約 1,684,443 件
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/53.html
最終更新日時 2011年03月05日 (土) 21時50分02秒 代数的整数論 004 (1-95) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/-95 ログ元: http //yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/-95 1 名前:132人目の素数さん [2006/11/23(木) 21 57 04 ] Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。 前スレ http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/ 2 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/23(木) 22 03 06 ] 有難う 3 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/23(木) 22 05 47 ] 最近来たので前スレも全部フォローできてないでつが、 期待しておりまつ(`・ω・´) 4 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/23(木) 22 12 20 ] 1 king氏ね 5 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2006/11/23(木) 22 22 01 ] talk http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/1000n 何やってんだよ? talk 4 お前に何が分かるというのか? 6 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/23(木) 22 29 59 ] 5 king氏ね 7 名前:KingOfUniverse ◆667la1PjK2 [2006/11/23(木) 22 37 31 ] 人の脳を読む能力を悪用する奴を潰せ。 8 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/23(木) 22 40 50 ] !qni | 9 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/24(金) 12 53 10 ] M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。 簡単のために、この事実を M = [x_1, ..., x_n] と書くことにする。 y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n . . y_m = a_(m,1)x_1 + ..., + a_(m,n)x_n を M の元とし y_1, ..., y_m で生成される M の部分群を N とする。 N = y_1, ..., y_m と書くことにする。 M/N は有限群とは限らないが、N の自由群としての基底は 前スレ3の989の考えを利用して以下のように求めることが出来る。 10 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/24(金) 13 00 32 ] m 個の元 a_(1,n), ..., a_(m,n) の最大公約数を d_n ≧ 0 とする。 d_n = a_(1,n)b_1 + ... + a_(m,n)b_m となる有理整数 b_1, ..., b_n がある。これ等を具体的に求めるには Euclid の 互除法を使えばよい。 z_n = b_1y_1 + ... + b_my_m とおく。 z_n は N の元で x_1, ..., x_n の一次結合であらわしたとき x_n の係数は d_n である。 d_n = 0 なら a_(1,n) = ... = a_(m,n) = 0 だから N = y_1, ..., y_m ⊂ [x_1, ..., x_(n-1)] である。 d_n ≠ 0 と仮定する。 a_(i,n) = d_n q_i とする。 y_i - q_iz_n の x_n の係数は 0 である。 一方、 N = y_1, ..., y_m = y_1, ..., y_m, z_n = y_1 - q_iz_n, ..., y_m - q_mz_n, z_n よって L = y_1 - q_iz_n, ..., y_m - q_mz_n とおくと、 N = L + Z(z_n) である。 L は [x_1, ..., x_(n-1)] に含まれる。 この L と [x_1, ..., x_(n-1)] に上記と同様の手続きを行う。 最終的に、N = z_1, ..., z_n となる。 z_1, ..., z_n のなかで 0 となるものを省けば N の基底が得られる。 11 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/24(金) 16 55 17 ] 2次の代数体を略して2次体と呼ぶ。 前スレ3の759と760より任意の2次体は Q(√m) と一意に書ける。 ここで m は平方因子を持たない有理整数である。 逆に m ≠ 0, 1 が平方因子を持たない有理整数のとき Q(√m) は2次体である。 今後、特に断らない限り2次体を Q(√m) のように書いたとき m は 平方因子を持たない有理整数とする。 前スレ3の768より2次体 Q(√m) の整数環は Z[ω] = Z + Zω の 形をしている。 ここで m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、 m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら ω = √m である。 今後、特に断らない限り Q(√m) の整数環を扱うときは ω は この意味で使う。 12 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/24(金) 16 59 03 ] 命題 m ≠ 0 を平方因子を持たない有理整数とする。 2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 に 対して、その剰余環は有限環である。 証明 I の元 α ≠ 0 をとる。α のノルム N(α) = αα は有理整数 である(前スレ3の927)。 a = N(α) とおく。a ≠ 0 で a ∈ I である。 Z[ω]/aZ[ω] はアーベル群として Z/Za と Zω/Z(aω) の直和と 同型であるから |a|^2 個の元からなる。 Z[ω] ⊃ I ⊃ aZ[ω] だから Z[ω]/I は有限環である。 証明終 13 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/24(金) 17 05 29 ] 12 久しぶりに来たんで最近何を目指してやってんのか教えて 14 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/24(金) 17 31 51 ] 命題 2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 は I = [a, b + cω] と一意に書ける(この記法については 9 参照)。 ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。 証明 12 と 前スレ3の988より I = [a, b + cω] と書ける。 ここで a > 0, c > 0 である。前スレ3の996より a と c は I により 一意に決まる。 k を任意の有理整数として I = [a, (b + ka) + cω] となることは 明らかだろう。従って、b ≡ b (mod a) で 0 ≦ b < a となる b を とれば、I = [a, b + cω] となる。b は a により一意に決まる。 a は I に含まれる最小の正の有理整数である。 c は x + yω ∈ I で y > 0 となる最小の y である。 aω ∈ I だから a は c で割れる。 m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、 ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。 (b + cω)ω = bω + cω^2 = bω + cω - c(1 - m)/4 = (b + c)ω - c(1 - m)/4 ∈ I よって b + c ≡ 0 (mod c) となる。 よって b ≡ 0 (mod c) となる。 m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、 ω = √m であり、 ω^2 = m である。 よって (b + cω)ω = bω + cω^2 = bω + cm ∈ I よって b ≡ 0 (mod c) となる。 証明終 15 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/24(金) 17 41 34 ] 13 2次体の整数論を構成的つまり具体的に計算可能な方法でやろうとしている。 例えばイデアル I の生成元 α_1, ..., α_n が与えられたとき、 I を素イデアルの冪積に分解するとか。 類数を計算する方法とか。 そのため2元2次形式論についても述べる予定。 16 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 02 30 40 ] 定義 14 における a, b + cω をイデアル I の標準基底と呼ぶ。 17 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 02 36 13 ] 定義 14 において c = 1 となるとき、I を原始イデアルと呼ぶ。 18 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 03 04 32 ] 命題 2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 は 原始イデアル J と有理整数 c > 0 の積 I = cJ に一意に書ける。 証明 14 において a と b は c で割れるから、 a = ca b = cb とする。 I = [ca , cb + cω] = c[a , b + ω] となる。 J = [a , b + ω] は (1/c)I に等しいからイデアルである。 よって、a , b + ω は J の標準基底であり、J は原始イデアルである。 I = cJ と一意に書けることは、標準基底の一意性より明らか。 証明終 19 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 04 06 12 ] 命題 2次体 Q(√m) と a > 0, 0 ≦ b < a となる有理整数 a, b に対して、 N(b + ω) が a で割れれば a, b + ω はあるイデアルの標準基底である。 証明(高木の初等整数論講義) a と b + ω が Z 上一次独立なのは明らか。 よって [a, b + ω] がイデアルであることを示せばよい。 つまり、aω ∈ [a, b + ω] と (b + ω)ω ∈ [a, b + ω] を示せばよい。 aω = -ab + a(b + ω) ∈ [a, b + ω] である。 N(b + ω) = ak とする。 つまり (b + ω)(b + ω ) = ak である。 Tr(ω) = ω + ω = s とおく。 s は有理整数である(実際、0 または 1)。 ω = s - ω より (b + ω)(b + s - ω) = ak よって (b + ω)(b + s) - (b + ω)ω = ak よって (b + ω)ω = -ak + (b + ω)(b + s) ∈ [a, b + ω] 証明終 20 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 04 22 07 ] 14 と 19 は簡単だけど2次体論では基本的。 しかし意外と書いてある本は少ない。 21 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 04 32 57 ] Milne の online book Algebraic number theory の後ろに Wyle のいい文章が載っている。 And after the first year [as an undergraduate at Gottingen] I went home with Hilbert s Zahlbericht under my arm, and during the summer vacation I worked my way through it—without any previous knowledge of elementary number theory or Galois theory. These were the happiest months of my life, whose shine, across years burdened with our common share of doubt and failure, still comforts my soul. Hermann Weyl, Bull. Amer. Math. Soc. 50 (1944), 612–654. 22 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 04 35 44 ] Wyle じゃなくWeyl ね 23 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 05 05 16 ] 2次体 Q(√m) の非零の整数 α_1, ..., α_n が与えられたとき イデアル I = (α_1, ..., α_n) の標準基底は以下のようにして 求まる。 I = α_1, ..., α_n, α_1ω, ..., α_nω である (この記法については 9 参照)。 I ⊂ [1, ω] だから I の自由アーベル群としての基底は 10 の 方法で求まる。 つまり I = [a, b + cω] と書ける。 ここで a > 0, c > 0 である。 b ≡ b (mod a) で 0 ≦ b < a となる b を とれば、I = [a, b + cω] となる。 a と b が c で割れることは 14 からわかる。 24 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 05 37 15 ] 定義 I ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数環のイデアルとする。 12 より Z[ω]/I は有限環である。 Z[ω]/I の元の個数を I のノルム(または絶対ノルム)と呼び、 N(I) と書く。 25 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 05 43 48 ] 命題 I = [a, b + cω] をイデアル I の標準基底による表示とすると、 N(I) = ac である。 証明 前スレ3の991より直ちに出る。 26 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 09 43 46 ] クンマー拡大! 27 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/25(土) 14 27 36 ] 20 14 と 19 は簡単だけど2次体論では基本的。 しかし意外と書いてある本は少ない。 Edwin Weiss, "Algebraic Number Theory" には載っている。 但し、この本は強烈に読みにくい。 28 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 15 14 03 ] 27 それは読んだことはないがわりと有名な本だよね。 当時(1960年代半ば)、英語で書かれた代数的整数論の本は非常に 少なかったから。 Milne は 21 で、その本について fussy and pedantic と書いている。 29 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 15 14 55 ] クンマー拡大! 30 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/25(土) 15 25 33 ] 28 Milne は 21 で、その本について fussy and pedantic と書いている。 Milneは凄いと思う。 あれだけの内容のノート類を公開しているんだから。 Kummerさんも、早く纏めてね。期待してまっせ。 31 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 15 34 48 ] ところでこのスレと前スレの内容について私は版権を主張できる のかな? まず出来そうもないが。 例えば、このシリーズをまとめて本を出版するってことは出来ない のだろうか? 32 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 15 38 27 ] クンマー拡大! 33 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 16 27 27 ] 補題 M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。 つまり、 9 の記法で M = [x_1, ..., x_n] とする。 y_1 = x_1 + a_2x_2 + ... + a_nx_n とおく。 ここで、a_2, ..., a_n は任意の有理整数。 このとき [x_1, ..., x_n] = [y_1, x_2, ..., x_n] である。 証明 y_1, x_2, ..., x_n で生成される M の部分群を N とおく。 つまり 9 の記法で N = y_1, x_2, ..., x_n である。 x_1 = y_1 - (a_2x_2 + ... + a_nx_n) だから x_1 ∈ N よって M = N である。 y_1, x_2, ..., x_n が Z 上一次独立なことは明らかだろう。 証明終 34 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 16 43 13 ] 次の補題は 14 の前に述べたほうがよかった。 補題 a, b, c, e を有理整数とし、a > 0, c > 0 とする 2次体 Q(√m) において [a, b + cω] = [a, e + cω] であるためには b ≡ e (mod a) が必要十分である。 ここで両辺は Z[ω] の部分アーベル群であり、必ずしもイデアルで なくてよい。 証明 [a, b + cω] = [a, e + cω] なら b + cω - (e + cω) = b - e は [a, b + cω] に含まれる。 a は [a, b + cω] に含まれる最小の正数だから b ≡ e (mod a) である。 逆は 33 よりでる。 証明終 35 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 17 00 47 ] 19 の逆も成り立つ。 命題 2次体 Q(√m) において I= [a, b + ω] がイデアルなら、N(b + ω) は a で割れる。 ここで a, b は有理整数で、a > 0 である。 証明 N(b + ω) = (b + ω)(b + ω ) ∈ I であることから明らか。 証明終 36 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/25(土) 17 11 08 ] 31 このスレと前スレの内容について私は版権を主張できるのかな? まず出来そうもないが。 自分の書いた部分に著作権は主張できる筈。 版権は、よく判らん。ひろゆきにあるのかな? 37 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 17 20 45 ] 補題 p を奇素数とする。 [p, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるためには m ≡ 1 (mod 4) なら (2b + 1)^2 ≡ m (mod p) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら b^2 ≡ m (mod p) となることがそれぞれ必要十分である。 証明 19 と 35 より [p, b + ω] がイデアルとなるためには N(b + ω) ≡ 0 (mod p) が必要十分である。 この条件を書き直して見よう。 m ≡ 1 (mod 4) なら N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2) = ((2b + 1)^2 - m)/4 よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod p) 左辺を k とおくと、p は奇素数だから これは 4k ≡ 0 (mod p) と同値である。 すなわち、(2b + 1)^2 ≡ m (mod p) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら N(b + ω) = N(b + √m) = b^2 - m よって b^2 ≡ m (mod p) 証明終 38 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 18 57 14 ] 補題 n を有理整数とする。 n ≡ 1 (mod 4) のとき、 n ≡ 1 (mod 8) または n ≡ 5 (mod 8) である。 証明 n = 4k + 1 とする。 k が偶数なら n ≡ 1 (mod 8) k が奇数なら n ≡ 5 (mod 8) である。 証明終 39 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 19 19 10 ] 補題 [2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を 述べる。 m ≡ 1 (mod 8) のとき、任意の有理整数 b で [2, b + ω] はイデアル となる。 m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら( 38) [2, b + ω] はどんな有理整数 b に対してもイデアルにならない。 証明 19 と 35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。 この条件を書き直して見よう。 m ≡ 1 (mod 4) なら N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2) = ((2b + 1)^2 - m)/4 よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。 よって (2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) が必要十分である。 b が偶数なら b = 2k とすると (4k + 1)^2 - m = 16k^2 + 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8) よって m ≡ 1 (mod 8) b が奇数なら b = 2k - 1 とすると (4k - 1)^2 - m = 16k^2 - 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8) よって m ≡ 1 (mod 8) 逆に m ≡ 1 (mod 8) なら、b が偶数でも奇数でも (2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) となる。 証明終 40 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 19 24 58 ] 訂正 39 m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら( 38) m ≡ 1 (mod 4) かつ m ≡ 1 (mod 8) でないなら、 つまり m ≡ 5 (mod 8) なら( 38) 41 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 19 34 44 ] 補題 [2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を 述べる( 39 の続き)。 m ≡ 2 (mod 4) なら b ≡ 0 (mod 2) m ≡ 3 (mod 4) なら b ≡ 1 (mod 2) が [2, b + ω] がイデアルとなるための必要十分条件である。 証明 19 と 35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。 この条件を書き直して見よう。 ω = √m だから N(b + ω) = (b + √m)(b - √m) = b^2 - m ≡ 0 (mod 2) m ≡ 2 (mod 4) なら m ≡ 0 (mod 2) だから b^2 ≡ 0 (mod 2) よって b ≡ 0 (mod 2) m ≡ 3 (mod 4) なら m ≡ 1 (mod 2) だから b^2 ≡ 1 (mod 2) よって b ≡ 1 (mod 2) 証明終 42 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/25(土) 19 37 18 ] 人工無能やぶれたり!w 8 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 22 40 50 !qni | 43 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 19 58 57 ] 命題 2次体 Q(√m) において非零素イデアル P は pZ[ω] または [p, b + ω] の形である。ここで p は有理素数、b は有理整数。 証明 P = [p, b + cω] となる( 14)。 c は p の約数だから c = 1 または c = p である。 c = p なら b は p で割れるから( 14)、P = [p, pω] となる( 34)。 よって P = pZ[ω] である。 証明終 44 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 20 15 46 ] クンマー拡大! 45 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 20 26 15 ] 定義 2次体 Q(√m) において ω の Q 上のモニックな最小多項式を f(X) とする(前スレ2の927)。 f(X) の判別式を2次体 Q(√m) の判別式と呼ぶ。 46 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 20 30 41 ] 訂正 45 (前スレ2の927)。 (前スレ3の927)。 47 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 20 37 08 ] 命題 2次体 Q(√m) の判別式を D とする。 p を奇素数とする。 1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。 ここで、 m ≡ 1 (mod 4) なら P = [p, (m - 1)/2 + ω] = [p, (m + √m)/2] m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, ω] = [p, √m] 2) D が p と素で mod p の平方剰余のとき pZ[ω] = PP となる。 ここで P, P は Z[ω] の相異なる素イデアルで m ≡ 1 (mod 4) のとき P = [p, b + ω] P = [p, -b - 1 + ω] ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき P = [p, b + ω] P = [p, -b + ω] ここで b^2 ≡ m (mod p) 3) D が p と素で mod p の平方非剰余のとき pZ[ω] は素イデアルである。 証明 前スレ3の957と 37による。 証明終 48 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 20 46 52 ] クンマー拡大! 49 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 20 57 09 ] 命題 2次体 Q(√m) の判別式を D とする。 1) 2 が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。 m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m] m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m] 2) m ≡ 1 (mod 8) のとき 2Z[ω] = PP となる。 ここで P, P は Z[ω] の相異なる素イデアルで P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2] P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2] 3) m ≡ 5 (mod 8) のとき 2Z[ω] は素イデアルである。 証明 前スレ3の958と 39, 40, 41による。 証明終 50 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 21 09 23 ] 47 と 49 あってるかな? こういう素イデアルの標準基底まできちんと書いてある本少ないね。 高木もこのへん、ややはしょっている。 51 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 21 13 45 ] クンマー拡大! 52 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 22 13 45 ] 前スレ3の751で平方剰余の相互律を証明したが、ここで平方剰余の 第2補充法則を述べる。 λを奇素数とし、Z[η] = Z[η_0, η_1] を (λ - 1)/2 項周期から 構成される円分整数全体のなす環とする(前スレ3の744)。 Q[η] は2次体である。 前スレ3の744より 2Z[η] が Z[η] の相異なる2個の素イデアルの積となるためには 2 が λ を法として平方剰余であることが必要十分である。 2Z[η] が Z[η] の素イデアルであるためには 2 が λ を法として平方非剰余であることが必要十分である。 前スレ3の748より Q[η] の判別式 D は λ ≡ 1 (mod 4) のときは D = λ λ ≡ -1 (mod 4) のときは D = -λ となる。 49 より 1) λ ≡ 1 (mod 4) のとき λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1 λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1 2) -λ ≡ 1 (mod 4) のとき -λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1 -λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1 53 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 22 24 10 ] λ ≡ ±1 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は偶数である。 λ ≡ ±5 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は奇数である。 よって 52 より (2/λ) = (-1)^((λ^2 - 1)/8) これが平方剰余の第2補充法則である。 54 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 22 33 57 ] クンマー拡大! 55 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/25(土) 22 36 42 ] 52 は 前スレ3の751の平方剰余の相互律の証明と本質的には同じである。 2次体はそれを含む円分体により統制されていることが分かるだろう。 これらの証明は非常に美しいし、神秘的だと思う。 56 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 22 42 58 ] 同値類から整数の減法の定義を導きたいのですが、考えてもわかりません。 調べても加法と乗法しか載っておらず困ってます。 初歩的な質問で申し訳ありませんが、わかる方いらっしゃったら教えてください。 よろしくお願いします。 57 名前:132人目の素数さん [2006/11/25(土) 22 54 12 ] クンマー拡大! 58 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 09 40 47 ] 今後、特に断らなければ2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] のイデアルで 0 でないものを単に Q(√m) のイデアルと呼ぶことにする。 したがって、Q(√m) の素イデアルといえば Z[ω] の素イデアルで 0 でないものを意味する。 59 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 09 52 37 ] 定義 2次体 Q(√m) の単位写像でない自己同型を σ とする。 つまり σ(√m) = -√m である。 Q(√m) のイデアル I に対して σ(I) は 明らかに Q(√m) の イデアルである。 これを I の共役イデアルと呼ぶ。 特に断らない限り I の共役イデアルを I と書く。 60 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10 11 32 ] 補題 2次体 Q(√m) の判別式を D とする。 p を奇素数とする。 47 の 1) より p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となるが この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P である。 証明 47 の 1) より m ≡ 1 (mod 4) のとき P = [p, (m + √m)/2] である。 P = [p, (m - √m)/2] -- 共役イデアルの定義( 59) = [p, (-m + √m)/2] -- これは (m - √m)/2 に -1 を掛けたもの = [p, m + (-m + √m)/2] -- m は p の倍数だから 34 より = [p, (m + √m)/2] = P m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, √m] である。 P = [p, -√m] -- 共役イデアルの定義( 59) = [p, √m] -- これは -√m に -1 を掛けたもの = P 証明終 61 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10 28 39 ] 補題 2次体 Q(√m) の判別式を D とする。 p を奇素数とする。 47 の 2) より D が p と素で mod p の平方剰余のとき pZ[ω] = PP となるが、この P は P の共役イデアルである。 証明 47 の 2) より m ≡ 1 (mod 4) のとき P = [p, b + ω] P = [p, -b - 1 + ω] ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p) P = [p, b + ω] の共役は [p, b + ω ] = [p, b + 1 - ω] -- ω + ω = 1 を使った = [p, -b - 1 + ω] -- b + 1 - ω に -1 を掛けたもの m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき P = [p, b + ω] P = [p, -b + ω] ここで b^2 ≡ m (mod p) P = [p, b + ω] の共役は [p, b + ω ] = [p, b - ω] -- ω = √m = [p, -b + ω] -- b - ω に -1 を掛けたもの 証明終 62 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10 39 53 ] 補題 2次体 Q(√m) の判別式を D とする。 49 の 1) より 2 が D の約数 のとき 2Z[ω] = P^2 となるが この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P である。 証明 49 の 1) より m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m] m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m] これより 60 と同様にして確かめればよい。 証明終 63 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10 47 03 ] 補題 2次体 Q(√m) の判別式を D とする。 49 の 2) より m ≡ 1 (mod 8) のとき 2Z[ω] = PP となるが となるが、この P は P の共役イデアルである。 証明 47 の 2) より P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2] P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2] P の共役は [2, (1 - √m)/2] = [2, (-1 + √m)/2] = [2, 2 + (-1 + √m)/2] = [2, 1 + (1 + √m)/2] 証明終 64 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 10 58 21 ] 命題 2次体 Q(√m) において、任意の素イデアル P の共役イデアル P は 素イデアルであり、PP = N(P)Z[ω] となる。 証明 P が素イデアルであることは共役イデアルの定義より明らか。 60, 61, 62, 63 と 47 の 3), 49 の 3) および 25 よりわかる。 証明終 65 名前:132人目の素数さん [2006/11/26(日) 11 26 18 ] クンマー拡大! 66 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 11 28 26 ] 補題 B を単項イデアル整域とし、t をその素元とする。 B/tB は標数 p の有限体で |B/tB| = p^f = q とする。 r ≧ 1 を任意の整数とする。 |B/(t^r)B| = q^r = p^(fr) である。 ここで、有限集合 S に対して |S| は S の元の個数を表す。 証明 B のイデアルの列 B ⊃ tB ⊃ ... ⊃ (t^r)B より、 |B/(t^r)B| = |B/tB||tB/(t^2)B|...|(t^(r-1))B/(t^r)B| 一方、前スレ3の896 より、|(t^(i-1))B/(t^i)B| = |B/tB| |B/(t^r)B| = |B/tB|^r 証明終 67 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 11 41 49 ] 命題 A を Dedekind 整域(前スレ2の601)とし、P をその素イデアルとする。 A/P は標数 p の有限体で |A/P| = p^f = q とする。 r ≧ 1 を任意の整数とする。 |A/P^r| = q^r = p^(fr) である。 証明 前スレ3の895 より A/P^r は A_P/(P^r)A_P に標準的に同型である。 A_P は離散付値環(前スレ2の585)だから 66 よりわかる。 証明終 68 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 11 51 41 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A の任意の非零イデアル I に対して A/I が 有限環のとき A は有限ノルム性を持つという。 このとき |A/I| を I の絶対ノルムまたは単にノルムと呼び N(I) と書く。 69 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 11 55 36 ] 補題 A を有限ノルム性( 68)を持つ Dedekind 整域とする。 I と J を A の非零イデアルで互いに素、 すなわち I + J = A とする。 このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。 証明 中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。 70 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 12 03 41 ] 命題 A を有限ノルム性( 68)を持つ Dedekind 整域とする。 I と J を A の任意の非零イデアルとする。 このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。 証明 67 より A の非零素イデアルにたいして N(P^r) = N(P)^r である。 これと A の任意の非零イデアルが非零素イデアルのべき積に 一意に分解されること(前スレ2の676)、および 69 よりわかる。 証明終 71 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 12 26 21 ] 命題 2次体 Q(√m) において、任意のイデアル I とその共役イデアル I に対して II = N(I)Z[ω] となる。 証明 64 より素イデアル P に対して PP = N(P)Z[ω] となる。 よって任意の有理整数 r ≧ 1 に対して、 (P^r)(P )^r = N(P)^rZ[ω] = N(P^r)Z[ω] ( 67より) これと Q(√m) の任意のイデアルが素イデアルのべき積に 一意に分解されること(前スレ2の676)、および 70 よりわかる。 証明終 72 名前:132人目の素数さん [2006/11/26(日) 12 56 51 ] クンマー拡大! 73 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 13 41 32 ] 定義 2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] の可逆元を Q(√m) の単数と呼ぶ。 74 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 13 52 47 ] 命題 2次体 Q(√m) の整数 α が単数であるためには N(α) = 1 または N(α) = -1 となることが必要十分である。 証明 α が単数なら αβ = 1 となる整数 β がある。 N(αβ) = N(α)N(β) = 1 であるが、N(α) と N(β) は有理整数 (前スレ3の927)だから N(α) = 1 または N(α) = -1 である。 逆に N(α) = 1 または N(α) = -1 とする。 N(α) = 1 なら αα = 1 だから α は単数である。 N(α) = -1 なら αα = -1 だから α(-α ) = 1 となり、 やはり α は単数である。 証明終 75 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 14 05 45 ] 命題 α ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数とすると N(αZ[ω]) = |N(α)| である。 ここで右辺は N(α) の絶対値をあらわす。 証明 イデアル αZ[ω] の共役イデアルは α Z[ω] である。 よって (αZ[ω])(α Z[ω]) = αα Z[ω] = N(α)Z[ω] 一方、 71 より (αZ[ω])(α Z[ω]) = N(αZ[ω])Z[ω] となる。 したがって N(α)Z[ω] = N(αZ[ω])Z[ω] である。 よって N(α) = N(αZ[ω])εとなる整数εがある。 容易にわかるようにεは単数である。 両辺のノルムをとると N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 N(ε) となる。 74 より N(ε) = ±1 であるから N(α)^2 = ±N(αZ[ω])^2 となる。 左辺は正だから N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 である。 よって N(α) = ±N(αZ[ω]) である。 N(αZ[ω]) > 0 だから N(αZ[ω]) = |N(α)| である。 証明終 76 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 15 32 43 ] M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。 N を M の部分群で M/N が有限群となるものとする。 前スレ3の988より N は n 次の自由アーベル群である。 N の基底を y_1, ..., y_n とし、 y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n . . y_n = a_(n,1)x_1 + ..., + a_(n,n)x_n とする。 このとき、|M/N| = |det(a_(i,j))| である。 証明は後で行う。 77 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 15 36 59 ] 76 の証明 A = (a_(i,j)) を n × n 行列 とする。 X を (x_1, ..., x_n) を縦にしたベクトルとする。 Y を (y_1, ..., y_n) を縦にしたベクトルとする。 Y = AX である。 前スレ3の988 より N の基底 z_1, ..., z_n で、 z_1 = b_(1, 1) x_1 z_2 = b_(2, 1) x_1 + b_(2, 2) x_2 . . z_i = b_(i, 1) x_1 + b_(i, 2) x_2 + ... + b_(i, i) x_i . . z_n = b_(n, 1) x_1 + b_(n, 2) x_2 + ................ + b_(n, n) x_n となるものがある。 ここで 各 b_(i, i) > 0 である。 前スレ3の991 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) である。 B = (b_(i,j)) を n × n 行列 とする。 Z を (z_1, ..., z_n) を縦にしたベクトルとする。 Z = BX である。 (続く) 78 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 15 48 30 ] 77 の続き Y と Z は N の基底だから、 Y = CZ となる有理整数を成分とする行列 C で可逆、つまり CD と DC が n 次の単位行列となる有理整数を成分とする行列 D が 存在する。det(CD) = det(C)det(D)= 1 だから det(C) = ±1 である。 Z = BX と Y = CZ より Y = CBX となる。 一方、Y = AX だから AX = CBX となる。 よって A = CB となる。 よって det(CB) = det(A) となる。 よって ±det(B) = det(A) となる。 77 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) = det(B) だから |M/N| = |det(A)| である。 証明終 79 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 16 51 31 ] 訂正 69 中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。 中国式剰余定理(前スレ1の341)より明らか。 80 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 20 01 16 ] 75 の別証 αZ[ω] = [α, αω] は Z[ω] の部分アーベル群である。 1) α = a + bω 2) αω = c + dω とする。 この2式の両辺の共役をとると 3) α = a + bω 4) α ω = c + dω α, αω を第1行、 α , α ω を第2行に持つ行列の行列式をΔ[α, αω] とする。 同様に 1, ω を第1行、1, ω を第2行に持つ行列の行列式 をΔ[1, ω] とする。 a, b を第1行 c, d を第2行に持つ行列を A とする 1), 2) ,3) ,4) より Δ[α, αω] = det(A)Δ[1, ω] となる。 Δ[α, αω] = αα Δ[1, ω] = N(α)Δ[1, ω] よって N(α)Δ[1, ω] = det(A)Δ[1, ω] Δ[1, ω] = ω - ω ≠ 0 であるから、 N(α) = det(A) となる。 1), 2) と 76 より N(αZ[ω]) = |det(A)| だから N(αZ[ω]) = |N(α)| となる。 証明終 81 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 20 45 26 ] 命題 I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアル( 17) とする。 ここで a > 0 で a = gh, g > 0, h > 0 とする。 このとき、J_1 = [g, r + ω], J_2 = [h, r + ω] はそれぞれ イデアルで I = (J_1)(J_2) となる。 証明(高木の初等整数論講義) θ = r + ω とおく。 N(θ) は a で割れる( 35)から g と h でも割れる。 よって [g, θ] と [h, θ] はイデアルである( 19)。 (J_1)(J_2) = (gh, gθ, hθ, θ^2) ⊂ I である。 25 より N(I) = a = gh = N(J_1)N(J_2) である。 70 より N((J_1)(J_2)) = N(J_1)N(J_2) である。 よって I = (J_1)(J_2) である。 証明終 82 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/26(日) 21 01 10 ] TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。 つか掲示板じゃ見にくすぎる。 83 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/26(日) 21 15 32 ] 82 TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。 つか掲示板じゃ見にくすぎる。 前からそう言ってるんだけどね・・・ 84 名前:132人目の素数さん [2006/11/26(日) 21 22 14 ] 82 そうなの? 版権の問題はないのかな。 85 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/26(日) 22 22 20 ] 81 の命題は高木以外では見たことがない。 意外だね。基本的なことなのに。 86 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/27(月) 11 22 54 ] 56 此処 ⇒ h ttp //www1.ezbbs.net/19/dslender2/ で聞いてみたら如何かね? Kummerさんは、整数論の構成に関する持論の展開に忙しいから解答しないよ、多分。 87 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/27(月) 11 28 13 ] 56のような質問じゃ答えようもないよねw 88 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/27(月) 16 29 04 ] 56 >同値類から整数の減法の定義を導きたい この内容を具体的に表現できれば、質問すれで回答を得られるだろう。 89 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/11/27(月) 17 52 55 ] つうか代数的整数論じゃない。整数論かどうかも怪しい。 90 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/27(月) 21 16 29 ] 81 により原始イデアル [a, r + ω] は [p, r + ω] の形の 素イデアルの積に分解される。 91 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/27(月) 21 35 14 ] 2次体 Q(√m) のイデアル I = (α_1, ..., α_n) が 有限個の生成元で与えられたとき、以下に述べるように I を 有限回の手続きで素イデアルの積に分解することが出来る。 I の標準基底は 23 で述べたように有限回の手続きで求まる。 I = [a, b + cω] を標準基底による表示とすれば 18 により I = c[a , b + ω] となる。 c は有限個(c = 1 のときは 0 個)の素数の積となるから、 cZ[ω] を素イデアルの積に分解するのは 47 と 49 により 有限回の手続きで出来る。 [a , b + ω] は原始イデアルだから 90 で述べたように [p, b + ω] の形の素イデアルの積に分解される。 つまり、a を有理整数の範囲で素因数分解すればよい。 92 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/27(月) 22 10 06 ] 問題 Q(√(-5)) において単項イデアル (3 + 5√(-5)) を素イデアルの積に 分解せよ。 答えだけじゃなくて解き方も書くこと。 誰か? 93 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/27(月) 22 25 46 ] 92 書き忘れたけど、素イデアルは標準基底で表すこと。 94 名前:聴講生 mailto sage [2006/11/28(火) 07 49 16 ] 92 11より、ω=√(-5)とするとQ(√(-5))の整数環はZ[ω] (3 + 5√(-5)) = 3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5) 10の手続きで標準基底を求める。 5と3は互いに素で、5・(-1) + 3・2 = 1 なので、 y_1 = 3 + 5√(-5),y_2 = -25 + 3√(-5),z_2 = -y_1 + 2y_2 とおくと y_1 - 5z_2 = 268,y_2 - 3z_2 = 134 よって 3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5) = 268,134,81+√(-5) = [134,81+√(-5)] これは原始イデアルで、134 = 2・67 だから [134,81+√(-5)] = [2,81+√(-5)][67,81+√(-5)] 95 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 09 24 25 ] 94 ご名答。 蛇足かもしれないが検算してみよう。 N(3 + 5√(-5)) = 9 + 125 = 134 = 2・67 で67 は素数だから (3 + 5√(-5)) はノルムが 2 と 67 の素イデアルの積となる。 [2,81+√(-5)] = [2,1+√(-5)] で N(1+√(-5)) = 1 + 5 = 6 これは 2 で割れるから [2,81+√(-5)] はイデアルで( 19)そのノルムは 2 である。よってこれは素イデアル。 [67,81+√(-5)] = [67,14+√(-5)] N(14+√(-5)) = 196 + 5 = 201 = 3・67 よってこれも素イデアルでそのノルムは 67。 タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/87.html
最終更新日時 2011年03月09日 (水) 21時22分57秒 代数的整数論 006 (601-700) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/601-700 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/601-700 601 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 24 24 g 602 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 26 15 h 603 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 26 47 i 604 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 27 22 j 605 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 27 53 k 606 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 28 23 l 607 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 28 53 m 608 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 29 32 n 609 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 30 51 o 610 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 31 22 p 611 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 31 53 q 612 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 33 17 r 613 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 33 52 s 614 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 34 23 t 615 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 34 55 u 616 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 35 29 v 617 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 36 00 w 618 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 37 13 x 619 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 37 46 y 620 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 03 38 20 z 621 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 07 11 51 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおはよう!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 622 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 08 17 54 命題 A を位相環( 189)とし、E を左 A-加群とする。 E が左 A-位相加群( 372)であるためには以下の4条件が成り立つこと 必要十分である。 1) E は加法に関して位相群である。 2) 任意の x ∈ E に対して写像 λ → λx は λ = 0 で連続である。 3) 任意の λ ∈ A に対して写像 x → λx は x = 0 で連続である。 4) A×E から E への写像 (λ, x) → λx は (0, 0) で連続である。 証明 上記の条件が必要なことは明らかである。 上記の条件が成り立つとする。 A×E から E への写像 (λ, x) → λx が連続であることを示せばよい。 α と c をそれぞれ A と E の任意の元とする。 2), 3), 4) から A と E のそれぞれの 0 の近傍 T と W が存在し、 Tc ⊂ V, αW ⊂ V, TW ⊂ V となる。 λ - α ∈ T, x - c ∈ W なら λx - αc = (λ - α)(x - c) + (λ - α)c + α(x - c) ∈ TW + Tc + αW ⊂ V + V + V 証明終 623 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 08 36 56 命題 A を位相環( 189)とし、E を左 A-加群とする。 E の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき Φ が 0 の近傍全体と一致するような E の位相が 唯一つ存在し、その位相により E は A-位相加群( 372)となる。 1) Φ は E のフィルター( 75)である。 2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V 3) V ∈ Φ なら -V ∈ Φ 4) 任意の x ∈ E と任意の V ∈ Φ に対して A における 0 の近傍 S が存在して Sx ⊂ V 5) 任意の λ ∈ A と任意の V ∈ Φ に対して W ∈ Φ があり λW ⊂ V 6) 任意の V ∈ Φ に対して、U ∈ Φ と A における 0 の近傍 T が 存在して TU ⊂ V 証明 590 と 622 より明らかである。 624 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 08 47 35 訂正 589 2) より x ∈ W なら e = xx^(-1) ∈ V である。 2) より V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり WW ⊂ V 3) より W^(-1) ∈ Φ だから U = W ∩ W^(-1) ∈ Φ U ⊂ W だから UU ⊂ WW ⊂ V U = U^(-1) だから UU^(-1) ⊂ V よって x ∈ U なら e = xx^(-1) ∈ V である。 625 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 08 52 26 588 2) と 3) は 1) を仮定すると次の条件と同値である。 V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり WW^(-1) ⊂ V 証明は読者にまかす。 626 :132人目の素数さん:2007/08/19(日) 09 05 47 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃----------------------------------┃ ┃麻呂用しおり | 三シ ヾミ 彡シ ヾ三 | ピキーン!! ┃ ┃ | 三| -丶、.,_ノ i ´(_,,/`_,. i三 | ┃ ┃_________ト、ニ| <でiンヽ ; i"∠でiン |三|._∧,、_________○┃ ┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ,.iヽ!i ヾ`= ‐ / 、 `ー´ i|シ,イ ̄ ` ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ┃ ┃ i,ヽリi , 、 i|f ノ Kummerーーー-! ┃ ┃----------------------------------┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 627 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 09 38 47 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 任意の x ∈ E に対して写像 λ → λx は λ = 0 で連続であるから 任意の V ∈ Φ に対して A における 0 の近傍 S が存在して Sx ⊂ V となる。 即ちある実数 a > 0 があり |λ| ≦ a なら λx ∈ V となる よって |μ| ≧ 1/a なら x ∈ μV となる。 628 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 09 47 40 定義 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 E の部分集合 A, B に対して、ある実数 a > 0 があり |λ| ≧ a なら B ⊂ λA となるとき A は B を吸収すると言う。 A が E の任意の点を吸収するとき、A は吸収的と言う。 629 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 09 58 16 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 E における 0 の任意の近傍は吸収的( 628)である。 証明 627 より明らかである。 630 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 10 02 42 定義 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 M を E の部分集合とする。 |λ| ≦ 1 なら λM ⊂ M となるとき M を平衡的と言う。 631 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 10 34 05 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 M を E の部分集合で 0 ∈ M とする。 N = ∩μM とおく。ここで μ は |μ| ≧ 1 となる全ての μ ∈ K を 動く。 N は M に含まれる最大の平衡的集合である。 証明 x ∈ N とする。 K の元 λ ≠ 0 で |λ| ≦ 1 となるものをとる。 |1/λ| ≧ 1 だから |μ| ≧ 1 なら |μ/λ| ≧ 1 である。 よって x ∈ (μ/λ)M である。 よって λx ∈ μM である。 よって λx ∈ N である。 0 ∈ N だから N は平衡的である。 L を M に含まれる平衡的集合とする。 x ∈ L とする。 K の元 μ で |μ| ≧ 1 となるものをとる。 |1/μ| ≦ 1 だから (1/μ)x ∈ L ⊂ M よって x ∈ μM である。 よって x ∈ N である。 即ち L ⊂ N である。 従って N は M に含まれる最大の平衡的集合である。 証明終 632 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 10 41 27 定義 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 M を E の部分集合とする。 M に含まれる最大の平衡的( 630)集合を M の平衡核と言う。 633 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 10 42 14 M の平衡核( 632)が空でないなら 0 ∈ M である。 逆に 0 ∈ M なら 631 より M の平衡核 N は存在し、 0 ∈ N だから空でない。 634 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 11 15 11 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 E における 0 の任意の近傍の平衡核は 0 の近傍である。 証明 V を E における 0 の任意の近傍とする。 K×E から E への写像 (λ, x) → λx は連続であるから、 実数 a > 0 と 0 の近傍 W が存在し、|λ| ≦ a なら λW ⊂ V となる。 K の絶対値は自明でないから 0 < |μ| ≦ a となる μ ∈ K がある。 μ ≠ 0 だから μW は 0 の近傍である。 |λ| ≦ 1 なら |λμ| ≦ a だから λ(μW) ⊂ V である。 よって μW は V の平衡核に含まれる。 証明終 635 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 11 35 53 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 E の 0 の近傍全体を Φ とすると、Φ は以下の条件を満たす。 1) Φ は E のフィルター( 75)である。 2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V 3) 任意の V ∈ Φ と任意の K の元 λ ≠ 0 に対して λV ∈ Φ 4) 任意の V ∈ Φ は吸収的( 628)である。 5) 任意の V ∈ Φ に対して平衡的( 630)な W ∈ Φ があり、 W ⊂ V となる。 証明 1), 2), 3) は位相ベクトル空間の定義( 583)から明らかである。 4) は 629 で証明されている。 5) は 634 で証明されている。 証明終 636 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12 21 50 命題 K を可換とは限らない体とし、| | を K の自明でない絶対値とする。 E を K 上の左加群とする。 E の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき Φ が 0 の近傍全体と一致するような E の位相が 唯一つ存在し、その位相により E は K 上の位相ベクトル空間( 583) となる。 1) Φ は E のフィルター( 75)である。 2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V 3) 任意の V ∈ Φ と任意の K の元 λ ≠ 0 に対して λV ∈ Φ 4) 任意の V ∈ Φ は吸収的( 628)である。 5) 任意の V ∈ Φ に対して平衡的( 630)な W ∈ Φ があり、 W ⊂ V となる。 証明 623 より、以下の a), b), c), d) を示せばよい。 a) V ∈ Φ なら -V ∈ Φ b) 任意の x ∈ E と任意の V ∈ Φ に対して a > 0 が存在して |λ| ≦ a なら λx ∈ V c) 任意の λ ∈ K と任意の V ∈ Φ に対して W ∈ Φ があり λW ⊂ V d) 任意の V ∈ Φ に対して、W ∈ Φ と a > 0 が存在して |λ| ≦ a なら λW ⊂ V (続く) 637 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12 22 21 a) は 3) より明らかである。 b) の証明: 4) より、任意の V ∈ Φ は吸収的だから任意の x ∈ E に対して b > 0 が存在して |μ| ≧ b なら x ∈ μV よって a = 1/b とおけば 0 < |λ| ≦ a なら λx ∈ V λ = 0 のときも λx ∈ V である。 c) の証明: 3) より、任意の K の元 λ ≠ 0 と任意の V ∈ Φ に対して (1/λ)V ∈ Φ である。 W = (1/λ)V とおけば W ∈ Φ であり、λW ⊂ V である。 λ = 0 のときは W = V とすればよい。 d) の証明: 5) より、任意の V ∈ Φ に対して平衡的な W ∈ Φ があり、 W ⊂ V となる。 |λ| ≦ 1 なら λW ⊂ W ⊂ V 証明終 638 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12 25 26 628 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 E は K-加群でありさえすればよい。 639 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12 26 10 630 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 E は K-加群でありさえすればよい。 640 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12 42 53 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 E の閉集合の平衡核( 632)は閉集合である。 証明 M を E の閉集合とし、その平衡核を N とする。 0 ∈ M でないなら N は空集合だから閉集合でもある。 よって 0 ∈ M と仮定する。 631 より N = ∩μM である。 ここで μ は |μ| ≧ 1 となる全ての μ ∈ K を動く。 μM は閉集合だから N は閉集合である。 証明終 641 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 13 08 51 命題 K を実数体、複素数体または4元数体( 507)とし、 E を K 上の左加群とする。 E の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき Φ が 0 の近傍全体と一致するような E の位相が 唯一つ存在し、その位相により E は K 上の位相ベクトル空間( 583)となる。 1) Φ は E のフィルター( 75)である。 2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V 3) 任意の V ∈ Φ は吸収的( 628)である。 4) 任意の V ∈ Φ に対して平衡的( 630)な W ∈ Φ があり、 W ⊂ V となる。 証明 636 の 3) 任意の V ∈ Φ と任意の K の元 λ ≠ 0 に対して λV ∈ Φ を示せばよい。 2) より 2W ⊂ V である。 帰納法により 任意の整数 n > 0 に対して (2^n)W_n ⊂ V となる W_n ∈ Φ がある。 任意の K の元 λ ≠ 0 に対して |1/λ| ≦ 2^n となる n がある。 |(1/2^n)(1/λ)| ≦ 1 である。 4) より、平衡的な W ∈ Φ があり、W ⊂ W_n となる。 ((1/2^n)(1/λ))W ⊂ W_n だから (1/λ)W ⊂ (2^n)W_n ⊂ V よって W ⊂ λV よって λV ∈ Φ 証明終 642 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 00 58 46 定義 A を位相環( 189)とし、E を左 A-位相加群( 372)とする。 M_1, . . . , M_n を E の A-部分加群で、E はこれ等の直和とする。 積群 ΠM_i から E への標準写像 (x_i) → Σx_i が位相同型のとき E は (M_i) の位相直和であると言う。 643 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 01 32 59 命題 X を位相空間、E を位相アーベル群とする。 f と g を X から E への連続写像とする。 X から E への写像 h を h(x) = f(x) + g(x) で定義すると、 h は連続である。 証明 ψ X → E×E を ψ(x) = (f(x), g(x)) で定義する。 μ E×E → E を μ(x, y) = x + y で定義する。 h = μψ であり、ψ と μ は連続であるから h も連続である。 証明終 644 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 01 43 39 命題 A を位相環( 189)とし、E を左 A-位相加群( 372)とする。 M_1, . . . , M_n を E の A-部分加群で、E はこれ等の直和とする。 p_i E → M_i を射影とする。 E が (M_i) の位相直和( 642)であるためには、各 p_i が連続である ことが必要十分である。 証明 必要なことは明らかである。 ΠE_i から E への写像 (x_i) → Σx_i を f とする。 E_i から E への標準単射を k_i とする。 ΠE_i から E_i への射影を q_i とする。 ΠE_i の元 x = (x_i) に対して f(x) = Σk_iq_i(x) である。 k_i と q_i は連続だから k_iq_i も連続である。 従って 643 より f も連続である。 E から ΠE_i への写像 x → (p_i(x)) を g とする。 各 p_i が連続なら g も連続である。 f と g は互いに逆写像だから f は位相同型である。 証明終 645 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 01 55 41 命題 A を位相環( 189)とし、E を左 A-位相加群( 372)とする。 E は A-部分加群 M と N の直和とする。 p E → M q E → N をそれぞれ射影とする。 p または q が連続なら E は M と N の位相直和( 642)である。 証明 p が連続であるとする。 i M → E j N → E を標準単射とする。 1 = ip + jq より、jq = 1 - ip である。 643 と同様にして jq も連続である。 従って q も連続である。 よって 644 より E は M と N の位相直和である。 証明終 646 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 02 20 05 命題 A を位相環( 189)とし、E を左 A-位相加群( 372)とする。 E は A-部分加群 M と N の直和とする。 E/M と N は A-加群として同型である。 f E/M → N を標準同型とする。 E が M と N の位相直和( 642)であるためには、 f が位相同型であることが必要十分である。 証明 j N → E を標準単射とする。 φ E → E/M を標準写像とする。 p = fφ とおくと、 p E → N は射影である。 g = φj とおく。 g N → E/M g は連続であり、f と g は互いに逆写像である。 E が M と N の位相直和なら射影 p は連続である。 従って、f は連続である。 f の逆写像 g は連続だから f は位相同型である。 逆に f が位相同型なら p = fφ は連続である。 645 より E は M と N の位相直和である。 証明 647 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 02 27 33 命題 A を位相環( 189)とし、E を左 A-位相加群( 372)とする。 M_1, . . . , M_n を E の A-部分加群で、 E はこれ等の位相直和とする。 E が分離的なら各 M_i は E の閉部分加群である。 証明 p_i E → M_i を射影とする。 M_i = { x ∈ E ; p_i(x) = x } である。 264 より M_i は閉集合である。 証明終 648 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 02 53 48 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の1次元の分離位相ベクトル空間( 583)とする。 任意の E の元 a ≠ 0 に対して 写像 f K → E を f(ξ) = ξa で定義する。 f は位相同型である。 証明 f は連続である。 ε > 0 を任意の正の実数とする。 | | は自明でない絶対値だから 0 < |λ| < ε となる λ ∈ K が 存在する。 V を 0 の近傍で平衡的( 630)かつ λa を含まないとする。 E は分離的だから、 635 よりこのような V は存在する。 ξa ∈ V とする。 |λ| ≦ |ξ| なら |λ(1/ξ)| ≦ 1 となり、λ(1/ξ)ξa = λa ∈ V これは仮定に反する。 従って |ξ| < |λ| < ε である。 これは f の逆写像が連続であることを意味する。 証明終 649 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 03 01 40 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおはよう!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 650 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 03 10 53 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上の位相ベクトル空間( 583)とする。 H を E の閉部分空間、L を E の1次元部分空間で E は H と L の直和とする。 このとき E は H と L の位相直和( 642)である。 証明 H ∩ L = {0} で H は閉だから L において {0} は閉集合である。 よって L は分離的である。 g L → E/H を標準写像とする。 g は連続線形写像である。 648 より g は位相同型である。 646 より E は H と L の位相直和( 642)である。 証明終 651 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 03 34 23 定理 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 K はこの絶対値による位相で完備とする。 E を K 上の n 次元の分離位相ベクトル空間( 583)とする。 e_1, . . . , e_n をその任意の基底とする。 写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)(e_i) は K^n から E への位相同型である。 証明 n に関する帰納法による。 n = 1 のときは 648 より成り立つ。 H を e_1, . . . , e_(n-1) で生成される部分空間とする。 帰納法の仮定より、 写像 (ξ_1, . . ., ξ_n) → ξ_1e_1 + . . . + ξ_(n-1)e_(n-1) は K^(n-1) から H への位相同型である。 255 より H は完備である。 よって 253 より H は E の閉部分空間である。 L = Ke_n とする。 E は H と L の直和である。 650 より E は H と L の位相直和( 642)である。 よって写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)(e_i) は K^n から E への 位相同型である。 証明終 652 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 03 35 45 訂正 651 K はこの絶対値による位相で完備とする。 K はこの絶対値による一様位相で完備とする。 653 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 03 46 53 651 は普通、E を完備付値体上の有限次ノルム空間として 証明している。 しかし、 651 のように E をノルム空間とは限らないほうが その証明のメカニズムがより良く分かると思う。 654 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 14 10 a 655 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 14 43 b 656 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 15 21 c 657 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 15 52 d 658 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 16 32 e 659 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 17 03 f 660 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 17 34 g 661 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 19 12 h 662 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 19 48 i 663 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 20 19 j 664 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 20 50 k 665 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 21 21 l 666 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 21 53 m 667 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 22 24 n 668 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 23 14 o 669 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 23 45 p 670 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 24 16 q 671 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 24 46 r 672 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 25 17 s 673 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 25 47 t 674 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 26 18 u 675 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 27 03 v 676 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 27 34 w 677 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 28 05 x 678 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 28 36 y 679 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 29 07 z 680 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 10 32 06 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 K はこの絶対値による一様位相で完備とする。 E を K 上の n 次元の分離位相ベクトル空間( 583)とする。 E の任意の有限次部分ベクトル空間は E の閉集合である。 証明 E の有限次部分ベクトル空間 F は 651 より K^n に同型である。 仮定より K は完備だから 255 より K^n は完備である。 従って F は完備である。 253 より F は E の閉集合である。 証明終 681 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 34 07 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおはよう!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 682 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 10 34 58 680 は以下のように訂正する。 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 K はこの絶対値による一様位相で完備とする。 E を K 上の分離位相ベクトル空間( 583)とする。 E の任意の有限次部分ベクトル空間は E の閉集合である。 証明 E の有限次部分ベクトル空間 F は 651 より K^n に同型である。 仮定より K は完備だから 255 より K^n は完備である。 従って F は完備である。 253 より F は E の閉集合である。 証明終 683 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 10 46 28 〇∧〃 でもそんなのking氏ねぇ! / そんなのking氏ねぇ! < \ そんなのking氏ねぇ! 684 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 10 49 47 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 K はこの絶対値による位相で完備とする。 E を K 上の n 次元の分離位相ベクトル空間( 583)とする。 F を K 上の位相ベクトル空間とする。 E から F への任意の線形写像は連続である。 証明 f E → F を線形写像とする。 E の基底を e_1, . . . , e_n とする。 651 より 写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)(e_i) は K^n から E への位相同型である。 一方、各 ξ → ξf(e_i) は K から F への連続写像である。 よって 643 より、写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)f(e_i) は K^n から F への連続写像である。 f(Σ(ξ_i)(e_i)) = Σ(ξ_i)f(e_i) であるから f は連続である。 証明終 685 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 11 02 01 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 K はこの絶対値による位相でコンパクトではない。 証明 絶対値 | | は自明でないから |λ| > 1 となる λ ∈ K がある。 従って n → ∞ のとき |λ|^n → ∞ である。 K がコンパクトなら | | は有界だから、これは矛盾である。 証明終 686 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 11 21 30 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 K 上のコンパクト位相ベクトル空間は一点 {0} のみからなる。 証明 E を K 上のコンパクト位相ベクトル空間とする。 K^ を K の完備化とする。 E は完備だから 376 より K^ 上の位相ベクトル空間となる。 E ≠ 0 なら E は1次元の K^-部分空間 F を含む。 648 より F は K^ と位相同型だから完備である。 253 より F は E の閉集合である。 E はコンパクトだから F もコンパクトである。 従って K^ もコンパクトになる。 これは 685 と矛盾する。 証明終 687 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 12 40 16 定理 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 K はこの絶対値による一様位相で完備とする。 K 上の局所コンパクト( 128)な位相ベクトル空間は有限次元である。 証明 E を K 上の局所コンパクト位相ベクトル空間とする。 V を E における 0 のコンパクトな近傍とする。 絶対値 | | は自明でないから、 0 < |λ| < 1 となる λ ∈ K がある。 λV は 0 の近傍であるから V の元 x_1, . . . , x_n があり V ⊂ ∪(x_i + λV) となる。 x_1, . . . , x_n で生成される E の部分空間を M とする。 682 より M は E の閉集合である。 (続く) 688 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 12 41 08 F = E/M とおく。 M は閉だから F は分離的である。 ψ E → F を標準写像とする。 W = ψ(V) とおく。 ψ は開写像だから W は F における 0 の近傍である。 V ⊂ ∪(x_i + λV) だから W ⊂ λW である。 n に関する帰納法により任意の整数 n > 0 に対して W ⊂ (λ^n)W となる。 641 より W は吸収的である。 即ち、任意の x ∈ F に対して、ある実数 α > 0 があり |μ| ≧ α なら x ∈ μW となる。 |1/λ| > 1 だから |1/λ^n| > α となる n がある。 よって x ∈ (1/λ^n)W ⊂ W である。 x は F の任意の元だったから F = W である。 W は V の連続写像 ψ による像だから準コンパクトである。 F は分離的だから F はコンパクトである。 686 より F = 0 である。 即ち E = M である。 証明終 689 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 14 07 04 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 K はこの絶対値による位相で完備とする。 E を K 上の n 次元のベクトル空間とする。 E 上の任意の二つのノルム( 561)は同値( 570)である。 証明 651 より明らかである。 690 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 14 20 55 定義 K を実数体または複素数体とする。 E と F を K 上のノルム空間( 561)とし、 f E → F を K-線形写像とする。 f のノルム |f| を |f| = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 } で定義する。 691 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 14 44 51 命題 K を実数体または複素数体とする。 E と F を K 上のノルム空間( 561)とし、 f E → F を K-線形写像とする。 f のノルム( 690) |f| は以下のようにも定義できる |f| = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| = 1 } 証明 α = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| = 1 } とおく。 α ≦ |f| は明らかである。 従って α = +∞ のとき |f| = +∞ である。 よって α < +∞ と仮定する。 |f| ≦ α を示せばよい。 y ∈ E, 0 < |y| ≦ 1 とする。 β = |y| とおく。 x = (1/β)y とおく。 |x| = 1 である。 |f(x)| = |f((1/β)y)| = (1/β)|f(y)| ≦ α よって |f(y)| ≦ αβ ≦ α |f(y)| ≦ α は x = 0 のときも成り立つ。 よって |f| ≦ α である。 証明終 692 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 15 30 21 命題 K を実数体または複素数体とする。 E と F を K 上のノルム空間( 561)とし、 f E → F を K-線形写像とする。 f のノルム( 690) |f| が有限のとき、 |f| = min{ α ∈ R ; 任意の x ∈ X で |f(x)| ≦ α|x| } 証明 x ∈ X で x ≠ 0 なら β = 1/|x| とおくと、 |βx| = 1 よって |f(βx)| = β|f(x)| ≦ |f| よって |f(x)| ≦ (1/β)|f| = |f||x| よって |f(x)| ≦ |f||x| この不等式は x = 0 のときも成り立つ。 逆に、任意の x ∈ X で |f(x)| ≦ α|x| とする。 |x| = 1 なら |f(x)| ≦ α である。 よって 691 より |f| ≦ α 証明終 693 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 15 42 59 命題 K を実数体または複素数体とする。 E と F を K 上のノルム空間( 561)とし、 f E → F を K-線形写像とする。 f が連続であるためには、|f| < +∞ が必要十分である。 証明 |f| < +∞ とする。 |f| = 0 なら 692 より f = 0 である。 よって f は連続である。 |f| ≠ 0 なら 692 より、任意の x ∈ X で |f(x)| ≦ |f||x| よって 581 より f は連続である。 逆に f が連続なら 581 より、a > 0 があり、 任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ a|x| となる。 |x| = 1 なら |f(x)| ≦ a だから 691 より |f| ≦ a < +∞ である。 証明終 694 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 19 12 24 定義 K を可換体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 A を単位元をもつ結合的な K-代数とする。 A がノルム空間( 561)で以下の条件を満たすとき A を K 上のノルム環と言う。 1) 任意の A の2元 x, y に対して |xy| ≦ |x||y| 2) A の単位元 e に対して |e| = 1 695 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 19 26 35 K を可換体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 A を K 上のノルム環とする。 A の単位元を e とする。 |e| = 1 だから e ≠ 0 である。 従って λ → λe は K から Ke への体としての同型である。 λ ∈ K のとき |λe| = |λ| だから K と Ke は位相体として 同型である。 よって K と Ke を同一視出来る。 このとき e = 1 と書ける。 696 :132人目の素数さん:2007/08/20(月) 21 27 30 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おやすみ Kummer !! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 697 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 22 14 22 定義 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E を K 上のノルム空間とし、 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする E の元の族とする。 (|x_i|), i ∈ I が実数体 R において総和可能( 147)のとき、 (x_i), i ∈ I は E において絶対総和可能であると言う。 698 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 22 55 00 命題 R+ を非負実数全体の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R+ の元の族とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 族 (x_i) は総和可能( 147)であるためには 集合 { S(J) ; J ∈ Φ(I) } が有界であることが必要十分である。 このとき Σx_i = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } である。 証明 十分なことは 52 で証明されている。 52 は I を高々可算な集合としているが、その仮定がなくても 52 が成り立つことは 52 の証明から明らかである。 52 より、このとき Σx_i = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } である。 必要なこと: 族 (x_i) が総和可能( 147)とし、S をその和とする。 任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して |S - S(J)| < ε となる。 よって S(J) < S + ε である。 任意の H ∈ Φ(I) に対して J = H ∪ J_0 とおくと、 S(H) ≦ S(J), J_0 ⊂ J だから S(H) ≦ S(J) < S + ε である。 よって、集合 { S(J) ; J ∈ Φ(I) } は有界である。 証明終 699 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 23 27 10 次の命題は 55 と殆ど同じだが 55 の改良として書いておく。 700 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 23 27 40 命題 R+ を非負実数全体の集合とする。 (x_i), (y_i), i ∈ I を I を添字集合とする R+ の元の二つの族と する。 各 i に対して x_i ≦ y_i とする。 (y_i) が総和可能( 147)なら (x_i) も総和可能で Σx_i ≦ Σy_i である。 x_k < y_k となる k ∈ I があれば Σx_i < Σy_i である。 証明 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 同様に J ∈ Φ(I) に対して T(J) = Σy_i とおく。 任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ≦ T(J) である。 698 より T = sup{ T(J) ; J ∈ Φ(I) } < ∞ 任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ≦ T(J) ≦ T である。 よって S = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } ≦ T である。 698 より T = Σy_i, S = Σx_i だから Σx_i ≦ Σy_i である。 x_k < y_k となる k ∈ I があるとする。 Σx_i = x_k + Σ x_i である。 ここで Σ x_i は I = I - {k} に関する和である。 同様に Σy_i = y_k + Σ y_i である。 x_k < y_k, Σ x_i ≦ Σ y_i だから x_k + Σ x_i < y_k + Σ y_i である。 証明終 タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/79.html
最終更新日時 2011年03月06日 (日) 22時43分08秒 代数的整数論 006 (56-125) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/56-125 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/56-125 56 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 13 38 31 次の命題は 52 と対称的であり、証明も同様である。 命題 R- を x ≦ 0 となる実数 x 全体の集合とする。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R- の元の族とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 集合 { S(J) ; J ∈ Φ(I) } が有界なら 族 (x_i) は総和可能( 25)であり、 Σx_i = inf{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } である。 証明 S = inf{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } とおく。 任意の ε> 0 に対して S ≦ S(J_0) < S + ε となる J_0 ∈ Φ(I) がある。 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S ≦ S(J) ≦ S(J_0) < S + ε である。 よって |S - S(J)| < ε となる よって、族 (x_i) は総和可能であり、その和は S である。 証明終 57 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 13 45 13 命題 R- を x ≦ 0 となる実数 x 全体の集合とする。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R- の元の族とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して A(J) = Σ|x_i| とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは A(J) = 0 とする。 集合 { A(J) ; J ∈ Φ(I) } が有界なら 族 (x_i) は総和可能であり、 A = sup{ A(J) ; J ∈ Φ(I) } とすると、 Σx_i = -A である。 証明 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 S = inf{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } とおく。 S = -A である。 56 から族 (x_i) は総和可能であり、 Σx_i = -A である。 証明終 58 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14 16 44 命題 F を実数体 R または複素数体 C とする。 G を F 上の r 次元数ベクトル空間 F^r とする(r ≧ 1)。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 (I_λ), λ ∈ L を I の有限な分割とする。 即ち、L は有限集合で、I = ∪I_λ で λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合である。 I_λ を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能とする。 この和を S_λ とする。 このとき (x_i), i ∈ I は総和可能で S = Σx_i をその和とすると、S = ΣS_λ である。 証明 L = {1, 2} の場合に証明すれば十分である。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 I_1 の有限部分集合全体の集合を Φ(I_1) とする。 H_1 ∈ Φ(I_1) に対して S_1(H_1) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は H_1 の元全体を動く。 同様に H_2 ∈ Φ(I_1) に対して S_2(H_2) を定義する。 (続く) 59 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14 18 25 任意の ε> 0 に対して J_1 ∈ Φ(I_1) があり、 J_1 ⊂ H_1 となる任意の H_1 ∈ Φ(I_1) に対して |S_1 - S_1(H_1)| < ε となる。 同様に J_2 ∈ Φ(I_2) があり、 J_2 ⊂ H_2 となる任意の H_2 ∈ Φ(I_2) に対して |S_2 - S_2(H_2)| < ε となる。 J_1 ∪ J_2 ⊂ H とする。 H_1 = H ∩ I_1 H_2 = H ∩ I_2 H = H_1 ∪ H_2 J_1 ⊂ H_1 J_2 ⊂ H_1 S(H) = S_1(H_1) + S_2(H_2) である。 S = S_1 + S_2 とする。 |S - S(H))| ≦ |S_1 - S_1(H_1)| + |S_2 - S_2(H_2)| < 2ε 証明終 60 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14 19 49 訂正 59 J_2 ⊂ H_1 J_2 ⊂ H_2 61 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14 38 44 命題 R を実数全体の集合とする。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R の元の族とする。 (x_i) が総和可能であることと、(|x_i|) が総和可能であることは 同値である。 証明 x_i ≧ 0 となる i ∈ I の集合を I_1 とする。 x_i < 0 となる i ∈ I の集合を I_2 とする。 (x_i), i ∈ I が総和可能とする。 42 より部分族 (x_i), i ∈ I_1 と部分族 (x_i), i ∈ I_2 も 総和可能である。 このとき (|x_i|), i ∈ I_2 も総和可能である。 よって 58 より (|x_i|), i ∈ I は総和可能である。 逆に (|x_i|), i ∈ I が総和可能とする。 42 より部分族 (|x_i|), i ∈ I_2 も総和可能である。 このとき 57 より (x_i), i ∈ I_2 も総和可能である。 よって 58 より (x_i), i ∈ I は総和可能である。 証明終 62 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14 56 51 命題 R を実数全体の集合とする。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R の元の族とする。 (x_i) が総和可能であることと、(x_i) の有限部分和の全体が有界な ことは同値である。 証明 (x_i), i ∈ I が総和可能であるとする。 x_i ≧ 0 となる i ∈ I の集合を I_1 とする。 x_i < 0 となる i ∈ I の集合を I_2 とする。 42 より部分族 (x_i), i ∈ I_1 と部分族 (x_i), i ∈ I_2 も 総和可能である。 よって I_1 の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の集合と I_2 の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の集合は それぞれ有界である。 よって I の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の全体は 有界である。 (続く) 63 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14 57 51 逆に (x_i) の有限部分和の全体が有界とする。 I_1 の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の集合と I_2 の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の集合は それぞれ有界である。 52 より (x_i), i ∈ I の部分族 (x_i), i ∈ I_1 は 総和可能である。 56 より (x_i), i ∈ I の部分族 (x_i), i ∈ I_2 は 総和可能である。 58 より (x_i), i ∈ I は総和可能である。 証明終 64 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 15 29 04 命題 R を実数全体の集合とする。 R^n を R 上の n 次元数ベクトル空間とする(n ≧ 1)。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R^n の元の族とする。 (x_i) が総和可能であることと、(|x_i|) が総和可能であることは 同値である。 証明 i ∈ I に対して x_i = (x_(i,1), x_(i,2), . . . , x_(i,n)) とする。 50 より (x_i) が総和可能であることと、各 λ, 1 ≦ λ ≦ n に 対して族 (x_(i,λ)), i ∈ I が総和可能であることは同値である。 一方、 61 より、族 (x_(i,λ)), i ∈ I が総和可能であることと 族 (|x_(i,λ)|), i ∈ I が総和可能であることは同値である。 不等式 |x_(i,λ)| ≦ |x_i| ≦ |x_(i,1)| + |x_(i,2)| + . . . + |x_(i,n)| と 55 より (|x_i|) が総和可能であることと、 各 λ, 1 ≦ λ ≦ n に対して族 (|x_(i,λ)|), i ∈ I が 総和可能であることは同値である。 証明終 65 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 15 36 20 命題 C を複素数全体の集合とする。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする C の元の族とする。 (x_i) が総和可能であることと、(|x_i|) が総和可能であることは 同値である。 証明 R を実数全体の集合とする。 C はアーベル群として R^2 と同一視できる。 x ∈ C のとき x の絶対値 |x| は x ∈ R^2 とみたときのノルム |x| と 一致する。 よって本命題は 64 の n = 2 の場合とみなすことが出来る。 証明終 66 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 15 41 41 命題 C を複素数全体の集合とする。 C^n を C 上の n 次元数ベクトル空間とする(n ≧ 1)。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする C^n の元の族とする。 (x_i) が総和可能であることと、(|x_i|) が総和可能であることは 同値である。 証明 R を実数全体の集合とする。 C^n はアーベル群として R^(2n) と同一視できる。 x ∈ C^n のとき x のノルム |x| は x ∈ R^(2n) とみたときの ノルム |x| と一致する。 よって本命題は 64 の n が偶数の場合とみなすことが出来る。 証明終 67 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 16 10 56 命題 F を実数体 R または複素数体 C とする。 G を F 上の r 次元数ベクトル空間 F^r とする(r ≧ 1)。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (F_n), n ∈ Z+ を I の F-近似列( 31) とする。 族 (x_i) が総和可能で、その和を S とする。 このとき S = lim S(F_n) である。 証明 G のある元 S が存在して、 任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して |S - S(J)| < ε となる。 J_0 ⊂ F_(n_0) となる n_0 ∈ Z+ がある。 n ≧ n_0 のとき F_(n_0) ⊂ F_n だから |S - S(F_n)| < ε となる。 よって S = lim S(F_n) である。 証明終 68 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 18 19 38 命題 C を複素数全体の集合とする。 L と M を高々可算な集合とする。 (x_λ), λ ∈ L (y_μ), μ ∈ M をそれぞれ総和可能な C の元の族とする。 このとき (x_λy_μ), (λ,μ) ∈ L×M も総和可能で Σx_λy_μ = (Σx_λ)(Σy_μ) となる。 証明 H ⊂ L と K ⊂ M をそれぞれ L と M の有限部分集合とする。 (|x_λ|) の H における部分和を X(H) (|y_μ|) の K における部分和を Y(K) (|x_λy_μ|) の H×K における部分和を Z(H×K) とする。 Z(H×K) = X(H)Y(K) である。 65 より (|x_λ|), λ ∈ L は総和可能である。 よって集合 { X(H) ; H ∈ Φ(L) } は有界である。 同様に集合 { Y(K) ; K ∈ Φ(M) } は有界である。 よって集合 { Z(H×K) ; H ∈ Φ(L), K ∈ Φ(M) } は有界である。 L×M の任意の有限部分集合は H×K の形の有限部分集合に含まれる。 よって 65 より (x_λy_μ), (λ,μ) ∈ L×M は総和可能である。 (続く) 69 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 18 21 34 (続く) (F_n), n ∈ Z+ を L の F-近似列( 31) とする。 (G_n), n ∈ Z+ を M の F-近似列 とする。 33 よりこのような近似列は存在する。 (x_λ) の F_n における部分和を S_n (y_μ) の G_n における部分和を T_n とする。 (x_λy_μ) の F_n×G_n における部分和を U_n とする。 U_n = (S_n)(T_n) である。 67 より Σx_λ = lim S_n Σy_μ = lim T_n Σx_λy_μ = lim U_n lim U_n = lim (S_n)(T_n) = (lim S_n)(lim T_n) 証明終 70 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 18 38 36 注意 69 において (x_λy_μ), (λ,μ) ∈ L×M が総和可能であることが わかれば、 Σx_λy_μ = (Σx_λ)(Σy_μ) は以下のようにしても証明できる。 λ∈ L に対して L×M の部分集合 {λ}×M を考える。 L×M は ({λ}×M), λ∈ L により分割される。 43 より、 Σx_λy_μ = Σ(Σx_λy_μ, μ ∈ M), λ∈ L となる。 この右辺は Σ(x_λΣy_μ) = (Σx_λ)Σy_μ) に等しい。 71 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 01 23 今まで述べた R^r または C^r における総和可能な族の理論は 分離かつ完備な位相アーベル群に値をもつ族の場合にほとんど そのまま拡張できる。 これを述べよう。 72 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 05 17 定義 G を群であり同時に位相空間とする。 μ G×G → G を μ(x, y) = xy により定義される写像とする。 ν G → G を ν(x) = x^(-1) により定義される写像とする。 μ と ν が連続なとき G を位相群と言う。 73 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 07 55 定義 G を位相群( 72)とする。 G の単位元を e とする。 {e} が閉集合のとき G を分離的な位相群という。 74 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 19 56 G を位相群とし、a を G の元とする。 写像 L_a G → G を L_a(x) = ax で定義する。 b = a^(-1) とおくと、 L_aL_b = L_bL_a = 1 である。 L_a も L_b も連続だから L_a は位相同型である。 写像 R_a G → G を R_a(x) = xa で定義する。 b = a^(-1) とおくと、 R_aR_b = R_bR_a = 1 である。 R_a も R_b も連続だから R_a は位相同型である。 x と y を G の元とする。 a = yx^(-1) とすれば L_a(x) = y である。 即ち G の任意の2点は G の位相同型写像により移る。 75 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 30 37 定義 X を集合とする。 X の部分集合からなる集合 Ψ が以下の条件を満たすとき Ψ を X のフィルターと言う。 1) Ψ には空集合は含まれない。 2) A ∈ Ψ で A ⊂ B ⊂ X なら B ∈ Ψ 3) A ∈ Ψ, B ∈ Ψ なら A ∩ B ∈ Ψ 76 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 40 55 75 を以下のように修正する。 定義 X を集合とする。 X の部分集合からなる集合 Ψ が以下の条件を満たすとき Ψ を X のフィルターと言う。 1) Ψ は空ではない。 2) Ψ には空集合は含まれない。 3) A ∈ Ψ で A ⊂ B ⊂ X なら B ∈ Ψ 4) A ∈ Ψ, B ∈ Ψ なら A ∩ B ∈ Ψ 77 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 42 57 定義 X を集合とする。 X の部分集合からなる集合 Ψ が以下の条件を満たすとき Ψ を X のフィルター基底と言う。 1) Ψ は空ではない。 2) Ψ には空集合は含まれない。 3) A ∈ Ψ, B ∈ Ψ なら C ⊂ A ∩ B となる C ∈ Ψ がある。 78 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 46 14 Ψ_0 を X のフィルター基底とする。 Ψ_0 の元を含むような X の部分集合全体は X のフィルター Ψ である。 このとき Ψ を Ψ_0 から生成されたフィルターと言う。 Ψ_0 は Ψ のフィルター基底と言う。 79 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 51 21 X の空でない部分集合の列 A_0 ⊃ A_1 ⊃ . . . があるとき 集合 {A_0, A_1, . . . } はフィルター基底である。 このようなフィルター基底は数学の各分野でよく現れる。 80 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12 58 19 定義 X を位相空間とする。 x ∈ X のとき x の開近傍 U とは X の開集合で x ∈ U となるものを言う。 x の近傍 V とは X の部分集合で x のある開近傍 U を含むものを言う。 81 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 13 02 40 X を位相空間とする。 x ∈ X のとき x の近傍全体は X のフィルターである。 このフィルターの基底( 78)を x の基本近傍系と言う。 82 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 13 25 57 命題 G を位相群とし、a を G の元とする。 V が G の単位元 e の基本近傍系( 81)全体を動くとき、 aV と Va はそれぞれ a の基本近傍系全体を動く。 証明 写像 L_a G → G を L_a(x) = ax で定義する。 写像 R_a G → G を R_a(x) = xa で定義する。 74 より L_a と R_a は位相同型である。 L_a(e) = a R_a(e) = a これから、命題の主張は明らかである。 証明終 83 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 13 41 07 定義 X を位相空間とする。 X の任意の相異なる2点 x, y に対して、 x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがあるとする。 このとき X をハウスドルフ空間と言う。 84 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 13 54 54 命題 Y を位相空間とする。 Y がハウスドルフ空間( 83)であるためには Y×Y の 対角集合 Δ = {(x, x) ; x ∈ Y } が閉集合であることが 必要十分である。 証明 Y がハウスドルフ空間とする。 (x, y) ∈ Y - Δ なら x と y のそれぞれの近傍 V, W で 交わらないものがある。 このとき V×W と Δ は交わらない。 V×W は Y×Y における (x, y) の近傍である。 よって Y - Δ は開集合である。 即ち Δ は閉集合である。 逆も同様である。 証明終 85 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14 00 40 命題 G を分離的( 73)な位相群とする。 G はハウスドルフ空間である。 即ち G の任意の相異なる2点 x, y に対して、 x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがある。 証明 84 より対角集合 Δ = {(x, x) ; x ∈ G } が閉集合であることを 示せばよい。 写像 f G×G → G を f(x, y) = xy^(-1) により定義する。 f は連続である。 G の単位元を e とする。 xy^(-1) = e なら x = y だから Δ = f^(-1)({e}) である。 {e} は閉集合で f は連続だから Δ は閉集合である。 証明終 86 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14 08 13 定義 X を位相空間とする。 X の各点が高々可算な基本近傍系( 81)を持つとき、 X は第一可算公理を満たすと言う。 87 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14 14 03 G を位相アーベル群とする。 このとき、特に断らない限り G の算法は加法とする。 即ち G の元 x と y の算法は x + y で表す。 88 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14 17 00 定義 G を位相アーベル群とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n) を Z+ を添字集合とする G の点列とする。 G の単位元 e の任意の近傍 V に対して n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n, m ≧ n_0 に対して x_n - x_m ∈ V とする。 このとき (x_n) を Cauchy 点列と呼ぶ。 89 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14 24 24 定義 X を位相空間とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n) を Z+ を添字集合とする X の点列とする。 X の元 x があり、xの近傍 V に対して n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n ≧ n_0 に対して x_n ∈ V とする。 このとき (x_n) は x に収束すると言い、 x = lim x_n と書く。 90 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14 30 46 命題 X をハウスドルフ位相空間( 83)とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n) を Z+ を添字集合とする X の点列とする。 (x_n) が x に収束する( 89)なら x は点列(x_n)により一意に決まる。 即ち x = lim x_n y = lim x_n なら x = y である。 証明 X はハウスドルフだから x ≠ y なら x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがある。 n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n ≧ n_0 に対して x_n ∈ V かつ x_n ∈ W となる。 これは V, W は交わらないという仮定にはんする。 証明終 91 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14 42 59 G を位相アーベル群とする。 G の算法が加法のとき G の単位元は 0 で表す。 92 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 15 01 37 定義 G を位相群とする。 G の単位元 e の近傍 V が V = V^(-1) となるとき V を 対称な近傍と言う。 93 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08 08 03 訂正 89 X の元 x があり、xの近傍 V に対して X の元 x があり、xの任意の近傍 V に対して 94 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08 21 08 命題 G を位相群とする。 G の単位元 e の基本近傍系で対称な近傍( 92)のみからなるものが 存在する。 証明 V を e の任意の近傍とする。 V ∩ V^(-1) は e の対称な近傍である。 よってこのような形の近傍全体が求めるものである。 証明終。 95 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08 40 22 命題 G を位相アーベル群とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n) を Z+ を添字集合とする G の点列とする。 (x_n) が G のある点 x に収束する( 89)なら、 (x_n) は Cauchy 点列( 88)である。 証明 (x, y) に x + y を対応させる写像 G×G → G は連続だから 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の近傍 W がる。 94 より W は対称としてよい。 x = lim x_n だから n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n, m ≧ n_0 に対して x_n ∈ x + W, x_m ∈ x + W となる。 このとき x_n - x_m ∈ W - W = W + W ⊂ V である。 従って、(x_n) は Cauchy 点列である。 証明終 96 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08 44 32 定義 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 G の任意の Cauchy 点列( 88)が収束するとき G を完備な位相アーベル群と言う。 97 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08 50 23 点列の代わりにフィルターをとることにより第一可算公理を満たさない 位相アーベル群に対しても完備性が定義できる。 しかし我々は当面、完備な位相アーベル群を考える場合常に 第一可算公理を仮定することにする。 98 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09 12 26 定義 G を位相アーベル群とする。 G の部分集合 A と単位元 0 の近傍 V に対して A - A ⊂ V となるとき A を V の程度に小さい集合と言う。 99 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09 17 44 定義 G を位相アーベル群とする。 G の部分集合 A が単位元 0 の任意の近傍 V に対して V の程度に小さい集合からなる有限被覆をもつとき、 A を全有界と言う。 即ち 0 の任意の近傍 V に対して G の部分集合 A_1, . . ., A_n があり A ⊂ A_1∪ . . . ∪A_n で各 A_i は A_i - A_i ⊂ V となる。 100 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09 22 21 定義 G を位相アーベル群とする。 G の部分集合 A に含まれる Cauchy 点列( 88)が常に A の点に 収束するとき A を完備という。 101 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09 25 03 訂正 100 G を位相アーベル群とする。 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 102 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09 41 56 命題 G を位相アーベル群とする。 G のコンパクトな部分集合は全有界( 99)である。 証明 K を G のコンパクトな部分集合とする。 V を 0 の任意の近傍とする。 W - W ⊂ V となる 0 の任意の近傍 W をとる。 x を K の点全体を動かすと x + W の全体は K の被覆になる。 K はコンパクトだから K の有限個の点 x_1, . . . , x_n があり x_1 + W , . . , x_n + W が K の被覆になる。 各 x_i + W は x_i + W - (x_i + W) = W - W ⊂ V だから V の程度に小さい( 98)。 よって K は全有界である。 証明終 103 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09 45 29 訂正 102 G のコンパクトな部分集合は全有界( 99)である。 G の準コンパクトな部分集合は全有界( 99)である。 104 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09 49 31 位相空間 X の任意の開被覆が有限部分被覆をもつとき、 X を準コンパクトと言う。 準コンパクトなハウスドルフ空間をコンパクトな空間と言う。 105 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 10 06 10 命題 X を第一可算公理( 86)を満たす位相空間とする。 X の任意の点 x は W_0 ⊃ W_1 ⊃ . . . となる基本近傍系( 81) (W_n) を持つ。 証明 (V_n) を x の高々可算な基本近傍系とする。 W_0 = V_0 W_1 = V_0 ∩ V_1 W_2 = V_0 ∩ V_1 ∩ V_2 . . . とおけばよい。 証明終 106 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 10 36 34 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 G の全有界( 99)な部分集合に含まれる任意の点列は Cauchy 点列を部分列に持つ。 証明 A をG の全有界)な部分集合とし、 α = (a_n) を A に含まれる点列とする。 105 より G の単位元のとなる基本近傍系 (V_n) で V_0 ⊃ V1 ⊃ . . . となるものがある。 各 V_i に対して A_(i,1), . . . A_(i,n_i) を V_i の程度に小さい集合からなる A の 被覆とする。 ある k_0 にたいして a_n ∈ A_(0,k_0) となる n は無限個ある。 従って α = (a_n) の部分点列 α_0 = (a_(n, 0)) で A_(0,k_0) に 含まれるものがある。 同様に α_0 の部分点列 α_1 = (a_(n, 1)) で A_(1,k_1) に 含まれるものがある。 帰納的に任意の m ∈ Z+ に対して α_m = (a_(n, m)) が定義される。 (続く) 107 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 10 38 12 β = (a_(n, n)) が Cauchy 点列であることを示せばよい。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して V_k ⊂ V となる k ∈ Z+ がある。 α_k = (a_(n, k)) は V_k 程度に小さい集合( 98)に含まれる。 従って、任意の n, m ≧ k に対して a_(n, n) - a_(m, m) ∈ V_k ⊂ V である。 証明終 108 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 11 37 45 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 A を G の部分集合で次の性質を持つとする。 A に含まれる任意の点列は G のある点に収束する部分点列を持つ。 このとき A は全有界( 99)である。 証明 A が全有界でないとする。 単位元 0 のある近傍 V があり、A は V の程度に小さい集合からなる 有限被覆を持たない。 W - W ⊂ V となる 0 の任意の近傍 W をとる。 A の任意の元を a_0 とする。 a_0 + W は V の程度に小さい。 よって a_1 ∈ A - (a_0 + W) となる a_1 がある。 a_1 + W も V の程度に小さいから、 a_2 ∈ A - ((a_0 + W) ∪ (a_1 + W)) となる a_2 がある。 以下同様にして点列 (a_n) が定まる。 点列 (a_n) の作り方から n > m のとき a_n - a_m は W に含まれない。 従って、点列 (a_n) は Cauchy 点列を部分点列として持たない。 よって 95 より点列 (a_n) は収束する部分点列を持たない。 これは仮定に反する。 証明終 109 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 11 40 47 証明をからわかるように、 108 において G は第一可算公理( 86)を満たす必要はなかった。 110 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 11 50 14 定義 X を位相空間とする。 X の高々可算で稠密な部分集合があるとき、X は可分であるという。 111 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 12 08 55 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 G の全有界( 99)な部分集合は、部分位相空間として 可分( 110)である。 証明 A を G の全有界な部分集合とする。 (V_n), n ∈ Z+ を G の単位元の基本近傍系とする。 各 V_i に対して A_(i,1), . . . A_(i,n_i) を V_i の程度に小さい集合からなる A の 被覆とする。 x_(i,1) ∈ A_(i,1) x_(i,2) ∈ A_(i,2) . . . x_(i,n_i) ∈ A_(i,n_i) を任意にとる。 B_i = {x_(i,1), . . . , x_(i,n_i)} とおく。 A の任意の元 x に対して x ∈ A_(i,k) となる A_(i,k) がある。 このとき x ∈ x_(i,k) + V_i である。 B_i 全部の和集合を B とする。 B は高々可算である。 G の単位元の任意の近傍 V に対して V_n ⊂ V となる V_n を取る。 A の任意の元 x に対して x ∈ b + V_n となる b ∈ B_n がある。 これは B が A で稠密(dense)なことを意味する。 証明終 112 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 12 31 35 定義 X を位相空間とする。 X の開集合の高々可算個の集合 Φ があり、 X の任意の開集合 が Φ に属す開集合の和集合として表されるとき X は第ニ可算公理を満たすと言う。 113 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 14 21 26 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 X を G の部分集合で、G の部分位相空間として可分( 110)とする。 X は G の部分位相空間として第ニ可算公理( 112)を満たす。 証明 105 より G の単位元の基本近傍系 (V_n) で V_0 ⊃ V1 ⊃ . . . となるものがある。 さらに各 V_n は対称としてよい。 X は高々可算で稠密な部分集合 Y を持つ。 x ∈ X のとき U_n(x) = (x + V_n) ∩ X とおく。 Φ = { U_n(y) ; n ∈ Z+ , y ∈ Y } とする。 Φ は高々可算な集合である。 (続く) 114 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 14 22 03 U を X の任意の開集合とする。 x を U の任意の元とする。 x ∈ U_n(x) ⊂ U となる n ∈ Z+ がある。 V_m + V_m ⊂ V_n となる m ∈ Z+ がある。 m はいくらでも大きく出来るから m ≧ n としてよい。 Y は X において稠密だから y ∈ U_m(x) となる y ∈ Y がある。 これは y - x ∈ V_m と同値である。 V_m は対称だから x - y ∈ V_m である。 即ち x ∈ U_m(y) である。 z ∈ U_m(y) なら z - y ∈ V_m 従って z - x = z - y + y - x ∈ V_m + V_m ⊂ V_n 即ち z ∈ U_n(x) よって U_m(y) ⊂ U_n(x) よって x ∈ U_m(y) ⊂ U_n(x) ⊂ U 即ち U は U_m(y) の形の集合の和集合である。 証明終 115 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 14 38 59 命題 G を位相アーベル群とする。 A を G の部分集合で次の性質を持つとする。 A に含まれる任意の点列は Cauchy 点列を部分列に持つ。 このとき A は全有界( 99)である。 証明 108 の証明から明らかである。 116 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 14 41 49 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 A を G の部分集合とする。 A が全有界( 99)であることと、 A に含まれる任意の点列は Cauchy 点列を部分列に持つことは 同値である。 証明 106 と 115 より明らかである。 117 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 15 30 22 命題 X を位相空間とする。 X のな任意の可算開被覆が有限部分被覆を常にもつとする。 このとき X の任意の点列 (x_n), n ∈ Z+ は収束する部分点列を持つ。 証明 X の任意の可算開被覆 (U_n), n ∈ Z+ をとる。 (U_n) が有限部分被覆を持たないとする。 各 n ∈ Z+ に対して x_n ∈ X - (U_0 ∪ U_2 . . . U_n) となる x_n がある。 点列 (x_n), n ∈ Z+ が収束する部分点列 (x_kn), n ∈ Z+ を持つと する。 x = lim x_kn とする。 x ∈ U_m となる m ∈ Z+ がある。 x = lim x_kn だからいくらでも大きな kn があり x_kn ∈ U_m となる。 これは kn ≧ m のとき x_kn が U_m に含まれないことに矛盾する。 証明終 118 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 15 33 52 117 は以下のように修正する。 命題 X を位相空間とする。 X の任意の点列 (x_n), n ∈ Z+ は収束する部分点列を持つとする。 このとき X の任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつ。 証明 X の任意の可算開被覆 (U_n), n ∈ Z+ をとる。 (U_n) が有限部分被覆を持たないとする。 各 n ∈ Z+ に対して x_n ∈ X - (U_0 ∪ U_2 . . . U_n) となる x_n がある。 点列 (x_n), n ∈ Z+ が収束する部分点列 (x_kn), n ∈ Z+ を持つと する。 x = lim x_kn とする。 x ∈ U_m となる m ∈ Z+ がある。 x = lim x_kn だからいくらでも大きな kn があり x_kn ∈ U_m となる。 これは kn ≧ m のとき x_kn が U_m に含まれないことに矛盾する。 証明終 119 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 15 56 02 命題 X を第ニ可算公理( 112)を満たす位相空間とする。 このとき X の任意の開被覆は高々可算な部分被覆をもつ。 証明 Φ を X の開集合の高々可算な基底とする。 (V_λ), λ ∈ Λ を X の開被覆とする。 U ∈ Φ のとき U ⊂ V_λ となる λ ∈ Λ があるような U の集合を Φ’と書く。 x を X の任意の点とする。 x ∈ V_λ となる λ ∈ Λ がある. このとき x ∈ U ⊂ V_λ となる U ∈ Φ’がある。 従って、Φ’は X の被覆である。 U ∈ Φ’のとき U ⊂ V_λ となる λ があるから、その一つを 選んでそれを λ(U) と書く。 U ⊂ V_λ(U) だから (V_λ(U)), U ∈ Φ’も X の被覆である。 これが求める部分被覆である。 証明終 120 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 16 10 04 命題(Heine-Borel) G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 X を G の部分集合とする。 X の任意の点列 (x_n), n ∈ Z+ は X の点に収束する部分点列を 持つとする。 このとき X の任意の開被覆は有限部分被覆をもつ。 即ち X は準コンパクトである。 証明 108 より X は全有界である。 111 より X は可分( 110)である。 113 より X は G の部分位相空間として第ニ可算公理( 112)を 満たす。 119 より X の任意の開被覆は高々可算な部分被覆をもつ。 118 より X の任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつ。 証明終 121 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 16 33 35 命題 X を第一可算公理を満たす位相空間で、 X の任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつとする。 A_0 ⊃ A_1 ⊃ . . . を X の可算なフィルター基底( 79)とする。 このとき X の点 x で x ∈ ∩cls(A_n), n ∈ Z+ となるものがある。 ここで cls(A_n) は A_n の閉包である。 証明 ∩cls(A_n) が空集合とする。 V_n = X - cls(A_n) とおく。 X = ∪V_n である。 仮定から X = V_n1 ∪. . . ∪ V_nr となる。 即ち cls(A_n1)∩. . . ∩cls(A_nr) は空集合である。 従って A_n1 ∩. . . ∩ A_nr も空集合である。 A_n1 ∩. . . ∩ A_nr は A_n1, . . ., A_nr のどれか一つと 一致するから空集合ではない。 これは矛盾である。 証明終 122 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 16 35 27 121 の証明からわかるように X は第一可算公理を満たす必要は なかった。 123 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 16 45 43 命題 X を第一可算公理を満たす位相空間で、 X の任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつとする。 このとき X の任意の点列 (x_n), n ∈ Z+ は X の点に収束する 部分点列を持つ。 証明 A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。 A_0 ⊃ A_1 ⊃ . . . を X の可算なフィルター基底( 79)である。 121 より X の点 x で x ∈ ∩cls(A_n), n ∈ Z+ となるものがある。 x の基本近傍系を (V_n) とする。 x ∈ cls(A_0) だから x_k(0) ∈ V_0 となる x_k(0) ∈ A_0 がある。 x ∈ cls(A_k(0)) だから x_k(1) ∈ V_1 となる x_k(1) ∈ A_k(0) がある。 同様にして x_k(n) ∈ V_n となる x_k(n) ∈ A_k(n) がある。 k(0) ≦ k(1) ≦ . . . ≦ k(n) ≦ k(n+1) ≦ . . . である。 従って x = lim x_k(n) である。 証明終 124 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 17 06 44 命題 G を位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を Cauchy 列とする。 (x_n), n ∈ Z+ が収束する部分点列 (x_k(n)) を持つなら (x_n) も収束する。 証明 x = lim x_k(n) とする。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の近傍 W がある。 n_0 ∈ Z+ があり、 n ≧ n_0 なら x_k(n) - x ∈ W n, m ≧ n_0 なら x_n - x_m ∈ W n ≧ n_0 だから k(n) ≧ k(n_0) で k(n_0) ≧ n_0 だから k(n) ≧ n_0 である。 よって x_n - x_k(n) ∈ W よって x_n - x = x_n - x_k(n) + x_k(n) - x ∈ W + W ⊂ V 即ち x = lim x_n である。 証明終 125 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 17 16 15 命題 G を位相アーベル群とする。 G の準コンパクトな部分集合は全有界である。 証明 K を G の準コンパクトな部分集合とする。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W - W ⊂ V となる 0 の近傍 W がある。 族 (x + W), x ∈ K は K の開被覆である。 K は準コンパクトだから K の有限個の点 x_1, . . . , x_n があり、 x_1 + W, . . . , x_n + W は K の被覆である。 各 x_i + W は V の程度に小さい( 98)。 従って K は全有界である。 証明終 タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/66.html
最終更新日時 2011年03月06日 (日) 21時43分29秒 代数的整数論 005 (86-160) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/86-160 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1173998720/86-160 86 :132人目の素数さん:2007/04/02(月) 12 04 00 -1 87 :132人目の素数さん:2007/04/02(月) 12 05 00 -2 88 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/02(月) 21 43 43 √2 の連分数展開を求めてみる(展開の方法は 41 参照)。 √2 = 1 + (√2 - 1) 1/(√2 - 1) = √2 + 1 = 2 + (√2 - 1) よって √2 = [1, 2, 2, . . . ] 同様に √3 = 1 + (√3 - 1) 1/(√3 - 1) = (√3 + 1)/2 = 1 + (√3 - 1)/2 2/(√3 - 1) = √3 + 1 = 2 + (√3 - 1) よって √3 = [1, 1, 2, 1, 2, . . . ] √5 = 2 + (√5 - 2) 1/(√5 - 2) = √5 + 2 = 4 + (√5 - 2) √5 = [2, 4, 4, 4. . . ] √7 = 2 + (√7 - 2) 1/(√7 - 2) = (√7 + 2)/3 = 1 + (√7 - 1)/3 3/(√7 - 1) = (√7 + 1)/2 = 1 + (√7 - 1)/2 2/(√7 - 1) = (√7 + 1)/3 = 1 + (√7 - 2)/3 3/(√7 - 2) = √7 + 2 = 4 + (√7 - 2) √7 = [2, 1, 1, 1, 4, 1, 1, 1, 4, . . . ] 89 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/02(月) 22 37 17 命題 k ≧ 1 と c ≧ 1 を有理整数で c は 2k の約数とする。 このとき、 √(k^2 + c) = [k, 2k/c, 2k, 2k/c, 2k, . . ,] 証明 0 < c < 2k + 1 だから k < √(k^2 + c) < k + 1 よって √(k^2 + c) = k + (√(k^2 + c) - k) k < √(k^2 + c) < k + 1 より 2k < √(k^2 + c) + k < 2k + 1 よって 1/(√(k^2 + c) - k) = (√(k^2 + c) + k)/c = 2k/c + (√(k^2 + c) - k)/c c/(√(k^2 + c) - k) = √(k^2 + c) + k = 2k + (√(k^2 + c) - k) 以上から √(k^2 + c) = [k, 2k/c, 2k, 2k/c, 2k, . . ,] 証明終 90 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/02(月) 22 47 44 89 の簡単な応用例を挙げる。 k = 1, c = 1 √2 = [1, 2, 2, . . .] k = 2, c = 1 √5 = [2, 4, 4, , . . .] k = 2, c = 2 √6 = [2, 2, 4, 2, 4, . . .] k = 3, c = 2 √11 = [3, 3, 6, 3, 6, . . .] 91 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/03(火) 20 46 13 88 の例はすべて循環連分数である。 √3 = [1, 1, 2, 1, 2, . . . ] は 1, 2 が繰り替えされている。 1, 2 を循環節といい、その長さは2である。 √7 = [2, 1, 1, 1, 4, 1, 1, 1, 4, . . . ] の循環節は 1, 1, 1, 4 であり、その長さは4である。 以上から循環連分数の定義は明らかだろうが正式には次のように定義する。 無限単純連分数 [k_0, k_1, . . . ] において n ≧ 0 と r ≧ 1 があり、i ≧ n のとき常に k_(i + r) = k_i となるとき これを循環連分数と呼ぶ。 k_n, . . . , k_(n + r -1) を循環節といい、r をその長さという。 n = 0 のとき純循環であるという。 92 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/03(火) 21 06 34 α = [k_0, k_1, . . . ] が循環連分数で k_n, . . . , k_(n + r -1) を 循環節に持つとする。 ここで、n ≧ 1 とし、 [k_0, k_1, . . . ] = [k_0, . . . , k_(n-1), β] とする。 ここで β = [k_n, k_(n+1), . . . ] である( 77)。 このとき α = (p_(n-1)β + p_(n-2))/(q_(n-1)β + q_(n-2)) である( 43, 56)。 さらに β は純循環である。 よって循環連分数を調べるには純循環の場合が基本的である。 93 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/03(火) 22 20 25 α = [k_0, k_0, . . . ] が長さ1の純循環とする。 k_0 ≧ 1 に注意する。 α = [k_0, α] である。 つまり、α = k_0 + 1/α である。 よって α^2 - k_0α - 1 = 0 よって α は2次の無理数である。 さらに α > k_0 ≧ 1 である。 f(x) = x^2 - k_0x - 1 とおくと、 f(0) = -1 f(-1) = 1 + k_0 - 1 = k_0 ≧ 1 よって f(x) の α 意外の根 β は -1 < β < 0 となる。 94 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 17 29 03 r ≧ 2 とし、 α = [k_0, . . . , k_(r-1), . . . ] が長さ r の純循環( 92)とする。 したがって, k_0 ≧ 1 である。 93 より α = (p_(r-1)α + p_(r-2))/(q_(r-1)α + q_(r-2)) ここで、q_0 = 1 とする。 α(q_(r-1)α + q_(r-2) = p_(r-1)α + p_(r-2) q_(r-1)α^2 + (q_(r-2) - p_(r-1))α - p_(r-2) = 0 よって α は2次の無理数である。 f(x) = q_(r-1)x^2 + (q_(r-2) - p_(r-1))x - p_(r-2) とおく。 f(0) = -p_(r-2) < 0 f(-1) = q_(r-1) - q_(r-2) + p_(r-1) - p_(r-2) 44 より r ≧ 3 のとき q_(r-1) = q_(r-2)k_(r-1) + q_(r-3) q_(r-1) - q_(r-2) = (k_(r-1) - 1)q_(r-2) + q_(r-3) ≧ q_(r-3) > 0 r = 2 なら q_(r-1) - q_(r-2) = q_1 - q_0 = k_1 - 1 ≧ 0 r ≧ 3 のとき p_(r-1) = p_(r-2)k_(r-1) + p_(r-3) p_(r-1) - p_(r-2) = (k_(r-1) - 1)p_(r-2) + p_(r-3) ≧ p_(r-3) > 0 r = 2 なら p_(r-1) - p_(r-2) = p_1 - p_0 = k_0k_1 + 1 - k_0 ≧ (k_1 - 1)k_0 + 1 > 0 以上から f(-1) = q_(r-1) - q_(r-2) + p_(r-1) - p_(r-2) > 0 よって α の共役 β は -1 < β < 0 である。 95 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 17 48 29 2次の実無理数 α とその共役 β に対して α > 1, -1 < β < 0 となるとき α を簡約された2次無理数という。 96 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 18 02 19 93 と 94 より次の命題が得られる。 命題 純循環連分数は簡約された2次無理数である。 97 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 22 33 04 補題 α を簡約された2次無理数とし、k = [α] で k ≧ 1 とする。 ω = 1/(α - k) とおく。 つまり α = k + 1/ω である。 このとき ω も簡約された2次無理数である。 証明 過去スレ4の286より ω も2次無理数である。 よって α を α の共役とすると ω = 1/(α - k) は ω の共役である。 0 < α - k < 1 だから ω > 1 である。 -1 < α < 0 だから -1 - k < α - k k - α > 1 + k よって 1/(k - α ) < 1/(1 + k) < 1 よって -1 < 1/(α - k) < 0 ω = 1/(α - k) だから ω は簡約された2次無理数である。 証明終 98 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 22 47 36 97 α を簡約された2次無理数とし、k = [α] で k ≧ 1 とする。 α > 1 だから k ≧ 1 は自動的に満たされるので、この条件は不要であった。 99 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 13 40 14 α を簡約された2次無理数とする。 α を連分数に展開して、 α = [k_0, k_1, . . . ] とする。 n ≧ 0 に対して α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] とおく。 77 より α = [k_0, . . . , k_(n-1), α_n] である。 同じく 77 より α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] = [k_n, α_(n+1)] だから α_n = k_n + 1/α_(n+1) である。 よって 97 と n に関する帰納法により各 α_n は 簡約された2次無理数である。 α = (p_(n-1)α_n + p_(n-2))/(q_(n-1)α_n + q_(n-2)) で p_(n-1)q_(n-2) - q_(n-1)p_(n-2) = (-1)^n である( 43, 44, 57)。 過去スレ4の286 より α と α_n は同じ判別式(過去スレ4の276) をもつ。 これに関連して次の命題が成り立つ。 100 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 14 37 53 命題 同じ判別式 D を持つ簡略された2次無理数の個数は有限である。 証明 α を判別式 D の簡約された2次無理数とする。 α は ax^2 + bx + c の根とする。 ここで a, b, c は有理整数で a > 0, gcd(a, b, c) = 1 D = b^2 - 4ac である。 β を α の共役とする。 α は簡約された2次無理数だから 95 より α > 1, -1 < β < 0 である。 よって α + β > 0 αβ < 0 である。 ax^2 + bx + c = a(x - α)(x - β) だから b = -a(α + β) c = aαβ である。 よって b < 0, c < 0 となる。 よって D = b^2 + 4|ac| よって b^2 < D だから b の取りうる値は有限個である。 4|ac| = D - b^2 だから a, c の取りうる値も有限個である。 証明終 101 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 15 05 11 命題 簡略された2次無理数は純循環連分数に展開される。 証明 α を判別式 D の簡約された2次無理数とする。 α を連分数に展開して、 α = [k_0, k_1, . . . ] とする。 n ≧ 0 に対して α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] とおく。 99 より各 α_n は判別式 D の簡約された2次無理数である。 100 より相異なる α_n の個数は有限である。 よって α_n = α_m となる n < m がある。 n > 0 なら α_(n-1) = k_(n-1) + 1/α_n α_(m-1) = k_(m-1) + 1/α_m よって α_(n-1) - α_(m-1) = k_(n-1) - k_(m-1) よって α _(n-1) - α _(m-1) = k_(n-1) - k_(m-1) ここで α _(n-1), α _(m-1) はそれぞれ α_(n-1) と α_(m-1) の 共役である。 各 α_n は簡約された2次無理数だから -1 < α _(n-1) < 0 -1 < α _(m-1) < 0 よって |α _(n-1) - α _(m-1)| = |k_(n-1) - k_(m-1)| < 1 k_(n-1) - k_(m-1) は有理整数だから 0 である。 よって α _(n-1) = α _(m-1) となる。 よって α_(n-1) = α_(m-1) である。 以上を繰り返せば α_0 = α_(m-n) となる。 よって α は純循環連分数に展開される。 証明終 102 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 17 52 04 補題 α を2次無理数とする。 p, q, r, s を有理数で、ps - qr ≠ 0 とする。 α = (pβ + r)/(qβ + s) とする。 つまり、β = (sα - r)/(-qα + p) とおく。 このとき β も2次無理数であり、 α = (pβ + r)/(qβ + s) である。 ここで α と β はそれぞれ α と β の共役である。 証明 Q(α) は2次体である。σ ≠ 1 を Q(α) の自己同型とする。 σ(α) = α である。 β ∈ Q(α) で β は有理数でないから β は2次無理数である。 α = (pβ + r)/(qβ + s) より σ(α) = (pσ(β) + r)/(qσ(β) + s) σ(β) = β だから α = (pβ + r)/(qβ + s) である。 証明終 103 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 18 05 37 命題 α を2次の実無理数とする。 α を連分数に展開して、 α = [k_0, k_1, . . . ] とする。 n ≧ 0 に対して α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] とおく。 このとき、ある n_0 ≧ 0 があり n ≧ n_0 なら常に α_n は簡約された 2次無理数である。 証明 99 と同様にして、 α = (p_(n-1)α_n + p_(n-2))/(q_(n-1)α_n + q_(n-2)) である。 よって 102 より β = (p_(n-1)β_n + p_(n-2))/(q_(n-1)β_n + q_(n-2)) となる。 ここで、β と β_n は α と α_n のそれぞれ共役である。 β_n = (q_(n-2)β - p_(n-2))/(-q_(n-1)β + p_(n-1)) 右辺の分子と分母をそれぞれ変形すると q_(n-2)β - p_(n-2) = q_(n-2)(β - p_(n-2)/q_(n-2)) -q_(n-1)β + p_(n-1) = -q_(n-1)(β - p_(n-1)/q_(n-1)) となる。 よって β_n = -(q_(n-2)/q_(n-1))(β - p_(n-2)/q_(n-2))/(β - p_(n-1)/q_(n-1)) (続く) 104 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 18 21 43 103 の続き。 80 より n → ∞ のとき p_(n-2)/q_(n-2) → α p_(n-1)/q_(n-1) → α よって (β - p_(n-2)/q_(n-2))/(β - p_(n-1)/q_(n-1)) → (β - α)/(β - α) = 1 (q_(n-2)/q_(n-1)) > 0 だから 十分大きい n に対して β_n < 0 α_n = k_n + 1/α_(n+1) よって 102 より β_n = k_n + 1/β_(n+1) よって β_(n+1) = 1/(β_n - k_n) |β_n - k_n| > 1 だから -1 < β_(n+1) < 0 α_(n+1) > 1 だから α_(n+1) は簡約された2次無理数である。 97 より m ≧ n + 1 なら α_m も簡約された2次無理数である。 証明終 105 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 18 26 27 定理(Lagrange) 2次の実無理数は循環連分数に展開される。 証明 101 と 103 より明らかである。 106 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 19 16 18 97 ω = 1/(α - k) は ω の共役である。 これは 102 から出る。 従って、 102 は 97 の前に出したほうが良かった。 107 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 01 21 03 補題 t ≠ 0 を有理数とする。 t を有限単純連分数( 69)に展開して t = [k_0, . . . , k_(n-1)] とするとき、項数 n を偶数または奇数の どちらにも出来る。 証明 t = [k_0, . . . , k_(n-1)] において n = 1 のとき 即ち t = [k_0] のときは t = [k_0 - 1, 1] でもある。 よって n ≧ 2 と仮定してよい。 k_(n-1) = 1 なら [k_0, . . . , k_(n-1)] = [k_0, . . . , k_(n-2) + 1] k_(n-1) > 1 なら [k_0, . . . , k_(n-1)] = [k_0, . . . , k_(n-1) - 1, 1] いずれの場合も、項数を偶数または奇数のどちらにも出来る。 証明終 108 :132人目の素数さん:2007/04/08(日) 02 00 48 虚二次体と類数について教えて下さい 109 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 02 14 37 108 過去スレ4 に書いてあります。 過去スレ4は 54 のリンク先で見れます。 そこはいつまで見れるかわからないのでパソコンに保存しておいたほうがよいです。 虚二次体とその類数についてさらに詳しいことはこの後にやる予定。 110 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 10 33 01 補題 β > 1 を実無理数とする。 α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = ±1 であり、 c > d > 0 である。 このときある n ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 証明 a/c を単純連分数( 69)に展開して a/c = [k_0, . . . , k_(n-1)] とする。 107 より ad - bc = (-)^n と仮定してよい。 61 より [k_0, k_1, . . . , k_(n-1)] = p_(n-1)/q_(n-1) である。 ここで p_(n-1) = P(k_0, k_1, ... , k_(n-1)) q_(n-1) = P(k_1, ... , k_(n-1)) とおいた。 (続く) 111 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 10 36 21 110 の続き。 ad - bc = (-)^n だから gcd(a, c) = 1 57 より p_(n-1)q_(n-2) - q_(n-1)p_(n-2) = (-1)^n よって gcd(p_(n-1), q_(n-1)) = 1 a/c = p_(n-1)/q_(n-1) で c > 0, q_(n-1) > 0 だから a = p_(n-1) c = q_(n-1) よって aq_(n-2) - cp_(n-2) = ad - bc a(d - q_(n-2)) = c(b - p_(n-2)) gcd(a, c) = 1 だから d ≡ q_(n-2) (mod c) c > d > 0 c = q_(n-1) ≧ q_(n-2) > 0 よって |d - q_(n-2)| < c d ≡ q_(n-2) (mod c) より d = q_(n-2) よって b = p_(n-2) α = (aβ + b)/(cβ + d) = (p_(n-1)β + p_(n-2))/(q_(n-1)β + q_(n-2)) = [k_0, . . . ,k_(n-1), β] 証明終 112 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 16 33 36 命題 β を実無理数とする。 α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = ±1 である。 このとき、ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω] β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 であり、 各 h_i も有理整数で i ≧ 1 のとき h_i ≧ 1 である。 即ち、α と β を無限連分数に展開したとき、それぞれのある項から 先の展開は一致する。 証明 cβ + d < 0 なら -cβ - d > 0 で α = (-aβ - b)/(-cβ - d) だから cβ + d > 0 と仮定してよい。 β を 無限連分数に展開して β = [h_0, h_1, . . . ] とする。 m ≧ 1 に対して ω_m = [h_m, h_(m+1), . . . ] とおく。 77 より β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω_m] である。 99 と同様にして、 β = (p_(m-1)ω_m + p_(m-2))/(q_(m-1)ω_m + q_(m-2)) (続く) 113 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 16 36 26 112 の続き。 α = (aβ + b)/(cβ + d) より、 α = (Aω_m + B)/(Cω_m + d) ここで A = ap_(m-1) + bq_(m-1) B = ap_(m-2) + bq_(m-2) C = cp_(m-1) + dq_(m-1) D = cp_(m-2) + dq_(m-2) である。 C = cp_(m-1) + dq_(m-1) = q_(m-1)(cp_(m-1)/q_(m-1) + d) m → ∞ のとき p_(m-1)/q_(m-1) → β だから cβ + d > 0 より十分大きい m に対して C > 0 である。 C = cp_(m-1) + dq_(m-1) = h_(m-1)(cp_(m-2) + dq_(m-2)) + cp_(m-3) + dq_(m-3) 上で述べたことより十分大きい m に対して cp_(m-3) + dq_(m-3) > 0 である。 このとき C = cp_(m-1) + dq_(m-1) > D = cp_(m-2) + dq_(m-2) よって 110 より このときある n ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω_m] となる。 証明終 114 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 16 38 59 105 と 112 の証明は高木の初等整数論講義を参考にした。 115 :132人目の素数さん:2007/04/08(日) 17 05 50 名無しで自分の隔離病棟スレを立てているんだねw 116 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 17 37 25 112 の逆が成り立つことは明らかだろうが、一応証明する。 命題 α と β を実無理数とする。 ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω] β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω] となるとする。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 であり、 各 h_i も有理整数で i ≧ 1 のとき h_i ≧ 1 である。 このとき、α = (aβ + b)/(cβ + d) となる。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = ±1 である。 証明 α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω] より α = (pω + r)/(qω + s) となる。 ここで p, r, q, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 よって A = (p, r)/(q, s) とおけば、A ∈ GL_2(Z) であり、 α = Aω となる。 同様に β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω] より β = (p ω + r )/(q ω + s ) となる。 ここで p , r , q , s は有理整数で p s - q r = ±1 である。 B = (p , r )/(q , s ) とおけば、B ∈ GL_2(Z) であり、 β = Bω となる。 従って、α = Aω = AB^(-1)ω となり AB^(-1) ∈ GL_2(Z) である。 証明終 117 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 17 59 59 116 従って、α = Aω = AB^(-1)ω となり 従って、α = Aω = AB^(-1)β となり 118 :β ◆aelgVCJ1hU :2007/04/08(日) 18 09 04 呼んだか・・? 119 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 19 46 47 112 このとき、ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、 このとき、ある実無理数 ω > 1 と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、 120 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/09(月) 22 34 11 補題 θ を簡約された2次無理数とし、 θ = (pθ + q)/(rθ + s) とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 このとき (rθ + s)(rθ + s) = ε である。 ここで θ は θ の共役で ε = ps - qr = ±1 である。 証明 θ = (pθ + q)/(rθ + s) より、 θ(rθ + s) = pθ + q rθ^2 + (s - p)θ - q = 0 よって θ は rx^2 + (s - p)x - q の根である。 よって rx^2 + (s - p)x - q = r(x - θ)(x - θ ) 従って r(θ + θ ) = p - s rθθ = -q (rθ + s)(rθ + s) = r^2θθ + rs(θ + θ ) + s^2 = -qr + s(p - s) + s^2 = ps - qr = ε 証明終 121 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/11(水) 12 51 05 120 証明からわかるように、θ は単に2次無理数であればよく、 簡約された2次無理数である必用はなかった。 122 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/11(水) 15 16 24 命題(高木の初等整数論講義) θ を簡約された2次無理数とし、 θ = (pθ + q)/(rθ + s) とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 さらに、rθ + s > 1 とする。 このときある n ≧ 1 があり、 θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 証明 E = rθ + s, E = rθ + s とおく。 120 より EE = ps - qr = ±1 である。 |EE | = 1 で E > 1 だから |E | < 1 したがって、E - E > 0 即ち r(θ - θ ) > 0 θ は簡約された2次無理数だから、θ > 1, -1 < θ < 0 である( 95)。 よって、θ - θ > 0 だから r > 0 である。 よって、rθ + s > -r + s EE = 1 のとき E > 1 より 1 > E > 0 よって r + 1 > r + E 一方、上より E > -r + s だから r + E > s よって r + 1 > s よって r ≧ s EE = -1 のときは E > 1 より 0 > E > -1 よって r > r + E 一方 r + E > s だから r > s (続く) 123 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/11(水) 16 26 18 122 の続き。 EE = 1 のとき E > 0 すなわち rθ + s > 0 だから s > -rθ > 0 この場合 r ≧ s だったから r > s なら 110 より本命題は従う。 EE = -1 のとき 0 > E > -1 一方 r > 0 で θ < 0 だから s > rθ + s よって s > - 1 即ち s ≧ 0 である。 r > s だったから s > 0 ならやはり 110 より本命題は従う。 残るのは EE = 1 で r = s > 0 の場合と EE = -1 で r > s = 0 の場合である。 EE = 1 で r = s > 0 なら、 pr - qr = 1 (p - q)r = 1 r > 0 だから r = 1 よって q = p - 1 θ = (pθ + p - 1)/(θ + 1) = (p(θ + 1) - 1)/(θ + 1) = p - 1/(θ + 1) = p - 1 + 1 - 1/(θ + 1) = p - 1 + θ/(θ + 1) = p - 1 + 1/(1 + 1/θ) よって θ = [p - 1, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。 EE = -1 で r > s = 0 なら、 ps - qr = -qr = -1 よって qr = 1 r > 0 だから r = q = 1 θ = (pθ + 1)/θ = p + 1/θ = [p, θ] よって、この場合も本命題は従う。 証明終 124 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/11(水) 20 28 21 123 よって q = p - 1 θ = (pθ + p - 1)/(θ + 1) = (p(θ + 1) - 1)/(θ + 1) = p - 1/(θ + 1) = p - 1 + 1 - 1/(θ + 1) = p - 1 + よって θ = [p - 1, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。 ここは高木のように以下のようにしたほうが良かった。 よって p = q + 1 θ = ((q + 1)θ + q)/(θ + 1) = q + θ/(θ + 1) = q + 1/(1 + 1/θ) よって θ = [q, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。 125 :132人目の素数さん:2007/04/12(木) 06 33 11 Thomas Pietraho. 126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/12(木) 12 41 15 θ を実2次無理数とする。 θ は2次多項式 ax^2 + bx + c の根である。 ここで a, b, c は有理整数で a > 0, gcd(a, b, c) = 1 である。 a, b, c は θ により一意に決まる。 2次方程式の根の公式よりθ = (-b ± √D)/2a である。 話を固定するため θ = (-b + √D)/2a と仮定する。 ここで D = b^2 - 4ac である。 D は θ の判別式である(過去スレ4の276)。 θ は実数と仮定したから D > 0 である。 D = b^2 - 4ac だから D ≡ b^2 (mod 4) である。 0^2 ≡ 0 (mod 4) 1^2 ≡ 1 (mod 4) 2^2 ≡ 0 (mod 4) 3^2 ≡ 1 (mod 4) よって D ≡ 0 (mod 4) または D ≡ 1 (mod 4) である。 θ は無理数だから D は平方数でない。 従って、過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の判別式になる。 D = (f^2)d である。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d は Q(√m) の判別式である。 過去スレ4の587より I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] は R のイデアルである。 過去スレ4の592より I は可逆イデアルである。 127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/12(木) 20 56 36 θ を実2次無理数とする。 θ は2次多項式 ax^2 + bx + c の根である。 ここで a, b, c は有理整数で a > 0, gcd(a, b, c) = 1 である。 a, b, c は θ により一意に決まる。 2次方程式の根の公式よりθ = (-b ± √D)/2a である。 話を固定するため θ = (-b + √D)/2a と仮定する。 ここで D = b^2 - 4ac である。 D は θ の判別式である(過去スレ4の276)。 θ は実数と仮定したから D > 0 である。 D = b^2 - 4ac だから D ≡ b^2 (mod 4) である。 0^2 ≡ 0 (mod 4) 1^2 ≡ 1 (mod 4) 2^2 ≡ 0 (mod 4) 3^2 ≡ 1 (mod 4) よって D ≡ 0 (mod 4) または D ≡ 1 (mod 4) である。 θ は無理数だから D は平方数でない。 従って、過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の判別式になる。 D = (f^2)d である。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d は Q(√m) の判別式である。 過去スレ4の587より I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] は R のイデアルである。 過去スレ4の592より I は可逆イデアルである。 128 :132人目の素数さん:2007/04/12(木) 21 04 02 Googleがking仕様になったぞ 早く見てみろ 129 :132人目の素数さん:2007/04/12(木) 21 07 46 ax^2 + bx + c=0 の解はa,b,cの関数で、逆函数がある。 2つの2次曲線の交点が解だと、逆函数は存在しない。 でも2次曲線のx切片が2個決まれば、その2点を通る2次曲線は 無限にある。 130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 12 06 28 127 の続き。 (1) m ≡ 1 (mod 4) のとき ω = (1 + √m)/2 であり、d = m である(過去スレ3の768)。 D = (f^2)m より (-b + √D)/2 = (-b + f√m)/2 = (-b - f + f(1 + √m))/2 = -(b + f)/2 + fω D ≡ f^2 (mod 4) だから b^2 ≡ f^2 (mod 4) よって b^2 ≡ f^2 (mod 2) よって b ≡ f (mod 2) よって b + f ≡ 0 (mod 2) 即ち -(b + f)/2 は有理整数である。 (2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき ω = √m であり、d = 4m である(過去スレ3の768)。 D = 4(f^2)m より (-b + √D)/2 = (-b + 2f√m)/2 = -b/2 + fω D ≡ 0 (mod 4) だから b^2 ≡ 0 (mod 4) よって b ≡ 0 (mod 2) 即ち -b/2 は有理整数である。 131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 16 58 24 130 の続き。 I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] = [a, c + fω] である。 ここで、 m ≡ 1 (mod 4) のとき c = -(b + f)/2 m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき c = -b/2 I = αI となる α ∈ Q(√m) があるとする。 過去スレ4の593より θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 逆に、ps - qr = ±1 となる有理整数 p, q, r, s があり、 θ = (pθ + q)/(rθ + s) とすると、過去スレ4の593より I = αI となる。 ここで、α = rθ + s である。 I は可逆イデアルだから I = αI なら II^(-1) = αII^(-1) II^(-1) = R だから R = αR である。ここで R = [1, fω]。 よって αβ = 1 となる β ∈ R がある。 即ち α は R の単数である。 逆に α が R の単数なら αR = R だから I = RI = αRI = αI 132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 17 02 38 過去スレ4の590より R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。 従って、 D ≡ 0 (mod 4) のとき R = {(u + v√D)/2 ; u ∈ Z, v ∈ Z, u ≡ 0 (mod 2) } である。 D ≡ 1 (mod 4) のとき R = {(u + v√D)/2 ; u ∈ Z, v ∈ Z, u ≡ v (mod 2) } である。 α = (u + v√D)/2 が R の単数なら、 αα = (u + v√D)/2 (u - v√D)/2 = (u^2 - Dv^2)/4 = ±1 逆に (u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら u^2 ≡ Dv^2 (mod 4) D ≡ 0 (mod 4) のとき u^2 ≡ 0 (mod 4) u ≡ 0 (mod 2) D ≡ 1 (mod 4) のとき u^2 ≡ v^2 (mod 4) u ≡ v (mod 2) よって、いずれの場合にも α = (u + v√D)/2 は R の元であり 従って R の単数である。 133 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 17 06 01 (u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら (u, -v), (-u, v), (-u, -v) も同様である。 これ等には、それぞれ α , -α , -α が対応する。 u > 0, v > 0 なら D ≧ 2 だから α = (u + v√D)/2 ≧ (1 + √2)/2 > 1 以上から、次のことが分かった。 α を R の単数とすると、α, α , -α , -α のどれか一つは 1 より大きい。 134 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 17 27 10 133 を以下のように訂正する。 (u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら (u, -v), (-u, v), (-u, -v) も同様である。 これ等には、それぞれ α , -α , -α が対応する。 u = 0 なら -Dv^2 = ±4 より v^2 = 1 または v^2 = 4 となり D = 4 または D = 1 となって矛盾。 v = 0 なら u^2 = 4 より u = ±2 となり α = ±1 である。 u > 0, v > 0 なら D ≧ 2 だから α = (u + v√D)/2 ≧ (1 + √2)/2 > 1 以上から、次のことが分かった。 α ≠ ±1 を R の単数とすると、α, α , -α , -α のどれか一つは 1 より大きい。 135 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 21 52 44 131 より θ = (pθ + q)/(rθ + s) なら rθ + s は R の単数である。 よって 132 より rθ + s = (u + v√D)/2 となる。 ここで (u, v) は u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解である。 p, q, r, s を u, v で表してみよう。 (u + v√D)/2 = rθ + s = r(-b + √D)/2a + s よって v = r/a よって r = av u/2 = -rb/2a + s だから u/2 = -vb/2 + s s = (u + vb)/2 θ = (pθ + q)/(rθ + s) だから θ(rθ + s) = pθ + q これに θ = (-b + √D)/2a を代入して (u + v√D)/2 (-b + √D)/2a = p(-b + √D)/2a + q (-ub + (u - vb)√D + vD)/4a = 2p(-b + √D)/4a + q よって (-ub + vD)/4a = (4aq - 2pb)/4a -ub + vD = 4aq - 2pb (u - vb)/4a = 2p/4a p = (u - bv)/2 -ub + vD = 4aq - 2pb = 4aq - (u - bv)b -b^2v + vD = 4aq q = v(-b^2 + D)/4a = -4acv/4a = -cv 以上から (p, q/(r, s) = ((u - bv)/2, -cv)/(av, (u + bv)/2) 136 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 22 08 52 122 このときある n ≧ 1 があり、 θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 θ > 1 だから k_0 ≧ 1 でもある。 137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 22 44 28 命題 θ, R は 126 同じとする。 A = (p_0, q_0)/(r_0, s_0) ∈ GL_2(Z) B = (p_1, q_1)/(r_1, s_1) ∈ GL_2(Z) で θ = Aθ θ = Bθ とする。 E_0 = r_0θ + s_0 E_1 = r_1θ + s_1 とおけば、 131 より E_0, E_1 は R の単数である。 AB = C とすれば θ = Cθ である。 C = (p_2, q_2)/(r_2, s_2) ∈ GL_2(Z) E_2 = r_2θ + s_2 とおく。 このとき、E_0E_1 = E_2 である。 証明 E_0E_1 = (r_0θ + s_0)(r_1θ + s_1) = r_0θ(r_1θ + s_1) + s_0(r_1θ + s_1) = r_0(p_1θ + q_1) + s_0(r_1θ + s_1) = (r_0p_1 + s_0r_1)θ + (r_0q_1 + s_0s_1) = r_2θ + s_2 証明終 138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/14(土) 00 52 14 R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。 θ を判別式 D の簡約された2次無理数とする。 127 において θ が簡約された2次無理数の場合を考える。 101 より θ は純循環連分数に展開される。 θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] で、k_0, . . . , k_(n-1) が 最短の純循節とする。 θ = (p_(n-1)θ + p_(n-2))/(q_(n-1)θ + q_(n-2)) で p_(n-1)q_(n-2) - q_(n-1)p_(n-2) = (-1)^n である( 43, 44, 57)。 θ > 1 で q_(n-1) > 0, q_(n-2) ≧ 0 だから E = q_(n-1)θ + q_(n-2) > 1 である。 131 より E は R の単数である。 α を R の単数で α > 1 とする。 α も R の単数であるから 131 より I = α I である。 よって θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる 有理整数 p, q, r, s で ps - qr = ±1 となるものがあり、 α = rθ + s である。 よって α = rθ + s である。 α > 1 だから 122 より rθ + s はθの連分数展開から得られる。 よって 137 より α = E^m となる m ≧ 1 がある。 139 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/14(土) 01 07 04 α を R の単数で α > 1 とする。 α も R の単数であるから 131 より I = α I である。 よって θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる 有理整数 p, q, r, s で ps - qr = ±1 となるものがあり、 α = rθ + s である。 よって α = rθ + s である。 α > 1 だから 122 より rθ + s はθの連分数展開から得られる。 よって 137 より α = E^m となる m ≧ 1 がある。 α を R の単数で 0 < α < 1 とすると、1/α > 1 だから 138 より 1/α = E^m となる m ≧ 1 がある。 よって α = E^(-m) である。 α < 0 なら -α > 0 だから α ≠ -1 なら上でのべたことから -α = E^m となる m ≠ 0 がある。 以上から R の任意の単数は ±E^m, m ∈ Z と書ける。 E を R の基本単数と呼ぶ。 140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/14(土) 01 12 10 138 R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。 θ を判別式 D の簡約された2次無理数とする。 この部分は不要なので削除する。 141 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 10 00 16 142 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 11 00 17 143 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 12 00 16 144 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 13 00 15 145 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 14 02 14 146 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 15 00 13 147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 10 13 27 連分数の理論を(2元)2次形式論と実2次体に応用するためには、 2次の無理数と2次形式と2次体のイデアルの3者の関係をはっきり させておいたほうが良い。 この関係は過去スレ4でもある程度扱ったが、ここではより詳しく 述べる。 ここで述べる定式化は Henri Cohen の A course in computational algebraic number thery から拝借した。 148 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 10 43 56 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環 R の 判別式である。 I を R の分数イデアル(過去スレ2の677)とする。 即ち、Q(√m) の R-部分加群 I が次の条件を満たすとき I を R の 分数イデアルと呼ぶ。 1) I ≠ 0 2) Q(√m) の元 x ≠ 0 で xI ⊂ R となるものがある。 定義より、I = (1/α)J と書ける。 ここで J は R のイデアルで α は R の元である。 I のノルム N(I) を N(I) = N(J)/|N(α)| で定義する。 これが J と α の取り方によらないことは証明を要する。 149 :132人目の素数さん:2007/04/21(土) 10 57 54 糞 150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 17 07 補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 R = [μ, ν] を R のある基底による表示とする。 I = [α, β] を I のある基底による表示とする。 I ⊂ R だから α = pμ + qν β = rμ + sν と書ける。ここで p, q, r, s は有理整数である。 このとき N(I) = |ps - qr| である。 証明 I = [a, b + cfω] を I の標準基底 (過去スレ4の429) による 表示とする。 N(I) = ac である(過去スレ4の438)。 [μ, ν] の [1, fω] による変換行列を A とする。 つまり、(μ, ν) = A(1, fω) である。 ここで、(μ, ν) , (1, fω) はそれぞれ列ベクトルを表す。 同様に [a, b + cfω] の [1, fω] による変換行列を B とする。 つまり、(a, b + cfω) = B(1, fω) である。 ここで、B = (a, 0)/(b, c) である。 同様に [α, β] の [a, b + cfω] による変換行列を C とする。 (α, β) = C(a, b + cfω) = CB(1, fω) = CBA^(-1) (μ, ν) 従って、P = (p, q)/(r, s) とおけば P = CBA^(-1) である。 det(A) = ±1, det(C) = ±1 だから |det(P)| = |det(B)| = ac = N(I) det(P) = ps - qr だから N(I) = |ps - qr| である。 証明終 151 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 30 20 補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 R = [μ, ν] を R のある基底による表示とする。 I = [α, β] を I のある基底による表示とする。 I ⊂ R だから α = pμ + qν β = rμ + sν と書ける。ここで p, q, r, s は有理整数である。 このとき αβ - α β = (ps - qr)(μν - μ ν) 証明 (α, α )/(β, β ) = (p, q)/(r, s) (μ, μ )/(ν, ν ) である。 両辺の行列式をとればよい。 証明終 152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 47 49 補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 I = [α, β] を I のある基底による表示とする。 (αβ - α β)^2 は有理整数 > 0 であり、基底 α, β の 取り方によらない。 証明 I = [γ, δ] を I の別の基底による表示とする。 [α, β] の [γ, δ] による変換行列を P とすれば 151 と同様にして αβ - α β = (ps - qr)(γδ - γ δ) 両辺を2乗して (αβ - α β)^2 = (ps - qr)^2 (γδ - γ δ)^2 det(P) = ±1 だから (αβ - α β)^2 = (γδ - γ δ)^2 証明終 153 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 54 18 定義 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 I = [α, β] を I のある基底による表示とする。 d(I) = (αβ - α β)^2 と書き、これを I の判別式という。 152 より、これは基底 α, β の取り方によらない。 d(I) を d(α, β) とも書く。 容易にわかるように d(R) は R の判別式に一致する。 さらに d(1, ω) は2次体 Q(√m) の判別式である。 154 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 59 03 補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 d(I) = (N(I)^2)d(R)である。 証明 定義( 152) と 150, 151 より明らかである。 155 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 12 05 04 定義 α, β を2次体 Q(√m) の元とする。 Δ(α, β) = αβ - α β と書く。 156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 12 19 47 補題 α, β, γ を2次体 Q(√m) の元とする。 Δ(γα, γβ) = N(γ)Δ(α, β) である。 証明 Δ(γα, γβ) = γαγ β - γ α γβ = γγ (αβ - α β) = N(γ)Δ(α, β) 証明終 157 :132人目の素数さん:2007/04/22(日) 04 10 00 12 158 :132人目の素数さん:2007/04/22(日) 04 11 00 11 159 :132人目の素数さん:2007/04/22(日) 04 12 00 10 160 :132人目の素数さん:2007/04/22(日) 04 13 00 9 タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/100.html
最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時49分30秒 代数的整数論 007 (711-810) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/711-810 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/711-810 711 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 12 38 26 命題 X を局所コンパクト空間とする。 K(X) ( 708) の各元 f は有界である。 さらに、f は X のある点で最大値をもつ。 同様に、f は X のある点で最小値をもつ。 証明 A = Supp(f) とおく。 f(X) = f(A) ∪ {0} または f(X) = f(A) である。 A はコンパクトであるから f(A) もコンパクトである。 よって、f(X) もコンパクトであり有界である。 f(X) は閉集合だから sup f(x) ∈ f(X), inf f(x) ∈ f(X) となる。 よって f は X のある点で最大値をもち、X のある点で最小値をもつ。 証明終 712 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 12 41 55 定義 X を局所コンパクト空間とする。 K(X) ( 708) の元 f に対して |f|_b = sup{|f(x)| | x ∈ X } と書く。 711 より |f|_b は有限である。 明らかに |f|_b は線形空間 K(X) のノルム(過去スレ006の561)である。 713 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13 03 17 定義 X を局所コンパクト空間とする。 K+(X) = {f ∈ K(X, R) | f ≧ 0 } と書く。 714 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13 08 25 定義 X を局所コンパクト空間とする。 K(X, R) 8 708) から R への(必ずしも連続とは限らない)線形写像 L で f ≧ 0 なら L(f) ≧ 0 となるもの全体を M+(X) と書く。 715 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13 09 28 714 を次のように修正する。 定義 X を局所コンパクト空間とする。 K(X, R) ( 708) から R への (必ずしも連続とは限らない) 線形写像 L で f ≧ 0 なら L(f) ≧ 0 となるもの全体を M+(X) と書く。 716 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13 22 44 補題 L を M+(X) ( 715) の元とする。 K(X, R) ( 708) の任意の元 f に対して |L(f)| ≦ L(|f|) である。 証明 -|f| ≦ f ≦ |f| より、 L の線形性と正値性を使って、 -L(|f|) ≦ L(f) ≦ L(|f|) となる。 即ち、 |L(f)| ≦ L(|f|) である。 証明終 717 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13 38 46 命題 L を M+(X) ( 715) の元とする。 K を X の任意のコンパクト部分集合とする。 K のみによって決まる定数 M(K) ≧ 0 が存在し、 Supp(f) ⊂ K なら |L(f)| ≦ M(K)|f|_b ここで、|f|_b は f のノルムである( 712)。 証明 706 より、連続関数 h X → [0, 1] で コンパクトな台を持ち、K の上で 1 となるものが存在する。 h ∈ K+(X) である。 Supp(f) ⊂ K だから、 |f| ≦ (|f|_b)h よって、 L(|f|) ≦ (|f|_b)L(h) 716 より |L(f)| ≦ L(|f|) よって |L(f)| ≦ (|f|_b)L(h) M(K) = L(h) とすればよい。 証明終 718 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13 42 12 命題 X をコンパクト空間とする。 M+(X) ( 715) の任意の元 L は K(X) のノルム | |_b に関して 連続である。 証明 717 より明らかである。 719 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 14 03 02 X を局所コンパクト空間とする。 M+(X) ( 715) の任意の元 L を固定する。 K を X の任意のコンパクト部分集合とする。 706 より、連続関数 h X → [0, 1] で コンパクトな台を持ち、K の上で 1 となるものが存在する。 h ∈ K+(X) である。 従って、集合 {f ∈ K+(X) | f ≧ χ_K} は空ではない。 ここで、χ_K は K の特性関数である。 μ(K) = inf { L(f) | f ≧ χ_K} と書く。 720 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 14 16 16 命題 719 において、 (1) 0 ≦ μ(K) < +∞ (2) K_1 ⊂ K_2 なら μ(K_1) ⊂ μ(K_2) (3) μ(K_1 ∪ K_2) ≦ μ(K_1) + μ(K_2) (4) K_1 ∩ K_2 = φ なら μ(K_1 ∪ K_2) = μ(K_1) + μ(K_2) 証明 (1) と (2) は自明である。 (3) と (4) は別々に証明する。 721 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16 01 55 720 の (3) の証明 任意の ε > 0 に対して f_1 ≧ χ_(K_1) L(f_1) < μ(K_1) + ε f_2 ≧ χ_(K_1) L(f_2) < μ(K_2) + ε となる K+(X) の元 f_1 と f_2 がある。 f_1 + f_2 ≧ χ_(K_1 ∪ K_2) であるから μ(K_1 ∪ K_2) ≦ L(f_1 + f_2) < μ(K_1) + μ(K_2) + 2ε よって、 μ(K_1 ∪ K_2) ≦ μ(K_1) + μ(K_2) 証明終 722 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16 13 37 720 の (4) の証明 任意の ε > 0 に対して f ≧ χ_(K_1 ∪ K_2) L(f) < μ(K_1 ∪ K_2) + ε となる f ∈ K+(X) がある。 706 より、連続関数 h X → [0, 1] で コンパクトな台を持ち、K_1 の上で 1 となり、 K_2 の上で 0 となるものが存在する。 f_1 = fh とおく。 f_1 ∈ K+(X) で f_1 ≧ χ_(K_1) である。 f_2 = f - f_1 とおく。 f_2 ∈ K+(X) で f_2 ≧ χ_(K_2) である。 f = f_1 + f_2 であるから μ(K_1) + μ(K_2) ≦ L(f_1) + L(f_2) = L(f) < μ(K_1 ∪ K_2) + ε よって μ(K_1) + μ(K_2) ≦ μ(K_1 ∪ K_2) 720 の (3) と合わせて μ(K_1 ∪ K_2) = μ(K_1) + μ(K_2) 証明終 723 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16 20 45 定義 X を局所コンパクト空間とする。 X のコンパクトな部分集合全体を Γ(X) と書く。 Γ(X) から R への写像 μ で 720 の (1) ~ (4) を満たすものを 容量(content)と言う。 724 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16 28 47 定義 X を局所コンパクト空間とする。 X の部分集合 A は X のコンパクトな部分集合 K が存在して A ⊂ K となるとき有界と言う。 コンパクトな部分集合の可算列 (K_n), n ≧ 0 が存在して A ⊂ ∪K_n となるとき A は σ-有界と言う。 725 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16 37 09 X を局所コンパクト空間とする。 X の容量( 723) μ を一つ選び、固定する。 σ-有界( 724)な開集合 U に対して μ(U) = sup {μ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } と書く。 U がコンパクトな開集合であれば、明らかに μ(U) = μ(K) であるから この定義は矛盾しない。 726 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16 49 51 命題 725 の条件を仮定する。 U, U_n, n = 0, 1, 2, . . . は σ-有界( 724)な開集合とする。 (1) 0 ≦ μ(U) ≦ +∞ (2) U が有界なら μ(U) < +∞ (3) U_1 ⊂ U_2 なら μ(U_1) ⊂ μ(U_2) (4) μ(∪U_n) ≦ Σμ(U_n) (5) i ≠ j なら U_i ∩ U_j = φ なら μ(∪U_n) = Σμ(U_n) 証明 (1) は明らかである。 (2) U が有界なら U ⊂ K となるコンパクト集合 K がある。 K_1 がコンパクトで K_1 ⊂ U なら K_1 ⊂ K だから μ(K_1) ≦ μ(K_2) < +∞ よって、 μ(U) ≦ μ(K_2) < +∞ (3) は明らかである。 (4) と (5) は別々に証明する。 727 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 17 22 31 補題 X を局所コンパクト空間とする。 K を X のコンパクトな部分集合とする。 K ⊂ U_1 ∪ U_2 となる X の開集合 U_1, U_2 があるとする。 K = K_1 ∪ K_2 K_1 ⊂ U_1 K_2 ⊂ U_2 となるコンパクトな K_1, K_2 が存在する。 証明 A = K - U_1 と B = K - U_2 は交わらず、それぞれコンパクトである。 A ⊂ X - B だから 704 より A ⊂ U_3 ⊂ (U_3)~ ⊂ X - B となる 開集合 U_3 がある。 U_4 = X - (U_3)~ とすれば B ⊂ U_4 で U_3 ∩ U_4 = φ である。 K_1 = K - U_3 K_2 = K - U_4 とすれば K = K_1 ∪ K_2 となり(何故なら U_3 ∩ U_4 = φ)、 K_1 ⊂ U_1 となり(何故なら K - U_1 = A ⊂ U_3)、 K_2 ⊂ U_2 となる(何故なら K - U_2 = B ⊂ U_4)。 証明終 728 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 17 38 03 726 の (4) の証明 まず μ(U_1 ∪ U_2) ≦ μ(U_1) + μ(U_2) を証明する。 K ⊂ U_1 ∪ U_2 となる任意のコンパクトな K に対して、 727 より K = K_1 ∪ K_2 K_1 ⊂ U_1 K_2 ⊂ U_2 となるコンパクトな K_1, K_2 が存在する。 μ(K) ≦ μ(K_1) + μ(K_2) ≦ μ(U_1) + μ(U_2) よって、μ(K) の sup をとって、 μ(U_1 ∪ U_2) ≦ μ(U_1) + μ(U_2) これから、任意の有限列 U_1, . . . , U_n に対して μ(U_1 ∪ . . . ∪ U_n) ≦ μ(U_1) + . . . + μ(U_n) 無限列 (U_n) に対しては、ある m が存在して K ⊂ ∪U_n となる任意のコンパクトな K に対して、 K ⊂ U_1 ∪ . . . ∪ U_m となる。 μ(K) ≦ μ(U_1 ∪ . . . ∪ U_m) ≦ μ(U_1) + . . . + μ(U_m) ≦ Σμ(U_n) よって、μ(K) の sup をとって、 μ(∪U_n) ≦ Σμ(U_n) 証明終 729 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 17 49 42 728 n が 1 から始まっているが、番号を付け替えれば同じことだろう。 730 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18 07 40 726 の (5) の証明 ある m に対して μ(U_m) = +∞ なら U_m ⊂ ∪U_n だから μ(∪U_n) = +∞ となる。 Σμ(U_n) = +∞ だから μ(∪U_n) = Σμ(U_n) よって、各 n に対して μ(U_n) < +∞ としてよい。 任意の ε > 0 と各 n に対して μ(U_n) < μ(K_n) + ε/2^n となるコンパクトな K_n がある。 Σ1/2^n = 1 + 1/2 + 1/4 + . . . = 1/(1 - 1/2) = 2 よって Σε/2^n = 2ε i ≠ j なら K_i ∩ K_j = φ だから 720 の (4) より、 μ(U_0) + . . . + μ(U_m) < μ(K_0) + . . . + μ(K_m) + 2ε = μ(K_0 ∪ . . . ∪ K_m) + 2ε ≦ μ(∪U_n) + 2ε m → ∞ として Σμ(U_n) ≦ μ(∪U_n) + 2ε ε > 0 は任意だから Σμ(U_n) ≦ μ(∪U_n) 逆向きの不等号は 728 で証明済みだから μ(∪U_n) = Σμ(U_n) 証明終 731 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18 15 26 このあたり現代数学概説 II ( 岩波書店) を参考にしている。 しかし Halmos とだぶっている箇所もある。 局所コンパクト空間における Riesz の表現定理に関しては 現代数学概説 II と Halmos は方法がほとんど同じである。 しかし、現代数学概説 II のほうがややわかりやすいと思う。 732 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18 24 46 命題 X を局所コンパクト空間とする。 X のσ-有界( 724)な部分集合全体 Ψ は σ-集合環( 197)である。 証明 明らかだろう。 733 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18 31 44 命題 X を局所コンパクト空間とする。 A を X の任意のσ-有界( 724)な部分集合とする。 A ⊂ U となる σ-有界な開集合 U が存在する。 証明 K を X の任意のコンパクト集合とする。 A はσ-有界だから、コンパクトな部分集合の可算列 (K_n), n ≧ 0 が 存在して A ⊂ ∪K_n となる。 703 より、各 n に対して、 K_n ⊂ U_n ⊂ (U_n)~ となる開集合 U_n で (U_n)~ がコンパクトと なるものが存在する。 U = ∪U_n が求めるものである。 証明終 734 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18 37 07 725 の条件を仮定する。 732 より、X のσ-有界( 724)な部分集合全体 Ψ は σ-集合環( 197)である。 A ∈ Ψ に対して μ^*(A) = inf {μ(U) | A ⊂ U, U はσ-有界な開集合} と定義する。 733 より {μ(U) | A ⊂ U, U はσ-有界な開集合} は空でない。 735 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18 46 56 残念なことに 734 の μ^* は測度( 316)とは限らない。 この μ^* の定義域を狭めて測度を構成するのが Caratheodory の 方法(の一種)である。 736 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 19 39 33 736 737 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 25 04 a 738 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 25 34 b 739 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 26 04 c 740 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 26 35 d 741 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 27 06 e 742 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 27 36 f 743 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 28 06 g 744 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 29 07 h 745 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 29 38 i 746 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 30 08 j 747 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 30 38 k 748 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 31 08 l 749 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 31 38 m 750 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 32 08 n 751 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 32 46 o 752 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 33 16 p 753 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 33 46 q 754 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 34 16 r 755 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 34 46 s 756 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 35 17 t 757 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 35 48 u 758 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 36 19 v 759 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 36 49 w 760 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 37 19 x 761 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 20 37 23 命題 734 の条件を仮定する。 A, B, A_n, n = 0, 1, 2, . . . は σ-有界( 724)な部分集合とする。 (1) 0 ≦ μ^*(A) ≦ +∞ (2) μ^*(φ) = 0 (3) A ⊂ B なら μ^*(A) ⊂ μ^*(B) (4) μ^*(∪A_n) ≦ Σμ^*(A_n) 証明 (1) は明らかである。 (2) 720 の (4) より μ(φ) = μ(φ) + μ(φ) 720 の (1) より μ(φ) < +∞ であるから μ(φ) = 0 である。 よって μ^*(φ) = 0 である。 (3) B ⊂ U, U はσ-有界な開集合とする。 A ⊂ U だから μ^*(A) ≦ μ(U) である。 右辺の inf をとって μ^*(A) ≦ μ^*(B) (4) の証明は別にする。 762 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 38 34 y 763 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 20 39 06 z 764 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 20 51 45 761 の (4) の証明 ある m に対して μ^*(A_m) = +∞ なら A_m ⊂ ∪A_n だから 761 の (3) より μ^*(∪A_n) = +∞ となる。 Σμ^*(A_n) = +∞ だから μ^*(∪A_n) = Σμ^*(A_n) よって、各 n に対して μ^*(A_n) < +∞ としてよい。 任意の ε > 0 と各 n に対して μ(U_n) < μ^*(A_n) + ε/2^n A_n ⊂ U_n となるσ-有界な開集合 U_n がある。 Σ1/2^n = 1 + 1/2 + 1/4 + . . . = 1/(1 - 1/2) = 2 よって Σε/2^n = 2ε ∪A_n ⊂ ∪U_n だから 726 の (4) より μ^*(∪A_n) ≦ μ(∪U_n) ≦ Σμ(U_n) ≦ Σμ^*(A_n) + 2ε ε > 0 は任意だから μ^*(∪A_n) ≦ Σμ(A_n) 証明終 765 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 21 00 18 a 766 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 21 03 11 定義 集合 X の上の σ-集合環( 197) Ψ が、条件 A ∈ Ψ, B ⊂ A なら B ∈ Ψ を満たすとする。 Ψ から補完数直線 R~ ( 7) への写像 μ^* が次の条件を満たすとき μ^* を外測度と言う。 A, B, A_n, n = 0, 1, 2, . . . は Ψ に属す集合とする。 (1) 0 ≦ μ^*(A) ≦ +∞ (2) μ^*(φ) = 0 (3) A ⊂ B なら μ^*(A) ⊂ μ^*(B) (4) μ^*(∪A_n) ≦ Σμ^*(A_n) (劣加法性) 767 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 22 15 43 定義 集合 X の部分集合からなる集合 Ψ が、条件 A ∈ Ψ, B ⊂ A なら B ∈ Ψ を満たすとする。 このとき、Ψ を遺伝的であると言う。 768 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 22 25 01 定義 Ψ を集合 X 上の遺伝的( 767)なσ-集合環( 197)とする。 μ^* を Ψ で定義された外測度( 766)とする。 E ∈ Ψ が任意の A ∈ Ψ に対して μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) となるとき、E を (μ^*)-可測と言う。 ここで、E^c は E の補集合 X - A を表す。 769 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 22 35 21 測度論の初期の段階において、 768 のこの定義が一番わかりにくいと 思う。 高木の解析概論では、R^n における Lebesgue 積分の場合にある程度 納得のいく説明をしている。 しかし、積分を使う立場からは、この定義を鵜呑みにして先に進むのが 得策だろう。 770 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 22 59 43 命題 Ψ を集合 X 上の遺伝的( 767)なσ-集合環( 197)とする。 μ^* を Ψ で定義された外測度( 766)とする。 E と F が (μ^*)-可測( 768)なら E ∪ F も (μ^*)-可測である。 証明(Halmos) 任意の A ∈ Ψ に対して (1) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) (2) μ^*(A ∩ E) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c) (3) μ^*(A ∩ E^c) = μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) である。 (1) の右辺に (2) と (3) を代入して、 (4) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) (4) の A を A ∩ (E ∪ F) で置き換えると、右辺の最後の項が消えて、 (5) μ^*(A ∩ (E ∪ F)) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) (4) の右辺に (5) を代入して、 (6) μ^*(A) = μ^*(A ∩ (E ∪ F)) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) = μ^*(A ∩ (E ∪ F)) + μ^*(A ∩ (E ∪ F)^c) よって E ∪ F は (μ^*)-可測である。 証明終 771 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23 17 59 770 の別証(高木) 任意の A ∈ Ψ に対して (1) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) (2) μ^*(A ∩ E^c) = μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) よって、 (3) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) (1) の A を A ∩ (E ∪ F) に置き換えて、 μ^*(A ∩ (E ∪ F)) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) (3) から μ^*(A) = μ^*(A ∩ (E ∪ F)) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) 証明終 772 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23 19 27 771 高木の証明のほうがわかり易いようだ。 773 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23 33 29 命題 Ψ を集合 X 上の遺伝的( 767)なσ-集合環( 197)とする。 μ^* を Ψ で定義された外測度( 766)とする。 E と F が (μ^*)-可測( 768)なら E - F も (μ^*)-可測である。 証明 任意の A ∈ Ψ に対して 770 の (4) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) が成り立つ。 A を A ∩ (E - F)^c = A ∩ (E^c ∪ F) に置き換えると、 μ^*(A ∩ (E - F)^c) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) これを (4) に代入して、 μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F^c) + μ^*(A ∩ (E - F)^c) よって、E - F は (μ^*)-可測である。 証明終 774 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23 48 36 773 の別証(高木の 771を応用) 任意の A ∈ Ψ に対して、 771 の (3) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) が成り立つ。 A を A ∩ (E - F)^c = A ∩ (E^c ∪ F) に置き換えると、 μ^*(A ∩ (E - F)^c) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) μ^*(A ∩ E) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c) だから (3) より μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F^c) + μ^*(A ∩ (E - F)^c) 証明終 775 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23 54 01 770 の (4) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) と 771 の (3) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c) は、ほとんど同じことに気づいた。 何故なら、 μ^*(A ∩ E) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c) 776 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 00 28 07 補題 Ψ を集合 X 上の遺伝的( 767)なσ-集合環( 197)とする。 μ^* を Ψ で定義された外測度( 766)とする。 E_1, . ., E_n が (μ^*)-可測( 768)で i ≠ j のとき E_i ∩ E_j = φ とする。 S_n = E_1 ∪ . . . ∪ E_n とおく。 任意の A ∈ Ψ に対して μ^*(A) = μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ (S_n)^c) 証明 n に関する帰納法を使う。 n = 1 のときは μ^*(A) = μ^*(A ∩ E_1) + μ^*(A ∩ (E_1)^c) だからよい。 μ^*(A) = μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ (S_n)^c) が成り立つとする。 μ^*(A ∩ (S_n)^c) = μ^*(A ∩ (S_n)^c ∩ E_(n+1)) + μ^*(A ∩ (S_n)^c ∩ E_(n+1)^c) = μ^*(A ∩ E_(n+1)) + μ^*(A ∩ (S_(n+1))^c) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_(n+1)) + μ^*(A ∩ (S_(n+1))^c) 証明終 777 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 00 49 00 命題 Ψ を集合 X 上の遺伝的( 767)なσ-集合環( 197)とする。 μ^* を Ψ で定義された外測度( 766)とする。 (E_n), n = 1, 2, ... を (μ^*)-可測( 768)な集合列で、 i ≠ j のとき E_i ∩ E_j = φ とする。 E = ∪E_n とおく。 E は (μ^*)-可測であり、 μ^*(E) = Σμ^*(E_n) となる。 さらに、任意の A ∈ Ψ に対して μ^*(A ∩ E) = Σμ^*(A ∩ E_n) となる。 証明 任意の A ∈ Ψ に対して、 776 より μ^*(A) = μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ (S_n)^c) ≧ μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ E^c) n は任意だから μ^* の劣加法性( 766 の (4))より、 μ^*(A) ≧ Σμ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ E^c) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) 逆向きの不等式は μ^* の劣加法性より成り立つから μ^*(A) = Σμ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ E^c) = Σμ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) よって E は (μ^*)-可測である。 μ^*(A) = Σμ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ E^c) の A を A ∩ E で置き換えれば μ^*(A ∩ E) = Σμ^*(A ∩ E_n) この A を E で置き換えれば μ^*(E) = Σμ^*(E_n) 証明終 778 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 01 09 02 命題 Ψ を集合 X 上の遺伝的( 767)なσ-集合環( 197)とする。 μ^* を Ψ で定義された外測度とする。 (μ^*)-可測( 768)な集合全体 Φ は σ-集合環であり、 μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度( 316)である。 証明 E が空集合なら、任意の A ∈ Ψ に対して μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) よって、空集合は (μ^*)-可測である。 よって、 770 と 773 より Φ は集合環( 189)である。 (A_n), n = 1, 2, ... を (μ^*)-可測な集合列とする。 E_1 = A_1 E_2 = A_2 - A_1 一般に、 E_n = A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1)) とおく。 各 E_n は (μ^*)-可測であり、 ∪E_n = ∪A_nで、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。 よって、 777 より ∪A_n は (μ^*)-可測である。 よって、Φ は σ-集合環である。 776 の (2) より μ^*(φ) = 0 であるから、 777 より μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度である。 証明終 779 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 01 16 26 定義 測度空間 (X, Φ, μ) が完備とは、任意の零集合のすべての部分集合が 零集合となることを言う。 780 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 01 18 58 定義 Ψ を集合 X 上の遺伝的( 767)なσ-集合環( 197)とする。 μ^* を Ψ で定義された外測度とする。 778 より、 (μ^*)-可測( 768)な集合全体 Φ は σ-集合環であり、 μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度( 316)である。 この測度を外測度 μ^* により誘導された測度と言う。 781 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 01 31 35 命題 Ψ を集合 X 上の遺伝的( 767)なσ-集合環( 197)とする。 μ^* を Ψ で定義された外測度とする。 外測度 μ^* により誘導された測度( 780)は完備( 779)である。 証明 E ∈ Ψ で、μ^*(E) = 0 とする。 任意の A ∈ Ψ に対して、μ^*(A ∩ E) = 0 であるから μ^*(A) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) よって、E は (μ^*)-可測である。 F ∈ Ψ で F ⊂ E なら μ^*(F) = 0 である。 よって F は (μ^*)-可測である。 証明終 782 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 02 49 34 訂正 781 F ∈ Ψ で F ⊂ E なら μ^*(F) = 0 である。 Ψ は遺伝的( 767)だから F ⊂ E なら F ∈ Ψ で μ^*(F) = 0 である。 Ψ が遺伝的であることを使っているのは今のところ ここだけである。 783 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 34 19 a 784 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 34 49 b 785 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 35 19 c 786 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 35 49 d 787 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 36 21 e 788 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 36 51 f 789 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 37 22 g 790 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 37 57 h 791 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 38 27 i 792 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 38 57 j 793 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 39 27 k 794 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 39 58 l 795 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 40 28 m 796 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 40 58 n 797 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 42 01 o 798 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 42 32 p 799 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 43 02 q 800 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 43 33 r 801 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 44 03 s 802 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 44 34 t 803 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 45 04 u 804 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 45 34 v 805 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 46 12 w 806 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 46 43 x 807 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 47 43 y 808 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 03 48 13 z 809 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 07 41 37 定義 X を局所コンパクト空間とする。 732 より、X のσ-有界( 724)な部分集合全体 Ψ は σ-集合環( 197)である。 明らかに Ψ は遺伝的( 767)である。 μ を X の容量( 723) とする。 開集合 U ∈ Ψ に対して μ(U) = sup {μ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } と書き、 A ∈ Ψ に対して μ^*(A) = inf {μ(U) | A ⊂ U, U はσ-有界な開集合} と書く。 761 より μ^* は Ψ で定義された外測度( 766)である。 μ^* を容量 μ から誘導された外測度と言う。 810 :132人目の素数さん:2007/09/08(土) 09 41 18 a タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/65.html
最終更新日時 2011年03月06日 (日) 21時38分02秒 代数的整数論 005 (1-85) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/-85 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1173998720/-85 1 :132人目の素数さん:2007/03/16(金) 07 45 20 Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。 前スレ http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/ 2 :132人目の素数さん:2007/03/16(金) 09 29 59 今だ!2ゲットォオ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´ ∧∧ ) (´⌒(´ ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡  ̄ ̄ (´⌒(´⌒;; ズザーーーーーッ 3 :くんまー:2007/03/16(金) 11 42 13 1 ありがとう 4 :132人目の素数さん:2007/03/17(土) 19 44 50 ④様ゲットだよん 5 :モリゾー ◆AcSt49DSmc :2007/03/17(土) 19 46 48 Cinco! 6 :132人目の素数さん:2007/03/17(土) 20 59 48 このスレ ~~~終了~~~ 7 :132人目の素数さん:2007/03/17(土) 21 25 10 このスレ ~~~終了~~~ 8 :過去スレ:2007/03/19(月) 11 12 25 過去スレ #001 http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1126510231 #002 http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1132643310 #003 http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/ #004 http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/ 9 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/19(月) 20 04 31 1 有難うございます。 10 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/19(月) 20 06 02 過去スレの見方。 まずここに行く。 http //makimo.to/2ch/ そこで、「代数的整数論」を検索する。 すると、代数的整数論 001 ~ 004 が表示される。 そのなかで見たいスレ、例えば 代数的整数論 #003 をクリックする。 そこの下段にキャッシュ1、2というのがあるから、最初から順番に クリックする。今の場合だと5番目で見れる。 将来どうなるかわからないから。見れたら即コピーして保存した ほうがよい。 11 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/19(月) 23 47 43 10 代数的整数論 001, 002 はそこでは見れないね。 どうしたら見れるんでしょうかね、タダで? 12 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/20(火) 20 11 47 n ≠ 0 を有理整数、p を奇素数で n を割らないとする。 不定方程式 p = x^2 + ny^2 を考える。 x^2 + ny^2 の判別式は D = -4n である。 p = x^2 + ny^2 に解があればそれは固有である。 717 より x^2 ≡ -4n (mod 4p) は解をもつ。 よって x^2 ≡ -4n (mod p) つまり (-4n/p) = 1 よって (-n/p) = 1 である。 このことは 717 を使わなくても以下のようにしてもわかる。 p = x^2 + ny^2 に解があれば、 x^2 ≡ -ny^2 (mod p) y は p で割れないから yz ≡ 1 (mod p) となる z ∈ Z がある。 (xz)^2 ≡ -n (mod p) よって (-n/p) = 1 である。 逆に (-n/p) = 1 とする。 このとき p = x^2 + ny^2 に解があるとは限らない。 しかし x^2 ≡ -n (mod p) に解があるので p は x^2 + n を割る。 a を x と素な任意の有理整数とする。 x ≡ ac (mod p) となる c ∈ Z と cb ≡ 1 (mod p) となる b ∈ Z をとる。 x^2 ≡ -n (mod p) より a^2c^2 ≡ -n (mod p) この両辺に b^2 を掛けて a^2 ≡ -nb^2 (mod p) よって p は a^2 + nb^2 を割る。 13 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/20(火) 20 30 50 命題 n ≠ 0 を有理整数、p を奇素数で n を割らないとする。 以下の条件は同値である。 (1) 有理整数 x, y があり、gcd(x, y) = 1 であり、 p は x^2 + ny^2 を割る。 (2) (-n/p) = 1 証明 (1) が成り立てば、x^2 ≡ -ny^2 (mod p) である。 y が p で割れるなら x^2 ≡ 0 (mod p) となり x も p で割れから gcd(x, y) = 1 と矛盾する。よって y は p と素である。 よって yz ≡ 1 (mod p) となる z がある。 (xz)^2 ≡ -n (mod p) だから (-n/p) = 1 である。 逆に (2) が成り立てば x^2 ≡ -n (mod p) が解をもつ。 y = 1 とすれば p は x^2 + ny^2 を割る。 14 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/20(火) 21 20 16 一般の2次形式では 13 に類似の次の結果がある。 命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 m を奇数で gcd(D, m) = 1 とする。 m が判別式 D の原始的2次形式により固有に表現される (過去スレ004の 701)ためには x^2 ≡ D (mod m) に解があること が必要十分である。 証明 m が判別式 D の2次形式により固有に表現されるなら、 過去スレ004の 717より D ≡ l^2 (mod 4m) となる有理整数 l が 存在する。このとき当然 D ≡ l^2 (mod m) でもある。 逆に x^2 ≡ D (mod m) に解があるとする。 D ≡ 0, 1 (mod 4) なら x^2 ≡ D (mod 4) にも解がある。 m と 4 は素だから x^2 ≡ D (mod 4m) にも解がある。 この解を l とし、D = l^2 - 4mk とする。 gcd(D, m) = 1 だから gcd(m, l, k) = 1 である。 よって2次形式 mx^2 + lxy + ky^2 は原始的で判別式は D であり (x, y) = (1, 0) のとき m を固有に表現する。 証明終 15 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/20(火) 21 47 35 14 から次の命題が直ちに得られる。 命題 n ≠ 0 を有理整数、p を奇素数で n を割らないとする。 以下の条件は同値である。 (1) p は判別式 -4n の原始的2次形式により固有に表現される (2) (-n/p) = 1 証明 14 より (1) は (-4n/p) = 1 と同値である。 (-4n/p) = (-n/p) だからこれは (2) と同値である。 16 :132人目の素数さん:2007/03/21(水) 12 20 48 前スレ(004)見れないんだけどどうなってるの? 17 :132人目の素数さん:2007/03/21(水) 14 00 40 50モリタポ(2chがやってるネット通貨的なもの)あれば過去ログが1スレッド読めて、 また、モリタポはアンケートに答えることでタダで手に入れられる。 18 :132人目の素数さん:2007/03/21(水) 14 30 04 aho 19 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/22(木) 20 22 32 前にも書いたけど、この代数的整数論スレで扱ってるような 2元2次形式論について書いてある本はほんとに少ないね。 これについて本格的に学ぼうとしたらまず Gauss の Disquisitiones Arithmeticae(数論考究)を読むしかない。 続いて Dirichlet の Vorlesungen uber Zahlentheorie(整数論講義)。 これは皮肉なことに Dedekind の影響なんですね。 つまり Dedekind が代数的整数論を創始したことにより、 2元2次形式論は2次体論にとって代わられたわけ。 このようにして古くてしかも重要な数学というのは忘れられていく 危険があるのでしょうね。 20 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/22(木) 20 49 34 しかし、Gauss のDisquisitiones Arithmeticae(数論考究)は 読みにくいですね。 Weil だったか誰かが書いてるけど、Gauss の数学のスタイルは、足場をほとんど 完全に取り除くんですね。 つまり、どのようにしてその証明を思いついたかの手がかりがほとんど 得られないような書き方をしている。 さらに、Disquisitiones は Gauss も書いてるようにページ数の制限 もあって、なおさらその傾向が強い。 Dirichlet が Disquisitiones を旅行のときにも携えていた理由と しては、勿論それが重要な文献ということもあるでしょうが、 このGaussのスタイルも一因かもしれないと想像します。 21 :132人目の素数さん:2007/03/23(金) 01 02 12 y^2 = x^3 - 2の整数解は (x,y) = (7,5),(-7,5) だけ ということの証明をしりたくて調べたら2次体とか単項イデアル整域とか出てきて 岩波講座基礎数学の代数学の本を読みはじめたのが数学を始めたきっかけ 22 :132人目の素数さん:2007/03/23(金) 01 02 48 ミス(7,5),(7,-5) 23 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 09 57 08 21 y^2 = x^3 - 2 の整数解は (x, y) = (3, 5), (3, -5) だけですね。 この式は (y + √(-2))(y - √(-2)) = x^3 と書ける。 2次体 Q(√(-2)) の整数環 Z[(-2)] は一意分解整域であることから、 αα = x^3 から α = β^3 となる β ∈ Z[(-2)] があることが 結論される。ここで α = y + √(-2) と α = y - √(-2) とおいた。 β = a + b√(-2) とすると α = a^3 - 6ab^2 + (3a^2b - 2b^3)√(-2) 3a^2b - 2b^3 = b(3a^2 - 2b^2) = 1 から b = ±1 よって -2b^2 + 3a^2 = ±1 だが -2b^2 + 3a^2 = -1 なら 3a^2 = 1 となって矛盾である。よって b = 1 -2b^2 + 3a^2 = 1 から a = ±1 よって y = a^3 - 6ab^2 = ±5 x = 3 24 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 10 20 06 23 αα = x^3 から α = β^3 となる β ∈ Z[√(-2)] があることを 証明するため、補題を用意する。 補題 A を一意分解整域とする。 A の元 a, b, c と有理整数 n ≧ 1 に対して ab = c^n とする。 gcd(a, b) = 1 なら a = d^n となる d ∈ A がある。 証明 p を A の任意の素元とする A の元 x が p^e できっかり割れるとき ord_p(x) = e と書くことにする。 ord_p(a) = e とすると gcd(a, b) = 1 だから ord_p(c^n) = e である。 よって e は n の倍数である。 これから補題の主張はあきらかである。 証明終 25 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 10 43 22 補題 2次体 Q(√m) の整数 α ≠ 0, β ≠ 0 と奇数 n ≧ 1 に対して αα = β^n とする。 さらに α と α をともに割る素元 π があり、(π) = (π ) で あるとする。 α がきっかり π^e で割れるとき e は n の倍数である。 証明 α がきっかり π^e で割れるから、 α の共役 α はきっかり π ^e で割れる。 仮定より (π) = (π ) だから α はきっかり π^e で割れる。 よって αα はきっかり π^2e で割れる。 αα = β^n より 2e は n の倍数である。 n は奇数だから e は n の倍数である。 証明終 26 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 10 57 21 補題 2次体 Q(√(-2)) の整数 α = y + √(-2) にたいして α と α をともに割る素元 π は ±√(-2) である。 ここで y は任意の有理整数である。 証明 α - α = 2√(-2) = -(√(-2))^3 N(√(-2)) = 2 だから √(-2) は素元である。 Q(√(-2)) の単数は±1 だから √(-2) と同伴な素元は ±√(-2) のみである。 以上から補題の主張は明らかである。 27 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 11 00 33 24, 25, 26 から 23 で述べた αα = x^3 から α = β^3 となる β ∈ Z[√(-2)] が あることがわかる。 28 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 11 16 10 訂正 25 の2次体 Q(√m) の類数は1と仮定する。 つまり Z[ω] は一意分解整域とする。 29 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 11 23 59 訂正 26 α と α をともに割る素元 π は ±√(-2) である。 α と α をともに割る素元 π があるとすると π = ±√(-2) である。 30 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 13 00 38 24 はいろいろ応用がある。 x, y, z ∈ Z として x^2 + y^2 = z^2 を考える。 gcd(x, y) = 1 と仮定する。 α = (x + y√(-1)) とおくと α ∈ Z[√(-1)] で αα = z^2 である。 α - α = 2y√(-1) α + α = 2x よって α と α をともに割る素元 π があると、 gcd(x, y) = 1 だから π は 2 を割る。 よって π は λ = 1 + √(-1) と同伴である。 よって z は λ で割れるから z ∈ Z ∩ (λ) = 2Z となって z は 2 で割れる。よって αα = z^2 は 4 で割れる。 即ち αα は λ^4 で割れる。よって α は λ^2 で割れる。 よって α は 2 で割れるが、これは gcd(x, y) = 1 に矛盾する。 以上から gcd(α, α ) = 1 となり 24 から α = β^2 となる β ∈ Z[√(-1)] がある。 β = a + b√(-1) とおくと明らかに gcd(a, b) = 1 である。 β は λ で割れないから次に述べる補題から a ≡ b (2) ではない。 α = β^2 より α = a^2 - b^2 + 2ab√(-1) よって x = a^2 - b^2 y = 2ab z^2 = αα = (ββ )^2 = (a^2 + b^2)^2 よって z = a^2 + b^2 31 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 13 05 05 30 から次の命題が得られる。 命題 x^2 + y^2 = z^2 の整数解で gcd(x, y) = 1 となるものは x = a^2 - b^2 y = 2ab z = a^2 + b^2 で与えられる。 ここで a, b ∈ Z で gcd(a, b) = 1 であり、a ≡ b (2) ではない。 32 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 13 15 23 30 で引用した補題を証明する。 補題 a + b√(-1) ∈ Z[√(-1)] が λ = 1 + √(-1) で割れるためには a ≡ b (mod 2) が必要十分である。 証明 a + b√(-1) が λ で割れるとする。 a + b√(-1) = λ(c + d√(-1)) となる c, d ∈ Z がある。 λ(c + d√(-1)) = (1 + √(-1))(c + d√(-1)) = c + d√(-1) + c√(-1) - d = c - d + (c + d)√(-1) よって a - b = c - d - (c + d) = -2d である。 よって a ≡ b (mod 2) である。 逆に a ≡ b (mod 2) とする。 b = a + 2k となる k ∈ Z がある。 a + b√(-1) = a + (a + 2k)√(-1) = a(1 + √(-1)) + 2k√(-1) 2 は λ で割れるから a + b√(-1) は λ で割れる。 証明終 33 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 13 21 54 訂正 24 gcd(a, b) = 1 なら a = d^n となる d ∈ A がある。 gcd(a, b) = 1 なら a = ud^n となる d ∈ A と 単元 u ∈ A^* がある。 34 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 13 27 27 27 Z[√(-2)] の単元は ±1 で (-1)^3 = -1 に注意する。 35 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 13 34 43 訂正 30 以上から gcd(α, α ) = 1 となり 24 から α = β^2 となる β ∈ Z[√(-1)] がある。 α = εβ^2 となる β ∈ Z[√(-1)] がある。 ε は Z[√(-1)] の単数で±1, ±√(-1) である。 36 :132人目の素数さん:2007/03/24(土) 13 40 27 ごめんなさい 27と25をずっと思い浮かべながら書いてたからか(7,5)とか書いちゃってました 証明ありがとうございます 37 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 13 52 15 35 の修正によっても 31 はそのまま成り立つことは明らかだろう。 38 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 13 58 41 36 こちらもかなり間違えているので、お互いさまです。 39 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 15 16 41 31 と同様にして次の命題が得られる。 命題 x^2 + y^2 = z^3 の整数解で gcd(x, y) = 1 となるものは x = a^3 - 3ab^2, y = b^3 - 3a^2b, z = a^2 + b^2 で与えられる。 ここで a, b ∈ Z で gcd(a, b) = 1 であり、a ≡ b (2) ではない。 証明 α = (x + y√(-1)) とおくと α ∈ Z[√(-1)] で αα = z^3 である。 α - α = 2y√(-1) α + α = 2x よって α と α をともに割る素元 π があると、 gcd(x, y) = 1 だから π は 2 を割る。 よって π は λ = 1 + √(-1) と同伴である。 よって z は λ で割れるから z ∈ Z ∩ (λ) = 2Z となって z は 2 で割れる。よって αα = z^3 は 8 で割れる。 よって α は 2 で割れるが、これは gcd(x, y) = 1 に矛盾する。 以上から gcd(α, α ) = 1 となり 24, 33 から α = εβ^3 となる β ∈ Z[√(-1)] がある。 ε は Z[√(-1)] の単数で±1, ±√(-1) である。 √(-1) = (-√(-1))^3 -√(-1) = (√(-1))^3 -1 = (-1)^3 だから ε は単数の3乗となる。 よって α = β^3 としてよい。 β = a + b√(-1) とすると gcd(a, b) = 1 であり β は λ で 割れないから 32 より a ≡ b (mod 2) ではない。 α = β^3 から α = (a + b√(-1))^3 = a^3 - 3ab^2 + (3a^2b - b^3)√(-1) よって x = a^3 - 3ab^2, y = b^3 - 3a^2b (yの符号を変えてもよい) z^3 = (ββ )^3 = (a^2 + b^2)^3 で z > 0 より z = a^2 + b^2 である。 証明終 40 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/24(土) 17 58 35 31, 39 は x^2 + y^2 = z^n に一般化出来そうですね。 41 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/28(水) 22 30 17 今度は判別式が正の2次形式について調べる。 判別式が負の2次形式は2次の虚数の SL_2(Z) による同値類が関係 していた(過去スレ4の406)。 判別式が正の2次形式は2次の実無理数の SL_2(Z) による同値類が 関係する。 この問題は以下に見られるように連分数の理論と密接に関係する。 連分数は実数 θ を有理数で近似する問題から自然に現れる。 [θ] で θ 以下の最大の有理整数を表す。 k_0 = [θ] とおく。 k_0 ≦ θ < k_0 + 1 である。 0 ≦ θ - k_0 < 1 である。 0 < θ - k_0 なら θ - k_0 = 1/θ_1 となる実数 θ_1 がある。 θ_1 > 1 である。 θ = k_0 + 1/θ_1 となる。 同様に k_1 = [θ_1] とおく。 0 < θ_1 - k_1 なら θ_1 - k_1 = 1/θ_2 となる実数 θ_2 がある。 θ_2 > 1 である。 θ_1 = k_1 + 1/θ_2 となる。 θ = k_0 + 1/θ_1 より θ = k_0 + 1/(k_1 + 1/θ_2) である。 この操作を続けていくと θ = k_0 + 1/(k_1 + 1/(k_2 + ... + 1/(k_(n-1) + 1/θ_n))...) となる。 この右辺の式に現れた k_0 + 1/(k_1 + 1/(k_2 + 1/(k_3 ... + 1/k_(n-1))...) の形の分数を連分数 と呼ぶ。正確には正則連分数という。 これを [k_0, k_1, ..., k_(n-1)] と書くことにする。 高木の「初等整数論講義」ではこの記号を別の意味で使っているので注意 する必要がある。 42 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/29(木) 19 49 47 前スレの代数的整数論004、DAT落ちじゃないみたいだね。 間違って削除されちゃったのか? 43 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/29(木) 21 20 35 41 の続き θ = k_0 + 1/θ_1 = (k_0θ_1 + 1)/θ_1 この右端の式は A_0(θ_1) と書ける。 ここで A_0 は2次の正方行列 (k_0, 1)/(1, 0) を表す (過去スレ4の196)。 det(A_0) = -1 だから A_0 ∈ GL_2(Z) である(過去スレ4の285)。 GL_2(Z) の元は R ∪ {∞} に一次分数変換として作用する (過去スレ4の285)。 A_0(θ_1) は θ_1 に A_0 を作用させたものである。 同様に θ_1 = k_1 + 1/θ_2 = (k_1θ_2 + 1)/θ_2 = A_1(θ_2) A_1 = (k_1, 1)/(1, 0) 一般に、 θ_n = A_n(θ_(n+1)) A_n = (k_n, 1)/(1, 0) ただし、θ_0 = θ 以上から、 θ = A_0A_1. . . A_n(θ_(n+1)) B_n = A_0A_1. . . A_n とおき、 B_n = (p_n, r_n)/(q_n, s_n) とする。 ここで、p_n, r_n, q_n, s_n は有理整数である。 44 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/29(木) 21 41 33 定義から( 43) B_(n+1) = B_nA_(n+1) = (p_nk_(n+1) + r_n, p_n)/(q_nk_(n+1) + s_n, q_n) よって p_(n+1) = p_nk_(n+1) + r_n r_(n+1) = p_n よって p_(n+1) = p_nk_(n+1) + p_(n-1) 同様に q_(n+1) = q_nk_(n+1) + q_(n-1) 容易にわかるように p_n は k_0, ... ,k_n の多項式として表される。 この多項式を P(k_0, ... ,k_n) と書く。 高木の「初等整数論講義」では、P(k_0, ... ,k_n) を [k_0, ... ,k_n] と書いている。これは Gauss の記法(Disquisitiones)である。 45 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/29(木) 21 53 37 q_n = P(k_1, ... ,k_n) となることを、n に関する帰納法により示す。 p_0 = k_0 q_0 = 1 p_1 = k_0k_1 + 1 q_1 = k_1 だから n = 1 のときは正しい。 n ≧ 1 のとき q_n = P(k_1, ... ,k_n) と仮定する。 q_(n+1) = q_nk_(n+1) + q_(n-1) だから q_(n+1) = P(k_1, ... ,k_n)k_(n+1) + P(k_1, ... ,k_(n-1)) 一方、 44 より p_n = p_nk_n + p_(n-2) これは P(k_0, ... ,k_n) = P(k_0, ... ,k_(n-1))k_n + P(k_0, ... ,k_(n-2)) を意味する。 この式で k_0, ... ,k_(n-1), k_n を k_1, ... , k_n, k_(n+1) に 置き換えると、 P(k_1, ... ,k_(n+1)) = P(k_1, ... ,k_n)k_(n+1) + P(k_1, ... ,k_(n-1)) よって q_(n+1) = P(k_1, ... ,k_(n+1)) これで q_n = P(k_1, ... ,k_n) が証明された。 46 :132人目の素数さん:2007/03/29(木) 22 26 36 42 容量オーバーじゃありませんでしたか?後で確認してみますけど 47 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/29(木) 22 37 06 46 容量の点では過去スレ003のほうが大きいです。 と言ってもほとんど違いはないですが。 プレーンテキストとしてコピーしたものでは003が約380KBで 004が370KBです。 48 :132人目の素数さん:2007/03/29(木) 23 38 48 004は500KBいってたよ。 49 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/29(木) 23 44 20 48 004をプレーンテキストにコピーしたのはjaneを使ったからサイズが小さくなったかも しれませんね。003はIEでコピーしました。 500KB超えるとどうなるんですか? 50 :132人目の素数さん:2007/03/29(木) 23 46 55 49 512kBぐらいで落ちるはず。 2chの書き込みはURLを書けば自動的にリンクされたり、 名前欄をクリックしたらメールが起動するなどいろいろ細工してあるから、 プレーンテキストより実際の容量は大きい。 51 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/29(木) 23 52 24 落ちると、もう見れないんですか? 52 :132人目の素数さん:2007/03/30(金) 00 26 26 500KBを超えると書き込めなくなる。 専ブラならログ残ってれば見れるし、 datファイルをhtml化して見せることも出来る、のかな。 詳しいことは分かりません。 53 :132人目の素数さん:2007/03/30(金) 00 56 35 #003なら http //mimizun.com/search/perl/dattohtml.pl?http //mimizun.com 81/log/2ch/math/science4.2ch.net/math/kako/1141/11410/1141019088.dat にあるがな http //p2.chbox.jp/read.php?host=science4.2ch.net bbs=math key=1141019088 ls=all にも #004は知らんが探してみろ 54 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/30(金) 01 00 01 ここに #004 がありますね。 http //www.2chsearch.info/index.php?b=math d=1164286624 55 :132人目の素数さん:2007/03/30(金) 04 47 03 ,. -─────────‐- .、 // ̄ ̄\ / ̄ ̄\\ ┌─┴─┐E三ヨ / \ //\\─── / \ /| ̄ ̄|\E王ヨ / / / ̄\\ ;;;;;;;;;;;;;;;;; // ̄\\ \ |__| _土_ / | |. ┃ .| | ;;;;;;;;;;;;; | |. ┃ .| | \ / \ \_// \\_// \ /‐┼‐ ───┐ / ../ ̄ ̄\ / | \ / ̄ ̄\.. \ ,イ.匚工コ ┌──´ / | | | ヽ. | ∧ ─┐| | | | | |. | / \ ┘└──┘ | \__/\__/ | | | | | | , ┼ ┼ | |r─‐┬──、| | ─┼┼┐ |─┐ L_\ ヽ |/ | | / | ─┐| /| \ \ \ / / | ┘|└─ \| ノ \  ̄ ̄ ̄ ̄ / 56 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 00 50 18 43, 44 より B_n = A_0A_1. . . A_n = (p_n, p_(n-1))/(q_n, q_(n-1)) det(A_i) = -1 であるから det(B_n) = p_nq_(n-1) - q_np_(n-1) = (-1)^n である。 57 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 00 57 12 56 訂正 43, 44 より B_n = A_0A_1. . . A_n = (p_n, p_(n-1))/(q_n, q_(n-1)) det(A_i) = -1 であるから det(B_n) = p_nq_(n-1) - q_np_(n-1) = (-1)^(n+1) である。 58 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 00 58 13 44 より p_(n+1) = p_nk_(n+1) + p_(n-1) よって P(k_0, ... , k_n) = P(k_0, ... ,k_(n-1)) k_n + P(k_0, ... ,k_(n-2)) 59 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 01 13 22 57 より A_0A_1. . . A_n = (p_n, p_(n-1))/(q_n, q_(n-1)) 44 より p_n = P(k_0, ... , k_n) p_(n-1) = P(k_0, ... , k_(n-1)) 45 より q_n = P(k_1, ... , k_n) q_(n-1) = P(k_1, ... , k_(n-1)) よって A_1. . . A_n = (a, b)/(c, d) である。 ここで a = P(k_1, ... , k_n) b = P(k_1, ... , k_(n-1)) c = P(k_2, ... , k_n) d = P(k_2, ... , k_(n-1)) 一方、 A_0A_1. . . A_n = (k_0, 1)/(1, 0) (a, b)/(c, d) = (k_0 a + c, k_0 b + d)/(a, b) よって P(k_0, ... , k_n) = k_0 P(k_1, ... , k_n) + P(k_2, ... , k_n) 60 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 01 27 36 命題 P(k_0, k_1, ... , k_n) = P(k_n, k_(n-1), ... , k_0) である。 証明 n に関する帰納法による。 58 より P(k_0, ... , k_n) = P(k_0, ... ,k_(n-1)) k_n + P(k_0, ... ,k_(n-2)) k_0, ... , k_n を逆に並びかえて P(k_n, ... , k_0) = P(k_n, ... ,k_1) k_0 + P(k_n, ... ,k_2) 59 より P(k_0, ... , k_n) = k_0 P(k_1, ... , k_n) + P(k_2, ... , k_n) 帰納法の仮定により P(k_0, ... , k_n) = k_0 P(k_n, ... , k_1) + P(k_n, ... , k_2) よって P(k_0, ... , k_n) = P(k_n, ... , k_0) 証明終 61 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 01 53 45 命題 [k_0, k_1, ... , k_n] = P(k_0, k_1, ... , k_n)/P(k_1, , ... , k_n) 証明 43 より [k_0, k_1, ... , k_n] = A_0A_1. . . A_(n-1)(k_n) 57 より A_0A_1. . . A_n = (p_n, p_(n-1))/(q_n, q_(n-1)) よって [k_0, k_1, ... , k_n] = = (p_(n-1) k_n + p_(n-2))/(q_(n-1) k_n + q_(n-2)) 44 より、この右辺は p_n/q_n 等しい。 証明終 62 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 09 06 50 43 より θ = A_0A_1. . . A_n(θ_(n+1)) よって θ_(n+1) = (B_n)^(-1)(θ) である。 ここで B_n = A_0A_1. . . A_n である。 44 より B_n = (p_n, p_(n-1))/(q_n, q_(n-1)) 57 より det(B_n) = p_nq_(n-1) - q_np_(n-1) = (-1)^(n+1) よって (B_n)^(-1) = (-1)^(n+1)(q_(n-1), -p_(n-1))/(-q_n, p_n) よって θ_(n+1) = (-1)^(n+1) (q_(n-1)θ - p_(n-1))/(-q_nθ + p_n) なお、 (B_n)^(-1) = (A_n)^(-1) . . . (A_0)^(-1) = (0, 1)/(1, -k_n) . . . (0, 1)/(1, -k_0) よって (0, 1)/(1, -k_n) . . . (0, 1)/(1, -k_0) = (-1)^(n+1)(q_(n-1), -p_(n-1))/(-q_n, p_n) 63 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 09 55 20 Euclid の互除法は連分数と密接に関係する。 これを以下に説明する。 a と b を有理整数で a > b > 0 とする。 d = gcd(a, b) を Euclid の互除法によって求める場合を検討する。 x_0 = a x_1 = b とおく。 k_0 = [a/b] とする。 [a/b] は a/b以下の最大の有理整数を表す( 41)。 x_0 = k_0(x_1) + x_2 となる x_2 がある。 ここで 0 ≦ x_2 < x_1 0 < x_2 なら k_1 = [x_1/x_2] x_1 = k_1(x_2) + x_3 0 ≦ x_3 < x_2 これを続けて x_(n-1) = k_(n-1)x_n + x_(n+1) x_n = k_n(x_(n+1)) で x_(n+2) = 0 とする。 d = x_(n+1) である。 64 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 10 11 29 63 の x_0 = k_0(x_1) + x_2 を行列の記法で表すと、 (x_0, x_1) = A_0(x_1, x_2) となる。 ここで (x_0, x_1) は 行ベクトル (x_0, x_1) を転置した列ベクトル を表す。 同様に (x_(n-1), x_n) = A_(n-1)(x_n, x_(n+1)) (x_n, x_(n+1)) = A_n(x_(n+1), 0) となる。 x_0 = a x_1 = b だったから (a, b) = A_0A_1. . . A_n (d, 0) となる。 B_n = A_0A_1. . . A_n とおけば、 (d, 0) = (B_n)^(-1)(a, b) 62 より (B_n)^(-1) = (-1)^(n+1)(q_(n-1), -p_(n-1))/(-q_n, p_n) よって (-1)^(n+1)d = q_(n-1)a - p_(n-1)b これによって一次不定方程式 d = ax + by が解けたことになる。 65 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 10 20 48 書き忘れたが 64 の A_0 は 行列 (k_0, 1)/(1, 0) を表す。 同様に A_n = (k_n, 1)/(1, 0) 66 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 10 40 32 63 より a/b = [k_0, ... , k_n] である。 一次不定方程式 d = ax + by を解くには、 まず a/b を連分数 [k_0, ... , k_n] に展開する。 次に 59 の公式 P(k_0, ... , k_n) = k_0 P(k_1, ... , k_n) + P(k_2, ... , k_n) を使って p_(n-1) = P(k_0, k_1, ... , k_(n-1)) と q_(n-1) = P(k_1, , ... , k_(n-1)) を求める。 64 より (-1)^(n+1)d = q_(n-1)a - p_(n-1)b だから x = (-1)^(n+1)q_(n-1) y = (-1)^(n+2)p_(n-1) である。 67 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 14 02 41 66 の方法を使って、 a = 44497 b = 9689 として d = ax + by を解いてみる。 44497 = 9689・4 + 5741 9689 = 5741・1 + 3948 5741 = 3948・1 + 1793 3948 = 1793・2 + 362 1793 = 362・4 + 345 362 = 345・1 + 17 345 = 17・20 + 5 17 = 5・3 + 2 5 = 2・2 + 1 1 = 1・1 よって a/b = [4, 1, 1, 2, 4, 1, 20, 3, 2, 1] d = 1 n = 9 である。 P(2) = 2 P(3, 2) = 3・2 + 1 = 7 P(20, 3, 2) = 20・7 + 2 = 142 P(1, 20, 3, 2) = 1・142 + 7 = 149 P(4, 1, 20, 3, 2) = 4・149 + 142 = 738 P(2, 4, 1, 20, 3, 2) = 2・738 + 149 = 1625 P(1, 2, 4, 1, 20, 3, 2) = 1・1625 + 738 = 2363 P(1, 1, 2, 4, 1, 20, 3, 2) = 1・2363 + 1625 = 3988 P(4, 1, 1, 2, 4, 1, 20, 3, 2) = 4・3988 + 2363 = 18315 68 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 14 05 29 n = 9 だから x = (-1)^(n+1)q_(n-1) = q_8 y = (-1)^(n+2)p_(n-1) = -p_8 q_8 = P(1, 1, 2, 4, 1, 20, 3, 2) = 3988 p_8 = P(4, 1, 1, 2, 4, 1, 20, 3, 2) = 18315 よって x = 3988 y = -18315 a = 44497 b = 9689 だから ax = 44497・3988 = 177454036 by = -9689・18315 = -177454035 よって 1 = ax + by 69 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 20 19 41 今まで扱ってきた連分数 [k_0, k_1, . . . , k_n] は 各 k_i が有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 であった。 このような連分数を単純連分数と呼ぶ。 数列 {k_n}, n = 0, 1, . . . が与えられ、 各 k_i が有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 とする。 この数列から、任意の n ≧ 0 に対して 単純連分数 [k_0, k_1, . . . , k_n] が得られる。 61 より [k_0, k_1, . . . , k_n] = p_n/q_n である。 ここで p_n = P(k_0, k_1, ... , k_n) q_n = P(k_1, ... , k_n) とおいた。 0 < q_1 < q_2 < . . . である。 便宜上 q_0 = 1 とする。 70 :132人目の素数さん:2007/03/31(土) 20 30 47 コレって誰か読んでるの? 71 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 20 31 50 補題 69 と同じ前提において、 p_n/q_n - p_(n-1)/q_(n-1) = (-1)^(n+1)/q_nq_(n-1) 証明 p_n/q_n - p_(n-1)/q_(n-1) = (p_nq_(n-1) - q_np_(n-1))/q_nq_(n-1) 57 より p_nq_(n-1) - q_np_(n-1) = (-1)^(n+1) よって本補題の等式が得られる。 証明終 72 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 20 40 35 補題 69 と同じ前提において、 p_nq_(n-2) - p_(n-2)q_n = (-1)^n k_n 証明 p_nq_(n-2) - p_(n-2)q_n = (p_(n-1)k_n + p_(n-2))q_(n-2) - p_(n-2)(q_(n-1)k_n + q_(n-2))) = (p_(n-1)q_(n-2) - p_(n-2)q_(n-1))k_n = (-1)^n k_n 証明終 73 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 20 43 41 補題 69 と同じ前提において、 p_n/q_n - p_(n-2)/q_(n-2) = (-1)^n k_n/q_nq_(n-2) 証明 p_n/q_n - p_(n-2)/q_(n-2) = (p_nq_(n-2) - q_np_(n-2))/q_nq_(n-2) これと 72 より本補題の等式が得られる。 証明終 74 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 21 17 17 73 より p_2n/q_2n - p_(2n-2)/q_(2n-2) = k_2n/q_2nq_(2n-2) > 0 よって p_(2n-2)/q_(2n-2) < p_2n/q_2n よって数列 {p_2n/q_2n} は単調増加である。 同様にして数列 {p_(2n+1)/q_(2n+1)} は単調減少である。 71 より p_2n/q_2n - p_(2n-1)/q_(2n-1) = -1/q_2nq_(2n-1) < 0 よって p_2n/q_2n < p_(2n-1)/q_(2n-1) 以上から p_0/q_0 ≦ p_2/q_2 ≦ . . . ≦ p_3/q_3 ≦ p_1/q_1 75 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/03/31(土) 22 31 28 74 より {p_2n/q_2n} は有界な単調増加数列だから収束する。 同様に、 {p_(2n+1)/q_(2n+1)} は有界な単調減少数列だから収束する。 p_2n/q_2n - p_(2n-1)/q_(2n-1) = -1/q_2nq_(2n-1) で、 lim q_n = +∞ だから、両者の極限は一致する。 よって 数列 {p_n/q_n} もこの極限に収束する。 この極限を [k_0, k_1, . . .] と書く。 [k_0, k_1, . . .] を無限連分数と呼ぶ。 76 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/01(日) 17 02 50 命題 [a_0, . . . , a_(n-1), α_n] = [b_0, . . . , b_(n-1), β_n] とする。 ここで各 a_i と b_i は有理整数で i ≧ 1 のとき a_i ≧ 1, b_i ≧ 1 α_n > 1 β_n > 1 とする。 このとき、各 i ≧ 0 で a_i = b_i α_n = β_n である。 証明 α = [a_0, . . . , a_(n-1), α_n] とおく。 α = a_0 + 1/[a_1, . . . , a_(n-1), α_n] で [a_1, . . . , a_(n-1), α_n] > 1 である。 よって a_0 < α < a_0 + 1 同様に b_0 < α < b_0 + 1 よって a= 0 = b_0 である。 よって [a_1, . . . , a_(n-1), α_n] = [b_1, . . . , b_(n-1), β_n] これを続けて(正確には帰納法を使って)、 各 i ≧ 0 で a_i = b_i となる。 よって α_n = β_n となる。 証明終 77 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/01(日) 17 06 52 命題 数列 {k_n}, n = 0, 1, . . . が与えられ、 各 k_i が有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 とする。 無限連分数( 75) [k_0, k_1, . . .] を α とおく。 任意の n ≧ 1 に対して α_n = [k_n, k_(n+), . . . ] とおく。 このとき α = [k_0, . . . , k_(n-1), α_n] である。 証明 α = lim(m → ∞) [k_0, . . . , k_(n+m)] である。 β_(n, m) = [k_n, . . . , k_(n+m)] とおくと、 [k_0, . . . , k_(n+m)] = [k_0, . . . , k_(n-1), β_(n, m)] よって α = [k_0, . . . , k_(n+m), lim(m → ∞) β_(n, m)] である。 lim(m → ∞) β_(n, m) = α_n だから α = [k_0, . . . , k_(n-1), α_n] である。 証明終 78 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/01(日) 17 23 44 命題 数列 {k_n}, n = 0, 1, . . . が与えられ、 各 k_i が有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 とする。 α = [k_0, k_1, . . .] とおく。 任意の n ≧ 1 に対して α = [b_0, . . . , b_(n-1), β] を α の部分連分数展開とする。 つまり、各 b_i が有理整数で i ≧ 1 のとき b_i ≧ 1 で β > 1 である。 このとき、0 ≦ i < n のとき k_i = b_i であり、 β = [k_n, k_(n+1), . . . ] である。 証明 α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] とおく。 77 より α = [k_0, . . . , k_(n-1), α_n] である。 α_n > k_n だから α_n > 1 である。 よって 76 から 0 ≦ i < n のとき k_i = b_i であり、 α_n = β である。 証明終 79 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/01(日) 18 35 13 命題 α を実無理数として、 α = [a_0, . . . , a_n, β] とする。 各 a_i は有理整数で i ≧ 1 のとき a_i ≧ 1 で β > 1 である。 p_n = P(a_0, a_1, ... , a_n) q_n = P(a_1, ... , a_n) とおく。 ここで、P(a_0, a_1, ... , a_n) は 44 で定義された多項式である。 このとき α - p_n/q_n = (-1)^n/q_n(q_nβ + q_(n-1)) である。 証明 43 より α = (p_nβ + p_(n-1))/(q_nβ + q_(n-1)) p_n/q_n - α = p_n/q_n - (p_nβ + p_(n-1))/(q_nβ + q_(n-1)) = (p_nq_(n-1) - p(n-1)q_n)/q_n(q_nβ + q_(n-1)) = (-1)^(n+1)/q_n(q_nβ + q_(n-1)) よって α - p_n/q_n = (-1)^n/q_n(q_nβ + q_(n-1)) 証明終 80 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/01(日) 18 50 16 命題 α を実無理数として、任意の n ≧ 1 に対して α = [a_0, . . . , a_n, α_(n+1)] とする。 各 a_i は有理整数で i ≧ 1 のとき a_i ≧ 1 で α_(n+1) > 1 である。 p_n = P(a_0, a_1, ... , a_n) q_n = P(a_1, ... , a_n) とおく。 ここで、P(a_0, a_1, ... , a_n) は 44 で定義された多項式である。 このとき |α - p_n/q_n| < 1/q_n/q_(n+1) である。 証明 79 より |α - p_n/q_n | = 1/q_n(q_nα_(n+1) + q_(n-1)) である。 α_(n+1) > a_(n+1) だから |α - p_n/q_n | < 1/q_n(q_na_(n+1) + q_(n-1)) 44 より q_(n+1) = q_na_(n+1) + q_(n-1) よって |α - p_n/q_n | < 1/q_nq_(n+1) 証明終 81 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/01(日) 19 02 00 80 より lim p_n/q_n = α となる。 61 より p_n/q_n = [a_0, . . . , a_n] だから α = [a_0, a_1, . . . ] である。 つまり、任意の実無理数は無限連分数に展開される。 77, 78 よりこの展開は一意である。 82 :132人目の素数さん:2007/04/02(月) 12 00 00 3 83 :132人目の素数さん:2007/04/02(月) 12 01 00 2 84 :132人目の素数さん:2007/04/02(月) 12 02 00 1 85 :132人目の素数さん:2007/04/02(月) 12 03 00 0 タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/83.html
最終更新日時 2011年03月09日 (水) 21時14分28秒 代数的整数論 006 (331-390) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/331-390 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/331-390 331 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 05 07 15 定義 G を位相群、X を位相空間とし、 G は X に連続作用しているとする。 x, y ∈ X に対して sx = y となる s ∈ G があるとき x と y は同値と定義とすることにより X の同値関係が得られる。 この各同値類を X の軌道とよぶ。 x ∈ X に対して、x を含む軌道を x の軌道という。 x の軌道は { sx ; s ∈ G } である。 X の軌道全体の集合を X/G と書く。 X/G に商位相を入れた位相空間を X の G による軌道空間という。 332 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 05 20 55 命題 G を位相群が位相空間 X に連続作用しているとする。 G の任意の元 s に対して φ_s(x) = sx により 写像 φ_s X → X を定義する。 φ_s は X の位相同型である。 証明 φ_s の逆写像は t を s の逆元としたとき φ_t である。 φ_s も φ_t も連続だから φ_s は X の位相同型である。 証明終 333 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 05 25 11 命題 G を位相群が位相空間 X に連続作用しているとする。 標準写像 p X → X/G は開写像である。 証明 332 より V が X の開集合のとき G の任意の元 s に対して sV は開集合である。 従って、V が X の開集合のとき p^(-1)(p(V)) = GV = ∪{sV ; s ∈ G} は開集合である。 従って、p(V) は開集合である。 証明終 334 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 05 46 48 定義 G を位相群、H をその部分群とする。 x ∈ G, s ∈ H のとき xs ∈ G だから H は G に右から連続作用する。 この軌道空間 G/H は H の左剰余類 xH 全体からなる。 G/H に商位相を入れた位相空間を G の H による等質空間と言う。 335 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 06 11 28 命題 X, Y, Z を位相空間として写像 f X → Y と g Y → Z があるとする。 f は全射で開写像とする。 h = gf が連続なら g も連続である。 証明 U を Z の開集合とする。 V = g^(-1)(U) とおく。 W = h^(-1)(U) = f^(-1)(V) は X の開集合である。 f は全射だから f(W) = V となる。 f は開写像だから V は開集合である。 証明終 336 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 06 14 43 命題 s ∈ G, tH ∈ G/H のとき stH ∈ H を対応させる写像 G × G/H → G/H は連続である。 証明 333 より 標準写像 G → G/H は開写像である。 従って、G × G → G × G/H は開写像である。 G × G → G × G/H と G × G/H → G/H を合成して f G × G → G/H が得られる。 f は連続写像 G × G → G と G → G/H の合成だから 連続である。 335 より G × G/H → G/H は連続である。 証明終 337 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 06 41 55 命題 G を位相群、H をその正規部分群とする。 G/H は商位相で位相群になる。 証明 写像 ψ G/H × G/H → G/H を ([x], [y]) = [xy^(-1)] で定義する。 333 より φ G × G → G/H × G/H は開写像である。 ψφ G × G → G/H は連続写像 f G × G → G, f(x, y) = xy^(-1) と G → G/H の合成だから連続である。 335 より ψ は連続である。 証明終 338 :132人目の素数さん:2007/08/09(木) 06 55 48 紙切れ提出で、290万円以上ゲット! こんな楽チンな話はなかった。 一回限りなのが残念ですが、 100%出来るのでやってみて! その続きはここ ⇒⇒ http //surl.se/cpcc 339 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 06 57 07 命題 G を位相群、H をその部分群とする。 H の G における閉包 cls(H) は G の部分群である。 証明 G×G において cls(H×H) = cls(H)×cls(H) である。 写像 f G×G → G を f(x, y) = xy^(-1) で定義する。 f は連続だから f(cls(H×H)) ⊂ cls(f(H×H)) となる。 f(H×H) ⊂ H だから f(cls(H)×cls(H) ) ⊂ cls(H) である。 よって cls(H) は G の部分群である。 証明終 340 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 07 01 49 命題 G を位相群、H をその正規部分群とする。 H の G における閉包 cls(H) は G の正規部分群である。 証明 a ∈ G のとき f(x) = axa^(-1) により写像 f G → G を定義する。 f(H) = H だから f(cls(H)) ⊂ cls(f(H)) = cls(H) よって cls(H) は G の正規部分群である。 証明終 341 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 09 16 19 定義 R を集合 X の同値関係とし φ X → X/R を標準写像とする。 X の部分集合 A は A = φ^(-1)(φ(A)) のとき充満していると言う。 X の任意の部分集合 B に対して φ^(-1)(φ(B)) を B の充満化と言う。 342 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 09 34 00 命題 R を位相空間 X の同値関係とし φ X → X/R を標準写像とする。 φ は開写像とする。 X の部分集合 A が充満( 341)していれば、A の内部および A の閉包も 充満している。 証明 A の内部と閉包をそれぞれ int(A), cls(A) とする。 int(A) の充満化を B とする。 A は充満しているから int(A) ⊂ B ⊂ A となる。 一方、B = φ^(-1)(φ(int(A))) であり、 φ は開写像だから B は開集合である。 従って int(A) = B である。 X - cls(A) = int(X - A) であり、X - A は充満しているから 上で証明したことより int(X - A) も充満している。 従って cls(A) も充満している。 証明終 343 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 09 45 40 命題 R を位相空間 X の同値関係とし φ X → X/R を標準写像とする。 φ は開写像とする。 X の部分集合 A が充満していれば、cls(φ(A)) = φ(cls(A)) である。 証明 A ⊂ cls(A) だから φ(A) ⊂ φ(cls(A)) 342 より cls(A) は充満しているから φ(cls(A)) は閉集合である。 よって cls(φ(A)) ⊂ φ(cls(A)) 一方 φ は連続だから φ(cls(A)) ⊂ cls(φ(A)) よって cls(φ(A)) = φ(cls(A)) 証明終 344 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10 02 30 命題 (X_i)、i ∈ I と (Y_i)、i ∈ I を位相空間の族とし、 f_i X_i → Y_i を開写像とする。 有限個の i を除いて f_i は全射とする。 f = Πf_i とする、即ち f((x_i)) = (f_i(x_i)) このとき f X → Y は開写像である。 証明 積位相空間の位相の定義より明らかである。 345 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10 19 22 命題 (X_i)、i ∈ I を位相空間の族とし、 R_i を各 X_i の同値関係で標準写像 f_i X_i → X_i/R_i は 開写像とする。 X = ΠX_i とし、 f X → ΠX_i/R_i を積写像 Πf_i とする。 X の同値関係 R を x = (x_i), y = (y_i) を X の2元としたとき f(x) = f(y) 即ち すべての i で x_i ≡ y_i (mod R_i) となるとき x ≡ y (mod R) と定義する。 標準写像 X → X/R は開写像で f は位相同型 X/R → ΠX_i/R_i を 引き起こす。 証明 344 より f は開写像である。 f は連続写像の積だから連続である。 従って f は位相同型 X/R → ΠX_i/R_i を引き起こす。 f は開写像だから標準写像 X → X/R も開写像である。 証明終 346 :132人目の素数さん:2007/08/09(木) 10 21 44 328 ★天使=AV女優 ★★大天使=あいり&めいり・天海麗・小倉ありす・角松かのり・森下くるみ・あいだゆあ・吉岡なつみ・つかもと友希・みひろ・小沢菜穂・酒井るんな・etc… ★★★主天使(中級天使)= 蒼井そら・乃亜・桜朱音・志保・nao.・松島かえで・小澤マリア・穂花・光月夜也・片瀬まこ ★★★★智天使(上級天使) 高樹マリア・吉崎直緒・南波杏・堤さやか・高井桃・天野こころ・滝沢優奈 ★★★★★熾天使 (四大天使長) 朝河蘭・古都ひかる・ 葉山レイコ・吉沢明歩 ∞:ネ申 小林ひとみ 347 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10 34 21 命題 R を位相空間 X の同値関係とし φ X → X/R を標準写像とする。 φ は開写像とする。 C を R のグラフ即ち C = {(x, y) ∈ X×X ; x ≡ y (mod R) } とする。 C が X×X の閉集合なら X/R はハウスドルフ空間である。 証明 345 より (X×X)/(R×R) は (X/R)×(X/R) と同一視できる。 (X/R)×(X/R) の対角線集合を Δ とする。 Δ は C の標準写像 X×X → (X×X)/(R×R) による像である。 C は充満した閉集合だから Δ も閉集合である。 従って 84 より X/R はハウスドルフ空間である。 証明終 348 :132人目の素数さん:2007/08/09(木) 10 43 10 http //jbbs.livedoor.jp/game/39525/ 掲示板来て下さいお願いします!! 349 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10 43 55 命題 G を位相群、H をその閉部分群とする。 等質空間( 334) G/H はハウスドルフ空間である。 証明 G/H は G における関係 x^(-1)y ∈ H による商空間である。 この関係のグラフは (x, y) に x^(-1)y を対応させる連続写像 G×G → G による H の逆像であるから閉集合である。 標準写像 G → G/H は 333 より開写像である。 従って 347 より G/H はハウスドルフ空間である。 証明終 350 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10 48 54 G を位相群、G の単位元を e とする。 N を {e} の G における閉包とする。 340 より N は G の閉正規部分群である。 349 より G/N は分離群である。 G/N を G に伴う分離群という。 351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 11 06 41 命題 G と G を位相群とする。 連続準同型 f G → G は G と G の右一様構造で一様連続である。 左一様構造に関しても同様である。 証明 f は連続だから V を G の単位元の任意の近傍としたとき G の単位元の任意の近傍 W があり f(W) ⊂ V となる yx^(-1) ∈ W なら f(yx^(-1)) = f(y)f(x)^(-1) ∈ V である。 即ち f は G と G の右一様構造で一様連続である。 証明は左一様構造に関しても同様である。 証明終 352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 11 25 17 G を分離位相アーベル群とする。 200 より G は分離一様空間である。 G の分離完備化( 288)を Ω とし、φ G → Ω を標準写像とする。 G は分離的だから φ により G と φ(G) は同一視出来る( 293)。 写像 x + y は連続準同型 f G×G → G である。 351 より f は一様連続である。 一様連続写像の延長定理( 272)により f は α Ω×Ω → Ω に 一意に拡張出来る。 即ち Ω の元 x, y に対して α(x, y) を x + y と書く。 Ω×Ω×Ω → Ω を (x, y, z) に (x + y) + z を対応させる 写像とする。 Ω×Ω×Ω → Ω を (x, y, z) に x + (y + z) を対応させる 写像とする。 この二つの写像は G×G×G で一致する。 等式延長の原理( 265)よりこの二つの写像一致する。 即ち Ω の元 x, y, z に対して (x + y) + z = x + (y + z) となる。 同様に x + y = y + x が出る。 同様に x + 0 = x である。 写像 -x は連続準同型 g G → G である。 351 より g は一様連続である。 一様連続写像の延長定理( 272)により g は β Ω → Ω に 一意に拡張出来る。 即ち Ω の元 x に対して β(x) を -x と書く。 x + (-x) = 0 が上と同様に出る。 以上から Ω は位相アーベル群になる。 353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 12 04 47 352 の Ω は二つの一様構造を持っている。 一つは一様空間 G の分離完備化としての一様構造である。 これを Φ と書く。 もう一つは位相アーベル群としての一様構造である。 これを Ψ と書く。 Φ = Ψ であることを証明する。 まず Φ と Ψ は Ω において同一の位相を定める。 Φ と Ψ は G において同一の一様構造を引き起こす。 従って Ψ の G における Cauchy フィルターは Φ の G における Cauchy フィルターでもあるから Ω において 収束する。 従って 263 より Ψ は完備である。 φ G → Ω を標準写像とする。 φ を G から一様空間 (Ω, Ψ) への写像と見ると、 351 より φ は 一様連続である。 一様連続写像の延長定理( 272)より φ は (Ω, Φ) から (Ω, Ψ) へ の一様連続写像 ψ に一意に拡張される。 Ω の恒等写像は G ⊂ Ω において φ を引き起こすから 等式延長の原理( 265) より ψ と一致する。 即ち恒等写像 (Ω, Φ) → (Ω, Ψ) は一様連続である。 同様に恒等写像 (Ω, Ψ) → (Ω, Φ) は一様連続である。 従って Φ = Ψ である。 354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 12 25 34 定理(分離位相アーベル群の完備化) G を分離位相アーベル群とする。 分離かつ完備な位相アーベル群 Ω と G から Ω への連続準同型 φ で 次の性質をもつものが存在する。 1) φ は G から φ(G) への位相群としての同型を引き起こす。 2) G から分離かつ完備な位相アーベル群 G への連続準同型 f G → G に対し、連続準同型 g Ω → G で f = gφ となるものが一意に存在する。 証明 Ω として 352 の Ω を取る。 1) は明らかである。 φ により G と φ(G) を同一視する。 f を G から分離かつ完備な位相アーベル群 G への連続準同型とする。 351 より f は一様連続だから一様連続写像の延長定理( 272)により f は一様連続写像 g Ω → G に一意に拡張出来る。 等式延長の原理により g(x + y) = g(x) + g(y) となる。 従って g は連続準同型である。 これで 2) が証明された。 証明終 355 :132人目の素数さん:2007/08/09(木) 17 32 31 298 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 356 :132人目の素数さん:2007/08/09(木) 17 33 19 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 357 :Kummer ◆SP1RWrm9VI :2007/08/09(木) 22 55 31 ( 1の続き) 妹が風邪をひいて家で寝ていて様子を見に行ったら、 「座薬を入れてよ!熱が下がんないから!」と言ってきた。 親に言えや!と返したら母親は今いない。親父には見られたくない。 という事らしい。 妹は後ろ向きに四つん這いになってその下は見るな!と 半分ケツをペロリとだした。 ロケット型の白い座薬を妹の*にゆっくりと入れる。 が、直ぐケツの力で這い出してしまう。 奥まで入れろ!と言われ、汚ねぇから触れねぇーよ!と 切り返したら、引出しからコンドームを1つ渡し「これで!」と。 指に不自然にそれをハメると妹は何度も絶対に変な事するなよ! 絶対に変な事するなよ!と言いながらもう一度四つん這いに。 オレは無心でゆっくりと奥まで一気に入れる。 妹はアッ!と少しだけ悶える。すまん!と意味も無く謝る兄のオレ。 ところがそのまま指が穴から抜けなくなる。 抜けない!とオレが 焦って動かすとウッ!動かさないで!と妹はマジ悶える。 力入れるなよ!と叫ぶオレ。じゃあ関節曲げんなよ!エロ!と妹も負けじと叫ぶ。 分かった。落ち着こうよ。な!力抜いて。ほら。よし!抜けた。 そしてヌポッ!という音ともに 358 :Kummer ◆YH5yPZVZn. :2007/08/09(木) 23 20 21 11 河村隆一「Love」(97/11/22) 1.I Love You 言わずと知れたソロデビュー駄曲。サビの「~探してたー、うっふっふ」ってとこがキモい駄曲。 2.好き Say A Litlle Prayerに提供した駄曲をセルフカバー。引き続きキモいです! 3.涙色 酒井のり子(のりP)に提供した曲。ここまで来るとアイドルヲタのカラオケみたいです! 4.Birthday 誕生日にこんな曲をRYUICHIに隣りで歌われたらその日は眠れないかも、キモくて、っていうおぞましい駄曲です 5.Love Song アコースティックな優しい響きに乗せたメッセージが絶望的にサムイです。 6.BEAT 「波乗りに行ったときに出来た曲。波の音が、別れた彼女の声に聞こえて・・・」との事ですが、 何言ってんだおまえ、って感じです!! 7.蝶々 これも酒井法子への提供曲。「女言葉を僕が歌ったら、面白いかなって思って」との事ですが、 ちっとも面白くなく不快な仕上りになってます。 8.Love アルフィーの高見沢作曲。繰り返し歌われるRYUICHIの恋愛観に辟易させられる駄曲です。 9.Evolution アルバム中盤で、ちょっとしたアクセントになっている駄曲。 10.小さな星 セイアへの提供曲。RYUICHIが歌う事によって鳥肌が立つほどの駄曲になってます。 11.Glass ソロ2ndシングル曲。テレビでもよく歌っていたせいか、サビでは高音を張り上げるRYUICHIの顔が浮かんできて怖いです! 12.でも淋しい夜は・・・ まだ続くのかよこのアルバム、って駄曲です。 13.SE,TSU,NA このアルバムでは珍しくアップテンポのアレンジに乗せて歌われるメッセージが圧倒的にウンコです。 14.Love is… 「僕の、究極の理想の愛を歌ってます」との事ですが、そんなのどうでもいいと思える駄曲です。 15.Christmas RYUICHIと一緒にクリスマスを過ごすくらいなら居眠りして終わらせたほうがましだと突っ込みたくなる駄曲。 16.Hope 長かったね、この駄アルバムもこの駄曲でやっと終わりという、開放感ある駄曲でした。 総評 全16駄曲という圧倒的なボリュームのソロデビュー作。主婦は狂気し、 LUNA SEAファンはいろいろな意味で腰を抜かした250万枚のヒット作です。 中古屋では50円で売ってました。50円出すのも勿体無いです! 359 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 03 42 31 命題 A を位相環とし、B をその部分環とする。 A における B の閉包 cls(B) は A の部分環である。 証明 339 より cls(B) は A の部分アーベル群である。 写像 f A×A → A を f(x, y) = xy で定義する。 f は連続だから f(cls(B×B)) = f(cls(B)×cls(B)) ⊂ cls(f(B×B)) となる。 f(B×B) ⊂ B だから f(cls(B)×cls(B)) ⊂ cls(B) である。 よって cls(B) は A の部分環である。 証明終 360 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 03 43 02 命題 A を位相環とし、I をその左イデアルとする。 I における B の閉包 cls(I) は A の左イデアルである。 証明 339 より cls(I) は A の部分アーベル群である。 写像 f A×A → A を f(x, y) = xy で定義する。 f は連続だから f(cls(A×I)) = f(A×cls(I)) ⊂ cls(f(A×I)) となる。 f(A×I) ⊂ I だから f(A×cls(I)) ⊂ cls(I) である。 よって cls(I) は A の左イデアルである。 証明終 361 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 03 48 40 命題 A を位相環とし、I をその右イデアル、 J をその両側イデアルとする。 A における I の閉包 cls(I) は A の右イデアルであり、 A における J の閉包 cls(J) は A の両側イデアルである。 証明 cls(I) が A の右イデアルであることの証明は 360 と同じである。 cls(J) が A の両側イデアルであることは cls(J) が 左イデアルでもあり、右イデアルでもあることから分かる。 証明終 362 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 03 56 34 命題 A を位相環とし、I をその両側イデアルとする。 A/I は商位相で位相環になる。 証明 337 と同様である。 363 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 04 01 10 A を位相環とし、N を {0} の A における閉包とする。 361 より N は A の閉両側イデアルである。 349 より A/N は分離的である。 A/N を A に伴う分離環と言う。 364 :Kummer ◆YH5yPZVZn. :2007/08/10(金) 04 13 12 361 の続き 河村隆一「Love」(97/11/22) 1.I Love You 言わずと知れたソロデビュー駄曲。サビの「~探してたー、うっふっふ」ってとこがキモい駄曲。 2.好き Say A Litlle Prayerに提供した駄曲をセルフカバー。引き続きキモいです! 3.涙色 酒井のり子(のりP)に提供した曲。ここまで来るとアイドルヲタのカラオケみたいです! 4.Birthday 誕生日にこんな曲をRYUICHIに隣りで歌われたらその日は眠れないかも、キモくて、っていうおぞましい駄曲です 5.Love Song アコースティックな優しい響きに乗せたメッセージが絶望的にサムイです。 6.BEAT 「波乗りに行ったときに出来た曲。波の音が、別れた彼女の声に聞こえて・・・」との事ですが、 何言ってんだおまえ、って感じです!! 7.蝶々 これも酒井法子への提供曲。「女言葉を僕が歌ったら、面白いかなって思って」との事ですが、 ちっとも面白くなく不快な仕上りになってます。 8.Love アルフィーの高見沢作曲。繰り返し歌われるRYUICHIの恋愛観に辟易させられる駄曲です。 9.Evolution アルバム中盤で、ちょっとしたアクセントになっている駄曲。 10.小さな星 セイアへの提供曲。RYUICHIが歌う事によって鳥肌が立つほどの駄曲になってます。 11.Glass ソロ2ndシングル曲。テレビでもよく歌っていたせいか、サビでは高音を張り上げるRYUICHIの顔が浮かんできて怖いです! 12.でも淋しい夜は・・・ まだ続くのかよこのアルバム、って駄曲です。 13.SE,TSU,NA このアルバムでは珍しくアップテンポのアレンジに乗せて歌われるメッセージが圧倒的にウンコです。 14.Love is… 「僕の、究極の理想の愛を歌ってます」との事ですが、そんなのどうでもいいと思える駄曲です。 15.Christmas RYUICHIと一緒にクリスマスを過ごすくらいなら居眠りして終わらせたほうがましだと突っ込みたくなる駄曲。 16.Hope 長かったね、この駄アルバムもこの駄曲でやっと終わりという、開放感ある駄曲でした。 総評 全16駄曲という圧倒的なボリュームのソロデビュー作。主婦は狂気し、 LUNA SEAファンはいろいろな意味で腰を抜かした250万枚のヒット作です。 中古屋では50円で売ってました。50円出すのも勿体無いです! 365 :Kummer ◆YH5yPZVZn. :2007/08/10(金) 04 20 05 お前ら、フルーチェオナホ造った事ある? カタクリX並らしいんだけど・・ 366 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 05 12 58 命題 A を位相環とする。 (x_n), n ∈ Z+ と (y_n), n ∈ Z+ をそれぞれ A の Cauchy 点列 とすると、(x_ny_n) も Cauchy 点列である。 証明 写像 (x, y) → xy は連続だから A の 0 の任意の近傍 W に対して U^2 ⊂ W となる 0 の近傍 U がある。 n0 ∈ Z+ があり n, m ≧ n0 なら x_n - x_m ∈ U, y_n - y_m ∈ U となる。 写像 x → x(y_n0) と写像 y → (x_n0)y は連続だから V ⊂ U があり x_n - x_m ∈ V なら (x_n - x_m)y_n0 ∈ W y_n - y_m ∈ V なら x_n0(y_n - y_m) ∈ W となる。 n1 ≧ n0 があり n, m ≧ n1 なら x_n - x_m ∈ V y_n - y_m ∈ V となる。 従って n, m ≧ n1 なら x_n y_n - x_m y_m = (x_n - x_m)y_n0 + x_n0(y_n - y_m) + (x_n - x_m)(y_n - y_n0) + (x_m - x_n0)(y_n - y_m) ∈ W + W + W + W 従って (x_ny_n) は Cauchy 点列である。 証明終 367 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 08 45 52 命題 A を位相環とする。 Φ と Ψ をそれぞれ A の Cauchy フィルターの基底とする。 f A×A → A を f(x, y) = xy により定義する。 f(Φ, Ψ) は Cauchy フィルターの基底である。 証明 写像 f(x, y) は連続だから A の 0 の任意の近傍 W に対して U^2 ⊂ W となる 0 の近傍 U がある。 M ∈ Φ と N ∈ Ψ を U 程度に小さい集合とする。 x_1 ∈ M y_1 ∈ N を任意に取る。 写像 x → xy_1 と写像 y → x_1y は連続だから V ⊂ U があり x - x ∈ V なら (x - x)y_1 ∈ W y - y ∈ V なら x_1(y - y) ∈ W となる。 M を V 程度に小さい集合で M ⊂ M かつ M ∈ Φ とする。 N を V 程度に小さい集合で N ⊂ N かつ N ∈ Ψ とする。 x, x ∈ M y, y ∈ N のとき x y - xy = (x - x)y_1 + x_1(y - y) + (x - x)(y - y_1) + (x - x_1)(y - y) ∈ W + W + W + W 即ち M N は 4W 程度に小さい。 従って f(Φ, Ψ) は Cauchy フィルターの基底である。 証明終 368 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 09 14 10 A を分離位相環とする。 Ω を A のアーベル群としての完備化とする。 写像 f A×A → A を f(x, y) = xy により定義する。 271 より f は連続写像 g Ω×Ω → Ω に一意に拡張できる。 g(x, y) = xy と書くことにする。 等式延長の原理( 265)より (xy)z = x(yz) となる。 1 を A の乗法の単位元 とするとやはり等式延長の原理より x1 = 1x = x となる。 従って Ω は位相環になる。 369 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 09 15 32 定理(分離位相環の完備化) A を分離位相環とする。 分離かつ完備な位相環 Ω と A から Ω への連続準同型 φ で 次の性質をもつものが存在する。 1) φ は A から φ(A) への位相環としての同型を引き起こす。 2) A から分離かつ完備な位相環 B への連続準同型 f A → B に対し、連続準同型 g Ω → B で f = gφ となるものが一意に存在する。 証明 Ω として 368 の Ω を取る。 1) は明らかである。 φ により A と φ(A) を同一視する。 f を A から分離かつ完備な位相環 B への連続準同型とする。 354 より位相アーベル群としての連続準同型 g Ω → B で f = gφ となるものが一意に存在する。 等式延長の原理により g(xy) = g(x)g(y) となる。 従って g は位相環としての連続準同型である。 これで 2) が証明された。 証明終 370 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 09 19 14 369 の Ω を分離位相環 A の完備化と言う。 Ω は通常 A^ で表す。 371 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 09 41 45 定理(位相環の分離完備化) A を位相環とする。 分離かつ完備な位相環 Ω と A から Ω への連続準同型 ψ で 次の性質をもつものが存在する。 A から分離かつ完備な位相環 B への連続準同型 f A → B に対し、連続準同型 g Ω → B で f = gψ となるものが一意に存在する。 証明 N を {0} の A における閉包とする。 361 より N は A の閉両側イデアルである。 349 より A/N は分離的である。 p A → A/N を標準写像とする。 A/N の完備化を Ω とし、φ A/N → Ω を標準写像とする。 ψ A → Ω を標準写像 p A → A/N と φ A/N → Ω の 合成とする。即ち ψ = φp である。 f を A から分離かつ完備な位相環 B への連続準同型とする。 f^(-1)(0) は A の閉両側イデアルだから N ⊂ f^(-1)(0) 従って、環としての準同型 h A/N → B があり、f = hp となる。 B の開集合 U に対して f^(-1)(U) = p^(-1)(h^(-1)(U)) は 開集合だから h^(-1)(U) は開集合である。 従って h は連続である。 369 より連続準同型 g Ω → B で h = gφ となるものが一意に存在する。 f = hp = gφp = gψ ψ(A) は Ω で密だから g は一意に決まる。 証明終 372 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 01 34 52 定義 A を位相環( 189)とし、E を左 A-加群とする。 E が以下の条件を満たすとき E を 左 A-位相加群と言う。 1) E にはその加法と両立する位相が入る。 即ち位相アーベル群である。 2) (a, x) に ax を対応させる写像 A×E → E は連続である。 373 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 01 48 20 命題 E を A-位相加群、M をその A-部分加群とする。 E/M は商位相により A-位相加群となる。 証明 写像 ψ A × E/M → E/M を (a, [x]) = [ax] で定義する。 ψ が連続であることを示せばよい。 333 より φ A × E → A × E/M は開写像である。 ψφ A × E → E/M は連続写像 A × E → E と標準写像 E → E/M の合成だから連続である。 335 より ψ は連続である。 証明終 374 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 02 06 29 次の命題の証明は 367 と同様だが一応証明する。 375 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 02 07 28 命題 E, F, G を位相アーベル群とし、 f E×F → G を連続な双線形写像とする。 Φ と Ψ をそれぞれ E と F の Cauchy フィルターの基底とする。 f(Φ, Ψ) は G の Cauchy フィルターの基底である。 証明 写像 f(x, y) は連続だから G の 0 の任意の近傍 W に対して f(U, V) ⊂ W となる 0 の近傍 U と V がある。 M ∈ Φ と N ∈ Ψ をそれぞれ U, V 程度に小さい集合とする。 x_1 ∈ M y_1 ∈ N を任意に取る。 写像 x → f(x, y_1) と写像 y → f(x_1, y) は連続だから 0 の近傍 U ⊂ U があり x - x ∈ U なら f(x - x, y_1) ∈ W 0 の近傍 V ⊂ V があり y - y ∈ V なら f(x_1, y - y) ∈ W となる。 M を U 程度に小さい集合で M ⊂ M かつ M ∈ Φ とする。 N を V 程度に小さい集合で N ⊂ N かつ N ∈ Ψ とする。 x, x ∈ M y, y ∈ N のとき f(x , y ) - f(x, y) = f(x - x, y_1) + f(x_1, y - y) + f(x - x, y - y_1) + f(x - x_1, y - y) ∈ W + W + W + W 即ち M N は 4W 程度に小さい。 従って f(Φ, Ψ) は Cauchy フィルターの基底である。 証明終 376 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 02 24 35 A を分離位相環、E を A-分離位相加群とする。 A^ と E^ をそれぞれ A と E の完備化とする。 271 と 375 より (a, x) に ax を対応させる写像 A×E → E は A^×E^ → E^ に連続延長される。 等式延長の原理( 265) より a, b ∈ A^, x ∈ E^ のとき a(bx) = (ab)x となる。 従って E^ は A^-位相加群となる。 E^ を A-位相加群 E の完備化と言う。 377 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 03 26 30 A を位相環、N を A における {0} の閉包とする。 349 より A/N は分離位相環である。 A/N の完備化( 370) を A の分離完備化と言い、A^ で表す。 378 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 03 27 32 A を位相環、E を A-位相加群とする。 N を A における {0} の閉包とし、 F を E における {0} の閉包とする。 349 より A/N は分離位相環であり、 E/F は分離位相アーベル群である。 a ∈ A, x ∈ F なら ax ∈ F だから、 写像 f A/N × E/F → E/F を ([a], [x]) → [ax] により 定義出来る。 A × E → A/N × E/F は開写像であり、 (a, x) ∈ A × E のとき [ax] ∈ E/F を対応させる写像 A × E → E/F は連続だから 335 より f も連続である。 従って E/F は A/N-位相加群である。 376 より E/F の完備化 (E/F)^ は A の分離完備化環 A^ 上の 位相加群であり、これを E の分離完備化と言い、E^ と書く。 379 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 09 08 52 命題 A を位相環、E を A-位相加群とし、 A^ と E^ をそれぞれ A と E の分離完備化( 371 と 378)とする。 φ E → E^ を標準写像とする。 G を分離かつ完備な A^-位相加群とし、 f E → G を A-位相加群としての連続準同型とする。 このとき A^-位相加群としての連続準同型 g E^ → G が一意に存在し f = gφ となる。 証明 F を E における {0} の閉包とする。 p E → E/F を標準写像とする。 f^(-1)(0) は E の閉部分加群だから F ⊂ f^(-1)(0) 従って、A-加群としての準同型 h E/F → G があり、f = hp となる。 G の開集合 U に対して f^(-1)(U) = p^(-1)(h^(-1)(U)) は 開集合だから h^(-1)(U) は開集合である。 従って h は連続である。 ψ E/F → (E/F)^ を標準写像とする。 E^ = (E/F)^ である。 354 より連続準同型 g (E/F)^ → G で h = gψ となるものが一意に存在する。 f = hp = gψp = gφ φ(A) は Ω で密だから g は一意に決まる。 g は等式延長の原理( 265)より A^-位相加群としての連続準同型で ある。 証明終 380 :Kummer ◆U3fGsUclmg :2007/08/11(土) 09 21 27 ★天使=AV女優 ★★大天使=あいり&めいり・天海麗・小倉ありす・角松かのり・森下くるみ・あいだゆあ・吉岡なつみ・つかもと友希・みひろ・小沢菜穂・酒井るんな・etc… ★★★主天使(中級天使)= 蒼井そら・乃亜・桜朱音・志保・nao.・松島かえで・小澤マリア・穂花・光月夜也・片瀬まこ ★★★★智天使(上級天使) 高樹マリア・吉崎直緒・南波杏・堤さやか・高井桃・天野こころ・滝沢優奈 ★★★★★熾天使 (四大天使長) 朝河蘭・古都ひかる・ 葉山レイコ・吉沢明歩 ∞:ネ申 小林ひとみ 381 :132人目のKummerさん:2007/08/11(土) 09 53 20 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 382 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 10 21 31 命題 分離位相体( 190) K の完備化環 K^ が位相体であるためには K^* に含まれ、0 に収束しない (K の加法群に関する) Cauchy フィルターの基底の写像 x → x^(-1) による像が (K の加法群に関する) Cauchy フィルターの基底であることが 必要十分である。 証明 K が離散的でないなら K^* = K - {0} は K^ - {0} において密である。 K が離散的な場合は K^ = K であるからやはり K^* = K - {0} は K^ - {0} において密である。 f K^* → K^* を f(x) = x^(-1) で定義する。 K^ が位相体であるためには写像 f が写像 g K^ - {0} → K^ - {0} に連続延長出来ることが必要十分である。 必要なことは明らかである。 十分なことは、x ∈ K^ - {0} のとき g(x)x = 1 と xg(x) = 1 が 等式延長の原理( 265)より出ることから分かる。 従って、 271 より直ちに命題の主張が出る。 証明終 383 :132人目の素数さん:2007/08/11(土) 10 31 29 382 AV 好きなのか? 384 :132人目のKummerさん:2007/08/11(土) 10 34 12 ∩___∩ /) | ノ ヽ ( i ))) / ● ● | / / | ( _●_) |ノ / 彡、 |∪| ,/ / ヽノ /´ 代数的整数論では円分体が大事だクマ 385 :Kummer ◆6l0Hq6/z.w :2007/08/11(土) 10 38 24 383 ああ。 386 :132人目の素数さん:2007/08/11(土) 10 49 51 384 円分体好きなのか? 387 :132人目の素数さん:2007/08/11(土) 10 58 01 386 ああ。 388 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 11 07 32 命題 K を分離的な可換位相体とする。 Φ を K^* を位相群とみたときの K^* における Cauchy フィルターの基底とする。 Φ は K を位相アーベル群とみたときの Cauchy フィルターの基底 であり、0 には収束しない。 証明 U を K における 0 の任意の近傍として V を 0 の閉近傍で V ⊂ U, V^2 ⊂ U で -1 は V に含まれない とする。 A ∈ Φ で任意の x, y ∈ A に対して y/x ∈ 1 + V となるものがある。 a ∈ A のとき A ⊂ a + aV である。 W を 0 の近傍で aW ⊂ V とする。 B ∈ Φ, B ⊂ A で任意の x, y ∈ B に対して y/x ∈ 1 + W となるものがある。 y - x ∈ xW ⊂ AW ⊂ aW + aVW K は可換だから aVW = aWV ⊂ V^2 ⊂ U 従って y - x ∈ U + U 即ち Φ は K を位相アーベル群とみたときの Cauchy フィルターの基底 である。 A ⊂ a + aV であり、 a + aV は 0 を含まない閉集合であるから Φ は 0 に収束しない。 証明終 389 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 11 10 18 命題 K を分離かつ完備な可換位相体とする。 K^* は位相群とみたとき完備である。 証明 388 より明らかである。 390 :132人目の素数さん:2007/08/11(土) 11 10 27 ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 代数的整数論、いつも熱心に書いてあるな。 \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ ん?最近荒らしが多いな。 \/ / ○_○ ( ・(ェ)・ ) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 何で「クマー」が Kummer って叫んでるんだろう? \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 「クンマー」だからか。くだらねえ。 \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ゚(ェ)゚ ) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ こっちみんな \/ /  ̄ ̄ ̄ タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/70.html
最終更新日時 2011年03月06日 (日) 21時46分34秒 代数的整数論 005 (391-450) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/391-450 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1173998720/391-450 391 :132人目の素数さん:2007/05/24(木) 04 12 00 32 392 :132人目の素数さん:2007/05/24(木) 04 13 00 31 393 :132人目の素数さん:2007/05/24(木) 04 14 00 30 394 :132人目の素数さん:2007/05/24(木) 04 15 00 29 395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/25(金) 17 17 23 補題 β > 1 を実無理数とする。 α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = 1 であり、 c > d > 0 である。 このときある偶数 n ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 証明 a/c を単純連分数( 69)に展開して a/c = [k_0, . . . , k_(n-1)] とする。 107 より ad - bc = (-)^n = 1 と仮定してよい。 即ち n は偶数と仮定してよい。 あとは 110 の証明と同じである。 証明終 396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/25(金) 17 21 06 補題 β を簡約2次無理数とする。 α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = 1 である。 このとき、ある偶数 n ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 証明 cβ + d < 0 なら -cβ - d > 0 で α = (-aβ - b)/(-cβ - d) だから cβ + d > 0 と仮定してよい。 β を 無限連分数に展開して β = [h_0, h_1, . . . ] とする。 m ≧ 1 に対して ω_m = [h_m, h_(m+1), . . . ] とおく。 77 より β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω_m] である。 β は簡約2次無理数だから 101 より純循環連分数に展開される。 よって ω_m = β、即ち β = [h_0, . . . , h_(m-1), β] となる m ≧ 1 がある。 しかも、このような m としていくらでも大きい値が取れる。 従って 395 より 113 と同様にして ある偶数 n ≧ 1 があり α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。 証明終 397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/25(金) 21 09 12 375 の続き。 1/θ = (r + s(1/τ)/(p + q(1/τ)) であり、1/τ は簡約2次無理数 だから 396 より、ある偶数 n ≧ 1 があり、 1/θ = [k_0, . . . , k_(n-1), 1/τ] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 1/θ も簡約2次無理数だから 1/θ > 1 であり、k_0 ≧ 1 である。 368 と、n は偶数に注意して、 φ_FQ( ρ^n(f) ) = (τ, (-1)^n) = (τ, 1) である。 一方 φ_FQ(g) = (τ, 1) だから ρ^n(f) = g である。 よって f と g は同じサイクルに属す。 即ち簡約2次形式 f と g が F(D)/Γ( 375) の同じ類に属すことと、 f と g が RF(D)/G ( 359) の同じ類に属すことは同値である。 一方、 348 より F(D)/Γの任意の類は簡約2次形式を含む。 よって |F(D)/Γ| = |RF(D)/G| である。 398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/25(金) 21 14 07 397 の結果は恐らく(不定符号)2次形式の初等的な理論の中で最初の 難関だろう。 399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 09 46 33 D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 判別式 D の原始的(過去スレ4の279)な簡約2次形式( 330)の集合を RF_0(D) と書く。 397 の |F(D)/Γ| = |RF(D)/G| より |F_0(D)/Γ| = |RF_0(D)/G| となる。 一方、 253 より F_0(D)/Γ と Cl+(D) ( 227)は集合として同型である。 よって |Cl+(D)| = |RF_0(D)/G| |Cl+(D)| を h+(D) と書き R の狭義の類数と呼ぶ。 ここで R は判別式 D の整環である。 |Cl(D)| を h(D) と書き R の広義の類数と呼ぶ。 400 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 10 05 56 D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 399 より R の狭義の類数 h+(D) は |RF_0(D)/G| と一致する。 RF_0(D) の元、つまり判別式 D の原始的な簡約2次形式を数え上げる アルゴリズムは簡単である。 (a, b, c) ∈ RF_0(D) となる条件を求めよう。 まず 333 より 0 < b < √D である。 即ち 1 ≦ b ≦ [√D] 335 より a と c の符号は反対だから D = b^2 - 4ac = b^2 + 4|ac| これから b が決まると |ac| が決まる。 333 より |√D - 2|a|| < b よって √D - b < 2|a| < √D + b よって [√D] + 1 - b ≦ 2|a| ≦ [√D] + b これから a が決まり D = b^2 + 4|ac| より c が決まる。 あとは gcd(a, b, c) = 1 に注意すればよい。 401 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 10 54 46 D = 328 として h+(D) を求めてみよう。 これは高木の「初等整数論講義」の例と同じである。 328 = 4・82 = 8・41 で 82 ≡ 2 (mod 4) だから 判別式 D の整環 R は Q(√82) の主整環である。 従って 判別式 D の2次形式はすべて原始的である(過去スレ4の289)。 [√D] = 18 である。 b^2 + 4|ac| = 328 [√D] + 1 - b ≦ 2|a| ≦ [√D] + b より以下の20個が判別式 328 の原始的な簡約2次形式の全部である。 (9, 2, -9) (-9, 2, 9) (6, 8, -11) (-11, 8, 6) (11, 8, -6) (-11, 8, 6) (3, 14, -11) (-3, 14, 11) (11, 14, -3) (-11, 14, 3) (2, 16, -9) (-2, 16, 9) (9, 16, -2) (-9, 16, 2) (3, 16, -6) (-3, 16, 6) (6, 16, -3) (-6, 16, 3) (1, 18, -1) (-1, 18, 1) 402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 11 10 03 401 で求めた RF_0(328) をサイクルに分類するのは 370 と 同様にすればよい。 (9, 2, -9) → (-9, 16, 2) → (2, 16, -9) → (-9, 2, 9) → (9, 16, -2) → (-2, 16, 9) → (9, 2, -9) (11, 8, -6) → (-6, 16, 3) → (3, 14, -11) → (-11, 8, 6) → (6, 16, -3) → (-3, 14, 11) → (11, 8, -6) (3, 16, -6) → (-6, 8, 11) → (11, 14, -3) → (-3, 16, 6) → (6, 8, -11) → (-11, 14, 3) → (3, 16, -6) (1, 18, -1) → (-1, 18, 1) → (1, 18, -1) 以上から RF_0(328) は4個のサイクルからなっている。 よって h+(328) = 4 である。 即ち Q(√82) の狭義の類数は4である。 403 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 11 37 28 402 において、 (9, 2, -9) と (-9, 2, 9) (11, 8, -6) と (-11, 8, 6) (3, 16, -6) と (-3, 16, 6) (1, 18, -1) と (-1, 18, 1) はそれぞれ同じサイクルに属す。 従って 305 より Q(√82) の広義の類数も4である。 404 :132人目の素数さん:2007/05/30(水) 18 09 12 すみません、教えてください。 お願いします。 http //web2.incl.ne.jp/yaoki/wari7.htm の問題 「2n-1個の任意の自然数がある。(nは自然数) (2n-1個の内に、同じ自然数があってもかまわない) その中のあるn個の自然数の和で、nで割り切れるものが必ず存在する。 そうであるなら証明を、そうとも限らないなら反例を示してください。」 の解答http //web2.incl.ne.jp/yaoki/awari7.htmで 以下の所の意味がよく解りませんので、よろしくお願いいたします。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ Rk と Sk-1 は要素数が同じであるが、それぞれの要素数の和は法 p の下で剰余が等しくないことになる。 これは、Rk には Sk-1 にない要素が少なくとも1つはあることを意味する。 Sk = Sk-1 ∪ Rk であるから、Sk の要素数は Sk-1 よりも多くなる。 もし t = p ならば、Sk-1 には p 個の要素があり、法 p の下の剰余をすべて尽くしている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ ここまではわかるのですが、次からがよくわかりません。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ こうなると Sk, Sk+1, ... は、要素数が p 個である状態が続いていく。 よって、Sk の要素は k+1 個以上あるが、p 個が上限である。 特に、Sp-1 は要素数が p 個で、法 p の下の剰余がすべて含まれる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ t = p でないときは? 405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 10 57 21 D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とし、 m ≠ 0 を有理整数とする。 m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解(過去スレ4の701)の全てを求めるには 過去スレ4の738 より以下の問題に帰着する。 (1) 判別式 D の2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が与えられたとき それらが同値か否かを判定せよ。 (2) 同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。 (1) は既に解けている。 即ち以下のようにする。 f と g を判別式 D の2次形式とする。 f と g が同値かどうかを判定するには、 348 の方法により f と g をそれぞれ簡約2次形式に変形して それらが同じサイクルに含まれるかどうかを見ればよい。 同じサイクルに含まれれば、fσ = g となる σ ∈ SL_2(Z) は 少なくとも1個求まる。 よって (2) は (a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ SL_2(Z) を 全て求めれば解ける(過去スレ4の739)。 406 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 11 37 07 D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 f = (a, b, c) を判別式 D の原始的な2次形式とする。 U(f) = {σ ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)σ = (a, b, c) } とおく。 U(f) は SL_2(Z) の部分群である。 U(f) の構造を決定しよう。 σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) とし、 (a, b, c)σ = (a, b, c とする。 過去スレ4の401より a = ap^2 + bpr + cr^2 b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs c = aq^2 + bqs + cs^2 ps - qr = 1 だから ps = qr + 1 これと b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs より b = 2apq + b(2qr + 1) + 2crs よって 2apq + 2bqr + 2crs = 0 よって apq + bqr + crs = 0 407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 11 46 11 406 の続き。 apq + bqr + crs = 0 より、 aq = q(ap^2 + bpr + cr^2) = apqp + bpqr + cr^2q = (-bqr - crs)p + bpqr + cr^2q = -crsp + cr^2q = -cr(ps - qr) = -cr よって r/a = -q/c 他方 c(p - s) = (aq^2 + bqs + cs^2)(p - s) = apq^2 + bpqs + cs^2p - cs = apq^2 + bpqs + cs(sp - 1) = apq^2 + bpqs + csqr = q(apq + bps + crs) = q(bps - bqr) = qb(ps - qr) = qb ここで再び apq + bqr + crs = 0 を使った。 よって (s - p)/b = -q/c 以上から r/a = (s - p)/b = -q/c 408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 11 55 14 407 の続き。 r/a = (s - p)/b = -q/c を u とおく。 r = au s - p = bu q = -cu となる。 u = v/w とする。 ここで v, w は有理整数で gcd(v, w) = 1 である。 wr = av w(s - p) = bv wq = -cv よって w は a, b, c の共約数である。 2次形式 f = (a, b, c) は原始的だから w = ±1 である。 よって u は有理整数である。 t = p + s とおく。 t + bu = 2s t - bu = 2p よって p = (t - bu)/2 s = (t + bu)/2 q = -cu r = au 409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 14 36 11 408 の続き。 p = (t - bu)/2 s = (t + bu)/2 q = -cu r = au と ps - qr = 1 より (t^2 - b^2u^2)/4 + acu^2 = (t^2 - b^2u^2 + 4acu^2)/4 = 1 よって t^2 - Du^2 = 4 410 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 14 37 35 409 の続き。 逆に (t, u) が t^2 - Du^2 = 4 の解なら p = (t - bu)/2 s = (t + bu)/2 q = -cu r = au とおくと ps - qr = 1 となって、σ = (p, q)/(r, s) は SL_2(Z) の元である。 (a, b, c)σ = (k, l, m) とする。 過去スレ4の401より k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2 411 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 14 39 21 410 の続き。 一方、 ap^2 + bpr + cr^2 = (t - bu)^2/4 + ab(t - bu)u/2 + ca^2u^2 = (a(t - bu)^2 + 2ab(t - bu)u + 4ca^2u^2)/4 = (at^2 - 2abtu + ab^2u^2 + 2abtu - 2ab^2u^2 + 4ca^2u^2)/4 = (at^2 - ab^2u^2 + 4ca^2u^2)/4 = a(t^2 - Du^2)/4 = a よって k = a 2apq + b(ps + qr) + 2crs = -2acu(t - bu)/2 + b(t^2 - b^2u^2)/4 - abcu^2 + 2acu(t + bu)/2 = 2abcu^2 + b(t^2 - b^2u^2)/4 - abcu^2 = b(t^2 - b^2u^2)/4 + abcu^2 = b(t^2 - Du^2)/4 = b よって l = b D = b^2 - 4ac = l^2 - 4km だから b^2 - 4am = D よって m = c 以上から (a, b, c)σ = (a, b, c) 412 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 15 29 04 411 の続き。 t^2 - Du^2 = 4 の有理整数解 (t, u) の集合を Pell+(D) と書こう。 (t, u) ∈ Pell+(D) のとき φ(t, u) = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) と書く。 ここで p = (t - bu)/2 s = (t + bu)/2 q = -cu r = au 411 より φ は Pell+(D) から U(f) への写像である。 409 より φ は全射である。 φ が単射であることを示そう。 (t, u) と (t , u ) を Pell+(D) の元で、 φ(t, u) = φ(t , u ) とする。 a ≠ 0 だから(a = 0 なら D = b^2 となって D は平方数となって 仮定に反する)、 au = au より u = u である。 よって (t - bu)/2 = (t - bu )/2 より t = t である よって (t, u) = (t , u ) よって φ は単射である。 413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 15 45 36 412 の続き。 R を判別式 D の整環とする。 過去スレ4の590より R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。 R の単数でノルムが1となるもの全体を (R^*)+ と書く 即ち (R^*)+ = { α ∈ R^* ; N(α) > 0 } である( 281)。 α = (t + u√D)/2 が R の単数なら、 N(α) = αα = (t + u√D)/2 (t - u√D)/2 = (t^2 - Du^2)/4 = ±1 特に N(α) = 1 なら t^2 - Du^2 = 4 である。 よって (t, u) ∈ Pell+(D) である。 逆に (t, u) ∈ Pell+(D) なら、 132 より α = (t + u√D)/2 は R の単数である。 明らかに、N(α) = 1 である。 以上から Pell+(D) と (R^*)+ は集合として同型である。 412 より Pell+(D) と U(f) は集合として同型であるから U(f) と (R^*)+ は集合として同型である。 414 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 15 59 34 413 の続き。 139 より R の任意の単数は ±E^m, m ∈ Z と書ける。 ここで E は R の基本単数である。 よって R^* は群として Z × {±1} と同型である。 ここで Z は有理整数環の加法群である。 N(E) = 1 なら R^* = (R^*)+ である。 N(E) = -1 なら (R^*)+ の任意の元は ±(E^2)^m, m ∈ Z と書ける。 この場合も (R^*)+ は群として Z × {±1} と同型である。 415 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 16 10 27 408 よって w は a, b, c の共約数である。 よって w は a, b, c の公約数である。 416 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 17 25 26 414 の続き。 R の基本単数は 138 と 139 の方法で求まる。 例として 401 で取り上げた D = 328 のときに基本単数を 求めてみよう。 401 より (-1, 18, 1) は簡約2次形式だから θ = 2|a|/(-b + √D) = (b + √D)/2|c| = (18 + √D)/2 は 簡約された2次無理数である( 330, 339)。 [θ] = 18 θ - 18 = (-18 + √D)/2 1/(θ - 18) = 2(-18 - √D)/(18^2 - 328) = 2(18 + √D)/4 = (18 + √D)/2 = θ よって θ = [18, 0, θ] よって θ = 18 + 1/θ = (18θ + 1)/θ 138 より θ = (18 + √D)/2 は R の、従って Q(√82) の 基本単数である。 N(θ) = (18 + √D)/2 (18 - √D)/2 = (18^2 - 328)/4 = -4/4 = -1 よって (R^*)+ = { ±θ^(2n) ; n ∈ Z } = { ±((326 + 18√D)/2)^n) ; n ∈ Z } 417 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 21 00 24 416 の補足。 θ = (18 + √D)/2 = 9 + √82 θ^2 = (9 + √82)^2 = 81 + 18√82 + 82 = 163 + 18√82 よって (R^*)+ = { ±θ^(2n) ; n ∈ Z } = { ±(163 + 18√82)^n) ; n ∈ Z } 418 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/01(金) 06 41 05 訂正 416 よって θ = [18, 0, θ] よって θ = [18, θ] 419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/01(金) 10 59 10 401 の (3, 14, -11) も簡約2次形式である。 これからも R の基本単数を計算して見よう。 θ = 2|a|/(-b + √D) = (b + √D)/2|c| = (14 + √D)/22 = (7 + √82)/11 これは簡約された2次無理数である( 330, 339)。 θ を連分数に展開する。 [(7 + √82)/11] = 1 (7 + √82)/11 - 1 = (-4 + √82)/11 11/(-4 + √82) = 11(4 + √82)/66 = (4 + √82)/6 [(4 + √82)/6] = 2 (4 + √82)/6 - 2 = (-8 + √82)/6 6/(-8 + √82) = 6(8 + √82)/18 = (8 + √82)/3 [(8 + √82)/3] = 5 (8 + √82)/3 - 5 = (-7 + √82)/3 3/(-7 + √82) = 3(7 + √82)/33 = (7 + √82)/11 = θ よって θ = [1, 2, 5, θ] よって θ = (16θ + 3)/(11θ + 2) よって 11θ + 2 = 9 + √82 が基本単数である。 これは勿論 416 の結果と一致している。 420 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04 10 00 43 421 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04 11 00 42 422 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04 12 00 41 423 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04 13 00 40 424 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04 14 00 39 425 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04 15 00 38 426 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04 10 00 37 427 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04 11 01 36 428 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04 12 00 35 429 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04 13 00 34 430 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04 14 00 33 431 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04 15 00 34 432 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 05 43 14 荒らすな (゚Д゚)≡゚д゚)、カァー ペッ!! 433 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/05(火) 21 47 41 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 n を有理整数としたとき σ(n) = (0, 1)/(-1, n) とおく。 σ(n) ∈ SL_2(Z) である。 (a, b, c)σ(n) = (c, -b - 2cn, a + bn + cn^2) となる。 2次形式 (c, -b - 2cn, a + bn + cn^2) を (c, b , a ) と書くと、 b + b ≡ 0 (mod 2c) である。 一般に、(a, b, c) と (c, b , a ) を判別式 D の2次形式としたとき、 b + b ≡ 0 (mod 2c) となるとき、 (c, b , a ) は (a, b, c) の右に隣接しているといい、 (a, b, c) は (c, b , a ) の左に隣接しているという。 この関係を (a, b, c) → (c, b , a ) と表す。 b + b = -2cn とすると (a, b, c)σ(n) = (c, b , a ) である。 434 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/05(火) 22 38 13 D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 348 の ρ(a, b, c) は (a, b, c) の右に隣接している。 逆に、(a, b, c) と (c, b , a ) を判別式 D > 0 の簡約2次形式 ( 330)とし、(c, b , a ) が (a, b, c) の右に隣接しているとする。 b + b ≡ 0 (mod 2c) だから b = -b + 2|c|n と書ける。 (c, b , a ) は簡約されているから √D - 2|c| < -b + 2|c|n < √D よって 2|c|n < b + √D < 2|c|n + 2|c| 即ち n < (b + √D)/2|c| < n + 1 よって n = [(b + √D)/2|c|] 348 より ρ(a, b, c) = (c, b , a ) である。 以上をまとめると、簡約2次形式 (a, b, c) の右に隣接している 簡約2次形式はただ一つ存在し、それは ρ(a, b, c) である。 435 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/05(火) 22 56 44 D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 (a, b, c) を判別式 D > 0 の簡約2次形式( 330)とする。 μ(a, b, c) = (c, b, a) と書いた( 355)。 356 より (μρ)(μρ) = 1 だから μρμρ(a, b, c) = (a, b, c) である。 両辺に μ を掛けて ρμρ(a, b, c) = μ(a, b, c) 一方、(a, b, c) と (c, b , a ) を判別式 D > 0 の簡約2次形式 とし、(c, b , a ) が (a, b, c) の右に隣接しているとする。 即ち、(a, b, c) → (c, b , a ) とする。 このとき、明らかに (a , b , c) → (c, b, a) である。 即ち、μ(c, b , a ) → μ(a, b, c) 436 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/05(火) 23 04 30 D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 (a, b, c) と (c, b , a ) を判別式 D > 0 の簡約2次形式 とし、(c, b , a ) が (a, b, c) の右に隣接しているとする。 即ち、(a, b, c) → (c, b , a ) とする。 434 より ρ(a, b, c) = (c, b , a ) である。 ρ^(-1) を両辺に掛けて (a, b, c) = ρ^(-1)(c, b , a ) となる。 即ち、簡約2次形式 (c, b , a ) の左に隣接している 簡約2次形式はただ一つ存在し、それは ρ^(-1)(c, b , a ) である。 437 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 20 38 53 D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 f と g を判別式 D > 0 の簡約2次形式 とし、g が f の右に隣接しているとする( 433)。 即ち、f → g とする。 435 より μ(g) → μ(f) である。 さらに h を判別式 D > 0 の簡約2次形式で g → h とすれば、 μ(h) → μ(g) → μ(f) となる。 434 より f → g なら f と g は同じサイクル( 359)に属す。 上から、一般に f と g が同じサイクルに属せば μ(f) と μ(g) も 同じサイクルに属すことが分かる。 よって μ RF(D) → RF(D) は RF(D)/G ( 359) の集合としての 自己同型を引き起こす。この自己同型を同じくμで表そう。 μ RF(D)/G → RF(D)/G 438 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 20 42 57 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 (c, b, a) → (a, b, c) となるとき、 即ち b ≡ 0 (mod a) のとき (a, b, c) を両面形式(ambiguous form) と呼ぶ(Gauss D.A. art. 163)。 439 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 20 49 45 437 の続き。 RF(D)/G の元、即ちサイクル C で μ(C) = C となるものを考える。 C の元の一つを f とする。 C の元の個数を n とすると (ρ^n)(f) = f だから 358 より n は 偶数である。n = 2d とする。 i を任意の有理整数としたとき f_i = (ρ^i)(f) と書く。 C = { f_0, f_1, . . . , f_(n-1) } である。 μ(C) = C だから μ(f) は C の元である。 μ(f) = f_r とする。ここで 0 ≦ r < n である。 f = (a, b, c) とすると μ(f) = (c, b, a) である。 335 より a と c の符号は反対だから r は奇数である。 r = 2m - 1 とする。ここで 1 ≦ m ≦ d である。 μ(f) = f_r の両辺に μ を作用させると、f_0 = μ(f_r) f_(r-1) → f_r だから 435 より f_0 → μ(f_(r-1)) 一方 f_0 → f_1 だから μ(f_(r-1)) = f_1 一般に h を任意の有理整数としたとき μ(f_(r-h)) = f_h 特に h = m とすると μ(f_(m-1)) = f_m よって f_m は両面形式である( 438)。 440 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 20 54 15 f_(m-1) = f_(m - 1 + 2d) だから μ(f_(m - 1 + 2d)) = f_m よって左辺の添字から d を引き、右辺の添字に d を加えれば、 μ(f_(m + d - 1)) = f_(m + d) よって f_(m + d) は両面形式である。 m ≡ m + d (mod 2d) ではないから f_m ≠ f_(m + d) である。 f_s が両面形式だとする。 μ(f_(s - 1)) = f_s よって μ(f_s) = f_(s - 1) 左辺の添字から s を引き、右辺の添字に s を加えれば、 μ(f_0) = f_(2s - 1) μ(f_0) = f_(2m - 1) だったから f_(2s - 1) = f_(2m - 1) よって 2s ≡ 2m (mod 2d) s ≡ m (mod d) s = m + dk とする。 k が偶数なら s ≡ m (mod 2d) k が奇数なら s ≡ m + d (mod 2d) 以上から C には相異なる両面形式 f_m と f_(m + d) の2個があり、 C に含まれる両面形式はこれ以外にない。 441 :132人目の素数さん:2007/06/06(水) 21 19 07 クンメル氏乙 442 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 21 24 45 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 (a, b, c) を判別式 D の両面形式( 438)とする。 b ≡ 0 (mod a) だから b = an となる有理整数 n がある。 σ = (1, n)/(0 -1) は GL_2(Z) の元で det(σ) = -1 である。 (a, b, c)σ = (k, l, m) とする。 σ = (1, n)/(0 -1) = (p, q)/(r, s) とおく。 p = 1 q = n r = 0 s = -1 である。 過去スレ4の280より k = ap^2 + bpr + cr^2 = a l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs = 2an - b = b m = aq^2 + bqs + cs^2 = an^2 - bn + c = c 即ち (a, b, c)σ = (a, b, c) である。 443 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 21 44 36 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1 とし、 (a, b, c)σ = (a, b, c) とする。 このとき p + s = 0 となることを証明しよう。 過去スレ4の280より a = ap^2 + bpr + cr^2 b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs c = aq^2 + bqs + cs^2 qr = ps + 1 を b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs に代入すると b = 2apq + b(2ps + 1) + 2crs よって 2apq + 2bps + 2crs = 0 apq + bps + crs = 0 apq + (bp + cr)s = 0 両辺に r を掛けて apqr + (bp + cr)rs = 0 一方 a = ap^2 + bpr + cr^2 より a = ap^2 + (bp + cr)r 両辺に s を掛けて as = asp^2 + (bp + cr)rs これに、上の 0 = apqr + (bp + cr)rs を辺々引いて as = asp^2 - apqr 両辺を a で割って s = sp^2 - pqr s = p(sp - qr) s = -p 証明終 444 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 21 53 40 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1 とし、(a, b, c)σ = (a, b, c) とする。 443 より s = -p である。 よって p^2 + qr = 1 である。 r = 0 の場合を考える。 p^2 = 1 である。 過去スレ4の280より b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs = 2apq - bp^2 = 2apq - b よって 2b = 2apq よって b = apq よって (a, b, c) は両面形式( 438)である。 445 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 22 28 02 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1 とし、(a, b, c)σ = (a, b, c) とする。 443 より s = -p である。 よって p^2 + qr = 1 である。 今度は r ≠ 0 の場合を考える。 τ = (u, v)/(w, z) ∈ SL_2(Z) を適当にとると (a, b, c)τρ = (a, b, c)τ τρτ^(-1) = σ となる ρ ∈ GL_2(Z) で det(ρ) = -1 で ρ = (α、β)/(0, -α) の形となることを 証明しよう。 τρτ^(-1) = σ より ρ = τ^(-1)στ τ^(-1) = (z, -v)/(-w, u) σ = (p, q)/(r, -p) だから τ^(-1)σ = (zp - vr, zq + vp)/(-wp + ur, -wq - up) これと ρ = τ^(-1)στ の (2, 1)-成分が 0 より -uwp + u^2 r - w^2q - uwp = u^2 r - 2uwp - w^2q = 0 446 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 09 04 21 445 の u^2 r - 2uwp - w^2q = 0 の両辺に r を掛けて u^2 r^2 - 2uwpr - w^2qr = 0 p^2 + qr = 1 だから u^2 r^2 - 2uwpr - w^2(1 - p^2) = 0 よって u^2 r^2 - 2uwpr + w^2p^2 - w^2 = 0 よって (ur - wp)^2 - w^2 = 0 両辺を w^2 で割って ((u/w)r - p)^2 - 1 = 0 よって (u/w)r - p = ±1 よって u/w = (p ± 1)/r u/w = (p ± 1)/r を満たす u, w で gcd(u, w) = 1 となるものをとる。 gcd(u, w) = 1 だから uz - vw = 1 となる z, v が存在する。 τ = (u, v)/(w, z) が求めるものである。 447 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 10 33 44 445 により、 (a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ GL_2(Z) で det(σ) = -1 となるものがあれば、(a, b, c) は両面形式と同値になる。 448 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 11 11 28 447 を補足する。 (a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ GL_2(Z) で det(σ) = -1 となるものがあれば、 445 により、τ = (u, v)/(w, z) ∈ SL_2(Z) を適当にとると (a, b, c)τρ = (a, b, c)τ となる。 ここで ρ = (α、β)/(0, δ) ∈ GL_2(Z) で det(ρ) = -1 である。 444 より (a, b, c)τ は両面形式である。 449 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 22 17 39 D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 判別式 D の2次形式の集合を F(D) と書いた( 184)。 F(D) を Γ = SL_2(Z) の作用( 184)で類別した集合を F(D)/Γ と書く。 f = (a, b, c) ∈ F(D) として f の属す F(D)/Γ の類を C とする。 τ = (1, 0)/(0, -1) とおく。 det(τ) = -1 である。 (a, b. c)τ = (a, -b, c) である( 296)。 τ^2 = 1 だから τ^(-1) = τ である。 (a, -b, c) が C に属すとする。 これは fσ = fτ となる σ ∈ SL_2(Z) が存在することを意味する。 よって fστ = f である。 det(στ) = -1 だから 447, 448 より f は両面形式 g と 同値になる。即ち C は両面形式 g を含む。 逆に F(D)/Γ の類 E がある両面形式 (k, l, m) を含むとする。 l ≡ 0 (mod k) だから l = kn となる有理整数 n がある。 S = (1, 1)/(0, 1) とおけば、S^n = (1, n)/(0, 1) τS^n = (1, n)/(0, -1) 従って、 442 より (k, l, m)τS^n = (k, l, m) である。 よって (k, l, m)τ = (k, l, m)S^(-n) となる。 det(S^(-n)) = 1 だから (k, l, m)S^(-n) 従って (k, l, m)τ は E に含まれる。 450 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 22 19 49 D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 F(D)/Γ の類 C が両面形式を含むとき C を両面類という。 タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/85.html
最終更新日時 2011年03月09日 (水) 21時19分02秒 代数的整数論 006 (456-540) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/456-540 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/456-540 456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 15 38 33 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の絶対値( 414)とする。 K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y)) 従って、φ は K の一般絶対値( 453)である。 457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16 02 54 命題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の一般絶対値( 453)とする。 φ が K の絶対値であるためには、C > 0 があり 任意の有理整数 n > 0 に対して φ(n・1) ≦ Cn となることが 必要十分である。 証明 φ が K 上の絶対値なら、φ(n・1) ≦ n である。 逆に任意の有理整数 n > 0 に対して φ(n・1) ≦ Cn とする。 r に関する帰納法により、任意の有理整数 r > 0 に対して m = 2^r 個の K の元の列 x_1, . . . , x_m に対して φ(x_1 + . . . + x_m) ≦ A^r sup(x_i), 1 ≦ i ≦ m である。 この関係式は 1 ≦ m < 2^r でも成り立つことは明らかである。 任意の有理整数 n > 0 に対して 2^(r-1) < n + 1 ≦ 2^r となる 有理整数 r > 0 が存在する。 x ∈ K のとき、1 と x は K の乗法で可換だから二項定理より (1 + x)^n = 1 + nx + . . . + x^n よって [n, i] を 2項係数とすれば、 φ(1 + x)^n ≦ A^r sup(φ([n. i]x^i)) ≦ (A^r)C sup([n. i]φ(x)^i) ≦ (A^r)C(1 + φ(x))^n よって φ(1 + x) ≦ (A^(r/n))C^(1/n)(1 + φ(x)) n → ∞ のとき (A^(r/n))C^(1/n) → 1 だから φ(1 + x) ≦ 1 + φ(x) y ≠ 0 を K の元として x を x(1/y) で置き換えれば φ(1 + x(1/y)) ≦ 1 + φ(x(1/y)) より φ(1 + x(1/y))φ(y) ≦ φ(y) + φ(x) よって φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y) 証明終 458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16 16 38 命題 K を可換とは限らない体とする。 写像 φ K → R+ が絶対値( 414)であるためには φ が以下の条件を満たすことが必要十分である。 1) φ(x) = 0 と x = 0 は同値である。 2) K の任意の2元 x, y に対して φ(xy) = φ(x)φ(y) 3) K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y)) 証明 φ が絶対値なら K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y)) 逆に φ が 1), 2), 3) を満たすとする。 r に関する帰納法により、任意の有理整数 r > 0 に対して m = 2^r 個の K の元の列 x_1, . . . , x_m に対して φ(x_1 + . . . + x_m) ≦ 2^r sup(x_i), 1 ≦ i ≦ m である。 この関係式は 1 ≦ m < 2^r でも成り立つことは明らかである。 任意の有理整数 n > 0 に対して 2^(r-1) < n ≦ 2^r となる 有理整数 r > 0 が存在する。 上で述べたことから φ(n・1) ≦ 2^r < 2n よって 457 より φ は K の絶対値である。 証明終 459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16 46 16 命題 K を可換とは限らない体とする。 写像 φ K → R+ が一般絶対値( 453)であるためには K の絶対値 ψ と実数 s > 0 があり、 φ = ψ^s となることが必要十分である。 証明 K の絶対値 ψ と実数 s > 0 に対して φ = ψ^s とする。 458 より ψ(x + y) ≦ 2 sup(ψ(x), ψ(y)) となるから ψ(x + y)^s ≦ 2^s sup(ψ^s(x), ψ^s(y)) である。 よって φ は一般絶対値である。 逆に φ が一般絶対値とする。 A > 0 があり K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ A sup(φ(x), φ(y)) となる。 任意の実数 t > 0 に対して φ(x + y)^t ≦ A^t sup(φ^t(x), φ^t(y)) となる。 従って φ^t も一般絶対値である。 A ≦ 2 なら φ(x + y) ≦ 2 sup(φ(x), φ(y)) となるから 458 より φ は絶対値である。 従って A > 2 とする。 t = (log 2)/(log A) とすれば、t > 0 で 2 = A^t である。 上記から φ(x + y)^t ≦ 2 sup(φ^t(x), φ^t(y)) となり、 458 より ψ = φ^t は絶対値である。 s = 1/t とおけば φ = ψ^s である。 証明終 460 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 16 54 54 暑いな 461 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 17 33 00 補題 φ を有理数体の任意の絶対値( 414)とする。 任意の有理整数 m > 1 と n > 1 に対して φ(m) ≦ (sup(1, φ(n)))^(log m/log n) 証明 m を n 進展開して、 m = a_0 + (a_1)n + . . . + (a_r)n^r 0 ≦ a_i < n a_r ≠ 0 とする。 n^r ≦ m だから r log n ≦ log m よって r ≦ (log m)/(log n) φ(a_i) < n より φ(m) ≦ n(1 + (log m)/(log n))(sup(1, φ(n)))^(log m/log n) s ≧ 1 を有理整数として m を m^s に置きかえれば、 φ(m)^s ≦ n(1 + s(log m)/(log n))(sup(1, φ(n)))^s(log m/log n) よって φ(m) ≦ n^(1/s)(1 + s(log m)/(log n))^(1/s)(sup(1, φ(n)))^(log m/log n) s → ∞ とすれば、φ(m) ≦ (sup(1, φ(n)))^(log m/log n) 証明終 462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 17 53 47 命題 φ を有理数体の任意の絶対値( 414)とする。 任意の有理整数 n > 1 に対して φ(n) > 1 なら ある実数 0 < s ≦ 1 があり、任意の有理数 x に対して φ(x) = |x|^s となる。 ここで、|x| は通常の絶対値である。 証明 461 より、任意の有理整数 m > 1 と n > 1 に対して φ(m) ≦ (φ(n))^(log m/log n) 対称的に φ(n) ≦ (φ(m))^(log n/log m) よって φ(m)^(1/log m) = φ(n)^(1/log n) log (φ(n)^(1/log n)) = s とおけば、 log φ(n) = s(log n) = log n^s よって φ(n) = n^s よって、任意の有理数 x に対して φ(x) = |x|^s となる。 1 < φ(n) ≦ n だから 0 < s ≦ 1 である。 証明終 463 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 18 52 17 命題 p を有理素数とする。 0 < c < 1 となる任意の実数を取る。 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ_p(x) = c^r とし、φ_p(0) = 0 とする。 φ_p は有理数体の非アルキメデス絶対値である。 証明 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、ν(x) = r と定義する。 以下の 1) と 2) は容易に分かる。 1) x ≠ 0, y ≠ 0 なら ν(xy) = ν(x) + ν(y) となる。 2) x ≠ 0, y ≠ 0, x + y ≠ 0 なら ν(x + y) ≧ min(ν(x), ν(y) である。 これから明らかに φ は有理数体の非アルキメデス絶対値である。 証明終 464 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 18 55 42 463 これから明らかに 明らかではないな 465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19 02 28 命題 p と q を有理素数とする。 0 < c < 1 となる任意の実数を取る。 463 の φ_p と同様に φ_q を定義する。 φ_p は有理数体の絶対値として自明でない。 さらに、φ_p と φ_q は有理数体の絶対値として同値でない。 証明 φ_p(p) = c であるので φ_p(p) < 1 である。 従って φ_p は自明でない。 φ_q(p) = 1 であるので 435 より φ_p と φ_q は同値でない。 証明終 466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19 07 38 464 463 が明らかでないなら演習問題にします。 467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19 36 26 命題 φ を有理数体の自明でない絶対値( 414)とする。 ある有理整数 n > 1 に対して φ(n) ≦ 1 なら 有理素数 p と 0 < c < 1 となる実数があり、 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ(x) = c^r となる。 即ち φ は 463 の φ_p と一致する。 証明 461 より任意の有理整数 m > 1 に対して φ(m) ≦ 1 となる。 従って φ は非アルキメデス的( 448)である。 有理整数環 Z の部分集合 I を I = { m ∈ Z ; φ(m) < 1 } で定義する。 x, y を I の元とすると φ(x - y) ≦ sup(φ(x), φ(y)) < 1 よって x - y ∈ I 任意の a ∈ Z に対して φ(ax) = φ(a)φ(x) < 1 よって ax ∈ I よって I は Z のイデアルである。 φ は自明でないから I ≠ 0 である。 1 は I に含まれないから I ≠ Z である。 (続く) 468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19 37 20 従って、ある有理整数 p > 0 があり I = Zp となる。 a > 1, b > 1 を有理整数として p = ab とする φ(p) = φ(a)φ(b) < 1 だから φ(a) < 1 または φ(b) < 1 即ち a ∈ I または b ∈ I となる。 a ∈ I なら a は p で割れるから矛盾である。 同様に b ∈ I なら b は p で割れるから矛盾である。 従って p は素数である。 有理整数 s が p で割れないときは s は I の元でないから φ(s) = 1 である。 従って、φ(p) = c とすると、0 < c < 1 であり、 任意の有理整数 n ≠ 0 に対して n = (p^r)s, s は p と素な有理整数 としたとき、φ(n) = c^r となる。 よって φ は 463 の φ_p と一致する。 証明終 469 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19 43 57 命題 有理数体の自明でない絶対値( 414)は以下のどれかと同値である。 1) 有理数体の通常の絶対値。 2) p を任意の有理素数としたとき 463 の φ_p 証明 462 と 467 より明らかである。 470 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 20 32 46 単に言葉の趣味の問題かもしれないが、「絶対値」よりは「付値」の方が通りがよいね。 非アルキメデス的な体に関する考察が続いているということは、この後 p-進数に進むんだろうな。 471 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 20 50 36 補題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の絶対値( 414)とする。 φ は K から R+ への写像として一様連続である。 証明 x と y を K の任意の元とする。 φ(x) ≦ φ(x - y) + φ(y) より φ(x) - φ(y) ≦ φ(x - y) φ(y) ≦ φ(y - x) + φ(x) より φ(y) - φ(x) ≦ φ(x - y) よって |φ(x) - φ(y)| ≦ φ(x - y) これから直ちに φ の一様連続性が出る。 証明終 472 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 21 10 19 470 「付値」は英語の valuation に対応するが、これは通常、 体から実数の加法群または全順序アーベル群へのある種の写像として 定義されるものを意味する。 例えば離散付値(discrete valuation)は体から有理整数環の加法群への ある種の写像である。 従って、我々の「絶対値」(absolute value)を「付値」と呼ぶのは 混乱の原因となる。 「絶対値」(absolute value) という用語は Bourbaki に従った。 Frohlich-Taylor の Algebraic number theory もこの用語を使っている。 因みに Bourbaki は用語の選択には細心の注意を払っているが、 よほどのことがない限り慣用に従うと書いている。 今の場合はその「よほどのこと」に当たるのだろう。 473 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 21 44 01 命題(不等式延長の原理) X を位相空間とし、Y をその密な部分集合とする。 f と g を X から実数体への連続写像とする。 Y の全ての点 y で f(y) ≦ g(y) となるなら X の全ての点 x で f(x) ≦ g(x) となる。 証明 f(x) > g(x) となる x ∈ X があるとする。 f と g は連続だから、x の近傍 V があり、 V の任意の点 z で f(z) > g(z) となる。 Y は X で密だから V と Y は交わる。 y ∈ V ∩ Y とすれば f(y) > g(y) となり、仮定に反する。 証明終 474 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22 32 40 命題 X を分離かつ完備な一様空間、α をその一様構造、 Y を X の密な部分空間とする。 β を X の一様構造で β ⊂ α であり、 Y において α と同じ一様構造を引き起こすなら α = β である。 証明 α と β は Y において同一の一様構造を引き起こす。 従って、β の Y における Cauchy フィルターは α の Y における Cauchy フィルターでもあるから X において 収束する。 従って 263 より β は完備である。 φ Y → X を標準単射とする。 φ を Y から一様空間 (X, α) への写像と見ると、φ は 一様連続である。 一様連続写像の延長定理( 272)より φ は (X, β) から (X, α) へ の一様連続写像 ψ に一意に拡張される。 X の恒等写像は Y ⊂ X において φ を引き起こすから 等式延長の原理( 265) より ψ と一致する。 即ち恒等写像 (X, β) → (X, α) は一様連続である。 即ち α ⊂ β である。 β ⊂ α であったから、α = β である。 証明終 475 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22 46 16 命題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の絶対値( 414)とする。 421 より付値体( 415) K は位相体である。 勿論、K は分離的である。 369 より K の完備化環 K^ が存在する。 このとき K^ は体になる。 φ を K^ に連続延長したものは K^ の絶対値になり、 それは K^ の位相を定義する。 証明 382 より分離位相体 K の完備化環 K^ が位相体であるためには K^* に含まれ、0 に収束しない (K の加法群に関する) Cauchy フィルター Φ の基底 Φ_0 の写像 f(x) = 1/x による像が (K の加法群に関する) Cauchy フィルターの基底であることが 必要十分である。 Φ_0 は 0 に収束しないから δ > 0 と A ∈ Φ があり x ∈ A なら |x| ≧ δ となる。 393 より、任意の δ > 0 に対して、 写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 Φ_1 = { B ∈ Φ_0 ; B ⊂ A } は Φ の基底である。 240 より φ(Φ_1) は Cauchy フィルターの基底である。 従って φ(Φ_0) も Cauchy フィルターの基底である。 これで K^ が位相体であることが証明された。 (続く) 476 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22 47 01 471 より φ は一様連続であるから一様連続写像の延長定理( 272) より K^ に連続延長される。 これを φ^ とする。 x, y を K^ の任意の2元とする。 等式延長の原理( 265)より φ^(xy) = φ^(x)φ^(y) 不等式延長の原理( 473)より φ^(x + y) ≦ φ^(x) + φ^(y) よって φ^ は K^ の絶対値である。 K^ の K の完備化としての一様構造を α とし、 φ^ で定義される一様構造を β とする。 φ^ は α で連続だから、任意の ε > 0 に対して、 K^ における 0 の近傍 V があり x ∈ V なら |φ^(x)| < ε となる。 よって y - x ∈ V なら φ^(x - y) < ε よって β ⊂ α である。 α と β は K で一致するから 474 より α = β である。 証明終 477 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22 52 00 475 の訂正 393 より、任意の δ > 0 に対して、 写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 420 より、任意の δ > 0 に対して、 写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 478 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 00 40 06 命題 ハウスドルフ位相群 G の離散部分群 H は G の閉集合である。 証明 G の単位元 e の近傍 V, W を (V^(-1))V ⊂ W かつ W ∩ H = {e} となるようにとる。 x が H の閉包の元なら xV ∩ H は1個の元からなる。 何故なら、v , w を V の元として、xv ∈ xV ∩ H, xw ∈ xV ∩ H なら ((xv)^(-1))xw = (v^(-1))w ∈ W ∩ H = {e} だから xv = xw となる。 G はハウスドルフだから1個の元からなる集合は閉集合である。 従って xV ∩ H は xV で閉である。 x は xV において xV ∩ H の接触点だから {x} = xV ∩ H である。 即ち x ∈ H である。 よって H は閉である。 証明終 479 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01 06 40 命題 実数体 R の加法群の離散部分群 H で単位群 {0} と異なるものは H = Za の形である。ここで a > 0 である。 証明 478 より H は閉集合である。 仮定より H ≠ {0} だから H の元 h で 0 と異なるものがある。 -h ∈ H だから h > 0 と仮定してよい。 閉区間 [0, h] はコンパクトであり、H は閉集合だから [0, h] ∩ H もコンパクトである。 [0, h] ∩ H は離散でもあるから [0, h] ∩ H は有限集合である。 h ∈ (0, h] ∩ H だから (0, h] ∩ H は空でない。 従って (0, h] ∩ H の最小元 a がある。 x ∈ H に対して ma ≦ x < (m+1)a となる m ∈ Z がある。 0 ≦ x - ma < a で x - ma ∈ H だから x = ma である。 証明終 480 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01 23 27 命題 R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。 R^* = R - {0} は乗法に関して位相群である。 (R^*)+ は R^* の部分群だからやはり位相群である。 指数関数 exp R → (R^*)+ は位相群の同型である。 証明 x と y を R の任意の2元としたとき exp(x + y) = exp(x)exp(y) である。 従って exp R → (R^*)+ は連続準同型である。 log (R^*)+ → R も連続準同型である。 exp と log は互いに逆写像であるから exp は位相群の同型である。 証明終 481 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01 29 02 命題 R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。 480 で見たように (R^*)+ は乗法に関して位相群である。 (R^*)+ の離散部分群 H で単位群 {1} と異なるものは ある a > 0 で生成される無限巡回群である。 即ち、H = {a^n ; n ∈ Z} である。 証明 479 と 480 より明らかである。 482 :132人目の素数さん:2007/08/15(水) 01 36 32 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおやすみ──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 483 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01 55 06 定義 K を可換とは限らない体とする。 φ を自明でない K の非アルキメデス的( 448)絶対値( 414)とする。 R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。 φ(K^*) が (R^*)+ の離散部分群であるとき φ を離散的と言う。 このとき 481 より φ(K^*) は無限巡回群である。 484 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01 58 34 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の離散的絶対値( 483)とする。 s > 0 を任意の正の実数とすると 452 より φ^s も絶対値である。 φ(K^*) = {a^n ; n ∈ Z} とする。 x ∈ K^* として φ(x) = a^n とする。 φ^s(x) = (a^n)^s = a^(ns) = (a^s)^n よって φ^s(K^*) = {(a^s)^n ; n ∈ Z} となる。 即ち φ^s も離散的である。 従って φ が離散的か否かは φ の属する同値類で決まる。 485 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 08 43 29 命題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の非アルキメデス的( 448)絶対値( 414)とする。 K の2元 x , y に対して、φ(x) ≠ φ(y) なら φ(x + y) = sup(φ(x), φ(y)) である。 証明 φ(y) < φ(x) としてよい。 φ(x + y) ≦ φ(x) である。 φ(x + y) < φ(x) と仮定すると、 φ(x) = φ(x + y - y) ≦ sup(φ(x + y), φ(y)) < φ(x) 即ち φ(x) < φ(x) となって矛盾である。 従って φ(x + y) = φ(x) でなければならない。 証明終 486 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 08 54 46 命題( 485 の拡張) K を可換とは限らない体とする。 φ を K の非アルキメデス的( 448)絶対値とする。 K の元の列 x_1, . . . x_n φ(x_1 + . . . + x_n) ≦ sup(φ(x_i)), i = 1. . . . n である。 さらに、もし唯一の k があって x_k = sup(φ(x_i)) なら φ(x_1 + . . . + x_n) = sup(φ(x_i)), i = 1. . . . n である。 証明 φ(x_1 + . . . + x_n) ≦ sup(φ(x_i)) は n に関する帰納法から 出る。 唯一の k があって x_k = sup(φ(x_i)) とする。 k = 1 と仮定してよい。 y = x_2 + ,. . . + x_n z = x_1 + . . . + x_n とおく。 φ(y) < φ(x_1) φ(z) ≦ φ(x_1) である。 φ(z) < φ(x_1) と仮定すると φ(x_1) = φ(z - y) ≦ sup(φ(z), φ(y)) < φ(x_1) となって矛盾。 よって φ(z) = φ(x_1) である。 証明終 487 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 09 49 36 命題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の非アルキメデス的( 448)絶対値とする。 1) φ(x) ≦ 1 となる K の元 x 全体 A は K の部分環である。 2) 任意の実数 0 < a ≦ 1 に対して I_a = { x ∈ K ; φ(x) < a } J_a = { x ∈ K ; φ(x) ≦ a } とおく。 I_a と J_a は A の両側イデアルである。 3) A の任意の左または右イデアル J ≠ 0 は、ある J_a を含む。 4) m(A) = { x ∈ K ; φ(x) < 1 } は A と異なる 最大のイデアルである。 5) U(A) = A - m(A) は A の可逆元全体である。 6) A/m(A) は可換とは限らない体である。 7) 任意の x ∈ K - A に対して 1/x ∈ m(A) である。 488 :132人目の素数さん:2007/08/15(水) 09 52 32 Kummer さん、当座の目標を教えて下さい。 489 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 09 56 09 487 の証明 1), 2) は自明である。 3) の証明。 x ≠ 0 を左イデアル J の元とする。 φ(y) ≦ φ(x) なら φ(y(1/x)) ≦ 1 即ち y(1/x) ∈ A よって y ∈ Ax よって J_φ(x) ⊂ Ax ⊂ J である。 J が右イデアルの場合も同様である。 5) の証明。 x ∈ U(A) なら φ(x) = 1 よって φ(1/x) = 1/φ(x) = 1 よって 1/x ∈ U(A) 逆に y を A の可逆元とすると、φ(y)φ(1/y) = 1 φ(y) ≦ 1, φ(1/y) ≦ 1 だから φ(y) = 1 である。 よって y ∈ U(A) である。 4), 6) は 5) から直ちに出る。 7) は自明である。 490 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 10 20 05 488 初めの計画では Dirichlet の類数公式の証明です。 そのために級数論の基礎を述べたんですが、ついでに数論で使われる 位相の基礎もやろうということに考えを変えました。 類数公式にはいずれ戻るので、位相の基礎にあまり興味がなかったら それまで待ってください。 このシリーズは予備知識を少なくしようとしているため 必要な基礎知識をなるべくここで述べるようにしています。 そのため、数論本体の流れが途切れる場合もありますが それはご容赦願います。 なお、基礎部分は後で必要になった時点で参照するということで いいと思います。 491 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 10 43 31 定義 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の離散的絶対値( 483)とする。 φ(K^*) は無限巡回群である。 u ∈ K^* で φ(u) が φ(K^*) の生成元になっているとき u を φ の一意化元(uniformizer) または素元と言う。 492 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11 06 17 491 は間違いなので削除する。 493 :132人目の素数さん:2007/08/15(水) 11 19 09 492 できるものならやってみろ 494 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11 29 52 p を有理素数とする。 463 の φ_p を取り上げる。 0 < c < 1 となる任意の実数 c を固定する。 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ_p(x) = c^r である。 a = 1/c とおくと a > 1 で φ_p(x) = a^(-r) である。 log を a を底とする対数とすると、 log φ_p(x) = -r 即ち r = -log φ_p(x) よって ν(x) = -log φ_p(x) とおくと、 ν は有理数体の離散付値(過去スレ3の546)である。 495 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11 47 30 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の非アルキメデス的( 448)絶対値とする。 494 に示唆を受けて ν(x) = -log φ(x) とする。 ここで log は任意固定の実数 > 1 を底とする対数である。 ν(x) は体 K から R ∪ {∞} への写像 ν で以下の条件を満たす。 1) ν(x) = ∞ となるのは x = 0 のときだけである。 2) x ≠ 0, y ≠ 0 なら ν(xy) = ν(x) + ν(y) 3) ν(x + y) ≧ inf(ν(x), ν(y)) 496 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12 17 19 定義 K を可換とは限らない体とする。 体 K から R ∪ {∞} への写像 ν で以下の条件を満たすものを K の実付置または誤解の恐れがなければ単に付値と言う。 1) ν(x) = ∞ となるのは x = 0 のときだけである。 2) x ≠ 0, y ≠ 0 なら ν(xy) = ν(x) + ν(y) 3) ν(x + y) ≧ inf(ν(x), ν(y)) 497 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12 45 30 K を可換とは限らない体とする。 ν を K の実付値( 496)とする。 ν(K^*) は R の部分群である。 これを ν の値群と言う。 ν(K^*) が 0 でない離散群のとき ν を離散付値と言う。 ν(K^*) = {0} のとき ν を自明な実付値と言う。 α > 0 を任意の正の実数としたとき μ(x) = αν(x) とおけば μ も実付値である。 二つの実付値 ν, μ がこのような関係にあるとき ν, μ は 同値であると言い、ν ~ μ と書く。 498 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12 46 10 命題 K を可換とは限らない体とする。 ν を K の実付値( 496)とする。 1) ν(x) ≧ 0 となる K の元 x 全体 A は K の部分環である。 2) 任意の実数 a ≧ 0 に対して I_a = { x ∈ K ; ν(x) > a } J_a = { x ∈ K ; ν(x) ≧ a } とおく。 I_a と J_a は A の両側イデアルである。 3) A の任意の左または右イデアル J ≠ 0 は、ある J_a を含む。 4) m(A) = { x ∈ K ; ν(x) > 0 } は A と異なる 最大のイデアルである。 5) U(A) = A - m(A) は A の可逆元全体である。 6) A/m(A) は可換とは限らない体である。 7) 任意の x ∈ K - A に対して 1/x ∈ m(A) である。 証明は 487 と本質的に同じである。 499 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 13 10 56 498 の A, m(A), A/m(A) をそれぞれ ν の付値環、極大イデアル、 剰余体と言う。 U(A) を ν の単数群と言う。 500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 13 50 02 命題 K を可換とは限らない体とする。 ν と μ を K の実付値( 496)とする。 ν と μ が同値( 497)であるためにはそれぞれの付値環が 一致することが必要十分である。 証明 必要性は明らかである。 ν と μ のそれぞれの付値環が一致するとする。 それを A とする。 A の極大イデアル m(A) は 498 より { x ∈ K ; ν(x) > 0 } = { x ∈ K ; μ(x) > 0 } である。 ν が自明なら A = K であり m(A) = 0 である。 従って、U(A) = K - {0} である。 即ち x ∈ K - {0} のとき μ(x) = 0 である。 よって μ も自明である。 よって ν = μ である。 ν は自明でないとする。 φ(x) = exp(-ν(x)) と書くと、φ は K の絶対値である。 φ は自明でない。 同様に ψ(x) = exp(-μ(x)) も K の絶対値である。 A の極大イデアル m(A) は { x ∈ K ; φ(x) < 1 } = { x ∈ K ; ψ(x) < 1 } だから 430 よりある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が 全ての x ∈ K で成り立つ。 従って、ν(x) = -log φ(x) = -αlog ψ(x) = αμ(x) 証明終 501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 14 14 39 定義 K を可換とは限らない体とする。 ν を K の離散付値( 497)とする。 479 より ν(K^*) は無限巡回群である。 ν(K^*) = Z のとき ν は正規付値と言う。 明らかに任意の離散付値は正規付値と同値である。 ν が離散付値のとき ν(K^*) には最小の正数 a がある。 従って、ν(π) = a となる π ∈ K がある。 このような π を ν の一意化元または素元と言う。 502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 15 17 44 命題 K を可換とは限らない体とし、ν を K の離散付値( 497)とする。 π を ν の素元( 501)とし、A を ν の付値環( 499) とする。 A の 0 でないイデアルは両側イデアルで A(π^n), n ≧ 0 の形である。 証明 ν は正規付値( 501)と仮定してよい。 K^* の任意の元 x に対して ν(x) = n となる n ∈ Z が 定まる。ν(x(1/π^n)) = 0 だから z = x(1/π^n) は A の可逆元である。 x = z(π^n) である。 同様に x = (π^n)y となる A の可逆元 y がある。 I ≠ 0 を A の(例えば)左イデアルとする。 x ≠ 0 が I の元なら ν(x) ≧ 0 である。 x ≠ 0 を I の元全体に動かしたときの ν(x) の最小値を n とする。 b を I の元で ν(b) = n とする。 b = u(π^n) と書ける。ここで u ∈ U(A) である。 x ≠ 0 を I の元とし、ν(x) = m とする。 x = v(π^m), v ∈ U(A) と書ける。 x = v(π^(m-n))(π^n) = v(π^(m-n))(1/u)u(π^n) ∈ Ab 従って I = Ab である。 y を A の任意の元とする。 y = w(π^k), w ∈ U(A) と書ける。 上で見たように、(π^n)w = w (π^n) となる w ∈ U(A) がある。 by = u(π^n)w(π^k) = uw (π^n)(π^k) = uw (π^k)(π^n) = uw (π^k)(1/u)u(π^n) ∈ Ab よって I = Aa は両側イデアルである。 証明終 503 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/16(木) 08 23 40 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer おはよう──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 08 45 58 命題 G を無限巡回群とし、g をその生成元とする。 G の生成元となり得る元は g と g^(-1) だけである。 証明 h を G の生成元とする。 g = h^n h = g^m となる有理整数 n, m がある。 g = h^n = (g^m)^n = g^(nm) よって nm = 1 よって m = ±1 即ち h = g^(±1) 証明終 505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 08 50 29 491 を以下のように訂正する。 定義 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の離散的絶対値( 483)とする。 φ(K^*) は無限巡回群である。 504 より φ(K^*) の生成元 a で a < 1 となるものが 唯一つ存在する。 u ∈ K^* で φ(u) = a となっているとき u を φ の一意化元(uniformizer) または素元と言う。 506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 09 09 15 K を可換とは限らない体とする。 a > 1 を任意の実数とする。 K の非アルキメデス( 448)絶対値 φ と K の実付値( 496) ν は ν(x) = -log φ(x), log の底は a φ(x) = a^(-ν(x)) により1対1に対応する。 s > 0 のとき sν(x) = -log φ^s(x) だから同値な非アルキメデス絶対値には同値な実付値が対応する。 従って、非アルキメデス絶対値と実付値は本質的には同じものの 別表現と考えることが出来る。 507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 14 46 51 H をハミルトンの4元数体とする。 即ち、H は実数体上の多元環で 1, i, j, k を基底に持つ。 これ等の元は以下の関係を持つ。 1^2 = 1, 1i = i1 = i, 1j = j1 = j, 1k= k1= k i^2 = j^2 = k^2 = -1 ij = -ji = k, jk = -kj = i, ki = -ik = j 実数体 R は R1 と同一視され、 複素数体 C は R1 + Ri と同一視される。 q = a + bi + cj + dk のとき z = a + bi w = c + di とおくと、 q = z + wj である。 wj = jw~ である。ここで w~ は w の共役を表す。 q = a + bi + cj + dk のとき q~ = a - bi - cj - dk と書き、 q の共役と言う。 N(q) = qq~ を q のノルムと言う。 q~ = z~ - wj だから N(q) = (z + wj)(z~ - wj) = |z|^2 - zwj + wjz~ - wjwj = |z|^2 - zwj + wzj - ww~jj = |z|^2 +|w|^2 = a^2 + b^2 + c^2 + d^2 508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15 24 34 507 の続き。 q~q = (z~ - wj)(z + wj) = |z|^2 - z~wj - wz~j - ww~jj = |z|^2 +|w|^2 = N(q) よって q と q~ は可換である。 従って、q ≠ 0 のとき q = q~/N(q) とおくと qq = q q = 1 即ち q は q の逆元である。 よって H は体である。 ij ≠ ji だから H は非可換体である。 |q| = √(N(q)) と書き、q の絶対値と言う。 509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15 33 44 命題 H をハミルトンの4元数体とする。 x, y を H の2元としたとき (xy)~ = y~x~ 証明 507 より z, w, u, v を適当な複素数として x = z + wj y = u + vj と書ける。 xy = (z + wj)(u + vj) = zu + zvj + wu~j - wv~ = zu - wv~ + (zv + wu~)j よって (xy)~ = z~u~ - w~v - (zv + wu~)j 一方 x~ = z~ - wj y~ = u~ - vj だから y~x~ = (u~ - vj)(z~ - wj) = u~z~ - u~wj - vzj - vw~ = (xy)~ 証明終 510 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15 37 18 命題 H をハミルトンの4元数体とする。 H の元 x の絶対値( 508)は H の 414 の意味の絶対値である。 証明 x, y を H の2元としたとき |xy| = |x||y| となることのみ証明すればよい。 これは N(xy) = N(x)N(y) と同値である。 509 より (xy)~ = y~x~ だから N(xy) = (xy)(xy)~ = (xy)(y~x~) = xN(y)x~ = xx~N(y) = N(x)N(y) 証明終 511 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 16 07 15 p を有理素数とする。 0 < c < 1 となる任意の実数を取る。 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ_p(x) = c^r とし、φ_p(0) = 0 とする。 463 より φ_p は有理数体の非アルキメデス絶対値である。 c として 1/p を取る場合が多い。 この場合、以下のようにHasse の積公式が成り立つ。 x ≠ 0 を有理数とし、x = ±Πp^r を素因数分解とする。 |x| = Π(1/φ_p(x)) よって |x|Πφ_p(x) = 1 ここで右辺の積は全ての素数に渡る。 有限個を除いた全ての素数 p に対して φ_p(n) = 1 だから この積は意味がある。 512 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 16 12 26 定義 p を有理素数とする。 463 の c として 1/p を選んだときの φ_p を p-進絶対値という。 513 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 12 09 a 514 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 12 40 b 515 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 13 11 c 516 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 13 42 d 517 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 14 14 e 518 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 14 45 f 519 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 15 16 g 520 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 16 05 h 521 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/17(金) 07 16 17 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer おはよう──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 522 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 16 36 i 523 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 17 07 j 524 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 17 38 k 525 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 18 09 l 526 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 18 40 m 527 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 19 11 n 528 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 20 09 o 529 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 20 41 p 530 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 21 11 q 531 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 21 42 r 532 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 22 13 s 533 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 22 44 t 534 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 23 15 u 535 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 24 09 v 536 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 24 40 w 537 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 25 11 x 538 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 25 42 y 539 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 26 13 z 540 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07 43 01 539 気が済んだかね? タグ: コメント
https://w.atwiki.jp/kummer/pages/82.html
最終更新日時 2011年03月09日 (水) 20時59分07秒 代数的整数論 006 (271-330) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/271-330 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/271-330 271 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 10 36 46 命題 X を位相空間とし、Y をその密な部分集合とする。 Z を分離かつ完備な一様空間とする。 h を写像 Y → Z とする。 h が連続写像 f X → Z に拡張できるためには h が次の条件 (E ) を満たすことが必要十分である。 (E ) X の任意の点 x に対して x の近傍と Y の交わり全体のなす フィルタ-基底を Φ としたとき h(Φ) は Z における Cauchy フィルターの基底である。 このとき f は一意に決まる。 証明 212 より Z は正則である。 従って、本命題は 266 より明らかである。 272 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 11 05 53 定理(一様連続写像の延長) X を一様空間とし、Y をその密な部分集合とする。 Z を分離かつ完備な一様空間とする。 h を一様連続写像 Y → Z とする。 このとき h は一様連続写像 f X → Z に一意に拡張できる。 証明 X の任意の点 x に対して x の近傍と Y の交わり全体 Φ は Y における Cauchy フィルターの基底である。 240 より h(Φ) は Z における Cauchy フィルターの基底である。 従って 271 より h は連続写像 f X → Z に一意に拡張できる。 f が一様連続であることを示せばよい。 V を Z の任意の閉近縁とする。 T を X の近縁で (f×f)(A×A ∩ T) ⊂ V とする。 269 より T は A の近縁 W の X×X における閉包としてよい。 270 より (f×f)(T) ⊂ cls((f×f)(W)) W ⊂ A×A ∩ T だから (f×f)(W) ⊂ V 従って cls((f×f)(W)) ⊂ V 従って (f×f)(T) ⊂ V である。 205 より Z の閉近縁全体は基本近縁系である。 従って f は一様連続である。 証明終 273 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 11 07 39 272 の証明における A は Y の間違いである。 274 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 11 55 24 X を一様空間とする。 257 を参考にして X の極小 Cauchy フィルター全体 Ω に 一様構造を入れることを試みる。 X の任意の近縁 V に対して V 程度に小さい( 235)集合を 共有する極小 Cauchy フィルターの対 (α, β) ∈ Ω×Ω の全体を V~ とする。 V~ の全体を Φ_0 とする。 Ω×Ω の対角線集合を Δ とする。 196 より以下を示せば Φ_0 は Ω の一様構造の基本近縁系である。 1) V~ ∈ Φ_0 なら Δ ⊂ V~ 2) V~, V ~ ∈ Φ_0 のとき W~ ⊂ V~ ∩ V ~ となる W~ ∈ Φ_0 がある。 3) V~ ∈ Φ_0 のとき W~ ⊂ (V~)^(-1) となる W~ ∈ Φ_0 がある。 4) V~ ∈ Φ_0 のとき (W~)^2 ⊂ V~ となる W~ ∈ Φ_0 がある。 (続く) 275 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 11 56 14 1) の証明。 Ω の任意の元 α は Cauchy フィルターだから X の任意の近縁 V に対して V 程度に小さい( 235)集合を持つ。 従って (α, α) ∈ V~ である。 即ち Δ ⊂ V 2) の証明。 V と V を X の任意の近縁とする。 W ⊂ V ∩ V となる対称近縁 W がある。 明らかに W~ ⊂ V~ ∩ V ~ である。 3) の証明。 (α, β) ∈ V~ なら (β, α) ∈ V~ 従って V~ = (V~)^(-1) 4) の証明。 X の任意の近縁 V に対して W^2 ⊂ V となる対称近縁 W がある。 (α, β) ∈ (W~)^2 とする。 (α, γ) ∈ W~ (γ, β) ∈ W~ となる γ がある。 α, γ の共通元 M で W 程度に小さいものがある。 γ, β の共通元 N で W 程度に小さいものがある。 M と N は γ に属すから M ∩ N は空ではない。 従って M ∪ N は W^2 程度に小さい。 従って V 程度に小さい. M ∪ N は α と β に属すから (α, β) ∈ V~ 従って (W~)^2 ⊂ V~ 276 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 12 28 21 247 の Ω は分離的であることを証明する。 X の任意の近縁 V に対して (α, β) ∈ V~ とする。 このとき α = β が言えれば 214 より Ω は分離的である。 γ_0 = {M ∪ N ; M ∈ α, N ∈ β} とおく。 M, M ∈ α, N, N ∈ β のとき (M ∩ M ) ∪ (N ∩ N ) ⊂ (M ∪ N) ∩ (M ∪ N ) である。 従って γ_0 は X のフィルターの基底である。 X の任意の近縁 V に対して (α, β) ∈ V~ だから α と β は V 程度に小さい集合 M を共有する。 M ∈ γ_0 だから γ_0 は Cauchy フィルターの基底である。 γ_0 が生成する Cauchy フィルターを γとすると γ ⊂ α γ ⊂ β α と β は極小 Cauchy フィルターだから γ = α γ = β 即ち α = β 証明終 277 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 12 39 15 訂正 276 247 の Ω は分離的であることを証明する。 274 の Ω は分離的であることを証明する。 278 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 12 53 01 X を一様空間とする。 246 より X の点 x に対して x の近傍全体 φ_x は極小 Cauchy フィルターである。 φ(x) = φ_x により 274 の Ω に対して写像 φ X → Ω を 定義する。 Ω の一様構造の φ による逆像( 224)が X の一様構造であることを 証明する。 g = φ×φ とおく。 X の任意の対称近縁 V に対して g^(-1)(V~) ⊂ V ⊂ g^(-1)((V~)^3) が言えればよい。 (φ(x), φ(y)) ∈ V~ とする。 V 程度に小さい M で x と y を含むものがある。 よって (x, y) ∈ V よって g^(-1)(V~) ⊂ V (x, y) ∈ V とする。 V(x) ∪ V(y) は V^3 程度に小さく x の近傍でもあり y の近傍でもある。 従って (φ(x), φ(y)) ∈ (V~)^3 である。 よって V ⊂ g^(-1)((V~)^3) 279 :king氏ね:2007/08/06(月) 13 25 20 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 280 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 13 41 41 X を一様空間とする。 274 の Ω と 278 の写像 φ X → Ω を調べる。 まず X の任意の対称近縁 V に対して α ∈ Ω とその近傍 V~(α) をとり V~(α) ∩ φ(X) を調べる。 φ(x) ∈ V~(α) とは x の近傍で V 程度に小さいものが α に属す ということである。 α は極小 Cauchy フィルターだから V 程度に小さい集合 N の 内部を含む( 245)。 従って V~(α) ∩ φ(X) は空でない。 即ち φ(X) は Ω で密である。 α に属す集合で V 程度に小さいものの内部すべての合併を M とする。 V~(α) ∩ φ(X) = φ(M) である。 M ∈ α だから V~(α) ∩ φ(X) ∈ φ(α) V は X の任意の対称近縁だったから φ(α) は α に収束する。 281 :132人目の素数さん:2007/08/06(月) 14 15 17 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 282 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 14 39 46 280 の続き。 ξ を φ(X) における Cauchy フィルターとする。 278 より X の一様構造は Ω の一様構造の φ による逆像だから φ^(-1)(ξ) は X における Cauchy フィルター η の基底である。 α を α ⊂ η となる極小 Cauchy フィルター とする。 φ(α) ⊂ φ(η) である。 280 より φ(α) は収束するから φ(η) も収束する。 φ(φ^(-1)(ξ)) = ξ だから φ^(-1)(ξ) ⊂ η より ξ ⊂ φ(η) 従って ξ は φ(η) の極限点を接触点にもつ。 ξ は Cauchy フィルターだから 248 より ξ は収束する。 280 より φ(X) は Ω で密である。 従って、 263 より Ω は完備である。 283 :132人目の素数さん:2007/08/06(月) 15 07 48 281 の続き。 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 284 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 10 22 22 命題 X を一様空間とする。 Ω を 274 と 275 で定義した一様空間 φ X → Ω を 278 で定義した一様連続写像とする。 Ω と φ は次の性質 (P) を持つ。 (P) X から分離かつ完備な一様空間 Y への一様連続写像 f X → Y に対し、一様連続写像 g Ω → Y で f = gφ となるものが一意に存在する。 証明 まず写像 g_0 φ(X) → Y を次のように定義する。 278 より x ∈ X のとき φ(x) は x の近傍全体のなす 極小 Cauchy フィルターである。 240 より f(φ(x)) は Cauchy フィルターの基底だから Y において極限点を持つ。 Y は分離だから 252 よりこの極限点は一意に決まる。 この極限点を g_0(φ(x)) と定義する。 一方、 f は連続で x は φ(x) に収束するから f(φ(x)) は f(x) に収束する。 よって f(x) = g_0(φ(x)) である。 (続く) 285 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 10 23 10 U を Y の任意の近縁とする。 f X → Y は一様連続だから X の近縁 V で (x, y) ∈ V なら (f(x), f(y)) ∈ U となるもの がある。 V~ を 274 で定義した Ω の近縁とする。 (φ(x), φ(y)) ∈ V~ なら V 程度に小さい集合 M で x と y を 含むものがある。よって (x, y) ∈ V よって (f(x), f(y)) ∈ U 即ち (g_0(φ(x)), g_0(φ(y))) ∈ U よって g_0 は一様連続である。 280 より φ(X) は密である。 従って一様連続写像の延長定理( 272) より g_0 φ(X) → Y は 一様連続写像 g Ω → Y に一意に拡張できる x ∈ X のとき g(φ(x)) = g_0(φ(x)) = f(x) である。 従って f = gφ である。 このような g は等式延長の原理( 265))より一意に決まる。 証明終 286 :132人目の素数さん:2007/08/07(火) 10 41 49 283 の続き。 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 287 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 10 49 52 定理(一様空間の完備化) X を一様空間とする。 分離かつ完備な一様空間 Ω と一様連続写像 φ X → Ω で 次の性質 (P) を持つものが存在する。 (P) X から分離かつ完備な一様空間 Y への一様連続写像 f X → Y に対し、一様連続写像 g Ω → Y で f = gφ となるものが一意に存在する。 Ω_1 を分離かつ完備な一様空間、φ_1 X → Ω_1 一様連続写像 として (P) を満たせば、一様同型 ψ Ω → Ω_1 が存在して φ_1 = ψφ となる。 証明 Ω と φ の存在が存在して性質 (P) を持つことは既に証明されている。 Ω_1 を分離かつ完備な一様空間、φ_1 X → Ω_1 一様連続写像 として (P) を満たすとする。 一様連続写像 ψ Ω → Ω_1 で φ_1 = ψφ となるものが一意に 存在する。ψ が一様同型であることを示せばよい。 同様に、一様連続写像 ψ_1 Ω_1 → Ω で φ = ψ_1φ_1 となるもの が一意に存在する。 x ∈ X のとき ψ_1ψ(φ(x)) = ψ_1φ_1(x) = φ(x) だから h = ψ_1ψ とすると h Ω → Ω で hφ = φ である。 Ω の恒等写像 1 Ω → Ω も 1φ = φ を満たすから 性質 (P) より h = 1 である。 同様に ψψ_1 = 1 となる。 従って ψ は一様同型である。 証明終 288 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 10 57 00 定義 287 の Ω を一様空間 X の分離完備化と言い、 φ X → Ω を X から分離完備化への標準写像と言う。 289 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 11 38 27 補題 X を一様空間とする。 x と y を X の点とする。 x の近傍全体と y の近傍全体が一致するためには X の任意の近縁 V に対して (x, y) ∈ V となることが必要十分である。 証明 x の近傍全体と y の近傍全体が一致するとする。 X の任意の近縁 V に対して V(x) は x の近傍だから 仮定より y の近傍でもある。よって y ∈ V(x) である。 これは (x, y) ∈ V を意味する。 逆に、X の任意の近縁 V に対して (x, y) ∈ V となるとする。 W^2 ⊂ V となる対称近縁 W がある。 (W^2)(x) ⊂ V(x) である。 z ∈ W(y) なら (z, y) ∈ W である。 仮定より (x, y) ∈ W だから (z, x) ∈ W^2 である。 即ち W(y) ⊂ (W^2)(x) である。 従って W(y) ⊂ V(x) である。 これは V(x) が y の近傍であることを意味する。 対称的に V(y) は x の近傍である。 よって x の近傍全体と y の近傍全体は一致する。 証明終 290 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 12 03 25 命題 X を一様空間とする。 X の分離完備化( 288)を Ω、φ X → Ω を標準写像( 288)とする。 φ(X) の任意の近縁は X のある近縁の φ×φ による像になっている。 証明 φ(X) の任意の近縁は W = V ∩ φ(X)×φ(X) の形である。 ここで V は Ω の近縁である。 278 より X の一様構造は Ω の一様構造の φ による逆像である。 従って、h = φ×φ とおけば、 h^(-1)(V) = h^(-1)(W) は X の近縁である。 φ X → φ(X) は全射だから h(h^(-1)(W)) = W 証明終 291 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 12 06 12 命題 X を一様空間とする。 X の分離完備化( 288)を Ω、φ X → Ω を標準写像( 288)とする。 φ(X) の近縁の Ω×Ω における閉包全体は Ω の基本近縁系に なっている。 証明 280 より φ(X) は Ω で密である。 269 より φ(X) の近縁の Ω×Ω における閉包全体は Ω の基本近縁系である。 証明終 292 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 13 04 47 命題 X を分離一様空間とする。 X の分離完備化( 288)を Ω、φ X → Ω を標準写像( 288)とする。 φ は X から φ(X) への一様同型である。 証明 φ(x) = φ(y) なら x の近傍全体と y の近傍全体は一致する。 従って 289 より X の任意の近縁 V に対して (x, y) ∈ V となる。 214 より x = y である。 従って φ は X から φ(X) への全単射である。 278 より X の一様構造は Ω の一様構造の φ による逆像である。 よって φ は X から φ(X) への一様同型である。 証明終 293 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 13 08 22 X が分離一様空間のとき、X の分離完備化( 288)を X の完備化と言う。 このとき X とその標準写像による像は 292 より一様同型であるから、 この両者を同一視するのが普通である。 294 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 14 26 49 命題(一様空間に伴う分離一様空間) 一様空間 X の分離完備化を X^ とし、 φ X → X^ を X から分離完備化への標準写像とする。 Y を分離一様空間として f X → Y を一様連続写像とすると、 一様連続写像 h φ(X) → Y で f = hφ となるものが一意に存在する。 証明 Y^ を Y の完備化として ψ Y → Y^ を標準写像とする。 287 より一様連続写像 g X^ → Y^ で ψf = gφ となるものが ある。 ψf(X) = gφ(X) だから g は g_0 φ(X) → ψ(Y) を引き起こす。 292 より ψ は Y から ψ(Y) への一様同型である。 この逆写像を μ とすると μg_0 φ(X) → Y は一様連続写像である。 h = μg_0 とおくと hφ = μg_0φ 従って ψ(hφ) = ψ(μg_0φ) = gφ 一方、ψf = gφ だったから ψf = ψ(hφ) よって f = hφ h の一意性は明らかである。 証明 295 :132人目の素数さん:2007/08/07(火) 14 37 47 命題(一様空間に伴う分離一様空間) 証明 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 証明 296 :Kummer ◆nzEQlu8i3E :2007/08/07(火) 19 25 07 X を一様空間とする。 246 より X の点 x に対して x の近傍全体 φ_x は極小 Cauchy フィルターである。 φ(x) = φ_x により 274 の Ω に対して写像 φ X → Ω を 定義する。 Ω の一様構造の φ による逆像( 224)が X の一様構造であることを 証明する。 g = φ×φ とおく。 X の任意の対称近縁 V に対して g^(-1)(V~) ⊂ V ⊂ g^(-1)((V~)^3) が言えればよい。 (φ(x), φ(y)) ∈ V~ とする。 V 程度に小さい M で x と y を含むものがある。 よって (x, y) ∈ V よって g^(-1)(V~) ⊂ V (x, y) ∈ V とする。 V(x) ∪ V(y) は V^3 程度に小さく x の近傍でもあり y の近傍でもある。 従って (φ(x), φ(y)) ∈ (V~)^3 である。 よって V ⊂ g^(-1)((V~)^3) 297 :Kummer ◆AeTRuuI8SA :2007/08/07(火) 19 26 06 命題( 139 の一般化) X を一様空間とする。 x を X の点とする。 X の任意の近縁 V に対して V(x) の全体 Φ は X の 極小 Cauchy フィルターである。 証明 Φ がフィルターであることは明らかである。 X の任意の近縁 V に対して W^2 ⊂ V となる対称近縁 W を取る。 y ∈ W(W(x)) なら z ∈ W(x) があり (y, z) ∈ W 従って、y ∈ (W^2)(x) ⊂ V(x) 即ち W(W(x)) ⊂ V(x) よって 245 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。 証明終 298 :132人目の素数さん:2007/08/07(火) 19 27 10 命題(一様空間に伴う分離一様空間) 証明 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 証明 299 :132人目の素数さん:2007/08/07(火) 19 33 34 http //up.nm78.com/obj/29789 300 :Kummer ◆pJ9/G9wrbQ :2007/08/07(火) 22 25 44 ゲイの出会い系で知り合った10歳以上年上のオジサンの家へ。 そしたら「これ着て責めて欲しい」と言われて、レンコン掘りというか、 魚河岸の人が着てるような胸まであるゴム長を着させられ、捻りハチマキをさせられた。 向こうは全裸。 まあこんなのもたまにはいいか、と愛撫してたら、オジサンが喘ぎ声の中、喋りだした。 「お、おにいちゃん…お、おかえりなさい…た、大漁だった?ねえ大漁だった??」 …オレは突然の、しかも想定の範囲を超えたセリフにポカーンとしてしまった。 オジサンは素に戻って、「…返事して欲しい」と恥ずかしそうにオレに言った。 プレー再開。 耳とかをなめつつ体中をさわさわと触る 「お、おにいちゃん、大漁だった?」 「ああ、大漁だったよ」 「あぁぁぁあぁすごいいいぃいぃ!、、な、なにが、、ハァハァなにが捕れたの?」 乳首を舌でやさしく舐めながらオレは答えた 「…鯛とか、、、ヒラメがいっぱい捕れたよ」 セリフを聞き、オジサンはびくんびくんと身体をひきつらせた 「はっ!はぁぁぁあんっ!イ、イサキは?イサキは、と、取れたの??」 チンコをしごく 「ああ。でかいイサキが取れたよ。今年一番の大漁だ。」 「大漁っ!!イサキぃぃ!!おにいちゃんかっこいいいいぃぃぃい ぃくううううう!」 実話です。。きっと漁師の人との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。 301 :Kummer ◆bIhAlQTTPM :2007/08/08(水) 03 05 22 最近俺のエロ本がいつの間にか数冊無くなっている。 そういえば妹も中学生になったし、まぁいろいろあるのだろう。 まだまだ若い兄としてはイタズラ心も湧くと言うものだ。 そこで俺の部屋の床に無造作に置いたエロ本の中に 「オナニーは結構だがもうちょっと声を抑えろ。聞こえてるぞ。」 とメモを挟んでおいた。 そして風呂から出ると、そのエロ本は見事になくなっていた。 翌日の朝食時、なぜか親父がチラチラとこちらを見てきた。 何で顔が赤いんだ、クソ親父。つーかてめぇか。クソ。 302 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 08 56 37 定義 X を一様空間とする。 X がその任意の近縁 V に対して V 程度に小さい集合( 235)からなる 有限被覆をもつとき、X を全有界と言う。 303 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09 24 23 補題 X を位相空間とし、Φ をそのフィルターする。 A を X の部分集合で Φ に含まれないとする。 このとき Ψ = { M ; A ∪ M ∈ Φ } はフィルターで Φ ⊂ Ψ である。 証明 Ψ が 75 の条件を満たせばよい。 1) A は Φ に含まれないから A ∪ M ∈ Φ なら M は空でない。 2) A ∪ M ∈ Φ で M ⊂ L なら A ∪ M ⊂ A ∪ L であるから A ∪ L ∈ Φ 3) A ∪ M ∈ Φ, A ∪ N ∈ Φ のとき (A ∪ M) ∩ (A ∪ N) = A ∪ (M ∩ N) ∈ Φ 証明終 304 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09 25 42 訂正 303 X を位相空間とし、Φ をそのフィルターする。 X を集合とし、Φ をそのフィルターする。 305 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09 27 57 定義 X を集合とし、Φ をそのフィルターする。 Φ ⊂ Ψ となる X のフィルターで Φ ≠ Ψ となるものが 存在しないとき Φ を X の極大フィルターという。 306 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09 34 51 命題 X を集合とし、Φ をフィルターとする。 Φ ⊂ Ψ となる極大フィルター( 305) Ψ が存在する。 証明 Zorn の補題を使えば明らかである。 307 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09 35 38 命題 X を集合とし、Φ をその極大フィルター( 305)とする。 A と B を X の部分集合で A ∪ B ∈ Φ なら A ∈ Φ または B ∈ Φ となる。 証明 A も B も Φ に含まれないとする。 303 より Ψ = { M ; A ∪ M ∈ Φ } はフィルターで Φ ⊂ Ψ である。 B は Ψ に属し、 Φ に属さないから Φ ≠ Ψ である。 これは矛盾である。 証明終 308 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09 43 55 命題 X を全有界( 302)な一様空間とする。 X の極大フィルター( 305) は Cauchy フィルター( 236)である。 証明 Φ をX の極大フィルターとする。 X の任意の近縁 V に対して V 程度に小さい集合( 235)からなる X の有限被覆がある。 X = M_1 ∪ . . . ∪ M_n で各 M_i は V 程度に小さいとする。 X ∈ Φ だから 307 を繰り返し使って M_i ∈ Φ となる i がある。 従って Φ は Cauchy フィルターである。 証明終 309 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10 35 49 命題 位相空間が準コンパクトであるためには、その任意のフィルターが 接触点( 132)を持つことである。 証明 X を準コンパクトな位相空間とし、Φ をそのフィルターとする。 Φ が接触点を持たないとする。 ∩{cls(A) ; A ∈ Φ} は空集合であるから {X - cls(A) ; A ∈ Φ} は X の被覆である。 X は準コンパクトだから Φ の元 A_1 . . . , A_n があり、 X = ∪(X - cls(A_i)) よって ∩cls(A_i) は空である。 cls(A_i) は Φ の元だからこれは矛盾である。 逆に X の任意のフィルターが接触点を持つとする。 (U_λ), λ ∈ L を X の開被覆とする。 A_λ = X - U_λ とする。 ∩A_λ は空である。 任意の有限部分集合 J ⊂ L に対して ∩(A_λ, λ ∈ J) が空でない とする。 Φ_0 = {∩(A_λ, λ ∈ J) ; J は L の有限部分集合} は フィルター基底である。 仮定より Φ_0 は接触点を持つ。 従って ∩A_λ は空でない。 これは矛盾である。 従って (U_λ), λ ∈ L は有限部分被覆を持つ。 証明終 310 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10 36 46 命題 全有界( 302)かつ完備な一様空間は準コンパクトである。 証明 X を全有界かつ完備な一様空間とする。 Φ を X の任意のフィルターとする。 306 より Φ ⊂ Ψ となる極大フィルター( 305) Ψ が存在する。 308 より Ψ は Cauchy フィルターである。 X は完備だから Ψ は収束する。 従って Φ は接触点をもつ。 309 より X は準コンパクトである。 証明終 311 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10 40 08 310 の証明は極大フィルターの存在を使っているので Zorn の補題を 使っていることになる。 312 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10 42 50 命題 X を全有界( 302)な一様空間とする。 X の分離完備化( 288) Ω はコンパクトである。 証明 φ X → Ω を標準写像( 288)とする。 U を Ω の任意の閉近縁とする。 V を U の φ×φ による逆像とする。 X の V 程度に小さい集合からなる有限被覆 (A_i) がある。 B_i = φ(A_i) は U 程度に小さく、(B_i) は φ(X) の被覆である。 C_i を B_i の Ω における閉包とすると、φ(X) は Ω で密だから (C_i) は Ω の被覆である。 U は Ω の閉集合だから (C_i)×(C_i) ⊂ U である。 即ち、各 C_i は U 程度に小さい。 従って Ω は全有界である。 310 より Ω はコンパクトである。 証明終 313 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10 57 22 命題 準コンパクトな一様空間 X は全有界である。 証明 X の任意の対称開近縁 V に対して (V(x)), x ∈ X は X の開被覆である。 X は準コンパクトだから (V(x)) の有限部分被覆が取れる。 V(x) は V^2 程度に小さいから X は全有界である。 証明終 314 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 11 01 40 命題 一様空間 X の分離完備化( 288) Ω がコンパクトなら X は全有界( 302)である。 証明 φ X → Ω を標準写像( 288)とする。 313 より Ω は全有界である。 従って φ(X) も全有界である。 X の一様構造は φ(X) の一様構造の φ による逆像だから X も全有界である。 証明終 315 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 11 21 38 命題 準コンパクトな一様空間 X は完備である。 証明 309 より X の任意の Cauchy フィルターは接触点を持つから 248 より収束する。 証明終 316 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 11 25 47 命題 一様空間 X が準コンパクトであるためには X が全有界かつ完備であることが必要十分である。 証明 十分なことは 310 で証明してある。 必要なことは 313 と 315 で証明してある。 証明終 317 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 11 28 22 命題 X を一様空間とする。 X が全有界( 302)であるためには X の分離完備化( 288) Ω がコンパクトであることが必要十分である。 証明 必要なことは 312 で証明してある。 十分なことは 314 で証明してある。 318 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 12 18 58 補題 X を分離一様空間とする。 x と y を X の点で x ≠ y とする。 x の近傍 V_1 と y の近傍 V_2 と X×X の対角線集合 Δ の近傍 W で (V_1)×(V_2) が W^2 と交わらないものがある。 証明 X は分離だからx の近傍 U_1 と y の近傍 U_2 で共通の点を 持たないものがある。 212 より X は正則だから x の閉近傍 V_1 で V_1 ⊂ U_1 y の閉近傍 V_2 で V_2 ⊂ U_2 となるものがある。 U_3 = X - (V_1 ∪ V_2) とおく。 W = (U_1)×(U_1) ∪ (U_2)×(U_2) ∪ (U_3)×(U_3) とおく。 z ∈ V_1 ∪ V_2 なら (z, z) ∈ W z ∈ U_3 なら (z, z) ∈ W 従って W は X×X の対角線集合 Δ の近傍である。 (a, b) ∈ W (b, c) ∈ W で (a, c) ∈ (V_1)×(V_2) とする。 (a, b) ∈ W で a ∈ V_1 だから b ∈ U_1 である。 (b, c) ∈ W だから c は V_2 に含まれない。 これは矛盾である。 従って (V_1)×(V_2) は W^2 と交わらない。 証明終 319 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 12 38 56 命題 X をコンパクト空間とする。 X×X の対角線集合 Δ の近傍全体は X の一様構造である。 証明 Φ を Δ の近傍全体とする。 194 の条件で 1) V ∈ Φ なら Δ ⊂ V 2) V ∈ Φ を含む X×X の部分集合は Φ に属す。 3) V ∈ Φ, W ∈ Φ のとき V ∩ W ∈ Φ 4) V ∈ Φ のとき V^(-1) ∈ Φ は明らかである。 5) V ∈ Φ のとき W^2 ⊂ V となる W ∈ Φ がある。 を証明すればよい。 これが成り立たないとする。 ある V ∈ Φ があり任意の W に対して W^2 ∩ (X - V) は空でない。 V は開近傍と仮定してよい。 W^2 ∩ (X - V) 全体は X のフィルター基底だから 309 より 接触点 (x, y) を持つ。X - V は閉集合だから (x, y) ∈ X - V 従って x ≠ y である。 318 より x の近傍 V_1 と y の近傍 V_2 と Δ の近傍 W で (V_1)×(V_2) が W^2 と交わらないものがある。 これは矛盾である。 証明終 320 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 12 55 54 命題 X をコンパクト空間とする。 この位相構造 α より荒いハウスドルフ位相構造 β は α と一致する。 証明 恒等写像 f (X, α) → (X, β) は連続である。 (X, α) はコンパクトだから (X, β) もコンパクトである。 A を (X, α) の閉集合とする。 A は (X, α) でコンパクトだから (X, β) でもコンパクトである。 (X, β) はハウスドルフ空間だから A は (X, β) の閉集合である。 即ち f は閉写像である。 よって α = β である。 証明終 321 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 13 02 22 補題 X をハウスドルフ空間とする。 X×X の対角線集合 Δ の近傍全体の共通部分は Δ である。 証明 x と y を X の点で x ≠ y とする。 X はハウスドルフだから (x, y) は X×X の閉集合である。 従って X×X - {(x, y)} は Δ の近傍で (x, y) を含まない。 証明終 322 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 13 15 22 命題 X をコンパクト空間とする。 X×X の対角線集合 Δ の近傍全体は X の一様構造であり、 この一様構造で定まる位相は X の位相と一致する。 証明 X の位相構造を α とする。 319 より X×X の対角線集合 Δ の近傍全体は X の一様構造である。 この一様構造から定まる位相構造を β とする。 β ⊂ α である。 321 より、Δ の近傍全体は分離的一様構造である。 従って β はハウスドルフである。 従って 320 より α = β である。 証明終 323 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 13 50 41 命題 準コンパクト一様空間 X から一様空間 Y への連続写像 f は 一様連続である。 証明 V を Y の任意の近縁とする。 W^2 ⊂ V となる対称近縁 W を取る。 f は連続だから x を X の任意の点としたとき X の近縁 U_x で f(U_x(x)) ⊂ W(f(x)) となるものがある。 (T_x)^2 ⊂ U_x となる対称近縁 T_x を取る。 X はコンパクトだから有限個の点 x_1, ... , x_n があり、 (T_x_i(x_i)) は X の被覆になる。 T ⊂ ∩T_x_i となる X の対称近縁 T を取る。 (x, y) ∈ T なら x ∈ T_x_i(x_i) となる x_i がある。 y ∈ T(x) ⊂ (T_x_i)^2(x_i) ⊂ U_x_i(x_i) よって (f(x), f(x_i)) ⊂ W (f(y), f(x_i)) ⊂ W (f(x), f(y)) ⊂ W^2 ⊂ V 証明終 324 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 13 56 44 定理 コンパクト空間にはその位相を引き起こす一様構造が一意に入る。 証明 このような一様構造の存在は 322 で証明されている。 一意性は 323 より直ちに得られる。 証明終 325 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 14 15 36 命題 X を可算な基本近縁系をもつ一様空間とする。 X の任意の Cauchy 点列( 237)が収束すれば X は完備( 249)である。 証明 (V_n), n ∈ Z+ を可算な基本近縁系とする。 Φ を Cauchy フィルターとする。 Φ は V_n 程度に小さい集合 A_n を含む。 各 n ∈ Z+ に対して B_n = A_0 ∩ . . . ∩ A_n とおく。 B_n ∈ Φ である。 (B_n) は Cauchy フィルターの基底であり、その生成するフィルターを Ψ とすれば Ψ ⊂ Φ である。 各 B_n から点 x_n を取り出せば (x_n) は Cauchy 点列だから X の点 x に収束する。 x は Ψ の接触点だから 248 より Ψ は x に収束する。 従って Φ も x に収束する。 証明終 326 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 14 22 40 命題 X を可算な基本近縁系をもつ一様空間とする。 X の任意の Cauchy フィルター Φ に対して 高々可算な基底を持つ Cauchy フィルター Ψ があり、 Ψ ⊂ Φ となる。 証明 325 の証明から分かる。 327 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 14 24 06 命題 X を可算な基本近縁系をもつ一様空間とする。 X の任意の極小 Cauchy フィルター( 133) Φ は高々可算な基底を持つ。 証明 326 より明らかである。 328 :Kummer ◆Qk1D5QGAJw :2007/08/08(水) 16 38 53 ★天使=AV女優 ★★大天使=あいり&めいり・天海麗・小倉ありす・角松かのり・森下くるみ・あいだゆあ・吉岡なつみ・つかもと友希・みひろ・小沢菜穂・酒井るんな・etc… ★★★主天使(中級天使)= 蒼井そら・乃亜・桜朱音・志保・nao.・松島かえで・小澤マリア・穂花・光月夜也・片瀬まこ ★★★★智天使(上級天使) 高樹マリア・吉崎直緒・南波杏・堤さやか・高井桃・天野こころ・滝沢優奈 ★★★★★熾天使 (四大天使長) 朝河蘭・古都ひかる・ 葉山レイコ・吉沢明歩 ∞:ネ申 小林ひとみ 329 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 04 58 45 定義 G を位相群、X を位相空間とし、 G は X に作用しているとする。 即ち、s ∈ G と x ∈ X に対して sx が定義されて 以下の 1), 2) を満たす。 (1) e を G の単位元とすると、ex = e が任意の x ∈ X に対して 成り立つ。 (2) s(tx) = (st)x が任意の s, t ∈ G と x ∈ X に対して成り立つ。 写像 φ G × X → X を φ(s, x) = sx で定義する。 φ が連続のとき G は X に連続作用すると言う。 330 :132人目の素数さん:2007/08/09(木) 05 00 14 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) タグ: コメント