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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 20時52分43秒 代数的整数論 006 (126-190) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/126-190 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1185363461/126-190 126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 17 26 12 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 K を G の準コンパクトな閉集合とする。 K に含まれる Cauchy 列は K の点に収束する。 即ち K は完備( 100, 101)である。 証明 (x_n), n ∈ Z+ を K の元よりなる Cauchy 列とする。 123 より (x_n) は X の点 x に収束する部分点列を持つ。 K は閉集合だから x ∈ K である。 124 より x = lim x_n である。 証明終 127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 29 36 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 K を G の全有界かつ完備な部分集合とする。 K は準コンパクトである。 証明 106 より K に含まれる任意の点列は Cauchy 点列を部分列に持つ。 K は完備だから K に含まれる Cauchy 点列は常に K の点に 収束する。 従って、K に含まれる任意の点列は K の点に収束する部分列を持つ。 120 より K は準コンパクトである。 証明終 128 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 30 10 定義 ハウスドルフ位相空間 X の各点がコンパクトな近傍をもつとき、 X は局所コンパクトであると言う。 129 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 30 42 命題 G を第一可算公理を満たす局所コンパクトアーベル群とする。 G は完備である。 証明 V を G の単位元のコンパクトな近傍とする。 (x_n) を Cauchy 点列とする。 n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n, m ≧ n_0 に対して x_n - x_m ∈ V となる。 特に x_n - x_(n_0) ∈ V だから x_n ∈ x_(n_0) + V となる。 x_(n_0) + V はコンパクトだから 123 より点列 (x_n), n ≧ n_0 は 収束する部分点列を持つ。 124 より (x_n), n ≧ n_0 は収束する。 従って、(x_n), n ∈ Z+ も収束する。 即ち、G は完備である。 証明終 130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 33 11 定義 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ を X のフィルター( 76)とする。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して V 程度に小さい( 98) Φ の元があるとき Φ を X の Cauchy フィルターと言う。 X のフィルター基底( 77) Φ_0 が生成する X のフィルターが Cauchy フィルターのとき Φ_0 を X の Cauchy フィルター基底と言う。 131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 34 09 定義 X を 位相空間とする。 Φ を X のフィルター( 76)とする。 X の点 x の近傍全体の作るフィルターが Φ に含まれるとき Φ は x に収束すると言う。 このとき x を Φ の極限点と言う。 X のフィルター基底( 77) Φ_0 が生成するフィルターが x に 収束するとき Φ_0 は x に収束すると言う。 このとき x を Φ_0 の極限点と言う。 132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 34 39 定義 X を位相空間とする。 Φ_0 を X のフィルター基底( 77) とする。 X の点 x が任意の A ∈ Φ_0 の閉包に含まれるとき x を Φ_0 の接触点と言う。 133 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 35 38 定義 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ を X の Cauchy フィルター( 130)とする。 Ψ ⊂ Φ となる X の Cauchy フィルター Ψ は Φ に限るとき Φ を X の極小 Cauchy フィルターと言う。 134 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 36 21 定義 G を位相アーベル群とする。 A を G の部分集合とする。 G の単位元 0 の近傍 V に対して V(A) を x + V 全体の共通集合とする。 ここで x は A の点全体を動く。 135 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 39 51 補題 G を位相アーベル群とする。 A を G の部分集合とする。 G の単位元 0 の対称近傍( 92) V に対して A が V 程度に小さければ( 98) V(A) は 3V = V + V + V 程度に小さい。 証明 x と y を V(A) の元とする。 x = a + v, a ∈ A, v ∈ V y = b + w, b ∈ A, w ∈ W と書ける。 x - y = a - b + v - w ∈ V + V + V よって V(A) は 3V 程度に小さい。 証明終 136 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19 42 27 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ を X の Cauchy フィルター( 130)とする。 Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。 V を G の単位元 0 の対称基本近傍系 Γ 全体を動かし、 M を Φ_0 の元全体を動かしたときの V(M) ∩ X 全体を Ψ_0 とする。 Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底( 130)であり、 Ψ_0 が生成する X のフィルター Ψ は Φ に含まれる X の唯一の極小 Cauchy フィルター( 133)である。 証明 M, N を Φ_0 の元とし、 V, W を Γ の元とする。 L ⊂ M ∩ N となる L ∈ Φ_0 と U ⊂ V ∩ W となる U ∈ Γ がある。 U(L) ⊂ V(M) ∩ W(N) である。 従って、 U(L) ∩ X ⊂ V(M) ∩ W(N) ∩ X である。 よって Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底である。 (続く) 137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20 27 01 135 より M が V 程度に小さければ V(M) ∩ X は 3V 程度に小さい。 よって Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底である。 M ⊂ V(M) ∩ X だから Ψ_0 ⊂ Φ である。 Δ を Cauchy フィルターで Δ ⊂ Φ とする。 任意の M ∈ Φ_0 V ∈ Γ に対して V 程度に小さい N ∈ Δ がある。 Δ ⊂ Φ だから N と M は交わる。 よって N ⊂ V(M) ∩ X となり、V(M) ∩ X ∈ Δ となる。 よって Ψ_0 ⊂ Δ となる。 これは Ψ_0 が Φ に含まれる唯一の極小 Cauchy フィルター であることを意味する。 証明終 138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20 38 43 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ を X の Cauchy フィルター( 130)とする。 Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。 Φ が X の 極小 Cauchy フィルターであるためには 任意の N ∈ Φ に対して M ∈ Φ_0 と G の単位元 0 の対称近傍 V があり、V(M) ∩ X ⊂ N となることが必要十分である。 証明 136 より明らかである。 139 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20 57 02 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 x を X の点とする。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して (x + V) ∩ X の全体 Φ は X の 極小 Cauchy フィルターである。 証明 Φ がフィルターであることは明らかである。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の対称近傍 W を取る。 W(x + W) = x + W + W ⊂ x + V よって 138 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。 証明終 140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21 12 19 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 X の Cauchy フィルター基底 Φ_0 が X の点 x を接触点に持てば、 x は Φ_0 の極限点である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の近傍 W がある。 Φ_0 はCauchy フィルター基底だから W 程度に小さい( 98) M ∈ Φ_0 がある。 x + W と M は交わるから M の元 z があり、z - x ∈ W となる。 y ∈ M なら y - z ∈ W である。 従って、 y - x = y - z + z - x ∈ W + W ⊂ V よって y ∈ x + V 即ち M ⊂ x + V よって x は Φ_0 の極限点である。 証明終 141 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21 26 26 命題 X を位相空間とする。 Φ と Ψ を X のフィルターで、Φ ⊂ Ψ とする。 Φ の極限点( 131)は Ψ の極限点である。 Ψ の接触点( 132)は Φ の接触点である。 証明 定義( 131, 132)より明らかである。 142 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21 55 17 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 X の任意の Cauchy 点列が収束するとする。 このとき X の任意の可算な Cauchy フィルター基底も収束する。 証明 (F_n), n ∈ Z+ を可算な Cauchy フィルター基底とする。 (F_n) が生成するフィルターを Φ とする。 A_n = F_0 ∩. . . ∩F_n とする。 (A_n), n ∈ Z+ が生成するフィルターも Φ である。 各 A_n から点 x_n を取り出し点列 (x_n) を作る。 (A_n) は Cauchy フィルター基底だから (x_n) は Cauchy 点列( 88) である。 B_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。 (B_n), n ∈ Z+ は X の可算なフィルター基底である。 (B_n) が生成するフィルターを Ψ とする。 B_n ⊂ A_n だから Φ ⊂ Ψ である。 点列 (x_n) は Cauchy 点列だから収束する。 従って (B_n) も収束する。 従って Ψ も収束する。 Ψ の収束点は Ψ の接触点だから 141 より Φ の接触点でもある。 140 より、これは Φ の極限点である。 証明終 143 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 06 56 注意 142 では G での第一可算公理を仮定していない。 144 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 07 57 命題 G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。 X を G の部分空間で完備( 100)とする。 X の任意の Cauchy フィルターは X において収束する。 証明 (V_n), n ∈ Z+ を G の単位元の基本近傍系とする。 Φ を X の Cauchy フィルターとする。 A_n を V_n 程度に小さい( 98) Φ の元とする。 (A_n), n ∈ Z+ は Cauchy フィルター基底である。 (A_n), n ∈ Z+ が生成する Cauchy フィルターを Ψ とする。 Ψ ⊂ Φ である。 142 より Ψ は収束するから Φ も収束する。 証明終 145 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 10 01 定義 G を位相アーベル群とする。 G の部分空間 X に含まれる Cauchy フィルター( 130)が常に X の点に 収束するとき X を完備という。 146 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 11 14 144 より 145 の定義は 101 の定義と矛盾しない。 147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 20 53 定義 G を位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 G のある元 S が存在して、 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ∈ S + V となるとき、族 (x_i) は総和可能といい、 S をその和と呼ぶ。 このとき S = Σx_i と書く。 148 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22 23 35 訂正 147 G を位相アーベル群とする。 G を分離的( 73)な位相アーベル群とする。 149 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23 25 49 命題 X をハウスドルフ空間( 83)とする。 X のフィルターが収束( 131)するときその極限点は一意に決まる。 証明 Φ を X のフィルターで、x と y を Φ の極限点とする。 x ≠ y と仮定する。 x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがある。 V と W は Φ の元だから V ∩ W も Φ の元であり空でない。 これは矛盾である。 証明終 150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23 37 35 命題 G を分離的( 73)な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 族 (x_i) が総和可能なら、その和は一意に決まる。 証明 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K) J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。 Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。 族 (x_i) が総和可能で、その和が x であることと Ψ_0 が収束してその極限点が x であることは同値である。 G はハウスドルフ空間である( 85)から 149 より Ψ_0 の極限点は一意に決まる。 証明終 151 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23 49 47 命題( 28 の一般化) G を分離的( 73)な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 K を集合として、φ K → I を同型、即ち全単射とする。 族 (x_i) が総和可能( 147) なら 族 (x_φ(k))) も総和可能であり、 Σx_i = Σx_φ(k) となる。 証明 S = Σx_i とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 同様に K の有限部分集合全体の集合を Φ(K) とする。 H ∈ Φ(K) に対して T(H) = Σx_φ(k) とおく。 ここで右辺の和の k は H の元全体を動く。 H が空集合のときは T(H) = 0 とする。 T(H) = S(φ(H)) である。 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ∈ S + V となる。 H_0 = φ^(-1)(J_0) とおく。 H_0 ⊂ H となる H ∈ Φ(K) に対して J = φ(H) とおく。 φ は全単射だから J_0 = φ(H_0) である。 H_0 ⊂ H だから J_0 ⊂ J である。 よって S(J) = S(φ(H)) ∈ S + V 即ち、T(H) ∈ S + V これは S = Σx_φ(k) を意味する。 証明終 152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00 09 11 命題( 29 の一般化) G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 族 (x_i) は総和可能( 25)とする。 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ V となる。 証明 W + W ⊂ V となる 0 の対称近傍 W がある。 J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ∈ S + W となる。 J - J_0 = K とおく。 S(J) = S(J_0) + S(K) である。 S(K) = S(J) - S(J_0) = S(J) - S + S - S(J_0) ∈ W + W ⊂ V 証明終 153 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00 36 08 定義(Cauchy の判定条件) G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 次の条件を Cauchy の判定条件と言う。 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ V となる。 154 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00 41 57 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i) が総和可能なら G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、i ∈ I - J_0 なら x_i ∈ V となる。 証明 152 より明らかである。 155 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01 12 43 命題 X をハウスドルフ空間とする。 x を X の任意の点とする。 x のすべての近傍の共通部分は {x} である。 証明 x のすべての近傍の共通部分を Y とする。 y ∈ Y で y ≠ x とすると、 x の近傍 V で y を含まないものがあるから、これは矛盾である。 よって Y = {x} である。 証明終 156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01 23 39 命題 G を第一可算公理を満たす分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i) が総和可能なら x_i ≠ 0 となる i の集合は高々可算である。 証明 (V_n), n ∈ Z+ を G の単位元の基本近傍系とする。 x_i が V_n に含まれないような i の集合を H_n とする。 155 より V_n 全体の共通部分は {0} であるから x_i ≠ 0 となる i の集合 H は H_n の和集合となる。 154 より H_n は有限集合である。 従って H は高々可算である。 証明終 157 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01 38 21 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K) J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。 Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。 (x_i), i ∈ I が Cauchy の判定条件( 153)を満たせば、 Ψ_0 は Cauchy フィルター基底( 130)である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の対称近傍 W をとる。 Cauchy の判定条件( 153)より J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ W となる。 J_0 ⊂ J なら K = J - J_0 とおくと S(K) = S(J) - S(J_0) ∈ W となる。 同様に J_0 ⊂ J_1 なら K_1 = J_1 - J_0 とおくと S(K_1) = S(J_1) - S(J_0) ∈ W となる。 よって S(J_1) - S(J) = S(J_1) - S(J_0) + S(J_0) - S(J) ∈ W + W ⊂ V よって Ψ_0 は Cauchy フィルター基底である。 証明終 158 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01 45 44 命題(Cauchy の定理) G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i), i ∈ I が Cauchy の判定条件( 153)を満たせば、 (x_i), i ∈ I は総和可能である。 証明 J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K) J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。 Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。 157 より Ψ_0 は Cauchy フィルター基底( 130)である。 G は完備( 145)だから Ψ_0 は収束する。 よって (x_i), i ∈ I は総和可能である。 証明終 159 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 02 31 11 命題( 42の一般化) G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 族 (x_i) は総和可能( 25)とする。 H を I の任意の部分集合とする。 H を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ H は総和可能である。 証明 152 より族 (x_i), i ∈ I は Cauchy の判定条件( 153)を満たす。 即ち、G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ V となる。 L ∈ Φ(H) で (J_0 ∩ H) ∩ L = J_0 ∩ L が空集合なら S(L) ∈ V となる。 即ち、部分族 (x_i), i ∈ H もCauchy の総和可能判定条件を満たす。 従って、 158 より (x_i), i ∈ H は総和可能である。 証明終 160 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 08 58 38 訂正 134 V(A) を x + V 全体の共通集合とする。 V(A) を x + V 全体の和集合とする。 ここで x は A の点全体を動く。 即ち V(A) = A + V である。 161 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 11 37 命題 G を位相群とする。 Ψ_0 を G の単位元の基本近傍系とする。 A を G の空でない部分集合とする。 {VA ; V ∈ Ψ_0} の共通部分は A の閉包である。 証明 {VA ; V ∈ Ψ_0} の共通部分を B とする。 x ∈ B は 任意の V ∈ Ψ_0 に対して x ∈ VA と同値である。 これは任意の V ∈ Ψ_0 に対して V^(-1)x が A と交わることと 同値である。 これは x が A の閉包に属すことと同値である。 証明終 162 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 22 03 命題 G を位相群とする。 A を G の空でない部分集合とする。 V を単位元の任意の近傍とする。 このとき cls(A) ⊂ VA である。 ここで cls(A) は A の閉包を表す。 証明 161 より明らかである。 163 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 27 06 命題 G を位相群とする。 単位元の閉近傍全体は単位元の基本近傍系である。 証明 V を単位元の任意の近傍とする。 W^2 ⊂ V となる単位元の近傍 W がある。 162 より cls(W) ⊂ W^2 である。 証明終 164 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 33 34 命題( 43の一般化) G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 族 (x_i) は総和可能( 25)とする。 S = Σx_i をその和とする。 (I_λ), λ ∈ L を I の任意の分割とする。 即ち I = ∪I_λ, λ ∈ L で λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合 である。 159 より部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能である。 この和を S_λ とする。 族 (S_λ), λ ∈ L は総和可能で、その和 ΣS_λ は S = Σx_i に 等しい。 証明 K ∈ Φ(L) に対して T(K) = ΣS_λ とおく。 ここで右辺の和の λ は K の元全体を動く。 K が空集合のときは T(K) = 0 とする。 (続く) 165 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 35 18 即ち、G の単位元の任意の対称近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S - S(J) ∈ V となる。 K_0 = {λ ∈ L ; J_λ = I_λ ∩ J_0 が空でない } とおく。 K を L の有限部分集合で K_0 ⊂ K とする。 163 より単位元の閉近傍全体は基本近傍系であるから S - T(K) ∈ cls(V) を示せばよい。 G の単位元の任意の対称近傍 W に対して 各 λ ∈ K に対して J_λ ⊂ H_λ ⊂ I_λ となる有限部分集合 H_λ が存在して S_λ - (H_λ) ∈ W となる。 J = ∪H_λ, λ ∈ K とおく。J は I の有限部分集合で J_0 を含む。 S(J) = ΣT(H_λ), λ ∈ K である。 S - T(K) = S - ΣS_λ = S - Σ(S_λ - T(H_λ)) - ΣT(H_λ) = S - S(J) - Σ(S_λ - T(H_λ)) ∈ V + nW n は K の元の個数である。 W はいくらで小さく出来るから 161 より S - T(K) ∈ cls(V) となる。 証明終 166 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 48 03 命題(総和記号の交換) G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。 L と M を任意の集合とする。 (x_(λ,μ)), (λ,μ) ∈ L×M を L×M を添字集合とする G の元の族とする。 (x_(λ,μ)) が総和可能なら Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), μ ∈ M), λ ∈ L = Σ(Σx_(λ,μ), λ ∈ L), μ ∈ M となる。 証明 L×M は ({λ}×M), λ ∈ L により分割される。 164 より Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), μ ∈ M), λ ∈ L である。 同様に、(L×{μ}), μ ∈ M により分割される。 164 より Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), λ ∈ L), μ ∈ M である。 証明終 167 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 54 56 命題( 58の一般化) G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 (I_λ), λ ∈ L を I の有限な分割とする。 即ち、L は有限集合で、I = ∪I_λ で λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合である。 I_λ を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能とする。 この和を S_λ とする。 このとき (x_i), i ∈ I は総和可能で S = Σx_i をその和とすると、S = ΣS_λ である。 証明 L = {1, 2} の場合に証明すれば十分である。 I_1 の有限部分集合全体の集合を Φ(I_1) とする。 H_1 ∈ Φ(I_1) に対して S_1(H_1) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は H_1 の元全体を動く。 同様に H_2 ∈ Φ(I_1) に対して S_2(H_2) を定義する。 (続く) 168 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09 55 44 即ち、G の単位元の任意の対称近傍 V に対して J_1 ∈ Φ(I_1) があり、 J_1 ⊂ H_1 となる任意の H_1 ∈ Φ(I_1) に対して S_1 - S_1(H_1) ∈ V となる。 同様に J_2 ∈ Φ(I_2) があり、 J_2 ⊂ H_2 となる任意の H_2 ∈ Φ(I_2) に対して S_2 - S_2(H_2) ∈ V となる。 J_1 ∪ J_2 ⊂ H とする。 H_1 = H ∩ I_1 H_2 = H ∩ I_2 H = H_1 ∪ H_2 J_1 ⊂ H_1 J_2 ⊂ H_1 S(H) = S_1(H_1) + S_2(H_2) である。 S = S_1 + S_2 とする。 S - S(H) = S_1 - S_1(H_1) + S_2 - S_2(H_2) ∈ V + V 証明終 169 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10 13 45 定義 位相群 G から位相群 G への群としての準同型 f が連続なとき f を位相群としての射または単に射と言う。 170 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10 33 27 (G_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相群の族とする。 G = ΠG_i は自然に位相群となる。 これを示そう。 H_i = (G_i)×(G_i) とおく。 f_i H_i → G_i を f_i(x, y) = xy^(-1) で定義する。 f_i は連続である。 H = ΠH_i とおく。 g H → G を g((x_i, y_i)) = ((x_i(y_i)^(-1)) で定義する。 G から G_i への射影を p_i とする。 H から H_i への射影を q_i とする。 (p_i)g = (f_i)(q_i) である。 (f_i)(q_i) H → G_i は連続である。 従って g も連続である。 一方、G×G は位相群として標準的に H に同型である。 この同型を φ とする。 即ち φ((x_i), (y_i)) = ((x_i, y_i)) gφ G×G → G は連続である。 gφ(x, y) = xy^(-1) である。 従って G は位相群である。 171 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10 55 31 (G_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相群の族とする。 170 より G = ΠG_i は自然に位相群となる。 各 i ∈ I に対して p_i G → G_i を射影とする。 (G, (p_i)) は次の性質 (P) を持つ。 H を位相群とし、各 i ∈ I に対して f_i H → G_i を位相群としての射( 169)とする。 このとき射 f H → G で (p_i)f = f_i となるものが一意に存在する。 性質 (P) の証明は読者にまかす。 位相群 G と各 i ∈ I に対して射 q_i G → G_i があり、 (G , (q_i)) が性質 (P) を持てば 射で α G → G で (q_i)α = p_i 射で β G → G で (p_i)β = q_i となるものがある。 このとき射の一意性から βα = 1, αβ = 1 となる。 従って G は G と同型である。 172 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 11 17 51 命題 (X_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相空間の族とする。 X = ΠX_i を直積とする。 各 i ∈ I に対して p_i X → X_i を射影とする。 Φ を X のフィルター基底とする。 Φ が x に収束するためには各 i ∈ I に対して フィルター基底 p_i(Φ) が p_i(x) に収束することが必要十ウンである。 証明 Φ が x に収束するとする。 各 i ∈ I に対して V_i を p_i(x) の任意の近傍とする。 (p_i)^(-1)(V_i) は x の近傍だから M ⊂ (p_i)^(-1)(V_i) となる M ∈ Φ がある。 p_i(M) ⊂ V_i だから p_i(Φ) は p_i(x) に収束する。 逆に各 i ∈ I に対して p_i(Φ) が p_i(x) に収束するとする。 V を x の任意の近傍とする。 有限個の I の元 L = {i_1, . . . , i_n} と 各 k ∈ L に対して p_k(x) の近傍 V_k があり、 ∩(p_k)^(-1)(V_k) ⊂ V となる。 各 k ∈ L に対して p_k(M_k) ⊂ V_k となる M_k ∈ Φ がある。 M ⊂ ∩M_k となる M ∈ Φ をとる。 M ∈ Φ で M ⊂ ∩(p_k)^(-1)(V_k) ⊂ V となる。 よって Φ は x に収束する。 証明終 173 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 11 44 59 命題 (G_λ), λ ∈ L を L を添字集合とする分離的な位相アーベル群の 族とする。 G = ΠG_λ は自然に位相アーベル群となる。 G は分離的である。 p_λ G → G_λ を射影とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i) が総和可能であるためには各 λ に対して G_λ の元の族 (p_λ(x_i)), i ∈ I が総和可能であることが必要十分である。 このとき S_λ = Σp_λ(x_i) とすると S = (S_λ) は (x_i) の和である。 証明 J を I の有限部分集合とする。 S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元を動く。 p_λ(S(J)) = Σp_λ(x_i) である。 ここで右辺の和の i は J の元を動く。 このことと、 172 より本命題の主張は直ちに出る。 証明終 174 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12 08 12 命題 X, Y を位相空間とし、 f X → Y を連続写像とする。 Φ を X のフィルター基底で x に収束するとする。 このときフィルター基底 f(Φ) は f(x) に収束する。 証明 f(x) の任意の近傍 V をとる。 f^(-1)(V) は x の近傍だから M ∈ Φ があり、 M ⊂ f^(-1)(V) となる。 よって f(M) ⊂ V である。 よって f(Φ) は f(x) に収束する。 証明終 175 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12 13 17 命題 G と G を分離的な位相アーベル群とする。 f G → G を位相群の射( 169)とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 (x_i) が総和可能なら (f(x_i)) も総和可能であり、 f(Σx_i) = Σf(x_i) となる。 証明 i が I の有限部分集合 J の元を動くとき f(Σx_i) = Σf(x_i) となる。 これと 174 より明らかである。 証明終 176 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12 28 40 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_i), (y_i) を I を添字集合とする G の元の二つの族とする。 (x_i) と (y_i) は総和可能とする。 n を任意の有理整数とする。 このとき (-x_i), (n(x_i)), (x_i + y_i) はそれぞれ総和可能で 1) Σ(-x_i) = -Σx_i 2) Σn(x_i) = nΣx_i 3) Σ(x_i+ y_i) = Σx_i + Σy_i となる。 証明 x → -x と x → nx は G から G への射である。 従って 1), 2) は 175 から出る。 173 より (x_i, y_i) は G×G において総和可能であり、 その和は (Σx_i, Σy_i) である。 (x, y) に x + y を対応させる 写像 G×G → G は位相群の射だから 175 より 3) が出る。 証明終 177 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 12 21 定義( 45の一般化) G を分離的な位相アーベル群とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の Z+ を添字集合とする点列とする。 S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。 点列 (S_n) が収束するとき S = lim S_n を点列 (x_n) が定める級数の 和といい、 S = Σx_n と書く。 これは (x_n) が総和可能なときの和の記号と同じで紛らわしいので Bourbaki は Σ の代わりに太字の S を使っている。 しかし、このスレでは従来通りの記号を使うことにする。 178 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 30 40 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 Φ_0 を X のフィルター基底( 77)で X の点 x に収束するとする。 このとき Φ_0 は Cauchy フィルター基底( 130)である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ∈ V となる 0 の対称近傍 W を取る。 M ⊂ x + W となる M ∈ Φ_0 がある。 M - M ∈ W - W = W + W ⊂ V である。 よって Φ_0 はCauchy フィルター基底である。 証明終 179 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 31 55 定義 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 (x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。 A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。 X のフィルター基底( 77) (A_n) が Cauchy フィルター基底( 130)と なるとき (x_n) を X の Cauchy 点列と言う。 180 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 35 38 命題 G を位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 (x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。 (x_n) が X の点 x に収束するとする。 このとき (x_n) は Cauchy 点列( 179)である。 証明 A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。 X のフィルター基底( 77) (A_n) が は x に収束する。 従って 178 より (A_n) は Cauchy フィルター基底( 130)である。 従って (x_n) は Cauchy 点列である。 証明終 181 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14 45 58 G を分離的な位相アーベル群とする。 X を G の部分空間とする。 (x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。 S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。 180 より 点列 (x_n) が定める級数が収束するためには 点列 (S_n) が Cauchy 点列であることが必要である。 これは G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n ≧ n_0 と p > 0 に対して S_(n+p) - S_n = x_(n+1) + . . . + x_(n+p) ∈ V と なることと同値である。 G が完備( 145)なら、この条件は十分である。 182 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15 38 21 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。 181 より 点列 (x_n) が定める級数が収束するためには lim x_n = 0 が必要である。 183 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15 46 41 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), (y_n) を G の元の点列とする。 級数 Σx_n と 級数 Σy_n は収束するとする。。 m を任意の有理整数とする。 このとき級数 (-x_n), (m(x_n)), (x_n + y_n) はそれぞれ収束し、 1) Σ(-x_n) = -Σx_n 2) Σm(x_n) = mΣx_n 3) Σ(x_n+ y_n) = Σx_n + Σy_n となる。 証明 -x と mx は G で連続であり、 x + y は G×G で連続なことから明らかである。 184 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15 57 12 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 m ∈ Z+ のとき (x_n), n ∈ Z+ の部分点列 (x_(n+m)), n ∈ Z+ の部分点列を考える。 級数 Σx_n と 級数 Σx_(n+m) は同時に収束する。 Σx_n = S_(m-1) + Σx_(n+m) であるから m → ∞ のとき Σx_(n+m) → 0 である。 185 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 12 30 命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 (x_n) が総和可能でその和を S とする。 このとき、級数 Σx_n は収束して S = Σx_n である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(Z+) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(Z+) に対して S(J) ∈ S + V となる。 S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。 J_0 に含まれる最大の有理整数 を n_0 とする。 n ≧ n_0 なら S_n ∈ S + V となる。 即ち S = lim S_n である。 証明終 186 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 16 02 定義 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 N の任意の置換、即ち全単射 σ N → N に対して 級数 (x_σ(n)), n ∈ Z+ が収束するとき (x_n), n ∈ Z+ により定義される級数は可換収束すると言う。 187 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 30 43 命題( 48の一般化) G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 (x_n), n ∈ Z+ により定義される級数が可換収束するためには (x_n) が総和可能であることが必要十分である。 このとき、(x_n) の和を S とすると、 N の任意の置換 σ に対して (x_σ(n)) により定義される級数は S に収束する。 証明 (x_n) が総和可能なら、 151 より N の任意の置換 σ に対して (x_σ(n)) も総和可能で S = Σx_σ(n) となる。 185 より (x_σ(n)) により定義される級数も S に収束する。 逆に (x_n), n ∈ Z+ により定義される級数が可換収束するとする。 点列 (x_n) が総和可能でないとして矛盾を導く。 点列 (x_n) は Cauchy の判定条件( 153) を満たさない。 G の単位元の任意の近傍 V があり、 任意の J ∈ Φ(Z+) に対して H ∈ Φ(Z+) で J ∩ H が空集合となり S(H) ∈ G - V となる。 (続く) 188 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 31 35 まず最初に J として空集合を取れば H_0 ∈ Φ(Z+) で S(H_0) ∈ G - V となるものがある。 次に J = H_0 として H_0 と交わらない H_1 で S(H_1) ∈ G - V と なるものがある。 次に J = H_0 ∪ H_1 として H_0 ∪ H_1 と交わらない H_2 で S(H_2) ∈ G - V と となるものがある。 これを続けると(厳密には数学的帰納法により) Z+の有限部分集合の族 (H_n), n ∈ Z+ で以下の条件を満たすものが 存在する。 1) n ≠ m なら H_n と H_m は交わらない。 2) Z+ = ∪(H_n), n ∈ Z+ 3) 任意の n ∈ Z+ に対して S(H_n) ∈ G - V 点列 (x_n) を添字 n が H_0, H_1, . . . に現れる順に並べ変えた ものを (x_σ(n)) とする。 点列 (x_σ(n)) が定める級数は条件 3) より Cauchy の収束判定条件を 満たさない。 よって (x_σ(n)) が定める級数は収束しない。 これは仮定に反する。 証明終 189 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 37 57 定義 A を環であり同時に位相空間とする。 A が以下の条件を満たすとき位相環と言う。 1) A は加法に関して位相群である。 2) (x, y) に xy を対応させる写像 A×A → A は連続である。 190 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16 47 33 定義 K を(必ずしも可換でない)体であり同時に位相空間とする。 K が以下の条件を満たすとき位相体と言う。 1) K は位相環( 189)である。 2) x に x^(-1) を対応させる写像 K^* → K^* は連続である。 ここで K^* = K - {0} は K の乗法群を表す。 タグ: コメント
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20mmアクスル 自転車のフォークとフロントハブの固定方法の規格のひとつ。 ハブを直径20mmの軸が貫通する。 エンド幅は110mm。 アクスルの固定方法は、フォークによって異なり、形状も異なるため、それぞれのフォークに付属する。 ボルト止め QR20(マルゾッキ 2000年) チュリオ(ロックショックス 2001年~2003年) マクスル(ロックショックス 2004年~) 関連項目 自転車用語 +... あ行▼ アーガイル アーネット アーレンキー Aaron Gwin Aaron Chase アイウェア ISIS iドライブ Iビーム アウターチューブ 東商会 Adam Craig Adam Hauck 安達靖 アトムラブ Anita Molcik Anneke Beerten アヘッドステム アメリカンバルブ アメリカンBB アルチュラ アルミニップル アレックス アンカー アンサー アンターンダウン Andrew Neethling Andreu Lacondeguy Andrew Shandro アイアンホース アイステクノロジー アイスペック アイドゥン アキコーポレーション アクソ アケボノ アゾニック アップスウィープ アディダス アブバカ アリソン・サイダー アリビオ アルパインスター アルピナ アルマイト アルミニウム アルミニウム合金 アンソン・ウェリントン アン・キャロリーヌ・ショソン E13 イーストン イーヴィル イエティ ITA規格ノーマルサイズ 井手川直樹 Irina Kalentieva インスタントリリース インターテック インチ インディアンエアー インテグラルヘッド インデックスシフト インナーチューブ インフレーター インターナショナルスタンダード インターマックス インダストリーナイン インテンス インテンスタイヤシステム インパルス インフィニ インヴァート ウィーザピープル ウィッパーマン ウィリー ウィンドストッパー ウェーブローター ウェス ウェルゴ Wade Bootes ウェイン・ゴス ウォールライド ウッズバルブ ウルトラツアー ウェイド・シモンズ エアサスペンション エアスプリング エアターン エアロスポーク エクスターナルBB SRサンツアー SDG SPD-R Emmeline Ragot エラストマー 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最終更新日時 2011年03月05日 (土) 20時57分40秒 代数的整数論 004 (96-195) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/96-195 ログ元: http //yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/96-195 96 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 15 18 28 ] 次の補題は周知だが後で必要になるので証明しておく。 97 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 15 20 25 ] 補題(多項式のTaylor展開) A を標数 0 の整域、つまり有理整数環 Z と同型な部分環をもつ 整域とする。 f(X) ∈ A[X] を次数 n ≧ 1 の A 係数の多項式とする。 a を A の任意の元とする。 このとき f(X + a) = f(a) + f (a)X + (f (a)/2)(X^2) + ... (f^(n)(a)/n!)(X^n) ここで f^(k)(a) は f(X) の k 次の導多項式 f^(k)(X) の X = a での値である。 各 f^(k)(a)/k! は A の元である。つまり f^(k)(a) は k! で割れる。 証明 f(X + a) = c_0 + c_1X + c_2(X^2) + ... c_n(X^n) とおく。ここで、c_0, ..., c_n は A の適当な元。 X = 0 を代入すると、 f(a) = c_0 となる。 f (X + a) = c_1 + 2c_2X + ... nc_n(X^(n-1)) である。 X = 0 を代入すると、 f (a) = c_1 となる。 f (X + a) = 2c_2 + ... n(n-1)c_n(X^(n-2)) である。 X = 0 を代入すると、 f (a) = 2c_2 となる。 A において 2 ≠ 0 で、A は整域だから c_2 は一意に決まり、 c_2 = f (a)/2 である。 このように順次 c_k を決めていけばよい(正式には帰納法による)。 証明終 98 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 20 39 27 ] 補題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f (X) をその導多項式とする。つまり f (X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 ある有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式 f(X) ≡ 0 (mod p^n) が根 a を持ち、f (a) が p で割れないなら、 f(X) ≡ 0 (mod p^(n+1)) は b ≡ a (mod p^n) となる根 b を持つ。このような b は mod p^(n+1) で一意に決まる。 証明 f(a) ≡ 0 (mod p^n) だから、f(a) は p^n で割れる。 よって f(a) = (p^n)t となる有理整数 t がある。 97 より x を任意の有理整数とすると、 f(a + (p^n)x) ≡ f(a) + f (a)(p^n)x (mod p^(n+1)) である。 よって f(a + (p^n)x) = f(a) + f (a)(p^n)x + (p^(n+1))r となる有理整数 r がある。 よって f(a + (p^n)x) = (p^n)(t + f (a)x + pr) 仮定より f (a) ≡ 0 (mod p) でないから x に関する一次合同方程式 t + f (a)x ≡ 0 (mod p) は解け、その解 x は mod p で一意に決まる。 b = a + (p^n)x とおけばよい。 証明終 99 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 20 45 39 ] 命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f (X) をその導多項式とする。つまり f (X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 合同方程式 f(X) ≡ 0 (mod p) が根 a を持ち、f (a) が p で割れないなら、 任意の有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式 f(X) ≡ 0 (mod p^n) が b ≡ a (mod p) となる根 b を持つ。 このような b は mod p^n で一意に決まる。 証明 98 を n = 1 から初めて順次適用すればよい。 100 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 21 50 10 ] 命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を m の素因数分解とする。 明らかに f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c は 各 i で f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解でもある。 f(X) ≡ 0 (mod m) の解で mod m で合同なものを同一した集合を S とする。よって |S| ≦ m である。 各 i に対し f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の 解で mod (p_i)^(k_i) で合同なものを同一した集合を T_i とする。 f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c に f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解 c を 対応させることにより、S から T_i への写像 φ_i が定まる。 よって S から T = ΠT_i への写像 φ が定まる。 ここで、φ は φ(x) = (φ_1(x), ..., φ_r(x)) で定義される 写像である。 このとき φ は全単射である。 証明 中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。 101 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 21 58 42 ] 訂正 98 補題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f (X) をその導多項式とする。つまり f (X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 補題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f (X) をその導多項式とする。つまり f (X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。 102 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 22 01 19 ] 訂正 99 命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f (X) をその導多項式とする。つまり f (X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f (X) をその導多項式とする。つまり f (X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。 103 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 22 05 55 ] 訂正 100 命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を m の素因数分解とする。 命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を m の素因数分解とする。 f(X) の最高次の係数は各 p_i で割れないとする。 この条件は、特に f(X) がモニックなら満たされることに注意しておく。 104 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/29(水) 20 48 31 ] 任意の有理素数 p が与えられたとき、それをノルムとするイデアルは 47 と 49 で与えられている。 では、任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか? この問題を考えよう。 まずイデアル I に対してそのノルム N(I) は I に含まれることに 注意する。 これは 25 からもわかるし、Z[ω]/I が位数 N(I) の アーベル群であることから、任意の整数 α ∈ Z[ω] に対して N(I)α ∈ I となることからも分かる。 さらに、 71 からも分かる。 したがって、 有理整数 a ≧ 1 をノルムとするイデアル I は aZ[ω] を含むが Z[ω]/aZ[ω] は有限環だから、このような イデアルは有限個である。 a = 1 なら I = Z[ω] だから a > 1 と仮定する。 105 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/30(木) 12 33 15 ] 47 49 より 2次体 Q(√m) の判別式を D とする。 p を素数とする。 1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。 2) D が p と素の場合。 (a) D が mod p の平方剰余、 または p = 2 で m ≡ 1 (mod 8) のとき pZ[ω] = PP となる。 P ≠ P である。 (b) D が mod p の平方非剰余 または p = 2 で m ≡ 5 (mod 8) のとき pZ[ω] は素イデアルである。 106 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 17 14 17 ] 105 において、 1) の場合、p は Q(√m) において分岐するという。 2) (a)の場合、p は Q(√m) において完全分解するという。 2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。 高木は、初等整数論講義において、完全分解する素数を第1種、 分解しない素数を第2種、 分岐する素数を第3種と呼んでいる。 我々はこの用語を使わないことにする。 分岐という言葉はリーマン面を複素数球面の被覆と見たときの 分岐点から来ている。 なぜリーマン面かというと、代数体と代数関数体の間に強い類似が あるから。 107 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 17 48 14 ] 1) p が完全分解する素数で、(p) = PP とする。 N(P) = N(P ) = p である。 p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P ^j) の形である。 ここで i + j = n である。 よってこのようなイデアルは n + 1 個ある。 2) p が分解しない素数とする。すなわち (p) は素イデアルである。 N((p)) = p^2 だから p^n をノルムにもつイデアルは (p)^i の形である。 ここで 2i = n である。 よって n が偶数のとき、このようなイデアルはただ 1 個である。 n が奇数のとき、このようなイデアルは存在しない。 3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。 N(P) = p だから p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。 よってこのようなイデアルはただ 1 個である。 (高木の初等整数論講義) 108 名前:132人目の素数さん [2006/12/01(金) 21 43 10 ] 106 105 において、 2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。 単なる茶々かもしれないが、英語では"inert"と言った筈。 (とは言っても直訳して"惰性的"、というのもセンスがないか…) 109 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 22 56 46 ] 108 inert というのは Cohen の A course in computational algebraic number thery という長い題名の本で初めて知った。 これは英語でもそれほど流通していないのではないかな。 因みにこの本はいいね。今まで類書がほとんどなかったので貴重。 このスレでも参考にするつもり。 ただアルゴリズムの説明がプログラム作成 を前提としているので分かりにくい。 Neukirch の日本語訳の代数的整数論では不分解という言葉を 使っている。 110 名前:132人目の素数さん [2006/12/01(金) 23 01 17 ] 横浜のヤクザ林一家林組は、経営しているカラオケ屋バンガーローハウス中華街店で、 カラオケをしている時に機械を使い脳に電波ではいり、人をもて遊んでいる だれにもばれないとおもってやりたい放題。そして気づかれないように思考盗聴、自殺、突然死、、マインドコントロール、誰かをずっと好きにさせるなど。 痛みやいやがらせや声を聞かせることもできる。 111 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 00 48 00 ] 今度は素数べき p^n をノルムにもつ原始イデアルを求めよう。 1) p が完全分解する素数で、(p) = PP とする。 PP = (p) は原始イデアルではないから、 (P^i)(P ^j) の形のイデアルで原始イデアルであるのは i = 0 または j = 0 の場合のみである。 よって、p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは P^n か P ^n である。 よってこのようなイデアルは2個ある。 2) p が分解しない素数とする。 p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは 2i = n として (p)^i であるが、 これは原始イデアルではない。 3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。 p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形であるが、 n ≧ 2 のときは P^n ⊂ P^2 ⊂ (p) となり、 P^n は原始イデアルではない。 n = 1 の場合は原始イデアルである。 112 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 01 02 45 ] 有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとするイデアルの個数を Φ(k)と書こう。 有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。 ここで p は a の相異なる素因子 を動く。 このときΦ(a) = ΠΦ(p^n) となることは明らかだろう。 107 により各 Φ(p^n) は求まっているから、Φ(a) も求まる。 107 より p が分解しない素数の場合、 p の指数 n が奇数なら、Φ(p^n) = 0 である。 よって Φ(a) = 0 であことに注意しておく。 a をノルムとする各イデアルを素イデアルの積と表す方法も 明らかだろう。 113 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 02 25 45 ] 111 の 1) 即ち p が完全分解する素数で、(p) = PP のとき 任意の有理整数 n ≧ 1 に対して P^n が原始イデアルであることを 示そう。 P^n が原始イデアルでないとすると 、P^n ⊂ (q) となる素数 q がある。 よって N(P^n) = p^n は q で割れる。よって p = q である。 よって P^n ⊂ (p) = PP となり、P^n ⊂ P である。 P は素イデアルだから P ⊂ P したがって P = P となり、 P ≠ P に矛盾する。 114 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 09 42 57 ] 補題 2次体 Q(√m) において P と L が素イデアルで P^r と L^s が 原始イデアルとする。ここで r, s ≧ 1 である。 N(P) と N(L) が素なら (P^r)(L^s) も原始イデアルである。 証明 (P^r)(L^s) が原始イデアルでないとすると 、(P^r)(L^s) ⊂ (q) となる 素数 q がある。 N(P) と N(L) が素だから (q) の素イデアル分解を考えることにより P^r ⊂ (q) または L^s ⊂ (q) となることがわかる。 これは矛盾である。 証明終 115 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 10 05 42 ] 有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとする原始イデアルの個数を Ψ(k)と書こう。 有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。 ここで p は a の相異なる素因子 を動く。 このとき 111 と 114 より Ψ(a) = ΠΨ(p^n) となる。 111( 113 も参照) により各 Ψ(p^n) は求まっているから Ψ(a) も求まる。 a をノルムとする各原始イデアルを素イデアルの積と表す方法も 明らかだろう。 116 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 10 40 10 ] 112 により与えられた有理整数 a > 1 をノルムとする各イデアルを 素イデアルの積という形で求めることが出来た。 このイデアルの標準基底を求めることを考えよう。 任意のイデアルは有理整数と原始イデアルの積である( 18)。 a = N(I) として、 I = cJ とする。ここで c は有理整数 c ≧ 1 で J は原始イデアルである。 このとき a = (c^2)N(J) となる。 従って a をノルムとするイデアルの標準基底を求めるには、 a を任意の平方数 c^2 で割り、a = (c^2)k としたとき、 k をノルムとする原始イデアルの標準基底を求めればよい。 よって、問題は原始イデアルの場合に帰着する。 さらに、この問題は 111 と 114 より以下の二つの問題に帰着する。 1) I と J が原始イデアルで、N(I) と N(J) が素とする。 それぞれその標準基底から IJ の標準基底を求めよ。 2) p が完全分解する素数( 106)で p = PP とする。 n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から P^n の標準基底を求めよ。 117 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 11 03 16 ] 訂正 116 2) p が完全分解する素数( 106)で p = PP とする。 n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から P^n の標準基底を求めよ。 2) p が完全分解する素数( 106)で p = PP とする。 n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から P^n の標準基底を求めよ。 118 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 12 04 29 ] 109 inert というのは(中略) 英語でもそれほど流通していないのではないかな。 そうでもない。例えば "Algebraic Number Theory" Frohlich、Taylor "Algebraic Numbers and Algebraic Functions" P. M. Cohn "An Introductions to Rings and Modules" Berrick, Keating ま、名前より内容の方が大事なんだけどね。 Cohen の A course in computational algebraic number thery (中略)はいいね。 確か、続編もあった筈。 似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。 119 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 12 36 02 ] 恐れ入りました 120 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 13 24 29 ] 118 確か、続編もあった筈。 似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。 続編も持ってる。 これは相対代数体を扱ってる。 類体の構成もやってるんで面白そう。 まだ読んでないが。 しかしCohenは円分体の類数計算を扱ってないのが不思議。 Pohst, ZassenhausはCohenの前に出たもの。 Cohenと重なる部分が多そうなんで持ってない。 121 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 14 41 27 ] 命題(高木の初等整数論講義) I = [a, r + ω] と J = [b, s + ω] を原始イデアルの標準基底での 表示とする。 a と b が素なら IJ = [ab, t + ω] である。 ここで t は連立合同方程式 t ≡ r (mod a) t ≡ s (mod b) の解である。 証明 34 より I = [a, t + ω] J = [b, t + ω] N(t + ω) ∈ I だから N(t + ω) は a で割れる。 N(t + ω) ∈ J だから N(t + ω) は b で割れる。 a と b は素だから N(t + ω) は ab で割れる。 よって 19 より [ab, t + ω] はイデアルである。 81 より [ab, t + ω] = [a, t + ω][b, t + ω] である。 証明終 122 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/02(土) 14 44 01 ] 1 123 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 15 36 22 ] さすが高木というかこのあたりを書いた本は非常に少ないのでは ないかな。こちらもそんなに多く読んだわけではないので はっきりは分からないが。 一般的に、構成的な方法で代数的整数論を展開するのは現代では まれだよね。近現代ではと言ったほうがいいかな。 最近では構成的な方法はコンピュータや暗号との関係で見直されている。 歴史は繰り返すってやつだね。 昔の数学は構成的なのが多かった。 例えば、消去法なんてのもそうだし。 前に触れた不変式論もそう。 これ等は最近(といっても20、30年ほど前からだが) 見直されてきている。 124 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 10 40 03 ] 補題 2次体 Q(√m) において p が完全分解( 106)する奇素数で p = PP とする。 P = [p, b + ω] とする。 n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、 P^n = [p^n, r + ω] となる。 ここで r ≡ b (mod p) であり、さらに m ≡ 1 (mod 4) なら (2r + 1)^2 ≡ m (mod p^n) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら r^2 ≡ m (mod p^n) 証明 113 より P^n は原始イデアルである。 N(P^n) = p^n だから 適当な r により P^n = [p^n, r + ω] と書ける。 r + ω ∈ [p, b + ω] だから r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [p, b + ω] となり、 r ≡ b (mod p) である。 残りは 37 の証明と同様である。 証明終 125 名前:132人目の素数さん [2006/12/03(日) 13 04 04 ] 補題 2次体 Q(√m) において 2 が完全分解( 106)し 2 = PP とする。 このとき m ≡ 1 (mod 8) である( 49)。 P = [2, b + ω] とする。ここで b = 0 または 1 である。 n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、 P^n = [2^n, r + ω] となる。 ここで r ≡ b (mod 2) であり、さらに (2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n+2)) である。 証明 113 より P^n は原始イデアルである。 N(P^n) = 2^n だから 適当な r により P^n = [2^n, r + ω] と書ける。 r + ω ∈ [2, b + ω] だから r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [2, b + ω] となり、 r ≡ b (mod 2) である。 m ≡ 1 (mod 8) だから N(r + ω) = N(r + (1 + √m))/2) = N((2r + 1 + √m)/2) = ((2r + 1)^2 - m)/4 よって ((2r + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2^n) よって (2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n + 2) となる。 証明終 126 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13 09 00 ] 124 の r は 98 を n = 1 から初めて順次適用すれば求まる。 127 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13 33 44 ] 補題 a を有理整数で a ≡ 1 (mod 8) とする。 n ≧ 3 とし x^2 ≡ a (mod 2^n) の根の一つを b とする。 このとき b + 2^n または b + 2^(n-1) のどちらか一方は x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1) の根である。 証明 b^2 = a + (2^n)t とする。 (b + 2^n)^2 = b^2 + 2^(n+1)b + 2^(2n) = a + (2^n)t + 2^(n+1)b + 2^(2n) ≡ a + (2^n)t (mod 2^(n+1)) よって t が偶数なら b + 2^n が x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。 次に t が奇数の場合を考える。 n ≧ 3 だから 2n - 2 ≧ n + 1 である。 さらに b は奇数である。 よって (b + 2^(n-1))^2 = b^2 + (2^n)b + 2^(2n-2) ≡ a + (2^n)t + (2^n) (mod 2^(n+1)) ≡ a + (2^n)(t + 1) (mod 2^(n+1)) よって t が奇数なら b + 2^(n-1) が x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。 証明終 128 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13 36 53 ] 125 の r は 127 を順次適用すれば求まる。 129 名前:132人目の素数さん [2006/12/03(日) 14 17 54 ] くんまー拡大! 130 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 14 25 51 ] 104 で提出した問題、 任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか? は以上で解決したとみていいだろう。 131 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 18 11 51 ] 問題 Q(√(-5)) において、ノルムが10以下のイデアルの標準基底と その素イデアル分解を求めよ。素イデアル分解に現れる素イデアルも 標準基底で表すこと。 答えだけでいい。 だれか? 例 ノルム4のイデアル [2, 2√(-5)] = [2, 1 + √(-5)]^2 132 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 13 52 03 ] 131 へのヒントもこめて、以下に今までのまとめを述べる。 有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。 a をノルムとするイデアルを素イデアルの積と表す方法 は 107 と 112 による。 107 において 1) p が完全分解する素数で、(p) = PP とする。 p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P ^j) の形である。 ここで i + j = n である。 この場合 P^i と (P )^j を標準基底で表す方法は 124, 126, 125, 127 による。 P^i と (P )^j はともに原始イデアルである。 2) p が分解しない素数とする。 p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは n が偶数なら 2i = n として (p)^i である。 n が奇数なら p^n をノルムにもつイデアルはない。 3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。 p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。 n = 2k + r とする。ここで r = 0 または 1 である。 P^n = (p^k)P^r となる。 r = 0 のときは P^n = P^(2k) = (p)^k である。 r = 1 のとき、P^n = (p^k)P であるが、P の標準基底 [p, b + ω] は 47 と 49 で求まっている。 (続く) 133 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/04(月) 17 25 36 ] 2 134 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/04(月) 17 26 37 ] 1 135 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20 03 40 ] 132 の 1) の補足 1) p が完全分解する素数で、(p) = PP とする。 p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P )^j の形である。 ここで i + j = n である。 i ≦ j のとき (P^i)(P )^j = (P^i)(P )^i(P )^(j-i) = (p^i)(P )^(j-i) である。 同様に、 j ≦ i のとき (P^i)(P )^j = (P^j)(P )^j(P)^(i-j) = (p^j)(P)^(i-j) である。 いずれにしても (p^k) の形のイデアルと原始イデアルの積になる。 136 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20 20 49 ] 132 と 135 より a = Πp^n をノルムとするイデアル I は (n)ΠI_p の形になる。 ここで n はある有理整数であり、 I_p は原始イデアルで、 そのノルムは p のべきである。 121 より ΠI_p は原始イデアルあり、その標準基底も求まる。 ΠI_p = [s, r + ω] とすれば I = (n)[s, r + ω] = [ns, nr + nω] となる。 これが a をノルムとするイデアル I の標準基底による表示である。 137 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20 25 07 ] 136 ΠI_p は Π(I_p) と書いたほうが見やすかった。 138 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20 40 52 ] 132, 135, 136 より 131 の問題は機械的に解けるはず。 誰か? 139 名前:132人目の素数さん [2006/12/05(火) 12 26 44 ] 131 は難しいのかな? 140 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/05(火) 17 28 07 ] わかるところだけでいいけど 誰か? 141 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/05(火) 17 32 40 ] このスレで分からないところがあったらどんどん質問してください。 142 名前:聴講生 mailto sage [2006/12/05(火) 18 18 22 ] 今見ました。今からバイトなのでもうちょっと待って頂けると嬉しいかも。 143 名前:聴講生 mailto sage [2006/12/06(水) 01 00 11 ] 131 ノルムが1→[1, √(-5)] ノルムが2→P_2 = [2, 1 + √(-5)] ノルムが3→P_3 = [3, 1 + √(-5)],P _3 = [3, -1 + √(-5)] ノルムが4は例の通り ノルムが5→P_5 = [5, √(-5)] ノルムが6→[6, 1 + √(-5)] = (P_2)(P_3),[6, -1 + √(-5)] = (P_2)(P _3) ノルムが7→[7, 3 + √(-5)],[7, -3 + √(-5)] ノルムが8→[4, 2 + 2√(-5)] = (P_2)^3 ノルムが9→[9, -2 + √(-5)] = (P_3)^2,[9, 2 + √(-5)] = (P _3)^2, [3, 3√(-5)] = (P_3)(P _3) ノルムが10→「10, 5 + √(-5)] = (P_2)(P_5) 144 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12 04 59 ] 143 有難うございます。 正解です。 145 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12 50 26 ] 問題 Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアル ないことを証明せよ。 146 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12 54 08 ] 訂正 145 Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアルで ないことを証明せよ。 147 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 17 37 59 ] 問題 Dedekind 整域が一意分解整域であれば単項イデアル整域である。 これを証明せよ。 148 名前:聴講生 mailto sage [2006/12/07(木) 00 21 38 ] 146 [2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、 これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される 単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2 しかし此れを充たす整数 a, b は存在しないので [2, 1 + √(-5)] は単項イデアルでない。 147 任意の素イデアルが単項イデアルであることを示せば充分。 ある素イデアルの生成元の一つを x とし、 x = (x_1)・・・(x_n), x_i は素元 を x の素元分解とすると、x_1~x_n の少なくとも一つは その素イデアルに含まれるので、素イデアルは素元で生成される。 素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、 もとの素イデアルは単項イデアルとなる。 149 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/07(木) 09 18 50 ] 148 有難うございます。 正解です。 他の人のために補足します。 [2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、 これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される 単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2 これは N(a + b√(-5)) = a^2 + 5b^2 と 75 を使っています。 素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、 もとの素イデアルは単項イデアルとなる。 ここでは、Dedekind 整域では 0 でない素イデアルは極大なので これ等の素イデアルの間には真の包含関係がないことを使っています。 さらに、Dedekind 整域では任意の 0 でないイデアルは素イデアルの 積となるので、単項イデアルの積としてやはり単項イデアルとなります。 150 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 11 18 40 ] 146 と 147 より Q(√(-5)) は一意分解整域でないことがわかる。 Q(√(-5)) は一意分解整域でない整域のもっとも身近な例として 有名であり、ほとんどの代数学の教科書に書いてある。 しかし、その証明はここに述べたものよりやや天下り的なものが多い。 151 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 12 04 56 ] 146 より Q(√(-5)) の素イデアルは必ずしも単項ではない。 では、どのような素イデアルが単項なのか? この問題は自然だし興味がもてるだろう。 素イデアル P のノルムは p または p^2 である。 ここで p は有理素数。 N(P) = p^2 のときは P = (p) であり、P は単項である。 よって N(P) = p となる場合のみ考えればよい。 この場合、P が単項であるためには 148 と同様にして p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在することが 必要十分であることがわかる。 まず p が分岐する素数、つまり p = 2 または p = 5 の場合を考える。 p = 2 のときは 148 より N(P) = 2 となる素イデアルは 存在しない。 p = 5 のときは、5 = a^2 + 5(b^2) を満たすのは a = 0, b = ±1 のとき だけである。よって N(P) = 5 となる素イデアルは (√(-5)) のみである。 残るのは p が完全分解する素数の場合だけである。 152 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 13 50 05 ] 問題 p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するような素数 p で 100 以下のものを全て求めよ。 153 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/09(土) 14 11 35 ] 152 (a,b) p (0,1) 5, (2,3) 29, (1,6)41, (3,4) 61, (4,3) 89 ただ計算しました。 154 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14 31 13 ] 153 正解です。 計算方法を書いておきます。 a^2 + 5(b^2) ≦ 100 より 5(b^2) ≦ 100 となり b^2 ≦ 20 よって b ≦ 4 となる。 b = 0 のとき a^2 は素数でないから b = 0 は除外する。 すると、a^2 + 5 ≦ 100 より a^2 ≦ 95 よって a ≦ 9 0 ≦ a ≦ 9 1 ≦ b ≦ 4 のとき (a, b) = a^2 + 5(b^2)の値を計算した結果を以下に書く。 数字の横に * が付いてるのはそれが素数であることを示している。 155 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14 32 09 ] (0, 1) = 5* (0, 2) = 20 (0, 3) = 45 (0, 4) = 80 (1, 1) = 6 (1, 2) = 21 (1, 3) = 46 (1, 4) = 81 (2, 1) = 9 (2, 2) = 24 (2, 3) = 49 (2, 4) = 84 (3, 1) = 14 (3, 2) = 29* (3, 3) = 54 (3, 4) = 89* 続く 156 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14 33 10 ] (4, 1) = 21 (4, 2) = 36 (4, 3) = 61* (4, 4) = 96 (5, 1) = 30 (5, 2) = 45 (5, 3) = 70 (5, 4) = 105 (6, 1) = 41* (6, 2) = 56 (6, 3) = 81 (6, 4) = 116 (7, 1) = 54 (7, 2) = 69 (7, 3) = 94 (7, 4) = 129 (8, 1) = 69 (8, 2) = 84 (8, 3) = 109* (9, 1) = 86 157 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14 43 39 ] 153 今、いま気付いたけど、a と b が一部反対になっています。 158 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 14 59 44 ] p=(a+1)^2+5a^2,a^2+5(a+1)^2 159 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 15 00 44 ] p=5b^2 mod a =a^2 mod b 160 名前:132人目の素数さん mailto sage [2006/12/09(土) 15 11 24 ] 何か高校数学で出てきそうな問題ですね。 敢えて難しい定理を用いて解けという出題意図なのかと思った。 161 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15 18 02 ] p を Q(√(-5)) で完全分解( 106)する素数とする。 p ≠ 5 である。 p = a^2 + 5(b^2) が有理整数解 (a, b) をもつための条件を求める。 まず a^2 ≡ p (mod 5) つまり Legendre の記号(前スレ3の746)を使えば (p/5) = 1 である。 1^2 ≡ 1 (mod 5) 2^2 ≡ 4 (mod 5) 3^2 ≡ 4 (mod 5) 4^2 ≡ 1 (mod 5) だから p ≡ 1 (mod 5) または p ≡ 4 (mod 5) である。 162 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15 28 53 ] 一方 p は Q(√(-5)) で完全分解( 106)するから、 105 より (-5/p) = 1 である。 (-5/p) = (-1/p)(5/p) であり、 平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より (5/p)(p/5) = 1 である。 161 より (p/5) = 1 だったから (5/p) = 1 よって (-1/p) = 1 である。 (-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから (p-1)/2 は偶数である。 よって p ≡ 1 (mod 4) となる。 161 の p ≡ 1 (mod 5) または p ≡ 4 (mod 5) と組み合わせて p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20) である。 163 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15 33 32 ] 162 (-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから これは平方剰余の第一補充法則と呼ばれている。 前スレ3の747の 4) (a/p) ≡ a^{(p - 1)/2} (mod p) から直ちにでる。 164 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15 38 37 ] 160 簡単な計算ですが、こういう計算が初等整数論では重要な場合あります。 165 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15 41 33 ] 161 p ≠ 5 である。 p ≠ 2 でもあることに注意しておく。 166 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 15 49 04 ] p=a^2+b^2 mod 4 =a^2-b^2 mod 6 167 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15 50 48 ] 162 の結果 p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20) を満たす 100 以下の素数を求めてみよう。 100以下の整数 ≧ 1 で 20k + 1 の形のものは 21, 41, 61, 81 20k + 9 の形のものは 29, 49, 69, 89 これ等のなかで素数なのは 29, 41, 61, 89 これは 153 と 5 を除いて一致する。 168 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 16 57 51 ] 167 から次の予想をするには支持データ数が足りないだろう。 しかし、この予想は正しいことを後で証明する。 予想 p を 5 以外の有理素数とする。 p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するためには、 p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20) が必要十分である。 169 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 02 14 ] 命題 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 I, J を A の分数イデアル(前スレ2の677) とし、 IJ = A とする。ここで IJ は集合 { xy; x ∈ I, y ∈ J } で生成される K の A-部分加群である。 このとき J = { x ∈ K; xI ⊂ A } である。 証明 L = { x ∈ K; xI ⊂ A } とおく。 IJ = A だから J ⊂ L である。 よって IJ ⊂ IL である。 L の定義より IL ⊂ A だから IJ ⊂ IL ⊂ A となる。 IJ = A より IL = A となる。 IL = A の両辺に J を掛けて JIL = J JIL = (IJ)L = L だから L = J 証明終 170 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 09 57 ] 証明からわかるように 169 の命題の仮定で A は Dedekind 整域で ある必要はなかった。 171 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 17 11 ] 問題 A を Dedekind 整域とする。 P ≠ 0 を A の素イデアルで a ≠ 0 を P の元とする。 このとき (a) = PI となるイデアル I がある。 172 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 24 57 ] 問題 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 P ≠ 0 を A の素イデアルとし、P^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A } とおく。 P^(-1) は A の分数イデアルで PP^(-1) = A である。 173 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 26 53 ] 問題 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 I ≠ 0 を A のイデアルとし、I^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A } とおく。 I^(-1) は A の分数イデアルで II^(-1) = A である。 174 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 31 31 ] 問題 173 において I は A の分数イデアルとしてもよい。 175 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 32 01 ] 問題 A を Dedekind 整域とする。 I ≠ 0 と J ≠ 0 を A のイデアルとし、I ⊂ J とする。 このとき I = JL となるイデアル L がある。 176 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 35 15 ] 命題 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる。 証明 174 より明らか。 177 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 40 01 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる( 176)。 この群を A のイデアル群と呼び I(A) と書く。 178 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 43 57 ] 定義 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 K の元 x ≠ 0 に対して xA は分数イデアルである。 この形の分数イデアルを単項分数イデアルまたは主分数イデアルと 呼ぶ。 179 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 46 12 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A の主分数イデアル( 178)全体は乗法に関して群になる。 この群を A の主イデアル群と呼び P(A) と書く。 180 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 49 51 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A のイデアル群 I(A) を主イデアル群 P(A) で割った剰余群 I(A)/P(A) をA のイデアル類群と呼び Cl(A) と書く。 181 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21 57 13 ] A を Dedekind 整域とする。 前スレ2の 541 よりイデアル類群 Cl(A) は標準的に A の Picard 群 Pic(A) に同型であることを注意しておく。 182 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22 27 17 ] 問題 A を Dedekind 整域とする。 A の任意の分数イデアルは I/J の形に書ける。ここで I, J は A のイデアルで I/J は I(J^(-1)) を表す。 183 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22 32 29 ] 問題 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。 ここで I, J は A のイデアルである。 このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。 184 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22 35 12 ] 訂正 183 このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。 このとき N(I)/N(J) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。 185 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22 39 49 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。 ここで I, J は A のイデアルである。 182 よりこのようなイデアルは存在する。 183 より N(I)/N(J) は M = I/J となる I, J の取り方によらない。 N(I)/N(J) を M のノルムと呼び N(M) と書く。 明らかに、この定義は M がイデアルのときのノルムの拡張になっている。 186 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22 48 05 ] A を Dedekind 整域とする。 A のイデアルのことを A の分数イデアルと区別して整イデアル ともいう。 しかし、このスレでは通常、単にイデアルと呼ぶことにする。 定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。 187 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22 52 57 ] 2次体 Q(√m) においては、誤解のない限り、Q(√m) の整数環 Z[ω] の 分数イデアルのことを Q(√m) の分数イデアルとも言う。 188 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23 09 53 ] 問題 2次体 Q(√m) のイデアル I ≠ 0 に対して、I^(-1) = [r, s + tω] と 書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。 I を標準基底 [a, b + cω] で表したとき、r, s, t を a, b, c から 求めよ。 189 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23 13 47 ] 問題 2次体 Q(√m) の任意の分数イデアル M は M = [r, s + tω] と 書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。 190 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23 17 13 ] 問題 2次体 Q(√m) の分数イデアル M を M = [r, s + tω] と 表したとき、N(M) = rt であることを証明せよ。 ここで r, s, t は適当な有理数である。 191 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23 20 17 ] 問題 2次体 Q(√m) の分数イデアル L, M に対して、 N(LM) = N(L)N(M) となることを証明せよ。 192 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23 22 02 ] 訂正 186 定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。 定義(前スレ2の677)から0でないイデアルは、分数イデアルでもある。 193 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23 44 30 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A のイデアル類群( 180) Cl(A) = I(A)/P(A) の各剰余類を A の イデアル類と呼ぶ。 A が2次体 Q(√m) の整数環のとき、誤解の恐れがない限り A のイデアル類を Q(√m) のイデアル類と呼ぶ。 194 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23 51 58 ] 問題(高木の初等整数論) 2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] が 同じイデアル類に属すとする。すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m) があるとする。 このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、 θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 195 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23 58 11 ] 問題(高木の初等整数論) 以下のように 194 の逆が成り立つ。 2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] に 対して、θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおく。 θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 このとき ρ = rψ + s とおくと I = ρJ となる。 さらに N(ρ) = ±(a/k) である。 タグ: コメント
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プレイの処理 「プレイ」は「効果の発生」とは異なり、発生と解決のタイミングが分かれていないため、プレイされた瞬間に処理されます。同様に、「コストの支払い」も即時処理されるため、カットインや効果によって妨害する事はありません。
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フィルタ処理 入力画像に処理を施すことによって様々な効果を与える各種フィルタを提供する マスク処理 2値化 2値化(範囲指定) 2値化(大津の方法) 2値化(Niblackの方法) 2値化(Sauvolaの方法) 平滑化(ガウシアンフィルタ) 平滑化(メディアンフィルタ) 平滑化(バイラテラルフィルタ) 単純平滑化(Blur) マスク処理 説明原画像の特定の部分だけを抜き出すマスク処理を行う 入力元になる画像 マスク(2値画像) 出力マスク処理された画像 リファレンスcvCopy(maskを設定) サンプル 入力 出力 このページのトップへ戻る 2値化 説明指定された閾値で画素を分離し、閾値以上の画素が設定した最大値となるように2値化を行うう 入力2値化するグレースケール(濃淡)画像 出力2値画像 パラメータ閾値 最大値 リファレンスcvThreshold サンプルなどOpenCV 画像の二値化 このページのトップへ戻る 2値化(範囲指定) 説明指定した値の範囲内が1(白)になるように2値化を行う 入力2値化するグレースケール(濃淡)画像 出力2値画像 パラメータ下限 上限 リファレンスcvInRangeS サンプルなど特定範囲の2値化 - OpenGL de プログラミング このページのトップへ戻る 2値化(大津の方法) 説明大津の方法(判別分析法)を用いて2値化を行う 入力2値化するグレースケール(濃淡)画像 出力2値画像 リファレンスcvThreshold サンプルなどOpenCV 画像の二値化(大津の手法) このページのトップへ戻る 2値化(Niblackの方法) 説明Niblackの方法を用いて2値化を行う 入力2値化するグレースケール(濃淡)画像 出力2値画像 パラメータ局所領域のサイズ(3以上の奇数) 係数 このページのトップへ戻る 2値化(Sauvolaの方法) 説明Sauvolaの方法を用いて2値化を行う 入力2値化するグレースケール(濃淡)画像 出力2値画像 パラメータ局所領域のサイズ(3以上の奇数) 係数 係数 このページのトップへ戻る 平滑化(ガウシアンフィルタ) 説明ガウシアンフィルタによって入力画像を平滑化する 入力平滑化する画像 出力平滑化された画像 パラメータガウシアンカーネルの幅,高さ(必ず奇数) リファレンスcvSmooth サンプルなどOpenCV 平滑化 このページのトップへ戻る 平滑化(メディアンフィルタ) 説明メディアンフィルタによって入力画像を平滑化する 入力平滑化する画像 出力平滑化された画像 パラメータ隣接領域の幅,高さ(必ず奇数) リファレンスcvSmooth サンプルなどOpenCV 平滑化 このページのトップへ戻る 平滑化(バイラテラルフィルタ) 説明エッジ保持平滑化フィルタであるバイラテラルフィルタによって入力画像を平滑化する 入力平滑化する画像 出力平滑化された画像 パラメータ色のσ(この値が大きくなると,フィルタのポスタリゼーション効果が強くなる.) 空間のσ(この値が大きくなると,フィルタのブラー効果が強くなる.) リファレンスcvSmooth サンプルなどOpenCV 平滑化 このページのトップへ戻る 単純平滑化(Blur) 説明単純平滑化によって入力画像を平滑化する 入力平滑化する画像 出力平滑化された画像 パラメータ隣接領域の幅(必ず奇数) 隣接領域の高さ(必ず奇数) リファレンスcvSmooth サンプルなどOpenCV 平滑化 このページのトップへ戻る
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時08分06秒 代数的整数論 007 (301-375) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/301-375 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/301-375 301 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 15 09 25 281 すみません。質問、いいでしょうか? >U×V の形の集合の有限個の共通部分全体は Y×Z の開集合の >基底である。 >従って、Y×Z の任意の開集合 W に対して h^(-1)(W) ∈ Φ である。 とありますが、Y×Z の任意の開集合 W は、U×V の形の開集合の 「一般には非可算個の」合併ですよね? だから、h^(-1)(W) も、h^(-1)(U×V) (∈ Φ )の形の集合の 非可算個の合併である可能性がありますね? これが可算個の合併であれば、確かに h^(-1)(W) ∈ Φ となりますが、 非可算個の場合は、どうやって証明するのでしょう? ひょっとしたら、私が何か見落としているのかもしれませんが、 宜しくお願いします。 302 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 16 13 25 301 確かにおかしいですね。 Y と Z はそれぞれ開集合の可算基底を持ってないと駄目ですね。 有難うございました。 R は開集合の可算基底を持ってるので、 283 は成り立ちます。 303 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 16 15 27 302 やっぱりそうでしたか。 ご返答、ありがとうございました。 304 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 18 29 05 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 次の条件を見たす可測で有限な単関数( 298) f_n が存在する。 1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 証明 任意の整数 n > 0 に対して、 区間 [0, n) を 1/2^n 等分する。 即ち、 [0, n) = ∪[k/2^n, (k+1)/2^n), k = 0, 1, ..., (2^n)n - 1 f_n X → [0, +∞) を次のように定義する。 f(x) ∈ [k/2^n, (k+1)/2^n) ⊂ [0, n) のとき f_n(x) = k/2^n f(x) ∈ [n, +∞] のとき f_n(x) = n f_n は単関数であり、 300 より可測である。 [0, n+1) の分割は [0, n) の分割の細分になっている。 従って、f_n ≦ f_(n+1) である。 f(x) = +∞ のとき、任意の n で f_n(x) = +∞ だから n → ∞ のとき f_n(x) → +∞ f(x) < +∞ のとき、 f(x) < n となる限り |f(x) - f_n(x)| ≦ 1/2^n である。 よって、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 証明終 305 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 18 51 42 定義 X を集合とし、f X → [-∞, +∞] を任意の写像とする。 f^(+) = sup{f, 0} f^(-) = sup{-f, 0} と書く。 f = f^(+) - f^(-) |f| = f^(+) + f^(-) である。 (X, Φ) が可測空間( 211)で、f が可測( 213)なら、 295 より、f^(+) と f^(-) も可測である。 306 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 01 24 補題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X 上の単関数( 298)とする。 α ≠ 0 を(有限)実数とする。 f が可測なら、αf も可測な単関数である。 証明 277 より αf は可測である。 αf が単関数であることは明らかである。 証明終 307 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 17 27 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f と g を X 上の可測で有限な単関数( 298)とする。 f + g も可測で有限な単関数である。 証明 f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} g(X) - {0} = {b_1, . . . , b_m} とする。 A_i = {x ; f(x) = a_i}, 1 ≦ i ≦ n B_j = {x ; g(x) = b_j}, 1 ≦ j ≦ m とおく。 300 より、 A_i ∈ Φ, B_j ∈ Φ である。 A = ∪A_i, B = ∪B_j とおく。 A ∪ B = (A - B) ∪ (A ∩ B) ∪ (B - A) これは、A ∪ B の直和分割である。 x ∈ X - (A ∪ B) のとき f(x) = g(x) = 0 であり、f(x) + g(x) = 0 x ∈ A - B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、 f(x) = a_i, g(x) = 0 である。よって、f(x) + g(x) = a_i x ∈ B - A のとき x ∈ B_j となる j が唯一つ存在し、 f(x) = 0, g(x) = b_j である。よって、f(x) + g(x) = b_j x ∈ A ∩ B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、 x ∈ B_j となる j が唯一つ存在する。 f(x) = a_i, g(x) = b_j である。 よって、f(x) + g(x) = a_i + b_j 以上から f + g は可測で有限な単関数である。 証明終 308 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 31 26 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 可測で有限な単関数( 298) の列 (f_n) が存在し、 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 証明 305 より、f = f^(+) - f^(-) である。 f^(+) ≧ 0, f^(-) ≧ 0 だから 304 より、可測で有限な単関数( 298) の列 (g_n) と (h_n) が 存在し、 任意の x ∈ X において、 n → ∞ のとき g_n(x) → f^(+) n → ∞ のとき h_n(x) → f^(-) となる。 よって、n → ∞ のとき g_n(x) - h_n(x) → f^(+) - f^(-) である。 306 より、-h_n(x) は可測で有限な単関数である。 よって、 307 より、g_n(x) - h_n(x) も可測で有限な単関数である。 f_n(x) = g_n(x) - h_n(x) が求めるものである。 証明終 309 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 20 40 26 308 たびたびすみません。 f X → [0, +∞] だから、f = f^(+) ではないですか? おそらく、仮定は f X → [-∞, +∞] ではないかと思われます。 310 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 45 11 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 f + g も可測である。 証明 308 より、可測で有限な単関数( 298) の列 (f_n) と (g_n) が 存在し、任意の x ∈ X において、 n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) となる。 よって、 n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x) である。 307 より、f_n(x) + g_n(x) は可測である。 f + g = lim sup(f_n + g_n) である( 289)から 295, 296 より f + g は可測である。 証明終 311 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 47 06 309 その通りです。 有難うございました。 312 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 20 47 55 クンマー大好き 僕も代数がんばるぞ 313 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20 53 29 310 は 280 の拡張である。 しかし、証明方法はだいぶ違う( 285 参照)。 この方法は、現代数学概説 II によった。 Halmos の Measure theory は 310 を 280 と同様の方法で 証明しているが、私はその証明がよく理解出来ない。 314 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21 13 52 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f と g を X 上の可測で有限な単関数( 298)とする。 fg も可測で有限な単関数である。 証明 f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} g(X) - {0} = {b_1, . . . , b_m} とする。 A_i = {x ; f(x) = a_i}, 1 ≦ i ≦ n B_j = {x ; g(x) = b_j}, 1 ≦ j ≦ m とおく。 300 より、 A_i ∈ Φ, B_j ∈ Φ である。 A = ∪A_i, B = ∪B_j とおく。 A ∪ B = (A - B) ∪ (A ∩ B) ∪ (B - A) これは、A ∪ B の直和分割である。 x ∈ X - (A ∪ B) のとき f(x) = g(x) = 0 であり、f(x)g(x) = 0 x ∈ A - B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、 f(x) = a_i, g(x) = 0 である。よって、f(x)g(x) = 0 x ∈ B - A のとき x ∈ B_j となる j が唯一つ存在し、 f(x) = 0, g(x) = b_j である。よって、f(x)g(x) = 0j x ∈ A ∩ B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、 x ∈ B_j となる j が唯一つ存在する。 f(x) = a_i, g(x) = b_j である。 よって、f(x)g(x) = (a_i)(b_j) 以上から fg は可測で有限な単関数である。 証明終 315 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21 17 47 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 fg も可測である。 証明 308 より、可測で有限な単関数( 298) の列 (f_n) と (g_n) が 存在し、任意の x ∈ X において、 n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) となる。 よって、 n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x) である。 314 より、(f_n)(g_n) は可測である。 fg = lim sup(f_n)(g_n) である( 289)から 295, 296 より fg は可測である。 証明終 316 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21 40 34 定義 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 Φ から [0, +∞] への関数 μ が次の条件をみたすとき、 μ を (X, Φ) 上の測度または、Φ 上で定義された測度と言う。 1) φ を空集合としたとき、μ(φ) = 0 2) (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 n ≠ m のとき 常に A_n と A_m は交わらないとする。 このとき μ(∪A_n) = Σμ(A_n) 317 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21 54 54 316 の 2) の性質を完全加法性または σ-加法性と言う。 測度の与えられた可測空間を測度空間と言う。 (X, Φ) を可測空間、μ をその上の測度としたとき、 この測度空間を (X, Φ, μ) で表すことがある。 318 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/31(金) 03 58 49 ∩_∩ ( ・( ェ)・) < おやすみ Kummer ( O┬O ≡◎-ヽJ┴◎ キコキコ 319 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 23 38 測度の例 後で示すように有用な測度(例えば Lebesgue 測度)を構成するのは やや面倒である。 ここでは、簡単な例を挙げる。 1) 集合 X の任意の部分集合 E に対して E が無限集合なら μ(E) = ∞、有限集合ならその要素の個数を μ(E) とする。 2) 集合 X の任意の点 x_0 を固定する。 X の部分集合 E が x_0 を 含めば μ(E) = 1, x_0 を含まなければ μ(E) = 0 とする。 320 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 37 01 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 A_1, . . . , A_n ∈ Φ で i ≠ j のとき A_i ≠ A_j なら μ(A_1 ∪ . . . ∪ A_n) = μ(A_1) + . . . μ(A_n) 証明 316 の 2) において、A_(n+1) = A_(n+2) = . . . = 空集合 とすれば よい。 321 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 40 14 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 A, B ∈ Φ で A ⊂ B なら μ(A) ≦ μ(B) 証明 B = A ∪ (B - A) で A と B - A は交わらない。 320 より μ(B) = μ(A) + μ(B - A) μ(B - A) ≧ 0 だから μ(A) ≦ μ(B) 322 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 04 42 36 320 お邪魔します。 >i ≠ j のとき A_i ≠ A_j なら とありますが、 i ≠ j のとき A_i と A_j が交わらない なら と訂正すべきでは? 323 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 57 18 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 A_1 ⊂ A_2 ⊂ . . . なら n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(∪A_n) 証明 A = ∪A_n とおく。 A = A_1 ∪ (A_2 - A_1) ∪ (A_3 - A_2) ∪ . . . (直和分割) よって、μ(A) = μ(A_1) + μ(A_2 - A_1) + . . . 一方、n ≧ 2 のとき、 μ(A_n) = μ(A_1) + μ(A_2 - A_1) + . . . + μ(A_n - A_(n-1) よって、n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(A) 証明終 324 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04 58 17 322 有難うございます。 その通りです。 325 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05 21 51 補題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 A, B ∈ Φ で A ⊃ B とする。 μ(A) < +∞ なら μ(A - B) = μ(A) - μ(B) 証明 A = B ∪ (A - B) と直和分割される。 320 より μ(A) = μ(B) + μ(A - B) である。 μ(A) < +∞ だから μ(A - B) = μ(A) - μ(B) である。 証明終 326 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05 26 10 325 で μ(A) < +∞ の仮定は必要である。 μ(A) = μ(B) = +∞ なら μ(A) - μ(B) は定義されない。 327 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05 40 52 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 A_1 ⊃ A_2 ⊃ . . . で、μ(A_1) < +∞ とする。 n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(∩A_n) 証明 B_n = A_1 - A_n とおく。 B_1 ⊂ B_2 ⊂ . . . である。 323 より n → ∞ のとき μ(B_n) → μ(∪B_n) μ(A_1) < +∞ だから 325 より、 μ(B_n) = μ(A_1) - μ(A_n) である。 ∪B_n = A_1 - ∩A_n で μ(A_1) < +∞ だから 325 より、 μ(∪B_n) = μ(A_1) - μ(∩A_n) よって、 μ(A_1) - μ(∩A_n) = lim (μ(A_1) - μ(A_n)) = μ(A_1) - lim μ(A_n) よって、 μ(∩A_n) = lim μ(A_n) 証明終 328 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07 02 37 定義 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 μ(A) = 0 となるような A ∈ Φ を(μ に関する)零集合と言う。 329 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07 41 32 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列とすると、 μ(∪A_n) ≦ Σμ(A_n) である。 証明 B_1 = A_1 B_2 = A_2 - A_1 . . . B_n = A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1)) とおく。 A = ∪A_n とおけば、 A = ∪B_n となり、これは A の直和分割である。 よって μ(A) = Σμ(B_n) B_n ⊂ A_n だから 321 より μ(B_n) ≦ μ(A_n) よって μ(A) ≦ Σμ(A_n) 証明終 330 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07 45 51 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 μに関する零集合( 328)全体は σ-集合環( 197)である。 証明 μに関する零集合全体を Ψ とする。 空集合は Ψ に属すから Ψ は空ではない。 A_n ∈ Ψ, n =1 , 2, ... とする。 329 より、 μ(∪A_n) ≦ Σμ(A_n) = 0 よって、∪A_n ∈ Ψ である。 A, B ∈ Ψ なら 321 より μ(A - B) ≦ μ(A) = 0 よって、A - B ∈ Ψ である。 証明終 331 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08 26 43 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 A と B を X の(可測とは限らない)任意の集合とする。 A△B ( 191)がμに関する零集合( 328)に含まれるとき A ~ B (μ) または A ~ B と書く。 A ~ B (μ) は同値関係である。 証明 1) A ~ A は明らかである。 2) A ~ B なら B ~ A も明らかである。 3) A ~ B かつ B ~ C とする。 A ~ C を示せばよい。 A△B ⊂ N B△C ⊂ M となる零集合 N と M がある。 即ち、 (A - B) ∪ (B - A) ⊂ N (B - C) ∪ (C - B) ⊂ M A - C ⊂ (A - B) ∪ (B - C) ⊂ N ∪ M C - A ⊂ (C - B) ∪ (B - A) ⊂ N ∪ M よって、A△C = (A - C) ∪ (C - A) ⊂ N ∪ M 330 より N ∪ M は零集合である。即ち、A ~ C 証明終 332 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08 43 00 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 f, g ∈ F(X, R~) で、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合( 328)に 含まれるとき、 f ~ g (μ) または f ~ g または f = g (a.e.) と書く。 f ~ g (μ) は同値関係である。 証明 1) f ~ f は明らかである。 2) f ~ g なら g ~ f も明らかである。 3) f ~ g かつ g ~ h とする。 f ~ h を示せばよい。 f(x) = g(x) かつ g(x) = h(x) なら f(x) = h(x) である。 よって、 {x ; f(x) ≠ h(x) } ⊂ {x ; f(x) ≠ g(x) } ∪ {x ; g(x) ≠ h(x) } 仮定より、 {x ; f(x) ≠ g(x) } ⊂ N {x ; g(x) ≠ h(x) } ⊂ M となる零集合 N と M がある。 よって、{x ; f(x) ≠ h(x) } ⊂ N ∪ M 330 より N ∪ M は零集合である。即ち、f ~ h 証明終 333 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08 47 30 331 現代数学概説 II(岩波書店) では {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合のとき f ~ g と定義しているが、これは間違いである。 何故なら f, g ∈ F(X, R~) のとき {x ; f(x) ≠ g(x) } は 可測とは限らないからである。 334 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08 48 12 333 331 でなく 332 335 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 09 49 28 333 Kummer さん、おはようございます。 質問、と言うか、確認です。 現代数学概説の定義: > {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合のとき が生きるのは、 測度空間 (X, Φ, μ) が完備であれば、(簡単のために X ∈ Φ とする) よいわけですね? ここでは「完備性」を仮定していないため、「零集合に含まれる」 と言う定義をするのですよね? 些細な点で恐縮ですが m(_ _)m 336 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09 52 50 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 f, g ∈ F(X, R~) のとき、f ~ g である( 332)ためには、 [-∞, +∞] の任意の部分集合 S に対して f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S) となる( 331)ことが必要十分である。 証明 必要性。 f ~ g とする。 [-∞, +∞] の部分集合 S に対して x ∈ f^(-1)(S)△g^(-1)(S) なら、 f(x) ≠ g(x) である。 よって、f^(-1)(S)△g^(-1)(S) ⊂ {x ; f(x) ≠ g(x) } よって、f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S) (続く) 337 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09 53 57 336 の続き。 十分性。 [-∞, +∞] の任意の部分集合 S に対して f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S) とする。 r が全ての有理数を動くとき、 {x ; f(x) < g(x) } = ∪ {{x ; f(x) < r } ∩ {x ; r ≦ g(x) } = ∪ ({{x ; f(x) < r } - {x ; g(x) < r }) ⊂ ∪ ({{x ; f(x) < r } △ {x ; g(x) < r }) 仮定から、 {{x ; f(x) < r } △ {x ; g(x) < r } ⊂ N_r となる零集合がある。 よって、 {x ; f(x) < g(x) } ⊂ ∪ N_r 330 より ∪ N_r は零集合である。 同様にして、{x ; f(x) > g(x) } も零集合に含まれる。 よって、 {x ; f(x) ≠ g(x) } = {x ; f(x) < g(x) } ∪ {x ; f(x) > g(x) } も零集合に含まれる。 即ち、f ~ g である。 証明終。 338 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09 59 08 335 (X, Φ, μ) が完備でも、 {x ; f(x) ≠ g(x) } は 可測とは限らないんで、f ~ g を、 {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合と定義するのはまずいんじゃないですかね? 339 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 02 36 335 あ、いいですね。 (X, Φ, μ) が完備なら、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合に含まれる のと、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合であることは同値ですから。 340 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 10 34 335 もう分かってると思いますが、私は積分論には詳しくないんですいよ。 というか解析は詳しくないです。 だからと言って代数とか幾何に詳しいというわけでもないですが。 Haar 測度をこのスレで使うんで勉強を兼ねてやってるわけです。 341 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10 14 05 339 , 338 有難うございます。 342 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10 18 05 340 そうでしたか。 すると、ここでの積分論は、Haar 測度を経由して、 本来の代数方面につながるわけですか? Kummer さんが代数に詳しくない、と言うのは、 私などから見れば謙遜に思えますよ。 343 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 33 33 342 すると、ここでの積分論は、Haar 測度を経由して、 本来の代数方面につながるわけですか? そうです。 p-進体 Q_p は過去スレ006の554から局所コンパクトなので Haar 測度が 入ります。 344 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10 41 02 343 なるほど。ありがとうございます。 345 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 45 06 現代数学概説 II(岩波書店) では f ~ g で f が可測なら g も可測であるということを定理に 掲げているが、これも (X, Φ, μ) が完備でないと成り立たない ように思う。 346 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10 51 28 345 はい。おっしゃるとおりです。 f, g が、X の部分集合の特性関数である場合を考えれば、 >f ~ g で f が可測なら g も可測である と言う条件は、 (X, Φ, μ) が完備であることと同値です。 347 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 53 35 345 (X, Φ, μ) が完備とは、任意の零集合のすべての部分集合が 零集合となることを言う。 測度空間の完備性については後で詳しくやる予定。 348 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10 55 52 346 有難うございます。 349 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12 13 39 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 (f_n) と (g_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。 各 n に対して f_n ~ g_n ( 332) なら sup(f_n) ~ sup(g_n) である。 証明 f = sup(f_n) g = sup(g_n) とおく。 {x; f(x) ≠ g(x)} ⊂ ∪{x; f_n(x) ≠ g_n(x)} である。 各 {x; f_n(x) ≠ g_n(x)} は零集合に含まれるから 330 より {x; f(x) ≠ g(x)} も零集合に含まれる。 即ち、f ~ g である。 証明終 350 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12 35 10 定義 測度空間 (X, Φ, μ) において X の部分集合 A と、 A の点に関するある命題 P が与えられたとする。 ある零集合 N ⊂ A があり、 A - N の各点 x で P が成り立つとき、 P は、ほとんど至る所(almost everywhere) A で成り立つという。 「ほとんど至る所」を a.e. と略す場合がある。 351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12 52 30 定義 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 (f_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。 (f_n) がほとんど至る所( 350)収束するとき、(f_n) の極限関数 f = lim (f_n) を次のように定義する。 (f_n) が収束する点 x では f(x) = lim f_n(x) とし、 (f_n) が収束する点 x では f(x) = 0 とする。 352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 13 15 48 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R~) と書く。 (f_n) と (g_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。 各 n に対して f_n ~ g_n ( 332) で、 (f_n) がほとんど至る所( 350)で収束するなら、 (g_n) もほとんど至る所で収束し、lim (f_n) ~ lim (g_n) となる。 証明 F = lim sup(f_n) G = lim sup(g_n) f = lim inf(f_n) g = lim inf(g_n) とおく。 349(及び同じように証明される inf に関する同様の命題) より F ~ G、f ~ g となる。 (f_n) は、ほとんど至る所で収束するから、 ほとんど至る所で F = f である。 即ち、F ~ f である。 332 より ~ は同値関係であるから、 G ~ g である。 即ち、(g_n) はほとんど至る所で収束する。 lim (f_n) ~ F で、lim (g_n) ~ G だから lim (f_n) ~ lim (g_n) である。 証明終 353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 14 41 51 現代数学概説 II(岩波書店) では (f_n), n ≧ 0 が可測関数列で、ほとんど至る所で収束するなら lim f_n ( 351)も可測であると書いてある(演習問題になっている)。 これはどうなんですかね? これも無条件では成り立たない様に思えるんですけど。 反例があるのかどうか分からないですが。 (X, Φ, μ) が完備なら、成り立つことは次のように分かります。 (f_n) が収束しない点の集合を N として、 N の各点で 0、N の外で f_n と一致する関数を g_n とすれば、 f_n ~ g_n なので、g_n は可測になる。 352 より lim (f_n) ~ lim (g_n) となる。 (g_n) は X の各点で収束するから可測である。 従って、lim (f_n) も可測になる。 354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 14 45 30 訂正 353 (g_n) は X の各点で収束するから可測である。 (g_n) は X の各点で収束するから、lim (g_n) も可測である。 355 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 15 04 30 命題 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から有限数直線 R = (-∞, +∞) への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R) と書く。 f_1, f_2, g_1, g_2 を F(X, R) の元とし、 f_1 ~ g_1, f_2 ~ g_2 とする。 このとき、 f_1 + f_2 ~ g_1 + g_2 (f_1)(f_2) ~ (g_1)(g_2) である。 証明 零集合 N の外で f_1 = g_1 とし、 零集合 M の外で f_2 = g_2 とする。 零集合 N ∪ M の外で f_1 = g_1 かつ f_2 = g_2 である。 従って、N ∪ M の外で、 f_1 + f_2 = g_1 + g_2 (f_1)(f_2) = (g_1)(g_2) である。 よって、 f_1 + f_2 ~ g_1 + g_2 (f_1)(f_2) ~ (g_1)(g_2) である。 証明終 356 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 06 03 定義 (X, Φ) を可測空間とする。 E を X の(必ずしも可測でない)部分集合とする。 260 より Φ|E = { A ⊂ E; A ∈ Φ} は σ-集合環( 197)である。 従って (E, Φ|E) は可測空間となる。 f を E を含むある集合 F から [-∞, +∞] への (必ずしも可測でない)写像とする。 f の定義域を E に制限した関数 f|E が (E, Φ|E) で可測であるとき、 f は E において可測であると言う。 357 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 15 10 命題 (X, Φ) を可測空間とする。 f を X から [-∞, +∞] への可測写像とする。 E ∈ Φ のとき f|E は、E において可測( 356)である。 証明 f は可測( 213)だから、[-∞, +∞] の任意の開集合 U に対して、 S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である 273 より、E ∩ S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である よって、f|E は、E において可測である。 証明 358 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 35 47 命題 (X, Φ) を可測空間とする。 E を X の(必ずしも可測でない)部分集合とする。 f を E から [-∞, +∞] への写像とする。 g を X から [-∞, +∞] への写像で、E において f と一致し、 E の外で 0 となるものとする。 f が E において可測( 356)であることと、 g が X において可測であることは同値である。 証明 S(g) ∩ g^(-1)(U) ⊂ S(g) ⊂ E S(f) = S(g) であるから、 S(g) ∩ g^(-1)(U) = S(f) ∩ f^(-1)(U) である。 よって、本命題の主張が得られる。 証明終 359 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 39 31 358 から E 上で可測な関数は常に X 上で可測な関数の制限と なっていることが分かる。 しかし、E が可測でない限り、この逆は言えない。 360 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 48 03 (X, Φ) を可測空間とする。 E を X の可測な部分集合とする。 E 上で可測な関数 f の積分 ∫[E] f dμをこれから定義する。 積分 ∫[E] f dμ は、∫f dμ とも ∫[E] f(x) dμ(x) とも ∫f(x) dμ(x) とも書く。 361 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19 49 27 訂正 360 (X, Φ) を可測空間とする。 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 362 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 19 52 42 353 Kummer さん、こんばんは。 さて、貴兄の疑問ですが、少々注意を要します。 >(f_n), n ≧ 0 が可測関数列で、ほとんど至る所で収束するなら >lim f_n ( 351)も可測であると書いてある(演習問題になっている)。 とありますが、この主張の条件のもとでは、lim f_n (x) は、 すべての x ∈ X に対して存在するわけではないのです。 つまり、零集合 N ∈ Φ が存在して、x ∈ X - N に対してのみ、 lim f_n (x) が存在すると仮定されているのです。 一方で、x ∈ N に対しては、極限 lim f_n (x) の存在は、 保証されていないのです。 ですから、この記述の意味するところは、関数 g X → R~ を、 g(x) = lim f_n (x) ; if x ∈ X - N g(x) = 0 ; if x ∈ N とおいたとき、g が可測になる、と言う意味だと思われます。 (完備性は、仮定しなくても良いです。 この g は、 353 の lim g_n と同値です) 363 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 20 16 17 362 すみません。 351 の定義を失念していました。 たしかに、 f_n (x) が収束しない点の全体を M とおくと、 M は可測でないかもしれません。 しかし、X ∈ Φ であれば、結論は肯定的です。 F(x) = limsup f_n (x), H(x) = liminf f_n (x) とおくと、f_n が可測だから、F, H も可測になります( 296)。 したがって、M = { x ∈ X | F(x)>H(x) } も可測になり、lim f_n (x) も可測になります( 275)。 ここで完備性は使っていません。 364 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 20 23 02 362 御回答、有難うございます。 しばらくこの件について考えさせてください。 365 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 20 23 59 363 たびたびスミマセン。補足です。 363 の M は、X ∈ Φ を仮定しなくても、可測になります。 なぜなら、S(f_n) = {x ∈ X | f_n (x) ≠ 0}, S = ∪ S(f_n) (合併は、n についてとる) とおくと、S ∈ Φ で、M = M ∩ S となり、 275 より、M ∩ S ∈ Φ です。 非常に微妙ですね。 366 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 21 30 19 念のため、混乱防止柵を設けて起きます。 (f_n) を、X から R~ への写像族とします。 f_n (x) がほとんどいたるところの x について収束する というとき、ある零集合 N ∈ Φ の外側の x ∈ X については、 f_n (x) が収束する。 x ∈ N については、 f_n (x) は収束するかもしれないし、 収束しないかもしれない。 一方、f_n (x) が収束しない x の全体を M とおくと、 M ⊆ N だが、f_n についての可測性の仮定の無い状態では、 M ≠ N かもしれない。 しかし、各 f_n が可測のとき、 363, 365 で見たように、 M 自身が零集合になる。 367 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 00 44 18 366 有難うございます。 大変、勉強になりました。 なお、蛇足かもしれませんが次の補題を書いておきます。 g_n を M で 0, X - M で f_n と一致する関数とすれば、 g_n は、この補題により可測になります。 lim f_n を 351 のように定義すれば、 lim g_n = lim f_n となり、lim f_n は可測になります。 補題 (X, Φ) を可測空間とし、f X → [-∞, +∞] を可測関数とする。 A ∈ Φ とし、写像 g X → [-∞, +∞] を次のように定義する。 x ∈ A のとき g(x) = 0 x ∈ X - A のとき g(x) = f(x) このとき g は可測である。 証明 S(g) ⊂ X - A だから、S(g) = S(f) - A ∈ Φ U を [-∞, +∞] の開集合とする。 S(g) 上では f = g だから、 S(g) ∩ {x ; g^(-1)(U) } = S(g) ∩ {x ; f^(-1)(U)} 273 より、この右辺は可測である。 よって、 213 より g は可測である。 証明終 368 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 00 49 37 訂正 367 S(g) ∩ {x ; g^(-1)(U) } = S(g) ∩ {x ; f^(-1)(U)} S(g) ∩ g^(-1)(U) = S(g) ∩ f^(-1)(U) 369 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10 18 49 定義 X を集合、A をその部分集合とする。 A の特性関数を χ_A と書く。 即ち、 x ∈ A のとき χ_A(x) = 1 x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 1 370 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10 24 08 補題 X を集合とする。 M と N を部分集合、a, b を有限実数とする。 このとき、次の等式が成り立つ。 aχ_M + bχ_N = aχ_(M - N) + (a + b)χ_(M ∩ N) + bχ_(N - M) (aχ_M)(bχ_N) = abχ_(M ∩ N) 証明 自明である。 371 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10 37 43 定義 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 Σ(a_i)χ_(M_i) の形の関数を R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数または Φ-単関数 と言う。 ここで、a_i は有限実数、M_i ∈ Φ で Σ(a_i)χ_(M_i) は有限和である。 372 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10 52 44 命題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数( 371)全体 E(Φ) は 和と積とスカラー倍に関して閉じている。 即ち、R 上の(必ずしも単位元もつとは限らない)代数である。 証明 明らかに、E(Φ) は和とスカラー倍に関して閉じている。 Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Φ) Σ(b_j)χ_(N_j) ∈ E(Φ) とする。 370 より (Σ(a_i)χ_(M_i))(Σ(b_j)χ_(N_j)) = Σ(a_i)(b_j)χ_(M_i)χ_(N_j) = Σ(a_i)(b_j)χ_(M_i ∩ N_j) ∈ E(Φ) 証明終 373 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11 23 34 補題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の任意の単関数( 371) は M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、 Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。 証明 370 より、M と N を部分集合、a, b を有限実数とすると、 aχ_M + bχ_N = aχ_(M - N) + (a + b)χ_(M ∩ N) + bχ_(N - M) これから明らかである。 374 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11 39 51 命題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の任意の単関数( 371) f は M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、 f = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と一意に書ける。 ここで、a_i ≠ 0 で、i ≠ j なら a_i ≠ a_j である。 証明 M と N を Φ の集合で交わらないなら χ_(M ∪ N) = χ_M + χ_N である。 よって、任意の a ∈ R に対して、 aχ_M + aχ_N = aχ_(M ∪ N) となり、M ∪ N ∈ Φ である。 よって、命題のように、f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書けることは、 373 より明らかである。 f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} で M_i = f^(-1)(a_i) であるから一意性も明らかである。 証明終 375 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11 45 11 (X, Φ) を可測空間( 211)とする。 f を X 上の有限な単関数( 298)とする。 300 と 374 より、f が可測であることと、 f が R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数( 371)であることは 同値である。 タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時42分37秒 代数的整数論 007 (451-510) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/451-510 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/451-510 451 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 42 02 422 を次のように修正する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。 357 より、f の E 上への制限 f|E は E において可測( 356)である。 E ∩ S(f) の測度は σ-有限( 448) とする。 ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } E ∈ Φ|E であるから、 449 より ∫[E] f|E d(μ|E) が定義出来る。 ∫[E] f|E d(μ|E) を ∫[E] f dμ と書き、 f の E における(μ に関する)積分と言う。 ∫[E] f dμ < +∞ のとき f を E において積分可能 または可積分と言う。 E ∩ S(f) の測度が σ-有限( 448) でないときは、 ∫[E] f dμ は定義しない。 452 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 45 21 439 を次のように修正する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317) とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測で、 S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度は σ-有限( 448) とする。 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 S(f) の測度が σ-有限( 448) でないときは ∫[X] f dμ は定義しない。 453 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 56 40 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 A ∈ Φ とし、μ(A) < +∞ とする。 このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。 証明 433 より ∫[E] 1 dμ = ∫[X] χ_E dμ である。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 χ_E ∈ E(Ψ) ( 377) であるから ∫[X] χ_E dμ = μ(E) 証明終 454 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 58 27 訂正 453 A ∈ Φ とし、μ(A) < +∞ とする。 E ∈ Φ とし、μ(E) < +∞ とする。 455 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19 34 34 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 E ∈ Φ とし、E の測度は σ-有限( 448) とする。 このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。 証明 E の測度は σ-有限だから、 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で E ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがある。 E_1 = E ∩ A_1 E_2 = E ∩ (A_2 - A_1) n ≧ 2 のとき、 E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))) とおく。 E = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。 ψ_n = χ_(E_1) + . . . + χ_(E_n) とおく。 ψ_1 ≦ ψ_2 ≦ . . . ≦ χ_(E) である。 μ(E) = Σμ(E_n) だから n → ∞ のとき ∫[E] ψ_n dμ → μ(E) である。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s ∈ E(Ψ) ( 377) で、0 ≦ s ≦ χ_(E) のとき 容易にわかるように s ≦ ψ_n となる n がある。 よって ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。 証明終 456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19 48 05 補題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . があり、 各 A_n の測度は σ-有限( 448) とする。 A = ∪A_n の測度は σ-有限である。 証明 各 A_n に対して、Φ の集合の列 (B_(n, m)), m = 1, 2, . . . で A_n ⊂ ∪B_(n, m) となり、各 μ(B_(n, m)) < +∞ となるものがある。 A = ∪A_n ⊂ ∪∪B_(n, m) よって、A の測度は σ-有限である。 証明終 457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19 58 21 補題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞ (2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) (3) 各 n に対して S(f_n) の測度は σ-有限( 448) である。 このとき、f は可測であり、S(f) の測度は σ-有限( 448) である。 証明 f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、 295 より f は 可測である。 (1) より、f_n(x) ≠ 0 なら f(x) ≠ 0 である。 よって、∪S(f_n) ⊂ S(f) である。 全ての n で f_n(x) = 0 なら (2) より、f(x) = 0 である。 よって、S(f) = ∪S(f_n) である。 (3) と 456 より S(f) の測度は σ-有限( 448) である。 証明終 458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 20 04 29 435 と 445 は次の条件が必要である。 (3) 各 n に対して S(f_n) の測度は σ-有限( 448) である。 これから 457 より S(f) の測度は σ-有限( 448) となり、 ∫[X] f_n dμ と ∫[X] f dμ が定義される。 459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 20 11 36 447 そうでないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。 結局、これと少し違う定義になりました。 460 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 21 15 43 補題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s を X から [0, +∞) に値をとる可測な単関数( 298)とする。 ∫[X] s dμ < +∞ なら s ∈ E(Ψ) ( 377) である。 証明 ∫[X] s dμ < +∞ であるから、 452 より S(s) は σ-有限( 448) である。 s ∈ E(Ψ) ( 377) でないとする。 0 < a < +∞ となる実数 a があり、μ(s^(-1)(a)) = +∞ となる。 E = s^(-1)(a) とおく。 a(χ_E) ≦ s である。 441 より ∫[X] a(χ_E) dμ ≦ ∫[X] s dμ < +∞ 442 より ∫[X] a(χ_E) dμ = a∫[X] χ_E dμ 433 より a∫[X] χ_E dμ = a∫[E] 1 dμ S(s) は σ-有限だから E も σ-有限である。 455 より a∫[E] 1 dμ= μ(E) である。 よって、μ(E) < +∞ これは矛盾である。 証明終 461 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 21 29 35 死ね 462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 22 35 33 補題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 s と t を X から [0, +∞) に値をとる可測な単関数( 298)で、 S(s) と S(t) がσ-有限( 448)とする。 ∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。 証明 S(s + t) = S(s) ∪ S(t) であるから、S(s + t) もσ-有限である。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s と t が E(Ψ) ( 377) に属すなら 440 から ∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。 s が E(Ψ) に属さないなら、 460 より ∫[X] s dμ = +∞ である。 μ(S(s)) > +∞ だから μ(S(s + t)) > +∞ である。 よって、s + t も E(Ψ) に属さない。 460 より ∫[X] (s + t) dμ = +∞ である。 よって、∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。 t が E(Ψ) に属さない場合も同様である。 証明終 463 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 22 40 23 455 Kummer さん、こんばんは。 もうお休みになられたかもしれませんが、質問です。 下から 3行目の、 >容易にわかるように s ≦ ψ_n となる n がある。 と言う部分ですが、ここがよくわからないのです。 なぜなら、例えば、E 自身が μ(E)<∞ のときは、 s = χ_E と取ると、s ≦ ψ_n なる n は見つかりません。 μ(E) = ∞ の場合の反例も、 X = R, Φ を R 上のボレル集合体, μ をルベーグ測度とするとき、 E = R , A_n = { x ∈ R ; |x|<n } s として、次の集合 F の特性関数を取れば得られます: F_n = [n, n + 1/(2^n)] (n=1,2, ...) F = ∪ { F_n ; n = 1, 2, ... } (ただし、 [a, b] で、a と b を端点とする閉区間をあらわすものとします。 μ(F) = 2 だから、χ_F ∈ E(Ψ) となります) F は非有界で、A_n は有界だから、χ_F ≦ ψ_n とはなりません。 464 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 22 56 31 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を可測関数で、0 ≦ f, g とし、 S(f) と S(g) が σ-有限( 448)とする。 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ 証明 304 より、次のような可測な単関数の列 (s_n), (t_n) がある。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x) 3) 0 ≦ t_1 ≦ t_2 ≦ . . . ≦ g 4) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき t_n(x) → g(x) S(s_n) ⊂ S(f), S(t_n) ⊂ S(g) だから S(s_n) と S(t_n) も σ-有限である。 445 より、 n → ∞ のとき ∫[X] s_n dμ → ∫[X] f dμ n → ∞ のとき ∫[X] t_n dμ → ∫[X] g dμ 0 ≦ s_1 + t_1 ≦ s_2 + t_2 ≦ . . . ≦ f + g n → ∞ のとき s_n(x) + t_n(x) → f(x) + g(x) S(f + g) = S(f) ∪ S(g) であるから、S(f + g) もσ-有限である。 S(s_n + t_n) = S(s_n) ∪ S(t_n) であるから、S(s_n + t_n) も σ-有限である。 445 より、n → ∞ のとき ∫[X] (s_n + t_n) dμ → ∫[X] (f + g) dμ 462 より ∫[X] (s_n + t_n) dμ = ∫[X] s_n dμ + ∫[X] t_n dμ だから よって、 n → ∞ のとき ∫[X] (s_n + t_n) dμ → ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ よって、∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ 証明終 465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23 19 50 463 そうですね、勘違いしてました。 有難うございます。 455 は Lebesgue の単調収束定理を使うんでしょうね。 初めそのつもりだったんですが大定理を使うまでもないと 思い直したのが間違いでした。 466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23 43 42 465 Lebesgue の単調収束定理は使わなくても出来そうです。 467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23 46 12 455 を次のように修正する。 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 E ∈ Φ とし、E の測度は σ-有限( 448) とする。 このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。 証明 μ(E) < +∞ のときは 453 で証明済みである。 よって、μ(E) = +∞ のとき ∫[E] 1 dμ = +∞ を示せばよい。 E の測度は σ-有限だから、 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で E ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがある。 E_1 = E ∩ A_1 E_2 = E ∩ (A_2 - A_1) n ≧ 2 のとき、 E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))) とおく。 E = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。 ψ_n = χ_(E_1) + . . . + χ_(E_n) とおく。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 ψ_n ∈ E(Ψ) ( 377) で、0 ≦ ψ_n ≦ χ_(E) 従って、∫[E] ψ_n dμ ≦ ∫[E] χ_(E) dμ ∫[E] ψ_n dμ = μ(E_1) + . . . + μ(E_n) だから、 μ(E_1) + . . . + μ(E_n) ≦ ∫[E] χ_(E) dμ n → ∞ として、μ(E) = +∞ ≦ ∫[E] χ_(E) dμ よって、∫[E] 1 dμ = ∫[E] χ_(E) dμ = +∞ 証明終 468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 00 07 12 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 f が積分可能( 452)なら、E(Ψ) ( 377) に属す単関数の列 (s_n) で 次のようなものが存在する。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x) 証明 304 より、次のような可測な単関数の列 (s_n) がある。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x) 441 より、∫[X] s_n dμ ≦ ∫[X] f dμ < +∞ 460 より、s_n ∈ E(Ψ) ( 377) である。 証明終 469 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 00 18 45 465-477 ご回答、有難うございます。 非常に参考になりました。 470 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 00 20 09 469 すみません。アンカーミスです。 × 465-477 ○ 465-467 471 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 01 15 54 ぼくはくま Kummer Kummer Kummer けんかはやだよ Kummer Kummer Kummer ∩___∩ ∩___∩ |ノ ヽ |ノ ヽ / (゚) (゚) | / (゚) (゚) | | ( _●_) ミ | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、` ̄ ̄ヽ /彡、 |∪| ミ / __ ヽノ Y ̄) | ( (/ ヽノ_ | (___) Y_ノ ヽ/ (___ノ \ | | / | /\ \ / /\ | | / ) ) ( ( ヽ | ∪ ( \ / ) ∪ \_) (_/ ∩___∩ (ヽ | ノ ヽ /) (((i ) / (゜) (゜) | ( i))) ライバルは /∠彡 ( _●_) |_ゝ \ ( ___、 |∪| ,__ ) | ヽノ /´ | / ,.、,、,..,、、.,、,、、..,_ /i ; `;、、 、. . 、 , ,. `゙ . ゙ ` , .´ -‐i 、; ... , . .、. ,. . _;.;;..; ..‐ 472 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 01 26 39 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [-∞, +∞] を可測関数とする。 S(f) の測度はσ-有限( 448)とする。 f^(+) = sup{f, 0} f^(-) = sup{-f, 0} と書く。 295 より、f^(+) と f^(-) も可測である。 f = f^(+) - f^(-) である。 ∫[X] f^(+) dμ と ∫[X] f^(-) dμ の少なくともどちらか一方が 有限、即ち積分可能なとき、f の積分を ∫[X] f dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ で定義する。 このとき、f の積分が定義されると言う。 ∫[X] f dμ が有限のとき f は積分可能または可積分と言う。 f ≧ 0 のときは、f^(+) = f, f^(-) = 0 だから ∫[X] f dμ は 452 の定義と同じである。 E ∈ Φ のとき ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ も同様に定義する。 473 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 02 16 11 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を積分可能( 472)な関数で、f ≦ g とする。 ∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明 f^(+) ≦ g^(+) g^(-) ≦ f^(-) だから 441 より、 ∫[X] f^(+) dμ ≦ ∫[X] g^(+) dμ ∫[X] g^(-) dμ ≦ ∫[X] f^(-) dμ よって、 ∫[X] f^(+) dμ-∫[X] f^(-) dμ≦∫[X] g^(+) dμ-∫[X] g^(-) dμ 即ち ∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明終 474 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 10 19 55 442 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 c ≠ 0 を有限実数とすると、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明 c > 0 のとき、 (cf)^(+) = cf^(+) (cf)^(-) = cf^(-) 442 より、 ∫[X] cf dμ = ∫[X] (cf)^(+) dμ - ∫[X] (cf)^(-) dμ = c∫[X] f^(+) dμ - c∫[X] f^(-) dμ = c∫[X] f dμ c < 0 のとき、 (cf)^(+) = -cf^(-) (cf)^(-) = -cf^(+) ∫[X] cf dμ = ∫[X] (cf)^(+) dμ - ∫[X] (cf)^(-) dμ = -c∫[X] f^(-) dμ + c∫[X] f^(+) dμ = c(∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ) = c∫[X] f dμ 証明終 475 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 10 52 50 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ に対して、 ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ 証明 433 とほとんど同じだが一応述べる。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ (χ_E)s ≦ (χ_E)f だから 441 より、 ∫[X] (χ_E)s dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ 明らかに ∫[X] (χ_E)s dμ = ∫[E] s dμ だから、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ 逆に、0 ≦ s ≦ (χ_E)f となる s ∈ E(Ψ) ( 377) に対して、 0 ≦ s ≦ f だから、 ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ よって、 ∫[X] (χ_E)f dμ ≦ ∫[E] f dμ 証明終 476 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11 17 14 475 では 0(+∞) = 0 を暗黙に使ってますね。 何故なら、その規約がないと E の外で f(x) = +∞ となる x で (χ_E)f が定義出来ないからです。 どうやら積分論では、0(+∞) = 0, 0(-∞) = 0 の規約を 取り入れたほうがよさそうです。 積分論では、ほとんど至る所同じ関数は同じと見なせるので、 この規約がなくてもやろうと思えばやれますが。 しかし、今後、この規約を使うことにします。 477 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11 23 03 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 ∫[X] f dμ = ∫[S(f)] f dμ ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } である。 証明 215 より S(f) ∈ Φ だから、 475 より、 ∫[S(f)] f dμ = ∫[X] (χ_S(f)) f dμ (χ_S(f)) f = f であるから、 ∫[S(f)] f dμ = ∫[X] f dμ 証明終 478 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11 29 02 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 ∫[X] f dμ = ∫[S(f)] f dμ ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } である。 証明 積分の定義( 472)と 477 より、 ∫[X] f dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ = ∫[S(f)] f^(+) dμ - ∫[S(f)] f^(-) dμ = ∫[S(f)] f dμ 証明終 479 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11 54 41 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 A と B を可測集合で交わらないとする。 E = A ∪ B とおく。 ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 428 より、0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 ∫[E] s dμ = ∫[A] s dμ + ∫[B] s dμ よって、 ∫[E] s dμ ≦ ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 左辺の sup を取って、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 一方、 ∫[A] s dμ + ∫[B] s dμ = ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ 左辺の sup を取って、 ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ ≦ ∫[E] f dμ 以上から ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明終 480 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 12 15 36 19 名前 サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日 2007/09/02(日) 14 03 04 king久しぶり 21 名前 1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日 2007/09/02(日) 18 35 52 Reply 19 旅行でも行くか? 27 名前 サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日 2007/09/02(日) 20 23 46 21 いつ?どこに行くの?楽しみ~ 29 名前 1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日 2007/09/02(日) 21 48 08 Reply 25 お前は誰に何を吹き込まれた? Reply 26 形而上の概念をどう説明するのか? Reply 27 温泉。 31 名前 サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日 2007/09/02(日) 23 42 50 29 ナントカ温泉春奈に行くの? またking車出してよ 笑 33 名前 1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日 2007/09/03(月) 00 25 40 Reply 31 あいにく、車を作る技術は持っていない。火おこしならできそうだ。 481 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12 17 05 訂正 475 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 f X → [0, +∞] を可測関数で S(f) が σ-有限であるとする。 482 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12 17 46 訂正 477 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 f X → [0, +∞] を可測関数で S(f) が σ-有限であるとする。 483 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12 21 32 訂正 479 ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ ∫[A] f dμ と ∫[B] f dμ がそれぞれ定義されるなら、 即ち、A ∩ S(f) と B ∩ S(f) がそれぞれ σ-有限なら、 E ∩ S(f) も σ-有限になり、 ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ となる。 484 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12 32 54 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 A と B を交わらない可測集合とする。 f が A と B のそれぞれで積分可能なら f は E = A ∪ B でも積分可能であり、 ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明 積分の定義( 472)と 479 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = ∫[A] f^(+) dμ + ∫[B] f^(+) dμ - ∫[A] f^(-) dμ - ∫[B] f^(-) dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明終 485 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 07 35 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 f は任意の E ∈ Φ で積分可能である。 証明 444 より、f^(+) と f^(-) はそれぞれ任意の E ∈ Φ で 積分可能である。 よって、f は任意の E ∈ Φ で積分可能である。 証明終 486 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 24 12 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 A = {x ∈ X | f(x) = +∞ } とおく。 A ∈ Φ であり、μ(A) = 0 である。 証明 236 より A ∈ Φ である。 g = f^(+) = sup(f, 0) とおく。 E = {x ∈ X | g(x) ≠ 0 } とおく。 215 より E ∈ Φ である。 g は積分可能だから E は σ-有限( 448) である。 E = (E - A) ∪ A である。 485 より g は E - A ∈ Φ と A で積分可能である。 よって、 484 より、 ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[B] g dμ ≧ ∫[A] g dμ 任意の有限実数 α > 0 に対して、A 上で g > α である。 473 より、∫[A] g dμ ≧ ∫[A] α dμ 474 より、∫[A] α dμ = α∫[A] 1 dμ 467 より、α∫[A] 1 dμ = αμ(A) である。 以上から、 ∫[E] g dμ ≧ αμ(A) ∫[E] g dμ は有限だから μ(A) = 0 でなければならない。 証明終 487 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 27 52 486 の証明は意外に面倒である。 というより、積分の基本的性質の証明はかなり面倒である。 488 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 29 43 訂正 486 ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[B] g dμ ≧ ∫[A] g dμ ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[E - A] g dμ ≧ ∫[A] g dμ 489 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 32 20 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 B = {x ∈ X | f(x) = -∞ } とおく。 B ∈ Φ であり、μ(B) = 0 である。 証明 486 の証明において、g = f^(+) のかわりに h = f^(-) を使えば よい。 490 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 44 45 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、 ∫[E] f dμ = 0 証明 432 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = 0 証明終 491 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13 59 13 490 を次のように拡張する。 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測な関数とする。 E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、f は E で積分可能で、 ∫[E] f dμ = 0 証明 E ∩ S(f) は測度有限だから当然 σ-有限である。 従って、∫[E] f^(+) dμ と ∫[E] f^(-) dμ が定義され、 432 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = 0 証明終 492 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 14 06 32 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を可測関数でほとんど至る所( 350) f = g とする。 f が積分可能( 472)なら g も積分可能であり、 ∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ である。 証明 N ∈ Φ で μ(N) = 0 となるものがあり、N の外で f = g である。 E = S(f) ∪ S(g) とおく。 (χ_E)f = f だから 475 より ∫[X] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ = ∫[E] f dμ 485 と 484 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E - N] f dμ + ∫[N] f dμ 490 より ∫[N] f dμ = 0 よって、∫[E] f dμ = ∫[E - N] f dμ = ∫[E - N] g dμ 491 より、∫[N] g dμ = 0 である。 よって 484 より g は E で積分可能で ∫[E] g dμ = ∫[E - N] g dμ + ∫[N] g dμ = ∫[E - N] g dμ よって、 ∫[E] f dμ = ∫[E] g dμ (χ_E)g = g だから 475 より ∫[X] g dμ = ∫[X] (χ_E)g dμ = ∫[E] g dμ よって ∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ 証明終 493 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 14 12 07 486 と 489 と 492 より、積分可能な関数は、 (その積分を考える限り) 有限な値のみをとると仮定してよい。 494 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 15 10 39 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を X 上の積分可能( 472)な有限な値のみをとる関数( 493) とする。 f + g も積分可能であり、 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ である。 証明 S(f + g) ⊂ S(f) ∪ S(g) である。 E = S(f) ∪ S(g) とおく。 ∫[X] f dμ = ∫[E] f dμ である。 ∫[X] g dμ = ∫[E] g dμ である。 f + g が積分可能なら、 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[E] (f + g) dμ である。 よって、 ∫[E] (f + g) dμ = ∫[E] f dμ + ∫[E] g dμ を証明すればよい。 E を f, g, f + g の正負によって6個の集合に分割する。 即ち、 A = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) ≧ 0 } B = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) ≧ 0 } C = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) < 0 } D = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) ≧ 0 } E = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) < 0 } F = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) < 0 } E = A ∪ . . . ∪ F である。 (続く) 495 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 15 11 32 494 の続き。 484, 485 より ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + . . . + ∫[F] f dμ ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + . . . + ∫[F] g dμ よって、 A, B , . . , F の各部分で ∫ (f + g) dμ = ∫ f dμ + ∫ g dμ を証明すればよい。 464 より A と F では明らかである。 B では、f ≧ 0, -g ≧ 0, f + g ≧ 0 である。 f = (f + g) + (-g) だから ∫[B] f dμ = ∫[B] (f + g) dμ - ∫[B] g dμ よって ∫[B] (f + g) dμ = ∫[B] f dμ + ∫[B] g dμ 他の部分でも同様である。 証明終 496 :1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/09/03(月) 17 09 35 Reply 480 お前は何をたくらんでいる? 497 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 17 11 11 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を積分可能( 472)な関数とする。 c を有限実数とすると、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明 c ≠ 0 の場合は、 474 で証明されている。 c = 0 のときは 476 の規約 0(+∞) = 0, 0(-∞) = 0 より cf = 0 よって、 431 より ∫[X] cf dμ = 0 勿論、c∫[X] f dμ = 0 であるから、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明終 498 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 17 16 39 480 どこのスレよ 499 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 17 37 34 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限( 448) である。 f(x) = Σf_n(x) とおく。 このとき、S(f) の測度は σ-有限( 448)であり、 ∫[X] f dμ = Σ∫[X] f_n dμ 証明 g_n = f_0 + . . . + f_n とおく。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x) 456 より S(g_n) の測度は σ-有限であり、 457 より S(f) の測度は σ-有限( 448) である。 よって、Lebesgue の単調収束定理( 445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ 464 より、 Σ∫[X] g_n dμ = ∫[X] f_0 dμ + . . . + ∫[X] f_n dμ よって、 ∫[X] f dμ = Σ∫[X] f_n dμ 証明終 500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 18 39 13 命題(Fatou の補題) (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限( 448)である。 f = lim inf f_n とおく( 289)。 295 と 296 より f は可測である。 このとき、S(f) の測度は σ-有限であり、 ∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 即ち、∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明 g_n = inf{f_0, . . . , f_n} とおく。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x) f_0(x) = 0 なら、g_n(x) = 0 である。 よって、S(g_n) ⊂ S(f_0) よって、S(g_n) の測度は σ-有限である。 457 より S(f) の測度は σ-有限である。 よって、Lebesgue の単調収束定理( 445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ 一方、各 n に対して、g_n ≦ f_n だから 441 より、 ∫[X] g_n dμ ≦ ∫[X] f_n dμ 両辺の lim inf をとれば、 lim ∫[X] g_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ よって、∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明終 501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 19 08 15 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数で、 S(f) の測度は σ-有限( 448)とする。 E に ∫[E] f dμ を対応させる写像 ψ Φ → [0, +∞] は 可測空間 (X, Φ) における測度である。 証明 E_0, E_1, . . . を互いに交わらない Φ の集合の列とする。 E = ∪E_n とおく。 f_n = χ_(E_n)f とし、 g_n = f_0 + . . . + f_n とする。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において、十分大きな n に対して g_n(x) = f(x) よって Lebesgue の単調収束定理( 445) より、 n → ∞ のとき ∫[E] g_n dμ → ∫[E] f dμ 464 より、 Σ∫[E] g_n dμ = ∫[E] f_0 dμ + . . . + ∫[E] f_n dμ = ∫[E_0] f dμ + . . . + ∫[E_n] f dμ よって、 ∫[E] f dμ = Σ∫[E_n] f dμ 即ち、ψ(E) = Σψ(E_n) E が空集合のときは、μ(E) = 0 だから 491 より ψ(E) = 0 以上から ψ は測度である。 証明終 502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20 40 27 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 f と g を X から [0, +∞] への積分可能な関数とする。 501 より、E に ∫[E] f dμ を対応させる写像 ψ Φ → [0, +∞] は 可測空間 (X, Φ) における測度である。 このとき、S(g) の測度は ψ に関して σ-有限であり、 S(gf) の測度は μ に関して σ-有限であり、 ∫[X] g dψ = ∫[X] gf dμ である。 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E ∈ Ψ なら χ_E ∈ E(Ψ) ( 377) である。 ∫[X] χ_E dψ = ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ < +∞ である( 485)。 h = Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Ψ) とする。 ここで、a_i ≧ 0 は有限実数、M_i ∈ Φ で Σ(a_i)χ_(M_i) は有限和である。 ∫[X] h dψ = Σ(a_i)∫[X] χ_(M_i) dψ = Σ(a_i)∫[M_i] f dμ = Σ(a_i)∫[X] (χ_(M_i))f dμ = ∫[X] Σ(a_i)(χ_(M_i))f dμ = ∫[X] hf dμ < +∞ (続く) 503 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 20 43 15 500 Kummer さん、こんばんは。 さて、ちょっとしたミスの指摘です: >g_n = inf{f_0, . . . , f_n} とおく。 とありますが、lim g_n = liminf f_n とする以上、g_n = inf { f_m ; m ≧ n } ではありませんか? 少なくともそうでないと、g_0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦・・・ は一般には成り立ちませんが・・。 あとは、S(g_n) ⊆ S(f_n), g_n ≦ f_n から、証明は、そのまま通用します。 504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20 45 04 502 の続き。 ∫[X] g dμ < +∞ だから、 468 より、 E(Ψ) に属す単関数の列 (s_n) で次のようなものが存在する。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ g 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → g(x) 502 の最後より、∫[X] s_n dψ < +∞ に注意する。 Lebesgue の単調収束定理( 445)より、 n → ∞ のとき、∫[X] s_n dψ → ∫[X] g dψ 502 の最後より、∫[X] s_n dψ = ∫[X] (s_n)f dμ だから n → ∞ のとき、∫[X] (s_n)f dμ → ∫[X] g dψ 一方、 0 ≦ (s_0)f ≦ (s_1)f ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき s_n(x)f(x) → g(x)f(x) S((s_n)f) の測度は μ に関して有限である。 よって、Lebesgue の単調収束定理( 445)より、 n → ∞ のとき、∫[X] (s_n)f dμ → ∫[X] gf dμ 即ち、∫[X] g dψ = ∫[X] gf dμ 証明終 505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20 54 09 503 そうですね(汗)。 有難うございます。 506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20 57 52 500 の修正。 命題(Fatou の補題) (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限( 448)である。 f = lim inf f_n とおく( 289)。 295 と 296 より f は可測である。 このとき、S(f) の測度は σ-有限であり、 ∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 即ち、∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明 g_n = inf{f_n, f_(n+1), . . .} とおく。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x) 各 n に対して、0 ≦ g_n ≦ f_n だから f_n(x) = 0 なら、g_n(x) = 0 である。 よって、S(g_n) ⊂ S(f_n) よって、S(g_n) の測度は σ-有限である。 457 より S(f) の測度は σ-有限である。 よって、Lebesgue の単調収束定理( 445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ 一方、各 n に対して、g_n ≦ f_n だから 441 より、 ∫[X] g_n dμ ≦ ∫[X] f_n dμ 両辺の lim inf をとれば、 lim ∫[X] g_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ よって、∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明終 507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23 05 37 次の命題はまだ証明していなかった( 310 の関数は値域が有限である)。 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f と g を X から [0, +∞] への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、f + g も可測である。 証明 304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数( 298) f_n と g_n が存在する。 1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 3) 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g 4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) よって、n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x) である。 307 より、f_n(x) + g_n(x) は可測である。 f + g = lim sup(f_n + g_n) である( 289)から 295, 296 より f + g は可測である。 証明終 508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23 09 54 次の命題もまだ証明していなかった( 315 の関数は値域が有限である)。 命題 (X, Φ) を可測空間( 211)とし、 f と g を X から [0, +∞] への写像とする。 f と g が可測( 213)なら、 fg も可測である。 証明 304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数( 298) f_n と g_n が存在する。 1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) 3) 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g 4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) よって、 n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x) である。 314 より、(f_n)(g_n) は可測である。 fg = lim sup(f_n)(g_n) である( 289)から 295, 296 より fg は可測である。 証明終 509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23 22 38 508 の証明は間違っているので没。 n → ∞ のとき f_n(x) → +∞ n → ∞ のとき g_n(x) → 0 の場合、f_n(x)g_n(x) → 0 となるとは限らない。 510 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 23 30 34 509 おじゃましまーす。 508 , 大丈夫じゃないですか? なぜなら、規約 0・(+∞) = 0 を使えば、 g_n(x) → 0 とは、g_n(x) の単調性より 0 ≦ g_1(x) = g_2(x) = ... = g_n(x) = 0, かつ g(x) = 0 を意味しているのだから、 常に f_n(x) g_n(x) = 0 , 且つ f(x) g(x) = 0 ですよね? タグ: コメント
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最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時33分55秒 代数的整数論 007 (376-450) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/376-450 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/376-450 376 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 12 57 40 補題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 M_1, . . ., M_n を Φ の任意の有限な集合列とする。 このとき、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、 任意の M_i はいくつかの N_j の合併となる。 証明 n に関する帰納法を使う。 n = 1 のときは明らかである。 n (n ≧ 1)のとき補題が成り立つと仮定する。 n + 1 のとき補題が成り立つことを証明すればよい。 M_(n+1) ∩ N_i (1 ≦ i ≦ m) の中で N_1, . . ., N_m と異なるものがあれば、 それら全てを、N_(m+1), . . ., N_(m+k) とする。 N_(m+k+1) = M_(n+1) - (N_1 ∪. . .∪ N_m) とおく。 N_(m+k+1) は空集合かもしれないが、それはそれでよい。 N_1, . . ., N_(m+k+1) は互いに交わらない Φ の集合列である。 M_(n+1) = ∪N_i, (m+1 ≦ i ≦ m+k+1) である。 従って、N_1, . . ., N_(m+k+1) は補題の条件を満たす。 証明終 377 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13 04 59 定義 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数( 371)全体を E(Φ) と書く。 378 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13 16 46 命題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 M を X の部分集合とする。 χ_M ∈ E(Φ) なら M ∈ Φ である。 証明 374 より、 M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、 χ_M = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と書ける。 ここで、a_i ≠ 0 で、i ≠ j なら a_i ≠ a_j である。 従って、n = 1, a_1 = 1 であり、M = M_1 ∈ Φ である。 証明終 379 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13 24 24 定義 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 Φ 上で定義され R = (-∞, +∞) に値をとる関数 λ は Φ に属し、交わらない M, N に対して常に λ(M ∪ N) = λ(M) + λ(N) となるとき、有限加法的と言う。 380 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13 51 57 命題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 λ Φ → R = (-∞, +∞) を有限加法的( 379)な関数とすると、 E(Φ) ( 377) から R への R 上の線形写像 ψ で 任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = λ(M) となるものが 一意に存在する。 証明 371 より、E(Φ) の任意の元 f は f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。 ここで、a_i は有限実数、M_i ∈ Φ である。 ψ が存在するなら、ψ(f) = Σ(a_i)λ(M_i) である。 これで、ψ の一意性が証明された。 ψ の存在を言うには、 f = Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(b_j)χ_(N_j) と2通りの表現に対して、 Σ(a_i)λ(M_i) = Σ(b_j)λ(N_j) を示せばよい。 即ち、Σ(c_i)χ_(M_i) = 0 のとき Σ(c_i)λ(M_i) = 0 を 証明すればよい。 376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、 各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。 よって、χ_(M_i) = Σa_(i,j)χ_(N_j) と書ける。 ここで、a_(i,j) は 0 または 1 である。 よって、Σ(Σ(c_i)a_(i,j))χ_(N_j) = 0 ここで、Σ(c_i)a_(i,j) は i を変化させた和である。 よって、各 j に対して、Σ(c_i)a_(i,j) = 0 λ の有限加法性より、λ(M_i) = Σa_(i,j)λ(N_j) よって、Σ(c_i)λ(M_i) = Σ(Σ(c_i)a_(i,j))λ(N_j) = 0 証明終 381 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 14 21 31 定義 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数( 371)全体を E(Φ) と書 E(Φ)+ = { f ∈ E(Φ) | 任意の x ∈ X に対して f(x) ≧ 0 } と書く。 382 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 14 31 11 補題 X を集合とし、Φ をその上の集合環( 189)とする。 E(Φ)+ ( 381) の任意の元 f は f = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と書ける。 ここで、M_1, . . . , M_n は互いに交わらない Φ に属す集合であり、 各 a_i は有限実数で、a_i ≧ 0 である。 証明 373 より明らかである。 383 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 15 25 39 補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) - (C - D) = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B)) 証明 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式と分配法則より、 (A - B) - (C - D) = (A - B) ∩ (C - D)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C^c ∪ D) = (A ∩ B^c ∩ C^c) ∪ (A ∩ B^c ∩ D) = (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ (A ∩ (D - B)) = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B)) 証明終 384 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 15 36 43 383 Kummer さん、こんにちは。 (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ (A ∩ (D - B)) = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B)) とありますが、 A ∩ (D - B) = (A ∩ D) - B で、一方で、 A - (D - B) = A ∩ (D ∩ B^c)^c =A ∩ ( D^c ∪ B ) =(A ∩ D^c) ∪ (A ∩ B) となって、なんか、おかしくないですか? 385 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 15 50 50 384 はい、おかしいですね。 有難うございます。 何をやろうとしているかと言うと、 集合 X の有限個の部分集合全体で生成される集合環を決定しようと しています。 386 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16 00 04 訂正 369 x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 1 x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 0 387 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16 36 17 補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) ∩ (C - D) = (A ∩ C) - (B ∪ D) 証明 両辺の意味をそれぞれ考えてもわかるが、形式的に次のように 計算してもよい。 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式より、 (A - B) ∩ (C - D) = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c) = (A ∩ C) ∩ (B^c ∩ D^c) = (A ∩ C) ∩ (B ∪ D)^c = (A ∩ C) - (B ∪ D) 証明終 388 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16 38 32 補題 X を集合とする。 A, B を X の部分集合とすると、 A ∩ B = A - (A - B) 証明 自明である。 389 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16 45 04 補題 X を集合とする。 A_1, . . ., A_n B_1, . . ., B_m を X の部分集合からなる二つの有限列とする。 各 i (1 ≦ i ≦ n) に対して j を変化させたとき、 E_i = ∩(A_i - B_j) とおく。 ∪A_i - ∪B_j = ∪E_i である。 証明 C = ∪B_j とおく。 ∪A_i - ∪B_j = ∪(A_i - C) A_i - C = A_i - ∪B_j = ∩(A_i - B_j) = E_i よって、∪A_i - ∪B_j = ∪E_i 証明終 390 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 17 18 34 補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) - (C - D) = (A - (B ∪ C)) ∪ ((A ∩ D) - B)) 証明 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式と分配法則より、 (A - B) - (C - D) = (A - B) ∩ (C - D)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C^c ∪ D) = (A ∩ B^c ∩ C^c) ∪ (A ∩ B^c ∩ D) = (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ ((A ∩ D) - B)) = (A - (B ∪ C)) ∪ ((A ∩ D) - B)) 証明終 391 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 26 47 X を集合とする。 Ψ_0 = {A_1, . . ., A_n} を X の部分集合の有限集合とする。 Ψ_0 を含む最小の集合環( 189)を Ψ とする。 376 を Ψ に適用すると、 互いに交わらない X の部分集合 N_1, . . ., N_m ∈ Ψ があり、 任意の A_i はいくつかの N_j の合併となる。 いくつかの N_j の合併となる集合全体を Φ とする。 E, F ∈ Φ とする。 E ∪ F ∈ Φ は明らかである。 任意の i, j に対して、N_i - N_j は空集合か N_i である。 従って、 389 より E - F ∈ Φ である。 よって、Φ は集合環である。 Ψ_0 ⊂ Φ ⊂ Ψ だから Φ = Ψ である。 392 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 34 15 385 何をやろうとしているかと言うと、 集合 X の有限個の部分集合全体で生成される集合環を決定しようと しています。 387, 388, 390 はこのために用意したんですが、 391 により不要になりました。 393 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 18 40 08 392 なるほど。でも、そういう意味での「無駄」って、 どんな勉強にも不可欠では? 私も自分の勉強では、暗中模索が続いています。 それでは、続きを楽しみにしています。 394 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 47 36 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 373 より、E(Φ) ( 372) の任意の元 f は f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。 ここで、各 a_i は有限実数で、M_i ∈ Φ である。 i ≠ j のとき M_i と M_j は交わってもよいとする。 f = Σ(b_j)χ_(N_j) を別のこのような表現とする。 各 μ(M_i) と各 μ(N_j) が有限のとき、 Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(b_j)μ(N_j) となる。 証明 380 と同様にしても証明出来るが次のようにしてもいい。 i と j を変化させたときの M_i と N_j 全体で生成される 集合環( 189)を Ψ とする。 391 より、任意の E ∈ Ψ に対して μ(E) は有限である。 従って、μ の定義息を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を とる有限加法的( 379)な関数である。 従って、本命題の主張は 380 から直ちに得られる。 証明終 395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 56 37 393 そうですね、失敗も無駄になるとは限りません。 というか失敗を重ねてから正解に到達すると簡単に成功した場合より、 理解が深まるかも知れません。 396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18 58 26 394 従って、μ の定義息を 従って、μ の定義域を 397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19 34 58 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 Ψ は集合環( 189)である。 証明 空集合は Ψ に含まれるから、Ψ は空ではない。 A, B ∈ Ψ とする。 329 より、μ(A ∪ B) ≦ μ(A) + μ(B) < +∞ よって、A ∪ B ∈ Ψ A - B ⊂ A だから 321 より μ(A - B) ≦ μ(A) < +∞ よって、A - B ∈ Ψ 証明終 398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19 40 50 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 397 より Ψ は集合環( 189)である。 E(Ψ) ( 377) から R への R 上の線形写像 ψ で 任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。 証明 μ の定義域を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を とる有限加法的( 379)な関数である。 従って、本命題の主張は 380 から直ちに得られる。 証明終 399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19 48 07 394 は 398 から直ちに得られる。 実は、 391 は 394 を証明しようとして用意したんですが これも不要でしたね(苦笑)。 しかし、 391 はそれ自体面白いし、いづれ何かの役に立つかも しれません。 400 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 20 16 23 399 376 がキーになっていますね。 ところで、M_1,..., M_n に対応する N_1,..., N_m は、m = 2^n - 1 とできますよね? ブルバキの積分・第4章の、集合環に関する記述(§4, no.9 の補第1) によると、各 N_k は、次のようにして得られますから: いくつかの添え字に対しては、 P_i = M_i 残りの添え字に対しては、 P_i = X - M_i (少なくとも一つの添え字に対しては、P_i = M_i とする) として、N_k = ∩{ P_i ; 1 ≦ i ≦ n }. (既にご存知と思われますが。) こういう風に (N_j) を構成すれば、 族 (N_j) を「無限個」選択する必要に駆られたときに、 選択公理を使わずに済ませられます。 私には、これくらいの利点しか、思いつきませんが A^ ^;) 401 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 20 56 38 400 (既にご存知と思われますが。) はい。 376 の命題自体は Bourbaki から拝借しました。 証明は少し変えてますが。 380 も Bourbaki から拝借しました。 188 に書いたように、今後も Bourbaki は部分的に参考にする予定です。 402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 21 28 52 過去スレの総和可能族、一様空間、完備化、ノルム空間などの 一般論は、Bourbaki からほとんど借りています。 Bourbaki を見てくださいと言えば済むんでしょうが、手元にない読者も 多いでしょうから。それと私の勉強も兼ねてます。 ただし、このスレの測度論に関しては Bourbaki を参考にしている 部分は、今のところ少ないです。 後で局所コンパクト空間上の測度をやりますが、そこではもっと 参考にする頻度は高まるでしょう。 今の所、参考にしているのは、Bourbaki の他に Halmos, Rudin, 現代数学概説 II、伊藤清三などです。 403 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 21 48 38 Kummerおやすみー びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 404 :132人目の素数さん:2007/09/01(土) 23 08 47 ┏/ ゝヽ 人∧━∧从〈〈〈〈 ヽ.━┓。 ┏┓ ┏━━┓ < ゝ{ ⊂ ’ 、 〃Ν ; 〈⊃ }..ゝ ┃. ┏┓┏┓┏┓ ┏┛┗┓┃┏┓┃ ∇ | | ∩___∩ | | .〆 ,┃ / ┃┃┃┃┃┃ ┗┓┏┛┃┗┛┃┏━ ┠| | . | ノ ヽ.! ! ´; ┨゚━━┓┃┃┃┃┃┃ ┏┛┗┓┃┏┓┃┃。冫▽ヽ \/ ● ● | / ▽┃< ゚ ┃┃┃┃┃┃┃ ┗┓┏┛┗┛┃┃┗━ ┃ \ | ( _●_) ミ/ て く、 ━━┛┗┛┗┛┗┛ ┃┃ ┃┃ ┠─ムヽ 彡、 |∪| / .┼ ァ Ζ┨ ミo ’` ┏┓┏┓┏┓ ┗┛ ┗┛ 。、゚`。、 iヽ ヽノ / 、 ’ × 个o ┗┛┗┛┗┛ ○ .┃ `、,~´+√ ▽ ● ,!ヽ.◇ ; o┃ . ┗〆━┷ Z,. /┷━. o ヾo┷+\━┛,゛; 405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 00 48 16 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Y を X の部分集合とする。 260 より Φ|Y = { A ⊂ Y; A ∈ Φ} は σ-集合環( 197)である。 μ を Φ|Y に制限したものを μ|Y と書く。 (Y, Φ|Y, μ|Y) は測度空間になる。 406 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 00 51 18 おじさん仕事ないのー? びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_) 407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 00 55 48 398 を次のように修正する。 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 397 より Ψ は集合環( 189)である。 E(Ψ) ( 377) から R への R 上の線形写像 ψ で 任意の M ∈ Ψ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。 証明 μ の定義域を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を とる有限加法的( 379)な関数である。 従って、本命題の主張は 380 から直ちに得られる。 証明終 408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 01 18 49 定義 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。 Ψ|E = { A ∈ Φ|E | μ(A) < +∞ } とおく。 397 より Ψ|E は集合環( 189)である。 407 より、E(Ψ|E) ( 377) から R への R-線形写像 ψ_E で 任意の M ∈ Ψ|E に対して ψ_E(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) ( 377)の元とする。 (χ_E)s = Σ(a_i)(χ_E)χ_(M_i) = Σ(a_i)χ_(E ∩ M_i) ∈ E(Ψ|E) となる。 ψ_E((χ_E)s) = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i) を s の E における (μ に関する)積分と言い、∫[E] s dμ と書く。 409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 01 43 11 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 (1) E ∈ Φ に対して、∫[E] s dμ ( 408) は E(Ψ) ( 377) から R への R-線形写像である。 (2) s ≧ 0 なら ∫[E] s dμ ≧ 0 証明 (1) 408 の記号で、∫[E] s dμ = ψ_E((χ_E)s) である。 s → (χ_E)s は E(Ψ) から E(Ψ|E) への R-線形写像である。 ψ_E は、E(Ψ|E) ( 377) から R への R-線形写像 である。 よって、この二つの写像の合成写像である ∫[E] s dμ も R-線形写像である。 (2) 373 より、M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Ψ に属す集合とし、 s = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。 s ≧ 0 だから各 a_i ≧ 0 である。 よって、∫[E] s dμ = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i) ≧ 0 である。 証明終 410 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 02 37 33 クマのAAは、一つの区切りになっているのですかw 411 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 02 54 11 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 (E_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらないとする。 E = ∪E_n とおく。 s ∈ E(Ψ) ( 377) に対して、 ∫[E] s dμ = Σ∫[E_i] s dμ 証明 s = Σ(a_i)χ_(M_i) とする。 ∫[E] s dμ = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i) = Σ(a_i)(μ(E_1 ∩ M_i) + μ(E_2 ∩ M_i) + . . .) = Σ{(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + (a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . .)} = Σ(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + Σ(a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . . = ∫[E_1] s dμ + ∫[E_2] s dμ + . . . 上の等式の説明をする。 μ(E_1 ∩ M_i) + μ(E_2 ∩ M_i) + . . . は絶対収束するから (a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + (a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . . も絶対収束する。 よって、総和可能(過去スレ006の25)である。 よって、過去スレ006の58 より 2重級数 ΣΣ(a_i)(μ(E_j ∩ M_i) は総和可能である。 よって、過去スレ006の43 より Σ(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + Σ(a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . . は総和可能で ΣΣ(a_i)(μ(E_j ∩ M_i) に等しい。 証明終 412 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 02 55 15 401 376 の命題自体は Bourbaki から拝借しました。 証明は少し変えてますが。 わかりにくくなっとるがなwwwww 413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 03 03 12 411 の補足。 Σ∫[E_i] s dμ は総和可能だから、過去スレ006の66 より 絶対収束する。 414 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 03 17 41 過去スレ見れないんだが。 415 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 03 18 50 1 おいチンカス! 過去スレみれねえそ! 416 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 03 59 23 命題 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s, t ∈ E(Ψ) ( 377) で s ≧ t なら ∫[E] s dμ ≧ ∫[E] t dμ 証明 s - t ∈ E(Ψ) で s - t ≧ 0 であるから、 409 の (2) より、∫[E] (s - t) dμ ≧ 0 409 の (1) より、 ∫[E] (s - t) dμ = ∫[E] s dμ - ∫[E] t dμ よって、 ∫[E] s dμ ≧ ∫[E] t dμ 証明終 417 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 06 18 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)で X ∈ Φ とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測とする。 ∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の E における(μ に関する)積分と言う。 ∫[E] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 418 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 19 18 417 f ∈ E(Ψ) のときは、0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) なら 416 より ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ であるから 417 の定義は、 408 の定義の拡張になっている。 419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 21 21 417 を次のように修正する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)で X ∈ Φ とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測とする。 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 420 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 25 37 419 f ∈ E(Ψ) のときは、s ∈ E(Ψ), 0 ≦ s ≦ f なら 416 より ∫[X] s dμ ≦ ∫[X] f dμ であるから 419 の定義は、 408 の定義の拡張になっている。 421 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 29 34 419 X ∈ Φ でないときの ∫[X] f dμ も定義出来るが、今のところ 必要がない。 422 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04 40 50 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。 357 より、f の E 上への制限 f|E は E において可測( 356)である。 E ∈ Φ|E であるから、 419 より ∫[E] f|E d(μ|E) が定義出来る。 ∫[E] f|E d(μ|E) を ∫[E] f dμ と書き、 f の E における(μ に関する)積分と言う。 ∫[E] f dμ < +∞ のとき f を E において積分可能 または可積分と言う。 423 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/09/02(日) 06 54 36 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはよう Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´ ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 424 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09 00 23 408 の ∫[E] s dμ と 422 の意味の ∫[E] s dμ は明らかに一致する。 425 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 09 03 39 さすがに2ちゃんで積分は無理があるな 426 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09 38 03 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 任意の E ∈ Φ に対して、 ∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } 証明 s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) の元とする。 s の E への制限 s|E は Σ(a_i)χ_(E ∩ M_i) に等しい。 従って、s|E は (E, Φ|E, μ|E) における可積分( 419)な 単関数である。 明らかに、0 ≦ s ≦ f のとき 0 ≦ s|E ≦ f|E である。 逆に、A_1, . . ., A_n を E に含まれる測度が有限の可測集合とし、 a_1, . . ., a_n を有限実数としたとき、 t = Σ(a_i)χ_(A_i) は、(E, Φ|E, μ|E) においても、 (X, Φ, μ) においても可積分な単関数である。 明らかに、0 ≦ t ≦ f|E のとき 0 ≦ t ≦ f である。 以上から、 ∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } 証明終 427 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09 46 16 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を可測関数で、0 ≦ f ≦ g とする。 E ∈ Φ のとき、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[E] g dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 s ∈ E(Ψ) で 0 ≦ s ≦ f なら、s ≦ g であるから、 426 より ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] g dμ である。 この左辺の sup をとれば、 426 より ∫[E] f dμ ≦ ∫[E] g dμ 証明終 428 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09 57 37 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 s ≧ 0 である s ∈ E(Ψ) ( 377) を任意に固定する。 E ∈ Φ に ∫[E] s dμ を対応させる写像は (X, Φ) における 測度( 316)である。 証明 明らかに、E が空集合のとき ∫[E] s dμ = 0 である。 よって、 409 の (2) と 411 から E → ∫[E] s dμ は測度である。 証明終 429 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 03 50 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数で、0 ≦ f とする。 A, B ∈ Φ で A ⊂ B のとき、 ∫[A] f dμ ≦ ∫[B] f dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 428 より 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) に対して、 E → ∫[E] s dμ は測度である。 よって、 321 より A, B ∈ Φ で A ⊂ B のとき、 ∫[A] s dμ ≦ ∫[B] s dμ である。 この両辺の sup を取れば、 ∫[A] f dμ ≦ ∫[B] f dμ 証明終 430 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 27 05 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数で、0 ≦ f とする。 0 ≦ c < +∞ と E ∈ Φ に対して、 ∫[E] cf dμ = c∫[E] f dμ 証明 c = 0 なら両辺は 0 である。 よって、 c ≠ 0 と仮定する。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ cs ≦ cf だから ∫[E] cs dμ ≦ ∫[E] cf dμ 408 より、s → ∫[E] s dμ は線形写像だから、 ∫[E] cs dμ = c∫[E] s dμ よって、c∫[E] s dμ ≦ ∫[E] cf dμ 左辺の sup を取ると、c∫[E] f dμ ≦ ∫[E] cf dμ 逆に、0 ≦ s ≦ cf となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ (1/c)s ≦ f よって、∫[E] (1/c)s dμ ≦ ∫[E] f dμ ∫[E] (1/c)s dμ = (1/c)∫[E] s dμ だから (1/c)∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ よって、 ∫[E] s dμ ≦ c∫[E] f dμ 左辺の sup を取ると、∫[E] cf dμ ≦ c∫[E] f dμ 証明終 431 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 33 54 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数とし、E ∈ Φ とする。 全ての x ∈ E で f(x) = 0 なら、 ∫[E] f dμ = 0 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 s は E で 0 である。 よって、∫[E] s dμ = 0 即ち、∫[E] f dμ = 0 証明終 432 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 38 48 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、 ∫[E] f dμ = 0 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 μ(E) = 0 だから ∫[E] s dμ = 0 である。 よって、∫[E] f dμ = 0 証明終 433 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10 53 55 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)で、X ∈ Φ とする。 f X → [0, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ に対して、 ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ (χ_E)s ≦ (χ_E)f だから ∫[X] (χ_E)s dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ 明らかに ∫[X] (χ_E)s dμ = ∫[E] s dμ だから、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ 逆に、0 ≦ s ≦ (χ_E)f となる s ∈ E(Ψ) ( 377) に対して、 0 ≦ s ≦ f だから、 ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ よって、 ∫[X] (χ_E)f dμ ≦ ∫[E] f dμ 証明終 434 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 11 11 41 419 の積分の定義は普通と少し違う。 普通は、積分の定義に使う単関数 Σ(a_i)χ_(M_i) は μ(M_i) = +∞ の場合も許している。 しかし、両者の定義は同値である。 普通と少し違う定義を採用した理由は、 398 を利用したいのと、 0×(+∞) = 0 の規約を取り入れたくないこと (規則が少ないほうが良いでしょう)、積分可能な単関数の ほうが扱いやすいだろうという素朴な考えなどから来ています。 まあ、好みの問題と言えるかもしれません。 435 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12 08 56 定理(Lebesgue の単調収束定理) (X, Φ, μ) を測度空間( 317)で、X ∈ Φ とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞ (2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) このとき、 f は可測であり、 n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → ∫[X] f dμ 証明(Rudin) 427 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f_(n+1) dμ 従って、α ∈ [0, +∞] があり、 n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → α f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、 295 より f は 可測である。 任意の n ≧ 0 に対して f_n ≦ f だから 427 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f dμ である。 よって、α ≦ ∫[X] f dμ である。 (続く) 436 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12 09 49 435 の続き。 s を 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数とする。 c を 0 < c < 1 となる任意の定数とする。 E_n = {x ∈ X | f_n(x) ≧ cs(x) } (n = 0, 1, . . .) とおく。 f_n ≦ f_(n+1) だから E_0 ⊂ E_1 ⊂ . . . X = ∪E_n (n = 0, 1, . . .) が次のようにわかる。 f(x) = 0 なら f_n(x) = 0 だから s(x) = 0 である。 よって x ∈ E_0 である。 f(x) > 0 なら c < 1 より cs(x) < f(x) である。 よって、cs(x) < f_n(x) ≦ f(x) となる n がある。 即ち、x ∈ E_n 一方、任意の n ≧ 0 に対して、 429 と 427 と 430 より、 ∫[X] f_n dμ ≧ ∫[E_n] f_n dμ ≧ ∫[E_n] cs dμ ≧ c∫[E_n] s dμ 即ち、∫[X] f_n dμ ≧ c∫[E_n] s dμ 428 より A → ∫[A] s dμ は測度だから 323 より n → ∞ のとき c∫[E_n] s dμ → c∫[X] s dμ よって、α ≧ c∫[X] s dμ c は 0 < c < 1 となる任意の定数だから α ≧ ∫[X] s dμ s も 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数だから、 α ≧ ∫[X] f dμ よって、α = ∫[X] f dμ である。 証明終 437 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12 18 11 435 は Lebesgue 積分の力の源泉である。 その証明のキーは 428 である。 438 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 14 03 27 434 しかし、両者の定義は同値である。 同値でないかもしれない。 しばらく、検討させてください。 439 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 16 32 421 X ∈ Φ でないときの ∫[X] f dμ を定義する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317) とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測とする。 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 440 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 26 44 439 の前に次の定義が必要だった。 定義 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 398 より、 E(Ψ) ( 377) から R への R 上の線形写像 ψ で 任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。 s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) ( 377)の元とする。 ψ(s) = Σ(a_i)μ(M_i) を s の X における (μ に関する)積分と言い、∫[X] s dμ と書く。 441 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 29 05 427 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f と g を可測関数で、0 ≦ f ≦ g とする。 ∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 s ∈ E(Ψ) で 0 ≦ s ≦ f なら、s ≦ g であるから、 ∫[X] s dμ ≦ ∫[X] g dμ である。 この左辺の sup をとれば、∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明終 442 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 34 56 430 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数で、0 ≦ f とする。 0 ≦ c < +∞ に対して、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明 c = 0 なら両辺は 0 である。 よって、 c ≠ 0 と仮定する。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ cs ≦ cf だから ∫[X] cs dμ ≦ ∫[X] cf dμ 440 より、s → ∫[X] s dμ は線形写像だから、 ∫[X] cs dμ = c∫[X] s dμ よって、c∫[X] s dμ ≦ ∫[X] cf dμ 左辺の sup を取ると、c∫[X] f dμ ≦ ∫[X] cf dμ 逆に、0 ≦ s ≦ cf となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 0 ≦ (1/c)s ≦ f よって、∫[X] (1/c)s dμ ≦ ∫[X] f dμ ∫[X] (1/c)s dμ = (1/c)∫[X] s dμ だから (1/c)∫[X] s dμ ≦ ∫[X] f dμ よって、∫[X] s dμ ≦ c∫[X] f dμ 左辺の sup を取ると、∫[X] cf dμ ≦ c∫[E] f dμ 証明終 443 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 36 54 431 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数とする。 全ての x ∈ X で f(x) = 0 なら、 ∫[X] f dμ = 0 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) ( 377)に対して、 s は X で 0 である。 よって、∫[X] s dμ = 0 即ち、∫[X] f dμ = 0 証明終 444 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 51 24 429 に対応する命題 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)とする。 f を可測関数で、0 ≦ f とする。 A ∈ Φ のとき、 ∫[A] f dμ ≦ ∫[X] f dμ 証明 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) に対して、 ∫[A] s dμ ≦ ∫[X] s dμ である。 この両辺の sup を取れば、 ∫[A] f dμ ≦ ∫[X] f dμ 証明終 445 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 55 06 435 の X ∈ Φ とは限らない場合。 定理(Lebesgue の単調収束定理) (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞ (2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) このとき、 f は可測であり、 n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → ∫[X] f dμ 証明(Rudin) 441 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f_(n+1) dμ 従って、α ∈ [0, +∞] があり、 n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → α f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、 295 より f は 可測である。 任意の n ≧ 0 に対して f_n ≦ f だから 441 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f dμ である。 よって、α ≦ ∫[X] f dμ である。 (続く) 446 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16 55 36 445 の続き。 s を 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数とする。 c を 0 < c < 1 となる任意の定数とする。 E_n = {x ∈ X | f_n(x) ≧ cs(x) } (n = 0, 1, . . .) とおく。 f_n ≦ f_(n+1) だから E_0 ⊂ E_1 ⊂ . . . X = ∪E_n (n = 0, 1, . . .) が次のようにわかる。 f(x) = 0 なら f_n(x) = 0 だから s(x) = 0 である。 よって x ∈ E_0 である。 f(x) > 0 なら c < 1 より cs(x) < f(x) である。 よって、cs(x) < f_n(x) ≦ f(x) となる n がある。 即ち、x ∈ E_n 一方、任意の n ≧ 0 に対して、 444 と 427 と 430 より、 ∫[X] f_n dμ ≧ ∫[E_n] f_n dμ ≧ ∫[E_n] cs dμ ≧ c∫[E_n] s dμ 即ち、∫[X] f_n dμ ≧ c∫[E_n] s dμ 428 より A → ∫[A] s dμ は測度だから 323 より n → ∞ のとき c∫[E_n] s dμ → c∫[X] s dμ よって、α ≧ c∫[X] s dμ c は 0 < c < 1 となる任意の定数だから α ≧ ∫[X] s dμ s も 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数だから、 α ≧ ∫[X] f dμ よって、α = ∫[X] f dμ である。 証明終 447 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 10 42 419 の積分の定義はちょっとおかしいですね。 例えば X として任意の空でない集合。 Φ として X の部分集合全体。 X の部分集合 A が空でないとき常に μ(A) = +∞ とし、 A が空集合のとき μ(A) = 0 と定義する。 (X, Φ, μ) は測度空間になる。 419 の積分の定義によると、∫[X] 1 dμ = 0 になる。 しかし、常識的には ∫[X] 1 dμ = μ(X) = +∞ となるべきでしょう。 419 の方向で行くとしたら、次のように定義したらどうだろう。 . f X → [0, +∞] を可測とする。 S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。 S(f) が σ-有限、即ち、可算個の測度有限の集合に直和分割され、 sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } が有限のときに f は積分可能または可積分と言う。 そうでないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。 この定義だと、上記の例で ∫[X] 1 dμ = +∞ となる。 448 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 24 56 定義 (X, Φ, μ) を測度空間( 317)とする。 A ∈ Φ に対して Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で A ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがあるとき、 A は σ-有限な測度をもつと言う。 略して、A は σ-有限とも言う。 Φ の各集合の測度が σ-有限のとき、μ は σ-有限と言う。 449 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 35 38 419 を次のように修正する。 定義 (X, Φ, μ) を 測度空間( 317)で X ∈ Φ とする。 Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。 E(Ψ) ( 377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる Ψ 上の単関数( 371)全体とする。 f X → [0, +∞] を可測で、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の 測度は σ-有限( 448) とする。 ∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } を f の X における(μ に関する)積分と言う。 ∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。 450 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18 37 04 449 の補足。 S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度が σ-有限( 448) でないときは ∫[X] f dμ は定義しない。 タグ: コメント
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