約 134,580 件
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/1909.html
強化外骨格・雹(ぐぬぬ完了)〔きょうかがいこっかく・ひょう〕 作品名:覚悟のススメ 作者名:[[]] 投稿日:[[]] 画像情報:640×480px サイズ:203,989 byte ジャンル:仮面・被り物 キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 仮面・被り物 個別き 覚悟のススメ
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/1906.html
強化外骨格・零(ぐぬぬ完了)〔きょうかがいこっかく・ぜろ〕 作品名:覚悟のススメ 作者名:[[]] 投稿日:[[]] 画像情報:640×480px サイズ:198,110 byte ジャンル:仮面・被り物 キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 仮面・被り物 個別き 覚悟のススメ
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1617.html
応接室 「お久しぶりです。ミーナ中佐、坂本少佐」 「遠路遥々ご苦労だったな、大尉」 「本当に久しぶりね、サーシャさん。そちらの方は大丈夫?」 ピシっと型通りの敬礼を取る少女に、美緒のみならずミーナも同様に笑いかけた。 癖のある麗しい長い金髪に、とても軍人には見えない華奢な身体をした北方美人が二人の前に立っていた。 彼女の名前は、アレクサンドラ・I・ポクルイーシキン大尉。第502統合戦闘航空団“ブレイブウィッチーズ”の戦闘隊長を任される若き天才である。 「此方の戦線も芳しくはありませんが、かといって悲観するまでには至っていません。皆、頑張ってくれています」 その言葉に、美緒はかつて指導を受け持っていた下原定子を、ミーナはグンドュラ・ラルやヴァルトルート・クルピンスキーの顔を思い出す。 だが、定子の顔は泣きっ面で、豪放磊落なラルと享楽家な伯爵に一抹の不安を感じてしまう。 二人の心中を感じ取ったのか、サーシャは端正な顔を苦笑に歪める。 「それで、我々が戦ったネウロイに関してなんですが――」 それから、時間をかけてそれぞれの部隊で得た情報を交換していく。 そもそも彼女の目的は情報交流だったのだ。当然といえば当然だろう。 応接室のソファーに腰掛け、ミーナは三人分の紅茶を入れた。 語られる情報は様々で、新型ネウロイの考察や空戦における新たな戦術、挙句の果てに各国軍上層部の思惑など、それぞれ貴重なものを得たようである。 たっぷりと三時間以上も話し、サーシャが乾いた喉を潤そうと、すっかり冷めてしまった紅茶を口にする。 今だな、とばかりにタイミングを見計らっていた美緒が、今回の情報交流で一番聞きたかったことを口にした。 「――――強化外骨格開発部隊、を知っているな?」 その言葉に、ピクリとサーシャの肩が揺れる。 動揺を表には出すまいと努力しているようだが、残念ながら完全には隠しきれてはいなかった。 「それを何処で?」 「わざわざ隠し立てする必要もないか。ミーナ、構わないな?」 「……そうね。つい先日、強化外骨格開発部隊は、この基地に配属されたわ」 「そう、ですか。俺さんが……」 「我々としても、ああも秘密の多い部隊はどうしたものかと持て余していてな」 「……………………」 「我々に教えられる範囲で構わん。あの部隊や強化外骨格、そして俺少尉について教えてもらえんだろうか」 それから暫く、応接室に沈黙の帳が降りた。 サーシャはどう答えたものかと悩み、美緒とミーナを辛抱強く彼女が口を開くのを待った。 一体、どれだけの時間が過ぎただろうか。やがてサーシャは意を決し、口を開いた。 「申し訳ありません。お答えできることはありません」 明確に、美緒の頼みを拒絶した。 はぁ、と二人は大きく溜息を吐き出す。何となく、そんな言葉が返ってくるのは予想していたのだ。 「……それは、箝口令が布かれているということか?」 「はい。ブリタニア空軍からや正規の命令ではなく、チャーチル首相からの個人的な要請ですが」 ふむ、と顎に手を当て、美緒は考え込んだ。苦し紛れに放った言葉に、思いも寄らぬ返答があったからだ。 布かれた箝口令――その出所が分かるとは思ってもいなかった。 ブリタニア空軍からではなく、チャーチル首相からの要請となれば、チャーチル首相が尽力して設立した部隊の内情を知っているものは極めて少ないのかもしれない。 それこそ、ブリタニア空軍内部においても――もしかしたら、あのトレヴァー・マロニーですら。 「そして、私の意思でもあります」 「貴方の、個人的な感情に流されてのことかしら?」 暗に、惚れた男を庇いだてしているのではというミーナの台詞に、カっとサーシャの白い頬が赤く染まる。 それが怒りによるものなのか、図星を突かれた故の羞恥によるものなのかを判断することは出来なかった。 「これは私達、第502統合戦闘航空団全員の意思と受け取ってもらって構いません」 「………………そうか。大尉達に、そこまで言わせるか」 「はい。私達は俺少尉が信頼に値する人物だと信じています」 その言葉に嘘はない。恐らく、他の502の隊員に同じ質問をしても返ってくる答えは同じだろうと二人は判断する。 そうせざるを得ないほど、サーシャの言葉は信頼に満ち溢れたものだった。 「ごめんなさいね。勝手に立ち入るようなようなことを聞いてしまって」 「いえ。男性と一緒に戦う機会なんてウィッチとしては限られてきますし、ましてや極秘部隊ですから。ミーナ中佐や坂本少佐の心配も尤もだと思います」 サーシャは何を聞かれても必要なことしか語らず、自己の評価を他人に任せきりな俺を思い苦笑する。 言葉で語らず、行動で語る人間なのだ。男らしいと言えば男らしいのだろうが、それを好意的に受け取れるのかは人によるだろう。 「そうだ。久しぶりに顔でも見せてきたらどうだ? 今日は隊での訓練もない。少し話すくらいの時間はあるだろう」 「よろしいのですか?」 「よろしいも何も、ただ知り合いに会いに行くだけだ。我々に止める権利などありはせんよ」 「そうね。こんなご時世だもの。会える時に、話せる時には会っておくものよ」 二人の好意と裏にある思惑を感じながらも、久しぶりの再会に思いを馳せ、サーシャはソファから立ち上がった。 「じゃあ、お言葉に甘えさせて頂きます」 「強化外骨格部隊は外の倉庫を使っている。隊舎を出て直ぐのところだ」 「分かりました。では、失礼します」 見惚れてしまうほど綺麗な礼をすると、応接室を出て行く。 その背中を見送り、ふうと大きく溜息を吐き出す。 「俺少尉に関しては、私達の杞憂だったようね」 「そうだな。もっとも、先日の戦闘でそれは分かっていたようなものだがな」 秘密主義を俺と部隊に、あらぬ誤解と疑念を抱いていた二人であったが、サーシャの言葉を聴いて、或いは先日の戦闘によってそれも解消さえれたようだ。 事実として、俺は命を危険に晒して状況に相対し、バルクホルンの命を救う一助となった。 まして、同じウィッチであるサーシャが、あれほどまでに信頼しているのである。 何がしか複雑な問題を抱えているとしても、少なくともウィッチや隊にとって不利益や不義理な行動を働くような人物ではないようだ。 「まあ、私は悪い人間ではないとは思っていたがな! はっはっは!」 「もう、よく言うわ。最初はあれだけ疑っていたのに」 「いやぁ、それはだなぁ」 今までの真剣な空気を払拭する為か、大きく笑う美緒であったが、ミーナの指摘にしどろもどろの返答を返す。 参ったな、と頭を欠く彼女に、口元を隠しながらミーナは上品に笑った。 ふと、窓の外に目を向ける。 外は眩しいほどの快晴だ。日差しは強いが、気候は穏やかだ。再会の喜びを分かち合うにはもってこいの天気である。 これなら、サーシャと俺は、さぞ穏やかな時間を過ごすことになるだろう。 差し当たって、ミーナの出来ることと言えば―――― (飛行訓練の許可、出してあげることかしら?) 基地内倉庫 今日も今日とて、それぞれの研究に命を削るような気迫で望む開発班。 そんな彼らを尻目に、俺は出口付近に備え付けられた机と椅子に座り、いくつかの本や報告書に目を向けていた。 それは部隊の事務仕事に関係するものではない。そもそも、そんな仕事は午前中で終わってしまっている。 彼が読んでいるのはウィッチの教本や数々の戦線で考案された戦法を詳細に記した報告書だ。 自分には才能というものがない。それが彼の持つ自己への評価である。 故に、常に自己を高めることに余念がない。 エースにありがちな、なんとかなるさという覚悟があるんだかないんだか分からないような精神状態で戦場に立つことはなかった。 そして、現在も教本や戦闘報告書から、ネウロイの類型に合わせた有効な戦法を模索していた。 それは現状の己に対して、限界を感じているからに他ならない。 理由は定かではないが、少なくとも自身の性能が限界値まで高められているのは間違いないと考えている。 (かつての俺ならば、限界などという言葉を使うことすら許さなかっただろうな) 年を重ねたからか、或いは別の理由か、心の中で一人ごちた。 だが、嘆いてばかりもいられない。これからも戦いは続いていくのだ。 それを分かっているからこそ、努力を怠らない。 性能で届かぬのならば戦法で、戦法でも駄目ならば戦術で、戦術ですら意味をなさぬのなら戦略で。 可能性は無限に存在する。己の性能を正確に把握し、状況を把握し、様々な手を使って敵を討つ。 今までも続けてきたことである。何のことはない。 差し当たり、ネウロイに対して有効な戦法を獲得し、強化外骨格のスペックを向上ないし新たな兵装を―――― 「…………ん?」 珍しいノックの音に、目を通していたオラーシャ軍用の教本から目を離す。 そもそも、隊の人間はこの倉庫に近寄らない。部隊の秘匿性を慮って、もしくは俺の恫喝じみた言葉によって。 尤も、こんな場所に来た所で喜ぶのは極一部の人間だけである。年頃の少女達がこぞって集まる理由はないだろう。 となれば、急な召集命令か、部隊内で何らかの連絡事項が発生したのか。ともあれ、仕事に関連してのことは間違いあるまい。 やれやれ、タイミングの悪いことだ、と呟き、扉の前に立つ。 念の為、倉庫内部が見られないように、簡易更衣室のような形で設置された黒いカーテンを引いておく。 「すまない。待たせ――――」 扉を半ばまで開いた瞬間、ガツンと何かにぶつかる音がした。 間の悪いことに、ノックの主は俺のゆったりとした行動に痺れを切らしてもう一度ノックをしようとした所、扉が開いたようだ。 「…………大丈夫か? すま――――んん?」 額を押さえて蹲っている少女の後頭部を眺め、謝罪も半端に首を傾げる。 はて、こんな金髪の少女は居ただろうか? クロステルマンやハルトマンとも服装や髪型が違う。かといって、彼女以外に金髪を持つウィッチはいない筈。 「お、お久しぶりです、俺さん」 「ああ? ポルクイーシキン? お前、何でこんな所に……」 涙目になりながら額を押さえ、痛みに耐えてサーシャが笑顔と共に挨拶をした。 俺は珍しく、苦笑や皮肉げな笑み以外の呆然とした表情を貼り付け、挨拶すら返さずにかつての戦友の顔を眺める。 完全に不意を撃たれた。そういった様子は口にせずとも伝わってきた。 ついでに言えば、先程まで読んでいた教本を作り上げた人物であるというのも、彼の忘我に拍車をかけている。 「………………氷嚢でも持ってこようか?」 「………………是非、お願いします」 再会の言葉にしては、何ともとんちんかんな受け答えであった。 基地内テラス 二人は、俺がよく煙草を吸いに来るテラスに移動していた。 あんな堅苦しさ全開の倉庫では、リラックスできないだろうという俺の配慮である。 「待たせたな。こんなことなら、来客の準備でもしておくべきだった」 「いえ、そんな。此方の方こそ、連絡もなしに押しかけてしまって」 「気にするな。何分、オレ達の行方を追うのは不可能に近い」 ストライクウィッチーズの面々に見せる表情とは、また違った気さくさを見せ、穏やかな無表情を見せる。 何とも矛盾したような表情を見せている限り、どうやら俺もそれなりに再会の喜びというものを感じているようだ。 「しかし、締まらんな。以前、別れ際にもう二度と会うこともないだろうなどと格好つけてしまって、これではね」 「いいことだと思います。私は嬉しいです」 そうだな、と短く返事をし、用意していたティーポットとカップを机の上に置く。無論、彼の私物などではなく厨房から拝借してきたものである。 十分に蒸らした紅茶を最後の一滴までカップに注ぎ、サーシャの前に置いた。一人分しか持ってこないところを見る限り、彼は飲まないつもりはないようだ。 更に砂糖の入った瓶とジャムを乗せた小皿を置く。オラーシャではジャムを舐めながら、紅茶を飲む習慣がある。それを配慮してのことだろう。 見た目は無骨な軍人だが、こういった心配りは執事のそれである。 そんな見た目と中身のギャップに、サーシャは感謝と同時に感心せざるを得ない。 尤も、共に戦ってきた時からそんな感じだったので、寧ろ変わらずにいる俺に対する喜びの方が強いのかもしれない。 「お茶請けを用意できなくてすまんな。できれば、チョコかクッキーでもあればよかったのだがね」 「……前々から思っていたんですけど、俺さんの中で私はそんなに食いしん坊な印象なんですか?」 「ふむ。食いしん坊というよりかは、甘味に目がないといった感じだな。間違ってはいないだろう?」 むう、といった感じに押し黙るサーシャ。普段の彼女からは考えられない可愛らしい表情である。 確かに甘いものは好きだが、目がない訳ではない……筈なのだが、クッキーを出されていたら、目を輝かせていたであろう自分を安易に想像できて、否定は出来なかった。 そんな内心を察して椅子に座りながらくつくつ笑う彼の姿に、サーシャは自分の頬が赤く染まっていくのを感じた。 煙草、いいか? と聞く俺に快く応じる。 煙草の匂いも煙も好きではないが、そこを汲んでわざわざ風下を選んで座った彼の数少ない楽しみを奪うのも気が引けた。 「それで、皆元気でやっているか?」 「ええ、相変わらずラル中佐は仕事を丸投げしてきますし、ロスマン曹長とクルピンスキー大尉は仲良く喧嘩しています。 下原さんは可愛いものに抱きついてますし、ニパさんと菅野少尉は――――頭痛の種ですね」 「本当に変わらんなぁ。元気なのはいいことだが、成長というものが見られん。特に最後の二人……」 「オレさんに出会って、色々と思うところがあったらしくて、以前よりはマシになったんですが……」 闘争心剥き出しのサムライガールと不運がストライカーユニットで空を飛んでいるような少女の二人を思い浮かべ、苦笑を禁じえない。 その二人にヴァルトルート・クルピンスキーを加えたトリオは、そのストライカーユニットの全損率からブレイクウィッチーズなどという不名誉な渾名をつけられている。 彼女は何事も抱え込む人間である。更に生真面目な性格が災いして、目上の人間に対して愚痴を溢すのも気が引けた。 その点を鑑みれば、階級が下とは言え年上である俺にこうして愚痴を溢すのは珍しい。 「僕さんもジョゼさんも、相変わらずですね」 「何だ。あいつら、まだくっついてなかったのか」 「ええ。見てるこっちがやきもきするくらいです」 はあ、と大きく溜息を吐く二人。 僕というのは、第502統合戦闘航空団の隊員であり、珍しい男のウィッチである。 二人の言葉から察するに、同隊員であるジョーゼット・ルマールはそういう関係に極めて近い付き合いにあるようだ。 「あの馬鹿弟子め」 そして、俺とはただの戦友ではなく、師弟の関係でもあるようだった。 だが、僕が一体どんなウィッチなのか、どんな固有魔法を持っているのか、それを語るべきは別の話である。 馬鹿弟子と語る表情は嬉しげで、それほど親しくない人間には決して見せない表情をしている。 僕を罵るような言葉も、決して馬鹿にしている訳ではなく、愛弟子に向ける愛情が隠れしているように思えた。 それを皮切りに、サーシャはどんどんプライベートな話を展開していった。 俺は元来聞き上手な上、相手に話させることに長けているのか、愚痴とは違った話も引き出していく。 重要な話から意味のない馬鹿馬鹿しい話まで。そうやって話を続ける二人は、誰がどう見ても仲の良い兄妹にしか見えなかった。 「あー、随分話したな。時間の方は大丈夫か?」 「ッ!? いけない、もうそろそろ出発しないと!」 「そうか。輸送機で来たのだろう? 見送りくらいはしよう」 俺はそう言って立ち上がる。ティーセットの後片付けは、後回しでも大丈夫だろう。 「……どうかしたのか?」 自分だけ立ち上がり、座ったままのサーシャを見下ろす形になり、不思議そうに話しかける。 何か戸惑うように口ごもる彼女の様子は、愚痴を聞いていた俺であっても始めてみる姿であった。 やがて、何かを堪えるような顔をして、口を開く。 「一つだけ答えてください」 「答えられることであれば」 「…………俺さんの考えは、まだ変わっていませんか?」 「無論だ。それこそが、オレの選んだ道だからな」 彼女が一体何について聞いたのかは定かでない。 だがその問い掛けに、俺は何の迷いもなく即答した。 今までのような冗談交じりの言葉ではない。 炎のように熱く、氷のように冷徹な、断固たる意志を以って彼女の問いに答えた。 迷いのない意志に、彼女は安堵の表情よりも悲しげな――泣き笑いのような顔をする。 何となく……いや、初めから分かっていたのだ。どんな言葉が返ってくるかなど。 彼は一度そうと決めれば、それが正しいと信じれば、それこそ冷酷なまでの意志を以って己を貫く男だと。 「だったら、もう一つお願いがあります。これは、私だけではなく第502統合戦闘航空団全員の言葉だと思ってください」 「……そうか。戦友の願いだ、無碍にはできん。だが、確約するかは内容によるな」 「そんなに難しいことじゃありません。ただ、貴方の戦いが終わった後に、私達の所へ来て欲しいんです」 「確約しかねる。そもそもオレの戦いが終わる前に、502が解散している可能性もある。そうなった場合、君達全員が集まるのを待っていられない」 「そうですか。……なら、全てが終わった後、思い出してみてください」 「――君達のことを? それとも、人として当然の義務を?」 「いいえ。これまで歩んできた、貴方自身の人生を――」 彼女は真っ直ぐと俺の目を見据え、謳うように告げる。 オレ自身の人生ね、と呟く俺。 今この瞬間において、彼女の言葉はその程度なら直接会いに行くよりかは簡単だな、程度の認識しか今の彼にはない。 「了解した。その程度ならば何とかなりそうだ」 「約束ですよ? それだけは、必ず守ってください」 「ああ。――――ところで……」 「――はい?」 「今の、誰が考えた? どう考えたところで君の台詞ではないな」 分かりますか、と乾いた笑みを洩らすサーシャ。 長い付き合いでこそないが、共に死線を潜り抜けた仲である。人柄くらいは把握している。 彼女が言葉で伝えるのはもっと感情に任せたものだ。殊更、仲間に対しては。 そう考えると、今の彼女の台詞は、どこか芝居がかっているような気がした。実際、それは的を射ていたようだ。 「クルピンスキー大尉とロスマン曹長です。誰かが俺さんに出会ったら、必ず伝えようと」 「成程。あの馬鹿女とロスマンの台詞なら納得だ」 脳裏に浮かぶ、自分よりも背の高い、女好きの享楽主義者の彼女と逆に子供のように背の低い新人教育係の二人を思い出す。 一番日常的に苛立たされて、迷惑をかけられた女であったが――一番世話になったのも彼女である。 そして、俺自身のことを思い、大いに怒り、大いに悲しんだ教育係の涙もまた、俺の心を打った。 ならば彼女達の言葉くらい、素直に聞いておかねば義理に欠くだろう。 「二人に伝えてくれ。必ず思い出す。オレ自身に誓ってな」 「はい。私も信じています」 ニッコリと微笑むサーシャに、俺もまた薄く笑った。 そして、二人はまた他愛のない会話をしながら、テラスを後にする。 彼の戦いが終わり、全てが終わった時に、俺は誓い通り二人の言葉を思い出すだろう。 そして恐らく、その言葉こそが―――― 後に残ったのは、優しく降り注ぐ陽光と、遠くから聞こえる俺とサーシャの楽しげな笑い声だけであった。 戻る
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1498.html
ミーティングルーム 「先日配属されました、俺少尉です。よろしくお願いします」 ネウロイとの戦闘が一夜明け、基地内のミーティングルームにストライクウィッチーズの少女達と俺が集まっていた。 現在、オレは戦闘中の黒い鎧など纏っておらず、イギリス空軍の軍服でキッチリと身を包んでいる。 ぱっと見れば十代の青年にしか見えないが、その実、彼の年齢は二十代の半ばに手をかけた年齢である。 (……本当に、殿方ですわね) (あちゃー、こりゃカールスラントの堅物は何ていうか) (この前は助けられたけど、サーニャには指一本触れさせないゾ) (うじゅー、残念賞も上げられない) (…………眠い) 彼に向けられる視線は好意的なものもあれば、敵意にも似た警戒を孕んだものまであった。 しかし、そんな視線を向けられても、当の本人は何処吹く風といった様子の無表情である。 これまで共に戦ってきたウィッチ達もそれぞれ度合いは違えど、向ける視線はどれも似たようなものだったのだろう。 「……強化外骨格"ゴースト”、だったか。本当に魔力を解さずにあんなものが我々と同じように空を飛ぶなど、直接目にするまで信じられなかったぞ」 「でしょうね。アレが飛ぶ理論や動力源は守秘義務で明かせません。ただ、魔法力どころか魔法理論すら一切使用しない技術で飛んでいるのは確かですね」 どうやら強化外骨格のペットネームはゴーストというようだ。 だが、あんな悪目立ちする黒い鎧を幽霊と呼ぶのは、どう考えても名前負けしていた。 冗談を交えながら語る美緒であったが、視線は鋭い。 ブリタニア空軍の一部上層部――殊更、さる空軍大将は表立って動くことはないが、ウィッチを排斥しようとする意図を隠しもしない。 故に、目の前に居る男が如何に統合戦闘航空団の創設に尽力したチャーチル首相肝煎りの部隊であったとしても、そうそう油断は出来なかった。 ミーナも同様であるようで、柔和な視線の中にも相手を探るように観察している節がある。 (随分とまあ疑われたものだな。マロニーの馬鹿大将め、余程嫌われてると見える) 二人の視線に当の昔に気付いていた俺は、無表情を貫きながらも内心で口汚く自らの上司を罵った。 彼からすれば、ウィッチを排斥しようとする思想は馬鹿げているとしか思えない。 敵の総戦力が分からない以上、こちらの戦力は多いだけ人類が滅亡してしまう可能性は低くなる。 その先に待っているであろう世界の覇権争いは、その時にでもやっていればいい。目の前の試練は、明日を見ていては乗り越えることはできないと考えているのだ。 「まあ、足を引っ張らないように努力しますので、どうかお手柔らかに」 「…………話は終わりか。なら、失礼させてもらう」 「待ちなさい、トゥルーデ。まだ私達の紹介が……」 ミーナの静止を聞かず、ゲルトルート・バルクホルンはそのままミーティングルームを出て行った。 俺は眉を顰める。それは己に対するあんまりな態度にではなく、出て行く寸前、その視線が向かった先が芳佳という不自然さにだ。 警戒心じみた視線を自分に向けられるのは分かる。 差異はあれど、女性にとって男という生き物はそこに居るだけで警戒に値する生き物だ。全世界の憧れであり、美しいウィッチであれば尚の事。 だが、視線の向かった先は己ではなかった。そして、あの視線は警戒心などではなく―――――― 「あー、ごめんね。最近、トゥルーデなんだか調子が悪いみたいで」 「ああ、別に気にしていませんよ。これくらい、慣れっこです」 エーリカ・ハルトマンのバルクホルン本人に代わっての謝罪も、相変わらずの無表情で返す俺。 彼の言葉通り、ウィッチに冷たく接されるのは慣れていた。 元々、ウィッチ養成学校に入っていた者は男そのものとの接点が極端に少ない。 また養成学校に入っていない場合においても、周囲の大人達が異性に対して注意を促す傾向にある。 それは昔からの言い伝えが関係している。 その言い伝えとは、ウィッチは純潔を失うとその魔法力をも失ってしまうというもの。 大半のウィッチは性交に至ったとしても影響はないのだが、ごく一部のウィッチはそうではなかった。 魔法力は精神や体調に大きく左右される。そう考えればなんら不思議ではないが、科学的に魔法力喪失のメカニズムは未だ解明されていない。 「……仕方ないわね。個人の自己紹介は、またの機会にしましょうか。構いませんね、少尉」 「いえ。一応、名前と顔くらいは一致していますから、わざわざ機会を設けてもらう必要はありませんよ」 「そうか。じゃあ、宮藤、リーネ、二人で俺少尉に基地を案内してやれ」 「はい!」 「……は、はい」 「よろしくね、二人とも。じゃあ美緒、私は執務室に戻るから、後はお願い」 宮藤はハッキリとした返事で、リーネはおどおどとした様子で美緒の言葉を受け取った。 そんな二人の様子を見ながら、ミーナは後のことは美緒に任せ、部屋を後にした。恐らくは、執務室で待つであろう書類の山との格闘に向かったのだろう。 じゃあ、着いてきてくださいと言って歩き出した二人の後を、了解と一人呟いて俺が着いていく。 彼は服の上からでは分かり辛いが、十分に男らしい身体付きからは想像も出来ない静かな動作で、ミーティングルームの扉を閉めた。 「はー、何だか捉え所のない人だったねー」 「中尉に言われちゃおしまいダナ」 「エイラにもね」 茶々を入れてきたエイラに、上半身を机に預けながら、にししと笑うエーリカ。 そんな彼女の言葉に対して、エイラは肩を竦めることしかできなかった。 「しっかし、強化外骨格ねえ。そんなものよく極秘で開発できたもんだ」 「そうだな。だが、戦果は凄まじいぞ。撃墜数もエースと呼んでも構わないレベルだ」 「ですが、魔法力なしでネウロイを倒したのでしょう。余程、強力な武器を開発しているようですわね」 「いや、私はその場で見たけどそれほど強力な武器は使っていなかったナ。こう、ツッコンでいって、蹴りでコアを壊してタ」 はあ? とエイラの発言が理解できなかったのか、美緒以外の少女達は首を傾げた。 それも当然だ。ネウロイを徒手空拳での破壊など、銃や固有魔法を使って倒す彼女達からすれば、異様極まりない。 「もしかして、強化外骨格ってのに魔法力が必要ないだけで、少尉本人はウィッチなのか?」 「いや、少尉はウィッチではないそうだ。実際、魔法力も感じなかっただろう」 「それはそうですが、そのようなスタンドプレー染みた真似をする方と一緒に戦うことなんてできませんわ!」 美しい金髪を揺らしながら、声を荒げたのはペリーヌ・クロステルマンであった。 確かに彼女の言葉も尤もである。射撃武器を使わない徒手空拳の戦闘スタイルは、どう足掻いても先走りがちになるだろう。 「ああ、それについては問題ない。本人も無理に危険な真似をする気はないそうだ」 「そのような言葉だけでは信用できませんわ!」 「まあ、そう言ってやるな。これからは、共に戦う仲間だからな。……それに、問題を起こしたら起こしたで、此処から放逐できる」 「…………坂本少佐にしては、随分キツイ物言いだ」 美緒はまあな、と歯切れの悪い返事を返す。 その返答に、やれやれ本当に面倒なことにならなけりゃいいけど、と心の中でごちたのはシャーロット・E・イェーガーだった。 坂本美緒という人間は、相手に対する信頼が先にあり、その後から他者の信頼を獲得する人柄である。 少なくとも、この基地にいる人間には自ら心を開いて信頼を得てきた人物が、こうも警戒するのは珍しいどころか、初めて見る。 「さて、私もそろそろ行くか。お前達も、それぞれ訓練をしておくように。ああ、サーニャは……もう寝てるな。後は任せるぞ、エイラ」 『了解』 半数以上が気の抜けたような返事をする中、苦笑をしながらミーティングルームを後にする。 (さて、あの二人が一番初めに案内するのは、一番近い食堂辺りか? ……やれやれ、わざわざこんな真似をすることになるとはな) 新人二人に油断のならない新隊員の案内を任せたのは、どうやら新人相手ならば何かボロを出すのではないか、という考えがあったようだ。 しかし、美緒の表情は浮かない。仲間を囮に使うなど、彼女の本意ではないのだ。 (だが、いくらなんでも秘密主義が過ぎる) それが俺を警戒する最大の理由だ。 先日渡された資料にも、強化外骨格に関する事柄は殆ど書かれていなかった。 それどころか、俺や開発班の過去についても不明な点が多過ぎる。 この大戦が始まってからの戦果や経歴は詳細に記されていたが、それ以前については謎という一字に限る。 俺に関しては、陸軍内部で構想中であった特殊部隊の出身で、空軍に引き抜かれ現在に至るとのことだが、それはあくまでも書類上のことだ。 しかし、相手がブリタニアの特殊部隊出身である以上、下手な動きは彼女の意図とは異なる勘ぐりをされかねない。 だからこそ、このような真似をしなければならなかった。 (そういえば、少尉は一時期502の方にも配属されていた筈。 ……しめた。確か、今度情報交換の為にポルクイーシキン大尉が来ることになっていた。何か聞きだせるかもしれん) ――射撃場 「此処で最後です」 「――――ふむ」 基地の海岸よりにある射撃場に三人は居た。 彼らの立つ場所からおよそ100mほど先に的があり、その両サイドには跳弾による事故を防止する為の壁があるシンプルな造りだ。 「一つ聞きたいのだが、射撃場は此処だけなのかね?」 「確か、滑走路の先の方でも訓練ができた筈ですけど……。リーネちゃん、どうなの?」 「は、はい。ミーナ隊長の許可と他の隊員が飛行訓練をしていない場合なら使えます」 「そうか。それなら訓練になりそうだな」 俺は満足げに呟いた。 二人はその様子に、この人も訓練大好き人間なのだろうか、と美緒を脳裏に浮かべ、ほんの少しだけげんなりする。 二人とも美緒のことは尊敬も信頼もしているが、それ以上に彼女の課す訓練は辛く厳しいものなのだ。 「悪かったな、宮藤軍曹、ビショップ軍曹。貴重な時間を使わせた」 「いいえ、これくらい当然です。これから一緒に戦ってくれる仲間なんですから、坂本さんもきっとそう言います」 「そうか……」 その坂本少佐にずっと監視されているのだがね、という言葉を飲み込んだ。 無論、それは美緒が監視や尾行が下手な訳ではない。事実、俺以外は彼女の存在に気付いてさえいないのだから。 ただ、今回は相手が悪かった。元々、彼はそういった行動のスペシャリストなのだ。 「あの、それから一つお願いがあるんですけど……」 「――? 聞ける範囲でなら構わないが」 「その、軍曹って呼ぶのを止めて欲しいんです」 「…………それは、」 どういう意味だ、と告げようとして口を閉じた。 わざわざ聞くまでもない。軍曹と軍の階級で嫌っているのを見る限り、軍というう組織か、戦いという行為に対して何らかの迷いがあるということ。 彼の本心から言えば、甘ったれるなと言いたい所であった。 経緯はどうあれ、戦場に立った以上、彼女も立派な兵士である。そうであれば、そのような迷いも甘えも許されない。 「了解だ。宮藤、そう呼べばいいんだな」 だが、本心を隠し、芳佳の願いを聞き入れた。 それが戦闘に支障をきたさない限りにおいては、他人の考えに口を出す人間ではないようだ。 彼の言葉を聴くと彼女はぱっと笑みを浮かべ、ありがとうございます、と深々と頭を下げる。 そのあんまりに真っ直ぐな性格に、思わず口元を緩めた。 (……もしかして、俺少尉って、あんまり怖い人じゃないのかな?) 「ああ、君の方もそう呼んだ方がいいか? 名前で呼ぶのは勘弁して欲しいが」 「……え? あ、え、ええっと、じゃあ、お願いします」 いきなり振られて驚いたのか、リーネは最後の方は殆ど聞こえないような声で返事をした。 正直、その引っ込み思案な性格を見る限り、先日の戦闘で見せた狙撃手としての腕前が全くと言って良いほど結びつかない。 本当にあの偏差射撃をしてみせた人間と同一人物なのだろうか、と俺が疑りだした頃、芳佳が口を開いた。 「どうして名前で呼ぶのは嫌なんですか?」 「いや、普通は初対面の人間のファーストネームをいきなり呼ぶのは不敬だと思うがね。 まあ、後は俺の主義か。恋愛関係になった女以外は名前で呼ばないようにしている、というだけだ」 その言葉に、芳佳とリーネは暫く見詰め合うと、きゃーきゃーと騒ぎ出した。 彼の主義に格好よさを感じた――のでは断じてなく、何となく色恋沙汰を連想させる科白に色めきたっただけである。 昔も今も、彼女達くらいの年頃の少女はこの手の話が大好きなのだ。 俺は、女三人寄れば姦しいと扶桑ではいうが、二人でも十分だな、と若干失礼なことを考えていたが、目を輝かせた二人の視線を浴びて思考を中断する。 「それってそれって、今お付き合いされている方がいるってことですか?」 「ああ、いや……」 「どんな、どんな人なんですか? もしかして、ウィッチだったりとか?」 「ん、まあ……」 余りの食い付きに引き気味になるオレ。 そんな彼の様子に全く気付くことなく、詰め寄るように質問を浴びせていく。 「あーあー、分かった分かった。君達がそういうことに興味津々なのは十分に理解したがね、此方の話も聞いてくれ」 「「はい!」」 「まずがっかりさせて悪いが、オレは今恋人はいない。その主義を決めたのは7年近く前の話だ」 え、と心底がっかりしたように呟きを漏らす少女に、そこまで期待していたのか、苦笑を漏す。 「アレだな、他人の色恋沙汰に興味を示すよりか、そういうのは自分で体験した方が有意義だ。ウィッチに対して、こんなことを言うのは我ながらどうかと思うがね」 だから、他人事といって余り色めきたつな、と皮肉げな笑みを浮かべる。 正当といえば正当な言い分に、反論の糸口さえ見つけられない二人であった。 もっとも、俺本人としてはそれ以上踏み込んできて欲しくはなかったが故の、苦し紛れに言い放っただけの言葉である。 「では、オレはそろそろ行かせてもらうよ」 「え、ええ? 何処へですか?」 「ああ、隊舎の外に倉庫があっただろう? あそこを今日から我々の研究室として使わしてもらう。その為に色々な機材の搬入をしなければならなくてね。 ……きつい物言いになってしまうが、中を覗くことは許さない。重要な機密だからな。もし覗いたら、相応の対処をさせてもらう。他の隊員にもそう伝えてくれ」 では失礼する、とだけ告げ、俺はその場を後にする。 後に残ったのは、最後の言葉にほんの少しだけ重圧を感じた少女達と海から吹く潮風だけだった。 「俺少尉って、なんかて言うか……」 「……変な人、だね」 ふと優しさや気軽さを見せたかと思えば、子供を怯えさせるような重圧を放つ。 青年といっても過言ではない容姿に反して、その言動や立ち居振る舞いは大人のそれである。 何というか中身と外見がちぐはぐで、更にその中身すらも二面性があって判然としない。 リーネの変な人発言も、少々言い過ぎ感はあるものの、あながち間違っているものではなかった。 「うん、でも悪い人じゃないみたい」 「そうだね。此処に来た時も、私達を助けてくれたし」 その言葉で、俺に対する疑問と不安を払拭させて歩き出す。 この後には新人としての訓練とやらなければならない仕事が待っている。何時までも立ち止まっている訳にもいかないのだ。 「悪い人ではない、か……」 一人木の陰から様子を伺っていた美緒は、芳佳の言葉に呟きを漏らした。 彼の行動や言動に、何の違和感はない。やや軍人らしからぬ気さくな印象を受けるものの、決して軽い性格というわけでもないようである。 これならば、ウィッチの貞操に関する危機も無駄に心配する必要はなさそうである。 「だが、まだ信用はならんか……」 悪い人間ではないからと言って、良い人間であるとも限らない。 まだ年若い美緒も、もう10年近くなる軍人としての経験上、人がそういうものであるのを理解していた。 ふう、と大げさに溜息を吐いて、木に背中を預ける。 宮藤やリーネの言葉を聴いてほんの少しだけ、自分は何をやっているのか、という気分になってしまった。 昔は、もっと真っ直ぐに他人というものを信じていた気がする。それが出来なくなったのは何時からだった。そんな感傷に浸っている。 しかし、それは彼女が少女から少しだけ大人になったというだけで、決して悪いものではない。 ましてや、彼女達はウィッチは軍上層部の責任の押し付け合いや、世界の覇権を握ろうとする醜い争いを間近で見ているのだ。 人間不信に陥っていないだけでも、彼女の心根の真っ直ぐさと精神の強さを物語っていた。 「やれやれだ。色々と大切なことを思い出させてくれるな、アイツは」 新人だからこそ、自身の初心というものを思い出させてくれることもあるのだろう。 そうして美緒は初心に帰り、信頼を俺に対して向けることを決めた。 無論、全幅のという訳ではない。そうするには余りに要素に欠け、秘密が多過ぎる。 だが、戦場において彼の身を守る程度には行動するつもりであった。 ウィッチという人種は根っからのお人好しが大多数を占める。 結局の所、どんな理屈や理由を並べようと、彼女もそのご多分に漏れず、お人好しなのだった。 戻る
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1556.html
基地内倉庫 基地内部にある使用されていなかった倉庫の中は、僅か一週間前とは別世界と変貌していた。 真っ当な生活を送る一般人ならば、生涯まずお目にかかることのない機材の数々。 見たこともないような単位が書かれ、積み重ねられた研究資料の山 壁にかけられた銃器の数々は、各国の軍で採用されているそれとは根本からして違うような気もする。 そんな場所で忙しなく動き続ける四人の男達は、皆白衣を纏い一目で研究者であることが知れる。 臨時とは言え、研究所、兵器開発局と呼ぶのに違和感は存在しない。 四人の男の年齢は、最低でも30代を超え、一番上は70に手をかけている程、平均年齢は高かそうだった。 しかし、衰えというものを感じさせない鬼気迫る表情で、それぞれの研究に没頭している。それこそ、異常を感じてしまうほどに。 そんな中、倉庫兼研究所の隅――出入り口の近くで二人の男が椅子に座っていた。 一人は俺であり、もう一人は他の研究者同様に白衣を纏っていたが年齢は俺と同じくらいだ。 「暇だな……」 「戦闘報告書やらの書類はどうしたんだい? 戦闘と部隊の運用は君の仕事だぜ」 「分かってる。だがねドク、もう終わったのだよ」 「……いくらなんでも仕事が速すぎるよ。他の部隊の連中は事務仕事だけでひーひー言っているぜ。実に有能だね」 「オレはね、有能じゃない、万能なんだよ……、と一昔前のオレならば言っていただろうな。だが、今のオレでもこの程度どうということはない」 ドク、とよばれた男は、俺がこの基地に来る際、談笑を交わしていた男と同一人物のようだ。 彼は休憩中なのか、見るからに濃そうなブラックコーヒーを飲んでいた。 彼らの発言からすれば、どうやらこの強化外骨格開発部隊は研究や開発を除けば、俺一人の手で運用されているようだ。 小さな部隊とはいえ、戦闘から事務仕事まで一手に担い、更には時間が余るとは驚愕する他ないだろう。 「…………で、ゴーストによる飛行訓練の許可は下りたのかい?」 「まだだ。ヴィルケ中佐が渋っているようだな。余程信用がないと見える」 「まあ、この部隊にはパイプがない。当然と言えば当然か」 「気持ちは分からないでもないがな。我々が味方と言えるかは別として、少なくとも敵ではないのだから、もう少し多めに見て貰いたいものだ」 「仕方がないさ。彼女はまだ若い上に、隊のウィッチの命を背負っているのだからね。 尤も、此方としても君の命を預かっている身だ。速いところ、調整をしておきたい」 「誰にもオレの命を預けた覚えはないがな。 だが、最高の性能を発揮できないのは問題だ。それとも中佐はマロニー同様、オレにさっさと死んで貰いたいのかね?」 「言い過ぎだぜ」 皮肉げな笑みを浮かべ、キツイ冗談を交えながら肩を竦める俺に、ドクは苦笑してコーヒーを啜った。 口の中に広まる苦味に眠気が吹き飛ばされていくようだ。やはり、眠い時にはコーヒーに限る。 ふと、ドクが視線を移すと俺は彼の後方――一応の完成を見せた新兵器を見ていた。 それは何というか四角い箱といった感じである。一見しただけでは、それがどのような兵器であるのか理解できない。 「ああ、アレかい? あれはね、ドキッ! 強化外骨格開発部隊の新兵器! って感じかな」 「どこの現人鬼だ」 お前の冗談にはついていけん、といった表情ではあったものの、自分もちゃっかりメタっていた。 「アレは肩に乗せて使用するんだ。ネウロイのコアを露出させるのに特化した装備、といったところかな」 「ふむ、なるほど。現状、此方のスペックを鑑みれば、オレがネウロイを撃墜するよりもウィッチの援護に回った方が得策か。現実的だ」 「ただね、アレ、色々と問題点があるんだよ」 「口頭で説明されてもな。スペック表を見せてくれ」 コーヒーをテーブルの上に置き、立ち上がって臨時研究所の奥へとドクが消えていく。 暫くして、書類の山が崩れる音と研究員の怒声、更に彼の謝罪の言葉が所内に響き渡った。 帰ってきたドクの頬には青痣が出来ており、思いっきりぶん殴られた後がある。 そういえば、あの一角で研究していたのは、真っ当な研究員とは思えないほどに筋骨隆々の武闘派だったなと俺は思い出した。 「い、痛い。歯が折れた。何も此処までしなくてもいいのに」 「お前は一番の若年だからな。そんなことはどうでもいいから、早く見せろ」 涙目で頬を摩るドクから資料を引ったくり、それに目を通す。 黙ってそれを読んでいた俺であったが、読み進めていく内にいつもの無表情が曇っていく。 尤もそれが分かるのは、もう5年ほどの付き合いになるドクと研究者ぐらいのものだろう。 「……これ、正気か?」 「いや、うん……ボクもちょっとどうかと思う」 「ちょっと所じゃないぞ。確かに特化させてはいるが、ハイリスクハイリターンなんてレベルじゃない。これじゃあハイリスクローリターンだ」 「流石に、止めたんだけどね。これはこれで効果的だからって。それに、君が危険を恐れるような人物じゃないだろうって」 「ご尤もだ。しかしこれは……ああ、いや、そうでもないのか。基本的にネウロイが一機しか現れないこの戦線じゃ、確かに此方の方が……」 だがなぁ、と難色を示している。 元来、この男もメチャクチャな人物である。強化外骨格を纏っているとは言え、露出したコアの素手による破壊など敢行する方がどうかしている。 そんな俺ですらが難色を示すなど、開発コンセプトが極端過ぎて一か八かの兵器としか言えないのだろう。 「しかし、こうなるとバーニアの調整を直さなくてはならないな」 「それについての計算は終わってる。あとは―――!?」 「警報か、ネウロイだな。どうやら、本格的に襲撃サイクルが狂ってきているようだ」 「しかし、何で……」 「さて……聞いた話じゃ、カールスラントの方で動きがあったそうだが、何とも言えん」 その時、警報の中、それに掻き消されることなくよく通る内線電話の音が響いた。 受話器の向こうから聞こえてくる命令に、了解とだけ返答し、電話を切る。 「出撃だ。もう既に何人か空に上がっている。遅れる訳にはいかんぞ!」 その言葉を聴いたドクを初めとする研究員達が動き出す。 どうやら、彼らは研究員としてだけではなく整備員としての仕事も担っているようだ。 各員が武器の点検を即座に済ませ、黒い鎧を纏った俺の前に持ってくる。 三人がかりで運ばれてきたデグチャレフPSRDの設計図を元に――とはいって強化改造しすぎてもう殆ど原型の面影のないライフルを俺は片手で握った。 そして、両肩には先刻の四角い箱にしか見えない新兵器が、俺の指示で取り付けられている。この間、僅か三分ほどの早業であった。 「……幸運を」 「さあ、どうだろうな。まあ、犬死にしないように努力するさ」 それだけ言葉を交わすと、出入り口とは別に存在する巨大な搬入口の扉に手をかけた。 本来ならば、数人がかりであけるであろうそれを安々と片手で開き、外に出る。 研究所から滑走路はやや遠い。ここから鎧を纏って歩いていくのは如何にも滑稽である。 しかし、俺の身体はそんな心配を嘲笑うかのように、すっと宙へと浮かび上がった。 どうやら、彼の纏った鎧には長い滑走路は、文字通り無用の長物であるらしい。 背面のバーニアが雄叫びのような音を上げ、急加速と急上昇を行う。 基地上空に舞い上がった俺は、一度空中で静止し、滑走路から飛び立つミーナとリーネの姿を確認するや、彼女達と同じ方向へと飛び立った。 ブリタニア上空 高度15000フィート。 第501統合戦闘航空団基地より、やや離れた空域にネウロイは進入した。 出撃したウィッチは、先の二人と美緒、バルクホルン、ペリーヌ、芳佳の6人に加え、オレの計7人。 世界最高位のウィッチであるハルトマン。 速度において右に出る者のいないシャーリー。 新人ながらシャーリーとの連携が光るフランチェスカ・ルッキーニ。 未来予知の固有魔法によって被弾経験の皆無のエースであるエイラ。 上の4名を残してきたのは、前回の時間差襲撃を教訓にしたのだろう。 残るサーニャ・V・リトビャクは夜間哨戒で魔力を使い果たし、そもそも出撃できる状態にはなかった。 「隊列変更だ。ペリーヌはバルクホルンの二番機に。宮藤はわたしの所に入れ」 残るミーナとリーネ、俺が3機編成に組む。 暫くすると美緒の魔眼が敵機を捉えた。 時を同じくして、俺の視界にもネウロイの姿が飛び込んでくる。 どうやら彼の被った兜には、望遠視の性質が備わった美緒の魔眼と同等の望遠能力があるようだ。 ネウロイの形状は前回同様に細長いが、それほどの速度はなく、更に巨大だ。 機体の中央にはレーダーの役割でも果たすのか、三つの柱が不気味に回転していた。 「バルクホルン隊突入! 少佐の隊は援護に」 『了解!』 力強くバルクホルンと美緒が返答するや、4人が先行する。 爆発的な加速でネウロイとの距離を詰め、バルクホルンは両手に握ったMG42の引き金を引く。 吐き出される弾丸と空薬莢。彼女の固有魔法である怪力と呼ばれる超身体強化によって反動を押さえ込む。 擦れ違い様にの射撃に、ネウロイの機体の表面を滑るように弾痕が穿たれていく。 しかし、敵は彼女達の攻撃を意に介さず、真っ直ぐにブリタニアの本土を目指す。 (かなり硬い上に、攻撃も強力で手数が多い。拠点や空域の制圧に特化したネウロイといったところか?) 迫る紅い光状を余裕を持って回避し、引き金を引かずにネウロイを入念に観察する。 彼の持つライフルは威力、射程共に軍で正式採用されているライフルを遥かに上回るものの、装弾数は一発限りの際物である。 また弾丸そのものもライフルに誂えて造られた特別製かつ巨大であり、一度の戦闘に持っていけるのは薬室に装填されたものも含めて5発のみ。 故に、コアの位置を正確に見極めなければならない。 「――――む」 バルクホルンとペーリヌの二人が、無数の光線を放つ機首から離れたある一点を攻撃した瞬間、俺が声を洩らした。 僅かながら、ネウロイの殺意に乱れが生じたのだ。 ウィッチでもなく、ストライカーユニットと比較しても性能的に劣る強化外骨格で彼が何故、大戦初期から戦い、生き残れてきたのか。 それはネウロイの殺気を感じ取れるからに他ならなかった。 地球上に存在する生物とは明らかに異なる体構造、精神構造を有するネウロイの殺意を感じ取る。 言葉にすれば簡単なことではあるが、それを可能とする者は彼以外に存在しない。 例え、ベテランのウィッチであったとしても彼らの殺意を感じ取ることは、精神構造が異質すぎるが故に不可能に近い。 せいぜい、何となく狙えわれているような気がする、という予感めいた不確かな感覚に頼るしかない。 しかし、彼はそれを正確に読み取れる。 一体、どのような理由なのかは定かではないし、そもそもネウロイが殺意を放っているなど常人の感覚からすれば眉唾物どころか、一笑にふされかねないものだ。 だが、現実として俺はネウロイの殺意を肌で感じ取っていた。 「ヴィルケ中佐、今バルクホルン隊が撃った所をもう一度攻撃して見れくれ」 「どういうこと?」 「……一瞬だが、奴の挙動が乱れた。コアはそこだ」 何を馬鹿な、とでも言いたげな表情を見せるミーナであったが、戦場を移動し、既にブリタニア本土が眼下に広がっている。 敵も高度を下げ、地上への攻撃態勢を視野に入れ始めているようだった。これ以上の侵攻は民間人への被害が出かねない。 俺の余計な説明を省いた断定的な物言いか、或いは美緒の魔眼が使用できないことから来る僅かな焦りからか、彼女はリーネに指示を出した。 「リーネさん! 俺少尉の言うとおりに!」 「はい……ッ!」 ミーナの言葉に返事をするが速いか、ボーイズライフルが火を噴いた。 他の隊員が持つ機関銃とは比べ物にならない破壊力を以って、ネウロイの装甲を爆散させる。 黒い装甲が白い煙幕へと変わる中、その帳の向こうに赤い光がチラついた。 「こちら、俺。今一瞬だけだが、コアを確認した」 「坂本少佐、念の為、一旦距離を取って魔眼で確認を!」 『了解! 下がるぞ宮藤、遅れるな!』 『わ、わかりました!』 指示通り、ネウロイの攻撃を器用に躱し、或いはシールドによって防御しながら射程範囲を抜ける美緒と、危なっかしくも何とか着いていく芳佳。 そうなれば当然、最もネウロイとの距離が近いバルクホルンとペリーヌが狙われるが何の問題もない。 バルクホルンはその強固なシールドと長年の経験からなる戦法故に。 ペリーヌは生まれ持った才能と積み重ねた努力による華麗ですらある空戦軌道故に。 ………………そう、普段通りならば。 (いくらなんでも前に出過ぎだ。まだ町や村には遠い、何を焦っているんだ) 戦闘報告書からイメージしていたバルクホルンの戦い方の違いに、愕然とする。 俺のイメージしていた彼女の戦い方はもっとストイックで、現実的かつ合理的。攻守のバランスが取れた優秀なアタッカーであった。 だが、今の彼女は現実的でもなければ合理的でもない。攻撃に気を取られすぎて、防御が疎かになっている。 その差異に、ミーナも殆ど悲鳴に声を上げる。 「あの子、いつもは二番機を視界に入れている筈なのに!」 「拙い。中佐、一旦距離を取らせ――――!」 俺の進言よりも早く、悲劇は起こった。 ネウロイの放ったビームをバルクホルンが直撃寸前で回避する。 その先に居たのは青い空でも、緑の大地でもない。青の一番、ペリーヌ・クロステルマンその人であった。 シールドを展開し、ダメージこそ避けたものの、急展開したシールドでは攻撃の勢いまでは相殺しきれず、空間を滑っていく。 一瞬で体勢を立て直したのは見事であったが、今回に限って、バランスを崩しての墜落という不名誉の方が彼女の精神を動揺させなかったかもしれない。 ドスン、とペリーヌと回避に成功したばかりのバルクホルンの背中がぶつかった。 何のことはない、新米ウィッチの頃には誰もがやるような僚機との訓練中の軽い接触事故。 しかし、彼女達は幾度の死線を潜り抜けてきたベテランであり――そして、此処は戦場だった。 即座に、俺は引き金を引く。 狙いはビームの射出口ただ一点。 彼女達を救うべく放たれた弾丸は、無常にも敵の攻撃が終了した時点で装甲に突き刺さる。 「うわあああッッ――!!」 数条もの光線は、展開されようとしていたシールドを紙の如く破り、バルクホルンの握るMG42の弾倉を暴発させる。 「――トゥルーデ!」 『大尉ぃッ!』 「バルクホルンさんッ!!」 「ちぃッ……!」 遥か地上の森へと落下していくバルクホルンの後をペリーヌ、芳佳、俺の三人が追う。 一番最初に辿り着いたのは俺だ。 それこそ、今日見せる最高速で追い縋り、負傷した彼女に一切の負担をかけずに受け止める。 見れば、胸部から大量に出血している。 口から血を吐いていない所を見れば、食道や肺などの内臓に傷はついていないようだ。 だが、魔法力で強化されていようとも元の肉体は10代の少女である。予断を許さない状況に代わりはない。 「シールドを張れ! 地上に下りる!」 後から追いついてきたペリーヌと芳佳に防御を任せ、最新の注意を払って眼下の森へと降下していく。 地上についた瞬間、俺はバルクホルンの身体を地面に寝かせ、傷を確認するために軍服を前を開く。 あらわになったのは血で赤く染まったタンクトップ。そこから僅かに先端を覗かせる金属片が傷の原因だ。 その金属片を取り除けば大出血を引き起こし、かといってそのままにして医療可能な場所への移送へはバルクホルンの体力が持つかどうか。 (思った以上に厄介な状態だ。針と糸でも持ってくるべきだったか) 医療にも精通しているのか、一瞬でバルクホルンの診察を終わらせ、せめて止血だけでもと動き出そうとした時、芳佳が割って入った。 「私がやります!」 何を、と俺が告げるよりも早く、青い燐光がバルクホルンと芳佳の二人を包み込んだ。 魔法力の輝きに、慌てるように後退し、距離を取る俺。 「こんな力が……」 「治癒魔法か……」 治癒魔法。バルクホルンの怪力同様、念動系に分類される固有魔法。 生物が元あった形に治そうとする魔法であり、外傷のみならず病気に対しても有効とれている。 数ある固有魔法の中でも、希少な部類に入る。命を救うためだけにしか使えない魔法である。 それを見て、問題はないと判断したのか、ネウロイから攻撃を遮っていたペリーヌの横に立つ。 「クロステルマン中尉は坂本少佐の下に入ってください。此処はオレが」 「何を言って……!」 「……はあ」 俺はこれだからガキは嫌いだ、とばかりに大きく溜息を吐いた。 確かに、ペリーヌのように自分の責任と受け止める人としての度量は認めるべきだろうが、それで冷静さを欠いてしまっては意味がない。 今この状況で芳佳以外に出来る最善は、バルクホルンの治療を見守ることではなく、ネウロイをいち早く倒し安全を確保することだ。 その方が落ち着いて、芳佳自身も余計なことに気を逸らさずに済み、バルクホルンの命を救うことに繋がる。 「貴方は――――」 「落ち着けッッ!!」 何か、更に言葉を紡ごうとしたペリーヌを遮り、俺の怒号が飛んだ。 それは、一軍人としての言葉であり、また年長者としての言葉でもあった。 「いいか、宮藤。お前も一度治療を止めて、二度深呼吸をしろ」 「で、でも、そんなことをしたら……」 「――早くしろッッ!!」 更なる怒号に、まだ幼いといってもいい少女二人は肩をビクリと震わせる。 その有無を言わさぬ態度と迫力に圧され、意を決して大きく二度深呼吸をした。 「宮藤はそのまま大尉の治療を。そして、中尉。固有魔法や攻撃性能から言って、あなたの方が敵を素早く撃破できる可能性は高い」 「ですが……」 「失敗を反省するのはいい。けれど、今はその時ではない。今は、中尉の最善を尽くすべきだ。違いますか?」 「…………ッ!」 後悔や焦りを振り切るように。俺の言葉に後押しされるように。 ペリーヌ・クロステルマンは空へと翔けていく。 そうだ。彼女は何時だってそうだった。 友を失った時も、家族を失った時も、国を失った時も。数多の取り返しのつかない失敗と絶望を振り切って。振り切りきれずに後ろ髪を引かれながらも、がむしゃらに戦った。 青の一番、そう呼ばれたウィッチの真の実力がそこにある。 「坂本少佐、クロステルマン中尉がそちらの僚機に入る。フォローを」 『――了解した!』 俺の更なる算段としては、美緒ならばペリーヌの手綱を握ることが出来るとも踏んでいた。 僅かな期間しか共に過ごしていないとは言え、美緒に向けられているペリーヌの感情は、もはや崇拝に近いことは俺でなくとも分かるだろう。 まして、美緒は扶桑海事変からの大ベテランである。仲間の身が危ないからと、焦りから無茶や危険を冒すような人物でもない。 あとは、と肩越しに治療中の宮藤を見る。 先程は焦りから巧く魔法力を操作できていなかったようであるが、今は別人のように最適な形で固有魔法を行使していた。 そも魔法力とは、精神面によるところが大きい。 ならば、焦りや不安、或いは体調不良なども行使の妨げになるのである。 俺の見た所、芳佳の秘める魔法力はウィッチとしては最上級。 だが、その大きすぎる魔法力が逆に固有魔法の行使を邪魔しているように思えた。 単純に魔法力を込めれば強固になるシールドと固有魔法は一線を画する。彼女のような固有魔法に求められるのは最高ではなく、寧ろ最適である。 負った怪我や患った病気に対し、最適の魔法力と術式を以って当たることが、最終的に最高の結果を生み出すのだ。 (もっとも、オレの受け売りではないがな) かつて世話になった治癒魔法を有する二人のウィッチの顔を思い浮かべ、兜の下で苦笑を洩らす。 そうしている間にも、敵の攻撃は激しくなっていく。 自身の周りを飛び回るウィッチ達を、倒すべき敵として認識したのか、ネウロイは体勢を買え、地面と垂直の状態で停止した。 以前、エジプトで見たオベルスクのような威容は、まるで不吉を象徴しているかのようだ。 『拙い。そちらを狙っているわ!』 「問題ない。ウィッチほどではないが、此方にもシールドがある」 通信機越しの美緒の言葉に、冷静に返答し、左腕を前に差し出した。 瞬間、ネウロイの攻撃が放たれる。 あらゆる金属を消滅させ、大地と海を割る赤い閃光。 地上の三人に向けて放たれたそれは、オレの身体に直撃する寸前に軌道を代え、あらぬ方向へと飛んでいった。 展開されたシールドが、ネウロイの攻撃を逸らしたのである。 ウィッチのそれとは明らかに性質の異なるシールドは半球状に形成されていた。 『シールドまで……!』 「もっとも、ウィッチのそれより遥かに劣りますがね」 そう、彼の言うとおり、強化外骨格の張るシールドは単純な強固さにおいてはウィッチよりも遥かに劣る。 だが、その球体の形状は大抵の攻撃を受け流し、そして多数かつ他方向からの攻撃を防御可能とネウロイのビームに対しては利便性が高い。 但し、あくまでもネウロイからの攻撃を前提とした防御であり、実体弾による攻撃には極めて脆かった。 「……ッ……何を、している。……速く、ここから離れろ」 「嫌です! 仲間なんですよ、必ず助けます!」 「その力は、敵に使え……。敵を、倒すんだ。私の命は、捨て駒でいいんだ」 勝手なことを言う、俺は思わずそんな言葉が出そうになる。 ウィッチとそこらの兵士とでは、この大戦の最中、命の価値が違う。 ましてやバルクホルンは世界有数のトップエースだ。彼女が上がりを向かえるまでに、一体どれほどのネウロイを倒せるか、計り知れないものがある。 ならば、己自身と芳佳の命を捨てて、バルクホルンの命を救えるのならば――人類側の損失は極めて軽微だ。 (まあ、目的も果たさずに死ぬつもりもないがな) 彼が言う目的は、他のウィッチ達が目指すものとは異なるのか、胸の内で一人呟く。 事実、この状況においてバルクホルンを助けられなければ、万人が納得せざるを得ない理由をつけて離脱するつもりである。 それは逆に言えば、バルクホルンが助かる可能性が高いのであれば、命さえ失わなければよい、という強固な意志の現れでもあった。 「わたしには……、傷ついている人を見捨てるなんて真似、出来ません!」 「………………ッ!」 芳佳の言葉に、心にわだかまっていた何かが洗い流されたような、それこそ憑き物が落ちたような顔で、バルクホルンは優しく微笑んだ。 そんな彼女の心境の変化を察したとは思えないが、ともあれネウロイの攻撃がより苛烈となる。 舌打ちと共にシールドを展開させ、攻撃を逸らすもその衝撃に俺の全身が軋み始めた。 「いや、それより――――ッ」 その程度ならば耐えられる。それ以上に厄介だったのは、熱だ。 強化外骨格のシールドは、ビームの発生に伴う二次被害までは防げなかった。 「……来やがった。――……ッ!」 それにネウロイも気付いたのか、今まで断続的に行ってきた攻撃を連続的に。連続から更には照射に切り替える。 5秒、10秒、20秒。上空のウィッチによる援護も空しく、ネウロイの攻撃は放たれ続けた。 見る間に彼の伸ばした両腕は黒から赤く染まり、金属それ自体が赤熱化している。 一体、鎧の内側何度にまで上昇しているだろう。彼は両腕が焼けていく音を耳にしていた。 だが、それでも悲鳴の一つも上げはしない。そう、彼にとってこの程度の苦痛など、何の障害にもなりはしないのだ。 ――そこが、ネウロイの持つエネルギーの限度だったのか。2分を超える照射がようやく途切れた。 「…………無事か?」 「それは此方の台詞ですよ、大尉」 「そうか。……済まない、迷惑をかけた」 ネウロイの攻撃を凌ぎきった俺は背後で治療を終え、既に立ち上がっていたバルクホルンに軽口で返した。 芳佳は既にバルクホルンの治療で魔法力の大部分を使い果たしたのか、肩で大きく息をしていたが、最低限自分の身を守ることは出来そうだ。 二度三度、両腕を握ては開きを繰り返し、機能性が損なわれていないことを確かめる。 手甲の下は火傷で凄まじい様相を呈しているだろうが、動きさえすれば問題ないと判断し、足元にあった己のライフルを蹴り飛ばした。 「うっ!? ……何を?」 「使ってください。征くのでしょう?」 重量にしておよそ50キロはあるライフルを軽々と蹴り飛ばした方も蹴り飛ばした方だが、受け取った方も受け取った方だ。 もっとも親しんだMG42は一生はこの世から消失し、もう一丁も落下の際に失われ、この森の何処かで眠っている。 そして経験故にか、手にしたライフルの凶悪な威力を、バルクホルンは握ったその手から感じ取っていた。 「装弾数は1発ですから、注意してください」 「外すな、という訳か」 「ええ。オレが先行して装甲を剥がしますから、トドメは任せました。世界最高位のトップエースならば、簡単ですよね?」 「ああ。――――なんてことは、ないっ!!」 何処か挑発するような物言いに、バルクホルンは裂帛の意志で応じた。 俺は地を蹴り、バルクホルンはストライカーユニットで天へと上る。 加速、加速、加速ッ――!! 余計な軌道は不要とばかりに一直線に。愚直ですらあるような軌道で、ネウロイに迫るウィッチと黒い影。 無論、そのような愚考をネウロイが許す筈もない。 二匹の蚊蜻蛉を焼き尽くさんと無数の赤光を放つが、二人は更なる加速を以って掻い潜る。 突如、舞い戻った二人を唖然と見送る四人を今は捨て置き、戦場を翔けた。 余りにも長く感じる、余りにも短い時間の中、先行した俺がネウロイを射程圏内に捉える。 「新兵器だ。遠慮はするな、全弾持っていけ――!」 彼の両肩に装備された新たな武装が、獣の顎のように口を開く。そして、咆哮が響き渡った。 一瞬にして射出される数百発の黒いベアリング弾。 無数の点の攻撃は群れを無し、やがては面の攻撃へと変貌を遂げる。 近接戦闘用指向性炸裂弾。そう名付けられた新兵器は後に誕生するクレイモア地雷によく似ていた。 再生が巻き起こるよりも速く破壊が侵攻していく。 そして宣言通り、全ての弾をネウロイにプレゼントし終わった頃には、コアが剥き出しになっていた。 「これで、――――終わりだッ!」 攻撃の勢いに備えるために静止した俺の後ろから、バルクホルンが躍り出る。 最早、攻撃に転ずる余裕すらないのか、ネウロイは黙ってその現実を受け入れる術はない。 どう足掻いた所で外しようのない距離までコアに接近し、彼女はその引き金を引き絞る――! 基地内テラス 太陽は当に海中へと没し、夜闇が辺りを包み込んでいた。 少し肌寒さを感じる中、隊舎からの明かりが指すテラスで一人煙草を吸っている男が一人。そう、俺である。 戦闘が終了し、色々と面倒ごとが多かった彼であったが、今はようやく一服できる余裕が出来たようだ。 戦闘終了直後にミーナが泣きながらバルクホルンの頬を張って説教をしたり、ペリーヌと芳佳に礼と共に頭を下げられたり、美緒に称賛の言葉を貰ったりと大変だった。 しかし、と吐き出しだした紫煙が夜風に消えていく様を見ながら呟く。 「とんだ失敗作だったな、アレ」 そう、彼の使った新兵器は欠陥品だった。 その証拠に彼の額には真新しい白い包帯が巻かれている。 無論、ネウロイの攻撃によって受けたものではない。それは包帯が指先まで巻かれた両腕だけである。 両腕は重度の火傷を負ったが、彼に手術は必要なかった。手甲を外した時にベロンと皮が剥がれた時は、彼女達の前で外さなくてよかった、と心底思った程度だ。 新兵器の問題は、余りに近い距離故に跳弾を引き起こしてしまうこと。 実際に、彼は頭部のみでなく身体の前面が隈なく打撲で覆われている。 「距離が近ければ跳弾に巻き込まれ、離れれば味方への誤射に繋がるなんてな。笑えんぞ、冗談抜きで」 不幸中の幸いは、バルクホルンに跳弾が当たらなかったことだろう。そうでもなければ、今この場に彼はいないのだ。 しかし、あの破壊力は魅力的だ。巧く改良すれば、より強力な兵器になる。 俺が使うと決めた以上は、どうやって跳弾とネウロイの攻撃による誘爆を防ぐかが、これからの開発班の課題となりそうである。 「……俺少尉」 「バルクホルン大尉ですか。と、失礼しました」 「ああ、いや、そのままで構わない」 「はあ、そうですか」 持ってきた灰皿で煙草を揉み消して姿勢を正そうとする俺を片手で制し、バルクホルンは一定の距離を開けて隣に立つ。 規律が第一の女傑という印象を持っていた俺は、どこかしおらしい彼女の姿に首を傾げそうになる。 ともあれ、上官の許可はおりているのだ。あくまでも自然に、自分のしたい格好でいればいい。 テラスの柵に寄りかかり、肺一杯に紫煙を吸い込む。 「…………それで、大尉。身体の方に異常は?」 「あ、ああ。精密な結果はまだ分からないようだが、医師の診断では問題ないそうだ。傷も残らん」 「左様で。それは重畳」 暫く経っても口を開かないバルクホルンに業を煮やし、俺の方から話しかけた。 帰ってきた台詞は予想通りで、取り敢えず安堵の言葉を返しておく。 「……………………」 「あの、大尉? 何か御用が?」 「い、いや。そ、それは、だな」 歯切れの悪い返事と挙動不審に目が左右に泳いでいる様子に、なんだコイツといった視線を送る俺。 此処で頬を赤く染めてもいれば、彼くらいの男なら愉快な勘違いでもしそうなものだが、生憎と頬は染まっていなかった。 可愛らしさよりも挙動不審さが目立つ彼女であったが、深呼吸をして落ち着きを取り戻す。 「済まなかった。今回は皆に迷惑をかけた」 「謝るのなら一番動揺していたクロステルマン中尉に、礼なら一番尽力した宮藤に言ってやってください」 「もう言ったさ。中尉には先に謝られてしまったがな」 そうですか、と答えた俺の脳裏には、バルクホルンの顔を見た瞬間、頭を下げるペリーヌの姿が掠めていた。 責任感と気位の高い、何とも彼女らしい行為だ。 「………………何も聞かないんだな」 「ええ。余り興味がないので」 「随分、はっきりと言うな」 ずばっと竹を割ったようなあっさりとした返答にバルクホルンは苦笑する。 俺が何も聞かないのは興味がないのが半分、そしておおよその見当はついていることが半分であった。 俺の推察では、バルクホルンは失った誰かを、或いは失いかけた誰かの影を宮藤に重ねたのだろうというものだ。 そうであれば初めての顔合わせの際に見せた、場にそぐわない芳佳に向けられた視線にも納得がいく。 そして、それは的を射ていた。 「妹と宮藤がよく似ていてな。自分でもそれがどうかしていたと思うのだが、どうにも焦りを止められなかった」 「妹さんは、存命で?」 「ああ。だが、カールスラント撤退戦の際、私の目の前で重症を負ったまま、今もブリタニアの病院で眠り続けているよ」 「そうですか。亡くなっていないだけマシとは言え、少々酷ではありますね」 同情も憐憫もせず、彼女の境遇に淡々とした口調で意見を述べる。 彼には彼女の痛みも苦しみも理解できない。そもそも生まれてこの方、彼に家族と呼べるものは存在しなかった。 「ああ。だから、今度休暇を貰って見舞いに行こうと思っている」 「成程、ヴィルケ中佐と何か話していると思いましたが、その事についてでしたか」 「そうだ。まだ出会ったばかりの少尉に、こんなことを教えるのも何か可笑しな話だがな」 「つまり、他人にそれを伝えたくなるほど楽しみで堪らない、という訳ですか」 「か、からかうんじゃない!」 顔を真っ赤しつつも、決して否定はしないバルクホルン。 そんな彼女の姿に、俺は無表情の上から意地の悪げな笑みを貼り付けた。 「冗談はさておき。妹さんに会ったら、何でもいいから話しかけてあげてください」 「それはそのつもりだが、何故?」 「医学で解明された訳ではないですが、意識不明の患者に話しかけると意識が回復する可能性が高くなるんですよ」 「な、なに!? それは本当かッ!?」 「実際に目にした訳ではないので確かなことは言えないですが、眠っていた際に話しかけていた内容を覚えている、なんて例もあるらしいです」 「そんなことまで、あるのか……」 「人間の脳はまだまだ解明できていない部分が殆どですから。親しい人間の言葉が脳を刺激し、意識回復の一因を担うというのも、あながち不思議な話じゃない」 そういうと、見えてきた僅かな希望に打ち振るえるバルクホルンを尻目に、遠くの星を眺めながら煙草を吸った。 「そうか。なら、私は明日に備えて休ませて貰う!」 見舞いに行くの明日かよ、急な話だなおい、と心の中でツッコミを入れつつも、決して口には出さない。 俺とは言えど、他人の幸せな気分に水を指すのは気が引けた。 「そうだ。すっかり忘れていた」 「……まだ何か?」 「わたしと話す時は階級も敬語もいらん。わたしのような小娘に気を使う必要はない」 規律を重んじるバルクホルンを知る人間であれば、明日は槍が降るんじゃないのかという気分にさせる破格の提案だった。 それは今日の戦闘において最も冷静沈着で、戦士として一流の振る舞いを見せた俺に対する彼女なりの不器用な敬意の現れである。 そして、不用意に戦場で心を乱した、大人になりきれない自分自身への戒めも篭められていた。 「了解した。対価といっては何だが、君が思い詰めたら、年上として愚痴くらいは聞こう。 また無茶をされたら堪ったものではないし、ヴィルケ中佐の胃に穴でも開いたら大変だからな」 「ふッ、言っていろ。――――ありがとう。感謝している」 俺の皮肉に晴々とした笑顔を浮かべ、自室へ帰っていったであろうバルクホルンの背中を見送り、最後に煙草を吸う。 綺麗に根元まで吸い切ってから残った火種を灰皿の上で揉み消しつつ、紫煙を吐き出す。 煙草を吸った時特有の倦怠感、それとは別の多幸感を感じながら、ボンヤリとした思考でポツリと呟く。 「――――変な女」 彼の言葉は無論、彼女を侮辱するものではなく、何とも言えない気分にしてくれた彼女の意趣返しであった。 戻る
https://w.atwiki.jp/mechashor/pages/26.html
《四式地上用外骨格「チト」》 セイバー開発以来、日本はフィーンドに制圧された東アジア・東南アジア諸国の解放を支援する「大東亜共栄圏」構想に基づく作戦を展開している。 だが、帝国陸軍が有する地上戦用機材は1942年までの南方作戦当時の戦訓を十分に活かしているとは言えず、特に力場貫徹力に問題があった。 この有り様では外地の継続的な防衛は困難という判断のもと、世界水準に合わせて新造された機体が「チト」である。 事実、コアの励起能力と冷却性能を旧来以上に高めた新式の発動機により、総合的なパフォーマンスは従来型より大きく向上。 目新しい部分はないが、既存の技術を堅実にブラッシュアップした「チト」は、今後帝国陸軍の主力として台頭していくだろう。 外観は陸戦セイバーのスタンダードに近く、膝および肘の関節から先、胸から臍にかけてを国防色の装甲が覆う形態。 インナーの清潔性を保つことが難しい東南アジア戦線での継続的な戦闘を想定しているため、軍服での着用が基本となる。 頭部はおわん型のヘルメットで防護され、通信機やマイクといった機能もここに集約されている。 移動用のキャタピラは脹脛装甲に懸架されており、使用時には踵に設けられた「コ」の字の窪みに陥入。 ソールの小型履帯と合わせて高速走行が可能である上、砲撃時の接地面積を拡大する効果もある。 戦地の兵士によると、チャームポイントは左右の腰を防護する前が空いたスカートのような形状の防盾だとか。 【兵装】 二式自動砲 セイバー実用化以前、1937年から使用されてきた「九七式自動砲」の後継機種にあたる20mm口径の対フィーンドライフル。ガス圧作動方式。 小隊運用を前提とした対戦車ライフルであった九七式とは異なり、当初から完全にセイバーの運用を前提として開発されている。 そのため後脚の省略や二脚の小型化といった変更が加えられ、銃身長120cmに対して、全長154cm・重量45kgと(比較的)コンパクト。 装弾数は10発で、予備弾倉は両腰防盾の内側で保持されている。 肝心要の威力も十分で、チトのコア出力で使用すれば射程700mでカテゴリー3フィーンドの力場を貫通し、接射すればハイブの隔壁を容易く破砕する。 散開した軟目標に対処するために榴弾を発射することもでき、取り回しはよくないものの汎用性は高い。 また銃身下部には着剣が可能。カテゴリー1のフィーンドであれば、銃剣(というより槍)としての運用で十分に対処できる。 九九式特装機関銃 1939年にロールアウトした7.7mm口径の軽機関銃がベースの、セイバー用副武装。 今となっては旧式だが、高い信頼性ゆえに対小型フィーンド用に割り切った上で現役を保つ。 生身の歩兵でも使用可能な火器でも、フィールドへの干渉能力があるとないとでは有用性に天と地ほどの差が生じるという好例である。 多くの場合、排莢方向の都合から右肩フレームに装備され、引き金を引かなくてもコアを介して論理トリガを作動させ射撃が可能。
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1445.html
1945年 夏 ブリタニア 第501統合戦闘航空団基地 「…………はあ」 「おいおい、どうしたミーナ。急にそんな溜息なんぞついて」 「これを見れば、溜息の一つもつきたくなるわ」 水平線から顔を出したばかりの朝日が差し込む執務室で、第501統合戦闘航空団司令、 ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケの口唇から盛大な溜息が漏れる。 その横で資料に目を通していた坂本美緒が声を掛けるが、 返ってきたのは頭痛に耐えるような重さが宿る声と、それに応じて差し出された書類だった。 「何だ。今日来る予定の追加人員の通達と資料じゃないか。此処は最前線だぞ、戦力が多いに越したことはない」 「ただの追加人員なら、ね」 「…………?」 含みのある発言に首を傾げる美緒であったが、 クリップで止められた資料を捲るにつれて表情が怪訝なものに変わっていく。 「これは、本当なのか?」 「ええ。それも、チャーチル首相肝煎りの部隊らしいわ」 「我々ウィッチに肩入れをしている裏で、こんな部隊を独自に組織していたのか。あの狸め」 「それを首相を聞いたら、きっと喜ぶでしょうね」 脳裏に浮かぶシニカルな笑みを浮かべるブリタニア首相の姿に、ミーナはもう一度大きな溜息をついた。 その瞬間、基地にネウロイの襲来を知らせる警報が鳴り響く。 ミーナと美緒は一瞬だけ視線を交わすと、手にしていた資料を放り、ミーティングルームへと走り出した。 後に残されたのは、主が不在となり閑散とした執務室と鳴り響く警報、机の上の資料のみ。 結局、美緒が目を通すことの叶わなかった資料のページにはこう書かれていた。 『汎用強化外骨格開発部隊』 ブリタニア上空 地上より遥か。天空を矢の如く飛翔する影が一つ。 一般人では視認することすら叶わない高度を、既存の航空機とは明らかに形の異なる人型が飛んでいた。 大半の人間ならばウィッチと判断するであろうそれは、見る者が見れば――いや、仮に間近でそれを見たのならば明らかな違いに気付いただろう。 ウィッチならばストライカーを履いており、上半身や顔は確認できる。だが、それは一部の隙もない黒い鎧で全身を覆っていた。 中世ヨーロッパの騎士や扶桑の武士が纏っていたものとも異なる異形の鎧。 更に手には剣ではなく、巨大なライフルを握っていた。 表面を時折奔る赤い光のラインと相俟って、鎧から連想させるのは空を飛ぶウィッチと言うよりも――寧ろ彼女達の、人類の敵が思い浮かぶ。 『調子はどうだい、俺君?』 「無線の感度も良好、相変わらずだ。何も変わらんよ、ドク」 『それは重畳。だが、メディカルチェックは必要だ。キチンと受けてくれ』 「いまさら、そんなものが必要だとは思えんがな」 『……………………』 「冗談だ。そこで黙るなよ」 『世の中には笑えない冗談と言うものもあるのだよ。と言うよりも、そもそも冗談になっていないがね』 だが、それは間違いだった。 恐らくは無線で通信しているのだろう。男同士が軽口を叩き合っていた。 そもそも、ネウロイであったのならば、こんなにも堂々と国の上空を飛んでなどいられない。ネウロイとて、突如として出現する訳ではないのだ。 「しかし、こうやってわざわざ飛んでいく必要があるのか? トラックなりなんなりあっただろうに」 『まあ、それはそうなのだがね。研究と機材の搬入に、てこずってしまったのだよ。そうこうしている間に期日という訳さ』 「やれやれだ。これだから研究者という奴は」 『そう言ってくれるなよ。我々の気質は根っからだ。軍に入ってもそれは変わらないさ』 「だろうな。何年たっても改善しようとしないのは問題だがな。………………そう言えば、501の方には着陸許可は取っているのか」 『…………………………』 長い長い沈黙は許可どころか、彼が空を飛んで基地に向かっていることすら伝えていない何よりの証であった。 おいおい、と言わんばかりに手を額に持っていき、首を振る人型。 通信相手の肝心な時の抜けっぷりには慣れていた筈だが、これには流石に頭痛を感じずにはいられない。 「ネウロイとされて撃墜、なんて冗談じゃ――――――む」 『どうかしたのかい?』 動悸でもしたのか、軽口を止めると男は胸に手を当てる。 その行為は集中する為のものだったのか、或いは何らかの能力か機能を発揮させる為のものなのかは、本人にしか知りえなかった。 「……ネウロイがいる、な。距離が離れすぎていて、どの程度の規模かは分からんが」 『何? おい、今日はネウロイの襲来予想日じゃないぞ』 「最近、奴らの襲来が不定期になってきているという話を聞いた。別段、不思議でも可笑しくもない。奴らも日々進化しているということだ」 『だが、…………どうかしましたか? はい、はい。…………たった今、報告が入った。ネウロイを確認、ウィッチが出撃したそうだ』 「そうか。念の為、速度を上げる。通信を切るぞ」 『了解。無茶だけはしないでくれ』 男はその言葉に返答をせず、通信を切った。 間髪いれず、鎧の背面部分についていたパーツが体表から離れ、二つに開く。 一見すれば、翼のように見えなくもない。 だが、次の瞬間、それが揚力を得るための翼ではないことが明確となった。 翼の開いた部分から赤い光が溢れ出したのだ。同時に、鎧の表面に奔っていた光のラインも加速していく。 炎とは明らかに性質の異なるエネルギーのそれは、爆発的な勢いで黒い鎧を加速させる。 成程、どうやらその翼は揚力ではなく、推力を得る為のものらしい。 「さて、何事もなければいいがな」 漏らした呟きは、既に出撃したウィッチの身を案じるものではなく、自身に起きるかもしれないトラブルを心配してのものだった。 彼はネウロイとの大戦が始まって以来、世界各地のウィッチと共闘してきた。 しかし、その黒い鎧を纏った姿から何度となくネウロイと誤認されている。酷い時には銃口を向けられるどころか、引き金を引かれたことまである。 幸い、その時は事なきを得たが、二度も三度もそんなことが起きれば、いつかは撃墜されるのは目に見えていた。 最悪の展開を頭の中から弾き出し、精神を最適の状態に保つ。 戦場で生き残るには、常に冷静な判断力が必要だ。それを失った者から死んでいく。彼はそれを骨身に染みるほど理解していた。 鎧を纏った戦士は飛ぶ。全てを失った先に得た、一つの誓いを果たす為に。 501基地付近上空 「――やるものだな」 それは見事な射撃だった。 ネウロイの回避位置を予測し、ボーイズライフルによる正確な五連射。 初弾から敵を掠めつつ、次弾、次々弾と装甲を深く突き貫き、最後の魔弾によってコアを完砕してのけた。 偏差射撃と呼ばれるテクニック。とても素人の行える技術ではない。 ウィッチ特有の固有魔法の助けはあれど、ひたむきな努力が技術の骨子を支えている――そんな射撃であった。 コアを砕かれたネウロイは塵となって消え失せる。 凄まじい爆風によって、黒い異形とは真逆の色に空の一部を染めながら、自らの破片を撒き散らした。 「やった! やったよ、宮藤さん!」 「う、う~、ちょ、ちょっと待って!」 ネウロイを倒した立役者であるリネット・ビショップと宮藤芳佳は、全身で喜びを表現しつつ抱き合うが、ストライカーを操り損ね、海へと落下していった。 「おいおい。射撃の腕前は確かでも、これじゃあ素人丸出しだな」 ウィッチの固有魔法である遠望視でもなければ視認できないような遥か彼方で、二人の様子を眺めつつ、男は苦笑を漏らす。 (確か、ボーイズライフルを使うのは新人一人だけだったはず。流石は統合戦闘航空団。新人でも恐ろしい伸び代があるということか) 飛行のスピードを緩めることなく、頭の中から501JFWの人員リストを引っ張り出し、一人向かう隊の戦力を分析していた。 「――――ッ。……チッ、伏兵か!?」 リーネと芳佳が落下した地点から10時の方向に、全く同型のネウロイが凄まじい速度で飛翔していた。 但し、今度は海面と水平にではなく、上空から落下するように。 先のネウロイによって監視所の目を引き付け、奴は上空の雲の中を悠々と突き進んできたのだ。 海面に落下した二人は愚か、残りの隊員の到着も間に合わない致命的な距離。 「間に合うのは、俺だけか……!」 そんな中、幸運にも彼だけが対処可能な距離に居た。 定められている限界性能を引きずりだし、トップスピードにまで加速する。 急加速のGに耐え、手にしている特別性ライフルの銃口を向け、コアが存在するであろう部分に狙いを定める。 何も難しいことはない。全ての状況は男に味方している。 「こんな幸運、あと何度あることやら」 どうやら、彼は自らの幸運を自覚していたらしく、一人呟く。 彼の幸運は三つ。 一つは距離。余りにネウロイと離れていれば、最早手の打ちようはなかった。 一つはリーネが倒したネウロイと同型であったこと。最早、コアの位置は考えるまでもない。 更には、ビームを打たず、自らが目標地点に突撃・粉砕するタイプのネウロイとは戦闘経験があった。 あのタイプはスピードのみにその性能を特化させたがためか、攻撃も防御も回避もままならない。 故に、コアはもっとも安全な装甲の中心点に存在する。 そして、最大の幸運は――――――奴がまだ男の存在に気付いていないこと。 ――――! 「たわけ。気付くのが遅すぎる」 男が引き金を引くや、轟音と共に弾丸が吐き出される。 音速を容易く突き破った弾丸は、魔法を一切解さない純然たる偏差射撃によって装甲に突き刺さる。 もし、ネウロイに感情があるのならば笑っていただろう。 純然たる技術、ただの人間の武器など、彼らにとって何の脅威足りえない。彼らにとっての脅威とは魔法力とウィッチにおいて他ならない。 ――その通りだ、化け物。お前の認識は間違っていない。だが、それでも、人を舐めない方がいい。 着弾の瞬間、弾丸はネウロイの軌道を乱すほどの爆発を巻き起こす。 通常の弾丸ではネウロイは倒せない。例え、弾丸が当たったとしても、それ自体を吸収し、瞬く間に再生を許してしまう。 ならば弾丸を残さず、更には広範囲に渡って装甲を破壊する小型の炸裂弾を使用するまで。 人間の英知と技術の詰まった一撃―――それでもなお、ネウロイは健在だった。 装甲の破壊こそ成功しているものの、コアは露出しているものの、コアの破壊にまで至っていない。 更に、男の持っていたライフルは、デグチャレフPTRDの設計図を元に作られており、装弾数はたったの1発。 弾丸を装填し、射撃を行う頃には基地は見る影もなく破壊されているだろう。 しかし、男は甲冑の下で笑う。そんなことは初めから分かっていた、と。 浮かべていたのは自らの努力を自嘲するものではなく、会心の笑み。 勝利を確信しながらも、僅かな油断もみせない歴戦の戦士のそれであった。 鎧のウイングが更に大きく開き、彼の体勢が反転する。頭部を後方へ、脚部を前方へと向けられる。 速度に停滞はない。文字通り、己自身を矢にした、砲弾にした一撃。今まで行動は全て、この一撃を叩き込む為の布石に過ぎない。 そして、二つの軌跡が交差する――! 突き出された右脚は、再生によって装甲の奥へと消えようとしているコアを正確に捉えていた。 生み出される衝撃と威力は、8.8cm砲が如く。 直撃を受けたネウロイはその身を真っ二つにへし折られ、コアは装甲の外に弾き出された瞬間に砕け散る。 さながら、勝敗を決する天秤が傾くように。 勝者はその勝利を謳うように天上へ、敗者はその敗北を受けいれるように海面へ落下していく。 背後に砕けるネウロイの破片を見つつ、慣性の法則に抗うような急制動を行った。 周囲に更なる敵影が存在しないことを確認し、戦闘の終了を確信する。 「ミーナ中佐、アレってネウロイじゃないのカ!?」 「ネウロイ同士が戦うなんてことはないと思うけれど。いえ、アレは…………」 今しがた勝利した黒い人型を視認できる距離に居たミーナと部下であるエイラ・イルマタル・ユーティライネンは、それが味方であるのか判断しかねていた。 だが、ミーナは脳裏に浮かんだ追加人員の資料が思い浮かぶ。 それに関する設計図や写真はなかったが、文面から伝わってきたイメージと黒い鎧が一致する。 『ガ――ガガ、え――か? ガ――あー、そこのウィッチ、聞こえているか?』 「聞こえています。こちら、第501統合戦闘航空団隊長、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。そちらの所属と目的を」 『と、失礼致しました。こちら、ブリタニア空軍、汎用強化外骨格開発部隊所属、俺少尉です。本日付で第501統合戦闘航空団に配属となります』 俺は空中で静止しながら、綺麗な敬礼を行った。 『緊急時とはいえ、独断による行動をお許し下さい』 「その件に関してはむしろ助かりました。隊を代表して礼を言います。ありがとう」 『いや、お気になさらず。それよりも、何かと手続きもありますのでそろそろ着陸しても?』 「ええ。けれど、次からは移動手段も先に連絡を貰えるとありがたいわ」 『それに関しては申し開きの余地がない。大変申し訳ありません。……と、そうだ』 「――? まだ何か?」 いえ、と下に指を差す。 それを何とか目にしたミーナとエイラは、あ、と漏らした。 そう、余りの展開と光景に忘れ去られたリーネと芳佳が抱き合うようにして海面に浮いていたのだ。 『二人の回収、手伝った方が?』 「……お願いするわ。エイラさんも、行ってあげてちょうだい」 「リョーカーイ」 二人が海面へと降下していくのを見送って、ミーナは一人大きな溜息をついた。 新隊員が男であるという事実、一部上層部との軋轢、積み重なった書類の山――そして何より、変わり始めたネウロイの襲来周期と侵略方法。 それらは彼女でなくとも溜息をつきたくなるほどの心労であることは、誰の目から見ても明らかであった。
https://w.atwiki.jp/edh-commander/pages/232.html
生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton (4) アーティファクト — 装備品(Equipment) 装備しているクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに感染を持つ。(それは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える。) 生体融合外骨格がいずれかのパーマネントからはずれるたび、そのパーマネントを生け贄に捧げる。 装備(2) 引用元 Wisdom Guild 評価 装備したクリーチャーに+2/+2の修整と感染を与える装備品。 外されたときに装備していたクリーチャーが生け贄に捧げられてしまうというデメリットも併せ持っている。 初期ライフが40点もある統率者戦では、対戦相手のライフを戦闘で削りきるのは中々大変。しかし、毒カウンターならば他のフォーマットと同じ10個で済むので、対戦相手を敗北させるのに必要な打点を大幅に省力化できる。 クリーチャーの打点を挙げられる統率者とは好相性。 例えば、歓楽の神、ゼナゴス(Xenagos, God of Revels)と組み合わせた場合ではパワーが3のクリーチャーが居ればそれだけで十分な打点。生体融合外骨格を装備してパワー5、ゼナゴスの能力でパワーを倍加してパワー10。戦闘ダメージが通れば毒カウンターが10個与えられて一撃必殺である。 統率者自身の打点が高い場合にも勿論有効。特にパワー3以上の二段攻撃持ちの統率者は生体融合外骨格を装備すると一撃で相手を倒せるようになる。 戦闘で相手をぶちのめしたいプレイヤーにとって、非常に有用な装備品と言える。 ただし、生体融合外骨格が外された(壊された)時に装備しているパーマネントを生け贄に捧げなくてはならないデメリットは決して無視できるものではないので注意すること。統率者戦ではアーティファクト対策の採用率が高い為、装備しているクリーチャーごと対処されてしまうリスクは常に付きまとってくる。 総合的に見てハイリスク・ハイリターンなカードと言えるだろう。 もっと手軽に毒殺を楽しみたいならば、汚れた一撃(Tainted Strike)という選択肢もある。使い切りのインスタントであり、固有色が黒のカードであるためどんなデッキにも採用できるというわけではないが、インスタントゆえの高い奇襲性と対戦相手のクリーチャーにも使用できる柔軟性がある。 類似カード 融合する武具(Grafted Wargear) - 同じデメリットを持つ装備品。 審問官のフレイル(Inquisitor s Flail) - 別の形で大幅に打点を上げる装備品。 汚れた一撃(Tainted Strike) - 単体に感染を与える黒のインスタント。 大軍の功績(Triumph of the Hordes) - 全体に感染を与える緑のソーサリー。 相性の良い統率者 世界の咆哮、アラーボ(Arahbo, Roar of the World) 放浪の騎士、バーラン(Balan, Wandering Knight) 粗野な牧人、ブルース・タール(Bruse Tarl, Boorish Herder) 黄金夜の刃、ギセラ(Gisela, Blade of Goldnight) 信義の神オケチラ(Oketra the True) 造反の代弁者、サムト(Samut, Voice of Dissent) 沈黙の大嵐、シュー・ユン(Shu Yun, the Silent Tempest) 歓楽の神、ゼナゴス(Xenagos, God of Revels) 他多数。
https://w.atwiki.jp/robotama/pages/366.html
※正式名称が非常に長い為、ページ名を短縮しています。 全領域汎用人型決戦外骨格 SOS-01 ハルヒロボ(ハルヒ☆隊長☆専用機)~ORIGINAL COLOR EDITION~ 【ぜんりょういきはんようひとがたけっせんがいこっかく えすおーえすぜろわん はるひろぼ(はるひ☆たいちょう☆せんようき)~おりじなるからーえでぃしょん~】 情報 作品名 涼宮ハルヒの憂鬱 カテゴリ COMOPOSITE Ver.Ka 定価 5,000円 発売日 2011年11月25日(金)~27日(日)(魂NATION2011会場にて販売) 受注開始 2011年12月26日(月)16 00 受注締切 2012年01月24日(火)16 00 発送開始 2012年02月15日(水) 商品全高 約220mm(ハルヒ本体:約140㎜) 付属品 手首:×12(握り手×2、持ち手×2、銃持ち手×2、平手×2、ピース手×2、指差し手×2) 武器:ライフル、ライフル用グリップ 表情:通常顔、笑顔 頭部:ウサ耳あり、ウサ耳なし その他:バイザー付き前髪、ハルヒロボ本体、専用スタンド 商品画像 商品解説 ハルヒロボのバージョンアップ版。 バニースーツとハルヒロボはメタリック塗装に変更され、長門ロボの巨大マニュピレーターが追加されている。 評価点 問題点 不具合情報 関連商品 全領域汎用人型決戦外骨格 ハルヒロボ 全領域汎用人型決戦外骨格 長門ロボ 全領域汎用人型決戦外骨格 みくるロボ キョンの妹ロボ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/intellectuals/pages/17.html
骨格の仕組み-内骨格と外骨格で構成されており、支持作用・保護(内臓や脳)・運動作用などの機能を果たしてる。 骨格模型 A10.jpg A10-1.jpg A18.jpg 骨格模型 骨格模型 骨格模型 骨格図 J8943PL.jpg J8943RR.jpg OG019.jpg 骨格図 骨格図 骨格図 骨格 一般書 カラー図解 骨のしくみ・はたらき事典 心ビジュアルブック骨―骨格から探る生き物のふしぎ 参考 女の骨格 名画に隠された秘密 ホネ事典 (「知」のビジュアル百科) 骨の学校―ぼくらの骨格標本のつくり方