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最終更新日時 2011年03月05日 (土) 21時10分15秒 代数的整数論 004 (361-440) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/361-440 ログ元: http //yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/361-440 361 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 13 15 45 ] 358 有難うございます。 362 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 13 17 00 ] 161 の問題に戻る。 p を Q(√(-5)) で完全分解( 106)する素数とする。 p ≠ 2, 5 である。 105 より (-5/p) = 1 である。 (-5/p) = (-1/p)(5/p) であり、 平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より (5/p) = (p/5) である。 1^2 ≡ 1 (mod 5) 2^2 ≡ 4 (mod 5) 3^2 ≡ 4 (mod 5) 4^2 ≡ 1 (mod 5) だから p ≡ 1, 4 (mod 5) のとき (5/p) = 1 であり、 p ≡ 2, 3 (mod 5) のとき (5/p) = -1 である。 (-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから p ≡ 1 (mod 4) のとき (-1/p) = 1 であり、 p ≡ 3 (mod 4) のとき (-1/p) = -1 である。 よって p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) のとき (-5/p) = 1 p ≡ 11, 13, 17, 19 (mod 20) のとき (-5/p) = -1 よって p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) である。 363 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 13 31 13 ] 362 の続き (p) = PP を素イデアル分解とする。 P が単項イデアルなら p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b が 存在する。 よって (p/5) = 1 だから p ≡ 1, 4 (mod 5) であり、 p ≡ 1, 9 (mod 20) である。 L = [2, 1 + √(-5)] とおく。 358 より Q(√(-5) の類数は 2 で L は主類(単位類)に含まれない。 よって P が単項イデアルでないなら PL は単項イデアルである。 N(PL) = 2p だから 2p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b が 存在する。 (2p/5) = (2/5)(p/5) = 1 (2/5) = -1 だから (p/5) = -1 である。 p ≡ 2, 3 (mod 5) である。 よって p ≡ 3, 7 (mod 20) である。 以上から p が Q(√(-5)) で完全分解するためには、 p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。 よって 素数 p ≠ 5 が p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b を持つ ためには p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。 これで 168 の予想は証明された。 364 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 14 10 05 ] ttp //arxiv.org/abs/math.NT/0606547 Representing primes as x^2 + 5y^2 an inductive proof that Euler missed によると、Cox の Primes of the forms x^2 + ny^2 という本に 168 の予想に関連した歴史が書いてあるそうである。 上記の論文の前書きによると(それは Cox からの引用)、 Fermat は以下の予想をした (1) それぞれ ≡ 3, 7 mod 20 となる二つの素数の積は x^2 + 5y^2 と 書ける。 Euler は、以下の二つの予想をしたが証明は出来なかった。 (2) p ≡ 1, 9 mod 20 となる素数 p は p = x^2 + 5y^2 と書ける。 (3) p ≡ 3, 7 mod 20 となる素数 p に対して 2p = x^2 + 5y^2と書ける。 Lagrange と Legendre は上記の問題を解くため2次形式と種の理論を 展開して (2) と次の (4) を証明した (4) p ≡ 3, 7 mod 20 となる素数は p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 と書ける。 すると (1) と (3) は (2) と (4) と次の恒等式から得られる。 (2x^2 + 2xy + 3y^2)(2a^2 + 2ab + 3b^2) = (2ax + bx + ay + 3by)^2 + 5(bx − ay)^2 2(2x^2 + 2xy + 3y^2) = (2x + y)^2 + 5y^2 365 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 14 18 30 ] 364 の (4) の2次形式 2x^2 + 2xy + 3y^2 は 358 に出て きている。 366 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 15 06 23 ] 問題 364 の (1) を証明せよ。 367 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 17 59 43 ] 定義 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を(有理整数係数の)2次形式とする。 k を有理整数とする。 不定方程式 k = ax^2 + bxy + cy^2 が有理整数解 (u, v) を 持つとする。 u と v が互いに素なとき (u, v) を k = f(x, y) の原始解と呼ぶ。 368 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 18 23 17 ] 命題(Gauss の 数論考究の art. 154) ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。 k を有理整数で k = ax^2 + bxy + cy^2 が原始解( 367)をもつなら D は mod 4k で平方剰余である。 証明 (p, q) を原始解とする。 k = ap^2 + bpr + cr^2 である。 p と q は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, r がある。 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 に一次変換 x = pu + qv y = ru + sv を施して f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2 とする。 280 より k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2 である。 281 より D = l^2 - 4km だから l^2 ≡ D (mod 4k) となり D は mod 4k で平方剰余である。 証明終 369 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 20 50 55 ] 訂正 368 (p, q) を原始解とする。 k = ap^2 + bpr + cr^2 である。 p と q は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, r がある。 (p, r) を原始解とする。 k = ap^2 + bpr + cr^2 である。 p と r は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, q がある。 370 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 21 26 30 ] 命題 2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2 があり、 変換 x = pu + qv y = ru + sv により g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) とする。 ここで p, q, r, s は ps - qr = 1 となる有理整数である。 有理整数 M に対して M = ax^2 + bxy + cy^2 が有理整数解 (X, Y) をもつことと M = ku^2 + luv + mv^2 が有理整数解 (U, V) をもつことは同値である。 ここで X = pU + qV Y = rU + sV である。 証明 明らかである。 371 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/24(日) 21 33 44 ] 370 において、M = k とすると、 k = ku^2 + luv + mv^2 は自明な解 (1, 0) を持つ。 よって 370 より k = ax^2 + bxy + cy^2 は解 (p, r) を持つ。 これが 368 の証明で使った原理である。 372 名前:132人目の素数さん [2006/12/25(月) 11 55 12 ] http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1162122603/916 です。 あちらのスレでは回答が部分的にも全く得られないままに終了してしまいました。 こちらでも同じ質問をして良いでしょうか? 373 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/25(月) 13 19 33 ] 372無 は、ひょっとして無限次Gaolis群の話だろうか? あの手の群を定義から直接計算するのは不可能に近いんじゃなかろうか? TateとかSerreを見ると、「Golois Cohomologyを計算して その副産物として得られる」という論法が多いようだが? 374 名前:132人目の素数さん [2006/12/25(月) 13 40 25 ] 373 あちらでも紹介した参考書以外に Edited by Y, Ihara, K.Ribet, J-. P. Serre, Galois Groups over Q, Springer などを仮定した上でもダメでしょうか? ここには有名な Mazur のガロア表現の変形の論文も載っています。 375 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/25(月) 13 49 20 ] 373 typo多すぎだろww常識的に考えて 376 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/25(月) 13 52 30 ] よくあること。 377 名前:132人目の素数さん [2006/12/25(月) 20 43 09 ] 375 イタイな 2chでどうでもいいtypo指摘とは 378 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/25(月) 21 28 09 ] 345 Scharlau の本も n 次2次形式について述べたもので2元2次形式に 特化したものではないようです。 2元2次形式に特化したものとしては Buell(1989) があります。 この本の前書きによると Mathews の Theory of numbers(1896) を参考にしたそうです。1896 というのはタイプミスではありません。 つまり約100年前の本です。 Flath の Introduction to Number Theory(1988) は2元2次形式に 関してよく書けているそうです。 379 名前:132人目の素数さん [2006/12/25(月) 21 32 10 ] しかしKummerのおっちゃんよ、今の世の中Kummerのやった類体論とかはもう 完成されてるとみなされて岩澤理論が絶好調なんだよ。 Kummerのむかしの研究をフォローするのをやめてBSD予想とか解いたら? 380 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/26(火) 09 12 12 ] 379 今の世の中Kummerのやった類体論とかはもう完成されてるとみなされて 類体論をやったのは Kummer ではないです。 それに、類体論を未完成だと言ってる人は、私の知る限りいないです。 このスレは、50年以上前に完成された古い理論についてのスレだと 前スレに断ってあります。 前スレ3: 780 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/10(金) 09 36 08 勘違いしてる人がいるかもしれないので言っておくが、 このシリ-ズで扱う予定の題材は約50年前には完成されていたもの。 ほとんどは100年以上前に発見されていた。 この場で俺自身の研究なり独自の視点を発表しようなんて考えは まったくない。 独自性があるとしたらアプローチの仕方、題材の取捨選択など。 わずかだがオリジナルな証明もあるかもしれない(実際、既にある)。 なお、このシリ-ズを書く一番の理由は俺自身の勉強のため。 他の理由もあるが、それらは2次的なもの。 381 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/26(火) 14 35 10 ] 380 類体論を未完成だと言ってる 揚げ足取りじゃなくて、Langlands Programに Non-Abelian Calss Field Theory ってのがなかったっけ? 382 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/26(火) 16 33 14 ] 381 通常、類体論といえば数体のアーベル拡大体論のことをさす。 そしてこの意味の類体論は完成しています。 非可換の場合への拡張を話題にするときは必ず「非可換」をつけます。 っていうか、そんなことより問題解いてよ。 なんか話がすぐ舞い上がるから困るんだけど。 地道に行きましょうよ。 383 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/26(火) 19 16 37 ] 訂正 382 通常、類体論といえば数体のアーベル拡大体論のことをさす。 通常、類体論といえば大域体と局所体のアーベル拡大についての理論をさす。 384 名前:天ノ川 創 [2006/12/26(火) 19 18 52 ] 愛 385 名前:132人目の素数さん [2006/12/26(火) 20 43 52 ] Kummerさん うちの大学の教授も代数的数論をやってるみたいだけど、 論文はさっぱりわかりません。大体でいいので、こういう論文を読めるまでには どういった知識が必要か教えていただけませんか? http //www.math.ucsb.edu/~agboola/papers/papers.html 特に一番最近の論文について知りたいのですが。 ちなみに私はMasterの学生で、初等数論の知識を少し知ってるくらい。 386 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/26(火) 21 16 18 ] 前にも書きましたが、基本的に質問はこのスレで私が書いたものに 対してのみとさせていただいてます。 ただし、書いたものといっても雑談に類するものは除きます。 387 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/27(水) 11 51 57 ] 374 此処↓で待っていたら? Kさんが来るかもしれないよ。 h ttp //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1167112175/l50 388 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 21 10 42 ] ここで、今までにも何度か引用 (例えば 199, 214) した G-集合 (G-set) についての基本を整理しておく。 定義 G を群とし S を集合とする。 G から Aut(S) への準同型 f G → Aut(S) が与えられたとき、 S を 左 G-集合と呼ぶ。 このとき G は S に左から作用するという。 ここで Aut(S) は S の自己全単射のなす群である。 ------------------------------------------------------ g ∈ G と x ∈ S に対して gx = f(g)(x) と定義することにより 写像 G × S → S が得られる。 このとき、以下の (1) と (2) が成り立つ。 (1) ex = e が任意の x ∈ S に対して成り立つ。 ここで e は G の単位元である。 (2) g(hx) = (gh)x が任意の g, h ∈ G と x ∈ S に対して成り立つ。 逆に (1) と (2) を満たす写像 G × S → S が与えられれば、 S は、左 G-集合となる。 G から Aut(S)^op への準同型 f G → Aut(S)^op が与えられたとき、 S を 右 G-集合と呼ぶ。 ここで Aut(S)^op は Aut(S) の乗法の順序を反対に定義して得られる 群である。 通常、G-集合という場合、特に断らなければ左 G-集合を意味する。 389 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 21 42 43 ] 定義 G を群とし S を左 G-集合 ( 388) とする。 任意の x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G があるとき G は S に推移的に作用するという。 互いに相異なる n 個の S の元 x_1, ..., x_n と 互いに相異なる n 個の S の元 y_1, ..., y_n に対して g(x_i) = y_i が各 i, 1 ≦ i ≦ n で成り立つような g ∈ G があるとき、 G は S に n-推移的に作用するという。 そのような g が唯一個だけ存在するとき G は、n - 強推移的に 作用するという。 標準射 ( 388) G → Aut(S) が単射のとき G は S に 忠実(または効果的)に作用するという。 x ∈ S に対して gx = x なら g = e となるとき G は S に自由に作用するという。 G が S に推移的かつ自由に作用するとき、G は正則に作用するという。 これは 任意の x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G が 唯一個だけ存在することと同値である。 このとき S は G の主等質空間とみなせる。 390 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 21 53 45 ] 定義 G を群とし S を左 G-集合 ( 388) とする。 x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G があるとき x と y は同値と定義とすることにより S の同値関係が得られる。 この同値類を左 G-集合 S の軌道とよぶ。 x ∈ S に対して、x を含む軌道を x の軌道という。 x の軌道は { gx ; g ∈ G } である。 S の軌道全体の集合を S/G と書き、S の G の作用による商集合と呼ぶ。 S/G は、また軌道空間ともいう。 391 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 21 59 28 ] 定義 G を群とし S を左 G-集合 ( 388) とする。 S の部分集合 T に対して GT = {gx ; g ∈ G, x ∈ T } と書く。 GT ⊂ T のとき T を G-不変な部分集合という。 392 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 22 07 06 ] 定義 G を群とし S を左 G-集合 ( 388) とする。 x ∈ S に対して G_x = { g ; gx = g } と書き、x の安定化部分群 (または等方性部分群)と呼ぶ。 393 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 22 20 17 ] 命題 G を群とし S を左 G-集合 ( 388) とする。 x ∈ S に対して H を x の安定化部分群 ( 392) とする。 gH に gx を対応させることにより G の H による左剰余類の 集合 G/H から x の軌道 Gx への全単射が得られる。 証明 簡単だし良く知られているので省略。 証明を知らない読者には演習問題とする。 394 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/28(木) 22 25 55 ] 命題 G を群とし S を左 G-集合 ( 388) とする。 x ∈ S に対して H を x の安定化部分群 ( 392) とする。 [G H] が有限なら |Gx| = [G H] である。 さらに |H| が有限なら |Gx| = |G|/|H| である。 証明 393 から明らか。 395 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 00 27 14 ] 補題 G を群とし X を左 G-集合 ( 388) とする。 g ∈ G に対して X_g = { x ∈ X ; gx = x } とおき、 x ∈ X に対して G_x を x の安定化部分群 ( 392) とする。 このとき、Σ |X_g| = Σ |G_x| である。 ここで、左辺の g は全ての G の元 g を動き、 右辺の x は全ての X の元 x を動く。 証明 W = { (g, x) ∈ G × X ; gx = x } とおく。 写像 λ W → G を λ(g, x) = g で、 写像 μ W → X を μ(g, x) = x で、それぞれ定義する。 W = ∪ λ^(-1)(g) である。ここで g は G の元全体を動く。 g と h を G の異なる2元とすれば λ^(-1)(g) と λ^(-1)(h) は 交わらない。 したがって、 |W| = Σ |λ^(-1)(g)| である。 同様にして |W| = Σ |μ^(-1)(x)| である。 一方、|λ^(-1)(g)| = |X_g| であり、|μ^(-1)(x)| = |G_x| である。 よって |W| = Σ |X_g| = Σ |G_x| である。 証明終 396 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 00 31 27 ] 訂正 395 G を群とし X を左 G-集合 ( 388) とする。 G を群とし X を左 G-集合 ( 388) とする。 さらに G と X は有限集合とする。 397 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 00 57 47 ] 命題(Burnside の補題) G を群とし X を左 G-集合 ( 388) とする。 さらに G と X は有限集合とする。 このとき |X/G| = (1/|G|)Σ|X_g| となる。 ここで、X/G は S の軌道空間 ( 390) であり、 右辺の和は G の元 g 全体を動き、 X_g = { x ∈ X ; gx = x } である。 証明 395 より。 Σ |X_g| = Σ |G_x| 一方、 394 より |G_x| = |G|/|Gx| よって Σ |X_g| = Σ |G|/|Gx| (1/|G|)Σ |X_g| = Σ 1/|Gx| 一方、Σ 1/|Gx| = Σ (Σ (1/|α|)) ここで右辺の外側の和は G の軌道( 390) α 全体を動き、 内側の和は α の元 x 全体を動く。 よって、 Σ (Σ (1/|α|)) = Σ |α|(1/|α|) = Σ 1 = |X/G| である。 証明終 398 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 01 00 34 ] 訂正 397 ここで、X/G は S の軌道空間 ( 390) であり、 ここで、X/G は X の軌道空間 ( 390) であり、 399 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 01 18 21 ] 定義 X と Y を G-集合 ( 388) とする。 X から Y への写像 f X → Y があり、 f(σx) = σ(f(x)) が任意の σ ∈ G と任意の x ∈ X に対して 成り立つとき f を G-集合としての射という。 さらに G-集合としての射 g Y → X があり gf = 1 かつ fg = 1 となるとき f は同型射と呼ぶ。 このとき X と Y は G-集合として同型であるという。 400 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 01 19 03 ] 388 以降の G-集合に関する記述は 英語版 Wikipedia の記事 Group action を参考にした。 401 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 04 46 16 ] 判別式が平方数でない2次形式 (a, b, c) (この記法に関しては 328 を参照) 全体の集合を Ω とする。 ここで平方数とは集合 { x^2 ; x ∈ Z } = { 0, 1, 4, 9, ... } の元のことである。 したがって (a, b, c) ∈ Ω なら b^2 - 4ac ≠ 0 であり、 ac ≠ 0 である。 (a, b, c) ∈ Ω と σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して、 (a, b, c)σ = (k, l, m) と定義する。 ここで、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおいたとき、 ku^2 + luv + mv^2 = f(pu + qv, ru + sv) である。 即ち k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2 である( 280)。 402 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 05 03 40 ] 命題 401 の記法で f = (a, b, c) ∈ Ω、σ ∈ SL_2(Z)、τ ∈ SL_2(Z) に対して、 (fσ)τ = f(στ) である。 証明 2次形式 f = (a, b, c) に対称行列 M = (a, b/2)/(b/2, c) を 対応させる。 277 より fσ には (σ^t)Mσ が対応する。 よって (fσ)τ には (τ^t)(σ^t)Mστ が対応する。 (τ^t)(σ^t)Mστ = (στ)^tMστ だから fσ)τ = f(στ) である。 証明終 403 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/29(金) 05 09 15 ] 401 の記法で f = (a, b, c) ∈ Ω と SL_2(Z) の単位元 e に対して、 fe= f だから 402 より Ω は右 SL_2(Z)-集合( 388) である。 404 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 01 32 39 ] 命題 D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値 ( 293) かつ原始的 ( 279) な2次形式とする。 f に (-b + √D)/2a を対応させることにより、 判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式と、複素上半平面にある 判別式 D の2次無理数( 276)とは1対1に対応する。 証明 324 の証明と同様である。 405 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 02 12 00 ] D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を PF(D) と書く。 複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) と書く。 403, 282, 297 より PF(D) は、右 SL_2(Z)-集合( 388) である。 286 より HQ(D) は、左 SL_2(Z)-集合( 388)である。 写像 φ PF(D) → HQ(D) を 324 の証明と同様に定義する。 404 より φ は全単射である。 f ∈ PF(D) と σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して fσ = g、φ(f) = θ とおく。 325 と同様にして φ(g) = σ^(-1)θ よって φ(fσ) = σ^(-1)φ(f) よって φ(fσ^(-1)) = σφ(f) σf = fσ^(-1) と定義すれば PF(D) は、左 SL_2(Z)-集合になる。 上記から φ は 左 SL_2(Z)-集合としての同型射( 399)である。 406 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 10 55 49 ] 判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を PF(D) とする。 405 より PF(D) は 右 SL_2(Z)-集合( 388) である。 軌道空間 ( 390) PF(D)/SL_2(Z) を F+(D) と書く。 複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) とする。 405 より HQ(D) は 左 SL_2(Z)-集合( 388) である。 軌道空間 ( 390) HQ(D)/SL_2(Z) を H(D) と書く。 405 より PF(D) は左 SL_2(Z)-集合にもなる。 左 SL_2(Z)-集合としての PF(D) の軌道空間は、明らかに F+(D) と 一致する。 405 より φ PF(D) → HQ(D) は、左 SL_2(Z)-集合としての 同型射である。 したがって、φ は全単射 F+(D) → H(D) を誘導する。 D が虚2次体の判別式と一致するとき、この写像は 311 で定義した Ψ+ と一致する。 したがって、 D が虚2次体の判別式と一致しない場合も この写像を Ψ+ と書くことにする。 407 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11 02 54 ] 320 と同様に次の定義をする。 定義 D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な 2次形式とする。 G を 253 で定義した集合とする。 つまり G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で |z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 } (-b + √D)/2a が G に属すとき f(x, y) を簡約2次形式と呼ぶ。 408 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11 06 32 ] 命題 D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な 2次形式とする。 f(x, y) が簡約2次形式 ( 407) であるためには |b| ≦ a ≦ c であり、 |b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。 409 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11 15 30 ] 定義 D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な 2次形式とする。 [D] を 253 で定義した集合とする。 つまり [D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。 (-b + √D)/2a が [D] に属すとき f(x, y) を広義の簡約2次形式と呼ぶ。 410 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11 18 50 ] 334 と同様に次の命題が成り立つ。 証明もまったく同じである。 命題 D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な 2次形式とする。 f(x, y) が広義の簡約2次形式 ( 409) であるためには |b| ≦ a ≦ c となることが必要十分である。 411 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11 28 36 ] 明らかに、 326, 328, 329, 330, 335, 336, 337 は、 D が負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) の場合もそのまま 成り立つ。 412 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 11 35 35 ] 339 と同様に次の命題が成り立つ。 証明もまったく同じである。 命題 D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 F+(D) ( 406) の元の個数は有限であり、判別式 D の簡約2次形式 ( 407) の個数と一致する。 413 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 23 16 51 ] 定義 D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 h(D) = |F+(D)| と書く。 D が虚2次体 Q(√m) の判別式のときは、 314 より |F+(D)| は Q(√m) の類数と一致する。 したがって上の h(D) の定義は 316 の定義の拡張になっている。 414 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 23 32 44 ] D = -180 のとき h(D) を計算しよう。 413 より h(D) は判別式 D の簡約2次形式 ( 407) の個数と 一致する。 408 より (a, b. c) が簡約2次形式 ( 407) であるためには、 gcd(a, b, c) = 1 かつ、 |b| ≦ a ≦ c であり、 |b| = a または a = c のときは b ≧ 0 と なることが必要十分である。 341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。 √(|D|/3) = √60 だから a ≦ 7 となる。 a > 0 だから 1 ≦ a ≦ 7 である。 4ac = b^2 + |D| = b^2 + 180 したがって、b は偶数でなければならない。 415 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 23 34 34 ] 414 の続き 0^2 + 180 = 4・3・3・5 2^2 + 180 = 184 = 4・46 = 4・2・23 4^2 + 180 = 196 = 4・49 = 4・7・7 6^2 + 216 = 4・54 = 4・2・3^3 より gcd(a, b, c) = 1 に注意して、 ------------------------------------------------------------ a = 1 のとき |b| = 0、c = 45、(1, 0, 45) ------------------------------------------------------------ a = 2 のとき |b| = 2、c = 23、(2, 2, 23) ------------------------------------------------------------ a = 3 は無い ------------------------------------------------------------ a = 4 は無い ------------------------------------------------------------ a = 5 のとき |b| = 0、c = 9、(5, 0, 9) ------------------------------------------------------------ a = 6 は無い ------------------------------------------------------------ a = 7 のとき |b| = 4、c = 7、(7, 4, 7) ------------------------------------------------------------ よって h(D) = 4 である。 416 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/30(土) 23 39 22 ] 訂正 415 6^2 + 216 = 4・54 = 4・2・3^3 6^2 + 180 = 216 = 4・54 = 4・2・3^3 417 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 10 56 43 ] 補題 D を平方数でない有理整数とすると、D = (f^2)c と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり、 c は平方因子を持たない有理整数で、c ≠ 1 である。 証明 D の素因数分解を考えれば明らかである。 418 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 11 02 47 ] 命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 このとき、D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。 証明 D ≡ 0 (mod 4) なら、D/4 に 417 を適用して D = 4(g^2)m となる。 ここで g は有理整数 g > 0 であり、 m ≠ 1 は平方因子を持たない有理整数である。 m ≡ 1, 2, 3 (mod 4) であるが m ≡ 1 (mod 4) なら m は2次体 Q(√m) の判別式である。 この場合、f = 2g, d = m とすればよい。 m ≡ 2, 3 (mod 4) なら、4m は2次体 Q(√m) の判別式である。 この場合、f = g, d = 4m とすればよい。 D ≡ 1 (mod 4) なら、D に 417 を適用して D = (f^2)m となる。 f^2 ≡ 0 または 1 (mod 4) だが f^2 ≡ 0 (mod 4) なら D ≡ 0 (mod 4) となるから f^2 ≡ 1 (mod 4) である。 したがって D ≡ m (mod 4) となり、m ≡ 1 (mod 4) である。 よって m は 2次体 Q(√m) の判別式である。 証明終 419 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 11 28 44 ] 287 と同様のことを一般の2次の無理数の場合に考える。 θ を判別式 D の2次の無理数 ( 284) とする。 aθ^2 + bθ + c = 0 とする。 ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。 さらに a > 0 とする。 D = b^2 - 4ac である。 D ≡ b^2 (mod 4) だから D ≡ 0 または 1 (mod 4) である。 D は勿論平方数ではない(平方数なら θ は有理数となる)。 よって 418 より D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。 θ = (-b ± √D)/2a であるが θ = (-b + √D)/2a と仮定する。 a(aθ^2 + bθ + c) = a^2θ^2 + abθ + ac = 0 だから (aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0 よって aθ は代数的整数である。 aθ = (-b + √D)/2 = (-b + f√d)/2 だから aθ ∈ Q(√m) である。 m ≡ 1 (mod 4) のとき (-b + √D)/2 = (-b - f + f(1 + √m))/2 = (-b - f)/2 + fω m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき (-b + √D)/2 = (-b + 2f√m)/2 = -b/2 + fω いずれの場合でも aθ = r + fω の形である。 r = aθ - fω は有理数で代数的整数でもあるから、有理整数である (前スレ3の158より有理整数環は整閉である)。 420 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 11 33 45 ] 419 の続き ここで R = [1, fω] を考える。 (fω)^2 = (f^2)ω^2 ⊂ (f^2)[1, ω] ⊂ [1, fω] よって (fω)R ⊂ R である。 よって RR ⊂ R である。 したがって R は Q(√m) の整数環 [1, ω] の部分環である。 421 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 11 38 32 ] 定義 2次体 Q(√m) の 部分環 R でその加法群が階数2の自由アーベル であるものを Q(√m) の整環 (order) と呼ぶ。 422 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 12 06 04 ] 命題 2次体 Q(√m) の整環 ( 421) は Q(√m) の整数環の部分環である。 証明 前スレ1の 505 から明らかだが、改めて証明する。 R を Q(√m) の整環とする。 R のアーベル群としての基底を α, β とする。 つまり R = [α, β] とする。 γ ∈ R なら γα = aα + bβ γβ = cα + dβ となる有理整数 a, b, c, d がある。 (γ - a)α - bβ = 0 -cα + (γ - d)β = 0 よって、係数の行列式は 0 である。 即ち (γ - a)(γ - d) - bc = 0 よって γ は代数的整数である。 よって γ は Q(√m) の整数環に含まれる。 証明終 423 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 12 34 13 ] 前スレ3の 988より R = [a, b + cω] と書ける。 ここで a > 0、c > 0 である。 1 ∈ R だから a = 1 である。 したがって、R = [1, b + cω] = [1, cω] よって アーベル群としての剰余類群 [1, ω]/R の位数は c である。 c を R の導手 (conductor) という。 R の導手は、通常ドイツ語の fuhrer の頭文字をとって f で 表す場合が多い。 424 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 12 45 14 ] 定義 2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] に対して、 fω の判別式 ( 276) を R の判別式という。 425 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/31(日) 12 50 01 ] 命題 2次体 Q(√m) の整環 R の判別式 ( 424) は (f^2)D である。 ここで f は R の導手 ( 423) であり、D は Q(√m) の判別式である。 証明 fω の判別式は (fω - fω )^2 = (f^2)(ω - ω )^2 = (f^2)D である。 証明終 426 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16 00 16 ] 2次体 Q(√m) の整環 ( 421) R = [1, fω] のイデアル論について述べる。 このスレの初めのほうで述べた整数環 Z[ω] のイデアル論と同様の部分が 多い。 補題 a, b, c, e, f を有理整数とし、a > 0, c > 0, f > 0 とする 2次体 Q(√m) において [a, b + cfω] = [a, e + cfω] であるためには b ≡ e (mod a) が必要十分である。 証明 34 の証明と同様。 427 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16 07 05 ] 命題 2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の任意のイデアル I ≠ 0 は I = [a, b + cfω] と一意に書ける。 ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。 証明 I = [a, b + cfω], a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 と一意に書ける ことは 14 の証明と同様である。 afω ∈ I だから a は c で割れる。 m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、 ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。 (b + cfω)fω = bfω + c(f^2)ω^2 = bfω + c(f^2)ω - c(f^2)(1 - m)/4 = (b + cf)fω - c(f^2)(1 - m)/4 ∈ I よって b + cf ≡ 0 (mod c) となる。 よって b ≡ 0 (mod c) となる。 m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、 ω = √m であり、 ω^2 = m である。 よって (b + cfω)fω = bfω + c(f^2)ω^2 = bfω + c(f^2)m ∈ I よって b ≡ 0 (mod c) となる。 証明終 428 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16 10 31 ] 定義 427 における a, b + cω をイデアル I の標準基底と呼ぶ。 ただし、必ずしも 0 ≦ b < a でなくてもよい。 この場合、 426 より b は mod a で一意にきまる。 429 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16 14 57 ] 428 の訂正 定義 427 における a, b + cfω を R のイデアル I の標準基底と呼ぶ。 ただし、必ずしも 0 ≦ b < a でなくてもよい。 この場合、 426 より b は mod a で一意にきまる。 430 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/03(水) 16 20 21 ] 定義 I = [a, b + cfω] を2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の イデアル I の標準基底 ( 429) による表示とする。 c = 1 のとき I を原始イデアルという。 431 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/11(木) 16 48 33 ] 2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] は、Q(√m) のすべての整環を含む 最大の整環である。 したがって、Z[ω] を Q(√m) の主整環または極大整環とも言う。 432 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/11(木) 17 20 17 ] 2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] のイデアル論と主整環 Z[ω] の イデアル論との関連を述べる。 433 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/12(金) 12 50 20 ] 命題 A を整域とし、K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とする。 S を A の積閉部分集合とする。 このとき、B_S は A_S の K における整閉包である。 証明 A_S の K における整閉包を C とする。 x ∈ C とし、 x^n + (a_1/s)x^(n-1) + ... + (a_(n-1)/s)x + a_n/s = 0 とする。 ここで、各 a_i ∈ A で, s ∈ S この等式の両辺に s^n を掛けて、 (sx)^n + a_1(sx)^(n-1) + ... + a_(n-1)s^(n-2)(sx) + (a_n)s^(n-1) = 0 となる。よって、sx は A 上整である。 よって、sx ∈ B である。 よって、x ∈ B_S である。 以上から C ⊂ B_S である。 一方、前スレ1の 514 より B_S は A_S 上整である。 よって B_S ⊂ C である。 証明終 434 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/12(金) 12 58 53 ] B を環、A をその部分環とする。 B を A-加群とみなし、(A B) = {a ∈ A; aB ⊂ A} を考える (前スレ3の 583)。 (A B) は A のイデアルである。 S を A の積閉部分集合とする。 B が A-加群として有限生成なら 前スレ3の 586 より (A B)_S = (A_S B_S) である。 435 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/12(金) 16 04 40 ] 命題 A を整域とし、K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とする。 I = (A B) とおく( 434)。 A の素イデアル P に対して A_P が整閉であるためには、 I ⊂ P とならないことが必要十分である。 証明 S = A - P とおく。S は A の積閉部分集合である。 B_S を B_P と書くことにする。 433 より B_P は A_P の K における整閉包である。 従って、A_P が整閉であるためには A_P = B_P が必要十分である。 一方、A_P = B_P であるためには (A_P B_P) = A_P が 必要十分である。 434 より (A B)_P = (A_P B_P) であるから、 これは、IA_P = A_P と同値である。 証明終 436 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/12(金) 17 35 13 ] 435 の訂正 命題 A を整域とし、K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とする。 B は A-加群として有限生成とする。 I = (A B) とおく( 434)。 A の素イデアル P に対して A_P が整閉であるためには、 I ⊂ P とならないことが必要十分である。 証明 S = A - P とおく。S は A の積閉部分集合である。 B_S を B_P と書くことにする。 433 より B_P は A_P の K における整閉包である。 従って、A_P が整閉であるためには A_P = B_P が必要十分である。 一方、A_P = B_P であるためには (A_P B_P) = A_P が 必要十分である。 434 より (A B)_P = (A_P B_P) であるから、 これは、IA_P = A_P と同値である。 証明終 437 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 15 33 51 ] 命題 2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] に対して (R Z[ω]) = fZ[ω] である。 証明 α ∈ (R Z[ω]) とすると、定義( 434)から α ∈ R で αZ[ω] ⊂ R である。 α = a + bfω とする。ここで、a, b は有理整数である。 αω = aω + bfω^2 ∈ R である。 m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、 ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。 αω = aω + bfω^2 = (a + bf)ω - bf(1 - m)/4 よって a + bf ≡ 0 (mod f) a ≡ 0 (mod f) よって α ∈ fZ[ω] m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、 ω = √m であり、 ω^2 = m である。 αω = aω + bfω^2 = aω + bfm よって a ≡ 0 (mod f) よってα ∈ fZ[ω] 以上から (R Z[ω]) ⊂ fZ[ω] である。 fZ[ω] ⊂ (R Z[ω]) は明らかである。 証明終 438 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16 00 20 ] 定義 I ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] のイデアルとする。 I = [a, b + cfω] を I の標準基底 ( 429) による表示とすると、 |R/I| = ac である。 |R/I| を I のノルム(または絶対ノルム)と呼び、N(I) と書く。 439 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16 06 48 ] 命題 2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の 0 でない素イデアルは 極大イデアルである。 証明 P を R の 0 でない素イデアルとする。P は標準基底を持つから R/P は有限整域である( 438)。有限整域は体であるから P は極大イデアルである。 証明終 440 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16 17 00 ] 命題 R を2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の素イデアルとする。 R_P は Krull次元(前スレ1の379)が1のネーター局所整域である。 証明 R の任意の非零イデアルは標準基底をもつから R はネーター整域で ある。 よって 439 より本命題の主張は明らかである。 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時08分06秒 代数的整数論 007 (301-375) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/301-375 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/301-375 301 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 15 09 25 281 すみません。質問、いいでしょうか? >U×V の形の集合の有限個の共通部分全体は Y×Z の開集合の >基底である。 >従って、Y×Z の任意の開集合 W に対して h^(-1)(W) ∈ Φ である。 とありますが、Y×Z の任意の開集合 W は、U×V の形の開集合の 「一般には非可算個の」合併ですよね? だから、h^(-1)(W) も、h^(-1)(U×V) (∈ Φ )の形の集合の 非可算個の合併である可能性がありますね? これが可算個の合併であれば、確かに h^(-1)(W) ∈ Φ となりますが、 非可算個の場合は、どうやって証明するのでしょう? ひょっとしたら、私が何か見落としているのかもしれませんが、 宜しくお願いします。 302 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 16 13 25 301 確かにおかしいですね。 Y と Z はそれぞれ開集合の可算基底を持ってないと駄目ですね。 有難うございました。 R は開集合の可算基底を持ってるので、 283 は成り立ちます。 303 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 16 15 27 302 やっぱりそうでしたか。 ご返答、ありがとうございました。 304 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 18 29 05 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 次の条件を見たす可測で有限な単関数( 298) f_n が存在する。 1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 証明 任意の整数 n > 0 に対して、 区間 [0, n) を 1/2^n 等分する。 即ち、 [0, n) = ∪[k/2^n, (k+1)/2^n), k = 0, 1, ..., (2^n)n - 1 f_n X → [0, +∞) を次のように定義する。 f(x) ∈ [k/2^n, (k+1)/2^n) ⊂ [0, n) のとき f_n(x) = k/2^n f(x) ∈ [n, +∞] のとき f_n(x) = n f_n は単関数であり、 300 より可測である。 [0, n+1) の分割は [0, n) の分割の細分になっている。 従って、f_n ≦ f_(n+1) である。 f(x) = +∞ のとき、任意の n で f_n(x) = +∞ だから n → ∞ のとき f_n(x) → +∞ f(x) < +∞ のとき、 f(x) < n となる限り |f(x) - f_n(x)| ≦ 1/2^n である。 よって、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 証明終 305 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 18 51 42 定義 X を集合とし、f X → [-∞, +∞] を任意の写像とする。 f^(+) = sup{f, 0} f^(-) = sup{-f, 0} と書く。 f = f^(+) - f^(-) |f| = f^(+) + f^(-) である。 (X, Φ) が可測空間( 211)で、f が可測( 213)なら、 295 より、f^(+) と f^(-) も可測である。 306 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 01 24 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X 上の単関数( 298)とする。 α ≠ 0 を(有限)実数とする。 f が可測なら、αf も可測な単関数である。 証明 277 より αf は可測である。 αf が単関数であることは明らかである。 証明終 307 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 17 27 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f と g を X 上の可測で有限な単関数( 298)とする。 f + g も可測で有限な単関数である。 証明 f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} g(X) - {0} = {b_1, . . . , b_m} とする。 A_i = {x ; f(x) = a_i}, 1 ≦ i ≦ n B_j = {x ; g(x) = b_j}, 1 ≦ j ≦ m とおく。 300 より、 A_i ∈ Φ, B_j ∈ Φ である。 A = ∪A_i, B = ∪B_j とおく。 A ∪ B = (A - B) ∪ (A ∩ B) ∪ (B - A) これは、A ∪ B の直和分割である。 x ∈ X - (A ∪ B) のとき f(x) = g(x) = 0 であり、f(x) + g(x) = 0 x ∈ A - B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、 f(x) = a_i, g(x) = 0 である。よって、f(x) + g(x) = a_i x ∈ B - A のとき x ∈ B_j となる j が唯一つ存在し、 f(x) = 0, g(x) = b_j である。よって、f(x) + g(x) = b_j x ∈ A ∩ B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、 x ∈ B_j となる j が唯一つ存在する。 f(x) = a_i, g(x) = b_j である。 よって、f(x) + g(x) = a_i + b_j 以上から f + g は可測で有限な単関数である。 証明終 308 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 31 26 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 可測で有限な単関数( 298) の列 (f_n) が存在し、 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 証明 305 より、f = f^(+) - f^(-) である。 f^(+) ≧ 0, f^(-) ≧ 0 だから 304 より、可測で有限な単関数( 298) の列 (g_n) と (h_n) が 存在し、 任意の x ∈ X において、 n → ∞ のとき g_n(x) → f^(+) n → ∞ のとき h_n(x) → f^(-) となる。 よって、n → ∞ のとき g_n(x) - h_n(x) → f^(+) - f^(-) である。 306 より、-h_n(x) は可測で有限な単関数である。 よって、 307 より、g_n(x) - h_n(x) も可測で有限な単関数である。 f_n(x) = g_n(x) - h_n(x) が求めるものである。 証明終 309 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 20 40 26 308 たびたびすみません。 f X → [0, +∞] だから、f = f^(+) ではないですか? おそらく、仮定は f X → [-∞, +∞] ではないかと思われます。 310 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 45 11 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 f + g も可測である。 証明 308 より、可測で有限な単関数( 298) の列 (f_n) と (g_n) が 存在し、任意の x ∈ X において、 n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) となる。 よって、 n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x) である。 307 より、f_n(x) + g_n(x) は可測である。 f + g = lim sup(f_n + g_n) である( 289)から 295, 296 より f + g は可測である。 証明終 311 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 47 06 309 その通りです。 有難うございました。 312 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 20 47 55 クンマー大好き 僕も代数がんばるぞ 313 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 53 29 310 は 280 の拡張である。 しかし、証明方法はだいぶ違う( 285 参照)。 この方法は、現代数学概説 II によった。 Halmos の Measure theory は 310 を 280 と同様の方法で 証明しているが、私はその証明がよく理解出来ない。 314 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21 13 52 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f と g を X 上の可測で有限な単関数( 298)とする。 fg も可測で有限な単関数である。 証明 f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} g(X) - {0} = {b_1, . . . , b_m} とする。 A_i = {x ; f(x) = a_i}, 1 ≦ i ≦ n B_j = {x ; g(x) = b_j}, 1 ≦ j ≦ m とおく。 300 より、 A_i ∈ Φ, B_j ∈ Φ である。 A = ∪A_i, B = ∪B_j とおく。 A ∪ B = (A - B) ∪ (A ∩ B) ∪ (B - A) これは、A ∪ B の直和分割である。 x ∈ X - (A ∪ B) のとき f(x) = g(x) = 0 であり、f(x)g(x) = 0 x ∈ A - B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、 f(x) = a_i, g(x) = 0 である。よって、f(x)g(x) = 0 x ∈ B - A のとき x ∈ B_j となる j が唯一つ存在し、 f(x) = 0, g(x) = b_j である。よって、f(x)g(x) = 0j x ∈ A ∩ B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、 x ∈ B_j となる j が唯一つ存在する。 f(x) = a_i, g(x) = b_j である。 よって、f(x)g(x) = (a_i)(b_j) 以上から fg は可測で有限な単関数である。 証明終 315 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21 17 47 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 fg も可測である。 証明 308 より、可測で有限な単関数( 298) の列 (f_n) と (g_n) が 存在し、任意の x ∈ X において、 n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) となる。 よって、 n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x) である。 314 より、(f_n)(g_n) は可測である。 fg = lim sup(f_n)(g_n) である( 289)から 295, 296 より fg は可測である。 証明終 316 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21 40 34 定義 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 Φ から [0, +∞] への関数 μ が次の条件をみたすとき、 μ を (X, Φ) 上の測度または、Φ 上で定義された測度と言う。 1) φ を空集合としたとき、μ(φ) = 0 2) (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 n ≠ m のとき 常に A_n と A_m は交わらないとする。 このとき μ(∪A_n) = Σμ(A_n) 317 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21 54 54 316 の 2) の性質を完全加法性または σ-加法性と言う。 測度の与えられた可測空間を測度空間と言う。 (X, Φ) を可測空間、μ をその上の測度としたとき、 この測度空間を (X, Φ, μ) で表すことがある。 318 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/31(金) 03 58 49 ∩_∩ ( ・( ェ)・) < おやすみ Kummer ( O┬O ≡◎-ヽJ┴◎ キコキコ 319 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 23 38 測度の例 後で示すように有用な測度(例えば Lebesgue 測度)を構成するのは やや面倒である。 ここでは、簡単な例を挙げる。 1) 集合 X の任意の部分集合 E に対して E が無限集合なら μ(E) = ∞、有限集合ならその要素の個数を μ(E) とする。 2) 集合 X の任意の点 x_0 を固定する。 X の部分集合 E が x_0 を 含めば μ(E) = 1, x_0 を含まなければ μ(E) = 0 とする。 320 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 37 01 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 A_1, . . . , A_n ∈ Φ で i ≠ j のとき A_i ≠ A_j なら μ(A_1 ∪ . . . ∪ A_n) = μ(A_1) + . . . μ(A_n) 証明 316 の 2) において、A_(n+1) = A_(n+2) = . . . = 空集合 とすれば よい。 321 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 40 14 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 A, B ∈ Φ で A ⊂ B なら μ(A) ≦ μ(B) 証明 B = A ∪ (B - A) で A と B - A は交わらない。 320 より μ(B) = μ(A) + μ(B - A) μ(B - A) ≧ 0 だから μ(A) ≦ μ(B) 322 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 04 42 36 320 お邪魔します。 >i ≠ j のとき A_i ≠ A_j なら とありますが、 i ≠ j のとき A_i と A_j が交わらない なら と訂正すべきでは? 323 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 57 18 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 A_1 ⊂ A_2 ⊂ . . . なら n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(∪A_n) 証明 A = ∪A_n とおく。 A = A_1 ∪ (A_2 - A_1) ∪ (A_3 - A_2) ∪ . . . (直和分割) よって、μ(A) = μ(A_1) + μ(A_2 - A_1) + . . . 一方、n ≧ 2 のとき、 μ(A_n) = μ(A_1) + μ(A_2 - A_1) + . . . + μ(A_n - A_(n-1) よって、n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(A) 証明終 324 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 58 17 322 有難うございます。 その通りです。 325 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05 21 51 補題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 A, B ∈ Φ で A ⊃ B とする。 μ(A) < +∞ なら μ(A - B) = μ(A) - μ(B) 証明 A = B ∪ (A - B) と直和分割される。 320 より μ(A) = μ(B) + μ(A - B) である。 μ(A) < +∞ だから μ(A - B) = μ(A) - μ(B) である。 証明終 326 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05 26 10 325 で μ(A) < +∞ の仮定は必要である。 μ(A) = μ(B) = +∞ なら μ(A) - μ(B) は定義されない。 327 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05 40 52 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 A_1 ⊃ A_2 ⊃ . . . で、μ(A_1) < +∞ とする。 n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(∩A_n) 証明 B_n = A_1 - A_n とおく。 B_1 ⊂ B_2 ⊂ . . . である。 323 より n → ∞ のとき μ(B_n) → μ(∪B_n) μ(A_1) < +∞ だから 325 より、 μ(B_n) = μ(A_1) - μ(A_n) である。 ∪B_n = A_1 - ∩A_n で μ(A_1) < +∞ だから 325 より、 μ(∪B_n) = μ(A_1) - μ(∩A_n) よって、 μ(A_1) - μ(∩A_n) = lim (μ(A_1) - μ(A_n)) = μ(A_1) - lim μ(A_n) よって、 μ(∩A_n) = lim μ(A_n) 証明終 328 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07 02 37 定義 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 μ(A) = 0 となるような A ∈ Φ を(μ に関する)零集合と言う。 329 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07 41 32 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列とすると、 μ(∪A_n) ≦ Σμ(A_n) である。 証明 B_1 = A_1 B_2 = A_2 - A_1 . . . B_n = A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1)) とおく。 A = ∪A_n とおけば、 A = ∪B_n となり、これは A の直和分割である。 よって μ(A) = Σμ(B_n) B_n ⊂ A_n だから 321 より μ(B_n) ≦ μ(A_n) よって μ(A) ≦ Σμ(A_n) 証明終 330 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07 45 51 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 μに関する零集合( 328)全体は σ-集合環( 197)である。 証明 μに関する零集合全体を Ψ とする。 空集合は Ψ に属すから Ψ は空ではない。 A_n ∈ Ψ, n =1 , 2, ... とする。 329 より、 μ(∪A_n) ≦ Σμ(A_n) = 0 よって、∪A_n ∈ Ψ である。 A, B ∈ Ψ なら 321 より μ(A - B) ≦ μ(A) = 0 よって、A - B ∈ Ψ である。 証明終 331 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08 26 43 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 A と B を X の(可測とは限らない)任意の集合とする。 A△B ( 191)がμに関する零集合( 328)に含まれるとき A ~ B (μ) または A ~ B と書く。 A ~ B (μ) は同値関係である。 証明 1) A ~ A は明らかである。 2) A ~ B なら B ~ A も明らかである。 3) A ~ B かつ B ~ C とする。 A ~ C を示せばよい。 A△B ⊂ N B△C ⊂ M となる零集合 N と M がある。 即ち、 (A - B) ∪ (B - A) ⊂ N (B - C) ∪ (C - B) ⊂ M A - C ⊂ (A - B) ∪ (B - C) ⊂ N ∪ M C - A ⊂ (C - B) ∪ (B - A) ⊂ N ∪ M よって、A△C = (A - C) ∪ (C - A) ⊂ N ∪ M 330 より N ∪ M は零集合である。即ち、A ~ C 証明終 332 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08 43 00 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 f, g ∈ F(X, R~) で、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合( 328)に 含まれるとき、 f ~ g (μ) または f ~ g または f = g (a.e.) と書く。 f ~ g (μ) は同値関係である。 証明 1) f ~ f は明らかである。 2) f ~ g なら g ~ f も明らかである。 3) f ~ g かつ g ~ h とする。 f ~ h を示せばよい。 f(x) = g(x) かつ g(x) = h(x) なら f(x) = h(x) である。 よって、 {x ; f(x) ≠ h(x) } ⊂ {x ; f(x) ≠ g(x) } ∪ {x ; g(x) ≠ h(x) } 仮定より、 {x ; f(x) ≠ g(x) } ⊂ N {x ; g(x) ≠ h(x) } ⊂ M となる零集合 N と M がある。 よって、{x ; f(x) ≠ h(x) } ⊂ N ∪ M 330 より N ∪ M は零集合である。即ち、f ~ h 証明終 333 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08 47 30 331 現代数学概説 II(岩波書店) では {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合のとき f ~ g と定義しているが、これは間違いである。 何故なら f, g ∈ F(X, R~) のとき {x ; f(x) ≠ g(x) } は 可測とは限らないからである。 334 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08 48 12 333 331 でなく 332 335 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 09 49 28 333 Kummer さん、おはようございます。 質問、と言うか、確認です。 現代数学概説の定義: > {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合のとき が生きるのは、 測度空間 (X, Φ, μ) が完備であれば、(簡単のために X ∈ Φ とする) よいわけですね? ここでは「完備性」を仮定していないため、「零集合に含まれる」 と言う定義をするのですよね? 些細な点で恐縮ですが m(_ _)m 336 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09 52 50 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 f, g ∈ F(X, R~) のとき、f ~ g である( 332)ためには、 [-∞, +∞] の任意の部分集合 S に対して f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S) となる( 331)ことが必要十分である。 証明 必要性。 f ~ g とする。 [-∞, +∞] の部分集合 S に対して x ∈ f^(-1)(S)△g^(-1)(S) なら、 f(x) ≠ g(x) である。 よって、f^(-1)(S)△g^(-1)(S) ⊂ {x ; f(x) ≠ g(x) } よって、f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S) (続く) 337 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09 53 57 336 の続き。 十分性。 [-∞, +∞] の任意の部分集合 S に対して f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S) とする。 r が全ての有理数を動くとき、 {x ; f(x) < g(x) } = ∪ {{x ; f(x) < r } ∩ {x ; r ≦ g(x) } = ∪ ({{x ; f(x) < r } - {x ; g(x) < r }) ⊂ ∪ ({{x ; f(x) < r } △ {x ; g(x) < r }) 仮定から、 {{x ; f(x) < r } △ {x ; g(x) < r } ⊂ N_r となる零集合がある。 よって、 {x ; f(x) < g(x) } ⊂ ∪ N_r 330 より ∪ N_r は零集合である。 同様にして、{x ; f(x) > g(x) } も零集合に含まれる。 よって、 {x ; f(x) ≠ g(x) } = {x ; f(x) < g(x) } ∪ {x ; f(x) > g(x) } も零集合に含まれる。 即ち、f ~ g である。 証明終。 338 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09 59 08 335 (X, Φ, μ) が完備でも、 {x ; f(x) ≠ g(x) } は 可測とは限らないんで、f ~ g を、 {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合と定義するのはまずいんじゃないですかね? 339 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 02 36 335 あ、いいですね。 (X, Φ, μ) が完備なら、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合に含まれる のと、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合であることは同値ですから。 340 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 10 34 335 もう分かってると思いますが、私は積分論には詳しくないんですいよ。 というか解析は詳しくないです。 だからと言って代数とか幾何に詳しいというわけでもないですが。 Haar 測度をこのスレで使うんで勉強を兼ねてやってるわけです。 341 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10 14 05 339 , 338 有難うございます。 342 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10 18 05 340 そうでしたか。 すると、ここでの積分論は、Haar 測度を経由して、 本来の代数方面につながるわけですか? Kummer さんが代数に詳しくない、と言うのは、 私などから見れば謙遜に思えますよ。 343 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 33 33 342 すると、ここでの積分論は、Haar 測度を経由して、 本来の代数方面につながるわけですか? そうです。 p-進体 Q_p は過去スレ006の554から局所コンパクトなので Haar 測度が 入ります。 344 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10 41 02 343 なるほど。ありがとうございます。 345 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 45 06 現代数学概説 II(岩波書店) では f ~ g で f が可測なら g も可測であるということを定理に 掲げているが、これも (X, Φ, μ) が完備でないと成り立たない ように思う。 346 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10 51 28 345 はい。おっしゃるとおりです。 f, g が、X の部分集合の特性関数である場合を考えれば、 >f ~ g で f が可測なら g も可測である と言う条件は、 (X, Φ, μ) が完備であることと同値です。 347 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 53 35 345 (X, Φ, μ) が完備とは、任意の零集合のすべての部分集合が 零集合となることを言う。 測度空間の完備性については後で詳しくやる予定。 348 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 55 52 346 有難うございます。 349 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12 13 39 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 (f_n) と (g_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。 各 n に対して f_n ~ g_n ( 332) なら sup(f_n) ~ sup(g_n) である。 証明 f = sup(f_n) g = sup(g_n) とおく。 {x; f(x) ≠ g(x)} ⊂ ∪{x; f_n(x) ≠ g_n(x)} である。 各 {x; f_n(x) ≠ g_n(x)} は零集合に含まれるから 330 より {x; f(x) ≠ g(x)} も零集合に含まれる。 即ち、f ~ g である。 証明終 350 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12 35 10 定義 測度空間 (X, Φ, μ) において X の部分集合 A と、 A の点に関するある命題 P が与えられたとする。 ある零集合 N ⊂ A があり、 A - N の各点 x で P が成り立つとき、 P は、ほとんど至る所(almost everywhere) A で成り立つという。 「ほとんど至る所」を a.e. と略す場合がある。 351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12 52 30 定義 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 (f_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。 (f_n) がほとんど至る所( 350)収束するとき、(f_n) の極限関数 f = lim (f_n) を次のように定義する。 (f_n) が収束する点 x では f(x) = lim f_n(x) とし、 (f_n) が収束する点 x では f(x) = 0 とする。 352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 13 15 48 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 (f_n) と (g_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。 各 n に対して f_n ~ g_n ( 332) で、 (f_n) がほとんど至る所( 350)で収束するなら、 (g_n) もほとんど至る所で収束し、lim (f_n) ~ lim (g_n) となる。 証明 F = lim sup(f_n) G = lim sup(g_n) f = lim inf(f_n) g = lim inf(g_n) とおく。 349(及び同じように証明される inf に関する同様の命題) より F ~ G、f ~ g となる。 (f_n) は、ほとんど至る所で収束するから、 ほとんど至る所で F = f である。 即ち、F ~ f である。 332 より ~ は同値関係であるから、 G ~ g である。 即ち、(g_n) はほとんど至る所で収束する。 lim (f_n) ~ F で、lim (g_n) ~ G だから lim (f_n) ~ lim (g_n) である。 証明終 353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 14 41 51 現代数学概説 II(岩波書店) では (f_n), n ≧ 0 が可測関数列で、ほとんど至る所で収束するなら lim f_n ( 351)も可測であると書いてある(演習問題になっている)。 これはどうなんですかね? これも無条件では成り立たない様に思えるんですけど。 反例があるのかどうか分からないですが。 (X, Φ, μ) が完備なら、成り立つことは次のように分かります。 (f_n) が収束しない点の集合を N として、 N の各点で 0、N の外で f_n と一致する関数を g_n とすれば、 f_n ~ g_n なので、g_n は可測になる。 352 より lim (f_n) ~ lim (g_n) となる。 (g_n) は X の各点で収束するから可測である。 従って、lim (f_n) も可測になる。 354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 14 45 30 訂正 353 (g_n) は X の各点で収束するから可測である。 (g_n) は X の各点で収束するから、lim (g_n) も可測である。 355 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 15 04 30 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から有限数直線 R = (-∞, +∞) への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R) と書く。 f_1, f_2, g_1, g_2 を F(X, R) の元とし、 f_1 ~ g_1, f_2 ~ g_2 とする。 このとき、 f_1 + f_2 ~ g_1 + g_2 (f_1)(f_2) ~ (g_1)(g_2) である。 証明 零集合 N の外で f_1 = g_1 とし、 零集合 M の外で f_2 = g_2 とする。 零集合 N ∪ M の外で f_1 = g_1 かつ f_2 = g_2 である。 従って、N ∪ M の外で、 f_1 + f_2 = g_1 + g_2 (f_1)(f_2) = (g_1)(g_2) である。 よって、 f_1 + f_2 ~ g_1 + g_2 (f_1)(f_2) ~ (g_1)(g_2) である。 証明終 356 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 06 03 定義 (X, Φ) を可測空間とする。 E を X の(必ずしも可測でない)部分集合とする。 260 より Φ|E = { A ⊂ E; A ∈ Φ} は σ-集合環( 197)である。 従って (E, Φ|E) は可測空間となる。 f を E を含むある集合 F から [-∞, +∞] への (必ずしも可測でない)写像とする。 f の定義域を E に制限した関数 f|E が (E, Φ|E) で可測であるとき、 f は E において可測であると言う。 357 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 15 10 命題 (X, Φ) を可測空間とする。 f を X から [-∞, +∞] への可測写像とする。 E ∈ Φ のとき f|E は、E において可測( 356)である。 証明 f は可測( 213)だから、[-∞, +∞] の任意の開集合 U に対して、 S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である 273 より、E ∩ S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である よって、f|E は、E において可測である。 証明 358 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 35 47 命題 (X, Φ) を可測空間とする。 E を X の(必ずしも可測でない)部分集合とする。 f を E から [-∞, +∞] への写像とする。 g を X から [-∞, +∞] への写像で、E において f と一致し、 E の外で 0 となるものとする。 f が E において可測( 356)であることと、 g が X において可測であることは同値である。 証明 S(g) ∩ g^(-1)(U) ⊂ S(g) ⊂ E S(f) = S(g) であるから、 S(g) ∩ g^(-1)(U) = S(f) ∩ f^(-1)(U) である。 よって、本命題の主張が得られる。 証明終 359 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 39 31 358 から E 上で可測な関数は常に X 上で可測な関数の制限と なっていることが分かる。 しかし、E が可測でない限り、この逆は言えない。 360 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 48 03 (X, Φ) を可測空間とする。 E を X の可測な部分集合とする。 E 上で可測な関数 f の積分 ∫[E] f dμをこれから定義する。 積分 ∫[E] f dμ は、∫f dμ とも ∫[E] f(x) dμ(x) とも ∫f(x) dμ(x) とも書く。 361 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 49 27 訂正 360 (X, Φ) を可測空間とする。 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 362 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 19 52 42 353 Kummer さん、こんばんは。 さて、貴兄の疑問ですが、少々注意を要します。 >(f_n), n ≧ 0 が可測関数列で、ほとんど至る所で収束するなら >lim f_n ( 351)も可測であると書いてある(演習問題になっている)。 とありますが、この主張の条件のもとでは、lim f_n (x) は、 すべての x ∈ X に対して存在するわけではないのです。 つまり、零集合 N ∈ Φ が存在して、x ∈ X - N に対してのみ、 lim f_n (x) が存在すると仮定されているのです。 一方で、x ∈ N に対しては、極限 lim f_n (x) の存在は、 保証されていないのです。 ですから、この記述の意味するところは、関数 g X → R~ を、 g(x) = lim f_n (x) ; if x ∈ X - N g(x) = 0 ; if x ∈ N とおいたとき、g が可測になる、と言う意味だと思われます。 (完備性は、仮定しなくても良いです。 この g は、 353 の lim g_n と同値です) 363 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 20 16 17 362 すみません。 351 の定義を失念していました。 たしかに、 f_n (x) が収束しない点の全体を M とおくと、 M は可測でないかもしれません。 しかし、X ∈ Φ であれば、結論は肯定的です。 F(x) = limsup f_n (x), H(x) = liminf f_n (x) とおくと、f_n が可測だから、F, H も可測になります( 296)。 したがって、M = { x ∈ X | F(x)>H(x) } も可測になり、lim f_n (x) も可測になります( 275)。 ここで完備性は使っていません。 364 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 20 23 02 362 御回答、有難うございます。 しばらくこの件について考えさせてください。 365 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 20 23 59 363 たびたびスミマセン。補足です。 363 の M は、X ∈ Φ を仮定しなくても、可測になります。 なぜなら、S(f_n) = {x ∈ X | f_n (x) ≠ 0}, S = ∪ S(f_n) (合併は、n についてとる) とおくと、S ∈ Φ で、M = M ∩ S となり、 275 より、M ∩ S ∈ Φ です。 非常に微妙ですね。 366 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 21 30 19 念のため、混乱防止柵を設けて起きます。 (f_n) を、X から R~ への写像族とします。 f_n (x) がほとんどいたるところの x について収束する というとき、ある零集合 N ∈ Φ の外側の x ∈ X については、 f_n (x) が収束する。 x ∈ N については、 f_n (x) は収束するかもしれないし、 収束しないかもしれない。 一方、f_n (x) が収束しない x の全体を M とおくと、 M ⊆ N だが、f_n についての可測性の仮定の無い状態では、 M ≠ N かもしれない。 しかし、各 f_n が可測のとき、 363, 365 で見たように、 M 自身が零集合になる。 367 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 00 44 18 366 有難うございます。 大変、勉強になりました。 なお、蛇足かもしれませんが次の補題を書いておきます。 g_n を M で 0, X - M で f_n と一致する関数とすれば、 g_n は、この補題により可測になります。 lim f_n を 351 のように定義すれば、 lim g_n = lim f_n となり、lim f_n は可測になります。 補題 (X, Φ) を可測空間とし、f X → [-∞, +∞] を可測関数とする。 A ∈ Φ とし、写像 g X → [-∞, +∞] を次のように定義する。 x ∈ A のとき g(x) = 0 x ∈ X - A のとき g(x) = f(x) このとき g は可測である。 証明 S(g) ⊂ X - A だから、S(g) = S(f) - A ∈ Φ U を [-∞, +∞] の開集合とする。 S(g) 上では f = g だから、 S(g) ∩ {x ; g^(-1)(U) } = S(g) ∩ {x ; f^(-1)(U)} 273 より、この右辺は可測である。 よって、 213 より g は可測である。 証明終 368 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 00 49 37 訂正 367 S(g) ∩ {x ; g^(-1)(U) } = S(g) ∩ {x ; f^(-1)(U)} S(g) ∩ g^(-1)(U) = S(g) ∩ f^(-1)(U) 369 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10 18 49 定義 X を集合、A をその部分集合とする。 A の特性関数を χ_A と書く。 即ち、 x ∈ A のとき χ_A(x) = 1 x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 1 370 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10 24 08 補題 X を集合とする。 M と N を部分集合、a, b を有限実数とする。 このとき、次の等式が成り立つ。 aχ_M + bχ_N = aχ_(M - N) + (a + b)χ_(M ∩ N) + bχ_(N - M) (aχ_M)(bχ_N) = abχ_(M ∩ N) 証明 自明である。 371 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10 37 43 定義 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 Σ(a_i)χ_(M_i) の形の関数を R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数または Φ-単関数 と言う。 ここで、a_i は有限実数、M_i ∈ Φ で Σ(a_i)χ_(M_i) は有限和である。 372 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10 52 44 命題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数( 371)全体 E(Φ) は 和と積とスカラー倍に関して閉じている。 即ち、R 上の(必ずしも単位元もつとは限らない)代数である。 証明 明らかに、E(Φ) は和とスカラー倍に関して閉じている。 Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Φ) Σ(b_j)χ_(N_j) ∈ E(Φ) とする。 370 より (Σ(a_i)χ_(M_i))(Σ(b_j)χ_(N_j)) = Σ(a_i)(b_j)χ_(M_i)χ_(N_j) = Σ(a_i)(b_j)χ_(M_i ∩ N_j) ∈ E(Φ) 証明終 373 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11 23 34 補題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の任意の単関数( 371) は M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、 Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。 証明 370 より、M と N を部分集合、a, b を有限実数とすると、 aχ_M + bχ_N = aχ_(M - N) + (a + b)χ_(M ∩ N) + bχ_(N - M) これから明らかである。 374 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11 39 51 命題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の任意の単関数( 371) f は M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、 f = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と一意に書ける。 ここで、a_i ≠ 0 で、i ≠ j なら a_i ≠ a_j である。 証明 M と N を Φ の集合で交わらないなら χ_(M ∪ N) = χ_M + χ_N である。 よって、任意の a ∈ R に対して、 aχ_M + aχ_N = aχ_(M ∪ N) となり、M ∪ N ∈ Φ である。 よって、命題のように、f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書けることは、 373 より明らかである。 f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} で M_i = f^(-1)(a_i) であるから一意性も明らかである。 証明終 375 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11 45 11 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X 上の有限な単関数( 298)とする。 300 と 374 より、f が可測であることと、 f が R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数( 371)であることは 同値である。 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時42分37秒 代数的整数論 007 (451-510) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/451-510 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/451-510 451 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 42 02 422 を次のように修正する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。 357 より、f の E 上への制限 f|E は E において可測( 356)である。 E ∩ S(f) の測度は σ-有限( 448) とする。 ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } E ∈ Φ|E であるから、 449 より ∫[E] f|E d(μ|E) が定義出来る。 ∫[E] f|E d(μ|E) を ∫[E] f dμ と書き、 f の E における(μ に関する)積分と言う。 ∫[E] f dμ < +∞ のとき f を E において積分可能 または可積分と言う。 E ∩ S(f) の測度が σ-有限( 448) でないときは、 ∫[E] f dμ は定義しない。 452 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 45 21 439 を次のように修正する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317) とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測で、 S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度は σ-有限( 448) とする。 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 S(f) の測度が σ-有限( 448) でないときは ∫[X] f dμ は定義しない。 453 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 56 40 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 A ∈ Φ とし、μ(A) < +∞ とする。 このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。 証明 433 より ∫[E] 1 dμ = ∫[X] χ_E dμ である。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 χ_E ∈ E(Ψ) ( 377) であるから ∫[X] χ_E dμ = μ(E) 証明終 454 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 58 27 訂正 453 A ∈ Φ とし、μ(A) < +∞ とする。 E ∈ Φ とし、μ(E) < +∞ とする。 455 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19 34 34 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 E ∈ Φ とし、E の測度は σ-有限( 448) とする。 このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。 証明 E の測度は σ-有限だから、 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で E ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがある。 E_1 = E ∩ A_1 E_2 = E ∩ (A_2 - A_1) n ≧ 2 のとき、 E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))) とおく。 E = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。 ψ_n = χ_(E_1) + . . . + χ_(E_n) とおく。 ψ_1 ≦ ψ_2 ≦ . . . ≦ χ_(E) である。 μ(E) = Σμ(E_n) だから n → ∞ のとき ∫[E] ψ_n dμ → μ(E) である。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s ∈ E(Ψ) ( 377) で、0 ≦ s ≦ χ_(E) のとき 容易にわかるように s ≦ ψ_n となる n がある。 よって ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。 証明終 456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19 48 05 補題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . があり、 各 A_n の測度は σ-有限( 448) とする。 A = ∪A_n の測度は σ-有限である。 証明 各 A_n に対して、Φ の集合の列 (B_(n, m)), m = 1, 2, . . . で A_n ⊂ ∪B_(n, m) となり、各 μ(B_(n, m)) < +∞ となるものがある。 A = ∪A_n ⊂ ∪∪B_(n, m) よって、A の測度は σ-有限である。 証明終 457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19 58 21 補題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞ (2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) (3) 各 n に対して S(f_n) の測度は σ-有限( 448) である。 このとき、f は可測であり、S(f) の測度は σ-有限( 448) である。 証明 f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、 295 より f は 可測である。 (1) より、f_n(x) ≠ 0 なら f(x) ≠ 0 である。 よって、∪S(f_n) ⊂ S(f) である。 全ての n で f_n(x) = 0 なら (2) より、f(x) = 0 である。 よって、S(f) = ∪S(f_n) である。 (3) と 456 より S(f) の測度は σ-有限( 448) である。 証明終 458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 20 04 29 435 と 445 は次の条件が必要である。 (3) 各 n に対して S(f_n) の測度は σ-有限( 448) である。 これから 457 より S(f) の測度は σ-有限( 448) となり、 ∫[X] f_n dμ と ∫[X] f dμ が定義される。 459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 20 11 36 447 そうでないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。 結局、これと少し違う定義になりました。 460 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 21 15 43 補題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s を X から [0, +∞) に値をとる可測な単関数( 298)とする。 ∫[X] s dμ < +∞ なら s ∈ E(Ψ) ( 377) である。 証明 ∫[X] s dμ < +∞ であるから、 452 より S(s) は σ-有限( 448) である。 s ∈ E(Ψ) ( 377) でないとする。 0 < a < +∞ となる実数 a があり、μ(s^(-1)(a)) = +∞ となる。 E = s^(-1)(a) とおく。 a(χ_E) ≦ s である。 441 より ∫[X] a(χ_E) dμ ≦ ∫[X] s dμ < +∞ 442 より ∫[X] a(χ_E) dμ = a∫[X] χ_E dμ 433 より a∫[X] χ_E dμ = a∫[E] 1 dμ S(s) は σ-有限だから E も σ-有限である。 455 より a∫[E] 1 dμ= μ(E) である。 よって、μ(E) < +∞ これは矛盾である。 証明終 461 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 21 29 35 死ね 462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 22 35 33 補題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 s と t を X から [0, +∞) に値をとる可測な単関数( 298)で、 S(s) と S(t) がσ-有限( 448)とする。 ∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。 証明 S(s + t) = S(s) ∪ S(t) であるから、S(s + t) もσ-有限である。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s と t が E(Ψ) ( 377) に属すなら 440 から ∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。 s が E(Ψ) に属さないなら、 460 より ∫[X] s dμ = +∞ である。 μ(S(s)) > +∞ だから μ(S(s + t)) > +∞ である。 よって、s + t も E(Ψ) に属さない。 460 より ∫[X] (s + t) dμ = +∞ である。 よって、∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。 t が E(Ψ) に属さない場合も同様である。 証明終 463 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 22 40 23 455 Kummer さん、こんばんは。 もうお休みになられたかもしれませんが、質問です。 下から 3行目の、 >容易にわかるように s ≦ ψ_n となる n がある。 と言う部分ですが、ここがよくわからないのです。 なぜなら、例えば、E 自身が μ(E)<∞ のときは、 s = χ_E と取ると、s ≦ ψ_n なる n は見つかりません。 μ(E) = ∞ の場合の反例も、 X = R, Φ を R 上のボレル集合体, μ をルベーグ測度とするとき、 E = R , A_n = { x ∈ R ; |x|<n } s として、次の集合 F の特性関数を取れば得られます: F_n = [n, n + 1/(2^n)] (n=1,2, ...) F = ∪ { F_n ; n = 1, 2, ... } (ただし、 [a, b] で、a と b を端点とする閉区間をあらわすものとします。 μ(F) = 2 だから、χ_F ∈ E(Ψ) となります) F は非有界で、A_n は有界だから、χ_F ≦ ψ_n とはなりません。 464 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 22 56 31 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を可測関数で、0 ≦ f, g とし、 S(f) と S(g) が σ-有限( 448)とする。 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ 証明 304 より、次のような可測な単関数の列 (s_n), (t_n) がある。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x) 3) 0 ≦ t_1 ≦ t_2 ≦ . . . ≦ g 4) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき t_n(x) → g(x) S(s_n) ⊂ S(f), S(t_n) ⊂ S(g) だから S(s_n) と S(t_n) も σ-有限である。 445 より、 n → ∞ のとき ∫[X] s_n dμ → ∫[X] f dμ n → ∞ のとき ∫[X] t_n dμ → ∫[X] g dμ 0 ≦ s_1 + t_1 ≦ s_2 + t_2 ≦ . . . ≦ f + g n → ∞ のとき s_n(x) + t_n(x) → f(x) + g(x) S(f + g) = S(f) ∪ S(g) であるから、S(f + g) もσ-有限である。 S(s_n + t_n) = S(s_n) ∪ S(t_n) であるから、S(s_n + t_n) も σ-有限である。 445 より、n → ∞ のとき ∫[X] (s_n + t_n) dμ → ∫[X] (f + g) dμ 462 より ∫[X] (s_n + t_n) dμ = ∫[X] s_n dμ + ∫[X] t_n dμ だから よって、 n → ∞ のとき ∫[X] (s_n + t_n) dμ → ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ よって、∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ 証明終 465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23 19 50 463 そうですね、勘違いしてました。 有難うございます。 455 は Lebesgue の単調収束定理を使うんでしょうね。 初めそのつもりだったんですが大定理を使うまでもないと 思い直したのが間違いでした。 466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23 43 42 465 Lebesgue の単調収束定理は使わなくても出来そうです。 467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23 46 12 455 を次のように修正する。 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 E ∈ Φ とし、E の測度は σ-有限( 448) とする。 このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。 証明 μ(E) < +∞ のときは 453 で証明済みである。 よって、μ(E) = +∞ のとき ∫[E] 1 dμ = +∞ を示せばよい。 E の測度は σ-有限だから、 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で E ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがある。 E_1 = E ∩ A_1 E_2 = E ∩ (A_2 - A_1) n ≧ 2 のとき、 E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))) とおく。 E = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。 ψ_n = χ_(E_1) + . . . + χ_(E_n) とおく。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 ψ_n ∈ E(Ψ) ( 377) で、0 ≦ ψ_n ≦ χ_(E) 従って、∫[E] ψ_n dμ ≦ ∫[E] χ_(E) dμ ∫[E] ψ_n dμ = μ(E_1) + . . . + μ(E_n) だから、 μ(E_1) + . . . + μ(E_n) ≦ ∫[E] χ_(E) dμ n → ∞ として、μ(E) = +∞ ≦ ∫[E] χ_(E) dμ よって、∫[E] 1 dμ = ∫[E] χ_(E) dμ = +∞ 証明終 468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 00 07 12 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 f が積分可能( 452)なら、E(Ψ) ( 377) に属す単関数の列 (s_n) で 次のようなものが存在する。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x) 証明 304 より、次のような可測な単関数の列 (s_n) がある。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x) 441 より、∫[X] s_n dμ ≦ ∫[X] f dμ < +∞ 460 より、s_n ∈ E(Ψ) ( 377) である。 証明終 469 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 00 18 45 465-477 ご回答、有難うございます。 非常に参考になりました。 470 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 00 20 09 469 すみません。アンカーミスです。 × 465-477 ○ 465-467 471 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 01 15 54 ぼくはくま Kummer Kummer Kummer けんかはやだよ Kummer Kummer Kummer ∩___∩ ∩___∩ |ノ ヽ |ノ ヽ / (゚) (゚) | / (゚) (゚) | | ( _●_) ミ | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、` ̄ ̄ヽ /彡、 |∪| ミ / __ ヽノ Y ̄) | ( (/ ヽノ_ | (___) Y_ノ ヽ/ (___ノ \ | | / | /\ \ / /\ | | / ) ) ( ( ヽ | ∪ ( \ / ) ∪ \_) (_/ ∩___∩ (ヽ | ノ ヽ /) (((i ) / (゜) (゜) | ( i))) ライバルは /∠彡 ( _●_) |_ゝ \ ( ___、 |∪| ,__ ) | ヽノ /´ | / ,.、,、,..,、、.,、,、、..,_ /i ; `;、、 、. . 、 , ,. `゙ . ゙ ` , .´ -‐i 、; ... , . .、. ,. . _;.;;..; ..‐ 472 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 01 26 39 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [-∞, +∞] を可測関数とする。 S(f) の測度はσ-有限( 448)とする。 f^(+) = sup{f, 0} f^(-) = sup{-f, 0} と書く。 295 より、f^(+) と f^(-) も可測である。 f = f^(+) - f^(-) である。 ∫[X] f^(+) dμ と ∫[X] f^(-) dμ の少なくともどちらか一方が 有限、即ち積分可能なとき、f の積分を ∫[X] f dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ で定義する。 このとき、f の積分が定義されると言う。 ∫[X] f dμ が有限のとき f は積分可能または可積分と言う。 f ≧ 0 のときは、f^(+) = f, f^(-) = 0 だから ∫[X] f dμ は 452 の定義と同じである。 E ∈ Φ のとき ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ も同様に定義する。 473 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 02 16 11 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を積分可能( 472)な関数で、f ≦ g とする。 ∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明 f^(+) ≦ g^(+) g^(-) ≦ f^(-) だから 441 より、 ∫[X] f^(+) dμ ≦ ∫[X] g^(+) dμ ∫[X] g^(-) dμ ≦ ∫[X] f^(-) dμ よって、 ∫[X] f^(+) dμ-∫[X] f^(-) dμ≦∫[X] g^(+) dμ-∫[X] g^(-) dμ 即ち ∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明終 474 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 10 19 55 442 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 c ≠ 0 を有限実数とすると、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明 c > 0 のとき、 (cf)^(+) = cf^(+) (cf)^(-) = cf^(-) 442 より、 ∫[X] cf dμ = ∫[X] (cf)^(+) dμ - ∫[X] (cf)^(-) dμ = c∫[X] f^(+) dμ - c∫[X] f^(-) dμ = c∫[X] f dμ c < 0 のとき、 (cf)^(+) = -cf^(-) (cf)^(-) = -cf^(+) ∫[X] cf dμ = ∫[X] (cf)^(+) dμ - ∫[X] (cf)^(-) dμ = -c∫[X] f^(-) dμ + c∫[X] f^(+) dμ = c(∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ) = c∫[X] f dμ 証明終 475 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 10 52 50 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ に対して、 ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ 証明 433 とほとんど同じだが一応述べる。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ (χ_E)s ≦ (χ_E)f だから 441 より、 ∫[X] (χ_E)s dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ 明らかに ∫[X] (χ_E)s dμ = ∫[E] s dμ だから、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ 逆に、0 ≦ s ≦ (χ_E)f となる s ∈ E(Ψ) ( 377) に対して、 0 ≦ s ≦ f だから、 ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ よって、 ∫[X] (χ_E)f dμ ≦ ∫[E] f dμ 証明終 476 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11 17 14 475 では 0(+∞) = 0 を暗黙に使ってますね。 何故なら、その規約がないと E の外で f(x) = +∞ となる x で (χ_E)f が定義出来ないからです。 どうやら積分論では、0(+∞) = 0, 0(-∞) = 0 の規約を 取り入れたほうがよさそうです。 積分論では、ほとんど至る所同じ関数は同じと見なせるので、 この規約がなくてもやろうと思えばやれますが。 しかし、今後、この規約を使うことにします。 477 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11 23 03 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 ∫[X] f dμ = ∫[S(f)] f dμ ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } である。 証明 215 より S(f) ∈ Φ だから、 475 より、 ∫[S(f)] f dμ = ∫[X] (χ_S(f)) f dμ (χ_S(f)) f = f であるから、 ∫[S(f)] f dμ = ∫[X] f dμ 証明終 478 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11 29 02 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 ∫[X] f dμ = ∫[S(f)] f dμ ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } である。 証明 積分の定義( 472)と 477 より、 ∫[X] f dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ = ∫[S(f)] f^(+) dμ - ∫[S(f)] f^(-) dμ = ∫[S(f)] f dμ 証明終 479 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11 54 41 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 A と B を可測集合で交わらないとする。 E = A ∪ B とおく。 ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 428 より、0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 ∫[E] s dμ = ∫[A] s dμ + ∫[B] s dμ よって、 ∫[E] s dμ ≦ ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 左辺の sup を取って、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 一方、 ∫[A] s dμ + ∫[B] s dμ = ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ 左辺の sup を取って、 ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ ≦ ∫[E] f dμ 以上から ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明終 480 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 12 15 36 19 名前 サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日 2007/09/02(日) 14 03 04 king久しぶり 21 名前 1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日 2007/09/02(日) 18 35 52 Reply 19 旅行でも行くか? 27 名前 サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日 2007/09/02(日) 20 23 46 21 いつ?どこに行くの?楽しみ~ 29 名前 1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日 2007/09/02(日) 21 48 08 Reply 25 お前は誰に何を吹き込まれた? Reply 26 形而上の概念をどう説明するのか? Reply 27 温泉。 31 名前 サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日 2007/09/02(日) 23 42 50 29 ナントカ温泉春奈に行くの? またking車出してよ 笑 33 名前 1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日 2007/09/03(月) 00 25 40 Reply 31 あいにく、車を作る技術は持っていない。火おこしならできそうだ。 481 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12 17 05 訂正 475 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 f X → [0, +∞] を可測関数で S(f) が σ-有限であるとする。 482 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12 17 46 訂正 477 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 f X → [0, +∞] を可測関数で S(f) が σ-有限であるとする。 483 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12 21 32 訂正 479 ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ ∫[A] f dμ と ∫[B] f dμ がそれぞれ定義されるなら、 即ち、A ∩ S(f) と B ∩ S(f) がそれぞれ σ-有限なら、 E ∩ S(f) も σ-有限になり、 ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ となる。 484 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12 32 54 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 A と B を交わらない可測集合とする。 f が A と B のそれぞれで積分可能なら f は E = A ∪ B でも積分可能であり、 ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明 積分の定義( 472)と 479 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = ∫[A] f^(+) dμ + ∫[B] f^(+) dμ - ∫[A] f^(-) dμ - ∫[B] f^(-) dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明終 485 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 07 35 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 f は任意の E ∈ Φ で積分可能である。 証明 444 より、f^(+) と f^(-) はそれぞれ任意の E ∈ Φ で 積分可能である。 よって、f は任意の E ∈ Φ で積分可能である。 証明終 486 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 24 12 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 A = {x ∈ X | f(x) = +∞ } とおく。 A ∈ Φ であり、μ(A) = 0 である。 証明 236 より A ∈ Φ である。 g = f^(+) = sup(f, 0) とおく。 E = {x ∈ X | g(x) ≠ 0 } とおく。 215 より E ∈ Φ である。 g は積分可能だから E は σ-有限( 448) である。 E = (E - A) ∪ A である。 485 より g は E - A ∈ Φ と A で積分可能である。 よって、 484 より、 ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[B] g dμ ≧ ∫[A] g dμ 任意の有限実数 α > 0 に対して、A 上で g > α である。 473 より、∫[A] g dμ ≧ ∫[A] α dμ 474 より、∫[A] α dμ = α∫[A] 1 dμ 467 より、α∫[A] 1 dμ = αμ(A) である。 以上から、 ∫[E] g dμ ≧ αμ(A) ∫[E] g dμ は有限だから μ(A) = 0 でなければならない。 証明終 487 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 27 52 486 の証明は意外に面倒である。 というより、積分の基本的性質の証明はかなり面倒である。 488 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 29 43 訂正 486 ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[B] g dμ ≧ ∫[A] g dμ ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[E - A] g dμ ≧ ∫[A] g dμ 489 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 32 20 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 B = {x ∈ X | f(x) = -∞ } とおく。 B ∈ Φ であり、μ(B) = 0 である。 証明 486 の証明において、g = f^(+) のかわりに h = f^(-) を使えば よい。 490 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 44 45 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、 ∫[E] f dμ = 0 証明 432 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = 0 証明終 491 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 59 13 490 を次のように拡張する。 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測な関数とする。 E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、f は E で積分可能で、 ∫[E] f dμ = 0 証明 E ∩ S(f) は測度有限だから当然 σ-有限である。 従って、∫[E] f^(+) dμ と ∫[E] f^(-) dμ が定義され、 432 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = 0 証明終 492 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 14 06 32 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を可測関数でほとんど至る所( 350) f = g とする。 f が積分可能( 472)なら g も積分可能であり、 ∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ である。 証明 N ∈ Φ で μ(N) = 0 となるものがあり、N の外で f = g である。 E = S(f) ∪ S(g) とおく。 (χ_E)f = f だから 475 より ∫[X] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ = ∫[E] f dμ 485 と 484 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E - N] f dμ + ∫[N] f dμ 490 より ∫[N] f dμ = 0 よって、∫[E] f dμ = ∫[E - N] f dμ = ∫[E - N] g dμ 491 より、∫[N] g dμ = 0 である。 よって 484 より g は E で積分可能で ∫[E] g dμ = ∫[E - N] g dμ + ∫[N] g dμ = ∫[E - N] g dμ よって、 ∫[E] f dμ = ∫[E] g dμ (χ_E)g = g だから 475 より ∫[X] g dμ = ∫[X] (χ_E)g dμ = ∫[E] g dμ よって ∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ 証明終 493 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 14 12 07 486 と 489 と 492 より、積分可能な関数は、 (その積分を考える限り) 有限な値のみをとると仮定してよい。 494 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 15 10 39 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を X 上の積分可能( 472)な有限な値のみをとる関数( 493) とする。 f + g も積分可能であり、 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ である。 証明 S(f + g) ⊂ S(f) ∪ S(g) である。 E = S(f) ∪ S(g) とおく。 ∫[X] f dμ = ∫[E] f dμ である。 ∫[X] g dμ = ∫[E] g dμ である。 f + g が積分可能なら、 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[E] (f + g) dμ である。 よって、 ∫[E] (f + g) dμ = ∫[E] f dμ + ∫[E] g dμ を証明すればよい。 E を f, g, f + g の正負によって6個の集合に分割する。 即ち、 A = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) ≧ 0 } B = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) ≧ 0 } C = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) < 0 } D = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) ≧ 0 } E = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) < 0 } F = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) < 0 } E = A ∪ . . . ∪ F である。 (続く) 495 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 15 11 32 494 の続き。 484, 485 より ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + . . . + ∫[F] f dμ ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + . . . + ∫[F] g dμ よって、 A, B , . . , F の各部分で ∫ (f + g) dμ = ∫ f dμ + ∫ g dμ を証明すればよい。 464 より A と F では明らかである。 B では、f ≧ 0, -g ≧ 0, f + g ≧ 0 である。 f = (f + g) + (-g) だから ∫[B] f dμ = ∫[B] (f + g) dμ - ∫[B] g dμ よって ∫[B] (f + g) dμ = ∫[B] f dμ + ∫[B] g dμ 他の部分でも同様である。 証明終 496 :1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/09/03(月) 17 09 35 Reply 480 お前は何をたくらんでいる? 497 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 17 11 11 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 c を有限実数とすると、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明 c ≠ 0 の場合は、 474 で証明されている。 c = 0 のときは 476 の規約 0(+∞) = 0, 0(-∞) = 0 より cf = 0 よって、 431 より ∫[X] cf dμ = 0 勿論、c∫[X] f dμ = 0 であるから、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明終 498 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 17 16 39 480 どこのスレよ 499 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 17 37 34 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限( 448) である。 f(x) = Σf_n(x) とおく。 このとき、S(f) の測度は σ-有限( 448)であり、 ∫[X] f dμ = Σ∫[X] f_n dμ 証明 g_n = f_0 + . . . + f_n とおく。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x) 456 より S(g_n) の測度は σ-有限であり、 457 より S(f) の測度は σ-有限( 448) である。 よって、Lebesgue の単調収束定理( 445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ 464 より、 Σ∫[X] g_n dμ = ∫[X] f_0 dμ + . . . + ∫[X] f_n dμ よって、 ∫[X] f dμ = Σ∫[X] f_n dμ 証明終 500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 18 39 13 命題(Fatou の補題) (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限( 448)である。 f = lim inf f_n とおく( 289)。 295 と 296 より f は可測である。 このとき、S(f) の測度は σ-有限であり、 ∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 即ち、∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明 g_n = inf{f_0, . . . , f_n} とおく。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x) f_0(x) = 0 なら、g_n(x) = 0 である。 よって、S(g_n) ⊂ S(f_0) よって、S(g_n) の測度は σ-有限である。 457 より S(f) の測度は σ-有限である。 よって、Lebesgue の単調収束定理( 445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ 一方、各 n に対して、g_n ≦ f_n だから 441 より、 ∫[X] g_n dμ ≦ ∫[X] f_n dμ 両辺の lim inf をとれば、 lim ∫[X] g_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ よって、∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明終 501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 19 08 15 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数で、 S(f) の測度は σ-有限( 448)とする。 E に ∫[E] f dμ を対応させる写像 ψ Φ → [0, +∞] は 可測空間 (X, Φ) における測度である。 証明 E_0, E_1, . . . を互いに交わらない Φ の集合の列とする。 E = ∪E_n とおく。 f_n = χ_(E_n)f とし、 g_n = f_0 + . . . + f_n とする。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において、十分大きな n に対して g_n(x) = f(x) よって Lebesgue の単調収束定理( 445) より、 n → ∞ のとき ∫[E] g_n dμ → ∫[E] f dμ 464 より、 Σ∫[E] g_n dμ = ∫[E] f_0 dμ + . . . + ∫[E] f_n dμ = ∫[E_0] f dμ + . . . + ∫[E_n] f dμ よって、 ∫[E] f dμ = Σ∫[E_n] f dμ 即ち、ψ(E) = Σψ(E_n) E が空集合のときは、μ(E) = 0 だから 491 より ψ(E) = 0 以上から ψ は測度である。 証明終 502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20 40 27 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 f と g を X から [0, +∞] への積分可能な関数とする。 501 より、E に ∫[E] f dμ を対応させる写像 ψ Φ → [0, +∞] は 可測空間 (X, Φ) における測度である。 このとき、S(g) の測度は ψ に関して σ-有限であり、 S(gf) の測度は μ に関して σ-有限であり、 ∫[X] g dψ = ∫[X] gf dμ である。 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E ∈ Ψ なら χ_E ∈ E(Ψ) ( 377) である。 ∫[X] χ_E dψ = ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ < +∞ である( 485)。 h = Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Ψ) とする。 ここで、a_i ≧ 0 は有限実数、M_i ∈ Φ で Σ(a_i)χ_(M_i) は有限和である。 ∫[X] h dψ = Σ(a_i)∫[X] χ_(M_i) dψ = Σ(a_i)∫[M_i] f dμ = Σ(a_i)∫[X] (χ_(M_i))f dμ = ∫[X] Σ(a_i)(χ_(M_i))f dμ = ∫[X] hf dμ < +∞ (続く) 503 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 20 43 15 500 Kummer さん、こんばんは。 さて、ちょっとしたミスの指摘です: >g_n = inf{f_0, . . . , f_n} とおく。 とありますが、lim g_n = liminf f_n とする以上、g_n = inf { f_m ; m ≧ n } ではありませんか? 少なくともそうでないと、g_0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦・・・ は一般には成り立ちませんが・・。 あとは、S(g_n) ⊆ S(f_n), g_n ≦ f_n から、証明は、そのまま通用します。 504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20 45 04 502 の続き。 ∫[X] g dμ < +∞ だから、 468 より、 E(Ψ) に属す単関数の列 (s_n) で次のようなものが存在する。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ g 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → g(x) 502 の最後より、∫[X] s_n dψ < +∞ に注意する。 Lebesgue の単調収束定理( 445)より、 n → ∞ のとき、∫[X] s_n dψ → ∫[X] g dψ 502 の最後より、∫[X] s_n dψ = ∫[X] (s_n)f dμ だから n → ∞ のとき、∫[X] (s_n)f dμ → ∫[X] g dψ 一方、 0 ≦ (s_0)f ≦ (s_1)f ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき s_n(x)f(x) → g(x)f(x) S((s_n)f) の測度は μ に関して有限である。 よって、Lebesgue の単調収束定理( 445)より、 n → ∞ のとき、∫[X] (s_n)f dμ → ∫[X] gf dμ 即ち、∫[X] g dψ = ∫[X] gf dμ 証明終 505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20 54 09 503 そうですね(汗)。 有難うございます。 506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20 57 52 500 の修正。 命題(Fatou の補題) (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限( 448)である。 f = lim inf f_n とおく( 289)。 295 と 296 より f は可測である。 このとき、S(f) の測度は σ-有限であり、 ∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 即ち、∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明 g_n = inf{f_n, f_(n+1), . . .} とおく。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x) 各 n に対して、0 ≦ g_n ≦ f_n だから f_n(x) = 0 なら、g_n(x) = 0 である。 よって、S(g_n) ⊂ S(f_n) よって、S(g_n) の測度は σ-有限である。 457 より S(f) の測度は σ-有限である。 よって、Lebesgue の単調収束定理( 445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ 一方、各 n に対して、g_n ≦ f_n だから 441 より、 ∫[X] g_n dμ ≦ ∫[X] f_n dμ 両辺の lim inf をとれば、 lim ∫[X] g_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ よって、∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明終 507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23 05 37 次の命題はまだ証明していなかった( 310 の関数は値域が有限である)。 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f と g を X から [0, +∞] への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、f + g も可測である。 証明 304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数( 298) f_n と g_n が存在する。 1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 3) 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g 4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) よって、n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x) である。 307 より、f_n(x) + g_n(x) は可測である。 f + g = lim sup(f_n + g_n) である( 289)から 295, 296 より f + g は可測である。 証明終 508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23 09 54 次の命題もまだ証明していなかった( 315 の関数は値域が有限である)。 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f と g を X から [0, +∞] への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 fg も可測である。 証明 304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数( 298) f_n と g_n が存在する。 1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 3) 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g 4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) よって、 n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x) である。 314 より、(f_n)(g_n) は可測である。 fg = lim sup(f_n)(g_n) である( 289)から 295, 296 より fg は可測である。 証明終 509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23 22 38 508 の証明は間違っているので没。 n → ∞ のとき f_n(x) → +∞ n → ∞ のとき g_n(x) → 0 の場合、f_n(x)g_n(x) → 0 となるとは限らない。 510 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 23 30 34 509 おじゃましまーす。 508 , 大丈夫じゃないですか? なぜなら、規約 0・(+∞) = 0 を使えば、 g_n(x) → 0 とは、g_n(x) の単調性より 0 ≦ g_1(x) = g_2(x) = ... = g_n(x) = 0, かつ g(x) = 0 を意味しているのだから、 常に f_n(x) g_n(x) = 0 , 且つ f(x) g(x) = 0 ですよね? タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時33分55秒 代数的整数論 007 (376-450) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/376-450 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/376-450 376 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 12 57 40 補題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 M_1, . . ., M_n を Φ の任意の有限な集合列とする。 このとき、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、 任意の M_i はいくつかの N_j の合併となる。 証明 n に関する帰納法を使う。 n = 1 のときは明らかである。 n (n ≧ 1)のとき補題が成り立つと仮定する。 n + 1 のとき補題が成り立つことを証明すればよい。 M_(n+1) ∩ N_i (1 ≦ i ≦ m) の中で N_1, . . ., N_m と異なるものがあれば、 それら全てを、N_(m+1), . . ., N_(m+k) とする。 N_(m+k+1) = M_(n+1) - (N_1 ∪. . .∪ N_m) とおく。 N_(m+k+1) は空集合かもしれないが、それはそれでよい。 N_1, . . ., N_(m+k+1) は互いに交わらない Φ の集合列である。 M_(n+1) = ∪N_i, (m+1 ≦ i ≦ m+k+1) である。 従って、N_1, . . ., N_(m+k+1) は補題の条件を満たす。 証明終 377 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13 04 59 定義 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数( 371)全体を E(Φ) と書く。 378 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13 16 46 命題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 M を X の部分集合とする。 χ_M ∈ E(Φ) なら M ∈ Φ である。 証明 374 より、 M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、 χ_M = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と書ける。 ここで、a_i ≠ 0 で、i ≠ j なら a_i ≠ a_j である。 従って、n = 1, a_1 = 1 であり、M = M_1 ∈ Φ である。 証明終 379 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13 24 24 定義 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 Φ 上で定義され R = (-∞, +∞) に値をとる関数 λ は Φ に属し、交わらない M, N に対して常に λ(M ∪ N) = λ(M) + λ(N) となるとき、有限加法的と言う。 380 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13 51 57 命題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 λ Φ → R = (-∞, +∞) を有限加法的( 379)な関数とすると、 E(Φ) ( 377) から R への R 上の線形写像 ψ で 任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = λ(M) となるものが 一意に存在する。 証明 371 より、E(Φ) の任意の元 f は f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。 ここで、a_i は有限実数、M_i ∈ Φ である。 ψ が存在するなら、ψ(f) = Σ(a_i)λ(M_i) である。 これで、ψ の一意性が証明された。 ψ の存在を言うには、 f = Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(b_j)χ_(N_j) と2通りの表現に対して、 Σ(a_i)λ(M_i) = Σ(b_j)λ(N_j) を示せばよい。 即ち、Σ(c_i)χ_(M_i) = 0 のとき Σ(c_i)λ(M_i) = 0 を 証明すればよい。 376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、 各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。 よって、χ_(M_i) = Σa_(i,j)χ_(N_j) と書ける。 ここで、a_(i,j) は 0 または 1 である。 よって、Σ(Σ(c_i)a_(i,j))χ_(N_j) = 0 ここで、Σ(c_i)a_(i,j) は i を変化させた和である。 よって、各 j に対して、Σ(c_i)a_(i,j) = 0 λ の有限加法性より、λ(M_i) = Σa_(i,j)λ(N_j) よって、Σ(c_i)λ(M_i) = Σ(Σ(c_i)a_(i,j))λ(N_j) = 0 証明終 381 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 14 21 31 定義 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数( 371)全体を E(Φ) と書 E(Φ)+ = { f ∈ E(Φ) | 任意の x ∈ X に対して f(x) ≧ 0 } と書く。 382 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 14 31 11 補題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 E(Φ)+ ( 381) の任意の元 f は f = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と書ける。 ここで、M_1, . . . , M_n は互いに交わらない Φ に属す集合であり、 各 a_i は有限実数で、a_i ≧ 0 である。 証明 373 より明らかである。 383 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 15 25 39 補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) - (C - D) = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B)) 証明 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式と分配法則より、 (A - B) - (C - D) = (A - B) ∩ (C - D)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C^c ∪ D) = (A ∩ B^c ∩ C^c) ∪ (A ∩ B^c ∩ D) = (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ (A ∩ (D - B)) = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B)) 証明終 384 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 15 36 43 383 Kummer さん、こんにちは。 (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ (A ∩ (D - B)) = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B)) とありますが、 A ∩ (D - B) = (A ∩ D) - B で、一方で、 A - (D - B) = A ∩ (D ∩ B^c)^c =A ∩ ( D^c ∪ B ) =(A ∩ D^c) ∪ (A ∩ B) となって、なんか、おかしくないですか? 385 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 15 50 50 384 はい、おかしいですね。 有難うございます。 何をやろうとしているかと言うと、 集合 X の有限個の部分集合全体で生成される集合環を決定しようと しています。 386 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16 00 04 訂正 369 x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 1 x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 0 387 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16 36 17 補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) ∩ (C - D) = (A ∩ C) - (B ∪ D) 証明 両辺の意味をそれぞれ考えてもわかるが、形式的に次のように 計算してもよい。 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式より、 (A - B) ∩ (C - D) = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c) = (A ∩ C) ∩ (B^c ∩ D^c) = (A ∩ C) ∩ (B ∪ D)^c = (A ∩ C) - (B ∪ D) 証明終 388 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16 38 32 補題 X を集合とする。 A, B を X の部分集合とすると、 A ∩ B = A - (A - B) 証明 自明である。 389 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16 45 04 補題 X を集合とする。 A_1, . . ., A_n B_1, . . ., B_m を X の部分集合からなる二つの有限列とする。 各 i (1 ≦ i ≦ n) に対して j を変化させたとき、 E_i = ∩(A_i - B_j) とおく。 ∪A_i - ∪B_j = ∪E_i である。 証明 C = ∪B_j とおく。 ∪A_i - ∪B_j = ∪(A_i - C) A_i - C = A_i - ∪B_j = ∩(A_i - B_j) = E_i よって、∪A_i - ∪B_j = ∪E_i 証明終 390 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 17 18 34 補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) - (C - D) = (A - (B ∪ C)) ∪ ((A ∩ D) - B)) 証明 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式と分配法則より、 (A - B) - (C - D) = (A - B) ∩ (C - D)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C^c ∪ D) = (A ∩ B^c ∩ C^c) ∪ (A ∩ B^c ∩ D) = (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ ((A ∩ D) - B)) = (A - (B ∪ C)) ∪ ((A ∩ D) - B)) 証明終 391 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 26 47 X を集合とする。 Ψ_0 = {A_1, . . ., A_n} を X の部分集合の有限集合とする。 Ψ_0 を含む最小の集合環( 189)を Ψ とする。 376 を Ψ に適用すると、 互いに交わらない X の部分集合 N_1, . . ., N_m ∈ Ψ があり、 任意の A_i はいくつかの N_j の合併となる。 いくつかの N_j の合併となる集合全体を Φ とする。 E, F ∈ Φ とする。 E ∪ F ∈ Φ は明らかである。 任意の i, j に対して、N_i - N_j は空集合か N_i である。 従って、 389 より E - F ∈ Φ である。 よって、Φ は集合環である。 Ψ_0 ⊂ Φ ⊂ Ψ だから Φ = Ψ である。 392 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 34 15 385 何をやろうとしているかと言うと、 集合 X の有限個の部分集合全体で生成される集合環を決定しようと しています。 387, 388, 390 はこのために用意したんですが、 391 により不要になりました。 393 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 18 40 08 392 なるほど。でも、そういう意味での「無駄」って、 どんな勉強にも不可欠では? 私も自分の勉強では、暗中模索が続いています。 それでは、続きを楽しみにしています。 394 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 47 36 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 373 より、E(Φ) ( 372) の任意の元 f は f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。 ここで、各 a_i は有限実数で、M_i ∈ Φ である。 i ≠ j のとき M_i と M_j は交わってもよいとする。 f = Σ(b_j)χ_(N_j) を別のこのような表現とする。 各 μ(M_i) と各 μ(N_j) が有限のとき、 Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(b_j)μ(N_j) となる。 証明 380 と同様にしても証明出来るが次のようにしてもいい。 i と j を変化させたときの M_i と N_j 全体で生成される 集合環( 189)を Ψ とする。 391 より、任意の E ∈ Ψ に対して μ(E) は有限である。 従って、μ の定義息を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を とる有限加法的( 379)な関数である。 従って、本命題の主張は 380 から直ちに得られる。 証明終 395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 56 37 393 そうですね、失敗も無駄になるとは限りません。 というか失敗を重ねてから正解に到達すると簡単に成功した場合より、 理解が深まるかも知れません。 396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 58 26 394 従って、μ の定義息を 従って、μ の定義域を 397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19 34 58 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 Ψ は集合環( 189)である。 証明 空集合は Ψ に含まれるから、Ψ は空ではない。 A, B ∈ Ψ とする。 329 より、μ(A ∪ B) ≦ μ(A) + μ(B) < +∞ よって、A ∪ B ∈ Ψ A - B ⊂ A だから 321 より μ(A - B) ≦ μ(A) < +∞ よって、A - B ∈ Ψ 証明終 398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19 40 50 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 397 より Ψ は集合環( 189)である。 E(Ψ) ( 377) から R への R 上の線形写像 ψ で 任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。 証明 μ の定義域を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を とる有限加法的( 379)な関数である。 従って、本命題の主張は 380 から直ちに得られる。 証明終 399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19 48 07 394 は 398 から直ちに得られる。 実は、 391 は 394 を証明しようとして用意したんですが これも不要でしたね(苦笑)。 しかし、 391 はそれ自体面白いし、いづれ何かの役に立つかも しれません。 400 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 20 16 23 399 376 がキーになっていますね。 ところで、M_1,..., M_n に対応する N_1,..., N_m は、m = 2^n - 1 とできますよね? ブルバキの積分・第4章の、集合環に関する記述(§4, no.9 の補第1) によると、各 N_k は、次のようにして得られますから: いくつかの添え字に対しては、 P_i = M_i 残りの添え字に対しては、 P_i = X - M_i (少なくとも一つの添え字に対しては、P_i = M_i とする) として、N_k = ∩{ P_i ; 1 ≦ i ≦ n }. (既にご存知と思われますが。) こういう風に (N_j) を構成すれば、 族 (N_j) を「無限個」選択する必要に駆られたときに、 選択公理を使わずに済ませられます。 私には、これくらいの利点しか、思いつきませんが A^ ^;) 401 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 20 56 38 400 (既にご存知と思われますが。) はい。 376 の命題自体は Bourbaki から拝借しました。 証明は少し変えてますが。 380 も Bourbaki から拝借しました。 188 に書いたように、今後も Bourbaki は部分的に参考にする予定です。 402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 21 28 52 過去スレの総和可能族、一様空間、完備化、ノルム空間などの 一般論は、Bourbaki からほとんど借りています。 Bourbaki を見てくださいと言えば済むんでしょうが、手元にない読者も 多いでしょうから。それと私の勉強も兼ねてます。 ただし、このスレの測度論に関しては Bourbaki を参考にしている 部分は、今のところ少ないです。 後で局所コンパクト空間上の測度をやりますが、そこではもっと 参考にする頻度は高まるでしょう。 今の所、参考にしているのは、Bourbaki の他に Halmos, Rudin, 現代数学概説 II、伊藤清三などです。 403 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 21 48 38 Kummerおやすみー びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 404 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 23 08 47 ┏/ ゝヽ 人∧━∧从〈〈〈〈 ヽ.━┓。 ┏┓ ┏━━┓ < ゝ{ ⊂ ’ 、 〃Ν ; 〈⊃ }..ゝ ┃. ┏┓┏┓┏┓ ┏┛┗┓┃┏┓┃ ∇ | | ∩___∩ | | .〆 ,┃ / ┃┃┃┃┃┃ ┗┓┏┛┃┗┛┃┏━ ┠| | . | ノ ヽ.! ! ´; ┨゚━━┓┃┃┃┃┃┃ ┏┛┗┓┃┏┓┃┃。冫▽ヽ \/ ● ● | / ▽┃< ゚ ┃┃┃┃┃┃┃ ┗┓┏┛┗┛┃┃┗━ ┃ \ | ( _●_) ミ/ て く、 ━━┛┗┛┗┛┗┛ ┃┃ ┃┃ ┠─ムヽ 彡、 |∪| / .┼ ァ Ζ┨ ミo ’` ┏┓┏┓┏┓ ┗┛ ┗┛ 。、゚`。、 iヽ ヽノ / 、 ’ × 个o ┗┛┗┛┗┛ ○ .┃ `、,~´+√ ▽ ● ,!ヽ.◇ ; o┃ . ┗〆━┷ Z,. /┷━. o ヾo┷+\━┛,゛; 405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 00 48 16 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Y を X の部分集合とする。 260 より Φ|Y = { A ⊂ Y; A ∈ Φ} は σ-集合環( 197)である。 μ を Φ|Y に制限したものを μ|Y と書く。 (Y, Φ|Y, μ|Y) は測度空間になる。 406 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 00 51 18 おじさん仕事ないのー? びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 00 55 48 398 を次のように修正する。 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 397 より Ψ は集合環( 189)である。 E(Ψ) ( 377) から R への R 上の線形写像 ψ で 任意の M ∈ Ψ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。 証明 μ の定義域を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を とる有限加法的( 379)な関数である。 従って、本命題の主張は 380 から直ちに得られる。 証明終 408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 01 18 49 定義 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。 Ψ|E = { A ∈ Φ|E | μ(A) < +∞ } とおく。 397 より Ψ|E は集合環( 189)である。 407 より、E(Ψ|E) ( 377) から R への R-線形写像 ψ_E で 任意の M ∈ Ψ|E に対して ψ_E(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) ( 377)の元とする。 (χ_E)s = Σ(a_i)(χ_E)χ_(M_i) = Σ(a_i)χ_(E ∩ M_i) ∈ E(Ψ|E) となる。 ψ_E((χ_E)s) = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i) を s の E における (μ に関する)積分と言い、∫[E] s dμ と書く。 409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 01 43 11 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 (1) E ∈ Φ に対して、∫[E] s dμ ( 408) は E(Ψ) ( 377) から R への R-線形写像である。 (2) s ≧ 0 なら ∫[E] s dμ ≧ 0 証明 (1) 408 の記号で、∫[E] s dμ = ψ_E((χ_E)s) である。 s → (χ_E)s は E(Ψ) から E(Ψ|E) への R-線形写像である。 ψ_E は、E(Ψ|E) ( 377) から R への R-線形写像 である。 よって、この二つの写像の合成写像である ∫[E] s dμ も R-線形写像である。 (2) 373 より、M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Ψ に属す集合とし、 s = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。 s ≧ 0 だから各 a_i ≧ 0 である。 よって、∫[E] s dμ = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i) ≧ 0 である。 証明終 410 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 02 37 33 クマのAAは、一つの区切りになっているのですかw 411 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 02 54 11 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 (E_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらないとする。 E = ∪E_n とおく。 s ∈ E(Ψ) ( 377) に対して、 ∫[E] s dμ = Σ∫[E_i] s dμ 証明 s = Σ(a_i)χ_(M_i) とする。 ∫[E] s dμ = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i) = Σ(a_i)(μ(E_1 ∩ M_i) + μ(E_2 ∩ M_i) + . . .) = Σ{(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + (a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . .)} = Σ(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + Σ(a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . . = ∫[E_1] s dμ + ∫[E_2] s dμ + . . . 上の等式の説明をする。 μ(E_1 ∩ M_i) + μ(E_2 ∩ M_i) + . . . は絶対収束するから (a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + (a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . . も絶対収束する。 よって、総和可能(過去スレ006の25)である。 よって、過去スレ006の58 より 2重級数 ΣΣ(a_i)(μ(E_j ∩ M_i) は総和可能である。 よって、過去スレ006の43 より Σ(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + Σ(a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . . は総和可能で ΣΣ(a_i)(μ(E_j ∩ M_i) に等しい。 証明終 412 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 02 55 15 401 376 の命題自体は Bourbaki から拝借しました。 証明は少し変えてますが。 わかりにくくなっとるがなwwwww 413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 03 03 12 411 の補足。 Σ∫[E_i] s dμ は総和可能だから、過去スレ006の66 より 絶対収束する。 414 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 03 17 41 過去スレ見れないんだが。 415 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 03 18 50 1 おいチンカス! 過去スレみれねえそ! 416 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 03 59 23 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s, t ∈ E(Ψ) ( 377) で s ≧ t なら ∫[E] s dμ ≧ ∫[E] t dμ 証明 s - t ∈ E(Ψ) で s - t ≧ 0 であるから、 409 の (2) より、∫[E] (s - t) dμ ≧ 0 409 の (1) より、 ∫[E] (s - t) dμ = ∫[E] s dμ - ∫[E] t dμ よって、 ∫[E] s dμ ≧ ∫[E] t dμ 証明終 417 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 06 18 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)で X ∈ Φ とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測とする。 ∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の E における(μ に関する)積分と言う。 ∫[E] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 418 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 19 18 417 f ∈ E(Ψ) のときは、0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) なら 416 より ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ であるから 417 の定義は、 408 の定義の拡張になっている。 419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 21 21 417 を次のように修正する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)で X ∈ Φ とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測とする。 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 420 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 25 37 419 f ∈ E(Ψ) のときは、s ∈ E(Ψ), 0 ≦ s ≦ f なら 416 より ∫[X] s dμ ≦ ∫[X] f dμ であるから 419 の定義は、 408 の定義の拡張になっている。 421 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 29 34 419 X ∈ Φ でないときの ∫[X] f dμ も定義出来るが、今のところ 必要がない。 422 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 40 50 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。 357 より、f の E 上への制限 f|E は E において可測( 356)である。 E ∈ Φ|E であるから、 419 より ∫[E] f|E d(μ|E) が定義出来る。 ∫[E] f|E d(μ|E) を ∫[E] f dμ と書き、 f の E における(μ に関する)積分と言う。 ∫[E] f dμ < +∞ のとき f を E において積分可能 または可積分と言う。 423 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/09/02(日) 06 54 36 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはよう Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 424 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09 00 23 408 の ∫[E] s dμ と 422 の意味の ∫[E] s dμ は明らかに一致する。 425 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 09 03 39 さすがに2ちゃんで積分は無理があるな 426 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09 38 03 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 任意の E ∈ Φ に対して、 ∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } 証明 s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) の元とする。 s の E への制限 s|E は Σ(a_i)χ_(E ∩ M_i) に等しい。 従って、s|E は (E, Φ|E, μ|E) における可積分( 419)な 単関数である。 明らかに、0 ≦ s ≦ f のとき 0 ≦ s|E ≦ f|E である。 逆に、A_1, . . ., A_n を E に含まれる測度が有限の可測集合とし、 a_1, . . ., a_n を有限実数としたとき、 t = Σ(a_i)χ_(A_i) は、(E, Φ|E, μ|E) においても、 (X, Φ, μ) においても可積分な単関数である。 明らかに、0 ≦ t ≦ f|E のとき 0 ≦ t ≦ f である。 以上から、 ∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } 証明終 427 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09 46 16 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を可測関数で、0 ≦ f ≦ g とする。 E ∈ Φ のとき、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[E] g dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 s ∈ E(Ψ) で 0 ≦ s ≦ f なら、s ≦ g であるから、 426 より ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] g dμ である。 この左辺の sup をとれば、 426 より ∫[E] f dμ ≦ ∫[E] g dμ 証明終 428 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09 57 37 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s ≧ 0 である s ∈ E(Ψ) ( 377) を任意に固定する。 E ∈ Φ に ∫[E] s dμ を対応させる写像は (X, Φ) における 測度( 316)である。 証明 明らかに、E が空集合のとき ∫[E] s dμ = 0 である。 よって、 409 の (2) と 411 から E → ∫[E] s dμ は測度である。 証明終 429 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 03 50 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数で、0 ≦ f とする。 A, B ∈ Φ で A ⊂ B のとき、 ∫[A] f dμ ≦ ∫[B] f dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 428 より 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) に対して、 E → ∫[E] s dμ は測度である。 よって、 321 より A, B ∈ Φ で A ⊂ B のとき、 ∫[A] s dμ ≦ ∫[B] s dμ である。 この両辺の sup を取れば、 ∫[A] f dμ ≦ ∫[B] f dμ 証明終 430 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 27 05 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数で、0 ≦ f とする。 0 ≦ c < +∞ と E ∈ Φ に対して、 ∫[E] cf dμ = c∫[E] f dμ 証明 c = 0 なら両辺は 0 である。 よって、 c ≠ 0 と仮定する。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ cs ≦ cf だから ∫[E] cs dμ ≦ ∫[E] cf dμ 408 より、s → ∫[E] s dμ は線形写像だから、 ∫[E] cs dμ = c∫[E] s dμ よって、c∫[E] s dμ ≦ ∫[E] cf dμ 左辺の sup を取ると、c∫[E] f dμ ≦ ∫[E] cf dμ 逆に、0 ≦ s ≦ cf となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ (1/c)s ≦ f よって、∫[E] (1/c)s dμ ≦ ∫[E] f dμ ∫[E] (1/c)s dμ = (1/c)∫[E] s dμ だから (1/c)∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ よって、 ∫[E] s dμ ≦ c∫[E] f dμ 左辺の sup を取ると、∫[E] cf dμ ≦ c∫[E] f dμ 証明終 431 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 33 54 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数とし、E ∈ Φ とする。 全ての x ∈ E で f(x) = 0 なら、 ∫[E] f dμ = 0 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 s は E で 0 である。 よって、∫[E] s dμ = 0 即ち、∫[E] f dμ = 0 証明終 432 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 38 48 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、 ∫[E] f dμ = 0 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 μ(E) = 0 だから ∫[E] s dμ = 0 である。 よって、∫[E] f dμ = 0 証明終 433 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 53 55 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)で、X ∈ Φ とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ に対して、 ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ (χ_E)s ≦ (χ_E)f だから ∫[X] (χ_E)s dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ 明らかに ∫[X] (χ_E)s dμ = ∫[E] s dμ だから、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ 逆に、0 ≦ s ≦ (χ_E)f となる s ∈ E(Ψ) ( 377) に対して、 0 ≦ s ≦ f だから、 ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ よって、 ∫[X] (χ_E)f dμ ≦ ∫[E] f dμ 証明終 434 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 11 11 41 419 の積分の定義は普通と少し違う。 普通は、積分の定義に使う単関数 Σ(a_i)χ_(M_i) は μ(M_i) = +∞ の場合も許している。 しかし、両者の定義は同値である。 普通と少し違う定義を採用した理由は、 398 を利用したいのと、 0×(+∞) = 0 の規約を取り入れたくないこと (規則が少ないほうが良いでしょう)、積分可能な単関数の ほうが扱いやすいだろうという素朴な考えなどから来ています。 まあ、好みの問題と言えるかもしれません。 435 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12 08 56 定理(Lebesgue の単調収束定理) (X, Φ, μ) を測度空間( 317)で、X ∈ Φ とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞ (2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) このとき、 f は可測であり、 n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → ∫[X] f dμ 証明(Rudin) 427 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f_(n+1) dμ 従って、α ∈ [0, +∞] があり、 n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → α f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、 295 より f は 可測である。 任意の n ≧ 0 に対して f_n ≦ f だから 427 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f dμ である。 よって、α ≦ ∫[X] f dμ である。 (続く) 436 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12 09 49 435 の続き。 s を 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数とする。 c を 0 < c < 1 となる任意の定数とする。 E_n = {x ∈ X | f_n(x) ≧ cs(x) } (n = 0, 1, . . .) とおく。 f_n ≦ f_(n+1) だから E_0 ⊂ E_1 ⊂ . . . X = ∪E_n (n = 0, 1, . . .) が次のようにわかる。 f(x) = 0 なら f_n(x) = 0 だから s(x) = 0 である。 よって x ∈ E_0 である。 f(x) > 0 なら c < 1 より cs(x) < f(x) である。 よって、cs(x) < f_n(x) ≦ f(x) となる n がある。 即ち、x ∈ E_n 一方、任意の n ≧ 0 に対して、 429 と 427 と 430 より、 ∫[X] f_n dμ ≧ ∫[E_n] f_n dμ ≧ ∫[E_n] cs dμ ≧ c∫[E_n] s dμ 即ち、∫[X] f_n dμ ≧ c∫[E_n] s dμ 428 より A → ∫[A] s dμ は測度だから 323 より n → ∞ のとき c∫[E_n] s dμ → c∫[X] s dμ よって、α ≧ c∫[X] s dμ c は 0 < c < 1 となる任意の定数だから α ≧ ∫[X] s dμ s も 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数だから、 α ≧ ∫[X] f dμ よって、α = ∫[X] f dμ である。 証明終 437 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12 18 11 435 は Lebesgue 積分の力の源泉である。 その証明のキーは 428 である。 438 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 14 03 27 434 しかし、両者の定義は同値である。 同値でないかもしれない。 しばらく、検討させてください。 439 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 16 32 421 X ∈ Φ でないときの ∫[X] f dμ を定義する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317) とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測とする。 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 440 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 26 44 439 の前に次の定義が必要だった。 定義 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 398 より、 E(Ψ) ( 377) から R への R 上の線形写像 ψ で 任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。 s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) ( 377)の元とする。 ψ(s) = Σ(a_i)μ(M_i) を s の X における (μ に関する)積分と言い、∫[X] s dμ と書く。 441 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 29 05 427 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を可測関数で、0 ≦ f ≦ g とする。 ∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 s ∈ E(Ψ) で 0 ≦ s ≦ f なら、s ≦ g であるから、 ∫[X] s dμ ≦ ∫[X] g dμ である。 この左辺の sup をとれば、∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明終 442 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 34 56 430 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数で、0 ≦ f とする。 0 ≦ c < +∞ に対して、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明 c = 0 なら両辺は 0 である。 よって、 c ≠ 0 と仮定する。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ cs ≦ cf だから ∫[X] cs dμ ≦ ∫[X] cf dμ 440 より、s → ∫[X] s dμ は線形写像だから、 ∫[X] cs dμ = c∫[X] s dμ よって、c∫[X] s dμ ≦ ∫[X] cf dμ 左辺の sup を取ると、c∫[X] f dμ ≦ ∫[X] cf dμ 逆に、0 ≦ s ≦ cf となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ (1/c)s ≦ f よって、∫[X] (1/c)s dμ ≦ ∫[X] f dμ ∫[X] (1/c)s dμ = (1/c)∫[X] s dμ だから (1/c)∫[X] s dμ ≦ ∫[X] f dμ よって、∫[X] s dμ ≦ c∫[X] f dμ 左辺の sup を取ると、∫[X] cf dμ ≦ c∫[E] f dμ 証明終 443 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 36 54 431 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数とする。 全ての x ∈ X で f(x) = 0 なら、 ∫[X] f dμ = 0 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 s は X で 0 である。 よって、∫[X] s dμ = 0 即ち、∫[X] f dμ = 0 証明終 444 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 51 24 429 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数で、0 ≦ f とする。 A ∈ Φ のとき、 ∫[A] f dμ ≦ ∫[X] f dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) に対して、 ∫[A] s dμ ≦ ∫[X] s dμ である。 この両辺の sup を取れば、 ∫[A] f dμ ≦ ∫[X] f dμ 証明終 445 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 55 06 435 の X ∈ Φ とは限らない場合。 定理(Lebesgue の単調収束定理) (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞ (2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) このとき、 f は可測であり、 n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → ∫[X] f dμ 証明(Rudin) 441 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f_(n+1) dμ 従って、α ∈ [0, +∞] があり、 n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → α f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、 295 より f は 可測である。 任意の n ≧ 0 に対して f_n ≦ f だから 441 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f dμ である。 よって、α ≦ ∫[X] f dμ である。 (続く) 446 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 55 36 445 の続き。 s を 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数とする。 c を 0 < c < 1 となる任意の定数とする。 E_n = {x ∈ X | f_n(x) ≧ cs(x) } (n = 0, 1, . . .) とおく。 f_n ≦ f_(n+1) だから E_0 ⊂ E_1 ⊂ . . . X = ∪E_n (n = 0, 1, . . .) が次のようにわかる。 f(x) = 0 なら f_n(x) = 0 だから s(x) = 0 である。 よって x ∈ E_0 である。 f(x) > 0 なら c < 1 より cs(x) < f(x) である。 よって、cs(x) < f_n(x) ≦ f(x) となる n がある。 即ち、x ∈ E_n 一方、任意の n ≧ 0 に対して、 444 と 427 と 430 より、 ∫[X] f_n dμ ≧ ∫[E_n] f_n dμ ≧ ∫[E_n] cs dμ ≧ c∫[E_n] s dμ 即ち、∫[X] f_n dμ ≧ c∫[E_n] s dμ 428 より A → ∫[A] s dμ は測度だから 323 より n → ∞ のとき c∫[E_n] s dμ → c∫[X] s dμ よって、α ≧ c∫[X] s dμ c は 0 < c < 1 となる任意の定数だから α ≧ ∫[X] s dμ s も 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数だから、 α ≧ ∫[X] f dμ よって、α = ∫[X] f dμ である。 証明終 447 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 10 42 419 の積分の定義はちょっとおかしいですね。 例えば X として任意の空でない集合。 Φ として X の部分集合全体。 X の部分集合 A が空でないとき常に μ(A) = +∞ とし、 A が空集合のとき μ(A) = 0 と定義する。 (X, Φ, μ) は測度空間になる。 419 の積分の定義によると、∫[X] 1 dμ = 0 になる。 しかし、常識的には ∫[X] 1 dμ = μ(X) = +∞ となるべきでしょう。 419 の方向で行くとしたら、次のように定義したらどうだろう。 . f X → [0, +∞] を可測とする。 S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。 S(f) が σ-有限、即ち、可算個の測度有限の集合に直和分割され、 sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } が有限のときに f は積分可能または可積分と言う。 そうでないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。 この定義だと、上記の例で ∫[X] 1 dμ = +∞ となる。 448 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 24 56 定義 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 A ∈ Φ に対して Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で A ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがあるとき、 A は σ-有限な測度をもつと言う。 略して、A は σ-有限とも言う。 Φ の各集合の測度が σ-有限のとき、μ は σ-有限と言う。 449 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 35 38 419 を次のように修正する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)で X ∈ Φ とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測で、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の 測度は σ-有限( 448) とする。 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 450 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 37 04 449 の補足。 S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度が σ-有限( 448) でないときは ∫[X] f dμ は定義しない。 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 23時42分18秒 代数的整数論 008 (1-60) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1189335756/-60 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1189335756/-60 1 :132人目の素数さん:2007/09/09(日) 20 02 36 Kummer ◆g2BU0D6YN2 が代数的整数論を語るスレです。 内容についてわからないことがあったら遠慮なく 質問してください。 その他、内容についてのご意見は歓迎します。 例えば、誤りの指摘、証明の改良、クマーのAAなど。 過去スレ #001 http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1126510231 #002 http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1132643310 #003 http //science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/ #004 http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/ #005 http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/ #006 http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/l50 #007 http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/l50 2 :数学科生 ◆TH7FFIY7jg :2007/09/09(日) 20 13 25 Kummerさん、こんにちは。いつも、Kummerさんのスレを見て感心しております。当方、数学科の2年生です。今は勉強不足ですが、出来れば、一緒に学びたいと思っております。これからよろしくお願いします。 また、これからも頑張ってください。 3 :Kummer ◆zkraGArAss :2007/09/09(日) 20 19 43 2 お前も頑張れよ。 4 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 20 55 07 1 有難うございます。 クマーのAAは余計ですがw 5 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 20 56 11 2 有難うございます。 一緒に勉強していきましょう。 6 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21 19 15 過去スレ007の449の積分 ∫[X] f dμ の定義において、 S(f) の測度が σ-有限でないときは ∫[X] f dμ は定義しない ことになっていた。 これは現代数学概説 II(岩波書店)の定義と同じである。 しかし、これは通常の定義とやや異なるため、他の書物を参照する場合に 不便である。 よって、次のように定義を変更する。 7 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21 21 24 6 過去スレ007の449の積分 ∫[X] f dμ の定義において、 過去スレ007の452の積分 ∫[X] f dμ の定義において、 8 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21 23 41 過去スレ007の452の積分の定義を少し変えることにする。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数全体とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度が σ-有限のとき、 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } S(f) の測度が σ-有限でないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。 ∫[X] f dμ を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 9 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21 30 28 過去スレ007の602 より 8 の定義は通常の定義 (例えば伊藤清三のルベーグ積分入門)と (我々の場合、全空間が必ずしも可測でないことを除いて) 同じである。 10 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21 46 08 8 の新しい定義により過去スレ007の結果を書き換える必要はあまり ないだろう。 何故なら、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度が σ-有限でないときは ∫[X] f dμ = +∞ なので、この場合は大抵の命題、 例えば、Lebesgue の単調収束定理(過去スレ007445)、はトリビアルだから である。 したがって、過去スレ007の結果を引用する場合、 それを暗黙に新しい定義により解釈することにして、 いちいち断らない。 もし、この解釈がトリビアルでない場合はそのつど説明を 入れることにする。 いづれにしても ∫[X] f dμ < +∞ の場合は、古い定義も新しい定義 も同じである。 11 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22 04 29 8 の定義は表面的にはともかく、実質的には Halmos の定義と 同じである。 因みに Halmos の積分の定義はやや複雑である。 即ち、次のようである。 積分可能な単関数の列 (s_n) で L^1 Cauchy 列(過去スレ007の629)と なっているものが f (f ≧ 0 とは仮定しない)に測度収束 (これについては後で述べる)する場合に f を積分可能と言い、 lim ∫[X] s_n dμ を ∫[X] f dμ と定義している。 f ≧ 0 が積分可能でない場合、∫[X] f dμ = +∞ とする。 何故、こんなわかりにくい定義にしたのか理解に苦しむ。 12 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22 26 29 Riesz の表現定理(過去スレ007の931)では正則な狭義の Borel 測度を 使っていた。これも Halmos の方法である。 しかし、実はこれも少数派である。 次の書物では、正則な (広義の) Borel 測度を使っている。 Hewitt-Roth の Abstract harmonic analysis I, II Bourbaki の積分論 Rudin の Real and complex analysis 壬生の位相群論概説(岩波書店) --- この積分論は Hewitt-Roth と ほとんど同じである。 従って、我々も (広義の) Borel 測度を扱うことにする。 13 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22 35 12 X を局所コンパクト空間とする。 X の容量(過去スレ007の723) λ を一つ選び、固定する。 X の任意の開集合 U に対して λ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } と書く。 U がコンパクトな開集合であれば、明らかに λ(U) = λ(K) であるから この定義は矛盾しない。 14 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22 42 31 命題 13 の下で、 U, U_n, n = 0, 1, 2, . . . は開集合とする。 (1) 0 ≦ μ(U) ≦ +∞ (2) U が有界なら μ(U) < +∞ (3) U_1 ⊂ U_2 なら μ(U_1) ⊂ μ(U_2) (4) μ(∪U_n) ≦ Σμ(U_n) (5) i ≠ j なら U_i ∩ U_j = φ なら μ(∪U_n) = Σμ(U_n) 証明 過去スレ007の726とまったく同じである。 15 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22 48 03 14 を次のように修正する。 命題 13 の下で、 U, U_n, n = 0, 1, 2, . . . は開集合とする。 (1) 0 ≦ λ(U) ≦ +∞ (2) U が有界なら λ(U) < +∞ (3) U_1 ⊂ U_2 なら λ(U_1) ⊂ λ(U_2) (4) λ(∪U_n) ≦ Σλ(U_n) (5) i ≠ j なら U_i ∩ U_j = φ なら λ(∪U_n) = Σλ(U_n) 証明 過去スレ007の726とまったく同じである。 16 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22 53 12 命題 13 の下で、 X の任意の部分集合 A に対して μ^*(A) = inf {λ(U) | A ⊂ U, U は開集合} と定義する。 A, B, A_n, n = 0, 1, 2, . . . は X の部分集合とする。 (1) 0 ≦ μ^*(A) ≦ +∞ (2) μ^*(φ) = 0 (3) A ⊂ B なら μ^*(A) ⊂ μ^*(B) (4) μ^*(∪A_n) ≦ Σμ^*(A_n) 証明 過去スレ007の761と同様である。 17 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23 00 57 定義 X を局所コンパクト空間とする。 X の部分集合全体 を P(X) と書く。 明らかに P(X) は遺伝的 (過去スレ007の767) なσ-集合代数 (過去スレ007の198)である。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 開集合 U に対して λ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } と書き、 A ∈ P(X) に対して μ^*(A) = inf {λ(U) | A ⊂ U, U は開集合} と書く。 16 より μ^* は P(X) で定義された外測度(過去スレ007の766)である。 μ^* を容量 λ から誘導された外測度と言う。 18 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23 03 37 定義 X を局所コンパクト空間とする。 X の Borel 集合(過去スレ007の212)全体で定義される測度 μ は コンパクトな K に対して常に μ(K) < +∞ であるとき Borel 測度と言う。 19 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23 21 11 定義 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。 E ∈ Ψ は μ(E) = inf {μ(U) | E ⊂ U, 開集合 U } となるとき、(μ に関して)外正則(outer regular)という。 μ(E) = sup {μ(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } となるとき、(μ に関して)内正則(inner regular)という。 E は外正則かつ内正則なとき正則(regular)であると言う。 全ての E ∈ Ψ が外正則なとき μ を外正則と言う。 全ての E ∈ Ψ が内正則なとき μ を内正則と言う。 全ての E ∈ Ψ が正則なとき μ を正則と言う。 20 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23 25 32 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 任意の開集合 U に対して μ^*(U) = λ(U) である。 証明 定義 μ^*(U) = inf {λ(V) | U ⊂ V, V は開集合} より明らかである。 21 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23 30 55 12 次の書物では、正則な (広義の) Borel 測度を使っている。 この「正則」は 19 の「正則」とは少し違う。 22 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 00 40 49 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 X の部分集合 E が (μ^*)-可測(過去スレ007の768)であるためには 任意の開集合 U に対して μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) となることが必要十分である。 証明 過去スレ007の847と同様である。 23 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 01 06 17 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 X の部分集合 E が (μ^*)-可測(過去スレ007の768)であるためには 任意の開集合 μ^*(U) < +∞ に対して μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) となることが必要十分である。 証明 必要性は明らかである。 A を X の任意の部分集合とする。 μ^*(A) = +∞ なら μ^*(A) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) である。 μ^*(A) < +∞ なら A ⊂ U で μ^*(U) < +∞ となる任意の開集合 U に対して、 μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) 20 より μ^*(U) = λ(U) だから λ(U) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) μ^*(A) = inf λ(U) だから μ^*(A) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) 証明終 24 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 01 46 35 命題 X を局所コンパクト空間とし、λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 任意の開集合 U に対して μ^*(U) = sup {λ(V) | V は開集合で V~ はコンパクトで V~ ⊂ U } ここで、V~ は V の閉包である。 証明 20 から μ^*(U) = λ(U) である。 V は開集合で V~ はコンパクトなら過去スレ007の849より λ(V) ≦ λ(V~) である。 よって、 μ^*(U) ≧ sup {λ(V) | V は開集合で V~ はコンパクトで V~ ⊂ U } 定義から λ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } である。 λ(U) = +∞ なら、任意の M > 0 に対して λ(K) > M となるコンパクトな K ⊂ U がある。 過去スレ007の704より K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが 存在する。 λ(V) ≧ λ(K) > M で M > 0 は任意だから、 sup {λ(V) | V は開集合で V~ はコンパクトで V~ ⊂ U } = +∞ よって、この場合は命題が成り立つ。 λ(U) < +∞ なら、任意の ε > 0 に対して λ(U) - ε < λ(K) となるコンパクトな K ⊂ U がある。 過去スレ007の704より K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが 存在する。 λ(U) - ε < λ(K) ≦ λ(V) だから、この場合も命題が成り立つ。 証明終 25 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 09 28 18 命題 X を局所コンパクト空間とし、 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 X の任意の開集合は (μ^*)-可測(過去スレ007の768)である。 証明(Hewitt-Roth) V を開集合とし、U を開集合で μ^*(U) < +∞ とする。 μ^*(U ∩ V^c) の定義から、 任意の ε > 0 に対して、U ∩ V^c ⊂ H となる開集合があり、 μ^*(H) < μ^*(U ∩ V^c) + ε 24 から W~ ⊂ U ∩ V となる開集合があり、 μ^*(W) > μ^*(U ∩ V) - ε W_0 = U ∩ H ∩ (W~)^c とおく。 U ∩ V^c ⊂ W_0 ⊂ H より |μ^*(W_0) - μ^*(U ∩ V^c)| < ε |μ^*(W) - μ^*(U ∩ V^c)| < ε であるから |μ^*(W) + μ^*(W_0) - μ^*(U ∩ V) - μ^*(U ∩ V^c)| < 2ε よって μ^*(W) + μ^*(W_0) - μ^*(U ∩ V) - μ^*(U ∩ V^c) > -2ε W ∩ W_0 = φ だから 15 の (5) より μ^*(U) ≧ μ^*(W ∪ W_0) = μ^*(W) + μ^*(W_0) ≧ μ^*(U ∩ V) + μ^*(U ∩ V^c) - 2ε ε は任意だから μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ V) + μ^*(U ∩ V^c) 23 より V は (μ^*)-可測である。 証明終 26 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 09 35 49 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 U を開集合 U でその閉包 U~ がコンパクトなものとする。 このとき、 μ^*(U) ≦ λ(U~) 証明 K ⊂ U となる任意のコンパクト集合 K をとる。 λ(K) ≦ λ(U~) である。 λ(K) の sup をとると、 μ^*(U) ≦ λ(U~) 証明終 27 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 09 37 19 命題 X を局所コンパクト空間とし、 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 任意のコンパクト集合 K に対して、 μ^*(K) < +∞ である。 証明 過去スレ007の704 より、 K ⊂ U ⊂ U~ となる開集合 U でその閉包 U~ がコンパクトな ものがある。 26 より λ(K) ≦ μ^*(U) ≦ λ(U~) < +∞ 証明終 28 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 09 43 46 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 過去スレ007の778 より、 (μ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合全体 Φ は σ-集合環であり、 μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度である。 25 より Φ は Borel 集合(過去スレ007の212)全体を含む。 27 より、μ^* を Borel 集合(過去スレ007の212)全体に制限したものは Borel 測度( 18)である。 29 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 10 27 51 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 任意のコンパクト集合 K に対して λ(K) ≦ μ^*(K) 証明 μ^*(K) = inf {λ(U) | K ⊂ U, U は開集合} である。 K ⊂ U となる開集合 U に対して λ(K) ≦ λ(U) λ(U) の inf をとって λ(K) ≦ μ^*(K) 証明終 30 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 11 13 31 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 E を (μ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合で μ^*(E) < +∞ とする。 E は内正則( 19)である。 即ち、μ^*(E) = sup {μ^*(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } 証明 任意の ε > 0 に対して、E ⊂ U となる開集合 U で μ^*(U) < μ^*(E) + ε となるものがある。 F ⊂ U となるコンパクト集合 F で λ(F) > μ^*(U) - ε となるものがある。 29 より μ^*(F) ≧ λ(F) よって μ^*(F) > μ^*(U) - ε μ^*(U - E) < ε だから U ⊃ V ⊃ U - E となる開集合 V で μ^*(V) < ε となるものがある。 K = F ∩ V^c とおく。 K はコンパクトで K ⊂ E μ^*(E) - μ^*(K) = μ^*(E - K) = μ^*((E ∩ F^c) ∪ (E ∩ V)) ≦ μ^*(U ∩ F^c) + μ^*(V) < 2ε よって、μ^*(K) > μ^*(E) - 2ε 証明終 31 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 12 05 38 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 E を (μ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合で σ-有限(過去スレ007の448)な測度をもつとする。 このとき E は内正則( 19)である。 即ち、μ^*(E) = sup {μ^*(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } 証明 E ⊂ ∪A_n となり、各 μ^*(A_n) < +∞ となる (μ^*)-可測な A_n がある。 E_1 = E ∩ A_1 n ≧ 2 のとき E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . A_(n-1))) とおけば E = ∪E_n で、i ≠ j のとき E_i ∩ E_j = φ となり 各 μ^*(E_n) < +∞ である。 30 より各 E_n は内正則であるから、 任意の ε > 0 に対して K_n ⊂ E_n μ^*(E_n) < μ^*(K_n) + ε/2^n となるコンパクトな K_n がある。 よって μ^*(E) = Σμ^*(E_n) ≦ Σμ^*(K_n) + ε である。 μ^*(E) = +∞ なら Σμ^*(K_n) = +∞ だから E は内正則である。 μ^*(E) < +∞ なら Σμ^*(K_n) < +∞ である。 Σμ^*(K_n) - μ^*(K_1 ∪. . . ∪ K_m) < ε となる m がある。 このとき、μ^*(E) < μ^*(K_1 ∪. . . ∪ K_m) + 2ε 証明終 32 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 12 44 01 命題 X を局所コンパクト空間とする。 μ を X の Borel 測度( 18)とする。 X の任意のコンパクト集合が μ に関して外正則( 19)とする。 任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) = inf {μ(L) | K ⊂ int(L) ⊂ L, L はコンパクト} である。 ここで int(L) は L の内部を表す。 証明 K は外正則だから、 μ(K) = inf {μ(U) | K ⊂ U, U 開集合 U } よって、任意の ε > 0 に対して K ⊂ U μ(U) < μ(K) + ε となる開集合 U がある。 過去スレ007の703 より、 K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが 存在する。 μ(V~) ≦ μ(U) < μ(K) + ε 証明終 33 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13 00 36 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 任意のコンパクト集合 K に対して λ(K) = μ^*(K) であるためには、 λ が正則(過去スレ007の915)なことが必要十分である。 証明 28 より、μ^* を Borel 集合全体に制限したものは Borel 測度である。 よって、条件が必要なことは 32 で証明されている。 λ が正則であるとする。 任意の ε > 0 に対して K ⊂ U ⊂ U~ となる開集合 U で U~ がコンパクトとなるものがあり、 λ(U~) < λ(K) + ε となる。 28 より μ^*(U) ≦ λ(U~) < λ(K) + ε μ^*(K) ≦ μ^*(U) だから μ^*(K) < λ(K) + ε ε > 0 は任意だから μ^*(K) ≦ λ(K) 逆向きの不等式は 29 で証明されている。 証明終 34 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13 09 51 定義 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 λ を L から誘導された容量(過去スレ007の920)とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 μ^* を L から誘導された外測度と言う。 28 より、μ^* を Borel 集合全体に制限したものは Borel 測度である。 これを、L から誘導された Borel 測度と言う。 35 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13 16 51 命題 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) ( 715) の任意の元とする。 λ を L から誘導された容量(過去スレ007の920)とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 U を有界(過去スレ007の724)な開集合とし、f を K+(X) (過去スレ007の713) の元で χ_U ≦ f とする。 このとき、 μ^*(U) ≦ L(f) である。 証明 K を K ⊂ U となるコンパクト集合とする。 χ_K ≦ f だから λ(K) ≦ L(f) である。 λ(K) の sup をとると μ^*(U) ≦ L(f) である。 証明終 36 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13 26 04 定義 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 λ を L から誘導された容量(過去スレ007の920)とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 μ^* を L から誘導された外測度と言う。 (μ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合全体を Φ(L) と書く。 25 より、Φ(L) は Borel 集合全体を含む。 μ^* を Φ(L) に制限したものを、L から誘導された測度と言う。 37 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13 44 23 定義 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。 X の任意の開集合が内正則( 19)で、X の任意の集合が外正則( 19)と なるとき μ を準正則と言う。 38 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13 47 30 37 の準正則という言葉は私が勝手に名付けたもので、 一般に使われてるわけではない。 Hewitt-Roth は準正則のことを正則と言っている。 39 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 14 20 02 命題 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。 さらに、X の任意のコンパクト集合 K は外正則( 19)であり、 μ(K) < +∞ とする。 このとき、X の任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) = inf { ∫[X] f dμ | f ≧ χ_K, f ∈ K+(X) } である。 ここで、K+(X) は過去スレ007の713で定義したものである。 証明 X の任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) < +∞ だから 任意の ε > 0 に対して、K ⊂ U となる開集合 U で μ(U) < μ(K) + ε となるものがある。 過去スレ007の706 より、 f ∈ K+(X) で 0 ≦ f ≦ 1 かつ K の上で 1、X - U で 0 となるものが 存在する。 χ_K ≦ f ≦ χ_U だから ∫[X] f dμ ≦ ∫[X] χ_U dμ = μ(U) < μ(K) + ε 証明終 40 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 14 36 54 37 を次のように修正する。 定義 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。 X の任意の開集合が内正則( 19)で、Ψ の任意の集合が外正則( 19)と なるとき μ を準正則と言う。 41 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 14 55 42 命題 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。 E ∈ Ψ を μ(E) < +∞ かつ内正則( 19)な集合とする。 このとき、E に含まれるコンパクト集合の列 K_n があり F = ∪K_n とおくと μ(E - F) = 0 となる。 証明 任意の整数 n > 0 に対して、 K_n ⊂ E μ(E) < μ(K_n) + 1/2^n となるコンパクト集合 K_n がある。 F = ∪K_n とおく。 任意の n に対して、 E - F ⊂ E - K_n であるから、 μ(E - F) ≦ μ(E) - μ(K_n) < 1/2^n よって μ(E - F) = 0 証明終 42 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 15 55 43 命題 X を局所コンパクト空間とする。 μ と ν をそれぞれ X の 開集合全体を含む σ-集合代数 Ψ(μ) と Ψ(ν) で定義された準正則( 40)な測度とする。 さらに、X の任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) < +∞ ν(K) < +∞ とする。 任意の f ∈ K+(X) ( 713) に対して ∫[X] f dμ = ∫[X] f dν となるなら Ψ(μ) ∩ Ψ(ν) において μ = ν である。 証明 K を X の任意のコンパクト集合とする。 39 より μ(K) = ν(K) である。 U を X の任意の開集合とする。 U は μ と ν の両方で内正則( 19)だから、 μ(U) = sup {μ(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } ν(U) = sup {ν(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } よって μ(U) = ν(U) E ∈ Ψ(μ) ∩ Ψ(ν) に対して E は μ と ν の両方で外正則( 19)だから、 μ(E) = inf {μ(U) | E ⊂ U, 開集合 U } ν(E) = inf {ν(U) | E ⊂ U, 開集合 U } よって μ(E) = ν(E) 証明終 43 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 17 18 23 定義 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723)とする。 λ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 (λ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合全体を Φ(λ) と書く。 44 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 17 29 46 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723)とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 λ が正則(過去スレ007の915)なら、μ^* は Φ(λ) ( 43) において 準正則( 40)である。 証明 33 より 任意のコンパクト集合 K に対して λ(K) = μ^*(K) である。 17 より 開集合 U に対して λ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } 20 より μ^*(U) = λ(U) である。 よって μ^*(U) = sup {μ^*(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } すなわち、U は内正則( 19)である。 A ∈ Φ(λ) に対して μ^*(A) = inf {λ(U) | A ⊂ U, U は開集合} である。 μ^*(U) = λ(U) だから A は外正則( 19)である。 以上から μ^* は Φ(λ) において準正則である。 証明終 45 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 17 51 12 42 の前に次の命題を置けばよかった。 命題 X を局所コンパクト空間とする。 μ と ν をそれぞれ X の 開集合全体を含む σ-集合代数 Ψ(μ) と Ψ(ν) で定義された準正則( 40)な測度とする。 任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) = ν(K) なら Ψ(μ) ∩ Ψ(ν) において μ = ν である。 証明 U を X の任意の開集合とする。 U は μ と ν の両方で内正則( 19)だから、 μ(U) = sup {μ(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } ν(U) = sup {ν(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } よって μ(U) = ν(U) E ∈ Ψ(μ) ∩ Ψ(ν) に対して E は μ と ν の両方で外正則( 19)だから、 μ(E) = inf {μ(U) | E ⊂ U, 開集合 U } ν(E) = inf {ν(U) | E ⊂ U, 開集合 U } よって μ(E) = ν(E) 証明終 46 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18 06 17 命題 X を局所コンパクト空間とする。 μ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数 Ψ(μ) で定義された準正則な測度とする。 さらに、X の任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) < +∞ とする。 f ∈ K+(X) に対して L(f) = ∫[X] f dμ とおけば、 L ∈ M+(X) (過去スレ007の715) である。 ν^* を L から誘導された外測度とし、 (ν^*)-可測(過去スレ007の768)な集合全体を Φ(L) と書く Ψ(μ) ∩ Φ(L) において μ = ν^* である。 証明 L から誘導された容量を λ とする。 36 より ν^* は λ から誘導された外測度である。 過去スレ007の921より λ は正則(過去スレ007の915)である。 44 より ν^* は Φ(L) = Φ(λ) ( 43) において 準正則( 40)である。 39 より、X の任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) = inf { ∫[X] f dμ | f ≧ χ_K, f ∈ K+(X) } である。 よって μ(K) = λ(K) である。 33 より λ(K) = ν^*(K) である。 よって μ(K) = ν^*(K) である。 45 より Ψ(μ) ∩ Φ(L) において μ = ν^* である。 証明終 47 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18 18 57 補題 X を局所コンパクト空間とし、 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 ν を L から誘導された測度( 36)ととする。 f を K+(X) (過去スレ007の713) の元で 0 ≦ f < 1 とする。 L(f) ≧ ∫[X] f dν である。 証明 過去スレ007の927とまったく同じである。 48 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18 21 47 補題 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 ν を L から誘導された測度( 36)とする。 f を K+(X) (過去スレ007の713) の任意の元とする。 L(f) ≧ ∫[X] f dν である。 証明 過去スレ007の928とまったく同じである。 49 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18 24 35 補題 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) ( 715) の任意の元とする。 ν を L から誘導された測度( 36)とする。 K を X のコンパクト集合とする。 任意の ε > 0 に対して f ∈ K+(X) (過去スレ007の713) かつ 0 ≦ f ≦ 1 で χ_K ≦ f となり L(f) < ∫[X] f dν + ε となるものがある。 証明 過去スレ007の929とまったく同じである。 50 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18 28 58 定理(Riesz の表現定理) X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 μ を L から誘導された測度( 36)とする。 任意の f ∈ K(X) (過去スレ007の708) に対して L(f) = ∫[X] f dμ となる。 証明 f を K(X) の元とし、K = Supp(f) (過去スレ007の671) とする。 49 より、任意の ε > 0 に対して g ∈ K+(X) (過去スレ007の713) かつ 0 ≦ g ≦ 1 で χ_K ≦ g となり L(g) < ∫[X] g dμ + ε となるものがある。 M = sup{ f(x) | x ∈ X } とする。 f + M ≧ 0 だから (f + M)g ∈ K+(X) である。 48 より fg = f に注意して L(f) + ML(g) = L((f + M)g) ≧ ∫[X] (f + M)g dμ = ∫[X] fg dμ + ∫[X] Mg dμ = ∫[X] f dμ + M∫[X] g dμ よって、 L(f) ≧ ∫[X] f dμ + M(∫[X] g dμ - L(g)) ≧ ∫[X] f dμ - Mε ε は任意だから L(f) ≧ ∫[X] f dμ f を -f に置き換えると -L(f) ≧ -∫[X] f dμ よって L(f) ≦ ∫[X] f dμ よって L(f) = ∫[X] f dμ 証明終 51 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20 23 26 定義 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ を λ から誘導された外測度( 17)とする。 μ-可測(過去スレ007の768)な集合全体を Φ(λ) と書いた( 43)。 25 より、Φ(λ) は Borel 集合全体を含む。 μ を Φ(λ) に制限したものを、λ から誘導された測度と言う。 52 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20 31 35 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 A を X の部分集合で μ^*(E) = 0 とする。 E は (μ^*)-可測である。 証明 22 より 任意の開集合 U に対して μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) を示せばよい。 μ^*(U ∩ E) = 0 であるから、これは明らかである。 証明終 53 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20 32 34 52 を次のように修正する。 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 E を X の部分集合で μ^*(E) = 0 とする。 E は (μ^*)-可測である。 証明 22 より 任意の開集合 U に対して μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) を示せばよい。 μ^*(U ∩ E) = 0 であるから、これは明らかである。 証明終 54 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20 41 42 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 E を X の部分集合とする。 μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して E ∩ U が (μ^*)-可測なら E は (μ^*)-可測である。 証明 22 より μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) を示せばよい。 U ∩ E^c = U - (U ∩ E) であるから (μ^*)-可測である。 よって μ^*(U) = μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) 証明終 55 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20 43 38 54 を次のように修正する。 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 E を X の部分集合とする。 μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して E ∩ U が (μ^*)-可測なら E は (μ^*)-可測である。 証明 23 より μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) を示せばよい。 U ∩ E^c = U - (U ∩ E) であるから (μ^*)-可測である。 よって μ^*(U) = μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) 証明終 56 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 21 14 05 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ を λ から誘導された測度( 51)とする。 μ は準正則( 37)である。 証明 μ が外正則( 19)であることは λ から誘導された外測度の定義( 17) から明らかである。 よって、 任意の開集合 U に対して μ(U) = sup {μ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } を示せばよい。 定義( 17)から μ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } である。 29 から任意のコンパクト集合 K ⊂ U に対して λ(K) ≦ μ(K) ≦ μ(U) である。 よって μ(U) = sup {μ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } 証明終 57 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 21 24 52 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 E を X の部分集合とする。 任意のコンパクト集合 K に対して E ∩ K が (μ^*)-可測なら E は (μ^*)-可測である。 証明 55 より μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して E ∩ U が (μ^*)-可測であることを示せばよい。 56 より U は内正則であるから、 41 より U に含まれるコンパクト集合の列 K_n があり F = ∪K_n とおくと μ(U - F) = 0 となる。 U - F = N とおく。 U = (∪K_n) ∪ N である。 U ∩ E = (∪(E ∩ K_n)) ∪ (E ∩ N) 仮定より ∪(E ∩ K_n) は可測である。 μ(N) = 0 だから 53 より E ∩ N も可測である。 証明終 58 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 21 29 08 定義 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 E を X の部分集合とする。 μ^*(E) = 0 のとき E を (μ^*)-零集合または略して零集合と言う。 任意のコンパクト集合 K に対して E ∩ K が (μ^*)-零集合になるとき E を (μ^*)-局所零集合または略して局所零集合と言う。 59 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 21 33 38 命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 (μ^*)-局所零集合( 58)は (μ^*)-可測である。 証明 E を 局所零集合とする。 任意のコンパクト集合 K に対して E ∩ K は零集合である。 52 より E ∩ K は可測だから 57 より E は可測である。 証明終 60 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 22 12 33 定義 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723)とする。 μ^* を λ から誘導された外測度( 17)とする。 E を X の任意の部分集合とする。 sup {μ^*(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } を E の内測度と言う。 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 20時52分43秒 代数的整数論 006 (126-190) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/126-190 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/126-190 126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 17 26 12 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 K を G の準コンパクトな閉集合とする。 K に含まれる Cauchy 列は K の点に収束する。 即ち K は完備( 100, 101)である。 証明 (x_n), n ∈ Z+ を K の元よりなる Cauchy 列とする。 123 より (x_n) は X の点 x に収束する部分点列を持つ。 K は閉集合だから x ∈ K である。 124 より x = lim x_n である。 証明終 127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 29 36 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 K を G の全有界かつ完備な部分集合とする。 K は準コンパクトである。 証明 106 より K に含まれる任意の点列は Cauchy 点列を部分列に持つ。 K は完備だから K に含まれる Cauchy 点列は常に K の点に 収束する。 従って、K に含まれる任意の点列は K の点に収束する部分列を持つ。 120 より K は準コンパクトである。 証明終 128 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 30 10 定義 ハウスドルフ位相空間 X の各点がコンパクトな近傍をもつとき、 X は局所コンパクトであると言う。 129 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 30 42 命題 G を第一可算公理を満たす局所コンパクトアーベル群とする。 G は完備である。 証明 V を G の単位元のコンパクトな近傍とする。 (x_n) を Cauchy 点列とする。 n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n, m ≧ n_0 に対して x_n - x_m ∈ V となる。 特に x_n - x_(n_0) ∈ V だから x_n ∈ x_(n_0) + V となる。 x_(n_0) + V はコンパクトだから 123 より点列 (x_n), n ≧ n_0 は 収束する部分点列を持つ。 124 より (x_n), n ≧ n_0 は収束する。 従って、(x_n), n ∈ Z+ も収束する。 即ち、G は完備である。 証明終 130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 33 11 定義 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ を X のフィルター( 76)とする。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して V 程度に小さい( 98) Φ の元があるとき Φ を X の Cauchy フィルターと言う。 X のフィルター基底( 77) Φ_0 が生成する X のフィルターが Cauchy フィルターのとき Φ_0 を X の Cauchy フィルター基底と言う。 131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 34 09 定義 X を 位相空間とする。 Φ を X のフィルター( 76)とする。 X の点 x の近傍全体の作るフィルターが Φ に含まれるとき Φ は x に収束すると言う。 このとき x を Φ の極限点と言う。 X のフィルター基底( 77) Φ_0 が生成するフィルターが x に 収束するとき Φ_0 は x に収束すると言う。 このとき x を Φ_0 の極限点と言う。 132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 34 39 定義 X を位相空間とする。 Φ_0 を X のフィルター基底( 77) とする。 X の点 x が任意の A ∈ Φ_0 の閉包に含まれるとき x を Φ_0 の接触点と言う。 133 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 35 38 定義 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ を X の Cauchy フィルター( 130)とする。 Ψ ⊂ Φ となる X の Cauchy フィルター Ψ は Φ に限るとき Φ を X の極小 Cauchy フィルターと言う。 134 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 36 21 定義 G を位相アーベル群とする。 A を G の部分集合とする。 G の単位元 0 の近傍 V に対して V(A) を x + V 全体の共通集合とする。 ここで x は A の点全体を動く。 135 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 39 51 補題 G を位相アーベル群とする。 A を G の部分集合とする。 G の単位元 0 の対称近傍( 92) V に対して A が V 程度に小さければ( 98) V(A) は 3V = V + V + V 程度に小さい。 証明 x と y を V(A) の元とする。 x = a + v, a ∈ A, v ∈ V y = b + w, b ∈ A, w ∈ W と書ける。 x - y = a - b + v - w ∈ V + V + V よって V(A) は 3V 程度に小さい。 証明終 136 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 42 27 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ を X の Cauchy フィルター( 130)とする。 Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。 V を G の単位元 0 の対称基本近傍系 Γ 全体を動かし、 M を Φ_0 の元全体を動かしたときの V(M) ∩ X 全体を Ψ_0 とする。 Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底( 130)であり、 Ψ_0 が生成する X のフィルター Ψ は Φ に含まれる X の唯一の極小 Cauchy フィルター( 133)である。 証明 M, N を Φ_0 の元とし、 V, W を Γ の元とする。 L ⊂ M ∩ N となる L ∈ Φ_0 と U ⊂ V ∩ W となる U ∈ Γ がある。 U(L) ⊂ V(M) ∩ W(N) である。 従って、 U(L) ∩ X ⊂ V(M) ∩ W(N) ∩ X である。 よって Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底である。 (続く) 137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20 27 01 135 より M が V 程度に小さければ V(M) ∩ X は 3V 程度に小さい。 よって Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底である。 M ⊂ V(M) ∩ X だから Ψ_0 ⊂ Φ である。 Δ を Cauchy フィルターで Δ ⊂ Φ とする。 任意の M ∈ Φ_0 V ∈ Γ に対して V 程度に小さい N ∈ Δ がある。 Δ ⊂ Φ だから N と M は交わる。 よって N ⊂ V(M) ∩ X となり、V(M) ∩ X ∈ Δ となる。 よって Ψ_0 ⊂ Δ となる。 これは Ψ_0 が Φ に含まれる唯一の極小 Cauchy フィルター であることを意味する。 証明終 138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20 38 43 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ を X の Cauchy フィルター( 130)とする。 Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。 Φ が X の 極小 Cauchy フィルターであるためには 任意の N ∈ Φ に対して M ∈ Φ_0 と G の単位元 0 の対称近傍 V があり、V(M) ∩ X ⊂ N となることが必要十分である。 証明 136 より明らかである。 139 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20 57 02 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 x を X の点とする。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して (x + V) ∩ X の全体 Φ は X の 極小 Cauchy フィルターである。 証明 Φ がフィルターであることは明らかである。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の対称近傍 W を取る。 W(x + W) = x + W + W ⊂ x + V よって 138 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。 証明終 140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21 12 19 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 X の Cauchy フィルター基底 Φ_0 が X の点 x を接触点に持てば、 x は Φ_0 の極限点である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の近傍 W がある。 Φ_0 はCauchy フィルター基底だから W 程度に小さい( 98) M ∈ Φ_0 がある。 x + W と M は交わるから M の元 z があり、z - x ∈ W となる。 y ∈ M なら y - z ∈ W である。 従って、 y - x = y - z + z - x ∈ W + W ⊂ V よって y ∈ x + V 即ち M ⊂ x + V よって x は Φ_0 の極限点である。 証明終 141 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21 26 26 命題 X を位相空間とする。 Φ と Ψ を X のフィルターで、Φ ⊂ Ψ とする。 Φ の極限点( 131)は Ψ の極限点である。 Ψ の接触点( 132)は Φ の接触点である。 証明 定義( 131, 132)より明らかである。 142 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21 55 17 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 X の任意の Cauchy 点列が収束するとする。 このとき X の任意の可算な Cauchy フィルター基底も収束する。 証明 (F_n), n ∈ Z+ を可算な Cauchy フィルター基底とする。 (F_n) が生成するフィルターを Φ とする。 A_n = F_0 ∩. . . ∩F_n とする。 (A_n), n ∈ Z+ が生成するフィルターも Φ である。 各 A_n から点 x_n を取り出し点列 (x_n) を作る。 (A_n) は Cauchy フィルター基底だから (x_n) は Cauchy 点列( 88) である。 B_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。 (B_n), n ∈ Z+ は X の可算なフィルター基底である。 (B_n) が生成するフィルターを Ψ とする。 B_n ⊂ A_n だから Φ ⊂ Ψ である。 点列 (x_n) は Cauchy 点列だから収束する。 従って (B_n) も収束する。 従って Ψ も収束する。 Ψ の収束点は Ψ の接触点だから 141 より Φ の接触点でもある。 140 より、これは Φ の極限点である。 証明終 143 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 06 56 注意 142 では G での第一可算公理を仮定していない。 144 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 07 57 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 X を G の部分空間で完備( 100)とする。 X の任意の Cauchy フィルターは X において収束する。 証明 (V_n), n ∈ Z+ を G の単位元の基本近傍系とする。 Φ を X の Cauchy フィルターとする。 A_n を V_n 程度に小さい( 98) Φ の元とする。 (A_n), n ∈ Z+ は Cauchy フィルター基底である。 (A_n), n ∈ Z+ が生成する Cauchy フィルターを Ψ とする。 Ψ ⊂ Φ である。 142 より Ψ は収束するから Φ も収束する。 証明終 145 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 10 01 定義 G を位相アーベル群とする。 G の部分空間 X に含まれる Cauchy フィルター( 130)が常に X の点に 収束するとき X を完備という。 146 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 11 14 144 より 145 の定義は 101 の定義と矛盾しない。 147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 20 53 定義 G を位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 G のある元 S が存在して、 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ∈ S + V となるとき、族 (x_i) は総和可能といい、 S をその和と呼ぶ。 このとき S = Σx_i と書く。 148 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 23 35 訂正 147 G を位相アーベル群とする。 G を分離的( 73)な位相アーベル群とする。 149 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23 25 49 命題 X をハウスドルフ空間( 83)とする。 X のフィルターが収束( 131)するときその極限点は一意に決まる。 証明 Φ を X のフィルターで、x と y を Φ の極限点とする。 x ≠ y と仮定する。 x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがある。 V と W は Φ の元だから V ∩ W も Φ の元であり空でない。 これは矛盾である。 証明終 150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23 37 35 命題 G を分離的( 73)な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 族 (x_i) が総和可能なら、その和は一意に決まる。 証明 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K) J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。 Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。 族 (x_i) が総和可能で、その和が x であることと Ψ_0 が収束してその極限点が x であることは同値である。 G はハウスドルフ空間である( 85)から 149 より Ψ_0 の極限点は一意に決まる。 証明終 151 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23 49 47 命題( 28 の一般化) G を分離的( 73)な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 K を集合として、φ K → I を同型、即ち全単射とする。 族 (x_i) が総和可能( 147) なら 族 (x_φ(k))) も総和可能であり、 Σx_i = Σx_φ(k) となる。 証明 S = Σx_i とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 同様に K の有限部分集合全体の集合を Φ(K) とする。 H ∈ Φ(K) に対して T(H) = Σx_φ(k) とおく。 ここで右辺の和の k は H の元全体を動く。 H が空集合のときは T(H) = 0 とする。 T(H) = S(φ(H)) である。 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ∈ S + V となる。 H_0 = φ^(-1)(J_0) とおく。 H_0 ⊂ H となる H ∈ Φ(K) に対して J = φ(H) とおく。 φ は全単射だから J_0 = φ(H_0) である。 H_0 ⊂ H だから J_0 ⊂ J である。 よって S(J) = S(φ(H)) ∈ S + V 即ち、T(H) ∈ S + V これは S = Σx_φ(k) を意味する。 証明終 152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00 09 11 命題( 29 の一般化) G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 族 (x_i) は総和可能( 25)とする。 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ V となる。 証明 W + W ⊂ V となる 0 の対称近傍 W がある。 J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ∈ S + W となる。 J - J_0 = K とおく。 S(J) = S(J_0) + S(K) である。 S(K) = S(J) - S(J_0) = S(J) - S + S - S(J_0) ∈ W + W ⊂ V 証明終 153 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00 36 08 定義(Cauchy の判定条件) G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 次の条件を Cauchy の判定条件と言う。 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ V となる。 154 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00 41 57 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i) が総和可能なら G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、i ∈ I - J_0 なら x_i ∈ V となる。 証明 152 より明らかである。 155 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01 12 43 命題 X をハウスドルフ空間とする。 x を X の任意の点とする。 x のすべての近傍の共通部分は {x} である。 証明 x のすべての近傍の共通部分を Y とする。 y ∈ Y で y ≠ x とすると、 x の近傍 V で y を含まないものがあるから、これは矛盾である。 よって Y = {x} である。 証明終 156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01 23 39 命題 G を第一可算公理を満たす分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i) が総和可能なら x_i ≠ 0 となる i の集合は高々可算である。 証明 (V_n), n ∈ Z+ を G の単位元の基本近傍系とする。 x_i が V_n に含まれないような i の集合を H_n とする。 155 より V_n 全体の共通部分は {0} であるから x_i ≠ 0 となる i の集合 H は H_n の和集合となる。 154 より H_n は有限集合である。 従って H は高々可算である。 証明終 157 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01 38 21 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K) J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。 Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。 (x_i), i ∈ I が Cauchy の判定条件( 153)を満たせば、 Ψ_0 は Cauchy フィルター基底( 130)である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の対称近傍 W をとる。 Cauchy の判定条件( 153)より J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ W となる。 J_0 ⊂ J なら K = J - J_0 とおくと S(K) = S(J) - S(J_0) ∈ W となる。 同様に J_0 ⊂ J_1 なら K_1 = J_1 - J_0 とおくと S(K_1) = S(J_1) - S(J_0) ∈ W となる。 よって S(J_1) - S(J) = S(J_1) - S(J_0) + S(J_0) - S(J) ∈ W + W ⊂ V よって Ψ_0 は Cauchy フィルター基底である。 証明終 158 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01 45 44 命題(Cauchy の定理) G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i), i ∈ I が Cauchy の判定条件( 153)を満たせば、 (x_i), i ∈ I は総和可能である。 証明 J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K) J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。 Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。 157 より Ψ_0 は Cauchy フィルター基底( 130)である。 G は完備( 145)だから Ψ_0 は収束する。 よって (x_i), i ∈ I は総和可能である。 証明終 159 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 02 31 11 命題( 42の一般化) G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 族 (x_i) は総和可能( 25)とする。 H を I の任意の部分集合とする。 H を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ H は総和可能である。 証明 152 より族 (x_i), i ∈ I は Cauchy の判定条件( 153)を満たす。 即ち、G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ V となる。 L ∈ Φ(H) で (J_0 ∩ H) ∩ L = J_0 ∩ L が空集合なら S(L) ∈ V となる。 即ち、部分族 (x_i), i ∈ H もCauchy の総和可能判定条件を満たす。 従って、 158 より (x_i), i ∈ H は総和可能である。 証明終 160 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 08 58 38 訂正 134 V(A) を x + V 全体の共通集合とする。 V(A) を x + V 全体の和集合とする。 ここで x は A の点全体を動く。 即ち V(A) = A + V である。 161 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 11 37 命題 G を位相群とする。 Ψ_0 を G の単位元の基本近傍系とする。 A を G の空でない部分集合とする。 {VA ; V ∈ Ψ_0} の共通部分は A の閉包である。 証明 {VA ; V ∈ Ψ_0} の共通部分を B とする。 x ∈ B は 任意の V ∈ Ψ_0 に対して x ∈ VA と同値である。 これは任意の V ∈ Ψ_0 に対して V^(-1)x が A と交わることと 同値である。 これは x が A の閉包に属すことと同値である。 証明終 162 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 22 03 命題 G を位相群とする。 A を G の空でない部分集合とする。 V を単位元の任意の近傍とする。 このとき cls(A) ⊂ VA である。 ここで cls(A) は A の閉包を表す。 証明 161 より明らかである。 163 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 27 06 命題 G を位相群とする。 単位元の閉近傍全体は単位元の基本近傍系である。 証明 V を単位元の任意の近傍とする。 W^2 ⊂ V となる単位元の近傍 W がある。 162 より cls(W) ⊂ W^2 である。 証明終 164 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 33 34 命題( 43の一般化) G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 族 (x_i) は総和可能( 25)とする。 S = Σx_i をその和とする。 (I_λ), λ ∈ L を I の任意の分割とする。 即ち I = ∪I_λ, λ ∈ L で λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合 である。 159 より部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能である。 この和を S_λ とする。 族 (S_λ), λ ∈ L は総和可能で、その和 ΣS_λ は S = Σx_i に 等しい。 証明 K ∈ Φ(L) に対して T(K) = ΣS_λ とおく。 ここで右辺の和の λ は K の元全体を動く。 K が空集合のときは T(K) = 0 とする。 (続く) 165 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 35 18 即ち、G の単位元の任意の対称近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S - S(J) ∈ V となる。 K_0 = {λ ∈ L ; J_λ = I_λ ∩ J_0 が空でない } とおく。 K を L の有限部分集合で K_0 ⊂ K とする。 163 より単位元の閉近傍全体は基本近傍系であるから S - T(K) ∈ cls(V) を示せばよい。 G の単位元の任意の対称近傍 W に対して 各 λ ∈ K に対して J_λ ⊂ H_λ ⊂ I_λ となる有限部分集合 H_λ が存在して S_λ - (H_λ) ∈ W となる。 J = ∪H_λ, λ ∈ K とおく。J は I の有限部分集合で J_0 を含む。 S(J) = ΣT(H_λ), λ ∈ K である。 S - T(K) = S - ΣS_λ = S - Σ(S_λ - T(H_λ)) - ΣT(H_λ) = S - S(J) - Σ(S_λ - T(H_λ)) ∈ V + nW n は K の元の個数である。 W はいくらで小さく出来るから 161 より S - T(K) ∈ cls(V) となる。 証明終 166 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 48 03 命題(総和記号の交換) G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。 L と M を任意の集合とする。 (x_(λ,μ)), (λ,μ) ∈ L×M を L×M を添字集合とする G の元の族とする。 (x_(λ,μ)) が総和可能なら Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), μ ∈ M), λ ∈ L = Σ(Σx_(λ,μ), λ ∈ L), μ ∈ M となる。 証明 L×M は ({λ}×M), λ ∈ L により分割される。 164 より Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), μ ∈ M), λ ∈ L である。 同様に、(L×{μ}), μ ∈ M により分割される。 164 より Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), λ ∈ L), μ ∈ M である。 証明終 167 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 54 56 命題( 58の一般化) G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 (I_λ), λ ∈ L を I の有限な分割とする。 即ち、L は有限集合で、I = ∪I_λ で λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合である。 I_λ を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能とする。 この和を S_λ とする。 このとき (x_i), i ∈ I は総和可能で S = Σx_i をその和とすると、S = ΣS_λ である。 証明 L = {1, 2} の場合に証明すれば十分である。 I_1 の有限部分集合全体の集合を Φ(I_1) とする。 H_1 ∈ Φ(I_1) に対して S_1(H_1) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は H_1 の元全体を動く。 同様に H_2 ∈ Φ(I_1) に対して S_2(H_2) を定義する。 (続く) 168 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 55 44 即ち、G の単位元の任意の対称近傍 V に対して J_1 ∈ Φ(I_1) があり、 J_1 ⊂ H_1 となる任意の H_1 ∈ Φ(I_1) に対して S_1 - S_1(H_1) ∈ V となる。 同様に J_2 ∈ Φ(I_2) があり、 J_2 ⊂ H_2 となる任意の H_2 ∈ Φ(I_2) に対して S_2 - S_2(H_2) ∈ V となる。 J_1 ∪ J_2 ⊂ H とする。 H_1 = H ∩ I_1 H_2 = H ∩ I_2 H = H_1 ∪ H_2 J_1 ⊂ H_1 J_2 ⊂ H_1 S(H) = S_1(H_1) + S_2(H_2) である。 S = S_1 + S_2 とする。 S - S(H) = S_1 - S_1(H_1) + S_2 - S_2(H_2) ∈ V + V 証明終 169 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10 13 45 定義 位相群 G から位相群 G への群としての準同型 f が連続なとき f を位相群としての射または単に射と言う。 170 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10 33 27 (G_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相群の族とする。 G = ΠG_i は自然に位相群となる。 これを示そう。 H_i = (G_i)×(G_i) とおく。 f_i H_i → G_i を f_i(x, y) = xy^(-1) で定義する。 f_i は連続である。 H = ΠH_i とおく。 g H → G を g((x_i, y_i)) = ((x_i(y_i)^(-1)) で定義する。 G から G_i への射影を p_i とする。 H から H_i への射影を q_i とする。 (p_i)g = (f_i)(q_i) である。 (f_i)(q_i) H → G_i は連続である。 従って g も連続である。 一方、G×G は位相群として標準的に H に同型である。 この同型を φ とする。 即ち φ((x_i), (y_i)) = ((x_i, y_i)) gφ G×G → G は連続である。 gφ(x, y) = xy^(-1) である。 従って G は位相群である。 171 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10 55 31 (G_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相群の族とする。 170 より G = ΠG_i は自然に位相群となる。 各 i ∈ I に対して p_i G → G_i を射影とする。 (G, (p_i)) は次の性質 (P) を持つ。 H を位相群とし、各 i ∈ I に対して f_i H → G_i を位相群としての射( 169)とする。 このとき射 f H → G で (p_i)f = f_i となるものが一意に存在する。 性質 (P) の証明は読者にまかす。 位相群 G と各 i ∈ I に対して射 q_i G → G_i があり、 (G , (q_i)) が性質 (P) を持てば 射で α G → G で (q_i)α = p_i 射で β G → G で (p_i)β = q_i となるものがある。 このとき射の一意性から βα = 1, αβ = 1 となる。 従って G は G と同型である。 172 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 11 17 51 命題 (X_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相空間の族とする。 X = ΠX_i を直積とする。 各 i ∈ I に対して p_i X → X_i を射影とする。 Φ を X のフィルター基底とする。 Φ が x に収束するためには各 i ∈ I に対して フィルター基底 p_i(Φ) が p_i(x) に収束することが必要十ウンである。 証明 Φ が x に収束するとする。 各 i ∈ I に対して V_i を p_i(x) の任意の近傍とする。 (p_i)^(-1)(V_i) は x の近傍だから M ⊂ (p_i)^(-1)(V_i) となる M ∈ Φ がある。 p_i(M) ⊂ V_i だから p_i(Φ) は p_i(x) に収束する。 逆に各 i ∈ I に対して p_i(Φ) が p_i(x) に収束するとする。 V を x の任意の近傍とする。 有限個の I の元 L = {i_1, . . . , i_n} と 各 k ∈ L に対して p_k(x) の近傍 V_k があり、 ∩(p_k)^(-1)(V_k) ⊂ V となる。 各 k ∈ L に対して p_k(M_k) ⊂ V_k となる M_k ∈ Φ がある。 M ⊂ ∩M_k となる M ∈ Φ をとる。 M ∈ Φ で M ⊂ ∩(p_k)^(-1)(V_k) ⊂ V となる。 よって Φ は x に収束する。 証明終 173 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 11 44 59 命題 (G_λ), λ ∈ L を L を添字集合とする分離的な位相アーベル群の 族とする。 G = ΠG_λ は自然に位相アーベル群となる。 G は分離的である。 p_λ G → G_λ を射影とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i) が総和可能であるためには各 λ に対して G_λ の元の族 (p_λ(x_i)), i ∈ I が総和可能であることが必要十分である。 このとき S_λ = Σp_λ(x_i) とすると S = (S_λ) は (x_i) の和である。 証明 J を I の有限部分集合とする。 S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元を動く。 p_λ(S(J)) = Σp_λ(x_i) である。 ここで右辺の和の i は J の元を動く。 このことと、 172 より本命題の主張は直ちに出る。 証明終 174 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12 08 12 命題 X, Y を位相空間とし、 f X → Y を連続写像とする。 Φ を X のフィルター基底で x に収束するとする。 このときフィルター基底 f(Φ) は f(x) に収束する。 証明 f(x) の任意の近傍 V をとる。 f^(-1)(V) は x の近傍だから M ∈ Φ があり、 M ⊂ f^(-1)(V) となる。 よって f(M) ⊂ V である。 よって f(Φ) は f(x) に収束する。 証明終 175 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12 13 17 命題 G と G を分離的な位相アーベル群とする。 f G → G を位相群の射( 169)とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i) が総和可能なら (f(x_i)) も総和可能であり、 f(Σx_i) = Σf(x_i) となる。 証明 i が I の有限部分集合 J の元を動くとき f(Σx_i) = Σf(x_i) となる。 これと 174 より明らかである。 証明終 176 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12 28 40 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_i), (y_i) を I を添字集合とする G の元の二つの族とする。 (x_i) と (y_i) は総和可能とする。 n を任意の有理整数とする。 このとき (-x_i), (n(x_i)), (x_i + y_i) はそれぞれ総和可能で 1) Σ(-x_i) = -Σx_i 2) Σn(x_i) = nΣx_i 3) Σ(x_i+ y_i) = Σx_i + Σy_i となる。 証明 x → -x と x → nx は G から G への射である。 従って 1), 2) は 175 から出る。 173 より (x_i, y_i) は G×G において総和可能であり、 その和は (Σx_i, Σy_i) である。 (x, y) に x + y を対応させる 写像 G×G → G は位相群の射だから 175 より 3) が出る。 証明終 177 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 12 21 定義( 45の一般化) G を分離的な位相アーベル群とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の Z+ を添字集合とする点列とする。 S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。 点列 (S_n) が収束するとき S = lim S_n を点列 (x_n) が定める級数の 和といい、 S = Σx_n と書く。 これは (x_n) が総和可能なときの和の記号と同じで紛らわしいので Bourbaki は Σ の代わりに太字の S を使っている。 しかし、このスレでは従来通りの記号を使うことにする。 178 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 30 40 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ_0 を X のフィルター基底( 77)で X の点 x に収束するとする。 このとき Φ_0 は Cauchy フィルター基底( 130)である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ∈ V となる 0 の対称近傍 W を取る。 M ⊂ x + W となる M ∈ Φ_0 がある。 M - M ∈ W - W = W + W ⊂ V である。 よって Φ_0 はCauchy フィルター基底である。 証明終 179 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 31 55 定義 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 (x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。 A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。 X のフィルター基底( 77) (A_n) が Cauchy フィルター基底( 130)と なるとき (x_n) を X の Cauchy 点列と言う。 180 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 35 38 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 (x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。 (x_n) が X の点 x に収束するとする。 このとき (x_n) は Cauchy 点列( 179)である。 証明 A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。 X のフィルター基底( 77) (A_n) が は x に収束する。 従って 178 より (A_n) は Cauchy フィルター基底( 130)である。 従って (x_n) は Cauchy 点列である。 証明終 181 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 45 58 G を分離的な位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 (x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。 S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。 180 より 点列 (x_n) が定める級数が収束するためには 点列 (S_n) が Cauchy 点列であることが必要である。 これは G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n ≧ n_0 と p > 0 に対して S_(n+p) - S_n = x_(n+1) + . . . + x_(n+p) ∈ V と なることと同値である。 G が完備( 145)なら、この条件は十分である。 182 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15 38 21 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。 181 より 点列 (x_n) が定める級数が収束するためには lim x_n = 0 が必要である。 183 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15 46 41 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), (y_n) を G の元の点列とする。 級数 Σx_n と 級数 Σy_n は収束するとする。。 m を任意の有理整数とする。 このとき級数 (-x_n), (m(x_n)), (x_n + y_n) はそれぞれ収束し、 1) Σ(-x_n) = -Σx_n 2) Σm(x_n) = mΣx_n 3) Σ(x_n+ y_n) = Σx_n + Σy_n となる。 証明 -x と mx は G で連続であり、 x + y は G×G で連続なことから明らかである。 184 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15 57 12 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 m ∈ Z+ のとき (x_n), n ∈ Z+ の部分点列 (x_(n+m)), n ∈ Z+ の部分点列を考える。 級数 Σx_n と 級数 Σx_(n+m) は同時に収束する。 Σx_n = S_(m-1) + Σx_(n+m) であるから m → ∞ のとき Σx_(n+m) → 0 である。 185 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 12 30 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 (x_n) が総和可能でその和を S とする。 このとき、級数 Σx_n は収束して S = Σx_n である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(Z+) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(Z+) に対して S(J) ∈ S + V となる。 S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。 J_0 に含まれる最大の有理整数 を n_0 とする。 n ≧ n_0 なら S_n ∈ S + V となる。 即ち S = lim S_n である。 証明終 186 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 16 02 定義 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 N の任意の置換、即ち全単射 σ N → N に対して 級数 (x_σ(n)), n ∈ Z+ が収束するとき (x_n), n ∈ Z+ により定義される級数は可換収束すると言う。 187 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 30 43 命題( 48の一般化) G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 (x_n), n ∈ Z+ により定義される級数が可換収束するためには (x_n) が総和可能であることが必要十分である。 このとき、(x_n) の和を S とすると、 N の任意の置換 σ に対して (x_σ(n)) により定義される級数は S に収束する。 証明 (x_n) が総和可能なら、 151 より N の任意の置換 σ に対して (x_σ(n)) も総和可能で S = Σx_σ(n) となる。 185 より (x_σ(n)) により定義される級数も S に収束する。 逆に (x_n), n ∈ Z+ により定義される級数が可換収束するとする。 点列 (x_n) が総和可能でないとして矛盾を導く。 点列 (x_n) は Cauchy の判定条件( 153) を満たさない。 G の単位元の任意の近傍 V があり、 任意の J ∈ Φ(Z+) に対して H ∈ Φ(Z+) で J ∩ H が空集合となり S(H) ∈ G - V となる。 (続く) 188 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 31 35 まず最初に J として空集合を取れば H_0 ∈ Φ(Z+) で S(H_0) ∈ G - V となるものがある。 次に J = H_0 として H_0 と交わらない H_1 で S(H_1) ∈ G - V と なるものがある。 次に J = H_0 ∪ H_1 として H_0 ∪ H_1 と交わらない H_2 で S(H_2) ∈ G - V と となるものがある。 これを続けると(厳密には数学的帰納法により) Z+の有限部分集合の族 (H_n), n ∈ Z+ で以下の条件を満たすものが 存在する。 1) n ≠ m なら H_n と H_m は交わらない。 2) Z+ = ∪(H_n), n ∈ Z+ 3) 任意の n ∈ Z+ に対して S(H_n) ∈ G - V 点列 (x_n) を添字 n が H_0, H_1, . . . に現れる順に並べ変えた ものを (x_σ(n)) とする。 点列 (x_σ(n)) が定める級数は条件 3) より Cauchy の収束判定条件を 満たさない。 よって (x_σ(n)) が定める級数は収束しない。 これは仮定に反する。 証明終 189 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 37 57 定義 A を環であり同時に位相空間とする。 A が以下の条件を満たすとき位相環と言う。 1) A は加法に関して位相群である。 2) (x, y) に xy を対応させる写像 A×A → A は連続である。 190 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 47 33 定義 K を(必ずしも可換でない)体であり同時に位相空間とする。 K が以下の条件を満たすとき位相体と言う。 1) K は位相環( 189)である。 2) x に x^(-1) を対応させる写像 K^* → K^* は連続である。 ここで K^* = K - {0} は K の乗法群を表す。 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 21時58分54秒 代数的整数論 007 (141-210) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/141-210 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/141-210 141 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08 28 18 命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E, F, G を K 上のノルム空間とする。 f ∈ L(E; F), g ∈ L(F; G) に対して, gf ∈ L(E; G) で |gf| ≦ |g||f| 証明 gf ∈ L(E; G) は明らかである。 任意の x ∈ E に対して、 |gf(x)| ≦ |g||f(x)| ≦ |g||f||x| よって、 |gf| ≦ |g||f| 証明終 142 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08 36 08 K を可換体とする。 | | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E を K 上のノルム空間とする。 1 を E の恒等写像とする。 |1| = 1 は明らかである。 139 と 141 より L(E; E) は K 上のノルム環(過去スレ006の694)に なる。 143 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08 46 45 訂正 136, 137, 138, 139, 141 の K は可換体とする。 何故なら、K が非可換体のとき、L((E_i); F) は K 上の線形空間に ならない! 144 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 11 50 40 命題 K を可換体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E, F を K 上のノルム空間とする。 F が完備なら L(E; F) も完備である。 証明 (f_n), n ≧ 0 を L(E; F) の Cauchy 列とする。 任意の x ∈ E と任意の整数 n, m ≧ 0に対して |f_m(x) - f_n(x)| ≦ |f_m - f_n||x| 従って、任意の x ∈ E に対して (f_n(x)), n ≧ 0 は F の Cauchy 列 である。 F は完備だから (f_n(x)) は収束する。それを f(x) と書く。 f が線形写像であることは容易にわかる。 (続く) 145 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 11 52 56 144 の続き。 任意の実数 ε > 0 に対して整数 p ≧ 0 があり、 n, m ≧ p に対して ||f_m - f_n| < ε だから |f_m(x) - f_n(x)| ≦ ε|x| |f_m - f_n| < ε だから |f_m| ≦ |f_n| + ε よって、任意の x ∈ E に対して |f_m(x)| ≦ (|f_n| + ε)|x| p, n, x を固定して、m → ∞ とすると、 |f(x)| ≦ (|f_n| + ε)|x| よって 134 より、f は連続である。 |f_m(x) - f_n(x)| ≦ ε|x| において p, n, x を固定して、m → ∞ とすると、 |f(x) - f_n(x)| ≦ ε|x| よって |f - f_n| ≦ ε よって f_n → f となる。 証明終 146 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 11 56 17 命題 K を可換体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。 F が完備なら L((E_i); F) ( 136) も完備である。 証明 144 と同様である。 147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 12 12 00 関数列および関数からなるフィルタ-の一様収束について 基本的なことを述べる。 148 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 13 09 12 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 V が Y の近縁のとき、集合 {(f, g) ∈ F(X, Y)×F(X, Y); 任意の x に対して (f(x), g(y)) ∈ V} を W(V) と書く。 V, V が Y の近縁のとき、次の 1), 2), 3) が成り立つことは容易にわかる。 1) W(V) ⊂ W(V ) 2) W(V)^(-1) = W(V^(-1)) 3) W(V)^2 = W(V^2) 従って、V が Y の近縁全体を動くとき、W(V) 全体は F(X, Y) の一様構造の基本近縁系(過去スレ006の195)となる。 149 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 13 27 20 定義 148 の F(X, Y) の一様構造を一様収束の構造という。 この一様構造で定義される位相を、一様収束の位相と言う。 F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131) するとき、Φ は f に一様収束すると言う。 F(X, Y) の点列 (f_n), n ≧ 0 がこの位相で f に収束するとき、 (f_n) は f に一様収束すると言う。 150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 14 23 04 定義 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ を X の部分集合の集合とする。 A ∈ Σ のとき、写像 φ_A F(X, Y) → F(A, Y) を φ_A(f) = f|A で定義する。ここで、f|A は f の A への制限である。 各 A ∈ Σ に対して、F(A, Y) に一様収束の構造( 149)をいれたとき、 各 φ_A を一様連続にするような F(X, Y) の最も荒い一様構造を、 Σ 上での一様収束の一様構造、または、Σ-収束の一様構造と言う。 これは、F(A, Y) の一様収束の構造の φ_A による逆像(過去スレ006の224)を α_A としたとき、 sup {α_A; A ∈ Σ} (過去スレ006の220)である。 F(X, Y) に Σ-収束の一様構造を与えた空間を F_Σ(X, Y) と 書く場合がある。 F(X, Y) に一様収束の構造( 149)を入れた空間を F_u(X, Y) とも 書く。 Σ-収束の一様構造から定まる位相をΣ-収束の位相または Σでの一様収束の位相と言う。 F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131) するとき、Φ は Σ 上で f に 一様収束すると言う。 151 :132人目の素数さん:2007/08/27(月) 14 25 43 Kummerおはようー びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 14 35 29 例 X をハウスドルフ位相空間とし、K を実数体または複素数体とする。 Σ を X のコンパクト部分集合全体とする。 F(X, K) の点列 (f_n), n ≧ 0 が Σ 上で f に一様収束する( 150) とは、X 上で (f_n) が f にコンパクト一様収束または広義一様収束((杉浦の解析入門) することと同じである。 153 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 16 02 07 定義 X と Y を集合とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 H ⊂ F(X, Y) と x ∈ X に対して、H(x) = { f(x) ; f ∈ H } と 書く。 Φ が F(X, Y) 上のフィルター基底のとき、{H(x) ; H ∈ Φ} を Φ(x) と書く。Φ(x) は Y 上のフィルター基底である。 A ⊂ X のとき H|A = { f|A ; f ∈ H } と書く。 f|A は f の A への制限である。 H|A ⊂ F(A, Y) である。 154 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 16 03 49 定義 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ を X の各点よりなる集合の集合とする。 Σ 上での一様収束の一様構造( 150)を X での単純収束の 一様構造という。 F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131) するとき、Φ は X 上で f に単純収束すると言う。 これは、X の各点 x で Φ(x) ( 153) が f(x) に収束すること と同値である。 155 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 16 13 15 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ を X の部分集合の集合とする。 Γ_0 を Y の基本近縁系とする。 A ∈ Σ と V ∈ Γ_0 に対して W(A, V) = {(f, g) ∈ F(X,Y)×F(X,Y);任意の x ∈ A に対して (f(x), g(y)) ∈ V} と書く。 150 の sup {α_A; A ∈ Σ} より、 A が Σ の元を動き、V が Γ_0 を動いたとき W(A, V) の有限個の 共通部分全体が Σ 上での一様収束の一様構造の基本近縁系となる。 156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 16 30 40 155 の記号を使う。 Σ 上での一様収束の一様構造( 150)において、 Σ を Σ の元の有限個の合併に含まれる集合の全体とする。 A, B ∈ Σ と V ∈ Γ_0 に対して A ⊂ A なら W(A, V) ⊂ W(A , V) W(A ∪ B) = W(A, V) ∩ W(B, V) だから Σ 上での一様収束の一様構造と Σ 上での一様収束の一様構造は 同じである。 よって Σ ははじめから次の性質をもつと仮定してよい。 1) A ∈ Σ で A ⊂ A なら A ∈ Σ 2) A, B ∈ Σ なら A ∪ B ∈ Σ このとき、A が Σ の元を動き、V が Γ_0 を動いたとき W(A, V) の 全体が Σ 上での一様収束の一様構造の基本近縁系となる。 157 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 18 44 14 X を集合、 Y を位相アーベル群とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 F(X, Y) は自明な仕方でアーベル群になる。 Σ を X の部分集合の集合とする。 (f_i), i ∈ I を F(X, Y) の元の族とする。 I の有限部分集合全体を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して Σf_i, i ∈ J を S(J) とおく。 Ψ(J) = { S(H) ∈ Φ(I) ; J ⊂ H } とおく。 J を動かしたとき Ψ(J) 全体は F(X, Y) のフィルター基底である。 これを Ψ_0 とする。 Ψ_0 が Σでの一様収束の位相( 150)で極限をもつとき、 族 (f_i) は Σ 上で一様に総和可能と言う。 (u_n), n ≧ 0 が F(X, Y) の元の列のとき、 部分和 Σu_i (0 ≦ i ≦ n) を S_n とおく。 列 (S_n) が Σ 上で一様収束するとき、 級数 Σu_i は Σ 上で一様に収束すると言う。 158 :3:2007/08/28(火) 00 50 47 すまん、俺が 3で貼ったばかりに… 159 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 04 53 21 命題 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ を X の部分集合の集合とする。 Y が分離的で Σ が X の被覆なら F(X, Y) の Σ-収束の一様構造 ( 150)は分離的である。 証明 任意の A ∈ Σ と Y の任意の近縁 V に対して (f, g) ∈ W(A, V) とする。 ここで、W(A, V) は 155 で定義したもの。 Y は分離的だから過去スレ006の214より A 上で f = g である。 Σ は X の被覆だから X 上で f = g である。 過去スレ006の214より F(X, Y) は分離的である。 証明終 160 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 05 25 00 補題 α, β を集合 X 上の一様構造で、β ⊂ α とする。 α の基本近縁系で β の位相で閉な近縁からなるものがあるとする。 X のフィルター Φ が α で収束するためには Φ が α の Cauchy フィルターで β で収束することが 必要十分である。 証明 必要性は明らかである。 Φ が α の Cauchy フィルターで β の位相で x に収束するとする。 V を β の位相で閉な α の対称近縁とする。 M ∈ Φ で V 程度に小さい(過去スレ006の235)ものがある。 y ∈ M なら M ⊂ V(y) である。 V(y) は β の位相で閉だから β の位相 での M の閉包 cls(M) は V(y) に含まれる。x ∈ cls(M) だから x ∈ V(y) である。 V は対称近縁だから y ∈ V(x) よって M ⊂ V(x) である。 即ち Φ は α の位相で x に収束する。 証明終 161 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 05 51 26 定義( 154 の一般化) X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 A を X の部分集合、Σ を A の各点よりなる集合の集合とする。 Σ 上での一様収束の一様構造( 150)を A での単純収束の 一様構造という。 F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131) するとき、Φ は A 上で f に単純収束すると言う。 これは、A の各点 x で Φ(x) ( 153) が f(x) に収束すること と同値である。 162 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 06 01 58 命題 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ を X の部分集合の集合とする。 F(X, Y) のフィルター Φ が Σ-収束の位相( 150)で f に収束するためには、Φ が Σ-収束の一様構造( 150)で Cauchy フィルターであり、B = ∪{A ∈ Σ} で f に 単純収束( 161)することが必要十分である。 証明 B での単純収束の一様構造( 161) は Σ-収束の一様構造より荒い。 160 より、任意の A ∈ Σ と Y の任意の閉近縁 V に対して W(A, V) が B での単純収束の位相で閉であることを言えばよい。 x ∈ A のとき、u ∈ F(X, Y) に u(x) を対応させる写像は B での単純収束の位相で一様連続である。 よって (u, v) ∈ F(X, Y)×F(X, Y) に (u(x), v(x)) を 対応させる写像 ψ_x も連続である。 W(A, V) = ∩{(ψ_x)^(-1)(V); x ∈ A} であり、V は閉だから W(A, V) は単純収束の位相で閉である。 証明終 163 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 06 33 27 定理 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ を X の部分集合の集合とする。 Y が完備なら F(X, Y) の Σ-収束の一様構造( 150)も完備である。 証明 Φ を Σ-収束の一様構造での F(X, Y) の Cauchy フィルターとする。 B = ∪{A ∈ Σ} とおく。 x ∈ B のとき、u ∈ F(X, Y) に u(x) を対応させる写像は Σ-収束の一様構造で一様連続である。 よって、Φ(x) ( 153) は Y 上の Cauchy フィルター基底である (過去スレ006の240)。 Y が完備なら Φ(x) は Y で収束する。 その極限点の一つを f(x) とおく。 x が B に含まれないとき、f(x) は Y の任意の点にする。 このとき、Φ は B 上で f に単純収束する。 162 より Φ は Σ-収束の位相で f に収束する。 証明終 164 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 09 23 11 命題 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Φ を X 上のフィルター(過去スレ006の75)とする。 H = {f ∈ F(X, Y); f(Φ) は Y の Cauchy フィルターの基底} とおくと、H は F(X, Y) の一様収束の位相( 149)で閉である。 証明 g が H の一様収束の位相での閉包に含まれるとする。 Y の任意の対称近縁 V と任意の x ∈ X に対して (g(x), f(x)) ∈ V となる f ∈ H がある。 f(Φ) は Y の Cauchy フィルターの基底だから、M ∈ Φ があり、 任意の x, y ∈ M に対して (f(x), f(y)) ∈ V となる。 (g(x), f(x)) ∈ V, (g(y), f(y)) ∈ V だから (g(x), g(x)) ∈ V^3 である。 即ち、g ∈ H である。 証明終 165 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 09 39 40 命題 X を位相空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 x ∈ X に対して、 E(x) = {f ∈ F(X, Y); f は x で連続} とおく。 E(x) は F(X, Y) の一様収束の位相( 149)で閉である。 証明 Φ を x の近傍全体とする。 f ∈ E(x) なら f(Φ) は f(x) に収束する。 従って、f(Φ) は Y の Cauchy フィルターの基底である。 逆に、f ∈ F(X, Y) で、 f(Φ) が Y の Cauchy フィルターの基底であるとする。 任意の U ∈ Φ に対して x ∈ U だから f(x) ∈ f(U) である。 即ち、f(x) は f(Φ) の接触点(過去スレ006の132)である。 従って、過去スレ006の248より、f(Φ) は f(x) に収束する。 よって、f は x で連続、即ち f ∈ E(x) である。 以上から E(x) は 164 の H と一致する。 従って、 164 より E(x) は一様収束の位相で閉である。 証明終 166 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 09 52 50 定理(Weierstrass) X を位相空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とし、 C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。 C(X, Y) は F(X, Y) の一様収束の位相( 149)で閉である。 証明 x ∈ X に対して、 E(x) = {f ∈ F(X, Y); f は x で連続} とおく。 C(X, Y) = ∩{E(x); x ∈ X} である。 165 より、任意の x に対して、E(x) は一様収束の位相で 閉であるから C(X, Y) も閉である。 証明終 167 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 10 11 23 命題 X を位相空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とし、 C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。 F(X, Y) は一様収束の一様構造( 149)で一様空間と考える。 C(X, Y) は F(X, Y) の部分空間として一様空間である。 Y が完備なら C(X, Y) もこの一様構造で完備である。 証明 163 より F(X, Y) は一様収束の一様構造( 149)で完備である。 166 より、C(X, Y) は F(X, Y) の一様収束の位相( 149)で閉である。 従って、完備一様空間の閉集合として C(X, Y) は完備である (過去スレ006の250)。 証明終 168 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 10 20 46 定義 X を位相空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ を X のコンパクト部分集合全体とする。 F(X, Y) の Σ-収束の一様構造( 150)をコンパクト収束の一様構造と 言い、これで定まる位相をコンパクト収束の位相という。 169 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 10 30 31 命題 X を局所コンパクト空間(過去スレ006の128)、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とし、 C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。 C(X, Y) は F(X, Y) のコンパクト収束の位相( 168)で閉である。 証明 f ∈ F(X, Y) をコンパクト収束の位相での C(X, Y) の接触点とする。 X の任意のコンパクト集合 K と Y の任意の近縁、任意の x ∈ K に 対して (f(x), g(x)) ∈ V となる g ∈ C(X, Y) がある。 166 より、C(K, Y) は F(K, Y) の一様収束の位相( 149)で閉である。 よって f|K ∈ C(K, Y) である。 X は局所コンパクトだから f ∈ C(X, Y) である。 即ち、C(X, Y) はコンパクト収束の位相で閉である。 証明終 170 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 10 33 52 命題 X を局所コンパクト空間(過去スレ006の128)、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とし、 C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。 Y が完備なら C(X, Y) はコンパクト収束の一様構造( 168)で 完備である。 証明 163 より F(X, Y) はコンパクト収束の一様構造で完備である。 169 より、C(X, Y) は F(X, Y) のコンパクト収束の位相で閉である。 従って、完備一様空間の閉集合として C(X, Y) は完備である (過去スレ006の250)。 証明終 171 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 11 03 39 命題 X を集合、 Y を距離空間とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 F(X, Y) の一様収束の構造( 149)は距離付け可能( 98)である。 証明 d を Y の距離とする。 δ(f, g) = sup {d(f(x), g(x)); x ∈ X} は F(X, Y) の擬距離( 47) である。 δ が定義する一様構造( 59)は明らかに F(X, Y) の一様収束の構造と 一致する。 62 より δ と同値な有限な擬距離 δ が存在する。 159 より、F(X, Y) の一様収束の構造は分離だから 64 より、δ は距離である。 証明終 172 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 13 49 57 定義 X を集合、 Y を距離空間とする。 f を X から Y への写像とする。 f(X) が Y の有界集合であるとき、f を有界写像と言う。 173 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 13 57 52 命題 X を集合、 Y を距離空間とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 B(X, Y) を X から Y への有界写像( 172)全体とする。 B(X, Y) は F(X, Y) の一様収束の位相( 149)で開かつ閉である。 証明 f ∈ B(X, Y) とする。 f は有界だから、任意の x, y ∈ X に対して、 d(f(x), f(y)) ≦ M となる実数 M ≧ 0 がある。 任意の x, y ∈ X に対して、d(f(x), g(x)) ≦ 1 なら d(g(x), g(y)) ≦ d(g(x), f(x)) + d(f(x), f(y)) + d(f(y), g(y)) ≦ M + 2 従って、g ∈ B(X, Y) である。 即ち、B(X, Y) は開集合である。 逆に f ∈ F(X, Y) で f が一様収束の位相で B(X, Y) の接触点なら 任意の x ∈ X に対して、d(f(x), g(x)) ≦ 1 となる g ∈ B(X, Y) が 存在する。上と同様に、f ∈ B(X, Y) である。 従って、B(X, Y) は閉集合である。 証明終 174 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 14 05 53 命題 X を位相空間、 Y を距離空間とする。 C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。 C^b(X, Y) を X から Y への有界連続写像全体とする。 C^b(X, Y) は C(X, Y) の一様収束の位相( 149)で開かつ閉である。 さらに Y が完備なら C^b(X, Y) も完備である。 証明 C^b(X, Y) = B(X, Y) ∩ C(X, Y) だから 173 より C^b(X, Y) は C(X, Y) の一様収束の位相で開かつ閉である。 Y が完備なら 167 より C(X, Y) は完備である。 従って、完備一様空間の閉集合として C^b(X, Y) も完備である (過去スレ006の250)。 証明終 175 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 14 20 43 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 X を集合、 Y を K 上のノルム空間とする。 B(X, Y) を X から Y への有界写像( 172)全体とする。 B(X, Y) は K 上の線形空間である。 f ∈ B(X, Y) に対して、|f| = sup {|f(x)|; x ∈ X} とおく。 B(X, Y) は | | により K 上のノルム空間になる。 このノルムによる一様構造は一様収束の構造( 149)である。 176 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 14 38 59 命題 K を可換体とする。 | | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 X を集合、 Y を K 上のノルム環(過去スレ006の694)とする。 B(X, Y) を X から Y への有界写像( 172)全体とする。 B(X, Y) は 175 のノルム | | により K 上のノルム環になる。 証明 B(X, Y) が単位元 1 をもつ K 上の結合的な代数になることは 明らかである。 175 より B(X, Y) は K 上のノルム空間である。 f, g ∈ B(X, Y) に対して |fg| = sup {|f(x)g(x)|; x ∈ X} ≦ sup {|f(x)||g(x)|; x ∈ X} ≦ sup{|f(x)|; x ∈ X}sup{|g(x)|; x ∈ X} = |f||g| 1 ∈ B(X, Y) にたいして、|1| = sup {|1|; x ∈ X} = 1 証明終 177 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 14 46 33 定義 X を距離空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ を X の有界集合全体の集合とする。 Σ 上での一様収束の一様構造( 150)を X での有界収束の 一様構造という。 F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131) するとき、Φ は X 上で f に有界収束すると言う。 178 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 15 08 58 命題 X を集合、 Y を距離空間とする。 Σ を X の部分集合の集合とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 (B_Σ)(X, Y) を Σ の元を Y の有界集合に写すような X から Y への写像全体とする。 (B_Σ)(X, Y) は F(X, Y) の Σ-収束の位相( 150)に関して閉である。 証明 F(X, Y) から Π{F(A, Y); A ∈ Σ} への写像 ψ を、 ψ(f) = (f|A), A ∈ Σ で定義する。 ψ は F(X, Y) に Σ-収束の位相を与え、各 F(A, Y) に一様収束の 位相を与えたとき連続である。 (B_Σ)(X, Y) = ψ^(-1)(ΠB(A, Y)) である。 ここで B(A, Y) は A から Y への有界写像( 172)全体とする。 173 より B(A, Y) は F(A, Y) の閉集合である。 従って、ΠB(A, Y) は ΠF(A, Y) の閉集合である。 よって、(B_Σ)(X, Y) は F(X, Y) の閉集合である。 証明終 179 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 07 12 52 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。 ΠE_i から F への連続な K-多重線形写像の全体を L(E_1, . . . , E_n; F) または略して L((E_i); F) で表した( 136)。 E = ΠE_i (1 ≦ i ≦ n) とする。 F(E, F) を E から F への写像全体とする。 L((E_i); F) は F(E, F) の単純収束の位相( 161)で閉である。 証明 L((E_i); F) は F(E, F) の元 f の中で 1) f(x_1, ... , x_i + y_i, ... , x_n) = f(x_1, ... , x_i, ... , x_n) + f(x_1, ... , y_i, ... , x_n) 2) f(x_1, ... , λx_i, ... , x_n) = λf(x_1, ... , x_i, ... , x_n) という関係をもつもの全体である。 x_1, ... , x_i, y_i, ... , x_n を固定したとき、 1) の両辺は f の関数として、F(E, Y) の単純収束の位相で連続である。 同様に、x_1, ... , λ, x_i, ... , x_n を固定したとき、 2) の両辺は f の関数として、F(E, Y) の単純収束の位相で連続である。 Y はハウスドルフだから(過去スレ006の264)より L((E_i); F) は F(E, F) の単純収束の位相で閉である。 証明終 180 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 07 38 44 補題 X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 Σ と Σ を X の部分集合の集合とする。 Σ ⊂ Σ なら、F(X, Y) 上の Σ-収束の一様構造( 150)は Σ -収束の一様構造より粗い。 証明 X 上の Σ-収束の一様構造を σ とし、 Σ -収束の一様構造を σ とする。 155 より、A が Σ の元を動き、V が Y に近縁全体 を動いたとき W(A, V) の有限個の共通部分全体が σ の基本近縁系となる。 W(A, V) ∈ σ でもあるから σ ⊂ σ である。 証明終 181 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 10 03 34 179 を次のように修正する。 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。 E = ΠE_i から F への(連続とは限らない) K-多重線形写像の全体は、 F(E, F) の単純収束の位相( 161)で閉である。 証明 E から F への K-多重線形写像の全体は、F(E, F) の元 f の中で 1) f(x_1, ... , x_i + y_i, ... , x_n) = f(x_1, ... , x_i, ... , x_n) + f(x_1, ... , y_i, ... , x_n) 2) f(x_1, ... , λx_i, ... , x_n) = λf(x_1, ... , x_i, ... , x_n) という関係をもつもの全体である。 x_1, ... , x_i, y_i, ... , x_n を固定したとき、 1) の両辺は f の関数として、F(E, F) の単純収束の位相で連続である。 同様に、x_1, ... , λ, x_i, ... , x_n を固定したとき、 2) の両辺は f の関数として、F(E, F) の単純収束の位相で連続である。 F はハウスドルフだから、過去スレ006の264より 本命題の主張が得られる。 証明終 182 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 10 07 19 命題 K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。 ΠE_i から F への連続な K-多重線形写像の全体を L(E_1, . . . , E_n; F) または略して L((E_i); F) で表した( 136)。 E = ΠE_i (1 ≦ i ≦ n) とする。 F(E, F) を E から F への写像全体とする。 L((E_i); F) は有界収束( 177)の位相で F(E, F) の閉集合である。 証明 E から F への連続とは限らない K-多重線形写像の全体を M(E, F) とする。 180 より、単純収束の位相は有界収束の位相より粗い。 よって 181 より M(E, F) は有界収束( 177)の位相で F(E, F) の閉集合である。 Σ を E の有界集合全体とする。 (B_Σ)(E, F) を Σ の元を F の有界集合に写すような E から F への写像全体とする。 134 より、 L((E_i); F) = M(E, F) ∩ (B_Σ)(E, F) 178 より、(B_Σ)(E, F) は有界収束の位相でF(E, F) の閉集合である。 よって L((E_i); F) も有界収束の位相でF(E, F) の閉集合である。 証明終 183 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 10 13 52 命題 182 の条件のもとで F が完備なら L((E_i); F) は有界収束の一様構造で完備である。 証明 163 より F(E, F) は有界収束の一様構造で完備である。 182 より、L((E_i); F) は F(E, F) の有界収束の位相で閉である。 従って、完備一様空間の閉集合として L((E_i); F) は完備である (過去スレ006の250)。 証明終 184 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12 11 05 命題 K を実数体または複素数体とする。 |x| を K の自明でない絶対値( 414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。 139 より L((E_i); F) は | | によりノルム空間となる。 このノルムによる一様構造は有界収束の一様構造( 177)と一致する。 証明 E = ΠE_i とおく。 A ⊂ E が有界であるとは、 実数 M > 0 があり、任意の x ∈ A に対して |x_i| ≦ M (1 ≦ i ≦ n) となることである。 任意の M > 0 と ε > 0 に対して W(M, ε) を |x_i| ≦ M (1 ≦ i ≦ n)となる任意の x = (x_i) ∈ E に対して |f(x) - g(x)| < ε となる (f, g) ∈ L((E_i); F)×L((E_i); F) 全体の集合とする。 W(M, ε) 全体は L((E_i); F) の有界収束の一様構造の 基本近縁系である。 任意の M > 0 と ε > 0 に対して、 137 より、|x_i| ≦ M (1 ≦ i ≦ n) なら |f(x) - g(x)| ≦ |f - g|M^n よって、|f - g| < ε/M^n なら (f, g) ∈ W(M, ε) 逆に、任意の ε > 0 に対して、(f, g) ∈ W(1, ε) なら |x_i| ≦ 1 (1 ≦ i ≦ n) のとき |f(x) - g(x)| < ε よって過去スレ006の 690 と 692 より |f - g| ≦ ε 証明終 185 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12 15 43 184 を K が自明でない絶対値をもつ任意の可換体の場合に証明しようと したが出来なかった。 Bourbaki には出来るように書いてあるが良くわからない。 186 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12 25 12 訂正 136 において K が可換でないとき L((E_i); F) は K 上の線形空間に ならない。 何故なら、λ, μ ∈ K, f ∈ L((E_i); F) のとき λf(μx) = λμf(x) は μ(λf(x)) と等しいとは限らないから。 K が可換なら L((E_i); F) は K 上の線形空間である。 187 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12 49 17 命題(Weierstrass) K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 X を集合、 Y を K 上のノルム空間とする。 B(X, Y) を X から Y への有界写像( 172)全体とする。 175 より B(X, Y) は K 上のノルム空間になる。 Y が完備で (f_n), n ≧ 0 を B(X, Y) の点列とする。 Σ|f_n| < +∞ なら Σf_n は B(X, Y) で一様収束する。 証明 163 より F(X, Y) の 一様収束の一様構造は完備である。 173 より B(X, Y) は F(X, Y) の一様収束の位相で閉である。 よって B(X, Y) は完備である(過去スレ006の250)。 よって、過去スレ006の735より、Σf_n は B(X, Y) において 総和可能である。 よって、Σf_n は X で一様収束する。 証明終 188 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12 55 47 代数的整数論では Haar 測度が効果的に使われる。 準備として、これについて述べようと思う。 Haar 測度についてはその重要性にもかかわらず良書が少ない。 このスレが Haar 測度を理解しようと思っている読者の一助になれば 幸いである。 測度論についてはその基本事項は知っているのが望ましいが、 ここで使用する範囲の事項は述べる。 従って、測度論を知らない読者でもここで述べる範囲の事柄は 理解できると思う。 Haar 測度については次の書物を参考にする予定である。 Hewitt-Roth の Abstract harmonic analysis I, II Bourbaki の積分論 Weil の L integration dans les groupes topologiques et ses applications 壬生の位相群論概説(岩波書店) Rudin の Real and complex analysis Halmos の Measure theory 189 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12 58 29 定義 X を集合とする X の部分集合の集合 Φ で空でないものが次の条件を満たすとき、 Φ を集合環(ring of sets)と言う。 1) A, B ∈ Φ なら A ∪ B ∈ Φ 2) A, B ∈ Φ なら A - B ∈ Φ 190 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12 59 06 命題 Φ を集合環とすると次が成り立つ。 1) 空集合は Φ に属す。 2) A, B ∈ Φ なら A ∩ B ∈ Φ 3) A, B ∈ Φ なら A△B = (A - B) ∪ (B - A) ∈ Φ 証明 1) Φ は空でないから A ∈ Φ がある。 A - A は空集合で、Φ に属す。 2) A, B ∈ Φ なら A ∩ B = A - (A - B) ∈ Φ 3) は明らかである。 証明終 191 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12 59 47 190 の A△B = (A - B) ∪ (B - A) を A と B の対称差と言う。 192 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 13 00 46 185 K を自明でない絶対値を持つ可換体とする。 t ∈ K を、0<|t|<1 なるようにとって固定する。 E_i の単位球を B_i, B=Π B_i とする。(積は、i = 1,・・・,n に関してとる) u,v ∈ L((E_i); F) とする。 |u - v| ≦ ε ならば、任意の 整数 m, 任意の z ∈ |t|^m B に対して、 |u(z) - v(z)| ≦ |t|^{mn} ε したがって、ノルム | | から定まる L((E_i); F) の一様構造は、 有界収束の一様構造より細かい。 逆に、任意の z ∈ B に対して、|u(z) - v(z)| ≦ a とする。 x_i ∈ E_i, x_i ≠ 0 をとる( 1 ≦ i ≦ n )。 整数m(i) を、|t| ≦ |t|^m(i) |x_i| ≦ 1 なるようにとる。 しからば、z = (x_1,・・・, x_n), および z =(t^m(1) x_1,・・・, t^m(n) x_n) に対して、 |u(z) - v(z)| / Π|x_i| = |u(z ) - v(z )| / Π |t|^m(i) |x_i| ≦ |u(z ) - v(z )| / Π |t|^n ≦ a / Π |t|^n すなわち、|u - v| ≦ a / Π |t|^n . () したがって、有界収束の一様構造は、ノルム || で定まる一様構造より細かい Q.E.D 193 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13 01 12 命題 X を集合とする X の部分集合の集合 Φ で空でないものが集合環であるためには 次の条件を満たすことが必要十分である。 1) A, B ∈ Φ なら A ∩ B ∈ Φ 2) A, B ∈ Φ なら A△B = (A - B) ∪ (B - A) ∈ Φ 証明 必要性は 190 で証明済みである。 1) と 2) が成り立つとする。 まず、A と B が交わらなければ A ∪ B = A△B であることに注意する。 A, B ∈ Φ なら A - B = A△B ∩ A ∈ Φ A ∪ B = A△B ∪ (A ∩ B) だから、上の注意より A ∪ B = (A△B)△(A ∩ B) ∈ Φ 証明終 194 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13 16 59 192 有難うございます。 195 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13 19 28 命題 X を集合とする X の部分集合の集合 Φ で空でないものが集合環であるためには 次の条件を満たすことが必要十分である。 1) A, B ∈ Φ なら A ∪ B ∈ Φ 2) A, B ∈ Φ なら A△B = (A - B) ∪ (B - A) ∈ Φ 証明 必要性は明らかである。 1) と 2) が成り立つとする。 まず A ⊃ B なら A△B = A - B に注意する。 A, B ∈ Φ なら A ∩ B = (A ∪ B) - A△B = (A ∪ B)△(A△B) ∈ Φ 193 より Φ は集合環である。 証明終 196 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13 21 38 定義 X を集合とする X の部分集合の集合 Φ が集合環( 189)で X ∈ Φ のとき Φ を集合代数(algebra of sets)と言う。 197 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13 22 29 定義 X を集合とする X の部分集合の集合 Φ で空でないものが次の条件を満たすとき、 Φ をσ-集合環と言う。 1) A_n ∈ Φ, n =1 , 2, ... なら ∪A_n ∈ Φ 2) A, B ∈ Φ なら A - B ∈ Φ 198 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13 23 15 定義 X を集合とする X の部分集合の集合 Φ が σ-集合環( 197)で X ∈ Φ のとき Φ を σ-集合代数と言う。 199 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14 20 27 命題 Φ を σ-集合環( 197) とする。 A_n ∈ Φ, n =1 , 2, ... なら ∩A_n ∈ Φ 証明 A = ∪A_n とおく。 A ∈ Φ であり、各 n > 0 に対して A - A_n ∈ Φ である。 よって ∩A_n = A - ∪(A - A_n) ∈ Φ 証明終 200 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14 25 00 命題 σ-集合環( 197) は集合環(189)である。 証明 Φ は空でないから A ∈ Φ がある。 A - A は空集合で Φ に属す。 A_1, A_2 ∈ Φ とし、A_n (n ≧ 3)を空集合とする。 A_1 ∪ A_2 = ∪A_n ∈ Φ 証明終 201 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14 39 38 補題 X を集合とする (Φ_i), i ∈ I を X 上の集合環 Φ_i の族とする。 Φ = ∩Φ_i は集合環である。 証明 任意の i ∈ に対して空集合は Φ_i に属すから ∩Φ_i にも属す。 従って、∩Φ_i は空ではない。 Φ が 189 の 1) と 2) を満たすことは自明である。 証明終 202 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14 40 59 補題 X を集合とする (Φ_i), i ∈ I を X 上の集合代数(196) Φ_i の族とする。 Φ = ∩Φ_i は集合代数である。 証明 201 と同様である。 203 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14 42 41 補題 X を集合とする (Φ_i), i ∈ I を X 上の σ-集合環( 197) Φ_i の族とする。 Φ = ∩Φ_i はσ-集合環である。 証明 201 と同様である。 204 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14 43 22 補題 X を集合とする (Φ_i), i ∈ I を X 上の σ-集合代数( 198) Φ_i の族とする。 Φ = ∩Φ_i はσ-集合代数である。 証明 201 と同様である。 205 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14 49 22 命題 X を集合とする。 Ψ を X の部分集合の集合とする。 Ψ を含む最小の集合環が存在する。 集合代数、σ-集合環、σ-集合代数についても同様である。 証明 Ψ を含む集合環の全体を (Φ_i), i ∈ I とする。 201 より Φ = ∩Φ_i は集合環である。 Φ が求めるものである。 集合代数、σ-集合環、σ-集合代数についても同様である。 証明終 206 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14 51 45 205 の補足。 X の部分集合全体は、集合環だから Ψ を含む集合環は必ず存在する。 集合代数、σ-集合環、σ-集合代数についても同様である。 207 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 14 57 43 俺は未だに、(有限/完全)加法族、(""/σ/δ)集合(環/代数/体)の 区別が付かない。というか、それぞれの定義に要請される要件が 対称差の代わりに和だったり、文脈で微妙に違うらしいので 混乱する。内容的にはいくつかの条件が定義の要件から出てきて 結果として多くの部分が重なるので、それほど気にしなくても いいのかもしれないが、いつも何かが引っかかる。 208 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 15 05 26 あっそう 209 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 15 08 12 207 それぞれの定義に要請される要件が対称差の代わりに和だったり、 文脈で微妙に違うらしいので 意味が良くわからないんですが。 定義が異なれば、要請される要件も当然違います。 集合環と代数学における環のことを言ってるのでしたら両者はまったく 別ものです。 210 :1stVirtue ◇.NHnubyYck:2007/08/29(水) 15 23 45 思考盗聴で個人の生活に介入する奴は早く地球から去ったほうが良い。 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時01分25秒 代数的整数論 007 (211-300) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/211-300 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/211-300 211 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 15 33 29 定義 集合 X とその上の σ-集合環( 197) Φ が与えられたとき X を可測空間(measurable space)という。 Φ の要素を Φ-可測集合または単に可測集合という。 Φ を明示するときは可測空間 X を (X, Φ) と書く。 212 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 17 00 27 定義 X を位相空間とする。 205 より、X の開集合全体を含む最小のσ-集合環( 197) Φ が 存在する。Φ の要素を X の Borel 集合と言う。 X は開集合だから X ∈ Φ である。 即ち、Φ は σ-集合代数( 198)である。 213 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 17 29 38 定義 集合 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 S(f) = { x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。 R~ の任意の開集合 U に対して S(f) ∩ f^(-1)(U) が Φ-可測( 211)のとき、f を可測という。 214 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 17 44 51 Kummerおやすみー びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 215 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 17 59 21 213 において X ∈ Φ の場合は、f の可測性の定義は次のように 簡単になる。 命題 集合 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f が可測( 213)であるためには R~ の任意の開集合 U に対して f^(-1)(U) がΦ-可測となることが 必要十分である。 証明 十分なこと。 R~ の任意の開集合 U に対して f^(-1)(U) がΦ-可測とする。 S(f) = f^(-1)(R~ - [0}) であるから S(f) ∈ Φ である。 よって、R~ の任意の開集合 U に対して S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。 よって、f は可測である。 必要なこと。 f が可測とする。 S(f) = f^(-1)(R~ - [0}) であるから S(f) ∈ Φ である。 0 ∈ U なら f^(-1)(U) = f^(-1)(U - {0}) ∪ X - S(f) f^(-1)(U - {0}) ⊂ S(f) で U - {0} は開集合だから f^(-1)(U - {0}) ∈ Φ である。 X ∈ Φ だから X - S(f) ∈ Φ である。 従って f^(-1)(U) ∈ Φ である。 0 ∈ U でないなら f^(-1)(U) ⊂ S(f) だから f^(-1)(U) ∈ Φ である。 証明終 216 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 18 02 33 213 において S(f) が出てきたのは、X が Φ-可測とは 限らないことと、f(x) = 0 となる点 x は f の積分(後で定義する) に寄与しないからである。 しかし、応用上の大抵の場合、X ∈ Φ であり、 この場合、 215 で見たように S(f) は可測性の定義に不要である。 217 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 18 05 34 209 いや、通常の代数でやる群や環のことは言ってないよ。 集合環などの定義にいくつか流儀があると言ってる。 たとえば 対称差の代わりに和だったり というのは、対称差の変わりに単純な和集合で閉じてることを 要請したりするという話。 集合体とかまでいくと、随分と構造がきついので定義からたくさん 条件が取り出せるので、定義の違いに依るブレがあまりでなくなるが、 加法族や集合環だと、微妙に無い様にもズレがでてくるから よく分からないということ。 218 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 18 16 56 217 189 と 193 と 195 は全部、互いに同値なので どれをとっても集合環の定義になります。 このことを言ってるのでしたら、同値という意味でブレは全く ありません。 219 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 18 24 03 だから、何? 220 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 18 29 15 219 だから混乱する理由が分からない。 221 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 18 39 33 218 知ってるっての。 222 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 18 42 55 220 お前さんがどうこうではなくて、俺の個人的なことだし、 このスレの話題に限定したわけじゃなくて、もうちょっと一般のこと。 加法族とか(別に乗法族でもいいけど)に言及してるのはその所為。 ちなみに 219とは別人。 223 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 18 54 18 222 どこが混乱するのか分かりやすく書いてもらえませんかね。 ただし、個人的なことなら書かないでください。 224 :219:2007/08/29(水) 18 56 37 Kummer ◆g2BU0D6YN2氏 ゴメン 219は 217宛 個人レベルの理解を云々書き込む意図が不明だ 結局何が言いたいのか全くわからない 225 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19 07 32 補題 X を集合とし、A, B, C を X の部分集合とする。 C ∩ (A - B) = (C ∩ A) - (C ∩ B) 証明 x ∈ C ∩ (A - B) なら x ∈ C かつ x ∈ A かつ x ∈ X - B よって、x ∈ (C ∩ A) - (C ∩ B) 即ち、C ∩ (A - B) ⊂ (C ∩ A) - (C ∩ B) 逆に x ∈ (C ∩ A) - (C ∩ B) なら x ∈ C かつ x ∈ A かつ (x ∈ X - C または x ∈ X - B) よって x ∈ C かつ x ∈ A かつ x ∈ X - B よって、x ∈ C ∩ (A - B) 即ち、(C ∩ A) - (C ∩ B) ⊂ C ∩ (A - B) 証明終 226 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 19 28 08 223-224 2ちゃんの共有財産であるスレを私物化か? つか、個人的な感想なんだから感想は要らないって 思ってるなら一読して放っておけばいいのに、 延々と引きずってるのはお前らだろ? 227 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19 28 41 命題 集合 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から集合 Y への写像とする。 Ω = {A ⊂ Y ; f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。 Ω は Y 上の σ-集合環( 197)である。 証明 空集合は明らかに Ω に属す。 従って Ω は空ではない。 よって、Ω に関して 197 の 1) と 2) を確かめればよい。 1) A_n ∈ Ω, n =1 , 2, ... なら f^(-1)(A_n) ∈ Φ, n =1 , 2, ... よって f^(-1)(∪A_n) = ∪f^(-1)(A_n) ∈ Φ よって ∪A_n ∈ Ω 2) A, B ∈ Ω なら f^(-1)(A) ∈ Φ, f^(-1)(B) ∈ Φ よって、f^(-1)(A - B) = f^(-1)(A) - f^(-1)(B) ∈ Φ よって A - B ∈ Ω 証明終 228 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 19 35 29 226 2ちゃんの共有財産であるスレを私物化か? だからどこが混乱するのか分かるように説明しろって言ってるんだよ。 単に個人的な感想で説明の必要がないと思ってるならスレ違いだから 書くなっての。 229 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 19 44 14 命題 集合 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f を X から集合 Y への写像とする。 Ω = {A ⊂ Y ; f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。 Ω は Y 上の σ-集合代数( 198)である。 証明 X = f^(-1)(Y) ∈ Φ だから Y ∈ Ω である。 227 より Ω はσ-集合環だから σ-集合代数でもある。 証明終 230 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19 49 25 229 にID入れるのを忘れたw 231 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19 55 37 定義 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f を X から位相空間 Y への写像とする。 Y の任意の開集合 U に対して f^(-1)(U) ∈ Φ のとき、 f を可測または Φ-可測という。 232 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19 59 08 215 より 231 は Y = R~ の場合と矛盾しない。 233 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 20 03 59 命題 集合 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f を X から位相空間 Y への写像とする。 f が可測( 231)なら Y の任意の Borel 集合( 212) E に対して f^(-1)(E) ∈ Φ である。 証明 Ω = {A ⊂ Y ; f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。 229 より Ω は σ-集合代数である。 f は可測だから Ω は Y の開集合を全て含む。 よって Ω は Y の Borel 集合を全て含む。 証明終 234 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 20 09 21 233 にあるような集合 (X, Φ) という言い方は不正確だった。 235 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 20 53 20 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f が可測( 213)であるためには 任意の a ∈ R に対して f^(-1)((a, +∞]) ∈ Φ となることが 必要十分である。 証明 必要性は (a, +∞] が R~ の開集合であること( 7)と、 215 から出る。 Ω = {A ⊂ R~ ; f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。 a_n < a で n → ∞ のとき a_n → a となる数列 (a_n) をとる。 [-∞, a) = ∪[-∞, a_n] = ∪(R~ - (a_n, +∞]) 229 より Ω は σ-集合代数である。 (a_n, +∞] ∈ Ω だから [-∞, a) ∈ Ω a, b ∈ R で a < b のとき (a, b) = [-∞, b) ∩ (a, +∞] ∈ Ω 7 より、R~ の任意の開集合は (a, +∞], [-∞, b), (a, b) の形の 区間の和集合だから Ω に含まれる。 よって 215 より f は可測である。 証明終 236 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 21 45 29 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f が可測( 213)であるためには、R の任意の Borel 集合( 212) E に対して S(f) ∩ f^(-1)(E) ∈ Φ となり、 f^(-1)(+∞) ∈ Φ, f^(-1)(-∞) ∈ Φ となることが必要十分である。 証明 f が可測であるとする。 Ω = {A ⊂ R; S(f) ∩ f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。 Ω が σ-集合環であることを示す。 A_n ∈ Ω, n =1 , 2, ... なら S(f) ∩ f^(-1)(A_n) ∈ Φ, n =1 , 2, ... よって S(f) ∩ f^(-1)(∪A_n) = S(f) ∩(∪f^(-1)(A_n)) = ∪(S(f) ∩ f^(-1)(A_n))) ∈ Φ よって ∪A_n ∈ Ω A, B ∈ Ω なら、S(f) ∩ f^(-1)(A) ∈ Φ, S(f) ∩ f^(-1)(B) ∈ Φ よって、 225 より、 S(f) ∩ f^(-1)(A - B) = S(f) ∩ (f^(-1)(A) - f^(-1)(B)) = (S(f) ∩ (f^(-1)(A)) - (S(f) ∩ (f^(-1)(B)) ∈ Φ よって A - B ∈ Φ 以上から Ω は σ-集合環である。 Ω は R の任意の開集合を含むんでいるから Ω は任意の Borel 集合を 含む。 f^(-1)(+∞) = ∩{f^(-1)((n, +∞]); n = 1, 2, ...} f^(-1)(-∞) = ∩{f^(-1)([-∞, -n)]); n = 1, 2, ...} であるから f^(-1)(+∞) ∈ Φ, f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。 (続く) 237 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 21 47 45 236 の続き。 逆に、本命題の条件が成り立っているとする。 f^(-1)((a, +∞]) = f^(-1)((a, +∞)) ∪ f^(-1)(+∞) よって、 S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞]) = (S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞))) ∪ (S(f) ∩ f^(-1)(+∞)) ∈ Φ f^(-1)([-∞, a)) = f^(-1)((-∞, a)) ∪ f^(-1)(-∞) よって、 S(f) ∩ f^(-1)([-∞, a)) = (S(f) ∩ f^(-1)((-∞, a))) ∪ (S(f) ∩ f^(-1)(-∞)) ∈ Φ (a, b) は R の開集合だから Borel 集合であり、 S(f) ∩ f^(-1)((a, b)) ∈ Φ 7 より、R~ の任意の開集合 U は (a, +∞], [-∞, b), (a, b) の形の 区間の和集合だから S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ よって、 f は可測である。 証明終 238 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 22 04 06 236 の補足説明 f^(-1)(+∞) = ∩{f^(-1)((n, +∞]); n = 1, 2, ...} f^(-1)(-∞) = ∩{f^(-1)([-∞, -n)]); n = 1, 2, ...} であるから f^(-1)(+∞) ∈ Φ, f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。 f^(-1)(+∞) ⊂ S(f) であるから S(f) ∩ f^(-1)(+∞) = f^(-1)(+∞) である。 よって、 f^(-1)(+∞) = S(f) ∩ f^(-1)(+∞) = S(f) ∩ (∩f^(-1)((n, +∞]) = ∩(S(f) ∩ f^(-1)((n, +∞])) ∈ Φ である。 同様に、f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。 239 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 07 03 228 そんなに引きずるほどこの話題がすきなの? 240 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 08 55 239 荒らすな。バカ。 241 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 09 59 Kummerおやすみー びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 242 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 11 08 240 まともな議論もできないのか? べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 243 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 12 48 239 そもそもこのスレはコテが占有していてルール違反 びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 244 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 13 22 242 の、どこがまともな議論だ? 245 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 15 26 243 そんなに引きずるほどこの話題がすきなの? 246 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 16 01 まあKummerも自分のHPでやるべきだな 自己顕示欲が強すぎてそれもできないんだろうが 247 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 16 50 246 死ね 248 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 17 46 246 は、このスレの内容について行けない乙 249 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 18 58 247 Kummer乙 250 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 23 48 248 お前は 242 について行けそうだなw 251 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 22 40 13 238 は以下の様に修正する。 {+∞} = ∩{(n, +∞]; n = 1, 2, ...} で (n, +∞] ∈ Ω だから {+∞} ∈ Ω である。 よって、f^(-1)(+∞) ∈ Φ である。 同様に、f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。 252 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 22 45 54 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f が可測( 213)であるためには、 f^(-1)(-∞) ∈ Φ となり、 任意の a ∈ R に対して S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞]) ∈ Φ となることが 必要十分である。 証明 f が可測であるとする。 236 より、f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。 (a, +∞] は R~ の開集合だから S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞]) ∈ Φ と なる。 逆に、f^(-1)(-∞) ∈ Φ となり、 任意の a ∈ R に対して S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞]) ∈ Φ とする。 Ω = {A ⊂ R; S(f) ∩ f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。 236 の証明より Ω は σ-集合環である。 {+∞} = ∩{(n, +∞]; n = 1, 2, ...} で (n, +∞] ∈ Ω だから f^(-1)(+∞) ∈ Φ である。 225 より、S(f) ∩ f^(-1)((a, b]) = S(f) ∩ (f^(-1)((a, +∞]) - f^(-1)((b, +∞])) = (S(f) ∩ (f^(-1)((a, +∞])) - (S(f) ∩ (f^(-1)((b, +∞])) ∈ Φ よって、(a, b] ∈ Ω である。 a, b ∈ R で a < b のとき、 a < b_n < b で n → ∞ のとき b_n → b となる数列 (b_n) をとる。 (a, b) = ∪(a, b_n] ∈ Ω である。 よって、Ω は R の任意の Borel 集合を含む。 236 より f は可測である。 証明終 253 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 22 50 28 つかそもそも見づらいしスレ跨ぐと参照性も悪いし、 こんなスレでやらずに、いっそのこと専用サイト作って TeX(+Hyperref pkg)かなんかで書いてうpして、 ここはソレを肴にヲチスレを決め込むってほうが よほど建設的だと思うんだが。 254 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 23 21 23 そんな高級なことは知らないだろう。このスレは若い頃にブルバキにかぶれていた オッサンが昔を懐かしむスレなんだから。 255 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 23 32 20 うはw 自演カッコワルイww 256 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 23 42 12 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 Y を X の部分集合とする。 Y ∩ Φ = { Y ∩ A; A ∈ Φ} とおく。 Y ∩ Φ は Y 上の σ-集合環( 197)である。 証明 A_n ∈ Φ, n =1 , 2, ... なら Y ∩ (∪A_n) = ∪(Y ∩ A_n) ∈ Y ∩ Φ A, B ∈ Φ なら A - B ∈ Φ 225 より、 Y ∩ (A - B) = (Y ∩ A) - (Y ∩ B) ∈ Y ∩ Φ 証明終 257 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 23 44 31 KummerはKY 258 :254:2007/08/29(水) 23 48 07 255 俺は253じゃない。 259 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 23 50 27 253と 254がフシアナして証明すれば信じるよw 260 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 23 50 31 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 Y を X の部分集合とする。 Φ|Y = { A ⊂ Y; A ∈ Φ} とおく。 Φ|Y は Y 上の σ-集合環( 197)である。 証明 A_n ∈ Φ|Y, n =1 , 2, ... なら A_n ∈ Φ, n =1 , 2, ... だから ∪A_n ∈ Φ よって、∪A_n ∈ Φ|Y A, B ∈ Φ|Y なら A, B ∈ Φ よって A - B ∈ Φ よって A - B ∈ Φ|Y 証明終 261 :132人目の素数さん:2007/08/29(水) 23 56 36 259 お前とKummerが節穴すれば、お前がKummerの自演じゃないことを 信じてやるよ。 262 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 23 58 44 225 の前に次の補題を述べておけば良かった。 補題 X, Y を集合とし、f X → Y を写像とする。 A, B を Y の部分集合とする。 f^(-1)(A - B) = f^(-1)(A) - f^(-1)(B) 証明 自明である。 263 :259@fushianasan:2007/08/30(木) 00 00 29 えーと これででてるかな よっぽど偶然が重ならない限り俺とKummer氏のIPが一致することはないと思うけど 264 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 00 01 00 225 は、f C → X を標準単射として 262 を適用すればよい。 265 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 00 01 07 やる気のなさにワロタ 266 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 00 01 17 263 下手くそw 267 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 00 04 54 過去ログも参照しにくくなったし、ここでやる大義名分はもうないんだよな 268 :259@p1042-ipbf309fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp:2007/08/30(木) 00 11 21 今度はどうだ ま、Kummer氏がフシアナするかどうかはともかくとして俺と氏は全くの別人だ 269 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 00 30 03 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f と g を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、A = {x; f(x) > g(x) } ∈ Φ である。 証明 f(x) > g(x) なら f(x) > r > g(x) となる有理数がある。 よって、A = ∪({x; f(x) > r} ∩ {x; r > g(x)}), r ∈ Q 215 より {x; f(x) > r} ∈ Φ, {x; r > g(x)} ∈ Φ よって、A ∈ Φ である。 証明終 270 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 00 39 13 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f と g を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 (1) {x; f(x) ≧ g(x) } ∈ Φ (2) {x; f(x) = g(x) } ∈ Φ 証明 (1) {x; f(x) ≧ g(x) } = X - {x; f(x) < g(x) } 269 より、{x; f(x) < g(x) } ∈ Φ だから {x; f(x) ≧ g(x) } ∈ Φ である。 (2) {x; f(x) = g(x) } = {x; f(x) ≧ g(x) } ∩ { x; f(x) ≦ g(x) } (1) より、{x; f(x) = g(x) } ∈ Φ である。 証明終 271 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 01 31 56 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への可測写像とする。 U を R~ の開集合で 0 を含まないものとする。 f^(-1)(U) ∈ Φ である。 証明 S(f) = { x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。 f は可測だから 213 より S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。 U は 0 を含まないから f^(-1)(U) ⊂ S(f) である。 よって、f^(-1)(U) ∈ Φ である。 証明終 272 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 01 36 50 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への可測写像とする。 任意の A ∈ Φ に対して A ∩ {x; f(x) = 0 } ∈ Φ である。 証明 A ∩ {x; f(x) = 0 } = A - ({x; f(x) > 0 } ∪ {x; f(x) < 0 }) 271 より {x; f(x) > 0 } ∈ Φ, {x; f(x) < 0 } ∈ Φ よって、A ∩ {x; f(x) = 0 } ∈ Φ である。 証明終 273 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 01 44 38 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への可測写像とする。 任意の A ∈ Φ と R~ の任意の開集合 U に対して に対して A ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。 証明 U が 0 を含まない場合は、 271 より f^(-1)(U) ∈ Φ だから A ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。 0 ∈ U とする。 f^(-1)(U) = f^(-1)(U - {0}) ∪ f^(-1)(0) だから A ∩ f^(-1)(U) = (A ∩ f^(-1)(U - {0})) ∪ (A ∩ f^(-1)(0)) U - {0} は開集合だから、 271 より A ∩ f^(-1)(U - {0}) ∈ Φ である。 272 より A ∩ f^(-1)(0) ∈ Φ である。 よって、A ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。 証明終 274 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 01 46 42 Kummerおやすみー びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 275 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 01 48 51 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f と g を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、任意の A ∈ Φ に対して、 A ∩ {x; f(x) > g(x) } ∈ Φ である。 証明 f(x) > g(x) なら f(x) > r > g(x) となる有理数がある。 よって、 {x; f(x) > g(x) } = ∪({x; f(x) > r} ∩ {x; r > g(x)}), r ∈ Q よって、 273 より、A ∩ {x; f(x) > g(x) } ∈ Φ である。 証明終 276 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 05 01 57 ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) (゚) | .| (゚) (゚) | .| (゚) (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 277 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 08 26 58 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 α ≠ 0 を(有限)実数とする。 αf は可測( 213)である。 証明 252 を使う。 任意の a ∈ R に対して α > 0 のとき、{x ; αf(x) > a} = {x ; f(x) > a/α} α < 0 のとき、{x ; αf(x) > a} = {x ; f(x) < a/α} 236 より、 S(f) ∩ {x ; f(x) > a/α} ∈ Φ S(f) ∩ {x ; f(x) < a/α} ∈ Φ よって、いづれの場合も、S(f) ∩ {x ; αf(x) > a} ∈ Φ である。 36 より、 α > 0 のとき、{x ; αf(x) = -∞} = {x ; f(x) = -∞} α < 0 のとき、{x ; αf(x) = -∞} = {x ; f(x) = +∞} 236 より、 S(f) ∩ {x ; f(x) = -∞} ∈ Φ S(f) ∩ {x ; f(x) = +∞} ∈ Φ よって、いづれの場合も、S(f) ∩ {x αf(x) = -∞} ∈ Φ である。 証明終 278 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 08 34 43 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 α を(有限)実数とする。 f + α は可測( 213)である。 証明 252 を使う。 任意の a ∈ R に対して {x ; f + α > a} = {x ; f(x) > a - α} 252 より、 S(f) ∩ {x ; f(x) > a - α} ∈ Φ よって、S(f) ∩ {x ; f + α > a} ∈ Φ である。 45 より、 {x ; f + α = -∞} = {x ; f(x) = -∞} 252 より、 S(f) ∩ {x ; f(x) = -∞} ∈ Φ よって、S(f) ∩ {x ; f + α = -∞} ∈ Φ である。 証明終 279 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 08 36 30 訂正 277, 278 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への可測( 213)な 写像とする。 280 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09 31 39 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 f + g も可測である。 証明 252 を使う。 任意の a ∈ R に対して {x ; f(x) + g(x) > a} = {x ; f(x) > a - g(x)} 277 と 278 より、a - g(x) は可測である。 269 より、{x ; f(x) > a - g(x)} は可測である。 よって、f + g は可測である。 証明終 281 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09 42 34 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f を X から位相空間 Y への写像とする。 g を X から位相空間 Z への写像とする。 f と g がそれぞれ可測( 231)なら X から Y×Z への写像 h(x) = (f(x), g(x)) も可測である。 証明 U と V をそれぞれ Y と Z の開集合とする。 h^(-1)(U×V) = f^(-1)(U) ∩ f^(-1)(V) である。 よって、h^(-1)(U×V) ∈ Φ である。 U×V の形の集合の有限個の共通部分全体は Y×Z の開集合の 基底である。 従って、Y×Z の任意の開集合 W に対して h^(-1)(W) ∈ Φ である。 証明終 282 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09 50 25 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f X → Y を可測( 231)写像、 g Y → Z を連続写像とする。 gf X → Z は可測である。 証明 U を Z の任意の開集合とする。 (gf)^(-1)(U) = f^(-1)(g^(-1)(U)) g は連続だから g^(-1)(U) は Y の開集合である。 f は可測だから、f^(-1)(g^(-1)(U)) は X の可測集合である。 証明終 283 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09 54 41 280 の別証 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 f + g も可測である。 証明 281 より、X から R×R への写像 h(x) = (f(x), g(x)) は可測である。 R×R から R への写像 μ(x, y) = x + y は連続である。 f + g = μh であるから、 282 より f + g は可測である。 証明終 284 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09 57 00 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 fg も可測である。 証明 281 より、X から R×R への写像 h(x) = (f(x), g(x)) は可測である。 R×R から R への写像 μ(x, y) = xy は連続である。 fg = μh であるから、 282 より fg は可測である。 証明終 285 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 10 10 43 可測空間 (X, Φ) で X ∈ Φ の場合は可測関数の性質は簡単に 証明される。 これに較べて X ∈ Φ でない場合はかなり面倒である。 しかも、応用上は X ∈ Φ の場合が圧倒的に多い。 費用対効果比は非常に悪い。 これが多くの測度論の教科書で X ∈ Φ を仮定している理由だろう。 しかし、局所コンパクト空間上の測度を考える上で、 X ∈ Φ を仮定するのは応用上はともかく理論上は制限が強いように 思われる。 286 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 10 21 43 283 と 284 の証明は、よくある証明(例えば 280)より 分かりやすいだろう。 従来の証明は技巧的である。 287 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 10 30 06 測度論を我々のように、可測空間 (X, Φ) の定義から初めて、 可測関数の性質について述べるのは、初心者には不親切だろう。 しかし、理論的にはこれが一番すっきりしていると思われる。 位相空間論と同様である。 288 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 10 50 38 定義 (a_n), n ≧ 0 を補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] の数列とする。 b_k = sup{a_n ; n ≧ k} とおく。 inf{b_k; k ≧ 0} を、 lim sup(a_n) = または lim sup{a_n; n ≧0} と書く。 lim sup(a_n) を数列 (a_n) の上極限と言う。 c_k = inf{a_n ; n ≧ k} とおく。 inf{c_k; k ≧ 0} を、 lim inf(a_n) = または lim inf{a_n; n ≧0} と書く。 lim inf(a_n) を数列 (a_n) の下極限と言う。 289 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 11 04 29 定義 (f_n), n ≧ 0 を集合 X 上の補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] に 値をとる関数列とする。 lim sup(f_n)(x) = lim sup((f_n)(x)) により 関数列 (f_n) の上極限関数 lim sup(f_n) を定義する。 下極限関数 lim inf(f_n) も同様に定義する。 290 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 11 31 55 定義 (f_n), n ≧ 0 を集合 X 上の補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] に 値をとる関数列とする。 sup(f_n)(x) = sup((f_n)(x)) により 関数列 (f_n) の上限関数 sup(f_n) を定義する。 下限関数 inf(f_n) も同様に定義する。 291 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 11 50 07 補題 (f_n), n ≧ 0 を集合 X 上の補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] に 値をとる関数列とする。 α を有限実数とする。 {x ; (sup f_n)(x) > α} = ∪{x ; f_n(x) > α}, n = 0, 1. ... である。 証明 自明である。 292 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12 02 33 補題 (f_n), n ≧ 0 を集合 X 上の補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] に 値をとる関数列とする。 α を有限実数とする。 (α_n), n ≧ 0 を有限実数列で、 α_n < α かつ lim α_n = α とする。 A_nk = {x ; f_n(x) < α_k } A_k = ∩{A_nk ; n = 0, 1, 2, ...} とおく。 {x ; (sup f_n)(x) < α} = ∪A_k, k = 0, 1, 2, ... である。 証明 (sup f_n)(x) < α とする。 (sup f_n)(x) < α_k < α となる k ≧ 0 がある。 任意の n ≧ 0 に対して、f_n(x) < α_k である。 よって、x ∈ A_k である。 よって、x ∈ ∪A_k, k = 0, 1, 2, ... である。 逆に、x ∈ ∪A_k, k = 0, 1, 2, ... とする。 x ∈ A_k となる k ≧ 0 がある。 任意の n ≧ 0 に対して、f_n(x) < α_k である。 よって、(sup f_n)(x) ≦ α_k < α である。 証明終 293 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12 23 05 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 (f_n), n ≧ 0 を X 上の補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] に 値をとる関数列とする。 f = sup(f_n) とおく。 f が可測( 213)なら S(f) = {x ; f(x) ≠ 0} ∈ Φ である。 証明 S(f) = {x ; f(x) > 0} ∪ {x ; f(x) < 0} 291 より、 {x ; f(x) > 0} = ∪{x ; f_n(x) > 0} 271 より、{x ; f_n(x) > 0} ∈ Φ である。 よって、{x ; f(x) > 0} ∈ Φ である。 整数 k > 0 に対して A_nk = {x ; f_n(x) < -1/k } とおく。 A_k = ∩{A_nk ; n = 0, 1, 2, ...} とおく。 292 より、 {x ; f(x) < 0} = ∪A_k, k = 1, 2, ... である。 271 より、A_nk ∈ Φ である。 よって、{x ; f(x) < 0} ∈ Φ である。 以上から、S(f) = {x ; f(x) ≠ 0} ∈ Φ である。 証明終 294 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12 27 27 訂正 293 (X, Φ) を可測空間( 211)で X ∈ Φ とする。 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 295 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12 45 41 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 (f_n), n ≧ 0 を X 上の補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] に 値をとる関数列とする。 各 f_n が可測なら、f = sup(f_n) もは可測である。 証明 S(f) = {x ; f(x) ≠ 0} とおく。 291 より、S(f) ∈ Φ である。 α を有限実数とする。 291 より、 {x; f(x) > α} = ∪{x ; f_n(x) > α}, n = 0, 1. ... S(f) ∩ {x; f(x) > α} = ∪(S(f) ∩ {x; f_n(x) > α}) S(f) ∈ Φ であり、f_n は可測だから 273 より、 (S(f) ∩ {x; f_n(x) > α}) ∈ Φ である。 よって、S(f) ∩ {x; f(x) > α} ∈ Φ である。 {x; f(x) = -∞} = ∩{x ; f_n(x) = -∞} である。 252 より、{x; f_n(x) = -∞} ∈ Φ だから、 よって、{x; f(x) = -∞} ∈ Φ である。 以上から、 252 より f は可測である。 証明終 296 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12 53 35 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 (f_n), n ≧ 0 を X 上の補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] に 値をとる関数列とする。 各 f_n が可測なら、f = inf(f_n) も可測である。 証明 295 と同様に証明してもいいが、次のようにしても証明できる。 inf(f_n) = -sup(-f_n) であり、 277 より、各 -f_n は可測である。 よって、 295 より、sup(-f_n) は可測である。 再び、 277 より、inf(f_n) = -sup(-f_n) は可測である。 証明終 297 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12 56 39 訂正 277 236 より、 S(f) ∩ {x ; f(x) = -∞} ∈ Φ S(f) ∩ {x ; f(x) = +∞} ∈ Φ よって、いづれの場合も、S(f) ∩ {x αf(x) = -∞} ∈ Φ である。 236 より、 {x ; f(x) = -∞} ∈ Φ {x ; f(x) = +∞} ∈ Φ よって、いづれの場合も、{x αf(x) = -∞} ∈ Φ である。 298 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 13 21 34 定義 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f(X) が R~ の有限集合であるとき f を単関数という。 299 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 13 44 45 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X から補完数直線( 7) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。 f が可測( 213)なら、 α ∈ f(X) - {0} のとき、f^(-1)(α) ∈ Φ である。 証明 236 より、f^(-1)(+∞) ∈ Φ、f^(-1)(-∞) ∈ Φ であるから α は有限としてよい。 α ≠ 0 だから、b < α < c となる実数 b, c で 区間 I = (b, c) に 0 が含まれないようなものがある。 271 より、f^(-1)(I) ∈ Φ である。 I - {α} は開集合だから、やはり 271 より、 f^(-1)(I - {α}) ∈ Φ である。 f^(-1)(α) = f^(-1)(I) - f^(-1)(I - {α}) ∈ Φ である。 証明終 300 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 13 57 58 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X 上の単関数( 298)とする。 f が可測であるためには、 α ∈ f(X) - {0} のとき、f^(-1)(α) ∈ Φ であることが 必要十分である。 証明 必要性は 299 で証明されている。 条件が十分なことを証明する。 f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} とする。 S(f) = { x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。 任意の実数 α に対して S(f) ∩ { x ∈ X ; f(x) > α } = ∪{ x ∈ X ; f(x) = a_n }, a_n > α 仮定より、{ x ∈ X ; f(x) = a_n } ∈ Φ だから S(f) ∩ { x ∈ X ; f(x) > α } ∈ Φ である。 明らかに、{ x ∈ X ; f(x) = -∞ } ∈ Φ である。 よって 252 より f は可測である。 証明終 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 20時56分28秒 代数的整数論 006 (191-270) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/191-270 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/191-270 191 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 56 13 ここまで来たら一様空間について述べたほうがいいだろう。 一様空間が数学科の学部学生の常識になっていないことが 残念である。 言うまでもないかもしれないが、この辺りは全て Bourbaki の受売り である。 192 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 17 14 49 定義 X を集合とする。 V と W を X×X の部分集合としたとき、 V^(-1) = {(x, y) ∈ X×X ; (y, x) ∈ V } VW = {(x, y) ∈ X×X ; (x, z) ∈ W, (z, y) ∈ V となる z がある} x ∈ X のとき V(x) = {y ∈ X ; (x, y) ∈ V} A ⊂ X のとき V(A) = ∪{V(x) ; x ∈ A} とする。 193 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 17 18 36 192 において V^2 = VV V^3 = (V^2)V と書く。 同様に n ≧ 1 に対して V^n が定義される。 194 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 19 53 00 定義 X を集合とする。 Δ = {(x, x) ; x ∈ X } と書く。 Δ を X×X の対角線集合と言う。 X×X の部分集合の集合 Φ で以下の条件を満たすものが与えられたとき Φ を X の一様構造と言う。 1) V ∈ Φ なら Δ ⊂ V 2) V ∈ Φ を含む X×X の部分集合は Φ に属す。 3) V ∈ Φ, W ∈ Φ のとき V ∩ W ∈ Φ 4) V ∈ Φ のとき V^(-1) ∈ Φ 5) V ∈ Φ のとき WW ⊂ V となる W ∈ Φ がある。 Φ の元を X の近縁と言う。 V ∈ Φ で (x, y) ∈ V のとき x と y は V 程度に近いと言う。 一様構造の与えられた集合を一様空間と言う。 195 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20 02 33 定義 X を集合とする。 Φ を X の一様構造とする。 Φ の部分集合 Φ_0 で Φ の任意の元 V に対して W ⊂ V となる W ∈ Φ_0 があるとき Φ_0 を一様構造 Φ の基本近縁系と言う。 196 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20 10 19 X を集合とする。 X×X の部分集合の集合 Φ_0 が X の一様構造の基本近縁系で あるためには Φ_0 が以下の条件を満たすことが必要十分である。 1) V ∈ Φ_0 なら Δ ⊂ V 2) V, V ∈ Φ_0 のとき W ⊂ V ∩ V となる W ∈ Φ_0 がある。 3) V ∈ Φ_0 のとき W ⊂ V^(-1) となる W ∈ Φ_0 がある。 4) V ∈ Φ_0 のとき WW ⊂ V となる W ∈ Φ_0 がある。 197 :king氏ね:2007/08/04(土) 20 15 32 196 元気か? 198 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20 22 39 命題 X を一様構造 Φ をもつ一様空間とする。 x ∈ X のとき、V ∈ Φ に対する V(x) ( 192) 全体を x の近傍系と する X の位相構造が一意に存在する。 証明 任意の V ∈ Φ に対して W^2 ⊂ V となる W ∈ Φ をとる。 y ∈ W(x) のとき即ち (x, y) ∈ W のとき (y, z) ∈ W なら (x, z) ∈ W^2 ⊂ V だから W(y) ⊂ V(x) である。 すなわち V(x) は y の近傍である。 残りは容易なので読者にまかす。 証明終 199 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20 27 56 距離空間 (X, d) は一様空間である。 実数 ε > 0 に対して V(ε) = { (x, y) ∈ X×X ; d(x, y) ∈ ε} とおく。 V(ε) 全体は基本近縁系となる。 200 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20 37 53 G を位相群とする。 V を G の単位元の任意の近傍としたとき V_r = {(x, y) ∈ X×X ; yx^(-1) ∈ V } とおく。 V_r 全体は基本近縁系となる。 V_r(x) = Vx であるから、この一様構造は G の位相を引き起こす。 この一様構造を G の右一様構造と言う。 同様に V_l = {(x, y) ∈ X×X ; x^(-1)y ∈ V } とおくと、V_l 全体は基本近縁系となる。 この一様構造を G の左一様構造と言う。 V_l(x) = xV だから、この一様構造も G の位相を引き起こす。 G が位相アーベル群の場合、右一様構造と左一様構造は一致する。 201 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20 52 39 X を集合、R を X の同値関係とする。 C を R のグラフ、即ち C = {(x, y) ∈ X×X ; xRy } とする。 Δ ⊂ C, C^2 = C^(-1) = C である。 したがって、C だけで X の一様構造の基本近縁系となる。 R として等値関係、即ち C = Δ をとると、この一様構造の近縁とは Δ を含む X×X の任意の部分集合である。 この一様構造を X の離散一様構造という。 この一様構造を持った空間を離散一様空間と言う。 202 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 21 16 21 X を一様空間、V を X の近縁で V = V^(-1) となるものとする。 このとき V を対称近縁と言う。 V を X の任意の近縁としたとき V ∩ V^(-1) は対称近縁である。 従って、対称近縁全体は X の基本近縁系になる。 203 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 21 47 59 命題 X を一様空間、A を X の部分集合、V を X の対称近縁とする。 V(A) ( 192) は A の近傍である。即ち V(A) の内部は A を含む。 cls(A) = ∩{V(A); V は X の対称近縁全体} となる。 ここで cls(A) は A の閉包を表す。 証明 V(A) が A の近傍であることは明らかである。 B = ∩{V(A); V は X の対称近縁全体} とおく。 x ∈ cls(A) とする。 これは、任意の対称近縁 V に対して V(x) ∩ A が空でないことと同値である。 V は対称だから、y ∈ V(x) と x ∈ V(y) は同値である。 従って、上は x ∈ V(A) と同値である。 即ち x ∈ B と同値である。 証明終 204 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 22 36 44 命題 X を一様空間、M を X×X の部分集合、V を X の対称近縁とする。 VMV は M の X×X における近傍である。 cls(M) = ∩{VMV; V は X の対称近縁全体} となる。 ここで cls(M) は M の閉包を表す。 証明 (x, y) ∈ VMV とは (p, q) ∈ M があり、(x, p) ∈ V, (q, y) ∈ V 即ち V が対称だから (x, y) ∈ V(p)×V(q) V(p)×V(q) は (p, q) の近傍だから VMV は M の X×X における 近傍である。 (x, y) ∈ cls(M) とは任意の対称近縁 V に対して V(x)×V(y) と M が交わることと同値である。 これは (p, q) ∈ M があり (x, y) ∈ V(p)×V(q) と同値である。 これは上で見たように (x, y) ∈ VMV と同値である。 従って cls(M) = ∩{VMV; V は X の対称近縁全体} となる。 証明終 205 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 22 57 37 命題 X を一様空間とする。 X の近縁の内部全体は基本近縁系になる。 X の近縁の閉包全体も基本近縁系になる。 証明 V を X の任意の近縁とする。 W^3 ⊂ V となる対称近縁がある。 204 より W^3 は W の近傍だから V の内部は W を含み X の 近縁である。 よって X の近縁の内部全体は基本近縁系になる。 204 より W ⊂ cls(W) ⊂ W^3 ⊂ V 従って cls(W) は X の近縁であり、V に含まれる。 よって X の近縁の閉包全体は基本近縁系になる。 証明終 206 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 23 48 10 命題 X と Y を位相空間とする。 V が X×Y の閉集合なら、任意の x ∈ X に対して V(x) = {y ∈ Y; (x, y) ∈ V } は Y の閉集合である。 証明 y ∈ Y に (x, y) を対応させる写像 f Y → {x}×Y は 位相同型である。 V ∩ {x}×Y は {x}×Y の閉集合で、その f による逆像が V(x) である。 よって V(x) は閉集合である。 証明終 207 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 23 50 25 命題 X を一様空間とする。 X の任意の点 x の閉近傍全体は基本近傍系である。 証明 V を X の任意の近縁とする。 205 より X の閉近縁 W で W ⊂ V となるものがある。 206 より W(x) は x の閉近傍で V(x) に含まれる。 証明終 208 :king氏ね:2007/08/05(日) 00 42 36 207 元気か? 209 :1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/05(日) 03 23 19 Reply 208 お前に何が分かるというのか? 210 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 08 46 09 定義 ハウスドルフ位相空間 X が次の性質をもつとき正則であるという。 X の任意の点の閉近傍全体はこの点の基本近傍系になる。 211 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09 19 00 命題 位相空間 X において次の条件は同値である。 1) X の任意の点の閉近傍全体はこの点の基本近傍系になる。 2) X の任意の閉集合 A と A に含まれない任意の点 x に対して x の近傍と A の近傍で交わらないものがある。 証明 1) ⇒ 2) A が閉集合で x が A に含まれないなら x ∈ V ⊂ X - A となる x の閉近傍がある。 V と X - V はそれぞれ x と A の近傍で交わらない。 2) ⇒ 1) U を x の開近傍とする。 x の近傍 V と X - U の近傍 W で交わらないものがある。 cls(V) ⊂ U 証明終 212 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09 24 29 命題 X を一様空間とする。 X の任意の点 x に対して {x} が閉集合となるなら X は正則( 210)である。 証明 207 より X の任意の点 x の閉近傍全体はこの点の基本近傍系になるから X がハウスドルフであることを言えばよい。 これは、 211 より明らかである。 証明終 213 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09 25 43 ハウスドルフ一様空間は分離一様空間とも言う。 214 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09 41 07 命題 X を一様空間とする。 X がハウスドルフ空間であるための条件は、X の近縁全部の共通集合が X×X の対角集合 Δ であること。 証明 205 より X の閉近縁全体は基本近縁系である。 従って、X の近縁全部の共通集合が X×X の対角集合 Δ なら Δ は閉集合である。 84 より X はハウスドルフ空間である。 逆に X がハウスドルフ空間であるとする。 X×X の点 (x, y) が Δ に含まれないなら x ≠ y だから y が V(x) に含まれないような近縁 V がある。 このとき (x, y) は V に含まれないから X の近縁全部の共通集合は Δ である。 証明終 215 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09 56 02 定義 一様空間 X から一様空間 Y への写像 f に関して、 Y の任意の近縁 V に対して X の近縁 W が存在して (x, y) ∈ W なら (f(x), f(y)) ∈ V となるとき f を一様連続であると言う。 これは g = f×f としたとき Y の任意の近縁 V に対して g^(-1)(V) が X の近縁になることと同値である。 216 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09 58 05 命題 一様連続写像は連続である。 証明 定義( 215)から明らかである。 217 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 10 00 40 命題 f X → Y g Y → Z が一様連続のとき gf X → Z も一様連続である。 証明 定義( 215)から明らかである。 218 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 10 05 33 f X → Y g Y → X が一様連続で、 gf = 1 fg = 1 となるとき X と Y は(一様空間として)同型であると言う。 このとき f と g は同型写像または同型射または単に同型と言う。 219 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 10 17 14 X を集合とする。 X の一様構造( 194)全体は包含関係で順序集合になる。 X の一様構造 α と β に対して α ⊂ β のとき α ≦ β と書く。 このとき α は β より荒いと言い、β は α より細かいと言う。 α ≦ β で α ≠ β のとき α < β と書く。 このとき α は β より真に荒いと言い、β は α より真に細かい と言う。 220 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 10 46 43 X を集合とする。 X の一様構造の族 (α_i), i ∈ I があるとする。 ここで I は任意濃度の集合である。 I の任意の有限部分集合 K をとる。 各 k ∈ K に対して V_k を α_k の任意の近縁として ∩V_k の全体を α(K) ととする。 K を変化させたときの α(K) の全体を β_0 とする。 このとき β_0 は基本近縁系になる。 これは次の事実に注意すれば明らかである。 V と W が X×X の部分集合のとき (V ∩ W)^(-1) = V^(-1) ∩ W^(-1) (V ∩ W)^2 ⊂ V^2 ∩ W^2 β_0 が生成する一様構造を β とすれば β = sup(α_i) 即ち β は (α_i), i ∈ I の上限である。 221 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 11 10 53 X を集合とする。 X の一様構造全体には最も細かいものがある。 それは X の離散一様構造( 201)である。 X の一様構造全体には最も荒いものがある。 それは X×X だけを近縁に持つ一様構造である。 222 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 11 19 14 X を集合とする。 X の一様構造 α と β に対して α ∩ β は一様構造とは限らない。 これは α ∩ β において 194 の 5) が成り立つとは限らないから である。 しかし inf(α, β) は存在する。 それは γ ≦ α, γ ≦ β となる一様構造 γ 全体の上限である。 X×X だけを近縁に持つ一様構造は α, β より荒いから このような γ は存在する。 従って、sup(γ) 即ち inf(α, β) も存在する。 同様に X の一様構造の任意の族 (α_i), i ∈ I に対して その下限 inf(α_i) が存在する。 それはすべての i ∈ I に対して γ ≦ α_i となる一様構造 γ 全体の 上限である。 223 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12 03 26 X を集合とする。 X の分割 X = (A_λ), λ ∈ L 全体と X の同値関係全体は1対1に対応する。 X の分割 X = (A_λ), λ ∈ L に対応する同値関係が 定める一様構造( 201) を分割 (A_λ) が定める一様構造という。 X の有限分割 X = A_1 ∪. . . ∪A_n が定める一様構造全体の 上限を X の有限分割の一様構造と言う。 X の有限分割 π = (A_i) に対して V_π = ∪(A_i)×(A_i) とおく。 V_π 全体が X の有限分割の一様構造の基本近縁系となる。 実際、X の有限分割 π = (B_j) に対して A_i と B_j が交わるような C_ij = A_i ∩ B_j 全体は X の有限分割 π となり V_π ⊂ V_π ∩ V_π となる。 224 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12 20 17 X を集合、Y を一様空間とし、 f X → Y を写像とする。 V を Y の近縁とし W = g^(-1)(V) とする。 W^(-1) = g^(-1)(V^(-1)) W^2 = g^(-1)(V^2) よって、Y の近縁の g = f×f による逆像全体は基本近縁系となる。 これが定める X の一様構造を Y の一様構造の f による逆像と言う。 この一様構造は f を一様連続にする X の一様構造の中で最も荒いもの である。 即ち f を一様連続にする X の一様構造全体の下限である。 225 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12 25 17 命題 X を集合、Y を一様空間とし、 f X → Y を写像とする。 X に f による Y の一様構造の逆像( 224)である一様構造を与える。 Z を一様空間とし、g Z → X を写像とする。 g が一様連続であるためには fg が一様連続であることが 必要十分である。 証明 一様連続の定義( 215) と一様構造の逆像の定義( 224)から 明らかである。 226 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12 36 46 定義 X を一様空間とし、A を X の部分集合とする。 X の一様構造の標準単射 A → X による逆像( 224)を X の一様構造を A に導入した一様構造と言う。 A に導入した一様構造により A を一様空間と見たとき A を X の部分一様空間と言う。 227 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12 54 53 命題 X を集合、(Y_i), i ∈ I を一様空間族とし、 各 i ∈ I に対して f_i X → Y_i を写像とする。 このとき X の一様構造で各 f_i を一様連続にする最も荒い一様構造が 存在する。 各 i に対して、g_i = (f_i)×(f_i) とし、V_i を X の近縁として (g_i)^(-1)(V_i) の形の集合の有限個の共通部分全体が、この一様構造の 基本近縁系である。 証明 Y_i の一様構造の f_i による逆像( 224) を α_i とする。 族 (α_i), i ∈ I の上限が求めるものである。 後半は一様構造の逆像の定義( 224)と 220 より明らかである。 証明終 228 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12 57 27 定義 X を集合、(Y_i), i ∈ I を一様空間族とし、 各 i ∈ I に対して f_i X → Y_i を写像とする。 このとき X の一様構造で各 f_i を一様連続にする最も荒い一様構造が 存在する( 227)。 この一様構造を写像族 (f_i) から X に導入された一様構造と言う。 229 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 13 06 13 命題 X を集合、(Y_i), i ∈ I を一様空間族とし、 各 i ∈ I に対して f_i X → Y_i を写像とする。 写像族 (f_i) から X に導入された一様構造( 228)により X を一様空間とみなす。 Z を一様空間で g Z → X を写像とする。 g が一様連続であるためには各 (f_i)g が一様連続になることが 必要十分である。 証明 写像族 (f_i) から X に導入された一様構造の定義( 228)から明らか である。 230 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 13 31 35 定義 (X_i), i ∈ I を一様空間族とし、X を 積集合 = ΠX_i とする。 各 i ∈ I に対して p_i X → X_i を射影とする。 写像族 (p_i) から X に導入された一様構造( 228)により X を一様空間とみなす。 このとき X を一様空間族 (X_i) の積と言う。 231 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 13 34 10 一様空間族 (X_i) の積( 130)から定まる位相は 各 X_i の位相の積である。 232 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14 10 46 命題 X を一様空間族 (X_i), i ∈ I の積( 230)とし、 p_i X → X_i を射影とする。 Y を一様空間とし、f Y → X を写像とする。 f が一様連続であるためには各 (p_i)f が一様連続であることが 必要十分である。 証明 一様空間族 (X_i), i ∈ I の積の定義( 230) と 229 より明らかである。 233 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14 20 44 命題 X を一様空間族 (X_i), i ∈ I の積( 230)とし、 p_i X → X_i を射影とする。 Y を一様空間とし、 各 i に対して f_i Y → X_i を一様連続写像とする。 このとき一様連続写像 f Y → X で f_i = (p_i)f となるものが一意に存在する。 証明 y ∈ Y のとき f(y) = (f_i(y)) により写像 f Y → X を定義する。 f_i = (p_i)f だから 232 より f は一様連続である。 一様連続写像 g Y → X で f_i = (p_i)g とする。 y ∈ Y のとき p_i(g(y)) = f_i(y) だから f(y) = g(y) 即ち f = g である。 証明終 234 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14 23 02 233 は一様空間族 (X_i) の積 X が一様空間の圏における (X_i) の積であることを示している。 235 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14 29 52 定義( 98の一般化) X を一様空間、V を X の近縁、 A を X の部分集合とする。 A×A ⊂ V のとき A を V 程度に小さい集合という。 236 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14 32 55 定義( 130の一般化) Φ を一様空間 X のフィルター( 76)とする。 X の任意の近縁 V に対して V 程度に小さい( 235) Φ の元があるとき Φ を X の Cauchy フィルターと言う。 237 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14 36 41 定義( 88の一般化) 一様空間 X の点列 (x_n), n ∈ Z+ に対して A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。 (A_n) が Cauchy フィルター( 236)の基底となるとき (x_n) を Cauchy 点列と言う。 238 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14 46 49 補題 x を一様空間 X の点とする。 対称近縁( 202) V に対して V(x) は V^2 程度に小さい。 証明 y と z を V(x) に含まれる点とする。 (y, x) ∈ V (x, z) ∈ V だから (y, z) ∈ V^2 である。 証明終 239 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14 58 13 命題( 178の一般化) 一様空間 X の収束フィルターは Cauchy フィルター( 236)である。 証明 V を X の任意の近縁とする。 W^2 ⊂ V となる対称近縁 W がある。 フィルター Φ が x に収束すれば Φ は W(x) を含む。 238 より W(x) は W^2 程度に小さく、従って V 程度にも小さい。 証明終 240 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 15 43 25 命題 f X → Y を一様連続とする。 X の Cauchy フィルターの基底 Φ_0 の f による像は Y の Cauchy フィルターの基底である。 証明 V を Y の任意の近縁とする。 x の近縁 W があり (x, y) ∈ W なら (f(x), f(y)) ∈ V となる。 Φ_0 は Cauchy フィルターの基底だから、W 程度に小さい Φ_0 の 元 M がある。f(M) は f(Φ_0) の元で V 程度に小さい。 よって f(Φ_0) は Cauchy フィルターの基底である。 証明終 241 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 15 46 45 定義( 133の一般化) Φ を一様空間 X の Cauchy フィルター( 236)とする。 Ψ ⊂ Φ となる X の Cauchy フィルター Ψ は Φ に限るとき Φ を X の極小 Cauchy フィルターと言う。 242 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 15 57 39 補題( 135の一般化) X を一様空間とする。 M を X の部分集合とする。 X の対称近縁( 202) V に対して M が V 程度に小さければ( 235) V(M) は V^3 程度に小さい。 証明 x と y を V(M) の元とする。 M の元 p, q で (x, p) ∈ V (q, y) ∈ V となるものがある。 (p, q) ∈ V だから (x, y) ∈ V^3 である。 証明終 243 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16 05 45 命題( 136の一般化) X を一様空間とする。 Φ を X の Cauchy フィルター( 236)とする。 Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。 V を X の対称近縁全体を動かし、 M を Φ_0 の元全体を動かしたときの V(M) ∩ X 全体を Ψ_0 とする。 Ψ_0 は X の Cauchy フィルターの基底であり、 Ψ_0 が生成する X のフィルター Ψ は Φ に含まれる 唯一の極小 Cauchy フィルター( 241)である。 証明 M, N を Φ_0 の元とし、 V, W を 対称近縁とする。 L ⊂ M ∩ N となる L ∈ Φ_0 と U ⊂ V ∩ W となる対称近縁 U がある。 U(L) ⊂ V(M) ∩ W(N) である。 よって Ψ_0 は X のフィルター基底である。 (続く) 244 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16 06 55 242 より M が V 程度に小さければ V(M) は V^3 程度に小さい。 よって Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底である。 M ⊂ V(M) だから Ψ_0 ⊂ Φ である。 Γ を Cauchy フィルターで Γ ⊂ Φ とする。 任意の 対称近縁 V に対して V 程度に小さい N ∈ Γ がある。 任意の M ∈ Φ_0 に対して Γ ⊂ Φ だから N と M は交わる。 よって N ⊂ V(M) となり、V(M) ∈ Γ となる。 よって Ψ_0 ⊂ Γ となる。 これは Ψ_0 が Φ に含まれる唯一の極小 Cauchy フィルター であることを意味する。 証明終 245 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16 09 56 命題( 138の一般化) X を一様空間とする。 Φ を X の Cauchy フィルター( 236)とする。 Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。 Φ が X の 極小 Cauchy フィルター( 241)であるためには 任意の N ∈ Φ に対して M ∈ Φ_0 と 対称近縁 V があり、V(M) ⊂ N となることが必要十分である。 証明 243 より明らかである。 246 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16 19 49 命題( 139 の一般化) X を一様空間とする。 x を X の点とする。 X の任意の近縁 V に対して V(x) の全体 Φ は X の 極小 Cauchy フィルターである。 証明 Φ がフィルターであることは明らかである。 X の任意の近縁 V に対して W^2 ⊂ V となる対称近縁 W を取る。 y ∈ W(W(x)) なら z ∈ W(x) があり (y, z) ∈ W 従って、y ∈ (W^2)(x) ⊂ V(x) 即ち W(W(x)) ⊂ V(x) よって 245 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。 証明終 247 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16 25 23 246 は次のように証明したほうが良い。 Ψ を x を含む X の部分集合全体とする。 Ψ は Cauchy フィルターである。 {{x}} は Ψ の基底である。 243 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。 248 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16 33 39 命題( 140 の一般化) X を一様空間とする。 X の Cauchy フィルターの基底の接触点( 132)は極限点である。 証明 Φ_0 を X の Cauchy フィルターの基底で x をその接触点とする。 任意の近縁 V に対して W^2 ⊂ V となる対称近縁 W がある。 Φ_0 は Cauchy フィルターの基底だから W 程度に小さい M ∈ Φ_0 がある。 M は W(x) と交わるから y ∈ M のとき (y, x) ∈ W^2 ⊂ V よって M ⊂ V(x) よって x は Φ_0 の極限点である。 証明終 249 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16 38 54 定義( 145 の一般化) 任意の Cauchy フィルターが収束する一様空間を完備空間という。 250 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 17 23 07 命題 完備空間( 249)の閉部分空間は完備である。 証明 X を完備空間、A をその閉部分空間とする。 Φ を A の Cauchy フィルターとする。 240 より Φ は X のCauchy フィルターの基底である。 X は完備だから Φ は X の点 x に収束する。 A は閉集合だから x は A の点である。 従って Φ は A において x に収束する。 証明終 251 :132人目の素数さん:2007/08/05(日) 17 52 41 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 252 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21 02 34 命題 X をハウスドルフ空間とする。 X のフィルターが収束すればその極限点は一意に決まる。 証明 X のフィルター Φ が x と y に収束し x ≠ y とする。 X はハウスドルフ空間だから x と y のそれぞれの近傍 V, W で 交わらないものがある。 一方、x と y は Φ の極限点だから V と W は Φ に含まれる。 従って V と W は交わる。 これは矛盾である。 証明終 253 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21 04 52 命題 分離一様空間の完備部分空間は閉部分空間である。 証明 X を分離一様空間、A をその完備部分空間とする。 A が閉部分空間でないする。 x ∈ cls(A) - A をとる。 x の近傍全体のなすフィルター Φ を A に制限したもの Φ|A は A の Cauchy フィルターの基底である。 A は完備だから Φ|A は A の点 y に収束する。 一方、Φ|A は X におけるフィルターの基底でもあり x に収束する。 X はハウスドルフだから 252 より x = y である。 これは矛盾である。 証明終 254 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21 26 20 命題 X を位相空間族 (X_i), i ∈ I の積とし、 p_i X → X_i を射影とする。 Φ を X のフィルターとする。 x を X の点とし、全ての i でフィルター基底 p_i(Φ) が p_i(x) に 収束するなら Φ は x に収束する。 証明 V を x の近傍とする。 I の有限部分集合 K があり 各 k ∈ K に対して p_i(x) の近傍 V_k があり ∩(p_i)^(-1)(V_k) ⊂ V となる。 各 k ∈ K に対して p_k(Φ) が p_k(x) に収束するから (p_i)^(-1)(V_k) ∈ Φ である。 従って、∩(p_i)^(-1)(V_k) ∈ Φ である。 よって V ∈ Φ である。 証明終 255 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21 35 30 命題 任意の完備一様空間族 (X_i), i ∈ I の積( 230) X は完備である。 証明 p_i X → X_i を射影とする。 Φ を X の Cauchy フィルターとする。 240 より各 i ∈ I で p_i(Φ) は X_i の Cauchy フィルターの 基底である。 X_i は完備だから p_i(Φ) は X_i の点 x_i に収束する。 x = (x_i) とすれば 254 より Φ は x に収束する。 証明終 256 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21 59 05 命題 X を一様空間とし A をその部分一様空間( 226)とする。 x を A の閉包の点とする。 x の近傍全体のなすフィルター Φ を A に制限したもの Φ|A は A の極小 Cauchy フィルター( 241)の基底である。 証明 M ∈ Φ|A とする。 X の近縁 V があり M = V(x) ∩ A となる。 W^2 ⊂ V となる対称近縁 W を取る。 N = W(x) ∩ A とする。 y ∈ W(N) なら (z, y) ∈ W となる z ∈ N がある。 (x, z) ∈ W だから (x, y) ∈ W^2 ⊂ V 従って y ∈ V(x) 即ち W(N) ⊂ V(x) よって W(N) ⊂ M である。 245 より Φ|A は A の極小 Cauchy フィルターの基底である。 証明終 257 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 22 16 03 命題 X を分離かつ完備な一様空間とし Y をその部分一様空間( 226)で X = cls(Y) とする。 Y の極小 Cauchy フィルター( 241)全体をΩとする。 X は完備だから Y の極小 Cauchy フィルター( 241)は X において 極限点を持つ。 X は分離だから 252 よりこの極限点は一意にきまる。 従って Ω の元にその極限点を対応させることにより 写像 f Ω → X が得られる。 この f は全単射である。 証明 256 より X の点 x に対して x の近傍全体のなすフィルター Φ を Y に 制限したもの Φ|Y は Y の極小 Cauchy フィルターの基底である。 x に Φ|Y が生成する Y の極小 Cauchy フィルターを対応させる ことにより 写像 g X → Ω が得られる。 明らかに f と g は互いに逆写像である。 証明終 258 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 22 19 28 私見によれば Bourbaki の一様空間論で最もわかりにくいところは 極小 Cauchy フィルターに関する部分である。 しかし、 257 によれば極小 Cauchy フィルターの意義がはっきりする。 259 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 23 19 24 命題 X を一様空間とし Φ と Ψ をフィルターとする。 Φ と Ψ が同じ極限点を持てば X の任意の近縁 V に対して V 程度に小さい部分集合( 235)を共有する。 証明 Φ と Ψ の共通の極限点を x とする。 X の任意の近縁 V に対して W を W^2 ⊂ V となる対称近縁とする。 M ∈ Φ と N ∈ Ψ をそれぞれ W(x) に含まれる部分集合とする。 238 より W(x) は W^2 程度に小さい。 M ∪ N ⊂ W(x) だから M ∪ N も W^2 程度に小さい。 従って M ∪ N は V 程度に小さい。 しかも M ∪ N は Φ にも Ψ にも含まれる。 証明終 260 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 23 43 40 命題 X を一様空間とし Φ と Ψ を Cauchy フィルターとする。 Φ と Ψ が X の任意の近縁 V に対して V 程度に小さい( 235)部分集合を共有するなら Φ と Ψ は同一の極小 Cauchy フィルターを含む。 証明 Φ に含まれる極小 Cauchy フィルターを ξ とする。 V を X の任意の近縁とし、M を Φ の任意の元とする。 Φ と Ψ は V 程度に小さい部分集合 N を共有する。 N と M は交わるから x ∈ N ∩ M とする。 N は V 程度に小さいから y ∈ N なら (x, y) ∈ V である。 従って y ∈ V(x) ⊂ V(M) 即ち N ⊂ V(M) 従って V(M) は Ψ に含まれる。 243 より ξ ⊂ Ψ である。 証明終 261 :king氏ね:2007/08/05(日) 23 53 26 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 262 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 07 40 44 命題 X を一様空間とし、Φ を X の極小 Cauchy フィルターとする。 Φ の任意の元 M の内部は空でない。 証明 243 より X の近縁 V と N ∈ Φ があり V(N) ⊂ M となる。 V(N) は V(x), x ∈ N の合併集合だからその内部は空でない。 証明終 263 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 07 55 03 命題 X を一様空間とし、Y をその密な部分空間とする。 Y の任意の Cauchy フィルターが X で収束するなら X は完備である。 証明 X の任意の極小 Cauchy フィルター Φ が収束することを言えばよい。 262 より Φ の任意の元 M の内部は空でない。 従って、Φ の元と Y の交わり全体 Φ|Y は Y における Cauchy フィルターの基底となる。 仮定より Φ|Y は X の点 x に収束する。 Φ|Y が X で生成するフィルターは Φ より細かく x を極限点に持つ。 141 より Φ は x を接触点に持つ。 248 より Φ は x に収束する。 証明終 264 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 08 29 23 命題 f と g を 位相空間 X からハウスドルフ空間 Y への連続写像とする。 f(x) = g(x) となる x の全体 Z は X の閉集合である。 証明 h(x) = (f(x), g(x)) により写像 h X → Y×Y を定める。 h は連続である。 Δ を Y×Y の対角線集合とすると、 84 より Δ は Y×Y の 閉集合である。 Z = h^(-1)(Δ) であるから Z は閉集合である。 証明終 265 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 08 31 41 命題(等式延長の原理) f と g を 位相空間 X からハウスドルフ空間 Y への連続写像とする。 f(x) = g(x) となる x の全体 Z が X で密なら f = g である。 証明 264 より明らかである。 266 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 09 07 36 定理(連続延長の原理) X を位相空間とし、Y をその密な部分集合とする。 Z を正則空間( 210)とする。 h を写像 Y → Z とする。 h が連続写像 f X → Z に拡張できるためには h が次の条件 (E) を満たすことが必要十分である。 (E) X の任意の点 x に対して x の近傍と Y の交わり全体のなす フィルタ-基底を Φ としたとき h(Φ) は Z で収束する。 このとき f は一意に決まる。 証明 f の一意性は等式延長の原理( 265)から出る。 (E) が必要なことは 174 から直ちに出る。 (E) が十分なことを証明する。 X の任意の点 x に対して x の近傍と Y の交わり全体のなす フィルタ-基底を Φ とする。 (E) より h(Φ) は Z で収束するが、 Z はハウスドルフだから 149 より h(Φ) の極限点は一意に決まる。 これを f(x) とする。 f が連続であることを示せば良い。 (続く) 267 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 09 08 23 V を f(x) の Z における閉近傍とする。 h(Φ) は f(x) に収束するから x の X での開近傍 W で h(W ∩ A) ⊂ V となるものがある。 z ∈ W のとき W は z の近傍だから f(z) ∈ cls(h(W ∩ A)) ⊂ V となる。 ここで cls(h(W ∩ A)) は h(W ∩ A) の閉包を表す。 従って f(W) ⊂ V である。 Z は正則( 210)だから X の任意の点の閉近傍全体はこの点の 基本近傍系になる。 従って f は連続である。 証明終 268 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 10 05 21 命題 X を位相空間とし、A をその密な部分集合とする。 U を X の空でない開集合、V = U ∩ A とする。 このとき、cls(V) = cls(U) である。 ここで cls(V), cls(U) はそれぞれ U, V の X における閉包である。 証明 V ⊂ U だから cls(V) ⊂ cls(U) である。 x ∈ cls(U) とする。 x の任意の開近傍 W に対して W ∩ U は空でない。 A は密だから W ∩ U ∩ A = W ∩ V も空でない。 これは x ∈ cls(V) を意味する。 従って cls(U) ⊂ cls(V) である。 証明終 269 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 10 21 18 命題 X を一様空間とし、A をその密な部分集合とする。 A の近縁の X×X における閉包全体は X の基本近縁系である。 証明 V を X の任意の近縁とする。 205 より T ⊂ V となる X の閉近縁 T がある。 205 より U ⊂ T となる X の開近縁 U がある。 W = U ∩ A×A は A の開近縁である。 A×A は X×X で密だから 268 より cls(W) = cls(U) である。 T は閉集合だから cls(U) ⊂ T である。 従って cls(W) ⊂ V である。 証明終 270 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 10 27 11 命題 X と Y を位相空間とし、f X → Y を連続写像とする。 X の任意の部分集合 A に対して f(cls(A)) ⊂ cls(f(A)) となる。 証明 明らかである。 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 21時17分30秒 代数的整数論 006 (391-455) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/391-455 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/391-455 391 :132人目の素数さん:2007/08/11(土) 12 53 25 ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 代数的整数論、いつも熱心に書いてあるな。 \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ ん?最近荒らしが多いな。 \/ / ○_○ ( ・(ェ)・ ) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 何で「クマー」が Kummer って叫んでるんだろう? \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 「クンマー」だからか。くだらねえ。 \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ゚(ェ)゚ ) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ king氏ね \/ / 392 :132人目の素数さん:2007/08/11(土) 13 18 15 390 このスレは熱心というよりは基地外じみている 有る意味キングと同じ 393 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14 25 49 補題 実数体 R において写像 f(x) = 1/x は 任意の δ > 0 に対して、 |x| ≧ δ において一様連続である。 証明 δ > 0 に対して、 |x| ≧ δ |y| ≧ δ とする。 任意の ε > 0 に対して、|y - x| < (δ^2)ε なら |1/y - 1/x| = |y - x|/|xy| < ε 従って写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 証明終 394 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14 30 03 命題 実数体 R は位相体である。 証明 a, b を任意の実数とする。 任意の ε > 0 に対して、 |x - a| < ε/2, |y - b| < ε/2 のとき |x + y - (a + b)| ≦ |x - a| + |y - b| < ε 従って写像 f(x, y) = x + y は連続である。 任意の ε > 0 に対して、 |x - a| < ε のとき |-x - (-a)| = |x - a| < ε 従って写像 g(x) = -x は連続である。 任意の ε > 0 に対して、 δ > 0 を δ < min(1, ε/(1 + |a| + |b|)) とする。 δ < 1 だから δ^2 < δ < ε/(1 + |a| + |b|) |x - a| < δ, |y - b| < δ のとき |xy - ab| = |(x - a)(y - b) + (x - a)b + a(y - b)| ≦ |(x - a)(y - b)| + |(x - a)b| + |a(y - b)| ≦ δ^2 + δ|b| + |a|δ < δ(1 + |a| + |b|) < ε 従って写像 h(x, y) = xy は連続である。 393 より、任意の δ > 0 に対して、 写像 φ(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 よって φ(x) は R^* で連続である。 証明終 395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14 32 49 命題 複素数 C は位相体である。 証明 394 と同様である。 396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14 43 48 命題 実数体と複素数体はそれぞれ分離かつ完備な位相体である。 証明 394 と 395 より実数体と複素数体はそれぞれ位相体である。 両者が分離的であることは明らかである。 K を実数体または複素数体とする。 n ≧ 1 を有理整数としたとき V(1/n) = {(x, y) ∈ K^2; |y - x| < 1/n} の全体は K の一様構造の基本近縁系である。 即ち K は可算な基本近縁系をもつ。 実数体及び複素数体において Cauchy 点列は収束するから 325 より両者は完備である。 証明終 397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14 46 58 命題 K を実数体または複素数体とする。 K^* は位相群として完備である。 証明 396 と 389 より明らかである。 398 :1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/11(土) 17 13 50 Reply 391-392 お前に何が分かるというのか? 399 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/11(土) 18 42 33 昨日、西麻布の某グラブバーで、 君がいるだけで飛べる女優さんのS・Eさんを見ました。 服装は、ベージュっぽい色(ゴールド?)のフリルのトップスに、 上にピンクのベロアっぽい光沢のある生地のパーカを羽織ってました。 ボトムはたしかインディゴっぽい色のデニムミニでした。 なんか、最初入ってきたときにずっと年上の男の人二人連れてて、 三人で入ってきたんですが、Sさんがすごく顔が小さくて目立ってました。 私以外にも彼女に気付いていた人いると思うのに、 彼女は見せびらかすみたいに片方の男の人の腰に手をまわして顔寄せあって話してて (店の中はうるさかったから、顔を近づけないと話せないのはわかるんですが) そのまま抱き合うみたいにして、奥のVIPルームに入っていきました。 もう一人の人も、歩きながらSさんの肩に手をやったりしてて、かなり仲のいい感じでした。 男の人は、抱き合ってた方の人はモスグリーンのジャケットに黒いパンツで、色黒で髭を生やしていて、 Sさんより背の低い人でした。 もう一人の人は、服装はあまり覚えていないんですが、太っていて、 サングラスしててアゴのところだけ髭があったのは覚えてます。 そのあと、3人はVIPルームに入っていったので、中の様子はよくわからないんですが、 トイレに行くとき前を通ったときに、カーテンから覗いたときには、 (そのお店のVIPルームは、バーカウンターからトイレへ向かうときにちょうどVIPの前を通れるんです) 彼女はやっぱり背が低いほうの男の人の前にひざまづいて、 男の人の股間に顔をうずめてました。 性的なイメージとかなかったので、かなりびっくりしました。 あの様子だったら、精子も飲んでたと思うんですけど、 彼女ってもう成人してるんでしょうか? この間までドラマで高校生の役やってたし、未成年のイメージがあったからかなり驚きました。 こういうレポ(?)って初めてするので、わかりにくかったらすみません。 あまりにびっくりしたので、どうしても誰かに言いたくなって、 ここに書き込んでしまいました。 400 :Kummer ◆uval53l3ZI :2007/08/11(土) 19 11 34 ロイヤルミルクティー 作詞:反町隆史/作曲:都志見隆/編曲:都志見隆 フレームの世界で生きている自分のことを 人はみなすごい奴よばわりするが 作り笑顔でいれば失って行くものが必ずある 俺はそんなに強い男じゃない みんなと同じように不安を感じ怖さを感じる 近くに愛があったとしても その愛が突然壊れてしまうのではないかと おびえる夜が何度もある 彼女はロイヤルミルクティーが好きだった 俺にとって何の興味がなかったそれを 俺は好きになった 彼女の安らぎがそこにあり 俺の安らぎも今はそこにある 彼女はロイヤルミルクティーが好きだった 好きだった 401 :132人目の素数さん:2007/08/11(土) 19 23 31 400 とても良い歌詞ですね。調べてみたら、 「反町さんはもっと評価されていい。ロイヤルミルクティーの歌詞は、俺にも書けない」 と、かの押尾先生が絶賛した歌詞らしいですYO! 402 :132人目の素数さん:2007/08/11(土) 20 22 47 上、 /⌒ヽ, ,/⌒丶、 ,エ `,ヾ / ,;;iiiiiiiiiii;、 \ _ノソ´ iキ / ,;;´ ;lllllllllllllii、 \ iF iキ ,;´ ,;;llllllllllllllllllllii、 ナf !キ、._ ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ. / `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´ i、 i ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_ | | ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi | | if! |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi | | ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi | | ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi | | iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi | | iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi | | iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi キ、 | ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、 ,√ ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi `ヾ ´ ;サ, |彡彡彡彡川川リゞミミリ ,キi ;サ, |彡彡彡彡リリリミミミシ ,キi ,;#, |彡彡ノリリリリミミミシ ,キi ;メ ´ !彡ノリリリリリゞミミシ `ヘ、 ;メ ヾリリリリノ巛ゞシ `ヘ、 ;メ ``十≡=十´ `ヘ、 403 :132人目の素数さん:2007/08/12(日) 05 48 27 お願いします ttp //pics.dmm.co.jp/digital/video/fbi00002/fbi00002pl.jpg 404 :132人目の素数さん:2007/08/12(日) 07 25 49 ↑「勇気が無くて見られない画像解説スレ3@数学板」と間違えて誤爆しますた 405 :132人目の素数さん:2007/08/12(日) 10 09 57 ロイヤルミルクティーって和製英語でそんなレシピはない。 酒を入れるカフェロワイヤル ミルクテイーはロイヤルはつけない ビックルが好きな・・・といってるのとおなじ ヤクルトかバヤリースにしておけば・・・ 406 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10 15 41 命題 コンパクト空間 Xは正則( 210)である。 証明 211 より X の任意の閉集合 A と A に含まれない任意の点 x に対して x の近傍 U と A の近傍 V で交わらないものがあることを 証明すればよい。 X はハウスドルフだから A の各点 y に対して y の開近傍 V_y と x の開近傍 U_y で交わらないものがある。 A はコンパクトだから A は有限個の V_y で被覆される。 これ等を V_(y_1), . . . , V_(y_n) とする。 これ等の合併集合を V とし、 U_(y_1), . . . , U_(y_n) の共通集合を U とすればよい。 証明終 407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10 27 42 命題 ハウスドルフ空間のコンパクトな部分集合は閉集合である。 証明 A を ハウスドルフ空間 X のコンパクトな部分集合とする。 x を A に含まれない任意の点 x とする。 X はハウスドルフだから A の各点 y に対して y の開近傍 V_y と x の開近傍 U_y で交わらないものがある。 A はコンパクトだから A は有限個の V_y で被覆される。 これ等を V_(y_1), . . . , V_(y_n) とする。 これ等の合併集合を V とし、 U_(y_1), . . . , U_(y_n) の共通集合を U とする。 U と V は交わらないから U は A と交わらない。 U は x の近傍で x は X - A の任意の点だから X - A は X の 開集合である。 即ち、A は閉集合である。 証明終 408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10 35 47 命題 局所コンパクト空間( 128) X は正則( 210)である。 証明 X の点 x とそれを含む開集合を U とする。 x はコンパクトな近傍 V を持つ。 406 より V は正則だから x の V における閉近傍 W で W ⊂ V ∩ U となるものがある。 407 より V は X の閉集合だから W も X の閉集合である。 V は x の近傍だから W も X における x の近傍である。 W ⊂ U だから 211 より X は正則である。 証明 409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10 49 47 命題 局所コンパクト空間( 128) の任意の点はコンパクトな 基本近傍系をもつ。 証明 x を局所コンパクト空間の任意の点とし U をその近傍とする。 408 より x の閉近傍 V で U に含まれるものがある。 x のコンパクト近傍を W とする。 V ∩ W は W の閉集合であるからコンパクトである。 よって V ∩ W は x のコンパクトな近傍である。 証明終 410 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10 52 55 命題 局所コンパクト空間( 128) の開集合は局所コンパクトである。 証明 409 より明らかである。 411 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10 57 16 命題 局所コンパクト空間( 128) の閉集合は局所コンパクトである。 証明 A を局所コンパクト空間 X の閉集合とする。 A の任意の点 x は X におけるコンパクト近傍 V を持つ。 V ∩ A は A における x の近傍であるが、 V の閉集合だからコンパクトである。 証明終 412 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 11 22 35 命題 局所コンパクト群は右一様構造( 200)および左一様構造( 200)に 関して完備である。 証明 G を局所コンパクト群とする。 Φ を G の右一様構造に関する Cauchy フィルターとする。 V を G の単位元のコンパクト近傍とする。 V 程度に小さい M ∈ Φ がある。 即ち x, y ∈ M なら yx^(-1) ∈ V となる。 従って M ⊂ Vx である。 Φ_0 = { M ∩ N ; N ∈ Φ } とおく。 Φ_0 は Φ の基底である。 Vx はコンパクトだから 315 より完備である。 Φ_0 は Vx に含まれるから収束する。 従って Φ も収束する。 Φ を G の左一様構造に関する Cauchy フィルターとしても同様である。 証明終 413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 11 27 30 397 の別証 命題 K を実数体または複素数体とする。 K^* は位相群として完備である。 証明 K は局所コンパクトである。 K^* = K - {0} は K の開集合だから 410 より局所コンパクトである。 従って 412 より K^* は位相群として完備である。 証明終 414 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 11 56 29 定義 実数体を R とする。 R の部分集合 { x ∈ R; x ≧ 0 } を R+ で表す。 K を可換とは限らない体とする。 K から R+ への写像 x → |x| が以下の条件を満たすとき、この写像を K の絶対値と言う。 1) |x| = 0 と x = 0 は同値である。 2) |xy| = |x||y| 3) |x + y| ≦ |x| + |y| 415 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 11 59 31 定義 K を可換とは限らない体とする。 K とその上の絶対値( 414) |*| が与えられたとき K を付値体と言う。 416 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12 10 44 命題 K を付値体( 415)とする。 K の元 x の絶対値を |x| とする。 n ≧ 1 を有理整数とし K の元 x が x^n = 1 を満たすとする。 このとき |x| = 1 である。 証明 |x^n| = |x|^n = 1 従って |x| = 1 である。 証明終 417 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12 12 10 416 から |1| = 1, |-1| = 1 が出る。 従って K の任意の元 x に対して |-x| = |x| 418 :132人目の素数さん:2007/08/12(日) 12 16 48 403 名前 132人目の素数さん Mail 投稿日 2007/08/12(日) 05 48 27 お願いします ttp //pics.dmm.co.jp/digital/video/fbi00002/fbi00002pl.jpg 404 名前 132人目の素数さん Mail 投稿日 2007/08/12(日) 07 25 49 ↑「勇気が無くて見られない画像解説スレ3@数学板」と間違えて誤爆しますた 419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12 19 23 付値体 K において d(x, y) = |y - x| とおくと d は K の距離になる。 従って、K はこの距離により距離空間になる。 特に断らなければ K の位相はこの距離空間から引き起こされた ものとする。 420 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12 24 41 補題 付値体 K において写像 f(x) = 1/x は 任意の δ > 0 に対して、 |x| ≧ δ において一様連続である。 証明 δ > 0 に対して、 |x| ≧ δ |y| ≧ δ とする。 任意の ε > 0 に対して、|y - x| < (δ^2)ε なら |1/y - 1/x| = |(1/y)(x - y)(1/x)| = |y - x|/|x||y| < ε 従って写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 証明終 421 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12 27 23 命題 付値体( 415) K は位相体である。 証明 K の元 x の絶対値を |x| とする。 a, b を K の任意の元とする。 任意の ε > 0 に対して、 |x - a| < ε/2, |y - b| < ε/2 のとき |x + y - (a + b)| ≦ |x - a| + |y - b| < ε 従って写像 f(x, y) = x + y は連続である。 任意の ε > 0 に対して、 |x - a| < ε のとき |-x - (-a)| = |-(x - a)| = |x - a| < ε 従って写像 g(x) = -x は連続である。 任意の ε > 0 に対して、 δ > 0 を δ < min(1, ε/(1 + |a| + |b|)) とする。 δ < 1 だから δ^2 < δ < ε/(1 + |a| + |b|) |x - a| < δ, |y - b| < δ のとき |xy - ab| = |(x - a)(y - b) + (x - a)b + a(y - b)| ≦ |(x - a)(y - b)| + |(x - a)b| + |a(y - b)| ≦ δ^2 + δ|b| + |a|δ < δ(1 + |a| + |b|) < ε 従って写像 h(x, y) = xy は連続である。 393 より、任意の δ > 0 に対して、 写像 φ(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 よって φ(x) は K^* で連続である。 証明終 422 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12 32 38 体 K において x ≠ 0 のとき |x| = 1 x = 0 のとき |x| = 0 と定義すれば |x| は K の絶対値になる。 これを自明な絶対値と言う。 423 :132人目の素数さん:2007/08/12(日) 12 33 21 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 424 :132人目の素数さん:2007/08/12(日) 12 35 05 Kummer----------!!! --ミ、、_ ` " ―┼――――l. . . . . . l | ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;i; ; ; ; ; ; ; ; ; ;| ミ三三ミ ー‐-- 、、_ | j -―――‐t―――----┴-{ _; _;_ _; _; _; _; _; _; i; _; _; _; _; _; | ミミ三三、 .u 、ー=、` ┴―――fミ ,ニ三三三三 r―、 rミ、_;_ _; _; _; _; _; _; ;i; _; _; _; _; _; ;| ミミミ三シ . . .u `― l ii l (ヲ lミil三三三三彡 j ` ̄ ヾ i. , 一, 、ー、 ヾミl ミミミf " _,,.,,_ . . . .. _j_ . . . . j lミリニ三三シ´ _,. - 、 __ l、,. .. `""´ `" ,iミl ミミミ ,ィでiンミ、 . .、__, -,ィも=、 ,l l三三三ミ . . . . ィ "でi、. . ,rtッ . j , -‐‐- . . ー- 、.ヾl ミミ J. ´ ̄`゙`ラ . . 三 f"´ ̄` lj \三三ミ . . . . .``=゙^ . iー{ ,ィ で入 . . ,ィ で) 、 ∥ ミミ `二ニノ ,、 jl ,` ― " ,l!人 ヾ三ミ u , ゙ , `゙゙゙"´ノ. ,`゙゙゙"´ .| ;ミ ,ィ " ト、 ,!rぅ ,三シ ,r __ ) !. u , , . | ミ; u / `^ヽ,_ノi , ヽ二ノ l三 ゙ U ,. `´ ーイ , ... /ゝ =、_,,r`、.u l ミ / _,,...,_,,..,、l u ./ヾミ. ,三 , , ´ / _,,__,、/ .. , i . l N / ,ィiTTTTTト, ,} ,/ l三 ` " / / /_,∠二,ーアノ/ u . _,ィェェェュ、 l i ;ヽ U { ,/⌒ ー ‐ ‐ ‐ ,リ l / ,l^` . . . . l , ,. h、 . ゙ . .lf´, / , . i 〈-‐‐rー, i l . / 、 ヽ l {,ゝ、‐r‐ ン-i/ ,/ ,イ/7 . , . . . . ; ; , ヾゞzェソ ;/ヽヽ l ヽzェェェュリ ! / ヽヽ丶 丶 ヾ Zェェェシ ノ ,i ∧ , , ,. - 、 丶 、_` 一 /,、.| ヽ .. ヽ ヽニ二ノ / ヽヽ 丶、 ` ` ‐ -- ‐ "/ノ ヽヽ、 . . . . 丶、 ゙゙゙゙ /l |ノ ヽ . / 425 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12 51 29 命題 K を付値体, |x| をその絶対値とする。 K の位相が離散であるためには |x| が自明であることが必要十分である。 証明 絶対値が自明なら K の位相は離散である。 逆に K の位相が離散とする。 従って、ある δ > 0 があり |x| < δ となる x は 0 以外に無い。 絶対値が自明でないなら |x| ≠ 1 となる x ≠ 0 がある。 |x| < 1 とすると点列 (x^n) は 0 に収束する。 即ち任意の ε > 0 で |x^n| < ε となる n がある。 x^n ≠ 0 だから、K の位相は離散でない。 |x| > 1 とすると点列 ((1/x)^n) は 0 に収束するから 上と同様に K の位相は離散でない。 証明終 426 :Kummer ◆s7caXp/asc :2007/08/13(月) 15 21 44 アタシね、最近教師になったんですねぇ。 私立の吉祥寺学園ってところに赴任しましてねぇ仮にこの高校をKとしましょうかアタシ1番の問題児がいるクラスの担任になっちゃんたんだ。どうしよー怖いよ怖いよーってもんでついに新学期が始まったんですねぇ。アタシナメられないように黒板に稲川淳二☆って書いて 「今日からおまえらの担任になった稲川だ!なんか文句あるか!」 ってかましたんですねぇその瞬間生徒の視線がアタシからスゥーっと外されていったんですねぇまるでアタシを幽霊みたいに見ちゃいけない!見てなるものか!って意地になってスルーされたんですねぇ。その日はなんとか乗り切れたんですがねぇ 次の日登校すると生徒の様子がなーんかおかしい… ふと黒板を見るとワタシが三角木馬に乗ってる写真が貼られてたんだ! ありえないんだそんな事! アタシにそんな趣味なんかあるわけないあっちゃいけない! ってなもんでアタフタしてたら同僚の冬月先生にビンタされてアタシ取り乱して証拠にみんなの前でお尻の傷見せたんだ! その瞬間アタシ意識がスゥーと消えて気付いたらアタシ警察の前にいたんですねぇ。 そんなお話です。 427 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/13(月) 20 52 09 ____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚⌒ ⌒゚o \ またあしたも代数的整数論板に書き込む仕事が始まるお… | (__人__) | \ ` ⌒´ / 428 :132人目の素数さん:2007/08/13(月) 22 15 15 なんでカス板に書き子つづけるの?AMSの板にでも書いたら? 429 :Kummer ◆avWMvQagd6 :2007/08/14(火) 00 26 58 私の前の上司(課長)は無口、無表情。雑談には加わらず、お酒も飲まず、人付き合いをしない堅物でした。 誠実公平、どんな時でも冷静なので頼もしい上司なのですが、堅過ぎて近寄りにくい雰囲気がありました。 そんな課長の机の上には奥さん、子供四人と写った写真が飾られてて、 「あの朴念仁でも家族は愛してるんだな」と微笑ましく思ったものです。 何年経っても同じ写真が飾ってあったので、理由を聞いてみたら、 「一番かわいかった頃の写真だからね」と照れ笑いを浮かべながら答えてくださいました。 それが私の見た唯一の課長の笑顔でした。 そんな真面目一徹、入社以来無遅刻無欠勤の課長が三日続けて無断欠勤。 家に電話しても誰も出ず、親族の連絡先も分からなかったので、 部長が直接課長のマンションを訪ね、管理人さんにお願いしてドアを開けていただきました。 課長は玄関で倒れていて、既に冷たくなっていました。急性心不全だったそうです。 部長が管理人さんに課長の家族がいつ戻ってくるか聞くと、「○○さんには家族はいないですよ」という返事。 あわてて人事部の資料をほじくり返すと、確かに課長には家族がいません。 課長は10年前に中途入社した人なので、それ以前に家族に逃げられていて、 写真を見て幸せだった時代を懐かしんでいたんだと思い、少し悲しくなりました。 結局、課長の葬儀にも家族も親族も顔を出さず、血縁の人たちの冷たさにもっと悲しくなりました。 後日墓参りに行くと、立派なお墓が立っていました。死んでやっと家族と和解できて、 立派なお墓を立ててもらえたのかと安心して墓石を見てみると、愕然としました。 お墓は古びていて、課長と同じ名字の名前が墓誌にいくつも彫ってありました。 課長以外は全員十数年前の同じ日に亡くなっていました。 家族を一度に亡くしてからの十数年の歳月を、彼はどんな気持ちで過ごしていたんでしょうか? 二度と会えない家族の写真をどんな思いで毎日眺めていたんでしょうか? 人を遠ざけ、自分のことを決して語らなかった課長の姿を思い出し、涙が止まりませんでした。 430 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 04 34 17 補題 K を可換とは限らない体とする。 φ と ψをそれぞれ K の絶対値( 414)とする。 φ は自明ではないとする。 φ(x) < 1 となる全ての x に対して ψ(x) < 1 となれば、 ある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が全ての x ∈ K で 成り立つ。 証明 φ は自明( 422)でないから φ(a) ≠ 1 となる a ≠ 0 がある。 φ(a) < 1 なら φ(1/a) = 1/φ(a) > 1 だから φ(a) > 1 と仮定 してよい。 任意の K の元 x をとり、φ(x) = φ(a)^γ とする。 即ち γ = log(φ(x))/log(φ(a)) である。 ここで log の底は任意の正数 > 1 でよいが考えを固定するため 自然対数の底 e とする。 (続く) 431 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 04 37 11 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 432 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 04 37 33 n と m を有理整数として m > 0 とし、γ > n/m とする。 φ(x) > φ(a)^(n/m) となる。 よって φ(x)^m > φ(a)^n となる。 よって 1 > φ(a^n)/φ(x^m) = φ(a^n/x^m) 仮定から 1 > ψ(a^n/x^m) よって ψ(x)^m > ψ(a)^n となる。 よって ψ(x) > ψ(a)^(n/m) となる。 有理数 n/m を γ の左から γ に近づけて、この等式の両辺の極限を 取れば、ψ(x) ≧ ψ(a)^γ となる。 同様に γ < n/m なら ψ(x) < ψ(a)^(n/m) となる。 有理数 n/m を γ の右から γ に近づけて、この等式の両辺の極限を 取れば、ψ(x) ≦ ψ(a)^γ となる。 従って ψ(x) = ψ(a)^γ となる。 即ち γ = log(ψ(x))/log(ψ(a)) である。 よって log(φ(x))/log(φ(a)) = log(ψ(x))/log(ψ(a)) となる。 即ち log(φ(x))/log(ψ(x)) = log(φ(a))/log(ψ(a)) α = log(φ(a))/log(ψ(a)) とすれば log(φ(x)) = αlog(ψ(x)) よって φ(x) = ψ(x)^α となる。 ψ(a) > 1 だから α > 0 である。 x ≠ 0 と仮定したが x = 0 のときもこの等式は成り立つ。 証明終 433 :Kummer ◆K8xLCj98/Y :2007/08/14(火) 04 38 06 補題 K を可換とは限らない体とする。 φ と ψをそれぞれ K の絶対値( 414)とする。 φ は自明ではないとする。 φ(x) < 1 となる全ての x に対して ψ(x) < 1 となれば、 ある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が全ての x ∈ K で 成り立つ。 証明 φ は自明( 422)でないから φ(a) ≠ 1 となる a ≠ 0 がある。 φ(a) < 1 なら φ(1/a) = 1/φ(a) > 1 だから φ(a) > 1 と仮定 してよい。 任意の K の元 x をとり、φ(x) = φ(a)^γ とする。 即ち γ = log(φ(x))/log(φ(a)) である。 ここで log の底は任意の正数 > 1 でよいが考えを固定するため 自然対数の底 e とする。 (続く) 434 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 04 57 24 定義 可換とは限らない体 K 上の二つの絶対値( 414)は K 上に同じ位相を 引起す( 419)とき同値と言う。 435 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05 12 18 命題 K を可換とは限らない体とする。 φ と ψ をそれぞれ K の絶対値( 414)とする。 φ は自明ではないとする。 φ と ψ が同値( 434)であるためには φ(x) < 1 となる全ての x に対して ψ(x) < 1 となることが 必要十分である。 このとき、ある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が全ての x ∈ K で成り立つ。 証明 φ と ψ が同値であるとする。 φ(x) < 1 と位相体 (K, φ) において n → ∞ のとき lim x^n = 0 は同値である。 φ と ψ は同値だから 位相体 (K, ψ) においても n → ∞ のとき lim x^n = 0 である。 従って ψ(x) < 1 である。 これで本命題の条件が必要なことが分かった。 逆に本命題の条件が成り立つとする。 430 よりある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が 全ての x ∈ K で成り立つ。 このとき φ と ψ が K 上に同じ位相を引起すことは明らかである。 証明終 436 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 05 14 28 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 437 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05 29 35 補題 λ, c, d を実数で 0 < c 0 < d 1 = c + d 0 < λ ≦ 1 のとき 1 ≦ c^λ + d^λ である。 証明 c < 1 だから 1/c > 1 λ ≦ 1 だから 1/c^λ ≦ 1/c よって c ≦ c^λ 同様に d ≦ d^λ よって 1 = c + d ≦ c^λ + d^λ 証明終 438 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 05 32 28 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 439 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05 32 33 補題 λ, a, b を実数で 0 < λ ≦ 1 a > 0 b > 0 とする。 このとき (a + b)^λ ≦ a^λ + b^λ 証明 c = a/(a + b) d = b/(a + b) とおけば (a + b)^λ ≦ a^λ + b^λ は 1 ≦ c^λ + d^λ と同値である。 1 ≦ c^λ + d^λ は 437 で証明されている。 証明終 440 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 05 35 02 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおはよう!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 441 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05 49 20 命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の絶対値( 414)とする。 λ を実数で 0 < λ ≦ 1 とする。 |x|^λ も (|x| と同値な) 絶対値である。 証明 |x + y| ≦ |x| + |y| だから |x + y|^λ ≦ (|x| + |y|)^λ 439 より (|x| + |y|)^λ ≦ |x|^λ + |y|^λ よって|x + y|^λ ≦ |x|^λ + |y|^λ 証明終 442 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05 55 15 命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の絶対値( 414)とする。 r と s を実数で 0 < s < r とする。 |x|^r が絶対値なら |x|^s も絶対値である。 証明 0 < s/r < 1 だから 441 より |x|^s = (|x|^r)^(s/r) は 絶対値である。 証明終 443 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 06 07 33 441 童貞なん? 444 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 06 13 41 命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の絶対値( 414)とする。 |x|^r が絶対値となる r > 0 の全体は有限区間 (0, c] または 無限区間 (0, ∞) である。 証明 442 より |x|^r が絶対値となる r > 0 の全体は ある実数 c > 0 に対して区間 (0, c) または (0, c] となるか 無限区間 (0, ∞) である。 ある実数 c > 0 に対して 0 < r < c となる任意の r に対して |x|^r が絶対値であるとする。 |x + y|^r ≦ |x|^r + |y|^r の両辺の r → c の極限を取れば |x + y|^c ≦ |x|^c + |y|^c となって |x|^c も絶対値である。 証明終 445 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 06 23 18 補題 a, b を実数で a ≧ 0, b ≧ 0 とする。 r > 0 を実数とする。 r → ∞ のとき lim (a^r + b^r)^(1/r) = sup(a, b) となる。 証明 b ≦ a と仮定してよい。 a^r ≦ (a^r + b^r) ≦ 2a^r よって a ≦ (a^r + b^r)^(1/r) ≦ 2^(1/r)a よって r → ∞ のとき lim (a^r + b^r)^(1/r) = a 証明終 446 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 06 29 09 命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の絶対値( 414)とする。 任意の r > 0 に対して |x|^r が絶対値となるなら K の任意の2元 x, y に対して |x + y| ≦ sup(|x|, |y|) となる。 証明 仮定より任意の r > 0 に対して |x + y|^r ≦ |x|^r + |y|^r となる。 よって |x + y| ≦ (|x|^r + |y|^r)^(1/r) となる。 445 より r → ∞ のとき lim (|x|^r + |y|^r)^(1/r) = sup(|x|, |y|) となる。 よって |x + y| ≦ sup(|x|, |y|) となる。 証明終 447 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 07 59 14 445 ご飯食べた? 448 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 08 11 03 定義 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の絶対値( 414)とする。 集合 {φ(n・1) ; n は有理整数 n > 0 全体} が有界でないとき φ をアルキメデス的と言う。 このとき付値体 K もアルキメデス的と言う。 φ がアルキメデス的でないとき φ を非アルキメデス的と言う。 このとき付値体 K も非アルキメデス的と言う。 435 より φ がアルキメデス的か否かは φ の同値類のみにより 決まる。 449 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 08 55 45 補題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の非アルキメデス的( 448)な絶対値とする。 |x| ≦ 1 となる K の全ての元 x に対して |1 + x| ≦ 1 となる。 証明 任意の有理整数 n > 0 に対して |n・1| ≦ M とする。 x を K の元で |x| ≦ 1 とする。 1 と x は K の乗法で可換だから二項定理より (1 + x)^n = 1 + nx + . . . + x^n よって |1 + x|^n ≦ (n + 1)M よって |1 + x| ≦ ((n + 1)M)^(1/n) n → ∞ のとき ((n + 1)M)^(1/n) → 1 だから |1 + x| ≦ 1 証明終 450 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/14(火) 09 00 21 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 451 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 09 03 24 命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の非アルキメデス的( 448)な絶対値とする。 K の任意の2元 x, y に対して |x + y| ≦ sup(|x|, |y|) となる。 証明 |y| ≦ |x| と仮定して良い。 x = 0 なら y = 0 だから |x + y| ≦ sup(|x|, |y|) は自明である。 よって x ≠ 0 と仮定する。 |y(1/x)| ≦ 1 だから 449 より |1 + y(1/x)| ≦ 1 である。 よって |x + y| = |1 + y(1/x)||x| ≦ |x| である。 証明終 452 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 09 21 25 命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の絶対値( 414)とする。 以下の条件は同値である。 1) |x| は非アルキメデス的( 448)である。 2) K の任意の2元 x, y に対して |x + y| ≦ sup(|x|, |y|) となる。 3) 任意の実数 r > 0 に対して |x|^r は絶対値となる。 証明 1) ⇒ 2) は 451 で証明されている。 2) ⇒ 1) は |1 + . . . + 1| ≦ 1 より出る。 2) ⇒ 3) r > 0 を任意の実数とする。 |x|^r ≦ 1 のとき |x| ≦ 1 だから |1 + x| ≦ 1 である。 よって |1 + x|^r ≦ 1 となる。 これから 451 と同様にして K の任意の2元 x, y に対して |x + y|^r ≦ sup(|x|^r, |y|^r) となる。 よって |x|^r は絶対値である。 3) ⇒ 2) は 446 で証明されている。 証明終 453 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 10 39 50 定義 実数体を R とする。 R の部分集合 { x ∈ R; x ≧ 0 } を R+ で表す。 K を可換とは限らない体とする。 写像 φ K → R+ が以下の条件を満たすとき、φ を K の一般絶対値(この名前は一般に通用してるわけではない)と言う。 1) φ(x) = 0 と x = 0 は同値である。 2) K の任意の2元 x, y に対して φ(xy) = φ(x)φ(y) 3) A > 0 があり K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ A sup(φ(x), φ(y)) 454 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 11 03 23 注意 453 の 3) において x = 1, y = 0 とすれば φ(1) ≦ A sup(φ(1), φ(0)) よって 1 ≦ A である。 455 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 11 04 22 命題 K を可換とは限らない体とする。 453 の 1) と 2) を満たす写像 φ K → R+ が一般絶対値で あるためには、 A > 0 があり φ(x) ≦ 1 となる全ての x に対して φ(1 + x) ≦ A となることが必要十分である。 証明 φ が一般絶対値なら 453 の 3) において y = 1 とおけば、 φ(1 + x) ≦ A sup(φ(x), 1) 従って、φ(x) ≦ 1 なら φ(1 + x) ≦ A となる。 従って、この条件は必要である。 逆に φ がこの条件を満たしているとする。 φ(y) ≦ φ(x) と仮定して良い。 x = 0 なら φ(x) = 0 だから φ(y) = 0 で y = 0 である。 この場合、φ(x + y) ≦ A sup(φ(x), φ(y)) は自明である。 よって x ≠ 0 とする。 φ(y) ≦ φ(x) だから φ(y(1/x)) ≦ 1 である。 よって φ(1 + y(1/x)) ≦ A である。 よって φ(x + y) = φ(1 + y(1/x))φ(x) ≦ Aφ(x) である。 証明終 タグ: コメント