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+ 目次 1947年4月~ 初代 清水公照 1953年4月~ 第2代 上司海雲 1957年4月~ 第3代 矢鋪大治郎 1966年4月~ 第4代 次田吉治 1976年4月~ 第5代 西岡淑雄 1979年5月~ 第6代 田中良夫 1986年9月~ 第7代 新藤晋海 1987年4月~ 第8代 牧野英三 1989年4月~ 第9代 山田哲夫 1993年9月~ 第10代 森本晧昭 2002年4月~ 第11代 田中満夫 2008年4月~ 第12代 矢和多忠一 2015年4月~ 第13代 森宏志 2023年4月〜 第14代 本郷泰弘 1947年4月~ 初代 清水公照 東大寺の僧で、書道教師。あだ名は「ネギぼうず」。なかなか茶目っ気のある人である。 「旧制中学のような新制中学」を求める市民運動に関わっていた。その運動でできた青々中学校(現東大寺学園中学校)の初代校長に就任。 余談だが、能筆家で掛け軸などが結構出まわっている。 207代・208代東大寺別当。兵庫県姫路市の出身。清水公庸氏(22期生)の義父。 1953年4月~ 第2代 上司海雲 東大寺の僧で、書道教師。 志賀直哉の門人で文学者。杉本健吉・須田剋太ら芸術家との交流が深かった。転心殿は杉本健吉・榊莫山の合作だが、このときの縁で依頼したものと思われる。 206代東大寺別当。元常任理事の上司永照氏(29期生)の父上。 1957年4月~ 第3代 矢鋪大治郎 生え抜きの数学教師。 1966年4月~ 第4代 次田吉治 生え抜きの理科教師 1976年4月~ 第5代 西岡淑雄 日本英学史学会名誉会員。日本英語教育史学会会員。 1979年5月~ 第6代 田中良夫 奈良県立奈良高等学校校長から招聘。 1986年9月~ 第7代 新藤晋海 東大寺の僧。216代東大寺別当。 現在地への校舎移転時の理事長。 1987年4月~ 第8代 牧野英三 奈良教育大学名誉教授。研究家であると同時に作曲家でもある。本校校歌の編曲も手掛けた。 田邉氏の師匠。 校長としては珍しく、話がうまかった人。 1989年4月~ 第9代 山田哲夫 奈良県立奈良高校校長から招聘。 中庭事件などに手を焼き...というと分かりやすいが、本校はヤンチャで元気な生徒が多く、なかば心労が原因で退職(年度途中にも関わらず)。 やたらと話が長いので有名だった。前校長牧野氏とのギャップの激しさに誰もが幻滅。数年後、とある式の挨拶を就任以来初めて10分以内に終わらせた時、生徒全員が拍手喝采の騒ぎでかなり盛り上がった。後日談によると、誰かが本人に忠告したらしい。 1993年9月~ 第10代 森本晧昭 京都市立堀川高校校長から招聘。京都府校長会か何かの偉いさんだったらしく、最初から校長として就任。 死にかけの亡霊(容貌が) 退任する直前に、全教室のドアに窓をぶち抜き、教室の様子が伺えるようにしたことで有名(それまで廊下側には窓が一切なかった)。その突貫工事のおかげで、ドアがきっちり閉まらず、たいていの教室においてドアは閉めようとしても鍵をかけない限り半開きになってしまう。 なかなか徳のある御仁であるが、反発したい盛りの教師には悪態をつかれていた。英語教師Sに「前の校長はゴミですか?」と聞くと、「そんなこと言うたらゴミに失礼ですわ」という返事が返ってくる。 ちなみに堀川高校時代の部下(数学教師)が福原先生。ほか、京都方面の有能(?)な教師を引っ張ってきた。 「何がおかしいっ!」 1993年、確か関西文化学研都市にある劇場で、「アンネ・フランク」の劇を中学生全体で見に行ったときのこと。開演前に会場がざわついていたので、当時就任したばかりの校長が「うるさい」「静かにせんか!」と注意していたが、ふと一番前にいた集団(46期生)が校長の方を見て笑っているのに気づいて、思わず口に出した言葉。 しかし、この一言がかえって生徒の爆笑を誘うことになり、生徒のみならず、教師(I[競馬好き]氏)までもこの言葉を事あるごとに口にしていた。 2002年4月~ 第11代 田中満夫 副校長から昇格。大阪府立高津高校からTDJへ転任し、国語教師(漢文など)を長らく務めていた。 政治手腕(というかバランス感覚)にすぐれた、校長としてはまれな存在だった。 毎朝8時25分ぐらいから転心殿前で生徒と挨拶をしていた。 また、厭校長ムード漂う生徒集会の校長挨拶では、前の壇上から飛び降り講話をする。話は長いしツマランが、しかし、偉大である。 生徒が十分な準備をした上で授業に臨めるようSHR(ショートホームルーム、8 30〜8 45)なるものを作った。今まで1限目の教師が行っていた出席はこのSHRで担任が行うことになり、ラクをしたい教師には不評である。現在SHRでは小テストや読書などが実施されている。 某師が倒れたときにピンチヒッターで授業をした。授業は非常に退屈で、眠い。 中庭事件世代の学年主任。 2008年4月~ 第12代 矢和多忠一 奈良県教育長から招聘。青々中学校・東大寺学園高等学校卒業生。 かなり珍しい名字(「矢和多」という名字は、どうやら日本で一世帯しか無いらしい)。 子煩悩らしく、よく全校集会で自分の子供の話をする。やわちゅう。 最近は話がヤケクソ気味(オチがない)で、締めに「頑張ろう!」と言えば許されると思っている節がある。本人もそれを認め、逆手に取ってネタにしつつある。 入学式や卒業式といったよりフォーマルな式典では流石にそういう支離滅裂な話はしないが、逆に毎回同じ話をしている。(用語集「動植悉く栄える」参照) 奈良県教育委員会教育長時代に奈良県の教育に関する書籍を2冊著しているが、AmazonのレビューでTDJ生に事細かに分析された挙句☆1をつけられてしまった。 ある日のこと。某生徒が校庭を歩く校長を見かけ、教室の窓から「ハゲーー!!」と叫んだところ、当然教師陣がとっ捕まえ校長室へ連行、謝罪させようとした。ところが校長は「私が禿げているのが悪いんだから……」とその生徒を決して悪く言わなかったという。やっぱヤワタって神だわ ↑神ではなく仏です。 要するにいじられつつも生徒からはなんだかんだ慕われていた。 東大寺と連携した「東大寺学」プログラムを発案したのは、矢和多校長。 2015年4月~ 第13代 森宏志 教頭から昇格。世界史教師。(詳細は教師陣・社会科を参照) 始業式等、式典の時の話が非常に長い。 平成30年度二学期終業式は、8’30”であった。 賞状伝達で英語の賞状を英語で読んでた気がする。 ネット上でネタにされつつある……一方、かなり学校運営に関して保守的らしく、「自由」を尊重したがるらしい。一部の教師(革新派というかTDJ生の質の低下を深刻視するグループ)からは真剣に、蛇蝎の如く嫌われている。 特に最強の学年団と評された67期生とその担任団は大事な高2後半~高3の時期に小テストの廃止の提言という最悪の横槍介入をされたことや、2019年夏から秋にかけての大阪地震や台風に対する対応の遅さへの鬱憤が積りに積もって、「うんこもりもりもりひろし」というフレーズを常用する程に嫌っていた。 2023年4月〜 第14代 本郷泰弘 教頭から昇格。英語教師。 教頭時代は取材や学校説明会など、主に対外への折衝を担当していた。軽妙なトークが特徴的。
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平常授業の日程 1限目 17:25~18:10 SHR 18:10~18:15 2限目 18:20~19:05 給食 19:05~19:20 3限目 19:20~20:05 4限目 20:15~21:00 部活動・下校 21:00~ ※行事や試験前後の日程は別にございます。 ☆★ 給食の紹介 ★☆ 基本は 「パンと牛乳」 です。 ジャムは、マーガリン・イチゴジャム・マーマレード・ ピーナッツ・チョコが用意してあります。 週に1度、パインパン・レーズンパン・クリームパン・ メロンパン・あんパン・ウグイスパン・ビターチョコ・ ハンバーグ・ハッシュドポテトなどがでます。 牛乳は大内山牛乳でおいしいと生徒から評判です。 クラスマッチなどの学校行事では、 寿司、お弁当などの特別給食がでます。 給食室は学年をこえた、コミュニケーション・ルーム いろんな友達とおしゃべりしながら、楽しく給食を食べています。 H22 行事予定 4月 1学期始業式 〃 着任式 〃 入学式 〃 1年生保護者会 〃 対面式 〃 芸術鑑賞 〃 新入生歓迎会 〃 各種検診 5月 各種検診 〃 中間考査 6月 生活体験作文クラス発表 7月 期末考査 〃 防災訓練 〃 クラスマッチ 〃 生活体験作文校内発表 〃 保護者会 〃 1学期終業式 8月 部活動各種大会 9月 2学期始業式 〃 校外学習(遠足) 〃 体育祭 10月 中間考査 〃 生活体験作文県大会 11月 文化祭 〃 修学旅行(4年生) 〃 防災訓練 12月 尾野山作文 〃 2学期終業式 〃 保護者会 1月 3学期始業式 〃 4年生卒業試験 2月 予餞会 〃 保護者会 〃 同窓会入会式 3月 卒業式 〃 学年末考査 〃 尾野山読書 〃 クラスマッチ 〃 修了式 〃 保護者会 〃 離任式 - since 2010.4.1
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きよくただしく【登録タグ VOCALOID shr き 曲 殿堂入り 鏡音リン】 作詞:shr 作曲:shr 編曲:shr 唄:鏡音リン 歌詞 (動画内より転載) 素晴らしい世界だ すべてが輝いて 私はこのまま 光と溶けてゆけるのね ねえそうでしょう ねえいいでしょう そんな夢から醒めたくない 絶対なんてないのにね 「まさか私が」なんて 楽観的観測で今日も救われたい 素晴らしい世界だ すべてが整って 決められた道だけ 決められた歩数で歩むの それでいいのに ねえどうして ここはあまりに果てしない 運命なんてないのにね 「いつか私にも」なんて 妄想ばっか楽しくて もう今日は寝るかな あー… もう嫌んなるよ ああどうしよう こんな気持ちになりたくない 平等なんてないのにね 君の隣にいたいよ 一体何ができるの 自信もないのに 完成なんてしないのにね 「不完全だ」って喚いてさ 結局そんな器だって認めなくちゃね コメント 追加乙です!すごく好きです! -- 名無しさん (2014-04-01 14 58 07) すごくよかったです。 -- 名無しさん (2014-04-01 15 45 17) 非常の雪に似てると思ったら同じ作者さんだったのか。そりゃいいはずだ。最高 -- 名無しさん (2014-04-07 01 01 37) shrさんの諦観の捉え方がポガティブで好きだー! -- 名無しさん (2014-04-23 05 56 25) shrさんが文章というか・・・小説とか物語とか書いたらどんな作品ができるんだろうか・・・ -- 名無しさん (2014-07-14 18 59 22) 私の支えになった歌詞です( v^-゜)♪ -- 名無しチャン (2014-07-14 22 10 47) そんな器だけどそれなりにポジティブに生きていけるような感じ。すごいなんか、生活の中ですごくありがちな感情で大事なことだ。すごいな。 -- ももも (2014-09-14 23 08 05) 歌詞が深いです☆安定の良さなので、大好きです!!! -- 名無しさん (2015-12-22 19 01 24) 名前 コメント
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アクアドリーム アクアドリーム(1)← →アクアドリーム(3) 二 失ったのは白い背中 翌朝。 「……えーそれから、昨日の帰り、うちの生徒が轢き逃げに遭いました」 SHRでの担任の言葉に、ざわ、と綺のクラスはどよめいた。 「え、嘘」 「誰? 知ってる?」 生徒たちの言葉に担任は少し顔をしかめたが、それ以上の情報は与えず、皆も登下校の際には充分注意するように、とありきたりに締めくくった。 SHRが終わって、ロッカーに教材を取りに行こうとした時だった。綺は担任に呼びとめられた。 「小里さん」 「はい」 担任の顔は重く、綺は返事をする一瞬の間に、何か怒られるようなことをしでかしたか、記憶を漁ってしまう。特にこれといった心当たりはない。 「一限が始まる前に、藤倉先生のところに行って」 「え? あ、はい。分かりました」 藤倉先生は家庭科教師で、手芸部の顧問だ。 綺は内心首を傾げたが、ぐずぐずしている時間はない。一時限目が始まるまでには、もう十分も残されていなかった。綺は教室を飛び出した。 階段を駆け上がり、小走りで家庭科研究室に向かう。ノックしてから、失礼します、一‐Cの小里です、とドアを開けると、藤倉先生は待ちかねていたように立ち上がった。 藤倉先生は、温和な初老の女性だ。綺は緊張しながら、眼鏡の向こうの藤倉先生の瞳を見つめた。藤倉先生も妙に暗い顔をしていて、居心地が悪い。 「昨日、一年で部活に出ていたのは、あなたと築村さんだけね?」 「はい」 「帰りは別々だったの?」 「いえ、築村さんと、駅の近くまで一緒に帰りました」 先生の表情が、僅かに動いた。綺は訳が分からないながらも、言葉を続ける。 「でも、築村さん、途中で『忘れ物した』って学校に戻ったので、そこで別れたんですけど」 「そう……」 先生はため息をついた。 「あの、築村さんがどうかしたんですか?」 戸惑う綺に先生は首を振って、授業に遅れるわよ、と家庭科研究室から追い出した。 仕方なく、再び小走りで教室に戻り、授業が始まる寸前の教室に滑り込んだ。 一時限目が終わると、同じクラスのみのりが綺に駆け寄った。 「あのね、Bの人に聞いたんだけど、轢き逃げされたのって築村さんらしいよ」 え? 綺は茫然と、みのりのよく動く口を見つめた。B組は、築村芳乃のクラス。 きっと、間違いなんかじゃない。 「今日、休んでるんだって。怪我ひどいのかな。綺、何か知ってる?」 みのりの口調には、同じ部活に所属してはいるもののあまり接点のない築村芳乃に対する、やや他人事めいた同情と、少しの好奇心しかない。だが、綺は同じく接点がなかったはずなのに、冷静には受け止められなかった。 昨夜の、走っていく築村芳乃の後ろ姿が胸をよぎった。白いニットのベスト。 「綺?」 「え、あ、ううん」 綺は慌ててかぶりを振った。ぎゅっと左の肘を握る。 「さっき、一限の前にね、藤倉先生に築村さんのこと訊かれた。昨日、みのりも璃緒も出なかったでしょ? だから途中までは一緒に帰ったんだけど、全然知らなかった」 築村芳乃が忘れ物を取りに引き返したことを説明すると、みのりはふうんと頷いた。 「築村さん、忘れ物なんてするんだね」 「ね。で、しかも、取りに戻ったのが意外だった」 築村芳乃はしっかりしているとともに、どこか冷めているような、淡泊なような印象を与える少女だった。 「まあ、綺だったら絶対そのまま帰るよね」 みのりの正確すぎる言葉に、綺はむう、と口を尖らせる。 「酷いなあ」 「どこが酷いのよ、事実でしょ」 築村さんのこと、部活の時に先生に訊いてみようっと。 みのりがそう呟いたところで、二時限目の先生が教室に入ってきた。 次の日も、また次の日も、築村芳乃は学校に姿を見せなかった。彼女が意識不明のまま目を覚まさないらしいということは、既に周知の事実だった。 文化祭まで残り一週間を切り、校内は浮足立っている。だが、綺の脳裏からは、最後に見た築村芳乃の白い背中がちらついて消えない。 轢かれた時、あの背中は赤く染まったのだろうか。 ふとそんなことを考えている自分に、嫌気が差す。 「築村さん、来ないね」 部活中、誰かがぽつりと呟いた。常に黙々と針を動かしていた彼女の不在は、手芸部に奇妙な穴を開けていた。ずしり、と、見えない何かが綺の肩にのしかかる。 「綺、大丈夫? 顔色悪いけど……」 向かい側に座っていた璃緒が、心配そうに綺の顔を覗きこんだ。 「平気平気。何でもないよ」 綺は力なく笑ってごまかした。 私が、あの時ちゃんと止めていれば。 ぎゅっと左の肘を握る。考えても仕方のないことだと、分かってはいた。ましてや、綺の責任ではないことも。 それでも、自分を責めずにはいられなかった。 綺は、どさりとベッドに倒れこんだ。細い月明かりが、カーテンの隙間から射しこんでいる。布団の中に潜るのすらも億劫に感じた。 今頃彼女も、どこかの病院のベッドで、静かに横たわっているのだろうか。頭には包帯でも巻いて、腕には細い管がつながっていて。 目を閉じながら思う。眠りに引き込まれる直前に浮かんだのは、理不尽で自己中心的な、けれど素直な言葉だった。 ねえ、築村さん。どうして目を覚まさないの? →アクアドリーム(3) アクアドリーム(1)←
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今日は普段一緒に学校に行ってるはずのミツルがいなかったので急いで教室に行く が何処を見てもミツルがいない 「どうした、三谷?」 宮原だ、なかなか人と触れ合おうとしないミツルにしたら数少ない友人の一人でもある 「ミツル知らない?」 「あれ、今日は一緒に来てないのか?」 来てないんだ・・・どうしたんだろう、そんなことを考えてるのが顔にでたのか(いつもミツルに言われるけどどうがんばったって隠せれないとゆうかわからない) 「珍しいこともあるんだな、なにかあったのかも」 「どうしよう捜しにいかないと!」 「分かったから少し落ち着けよ」 「でもっ、もしミツルが悪い人に連れて行かれたら」 「あーもう、泣くなよ、あの芦川にかぎってそんなことあるわけないだろ」 そういいながらハンカチを渡してくる、ちょっとムカついたからそのハンカチでおもいっきりはなをかむ 「あっおい」 宮原が文句を言うより先に 「何で宮原なんかにそんなこと解るのさ」 「なんでってそんなことしないといけない理由が分からない」 ハンカチをかえすと、うわぁって顔をしながら 「お前最悪だな」 「だってミツルのこと分かりきってるって言い方するのが悪いんだ」 もうウンザリだって顔をする宮原 「とりあえず、もうチャイムなるし教室帰れよ担任からなにかあると思うし」 でも本当にミツルに何かあったらどうしようと思うと妙にそわそわする先生に怒られた ミツルのせいだ、今度ジュースおごってもらおう、でもこの前にもらったサイダーミツルが振ってたのにも気付かずにあけて大変な目にあったんだよな などと考えてるうちに、SHRも終わったのでミツルの教室にいく 「宮原いる?」 あそこ、と指の先をたどるといたでもミツルはいない 「芦川なら風邪で休むんだってよ」 「えっ風邪?でも昨日は普通だったよ」 「どうせ、無自覚のうちに無茶させたんじゃないのか?」 そんなことないよーと言うまえに思い当たる節があった 暑いからと公園で水を撒いてるとミツルに掛かったんだった 「まあ、見舞いに行くんだろどうせ、なら俺はやめとくよ」 「なんで?一緒に行こうよ」 「お前らはいちゃつくだけだろうけど、俺は見てられないんだよ」 いちゃつくって・・・顔を赤らめてるとチャイムが鳴った 「あっやべ」 「芦川によろしく言っといてな」 「わかった」 ミツルガカゼヲヒイタ? 次のページへ
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第六章 2年生最終日 終業式当日。 俺は朝イチで職員室にいた。朝のHRで岡部と一緒に教室に入って「みんなも知っていると思うが……」というお定まりの『アレ』をやるからだ。小学校から今まで何度も『アレ』を見てきたが、まさか自分がやる事になるとはね。何だか妙な気分だ。 ……先日のハルヒとのすったもんだが起こった翌日には、俺の転校のことは既にクラス全員に知れ渡っていた。谷口と国木田が広めたらしいが、事実なので別にそれは良い。ただ、驚いたクラスメイトが休み時間ごとに俺の側に来て、別れの挨拶をするのには少々閉口した。 「キョンくん、もうすぐ転校しちゃうのねん?残念だわ……あっちで落ち着いたら連絡欲しいのねん?」 ああ、わかったよ阪中。そんなに泣くな。 「環境が変わると体調崩すって言うから、気をつけてね」 せいぜい風邪でも引かないようにするさ。ありがとな、成崎。 「私たちのこと忘れないでね?」 そうだな大野木。忘れないよ。高校の友人ってのは、一生ものだと言うしな。 「クラス会の時は必ず来てね」 了解だ、佐伯。でもクラス会って、そんなにすぐにはやらんものだろ? …………… 無事に終業式も終わり教室に戻ってのSHR。俺にとっては北高での最後のSHRだ。 岡部が来るまで谷口や国木田と暇を潰すことにした。 「キョンよぉ。お前って、じつはモテモテだったんだな」 「??なんのこった??」 「転校するって、この間クラスに広めたら、今日の今日まで女子に囲まれっぱなしだったろ」 「……まあ、そういえばそうか。でもそれは、もう会えないって思われてるからであって、別に俺がそんなにモテモテなワケではないぞ」 「そう思ってるのはキョンだけだよ」 「なんだ国木田、お前も谷口と同意見か」 「あの状況見てたら、誰だってそう思うさ」 「そんなもんか」 「そうだ」 「そうだよ」 「お前らがそういうなら、そうかもしれんな」 「くそ、余裕だな。お前なんざ一生涼宮の尻に敷かれて……あ……」 「……す、涼宮さんも寂しがるんじゃない?」 「ああ、あんまり気を遣うな」 「涼宮って言えば、ここ数日妙に大人しいんだよな」 「そういえばそうだよね。いつもよりも静かだし、かといって怒ってるわけでもなさそうだし。クラスの女子がキョンと話してても絡んでこないしさ」 「アイツなりに気を遣っているんだろ。俺にも、みんなにもな」 「なんか余裕だよなぁ、キョン?……おい、お前もしかして涼宮に」 「アタシが何?」 出ましたよ、天上天下唯我独尊娘。谷口の背後に仁王立ちして、俺と国木田を睨めつけてやがる。先日の殊勝さのかけらもないその態度は、確かにいつものハルヒだった。 そそくさと自分の席に戻る谷口と国木田。その後ろ姿にビシッ!と人差し指を向け「SOS団は恋愛禁止なの!そんなことにかまけている暇はないのよ!」いつものハルヒ節を決めたあと、俺の後ろにどっかりと腰を落ち着けた。 ハルヒや谷口、国木田は引っ越しを手伝ってくれると言うことなので、最後の挨拶はまたあとで、という事になるが、それ以外のクラスメイトとは今日でお別れだ。特に交流の無かった連中まで声を掛けてくれたのは何故だろう?おそらくハルヒとのこの2年間の間で、俺という平々凡々な人間も『校内有名人』になってしまったのだろうな。クラスの連中の別れの挨拶を聞いているうちに、妙に感傷に浸ってしまったのか、気がつくと教室には俺しか残っていなかった。 ああ、これでこの高校での生活も終わりだな。 感慨とともにため息をついて席を立つ。教室を出ようとすると、そこにハルヒがいた。 クラスの連中、もしかして気を遣ってくれたのか? 「待っててくれたのか」 「……うん」 「ありがとな」 「それより!アンタこれから空港行くんでしょ?どうやって行くの?」 「ああ、親父がもうすぐ坂の下まで迎えに来る予定だ」 「そっか。じゃあ、坂の下まで一緒に帰ろ」 「団活はどうする?」 「みんな用事があるから欠席ですって。だから今日は休みよ!」 「……へえ、珍しいな」 「気を遣ったつもりなんでしょ」 「……そっか」 靴箱から外履きを取り出し、習慣で内履きを中に入れようとして……持参した袋に放り込む。校門を出ると、いつもの下り道。もう何度も通ったこの坂道を下るのも、ハルヒと一緒に下校するのも今日でおしまいだと思うと、何とも言えない気持ちになってきた。 ハルヒは下校中、SOS団が春休み中に行う予定「だった」事を話してくれた。 恒例の不思議探索や、古泉提案の花見イベント。鶴屋山の探検や俺の勉強合宿@長門のマンションなどなど。 「ずいぶん前から準備してたのもあったけど、全部無駄になっちゃったわ。アンタのせいよ」 「それはすまなかったな」 「いいわ。その代わり、アンタの引っ越しイベントがあるから」 「やっぱりそれをやるのか。俺のプライバシーを晒すようなことは止めてくれよ」 「バッカねえ。それをやるから面白いんじゃないの!それで、今回の春休みイベント丸潰れの件は無しにしてあげる」 マジですか。 坂下の自転車置き場前に着き、俺は親父が来るのを待っていた。もうそろそろ来るはずだが……。 ハルヒは何故か落ち着かない様子で俺の隣に立っている。ふと、何か考えが浮かんだのか、俺の方にいつもの100Wの笑顔を向けてきた。 「アタシがアンタの自転車を家まで持っていってあげるわ」 「いや、いいって。だいたいお前の家とうちは別方向だろうが」 「別にいいわ。後でまた取りに来るって言うのは二度手間だし、時間がもったいないわ。別に壊したりしないから、この団長様に任せなさ~い!」 「そうか。すまんな」 俺は中学校時代からの愛車の元へ向かう。そう言えば、この駐輪場とも今日でお別れなんだな。 ポケットから鍵を取り出し、愛車のロックを外す。 「悪いな、ハル……」 愛車をハルヒに渡そうとして振り向いたとたん、頬にキスされた……何? 2秒くらいの短いキスだったが、ハルヒの顔は赤くなっていた。 「おまじない。アンタが無事に試験を受けて、合格できるように……じゃあね!頑張りなさいよ!」 それだけ言うと、ハルヒは俺の愛車に颯爽と跨って走り出した。 ……速えええ。もうあんな所にいやがる。俺の自転車じゃないみたいだ……壊れなきゃいいが。 それにしても「おまじない」のキスですか。あいつはそういう「女の子」らしさとは無縁だと思っていたのだが、これはこれで良いかもしれない。 ニヤニヤが顔に浮き出てくるのを無理矢理押さえながら、ウインカーを付けてこちらに向かって来たタクシーに手を振った。 第七章 準備.へ
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数学の授業中、机の突っ伏す男子生徒が一人。 男子生徒の名前は、桜田JUM。 そんなJUMの姿を見てため息を零すのは、数学担当教員である蒼星石である。 一応事情は知っているので、軽く注意の言葉をかける蒼星石。 蒼星石の言葉に、力の無い声で返すJUM。 さて、何故JUMはこうなったのか? まぁJUMは有栖学園の裏に関わりを持つ存在であり 有栖学園を守護する一人だ。 ちなみに昨日の夜も、懲りずに有栖学園を狙う馬鹿が来た。 その日の当番は、JUMに加えて従者であるロスヴァイセがメンテで居らずJUM一人での戦いとなった。 本当ならその日の当番はJUMと水銀燈だったのだが…… 「あ、ごめぇ~ん。テレビ限定版くんくん~世界が静止する日~が入るからサボるわ~」 などと言いさっさと居なくなったのだ。 録画してるんだろう? とJUMが言えば水銀燈はニッコリと笑みを浮かべて 「録画は録画。やっぱり……生で見ないとだめじゃなぁ~い?」 よく分からん事を言い残して今度こそ本当にJUMの前から消えた。 まぁ、広範囲攻撃を主体とするJUMならさっさと敵を屠って……と、行きたかった所だったのだが…… 今回の敵は、やたら質が良くまた量も多い。 に、加えて魔術師が大勢。回復役まで居るし補助役まで居る。 一個師団と一人で戦う。 高レベル勇者ご一行+召喚獣いっぱい(敵)と魔王(JUM)みたいな何処ゾのRPGみたいな状況に 置かれたJUMは、マジで涙流して戦ったらしい。 戦いの終盤に入っては「くんくんめぇええ!!!!」と、もう訳の分からん咆哮をあげて敵を屠っていた。 そしてその結果、こうやって机に突っ伏す一人の男子生徒が、出来上がった訳だ。 言うなれば……真っ白に燃え尽きちまった某ボクサーの様でもある。 なお、JUMは朝のSHRから丁度四時間目にあたる今の数学の時間までズッと突っ伏したままである。 事情を知らない英語担当教員の真紅や家庭科担当教員の翠星石からは注意が飛び(一部物理的) 同じく事情を知らない世界史担当教員の雪華綺晶からは、何時もの軍みたいな注意が飛ばず本気で心配されたほどである。 そんな裏にかかわっているJUMの日常。
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第六章 2年生最終日 終業式当日。 俺は朝イチで職員室にいた。朝のHRで岡部と一緒に教室に入って「みんなも知っていると思うが……」というお定まりの『アレ』をやるからだ。小学校から今まで何度も『アレ』を見てきたが、まさか自分がやる事になるとはね。何だか妙な気分だ。 ……先日のハルヒとのすったもんだが起こった翌日には、俺の転校のことは既にクラス全員に知れ渡っていた。谷口と国木田が広めたらしいが、事実なので別にそれは良い。ただ、驚いたクラスメイトが休み時間ごとに俺の側に来て、別れの挨拶をするのには少々閉口した。 「キョンくん、もうすぐ転校しちゃうのねん?残念だわ……あっちで落ち着いたら連絡欲しいのねん?」 ああ、わかったよ阪中。そんなに泣くな。 「環境が変わると体調崩すって言うから、気をつけてね」 せいぜい風邪でも引かないようにするさ。ありがとな、成崎。 「私たちのこと忘れないでね?」 そうだな大野木。忘れないよ。高校の友人ってのは、一生ものだと言うしな。 「クラス会の時は必ず来てね」 了解だ、佐伯。でもクラス会って、そんなにすぐにはやらんものだろ? …………… 無事に終業式も終わり教室に戻ってのSHR。俺にとっては北高での最後のSHRだ。 岡部が来るまで谷口や国木田と暇を潰すことにした。 「キョンよぉ。お前って、じつはモテモテだったんだな」 「??なんのこった??」 「転校するって、この間クラスに広めたら、今日の今日まで女子に囲まれっぱなしだったろ」 「……まあ、そういえばそうか。でもそれは、もう会えないって思われてるからであって、別に俺がそんなにモテモテなワケではないぞ」 「そう思ってるのはキョンだけだよ」 「なんだ国木田、お前も谷口と同意見か」 「あの状況見てたら、誰だってそう思うさ」 「そんなもんか」 「そうだ」 「そうだよ」 「お前らがそういうなら、そうかもしれんな」 「くそ、余裕だな。お前なんざ一生涼宮の尻に敷かれて……あ……」 「……す、涼宮さんも寂しがるんじゃない?」 「ああ、あんまり気を遣うな」 「涼宮って言えば、ここ数日妙に大人しいんだよな」 「そういえばそうだよね。いつもよりも静かだし、かといって怒ってるわけでもなさそうだし。クラスの女子がキョンと話してても絡んでこないしさ」 「アイツなりに気を遣っているんだろ。俺にも、みんなにもな」 「なんか余裕だよなぁ、キョン?……おい、お前もしかして涼宮に」 「アタシが何?」 出ましたよ、天上天下唯我独尊娘。谷口の背後に仁王立ちして、俺と国木田を睨めつけてやがる。先日の殊勝さのかけらもないその態度は、確かにいつものハルヒだった。 そそくさと自分の席に戻る谷口と国木田。その後ろ姿にビシッ!と人差し指を向け「SOS団は恋愛禁止なの!そんなことにかまけている暇はないのよ!」いつものハルヒ節を決めたあと、俺の後ろにどっかりと腰を落ち着けた。 ハルヒや谷口、国木田は引っ越しを手伝ってくれると言うことなので、最後の挨拶はまたあとで、という事になるが、それ以外のクラスメイトとは今日でお別れだ。特に交流の無かった連中まで声を掛けてくれたのは何故だろう?おそらくハルヒとのこの2年間の間で、俺という平々凡々な人間も『校内有名人』になってしまったのだろうな。クラスの連中の別れの挨拶を聞いているうちに、妙に感傷に浸ってしまったのか、気がつくと教室には俺しか残っていなかった。 ああ、これでこの高校での生活も終わりだな。 感慨とともにため息をついて席を立つ。教室を出ようとすると、そこにハルヒがいた。 クラスの連中、もしかして気を遣ってくれたのか? 「待っててくれたのか」 「……うん」 「ありがとな」 「それより!アンタこれから空港行くんでしょ?どうやって行くの?」 「ああ、親父がもうすぐ坂の下まで迎えに来る予定だ」 「そっか。じゃあ、坂の下まで一緒に帰ろ」 「団活はどうする?」 「みんな用事があるから欠席ですって。だから今日は休みよ!」 「……へえ、珍しいな」 「気を遣ったつもりなんでしょ」 「……そっか」 靴箱から外履きを取り出し、習慣で内履きを中に入れようとして……持参した袋に放り込む。校門を出ると、いつもの下り道。もう何度も通ったこの坂道を下るのも、ハルヒと一緒に下校するのも今日でおしまいだと思うと、何とも言えない気持ちになってきた。 ハルヒは下校中、SOS団が春休み中に行う予定「だった」事を話してくれた。 恒例の不思議探索や、古泉提案の花見イベント。鶴屋山の探検や俺の勉強合宿@長門のマンションなどなど。 「ずいぶん前から準備してたのもあったけど、全部無駄になっちゃったわ。アンタのせいよ」 「それはすまなかったな」 「いいわ。その代わり、アンタの引っ越しイベントがあるから」 「やっぱりそれをやるのか。俺のプライバシーを晒すようなことは止めてくれよ」 「バッカねえ。それをやるから面白いんじゃないの!それで、今回の春休みイベント丸潰れの件は無しにしてあげる」 マジですか。 坂下の自転車置き場前に着き、俺は親父が来るのを待っていた。もうそろそろ来るはずだが……。 ハルヒは何故か落ち着かない様子で俺の隣に立っている。ふと、何か考えが浮かんだのか、俺の方にいつもの100Wの笑顔を向けてきた。 「アタシがアンタの自転車を家まで持っていってあげるわ」 「いや、いいって。だいたいお前の家とうちは別方向だろうが」 「別にいいわ。後でまた取りに来るって言うのは二度手間だし、時間がもったいないわ。別に壊したりしないから、この団長様に任せなさ~い!」 「そうか。すまんな」 俺は中学校時代からの愛車の元へ向かう。そう言えば、この駐輪場とも今日でお別れなんだな。 ポケットから鍵を取り出し、愛車のロックを外す。 「悪いな、ハル……」 愛車をハルヒに渡そうとして振り向いたとたん、頬にキスされた……何? 2秒くらいの短いキスだったが、ハルヒの顔は赤くなっていた。 「おまじない。アンタが無事に試験を受けて、合格できるように……じゃあね!頑張りなさいよ!」 それだけ言うと、ハルヒは俺の愛車に颯爽と跨って走り出した。 ……速えええ。もうあんな所にいやがる。俺の自転車じゃないみたいだ……壊れなきゃいいが。 それにしても「おまじない」のキスですか。あいつはそういう「女の子」らしさとは無縁だと思っていたのだが、これはこれで良いかもしれない。 ニヤニヤが顔に浮き出てくるのを無理矢理押さえながら、ウインカーを付けてこちらに向かって来たタクシーに手を振った。 第七章 準備.へ
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薬の情報 - 添付文書情報 - オドリック錠 オドリック錠 商品名 オドリック錠 この添付文書の正式商品名 規格 1mg1錠 一般名 トランドラプリル 医薬品コード 2144011F2020 薬価基準収載日 販売開始年月 薬効分類名 ACE阻害剤 薬価 80 組成 オドリック錠1mg:1錠中にトランドラプリル1mgを含有する。~添加物として乳糖,部分アルファー化デンプン,硬化油,ポビドンを含有する。**性状 [#bb18ba17] オドリック錠1mg:|販売名|外形|色・剤形|直径 (mm)|厚さ (mm)|重量 (g)|識別コード| オドリック錠1mg (図略)(図略)(図略) 白色・裸錠 7 2.5 0.120 1 RU 203K 警告 禁忌 (次の患者には投与しないこと) 1.本剤の成分に対し,過敏症の既往歴のある患者2.血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫,遺伝性血管浮腫,後天性血管浮腫,特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]3.デキストラン硫酸セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。「3.相互作用」の項参照]4.アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシー様症状を発現することがある。「3.相互作用」の項参照]5.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「6.妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]**効能又は効果/用法及び用量 [#ufaf2e8e] 効能・効果 効能又は効果高血圧症***用法・用量 [#bb784503] 用法及び用量通常,成人にはトランドラプリルとして1〜2mgを1日1回経口投与する。なお,年齢,症状により適宜増減する。ただし,重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では0.5mgから投与を開始することが望ましい。<用法及び用量に関連する使用上の注意>クレアチニンクリアランスが30mL/分以下,又は血清クレアチニン値が3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では,投与量を減らすか,又は投与間隔を延ばすなど経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。[排泄の遅延により本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し,過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。「1.慎重投与」,【薬物動態】の項参照]**使用上の注意 [#s0d3f9a8] 慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること)1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「2.重要な基本的注意」の項参照]2.高カリウム血症の患者[「2.重要な基本的注意」の項参照]3.重篤な腎機能障害のある患者[<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照]4.重篤な肝障害のある患者[胆汁排泄能が低下しているため,活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。【薬物動態】の項参照]5.高齢者[過度の降圧により脳梗塞等が起こるおそれがある。「5.高齢者への投与」の項参照]***重要な基本的注意 [#x58d0139] 1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては,腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること。2.高カリウム血症の患者においては,高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること。また,腎機能障害,コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では,高カリウム血症が発現するおそれがあるので,血清カリウム値に注意すること。3.本剤の投与により,特に次の患者では初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので,投与は低用量より開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。(1).重症の高血圧症患者(2).血液透析中の患者(3).利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)(4).厳重な減塩療法中の患者4.降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。5.手術前24時間は投与しないことが望ましい。**相互作用 [#o6096340] 併用禁忌 併用禁忌(併用しないこと)|薬剤名等|臨床症状・措置方法|機序・危険因子| デキストラン硫酸セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行 LDLアフェレーシス ショックを起こすことがある。 陰性に荷電しているデキストラン硫酸セルロースによるブラジキニン産生の亢進とACE阻害剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている。 アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析 AN69 アナフィラキシー様症状を発現することがある。 多陰イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し,ブラジキニン産生の増大をもたらし,さらにACE阻害剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている。 併用注意 併用注意(併用に注意すること)|薬剤名等|臨床症状・措置方法|機序・危険因子| カリウム保持性利尿剤 スピロノラクトン トリアムテレン等 カリウム補給剤 塩化カリウム 血清カリウム値が上昇することがあるので,血清カリウム値に注意すること。 本剤のアンジオテンシンII産生抑制によりアルドステロン分泌低下が起こり,血清カリウムの排泄を減少させると考えられている。(特に腎機能障害のある患者) 利尿降圧剤 トリクロルメチアジド ヒドロクロロチアジド等 初回投与後,一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので,用量を調節するなど注意すること。 利尿降圧剤により血漿レニン活性が上昇した状態となり,本剤併用によりレニン・アンジオテンシン系がブロックされる結果,急激な血圧低下を起こすと考えられている。 リチウム 炭酸リチウム リチウム中毒(振戦,消化器愁訴等)が報告されているので,血中のリチウム濃度に注意すること。 ACE阻害剤は腎でのナトリウム再吸収を抑制するため,競合的にリチウムの再吸収が促進されて,リチウムの血中濃度が上昇すると考えられている。 インドメタシン 他のACE阻害剤との併用により,その降圧作用が減弱するとの報告がある。 インドメタシンはプロスタグランジン産生を抑制するため,ACE阻害剤のプロスタグランジン合成促進作用による血圧低下作用を減弱させると考えられている。 カリジノゲナーゼ製剤 本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。 本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により,血中キニン濃度が増大し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。 その他の相互作用 副作用 副作用発現状況の概要 安全性解析対象510例中,副作用は51例(10.0%)に認められた。主な症状は,咳嗽30件(5.9%)であった。また,臨床検査値異常は37例(7.3%)に認められ,主なものは,ALT(GPT)上昇2.1%(10件/484例),CK(CPK)上昇1.8%(6件/333例),AST(GOT)上昇1.7%(8件/483例),LDH上昇1.0%(5件/482例)であった。(承認時)(注)臨床効果及び安全性の解析対象例としては,第II相後期試験から継続投与された長期投与試験の症例を別症例として扱い,重複して集計した。***重大な副作用 [#da1fb3cc] 1.血管浮腫:呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,エピネフリン注射,気道確保等の適切な処置を行うこと。他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で,腸管の血管浮腫(症状:腹痛,嘔気,嘔吐,下痢等)があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。2.腎機能障害の増悪:腎機能障害の急性増悪があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。特に,腎機能障害のある患者では,定期的に腎機能検査を行うなど,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。3.高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。4.横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。5.肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ−GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。6.膵炎:膵炎があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。***その他の副作用 [#o407e30c] |発現部位等|5%以上又は頻度不明|0.1〜5%未満| 血液 血小板減少注2) 貧血,白血球減少 腎臓 BUN,クレアチニンの上昇 過敏症注1) 蕁麻疹注2) 発疹,そう痒 精神神経系 眠気注2) 頭痛,めまい 循環器 意識障害注2) 動悸 消化器 腹痛注2),嘔吐注2) 嘔気,腹部不快感,腹部膨満感,下痢,便秘 肝臓 AST(GOT),ALT(GPT),Al−P,LDH等の上昇 呼吸器 乾性の咳嗽 嗄声,息切れ,咽頭部刺激感等 その他 ほてり注2) けん怠感,血清カリウムの上昇,尿酸の上昇,CK(CPK)の上昇 注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 注2)頻度不明 注意 高齢者への投与 高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので,低用量(例えば0.5mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお,国内で実施された臨床試験において,65歳以上の高齢者での副作用は,116例中9例にみられた。***妊産婦等への投与 [#r8eb4884] 妊婦,産婦,授乳婦等への投与1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症,胎児・新生児の死亡,新生児の低血圧,腎不全,高カリウム血症,頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮,頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。]2.授乳中の婦人に投与することを避け,やむを得ず投与する場合には,授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。]***乳小児等への投与 [#h3d7a4b3] 小児等への投与小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]***その他の注意 [#k86e0e5d] ***過量投与 過量投与にみられる主な症状は過度の血圧低下である。これに対しては生理食塩液の静脈内投与等適切な処置を行うこと。 適用上の注意 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。] その他の注意 インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより,低血糖が起こりやすいとの報告がある。 臨床検査値への影響 薬効・薬理 1.アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用16)17)18)19)(1).トランドラプリラートは,in vitroにおいて,ウサギ肺抽出ACEに対して強い阻害作用を示す。また,ラット摘出血管のアンジオテンシンIによる収縮を用量依存的に抑制する。(2).ラットへの経口投与及びイヌへの静脈内投与で外因性のアンジオテンシンIによる昇圧反応を抑制し,ブラジキニンによる降圧反応を増強する。(3).自然発症高血圧ラット(SHR)において,組織ACEを持続的に抑制する。特に大動脈のACEが持続的に抑制され,降圧作用と相関する。2.降圧作用18)19)(1).SHRに経口投与することにより,末しょう血管抵抗を減少させ,心拍数,心拍出量には影響を及ぼさずに強く持続的な降圧作用を示す。(2).2腎1クリップGoldblatt型腎性高血圧(2K1C)ラットにおいて,1mg/kgの低用量で有意な降圧効果が認められ,その効果は24時間持続する。(3).SHR,2K1Cラット及びイヌへの連続投与において,著明で安定した降圧効果が認められる。休薬後の血圧の回復は緩徐である。(4).SHRにおいて,ヒドロクロロチアジドとの併用により降圧効果の増強が認められる。3.降圧作用の持続性(トラフ/ピーク比)20):本態性高血圧症患者に本剤1mgあるいは2mgを二重盲検法にて1日1回2週間経口投与し,携帯型自動血圧測定(ABPM)によって求められたトラフ/ピーク比(T/P比)は,75〜100%であった(国外データ)。4.その他の作用21)22)23):(1).イヌにおいて有意なNa利尿作用を示す。また,糖尿病性腎症ラットにおいて,尿タンパクの漏出を減少させ,BUNを低下させる。(2).SHRにおいて,心肥大,血管肥厚を著明に抑制する。**体内動態 [#bcc4b805] 1.血漿中濃度:(1).単回投与1):健康成人各6名に本剤0.5,1,2及び4mgを単回経口投与したとき,速やかに吸収され,活性体であるトランドラプリラートに加水分解された。||トランドラプリル|トランドラプリラート| tmax(h) 0.8〜1.1 2.8〜6.8 t1/2I※(h) 1.3〜2.5 5.8〜29.6 t1/2II※※(h) 1.3〜2.5 96.7〜187.7 Cmax(ng/mL) 0.53〜6.28 0.83〜9.94 AUC(ng・h/mL) 0.92〜9.36 22.84〜85.83※※※ ※I相:tmax〜12h ※※II相:12〜168h ※※※:AUC0−24h (注)本剤の4mg単回投与は承認外用量である。 血漿中トランドラプリラート濃度の推移 (図略) (2).反復投与2): 健康成人各8名における本剤1mgを1日1回,7日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを次に示す。 トランドラプリル トランドラプリル トランドラプリラート トランドラプリラート 単回投与 連続投与7日目 単回投与 連続投与7日目 tmax(h) 1.3 1.3 4.6 3.9 t1/2(h) 0.5 0.9 67.0 18.0 Cmax(ng/mL) 1.39 1.68 1.17 3.33 AUC0−24h(ng・h/mL) 1.96 2.32 21.50 49.57 投与3日目以降のトランドラプリラートの投与直前値はほぼ一定であった。 (3).腎機能障害患者3)4):腎機能障害患者9例における本剤1mgを1日1回,7日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを次に示す。 トランドラプリル トランドラプリル トランドラプリラート トランドラプリラート 単回投与 連続投与7日目 単回投与 連続投与7日目 tmax(h) 1.8 2.2 11.3 5.6 t1/2(h) 3.3 3.3 45.0 16.6 Cmax(ng/mL) 1.89 1.54 2.48 6.69 AUC0−24h(ng・h/mL) 6.34 6.00 44.35 106.61 2.尿中排泄・代謝1):健康成人男子各6名に本剤0.5,1,2mgを単回経口投与したとき,投与24時間までの尿中総排泄率は,7.3〜16.3%と低く,主としてトランドラプリラートとして排泄された。 (参考)5):サルにおいて,トランドラプリル(40μg/kg)を単回静脈内投与し排泄について検討した。投与8時間後までに尿中に59.4%,胆汁中に40.6%が排泄された(トランドラプリルとトランドラプリラートの合計)。 臨床成績 6)7)8)9)10)11)12)13)14)15) 軽症・中等症本態性高血圧症患者を対象とした二重盲検比較試験(単独療法)の結果,本剤の有効性が認められた。また,二重盲検比較試験及び一般臨床試験では,総計492例で降圧効果が評価され,試験成績は,次のとおりであった。 対象 例数 ‘下降’以上の例数(降圧率) 軽症・中等症本態性高血圧(単独療法) 337 242(71.8%) 軽症・中等症本態性高血圧(併用療法) 89 72(80.9%) 重症高血圧症 30 25(83.3%) 腎障害を伴う高血圧症 36 23(63.9%) 計 492 362(73.6%) 会社名 販:日本新薬製:アベンティスファーマ 薬の情報 - 添付文書情報 - オドリック錠
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自分の人生を変えるほどの大きな出来事は、意外とちょっとしたことがきっかけなのかもしれない。 そう・・これも・・・ 「あーもう!また遅刻だよー!」 新井美央(あらいみお)は田舎の高校に通う普通の女子高生だ そしていつもの土手道を自転車で走っている。 ただ今日は後10分で始まるSHRに間に合うように全力疾走で。 あとはこの坂を下って角を3回曲がれば姫谷高校だ。 「えー、今日からこの学校に編入することになった一之瀬優希(いちのせゆうき)君だ」 寡黙な優希に代わって先生が教室にいる生徒に軽く挨拶をした。 優希は俯きながら会釈をして、指定された窓際の席に歩き出そうとした その時 「お、おはよう!」 隣のクラスまで聞こえる大声と共に2年2組のドアが開いた。 「セ、セーフ?」 「んなわけあるかアホ」 いつもならここで席に着くはずなのだが今日は違った。 美央の目の前に見知らぬ男子がいるからだ。 美央はそこに立ったまま続けた。 「ん、転校生?」 美央の息はまだ少し切れている。 「ああ、今日からこの学校の生徒になる一之瀬優希君だ」 優希は美央に向かって会釈をした。 「私は新井美央、よろしくね一之瀬君」 美央が優希に右手を差し出す。 優希は驚きを押し殺したように美央の手を見ながら静止していた。 そしてフッと我に返り、手を差し出している美央を通り過ぎ自分の席についた。 その後美央も頭に「?」マークを浮かべながら自分の席に着く。 転校生の紹介のせいかSHRが終わったあとすぐに1時限目の社会の授業が始まった。 優希は窓から外を見渡していた。 3階にある2年生の教室はまぁまぁ見晴らしはいい方だろう。 優希は2時限目もその次もその次もぼんやりと外を眺めていた。 美央もそんな優希を気にしていたため優希の右ななめ後ろからチラチラ様子を伺っていた。 いつも同じように窓の外を見ていたが・・・ そして4時限目の授業が終わり給食の時間となった。 「ねぇ美央、一之瀬君どう思う?」 美央の幼馴染の友人である小林彩(こばやしあや)は、窓際の席を動かずイヤホンを耳につけ、一人で黙々と食事をしている優希を見て言った。 「どう思うって?」 「だって明らかに人と関わることを拒んでない?」 たしかに朝の挨拶といい、休み時間といい人と接したがらないようなそぶりを見せているのには当然美央も気付いていた。 「んー、でもやっぱりまだ慣れないだけじゃないの?前の友達とも別れたわけでしょ?」 「あぁそうかもね。あ、あと今一之瀬君の横通ったんだけどさ、結構大きな音で聞いてるんだよね」 優希の耳にはイヤホンがついている、思えば休み時間もつけていた気がする。 彩は続けて言った。 「なんか人と話したくないって言うより周りの音を聞くことを拒んでる感じがするんだよね…」 「そ、それは考えすぎなんじゃ」 とは言ったもののやはり優希の事が気がかりだ。関わりたくない理由があるのか、過去に何かあったのか。 さまざまな憶測が美央の頭をよぎるが、考えすぎだと思い込むようにした。 優希の周りに男子生徒が寄り集まり共に食事をしていたが、優希はイヤホンを外そうとせず今までとなんら変わりなく黙々と食事を済ませていた。 そして食事が済むと教室から出て行った。 一之瀬優希が姫谷高校に転入してから1週間がたった。 最初は優希と仲良くなろうとしていた男子生徒や気遣っていた女子生徒も、もう諦めたのか優希が来る前の日常と変わらなくなってしまった。 しかし美央はそれでも諦めきれず何度か接触を試みたが、いつも失敗に終わっていた。 なんせ授業などの時以外はいつも大音量の曲をイヤホンで聞いているので美央の声は聞こえてないし、話しかける隙がない。 紙で字を書きなんとか話しかけようともしたがこれも失敗だった。 そして美央も諦めようかと思い始めてきた日の放課後 いつものように土手道ならではの風を浴びながら自転車を漕いでいた。 しばらくすると道の脇に自転車が止まっているのを見かけたので辺りを見渡すと、土手に下りる階段に優希が座っているのが見えた。 「どうしたの、こんなとこで?」 「・・・」 優希は一瞬美央と目を合わせるが、すぐにまたぼんやりと前を見渡した。 やはりいつもと同じパターン。優希の隣に座っている美央にわずかな音漏れが聞こえる。 恐らく「聞こえてない」か「聞こえてないフリをしている」のどちらかだろう。 ここは少し荒々しい手を使うしかないと美央は判断した。 美央は優希がつけているイヤホンを掴み無理矢理耳から外す。 「おいっ」 優希が取り返そうとするが、美央は返そうとせず話した。 「人が話そうとしてるときはきちんと聞いてあげなくちゃだめだよ?」 「はー・・・」 優希は溜息をつくと、イヤホンを取るのを諦めた。 「なんでイヤホンなんてつけて周りの音を聞く事を拒んでるの?」 「・・・関係ないだろ」 「音楽よりもいい音だってあるのになぁ」 「ふーん・・・」 優希の答えはいたって無機質だったが、ちゃんと話せる今をチャンスだと思った美央は 「あ、そうだいいとこ連れてってあげる」 「あ、おいちょっと」 イヤホンと音楽プレイヤーは美央の手にあるため、優希もついていかざるを得ない状況となった。 さっきの階段を降り、すすきなどの草が覆い茂ってる所に丁度よく草が刈られ、一本の道が出来てる場所へ向かうと美央は周りの背の高い草を払いながら前へ進んだ。 優希もまた同じように進んでいる。 そして 「よし、ここだよ」 美央と優希は円状に刈られてる場所で立ち止まった。 「おい、なにが…」 「しっ!」 優希の言葉は途中で遮られ、優希は黙った。 「もうすぐだから」 小さな声で美央が言う。 その時・・・背の高い草原地帯に1つの風が吹いた。 「・・・っ!」 そこは背の高い草で囲まれているため、360から草の音が聞こえるようになっている。 さらに遠くで鳴いている虫の声が音に色をつけ、1つのオーケストラのようになっていた。 気がつくと優希は眼を閉じ、周りの音を聞き入っていた。 「すごいでしょ?ここはいい音が聞こえるベストポジションなんだ」 「すごい・・・」 美央は素直に嬉しかった。あれだけ周りの音を途断していた優希が自然の音を聞いて感動していたのだから。 沈黙は意外にも優希から破られた 「あの…」 「ん?」 「ありがとう・・・あと、ごめん」 優希の口から感謝と謝罪の言葉が出た。 「ごめん?」 「転入したとき、握手しようとしてくれたのに」 「ああ、いいよいいよ。…なんとかやっていけそう?」 「わかんない」 優希の返事は相変わらず無機質だったが、前とは違う事は明らかだった。 「えっと、新井だっけ?」 「そうだよ一之瀬優希君」 美央は少し皮肉を言い、右手を差し伸べた。 そして優希が手を合わせた。 「よろしくね」 「うんよろしく」 その時、優希の顔がほんの少し笑っていたのを美央は見逃さなかった。 ―大丈夫、きっと大丈夫。うまくやれるはず。今は何も知らなくても徐々に…ね。 《1話 大きな出来事の小さな始まり 完》