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※初めまして、最初で最後のゆっくり虐待に挑戦してみます。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※最初の数回は読者様のストレスをマッハにすることに腐心しています。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』1 「おちびちゃんたち、じじいのあたまにしーしーしてね! くそじじいにはもったいないけど、あんまりきたないから しーしーできれいきれいしてあげるんだからね!ありがたくおもってね!」 「ちーちーしゅるよ!ちーちー!」 「ゆっ!くちょじじい、もっちょあちゃましゃげちぇね! りぇいむのちーちーできりぇいにしちぇあげりゅ!」 額を床につけている俺の頭に、正面から横から、 赤れいむのしーしーがびたびたと打ちつけられる。 気持ちよさそうに震えながらしーしーをしている赤れいむは四匹。 土下座の姿勢では見えないが、俺の正面では、 一匹のゆっくりれいむが嘲笑を浮かべながらこちらを見ている。 「ゆゆ?じじい、さっきからだまりこくってどうしたの? なにかいうことがあるんじゃないの?ばかなの?しぬの?」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 親のれいむが罵るのを聞くと、すぐに赤れいむたちが口を合わせて合唱を始める。 「ばかなじじいはいわれなきゃわからないみたいだから、 しんせつなれいむがゆっくりおしえてあげるね! きれいきれいしてもらったらおれいをいうんだよ! さあ、いいこだからおちびちゃんたちにおれいをいってごらん?」 俺はしーしーの水たまりに頭を伏せたまま黙って体を震わせていた。 握り込んだ手のひらに爪が食い込む。 「どうしたの?いいたくないの? それともばかだからおれいのしかたをしらないのかな? いいこだからよくきいてね。 「ぐずでのろまの、きたないくそじじいに しーしーをめぐんでくださってありがとうございます」っていうんだよ!」 「いうんだよ!」 「はやきゅいえ!ごみくじゅ!」 「…………」 「ゆ?どうしたの?いえないの? ばかにはむずかしかったね。 だったらいいんだよ!おねえさんにおしえてもらおうね!」 「ぐ……」 歯茎から血が出るんじゃないかと思うほど震えている顎を 苦労してこじ開けながら、俺は絞り出した。 「ぐずで、のろまの…」 「おそいんだぜ!」 俺の後頭部を衝撃が襲う。 バスケットボール大の饅頭、ゆっくりまりさが飛び込んできたのだ。 「ちゃっちゃというんだぜくそじじい! いちにちはみじかいんだぜ?ごはんとそうじがまってるんだぜ! あさのしゃわーぐらいてばやくすませるんだぜ!」 後頭部で飛び跳ねられる度に、俺は顔面を床に打ちつける。 床に鼻血が滴る。 背中のほうでは、ソフトボール大の赤まりさたちが飛び乗り、 親に便乗して俺の上で飛び跳ねはじめている。 「はやきゅすりゅんだじぇ!」 「まりしゃしゃまたちはおなきゃしゅいたんだじぇ!」 「ごはん!ごはん!」 「ぐずでのろまの汚いクソ爺に、 しーしーを恵んでくださってありがとうございます」 「ゆはははは! いったよ、ほんとにいったよこのじじい!」 親れいむが爆笑した。 それに合わせ、赤れいむ、まりさ親子、 そして奥のほうから眺めているありす親子が笑い出す。 「ほんのじょうだんだったのに、 ほんとにいうなんておもわなかったよ!じじいはばかだね! それともほんとにうれしかったのかな? おちびちゃんたちはやさしいから、たのめばまいにちしーしーくれるかもね!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「おい、しーしーじじい!ごはんをよういするんだぜ! まりささまのせわをさせてあげてるんだから、 ごみくずはかんしゃしてちゃっちゃとうごくんだぜ!はやくしろ!」 尻に親まりさの体当たりを受け、再び俺は床のしーしーに顔を打ちつけた。 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 話は二か月前に遡る。 「「ゆっくりしていってね!!」」 大学から帰ってきた俺を出迎えたのは、 居間の真ん中に転がる二つの饅頭だった。 部屋中は惨憺たる有様で、 あちこちひっくり返して見つけ出し食べ散らかした食べカスや、 排泄物らしき餡子、砂糖水、びりびりに破られてまき散らされた雑誌類などが そこらじゅうにぶちまけられていた。 冷蔵庫も開けられ、中の食材がすべてやられているようだ。 カーテンは半ば引きちぎられ、ポットも炊飯器も倒され、 寝室から引きずり出された毛布が汚れを吸って無数の染みを作っている。 案の定、窓ガラスは割られて床にガラス片が四散していた。 ここはマンションの一階。 お定まりのパターンというやつで、 石を投げてガラスを割り、侵入してきたようだ。 その時、俺が部屋に帰ってくるのは三日ぶりだった。 友人が婚約したとかで、 その祝いでひとしきり飲み騒ぎ、外泊が続いたのだ。 その間中、このゆっくり二匹が部屋を蹂躙していたわけだ。 最近になって、俺の住むこの街でも ゆっくりの被害が幾度となく取り沙汰されるようになった。 ゆっくりの数は全国で着々と増え続けているらしい。 被害に遭った知人の話を聞くにつけ、俺も対策しなければとは思いつつ、 もう少し後でいいだろうとたかをくくり、ずるずると先延ばしにしていた。 きちんと対策していれば。思い起こすたび後悔で身をよじる。 侵入してきたのは、ゆっくりまりさとれいむの番いだった。 野良のゆっくりらしく、二匹はひどく汚かった。 成体になりたてのようで、大きさは共にバスケットボール大。 全身にこびりついた土の汚れが、そのまま部屋中に足跡を残している。 「ゆ!ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!!」 「にんげんさんはたべものをもってきて、ゆっくりしないででていってね!!」 さっさと追い返せばすむ話だった。 だが、この時はさらに不幸が重なっていた。 「きゃあ、可愛い~!!」 恋人の由香を同伴していたのだ。 友人との飲み会でもずっと一緒に騒いでいた。 騒ぎ疲れてこの家に帰ってきて、ついでに一戦交えるつもりもあったが、 ゆっくりに水を差された形になった。 悪いことに、由香は筋金入りのゆっくり愛好家だった。 「かっわいいわあ~。すーり、すーりっ」 「ゆゆっ!おねえさんなにしてるんだぜ!?」 小汚いゆっくり二匹を両方抱え上げ、頬ずりを始めた。 「ゆ、ゆっくりやめてね……すーり、すーり♪」 「まりささまのびはだによいしれてるんだぜ!」 ゆっくりの方もまんざらではなさそうだ。 「お、おねえさん!まりささまはおなかがすいてるんだぜ。 とっととたべものをもってくるんだぜ!!」 まりさの方が早くもしびれを切らし、食事を要求してきた。 「あ、ごめんね!」 由香がゆっくり共を床に下ろし、周囲を見渡した。 しかし部屋の様子はすでに記述した通りである。 仕方なしに由香は立ち上がった。 「ちょっと待っててね。食べ物持ってくるからね」 「ゆゆっ、さっさとするんだぜ! ぐずにいきるかちはないんだぜ!!」 まりさの方はゲスなんじゃないか、と思っている俺に由香が言う。 「コンビニ行こ!」 この部屋の様子を見て、部屋の主を目の前にして なんで呑気にそんな事が言えるのか。 由香も承知の上らしく、俺の反論を封じるように 腕を引いて外へぐいぐい引っ張っていく。 「とっととするんだぜ!!」 背中から苛立たしい声が聞こえてきた。 「なに考えてるんだよ!?」 「ごめん、圭一!」 圭一は俺の名である。 部屋からある程度離れた路上で、由香は俺に手を合わせた。 「あんまり可愛いものだからつい……」 「どこが!?」 「全部!」 由香のゆっくり愛好ぶりはただごとではなかった。 ゆっくり愛護会だかなんだかの会員である。 携帯電話にはゆっくりキーホルダーがごちゃりとぶら下がり、 ゆっくりバッグの中には他にもゆっくりグッズが満載だ。 いつもゆっくりショップの前を通るたびに立ち止まり、 陳列されているゆっくり共を前にため息をついている。 俺には苛立たしいだけなのだが、 彼女の目には天使のように映っているらしい。 「ね、飼お!」 「はあ!?」 えらいことを言い出した。 あんなゲス(俺の中では決定)は一刻も早く追い出したいのだが。 「人間の手がついちゃったゆっくりより、 野生のゆっくりとお友達になりたかったの」 「あんな尊大な奴らと?おかしいんじゃないか?」 「おかしいのは自分でもわかってる。 でも、あのわがままさがたまんない……わかってもらえないと思うけど」 このあたりが筋金入りなのだ。 そこらにいる半端なゆっくり愛好家なら、 人の手でしつけられたゆっくりを愛護し、ゆっくりショップを利用する。 野生のゆっくりと付き合うほどの忍耐力を持つ者はそうはいない。 しかし、あのゆっくりならではの傍若無人ぶりをこそ愛する 本物の愛好家が稀にいる。 俺に言わせれば物好き、あるいはキワモノ好きだが。 「お前の家で飼ったら?」 「だめ。うちはもうゆっくりでいっぱいだし、 飼いゆっくりと野生のゆっくりを一緒に置いておくと 喧嘩になったりするらしいの」 由香の家族もゆっくり愛好家で、 家に何十匹のゆっくりを飼っていた。 由香の家庭についてはあとで触れる。 由香は飼いゆっくりは十二分に堪能できているはずだが、 野生のゆっくりと触れ合いたい欲求もあったようだ。 つくづくマニアである。 「あたしも毎日通ってお世話するから、お願い!」 俄然、揺れた。 ここまで読まれた方にはとんだ我儘女に見えたかもしれないが、 由香は本当にいい女なのだ。 可愛く美人、スタイルもよくて理知的だ。 飲み会でも出しゃばらず、いろんなところによく気が回る。 そして家が金持ち。 いつも周囲の友人に羨まれる、極上の女であった。 その彼女の唯一の欠点が、病的なほどのゆっくり好きという点だ。 それでも俺にとっては、 ひとつぐらい欠点があったほうが安心するぐらいのもので、 そこも含めて愛する気満々だった。 俺の家で飼いたい、というのにはさすがに躊躇したが、 家に毎日来てくれるという。 ゆっくりを餌にすれば、いつでも家に連れ込める。 これはなんとも魅力的だった。 結局、俺は首を縦に振ることになった。 ちゃんと世話しろよ、と釘を刺しつつ。 「やった、ありがと!圭一大好き!」 俺の肩に飛びつき、熱烈なキッスを浴びる。 たまに見せるこういうところが可愛い女なのだ。 「ゆっくりおそいんだぜ!!おねえさんはぐずだね!」 「ごめーん」 「ゆ、さっさとたべものをおいてでていくんだぜ!」 由香はゆっくりに詫びると、 コンビニで買ってきたプリンの蓋を開けてゆっくり共の前に置いた。 ゆっくり共はわき目も振らずにプリンに突進し、容器を突き倒した。 床にぶちまけられたプリンにゆっくり共は顔を突っ込み、 涎やらプリンやらをまき散らしながらむさぼり食う。 「うっめ!!これむっちゃうっめ、まじうっめ!ぱねぇ!!」 「むーちゃ、むーちゃ……ししししあわせえぇぇ!!」 感涙しながら食べ尽くしたまりさとれいむは、 顎の下にあるあにゃるを突き出していきみ始めた。 「うんうんするのぜ!」 「うんうんするよ!」 たらふく食べて満足したあとは、排泄である。 俺の部屋の床に、二匹のゆっくりはうんうんをひり出した。 「ゆっ!にんげんさんはまりささまのうんうんをそうじするんだぜ!! さっさとするんだぜ!!」 「おぉ、くさいくさい。ゆっくりしないでかたづけてね!!」 臭いうんうんの前から自分は一歩も動こうとせず、 片付けるように命令してきたゆっくり共。 由香は文句も言わず、にこやかにティッシュにくるんで捨てた。 「ゆっくりできた?」 「まりさはゆっくりしてるのぜ!!」 「れいむはとってもゆっくりしてるよ!!」 由香の質問に答えるまりさとれいむ。 「よかった。これからもここでゆっくりしていってね」 「ゆ?あたりまえなんだぜ!! ここはまりささまのゆっくりぷれいすなんだぜ?」 「あ、ごめん。そうだったね」 「ごはんはたべたからにんげんさんにようはないんだぜ!! とっととでていくんだぜ!!」 「あ、あたしたちもここでゆっくりさせて!」 手を合わせてお願いしはじめる由香。 ゆっくり相手にこんなことをする人間は他にいるまい。 「ゆゆ?なにいってるんだぜ?おねえさんはばかなんだぜ? やくにたたないくずをおいておくよゆうはないんだぜ!!」 これだけ広い部屋を、饅頭二匹で占拠するつもりらしい。 「そろーり、そろーり」 まりさの背後に、れいむが大声で何か言いながら近寄る。 そして耳打ちした。 「まりさ、ちょっとこっちにきて!」 「ゆっ!なんだぜれいむ!ばかなにんげんをいまおいだすところなんだぜ!」 そう言いながられいむに促され、まりさはこちらから離れていった。 俺たちから離れていくと、二人はこちらに背を向けながら相談を始める。 「ひそひそ、これくらいはなれれば ばかなにんげんさんたちにきこえないよ!」 1メートルしか離れていない。 当然丸聞こえであるが、まりさは気づく様子がない。 「ばかなにんげんにきかれてこまることなんてないんだぜ?」 「まりさ、よくきいて!このにんげんさんたちはたべものをもってるよ! まりさがかりにいかなくてもこいつらにもってこさせれば、 このゆっくりぷれいすでずっとゆっくりできるよ!」 「ゆ!めいあんなんだぜ!! まりさがちょっとおどしてやれば、 にんげんどもはばかだからいくらでもごはんをさしだすんだぜ!!」 「まりさ、むちだけじゃだめだよ! あめとむちをじょうずにつかいわけて、にんげんたちをしつけるんだよ。 こんきよくがんばれば、にんげんだってきっとやくにたつよ!」 「れいむはあまいね!でもわかったんだぜ。 いかさずころさず、なるべくながいあいだつかってやるんだぜ!!」 そんな会話を、由香はニコニコしながら聞いていた。 俺のほうは、聞いていて気分のいいものではなかったが、 ゆっくりの馬鹿さ加減はよく知っていたし、 あとで躾けてやればいいだろうぐらいにその時は考えていた。 「おねえさんたち、よくきくんだぜ!!」 密談らしきものを終え、まりさがこちらに向かって声をはりあげた。 「まりさたちのゆっくりぷれいすにいたかったら、 まいにちまりさたちにごはんをもってくるんだぜ! そうじもするなら、とくべつにここでゆっくりさせてあげるんだぜ!」 「やったあ、よろしくね!」 大げさに喜んでみせる由香。 話を合わせて、このゲスぶりを堪能するつもりらしい。 ゆっくり愛好家を称する人間は多いが、 ゲスをすら楽しむほどの物好きは、 日本中探しても五人もいないのではなかろうか。 その日から、ゆっくり共との生活は始まった。 二匹のゆっくりは部屋の中で傍若無人に振舞った。 「まりささまにごはんをもってくるんだぜ!!」 「かわいいれいむにあまあまをちょうだいね!!」 腹が減ればいつでもどこでもわめき出す。 「ゆっくりうんうんするのぜ!!」 「しーしーするよ!!」 うんうんとしーしーも、気が向いたときに垂れ流し、 それが終わると俺たちを呼びつけて片付けさせた。 「それはなんだぜ!?まりささまにさっさとよこすのぜ!! ここのものはぜんぶまりささまのものなんだぜ!!」 ちょっと興味が沸くと、すぐに俺たちが持っているものを差し出させた。 勉強中には鉛筆を奪われる、掃除をしていれば掃除機を奪われる。 そのうち飽きて放り出すからまだいいが、 何をするにも中断させられるはめになり、邪魔でしょうがない。 「ゆ~♪ゆ~♪ゆっゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 突然大声で歌い出すのでうるさくてかなわない。 「ゆぁああああ!!なんだぜこれぇえええ!!?」 「おにいさあああん!!はやくきてかわいいれいむをたすけてねぇえええ!!」 慣れない家の中で勝手に動き回るものだから、 本の山に押しつぶされたりそのへんの隙間に挟まったりして、 しょっちゅう俺たちを呼びつけた。 「おそすぎるんだぜ!!もたもたなにしてたんだぜぇええ!? やくにたたないにんげんはごみくずなんだぜぇ!!」 「なんでもっとはやくたすけないのおおぉ!? かわいいれいむがくるしんでてもへいきなの!?ばかなの!?しぬの!?」 助けてやったところで、礼を言われたことは一度もない。 何度となく叩きつぶしたくなったが、その度に由香に止められた。 「この子たちは好きにさせてあげて、ホントにごめん!」 その可愛い顔のために、俺は耐えつづけた。 もともと俺は、愛護派でも虐待派でもなく、ゆっくりに興味はなかった。 思い入れがないぶん、ただの饅頭の言うことだと聞き流し、 まじめに取り合うことなく一歩引いて接することができていた。 とはいえ、それでも我ながらたいした忍耐力だったと思う。 結局、おれも変人だったのかもしれない。 ゆっくりという生物は、甘やかせばどこまでもつけあがる。 後日、このゆっくり達の存在は日本中に知れ渡るのだが、 そのつけ上がり具合に、誰もが驚愕することになる。 よくもそこまで、殺さずにつけ上がらせつづけたものだと。 ある日、由香が祖父を伴って俺の住むアパートにやってきた。 「やあ、圭一くん。こんにちは」 「こ、こんにちは。おじい……長浜さん」 この老紳士、長浜氏は政財界では名の通った名士である。 建築業の重鎮で、大企業長浜建設の名誉会長を務めると同時に、 多くの著作をものした社会学者でもある。 すでに述べたように、恋人の由香の祖父であり、 可愛い孫の恋人である俺の動向にさりげなく目を光らせている人だ。 お祖父さん、と一瞬呼びかけた俺に対する視線が一瞬きらりと光ったのは気のせいではあるまい。 人当りがよく、理知的な人であり、俺との関係もひとまず良好だ。 安アパート住まいとはいえ、自分で言うのもなんだが、 俺が国立有名大学に通い、トップクラスの成績をマークしてそれなりに優秀なことも大きいだろう。 これほどの人だから、孫の相手には、 トップクラスと言わず首席級の男をと言いだしても不思議はないが、 そこは孫の意思を尊重してくれている。 漫画に出てくるような偏屈爺とは違う、ごく普通に良識的な紳士というわけだ。 とはいえ、やはり会うたびに緊張してしまう。 「どうぞ、何のおかまいもできなくて」 「いやいやいや、こちらこそ。急に押しかけてすみませんでした」 若輩の俺に対しても、長浜氏は礼儀正しく頭を下げる。 「孫の話を聞きましてな。ぜひ見せていただきたいと思いました」 そう言い、長浜氏はさっきから喚いているゆっくり共のほうを見た。 「おじいさんはゆっくりできるひと? かわいいれいむにあまあまをちょうだいね!!はやくちょうだいね!! きこえないの?ばかなの?ばかなにんげんさんなの?」 「くちょじじい!!さっさとあまあまをよこすんだぜ!! よこしたらまりさのゆっくりぷれいすからでていくんだぜ!!」 「これはこれは……」 長浜氏は目を細めて笑い、懐から飴玉を取り出すとゆっくり共に投げ与えた。 わき目もふらずに飴玉に食いつくゆっくりを見届け、彼は俺に向きなおった。 「いやはや、大したものですな」 「いや、どうも毎日大変で……まあ」 挨拶を交わしながらソファを勧めようとしたが、 ゆっくり共のうんうんやしーしーで汚れきり、とても人を座らせられる状態ではない。 来るとわかっていればせめて洗濯していたのだが。 床にありあわせの座布団を敷き、座ってもらう。 それまでのやりとりで大体の事情はわかったが、一応話を聞くと、 孫がゆっくりを全力でゆっくりさせることに挑戦していると聞き、興味を抱いたらしい。 この長浜氏、やはり非常なゆっくり愛護派である。 大きなゆっくり愛護団体の会長をも務めるほどで、 日々ゆっくりを苦しめる虐待派のふるまいに心を痛め、ゆっくり愛護を市井に呼びかける一方、 都市部に繁殖するゆっくりへの対処問題に腐心している。 由香の住む家は長浜氏所有の邸宅であり、 家族ぐるみでゆっくりと付き合っているのはこの人の影響によるものだ。 「ね、とっても可愛いでしょ!!」 「いやはや……こら、じいちゃんは圭一くんと話してるんだ。 ちょっと静かにしていなさい」 孫娘に飛びつかれ、やや困り顔ながらもこぼれる笑みを抑えられないようだ。 しかし由香を引き離すと、改めて俺に向きなおると、深々と頭を下げた。 「このたびは、孫娘のわがままでまことにご迷惑をおかけしとります」 「あ、いえいえいえ!」 予想外の成り行きに慌ててしまう。 まさか俺ごときが、この人に頭を下げられるなんて思っていなかった。 「我儘放題なゆっくりの言うことを聞き続け、自由にさせる。 なんと馬鹿なことをと、わしは説得しました。 わし自身、なんとも困ったゆっくり狂いという悪癖を持っておりますが、 それでもわがまま放題にさせるなんてことは、 人間にとってもゆっくりにとってもためにならん。 それぐらいはわきまえとるつもりです」 「……はい」 「しかし、こやつは言うのですな。 人間の都合でゆっくりを飼う、いや、飼わせてもらっている。 だから、人間は全力でゆっくりをゆっくりさせる義務があるのだと。 わしは……返答に困りましたわい」 「ですが……人間の社会で生きていくんだったら」 「もちろん、そうです。 ここで生きるならここのルールを教えるのがゆっくりのためだ、 そんな御託はいくらでも並べられますし、正論です。 しかし、それでも、わしは答えられませんでしたわ。 確かに、わしらは飼わせてもらっておる。ここで生きることを強要したのはわしらだ。 強要しておいて、そのための忍従を強いるのは、やはり横暴でしょう。 ゆっくり狂いの馬鹿な戯言とお思いでしょうがな」 「…………」 答えられなかった。 事実、そう思っていたからだ。 良識ある人かと思っていたが、子供じみたセンチメンタリストなのか。 「甘やかされきったゆっくりの行き着く末路は、もちろん想像がつきます。 しかし、こやつは全力でゆっくり達を守るという。 圭一くんも協力してくれるからと。 それなら、一度、やってみる手かもしれんと思いました。 無茶な実験をするようですが、これもまた、ゆっくり研究の一環ではありましょう。 なにしろ愛護者でさえ、そんな事をやり通した者はほとんど聞きませんからな。 ゆっくりのわがままにとことん付き合うのは非常に、非常に骨の折れる話です。 それに挑戦してみることは、ある意味、こやつの為になるかもしれんです」 長浜氏はそこで、再び居住まいを正して、俺にふかぶかと頭を下げた。 「どうか、孫娘に付き合ってやってはくださらんか。 ゆっくり馬鹿、孫馬鹿の耄碌爺の戯言ではありますが、聞いて下されませんか」 一瞬、慌てながらも言葉に詰まった。 少々意外だったからだ。 良識と常識ある人かと思っていたが、孫娘のこんな暴挙、 しかも他人である俺を巻き込んだ暴挙、止めるのが普通というものだろう。 しかしこの人は、他人の俺に、我慢して共に耐え忍んでくれという。 ずいぶんと非常識な願いと思わざるをえない。 いや、一応、結婚すれば他人ではなくなるのだが…… あ。 そうか。 俺はそこで、老人の目論見がわかった。 この人は俺を試しているのだ。 可愛い孫娘の恋人、あるいは夫として、俺がふさわしい男かどうか。 甘やかされて育った娘を受け入れられる忍耐強い男かどうか、 このゆっくり共を試金石にして確かめようというのだろう。 確かに、忍耐力を試すのにゆっくりほどお誂え向きの存在もない。 また、由香の家族と付き合うのならば、ゆっくりとの付き合いもできたほうが断然いい。 そういう方向でも試す目論見がありそうだ。 そういうことならば、迷う理由はない。 あなたの孫娘を任せられる男であることを、見事証明してみせようではないですか。 俺は笑うと、力強く言い放った。 「万事お任せください」 頭を上げ、俺の表情を確かめた長浜氏は、満足げに目を細めた。 続く
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※最初の数回は読者様のストレスをマッハにすることに腐心しています。まだやってます。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』2 ゆっくりの思うままに全力でゆっくりさせる。 俺達のそんな馬鹿げた計画は、由美の祖父、長浜氏の協力を全面的に得られることになった。 協力といってもそれほど大げさなものではないが、 ゆっくりによってひっきりなしに汚されるソファやカーテン、 壊された家具を買いなおす資金などは、 由美がねだれば、長浜氏がすぐに都合してくれた。 長浜氏の協力を受けたことで、 遊び半分で始めたようなこの計画は、俄然真剣味を帯びてきた。 金銭的な援助を受けてしまっていることもあるが、 恋人との仲、ひいては結婚のため、俺自身が真剣になっている。 すべてを耐え忍び、全力でゆっくりさせてやる。やってやるとも。 実際の労力は、やはりこの部屋の住人である俺の負担が大きい。 由美もできるかぎりここにいてゆっくりの面倒を見てくれるが、 彼女は毎日大学に通い、夜になれば家に帰らなければならない。 俺は朝起きてからすぐ、大学から帰ってから夜寝るまで、 こいつらの相手をしなければならないのだ。 大学に行っている間が息抜きのようなものだった。 「ゆゆっ!!ごみくず!!はやくするんだぜ!!」 「かわいいれいむにゆっくりしないでごはんをちょうだいね!!」 可愛さの片鱗すら見せる気配はなく、むしろますます増長していくゆっくり共だったが、 そんな饅頭でも、毎日その安否を気にしながら大学から飛んで帰らなければならなかった。 なにしろ馬鹿なので、家にいない間になにが起こるかわからないのだ。 ゆっくりにとって危ないものを、部屋から一掃しなければならなかった。 もともと少なかった本棚やタンスといった家具が押入れに収納され、 代わりにふかふかのクッションやぬいぐるみが敷き詰められた。 それに加えて、由美がゆっくり用の遊具を買ってくるので、 わが部屋はどんどんゆっくりプレイスに改造されていった。 そう広くもない2DKの俺の部屋は、 大部屋が二つと台所、そして押入れで構成されている。 俺は押入れの中に机を持ち込み、その中を自分のスペースにして勉強や読書をした。 他の大部屋は、まりさとれいむがたった二匹で占領している。 「ゆっ!!どくんだぜじじい!!めざわりなんだぜ!!」 大部屋にいると、どこにいても罵声が飛んできた。 俺一人ぐらい両手足を伸ばしていたって、ゆっくり二匹程度の邪魔になりはしないのだが、 明らかに悪意を向けられていた。 なるべく隅のほうにいても、わざわざこっちの方に走ってきてわざとぶつかってくる。 「ゆぐっ!いたいよぉおおお!!かわいいれいむがけがしたよぉおおお!!」 大袈裟に転がってみせ、ゆんゆん嘘泣きをするれいむ。 「ごみくず!みのほどをわきまえるんだぜぇ!! くそどれいがゆっくりぷれいすをせんりょうするんじゃないんだぜぇ!?」 「じゃあどこに行けばいいんだ」 俺が聞いてやると、まりさはそのへんを見渡してから、 押入れの前で飛び跳ねて言った。 「おい、くそどれい!!ここをつかわせてやるんだぜ!! よばれたときいがいはここにひきこもって、きたないかおをみせるんじゃないんだぜ!!」 「ゆっ、ごみくずにはもったいないへやだけどとくべつにつかわせてあげるよ!! ゆっくりかんしゃしておれいをいってね!!」 「ありがとう」 怒ったところで仕方がないので、心に蓋をして付き合ってやったというわけだ。 わがまま放題にさせる計画に、さしあたっての問題が出てきた。 予想していたことではあった。 「そこをあけるんだぜ!!まりささまのがいしゅつをじゃまするなだぜぇ!!」 「かわいいかわいいれいむがぴくにっくにいくんだよぉ!!?なんでじゃまするのおぉ!!?」 「ごめんなさい、出せないのよ……」 玄関前でがなり立てるまりさとれいむ。由美はその前で困った顔を見せている。 もともとは森に住んでいたらしいこの番いにとって、 俺の部屋は、住居としてはともかく、世界としてはやはり手狭のようだ。 ここに来てから数日で、外に出たいと言い出した。 これほど増長しきったゆっくりが外に出てどうなるか、想像に難くない。 そのへんの人間にちょっかいを出し、怒らせ、たちまちのうちに餡子をまき散らすことになるだろう。 そうならないためには、俺達の監視のもとに散歩を行わなければならないが、 主従関係が逆転してしまうことでへそを曲げられるだろうことは予想できた。 いくら説得しても、ゆっくり共は己を曲げなかった。 そもそもゆっくりというものは、他人の説得を聞くようにはできていない。 「どれいのくせにくそなまいきなんだぜぇええ!!まりささまをおこらせるのぜぇ!?」 「いくう!!いくう!!おそといきたああああああいいい!!」 俺に体当たりするまりさ、床をごろごろ転げまわって駄々をこねるれいむ。 ゆっくりできていないのは明らかだった。 由美が祖父に相談したところ、問題はたちまちのうちに解決した。 「これをつけてやりなさい」 長浜氏が差し出したのは、二個の飼いゆっくり用のバッジだった。 それも、シルバーやゴールドではない、二回りも大きなプラチナバッジだ。 こんなバッジをつける飼いゆっくりはまず、普通は見かけない。 シルバーやゴールドバッジは、厳しい躾と鍛練の末に手に入るが、 プラチナバッジはまた意味合いが違う。 言ってみれば、プラチナバッジが示すのは飼い主の「権力」だ。 すぐに人間の不興を買い、殺されてしまうことの多いゆっくり。 ゆっくりを飼う趣味のある権力者はそれを懸念し、 愛ゆっくりを守るために、プラチナバッジとそれに伴う法律を制定した。 一言で言えば、天下御免の印である。 このバッジをつけたゆっくりを傷つけたり殺したりした者は、厳しく罰せられる。 その保護の度合たるや貴金属や骨董品なみで、それこそ人間並かそれ以上の扱いだ。 それゆえ、プラチナバッジをつけたゆっくりに周囲が何をされようと、 その場でゆっくりに干渉することはできず、せいぜい飼い主に苦情を言うのが限界である。 典型的な、一部の権力者のためだけに制定された法律だった。 横暴ともいえるその悪法を利用する権力者は、 だいたいがたちの悪い大富豪かヤクザと相場は決まっていた。 それゆえ、プラチナバッジをつけたゆっくりはますます畏怖、忌避された。 そのプラチナバッジを、このゆっくり共につける。 明らかに分不相応だが、とりあえず人間に痛めつけられる心配はなくなったわけだ。 「責任はすべて私にまかせておきなさい。 まあ、なるべく人に迷惑のかからないようにしてくださいね」 長浜氏はそう言ったが、俺は不安だった。 「ゆっ!ゆっ!ひさびさのしゃばはくうきがうまいのぜ!!」 「ゆゆぅ~♪ゆっくりぴくにっくだよぉ~♪ゆんゆん♪」 俺はまりさとれいむを連れて散歩に出ていた。 リードや首輪のたぐいはつけていない。 たかがゆっくりが全力で逃げ出そうと、せいぜい早歩きで簡単に捕まえられるからだ。 「ばかそうなつらをしたいぬなんだぜ!!ばーか!!ばーか!!」 まりさが人の家の柵にしがみついて、庭にいる犬を挑発している。 ぎゃんぎゃん吠えてくる犬に初めは飛び上がったが、 首輪のおかげでこちらに来られないとわかると俄然調子づいた。 「ゆっへっへ!!まりささまにけんかをうるきなのぜ!? おまえなんかまりささまにかかればいちころなんだぜぇ!!」 言いながら舌を突き出して下顎を振っている。 正視に堪えない姿だ。 「かわいいれいむにあまあまをちょうだいね!!」 れいむの方はすれ違う人間に片端から命令している。 甲高い声がきんきん響いてやかましい。 「なんでむしするのおぉぉ!?かわいいれいむがおなかをすかせてるんだよぉお!? かわいそうだとおもわないのおぉぉ!!」 人々は眉をしかめてそそくさと立ち去っていく。 踏みつけたくなるのを堪え、俺の顔に怒りと怯えの入り混じった視線をちらりと向けるばかりだ。 そのたび、俺はすみませんと謝った。 「あっちに面白そうなものがあるぞ」 「あの草むらはゆっくりできそうだな」 そんな風に誘導し、なるべく人のいないほうを通ろうとしていたのだが、 やはり事件は起こってしまった。 「ゆゆぅ!!ゆっくりできそうだよぉ~!!」 あっと思ったときには遅かった。 八百屋の店先で飛び跳ね、まずれいむが、続いてまりさが並べられている野菜や果物に飛びついて食べ散らかし始めたのだ。 「ちょっ、お客さ……!」 店主が出てきて怒鳴ろうとしたが、プラチナバッジに気づくと明らかに声量が下がった。 「あの、ええと……困ります」 おどおどしている。俺をヤクザの息子だか構成員だかと思っているのだろう。 申し訳ないが、騒がれないのはありがたくもあった。 「本当にすみません!」 俺は頭を下げると、ゆっくり共を制止しようとした。 「おい、やめろよ!」 「ゆっ!?まりさ、どれいがなにかいってるよ!!」 「まりささまにめいれいするんだぜぇ!? ごみくずのくせにたちばがわかってないんだぜぇ!!」 棚の上で憤慨して飛び跳ね始めるまりさ。 周囲の品物があちこちに転がっていく。 「ちょ、本当にやめてって!迷惑だろ!!」 「なにいってるのおおおぉぉ!!? かわいいれいむのごはんをじゃまするほうがずっとめいわくでしょおおおおおお!! なんでそんなこともわからないのおおぉぉぉ!!?」 きいきい喚いてますます暴れまわるれいむ。 「ああ、ほ、本当にやめてください!品物がダメになっちまう!」 おろおろと右往左往する店主。 客たちも全員こちらを注視しているが、プラチナバッジのせいで誰も手が出せない。 「なあ、ご飯ならあとで沢山やるから!」 「くそどれいはだまってるんだぜ!? まりささまはいまたべたいんだぜ!!たべたいといったらたべるんだぜぇ!!」 まりさもれいむも俺に口答えされたのがよほど気に入らないらしく、 完全に意固地になって品物を食い散らかし続けた。 「すみません、あの、全部買い取ります」 俺は財布から二万円ほど出して店主に渡した。 こういった類の出費は長浜氏が援助してくれる。 「これで足りますか?」 「まあ……」 「お釣りは結構ですから。本当すいません!」 結局、好き放題食べたあげくに店先にうんうんまでしていき、ゆっくり共は店をあとにした。 食べた量自体はゆっくり二匹なのでそう多くもないが、崩れた棚と散乱した野菜が痛ましい。 俺はポケットティッシュでうんうんだけでも拭き取ると、ぺこぺこ頭を下げながら二匹を追っていった。 二匹の傍若無人ぶりはとどまることを知らなかった。 ごみ箱をひっくり返し、コンビニの商品棚をひっくり返し、 楽しそうなものは勝手に持ち出した。 そのたびに俺は金を置いていった。 「ゆっ!おまえはまりささまのどれいにしてやるのぜ!!」 「かわいいれいむのせわをさせてあげるんだからこうえいにおもってね!!」 通りすがりの人間をつかまえてはどれい宣言をする。 当然無視され、そのたびにきんきん怒鳴り散らす。 「ゆゆ!ここはまりささまのゆっくりべっそうにするんだぜ!!」 「とってもゆっくりできそうなべっそうだね!! ここでもかってあげるからどれいはよろこんでね!!」 ちょっと居心地のよさそうなところは、片端から別荘宣言をした。 喫茶店の中でがなり立て、客や店員を追い出そうとする。 「ここはまりささまがつかってやるからおまえたちはあまあまをおいてとっととでていくんだぜ!!」 おろおろしながら、店員がすがるような目を向けてくる。 プラチナバッジをつけたゆっくりに手出しもできず、飼い主の俺が納めるのを待つしかないのだ。 結局は、しばしば強引につかんで連れ出すことになった。 街中に連れ出した初めての日は、さんざんな結果に終わった。 どれだけ頭を下げ、お金を置いて回ったか知れない。 しばらくはこのへんは歩けないだろう。 さすがに無理がありすぎる、俺はそう判断して由美に提言した。 いくらなんでもあれだけ迷惑をかけて回るわけにはいかない。 協議の結果、「ゆっくりタクシー」なるものを発案した。 「ゆゆ?これはいったいなんなのぜ?」 「これは君たち用の乗り物なんだ。 君たちが外出する時には、これに乗って外に送ってあげるよ」 そう言って俺が見せたのは手提げ籠だった。 なんのことはない、ペット運搬用のケージである。 「これは本当にゆっくりしたゆっくりしか乗れない、超高級な乗り物なんだ。 君たちこそふさわしいと思ってね」 「ゆゆっ!」 ゆっくり共の眼の色が変わる。やはりプライドだけは高い。 「そんなことはしってるんだぜ!!くそどれい!じゅんびするのがおそいんだぜ!!」 「ゆっくりしたれいむにはとうぜんだね!!なにえらそうにいってるの?ばかなの?」 ともあれ、今後は外出の際にはまずこのケージに乗ってもらう。 あとは車で郊外まで連れ出し、人気の少ない原っぱで遊んでもらうことにした。 街中が気に入ってしまって抵抗するのではとも思ったが、意外と不満はないようだ。 「ゆふぅ~ん……ゆっ……ゆっ……」 「れいむのほっぺゆっくりしてるのぜ……」 「ゆっ……はずかしいよ……ゆっ…ゆっ……ゆふぅ」 今、俺の目の前で繰り広げられているおぞましい行為は、ご存じゆっくりの交尾である。 たるんだ二つの饅頭が表皮から粘液を分泌しながら、 互いの紅潮した表面をこすり合わせてゆっゆっ呻いている。 「ゆぅ~……まりさぁ……おにいさんがみてるよぉ……」 「ゆふっゆっ……だからなんなのぜ? いもむしさんいかのどれいにみられたからってなにもはずかしいことはないのぜ…… このごみくずには、まりささまたちのやってることのこうけつでしんせいないみなんてわかってないのぜ」 「ゆふっ、そうだねぇ……ばかそうなかおでみてるよぉ…… かんがえてみたらかわいそうないきものだね……」 「れいむはやさしいんだぜぇ……」 「ごみくずでも、みられてるとおもうとこうふんするよぉ……ゆっゆっゆっ……」 ねっとりと喋りながら長い舌をからみ合わせる。 「れいむはいやらしいんだぜ……ここがいいのかぜぇ?」 「ゆっ!ゆゆぅ……」 「そのかわいいおくちで、どこがいいのかはっきりいうんだぜぇ。 いわないとわからないんだぜぇ」 「ゆぅ~……まりさはいじわるだよぉ」 「さあ、いうんだぜぇ……ゆっゆっゆっゆっ」 「ゆっゆっゆっゆっ」 床にたまった粘液の池の中で、二個の饅頭はますます動きを速めていく。 「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっ」 やがて両方とも、体をぴんとつっぱらかして痙攣した。 「んほ、んほっ、んっほおおおおぉぉぉぉ!!!すっきりぃーーーーーーーーーーー!!!」 焦点のあっていない目を虚空に泳がせ、涙や涎をまき散らすゆっくり共。 目一杯突き出された舌がべろべろと跳ねまわる。 いざ交尾の様子を観察してみた今、 人間にとってこれほど醜い生き物はいないだろうと改めて思えた。 「ゆふぅ~~~~~~……」 「ゆふぅ、ゆふぅ、ゆふぅ……」 しばらく粘液の海の中に横たわって荒い息をついていたが、 やがてれいむがこっちに向かって言ってきた。 「ゆぅ~、まったくきのきかないどれいだね…… やることがあるでしょぉ……?いわれなくてもじぶんであたまをつかってね」 ちょっと考えてから、タオルを持ってきてゆっくり共を拭いてやった。 きれいに砂糖水を拭き取ってからクッションの上に載せてやる。 れいむの頭の上には茎が生えていた。 それを見て、俺は暗澹たる気分に襲われた。 しかし覚悟はしていたことだ。 性欲の並はずれて強いゆっくりが、ゆっくりプレイスでやることなど決まりきっていたことなのだ。 これで面倒事が増えそうだ。 にんっしんっしたれいむは、およそ十日の間は動かずに出産を待つことになった。 餌の心配はない。 「ゆゆぅ~……たのしみだよぅ。 れいむとまりさのゆっくりしたあかちゃんだよぅ」 「ゆっ、まりさににてゆっくりしてるのぜ!」 最初のうちこそ父親のまりさは楽しげに実を眺めていたが、 せいぜい一日か二日で飽き、れいむを放って勝手に遊ぶようになった。 「まりさぁ、いまあかちゃんうごいたよぉ!!」 「ゆっ?はいはいゆっくりゆっくり」 生返事である。 「ちゃんとみててよおぉ!!あかちゃんがかわいくないのおぉぉ!!?」 「ゆっ!うるさいのぜ!! こどもはれいむがめんどうをみるんだぜ!まりささまはかんけいないのぜ!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおお!!?」 無関心をれいむになじられるのが鬱陶しいようで、まりさは頻繁に外出するようになった。 明らかに快楽目的のすっきりであり、子育てを強いられるのは御免らしい。 これが森の中だったらさっさとれいむを見捨ててどこかへ行き、 れいむはゆっくり言うところの「しんぐるまざー」になるところだろうが、 奴隷が食事を運んでくるゆっくりぷれいすの魅力のみがまりさをここに留まらせていた。 「あかちゃんはやくうまれてねぇ……ゆっゆっゆ~♪」 まりさが構ってくれない寂しさと不安を紛らわせるように、れいむはしきりに赤ゆっくりに歌うのだった。 「あかちゃんたちがうまれたら、 とってもゆっくりしたおちびちゃんたちにまりさはめろめろだよ!!」 「ゆっくりをもってくるのぜ!!」 その日、まりさは外出先で言ってきた。 「ゆっくりを持ってこいって、どんなゆっくりを?」 「まりささまはすっきりしたいんだぜ!! どれいはさっさとすっきりようのゆっくりをもってくるんだぜ!!」 まったく悪びれもせず、いきり立ったぺにぺにを突き出してストレートに要求してくる。 れいむがにんっしんっしているためにすっきりができず、欲求不満らしい。 仕方がないので、そのへんにいる野良ゆっくりれいむを捕まえてきた。 まりさの返答はこうだった。 「こんなきたないゆっくりじゃまんぞくできないのぜ!!」 存分にすっきりした結果の返答であった。 「ま、まりさ!れいむをみすてないで!! いつでもすっきりさせてあげるから!!」 頭から茎を二本生やされ、すがりつくれいむに体当たりをくらわせるまりさ。 「のらゆっくりふぜいがおもいあがるなだぜぇ!!」 吐き捨て、さっさとその場を後にする。 「まって!!おねがい!!れいむこどものめんどうなんてみられないぃ!! おなかすいてるんです!!おにいさん!!おにいさあああああん!!!」 さすがに少々心が痛んだが、 すでに俺の中のゆっくりの印象は最悪に近くなっていた。 まだ虐待派とはいえないが、 情けを出して飼ってやったところで、どうせつけ上がるだけなのだ。 そう思うと、自分でも驚くほど冷徹になれた。 俺がすべきことは、このまりさと家のれいむをゆっくりさせ、長浜氏に忍耐力を示すことだけだ。 にんっしんっするれいむを家に残し、 まりさは毎日出かけていっては適当な相手を見つけてすっきりし続けた。 残されたれいむは、夫が構ってくれない苛立ちもあるのだろう、 ますます横柄になっていった。 「ぼさっとしてないでやることをかんがえてね!! れいむはにんっしんっしてるんだよ!!」 にんっしんっ状態であることをタテにとり、れいむはまったく動かずにあれこれ指図してくる。 「さっさとあまあまをもってきてね!! れいむはあかちゃんのぶんもたべなきゃいけないんだからね!!あたまをうごかしてね!!」 それまでの何倍ものごはんを要求するようになった。 その場から動こうとしないので、食べることと歌うことぐらいしかやることがないわけである。 「なにぼけっとしてるの?ばかなの? にんっしんっしたれいむをつめたいゆかにのせといてへいきなの?!」 タオルケットを下に敷いてやれば、ひっきりなしに交換を要求する。 「ごみくず!はながつまってるの!? れいむのおふとんさんがくさくなってるでしょおおお!? こういうときはどうするの!?ばかなりにいわれなくてもきをきかせてね!!」 交換して一時間もしないうちからこれだ。 明らかに優位を楽しんでいた。 「ちょっと!!なにじっとみてるのぉぉ!? ごみくずのきたないかおをれいむにみせないでね!! ゆっくりできないでしょぉ!?たいきょうにわるいんだよ!!」 追い払われれば、すぐに呼び戻される。 「くそどれいはどこいってるのぉ!? れいむがしーしーするからそこでみていてあとしまつをしてね!! かわいいれいむはにんっしんっしてるんだからちゃんとみてなくちゃだめでしょおおおお!? ごみくず!!むのう!!やくたたず!!はずかしいとおもわないのおおお!!?」 そんな日々が繰り返されていたある日、 まりさを連れて郊外にある川沿いの道を歩いていると、行く手にゆっくりの姿を見つけた。 そのゆっくり、ゆっくりありすは、こちらをじっと見つめていた。 「ゆっ!あれはじょうだまなのぜ!!」 見境なしにぺにぺにを勃起させ、ぽんぽん跳ねていくまりさ。 たしかに、そのありすは野良にしては小奇麗にしていた。 ぽってりと肥った肌はもちもちしており、髪は色つやを失っていない。 多少薄汚れてはいたが、見たところ捨てられたばかりの飼いゆっくりというところだろうか。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ありすの方から挨拶が交わされた。 その直後、まりさがすっきりを要求する。 「ゆっへっへ!まりささまのてくですっきりーさせてやるんだぜ!! まむまむをこっちにむけるのぜ!!」 「あなたはかいゆっくりなのかしら?」 どこか見下したような目で、ありすは聞いてきた。 「ゆっ?!ばかなことをいうんじゃないんだぜ!! このどれいはまりささまがかってやってるどれいなんだぜぇ!!」 「うそをいうまりさはとかいはじゃないわね! にんげんはつよいのよ!かえるわけないでしょ!!」 「うそじゃないんだぜ!!おい、ごみくず!! おまえはまりささまのどれいなんだぜぇ!?」 「………うん」 しかたがないので話を合わせてやる。 「きいたのかぜ!?」 「う、うそ!ほんとうなの!? ありすのかいぬしは、ありすじゃぜんぜんはがたたなかったのよ!?」 「それはありすがよわいからだぜ!! まりささまはつよいからちょっといじめるだけでにんげんはないてあやまるんだぜ!!」 都合のいい記憶を植え付けているようだ。 「ゆっ!それじゃあまりさはとかいのゆっくりぷれいすにすんでいるのかしら?」 とかいのゆっくりぷれいす、と言えば、人間の家のことだろう。 「ごくじょうのゆっくりぷれいすなんだぜ!! まいにちどれいどもがまりささまにあまあまをもってくるんだぜ!!」 「ほんとにほんとなの!?せれぶせいかつじゃない!」 「くどいんだぜぇ!!わかったらつよいつよいまりささまにまむまむをさしだすんだぜぇ!!」 少しの間まりさと俺の顔を交互に見比べていたが、 やがてありすはその場に転がり、あにゃるを突き出して腰を振り始めた。 「ゆっふぅ~ん……いらっしゃい」 「ゆ、ゆほほほほぉぉぉぉ!!たまらないのぜぇぇ!!」 俄然息を荒げるまりさ。 ゆっくり基準では、どうやらこれが扇情的なポーズということになるらしい。 「ががががががまんできないのぜぇぇぇ!! まりささまのまぐなむをくらうんだぜぇ!!」 「ゆふぅん、あわてないの!」 言うが早いか、ありすは長い舌を伸ばしてまりさのぺにぺにに絡ませた。 「ゆっほおおおぉぉぉ!!?」 怒張したぺにぺにに舌を這わせ、ぬるぬるした唾液をからませて丹念に舐め上げる。 「ななななななにをしているんだぜぇ!? きたないのぜぇ、ゆ、ゆほ、ゆほっほっほほぉぉ!! たたたたたたたたまらないのぜぇぇぇぇ!!」 ゆっくりという生物は性欲こそ強いが、 人間とは違い、知能が低いので交尾のバリエーションはかなり少ない。 摩擦によるすっきりか、ぺにまむ型のすっきりかぐらいで、やることは単調だ。 そんなゆっくりが、突然変則的な技術で責められる。 ゲスまりさでさえ、おぼこのような反応で戸惑いながらよがっていた。 人間の場合は珍しくもない手法だが、 このゆっくりありすは、ゆっくり基準では超絶テクニックの性豪ということになるのだろう。 「んっっほおおおおおおお!!すっきりーーーーーーーーーー!!!」 ついに、挿入もすりすりもしないうちからまりさは果てた。 顔に浴びせられた精子餡をねっとりと舐め取るありす。 人間なら妖艶な仕草だが、ゆっくりがやるとひたすら醜い。ウザい。 「あら、もうぐろっきーなのかしら? ありすのとかいはなてくにっくはまだまだこんなものじゃないわよ」 「ゆゆっ、ぐもんなんだぜ!! まりささまのまぐなむはまだまだいきりたってるのぜぇ!!」 起き上がり、ありすに覆いかぶさるまりさ。 「ゆっふん、せっかちなこね!!」 その後も、ありすのとかいはなてくにっくとやらはまりさを蹂躙していった。 まりさの口の中を舌で舐め回す。 まむまむやあにゃるに舌を挿入する。 ぺにぺにをまむまむに挿入された状態で腰をぐねぐねと振る。 体全体を使ってぐにょぐにょ絡みつく。 「ゆっ……ゆっ……ゆっ……ありすのあいをかんじてねぇ……」 「んほほほほほほほすっきり!すっきり!!すっきりぃぃぃーーーーーーーーーっ!!!」 蛇の交尾を見ているようだった。 そのおぞましさは吐き気すら催させる。 さんざんにすっきりしたあげく、まりさは精根尽きはててぐったり横になった。 ありすの方は頭に茎を生やしているが、一本だけだ。 巧みに相手のすっきりを誘導し、交尾に至るまでにさんざんすっきりさせたため、 交尾そのものは摩擦型を一回やっただけでまりさは満足してしまった。 この技術は、あきらかに人の手によるものだ。 「ゆふぅ……へぶんじょうたいなのぜぇ……」 「ありすのとかいはなてくにっくをたんのうしてもらえたかしら?」 茎を生やした状態で、まりさにずりずりと近づくありす。 「よかったらまいにちすっきりさせてあげてもいいのよ?」 「ゆゆっ!とうぜんなんだぜ!! まりささまのせんぞくすっきりようゆっくりにしてやるんだぜ!!」 「それじゃ、まりさのゆっくりぷれいすにつれていってくれるわね?」 「もちろんだぜ!!おい、ごみくず!!」 すっかり骨抜きにされたまりさは、俺に顎をしゃくってみせた。 「このありすをはこんでやるんだぜ!! きょうはもうかえるのぜ!!」 「でも、家にはれいむがいるだろ」 「ゆゆっ!!」 一瞬戸惑ったが、まりさはすぐに思考を放棄した。 「れいむのほうはおまえがなんとかするんだぜ!! まりささまのうつわはれいむだけじゃまんぞくできないんだぜぇ!!」 家庭内のごたごたまで俺に押し付けるつもりらしい。 もっとも、こいつらを家庭と呼ぶべきかどうかは疑問だが。 こうして、新たにありす種までを俺の部屋に迎えることになってしまった。 続く
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』6 一週間が経った。 「ゆっぐ……えぐっ……うぐ……ひっぐ……」 マジックミラーの側で食事をするゆっくり共。 まりさ共は近寄る気力もなく床にへたり込み、 それでも目をそらすことはできずに泣きじゃくっている。 ずっと他のゆっくり共を見下してきたこのまりさ共。 悔しさはひとしおだろう。 「向こうに行きたいか?」 緩慢な動作で俺のほうを向くまりさ達。 言葉の意味を飲み込むのに時間がかかったようだ。 「行きたいか?」 「いぎだい!!いぎだいでずううううう!!」 顔中を涙でぐしょぐしょにして、まりさ共は声をあげた。 「いがぜでぐだざいいいいいいいい!!」 「行かせてやる」 「ありがどうございばず!!ありがどうございばずうううう!!」 泣きじゃくりながら礼を言い続ける四匹を、籠につめこんでカートに乗せる。 外側の廊下を通り、向こう側の扉に入った。 食事をしていたゆっくり共の視線が、一斉にこちらに集まる。 四匹のまりさ共を床に下ろすと、 目を血走らせて物も言わずに這いずりだした。 必死になって向かうその先は、やはり食事だ。 「あまあま!!あまあま!!ゆうううう!!」 「おなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいた」 およそ一週間ぶりに食べられる、それだけがまりさ共を突き動かす。 あとは俺が手を下すまでもなかった。 積み上げられた食事にいましも喰らいつこうというその時、 まりさ共は体当たりを受けて突き転がされた。 「ゆびぃいい!?」 「ひとごろしゆっくりはこっちにこないでね!!」 「おぼうしさんのないゆっくりはゆっくりできないよ!!」 あらかじめ、このまりさ共はゲスだと言い聞かせてあったこと、 そして帽子がなかったことが致命的だった。 帽子のないゆっくりは、同族にいじめ殺されることは日常茶飯事である。 「ごはん………ごはんわけてくださいぃぃ………」 「おでがいじばず……おでがいじばずううう…… もうずっどだべでだいんでずうううううう………」 「しらないよ!おまえたちはゆっくりあっちいってね!!」 「きたないゆっくりだね!!」 あちこちから体当たりを受け、右に左に転がされるまりさ共。 数で負けていることに加え、ずっと食事をしていないために体力の差は歴然だった。 四匹のまりさは、十数匹のゆっくり共にリンチを受けていた。 「殺すなよ」 「ゆっくりわかったよ!!」 俺が言ってやると、ゆっくり共が返事をよこしてきた。 人間との上下関係は躾けてある。 「どうか……どうか……」 「なんでぼじばず……なんでぼじばずうう……」 「だったらゆっくりかえってね!!」 「くさいからちかよらないでね!!ごみくず!!」 さんざんに打ちすえられた後、 四匹のまりさ共は爪弾きにされて転がった。 食事を囲むようにして輪を作り、ゆっくり共は食事に戻った。 「あ………あ………あいぃぃぃ……」 「お……な…か…すい…た……」 それでもまりさ共はナメクジのように這いずり、 食べ物のところへ行こうとする。 何度弾き飛ばされても、まりさ共はやめなかった。 「ころさないでやってれば、ずうずうしいゆっくりだね!!」 一匹のゆっくりれいむが業を煮やし、 一枚のチョコレートを部屋の隅に放り投げた。 「きたないゆっくりはあれでもたべてね!!」 「ああああああああ!!!」 礼を言う余裕もなく、まりさ共はそちらの方へ這いずっていった。 しかし、四匹のまりさに対してチョコレートは一枚。 果たして争いが始まった。 互いに髪を引っ張り合い、邪魔をするまりさ共。 引っ張り、噛み、踏みつけ、醜い争いが繰り広げられる。 ゆっくり共はにやにやと侮蔑の視線を向けていた。 さんざんに打ち合ったあげく、体格差で親まりさが先にチョコレートに辿り着いた。 「ゆふううう……ゆっくりいただきますだよううう……!」 その瞬間、後ろから急激にお下げを引っ張られ、親まりさは引き戻されて転がった。 「ゆううう!?」 周囲を見回すが、ゆっくり共はにやにや薄笑いを浮かべているだけである。 当然、引きよせたのはゆっくり共だが、しらばくれていた。 空腹に耐えられず、再びチョコレートに向かう親まりさ。 何度も何度も、食べる直前に引き戻された。 泣きながら、舌を目一杯突き出しながら、 這いずっては戻され、這いずっては戻される。 「ゆぅうううううううううう!!!」 泣きじゃくり、ゆっくり共を睨む親まりさだが、 にやにや笑いを返されるばかり。 万に一つの可能性に賭けて、数十回目の接近を試みる。 そして、引きもどされる。 「がんばれ、ごみくず!!」 「がんばれ、ごみくず!!」 「ぎゃんばりぇ、ごみくじゅ!!」 一枚のチョコレートを目指して、 今、四匹のまりさはゆっくり共のエールの中、ナメクジのように這いずっている。 這いずっては引き戻され、這いずっては引き戻され。 「ゆわぁああああああ!!!」 一匹の子まりさが、這いずりながら大声で泣き喚いた。 それを聞き、ゆっくり共は心底楽しそうにゲラゲラ笑う。 「おかーしゃん、もっとたべたいー!」 一匹の赤ゆっくりが言うと、その親が答えた。 「ゆゆ?もうあまあまなくなっちゃったよ! しょうがないからあれをたべてね!!」 「ゆっくりわかったよ!!」 赤ゆっくりがぴこぴこと跳ね、 まりさ達とは反対側からチョコレートに向かっていく。 ゆっくり共が囃し立てはじめた。 「はやくたべないと、おちびちゃんにたべられちゃうよ~?」 「あまあまはあれしかのこってないよ!ゆっくりがんばってね!!」 「ゆぅううううううう!!?」 必死にペースアップを試みるまりさ共。 赤ゆっくりはわざとふざけて、ころころ転がりながら向っていった。 「ちゃ~べちゃうよ~♪ちゃ~べちゃうよ~♪」 「おでがいでずううう!!だべざぜでええええ!!」 喚く親まりさが、また引き戻された。 「ゆぅううぐうううううう!!うぐううううう!!」 泣き喚きながら這いずり続けるまりさ共の前で、 ついに赤ゆっくりがチョコレートにかぶりついた。 「ゆうううううう!!だべだいでええええ!!」 「む~ちゃ、む~ちゃ………ちちちちちあわちぇー!! こにょちょこれーちょ、ときゅべちゅおいちいいぃぃ~~~♪」 「あああああああがああああああ!!!」 後ろから髪を引っ張られて近づけないまま、 最後のチョコレートが赤ゆっくりの小さな口でゆっくりと食べられていくのを、 まりさ共はじっくりと見せつけられた。 壮絶な苛めである。 かつて威張り散らしていたまりさ共は、 今や屈辱と絶望に苛まれ、床に伏して泣きじゃくっている。 ゆっくりに苛めさせるやり方は、まずは上々の成果をあげられそうだ。 「さて、そのまりさ共は今日からここに住む」 俺は言った。 「ゆゆ!こんなきたないゆっくりいやだよ!!」 「とかいはなゆっくりぷれいすは、いなかものにはもったいないわ!!」 ゆっくり共からブーイングが上がる。 「そいつらはお前らの好きにしていい」 「ゆっ?」 俺の言葉に、ゆっくり共の反応が変わる。 「絶対に殺すな。それさえ守れば、何をやってもいい」 「ゆゆっ!!」 たちまち目を輝かせ、顔を見合わせるゆっくり共。 すでに嗜虐の快感を覚え、やみつきになっているようだ。 「れいむたちはごみくずといっしょにくらすよ!!」 「たっぷりあそんであげるからかんしゃしてね!!」 まりさ共を取り囲み、ゆっくり共は歓迎の挨拶を浴びせた。 まりさ共は周囲を見回しながら、媚びた笑みを浮かべた。 ここにいさえすれば、食べるチャンスがある。 媚びへつらえば、あまあまを分けてもらえるかもしれない。 そんな期待が表情に表れていた。 ゆっくり共の仕打ちは想像以上だった。 その日から、毎日まりさ共は虐げられ続けた。 部屋の中のどの遊具よりも、ゆっくり共にとってまりさ共は楽しい玩具だった。 日がな一日、ゆっくり共はまりさ共にかかりっきりになって遊んだ。 執拗に体当たりをしてはあちこちに転がす。 トランポリンのように上に乗って飛び跳ねる。 髪を掴んで壁に叩きつける。 舌を噛んで引きずりまわす。 「あがあああああ!!ああああぁぁぁ!!うぐぅあああああーーー!!」 舌を噛まれながら、まりさ共は悲鳴をしぼり出す。 新しい遊びを思い付くたびに、 ゆっくり共はどれだけ大きな悲鳴を上げさせられるかを競った。 はずみで殺してしまいそうになることもしばしばだったが、 その度に俺や世話係が中断させ、まりさ共を治療した。 当然、どれだけ懇願しても食事は与えられない。 体を拘束されながら、あるいは突き飛ばされながら、 わざと目の前で行われる食事を、まりさ共は涎を垂らして食い入るように見つめ続けた。 「ゆびぃいいいい!!あばあば!!あばあばぐだざいいいい!! びどぐぢだげ!!びどづだげ!!びどがげらだげええええ!!」 まりさ共の懇願を聞きながら、ゆっくり共は実に楽しげに笑い合うのだった。 「しょんにゃにおなきゃしゅいちゃ?」 ここに移されて三日が経ったころ、 涎を飛び散らして泣き咽ぶ親まりさに、一匹の赤れいむが問いかけた。 「ばいいいいい!!ずぎまじだ!!べごべごでずうううう!!」 自分よりずっと小さな赤ゆっくりに対し、慈悲を乞う親まりさ。 「じゃあたべちゃちぇてあげりゅ!!」 「あああああ!!あじがどうございばずうううう!!」 そう言うと、赤れいむはあにゃるを突き出し、いきみ始めた。 「ゆ………」 親まりさの表情がこわばり、みるみるうちに青ざめてゆく。 はたして、赤れいむはたっぷりとうんうんをひり出した。 「ゆっきゅりたべちぇいっちぇね!!」 素晴らしいとばかりに、ゆっくり共が声を合わせた。 「よかったね!!ゆっくりたべていってね!!」 「ゆああぁ………ゆああぁ……」 泣きはらした目を見開きながら、親まりさはいやいやと首を振った。 「ゆゆっ!せっかくめぐんでもらったのになんでたべないの!?」 「すききらいをいうなんておもいあがったごみくずだね!!」 「だめですぅぅ……ゆぅぅぅ………たべられませぇぇん……!」 人間から見ればただの餡子だが、 あにゃるから排出されたうんうんは、ゆっくりにとっては明確に排泄物である。 排泄物は汚く臭いものであるという認識は、ゆっくりも人間と同じようだ。 「ゆっぐ……ゆっぐ……ゆっぐり、でぎだいいぃぃ……」 「それをたべれば、もっとあまあまをあげるよ!!」 自分たちの食事のほうを向いてみせながら、ゆっくり共が宣言する。 「ゆぐうううう……!!ゆぅぐぅううううう……!!!」 涙をだらだらと流し、がたがた震えながら、親まりさは舌を伸ばした。 ゆっくりにとってひどい悪臭を放つ排泄物にのろのろと舌を近づける。 舌がわずかに触れ、弾かれるように引っ込んだ。 「はやくたべないと、あまあまがなくなっちゃうよ!!」 「ゆひぃぃぃぃ………!ゆひぃぃぃぃ…………!」 ぜえぜえと息をつきながら再び舌を伸ばす。 ほんの少しすくい上げ、口に入れたとたんに激しくせき込んだ。 「ゆごっ!!ごぼっ!!げぇ!ゆげぇええええ!!」 げらげら笑うゆっくり達に、親まりさは死にそうな表情で許しを求めた。 「だべでずぅ!!ゆるじでぐだざいいいい!! うんうんだんでだべられだいいいいいいい!!」 「たべたくないならいいよ!! そのかわり、いっしょうあまあまはあげないよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「うううううううううううううううーーーーーーーーっ!!!」 絶叫を上げると、親まりさは食い入るようにうんうんを口に運びはじめた。 激しくせき込み、幾度となく吐き出しながら、必死に飲み込もうとする。 隣ではひり出した当の赤れいむが、きゃっきゃと飛び跳ねていた。 「おいちい?おいちい?りぇいみゅのうんうんおいちい?」 「ゆぐぅぅぅぅ………!!」 「ちあわちぇ~ちないの?まじゅいの? りぇいみゅがめぎゅんであげちゃごはんまじゅいの?」 「おいじい!おいじいでずううう!! む~じゃ!む~じゃ!!じ、じ、じあわじぇええええぇぇ」 嘲笑の中、ついに親まりさは食べ終えた。 吐き戻しそうになるのを必死にこらえ、ゆっくり共に願う。 「ぐだざいぃぃ……だべばじだぁぁ…… あばあば…ぐだざいぃぃ……!!」 「いいよ!!たっぷりあげるね!!」 ぱぁっと表情が明るくなった親まりさの前で、 ゆっくり共は並んであにゃるを突き出した。 その時の親まりさの表情には、さすがに少々溜飲が下がった。 この部屋のゆっくり共に便所の概念はなく、 これまでは好きなときに好きなところで垂れ流していた。 今、このゆっくり共は、自主的に便所を定めていた。 「ゆっきゅりうんうんしゅるよ!!」 「しーしーしゅるよ!!」 「あうがあああああ!!いびああああああああ!!!」 食事が終わり、うんうんをする時間。 四匹のまりさ共が、それぞれ押さえつけられ、口を上向きに開けられていた。 その口には、ひり出されたうんうんが大量に積み重なっている。 成体ゆっくりはあにゃるを突き出し、 赤ゆっくりは顔によじ登り、その口の中にうんうんやしーしーを注ぎ込んだ。 悪臭と嫌悪感に絶叫しつづけるまりさ共。 その声量は、それまでの苛めとは段違いだった。 それを聞きながら、まだまだ痛めつける余地があるなと俺は意思を固めた。 さらに二週間が経った。 一切食事を与えられず、連日排泄物を食わされ、傷めつけられ続けたまりさ共。 うんうんでも多少は栄養になるらしく、体力的にはそれなりに回復しているようだ。 その体力は、全て泣き声を上げることに費やされていると言ってよかった。 「ゆひぃ……ゆひぃ……ゆううぅ……」 ゆっくり共が食事をしているその背後で、 まりさ共は排泄物まみれになりながら、部屋の隅で泣きじゃくっていた。 髪は乱れ放題、あちこちに痣ができている。 ぶるぶると身を震わせ、まりさ共の涙は止まる気配がない。 この食事が終われば、また排泄物を食わされるのだ。 その瞳は絶望に染まっていた。 頃合いと見て、俺は声をかけてやった。 「戻りたいか?」 「ゆっ?」 まりさ共が俺を見上げる。 その眼差しは萎縮した、卑屈なものだ。 「前の部屋に戻りたいかと聞いている」 「ゆぐうぅぅぅぅ………」 まりさ共がまた泣きじゃくり始めた。 毎日暴行を受け、排泄物を食べさせられる毎日。 考えるまでもなく、こいつらにとってここは地獄だろう。 これが人間だったらと思うとぞっとする。 しかし、ここには食糧があった。 たとえ排泄物ではあっても。 前いた隣の部屋に戻されたら、またなにも食べられない。 ただそれだけが、こいつらを迷わせる要因だろう。 俺は助け船を出してやった。 「飯はやる。食わせてやる」 「ゆゆっ!!ほんとう!!?」 「ああ本当だ。毎日、たっぷりと食わせてやる。 お腹がはち切れるぐらいたっぷりとな」 「ゆゆぅ~……!!やっどゆっぐりでぎるよぉぉぉぉぉ!!!」 「来るか?」 「いぐ!!いぐ!!いぎまずううううう!!」 「ここを出るなら、二度とここには戻れないぞ。 もう二度と、ここに来るチャンスは来ない。それでもいいのか?」 「こんなくずどものいるへやにはにどとこないよ!! はやくつれていってね!!」 まりさの罵声を聞きつけ、ゆっくり共がいっせいにこちらを向く。 「ゆっ!!ごみがなにかいった!?」 「うんうんぐいのごみくず!!もういっぺんいってみてね!!」 今にも飛びかかりそうなゆっくり共を、俺が制した。 「ゆっ!?おにいさん!!じゃましないでね!!」 「今日でこいつらはここを出る。今後は手出し無用だ」 「ゆぎぎぎぎぎ!!」 歯噛みするゆっくり共。 まりさ共はすっかり勝ち誇り、鬱憤を晴らすべく罵りだす。 「くず!くず!!ごみくず!!ごみくずはそっちなんだぜ!!」 「まりささまはあっちでゆっくりするんだぜ!! ごみくずはごみくずどうし、うんうんでもひっかけあってるんだぜ!!」 「あたまにのせてるそれ、ぜんっぜんゆっくりできてなかったんだぜ!! うんうんでもあたまにのせたほうがずっとゆっくりできるんだぜぇ!!」 「ばぁ~か!!ばぁ~か!!」 俺がカートに乗せて部屋を出るまで、 まりさ共はカートの上からゆっくり共を見下ろして嘲り続けていた。 再び元の部屋。 一面のマジックミラーは透過状態になっており、 隣のゆっくりプレイスとは互いにまる見えになっている。 「ゆっ!!おにいさん、ごはんください!!」 「おなかぺこぺこなんだぜ!!はやくもってきてね!!」 すぐに騒ぎ出すまりさ共。 俺はすぐに、部屋に用意してあったものを指し示した。 「それがお前らのごはんだ。全部食べろよ」 それには青いビニールがかかっており、中は見えなかったが、 部屋の真ん中でこんもりと盛り上がり、ボリュームを伺わせた。 「ゆうぅぅぅぅ~~~!!ゆっくりいただきますなんだぜぇぇ!!」 目をむいて涎を垂れ流し、まりさ共はそれに飛びつくとビニールをはぎ取った。 「ゆ」 まりさ共が固まった。 そこにあるのは糞だった。 床に置かれた低いコンテナの中に、 人糞、馬糞、牛糞、犬猫の糞、その他あらゆる動物の糞が混じっていた。 赤いもの黄色いもの黒いもの、白いの青いの緑色、固形下痢便赤痢便、 あらゆる生き物のあらゆる状態の糞が入り混じり、すさまじい臭いを放っている。 あちこちで蠢いているのは蛆虫や寄生虫のたぐいか。 たまらず俺はマスクを取り出して口にはめた。 それでも臭いが鼻を打ち、頭痛さえしてくる。 吐き気と闘いながら、それでも俺は見届けなければならない。 この臭気を自ら体験していないと、こいつらの苦痛が実感できない。 まりさ共がゆっくりと俺の方を向き、 がたがたがたと震えながら歯を噛み鳴らした。 「お、お、お、お、お、おに、おにいざ」 「毎日たっぷりと食わせてやる。俺はそう約束した」 「だだだだだだだめだめだめだめ」 もはや文章になっていない拒否を口にするまりさ共の頭部を掴み、持ち上げる。 「ゆびぃぃいいいいいいい!!!ゆびぃいいいいいいいいいーーーっ!!!」 恐怖そのものの表情を顔に浮かべ、まりさ共が泣き喚いた。 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!おでがいじばずうううううう!! ぼがのごどならなんでもやりばず!!なんでも!!ごろじでもいいでずううう!! ごれだげはやべで!!!ごれだげはおでがいじばずううううう!!! ばりざが!!ばりざが!!ばりざがああああああああ!!!」 しばらく懇願を聞いた後、全てそのコンテナの中に放り込んだ。 「ゆびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーっ」 糞の海の中に身を浸したまりさ共は、 あまりの悪臭刺激臭に、全身を縦長にぴんと硬直させて目玉をぐるぐる回した。 歯茎をむいて歯を食いしばるも、歯と歯の間から糞が入り込んできて絶叫する。 「ゆごがっばあああぁぁーーーーーーーおおおぉぉげおおおーーーっ」 糞にまみれてのたうちまわるまりさ共。 目といわず口といわずあにゃるといわず穴の中に入り込み、 全身にまとわりつく糞の悪臭に狂ったように叫び続ける。 人間だったらたちどころに発狂まちがいなしだが、 そういう機能のないこいつらは苦しみ続けることになる。 ただ、苦痛を終わらせる方法はあった。それに注意しなければならない。 「ゆごげ!!ぼぇ!!ゆぼぇげげえええええっ!!!」 やはり、嫌悪感ですぐに餡子を吐き出し始めた。 餡子を吐き出し続け、その量が致死量を超えると、ゆっくりは死ぬ。 言ってみればこれが発狂の代わりだろう。 当然、そんな生ぬるい安らかな最期を迎えさせてやる気はない。 すでに俺は、全身を覆う作業着に身を包んであった。 餡子を吐き出したやつから、俺は手早く回収して手近の台の上に置く。 全員が吐き出しているので急がなければならない。 「ゆげぇ!!げっげっげっげっごえぇ!!!ぼげぇぇぇぇえがびゅっ!!?」 大口を開いてえずく子まりさの顎を殴りつけ、強引に閉じると、 強力なガムテープで一旦口を閉じた。 「んぐ、んぎゅっ、んぐむぅううーーぅ」 ばたばたと暴れ回る子まりさを放置し、 他の子まりさ二匹と親まりさも、同じようにして口を閉じる。 親まりさの口は大きいからやや手間取った。 台の上に転がしたまましばらく放置し、落ち着くのを待つ。 吐き気にびくんびくんと跳ね回るまりさ共。 その口内では、吐き出しては飲み込むのを繰り返しているのだろう。 まだほとんど口に入れていないうちから、なかなか苦しんでくれる。 数分してから、ようやく四匹とも荒い息をするだけになった。 吐き気がおさまったようなので、ガムテープを剥がす。 涙に濡れた眼をこちらに向けながら、まりさ共は力なく慈悲を求めてきた。 「ゆぐ、ゆ、ゆ、ゆるじで、ゆるじで……ゆるじでぐだざぃぃ……」 「だべらべばぜぇぇん………」 「おでがい……おでがいでじゅうう……」 一匹の子まりさを手に取り、持ち上げる。 「ゆぐじで!!ゆぐじで!!ばりざなにもわるいごどじでなぎぃいいい」 「口を開けろ」 「ゆぐっ」 身を震わせて口を閉じ、いやいや首を振る子まりさ。 その顔面を拳で殴りつける。 十五回ほど殴ったところで、子まりさの口が開いた。 「ゆべぇ……ゆべぇ……ぇぇぇぇ……ゆっぐ、ひぐぅ……」 大口を開いたまま泣き声を上げる子まりさ。 俺は、その口を天井から吊り下げられたフックに掛けた。 「ゆごぎぇえっ!!?」 鉤爪型の大きなフックは、 子まりさの上顎を貫通し、目と目の間を貫いて先端を露出させた。 「ゆぎょ!!ごぎょ!!えあ、えああああいいいいぎぃああああっ」 上顎を支点に天井から吊るされたまま、 激痛でぶるんぶるんと跳ね回る子まりさ。 続いて残るまりさ共も、同じように上顎をフックに掛けて吊るす。 こちらに向かって大口を上げたまま縦にだらんと伸び、 空中で身をよじり続ける肌色の奇怪なオブジェが四つ並んだ。 「えぎょおお!!あい!!ぃいいいいあいいいいぎゅううぐううーっ!!!」 次に、新しい道具を持ってくる。 それは鉄製の輪で、輪を丁度ふさぐ大きさの円盤がつながっている。 輪は、成体サイズの子まりさの口をぎりぎりの限界まで広げられる大きさだ。 もちろん親まりさの輪はさらに大きく、同じく限界まで広げられる。 吊るされたままの子まりさの口をこじ開け、 鉄の輪を強引に口にねじ込んだ。 「ゆげぅ、ご、ごっ、おぉおおおおおごごごごごごごごおおお、あああがががが」 子まりさの口が目一杯広げられ、口内を晒した。 ここまで伸びるものか、顔とほぼ同じぐらいの大きさにまでこじ開けられている。 上顎を支点に吊り下げているので適度に傾き、 開かれた口が斜め上方を向いた状態になっていた。 試しに、輪に繋がっている円盤を動かして輪にはめる。 丁度うまい具合に隙間なく輪にはまり、金具で止められた。 こうすることで口に蓋ができるようになっている。 こうして、まりさ共は蓋つきの容器となった。 ぎりぎりまで大口をこじ開けられる痛み、 上顎から眉間にかけてフックで貫通される激痛。 言葉を発することもできず、まりさ共はしきりに呻きながら涙を流して耐えるしかない。 準備は整った。 俺は大きな柄杓を手にした。 柄杓は大きく、両手を使ってバケツ一杯近くの量をすくえるようになっている。 その道具を見て、まりさ共の目が見開かれた。 がたがたがたがたと震えが大きくなる。 すでによほどの激痛だと思うが、明らかにそれ以上の恐怖を感じているようだ。 「食事の時間だ」 「ゆぐぅうううううううーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」 山と積まれた糞便をたっぷりと掬う。 それを、斜め上に向けて開かれた親まりさの口にゆっくりと近づけた。 「あう!!ゆぁう!!おぁあああああおおおおああああーーーーーー」 一杯に見開かれた目から涙をぼたぼたぼたと流し、 口内に運ばれてゆく糞便を凝視する親まりさ。 この世の苦痛をすべて身に受けたかのような表情だ。 だが、実際には、こいつらが受ける苦痛はまだまだ序盤にすぎない。 ついに口内に糞便が流し込まれた。 「ゆぎょおおがぁばああああああ!!!!」 口いっぱいに糞便を詰められ、すぐに吐き戻そうとする親まりさ。 俺はすぐに、口にはめられた輪の蓋を閉じた。 金具で強固に留められた蓋は、ゆっくりの舌ごときではびくともしない。 親まりさの瞳がぐるんと裏返り、一杯に開かれた目は白目になった。 しばらくの間びぐんびぐんと跳ね回り、やがてびくびくと小刻みな痙攣に変わる。 全身からじっとりとした体液が染み出しているが、 糞便や吐瀉物は密閉されて漏れず、消化されるまで親まりさの体内に居座り続ける。 頬張られたそれは、一体どんな味なのだろうか。 恐らく、もはや味とすら呼べない刺激、苦痛だろう。 マスクごしに嗅いでいるだけでも、俺のこめかみがずきずきと痛んでいる。 俺自身も相当辛いこの作業だが、次にかからなければならない。 これは俺自身への罰でもあるのだ。 ともに畜生道へ落ちよう。 俺の視線を受けた次の子まりさが、 言葉を発することができないまま、体全身を蠢かせて慈悲を乞い始めた。 「うまいか?」 声をかけてやるも反応はない。 四匹のまりさ共は、口に蓋をされたまま、 涙と涎と小便と大便をだらだらと垂れ流したままこちらを見ながら震えている。 気絶はできないのだから、その餡子脳は絶え間なく苦痛を受けているはずだ。 嘔吐を示す体の曲げ方を見る頻度は少なくなった。 最初は白目を剥いて口内に吐瀉物を溜めるばかりだったが、 やがて諦めたのだろう、一刻も早く消化して苦痛を終わらせようとしはじめた。 「焦らなくてもいいぞ。まだまだおかわりはたっぷりあるからな。 ゆっくり食事を楽しんでくれ」 そう言って糞便の山を指し示してやる。 まりさ共の目が絶望に歪み、ぎゅっと引き絞られて涙をさらに絞り出した。 なぜこんな目に遭っているのだろう。 なぜいつまでたっても終わらないのだろう。 まりさ共の中で、そんな疑問が渦巻いていることだろう。 しかし、これさえまだまだ序の口にすぎない。 すでに普通のゆっくりなら全身の餡子を吐きつくしているだろうが、 こいつらの罪は、ゆっくりが死ぬ程度の罰では軽すぎる。 ゆっくりの限界を超えて極限まで苦しみ、 極限に到達したなら、さらにその先まで苦しんでもらわなければならない。 マジックミラーで隔てられた隣の部屋のゆっくり共が、 飛び跳ねながらまりさ共を嘲り笑っていた。 続く
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※初めまして、最初で最後のゆっくり虐待に挑戦してみます。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※最初の数回は読者様のストレスをマッハにすることに腐心しています。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』1 「おちびちゃんたち、じじいのあたまにしーしーしてね! くそじじいにはもったいないけど、あんまりきたないから しーしーできれいきれいしてあげるんだからね!ありがたくおもってね!」 「ちーちーしゅるよ!ちーちー!」 「ゆっ!くちょじじい、もっちょあちゃましゃげちぇね! りぇいむのちーちーできりぇいにしちぇあげりゅ!」 額を床につけている俺の頭に、正面から横から、 赤れいむのしーしーがびたびたと打ちつけられる。 気持ちよさそうに震えながらしーしーをしている赤れいむは四匹。 土下座の姿勢では見えないが、俺の正面では、 一匹のゆっくりれいむが嘲笑を浮かべながらこちらを見ている。 「ゆゆ?じじい、さっきからだまりこくってどうしたの? なにかいうことがあるんじゃないの?ばかなの?しぬの?」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 親のれいむが罵るのを聞くと、すぐに赤れいむたちが口を合わせて合唱を始める。 「ばかなじじいはいわれなきゃわからないみたいだから、 しんせつなれいむがゆっくりおしえてあげるね! きれいきれいしてもらったらおれいをいうんだよ! さあ、いいこだからおちびちゃんたちにおれいをいってごらん?」 俺はしーしーの水たまりに頭を伏せたまま黙って体を震わせていた。 握り込んだ手のひらに爪が食い込む。 「どうしたの?いいたくないの? それともばかだからおれいのしかたをしらないのかな? いいこだからよくきいてね。 「ぐずでのろまの、きたないくそじじいに しーしーをめぐんでくださってありがとうございます」っていうんだよ!」 「いうんだよ!」 「はやきゅいえ!ごみくじゅ!」 「…………」 「ゆ?どうしたの?いえないの? ばかにはむずかしかったね。 だったらいいんだよ!おねえさんにおしえてもらおうね!」 「ぐ……」 歯茎から血が出るんじゃないかと思うほど震えている顎を 苦労してこじ開けながら、俺は絞り出した。 「ぐずで、のろまの…」 「おそいんだぜ!」 俺の後頭部を衝撃が襲う。 バスケットボール大の饅頭、ゆっくりまりさが飛び込んできたのだ。 「ちゃっちゃというんだぜくそじじい! いちにちはみじかいんだぜ?ごはんとそうじがまってるんだぜ! あさのしゃわーぐらいてばやくすませるんだぜ!」 後頭部で飛び跳ねられる度に、俺は顔面を床に打ちつける。 床に鼻血が滴る。 背中のほうでは、ソフトボール大の赤まりさたちが飛び乗り、 親に便乗して俺の上で飛び跳ねはじめている。 「はやきゅすりゅんだじぇ!」 「まりしゃしゃまたちはおなきゃしゅいたんだじぇ!」 「ごはん!ごはん!」 「ぐずでのろまの汚いクソ爺に、 しーしーを恵んでくださってありがとうございます」 「ゆはははは! いったよ、ほんとにいったよこのじじい!」 親れいむが爆笑した。 それに合わせ、赤れいむ、まりさ親子、 そして奥のほうから眺めているありす親子が笑い出す。 「ほんのじょうだんだったのに、 ほんとにいうなんておもわなかったよ!じじいはばかだね! それともほんとにうれしかったのかな? おちびちゃんたちはやさしいから、たのめばまいにちしーしーくれるかもね!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「おい、しーしーじじい!ごはんをよういするんだぜ! まりささまのせわをさせてあげてるんだから、 ごみくずはかんしゃしてちゃっちゃとうごくんだぜ!はやくしろ!」 尻に親まりさの体当たりを受け、再び俺は床のしーしーに顔を打ちつけた。 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 話は二か月前に遡る。 「「ゆっくりしていってね!!」」 大学から帰ってきた俺を出迎えたのは、 居間の真ん中に転がる二つの饅頭だった。 部屋中は惨憺たる有様で、 あちこちひっくり返して見つけ出し食べ散らかした食べカスや、 排泄物らしき餡子、砂糖水、びりびりに破られてまき散らされた雑誌類などが そこらじゅうにぶちまけられていた。 冷蔵庫も開けられ、中の食材がすべてやられているようだ。 カーテンは半ば引きちぎられ、ポットも炊飯器も倒され、 寝室から引きずり出された毛布が汚れを吸って無数の染みを作っている。 案の定、窓ガラスは割られて床にガラス片が四散していた。 ここはマンションの一階。 お定まりのパターンというやつで、 石を投げてガラスを割り、侵入してきたようだ。 その時、俺が部屋に帰ってくるのは三日ぶりだった。 友人が婚約したとかで、 その祝いでひとしきり飲み騒ぎ、外泊が続いたのだ。 その間中、このゆっくり二匹が部屋を蹂躙していたわけだ。 最近になって、俺の住むこの街でも ゆっくりの被害が幾度となく取り沙汰されるようになった。 ゆっくりの数は全国で着々と増え続けているらしい。 被害に遭った知人の話を聞くにつけ、俺も対策しなければとは思いつつ、 もう少し後でいいだろうとたかをくくり、ずるずると先延ばしにしていた。 きちんと対策していれば。思い起こすたび後悔で身をよじる。 侵入してきたのは、ゆっくりまりさとれいむの番いだった。 野良のゆっくりらしく、二匹はひどく汚かった。 成体になりたてのようで、大きさは共にバスケットボール大。 全身にこびりついた土の汚れが、そのまま部屋中に足跡を残している。 「ゆ!ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!!」 「にんげんさんはたべものをもってきて、ゆっくりしないででていってね!!」 さっさと追い返せばすむ話だった。 だが、この時はさらに不幸が重なっていた。 「きゃあ、可愛い~!!」 恋人の由香を同伴していたのだ。 友人との飲み会でもずっと一緒に騒いでいた。 騒ぎ疲れてこの家に帰ってきて、ついでに一戦交えるつもりもあったが、 ゆっくりに水を差された形になった。 悪いことに、由香は筋金入りのゆっくり愛好家だった。 「かっわいいわあ~。すーり、すーりっ」 「ゆゆっ!おねえさんなにしてるんだぜ!?」 小汚いゆっくり二匹を両方抱え上げ、頬ずりを始めた。 「ゆ、ゆっくりやめてね……すーり、すーり♪」 「まりささまのびはだによいしれてるんだぜ!」 ゆっくりの方もまんざらではなさそうだ。 「お、おねえさん!まりささまはおなかがすいてるんだぜ。 とっととたべものをもってくるんだぜ!!」 まりさの方が早くもしびれを切らし、食事を要求してきた。 「あ、ごめんね!」 由香がゆっくり共を床に下ろし、周囲を見渡した。 しかし部屋の様子はすでに記述した通りである。 仕方なしに由香は立ち上がった。 「ちょっと待っててね。食べ物持ってくるからね」 「ゆゆっ、さっさとするんだぜ! ぐずにいきるかちはないんだぜ!!」 まりさの方はゲスなんじゃないか、と思っている俺に由香が言う。 「コンビニ行こ!」 この部屋の様子を見て、部屋の主を目の前にして なんで呑気にそんな事が言えるのか。 由香も承知の上らしく、俺の反論を封じるように 腕を引いて外へぐいぐい引っ張っていく。 「とっととするんだぜ!!」 背中から苛立たしい声が聞こえてきた。 「なに考えてるんだよ!?」 「ごめん、圭一!」 圭一は俺の名である。 部屋からある程度離れた路上で、由香は俺に手を合わせた。 「あんまり可愛いものだからつい……」 「どこが!?」 「全部!」 由香のゆっくり愛好ぶりはただごとではなかった。 ゆっくり愛護会だかなんだかの会員である。 携帯電話にはゆっくりキーホルダーがごちゃりとぶら下がり、 ゆっくりバッグの中には他にもゆっくりグッズが満載だ。 いつもゆっくりショップの前を通るたびに立ち止まり、 陳列されているゆっくり共を前にため息をついている。 俺には苛立たしいだけなのだが、 彼女の目には天使のように映っているらしい。 「ね、飼お!」 「はあ!?」 えらいことを言い出した。 あんなゲス(俺の中では決定)は一刻も早く追い出したいのだが。 「人間の手がついちゃったゆっくりより、 野生のゆっくりとお友達になりたかったの」 「あんな尊大な奴らと?おかしいんじゃないか?」 「おかしいのは自分でもわかってる。 でも、あのわがままさがたまんない……わかってもらえないと思うけど」 このあたりが筋金入りなのだ。 そこらにいる半端なゆっくり愛好家なら、 人の手でしつけられたゆっくりを愛護し、ゆっくりショップを利用する。 野生のゆっくりと付き合うほどの忍耐力を持つ者はそうはいない。 しかし、あのゆっくりならではの傍若無人ぶりをこそ愛する 本物の愛好家が稀にいる。 俺に言わせれば物好き、あるいはキワモノ好きだが。 「お前の家で飼ったら?」 「だめ。うちはもうゆっくりでいっぱいだし、 飼いゆっくりと野生のゆっくりを一緒に置いておくと 喧嘩になったりするらしいの」 由香の家族もゆっくり愛好家で、 家に何十匹のゆっくりを飼っていた。 由香の家庭についてはあとで触れる。 由香は飼いゆっくりは十二分に堪能できているはずだが、 野生のゆっくりと触れ合いたい欲求もあったようだ。 つくづくマニアである。 「あたしも毎日通ってお世話するから、お願い!」 俄然、揺れた。 ここまで読まれた方にはとんだ我儘女に見えたかもしれないが、 由香は本当にいい女なのだ。 可愛く美人、スタイルもよくて理知的だ。 飲み会でも出しゃばらず、いろんなところによく気が回る。 そして家が金持ち。 いつも周囲の友人に羨まれる、極上の女であった。 その彼女の唯一の欠点が、病的なほどのゆっくり好きという点だ。 それでも俺にとっては、 ひとつぐらい欠点があったほうが安心するぐらいのもので、 そこも含めて愛する気満々だった。 俺の家で飼いたい、というのにはさすがに躊躇したが、 家に毎日来てくれるという。 ゆっくりを餌にすれば、いつでも家に連れ込める。 これはなんとも魅力的だった。 結局、俺は首を縦に振ることになった。 ちゃんと世話しろよ、と釘を刺しつつ。 「やった、ありがと!圭一大好き!」 俺の肩に飛びつき、熱烈なキッスを浴びる。 たまに見せるこういうところが可愛い女なのだ。 「ゆっくりおそいんだぜ!!おねえさんはぐずだね!」 「ごめーん」 「ゆ、さっさとたべものをおいてでていくんだぜ!」 由香はゆっくりに詫びると、 コンビニで買ってきたプリンの蓋を開けてゆっくり共の前に置いた。 ゆっくり共はわき目も振らずにプリンに突進し、容器を突き倒した。 床にぶちまけられたプリンにゆっくり共は顔を突っ込み、 涎やらプリンやらをまき散らしながらむさぼり食う。 「うっめ!!これむっちゃうっめ、まじうっめ!ぱねぇ!!」 「むーちゃ、むーちゃ……ししししあわせえぇぇ!!」 感涙しながら食べ尽くしたまりさとれいむは、 顎の下にあるあにゃるを突き出していきみ始めた。 「うんうんするのぜ!」 「うんうんするよ!」 たらふく食べて満足したあとは、排泄である。 俺の部屋の床に、二匹のゆっくりはうんうんをひり出した。 「ゆっ!にんげんさんはまりささまのうんうんをそうじするんだぜ!! さっさとするんだぜ!!」 「おぉ、くさいくさい。ゆっくりしないでかたづけてね!!」 臭いうんうんの前から自分は一歩も動こうとせず、 片付けるように命令してきたゆっくり共。 由香は文句も言わず、にこやかにティッシュにくるんで捨てた。 「ゆっくりできた?」 「まりさはゆっくりしてるのぜ!!」 「れいむはとってもゆっくりしてるよ!!」 由香の質問に答えるまりさとれいむ。 「よかった。これからもここでゆっくりしていってね」 「ゆ?あたりまえなんだぜ!! ここはまりささまのゆっくりぷれいすなんだぜ?」 「あ、ごめん。そうだったね」 「ごはんはたべたからにんげんさんにようはないんだぜ!! とっととでていくんだぜ!!」 「あ、あたしたちもここでゆっくりさせて!」 手を合わせてお願いしはじめる由香。 ゆっくり相手にこんなことをする人間は他にいるまい。 「ゆゆ?なにいってるんだぜ?おねえさんはばかなんだぜ? やくにたたないくずをおいておくよゆうはないんだぜ!!」 これだけ広い部屋を、饅頭二匹で占拠するつもりらしい。 「そろーり、そろーり」 まりさの背後に、れいむが大声で何か言いながら近寄る。 そして耳打ちした。 「まりさ、ちょっとこっちにきて!」 「ゆっ!なんだぜれいむ!ばかなにんげんをいまおいだすところなんだぜ!」 そう言いながられいむに促され、まりさはこちらから離れていった。 俺たちから離れていくと、二人はこちらに背を向けながら相談を始める。 「ひそひそ、これくらいはなれれば ばかなにんげんさんたちにきこえないよ!」 1メートルしか離れていない。 当然丸聞こえであるが、まりさは気づく様子がない。 「ばかなにんげんにきかれてこまることなんてないんだぜ?」 「まりさ、よくきいて!このにんげんさんたちはたべものをもってるよ! まりさがかりにいかなくてもこいつらにもってこさせれば、 このゆっくりぷれいすでずっとゆっくりできるよ!」 「ゆ!めいあんなんだぜ!! まりさがちょっとおどしてやれば、 にんげんどもはばかだからいくらでもごはんをさしだすんだぜ!!」 「まりさ、むちだけじゃだめだよ! あめとむちをじょうずにつかいわけて、にんげんたちをしつけるんだよ。 こんきよくがんばれば、にんげんだってきっとやくにたつよ!」 「れいむはあまいね!でもわかったんだぜ。 いかさずころさず、なるべくながいあいだつかってやるんだぜ!!」 そんな会話を、由香はニコニコしながら聞いていた。 俺のほうは、聞いていて気分のいいものではなかったが、 ゆっくりの馬鹿さ加減はよく知っていたし、 あとで躾けてやればいいだろうぐらいにその時は考えていた。 「おねえさんたち、よくきくんだぜ!!」 密談らしきものを終え、まりさがこちらに向かって声をはりあげた。 「まりさたちのゆっくりぷれいすにいたかったら、 まいにちまりさたちにごはんをもってくるんだぜ! そうじもするなら、とくべつにここでゆっくりさせてあげるんだぜ!」 「やったあ、よろしくね!」 大げさに喜んでみせる由香。 話を合わせて、このゲスぶりを堪能するつもりらしい。 ゆっくり愛好家を称する人間は多いが、 ゲスをすら楽しむほどの物好きは、 日本中探しても五人もいないのではなかろうか。 その日から、ゆっくり共との生活は始まった。 二匹のゆっくりは部屋の中で傍若無人に振舞った。 「まりささまにごはんをもってくるんだぜ!!」 「かわいいれいむにあまあまをちょうだいね!!」 腹が減ればいつでもどこでもわめき出す。 「ゆっくりうんうんするのぜ!!」 「しーしーするよ!!」 うんうんとしーしーも、気が向いたときに垂れ流し、 それが終わると俺たちを呼びつけて片付けさせた。 「それはなんだぜ!?まりささまにさっさとよこすのぜ!! ここのものはぜんぶまりささまのものなんだぜ!!」 ちょっと興味が沸くと、すぐに俺たちが持っているものを差し出させた。 勉強中には鉛筆を奪われる、掃除をしていれば掃除機を奪われる。 そのうち飽きて放り出すからまだいいが、 何をするにも中断させられるはめになり、邪魔でしょうがない。 「ゆ~♪ゆ~♪ゆっゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 突然大声で歌い出すのでうるさくてかなわない。 「ゆぁああああ!!なんだぜこれぇえええ!!?」 「おにいさあああん!!はやくきてかわいいれいむをたすけてねぇえええ!!」 慣れない家の中で勝手に動き回るものだから、 本の山に押しつぶされたりそのへんの隙間に挟まったりして、 しょっちゅう俺たちを呼びつけた。 「おそすぎるんだぜ!!もたもたなにしてたんだぜぇええ!? やくにたたないにんげんはごみくずなんだぜぇ!!」 「なんでもっとはやくたすけないのおおぉ!? かわいいれいむがくるしんでてもへいきなの!?ばかなの!?しぬの!?」 助けてやったところで、礼を言われたことは一度もない。 何度となく叩きつぶしたくなったが、その度に由香に止められた。 「この子たちは好きにさせてあげて、ホントにごめん!」 その可愛い顔のために、俺は耐えつづけた。 もともと俺は、愛護派でも虐待派でもなく、ゆっくりに興味はなかった。 思い入れがないぶん、ただの饅頭の言うことだと聞き流し、 まじめに取り合うことなく一歩引いて接することができていた。 とはいえ、それでも我ながらたいした忍耐力だったと思う。 結局、おれも変人だったのかもしれない。 ゆっくりという生物は、甘やかせばどこまでもつけあがる。 後日、このゆっくり達の存在は日本中に知れ渡るのだが、 そのつけ上がり具合に、誰もが驚愕することになる。 よくもそこまで、殺さずにつけ上がらせつづけたものだと。 ある日、由香が祖父を伴って俺の住むアパートにやってきた。 「やあ、圭一くん。こんにちは」 「こ、こんにちは。おじい……長浜さん」 この老紳士、長浜氏は政財界では名の通った名士である。 建築業の重鎮で、大企業長浜建設の名誉会長を務めると同時に、 多くの著作をものした社会学者でもある。 すでに述べたように、恋人の由香の祖父であり、 可愛い孫の恋人である俺の動向にさりげなく目を光らせている人だ。 お祖父さん、と一瞬呼びかけた俺に対する視線が一瞬きらりと光ったのは気のせいではあるまい。 人当りがよく、理知的な人であり、俺との関係もひとまず良好だ。 安アパート住まいとはいえ、自分で言うのもなんだが、 俺が国立有名大学に通い、トップクラスの成績をマークしてそれなりに優秀なことも大きいだろう。 これほどの人だから、孫の相手には、 トップクラスと言わず首席級の男をと言いだしても不思議はないが、 そこは孫の意思を尊重してくれている。 漫画に出てくるような偏屈爺とは違う、ごく普通に良識的な紳士というわけだ。 とはいえ、やはり会うたびに緊張してしまう。 「どうぞ、何のおかまいもできなくて」 「いやいやいや、こちらこそ。急に押しかけてすみませんでした」 若輩の俺に対しても、長浜氏は礼儀正しく頭を下げる。 「孫の話を聞きましてな。ぜひ見せていただきたいと思いました」 そう言い、長浜氏はさっきから喚いているゆっくり共のほうを見た。 「おじいさんはゆっくりできるひと? かわいいれいむにあまあまをちょうだいね!!はやくちょうだいね!! きこえないの?ばかなの?ばかなにんげんさんなの?」 「くちょじじい!!さっさとあまあまをよこすんだぜ!! よこしたらまりさのゆっくりぷれいすからでていくんだぜ!!」 「これはこれは……」 長浜氏は目を細めて笑い、懐から飴玉を取り出すとゆっくり共に投げ与えた。 わき目もふらずに飴玉に食いつくゆっくりを見届け、彼は俺に向きなおった。 「いやはや、大したものですな」 「いや、どうも毎日大変で……まあ」 挨拶を交わしながらソファを勧めようとしたが、 ゆっくり共のうんうんやしーしーで汚れきり、とても人を座らせられる状態ではない。 来るとわかっていればせめて洗濯していたのだが。 床にありあわせの座布団を敷き、座ってもらう。 それまでのやりとりで大体の事情はわかったが、一応話を聞くと、 孫がゆっくりを全力でゆっくりさせることに挑戦していると聞き、興味を抱いたらしい。 この長浜氏、やはり非常なゆっくり愛護派である。 大きなゆっくり愛護団体の会長をも務めるほどで、 日々ゆっくりを苦しめる虐待派のふるまいに心を痛め、ゆっくり愛護を市井に呼びかける一方、 都市部に繁殖するゆっくりへの対処問題に腐心している。 由香の住む家は長浜氏所有の邸宅であり、 家族ぐるみでゆっくりと付き合っているのはこの人の影響によるものだ。 「ね、とっても可愛いでしょ!!」 「いやはや……こら、じいちゃんは圭一くんと話してるんだ。 ちょっと静かにしていなさい」 孫娘に飛びつかれ、やや困り顔ながらもこぼれる笑みを抑えられないようだ。 しかし由香を引き離すと、改めて俺に向きなおると、深々と頭を下げた。 「このたびは、孫娘のわがままでまことにご迷惑をおかけしとります」 「あ、いえいえいえ!」 予想外の成り行きに慌ててしまう。 まさか俺ごときが、この人に頭を下げられるなんて思っていなかった。 「我儘放題なゆっくりの言うことを聞き続け、自由にさせる。 なんと馬鹿なことをと、わしは説得しました。 わし自身、なんとも困ったゆっくり狂いという悪癖を持っておりますが、 それでもわがまま放題にさせるなんてことは、 人間にとってもゆっくりにとってもためにならん。 それぐらいはわきまえとるつもりです」 「……はい」 「しかし、こやつは言うのですな。 人間の都合でゆっくりを飼う、いや、飼わせてもらっている。 だから、人間は全力でゆっくりをゆっくりさせる義務があるのだと。 わしは……返答に困りましたわい」 「ですが……人間の社会で生きていくんだったら」 「もちろん、そうです。 ここで生きるならここのルールを教えるのがゆっくりのためだ、 そんな御託はいくらでも並べられますし、正論です。 しかし、それでも、わしは答えられませんでしたわ。 確かに、わしらは飼わせてもらっておる。ここで生きることを強要したのはわしらだ。 強要しておいて、そのための忍従を強いるのは、やはり横暴でしょう。 ゆっくり狂いの馬鹿な戯言とお思いでしょうがな」 「…………」 答えられなかった。 事実、そう思っていたからだ。 良識ある人かと思っていたが、子供じみたセンチメンタリストなのか。 「甘やかされきったゆっくりの行き着く末路は、もちろん想像がつきます。 しかし、こやつは全力でゆっくり達を守るという。 圭一くんも協力してくれるからと。 それなら、一度、やってみる手かもしれんと思いました。 無茶な実験をするようですが、これもまた、ゆっくり研究の一環ではありましょう。 なにしろ愛護者でさえ、そんな事をやり通した者はほとんど聞きませんからな。 ゆっくりのわがままにとことん付き合うのは非常に、非常に骨の折れる話です。 それに挑戦してみることは、ある意味、こやつの為になるかもしれんです」 長浜氏はそこで、再び居住まいを正して、俺にふかぶかと頭を下げた。 「どうか、孫娘に付き合ってやってはくださらんか。 ゆっくり馬鹿、孫馬鹿の耄碌爺の戯言ではありますが、聞いて下されませんか」 一瞬、慌てながらも言葉に詰まった。 少々意外だったからだ。 良識と常識ある人かと思っていたが、孫娘のこんな暴挙、 しかも他人である俺を巻き込んだ暴挙、止めるのが普通というものだろう。 しかしこの人は、他人の俺に、我慢して共に耐え忍んでくれという。 ずいぶんと非常識な願いと思わざるをえない。 いや、一応、結婚すれば他人ではなくなるのだが…… あ。 そうか。 俺はそこで、老人の目論見がわかった。 この人は俺を試しているのだ。 可愛い孫娘の恋人、あるいは夫として、俺がふさわしい男かどうか。 甘やかされて育った娘を受け入れられる忍耐強い男かどうか、 このゆっくり共を試金石にして確かめようというのだろう。 確かに、忍耐力を試すのにゆっくりほどお誂え向きの存在もない。 また、由香の家族と付き合うのならば、ゆっくりとの付き合いもできたほうが断然いい。 そういう方向でも試す目論見がありそうだ。 そういうことならば、迷う理由はない。 あなたの孫娘を任せられる男であることを、見事証明してみせようではないですか。 俺は笑うと、力強く言い放った。 「万事お任せください」 頭を上げ、俺の表情を確かめた長浜氏は、満足げに目を細めた。 続く 選択肢 投票 しあわせー! 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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』5 カートの上に四匹のまりさ共を乗せ、俺はある一室に入った。 この部屋は、通常の人間の居住空間になっており、 家具や調度が一通り揃っていた。 実際に、俺はここで寝泊まりをすることになる。 八畳ほどのこの部屋には、 冷蔵庫や布団をはじめ、必要な生活用品が揃っている。 特殊なのは、壁のうちある一面が全面鏡張りになっていることだった。 そして、部屋の一角には頑丈なケージがあり、 およそ2m余り四方を区切っている。 この部屋に、まりさ種の四匹を放した。 カートの籠から持ち上げ、部屋の真ん中に投げだしてやる。 「ゆぎゅっ!」 顔面から板張りの床に叩きつけられ、呻く親まりさ。 俺を見上げて悪態をつく。 「ゆゆっ!!なにやってるんだぜごみくず!! このまりささまをいたいめにあわせて、ぶじですむとおもってるのかだぜ?!」 無視して、今度はバスケットボール大の子まりさを出す。 こちらはケージの中に放り込む。 「ゆぎゃ!」 「なにしやがるんだぜ!?」 「あやまったってゆるしてやらないんだぜ!どげざするんだぜ!!」 少しの間喚いていたが、 やがて部屋全体を見渡し、様子を見てとると、 親まりさが予想通りの言葉を吐いた。 「ゆゆっ!!ここはまりささまのゆっくりぷれいすにするんだぜ!! おい、ごみくず!!しごとをめぐんでやるんだぜ? はやくあまあまをよういするんだぜ!!」 「はやくするんだぜごみくず!!」 「ここでもどれいにしてかいごろししてやるんだぜ!! まずはかんしゃのどげざをするんだぜ!!」 「あまあま!!あまあま!! もってきたらしーしーをのませてやるんだぜ!!」 相変わらずの罵詈雑言を聞き届けると俺は息をついた。 早速始めることにする。 まず、ケージの中の三匹の子まりさ。 その後に親まりさの順で、おれは手早く帽子を取り上げた。 「ゆっ!!?なんのつもりなんだぜ?!」 「まりささまのおぼうしがああああ!!」 「ごみくずううううう!!かえせええええええ!!」 「ごみくずはじぶんのたちばがわかってないんだぜええ?! しつけなおしてやるからぼうしをかえすんだぜえ!!」 「返してほしければ、俺から奪い返してみろ」 「ゆっ?」 俺の前にいる親まりさが、小馬鹿にした笑みを浮かべた。 「じぶんがなにをいっているのかわかってるんだぜ? まりささまにけんかをうっているんだぜ!? もしかしてまりささまにかてるとおもっちゃったんだぜ? ばかはすくいようがないんだぜ!!ゲラゲラゲラゲラ!!」 子まりさともどもひとしきり嘲笑した後、 真顔に戻ってまりさは侮蔑の視線を送ってきた。 「ぼうしをかえすんだぜ、ごみくず。 こうかいしないうちにかえしたほうがいいんだぜ。 いまならはんごろしでゆるしてやらないこともないのぜ?」 俺は手に握った帽子をぐしゃぐしゃに握り潰し、ズボンの裾に突っ込んだ。 まりさの目が怒りに燃え上がる。 「ごみくず…… くそのやくにもたたないおまえを、 まりささまはきょうまでがまんしてかってきてやったんだぜ? それはまりささまのなさけだったんだぜ。 そのまりささまにたいして、おまえはそんなたいどをとるんだぜ?」 「おとうさん!!そいつをころすんだぜ!!」 「こわれたどれいはようずみなんだぜ!! たっぷりいじめころしてやるんだぜ!!」 「はじめておとうさんのけんかがみられるんだぜ!!わくわくだぜ!!」 子まりさ共が口々に叫ぶ中、親まりさは宣告した。 「もうあやまってもゆるさないんだぜ。 いくらないても、あやまっても、まりささまはゆるさない。 じっくりとなぶりごろしてやるんだぜ。 ごみくずはたっぷりこうかいしながらしぬんだぜ!!」 親まりさが跳び、俺の足に体当たりをしてきた。 直径50cmの饅頭の体当たりは、さすがにそれなりの質量がある。 不意打ちで喰らえば、尻餅をついてしまいそうだ。 しかし正面から向かってくる今、まるでダメージにはならない。 親まりさは何度も何度も体当たりを繰り返してきた。 俺はそれを見下ろしながら黙っていた。 十分ほどそうしていた後、 ぜえぜえと息をつきながら、親まりさはこちらの顔色を伺っていた。 なぜ倒れないのか不思議そうな顔だ。 「痛くない」 俺がそう言うと、愕然として口を半開きにした。 子まりさ共が、おかしいとばかりに口々に叫ぶ。 「おとうさん!おあそびはもうおわりにするんだぜ!!」 「そろそろとどめをさしてやるんだぜ!!」 「ゆ、と、とどめなんだぜ!!」 親まりさは数歩下がってから、 助走をつけて全力で体当たりをしてきた。 俺は少しばかり腰を落として構えただけで、小揺るぎもしなかった。 ぜひ、ぜひ、息をつくまりさの前に屈み込み、その顔を覗き込む。 「な、なんでなんだぜ……?」 その左頬を、右腕で力を込めて殴りつける。 これだけ成長した饅頭なら、 そう慎重に手加減しなくても、そうそう死ぬことはないだろう。 「ぐびゅえっ!!」 あえなく悲鳴を上げる親まりさ。 俺は親まりさの頭を左手で押さえつけ、同じ場所を殴り続けた。 「ゆがびゅっ!!ぼびゅっ!!ばっ!!ゆびぃっ!!ぼぉ!!」 何十発殴っただろうか。 親まりさの顔面の左側は、今や全体が内出血ならぬ内出餡で黒ずんで腫れあがり、 左目は開かなくなっていた。 手を休めて眺めていると、ごほごほと咳き込み、 口から少量の餡子とともになにかをばらばらと吐き出した。 歯だ。 腫れあがってでこぼこになった左頬を、そっと触れる。 「ゆぎぃ!!」 それだけで悲鳴が上がった。 左頬をつまみ、つねり上げてやると、涙を流して呻いた。 「やべで!!やべで!!づねらだいでええええ!!」 「ゆっくりぷれいすにするって言ったな?」 「いだい!!いだい!!いだいいいいいい」 また左頬を殴りつける。 「ゆびいいい!!」 「俺の話を聞くんだ。いいな?」 状況が掴めていない様子で、不思議そうに親まりさの右目が俺を見上げる。 また右手を振り上げてやると、親まりさは泣き喚いた。 「ぎぎばず!!ぎぎばずうう!!なぐらだいでえええええ!!!」 「ここをゆっくりぷれいすにするって言ったな?」 「ばいいい!!いいばじだあああ!!」 「いいだろう。ここは俺の部屋だが、俺から奪ってみろ。 俺を倒せば、この部屋はお前らのものだ。お前らの帽子も奪い返せる」 半ば子まりさの方を向きながら、俺は説明した。 「この部屋に住めば、毎日山ほどのあまあまが運ばれてくる。 沢山の人間達や美ゆっくり達がお前たちの世話をするし、すっきりもし放題だ。 楽しい玩具だってふかふかのクッションだっていくらでも、前の部屋なんかより沢山ある。 お前らはここで存分にゆっくりできるんだ」 その言葉を聞き、それまで呆然と成り行きを見守っていた子まりさ共は、 声を奮って親まりさを叱咤激励した。 「おとうさん、たちあがるんだぜ!!なにしてるんだぜ!?」 「まりさたちはゆっくりしたいんだぜ!!」 「おぼうし!!ゆっくりぷれいす!!はやくするんだぜ!!」 「ゆ……ゆ……」 哀れっぽい視線を、子まりさ達、そして俺に向ける親まりさ。 がたがたと震えている。 「さあ、準備運動はここまでだ。 お互い本気で戦おうじゃないか」 そう言って俺が立ちあがると、親まりさの顔が一瞬歪み、次に命乞いをした。 「も、もうやべで……」 「なに、やめるのか?」 「まりささまは……もうたたかえないんだぜ……」 「やめるって言ってるぞ」 子まりさ共のほうを向いてそう教えてやると、 ケージの中で三匹の子まりさ共は飛び跳ねて激昂した。 「なにいってるんだぜ!! まりさたちがゆっくりできなくなってもいいんだぜえ!?」 「おぼうし!!おぼうし!! おぼうしがないとゆっくりできないいいい!!」 「はやくたたかええええ!!なにふざけてるんだぜえええ!!? おとうさんはつよいっていつもいってたんだぜええええ!!」 「ゆあぁ……ゆあぁ……」 呻く親まりさ。 この饅頭は、以前まではあの家の主に君臨し、 普段から子供に対しても威張り散らしていた。 面倒を見もせずに親れいむ達に任せ、それどころか旨いものを横取りしてもいた。 その親まりさを子まりさ達が慕っていたのは、ひとえに強さへの羨望と尊敬によるものだったのだ。 帽子を奪われ、ゆっくりぷれいすを前にした今、 その親まりさが戦わないとすれば、 子まりさが今まで親まりさの横暴に耐えてきた意味がなくなる。 ここで子まりさ達が親まりさの降参を許すはずがなかった。 親まりさにも、それはよくわかったようだ。 「ごべん……ごべんだざい…… まりさ……だだがえだい……」 「ばやぐじろおおおお!!ぐぞまりざあああああ!!」 叫ぶ子まりさ達に、俺は確認した。 「始めていいんだな?」 「はやくはじめるんだぜ!!さっさとやられるんだぜ!!」 「ゆ、やべぶぎゃぁ!!」 懇願しようとする親まりさの口内を、つま先で蹴り抜く。 これだけの大きさの饅頭はそうそう蹴り飛ばせるものじゃないが、 それでも親まりさは少しばかり浮き、後方に着地して倒れ込んだ。 「ゆばぁ……あがぁ……」 涙を流しながらえずく親まりさの口から、また歯がこぼれる。 前歯が殆どいかれたようだ。 「やべで……やべびぇっ!!」 腫れあがった左側面にローキックを叩きつける。 「びぎぃいい!!びぎぃいいい!!!」 飛び跳ねてもんどりうつ親まりさ。 ここにきて親まりさはようやく立ち上がった。 しかし、こいつが選んだのは闘うことではなく逃げることだった。 「にげるなああああ!!なにしてるううううう!!」 「さっさとたたかえええええ!!」 「まりさたちがゆっくりできなくてもいいのかああああ!!? それでもちちおやなんだぜえええええ!!?」 「ぶひゅう……!ぶひゅう……!!」 部屋の隅に背中を押しつけ、泣きながら荒い息をつく親まりさ。 俺はあえて追わず、子まりさ共に向かってルールを説明した。 「勝負が終わる条件はふたつ。 親まりさが死んだときと、子まりさ達が負けを認めたときだ。 あいつが死ぬか、おまえ達が負けを宣言すれば、勝負は終わりだ」 おかしなルールだが、これはもとから勝負ではない。 「負けた時点で、お前たちは俺の奴隷になる。 そうなったらゆっくりさせない。ずっとゆっくりさせない。 これから先、お前らが死ぬまで、 あまあまももう食べられない。すっきりもできない。 遊ぶ時間なんかないし、眠ることも許さない。 永遠に痛めつけ続けてやる。 ここで負ければ、お前たちは、 ずっと、ずっと、永久に、ゆっくりできない」 まりさ共の顔色がみるみるうちに青ざめていった。 ゆっくりすることが全てに優先し、 ゆっくりするために生きているゆっくりにとって、 それは死刑宣告よりもずっと恐ろしい成り行きだろう。 「だだがえええええ!!だだがえええええええ!!」 「ぐぞまりざあああああああ!!!わがっでるのがああああ!!!」 「ゆびゅうううう!!ゆびゅううううう!!」 涙を流し続ける目を見開き、親まりさは鳴き声を発していた。 闘うしかない。 それはわかっていたが、体がついていかなかった。 がたがた震えつづける体を引き摺り、親まりさは少しずつ前に出てきた。 俺の目の前にやっとのことで辿り着くと、 親まりさは息をついてから、緩慢な動きで体当たりをしてきた。 ぼでんと足に当たった後、親まりさは悶絶した。 「びぃいいい!!いだい!いだいよううう!!」 歯が折れ、腫れあがった顔面では、 体当たりをすると自分が痛い目を見ることになる。 ゆっくりの唯一といっていい攻撃手段が、ここにきて用をなさなくなった。 この一発で、親まりさは早くも音をあげた。 「だべでずうう……だべでずうう……だだがえまぜん…… ばりざをだすげでぐだざい……だずげでぐだざい……」 「負けか?」 「まげまじだあ……ばりざのまげでずうう……」 「お前には聞いてない。お前の子供たちに聞いてる」 親まりさの顔が絶望に歪む。 「負けか?」 「まげじゃないいいいい!!!がづ!!がでええええ!!」 「だだがえええええええ!!!ばがあああああ!!ぐぞまりざあああ」 「がでええええ!!ぼうじがえぜええええええ!!! ゆっぐりでぎないのいやだあああああああ!!」 「じねえええええ!!!がでなぎゃじねえええええ!!! まりざだぢをゆっぐりざぜないぢぢおやはじねえええええ!!!!」 「むりだよおおお……いだいよううううう……」 ぼろぼろぼろと涙を流し、子供たちを見つめる親まりさの頭を、 俺はしたたかに踏みつけた。 「あぎゅううっ!!」 踵で踏みつける。踏みつける。何度も何度も踏みつける。 「あぎゅ!!ぐゆう!!びゅう!!びゅ!!ぎゅぶぃいい!!」 踏みつけるたびに上顎と下顎を叩きあわせる音が響く。 次に右足を頭に押し付け、体重をかけて押しつぶす。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 押しつぶしながら、ゆっくりと足を左右にこじってやる。 ぺきぺきと、口の中で歯が折れる感触が伝わってきた。 「ゆうぐううううううううううう!!!」 失禁した。 よく見ると脱糞もしている。押しつぶしたせいもありそうだ。 足をどけて開放し、また横に蹴り飛ばす。 「さあ、頑張って帽子を奪い返そうか」 俺が近づいていくと、親まりさは必死に起き上がり、 ずりずりと這いながら逃げていった。 再び部屋の角にすがりつく親まりさの上に、 俺は覆いかぶさるように立ちはだかった。 「ゆぐ……ゆぐ……ゆぐじでぐだざいぃ………」 「命乞いなら子供に言うんだな」 そう言ってやり、今度は右頬を蹴りつける。 壁に両手をついて体を支えながら、俺は蹴り続けた。 「ばっ!!ゆびぃ!!びぃ!!ぎゅう!!ゆぶじびぇっ!!」 何十発と蹴っていくうちに、右側もぱんぱんに腫れあがった。 もう親まりさの顔面に腫れていないところはなくなった。 黒い風船のようにいびつに膨れ上がり、一回り大きくなったように見える。 両目は開かず、歯もほぼ全部抜け落ちた状態だ。 「あいいいいいぃぃぃぃ……あいいいいいぃぃぃぃ…………」 小休止をして眺める。 親まりさは、今や壊れたおもちゃのように音をたてるだけだ。 「負けか?」 「ば……ばりざは……ぼう……」 「じねえええええ!!じねぇええええええ!!」 子まりさ共の叫びは、もはや「闘え」でも「勝て」でもなかった。 「おで……おでがい………ばりざ……ばりざの…おぢびぢゃん……」 見えない目で、声を頼りに親まりさは子供のところへ這いずっていった。 ひどく遅い歩みを、休憩がてら邪魔せずに見守ってやる。 親まりさにとっても必死だろう、今やすがれるものは子供だけだった。 ケージの格子に頬を押し当て、親まりさは懇願した。 「ゆぶじで……ゆぶじで……」 「もどれええええ!!ぐぞまりざああああ!!」 「だだがえまじぇえん……いだい…いだいんでずううう…… まえもみえだい……がらだがいだぐで……はねられだい……」 「まげるなあああ!!だだがえ!!だだがえええ!! まりざざまはづよいんだろおおおおおお!!?」 「おぢびぢゃん……おぢびぢゃん……」 「負けたら永遠にゆっくりできない。 思いつく限りの方法でいじめ抜いてやる。 それでもいいなら、お父さんを助けてやるんだな」 俺が念を押してやると、 子まりさ共は恐慌をきたし、ケージにしがみつく親まりさに体当たりを始めた。 「いげえええええ!!ぐぞまりざあああああ!!」 「ゆぎゅうぅ!!」 腫れあがった顔には、ケージの格子ごしでも痛みは大きいようだ。 それでも親まりさは離れようとせず、子まりさに懇願を続けた。 「おぢびぢゃん……おぢびぢゃん…ゆぶっ…… ばりざの……びぃ!……がわいいおぢび……ぶっ……ぢゃん…… おどうざんを……おどうざんをだず……げで……… いいごだがら……あびゅう!………………おでがい……おでがい……」 負けを認めたとき、子まりさ共の末路は決まっている。 それがわかっていながら、この親は自分の命を懇願していた。 口では猫なで声を出していても、このまりさは全く子供を愛していない。 餡子脳でもそれぐらいはわかるようで、 子まりさは懇願されるほどに憎悪をむき出しにして罵った。 「ぐぞまりざあああ!!ぎだないがおをみぜるなあああ!!」 「だまれ!!だまれ!!だまれ!!だまれえええええ!! おまえだげはゆっぐりずるなぁあああああああ!!!」 「じねええええ!!おまえがじねええええ!! だだがっでがっでじねええええええええ!!!」 体当たりでは飽き足らず、 格子の隙間からはみ出る親まりさの皮膚に噛みつき始めた。 「あいいいぃ!!」 弾かれるようにケージから離れる親まりさ。 「話し合いは終わりだな」 「ゆぶ!ま!まっで!!まっでぐだざい!! ごどもだちはごんらんじでるだげなんでず!! いま!いまばなじあいをぉ……ゆぎいいぃ!!」 親まりさのお下げを引っ掴み、引きよせる。 泣き喚き謝り懇願する親まりさを、俺は殴り続けた。 皮が裂かれて中の餡子が出ないように打ち方には留意し、 ひたすら打撲傷のみを与え続ける。 こめかみを殴りつけた。 体中を張り手で叩き続けた。 口をこじ開けて下顎を踏みつけた。 逆さにして頭を床に叩きつけ、底面を何度も踏みつけた。 持ち上げて、顔面と言わず顔と言わず背中と言わず壁に叩きつけた。 全身が赤黒いいびつな饅頭と化し、親まりさは床に転がっていた。 もはや、髪がなければどこが顔なのかよくわからない。 それでも、荒い息と断続的なうめき声、 そして流れ続ける涙が、意識を保っていることを示していた。 もともと、ゆっくりは人間と違い、気絶も発狂もしない。 人間なら苦痛から精神を守るためにそういう現象が起こることもあるが、 ゆっくりの精神にそんな高度な活動は不可能だった。 「あび……………ゆび……………」 呻く親まりさ。 ここまでしても、俺の心は全く晴れなかった。 それどころか、こいつらに対する憎悪と、そして虚しさがつのるばかりだ。 こんな脆弱で醜い生き物が、俺の家族を殺し、俺の人生を壊した。そしてそうさせたのは俺だ。 「お前らの負けだ」 俺は宣告した。 「ゆゆっ!?」 「なにをいってるんだぜごみくず!!くずまりさはまだいきてるのぜ!!」 「あれ、いきてるのぜ?」 「いきてるんだぜ!!まだうめいてるんだぜ!!」 「もういい。負けだ。俺が決めた」 文句を言う子まりさ共に、俺は繰り返した。 「やくそくをまもるんだぜ!!ごみくず!!」 「おぼうしかえせええええええ!!」 「今度はお前らの番だ」 俺の言葉に、子まりさ共がびくりと身を震わせる。 親まりさの戦いを見て、自分たちでは勝てないことぐらいはわかるようだ。 俺は子まりさ全員をケージから出して言った。 「三匹一緒にかかってこい」 「ゆ!?」 「さんにんならかてるのぜ!!」 「ごみくずはつくづくばかなんだぜ!! ひとりにかったからってちょうしにのってるんだぜ!? さんにんならまけるわけがないんだぜ!! なぶりごろしにしてやるんだぜえええ!!」 詳細は省く。 今、俺の前には、ぐずぐずの風船になって転がる親まりさと、 全身の半分を赤黒く腫れあがらせた子まりさ三匹が転がっている。 やや面倒になったので、子まりさのほうは親ほどには傷めつけていない。 それでも全員、言葉にならない呻きを漏らして涙を流している。 「今日からお前たちは俺の奴隷だ。いいな?」 俺は言い渡した。 答えがなかったので、一匹ずつ蹴りつける。 「あじゅ!!」 「ゆびゃっ!!」 「だいぃいいい!!」 「ゆがぁあ!!」 「返事をしろ。いいな?」 「「「「いいいいいいでずううううう!!」」」」 「立て」 のろのろと立ち上がる子まりさ達。 親まりさは全身の痛みに苦悶しながら、だいぶ遅れてどうにか立ち上がった。 「背中を向けろ」 子まりさ達がすぐに背中を向ける。 親まりさはずるずると床の上で回転したが、あらぬ方向を向いて止まった。 両瞼が腫れあがり、目がふさがっているので自分の向きがわからないようだ。 「あいぃいいい!!」 髪を掴んで持ち上げ、強引に背中を向けさせる。 俺は太い注射器を取り出すと、 背中を向けて並んだまりさの一匹を選び、 背中に注射器を突き立てた。 「ぐいいいいい!!いだいごどじだいでええええええ!!!」 悲鳴をあげる子まりさの内部に、注射器内の液体を注ぎ込む。 オレンジジュースだ。 どれだけ消耗していても、これを与えればゆっくりは回復する。 三匹の子まりさ、そして親まりさに、同じように処置を施す。 親まりさには表面のキズがいくつかあったので、 小麦粉の溶液をちょいちょいと塗り込む。 放っといてもいいが、なにかのはずみで傷から餡子が漏れないとも限らない。 これで、しばらくおけば普通に動き回れるようにはなるはずだ。 その前に、最初の子まりさに命じる。 「こっちに来い」 怯えながら、子まりさはこちらに這いずってきた。 その頭を押さえつけ、したたかに殴りつける。 「ぎびゃああっ!!」 「お前、さっき俺に「痛いことしないで」と命令したな」 「べいれいじゃありばぜええんん!!おでがいでずうううう!!」 「同じだ。いいか、饅頭共、お前らは俺の奴隷だ 奴隷に、俺に対して要求する権利はない。わかったな?」 言いながら、俺は同じ箇所を何度も何度も殴りつける。 「あぎいいいいわがりばじだあああああ!!!」 さんざん殴り、子まりさの右頬はぱんぱんに腫れあがった。 再び、背中からオレンジジュースを流し込む。 二度手間だが、上下関係ははっきりさせておく必要がある。 他のまりさ共も、がくがくと震えながらこちらを見ていた。 しばらく待った後、俺は頃合いを見て壁のスイッチを押した。 とたんに、鏡張りになっていた一面の壁が、隣の部屋の光景を移した。 この壁はマジックミラーで、鏡の状態と透明な状態を、 ボタン操作で切り替えることができるようになっていた。 今は向こうからも見えるようになっている。 部屋の向こう側は、本当のゆっくりプレイスだった。 部屋の間取りはこちら側と同じく八畳程度だったが、 壁には草花や青空や動物たちがデフォルメした可愛らしい画調で描かれ、 ふかふかのクッションやソファがあちこちに山ほど積まれている。 ブランコや滑り台や砂場、遊び場や玩具もふんだんにあった。 部屋の隅には餌場があり、いつでも砂糖水が飲め、 定期的にお菓子が補充されるようになっている。 そこには大小さまざま、およそ十数匹のゆっくり共がくつろいでいた。 ソファに寝転び、滑り台で遊び、家族で歌を歌う。 この部屋には常時二人ほどの人間が世話係を勤めており、 好き勝手に垂れ流される排泄物をはしから処理したり、 求められれば遊び相手になったりしていた。 「ゆぅうううううう…………!!」 おおむね体力を回復させたまりさ共は、 眼前に広がるゆっくりプレイスに目を輝かせた。 「ゆぅうううう!!すごいのぜ!!とっっっってもゆっくりできるのぜ!!」 「あれはまりささまのゆっくりぷれいすにするんだぜ!! あいつらはおいだしてやるんだぜ!!」 自分たちの状況を完全に忘れて騒ぎ立て、壁に体当たりする子まりさ共。 壁が破れないとみるや、俺の方を向く。 「おい、ごみくず!まりささまをあっ……」 俺の顔を見たとたんに、状況を思い出したようだ。 子まりさは失言に気づき、口を閉ざして震えだした。 親まりさは失言こそしなかったものの、期待に目を輝かせていた。 その目が、すがるように俺を見上げている。 「俺は言ったはずだ。ずっとゆっくりさせないと」 そう言ってやりながら、俺は失言した子まりさを踏みつける。 「びゅぇええっ!!」 何度も踏みつけてやりながら、俺は説明する。 「あのゆっくり共はお前らとは関係ない。 あいつらはあそこでゆっくりするが、お前らはここでずっと苦しんでもらう。 わかったな」 「ゆひぃぃいいい………」 慈悲を求めるように目を潤ませるまりさ共。 「わかったな!」 「わがりばじだあああ!!」 踏みつけていた子まりさを蹴り飛ばし、親まりさに叩きつけると、 ようやく返事が返ってきた。 ゆっくりプレイス側のゆっくりが、不安げにこちらを見つめていたが、 隣にいる世話係の人間が説明してやると安心したようだ。 どこか侮蔑を顔に浮かべ、にやつきながら眺め始めた。 踏みつけた子まりさにオレンジジュースを軽く注入してから、 親まりさ共に言ってやる。 「さて、その前に、飯の時間にしようか」 「ゆゆっ!?」 まりさ共の目が輝く。 オレンジジュースを注射器で注入されてはいても、 口からではないので味は楽しめないし、満腹感もない。 人間でも、栄養剤をいくら注入されても腹は膨れないのと同じことだ。 すでに丸一日、こいつらには何も食わせていない。 さんざん甘やかされてきたこいつらにとって、空腹は耐えがたいだろう。 口には出さずとも、軽く飛び跳ねて催促するまりさ共。 通信機で連絡をつけると、ほどなくして食事は運ばれてきた。 食事が、隣のゆっくりプレイスに運ばれる。 そこに運ばれてきたのは、信じられぬようなごちそうだった。 大皿に盛られたケーキ、プリン、フルーツ。 数多のトッピングがちりばめられたあまあまだ。 かつてこのゲス共が食べていたものとは比べものにならない高級品である。 「ゆっ!!ゆっくりできるごはんだよ!!」 「あまあま~、あまあま~!!」 「あわてなくてもたくさんあるからね!!なかよくゆっくりたべようね!!」 隣のゆっくり共の声が聞こえてくる。 マジックミラーで遮ってはいても、 スピーカーによって、こちらによく声が通るようにしてある。 「あまあま……あまあまたべたいぃ……」 「おなかすいたぁぁ……」 涎を垂れ流しながら、マジックミラーにへばりつくまりさ共。 向こうのゆっくり共は一心不乱に食べている。 「うっめ!めっちゃうっめまじうっめ!うっめ!ぱねぇ!!」 「むーちゃ、むーちゃ……しあわせえぇぇぇ!!」 「ちちちちちちあわちぇええええ!!」 「すっっごくゆっくりしてるよぉぉ……」 「ゆっくりしたいよぉぉぉ………」 「おにいさん……まりさにも、まりさにもあまあま……」 「お前らの飯はない」 俺の言葉に愕然とするまりさ共。 「ゆゆっ!ご、ごはんのじかんだよ?」 「向こうのゆっくり共のことだ。お前らに関係ない」 「おねがいします!ごはん!ごはんくださいぃぃぃ!!」 要求してきた子まりさの顔面を爪先で蹴る。 「びぃゆううう!!」 「さっき言ったはずだ。 お前らは俺に負け、奴隷になった。 もう飯はやらない。ましてあまあまは一生食べられない」 「ぞんな………ぞんな………」 「ゆっぐり、でぎだい………」 「何度でも言う。お前らはもう一生ゆっくりできない」 絶望と悲しみに大口を開けて震えるまりさ共。 子まりさが一匹失禁した。 「ちちちちあわちぇー♪」 「む~ちゃ!む~ちゃ!ゆっきゅりできりゅよぉぉぉ!」 ゆっくりプレイスの赤ゆっくりの歌が響く中、 まりさ共は絶望の淵にいた。 しかし、まだまだこいつらには余裕がある。 今後しっかりと、さらなる絶望を堪能してもらわなければならない。 とりあえず、少しずつ段階を踏んでいく。 この部屋にまりさ共と共に寝泊まりしながら、 最初のうちは手を下さず、餌を与えずに放置した。 ゆっくりという生物(と呼ぶべきなのかどうか)は、 非常に脆い反面、おそろしく頑丈な面もある。 どれだけ傷をつけられようと、 体内の中心部にある中枢餡が破壊されるか、 もしくは中の餡子があらかた漏れ出さないかぎり死なない。 餓死や病死という死因もあるが、 適当に室内で世話していれば、よほどのことがないかぎり病気にはならない。 餌は、一月ほど与えなくても大丈夫らしいが、 食欲はおそろしく旺盛なので、 一日抜いただけでも天地がひっくり返ったように暴れる。 まずは食からだ。 三日目にして、すでにまりさ達はこの世の終わりのような表情で、 だらしなく床に寝そべっていた。 初め、三匹の子まりさは親まりさを罵っていた。 「おまえのせいだ!!おまえがまけたせいでゆっくりできないんだ!!」 「さんざんいばってたくせにぜんぜんよわかったんだぜ!! くそまりさのうそつき!!ぺてん!!さぎ!!」 「やかましいんだぜええ!! おまえらだってまけたんだぜ!!ごみくず!!」 傷があらかた回復した親まりさは、子まりさに叫び散らしていた。 もはや威厳も何もないが、力だけはあり、 子まりさ共に襲いかかられても勝てる。 もはや暴力だけで、親まりさは子まりさ共を恫喝していた。 何度となく掴み合いの喧嘩、というか殺し合いを始めたが、 その度に俺が蹴りをくれたので、ほどなく罵り合うだけに留まった。 そして今、疲れきって体力もなく、 四匹とも力なく床に横たわるだけである。 一日中、獣じみた呻きを発するか、ぶつぶつと文句を言うばかりで、 暴れたり罵ったりする気力はないようだ。 最初の頃は俺に食事を懇願していたが、 その都度顔中が腫れあがるほど殴られたため、 いまではびくびくして俺に近づかないようにしている。 それでも、一日に五度の隣の食事が始まると、 全員でマジックミラーにへばりついた。 幸福にのたうちながら舌鼓をうつゆっくり共の姿を、 涙と涎を垂れ流しながら恨めしそうに眺めていた。 このゲスまりさ共は、かつて俺の部屋でずっと主として君臨していた。 他のゆっくり共を目下に従え、ふんぞり返って威張っていた。 そのプライドが、これまでまりさ共の口を閉じていたが、 ついに親まりさの心が折れた。 「おねがいです!まりさたちにもわけてください!!」 プライドをかなぐり捨て、向こうのゆっくり共に物乞いを始めたのだった。 それを皮切りに、子まりさ共も喚き始める。 「おねがいしますうう!!」 「おなかがすいてしにそうなんですううう!!」 「すこしだけでいいですから!!あまあまくださいいいい!!」 隣のゆっくり共がこちらを振り向いた。 その後、ゆっくり同士でひそひそと何事か囁いていたが、 やがてこちらを向いて言った。 「ひとごろしまりさにあげるあまあまはないよ!!」 「ゆっくりくるしんでね!!」 「そんなあああああ!!おねがいしますうううう!!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「よだれでべちょべちょ!みっともないね!!」 「おちびちゃんたちはあんなふうにならないよね!!」 「うん!あんなばかにはぜったいならないよ!!」 その時は、食事が残らず食べ尽くされるのをじっと見守るしかなかった。 その日、次の食事がやってきた時も、まりさ共は懇願した。 懇願するまりさ共を、始めのうちは罵っていた隣のゆっくり共だったが、 やがて、それまで部屋の中心で食べていた食事を、 まりさ共の鼻先にまで押しやってきた。 「あああああありがどうございまずううううう!!!」 「あまあま!!あまあまありがどうございまずううううう!!!」 分けてもらえると思い、嬉し涙を流して叫ぶまりさ共。 しかしそこまでだった。 まりさ共の目の前に積み上げられた食事を、ゆっくり共が食べ始めた。 マジックミラーに遮られて手を出すこともできず、 すぐ目の前で、まりさ共は食事を見せつけられることになった。 「む~ちゃ♪む~ちゃ♪しあわせぇ~♪」 「このくっきーあまあまだよぅ~♪ゆっくりぃぃぃぃ~~」 「たべないの?とぉ~~~ってもゆっくりできるよぉ~? む~ちゃむ~ちゃ……しししししあわせぇぇ~~~~!!」 まりさ達の方を向きながら、ことさら美味そうに食べてみせるゆっくり共。 涙を流し、まりさ共はぎりぎりと歯噛みしていた。 ゆっくりという生物は、弱い者を苛めるのが大好きである。 どんなに性格がよさそうに見えるゆっくりでも、 自分より弱い者や無抵抗の者を見ると、たちまち嗜虐心を燃え上がらせる。 その陰湿さは、俺自身が体験してきてよく知っている。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいい!!!」 怒りと悔しさと空腹に歯ぎしりするまりさ共。 「ゆぎぎぎぎ~~~♪」 「おなきゃすいちゃ~♪あみゃあみゃくだしゃ~い♪」 マジックミラーごしに、赤ゆっくり共がまりさ共の顔真似をしてみせ、 大人ゆっくり共がそれを見て笑う。 親たちが喜ぶのを見て、赤ゆっくり共はあの手この手でまりさ共をからかう。 地獄だった。 その地獄が、食事のたびに繰り広げられた。 続く
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※最初の数回は読者様のストレスをマッハにすることに腐心しています。虐待は次回から。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※今回は人間が悲惨な目に会う描写があり、気分を深く害される恐れがあります。 一応、今回だけ読み飛ばしてもいいように書いていく予定です。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』4 ずっと俺には疑問だった。 突如として現実世界に現れた不可解な存在、ゆっくり。 こいつらは一体なんなんだ。 中身に詰まっているのは餡子のみ。 他のどの生態系にも類を見ない不可思議な機構で動いている。 小麦粉と甘味でほとんどが構成されたその肉体はひどくもろく、衝撃や苦痛でたやすく餡子を漏らして死ぬ。 なにより不可解なのはその知能だ。 言語を話す、という時点で他の動物とは比較にならないほど知能は高い。 ところがその行動は単細胞生物のそれで、 思考力や学習能力にひどく乏しく、目先のゆっくりしか目に入らず、 野生動物なら最低限あってしかるべきはずの危機管理能力が決定的に欠けている。 おそろしく弱いくせに自信に満ち溢れ、無謀なことばかり繰り返す。 こんな生物は、生態系としては下の下で、 とっくの昔に絶滅していておかしくないはずなのだが、 並はずれた性欲に支えられた繁殖力、ただそれだけを武器に、 ゴキブリ以上のしぶとさで地球にしがみついている。 俺にはわからなかった。 大学で少々生物学をかじった身として、 ゆっくりの生物としての整合性が理解できなかったのだ。 性欲以外のほぼすべての特徴が、生物としてマイナス要素しかない。 なぜ、そんな生き物が生まれてきたのだろうか。 生物に意味などあるはずはない。 しかしどの生物も、進化の過程を経て、 思わず感心してしまうほどの適合力を見せて、自らの生活圏とぴったりと結合している。 しかし、ゆっくりは見たところ、どの生活圏にも結合していない。 森に繁殖すれば、たちまちそこの食物を食べつくしてしまう。 町に住めば、人間どもに追われ、迫害されている。 こいつらはなんのために生きているのだろう。 どんなゆっくりプレイスも、例外なく破綻する。 生まれては死に、繁殖しては滅び、流れるようにあちらこちらをさまよう。 こいつらが生物としてぴったりとはまり、安定していられるのはどういう環境なのだろうか。 「何か月かね?」 「は、はい……三ヶ月ちょっとらしいです」 長浜氏はソファに身を沈めたまま、険しい表情をしていた。 「ゆぅ~ん、おじいちゃんどうしたの?なんだかこわいよ?」 「なんでもないよ。あっちへ行っていなさい」 「ゆっくりりかいしたよ!」 絨毯の上を跳ねながら、開け放したドアを出ていくゆっくりれいむ。 長浜氏の邸宅。 広い居間でテーブルをはさんで向かい合い、俺は恐縮しきっていた。 俺の隣には由美。 向かい合ったソファの正面には由美の祖父長浜氏が座り、 その隣に由美の両親が座っていた。 俺の返答を聞いたあと、長浜氏は黙ってこちらを見つめていた。 俺はうつむいて冷や汗をたらしながら、つけ慣れないネクタイの位置を直した。 由美の妊娠を知らされたときには、すでに受胎してから二か月半ばを経過していた。 毎日俺の部屋に通っていたはずの由美が、ある時を境に数日間来なくなった。 心配になった俺は電話で連絡した。 すると、由美は震える声で、産婦人科に行ってきたことを告げてきた。 妊娠を知らされ、俺の喉がひりついた。 ゆっくりの世話に追われてこのところすっかりご無沙汰だったが、 ゆっくりをここに迎える直前、すでにご懐妊なさっていたらしい。 どうする。 俺はしばらく悩み、時間をかけて由美と相談し、結論を出した。 「こういう事柄に関しては、君には忍耐力がなかったようだね」 やっとのことで、長浜氏が仏頂面で言った。 俺は恐縮して頭を下げるしかない。 「大切な孫娘なんだよ。たったひとりの……つい先日、成人式を挙げたばかりだ」 「は。はい」 「君はまだ働いていない学生の身分だろう」 「……はい」 「とんだことをしてくれたよね」 「は」 「嫁入り前の、人の娘に……娘というのは君、宝だよ」 「……」 「おじいちゃん」 「黙っていなさい!」 由美が口を挟もうとしたが、長浜氏がぴしゃりと遮った。 これほど険を含んだ長浜氏は初めてだった。 あの礼儀正しい老紳士が、静かに怒っている。 耐えがたい、重苦しい沈黙。 「どうするのかね」 やがて、ぽつりと長浜氏が聞いてきた。 震える手で膝を握りながら、俺は声を絞り出した。 「……由美さんを、僕にください」 「……今、なんと言ったのかね?」 「僕に由美さんをください!必ず幸せに、幸せにしてみせます!!」 俺は叫びながら顔をあげた。 長浜氏は、顔中をくしゃくしゃにして笑っていた。 「いやいやいやいや、さあさあどうぞどうぞ」 「いや、あの、僕は車なんで」 「いやいやいいじゃないか。帰りは送らせるよ、まあどうぞ」 俺の手に持ったグラスに、高そうな酒がどぼどぼと注がれる。 「いやあうん、懐かしいな。私もそうだったんだよ。 圭一くん、私も君といっしょでね、深窓の令嬢を結婚前に孕ませてしまった。 相手方のオヤジさんにはぶん殴られたよ」 「そうでしたか」 長浜氏は浮かれまくっている。 由美の両親はそれほど浮かれる気にはなれないようだったが、ともかく笑顔を作っていた。 「もしも君が逃げ出すようだったら、ただではおかなかったよ、うん。 しかし、これで全て丸く収まりそうだ。君なら大丈夫だろう、うん、ね。 困ったことがあるならいつでも言ってきたまえよ、我々は家族になるんだからね」 「ありがとうございます!」 「本当に、頼んだからね。由美、いい人を見つけたね」 「うん!」 涙を浮かべ、由美が頷いた。 「ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくり!!ゆっくり!!」 場の雰囲気を察知し、長浜氏の飼っているゆっくり共が嬉しげに絨毯の上で飛び跳ねている。 この時ばかりはゆっくりが可愛く見えた。 しかし多いな。大小さまざま、何十匹いるんだ。 「由美から聞いているよ」 「え?」 「例の、ゆっくりの事だよ。君の家で飼っている」 「あ、はい……」 声のトーンがわずかに沈んだ。思い出すことさえ不快だ。 「ものすごく大変らしいね。床のうんうんを舐めたんだって?」 「あ、いや、まあ……」 そんなことまで耳に届いていたとは。 あの姿だけは見られたくなかったなあ。 「君は今、ゆっくりが好きかね?」 「…………」 「嫌いだろうね。無理もないよ」 「はい……」 長浜氏の声は穏やかだった。 彼は由美に向きなおって言った。 「なあ、由美。もういいだろ。解放してあげなさい」 「……うん。圭一、今まで本当にごめんね」 「圭一君。そもそもは私までがぐるになって君に頼んだことだったが、 これまで本当に、よく由美に付き合ってくれたね。心から感謝しているんだよ。ありがとう」 ストレートに「試していた」と言ってくるわけじゃないが、 やはりあの計画で、俺が試されていたのは確かのようだ。 夫として由美と向き合っていく忍耐力を、俺は証明したのだ。 「ともかく、君たちは近いうちに夫婦になるのだろ?」 「はい、そのつもりです。準備は大変だと思いますけど……」 「もちろん手伝うよ。それでだ、そういう準備もあるし、 もうゆっくりに一日中かかずらっているわけにはいくまい」 「は……そうですね」 「あのゆっくりはこちらで引き取ろう。 もちろん最低限の躾は必要だろうが、責任をもってできるかぎりゆっくりさせるよ」 「あの、私が面倒見るから!」 「どうするつもりだい、由美。これまで通り自由奔放にゆっくりさせるのかい?」 「できれば、そうしたいんだけど」 長浜氏はしかしかぶりを振った。 「もうよしなさい。結果は出ているだろう」 「結果……」 「圭一君。君たちはゆっくり達の言うことをすべて聞いてきた。 すべてゆっくり達の思うままにさせた。そうだね?」 「はい」 「では改めて聞くが、あのゆっくり達は、 他のゆっくりに比べてゆっくりできていたと思うかね?」 俺は少し考え、答えた。 「いいえ」 「子供を殺したんだって?」 「えっ」 自分のことを言われてるのかと思い、一瞬どきりとした。 「れいむとありすがいがみ合い、互いに子供を殺し合ったそうじゃないか」 「あ、はい」 「そして結局、増えすぎた子供たちは間引かれていった」 「……はい」 「まりさ達は他のゆっくりを虐げた。 甘味を与えるたびに、その甘味を家族で奪い合った。 互いに憎み合い、相手の隙を窺い、強者の存在に怯え、強者は反発に苛立つ。 いつ子供たちが殺されるか虐められるかわからず、戦々恐々とする生活。 由美。そんなゆっくり達が、ゆっくりしていると思うのかい?」 由美は眼を伏せた。 「ゆっくりしていなかっただろう?」 「……うん」 「今回のことはいい経験だったな、由美。 ゆっくりという生物は、自分にとって一番いい選択をする判断力が足りていないんだ。 ただ目先の欲求だけで行動し、結局はそのつけが回ってきて面倒事を増やし、苦しむことになる。 ………もしかしたらそれは人間も同じことかもしれないね。程度は大きく違うが」 俺は頷いた。 まあ、ゆっくりと一緒にされたくはないが。 「お前の計画は、ここで終わりにしよう。 今回のことを糧に、改めてゆっくりが本当にゆっくりできる為にはどうすればいいか考え直してみればいい。 あのゆっくり達はこちらで引き取るよ。 もちろん一旦味をしめさせた責任はあるから、できるかぎりは贅沢をさせてやる。 他のゆっくりに悪影響が出るだろうから、個室で飼おう」 「うん。わかった」 由美は頷いた。 「でも、あたしも面倒見てもいいよね」 「うん。好きにしなさい」 好々爺の笑みで、長浜氏は頷いた。 すべて終わった。 運転手のハイヤーに乗せられて長浜氏の邸宅をあとにした今、俺はようやく肩の荷が下りた。 いや、これから結婚や求職もろもろで本当に忙しくなるのだが、 そんなものはあのゆっくり共の相手をすることに比べれば些細なことに思えた。 本当に大変だった。 しかしそれは報われた。 長浜氏は俺を認めてくれ、俺は由美と結婚できることになった。 こうして結果が出てみれば、自分でも驚いたことに、 あのゆっくり達に感謝の念さえ湧きあがってきた。 なにはともあれ、やつらは俺にチャンスをくれたのだ。 「今まで本当にごめんね。大変だったよね」 隣に座る由美が改めて詫びてきた。 「うん。大変だった。すごく」 強がってみせる余裕もなく、俺は正直に苦笑した。 「あんなゲスゆっくりが、本当に可愛いのか?」 俺はここで初めてゲスという言葉を使ったが、由美は否定しなかった。 「うん。おかしいよね」 「どこが可愛いの、あんなの」 「それは、ええと、ゆっくりと人間と同一視してるから可愛くないんだと思う」 「え?」 いつになく真面目な顔をして、由美は言った。 「礼儀とか思いやりとかは、人間のルールだよね。 そういうのがない人は、私も嫌い。 でも、ゆっくりは、人間とは違うルールで生きてる。 ふつうの人間にとっては不愉快かもしれないけど、私は人間とは別物だと思ってるから、腹が立たない。 私ってゆっくりオタクだから、人間の手垢がついてない純粋な子ほど可愛いと思っちゃうんだね」 「そんなもんか」 共感はできなかったが、素直に受け止めることができた。 「でも、今回の失敗でまたわからなくなっちゃった。 ゆっくりのルールって一体なんだろうね。 人間のルールを押しつけたほうが幸せになれるのかな? ゆっくりって、ゆっくりするために生きてるんじゃないの? どうしてなかなか、自分たちでゆっくりできないのかなあ……」 毎日ものすごい数が生まれ、そのほとんどが死んでいくゆっくり。 わざわざ人里に下りてきて、家や畑を荒らしては潰されるゆっくり。 ゲスやレイパーや共食い、同族で殺し合うゆっくり。 ゆっくりとは、一体なんのために生きているのだろうか。 「ゆっ、おそいよ!!ごみくず!!」 由美と一緒に家に戻れば、甲高い挨拶が飛んでくる。 「ぐずぐずしないであまあまをもってきてね!!」 「そのめはなんなの?ばかなの?たちばわかってるの?ばぁーか!!」 「まま、かちくがもどってきたわよ」 「あらそう、どこをほっつきあるいてたのかしら。 そろそろしつけなおしたほうがいいかもしれないわね」 「ゆっくりしないでしね!!げらげらげら!!」 「とっととうんうんをなめるんだぜ!!たっぷりためといてやったんだぜ!!」 子ゆっくり共は成体サイズになり、滑舌もまともになっていた。 改めて眺めると、よくもこんな連中と付き合ってきたものだと思う。 しかし終りが見えた今は、そんな声も耐えて受け流すことができた。 ゆっくり共の罵声を無視し、鞄を放り出して横になる。 無視できることがこんなに有難いとは。 「ゆっ!?ごみくず!!なにゆっくりしてるのぉ!?さっさとおきてせいざしてね!!」 「あまあま!!あまあま!!きいてるのかだぜ!?ゆっくりするんじゃないのぜぇ!!」 「くちをあけるんだぜ!!うんうんをじかにたべさせてやるんだぜ!!」 無視無視。 よじ登ろうとしてきたゆっくり共を適当にあしらって追いやる。 潰してやりたいところだが、こいつらは長浜氏の家に飼われるのだからそうもいかない。 「ぎいでるのがああああああああゆっぐりごろじいいいいいいいいい!!!?」 その言葉にはさすがにどきりとした。 一緒に来ている由美のほうを見る。 しかし由美はそれには触れず、かがみ込んでゆっくり達に言った。 「れいむちゃん、まりさちゃん、ありすちゃん。みんな聞いて。 明日、みんなでお引越ししましょうね」 「ゆっ!?」 「ここではもうゆっくりできないの。 もっとゆっくりできるゆっくりプレイスに連れていってあげる」 ゆっくり共は一瞬きょとんとしてから顔を見合わせ、その後げらげらと笑い合った。 「げらげらげらげら!!ばかがなにかいってるのぜぇ!?」 「ゆっくりプレイスはここなんだぜ!!まりささまがきめたんだぜ!!」 「いいのよ、おねえさん。かちくがむりにあたまをつかわなくてもいいの。 かんがえることはとかいはなありすたちにまかせておきなさいね」 「むのう!!のろま!!ばぁーか!!ろどん!!」 予想できていた反応に、由美は困ったように笑った。 「ね、これからは人間さんの話を聞いて。 今度のゆっくりプレイスでは、人間さんがみんなをゆっくりさせてくれるわ。 でも、人間さんの言うことを聞かなくちゃだめよ」 ぼひゅっ、という音が響く。 ゆっくり共が吹き出したらしい。冗談じゃないという驚き、ちゃんちゃらおかしいという嘲笑の両方だろう。 「ばかなの?しぬの?あたまつかってる? そんなところでゆっくりできるわけないでしょぉぉ!!」 「いーい?にんげんさんはごみくずでのろまな、かとうなせいぶつなの。 ゆっくりがみちびいてあげなきゃいけないの。いうことをきくのはにんげんさんのほう。 わかるかしら?もういちどいってあげましょうか?」 「かわいがってやっていればつけあがるなだぜ!! にんげんのいうことをきくぐらいならゆっくりするんだぜぇ!!」 最後の発言は意味がおかしい。 「勝手よね、私たち。今更しつけようなんて」 「そうだな」 由美に頷いてやる。 虐められているうちは、叩き潰してやりたいと渇望していたものだが、 このゆっくり共もある意味では被害者、もとい被害ゆっくりなのだ。 そう思うとなんだかどうでもよくなった。 ただし、あくまで「ある意味で」という前置きつきでの穿った見方だ。 ガラスを割って侵入してきたこのゲス、追い払ったところで別の人間に潰されるか、 群れの中で孤立して自滅するかだろう。 まあifの仮定なんかしたって無意味だが、こいつらが不幸だなどとは言わせない。 最低限のルールは課されることになるが、これから行くところだって、 死ぬまで存分にゆっくりできる夢のようなゆっくりプレイスだ。 とにかく、明日の昼には迎えが来て、 こいつらは長浜氏の邸宅に移されることになる。 その旨を伝えると、ゆっくり共は俄然騒ぎ出した。 「なにいってるのぉおお!?ばかなのぉぉぉぉ!!!」 「まりささまはここにすむんだぜぇぇぇ!!しねぇ!!!しぬんだぜぇぇぇ!!!」 「このかちくはもうだめね! そこのおすにほかのつがいをさがさせましょう」 「おい、なにゆっくりしてるんだぜぇ!! このばかをなんとかするんだぜ!!あのことをいわれてもいいんだぜぇ!!?」 「あのことって?」 由美が聞いてきた。 「全部話すよ。それより、もう出よう。 もう一晩だってこいつらといたくないよ」 俺は由美を近くのファミレスへと誘った。 「おいぃ!!にげるなだぜぇ!!ごみくず!!もどれぇぇ!!」 「ゆっくりごろし!!ゆっくりごろし!!あかちゃんごろしいいいい!!」 結局、俺は子殺しに加担した全てを、ショックを与えないように細部は省いて話した。 俺がゆっくり愛好派ではないことはもともと承知の上だし、 計画が失敗に終わったという結論が出た今、取り繕うこともなかった。 由美は悲しんだが、結局は許してくれたようだ。 「全部、私のせいよね」 「よせよ。みんな悪かったんだ、俺もお前もおじいさんも、もちろんゆっくりも。 後悔したって始まらない。みんなでやり直そうぜ」 「そうね」 あのゲスどもに関しては、俺はもう関わらないけど。 その日は、由美を送り返したあと近くのビジネスホテルに泊まった。 問題は山積みだが、それでもあのゲスのいない生活を考えるだけで心は浮き立った。 翌日から、俺はそれまでの鬱憤を晴らすかのように勉学に打ち込んだ。 もともと勉強好きな俺は、遅れを取り戻すべく、大学でも自宅でも猛烈に並び、 一時落ちていた成績を再び大学トップクラスにまで戻した。 同時に、就職活動も行った。 有名大学で優秀な成績を収める俺にとって、そう難しいことではなかった。 だが、結局は長浜氏の強い勧めで、長浜グループ関連の建築会社に内定が決まった。 コネを使うことになってしまったが、実力的にも不足はない。 在学中に結婚までしてしまった。 長浜氏の願いで、俺が婿養子として迎えられることになった。 由美は一人っ子だし、家柄を考えれば無理もないか。 順風満帆だった。 我ながらなんというシンデレラボーイ。 あの地獄に堪えた報酬は、十分見合ったものだった。 だが、そんな地位や収入などよりも、 俺は何より、由美との結婚生活が楽しみだった。 愛する妻、子供、ピクニックやキャッチボール。 陳腐だが愛にあふれた家庭生活を想像するだけで、俺はすでに幸福の絶頂にいた。 俺は長浜氏の邸宅に一時的に住んでいた。 就職するまでは、という長浜氏の強い勧めだった。 あの人はなんだかんだで、いろいろと強引に勧めてくる。 一人ではしゃいでいる祖父に比べ、 由美の両親のほうは少々ぎこちなかったが、おいおい打ち解けていけるだろう。 「おにいさん、ゆっくりしていってね!!」 「ごはんのじかんになったらあまあまをおねがいね!!」 長浜氏の邸宅には、ゆっくりが大量にいた。 れいむ種、まりさ種、ありす種、ぱちゅりー種、ちぇん種やみょん種などレアなものも。 正直うざったかったが、あのゲスどもに比べれば天地の差。 これだけしつけが行き届いていれば問題なく付き合っていけそうだ。 問題のゲス共は、ひどいものだった。 ここに連れてこられてすぐに個室に移されたが、 しつけをしようとしても全く言うことを聞かない。 人間は自分たちの奴隷だ、黙って言うことを聞け、あまあまをもってこいの一点張りで、 そればかりか嬉々として嫌がらせをしてくる。 少々強く言うと、ものすごい剣幕で火がついたように暴れまわった。 長浜氏の知人である有名ゆっくりブリーダーに見てもらったが、これはダメだろうとのことだった。 「ここまでつけ上がったゆっくりは、多分もう無理だと思います。 人間をなめているばかりか、明確な悪意を向けてきている。 しつけるにしても、ものすごく強烈なやり方でないと。 もしかしたら死んでしまうかもしれませんよ」 さすがにそこまですることもない、という長浜氏や由美の意見で、 結局このゆっくり共は、郊外に外出する時以外は個室から出さずに寿命まで勝手にやらせることにした。 といっても、こいつらは外出することはあまりないが。 「しかし、よくもまあここまでつけ上がらせましたね。びっくりしました。 ここまでの個体は初めて見たかもしれません。 逆にゆっくりブリーダー向きかもしれませんよ、あなた」 俺はそう言われたが、勘弁してくださいと首を振った。 そんなゲスどもを、由美は相変わらず面倒を見ている。 長浜邸では、家族だけでなく使用人も大勢のゆっくり共の面倒を見ているが、 あのゲスは使用人でさえ関わりたがらず、結果としてほとんど由美が面倒を見ることになった。 結局相変わらず甘やかしているようだ。 「おねえさんはゆっくりしないでおうたをうたってね!!」 「きたないうたなんだぜ!!ゆっくりできないからとっととやめるんだぜぇ!!」 「げらげらげらげら!!」 しかし、ついに別れのときがやってきた。 俺が就職し、なかなか広いアパートに住むことも決まった。 子供が生まれたら、最初は自分たちの家に迎えたい。 そういう俺の希望で、出産の前に引越しの手続きを済ませることになった。 一応、出産前後は由美の母がアパートに通っていろいろ手伝ってくれる。 由美のお腹の子は五か月になっていた。 お腹の膨らみもはっきりとわかる。 俺の宝だ。 引っ越し前日の夜になって、 由美はあのゲス共に別れの挨拶をしてくると言った。 俺は挨拶などする気も起らず、寝室で由美を見送った。 俺はずっと疑問だった。 身体能力や耐久性はあまりに弱いゆっくり。 しかし、その自意識は身の丈をはるかに超え、 危険な場所やより強大な敵に、自分から飛びこんでいく。 その構造は一体なんなのだろう。 生物として、全く理にかなっていない。 何度考えても、生物学的にまったく説明がつかなかった。 ゆっくりとは一体なんなのか? 由美はいつまでも帰ってこなかった。 十二時時を過ぎて深夜になっても、由美は二人の寝室に戻ってこなかった。 由美がゲス共に会いに行ってからすでに三時間。 いくらなんでも別れを惜しみすぎではないのか。 俺は立ち上がり、ゲス共の部屋に向かった。 「由美。俺だ。いるのか?」 ドアをノックしたが、返答はなかった。 しかし気配はあった。 中でわめき声が聞こえている。ゆっくり共が騒いでいるのだ。 いつもの事だった。 しかし、その声に俺はどこかいつもと違う空気を感じた。 なんだ? 俺はドアを開けた。 「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」 「んほぉおおおおおおおおすっきりいいーーーーーーーーーっ!!!」 「ゆっくりするなだぜぇ!!さっさとおきるんだぜぇ!!!」 由美と娘はそこにいた。 「ゆっ!!ごみくずがやってきたんだぜ!!」 「ゆゆっ!?いまごろきてもおそいよ!!げらげらげらげら!!」 「んっほぉぉぉぉおおお!!!きもちいいわああああああ!!!」 俺は膝をついた。 言葉が出なかった。 脳が思考を放棄し、体が震えて動かなかった。 「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」 執拗に飛び跳ね、踏みつけていたれいむは、 俺を認めると、そこに乗ったままで罵ってきた。 「くそじじいのあかちゃんはしんだよ!! れいむだっておちびちゃんをころされたんだからね!! ゆっくりりかいしてくるしんでね!!ざまぁ!!」 まりさ共が、由美の体に体当たりを繰り返している。 「まりささまのゆっくりベッドでゆっくりするんじゃないんだぜぇ!! くそどれいにそのふかふかはもったいないのぜ!!おきるんだぜえぇ!!」 由美は動かなかった。 頭をまりさ用の天蓋つきベッドに突っ込んだまま、ぴくりともしなかった。 天蓋は一部の骨組が折れ、由美の頭の下に敷かれている。 「あかちゃんのおはだすべすべよぉぉぉぉぉ!! なんかいでもいけるわあああああんほおおおぉぉぉすっきりいいいいいーーーーっ!!!」 ありす共が粘液にまみれながら絶叫している。 親子五匹のありす共が、それにまとわりついて蠢いていた。 地獄。 無間地獄。 こいつらは。 俺は泣きながら這いずっていった。 震える喉からやっとのことで絞り出したのは、次の問いかけだった。 「どうして」 それは、このゲス共に向けた質問ではなかった。 俺は何に向かって問いかけたのだろうか。 「ゆっ!!ごみくずはばかすぎてあきれるんだぜぇ!! ごみくずのたくらみなんてまりささまはすべておみとおしなんだぜ!? おきのどくなんだぜぇ!!げらげらげらげら!!ふっきんほうかい!!」 まりさが笑っている。 「ゆふぅ~……とかいはなせれぶのありすには、 いなかもののかんがえることなんておみとおしよ」 「ままはおみとおしよ!あてがはずれたわね!!んほっ、んほほぉぉ!!」 「どうしてわかったかおしえてあげましょうか? ありすがまえにすんであげていたゆっくりぷれいすのにんげんは、 はじめはありすにぞっこんで、かいがいしくありすにほうししていたわ。 ありすがいえば、すっきりようのゆっくりをつぎつぎともってきた。 にんげんがあれこれやってくれというから、 やさしいありすはおのぞみのぷれいをみせてあげもしたわ」 このありすの飼い主が、あの技術を教えたのか。 「でも、そのにんげんは、あれほどかわいがってもらったおんもわすれて、 このありすをうらぎった。 にんっしんっしたのよ。 にんっしんっしてこどもがうまれたたとたんに、 そのにんげんはありすをゆっくりぷれいすからほうりだした。 じぶんのこどもにかまけて、 ほんらいのしごと、ありすのどれいのせきむからにげだしたのよ!」 「んほっ、まったくにんげんはいなかもののかとうどうぶつよね! ちゃんとみてないとすぐににげだすんだから!!」 「このおねえさんがにんっしんっしたときから、 ありすにはこうなることはわかっていたわ。 あなたたちにんげんは、こどもができると、まわりがみえなくなる……」 「だからまりささまがまびいてやったんだぜ!!」 まりさが引き継いだ。 「こどもをみてしこうていしするまえに、 まりささまがまよいのたねをつみとってやったんだぜ! ごみくずどもはいままでどおり、つよくてかっこいいまりささまにしんすいして、 まりささまだけにつかえていればいいんだぜ!!」 「あらりょうじだったけど、れいせいになってよくかんがえなさい。 おちついてかんがえればこれがただしいとわかるはずよ。 いなかもののかとうせいぶつでもね!!」 「れいむはおまえにこどもをころされたんだよ!! こどもをころされるくるしみがわかった!?もっとくるしんでね!!げらげら!!」 ゆっくり共は、悪意の塊のような表情を浮かべてせせら笑っていた。 それはひどく醜く、どれほど憎んでも足りなかった。 「こどもはありすにおかされてしんだよ!! くやしい?くやしい?ねぇねぇ、いまどんなきぶん?どんなきぶん?ゆっゆっゆ~♪」 震えて泣きながら、俺はゆっくりと疑問が氷解していくのを感じていた。 「ざまぁ!!ざっまぁぁぁぁ!!くやちぃくやちぃ~~~~~♪」 ああ。 「げらげらげら!!そしてこのかお!!ないてるときがいちばんばかみたいなんだぜぇ!!」 そうか。 「ごみくずはむせびなき~♪れいむたちはいいきぶん~♪ゆっゆ~~ゆゆゆ~♪」 お前たちは。 「このおねえさんひっどいかおよねぇ、みっともないったらありゃしない! とかいはにこーでぃねーとしてあげるわ!んほおおぉぉすっきりいいーーーーーー!!!」 苦しむために生まれてきたんだな。 由美は死んではいなかった。 しかし、病院で医師に宣せられたことは死と同義だった。 頚椎骨折。 あの部屋で倒れたとき、首の部分がちょうどまりさの天蓋つきベッドを下敷きにして、 その骨組をなしていた木材にぶつかり、頚椎を折っていた。 脊髄を損傷して由美は全身不随となり、意識も失ったまま戻らなかった。 病院のベッドで点滴を受け、なにも映さない目で天井を見つめるだけの生活になった。 子供は女の子だった。 発見したときにはすでに手遅れになっており、 その亡骸は、長浜家の墓に埋葬された。 俺が決めてあった名前が、その墓には彫られた。 長浜氏と俺の意向を受け、 その事件は日本中に大々的に報道された。 その主犯であるあのゲス共は事情聴取を受け、 警察やテレビの取材班に喜々として自分の所業を語り、 その様子は日本中に放映された。 「まずまりささまがあしにまりさしゃいにんぐあたっくをくらわしたんだぜ!!」 「そしたらおねえさんがぶざまにたおれたんだぜ!!おとうさんはつよいんだぜ!!」 「たおれたところにれいむがおなかのうえでぴょんぴょんしたんだよ!! ごみくずのあかちゃんはすぐにでてきたよ!!にんげんさんはもろいね!ぷげら!!」 「あかちゃんのおはだはとってもすべすべもちもちしていてとかいはだったわ。 またもってくるならすっきりしてあげてもいいのよ?」 「おなかすいたあああ!!れいむおうちかえるうううう!!」 それは飼いゆっくりによって人間が殺された日本史上初の事件だった。 日本中がその事実に震撼し、愛護派の多くが認識を改め、虐待派がさらなる気炎をあげた。 その日から、日本中で捨てゆっくりの数が増大し、 同時にむごたらしく殺されたゆっくりの死骸が町に散乱し、市民はその処理に追われた。 だが、殺されるゆっくりに同情する者はいなかった。 日本の法律では、ゆっくりを罰する法は制定されていない。 人を殺し、全身不随に追いやったそのゆっくり共を憎み、処刑を望む声は高かったが、 俺はそのゲス共を手元にとどめた。 長浜氏は憔悴しきってうなだれていた。 俺はあの居間でテーブルをはさんで向かい合い、黙っていた。 居間にゆっくりの姿はない。 長浜氏の邸宅から、ゆっくりの姿は一掃されていた。 すべて加工所に送られていた。 もはやゆっくりの姿を見るのも嫌なのだろう。 先日は、道端で出会った野良ゆっくりにあまあまを要求され、 長浜氏らしからぬ激昂を見せて踵で一息に踏みつぶしていた。 いまではゆっくり愛護会の会長も退いている。 重苦しい沈黙が流れたが、 やがて長浜氏が言った。 「すべて私のせいだ」 孫と同じ事を言う老人が悲しかった。 「ただ一度だけ、一度だけ叱りつけてやればよかった。 強くたしなめれば、あの素直な孫は言うことを聞いてくれ、あんなことはやめたろう。 私がそれをせず甘やかしたために、たった一人の孫娘とひ孫を、君の妻と娘を死なせてしまった」 「お祖父さん」 「私を恨んでくれ」 震える老人はひどく小さく見えた。 「それは僕の言う事です……あなたの孫娘を守れなかったこと、深くお詫びします。 このことは、一生をかけて償うつもりです」 「圭一君」 俺は長浜氏に向かって、毅然として言い放った。 「僕は誰も恨んでいません。 僕の恨みは、あのゲスゆっくり共に全て向けられています」 「君の注文どおり、やつらは元の個室でのうのうと贅沢三昧の日々を送っておるよ」 「そのようですね。ありがとうございます」 「どうするつもりかね?」 「どう、とは」 「やつらをどうするのかね」 「質問で返すことをお許しください。 お祖父さんはどのようにしたいとお思いですか?」 「殺してやりたい!」 テーブルに拳を叩きつけて長浜氏は叫んだ。 「この手で引き裂いてやりたい、踏みつぶしてやりたい!! やつらは、やつらは……私は今まで………今ごろになって………」 すべては遅すぎた。 長浜氏は自分を責めていた。 あの日から眠れた日がどれだけあったろうか。 「僕に任せてくださいませんか」 「……どうするのかね」 「一息に殺したところで、この恨みは晴れるものではないでしょう」 俺はノートを取り出し、長浜氏の前に置いて言った。 「僕は人をやめます。どうぞ軽蔑してください」 俺の顔を見てから、長浜氏はゆっくりとページをめくった。 彼は眼を見開いた。 ノート一冊分にびっしりと書き込まれたそれは、俺の計画書だった。 「これは……」 「あの日から書き続けていました。まだ未完成ですが」 眉をひそめてそのノートを食い入るように見つめていた長浜氏は、 自分の頬を掴みながら呻いて言った。 「……わたしはかまわない。 しかし君は……それでいいのか」 「はい」 「君にはまだまだ先の人生が残っている。 こんなことに……こんなことで……人間を捨てることはない」 「僕はこれから先の人生を、あのゆっくり共に捧げるつもりです」 「私がやる。これは私がやろう。しかし君は」 「これから先、同じ犠牲者を生まないためです。 そしてこれは、ゆっくり達のためでもあります」 「こんなことが?」 俺は頷いた。 狂人と思われようとかまわなかった。 「ゆっくりは苦しむために生まれてきたんですから」 「……それは」 「あの生物がどういう生き物なのか、ようやくわかったんです。 あいつらは弱い。痛みに弱く、耐久性もなく、ひどく簡単に苦しみ、壊れる。 そのくせ悪意や闘争心が強く、強い外敵に向かって無謀な喧嘩を売り、執拗に挑発する。 どこにも根付くことができないくせに、どこにでも入り込む。 そんなゆっくり共が生物として安定している状態は何か、ずっと考えていました。 そしてそれは、苦しんでいる状態でした」 「それは、君……いくらなんでも」 「そう考えれば、すべてにつじつまがあいました。 やつらの行動はすべて、苦しむというただそのことに向けられている。 生まれては死に続け、憎まれ虐げられつづけるゆっくり共は、 そのことですでに生物としての目的を達しているんですよ」 「………」 「僕は残りの一生を、やつらのために捧げます。 今こそ僕は、苦しむために生まれてきたやつらの奴隷になりましょう。 人間のために、ゆっくりのために、お互いの種の安定を目指そうと思います」 「圭一君」 力なくうなだれ、長浜氏は言った。 「君は変わったな」 「変わりました」 俺は答えた。 計画は実行されることになった。 計画には長浜氏が全面的に尽力してくれることになり、 さらに二か月間が準備期間にあてられた。 都心からそう遠くない、しかし奥まった山奥の廃墟が選ばれ、 目的のために改築された。 その間、ゲスどもはあの個室で贅を尽くしていた。 長浜氏や俺の指示に従い、使用人たちは毎日やつらの面倒を見ていた。 実行の日。 今、俺は改築された建物の中で、 大きなテーブルの前に立っている。 テーブルの上には、睡眠薬を食事にまぜられた十三匹のゆっくりが眠っている。 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 あの日、俺の部屋に侵入してきたまりさとれいむ。 まりさが外から連れ込んできたありす。 それぞれが50cmのバランスボール大だった。 そしてその子供、子れいむが三匹、子まりさが三匹、子ありすが四匹。 十匹とも30cm大のバスケットボール大。 テーブルを囲むのは、計画の実行に関わる人々。 長浜邸の使用人やゆっくりの研究者たち。 計画のリーダーは俺だ。 俺の計画を、これからこの手で実地に行うことになる。 こいつらのために、持てるすべてを捧げよう。 涎を垂らしながら泥のように眠りこむゆっくり共に向かって、 俺は静かに声をかけてやった。 「ゆっくりしていってね」 続く
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』6 一週間が経った。 「ゆっぐ……えぐっ……うぐ……ひっぐ……」 マジックミラーの側で食事をするゆっくり共。 まりさ共は近寄る気力もなく床にへたり込み、 それでも目をそらすことはできずに泣きじゃくっている。 ずっと他のゆっくり共を見下してきたこのまりさ共。 悔しさはひとしおだろう。 「向こうに行きたいか?」 緩慢な動作で俺のほうを向くまりさ達。 言葉の意味を飲み込むのに時間がかかったようだ。 「行きたいか?」 「いぎだい!!いぎだいでずううううう!!」 顔中を涙でぐしょぐしょにして、まりさ共は声をあげた。 「いがぜでぐだざいいいいいいいい!!」 「行かせてやる」 「ありがどうございばず!!ありがどうございばずうううう!!」 泣きじゃくりながら礼を言い続ける四匹を、籠につめこんでカートに乗せる。 外側の廊下を通り、向こう側の扉に入った。 食事をしていたゆっくり共の視線が、一斉にこちらに集まる。 四匹のまりさ共を床に下ろすと、 目を血走らせて物も言わずに這いずりだした。 必死になって向かうその先は、やはり食事だ。 「あまあま!!あまあま!!ゆうううう!!」 「おなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいた」 およそ一週間ぶりに食べられる、それだけがまりさ共を突き動かす。 あとは俺が手を下すまでもなかった。 積み上げられた食事にいましも喰らいつこうというその時、 まりさ共は体当たりを受けて突き転がされた。 「ゆびぃいい!?」 「ひとごろしゆっくりはこっちにこないでね!!」 「おぼうしさんのないゆっくりはゆっくりできないよ!!」 あらかじめ、このまりさ共はゲスだと言い聞かせてあったこと、 そして帽子がなかったことが致命的だった。 帽子のないゆっくりは、同族にいじめ殺されることは日常茶飯事である。 「ごはん………ごはんわけてくださいぃぃ………」 「おでがいじばず……おでがいじばずううう…… もうずっどだべでだいんでずうううううう………」 「しらないよ!おまえたちはゆっくりあっちいってね!!」 「きたないゆっくりだね!!」 あちこちから体当たりを受け、右に左に転がされるまりさ共。 数で負けていることに加え、ずっと食事をしていないために体力の差は歴然だった。 四匹のまりさは、十数匹のゆっくり共にリンチを受けていた。 「殺すなよ」 「ゆっくりわかったよ!!」 俺が言ってやると、ゆっくり共が返事をよこしてきた。 人間との上下関係は躾けてある。 「どうか……どうか……」 「なんでぼじばず……なんでぼじばずうう……」 「だったらゆっくりかえってね!!」 「くさいからちかよらないでね!!ごみくず!!」 さんざんに打ちすえられた後、 四匹のまりさ共は爪弾きにされて転がった。 食事を囲むようにして輪を作り、ゆっくり共は食事に戻った。 「あ………あ………あいぃぃぃ……」 「お……な…か…すい…た……」 それでもまりさ共はナメクジのように這いずり、 食べ物のところへ行こうとする。 何度弾き飛ばされても、まりさ共はやめなかった。 「ころさないでやってれば、ずうずうしいゆっくりだね!!」 一匹のゆっくりれいむが業を煮やし、 一枚のチョコレートを部屋の隅に放り投げた。 「きたないゆっくりはあれでもたべてね!!」 「ああああああああ!!!」 礼を言う余裕もなく、まりさ共はそちらの方へ這いずっていった。 しかし、四匹のまりさに対してチョコレートは一枚。 果たして争いが始まった。 互いに髪を引っ張り合い、邪魔をするまりさ共。 引っ張り、噛み、踏みつけ、醜い争いが繰り広げられる。 ゆっくり共はにやにやと侮蔑の視線を向けていた。 さんざんに打ち合ったあげく、体格差で親まりさが先にチョコレートに辿り着いた。 「ゆふううう……ゆっくりいただきますだよううう……!」 その瞬間、後ろから急激にお下げを引っ張られ、親まりさは引き戻されて転がった。 「ゆううう!?」 周囲を見回すが、ゆっくり共はにやにや薄笑いを浮かべているだけである。 当然、引きよせたのはゆっくり共だが、しらばくれていた。 空腹に耐えられず、再びチョコレートに向かう親まりさ。 何度も何度も、食べる直前に引き戻された。 泣きながら、舌を目一杯突き出しながら、 這いずっては戻され、這いずっては戻される。 「ゆぅうううううううううう!!!」 泣きじゃくり、ゆっくり共を睨む親まりさだが、 にやにや笑いを返されるばかり。 万に一つの可能性に賭けて、数十回目の接近を試みる。 そして、引きもどされる。 「がんばれ、ごみくず!!」 「がんばれ、ごみくず!!」 「ぎゃんばりぇ、ごみくじゅ!!」 一枚のチョコレートを目指して、 今、四匹のまりさはゆっくり共のエールの中、ナメクジのように這いずっている。 這いずっては引き戻され、這いずっては引き戻され。 「ゆわぁああああああ!!!」 一匹の子まりさが、這いずりながら大声で泣き喚いた。 それを聞き、ゆっくり共は心底楽しそうにゲラゲラ笑う。 「おかーしゃん、もっとたべたいー!」 一匹の赤ゆっくりが言うと、その親が答えた。 「ゆゆ?もうあまあまなくなっちゃったよ! しょうがないからあれをたべてね!!」 「ゆっくりわかったよ!!」 赤ゆっくりがぴこぴこと跳ね、 まりさ達とは反対側からチョコレートに向かっていく。 ゆっくり共が囃し立てはじめた。 「はやくたべないと、おちびちゃんにたべられちゃうよ~?」 「あまあまはあれしかのこってないよ!ゆっくりがんばってね!!」 「ゆぅううううううう!!?」 必死にペースアップを試みるまりさ共。 赤ゆっくりはわざとふざけて、ころころ転がりながら向っていった。 「ちゃ~べちゃうよ~♪ちゃ~べちゃうよ~♪」 「おでがいでずううう!!だべざぜでええええ!!」 喚く親まりさが、また引き戻された。 「ゆぅううぐうううううう!!うぐううううう!!」 泣き喚きながら這いずり続けるまりさ共の前で、 ついに赤ゆっくりがチョコレートにかぶりついた。 「ゆうううううう!!だべだいでええええ!!」 「む~ちゃ、む~ちゃ………ちちちちちあわちぇー!! こにょちょこれーちょ、ときゅべちゅおいちいいぃぃ~~~♪」 「あああああああがああああああ!!!」 後ろから髪を引っ張られて近づけないまま、 最後のチョコレートが赤ゆっくりの小さな口でゆっくりと食べられていくのを、 まりさ共はじっくりと見せつけられた。 壮絶な苛めである。 かつて威張り散らしていたまりさ共は、 今や屈辱と絶望に苛まれ、床に伏して泣きじゃくっている。 ゆっくりに苛めさせるやり方は、まずは上々の成果をあげられそうだ。 「さて、そのまりさ共は今日からここに住む」 俺は言った。 「ゆゆ!こんなきたないゆっくりいやだよ!!」 「とかいはなゆっくりぷれいすは、いなかものにはもったいないわ!!」 ゆっくり共からブーイングが上がる。 「そいつらはお前らの好きにしていい」 「ゆっ?」 俺の言葉に、ゆっくり共の反応が変わる。 「絶対に殺すな。それさえ守れば、何をやってもいい」 「ゆゆっ!!」 たちまち目を輝かせ、顔を見合わせるゆっくり共。 すでに嗜虐の快感を覚え、やみつきになっているようだ。 「れいむたちはごみくずといっしょにくらすよ!!」 「たっぷりあそんであげるからかんしゃしてね!!」 まりさ共を取り囲み、ゆっくり共は歓迎の挨拶を浴びせた。 まりさ共は周囲を見回しながら、媚びた笑みを浮かべた。 ここにいさえすれば、食べるチャンスがある。 媚びへつらえば、あまあまを分けてもらえるかもしれない。 そんな期待が表情に表れていた。 ゆっくり共の仕打ちは想像以上だった。 その日から、毎日まりさ共は虐げられ続けた。 部屋の中のどの遊具よりも、ゆっくり共にとってまりさ共は楽しい玩具だった。 日がな一日、ゆっくり共はまりさ共にかかりっきりになって遊んだ。 執拗に体当たりをしてはあちこちに転がす。 トランポリンのように上に乗って飛び跳ねる。 髪を掴んで壁に叩きつける。 舌を噛んで引きずりまわす。 「あがあああああ!!ああああぁぁぁ!!うぐぅあああああーーー!!」 舌を噛まれながら、まりさ共は悲鳴をしぼり出す。 新しい遊びを思い付くたびに、 ゆっくり共はどれだけ大きな悲鳴を上げさせられるかを競った。 はずみで殺してしまいそうになることもしばしばだったが、 その度に俺や世話係が中断させ、まりさ共を治療した。 当然、どれだけ懇願しても食事は与えられない。 体を拘束されながら、あるいは突き飛ばされながら、 わざと目の前で行われる食事を、まりさ共は涎を垂らして食い入るように見つめ続けた。 「ゆびぃいいいい!!あばあば!!あばあばぐだざいいいい!! びどぐぢだげ!!びどづだげ!!びどがげらだげええええ!!」 まりさ共の懇願を聞きながら、ゆっくり共は実に楽しげに笑い合うのだった。 「しょんにゃにおなきゃしゅいちゃ?」 ここに移されて三日が経ったころ、 涎を飛び散らして泣き咽ぶ親まりさに、一匹の赤れいむが問いかけた。 「ばいいいいい!!ずぎまじだ!!べごべごでずうううう!!」 自分よりずっと小さな赤ゆっくりに対し、慈悲を乞う親まりさ。 「じゃあたべちゃちぇてあげりゅ!!」 「あああああ!!あじがどうございばずうううう!!」 そう言うと、赤れいむはあにゃるを突き出し、いきみ始めた。 「ゆ………」 親まりさの表情がこわばり、みるみるうちに青ざめてゆく。 はたして、赤れいむはたっぷりとうんうんをひり出した。 「ゆっきゅりたべちぇいっちぇね!!」 素晴らしいとばかりに、ゆっくり共が声を合わせた。 「よかったね!!ゆっくりたべていってね!!」 「ゆああぁ………ゆああぁ……」 泣きはらした目を見開きながら、親まりさはいやいやと首を振った。 「ゆゆっ!せっかくめぐんでもらったのになんでたべないの!?」 「すききらいをいうなんておもいあがったごみくずだね!!」 「だめですぅぅ……ゆぅぅぅ………たべられませぇぇん……!」 人間から見ればただの餡子だが、 あにゃるから排出されたうんうんは、ゆっくりにとっては明確に排泄物である。 排泄物は汚く臭いものであるという認識は、ゆっくりも人間と同じようだ。 「ゆっぐ……ゆっぐ……ゆっぐり、でぎだいいぃぃ……」 「それをたべれば、もっとあまあまをあげるよ!!」 自分たちの食事のほうを向いてみせながら、ゆっくり共が宣言する。 「ゆぐうううう……!!ゆぅぐぅううううう……!!!」 涙をだらだらと流し、がたがた震えながら、親まりさは舌を伸ばした。 ゆっくりにとってひどい悪臭を放つ排泄物にのろのろと舌を近づける。 舌がわずかに触れ、弾かれるように引っ込んだ。 「はやくたべないと、あまあまがなくなっちゃうよ!!」 「ゆひぃぃぃぃ………!ゆひぃぃぃぃ…………!」 ぜえぜえと息をつきながら再び舌を伸ばす。 ほんの少しすくい上げ、口に入れたとたんに激しくせき込んだ。 「ゆごっ!!ごぼっ!!げぇ!ゆげぇええええ!!」 げらげら笑うゆっくり達に、親まりさは死にそうな表情で許しを求めた。 「だべでずぅ!!ゆるじでぐだざいいいい!! うんうんだんでだべられだいいいいいいい!!」 「たべたくないならいいよ!! そのかわり、いっしょうあまあまはあげないよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「うううううううううううううううーーーーーーーーっ!!!」 絶叫を上げると、親まりさは食い入るようにうんうんを口に運びはじめた。 激しくせき込み、幾度となく吐き出しながら、必死に飲み込もうとする。 隣ではひり出した当の赤れいむが、きゃっきゃと飛び跳ねていた。 「おいちい?おいちい?りぇいみゅのうんうんおいちい?」 「ゆぐぅぅぅぅ………!!」 「ちあわちぇ~ちないの?まじゅいの? りぇいみゅがめぎゅんであげちゃごはんまじゅいの?」 「おいじい!おいじいでずううう!! む~じゃ!む~じゃ!!じ、じ、じあわじぇええええぇぇ」 嘲笑の中、ついに親まりさは食べ終えた。 吐き戻しそうになるのを必死にこらえ、ゆっくり共に願う。 「ぐだざいぃぃ……だべばじだぁぁ…… あばあば…ぐだざいぃぃ……!!」 「いいよ!!たっぷりあげるね!!」 ぱぁっと表情が明るくなった親まりさの前で、 ゆっくり共は並んであにゃるを突き出した。 その時の親まりさの表情には、さすがに少々溜飲が下がった。 この部屋のゆっくり共に便所の概念はなく、 これまでは好きなときに好きなところで垂れ流していた。 今、このゆっくり共は、自主的に便所を定めていた。 「ゆっきゅりうんうんしゅるよ!!」 「しーしーしゅるよ!!」 「あうがあああああ!!いびああああああああ!!!」 食事が終わり、うんうんをする時間。 四匹のまりさ共が、それぞれ押さえつけられ、口を上向きに開けられていた。 その口には、ひり出されたうんうんが大量に積み重なっている。 成体ゆっくりはあにゃるを突き出し、 赤ゆっくりは顔によじ登り、その口の中にうんうんやしーしーを注ぎ込んだ。 悪臭と嫌悪感に絶叫しつづけるまりさ共。 その声量は、それまでの苛めとは段違いだった。 それを聞きながら、まだまだ痛めつける余地があるなと俺は意思を固めた。 さらに二週間が経った。 一切食事を与えられず、連日排泄物を食わされ、傷めつけられ続けたまりさ共。 うんうんでも多少は栄養になるらしく、体力的にはそれなりに回復しているようだ。 その体力は、全て泣き声を上げることに費やされていると言ってよかった。 「ゆひぃ……ゆひぃ……ゆううぅ……」 ゆっくり共が食事をしているその背後で、 まりさ共は排泄物まみれになりながら、部屋の隅で泣きじゃくっていた。 髪は乱れ放題、あちこちに痣ができている。 ぶるぶると身を震わせ、まりさ共の涙は止まる気配がない。 この食事が終われば、また排泄物を食わされるのだ。 その瞳は絶望に染まっていた。 頃合いと見て、俺は声をかけてやった。 「戻りたいか?」 「ゆっ?」 まりさ共が俺を見上げる。 その眼差しは萎縮した、卑屈なものだ。 「前の部屋に戻りたいかと聞いている」 「ゆぐうぅぅぅぅ………」 まりさ共がまた泣きじゃくり始めた。 毎日暴行を受け、排泄物を食べさせられる毎日。 考えるまでもなく、こいつらにとってここは地獄だろう。 これが人間だったらと思うとぞっとする。 しかし、ここには食糧があった。 たとえ排泄物ではあっても。 前いた隣の部屋に戻されたら、またなにも食べられない。 ただそれだけが、こいつらを迷わせる要因だろう。 俺は助け船を出してやった。 「飯はやる。食わせてやる」 「ゆゆっ!!ほんとう!!?」 「ああ本当だ。毎日、たっぷりと食わせてやる。 お腹がはち切れるぐらいたっぷりとな」 「ゆゆぅ~……!!やっどゆっぐりでぎるよぉぉぉぉぉ!!!」 「来るか?」 「いぐ!!いぐ!!いぎまずううううう!!」 「ここを出るなら、二度とここには戻れないぞ。 もう二度と、ここに来るチャンスは来ない。それでもいいのか?」 「こんなくずどものいるへやにはにどとこないよ!! はやくつれていってね!!」 まりさの罵声を聞きつけ、ゆっくり共がいっせいにこちらを向く。 「ゆっ!!ごみがなにかいった!?」 「うんうんぐいのごみくず!!もういっぺんいってみてね!!」 今にも飛びかかりそうなゆっくり共を、俺が制した。 「ゆっ!?おにいさん!!じゃましないでね!!」 「今日でこいつらはここを出る。今後は手出し無用だ」 「ゆぎぎぎぎぎ!!」 歯噛みするゆっくり共。 まりさ共はすっかり勝ち誇り、鬱憤を晴らすべく罵りだす。 「くず!くず!!ごみくず!!ごみくずはそっちなんだぜ!!」 「まりささまはあっちでゆっくりするんだぜ!! ごみくずはごみくずどうし、うんうんでもひっかけあってるんだぜ!!」 「あたまにのせてるそれ、ぜんっぜんゆっくりできてなかったんだぜ!! うんうんでもあたまにのせたほうがずっとゆっくりできるんだぜぇ!!」 「ばぁ~か!!ばぁ~か!!」 俺がカートに乗せて部屋を出るまで、 まりさ共はカートの上からゆっくり共を見下ろして嘲り続けていた。 再び元の部屋。 一面のマジックミラーは透過状態になっており、 隣のゆっくりプレイスとは互いにまる見えになっている。 「ゆっ!!おにいさん、ごはんください!!」 「おなかぺこぺこなんだぜ!!はやくもってきてね!!」 すぐに騒ぎ出すまりさ共。 俺はすぐに、部屋に用意してあったものを指し示した。 「それがお前らのごはんだ。全部食べろよ」 それには青いビニールがかかっており、中は見えなかったが、 部屋の真ん中でこんもりと盛り上がり、ボリュームを伺わせた。 「ゆうぅぅぅぅ~~~!!ゆっくりいただきますなんだぜぇぇ!!」 目をむいて涎を垂れ流し、まりさ共はそれに飛びつくとビニールをはぎ取った。 「ゆ」 まりさ共が固まった。 そこにあるのは糞だった。 床に置かれた低いコンテナの中に、 人糞、馬糞、牛糞、犬猫の糞、その他あらゆる動物の糞が混じっていた。 赤いもの黄色いもの黒いもの、白いの青いの緑色、固形下痢便赤痢便、 あらゆる生き物のあらゆる状態の糞が入り混じり、すさまじい臭いを放っている。 あちこちで蠢いているのは蛆虫や寄生虫のたぐいか。 たまらず俺はマスクを取り出して口にはめた。 それでも臭いが鼻を打ち、頭痛さえしてくる。 吐き気と闘いながら、それでも俺は見届けなければならない。 この臭気を自ら体験していないと、こいつらの苦痛が実感できない。 まりさ共がゆっくりと俺の方を向き、 がたがたがたと震えながら歯を噛み鳴らした。 「お、お、お、お、お、おに、おにいざ」 「毎日たっぷりと食わせてやる。俺はそう約束した」 「だだだだだだだめだめだめだめ」 もはや文章になっていない拒否を口にするまりさ共の頭部を掴み、持ち上げる。 「ゆびぃぃいいいいいいい!!!ゆびぃいいいいいいいいいーーーっ!!!」 恐怖そのものの表情を顔に浮かべ、まりさ共が泣き喚いた。 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!おでがいじばずうううううう!! ぼがのごどならなんでもやりばず!!なんでも!!ごろじでもいいでずううう!! ごれだげはやべで!!!ごれだげはおでがいじばずううううう!!! ばりざが!!ばりざが!!ばりざがああああああああ!!!」 しばらく懇願を聞いた後、全てそのコンテナの中に放り込んだ。 「ゆびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーっ」 糞の海の中に身を浸したまりさ共は、 あまりの悪臭刺激臭に、全身を縦長にぴんと硬直させて目玉をぐるぐる回した。 歯茎をむいて歯を食いしばるも、歯と歯の間から糞が入り込んできて絶叫する。 「ゆごがっばあああぁぁーーーーーーーおおおぉぉげおおおーーーっ」 糞にまみれてのたうちまわるまりさ共。 目といわず口といわずあにゃるといわず穴の中に入り込み、 全身にまとわりつく糞の悪臭に狂ったように叫び続ける。 人間だったらたちどころに発狂まちがいなしだが、 そういう機能のないこいつらは苦しみ続けることになる。 ただ、苦痛を終わらせる方法はあった。それに注意しなければならない。 「ゆごげ!!ぼぇ!!ゆぼぇげげえええええっ!!!」 やはり、嫌悪感ですぐに餡子を吐き出し始めた。 餡子を吐き出し続け、その量が致死量を超えると、ゆっくりは死ぬ。 言ってみればこれが発狂の代わりだろう。 当然、そんな生ぬるい安らかな最期を迎えさせてやる気はない。 すでに俺は、全身を覆う作業着に身を包んであった。 餡子を吐き出したやつから、俺は手早く回収して手近の台の上に置く。 全員が吐き出しているので急がなければならない。 「ゆげぇ!!げっげっげっげっごえぇ!!!ぼげぇぇぇぇえがびゅっ!!?」 大口を開いてえずく子まりさの顎を殴りつけ、強引に閉じると、 強力なガムテープで一旦口を閉じた。 「んぐ、んぎゅっ、んぐむぅううーーぅ」 ばたばたと暴れ回る子まりさを放置し、 他の子まりさ二匹と親まりさも、同じようにして口を閉じる。 親まりさの口は大きいからやや手間取った。 台の上に転がしたまましばらく放置し、落ち着くのを待つ。 吐き気にびくんびくんと跳ね回るまりさ共。 その口内では、吐き出しては飲み込むのを繰り返しているのだろう。 まだほとんど口に入れていないうちから、なかなか苦しんでくれる。 数分してから、ようやく四匹とも荒い息をするだけになった。 吐き気がおさまったようなので、ガムテープを剥がす。 涙に濡れた眼をこちらに向けながら、まりさ共は力なく慈悲を求めてきた。 「ゆぐ、ゆ、ゆ、ゆるじで、ゆるじで……ゆるじでぐだざぃぃ……」 「だべらべばぜぇぇん………」 「おでがい……おでがいでじゅうう……」 一匹の子まりさを手に取り、持ち上げる。 「ゆぐじで!!ゆぐじで!!ばりざなにもわるいごどじでなぎぃいいい」 「口を開けろ」 「ゆぐっ」 身を震わせて口を閉じ、いやいや首を振る子まりさ。 その顔面を拳で殴りつける。 十五回ほど殴ったところで、子まりさの口が開いた。 「ゆべぇ……ゆべぇ……ぇぇぇぇ……ゆっぐ、ひぐぅ……」 大口を開いたまま泣き声を上げる子まりさ。 俺は、その口を天井から吊り下げられたフックに掛けた。 「ゆごぎぇえっ!!?」 鉤爪型の大きなフックは、 子まりさの上顎を貫通し、目と目の間を貫いて先端を露出させた。 「ゆぎょ!!ごぎょ!!えあ、えああああいいいいぎぃああああっ」 上顎を支点に天井から吊るされたまま、 激痛でぶるんぶるんと跳ね回る子まりさ。 続いて残るまりさ共も、同じように上顎をフックに掛けて吊るす。 こちらに向かって大口を上げたまま縦にだらんと伸び、 空中で身をよじり続ける肌色の奇怪なオブジェが四つ並んだ。 「えぎょおお!!あい!!ぃいいいいあいいいいぎゅううぐううーっ!!!」 次に、新しい道具を持ってくる。 それは鉄製の輪で、輪を丁度ふさぐ大きさの円盤がつながっている。 輪は、成体サイズの子まりさの口をぎりぎりの限界まで広げられる大きさだ。 もちろん親まりさの輪はさらに大きく、同じく限界まで広げられる。 吊るされたままの子まりさの口をこじ開け、 鉄の輪を強引に口にねじ込んだ。 「ゆげぅ、ご、ごっ、おぉおおおおおごごごごごごごごおおお、あああがががが」 子まりさの口が目一杯広げられ、口内を晒した。 ここまで伸びるものか、顔とほぼ同じぐらいの大きさにまでこじ開けられている。 上顎を支点に吊り下げているので適度に傾き、 開かれた口が斜め上方を向いた状態になっていた。 試しに、輪に繋がっている円盤を動かして輪にはめる。 丁度うまい具合に隙間なく輪にはまり、金具で止められた。 こうすることで口に蓋ができるようになっている。 こうして、まりさ共は蓋つきの容器となった。 ぎりぎりまで大口をこじ開けられる痛み、 上顎から眉間にかけてフックで貫通される激痛。 言葉を発することもできず、まりさ共はしきりに呻きながら涙を流して耐えるしかない。 準備は整った。 俺は大きな柄杓を手にした。 柄杓は大きく、両手を使ってバケツ一杯近くの量をすくえるようになっている。 その道具を見て、まりさ共の目が見開かれた。 がたがたがたがたと震えが大きくなる。 すでによほどの激痛だと思うが、明らかにそれ以上の恐怖を感じているようだ。 「食事の時間だ」 「ゆぐぅうううううううーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」 山と積まれた糞便をたっぷりと掬う。 それを、斜め上に向けて開かれた親まりさの口にゆっくりと近づけた。 「あう!!ゆぁう!!おぁあああああおおおおああああーーーーーー」 一杯に見開かれた目から涙をぼたぼたぼたと流し、 口内に運ばれてゆく糞便を凝視する親まりさ。 この世の苦痛をすべて身に受けたかのような表情だ。 だが、実際には、こいつらが受ける苦痛はまだまだ序盤にすぎない。 ついに口内に糞便が流し込まれた。 「ゆぎょおおがぁばああああああ!!!!」 口いっぱいに糞便を詰められ、すぐに吐き戻そうとする親まりさ。 俺はすぐに、口にはめられた輪の蓋を閉じた。 金具で強固に留められた蓋は、ゆっくりの舌ごときではびくともしない。 親まりさの瞳がぐるんと裏返り、一杯に開かれた目は白目になった。 しばらくの間びぐんびぐんと跳ね回り、やがてびくびくと小刻みな痙攣に変わる。 全身からじっとりとした体液が染み出しているが、 糞便や吐瀉物は密閉されて漏れず、消化されるまで親まりさの体内に居座り続ける。 頬張られたそれは、一体どんな味なのだろうか。 恐らく、もはや味とすら呼べない刺激、苦痛だろう。 マスクごしに嗅いでいるだけでも、俺のこめかみがずきずきと痛んでいる。 俺自身も相当辛いこの作業だが、次にかからなければならない。 これは俺自身への罰でもあるのだ。 ともに畜生道へ落ちよう。 俺の視線を受けた次の子まりさが、 言葉を発することができないまま、体全身を蠢かせて慈悲を乞い始めた。 「うまいか?」 声をかけてやるも反応はない。 四匹のまりさ共は、口に蓋をされたまま、 涙と涎と小便と大便をだらだらと垂れ流したままこちらを見ながら震えている。 気絶はできないのだから、その餡子脳は絶え間なく苦痛を受けているはずだ。 嘔吐を示す体の曲げ方を見る頻度は少なくなった。 最初は白目を剥いて口内に吐瀉物を溜めるばかりだったが、 やがて諦めたのだろう、一刻も早く消化して苦痛を終わらせようとしはじめた。 「焦らなくてもいいぞ。まだまだおかわりはたっぷりあるからな。 ゆっくり食事を楽しんでくれ」 そう言って糞便の山を指し示してやる。 まりさ共の目が絶望に歪み、ぎゅっと引き絞られて涙をさらに絞り出した。 なぜこんな目に遭っているのだろう。 なぜいつまでたっても終わらないのだろう。 まりさ共の中で、そんな疑問が渦巻いていることだろう。 しかし、これさえまだまだ序の口にすぎない。 すでに普通のゆっくりなら全身の餡子を吐きつくしているだろうが、 こいつらの罪は、ゆっくりが死ぬ程度の罰では軽すぎる。 ゆっくりの限界を超えて極限まで苦しみ、 極限に到達したなら、さらにその先まで苦しんでもらわなければならない。 マジックミラーで隔てられた隣の部屋のゆっくり共が、 飛び跳ねながらまりさ共を嘲り笑っていた。 続く 選択肢 投票 しあわせー! 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