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『ゆっくりとなかよくゆっくりするよ』 14KB いじめ いたづら 日常模様 野良ゆ 子ゆ 現代 ゆっくりしてもらえたらうれしいです。 ある秋の晴れた日のこと。 お姉さんは散歩の途中に近所の公園に立ち寄った。 今日は気分がいい。 こんな日はゆっくりと遊んでみようかな。 そう思いながらあたりを見回した。 少し離れたところに揉み上げでビー玉をころころと転がして遊ぶ子れいむを発見した。 お姉さんはゆっくりと近づいて行った。 子れいむが持っているビー玉はラムネの空きビンからでも近所の子どもが取り出したものでも拾ったのだろう。 無色透明のただのガラス玉である。 最も今は薄汚れてはいるが。 「こんにちは。ゆっくりしていってね。」 お姉さんは子れいむに声をかけた。 『ゆっくりとなかよくゆっくりするよ』 「ゆゆっ!?・・・ゆっくりしていってね?」 いきなり声をかけられて子れいむは驚いたようだった。 「うわぁ~。とってもゆっくりした物を持っているのね。」 お姉さんは子れいむの持っているビー玉をじっと見た。 「ゆん。ほめてくれちぇ、ゆっくちありがちょう。このいしさんはきらきらしていてとってもゆっくちできるの。れいみゅのたからものさんだよ。」 子れいむがお姉さんににっこりほほ笑んだ。 ゆっくり愛で派の人ならQNQNしてしまいそうな笑顔だ。 「そっかぁ~。とってもゆっくりできそうな『いしさん』だね。自分で見つけたの?」 「ゆ・・・おともだちのまりちゃが・・・、れいみゅにぷれぜんとしてくれたの・・・。」 れいみゅの表情に暗い影が落ちた。 「いいお友達ね。いつも一緒に遊んでいるの?」 「まりちゃはね・・・そにょ・・・にんげんさんのすぃーにつぶされてえいえんにゆっくちしちゃったの・・・ゆっぐゆっぐ。 おおきくなったられいみゅといっしょにずーっとゆっくちしようねってやくそくしてたのに・・・。ゆーん!ゆーん!」 どうやらまりちゃの話はれいみゅにとって『地雷』だったようだ。 れいみゅはゆんゆんと泣きはじめた。 「そう・・・・それは(車のタイヤが汚れたドライバーが)可哀そうだったね。」 お姉さんは口もとがニヤけそうになるのをこらえる。 「ゆっぐ、ゆっぐ。だかりゃ・・・れいみゅね・・・、まりちゃのぶんまでもっともっとゆっくちすることにしたの・・・。」 「そうなのかー(ぶっちゃけどうでもいいわ)。」 れいみゅはゆぐゆぐ泣いていたが2,3分で泣きやんだ。 そしてまたもみあげでビー玉を転がし遊びはじめた。 「ねえ、れいみゅちゃん。そのいしさんとってもゆっくりしてるよね。」 「ゆぅ。とってもゆっくちしてるよ。」 「じゃあ、そのゆっくりした石さん、お姉さんに頂戴ね。」 「ゆゆっ!?」 「頂戴ね。そのゆっくりした石さんをお姉さんに頂戴ね。もらってあげる。すぐでいいよ。」 「ゆ・・・ゆゆ!?だ・・・だみぇだよ!これはれいみょのだいじなだいじなたからものさんなの!まりちゃからもらっただいじな・・・。」 「いいなぁ~。ゆっくりした石さんいいなぁ~。」 お姉さんはれいみゅに顔を近づけて舐めまわすようにビー玉を見る。 「でみょ・・・でみょ・・・、これはれいみゅのたからもにょ・・・。」 次の瞬間お姉さんはれいみゅの目を見て睨みつけ、そしてどなった。 「あっそ!れいみゅちゃんはゆっくりできるものを独り占めするんだ!独り占めはゆっくりできないんだよ!」 「ひとりじめじゃなくちぇ・・・これはれいみゅの・・・。」 れいみゅがいまにも泣きそうな顔をする。 「ゆっくりできるものを独り占めするゆっくりはゲスだよ!」 「でみょ・・・これは・・・まりちゃが・・・」 れいみゅの目に涙がにじむ。 「ゲスなゆっくりはゆっくりできないね!ゆっくりできないゆっくりにはお仕置きが必要だよ!」 「れいみゅはゲスじゃな・・・、れいみゅの・・・たからもにょ・・・ゆ・・・ゆーん!ゆーん!」 れいみゅはどうしたらいいのかわからなくなりしーしーを漏らしながら再び泣きはじめた。 ゆーゆーと泣き叫ぶれいみゅの声を聞きつけたのだろう。 向こうからぽよんぽよんと母まりさがあわてて跳ねてきた。 「おちびちゃん!どうかしたの!どこかいたいの!ゆっくりしてね!ゆっくりしていってね!」 「ゆーん!ゆーん!おきゃーしゃーん!ゆっくち!ゆっくちぃぃぃ!」 「まりさがこのれいむのお母さん?」 お姉さんはまりさを睨んだ。 「ゆゆ!にんげんさん!ゆっくりしていってね!そうだよまりさがれいむのおかあさんだよ。 あの・・・まさか・・・れいむがにんげんさんにしつれいなことをしたの・・・・?」 母まりさはビクビクしながらお姉さんに尋ねた。 このあたりの野良ゆっくりは人間の怖さを理解している。 ゆっくりがたくさん集まって戦っても一人の人間にすら絶対に勝つことはできないということ。 自分たちゆっくりが少しでも人間が不快に思うようなことをすればすぐに加工所に連絡されること。 そして一斉駆除によって関係のないゆっくりまで多くのゆっくりが永遠にゆっくりさせられていまうということ。 「そのれいむがゆっくりを独り占めしてるの。私に『きれいな石さん』をくれないし、とってもゆっくりしてないれいむね。」 「だっちぇ、だっちぇ、これはれいみゅの・・・。」 れいみゅは母まりさをすがるような目でみた。 お母さんなら自分を助けてくれると期待しながら。 「おちびちゃん!そのいしさんをおねえさんにゆっくりあげてね!ゆっくりをひとりじめするのはゲスすることだよ!」 この母まりさはもちろんビー玉が子れいむにとって大事なものだと理解していた。 友達だったまりさの形見なのだから。 それに1つのビー玉を2つにわけることはできない。 そのまま渡すしかないこともわかっていた。 「やじゃぁ!やじゃやじゃやじゃぁ~~~!これはれいみゅのものなの!まりさからもらったたいっせちゅなものなにょにぃぃぃ!」 れいみゅにとっては本当に大切なものなのだ。 絶対に渡したくなどはなかった。 「くちごたえはゆっくりできないんだよ!」 まりさはおさげで子れいむを叩いた。 もちろんかなり手加減して叩いたのだが、自分の味方をしてくれると思っていた母から叩かれたことはれいみゅの心を深く傷つけたのだった。 「ゆ・・・。ゆえ~ん!ゆえ~ん!」 れいみゅが絶望の中泣き叫んだ。 自分の味方がいないのだ。 母まりさだって本当は子れいむの大切にしているきれいないしさんを人間のお姉さんに渡したくなどなかった。 でもそれはできない。 人間さんは怖い。 逆らったら子れいむは永遠にゆっくりさせられてしまうかもしれない。 人間さんはとても強い。 もし人間がおちびちゃんに何かしようとしても助けてあげることはできないだろう。 それにここで人間さんがおちびちゃんの宝物をとるのをやめて帰ったとしても、 なにかの理由をつけられて加工所に連絡されるかもしれない。 そしたら一斉駆除によって無関係なこの公園に住むゆっくりも永遠にゆっくりさせられてしまう可能性だってあるのだ。 ここは『おちびちゃんのきれいないしさん』を渡して納得してもらうのが一番丸く収まるはずなのだ。 もちろんきれいないしさんがおちびちゃんにとって大切なものだと理解している。 でも仕方がないのだ。 あとで自分は可哀そうなおちびちゃんに素敵なプレゼントをしてあげよう。 そうして慰めてあげよう。 それが最も穏便に済ませる方法に違いないのだ。 「ほら、ゆっくりおねえさんにあげようね。そのほうがおねえさんもおちびちゃんもゆっくりできるんだよ。」 「ゆぅぅ~。」 れいみゅはもみあげでビー玉をころがすと、そっとお姉さんのほうに差し出した。 「え?くれるの?れいむちゃんの大切なものなのに?れいむちゃんはとってもゆっくりしてるね。催促したようで悪いわね~。」 お姉さんはとってもうれしそうな表情をした。 まりさはお姉さんをゆっくりしていない目で見つめた。 お前が催促したんじゃないかと。 「・・・おねえさん、これはれいみゅのたからもにょだったの。・・・・・たいせつにしてね。」 れいむの砂糖水の涙でうるんだ目は真っ赤だった。 その様子を見ながら母まりさは心の中で子れいむに謝った。 きれいな石さんを守ってあげられなくてごめんねと。 おちびちゃんをゆっくりさせてあげられなくてごめんねと。 お姉さんはれいみゅの持っていた。ビー玉をつまみあげた。 「やったー!すごくすごくすごくゆっくりできる石さんだよ!これは私のものだよ!」 お姉さんは汚いビー玉をきれいだなんて思ってなどいない。 れいみゅに見せつけているのだ。 再びゆんゆんなきだすれいむ。 「でもこれだと1つしかない『きれいな石さん』を私が独り占めすることになってしまうね。独り占めはゆっくりできないしどうしようかな~。」 「「ゆゆっ!?」」 母まりさと子れいむはお姉さんを期待を込めた目で見上げた。 もしかしてビー玉をを子れいむに返してくれるのかもしれないと。 「そうだ!この『きれいな石さん』をたくっさん!にすればいいんだわぁ!かしこくってごめんねぇ~!」 そういうとお姉さんはビー玉を、 アスファルトの地面におもいきり叩きつけた。 ビー玉は粉々にはじけ飛んだ。 目を丸くする母まりさと子れいむ。 そして数十秒の硬直の後、 「ゆっ・・・。 ・・・・・・・・・ゆっ!? ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ! ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ・・・・・・。 ゆぶ! ゆぶっ!! ゆぶぶぶぶぶっ!!! ゆっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 ビー玉が破壊されたのを見た子れいむはショックのあまり餡子を吐き出し始めた。 「ゆげぇ!ゆっげぇ~~!」 「ゆんやぁっ!だめだよおちびちゃん!あんこさんはいちゃだめだよぉ! ゆっくりおくちをとじてね!のみこむんだよ!ごっくんだよ!ごっくしてねぇぇぇ!」」 母まりさはあわてて子れいむに餡子を飲ませようとする。 「ごっく・・・ゆげぇ!ごっくん、ゆぶぶぶ・・・ごっく・・・ゆげぇ~。」 子れいむのショックは大きく嘔吐はなかなか止まらない。 「おちびちゃん!ゆっくりだよ!ゆっくりあんこさんをのみこ・・・あんこさんはいちゃだめでしょぉぉぉぉ!?」 大慌てする母まりさ。 お姉さんはニコニコしながらこう言った。 「これで独り占めしなくてすんだわぁ。でも粉々になったガラス玉なんてやっぱりいらないなぁ。すっきり~。じゃあまたね~。」 そしてお姉さんはすがすがしい笑顔で母まりさと子れいのむ前から去って行った。 お姉さんの後方ではまりさがれいみゅをなんとかしようと必死になっていた。 「おちびちゃん!ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!ほら、ぺーろぺーろしてあげるよぉ!ぺーろぺーろ! もうこれいじょうあんこさんはいちゃだめだよぉぉぉ!ゆっくりしてねぇぇぇ!ゆっくりぃ!ゆっくりぃぃぃぃ!」 現時点でれいみゅは致死量ギリギリの餡子を吐いてしまっていた。 はたして子れいむは助かるのだろうか。 まりさはお姉さんの背中に向かって 「どぼじでごんな゛ごどずる゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?」 と叫んだのだった。 「さ~てと、次はどのゆっくりとゆっくりしようかな~?」 とお姉さんが歩いていると向こうのほうにぱちゅりー種がのろのろとずーりずーりと這っているのを見つけた。 「ぱちゅりー、ゆっくりしていってね。」 「むきゅぅっ!?ゆ・・・ゆっくりしていって!・・・ね?」 ぱちゅりーは突然人間のお姉さんにこえをかけられて驚いた。 この公園のゆっくりは人間とそれなりにうまくやっている方だが、 それでも人間はやっぱり怖い。 最大限の警戒と敬意を忘れてはならないのだ。 「あのね、ぱちゅりー?」 お姉さんはバッグの中から1枚のチラシを取りだした。 「むきゅ?な・・・、なにかしら。」 「今日はぱちゅりーにプレゼントの魔導書をもってきたのよ。はい、どうぞ。」 お姉さんはチラシをぱちゅりーに差し出した。 「むきゅ。ありだとう、お姉さん・・・。」 ぱちゅりーは元飼いゆっくりだった。 銀バッジを持ったゆっくりだったが無責任な飼い主に捨てられてしまったのだ。 それでも元銀バッジである。多少の文字は読めるのだ。 ぱちゅりーはこの紙が「まどうしょ」なのではないことはわかった。 これはにんげんさんの「ちらしさん」というものだ。 「ちらしさん」というのはどんなお野菜が安いとか、どんなあまあまさんが安いとか書いてある紙のことだ。 野良の自分に使い道はない。 読んだところで必要な情報は何も得られない。 お姉さんはぱちゅりーの様子をじっと見つめた。 「あれ?ぱちゅりー、その魔導書気に入らなかった?」 ぱちゅりーの目を覗き込みながらお姉さんは尋ねた。 「むきゅ・・・、えっと、とってもゆっくりできるまどうしょだわ。むっきゅりありがとう。」 すこしひきつった笑顔で答えるぱちゅりー。 「どういたしまして。喜んでもらえて私もうれしいわ。」 にっこりとほほ笑むお姉さん。 「それで、その魔導書にはどんなことが書いてあるのかしら?」 「・・・・・・・・・む・・・・・・・きゅ・・・・・・・・?」 ぱちゅりーの饅頭皮の肌に砂糖水の汗がにじみはじめる。 どう答えればいいのだろうか。 これはチラシであって魔導書なんかじゃないというべきか。 いや、だめだ。 そんなことを言ったらせっかく『魔導書』をくれたお姉さんを怒らせてしまうかもしれない。 人間さんを怒らせてはいけない。 人間さんをおこらせてゆっくりした結果になることなど絶対にないのだ。 「ん~?どうしたの、ぱちゅりー? ・・・もしかしてその魔導書ぱちゅりーには理解できないものだった?」 「むきゅ・・・そんなことないわ。」 チラシだとわかっているのに理解できないと発言することはぱちゅりーのプライドが許さなかった。 しかしそれでも本当のことは言いにくい。 結果的にぱちゅりーは自分で自分自身を追い詰めてしまったのだった。 「そっかぁ~。よかったわぁ~。 ぱちゅりーは賢い賢いゆっくりだものねぇ。 それじゃあ、 ・・・・・お姉さんになんて書いてあるか教えてくれるかしら?」 ぱちゅりーは今にもストレスで嘔吐しそうだった。 甘酸っぱい生クリームが舌の付け根まで上がってくる。 「えっと、・・・ゆっぷ、その・・・・、そうだわ!なんっかいっ!なまほうさんのことがかいてあるわ。」 「へ~、難解な魔法のことが書いてあるのね? そんなことがわかるぱちゅりーはすごいわね!」 お姉さんはぱちゅりーの目を凝視しながらぱちゅりーを褒めた。 ぱちゅりーはものすごくストレスを感じていた。 穏やかな口調でお姉さんは喋っていたが目は全く笑っていなかった。 自分が嘘をついたことでお姉さんを怒らせてしまったのだろうか。 本当は自分には何が書いてあるのかわからないと嘘をついたほうがよかったのだろうか。 ぱちゅりーは自分のゴミのようなプライドをそのときはすごく恨めしく思った。 もし、気を抜けばエレエレと体の中身を全て吐き出してしまいそうな嘔吐感が波のようにぱちゅりーを襲った。 「むきゅぅ、エレ・・・ごきゅん。エ・・・むごきゅん。」 お姉さんはずっとぱちゅりーの目を見ている。 ぱちゅりーが横を向こうとするとお姉さんもそれと一緒に移動し、ぱちゅりーが目をそらすことを許さない。 一瞬お姉さんの顔が無表情になった。 そしてお姉さんは・・・・・・・・・・・・・・・・笑い出した。 「あはははははははははははははははははははは!」 「む!、むきゅぅ!?」 「あははは、このぱちゅりーおばかさん過ぎるわ。 このチラシが・・・ププッ!難解な魔導書で魔法のことが書いてあるぅ!? あはははははははっ!おもしろすぎるわ!このぱちゅりー!ププッ!!!! プププッ!!!さすがぱちゅりー種はもりけん(笑)ねぇ!!!」 お姉さんは、ぱちゅりーを盛大に馬鹿にし始めた。 そしてぱちゅりーはものすごく馬鹿にされたショックでものすごい勢いで吐きはじめた。 「むきゅっきゅっ・・・・エレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレ。」 滝のように流れる生クリームは止まらない。 「おお、おろかおろか!ププッ!おお、もりけん(笑)もりけん(笑)!プププッ!おお、ゲロ袋ゲロ袋!」 「エレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレ!。」 数十秒でぱちゅりーは生クリームをすべて吐き出し饅頭皮だけになってしまった。 「あはは!たまには野良と戯れるのも悪くないわね。楽しませてくれてありがとー。」 お姉さんは携帯をみて時間を確認する。 「・・・・・・さ~てと。こんな時間かぁ。お昼食べて帰ろうかな・・・。 あ!やっぱり何かテイクアウトしておうちでゆうかにゃんと一緒に食べよっと!」 そして公園から去って行ったのだった。 おしまい 過去作 anko3694『野良れいみゅは飼いゆっくちになりちゃい』 anko3697 れいみゅがおそうじするよっ! anko3704 おねえさんのゆうかにゃんに対する教育のようなもの anko3825 ぱたれいむはゆっくりできるね
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『ふたば系ゆっくりいじめ 541 静かにゆっくりするよ!!』の続きです 前作を読まなくても大丈夫とは思いますが、読んでいただいた方が話に入りやすいかと。 独自設定と世界観にご留意ください 『静かにゆっくりできないよ!!(前編)』 『無声ゆっくり』と呼ばれる、中性餡を薬物で操作する事により、その名の通りまったく声を出さないゆっくりがいる。 ゆっくりの泣き声が理由で飼えなかったマンションの住人、ゆっくりの喋り自体が嫌だという人等を狙って発売されたそれは、一定の需要が見込まれるとただちに量産体制が整えられた。 そして意外な事に、あくまでニッチ層を対象にした商品であるというメーカーの想定を裏切って大ヒットしてしまったのである。 原因の1つとして挙げられるのが、先に少数発売されていた無声ゆっくりが暫く品切れ状態だった事が消費者の心理を煽った為という説。 もう1つが、当時人気のあったCMシリーズに無声ゆっくりが起用された影響からという説。 もっとも売る側にとっては、売れてしまえばどちらでもいい話だ。 ペット業界は思わぬ流行に儲かって喜んだし、珍しい玩具を手に入れた飼い主も喜び、飼われていく無声ゆっくり達も大抵可愛がられて幸せだった。 ただ、世の中の全員が幸せになれないのが世の常。 この大ヒットの影で涙を飲む者達が現れたのである。 「ゆっぐ・・・えぐぐっ・・・」 既に事切れている番のありすをぺ~ろぺ~ろしながらすすり泣いていいる1体の成体まりさ。 そしてその足元には3体の仔ゆっくり。 「ゆうぅ・・・おかあしゃん、しゅーりしゅーり・・・」 「ゆびぇぇぇぇん!!おとうしゃんおなかすいたよおおぉぉ!!!」 「おそとさんさむいよおぉぉ!!どうちておうちにかえらないのおお!?」 子供達が親のまりさに泣き叫んで訴えるがどうする事も出来ない。 何故なら今さっき、飼い主であるお兄さんの手によって捨てられたのだから。 まりさは番のありすと一緒に飼われていた何処にでもいる標準的な銀バッジの飼いゆっくりだった。 授かった可愛い3匹の子供達もすくすくと成長し、しあわせー!を満喫していた。 そんな一家に訪れたのは無音ゆっくりという名の不幸である。 「今日からお前らの仲間だぞ!子供と一緒に可愛がってやるんだぞ!」 飼い主が好奇心だけで銀バッジの無音仔れいむ、仔まりさを飼ってきてしまったのだ。 既に先住のゆっくり達がいたが、仲間が増える分には親まりさ達も喜ぶだろうという安易な考えだった。 「ゆ!?あたらしいかぞくがふえりゅの!?」 「わかったわ、おにいさん!ありすがせきにんもってとかいはにそだててみせるわ!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 早速、親子仲良く元気なご挨拶をする。 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・ゆゆっ?」 「どうちてありしゅたちにおへんじしてくりぇないの!?」 「だめよ!ちゃんとごあいさつできないなんてとかいはじゃないわ!」 いつまで経っても、何故かお返事1つしない新参者に対し、次第に雰囲気が怪しくなっていく。 そんな様子を見て慌てて、 「ああ、こいつ等はさ。声が出せないように出来てるんだ」 「「「ゆっくり!?」」」 お兄さんはサラリと流したが、親まりさ達にとっては堪ったものではない。 基本的にゆっくりは、ゆっくりできないゆっくりを嫌う。 お飾りの欠損、思考の違い、奇形等を持つゆっくりを攻撃し排除しようとする傾向がある。 それ故、通常の会話どころか、ゆっくりにとって重要なゆっくりしていってね!というあいさつすら出来ないゆっくりなど論外だったであろう。 「・・・それはゆっくりできないこどもたちだね・・・」 「きもちわりゅいよ・・・」 「おいおい、そんな事言ったらこいつ等傷つくだろ。仲良くしてやれよ」 「・・・おにいさんがそういうならしかたないわね・・・」 「「「・・・それなりにゆっくりしていってね・・・」」」 親まりさ達は腐ってもそれなりーに教育を受けた飼いゆっくり。 相手を攻撃して殺傷してしまえば飼い主であるお兄さんに叱られるだろうという程度は理解していた。 そんな訳で必要以上に接する事はせず、無視して生活していく事に決めた。 飼い主はそんな親まりさ達の気持ちに気付く事もなく、新しく買って来たばかりの無音ゆっくり達を可愛がった。 「ははっ、おもしれー。転んでも悲鳴すらあげないんだな。ほらほら、ボール持って来い!」 「・・・っ!」 「・・・・・・!!」 「よしよし、ほらご褒美のビスケットだぞー」 今日も飼育ケースから無音ゆっくりだけをだしてボール遊びに興じるお兄さん。 遊びたい盛りの仔ゆっくり達は羨ましそうにその光景を見つめている。 「・・・ゆぅー・・・まりしゃもおぼーるはこびとくいなのになあ」 「ゆうう…おにいさん、ありすたちにぜんぜんこえをかけてくれないわね…」 「おにいしゃん、さいきんおかちくれないねー」 お兄さんの関心は既に新しいゆっくりに移っており、親まりさ達に向けられる事は少なくなっていく。 それに引き換え、お兄さんに猫かわいがりされる無音ゆっくり達の態度は何かしら大きくなっていっているように見られた…。 「ゆあーん!まりしゃのおぼうちとりゃないでー!」 「ありしゅのときゃいはないもうちょをいじめないでー!」 「ゆっ!いくらなんでも・・・!」 「おいお前等何やってるんだ!」 「おにいさん!こいつらおちびちゃんのおぼうしを・・・!」 「は?ちょっとした悪ふざけだろ?子供の喧嘩に何でしゃばってるんだよ、全く・・・!」 「・・・ゆぐっ・・・!あいつらおにいさんのうしろでにやにやと・・・!」 「ぐぐぐっ・・・!」 「・・・もう、まりしゃたちあいつらきりゃいだよ・・・」 「・・・ゆっくりがまんしようね。おにいさんもいつかわかってくれるよ」 親まりさ達のイライラが募っていったある日、それは起きた。 久々に親まりさ達に与えられたお菓子を親子仲良く分けてむ~しゃむ~しゃしていると、 「ゆびゃあああん!まりしゃのあまあまかえしてー!」 その叫び声に振り向いた親ありすの目に飛び込んできた光景は、子供が食べていたお菓子を奪い取り美味そうにむ~しゃむ~しゃする無音仔ゆっくり達。 無論、無音ゆっくりにもお菓子は与えられていたが、自分達の分をさっさと食べ終えると、大事に少しずつ食べていた子供の物を奪い取ったのだ。 泣きながら奪い返そうとする子供に2匹がかりで突き倒して噛み付いた。 「ゆびい!いちゃいいちゃい!やめてえ!」 そんな仔まりさを馬鹿にした顔で声を出さず笑う無音仔ゆっくり達。 ビキイッ! 「ありすのおちびちゃんをいじめるげすなちびはゆっくりしね!!!」 日々溜まっていた鬱憤もあり、親ありすは叫びながら無音仔ゆっくり達に飛び掛る。 体格の違う親ありすに適う訳もなく呆気なく吹き飛ばされると、無音仔ゆっくりは餡子を吐きながら悶え苦しむ。 「おい!今の音は何だ!?」 騒ぎを聞きつけ隣の部屋から駆けつけるお兄さん。 餡子を出し苦しむ無音仔ゆっくりを見ると、まりさ達を睨み付けてきた。 だが、こちらももう我慢の限界だ。 「おちびちゃんからあまあまさんをよこどりしたいなかものに、せいっさいしたのよ!!」 「もうがまんできないんだぜ!おにいさん、こんなげすなくずといっしょにくらせないのぜ!!」 「こいつらがさいしょにいもうちょにいじわるしてきたんだよ!」 「うびゃあああ!まりしゃのあまあまなくなっちゃったー!」 親まりさとありすは飼い主に大騒ぎをして訴えるが、お兄さんはそれを疎ましそうな表情で一瞥する。 「ああ?新しく買って来たゆっくりに傷つけて何好き勝手言ってやがんだボケが」 「でっ、でも、もともとありすたちがここに・・・!」 「はあ!?飼われてもらってるくせに何でかい顔してんだ。一緒に暮らせないって? んじゃ出て行けば?俺もお前らに飽きてたから丁度いいよ」 吐き捨てるとお兄さんはまりさ家族のお飾りからバッジを毟り取っていく。 「ゆやああああああ!!?」 「かえしてええ!!まりさのバッジいいい!!!」 「ごめんなさいごめんなさい!あやまりますから、バッジかえしてええ!」 それを見ていた無音仔ゆっくり達はざまあ見ろと言いたそうなニタニタした笑みを浮かべる。 そして、ケースの隅で泣きながら震えてる仔ゆっくりに対し、早くここから出て行けといわんばかりに攻撃をしはじめたではないか。 「ゆぎ!?いっだーーーいいいぃぃ!!」 それは苛めの加減を超えている。 本気で噛み付いてる証拠に、柔らかい子供の皮膚が傷つき餡子が滲んでいる。 「・・・ゆぐっ!いいがげんにじろお!おまえたちのせいでえーーー!!」 泣きながら飛び掛ろうとする親ありすだが、先程とは逆に、今度はありすがカスタードを吐き宙を舞う。 「てめえがいい加減にしろよ!?手を出すなって言ったのが分からんねえのか!?この糞饅頭が!死ね!」 お兄さんはありすの髪を掴みボコボコに殴りまくる。 「ゆ゛っ!ぎっ!ごっ!やべっ!げっ!」 「やべてえええ!!!ありすがしんじゃうよおぉ!!」 お兄さんは気が済むまで殴り続けると、一家を河原まで運び捨て、泣き叫ぶまりさ達を振り返ることもなくそそくさと後にしたのだった。 「ゆううぅ!ありす、はやくよくなってね!ぺ~ろぺ~ろしてなおすよ!!」 「「「ゆわああぁぁん!!おかあしゃん、ぺ~ろぺ~ろ!!」」」 泣きじゃくりながら一家全員でぺ~ろぺ~ろするも、既に親ありすは事切れていた・・・。 そして、今に至る。 親まりさは無駄なぺ~ろぺ~ろをようやく止めると、足元で泣き叫ぶおちびちゃん達を眺めこれからどうするか悩み始めた。 捨てられたのだから、もうお兄さんの家には帰れない。 そう、自分達はもう野良ゆっくりだ。 昨日まで蔑んでいたあの連中と同じ所に堕ちてしまった。 連れ去られる瞬間に見えた、あの無声ゆっくりの憎々しい顔を思い出すと餡子が煮えくり返る思いがした。 が、今はそれどころではないと頭を振る。 ひとまず、夜露と寒さをしのぐ寝場所を探して・・・いや、まずはおちびちゃん達のごはんさんを・・・。 「あー!また野良がいるぜ?」 「ははっ最近多いよなー」 唐突に、親まりさの悩みをある意味解決する存在がやってきた。 下校途中の小学生達だった。 「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっ?おにーしゃんたち、ゆっくりしていってね!!!」」」 先程まで飼いゆっくりだった為、まだまりさ達にはこの手の人間に対する警戒心がまったくなかった。 人間さんに礼儀正しく挨拶をするゆっくり達に対して、 「ぷっ!げひひひひっ!!」 「ひゃははは!言われなくたってゆっくりしちゃうよーん!」 下卑た笑い声を上げながら、その内の一人が仔まりさを片手で持ち上げた。 「えへへへ。おそらをとんでるみたいだじぇ~い」 「いいなー。おねえちゃんいいなー」 少年はニヤニヤしながら片手に持っていたエアソフトガンの銃口をそっとあにゃるの位置に押し当てる。 「ゆふふっ!にゃんだかおしりがつめたいよ!」 次の瞬間、それまで無邪気に笑っていた仔まりさの顔が激痛に歪む。 「い゛っ!?ゆぎゃあああああっ!!!?」 銃口があにゃるの穴にねじ込まれたのだ。 仔ゆっくり達は既にグレープフルーツ大にまで成長しているとはいえ、それでも簡単に銃口の進入を許すほどあにゃるは大きくない。 ミチミチと皮を裂きながらも銃口は容赦なく体内に侵入してくる。 「ゆげっ!!ぎひいいいいいぃぃ!!」 「ゆああああ!!?やめてね!にんげんさん、まりさのおちびちゃんにひどいことしないでね!!はやくそれぬいてあげてね!!」 勿論この手の人間がそんな願いを聞く訳がない。 銃口がある程度入ると、少年は躊躇いもなくトリガーを引いた。 ビシュッ! 銃口から勢い良く飛び出したBB弾が仔まりさの体内を掻き混ぜる。 「うげひいいいいいいいいいいいっ!!!!!???」 身体の内部から破壊される激痛に、仔まりさは挨拶時の無邪気さなど微塵も感じさせない豚の様な泣き声をあげた。 エアガンの威力は低目なので、仔ゆっくりの皮を貫通する事はないみたいだ。 「んー?なんか口から餡子吹いたぜ?」 「すぐ死んじゃうとつまんないから、口をセロテープで塞いでおこうよ」 ランドセルからセロテープを出すと、ぐるぐると顔に巻きつけ口を塞ぎだす少年達。 「やめろっていってるでしょおおおおお!!しね!!!げすでくずなにんげんはしね!!!」 親まりさは堪忍袋の緒が切れたのか、とうとう人間に対して攻撃をしてきた。 ぺちぺちと足に決死の体当たりをしてくる親まりさを少年は思いっきり蹴り飛ばす。 「げぴいっ!!!!??」 吹き飛んだ親まりさはぐちゃっ、と音を立てて橋脚に餡子の華を咲かせるとずりずりと地面に落ちていく。 「うひひひっ、ゆっくりが子供を守る力なんてそんなもん?親だったらもうちょっと頑張ってくださいよお!?」 「逃がさないよー。次はおちびちゃん達の番でちゅよー!」 恐怖のあまり逃げだした仔ありすともう1匹の仔まりさはあっさりと両手に捕まっていた。 他の少年がランドセルから次々と道具を広げていく。 コンパス、鉛筆、分度器セット、はさみ、爪切り、100円ライター、火遊び用の花火セット・・・。 延命用だろうか、飲みかけのジュース入りペットボトルも横に置かれる。 ビスッ!ビスッ!ビスッ! そんな間にも最初の仔まりさの体内には延々とBB弾が追加投入され、ビクビクとした痙攣が徐々に弱々しくなっていった・・・。 親まりさは生きていた。 橋脚にぶつかった衝撃で皮の一部が割け、餡子が飛び散り、そのまま気を失っていたらしい。 ダメージは大きいものの、どうにか動けるまで回復していた。 既に辺りは薄暗くなり、小学生達の姿も消えている。 しかし、今回生き残った事を幸運と言っていいのだろうか。 意識を取り戻した親まりさの目に真っ先に飛び込んできた物。 目からBB弾が混じった餡子を噴き出して絶命している仔まりさと。 髪もカチューシャもボロボロにされ、苦悶の表情を浮かべながら切り取られたぺにぺにを口に咥えたままカスタードの海に溶け沈んでいる仔ありすと。 恐らく仔まりさであったろう、焼け焦げて炭と化した小さな塊。 「ゆ゛う゛う゛ううううううううううううううううううううううううううぅぅぅっ!!!!!!!!!???」 静まり返った橋の下、まりさの絶叫は、あたりにこだまし続けた。 このように無計画に流行に乗って無音ゆっくりを飼った結果、先住ゆっくりとの軋轢が生じてどちらか(ほとんどは通常の方だったが)を処分、あるいは手放すケースが相次いだ。 結果、街の野良ゆっくりの数は激増する事となった。 ・・・さて、それから更に数ヶ月が経過した頃。 ゆっくり達にとって新たな悲劇が生まれていくのである・・・。 (続く) 今まで書いたの ふたば系ゆっくりいじめ 533 カマキリさんの卵でゆっくりするよ!! ふたば系ゆっくりいじめ 540 浮浪者とゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 541 静かにゆっくりするよ!!
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「ふたば系ゆっくりいじめ 581 静かにゆっくりできないよ!!(前編)/コメントログ」 いいぞ! -- 2011-05-09 00 59 45 この飼い主ゲスだな。 生き物買う資格ないよ。ちゃんと処分しないとw -- 2011-07-12 21 11 03 これは飼い主が悪いな 捨てる位ならちゃんと処分しろよ -- 2013-10-21 21 49 34 喋らなくてもゴミ饅頭はゴミ饅頭なんだな -- 2014-05-15 22 35 48 ゆっくりなんて、喋らなくとも表情で丸わかり何だから、この飼い主は無能なんだね~わかるよ~ ペットが何をしたのか把握出来ないようじゃあ、ペットを飼う資格無いね~わかれよ~ -- 2018-01-04 02 17 42
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ゆっくりとゆっくりする私。 ある日、私はゆっくりを拾った。 別になんて事無い、ありふれたゆっくりれいむだ。 雨の日だったなんてことも無く、全身怪我だらけなんてことも無く。 ただ、まだ小さいのに何故か親の姿は無く、一匹だけ。 それだけが私の気になったのだ。 私だって言いたく無いが珍しくも寂しい女の一人暮らし。 親は前に死んだが、働かねば生きてはいけない。 親の残した畑があるだけマシかもしれないが、それでも一人身は自由の反面、色々辛い事も寂しい事もある。 だから、私は同居人が欲しかったのかもしれない。 ある日、私はゆっくりを拾った。 「ゅー!」 私の手のひらよりちょっと小さいくらい、まさに手乗りゆっくり。 大きな瞳と小さな泣き声。 おお、こりゃかわいい。 試しに右の手のひらから左の手のひらへ。 今度は左から右へ。 また逆へ。 ころころころころ。ころころころころ。 …………あぁ、至福! 「ゅー!」 あ、顔真っ赤にしてる。涙目だ。これで怒ってるつもりなのか…… ……正直こりゃたまらん!!! おっといかん。 遊ぶのも良いが、まずは何か食事を与えてやらねば。 でも何食べるんだろ。 雑食だって言ってたよなぁ。 とりあえずおせんべを砕いて、水につけてからあげてみる。 あむ。 「おいちー!」 ふああああ食べてる食べてるいやああああああ口が小さい動きが早いわうおおおおおおおたまんねぇええええええ 「もっとー!」 うん、もっと。私ももっと見ていたいわ。 さっきよりはちょっと少なめにしよう。 あむあむあむあむあむあむあむあむ ふあーふあーふあーなんだこの癒し。 待つ事しばし。 私が見ている前で、ゆっくりはおせんべを食べ終えた。 あらま頬に付いてるわ。ふきふき。 はぁ、かわいかった。これだけでなんかもう疲れが取れるわホント。 さて、次はどうするか。寝床も作らねばならないだろうけど、まずはその前に。 食べ終わってゆっくりしている所をえいやと捕獲。 「はーい、逃げないでね~大丈夫でちゅよ~」 「ゅー! やめちぇ~!!」 ゆっくりを乗せた手の上、その指の間に必死で潜り込もうとする。 まずいなんだこの生き物冗談じゃない私が先に悶え死んでしまう! とは言うものの、見つけたときから気になっていた事があったので私が死ぬ前にそっちをなんとかしてやらねば。 名前の元からすれば多分?女の子だろうからね。 ゆっくりと言えども汚れてちゃいけない。 しかし。う~ん。饅頭だって言うし、お風呂はいかんよなぁ。 と言う訳で、ちょっと濡らしたふきんを用意。 優しく軽く拭いてやる。 最初は何をされるかと怖がっていたのか手の上を逃げ回って(と思う。実際は左右にもぞもぞぷりぷり揺れてただけだ)いたが、しばらくするとされるがままになっていた。 顔もそっと……うあー思いっきり目つむってる。眉間の小さい皺までかわいいなぁこんちくしょう。 リボンも拭いてやって、よし終了。 ゆっくり床の上に置いてやれば、溢れんばかりの笑顔でぴょんと跳ねて、 「すっきりー!」 私の方がすっきりだ。何か心の汚れが落ちていくようですよありがとうゆっくりを生み出した神様。 さぁ、あとは寝床探しだ。 ちんまいから探している間に居なくなったりされると困る。 とりあえずひっくり返したどんぶりの下に。 ああすぐ戻ってくるからそんな涙目にならないでねちょっと我慢してね。 小さいからお菓子の箱とかでもいいのかなぁ。 饅頭をお菓子の箱に入れるってなんか危ないよなぁ。ま、いいか。 うーん、どれにしよう。可愛いのが良いよなぁ、やっぱり。 選ぶ事しばし。これだと決めて部屋に戻ってどんぶりを開けると。 「あやややややややややややややややややや」 寝てた。 ……うぉー。なんかもうどうでも良くなってきたぞ。 とりあえず起こさないように箱に入れて、上からタオルをかけてやる。 よし、今日の空を見る限り、明日は雨っぽいから畑に出なくても良いだろう。 畑仕事は休んで上白沢先生に育て方を聞いてみるか。 あと名前だ。……いるのかなぁ。 みんなれいむはれいむ、まりさはまりさとかしか呼んでないけど、こいつらもそれで認識してるみたいだしなぁ。 それに、それに………… 枕元に置いた箱を見ながらいろんな事を考えていたら、私にも眠気が襲ってきた。 私はそっと部屋の明かりを消す。 おやすみ、ゆっくり。 まさにゆっくりですね。乙でした! -- 名無しさん (2009-03-11 07 51 47) 身悶えせんばかりの可愛らしさですね!♪ -- 名無しさん (2009-03-12 10 49 38) ゆっくちできたよ! -- 名無しさん (2010-11-27 13 19 29) あらかわいい -- 名無しさん (2012-07-25 18 36 47) おもちかえりぃ! -- 名無しさん (2012-08-10 22 29 19) サンジ野気持ちがわかった・・・ -- 名無しさん (2012-12-13 06 48 27) 文章だけで伝わるゆっくりの可愛さ!愛で派でよかったと思う俺がいる -- 名無しさん (2017-03-06 23 11 49) 名前 コメント
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まあるい月が中天に昇る夜。 輝く星々に彩られた十五夜の夜空に誘われて、普段なら夜は出歩くことのないなまものが見晴らし の良い丘に登っていた。 少女の顔を模した、動いて話す不思議饅頭こと『ゆっくり』。 赤いリボンを付けた黒髪のゆっくりはれいむ。 黒いとんがり帽子を被った金髪のゆっくりはまりさ。 とても夜とは思えないほどの輝きに飾られた空を眺めて、二匹のゆっくりはそっと寄り添う。 実にゆっくりとした時間の中で、まりさはそっとれいむに囁きかけた。 「ねえれいむ。まりさはれいむにゆっくり聞いてもらいたいことがあるよ」 「ゆ…? なぁに、まりさ?」 「まりさは…」 れいむが星空から地上に目線を降ろせば、真っ赤になったまりさの顔がそこにあった。 真っ正面かられいむの瞳を見つめ、上手く廻らない舌をもどかしく思いながらも一心に思いの丈を ぶつけた。 「まりさはれいむといっしょにずっと…ずっとゆっくりしたいよ!」 ずっとゆっくりしたい、はゆっくりにとってのプロポーズの台詞。 それを受け取ったれいむは、十秒近く目を丸くして赤面しているまりさを見つめていた。 やがて、まりさの顔の赤さがれいむにも移ってゆく。 はにかみながらも目を伏せ、それでも小さく頷くれいむ。 「れいむもまりさといっしょにずっと、ずぅーっとゆっくりしたいよ…」 「れいむ…」 恥じらう声はとても小さかったが、頬が触れるほど近くにいたまりさにはしっかりと届いた。 万の星々と白く輝く満月に見守られ、二匹はそっと口づけをする。 唇が離れたとき、二匹の顔は満面の笑みとなっていた。 「ゆっくりしていってね!!」×2 月まで届けと幸せ一杯の宣言を声高に告げる二匹。 この瞬間、二匹は心の底から体の芯まで幸せに満ちあふれていた。 そう、この瞬間までは… 「れいむは今日からまりさのおうちにすむよ! まりさ、おうちにかえったらかわいいあかちゃんを いっぱいつくろうねっ!!」 「うん! みんなでいっぱいゆっくりしようね!」 「ゆぅ~ん♪ す~りす~り、しあわせゆ?」 「す~りす~り、しあわせ~♪」 至福の笑顔で頬をすりあわせるまりさは、まだ異常に気付かない。 ついさっき番となったばかりのれいむに起きた事態に気付いていない。 「ゆっ…ゆっ?」 「ゆ~。れいむ、みてみて! おつきさまもおほしさまもいつもよりキラキラして、まりさとれいむ をおいわいしてくれてるよっ!」 ふるふると震えるれいむ。 寒いのかな、と思ったまりさは気を利かせてさりげなく体を密着させる。やわらかく包まれる感触 にゆっくりした気分を味わいながら、れいむも同じ風に感じてくれてたらいいなと、そう心の底から 思った。 心はぽかぽか暖かくて、むしろちょっと暑いくらいではあったが、夜風を受ける体は少々冷えてき ていた。 「ゆっくし! …ゆぅ、ちょっと寒いね」 「ゆぅ…ぁ…」 風にあおられたれいむの髪がまりさの顔をくすぐったせいでくしゃみが出た。 ぶるぶると怖気を振るうと、最愛のれいむに最高の笑顔を向けた。 「それじゃあれいむ、まりさのおうちでゆっくりしようね!」 返事は、返ってこなかった。 「…ゆ?」 瞬きをして見直す。 柔らかい草にごしごし顔をこすりつけて見直す。 空を見上げてから、改めて見直す。 「…ゆゆっ!?」 「ぁ…り…さぁ…」 艶やかな髪が好きだった。 キラキラした瞳が好きだった。 つやつやで、ふっくらしたお肌が好きだった。 そこにあったのは、まりさの愛したれいむとは似ても似つかない、酷い姿のゆっくりだった。 それなのに、悲しいほど正確にそれがまりさのれいむなのだと気付いてしまった。 「うわぁああああああっ!? れいむぅーっ!!」 「ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 風が吹けばハラリと抜けて飛ばされてゆく乱れた髪。 限界まで開かれた瞼の下で、左右で異なる動きをする目はまりさには見えない虚空の何かを探して ギョロギョロと動き回る。 かさかさに荒れて、しわだらけになった肌。 一回り以上小さくなって見えるれいむの体は、断末魔の痙攣を始めていた。 「どおじでぇ!! どおじでれいむがぁっ!?」 今際の際にあるれいむの命を何とか留めようと縋り付くまりさ。だがいくら頬を寄せ、舌で慰撫し ようともれいむの命を繋ぐ役には立たなかった。 「もっと…っくり…たか……」 「れいむぅうううううううううっ!? ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってねぇっ!! ゆっくりしていってねぇええええええええっ!!」 末期の痙攣が尽き、れいむは永遠にゆっくりしてしまった。 星空の下にまりさの慟哭が木霊する。 涙も涸れよとばかりに泣き叫ぶまりさを慰めることのできる仲間は、ここより離れた場所にある群 の営巣で眠りに就いている。この場に優しい言葉でまりさを慰め、れいむのことを共に悲しんでくれ るゆっくりはいなかった。 「うー」 「…ゆ?」 なんだか聞き捨てならない声を聞いた気がして、まりさは一旦泣くのを止めて周囲を見回した。 その場から見渡す範囲には誰もいない。 何の気無しに一歩飛び出してみた。 そうして、一匹のゆっくりがれいむの陰に隠れていたことに気付いた。 「………ゆ?」 「う~?」 赤いリボンの揺れる白いキャップ。まりさと同じ金髪は、束ねてある一房だけが長い。顔の後ろか らは二本の枝のようなものが伸び、色とりどりの菱形の結晶が果実のように実っている。 向こうもまりさの声に気付いたのか、れいむの頬に埋めていた顔を上げた。 そうして、はっきりと相手の顔を見ることができた。 れいむとは比較にならないほど白い肌に赤い瞳が映え、汚れた口元を隠そうともせずに牙を剥き出 しにしてとても嬉しそうな笑顔をまりさへ向けるゆっくり。 まりさの顔色は、そのゆっくりの肌に負けないほど白くなってゆく。 「う~、あまあま~♪」 「ゆっゆっゆ…っ!? ゆっぎゃぁああああああああっ!! ふらんだぁあああああああああっ!!」 まりさを慰め、共に悲しんでくれるゆっくりはこの場にはいなかった。 居たのはれいむの餡子の付いた口でにっこりと笑う、一匹の捕食者だけだった。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 永遠にゆっくりするということ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「もっど…ゆっぐり…じだがっ…だ…」 「う~♪」 やや白み始めた夜空の下、まりさの断末魔とふらんの勝ち鬨が森の一角で上がった。 ふらんとしてはさっさと仕留めたかった所なのだが、まりさの逃げ足が予想以上に早かったために こんなに時間が掛かってしまった。 夜行性で空も飛べる身ではあるが、流石に夜を徹しての追走劇にはくたびれてしまった。まりさの 中枢を貫いた愛用の木の枝を引き抜きながら、それでも心地よい疲労感と狩り甲斐のある獲物を仕留 めた満足感で頬は緩んでしまう。 先にれいむで腹を満たしてはいたが、飛び回っていたお陰で小腹が空いていた。 早速ふらんは仕留めたばかりの獲物に牙を立てた。 「う~。あまあ…あまあまーっ!?」 ものすっごい甘かった。 不意を打って一撃で仕留めたれいむの餡子とは、文字通り格が違った。 それもそのはずで、ゆっくりは苦痛や恐怖など『ゆっくりできない』状態に陥ったとき、己の中で 甘味を作りだして『ゆっくりできない』状態から逃げ出そうとする。人間で言うならエンドルフィン やアドレナリンと言った脳内麻薬に近い効果があるようで、これによってゆっくりたちは現実逃避を 計ろうとするのである。 その糖度の上昇率は天井知らずで、苦痛や恐怖を味わえば味わうほどそのゆっくりは甘みを深めて ゆく。 幸福の絶頂の中で訳も分からぬうちに仕留められたれいむと、捕食者に追い回されて一晩中死の恐 怖に浸っていたまりさ。その甘みに雲泥の差がでるのも当然のことであった。 「う~、う~♪ あ~まあま~♪」 このふらんは狩りの手際が良かったため、今までここまで甘くなったゆっくりを食べたことは無か った。 夢中になってまりさの中身を啜るふらんだったが、四分の一も吸い尽くさない内に満腹になってし まった。幾らまりさとの追い駆けっこで小腹が空いたとは言っても、数時間前に成体ゆっくりを一匹 吸い尽くしている。これ以上食べることはできそうになかった。 「うー…あまあまー…」 できることならこのまま中身を吸い尽くしてしまいたいところだが、食べ過ぎると自重が重くなり すぎて飛べなくなってしまう。飛行種であるが故に捕食者としての立場でいられるあるふらんは、食 べ過ぎはゆっくりできないと本能的に悟っていた。 この上ないご馳走を前にしたゆっくりとしての食欲と捕食種としての本能の間でぐらぐら揺らめき ながら、ふらんはまりさを自らのお家へとお持ち帰りすることにした。 お家に帰ったら夜までぐっすり眠ろう。 そして目が覚めたらこのご馳走を食べてしまおう。 …そうだ、近くに住んでいるれみりやお姉さまも呼んで、こんなに美味しいあまあまを獲れるよう になったんだよって自慢するのも良いかも知れない。 それで久しぶりお姉さまと一緒にご飯を食べよう。 うん、とってもゆっくりできそう! 「うーっ!」 食欲を押し殺すために懸命に考え出した建前に縋り、まりさを銜えて夜明けの空に飛び立つ。 もっとも、どれだけ建前を振りかざしても溢れ出る食欲を完全に押しとどめることなどできはしない。 巣に着いたふらんは、眠る前に涎でべたべたになってしまったまりさを拭かなければならなかった。 ※ 残念なことにその日の夜から二日間、ふらんの頭上にはどんより黒い雨雲が居座ってしまった。 お家にしている木の虚から覗き見る外の世界は、激しい雨によって隣の木すら見えない有様だった。 これではとても姉のれみりやを呼びに行くことなどできやしない。 「うー…」 溜息を吐きながら、ふらんはじっと外の世界を眺め続ける。 決して後ろを振り返ろうとはしない。 振り返ればそこにご馳走があるのだから。 もしそれを目にしてしまえば、今度は食欲を抑えることなどできそうになかった。 狩りの不調で獲物が捕れない日などこれまで何度もあったので空腹にはなれているつもりだったふ らんだが、真近くにご馳走を置いた状態で我慢する空腹は、想像以上に苦痛でありゆっくりできなか った。 それでも姉との久しぶりのゆっくりした食事を夢見てふらんは耐えた。 三日目の夜に雨が上がっていることを確認すると、ふらんは弾かれたように外へ飛び出していった。 「うぅーっ!!」 獲物のゆっくりを追うときとは比較にならない速度で飛翔するふらん。 自己最高速度を軽く凌駕する勢いで飛んだふらんは、あっというまに姉のれみりやの巣へと到着した。 「うーうーっ!!」 「う~?」 妹の切羽詰まった声にひょっこり顔を出すれみりや。 「うーっ!」 「う゛っ!? う゛ぁああああああああっ!?」 待ちきれないふらんによって、虚から顔を出したところでお家から叩き出されてしまった。 悲鳴を上げて落下するれみりやだったが、地表に激突する寸前で自分が飛べることを思い出して 事なきを得た。 「う~…。うぅぅっ!」 「うー、うーうー!」 「う~?」 突然の暴挙に文句を言おうとふらんに詰め寄るれみりやだが、逆に突進してきたふらんに詰め寄ら れてしまい怒る機会を逸してしまった。 れみりやはそのままふらんの説明を聞くことになってしまった。 ふらんのお家にとびっきりの「あまあま」があることと、それを二人で食べて一緒にゆっくりした いというふらんのお願いを聞く頃にはすっかり突き落とされたことなど忘れてしまった。 れみりやもまた二日続いた雨のお陰でお腹が空いていた。 仲睦まじい姉妹の姿を取り戻した二匹は、仲良く高速でふらんのお家へと飛んでいった。 ※ 「う~♪」 「うあうあ~♪」 お家の隅っこに置いてあったまりさを部屋の中央まで運ぶふらん。目の前に運ばれてきたご馳走に れみりやは思わず歓声をあげた。 もうこれ以上は待っていられない。 ふらんとれみりやは左右からまりさにかぶりつき、極上の「あまあま」を力の限り啜った。 「あ~まあ~…う?」×2 ぴたり、と揃って二匹の動きが止まる。 顔は満面の笑顔のままで何度も瞬きをする。 今度は一口だけ啜ってみた。 途端に二匹から表情が抜け落ちる。 もう一口啜ってみた。 涙が溢れてきた。 さらにもう一口、じっくりと慎重に啜ってみた。 けれど何度口に含んでみたところで味は変わらない。 「う…う…うぅ…うあぁあああああああああああああああんっ!!」×2 とてもとても悲しいことに――全然まったく欠片も甘くなかった。 騙された形となったれみりやは涙を流しながらふらんに体当たりをする。 それを必死になって避けながら、ふらんは嘘じゃない、騙してなんかないと訴える。 この姉妹喧嘩は二匹が空腹を思い出すまで続いた。 ※ ゆっくりは死ぬことを「永遠にゆっくりする」と呼ぶ。 死んだゆっくりは苦しまない。悲しむこともない。もはや誰が何をしようとも自らがどうなろうと 関係なく「永遠にゆっくりする」。 ゆっくりの体内で起こる糖度の変化は死んだ後にも起こっていた。 苦痛や恐怖を味わえば味わうほど甘みを増すゆっくりだが、心の底からゆっくりしているとその糖 度は限りなく低いものとなる。 死ぬことへの恐怖で限界まで濃くなった糖度も、永遠にゆっくりしている間にゆっくりゆっくりと 糖度を薄めていた。 その日、八つ当たり気味のふらんとれみりやの狩りは食べもしないゆっくりにまで被害が及んだ。 そこかしこで無惨に中身を散らすゆっくりたち。 まだ幽かに息のあるゆっくりが、ついさっきまで楽しく会話をしていた仲間の成れの果てに近付こ うと餡子を零しながら這い進んでゆく。辿り着いたときには中身の大半が流れ出し、まともに意識も 残っていなかった。 一足先に「永遠にゆっくり」してしまった仲間に頬を寄せて長く息を吐いた。 「もっとゆっくりしたかったよ…」 その願いは間もなく叶う。 直にそのゆっくりも「永遠にゆっくり」し、そうやって死んだゆっくりは土へと還ってゆくのであった。
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※うんうん設定が一部あります。 ※人間が一部出てきますが虐待お兄さんではありません。 ※中心となるゆっくりは虐待されません。 ※以下の条件が許容できない方は見ない方がいいかもしれません。 ゆっくりすること 野原の真ん中にまりさとれいむはいた。 常に一緒にいて、いつでもゆっくりしていた。 そんな2匹はゆっくりする事が生きがいなのだ。 ある時広場に1匹のまりさが現れた。 「ゆっくりかりをするよ!」 どうやら虫や花を狩って食料にするようである。 「なんでかりなんてするんだろうね」 「れいむもまりさも、かりなんてしないけどゆっくりしてるのにね」 くすくすと笑う2匹。 まりさにその声が聞こえてくる。 「なにがおかしいの?」 「かりなんてしてどうするの?」 「かりをすればたくさんごはんがてにはいるんだよ?しらないの?ばかなの?」 そのまりさの言葉に思わず目が点になり、直後笑う2匹。 「あはははは、ごはんだって、まりさはおかしいね!」 「な、なんでわらうの!?」 「わざわざごはんなんてものをほしがって、しかもてにいれないといけないなんて、まりさはゆっくりしてないね!」 まりさは信じられなかった。 自分は狩りも上手くて群でも結構人気のあるゆっくりだ。 狩りが上手い事は自分がゆっくり出来ている証だったのだ。 それを全否定される。 あまつさえゆっくりしていないなんて言われたのだからたまったもんじゃないだろう。 「まりさは、まりさは、むれでいちばんなゆっくりなんだよ!?」 「むれ、だって。まりさはおかしいね!」 「れいむたちはゆっくりできればいいんだよ?なのにむれたりかりをしたり、ぜんぜんゆっくりしてないね!」 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ」 まりさは目に涙を浮かべ、野原から去っていった。 またあるときは頭に蔓をつけたれいむとちぇんがやってきた。 「ゆゆ~、れいむのかわいいあかちゃんゆっくりうまれてきてね」 「ちぇんとはにーのあいのけっしょうなんだねー、わかるよー」 幸せそうにしている2匹。 「あのれいむはあたまからつるなんてはやしてるね!」 「ほんとうだね!ゆっくりできてないね!」 まりさとれいむの声に、この番は反応した。 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 挨拶を交わす4匹。 「ところでれいむはなんであたまからつるなんてはやしてるの?」 「れいむはにんっしんっしてるんだよ。かわいいあかちゃんをうむんだよ」 「「は?」」 馬鹿を見るような目で番を見つめる2匹。 「れいむがあかちゃんをうむ?どうしてそんなことをしないといけないの?」 「あかちゃんはとってもゆっくりできるんだよ!かわいいんだよ?」 「いいこにそだてるんだよーわかるよー」 「あかちゃんをうんでそだてるなんてゆっくりできてないね!」 「そうだね!ゆっくりできてないね!」 「わからない、わからないよー」 可愛い赤ちゃんや子育てを否定されたちぇんとれいむ。 勿論そんな事をされたら頭にくる。 「ゆがぁぁぁぁ!あかちゃんをばかにするなぁぁぁぁ!」 「やっぱりれいむはゆっくりできてないね!」 「そういうれいむとまりさはつがいじゃないのー?」 「つがい?どうしてつがいにならないといけないの?れいむとまりさはゆっくりしてるんだよ?」 「わからないよー」 結局憤慨したれいむとうなだれたちぇんはゆっくりできないまま野原を後にした。 またある時はレイパーありすが2匹に襲い掛かった。 「んほぉぉぉぉぉぉ!!!」 「体をこすりつけるなんてゆっくりできてないね!」 「なにしてるかわからないけどまりさたちはここでゆっくりしてるよ!」 「すっきりー!」 何ともない2匹を尻目にすっきりするありす。 しかし頭から蔓が生えたりにんっしんっのような状態になる気配はない。 「すっきりがたりないのかしら、とかいはのてくですっきりさせてあげるわ!」 「すっきりだって、ばかみたいだね」 「ゆっくりできてないんだね!」 その後もありすはすっきりしまくった。普通のゆっくりなら黒ずんでしまう位。 しかしいくらありすがすっきりしても、この2匹から蔓は生えてこない。 「なんであがぢゃんでぎないのぉ!?」 「あかちゃんなんてできるわけないよ!」 「ただゆっくりしてるだけなんだよ!」 「べとべとしたものをだすなんてありすはゆっくりできてないね!」 結局ありすは枯れ果てたような何かを悟ったようなえもいわれぬ顔になりふらふらとどこかへ消えていった。 ある時は赤れいむが目の前で排泄をしていた。 「ゆっきゅりうんうんしゅるよ!ちーちーするにぇ!」 「「うんうんとかちーちーとかするなんてゆっくりできてないね!」」 「にゃんでぇぇぇぇ!?」 赤まりさはショックを受けた。 うんうんやしーしーは巣の中ではやってはいけない事で、他の場所なら問題はないと教わっていた。 しかし目の前の2匹はうんうんとしーしー自体をする事がゆっくり出来ていないと言ったのだ。 「しかもそれがあんこ?さとうみず?」 「そんなのはおまんじゅうだよね!ちいさいしたったらずなれいむはおまんじゅうなんだね!!」 「れいみゅおまんじゅーさんじゃないよぉぉぉぉ」 饅頭といわれた赤れいむは涙を流しながら親元へ去っていった。 その後親れいむが文句を言いに来たが、ゆっくりしていないと言われ、またゆっくりプレイスを探す事を否定され怒りながら去っていった。 その内冬が訪れる。 2匹は変わらず野原だった所でゆっくりしていた。 「ゆっくりできてるね!」 「そうだね!ゆっくりできるね!」 「お、冬に外に出てるゆっくりなんて珍しいな」 2匹の目の前に人間が現れる。 「ゆっくりしていってね!」 「おにーさんはなにをしてるの?」 「俺?俺は冬篭りしているゆっくりを探しているんだ」 「ふゆごもりしてるゆっくりはゆっくりしていないゆっくりだね!」 男は驚いた。 この2匹は寒さをものともしないどころか冬篭りをするゆっくりをゆっくりしていないときっぱり言い張ったのだ。 「それじゃあさ…」 男は自分の知っているゆっくりに関する事について2匹に聞いた。 おうち宣言、畑荒らし、捕食者、雨で溶ける…etc その全てをこの2匹は「ゆっくりしてないね」と切り捨てたのだ。 「そっか、お前達みたいなゆっくりが増えたらいいんだけどな」 「おにーさん、ありがとう!」 「それじゃ俺は仕事があるからな、ゆっくりできてないゆっくりを捕まえてくるさ」 「がんばってねおにーさん!」 男は去り、白銀の世界で2匹はゆっくりし続けた。 ちなみに、この2匹に関わったゆっくりの行方を知る者は、誰もいなかった。 そして春。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりなかまをさがすよ!」 「ゆっくりかりをするよ!」 今年もまたゆっくりできていないゆっくりが溢れる。 しかし2匹には関係のないこと。 関わってきたとき位はゆっくり出来ていないと教えてあげる事は出来るが… ゆっくりはゆっくりさえしてればいい、この2匹にはそれが全てなのである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あとがき 原点回帰? ゆっくりしていないゆっくりはいじめがいがありますね。 自分達がゆっくりしてなくてもゆっくりしていると言い張るのはどうなんでしょう? 今まで書いたもの 博麗神社にて。 炎のゆっくり ゆっくりを育てたら。 ありす育ての名まりさ 長生きドスの群 メガゆっくり ゆっくり畑 益ゆっくりと害ゆっくり ゲスの行き着く先 つかれたまりさ 噂・ゲスの宿命 このSSに感想を付ける
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春の恵みさんでゆっくりするよ 15KB 一応『ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 』からさらにさかのぼります。 物語的には第一話、というよりプロローグで、町れいむ一家はお休みです。 このシリーズにあるまじきことですが、自然の脅威はゆっくりを襲いません。 前回説明不足だったので補足。主役のれいむ一家は、3ヶ月毎に1世代移行します。 つまり、春の赤れいむ=夏の親れいむです。 以降季節が変わるたびに主役も次世代へと受け継がれる予定です。 サブキャラのゲスまりさとゆうかりんは同一ゆっくりですが。 『春の恵みさんでゆっくりするよ』 D.O 『・・・○○地方一帯に森ゆっくり注意報が発令されました。 地域住民の皆さまは戸じまりに十分留意して、食品やコワレモノはゆっくりが届かないところに・・・』 「ほぉ。今年もゆっくりの季節か。春だなぁ。」 「何のんきなこといってるんですかっ、もう。また庭に物がおけなくなるわぁ。」 「ええー。ボクたのしみー。おおきくなったらゆっくりせいそうのおじさんになるんだー。」 「四十八!変なこと言ってないで早く学校行きなさい!遅れるわよ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」 「ゆっくりしていってね!ゆゆーん、かわいいおちびちゃんだよー。」 「「「きゃわいきゅってごめんなしゃい!!!」」」 「おちびちゃん、すーり、すーりしようね!」 「「「しゅーり、しゅーり!ちあわちぇぇぇぇえええ!!!」」」 ころす 3月の終わり。 山では雪解けも終わり、 すっきり―の季節を迎えていた。 森や山では、野生のゆっくり達が冬ごもりから解放され、 春の草花をモリモリ食べてはすっきりー。 越冬失敗によって9割以上が永遠にゆっくりする彼女たちも、この時期には勢力を取り戻すのだ。 取り戻しすぎるのだ。 自然の中では赤ゆ達がはしゃぎまわる喧騒に包まれているころ、 町のゆっくり達は様子がどうも違う。 では、町中の広場、そこの公衆便所裏にあるれいむのおうちをご覧いただこう。 「すぴー、すぴー。ゆっくりー。」 寝ている。 断わっておくが、別に彼女は怠惰なゆっくりではない。 近年町ゆの間で生まれた新たな習性、『春ごもり』を行っているのだ。 町ゆ達は寒い冬の間も活動を続ける。 秋にごはんがたくさん手に入るわけでもないのだから、おちおち冬ごもりなどと言っていられない。 その一方で、冬の間はクリスマスケーキ、正月のモチやおせち、節分の豆と恵方巻、バレンタインのチョコと、 ゴミ捨て場から、十分な『あまあま』が手に入るのだ。競争相手もとっくに激減しているのでほとんどいない。 あとはおうちの床下に穴を掘り、雪と一緒に食糧を埋めてしまえば、 2月の終わりから4月の初めあたりまでゆっくりしていられるわけである。 しかし、町ゆ達はゆっくりするために春ごもりをするわけではない。ではなぜ。 それは、自然界のゆっくりには起こり得ない切実な問題、『食料不足』が春の町を襲うからだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 「ゆゆーん。あれがにんげんさんのまちさんだよ!」 「まちしゃんはゆっくちできりゅの?」 「ゆっくち!ゆっくち!」 この森れいむも、赤まりさと赤れいむを頭に乗せて町までやってきた。 理由は、群れ全体の非常用食糧保管庫で、無断でむーしゃむーしゃしたためだ。 早い話が追い出された。 その割に悲壮感がないのは、何と言っても春だからだろう。 春のゆん口爆発によって、自然界では群れの間引きが行われる。 別に大した罪でなくても、無能というだけで群れを追い出されることもあるくらいなので、 れいむへの仕打ちは妥当な方だ。 ただし、ゆっくりの群れでは通常、掟を破っても命までは奪わないので、事実上は追放刑が極刑であるが。 自然、人間さんの町を目指して、多くのゆっくりが家族連れでやってくることになる。 目的は様々だ。 人間さんのあまあまに味をしめたもの。 漠然と都会派に憧れるもの。 人間さんはまりさの奴隷だぜ、なもの。 ゲス・ぼせい(笑)・レイパー行為がとがめられ、群れから追い出されたもの。 一つ確かなことは、ゆっくりしたゆっくりは町になどやって来なくてもゆっくり出来ているということ。 そもそも開拓者精神など、ゆっくりには過ぎた代物なのだ。 『ゆっくり警報が発令されました。本日○○時以降、虹浦町内における、登録車両以外の使用を禁止します。』 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆゆーん。まちさんについたよ!」 「にんげんしゃんがいっぴゃいだよ!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 「ゆっゆーん。あまあまがいっぱいだよ!きっとにんげんさんが、れいむたちによういしてくれたんだね!」 れいむの目の前には商店街。 町は、ゆっくりスリップによる事故防止のため、原則車両の使用が禁止されている。 そのため歩行者が目立つが、それ以上に目立つのはれいむより先にやってきたゆっくり達だ。 彼女たちはてっとり早くあまあまを手に入れるため、れいむ同様、商店の陳列棚に狙いを定めていた。 というより、最初から自分たちのためのご飯だと思っている。 青果店でよだれを垂らしている、あのまりさ一家もだ。 「ゆふぅーん。あまあまがまりさたちをまってるんだぜ。」 「「「「「ゆっくちいただきましゅ!」」」」」 ぺたぺたぺたっ!ぺたん、ぺたん。・・・? 「とうめいなかべさんがじゃまするんだぜ!にんげんさん!ゆっくりあまあまをちょうだいね!」 「ゆっくちちたあまあましゃんをちょーらいにぇ!」 「・・・はーい、お買い上げありがとやんした―!」 「「「「「「むししないでねぇぇえええ!」」」」」」 陳列棚はガラスケース付きだ。保冷のためではあるが、対ゆっくり用でもある。 ブロロロロロロロロ・・・・・・・・・・・・・・・ 『ゆっくり清掃、ゆっくり清掃、ゆっくり清掃です。』 「清掃お願いしゃーす!」 「はい、こちらですね。」 見た目は青く塗装されたタンクローリー、側面にはニコニコゆっくりマークと『ゆっくり清掃』の文字。 そのタンクから伸びる、直径30cmほどのフレキシブルチューブの先端には、 太さ6cm、長さ50cmほどの筒先が取り付けられている。 青い作業服を着た清掃員は、親まりさに筒先を向ける。 「ゆゆっ?おにーさん、ゆっく」 ブヂュンッ!ズゴゴゴゴゴォォォォオオオオ! 親まりさは、自分よりはるかに細い筒の口に、勢いよく吸い込まれていった。 原型を保つことなく。 「ゆ?ゆ・・・おきゃあしゃんぎゃぁぁぁああああ!」 「はい、君らもね。」 「やめちぇぇぇええええ!」 ブヲォォオオオオオオ!しゅこん。しゅぽぽぽん。 「ゆっくちかくれちゃよ!」 「でみょ、おきゃあしゃんぎゃ・・・。」 「こっちの隙間にもいるかな?」 ブォオオオオ。しゅぽぽん。 「これで終わりですかね。ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!」 「あっ、まだいた。」しゅぽん。 「はい、終わりましたー。」 「ご苦労さんっす。ゴミ掃除にもなるからありがてえっすよ。 今年の森ゆっくりはどんくらい続きやっすかねぇ。」 「そうですね。私どもは、二週間も続かないとみております。」 「あっ!ゆっくり清掃のおにーさんだー!かっけー!」 「こんにちはー。」 「ねーねーおにーさん!ゆっくり清掃の人って、どうすればなれるのー?」 「・・・そうだね。たくさんお勉強して、ご飯を好き嫌いしないとなれるよ。」 「うん!ぼくがんばる!じゃーねー!」 「おい、儚井。おめぇかっこつけてんなー。」 「まあ、市役所の職員が持ち回りでやってるって、なんか夢ないでしょ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おきゃあしゃん。あにょあおいにんげんしゃん、ゆっくちきょわいよ。」 「ゆ、ゆぅ。あのおにーさんにはちかづかないようにしようね。」 「ゆあーん。おなきゃしゅいちゃよー。」 せっかく人間さんの町にやってきたのに、あまあまはもらえず、 怖いお兄さんが青いすぃーでうろついている。 とりあえずなにがむーしゃむーしゃしないとゆっくりできない。 幸い、町中には植栽やら芝生やらが多い。味さえ我慢すれば・・・ 「むーしゃ、むーしゃ、しあわ・・・ゆげぇ。」 「ゆびぇぇぇぇ・・・えれえれ。」 「もっちょゆっくち、しちゃかっちゃよ・・・。」 「おちびちゃん、おちびちゃぁぁぁああああん!」 赤まりさ退場。 「どぼぢで、どぼぢでくささん、へんなあじするのぉぉおおおお!」 この時期、町の植栽や芝生では、石鹸水とトウガラシ成分を含んだ防虫剤が散布される。 別に効果が強いわけでも、安価なわけでもなく、防ゆっくり効果が高いという理由で、 年間を通じてこの時期だけ売り上げを伸ばすのだ。 ゆっくりからすれば、辛くて苦くて変な味がする。 赤ゆならば、餡子を吐き出して絶命する程度に。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆぅぅぅぅ、おちびちゃんがぁ。」 「まりしゃおにぇえちゃんがぁ」 「むほぉぉおおおおおおおおおお!」 「「ゆゆっ!」」 れいむ親子がとっさに電柱の影に身を隠すと、その向こうにはおなじみのレイパーありすがいた。 住宅の柵の隙間に体をねじ込むようにして、何やら家の中を見ているようだ。中からは飼いゆっくりの声が聞こえる 「むほぉぉおおおお!とかいはなれいむねぇぇえ。すっきりしましょぉぉおおおお!」 「おにぇえしゃん。おしょとにきもちわりゅいありしゅがいりゅよぉ。」 「あれはね、れいむ。なまはげありすっていうの。」 「にゃまはげ?」 「そうよ。あのありすは、お友達のありす達と違って気持ち悪いでしょう。」 「なにいってるのぉぉおおおお!ありすはとってもとかいはでしょぉおおお!」 「なまはげありすはね、お姉さんの言うことを聞かない悪いゆっくりだとね。 無理矢理すっきりして、食べちゃうのよぉ(笑)!」 「ゆあーん。にゃまはげしゃんはゆっくちできにゃいよぉ。」 「大丈夫よ。れいむはお姉さんの言うこと聞ける、とってもいい子でしょ。」 「ゆん!れいみゅはしゅききらいしにゃいよ! おにぇーしゃんのものはこわしゃないよ!とっちぇもいいこだよ!」 「ほうちぷれいなのねぇぇええ!もえるわぁぁぁああああ!」 『・・・・・・ゆっくり清掃、ゆっくり清掃、ゆっくり清掃です。・・・・・・』 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆぅぅぅ。れいぱーもこわいけど、あのあおいすぃーはもっとこわいよ。」 「おきゃーしゃん・・・おにゃきゃすいちゃよ。」 れいむ達は商店街、住宅地を逃げ回り、いつしか大きな川の河川敷までたどり着いていた。 だが、普段であれば雑草が生い茂る河川敷も、先着の森ゆっくりたちによって雑草が食らい尽され、黒い土をさらけ出している。 大抵の森ゆっくり達は、れいむ達と同じ道をたどってきたのだ。 「ゆぅ・・・ゆゆっ!かわさんのなかにまりさたちがいるよ!」 「ゆっくちしたくさしゃんをとっちぇるよ!」 澄み切った青い空を映す川では、多くのまりさ達が帽子に乗って川の中に進み、豊富に生えた水草を収穫していた。 食料の見当たらない町をさまよい続けたれいむ達にとって、白馬にまたがる英雄に映ったことだろう。 「まりさぁ・・・れいむたちにもごはんさんをとってほしいよ。」 「ゆふん!まりさとしても、なんとかしてやりたいところなんだぜ。 でも、ただってわけにはいかないんだぜ!」 「?」 「まりさは・・・じつはずっとゆっくりするおあいてがいないんだぜ。 れいむはなかなかのびれいむなんだぜ!まりさとずっとゆっくりしてほしいんだぜ!」 「ゆゆーん。れいむはいいよぉ。」 結婚のバーゲンセール。 ともあれ、つがいとなるなら話は早い。まりさはもっと狩りに精を出すことにした。 れいむは、堤防の上の道からまりさに声援を送る。 「まりさー、いっぱいむーしゃむーしゃさせてね!」 「あたらちいおとーしゃん、かっこいいにぇ!」 「ゆっゆーん!まりさにまかせるんだぜー!」 『プォーーーーーン。○○時から、町内ゆっくり洗浄を実施します。 ○○川の水門を開放するので、××橋から△△橋の間では、河川敷から退去して下さい。・・・』 それからちょうど30分後、町中の排水溝・側溝、小川から大きな川まで一斉に大量放水が開始された。 ゆっくり洗浄。 通常は梅雨・秋雨の時期に、○○川に設置された水門を一斉開放して、 堤防に巣穴を掘るゆっくりを流しつくす作業を示す。 だが、この時期は特別に、町中の水路という水路に一斉に水を流すことで、 内部を住処にしようとする森ゆっくりを駆除する。 市の財政としてはありがたくないが、町がきれいになるということで、市民には割と高評価を受けている。 れいむは、つがいとなったばかりの伴侶が彼方まで流れていく様を、茫然として眺め続けていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 3日後、れいむ親子は生きていた。 ただし、町に来てからむーしゃむーしゃは一度もしていない。 赤れいむなどは、れいむの頭の上で、ほとんど動くこともできないほどに衰弱しきっていた。 「ゆぅ・・・ゆっ!あれは、にんげんさんのごはんさんだよ!」 目の前では、まさに今、人間さんが生ゴミを捨てようとしていた。 人間さんはゆっくりできない。3日の町での生活で、れいむ親子は身にしみるほどに理解していた。 人間さんが、生ゴミの入った袋をゴミ集積用カーゴに入れ、屋内に入っていくのを息をひそめて確認した後、 れいむ親子はカーゴに這い寄った。 「「「「「「わかるよー。」」」」」」 「「「「「「ごはんさんだぜぇぇえええ。」」」」」」 「「「「「「とかいはぁぁぁあああああああ!」」」」」」 「ゆっ!?」 当然れいむだけではなかった。 カーゴに群がるゆっくり達。その姿は飴に群がるアリの様で、少なくともゆっくりはしていなかった。 「ゆっきひぃ!あかないよっ!ごはん、ごはんぅぅうう!」 「ゆっぐぢぃ!ゆっぐぢぃ!」 カーゴにはダイヤル錠がつけられていた。 実のところ、この町のゴミ集積場には錠前がつけられてはいても、 普段ならば面倒臭がって施錠まではされていないことが多い。というより施錠しない。 町の人間さんは、春の始まりとともに思い出すのだ。 ―――そういえば、ゆっくりって、春の始まりあたりになると、途端にゴミの漁り方が汚くなるんだよなぁ――― 「ゆっぐじざぜでぇぇぇええええ!!!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− れいむが町へやってきて4日が経った。 れいむは今、駅のコンコースにいる。 赤れいむはもういない。 永遠にゆっくりしてしまったから、むーしゃむーしゃした。 どうして、こんなことになったの? どうして、にんげんさんのまちには、ごはんさんがないの? どうして?はるさんはきたよ?どうして・・・。 れいむは自分に残された最後の力を振り絞っておうたを歌う。 れいむの前には猫缶の空き缶。 れいむのおうたをきいて、ゆっくりできたらごはんさんをちょうだいね。 駅には、ラジオのノイズのような雑音が響いた。 ね、ゆっくりできたでしょ?ごはんさんをちょうだい。 かすむ視界、その目の前には一人だけ、人間さんが立っていた。青い服を着た人間さんが・・・ 『・・・・・・ゆっくり清掃、ゆっくり清掃、ゆっくり清掃です。・・・・・・』 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 『・・・○○地方一帯に発令中でした森ゆっくり警報が解除されました。・・・』 毎年3月の終わりに町にやってくる、総勢数万とも言われる森ゆっくり。 彼女たちの5月までの生存確率は、この数年では絶無である。 1000分の1、10000分の1ではない。ゼロだ。 だが、生き残る可能性がゼロかというと、そうではない。 10年近くも前に一匹のぱちゅりーが森から移り住み、 極上の運と稀に見る知性、多くの仲間の助けの中で生き延び、 体高50cmを超えるほどに成長した末、ついに森へと生きて帰りついた例もある。 今年は、第2のぱちゅりーが現れただろうか。 まあ、どうでもいいことだ。 これから始まる物語の主役は森のゆっくり達などではなく、 町で世代を重ね、儚い命を精一杯燃やしながら生き続ける、 あの、町れいむの一族なのだから・・・・・・ お蔵入りしかけたSS。仕上がりがやっつけ気味かも。 理由は簡単、人間さんの手を煩わせ過ぎです。 森れいむも好みじゃないし。 あと、『竜巻』の回で、真の都会派教育(笑)という反応だったので補足します。 真の都会派教育をうけたありすは、既婚ゆっくりは襲いません。 むほぉぉおおお、は警告シグナルです。本気で嫌がるといつもの都会派に戻ります。 町ゆが絶滅しないために、未婚の町ゆたちに赤ちゃんを授けてくれるコウノトリさんなんですね。 子育ては基本的に手伝いませんが。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順) 春-1. 本作品 春-2. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業 夏-2. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ぱちぇっぱちぇっえ~ -- 2014-05-22 20 02 02 ありすやり逃げじゃねーか汗 でも一応の貢献にはなってるのか、複雑な奴だった -- 2012-12-15 10 22 45 139ゆっくりのみるゆめ のばちぇさん? -- 2012-08-06 22 15 16
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「ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ/コメントログ」 139ゆっくりのみるゆめ のばちぇさん? -- 2012-08-06 22 15 16 ありすやり逃げじゃねーか汗 でも一応の貢献にはなってるのか、複雑な奴だった -- 2012-12-15 10 22 45 ぱちぇっぱちぇっえ~ -- 2014-05-22 20 02 02 実際に現実世界にゆっくり住んでいてもゆっくり警報は存在しなさそう。 -- 2021-12-13 17 12 52
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「ふたば系ゆっくりいじめ 96 永遠にゆっくりするということ/コメントログ」 フランかわいいよフラン -- 2011-12-24 13 48 05 死んだら糖度は変化しないはずでは? -- 2018-01-05 16 46 10
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「ふたば系ゆっくりいじめ 586 静かにゆっくりできないよ!!(後編)/コメントログ」 面白かったけど、飼い主がゲスすぎてゆっくりできなかったよ!!! -- 2009-12-17 02 19 36 無声の子供であるゲスちび共の言葉のせいで、薄情な飼い主の心が一気に離れていったんだね。 -- 2010-01-30 10 37 02 面白かったけど、シリーズ毎にでてくる善してるけど(報われずにでもなく、ただ単に無知なだけで)やってることは悪そのもののむかつくお兄さんは何?本人? -- 2010-03-15 20 27 27 確かに偽善鬼井三にはイラッと来るねw -- 2010-03-28 20 41 39 おもしろいけどゆっくりはできなかったんだよー。いみしんないいかただけどゆっくりりかいしてねー。 -- 2010-07-08 21 21 01 俺はゆっくりが一切の幸せとは無縁に悲惨な目にあって死ねば内容なんてどうでもいい。 -- 2010-08-04 23 32 18 って言うかこのゆっくり共ゲスじゃん OKOK -- 2010-08-05 02 53 54 最初のまりさはそれなりに幸せだからいいんじゃね? ゲスは虐待されて氏ねだけど -- 2010-08-12 06 38 23 ゆっくりでも自殺位できるんじゃないかな。 と思ったけど、声無しなせいで、お食べなさいもできないんだねー 可哀想だねー -- 2010-10-17 21 32 26 これめっちゃおもしれえ!!ぱねぇおもしろさだよ!! とてもゆっくり出来ました! 話がとても良く練られていて大変面白かったです! 自分勝手に甘やかして、自分勝手に捨てて、自分勝手に潰す、 自分勝手にゆっくりを飼うお兄さんに大変好感が持てました、マジで 他のペットであれば決して許されない事ですが、ゆっくりに限っては 自分勝手に飼う事こそ醍醐味だなあと私は勝手に思っておりますw まあ捨てゆは他人の迷惑なるから駄目だろうけど、でも捨てたいw このSSのように散々甘やかされたゆっくりが野良生活で地獄を見るのを見ると、 最高にQNQNできますねw -- 2011-02-19 13 13 41 GUESSは氏ね それだけだ... -- 2014-01-01 23 59 27 「コンテストに送ったお前が原因」←違うだろ? その理論だと、交通事故は車の開発者が悪いことになるぞ? この友人は頭大丈夫か? ↓×3 同じこと思ったw まぁ、ゲス無声ゆっくりに現実逃避する権利は元から無いがなwww -- 2018-01-04 02 52 23