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一「京太郎君、パンツ当てクイズしようよ」 京太郎「……もう一度言ってください」 一「パンツ当てクイズしようってば」 京太郎「なんですかそれは……」 一「皆のパンツ持ってきたから誰のか当ててね」 京太郎「じゃ俺帰りますんで」 一「当てれたら本人を好きにしていいってさ、ボクも含めて」 京太郎「やります」キリッ 一「こっちの思い通りに動いてくれてありがとね」 一「はい、これ。頑張ってね」 『赤 黒紐パン エトペンバックプリント 絆創膏 金色』 京太郎(一つ最早パンツじゃないのに突っ込むべきか……) 一「じゃ当ててねー」 京太郎「まずエトペンバックプリントは衣さんですね。サイズ的にも」 一「当たりーハギヨシさんが作ったんだよそれ」 京太郎「金は透華さんですね間違いなく」 一「より派手にするって特注したんだよ」 京太郎「赤は井上さんで黒は沢村さんですか?」 一「うん当たり。二人とも勝負下着持ってきたって」 京太郎「それでこの絆創膏は……一さん」 一「うん。ボクのだよー全問正解だね」 京太郎「それにしても絆創膏って……」 一「今もだけど……剥がしてみる?」 京太郎「はい!?」 一「他人に剥がされるのは初めてだから……ちょっと激しくてもいいけど優しくね」 カンッ
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ガララッ 京太郎「ただいま帰りました~。今必要なものありますか?」 菫「すまないな、また買い出しを頼んでしまって。早急に必要なものは……牌譜用の用紙くらいかな」 京太郎「わかりました。えっと……あったあった、はい、どうぞ」 菫「ああ、すまない」 淡「あ、キョータロー!私が頼んだお菓子は!?」 京太郎「あ~、お前が言ってた奴な、売り切れだったんだわ」 淡「え~っ!そんな~……」 京太郎「そんかわり……ほれ、これ買っといてやった。このシリーズの新作らしいぞ」 淡「新作!?やった、ありがと、キョータロー!」 照「京ちゃ」 京太郎「はい、どうぞ、照さん。きっと欲しがると思ってもう一つ買ってきてありますよ」 照「ありがとう」 菫「…………」 京太郎「ふぅ。あれ?どうかしましたか、菫さん?」 菫「いや、あの問題児共をよくあれだけ簡単に、と思ってな」 京太郎「あはは、確かに慣れるまでは苦労しましたけど、慣れてしまえば案外分かりやすいもんですよ、あの2人は」 菫「そうなのか?私にはとてもそうは思えんが。特に照なんかは3年一緒にいるが未だによく分からん」 京太郎「あの人は基本的に麻雀とお菓子のことしか頭にありませんから。どっちも先頭を突っ走ることが好きなようで。 嫌いな種類のお菓子を除いて新作買っておけば間違いは無いです」 菫「なるほど。麻雀の方は勝手に先頭突っ走ってるしな、あいつは」 京太郎「淡に至ってはもっと簡単です。とにかく楽しければそれでOKです」 菫「楽しければって……というよりも、須賀、どうして急にそんなにもあの2人のことが分かるように……」 淡「あ、そうだ!ねぇねぇ、キョータロー、今日さぁ、夕御飯食べに行っていい?」 照「淡、今日は私の日。淡は明日」 淡「えぇ~、御飯くらいいいじゃん!」 照「そういって、前にそのまま残ったでしょ?だから許さない」 淡「テルーだってやってるじゃん!」 菫「…………なぁ須賀、私の聞き間違いか?まるでこの2人が須賀の家にいつも通っているように聞こえるんだが?」 京太郎「あ、あはは~……」メソラシ 菫「……なあ、淡。そういえばお前はいつ須賀にお菓子を頼んだんだ?」 淡「え?そんなの決まってんじゃん。昨日の夜のb、ムググッ!」 京太郎「淡!頼むから少し黙れ!いや、黙ってくださいっ!」 照「そう、淡は少し黙るべき。今日は私が京ちゃんを味わう日だから」 京太郎「畜生っ!この人こんな時だけ饒舌になりやがる!」 菫「…………須賀、照、淡……」 京太郎「ひっ……!は、はい、なんでしょう……?」 照「?どうしたの、菫?」 淡「なんかあったの、スミレ?」 菫「あれほど、部内での風紀を乱すなと、口を酸っぱくして言っていたよなぁ、私は……?」メラッ… 京太郎「……ハイ」 照「……」ブルブル 淡「あわわわ……」 菫「今すぐそこに正座だっ!お前達の根性、叩き直しやる!!今日は帰れないものと思えっ!!!」 京太郎・照・淡「い、いやああぁぁぁぁっ!!」 カン!
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京太郎「あの、竜華さん。少しいいですか?怜さんのことで相談が……」 竜華「怜の?どうしたん?」 京太郎「怜さんの未来視の能力、あれって絶対代償ありますよね?普段はそんなようには見えないですけど、 前に姫松高校と練習試合した時……」 竜華「……ちょっとフラついて帰って来たな、確かに。うん、せや。怜の能力には代償が存在しとる」 京太郎「それって一体何ですか!?まさか、危険なものじゃ……!」 竜華「……怜にとってはちょっと危険かも知れん……あれな、使うと体力持ってかれるらしいねん」 京太郎「そんな……だったら!」 竜華「うん、ウチらもそれ知ってから止めたんよ。でも、怜は部のみんなの為にってやめへんねん。やから、 せめて『ときシフト』敷いて、ってなってんねんよ」 京太郎「……聞く限り、1巡先を読む、ってことですよね?何回くらい使うと危ないんですか?」 竜華「実は1巡やったら割と回数こなせるみたいやねん。前、放課後練習やけど一日の全卓で使っても倒れへんかったって 言ってたし」 京太郎「その言い方だとまるで……」 竜華「せや。怜はやろうと思えば2巡先を見ることも出来る。けど、これは絶対にさせへん。ウチらが禁止にした。 なんせ、怜がこれを始めて使った時、たった一回で倒れてもうたんやから…… まあ、そのおかげで能力の代償を知れたようなもんやけど」 京太郎「……恐らくですけど、怜さん、まだ2巡先を練習してますよね?」 竜華「……せやろな。そうとしか思えへん時が確かにあるから。けど、シラを切られたらもうどないしようも無いから……」 京太郎「なるほど……スイマセン、竜華さん、時間取らせてしまって」 竜華「ううん、ええよ。京くん、こんな重い話聞かせといてなんやけど、京くんも一緒に、怜の事支えてやってくれる?」 京太郎「ええ、勿論です。怜さんは俺の尊敬する先輩の1人ですから」 竜華「そっか。ありがとうな、京くん」 京太郎「いえ……」 ~~~~ 怜「あ~、疲れた~。京太郎~、膝枕~」フラフラ 京太郎「またですか?しょうがないですねぇ。はい、どうぞ」 怜「ん、おーきに。あ~、やっぱ京太郎の膝は落ち着くわ~」 京太郎「お疲れ様です、怜さん。しばらく休んでいていいですよ」ナデナデ 怜「ほうか?ほんなら、お言葉に甘え……て…………Zzz」 京太郎「…………」ナデナデ 京太郎(いくら皆のためとは言え、怜さんの能力は怜さんにとって危険すぎる……かと言って一方的に封印するのも忍びない。 …………だったら) 京太郎「これしかない、よな。ゴメンな、母さん。でも少しくらい、許してくれ……」 キ…ン セーラ「ロン!6000、さんぜ……っ!?」ゾクッ 竜華「ん?どうかしたん、セーラ?」 セーラ「い、いや、なんか今、妙な寒気が……」キョロキョロ 竜華「??クーラー入れすぎやったかなぁ?」 ~~時は流れて全国準決勝の日~~ 怜「ほな、行ってくるわ」 竜華「怜、臆しなや!」 セーラ「そうやぞ!チャンピオンとか言っても俺らと同じ高校生やねんからな!」 京太郎「怜さん、頑張ってください。でも、あまり気負いすぎないでくださいね」 怜「大丈夫や。ウチに任せとき!」 怜(1巡は完璧、ダブルも家で練習はしてきた……流石に乱用はヤバイんやろうけど、後半戦に絞れば……いけるはずや!) ~~~~ 照「ロン、8000」 煌「すばらっ!?」 恒子『前半戦終了~~!終わってみればチャンピオンの圧倒的一人浮き!他の3校は後半戦で巻き返せるのかーー!!』 テクテク 怜「ただいま~」 竜華「おかえり、怜。後半戦、いけそう?」 セーラ「怜が1巡先見てようがお構いなしって感じにバカスカ和了ってたもんなぁ」 怜「ん、多分大丈夫やと思う。ちょっと点差大きなってもうたから捲るのは無理かも知れんけど、 せめてピッタリ後ろに付くとこまでは行ったるわ」 京太郎「怜さん、頑張ってください。微力ながら俺も力をお貸ししますので……」 怜「おう、任せとき。京太郎も応援頑張ってくれな?」 京太郎「勿論です」 ~~~~~ 照「ロン。10200」 恒子『決ぃまった~~っ!!チャンピオン、これで怒涛の6連続和了!!止まりません!止められません!!』 怜(あかん……このままやと点差が……!まだ東場やけど、やるしかない……!) ―――― セーラ「うわ、マジかぁ。えげつないなぁ、チャンピオン」 竜華「怜……」 京太郎「きっと大丈夫ですよ、怜さんなら。あ、ほら今度はいい配牌ですよ」 セーラ「お、ホンマや!しかも2巡で一向聴!これやったらいけるはずや!」 京太郎「ええ、チャンピオンの快進撃もきっとここまででs……っ!」 竜華「??どないしたん、京くん?」 京太郎「い、いえ。ほら、怜さんがあまりにもドンピシャな牌を引いたからビックリしまして」 竜華「え?あ、ホンマや!聴牌や!」 セーラ「おっしゃ!良形3面張!って、ええ!?なんでそっち切んねん、怜!」 ―――― 怜(このツモで聴牌。捨て牌は二択。やけど、待ちの広なるこっちはチャンピオンに鳴かれて新道寺の捨て牌で和了される…… ホンマ恐ろしいやっちゃな……でも、これであんたの連続和了も終いやっ!)タンッ! 照「……」タン 怜「それ、ロンや。8000の4本場は9200!」 照「っ!?はい……」 ―――― 竜華「やった!怜が和了った!」 セーラ「よっしゃ、チャンピオン止めたで!まだ親番も残っとるし、いけるで!」 京太郎「…………」 ―――― 怜(……なんやろう?なんかおかしい……確かに練習はしとった。けど、それでもダブル使ってこれは……)タン 玄「……」タン 照「ロン。1300」 怜「っ!」 怜(速いっ!また更にギア上げてきたっちゅうんか!?……いや、考えてもしゃあない。どんな訳か知らんけど、 ダブルが使えるんやったら……) 怜「あんたの好きにはさせへん……!」 ―――― 怜『ツモ!2900オール!』 恒子『おお~っと、千里山・園城寺選手、チャンピオンのお株を奪う3連続和了!!これは面白いことになってきたぞ~っ!!』 セーラ「なんや、怜、めっちゃ調子ええんちゃうん?」 竜華「うん、うん!これはもしかしたらもしかするかも……!」 京太郎「…………ぐっ……!」 セーラ「およ?どないかしたか、京太郎?」 京太郎「あ……い、いえ、何でもありません」 竜華「……なあ、京くん。さっきから随分と調子悪そうやけど、ホンマに大丈夫?」 京太郎「ええ、何も問題ありませんよ」ニコ セーラ「マジでやばかったらちゃんと言えよ?怜のこともあるし、俺らはそういうの慣れっこやからな」 竜華「せやで。遠慮なんていらんからな」 京太郎「はい、ありがとうございます……」 京太郎(はは、これはキツイな……でも、正解だった。やっぱり、これは怜さんには背負わせてはいけないものだったんだ……) ―――― 怜(あれからチャンピオンは更にギア上げてきよった……けど、ウチの方もダブルでなんとか食いついたった。 オーラスの今、チャンピオンが16万でウチが11万……せめてもう一和了詰めたいけどダブルやと心もとない…… やったら……!) 怜「悪いな、みんな。ちょっと無理させてもらうで……」ボソ 怜(トリプルやっ!!)カッ! ―――― 京太郎「っっ!?……うぐっ!」 竜華「!?きょ、京くん!?」 セーラ「おい!どないしたんや、京太郎!!」 京太郎「うぁ……」 京太郎(これは……ダメだ、引き受けきれない……っ!このままじゃ、怜さんが……!) 京太郎「ぅくっ……りゅ、竜華、さん……」 竜華「!!なんや?どうしたん?」 京太郎「と、怜さんに、念のため救急車、を……お願い……しま、す……」ガクッ 竜華「きょ、京くん!?京くんっ!!」 セーラ「こらアカン!泉!救護室に連絡入れろ!」 泉「は、はいっ!!」ダダッ ―――― 怜(っ!やっぱトリプルは無茶やったんか……?でも、見えたで。最後の最後、跳満への道が……!)フラッ 怜「っとと……はは、流石にキツイなぁ……でも、これで」タン 煌「ポンッ!」タン 怜(2巡目、聴牌……)タン 玄「……」タン 照「……」タン 煌「……」タン 怜(3巡目、ここやっ!)タンッ 玄「……」タン 照「……」グッ 照「…………」タン 怜「ロンや!12000!」 照「……はい」 恒子『先鋒戦、終~~了~~!!なんとなんと、千里山高校後半戦怒涛の追い上げ!一時大きく空けられた差を 3万弱にまで詰めてきたーーーっ!!』 ―――― コツ… コツ… 怜「ただいm」 竜華「怜!大変や!京くんが……京くんが!!」 怜「ちょっ、竜華、どないしたん?京太郎になんかあったん?」 セーラ「さっき、オーラスん時にいきなり倒れてもうたんや!」 怜「っ!?」 怜(南入くらいから?オーラスの時?それって、ウチがダブルとか使い始めたのと……なんか嫌な予感がしよる……!) 怜「竜華!京太郎は今どこおるん?!」 竜華「い、今は会場の救護室や。一応浩子が付いてくれとるんやけど……」 怜「ウチが付く。ちょっと聞きたいことも出来たことやし、丁度ええから」 竜華「で、でも、怜、あんたもちょっとフラついとるやん!」 怜「ウチやったら大丈夫やから。竜華達は泉の応援しといたってや。ほな行ってくるわ」パタン ~~~~ 京太郎「……う……ここ、は……」 怜「京太郎、起きたんか?」 京太郎「え?あ、怜さん。スイマセン、迷惑かけちゃいましたね」 怜「……なぁ、京太郎。正直に答えてや?京太郎が倒れたんとウチの能力のこと、なんか関係あるやろ?」 京太郎「……何を言ってるんですか、怜さん。どうしてそんなこと……」 怜「京太郎。ウチは真剣に聞いてるんや。もう一度だけ聞くわ。どうなん?」 京太郎「…………確かに、あると言えばありますね。ですが、これは俺が勝手にやったことで……」 怜「やっぱり……!どういうことなん、京太郎!?さっきの試合、ウチはダブル使うても全然しんどくならへんかった。 やから、オーラスには思い切ってトリプルも使った。けど、あんた、もしかして……!」 京太郎「……はい、ちょっと”会話”して、怜さんが消費するはずの体力を俺から奪うように矛先を変えてもらったんです」 怜「……どういう、ことやねん。なんであんた、そんなこと出来んねん」 京太郎「皆さんには話してませんでしたが、俺は大阪に来る前は鹿児島にいたんです。そこにあるとある神社、 俺の実家にもあたるそこでは、時々特殊な人間が生まれます。 怜さんは永水女子の神代小蒔さんを見たことはありますか?」 怜「永水の?一応あるけど……」 京太郎「彼女もそういった特殊な人間の一人。要は、神様をその身に降ろす、いわゆる降霊術を神様レベルにまで 引き上げたようなものです。 そして……俺もその一人です。俺が降ろすことが出来るのは、須賀神社が祀る祭神・須佐之男命。 八百万の神々に顔がきく彼に協力してもらって怜さんに力を与えているモノに話をつけたんですよ」 怜「やからって……ウチが体力取られへんでもあんたが危険な目にあっとったら意味ないやんか!なんでこんなこと……」 京太郎「怜さんはいつも周りのみんなの為に努力していました。俺はそんな怜さんを尊敬しています。 ですから、少しでも怜さんのお役に立ちたい、と、そう思っただけですよ」 怜「……京太郎。それ、今すぐ取り消してくるんや。ウチのせいで京太郎が倒れるんは見たない」 京太郎「嫌です」 怜「な、なんでや!ウチはあんたのこと心配して……!」 京太郎「怜さんこそ、竜華さん達が止めているにも関わらずダブルや、果てはトリプルまで使ったんでしょう?」 怜「そんなん、ウチはみんなの為にウチに出来ることを……」 京太郎「俺も同じですよ。千里山麻雀部が勝利を収めるために俺が出来る限りのこと、それをやっているだけです。 幸い、俺は怜さんより体力がありますからね」ニコ 怜「……どうしても、か?」 京太郎「どうしても、です」 怜「…………京太郎。あんたの感覚でええから、これだけは教えといて。ダブル、何回まで耐えられる?」 京太郎「…………6回。恐らくそれが限界です。トリプルを入れるのでしたら……」 怜「いや、もうトリプルは使わへん。こんなことになってもうてんから……」 京太郎「……そうですか。ですが、それだとチャンピオン相手は辛いのでは?」 怜「はっ、ウチを誰やと思てんねん。ウチは関西の名門・千里山の誇るエース、園城寺怜やで!」 京太郎「……ええ、そうでした。怜さん。勝ってください。みんな、それを望んでいます」 怜「当たり前や……あんたもちゃんと見ときや。ウチの勇姿を」 京太郎「ええ、勿論です」 その後、千里山高校は無事決勝に進出。その決勝先鋒戦では準決勝より一段と激しい攻防が繰り広げられた。 怜はまたも照に収支で敗れはするも、その差は僅かに1万点以内であった。そして…… チームの結束をより強固にし、千里山高校は辛くも優勝をもぎ取った。 優勝に沸き立つ部員達の中には、苦しそうな汗を浮かべながらも満面の笑みを零す京太郎と、 こちらも満面の笑みに更に涙を浮かべて抱きつく怜の姿があったとか…… カン!
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憧「それじゃ次は~」 京太郎「おーい、ちょっと休もうぜ…」 憧「なーに?だらしないわね」 京太郎「荷物全部持たせといてかける言葉がそれか」 憧「次は京太郎に下着を選んでもらいたい――」 京太郎「さぁ行こう!すぐ行こう!!」 憧「――なんてことは思ってないんだけど」 京太郎「よくも騙した!騙してくれたなぁぁぁ!」 憧「あんたと下着買いになんて行くわけないでしょヘンタイ」 憧「そういうのは和といっしょに行くわよ」 京太郎「…和と?」ジー 憧「…どうしてあたしの胸を凝視してるのかしら?」ピキッ 京太郎「現実は非情である…」ハァ 憧「サイテー!バカ!スケベ!!」ウガー 京太郎「そんな大きな声出すなよ………ん?」 幼女「♪~」テッテレー 憧「……だいたいねぇ!って、ちょっと!聞いてるの!!?」 京太郎「なぁ憧、アレって…」 憧「なによ!」 京太郎「アレ」 幼女「♪~」 憧「あの子がどうかしたの?」 京太郎「1人でフラフラしてるし、もしかしたら迷子なんじゃないか?」 憧「……そう、かも」 京太郎「だよな…っておい憧!?」 憧「ねぇあなた1人?お母さんとか一緒じゃないの?」 幼女「パパとママどこかいっちゃったからさがしてるの」 憧「そっかー。よかったらお姉ちゃんたちもパパたちを探すのお手伝いしてあげよっか?」 京太郎「………ほぅ」 幼女「ほんとー?ありがとーおねーちゃん!」 憧「あなたお名前は?いくつ?」 幼女「サキ!4さい!」 京太郎「ブッ!?」 憧「なに!?びっくりするじゃない!?」 京太郎「悪い、なんでもないから…」 京太郎(サキって名前は迷子にならなきゃいけない決まりでもあるんだろうか…) 憧「それじゃ……そうだ」 京太郎「?」 憧「京太郎、荷物貸して。それでね――」 京太郎「よっこらっせっと」 サキ「うわー!たかーい!」←京ちゃん肩車 憧「そこからならよく見えるでしょ?パパとママも見つけやすいわよー」 サキ「うんっ!」 京太郎「で、どこ行くんだ?」ヒソヒソ 憧「迷子センターとかサービスカウンターとかそんな感じのところ行って、両親呼び出してもらえばいいでしょ」ヒソヒソ 京太郎「あいよ、それじゃ出発進行~」 サキ「しんこ~」 そんなこんなで サキ「それじゃバイバーイ!!」ブンブン 憧「ばいばーい」ヒラヒラ 京太郎「もう迷子になるなよ~」 憧「可愛かったわね」 京太郎「そうだなぁ。それにしても…」 憧「ん?」 京太郎「ずいぶん子どもの扱いに慣れてるんだなぁと思ってさ」 憧「そう、かな?まぁ実家の方で小さい子の面倒見ることとか結構あったから…」 憧「そのおかげかもね」 京太郎「憧はいい母親になりそうだなって思った」 憧「ふきゅ////」 京太郎「ん?………あっ」 京太郎「いやいやいや!深い意味は無いぞ!!??」 憧「…無いの?」 京太郎「あ、あぁ~…いやそのなんというかだな…」 憧「あたしは…うぅん、あたしもあの子とすぐに仲良くなって遊んであげてる京太郎を見て…」 憧「良いお父さんになってくれそうだなって思ったよ?」 京太郎「ッ~~~////」 憧「////」 京太郎「あの、な?」 京太郎「さっきのに深い意味は無かったけど…」 京太郎「そういうつもりは、あるから」 憧「それって」 京太郎「憧とそういう風になりたいって思ってるってこと」 憧「京太郎…!」 京太郎「この先就職して一人前になったらちゃんとするから、そのときまで待ってて欲しい」 憧「ぅん……うんっ!」 京太郎「なに泣いてんだよ」 憧「な、泣いてないし!」グスッ 京太郎「ハイハイ」ポンポン 憧「約束だからね、あたしずっと―」 カン 憧「ねぇねぇ京太郎は何人くらい子ども欲しい?あたしは―」 京太郎「気がはえーよ」 もいっこカン
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京太郎「あぁ…暑い…溶けるわ……」 玄「京太郎くん! 夏休みだからってだらけてちゃだめだよ!」 京太郎「玄お姉ちゃんこんな暑いのによく平気だよね…」 玄「お姉ちゃんのお世話で暑いのには慣れているのです!」ドヤッ 京太郎「宥お姉ちゃんの世話はしなくてもいいの?」 玄「今日は友達と宿題やるからって出かけてるんだ。ところで京太郎くんは宿題終わった?」 京太郎「……」 玄「じゃあ今日は玄お姉ちゃんが京太郎くんの宿題を見てあげるね」 京太郎「えーっ、ちょっと遊ぼうよー」 玄「遊ぶのは宿題終わったらね?」 京太郎「あっ! その前に洗濯物溜まってるから洗濯しないと…」 玄「それはもうしておいたよ」 京太郎「部屋の掃除もしておかないと…」 玄「それもお姉ちゃんがしてあげたのよ」 京太郎「ちょっ!? 勝手に部屋に…」 玄「あの本のおもちもなかなかのものだったね」 京太郎「…玄お姉ちゃんならまあいいか」 玄「さあ諦めて宿題をやるのです!」 京太郎「宿題とかやりたくないな…」 玄「頑張ったいい子には私のお気に入りのおもち本を…」 京太郎「よし! じゃあ今日で一気に宿題終わらせちゃうぞ!」 京太郎「うーん…」 玄「……」カリカリ 京太郎「わっかんねー、この問題まったくわっかんねー」 玄「んっ…どれかな? お姉ちゃんが教えてあげる」 京太郎「この問題なんだけど…」 玄「……」 京太郎「玄お姉ちゃん?」 玄「この問題ちょっと難しくて時間かかるかなー、他にも何かあるかな?」 京太郎「ならこの問題は…」 玄「……」ダラダラ 京太郎「玄お姉ちゃんどうしたの? すごい汗だけど…」 玄「あはは…この部屋ちょっと暑くって…」ダラダラ 京太郎「クーラーかかってるのに?」 玄「お姉ちゃん暑がりだから…」 京太郎「宥お姉ちゃんの世話で慣れてるんじゃないの?」 玄「……」 京太郎「それよりさ、この問題を…」 玄「うぅ…」プルプル 京太郎「お姉ちゃんもしかして…」 玄「わからないのです…」グスン 京太郎「ほっ、ほら! 学校違うからきっとやってるところが違うんだよ…」 玄「でも弟に勉強教えられないなんてお姉ちゃん失格なのです…」シクシク 京太郎「わわっ! 泣かないでよお姉ちゃん!」 玄「うわーん! 京太郎くーーん!」ビエーン 京太郎「よしよし…泣かない泣かない…」ナデナデ 京太郎(やっぱ玄お姉ちゃんってどこか頼りないなぁ…) カン!
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ごめんね、咲ちゃんと幼なじみの母親に謝られながら 宮永咲は玄関で靴を脱ぎ、揃えてから上がりかまちを越える。 幼なじみ――須賀京太郎の家は一般的な住宅よりも立派である。 飼っているペットが特殊なこともあり庭も広く、フローリングや壁もぴかぴかだ。 サラリーマンならこういう家を買えれば同窓会ではヒーローなのではないかと 思うが、実のところ咲はあまりぴんときていない。咲の性別は女だったし、 歳もまだ十六を過ぎたところだからだ。 咲がなぜ京太郎の家にあがっているかというと、その幼なじみが風邪を引いて 連絡事項や宿題などのプリントを届けるためである。 京太郎と登下校をすることはここ三ヶ月で極端に減っており、ちょっと緊張したのは 咲だけの秘密だ。 体力には自信があると豪語する京太郎が風邪をひく事自体珍しかったが、 もう三日も学校を休んでいたので、咲は心配だった。 「京太郎ー! 咲ちゃんきてくれたわよー!」 京太郎の母親が上階に向かって叫ぶと、とたんに上からがたがたと物音がして、「やべっ」と 小さく声が聞こえてくる。 「あの子また……」 呆れてこめかみに指を当てる京太郎の母。咲ちゃん、構わずあがっちゃって、と促され、 咲は小さくお辞儀をしたあと遠慮がちに階段をあがった(途中で足を滑らせそうになった)。 ばれてなかったよね、と思いつつ京太郎の部屋の前まできて、ノックをする。 「京ちゃん、はいるよ?」 「まてまて!」 慌てた声を無視して咲は部屋の扉を開けた。ほんのちょっと怒っていたからだ。 部屋に入ると、京太郎の家で飼っているカピバラが真っ先に目に飛び込んできた。 京太郎の部屋に居た大きくて愛嬌のある動物は、体を丸めて眠っている。 咲は一瞬顔をほころばせたが、頑張って表情を作り直し、半目でベッドのほうを見ると、 ベッドの縁に足を残したまま、床にうつぶせになってこちらを仰ぐ幼なじみの情けない 姿があった。 掻き抱くようにしていた腕の下にはたくさんの紙――牌譜があり、ベッドのうえ、枕元には 急いで閉じたっぽいノートパソコンがある。 「……京ちゃん」 「お、おはようございます、お姫様」 全然かっこよくない。咲はむっとしながら京太郎にまくしたてる。 「もう夕方だし、お姫様にそんなかっこで話しかける人はいません。……また、麻雀やってたでしょ」 「いやこれは」「京ちゃん」「はい」 言い訳に被せると眉尻を下げて聞く体勢にはいる京太郎。ずるずると匍匐前進して足を床へ 寄せ、正座する。 「なんで、風邪ひいてるのに麻雀やってるの」 「だ、だって。二日目でもう熱もだいぶひいたし、暇だったから」 咲ははあ、と大きなため息をついて京太郎の顔を覗き込むように体を寄せる。 京太郎はちょっと身を引いて、 「俺今結構汗臭いぞ」 「病人に綺麗も汚いもないよ」 避ける京太郎に返しながら、咲は京太郎の額に手の甲を当てた。 やっぱり、と咲は頬を膨らませる。 「まだすごく熱いじゃん……。38℃あるでしょこれ。体温計でちゃんとはかった?」 「い、いや……」 なんとかごまかそうとしたが、言葉が出てこなかったのか素直に京太郎は返事をする。 頬も赤いし、いつもの溌剌とした顔じゃないから、実のところ咲は姿を見た瞬間わかっていた。 「お布団はいって」 固く言うと、京太郎は粛々とベッドにあがり、掛け布団の中にもぐる。 こういうとき、咲がてこでも動かないのは京太郎も知っていたからだろう。 咲は見届けたあと入り口に置いていた鞄からプリントを取り出し、京太郎に説明する。 「これ、宿題と、学校の連絡」 「悪いな」 上目遣いで礼をいう京太郎に、咲は項垂れながら京太郎に言った。 「みんな心配してたんだよ。染谷先輩も、優希ちゃんも……和ちゃんだって」 「……」 「それなのに、休まずに麻雀打ってるし」 「……悪い」 咲が糾弾すると、途端にしょんぼりとして謝る京太郎。 ずるいなぁ、と咲は思う。そんな顔をされたら、もっと強く怒ろうとおもっていたのに、 気をくじかれてしまうのだ。 「ちゃんとしないと、治るものも治らないよ」 「ごめん」 京太郎はまた謝罪を口にしたあと、 「咲」 「なあに?」 「ありがとな」 口元を緩めて礼をいう京太郎に、咲はやっぱりどきっとしてしまう。 普段の元気さがなく、髪もぺたんとしていて全然雰囲気が違っていて。 顔にださないように頑張っていると、京太郎が目を閉じてからすぐに 小さな寝息が聞こえ始める。 (……やっぱり) 予想があたっていて、咲は泣きそうになる。 京太郎はちっとも暇ではなかったのだ。 確かに京太郎は中学時代ハンドボール部で活躍するほど体力に優れていたし 運動神経も高かったが、熱を出しても平然としていられるほど人間離れしてはいない。 ――つまり、病気を押して麻雀をしていたのだ。 (私は、京ちゃんと一緒に麻雀を打てるだけでじゅうぶんなんだけどな) でも、京太郎は違うのだろう。 男の子の気持ちはよくわからないけれど、咲はそう感じる。 きっと、もっと強くならないと京ちゃんはだめなんだ。咲は京太郎の目にかかった前髪を 指先で撫で避けて、唇を噛んだ。 意を決して足下に散らばった牌譜を一つ一つ読んで行くと、 京太郎の上達具合や、丁寧に添削されているのがわかる。 とても強くなった。咲は身びいき抜きで頷く。 (まだ、足りないんだ) 丁寧に紙束を纏めてから、咲は鞄から筆箱を取り出し、京太郎が普段使っている 机についた。 今度はじっくりとつぶさに調べる。 京太郎の打ち筋の傾向を確認して、ここはどう打てばいいのかとか、 次に気をつけたほうが良いところはどこなのかとか、 すみのほうに字が崩れないようにメモする。 (次は、私の番だ) 咲は固く決意する。 中学のときや、入学してから。そして、大会のとき。 京太郎はいつも隣に居て、咲を支えていた。 そういうことを面と向かって言うときっと京太郎は困ったように否定すると咲は知っていたけれど。 でも、そこも京太郎の魅力だなぁ、と咲は思う。 たくさんの感謝と――まだ言葉にできない想いを込めて。 (京ちゃんが、強くなれますように) 咲は一度京太郎の寝顔を遠くで眺めたあと、再び机に向き直って筆を走らせた。 終わり
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宥「京くん、今日はありがとね」 京太郎「お礼なんていいですよ、旅館の仕事をお手伝いしただけなんですから」 宥「ううん、すごく助かったよ、ありがとう」 京太郎「……結局プレゼントも思いつきませんでしたし、男の俺が出来るのもこれぐらいかなって」 京太郎「……あんまりいいアイディアじゃなかったかも」 宥「そうかな?私はとっても良いプレゼントだと思うけど。京くんは、とってもあったかいし」 京太郎「どういうことです?」 宥「あっ、今のはえっと…」 宥「京くんが一生懸命働いてるおかげで、旅館がなんだかあったかい気がして…」 宥「それに私も玄ちゃんも、あったかーくなるから…これからもお手伝いしてほしいなって。だめ、かな」 京太郎「……敵わないなぁ」 宥「?今何か言ってたかな?聞こえなかった…」 京太郎「いえ何も。分かりました、暇さえあればちょくちょく手伝いに来ますよ」 宥「ほんと?えへへ…」 宥「これからも、よろしくね」 京太郎「こちらこそ」 終わり
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憧「~~♪」 望「あれ…今日って京太郎くんとデートの日だっけ?」 憧「うん、ちょっと新しい洋服買うのに付き合ってもらうんだー」 望「いいなー私も彼氏欲しいなー」 憧「京太郎はあげないからねっ!」 望「だってさー、京太郎くん愛されてるわねー」 京太郎「愛されちゃってますねー」 憧「ふきゅ!? 京太郎なんで家にいるの!?」 京太郎「11時に迎えにいくって言った、そして今11時、OK?」 憧「うわっ!? ほんとだいつの間に!?」 望「まあ京太郎くんの相手は私がしておいてあげるから早く準備しちゃいなさいよー」 京太郎「早くしてくれよー」 憧「ごめん! 出来るだけ急ぐからもうちょっとだけ待ってて!!」 望「外暑かったでしょ、はい冷えた麦茶だよ」 京太郎「あっ、どうもすいません」 望「ところでさ、京太郎くんは憧とどこまでいっちゃったわけ?」 京太郎「どういうことです…?」 望「キスくらいはしたわよね? もしかしてもうエッチくらいしちゃってる?」 京太郎「あっ…それはその…」 望「うんうん高校生だもん、そりゃ盛ってるわよね。避妊さえちゃんとしてれば私は何も…」 京太郎「いえ、憧とは清い付き合いを…」 望「恥ずかしがらなくていいって、あー私も久しぶりにエッチしたいなーっ!」 京太郎「ですからほんとに憧とそういうことしてないですって!!」 望「……ほんとに?」 京太郎「まだキスすらしていませんって」 望「えぇ…あの子ってば付き合ってどれだけ経つと…」 憧「ごめんっ! お待たせっ!」 京太郎「じゃあ憧の準備も出来たみたいなんでこれで…」 望「あっ、うん。楽しんでおいで」 <イラシャイマセー 望「とりあえずファミチキとアイスと…ってあれ?」 京太郎「げっ!!」ビクッ 望「京太郎くんもコンビニに買い物? いったい何を…」 京太郎「あは…あはは……」エロ本 望「…高校生だもんね。見なかったことにしてあげるからそれは戻しておきなさい」 京太郎「どうもすいません…」ショボン 望「うーん…というか憧がいるんだからあの子に頼めばいいんじゃないの?」 京太郎「それは…その…」 望「もしかしてまだエッチとかさせてもらえてなかった?」 京太郎「……このあと少し相談にのってもらっていいですか?」 京太郎「……というわけで未だにキスひとつさせてもらえてないんです」 望「あの子ってば…男が苦手なのは知ってたけど…」 京太郎「性欲のため憧と付き合ってるわけではないですけど…」 望「キスひとつさせてもらえないのはつらい?」 京太郎「……」コクリ 望「よしよし…つらかったわよね…」ギュッ 京太郎「あっ…」 望「ほら京太郎くん、顔上げてみなさい」 京太郎「はい…」 望「んっ…」チュッ 京太郎「~~!!」ビクッ 望「えへっ…しちゃった♪」 京太郎「の…望さん…?」 望「私も最近溜まってるしさ、京太郎くんさえよければ……ね?」 京太郎「つまり…」 望「ねえ京太郎くん…ちょっとお姉さんとドライブにいかない?」 憧「今日のデートも楽しかったわね♪」 京太郎「けっこう遅くなっちまったな」 憧「それじゃあ今日はこれで…」 京太郎「あっ、ちょっと待ってくれ」 憧「どうかした?」 京太郎「ちょっと今日は両親が用事で帰ってこなくてさ…よければ遊びに来ないか…?」 憧「えっ…それって……その…」 京太郎「あーっ……まあ…そういうことだな…」 憧「ごめん…まだそういうの怖くて…」 京太郎「そうか…無理言ってごめんな…」 憧「ううん…京太郎も男の子だってわかっているから…」 京太郎「……」 憧「そっ…それじゃあね!!」タタッ 京太郎「おう! またな!」 京太郎「……」 京太郎「……」ピポパ 京太郎「……」プルルルルルル 『はーい、京太郎くんのお義姉さんの望さんですよ♪』 京太郎「もしもし、今度ドライブに…今からですか? それじゃあ今夜も……」 カン!
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やっちまった―― 須賀京太郎の頭の中を支配する言葉はそれに尽きた レースのカーテンからやや漏れる朝日に顔を顰めつつ 彼はベッドから上半身を起こし隣を見遣る 一糸纏わぬ姿で横たわり穏やかな寝息を立てる少女の顔は 先程までの痴態がまるで嘘のように安らかであった 京太郎「…………」 京太郎くん、と自分を何度も呼びかける嬌声が思い出され 気持ちを昂ぶらせる本能と裏腹に 理性は酷く冷たく、己の所業を詰る ただ求められるがまま、欲望に身を任せ 獣のように少女の身体を貪る自分自身に 諦念にも似た息が一気に吐き出され 京太郎は再びベッドに寝転んだ どうしてこんなことになってしまったんだろう? そう、疑問を持つことは許されなかった 全て彼女が望んだこと 自分が――望んだこと その結果であったから 事に及ぶ前は、京太郎に後悔も躊躇いもなかった だがこうして冷静になって考えてみれば これは重大な裏切りなのではないかという気分が 彼の中で大きくなっていってしまう もしアイドルとしてこのまま進路を採るのであれば ――私は、そういったこともやることがあるかもしれません 京太郎も既にただの子供ではない だから、彼女の言う“そういうこと”が 実際にある現実と、その闇と業の深さは承知していた しかし承知していて……たったの一言が言えなかった 言えなかったから、言わせてしまった 京太郎くん。お願いが、あるんです―― それが何よりも口惜しく ――私の、初めてを、貰ってください 雑誌のグラビアを見て、テレビを見て 彼女が躍動するステージを見て 有象無象の大衆が熱狂する一方で 彼女は自分に組み敷かれ、淫らな声を上げる 俺だけのもの。俺だけが知る素顔…… 独占欲と優越感 人間が持ち得る本能に従うままに承諾して 彼女を自分だけのモノにできるかもしれないと 薄汚れた打算に縋った自分自身に 吐き気を催すほどだった 京太郎「……でも、くよくよ悩んでちゃダメなんだよ」 もはやその時は過ぎてしまったのだ 一人の少女を、抱いてしまったその瞬間から 京太郎は、一人の男として歩み出してしまった 彼女の――真屋由暉子の操を立てるという意味でもまた 迷って、悩んで立ち止まることはできないのだから やってしまったことはもう取り返せない ならばその上で、先に進む道を、方策を 考えていかなければならない 京太郎「……ふぅ」 彼女が起きたら―― 言えなかった一言を、今度こそは、ちゃんと言おう 赦されるためじゃない 背負って、先に進むために 京太郎はそう決意する 京太郎「何があっても、俺がユキを守るから……」 彼女に向けられた欲望や悪意からも 彼女が希望を、アイドルで在ることを失って 立ち行かなくなったとしても ――絶対に守るから すぅ、すぅ、と。彼女の規則的で静かな寝息に 心が安心感と充足感で満たされていく 未だ目を覚まさない想い人の横に向き直ると 京太郎は由暉子の身体を抱き寄せて瞼を閉じた 柔らかくて 温かくて ……儚くて 由暉子の体温と匂いに包まれながら 京太郎の意識は闇に溶けていく 光の差し込む暗がりに 暖かな光が二つ寄り添いあって 先の見えない道程を、ほんの少し照らした カンッ
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京太郎成人後ということで。 京太郎「義父さん、どうぞ」ビール 原村父(恵)「うむ」トクトク 恵「まさか、貴様とこうして酒を酌み交わす日が来るとはな」 京太郎「まあ、第一印象は最悪でしたからね」 恵「大会で優勝という約束を果たせなかったら転校。それを聞いて部員全員が家に押しかけて来た時、 いの一番に声を荒げたのはお前だ」 京太郎「そりゃ、ふざけるなって感じでしたからね」 京太郎「そんな約束を黙ってた和も和でしたけど、そんな約束をさせたアンタにも、愕然としましたから」 京太郎「和、泣いて話してましたから。怒りで一杯になるのは当然でしたよ」 恵「……私は今でも、胸倉を絞め上げられた痛みは覚えている」* 京太郎「今でも許してませんよ、和を泣かしたこと」 恵「……それでいい。許すな」 恵「和の隣に居続ける限り、ずっとな」 恵「私は、あの子の親として失格だった」 京太郎「……」 恵「それでも、和を大切と思わなかったことは無い。誓って言える」 京太郎「それは、もう」 恵「私の、宝だ」 京太郎「俺にとっても」 恵「言い尽くせない程に、お前に和にやれん理由を挙げられる。未熟そのものだからな」 恵「……だが、お前以外の輩に和をやるのは、論外だ。貴様になら、託せる気になれる」 恵「……私の宝を、頼む」 京太郎「…………はい!」 カン!