度だけ..... 「...ゆぅ?おかーさ....」 聞こえた!こっちだ!間違いない!確かそこを通ってこの庭に来たあの道だ!! 親のれいむは跳ねた、何度も何度も跳ねた。例えそこに小石があっても痛みなど感じはしなかった。そんな事よりも早く...早く.... そして家の角を曲がった所に彼女は........居た。 「この「れいむ」を飼っていたわけですか~。どことなく利口そうな感じがしますね~♪」 「はい、とってもゆっくりしていた良い子でした。」 「おねえええええさあああああああああん!!おねぇさーん!おねーさーん!おねーさーん!」 親のれいむは全身全霊の力で彼女の足に飛びついた。顔は涙やら涎やらでぐちゃぐちゃだ。 「わ!え?なに?.....どうしたの?............れいむ?れいむなの!」 「おねえええええさあああん!れいむはれいむだよ!おねええええざあああああん!あいだがっだよおおお!もうぜっだいあえないどおもっだああああああ!」 「....あれ?コイツお宅の?」 「れいむ!れいむ!生きていたの!本当にれいむなの?よかったぁ。れいむ....」 「....ん~。なんだかなぁ~。」 彼女は親のれいむの元の飼い主だった......。 親のれいむを膝の上に乗せリビングのソファに座る彼女。実にいい女だ。直視しているとこっちが恥ずかしくなるような横顔なのでチラチラとしか見れない。 親のれいむと話しをする彼女をチラチラ見ていたら何度か目が合う、その度に彼女は極上の微笑を返してくれる。 俺はその度に照れた、照れまくって足元でゴソゴソしている姉のれいむを撫でてごまかした。 「そう...そんなことがあったの...れいむ....ごめんね。おねーさんがしっかりしてなかったから....。」 彼女の頬に大粒の涙が伝う。 「あ・あの...これ良かったら。」 「ごめんなさい。私......」 俺は緊張しながらティッシュペーパーを箱ごと持って彼女に差し出した。 「.....ゆぅ。おねーさん「しょうっかい」するね!このこが、れいむのおちびちゃんだよ。」 「....おねーさん?.....ゆっくりしていってね!!」 俺の差し出したティッシュペーパーで涙をぬぐっていた彼女の視界に、姉のれいむがやってきた。 「まぁ、可愛いおちびちゃん!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!...ゆふ~ん♪おかーさん、なんだかあかちゃんみたいだね。ゆふふふふ♪」 「もう!おちびちゃんたら!」 「さぁ、おちびちゃんも、おねーさんのお膝にいらっしゃい♪」 彼女は優しく姉のれいむと親のれいむを自分の膝の上に乗せた。 「ゆわー!おねーさん、いいにおい~♪」 「おちびちゃん、とってもゆっくりできるでしょう。このひとが、おかーさんのおねーさんだよ」 ついでに俺も乗せて貰いてぇぇぇぇなぁぁぁぁ!......しっかし、いい女は本当に良い匂いがするんだな。俺まで参るわ。 「ねぇ、れいむ、おちびちゃんは一人だけ?」 ほんの一呼吸だが親のれいむは固まった。 「うん、れいむのおちびちゃんは、ふたりだったけど....しんじゃった。のこったのは、れいむだけよ」 お!おぉ!コイツ!!あのクソガキを切ったな!結構やるじゃねぇか!姉のれいむは無表情に口を閉ざしている。コイツもなかなかだな!! 「....そうなの。ごめんなさい。れいむ.....」 「ゆぅ、きにしないでね。」 コイツらマジで最高だな!!! 「あの、すいません。今までこの子達を飼ってくれて大変感謝してます。凄く言い難いのですが...この子達を.......」 「あぁ~いやいや、気にしないでください!自分は全然いいですから!折角だからコイツと一緒にな!れいむ!」 「....でも、折角懐いているみたいだし...でも、私....」 「全然!いいですよ!つれて帰って末永く仲良くしてやってください!」 「いいんですか?」 「全然OKっす!!」 「れいむ、かえれるの?また、おねーさんといっしょに「す~やすや」や「む~しゃむしゃ」や「す~りすり」できるの?....おちびちゃんもいっしょにいいの?」 「そうよ、また一緒に仲良くできるのよ。みんなも待っているわ。また「おうた」を聞かせて頂戴ね。」 「おねえええええさあああん!!!れいむ、しあわせ~だよ!おちびちゃんもいっしょにいこうね~♪」 「ゆぅ!れいむもいっしょにいく~♪」 「おねーさんのおうちには、れいむのおともだちがいっぱいいるわ。みんな、れいむのおねーさんだよ♪いーっぱいみんなで「す~りすり」して「おうた」を うたおうね~♪」 「れいむ、たっのっしっみ~♪」 「あら?う~ん......今何か聞こえませんでした?」 「.....どきょ.....どきょいきゅの?.......おきゃーしゃん....おにぇーしゃん.....れいみゅも......いっしょに......いきゅ。」 「さぁ?れいむ、何か聞こえたか?」 「.......。」 「.......れいむ、お庭で遊んでくる~」 あ、またコイツ無表情になった。 そう言うと姉のれいむはポンポンと跳ねて庭に降りた。庭に降りた姉のれいむは遊ぶと言うより何かを探している。ウロウロと地面を見ながらゆっくりと這っている。 「.......ゆ、これくらいだわ」 姉のれいむは、そう呟くと小石を咥えて足台の上に登った。そして、家の壁と足台の間に挟まれている末っ子のれいむを見下ろした。 その瞳は冷静でとても冷たく体の芯から冷えるような眼差しだ。 「ゆ!おにぇーしゃん!.....おにぇーしゃん、おきゃーしゃんとどこゆきゅの?れいみゅも!れいみゅもいっしょにいきゅうううううう.......おがっ!」 姉のれいむが探していたのは、末っ子のれいむの口にぴったりと嵌る小石だった。姉のれいむが落とした小石は前もって計ったかのように末っ子のれいむの前歯をへし折り、 すっぽりとその口に嵌ったのであった。 「おが!おがががが!......おがー!おがー!」 これで末っ子のれいむの声は、もう二度と優しい彼女の耳に届かなくなった....。 「へぇ~結構近くなんですね、いや!重いですよ!あー無理無理無理!自分が手伝いますよ!コッチの方をお願いします。俺はコッチ持ちますので。」 「いや、全然遠くないですよ!大丈夫です任せてください!あーでも家に着いたら喉ぐらいは渇いちゃうかな~♪えへへへへ。」 俺は下心の塊になりつつ、親のれいむを持ち。姉のれいむを彼女に持ってもらって彼女に家に向かった。 ~~~数時間後~~~ 「YES!!YES!YES!イエース!!あんな、べっぴんさんの電話番号げっと~♪来週のデートもげっと~♪饅頭付きだけど...でも!ツイてるぜ!俺にも春がきたぜ!」 俺は彼女の電話番号と来週の饅頭付きデートのアポを手に入れて嬉しさのあまりソファの上でビッタンビッタンと陸に上がった魚のように跳ねていた。 「しっかしアイツらも....ぷっ.....なかなか......ぷっ......やるなぁ。......ゲタゲタゲタ!」 「そういや、あのクソガキはどうなったんだ?」 俺はクソガキの嵌っていた、家の壁と足台の隙間を見た。 「....ゲラゲラゲラゲラ!おいおい、やるな!あのガキ!」 末っ子のれいむは涙を流しながら小石を口に嵌めて泣いていた。モゴモゴ何か言っている、何を言ってるのか聞きたくなった俺は爪楊枝を上手に使って末っ子のれいむの 口を塞いでいた小石を取り除いた。 「おねーじゃああん!!おがーじゃあああん!どぎょいっだのおおお!!れいびゅはぎょぎょにいりゅにゅー!!!」 「おい!ぐじょじじぃ!おがーじゃんとおねーじゃんはぁ?どぎょ?じゃっじゃといええええええ!!!!」 「あー....お前、捨てられたんだよ。アイツらに。今頃新しい家で楽しくやってるだろうな。」 「にゃんで?!にゃんでれいびゅをおいでいぐううううう?!!」 「当たり前だろ、お前みたいなゲスなんか連れて行くわけないだろ。バカか?」 「ゆ!れいびゅ、げしゅにゃんかじゃないいいいいいいいい!!」 「うっせ!黙って死んでろ!」 ガラガラガラ.....ピシャッ! 「おい!ぎょのぐじょじじぃ!れいびゅじゃまをごごがらだじぇえええええ!!!」 「.....にゃんで....にゃんで、れいみゅを.....おいちぇいくの.....おねーしゃん.......おきゃーしゃん.....。」 「ゆぴっ!......にゃんだきゃ、れいびゅの「あにゃる」じゃんがへんだにょ...。ゆびぃいいい!!!い・い・いだあああいいいいい!!!」 「あにゃるしゃん!あにゃりゅしゃん!ゆっぐじでねっ!.....いぎゃああああ!!!にゃんかはいっちぇきゅりゅううううう!!!いじゃああいいいい!!」 「にゃんにゃのこりぇ?いじゃあああいいいいい!!れいびゅの、じぇくちーな、しぇにゃかしゃんがいだいいいいい!!!」 「ゆあああああ!!いっぱい!いっぱいいりゅううう!!!ゆっくりぎょないでね!.....ゆああああ!にゃに?にゃんにゃの!」 末っ子のれいむが放出した大量の「うんうん」、いや餡子の匂いに誘われて足台の下で越冬していた蟻が大量に群がってきた。 最初は「うんうん」に群がっていたが、蟻達は次第にその先にある末っ子のれいむの「あにゃる」まで掘削を始めた。と、それと同時に背中からも 饅頭の皮を食い破って体内に侵入を始めた。 「いじゃあああいいいいい!!にゃめでね!にゃめでね!れいびゅ、じぇんじぇんゆっぐちでぎないよ!ゆがががががが!」 「いびゃああああ!れいびゅのあんごじゃんが!あんごじゃんがもっでがれるうううう!!!あんござんもっでいっぢゃだめぇー!!! 「あががっがが!おがっ!ががっががっが!おぐじのなががら.....いっばいででぎだああああ!!!ぎっぎぎっぎっぎ!」 末っ子のれいむの体内を掘削しながら掘り進む蟻達。末っ子のれいむの体内を縦横無尽に掘り進み、まるで蟻の巣のようだ。蟻達はひたすら末っ子のれいむの 体内の餡子を運び出し、穴を掘り進む。そして口の中に出入り口を作り、常に「口」と「あにゃる」から出入りを繰り返し、大半の餡子を運び出した。 「どぼじて.....どぼじて.....どぼじてごうなりゅの?........でぃびゅ....にゃんにも....わりゅきゅ....にゃ....にゃいのに....」 「.....おにぇーじゃん....おがぁーじゃん....。」 「もっど....もっどゆっぐぢじだがった....。」 終わり 最後までお付き合いありがとうございました。感謝です。
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登録日:2012/07/27 Fri 23 47 13 更新日:2024/05/23 Thu 22 01 47NEW! 所要時間:約 14 分で読めるの巻 ▽タグ一覧 1986年 90年代テレビアニメ 90年冬アニメ 95年冬アニメ 『後半に続く。』 おどるポンポコリン さくらももこ たまに涙腺崩壊 ちびまる子ちゃん まるちゃん まる子 まれに感動 りぼん アニメ アニメ化 ゲーム化 シュール ドラマ フジテレビ ヴェイガン侵略項目 友蔵心の俳句 天の声 実写ドラマ化 実写化 少女漫画 山崎ハコ 日本アニメーション 映画 木村匡也 永遠の昭和 清水市 漫画 腹筋崩壊 西城秀樹 長寿アニメ 集英社 静岡県 “さくらももこ”は小学3年生。 とても小さくて女の子だから“ちびまる子ちゃん”とよばれている。 『ちびまる子ちゃん』とは、さくらももこの漫画作品。 本項ではそれを原作としたアニメ作品についても解説する。 【概要】 【アニメ版】 【登場人物】◆クラスメイト ◆その他 【関連作品とか】 【楽曲】 【概要】 さくらにとっては初の連載作品で、少女漫画誌『りぼん』に掲載された。 ストーリーは作者の子供時代を軸としており、今でこそジャンルの一つであるエッセイ漫画の基になった。ただし形式は通常の1話完結型作品であり、現在のエッセイ漫画とは少し異なる。 舞台は作者が小学生時代を過ごした静岡県清水市(現 静岡市清水区)で、時期は 1973年~1975年頃(*1)となり、名実ともに「永遠の昭和」を描いている。 そのため当時の県内の様子については詳しく、「フェスタしずおか」というイベントや1974年に発生した清水市の七夕豪雨など、実際に起こった出来事が反映されている。 また歌手の山本リンダは本作(と米米CLUB)でフィーチャーされたことで再ブレイクを果たしており、自伝でも本作の事を語っていた。 初期は比較的体験談に基づいたエピソードが中心だったが、連載が続くに従ってフィクションに変わっていった。 同時にキャラクターの作画や性格なども、徐々にデフォルメ調となっている。 登場人物との別れは描かれるものの「サザエさん方式」で物語が進んでいる事情により進級しないので、新学期になると何事も無かったかのように登場する矛盾がある。 「りぼん」での連載は1996年に終了したが、2007年からは連載当時の現代を舞台にした4コマ漫画版が中日新聞ら各地方の「ブロック紙」にて連載された。ところが内容が4コマにしてはブラックすぎるなどと批判が殺到し、2011年に事実上の打ち切り。当の作者も最もつらい仕事としてこれを挙げるほどだった。 2018年に作者が亡くなったが、残ったスタッフが作画を担当して2019年からの「りぼん」での不定期連載再開が決定。同時にアニメ版を基にした単行本の刊行も再開された。 メディア化作品としては次述のアニメが有名だが、他にも2006年と2013年に単発ドラマ、2007年~2008年に連続ドラマで実写化されている(いずれもフジテレビ制作)。 キャストは各作品ごとにほとんどが入れ替わっているが、友蔵役のモト冬樹のみ全作に登場している。 【アニメ版】 さぁ~みんな集まって~ちびまる子ちゃんが始まるよ~! 毎週日曜18時からフジテレビ系で放送。 アニメーション制作は日本アニメーションで、同社の社長である本橋浩一氏の孫が本作のファンだったことから企画が始動した。 第1期は1990年1月から1992年9月まで放送。これは制作時に「飽きられてしまうため、3年で終わらせてほしい」という作者の意向を反映したもの。 しかし終了後再開を望む声が多く寄せられたことから1995年1月から第2期が開始し、この頃に劇場版ゲストであった大野くんと杉山くんがレギュラー入りし現在に至っている。 ちなみにこの間の同時間帯に放送されたのは『ツヨシしっかりしなさい』である。 放送開始爆発的なブームを巻き起こし、作中でまる子が発した「ウゥ〜ン」「いけずぅ〜」は当時の流行語にもなった。 1991年にはキャラクター商品の売り上げが700億円というメガヒットを巻き起こし、一時期は版権化の事情から大量の無認可商品が多数出回り問題になったことも。 最高視聴率は39.9%で、1977年以降に放送されたテレビアニメでは史上最高記録を誇る。 アニメの初代エンディングテーマである『おどるポンポコリン』はあまりにも有名で、1990年第32回日本レコード大賞(ポップス・ロック部門)を受賞する等大ヒット。 その後数々のアーティストによりカバーされており、現在は番組を代表する楽曲として2000年以降は一貫してOPで使用されている。 大半の作品が作者脚本のオリジナルで、中には後に書き下ろされた回もあった。しかし毎週放送での負担が厳しくなったことから1999年を以って降板。しかしその後も節目の回などで脚本を担当した。 2000年代以降は初期作品のリメイク、2010年代以降は節目の回で人気俳優や芸人がゲスト出演する特別回が放送されている。 映画は大長編として1990年に『大野君と杉山君』、1992年に『わたしの好きな歌』が制作された。 いずれも作者の描き下ろしによって漫画化されている。前者は近年にDVD化された。後者は長らく音楽の著作権の関係により見送られてきたものの、公開30年を記念して2022年にこちらもソフト化がとうとう実現した。 また2015年には久々となる映画『イタリアから来た少年』が公開された。 2024年3月にまる子役のTARAKO氏が死去したことが発表された。 最終収録作となった回は同年3月24日放送分でオンエアし、以降同年4月14日放送分まで過去作品の再放送を実施した。 2024年4月21日放送分から後任として菊池こころが就任している。 【登場人物】 さくらももこ CV TARAKO→菊地こころ お馴染みちびまる子ちゃん。 通称は「まる子」「まるちゃん」。初期は「ちびまる」、1年のころは「ももこ」と呼ばれていた。あだ名が有名すぎて本名で呼ばれることは少ない。 ごくふつうの小学3年生。怠け者で勉強が苦手だが時には純心で優しい一面も。 山口百恵の大ファンで、お笑いも好き。 ただペット運は壊滅的に無く… グッピー:うっかりザリガニも水槽に入れて食物連鎖されてしまう。 ジュウシマツ:うっかり籠から逃がしてしまう(*2)。 子猫:捨てられていたのを拾ったが、なぜか餌として用意したミルクを殆ど飲んでくれず、そのせいかは微妙だがすぐにひっそりと死んでしまう。 と大抵悲しい結末に終わっている(*3)。 原作・アニメ初期はトラブルメーカーとして、騒動を起こしては周りから説教やツッコミを食らうボケタイプの主人公だった。 だが、連載やアニメ放映が長くなるにつれて、徐々にまる子以外のキャラクターが段々とクセのある濃い性格へと変わっていくと、それらのキャラに対して困惑したり時にはツッコミを入れたりするなど多少常識的なキャラクターとなった。 漫画版では作者の別連載していた漫画の主人公コジコジに導かれて自分の未来を見に行き、漫画家で一児の母になった未来の自分と対話している。(*4) 実は原作者のさくらももことイルカ(歌手)とアニメのまる子役のTARAKO氏の声はガチでそっくりで、『トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~』に取り上げられたこともある。 念のため断っておくと、さくらももこという名前はあくまでもペンネーム兼『ちびまる子ちゃん』の主人公の名で、原作者の本名ではない。 さくらヒロシ CV 屋良有作 まる子の父親。40歳。作者による通称は「父ヒロシ」。 タバコと酒と釣りが大好きで甘いものが苦手。昔はハンサムだった。 巨人の野球観戦の際にはチャンネルを譲らない。 仕事のシーンは一切無いが、サラリーマンという設定である。 なお実際の作者の実家は八百屋。なので『ひとりずもう』漫画版では「さくら青果店」の名で店兼自宅が描かれ、すみれが店の手伝いをしている。 さくらすみれ CV 一龍斎貞友 まる子の母親。40歳(*5)。厳しくも優しい人物。たまに無責任なことを言うが。 まるでだらしのないまる子には手を焼いており、目を吊り上げてキレるシーンは既にお約束。 基本的にまる子の言うことはあまり信用しておらず、彼女が何かをおねだりしてくる時はかなり冷たくあしらう。 昔は美人で、モガ(*6)だった。 藤木を庇う発言をしている作中人物の1人。 中の人は本作では小杉も兼役しているほか、他作品だが『クレヨンしんちゃん』の佐藤マサオ、『忍たま乱太郎』の福富しんべヱ、『ザ☆ドラえもんズ』のドラリーニョも担当している。正直同じ人とは思えないほど。声優ってすごい。 おねえちゃん CV 水谷優子→豊嶋真千子 まる子の姉。小学6年生。 「さくらさきこ」という本名があるが(*7)、作中ではほとんど「おねえちゃん」、「さくらさん」としか呼ばれない。作者の実姉のみ名前が異なるので仕方ないと言えるが。 妹とは違いクールかつドライな性格だが、要領が悪い面もある。 性格が正反対でだらしなくルーズで要領の良いまる子とは喧嘩を繰り広げるのが日常茶飯事で、 (本人に責任がある場合が多いとはいえ)まる子に対しての態度は実の妹相手とは思えないほど辛辣。 その一方で、まる子が野良犬に襲われた時は先生よりも先に助けに行くなど、何だかんだで気にかけてはいる。 時折まる子以上にとんでもない弾けっぷりを見せたり、くだらない理由で数日に渡る姉妹喧嘩を繰り広げたり、少女漫画を愛読しアイドルの西城秀樹(*8)の大ファンだったり、という年相応な一面もある。 実際の姉もそれなりにしっかり者だが病弱気味で、また成長するにつれてなかなか進路が定まらず家族を困らせることも多かったらしい。最終的にはOLになったそうだ。 その後、漫画家の柴田亜美先生のマネージャーとなったそうであり、彼女の裏話的漫画にも出ている他、関連雑誌に写真も掲載されていたりもする。 なお、後にGBA用ソフト『さくらももこのウキウキカーニバル』制作にあたり、妹と共にゲームの企画、デザインの仕事をした。 さくら友蔵 CV 富山敬→青野武→島田敏 本作の萌えキャラ。まる子の祖父でヒロシの父親。76歳。 まる子のことが大好きで、何かと甘やかしているが、しばしば共に何かやらかす。 俳句が趣味で、たびたび「友蔵 心の俳句」として一句詠む(季語が入っていないため「川柳」になっていることも多いが)。 ちなみにまる子、おねえちゃん、友蔵に共通する特技として金魚すくいがあり、その腕は3人とも驚異的。 なお、人物像は「作者の理想のおじいちゃん」を表したもので、実際の作者の祖父は意地悪で嫌な人だったとのこと。 さくらこたけ CV 佐々木優子 まる子の祖母でヒロシの母親。72歳。昔は美人だった。 地味で目立たないが不調のテレビの調子を取り戻す達人。そして、怒ると怖い。 ……というのは過去の話。近年は穏やかになり、長年培った知識と経験を発揮して周りを助けたり感心させたりする場面が多くなっている。 ◆クラスメイト 穂波たまえ CV 渡辺菜生子 まる子の親友。通称「たまちゃん」。しっかり者の三つ編みメガネっ娘。 事あるごとに自分の写真を撮ろうとするカメラマニアな父親に迷惑している。 まる子らへのツッコミやフォローが絶えない常識人だが、たまに少女漫画チックな変な妄想に走る一面もある。 モデルは作者の親友だが、実際はかなり活発で顔立ちも整っており、クラスの中心になるような人だったとの事。 また『ひとりずもう』漫画版では中学時代こそ別だったが高校で再びまる子と同級生になり、高校卒業後アメリカ合衆国に旅立ち、後書きによると今でも同国にいるらしい。 花輪和彦 CV 菊池正美 お金持ちのお坊ちゃん。通称「花輪クン」。「くん」ではなく「クン」(ここ重要)。 他人を呼ぶ時の呼称は「ベイビー」。 初期は典型的な『金持ちを鼻にかけたキザで嫌味なお坊っちゃま』といったキャラだったが、徐々に心優しく気配りも上手い完璧超人になっていった。これは、クラスによくいるキザな同級生をモデルにしていたが件の人物が微妙にケチ臭かったせい。 しかし、後に作者が知り合ったリアル金持ちをモデルに変更したためにハイスペック化したらしい。 ナルシストが仇となり、とくちゃんの回では見事に物語の雰囲気をぶち壊した。ある意味鬱フラグクラッシャー。 巨人ファンで、良い席を取って球場観戦に赴いたのにチームが無様なサヨナラ負けを喫したことがある。 習い事もたくさん嗜んでおり、英会話やバイオリンも得意で空手においては小学三年生にして既に黒帯である(複数人に絡まれても顔色一つ変えずに、回避のみで実力差を見せつけ撃退してのけた)。 一方、成績はオール5だが字を書くのがものすごく苦手なのが悩み。 忘れがちだが、まる子と同じ生き物係。そのため、たまちゃん程ではないがまる子と絡む回がそこそこ多く、たまちゃんや友蔵を連れたまる子をどこかに連れて行くことが多い。 名前の元ネタは漫画家の花輪和一。 丸尾末男 CV 飛田展男 クラスの学級委員長。常に敬語口調で喋り、「ズバリ◯◯でしょう」が口癖だが、言っている事はいつも大して核心を突いていない。 真面目で勤勉だが、自身の学級委員長の座を脅かす者には容赦しない。 ぐるぐる眼鏡で隠れているが素顔はピカソの絵みたいと形容されるほど物凄い。 少々マザコン気味なところもあるが、その母親は49歳と現代から見ても高齢出産で、花輪くんの母親(29歳)と会った際には家に帰った後で「どうしてかあさまは若くないのですか!」と問い詰めて困らせたこともある。 余談だが『12歳。』という少女漫画にそっくりさんが居る。 名前の元ネタは漫画家の丸尾末広。 浜崎憲孝 CV 折笠愛→カシワクラツトム お調子者のB級男子。あだ名は「はまじ」。 面白い顔をした、いつも周囲を笑わせるムードメーカー。郷ひろみのモノマネが上手い。大洋ホエールズのファンで、その中でも山下大輔選手の大ファン。 まる子と噂になったことがある。 実在の人物がモデルで、後に本人が自伝を出版した。 初出演は「プールの授業中『水の中でも喋れる』と豪語し案の定むせる」という小学生男子らしいエピソードだが、自伝によると実際のはまじは同じ回に出る水が怖くてプールどころか学校から脱走した男子の方だとか。 また、さくらももこは彼自身とそこまで交流が無く(噂になったのは実話)、出演にあたって連絡し忘れたため(*9)、本人は妹が読んでいた『りぼん』で初めて自身がモデルにされていると知ることとなったとか。 尚、モデルとなった人物は静岡市内で暮らしておりブログで近況報告なども行っていたが、2023年に亡くなっていた事が判明している。 みぎわ花子 CV ならはしみき 女子の学級委員で、たまちゃんと同じ三つ編みメガネっ娘。でもこちらはお世辞にもかわいいとはゲフンゲフン 花輪くんにお熱でよくアタックしているが当人からはドン引きされている。 真面目で成績も優秀でクラスメートの信用も厚い優等生として書かれているものの、ヒステリックで高圧的で暴走しがちな欠点がある。 また「アマリリス」というブルドッグを飼っている。正直、飼い主の彼女とはとてもお似合いである。 名前の元ネタは漫画家のみぎわパン。ちなみに前述の花輪くんと丸尾くん含め、この3人の元ネタとなった漫画家は皆『月刊漫画ガロ』の代表的な作家である。 野口笑子 CV 田野めぐみ 「クックックッ……」という(むしろ「キュッキュッキュッ…」と聞こえもするが)忍び笑いで知られる、ミステリアスな暗い女子。 独特かつエキセントリックな性格で、ただでさえ一癖二癖ある子供が揃っているまる子のクラスの中でもさらに一際異彩を放っており、特定の誰かと親しくすることはあまり無いものの、クラス内の揉め事に巻き込まれもしない、ある意味孤高の立ち位置にいる。 まる子も一度は関わり合いになるのを避けようとしたが、趣味が共通するため意気投合した。 意外にもお笑いに精通しており、深夜ラジオで欠かさずチェックしたり、無名時代のビートたけしと出会った時にサインをもらっている。 祖父と父親もお笑い好き。意地悪で威張り屋の兄・富士男がいる。セキセイインコを飼っている。 意外と運動神経も良い(何でも器用にこなしてしまう程)。 実は『永沢君』からの逆輸入キャラ。 富田太郎 CV 摩味→大塚海月→永澤菜教 豚みたいな鼻が特徴のB級男子。通称「ブー太郎」。 「ブー」が口癖で、家族全員鼻も口癖もお揃い。 はまじとつるんでいる場面が多い。 関口しんじ CV 津久井教生 丸刈り(というかほとんどハゲ頭)のB級男子。 はまじやブー太郎とよくつるんでいるが、やや影が薄い。 イタズラ好きな悪ガキだが、根は良い奴……と思いきや話によってムラがあり、いじめっ子になることも。 初期の話では「エビス君」と呼ばれていたが、後にこの名前は別の生徒に使われるようになった。 大野けんいち CV 沼田祐介 クラスのイケメンコンビの黒髪の方。熱血漢で腕っぷしも強い。杉山と一緒によくサッカーをしている。 大野は学年末に転校するが、本編自体永遠の3年生なので春には引き続き入江小に在籍している。 映画からの逆輸入でTVシリーズでもレギュラー入りした。 映画では杉山共々、横暴なガキ大将タイプのキャラだったが、TVシリーズではいじめっ子をやっつけるなど、正義感の強い性格になった。 杉山はかよちゃんや安藤りえとの恋愛エピソードがある反面、大野にはその類の話が少ない。 杉山さとし CV 真山亜子 クラスのイケメンコンビの茶髪の方。大野と互角の腕っぷしと運動神経を持つ熱血漢。 大野とよく一緒にサッカーをしている。 東京から来た女の子、安藤りえとは良い感じになったが進展がないまま終わった。 長山治 CV 佐々木優子 眼鏡に坊ちゃん刈りの優等生。 花輪くんに隠れがちだが、博識なだけではなく周りに分け隔てなく接することのできる優しい少年。 こはるという病弱な妹がおり、絵本を読んであげたりして可愛がっている。 小学三年生にしてアマチュア無線の資格を持っている。 山田かよ子 CV 大本眞基子 ドジでおっちょこちょいな女の子。まる子やたまちゃんと仲良し。杉山くんのことが好き。 土橋とし子 CV 三浦雅子→川田妙子 メガネをかけた、ショートカットの地味な女の子。まる子・たまちゃん・かよちゃんと親友。 実はまる子とは幼稚園からの幼馴染。 好きな歌手はキャンディーズや野口五郎。 趣味はお料理、ガーデニング。習い事はエレクトーン。お母さんもメガネをかけていてとし子ちゃんにそっくり。 お父さんはごく普通のサラリーマンでゴルフが好き。おばあちゃんは遠くに住んでいるためなかなか会えない。 学芸会で『巌流島』をやる事になって宮本武蔵役に長山君を推薦した。 理由は「ちょんまげが似合いそうだからです(^^)」。 伊藤ゆみ子 CV 三浦雅子 かつてはまる子・たまちゃんとよく一緒に遊んでいたが、とし子の登場後に出番が減少し、いつしか全く登場しなくなった。 見た目はヘアバンドを付けてない笹山さんに近く、一部では「笹山さんのプロトタイプ」と囁かれている。 山根強 CV 陶山章央 細身の暗い男子。優しい性格だが、たまにグサリとくる台詞を言う。 気と胃腸が弱く、ちょっとした事で腹痛を訴える。一応胃痛に負けない強い男になろうとはしているが、常に空回り。 厳格な父親とやや気の弱い母親がいる。 永沢や藤木と仲が良い。城みちるの大ファン。 永沢君男 CV 茶風林 玉ねぎ頭が特徴。腹話術が得意。 最初はただ暗いだけだったが、家が火事になった影響か陰険な毒舌家に変わっていった。 ズル賢くて要領が良く、自分の利になる事を常に考えている。 火事のトラウマから火を苦手とするが「自分の家の火事でなければ意外と平気」と言うゲスい発言もしている。 父と弟も玉ねぎ頭。頭の形状の関係で普通の通学帽がかぶれないため、彼のかぶる帽子は異様に小さい。 永沢一家は、家を新築し完成するまでの約8か月間、3丁目の親戚の裕福なおじいさんの家でお世話になった。 また原作・アニメ共に新築した家のエピソードがあったにもかかわらず、アニメで登場する永沢家の外観は常に親戚のおじいさんの家の外観である。 しかし、家内には永沢一家しかおらず親戚のおじいさんなどが登場していないので、アニメで永沢一家が親戚のおじいさんの家に居候中なのか、新築永沢家が親戚のおじいさんの家のデザインにされたのか不明。 なお、火事で家を失った同級生が立派な親戚の家にしばらくの間住むことになるというのは、作者の実際の思い出のエピソードである。 藤木茂 CV 中友子 永沢といつも一緒にいる暗い男子。唇が青く長身。スケートが得意で周りからは一定の評価を得ている。 基本的に友達思いの良い奴だが、かなりの臆病者でここぞという時に逃げたり責任転嫁をしてしまう為に永沢達から「卑怯」のレッテルを貼られることが多い。本当は皆が悪く言うほど卑怯じゃないのに……。 というか、視聴者にはまる子や永沢の方が卑怯と言われることが多い。 作中屈指の不幸体質の持ち主で、登場すると高確率で何かしら酷い目に遭う。 何かと永沢からは毒舌を浴びせられており、そもそもあまり仲が良くない。決して健全で良好な友人関係ではないのに、永沢以外にこれといって波長の合うクラスメイトが居ない藤木は腐れ縁ともいえる間柄で永沢とつるんでいる。 笹山さんに想いを寄せる。 小杉太 CV 一龍斎貞友 大食漢で肥満体の少年。食べ物絡みの話題でよく登場する。 基本的に食い物の事しか頭にない暴食家で、食い意地を張っては皆に余計な迷惑をかけることが多い。 体力測定の際には、「動けるデブ」を目指して練習に励んだ。 『永沢君』からの逆輸入キャラと過去に記載されていたが、ちびまる子ちゃんでの登場のほうが早い。 山田笑太 CV 山本圭子→本井えみ いついかなる時にも「アハハ」と笑っている、クラス一のおバカな男子。 一人称は「オイラ」で、「だじょ~」と語尾につけるのが口癖。 バカだが純真な性格で、何だかんだ言っても憎めない少年。 コイツが悲しく取り乱すとこちら(視聴者)も悲しい気分になる。 初期と現在では容姿がかなり違う。 城ヶ崎姫子 CV 田野めぐみ→本井えみ 縦巻きロールのツインテールが自慢の美少女。 気が強く、永沢とは口喧嘩ばかりだが、それなりに気にしている様子。 裕福な家庭のようで、花輪クンと話が合いやすくみぎわさんから目をつけられることも。 この頃は明るく社交的な普通の女子だったが……? これまた『永沢君』からの逆輸入キャラ。 笹山かず子 CV 三浦雅子 ヘアバンドをつけた美少女。 誰に対しても分け隔てなく優しく、藤木に想いを寄せられている(が、本人は気付いていない)。 城ヶ崎さんとは親友で一緒に帰ったり遊んだりもしている。まる子やたまちゃん、他のクラスの女子達とも仲がいい。 秋山慎吾という従兄のお兄さんがいるが、藤木にはボーイフレンドだと勘違いされた。 冬田美鈴 CV 上村典子→馬場澄江 大仏のような顔と天然パーマの女子で、顔に似合わず乙女チックな性格と可愛らしい声の持ち主。 愚鈍でKY、そのくせよく泣き、それでいて本人にその自覚が無いというはた迷惑な存在でもある。 大野に想いを寄せている。 同じく乙女チックな性格のみぎわと気が合う。 前田ひろみ CV 浦和めぐみ 掃除好きの女子。 ……それはいいとして、気性が荒く、傲慢で自己中。自分に対して周囲が反発するとガチギレして喧嘩沙汰を起こすか、逆に取り乱して泣き出すかのどちらかという、全く始末に負えない作中でも1、2を争う危険人物。その傍若無人ぶりからほとんどの同級生から煙たがられている。 登場回数のそこそこ具合とは裏腹に(悪い意味で)視聴者に絶大なインパクトを残し続けている。 詳細は項目参照。 中島 CV 田野めぐみ クラスに一人はいるひねくれ者だが、根は悪い奴ではない。 初期エピソードで三沢や関口ら男子8人を率いて、まる子ら女子9人+丸尾を相手に戦争をしたことがある。 三沢 CV 菊池正美 よく中島とつるんでいる。 ナベちゃん CV 菊池正美 苗字は「渡辺」。やけに濃い顔が特徴。 関口らとつるむ事が多い。親戚が酒屋らしい。 長谷川健太(ケンタ) CV 岩男潤子 サッカーを愛する努力家の真っ直ぐな少年。サッカーの実力は運動神経抜群な大野・杉山と二対一でボールの取り合いをして負けないほどで、普通は4年生からクラブ活動を始めるサッカー部に3年生のうちから参加している。 モデルは元Jリーガー・日本代表、現FC東京監督の長谷川健太その人。厳密には、作者のさくらももことは同じ小学校の同じ学年だが、3年生の時は別のクラスだったとのこと。 西村たかし CV 山田ふしぎ 大人しくて優しい男子。犬が大好き。 鈍くて抵抗しないため、「たかし君の巻」では関口と佐々木(佐々木のじいさんとは無関係)にいじめられる。 杉浦徳三 CV 石村知子 通称「とくちゃん」。 花屋の息子で、クラスのお花係を務める。 お人好しな性格で、友達がクラスの石鹸を盗んでしまった時は自分がやったと庇った。 平岡秀章 CV 野島健児 通称「ひらば」。 ごく普通の男子だが面白い事を考えるのが大好きで、まる子と一緒に楽しい校内放送を考えた事もある。 モデルははまじやケンタ同様実在した作者のさくらももこの同級生。現在は放送作家で、さくらももこと交流してアニメ『ちびまる子ちゃん』の脚本を務めたりもした。 えびす CV 柏倉つとむ→折笠愛 女子からの人気が高い男子。 クラスの学級委員に推薦されたが、最終的に丸尾の熱意に押され辞退。 ◆その他 吉川みどり CV 浦和めぐみ 友蔵の友人の孫で、まる子と同学年だが、違う小学校の児童。常に敬語で話す。 変わり者で思い込みが激しく、すぐに泣く上に負けず嫌いで、かるた取りで負けた際には大泣きしていた。 藤木に片思いしている。 戸川先生(戸川秀之) CV 掛川裕彦 まる子の担任。いつも穏やかな先生でほとんど叱る事もない、まさに理想の教師像。 なお、現実の作者の担任は非常に厳しい、というかアレな教師で、理由の無い平手打ちや児童にウィスキーを飲ませるなどの体罰・不祥事をしたため1年で別の学校に飛ばされたという。 佐々木のじいさん(佐々木茂男) CV 掛川裕彦 友蔵の友人。街路樹の育成に命を懸ける、誰よりも木を愛する男。 実際に活動が認められ、表彰されたこともある。 さらには歌まで作られた、反抗期の孫以外の家族との仲も良好。 普段は温和で静かな性格だが、ひとたび樹を乱暴に扱ったり傷つける者を見つけると我を忘れて別人と化し、鬼のような形相と剣幕で怒り出し怒鳴りつけるほど。 川田守 CV 津久井教生 佐々木のじいさんに憧れ、自らは川の保護に当たった人物。やはり表彰されたことがある。 ただし家族には度が過ぎる彼の行為に辟易されていて、家族崩壊の恐れがある。 ヒデじい CV 茶風林 花輪くんお付きの執事。誰にも優しく親切で、永沢にすら慕われている(実は担当声優も同じ)。 妻と娘が居たが、妻は既に亡くなり娘は独立したので花輪くんへの奉仕は生き甲斐となっているという趣旨の発言をしている。 ちなみに本名は「西城秀治」。 プサディ CV 天野由梨 「まるちゃん 南の島へ行くの巻」に登場する外国人の女の子。 南の島ツアーで訪れたまる子と意気投合し、一週間を通して忘れられない友達となる。 中野小心 CV 麻生智久 友蔵の友人。いい人だが名前の通りかなりの小心者で恥ずかしがり屋。いつも汗を流して困り顔をしてる。 友蔵やヒデじいと並ぶ本作の癒し系おじいちゃん。 奥さんがおり、顔も性格もよく似ている。 ナレーション CV キートン山田→木村匡也 物語(特にまる子の行動)に対するツッコミ役。言葉遣いはかなり辛辣。 キートン山田としてさくら一家の前に姿を見せたエピソードもあり、「ナレーションの仕事はどうしたの?」と突っ込まれていた。 キートンは2021年3月をもって勇退。後任は『芸能人格付けチェック』や『めちゃ2イケてるッ!』等で知られる木村匡也が就任したが、他番組との差別化のためかクレジットではひらがなの「きむらきょうや」名義となっている。 なお、キートンのナレーションは降板後もケーズデンキのCMで聞くことが出来る。 【関連作品とか】 『永沢君』 中学生になった永沢や藤木のスピンオフ。 『ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦』 ある種伝説の鬼畜ゲー。 『ちびまる子ちゃん 対戦ぱずるだま』 まる子世界を忠実に再現、凝った作りの良作だが、永沢くんの敗北時の演出がよりにもよって家が火事になって心に深い傷を負うシーンであり、あまりにも不謹慎とのことで全品回収となってしまった。 ある意味で幻の作品。 『ももこのほのぼの劇場』 初期のりぼんコミックスに収録されていた短編集。「ももこ」のドタバタな日常や幼少期~上京等が描かれている。 ちなみにそこで描かれる「ももこ」(=作者)の足跡を概略すると「女子高(この頃から漫画投稿)→短大(その間バイトで家庭教師経験、漫画家デビュー)→東京に行き就職→数か月で退職し漫画に専念」となる。 幼少期~小学生期、お母さんの過去編は本作の一部としてアニメ化された。 『お父さんは心配症』+『ちびまる子ちゃん』 岡田あーみんの『お父さんは心配症』との合作作品で、コミックス2巻収録。作者同士の合作秘話やカメオ出演シーンも掲載されている。 まる子が夏休みの宿題を既成の昆虫標本で誤魔化すためデパートに行ったら、娘の彼氏を駆逐しようとする「お父さん(パピィ)」佐々木光太郎と出会い、なりゆきで同行しながらも彼の変態的行動に呆れてしまう。 しかしなんだかんだありつつ光太郎と一緒に食事をして最終的に標本もプレゼントされている。 ちなみに『お父さんは心配症』は連載時期と同じ80年代の話で、光太郎自身も「淀川区」の住人らしいが、それがなぜ清水市のまる子(それも70年代の住人)を知っていたかは謎。 『ももこのファンタジック・ワールド コジコジ』(まる子とコジコジ/絵本 まるコジ) まる子関連作としては珍しく小学館の『幼稚園』に連載された絵物語で、地球にやってきて独りぼっちな宇宙の謎生物コジコジを家に居候させたまる子の、コジコジとのリリカルでメルヘンな日々が綴られている。 ちなみにその後コジコジは漫画の番外編でまる子を未来に誘っており、単体漫画としても『コジコジ』が連載されたが…。 『あのころ』『まる子だった』『ももこの話』 原作マンガを基に書かれたさくらももこのエッセイ集3部作。 原作の話のいくつかの元ネタとなった実際のエピソード(お母さんの指輪の話とか)が収録されている。 『ひとりずもう』 同名エッセイの漫画版。まる子と呼ばれていたももこの中学・高校時代の話。 実家が両親の営む「さくら青果店」になっており、たまちゃんとのその後や漫画家を目指す道が描かれている。 『僕、はまじ』 「はまじ」こと浜崎憲孝氏の自伝兼暴露本。 まる子の担任である戸川先生の実際の性格はこの本で明かされた。 あのはまじのモデルが書いたという事で大ヒットしたが、編集者が書籍に引用という形で掲載されていた「ちびまる子ちゃん」のイラストを無断で書店販促用のPOPに使ってしまい、さくらプロダクションを激怒させるというポカをやらかす。 『ちびしかくちゃん』 グランドジャンプにて連載。元々はオムニバスショートギャグ漫画『まんが倶楽部』のうちの一編だったが後に独立。 一応セルフパロディだが、内容は4コマ版以上にブラックかつシニカルであり、ぶっちゃけ「『ちびまる子ちゃん』の皮を被った『コジコジ』」のようなものである。 ある意味、さくらももこのもう一つの顔を存分に堪能できる作品。 『まる子と会える町』 フジテレビ系列のオムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』の「20周年スペシャル・春 ~人気番組競演編~」で本作とコラボして作られたエピソード。 長年勤めた会社にリストラされた現代の元サラリーマン(演・西田敏行)が昭和の清水市に迷い込み、そこでいつも観てる好きなアニメ『ちびまる子ちゃん』の主人公・まる子と出会う。 ホラー物などではなく心温まる感動物であり、まる子ら清水市の住民の優しさが描かれた名作。 【楽曲】 『おどるポンポコリン』のほかにも 『ゆめいっぱい』(関ゆみ子) 『走れ正直者』(西城秀樹) 『針切じいさんのロケン・ロール』(植木等) 『アララの呪文』(ちびまる子ちゃんと爆チュー問題) を筆頭に渡辺満里奈、たま、KinKi Kids、カヒミ・カリィ、忌野清志郎(love jets名義)、MANA-KANA、桑田佳祐、斉藤和義など豪華アーティストが担当していることでも知られる。 だが一度だけ2002年の七夕に放映された『まる子、フォークコンサートへ行く』の巻のエンディング曲として、 山崎ハコの『呪い』が流れたことがある。 一応同回に山崎本人がゲスト出演した縁での採用だったのだが、案の定テレビ局には抗議の電話が多くあったようである。 ズバリ追記・修正でしょう~! 後半へ続く。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 コメントログ 2010年11月7日に放送予定だった「まる子、永沢を見つめるの巻/まる子、空手を習うの巻」がプロ野球日本シリーズで中止され、4ヶ月後の2011年3月13日に振替放送される予定が東日本大震災に伴う報道特番によりまた中止され、8ヶ月後の同年11月27日にようやく振替放送されたんだよね。どうして本作は1週間の予定を繰り下げる処理ができないのだろうか? -- 名無しさん (2023-03-20 16 39 44) 映画第4弾が製作されたらいいにになぁ。そうすれば豊嶋真千子さんが演じるお姉ちゃんと木村匡也さんが語るナレーターが出るのを映画館で楽しみたい()。 -- 名無しさん (2023-04-05 13 29 07) ↑訂正、映画第4弾が製作されたらいいのになぁ。そうすれば豊嶋真千子さんが演じるお姉ちゃんと木村匡也さんが語るナレーターが出るのを映画館で楽しみたい(どうせ絶対に無理だけどね)。 -- 名無しさん (2023-04-05 13 30 30) 描写が殆どないから忘れそうになるがまる子の親世代でも戦争経験者がいる時代 -- 名無しさん (2023-04-05 14 27 46) さくらももこ先生って、けらえいこ先生より年下だったのか -- 名無しさん (2023-04-29 12 30 56) 町内会の子供上映会で息子がシンナー吸って家庭崩壊したやつ流した回は、不謹慎すぎて爆笑したわ。ああいう際どいネタをまた唐突に放って欲しいぜ -- 名無しさん (2023-05-11 21 36 13) ある騒動のおかげで本家(というかさくらももこ)の方がよっぽど闇深ってある意味再評価されましたね… -- 名無しさん (2023-05-12 06 44 43) 最初期のアニメを見ていた頃は、ちび「まる」子だからクラスメイトには名前に「まる」が関係しているという法則があるのかと思ったが(「丸」尾君に「たま」ちゃんに花「輪」クンにみぎ「わ」さん)、しばらくしたら関口とか由美子ちゃんとか、「まる」と関係ない名前のクラスメイトが普通に出るようになった -- 名無しさん (2023-06-15 15 46 15) アニメではまだ権利関係とか緩かったのか普通にドラえもんが表紙の漫画とか出てきて驚いたな -- 名無しさん (2023-08-17 21 09 12) はまじのモデルの人が逝去してた…。 -- 名無しさん (2023-08-20 19 51 31) 作者のエッセイをまるちゃんの声で再生されるオーディオブックがある -- 名無しさん (2023-10-14 00 10 07) サザエさんの花沢さん役の声優が交代するけど、山田くんの声優も交代するのだろうか? -- 名無しさん (2023-11-05 12 49 42) 2023年12月17日放送分を以てして、ちびまる子ちゃんの山田も降板みたい→山本圭子 -- 名無しさん (2023-12-16 21 35 39) 作者の遺作であるちびしかくちゃんはもはや日本版サウスパーク。 -- 名無しさん (2023-12-20 13 50 02) 禁断の洪水のエピソードは最後のオチをやりたかったんだな。お蔵入りにならず文庫版にも収録されている -- 名無しさん (2024-02-15 08 11 21) クラスメイトに一人でも犠牲者が出ていたら流石に描かなかっただろうね -- 名無しさん (2024-02-15 08 15 18) ↑11母親が「ゆういち改心しておくれー」とか叫ぶ教育映画を娯楽目的の集会で上映するなよ……と、思い出すだけで笑える -- 名無しさん (2024-02-17 23 16 23) ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2024-02-29 15 33 42) 鳥山先生が逝去して今度はまる子の声優が…。 -- 名無しさん (2024-03-09 01 14 37) 今年呪われてるだろ… -- 名無しさん (2024-03-09 01 28 43) こんなの夢だ…夢に決まってる… -- 名無しさん (2024-03-09 01 42 11) まる子の後任はどうするんだろうな… -- 名無しさん (2024-03-09 02 41 10) 二人もか… -- 名無しさん (2024-03-09 10 27 30) ↑2公式的には一新するか声の似た人探すかって感じらしい -- 名無しさん (2024-03-09 13 34 30) 友蔵さんやさきこさんの声優に加えて今度はまる子の声優が… -- 名無しさん (2024-03-09 21 49 31) ログ化しました。 -- (名無しさん) 2024-03-11 14 07 05 永沢君は -- (名無しさん) 2024-03-13 02 45 30 続き。30分後には「バッカモーン!」 -- (名無しさん) 2024-03-13 02 46 08 SNSのキャリア論界隈この作品のクラスメイト例に挙げがち。まぁそれこそ永沢みたいな連中が他人の人生についてアレコレ言ってるんだろうが -- (名無しさん) 2024-04-16 00 33 01 『ドラえもん』は2005年4月に全員一新され、『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけ役も2018年7月に交代され、『ちびまる子ちゃん』のまる子役も2024年4月に変更され、あとはサザエさん役の加藤みどり氏が生き残る自体に。 -- (名無しさん) 2024-04-30 19 30 38 名前 コメント すべてのコメントを見る
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俺「律~、なんか食い行くか?」 律「そ~だなぁ、ちゃんぽんいこうぜ!」 俺「いいな。リンガーハット」 律「私はちゃんぽんセットで、◯◯は皿うどんセットね♪」 俺「勝手に決めるなって」 律「これだったら両方食べられんじゃん?」 俺「そんな事いっときながら、毎回半分近くもってかれるけどな」 律「気のせいだってwじゃあさ、皿うどんを単品でもう1つ頼めばいいじゃん♪」 俺「それは盲点だった・・・って、俺は皿うどん1.5人前じゃんか!」 律「ばれたか!」 俺「当たり前だー!」
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・二作目です。 ・元ネタは落語「後生鰻」です。 ・幻想郷的な何かが若干混ざっています。 ・行間等で読みずらい点はご容赦下さい。本人も試行錯誤中です。 ・需要? んなもなぁ、書いてから考えりゃいいのよ。 えー、世の中には、信心深い方ってのがいらっしゃいますな。 商売を息子夫婦に譲ってしまった隠居さんで、この人がまた、凝り固まってしまって大変なもんで。 まあ、もうやることといえばお迎えが来るのを待つばかりなんでこれに押さえが利かない。 もう毎日のようにお参りに行っちゃあ、なにかしら善行を積もうとする。 中でもものを殺す、殺生ってぇもんが大っ嫌いで、これをしないってのが一番の善行だって信じちまってる。 お参りに行く途中、屋台の前を通るたんびに蒲焼にされそうな八目鰻を買い取っちゃあ川に逃がして 「ああ、いい善行をした」 なんつってるようなお人で。どっか微妙にずれてるんですが、本人は気づいちゃいない。 んで、いつものようにお参りに行った帰りにふっと見ると妖精がなんかやってる。 近づいてみるってえと、子れいむを鷲づかみにして棒で刺そうとしてんだから隠居さん慌てて駆け寄った。 「おいおい、おいっ、」 「なによ、じいさん」 「なによじゃないよ、このガキは、何するんだ、それ」 「何って、饅頭を捕まえたから棒に刺してみすちーのとこであぶってもらうのよ」 「あぶってもらうじゃありませんよ! まったく……そんな棒ッ切れで刺してあぶったらどうなるかわかってんのかい!?」 「うまくなる!」 「なにいってやがる、えぇ、お前さんが棒に刺されて火あぶりにされたと思えばどうだ、そんな死に様は極悪人しかしないよ? 子供の時分からそんな了見じゃあ、後生が悪くてしょうがねえじゃねか、可哀想だとは思わねえのか!?」 「うーん、熱いのはあたいも嫌だねえ、んじゃ、凍らせて食べる!」 「喰い方を言ってるんじゃないよ! ものを殺すのが良くないってんだ。喰ってもいいが、殺しちゃいけない」 「何言ってるのよ!? 死なない程度にかじって捨てたらもったいないじゃない! 食べ物は粗末にしちゃいけないってれてぃが言ってた!」 「あー、それも確かに道理だな、じゃあ喰わねぇで逃がしてやんな。まだ子供なのに可哀想だろ?」 「いやだよ! この饅頭はあたいがつかまえたんだからあたいんだよ! あたいがおやつ食べれなくなるのは可哀想じゃないってのかい!?」 「そう言われりゃしょうがない…… じゃ、こうしよう、ちょうどここに、牡丹餅があるから代わりにこれをお食べ。 帰って婆さんと食べようと思ってたんだが、お前さんに半分あげようじゃないか。 え、こうすれば、あたしは命を助けてやることができた、お前さんは命を奪わずにすんだってことで、 お互いに善行を積んだことになるじゃねえかな? 善行ってのは積んどけば、回り回ってきっとお前さんを幸せにしてくれる、そういうもんだよ。うん、どうだ?」 「うーん…… あたい、ぜんこーってのはよくわかんないから嫌いだけど、牡丹餅は大好き!」 「よーしよし、いい子だ。じゃ、これをもってお行き、…………ってもう行っちまったか。ずいぶんと足が速いね、近頃の子供は。 ……おうおう、ずいぶん弱っちまってるなあ、お前、動けるかい? 動けねえ? しょうがねえ、ちっとお前にも牡丹餅食わしてやろう。 ……しあわせー、か。そりゃあよかったよかった。お前も俺に助けられて幸せだろう? これが善行だからな。善行ってのは、幸せになるんだ。それを忘れちゃいけねえよ、もう捕まるんじゃないぞ。 ……ああ、いい善行をした」 ってんで、隠居さんはいい気分になって家に帰っちまいました。 子れいむの方も、命ィ助けられたばかりか、あまあまを食わせてもらってしあわせーな余韻に浸りながら、森ん中のお家に転がるようにして帰った。 家ん中ではしんぐるまざーのれいむが大事なおちびちゃんが帰ってくるのをハラハラしながら待ってる。 動いて探しにいきゃあいいものを 「おちびちゃぁぁぁああぁあぁぁん! どこにいっちゃったのぉおぉぉぉぉぉ!」 とか家ん中で叫んでるだけだったあたり、どうにも相当な餡子脳なようで…… それでも大事な一粒種のれいむが無事に帰ってきたってんで感動のご対面。 「おかあしゃん! ただいま!」 「どこいってたのぉぉぉ! おちびちゃぁぁぁあぁぁん!!!」 「あのね! れいみゅ、あまあまさんをいっぱいたべたよ!」 「ゆ゛!? あまあま!?」 「れいみゅがいじめられてたら、おじいさんがきてあまあまさんをくれたよ! れいみゅをいじめてたやつもあまあまさんをもらったよ! あまあまさんをくれるのはぜんこーなんだよ! おじいさんはあまあまさんをあげるのがぜんこーでしあわせー! なんだよ!」 なにせ、子供の言う事な上に親譲りの餡子脳だ。見事なまでに都合のいいことしか覚えちゃいねぇ。 あまあまと聞いて母れいむの目ン色ォ変わる、 母一ッ匹子一ッ匹で厳しいゆっくり生を歩んできたんだ、あまあまなんざ滅多に喰えねえ、 もうね、聞いてる方も都合のいいことしか耳に入らない、親子そろっておめでたい頭ァしてるもんだから、 「ゆゆ! おかあさんもゆっくりりかいしたよ! おちびちゃんをいじめたらぜんこーであまあまさんをもらえるんだね!」 「れいみゅをいじめてたやつのほうがいっぱいあまあまさんをもらってたよ! だからおかあしゃんもいっぱいあまあまさんをむーしゃむーしゃできるにぇえ!」 「じゃあおかあさんがぜんこーするから、いっぱいあまあまさんむーしゃむしゃーしようねえ!」 「ゆわーい! たのしみだにぇえ! いじめるのはぜんこーであまあまーでしあわせー!」 ……善は急げってんで、早速家ん中でけっかい用の棒を引っ張り出してきて、口で咥えておちびちゃんに向かい合った。 最初のうちはちょいと突付いてみたり、転がしてみたりしてんだけど、なかなかお爺さんは来てくれない。 「おきゃあしゃん! きっとぜんこーがたりないんだよ! しっかりれいみゅにぜんこーしてね! ぷんぷん!」 「ごめんねぇぇえ! おかあさんいじめたりなくてごめべんねぇぇぇ!」 「ぜんこーだよ! はやくあまあまさんをもってちぇね! たっくさんでいいよ!」 いじめる方が泣いていじめられる方が怒ってるなんて訳のわからないことになる。 しょうがないもんだから、棒で打ったり、体当たりで壁まで飛ばしたりしても、まだまだお爺さんは来てくれない。 「どぼじであまあまざんこないのぉぉぉおぉ!!」 「お、おきゃあさん、れいみゅいたいよ! もっとゆっくりいじめてね!」 「なにいっでるのぉ!! ぜんこーがたりないとゆっくりできないでしょぉ!! ゆっくりがまんしてね!!」 親れいむの方も来てくれないのにだんだん腹ぁ立ってきたのか手加減ができなくなってくる。 これでも足りないか、とばかりに子れいむをグッと咥えて壁にずーりずーり擦り付けた。 もっちりした肌も土と餡子にまみれ、お飾りもボロッボロになったってのに、どうにもお爺さんは来てくれない。 「れいみゅのおかじゃりぎゃぁあぁぁぁ!!!」 「じじぃぃぃいぃい!!! さっさとあまあまもってごいぃぃぃいぃ!!! 」 「おきゃあしゃんもうやべでぇぇぇぇえぇぇ!!!」 ここまで来てもうやめるわけにはいかない。 完全に餡子が沸騰しちまってる親れいむは棒でもって大事なおちびちゃんの目ん玉ァ抉り出して、返す刀であにゃるにぶっすり突き立てた。 ここまでやってんのにまるっきりお爺さんは来てくれない。 んなこたあ、当たり前のこと。 隠居さんは今頃家で婆さんと茶でも飲んでるだろうし、なにより、道ぃ歩いてて見かけたなら後生が悪いから助けるかも知れねぇが、 わざわざ森ん中へえって、ゆっくりのお家の中ぁ覗き込んでまで善行するほどは暇じゃない。 ちょいと考えればわかることでも、じじいはかってにはえてくるとでも思ってるようなれいむには、「なにかおかしいよ」、と薄っすら浮かぶのが精一杯だ。 もう八つ当たり以外の何もんでもない勢いで、 「やベるわけないでしょぉぉぉおぉぉ!!! どおじでじじいはあまあまをもってごないのぉぉぉおぉお!!! ごんなにぜんこーしてるのにこないなんて、おちびちゃんはうそをづいてるんだねぇぇえぇ!!! うそづきはせいっさいするよ!!!」 「うぞじゃないよぉぉぉ!!! れいみゅはおじいさんにあまあましゃんをもらっちぇいっぱいだべたよぉぉおぉぉ!!!」 「じゃあなんでれいむにはごないのぉぉぉおぉぉ!!! れいむもあまあまさんだべだいのにぃぃいぃぃ!!! あまあまさんをひとりじめするげすはゆっくりじね!!!」 あにゃるに突き立てた棒をグイッと押し込むってえと、頭のてっぺんをスポーンっと突き破ってとうとうくたばっちまった。 「ぜんごーだよ!!! でいぶはぜんごーをしたんだよ!!! はやぐあまあまもっでごいぃぃいぃぃ!!! おちびちゃんのぶんもだよ!!! たっくさんでいいよ!!!」 「そこまでよ!!!」 ……こんだけ大声ェだしてもおじいさんはこないけど、「なんかさわいでんな」って集まってくんのは群れの連中。 家ん中ヒョイっと覗くってえと、目ん玉血走らせた大饅頭と串団子の出来損ないだ。 さあ一大事と長の一声でしんぐるまざー改めでいぶを取り囲んで裁判に。 お白州に上がっても 「おちびをいじめるのはぜんこーだよ!! れいむはあまあまをもらえるんだよ!! だからおちびちゃんはしあわせー!!」 なんて訳のわかんないことしか言わないでいぶに下った判決はもちろん 「くろっ!!!」 「むっきゅん、このれいむはどめすてぃっく・ばいおれんす・でいぶ、りゃくしてでぃーぶいでぃーのつみがかくていしたわ!」 「ゆがぁぁあぁぁ!!! でいぶはしんぐるまざーなんだよ!!! でぃーぶいでぃーじゃないぃぃぃいぃぃ!!!」 「だめよ! だったらこのおちびちゃん、くっつけてうごけるようにしてみなさいよ!」 「「「「でぃー・ぶい・でぃー!! でぃー・ぶい・でぃー!!」」」」 よってたかってお飾りを奪った上、おちびちゃんとおんなじように、あにゃるから頭のてっぺんまで棒でぶち抜かれて群れから追放、道に放り出されちまった。 そこにたまたまやってきたのが、さっきの妖精、 「あー! また饅頭見つけた! さっきのよりでけぇ! しかも最初から棒が刺さってる! ぜんこーすげぇ! まったくあたいったらぜんこーね!」 善行の 巡りて末の 因果かな お後がよろしいようで。 これまでの口演 ふたば系ゆっくりいじめ 951 落語「ゆ虐指南」
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『ぼーきゃくろくっおん』 21KB 虐待 制裁 家族崩壊 同族殺し 飼いゆ 現代 虐待人間 某アニメ映画のパロディではありません 注意: 某映画とは一切関係はありません(録音というか録画だし) ゆっくりが変なところで高スペックです(ネタってことで勘弁して下さい) 『ぼーきゃくろくっおん』 「ゆわああああぁぁぁぁぁぁ!?」 「どぼじでぇぇぇぇぇ!?」 とある住宅の一室にて突如響き渡るゆっくりの悲鳴。 その悲鳴を聞きつけた飼い主の青年が何事かと現場に駆け付けた。 「なんだなんだ?どうしたってんだ?まりさ、れいむ」 そこには二匹のゆっくりが大粒の涙を流しながら絶叫していた。 そして二匹の目の前には大量の餡子がぶちまけられている。 「お、おにーさぁぁぁん!れいむの・・・・・・れいむのおちびちゃんがぁぁぁ!」 「ん?ひょっとしてその餡子、お前らのチビか?」 よく見ると飛び散った餡子の中心には黒いとんがり帽子がちょこんと置いてあるのが確認できた。 この帽子が無ければ、飛び散った餡子が潰れた赤まりさのものであるとはわからなかっただろう。 「こいつは酷いな・・・・・・一体何があったんだ?事故ってレベルじゃねぇだろコレ」 この餡子のぶちまけられっぷりからして、躓いて転んだとか、どっかから落ちた程度では説明はつかない。 それほど酷い状態だった。 「わがらないんだぜぇぇ!まりざだちのしらないあいだに、おちびちゃんがいなくなって・・・・・・!」 「それで・・・・・・ゆぐっ・・・・・・どこにいったのか、さがしにいってもみつからないから、もどっでぎだら・・・・・・おちびちゃんが、おちびちゃんが・・・・・・えいっえんにゆっくりしてたんだよぉぉ!!」 ただ事ではないと判断した青年はただちに室内に異常が無いかを確認しはじめた。 そしてすぐに異常らしきものを発見する。窓の一つが開いているのだ。 「こりゃあ、別のゆっくりの仕業かもしれんなぁ・・・・・・」 家に侵入したゲスゆっくりか、捕食種ゆっくりなどの仕業ではないかと青年は判断した。 「ゆ、ゆるさないんだぜぇ・・・・・・!おちびちゃんをころしたゲスはただじゃおかないんだぜぇ!!」 まりさは歯をギリギリとさせ、怒りの表情を浮かべていた。 「ただじゃおかないって・・・・・・犯人を見つけたらどうするつもりなんだ?」 「きまってるのぜ!ふくっしゅうなのぜ!おちびちゃんがうけたいたみをはんっにんにもあじあわせてやるんだぜ!!」 まりさの穏やかではない発言に青年は思わず眉をしかめる。 「・・・・・・まりさよ、復讐なんて虚しいだけだぞ? チビが死んじまったのは悲しいことだが、いつまでも過去にこだわってたら明るい未来なんてやってこない。 これは悲しい事故だと諦めて、また新しい子供でも作ってゆっくりした方がお前らの為ってもんだろ?」 青年は死んだ子供のことは忘れろという。 一見、冷酷なことを言っているようにも聞こえるかもしれない。 だが相手はゆっくりである。ゆっくりは本人にとって都合の悪い記憶は忘却する性質を持つという。 子供を殺された怒りの感情も時が経ち、新しい子供でも作ればすぐに忘れてしまえるだろう。 だから、一時の感情に身を任せて復讐などというゆっくりできないことに時間を費やしたところでただの徒労にしかならない。 そう青年は思ったのだが・・・・・・ 「はぁぁぁぁぁぁぁ!!?なにいってるんだぜぇぇぇ!?」 「そんなことできるわけがないでしょぉぉぉ!?」 冷却期間が足りないのだろう。そんなことを容認できるゆっくり達ではなかった。 ゆっくりと言えども子供を失った悲しみはそう簡単には忘れられないのだろう。 「はんっにんをみつけて!かおのかたちがわからなくなるまでボッコボコにしてやるんだぜ!」 「それだけじゃすまさないよ!おめめだってくりぬいて、めのまえでむーしゃむーしゃしてあげるんだよ!」 「あんよさんだってズタズタにしてやるんだぜぇ!うごけなくしてゆっくりといたぶってやるんだぜ!」 「いくらごめんなさいしたって、ぜっったいゆるしてなんかあげないんだよ!ゆっくりしていってね!えいっえんでいいよ!ゆぎぎ!」 「えいっえんにゆっくりさせるなんてなまぬるいんだぜ! はんっごろしにしたあとオレンジジュースさんをかけてまたはんっごろしにしてやるのぜ! えいっえんのくるしみをあじあわせてやるんだぜー!ゆがー!」 怒りで頭(といっても頭しかないのだが)に血が上っているのだろう。 ゆっくりらしからぬ物騒な発言を繰り広げている。 そんな飼いゆ達の姿に青年は溜息をついた。今は何を言っても無駄だろう。 「はぁ・・・・・・わかった。そんなに言うなら犯人探しを手伝ってやろう」 「ゆゆ!?そんなことできるの!?」 「まあな。・・・・・・実はこの部屋にビデオカメラを設置しておいたんだ。 これを再生してやれば事の顛末がわかるはずだ」 元々はゆっくりの生態を観察するために青年が設置しておいたものだ。 まさかこんなことになるとは夢にも思わなかったに違いない。 「ゆ?びでおかめらさんって?」 「ああ、ビデオカメラってのはだな・・・・・・」 ゆっくり達にもわかるようビデオカメラが何なのかを説明した後、録画した内容を観るためにビデオをモニターにセットする。 「さて、これで準備はOKな訳だが・・・・・・最後にもう一度だけ確認する。 本当にいいんだな?やめるなら今しかないぞ」 これを見れば犯人はわかるだろう。 だが、それと同時に自分たちが可愛がっていたおちびちゃんの死に様を見せられるということでもあるのだ。 それは両親にとっては辛いことである。 「ゆぅ・・・・・・おにーさん。まりさたちは、もう、きめたんだぜ。 そうしなきゃ、みらいにむけてゆっくりなんてできないんだぜ」 「れいむたちはみらいをゆっくりするためにも、かこのせいっさんをしなくちゃならないんだよ!」 二匹のゆっくりはキリッとした表情で青年を見つめていた。 どうやら二匹の決意は固いようだ。 「そうか・・・・・・お前らがそう決めたんなら、もう止めはしないさ」 青年はビデオを再生させる。 「それじゃあ始めようか・・・・・・その嘆きを再生する」 『ゆぅ~ぴぃ・・・・・・ゆぅ~ぴぃ・・・・・・』 モニターにはついさっきまで寝床でゆっくりと眠っていた赤まりさの姿が映っていた。 「ゆぅぅ・・・・・・ほんとうに、おちびちゃんがうつてるよ!おちびちゃん!ゆっくりしていってね!」 「れいむ、さっきも説明したがこれは過去の映像だ。チビが生き返ったわけじゃない」 「ゆ、ゆぅ、わかってるよ・・・・・・」 それでも叫ばずにはいられなかった。それほどまでに我が子は大切な宝物だったのだ。 『ゆぅ~ぴぃ・・・・・・ゆぅ~ぴぃ・・・・・・』 『ゆゆ~ん、まりさはもうたべられないんだぜぇ。むにゃむにゃ・・・・・・』 『ゆう、ゆう、れいむ、かわいくってごめんね~・・・・・・ゆぅ、ゆぅ・・・・・・』 ぐっすりと眠っている赤まりさの後ろにはまりさとれいむも眠っていた。 幸せそうに眠る3匹の寝顔をみているとこれから恐ろしい惨劇が待ち構えているなど想像もつかないだろう。 だが、それは唐突にやってきた。 画面外から大きな「手」がぬっと現れたのだ。 そしてその「手」は赤まりさの帽子を摘みあげた。 「ゆゆっ!?なにするんだぜ!おちびちゃんのおぼうしをかえすんだぜ!」 映像を見ていたまりさが叫ぶがこれは過去の映像である。 何を言ったところで起こってしまった出来事は変えられない。 「こいつがおちびちゃんをころしたはんっにんなの?」 しかし、予想に反して「手」はこれ以上赤まりさには手を出さなかった。 「手」は赤まりさから取り上げた帽子を寝床の近くにあるピンポン玉の上に乗せたのだ。 このピンポン玉は赤まりさの玩具として青年が用意したもので、赤まりさにとっては大切な宝物になっていた。 その後「手」は眠っているれいむの頬を人差し指でツンツンと突き始めた。 『・・・・・・ゆぅ?なんなの?れいむまだねむいよ・・・・・・』 れいむが覚醒し始めると「手」はまりさを同様に起こし始めた。 『・・・・・・なんなのぜ?まりさはすーぱーすーやすーやたいむなのぜ・・・・・・』 まりさも覚醒したようだ。 二匹はまだ寝ぼけているようで自分たちを起こした「手」には気がついていないようだ。 そして「手」は何をするわけでもなく画面外へと引っこんでしまった。 おかしい。 この映像を見ていたまりさとれいむは自分の体から嫌な汗が流れていることに気がついた。 なぜだろう?わからない。 ただ、ここから先の映像は見てはいけない。 そんな漠然とした思いが二匹の頭の中で警鐘としてガンガンと鳴り響いていた。 それがなぜなのかは全くわからない二匹はこの状況に困惑していた。 と、その時である。 『ゆゆっ!?なんだかゆっくりしてないゆっくりがいるよ!!』 突如、映像内のれいむが叫び声を上げた。 『ゆっ!ほんとうなのぜ!しかもなまいきにもおちびちゃんのベッドさんをどくっせんしてるのぜ!』 ゆっくりしていないゆっくり。 ゆっくりの世界では見た目が汚いゆっくりなどはこのように呼ばれることがある。 特に飾りのないゆっくりがよく言われることが多い。 そう、この映像の両親が言っている「ゆっくりしていないゆっくり」とは、先ほど「手」によって帽子を取られた赤まりさのことだ。 ゆっくりは飾りによって個体の認識をしているという。 だから帽子が取られた赤まりさは両親に自分の子供であると認識されなかったのだ。 「ゆっ!?ゆっ!?な、なにいってるんだぜ!?そのゆっくりはおちびちゃんなのぜ!」 「そ、そうだよ、とってもゆっくりとしたれいむのおちびちゃんだよ!?」 だが、映像を見ている両親は帽子の無い赤まりさをちゃんと自分の子供であると認識していた。 映像内の両親はそれができていないのに、同一のゆっくりでこの認識の違いは何故なのか? それは帽子を取られるところを実際に目撃しているかいないかの違いが、認識の違いにつながったのである。 いくらゆっくりといえど、目の前で飾りをとる場面を見ていれば個体認識はできるのだ。 『おちびちゃんのベッドさんをうばうなんてとんでもないゲスだね!』 『おい!おきるのぜ!このゲス!』 まりさが赤まりさに体当たりを喰らわせる。 『ゆぴ!?・・・・・・ゆ、ゆぅ?』 気持ちよく眠っていたところを突然、突き飛ばされた赤まりさは一体何が起こったのか理解できていなかった。 『ここはれいむのかわいいおちびちゃんのベッドさんだよ! ゆっくりしてないゆっくりはゆっくりしないでゆっくりきえてね!』 『ゆぅ~?なにいっちぇるの?まりちゃはまりちゃだよ?』 『はぁぁぁぁぁぁ!!?なにいってるのぜ!?おちびちゃんはあそこにいるでしょぉぉ!?』 『そうだよ!おちびちゃんはベッドさんをとられてかなしんでるんだよ!ゆっくりしないであやまってね!』 どうやら二匹は帽子を乗せたピンポン玉を自分の子供として認識しているらしい。 これも飾りで個体認識をするゆっくりの特性だった。 『なにいっちぇるのぉぉぉ!?まりちゃがまりちゃだよ!おきゃーしゃん!』 『だれがおまえみたいなきたないゲスのおかあさんだぁぁ!』 『しかもおちびちゃんのなまえまでかたってるのぜ!』 『ゆぅぅぅ!?おちょーしゃんもなにいっちぇるのぉぉぉ!?』 あんなに優しかった両親から罵声を浴びせられ困惑し涙目の赤まりさ。 その時、赤まりさは自分の帽子が乗せられたピンポン玉を発見する。 『ゆゆ?どうちてまりちゃのおぼうちがこんなとこりょにあるにょ?ゆっくちかえしちぇね!』 赤まりさはピンポン玉に近づき帽子を取ろうとした、その瞬間。 ドン! まりさの体当たりを受け、赤まりさは思いっきり吹っ飛ばされた。 そして赤まりさは顔面を床に激しく打ちつけられた。 『ゆ、ゆぴぃ?・・・・・・きゃわいい、まりちゃのきゃおが・・・・・・い、いちゃい?』 赤まりさは突如受けた攻撃に何が起こったのか理解できていなかった。 だが、その攻撃を繰り出したまりさは怒り心頭で顔を醜く歪ませていた。 『こいつ・・・・・・おちびちゃんのおぼうしをうばおうとしたのぜ・・・・・・』 『ベッドさんだけでもずうずうしいのに・・・・・・おぼうしにまでてをだすなんて・・・・・・』 飾りはゆっくりにとって命の次に大事なものだ。 もし他ゆんがそれに手をだそうものならどうなるのか。 ピキピキピキィィィィィィィィィィィィ!!! 『とんっでもないゲスなのぜぇぇ!!!ぷくぅぅ!!』 『もうおんこうなれいむもかんにんぶくろのおがきれたよっ!!!ぷくぅぅ!!』 『ゆぴぃぃぃ!?お、おちょーしゃん!おきゃーしゃん!どうちておこっちぇるのぉぉぉ!?』 体をぷくーっと膨らませ、ゆっくり最大の威嚇行為を赤まりさに向けている。 もはや両親の怒りは有頂天に達していた。 『『ゆっくりできないゲスはせいっさいするよ!!!』』 『ゆ、ゆ、ゆ・・・・・っ!ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』 こうして、両親による恐ろしい制裁がはじまった。 「や、やめろぉぉぉぉぉぉ!!!」 「やめてねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 映像をみていた両親が叫び出す。 もはや変えられぬ過去の映像であるとしても叫ばずにはいられなかったのだ。 それほどまでに凄惨な制裁だったのである。 『ゆんやぁぁぁぁ!ゆんやぁぁぁぁああああ!!』 二匹掛りで執拗に体当たりを喰らわせている。 『やべちぇぇぇぇ!!まりちゃのかぎゃやくおうぎょんのかみのきぇぎゃぁぁぁ!!』 れいむが髪をブチブチと引き抜いている。 『いじゃいぃぃぃぃ!!おべべ!まりちゃのおべべぇぇぇ!!』 まりさが右目をくり抜き、空いた右目の空洞を舌でグリグリと穿っている。 『ぼう、やべちぇ、いちゃい、いちゃいよぉぉ、ゆんやぁ・・・・・・』 これだけ痛めつけられていながら、赤まりさは死ななかった。 二匹が殺さないよう適度に手を抜いているのだ。 『ゆげら!ゆげら!どう?いたいのぜ?いたいのぜぇぇ?』 『ゆげげ!でもゆっくりなんてさせてあげないよ?もっともっとくるしんでね!』 ゆっくりはゆっくりしていないものを見下す事が多い。 それは他者を見下すことで自分がよりゆっくりした存在であると認識する為である。 そしてその嘲りの感情は、時として暴力となって対象に襲いかかる。 それが今の状況だ。これは、もはや制裁などではなかった。 「うわぁ、流石の俺でもこれは引くわぁ・・・・・・ん?どうしたおまえら?」 二匹のゆっくりはもう映像を見ていられなかった。 目をつぶり、プルプルと震えながらこの真実から目を避けていた。 「おいおい、お前ら。過去の清算するんだろ?あんなにキリッとした顔でいってたじゃないか。 だからちゃんと見てないとダメだろ。おっ!なんかまた出てきたぞ。みてみろ」 「ゆ、ゆぅ?」 恐ろしい虐待が行われている最中。 画面外から再びあの「手」が現れたのだ。 その「手」はピンポン玉の上の帽子を摘みあげると画面外へと消えていった。 しかし、映像内の両親はそれに気付いていない。 赤まりさをいたぶることに夢中になっていたからだ。 『れいむ、そろそろふぃにっしゅにするのぜ。アレをひさしぶりにやってみたいのぜ!』 『ゆぅ?アレなの?ゆふふ、そうだね、ひさしぶりにやってみようね!』 そう言うと、れいむは頭が低くなるよう体をへにゃりと縮ませた。 まりさは息絶え絶えの赤まりさを口に咥えるとれいむの頭に乗り上がった。 『いくよ?まりさ』 『じゅんびおーけーだぜ!れいむ』 『ゆ、ゆぴぃ・・・・・・な、なに、ちゅるにょ?やめちぇね、やめちぇね・・・・・・』 れいむはまりさを頭の上に乗せたまま勢いよく伸びあがった。 『のーびのーび!』 そしてその伸びが最大になった瞬間、まりさはれいむの頭を踏み台に、遥か上空へと飛びあがる。 「ゆ、ゆげぇぇぇぇ!あ、あのわざはー!?」 「知っているのかー?まりさー!ってお前の映像なんだから当たり前か」 まりさを打ち上げた後、れいむはその場で仰向けに倒れこみ、あんよをプリン!と持ち上げる。 一方、上空へ打ち上げられたまりさは口に咥えていた赤まりさを腹の上に乗せ、そのままクルリと回転し、赤まりさが下になる体制のまま一気に下降しはじめる。 まりさの真下にはあんよを持ち上げたれいむがニヤニヤとした笑みを浮かべて待ち構えている。 『ゆっくりしてないゲスは・・・・・・っ!ぷくぅぅぅ!』 『ゆっくりしねぇぇぇぇぇ!』 『ゆぴぃぃぃぃ!た、たしゅけちぇ・・・・・・っ!』 『『ゆっくりほうかいのふぃなーれ!!』』 グシャアアアアアア!!! ぷくぅっと膨れた状態で下降してきたまりさの腹とれいむの持ち上げていたあんよが勢いよく衝突する。 そしてその間に挟まれていた赤まりさは衝突のショックでグチャグチャに潰されてしまった。 『ぷしゅるるるぅぅ~、ゆへへ!きまったのぜ!』 口の中から息を吐きながられいむのあんよから飛び退くまりさ。 『やったね!まりさ!』 れいむもむくりと起き上がる。 その際、あんよの上に残っていた潰された赤まりさがべちゃりと地面に落ちた。 「ゆ、あ、あ、あ・・・・・・」 「ど、どぼじで・・・・・・こんな、ことに・・・・・・」 「すっげぇなぁ、お前ら。無駄にスペック高すぎ」 赤まりさが自分たちによって殺される映像を見せられ、二匹はただ涙を流して呆然とするしかなかった。 『ゆ!そうだぜ!おちびちゃん!ベッドさんをどくっせんしてたゲスはやっつけたんだぜ!』 ゲスの制裁に夢中になり忘れていた自分の子供のことを思い出したようだ。 『ゆゆ?おちびちゃん?』 だが、どこを見渡しても赤まりさの姿は見えなかった。 目の前で潰れているのだが、いまの二匹にはそれがわからない。 『ゆぅ・・・・・・どこいっちゃったのぜ、おちびちゃん』 『ひょっとして、ゲスがせいっさいされるところをみるのがこわくなっちゃったのかも。 それでどこかにかくれちゃったんだよ』 『ゆゆ!おちびちゃんにはすこししげきがつよすぎたのかもしれないのぜ』 『ゆもう!ゆっくりやりすぎだよ!まりさ!』 自分もノリノリで制裁していたのを棚に上げてぷんぷんと頬を膨らませてまりさに注意をするれいむ。 『ごめんごめんなのぜ。きっととなりのおへやにでもいるのぜ。いっしょにむかえにいってあげるのぜ!』 『そうだね、こわがってるおちびちゃんにすーりすーりしてあんしんさせてあげようね!』 そう言いながら二匹は部屋から出ていった。 その直後、画面外から三度「手」が現れ、先ほど奪っていった赤まりさの帽子を潰された餡子の上に乗せ、画面外に消えていった。 しばらくした後、 『ゆぅ、おちびちゃんいないね』 『まったく、どこへいったのぜ』 二匹が部屋に戻ってきた。 こうして話は冒頭へと繋がるのだった。 「さて。これで犯人はわかった訳だが・・・・・・。 お前ら、犯人が見つかったらどうしてやるんだっけ?なんか言ってたよなぁ」 「ゆ!ゆ!し、しらないのぜ。まりさ、なんにもいってないのぜ!」 「れいむもしらないよ!それにおちびちゃんがしんだのは!かなしいじこだったんだよ! だかられいむ、なんにもわるいことしてないよ!」 あそこまで悪意に満ちた言動で子供を殺しておいて、この言い分である。 青年は肩をすくめ、軽く溜息をついた。 「お前らが、数分前に言った自分の発言もすぐ忘れるような餡子脳だってのはわかった。 ・・・・・・だが、そんなこともあろうかとお前らの発言もきっちり収録しておいたのさ」 ビデオはその後のことも録画し続けていた。 つまり、二匹が犯人を見つけて復讐を誓う場面もしっかりと録画されていたのである。 「えぇ~と確かここらへんだったな。ピッピッピッと・・・・・・」 リモコンを操作し、映像を問題のシーンまで進める。 『はんっにんをみつけて!かおのかたちがわからなくなるまでボッコボコにしてやるんだぜ!』 「・・・・・・だ、そうだが」 「「ゆ!?ゆ!?」」 「しかし、言った本人達が犯人だったということは、制裁の執行人がいなくなってしまうなぁ」 「そ、そうだよ!だから・・・・・・!」 「わかった。そういうことなら、僭越ながらこの俺が代わりに制裁を実行してやろうじゃないか!」 「「ゆゆっ!?」」 青年はそう言うとまりさの顔面を思いっきり殴りつけた。 「ふん!」 ドゴっ! 「ゆべぇぇぇ!?い、いだいぃぃぃぃぃ!!!」 「な、なにするのぉぉぉ!?おにーさぁぁぁん!!」 「お前もだよ。そら!」 れいむも同様に顔面を殴りつける。 「いだぁぁぁぁぁぁあああ!!」 ドゴ!バゴ!ベシ!ガスガス! 「ゆ、ゆべ!や、やべっ!やべ・・・・・・でっ!」 「いだ、いだい!いだいよぉぉぉ!ゆんやぁぁ!!」 その後、青年はまりさが言ったように顔の形が変わるまで殴り続けた。 「さてさて、お次は何をするんだっけかな?」 『それだけじゃすまさないよ!おめめだってくりぬいて、めのまえでむーしゃむーしゃしてあげるんだよ!』 「りょーかい♪とりあえず片目をくり抜いてやんよ」 ドスっ! 「ゆぎゃあああああああ!ば、ばりざのほうせきのようなおめめがぁぁ!!」 スボっ! 「ゆんぎゃああああああ!でいぶのよぞらにかがやくこうせいのようなおめめがぁあああ!!」 二匹は赤まりさと同じように右目を抉りとられ、あまりの痛みに辺りをのたうち回った。 「もっちもっち!お前らの目玉、白玉団子みたいでうめぇな。 もう片方は後で食ってやるから、とりあえず次いってみよう」 『あんよさんだってズタズタにしてやるんだぜぇ!うごけなくしてゆっくりといたぶってやるんだぜ!』 「次は足か。よっしゃ、このよく切れるカッタ―でズッタズタにしてやろうじゃないか」 ザク! 「ゆぎぃぃぃぃ!ばりざのがもじかのようなあんよさんがぁぁぁあ!!」 「ザックザクに耕してやるよ!」 ザク!ザク!ザク! 「や、やべでっ!ご、ごべんだざい!ごべんだざいぃぃぃ!あやばりばずがらっ!ゆるじでぐだざぁぁぁ」 『いくらごめんなさいしたって、ぜっったいゆるしてなんかあげないんだよ!』 「だってさ。あきらメロン♪」 「ぁぁぁぁぁいぃ!?や、やべでねぇぇぇ!あんよさんっ!いだいいだいじないでぇぇぇぇ!!」 足をズタズタに切り裂かれた。これでもう逃げることもままならないだろう。 「ゆ゙、ゆ゙、ゆ゙」 「も、もう、ごろじ、で・・・・・・」 「ふぅ。流石にもう限界か。充分いためつけたことだし。そろそろ楽にしてやろうか。ん?」 『えいっえんにゆっくりさせるなんてなまぬるいんだぜ! はんっごろしにしたあとオレンジジュースさんをかけてまたはんっごろしにしてやるのぜ! えいっえんのくるしみをあじあわせてやるんだぜー!』 「ああ、残念。まだまだ許されないようだ。ちょっとまってろ。オレンジジュース持ってくるから」 そう言いながら、青年は部屋から出ていった。 「ゆ、ゆぅぅ・・・・・・ど、どぼじで、ごんなごどにぃ・・・・・・」 「あんなに、ゆっくりしてたのに・・・・・・どぼじで・・・・・・」 この二匹は元々野良ゆっくりだった。 それを今の青年に拾われて飼いゆっくりになった。 それから二匹はとてもゆっくりとした日々を過ごしてきたのだ。 「ひょ、ひょっとして・・・・・・おにーさんは、ぎゃくったいおにーさんだったの、ぜ?」 「ゆゆ!?あんなにやさしかった、おにーさんが・・・・・・」 青年は毎日おいしいものを食べさせてくれた。 いっしょに遊んでくれた。 子供を作ることも笑顔で許してくれた。 それなのに、自分たちは騙されていたというのか。 「き、きっと・・・・・・おにーさんはまりさたちを、だましてたのぜっ!」 「ぞ、ぞんな・・・・・・!し、しどい!」 世の中にはゆっくりを虐めて楽しむ虐待鬼威惨と呼ばれる人間がいる。 まりさは野良時代、そうした人間に殺された仲間をみたことがある。 「ゆ、ゆぐぅぅ!ぐ、ぐやじいのぜ・・・・・・! このまりざのめをもっでじでも、あのくぞにんげんのほんっしつがみぬけなかったなんで・・・・・・」 まりさは涙した。 自分がもっと用心していれば、こんなことにはならなかったのだと。 「そんなことはないぞ、まりさ。俺は別にこんなことしたくてやってる訳じゃない」 青年がオレンジジュースを持って帰ってきた。 「な、なにいってるのぜ!よくもそんなことをぬけっぬけとぉ!」 「冷静になって考えてみろよ。今こうしてお前らを制裁してるのは元々お前らが言い出したことじゃないか」 「ゆゆ!?」 「俺は復讐なんてやめようって最初に言ったぞ? そもそも、お前らがチビを殺したりしなければこんなことにならなかったんだ」 「ゆ、あ、あああ・・・・・・!」 青年はバシャバシャとオレンジジュースを二匹にかけてやる。 二匹のゆっくりの体がある程度再生されていく。 「俺は有言実行をモットーとしていてね。だからこれはお前らが言ったことは忠実に実行しているだけに過ぎない。 つまり、今のこの状況はお前らの自業自得ってことだな。ゆっくり理解できたかな?」 「ゆぐぅぅぅぅ!!」 勿論、青年の言っていることは詭弁だった。 そもそも赤まりさが眠っている間に帽子を奪い、ゆっくり達が家庭崩壊するよう仕向けたのはこの青年である。 まりさの言うとおり青年が二匹のゆっくりを拾ったのは虐めることが目的だった。 可愛がる反面、日常のあちこちに死亡フラグをばらまき、何時自滅するのか観察するのがこの青年のやり方だったのだ。 例え、今日の事件がなかったとしてもいずれは自滅に至っていただろう。 だが、ゆっくり相手にはこの程度の詭弁でも充分論破できてしまう。 「ゆぐっゆぐっ!ま、まりざがばがだったのぜぇぇ!」 「ゆ、ゆぅぅぅぅ!ご、ごべんねぇぇ、おちびちゃん!おかぁさんがもっどじっがりじでいればぁぁ」 単純なやつらだと青年は苦笑した。 こんな馬鹿なやつらはゆっくりの中でも珍しいんじゃないのかとも思った。 「さ、そういうわけだ。続きを始めよう。なに、心配するな。殺しはしないさ。 お前らは犯人を殺すとは言わなかったからな。 ・・・・・・ただし、死んだ方がマシだとは思うかもしれんがな。ジョワ、ジョワジョワジョワ!」 「ゆわぁぁぁぁぁ!がんべんぢでぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「も、もうやだぁぁぁ!おうちかえるぅぅぅぅぅ!!」 こうして、まりさとれいむへの制裁はいつまでも続くのであった。 <了> 前作: anko2106_プラント
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※俺設定注意 ※希少種優遇あり。 「申し訳ありません、お客様。当店ではもう取り扱っていないんですよ。」 そう店員の胴付きてんこに頭を下げられる。帽子にはプラチナバッジ。最近はやりのゆっくり店員と言う奴らしい。 「まいったな・・・ここにないとなるとどこにも置いてないだろうしな・・・」 俺は思わず渋柿を食ったような顔になる。朝から10キロ以上歩いた結果がこれだよ!!って気分だ。 「本当に申し訳ございませんお客様・・・・かわりといってはなんですがてんこをいじめてうさをはらしてください!!めすぶたっていってください・・・ハァハァ。」 「いや・・・遠慮しておくよ・・・」 やたら興奮して迫ってくるてんこから逃げるようにして自動ドアから俺は店を出た。 「餡子ンぺ10夏」代償 作、長月 「はー・・・これでこの辺のゆっくりショップ全滅だよ・・・」 店を出た俺は大きなため息をつく。ここは家からは遠いが一番大きく品揃えのいいゆっくりショップだ。それでないということはもうどこにも売ってないということだろう。 ついこないだまで子供のおこづかいでも買えたアレがここまで入手困難になるなんて・・・ うちで待っている可愛いあいつの落胆する声が聞こえてくるようだ。 「・・・します・・んさん・・・」 ん?本当に何か聞こえてきたぞ。 「おねがいします。にんげんさん。」 俺は声のするほうを向いてみる。そこには薄暗い路地裏に一匹のれいむがいた。 そのれいむはバッジもなく全身薄汚れているので一目で野良とわかる奴だった。今時野良ゆっくりとは珍しい。昔は野良も大勢いたが、今は加工所の徹底した一斉駆除で野良ゆなどほとんど見かけなくなった。 「おねがいします。にんげんさん!!おちびちゃんをたすけてください!!」 そう叫ぶれいむの足元には一匹の傷だらけの赤れいむがいる。このれいむの子供なのだろう。 「うわ・・・こりゃひどい・・・」 そのれいむを一言でいえば「かわいそう」だった。 全身傷だらけな上、リボンもボロボロ。おそらくろくなものを食べていないのだろう。頬もこけて息も絶え絶えで今にも死にそうである。 「おねがいします!!れいむにできることならなんでもしますから!!おちびちゃんをたすけてください!!」 涙を目にため必死に頭をこすり付けて頼むれいむ。本ゆんには土下座のつもりなのだろう。 「このおちびちゃんはしんだまりさとのあいだにできたさいごのおちびちゃんなんですぅう!!!このこがしんだられいむはいきていけませんんん!!たすけてくれるなられいむのおりぼんでもいのちでもなんでもさしあげますから・・・」 「ああ、いいよ。」 「ぞんなごといわないで・・・え・・・。」 きょとんとした顔のれいむ。あまりにあっさり自分の要求が聞き入れられて拍子抜けしたのだろう。 「あ・・ありがどうございまずぅうううううう。」 「いいよお礼なんか言わなくて。ちょうど今オレンジジュース持ってるし。」 俺はペットボトルのふたを外し、オレンジジュースをなみなみとかけてやる。 「・・・ゆ?」 赤れいむは意識を取り戻した。傷もふさがったのでもう大丈夫だろう。飼いゆ用に買っておいたオレンジジュースが役に立った。 「おなか空いてんだろ?ほら、これ食っていいぞ。」 「むーちゃむちゃ、ち、ちあわせー!!!!」 俺は買い物袋からゆっくり用クッキーを取り出し赤れいむに与える。恐らく生まれてこの方ろくなものを食べてこなかったのだろう。赤れいむ涙を流して飛び上がって喜んでくれた。 「んーまだ身なりがきたないな。ちょっと待ってろ。」 俺は一旦さっき入ったゆっくりショップに戻り、赤れいむ用の替えリボンを購入する。最近は加工所の技術も上がり、安価でゆっくりの飾りをつくることができるようになった。世の中便利になったものである。 ちなみに会計のときさっきの店員てんこが「お客様・・・・てんこのまむまむからでるピーチネクターがただいま試飲サービス中です。飲んでいかれませんか・・・・ハァハァ。」とか言っていたが無視してきた。 早速先程の路地裏まで戻り、赤れいむに新しいリボンをつけてやる。ついでなので持っていたウェットテイッシュで体を拭いてやると見違えるほどきれいになった。 「ゆゆーん。ぴきゃぴきゃのおりぼんしゃんだよ!!」 「おちびちゃんよくにあってるよ。」 ゆっくりにとってお飾りは命の次に大切なもの。それが新しくなったのが相当嬉しかったらしい。 親子で涙まで流して喜んでいる。 「ありがとうございます、おにいさん!!おにいさんはおちびちゃんのいのちのおんじんです!!」 「いやいやお礼なんていいよ。」 「いいえ、いわせてください!!れいむこんなにやさしくされたのはじめてなんですぅううう!!!」 「いやほんとにいいってば。」 俺はそう言いながら赤れいむをそっと掴み 「それじゃあこの赤れいむ貰っていくからね。」 そのまま買い物袋の中へ入れた。 「・・・・え・・・」 思わずれいむは固まってしまう。袋に入れられた赤れいむも同様だ。 「さっきなんでもするって言ったよな。だったらこの赤れいむくれよ。見たとこ野良ゆっくりであるお前に他にやれるものなんてないだろうしな。おりぼんがどうとか言ってたけど雑巾は間に合ってるから(笑)」 「え・・・でも・・」 「いやー、こちらとしてもほんと助かったよ。俺、子ふらん飼ってるんだけど玩具にする生餌用の赤ゆっくりがどこにも売ってな くてねー。店の人の話によると最近法律が変わってバッジの付いた成体ゆっくりしか販売できなくなってるらしいんだよ。 なんか愛護団体の圧力が激しいとかで。捕まえようにも野良ゆっくりなんて加工所の一斉駆除のおかげで今はほとんどいないし、 どうしたもんかと思ってるところにお前らが来てくれたんだよ。見たところ虐め・・・もとい遊びがいのある顔だし、ふらんの奴 もきっと喜んでくれると思うんだ。おっともうこんな時間か。この赤れいむは俺が責任もって生かさず殺さず長生きさせるから安 心してくれ。じゃあな、れいむゆっくりしてけよ!!」 それだけ言うと俺は足早にその場を立ち去る。ふらんの喜ぶ顔が眼に浮かぶようだ。 後でなにかれいむが言ってるようだが気にしない。恐らくお礼がしたりないのだろう。 「いやー、いいことをした後は気持ちがいいな!!」 すがすがしい気分で俺は家路についた。 後書き いつもご愛読ありがとうございます。長月です。 本作のテーマは「赤ゆ、捕食種、玩具、愛で」短い小ネタにしてみました。 面白かった、ゆっくりできた、と言う方は下のゆっくりできたよ!!ボタンを押していただければ幸いです。 ご意見、ご感想、ご要望は感想用掲示板(長月用スレ)でおねがいします。URLも書いておきますので。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/ 今まで書いた作品 anko259 ゆっくりちるのの生態(前編) anko268 選ばれしゆっくり anko279 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 anko292 ゆっくり見ていってね anko304 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 anko313 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い anko333 夢と現実のはざまで anko350 あるまりさの一生 anko385 ゆっくりを拾ってきた anko425 ゆっくり Change the World(出題編) anko448 ゆっくり Change the World(出題編2) anko484 ゆっくり Change the World(解答編) anko497 あるゆっくりできない2匹の一生 anko542 てんこがゆっくりするSSさん anko558 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ anko577「餡子ンペ09」ゆっくりを愛でてみた anko613「餡子ンペ09」れいむと幸せを呼ぶ金バッジ anko633「餡子ンペ09」としあき博士のれいぱーありす矯正計画 anko735「餡子ンペ09」あるてんこの一生 メスブタの群れ anko764「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(前編) anko791「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(後編) anko932 誰も救われない話 anko1022 あるババ・・お姉さんの結婚 anko1057 もらうぞ anko1127 めすぶた祭り anko1224 あるちるのの一生 ずっと続いていく物語 anko1500 ある愛でお兄さんの午後 anko1530 どうして・・・ anko1629 ゆっくりというのは anko1638 とてもかわいそうなでいぶ anko1672 奇跡のドス anko1713 まりさときゃっしゅさん anko1775 ゆっくりしたおちびちゃん anko1836 希少種になる薬 anko1877 幸せまりさ一家 anko1898 となりにいるのは anko2000 最高のゆっくちプレイス
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おかあさんのおくちのなか ある日私が買い物から帰ると、ゆっくりの一家が居間を占領していた。 私の姿に気が付いた一際大きいれいむ、恐らく母親であろうれいむが、ぽよーんぽよー んと跳ねながら近付いてくる。 「ゆっくりしていってね!」 どうやら、私が鍵をかけ忘れた台所の窓から侵入したらしい。 どうしたものかと眺めて居ると、その後から親れいむの子供と思しき小型のゆっくり達 が、あるものはぽいんぽいんと軽快に飛び跳ねながら、あるものは転がりながら母親の周 りに集まった。 「ゆゆ? おにいさんはゆっくりできるひと?」 「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ! ゆっくりできないおにいさんはゆっくり しないでさっさとでていってね!」 「ゆっくりできるおにいさんなられいむたちにあまあまさんをちょうだいね!」 「「「「「「ちょうりゃいね!」」」」」 「ゆっくりしないではやくあまあまさんをもってくるんだぜ! でないといたいめをみる んだぜ!」 「「「「みりゅんだぜ!」」」」 おお、出て来るは出て来るは、直径40センチ程の親れいむに、子れいむが5匹、子まりさ が2匹、赤れいむ8匹、赤まりさ6匹の大家族だ。これまでの巣穴が手狭になり、子連れで引っ 越して来たのだろう。 床が三分にゆっくりが七分と言う壮大な眺めにしばし圧倒されていた私は、ふと常々疑 問に思っていたゆっくりの或る生態に関する疑問を解明しようと思い立った。 「勿論さ、僕はゆっくり出来るお兄さんだよ。その証拠にほら、沢山のあまあまを持って 来たよ!」 私はそう言いながら、先ほど「おかしのまちおか」で買ったお徳用チョコレートの袋を 買い物袋から取り出して見せびらかす。 「ゆゆ! そのあまあまさんをゆっくりはやくちょうだいね!」 「さっさとそのあまあまをまりさにちょうだいね!」 「りぇいむにもちょうらいにぇ!」 「ゆゆーん あまあまさんれいむのおくちにゆっくりおちてきてね!」 「ぐずなじじいはさっさとそのあまあまをおいてどっかにいくんだぜ!」 「ゆー♪ あみゃあみゃしゃんはしゅごきゅゆっくちできりゅよ! むーちゃむーちゃ…… ちあわせー!」 「ゆぎぎぎ、やめてね、おちびちゃんおねえちゃんのほっぺたたべないでね!」 「おちびちゃんきがはやいよ! ゆっくりまってね! おにいさん、さっさとそのあまあ まをかわいいれいむとれいむのおちびちゃんにちょうだいね!」 「ゆげぇ、おきゃーしゃんまりしゃをふみゃにゃいでにぇ!」 お菓子の袋を前に大興奮の一家。早くも我を忘れて押し合いへしあいだ……おいおい、 中には半分潰れてる赤ちゃんもいるぞ。 こんなところで数を減らされては、実験に差し障りが有る。私はお菓子の袋をしまいな がら、親れいむに向って話しかけた。 「お菓子をあげる前に、少し教えて欲しいんだ。れいむは敵が来ると赤ちゃんや子供を口 の中に隠すよね? あれって、何人まで入るのかな?」 あまあまへの期待によだれで顔中をべたべたにしていた親れいむは、急な質問に戸惑う。 確かに口の中におちびちゃんを隠すのはゆっくりの習性だ。しかし、意識してやっている わけではないので、改めて何人入るのかと聞かれても困る。 「ゆう……そんなのやってみないとわからないよ……」 「そう、それだ! 是非ここで何人のおちびちゃんが入れるか、試して貰いたいんだ。そ うしたら、このあまあま一袋はみんなのものだ」 「ゆゆ! ゆっくりりかいしたよ!」 ついに夢にまで見た人間のあまあまが手の届く距離に。興奮したれいむは、自分の周囲 に居た赤ゆっくり達に声を掛ける。 「おちびちゃん、おかあさんのおくちのなかにゆっくりはいってね!」 「「「ゆゆ! わきゃったよ!」」」 ゆっくり特有の長い舌を伸ばし、赤ゆっくりを一匹一匹口の中に運ぶ親れいむ。赤ゆっ くり達も親とのスキンシップが楽しいのか、 「ゆゆーん、おしょりゃをちょんでるみちゃいー」 「おきゃーしゃんのおくちのなかはしゅごくゆっきゅりできりゅよ!」 「ここはまりしゃのゆっくちぷれいしゅなんだじぇ!」 等と舌に巻かれて運ばれたり、口の中に入るのを楽しんでいる。 こうして五匹のあかちゃんが口の中に入った時点で、親れいむは舌をしまい、私に向き 直る。 「おにいさん、れいむのおくちのなかにはいるおちびちゃんは……たくさんだよ!」 「ああ、ゆっくりは3以上数えられないんだっけ。えーと、五人か。結構入ったね」 「ゆっへん!」 「……本当に、もうこれ以上は入らないのかい?」 私の質問に少し怯む親れいむ。確かに、ゆっくりのバカでかい口の中にはまだ余裕があ る。しかし、これ以上おちびちゃん達を入れたら自分もあかちゃんもゆっくりできないし、 あまあまを前に我慢も限界だ。 「そうだよ! もうおにいさんのごようはすんだんでしょ! やくそくどおりあまあまを ちょうだいね!」 「さっさとよこすんだぜ!」 「ぐずなじじいだね! もうれいむはおこったよ! ぷくー!」 親子揃っての大合唱に、このままでは実験の続行は不可能と見た私はお菓子の袋を破り、 地面にバラ撒く。 「みんなありがとう、ゆっくりたべていってね!」 一斉にお菓子に群がるゆっくり一家。親れいむは流石に口の中に赤ゆっくりを仕舞い込 んでいるのでお菓子に駆け寄ったりせず、子供達を舌で運び出している。まぁ、目はお菓 子に釘付けで口からはよだれがだらだらと垂れており、心ここにあらずといった様子では あるが。 「あかちゃんたちはゆっくりおかあさんのくちからでていってね!」 「ゆゆ! あまあまさんゆっくりれいむにたべられてね!」 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 「ゆががが、それはりぇいみゅのあまあまさんだよ! ゆっくりかえしてね!」 「へっへっへ、はやいものがちだぜ!」 ゆっくり達の注意がお菓子に集まったところで、ゆっくりの退路を断つべく部屋の戸じ まりを確認。すかさず別室に行き、こんな事もあろうかと用意して置いた新しいアイテム を持って来た。実験第二段階のスタートだ。 「うっうー! れみりゃだどー! たーべーちゃーうーぞー!」 私が持って来たのは、ゆっくりれみりゃの帽子である。これを被りながら、れみりゃの 真似をしてゆっくり達に声を掛けると…… 「「「「!!!? うわあああああああ! れみりゃだー!」」」」」 「ゆう、ゆぅ、やっちょたべれちゃよ……むーちゃむーちゃ、ち、ちあわせぇぇぇーー!」 私をれみりゃと誤認し、本能に従って硬直するゆっくり達……中にはお菓子に気を取られ るあまり気が付かないものもいるが、私が手近でむーしゃむーしゃしている赤れいむを踏み つぶし、そのままれみりゃのダンスの真似を始めると、慌てて逃げ出した。とはいえ、ここ は森の中ではなく私の家の居間であり、逃げ道はない。自然とゆっくり達は部屋の隅に集ま り、母親を中心に固まってしまった。追い詰められた事を悟ったのか、比較的大きめの子ゆっ くり達が膨らんで威嚇を始める。 「ぷくー! ゆっくりできないれみりゃはゆっくりしないでさっさときえてね!」 「ゆっゆっゆ、ままままままりささまはれれれれれみりゃなんかこわくないんだぜ!」 うーん、がんばるなぁ。私が親子愛に感心しているその隙に、親れいむは赤ゆっくりを舌 で巻き取り、口の中に入れてゆく。 「おちびちゃんたち! おかあさんのおくちのなかにかくれてね!」 「ゆゆ! おきゃーしゃんのおくちのなきゃならあんじぇんだにぇ!」 「れみりゃがきえるのをゆっくりまちゅよ!」 次々と親の口の中に隠れてゆく赤ゆっくり。遂に全部の赤ゆっくり─当初14匹、私が先ほ ど一匹踏み潰したので、現在は13匹─が口の中に隠れた。流石に親れいむは苦しそうで、脂 汗でぬとぬとになりながらも、表情だけは不敵に 「ゆゆーん、これでばかなれみりゃはあかちゃんたちにてがだせないよ! ゆっくりりかい してね! わかったらゆっくりしないでさっさとしんでね!」 と私に勝ち誇った態度で命令して来た。 「なんと……まだ喋る余裕が有るとは!」 私はれいむのぼせい(笑)に感動して思わずひとりごちてしまった。よし、これなら更に 実験を進める事が出来る。 「うっうー、おくちのなかににげたあまあまはたべれないんだどー! でも、ほかのあまあ まをたべればいいんだどー!」 親れいむの周囲で「ぷくー」と膨らみながら威嚇を続ける子ゆっくり達をオーバーアクショ ン気味に指差す。 「「「「どぼじでぞうなるのおおおおおおおおお」」」」 これまでは、狙われているのは赤ゆっくりだと若干高をくくって油断していた子ゆっくり 達は、自分を標的にされて恐慌状態に陥り、或るものは砂糖水の涙を流しながら立ち竦み、 或るものは震えながら母親に体を摺り寄せ、兎に角少しでも私から離れようと足掻く。 その内、子まりさの一匹が目を輝かせながら姉妹たちに提案する。 「ゆ! そうだ! まりさたちもおかあさんのおくちのなかにいれてもらうんだぜ!」 「ゆゆ!? それがいいね! おかあさんゆっくりいれてね!」 「ゆう……でもおかあさんのおくちのなかはもうおちびちゃんたちでいっぱいだよ……」 赤ゆっくり13匹を口に入れ、もう限界に近い親れいむ。しかし、危険におののく子供達を 前に、やめてね! とも言えずに困惑気味だ。そこで私はダメ押しとばかりに、れみりゃダ ンスを踊りながら近付く。 「うー、おくちのなかににげられたらこまるどー! はやくたべるどー!」 ついでに、先ほど口の中に入るのを躊躇っていた親孝行な子れいむを踏み潰す。これがきっ かけになり、子ゆっくり達もおかあさんの口の中に体を突っ込んで行く。 初めの内こそ「おちびちゃんたち、ゆっくりおくのほうにいどうしてね!」とか「おねえ ちゃんたちはそろーりそろーりはいってね! おちびちゃんたちをふまないでね!」等と子 ゆっくり達を受け入れて居た親れいむだったが、その内口を閉じて子ゆっくり達を阻み出し た。勿論それで諦める子ゆっくりではなく、 「ゆー、もうすこしではいれるんだぜ!」 「まりさ! ゆっくりしないでいそいではいってね!」 「ゆぎぎぎ…おねえじゃんおざないでぇぇぇ」 と言う具合に体というか頭をひねりながら、ぐいぐいと親れいむの唇をめくり上げ、歯を こじ開けて中に入って行く。当然、先客の赤ゆっくり達は奥に向けてぎゅうぎゅうと押し込 まれ…… 「ゆぎぎぎぎぎぎ……まりしゃおねえじゃんおざないでええええええ! でいぶのあんごが ぶべぇ」 「みゃみゃだじゅげぶべら」 「ゆげぇ……もっちょゆっきゅりじだがっだよ……」 親れいむの口の奥深くで、新たに三匹の赤ゆっくりがくぐもった悲鳴を上げながら潰され た。無残に飛び散った餡子は、その周辺で矢張り押しくらまんじゅうをしていた赤ゆっくり の口に飛び込む。突然の甘味に驚いた赤ゆっくり達は姉妹の亡骸を「ゆゆ!? あまあましゃ んがありゅよ」とばかりに食べ始めてしまった。普段ならそうした同族食いは親や姉によっ て止められるのだが、ここは真っ暗な親れいむの口の中、咎める者はいない。 「あまあましゃんすごくゆっくりできりゅよー!」 「むーしゃむーしゃ、ちあわしぇー!」 「ゆゆ、にゃんだかひろくなっちゃようにゃきがするんだじぇ!」 こうしてあまあまを食べれば自分のスペースも確保出来ると気付いた赤ゆっくり達は、遂 に目の前に広がる突き当りの壁、即ち親れいむの餡子を食べ始めた。 自分の体内で恐ろしい事が起こっていると気付いた親れいむだが、既に口の中には10匹の 赤ゆっくりに加え、5匹の子ゆっくりが入り込み、とても声を出す余裕はない。最早脂汗で表 面をてらてらぬらぬらと光らせながら、「ゆぎぎぎ」とか「ゆががが」とか意味の無い呻き 声を出すのみだ。 そして今、最後の子れいむがお尻だけを親れいむの口に突っ込んで顔だけを出しながら 「ゆっへん! これでれみりゃもこわくないね!」と得意顔を浮かべた。 ……そう、遂に全部の子供がれいむの口の中に入ったのだ! れいむのぼせい(笑)がこ れほどまでとは!! 知的好奇心をすっかり満足させた私は、この子供思いの優しい親れいむを賞賛すべく、れ みりゃの帽子を取ってこれまでの非礼を詫びた。残念ながら親れいむは気絶していて反応は 無かったが、口から顔だけ出した子れいむが 「ぷくー! れいむをだますなんてひどいね! おにいさんはおわびにあまあまをもってきてね!」 と言うので、手近にあった餡子を掬って嘗めさせてあげたら許してくれた。優しくて聞き 分けの良い子で助かった。 その後、私は子れいむの案内に従って親れいむを彼女たちの本来の巣穴の近く(近所の森 だった)に帰すと、新たに生じた疑問──果たして、まりさのすてきなおぼうしの中には、 何匹の「おちびちゃん」が隠れられるのだろうか──を解明すべく、今度は成体まりさを探 す事にした。 私の知的探求の旅は、まだ始まったばかりなのである。 おまけ 『ゆゆ!? ここはどこなの?』 親れいむが目を覚ますと、そこはあの暖かくて広い「ゆっくりぷれいす」ではなく、すっ かり日も暮れて真っ暗な森の中であった。一体何が有ったのか? れみりゃが急に襲って来 て、おちびちゃん達をお口の中に隠した所までは覚えているのだが……そうだ、おちびちゃ ん達を早くお口から出さなければ! おちびちゃん達、暗くて狭い場所に閉じ込めてごめんね! 「ゆげえっ! ゆげげげっ!」 親れいむが激しくえづくと、愛しい我が子達が飛び出して来た。どの子も唾液まみれだが、 幸い体がふやけて死んでしまいそうな子供はいなかった。 「ゆゆ! おかあさんゆっくりしていってね!」 「ゆぐぐ、ごわがっだよおおおお!」 「ゆげぇ……やっど……ひろいどごろにでられだよ……」 1、2、3……たくさん、とてもたくさん。全員の無事を確認した親れいむは、長く続い た悪夢のような一日がやっと終わったのだと思い、子供達にぺーろぺーろやすーりすーりを して落ち着かせる。 「でいぶのがわいいあがぢゃんだぢにごわいおぼいをざぜでごべんでえええええ!」 「みゃみゃー、ぺーろぺーろ」 「すーりすーり……それにしても、あのおうちはれみりゃがでてぜんぜんゆっくりできない おうちだったよ……」 「あんにゃおうちはまりしゃしゃまにふしゃわしくにゃいんだじぇ!」 「ゆわーん、もうおうちかえりゅ!」 どうやら今回のお引っ越しは失敗のようだ。仕方が無い、元のおうちに戻ろう。親れいむ はそう判断し、子供達を促して巣の方に移動しようとしたが、その瞬間黒い影が視界を横切っ た。 「うーっ! うーっ!」 「「「「「「「「れみりゃだああああああああ!」」」」」」」」 今度は人間の変装等では無い、本物の胴なしれみりゃだ。子供達は咄嗟に母親に近寄り、 母親がその頼もしく長い舌ですくい取って口の中に匿ってくれる事を期待したが、親れいむ は歯を食い縛って決して口を開けなかった。 「おきゃーしゃん、おくちにいれてえええええ」 「れみりゃごわいよおおおおお」 親れいむは口に向かって擦り寄ってくる赤ゆっくりを跳ね飛ばすと、 「ごめんね……おちびちゃんたちをおくちにいれると、ゆっくりできないよ! ゆっくりり かいして、がんばってついてきてね!」 と言い捨てて、巣穴の方に行ってしまった。どうやら実験のトラウマのせいで、赤ゆっく りを口に入れる事が出来なくなってしまったらしい。子ゆっくり達も慌てて親に従って去っ てゆく。赤ゆっくり達は一瞬呆然としたが、すぐにれみりゃの脅威が迫って居る事に気付き、 親を追って必死に飛び跳ねる。 こうして「おかああさんのおくちのなか」と言う最大のゆっくりぷれいすを失ってしまっ た彼女らに、安息の日は有るのか? 赤ゆっくり達の苦難のゆん生は、まだまだ始まったばかりだ。 このSSに感想を付ける