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まだ見えぬ未来(よる)の先にーーInter sectionーー ◆KYq8z3jrYA ーー平成四年のこと。 東京ドーム地下に光圀水戸黄門が設えたという闘技場の存在があった。 公にはその存在は秘密にされており、観客も特別な方法によって選ばれた絶対に秘密を守る。 そこにあるという噂も本来の用途でやって来た、表の観客の熱によって流されていく。 最強と謳われながらも地上では満足したりないそれぞれの分野で活躍している超一流の格闘家たちと、それらを観戦するために訪れてくる方向は違えど同じように渇望しているファン。 求めるものは最強の称号。男ならば一度は思ったことがあるであろう強くなりたいという意思を最大限に活かせる格闘家の聖地。 ルールは単純。武器以外ならばなにをしても問題はなし。目潰しだろうが金的だろうが頭突きだろうが噛みつきだろうが、強さを縛るものは何もない。 己の体こそが完成されている、己こそが最も力を持つもの。何処までも汚れなき欲望を秘めている者たちは闘技場に集ってくる。 胸に宿る渇きを潤すために。ただ、強者と戦いたいがために。 その闘技場の王者。設立から300年。もっとも若く、もっともエキサイティングな王者。 世界中から集まってきた猛者を蹴散らして頂点に達し、最強の称号を手に入れた人物。 彼は今、何処とも知らぬ地で走っていた。 ◇ 静かな山の空気に混ざるように小気味のいい足音が響いていた。西の空から顔を覗かせている太陽は、もうじきこの閉ざされた世界を覆うことになるだろう。 暖かな陽が昇りきるまでの早朝の時間。少し、肌寒い風が会場内を駆け巡っている。 広がる風景には山が連なるように並び、大地には草木が生い茂っていた。その中を横切るように引かれた、緑とはとても合わない灰色の道。 人通りは全くと言っていいほどないが自らの場所を知らしめているように、自動車が通るための道路の真ん中を走っている少年がいた。 少年は高いというわけでも低いわけでもない身長で、まだ幼さを残している顔は視界に映している美しいと言える自然に目もくれていない。 薄手の白シャツの上からでも一目で分かるほど筋肉が高く盛り上がっている。袖から飛び出した腕は固く、薄手のズボンから揺れによって時折覗かせる下腿は引き締まっており、大樹のように頭を支える首はコンクリートを踏みしめた振動によって小刻みに揺れていた。 軽く傾けた上半身を体重が乗った右足で踏み込んでいき、続くように左足にも体重を乗せていく。 それを繰り返していく度に少しづつだが速度が上がり、息を吸い吐く呼吸音が一定のリズムとなって刻まれていき、額から小粒の汗が出始めた頃に少年は両の腕を上げ拳を構えて振り抜く。 シャドーボクシングのように右の拳を振るったかと思えば即座に左の拳を振る。 上半身の動きも組み合わせながらのランニングは極端に疲労を加速させる。 少年も例外ではなく、しばらくと時が経つにつれて胃から押し上げる呼吸が小刻みに口から漏れ全身から汗が湧き出てくる。 額から、腕から、足から飛び散っていく汗が、朝日によって熱しようとしているコンクリートに染み込んでいく。 日課で毎日のようにロードワークをこなしている少年は障害物など一切存在しない道を走り続ける。 目的地は先にあるだろう放送局。そこで放送を周囲に流して呼び寄せられた強者たちと戦うために。 戦いとは少年にとって日常の象徴であり、ある目的を達するためには外すわけにはいけないモノ。 父、範馬勇次郎を倒す。少年ーー範馬刃牙にとってそれは幼い頃からのたった一つの目的。 「早く会いてぇなぁ」 平坦な道が緩やかな上がり坂になって気持ちのいい重圧が刃牙の体を駆け巡る。 自然に囲まれた朝の新鮮な空気。ここに小鳥の鳴き声でも加えれば絵になったのだろうが、そこに聞こえる音は吸って吐く息と足音だけ。 だが、それは刃牙にとっては些細なことで。何時も行っているロードワークとは違う違和感には気がついていたが、特別気にすることなく放送局へと走り続ける。 「そう言えば、兄さんも来てるんだよな」 名簿に書かれていたジャック・ハンマーの文字、刃牙はジャックと戦った試合を思い出して身体中から血がざわつくような感覚を覚える。 地上最強の兄弟喧嘩。後にも先にも言葉では言い表せないあの感動は二度と味わえないことだろう。思ってしまえば後から後から欲が湧いてくる。この地に潜む強敵たちだけではなくジャックとも、もう一度やりたい、と。 殺し合いーーならぬ、戦いを! 島にいるまだ見ぬ強敵たちは刃牙が勇次郎の強さに近づくために貢献をしてくれることだろう。 勇次郎はこの状況に巻き込まれたことをきっと喜んでいると確信する。刃牙と同じく強者を求め今も会場内を渡り歩き、戦うに値すると判断した者と拳を交えている。 こうしてはいられないと、期待に胸を膨らませていた刃牙はペースを上げようとするが突如その体は止まる。 理由は、時が止まったかのようなこの場所に相応しいとは思えない音が聞こえてきたからだった。 振り返ると、遠目からでも分かる銀色に輝くフォルムが、先ほどまで走ってきた道を通って迫ってきているのが見えてくる。 「……うっそぉ」 肺に残った空気を絞り出すように刃牙は声を上げる。 これまでの戦いの中、様々な敵と出会い考えもつかないような技や力を見て受けてきた。 血管やリンパ節、神経などを繊細な指の力で切り取ることが出来る紐切りなる技。もう助かる見込みのないとされた者を救った死者の蘇生をも可能とする腕。 綿を握るように握力だけで人の手足を砕いていく単純な強さ。果ては、ゴリラより大きく腕力はツキノワグマより強い猿に至るまで、波乱万丈とした人生を歩んでいる。 しかし、今、見えているのはそれらとは全く違った別種。熊だろうが虎だろうが目の前にいても驚きこそするが、それだけだ。 刃牙の目に映るのは脅威の問題の有無ではなく、超常現象による類のもの。 遠目に見えていた姿は瞬く間にすぐ近くにまで近づいてくる。山の静かな空気を切り裂くように現れたのは周囲にエンジン音を響かせる銀色のバイク。 跨るのは黒いライダースーツを纏った"なにか"と、その細長い体にしがみ付くようにしているカウボーイハットを被った男。 「本当にいたんだなぁーー首なしって」 運転席に座る搭乗者の首は黒い霧を伴って先から消失していた。小さな時から父の元で修行に明け暮れた刃牙でも、町に伝わる噂話くらいは耳にしたことはある。 曰く、頭部を欠損したことに気がつかないまま走り続けるライダーがいる、と。 数ある都市伝説の一つに過ぎない話だが、現実として刃牙の目の前にいる存在は正に首無しライダーというに相応しい。 直線上の道のため速度を上げていたが、前方に刃牙の姿を目にしたせいだろうか。ゆっくりと速度を下げて少し離れたところに首無しはバイクを停車する。 通り過ぎることなく止まってくれたのだから話し合う意思はあるのだろうと判断して、低い姿勢で運転をしていた首無しがハンドルから手を離す前に刃牙は口を開いた。 頭がないのに言葉が通じるのか、という根本的な問題について深く考えはせずに。 範馬刃牙とセルティ・ストゥルルソンの出会いの一言目は挨拶からだった。 「あの、こんにちは」 『こんにちわ』 セルティの返事は懐から取り出したPDAに映る文章によって返された。 刃牙は"そういう手があったか" と納得した顔をして続ける。 「俺、範馬刃牙っていいます。少しだけ聞きたいことがあるんですが」 『ちょっと待ってくれ』 指を動かし、素早く次の文字を打つ。 『怖くないのか?』 刃牙は首をかしげる。怖いとは一体なんのことなのだろうか。答えに窮していると、セルティは手元のPDAを操作して再度見せる。 『わたしが怖くないのか』 首のない自分が怖くないのかと問うてきているのだ、とここにきて刃牙は初めてセルティの言いたいことが理解できた。 確かに、首なしなど見れば驚くだけではなくて逃げ出したり怯えたりするものだろう。 怪我をすれば泣き、自分より大きな者には怯え、一度倒れてしまったら中々立ち上がれない。 しかし、それは"普通の人間" ならばの話。 「怖い……ですか?」 心底理解出来ない、というように刃牙は不思議そうな表情を作る。 「不便だな、とは感じましたけどね。その様子じゃ、食事も喉を通らない」 きょとん、としていた表情から一転、刃牙は苦虫を噛み潰した顔になる。 食事を取れないとなると体を動かすための熱量の確保が出来なくなる。それは激しく体を動かす格闘家である刃牙には考えるだけでも最悪なことだった。 セルティに対する答えはとても単純で、刃牙にとって首なしとは恐怖の対象ではないということ。 所詮、まやかしに過ぎない存在たち。そんなものに怯えていては、父、範馬勇次郎はおろか最強を夢見るグラップラーたちにも勝てはしない。 目の前の"人間" は首がないというだけで、何かが特別に変わるわけでもない。 人だろうが化け物だろうが相対する態度は変わらず。曇りなど一切なく、恐怖でも好奇でも興味でも愛でもない。 目が点ーー首のない者に目など存在しないのだがーー刃牙の答えに呆然としたように、セルティは持ち上げていたPDAを持つ手を下げる。 「無駄だぜ、旦那ぁ。こいつぁ、きっと頭まで筋肉で出来ているタイプと見たぜ」 二人の話に入ることなく眺めていた西部劇風の服装をしてカウボーイハットを被ったホル・ホースが首無しをフォローするように会話に割り込む。 その手に握るのはリボルバー式の拳銃。おかしな動きがあれば即座に打つというように、バイクを止めたその時から油断なく刃牙に向けて構えている。 自分の有利が揺るがないのを確信しているのか、機嫌の良さそうにニヒルな笑みを浮かべて口笛を吹かす。 二人の距離は首無しを挟んで20メートル。銃口の標準は隙なく刃牙を捉えており、少しでも動こうものなら火を噴くのだろうが、その行為はすぐに破綻することになる。 「え、銃を下ろせって? そりゃねぇだろうがよ、セルティの旦那」 男を止めたのは、首無しーーセルティだった。 彼女はタイピングした文章を作成して次々に男と会話をしていく。 『敵意は感じられない』 「そんなもん常套手段だぜ、俺たちが油断して近づいたところをグサッと一発よ」 『武器になるものは見当たらない』 「隠せるところなんていくらでもあるっつーの。支給されたカードなんて不意を突くにはもってこいのもんじゃねぇか。そうでなくても体に隠してる武器もあるかもしれねぇ。いざとなりゃ、ケツの穴にでもーー」 『彼に隠せる武器も場所はそれほどないように見える。というか必要ないように見える』 「……あぁ、そりゃそうだが。いやいや、銃は剣よりよ強し、だ。どんだけ鍛えた体だろうが、武器には勝てない」 『お前は私から逃げたじゃないか』 「俺が信じている心情は人間の枠内でだけだ。旦那みたいな例外を出されちゃ、立つ瀬がねぇよ」 『すまない、貶しているわけではないんだ』 「分かってるって、旦那がいい奴だってことは俺が五体満足の時点で証明出来てる。ただ、だなぁ」 『少年が危害を加えようとしたらお前を守ろう。それでいいか?』 「ぶっちゃけると、その言葉が聞きたかっただけなんだぜ、セルティの旦那」 二人の会話は終了しようで、構えていた銃を手品のように消してホル・ホースは刃牙と相対する。 「ま、そういうことだ。よろしくな、坊主」 ◇◆◇ ジョースターの奴らといい最近の若者は肝が据わってるのが流行りなのか。 呑気にランニングをしていた坊主はむきむきのマッチョだった。いや、名前じゃなくてな。ヒグマでも倒せそうな丸太みたいな手足を見て、俺の思うところは何となく察してくれ。 世の中には筋肉の美しさを競う大会があると聞いたことはあるが、素人目から見ても坊主の体はそういう類に使うもんじゃねぇってことも分かる。 何より目に付いたのは筋肉じゃなくてその上に付いている夥しい量の傷跡だ。顔に首元に手足、服からはみ出た部分だけでも相当にやばい修羅場を潜ってるとみた。 切り傷、刺し傷、裂傷、擦り傷、刺し傷、打痕、果ては噛み傷なんてものもありやがる。山にでも修行に行って本当にヒグマとでも戦ってきたのかよこいつは。 あんなんで殴られたら俺の首なんざ小枝のようにポキッと逝っちまう。近づくに越したことはねぇが、セルティの旦那の言う通りこいつには敵意ってもんは感じない。 悪いこと考えてる奴の雰囲気ってのは長年培ってきた経験と勘で分かるもんだ。例えば、DIOのような奴はそこに居るだけで警戒のアラームが常に頭の中に響いてる。 対して、この坊主はそれが全くと言っていいほどなかった。突然に現れたセルティの旦那に驚いているだけなのかも知れないが、それにしても銃を向けられたら顔色ぐらいは変えるだろうよ。 低い姿勢を維持して何時でも飛び出せるように足に力を込めていやがった。旦那が止めなくても坊主が動かない限り、撃つつもりはなかったが変に緊張したぜ。 まぁ、いくら緊張しようともどんな状況だろうが手元が狂うことはないがな。 「じゃ、いくぜ」 一先ずはこの場を離れようという俺の提案に旦那と坊主が了承を示して移動を始める。あの場で話しあっても良かったんだが、一本道の構造上、他の参加者が通る場所でもある。 ほんの少しでもリスクは背負いたくない。後ろを向けばそこには縫い目のバケモンが迫ってきていた、なんてことになったら目も当てられねぇ。 戦力としては筋肉ダルマの坊主が増えただけ。いや、この坊主には何か光るものを感じるがまだ出会って少しだ、当てにはできない。 もう少しだけ見極める必要がある。こいつはなかなかにイケてる奴だと俺の本能が囁いている限り。 後ろを歩く二人に気付かれないように、ふぅと息を吐く。 それにしても、さっきのはいつも以上に疲れた。 旦那の手前、ああいう荒っぽいことをやるのはヒヤヒヤとしたが、結果として上手くいってよかった。 銃を向けた俺を助けたお人好しの旦那に現状を正しく認識して貰うため、チョイと芝居を打たせて貰ったが、慣れないことはするもんじゃないな。 もちろん、坊主に向けた銃の殺意は本物で、飛び出してこようものなら即座に撃っていた。 撃たなかったのは坊主には危険がないと判断していたからと旦那とのこれからを考えていたからだ。 共に縫い目のバケモンに立ち向かった仮初めの相棒だったとはいえ、俺には前科がある。"こんな危険な男は早いうちに処分したほうがいいだろう" と思わないなんて誰が証明できる。 加えて、仮に旦那を相棒として手を組んだとしよう。縫い目みたいなバケモンとの戦いの中、俺にしたみたいにその甘さが出てきたら、そん時は共にお陀仏になるかもしれねぇ。 相棒にして貰うための"信用" と俺の生存率を上げる"甘さ" を少しでも消す。これぞ正に一石二鳥ってやつじゃねぇかよ。そんなチャンスをみすみす見逃すわけがない。 縫い目から離れるためにバイクを飛ばしての逃走の途中で現れたのは筋骨隆々な坊主。 俺の劇を飾るためのタイミングとしては完璧な登場。脅威としても低く、敵意はないときた。 一に自分の生存優先。そのためにはプライドなんてドブにでも捨てる覚悟よ。 山を見れば斜面に建っている家が割と多くある。ついでに、旦那の首を覆うヘルメットを探すにも丁度いいと判断して、神社に続く山道だろうと思われるに方に向かう。 道中、セルティの旦那が『これを何処かに埋葬したい』と影で作った(どうやってんだ?)籠を掲げた。 そんなもんその辺に捨てておけばいいのによ。誰が感謝するわけでもなく、荷物にしかならねぇもんを持ち歩くなんて意味が分からねぇ。 それに火種の原因にもなり得る。そいつの知り合いなり何なり"首" を持っていることがバレたら、言い訳なんか効かなくなる。 『神社ってここを道なりに沿っていけば着くかな?』 一本道だし着くんじゃねーの。そう、答えたら旦那は『そこにしよう』と歩く速度を上げた。 一刻も早く楽にしてあげたい、ってところが心情か。本当、俺には一ミリも理解が出来ない。死んだ後なんてどうでもいいだろうに、残るもんなんて空っぽの肉だけなのによ。 それにしても神社、ね。ここは一体"どこ" なんだろうな。 セルティの旦那と俺の一方的に見えて成立している会話が終わり邪魔をしないようにか、黙っていた坊主が開口一番、口にしたのは「範馬勇次郎を知っているか?」だった。 回答はもちろん、知るわきゃあない。こちとら目覚めてからは激戦の連続で、出会ったのはどいつもこいつも銃の効かない奴らばかり。一体、どうなってんだ此処は。 まさかとは思うが魑魅魍魎の化け物しかいないってことはないよな。名簿を見てみる限り花京院やポルナレフの野郎がいるからそこまで手に負えないって訳でもないのか? 何にしても頼りになる味方を増やすのは良いことはあっても悪いことはない。この、ホル・ホースは腕だけでなく頭も最大限に使うぜぇ~。 「範馬勇次郎ねぇ、苗字が同じようだが……親か、兄弟か?」 男の話なんざ心底どうでもいいのだが、気になったことを一応聞いておく。 坊主は俺の言葉に瞬きを何度かして、どう返したらいいのかと言うように悩み始める。 予想するに、同じような筋肉ダルマなのだろうが……おえ~、考えんじゃなかった。むきむきな坊主が二人並んでいる姿を想像して気持ち悪くなってきやがった。 「父です」 「ふ~~~~ん。それよりもよぉ、なんで走ってなんかいたんだ」 もう、興味はなくなったのでこれ以上話さないように口を挟む。 「ウォーミングアップ、この場所には強い奴らが揃ってるって話だからね。少しでも動いてなきゃ落ち着かなかったんだ」 「ほーん、で、その話は誰から聞いたんだ」 「人間を掛けた眼鏡の男と学生服の女の子さ」 「旦那ぁ、今のはスルーするべきところでいいんだよなぁ。 それとも笑うところなのか」 マッチョが冗談を言う姿なんて見たくはなかった。何だか変な奴ばかりに会いやがるな。首無しの化け物に縫い目のバケモン、お次は筋肉野郎ときた。 幸運の星の下に生まれたもんだと思っていたんだが、DIOやジョースターたちといい最近は不幸が重なってきてる気がするぜぇ。 そういう劇的な展開は偶にならいいんだが毎回となると気が滅入っちまう。ベリーハードの人生は悪かねぇけど、天井知らずは勘弁して欲しいよなぁ。 セルティの旦那もよぉ、黙ってないで何か言ってくれよ。あ、首がないから無理か。わはははは。 「ウォーミングアップ、ウォーミングアップね。なんで、そんな争いを好むのか分かんねぇな。人生、血と汗だけじゃねぇぞ。女を一度抱いてみろ、世界が変わるぜ」 ニィ~~っと笑って、女の素晴らしさを語ってやる。 「女はいいぞぉ、まず何より柔らかい。ホルモンだったり子孫を残すためだったりするが……まぁ、そんなことはどうでもいいか。 細く、括れた腰にすべすべとした肌。触るとぷるんと弾ける尻に、この世のものとは思えない柔らかさをもった乳。 ンッン~思い出しただけでゾクゾクとするぜぇ。坊主もガールフレンドぐらいはいるんだろ? 」 「はぁ、いますけど」 「お! いるのか! 付き合ってどれくらいになーーいてぇ!」 鈍い音と共に視界に火花が散った。思わず、しゃがみ込んで頭を押さえる。 どこのどいつだぁ!? このホル・ホース様に手を加える命知らずな輩はっ。 糞野郎を蜂の巣にしてやろうと振り返ると、 『こら、ダメじゃないか、未成年だぞ、きっと』 童顔の皮を被ったおっさんかもしれないだろうがよォ~~! セルティの旦那ぁ~~! 人を殴ってはいけないとか、殴るより先に話し合うべきだとか考えなかったのかぁ~。跡が残ったらどうしてくれんだ、責任でも取ってくれんのか? ええ? 必死の訴えも虚しく、旦那は殴ったことではなく殴った強さに反省をしているようで、『すまない、加減を間違えた』なんて俺の頭を心配してくる。 心配するくらいなら初めからしないでくれ。それに軽くってのは冗談だよな? 「それで、話は戻りますけど、お二人は俺が望む強者を知ってますよね」 ……あー。 やっぱりこの手の質問が来やがったか。首なしを見てもビビらなかったことや、セルティの旦那を見る目が一瞬だけ変わったのを俺は見逃さなかった。 「どうしてそんなことが分かる」 「俺にも分かりません。ただ、そんな気がして」 なんで、確信的に言えるのか是非聞いてみたいもんだとは思うが、直感というやつなんだろう。 これが生きていくためには案外に馬鹿には出来ない。命のチップを貼るのにはギャンブル性が高いとは自分でも思うが、生死の岐路に立たされた時正しいだけの判断じゃどうにもならないこともある。 あの、化け物共。DIOや縫い目を前にした時みたいによォ~。 「そんなに戦いたいならお誂え向きのやつがいるんだがな」 あんな奴がいると分かった以上、積極的に優勝狙いなんてやっていけるわけがねぇ。逃げて、逃げて、人数が減ってきたところに登場して優勝を掻っ攫う。 臆病者だと思うなら勝手にそう思っとけばいい、繊細で臆病だからこそこれまで生きてこれた。 セルティの旦那は俺の言わんとすることを察したんだろう。止めようと手を伸ばすがその手は坊主によって逆に止められる。 旦那は大人しく見学をしてな。ここは男だけしか入れない会話だぜェ。 「ここから少し東に行ったところに分校がある、詳細は地図を見てみな。そこで俺たちは『化け物』に出会った。 頭のネジが数本どころか全部外れているような女だ。ずっとニコニコと笑ってやがるが、ありゃ仮面で中身は相当にどす黒いと見た。 力はとんでもねぇし、銃を後ろからぶっ放しても目で見た後、余裕で避けられる。そこのセルティの旦那も相当にヤるもんだが手も足も出なかっーー」 ぞくり、と。 脳がそれを認識する前に『皇帝』を手に取り坊主に構えた。猛獣を目の前にした時のような感覚が背筋を襲った、と分かった時には既に引き金が指に掛かっている。 何千何万と繰り返してきた自分でも惚れちまいそうなほど無駄のない動きに浸るには、状況を理解する必要があった。 坊主を見ると何かを必死に抑えようと深い笑みを浮かべて食いしばっている。 わ……笑ってやがるのか。こいつはっ! 「お、おい、大丈夫か」 「あ……ハイ、ありがとうございました、俺、行きます」 その言葉を最後に坊主はダッシュで元来た道を戻って行った。 余りにも唐突に別れを告げられて頭が真っ白になったが、すぐに坊主の去っていった方角を見る。 もう、背中は、見えない。 「だぁ~~!!?」 ◇◆◇◆ 『ここで、悲痛な叫びをしている男、ホルホースが何を企んでいたのか解説しよう!』 「万が一、セルティの旦那と決裂しちまった時の保険は必要だよなぁ」 『ずる賢く生きてきた悪党の彼だからこその悩み! いくら相棒だとは言ってもそれは仮初めの関係にしか過ぎない! 彼女が見捨てようと思えば止めることなど情に訴える他はない!全ての選択権は彼方にあるのだ! 故に、複数の選択肢を用意しておくに越したことはない! そう、考えた!』 「それなりの『山』は潜ってきてるみたいだし、合格点としちゃ届いてはいるが……どうだろうな、こればかりは実戦じゃねーと」 『相棒として必要な能力は、第一に彼のスタイルに合うこと! 第二に絶対に必要な実力! 第三に最低限の協調性である! セルティには三つ目の条件に多少の不安はあったが、それを補って余りあるほどの実力が備わっていた! 対して、範馬刃牙! 長年の直感と嗅覚からホルホースは少年が素質を持っていることに気づいた! しかし、その実力のほどまでは分からない! 』 「んん~、何処かで試せる機会があればいいんだがな。ちょいとリスキーが過ぎるか?」 『自身の安心安全が第一! その確保のためには多少の危険にも飛び込む男である! 卑怯だぞ、この屑野郎!と罵られれたら、「へいっ、カモーン」と動きを足して言い、相手の名前の最後に「くぅん」と付けて挑発をしてやろう!』 「『餌』はジョースター共が最適か? でも、会ったら普通にぶっ殺されそうな気がするしよ~。 DIOや縫い目は論外ときたら……やっぱりセルティの旦那か。 さて……どうすっかな」 『簡単に人徳を得る講座、開始!!』 「女だったりそういう誰にでも興味のありそうな話題から話していけばーー」 『女! それは男にとって最も興味を引く対象であろう! 若い男ならば鯉の如く食いついてくることは間違いはない!』 「後は、肩でも組んでフレンドリーに接してやればもう懐柔したも同然よ」 『そうして、男だけが理解できる話題を共有した後は言葉などいらず! さながらそれは同じ戦場を駆け、生きて帰ってきた時に得る感動に匹敵する!! 簡単に人徳を得る講座、終わり!』 「よしよし、腹が決まったとなっちゃあ、実行に移すだけよ」 『余談! この男、旦那とは言ってはいるが、セルティ・ストゥルルソン、彼女が女だということは気づいている! 縫い目の女、針目縫から逃走中に! 彼女の腰に捕まった瞬間、「ハッ!」と気づいてしまったのだ! 細い腰にスレンダーな体型! 胸部にあるそこそこに自己主張しているモノに!』 ◇◆◇ 今、二つの選択肢が私の目の前にあった。 庭先に止めてあったオートバイに提げてあるヘルメットを貰って被る。 長時間、外で外しているのはやはり精神的に良くはないのか、安心感というかそういう感覚がある。 化け物が精神とかそういったものが存在してるなんて、私に怯えていたホル・ホースという彼からすればきっとおかしいと思うのだろう。まぁ、そこは割り切っているため深くは考えない。 今は、こうして何事もなくヘルメットを手に入れられたことを喜ぼう。これで少なくとも外見を見ただけで逃げられたりすることはなくなるはずだ。 ポケットに入れたカードに手に取って念じると、カードの中から大型のバイクが飛び出してくる。 どういう仕組みなのか分からないが触れただけで入れ閉めが出来るというのは随分と便利なものだ。 跨って、エンジンを入れると高く機械音が鳴って周囲に響いてくる。何か、問題がないか確認した後、彼が帰って来るのを待つ。 範馬刃牙と言った少年と別れてからまだ数十分も経っていない。すぐに追い掛ければ捕まえられることだろう。だけど、少年が向かった先は同類と思われる化け物がいた場所。 少年はそこに化け物がいるという危険性を知って向かっている。所々、彼の説明に穴はあったが脅威のほどだけはしっかりと伝わっていた……と、思う。 キラキラと輝いていながらも何処か欲望が入り混じった、あの目。不安の要素があるというのに、穢れなく純粋だと思ってしまう根拠はどこから来ているのだろうか。 強者と戦いたいという理由から少年は自分で選択をした。同じ化け物の私でも歯が立たなかった化け物を倒すために。 その行動を止める権利など私にあるのか。少年にとって強い相手と戦うというのは生き方そのものなのだろう。 殺されてしまうかもしれないーーそう考えてしまうのはとても失礼なことだと分かっている。それでも止められないのは、あの化け物の力を見てしまったから。 簡単に私の心境を言うのなら、あの少年が心配なのだ。 横に浮かしている影の球体を見る。そこには私のではない少女の『首』が包まれている。 此方に投げられて、落としてしまったら可哀想だろうとかそんなことを考えて、手を伸ばして受け取った、名前も知らない赤の他人の首。 供養をしてあげたい、と思うのはある種、共感でもしたからなのだろうか。 供養……そう、供養だ。別に、場所など神社でなくてもいいことを今更ながら考えつく。 むしろ、人が集まりやすい目印がある場所など見つかってしまったら大騒ぎになることだろう。 バイクから降りて辺りを見回すと、奥に庭の手入れなどをする道具を収納する倉庫が見える。 そちらに歩いていき倉庫の扉を開けると目当てのシャベルを探す。なるべく頑丈そうなものを見つけて庭に戻り、少しでも見通しのいい場所を探し出してシャベルを手に取り土を掬い上げた。 家は結構な大きさであるため庭もそれなりの広さになっていた。ガーデニングに勤しんでいるのか、コスモスやキンギョソウなどといった色鮮やかな花が玄関先や庭の花壇に植えられている。 ちょっとした小さな花屋さんーーそういう印象をこの家は持っていた。 作業が続く中、私は何をやっているのだろうという思いが胸に響く。 しばらくして、十分な深さの穴が出来たというところで土を掘り返していた動きを止める。 この中に何を埋めるというのか。わざわざ苦労して掘ったのだからすることがあるのだろう。 影の球体を解くと、綺麗な切り口で胴体と分かたれた少女の首が落ちてくるのを両手で受け止める。少女の顔はよく見てみればまだ幼い子供だった。 救ってあげられなかったという後悔が胸に迫るのを抑えて開けられた穴に首を入れる。 底から隠すようにゆっくりと優しく、シャベルではなく素手で掘り返した土を埋めていく。 「けっ、案外しけてやがったな、この家」 少女の表情が土の中に全て隠れた時、タイミング良く家の中を捜索していた彼が戻ってきた。目星い物はなかったらしく不機嫌そのままに愚痴っている。 やっていることは捜索……という名の不法侵入だが、事が事だ。許して貰おう。 「旦那も手伝ってくれよ、無駄に広いから一人じゃ追いつかねぇ……って」 私が何をしていたか気がついたらしく、顔をしかめる。 「あー、旦那が何をしようが勝手だが、辛気臭いのは勘弁してくれよ」 分かったというように頷いて立ち上がろうとしたが、少女の首が埋められた場所を見て、ふと寂しいなと思ってしまった。 赤、ピンク、紫、黄色、など、小さな花屋と例えた通り庭には色鮮やかな花が溢れているが、少女の周りの土には何もない。 少し考えて、近くの花壇に咲いてあった花を一つ拝借する。 斑が入った葉っぱ、その傍から幾つか垂れている緑白色の花。 品種など分からない。ただ、何となくだが少女に似合いそうだと思っただけで、特別、この花を選んだ意味はない。 土を退かせ、少女が眠る上に枝を植える。 ーー土の中は暗くて寂しいだろうが、すまない。 ◇◆◇ 「で、坊主を追うのか。今なら飛ばせば間に合うかもしれないぜ」 首を埋め終わるのを見て声をかけるとセルティの旦那は土のついた手を払ってPDAを操作を始めた。 首から出てる影がちょっとした動きに反応してゆらゆらと、うっとおしいくらいに揺れている。 どういう理屈かは知らない影は便利なもんで物体を作ることも出来るらしい。首を入れた籠、実際に目の前でやられたとなっちゃあ言葉も出なかった。 強さも桁違いで、銃弾の通らない体だけだっていうだけでも積んでるっていうのに、その上、この上ない強力な武器も持っているときた。 影は使い道を考えるだけでもどれだけ多種多様で便利ものか分かる。首がないのが唯一の難点だと思ったが、視界は良好のようで逆に弱点を消している。 外見から実力までモンスターと言い換えてもいい力を持つ化け物。 その実、 中身はとんだあまちゃんだったわけだが。 赤の他人の死体を供養するなんて話、聞いたこともない。本当にこんな砂糖菓子よりも甘々な奴とやってけるのかとは思うがその強さに嘘はねぇ。 元よりコンビってのは一方の利点を最大限に活かしたり弱点を補ったりするものだ。 常に相方を組んで行動をしている俺は『皇帝』の性質上、前に出て戦っちゃいるが強力無比な前衛がいるという前提があれば話は違う。 自在に変化する弾丸とその容姿から敵からの注目を集めてくれる首なしの化け物。相性は最高で完璧で、これは運命の出会いと言っても過言じゃない。 手放すには惜しすぎるし、敵にするには強すぎる。と、なったら引き込むしかないだろう。 幸い、同じ死線を潜った仲でもある。ある程度の情ってのも湧いてくるもんだろう。謝る姿勢を見せただけで許してくれるような旦那だ。泣きつけば見捨てられない性格とも見た。 その為に色々と念を押して友好アピールをしたが……さて。 『どうすればいいと思う?』 それを俺に聞くのかよ。 当然、わざわざ危険に足を踏み入れるようなことをするわけはない。刃牙の坊主は惜しいが、なぁに構うことはない。あくまでもあいつは保険よ。 強い奴らに喧嘩を吹っ掛けていくようだしな。縫い目のバケモンをぶっ潰してくれるつーんなら大歓迎だし、その他の参加者を弱らせてくれるって言ってるんだ。野放しにしても利点はある。 ボロ雑巾のようにくたばらないことだけは祈ってやってもいいがな。 「なぁ、セルティの旦那よォ。人生には出会いもあれば別れもあるもんさ。坊主やそこの女も俺たちはほんの少し交差しただけなんだ」 それらしいことを言っているが、なんも考えてない。口からでまかせ、ってやつだ。 「世の中にゃ数億と人がいるが、そいつら全員と関わることはあり得ねぇ。街一つにしたって、話したこともない奴がいるだろ? 道を行き交う人とすれ違っただけで、何かドラマが生まれるわけでもなし。所詮は他人ってことだ。 それに男ってのはいつまで経っても子供だ。夢見る年頃たぁ言うが、それを大人になるまで持ち続けることなんて。大抵の奴は現実を見て出来やしないと分かっちまう。 俺だって少なからずそういう面もある。実はな、俺はこんなんでも警察官に憧れてた時期があったんだぜ、それが今じゃあ銃片手に田舎の片隅を歩いてる始末よ」 警察官を目指してる時期、ねぇ。 そんな時期あったか? 「だが、あの坊主は違う。バケモンの話を聞いた時のあいつの表情は、キラッキラに輝いてやがった。 そんな大馬鹿野郎のことを止めることなんてのは、無粋だぜ。手を伸ばすのは自由だが、邪魔をしちゃあいけねぇ」 少なくとも坊主については嘘は言ってない。事実として、あいつは縫い目に挑みに行った。 旦那もそれを分かっていたのか、少しだけ悩んだ素振りを見せた後、『分かった』と答えた。 ◇ 「で、何処に向かうよ。俺としちゃあ、終了間際まで何処かに隠れていたいもんなんだが……」 『あなたは何処に行きたい? 私は特には目的とする場所はない』 「え……ないのか、じゃ、どうするよ?」 『どうしよう』 「んー、縫い目は追いかけて来てる気配はないしな。セルティの旦那が何処でもいいってなら、ここは一つ、俺の意見を……」 『その縫い目って言うのは、鋏の女のこと?』 「ん? あぁ、なんか変な眼帯……か? 付けてるからな。ひょっとしたら、直接縫ってるんじゃねーかと思ってよ」 『それで縫い目、か。なるほど、そっちの方が呼びやすいな』 「……確認のために言うけどよ、このホル・ホースと組んでくれるんだよな」 『ああ、しばらくの間はよろしく頼む』 「へっへ、いい返事だぜ、セルティの旦那ぁ! 俺たちが組めば無敵のコンビ! 敵なしよ!!」 『ちょっと待ってくれ』 「お、おい? ま、まさかコンビ結成した瞬間だってのに解散なんて言うんじゃないだろうな!」 『違う、これに見覚えはないか』 「あん? こりゃあ、携帯電話……か?」 『私の支給品の一つなんだが、知らないならいい。それより早く行き先を決めよう』 「もう、放送も間近だから居座るってのも一つの選択肢だが……あ~、神社にでもするか、近いしよ」 『構わない、それじゃ、出発進行だ』 「ところで気になってたんだが、旦那は鎌だったり色んなもんを作れるんだよな」 『そうだが、何が言いたい?』 「いやな、ヘルメットぐらい作れねぇのかなーと思っただけだ……って、どうしたよ、セルティの旦那、旦那?」 ーーーーーー 大した時間も掛からずホル・ホースとセルティ・ストゥルルソンの二人に出会った場所に辿り着いた刃牙はこれまで来た道をとんぼ返りの要領で走り抜ける。 目指している場所は化け物がいるとされる分校。話を聞くだけでも強さのほどが伺えた『対戦相手』は果たして刃牙の挑戦を受けてくれるのか。 それ以前に、二人が逃げてきたということは化け物も追っていたことになる。まだ、分校に留まることなどはしないだろうがとは考えるが、刃牙は迷わずそこを目指す。 二人から聞いた情報は「分校に化け物がいる」ということだけだから。他の選択肢など初めからなく、他にするべきことなど勇次郎を探し出すことしかない。 刃牙にとって勇次郎とは母を殺した憎むべき存在。今、ここで出会ってしまったなら、一もなく戦いを挑むことだろう。 しかし、勇次郎とは関係なく強い者と戦いたいという思いは消えない。 故に、止まることはなく刃牙は戦いへと続く道を進む。 その顔には弾けるような笑顔があった。 【Fー3/山道/一日目/早朝・放送直前】 【セルティ・ストゥルルソン@デュラララ!!】 [状態]:疲労(中)、胴体にダメージ(小)、背中に切り傷(軽度) のんのんびより@宮内ひかげの携帯電話。 [服装]:普段通り [装備]: V-MAX@Fate/Zero ヘルメット@現地調達 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、 黒カード:PDA@デュラララ!! [思考・行動] 基本方針:殺し合いからの脱出を狙う 0:(……忘れてた) 1:神社に向かう。 2:ホルホースの相棒として行動する。 3:知り合いとの合流。臨也には一応注意しておく。 4:縫い目(針目縫)はいずれどうにかする 5:旦那、か……まあそうだよな……。 [備考] ※制限により、スーツの耐久力が微量ではありますが低下しています。 少なくとも、弾丸程度では大きなダメージにはなりません。 【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:疲労(小) [服装]:普段通り [装備]:デリンジャー(1/2)@現実 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0~3 [思考・行動] 基本方針:生存優先。女は殺さない……つもり。 1:セルティの相棒として行動する。 2:ジョースター一行やDIOには絶対に会いたくない。出来れば会う前に野垂れ死んでいてほしい。 3:刃牙を相棒の候補として引き入れたい……が、無理はしない。 4:何処かに引きこもる、ってのも手だよなぁ~~ [備考] ※参戦時期は少なくともDIOの暗殺に失敗した以降です ※犬吠崎樹の首は山の斜面にある民家の庭に埋められました。 【のんのんびより@宮内ひかげの携帯電話】 宮内ひかげの使用していたもの。ペールミント色。 買ったばかりで大事に扱ってきたためピカピカの新品に近い。 「音ノ木坂学園」「公園」「駅」「ガソリンスタンド」「研究所」「病院」「本能時学園」「ホテル」「ショッピングモール」「DIOの館」「放送局」「ラビットハウス」「万屋銀ちゃん」「ゲームセンター」「旭丘分校」の施設の番号が入っている。 【Eー3/道路/一日目・早朝】 【範馬刃牙@グラップラー刃牙】 [状態]:体に擦り傷・切り傷多数 [服装]:普段着 [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10) [思考・行動] 基本方針:勇次郎を倒す 1:分校に赴きホルホースたちが出会ったとされる少女(針目縫)と戦う。 2:出会った人が強い奴なら戦う 3:勇次郎を探す 4:銀時、神楽、桂、土方、神威に興味 5:勇次郎より強いやつがいる・・・・・・? 時系列順で読む Back その少女は切望 Next 第一回放送 -この声は冒涜- 投下順で読む Back この花弁は悪意 Next 狂気の行方 065 闇を欺いて 刹那をかわして セルティ・ストゥルルソン 104 MAN WITH MONSTERS 065 闇を欺いて 刹那をかわして ホル・ホース 104 MAN WITH MONSTERS 059 かりそめのメロディ 範馬刃牙 106 孤軍
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若月宋一郎(PL:若月宋一郎) アイドレス パイロット+学生 はてない国人+パイロット+学生+風紀委員会+ぽちの騎士(5/25時点) 性別 男 性格傾向 割と昼行灯。緊急時にのみ引き締まる。 外見的特徴 薄目、学生なので制服だが少々老けて見える。偶の休日には私服(何故か和装)に飛行マフラーという謎の格好でうろついている姿も見かけられる。 口調 「~だねえ」「~ですよなあ」「どうにもねえ」などなど、少々気の抜けた口調。他人についてはさん、殿とか敬称を付けることが多い。「年齢はヒミツです」もよく言っている。 好きなもの 書籍、物語、晴れた空と宇宙、空を飛ぶ機械全般、色々やばいのでヒミツだが猫 嫌いなもの 空を飛べない時、本を大切にしない人、香辛料(唐辛子は平気) 得意なこと 速読、無駄話、実は弦楽器を弾けるらしい 苦手なこと 部屋の整理、買い物に時間がかかる 備考 先日のセッションと使用アイドレスを元にざっと。適当に付け足しとかして貰って全然かまいません。
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登録日:2010/07/24(土) 13 15 26 更新日:2024/06/19 Wed 07 24 33NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 √3点 「普段通り」という恐怖 エアコン デュラララ!! ファイアー ボールペン ラスボス感 主人公 創始者 厨二病 右代宮帝人 名前が強そう 学生組 帝人様 竜ヶ峰帝人 豊永利行 だから僕は―― 数に頼る! 竜ヶ峰(りゅうがみね) 帝人(みかど) CV 豊永利行 3月21日生まれ 165cm 50kg O型 趣味 ネットサーフィン 好きな教科 情報技術 嫌いな教科 体育 好きな食べ物 味噌ダレヤキトリ 嫌いな食べ物 硬いもの全般 デュラララ!!の登場人物。エアコンみたいな名前をしている。現時点での名前負けが酷い。 主人公かと思いきや別に主人公ではない。 紀田正臣に誘われて来良学園に入学することになり、高校一年の春に埼玉から池袋に上京してきた。 仰々しい名前とは裏腹に、非日常に憧れる普通の少年で、セルティ・ストゥルルソンの姿を見て胸を躍らせていた。 同じクラスの園原杏里に恋心を抱いている。 また、正臣とは幼なじみで、正臣が池袋に引っ越してからもチャットやメールで頻繁に連絡を取っていた。来良学園に誘われたのもチャットから。 1・2年共に杏里と一緒にクラス委員を務めたり、入学試験の成績は全受験者中32位と、地味なイメージがあるがなかなかの優等生。 学費以外の生活費は自分で稼ぐという条件で親元を離れ上京してきたため、狭いボロアパートに住んでいる。 ちなみにネット上でのアフィリエイトでかなり稼いでいるらしい。 以下ネタバレ ダラーズの創始者の一人。 チャットでのHNは田中太郎。 元々は遊び感覚で数人の仲間とダラーズを創った。 しかし、口コミ等で徐々にダラーズの規模が大きくなっていき、共にダラーズを創った仲間たちは恐れをなして姿を消していった。 そんな中、帝人だけはダラーズの創始者であり続けている。 ある時、黒沼青葉らブルースクウェアの襲撃が原因で埼玉の暴走族・To羅丸とダラーズが抗争状態に陥ってしまう。 抗争の最中、青葉からブルースクウェアのリーダーに勧誘をされる。 メーリングリストから届くダラーズ危機の報、飛び交うメールに折原臨也が混ぜたほんの少しの悪意、暴走するダラーズ。 帝人は自らの無力さとダラーズの強大さを思い知り、決断を下す。 ブルースクウェアのリーダーになることと引き換えに、杏里を事態に巻き込んだ罰として青葉の手をボールペンで刺す。 血に濡れた白紙が契約書だと嘯く青葉だったが、その後普段通りの様子で自らが刺した傷を手当をする帝人に対して恐怖を覚えるのだった。 その後はブルースクウェアのメンバーに命じて「ダラーズに相応しくない」メンバーの粛清を始める。 その中の一環として聖辺ルリのストーカー達からこっそり杏里を守っていた際に、 倒したブルースクウェアのメンバーの携帯を見てやってきた正臣と再会、いずれ正臣と杏里をダラーズに誘う事を約束しその場を去るのだった。 拠点を廃ビルに移してからはこれまで通り自らも粛清に参加し(て生傷を増やし)ていたが、 静雄逮捕(実際には任意同行)の報に「ダラーズを抜けた後でよかった」と評したり、 復活したオリジナルメンバーの黄巾賊にブルースクウェアのメンバーを差し向けたりとこれまで以上に不穏な様子を見せる。 それでいて赤林の凄みに恐怖を感じたり、杏里をネタにした牽制に動揺したりと人間味が消えたわけではなく、 そのことがさらにアンバランスさを際立出せてる。 まぁそんなこんなで、最初は読者目線に一番近いキャラかと思いきや実はかなり遠いキャラ。 1巻では「数に頼って」敵をビビらせる程度だったが、 話が進むごとに人にボールペンをぶっ刺したり人でキャンプファイアーしたりとだんだん手段が暴力的になってきている。 しかし帝人の真の恐ろしさは、そういった非道な行為の直後でも普段通りに振る舞えること。 帝人くんの行く末が心配です。 本編最終巻では本当に壊れ出し、「実体の有るダラーズを壊すことでダラーズを都市伝説にする」と断言(実際に暴力団前で発砲して喧嘩を売った)。 止めに来た正臣をも不意打ちで射撃することで「何をやっても止まらない自分」を自覚してしまい、自分を撃とうとしたところで「首を取り戻したセルティ」の「影」に干渉され、 「自分(首なしライダー)がいなければここまで歪まなかっただろう」と諭された。その直後放心状態で杏里・正臣に付き添われていこうとした先で、那須島隆志から杏里を庇って刺され、意識不明の重体に。 その後意識は戻り精神的にも安定を取り戻し、ダラーズは消え黒沼青葉も去っていった。だが長期入院によって続編『デュラララ!!SH』では留年、杏里が卒業した後3年の図書委員長になっている。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 吉良吉影の下位互換という印象 -- 名無しさん (2013-12-15 01 09 22) なんだかんだでハッピーエンド。二年後を描くshにどうからむのかな -- 名無しさん (2014-02-02 12 39 12) 何と言うかイレギュラーと言うか怪物だったな -- 名無しさん (2014-04-29 13 42 58) だらーず あらされた ネットはハマっちゃいかねーな MeにFriendは全くいねーけど -- 名無しさん (2014-11-09 09 32 33) 豆腐メンタルだよな。 -- 名無しさん (2015-03-03 00 22 40) 豆腐っていうか奇妙なメンタル -- 名無しさん (2015-03-03 01 09 50) 埼玉拠点の暴走族To羅丸のリーダー・六条千景曰くまともな日常が似合う真っ直ぐで純真すぎる奴。六条が思うダラーズのリーダーは自分は危ない所に行かず仲間同士が傷付けあい、別組織と争い合うシーンを安全地帯で高見の見物、ゲーム感覚で楽しむゲス野郎(臨也)だと思っていたため彼が創始者だと名乗っても信じられなかった。 -- 名無しさん (2015-03-22 22 15 54) 帝人くんの行く末が心配です・・・大丈夫、どっかのNEET探偵事務所の助手もアレだから。 -- 名無しさん (2015-09-30 11 48 39) なんつーか、鋼の芯を豆腐で包んだようなメンタルの持ち主 -- 名無しさん (2016-02-26 23 06 47) 最初見た時、「普通の男子高校生かな?成田先生の作るキャラにしてはケレン味がないなあ」と思った。すぐにそんなことはなかったと思い知らされた。 -- 名無しさん (2016-02-26 23 21 27) ↑10 吉良はシリアルキラーだけど平穏に暮らしたいから能力を隠して平凡な人間を装ってたが、帝人は素で平凡な高校生活とダラーズの創始者を両立させ日常も非日常も愛してたから、根底から似て非なるタイプだと思う -- 名無しさん (2016-11-03 12 47 51) ちなみに六条は帝人の一人称が『僕』という時点で彼が本物のダラーズ創始者兼リーダーなのか疑問を抱いていた。六条自身は一人称が『俺』のゲス野郎(イザ)だと思っていたらしく、それはあながち間違いではなかった。 -- 名無しさん (2016-12-11 19 23 11) 新型のクレイジー -- 名無しさん (2017-05-16 21 25 07) アニメラストの正臣との語りは本当に凄かった。 -- 名無しさん (2017-05-20 19 00 55) 名前 コメント
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対魔力:A 魔術に対する抵抗力。Aランク以下の魔術を完全に無効化する。 事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。 対魔力:B 魔術に対する抵抗力。魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。 対魔力:C 魔術に対する抵抗力。魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。 大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 対魔力:D 魔術に対する抵抗力。一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 【A+ランク】 スキールニル、ブラダマンテ 【Aランク】 シグルド、ガウェイン、エンキドゥ、ジャンヌ・ダルク、神武天皇、カール大帝、蚩尤、ラグナル・ロズブローク、 クリシュナ、上杉謙信、ヴク・グルグレヴィッチ、アルトリア、ギャラハッド 【Bランク】 日本武尊、ディートリッヒ・フォン・ベルン、ルノー・ド・モントヴァン、レ・ロイ、イウェイン、鈴鹿御前、シャンゴ、 モードレッド、ポイヤウンペ、ロムルス、カルナ、カイニス、メレアグロス、ブリュンヒルド エルキドゥ、セツリ、アン・ズォン・ウォン、吉備津彦命、オリオン、ニムロド、坂田金時、マヌ、 マザー・ハーロット、トム・サム、神功皇后、ペンテシレイア、フェルグス・マック・ロイ、関羽、ホテルス、キュロス二世、アムピトリュオーン、フェリドゥーン、オリヴィエ(TYPE-MOON板)、ウィーグラフ シルヴィウス・ブラボー リリス、シトナイ、レッドライダー、エリクトニオス セイバーオルタ、メドゥーサ、ディルムッド・オディナ、ガウェイン(Extra)、 ブリュンヒルデ、エキドナ、オリヴィエ(皆鯖板)、マルフィーザ、スカサハ、犬塚信乃戌孝 【Cランク】 ペルセウス、ウッフェ、立花道雪、アッティラ、リチャード1世、ロジェロ、本多忠勝、 フィン・マックール、呂布、ヘクトル、ヴラド・ツェペシュ、孫悟空、アキレス、武蔵坊弁慶、 ベイリン、ベディヴィエール、ケルトハル・マク・ウテヒル、パーシヴァル、エイハブ、ラーマ、 源為朝、アタランテ、カスパール、イリヤー・ムーロミェツ、ピロクテテス、坂上田村麻呂、 コンラ、パラシュラーマ、羿、イアソン、聖ジョージ/ゲオルギウス、ラーヴァナ、 牛御前、アシュヴァッターマン、ハディング、ブーディカ、ロンギヌス、エノク、黄帝、 ムワタリ2世、紅孩児、オシーン、応神天皇、マファツ、張飛翼徳、ストイシャ、藤原秀郷、足利義輝 クー・フーリン、ギルガメッシュ(第四次)、ネロ・クラウディウス、ガイウス・ユリウス・カエサル(皆鯖板)、ガイウス・ユリウス・カエサル(TS版) 【Dランク】 ベーオウルフ、エル・シド、スパルタクス、李書文、パリス、トリスタン、アルジュナ、ナポレオン、ナタ、 織田信長、源頼政、ラメセス2世、ロスタム、エドワード・ティーチ、チンギス・ハン、ペコス・ビル、メフメト2世、 曹操孟徳、聖ニコラウス、ハンニバル・バルカ、オマール、巴御前、徳川家康、森長可、項羽、プトレマイオス一世、ゼノビア エミヤ、イスカンダル、フランシス・ドレイク、ロビンフッド、ドン・ファン、アドルフ・ヒトラー 【Eランク】 エウロペ、キルロイ、ベレロフォン、坂本龍馬、アストルフォ、首なしライダー、メアリー・フリス、 ウィリアム=H=ボニー、ゴリアテ、ハンス・ウルリッヒ・ルーデル、リュドミラ・パヴリチェンコ、ギルガメッシュ(第五次)、ランスロット 対魔力:A+(C)(スキールニル) 『ガンバンディン』により強化され、A+以下の魔術を全てキャンセルする。 事実上、魔術ではスキールニルに傷をつけられない。 対魔力:A+(D) (ブラダマンテ) 『囚われざる姫君の指』の守護により、A+以下の魔術は全てキャンセル。 事実上、魔術ではブラダマンテに傷をつけられない。 ただし、『囚われざる姫君の指』を指から外した場合、ランクが大幅に落ちる。 対魔力:A (シグルド) 竜の血を浴びて得た対魔力がさらに強化され、A以下の魔術は全てキャンセル。 事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。 対魔力:A(D) (神武天皇) A以下の魔術は全てキャンセル。 『布都御魂』の守護により事実上、現代の魔術師では神武天皇に傷をつけられない。 ただし、『建御雷』となった場合にランクが大幅に落ちる。 対魔力:A (カール大帝) 聖遺物の護符による守護、対魔力A以下の魔術は全てキャンセル。 事実上、現代の魔術師ではカールに傷をつけられず 特に腐敗や老化に対して強い耐性を持つ。 対魔力:A (ラグナル・ロズブローグ) 護りの力を持つ毛皮により、A以下の魔術は全てキャンセル。 事実上、現代の魔術師ではランサーに傷をつけられず 特に毒や呪詛に対して強い耐性を持つ。 対魔力:A (上杉謙信) 毘沙門天の加護により、A以下の魔術は全てキャンセル。 事実上、現代の魔術師では謙信に傷をつけられない。 対魔力:A (アストルフォ(APOCRYPHA)) A以下の魔術は全てキャンセル。 事実上、現代の魔術師ではアストルフォに傷をつけられない。 宝具である『本』によって、ランクが大きく向上しており、通常はDランクである。 対魔力:B+ (ドゥクパ・キンレイ) 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 四節以上の詠唱は、高確率で口を塞ぎ無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 対魔力:C-(C) (ピタゴラス) 第二節以下の詠唱による魔術を防ぐ。 保有スキルの影響で無効化は出来なくなっている。 対魔力:B(C) (聖ジョージ/ゲオルギウス) 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 『屠竜剣』の効果により事実上、大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 対魔力:B (セイバーオルタ) 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 …闇属性に染まっている為、対魔力が低下している。 対魔力:C (ロジェロ) 二工程以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法等、大がかりな魔術は防げない。 セイバーのクラスとして、このランクはすさまじく低い。 対魔力:C (ネロ・クラウディウス) 二工程以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法等、大がかりな魔術は防げない。 彼女自身に対魔力が皆無なため、セイバーのクラスにあるまじき低さを誇る。 対魔力:C (ガイウス・ユリウス・カエサル(皆鯖板)、ガイウス・ユリウス・カエサル(TS版)) 二工程以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法等、大がかりな魔術は防げない。 カエサル自身に対魔力が皆無なため、セイバーのクラスにあるまじき低さを誇る。 対魔力:E- (アロンソ・キハーナ) 魔術によるダメージを無効化したような気分になる。 対魔力:- (ジークフリート(APOCRYPHA)) 「悪竜の血鎧」を得た代償によって失われている。
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担当レーン なし 現状metaではどのレーンでも生き残れないかわいそうな人達。 Karma Lv4くらいまでの最序盤だけはかなり強い。序盤の勢いのまま20分で終わるなら使っても良し……?※リメイクとbuffにより生まれ変わった。 hukahire 使うと味方にignoreされる passiveのサレンダークールタイム無効を活用しベースで/surrenderを連打しよう
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「ねえ、知ってる?」 月が雲に隠れた夜道にて、女がふとこう言った。 その言葉に対し、青年の眼が動く。他にいたもう一人の男も同様だった。 当然ながら、彼等の視線は一様に女性へと注がれている。 青年達は、飲み会を後にした大学生であった。 会場の店を出て、さあ皆で家に帰りましょうと並んで帰っていたところだ。 三人はそれなりに仲が良く、たまにこうして一緒に帰路に着く機会があった。 「出るらしいよ、口裂け女」 「今更だな……」 口裂け女といえば、20世紀の頃に流行った都市伝説だ。 口が頬まで裂けた女の噂が、街の子供達を恐怖のどん底に叩き落したのだとか。 青年がまだ生まれる前の話だが、当時の混乱はネットで時たま話題になる。 「あれだ、ポマードって三回唱えればいいんだろ、チョロいよな」 話を聞いていた男が、そう言って調子よく笑った。 酔っているせいか、心なしか態度も大きくなっている。 青年や女も酔うには酔っていたが、彼ら程ではなかった。 「でもさ、実際に会ったらそんな余裕あるかな?」 「馬鹿、今時そんなのにビビる奴なんかいるかよ」 女に対し辛辣な意見を述べると、男はまたカラカラ笑った。 若干腹の立つ言い方だが、分からない話ではない。 いくら世間を騒がせた怪人といえど、所詮口裂け女など過去の遺物だ。 もし本当に彼女が現れても、鼻で笑われるのがオチかもしれない。 「口裂け女と言えばよ、俺のダチも人面犬見たって言ってたな」 「それ知ってる、首なしライダーも見た人いるんだって」 次々に出てくるのは、彼等が知る都市伝説の目撃情報。 それらのことごとくが、この冬木の地を舞台としたものだった。 一体いつから、この街は怪人の伏魔殿と化してしまったのだろうか。 心中で苦笑しながらも、ここは自分も言わねばなるまいと、青年は口を開く。 "ねえ、知ってる?"、そんな言葉から始まる、ありもしない噂話を。 「僕も聞いた事あるよ。月夜にピエロと出会うと――――」 HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA HA 青年の言葉を遮る様に、笑い声が夜道に響いた。 はっとなって後ろを向くと、そこには如何にも怪しげな男が立っていた。 顔全体に塗りたくられた白いメイクに、紫色したよれよれのスーツ。 彼の顔からまず連想されるのは、サーカスのピエロであった。 尤も、そこには愛らしさなど微塵も無く、むしろ狂気さえ覚えさせる。 「その都市伝説なら知ってるぜ。アレだ、気狂いピエロと出会った奴はイカれちまう、だよな?」 青年の心を先読みしたかのように、道化は言ってみせた。 確かに、自分が言おうとした都市伝説はそれで間違いない。 丁度目の前にいるような恰好をしたピエロと出会うと、気が狂ってしまう。 そんなありもしない話を、これから話そうとしていたのだ。 「ところで、ちょいとマジックを披露したいんだがいいか?」 道化師を不審者と判断した男が、なんだテメェはと威嚇する。 しかし、当の道化はそんな事などお構い無しに、奇術の準備に取り掛かる。 ボロボロのハンカチを取り出し、それを地面に敷いてみせると、 「今から口裂け女を出してみせようじゃないか」 馬鹿にしてるのかと、男が道化師に殴り掛かる。 が、どういう訳なのか、彼が殴りつけたのは見知らぬ女の頬だった。 道化師の前に彼女が突如出現し、彼の盾となったのである。 コートを纏ったその女は、顔の下半分を覆い隠す大きなマスクを着けていた。 ほんの数分前に話された怪人の特徴と、丁度一致する姿である。 「こいつの口について教えてやる。こいつは……可哀想な女でよォ」 コートの女と男は、どちらも微動だにしない。 二人の間で何が起こっているのか、青年には見当もつかない。 普通ならば、男の方が声をあげるなどのリアクションを起こす筈だが。 「こいつには夫がいたんだ。そりゃ優しい奴でな……。 たまに殴ってくるのを除けばそりゃ理想的な男だったさ」 刹那、男がくぐもった声をあげる。 そしてその直後に、彼の足元に液体が零れ落ちてくるのが見えた。 薄暗くて見え辛いが、それが血液であると判断するのは容易であった。 「こいつは殴られるのが嫌で嫌で堪らなかった……痛いのが嫌じゃない。 夫は殴る時、いっつも鬼みたいな形相をしててな、優しいコイツはそれが辛かったのさ」 男の背中から、鋭い刃と思しきものが生え出てきた。 他でもない口裂け女が、刃物を彼の腹に突き刺していたのである。 青年達が悲鳴をあげ、男は激痛からくる絶叫を轟かせた。 みち、みち、みち、と。 肉を無理やり引き裂く様な音が、微かに聞こえてくる。 男は頭を壊れたロボットの様に動かして、痛い痛い痛いと叫び続けている。 「そこでこいつは考えた、自分がずっと笑顔なら、あの人も笑ったてくれる筈ってな。 そう考えてからは早かったさ。女はカミソリを口に突っ込んで……思い切り引き裂いたァ!」 男の絶叫が一段と大きくなり、そして。 ぶちんという音と共に、彼の上半身が宙を舞った。 地面に残った残った下半身が、鮮血を噴き出しながら崩れ落ちる。 そして障害物が消えた事で、青年達はようやく気付く。 口裂け女が巨大な鋏を以てして、男を切断してみせた事に。 「それからコイツは万年笑顔だ!泣ける話じゃないか、HA HA HA HA HA !!」 血しぶきを浴びながら、道化師は女のマスクを剥ぎ取った。 やはりと言うべきか、女の口は頬までぱっくりと裂けていた。 いる筈の無い怪異、存在する訳のない化物。それが今、青年達の前にいる。 「どうした、笑えよ」 瞬間、青年達は脱兎のごとく逃げ出した。 死んだ仲間を弔っている場合ではない、今は逃げねば命は無い。 本能がそう警鐘を鳴らし、強制的に肉体を動かしているのである。 青年は走り続けた。脇目も降らずに、他の風景などまるで気にせずに。 走る足音が自分一人だけになっていると途中で気付いても、それでも走った。 全ては生き延びる為に、道化師の都市伝説から逃げ出す為に。 本当は分かっている。青年と同行していた女は、不運にも転んでしまったのだ。 助けて、助けてという声が聞こえても、彼は振り返る事すらしないで逃げてしまった。 仕方ないと呟きながら、罪悪感を抱えたまま、必死で足を進めていた。 そんな走り方をしたせいだろうか、前方に佇むスーツの男と接触してしまう。 青年は尻餅をついて転がるが、彼はすぐさま立ち上がり、相手に警告する。 恐ろしい怪人に追われている、貴方もすぐに逃げるべきだ、と。 雲が月を隠しているせいで、男の表情は判断し難い。 されど、今の自分の様子さえ見れば、この話が真実だと理解してくれるだろう。 それにしても、スーツ姿の男が独り、こんな夜道で何をしているのだろうか。 「その前に、一つ尋ねる」 月を覆い隠す雲が去り、月光が男を照らし出す。 彼の全貌が明らかになった瞬間、青年はただただ絶句した。 真っ白な肌に緑色の毛髪、紫色のスーツを着込んだ、その男は。 口元を三日月の形に歪め、銃口をこちらに向ける、この道化師は。 「月夜に悪魔と踊った事はあるか?」 そして、銃声。 . ◇ ナーサリーライム、というサーヴァントが存在する。 おとぎ話の象徴として形を成したそれは、言うなれば子供達の英雄である。 子供達の夢の為に戦い、遊び、護り、そして朽ち果てる。それが使命であった。 されど、おとぎ話の全てが、子供達の味方となるとは限らない。 無数に存在する物語の中には、子供達を恐怖させるものもあった筈だ。 マザーグースにさえ、悍ましい意味を内包したものが幾つも存在したように。 例えば、民間信仰。 例えば、学校の怪談。 例えば、都市伝説。 例えば、友達の友達の話。 人から人に伝えられ、時には人自身がそれを作り出し、土地へと染み渡る物語。 人類が無意識に生み出した信仰にして、恐怖を以て語り継がれる新時代の神話。 それらを総括して、人はこう呼ぶようになる――"フォークロア"、と。 ナーサリーライムが、子供達の希望にしてハッピーエンドの象徴なら。 悪意と恐怖を内包したフォークロアは、果たして子供にとって何の象徴となるのか。 決まっている。ナーサリーライムの反転(オルタネイティヴ)なら、答えは一つだ。 フォークロアは、子供達の絶望にして、バッドエンドの象徴となる。 ◇ 月明かりが照らすのは、二人の道化師と無残な屍骸。 夜道に出現した恐るべき怪物は、忽然と姿を消していた。 バーサーカーが呼び出した都市伝説は、他者を害する為だけに呼ばれた存在。 命を奪うという使命を終えた彼等が、舞台から退場するのは道理であった。 「都市伝説ってのはいいもんだ、何しろ金がかからない」 「オレに限った話じゃない、サーヴァントとは無償で奉仕するものだからな」 道化師(ジョーカー)に話しかけるのは、道化師(ジョーカー)だった。 ナーサリーライムが主の鏡になるのであれば、同じ性質を持つフォークロアもまた同様だ。 彼がジョーカーそのものとなる事は、何らおかしな話ではない。 されどこれは、ジョーカーがマスターでなければ在り得なかっただろう。 フォークロアとは本来、狂化によって無差別に能力を行使する現象めいたサーヴァントである。 しかし、ジョーカーとパスが繋がった事により、彼が持つ狂化スキルに変化が生じた。 それは言うなれば、狂気の融合によるバグ。狂った正気という矛盾により生まれた異常。 混じる筈の無かったものが混ざった事により、フォークロアは理性を獲得してしまったのだ。 「逃げた二人はどうなった」 「一人は人面犬が、もう片方はオレが仕留めた」 朝になれば、ワイドショーがこの事件を大々的に紹介するだろう。 胴体が切断された死体、無数の犬に食い千切られた死体、そして撃ち殺された死体。 それら三つが一度に見つかったのだから、大騒ぎするに決まっている。 「なら次は金だな、火薬を買う金がいる」 「ならば銀行だ!あそこには金がたんまりあるぞ!」 バーサーカーが愉快気に言った後、二人は銀行に向けて歩きだした。 作り上げた死体には、既に微塵も興味を示していない様子だった。 此処で人を殺したのだって、別段理由などありはしない。やりたいからやった、それだけだ。 ジョーカーの意識を反映したバーサーカーは、彼の目論みをしっかり理解している。 このマスターには目論見など存在しない、ただ災いを齎すだけだという事を知っている。 何故なら、バーサーカーとはジョーカーであり、ジョーカーはバーサーカーなのだから。 彼等は道化師、聖杯戦争という闘争を嘲笑するコメディアン。 この冬木という大舞台で、二人は愉快に笑い、殺し、また嗤うのだ。 嗚呼、しかし。果たして本当に彼等は殺し続けるのだろうか。 ふと気づいてみれば、彼等は聖杯を求めて戦っているのかもしれない。 はたまた、正義のヒーローの様に聖杯戦争を止めようとするかもしれない。 そして思い出したかのように、また人を殺し始める事さえあり得てしまう。 分からない。いや、分かるものか。 狂人の思想など、一体全体誰に読み取れよう? 日本のとある土地に、世界中の偉人を集め殺し合わせる儀式が存在するらしい。 だがその中に一組、その儀式に混じったバグと言わんばかりに、殺戮を続ける者がいた。 白い肌をしたその二人を知る者は、まだ誰もいない。 信じようと、信じまいと――。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 フォークロア 【出典】 民間伝承 【属性】 マスターにより変化(現在は混沌・悪) 【パラメーター】 筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:A 幸運:B 宝具:EX 【クラス別スキル】 狂化:- 『理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿さない。 イカれたピエロに狂えと言えば、奇形共(フリークス)さえクスクス嗤う!』 【固有スキル】 空想具現化:EX 『口裂け女、首なしライダー、ターボババアに八尺様、人面犬に怪人アンサー。 この国自体が道化舞台、役者は我らが都市伝説、ショウのライトは年中無休!』 自己改造:A 『自身の肉体にまったく別の肉体を付属・融合させる適性。 このランクが上がれば上るほど正純の英雄から遠ざかっ、 カカ、かかか、かかか関係ない関係ない全く以て問題なし! 何であろうときっかけお前の注文通り!道化はお客の犬なのさ!』 変化:A+ 『変身するさ、変身するよ。 私は貴方、貴方は私。変身するぞ、変身したぞ。 俺はおまえで、おまえは俺だ!HA HA HA HA HA HA!!』 【宝具】 『誰かの為の物語(フォークロア)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1 『フォークロアは民間伝承。 誰かが唱えた下賤な神話。マザーグースのさいごのカタチ。 壊れたオレに狂ったオマエ。最期の望みを、叶えましょう』 固有結界。サーヴァントの持つ能力が固有結界なのではなく、固有結界そのものがサーヴァントと化したもの。 マスターの心を鏡のように映して、マスターが夢見たカタチの疑似サーヴァントとなって顕現する、というのが本来の効果。 しかし、狂化の影響により宝具が暴走。召喚者の意図を無視し、狂った様に都市伝説を具現化させる存在と化してしまう。 そこにバーサーカー自身の意思など存在せず、それはただ能力を発動するだけの機械も同然である……筈だった。 幸か不幸か、召喚者であるジョーカーの精神とリンクした結果、彼が持つ狂気とバーサーカーの狂化スキルが融合。 狂った上で理性を保つ事に成功し、宝具の暴走も見事収まったのであった。 【weapon】 この国に存在する民間伝承、それら全てがバーサーカーの駒にして武器である。 【人物背景】 ナーサリーライムがバーサーカーとして召喚された事により、在り方が変貌した姿。 語り継がれる無数の伝承、その中でも悪意を以て作られた物語を主体とした存在である。 この状態で召喚された場合、バーサーカーは無差別に都市伝説を顕在させ、混乱をばら撒いていく。 しかし、道化の仮面を被った現在、それらは悪意を以て意図的に行われる事となるのだった。 【特徴】 紫のスーツに緑の毛髪、真っ白な肌に歪む口元。 僅かな差異こそあれど、現在のバーサーカーの姿はジョーカーそのものである。 【サーヴァントとしての願い】 ???? 【マスター】 ジョーカー@ダークナイト 【マスターとしての願い】 ???? 【weapon】 ガソリンに火薬等、ジョーカーは得てして安い武器を好む。 【能力・技能】 卓越した頭脳と狂気は、全ての参加者にとっての驚異となるだろう。 【人物背景】 過去の経歴は一切不明、指紋やDNAさえ明らかでない。 この男は唐突に街に現れ、数多くの災厄をばら撒いていった。 彼を言葉で言い表すのは容易い――混沌、その二文字で事足りるのだから。 【方針】 今現在は、聖杯を獲ろうと考えているかもしれない。 あるいは、聖杯を破壊しようと考えているかもしれない。 もしくは、聖杯戦争自体を潰そうとしているかもしれない。 狂人の思想を読み取るのは、我ら常人には不可能である。 時系列順 Back スティーブ・ロジャース&バーサーカー Next トニー・スターク&シールダー 投下順 Back スティーブ・ロジャース&バーサーカー Next トニー・スターク&シールダー Character name Next→ ジョーカー WINter soldiers バーサーカー(フォークロア)
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「蘇るになし藩国」 #080114開示 #HQ取得 L:蘇るになし藩国 = { t:名称 = 蘇るになし藩国(イベント) t:要点 = ぽち,再会を喜ぶ,集まる人 t:周辺環境 =になし藩 t:評価 = なし t:特殊 = { *蘇るになし藩国のイベントカテゴリ = 世界イベントとして扱う。 *蘇るになし藩国の効果 =ぽちが来たことで、治安が安定し、人口は増え、税収があがる。人口は2倍になり、税収も2倍になる。 } t:→次のアイドレス = 新市街(施設),ぽちの別荘(施設),王女の支援(イベント),ぽち長期逗留(イベント) } 物語背景 になし藩国という国がある。 この国、ターン8の終盤からアイドレス1終了まで首脳陣不在でまともに活動出来ていない。 対緑オーマ用に新規アイドレスを提出したはいいものの指揮官不在で戦闘に出る事はなかったり、 ぽちがピンチと聞いて青森まで行った挙句指揮官不在で何も出来なかったりした。 そしてターン9が終わり、それぞれがシーズンオフを過ごす中、「次シーズンの予定があるらしい」という情報が入り──。 それぞれのシーズンオフ ・になし+Arebの場合 ・九重+瑠璃の場合 ・イタ+玲音の場合 ・月空の場合 ──そして、王の帰還 どんな国にでも大抵は輝かしい時代というものがある。 国に住む者があの頃はよかった と思うような時代。 それはかつてあった日々を偲ぶ憧憬のような。 現状に満足していない不満のような。 これからはこう在りたいと思う希望のような。 そんな複雑な思いが描く幻想である。 幻想であるから、実際は過去を美化しているだけだったり、 そもそも人によって思い描く時代が食い違ったりする。 人には人の歴史があり、国には国の歴史があるので食い違うのは当然の事ではあるが、 になし藩国では概ね全ての住人が同じ時代を思い浮かべる。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 イラスト イタ@になし藩国 二人の摂政が藩王を支え、藩王が王女を支え、一丸となって帝国を脅かすものと戦った時代。 藩王の下、王女と共に戦場を駆けた日々こそがになし藩国民の誇り。 例に漏れず大規模に過去を美化しているだけの可能性もあるが、 戦いが終わった平和な時代ではなく、戦い続けたあの頃こそが輝かしい時代であると、 大半の国民がそんな幻想を抱いているのだった。 ──はてない国では、幻想は時として現実のものとなる。 /*/ PPGの初陣があると告げられて間もない頃── 長い休暇を終えたになしは執務室に居た。以前と同じように。 シーズンオフで過疎になっていた最中、出迎えたのは一人の摂政と一人の秘書官だけで、それも 「おかえり、藩王さま」 「うむ、留守の間よくやってくれた」 という実に素っ気無いやりとりがあっただけである。 秘書官に至っては頭を下げただけで何も言っていない。が、その瞳には全幅の信頼があった。 「では行くか」 どこへとも言わず歩き出すになしと付き従う二人。 執務室から出てすぐ、廊下の窓から覗く事が出来る中庭には見た事もないI=Dが立っていて、 それだけで三人の意思は一つになった。 すまんが状況がさっぱりなので説明してくれ。と歩きながら言い出したのはになしである。 とりあえずぽちが立つと聞いて戻ってきただけで詳しい事は良く解っていないらしかった。 「敵は評価30のなりそこないが一万、 勝利条件は○○○○の討伐を担当するトップエースを守って敵中を突破することである。……だって」 応じた摂政も半分ぐらいしか解っていなさそうな声色であった。 「なりそこないとはなんだ」 「え・・・なんだろう」 「そういえば良く解りませんねぇ」 三人揃って首をひねる。 と、そこに摂政月空登場。 「あ、おひさしぶりですー」 「おー、月空くんひさしぶりー」 「うむ、健勝なようでなにより」 再開の挨拶もそこそこに歩き出す一行。どこに行くのか聞きもせずに月空も加わって四人になった。 「ところで月空くん、なりそこないって何か知ってる?」 「任せてくださいよっ。こんな事もあろうかと色々調べておきました」 元々事務仕事やら裏方の担当が多かった月空が、調査した内容らしい書類を手に説明を始める。 「なりそこないとは、名前を呼ぶだけでもやばいアレの尖兵のことで、ぶっちゃけどういうものなのかよく解ってないようです。 死に瀕してオーマに覚醒しようとすると汚染されてなりそこないになったり、 絶技使おうとするのも駄目みたいです。 AR10以下にならない特殊があるようなのでARの高いI=D群での先制攻撃が有効なはずです」 「あー・・・・・・アレか。ラスボス的存在の」 アレの話になって露骨に嫌そうな顔をするになし。 「アレとか伏字とか言うととっさに分かりづらいから野茂さんと呼ぶことにしよう」 「それはいいのかな・・・全国の野茂さんが渋い顔しそうだけど」 「そもそもなんで名前呼ぶとだめなんでしょうね」 今度は四人揃って首をひねる。とことん世事に疎いのがになし藩国の特徴であった。 シーズンオフ中に全く生活ゲームなどに出ていなかったせいでなりそこない騒動から逃れていたが、 おかげでどう対策していいか良く解らないという弊害もあった。 それでもになしは微笑った。戦う前に敵の情報が解っていた事など少なかったなと言い捨てて。 「これまでと同じように、出来る事をやろう。・・・発掘兵器は動かせるか?」 「その辺はイタさんと玲音さんが──」 「勿論問題ありませんわ!」 柱の陰からまるでタイミングを見計らったかのようにイタと玲音が現れた。 「お休み中にフレーム周りの点検とブラッシュアップをしまして、以前よりも調子が良くなってるはずですわ」 「すいません正直出番待ちしてました。 あ、白兵と防御に関しては前より無茶が効くようになってると思います。 具体的には体格評価+2(当社比)くらいで」 「当社比というのが良く解らんがとにかくご苦労だった・・・お前らも変わらんなぁ」 「キャラが薄くなったら負けですわ!」 「自分はイタさんと一緒に出ると影が薄くなるんで御免被りたいんですが」 「お前は十分濃いから安心しろ」 私服のネコミミメイド服である玲音(♂)と、ですわ口調でくるくる縦ロールのイタ(♂)、 ある意味良いコンビではあった。 0808154327B2.jpg イラスト イタ@になし藩国 イロモノ二名を加え、になし一行は再び歩き出す。 進むたびに瑠璃やらコーラルやら下丁やらアイビスやらその他諸々と出くわし、 一言二言会話を交わして合流するうちに藩国の主要人員が全員揃っていた。 真っ直ぐに歩くその眼差しは揺ぎ無く、炎の様に燃える髪をなびかせて進んでいく。彼らの王女の元へ。 同日同時、になし藩国内某所── そんな一行をモニター越しに見る太い影──オタポンである。 「・・・再びここにか、フン、あいつらギリギリすぎだな、毎度の事」 080722otapon.jpg イラスト イタ@になし藩国 と、グチりながらも、彼の口元は緩んでいた。その自分の表情が旧式介入装置に映っているのを見て、 メガネのレンズを回す、俺とした事が。 「でもまぁ、また連中を弄って楽しめそうだ、ここはまたひとつ協力する(フリ)とするか、くくく」 彼らの近くにいれば「王女萌へー」な彼にとっても美味しいのだった。 そして、自分から見ると「だいぶバカ」で始終「ぐるぐる」している彼らを見ているのは実に楽しい。 「冬」の間、ずっと寝ていたクセに、王女が動き出した途端コレだからな、傑作だよ。 画面に映っているエイジャ兄弟と王女のショットを、王女だけカットペーストしながら彼はニヤリとした。 「さて、こんどはどうやって俺を楽しませてくれるのかな」 『電子の妖怪』はひどく上機嫌なのだった。 誰も行き先を聞かないまま、それでも一切の迷いなくになし軍団は中庭に辿り着いた。 王女ががるるるした相手こそがになし藩国の敵である。 になしが戻ってきたように、ぽちも戻ってくるはずだ、という先入観があり、 ということは見たことも無いI=Dは王女の物だろう、と誰一人の例外もなく確信していたのだった。 戦う前には故郷に一度戻ってくるんじゃないか、というたいした根拠もない思い込みである。 ──しかしそれは間違っていなかった。 { 王女の帰還を祝福するかのように吹き荒れる風の中。 えらいことになっているふわふわの金髪を手で抑えて不機嫌そうにしている王女と、 彼女を守護するかのように立つエイジャ兄弟がいた。 pochiageabros.jpg イラスト 瑠璃@になし藩国 「出迎えが遅いっ。しかも風が強いっ」 いきなりやつあたり気味であったがになしはさらっと受け流して笑った。 ああ、これでこそ我らが王女である、と。 「おかえりなさい、お姉さま。冒険はいかがでしたか?」 「あ、うん、た、ただいま・・・まぁ色々あったのよ」 ぽち、何故か顔を赤くして俯いた。珍しくはっきりしない口調でなにやらもごもご呟いている。 聞きようによっては感謝にも謝罪にも聞こえるような単語を途中まで言おうとしては気恥ずかしくてやめる、 といったような事を数度繰り返した頃、になしが見かねたように口を挟んだ。 「お話は今度ゆっくり聞かせてください。・・・ところで、体調が優れないと聞きましたが」 「戦場に立てば、そのようなことは些事に過ぎません」 「話に聞いていたよりはお元気そうで安心しました」 一転して凛とした表情で返事をするぽちに頷き、になしはその背後に立つエイジャ兄弟に視線を向けた。 刹那。兄弟の胸に熱いものが溢れる。 になしの眼を見て、かつてアーカウ要塞でまみえた少年を思い出したのだった。 それは大切なものを護るために一心不乱に突き進む眼差し。 己の信ずるもののために全ての世界の不条理と理不尽に挑み続ける燦然とした輝きである。 「御兄弟、良くお姉さまを守って下さいました。改めて感謝を」 「ハッハッハ、礼には及ばぬ。また世話になるぞ」 セイ、ポージング。 「己の我を通したまでよ。我らも良い経験をさせてもらった」 ファイ、やっぱりポージング。 ぽちを中心にシンメトリーにポーズを決めた兄弟の図は見るものが見れば雄々しく見えただろう。 ごく一部の層にはトラウマ物だが。 「我らになし藩国、改めて王女に忠誠を誓います。戦う事も、それ以外も、 全ては貴女と貴女の意思を体現する為に在らん事を」 「帝国は忠誠を求めません。・・・が、忠誠を拒む事も致しません。貴殿らの忠節を嬉しく思います」 ここでぽちはよそ行きの仮面を脱ぎ捨て、王女ですらなく、ただひとりの人としてあどけなく笑った。 それを見てその場にいた全員に大なり小なり笑みがこぼれる。 かつてあった輝かしい時代、素晴らしい日々が帰ってきたのだと。 「さあ、今一度、全ての悲しみを捻じ伏せて絶望を蹴飛ばしに行きましょう──!!」 goto 「アイドレス2」 「蘇るになし藩国」製作スタッフ テキスト執筆 イタ@になし藩国 九重@になし藩国 月空@になし藩国(五十音順) 挿絵 瑠璃@になし藩国 イタ@になし藩国 081228 アレの表記を修正しました。
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セレベラのカラー5はピカチュウっぽい気がする -- (名無しさん) 2012-04-17 00 30 56 今判明してるだけでもこういう小ネタ要素多いなぁ、開発者が本当に好きで作ってるんだなっていうのが伝わってくる。 -- (名無しさん) 2012-04-17 19 39 41 対戦(オンライン・クイックマッチ)でセレベラに負けたらセレベラのカラー9が解禁になった。あれって、相手のキャラでもカウントされてるんですね。 -- (名無しさん) 2012-04-20 08 17 58 フォーチュンのカラー5って鏡音リンじゃないっすか?ミクもいることだし -- (。) 2012-04-20 18 35 42 ピーコックの屈中Kの小ネタは、技名「ant wasted」に由来するかと。海外wikiに各技名がのってますが、ペインホイールの技名に花の名前が使われていたりと小ネタ豊富です。 -- (名無しさん) 2012-04-21 23 52 42 セレベラの236Pでたまにぬこがでるやつを付け加えてくだせえ -- (名無しさん) 2012-04-22 00 00 00 首なし状態の猫にヴァレンタイン空中投げが決まると何もない所をキコキコする。ちょっと面白い。 -- (名無しさん) 2012-04-23 13 09 33 ペインホイールのカラー9は仮面ライダーギルスではないかと -- (名無しさん) 2012-04-24 01 24 00 パラソールのEglet callで出てくる兵士が稀に言う台詞「Excuse me, Princess!」はアメリカのアニメ版ゼルダの伝説のリンクのキメ台詞が元ネタかと思われます -- (名無しさん) 2012-05-04 18 29 34 フォーチュンのカラー03はFF11の装備「ファイターロリカ」かも。 -- (名無しさん) 2012-05-04 19 25 49 マリーの台詞「You re already dead.」は北斗の拳のケンシロウが元ネタ? -- (名無しさん) 2012-06-21 13 27 17 ttp //www.youtube.com/watch?feature=player_embedded v=k5KyECTrAkE#! -- (おひたし) 2012-06-24 14 17 07 ↑4分14秒くらいのって隠しコマンド????? -- (おひたし) 2012-06-24 14 17 51 ピーコックのストーリーモード、ヴァレンタイン戦開始時のピーコックのセリフ「Helloooo Nurse!」は、「アニマニアックス」というカートゥーンが元ネタかと。(ハロー・ナースというキャラがいるのと、主人公の口癖が「Helloooo Nurse!」であるため) -- (名無しさん) 2012-06-27 22 32 13 パラソールが呼ぶサーティーンってゴルゴかな? -- (名無しさん) 2012-07-05 21 16 36 チュートリアルの一番左上、物が降ってくる奴でたまにゆっくり(ゆっくりしていってね!の生首)が降ってくる -- (名無しさん) 2012-07-07 17 35 12 ダブルにアンブレラやスクィグリーらしきカラーがあるな、Lv3超必で対応したキャラのオリジナルカラーが見れる -- (名無しさん) 2012-07-16 13 17 23 セレベラのDiamond Deflectorのポーズってひょっとして承太郎モチーフ? -- (名無しさん) 2012-09-17 12 32 21 フィリアの12カラーってアチャ子(同人fate)? -- (名無しさん) 2013-02-14 22 21 36 ミスフォーチュンのカラー3はマコト・ナナヤ(ブレイブルー)では? -- (名無しさん) 2013-02-15 21 17 43 グレゴールサムソンを出すときへんし~んって聞こえるのだけれど。てか言ってる。 -- (名無しさん) 2013-02-18 05 23 30 ピーコックのカラ-2ってポップンのリデルじゃないの?同じコナミだし -- (774) 2013-02-22 22 07 48 マコトナナヤなら服はオレンジ色だろ -- (名無しさん) 2013-02-23 12 20 02 グレゴールサムソンはカフカの変身 ピーコック強Kは漫画ピーナッツのチャーリー・ブラウンが元ネタだと思われる。ルーシーはいないが -- (名無しさん) 2013-02-25 06 05 57 ペインホイールのカラー9は普通にライダー1号だろ -- (774) 2013-02-25 18 46 20 ヴァレンタインのチェックメイト・インシジョンってDIOの「チェックメイトだッ!」から来てるのかな。 -- (名無しさん) 2013-03-13 12 42 06 フィリアカラー11:牧瀬 紅莉栖は服の色が少しにてるだけで髪の色とか全然違うから間違ってない? -- (名無しさん) 2013-03-31 18 45 21 フィリアのカラー13はどちらかというとFateのライダーっぽい -- (名無しさん) 2013-05-20 23 23 16 ヴァレンタインのカラーの10ってTOS(テイルズオブシンフォニア)の「しいな」じゃないか? -- (名無しさん) 2013-05-21 20 06 32 ↑しいなって奴ヴァレンタインの10カラーと髪の色も服の色も全然違うじゃん -- (名無しさん) 2013-06-05 14 08 02 ディズニーネタがあるけど大丈夫なのか? -- (名無し) 2013-06-07 21 20 10 なんか納得しづらい元ネタが多い -- (名無しさん) 2013-06-08 00 39 56 ペインホイールのデスクロールの動きってエクソシストのスパイダーウォークだと思うんだが…微妙なところ? -- (名無しさん) 2013-06-23 20 52 43 PC版のHit数の下に表示される文字一覧 goo.gl/koqT7S -- (名無しさん) 2013-08-04 08 35 11 ゲームシステムの欄にトレーニングモードについて追加しておきました・・・当たり前だったかな? -- (名無しさん) 2013-08-06 00 25 45 ミスフォーチュンの16は名前のせいもあってナディアだと思ってた -- (名無しさん) 2013-08-24 10 43 36 スタッフロールでポーズを押してED曲を流し終えると、The Lives We Tried to Reclaimが流れる。 -- (名無しさん) 2013-11-10 17 55 01 フィリアの技が軒並みギルティギアのミリアにしか見えない -- (名無しさん) 2013-11-20 23 37 01 っていうかフィリアなんてエディとミリアが合体しただけだろwwww -- (名無しさん) 2014-01-22 09 09 37 ビッグバンドの『サッチモ・ソロ~サッチモ・デスブロウ』が完全にジョジョのザ・ワールドからの無駄無駄ラッシュだわ -- (名無しさん) 2014-03-19 22 51 51 コンボ文字こんなにあったのwww -- (名無しさん) 2014-05-21 15 43 00 ピーコックのモアイってグラディウスのモアイでは? -- (名無しさん) 2014-06-23 07 56 26 スクィグリーの14番、ライチというよりは、メイドインワリオシリーズのアシュリーだと思います -- (名無しさん) 2014-06-27 20 46 04 袖と髪留めと棒の色も中国拳法風の動きも一致してるからどちらかというとライチ -- (名無しさん) 2014-07-21 10 36 29 バグ報告用アドレスに報告したいところですが英語が得意ではないのでここに。イラストギャラリーのスクィグリーの項目でエンディングCGの4枚目を開こうとするとゲーム進行が止まってしまうバグを発見しました。 -- (名無しさん) 2014-12-21 00 05 55
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担当レーン なし 現状metaではどのレーンでも生き残れないかわいそうな人達。 Karma Lv4くらいまでの最序盤だけはかなり強い。序盤の勢いのまま20分で終わるなら使っても良し……? Master Yi一応Jungleが早いがCC一切無し。MidのAPyiはレーンで強いが集団戦はQしかやることが無い。育てばとことん強いがコケると目も当てられない hukahire 使うと味方にignoreされる passiveのサレンダークールタイム無効を活用しベースで/surrenderを連打しよう
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エキシビジョンマッチ黄泉比良坂 夜魔口工鬼&夜魔口断頭 名前 性別 魔人能力 夜魔口工鬼&夜魔口断頭 男性/女性 グレムリンワークス 比良坂罪 男性 恣意操身 採用する幕間SS なし 本文 ◆0◆ 断頭台。 すなわちギロチンはフランス革命において王家だけでなく、内部粛清においても大いに力を発揮した。 労力をかけず、罪人を苦しめず、合理的に殺す。 それでいて民衆へのパフォーマンスにも優れる。 歴史上もっともシステマチックな処刑機械である 世界処刑大全より ◆1◆ 馬は黒い影を伴い坂道を駆け下りる。 「ねー、先輩?なんで折角蘇るのに地獄へ戻るんでスか?」 黒い影のように見えるのは金髪にサングラス、アロハシャツの男。 ポケットに手を突っ込んで周囲を威嚇するような歩法。 どう見てもチンピラという風情。 しかし、ジャラジャラと無数の斧型アクセサリーを身に付け、腰には手斧が二丁。 危険な雰囲気を漂わせている。 そして、この歩き方であるのに異様な速度!! 恐るべきヤクザ歩法!! 夜魔口 工鬼(やまぐち ぐれむりん)。 機械を狂わせる力を持つ子鬼を召喚する『グレムリンワークス』と名付けた特殊能力を持つ魔人ヤクザである。 「アホンダラァ!!テメー、戦国時代に蘇ってもしょうがねえだろうが」 「や、歴史改変とか?未来人による天下統一とか。」 「TVも葉巻もネットもドンペリも無いトコで偉くなっても仕方ねえんだよ。」 「俺は、先輩がいれば何処だって…」 「私は現代の都会が好きなんだよ!!金!!酒!!博打!!葉巻!!TV!!エステ!!アレも!!コレもだ!!オヤジに!!兄貴に!!夜魔口のロクデナシ共も!!全部だ!!」 首のない影の馬を駆る女。 スーツ姿で決めており、口には葉巻を咥えている。 スタイルは良く、胸は大きい、美人だ。 しかし、その姿はインテリヤクザスタイルじみており、背中に背負った異様な形の斧、そして鋭い目つきからも兇猛な雰囲気を醸し出している。 夜魔口 断頭(やまぐち でゅらはん)。 死人と契約し従える事ができる影の馬を召喚する『ハローワークオブザデッド』を使う魔人ヤクザの若手幹部。 伝説の首なしライダーを彷彿とさせる馬術で疾走する。 「さて、情報は掴めている。まずはあの三兄弟をどうにかしないとダメだ。やれるか?工鬼。」 「そりゃあ、先輩の頼みとあれば!!うききッ!!」 工鬼の周囲から小さな影、角の生えた猿のような使い魔が周囲に走り出す。 「警戒は最大限にやれ、どうせロクでもねえ事をしてくる。気合いれろ。」 「やー!!了解でス!!」 地獄へと繋がる黄泉比良坂。 その坂道は死体で出来ている。 振り返る者は再び死の国へ!! ダンゲロスSS2 冥界無情 エキシビジョンマッチ。 ◆2◆ 工鬼と断頭。 彼らは、兄弟でも夫婦でもない。 夜魔口組という魔人ヤクザ。 杯による絆によって繋がる者達。 組の主要な魔人ヤクザには『夜魔口』の姓と。 能力に合う夜の魔の名が与えられる。 杯の絆と姓名は生来の性質を更に深めた魔人能力を開花させる。 曰く。 魔眼の威圧、バックベアード。 悪夢の世界に呼び込む、ナイトメア。 嘆きの雨を降らせる、バンシー。 そして、この二人は。 機械を狂わせる現代の邪妖精、グレムリン。 人に死を告げ魂を導く首なし騎士、デュラハン。 そんな性質を持つ魔人である。 そんな彼らは、夜魔口の兄弟であり家族である。 夜魔口の魔人達の能力は、名の体現なのである。 ◆3◆ 「ふんふんふふふ~ん♪」 「たのしそうね~、しん」 「そりゃあ、楽しいさ。玩具は実際に使ってみないと、その良さは解らないからね~」 謎の声に対して比良坂三兄弟。 いや、この戦いの黒幕を自称する比良坂罪は、どうでもよさそうに応えた。 「使い勝手の良い玩具を使わないといけないからね。僕は君と違って哀れな道化の人形遣いにすぎないんだしィ?」 「え?あの~…」 「僕はお前みたいに化け物じみた能力を持たないからね、この化物!!」 「そ、そんな~」 「例えば、そう。この子は自分の心を魔獣にして召喚する能力なんだけれどォ?」 「すごくつよかったわ~、あのべっきをとめるなんて」 「ばーか、ばーか。ちょっと頭を使いなよ。殴っちゃうよ?」 「ひっ…」 「人形に心なんてないんだからさァ。能力はないのと同じ、頭使おうねェ、面倒だー。」 「…」 「このビジネスマンもダメだね。喋るのが僕じゃ能力は使えない。まあ単純な身体スペックは高そうだけれど、タイミングよく剣術を使うのもまた面倒。使えなーい人形ォ♪機械ッは使えなーい♪数学なんてめんどーくさーい♪」 「…」 「まあ、自分の死体を前にすれば魂は引き込まれてしまう、肉体を制圧している今、あのヤクザ女も能力は無意味だろうしー」 「でも…」 「あー、うるさいなー。ホントにぶん殴るよ?」 「…」 「さてと、そろそろ戦闘エリアに到達かな?」 人形の選別を終えた比良坂罪は笑顔で立ち上がった。 「さて、人形は壊れるまで舞台で踊ってもらおうかな!!」 比良坂罪(ひらさか しん)。 死体を傀儡のように操る特殊能力『恣意操身』を持つ魔人。 ◆4◆ 超高速で降り注ぐ硝子の弾丸。 「いきなりコレでスかァ!!」 「大層な歓迎だな、オイ!!」 静間千景の『グラスコフィン』と雨竜院雨雫の『遅速降る』のコンボ。 広範囲ダメージ能力と、それを強化する落下速度操作。 偶然に噛み合う戦術級コンボは時折ダンゲロスハルマゲドンでも見られる光景だ。 相対するものに絶望を与える連携攻撃。 だが。 「「ンダラァ!!何さらしてくれとんじゃ!!ボケェ!!」」 魔人ヤクザの二人が同時に吠える!! 息の合った魔人ヤクザ恫喝術ヤクザハウリングの絶唱は硝子を粉々に打ち砕いた。 超音波の波長でガラスを砕く事ができるの事実は懸命な読者諸君には理解していただけよう!! ましてやヤクザハウリングのデュエットならば当然の結果!! 「ヒャッハー!!スタック効果で威力120%!!先輩の指揮官補正で1.5倍!!あとはラヴ・パウワーで100倍でスね!!」 「黙れゲーム馬鹿!!あとで死ね!!次が来るぞ!!相手もコンビネーションだ!!」 断頭の指摘したように次なる魔人人形が動き出す。 クルクルと回転しながら舞い降りる二つの影!! 一糸乱れぬ回転ジャンプで舞い降りた影は全く同じ動作でボクシングの構えを取る。 「「この人形にとってさァ」」 二つの影は同じ少年の声を出す。 「「最強の敵って自分だったみたいだね、クスクスクス」」 魔人ボクサー、ロダン。 そして蝦魯夷にゐとが能力で変身したロダン。 「「能力抜きでも強くて早い、シンプルイズベスト!!こういうのが一番付け入る隙がないでしょ?」」 「まったく、アタッカーゲーでスね」 「ふん、相手にとって不足なしだな!!」 工鬼はヘラヘラと断頭は不敵に笑った。 ◆5◆ 軽快なステップで一気に加速する魔人ボクサーが魔人ヤクザの至近距離へと踏み込む。 世界魔人格闘大会で磨き上げられた技は能力を抜きにすれば、今回の亡者の中でもトップクラスの戦闘力である。 「だッァらぁらァ!!」 斧を両手に構えて回転する工鬼が黒い竜巻と化す!! 土煙が視界を塞ぎ、進路を遮る盾となる。 「カァッ!!」「…!!」 竜巻を迂回して断頭が斧を薙ぐ、人馬一体の馬上斧術!! しかし華麗なバックステップで回避するロダンA!! そしてその影からロダンBのカンガルーパンチ!! しかし横から工鬼のヤクザキックが炸裂する!! 「ウッキィ!!こっちは視界良好だァ!!」 戦場に無数に待機するグレムリンと工鬼は視界をリンクする、死角はない!! ガードの上から振り下ろされる二丁斧がロダンB腕に食い込む!! 支援に入るロダンA!! 「ぶるるっるるっ!!」 断頭の愛馬しゃど丸が四本の馬脚を使った連続ヤクザキックを繰り出す。 ヤクザ馬を使った見事なヤクザ馬術!! 馬の脚力から繰り出されるヤクザキックは想像を絶する威力!! ロダンAをロダンBごと蹴り倒す!! 「…!!…!!」 「ウッキーッ!!」「オラァ!!」 断頭の斧がロダンAの首を落とし、更に返す刃で一刀両断!! 工鬼の斧がクロスし、ロダンBを八つ裂きに切り分けた!! 個々の戦闘力は高くともコンビネーションはヤクザコンビに分がある。 「自由意思無しに操るだけでは最強のボクシングも無意味だな!!」 「「ははッ!!スゴーイ!!じゃあ次はコレだ!!」 崩れ落ちるロダンとロダンBから戻った蝦魯夷にぃとの口から罪の声が響く。 ガクリと断頭と工鬼の体から力が抜ける。 ◆5◆ 「10分だな、逃げて逃げて逃げまくれ!!」 「ウッキー」 神無月狂輔の『神のご加護』は周囲の肉体的能力を無効化する能力。 制限時間は10分。 「ホラホラ、早く逃げないと殴り殺しちゃうぞ~、ははッ!!」 狂輔の口から少年の声が響く。 今まさに鬼ごっこが始まろうとしていた。 ガキン!! 狂輔の足に鉄輪が嵌まる。 ガキン!!ガキン!!ガキン!! 手に、胴に、首に、拘束具が嵌っていく。 夜魔口断頭の手にした斧が奇妙な形に変形している。 斧から無数の鎖が伸びその鎖が周囲の岩や柱に絡みついているのだ。 「あー?なんだコレ?」 「フン、十分間も逃げてたまるか、アホが。」 「何々?反撃でもする気?」 「私の武器はギロチンを改造した斧」 「だから?」 「ギロチンには罪人を拘束する為の機構が備わっている、私の処刑断頭斧術は罪人を拘束し処刑する為に生み出された技だ」 「はははー、でも今の君の力ではこの人形を拘束したりはできないよ?逆にこうやって引きずり寄せて…、あれ?」 「その魔人の能力はよく知っている、調べたからな。相手を無力化する能力は強力だが、本人の身体能力は並の魔人だ。鎖を周囲の地形を利用して固めてある。その岩や柱を引きずり倒したりはできないだろう、」 「ははは、面白いねー、じゃあ次だ」 神無月狂輔の肉体がその場に崩れ落ちる。 だぷん!! 地面が沈む。 ◆6◆ 「あちゃー、コレヤバイでスね」 工鬼がヤレヤレと首を振った。 巨大アメーバのキョスェ。 その死体の上に夜魔口の二人は誘導されていたのだ。 「無力化とのコンボのツモリだったけれどー」 「足場を奪えばどんな武術も使えないんだっけ?クスクスクス」 ゴボゴボとアメーバの肉体が震えて少年の声を紡ぐ。 足元が不定形の肉に飲み込まれつつある。 「あーコレ諦めましょうよ、先輩」 「…」 「やー諦めてエロい目に会いましょうよォ、スライムイン女ヤクザ」 「早く、やれ。そして後で死ね!!」 「ウキキッ。」 ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぅ!! 工鬼が斧を持った両手をグルグルと回転させると黒い旋風が巻き起こりスライム肉体を切り飛ばした。 「まあ、どんな武術もってのは、間違いでスね。」 「さっさとやれ、ボケが。」 「やー、最近武闘派ヤクザとして影薄かったじゃないでスか。ちょっとくらい勿体つけさせてくださいよォ。」 「あー、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんないィ!!」 周囲の死体が一斉に騒めく。 「僕は君達の漫才を見るために来たわけじゃないんだ、単に暇を潰しに来ただけなんだ!!あー、さっさと暇潰しに潰れて壊れちゃえよ!!」 黄泉比良坂を登り来る比良坂罪がどうでもよさそうに叫んだ。 ◆7◆ 「ンだらァワレ!!ボケェ!!」 最速で行動したのは夜魔口工鬼であった。 自身を高速回転させ黒い旋風と化すと斧型アクセサリーをショットガン散弾の様に射出する。 「つまらなーい♪」 比良坂罪が指を動かすと周囲に落ちていた死体が二つバネで弾かれたように立ち上がり盾となる。 死体は散弾を受けて砕け散る。 「くだらなーい♪」 更に罪が指を動かす。 夜魔口コンビの足元の死体が瞬時に起き上がり攻撃。 「ンだてめえ!!」 断頭のヤクザキックが亡者を破壊する。 その流れのままギロチンアックスの拘束具チェーンを操り攻撃を仕掛ける。 「おもしろくなーい♪」 比良坂罪は踊るように腕を、指を動かし続ける。 死体が跳ね起き盾になり倒れ。 続いて別の死体が起き上がり飛びかかる。 「どうでもいーい♪」 「人間なんてらららーらら♪」 一度に操作できる死体は2体。 「罪人はー踊るー♪滑稽なー♪」 瞬間的に切り替える。 「とってもとっても踊ってもー♪」 踊りながら死体を拾い投げる。 早く、早く、早く。 「くるくるくるくる狂ってるゥ♪」 「盾だ!!」「やーッ!!了解!!」 工鬼は竜巻の盾となり飛来する死体を蹴散らす。 断頭は襲い来る亡者の首を斬る。 「希望もなーい♪明日もなーい♪だって死んでるんだもん(セリフ)」 比良坂罪も退廃的な踊りを続ける。 常に切り替えながら2体の死体を操り、そして強大な膂力で死体を投擲する。 死体の砲弾!! 時には投擲された死体を操作し空中からの攻撃!! 攻撃の中には大会参加者の死体も混じる。 「ぐううッ」「先輩!!」 鉋が削り。剣術が切り裂き。ラーメンが飛ぶ、ラッシャーセー!! 「わらわらわら藁人形ォ♪わらわらわら笑うだけェ♪ゾンビ的な?(セリフ)」 夜魔口組は防戦に徹するのみだ。 ◆8◆ 「舐めやがって!!」 大規模ヤクザハウリングが轟く。 「罪人のー♪叫びはー♪」 比良坂罪は死の舞踏を続ける。 ダンスマカブル!! 「工鬼!!」 「アイアイー」 「2分耐えろ!!」 「やーッ!!先輩のお望みとあれば!!」 断頭は斧を大地に突き立てる。 工鬼は回転をやめ斧を振るう。 竜巻の防御は硬いが対応力に欠けるからだ。 「死者の足掻きはー♪くるくるくるくる苦しみのォ♪」 「契約だ!!」 断頭の影が揺らめく。 「死体はぁ♪僕たちのォ♪制御下にィ♪」 「黙れ!!ガキが調子に乗りやがって!!夜魔口を舐めた事後悔させてやる!!」 「先輩カッコイー!!」 「ここに無い死体がある!!貴様らが魂を混ぜて現世に送った!!だからココにはない!!そうだろう!!」 断頭の影から揺らめいて立ち上がる者がいる。 「某に何を与えるというか…」 「闘争だ!!」 「イクサか…」 「地獄の果てで名を知らしめるのが望みだろう、ならば殺させてやる!!支配者気取りのガキどもを!!」 「くふ、くふふふ。なるほど面白いわ!!」 「ならば契約だ!!夜魔口組仮組員!!戸次右近太夫統常!!」 「応!!多勢に無勢のイクサ!!戸次の見せ場じゃ!!」 大身槍が回転し亡者を薙ぎ払う。 戸次無限流、軍愚似(ぐんぐにる)。 この技の前に軍団を編むなど愚か者の所業に似たり!! ◆9◆ 「良くやったぞ、工鬼」 「アイアイ~、後でご褒美お願いします」 2分間の攻撃で夜魔口工鬼の肉体はボロボロだ。 「ハッ!!まだ終わっちゃいねえぜ?」 「アイー」 工鬼を置いて断頭は馬を走らせる。 「死にたい者は前に出でィ!!」 統常の槍が無数の竜巻を産み出し飛来する死体砲弾を弾く。 戸次無限流、武龍哭(ぶりゅーなく)。 「くそッ!!ずるずるずるずるずるいーッ♪」 比良坂罪はそれでも攻撃を止めることはない。 ゆらり、と統常の影が揺れる。 「がぁっ?なんだコレ♪」 罪の肩がえぐれ血が吹き出す。 聖者をも貫く幻惑の槍技、乱疑盗(ろんぎぬす)。 飛来した死体砲弾と襲い来る二体の亡者人形を稲妻の速度で貫く。 スリーウェイアタック、虎威電徒(とらいでんと)。 戸次右近太夫統常が比良坂罪の前に立つ。 「その首、頂くとしよう」 「君は学習しないね♪だから人形の域をでないのさ♪」 槍が比良坂罪を貫いた。 「くっだらなーい♪つまらなーい♪人形の踊りは終わらなーい♪」 「まだ足りぬ」 比良坂罪死亡 ◆10◆ 「アー、戸次のヤツ行っちまったな」 夜魔口断頭は倒れた比良坂罪を見下ろす。 「謎の声でもぶっ殺しに行く勢いだなー」 比良坂罪は死んでいる。 「まだ、動けるんだろ?」 「あー、もう。つまんないー♪隙くらい作ればいいのにー♪」 「ゆとりゲーマーかお前は、人生イージーモードか?」 ぐにゃりと奇妙な動きで比良坂罪は立ち上がる。 左右に比良坂弑、比良坂葬を従えて立ち上がる。 「ドーモ、比良坂兄弟です。」 3人は恭しく一礼した。 「お前は生者だったな?」 「そうだね」 「先ほどは死んだな?」 「そうだね」 「今は死者として立っているな?」 「そうだね」 「では、今のお前を倒せばようやくクリアだな?」 「そうだね」 「ならば始めよう」 「そうだね」 「姓は夜魔口、名は断頭。私は罪人を処刑する者だ。」 「君の罪などどーでもいーい♪」 両者は最後の戦いを始める。 ◆11◆ 比良坂罪の人形はほとんど全て戸次右近太夫統常に破壊されてしまった。 しかし、兄弟の死体は側に置いている。 切り札としてか、執着としてか。 比良坂罪の最後の人形。 比良坂弑と比良坂葬。 ◆12◆ 「やンのかァゴルァ!!」 ヤクザハウリングの金縛りが今更通じる相手ではない。 これは自己を高める気合のシャウトだ。 処刑断頭斧術は相手を拘束し首を落とす。 マリーアントワネットの断頭斧はギロチン機構を斧に押し込めた武器である。 鎖が舞い斧が振るわれる。 「つまんなーい♪どうでもいーい♪」 歌は特に能力に関係はない。 自分で戦いながら人形を操るリズムをとる程度でしかない。 もしくは自分の精神を高揚させるためか。 比良坂罪は人形遣いである。 比良坂兄弟に鍛え抜かれた武術はないが強大な膂力とコンビネーションがある。 葬が飛び、弑が足払いをし、罪が抜き手を放つ。 ◆13◆ 「ドラァ!!」 拘束された人形の葬が空中高く投げ上げられる。 「すきすきすきすき隙だらけェーッ♪」 罪の手刀が断頭の右足を切り裂き、弑の手刀が断頭の横っ腹を貫く。 「ッタらァボケェ!!」 ヤクザキックが弑の蹴り飛ばす。 落ちてきた葬の首を断頭斧が切り落とす!! 「ハッ!!やンのかゴルァ!!」 首のない葬の死体をキャッチした罪が全力で全力投擲!! 弑は体勢を立て直す。 死体砲弾が断頭の愛馬しゃど丸と吹き飛ばして木っ端微塵となる。 「ひでーヤツだなァ、オイ!!」 「きにしなーい♪生き死になーい♪だって人形だもの(セリフ)」 弑が断頭に躍りかかる。 足を切り裂かれた断頭は動けない。 「舐めんじゃねえ!!」 鎖とギロチンカッター部分を操り敵を迎撃する。 弑の頭部に刃が突き刺さる。 「アハハハハ!!オシマイだー!!」 罪の右手刀が断頭の右腕を落とし。 左手刀が心臓を…、瞬時に断頭が体を捻ったため左肩を貫く。 「ぐううううッ」 右手を返して弑の死体を掴んで断頭に叩きつける。 ぐちゃり、と断頭の下半身が潰れる 「カァ!!」 最後の技で断頭斧の拘束具が罪に絡みつく。 「オシマイオシマイ♪押し花みたいに潰れちゃえー♪」 罪は自身に絡みついた拘束具を気にせず残った断頭の体を抉り毟る。 「はははッ。いいや死ぬのはテメーだ。」 「君の弟分は瀕死のままだよ?ここには来れないさ。君は手も足もでない。」 「来れなくてもいいさ、小悪魔1号!!」 「ウッキィー!!」 「んあ?」 「狂わせろ!!」 ガチャリ!! 人を効率良く処刑する機械、ギロチン。 ぎゃりぎゃりぎゃりぎゃりぎゃり!! 歯車が鎖が刃が鉄輪が!! 「あがッ?う、し、、つまあ、らなーい♪」 機械が狂えば効率悪く殺戮する。 「おもしろく…なーい♪」 ◆14◆ 「うげぇ、えぐいっスねえ」 その場所で戸次右近太夫統常は謎の声、一 四三(にのまえ・よみ)を殺し続けていた。 比良坂罪に操られた人形の少女。 死者に死亡時の痛みを倍増して与える『メメント・モリ』があるがゆえに死者には無敵であるはずの彼女であったが。 死を受け入れてなお戦い続ける戸次統常との相性が最悪だった。 痛みや苦しみを感じないのだ。 四三には死者を異世界に飛ばす『コギト・エルゴ・スム』 があった。 戸次統常が何も考えなかったように、四三もまた罪の指示に従っていただけである。 無知な彼女は戸次統常をどこに飛ばせばいいのか判断できなかったのだ。 「あ…ああ、たすけて~…」 罪が敗れても約束通り肉体は再生させる律儀さはある。 律儀というより言いなりであるだけか。 断頭と工鬼は肉体を再生され生き返っていた。 あとは元の時代に戻るだけである。 戸次は考えない。 蘇る者は戸次の名に賭けて殺すだけである。 「アー、助けて欲しいのか?」 断頭が問う。 「あ…あ…♡」 喉を切り裂かれて声が出ないのか甘い吐息が漏れる、しかし再生し始めると声がもどる。 「できれば…」 「そうだな、アンタの能力はさっき聞いた通りだな?」 「あ…そうで…す」 「じゃあそこの戦国武将を生き返らせて未来彼方へ送り出せ」 「あ、そうですねェ」 「戸次殿よ」 「ぬう!?」 「どうせ魔人が行き着く所は修羅だ、新しい戦場があるさ」 シュン… 戸次一族の体現者。 遥か未来で戦を続けるだろう。 「さて、アンタ。」 「はい?」 「どうせ、比良坂は地獄から這い上がってきてアンタを利用するだろう」 「そうですかぁ?」 「ロクでもない魔人共がアンタを利用して生き返るだろう」 「そうかもしれませんね~」 「私はそういうのが大嫌いだ」 「そうですか~」 「約束通り私達は生き返らせてもらう。これはルールだからな。」 「はい~。それはしんからもいわれてるので~」 ザクッ。 コトリ。 ギロチンの刃が振るわれ四三の首を落とす。 「あらら~?」 「首が胴体から離れても生きていられるな?」 「まあ、ふめつですから~」 「良し、私たちは首友達だ!!」 断頭は自分の首を外してみせる。 「あ~ほんとですぅ~」 ヤクザ的欺瞞友情術「私たちは友達!!」。 なんという恐ろしい交渉術!! 「友達だからな、お前一緒にこないか?お泊まりだ」 「あ~、おともだちのいえにおよばれするのはたのしみです~」 「体は置いてけ」 「はい~」 「ま、悪いようにはしねえよ。エロいことにもできるだけ関わらせねえし。ウチは気のいいヤクザだ。居心地はいいぜ?」 「では、おせわに~」 「だがまあ、ひとつ約束だ。」 「はい~」 「無闇に魔人を蘇らせるな、面倒くせえからな。ウチでは能力禁止な?」 「はい~♡」 「じゃあ行こうか新しい家族の仲間入りだ」 ◆15◆ 「終わったなぁ」 「終わりましたねェ」 爆発して瓦礫の山になった『首なし金融』の事務所前に工鬼と断頭の二人は立っていた。 断頭は友情の証にもらったメガネをかけている。 彼らの背後にはサルのような小悪魔達、頭の無い影の馬、そして馬の背中には頭だけの女。 「さて、本家に帰るか」 断頭が呟いた。 「アイー」 工鬼が応える。 ぎゅっと断頭は工鬼を抱き寄せる。 胸の谷間に顔が埋まった。 「ウキッ?」 「良くやった、褒めてやるぜ?ご褒美だ。」 断頭は工鬼の額にキスをした。 「ウッキー!!先輩!!もう一声!!」 「うっせー!!死ね!!」 「なかがいいですね~」 「「「「「ウッキー」」」」」」 「ぶひひ~ん」 騒ぎながらヤクザ達は家へと帰る。 また明日からは楽しくやっていくのだろう。 ダンゲロスSS2 冥界無情 了