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SIREN2 part23-599,600,606,612,627,681、part24-13,267,274,344、part25-122,243、part26-60,472,474、part27-220 (途中まで) part38-441,443,446~452,460,461,463~466 (上記の続き) 599 :SIREN2:2006/07/26(水)02 20 33ID LEwIXp4X スマン、ageちまった シナリオ分岐する要素あるから、後につながる分だけ書きます。 父と、姉と慕う少女の3人で夜見島の蒼之久の集落に住む幼い少年、三上脩はある夜階下からのもの音に気づき、目を覚ました。 「お父さん・・・?」そういいながら階段を降りた先で見たものは、惨殺された父の死体だった。 必死に事切れた父を起こそうとするが、突如玄関に現れた、「犬を連れた男」に驚き、奥の間へと逃げ込むのだった。 窓から家の外へと逃げた脩は、両手を血に染めた、姉と慕う少女「加奈江」と一緒に、 なぜか加奈江を狙い、襲い掛かってくる漁師たちに見つからないように集落から逃走するのだった。 オカルト雑誌「アトランティス」の若手編集者の一樹守は29年前に島民が謎の消失を遂げ、 その後も近海で謎の消失事件の相次ぐ島、夜見島の取材を行おうとした。 夜見島へ行く手段が見当たらず、一時は途方にくれたが、その場に居合わせた盲目の作家「三上脩」 の計らいにより、彼がチャーターした漁船「翔星丸」に同乗することができた。 また、出港直前に駆け込んできたチンピラ風の男と、派手な格好の女を乗せ、 船は夜見島へと出港したのだった。 しばらくして突然船が大きく揺れだし、一樹が外に出てみると、海は赤く染まり、大きくうねり出していた。 船に必死にしがみつく船員の女性を助けようとするが、女性は流されてしまい、 大きな赤い津波によって船は転覆し、一同は海に投げ出されたのだった。 600 :SIREN2:2006/07/26(水)02 49 12ID LEwIXp4X 三上の父、三上隆平が殺害される少し前、網元である太田常雄の家に漁師たちが集まっていた。 彼らにとて余所者で、民俗学?者の三上は聖域を荒らす邪魔者であり、また彼が海岸で保護した少女、加奈江は 彼らが守る村の言い伝えにある「海から来た穢れ」でしかなかった。 太田常雄の娘、ともえが加奈江が黒い影のようものを海へ帰しているのを見たとう証言もあり、 加奈江討伐の決起ために集まったのだった。 太田以下、全ての漁師が緊張した面持ちだったが、反対するものは1人もいなかった。 海に投げ出された一樹は廃墟の港へ流れ着いていた。探索を始めようとした瞬間、 彼の視界の端を何かが横切った。一樹はそのまま朽ち果てた港湾施設を探索するが、 そのとき、人の死体を思しきものが動き出すのを見るのだった。 探索の果て、彼は小屋の中で気を失っていた美しい少女「岸田百合」と出会う。 「助けて・・!あいつらが私のこと探してる!」 一樹は訳が理解できなかったが、 その場に先ほどの動く死体「屍人」が現れ、百合に襲い掛かろうとした。 屍人を撃退した一樹は、百合を伴って廃墟の港を脱出するのだった。 ちょうどその上空を、一機のヘリが爆音を上げながら、急激に高度を落としていった。 夜見島近海を飛行していた陸上自衛隊の輸送ヘリが自機の場所を見失った上、 操縦不能に陥ったのだった。 夜見島に不時着したヘリは、奇跡的に助かった三沢岳三等陸佐、永井頼人陸士長、 瀕死の重傷を負った沖田宏二等陸曹を残し、全員死亡。 瀕死の沖田を前に泣きじゃくる永井と対照的に淡々と指揮を宣言する三沢。 観覧車らしきものを視認した三沢は永井とともに沖田を担ぎ上げ、移動を開始するのだった。 606 :SIREN2:2006/07/26(水)11 39 11ID bW9UhuMw 廃墟の遊園地にたどり着き、管理小屋の電話から外部への連絡を試みる三沢。 不時着の衝撃で無線機は壊れてしまっていた。だが電話が繋がる様子はない。 受話器を置き、銃を手に小屋の外へ出ると、永井が沖田の死体を前にして泣きじゃくっていた。 「オイ、そいつもう死んでるぞ」冷淡に声をかける三沢。永井を引き起こし、立たせようとしたが、 永井は再び座り込んでしまう。 その時死んでいたはずの沖田が突然動き出し、永井に向けて発砲したのだった。 永井に応戦を命じる三沢。永井は三沢から銃を受け取り、変わり果てた上官を打ち倒すのだった。 遊園地跡から脱出を試みる二人だったが、屍人として蘇ったかつての仲間が行く手を塞ぐ。 その途中、永井は奇妙なものを見つける。精神を高揚させる薬。三沢は自分のだと言って永井から取り上げてしまったが、 それはおおよそ三沢には縁遠いはずのもだった。もうひとつは紛失した装備を回収したとき、信管を含む発火装置は回収できたのだが、 C4爆弾がなくなっていたのだった。 遊園正門は厳重に封鎖されていたため、二人は遊園裏門からがけを乗り越え、遊園地を後にするのだった。 山道を行く一樹と百合。座るのに具合のよさそうな岩を見つけ二人は休憩を取った。 百合が島へ来た目的を話し出す。それはこの島に閉じ込められた母を助けるためだと言う。 驚きを隠せない一樹だったが、百合は続ける「母さんは鳩を飛ばし続けた、でも戻ってこなかった」 意味が理解出来ない一樹だったが「ずっと待ってた、あなたが来るのを・・・。あなたは私を助けてくれる・・・?」 懇願する百合に一樹は困惑しながらも、同行を決意するのだった。 夜見島出身の駐在警官、藤田茂は夜見島の金鉱跡を巡回していた。地元の漁師たちから無人のはずの島に女がいるのを見た、との通報があったためだった。 藤田は生来、余計な事によく首を突っ込む性質で、その事で、家族からは疎まれていた。 決定的だったのは数年前、情に絆されて窃盗犯を取り逃がし、警部補から現在の地位に降格されたときのこと。 妻は過労で倒れ、大学進学を諦めざるを得なくなった娘、朝子からは事実上の絶縁を手紙で通告される事になったのだった。 無線で連絡を取ろうとした藤田だったが、どうした事か無線が通じない。 その時、彼の視界を黒い塊が横切るのだった。 黒い塊は屍霊と呼ばれる凝り固まった闇に人面が浮かび上がったものだった。 屍霊の襲撃を懐中電灯と警棒で振り払い、高台の小屋から藤田は奇妙なものを見つける。 深い森の中に大きな客船が座礁しているのだった。 「はぁ~やんなっちまうなぁ。すまんなぁ、朝子。」 そうつぶやくと彼は客船へと急行するのだった。 612 :SIREN2:2006/07/26(水)13 29 57ID uOb6qP3u 再び移動を開始した一樹たちは、遊園地から脱出してきた三沢たちに出会う。 救助に来たのかと思い、駆け寄る一樹だったが、三沢は警戒を解かない。 ライトの光を怖れる百合を不審に思った三沢だったが、激昂した一樹が間に割ってはいる。 そのとき永井は信じられないものを目撃する。「三佐、あれ・・・」 一同はこちらに押し寄せる巨大な赤い津波を目撃するのだった。 その少し前、チンピラ風の男、阿部倉司とともに漁船に乗り込んだ女、喜代田章子は不思議なものを見ていた。 彼女は生まれつき場所や物に付いた過去の記憶を見ることが出来、その力を生かし占いで生計を立てていた。 (参照 http //www.yumemi-salon.com/j/index.html) 彼女は夜見島の漁港の、とても古い記憶の中に殺害された彼女の友人「多川柳子」の顔を見たのだった。 「なぁなぁそれ霊感てヤツ?実はさ、俺も昔みたことがあってよ~」 くだらない話で章子の思考をジャマする阿部は、その柳子の同居人であり、恋人であり、そして殺害の容疑者である。 柳子が殺害されたことを自宅のテレビで知った章子の下に突然ナイフを持った阿部が押しかけてきたのだ。 「俺は柳子を殺しちゃいねぇ!あの前にあいつにあっているんだ!」 そう喚く阿部。 彼は自宅で柳子らしき死体(顔が判別不可能なほどに殴打されていた)の発見する前に、階段で彼女とすれ違い、挨拶までしたという。 だが普段から粗暴で、柳子との諍いが絶えなかった阿部は真っ先に容疑者として指名手配されてしまう。 パニックに陥った彼は、柳子の友人で、彼が胡散臭がっていた章子のもとに駆け込んだのだった。 彼の過去を「視た」らしい章子は阿部を信じ、彼が目撃した「もう1人の柳子」を探し出すのだった。 そんなこんなで夜見島へきた二人だったが、船は転覆、二人は無人の島に置いてけぼりである。 にもかかわらず阿部は足元に落ちていた胡散臭い金のアクセサリーを拾って「これ純金じゃね?」 などとくだらない言動を取り続けるのだった。 軽薄な阿部にウンザリしていた章子は驚くべきものを目にする。 それは二人に向かって押し寄せる巨大な赤い津波だった。 脩を貨物用ロープウェイで先に脱出させた加奈江は夜見島港へと急ぐ、途中ともえが彼女の行く手を阻んだが、 ともえを振り切り脩の元へ急ぐ加奈江。「あんたは逃げられない!」 ともえの叫びが背後から彼女に投げつけられるのだった。 網元、太田常雄以下、多数の漁師が港湾施設跡地で二人を探していたが、加奈江は彼らの視界を盗み見する特殊なの力を駆使し、 彼らを欺き、無事脩と再会する。灯台へと向かう二人を漁師たちが取り囲み、窮地に立たされる2人。 そのとき唐突に足場が崩れ、二人は崖下の海へ落ちていく。 「終わった・・・」そうつぶやく太田たち。だがその時、サイレンに似た不気味な音が高らかと鳴り響き、島全体が鳴動し始めたのだった。 ともえは赤く染まった海から、巨大な赤い津波が押し寄せてくるのを目撃する。 逃げることも出来ず、漁師たちは津波に飲み込まれていくのだった・・・。 627 :SIREN2:2006/07/26(水)22 54 54ID z+KFlbYz なんだか長くなってしまった。無駄遣いスマヌ手元に攻略本しかないんでうろ覚え。 まるで誰かの意識が自分の中に流れ込んでくるような不快感に苛まれながら、 一樹は目を覚ました。傍に立つ百合に着物姿の女がつかみかかる。 「なんで!なんであんたが生きてんのよ!」女を振りほどき、逃げる一樹と百合。 金鉱跡にたどり着いたとき、一樹は再び不快感に襲われる。 「じっとして。意識を集中して・・・。」一樹に声をかける百合。すると一樹の視界に、百合の視界と思しき視界が入り込むのだった。 一樹は信じられなかったが、百合は特に気にした様子はない。 この不可解な力を駆使し、屍人の蠢く金鉱跡を突破する二人であった。 県立亀石野中学2年、矢倉市子は突然目を覚ました。 テニス部の試合、団体戦準優勝、その帰りのフェリーの中・・・のはずだった。 市子はたった一人、薄暗い船倉で倒れていたのだ。 「ノリコー!中島くーん!?みんなどこー!?」 だが返事はない。その時唐突に頭に流れ込む誰かの視界。 「なに・・?これ?・・・ヤダ・・わかんない!!」パニックに陥りそうになる市子だったが、 船内を徘徊する屍人をやり過ごし、何とか艦橋へとたどり着く。突然船内電話が鳴り響く。 受話器を取ると中年男性の声が受話器のから聞こえてくる。矢継ぎ早に市子に質問する男。 しかし市子が答えようとしたとたん、ノイズが混じり、電話は切れてしまう。またしてもパニックになりそうな市子だったが、 勇気を振り絞り、船底の電源室へと向かう。「誰かいませんかー!?」 そう叫ぶ市子に扉の向こうから男が答える。 「そこにいるのか!?待ってろ!お巡りさんすぐにここを開けるから!」 針金を使い、鍵をこじ開ける藤田。 かくして二人は無事合流し、船の外へ脱出するのだった。 藤田の乗ってきた船を目指す藤田と市子。旧軍の砲台跡地に差し掛かったとき、1人の男が二人の前に現れる。 「藤田んとこの、馬鹿息子か・・・・」 息も絶え絶えに語るのは、網元、太田常雄である。 「親父さん!あんた10年間なにしてたんだ!?」10年前に全島民とともに消えたはずの太田を前にして動揺する藤田。 だが二人は再会を喜ぶこともなく、太田は絶命してしまう。絶命した太田を取り囲む屍霊。ほどなくして太田は屍人として復活し、 二人に襲い掛かるのだった。 太田を退け、砲台跡の地下に入る二人、だがそこで太田に追い詰められてしまう。太田が市子に襲い掛かろうとしたまさにその時、 市子は太田に向かって哂ったのだった。その笑みをみて恐れおののき、逃走する太田。 不思議に感じた市子だったが、藤田は気にも留めず、二人はもうひとつの砲台跡を経由し船を目指すのだった。 681 :SIREN2:2006/07/28(金)01 45 29ID /Zgf4oI/ もう少し端折って短くしたいけど、下手に端折ると話が分からなくなってしまう・・。 金鉱跡を抜け、再び山道へと入った一樹と百合。一樹は自らの体験した数々の不可解な出来事に困惑していた。 「おかしい。いくらなんでも非科学的すぎる。」そうつぶやく一樹。 百合に意見を求めても、返ってくるのは母を助けるという自分のことばかり。 混乱と疲労が一樹を苛立たせ、きつい言葉を発してしまう。 「その君の母さんとかいう人、本当にいるの?」その言葉に過剰な拒否反応を示す百合。 「私のこと信じてないのね!」そう言い放ち、駆け出す百合。 一樹は取り繕うこともできず、その場に立ち尽くすのだった。 山道を独り歩く百合。足元にまとわり着く屍霊を踏み潰し、一瞥をくれたその時、 森の中に座礁した船から何かを感じ取りのだった。 「-誰?」そうつぶやくと百合は客船へと向かうのだった。 赤い津波に巻き込まれ(もっとも彼は見えていなかったが)、海へと投げ出された盲目の作家、三上脩。 彼は、彼の失われた記憶の断片に残るある少女を追って、夜見島を目指していたのだった。 舗装路の上で彼の愛犬ツカサに起こされる三上。だが彼は彼の視界に驚いた。 失ったはずの彼の視野には、ツカサのものと思しき視界が広がっていたのだ。 「ツカサ・・・これはお前なのか?」そういいながらフラフラと目の前の石段を登り、目の前の家の引き戸を開ける三上。 そこには29年前、あの日あの時の自分が事切れた父を抱き起こそうとしていた。 三上に驚き逃げる脩。背後から太田常雄が現れ、三上を不審に思うが、 突然、死んだはずの三上隆平が跳ねるように飛び起き、驚き逃げる太田を追いかけるのだった。 三上は状況が信じられず、事実を確かめるために彼が埋めた、「お姉ちゃんとの思い出」を掘り出しに行く。 彼の記憶の通り、彼が描いたお姉ちゃんの絵はそこに埋まっていた。今時分は29年前のあの島にいる。 そう確信した三上をツカサが突き飛ばす。その直後、近くのプレハブが倒壊し、ツカサは生き埋めになってしまう。 更に三上の背後から屍人と化した漁師が襲い掛かる。弱い視界を頼りに逃げる三上。 だが彼は足を踏み外し、崖下へと転落するのだった。 金鉱社宅前で意識を取り戻した章子は奇妙な感覚に違和感を抱く。 いつもの過去の視界ではなく、今現在の誰かの視界を見ているのだ。 「何、これ?いつもと違う・・。」そうつぶやく章子。 彼女が見たのはフェンスに生っていたアケビをもぎ取って食べる阿部を見ている誰かの視界だった。 放置されていた軽トラに乗り、社宅跡を突破する章子。 一方阿部は犬の鳴き声に導かれるように、社宅跡を後にしていたのだった。 夜見島、瀬礼洲に打ち上げられた客船ブライトウィン号。 三沢と永井は船内を探索していた。永井が不安な心境を告白する。 -これは夢じゃないのか、自分の頭はおかしくなっているんじゃなのいのか- 三沢は頭に弾丸ぶち込んでみるか?と永井に聞く。 「もし夢なら暖かい布団で目が覚める。もし夢じゃなかったらー、それで、終わり-」 突然永井の頭に銃口を向け、ふざける三沢、その顔には子供のような狂気じみた笑い顔が浮かんでいる。 驚く永井だったが、背後の物音に気づきライトを向ける。 そこのは先ほどの若い女がいた。光を嫌がり、逃げる百合。 追いかけようとする永井だったが、三沢は気にも留めず、そのまま別の船室へと向かう。 「三佐?三沢さん!・・・・・なんなんだよあいつ調子乗ってんじゃねーよ」 永井は1人で百合を追うのだった。無事百合を保護した永井だったが、 百合を執拗に狙う、着物を着た女屍人によってタラップを落とされ、船から脱出できなくなってしまう。 永井は船倉にできた亀裂から百合を逃がし、自らも、救難艇で客船から脱出するのだった。 先に脱出した百合に追いついた永井。百合は長いに抱きつき、問いかけるのだった。 「あなたは私を信じてくれる?助けてくれる?」百合の神秘的な美しさに惹かれる永井。 その時、突然背後から三沢の銃口が百合に向けられる。銃口を跳ね除け、百合を逃す永井。 「何なんだよあんた!あんた前からおかしいと思ってたよ!!なんであんたなんだ・・・。 なんであんたじゃなくて沖田さんが・・・!ちくしょう!!もうやってられっかよ!!」 募らせた思いを吐き出す永井。吐露された怒りは上官と部下の関係を破綻させるのだった。 13 :SIREN2:2006/07/30(日)10 09 09ID l0kqLIjQ 最後の一粒になった錠剤を飲み込む三沢。 「なーがいくーん、いっしょにあそびましょー!」またしても彼らしからぬ、ふざけた調子を取る三沢。 彼の精神は極限まで蝕まれつつあった。 2年前、大地震に襲われ、壊滅した羽生蛇村。彼は災害救助の任務を遂行していた。 ただ1人、無傷で助かった少女を抱きかかえ、ヘリに吊り上げられる三沢。 その時彼は見たのだ。眼下に広がる泥土の中から彼と少女に掴みかかろうとする無数の手を。 この地にかけられた呪いの断片、安らかに眠ることすら禁じられたものたちの呪詛と怨嗟-。 「やめろ・・・やめろーーーーッッ!!」ただ叫ぶことしかできない三沢。 「三沢一尉?三沢一尉!?」彼を呼ぶヘリからの声で我に返る三沢。 彼の眼下にはただただ先ほどと同じ、泥土に埋もれた村が映っていた。 この出来事以来彼の精神は病み、鬱の状態になることが多くなった。 それは、三佐昇進、冬季東アジア大会での輝かしい功績をもってしても打ち消せず、 薬の使用により何とか押さえ込んでいる状態だった。 だがこの島に来て以来、立て続けに起きている怪異は彼の神経を高ぶらせ、鋭敏にし、 加速度的に精神状態を悪化させていた。 「どうしてそんなに嫌うかな・・・・・どこだ、永井。」そうつぶやき歩き出す三沢。 だが彼は廃墟の金鉱社宅の一室に妖しい光がともるのを目撃する。 その部屋へと向かおうとする三沢。だが彼の行く手を沖田以下、彼のかつての部下が阻む。 彼の持てる戦闘技術を結集し、屍人たちを退け、三沢はついに部屋へたどり着く。 そこには、あの日助けたはずの少女が、座って泣いていた。少女の肩に手をかけようとする三沢。 その時少女が突然振り向き飛び掛ってきた。あの顔は屍人そのものだった。 反射的に飛びのき、銃を乱射する三沢。だがそこには少女の気配すらなかったのだった。 崖から転落したあと、阿部によって助けられた三上。今は砲台跡のトンネルにいた。 「アレッ?あんた三上脩じゃねぇ?」相変わらず軽薄な阿部を無視して話を進める三上。 「この島のどこかに、記憶を引き出す鍵があるはず・・・阿部さん、あなたの目をかしてくれないか?」 阿部の視界を借り、砲台跡を探索する安部と三上。 地下の封じられた弾薬庫をの入り口を破壊し、中に入る二人。だが特に妖しいものはない。 「なんだよなにもねーじゃねーか」ぼやく阿部。 しかし三上がレンガ造りの壁に触れたとたん、壁が崩れ、土の中に埋もれた人魚のような生き物の化石を発見するのだった。 おおきなかみさま しんだ おねえちゃんのおかあさん うまれた いっぱいうまれた 子供のころ、加奈江が話してくれたことを思い出す三上。 二人は急ぎ、砲台跡を脱出するのだった。 遊園地跡へとたどり着いた二人、三上は闇の中から自分を呼ぶような声を聞いた気がした。 幼いころの記憶がよみがえる、七つの門、七つの鍵。 加奈江の残した言葉と歌、そして父、隆平が捜し求めた夜見島の謎、 それさえ解けば記憶が完全に戻るという確信が彼にはあった。 電動パンダにまたがる阿部に三上は再び協力を求める。 物事に頓着しない阿部は、彼の真意を知ることもなく、彼に協力するのだった。 267 :SIREN2:2006/08/16(水)22 08 40ID tyC+jfBT0 百合をさがして夜見島遊園へ独りたどり着いた一樹。 百合は座っていた。声をかける一樹に百合はガラス製の鳩を見せた。 「見て」百合の手から滑り落ち、粉々に砕けるガラスの鳩。 「早くしないと戻ってしまう、混沌の闇の中に・・・」そうつぶやく百合。 一樹は百合の言葉を理解できなかったが驚くべきものを見た。 それは先ほど砕けたはずのガラスの鳩だった。まるで何事もなかったかのようにそれはそこにあった。 百合の歌う失われたはずの「巫秘抄歌」と幻視によって次々と現れる碑の封印を解く一樹。 最後の巫女の碑の封印を解いた一樹。とたんに強い眩暈に襲われる。 「見て・・・」頭を押さえ、苦しむ一樹の背後を指差す百合。 錆付いた観覧車があったはずのそこには巨大な穴が現れていた。 遊園地の地下に広がる空間。異様な雰囲気が漂うなか、一樹は百合の後を追って鉄製の階段を下りていく。 その先にあったのは、地底に広がる赤い海。百合はゆっくりと振り返り、上着を脱ぎ捨てていく。 「本当の私を見て・・・」そう呟き、はだけた胸元には、もうひとつの顔が浮かび上がっていた。 百合もまた、人ならざる者だったのだ。立ち尽くす一樹。今度は胸元の顔が話しかける。 「見て・・・私を見て・・・本当の私を・・・」そして百合の背後の赤い海の底から、 サイレンに似た咆哮とともに怪物と呼ぶにふさわしい姿をしたものが現れたのだった。 百合を名乗っていたモノ・・・。それは「母胎」の化身だった。 母胎・・・かつて地上を光の洪水によって追われ、異界の地の底に潜みしものの集合体。 永遠に近いときを経て、彼らの悲願を達成する機会がついに訪れた。 人間の手により封印を解き、人の肉体を自らと融合させること。悲願達成の第一歩はついに歩みだされた。 成す術もなく、母胎に取り込まれそうになる一樹。だが取り込まれようとした瞬間。 翔星丸の無線員、木船郁子が突如現れ、不可思議な力で母胎の動きを封じ、一樹を助けた。 「早く逃げてっ!これ以上は私が持たない!」正気に返り、母胎から逃げる一樹。 その時。 「うわぁっ!何なんだよこれ!」絶叫する阿部。 三上と阿部の二人がこの封印の地へと、母胎の前へと現れた。 三上の見えなくなったはずの目に、母胎の、かつて己の目の前で海の底へ溶けるように消えていった加奈江の顔が映った。 「おねえちゃん・・・?おねえちゃんだよね・・・?」全ての記憶を取り戻した三上。しかし彼の目に映るのは人面魚体の怪物ではなく、やさしかった姉の姿。 「ぼくさびしかったよ・・・くらやみのなかでひとりぼっちだったよ・・・」ふらふらと赤い海に佇む加奈江へと歩いていく三上。 三上が加奈江に抱きつこうとしたその時、章子が現れ、三上に叫んだのだった。 「脩ゥッ!見ちゃダメェーーッ!!」 「おねえちゃん・・・?」章子の言葉に驚きの表情見せた三上だったが・・・ すでに遅かった。 母胎の腹部から伸びた何本もの触手によって、三上は母胎に完全に取り込まれてしまった。 「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」 歓喜の笑い声とともに何十、何百もの闇霊を産み落とす母胎。 その姿に驚き、阿部は章子を、木船は一樹を連れ、その場から逃げるのだった。 しかし彼らの後を闇霊-大きな口を持った、たとえるなら真っ白な人魚の胎児のようなモノ-が追いかけてくるのだった。 その時、地上では、三沢は無数の屍霊と戦い、永井は鳴り響くサイレンの音に耳をふさぎ、 市子は・・・鮮血に染まり、もう動くことのない藤田に抱きついて、泣いていたのだった。 274 :SIREN2:2006/08/17(木)17 07 52ID 2pt0I5q10 船から投げ出され、赤い海の中を漂う三上。 過去の記憶が断片的によみがえる。 足場が崩れ、海に落ちた後、彼は加奈江によってボートに乗せられた。 しかし加奈江は全ての力を使い切ってしまい、もう動くことすら出来なかった。 力なく海に浮かぶ加奈江。そしてそれを見つめる脩。 「脩・・・見ないで・・・・お願い。見ちゃダメ・・・・」 昇りゆく朝日とともに、加奈江は海の底へ、まるで溶けていくように消えていったのだった。 穴の壁面に沿うように設けられた鉄組みの足場を全力で駆け上がる木船と一樹。 だが一樹は母胎に操られたこともあってか、疲労が頂点に達していた。 膝をつき、その場から動けなくなる一樹。 そこへ、階段の上から無数の屍霊が、下からは無数の闇霊たちが迫ってくるのだった。 「僕を置いて・・・逃げるんだ・・」弱音を吐く一樹。 「何かっこつけてんのよ!こんなとこでかっこつけたって誰も見てないよ!バッカじゃないの!?」そんな一樹を叱咤する木船。 人外のものが迫り、最早これまでと思われたが、果たして化物たちは二人に襲い掛かることはなかった。 彼らを飛び越え、互いに喰らい始めたのだ。顔を見合わせ、頷く一樹と木船。 二人は全ての力を振り絞り、地上へと向かって走り出したのだった。 なんとか地上へと出た二人だったがそこにはすでに屍人たちによって包囲されていた。 木船は他者の肉体を乗っ取る自らの力を駆使し、武器を手に入れ、七つの碑を叩き壊し、 「冥府の門」を閉じようとするのだった。しかし門は閉じられることなく、門の中から黒衣をまとった闇霊たちがあふれ出てくるのだった。 逃げようとする二人を、変わり果てた藤田と屍人自衛官が包囲する。 しかしまたしても闇霊たちによって屍人は喰われ、二人は窮地を脱するのだった。 遊園地の出口へと向かった二人は三度、闇霊に襲われた。すでに出せる力もなく、絶体絶命の危機に陥る二人。 しかし空から降り注いできた赤い光によって彼らを取り囲んでいた闇霊は消滅し、二人は三度の危機をまたしても運命に救われたのだった。 集落まで逃げた二人。しばしの休息の後、人との接触を怖れる木船はその場から立ち去ろうとする。 木船の手をつかみ、二人で行動することを提案する一樹。 しかし木船の、自分は人の心を読むことが出来る、という言葉に驚き、一樹は手を離してしまう。 「そんな・・・化物を見るような目で見ないでよ」木船はそういい、力なく微笑み立ち去っていった。 -やはり自分は化物なのか。そのような思いに捕らわれる木船であった。 取り残された一樹は、何故手を離してしまったのか、と後悔していた。 彼の脳裏につらい過去の記憶がよみがえる・・・。 344 :SIREN2:2006/08/25(金)05 20 53ID o/3MmBwC0 怪異発生より8時間後の夜見島、潮降浜。 その近くを矢倉市子は彷徨っていた。服には藤田の血がついている。 「お母さん・・・家に・・・帰りたい・・・」 そう呟く市子の脳裏に一瞬奇妙な記憶が甦る。 誰かの手にぶら下がる自分。しかし、ブレスレットが千切れて海へ落ちていく。 記憶のなかの市子が海に落ちたと同時に、市子自身も足を踏み外し、崖下の道路へと転落した。 -逃げなきゃ。そう思い、潮降浜の前を走りにける市子。その前にアイロンで武装した女屍人が立ち塞がる。 武器を持たない市子では対抗することができない。逃げようとしたその時、背後から軽トラックのエンジン音が鳴り響いた。 驚いて道脇の草むらに飛び込む市子。そのすぐ横を軽トラックが猛スピードで通過した。 市子が草むらから這い出してみてみると、女屍人が少し離れたところに転がっていた。 撥ねられたらしい。 市子はアイロンを手にすると廃墟になった小中学校跡へと向かったのだった。 大道具倉庫で釘箱を入手した市子はそれを校舎裏の道に撒いた。しつこく追跡してくるトラックをそれでパンクさせようというのだ。 市子の目論み道理、タイヤが破裂し、制御を失い、封鎖された校舎裏門を突き抜けるトラック。 その時校舎裏門から大量の闇霊が侵入してきた。屍人たちは市子に目もくれず、闇霊を攻撃し始める。 そのまま校舎裏門を抜ける市子だったが軽トラックから屍人が降りてきた。 かつての沖田宏である。 沖田は市子に気づくまもなく闇霊に囲まれ、そして喰われた。 市子は泣き叫びながらその脇を通り抜けるが、闇霊に囲まれてしまう。 その時、市子の頭上に赤い光が降り注ぎ、包囲していた闇霊は蒸発するのだった。 その1時間ほど前。 崩谷、夜見島金鉱(株)社宅跡。 そこに女の悲鳴が響き渡った。だが生きているもののそれではない。 海より来る穢れに操られしもの、屍人の叫び声である。 異界、夜見島において人の上に君臨し、蹂躙する存在。 そのはずの彼らが恐怖し、逃げ惑い、仲間に助けを求めていた。 かつての彼らの同胞、闇人が復活したのだった。 同胞とはいえ彼らの間には仔細あって愛憎遺恨が渦巻いていた。 初めはいきり立って闇人に襲い掛かった屍人たちだったが、その力の差たるや歴然。 屍人は頂点の座をあっさり奪われた。しかし己の存在意義を賭け、全力で抵抗していた。 助けを求めた女屍人、鍋島揉子(金鉱跡で一樹たちの脳天をハンマーでカチ割ろうとした)は背後に迫る気配を感じ、ベランダへと逃げた。 機関拳銃を手にした闇人が彼女を追いかけていたのだ。 彼女を見つけ、歓喜の叫びを上げる闇人。その時。 -響きわたる叫び声に答えるかのように、不規則な足音が社宅跡に響く。その数2人分。 三沢、永井らの隊を指揮していた陸上自衛隊の佐官、一藤二孝が部下の屍人自衛官を連れ、揉子救出に駆けつけたのだ。 銃に弾倉を装着し、部下に指示を出す一藤。動き回る死体程度の屍人と完全に肉体を支配する闇人では身体能力の差は歴然。 ならば戦術でカバーするのみ。光に弱いという闇人の致命的な弱点をつきながら、立ち塞がる敵を倒し、社宅に突入した両名。 その一室で揉子を無事発見した一藤。 「うぉぅ!?(訳:大丈夫か!?)」 「ヒィィィィィィィ・・・(訳:アイロンが・・・形見のアイロンがないの・・・)」 銃に新しい弾倉を取り付ける一藤。 「うぉぅ!(訳:俺にまかせな!)」 女を泣かすやつァ許さねぇとばかりにいきり立つ一藤。その心の裏には彼女への想いがあった。 屍人だてらに一目ぼれである。 その想いの前には凄腕狙撃闇人も変わり果てたかつての部下も意味を成さなかった。 ついにアイロンを手にする揉子。あとはここより脱出するのみである。 脱出まであと一息、その時背後から一藤を大量の銃弾が襲った。 振り返ると銃を構えた闇人が立っていた。 「イヒヒヒィィィイィィ!!」 一藤に狙いを定め笑い声をもらす闇人。 「!?ギィィィィィィッ・・・!」 銃声とともにその場に倒れる闇人。その背後には部下屍人が立っていた。 その姿を見て、安堵し、その場に座り込む一藤と揉子であった。 122 :SIREN2:2006/09/07(木)01 55 01ID Xo0D5JwM0 四鳴山の林道を歩く阿部と喜代田。阿部が多川柳子との思い出を語りだす。 「あいつ時々わけわかんねーくらい暴れだしたりしてさ・・・」 そこまで語ると言葉につまり、俯く阿部。 阿部に寄り添う章子。二人が顔を上げたとき、信じられないものを見る。 目の前にそびえたつ廃鉄塔。その上空にはもう一本の鉄塔が宙吊りに浮いている。 そうではない。夜見島上空にはまるで鏡に映りこんだかのように、もうひとつ夜見島が存在していた。 「何かに呼ばれている気がするの。そこまで連れってくれないかな。」 そう阿部にいい、廃墟の港湾施設を探索する章子。そこここで立ち止まっては過去の映像を見ている。 「アレ?これは・・?」「どういうことなの?」「・・・そうか」「・・・もう少し・・・もう少しよ・・・」 「・・・灯台へ行きましょう」そう阿部に告げる章子。 「・・ほら、がんばって・・」「もう少し、あともう少しよ・・」 灯台前の橋にたどり着いた二人。だが橋は崩落している。しかし章子は穴に向かってフラフラと歩いていく。 「ホラ・・・もう少しよ・・・がんばって・・・・・しゅう」 「おい!あぶねぇ!」 穴に落ちそうになる章子の腕をつかむ阿部。章子はそのまま倒れこむのだった。 疲れ果て、道沿いの石の上に腰を落とす二人。 「はっぴばーすでぃとぅゆー♪」 突然歌いだし、ポケットから拾った金のアクセサリーを章子に手渡す阿部。 「今日誕生日だったろ?免許書で見たんだよ。」 戸惑いながらも表情を緩める章子。俯いて寝息を立てだした阿部に寄り添い、しばしの平穏を味わうのだった。 243 :SIREN2:2006/09/18(月)02 05 33ID //aGHVnB0 砲台跡で大の字になって寝転び、三沢は空を見上げていた。空にはもうひとつの夜見島があった。 「・・・あっち側は遠いなぁ・・・」そう呟く三沢。 その時、突然少女の叫び声が聞こえてきた。 すぐ近くで市子が闇人に襲われていたのだ。その叫び声を聞き、薄ら笑いを浮かべて武器を構える三沢。 市子は三沢に助けられ、無事に砲台跡から脱出する。そして三沢も市子の後を追うのだった・・・。 蒼ノ久集落に来た永井は少女の嗚咽と男の声を聞いた。 「あの女より生臭い。お前は何なんだ」そういい市子に銃を向ける三沢。 「わかんない・・わかんない・・・!!」そういい泣き叫ぶ市子。 「やめろーッ!!」そう叫び咄嗟に銃を構える永井。しかしその弾みで銃が暴発し、三沢を打ち抜いてしまう。 よろよろと永井の方に向き直る三沢。 「・・・・やるじゃない」そして永井に抱きかかり、最期の言葉を残すのだった。 「俺は先に目覚めちゃうけど・・・・・悪いな」 最後まで三沢の真意を理解できず、目の前の事実に呆然とする永井。 永井は市子を連れ、その場から逃げるのだった。 60 :SIREN2:2006/10/04(水)21 22 38ID VJosXtZY0 三沢を誤って射殺し、市子をつれてその場から逃げ出した永井は夜見島金鉱社宅へとたどり着いた。 虚ろな市子を励ます永井。その背後の暗闇に、巨大な顔がぼんやりと浮かび上がる。 銃を構える間もなくはじき飛ばされる永井。起き上がると既に市子の姿も無い。 さらわれた市子を奪還すべく走り出す永井。 社宅の一室に市子はいた。しかし永井が声をかけるが虚ろな笑い声だけを返す市子。 市子はフラフラと立ち上がり、突如機関拳銃を永井に向けて発砲した。 「あの時死んだのは・・・・私。・・・・早く還りたい・・・・おかあさん。」 意味不明な言葉を呟き、闇人を殲滅しながら社宅をさまよう市子。 永井は市子が落としたと思われる壊れたブレスレットを市子の前に示し、正気に戻そうとするが 市子は永井の手を振り解き、逃げてしまうのだった。 冥府の門が開き、母胎が復活したその時、市子に急激な変化が訪れた。 薄笑いを浮かべる市子。藤田の胸に突き立つナイフ。うわごとのように娘への懺悔を呟き動かなくなる藤田。 我に返った市子の嗚咽と叫びが闇に木霊するのだった。 市子は思い出す。ー眼下に広がる、荒れ狂う漆黒の海。親友ノリコの腕にぶら下がり、今にも落ちそうな市子。 おそろいで買ったノリコのブレスレットに指がかかり、ブレスレットが大きくゆがむ。 死にたくない-そう思い指に力をこめた刹那、市子は荒れ狂う異界の海へと落ちた。 赤く染まった海中に漂う市子。手にはブレスレットが握りしめられている。 水中に響くくぐもったサイレンのような音が、徐々に市子に近付いていく。 ドアを開け船室に足を踏み入れる一樹。薄暗い船内に外光が差し込み、闇霊が奇怪な叫び声を上げ消滅する。 殲滅すべき敵を認識した一樹の目に憎悪が宿る。 「光が・・苦手なんだな・・・。化物め、化物め、化物め!」 憎むべき敵と、その弱点を知った一樹は船内の電源を復活させ、闇霊を一掃する。 人の姿をした化物も、更に醜悪な姿になった闇人、ともえをも倒した一樹。 疲れ果て、忍び寄る闇霊に気が付かない一樹を永井が助ける。 悲観的言動の一樹に対して、ある種の居直りを見せる永井は、絶望的状況での悪あがきを促す。 再び夜が訪れる。 待っていても助からない。 二人は怪異とその元凶に挑む。 472 :SIREN2:2006/11/28(火)20 24 07ID 0Kyq4nbO0 夜見島、瓜生ヶ森。 背後から郁子の肩を掴もうとする阿部。反射的に振り払う郁子。 「なぁアンタ、派手なカッコした女見なかった?・・・・あれ?アンタどこかで・・。」 阿部は章子の行方を尋ねるうちに、何故か奇妙な懐かしさを覚える、郁子は何も答えず走り去る。 章子は蒼ノ久集落にいた。 章子の意識に自分のものではない過去の映像が断片的に甦る。目を開く章子。 「脩……あの子はどこ?」覚束ない足取りでさまよい始める章子。 自分のものでない記憶に導かれた章子は三上家へたどり着く。 しかしその三上家から異形の存在となった三上脩の父、隆平が現れる。 「まだ起きていたのか。早く寝なさい。」 子供をあやすような口調で襲い掛かってくる修平。 章子は霊体となった脩に導かれ、夜見島に伝わる、異形の存在を浄化するという滅爻樹を手に入れる。 修平の隙を突き、その体に滅爻樹を突き立てる章子。 異形の断末魔の叫びとともに、修平は浄化された。 そして章子は真実を知ることになる。 血にまみれさび付いた包丁。 本当の自分。 あの日の記憶 隆平の腹部に刃物を突き刺している自分。 隆平は何が起きているのかわからない、という顔だ。 玄関の戸が乱暴に開けられる。 雨合羽をきた漁師の男たち。 奥の部屋へ逃げ込む。 そこの鏡に映るのは 章子の顔。 振り上げた包丁を鏡に叩きつける。 章子の顔はひび割れ、砕け散る。 「ーそう、私はー」 錆びた包丁を手に立ち上がる章子。 だがその顔は加奈江のものであった。 220 :SIREN2:2006/12/24(日) 21 23 22 ID k+hq9IPm0 四鳴山、離島線4号基鉄塔。 かつて島民から聖域として畏れられた地に聳え立つこの鉄の塔も、 島の他のものと同じく朽ち果て、自然の中に埋没していた。 そしてそれは島が異界と化した際に、さらにおぞましい姿になった。 朽ちたコンクリートの基部とその上に立つ鉄骨製の塔、そしてそれらにまとわりつき、飲み込むように伸びる一本の巨木。 それは異形に対し、抗うことを決心した者たちさえも竦みあがらせた。 社宅、ブライト・ウィン号、それぞれで異形に対面した二人だったが、 一樹と永井は奇怪な鉄塔がそびえ立つ異様な光景に気圧された。 その鉄塔の先に、もうひとつの夜見島があるのを見た一樹がひとつの結論に達した。 「ここは27年前の夜見島のコピーだったんだよ!!」 「うわぁ・・・語り始めちゃったよこの人・・・。」 「やつらはこの鉄塔を利用して現実の世界に浸出するつもりなんだ!」 一樹は思いつめた表情で、塔へと独り歩き出し、諦めと居直りの態度の永井がその後を追う。 二手に分かれた一樹と永井だったが、鉄塔上部にて無事に落ち合うことができた。 階下の永井を一樹が引き上げようとしたその瞬間、背後から再び異形が現れた。 「他所者どもめ・・・・わしの目の黒いうちは好きにはさせんぞ!!」 それは変わり果てた網元、太田常雄だった。 太田に突き落とされ、鉄塔から落下する永井。 一樹は鉄塔内部へ逃げ込み、隙を突いて太田を押さえ込む。 そして途中で偶然手に入れた太田常雄銘の滅爻樹を突き立てた。 「あああぁぁぁぁぁッ!・・・穢れが・・・消える・・・」 断末魔の叫びを残して、太田常雄は滅せられた。 その様子を見ていた太田ともえは、驚き、怯え上階層へと逃げていくのだった。 441 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 15 40 45 ID apy4KcCF0 簡単でいいからサイレン2お願いします。 まとめの奴って最後までかかれてないよね? 443 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 18 16 51 ID ud1aa8n60 441 書かれてないからやってみてみるよ 446 :SIREN2続き:2008/05/06(火) 21 52 52 ID ud1aa8n60 初めてなんで変な文章でゴメンよ とりあえずwikiの続きから 夜見島離島線4号基鉄塔 感応視により闇人達が鉄塔を通じて現実世界に侵攻しようとしていることを知った郁子は、 鉄塔のふもとにて頂上を見上げ、闇人たちの思惑を打破しようと決意する。 そのとき不意に背後に気配を感じ振り向くと、視界の端に人影を捉え消えた。 その人物のいたところには滅爻樹(藤田茂銘)が転がっていた。 鉄塔を上る道中、クレーンの鍵、鉄塔に絡まるように生えていた大樹に突き刺さっていた 闇那其(あんなき)なる巨大な石、乙式ともえがいじくっていた一樹のカメラを入手。 感応視を駆使して闇霊や闇人がたむろする鉄塔をさらに上り、鉄塔中腹で徘徊していた闇人藤田を滅爻樹で浄化した。藤田は「そうか…あんたも…あの…」と謎の言葉を郁子に投げかけ浄化されていった。 闇霊闇人との幾多の戦闘や闘争のはてに疲労困憊となった郁子はよろけ、さらにその足場は崩れてしまった。 が、あわやの所でその手を一樹がしっかりとつなぎ止めた。数時間前には異能に躊躇し手放してしまった郁子の手だったが今度は離さないと一樹はこれまでの顛末を詫び、それに悪態で郁子は返した。笑みを浮かべる二人。 そして二人で鉄塔の頂上を目指すことになった。 夜見島金鉱採掘所 昨日団地内に自生していた夜見アケビに当たり腹痛に苛まれながらトイレを探していた阿部。激しい絶望感に「くそすぎだろっ!このままじゃよう…」とへたれこんだその頭上に銃弾が打ち込まれた。 徘徊の最中闇人化した三沢をかわし物置に入ると霊体化した三上と遭遇した。 持ち前の明るさでもって気さくに挨拶する阿部の目の前で三上は壁の中へ消えていった。 三上が消えたそこには犬笛があった。その犬笛を何の気無しに吹いてみるとツカサが現れた。彼女も霊体化した三上に導かれて金鉱へと来たのだった。ツカサは阿部が砲台跡で落としたライターを返すと瓦礫の向こうへと再び走り去っていった。 447 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 21 53 54 ID ud1aa8n60 夜見島小学校 鉄塔から落とされ再び一人となった永井は闇人への徹底抗戦を決意。フェイスペイントを施し自己を鼓舞し『逆切れモード(永井談)』となり闇霊を殲滅していく。永井は軽トラックで小学校を根城に跋扈する闇人闇霊を轢き殺し、団地で手に入れたタイムカプセルの地図をもとにヒューズを手に入れた。さらに校舎に立てこもった闇霊を信号弾の閃光でいぶりだしそれも殲滅、残った闇人化した沖田をトラックに積んであったTNTで爆殺、体を完全に破壊されたことで沖田の復活は不可能になり、遂に引導を渡すことに成功する。 そのころ学校に程近い浜、そのさらにさらに底の方から何か異形の生物が陸地に向かって急激な浮上を行っていた。 夜見島離島線4号基鉄塔 鉄塔頂上を目指す一樹と郁子の前に完全に自我を失い模倣体(外見は完全なコピーで中身はさっきの異形の生物の意思というようなものを想像してくれればおk)として覚醒した市子が現れた。 母体への恨みと思慕を郁子へ語りかける市子。右手に日本刀左手に機関銃を携えた市子も鉄塔の頂上を目指している。 本能的に先に市子を頂上へ行かせてはいけないと悟った郁子と一樹はさらに急いで鉄塔頂上を目指す事になった。 ※ここで補足 何故みな鉄塔頂上を目指しているの 一樹: キバヤシ理論。根拠無し。 郁子: ブライトウィン号沈没の際に唯一生還した木船倫子(市子の親友で市子の片思いの相手の中島君の子供を宿している)の体内にいた双子に百合や章子、加奈江と同じ性質をもつ母胎地上侵攻作戦に向けて放たれた内偵者が同化した。 その結果郁子は生まれながらに異能を手に入れていたわけだが、異能を手に入れるとともに母胎の精神とのリンクも手に入れていた。 そのため鉄塔の頂上に母胎がたどり着いてしまうと現実世界も侵食されてしまうと気がついている。 母胎: 地上侵攻作戦。三上脩の肉体を手に入れたことで現実世界に侵攻する力を手に入れたため侵攻作戦が遂に実行されることとなった。鉄塔の頂上で現実世界とリンクしているためそこにたどり着けば現実世界への侵攻が現実のものとなる(らしい)。 市子: そもそも母胎と屍霊は同一種であり光の届かなかった頃の地上で繁栄していたが、地上に光が降り注いだ際に光に耐性のなかった母胎と屍霊はそれぞれ別の場所に避難した。 母胎は異世界へ、屍霊は光の届かない深海へ。 屍霊は自身を捨てて異世界へ逃げた母胎が憎くてたまらない反面、母胎と再び一つになりたいという願望を抱いている。 そのため母胎の元へたどり着くべくブライトウィン号沈没の際に手に入れた市子の水死体をもとに自己の意思を反映するためのコピー、模倣体を異世界へ送り込んだ。最初は人間のときの記憶が再生されていた市子ではあったが 現在は完全に模倣体として覚醒しており母胎と合流するために鉄塔の頂上を目指している。 また市子は母胎との合流が至上目標であるためそれを妨げるものは人間であろうと闇霊であろうと駆逐していくのであった。 一方母胎側としては長く現実世界にいることで形質が劣化してしまった屍霊にはさしたる興味もなく地上侵攻作戦を遂行することが至上目標であるため邪魔する屍霊は敵として認識されている。 鉄塔頂上に向かう道中乙式ともえを滅爻樹で浄化し、郁子が入手したクレーンの鍵でクレーンを動かし、市子をかわして鉄塔頂上へたどり着く二人。そこへ母胎も同じく頂上へたどりつく。 母胎と一樹、郁子が対峙するその最中突如鉄塔が崩壊を始め、市子は地面へ、一樹と郁子母胎は空へと落ちていった。 そのとき念願の母胎に辿りついた市子は、母胎にかえりみられる事もなく落ちて行くことになった。 448 :SIREN2:2008/05/06(火) 21 54 59 ID ud1aa8n60 夜見島金鉱採掘所 丁度同じ頃念願のトイレを遂に発見した阿部は用を足す。満足げにトイレを出、 ツカサに返してもらったライターでタバコに火をつけ一服の後、 バスケットのシュート宜しく便器に吸殻を放り込む阿部。 見事にシュートが決まりガッツポーズを決めた背後でトイレが爆発を起こした。 汲み取り式のトイレであったそのトイレの底に溜まっていたメタンガスにタバコの火が引火、爆発することになったのだ。 その爆発に連鎖されるように地下道に充満していたメタンガスが連鎖的に爆発。その爆発は鉄塔の足元にまで広がっていった。 遂に爆発は鉄塔の足元を完全に破壊しつくし、鉄塔は崩壊を開始する。目の前の現実に眼を疑う阿部なのだった。 その爆発鉄塔崩壊のため、現実世界とのリンクは崩壊、母胎の地上侵攻作戦は完全に潰えることとなり、阿部は何気に世界を救ったヒーローなのであったが、そのことは誰も知らない。 夜見島潮降浜渚 鉄塔が崩壊していく姿を呆然と眺める永井の周囲から光がなくなっていく。闇人甲式として進化を遂げた三沢が不敵に笑っていた。永井は三沢との決着をつけることを決意する。 闇人甲式として進化した三沢は無限弾薬を誇る最強の機関銃MINIMIを装備しているので、永井は迂闊にその前に立つことはできず、背後からその身を隠し狙撃することに成功する。(不死身の闇人を異世界の武器でない現代兵器で撃破することができたのは、三沢と対峙するまでに学校及び潮降浜渚付近の闇霊を殲滅していたため。闇人は闇霊が人間の死体を殻として利用している存在のため、殻=三沢の死体を利用する闇霊が付近に存在しなければ復活することができない。ゲーム中では三沢の体力がこの戦闘中一切回復しないことでそれが表現されている。) 機関銃を乱射し遂に地に果てた三沢。やっと全て終わったことに安堵する永井の背後から市子の声がした。その市子の顔には巨大な目玉が浮き上がっていた。市子はもはや模倣体としてその存在を維持できなくなっていたのだ。 「家に帰りたい…一緒になりたい…」とつぶやき倒れる市子と、倒れ動けなくなった三沢を吸収するように浜から巨大な顔面(市子のそれを模倣したもの)の生き物が浮上してきた。まだ戦いは終わっていないことを知った永井は 三沢の残した機関銃MINIMIを携え巨大な顔面の生き物(堕彗児/おとしご)との戦いに臨むことになる。 堕彗児は屍霊の凝結したものであり、光に弱い。ここで永井は潮降浜渚にある灯台に向かいタイムカプセルから入手したヒューズを組み込み灯台の光を起動した。さらに堕彗児は移動手段が回転による突進しかないことに気づいた永井は廃棄されたタンクに激突させ、そこに残されていた重油を浴びせかけることに成功する。 光を浴び重油を浴び、怯んだ堕彗児に対し、潮降浜渚に打ち揚げられていた、漁船の発電機を起動させ水銀灯をともし、そのランプを堕彗児にぶつけることで、重油を浴びたその体を燃やし尽くすことに永井は成功した。 今度こそ本当に全て終わったことに歓喜の雄たけびを上げる永井。その叫びが夜の浜辺にこだました。 449 :SIREN2:2008/05/06(火) 21 56 04 ID ud1aa8n60 特異点 鉄塔の崩壊により一樹、郁子、母胎は特異点へ飛ばされていた。特異点、それは全ての事象が起こりうる世界だった。 ゲームとしていえば全て終了条件2で終わった世界。無限の可能性の中で現世と虚無の区別のない世界だった。 その世界の空には赤い海があり、そこから母胎が顔を出していた。計画の破綻に激怒した母胎は一樹たちに襲い掛かる。 一樹たちも母胎との最後の決着をつけることになった。 一樹と郁子の協力の下でも母胎の力は強力で、一樹は弾き飛ばされてしまう。その際にポケットからかつて拾った、昔三上が埋めたメダルが零れ落ちる。そのメダルを辿って幼少の三上もこの特異点へ導かれた。さらにその三上を探して章子/加奈江も特異点へやってきた。三上を探す最中、加奈江は自身と母胎がかなりの精度でリンクしていることに気づいた。三上の肉体は母胎によって抑えられている。よってその肉体を解放するために加奈江は自傷する事によって母胎に強烈な痛手を与えることに成功した。 そのとき、一樹と郁子がここに来るまでに手に入れていた闇那其(あんなき)が輝きだし、石の刃物の様な形態になった。 その闇那其を母胎に振り下ろす郁子。すると今まで一度もさしたる痛手を受けたと見られなかった母胎がうめき声を上げ逃げ出した。 この闇那其には全てを無にしてしまう力(そして闇那其のみが残る世界を作る力)があったようだ。 そして一樹も母胎にその闇那其を叩き込んだ。強烈な断末魔を上げ息絶える母胎。決着に安堵する二人。がしかし母胎は最後の力を振り絞って再び赤い津波を呼び起こすのだった。 ENDING 三上脩&加奈江 赤い海の中パジャマを着た幼い三上を抱く加奈江。「おやすみ、脩。」 三上はそのまま瞳を閉じた。こうして加奈江と三上はともに赤い海(時空ののりしろ)の中静かに二人のときを過ごしていくのだった。 永井 堕彗児を倒したのもつかの間。赤い津波に飲み込まれる永井。その永井が飛ばされた世界は太陽に暗黒の影がかかり、 さも日食になったかの世界だった。浜辺には大量の闇人。この世界では闇人地上侵攻作戦が成功してしまったようだった。 この地上には人間は永井ただ一人、人間は伝説の怪物として恐れられていた。恐慌状態になる永井。 永井の姿に恐れおののく闇人を機関銃MINIMIで次々と銃殺していく。だがしかし現実世界に戻る術はあるのだろうか… 阿部&ツカサ やはり赤い津波に飲み込まれてしまった阿部とツカサであったが、辿りついた先は朝日の昇る穏やかな海岸道路だった。 その朝日を見つめながら、不意に全てが終わってしまったことに気づく阿部。この世界は闇霊屍霊がはじめから存在しない世界だった。 闇霊が存在しないため、母胎は存在せず、そして彼の愛した多河柳子もはじめから存在しなかった世界なのだった。 果てしない絶望感に苛まれただ滂沱と涙を流す阿部にツカサが寄り添った。彼女も自身が尽くしてきた飼い主の三上がいなくなってしまったのだ。そうして一匹と一人は互いに寄り添い朝日を見続けるのだった。 一樹&郁子 海岸で眼を覚ます一樹。朝日が昇っている。夜の世界が終わり現実に戻ってきたことを実感する一樹。 一樹と郁子が戻ってきた世界は唯一今までと同じ現実の世界だった。郁子が眼を覚ました。二人で朝日を見つめる。 穏やかな朝焼けの元満足げな一樹。その横で郁子は太陽の光を煩わしそうに睨み付けるのだった。 33 33 33 不死の肉体を持ち、異界の生物を殺しつくすうりえんを手にした異界ジェノサイダーとなった須田恭也は虚無の世界の夜見島に現れ、未だに生き残っていた闇霊闇人を殲滅する。その戦いに終わりはない。 450 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 21 57 08 ID ud1aa8n60 終わり 前回の人の文章を読み込まずに見切り発車で書いてしまったので かぶっているところとかあったらゴメンなさい あとどこを補足したら良いかよくわかんなかったので補足した方が良いってところがあったら教えてください 451 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 22 07 36 ID Z+mWvhJQ0 乙です 一樹&郁子のEDの時間の表示に関しても何かあれば… 452 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 22 14 03 ID ud1aa8n60 えっと 一樹&郁子 24 44 44 永井 24 32 22 阿部&ツカサ 24 45 55 です 460 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 10 27 ID seoCvCyQ0 446-450 リクした者ですが、乙です。 ありがとうございました。 で、 >ゲームとしていえば全て終了条件2で終わった世界。 の“終了条件”の意味を教えてほしいのですが…… 461 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 16 23 ID iYvEONq50 460 終了条件はSIREN中のステージを攻略するための条件で それが達成されるとステージがクリアとなる 終了条件には2種類あってまずそのステージがプレイ可能になると 出現するのが終了条件1 他のステージで何らかの行動を起こすことで プレイできるようになるのが終了条件2 こんな感じで良いのかな わからないところとかあれば補足するんで是非 463 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 38 23 ID 4VBlsTvTO 登場人物達は閉じた世界である異界に 取り込まれているので、ループして同じ時間を繰り返してしまう。(終了条件1) しかし、それを打破するために各人が少しずつ 違う行動をとり、それらが積み重なることで新たな道が開ける。(終了条件2) 例えば、A地点からC地点へ到達が条件1とする。 このままでは世界は何も変わらないが、途中のB地点で鍵を 拾ったりすることで新たな展開がある。 はっきりいうと新シナリオを開くためのフラグ立ての作ぎょ(ry 464 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 42 38 ID seoCvCyQ0 つまり、 終了条件1でゲームを進める→主人公たちは無限ループに陥り、その隙に世界が征服される 終了条件2でゲームを進める→ループ崩壊。ラスボスの元にたどり着ける ということで良いのですか? 465 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 56 45 ID iYvEONq50 無限ループは初代SIRENで SIREN2はパラレルワールドの世界だった気がする 無限にある可能性の世界の中で終了条件2を 達成した世界だけエンディングにたどり着けた みたいな感じの
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/616.html
SIREN2 part23-599,600,606,612,627,681、part24-13,267,274,344、part25-122,243、part26-60,472,474、part27-220 (途中まで) part38-441,443,446~452,460,461,463~466 (上記の続き) 599 :SIREN2:2006/07/26(水)02 20 33ID LEwIXp4X スマン、ageちまった シナリオ分岐する要素あるから、後につながる分だけ書きます。 父と、姉と慕う少女の3人で夜見島の蒼之久の集落に住む幼い少年、三上脩はある夜階下からのもの音に気づき、目を覚ました。 「お父さん・・・?」そういいながら階段を降りた先で見たものは、惨殺された父の死体だった。 必死に事切れた父を起こそうとするが、突如玄関に現れた、「犬を連れた男」に驚き、奥の間へと逃げ込むのだった。 窓から家の外へと逃げた脩は、両手を血に染めた、姉と慕う少女「加奈江」と一緒に、 なぜか加奈江を狙い、襲い掛かってくる漁師たちに見つからないように集落から逃走するのだった。 オカルト雑誌「アトランティス」の若手編集者の一樹守は29年前に島民が謎の消失を遂げ、 その後も近海で謎の消失事件の相次ぐ島、夜見島の取材を行おうとした。 夜見島へ行く手段が見当たらず、一時は途方にくれたが、その場に居合わせた盲目の作家「三上脩」 の計らいにより、彼がチャーターした漁船「翔星丸」に同乗することができた。 また、出港直前に駆け込んできたチンピラ風の男と、派手な格好の女を乗せ、 船は夜見島へと出港したのだった。 しばらくして突然船が大きく揺れだし、一樹が外に出てみると、海は赤く染まり、大きくうねり出していた。 船に必死にしがみつく船員の女性を助けようとするが、女性は流されてしまい、 大きな赤い津波によって船は転覆し、一同は海に投げ出されたのだった。 600 :SIREN2:2006/07/26(水)02 49 12ID LEwIXp4X 三上の父、三上隆平が殺害される少し前、網元である太田常雄の家に漁師たちが集まっていた。 彼らにとて余所者で、民俗学?者の三上は聖域を荒らす邪魔者であり、また彼が海岸で保護した少女、加奈江は 彼らが守る村の言い伝えにある「海から来た穢れ」でしかなかった。 太田常雄の娘、ともえが加奈江が黒い影のようものを海へ帰しているのを見たとう証言もあり、 加奈江討伐の決起ために集まったのだった。 太田以下、全ての漁師が緊張した面持ちだったが、反対するものは1人もいなかった。 海に投げ出された一樹は廃墟の港へ流れ着いていた。探索を始めようとした瞬間、 彼の視界の端を何かが横切った。一樹はそのまま朽ち果てた港湾施設を探索するが、 そのとき、人の死体を思しきものが動き出すのを見るのだった。 探索の果て、彼は小屋の中で気を失っていた美しい少女「岸田百合」と出会う。 「助けて・・!あいつらが私のこと探してる!」 一樹は訳が理解できなかったが、 その場に先ほどの動く死体「屍人」が現れ、百合に襲い掛かろうとした。 屍人を撃退した一樹は、百合を伴って廃墟の港を脱出するのだった。 ちょうどその上空を、一機のヘリが爆音を上げながら、急激に高度を落としていった。 夜見島近海を飛行していた陸上自衛隊の輸送ヘリが自機の場所を見失った上、 操縦不能に陥ったのだった。 夜見島に不時着したヘリは、奇跡的に助かった三沢岳三等陸佐、永井頼人陸士長、 瀕死の重傷を負った沖田宏二等陸曹を残し、全員死亡。 瀕死の沖田を前に泣きじゃくる永井と対照的に淡々と指揮を宣言する三沢。 観覧車らしきものを視認した三沢は永井とともに沖田を担ぎ上げ、移動を開始するのだった。 606 :SIREN2:2006/07/26(水)11 39 11ID bW9UhuMw 廃墟の遊園地にたどり着き、管理小屋の電話から外部への連絡を試みる三沢。 不時着の衝撃で無線機は壊れてしまっていた。だが電話が繋がる様子はない。 受話器を置き、銃を手に小屋の外へ出ると、永井が沖田の死体を前にして泣きじゃくっていた。 「オイ、そいつもう死んでるぞ」冷淡に声をかける三沢。永井を引き起こし、立たせようとしたが、 永井は再び座り込んでしまう。 その時死んでいたはずの沖田が突然動き出し、永井に向けて発砲したのだった。 永井に応戦を命じる三沢。永井は三沢から銃を受け取り、変わり果てた上官を打ち倒すのだった。 遊園地跡から脱出を試みる二人だったが、屍人として蘇ったかつての仲間が行く手を塞ぐ。 その途中、永井は奇妙なものを見つける。精神を高揚させる薬。三沢は自分のだと言って永井から取り上げてしまったが、 それはおおよそ三沢には縁遠いはずのもだった。もうひとつは紛失した装備を回収したとき、信管を含む発火装置は回収できたのだが、 C4爆弾がなくなっていたのだった。 遊園正門は厳重に封鎖されていたため、二人は遊園裏門からがけを乗り越え、遊園地を後にするのだった。 山道を行く一樹と百合。座るのに具合のよさそうな岩を見つけ二人は休憩を取った。 百合が島へ来た目的を話し出す。それはこの島に閉じ込められた母を助けるためだと言う。 驚きを隠せない一樹だったが、百合は続ける「母さんは鳩を飛ばし続けた、でも戻ってこなかった」 意味が理解出来ない一樹だったが「ずっと待ってた、あなたが来るのを・・・。あなたは私を助けてくれる・・・?」 懇願する百合に一樹は困惑しながらも、同行を決意するのだった。 夜見島出身の駐在警官、藤田茂は夜見島の金鉱跡を巡回していた。地元の漁師たちから無人のはずの島に女がいるのを見た、との通報があったためだった。 藤田は生来、余計な事によく首を突っ込む性質で、その事で、家族からは疎まれていた。 決定的だったのは数年前、情に絆されて窃盗犯を取り逃がし、警部補から現在の地位に降格されたときのこと。 妻は過労で倒れ、大学進学を諦めざるを得なくなった娘、朝子からは事実上の絶縁を手紙で通告される事になったのだった。 無線で連絡を取ろうとした藤田だったが、どうした事か無線が通じない。 その時、彼の視界を黒い塊が横切るのだった。 黒い塊は屍霊と呼ばれる凝り固まった闇に人面が浮かび上がったものだった。 屍霊の襲撃を懐中電灯と警棒で振り払い、高台の小屋から藤田は奇妙なものを見つける。 深い森の中に大きな客船が座礁しているのだった。 「はぁ~やんなっちまうなぁ。すまんなぁ、朝子。」 そうつぶやくと彼は客船へと急行するのだった。 612 :SIREN2:2006/07/26(水)13 29 57ID uOb6qP3u 再び移動を開始した一樹たちは、遊園地から脱出してきた三沢たちに出会う。 救助に来たのかと思い、駆け寄る一樹だったが、三沢は警戒を解かない。 ライトの光を怖れる百合を不審に思った三沢だったが、激昂した一樹が間に割ってはいる。 そのとき永井は信じられないものを目撃する。「三佐、あれ・・・」 一同はこちらに押し寄せる巨大な赤い津波を目撃するのだった。 その少し前、チンピラ風の男、阿部倉司とともに漁船に乗り込んだ女、喜代田章子は不思議なものを見ていた。 彼女は生まれつき場所や物に付いた過去の記憶を見ることが出来、その力を生かし占いで生計を立てていた。 (参照 http //www.yumemi-salon.com/j/index.html) 彼女は夜見島の漁港の、とても古い記憶の中に殺害された彼女の友人「多川柳子」の顔を見たのだった。 「なぁなぁそれ霊感てヤツ?実はさ、俺も昔みたことがあってよ~」 くだらない話で章子の思考をジャマする阿部は、その柳子の同居人であり、恋人であり、そして殺害の容疑者である。 柳子が殺害されたことを自宅のテレビで知った章子の下に突然ナイフを持った阿部が押しかけてきたのだ。 「俺は柳子を殺しちゃいねぇ!あの前にあいつにあっているんだ!」 そう喚く阿部。 彼は自宅で柳子らしき死体(顔が判別不可能なほどに殴打されていた)の発見する前に、階段で彼女とすれ違い、挨拶までしたという。 だが普段から粗暴で、柳子との諍いが絶えなかった阿部は真っ先に容疑者として指名手配されてしまう。 パニックに陥った彼は、柳子の友人で、彼が胡散臭がっていた章子のもとに駆け込んだのだった。 彼の過去を「視た」らしい章子は阿部を信じ、彼が目撃した「もう1人の柳子」を探し出すのだった。 そんなこんなで夜見島へきた二人だったが、船は転覆、二人は無人の島に置いてけぼりである。 にもかかわらず阿部は足元に落ちていた胡散臭い金のアクセサリーを拾って「これ純金じゃね?」 などとくだらない言動を取り続けるのだった。 軽薄な阿部にウンザリしていた章子は驚くべきものを目にする。 それは二人に向かって押し寄せる巨大な赤い津波だった。 脩を貨物用ロープウェイで先に脱出させた加奈江は夜見島港へと急ぐ、途中ともえが彼女の行く手を阻んだが、 ともえを振り切り脩の元へ急ぐ加奈江。「あんたは逃げられない!」 ともえの叫びが背後から彼女に投げつけられるのだった。 網元、太田常雄以下、多数の漁師が港湾施設跡地で二人を探していたが、加奈江は彼らの視界を盗み見する特殊なの力を駆使し、 彼らを欺き、無事脩と再会する。灯台へと向かう二人を漁師たちが取り囲み、窮地に立たされる2人。 そのとき唐突に足場が崩れ、二人は崖下の海へ落ちていく。 「終わった・・・」そうつぶやく太田たち。だがその時、サイレンに似た不気味な音が高らかと鳴り響き、島全体が鳴動し始めたのだった。 ともえは赤く染まった海から、巨大な赤い津波が押し寄せてくるのを目撃する。 逃げることも出来ず、漁師たちは津波に飲み込まれていくのだった・・・。 627 :SIREN2:2006/07/26(水)22 54 54ID z+KFlbYz なんだか長くなってしまった。無駄遣いスマヌ手元に攻略本しかないんでうろ覚え。 まるで誰かの意識が自分の中に流れ込んでくるような不快感に苛まれながら、 一樹は目を覚ました。傍に立つ百合に着物姿の女がつかみかかる。 「なんで!なんであんたが生きてんのよ!」女を振りほどき、逃げる一樹と百合。 金鉱跡にたどり着いたとき、一樹は再び不快感に襲われる。 「じっとして。意識を集中して・・・。」一樹に声をかける百合。すると一樹の視界に、百合の視界と思しき視界が入り込むのだった。 一樹は信じられなかったが、百合は特に気にした様子はない。 この不可解な力を駆使し、屍人の蠢く金鉱跡を突破する二人であった。 県立亀石野中学2年、矢倉市子は突然目を覚ました。 テニス部の試合、団体戦準優勝、その帰りのフェリーの中・・・のはずだった。 市子はたった一人、薄暗い船倉で倒れていたのだ。 「ノリコー!中島くーん!?みんなどこー!?」 だが返事はない。その時唐突に頭に流れ込む誰かの視界。 「なに・・?これ?・・・ヤダ・・わかんない!!」パニックに陥りそうになる市子だったが、 船内を徘徊する屍人をやり過ごし、何とか艦橋へとたどり着く。突然船内電話が鳴り響く。 受話器を取ると中年男性の声が受話器のから聞こえてくる。矢継ぎ早に市子に質問する男。 しかし市子が答えようとしたとたん、ノイズが混じり、電話は切れてしまう。またしてもパニックになりそうな市子だったが、 勇気を振り絞り、船底の電源室へと向かう。「誰かいませんかー!?」 そう叫ぶ市子に扉の向こうから男が答える。 「そこにいるのか!?待ってろ!お巡りさんすぐにここを開けるから!」 針金を使い、鍵をこじ開ける藤田。 かくして二人は無事合流し、船の外へ脱出するのだった。 藤田の乗ってきた船を目指す藤田と市子。旧軍の砲台跡地に差し掛かったとき、1人の男が二人の前に現れる。 「藤田んとこの、馬鹿息子か・・・・」 息も絶え絶えに語るのは、網元、太田常雄である。 「親父さん!あんた10年間なにしてたんだ!?」10年前に全島民とともに消えたはずの太田を前にして動揺する藤田。 だが二人は再会を喜ぶこともなく、太田は絶命してしまう。絶命した太田を取り囲む屍霊。ほどなくして太田は屍人として復活し、 二人に襲い掛かるのだった。 太田を退け、砲台跡の地下に入る二人、だがそこで太田に追い詰められてしまう。太田が市子に襲い掛かろうとしたまさにその時、 市子は太田に向かって哂ったのだった。その笑みをみて恐れおののき、逃走する太田。 不思議に感じた市子だったが、藤田は気にも留めず、二人はもうひとつの砲台跡を経由し船を目指すのだった。 681 :SIREN2:2006/07/28(金)01 45 29ID /Zgf4oI/ もう少し端折って短くしたいけど、下手に端折ると話が分からなくなってしまう・・。 金鉱跡を抜け、再び山道へと入った一樹と百合。一樹は自らの体験した数々の不可解な出来事に困惑していた。 「おかしい。いくらなんでも非科学的すぎる。」そうつぶやく一樹。 百合に意見を求めても、返ってくるのは母を助けるという自分のことばかり。 混乱と疲労が一樹を苛立たせ、きつい言葉を発してしまう。 「その君の母さんとかいう人、本当にいるの?」その言葉に過剰な拒否反応を示す百合。 「私のこと信じてないのね!」そう言い放ち、駆け出す百合。 一樹は取り繕うこともできず、その場に立ち尽くすのだった。 山道を独り歩く百合。足元にまとわり着く屍霊を踏み潰し、一瞥をくれたその時、 森の中に座礁した船から何かを感じ取りのだった。 「-誰?」そうつぶやくと百合は客船へと向かうのだった。 赤い津波に巻き込まれ(もっとも彼は見えていなかったが)、海へと投げ出された盲目の作家、三上脩。 彼は、彼の失われた記憶の断片に残るある少女を追って、夜見島を目指していたのだった。 舗装路の上で彼の愛犬ツカサに起こされる三上。だが彼は彼の視界に驚いた。 失ったはずの彼の視野には、ツカサのものと思しき視界が広がっていたのだ。 「ツカサ・・・これはお前なのか?」そういいながらフラフラと目の前の石段を登り、目の前の家の引き戸を開ける三上。 そこには29年前、あの日あの時の自分が事切れた父を抱き起こそうとしていた。 三上に驚き逃げる脩。背後から太田常雄が現れ、三上を不審に思うが、 突然、死んだはずの三上隆平が跳ねるように飛び起き、驚き逃げる太田を追いかけるのだった。 三上は状況が信じられず、事実を確かめるために彼が埋めた、「お姉ちゃんとの思い出」を掘り出しに行く。 彼の記憶の通り、彼が描いたお姉ちゃんの絵はそこに埋まっていた。今時分は29年前のあの島にいる。 そう確信した三上をツカサが突き飛ばす。その直後、近くのプレハブが倒壊し、ツカサは生き埋めになってしまう。 更に三上の背後から屍人と化した漁師が襲い掛かる。弱い視界を頼りに逃げる三上。 だが彼は足を踏み外し、崖下へと転落するのだった。 金鉱社宅前で意識を取り戻した章子は奇妙な感覚に違和感を抱く。 いつもの過去の視界ではなく、今現在の誰かの視界を見ているのだ。 「何、これ?いつもと違う・・。」そうつぶやく章子。 彼女が見たのはフェンスに生っていたアケビをもぎ取って食べる阿部を見ている誰かの視界だった。 放置されていた軽トラに乗り、社宅跡を突破する章子。 一方阿部は犬の鳴き声に導かれるように、社宅跡を後にしていたのだった。 夜見島、瀬礼洲に打ち上げられた客船ブライトウィン号。 三沢と永井は船内を探索していた。永井が不安な心境を告白する。 -これは夢じゃないのか、自分の頭はおかしくなっているんじゃなのいのか- 三沢は頭に弾丸ぶち込んでみるか?と永井に聞く。 「もし夢なら暖かい布団で目が覚める。もし夢じゃなかったらー、それで、終わり-」 突然永井の頭に銃口を向け、ふざける三沢、その顔には子供のような狂気じみた笑い顔が浮かんでいる。 驚く永井だったが、背後の物音に気づきライトを向ける。 そこのは先ほどの若い女がいた。光を嫌がり、逃げる百合。 追いかけようとする永井だったが、三沢は気にも留めず、そのまま別の船室へと向かう。 「三佐?三沢さん!・・・・・なんなんだよあいつ調子乗ってんじゃねーよ」 永井は1人で百合を追うのだった。無事百合を保護した永井だったが、 百合を執拗に狙う、着物を着た女屍人によってタラップを落とされ、船から脱出できなくなってしまう。 永井は船倉にできた亀裂から百合を逃がし、自らも、救難艇で客船から脱出するのだった。 先に脱出した百合に追いついた永井。百合は長いに抱きつき、問いかけるのだった。 「あなたは私を信じてくれる?助けてくれる?」百合の神秘的な美しさに惹かれる永井。 その時、突然背後から三沢の銃口が百合に向けられる。銃口を跳ね除け、百合を逃す永井。 「何なんだよあんた!あんた前からおかしいと思ってたよ!!なんであんたなんだ・・・。 なんであんたじゃなくて沖田さんが・・・!ちくしょう!!もうやってられっかよ!!」 募らせた思いを吐き出す永井。吐露された怒りは上官と部下の関係を破綻させるのだった。 13 :SIREN2:2006/07/30(日)10 09 09ID l0kqLIjQ 最後の一粒になった錠剤を飲み込む三沢。 「なーがいくーん、いっしょにあそびましょー!」またしても彼らしからぬ、ふざけた調子を取る三沢。 彼の精神は極限まで蝕まれつつあった。 2年前、大地震に襲われ、壊滅した羽生蛇村。彼は災害救助の任務を遂行していた。 ただ1人、無傷で助かった少女を抱きかかえ、ヘリに吊り上げられる三沢。 その時彼は見たのだ。眼下に広がる泥土の中から彼と少女に掴みかかろうとする無数の手を。 この地にかけられた呪いの断片、安らかに眠ることすら禁じられたものたちの呪詛と怨嗟-。 「やめろ・・・やめろーーーーッッ!!」ただ叫ぶことしかできない三沢。 「三沢一尉?三沢一尉!?」彼を呼ぶヘリからの声で我に返る三沢。 彼の眼下にはただただ先ほどと同じ、泥土に埋もれた村が映っていた。 この出来事以来彼の精神は病み、鬱の状態になることが多くなった。 それは、三佐昇進、冬季東アジア大会での輝かしい功績をもってしても打ち消せず、 薬の使用により何とか押さえ込んでいる状態だった。 だがこの島に来て以来、立て続けに起きている怪異は彼の神経を高ぶらせ、鋭敏にし、 加速度的に精神状態を悪化させていた。 「どうしてそんなに嫌うかな・・・・・どこだ、永井。」そうつぶやき歩き出す三沢。 だが彼は廃墟の金鉱社宅の一室に妖しい光がともるのを目撃する。 その部屋へと向かおうとする三沢。だが彼の行く手を沖田以下、彼のかつての部下が阻む。 彼の持てる戦闘技術を結集し、屍人たちを退け、三沢はついに部屋へたどり着く。 そこには、あの日助けたはずの少女が、座って泣いていた。少女の肩に手をかけようとする三沢。 その時少女が突然振り向き飛び掛ってきた。あの顔は屍人そのものだった。 反射的に飛びのき、銃を乱射する三沢。だがそこには少女の気配すらなかったのだった。 崖から転落したあと、阿部によって助けられた三上。今は砲台跡のトンネルにいた。 「アレッ?あんた三上脩じゃねぇ?」相変わらず軽薄な阿部を無視して話を進める三上。 「この島のどこかに、記憶を引き出す鍵があるはず・・・阿部さん、あなたの目をかしてくれないか?」 阿部の視界を借り、砲台跡を探索する安部と三上。 地下の封じられた弾薬庫をの入り口を破壊し、中に入る二人。だが特に妖しいものはない。 「なんだよなにもねーじゃねーか」ぼやく阿部。 しかし三上がレンガ造りの壁に触れたとたん、壁が崩れ、土の中に埋もれた人魚のような生き物の化石を発見するのだった。 おおきなかみさま しんだ おねえちゃんのおかあさん うまれた いっぱいうまれた 子供のころ、加奈江が話してくれたことを思い出す三上。 二人は急ぎ、砲台跡を脱出するのだった。 遊園地跡へとたどり着いた二人、三上は闇の中から自分を呼ぶような声を聞いた気がした。 幼いころの記憶がよみがえる、七つの門、七つの鍵。 加奈江の残した言葉と歌、そして父、隆平が捜し求めた夜見島の謎、 それさえ解けば記憶が完全に戻るという確信が彼にはあった。 電動パンダにまたがる阿部に三上は再び協力を求める。 物事に頓着しない阿部は、彼の真意を知ることもなく、彼に協力するのだった。 267 :SIREN2:2006/08/16(水)22 08 40ID tyC+jfBT0 百合をさがして夜見島遊園へ独りたどり着いた一樹。 百合は座っていた。声をかける一樹に百合はガラス製の鳩を見せた。 「見て」百合の手から滑り落ち、粉々に砕けるガラスの鳩。 「早くしないと戻ってしまう、混沌の闇の中に・・・」そうつぶやく百合。 一樹は百合の言葉を理解できなかったが驚くべきものを見た。 それは先ほど砕けたはずのガラスの鳩だった。まるで何事もなかったかのようにそれはそこにあった。 百合の歌う失われたはずの「巫秘抄歌」と幻視によって次々と現れる碑の封印を解く一樹。 最後の巫女の碑の封印を解いた一樹。とたんに強い眩暈に襲われる。 「見て・・・」頭を押さえ、苦しむ一樹の背後を指差す百合。 錆付いた観覧車があったはずのそこには巨大な穴が現れていた。 遊園地の地下に広がる空間。異様な雰囲気が漂うなか、一樹は百合の後を追って鉄製の階段を下りていく。 その先にあったのは、地底に広がる赤い海。百合はゆっくりと振り返り、上着を脱ぎ捨てていく。 「本当の私を見て・・・」そう呟き、はだけた胸元には、もうひとつの顔が浮かび上がっていた。 百合もまた、人ならざる者だったのだ。立ち尽くす一樹。今度は胸元の顔が話しかける。 「見て・・・私を見て・・・本当の私を・・・」そして百合の背後の赤い海の底から、 サイレンに似た咆哮とともに怪物と呼ぶにふさわしい姿をしたものが現れたのだった。 百合を名乗っていたモノ・・・。それは「母胎」の化身だった。 母胎・・・かつて地上を光の洪水によって追われ、異界の地の底に潜みしものの集合体。 永遠に近いときを経て、彼らの悲願を達成する機会がついに訪れた。 人間の手により封印を解き、人の肉体を自らと融合させること。悲願達成の第一歩はついに歩みだされた。 成す術もなく、母胎に取り込まれそうになる一樹。だが取り込まれようとした瞬間。 翔星丸の無線員、木船郁子が突如現れ、不可思議な力で母胎の動きを封じ、一樹を助けた。 「早く逃げてっ!これ以上は私が持たない!」正気に返り、母胎から逃げる一樹。 その時。 「うわぁっ!何なんだよこれ!」絶叫する阿部。 三上と阿部の二人がこの封印の地へと、母胎の前へと現れた。 三上の見えなくなったはずの目に、母胎の、かつて己の目の前で海の底へ溶けるように消えていった加奈江の顔が映った。 「おねえちゃん・・・?おねえちゃんだよね・・・?」全ての記憶を取り戻した三上。しかし彼の目に映るのは人面魚体の怪物ではなく、やさしかった姉の姿。 「ぼくさびしかったよ・・・くらやみのなかでひとりぼっちだったよ・・・」ふらふらと赤い海に佇む加奈江へと歩いていく三上。 三上が加奈江に抱きつこうとしたその時、章子が現れ、三上に叫んだのだった。 「脩ゥッ!見ちゃダメェーーッ!!」 「おねえちゃん・・・?」章子の言葉に驚きの表情見せた三上だったが・・・ すでに遅かった。 母胎の腹部から伸びた何本もの触手によって、三上は母胎に完全に取り込まれてしまった。 「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」 歓喜の笑い声とともに何十、何百もの闇霊を産み落とす母胎。 その姿に驚き、阿部は章子を、木船は一樹を連れ、その場から逃げるのだった。 しかし彼らの後を闇霊-大きな口を持った、たとえるなら真っ白な人魚の胎児のようなモノ-が追いかけてくるのだった。 その時、地上では、三沢は無数の屍霊と戦い、永井は鳴り響くサイレンの音に耳をふさぎ、 市子は・・・鮮血に染まり、もう動くことのない藤田に抱きついて、泣いていたのだった。 274 :SIREN2:2006/08/17(木)17 07 52ID 2pt0I5q10 船から投げ出され、赤い海の中を漂う三上。 過去の記憶が断片的によみがえる。 足場が崩れ、海に落ちた後、彼は加奈江によってボートに乗せられた。 しかし加奈江は全ての力を使い切ってしまい、もう動くことすら出来なかった。 力なく海に浮かぶ加奈江。そしてそれを見つめる脩。 「脩・・・見ないで・・・・お願い。見ちゃダメ・・・・」 昇りゆく朝日とともに、加奈江は海の底へ、まるで溶けていくように消えていったのだった。 穴の壁面に沿うように設けられた鉄組みの足場を全力で駆け上がる木船と一樹。 だが一樹は母胎に操られたこともあってか、疲労が頂点に達していた。 膝をつき、その場から動けなくなる一樹。 そこへ、階段の上から無数の屍霊が、下からは無数の闇霊たちが迫ってくるのだった。 「僕を置いて・・・逃げるんだ・・」弱音を吐く一樹。 「何かっこつけてんのよ!こんなとこでかっこつけたって誰も見てないよ!バッカじゃないの!?」そんな一樹を叱咤する木船。 人外のものが迫り、最早これまでと思われたが、果たして化物たちは二人に襲い掛かることはなかった。 彼らを飛び越え、互いに喰らい始めたのだ。顔を見合わせ、頷く一樹と木船。 二人は全ての力を振り絞り、地上へと向かって走り出したのだった。 なんとか地上へと出た二人だったがそこにはすでに屍人たちによって包囲されていた。 木船は他者の肉体を乗っ取る自らの力を駆使し、武器を手に入れ、七つの碑を叩き壊し、 「冥府の門」を閉じようとするのだった。しかし門は閉じられることなく、門の中から黒衣をまとった闇霊たちがあふれ出てくるのだった。 逃げようとする二人を、変わり果てた藤田と屍人自衛官が包囲する。 しかしまたしても闇霊たちによって屍人は喰われ、二人は窮地を脱するのだった。 遊園地の出口へと向かった二人は三度、闇霊に襲われた。すでに出せる力もなく、絶体絶命の危機に陥る二人。 しかし空から降り注いできた赤い光によって彼らを取り囲んでいた闇霊は消滅し、二人は三度の危機をまたしても運命に救われたのだった。 集落まで逃げた二人。しばしの休息の後、人との接触を怖れる木船はその場から立ち去ろうとする。 木船の手をつかみ、二人で行動することを提案する一樹。 しかし木船の、自分は人の心を読むことが出来る、という言葉に驚き、一樹は手を離してしまう。 「そんな・・・化物を見るような目で見ないでよ」木船はそういい、力なく微笑み立ち去っていった。 -やはり自分は化物なのか。そのような思いに捕らわれる木船であった。 取り残された一樹は、何故手を離してしまったのか、と後悔していた。 彼の脳裏につらい過去の記憶がよみがえる・・・。 344 :SIREN2:2006/08/25(金)05 20 53ID o/3MmBwC0 怪異発生より8時間後の夜見島、潮降浜。 その近くを矢倉市子は彷徨っていた。服には藤田の血がついている。 「お母さん・・・家に・・・帰りたい・・・」 そう呟く市子の脳裏に一瞬奇妙な記憶が甦る。 誰かの手にぶら下がる自分。しかし、ブレスレットが千切れて海へ落ちていく。 記憶のなかの市子が海に落ちたと同時に、市子自身も足を踏み外し、崖下の道路へと転落した。 -逃げなきゃ。そう思い、潮降浜の前を走りにける市子。その前にアイロンで武装した女屍人が立ち塞がる。 武器を持たない市子では対抗することができない。逃げようとしたその時、背後から軽トラックのエンジン音が鳴り響いた。 驚いて道脇の草むらに飛び込む市子。そのすぐ横を軽トラックが猛スピードで通過した。 市子が草むらから這い出してみてみると、女屍人が少し離れたところに転がっていた。 撥ねられたらしい。 市子はアイロンを手にすると廃墟になった小中学校跡へと向かったのだった。 大道具倉庫で釘箱を入手した市子はそれを校舎裏の道に撒いた。しつこく追跡してくるトラックをそれでパンクさせようというのだ。 市子の目論み道理、タイヤが破裂し、制御を失い、封鎖された校舎裏門を突き抜けるトラック。 その時校舎裏門から大量の闇霊が侵入してきた。屍人たちは市子に目もくれず、闇霊を攻撃し始める。 そのまま校舎裏門を抜ける市子だったが軽トラックから屍人が降りてきた。 かつての沖田宏である。 沖田は市子に気づくまもなく闇霊に囲まれ、そして喰われた。 市子は泣き叫びながらその脇を通り抜けるが、闇霊に囲まれてしまう。 その時、市子の頭上に赤い光が降り注ぎ、包囲していた闇霊は蒸発するのだった。 その1時間ほど前。 崩谷、夜見島金鉱(株)社宅跡。 そこに女の悲鳴が響き渡った。だが生きているもののそれではない。 海より来る穢れに操られしもの、屍人の叫び声である。 異界、夜見島において人の上に君臨し、蹂躙する存在。 そのはずの彼らが恐怖し、逃げ惑い、仲間に助けを求めていた。 かつての彼らの同胞、闇人が復活したのだった。 同胞とはいえ彼らの間には仔細あって愛憎遺恨が渦巻いていた。 初めはいきり立って闇人に襲い掛かった屍人たちだったが、その力の差たるや歴然。 屍人は頂点の座をあっさり奪われた。しかし己の存在意義を賭け、全力で抵抗していた。 助けを求めた女屍人、鍋島揉子(金鉱跡で一樹たちの脳天をハンマーでカチ割ろうとした)は背後に迫る気配を感じ、ベランダへと逃げた。 機関拳銃を手にした闇人が彼女を追いかけていたのだ。 彼女を見つけ、歓喜の叫びを上げる闇人。その時。 -響きわたる叫び声に答えるかのように、不規則な足音が社宅跡に響く。その数2人分。 三沢、永井らの隊を指揮していた陸上自衛隊の佐官、一藤二孝が部下の屍人自衛官を連れ、揉子救出に駆けつけたのだ。 銃に弾倉を装着し、部下に指示を出す一藤。動き回る死体程度の屍人と完全に肉体を支配する闇人では身体能力の差は歴然。 ならば戦術でカバーするのみ。光に弱いという闇人の致命的な弱点をつきながら、立ち塞がる敵を倒し、社宅に突入した両名。 その一室で揉子を無事発見した一藤。 「うぉぅ!?(訳:大丈夫か!?)」 「ヒィィィィィィィ・・・(訳:アイロンが・・・形見のアイロンがないの・・・)」 銃に新しい弾倉を取り付ける一藤。 「うぉぅ!(訳:俺にまかせな!)」 女を泣かすやつァ許さねぇとばかりにいきり立つ一藤。その心の裏には彼女への想いがあった。 屍人だてらに一目ぼれである。 その想いの前には凄腕狙撃闇人も変わり果てたかつての部下も意味を成さなかった。 ついにアイロンを手にする揉子。あとはここより脱出するのみである。 脱出まであと一息、その時背後から一藤を大量の銃弾が襲った。 振り返ると銃を構えた闇人が立っていた。 「イヒヒヒィィィイィィ!!」 一藤に狙いを定め笑い声をもらす闇人。 「!?ギィィィィィィッ・・・!」 銃声とともにその場に倒れる闇人。その背後には部下屍人が立っていた。 その姿を見て、安堵し、その場に座り込む一藤と揉子であった。 122 :SIREN2:2006/09/07(木)01 55 01ID Xo0D5JwM0 四鳴山の林道を歩く阿部と喜代田。阿部が多川柳子との思い出を語りだす。 「あいつ時々わけわかんねーくらい暴れだしたりしてさ・・・」 そこまで語ると言葉につまり、俯く阿部。 阿部に寄り添う章子。二人が顔を上げたとき、信じられないものを見る。 目の前にそびえたつ廃鉄塔。その上空にはもう一本の鉄塔が宙吊りに浮いている。 そうではない。夜見島上空にはまるで鏡に映りこんだかのように、もうひとつ夜見島が存在していた。 「何かに呼ばれている気がするの。そこまで連れってくれないかな。」 そう阿部にいい、廃墟の港湾施設を探索する章子。そこここで立ち止まっては過去の映像を見ている。 「アレ?これは・・?」「どういうことなの?」「・・・そうか」「・・・もう少し・・・もう少しよ・・・」 「・・・灯台へ行きましょう」そう阿部に告げる章子。 「・・ほら、がんばって・・」「もう少し、あともう少しよ・・」 灯台前の橋にたどり着いた二人。だが橋は崩落している。しかし章子は穴に向かってフラフラと歩いていく。 「ホラ・・・もう少しよ・・・がんばって・・・・・しゅう」 「おい!あぶねぇ!」 穴に落ちそうになる章子の腕をつかむ阿部。章子はそのまま倒れこむのだった。 疲れ果て、道沿いの石の上に腰を落とす二人。 「はっぴばーすでぃとぅゆー♪」 突然歌いだし、ポケットから拾った金のアクセサリーを章子に手渡す阿部。 「今日誕生日だったろ?免許書で見たんだよ。」 戸惑いながらも表情を緩める章子。俯いて寝息を立てだした阿部に寄り添い、しばしの平穏を味わうのだった。 243 :SIREN2:2006/09/18(月)02 05 33ID //aGHVnB0 砲台跡で大の字になって寝転び、三沢は空を見上げていた。空にはもうひとつの夜見島があった。 「・・・あっち側は遠いなぁ・・・」そう呟く三沢。 その時、突然少女の叫び声が聞こえてきた。 すぐ近くで市子が闇人に襲われていたのだ。その叫び声を聞き、薄ら笑いを浮かべて武器を構える三沢。 市子は三沢に助けられ、無事に砲台跡から脱出する。そして三沢も市子の後を追うのだった・・・。 蒼ノ久集落に来た永井は少女の嗚咽と男の声を聞いた。 「あの女より生臭い。お前は何なんだ」そういい市子に銃を向ける三沢。 「わかんない・・わかんない・・・!!」そういい泣き叫ぶ市子。 「やめろーッ!!」そう叫び咄嗟に銃を構える永井。しかしその弾みで銃が暴発し、三沢を打ち抜いてしまう。 よろよろと永井の方に向き直る三沢。 「・・・・やるじゃない」そして永井に抱きかかり、最期の言葉を残すのだった。 「俺は先に目覚めちゃうけど・・・・・悪いな」 最後まで三沢の真意を理解できず、目の前の事実に呆然とする永井。 永井は市子を連れ、その場から逃げるのだった。 60 :SIREN2:2006/10/04(水)21 22 38ID VJosXtZY0 三沢を誤って射殺し、市子をつれてその場から逃げ出した永井は夜見島金鉱社宅へとたどり着いた。 虚ろな市子を励ます永井。その背後の暗闇に、巨大な顔がぼんやりと浮かび上がる。 銃を構える間もなくはじき飛ばされる永井。起き上がると既に市子の姿も無い。 さらわれた市子を奪還すべく走り出す永井。 社宅の一室に市子はいた。しかし永井が声をかけるが虚ろな笑い声だけを返す市子。 市子はフラフラと立ち上がり、突如機関拳銃を永井に向けて発砲した。 「あの時死んだのは・・・・私。・・・・早く還りたい・・・・おかあさん。」 意味不明な言葉を呟き、闇人を殲滅しながら社宅をさまよう市子。 永井は市子が落としたと思われる壊れたブレスレットを市子の前に示し、正気に戻そうとするが 市子は永井の手を振り解き、逃げてしまうのだった。 冥府の門が開き、母胎が復活したその時、市子に急激な変化が訪れた。 薄笑いを浮かべる市子。藤田の胸に突き立つナイフ。うわごとのように娘への懺悔を呟き動かなくなる藤田。 我に返った市子の嗚咽と叫びが闇に木霊するのだった。 市子は思い出す。ー眼下に広がる、荒れ狂う漆黒の海。親友ノリコの腕にぶら下がり、今にも落ちそうな市子。 おそろいで買ったノリコのブレスレットに指がかかり、ブレスレットが大きくゆがむ。 死にたくない-そう思い指に力をこめた刹那、市子は荒れ狂う異界の海へと落ちた。 赤く染まった海中に漂う市子。手にはブレスレットが握りしめられている。 水中に響くくぐもったサイレンのような音が、徐々に市子に近付いていく。 ドアを開け船室に足を踏み入れる一樹。薄暗い船内に外光が差し込み、闇霊が奇怪な叫び声を上げ消滅する。 殲滅すべき敵を認識した一樹の目に憎悪が宿る。 「光が・・苦手なんだな・・・。化物め、化物め、化物め!」 憎むべき敵と、その弱点を知った一樹は船内の電源を復活させ、闇霊を一掃する。 人の姿をした化物も、更に醜悪な姿になった闇人、ともえをも倒した一樹。 疲れ果て、忍び寄る闇霊に気が付かない一樹を永井が助ける。 悲観的言動の一樹に対して、ある種の居直りを見せる永井は、絶望的状況での悪あがきを促す。 再び夜が訪れる。 待っていても助からない。 二人は怪異とその元凶に挑む。 472 :SIREN2:2006/11/28(火)20 24 07ID 0Kyq4nbO0 夜見島、瓜生ヶ森。 背後から郁子の肩を掴もうとする阿部。反射的に振り払う郁子。 「なぁアンタ、派手なカッコした女見なかった?・・・・あれ?アンタどこかで・・。」 阿部は章子の行方を尋ねるうちに、何故か奇妙な懐かしさを覚える、郁子は何も答えず走り去る。 章子は蒼ノ久集落にいた。 章子の意識に自分のものではない過去の映像が断片的に甦る。目を開く章子。 「脩……あの子はどこ?」覚束ない足取りでさまよい始める章子。 自分のものでない記憶に導かれた章子は三上家へたどり着く。 しかしその三上家から異形の存在となった三上脩の父、隆平が現れる。 「まだ起きていたのか。早く寝なさい。」 子供をあやすような口調で襲い掛かってくる修平。 章子は霊体となった脩に導かれ、夜見島に伝わる、異形の存在を浄化するという滅爻樹を手に入れる。 修平の隙を突き、その体に滅爻樹を突き立てる章子。 異形の断末魔の叫びとともに、修平は浄化された。 そして章子は真実を知ることになる。 血にまみれさび付いた包丁。 本当の自分。 あの日の記憶 隆平の腹部に刃物を突き刺している自分。 隆平は何が起きているのかわからない、という顔だ。 玄関の戸が乱暴に開けられる。 雨合羽をきた漁師の男たち。 奥の部屋へ逃げ込む。 そこの鏡に映るのは 章子の顔。 振り上げた包丁を鏡に叩きつける。 章子の顔はひび割れ、砕け散る。 「ーそう、私はー」 錆びた包丁を手に立ち上がる章子。 だがその顔は加奈江のものであった。 220 :SIREN2:2006/12/24(日) 21 23 22 ID k+hq9IPm0 四鳴山、離島線4号基鉄塔。 かつて島民から聖域として畏れられた地に聳え立つこの鉄の塔も、 島の他のものと同じく朽ち果て、自然の中に埋没していた。 そしてそれは島が異界と化した際に、さらにおぞましい姿になった。 朽ちたコンクリートの基部とその上に立つ鉄骨製の塔、そしてそれらにまとわりつき、飲み込むように伸びる一本の巨木。 それは異形に対し、抗うことを決心した者たちさえも竦みあがらせた。 社宅、ブライト・ウィン号、それぞれで異形に対面した二人だったが、 一樹と永井は奇怪な鉄塔がそびえ立つ異様な光景に気圧された。 その鉄塔の先に、もうひとつの夜見島があるのを見た一樹がひとつの結論に達した。 「ここは27年前の夜見島のコピーだったんだよ!!」 「うわぁ・・・語り始めちゃったよこの人・・・。」 「やつらはこの鉄塔を利用して現実の世界に浸出するつもりなんだ!」 一樹は思いつめた表情で、塔へと独り歩き出し、諦めと居直りの態度の永井がその後を追う。 二手に分かれた一樹と永井だったが、鉄塔上部にて無事に落ち合うことができた。 階下の永井を一樹が引き上げようとしたその瞬間、背後から再び異形が現れた。 「他所者どもめ・・・・わしの目の黒いうちは好きにはさせんぞ!!」 それは変わり果てた網元、太田常雄だった。 太田に突き落とされ、鉄塔から落下する永井。 一樹は鉄塔内部へ逃げ込み、隙を突いて太田を押さえ込む。 そして途中で偶然手に入れた太田常雄銘の滅爻樹を突き立てた。 「あああぁぁぁぁぁッ!・・・穢れが・・・消える・・・」 断末魔の叫びを残して、太田常雄は滅せられた。 その様子を見ていた太田ともえは、驚き、怯え上階層へと逃げていくのだった。 441 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 15 40 45 ID apy4KcCF0 簡単でいいからサイレン2お願いします。 まとめの奴って最後までかかれてないよね? 443 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 18 16 51 ID ud1aa8n60 441 書かれてないからやってみてみるよ 446 :SIREN2続き:2008/05/06(火) 21 52 52 ID ud1aa8n60 初めてなんで変な文章でゴメンよ とりあえずwikiの続きから 夜見島離島線4号基鉄塔 感応視により闇人達が鉄塔を通じて現実世界に侵攻しようとしていることを知った郁子は、 鉄塔のふもとにて頂上を見上げ、闇人たちの思惑を打破しようと決意する。 そのとき不意に背後に気配を感じ振り向くと、視界の端に人影を捉え消えた。 その人物のいたところには滅爻樹(藤田茂銘)が転がっていた。 鉄塔を上る道中、クレーンの鍵、鉄塔に絡まるように生えていた大樹に突き刺さっていた 闇那其(あんなき)なる巨大な石、乙式ともえがいじくっていた一樹のカメラを入手。 感応視を駆使して闇霊や闇人がたむろする鉄塔をさらに上り、鉄塔中腹で徘徊していた闇人藤田を滅爻樹で浄化した。藤田は「そうか…あんたも…あの…」と謎の言葉を郁子に投げかけ浄化されていった。 闇霊闇人との幾多の戦闘や闘争のはてに疲労困憊となった郁子はよろけ、さらにその足場は崩れてしまった。 が、あわやの所でその手を一樹がしっかりとつなぎ止めた。数時間前には異能に躊躇し手放してしまった郁子の手だったが今度は離さないと一樹はこれまでの顛末を詫び、それに悪態で郁子は返した。笑みを浮かべる二人。 そして二人で鉄塔の頂上を目指すことになった。 夜見島金鉱採掘所 昨日団地内に自生していた夜見アケビに当たり腹痛に苛まれながらトイレを探していた阿部。激しい絶望感に「くそすぎだろっ!このままじゃよう…」とへたれこんだその頭上に銃弾が打ち込まれた。 徘徊の最中闇人化した三沢をかわし物置に入ると霊体化した三上と遭遇した。 持ち前の明るさでもって気さくに挨拶する阿部の目の前で三上は壁の中へ消えていった。 三上が消えたそこには犬笛があった。その犬笛を何の気無しに吹いてみるとツカサが現れた。彼女も霊体化した三上に導かれて金鉱へと来たのだった。ツカサは阿部が砲台跡で落としたライターを返すと瓦礫の向こうへと再び走り去っていった。 447 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 21 53 54 ID ud1aa8n60 夜見島小学校 鉄塔から落とされ再び一人となった永井は闇人への徹底抗戦を決意。フェイスペイントを施し自己を鼓舞し『逆切れモード(永井談)』となり闇霊を殲滅していく。永井は軽トラックで小学校を根城に跋扈する闇人闇霊を轢き殺し、団地で手に入れたタイムカプセルの地図をもとにヒューズを手に入れた。さらに校舎に立てこもった闇霊を信号弾の閃光でいぶりだしそれも殲滅、残った闇人化した沖田をトラックに積んであったTNTで爆殺、体を完全に破壊されたことで沖田の復活は不可能になり、遂に引導を渡すことに成功する。 そのころ学校に程近い浜、そのさらにさらに底の方から何か異形の生物が陸地に向かって急激な浮上を行っていた。 夜見島離島線4号基鉄塔 鉄塔頂上を目指す一樹と郁子の前に完全に自我を失い模倣体(外見は完全なコピーで中身はさっきの異形の生物の意思というようなものを想像してくれればおk)として覚醒した市子が現れた。 母体への恨みと思慕を郁子へ語りかける市子。右手に日本刀左手に機関銃を携えた市子も鉄塔の頂上を目指している。 本能的に先に市子を頂上へ行かせてはいけないと悟った郁子と一樹はさらに急いで鉄塔頂上を目指す事になった。 ※ここで補足 何故みな鉄塔頂上を目指しているの 一樹: キバヤシ理論。根拠無し。 郁子: ブライトウィン号沈没の際に唯一生還した木船倫子(市子の親友で市子の片思いの相手の中島君の子供を宿している)の体内にいた双子に百合や章子、加奈江と同じ性質をもつ母胎地上侵攻作戦に向けて放たれた内偵者が同化した。 その結果郁子は生まれながらに異能を手に入れていたわけだが、異能を手に入れるとともに母胎の精神とのリンクも手に入れていた。 そのため鉄塔の頂上に母胎がたどり着いてしまうと現実世界も侵食されてしまうと気がついている。 母胎: 地上侵攻作戦。三上脩の肉体を手に入れたことで現実世界に侵攻する力を手に入れたため侵攻作戦が遂に実行されることとなった。鉄塔の頂上で現実世界とリンクしているためそこにたどり着けば現実世界への侵攻が現実のものとなる(らしい)。 市子: そもそも母胎と屍霊は同一種であり光の届かなかった頃の地上で繁栄していたが、地上に光が降り注いだ際に光に耐性のなかった母胎と屍霊はそれぞれ別の場所に避難した。 母胎は異世界へ、屍霊は光の届かない深海へ。 屍霊は自身を捨てて異世界へ逃げた母胎が憎くてたまらない反面、母胎と再び一つになりたいという願望を抱いている。 そのため母胎の元へたどり着くべくブライトウィン号沈没の際に手に入れた市子の水死体をもとに自己の意思を反映するためのコピー、模倣体を異世界へ送り込んだ。最初は人間のときの記憶が再生されていた市子ではあったが 現在は完全に模倣体として覚醒しており母胎と合流するために鉄塔の頂上を目指している。 また市子は母胎との合流が至上目標であるためそれを妨げるものは人間であろうと闇霊であろうと駆逐していくのであった。 一方母胎側としては長く現実世界にいることで形質が劣化してしまった屍霊にはさしたる興味もなく地上侵攻作戦を遂行することが至上目標であるため邪魔する屍霊は敵として認識されている。 鉄塔頂上に向かう道中乙式ともえを滅爻樹で浄化し、郁子が入手したクレーンの鍵でクレーンを動かし、市子をかわして鉄塔頂上へたどり着く二人。そこへ母胎も同じく頂上へたどりつく。 母胎と一樹、郁子が対峙するその最中突如鉄塔が崩壊を始め、市子は地面へ、一樹と郁子母胎は空へと落ちていった。 そのとき念願の母胎に辿りついた市子は、母胎にかえりみられる事もなく落ちて行くことになった。 448 :SIREN2:2008/05/06(火) 21 54 59 ID ud1aa8n60 夜見島金鉱採掘所 丁度同じ頃念願のトイレを遂に発見した阿部は用を足す。満足げにトイレを出、 ツカサに返してもらったライターでタバコに火をつけ一服の後、 バスケットのシュート宜しく便器に吸殻を放り込む阿部。 見事にシュートが決まりガッツポーズを決めた背後でトイレが爆発を起こした。 汲み取り式のトイレであったそのトイレの底に溜まっていたメタンガスにタバコの火が引火、爆発することになったのだ。 その爆発に連鎖されるように地下道に充満していたメタンガスが連鎖的に爆発。その爆発は鉄塔の足元にまで広がっていった。 遂に爆発は鉄塔の足元を完全に破壊しつくし、鉄塔は崩壊を開始する。目の前の現実に眼を疑う阿部なのだった。 その爆発鉄塔崩壊のため、現実世界とのリンクは崩壊、母胎の地上侵攻作戦は完全に潰えることとなり、阿部は何気に世界を救ったヒーローなのであったが、そのことは誰も知らない。 夜見島潮降浜渚 鉄塔が崩壊していく姿を呆然と眺める永井の周囲から光がなくなっていく。闇人甲式として進化を遂げた三沢が不敵に笑っていた。永井は三沢との決着をつけることを決意する。 闇人甲式として進化した三沢は無限弾薬を誇る最強の機関銃MINIMIを装備しているので、永井は迂闊にその前に立つことはできず、背後からその身を隠し狙撃することに成功する。(不死身の闇人を異世界の武器でない現代兵器で撃破することができたのは、三沢と対峙するまでに学校及び潮降浜渚付近の闇霊を殲滅していたため。闇人は闇霊が人間の死体を殻として利用している存在のため、殻=三沢の死体を利用する闇霊が付近に存在しなければ復活することができない。ゲーム中では三沢の体力がこの戦闘中一切回復しないことでそれが表現されている。) 機関銃を乱射し遂に地に果てた三沢。やっと全て終わったことに安堵する永井の背後から市子の声がした。その市子の顔には巨大な目玉が浮き上がっていた。市子はもはや模倣体としてその存在を維持できなくなっていたのだ。 「家に帰りたい…一緒になりたい…」とつぶやき倒れる市子と、倒れ動けなくなった三沢を吸収するように浜から巨大な顔面(市子のそれを模倣したもの)の生き物が浮上してきた。まだ戦いは終わっていないことを知った永井は 三沢の残した機関銃MINIMIを携え巨大な顔面の生き物(堕彗児/おとしご)との戦いに臨むことになる。 堕彗児は屍霊の凝結したものであり、光に弱い。ここで永井は潮降浜渚にある灯台に向かいタイムカプセルから入手したヒューズを組み込み灯台の光を起動した。さらに堕彗児は移動手段が回転による突進しかないことに気づいた永井は廃棄されたタンクに激突させ、そこに残されていた重油を浴びせかけることに成功する。 光を浴び重油を浴び、怯んだ堕彗児に対し、潮降浜渚に打ち揚げられていた、漁船の発電機を起動させ水銀灯をともし、そのランプを堕彗児にぶつけることで、重油を浴びたその体を燃やし尽くすことに永井は成功した。 今度こそ本当に全て終わったことに歓喜の雄たけびを上げる永井。その叫びが夜の浜辺にこだました。 449 :SIREN2:2008/05/06(火) 21 56 04 ID ud1aa8n60 特異点 鉄塔の崩壊により一樹、郁子、母胎は特異点へ飛ばされていた。特異点、それは全ての事象が起こりうる世界だった。 ゲームとしていえば全て終了条件2で終わった世界。無限の可能性の中で現世と虚無の区別のない世界だった。 その世界の空には赤い海があり、そこから母胎が顔を出していた。計画の破綻に激怒した母胎は一樹たちに襲い掛かる。 一樹たちも母胎との最後の決着をつけることになった。 一樹と郁子の協力の下でも母胎の力は強力で、一樹は弾き飛ばされてしまう。その際にポケットからかつて拾った、昔三上が埋めたメダルが零れ落ちる。そのメダルを辿って幼少の三上もこの特異点へ導かれた。さらにその三上を探して章子/加奈江も特異点へやってきた。三上を探す最中、加奈江は自身と母胎がかなりの精度でリンクしていることに気づいた。三上の肉体は母胎によって抑えられている。よってその肉体を解放するために加奈江は自傷する事によって母胎に強烈な痛手を与えることに成功した。 そのとき、一樹と郁子がここに来るまでに手に入れていた闇那其(あんなき)が輝きだし、石の刃物の様な形態になった。 その闇那其を母胎に振り下ろす郁子。すると今まで一度もさしたる痛手を受けたと見られなかった母胎がうめき声を上げ逃げ出した。 この闇那其には全てを無にしてしまう力(そして闇那其のみが残る世界を作る力)があったようだ。 そして一樹も母胎にその闇那其を叩き込んだ。強烈な断末魔を上げ息絶える母胎。決着に安堵する二人。がしかし母胎は最後の力を振り絞って再び赤い津波を呼び起こすのだった。 ENDING 三上脩&加奈江 赤い海の中パジャマを着た幼い三上を抱く加奈江。「おやすみ、脩。」 三上はそのまま瞳を閉じた。こうして加奈江と三上はともに赤い海(時空ののりしろ)の中静かに二人のときを過ごしていくのだった。 永井 堕彗児を倒したのもつかの間。赤い津波に飲み込まれる永井。その永井が飛ばされた世界は太陽に暗黒の影がかかり、 さも日食になったかの世界だった。浜辺には大量の闇人。この世界では闇人地上侵攻作戦が成功してしまったようだった。 この地上には人間は永井ただ一人、人間は伝説の怪物として恐れられていた。恐慌状態になる永井。 永井の姿に恐れおののく闇人を機関銃MINIMIで次々と銃殺していく。だがしかし現実世界に戻る術はあるのだろうか… 阿部&ツカサ やはり赤い津波に飲み込まれてしまった阿部とツカサであったが、辿りついた先は朝日の昇る穏やかな海岸道路だった。 その朝日を見つめながら、不意に全てが終わってしまったことに気づく阿部。この世界は闇霊屍霊がはじめから存在しない世界だった。 闇霊が存在しないため、母胎は存在せず、そして彼の愛した多河柳子もはじめから存在しなかった世界なのだった。 果てしない絶望感に苛まれただ滂沱と涙を流す阿部にツカサが寄り添った。彼女も自身が尽くしてきた飼い主の三上がいなくなってしまったのだ。そうして一匹と一人は互いに寄り添い朝日を見続けるのだった。 一樹&郁子 海岸で眼を覚ます一樹。朝日が昇っている。夜の世界が終わり現実に戻ってきたことを実感する一樹。 一樹と郁子が戻ってきた世界は唯一今までと同じ現実の世界だった。郁子が眼を覚ました。二人で朝日を見つめる。 穏やかな朝焼けの元満足げな一樹。その横で郁子は太陽の光を煩わしそうに睨み付けるのだった。 33 33 33 不死の肉体を持ち、異界の生物を殺しつくすうりえんを手にした異界ジェノサイダーとなった須田恭也は虚無の世界の夜見島に現れ、未だに生き残っていた闇霊闇人を殲滅する。その戦いに終わりはない。 450 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 21 57 08 ID ud1aa8n60 終わり 前回の人の文章を読み込まずに見切り発車で書いてしまったので かぶっているところとかあったらゴメンなさい あとどこを補足したら良いかよくわかんなかったので補足した方が良いってところがあったら教えてください 451 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 22 07 36 ID Z+mWvhJQ0 乙です 一樹&郁子のEDの時間の表示に関しても何かあれば… 452 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/06(火) 22 14 03 ID ud1aa8n60 えっと 一樹&郁子 24 44 44 永井 24 32 22 阿部&ツカサ 24 45 55 です 460 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 10 27 ID seoCvCyQ0 446-450 リクした者ですが、乙です。 ありがとうございました。 で、 >ゲームとしていえば全て終了条件2で終わった世界。 の“終了条件”の意味を教えてほしいのですが…… 461 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 16 23 ID iYvEONq50 460 終了条件はSIREN中のステージを攻略するための条件で それが達成されるとステージがクリアとなる 終了条件には2種類あってまずそのステージがプレイ可能になると 出現するのが終了条件1 他のステージで何らかの行動を起こすことで プレイできるようになるのが終了条件2 こんな感じで良いのかな わからないところとかあれば補足するんで是非 463 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 38 23 ID 4VBlsTvTO 登場人物達は閉じた世界である異界に 取り込まれているので、ループして同じ時間を繰り返してしまう。(終了条件1) しかし、それを打破するために各人が少しずつ 違う行動をとり、それらが積み重なることで新たな道が開ける。(終了条件2) 例えば、A地点からC地点へ到達が条件1とする。 このままでは世界は何も変わらないが、途中のB地点で鍵を 拾ったりすることで新たな展開がある。 はっきりいうと新シナリオを開くためのフラグ立ての作ぎょ(ry 464 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 42 38 ID seoCvCyQ0 つまり、 終了条件1でゲームを進める→主人公たちは無限ループに陥り、その隙に世界が征服される 終了条件2でゲームを進める→ループ崩壊。ラスボスの元にたどり着ける ということで良いのですか? 465 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/07(水) 21 56 45 ID iYvEONq50 無限ループは初代SIRENで SIREN2はパラレルワールドの世界だった気がする 無限にある可能性の世界の中で終了条件2を 達成した世界だけエンディングにたどり着けた みたいな感じの
https://w.atwiki.jp/orirowaz/pages/400.html
『農家の宇野さんから助けを求められました。 これから月影さんと恵子ちゃんの3人で宇野さんの家に向かいます。 みんなはこの家で待機していて下さい。 はすみ』 『地下室で何者かに恵子ちゃんが地下で殺されました。 恵子ちゃんを殺した人に月影さんとはすみさんも連れ去らわれたかもしれないので助けに向かいます。 それから勝子さん達が鈴菜さん達を助けに向かっている間に会議で話したヒグマに襲撃されました。 ワニとクマが合体したみたいな化け物で、はすみさんが言うには怪異らしいです。 遭遇したら後ずさりしながら目線を外さず、 刺激しないように逃げてください。 もし夕方までに私達が戻らなかったら、後はそっちの判断で行動して ひなた うさぎ』 「誰もいないと思ったら、こういうことか」 数時間前までは想い人を含む正常完全者の拠点となっていた袴田伴次の住居、その地下室にて。 虎尾茶子は床に敷かれた布団に横たわる、顔に白布を被せられたもの――字蔵恵子の遺骸の前で独り言ちた。 茶子は自分と同じ境遇の少女――リンを伴って山折神社から南下して、正常感染者の集う袴田伴次の一軒家へ向かった。 事態を収束するためには手足が足りない。己の手駒を増やす算段で訪れたのだが、袴田邸はもぬけの殻であった。 落胆しつつも居間へと向かうと、テーブルには一枚の書き置き。 A4サイズのコピー用紙の上段に書き記された文章ははすみの文字。品行方正の彼女らしい綺麗な字で書かれていた。 下段に書き殴られた文章は荒い筆跡。最後の一文に至っては蚯蚓ののたくった様な字で丁寧語すらつけ忘れている。 茶子の知るうさぎは姉のはすみと同様に達筆なため、ひなたが書き記したものだろう。 一先ず袴田邸を捜索することにし、リンに一階の探索をお願いして、茶子は書き置きの真偽を確かめるべく袴田邸の地下へと降りた。 そしてひなたの書き置き通り、恵子の亡骸が置かれていた。 (字蔵恵子の首筋には二つの穴。連続婦女殺人事件と穴の大きさは違うけど、無関係とは思えないな) 顔の布は取らずに死体を検分する。服から覗く皮膚はツマミのビーフジャーキーのように干からびており、死因は明らかだ。 袴田邸に滞在していた面子の異能は天宝寺アニカの言葉通りだろう。あの幼女は兎も角、愛しの彼が自分を謀るとは思えない。 『まず自分を疑え。Ms.Darjeeling、妄信は真実を求める妨げになります』 資材管理棟にて未名崎錬が茶子に面と向かって伝えた言葉を思い出す。 『そんな目をしたお前が言うセリフか?』と内心でせせら笑いながらも、その言葉自体には茶子も思うところがあった。 感染者の異能についてはあくまでそれぞれの自己宣告だ。天才とはいえお眠のお子様では見落としていた部分もある筈。 物的証拠、状況証拠、山折村で女性ばかりを狙う吸血鬼の噂。情報を統括・整理し、解を導き出す。 (犯人は彼奴だろ、月影夜帳) あっさりと辿り着く。情報を与えればアニカならば瞬きの間に、哉太ならば自分と同等の時間で辿り着くだろう答え。 月影の異能は恐怖を感じた対象を硬直させる『威圧』。だが、所詮彼の自己申告に過ぎない。 「私は人畜無害ですよ」などとほざいてアリバイを露見させ、本質を隠すことは徹底的に情報を隠匿してきた茶子も現在に至るまで行ってきた。 月影と同じ穴の狢だからこそ、彼と同様の結論になる。 「殺そ」 「ジュースでも買おう」というような気軽さで容疑者の死刑が確定された。 殺人鬼のように衝動で殺すのではなく、師のように理性的かつ自然に殺害を選択できる。 それが茶子の異常性の一つ。 茶子の推測が事実ならば身体能力の他に遠距離から金田一勝子を切り裂いた藤次郎のように『威圧』以外にも複数の能力を内包した異能の可能性が高い。 だとするならば、哉太とアニカ以外のメンバーを異能によって洗脳し、集団で恵子を殺害したとも結論付けられる。 「はすみ達も殺さなきゃいけないのか~。あ―最悪」 大きく溜め息をついて座り込む。茶子の眼下には物言わぬ少女の死体。端では手足を拘束された袴田伴次のゾンビが芋虫のようにもぞもぞと動いている。 それらに冷たい視線をくれながら、ショートパンツのポケットからシールで可愛らしくデコレーションされた黄色のスマートフォンを取り出す。 これは交番と高級住宅街を挟まれた道路で見つけた――茶子は知る由もないが気喪杉禿夫とひなたらの戦闘の余波で飛ばされた――スマートフォン。 「さて、美少女探偵サマはどんな情報を持ってるのかな?」 ◆ 初夏の日差しが築かれた屍山血河に渇きをもたらし、這い出る蟲が死肉を貪り飢えを満たす。 地獄を作り出したのは特殊部隊か、はたまた狂気と我欲に狩られて血に酔った殺戮者共か。 大田原源一郎は前者であり、独眼熊は後者である。 疾走する大田原の前方には小柄な薄汚れた少女の姿――手には猟銃を構え、背中からは鋭い鉤爪が五本生えた腕。 その傍らにはアリゲーターとグリズリーの特性を併せ持ったかのような巨体。 ゴーグル型の最新機器――スカイスカウターに映る色は少女が赤、巨体の怪物が青。 巨体の怪物が紛い物、少女の姿をしたモノが数時間前に自身を襲った怪物だと確信。 全身の血が滾る。屈辱の記憶が憤怒を呼び起こして熱となり、ひび割れた鋼鉄の如き理性を加熱する。 大田原に植え付けられた異能――『餓鬼』が発動する。副次効果である身体能力の効果が適用され、脚力が向上。 「フッ……!」 時速にしておよそ100キロ以上。この地に根を下ろすヒグマどころか自動車の最高速度にも匹敵する。 「ハッ!かつての我と同じ愚を犯すか!」 嘲笑と共に猟銃を構えようとして、止めた。同時に蠍のように背中から生えた剛腕が根本から180度回転し、地に爪を突き刺して掴む。 少女の矮躯が剛腕と共に浮かび上がると同時に4発の銃声。少女の頭と胸があったあたりに銃弾が通り過ぎた。 地を見下ろすと、独眼熊本来の姿の分身体が蜃気楼のように消え始めているのを目視した。 コンマ数秒ほどの完全な無防備状態。その隙を縫うように射程範囲に入った大男の両手に構えた拳銃が火を噴く。 頭・心臓・両手両足関節狙いの計六発。急所を防いでも次の行動を阻害するための射撃。 しかし、その銃弾が少女の身体に命中することはなかった。 届く数メートル前。どこからか飛来した「何か」によって遮られ、パラベラム弾が標的を撃ち抜くことはなかった。 がシャンと何かが破壊される音が大田原の耳朶を打つ。標的の落下先を確認する刹那、大田原は破壊した物体を確認する。 (これは!?) 飛来した謎の物体の正体は二本の懐中電灯。本来の持ち主である気喪杉禿夫が手拭いで頭に巻き付けていた物体。 どこからか飛来したそれが銃弾の軌道を逸らし、独眼熊の命を繋いだのである。 大田原は視線を動かして懐中電灯が飛んできた方向を確認する。十時の方向の草むらに伏せた何者かの影が一つ。 怨敵たる怪物がこちらに銃口を向けていることに注視しながら、地に伏せた影にに向かい、引き金を引く。 タン、と短い音が草原に響く。杜撰な隠伏をする何者かは大田原の銃弾を受けると衝撃で仰向けに倒れ、その姿を露わにする。 その正体を確認する直前、向けられていた怪物の銃口が大田原の頭蓋目掛けて放たれた。 狙いは数時間前の素人同然の狙撃とは違い、大田原の命を刈り取るように正確な狙撃。 『まるで熟練の猟師の記憶を思い出したかのように』 それを10時の方向へ――己が撃ち抜いた老人を飛び越える形で――回避。 老人の真上を通り過ぎる寸前、装着したサーモグラフィカメラで彼を確認すると、その身体は青く光っていた。 弾丸の命中先は老人の鼻先。脳には到達していないにも関わらず、スーツ姿の老人は身体の動きをピタリと止めていた。 着地と同時に一発、二発と老人の頭に向けて引き金を引く。短い音が草原に響き、老人の痩躯がビクビクと跳ねる。 三発目の銃弾が彼の脳をかき乱すと老人の姿は皮だけとなり、スーツごとぐずぐずと溶け出し、地面と一体化し始めた。 「ばあ」 老人を撃ち抜いた直後、土汚れだらけの少女の顔が大田原の眼前に迫ってきた。 もう片方の拳銃の引き金を引く刹那、小さな少女の両手が大田原のこめかみに当てられる。 銃口から弾丸が吐き出される。少女の脳天に直撃する寸前、大田原の顔面から何かを引き剥がされる感覚と同時に両肩に衝撃が走る。 水切りのように大田原の巨体が草原を滑る。拳銃を両手に持ったまま両手の親指だけで身体を止め、腹筋に力を入れて飛び起きる。 「これが眼鏡という奴か?」 人工音声とも獣の声とも呼べるような声が聞こえる。 人の皮を被った怪物の手には大田原が要請した物質の一つ、スカイスカウター。偽物と本物を見分けるゴーグル型の赤外線カメラ。 独眼熊対策に使用していたそれを、怪物は嗤いながら握りつぶした。 ◆ ―――――――――――――――――――― [Kanata Yanagi] [202X年 XX月XX日] [XX XX][挨拶スタンプ] [XX XX][写真] [XX XX][明日の13 00にTV shootでRestaurant reviewをするの!] [XX XX][場所は渋谷よ!仕事終わりに奢ってあげるから来て!] [XX XX][既読][謝罪するスタンプ] [XX XX][既読][わり。その日コラボカフェの予約入ってんだよ] [XX XX][ショックを受けてるスタンプ] [XX XX][What about other days?] [XX XX][既読][首を振るスタンプ] [XX XX][既読][季節メニューを全制覇しないと作品のファンを名乗れない] [XX XX][いじけるスタンプ] [XX XX][You refuse a girl's invitation, so you Now that you're a high school student, you can't get a girlfriend.] [XX XX][それにセンスは絶望的だし] [XX XX][既読][センス関係あるのかよ] [XX XX][既読][それに俺は彼女を作れないんじゃなくて作らないんだよ] [XX XX][煽りスタンプ] [XX XX][煽りスタンプ] [XX XX][煽りスタンプ] [XX XX][煽りスタンプ] [XX XX][煽りスタンプ] [XX XX][既読][落ち込みスタンプ] [XX XX][既読][アニカ、もしかして俺の事嫌い?] [XX XX][慰めスタンプ] ――――――――――――――――――――――――――― 「…………チッ」 ――――――――――――――――――――――――――― [Kazuo Kujo] [202X年 XX月XX日] [XX XX][既読][挨拶スタンプ] [XX XX][既読][天宝寺、隣のクラスの七紙光太郎が入院したの知ってる?] [XX XX][First time hearing.] [XX XX][既読][疑問スタンプ] [XX XX][既読][First time hearing←どういう意味?] [XX XX][初耳って意味よ] [XX XX][既読][英語キャラやめてくれない?帰国子女のお前と違って英語分らないし。友達減るぞ] [XX XX][明日はロケとかないからお見舞いに行くわ。コウタロウの入院先はどこ?] [XX XX][既読][既読スルーかよ。××病院。昏睡状態になっている] [XX XX][何があったの?] [XX XX][集団幻覚ね。旧校舎の建築に有害物質が使われていた可能性が高いわ] [XX XX][それに「七不思議のナナシ」「怪談使い」って何? 下らない妄想で彼を寄ってたかって悪者にするのはいじめよ] [XX XX][既読][んな下らないことするかよ。少なくともおれらは今でもナナシのこと友達だと思ってるんだぜ] [XX XX][既読][それで折り入って頼みがあるんだが、「怪談使い」についてお前のツテで調べてくれない?] [XX XX][既読][頼み込むスタンプ] [XX XX][OK.一学期が始まるまでに旧校舎の建築工事の調査とコウタロウの身辺調査のついでに調べておくわ] [XX XX][既読][怪談使いの優先度低くない?] [XX XX][当たり前じゃない。オカルトなんて立証されないものを信じるなんてできないわ] [202X年 XX月XX日] [XX XX][色々と調べ終わったわ] [XX XX][既読][驚いたスタンプ] [XX XX][既読][すげー早いな。まだ一学期始まってないぞ] [XX XX][コウタロウの人間関係について調べてみたけどいじめの事実はなかったわ] [XX XX][本人からも事情を聞いてみたけど、「僕が悪かった」ってしきりにカズオ達に謝っていた] [XX XX][アナタ達がいじめをしたんだと疑ってごめんなさい、カズオ] [XX XX][既読][驚いたスタンプ] [XX XX][既読][ナナシの奴、いつ起きたんだ? 後遺症なかったか?] [XX XX][今日の夕方に目覚めたって。後遺症はなし。至って健康体だってお医者様が言ってたわ] [XX XX][既読][ほっとしたスタンプ] [XX XX][既読][良かった。天宝寺、お前普通に謝れるんだな] [XX XX][当たり前でしょ。こっちに非があるんだし。私の事何だと思っているの?] [XX XX][既読][正論パンチで叩き潰してくる血も涙もない女] [XX XX][既読][既読スルーかよ] [XX XX][アナタの言っていた「怪談使い」についても分かったことがあるの。私は信じてないけどね] [XX XX][既読][頭を下げるスタンプ] [XX XX][既読][さんきゅ。どこで分かったんだ?] [XX XX][去年の都市伝説検証番組で共演した著名なオカルト研究家達に話を聞いたのよ。それで丸二日潰れたわ] [XX XX][明日怪談使いについて話すから15 00に××病院のカフェテリアで待ってる。カズオと一緒に集団幻覚を見た人達を集めてきて] [XX XX][既読][明後日始業式だから学校で話した方が良くないか?] [XX XX][コウタロウは明後日まで検査入院なの。彼、始業式に間に合わないみたいだし、わだかまりは早いうちに解いておいた方がいいでしょ] [XX XX][既読][サムズアップするスタンプ] [XX XX][既読][おけ。それじゃまた明日] [XX XX][また明日] ――――――――――――――――――― 談使い。 それは茶子が未来人類研究所とのコネクションを持つ前――先代蛇茨当主にスカウトされて村の暗黒に足を踏み入れたばかりの頃に知った伝承。 名称と出自以外の情報は現代に至るまで詳細が一切伏せられていたアンノウン。 「歪み」を藤次郎以上に知り尽くしていた茶子ですらも真相を知らず、生物災害が発生するまでは眉唾と軽んじていた存在。 山折の地に根付いた土着信仰の付属品程度の認識しかしてなかったものが、ここにきて重要なファクターへと変貌した。 (…………あの幼女、ギャン泣きするまでいびっときゃ良かった) 哉太とのLINE上のやり取りを思い出し、茶子は密かに八つ当たりに近い苛立ちを募らせる。 「怪談使い」について情報を聞き出せなかったこちらに非があるのだが、それとは無関係に自称パートナーの卑しい探偵少女に腹が立った。 茶子の感情はともかく、天宝寺アニカの利用価値が跳ねあがったのは事実だ。 手元にある「降臨伝説」の事実が記された羊皮紙写本。アニカが調べた「怪談使い」の情報。 まだこちらで詰められる情報があるが、この二つが山折村を襲った生物災害、ひいては研究所の目的と無関係とは思えない。 もし「降臨伝説」が真実であるのならば。もし「怪談使い」が実在していたのならば。 「―――――世界が変わるな」 ◆ 大田原源一郎は怪物の本体と分身の区別には時間が必要。 独眼熊は異能による分身の再召喚のためにはクールタイムを要し、同じく時間が必要。 奇しくも現状は拮抗を保っており、差をつける要素は異能と経験、判断力。 大田原は異能による肉体ブーストとSSOGで培った経験と判断力で、独眼熊は数多の異能と獣としての特性によって渡り合っていた。 閑散としていた草原はところどころ地面がめくれ、両者が雑草と共に踏み潰した小動物が辺りに散らばっている。 かのような有様故、小競り合いをしていた怪物と歴戦の勇士は二者とも肉体は一見無傷でありながら、そうではなかった。 大田原は独眼熊により防護服のところどころに裂傷を負い、骨折や削げ落ちた耳と共に異能による修復が現在進行形で行われている。 独眼熊は大田原により纏ったクマカイの皮や背中に生えた腕に銃創を負い、皮を含めて修復するための『肉体変化』により、己の血肉がキロ単位で使用されている。 遮蔽物のない平野において、短期決戦であれば大田原源一郎に、長期決戦になれば独眼熊に軍配が上がる。 大田原は高速で走り回る少女へ向けて銃弾を放つ。幾度となく行った牽制と急所狙いの両方を兼ねた銃撃。 この戦いにおいて幾度となく独眼熊の肉体を抉ってきた弾丸。怪物の癖も掴み始め、あと何度か同じことを繰り返せば確実に急所を狙い撃つであろう鉛玉。 急所は確実に防がれるにしても今回も少女の下に隠されている悍ましき肉体を抉れるであろうその銃弾を――。 「阿呆」 その言葉と同時にカン、カン、カンと鉄に弾かれる金属音が鳴り響く。 独眼熊の手に分厚いマンホールの金属蓋。それを円盾のように構えていた。 歴戦の勇士は見ていた。コンマ一秒にも満たない銃口を獲物に向ける刹那の瞬間。 怪物は足元に置いてあったマンホールの蓋を蹴り上げ、飛来する銃弾を防いでいた。 思えば戦闘の最中、独眼熊がしきりに捲れ上がった地面を気にしていた。 ほんの少し地面に注意を向ければ戦闘区域にいつの間にか穴が開いている。 独眼熊の行動を掴みかけたと思い込んでいた時から、ダメージを受けるのも厭わずに新たな防具を得るチャンスを伺ってきたのか。 もしそれが偶然ではなく意図的であるとしたらまるで未来予知をしていたかのようだ。 弾丸を防いだ直後、怪物は手に持った円盾の淵を掴むとフリスビーの要領で大田原に投擲。 新たな防具を得た瞬間の短絡的な行動。何故そんな事を?知恵を得た怪物とは思えぬほど短絡的な行動に大田原の頭に疑問符が浮かぶ。 しかし、怪物の愚行は今まで攻めあぐねていた歴戦の勇士にとって千載一遇の好機であった。 身を屈めて地滑りのように疾走する。『餓鬼』の身体能力ブーストの効果でその速度はヒグマの最大速度の二倍にも匹敵する。 フリスビーのように投げられた鉄蓋が大田原の頭上を通過する。 怪物が反応する前に大田原の巨体がクマカイの皮を被った独眼熊の小柄な体へ激突する。 「かふっ」という空気が吐き出される音を頭上から聞きながら、怪物の下腹部を掴んでそのまま背後――診療所の外壁へと諸共突っ込んだ。 その矮躯を離さぬまま、コンクリートの壁をぶち破り、瓦礫だらけの室内――美羽風雅が破壊し尽くしたリハビリ棟の放送室へと突入した。 その勢いのまま、少女を床へと押し倒す。強面の大男と小柄な少女。一見すると犯罪的な絵面だが本人達は真剣そのものだ。 確実に止めを刺すべく、大田原は独眼熊の小柄な体を拘束する。 血走った眼で薄ら笑いを浮かべている少女を睨みつけ、その額へと撃ち抜くべく銃口を向けた瞬間―― 「我の手が三本だけかと思ったか?」 腹部に衝撃が走り、大田原の巨体が凄まじい速さで浮き上がる。 勢いは天井にぶつかると止まり、そのまま地面に叩きつけられた。 息を整える間もなく、倒れ伏した大田原に猟銃が向けられる。 急ぎ横に転がってショットシェルを回避する。 起き上がり、前回の対峙のような愚を犯さずに手を離さずに持っていた双銃を構える。 「では第二ラウンドだ、小僧。せいぜいあがけ」 腹から太い男の腕を生やした少女が、逆再生のようにその腕を身体に戻して勇士へと嗤いかける。 ◆ 「これは……随分とたくさん見つけたのね……」 「そうでしょそうでしょ♪テーブルのしたとかほんがいっぱいあるおへやがらあつめたの!こんなにみつけてえらいでしょ♪」 袴田邸一階の居間。乾パンの缶詰やサラダ油、十徳ナイフや図鑑など子供視点で役に立ちそうなものがテーブルに所狭しと並べられている。 ほんの少し顔を引き攣らせて笑う茶子にTシャツと短パン姿の少女――リンは薄い胸を張った。 きっと自分に褒められたくて張りきったのだろう。視野の狭い幼子に品物のランク付けは難しかったか。 「こんなに頑張ってくれたのは嬉しいけど、全部持っていけそうにないわ。リンちゃん、ごめんね」 「ええ……そんなぁ……」 「全部持っていくとお姉ちゃんのリュックがパンパンになっちゃう。リンちゃんの鞄に入れようとするとお姉ちゃんの作ったサンドイッチがぺちゃんこになるかも。 だから、持っていくものをお姉ちゃんに選ばせて。お願い……ね?」 「むぅー……わかった」 しゃがみ込んでリンと目線を合わせる。そして両手を合わせて「お願い」のポーズを取ると、リンは渋々といった感じで了承した。 リンの許可を得た茶子はテーブルに乗った数々の品物を一つ一つ丁寧に検品し、仕分けを行う。 作業自体はすぐ終わり、テーブルに乗せられたアイテムは七つ。 うさぎの字で書き記された護符五枚――アニカから借りパクした包帯と同じと感じた――とモバイルバッテリー、袴田伴次のスマートフォン。 ノートパソコンもあったのだが、地震の影響で内部のマザーボードが壊れたらしく電源ボタンを押しても動くことはなかった。 「書いてた原稿が地震でパーになったなら発狂モンだな」と苦笑しつつも「不要」と判断して仕分けた。 「リンがあつめたもの、こんなにすくなくなっちゃった……」 「ごめんね、リンちゃん。でも、お姉ちゃんとっても助かった」 お礼とばかりにぎゅっとリンを抱きしめる。リンは少し驚いた顔をしたが、すぐに「えへへ」と気恥ずかしそうに笑った。 「チャコおねえちゃん、ごほうびにさっきのおはなしのつづきききたいなあ」 「お話って、巫女さんと陰陽師さんの物語?」 「うん!」 「どこまで話したっけ?」 「とってもつよいみこさんがかっこいいおんみょうじさんにであったところまで!」 「そっかぁ……お姉ちゃん、お話の続きまだ考えてないんだ」 「えぇー!なんで?」 「このお話はお姉ちゃんが即興で考えたものなの。続きはもうちょっとだけ待って?」 「その代わりに」と言葉を続け、茶子は傍らにあったリンのメッセンジャーバッグから化粧品を取り出して笑いかける。 「リンちゃんが可愛くなるようにお化粧してあげるわ。準備に少し時間がかかるからお庭で見張りをしてくれるとお姉ちゃん嬉しいな」 ◆ 「くひひひひひッ!!」 山折総合診療所のロビーにけたたましい雑音が木霊する。 ビニル床にはところどころ乾き始めた赤黒い血の跡が残り、髪の毛の塊や噛み千切られた指があらゆる場所に散らばっている。 雑音の主は少女の姿をした怪物。五本の刃が並ぶ尾を振りかざしながら縦横無尽に走り回る。 それを追走するのは人間型秩序装置である大田原源一郎。 彼も怪物に負けず劣らずの速度で追いかけ、両手の拳銃で子供へ狙いを定めようとするも――。 「――ッ!」 巨漢の眼前にソファーが凄まじい速度で投げ出され、視界を覆われる。 すぐさま回避し、幾度となく姿を眩ませた小柄な身体を探すべく視線を動かす。 直後、頭上から大きな長方形の影。見上げると白いシーツ――跳躍して診察室のベッドを振りかぶった独眼熊の矮躯が映る。 脳天に叩きつけられる寸前、大田原は独眼熊の方へと飛び込む。 頭上に映る一糸纏わぬ少女の姿。空中で身体を捩り、手に持つ二丁の拳銃で脳と心臓を牽制を交えて銃弾を放つ。 だが、背中から生えた腕がゴムのように伸びて振り下ろされたベッドのヘッドボードを掴む。 地面にぶつかる寸前で腕は一気に縮み、その勢いのまま前方へと少女の身体が前方へと発射される。 放たれた銃弾は天井からぶら下がる電灯を砕き、大田原の頭上からガラスの雨を降らせた。 怪物はくるくると宙を回りながら体勢を整え、大田原の方へと向き直り、人間の悪意を煮詰めたような嘲笑を向けた。 第二ラウンド――誘い込まれた診療所内での戦闘。 遮蔽物や小道具が多く存在する室内での戦況は怪物側に有利に傾いていた。 独眼熊が大田原に対する有効打は数あれど、独眼熊の攻撃手段は手元にあるに腸の拳銃のみ。 自動小銃などの威力の高い銃では弾数自体は多いものの、野猿のように小回りが聞く怪物との戦いには懐に入られてしまえば使い物にならなくなるだろう。 選択した支援物資に間違いはなかったと思える。しかし、有効打にはなりえるものの確実に排除できる手段とは言えない。 (あの怪物を確実に駆除するためには俺一人では困難だ。敵の強さは低く見積もっても俺と美羽、成田の連携でようやく互角といったところだろう) 吉田無量対数より授かった『最強』の称号。人間の極致ともいえる力をあの怪物は容赦なく踏み躙り、凌駕する。 己の傲慢に今一度腹が立つも、鉄の理性で無理やり抑え込んで頭を冷却する。 素の己ならば進化した怪物に成すすべもなく殺される。だが、現在の大田原には怪物に対抗できる手札がある。 異能『餓鬼』。際限なく湧き上がる飢餓感と引き換えに肉体再生能力と身体能力強化の恩恵を得ることができる。 現状こそ劣勢であるが、怪物と戦えている。それにいざとなれば己の命諸共怪物を焼き尽くす最終手段がある。 己の死地はここにあり。護国奉仕の勇士は己が命ごと怪物を燃やし尽くす事を決意する。 ひび割れた脳を酷使し、異能の発動を確認。 魂の底から溢れ出す飢餓感を使命感で抑えつけ、駆け回る怪物へと肉薄する。 眼前には中学生ほどの少女の顔。瞬く間に接近した巨漢にほんの僅かだけ目を見開く。 両手の拳銃では引き金を引く前に腕を搗ち上げられ、強烈なカウンターを喰らうと瞬時に判断。 故に手段は一つ。 「―――ガッ!」 勢いはそのままに怪物の小さな肉体に突進をぶちかます。 ベキリと音が響き、質量保存の法則を無視して皮に詰め込まれた軽量の肉体は一気に怪談側へと吹き飛ばされれう。 矮躯は階段の凹凸を砕いて停止した後、すぐにこちらの方へと視線を向けて疾走する。 だが遅い。独眼熊の行動パターンは読めた。八艘飛びのっようにこちらを翻弄しようとする直前に両足の関節を撃ち抜く。 高速で飛び回ろうとしていた少女の身体がビニル床に落下する。地につく間の数舜。その刹那に頭に狙いを定めて引き金を引いた。 短い音が何度も響く。奴を守る遮蔽物も投擲する小道具もない確殺の銃撃。しかし――。 歴戦の勇士と悍ましき怪物の間には巨大な瓦礫が落ちてきた。鉛玉はコンクリートを砕くことはなく、怪物の新たな盾となった。 見ると独眼熊の尻尾は変化しており。五本の指は天へと伸びる一本の腕に変わり、爪にあたる部分は収束し、長く頑強で鋭い刃へと変化していた。 天井の壁は歪な三角形の穴が開いており、そのいびつな形のまま落ちてきたのである。 瓦礫の隙間から悪意に満ちた笑顔を覗かせる。その直後、独眼熊は歪な尻尾を振り回しながら周囲を駆け回った。 一刻も経たぬうちに天井から瓦礫が落下する。瓦礫の他にベッドやロッカーなどが大田原へと降り注いできた。 轟音が轟く。頭を守るガスマスクがなくとも、100キロを優に超えるコンクリート片が頭にぶつかればそれで一巻の終わり。 最短経路を瞬時に見つけ出し、落下する瓦礫の隙間を縫うように疾走する。 瓦礫の迷路を抜け出す寸前、肌を突き刺すような殺気。視線を向けると猟銃の銃口が狙いを定めていた。 放たれる獣狩りの鉛玉。身を翻し、堕ちてくる瓦礫を盾に銃弾を防ぐ。 瓦礫が落ち切ったロビーに静寂が広がる。落石地獄から抜け出した大田原は怪物の行方を探す。 ほんの数舜、怪物は猟銃を手に取ったまま大田原へと突撃してくる。 今のこの刹那に限り、怪物の周りには遮蔽物が存在せず、突撃の勢いから判断するに突発的な攻撃に回避は困難だと推測。 少女はこちらに向けショットガンの引き金を引くも、カチカチと無情な音が響く。 眼を大きく見開く少女。戦闘開始以降、大田原は怪物の再装填と射撃を正確にカウントしていた。 ひたすら待ち続け、遂に現れた最大のチャンス。リロードには明確な隙ができる。 接近して肉弾戦に及ぼうとしても、奴の拳が大田原の頭蓋を砕くより大田原の指が引き金を引く方が圧倒的に早い。 銃口を少女の頭に向け、引き金を引いた瞬間――。 カチカチと弾切れを占める無情な音が手に持つ二丁の拳銃より響いた。 脳に受けたダメージ。理性で抑えつけた飢餓感。今まで経験したことのない異形相手の戦闘。その対応への適応。その他諸々。 数多の要因が重なり、普段の大田原源一郎では決して起こり得ない致命的なミスが起きてしまった。 何よりも問題になったのは脳のダメージ。素人が精密機械を弄った結果、壊れたように最高のタイミングで最悪の事象が発生した。 己を殺しかねない鉛玉が発射されないと知るや否や、独眼熊は瞬時に大田原へと接近する。 振りかぶられる武器はつい先程まで愛用していた猟銃。大田原の脇腹へと食い込み、構成された部品を床に散らばす。 「ガハ……!」 血反吐をまき散らしながら、大田原の巨体が床を転がる。 咳き込んで下を向いた巨漢の髪を掴み上げ、少女は心底つまらなそうな表情を浮かべる。 「これでは先程の焼き回しではないか。何も学習せんな、貴様は」 ◆ 「……見たことある情報(ネタ)ばっかだな。袴田センセも頑張って調べたんだろうけど、惜しかったね」 スマートフォンの画面をスクロールさせながら茶子は落胆の声を漏らし、少しだけ肩を落とした。 テーブルには子供でも可愛らしく化粧できそうな厳選したメイク道具の数々。既にリンへのご褒美の準備は整えてある。 茶子の目的は家探しして見つけてくれた家主のスマートフォン。リンが集めてくれたアイテムの中で特に利用価値が高いと踏んでいた。 ネタ探しで山折村中を駆け回っていた彼ならば、予想外の情報を持ってきた天宝寺アニカや地下研究施設の脱出口を発見した日野珠のように、何かの偶然で情報を掴んでいるのかもしれない。 そう踏んだ茶子は、じゃれついてくるリンに多少の申し訳なさを感じながらも次なる情報源を調べるため、適当な言い訳をして場を離れてもらった。 朝景礼治に飼育された彼女の無邪気は、使い方を間違えればこちらを殺す劇物になり得る。 それに茶子個人としても、できる限り過去の己の姿である彼女の心を無闇矢鱈に傷つけたくないのも大きい。 そんな思惑で居間で胡坐をかいて袴田伴次の個人情報を覗いた訳だが、出てくるネタはどれも既視感のある情ものばかり。 興味のないものには一切目を向けない偏屈小説家の人間性が現れたといえばそれまでであり、不本意ながらも納得するしかなかった。 保存されたテキストドキュメントのリスト。 和風ホラー作品が作れしまいそうな山折村の過去の風土病や廃れた因習。 脚色して設定をエベレストの如く盛りに盛れば阿呆の閻魔を主役にできそうなクライムサスペンス小説を執筆できるようにまとめられた木更津組の経歴と裏事情。 神楽総一郎を取材している中で思いついたのであろう、山折神社の伝説をモチーフにした袴田解釈「降臨伝説」のためにまとめられた参考資料―――。 「ん?ちょっと待て」 流し読みし、下へ下へと画面をスクロールさせていた指が止まる。 「降臨伝説」というキーワードで検索を掛けると、あやうく見逃しそうになっていたテキストドキュメントのタイトルが表示された。 書き置きにあったワニとクマの合成獣や異能を使う人間が現れた現状だからこそ、天宝寺アニカの調べた「怪談使い」やそれに連なる「降臨伝説」の情報を見落とす訳にはいかない。 「ヤマオリ・レポート」に書き記されていた死者蘇生の実験や異世界の研究の情報が思わぬところから繋がっているのかもしれない。 一切の躊躇いを持たず研究所関係者は画面をタップした。 ◆ ミ‶ーッ……ミ‶ーッ。 「あ"っづー。なァんであたらしは中坊ん時の課題をもう一度やらされるんすかねェ。クッソめんどい」 「そんな事言わないの。先生達も何かの考えがあったと思うわ~。例えばもっと山折村の事を知って好きになって欲しいとかね~。 それに今回はグループで取り組んでOKらしいからちょっと新鮮みがあっていいんじゃない~?」 「ンな事言ってもさぁ、暗にクオリティ高いもん作れって言われれる様なもんだと思うんすけど。 [テーマ絞って山折村についてのレポート書け]って手垢ベタベタの課題やらされるこっちの身になれってんだ。 どうせ郷田の親父あたりの入れ知恵で村長殿がねじ込んだんだろ」 「茶子ったら、またそんなこと言って~。でも確かにその線はありそうね~。 剛一郎おじさん、村長や総一郎おじさんと幼馴染の親友みたいだしあの人の意見を積極的に取り入れているかもね~。 そろそろお喋りはやめて課題の続きやりましょ~」 「そだな。テーマは山折神社の歴史で決まったし、後は資料を「お姉ちゃ~ん、ただいま~」お。うさぎが帰ってきたか」 「お腹すいた~。お姉ちゃん、お昼ご飯は……あ、茶子ちゃん来てたんだ」 「うっす」 「おかえり~。茶子とは一緒に課題しましょうって約束してたのよ~」 「その通り。てかもう昼じゃん。そろそろ昼飯にしよーぜ」 「そうね~。お昼作るけど茶子も食べていくでしょ?二人とも何食べたい?」 「冷やし中華!」 「うさぎと同じで。あたしのはハム多めでお願いね」 「ヘェ、今は学校で山羊飼ってんだ。紙食わせた後、山羊汁にでもすんの?」 「そんなことしないよ~。山羊さん達には校庭とか広場の雑草を食べてもらってるの♪ 茶子ちゃんはお姉ちゃんと一緒に自由研究するんだよね。何やるの?」 「山折村を調べろって奴。あたしとはすみは山折神社についてレポート書くことになった。 うさぎも中学に上がったら同じ事やるだろうし、今のうちに何やるか目星つけといた方が楽になるよ」 「ふーん。私も手伝ってあげよっか?」 「いいよ、別に。どうせお子様の知ってることなんざたかが知れてる「ちょっと待ってて!うちの家系図持ってくるから!」聞いちゃいねえ……」 「…………初代宮司以外はものの見事に女ばっかだな。女系家系ってこと?」 「そうだよ。お父さんは外の神職関係の人だし、ウチは代々女の子が家を継いでるの」 「男は生まれなかったの?」 「うん。今までは結婚しても女の子一人しか授からなかったんだって。私が生まれた時は親戚一同で盛大に祝ったってお姉ちゃんが言ってた。 『呪いが解けた―』ってお父さんもお母さんも喜んでいたらしいけど、どう言う意味なんだろ?」 「身も蓋もない迷信だから気にする必要はないよ。医学が発展して遺伝的要因が解消されたんだろ。 お父さんとお母さんが頑張ればキミの弟ができるだろうさ」 「頑張る?何を?」 「あー、うさぎには早かったか。夜、お姉ちゃん辺りに聞いてみな」 二人とも~、お昼出来たわよ~。 「は~い、今行きま~す。茶子ちゃん、家系図本棚に片づけお願いね!」 「ったく、仕方ないな」 「ちゅるちゅる……ところで茶子ちゃん」 「何だい?」 「なんで時々「~っす」って喋り方になるの?」 「陸上部の女子マネやってるからそれが移った」 「茶子の家では岡山林業の人達が結構な頻度で集まるからね~。男の子っぽい口調もその影響かしら~」 「ま、そういうこと。高校では普通に女口調で通してるけどね」 「この間、茶子ちゃんが高校生のお兄さん達と下校しているの見たよ。あの人達も陸上部の人?」 「そうだよ。いざとなったら守ってもらえるようにしてるんだ」 「でも、茶子は強いんだからその必要はないんじゃない~?」 「ずるずる……う~ん、そうはいかないんだよなァ。村にはヤクザがいるだろ?あたしはまだまだ未完成だし、人集めて連れ去らわれないようにしてんだ」 「まるで経験があるみたいな言い方ね~。木更津のドラ息子にナンパでもされたことがあるの~?」 「そういうことにしておいて」 ◆ 結論から述べると袴田伴次のスマートフォンには真新しい情報は存在しなかった。 しかし山折神社の調査資料を読み進めていくうちに書き記された情報が呼び水となり、茶子の高校時代の夏季休暇の記憶が蘇らせた。 (あの頃は護衛代わりに部員連れ回してたな。沙門のクソ含めて丸ごとヤクザ共ぶち殺せるようになったからいらなくなったけど。 今は代わりに発情モンキーとか及川おばさんみたいなブス集めて合コンするようになったな。 媚びを売るチンパンジーや必死こいてバラエティ芸人やるブス共は見てて最高だね。超ウケるわ。 そいつらでしか補給できない栄養あるし、お酒を美味しく飲める) どこかの女子校生の未来予想図だろうか。性格の悪さ全開にした感傷にほんの少しだけ浸る茶子。その後、気を取り直してナップザックを漁る。 取り出した物は畳まれた和紙。神社に無断で拝借してきた犬山家の家系図――春姫かはすみが庫裏の本棚から宝具殿に移動させたのだろう。 手元に置いた年代物の古書を捲りながら、テーブルに広げた横広家系図と見比べる。 ――どこかおかしい。多くの闇をその目で見てきた茶子の直感が告げる。 家系図からは犬山家が室町時代から始まったことが読み取れ、それは写本にも書き記された隠山一族誕生の時期と一致している。 余談であるが、この羊皮紙写本がおよそ十世紀前――平安時代に書かれた物だと茶子は思っていたがそれは誤りであることに気づき、茶子は認識を改めた。 「隠山祈の弟が初代宮司なのは分かったけど、妹の記述が少なすぎるな。 疫病で死んでフェードアウトしたってことならそれくらい一行くらい書かれてもいいんじゃない?」 そう口に出すと途端に違和感が湧き上がる。だがそれだけだ。 推理と料理はよく似ている。 素材と調理器具が揃っていても肝心の料理人がいなければ調理はできない。 茶子が持つ物「降臨伝説の真実」を始めとした特殊調理食材の数々と22年の人生で闇を潜り抜けてきた中で身に着けた身に着けた知識。 だが、茶子は多少の『料理』は可能でもその道のプロではない。 ここで打ち止めだ。フゥと一息ついた後、手元に置いた袴田のスマートフォンで時間を確認する。 リンを送り出してからおよそ10分程度経過。長すぎず短すぎず、怪しまれない程度には丁度良い塩梅だ。 玄関口に立ち、リンを呼ぶために声を張り上げようとした瞬間、茶子の脳裏に過る一つの疑問。 (犬山家が今まで女一人しか産まれなかったのなら、はすみとうさぎの二人が生まれた理由はなんだ?) ◆ 少女の姿をした怪物の殴打が続く。 その威力は数時間前に大田原を嬲った時よりも弱い。破壊するというよりも苦痛をもたらすためたけに嬲っているようにも思えるような攻撃。 しばらくして嬲っていた手を独眼熊は手を止める。歴戦の勇士の健闘に敬意を示したわけではない、ただ飽きたからやめただけである。 意識が朦朧としている巨漢の首っこを掴んで放り捨てる。 衝撃を受けてもSSOG最強は何の反応も示さない。 その無様な有様に少女は溜息をついた。 もう遊びは終わりだ。役目を果たせぬ狗などいらぬ。 幹部亡きまで大田原の肉体を破壊すべく緩やかな速度で倒れた巨漢に近づき、脳を磨り潰さんと拳を振り上げた瞬間――。 「―――ッ!?」 小さな拳が巨大な掌によって受け止められる。 あり得ぬ光景に独眼熊は目を見開き、振り解こうとするもがっちりと掴まれ、引き戻せない。 掴んだ手はそのまま、少女の矮躯が投げ飛ばされ、壁へと勢いよく激突する。 「ガッ――!!」 肺の空気が血と共に吐き出される。 体勢を整え、木偶人形になったとばかりと油断していた人間の姿を見る。 こちらへと明確に殺意を向けてくる巨漢。その目は先程の様な無機質な者ではない。 憤怒と狂気に満ちた男の目。追い込まれた手負いの獣の強く遅ましい眼であった。 ◆ ―――大田原一等陸曹!昇進おめでとう!貴殿の、新たな最強の、さらなる躍進を期待する! いつか聞いた、先代最強の言葉。その激励を踏み躙り、醜態を晒し続けた己。 彼は国を守護れと他ならぬ大田原源一郎に祈った。 幾度となく己の傲慢を打ち砕き、導いてきた男が才能以外空虚だった大田原源一郎に願った。 その男に応えるためにできることは、ここで何も成さずに朽ち果てることか? ――否、断じて否! 最早「最強」の称号は意味を為さず。その名を穢し尽くした己に名乗る価値は非ず。 為れば!その名を捨て、護国に仇為す兵器とあれ! 抑え込んでいた理性を狂気という熱で溶かし、本能を解放する。 昂っていた血が巡っていく感覚。霞んでいた視界がクリアになる。 ―――これより、正義を開始するッ!! ◆ 二者を除く、正者の存在しない閑散とした診療所内。そこで肉を叩き、骨を砕く鈍い音が何度も響く。 「オオオオオオオオオオオ!!!」 獣の如き雄叫びと共に大田原の鉄拳が幾度となく振るわれる。 拳が肉を打つたびに、対敵である少女の姿をした怪物が吹き飛び、宙を舞う。 猛攻に対して独眼熊は反撃を試みるものの、その全てが受け流され、カウンターとして打ち出された打撃が矮躯を打ち据える。 大田原源一郎の異能『餓鬼』。その能力は肉体再生に留まらず、身体能力の爆発的上昇も伴う。 強化された勇士の痛打・蹴撃は独眼熊の鱗の鎧を貫通し、内部の肉体へ骨とを確かなダメージを与え続けた。 今の大田原源一郎はSSOGでも護国の戦士でも非ず。ただ勝利(ちにく)に飢えた餓鬼畜生そのものである。 もう己に『最強』だの『SSOG』だのとほざく資格はない。己の命諸共怪物を殺す。。 誇りも想いも経験も何もかも全て焼き尽くして捨て去った今、残るのは極限まで鍛え上げた肉体のみ 充分だ。これほど心強いものはない。全ての大田原源一郎を以て、敵を討ち滅ぼす! 怪物の肉体がが再生する速度よりも重く早く、己の心と技を打ち込むのみ。 怪物は苦悶の声すら上げず、大田原の極限を受け続ける。 だが、その嵐の中にいながらも、独眼熊は己の急所――心臓と脳だけは守り続けていた。 「墳ッ!!!」 ふら付いてたたらを踏む少女の全身へ――急所を防ぐ手段をはぎ取るべく、技を放つ。 鉄山靠――八極拳における代表的な一撃――をその身に受けて独眼熊は宙を舞い、自ら生み出した瓦礫の山へと突っ込んだ。 これ以上、一切の行動を許してなるものか。 異能を使用し、脳に更なる肉体能力の向上を要求。その恩恵は空腹と共に訪れ、肉体に更なる強さをインプットさせた。 吹き飛んだ勢いは受付の壁にぶつかって漸く止まる。その直前、大田原は縮地術の如き疾走で独眼熊へと迫る。 思考・再起動の隙を許さぬまま、大田原源一郎は独眼熊の脳へ拳を振り下ろし――― ―――ゴキリと何かを砕く音によって激戦は終了した。 ◆ 出発準備を終えた茶子はリンの手を引き、多くの人間ドラマが生まれたであろう一軒家を後にする。 そこから向かった先は家から少し離れた場所にぽつんと佇むガレージ。 偏屈な小説家はここでも独特の感性を発揮させたのだろう。わざわざ遠い所に車庫を立てた意味に茶子は首を傾げていた。 白いハイエースの隣には茶子のスクーター。エンジンを吹かせる前にリンの小さな身体に補助ベルトを装着させる。 「チャコおねえちゃん♪リン、チャコおねえちゃんみたいにきれいになった?」 「ええ、とっても綺麗よ。リンちゃんは見事、もちもち肌のぷにぷにお姫様に変身したわ♪」 「きゃはははは♪くすぐった~い♪」 じゃれついてくるリンへのお返しとばかりに、彼女の柔らかい頬をもにもにと撫で回す。 戯れの後、役場へと続く塗装された道路へとスクーターを引いて進む。 アスファルトには幾つもの靴型の土汚れ――特に目立つのは草履とローファーがそれぞれ一足ずつ、スニーカー跡が二足――が南の方角へと続いていた。 茶子が知る限り、宇野性の住民は全員古民家群に集中しており、書き置きの宇野が宇野和義を指しているとしても行き先は同じ。 だが、月影らは哉太らが去ったタイミングを見計らって字蔵恵子を集団で殺害した可能性の高いグループである。 宇野さんとやらの救助要請とでっち上げ、次なる獲物を求めているのならば、行き先はもっと人の集まりそうな場所へと向かうだろう。 ここから近いのは、公民館や学校ほどではないが避難所として指定されていた役場。 目標変更。寄り道を怨敵共の住処から役場へと変更。 「どうしたの?じめんばっかりみてたらころんじゃうよ?」 「ああ、ごめんごめん。ちょっとお姉ちゃん考え事してた」 心配そうに見上げるリンに不安を解消させるために笑いかける。 「お姉ちゃん、次はここから南――役場っていう人がたくさん集まる場所に行こうと思ってるの」 「どうして?」 「あそこに女の子を食べちゃう悪い人達が出たのかもしれないの」 「ええ!?たいへん!」 「そう、大変なの。だからお姉ちゃんは悪い人達を大人としてやっつけに行かなきゃいけないのよ。 もしかしたら凄く危ない場所になってるかもしれないから、リンちゃんは身を守るためにもお姉ちゃんの言うことはしっかり聞いてね?」 「うん、わかった!」 山折村の良き隣人達は大部分が犠牲になった。 憎まれっ子世に憚るという言葉通り、生き残っているのは特殊部隊の連中か、木更津組を筆頭とした村の汚物共だけになっているのかもしれない。 それでもいい。村の存続こそが茶子の目的なのだから。 愛する『山折村』に戻れないのならば、悪鬼共に生き地獄を味わわせる『山檻村』に変わっても構わない。 『山折村跡地』になどさせてなるものか。 己を穢した連中を、村を蹂躙し尽くした連中を誰一人として許さない。 死んだ程度で楽になれると思うな。 ―――未来永劫の苦しみを。山折の地に呪いあれ。 「くひっ」 押し殺した笑いが漏れる。声を聴いた幼子は愛しき王子の横顔を見上げると――。 (チャコおねえちゃんのえがおってとってもきれいだなぁ……♡) その内心を知らず、頬を染めて見惚れていた。 ◆ ずるずると診療所を何かを引き摺る音が鳴り響く。 耳と鼻から血を垂れ流しながら引き摺られる者は大田原源一郎。虚ろな双眸で床を見つめている。 そして彼を引き摺る者。それは―――。 「………なぜ鬼神の如き強さの使い道を違えたのだ、戯け」 激戦の勝者、独眼熊。 ◆ 大田原の命を懸けた最後の一撃。その拳は怪物の命を刈り取る寸前で止まる。 情に負けた訳でも突如異能の力が消えた訳でもない。 「―――わたしの伏兵に終ぞ気づくことはなかったようだな」 言葉を聞き終える前に、大田原源一郎の巨躯が崩れ落ちる。 その背後にはつい先程、独眼熊により生み出された分身。 策を圧倒的な力で嬲り尽くし、一時は絶命寸前まで追い込んた歴戦の勇士。 しかし、大田原は一つだけ見落としがあった。 異能『クマクマパニック』は十五分のクールタイムがあり、それは診療所に到達した時点で過ぎていた。 『剣聖』の未来予知では己の頭蓋か砕かれる姿が見えた。 故に殺される直前で分身を召喚し、大田原を殺さず無力化する手段を取った。 独眼熊の目的は眼前の尖兵を送り込み、地下のねぐらに隠れ潜む人間共を殺し尽くすこと。 肉体再生の異能は知っていたがそれだけでなく身体能力の異能も持ち得てるとは思わず、それ以上に凶暴であった。 召喚した分身体は事前に入力していた指示に従い、気づかれぬように大田原の背後を取り、後頭部への一撃と頸椎への打撃を間を置かずに見舞い、昏倒させた。 ――今度は念入りに此奴を壊しておこう。 白目を剥いた大田原の耳に小さな手を当て――。 「ゴガガガガガガガガガガガガ……!」 少女の指が細く鋭く伸び、大田原の鼓膜を突き破って脳へと到達する。 今度の凌辱は無意味な実験ではない。理性とやらをはぎ取るためのしつけの様なもの。 指が百足のように蠢き、脳をかき乱す。這う度に大田原の巨躯が跳ねて痙攣する。 処置を終えると、独眼熊は脳漿の就いた二本の指をペロリと味わうように舐めた。 ◆ 引き摺る先は多くの人間の匂いがするドアの前。 ドアノブを回しても開かず、仕方なく拳で板に穴をあけ、力ずくで開いた。 意識のない大田原を引き摺りながら進む。 突き当りには何もなく、左手にはドアノブのない鋼鉄製の扉。ここも同様に力ずくで開く。 その先には何も存在せず、下には四角形の穴があるだけ。 (ここは廃棄孔か。朝廷の狗どもは死体漁りでもしているのか?) 心底冷めた目で奈落へと続く穴を見下ろす。 朝廷の狗共の堕ちるところまで堕ちたものだ。何せわたしを――――。 まあ良い。わたしには此奴らの事情など知ったことではない。 「そら、死体漁り同士仲良くしろ。もっとも貴様が奴らに喰われぬのならばな」 言葉と同時に大田原源一郎の巨体を穴へと投げ落とした。 堕ちていき、ゴンと間抜けな音が暗闇から鳴り響く。 己を極限まで追い詰めた男の様子など気にも留めず、独眼熊は悠々とその場を後にした。 ◆ 山折村の上空を舞うドローン型カメラ。山折総合診療所を旋回するそれは見た。 出口から悠然と出てくる薄汚れた少女――クマカイの姿。 一瞬、その姿がぶれる。クマカイと同じ場所に現れたのは3メートルほどのヒグマ。 その姿のままある場所へと向かう。ヒグマの動きが停止したと同時に再び身体がぶれる。 今度は既に殺されたはずの巨大なワニの姿へと変貌する。 同じように巨体を這わせながらある程度進むと再び姿がぶれる。 今度は一糸纏わぬ姿の黒い髪と白い肌の少女――この地にて非業の死を遂げた、一色洋子の姿。 一色洋子(仮)は動かない。そのまま観察していたドローンを見上げる。 ――双眸には瞳は存在せず、漆黒の伽藍洞がある。 ――口と思われる場所の隙間にも何もない闇が広がっていた。 深淵の目でドローンを見つめる少女の口は三日月を描いた後、口を動かす。 "み つ け た" ◆ 「チャコおねえちゃん」 「なあに?」 「おはなしででてきたおんみょうじさんはどんなことをしたの?」 「陰陽師さんはね、たくさんの人達を助けて村の始祖になったのよ」 「しそってなあに?」 「始祖っていうのは村を作った人なの」 「すごーい!むらをつくったおんみょうじさんのなまえおしえて!」 「いいわよ。その名前は―――」 ◆ 大田原源一郎の戦闘の中で見つけた鉄の蓋で封じられていた穴。 奈落の底に続いているかの如き深い暗黒が広がっている。 人間共の香しい匂い共に悍ましい気配がする。 ―――ここに奴の末裔が潜んでいる。 抑え込んでいた激情が吹き出し、区分けした『ナニカ』の領域がじわりじわりと独眼熊の領域を浸食していく。 奴の末裔たる神楽春姫は如何なる人物であろうか。 かつてあった傲慢も鳴りを潜めたその姿。己の全てを投げ出してわたしに手を伸ばした憎悪(あい)する彼の生き写しか。 はたまた彼とは似ても似つかぬ上辺だけをなぞった俗物そのものか。 ―――どちらにせよ、憎い。どのような手段でも確実に滅ぼす。 その忌まわしき男の名は――。 「神楽―――」 「―――春陽(しゅんよう)ッ!」 【D-4/袴田邸前/一日目・午後】 【虎尾 茶子】 [状態]:異能理解済、精神疲労(小)、山折村への憎悪(極大)、朝景礼治への憎悪(絶大)、八柳哉太への罪悪感(大)、スクーター乗車中 [道具]:ナップザック、長ドス、木刀、マチェット、医療道具、腕時計、八柳藤次郎の刀、スタームルガーレッドホーク(5/6)、44マグナム弾(6/6)、包帯(異能による最大強化)、ガンホルスター、ピッキングツール、飲料水、アウトドアナイフ、羊紙皮写本、スクーター、ヘルメット、護符×5、天宝寺アニカのスマートフォン、犬山家の家系図、モバイルバッテリー、袴田伴次のスマートフォン [方針] 基本.協力者を集め、事態を収束させ村を復興させる。 1.有用な人材以外は殺処分前提の措置を取る。 2.役場に向かい、月影夜帳を殺す。他の袴田邸滞在者も月影の異能で洗脳されている可能性も考え、全員殺害も視野に入れる。 3.天宝寺アニカに羊皮紙写本と彼女のスマートフォンを渡し、『怪談使い』に関連する謎を解かせる。 4.八柳哉太と天宝寺アニカを資材管理棟へ派遣し、情報を集めさせる。 5.用事が済んだら診療所に向かう。 6.リンを保護・監視する。彼女の異能を利用することも考える。 7.未来人類発展研究所の関係者(特に浅野雅)には警戒。 8.朝景礼治は必ず殺す。最低でも死を確認する。 9.―――ごめん、哉くん。 [備考] ※未来人類発展研究所関係者です。 ※リンの異能及びその対処法を把握しました。 ※天宝寺アニカらと情報を交換し、袴田邸に滞在していた感染者達の名前と異能を把握しました。 ※羊皮紙写本から『降臨伝説』の真実及び『巣食うもの』の正体と真名が『隠山祈(いぬやまのいのり)』であることを知りました。。 ※月影夜帳が字蔵恵子を殺害したと考えています。また、月影夜帳の異能を洗脳を含む強力な異能だと推察しています。 【リン】 [状態]:異能理解済、健康、虎尾茶子への依存(極大)、スクーター乗車中(二人乗り)、 [道具]:メッセンジャーバッグ、化粧品多数、双眼鏡、缶ジュース、お菓子、虎尾茶子お下がりの服、子供用ヘルメット、補助ベルト、御守り、サンドイッチ [方針] 基本.チャコおねえちゃんのそばにいる。 1.ずっといっしょだよ、チャコおねえちゃん。 2.またあおうね、アニカおねえちゃん。 3.チャコおねえちゃんのいちばんはリンだからね、カナタおにいちゃん。 [備考] ※VHが発生していることを理解しました。 ※天宝寺アニカの指導により異能を使えるようになりました。 【E-1/地下研究所・B1 EV上/1日目・午後】 【大田原 源一郎】 [状態]:ウイルス感染・異能『餓鬼(ハンガー・オウガー)』、意識混濁、脳にダメージ(特大)、異能による食人衝動(絶大・増加中・抑圧中)、脊髄損傷(再生中)、鼓膜損傷(再生中) [道具]:防護服(マスクなし)、装着型C-4爆弾、サバイバルナイフ [方針] 基本.正常感染者の処理……? 1.??? 2.??? 3.??? ※異能による肉体の再生と共に食人衝動が高まりつつあります。 ※脳に甚大なダメージを受けました。覚醒後に正常な判断ができるかは不明です。 【E-1/草原・地下研究所緊急脱出口前/一日目・午後】 【独眼熊】 [状態]:『巣くうもの』寄生とそれによる自我侵食(大)、クマカイに擬態、知能上昇中、烏宿ひなた・犬山うさぎ・六紋兵衛への憎悪(極大)、神職関係者・人間への憎悪(絶大)、異形化、痛覚喪失、猟師・神楽・犬山・玩具含むあらゆる銃に対する抵抗弱化(極大)、全身にダメージ(大)、分身が一体存在 [道具]:リュックサック、アウトドアナイフ [方針] 基本.『猟師』として人間を狩り、喰らう。 1.己の慢心と人間への蔑視を捨て、確実に仕留められるよう策を練る。 2.巣穴(地下研究施設)へと入り、特殊部隊の男(大田原源一郎)と共に特殊部隊含む中の人間共を蹂躙する。 3.人間共を率いた神楽春陽の子孫(神楽春姫)を確実に殺す。 4.隠山(いぬやま)一族は必ず滅ぼし、怪異として退治される物語を払拭する。 5."ひなた"、六紋兵衛と特殊部隊(美羽風雅)はいずれ仕留める。 6.正常感染者の脳を喰らい、異能を取り込む。取り込んだ異能は解析する。 7.??? [備考] ※『巣くうもの』に寄生され、異能『肉体変化』を取得しました。 ※ワニ吉と気喪杉禿夫とクマカイと八柳藤次郎の脳を取り込み、『ワニワニパニック』、『身体強化』、『弱肉強食』、『剣聖』を取得しました。 ※知能が上昇し、人間とほぼ同じ行動に加え、分割思考が可能になりました。。 ※分身に独眼熊の異能は反映されていませんが、『巣くうもの』が異能を完全に掌握した場合、反映される可能性があります。 ※分身に『弱肉強食』で生み出した外皮を纏わせることが可能になりました。 ※■■■の記憶の一部が蘇り、銃の命中率が上昇しました。 ※烏宿ひなたを猟師として認識しました。 ※『巣くうもの』が独眼熊の記憶を読み取り放送を把握しました。 ※脳を適当に刺激すれば異能に目覚めると誤認しています。 ※■■■■が封印を解いたことにより、『巣くうもの』が記憶を取り戻しつつあります。完全に記憶を取り戻した時に何が起こるかは不明です。 ―――うらうらおもて。 深淵から巣食う真実が蠢いて這い出した。箱庭が裏から表に裏返る。 静止した時計が動き出す。錆びついた秒針が廻る。 既に宴の準備は整った。狩人と獲物の役柄が反転する。 深淵の前でヒトの形をした少女が笑っている。 108.話の分かるあなたに 投下順で読む 110.炎 時系列順で読む 「会議を始めましょう」 虎尾 茶子 対魔王撃滅作戦「Phase1:Belladona」 リン いのり、めぐる 大田原 源一郎 運命の決断を 独眼熊
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WORLD ALL 1-0 自衛隊サイド 西暦200X年 10月30日 日本海対馬沖 朝鮮半島情勢は緊張の度合いを深めていた。 先年来の食糧難、そして相次ぐ脱北者、日本をはじめとする各国の援助打ち切り…北朝鮮の経済状況は明らかに瀬戸際だった。 それに対し、北朝鮮は強硬姿勢を崩そうとせず、逆に日本・アメリカへの弾道ミサイル攻撃を行う用意があるという宣言を行った。 譲歩しないブッシュ政権に対して脅迫を持って妥協点を得ようしたのだ。 これには、日本・アメリカのならず中国やロシアからも反発を受けた。 かくして国連安保理は北朝鮮に対する経済制裁と直接攻撃を決定。 多国籍軍の派遣を決定する。 小泉総理も、この事態を受けて有事法制を強行採決で可決。 邦人救助と経済水域封鎖を目的として護衛艦隊 第1護衛隊群、第4護衛隊群の派遣を決定した。 そして陸上自衛隊の派遣中隊第一陣も車両と装備を積載し輸送艦「おおすみ」とともに派遣されたのだった… そして、派遣護衛艦隊は現在米軍第7艦隊と合流、韓国釜山港へ向かう途上の海の上にいた。 「おおすみ」甲板上。 午前6時29分。 陸上自衛隊の橘2尉と藤原陸曹長はロープで固定された車両列の間を歩きながら話していた。 「でもアメリカが動くのは、日本にミサイルが落ちてきてからだと思ったけれどな」 「そりゃまた、何故です?」 「そうすればアメリカは北朝鮮への攻撃と、同時に日本占領の口実が得られるからだよ。 日本が北朝鮮と戦争して社会や経済に大打撃を受ければ、日米安保理を建前にアメリカは治安回復の為と称して日本を再占領できる」 橘2尉の視線の先には米海軍の空母キティホークが白い波を曳いて海上を進む姿がある。 併走する巡洋艦やイージス艦を引きつれ、海自の護衛隊まで従えて威風堂々とした王のようだ。 「そのために、韓国や沖縄から駐留部隊を引き揚げさせり、強硬な姿勢をとったりして北朝鮮を挑発した。 911テロの時もそうだが、アメリカはそこら辺ずるがしこい。 相手に一発殴らせてから、袋叩きにする口実をつけて喧嘩をする」 「…いかにもやりそうな事です。 真珠湾のときもアメリカは事前に日本軍の奇襲を察知していて、黙認したって言う噂もあります」 「噂じゃなくて、事実だよ」 橘2尉はくわえていた煙草を海に投げ捨てた。 事実、とは言い切ったものの陰謀論に過ぎない。 ただ、集団的自衛権が行使できるようになった途端、今回のような事態が起こったようなことを考えると、自分たちは誰かの書いた脚本の上で動かされているような、そんな気もしてくる。 「お前たち、何をやっているか! 釜山港に到着するまで艦内待機の命令だぞ!」 艦橋の上から声が響く。 二人は一瞬肩をすくめて艦橋の上を見上げた。 派遣中隊の中隊長、柊3佐。 規律にうるさく、隊内では煙たがられている人物だ。 中隊の指揮官で、今回の第一陣派遣には率先して志願したとささやかれている。 「おはようございます! 自分が藤原曹長を連れて車両点検巡回中です」 「そうか。 ならいい。 30分後にミーティングだ! 艦内に戻れ」 橘2尉が敬礼しそう答えると、柊3佐は意外にも簡単に納得し船内に戻って行った。 いつもはここからさらに10分ほど説教というか、小言が続くのだが。 藤原曹長がほっとしたように息を吐く。 「いつも二言目には規律、規律ですからね。 頭が固いったら…」 「ああいうのが自分の仕事だと思ってるのさ」 部隊の規律と部下の気を引き締めるだけが、指揮官の仕事ではない。 が、柊3佐はどうもそればかり重視しているような向きもあると橘2尉は思っていた。 ああいう上官は、上手く立ち回ってなだめたり軽くいなすのが調度いい。 自分の場合はさらに、下の部下たちと上の幹部たちの間を取り持つ役目もある… 「さて、3佐が戻ってきて小言の続きでもされたらかなわない。 戻るか」 そう言って、二人が艦内に戻ろうとしたとき、甲高い音を立てて警報が鳴り響いた。 警報は「おおすみ」艦内だけでなく、艦隊全部から発せられていた。 米海軍の動きもあわただしくなり、空母から艦載機が発進する。 『総員配置! 北朝鮮が第7艦隊および日本本土に向け弾道ミサイルを発射した模様!』 二人ははっとして顔を見合わせ、すぐに駆け足で艦内のタラップを駆け下りる。 途中、血相を変えた海自隊員数名とすれ違った。 「やっぱり血迷ってミサイル攻撃に踏み切ったか!」 「核弾頭でしょうかっ!?」 「わからんっ! そうでないことを祈ろう」 海上では日米双方のイージス艦が噴煙を吹き上げるスタンダードSAMを発射し始めていた。 午前6時47分。 北朝鮮は第7艦隊と日本本土へ向けて弾道ミサイルを発射。 米軍第7艦隊は日本の派遣護衛艦隊を含む艦艇の約3分の1を消失する。 その中には、「おおすみ」も含まれていた。 日本本土にもミサイルが着弾、自衛隊および民間に多くの犠牲者と行方不明者を出すことになる。 これを契機とし、アメリカは北朝鮮に宣戦布告、本格的な攻撃を開始する。 そして、中国およびロシアも北朝鮮に軍を派遣、朝鮮半島情勢は混乱の様相を見せ始めた。 1-0 F世界サイド 西方スード地方 アルヘイム王国 シーレーギャーグ内海に突き出た半島の先端部、フラーナングの入り江に見慣れぬ灰色の鉄の船が浮かんでいるのを岬の上から見下ろす集団がいた。 その内の一人は漆黒の外套を着た、男性とも女性ともつかぬ人物で、被ったフードは目元までを覆い隠し、表情は見えない。 そのほかの人物たちは上質そうな素材で仕立てられた装飾つきの礼服を着て腰に剣を帯びた者たちか、金属製の甲冑を着込んで武装した屈強そうな男たちで、兜の面頬をあげて驚嘆の表情を浮かべている。 「…これにて召喚の儀は滞りなく完了したしました。 あの者たちとの交渉は公御自らがなされるがよろしいかと」 闇の色に身を包んだその人物が少年のような高い声で、ひときわ華美な装飾のなされた服を着た偉丈夫に告げると、公、と呼ばれた人物はやや呆然としながらもうむ、と頷いた。 今しがた目の前で起きたことがまだ信じられないでいるようだった。 異世界より軍隊を呼び出すなどという事が。 しかし、現に眼下に見下ろす入り江にはこれまで見たことも無いような大きな鉄の船が、ほんの一刻ほど前までには船影一つ無かった静かな海面に浮かんでいる。 「もっとも、外つ国より呼び出されました彼の者たちの言葉を通訳する者がおりませぬと話しになりませぬから、それは私が務めましょうが…」 彼とも彼女ともつかぬその人物はそう言って、フードに半分隠された顔の、下半分から覗く赤い唇を笑うように歪ませた。 公はその笑みを見て肌寒いものを感じた。 この「魔法使い」に命じて異世界より軍隊を呼び寄せたのはほかならぬ公自身であるが、そもそもの初めに公へ異世界の軍勢を呼び出すことを進言したのは魔法使いの方である。 公も公の家臣たちも最初は魔法使いの言葉に半信半疑であったが、自らの野望のため戦力を必要としていた公はその進言を受け入れた。 そして、魔法使いは言葉どおりに軍…軍艦とその乗組員を召喚して見せたのである。 この魔法使いがいつ頃から自分の腹心として、公に助言や提言を行うようになったのかは公自身も覚えていない。 ただ、魔法使いの言う言葉は全て物事を正確に言い当て、その言葉に従って間違いはあったことが無かった。 そして今回も、この魔法使いはいとも容易く、風と稲光を伴って異世界より軍を呼び出して見せたのだ。 彼は思った。 これだけの事をやってのける魔法使いの力に、得体の知れない恐怖と不信感を抱いたのだ。 元々魔法使いという生き物は、魔の力を使う呪われた人間と世俗では言われ、誰もが魔法使いの行使するその力に畏怖と嫌悪を覚える。 公もそれは承知で、何よりも自分のために役に立つからと、この魔法使いを側においてきたのだ。 しかし、今回ばかりは魔法使いの力に恐怖した。 このまま、この化け物のような生き物を飼っていて良いものだろうかと。 その時、一瞬魔法使いが顔を上げフードの奥に隠していた青い左右の目を公に見せた。 公と魔法使いの視線が交差した次の瞬間には、公は魔法使いに抱いていた不審と恐怖とをすっかり忘れてしまっていた。 「うむ、ご苦労である。 引き続き、我が大義のために力を貸してくれような」 「御意…」 公が言葉をかけ、魔法使いは口元に笑みを浮かべながら恭しく一礼した。
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航空自衛隊幹部学校教官F岡一等空佐殿 ; プロフィール 性別 男性 現住所 千葉県千葉市 年齢 53歳 (2011年6月現在) 誕生日 12月22日 血液型 O型 出身地 千葉県千葉市 趣味 スポーツ, スポーツ観戦 職業 公務員 所属 防衛省 虚弱体質の自衛官してます といいつ体形はメタボです ミニバスコーチィング歴は13年目になります ・土気サンライズ(土気MBBC)※一佐殿がコーチを務めるチーム http //red.ap.teacup.com/sunrise2009/ ・ブログ やっぱりミニバスのブログ http //ameblo.jp/minibas1957/ バスケ青春の詩 http //blog.goo.ne.jp/fujioka2650/ (google cache) http //www.google.co.jp/search?q=site%3Ablog.goo.ne.jp+fujioka2650 守の大成(2009-12-04 00 42 34) (魚拓)http //megalodon.jp/2011-0609-0619-57/blog.goo.ne.jp/fujioka2650/d/20091204 「航空自衛隊幹部学校」 というところに勤務しています。 名前に込めた想い(2010-02-16 01 34 11) (魚拓)http //megalodon.jp/2011-0525-0320-58/blog.goo.ne.jp/fujioka2650/d/20100216 慟哭…(2011-05-25 00 28 36) (魚拓)http //megalodon.jp/2011-0525-0319-38/blog.goo.ne.jp/fujioka2650/d/20110525 ・ポエム http //po-m.com/forum/myframe.php?hid=6318 http //po-m.com/forum/myframe.php?hid=8611 ・mixi http //mixi.jp/show_friend.pl?id=23468090 (関連)http //mixi.jp/show_friend.pl?id=18013766 (関連)http //mixi.jp/show_friend.pl?id=37013201 ←退会の模様 ・twitter https //twitter.com/#!/yappaminibas (ただし非公開設定) http //twitter.com/#!/fsunrise ←未使用の模様 (関連)https //twitter.com/DoRaMiyf ← New! 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(魚拓)http //www.peeep.us/205112ad 死亡した女性 ・個人ブログ http //ameblo.jp/blue0nyx/ ・営業ブログ http //mblg.tv/mybct/ ・プロフ http //pr.cgiboy.com/10536064/ ・勤務先 吉原ソープランドコートダジュール【写真更新】みやび(22) http //blog.livedoor.jp/haute-cote/archives/1423839.html みやびさん入店:『コートダジュール』吉原ソープランド大衆店 http //zfg.jp/blog/index.php?UID=1276930776 コートダジュール みやび 体験レポート(リンク切れ) http //www.fuzokureview.com/component/content/article/26-yoshiwara/4714-miyabi ホスト ・ホストクラブ 情報 紹介・求人 『ほすほす』 HAREM 刃霧 要 http //www.host2.jp/shop/harem01/kaname01/ http //megalodon.jp/2011-0609-0708-55/www.host2.jp/shop/harem01/kaname01/ ・刃霧要のプロフィール http //profile.ameba.jp/kaname-hagiri/ http //megalodon.jp/2011-0609-0710-12/profile.ameba.jp/kaname-hagiri/ ・歌舞伎町ホスト『刃霧 要』の焼肉☆バンザイ! http //ameblo.jp/kaname-hagiri/ http //megalodon.jp/2011-0609-0711-16/ameblo.jp/kaname-hagiri/ ----- 自衛官ニュース ----- 空自三沢基地の1等空尉を逮捕 児童ポルノ製造容疑 /岩手 - 毎日新聞 ローンを組みやすい「自衛官」、老後のために58.3%が「資産運用」を実施 ~自衛官103名対象「マンション経営」に関する調査実施~|不動産投資の健美家 - 健美家株式会社 「能力不足感じ自信喪失していた」夜中に駐屯地抜けだし 実家 へ…母連絡し発覚 21歳自衛官を停職処分(北海道ニュースUHB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 頑張る理由は「元カノとヨリを戻したい」突然の電話で直談判するが...!?:CHOTeN - テレビ東京 MBCニュース | 「飲酒運転ゼロ」「被害者に支援を」長男亡くした女性の願い - 南日本放送 「性的衝動を抑えられなかった」コンビニ駐車場で下半身露出…37歳男性自衛官を 停職 女性目撃し通報(北海道ニュースUHB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アフガン撤退の教訓を肝に銘じよ! 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- PR TIMES
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ストーリー 29年前―― 日本近海の離島、夜見島。 ある日の深夜0 00、原因不明の海底ケーブル切断による大停電が発生。 それと連動するかのように、全島民失踪事件が発生、島は一夜にして無人島と化してしまう。 現在―― 何かに導かれるように島を訪れる人々。 そして0 00、サイレンが島を覆い、惨劇の夜は蘇る。 消えたはずの島民たちは異形となって戻り、人間を襲い始める。 人々は己を保つため、命の限り抗い続ける。 そして、侵食がはじまる・・・・。 ※以下ストーリーのネタバレ(冒頭からエンディングまで)見難いので修正よろ 誤字修正、時間別に分けてみた 29年前 -怪異発生4時間前- 網元である太田常雄の家に漁師たちが集まっていた。 彼らにとって余所者である民俗学者の三上隆平は、考古学の研究とはいえ太田家が代々守ってきた禁足地を荒らす邪魔者であり、 また彼が先日海岸で保護した少女である加奈江は、村の言い伝えにある「海から来た穢れ」そのものであった。 太田常雄の娘、ともえが加奈江が黒い影のようものを海へ追い返しているのを見たという証言もあり、加奈江討伐の決起のために集まったのだった。 太田以下、全ての漁師が緊張した面持ちだったが、反対するものは1人もいなかった。 -怪異発生3時間~2時間前- 父である隆平と、姉と呼び慕う少女加奈江の3人で夜見島の蒼之久の集落に住む幼い少年、三上脩は夜、階下からの物音で目を覚ました。 「お父さん・・・?」 そういいながら階段を降りた先で見たものは、惨殺された父の死体だった。 必死に事切れた父を起こそうとするが、突如玄関に現れた、「犬を連れた男」に驚き、2Fのもと来た部屋へと逃げ込む。 窓から家の外へと逃げた脩は、加奈江を見つける。両手が血に染まった加奈江。なぜか自分と加奈江を狙い、襲い掛かってくる漁師たち。 何が起こっているかわからない脩であったが、加奈江に先導されるまま、漁師達に見つからないように集落から逃走を試みる。 -怪異発生1時間前~怪異発生- 脩を小さな貨物用ロープウェイで先に脱出させた加奈江は夜見島港へと急ぐ、途中太田ともえが彼女の行く手を阻んだが、彼女を振り切り脩の元へ急ぐ加奈江。 「あんたは逃げられない!」背後からともえの叫びが彼女に投げつけられる。 網元の太田常雄以下、多数の漁師が港湾施設跡地で二人を探していたが、加奈江は彼らをかいくぐり、無事脩と再会する。 しかし、灯台へと向かう二人を漁師達が取り囲み、窮地に立たされる2人。そのとき唐突に足場が崩れ、二人は崖下の海へ落ちていく。 「終わりだ・・・」そうつぶやく太田たち。 だが、ほっとしたのも束の間、サイレンに似た不気味な音が高らかと鳴り響き、島全体が鳴動し始める。 そして、ともえは赤く染まった海から巨大な赤い津波が押し寄せてくるのを目撃する。漁師たちは逃げることも出来ず、その津波に飲み込まれていくのだった・・・ 19年前 -怪異発生31時間前- ブライトウィン号の怪についてはこちら→http //www.playstation.jp/scej/title/siren2/siren2_top/anotherstory/bw.html -怪異発生5時間前- 夜見島出身の駐在警官、藤田茂は夜見島の金鉱跡を巡回していた。地元の漁師たちから無人のはずの島に女がいるのを見た、との通報があったためだった。 藤田は生来、余計な事によく首を突っ込む性質で、そのため家族からは疎まれていた。 決定的だったのは数年前、情に絆(ほだ)されて窃盗犯を取り逃がし、警部補から現在の地位に降格されたときのこと。 妻は過労で倒れ、そのために大学進学を諦めざるを得なくなった娘、朝子からは事実上の絶縁を手紙で通告される事になったのだった。 無線で連絡を取ろうとした藤田だったが、どうした事か無線が通じない。 その時、彼の視界を黒い塊が横切る。黒い塊は屍霊と呼ばれる靄のようなものに人面が浮かび上がったものだった。 屍霊の襲撃を懐中電灯と警棒で振り払い、高台の小屋から藤田は妙なものを見つける。深い森の中に大きな客船が座礁しているのだ。 「はぁ~やんなっちまうなぁ」そうつぶやくと彼は客船へと急行する。 ※補足(一応客船の光は見えているが、船自体は現実に存在していないので発見できない。森の中をうろうろしている間に津波に巻き込まれる。) 現代 -怪異発生8時間前- オカルト雑誌「アトランティス」の若手編集者である一樹守は29年前に島民が謎の消失を遂げ、その後も近海で謎の消失事件の相次ぐ島、夜見島の取材を行おうとした。 だが、危険な無人島である夜見島へ行く手段が見当たらず、一時は途方にくれてしまう。 だが、その場に居合わせた盲目の作家「三上脩」の計らいにより、運良く彼がチャーターした漁船「翔星丸」に同乗することができた。 その後、出港直前に駆け込んできたチンピラ風の男と、麦藁帽子を目深にかぶった女を乗せ、船は夜見島へと出港した。 夜見島も近くなった時、突然船が大きく揺れだした。一樹が外に出てみると、海は赤く染まり大きくうねり出していた。 船に必死にしがみつく船員の女性を助けようとするが、女性は流されてしまう。さらに、大きな赤い津波によって船は転覆。一同は海に投げ出された。 ちなみに、船長は屍人となってゲーム中に登場、具体的にはハード「遭遇」、阿部貝追崎、市子フェリーの赤い服に鉢巻の男。 -怪異発生3時間前- 海に投げ出された一樹は、運良く夜見島の廃港へ流れ着いていた。 状況をつかもうと周囲の探索を始めていると、彼の視界の端で何かが光る。 一樹がその場所へ向かうと、人の死体と思しきものが動き出すのを目撃する。 見つからないように動く死体をやり過ごしつつ探索を続ける中で、彼は小屋の中で気を失っていた美しい少女「岸田百合」と出会う。 「助けて・・!あいつらが私のこと探してる!」 一樹はその訳が理解できなかったが、その場に先ほどの動く死体「屍人」が現れ、百合に襲い掛かる。 屍人を撃退した一樹は、百合を伴って廃墟の港を脱出する。 ※補足(一樹はこの際、港の波打ち際で三上脩が29年前に紛失したメダルを拾っている。) -怪異発生2時間前- 山道を行く一樹と百合。座るのに具合のよさそうな岩を見つけ二人は休憩を取った。 百合が島へ来た目的を話し出す。それはこの島に閉じ込められた母を助けるためだと言う。 驚きを隠せない一樹だったが、百合は続ける 「母さんは鳩を飛ばし続けた、でも戻ってこなかった」 「ずっと待ってた、あなたが来るのを・・・。あなたは私を助けてくれる・・・?」 意味が理解出来ない一樹だったが、懇願する百合に一樹は困惑しながらも、女の美しい容姿から同行を決意する。 一樹達の乗った船が転覆したころ、上空を一機のヘリが爆音を上げながら、急激に高度を落としていった。 夜見島近海を飛行していた陸上自衛隊の輸送ヘリが自機の場所を見失った上にパイロットが変死、操縦不能に陥ったのだった。 夜見島に不時着したヘリは奇跡的に助かった3名、三沢岳明・三等陸佐、永井頼人・陸士長、瀕死の重傷を負った沖田宏・二等陸曹を残し、全員死亡する。 「2136 非常事態発生。これより私が指揮を執る・・・直ちに、撤収」 瀕死の沖田を前に泣きじゃくる永井と対照的に、淡々と指揮を宣言する三沢。 不時着の衝撃で無線機は壊れてしまっていたが、遠くに観覧車を発見した三沢は永井とともに瀕死の沖田を担ぎ上げ、救助を要請すべく行動を開始する。 廃墟の遊園地にたどり着き、管理小屋の電話から外部への連絡を試みる三沢だが、電話が繋がる様子はない。 受話器を置き、銃を手に小屋の外へ出ると、永井が沖田の死体を前にして未だに泣きじゃくっていた。 「もうそいつ死んでるぞ」冷淡に声をかける三沢。 永井を引き起こし、立たせようとしたが、永井はくずれるように再び座り込んでしまう。「気持ちは分かるけどな、これドラマじゃねーから。・・・急がないと危ねえだろ」 その時死んでいたはずの沖田が突然動き出し、永井に向けて発砲。 何が起きているのか理解できない永井に対して淡々と応戦を命じる三沢。永井は三沢から拳銃を受け取り、変わり果てた上官に向けて小銃を発砲する。 遊園地跡から脱出を試みる二人だったが、屍人として蘇ったかつての仲間達が行く手を塞ぐ。 その途中永井は2つの物を見つける。1つは精神を高揚させる薬、三沢は自分のだと言って永井から取り上げてしまったが、それは三沢には縁の遠いもののはずだった。 もうひとつはヘリ不時着の際に紛失した爆発物を入れた装備。信管を含む発火装置は回収できたのだが、TNT爆薬がなくなっていた。 遊園正門は厳重に封鎖されていたため、二人は遊園裏門から崖を乗り越え、遊園地を後にする。 -00:00 怪異発生- 再び移動を開始した一樹たちは、瓜生ヶ森に辿り着いたが、不意にライトを当てられ、驚く一樹。 「誰だ!?」 そこには迷彩服を纏った二人の自衛官の姿があった。 「君こそ誰?ここで何してる」「良かった…助かった…」救助に来たのかと思い、駆け寄る一樹だったが、三沢は警戒を解かない。「そっちの人どうかしたの?」 ライトの光を怖れる百合を不審に思った三沢だったが、ライトを当て続ける三沢の態度に激昂した一樹が間に割って入る。「おい、あんた何なんだよ!いい加減にしろよ!」 と、突如としてサイレンの轟音が鳴り響き、同時に永井は信じられないものを見た。 「三沢三佐、あれ・・!」 一同はこちらに押し寄せる巨大な赤い津波を目撃する。 チンピラ風の男、阿部倉司とともに漁船に乗り込んだ女、占い師の喜代田章子は生まれつき場所や物に付いた過去の記憶を見ることができ、その力で生計を立てていた。 少し前、彼女は不思議なものを見ていた。彼女は夜見島の漁港で、とても古い記憶の中に殺害された彼女の友人「多河柳子」の顔を見たのだった。 (参照 http //www.yumemi-salon.com/j/index.html) 「なぁなぁそれ霊感てヤツ?実はさ、俺も昔みたことがあってよ~」 くだらない話で章子の思考をジャマする阿部は、柳子と同棲している恋人であり、彼女の殺害容疑者である。 柳子が殺害されたことを章子が自宅のテレビで知ってすぐ、突然ナイフを持った阿部が押しかけてきたのだ。 「俺は柳子を殺しちゃいねぇ!あの前にあいつに会っているんだ!」そう喚く阿部。 彼は自宅で顔が判別不可能なほどに殴打されていた柳子らしき死体を発見する前に、階段で彼女とすれ違い、挨拶までしたという。 だが普段から粗暴で、柳子との諍いが絶えなかった阿部は真っ先に容疑者として指名手配されてしまう。 パニックに陥った彼は、柳子の友人で、胡散臭がっていた章子のもとに駆け込んだのだった。そこで彼の過去を「視た」章子は阿部を信じ、彼が目撃した「もう1人の柳子」を探す決意をする。 そうして夜見島へやって来た二人だったが、船は転覆。二人は無人の島に置いてけぼりである。にもかかわらず阿部は足元に落ちていた胡散臭い金のアクセサリーを拾い 「これ純金じゃね?」などと軽薄でくだらない言動を続けるのだった。 そうして休んでいるなか、阿部と章子は、二人に向かって押し寄せる巨大な赤い津波を目にする。 ※補足(阿部が階段で出会ったのは百合、柳子を殺したのも百合。章子がみたもう1人の柳子は加奈江。実は皆同じ顔。) 赤い津波に巻き込まれ、船から海へと投げ出されて赤い海の中を漂う三上に、過去、子供だった頃の記憶が断片的に蘇る。 足場が崩れ、海に落ちた後、彼は加奈江によってボートに乗せられた。 しかし加奈江は全ての力を使い切ってしまい、もう動くことすら出来なかった。 力なく海に浮かぶ加奈江。そしてそれを見つめる脩。 「脩・・・見ないで・・・・お願い。見ちゃダメ・・・・」 昇りゆく朝日とともに、加奈江は海の底へ、まるで溶けていくように消えていった。 ※補足1(溶けていくお姉ちゃんのトラウマ+αのせいで、この後三上は視力を失う。) ※補足2(加奈江は光に弱く、朝日を浴びて溶けてしまう。この後、彼女は近くを遊覧していたある妊婦に寄生する。) -29年前 怪異発生2時間前-盲目の作家、三上脩は、彼の失われた記憶の断片に残るある少女を追って、夜見島を目指していた。 船から投げ出された三上はかつての住居であった蒼ノ久集落に漂着し、そこで彼の愛犬ツカサに起こされる。 だが彼は自分の目に驚いた。失ったはずの彼の視野には、ツカサのものと思しき視界が広がっていたのだ。 「ツカサ・・・これはお前なのか?」 そういいながらフラフラと目の前の石段を登り、目の前の家の引き戸を開ける三上。 そこには29年前、あの日あの時の自分自身が事切れた父を揺り起こそうとしていた。三上に驚き逃げる子供時代の自分。 背後から太田常雄が現れ、三上を不審がる。突然、死んだはずの三上隆平が飛び起き、驚き逃げる太田を追いかけていく。 三上は状況が信じられず、事実を確かめるために彼が埋めた「お姉ちゃんとの思い出」を掘り出しに行く。 彼の記憶の通り、彼が描いたお姉ちゃんの絵はそこに埋まっていた。 自分は29年前のあの島にいる。そう確信した三上をツカサが突き飛ばす。その直後、近くのプレハブが倒壊し、ツカサは生き埋めになってしまう。 更に三上の背後から屍人と化した漁師が襲い掛かる。弱い視界を頼りに逃げる三上。だが彼は足を踏み外し、崖下へと転落してしまう。 ※補足1(ここで、29年前の夜にチビ脩がみた「犬を連れた男」はタイムスリップした未来の自分だと分かる。) ※補足2(三上は船の転覆後、時空の裂け目的なものを通って29年前にタイムスリップ。その後の津波で太田達29年前の人々と共に異界へ。) 怪異発生後/異界 -怪異発生直後- まるで誰かの意識が自分の中に流れ込んでくるような不快感に苛まれながら、一樹は目を覚ました。 傍に立つ百合に着物姿の女(太田ともえ)が掴み掛かる。 「なんで!なんであんたが生きてんのよ!」女を振りほどき、逃げる一樹と百合。 金鉱跡にたどり着いたとき、一樹は再び不快感に襲われる。 「じっとして。意識を集中して・・・。」 一樹に声をかける百合。すると一樹の視界に、百合の視界と思しき視界が入り込む。 一樹は信じられなかったが、百合は特に気にした様子はない。この不可解な力を駆使し、2人は屍人の蠢く金鉱跡を突破する。 ※補足1(ともえは百合と加奈江を見間違えている。だって同じ顔だし。)※補足2(ともえはこの後、紛失した「お父様から貰った大切な髪飾り」を捜索中に橋から転落し、アンテナに体を貫かれ死亡、屍人化します。) -怪異発生30~40分後- 金鉱跡を抜け、再び山道へと入った一樹と百合。一樹は自らの体験した数々の不可解な出来事に困惑していた。 「おかしい。いくらなんでも非科学的すぎる。」そうつぶやく一樹。 百合に意見を求めても、返ってくるのは母を助けるという自分のことばかり。混乱と疲労が一樹を苛立たせ、きつい言葉を発してしまう。 「その君の母さんとかいう人、本当にいるの?」その言葉に過剰な拒否反応を示す百合。 「私のこと信じてないのね!」そう言い放ち、駆け出す百合。 一樹は取り繕うこともできず、その場に立ち尽くしてしまう。 金鉱社宅前で意識を取り戻した章子は奇妙な感覚に違和感を抱く。いつもの過去の視界ではなく、今現在の誰かの視界を見ているのだ。 「何、これ?いつもと違う・・。」そうつぶやく章子。 彼女が見たのはフェンスに生っていたアケビをもぎ取って食べる阿部を見ている誰かの視界だった。 放置されていた軽トラに乗り、社宅跡を突破する章子。 一方阿部は犬の鳴き声に導かれるように、社宅跡を後にする。 ※補足(犬の鳴き声は三上の愛犬・ツカサのもの) -怪異発生1時間後- 県立亀石野中学2年、矢倉市子は突然目を覚ました。 テニス部の試合、団体戦準優勝、その帰りのフェリーの中・・・のはずだったが、市子はたった一人、薄暗い船倉で倒れていたのだ。 「ノリコー!中島くーん!?みんなどこー!?」 だが返事はない。その時唐突に頭に流れ込む誰かの視界。 「なに・・?これ?・・・ヤダ・・わかんない!!」 パニックに陥りそうになる市子だったが船内を徘徊する屍人をやり過ごし、何とか艦橋へとたどり着く。突然船内電話が鳴り響く。 受話器を取ると中年男性の声が受話器のから聞こえてくる。矢継ぎ早に市子に質問する男。 しかし市子が答えようとした途端、ノイズが混じり、電話は切れてしまう。またしてもパニックになりそうな市子だったが、勇気を振り絞り、船底の電源室へと向かう。 「誰かいませんかー!?」 そう叫ぶ市子に扉の向こうから男が答える。 「そこにいるのか!?待ってろ!お巡りさんすぐにここを開けるから!」 針金を使い、鍵をこじ開ける藤田。かくして二人は無事合流し、船の外へ脱出するのだった。※補足(市子も藤田と同じく19年前の人間、フェリーごと異界へ取り込まれている。) 山道を独り歩く百合。足元にまとわり着く屍霊を踏み潰し、一瞥をくれたその時、森の中に座礁した船から何かを感じ取る。 「-誰?」そうつぶやくと百合は客船へと向かう。 ※補足(誰?とは恐らく市子のこと) -怪異発生2時間後- 夜見島、瀬礼洲(せれす)に打ち上げられた客船ブライトウィン号。三沢と永井は船内を探索するなか、永井が不安な心境を告白する。 「自分不安になってきました…これは夢じゃないのかって、自分の頭がおかしくなっているんじゃないのかって」 「頭に弾丸ぶち込んでみるか?」三沢は永井に聞く。 「夢なら暖かい布団で目が覚める。もし夢じゃなかったら、それで終わり…」 突然永井の頭に銃口を向け、ふざける三沢、その顔には子供のような狂気じみた笑い顔が浮かんでいる。 驚く永井。ふと、背後の物音に気づきライトを向ける。そこには先ほどの若い女がいた。光を嫌がり、逃げる百合。 追いかけようとする永井だったが、三沢は気にも留めず、そのまま別の船室へと向かう。 「三佐?三沢さん!・・・・・なんだよあいつ調子乗ってんじゃねーよ」 永井は一人で百合を追い、無事百合を保護するが、百合を執拗に狙う着物を着た女屍人(太田ともえ)によってタラップを落とされ、船から脱出できなくなってしまう。 永井は船倉にできた亀裂から百合を逃がし、自らも、救難艇で客船から脱出するのだった。 -怪異発生3時間後- 先に脱出した百合に追いついた永井。百合は永井に抱きつき、問いかけるのだった。 「あなたは私を信じてくれる?助けてくれる?」百合の神秘的な美しさに惹かれる永井。 その時、突然背後から三沢の銃口が百合に向けられる。銃口を跳ね除け、百合を逃す永井。 「何なんだよあんた!あんた前からおかしいと思ってたよ!!なんであんたなんだ・・・。 なんで沖田さんが・・・!ちくしょう!!もうやってられっかよ!!」 募らせた思いを吐き出す永井。吐露された怒りは上官と部下の関係を破綻させるものだった。 夜見島遊園で百合と再会した一樹。声をかける一樹に百合はガラス製の鳩を見せた。 「見て」百合の手から滑り落ち、粉々に砕けるガラスの鳩。 「早くしないと戻ってしまう、混沌の闇の中に・・・」つぶやく百合。 一樹は百合の言葉を理解できなかったが驚くべきものを見た。それは先ほど砕けたはずのガラスの鳩だった。まるで何事もなかったかのようにそれはそこにあった。 百合の歌う失われたはずの「巫秘抄歌」と幻視によって次々と現れる碑の封印を解く一樹。そうして最後の封印を解いた時、とたんに強い眩暈に襲われる。 「見て・・・」頭を押さえ、苦しむ一樹の背後を指差す百合。 錆付いた観覧車があったはずのそこには巨大な穴が現れていた。 ※補足(遊園施設のある碑足は代々太田家が守ってきた禁足地の1つ。碑によってあるものを封印していた。) 崖から転落したあと、阿部によって助けられた三上。今は砲台跡のトンネルにいた。 「アレッ?あんた三上脩じゃねぇ?」相変わらず軽薄な阿部を無視して、話を進める三上。 「この島のどこかに、記憶を引き出す鍵があるはず・・・阿部さん、きみの目をかしてくれないか?」 阿部の視界を借り、砲台跡を探索する阿部と三上。地下の封じられた弾薬庫をの入り口を破壊し、中に入る二人。だが特に妖しいものはない。 「なんだよなにもねーじゃねーか」ぼやく阿部。 しかし三上がレンガ造りの壁に触れたとたん、壁が崩れ、土の中に埋もれた人魚のような生き物の化石を発見する。 おおきなかみさま しんだ おねえちゃんのおかあさん うまれた いっぱいうまれた 子供のころ、加奈江が話してくれたことを思い出す三上。 三上は記憶の断片を取り戻し、阿部と共に砲台跡を脱出し、遊園地を目指す。 -怪異発生4時間後- 最後の一粒になった錠剤を飲み込む三沢。 「なーがいくーん、いっしょにあそびましょー!」 またしても彼らしからぬ、ふざけた調子を取る三沢。彼の精神は極限まで蝕まれつつあった。 2年前、大規模な土砂災害にみまわられ壊滅した羽生蛇村。彼は災害救助の任務を遂行していた。ただ1人、無傷で助かった少女を抱きかかえ、ヘリに吊り上げられる三沢。 その時彼は見たのだ。眼下に広がる泥土の中から彼と少女に掴みかかろうとする無数の手を。この地にかけられた呪いの断片、安らかに眠ることすら禁じられたものたちの呪詛と怨嗟-。 「やめろ・・・やめろーーーーッッ!!」ただ叫ぶことしかできない三沢。 「三沢一尉?三沢一尉!?」彼を呼ぶヘリからの声で我に返る。 彼の眼下にはただただ先ほどと同じ、泥土に埋もれた村が映っていた。 この出来事以来、彼の精神は病み、鬱の状態になることが多くなった。 それは、三佐昇進、冬季東アジア大会での輝かしい功績をもってしても打ち消せず、薬の使用により何とか押さえ込んでいる状態だった。 だがこの島に来て以来、立て続けに起きている怪異は彼の神経を高ぶらせ、鋭敏にし、加速度的に精神状態を悪化させていた。 「どうしてそんなに嫌うかな・・・・・どこだ、永井」そうつぶやき歩き出す三沢。 そして彼は廃墟の金鉱社宅の一室に妖しい光がともるのを目撃する。その部屋へと向かおうとする三沢。だが彼の行く手を沖田以下、彼のかつての仲間達が阻む。 彼の持てる戦闘技術を結集し、屍人たちを退け、三沢はついに部屋へたどり着く。 だが、そこには、2年前の羽生蛇村で助けたはずの少女が座って泣いていた。少女の肩に手をかけようとする三沢。 その時少女が突然振り向き飛び掛ってきた。その顔は屍人そのものだった。 反射的に飛びのき、小銃を乱射する三沢。だがそこには少女の気配すらなかったのだった。 ※補足(はるみちゃんのにおいがするよー) 遊園地跡へとたどり着いた阿部と三上。三上は闇の中から自分を呼ぶような声を聞いた気がした。 幼いころの記憶が蘇る、七つの門、七つの鍵。加奈江の残した言葉と歌、そして父、隆平が捜し求めた夜見島の謎。それさえ解けば記憶が完全に戻るという確信が彼にはあった。 電動パンダにまたがる阿部に三上は再び協力を求める。物事に頓着しない阿部は、彼の真意を知ることもなく、彼に協力するのだった。 -怪異発生5時間後- 藤田の乗ってきた船を目指す藤田と市子。旧軍の砲台跡地に差し掛かったとき、1人の男が二人の前に現れる。 「藤田んとこの、馬鹿息子か・・・・」 息も絶え絶えに語るのは、網元、太田常雄である。 「親父さん!あんた今まで一体どこに!?」 10年前 に全島民とともに消えたはずの太田を前にして動揺する藤田。 だが二人の再会も束の間、太田は絶命してしまう。絶命した太田を取り囲む屍霊。ほどなくして太田は屍人として復活し、二人に襲い掛かる。 太田を退け、砲台跡の地下に入る二人、だが地下の武器庫に入ったとき、復活した太田に追い詰められてしまう。 太田が市子に襲い掛かろうとしたまさにその時、市子は太田に向かって笑んだのだった。その笑みをみて恐れおののき、逃走する太田。 不思議に感じた市子だったが、藤田は気に留めず、二人はもうひとつの砲台跡を経由し船を目指すのだった。 武器庫から出ようとした時、市子の意識は何者かに乗っ取られる。 ※補足(フェリーを脱出してから今まで、2人は蒼ノ久の三上家で休息をとっている。4時間も間が開いてるのはこのため。) -怪異発生6時間後- 遊園地の地下に広がる空間。異様な雰囲気が漂うなか、一樹は百合の後を追って鉄製の階段を下りていく。 その先にあったのは、地底に広がる赤い海。百合はゆっくりと振り返り、上着を脱ぎ捨てていく。 「本当の私を見て・・・」 そう呟き、はだけた胸元には、もうひとつの顔が浮かび上がっていた。 百合もまた、人ならざる者だったのだ。立ち尽くす一樹に、今度は胸元の顔が話しかける。 「見て・・・私を見て・・・本当の私を・・・」 そして百合の背後の赤い海の底から、サイレンに似た咆哮とともに、怪物と呼ぶにふさわしい姿をしたものが現れたのだった。 百合を名乗っていたモノ・・・。それは「母胎」だった。 母胎・・・かつて地上を光の洪水によって追われ、地の裏に逃げ込んだ者達の集合体。永遠に近いときを経て、彼らの悲願を達成する機会がついに訪れた。 封印を解き、人の肉体を自らと融合させること。悲願達成の第一歩はついに歩みだされた。 成す術もなく、母胎に取り込まれそうになる一樹。だが取り込まれようとした瞬間、翔星丸の無線員、木船郁子が突如現れ、不可思議な力で母胎の動きを封じ、一樹を助ける。 「早く逃げてっ!これ以上は私が持たない!」 正気に返り、母胎から逃げる一樹。 ※補足(翔星丸から落ちてしまった船員の女性が郁子。ゲーム中でも普通に分かりづらい) その時。 「うわぁっ!何なんだよこれ!」絶叫する阿部。 三上と阿部の二人がこの封印の地へと、母胎の前へと現れた。 三上の見えなくなったはずの目には、母胎ではなく、かつて己の目の前で海の底へ溶けるように消えていった加奈江の姿が映っていた。 「おねえちゃん・・・?おねえちゃんだよね・・・?」過去の記憶を取り戻した三上。 彼の目に映るのは人面魚体の怪物ではなく、やさしかった姉の姿。 「ぼくさびしかったよ・・・くらやみのなかでひとりぼっちだったよ・・・」 ふらふらと赤い海に佇む加奈江へと歩いていく三上。三上が加奈江に抱きつこうとしたその時、章子が現れ、三上に叫ぶ。 「脩ゥッ!見ちゃダメェーーッ!!」 「おねえちゃん・・・?」章子の発した言葉に驚きの表情見せた三上だったが・・・ すでに遅かった。 母胎の腹部から伸びた何本もの触手によって、三上は母胎に完全に取り込まれてしまう。 「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」 歓喜の笑い声とともに何十、何百もの闇霊を産み落とす母胎。 その姿に驚き、阿部は章子を、木船は一樹を連れ、その場から逃げることしかできなかった。 しかし彼らの後を闇霊、大きな口を持った、たとえるなら真っ白な人魚のできそこないのようなモノが追いかける。 ※補足(死体に闇霊が取り付くと闇人という屍人の強化Ver.となる。闇人は身体構造を変化させることも可能。変化した闇人は乙式・甲式と呼ばれる。) ※補足2(母胎・百合・柳子・加奈江…こいつらは全員三上脩の母親、弥生の顔と一緒。) ※補足3(闇島近海で海難事故に遭い死んだ弥生の体が空間の裂け目的なものを通って冥府へ。無形であった母胎は自らに弥生の形を与える。) その時、地上では、 三沢は無数の屍霊と戦い、 永井は鳴り響くサイレンの音に耳をふさいでいた。 冥府の門が開き、母胎が復活したその時、市子に急激な変化が訪れた。 薄笑いを浮かべる市子。藤田の胸に突き立つナイフ。うわごとのように娘への懺悔を呟き動かなくなる藤田。 我に返った市子の嗚咽と叫びが闇に木霊する。・・・市子は鮮血に染まり、もう動くことのない藤田に抱きついて、泣いていた。 母胎復活後 -怪異発生9時間後- もと来た道を全力で駆け上がる木船と一樹。だが一樹は母胎に操られたこともあってか、疲労が頂点に達していた。膝をつき、その場から動けなくなる一樹。 そこへ、階段の上から無数の屍霊が、下からは無数の闇霊たちが迫る。 「僕を置いて・・・逃げるんだ・・」弱音を吐く一樹。 「何かっこつけてんのよ!こんなとこでかっこつけたって誰も見てないよ!バッカじゃないの!?」そんな一樹を叱咤する木船。 人外のものが迫り、最早これまでと思われたが、果たして化物たちは二人に襲い掛かることはなかった。 彼らを飛び越え、互いに喰らい始めたのだ。顔を見合わせ、頷く一樹と木船。二人は全ての力を振り絞り、地上へと向かって走り出したのだった。 なんとか地上へと出た二人だったが、そこにはすでに屍人たちによって包囲されていた。 木船は他者の肉体を乗っ取る自らの力を駆使し、武器を手に入れ、七つの碑を叩き壊し、「冥府の門」を閉じようとする。 しかし門は閉じられることなく、門の中から黒衣をまとった闇霊たちがあふれ出てくる。 逃げようとする二人を、変わり果てた藤田と屍人自衛官が包囲する。 しかしまたしても闇霊たちによって屍人は喰われ、二人は窮地を脱する。 遊園地の出口へと向かった二人は闇霊に襲われ、すでに出せる力もなく、絶体絶命の危機に陥る。 しかし空から降り注いできた謎の赤い光によって彼らを取り囲んでいた闇霊は蒸発し、二人は三度の危機をまたしても運命に救われたのだった。 ※補足(2人は藤田に会ったこと無い。) 潮降浜。その近くを矢倉市子は彷徨っていた。服には藤田の血がついている。 「お母さん・・・家に・・・帰りたい・・・」そう呟く市子の脳裏に一瞬奇妙な記憶が甦る。 誰かの手にぶら下がる自分。しかし、ブレスレットが千切れて海へ落ちていく。 記憶のなかの市子が海に落ちたと同時に、市子自身も足を踏み外し、崖下の道路へと転落した。 逃げなきゃ。そう思い、潮降浜の前を走りだす市子。その前にアイロンを手にした女屍人が立ち塞がる。 武器を持たない市子では対抗することができない。逃げようとしたその時、背後から軽トラックのエンジン音が鳴り響いた。 驚いて道脇の草むらに飛び込む市子。そのすぐ横を軽トラックが猛スピードで通過した。 市子が草むらから這い出してみてみると、女屍人が少し離れたところに転がっていた。撥ねられたらしい。 市子はアイロンを手に廃墟になった小中学校跡へと向かう。 大道具倉庫で釘箱を入手した市子はそれを校舎裏の道に撒いた。しつこく追跡してくるトラックをそれでパンクさせようというのだ。 市子の目論み道理、タイヤが破裂。制御を失い、封鎖された校舎裏門を突き抜けるトラック。 その時校舎裏門から大量の闇霊が侵入してきた。屍人たちは市子に目もくれず、闇霊を攻撃し始める。 そのまま校舎裏門を抜ける市子だったが軽トラックから屍人が降りてきた。かつての沖田宏である。 沖田は市子に気づくまもなく闇霊に囲まれ、そして喰われた。 市子は泣き叫びながらその脇を通り抜けるが、闇霊に囲まれてしまう。 その時、市子の頭上に謎の赤い光が降り注ぎ、包囲していた闇霊は蒸発するのだった。 ※補足1(謎の光は現実世界に差し込んだ光の照り返し。木船と一樹を救った光も同じ。何故かは後述。) ※補足2(市子は沖田に会ったことがない) -怪異発生11時間後- 蒼ノ久集落まで逃げた二人。しばしの休息の後、人との接触を怖れる木船はその場から立ち去ろうとするが、木船の手をつかみ、二人で行動することを提案する一樹。 しかし木船の、自分は人の心を読むことが出来る、という言葉に驚き、一樹は手を離してしまう。 「そんな・・・化物を見るような目で見ないでよ」木船はそういい、力なく微笑み立ち去っていった。 やはり自分は化物なのか。そのような思いに捕らわれる木船であった。 取り残された一樹は、何故手を離してしまったのか、と後悔していた。 彼の脳裏につらい過去の記憶がよみがえる・・・ ※補足(2人が休息をとったのは三上家。みんなの憩いの場である。) ※補足2(一樹は過去に、意図しない何気ない言動から同級生であった1人の少女を自殺未遂に追いやってしまう。彼がやたら女に優しいのはそのため。) -怪異発生13時間後- 四鳴山の林道を歩く阿部と喜代田。阿部が多川柳子との思い出を語りだす。 「あいつ時々わけわかんねーくらい暴れだしたりしてさ・・・」そこまで語ると言葉につまり、俯く阿部。 阿部に寄り添う章子。二人が顔を上げたとき、信じられないものを見る。 目の前にそびえたつ廃鉄塔。その上空にはもう一本の鉄塔が宙吊りに浮いている。 いや、そうではない。夜見島上空にはまるで鏡に映りこんだかのように、もうひとつ夜見島が存在していた。「何かに呼ばれている気がするの。そこまで連れってくれないかな。」 そう阿部にいい、廃墟の港湾施設を探索。立ち止まっては過去の映像を見る章子。 「アレ?これは・・?」「どういうことなの?」「・・・そうか」「・・・もう少し・・・もう少しで・・・」 「・・・灯台へ行きましょう」そう阿部に告げる章子。 「・・ほら、がんばって・・」「もう少し、あともう少しよ・・」 灯台前の橋にたどり着いた二人。だが橋は崩落している。しかし章子は穴に向かってフラフラと歩いていく。 「ホラ・・・もう少しよ・・・がんばって・・・・・脩」 「おい!あぶねぇ!」 穴に落ちそうになる章子の腕をつかむ阿部。章子はそのまま倒れこんでしまう。 ※補足1(異界の夜見島には光が差さないが、上空にある現実の夜見島に当たった光は届く。) ※補足2(過去の映像とは29年前に起きた加奈江と脩の脱出の様子。) 砲台跡で大の字になって寝転び、三沢は空を見上げていた。空にはもうひとつの夜見島があった。 「・・・あっち側は遠いなぁ・・・」そう呟く三沢。 その時、突然少女の叫び声が聞こえてきた。 すぐ近くで市子が闇人に襲われていたのだ。その叫び声を聞き、薄ら笑いを浮かべて64式小銃を構える三沢。 市子は三沢に助けられ、無事に砲台跡から脱出する。そして三沢も市子の後を追うのだった・・・。 -怪異発生14時間後- 疲れ果て、道沿いの石の上に腰を落とす二人。 「はっぴばーすでぃとぅゆー♪」 突然歌いだし、ポケットから拾った金のアクセサリーを章子に手渡す阿部。 「今日誕生日だったろ?免許書で見たんだよ。」 戸惑いながらも表情を緩める章子。俯いて寝息を立てだした阿部に寄り添い、しばしの平穏を味わうのだった。 蒼ノ久集落に来た永井は少女の嗚咽と男の声を聞いた。 「あの女より生臭い。お前は何なんだ」そういい市子に小銃を向ける三沢。 そして泣き叫ぶ市子。 「やめろーッ!!」そう叫び咄嗟に機関拳銃を構える永井。 しかしその弾みで、三沢を撃ち抜いてしまう。 よろよろと永井の方に向き直る三沢。 「・・・・やるじゃない」そして永井に抱きかかり、最期の言葉を残すのだった。 「俺だけ先に目覚めちゃうけど・・・・・悪いな」 最後まで三沢の真意を理解できず、目の前の事実に呆然とする永井。 永井は市子を連れ、その場から逃げだした。 三沢を射殺し、市子を連れてその場から逃げ出した永井は夜見島金鉱社宅へとたどり着いた。 虚ろな市子を励ます永井。その背後の暗闇に、巨大な顔がぼんやりと浮かび上がる。 銃を構える間もなくはじき飛ばされる永井。起き上がると既に市子の姿も無い。 さらわれた市子を奪還すべく走り出す永井。 社宅の一室に市子はいた。しかし永井が声をかけるが虚ろな笑い声だけを返す市子。彼女はフラフラと立ち上がり、突如、機関拳銃を永井に向けて発砲した。 「あの時死んだのは・・・・私。・・・・早く還りたい・・・・おかあさん」 意味不明な言葉を呟き、闇人を殲滅しながら社宅をさまよう市子。 永井は市子が落としたと思われる壊れたブレスレットを市子の前に示し、正気に戻そうとするが、市子は永井の手を振り解き、逃げてしまう。 市子は思い出す。ー眼下に広がる、荒れ狂う漆黒の海。親友ノリコの腕にぶら下がり、今にも落ちそうな市子。 おそろいで買ったノリコのブレスレットに指がかかり、ブレスレットが大きく歪む。 死にたくない。そう思い指に力をこめた刹那、市子は荒れ狂う異界の海へと落ちた。 赤く染まった海中に漂う市子。手にはブレスレットが握りしめられている。 水中に響くくぐもったサイレンのような音が、徐々に市子に近付いていく。 参考→http //www.playstation.jp/scej/title/siren2/siren2_top/anotherstory/bw.html -怪異発生15時間後- ドアを開け船室に足を踏み入れる一樹。薄暗い船内に外光が差し込み、闇霊が奇怪な叫び声を上げ蒸発する。殲滅すべき敵を認識した一樹の目に憎悪が宿る。 「光が・・苦手なんだな・・・。化物め、化物め、化物め!」 憎むべき敵と、その弱点を知った一樹は船内の電源を復活させ、闇霊を一掃する。 闇人達、乙式となった太田ともえをも倒した一樹、外敵のいなくなった船内にてしばしの休憩。 ※補足(一樹の前にやたらともえが現れるのは、彼がともえの失くした大事な髪飾りを拾い、所持しているため。メダルやら髪飾りやら拾得物の多い一樹。) 夜見島、瓜生ヶ森。 背後から郁子の肩を掴もうとする阿部。反射的に振り払う郁子。 「なぁアンタ、派手なカッコした女見なかった?・・・・あれ?アンタどこかで・・。」 阿部は章子の行方を尋ねるうちに、何故か奇妙な懐かしさを覚える、郁子は何も答えず走り去る。 ※補足(全く触れられていないが、多河柳子と木船郁子は双子の姉妹。阿部が懐かしさを覚えたのはそのため。顔は違うんですけど。) 章子は蒼ノ久集落にいた。 章子の意識に自分のものではない過去の映像が断片的に甦る。目を開く章子。 「脩……あの子はどこ?」覚束ない足取りでさまよい始める章子。 自分のものでない記憶に導かれた章子は三上家へたどり着く。 しかしその三上家から異形の存在となった三上脩の父、隆平が現れる。 「もう起きなさい、ね?」子供をあやすような口調で襲い掛かってくる隆平。 章子は霊体となった脩に導かれ、夜見島に伝わる異形の存在を浄化するという滅爻樹(めっこうじゅ)を手に入れる。 隆平の隙を突き、その体に滅爻樹を突き立てる章子。異形の断末魔の叫びとともに、隆平は浄化された。 そして章子は真実を知る。 ※補足(滅爻樹は 穢れ を栄養にする木。) ※補足2(隆平に使った滅爻樹は三上脩銘だが、銘は人間の後付けで、誰に使おうが効果は一緒。夜見島出身者はみんな滅爻樹持ちだが、隆平は夜見島出身ではないので自分の滅爻樹を持っていなかった。) -怪異発生17時間後- 疲れ果て、忍び寄る闇霊に気が付かない一樹を永井が助ける。 悲観的言動の一樹に対して、ある種の居直りを見せる永井は、絶望的状況での悪あがきを促す。 再び夜が訪れる。待っていても助からない。二人は怪異とその元凶に挑む。 血に塗れ錆び付いた包丁。本当の自分。あの日の記憶。隆平の腹部に刃物を突き刺している自分。隆平は何が起きているのかわからない、という顔だ。 玄関の戸が乱暴に開けられる。雨合羽をきた漁師たち。 逃げこんだ部屋。そこの鏡に映るのは・・・自分の顔! 振り上げた包丁を鏡に叩きつける。章子の顔はひび割れ、砕け散る。 「ーそう、私はー」 錆びた包丁を手に立ち上がる章子。だがその顔は加奈江のものになっていた。 ※補足(隆平を殺したのは加奈江、アーカイブ23とか色々あって母胎から邪魔だと思われていた隆平。加奈江は母胎に意思をジャックされ、無意識のうちに刺殺してしまう。) ※補足2(脩をボートに乗せて溶けた加奈江は、近くを遊覧中だった章子の母に取り付く。章子の母は誤って船から転落してしまい、その日のうちに緊急出産。) -怪異発生18時間後- 四鳴山、離島線4号基鉄塔。かつて島民から聖域として畏れられた地に聳え立つこの鉄の塔も、島の他のものと同じく朽ち果て、自然の中に埋没していた。 そしてそれは島が異界と化した際に、さらにおぞましい姿になった。朽ちたコンクリートの基部とその上に立つ鉄骨製の塔、そしてそれらにまとわりつき、飲み込むように伸びる一本の巨木。 それは異形に対し、抗うことを決心した者たちを竦みあがらせた。 ※補足(太田家の禁足地その2。碑足が母胎を封印していた場所であったのに対し、四鳴山は滅爻樹の大木があったとされる場所。) ※補足2(聖域に遊園地やら鉄塔やら建てたり、研究と称してそこらへんをほじくりまくる余所者に切れていた太田さん。) 社宅、ブライト・ウィン号、それぞれで異形に対面した二人だったが、一樹と永井は奇怪な鉄塔がそびえ立つ異様な光景に気圧された。 その鉄塔の先に、もうひとつの夜見島があるのを見た一樹がひとつの結論に達した。 「ここは29年前の夜見島のコピーだったんだよ!!」 「うわぁ・・・語り始めちゃったよこの人・・・。」 「やつらはこの鉄塔を利用して現実の世界に干渉するつもりなんだ!」 一樹は思いつめた表情で、塔へと独り歩き出し、諦めと居直りの態度の永井がその後を追う。 二手に分かれた一樹と永井だったが、鉄塔上部にて無事に落ち合うことができた。階下の永井を一樹が引き上げようとしたその瞬間、背後から再び異形が現れた。 「他所者どもめ・・・・わしの目の黒いうちは好きにはさせんぞ!!」それは変わり果てた網元、太田常雄だった。 太田に突き落とされ、鉄塔から落下する永井。一樹は鉄塔内部へ逃げ込み、隙を突いて太田を押さえ込む。そして途中で偶然手に入れた太田常雄銘の滅爻樹を突き立てた。 「あああぁぁぁぁぁッ!・・・穢れが・・・消える・・・」 断末魔の叫びを残して、太田常雄は滅せられた。 その様子を見ていた太田ともえは、驚き、怯え上階層へと逃げていくのだった -怪異発生19時間後-夜見島金鉱採掘所 昨日団地内に自生していた夜見アケビに当たり腹痛に苛まれながらトイレを探していた阿部。 激しい絶望感に「くそすぎだろっ!このままじゃよう…」とへたれこんだその頭上に銃弾が打ち込まれた。 徘徊の最中、闇人化した三沢をかわし物置に入ると霊体化した三上と遭遇。持ち前の明るさで気さくに挨拶する阿部の目の前で三上は壁の中へ消えていった。 三上が消えたそこには犬笛があった。それを何の気無しに吹いてみるとツカサが現れる。彼女も霊体化した三上に導かれて金鉱へと来たのだった。 ツカサは阿部が砲台跡で落としたライターを返すと、瓦礫の向こうへと再び走り去っていった。 ※補足(三沢と阿部には面識無し。) -怪異発生20~21時間後- 感応視により闇人達が鉄塔を通じて現実世界に侵攻しようとしていることを知った郁子は、鉄塔のふもとにて頂上を見上げ、闇人たちの思惑を打破しようと決意する。 そのとき不意に背後に気配を感じ振り向くと、視界の端に人影を捉え消えた。その人物のいたところには滅爻樹(藤田茂銘)が転がっていた。 鉄塔を上る道中、クレーンの鍵、鉄塔に絡まるように生えていた大樹に突き刺さっていた闇那其(あんなき)なる巨大な石、乙式ともえがいじくっていた一樹のカメラを入手。 感応視を駆使して闇霊や闇人がたむろする鉄塔をさらに上り、鉄塔中腹で徘徊していた闇人藤田を滅爻樹で浄化した。 「そうか…あんたも…あの…」と藤田は謎の言葉を郁子に投げかけ浄化されていった。 闇霊闇人との幾多の戦闘の果てに疲労困憊となった郁子はよろけ、さらにその足場は崩れてしまった。が、あわやの所でその手を一樹がしっかりとつなぎ止めた。 数時間前には異能に躊躇し手放してしまった郁子の手だったが今度は離さないと、これまでの顛末を詫びる一樹。それに悪態で返す郁子。そうして笑みを浮かべる二人であった。 そして二人で鉄塔の頂上を目指す。 -怪異発生22時間後- 鉄塔から落とされ再び一人となった永井は闇人への徹底抗戦を決意。フェイスペイントを施し自己を鼓舞し『逆切れモード(永井談)』となり闇霊を殲滅していく。 永井は軽トラックで小学校を根城に跋扈する闇人闇霊を轢き殺し、団地で手に入れたタイムカプセルの地図をもとにヒューズを手に入れた。 さらに校舎に立てこもった闇霊を信号弾の閃光でいぶりだし殲滅、残った闇人化した沖田をトラックに積んであったTNTで爆殺、体を完全に破壊されたことで沖田の復活は不可能になり、遂に引導を渡すことに成功する。 そのころ学校に程近い浜、そのさらにさらに底の方から何か異形の生物が陸地に向かって急激な浮上を行っていた。 ※補足(滅爻樹を使わずとも、闇霊がよりしろにしている肉体を破壊すれば復活できなくなる。) 夜見島離島線4号基鉄塔 鉄塔頂上を目指す一樹と郁子の前に完全に自我を失った模倣体(外見は完全なコピーで中身はさっきの異形の生物の意思というようなもの)として覚醒した市子が現れた。 母胎への恨みと思慕を郁子へ語りかける市子。右手に日本刀左手に機関拳銃を携えた市子も鉄塔の頂上を目指す。先に市子を頂上へ行かせてはいけないと悟った郁子と一樹は、さらに急いで鉄塔頂上を目指す事になった。 ※補足 何故みな鉄塔頂上を目指しているのか 一樹&郁子組 一樹:キバヤシ理論。根拠無し。 郁子:ブライトウィン号沈没の際に唯一生還した木船倫子(市子の親友、中学生で妊娠)の娘で双子の片割れ、母親の体内にいた時に、母胎の分裂体が寄生した。 その結果、郁子は生まれながらに異能を手に入れていたのだが、異能を手に入れるとともに母胎の精神とのリンクも手に入れていた。 そのため鉄塔の頂上に母胎がたどり着いてしまうと現実世界も侵食されてしまうと気がついている。 母胎:地上侵攻作戦。三上脩の肉体を手に入れたことで、現実世界に侵攻する力を手に入れたため侵攻作戦が遂に実行されることとなった。 鉄塔の頂上で現実世界とリンクしているため、そこにたどり着けば、現実世界への侵攻が現実のものとなる。 市子:そもそも闇霊と屍霊は同一種であり、光の届かなかった頃の地上で繁栄していたが、地上に光が降り注いだ際に、光に耐性のなかった彼らは、闇霊達は異世界へ、逃げ遅れた屍霊達は光の届かない深海へ。 屍霊は自分達を見捨てて異世界へ逃げた母胎達が憎くてたまらない反面、母胎と再び一つになりたいという願望を抱いている。 そのため母胎の元へたどり着くべくブライトウィン号沈没の際に手に入れた市子の水死体をもとに自己の意思を反映するためのコピー、模倣体を異世界へ送り込んだ。 最初は生前の記憶が再生されていた市子ではあったが、現在は完全に模倣体として覚醒しており母胎と合流するために鉄塔の頂上を目指している。 また市子は母胎との合流が至上目標であるため、それを妨げるものは人間であろうと闇霊であろうと駆逐していく。 一方母胎側としては長く現実世界にいることで形質が劣化してしまった屍霊にはさしたる興味もなく地上侵攻作戦を遂行することが至上目標であるため、邪魔する屍霊は敵として認識されている。 -怪異発生23時間後- 鉄塔頂上に向かう道中乙式ともえを滅爻樹で浄化し、市子をかわして鉄塔頂上へたどり着く二人。そこへ母胎も同じく頂上へたどりつく。 母胎と一樹、郁子が対峙するその最中突如鉄塔が崩壊を始め、市子は地面へ、一樹と郁子母胎は空へと落ちていった。 そのとき念願の母胎に辿りついた市子は、母胎にかえりみられる事もなく落ちて行くことになった。 丁度同じ頃、念願のトイレを遂に発見した阿部は用を足す。満足げにトイレを出、ツカサに返してもらったライターでタバコに火をつけ一服の後、バスケットのシュート宜しく便器に吸殻を放り込む阿部。 見事にシュートが決まりガッツポーズを決め、トイレに背を向けた時、背後のトイレが爆発を起こした。汲み取り式のトイレであったそのトイレの底に溜まっていたメタンガスにタバコの火が引火、爆発することになったのだ。 その爆発に連鎖されるように地下道に充満していたメタンガスが連鎖的に爆発。その爆発は鉄塔の足元にまで広がっていった。 遂に爆発は鉄塔の足元を完全に破壊しつくし、鉄塔は崩壊を開始する。目の前の現実に眼を疑う阿部なのだった。 その爆発鉄塔崩壊のため、現実世界とのリンクである鉄塔は崩壊、母胎の地上侵攻作戦は完全に潰えることとなり、阿部は何気に世界を救ったヒーローなのであったが、そのことは誰も、本人さえ知らないことである。 鉄塔が崩壊していく姿を呆然と眺める永井の周囲から光がなくなっていく。闇人甲式として進化を遂げた三沢が不敵に笑っていた。永井は三沢との最後の決着をつけることを決意する。 闇人甲式として進化した三沢はMINIMI軽機関銃を装備、永井は迂闊にその前に立つことはできず、背後からその身を隠し狙撃することに成功する。 機関銃を乱射し遂に地に果てた三沢。やっと全て終わったことに安堵する永井の背後から市子の声がした。その市子の顔には巨大な目玉が浮き上がっていた。市子はもはや模倣体としてその存在を維持できなくなっていたのだ。 「家に帰りたい…一緒になりたい…」 つぶやき倒れる市子と、倒れ動けなくなった三沢を吸収するように浜から巨大な顔面(市子を放った者)の生き物が浮上してきた。 まだ戦いは終わっていないことを知った永井は三沢の残したMINIMI軽機関銃を携え巨大な顔面の生き物(堕慧児/おとしご)との戦いに臨む。(堕慧児は屍霊の凝結したもの。) 永井は堕慧児の突進攻撃を上手くかわして廃タンクに激突させ、そこに残されていた重油を浴びせかけることに成功する。 重油を浴びて怯んだ堕慧眼児に対し、浜に打ち揚げられていた漁船の発電機を起動させ水銀灯をともす。 そのランプを堕慧児にぶつけることで、重油を浴びたその体を燃やし尽くすことに成功。 今度こそ本当に全て終わったことに歓喜の雄たけびを上げる永井。その叫びが夜の浜辺にこだました ※補足(模倣体は母胎でいう鳩と同じもの。伊達に海底暮らしをしていないため、光耐性余裕でした。) ※補足2(決戦前に学校周辺の闇霊達は殲滅されているため、三沢は回復も復活もできなくなってしまっていた。) ※補足3(母胎が自分に弥生の形を与えたように、堕慧児もまた自分に市子の形を与える。さすがは劣化種、出来たのは醜い顔面である。) -怪異発生後23 59 59- 鉄塔の崩壊により一樹、郁子、母胎は特異点へ飛ばされていた。特異点、それは全ての事象が起こりうる世界であり、無限の可能性の中で現世と虚無の区別のない場所だった。 その世界の空には赤い海があり、そこから母胎が顔を出していた。計画の破綻に激怒した母胎は一樹たちに襲い掛かる。そして、一樹たちも母胎との最後の決着をつける。 一樹と郁子の協力の下でも母胎の力は強力で、一樹は弾き飛ばされてしまう。その際にポケットから港で拾ったメダル(元々は三上の幼少時代の所有物)が零れ落ちる。 そのメダルを辿って幼少の三上もこの特異点へ導かれたのだった。 さらにその三上を探して章子/加奈江も特異点へやってきた。三上を探す最中、加奈江は自身と母胎がリンクしていることに気づく。三上の肉体は母胎によって抑えられている。 その肉体を解放するために加奈江は自傷する事によって、母胎に強烈な痛手を与えることに成功した。 そのとき、一樹と郁子がここに来るまでに手に入れていた闇那其(あんなき)が輝きだし、石の刃物の様な形態になった。その闇那其を母胎に振り下ろす郁子。 すると今まで一度もさしたる痛手を受けたと見られなかった母胎がうめき声を上げ逃げ出した。 この闇那其には全てを無にしてしまう力(そして闇那其のみが残る世界を作る力)があった。 そして一樹も母胎にその闇那其を叩き込む。 強烈な断末魔を上げ息絶える母胎。決着に安堵する二人。しかし母胎は最後の力を振り絞り、再び赤い津波を呼び起こす。 ※補足(前述どおり、特異点は何でもありな世界である。こまけぇこたぁいいんだよ) ENDING 三上脩&加奈江 赤い海の中パジャマを着た幼い三上を抱く加奈江。 「おやすみ、脩」三上はそのまま瞳を閉じた。 こうして加奈江と三上はともに赤い海(時空ののりしろ)の中、静かに二人のときを過ごしていく。 永井 堕慧児を倒したのもつかの間、赤い津波に飲み込まれる永井。 その永井が飛ばされた世界は太陽に暗黒の影がかかり、さも日食になったかの世界だった。浜辺には日常を謳歌する闇人達。ここは母胎の地上侵攻作戦が成功した世界だった。 人間は永井ただ一人、人間は伝説の怪物として恐れられていた。錯乱状態になり絶叫する永井。永井の姿に恐れおののく逃げていく闇人達を機関拳銃で次々と射殺していく。永井が現実世界に戻る術はあるのだろうか… 阿部&ツカサ やはり赤い津波に飲み込まれてしまった阿部とツカサであったが、辿りついた先は朝日の昇る穏やかな海岸道路だった。 その朝日を見つめながら、不意に全てが終わってしまったことに気づく阿部。この世界は闇霊屍霊がはじめから存在しない世界だった。 闇霊が存在しないため、母胎は存在せず、そして彼の愛した多河柳子もはじめから存在しなかった世界なのだった。 果てしない絶望感に苛まれただ滂沱と涙を流す阿部にツカサが寄り添った。彼女も自身が尽くしてきた飼い主の三上がいなくなってしまったのだ。 そうして一匹と一人は互いに寄り添い朝日を見続けるのだった。 一樹&郁子 海岸で眼を覚ます一樹。朝日が昇っている。夜の世界が終わり現実の世界に戻ってきたことを実感する一樹。 一樹と郁子が戻ってきた世界は唯一今までと同じ現実の世界だった。郁子が眼を覚ました。二人で朝日を見つめる。 穏やかな朝焼けの元満足げな一樹。その横で郁子は太陽の光を煩わしそうに睨み付けるのだった。 外伝 -怪異発生7時間後- 崩谷、夜見島金鉱(株)社宅跡。 そこに女の悲鳴が響き渡った。だが生きているもののそれではない。海より来る穢れに操られしもの、屍人の叫び声である。 異界、夜見島において人の上に君臨し、蹂躙する存在。そのはずの彼らが恐怖し、逃げ惑い、仲間に助けを求めていた。かつての彼らの同胞、闇人が復活したのだった。 同胞とはいえ、彼らの間には仔細あって愛憎遺恨が渦巻いている。 初めはいきり立って闇人に襲い掛かった屍人たちだったが、その力の差たるや歴然。屍人は頂点の座をあっさり奪われた。しかし己の存在意義を賭け、全力で抵抗していた。 助けを求めた女屍人、鍋島揉子は背後に迫る気配を感じ、ベランダへと逃げた。機関拳銃を手にした闇人が彼女を追いかけていたのだ。 彼女を見つけ、歓喜の叫びを上げる闇人。 その時。 響きわたる叫び声に答えるかのように、不規則な足音が社宅跡に響く。その数2人分。 三沢、永井らの隊を指揮していた陸上自衛隊の佐官、一藤二孝が部下の屍人自衛官を連れ、揉子救出に駆けつけたのだ。 銃に弾倉を装着し、部下に指示を出す一藤。動き回る死体程度の屍人と完全に肉体を支配する闇人では身体能力の差は歴然。・・・ならば戦術でカバーするのみ! 光に弱いという闇人の致命的な弱点をつきながら、立ち塞がる敵を倒し、社宅に突入した両名。その一室で揉子を無事発見する。 「うぉぅ!?(訳:大丈夫か!?)」 「ヒィィィィィィィ・・・(訳:アイロンが・・・形見のアイロンがないの・・・)」 「うぉぅ!(訳:俺にまかせな!)」銃に新しい弾倉を装填する一藤。 女を泣かすやつァ許さねぇとばかりにいきり立つ一藤。その心の裏には彼女への想いがあった。屍人だてらに一目ぼれである。 その想いの前には凄腕狙撃闇人も変わり果てたかつての部下も意味を成さなかった。 ついにアイロンを手にする揉子。あとはここより脱出するのみである。 脱出まであと一息、その時背後から一藤を大量の銃弾が襲った。振り返ると銃を構えた闇人が立っていた。 「イヒヒヒィィィイィィ!!」一藤に狙いを定め笑い声をもらす闇人。 「!?ギィィィィィィッ・・・!」 銃声とともにその場に倒れる闇人。その背後には部下屍人が立っていた。 その姿を見て、安堵し、その場に座り込む一藤と揉子であった。 ※補足(市子in学校で事故ってたのはまさに彼女。形見のアイロンを易々奪われる。ちなみに学校には一藤もいます。) 怪異発生後-33 33 33- 不死の肉体を持ち、 左手には異形を滅する神器、宇理炎。 右手には精霊を宿した日本刀、焔薙。 肩には装弾数以上の弾丸を発射するライフル。 ヘッドフォンから漏れる「THE BUSTER!」をBGMに、この世界に存在する全ての異形を殲滅すべく、虚無の世界の夜見島に現れた須田恭也。 「お前等みたいなのがいる限り・・・」 「俺は、何度でも現れる。」 未だに生き残っていた闇霊闇人を殲滅する。その戦いに終わりはない。 ※補足(増えすぎた平行世界を消し去るためという説も。) 終了条件の意味 今作の終了条件1・2は「平行世界」 数ある可能性の中から、終了条件毎に未来があると考えられる。 全て終了条件1の世界もあれば、一つだけ終了条件2の世界もある。 そして全て終了条件2を通った世界が、母胎・堕慧児の撃破となったと思われる。 無限にある可能性の世界の中で、ある条件を達成した世界だけ、エンディングにたどり着けたみたいな感じの。
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バトルシミュレータ マップ一覧 チーム一覧 + チーム一覧(長いので折り畳み) バトルシミュレータ マップ一覧ジャンクリーグアリーナ アマチュアリーグアリーナ ネオアサヒカワリーグアリーナ チーム一覧(プレイヤーチーム) ムービングターゲッツ ウゴーズ サンデーリーマンズ ワンデイドリーマーズ ONCT模型同好会 ヘルズ・ワーカーズ MAM電脳研究会 ジャンクテイカーズ 拉麺三傑衆 スシ・ナイツ NAレギオン UITサバゲ―サークル NAクリルタイ モンキークラブ ルーキーズ NA貨物運送組合 ケンキーズ ハラスメンツ 光芒寺一門 ブラックナイツ オホーツク狩猟団 メカケンドー同好会 石狩川JETBOXERS 浮動機普及促進の会 天神ローダーヘッズ ムロラン・アイアンワークス 愛宕重工第一ワークス キング・オブ・ザ・ヒル マジノ・バンカーズ タンクス・オブ・ワールド G・G フランク近衛騎士隊 ウンメェ~イーツ アトリエ・ホーリー オリオン三連星 浪花節だよミサイルは トリプル★タイムス チーム正統派 極悪屋一家 リーサルランバーズ 南部最速運送協会 ネオアサヒカワ市警機動隊 アイゼン戦闘団 オクシレトコ第二空挺猟友会 大光真宗 ルーキーズ ホーネッツ・ネスト PUNIHIZ オリオンカルテット 散弾三銃士 ブークリエ・ド・モーリス 愛宕重工第三ワークス ブラックナイツ 第七特科師団選抜小隊 真・光芒寺一門 トカチ重装機師団 モノノフ・レーシング 石狩川JETBOXERS ルーキーズ 天神ローダーヘッズ 三田兄弟チームA 光芒寺聖夜会 三田兄弟チームX ネオエゾ・ドラグーン ソーヤ・サンライズ ネオアサヒカワ神仏連合 天神ローダーヘッズ スシ・ナイツ PUNIHIZ ジャンクテイカーズ 大光真宗 G・G ネオ・ハラスメンツ アバシリ脱獄囚 ネオアサヒカワ自警団 メカケンドー同好会 バックホーパンチングクラブ ハママッチョブラザーズ 東京ダンジョンマスターズ ネオミヤコショーグネイト バトルシミュレータ 3対3の大会仕様で模擬戦が行える。賞金は出ない。 通常通りの戦闘を行う「自機を操作する」と自チーム以外の戦闘を見れる「戦闘を観戦する」の2つが選べる。観戦時にはプレイヤー部隊を参戦させる事も可能。 マップ一覧 ジャンクリーグアリーナ ネオアサヒカワ郊外の居住区画に作られた小さなアリーナ。駆け出しのローダーパイロットはこの会場に通い詰める事になるだろう。 ジャンクリーグでのメイン戦場。4隅のスロープコーナーと中央の台地が特徴的。遮蔽はやや少なく、壁に隠れてチラ撃ちとかはしづらい。 マップ自体も狭めで、決着がつきやすいマップ。 アマチュアリーグアリーナ ネオアサヒカワ駅から徒歩数分の場所にあるアリーナ。周辺の宿泊施設から試合が見放題なため、旅行者に人気が高い。 アマチュアリーグのメイン戦場。マップが非常に広く、最外端は傾斜付きの台地。狙撃しろと言わんばかりの広さである。その分遮蔽はしっかりと設置されており、逃げるのも追うのも容易な部類。 マップの広さからやや長期戦になりがち。 ネオアサヒカワリーグアリーナ ネオアサヒカワを象徴するアリーナ。ローダーバトルの聖地とされており、惑星郊外からの訪問者が跡を絶たない。 ネオアサヒカワリーグ、EXリーグのメイン戦場。EXリーグは他マップも選定される事がある。 奥行き方向に長いアリーナ。中央の台座はジェットパックがない場合一部からしか登れず、戦術に組み込みやすい形状をしている。 遮蔽の多さと奥行き方向の広さも相まって遮蔽戦術も狙撃戦もしやすい方。勿論敵部隊も行ってくる。 チーム一覧 (プレイヤーチーム) あなたのチームの構成をコピーしたデータです。歩き回って撃つだけなので、近接武器をうまく使用できません。 解説通り自機チームのコピー。ミラーマッチとか観戦用にどうぞ。 ムービングターゲッツ ロボットプニヒが操縦する訓練用標的チーム。攻撃してこないので、ここで操作練習をしよう。 [リーダー機] パイロット MAM制御コンピュータ 機体名 ムービングターゲット 胴体 センパイ ボディC 左腕 センパイ マシンガンC 右腕 センパイ マシンガンC 脚部 センパイ レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [1番機] パイロット MAM制御コンピュータ 機体名 ムービングターゲット 胴体 センパイ ボディC 左腕 センパイ マシンガンC 右腕 センパイ マシンガンC 脚部 センパイ レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [2番機] パイロット MAM制御コンピュータ 機体名 ムービングターゲット 胴体 センパイ ボディC 左腕 センパイ マシンガンC 右腕 センパイ マシンガンC 脚部 センパイ レッグC 背部 ウージン500 積載パックC 説明通り攻撃を行ってこない。恐らくテストモードの敵機と同じ。 ウゴーズ 今日初めて顔を合わせた、SNS上で結成されたチーム。全員素人だし、連携も取れていない。 [リーダー機] パイロット たてひ 機体名 レンタルメック01 胴体 センパイ ボディC 左腕 センパイ マシンガンC 右腕 センパイ マシンガンC 脚部 センパイ レッグC 背部 センパイ ジェットパックC [1番機] パイロット ちとひ 機体名 レンタルメック07 胴体 エントリー ボディC 左腕 エントリー ライフルC 右腕 エントリー ショットガンC 脚部 エントリー レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [2番機] パイロット つさひ 機体名 レンタルメック10 胴体 タロー ボディC 左腕 タロー シールドC 右腕 タロー ライフルC 脚部 タロー レッグC 背部 タロー ジェットパックC のっけから帰りてえ!とか言い出す正に烏合の衆。 シールドは盾に弾かれると攻撃が無力化される。但し、当たり判定はモデル形状通りで、爆風は盾を貫通するのでバズーカ系が有効。尚、ミサイルに爆風判定は無い。 サンデーリーマンズ 仕事に疲れたぷにひ達が日曜日にレンタルメックを借りて結成しているチーム。土曜日から徹夜で酒盛りした後試合に望むためあまり調子が出ないらしい。 [リーダー機] パイロット 佐藤さん 機体名 レンタルメック02 胴体 グリヌイユ ボディC 左腕 グリヌイユ ガトリングC 右腕 グリヌイユ ガトリングC 脚部 グリヌイユ レッグC 背部 グリヌイユ 弾薬パックC [1番機] パイロット 田中さん 機体名 レンタルメック08 胴体 タカオ二式 ボディC 左腕 タカオ二式 ジェットパンチC 右腕 タカオ二式 ジェットパンチC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 タカオ二式 ブースターC [2番機] パイロット 鈴木さん 機体名 レンタルメック09 胴体 タカオ八式 ボディC 左腕 タカオ八式 マシンガンC 右腕 タカオ八式 マシンガンC 脚部 タカオ八式 レッグC 背部 タカオ八式 リペアキットC ワンデイドリーマーズ 賞金が出ると聞いて急遽駆け付けた若き三兄弟。貸し出されたローダーで戦うがローダーバトル自体が初めてだ! [リーダー機] パイロット 太郎 機体名 レンタルタローA 胴体 タロー ボディC 左腕 タロー ブレードC 右腕 タロー ブレードC 脚部 タロー レッグC 背部 タロー ブースターC [1番機] パイロット 二郎 機体名 レンタルタローB 胴体 タロー ボディC 左腕 タロー バズーカC 右腕 タロー ライフルC 脚部 タロー レッグC 背部 タロー ジェットパックC [2番機] パイロット 三郎 機体名 レンタルタローC 胴体 タロー ボディC 左腕 タロー ミサイルC 右腕 タロー ミサイルC 脚部 タロー レッグC 背部 タロー ジェットパックC 説明通り操作の覚束ない連中。ブレードは後ろに下がりながら振り回すわ試合中に背部パーツの使い方が分かんねえとのたまうわで大変賑やか。 唯一ミサイルが正常に飛んでくる程度なので余程の構成でもない限り負ける事は無いだろう。 ONCT模型同好会 オカノウエ工業高等専門学校の学生で構成されたローダーチーム。部活動の一環としてジャンクリーグに参戦中。放課後は中古ローダーキットを漁りまくっているらしい。 [リーダー機] パイロット ぺぺひ 機体名 タロー(バズーカ装備) 胴体 タロー ボディC 左腕 タロー シールドC 右腕 タロー バズーカC 脚部 タロー レッグC 背部 タロー ジェットパックC [1番機] パイロット ちわひ 機体名 バーナード37(仮) 胴体 バーナード37 ボディC 左腕 バーナード37 ハンドガンC 右腕 バーナード37 ハンドガンC 脚部 タロー レッグC 背部 プニンゲール ジェットパックC [2番機] パイロット とてひ 機体名 砲戦型タロー 胴体 タロー ボディC 左腕 タロー ミサイルC 右腕 タロー ガトリングC 脚部 タロー レッグC 背部 タロー ブースターC ヘルズ・ワーカーズ 玄孫請け企業の厳しい労働環境から逃れるため、ローダーバトルでの資産形成を目論む三人組。ジャンク品を中心に捉えた独特の構築で安価に仕上げているのが特徴。 [リーダー機] パイロット チープ・ワーカー 機体名 ハッピー・ペイデイ960 胴体 モート ボディC 左腕 デッチ ネイルガンC 右腕 モート ロケットランチャーC 脚部 モート レッグC 背部 ダスター ジェットパックC [1番機] パイロット ロング・ワーカー 機体名 オーバー・タイム150 胴体 ストーブ ボディC 左腕 ストーブ バーナーC 右腕 デッチ レーザーC 脚部 ダスター レッグC 背部 ダスター ジェットパックC [2番機] パイロット ホリデーレス・ワーカー 機体名 7デイズ・ウィーク・デイ 胴体 ダスター ボディC 左腕 ウージン500 ロケットランチャーC 右腕 モート サブマシンガンC 脚部 ストーブ レッグC 背部 ダスター ジェットパックC MAM電脳研究会 ジャンクローダーのCPUに自作AIを書き込んで戦わせているエンジニアプニヒのチーム。幼馴染の整備担当と二人タッグでジャンクリーグに参戦中。RUN中書き込みが特技らしい。 [リーダー機] パイロット M社制御CPU改 機体名 重機人 胴体 プレール ボディC 左腕 バルキー ガトリングC 右腕 モート ロケットランチャーC 脚部 バルキー レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [1番機] パイロット MAM制御CPU改 機体名 機人2号 胴体 ダスター ボディC 左腕 センパイ マシンガンC 右腕 センパイ マシンガンC 脚部 ダスター レッグC 背部 エントリー FCS C [2番機] パイロット 電脳バリー 機体名 機人一号改 胴体 センパイ ボディC 左腕 オヤカタ ミサイルC 右腕 オヤカタ ミサイルC 脚部 オヤカタ レッグC 背部 ゴリアツ リペアキットC AI制御の味方2体を連れたチーム。2番機が有人の様子。2番機は完全に停止して防衛の構えを取る。AI制御の2体を自陣に釣って料理すれば楽に制する事が可能。 ジャンクテイカーズ ネオアサヒカワでスクラップヤードを運営する傍ら、ローダーバトルに熱を上げているチーム。「テイク・ジャンク、メイク・ジャンク」を合言葉に、ジャンクリーグ有数の強豪として活躍している。 [リーダー機] パイロット スクラップ・キング 機体名 屑鉄タイラント 胴体 バルキー ボディC 左腕 バルキー ガトリングC 右腕 プニンゲール アックスC 脚部 バルキー レッグC 背部 プニンゲール マントC [1番機] パイロット 歩く焼却炉 機体名 赤錆パイロフィリア 胴体 ストーブ ボディC 左腕 ストーブ バーナーC 右腕 ストーブ バーナーC 脚部 ストーブ レッグC 背部 エントリー ブースターC [2番機] パイロット ゴミ山に吹く風 機体名 廃品ダストシューター 胴体 モート ボディC 左腕 デッチ レーザーC 右腕 モート ロケットランチャーC 脚部 モート レッグC 背部 ダスター ジェットパックC 拉麺三傑衆 ネオエゾ各地から今勢いのあるラーメン屋が集結。競合店舗に刺客を送り込むなど日々抗争に明け暮れている。 [リーダー機] パイロット マーマレード 機体名 激ウマ炭火叉焼マシーン 胴体 タカオ八式 ボディC 左腕 ストーブ バーナーC 右腕 デッチ ネイルガンC 脚部 プレール レッグC 背部 プニンゲール マントC [1番機] パイロット 麺龍 機体名 伝統の味噌拉麺 胴体 ウージン500 ボディC 左腕 バーナード37 シールドC 右腕 バーナード37 サブマシンガンC 脚部 デッチ レッグC 背部 タロー ジェットパックC [2番機] パイロット 暴富ピエロ 機体名 岩塩要塞 胴体 ラーナ ボディC 左腕 ラーナ シールドC 右腕 デッチ ネイルガンC 脚部 グリヌイユ レッグC 背部 ウージン500 積載パックC スシ・ナイツ 古代より伝わる「スシ」の食文化を全宇宙に広げることを教義とした自称騎士団。ファイトマネーの全額を超高速鮮魚輸送技術や銀河マグロ・銀河巨大イカ養殖事業に投じていることで有名。 [リーダー機] パイロット スシ・ナイト 機体名 アイアン・ニギリ 胴体 ストーブ ボディC 左腕 タロー シールドC 右腕 センパイ マシンガンC 脚部 ストーブ レッグC 背部 タロー ブースターC [1番機] パイロット ローリング卿 機体名 ガンファイア 胴体 バルキー ボディC 左腕 モート サブマシンガンC 右腕 モート サブマシンガンC 脚部 ストーブ レッグC 背部 グリヌイユ 弾薬パックC [2番機] パイロット ウェルダー卿 機体名 バーニング・アブリ 胴体 タカオ二式 ボディC 左腕 ストーブ バーナーC 右腕 エントリー カタナC 脚部 タロー レッグC 背部 プニンゲール マントC NAレギオン 超古代文明の歩兵戦術を可能な限り再現したヒストリカルローダーチーム。当初は長槍を装備していたが高速化が進むローダーバトルについていけず、やむなくガトリングガンを長槍であると主張している。 [リーダー機] パイロット テストゥド亀田 機体名 レッドウォール 胴体 プニンゲール ボディC 左腕 ラーナ シールドC 右腕 ラーナ シールドC 脚部 プニンゲール レッグC 背部 プニンゲール マントC [1番機] パイロット レギー亀山 機体名 ポプリテスR 胴体 プニンゲール ボディC 左腕 ラーナ シールドC 右腕 オリオン号 ガトリングC 脚部 プニンゲール レッグC 背部 プニンゲール マントC [2番機] パイロット レギー亀川 機体名 ポプリテスL 胴体 プニンゲール ボディC 左腕 オリオン号 ガトリングC 右腕 ラーナ シールドC 脚部 プニンゲール レッグC 背部 プニンゲール マントC 僚機で雇えるテストゥド亀田がリーダーを務める。 重装甲の硬さと旋回性能の低さを教えてくれるある意味チュートリアル的な存在。 武装はほぼ無いので横に回って撃ち続けてれば勝てる。 UITサバゲ―サークル ウチウラ工科大のサバイバルゲームサークルメンバーで構成されたローダーチーム。生身でのゲームも人気だが、バトルローダーを使ったゲームの人気が近年増してきている。 [リーダー機] パイロット 伍長 機体名 コマンダー 胴体 エントリー ボディC 左腕 エントリー シールドC 右腕 エントリー ライフルC 脚部 エントリー レッグC 背部 エントリー FCS C [1番機] パイロット 二等兵 機体名 マークスマン 胴体 エントリー ボディC 左腕 エントリー ライフルC 右腕 エントリー ライフルC 脚部 エントリー レッグC 背部 エントリー FCS C [2番機] パイロット 上等兵 機体名 アーティラリー 胴体 エントリー ボディC 左腕 エントリー バズーカC 右腕 モート サブマシンガンC 脚部 エントリー レッグC 背部 エントリー FCS C NAクリルタイ 伝説の古代遊牧民帝国に憧れを持つぷにひ達のチーム。史学的には著しく不正確な雰囲気だけのコスプレに身を包み、遊牧民の戦術と称する隊形で戦う。 [リーダー機] パイロット プニヒ・カン 機体名 ブルーウルフ 胴体 タカオ二式 ボディC 左腕 タカオ二式 ミサイルC 右腕 タカオ八式 マシンガンC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 プニンゲール ジェットパックC [1番機] パイロット オナンムレン 機体名 ホワイトドゥ 胴体 ローフォ ボディC 左腕 ゴリアツ バズーカC 右腕 タロー シールドC 脚部 ローフォ レッグC 背部 センパイ ジェットパックC [2番機] パイロット バアトル 機体名 モウコホース 胴体 バーナード37 ボディC 左腕 モート ロケットランチャーC 右腕 バーナード37 サブマシンガンC 脚部 バーナード37 レッグC 背部 タロー ジェットパックC モンキークラブ 2輪ローダーを愛する若いぷにひ達のチーム。バトルフィールドを縦横無尽に走り回る。いつかはデカいツーリングマシンでネオエゾ周遊をしたいとのこと。 [リーダー機] パイロット 手放し乗りのリョウ 機体名 悪羅悪羅 胴体 ウージン500 ボディC 左腕 デッチ ネイルガンC 右腕 デッチ ネイルガンC 脚部 ウージン500 レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [1番機] パイロット ロケット花火のジン 機体名 弩蚊怒夏 胴体 ウージン500 ボディC 左腕 ウージン500 ロケットランチャーC 右腕 ウージン500 ロケットランチャーC 脚部 ウージン500 レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [2番機] パイロット 竜騎士のナギサ 機体名 弩拉権 胴体 ウージン500 ボディC 左腕 デッチ ネイルガンC 右腕 タロー ブレードC 脚部 ウージン500 レッグC 背部 ウージン500 積載パックC ルーキーズ フォーメーションを組んで移動する事を覚えたばかりの新参チーム。構成のバランスが良く侮れない。 [リーダー機] パイロット イスヒ 機体名 トゥドハリヤ 胴体 グリヌイユ ボディC 左腕 ラーナ シールドC 右腕 グリヌイユ ガトリングC 脚部 グリヌイユ レッグC 背部 タカオ八式 リペアキットC [1番機] パイロット シハヒ 機体名 アヌルワンダ 胴体 センパイ ボディC 左腕 ウージン500 ロケットランチャーC 右腕 タロー ライフルC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 タロー ブースターC [2番機] パイロット ソヒヒ 機体名 ハットゥシリ 胴体 プニンゲール ボディC 左腕 プニンゲール レーザーC 右腕 プニンゲール レーザーC 脚部 プニンゲール レッグC 背部 プニンゲール マントC 構成は良好だが単純な突撃戦術で攻撃してくる。撃破対象を絞って火力を集中させればそこまで苦労する相手ではないだろう。 NA貨物運送組合 運送会社社員による部活動チーム。分業で効率化を図る。 [リーダー機] パイロット 剛三郎 機体名 新・街道無双 胴体 タカオ八式 ボディC 左腕 タカオ八式 マシンガンC 右腕 タカオ八式 ショットガンC 脚部 タカオ八式 レッグC 背部 タカオ八式 リペアキットC [1番機] パイロット 権三郎 機体名 ウルトラコンボイ 胴体 タカオ八式 ボディC 左腕 バルキー ガトリングC 右腕 バルキー ガトリングC 脚部 オヤカタ レッグC 背部 プニンゲール マントC [2番機] パイロット 源三郎 機体名 韋駄天丸 胴体 ウージン500 ボディC 左腕 ウージン500 ロケットランチャーC 右腕 タカオ八式 ショットガンC 脚部 ウージン500 レッグC 背部 ウージン500 積載パックC ケンキーズ 建設会社社員による部活動チーム。NA貨物運送組合とはよく対抗試合をしているらしい。 [リーダー機] パイロット 剛次郎 機体名 オヤカタ・カスタム 胴体 オヤカタ ボディC 左腕 オヤカタ パイルキャノンC 右腕 オヤカタ ミサイルC 脚部 オヤカタ レッグC 背部 ウージン500 FCS C [1番機] パイロット 権次郎 機体名 ネイルキング改 胴体 センパイ ボディC 左腕 デッチ ネイルガンC 右腕 デッチ ネイルガンC 脚部 ウージン500 レッグC 背部 エントリー ブースターC [2番機] パイロット 源四郎 機体名 街道無双 胴体 タカオ八式 ボディC 左腕 エントリー シールドC 右腕 エントリー ショットガンC 脚部 タカオ八式 レッグC 背部 プニンゲール ジェットパックC 僚機で雇える剛次郎の移籍前のチーム。 ハラスメンツ 周囲にしかめ面をさせる編成が好きな奴らの集まり。最近のトレンドは両手盾と長距離火器らしい。 [リーダー機] パイロット ユウ 機体名 ツインシールド 胴体 センパイ ボディC 左腕 ラーナ シールドC 右腕 ラーナ シールドC 脚部 グリヌイユ レッグC 背部 プニンゲール マントC [1番機] パイロット リュウジ 機体名 ツインミサイル 胴体 センパイ ボディC 左腕 オヤカタ ミサイルC 右腕 オヤカタ ミサイルC 脚部 グリヌイユ レッグC 背部 タロー ジェットパックC [2番機] パイロット ソウタ 機体名 ツインカノン 胴体 センパイ ボディC 左腕 タロー キャノンC 右腕 タロー キャノンC 脚部 タロー レッグC 背部 グリヌイユ 弾薬パックC 光芒寺一門 光度をとにかく高めることで悟りを得ることができると自称する宗教団体。レーザーを愛用している。 [リーダー機] パイロット 光沢師 機体名 光芒大師 胴体 プニンゲール ボディC 左腕 タロー レーザーライフルC 右腕 タロー レーザーライフルC 脚部 プニンゲール レッグC 背部 プニンゲール マントC [1番機] パイロット 反射師 機体名 光芒大師 胴体 プニンゲール ボディC 左腕 タロー レーザーライフルC 右腕 タロー レーザーライフルC 脚部 プニンゲール レッグC 背部 プニンゲール マントC [2番機] 機体名 光芒大師 胴体 プニンゲール ボディC 左腕 タロー レーザーライフルC 右腕 タロー レーザーライフルC 脚部 プニンゲール レッグC 背部 プニンゲール マントC 全機体同一の構成。 レーザー撃ってアリーナ外周を回るだけというお遍路行為を戦闘中にかまけてくる。レーザー自体は普通に痛いのでチマチマ削るかリロード中の隙に一機ずつ叩こう。 ブラックナイツ ネオアサヒカワの華族、スゴクデカイ1世率いる黒備えのローダー軍団。大型武器の扱いに長ける。 [リーダー機] パイロット スゴクデカイ1世 機体名 デカイ・バズーカ号 胴体 タカオ八式 ボディC 左腕 ゴリアツ バズーカC 右腕 ゴリアツ バズーカC 脚部 タカオ八式 レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [1番機] パイロット バトラー大釘 機体名 デッカ・キャノン号 胴体 オヤカタ ボディC 左腕 オヤカタ パイルキャノンC 右腕 オヤカタ パイルキャノンC 脚部 タカオ八式 レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [2番機] パイロット 庭園の巨大翁 機体名 デッケー・アックス号 胴体 タカオ二式 ボディC 左腕 プニンゲール アックスC 右腕 プニンゲール アックスC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 プニンゲール マントC オホーツク狩猟団 オホーツク地区でバイオ生物の狩猟を生業とするぷにひ達によるチーム。堅実なコンビネーションで勝利を掴む。 [リーダー機] パイロット クマ狩りのテツ 機体名 アンチ・バイオヒグマ 胴体 オヤカタ ボディC 左腕 オヤカタ ミサイルC 右腕 タカオ八式 マシンガンC 脚部 グリヌイユ レッグC 背部 ウージン500 積載パックC [1番機] パイロット トド狩りのギン 機体名 アンチ・バイオトド 胴体 グリヌイユ ボディC 左腕 タカオ二式 ミサイルC 右腕 タカオ二式 ミサイルC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 プニンゲール ジェットパックC [2番機] パイロット シカ狩りのスズ 機体名 アンチ・バイオエゾシカ 胴体 ウージン500 ボディC 左腕 タロー キャノンC 右腕 タロー キャノンC 脚部 エントリー レッグC 背部 エントリー ブースターC メカケンドー同好会 巷でやや流行っている「メカケンドー」の愛好家によるチーム。近接武器のみを使って戦う。 [リーダー機] パイロット 両刀斎 機体名 トゥー・ハンド・ブレード 胴体 ゴリアツ ボディC 左腕 タロー ブレードC 右腕 タロー ブレードC 脚部 プニンゲール レッグC 背部 プニンゲール マントC [1番機] パイロット 抜刀斎 機体名 ガード・アンド・イアイ 胴体 エントリー ボディC 左腕 エントリー シールドC 右腕 タロー ブレードC 脚部 エントリー レッグC 背部 タカオ二式 ブースターC [2番機] パイロット お惣菜 機体名 ブレイン・マッスル 胴体 エントリー ボディC 左腕 タロー シールドC 右腕 プニンゲール アックスC 脚部 タロー レッグC 背部 タロー ジェットパックC 2番機のパイロット名が何か間違っている。 石狩川JETBOXERS 水上格闘ローダーバトル競技からの参戦チーム。全員で突っ込んでくるぞ! [リーダー機] パイロット G65 機体名 BORDERLINER O 胴体 タカオ二式 ボディC 左腕 タカオ二式 ジェットパンチC 右腕 タカオ二式 ジェットパンチC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 センパイ ジェットパックC [1番機] パイロット G66 機体名 BORDERLINER T 胴体 タカオ二式 ボディC 左腕 タカオ二式 ジェットパンチC 右腕 タカオ二式 ジェットパンチC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 プニンゲール マントC [2番機] パイロット G67 機体名 BORDERLINER L 胴体 タカオ二式 ボディC 左腕 タカオ二式 ジェットパンチC 右腕 タカオ二式 ジェットパンチC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 タカオ二式 ブースターC 武神杯の強敵。ジェットパンチで交戦距離の概念を消し飛ばしながら殴り続ける害悪戦法を取り続けるチーム。 引き撃ちも旋回戦も意味を成さないので装甲を盛って迎撃に徹しよう。各個撃破を徹底するように。 浮動機普及促進の会 日夜ホバークラフトの布教に勤しむ非営利活動法人。二脚、四脚、無限軌道に一輪車までも受容されるネオアサヒカワでは、ローダーバトルの実力をもってホバー脚の素晴らしさを説くことにしたようだ。 [リーダー機] パイロット ホバーラヴァー中村 機体名 突風号 胴体 バーナード37 ボディC 左腕 デッチ ネイルガンC 右腕 デッチ ネイルガンC 脚部 バーナード37 レッグC 背部 グリヌイユ 弾薬パックC [1番機] パイロット ニューモビリティ田山 機体名 疾風号 胴体 タカオ二式 ボディC 左腕 エントリー カタナC 右腕 エントリー カタナC 脚部 バーナード37 レッグC 背部 タロー ブースターC [2番機] パイロット フューチャーイラ神威 機体名 豪風号 胴体 オリオン号 ボディC 左腕 エントリー バズーカC 右腕 エントリー バズーカC 脚部 タカオ二式 レッグC 背部 プニンゲール ジェットパックC 天神ローダーヘッズ アマチュアリーグ昇格戦の決勝は大会運営が準備したエキシビションチームとの1戦だ。しかし、ネオエゾ最強を狙うなら絶対に勝たなければならない1戦である。今まで培った全てをぶつけろ! ※半角、全角数字が混ざっている ※恐らくネオエゾではなくネオアサヒカワ [リーダー機] パイロット ネジ 機体名 超合金一番星 胴体 デッチ ボディC 左腕 タロー ライフルC 右腕 プレール キャノンC 脚部 ウージン2500 レッグC 背部 センパイ ジェットパックC [1番機] パイロット ユーリ小星 機体名 モナリザC 胴体 モート ボディC 左腕 エントリー バズーカC 右腕 エントリー ライフルC 脚部 モート レッグC 背部 センパイ ジェットパックC [2番機] パイロット シンシア 機体名 オクトデシリオン 胴体 ダスター ボディC 左腕 グリヌイユ ガトリングC 右腕 ローフォ オートショットガンC 脚部 ウージン2500 レッグC 背部 センパイ ジェットパックC ジェットパックを装備した派手なチーム。 リーダー機、1番機が範囲攻撃持ちの為、団子になって移動してるとまとめてダメージを食らう。分散して行動を心がけるように。 僚機指示を活用してリペア持ちを後ろに待機させると良好。脳筋突撃も構わないが僚機指示も活用できると戦術の幅が一気に広がる。 ムロラン・アイアンワークス 高炉衛星を多数保有するムロラン・アイアンワークス社が運営する社会人ローダーチーム。事業所内で実際に使用されている作業用ローダーをベースに競技に参加できるよう改造を施している。戦闘スタイルは超攻撃的だ! [リーダー機] パイロット 高炉マン 機体名 スラグ・ピーラー 胴体 デッチ ボディB 左腕 デッチ ショットガンC 右腕 デッチ ショットガンC 脚部 デッチ レッグC 背部 センパイ ジェットパックB [1番機] パイロット 解体マン 機体名 デモリッション・クラブ 胴体 タカオ八式 ボディB 左腕 タカオ二式 ジェットパンチC 右腕 タカオ二式 ジェットパンチC 脚部 ラーナ レッグC 背部 タカオ八式 リペアキットB [2番機] パイロット 焼却マン 機体名 バーニング・ワーカー 胴体 オヤカタ ボディB 左腕 ストーブ バーナーB 右腕 ストーブ バーナーB 脚部 グリヌイユ レッグC 背部 ウージン500 積載パックB 愛宕重工第一ワークス 愛宕重工によるワークスチーム。各部門横断プロジェクトで始動した結果、機体構成変更にも稟議が必要な運営体制となり、アマチュアリーグで身動きが取れなくなっている。操縦者の大会モチベーションは高い。 [リーダー機] パイロット 課長 機体名 競技用ローダー1号機 胴体 センパイ ボディB 左腕 センパイ マシンガンB 右腕 センパイ マシンガンB 脚部 センパイ レッグB 背部 センパイ ジェットパックB [1番機] パイロット 職長 機体名 競技用ローダー2号機 胴体 センパイ ボディB 左腕 デッチ レーザーB 右腕 デッチ レーザーB 脚部 センパイ レッグB 背部 センパイ ジェットパックB [2番機] パイロット 担当 機体名 競技用ローダー3号機 胴体 センパイ ボディB 左腕 デッチ ネイルガンB 右腕 デッチ ネイルガンB 脚部 センパイ レッグB 背部 センパイ ジェットパックB キング・オブ・ザ・ヒル 「王はむやみに動かない」を信条とする、(自称)最も高貴なぷにひ達のチーム。リーダー機は直立不動で敵と交戦し、盾役とかく乱約がその側面を支える構築。 [リーダー機] パイロット キング・プレジデンテ 機体名 丘の王 胴体 ゴリアツ ボディB 左腕 ラーナ ミサイルB 右腕 ラーナ ミサイルB 脚部 ゴリアツ レッグB 背部 ゴリアツ リペアキットC [1番機] パイロット ノーブル・シールド 機体名 王の盾 胴体 プニンゲール ボディB 左腕 ラーナ シールドC 右腕 ラーナ シールドC 脚部 プニンゲール レッグB 背部 エントリー リペアキットC [2番機] パイロット ノーブル ブレード 機体名 王の剣 胴体 タロー ボディC 左腕 タロー ブレードB 右腕 タロー ブレードB 脚部 タロー レッグC 背部 タロー ジェットパックB マジノ・バンカーズ 集団でリペアを展開しつつ、大火力でごり押しする古典派集団。電撃戦にはめっぽう弱いとのもっぱらの噂である。 [リーダー機] パイロット アンドレ 機体名 オールド・フォート 胴体 バルキー ボディB 左腕 ラーナ キャノンC 右腕 バルキー ガトリングC 脚部 ラーナ レッグB 背部 ゴリアツ リペアキットC [1番機] パイロット ヴェルダン 機体名 オールド・ランチャー 胴体 ラーナ ボディB 左腕 ジャンクヤード クソデカレーザーC 右腕 ラーナ ミサイルC 脚部 ラーナ レッグB 背部 ゴリアツ リペアキットC [2番機] パイロット アルパイン 機体名 オールド・ファイター 胴体 ラーナ ボディB 左腕 バルキー ガトリングC 右腕 ゴリアツ バズーカC 脚部 ラーナ レッグB 背部 ゴリアツ リペアキットC タンクス・オブ・ワールド タンク脚が最強であることを示すため、色々な大会にタンク編成で殴りこんでいるチーム。今のところ連勝を重ねているが、「タンク統一ではなくキャノン統一が強いのでは?」と疑う識者も少なくない。 [リーダー機] パイロット コミッサール 機体名 Pnhect 221 胴体 バルキー ボディB 左腕 ラーナ キャノンB 右腕 ラーナ キャノンB 脚部 オヤカタ レッグB 背部 グリヌイユ 弾薬パックB [1番機] パイロット コムラド 機体名 Pnhect 222 胴体 プレール ボディB 左腕 プレール キャノンB 右腕 プレール キャノンB 脚部 プレール レッグB 背部 グリヌイユ FCS B [2番機] パイロット コンスクリプト 機体名 Pnhect 223 胴体 グリヌイユ ボディB 左腕 タロー キャノンB 右腕 タロー キャノンB 脚部 プレール レッグB 背部 プニンゲール ジェットパックB G・G ガトリングガンをこよなく愛するぷにひによって結成されたチーム。G・Gは「ガトリング・ギャングスターズ」の略。 [リーダー機] パイロット バルカンマン 機体名 ブルフロッグG 胴体 ゴリアツ ボディB 左腕 バルキー ガトリングC 右腕 バルキー ガトリングC 脚部 タカオ二式 レッグB 背部 ウージン500 積載パックC [1番機] パイロット ガトリングマン 機体名 スーパーフロッグG 胴体 ゴリアツ ボディB 左腕 グリヌイユ ガトリングB 右腕 グリヌイユ ガトリングB 脚部 ゴリアツ レッグB 背部 ゴリアツ リペアキットB [2番機] パイロット ロータリーマン 機体名 ネオフロッグG 胴体 グリヌイユ ボディC 左腕 グリヌイユ ガトリングB 右腕 グリヌイユ ガトリングB 脚部 グリヌイユ レッグC 背部 プニンゲール ジェットパックB フランク近衛騎士隊 ローダー騎士道の修行に取り組むぷにひ達。大馬力のシャーシから繰り出されるランスチャージの破壊力は驚異的だ。 [リーダー機] パイロット ロイヤルナイト 機体名 フルール・ド・リス 胴体 ウージン2500 ボディB 左腕 ウージン2500 シールドC 右腕 ウージン2500 ランスC 脚部 ウージン2500 レッグB 背部 プニンゲール マントB [1番機] パイロット キャバルリー 機体名 パラディン 胴体 ローフォ ボディB 左腕 タロー ブレードC 右腕 ウージン2500 ランスC 脚部 ウージン2500 レッグB 背部 タカオ二式 ブースターB [2番機] パイロット フランカスロウ 機体名 マンフッド 胴体 オリオン号 ボディC 左腕 プニンゲール アックスC 右腕 ウージン2500 ランスB 脚部 ウージン2500 レッグB 背部 プニンゲール ジェットパックB ウンメェ~イーツ 食品デリバリーのアルバイトが一念発起、友人のタクシー運転手と中古ローダー整備士を勧誘して結成したチーム。全員運転が荒っぽいのが特徴だ。 [リーダー機] パイロット 韋駄天★馳次郎 機体名 爆走★Derivering 胴体 ウージン2500 ボディB 左腕 デッチ ネイルガンB 右腕 オヤカタ パイルキャノンB 脚部 ウージン2500 レッグB 背部 タカオ二式 ブースターB [1番機] パイロット シルバードライバー 機体名 銀色旅程 胴体 ローフォ ボディB 左腕 ウージン500 ロケットランチャーB 右腕 ゴリアツ バズーカB 脚部 ローフォ レッグB 背部 センパイ ジェットパックB [2番機] パイロット ビッグ・ダイナモ 機体名 ムービング・ピット 胴体 ローフォ ボディB 左腕 モート パイプB 右腕 ジャンクヤード マルノコB 脚部 ローフォ レッグB 背部 タカオ八式 リペアキットB リーダー機のパイロット名が異様に読みづらい。 アトリエ・ホーリー フーフォン自動車の新型ローダー開発部門で結成されたローダーチーム。グリーゼ星間ラリー参戦を主眼とした新型二輪ローダー開発が難航しており、アマチュアリーグを荒らす頻度が加速している。 [リーダー機] パイロット ホーリー 機体名 シャルル 胴体 ローフォ ボディA 左腕 ローフォ オートショットガンB 右腕 ローフォ オートショットガンB 脚部 ローフォ レッグB 背部 プニンゲール マントB [1番機] パイロット グロリア 機体名 指南車 胴体 ウージン500 ボディC 左腕 モート ロケットランチャーC 右腕 タロー レーザーライフルC 脚部 モート レッグC 背部 エントリー リペアキットC [2番機] パイロット マルコ 機体名 タカオトラック(中古車) 胴体 タカオ八式 ボディB 左腕 ウージン2500 ミサイルC 右腕 ウージン2500 ミサイルC 脚部 タカオ八式 レッグB 背部 センパイ ジェットパックC オリオン三連星 オリオン号をこよなく愛する古参ファンのチーム。重量級機体特有のペイロードで圧倒してくるぞ! [リーダー機] パイロット ミンタカ 機体名 スーパーオリオン 胴体 オリオン号 ボディB 左腕 オリオン号 ガトリングB 右腕 オリオン号 ガトリングB 脚部 オリオン号 レッグB 背部 グリヌイユ 弾薬パックB [1番機] パイロット アルニラム 機体名 パワードオリオン 胴体 オリオン号 ボディB 左腕 プニンゲール アックスB 右腕 プニンゲール アックスB 脚部 オリオン号 レッグB 背部 プニンゲール マントB [2番機] パイロット アルニタク 機体名 ウルトラオリオン 胴体 オリオン号 ボディB 左腕 ラーナ キャノンB 右腕 ラーナ キャノンB 脚部 オリオン号 レッグB 背部 プニンゲール ジェットパックB 二番機はジェットパックで高台に上りラーナキャノンを垂れ流す害悪戦法を取ってくる。突撃するともれなく吹き飛ばされるので迎撃の構えで人数有利を作り出そう。 浪花節だよミサイルは ミサイルが奏でる噴進音に心奪われた男声アンサンブルグループ。今日もアリーナでミサイル交響曲を噴き散らす。 [リーダー機] パイロット テノール一郎 機体名 歌唱号 胴体 タロー ボディC 左腕 オヤカタ ミサイルB 右腕 オヤカタ ミサイルB 脚部 グリヌイユ レッグB 背部 センパイ ジェットパックC [1番機] パイロット バリトン次郎 機体名 熱唱号 胴体 プニンゲール ボディC 左腕 ウージン2500 ミサイルB 右腕 ウージン2500 ミサイルB 脚部 プニンゲール レッグB 背部 プニンゲール ジェットパックC [2番機] パイロット バス三郎 機体名 絶唱号 胴体 オリオン号 ボディC 左腕 ラーナ ミサイルC 右腕 ラーナ ミサイルC 脚部 オリオン号 レッグC 背部 プニンゲール マントC 浪花節(なにわぶし)と読む。元ネタは「浪花節だよ人生は」という曲。今時の人に伝わらんぞ。 トリプル★タイムス 何かを通常の三倍にしないと気が済まないぷにひ達のチーム。最近は通常のランカーの三倍ジャンプするようにしているらしい。 [リーダー機] パイロット 赤星★三倍男 機体名 レッド・コメット 胴体 タロー ボディC 左腕 ゴリアツ バズーカC 右腕 ゴリアツ バズーカC 脚部 タカオ二式 レッグB 背部 プニンゲール ジェットパックB [1番機] パイロット 赤井 警告 機体名 レッド・ガジェット 胴体 バーナード37 ボディB 左腕 タロー バズーカC 右腕 タロー バズーカC 脚部 バーナード37 レッグB 背部 プニンゲール ジェットパックB [2番機] パイロット レッド・デッド・ニンジャ 機体名 レッド・ブラッド 胴体 ウージン500 ボディC 左腕 タカオ二式 ロケットポッドC 右腕 タカオ二式 ロケットポッドC 脚部 バーナード37 レッグB 背部 プニンゲール ジェットパックB 二番機パイロットはネオサイタマ出身と思われる。 チーム正統派 「他企業・多機種の混載は邪道」と主張し、同一企業の同一機種で構築したローダーのみを使用するチーム。戦法についても奇策など用いず、盾持ちが前面に立つ堅実な連携を見せる。 [リーダー機] パイロット 普通マン 機体名 オーソドクシア 胴体 センパイ ボディB 左腕 センパイ マシンガンB 右腕 センパイ マシンガンB 脚部 センパイ レッグB 背部 センパイ ジェットパックB [1番機] パイロット 標準マン 機体名 素材の味 胴体 タロー ボディB 左腕 タロー ライフルB 右腕 タロー シールドB 脚部 タロー レッグB 背部 タロー ブースターB [2番機] パイロット 安定マン 機体名 不変伝統 胴体 タカオ二式 ボディB 左腕 タカオ二式 ロケットポッドB 右腕 タカオ二式 ロケットポッドB 脚部 タカオ二式 レッグB 背部 タカオ二式 ブースターB 極悪屋一家 ローダーパーツの卸を営む裕福なぷにひが、道楽のためだけに結成したチーム。軽快な足回りと重厚な攻防性能の両立を目指した、異様な外見のローダーを駆る。 [リーダー機] パイロット 極悪屋邪乃介 機体名 非道王 胴体 タカオ八式 ボディB 左腕 ラーナ キャノンB 右腕 ゴリアツ バズーカB 脚部 ウージン500 レッグB 背部 ウージン500 積載パックB [1番機] パイロット 極悪屋暴太夫 機体名 無法丸 胴体 オヤカタ ボディB 左腕 オヤカタ パイルキャノンB 右腕 オヤカタ パイルキャノンB 脚部 デッチ レッグB 背部 ウージン500 積載パックB [2番機] パイロット 極悪屋凶兵衛 機体名 違憲松 胴体 バルキー ボディB 左腕 プレール ミサイルB 右腕 プレール ミサイルB 脚部 エントリー レッグB 背部 ウージン500 積載パックB リーサルランバーズ ネオアサヒカワ開拓時代から続く由緒正しい林業会社のチームだ。大斧とショットガンの強烈な一撃に気を付けろ! [リーダー機] パイロット 鉈 振男 機体名 錻力の樵号 胴体 オリオン号 ボディB 左腕 プニンゲール アックスC 右腕 プニンゲール アックスC 脚部 オリオン号 レッグB 背部 プニンゲール ジェットパックC [1番機] パイロット 草林 刈太郎 機体名 羆に用心号 胴体 デッチ ボディC 左腕 タカオ八式 ショットガンB 右腕 タカオ八式 ショットガンB 脚部 エントリー レッグB 背部 ウージン500 積載パックC [2番機] パイロット 山林 間伐斎 機体名 丸太の運び屋号 胴体 タカオ八式 ボディB 左腕 オヤカタ ミサイルB 右腕 オヤカタ ミサイルB 脚部 タカオ八式 レッグB 背部 タカオ八式 リペアキットC 漢字が読みづらい。 南部最速運送協会 ネオエゾ南部を縄張りとする運送業者達によるローダーチーム。物流業界の合理化が進んだ後も、未開拓路やバイオ生物攻撃に晒されるルートでは個人武装トラックによる高速輸送が絶大な信頼を獲得している。 [リーダー機] パイロット ジロー 機体名 明星号 胴体 タカオ八式 ボディB 左腕 モート サブマシンガンB 右腕 エントリー カタナB 脚部 タカオ八式 レッグB 背部 センパイ ジェットパックC [1番機] パイロット 初芝 機体名 雲雀号 胴体 タカオ八式 ボディB 左腕 モート パイプB 右腕 モート パイプB 脚部 タカオ八式 レッグC 背部 プニンゲール マントB [2番機] パイロット 熊左衛門 機体名 極北号 胴体 タカオ八式 ボディB 左腕 ジャンクヤード クソデカレーザーC 右腕 ジャンクヤード クソデカレーザーC 脚部 タカオ八式 レッグB 背部 センパイ ジェットパックB ネオアサヒカワ市警機動隊 ネオアサヒカワ市警機動隊第二中隊所属。言うまでもなく精鋭であり、市警のイメージアップ及び新規採用者募集活動の一環として大会に参戦した。 [リーダー機] パイロット アンシン警部補 機体名 重外骨格(所属改造品) 胴体 ゴリアツ ボディB 左腕 バーナード37 サブマシンガンB 右腕 タカオ二式 ジェットパンチB 脚部 グリヌイユ レッグB 背部 エントリー リペアキットB [1番機] パイロット アンゼン巡査部長 機体名 市警制式重外骨格 胴体 ゴリアツ ボディB 左腕 タロー シールドB 右腕 エントリー ショットガンB 脚部 グリヌイユ レッグB 背部 エントリー リペアキットB [2番機] パイロット コウボク巡査長 機体名 市警制式軽外骨格 胴体 エントリー ボディB 左腕 エントリー シールドB 右腕 エントリー ジッテB 脚部 エントリー レッグB 背部 エントリー ブースターB アイゼン戦闘団 ミリタリー・オタクのぷにひ達が結成したチーム。爆発系武器を多用し、中距離から遠距離での撃ち合いにめっぽう強い。 [リーダー機] パイロット アイゼン少尉 機体名 誘導噴進弾Type-P射出機 胴体 ゴリアツ ボディB 左腕 プレール ミサイルC 右腕 プレール ミサイルC 脚部 オヤカタ レッグB 背部 ゴリアツ リペアキットC [1番機] パイロット クロイツ軍曹 機体名 八式突撃砲闘技戦仕様 胴体 ラーナ ボディB 左腕 ラーナ キャノンB 右腕 ラーナ シールドC 脚部 タカオ八式 レッグB 背部 グリヌイユ FCS B [2番機] パイロット エーカー1等兵 機体名 E型機動重無反動砲 胴体 エントリー ボディB 左腕 ゴリアツ バズーカC 右腕 ゴリアツ バズーカC 脚部 エントリー レッグB 背部 ウージン500 積載パックB オクシレトコ第二空挺猟友会 開拓の最前線であるオクシレトコ地区でバイオヒグマ・ネスト攻略を目標として掲げる空挺マタギ集団。オクシレトコの猟期となる冬季以外はローダーバトルなどで猟友会への参加を呼び掛けている。 [リーダー機] パイロット クマ狩りのレツ 機体名 戦人(教習用) 胴体 エントリー ボディB 左腕 エントリー バズーカB 右腕 エントリー ショットガンB 脚部 エントリー レッグB 背部 タロー ジェットパックB [1番機] パイロット クマ狩りのリク 機体名 特火点(教習用) 胴体 ラーナ ボディB 左腕 エントリー ライフルB 右腕 エントリー ライフルB 脚部 グリヌイユ レッグB 背部 エントリー FCS B [2番機] パイロット クマ狩りのレオ 機体名 白兵格闘機(教習用) 胴体 プレール ボディB 左腕 ウージン2500 シールドB 右腕 プニンゲール アックスB 脚部 ストーブ レッグB 背部 プニンゲール マントB 機体名に教習用と記載されているあたり狩猟用はより強力なモデルを採用しているものと思われる。 大光真宗 光芒寺から分裂し、本流の座を賭けて抗争中の派閥。本流が光度の高さを重視する一方、こちらは光量の大きさを重視している。思想を反映してか、ローダーにも重量級のレーザーを搭載する。 [リーダー機] パイロット 大光師 機体名 大光芒師 胴体 プレール ボディB 左腕 ジャンクヤード クソデカレーザーB 右腕 ジャンクヤード クソデカレーザーB 脚部 バルキー レッグB 背部 プニンゲール マントB [1番機] パイロット 爆光師 機体名 大光芒師 胴体 プレール ボディB 左腕 ジャンクヤード クソデカレーザーB 右腕 ジャンクヤード クソデカレーザーB 脚部 バルキー レッグB 背部 プニンゲール マントB [2番機] パイロット 散光師 機体名 大光芒師 胴体 プレール ボディB 左腕 ジャンクヤード クソデカレーザーB 右腕 ジャンクヤード クソデカレーザーB 脚部 バルキー レッグB 背部 プニンゲール マントB 射程が長く、威力の高いレーザーを集団で浴びせてくる宗教団体。塊になってお遍路をするのは変わらず。不用意に近づくと1体づつ焼き殺されるので射程外からキャノンをぶち込み、近寄るならシールドで防ぐと良い。 ルーキーズ アマチュアリーグに昇格しメキメキと頭角を現してきた若きチーム。風の噂ではトップランカーに師事することが出来たらしい。フォーメーションに更に磨きをかけている。 [リーダー機] パイロット イスヒ 機体名 トゥドハリヤⅡ 胴体 グリヌイユ ボディB 左腕 ラーナ シールドB 右腕 グリヌイユ ガトリングB 脚部 グリヌイユ レッグB 背部 タカオ八式 リペアキットB [1番機] パイロット シハヒ 機体名 アヌルワンダⅡ 胴体 センパイ ボディB 左腕 タカオ二式 ミサイルB 右腕 タロー ライフルB 脚部 タカオ二式 レッグB 背部 タロー ブースターB [2番機] パイロット ソヒヒ 機体名 ハットゥシリⅡ 胴体 プニンゲール ボディB 左腕 プニンゲール レーザーB 右腕 プニンゲール レーザーB 脚部 プニンゲール レッグB 背部 プニンゲール マントB ジャンクリーグで出会ったルーキーズとの再戦。 全機遮蔽に陣取り、チマチマと攻撃を仕掛けてくるようになった。 リペア持ちのリーダー機をガン無視し、先に1番機と2番機を仕留めると楽。リーダー機を先に攻撃するとリペアで全体を回復されてしまう。 ホーネッツ・ネスト ネオアサヒカワの養蜂業界による宣伝部隊として結成されたが、予想外に強くプロリーグ入り、さらには単独黒字化まで果たしたチーム。高火力武器を高度な管制装置で補助し、正確無比な射撃を繰り出す。 [リーダー機] パイロット 蜂谷 蜜賀城 機体名 女王蜂 胴体 センパイ ボディA 左腕 オヤカタ パイルキャノンA 右腕 オヤカタ パイルキャノンA 脚部 タカオ八式 レッグA 背部 グリヌイユ FCS A [1番機] パイロット 蜂村 蜜衛門 機体名 兵隊蜂 胴体 ローフォ ボディA 左腕 タロー キャノンA 右腕 タロー キャノンA 脚部 ローフォ レッグA 背部 エントリー FCS A [2番機] パイロット 蜂田 蜜次郎 機体名 労働蜂 胴体 デッチ ボディA 左腕 デッチ ネイルガンA 右腕 デッチ ネイルガンA 脚部 モート レッグA 背部 ウージン500 FCS A 中、近距離から高精度に砲弾を叩き込むチーム。遮蔽を活用してじわじわ削ってくる。 塊で動くので、キャノンで一網打尽にすると良いだろう。陽動機がいるとなお良し。 使用する武装は非爆発物。盾で弾けばパイルキャノンもノーダメージである。 PUNIHIZ PUNIHIZ(プニヒズ)はネオアサヒカワ出身の3ピースロックバンド。若いローダーパイロットから絶大な人気を誇る。曰く「バンドは副業」であり、ネオアサヒカワリーグでは息の合ったプレイで相手を粉砕する。 [リーダー機] パイロット シンディ 機体名 カムバック 胴体 ローフォ ボディA 左腕 タカオ二式 ロケットポッドA 右腕 ローフォ ダブルバレルショットガンA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 エントリー ブースターA [1番機] パイロット ゴールデン稲沢 機体名 16ビーター 胴体 ローフォ ボディA 左腕 タロー ガトリングA 右腕 タロー ガトリングA 脚部 ストーブ レッグA 背部 エントリー ブースターA [2番機] パイロット サイケデリック伝説 機体名 木春菊 胴体 ローフォ ボディA 左腕 バーナード37 ハンドガンA 右腕 ジャンクヤード クソデカレーザーA 脚部 グリヌイユ レッグA 背部 エントリー ブースターA 全体的に機動力が高く、火力も優秀な厄介なチーム。 クソデカレーザーやダブルバレルショットガンなど、厄介な武装も散見される。陣形も崩されやすく、ブースターによる回避がかなり目立つ。 FCSパックを積んだダブルバレルショットガンでさっさとケリを付けよう。相手にリペア持ちはいないので長期戦ならコチラに分がある。 オリオンカルテット オリオンホビーが誇る社内最強のワークスチーム。近距離~中距離を意識した編成で高い爆発力を誇る。熱血のレッド、インテリのブルー、斬込み役のピンク、司令塔イエローの4ぷにひによって構成される。 [リーダー機] パイロット オリオン・レッド 機体名 カスタムタロー 胴体 タロー ボディA 左腕 タロー ガトリングA 右腕 タロー バズーカA 脚部 タロー レッグA 背部 タロー ジェットパックA [1番機] パイロット オリオン・ブルー 機体名 チョッパー 胴体 バーナード37 ボディA 左腕 オリオン号 ガトリングA 右腕 オリオン号 ガトリングA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 ウージン500 FCS A [2番機] パイロット オリオン・ピンク 機体名 シュレッダー 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 タロー ブレードA 右腕 エントリー カタナA 脚部 タロー レッグA 背部 プニンゲール マントA 編成バランスの良い強敵。 2番機の突撃で自陣形を切り崩し、1番機が丁寧に遠距離狙撃、リーダー機が上空からバズーカを撃ち下ろしてくる。 遮蔽を駆使しつつ1番機の射線を切り、リーダー機は味方の陽動で戦力を分散させよう。幸い装甲は全体的に薄いので火力を叩き込めば容易に沈む。 散弾三銃士 ショットガンだけを用いる編成でジャンクリーグからプロまで駆け上がった実力者。短射程という弱点を補うため、突撃と散開を繰り返す独特な戦法を編み出した。 [リーダー機] パイロット 公道に奔る電光 機体名 ロード・レイジ 胴体 ウージン2500 ボディA 左腕 ローフォ オートショットガンA 右腕 ローフォ オートショットガンA 脚部 ローフォ レッグA 背部 プニンゲール マントA [1番機] パイロット 水面を蹴る疾風 機体名 デス・スプラッシュ 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 タカオ八式 ショットガンA 右腕 タカオ八式 ショットガンA 脚部 タカオ二式 レッグA 背部 タカオ二式 ブースターA [2番機] パイロット 急峻に上る紫煙 機体名 スウィフト・ボーイ 胴体 デッチ ボディA 左腕 ローフォ ダブルバレルショットガンA 右腕 ローフォ ダブルバレルショットガンA 脚部 エントリー レッグA 背部 センパイ ジェットパックA プロリーグ内でもかなりの強敵。 特に危険なのがダブルバレルショットガン持ちの2番機。威力と射程が高く、ショットガンにあるまじき距離からHPをモリっと持っていく。 機動力は高いがその分装甲に難あり。迎撃の構えで着実に仕留めよう。 ブークリエ・ド・モーリス モーリスコンクリートが運営するワークスチーム。軍部を始め多くの業界への営業が主目的の宣伝部隊だが、「動く要塞」と呼ばれる実力は本物だ。 [リーダー機] パイロット 森田 機体名 プレール 胴体 プレール ボディA 左腕 ラーナ ミサイルA 右腕 ラーナ ミサイルA 脚部 プレール レッグA 背部 ゴリアツ リペアキットA [1番機] パイロット 軽川 機体名 ゴリアツ 胴体 ゴリアツ ボディA 左腕 プレール キャノンA 右腕 プレール キャノンA 脚部 ゴリアツ レッグA 背部 プニンゲール ジェットパックA [2番機] パイロット 馬場 機体名 グリヌイユ 胴体 グリヌイユ ボディA 左腕 グリヌイユ ガトリングA 右腕 グリヌイユ ガトリングA 脚部 グリヌイユ レッグA 背部 グリヌイユ FCS A 非常に厄介な編成の重装ローダーチーム。 リペア持ちのリーダー機、ジェットパックでトップアタックを仕掛ける1番機、FCSパックでチマチマ削ってくる2番機とどの敵機も厄介。リーダー機を沈めようと躍起になっていると上空からキャノンで吹き飛ばされる。先に仕留めるべきはジェットパック持ちの1番機。 どいつもこいつも装甲値が高く、遮蔽まで活用してくる徹底ぶり。一撃離脱戦法で一気に火力を叩き込もう。 愛宕重工第三ワークス 愛宕重工が投入する最強のワークスチーム。メーカー最後発の参戦ながら徹底的に戦法の無駄を削ぎ落としたチーム編成で、観客から若干のひんしゅくを買いながらも連日高い戦績を上げている。別名「愛宕銀行」。 [リーダー機] パイロット 顧問 機体名 センパイ・リーダー 胴体 センパイ ボディA 左腕 デッチ レーザーA 右腕 デッチ レーザーA 脚部 センパイ レッグA 背部 ゴリアツ リペアキットA [1番機] パイロット 主幹 機体名 オヤカタ・ワーカー 胴体 オヤカタ ボディA 左腕 センパイ マシンガンA 右腕 センパイ マシンガンA 脚部 オヤカタ レッグA 背部 グリヌイユ 弾薬パックA [2番機] パイロット 主査 機体名 オヤカタ・ワーカー 胴体 オヤカタ ボディA 左腕 センパイ マシンガンA 右腕 センパイ マシンガンA 脚部 オヤカタ レッグA 背部 グリヌイユ 弾薬パックA リペア持ちのリーダー機、継続火力の高い1番機、2番機で構成されたチーム。 説明とは裏腹にリーダー機を釣って消し飛ばせば後は棺桶だけが残る。旋回性能の低さが完全な弱点となっている。 ブラックナイツ ローダーバトルは貴族の嗜み。ネオアサヒカワの華族、スゴクデカイ一世はネオアサヒカワリーグでも存在感を示している。巨大ローダーから繰り出される巨大攻撃に注意しろ! [リーダー機] パイロット スゴクデカイ1世 機体名 デカイ・バズーカ号 胴体 タカオ八式 ボディA 左腕 ゴリアツ バズーカA 右腕 ゴリアツ バズーカA 脚部 タカオ八式 レッグA 背部 グリヌイユ FCS A [1番機] パイロット バトラー大釘 機体名 クルイ・キャノン号 胴体 オヤカタ ボディA 左腕 オヤカタ パイルキャノンA 右腕 オヤカタ パイルキャノンA 脚部 タカオ八式 レッグA 背部 ウージン500 FCS A [2番機] パイロット 庭園の巨大翁 機体名 アホ・アックス号 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 プニンゲール アックスA 右腕 プニンゲール アックスA 脚部 タカオ二式 レッグA 背部 プニンゲール マントA ジャンクリーグで出会ったブラックナイツがプロリーグでも登場。 単発火力高めの装備が多いが、リロードか射程に難を抱えている。遮蔽でいなして旋回戦に持ち込みたい所。 第七特科師団選抜小隊 ネオアサヒカワ帝国陸軍最新鋭の砲兵師団から腕利きのローダー乗りを選抜して編成されたチーム。装甲を生かした直接照準射撃に定評がある。派手モノ好きのぷにひたちからの人気も厚い。 ※誤字により「装甲を生かした」となっている。 [リーダー機] パイロット 准陸尉 機体名 65式重歩行指揮車 胴体 ゴリアツ ボディA 左腕 グリヌイユ ガトリングA 右腕 グリヌイユ ガトリングA 脚部 ラーナ レッグA 背部 グリヌイユ 弾薬パックA [1番機] パイロット 陸曹長 機体名 65式重歩行榴弾砲A 胴体 ゴリアツ ボディA 左腕 ラーナ キャノンA 右腕 ラーナ キャノンA 脚部 ラーナ レッグA 背部 グリヌイユ FCS A [2番機] パイロット 1等陸曹 機体名 65式重歩行榴弾砲B 胴体 ゴリアツ ボディA 左腕 ラーナ キャノンA 右腕 ラーナ キャノンA 脚部 ラーナ レッグA 背部 グリヌイユ FCS A 超重装甲の4脚ゴリラ共。 遠距離からのFCSパックを用いた狙撃が強力で、基本的には遮蔽を駆使した散開戦術を用いて1体づつ制したい。 幸い、リペア持ちは居ないので長期戦を挑めば勝てる。観客からはブーイングの嵐が来そうだが。 真・光芒寺一門 もっぱらジャンクリーグで布教に勤しんでいる光芒寺一門だが、実は自宗派の権威付けのためプロリーグにも登録していたりする。当然、より強力なパーツに換装した機体を持ち込んでいるぞ。 [リーダー機] パイロット 光沢師 機体名 超光芒大師 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 プニンゲール レーザーA 右腕 プニンゲール レーザーA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 ゴリアツ リペアキットA [1番機] パイロット 反射師 機体名 超光芒大師 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 プニンゲール レーザーA 右腕 プニンゲール レーザーA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 ゴリアツ リペアキットA [2番機] パイロット 鏡面師 機体名 超光芒大師 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 プニンゲール レーザーA 右腕 プニンゲール レーザーA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 ゴリアツ リペアキットA グレードAでも戦術は変わらず。 レーザーの火力は上がったものの、射程は低下しているので付かず離れずを維持すれば比較的楽に処理可能。 範囲型リペアを積んでいるが、味方の体力減少には使用しないので1体づつ仕留めると良いだろう。 トカチ重装機師団 広大なトカチ一帯が勢力下であると主張している私設重装機師団。その重装甲に物を言わせた突撃戦術で幾多のチームを粉砕してきた。騎士団の協議に後退の二文字は存在しない。 [リーダー機] パイロット グリエール 機体名 トカチ重装騎士 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 ウージン2500 シールドA 右腕 タロー ブレードA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 プニンゲール マントA [1番機] パイロット パルメザン 機体名 トカチ戦列破壊兵 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 プニンゲール アックスA 右腕 プニンゲール アックスA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [2番機] パイロット カマンベール 機体名 トカチ重槍兵 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 ウージン2500 シールドA 右腕 ウージン2500 ランスA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 プニンゲール マントA モノノフ・レーシング ネオアサヒカワ華族の跡取り達によって構成されるプロチーム。高速移動しながら斬撃を叩き込んでくるぞ! [リーダー機] パイロット スエヒロ 機体名 神速武将 胴体 ローフォ ボディA 左腕 エントリー カタナA 右腕 エントリー カタナA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 エントリー リペアキットA [1番機] パイロット アンセスター武田 機体名 ロケット足軽 胴体 バーナード37 ボディA 左腕 エントリー カタナA 右腕 タカオ二式 ジェットパンチA 脚部 エントリー レッグA 背部 プニンゲール マントA [2番機] パイロット カキザキJr 機体名 連撃旗本 胴体 ウージン500 ボディA 左腕 エントリー ジッテA 右腕 エントリー カタナA 脚部 ローフォ レッグA 背部 タロー ジェットパックA 武神杯の強敵その1。 刀をぶん回しながら高機動で襲い掛かるリーダー機がかなり厄介。装甲厚いわリペア持ちだわすばしっこいわで鬱陶しい事この上ない。 残りの2機も厄介だが、装甲にやや難を抱えているのでまだマシ。リーダー機を真っ先に仕留める事。 石狩川JETBOXERS 真の力を開放したジェットボクシングチーム。立ちふさがるものをすべて粉砕する。全機にジェットパックを搭載したため、もう相手に逃げ場はない。 [リーダー機] パイロット G65 機体名 BORDERLINER O MK3 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 タカオ二式 ジェットパンチA 右腕 タカオ二式 ジェットパンチA 脚部 タカオ二式 レッグA 背部 タロー ジェットパックA [1番機] パイロット G66 機体名 BORDERLINER T MK3 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 タカオ二式 ジェットパンチA 右腕 タカオ二式 ジェットパンチA 脚部 タカオ二式 レッグA 背部 タロー ジェットパックA [2番機] パイロット G67 機体名 BORDERLINER L MK3 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 タカオ二式 ジェットパンチA 右腕 タカオ二式 ジェットパンチA 脚部 タカオ二式 レッグA 背部 タロー ジェットパックA 武神杯の強敵その2。ジャンクリーグの悪夢再び。 ジェットパックを装備しているため文字通り逃げ場が無くなった。重装甲で磨り潰そう。 余談だが装備構成が3機とも同一。色が違うのみ。 ルーキーズ ネオアサヒカワリーグにおいても快進撃を続け、シーズン最終戦に招待枠で殴り込みをかけた若きチーム。最高のフォーメーションで貴方を迎え撃つ。 [リーダー機] パイロット イスヒ 機体名 トゥドハリヤⅢ 胴体 グリヌイユ ボディA 左腕 グリヌイユ ガトリングA 右腕 タロー シールドA 脚部 ストーブ レッグA 背部 タカオ八式 リペアキットA [1番機] パイロット シハヒ 機体名 アヌルワンダⅢ 胴体 センパイ ボディA 左腕 ウージン2500 ミサイルA 右腕 タロー キャノンA 脚部 タカオ二式 レッグA 背部 タロー ブースターA [2番機] パイロット ソヒヒ 機体名 ハットゥシリⅢ 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 プニンゲール レーザーA 右腕 プニンゲール レーザーA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 ゴリアツ リペアキットA ルーキーズが三度登場。プロリーグで更に強くなった。 リペア持ちが2機に増え、更にレーザーでゴリゴリ削ってくる。 最初に仕留めるべきは1番機。全体的に装甲値が高い構成なので長期戦は覚悟の上で。 天神ローダーヘッズ リスクを顧みないド派手なバトルスタイルで人気を博すネオアサヒカワ最強のチーム。会場を盛り上げバトルを楽しむことを信条としている。かかってこいや! [リーダー機] パイロット ネジ 機体名 超合金一番星改 胴体 デッチ ボディA 左腕 ウージン2500 ランスA 右腕 エントリー カタナA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [1番機] パイロット ユーリ小星 機体名 モナリザ 胴体 ダスター ボディA 左腕 ゴリアツ バズーカA 右腕 グリヌイユ ガトリングA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [2番機] パイロット シンシア 機体名 ノベンデシリオン 胴体 ダスター ボディA 左腕 グリヌイユ ガトリングA 右腕 タカオ八式 ショットガンA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 ダスター ジェットパックA ジェットパックの出力を上げ再び現れた運営側の連中。上下の動きが素早く、攻撃がかなり当てづらい。弾速の高めの武器を事前に用意しておく事。 爆発物の持ち込みは少なく、対集団戦にはやや弱い傾向にある。固まって行動しよう。 三田兄弟チームA チャリティーローダーバトル興行で有名な三田一族の中でも若手のチーム。とは言えフォート・ワッカナイローダーバトル協会のプロリーグに所属する実力者だ。上空からレーザーを撃ちまくるド派手な戦闘スタイルでアリーナを魅了する。 [リーダー機] パイロット 三田A 機体名 ニコライ 胴体 モート ボディA 左腕 ジャンクヤード クソデカレーザーA 右腕 ジャンクヤード クソデカレーザーA 脚部 ストーブ レッグA 背部 プニンゲール ジェットパックA [1番機] パイロット 三田B 機体名 ブリッツェン 胴体 ストーブ ボディA 左腕 タロー レーザーライフルA 右腕 タロー レーザーライフルA 脚部 ローフォ レッグA 背部 センパイ ジェットパックA [2番機] パイロット 三田C 機体名 コメット 胴体 ストーブ ボディA 左腕 プニンゲール レーザーA 右腕 プニンゲール レーザーA 脚部 ローフォ レッグA 背部 センパイ ジェットパックA Ver0.5007にて追加されたチーム。 散開して上空からレーザーをまき散らす連中。遮蔽に隠れても別の機体が焼いてくるため少なくとも1機は撃破しないとかなり苦しい展開となる。 射程は全体的に長いが、リロードが遅くやや隙が大きい。地上に降りたタイミングで一気に叩こう。また、範囲攻撃は持たないので集団で動くと良い。 光芒寺聖夜会 ネオアサヒカワの名門チーム光芒寺一門は毎年この時期になると普段は使用しない小型レーザー火器を両手に抱えて三田一族とアツい交流戦を繰り広げている。フォート・ワッカナイリーグにはレーザー火器の使い手が多く、とても刺激を受けているとのこと。 [リーダー機] パイロット 電飾師 機体名 光芒僧 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 デッチ レーザーA 右腕 デッチ レーザーA 脚部 ストーブ レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [1番機] パイロット 大星師 機体名 光芒僧 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 デッチ レーザーA 右腕 デッチ レーザーA 脚部 ストーブ レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [2番機] パイロット 点滅師 機体名 光芒僧 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 デッチ レーザーA 右腕 デッチ レーザーA 脚部 ストーブ レッグA 背部 ダスター ジェットパックA Ver0.5007にて追加されたチーム。 光芒寺一門クリスマス仕様。 全員突っ込んでくる。ジェットパックで空からレーザーをぶちかます姿はとても鬱陶しいキレイ。 機体構成は全員同じなので大した脅威とはならない。砲撃手に焼いてもらおう。 三田兄弟チームX フォート・ワッカナイのチャンピオンチーム。新たな強敵を求め、ローダーバトルの聖地ネオアサヒカワに現れた。チャリティーとしてローダーバトル興行を催すうちに自らもパイロットとして参戦した挙句、地元最強のチームとなった経緯を持つ。 [リーダー機] パイロット 三田X 機体名 ニコラウス 胴体 タカオ八式 ボディA 左腕 プレール キャノンA 右腕 ラーナ キャノンA 脚部 オヤカタ レッグA 背部 エントリー リペアキットA [1番機] パイロット 三田Y 機体名 ループレヒト 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 タカオ二式 ジェットパンチA 右腕 ローフォ ダブルバレルショットガンA 脚部 ストーブ レッグA 背部 プニンゲール マントA [2番機] パイロット 機体名 クランプス 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 ローフォ ダブルバレルショットガンA 右腕 タカオ二式 ジェットパンチA 脚部 ストーブ レッグA 背部 プニンゲール マントA Ver0.5007にて追加されたチーム。 ガチタンと強襲機2体の相手をする。ガチタンは旋回が死んでいるので強襲機を1体づつ料理しよう。強襲機はふざけた機動力で突進してくる。速すぎて旋回が追いついておらず、上手く立ち回れば自機をぐるぐるし続ける的になり下がる。 ガチタンは放置安定。火力と装甲はしっかりあるので片づける際は遮蔽をしっかり活用する事。 ネオエゾ・ドラグーン 惑星ネオ・エゾを旅しながら各地の大会に参加し日銭を稼いでいるチーム。彼らがアップロードした旅動画が人気を集めており、広告収入でローダーを改造しファイトマネーは修理費に消えるとのこと。射撃の腕は確かだ。 [リーダー機] パイロット ドラグーン保世 機体名 ブランダーバス01 胴体 タロー ボディA 左腕 エントリー ショットガンA 右腕 エントリー ライフルA 脚部 ローフォ レッグA 背部 タロー ブースターA [1番機] パイロット ドラグーン加藤 機体名 ブランダーバス02 胴体 タロー ボディA 左腕 エントリー ショットガンA 右腕 エントリー ライフルA 脚部 ローフォ レッグA 背部 タロー ブースターA [2番機] パイロット ドラグーン立花 機体名 ブランダーバス03 胴体 タロー ボディA 左腕 エントリー ショットガンA 右腕 エントリー ライフルA 脚部 ローフォ レッグA 背部 タロー ブースターA Ver0.5008にて追加されたチーム。 引き撃ちライフル&SG機*3。機体構成は完全に同一。単体の性能は高くないが戦術が妙に厄介。遮蔽を活用してライフルでチマチマ削って来るわどうにかして近寄るとショットガンで抉られるわで面倒な相手。 仕留めること自体は容易。ブースターで回避されやすいので連射武器かFCSパックのどちらかを搭載推奨。 旅動画の広告収入でグレードAのフレームを購入している辺りかなりの有名投稿者と考えられる。 ソーヤ・サンライズ フォート・ワッカナイのプロリーグに所属するチームだが、メンバーは全員ネオアサヒカワでローダー修理店を営んでいる。ケープ・ソーヤで初日の出を見ることに命を懸けており、降雪が多い年はバーナーで道を切り開く。 [リーダー機] パイロット バルバラ 機体名 ジギスムント 胴体 ウージン2500 ボディA 左腕 ストーブ バーナーA 右腕 タロー ブレードA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 プニンゲール マントA [1番機] パイロット ボンテンマル 機体名 クレセントムーン 胴体 モート ボディA 左腕 ストーブ バーナーA 右腕 エントリー カタナA 脚部 モート レッグA 背部 プニンゲール マントA [2番機] パイロット シリュウ 機体名 リンドウ 胴体 モート ボディA 左腕 ストーブ バーナーA 右腕 ウージン2500 ランスA 脚部 モート レッグA 背部 プニンゲール マントA Ver0.5008にて追加されたチーム。 近接武器と火炎放射器を持った世紀末なアセン。見た目はモヒカンではない。 機動力が高く、陣形を容易に切り崩してくる。その分装甲は薄く、車輪系なので旋回も低い方。マントで強化しているがうまく躱せれば攻撃のチャンス。各個撃破を前提に。 ネオアサヒカワ神仏連合 ネオアサヒカワの様々な催事を取り仕切る由緒正しきチーム。惑星開拓時代に宗教対立を防ぐために設立されたローダーチームの直系とされている。重装甲機体で編隊を組むクラッシックな戦術はシンプルながら強力で、多くの挑戦者に初心を思い出させるという。 [リーダー機] パイロット チーフプリースト竹林 機体名 バンブーキャノン 胴体 バルキー ボディA 左腕 ラーナ キャノンA 右腕 ラーナ キャノンA 脚部 バルキー レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [1番機] パイロット シュラインメイデン笹木 機体名 バンブーオラクル壱号 胴体 バルキー ボディA 左腕 ジャンクヤード クソデカレーザーA 右腕 タカオ八式 ショットガンA 脚部 タカオ八式 レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [2番機] パイロット シュラインメイデン笹本 機体名 バンブーオラクル弐号 胴体 バルキー ボディA 左腕 タカオ八式 ショットガンA 右腕 ジャンクヤード クソデカレーザーA 脚部 タカオ八式 レッグA 背部 ダスター ジェットパックA Ver0.5008にて追加されたチーム。 重装甲、ジェットパック持ちのチーム。 リーダー機がキャノンを撃ち下ろし、1番機、2番機が全距離対応でじわじわ削る。 ラーナキャノンは脅威だが、リロードが遅いので回復に弱い。残りの僚機は旋回が死んでいるので後ろを取ってショットガンを打ち込むと沈む。説明通り重装機の初心を思い出して相手しよう。ジェットパックの退避には注意。 どう見てもカビた鏡餅。 天神ローダーヘッズ 今シーズン準優勝のプロチーム。運命の悪戯かネオアサヒカワリーグ決勝進出チームが初戦で潰し合う展開に観客のボルテージは最初から最高潮だ! [リーダー機] パイロット ネジ 機体名 超合金一番星改 胴体 センパイ ボディA 左腕 ウージン2500 ランスA 右腕 エントリー カタナA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [1番機] パイロット ユーリ小星 機体名 モナリザ 胴体 ダスター ボディA 左腕 ゴリアツ バズーカA 右腕 グリヌイユ ガトリングA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 ダスター ジェットパックA [2番機] パイロット シンシア 機体名 ノベンデシリオン 胴体 ダスター ボディA 左腕 グリヌイユ ガトリングA 右腕 タカオ八式 ショットガンA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 ダスター ジェットパックA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 EXリーグの初戦に運営側チームとのバトル。 装備はほぼ変わっておらず、唯一リーダー機が少し頑丈になった程度。要はネオアサヒカワリーグでの戦闘と同等。固まって行動すればさして脅威でもないだろう。 スシ・ナイツ 古代より伝わる「スシ」の食文化を全宇宙に広げることを教義とした自称騎士団。「スシ」に全財産を投じているため常に自転車操業だが、ローダー費全額補助が出る本大会は逃さまいと全力で協会に圧力をかけジャンクリーグ招待枠として出場 [リーダー機] パイロット スシ・ナイト 機体名 サー・アイアン・ニギリ 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 タロー シールドA 右腕 ローフォ オートショットガンA 脚部 ストーブ レッグA 背部 タロー ブースターA [1番機] パイロット ローリング卿 機体名 サー・ガンファイア 胴体 バルキー ボディA 左腕 モート サブマシンガンA 右腕 モート サブマシンガンA 脚部 ストーブ レッグA 背部 グリヌイユ 弾薬パックA [2番機] パイロット ウェルダー卿 機体名 サー・バーニング・アブリ 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 ストーブ バーナーA 右腕 エントリー カタナA 脚部 タロー レッグA 背部 プニンゲール マントA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 ジャンクリーグのスシ大好き集団がEXリーグにご登場。 中距離から削ってくる1番機、接近戦で陣形崩しを狙う2番機、そして横から散弾を垂れ流すリーダー機で構成される。リーダー機は盾を持っているだけあってそこそこしぶとい。先に僚機を始末してから料理しよう。 PUNIHIZ PUNIHIZ(プニヒズ)はネオアサヒカワ出身の3ピースロックバンド。若いローダーパイロットから絶大な人気を誇る。ネオアサヒカワリーグ招待枠として参戦。 [リーダー機] パイロット シンディ 機体名 カムバック 胴体 ローフォ ボディA 左腕 タカオ二式 ロケットポッドA 右腕 ローフォ ダブルバレルショットガンA 脚部 ウージン2500 レッグA 背部 エントリー ブースターA [1番機] パイロット ゴールデン稲沢 機体名 16ビーター 胴体 ローフォ ボディA 左腕 タロー ガトリングA 右腕 タロー ガトリングA 脚部 ストーブ レッグA 背部 エントリー ブースターA [2番機] パイロット サイケデリック伝説 機体名 木春菊 胴体 ローフォ ボディA 左腕 バーナード37 ハンドガンA 右腕 ジャンクヤード クソデカレーザーA 脚部 グリヌイユ レッグA 背部 エントリー ブースターA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 装備構成は完全に同一。展開すべき戦術も同等。 ロケットによる範囲攻撃やクソデカレーザーの火力は脅威。射線を切って有利を確保する事。 弱体化されたとはいえリペアパックで長期戦を挑めば勝てる。 ジャンクテイカーズ ネオアサヒカワでスクラップヤードを運営する傍ら、ローダーバトルに熱を上げているチーム。ジャンクリーグ招待枠として参戦。スクラップヤードからかき集めた至高の一品で勝負を挑んでくるぞ! [リーダー機] パイロット スクラップ・キング 機体名 鋼鉄タイラント 胴体 バルキー ボディA 左腕 バルキー ガトリングA 右腕 プニンゲール アックスA 脚部 バルキー レッグA 背部 プニンゲール マントA [1番機] パイロット 歩く焼却炉 機体名 赤熱パイロフィリア 胴体 ストーブ ボディA 左腕 ストーブ バーナーA 右腕 ストーブ バーナーA 脚部 ストーブ レッグA 背部 エントリー ブースターA [2番機] パイロット ゴミ山に吹く風 機体名 新品ダストシューター 胴体 モート ボディA 左腕 デッチ レーザーA 右腕 モート ロケットランチャーA 脚部 モート レッグA 背部 ダスター ジェットパックA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 重量、中量、軽量揃ったバランスの良いチーム。 全体的に射程が短い武装を装備しており、脅威となるのは2番機。上空からレーザーとロケットで焼いてくる。だからと言って1体にかまけていると横から1番機のバーナーで炙られる。 尚、リーダー機は単なる棺桶。隙の多い構成なので処理には困らない。最後に片づけよう。 大光真宗 光芒寺から分裂し、本流の座を賭けて抗争中の派閥。アマチュアリーグ招待枠として参戦。前試合で光芒寺所属のプロチームと激突し、換装した新型レーザー砲と新しい戦術によって遂に初勝利を収めた。残るは優勝ただ一つ。 [リーダー機] パイロット 大光師 機体名 特大光芒師 胴体 プレール ボディA 左腕 カントク ツインレーザーA 右腕 カントク ツインレーザーA 脚部 バルキー レッグA 背部 プニンゲール マントA [1番機] パイロット 爆光師 機体名 大光芒師 機体名 特大光芒師 胴体 プレール ボディA 左腕 カントク ツインレーザーA 右腕 カントク ツインレーザーA 脚部 バルキー レッグA 背部 プニンゲール マントA [2番機] パイロット 散光師 機体名 特大光芒師 胴体 プレール ボディA 左腕 カントク ツインレーザーA 右腕 カントク ツインレーザーA 脚部 バルキー レッグA 背部 プニンゲール マントA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 アマチュアリーグの宗教団体がEXリーグで新装備で襲ってくる。 団子になってじわじわ前進してくる。そこそこ頑丈な上速度も高く、ツインレーザーの火力も非常に危険。12もの砲門が一斉に火を吹くので軽装機は一瞬でスクラップ送りされるだろう。 相変わらず全機武装構成が同一な特化構成。キャノンやシールドに弱いのも相変わらず。 G・G ガトリングガンをこよなく愛するぷにひによって結成されたチーム。アマチュアリーグ招待枠として参戦。完全整備されたプロ仕様ローダーに搭乗した結果、手が付けられない強さとなり決勝に勝ち上がってきた。付け入る隙はどこにある!? [リーダー機] パイロット バルカンマン 機体名 ブルフロッグGX 胴体 ゴリアツ ボディA 左腕 グリヌイユ ガトリングA 右腕 グリヌイユ ガトリングA 脚部 タカオ二式 レッグA 背部 ウージン500 積載パックA [1番機] パイロット ガトリングマン 機体名 スーパーフロッグGX 胴体 ゴリアツ ボディA 左腕 タカオ三十二式 ガトリングA 右腕 タカオ三十二式 ガトリングA 脚部 ゴリアツ レッグA 背部 ゴリアツ リペアキットA [2番機] パイロット ロータリーマン 機体名 ネオフロッグGX 胴体 グリヌイユ ボディA 左腕 タカオ三十二式 ガトリングA 右腕 タカオ三十二式 ガトリングA 脚部 グリヌイユ レッグA 背部 ウージン500 積載パックA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 ガトリング大好き野郎共がEXリーグで大暴れ。正面火力、装甲、リペア持ちが団子になって突っ込んでくるので本当に手が付けられない。特にリペア持ちが厄介。下手に手を出すと全機の体力を回復されてしまう。 何としてでもリーダー機か2番機を沈めておきたい。味方機を盾に瞬間火力でねじ伏せよう。 ネオ・ハラスメンツ 周囲にしかめ面をさせる編成が好きな奴らの集まり。リーグ戦で敵チームを煽り散らかした結果暴力沙汰になり出場停止となった。その後は賭け試合で生計を立てているため羽振りが良くなっている。最近のトレンドは引き撃ちらしい。 [リーダー機] パイロット ユウ 機体名 ヘアサロン暴力 胴体 タカオ三十二式 ボディA 左腕 タカオ三十二式 ガトリングA 右腕 タカオ三十二式 ガトリングA 脚部 バルキー レッグA 背部 キャプチャー ブースターA [1番機] パイロット リュウジ 機体名 引き撃ちミサ次郎 胴体 デッチ ボディA 左腕 ウージン2500 シールドB 右腕 タカオ二式 ミサイルA 脚部 タロー レッグA 背部 センパイ ジェットパックA [2番機] パイロット ソウタ 機体名 爆速☆引き撃ち太郎 胴体 エントリー ボディA 左腕 キャプチャー ライフルA 右腕 キャプチャー ライフルA 脚部 タロー レッグA 背部 エントリー ブースターA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 案の定やらかした様子。 戦術は遮蔽裏に隠れて削ってくる。向こうから接近はしてこないので後方からキャノンで吹き飛ばしたい。 遮蔽裏を取ってもガトリングとライフルが凄まじく削ってくる。長期戦を視野に入れておこう。 1番機はいっちょまえに低グレードのシールドで重量を減らしている。その分装甲は薄いので爆風で粉砕してやろう。 アバシリ脱獄囚 ネオエゾの重犯罪者収容所であるアバシリ・プリズンから脱走したと自称するワルいぷにひたちで構成されたチーム。脱走したため公式リーグに参戦出来ないと言い張っているが、ネオアサヒカワ市警から追われていない辺り、刑期は全うしたらしい。 [リーダー機] パイロット 前科四犯 機体名 カチコミメカ1号 胴体 ジャロピー ボディA 左腕 エントリー ショットガンA 右腕 エントリー カタナA 脚部 ストーブ レッグA 背部 センパイ ジェットパックA [1番機] パイロット 前科三犯 機体名 カチコミメカ2号 胴体 ジャロピー ボディA 左腕 ローフォ オートショットガンA 右腕 ローフォ オートショットガンA 脚部 ストーブ レッグA 背部 エントリー ブースターA [2番機] パイロット 前科二犯 機体名 カチコミメカ3号 胴体 タカオ八式 ボディA 左腕 カントク バックホーA 右腕 カントク バックホーA 脚部 タカオ八式 レッグA 背部 タカオ二式 ブースターA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 近距離戦闘集団。乱戦に持ち込んでくるが装甲がやや薄めのリーダー機、1番機どちらかを先に仕留めれば容易に勝てるだろう。 尚、こちらには前科6犯の肝臓カチカチカチ太郎がいるのでそんな大したことは無い連中である。 ネオアサヒカワ自警団 ネオアサヒカワ・アンダーグラウンドの治安維持に貢献している私設自警団。ローダーバトル人気の高まりに合わせてネオアサヒカワリーグからは一度退き、ストリート出身者の後ろ盾となり活動している。 [リーダー機] パイロット 鬼平 機体名 清么 胴体 オヤカタ ボディA 左腕 タロー キャノンA 右腕 タロー キャノンA 脚部 タカオ三十二式 レッグA 背部 グリヌイユ 弾薬パックA [1番機] パイロット 権兵衛 機体名 組合龍 胴体 ローフォ ボディA 左腕 ウージン2500 ミサイルA 右腕 タロー ミサイルA 脚部 ジャロピー レッグA 背部 エントリー FCS A [2番機] パイロット ケン 機体名 無字 胴体 センパイ ボディA 左腕 ウージン2500 シールドA 右腕 ローフォ ダブルバレルショットガンA 脚部 ストーブ レッグA 背部 ジャロピー リペアキットA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 1番機、2番機の装甲が薄いので狙い目だが、2番機はリペア持ち。先に1番機、2番機、リーダー機の順に倒そう。 リーダー機は頑丈な上タローキャノンをガスガス当ててくる。幸い旋回は控えめなので後ろを取って攻撃すれば沈む。味方機にリペア持ちがいるとかなり楽できるだろう。 メカケンドー同好会 巷でやや流行っている「メカケンドー」の愛好家によるチーム。普段は費用のかからないジャンクリーグで修業を積んでおり、大一番である本大会でご自慢のケンドー・メカを繰り出してくる。 [リーダー機] パイロット 両刀斎 機体名 トゥー・ハンド・ブレード皆伝 胴体 ゴリアツ ボディA 左腕 タロー ブレードA 右腕 タロー ブレードA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 プニンゲール マントA [1番機] パイロット 抜刀斎 機体名 イアイ・アンド・イアイ 胴体 エントリー ボディA 左腕 エントリー カタナA 右腕 キャプチャー マチェーテA 脚部 エントリー レッグA 背部 キャプチャー ブースターA [2番機] パイロット お惣菜 機体名 スマート・マッスル 胴体 バーナード37 ボディA 左腕 バーナード37 シールドA 右腕 タロー ブレードA 脚部 エントリー レッグA 背部 タロー ジェットパックA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 1番機のキャプチャーマチェーテの火力は脅威の一言。まあどの道重装甲ですりつぶせば全員沈むが。 相変わらず2番機のパイロット名が何か間違っている。 バックホーパンチングクラブ 愛宕重工社内の部活動から生まれたワークスチーム。カウンター戦法を得意とする。保守的な愛宕重工の中で競技専用パーツを生産販売するプロジェクトチームを同時に立ち上げ、遂にその第一弾である「カントク」がレギュレーション入りを果たした。 [リーダー機] パイロット 部長 機体名 不動明王 胴体 オヤカタ ボディA 左腕 カントク バックホーB 右腕 カントク バックホーA 脚部 カントク レッグA 背部 センパイ ジェットパックA [1番機] パイロット 部員 機体名 連動明王 胴体 デッチ ボディA 左腕 カントク バックホーB 右腕 カントク バックホーA 脚部 センパイ レッグA 背部 ジャロピー リペアキットA [2番機] パイロット 営業 機体名 暴走明王 胴体 カントク ボディA 左腕 ラーナ シールドA 右腕 カントク バックホーA 脚部 カントク レッグA 背部 キャプチャー ブースターA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 重装甲近接機。動きは鈍いが旋回は高い。 正面から挑むと逆にこちらがすり潰される。盾などで攻撃を受け止められるようにしておきたい。 ハママッチョブラザーズ 惑星ハママッチョ出身のボディビルディングチーム。猛烈な突進と激しい援護射撃で相手を粉砕する。 [リーダー機] パイロット マグマ大山 機体名 900ポンド・ゴリラ 胴体 タカオ八式 ボディA 左腕 グリヌイユ ガトリングA 右腕 ゴリアツ バズーカA 脚部 プニンゲール レッグA 背部 センパイ ジェットパックA [1番機] パイロット インフェルノ中山 機体名 マッスルドラグーン甲 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 プニンゲール アックスA 右腕 タカオ八式 マシンガンA 脚部 グリヌイユ レッグA 背部 プニンゲール マントA [2番機] パイロット タルタロス小山 機体名 マッスルドラグーン乙 胴体 タロー ボディA 左腕 デッチ ショットガンA 右腕 プニンゲール アックスA 脚部 グリヌイユ レッグA 背部 プニンゲール マントA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 高機動の1番機、2番機が陣形崩しを、リーダー機が集団に向かってキャノンをぶち込んでくる。 攻撃力はあるが機動力に対して旋回が追いついておらず、横に避ければ容易に攻撃をいなせる。 乱戦になる事はほぼ確実だが事故らなければ危険な相手ではないだろう。 東京ダンジョンマスターズ グレートカントー星系の古豪。正確な射撃で敵の接近を許さない。 [リーダー機] パイロット SKMGiYM 機体名 摩天楼号 胴体 オヤカタ ボディA 左腕 ジャンクヤード クソデカレーザーA 右腕 タカオ三十二式 ガトリングA 脚部 タカオ三十二式 レッグA 背部 タロー ブースターA [1番機] パイロット 桜花 機体名 Shaman's Daughter 胴体 グリヌイユ ボディA 左腕 エントリー ライフルA 右腕 キャプチャー ライフルA 脚部 タカオ二式 レッグA 背部 タロー ジェットパックA [2番機] パイロット ヴァン・デミエール 機体名 リメンバーミー 胴体 ウージン2500 ボディA 左腕 プレール キャノンA 右腕 エントリー バズーカA 脚部 キャプチャー レッグA 背部 センパイ ジェットパックA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 2022年の東京ゲームダンジョン出展時、最強チームとして登録されていたチームと戦える。関連サイトはコチラ。当時の装備とはやや構成が違う。 ガチタン、引き撃ち、範囲攻撃機と非常にバランスが良い。真正面から挑むと誇張抜きに勝てない。2番機が一番仕留めやすい。数的有利を取ったら後は回復しながら数の暴力で解体しよう。 ネオミヤコショーグネイト ミヤコケンタウリ星系からやってきた高名な武士一家。息の合った連携攻撃で一気呵成に攻め立てる。 [リーダー機] パイロット タカウジ 機体名 ボーンバイター 胴体 プニンゲール ボディA 左腕 タロー ミサイルA 右腕 センパイ マシンガンA 脚部 キャプチャー レッグA 背部 プニンゲール ジェットパックA [1番機] パイロット ヨシミツ 機体名 ゴールデンブル 胴体 タカオ二式 ボディA 左腕 エントリー カタナA 右腕 タカオ八式 ショットガンA 脚部 グリヌイユ レッグA 背部 タカオ二式 ブースターA [2番機] パイロット ヨシマサ 機体名 シルバーテンプル 胴体 ウージン500 ボディA 左腕 デッチ レーザーA 右腕 エントリー カタナA 脚部 エントリー レッグA 背部 タロー ブースターA Ver0.6000bにて追加されたチーム。 接近戦で陣形崩し、ショットガンで大きく削ってくる中々に厄介なチーム。 リーダー機はガン無視して1番機を真っ先に始末しよう。カタナとショットガンが普通に強い。 全体的に硬めで旋回も考慮された強チーム。とはいえ横にすり抜ければ攻撃は躱しやすい。短期決戦を目安に。
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全般捕虜についてですが、捕虜になったらその捕虜に対して、警察権(?)を持つことができるのでしょうか? 先進国の軍隊に所属して捕虜になった場合、抑留期間中の給与は支払われるのでしょうか? 民間徴用船の乗組員が万が一拿捕された場合、捕虜としての待遇は期待できるものなのでしょうか? 士官はたとえ捕虜になったとしても高待遇なのは何故なんですか? 捕虜の存在は、戦略上重要なのでしょうか? 捕虜虐待禁止ルールはいつ頃、どのようにして作られたのか? 戦闘中、本国が降伏して戦闘停止・武装解除命令が出た場合、その部隊はそれに従い敵に降伏して、その場で解放されるのか、それとも一旦は捕虜収容所に抑留されるのか・・どちらなんでしょ? 捕虜宣誓とは何ですか 近代戦において王族が捕虜になったら、停戦したりすることはありえるんでしょうか? 第2次世界大戦物の映画などに登場する捕虜収容所の所長などは戦線で負傷などが赴任理由になっているようですが、実際はどうだったのでしょうか? 捕虜になった際、尋問に口を割らない訓練とは具体的にどのようなものなのでしょうか 兵士は、万が一敵の捕虜となってしまった場合、敵に対してどのように対応するよう教育されているのですか? 戦争捕虜郵便についての条項が郵便法に制定されたようですが、この規定は戦前に存在したものが復活したのでしょうか? 戦時国際法上、捕虜の官姓名を相手方に通知する義務ってあるんですか? 映画「戦場に架ける橋」みたいに兵や下士官を労働力として使うことは条約で認められていたんでしょうか? 敵兵を武装解除して解放なんてことは本当に可能なのでしょうか? 傭兵は金で動く連中なので雇い主からは使い捨てで運用されかつ敵からも憎悪の対象で捕虜になれないというのは事実でしょうか? 各国の捕虜日本軍は民間人の殺害、強姦、略奪、捕虜虐待などを行ったと言われてますが本当ですか? ジェシカ・リンチはどうして拉致されただけなのに勲章もらえんの? グアンタナモで拷問してたのが問題になったけど、今の米軍は公式には拷問禁止なの? ソ連や中国が大戦中にまともに捕虜を扱った事例はあるのでしょうか? 太平洋戦争中、日本軍に黒人捕虜はいたのか? 米英豪などの捕虜になった日本兵には、どんな食事が供されたんですか? 第2次世界大戦においてドイツ軍が捕虜等で構成した師団を運用していましたが、日本は捕虜を使って何らかの軍事作戦に従事させていたことはあるでしょうか? 戦陣訓に「生きて虜囚の辱めを受けず」てありますが、実際捕虜になって罰せられた例はあるの? 広島や長崎の原爆投下で被爆した連合国軍の捕虜の兵士は、どの位いたんでしょうか? アメリカ兵による日本兵捕虜の集団殺害や虐待の記録は存在するんでしょうか? 日本軍の捕虜となった米兵はどういう扱いをうけたのでしょうか? 日露戦争で捕虜になった日本兵が敵に協力することが多々あったらしいしとか? 「一空事件」についてはよく存じていません。ぜひ詳しく聞かせてください 中国軍の捕虜になってしまった日本兵の扱いはどんなだったんでしょう シベリアに抑留されたのはドイツ・日本兵捕虜だけ? 日本爆撃の際、中島飛行機の工場などの情報はどうして得ていたのですか? 旧日本軍で捕虜が死亡した場合、その遺体・遺品はどのような措置が執られたのですか。 「生きて捕虜の辱めを受けず」と最初に言い出したのは誰なんですか? 日露戦争当時,日本に「捕虜になることは恥だ」という意識はあったのか? 山県有朋はなぜ「捕虜になるな」という布告を出したのですか? 日本本土に捕らわれていた連合軍捕虜はどこで何をしていたのでしょうか? イタリア軍に捕まったイギリス兵の扱いはどうだったのでしょうか?? 第2次世界大戦時に、中国側の捕虜になった日本兵の扱いはどの様な物だったんでしょうか? バターン死の行進の報復として、アメリカ軍によって日本兵の捕虜が虐待されたことがあったそうですが。 連合軍の捕虜となったドイツ兵100万人が虐待などにより死亡したという説ですが、証拠はあるんですか? 1945年の8月15日から、米軍が進駐してくる間の日本国内の捕虜収容所は、どの様な状況だったんでしょうか? シベリアに抑留された日本兵って、具体的にどういう事業に投入されたのですか? 日中戦争における両軍捕虜の処遇について教えて下さい。 日本はどれぐらいの連合国兵士を捕虜にしたの? 全般 捕虜についてですが、捕虜になったらその捕虜に対して、警察権(?)を持つことができるのでしょうか? また、捕虜を殺すのは禁止ですが、相手が収容所ないでかなりの問題行動をしたら、正規の手続きの上で殺すことはできるのでしょうか? また、脱走者について、逃げたら殺していいのですよね? その際、相手が一回軍に復帰して、また捕まったとき、(覚えてたら)前回逃げたのを理由にして殺してもいいのでしょうか? それとも一回復帰したらチャラでしょうか? 「捕虜の待遇に関する一九四九年八月十二日のジュネーヴ条約(第三条約)の 第三章で捕虜の刑罰に対して規定しています。 その八十二条において、捕虜は抑留国の法令に服さなければならないと規定されています。 従って、警察権の行使は可能です。 但し、裁判は軍事裁判で行われ、捕虜だからと言って自国民以上に厳しい刑罰を課することは出来ません。 例えば、捕虜収容所内で連続殺人をするなど反社会的行動に出た場合は、死刑も免れないでしょうが、些細な罪で死刑には出来ません。 また、死刑に関しては第百条以降で規定され、勝手に死刑には出来ないようになっています。 脱走に関しては、第九十一~九十二条で規定されており、回数の如何に問わず、懲戒罰しか課すことが出来ません。 従って、死刑には出来ません。 数回に渡って脱走を企てた場合は、特別の監視の下に置くことが出来ますが、これも拘禁 (しかも、集団に科する刑罰、肉体に科する刑罰、日光の入らない場所への拘禁、その他拷問は不可)までです。 なお、懲戒罰は30日以内の作業の俸給、労働賃金の100分の50以下の減給、特権の廃止、一日に付き二時間の労役、拘禁のいずれかしか選択できません。 あと、捕虜は再び捕虜になった場合、再び捕虜の身分を与えられます。従って、再度捕虜になったからと言って殺すことは出来ません。 (12 眠い人 ◆ikaJHtf2) 先進国の軍隊に所属して捕虜になった場合、抑留期間中の給与は支払われるのでしょうか? 一応、ジュネーブ条約第三条約では、そうなっていたかと。 捕虜通知が赤十字(赤新月)を通じて来た場合はですが。 でもって、収容所に入っているときに使役された場合、その使役分きちんと賃金は支払われます。(確か捕虜条約の第62条) (23 眠い人 ◆ikaJHtf2) 民間徴用船の乗組員が万が一拿捕された場合、捕虜としての待遇は期待できるものなのでしょうか? 捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(第三条約)によれば、 第四条〔捕虜〕A この条約において捕虜とは、次の部類の一に属する者で敵の権力内に陥ったものをいう。 (1) 紛争当事国の軍隊の構成員及びその軍隊の一部をなす民兵隊又は義勇隊の構成員 (2) 略。 (3) 正規の軍隊の構成員で、抑留国が承認していない政府又は当局に忠誠を誓ったもの (4) 実際には軍隊の構成員でないが軍隊に随伴する者、たとえば、文民たる軍用航空機の 乗組員、従軍記者、需品供給者、労務隊員又は軍隊の福利機関の構成員等。 但し、それらの者がその随伴する軍隊の認可を受けている場合に限る。 このため、当該軍隊は、それらの者に附属書のひな型と同様の身分証明書を発給しなければならない。 (5) 紛争当事国の商船の乗組員(船長、水先人及び見習員を含む。)及び民間航空機の乗組員で、 国際法の他のいかなる規定によっても一層有利な待遇の利益を享有することがないもの となっています。 従って、お尋ねの場合は第四条第四項または第五項に該当すると思いますので、 捕虜としての待遇は期待できると見て良いでしょう。 (相手国がその条約を遵守する姿勢がある場合においてですが) (26 眠い人 ◆ikaJHtf2) 士官はたとえ捕虜になったとしても高待遇なのは何故なんですか? 国際法にそういう規定があるから,って答えじゃだめですか? 第四十四条〔将校の待遇〕 将校たる捕虜及び将校に相当する地位の捕虜は、その階級及び年令に適当な考慮を払って待遇しなければならない。 ② 将校収容所における役務を確保するため、同一軍隊の兵たる捕虜でできる限り同一の言語を話すものが、将校たる捕虜 及び将校に相当する地位の捕虜の階級を考慮して、充分な人数だけ同収容所に派遣されなければならない。 それらの兵に対しては、他のいかなる労働も要求してはならない。 ③ 将校自身による食事の管理に対しては、すべての方法で便益を与えなければならない。 第四十五条〔その他の捕虜の待遇〕 将校たる捕虜及び将校に相当する地位の捕虜以外の捕虜は、その階級及び年令に適当な考慮を払って待遇しなければならない。 ②それらの捕虜自身による食事の管理に対しては、すべての方法で便益を与えなければならない。 とまあこういう感じに,ジュネーブ第3条約の第44条と第45条で明確に差別的待遇が規定されてるわけです. 歴史的な背景については知りませんが,やっぱり国際法を作る連中も貴族出身だとか社会的地位の高い連中なわけで ”階級”差別的な意識が頭の中にあったんじゃないでしょうか.あんなDQSと同じ扱いされてたまるか,みたいな. (54 予備語学陸曹見習い) 捕虜の存在は、戦略上重要なのでしょうか? プロパガンダとか情報収集等の一部の例外を除けば、そんなに重要じゃないです。 どちらかと言うと邪魔な存在です。 (74 719) 捕虜虐待禁止ルールはいつ頃、どのようにして作られたのか? 元々、1874年に欧州16カ国の代表が総合的成文戦時国際法について討議する為に、 ベルギーのブリュッセルに集まったのが最初。 主唱者は、ロシアのアレクサンドルII世だったり。 この辺の捕虜の取り扱いを定めた規程は、南北戦争での北軍が1863年に発した「陸戦の 法規慣例に基づく軍隊の守るべき規則」(陸軍一般命令第100号)、通称、「リーバーコード」 と言うのが最初です。 1874年のそれは、リーバーコードを敷衍した内容で、条約としての発効は成りませんでしたが、 先駆けとなりました。 1877年に、そのロシアはトルコとの戦争に当り、「露国捕虜取扱規則」を定め、尊重します。 1899年には、こうした動きを受けて、ハーグで万国平和会議が開催されますが、これも提唱者は ニコライII世です。 ロシアがこうした戦時国際法制定に動いていたのは、西欧先進諸国に対等の国として認められる 為に必要となった訳です。 謂わば、大国のエゴから始まった事だったりする訳です。 因みに、戦争を行うのにはお足が要ります。 そのお足を頂くのに、自国で賄いきれない場合は、各国の金融市場で資金を調達しなければなら ない訳ですが、捕虜を虐待するような野蛮な行為を行っている事が知れれば、世論がその資金調 達に対する批判を強める事が考えられます。 そこで、捕虜の虐待は各国とも極力避けようとする訳です。 (480 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 戦闘中、本国が降伏して戦闘停止・武装解除命令が出た場合、その部隊はそれに従い敵に降伏して、その場で解放されるのか、それとも一旦は捕虜収容所に抑留されるのか・・どちらなんでしょ? ケースバイケース。 そのときの状況によるけど、まあしばらくは戦争犯罪の調査や、事務手続きでその間は捕虜収容所送り。 復員するまで母国の軍人の身分は消えないので、一定場所に指揮官の指揮の下起居することになる。 これを悪用して移送したのがソビエトロシア、支那。 (465 323,324) 捕虜宣誓とは何ですか 捕虜になった後、当該戦争では、敵対する役務につかないことを宣言する事. これによって解放される。当然解放後に敵対行動をとって再度捕虜になったら 捕虜でなく犯罪者扱いになる。 (491 138) 近代戦において王族が捕虜になったら、停戦したりすることはありえるんでしょうか? 実例として、捕虜になって大問題となったケースとか、 あるいはそういう事態を避けるために特別の配慮がされたケースとかは、あるんでしょうか? 普仏戦争の時フランス皇帝ナポレオン三世はベルダンで捕虜となったが、フランスでは共和政府が樹立され、その後も戦争は続いてる。 あと王族とはいえんが、独ソ戦でスターリンの息子ヤコフがドイツの捕虜になったが、スターリンはドイツからの捕虜交換の申し出を拒否。 見捨てられたヤコフは捕虜収容所で自殺同然の死を遂げた。 (522 785) 捕虜になったことが大問題になった王族は、ベルギーのレオポルド三世がよく知られています。 第2次世界大戦においてベルギー軍の降伏した後、レオポルド3世はあえて亡命することなく ベルギー国内に留まり、ドイツ軍に幽閉されました。 ところが、国王はロンドンに樹立されていたベルギーの亡命政府と行動を共にしなかったことを 他の連合国や一部の国民に批難され、終戦によって解放された後もすぐに帰国することが 出来ませんでした。 この混乱はしばらく続き、国王は国民投票に掛けられた後に国内の混乱の責任をとって退位しています。 (522 名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE) 第2次世界大戦物の映画などに登場する捕虜収容所の所長などは戦線で負傷などが赴任理由になっているようですが、実際はどうだったのでしょうか? 栄転なんでしょうか?それとも左遷先と見るのが良いのでしょうか? 特に変わりありません。 軍隊では戦闘をするばかりでなく、後方を担当するのにも士官が相当数必要であり、 その中の一部が、捕虜収容所長として赴任したにすぎません。 部下の方は、戦傷などで後方に送られたケースが多いようですが、捕虜収容所長は、 それなりに国際法に精通した人々を充てることが多く、高等教育を受けた人間がなる ケースが多いです。 (325 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 栄転か左遷か、という観点とは少し違いますが・・・ かの名著「戦場における『人殺し』の心理学」によれば、捕虜収容所では 捕虜側よりも看守側のほうに心的外傷が多発するそうです。 捕虜の生殺与奪の権を握り、反乱や脱走に備えるなどの心的負担は 尋常なものではなく、後方だからといって閑職ではないようです。 同所には「ナチスドイツによって収容所の管理者に任命された者たちには、 攻撃的精神病質者が驚くほど多かった」「できるだけ<凶悪犯とサディスト> があてられた」ともあります。 そんなところの所長ですから、左遷先としては不適切でしょう。 (325 58) 捕虜になった際、尋問に口を割らない訓練とは具体的にどのようなものなのでしょうか まず話術の訓練。 誘導尋問の典型的なやつを一通り経験させて「つい喋ってしまった」ということに 対する耐性をつけさせる。 あとは「どうやったらすぐに気絶できるか」を教える。 でも尋問する方もプロなので、”一通り”した程度の訓練では対抗できないのが ほとんどらしい。 結局「吐かれて困ることは最初から教えない」というのが一番、ということになる。 特殊部隊の隊員にはあらかじめ少量の薬物(いわゆる自白剤とかそういう系統の)を 投与しておいて耐性を上げる、という事もやってはいる、とのこと。 (316 221) 兵士は、万が一敵の捕虜となってしまった場合、敵に対してどのように対応するよう教育されているのですか? 時代とか軍によって異なりますが…。 日本軍だって、日露戦争や第1次世界大戦までは、きちんと捕虜になった場合の国際法に関する教育を していた訳で。 ゲリラ以外の正規軍の捕虜となった場合は、捕まる際に、自軍の軍服を着用し、武器を持たずに恭順の 意志を表すこと、日記など、敵軍の情報源になるものは破棄すること、敵国兵士の尋問に対しては、認識 番号と氏名、階級、所属のみ答え、それ以外の一切に答えるべきではないこと、国際法に則った捕虜とし ての正当な扱いを要求出来ること、その為の捕虜条約の内容など、一連の国際法の教育が最低限為され ます。 尋問に関しては、敵に嘘の情報を流すことは考えないのですか? それなんて日本陸軍@昭和時代? 例えば、捕虜の名前なんて、大した情報でもないし、自分が生きている情報を自国に教えないと いけないのに、日本軍の捕虜はみんな「長谷川一夫」を名乗っていたりする訳で。 だから余り捕虜からの情報は重視しません。 雑談とか世間話程度から、情報を取得するのは多かったりしますが。 (296 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 戦争捕虜郵便についての条項が郵便法に制定されたようですが、この規定は戦前に存在したものが復活したのでしょうか? 戦前の日本では俘虜郵便ってのがあった。 で、これらが具体的に何かというと、 第71条 捕虜に対しては、手紙及び葉書を送付し、及び受領することを許さなければなら ない。抑留国が各捕虜の発送する手紙及び葉書の数を制限することを必要と認め た場合には、その数は、毎月、手紙二通及び葉書(第七十条に定める通知票を 除く。)四通より少いものであってはならない。それらの手紙及び葉書は、でき る限りこの条約の附属のひな型と同様の形式のものでなければならない。その他 の制限は、抑留国が必要な検閲の実施上有能な翻訳者を充分に得ることができな いために翻訳に困難をきたし、従って、当該制限を課することが捕虜の利益であ ると利益保護国が認める場合に限り、課することができる。捕虜にあてた通信が 制限されなければならない場合には、その制限は、通常抑留国の要請に基いて、 捕虜が属する国のみが命ずることができる。前記の手紙及び葉書は、抑留国が用 いることができる最もすみやかな方法で送付するものとし、懲戒の理由で、遅延 させ、又は留置してはならない。 長期にわたり家族から消息を得ない捕虜又は家族との間で通常の郵便路線により 相互に消息を伝えることができない捕虜及び家族から著しく遠い場所にいる捕虜 に対しては、電報を発信することを許さなければならない。その料金は、抑留国 における捕虜の勘定に借記し、又は捕虜が処分することができる通貨で支払うも のとする。捕虜は、緊急の場合にも、この措置による利益を受けるものとする。 捕虜の通信には、原則として、母国語で書かなければならない。紛争当事国は、 その他の言語で通信することを許すことができる。 捕虜の郵便を入れる郵袋は、確実に封印し、且つ、その内容を明示する札を附し た上で、名あて郵便局に送付しなければならない。 「捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約」より (295 170) 戦時国際法上、捕虜の官姓名を相手方に通知する義務ってあるんですか? それと、本国との通信を捕虜に許す義務もあるんですか? 捕虜の官姓名を相手方に通知する義務に関する条約 ハーグ陸戦条約第14条: 「交戦国毎に、開戦時に戦争捕虜に関する情報局を開設する。必要なときその局は 中立国に置かれる。その局は捕虜についての情報を提供するとともに、個々の捕虜に ついて報告書を保存し全ての必要な情報に関する業務を執行するものとする。 移送中または病院で死亡した捕虜が遺した、または戦場で発見された個人的所有物、 貴重品、手紙などを集め、受領することは、この情報局の任務である。」 ジュネーブ条約第三条約第六十九条〔措置の通知〕 「抑留国は、捕虜がその権力内に陥ったときは、直ちに、捕虜及び、利益保護国を通じ、 捕虜が属する国に対し、この部の規定を実施するために執る措置を通知しなければ ならない。」 通信を捕虜に許す義務に関する条約 ハーグ陸戦条約第16条 「情報局は郵便料金免除の特権を受ける。戦争捕虜に送られる、または戦争捕虜が 発信する手紙、支払い指図書、郵便小包、その他の貴重品は発信地または受領地 もしくはその中継地点のいずれの国においても郵便料金は免除される。 戦争捕虜あての贈り物と援護物資は郵便料金が無料のみならず、国有鉄道の輸送費 も免除される。」 ジュネーブ条約第三条約第七十一条〔通信〕 「捕虜に対しては、手紙及び葉書を送付し、及び受領することを許さなければならない。(以下略)」 以上の条約の下において抑留国は捕虜に対してあなたが訊ねた義務を負いますです。 (120 名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE) 映画「戦場に架ける橋」みたいに兵や下士官を労働力として使うことは条約で認められていたんでしょうか? ジュネーヴ条約第二十六条第二項 抑留国は、労働する捕虜に対し、その者が従事する労働に必要な食糧の増配をしなければならない。 上記から対価を払えば問題なし。タダでメシを食わせる道理は無いので、大体その分の労働はさせている。 第1次世界大戦の支那の青島で捕虜になった独逸兵は食事代分の労働はしている。 ただ、捕虜将校の労働に関しては同条約第四十四条によって禁止されている。 (262 177) 蛇足。 一応、捕虜に関しては、肉体的に不適当な労働、不健康若しくは危険な労働に従事することは 禁止されています。 第2次世界大戦に於いては、日本軍の規定では、賃金は企業から軍に対し、捕虜一人一日当り1円 が支払われ、捕虜受け取り分は兵が10銭、下士官15銭、准士官25銭、将校は階級に応じて支払う ことになっており、企業は賃金を日本軍の経理部(主計科)将校に渡し、経理部(主計科)将校が 捕虜の将校に渡し、将校が各自に払う形式を取っていました。 また、この場合は現金ではなく、通帳支払いという形で受け取っており、その給料を使う場合は、 将校から通帳を受け、監視員と共に収容所外の商店で買い物をすることになっていました。 (262 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 敵兵を武装解除して解放なんてことは本当に可能なのでしょうか? 「宣誓解放」という制度があります。 第3ジュネーブ条約第21条第2項 「捕虜は、その属する国の法令により許される限り、宣誓又は約束に基づいて 不完全又は完全に解放することが出来る。・・・捕虜に対しては、宣誓又は約束に よる解放を受諾することを強制してはならない」 同第3項 「各紛争当事国は、敵対行為が始まったときは、自国民が宣誓または約束に 基づいて解放されることを許可し、または禁止する法令を敵国に通告しなければ ならない。こうして通告された法令に従って宣誓又は約束をした捕虜は、その 個人的名誉に基づいて、その者が属する国及びその者を捕虜とした国に対して 宣誓及び約束に関わる約定を果たす義務を負う。この場合には、その者が属する 国は、宣誓又は約束に反する役務をその者に要求し、また、その者から受けては ならない」 (142 115) 傭兵は金で動く連中なので雇い主からは使い捨てで運用されかつ敵からも憎悪の対象で捕虜になれないというのは事実でしょうか? フランス外人部隊とかを傭兵に含めていいんだろうか あれは普通に正規軍扱いだから、捕虜資格もあるけど (俺初質スレ436 778) 各国の捕虜 日本軍は民間人の殺害、強姦、略奪、捕虜虐待などを行ったと言われてますが本当ですか? 兵が個人単位でそういう行為に走るのは世界の例にもれず日本も同様だし、 捕虜虐待は風潮として帝国陸海軍の常識でもあった。 軍として作戦上の話であっても 徴用という名で占領地から物資を略奪した例は山ほどあって、 そもそもの戦略目標が南方の資源だったから、 ある意味では戦争そのものが略奪を目的としていたとさえ表現できる。 民間人の殺害も憲兵の拷問とか有名だし、 のみならず自国の兵の虐殺としか表現できない作戦 (特攻ではない。敵ではなく味方を殺す為の作戦)をも頻発していた。 (477 794) 日本軍は「捕虜になるのは恥ずかしい事である。軍人たるもの命ある限り戦って散れ」と 将兵に教えていた(かの東条英機が訓令した「戦陣訓」)ので、捕虜に偏見の目を向けて いた。 欧米(ソビエト除く)では「捕虜はやれるだけの事をやった結果なのであれば恥ずかしい ことではない。むしろ、逃げ出さず捕まるまで戦ったのは褒められるべき」という意識 だったので、日本人に「捕虜になって恥ずかしいと思わないのかお前達は?」という態度で 接しられたことは「虐待」だった。 「バターン死の行進」は決して意図的に多数の死者を出したわけではなく、むしろ日本軍的には 「常識の行為」だったのだが(当時の日本には兵が徒歩以外で移動するのはまずないし、行軍中は 大して休憩もせず水もなるべく飲ませないのが普通)、国際常識的に見ると「捕虜の健康を気遣う」 という配慮が全くなく、「意図的な虐殺だ」と言われても仕方ない面があった。 日本軍が占領地で支払いに使った軍票は何も考えずに乱発したためにインフレ化して 事実上の紙屑状態だったし、そもそも「これ売ってくれ。支払いは軍票で」と言われて 「軍票じゃ売れません」と返事することは許してないのだから、略奪しているのと変わら ない。 インパール作戦等、「こんなの実行する前から失敗することは判り切ってるだろう!」 という作戦を数多く実行し、実際大失敗して多大な犠牲を出したことは、 「敵ではなく味方を殺すための作戦だった」 と言われても仕方がないだろう。 事実、「実は太平洋戦争の兵士の戦死者は戦傷死よりも補給の途絶による飢餓で死んだ方が 多い」ので、連合軍よりは日本軍の指導部の方が、日本人を殺すことに貢献していたとも言える。 (477 844) ジェシカ・リンチはどうして拉致されただけなのに勲章もらえんの? 授与条件を満たしたから 拉致された(捕虜になった) → Prisoner of War 戦闘にて負傷した → Purple Heart 勇敢な行いがあった → Bronze Star 政治宣伝的な側面がないとは言い切れないが、不自然な叙勲ではない (503 775) グアンタナモで拷問してたのが問題になったけど、今の米軍は公式には拷問禁止なの? 『24』のジャックバウアーのまねする兵士がいるとも聞いたけど? はるか昔にハーグ条約によって捕虜の虐待は禁じられておりますので。 (506 939) 肉体的な暴力は公には禁止だが、こんな拷問はやってたりする。 音楽をエンドレスで聞かせる「拷問」、米軍収容所で実践 http //wiredvision.jp/news/200809/2008092221.html (506 951) ソ連や中国が大戦中にまともに捕虜を扱った事例はあるのでしょうか? ソ連や中国(国府、中共ともに)については悪い話しか知りません。 過酷な労働を科すのはましな方で、降伏の軍使を撃ち殺すわ、死体にしたあとで(あるいはしながら) 遊び半分にぐちゃぐちゃにするわ。果たして、この二カ国がまともに捕虜を扱った事例はあるのでしょうか? 中国はかなり優遇したみたいだよ。一種の引き抜き工作。 優遇した上で日本側に返した例もある。返された後、自決に追い込まれたりしてるみたいだけど。 ソ連もノモンハン事件のときの捕虜は優遇してたみたい。 これも日本側に返還された後、自決に追い込まれた。 http //kiuchi.jpn.org/nobindex.htm シベリア→中央アジアに抑留された元日本兵の画集。 これを見る限りでは過酷ではあったが、意図的に虐待したというわけではない。 同じ捕虜のドイツ人やハンガリー人だけでなく、赤軍の兵士や民間人ともそれなりにうまくやっている。 国民党軍と違って航空兵力の無い共産軍は、降伏した日本の関東軍第2航空軍第101教育飛行団第4練成飛行隊の隊員を厚遇、 機材を集めて修理し、教官の教えを真面目に学び、人民解放軍航空隊の基礎を作った。 日本人たちは無事に帰国したが、中共帰りなことで公安に目をつけられ、就職が困難だったそうな。 後に、彼らは国交回復後に元教え子たちと再開し、歓迎されている。 (525 401-426) 太平洋戦争中、日本軍に黒人捕虜はいたのか? おそらく黒人捕虜は一人もいません。 大東亜戦争中日本陸海軍が捕獲した俘虜(所定の手続きの後に収容所などに収容された捕虜をこう呼びます)や衛生部員は 総数16万7930名、内3万8135名が死亡しました。 ちなみに原住民捕虜を加えると、約30万人になります。 で、本題ですが、白人捕虜と原住民捕虜に関する規定はあります。 つまり、日本軍は「人種的な区別をつけて」扱っています。 が、黒人に関する規定もなければ記録もないのです。 唯一考えられるのは記録に残される前、つまり収容される以前に「戦場で処理」された可能性ですが、多分ないでしょう。 私が持っているのは日本側から見た記録の類で、連合軍側からの戦死傷記録に黒人兵のそれがあるはずですから 照合すればはっきりしますが、米公文書館まで足を運ぶ方はいらっしゃらないでしょうね・・・ ま、「いない可能性が極めて高い」までにしときましょうか。 少なくとも日本側に黒人捕虜を収容した記録はありません。 「俘虜情報局・俘虜取扱の記録」は一応市販されてます(不二出版)ので、古書店探せば見つかるかもしれません。 (472 ゆうか ◆9a1boPv5wk) 米英豪などの捕虜になった日本兵には、どんな食事が供されたんですか? 補給さえしっかりしていれば、普通に米兵と同じ物を食べさせた。捕獲した携行食糧を「アメ公はええもん喰っとるのう」 とか言ってたレベルの食糧事情なんで、SPAM缶とかでも大喜び。 捕虜になった場合の対応を教育されていなかった上、飢餓に苦しんでいたところに十分に食事を与えられたのと、 虐待されるものだとばかり思ってた反動で、積極的に米軍に協力する日本人捕虜が続出したほど。 捕虜になった人が書いた本ではなく「日本兵捕虜は何をしゃべったか」という本 捕虜の証言と米軍資料を研究したのをまとめた 文春新書、著者山本 武利、ISBN4-16-660214-4 680円 (571 366-386) 第2次世界大戦においてドイツ軍が捕虜等で構成した師団を運用していましたが、日本は捕虜を使って何らかの軍事作戦に従事させていたことはあるでしょうか? 連合国側で同じようなケースはあったのでしょうか? えーと、戦場に架ける橋とか聞いたことないかな 九大事件も軍事っちゃ軍事か 有名な泰緬鉄道の敷設がそれに当たる。 連合軍の場合、ソ連が、ドイツの捕虜を集めて、自由ドイツ委員会などという プロパガンダ組織を作ってドイツに赤色政府を立てようとした。 日本はシンガポールで捕虜となった英領インド軍将兵から志願者を募ってインド国民軍(Indian National Army)を編成し、インパール作戦などに投入している。 ソ連はスターリングラードで捕虜となった将校に自由ドイツ委員会などの傀儡組織を作らせ、前線での宣伝や投降勧告などを行わせてる。 (579 153-155) 戦陣訓に「生きて虜囚の辱めを受けず」てありますが、実際捕虜になって罰せられた例はあるの? 軍法には処罰規定はないと思う。 しかし、ノモンハン事件で関東軍将校らが蒙・ソ軍に捕らわれ、停戦後の捕虜交換で帰還したケースがある。 捕らわれていた連隊長や下級士官は原隊復帰は成らず、職を解かれ、 全員が関東軍司令部付となり、参謀の服部・辻らに事実上の自決を強要されている。 半藤一利著「ノモンハンの夏」より ただし、彼らの多くは戦闘中に負傷または人事不省の状態で戦線に残置されていることから、 抗命や逃亡兵とは異なる点は注意が必要。 満蒙の国境を巡る小競り合いの小規模戦闘から、数個師団を投入する会戦にまで発展した結果は周知の通り。 もちろん事件の責任は、省部の方針に従わず、独断で無謀な作戦を遂行した関東軍司令部にあるのは言うまでもない。 作戦に当たった第23師団長・小松原中将以下、各連隊長ともに予備役に編入されているが、服部・辻の参謀は一切の責任を問われていない。 しかも自ら立案した作戦の失敗に反省も教訓も残さずに、参謀本部作戦課長・班長へ栄転している。 マキャベリズムの権化ともいうべき服部・辻の独善的な態度は開戦劈頭のシンガポール攻略戦で益々増長し、 ガダルカナルで多大な犠牲を払うことになる。 東絛内閣が誕生した直後に戦陣訓が出されたのも、ノモンハンでの虜囚に端を発しているのではないかと推察される。 (軍法スレ:114) 広島や長崎の原爆投下で被爆した連合国軍の捕虜の兵士は、どの位いたんでしょうか? 又、生き残った捕虜達は米国から補償を受けれたんでしょうか? 実際には、日本側の報告では「原爆で死んだこと」にされた捕虜もおり、その実数自体は きちんと掴めていません。 その捕虜たちは米国から補償は受けていなかったと記憶しています。 (324 眠い人@出張先 ◆gQikaJHtf2) アメリカ兵による日本兵捕虜の集団殺害や虐待の記録は存在するんでしょうか? ジョン・ダワーの『容赦なき戦争』にはその手の話が結構載っている。 (618 888) 日本軍の捕虜となった米兵はどういう扱いをうけたのでしょうか? 太平洋戦争勃発当初からアメリカを始めとする連合軍捕虜に対する処置は過酷を 極めました。これは日清・日露、或いは第1次世界大戦時に敵捕虜の処遇にかかる 費用が大変大きかったのが一つ、さらに伝統的に捕虜になる事をきらう日本軍 にあって「味方が捕虜になるのを戒めるのに敵捕虜を客人の様にもてなすのは 如何なものか」という論調が当時の主流だったのが一つです。戦陣訓も敵捕虜 への虐待を後押しした側面があるでしょう(ただ、開戦当初は古き伝統にのっ とって米捕虜を厚遇した例もありました。東京に到着した米捕虜にお茶が振る 舞われた、などといったのんびりした事もあったようです。もっともこの時炊 き出しに参加した女性の一人が漏らした『おかわいそうに』という言葉が報道 され連合軍捕虜厚遇への非難に使われたのは皮肉です) 連合軍捕虜の収容所は日本内地をはじめ、フィリピンやインドシナ、ビルマと いった占領地にも作られました。過酷な労働(ジュネーブ条約では将校の捕虜は 労働する義務を負いませんが、これを批准していない日本は当然この条項を適用 しませんでした)やカロリーの低い食事のため多くの連合軍捕虜が収容所で 命を落としました。東京裁判でのアメリカの主張によると日本軍に捕虜になった 米兵の死亡率は約27%で、ドイツに捕虜になったそれの4%を大きく上回ります。 なお、ご存知の通り日本占領地で撃墜された爆撃機搭乗員は多くの場合戦犯として 処刑されました。これは1942年ドーリットル隊の日本本土爆撃の結果 昭和17年10月19日付けで大本営陸軍部が出した 「大日本帝国領土を空襲し我が管内に入れる敵航空機搭乗員にして暴虐非道の行為 ありたる者は軍律会議に付し死または重罰に処す」との布告にもとづくものです。 (日本軍の捕虜となった米兵の運命 20) 黛治夫が「利根」の艦長時代、捕虜に取ったイギリス人を65人も航行中に舷門から 突き落として処分したけど、その件は上司の左近允尚正司令が責任を取らされて 処刑されたんで、本人はたったの懲役7年をくらっただけ。この件で黛の首が繋がったのは 他のケースと比較すると奇跡的。というか、命令で、もう息が無くなった敵兵を銃剣で突き刺した 兵隊が絞首刑にされてるのと比べれば明らかな不公平。 この話は、生き残った海軍関係者の間ではタブーになったらしい。 出所後の黛の偉そうな物言いはご承知の通り。 (日本軍の捕虜となった米兵の運命 12) 日本軍の捕虜だけはいやだ 確かに日華事変以降の日本の捕虜政策はひどいものなのですが、 第1次世界大戦までの日本は世界でも稀に見る捕虜を大切に扱う国でした。 日露戦争の時にロシア兵が捕虜収容所のある松山の名前を連呼しながら 投降した話や、捕虜になったポーランド系ロシア人が日本の厚遇に 感謝し、その後の日ポ友好に貢献したなどといったエピソードがあります。 でも、そうやって積み上げたものも太平洋戦争のムチャクチャで すっかりご破算になったんですが…。 (日本軍の捕虜となった米兵の運命 23) 日露戦争で捕虜になった日本兵が敵に協力することが多々あったらしいしとか? 日露戦争で問題になったのは、それこそ日本人捕虜が敵の尋問に何でも答えて しまうこと。本来これは軍の兵隊教育の問題で、「捕虜になっても自軍の情報を喋るな」 と徹底しておけば良かっただけのこと。そこまで頭が回らなかったので、こういう事態に 立ち至ってしまった。 それと、当時の日本の庶民は近代法の精神なんて全然理解してないから、「黙秘権」なんて 概念が念頭に無かった。だから敵の将校に尋問されるということが、 彼らの多くにとっては、お上のお取調べと区別がつかなかったらしい。 その結果、拷問もせんのに、聞かれたことは何でも素直にベラベラ喋る兵隊になってしまったらしい。 捕虜が敵側の戦力として戦線に復帰することは、朝鮮戦争やベトナム戦争の米軍にもあった。 (捕虜第一号 48) 朝鮮戦争では、北朝鮮軍や中共軍の捕虜も素直に秘密を喋ったらしい。 次の攻勢は何月何日とか。初期の頃には素直すぎて米軍上層部に信用さ れないこともあったとか。彼らも日本軍のように捕虜になった際の教育を されてなかったのであろう。 (捕虜第一号 55) 「一空事件」についてはよく存じていません。ぜひ詳しく聞かせてください 開戦直後のフィリピン爆撃時に撃墜され捕虜となった第一航空隊 所属の原田一飛曹以下8名がのちに自爆した事件。 原田機は1941年12月12日ルソン島アラヤットに不時着して 乗員8名はフィリピン人ゲリラに捕虜になる。その後陸軍が救出し 翌年1月7日に一空に復帰するものの査問に掛けられる。 その結果「死に場所を与える」なるうやむやな裁定が下され原田達は ラバウルへと転属になる。1942年3月31日、「ポートモレスビ ーへの写真撮影」を命ぜられた原田機は96式中攻1機で出動、 モレスビー飛行場上空で自爆した。 (捕虜第一号 16) 中国軍の捕虜になってしまった日本兵の扱いはどんなだったんでしょう 日清戦争時は非常にひどかったようです。清軍には今日的な捕虜を保護する精神は まったくなく、捕虜になった日本兵はそのほとんどが虐殺されました。戦後送還された 日本兵捕虜は公式にはわずか1名です。 上海事変以降の国民党軍はジュネーブ条約を多少尊重した形跡があります(徹底していた とは言いがたいですが)。捕虜になった日本兵が非常に厚遇を受けた例もありますし その場で虐殺されたり、中共の思想教育キャンプにおける捕虜の思想改造のように極めて 悪質な処遇を受けた例もあります。 (捕虜第一号 112) シベリアに抑留されたのはドイツ・日本兵捕虜だけ? ソ連の捕虜になった枢軸国兵士(イタリア、ハンガリー、ルーマニア等)はシベリアを含む国内各地の収容所に抑留されてる。 http //kiuchi.jpn.org/nobindex.htm ここの画集にあるようにドイツ兵やハンガリー兵などと同じ収容所で肩を並べて作業するようなこともあったようだ。 ちなみに日本人がよくシベリアとしてイメージするウラジオストクあたりはロシアの区分では「極東」で、シベリアはもっと西。 (633 65) 日本爆撃の際、中島飛行機の工場などの情報はどうして得ていたのですか? 日本兵捕虜を尋問して情報を得ていたのです 第2次世界大戦中、アメリカはアルホルニア州サンフランシスコ市近郊に、日本兵捕虜秘密尋問所を設けていました。 1944年9月、サイパン陥落の2ヵ月後に、合同攻撃目標グループが設置されました。 アメリカ陸軍情報参謀部、陸軍航空隊、海軍、イギリス空軍、戦略情報局(OSS、CIAの前身)、外国経済局、国防調査会議などからなります。 ここに情報を供給した主な機関が、日本兵捕虜秘密尋問所なのです。 まず、捕虜に身上書を書かせて、本人の情報を得ます。 役立ちそうだと見ると、日本兵捕虜秘密尋問所へ送り込んで、詳しく尋問しました。 サイパンで1944年7月に捕虜になった日本兵がいます。 1944年4月21日まで、三菱重工業名古屋発動機製作所にて働いていました。 11月4日から21日にかけて尋問を受けました。 11月23日爆撃を受けました。 元工員の証言は詳細でした。 同じようなことが、日本各地に対して行われました。 合同攻撃目標グループは、単独の組織ではありませんでした。 いろんな部署から情報を持ち寄りました。 オーストラリア駐留の陸軍航空隊の情報部隊では、零戦の製造番号の秘密を解き明かしました。 最初の1桁が、嘘の数字だったのです。 製造番号の秘密が分かると、生産量も推測できました。 そんな中でも、日本兵捕虜秘密尋問所からの情報は秀逸でした。 工場や皇居や横須賀の猿島要塞の見取り図が詳しく描かれていました。 日本人関係者に確認すると、間違いの無い、正確なものだそうです。 日本海軍の情報機関の大佐が捕虜となり、在中国の、日本陸海軍の情報機関や、 ドイツやイタリアの情報機関のことまでしゃべってしまったそうです。 中国の漢口在勤の、沖野海軍大佐が、乗っていた飛行機の不時着で、連合軍の捕虜になりました。 情報部門の高官で、いろんなことを知っていました。 そのほとんどをしゃべってしまったらしてのです。 『トレイシー 日本兵捕虜秘密尋問所』 中田整一出版社:講談社価格:¥1890 (本体¥1800+税) 巧妙な米国の情報戦略 (656 霞ヶ浦の住人 ◆ORAm06ellg) その爆撃前に写真偵察機で、写真撮影をして、爆撃目標、 爆撃コースを検討して決定しています。 霞ヶ浦の住人のいってる、戦前のお雇い外人の話や捕虜の情報は、 あたりをつけるだけの情報としか活用されておらず、事前に偵察型のB-29などで、 写真撮影を行ないそれを持って爆撃の情報としています。 (656 321) 旧日本軍で捕虜が死亡した場合、その遺体・遺品はどのような措置が執られたのですか。 また、葬儀・慰霊祭に相当するものは行なわれたのですか。 捕虜が死亡した場合は、火葬され、捕虜収容所(もしくは分所)近くの寺院に遺骨を納める 場合が多かった様です。 遺品に関しては、殆ど残ってません。 と言うか、衣服にしても、元々着ていたものと、作業服、手拭い、軍手、地下足袋が支給され ますが、戦争が進むと衣料品の欠乏も申告で、結局その支給すらありませんので、私物など は殆ど持ち込めていません。 礼拝については、収容所によって違うと言う回答しかありませんね。 一応、捕虜の自由で、捕虜で牧師役になる人もいますけれども。 従って、略儀的な葬儀はあったと言えるでしょう。 (294 眠い人@規制中) 「生きて捕虜の辱めを受けず」と最初に言い出したのは誰なんですか? 「此一戦」を書いた水野某という海軍の将校だとか言う話を前に読んだ覚えがあります。 NHKブックスにその辺を書いた本があった筈なのですが。 (290 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 日露戦争当時,日本に「捕虜になることは恥だ」という意識はあったのか? 恥だったと見ることはありませんでした。 ウィキペディアの捕虜の日露戦争から引用 http //ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8D%95%E8%99%9C 「日本側で捕虜となった人間の扱いも後世と異なっていた。 例えば、旅順要塞降伏後、日本人捕虜101人(陸軍80名、海軍17名、民間人4名)が解放されたが、 彼らは「旅順口生還者」と呼ばれ、冷遇されることは無かった。 海軍捕虜の一人であった万田松五郎上等機関兵曹(第三次閉塞作戦で「小樽丸」に乗り込み、捕虜となる)は、 解放後に上京し、連合艦隊司令長官東郷平八郎大将に面会して作戦状況の報告を行い、記念に金時計を授与されている。 また、陸軍においても開戦直後の明治37年2月19日、 義州領事館に所在して情報収集活動をしていた韓国駐在陸軍武官・東郷辰二郎歩兵少佐がロシア騎兵部隊の包囲を受けて部下の憲兵5名 (中山重雄憲兵軍曹、坪倉悌吉憲兵上等兵、古賀貞次郎憲兵上等兵、牛場春造憲兵上等兵、山下栄太郎憲兵上等兵)とともに降伏、 捕虜になり(日露戦争における捕虜第1号)、ペテルブルクの収容所で捕虜生活を送った後、 戦後の明治39年2月14日に帰国したが、任務遂行中に捕虜になった不注意で軽謹慎30日の処分を受けたのみであり、 東郷少佐は後に少将まで昇進している。」 (683 霞ヶ浦住人 ◆1qAMMeUK0I) 上のレスは偏向してます。 眠い人 ◆gQikaJHtf2の以前のレスでは、戦後の還送の際にインドやシンガポールなどの寄港地で行方をくらまし、 日本に帰らなかった兵士が少なからずいた例を挙げて、捕虜は恥という考えの方が世論的には勝っていたようだと 書いています。 ただし山県有朋の申告や寺内正毅の訓示は下士卒への影響は少なかったらしく、捕虜に対する忌避感は軍上層部では 表向き見られないとも書いているので、捕虜は恥という空気が支配的になるのはやはり戦陣訓以降でしょう。 (名無し三等兵) 山県有朋はなぜ「捕虜になるな」という布告を出したのですか? 中国兵に、残虐行為をされるので、それを避けるというのが、真意です。 「日清戦争であまりに支那が残虐で野蛮だったため、第一軍司令官の山県有朋は「捕虜になるな」という布告を出した。 日本人が捕虜になると、あらゆる残虐な方法で苦しめられたうえに殺されたからである。 支那人は日本人の手や足を切り、首を切り、睾丸を抜いたり、男根を切り取り、胸部を割って石を詰めるなどした。 このため山県は「敵の生捕りする所となるべからず、むしろ潔く一死を遂げ、以って日本男子の名誉を全うすべし」と言わざるを得なかった。 「生きて虜囚の辱めを受けず」とは単に死ぬまで戦えという意味だけではないのである。」 下記を参照ください。 ttp //www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/7517/nenpyo/1891-00/1894_nisshin_senso.html (686 霞ヶ浦の住人 ◆1qAMMeUK0I) 日本本土に捕らわれていた連合軍捕虜はどこで何をしていたのでしょうか? 正式に降伏調印がおわり、連合軍の係官に 引き継がれるまで、収容所暮らしです. (267 144) 蛇足ですが。 1945年8月15日の日本降伏に伴い、米軍は、日本政府に対して各地の捕虜収容所の屋根に「PW」と表記することを要求します。 また、捕虜の引揚げは各地に分屯している捕虜たちを数カ所に集めることとなりますが、その間、30日と見積もられた捕虜還送 日程から、捕虜に対する救恤品が不足すると言うことで、日本側から提出を受けた捕虜収容所のリストを元に、169カ所の捕虜 収容所に、B-29または艦載機を用いて、8月27日から9月20日に掛けて69,000名に対して30日分の補給物資を用意し、補給品は 3日分、7日分、10日分単位のいずれかを投下して、彼等の糊口を凌ぐことになっていました。 その後、捕虜達は長崎、静岡県新居町、横浜、東京都大森、北海道千歳など、主な収容所に交通機関を使って移動し、9月1日 の降伏文書調印後は、連合国軍総司令官の命令の下、直ちに係官を集合地に派遣して、捕虜を受取、9月中に沖縄、マニラ経由 で本国に帰還を果たしました。 (267 眠い人 ◆gQikaJHtf2) イタリア軍に捕まったイギリス兵の扱いはどうだったのでしょうか?? イタリア軍に捕まった英国兵は、概ね捕虜条約に則った待遇をされています。 それが行き過ぎて、以下の話があったりするのですが。 英国空軍のボーフォート搭乗員が撃墜され捕虜になったのですが、彼は士官だったので、色々と 便宜を、特に食べ物などに対して図ってくれたそうです。 しかし本国への護送中に、その搭乗機、Z.506をハイジャックし、監視中の枢軸国軍用機を騙し、 味方のスピットファイアの攻撃から命からがら逃れ、マルタ島に帰還して、搭乗員が逆に英国の 捕虜としたと言うエピソードがあります。 (135 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 第2次世界大戦時に、中国側の捕虜になった日本兵の扱いはどの様な物だったんでしょうか? 捕まった場合、虫の居所が悪い指揮官に当たれば、命はありません。 ただ、国民党、共産党共に、技術者、医者と言った専門家は、結構厚遇されています。 徴兵された一般人の場合も大体同様(但し、待遇は専門家よりは落ちるので、自活の 為に苦力的な仕事に就かねばならない場合もある)。 一番悲惨を極めたのは、士官以上の職業軍人でしょうか。 彼等の場合は、民衆の憤懣が集中する場合もあり、中には命を落とすこともありました。 特に共産党軍の捕虜の場合は、定期的な教育、啓蒙活動が繰り広げられ、延安にいた野坂参三が 校長を勤めた「労農学校」に送り込まれて思想改造を受け、後に反戦同盟延安支部を結成、 これは更に、日本人民解放連盟に発展し、彼等は、在華日本軍兵士に対する宣撫活動を行うことに なります。 (260 眠い人 ◆gQikaJHtf2) バターン死の行進の報復として、アメリカ軍によって日本兵の捕虜が虐待されたことがあったそうですが。 日本兵の死の行進と言えば、以下のケースがありました。 「ナウル守備兵の死の行進」 これは豪州軍によって行なわれましたが、関係者は処罰されていません。 このほか、漂流民への機銃掃射については豪州軍が行なっていますし、米軍でも行なわれています。 ついでに、ソ連に抑留された日本兵に対する処遇は結構有名ですが、英国も結構 嫌らしく、南方で抑留された日本兵は、「捕虜」ではなく、「降伏軍人」という扱いになっています。 「捕虜」とするとジュネーブ捕虜条約の規定に従わなければなりません。 また、自軍による監視など経済的負担も可成りのものになります。 このため、東南アジア連合軍(SEAC)のScott参謀長は、彼らをP.O.W.ではなく、降伏日本軍人 (Japanese Surrendered Personal(JSP))と規定し、国際法で定める捕虜待遇から外します。 また、45年12月31日には「日本軍人は極限まで使役すべし」という命令が出されます。 これにより、ポツダム宣言第九条(捕虜の武装解除後の即時帰還)を無視し、彼らのうち10万人を 「作業隊」として、1日12時間労働、素手による地面掘削、休憩・飲料水接種・用便の不許可、談話・ 喫煙の厳禁、作業現場までの片道15kmの往復駆け足、広場での長時間正座、駆け足移動に遅れれば 殴打、疲労で倒れると強制的に立たされ、それでも倒れると放置されるなど、凡そ捕虜条約の規定では 厳禁となっているものを全て無視することが出来た訳です。 また、作業中、休業中の暴行も茶飯事で、言葉が通じないとてまごついていると、命令不服従 として、炎天下に広場を1時間走らせたり、食事の量を減らすなどの罰則がありました。 作業内容は、無意味なモノのほかに、汚水処理場、糞尿処理場での糞尿処理、ゴミ集荷、炭塵の 立ちこめる船倉内での石炭積載作業、100kg入り米袋、岩塩袋の運搬などがあり、休日は1946年 10月までは1日も与えられていません。 また、明らかに国際法に違反する作業、軍港においてのインドネシア軍との戦闘用に用いる弾薬の 積み卸し作業、Guerrilla鎮圧も行なわれています。 ついでに、「捕虜」であれば、使役中の労賃は払われますが、「降伏軍人」では支払わなくても良いと。 民間人が使役した場合も、日本側には支払わず、英軍側に支払う形が取られました。 労賃は、1947年5月まで支払われず、それも現地支給ではなく、6月以降の賃金を日本政府が支払うと 言う形になりました。 その労賃たるや、残業、手当は一切無し、熟練職が1時間1.5ペンス、非熟練職が0.75ペンスで、これは 英本国の賃金水準の僅か32分の1に過ぎません。 給養についても同等。 SEACの支給は1600~1700calの支給で、特に認めた場合は50%増しでしたが、Kレーションは3300calなので、 英軍の半分の食料。 例えば、マラヤでは46年に米が一日分茶碗2杯強、昼食はビスケット6枚と小判型の魚の缶詰を5人で1缶。 これはインド兵の64%の量でしか有りません。 衣服、寝具、日用品の支給は皆無、住居も掘立小屋。 当然、伝染病が蔓延しますが、英軍は毎日の作業隊内の患者最高率を提示し、それ以上は認めませんでした。 最高率は各地区で異なりますが、1~3%程度。 こうして、1947年10月10日までに、全体で8,971名が死亡、負傷者は延べ20,084名に上りました。 あ、片手落ちにならない為に補足しておきますと、日本軍上層部も「捕虜」の扱いではなく、相当の名誉と待遇を 要求していた点もあり、「捕虜」に課せられる強制労働を嫌って、「降伏軍人」という扱いに同意した、と言うお馬鹿 で脳天気な点も見逃せませんがね。 (150 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 連合軍の捕虜となったドイツ兵100万人が虐待などにより死亡したという説ですが、証拠はあるんですか? 米兵によるダッハウ収容所員の処刑(1945.4.29:329~500名殺害) → 米陸軍省法務局によって記録、写真ならびに映画撮影が行なわれている。 (参考文献) Howard A. Buechner "The Hour of the Avenger(1986) Nerin E. Gun "The Day of the Americans"(1966) スウェーデンによるドイツ兵士のソ連への引渡(1945.12:2,522名) → スウェーデン軍将兵はこの移送命令を拒否、国家警察が輸送に当たる。 (参考文献) パウル・カレル「捕虜」 チェコに於けるドイツ兵の虐殺 → ミレシャウに於けるチェコ人の残虐行為が記録に残る。 1990年代、殺された将兵の集団墓穴が発見され、個人の写真が報道され、明らかとなる。 米仏による強制収容所の転用(1945.:200万人)。 → 平均30ヶ月の抑留。釈放証明書の存在など。 フランス軍占領地域では、連合軍将兵の暗殺に備え、人質の提供が求められていた。 (参考文献) ジェームス・バクー「消えた百万人 ドイツ人捕虜収容所、死のキャンプへの道」(1993) Charles Lincoln "Auf Befehl der Militarregierung"(1965)など デンマークのドイツ兵捕虜による地雷除去作業(1945.5~10:死者250名、重傷250名) → 英軍将校による命令により、リンデマン将軍の個人的責任で、地雷除去作業を命令。 (参考文献) Helge Hagemann "Under Tvang"(1998) などなど (118 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 終戦前までは捕虜の扱いは普通だったが、ドイツ降伏後は一転。 西部戦線で捕虜になった約900万人の捕虜のうち、1年もしないうちに約100万人が連合軍 (主にアメリカ軍)の過酷な取り扱いにより餓死や伝染病で記録上から消えた 連合軍から、「捕虜」では無く「犯罪者」として扱われた武装SS所属の兵士だけではなく普通の兵士も 終戦後、 野ざらしで雨を遮るテントもない『捕虜収容所』に送り込まれた。食料はほとんど支給されない、 赤痢や1日に数百人が死んでトラックで運び出される。時たま連合軍兵士がジープで乗り込んで、 機関銃を連射しながら、適当に捕虜達を銃殺していった。 しかもこの残虐な行為は事実上連合軍最高司令官のアイゼンハワー直々の肝いり。 詳しくはこちらを。 『消えた百万人 ドイツ人捕虜収容所、死のキャンプへの道』 (ジェームス・バクー 著 申橋昭 訳 光人社) 発生した大量の死者は、書類上の操作で最初から存在していないように扱われ、この本の著者は 各地の公刊資料などを綿密に調べ「意味不明の曖昧な記述」から、実態を調査していくしか無かったほど。 (155 815) 消えた大半は脱走したらしいが。 米軍側も戦争は終わってるし、めんどくさいので見て見ぬ振り。 (155 819) さっさと釈放したヒトラーユーゲントや国民突撃隊の老兵などをOther Lossesに繰り込んだのを著者が死亡としているなんて話もある。 ただ終戦後数ヶ月の間独軍捕虜の待遇がよくなかったのは事実。 意図的な虐待ももちろんあったが、連合軍は占領下のドイツ国民にも食糧を配給しなければならなかったので捕虜にまで充分手が回らなかったことも一因。 (155 821) 1945年の8月15日から、米軍が進駐してくる間の日本国内の捕虜収容所は、どの様な状況だったんでしょうか? 戦時捕虜や抑留民間人は、占領軍の手によって引き上げが出来るまでの間、 食料、衣類、医薬品を補給しつつ、現場に留まることになっていました。 また、日本政府に対し、各地の捕虜収容所の屋根に「PW」と大きくペンキで表記する 様命じ、8月27日~9月20日の間、艦載機、B-29による補給物資が投下しています。 そして、捕虜の集結地点を指示し、9月1日の降伏文書締結後に、直ちに係官を派遣して 捕虜を受領し、彼等は、長崎、静岡県新居町、横浜、東京の大森、北海道の千歳に集合し、 9月中に沖縄、マニラ経由で殆どが帰還しています。 (242 眠い人 ◆gQikaJHtf2) シベリアに抑留された日本兵って、具体的にどういう事業に投入されたのですか? 石炭・石油・非鉄金属の採掘、木材伐採、兵舎・工場の建設、河川・港湾の整備、シベリア鉄道本線・支線の建設や補修、 機関車や貨車の修理、石油精製工場や重機械工場での操業、農場での労働など多岐にわたっています。 例えば、バム鉄道の建設なんかもそうですね。 また、南方に於ける英国軍抑留者の処遇も似たようなものでした。 ちなみに、ドイツ人捕虜の場合、1941~49年まで、大規模工業施設や炭坑の建設および再建、鉄道・道路の建設、橋梁の 建設、暖房・ガス管の敷設、都市住宅および労働者共同住宅の建設などに従事しています。 これらドイツ人捕虜が建設したのは、ウクライナのコルホーズ建設、ドンバス炭坑の再建、レニングラードの石炭供給、世界 最大の水力発電所、モスクワの地下鉄、運河、モスクワのディナモ・スタジアム、東シベリアのゴルドベルク工場、原爆研究所 まで、多岐にわたっており、捕虜を監督するGUPVI(ソ連捕虜抑留者問題管理総局)の収入は111億ルーブル、経費支出は133 億ルーブルで、赤字ではありましたが、その後のソ連経済に対する価値は何倍にもなります。 (164 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 日中戦争における両軍捕虜の処遇について教えて下さい。 日支事変(日中戦争)における両軍捕虜の処遇は非常に複雑でしてなかなか簡単にはまとめられません。 ですが開戦の年・1937年に限って言えば比較的状況はシンプルであります 捕虜になった中国軍(国民党軍・八路軍)兵 日本陸軍は日支事変を戦争とは見なしておらず、従って捕虜の処遇については「(捕らえられた)支那軍人は法律上 これを俘虜と解していない」との見解を、海軍に対して回答しています(1937年8月5日陸軍省法務局)。このためかどうか 解りかねる部分もあるのですが、陸軍に捕虜となった中国兵は「その場で武装解除・解放」「銃剣・軍刀などの試し切り で殺された」「荷物運搬等の使役」などなど処遇一つ取ってもまちまちでした。ただし海軍は事変勃発時に戦時国際法 に乗っ取った捕虜処遇を行うとした「第三艦隊俘虜取扱規程」を制定し46名と少数ながら捕虜の管理も行っています。 彼等がどのような処遇を受けたかはぼくの手持ちの資料では追跡できませんでした。陸軍捕虜からは汪政権軍への 編入も募られていたようですので、一部は汪政権軍へ参加した可能性もありますが、おそらくは終戦時まで解放され なかったのではないでしょうか? 捕虜になった日本兵 当時の国民党軍は敵軍への投降を禁じており督戦隊も投入されていました。そのこともあって、戦争初期に捕虜になった 日本兵は大多数が殺害されています。1937年の段階では海軍航空兵を中心とした数十名程度しか捕虜を獲得できなか ったことからも、捕らえられた日本兵の殺害は裏付けられています。なお、国民党軍は一応「俘虜処理規則」において 捕らえた日本兵は「我国軍民と同等に看待し且つ其人格名誉を尊重すべし」「俘虜に対し陵虐、恐嚇、詐欺手段を持って 所属国の各項軍情の報告を誘迫するを得ず」と定めています(37年10月15日)。一方八路軍は「三大規律」「八項注意」 というスローガンを持って組織を維持していましたが、うち八項注意には捕虜虐待を禁ずる一項がありまして、事変初期 から捕虜獲得に積極的だったようです(主にプロパガンダ目的だったと思われます)。が、1937年に置いては、獲得した 捕虜の数はけっして多くはありませんでした。 さて、1937年に捕虜となった日本兵の数は、国民党軍約20から50人。八路軍は不明ですが1938年5月の時点で124人 ですからこれよりは当然少なくなるでしょう。国民党軍が捕虜にした20~50名は西安の捕虜収容所へ収容され1940年 宝鶏の収容所へ移送、そこで終戦を迎えています。良く解らないのは八路軍に捕虜になった人たちです。八路軍は 「捕虜が希望するなら原隊への復帰を認める」との政策をとっていまして、実際に日本軍へ捕虜を送り返しています。 日本側がこれを確認したのは1939年後半で、初期に捕虜になった人たちの中にもこうして送還された人たちが 少なからずいたものと思われます (168 460-461) 日本はどれぐらいの連合国兵士を捕虜にしたの? 第2次世界大戦で捕虜となった米国軍人は、13万201名、うち、日本軍の捕虜となったのは、 33,587名で、このうち、37.3%が死亡。 ちなみに、ドイツ軍の捕虜となった米兵の死亡率は1.1%。 オーストラリアの場合、22,376名が日本軍の捕虜となり、そのうち35.9%が死亡した。 この数は、戦闘で死亡した兵士の数より多かったりする。 んなわけで、極東軍事裁判のBC級戦犯になった者の内、起訴件数の16%、起訴された 人員の17%、有罪者の27%、死刑の11%が捕虜収容所関係者で、この比率は憲兵の比率 に次いで多い。 (しょうもない知識を披露するスレ 第9幕 眠い人 ◆gQikaJHtf2)
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11 京都府舞鶴市余部下 海上自衛隊舞鶴地方総監部 作戦室 2012年 6月5日 20時05分 舞鶴市の幹線道路である国道27号線は、小高い丘に設置された総監部の敷地を右手に見ながら、市街地に向かい右に折れている。 折れた先の左手には艦艇の建造、整備を受け持つユニバーサル造船の工場が立ち並び、大型クレーンが夜の闇に聳え立っていた。その先の舞鶴航空基地に続く支道を過ぎると、艦艇部隊が係留されている北吸岸壁に続く。 岸壁には、護衛艦みょうこうと補給艦ましゅうが横付けしていた。二隻共隔壁灯は消され、自衛艦旗がマストに翻っていた。艦は合戦準備──戦闘態勢にある。 未だ続く敵の侵攻に対し、海上自衛隊は北吸岸壁手前、片側二車線の路上に予備陣地を構築。五老ヶ岳応急陣地から撤退してきた部隊を収容し、第二次防衛線としていた。 万が一ここを突破されれば、市の対策本部がある市役所や、市民が避難している前島埠頭が敵の攻撃に曝される。海自は何としてもここで敵を食い止める覚悟でいた。 戦闘は、太陽が完全に沈んだ後もその勢いを減じる様子は無い。海上自衛隊舞鶴地方総監部は、満天の星空の下で自らも無数の閃光を放っていた。 雲一つ無い夜空に、硝煙と騎士団の放った火矢による火事の煙が漂っていた。その煙の中、強烈な投光器の光が寄せ手に向けてまっすぐに放たれ、陣地からは発砲炎が、激しく明滅している。 投光器の光によって強制的に夜の闇から引きずり出された騎士の着た鎧が、鈍く煌めいた。それを見た周囲の手勢が慌てて逃げ出す。主人の運命が尽きたからであった。 彼等はこの一日で学んでいた。 呆然とした表情を浮かべたその騎士は、遮蔽物を得る前に陣地からの集中砲火を浴びた。たちまち地面に撃ち倒される。 一方、立木や建物の陰からは弓兵が火矢を放っている。火矢は可燃物がほとんどない自衛隊陣地にはあまり効果が無い。しかし、庁舎まで届いた一部が、小火を引き起こしていた。 エレウテリオ騎士団側は、自衛隊の旺盛な火力に攻撃を阻まれていた。密集陣形による突撃を諦めた後も、じりじりと損害は増え続けている。 しかし、優位に戦いを進めているかに見える自衛隊も、守るべき面積に対して明らかに兵力が不足している。どこか一カ所の綻びが致命的な結果を招きかねなかった。 「総監、報告します」 防衛部第三幕僚室長が疲れの滲んだ声色で報告した。彼の率いる第三幕僚室は主に作戦を担当する。当然、昨日から寝ていない。 作戦室の中は、書類の束が積み上がり、情報端末を操作する海曹士が目を血走らせ、幕僚が電話口で怒鳴っていた。室内は控えめに表現しても、一糸乱れぬとは言えない有様であった。 壁には舞鶴全域の地図と、総監部敷地の地図が貼られていた。西舞鶴全域、中舞鶴、そして東舞鶴駅から南側には、敵を示す赤色のピンが無数に打たれている。 一方、味方を示す青色のピンは、総監部をはじめとする自衛隊施設、東舞鶴駅、市役所周辺に有るのみで、辛うじて重要な地点を維持しているに過ぎなかった。 地図が示す現実を裏付けるかのように、建物の外からは断続的に銃声が聞こえてくる。総監は、銃声が先程までより大きく聞こえていることに気づいた。 総監部は敵の攻撃を受け続けていた。 「外柵を放棄しました。以後は内柵に隊員を配置し、敵を迎撃します」 「敷地内に侵入を許してしまったな」 総監は、渋い顔で応えた。 「やむを得ませんでした。外柵全周を守るには兵力が足りません」 総監部の敷地は総監部庁舎や第4術科学校校舎のある丘を中心に、二重の柵で守られている。内柵の中には、庁舎群の他に海軍記念館や隊員の居住区、衛生隊等がある。 そこから一段下がった内柵と外柵の間には、体育館、プール、武道場、売店等が設置されているが、それらはすでに放棄され、エレウテリオ騎士団が占拠していた。 「持久は可能か?」 総監は探るように訊ねた。三室長はわずかに背筋を伸ばした。その目には光がある。 「防御正面を整理できましたし、『みょうこう』から一個分隊を借りました。朝まで保たせられます」 総監部に残されていたのは、施設管理要員や、4術校で学ぶ経理・補給関係の学生である。士気は高いものの、お世辞にも戦力として頼りになるとは言い難い。 彼等は、外柵を守りきれないと判断した幕僚の指示により内柵の中まで後退、建物と積み上げた土嚢を頼りに、押し寄せる敵と戦っていた。 本来であれば施設警備を担当するはずの陸警隊が出払っているため、『みょうこう』陸戦隊第三分隊を引き抜き、予備兵力としている。 庁舎や校庭のあちこちには土嚢陣地が組まれ、古めかしい建物の外見と相まって、まるで先の大戦の都市攻防戦のような光景であった。 「──万が一ここが落ちても、大丈夫な手は打ってあるが……」 総監が銃声の方向を見つめながら言った。情報を担当する第二幕僚室長が答える。 「市庁舎に防衛部長、舞鶴航空基地には幕僚長がいらっしゃいますから、指揮継承及び分掌指揮は問題ありません」 「うむ──ところで、良い話は無いのか?」 「は、良い話ばかりではありませんが、ご報告があります」 二室長の答えに、総監は片眉を上げた。無言で続きを促す。 「まず、民間人救出に向かったヘリが帰投しました。児童5名を含む民間人7名は、全員無事保護されました」 「そうか、無事か。そうか──それは、本当に良かった」 総監は思わず両手で顔を覆った。一つ溜め息をつく。安堵している様がありありと見えた。周囲で目立たぬように耳を傾けていた隊員達の表情も明るくなった。殺伐とした作戦室の雰囲気も、少しだけ和らいだようだった。 綾部市の惨劇が伝えられて以来、隊員たちは、その本分を尽くせていない、という後ろめたさを、多かれ少なかれ心に抱えていた。そんな中、民間人救出成功の知らせは、彼等の気分を明るくさせるのに充分な知らせであった。 しかし、続く二室長の声は一転して固く、深い憂慮を表していた。 「しかし、救出に当たったヘリが、敵のロケット攻撃を受け損傷しました。再出撃には修理が必要です」 室内がざわめいた。 「ロケット?敵の武装は刀剣と弓矢のみでは無いのか?」 総監が問いただす。今までの報告では、銃火器の類いは持っていないとの情報ばかりだった。横から三室長が、疑問を述べた。 「ロケットというのは、RPG-7か?やはり、背後には北が……」 二室長は、かぶりを振った。慎重に答える。 「いや、それにしては威力が弱い。少なくとも二発は命中したが、ガラスを割った程度で済んでいる。恐らくは、過激派が用いるような手製のロケットだろう」 「なるほど。しかし、それでもヘリの飛行に十分な障害だな」 三室長の言うとおりであった。敵は、ヘリに損傷を与える事のできる火器を保有している。航空機の運用に与える影響は大きい。 「脅威が不明なため敵地上空の飛行を一時禁止しました。『みょうこう』立入検査隊は、ヘリによる脱出を断念。徒歩で東舞鶴駅へ向かっています」 二室長は、総監に対し現状を報告した。立入検査隊は味方が辛うじて確保している東舞鶴駅へ、徒歩での移動を強いられていた。 当然、敵の追撃が予想された。しかし、自衛隊側には、予備兵力も、それを投入する手段も無い。 「彼等の健闘に期待するしか無い、か。何とも情けない話だな」 総監はつぶやいた。島根県から青森県にかけて、日本海側に広大な担当警備区を持つ舞鶴地方総監部の、最高指揮官たる自分の手元にはわずか数キロ先で苦戦する部下を救うための兵力が無い。 彼は、壁に貼られた地図を睨みつけた。部屋の外からは怒号と銃声が絶えない。 一体貴様等は何者なのだ。言葉は通じず、身元を示す物は何もない。それどころか、現代人である事を示す証拠がない。明らかに『軍』でありながら、この地球上の何処の国の所属でもない。 地獄から蘇った中世の亡霊だとでも言うのか。そんな奴らに、多くの市民や部下が殺されてしまったというのか── 総監が怒りで体を震わせている間も、作戦室の無線機や電話は鳴り止まず、幕僚や隊員達は各々の持ち場で、休む間もなかった。 戦況は未だ予断を許さない。各所を守る海上自衛隊員達は、必死の防戦を継続していた。 京都府舞鶴市倉梯町 2012年 6月5日 20時08分 護衛艦みょうこう立入検査隊第2班員、進士宏保三等海曹は、舞鶴市倉梯町の路地裏で仲間と共に汗にまみれていた。 住民が避難した周囲の家屋からは灯りが消え、路上は闇夜同然であった。人気の絶えた街角は静かであった。遠くから聞こえる遠雷のような音は、発砲音だろうか。進士にはよく分からなかった。 今、彼の耳を満たしている音は、ブーツがアスファルトを蹴る音、装具の立てるかすかな擦過音、そして隊員達の荒い息遣いであった。無駄口を叩く者はいない。 しかし、普段は温厚な進士の内心は、思いきりわめき散らしたい気分で一杯だった。 まだ、着かない。銃が重い。畜生、何も見えない。これじゃ横からいきなり敵が飛び出してもわからない。糞、プレートが重い。ベストの襟が擦れて痛い。ああ、休みたい。可児の野郎ペースが早すぎる。水雷長なんか倒れそうだ。 何でこんな目に合わないといけないんだ。あのイカレたブリキの兵隊共のせいか。くそったれ、死んじまえ。 進士が現状の辛さを忘れるために、ありとあらゆるものを罵っている路地裏では、彼の他に11名の隊員が、黙々と東舞鶴駅を目指していた。 隊員達は狭い路地の両端を二列縦隊になり、老人のジョギング程度の速度で進んでいた。最後尾の隊員が定期的に後方を確認する。その他の隊員も、それぞれ別々の方向を油断無く警戒していた。 濃紺のつなぎは汗で濡れ、隊員の身体に重くまとわりついていた。個人装備が肩や腰に食い込む。未だ兵士としての動きは失っていないものの、各々の足取りは重い。 疲労と緊張は彼等の人相を極端に悪くしている。短期間の間に頬は痩け、瞳だけが白くぎらついた光を放っていた。 先頭を進む沢井三曹が足を止め、左手を顔の横で握った。後続も無言で止まり、片膝立ちの姿勢をとる。 沢井は酷く緊張した面持ちで目の前の十字路を見つめていたが、不意に何かに気付いた。足音と話し声だ。沢井が猛烈な勢いで左手を振り始める。 ──隠れろ! それを見た進士達は慌てて左右の民家の敷地に駆け込み、塀や植木の陰に身を潜めた。遅れて沢井も身を翻した。 「────!」 沢井が門柱の裏に滑り込むと同時に、右手の路地から敵兵が姿を現した。槍で武装した人間が三名、弩弓を持った人間が二人。何れも革鎧で身を固め、腰には70センチ程度の長さの剣を下げていた。槍を持った兵士は片手に松明を掲げている。 彼等は、唯一人金属鎧を纏った男の指示を受け、進士達を探しているようであった。 何を話しているのか、さっぱり聞き取れない。だが、その声色からは敵意と緊張と恐怖が容易に窺えた。 進士は必死に息を殺した。手にした散弾銃を身体に引き寄せる。ブーツが踏みしめた庭土が、やたらと大きな音を立てたように思えた。 薄いブロック塀一枚隔てて、先程まで殺し合いをしていた敵が、自分達を探している。もちろん、殺すためだ。 背後で誰かが尻餅をついた。砂利が音を立てた。進士は戦慄した。身体が凍りついたようになり、冷や汗が噴き出した。見つかってしまう。彼は覚悟した。 だが、幸いにも敵は進士達に気付かなかった様だった。異国の言葉で何事かを話しながら、左手の路地に消えていった。 進士はゆっくり振り返った。殺意すら籠もった目で、尻餅をついた隊員──水雷長を睨みつけた。周囲の者もみな冷ややかな目を向けていた。 明智一尉は、そんな視線に気付かないほど消耗し、荒い息を吐いていた。装具の重みに耐えられず、へたり込んでいる。 進士は、これが指揮官かと改めて暗い気分になった。 味方が確保する東舞鶴駅まであと300メートル。今の彼にはまるで無限の距離に思えた。 民間人を救出したSH-60Jが、敵のロケット攻撃を受けたことは、彼等の脱出に多大な影響を与えた。被害を受けた機はもとより、無傷の機についても一時退避を余儀なくされたからである。 そして、みょうこう立入検査隊に、ヘリの再出撃を待つ余裕など無かった。民間人脱出の為に、手持ちの弾薬を惜しげもなくバラまいた結果、残弾が一人平均2弾倉にまで低下してしまったのだった。これ以上の交戦は、弾薬切れを招きかねない。 「速やかに脱出し、東舞鶴駅の陸警隊機動班と合流する」 事態を重く見た可児一曹の強烈な助言を受け、指揮官の明智一尉は部隊に命令を発することとなった。 大通り側、大雲寺方面は敵で埋まっている。いくら火力で優越していても、開けた場所で騎馬隊(一体あれだけの馬をどこから持ち込んだのかは分からない)と戦うのはあまりにも分が悪い。 脱出経路として選ばれたのは裏手側、校舎を抜けた住宅地の狭い路地であった。検査隊員は不要な装備(ダンプポーチに収めていた空弾倉等)を放棄すると、音を立てない様、慎重に移動を開始した。 現在、進士達は舞鶴線高架下にある菓子店の店舗を目指している。敵に発見されることなく辿り着けるかは、まだ分からなかった。 彼等が苦労して占拠した敵の建物からは、如何なる宝物も高位の捕虜も得ることはできなかった。多数ある小部屋には、小振りな机と椅子が並ぶだけで、どこも無人であった。 予想に反して兵舎でも無さそうである。 「ええい、まだ奴らは見つからぬか!何をぐずぐずしておるかッ!」 兵を指揮するロンゴリアは苛立ちを隠そうともしなかった。多数の兵に加えて、貴重な騎士団付魔術師を三名も失い、捕虜も取れず、敵まで逃がしたとあっては、騎士の面目が立たない。彼の顔は怒りで赤く染まっていた。 しかし、下知に対する兵達の足取りは重い。疲れているのだった。 ロンゴリアは配下の兵を少人数の組に分け、街に放った。どれかの組が敵を見つけたならば、速やかに直率の騎兵と槍兵、弩弓兵を差し向け、押し包んで殲滅する構えであった。 しかし、彼の意気込みに反して敵は一向に見つからない。街並みは予想以上に広く入り組んでおり、捜索に当たる兵達は敵に怯えていた。ゴブリンに至っては、大損害を受け既に逃散してしまっていた。 「兵を差し向け、必死に探っておりますが、何分敵地にて思うようには……」 配下の騎士が弁明した。彼の顔にも、怯えが見えた。 無理もない。この日彼等が戦ったいくさは、如何なる練達の騎士であろうとも経験したことのない、異様ないくさであった。敵の魔術は騎士も兵も分け隔てなく打ち倒した。鎧も楯も役に立たなかった。 名誉と勇気を貴ぶ西方諸侯領の騎士たちですら、疲労と怖れが、身の内に澱のように溜まるのを無視できなかった。 「言い訳はいらぬ!今のままでは見つけられぬと申すか」 ロンゴリア自身も、この街が自国のどんな王侯貴族が財貨をつぎ込んだとしても、造り得ない物であることをようやく理解していた。そして、恐怖した。彼は、執拗に敵を追い続けることで、どうにかして恐怖を抑え込もうと努力していたのであった。 ロンゴリアは、ひとしきり怒鳴ると、顎に手を添え急に静かになった。何か思案しているようである。配下の騎士は、不思議に思い、問うた。 「ロンゴリア殿、いかがなされました?」 ロンゴリアはじろりと配下の騎士を睨み、低い声で答えた。 「騎士も兵も頼りにならぬとなれば、亜人共をけしかけるしかあるまい」 「しかし、ゴブリンはすでに……」 騎士の言葉を遮り、ロンゴリアは言った。 「亜人共はゴブリンだけではない」 京都府舞鶴市倉梯町 2012年 6月5日 20時27分 きっかけはほんの些細なことだった。 中腰で進む立入検査隊員の雑嚢に納められていた、ビクトリノックスのマルチツールが、たまたま、アスファルトではなくマンホールの蓋の上に落ちた。 その時、近くには偶然猟師上がりの兵を含むロンゴリアの手勢がいた。その兵は音のした方角を速やかに聞き取り、組長に伝えた。 元来真面目な性分だったその組長は、松明を掲げた兵を差し向けた。兵達は得体の知れない街と敵に怯えながらも、実直な組長の指示に従い、路上を進んだ。 マルチツールがマンホールの上で金属音を立てた僅か15秒後、追う者と追われる者は、10メートルという距離で鉢合わせていた。 轟音と共に、網膜を焼く赤い光が視界を覆った。ストックを当てた右肩が激しく叩かれ、上半身が僅かに仰け反る。進士三曹は、膝のバネを使い、反動を吸収した。 彼の放った散弾は、狙いが甘かった。大部分が何もない空間を通過した。疲労の影響で銃口が上擦ったのだった。しかし、幸いにも(撃たれた相手にとっては不幸にも)、胴体を狙って放たれた散弾の一部は兵士の顔面に命中した。 ガマがえるが潰れたような悲鳴を上げて、兵士がひっくり返った。松明が地面に転がる。倒れた兵士の表情が全く分からないのは、暗さだけが理由ではない。体が小刻みに痙攣するたびに、黒々とした液体がアスファルトに広がった。 「班長!後ろからも追ってきてやがる!」 「来た来た、左からも来た!」 検査隊の位置は完全に暴露していた。 ロンゴリアは、突然響き渡った銃声に対し、手持ちの兵をまとめて投入した。指揮官としての判断というよりは、一人の人間としての恐怖心の影響が大きかった。 生半可な数では、やられる。 そんなロンゴリアの判断から下された用兵は、自衛隊側に陽動の意図があれば容易く包囲を抜けられてしまいかねないものであった。しかし、この夜、みょうこう立入検査隊は一団となって脱出を試みていた。 その結果として、彼等は捕捉され、暗い路地裏での遭遇戦を強いられる事となった。 「第2班は後ろから来る奴らを叩けッ!第3班は先の十字路を抑えろ。水雷長!3班と行ってください!」 「か、可児一曹は、どうするんだ?」 「左から来る奴らを何とかします。斎藤!早く連れて行かんかァ!」 「了解!」 会敵から僅か数秒の間に、発砲の轟音と兵達の怒声で満ちた路地の真ん中で、可児一曹が吼えていた。彼の認識では少なくとも後方と左から敵が迫っていた。ぐずぐずしていれば、早晩包囲されるだろう。 第2班員が松明を目安に弾をばらまく。その多くは外れたが、敵兵は慌てて松明を捨てた。民家の庭先に飛び込む者もいる。敵の圧力が弱まった。 一方、第3班は斎藤二曹の指揮の下20メートル程先の次の十字路に向けて走った。明智一尉も、よろめきながらそれに続いた。 可児はその様子を確認すると、左側から迫る盾を構えた男たちに向き直った。巌のような顔面に、獰猛な肉食獣の笑みを浮かべる。彼は64式小銃を腰だめに構えると、無造作に発砲した。 可児は7.62㎜弾の連射による強烈な反動を、いとも容易く抑え込んだ。敵兵が腰の辺りを吹き飛ばされ、崩れ落ちる。 金属製の空薬莢がアスファルトに落ちて甲高い音を立てた。可児は、薬莢拾いを考えなくても良いのなら、幾らでも撃ち続けたいものだと思った。 第3班から、『十字路確保!』と無線で報告が入る。 不期遭遇戦で味方は混乱したが、敵はそれ以上に混乱している。この間に立て直せばまだやれるな。可児は一層大きな声で、必死に戦う部下に指示を飛ばした。 「妻木、道の右側に寄って下がれ!第3班の先を確保しろ!蛙跳びで行くぞ」 最後尾で銃を乱射していた第2班員が道の右側を後退し始めた。射界を確保した可児と第1班は第2班の後退を援護する。 三個班が相互支援しつつ、敵の追撃を振り切ろうという動きであった。 この辺りの区画は、道路がほぼ碁盤の目のようになっている。一個班が後退支援射撃で敵を抑えている間に、辻々を確保しつつ下がっていけば、刀剣と弓矢程度の武装しかない敵は、つけ込む隙が無い。 人家に灯りが無く、街灯も割られているせいで敵がよく見えなかったが、可児はそれは敵も同じ事だと考えていた。 後は弾が切れる前に、駅に駆け込めるかどうかだな。 派手に撃っている隊員の中には、そろそろ残弾が怪しい者が出てくる頃であった。 進士三曹の心臓は、猛烈な勢いで収縮し、全身に血液に載せた酸素を送り出していた。うっかりすれば息を吸うことすら出来なくなる程、呼吸は乱れ、視界が狭くなっている。酸欠寸前なのかも知れない。 こんなに走ったのは、教育隊以来だよ。進士は眼前に星が散る状況下で、そんな事を考えていた。彼の所属する第2班は、第3班を追い越し、次の十字路を確保するため全力で走っていた。 足がつりそうになる。手にした散弾銃を放り捨てたい気持ちが湧き起こる。しかし、理性──若しくは生存本能、がそれを捨てる事を踏みとどまらせた。 駅に着けば休める。頭の中をそんな考えで埋め尽くし、進士は十字路に辿り着くと受け持ちである左方向に銃を構えた。 「左クリ──アじゃな……い?」 呆然とした進士の眼前に、大きな影が立ち塞がっていた。それは2メートル程の身長を持つ大きな影であった。 敵兵かッ!? 進士は咄嗟に散弾銃を構え、狙いを定めようとした。そして、敵の異様な姿に気付いた。 力士の様な体格であった。腕や足はゴツゴツとした筋肉に覆われ、丸太のように太い。胴には粗末な鎧を着けているようだ。たっぷりとした胴回りが、鎧の下に窺えた。 手には恐ろしげな棍棒を下げている。殴られればただでは済まないだろう。 一瞬のうちにそこまで観察した進士は、強烈な違和感を覚えた。無意識のうちにその原因を探す。 彼は原因に気付いた。 その敵兵は、異様に頭部が大きかった。そのため、バランスの悪さを感じたのだった。そして── 「な……!?」 見上げるような大男の両肩の間には、豚の顔が乗っていた。脂肪に覆われた顔面では、凶暴な光を放つ瞳が進士を睨んでいる。大きく裂けた口元からは、涎と唸り声が漏れていた。生臭い臭いが辺りに漂った。 「ば、化け物ォ!」 金縛りが解けた進士は、叫び声を上げながら散弾銃の引き金を引いた。よく見ると、その化け物は一匹では無かった。轟音。素早くレシーバーを引き次弾を装填。間髪入れず次弾を叩き込む。至近距離で放たれたバックショットは、狙い違わず化け物の腹に命中した。 仲間が倒れた事で、敵も我に返ったらしい。甲高い咆哮をあげると、猛烈な勢いで進士に襲いかかった。 発砲。装填。発砲。 そこで、弾が切れた。慌てて腰の9㎜拳銃を抜こうとしたものの、到底間に合いそうになかった。 立ち尽くす進士の頭部めがけて、敵兵は巨大な棍棒を振り上げた。進士は、何故か、豚の体脂肪率はそんなに高くない。という雑学を思い出した。 視界一杯に棍棒が迫っていた。 妖魔若しくは亜人の一種とされる『オーク』は、主に帝國領内の北辺山間部に多く存在している。 体格は人間種より優勢で力も強く、その性格は貪欲かつ好戦的である。そのため、しばしば地方の村落が襲撃され、家畜や領民が大きな被害を受けてきた。ただし、多くの個体が知能に劣るため、人間側が態勢を整えれば、撃退は難しくない。 問題は、その旺盛な繁殖力にあった。オークはほぼ全ての人様種族との交配が可能な上、母胎がどの様な種族であれ、オークの形質を色濃く受け継いだ赤子が産まれる。 討伐を重ねても、一向に勢力が衰えず、投入した資金兵力に成果が追いつかない状況に、地方領主が悲鳴をあげる事態となったのだった。 このため、帝國は懐柔策をとった。有力な亜人(妖魔)を首魁に仕立て上げ、山岳地帯の一部を自治領とした。そこに、オークやゴブリンその他の種族を住まわせ、彼ら自身に統制を取らせたのだった。 帝國は山間部で賄えない物資や奴隷(主に交戦国の領民を送り込んだ)を提供する代わりに、兵力を供出させていた。 悪名高き妖魔兵団の始まりである。 これにより、山岳地帯の一部領邦は国替えを余儀なくされたが、帝國内に存在する妖魔のかなりの部族・集団が自治領へ移動し、結果として他地方の治安に向上が見られた。 オークやゴブリンの部隊は、西方諸侯領では伝統的に妖魔が徹底的に差別されるため、異民族討伐時の尖兵として位しか、用いられない。 また、オークを指揮する役を担う軍人や亜人、下手をするとオーク部隊が配属された騎士団までもが『豚繰り』と蔑まれた。 だが、ロンゴリアは敢えてそれを受け入れた。エレウテリオ騎士団に約20程配置されていたオーク達を、追撃に投入したのだった。 敵の魔法戦士部隊を捕捉したとの報告に対し、ロンゴリアはオークを迂回させ敵の前方に回り込ませるよう下知を下した。 その成果は上がっている様であった。どれだけ消耗しても、幾らでも産まれいでる汚らわしいオーク共と、敵が噛み合い消耗したところで、騎兵を突入させる。 「我ながらよい思案だ」 何より、貴重な郎党を失わなくてよい。これ以上の損害は領地の経営に大きな痛手なのだ。 「敵勢は足を止めました。御味方は隊列を整えつつあります!」 「よろしい!俺も出るぞ。今度こそ、だ」 ロンゴリアは口の端を釣り上げ、笑った。遂に敵を押し包み、討ち果たすのだ。 京都府舞鶴市倉梯町 2012年 6月5日 20時48分 進士は思わず目を閉じた。棍棒の唸りが聞こえた。多分、次の瞬間自分の頭は柘榴の様に割れるのだ。 しかし、棍棒が彼の頭にめり込む代わりに、金属同士がぶつかる異音と、軽く鋭い銃声が響いた。装薬の燃焼する匂いがした。それ程近くで、射撃が行われたのだった。 「だ、大丈夫かい?進士三曹。はぁ、機関けん銃って重いんだねぇ」 進士が恐る恐る目を開くと、目の前にいた豚の様な化け物は、胴体に満遍なく9㎜弾を食らい、大の字に倒れていた。 「これは、一体……」 振り返ると、指揮官の明智一尉が如何にも重たそうに機関けん銃を両手に下げ、汗塗れで立っていた。息は絶え絶えで今にも崩れ落ちそうな程疲労していたが、その顔には進士への気遣いの色があった。 手にした9㎜機関けん銃の銃口からは、薄く硝煙が立ち昇っている。 「危、機一髪だったね。間に合って──ぜぇ、よかったよ」 明智一尉は、進士の横を通り過ぎると、自分が撃ち倒した敵を、恐々覗き込んだ。感心したようにつぶやく。 「と、とんでもない相手だとは──思っていたけど、これほどまでとはね──」 明智はもう一度、進士に向き直った。頼り無げな笑みを浮かべる。 進士はようやく、自分がこの誰からも頼りにされていなかった幹部自衛官に助けられたことを理解した。 礼を言わなければと思った。 「鉄砲様々だね。とてもじゃないけど素手で勝てる相──」 明智が進士の前から消え失せた。 鈍い打撃音が聞こえた時には、明智の大きな身体は、横薙ぎに跳ね飛ばされ、民家のブロック塀に叩きつけられ止まっていた。腕がおかしな方向に折れ曲がり、痙攣している。気を失っているか、既に死んでいるか。 進士の眼前に、明智を腕の一振りで吹き飛ばした化け物が、ゆっくりと立ち上がった。信じられない。9㎜パラベラム弾をあれだけ撃ち込まれて、これか。化け物め。 進士はもう一度諦めた。9㎜拳銃も通じなさそうな相手に、何も思いつかなかった。 「コラァ進士!諦めるな莫迦もん!」 可児は、第2班長妻木二曹からの報告を受け、全力で路地を疾走した。横合いから現れた正体不明の化け物。とてつもなく嫌な予感がしていた。 巨漢に似合わぬ速度で第2班に追いついた可児が見たのは、豚顔の化け物の腕の一振りで、指揮官明智一尉がブロック塀に叩きつけられる姿であった。進士三曹が呆然と立ち尽くしていた。腰に提げた拳銃を抜く気力も無いようだ。 「コラァ進士!諦めるな莫迦もん!」 可児は叫ぶなり、化け物と進士の間に躍り出た。化け物の肉体は、189センチある可児よりも10センチ以上は大きく、また分厚かった。 こいつは、難物だなぁオイ。 可児は素早く敵の戦力を見積もった。肥満した様に見える躯は筋肉の塊であり、純粋な力比べなら勝ち目は無いだろう。 ひゅう、と一つ息を吐く。手にした弾切れの64式小銃を地面に捨てた。そのまま左足を半歩踏み出し、重心を落とす。両手は緩く開くと、やや半身の身体の前に自然に構えた。 端で見ていた進士の目には、可児の巨体がまるで猫科の獣の様に見えた。柔らかく、それでいて爆発的なバネを溜め込んだ肉食獣。 「こいよ、化け物」 顎を引いた可児が、不敵に言い放つ。 化け物は豚に似た顔面を醜く歪めると、右腕を大きく振り上げた。手には拾い直した棍棒が握られている。そのまま可児の頭部を叩き潰そうと、唸りをあげて斜めに振り下ろす。 可児が左足を右斜め前に踏み込んだ。そのまま膝を曲げ、身体を沈める。その頭上を武骨な棍棒が掠めた。88式鉄帽から、焦げた臭いが立ち昇った。 可児の身体は、踏み込みにより独楽のように半回転した。踏み込みで生じた移動エネルギーが、貯め込まれる。敵に背を向けた可児は、回転の勢いを乗せた後ろ蹴りを放った。 鉄芯の入った重たいコンバットブーツに包まれた可児の右足が、槍のように突き込まれる。地を這うような軌道を描き、靴底が、化け物の右膝を真っ直ぐに打ち抜いた。 化け物がくぐもった悲鳴をあげた。哀れな人間に必殺の一撃を加えようと踏み込んだ、その右膝の皿が、粉々に砕けたのだった。自分の体重に耐えられず、化け物は堪らず右に崩れる。 既に可児は蹴り足を敵のすぐ側に下ろしていた。身体は正面に向き直っている。左拳を固める。 崩れる化け物を、左フックが斜め下から突き上げた。甲殻類を砕くような破砕音が響く。拳は化け物の頬を正確に迎え撃っていた。 牙が折れ、血潮が飛び散る。地響きをあげて、化け物は地に倒れた。可児のブーツが間髪入れず頸椎を踏み抜く。乾いた音が鳴った。さらに、素早く9㎜拳銃を抜くと、立て続けに三発、脳天に叩き込んだ。 「セイッ!」 可児が残心の構えをとる。化け物は完全に絶命していた。 進士は、呆れ果てた。可児のおっさん、2メートルもあるような化け物を殴り殺しちゃったよ。 可児が振り返り、左手を振りながら言った。 「おい、進士。俺もまだまだ修行が足りんわ」 「はあ?どこがですか!?」 進士は思わず聞き返した。人間離れした強さを見せられたばかりであったからだ。 「うむ。左拳を痛めちまった。部位鍛錬が足りん」 進士は、言葉もない。可児は小銃を拾い上げると、大声で命じた。 「水雷長を助けろ!まだ生きてるぞ。集まれ小僧共、あと百メートルはダッシュだ!!」 あれだけ恐ろしかった豚顔の化け物も、小銃弾には耐えられないようであった。まだ、十体はいた連中は、身を隠すことも知らないかの如く、簡単に射殺されていった。 京都府舞鶴市 舞鶴東港前島埠頭 2012年 6月5日 20時54分 埠頭は昼間のような明るさであった。避難誘導に駆り出された舞鶴教育隊所属の一等海士は、照明灯を見上げ目を細めた。警察や消防車両が辺りを照らし、洋上では海上保安庁の巡視船が、探照灯を左右に振っていた。 まるで幽霊を怖がっているみたいだ。一士は思った。人気の絶えた市街地は暗闇に包まれており、前島埠頭の煌々と照る灯りを際立たせている。 彼が受けた印象はあながち的外れではない。自衛隊、警察、海保らの担当者は、奇襲を恐れていた。埠頭には市内から避難した市民が溢れている。万が一この場に突入されれば、阿鼻叫喚の地獄絵図になることは間違い無い。 このため、埠頭の出入り口は警官と自衛官が固め、海側は保安庁がパトロールを行っている。岸壁には新日本海フェリー所有の大型フェリー『はまなす(16810トン)』が、その白い船体を横付けしていた。 桟橋が降ろされ、住民課の職員により身元が確認された順に、市民の群れが乗船しつつあった。 「あれなら、確かに守りやすいよな」 若い一士にも、その意味は見て取れた。高い舷側、限られた出入口、優れた居住性、そしていざという時の脱出能力。 彼は優美な船体を見上げ、この船がエクソダスの為に使われることが無ければ良いと思った。 不意に海曹達の動きが慌ただしくなった。車両を移動し、何かのスペースを空け始める。 先輩の海士長が、赤と緑の誘導灯を手に駆け寄ってきた。 「先輩、どうしたんですか?そんなに慌てて」 その海士長は、何故か明るい表情で東の空を指差した。 「え?空ですか?」 彼は空を見上げた。地上の照明が明るすぎて、星もよく見えない。いや──あれは、何だろう?彼は気付いた。 東の空に瞬く赤い航空灯。それは時間が経つにつれはっきりと見えるようになった。微かにローター音が聞こえる。 「もしかして!!」 「味方だよ。増援が来たんや!」 思わず両手を振り上げた一士達の目には、UH-1J多用途ヘリの姿がはっきりと見え始めた。 京都府舞鶴市田中町 国道27号線 2012年 6月5日 21時07分 「おうおう、見事に真っ暗だなぁ、おい」 陸上自衛隊第三戦車大隊所属、海北義男一等陸尉は、73式小型トラックの助手席で、いささか緊張感に欠ける声をあげた。 「はぁ、何でですかねぇ」 運転席の中島三曹がのんびりした声で応える。 海北は大きな身振りを交え、彼の部下に言った。 「バカ、ナカジそりゃみんな避難したからに決まってるだろう!俺達は野蛮なよく分からんコスプレ殺人集団から、無辜の民間人を助けに行くんだよ!」 「なるほどぉ」 海北は喋るほどに饒舌となる性分であった。 「ついでにもう無理ですって悲鳴をあげてる海自の皆さんも助けて差し上げるんだ!俺達が一番乗りだぞ!まぁ、当初の予定より六時間程遅れたけどな!」 「そりゃ、デートなら振られるレベルですねぇ」 「だから急ぐんだよ!海軍カレーが待ってるぞ!」 上空をヘリの爆音が通り過ぎた。海北は喚いた。 「ああ!第三飛行隊の連中に先越されちまう!ナカジ急げ急げ!」 「駄目ですよぅ」 後部座席でやりとりを聞いていた雨森曹長は、うんざりしていた。相変わらずやかましい中隊長だ。 雨森は百メートルほど先にある、赤色回転灯の灯りに気付いた。まだ演説を続ける海北に告げる。 「中隊長、前方」 「あん?お、居たか」 海北はピタリと演説を止めた。 73式小型トラックは国道を封鎖する福井県警の検問前で停車した。後方にはディーゼルエンジンの重低音を響かせ、96式装輪装甲車が待機している。 その後方には、第三戦車大隊第一中隊各車が列を作っていた。海北にとって残念な事に、主力装備である74式戦車は投入許可が降りず、小浜市で待機していたが。 「曹長、大隊本部に報告。『第一中隊、舞鶴市に到着。これより市内へ進入する。2115』」 「了解」 「よし、96式を前に出すぞ。各自装填を許可する」 八輪のコンバットタイヤが重々しく回転し、96式装輪装甲車の角張った車体が前進する。銃手席の隊員が、M2重機関銃に初弾を装填した。後続車の隊員もそれぞれの武器に初弾を装填し、安全装置をかけた。 準備よしの報告を受け、海北は命令を発した。 「よぅし、行くぞ!全周警戒を怠るな!中隊前進!」 京都府舞鶴市余部下 国道27号線 2012年 6月5日 20時42分 頑強に抵抗する敵陣に対し、騎士団主力は執拗な攻撃を続けていた。騎士団長、ブエナベンドゥラ・ディ・エレウテリオ・イ・ロッサ帝國子爵は、視界の隅に本領軍魔導師バルトロが配下の魔術師と難しい顔で話し込む姿を認めた。 あの、バルトロがあの様な深刻な顔を見せるとは? 戦況は芳しくない。右手に見える敵の城館に対する攻撃と共に、街道を塞ぐように築かれた敵陣に対しても、仕寄りは続いていた。 敵は相変わらず呆れるほどの焔の礫を放ってくる。密集陣形による突撃は、とっくに断念していた。 幸いなことに、敵も夜目が利くわけではないと分かった。そのため、エレウテリオは、配下に対し「壁や溝を用いて敵に近付け」と命じていた。 彼は、切り込むことが出来れば勝機はあると信じていた。 「──付の魔術師と、繋ぎがとれ──」 「ふむ、本──は、どう────」 「同様に御座います」 途切れ途切れに聞こえる内容に興味を覚え、エレウテリオはバルトロに話しかけた。 「バルトロ殿、如何なされた?何か御困りか?」 バルトロは不意に呼びかけられた事に、思いのほか動揺した。配下の魔術師はネズミが逃げ出すかの如く、居なくなった。 「……これは、団長殿。いやいや大した事では御座いませぬぞ」 「されど、バルトロ師の斯様に深刻な様など拝見した事がない故、気になりましてな」 そう言ったエレウテリオの瞳は『隠し事は許さぬ』と、剣呑な光を放っていた。最早、勝手な動きが許される戦況では無かったからだ。 バルトロは僅かな間の後、静かに伝えた。 「我が弟子が伝えるには、本隊付の魔術師と上手く繋ぎが取れぬとの事にて」 「それは──本隊に何か有ったということでしょうか?」 エレウテリオの問いに、バルトロは首を振る。 「いやいや、それは無かろう。異界の地故、未熟な我が弟子がしくじっているだけかと思案いたしまするぞ」 エレウテリオが更に問おうとしたその時、甲冑の音を響かせながら、戦神に仕える神官戦士団長のグイドが現れた。 グイドは顔の下半分を埋める見事な髭を震わせながら、しゃがれた声で言った。 「エレウテリオ殿、戦神はこの地におわさぬやもしれぬぞ!戦歌が効かぬ。こんな事は初めてじゃ!」 詳しく聞くと、神の力を借りる事が極端に難しくなっているとの事である。配下の士気を高め、恐怖心を打ち消す為の切り札が失われたことは、エレウテリオに少なからず衝撃を与えた。 神聖魔法が使えぬとは、何故だ?神々の力及ばぬ地とでも言うのか? 時が経つにつれ、我が騎士団に良からぬ事ばかり増える。このままでは、敵を破ること能うまい。 やはり、この敵陣を突破し、アランサバルの手勢と合流せねばな。 エレウテリオは決心した。 京都府舞鶴市余部下 総監部前予備陣地 2012年 6月5日 21時11分 陣地正面の路上に投擲されたレッドフレアが燃え尽きつつあった。赤い光が消えるにつれて、夜が力を取り戻す。かろうじて確保されていた視界は、総監部方向から流れてくる煙にまぎれ、急速に失われ始めた。 陣地守備隊を指揮する護衛艦『みょうこう』陸戦隊指揮官、稲富祐也一等海尉は舌打ちで不満を表した。煙の元は、火矢によって発生した小火であった。 早く消火しろよ、と思う。この煙のせいで、二十メートルも離れれば、人影も曖昧になってしまう。 二十メートル。 わずか二十メートル、しか見通せない。これがどんな結果を招くのか、今日一日で陸戦について日本で有数の実戦経験者となった稲富は、容易に想像する事ができた。 右前方、驚くほど近くで喊声が上がった。それに呼応する様に、64式小銃の射撃音が鳴り響く。マズルフラッシュが煌めく。喊声はすぐに悲鳴に変わり、消えた。 稲富の後ろで悲鳴が上がった。 「伏せろ畜生!」 「矢を食らった!」 隊員が叫んでいる。予備陣地は掩体を構築する余裕が無かったため、敵の矢に対する防御力が不足していた。 稲富は奥歯を噛み締めた。煤で真っ黒になった顔面が歪む。昼間に比べてここまで統制をとるのが難しいとは、思ってもみなかった。 「敵は、遮蔽物を活用しています。物陰からにじり寄ってくるため、どうしても発見が遅れてしまいますな」 先任海曹として稲富を補佐する沢田曹長が、苦々しい口調で言った。彼の作業服の右腕には血に汚れた包帯が巻かれていた。 「敵も、学んでいる。そうそう都合良くはいかん」 「海側と正面の圧力が強まっています。気を抜くと突入されかねません」 稲富が指揮する陸戦隊は、第一第二分隊と、母艦で再編成の後増援されたMINIMI軽機関銃装備の機関銃班を加え、志馬警部が指揮する警官隊と共に、陣地を頼りに敵と交戦していた。 本来指揮下に入る筈であった第三分隊は総監部に引き抜かれている。総監部の敷地には敵が溢れ、施設は重囲下に置かれていた。 国道正面だけであれば、さほどの問題は生じなかっただろう。しかし、陣地左側面の総監部敷地が敵に制圧された結果、半包囲を受けるような形で攻撃され、自衛隊側は苦戦を強いられていた。 素人集団の限界だな。稲富は思った。五老ヶ岳を放棄した結果、自衛隊側は主導権を失った。隊員達はひたすら陣地を頼りに眼前の敵を撃つことしか出来ない。 これが陸自普通科部隊であれば、各所の陸曹が敵の意図を看破し、指揮官が命じる前に進言があるか、対処してしまっただろう。 しかし、陸戦など教育隊や学校以来だという海曹士達には、とにかく目に入る敵を叩くという単純な事しか出来なかった。 「撃ち続けるしかないぞ」 「はい。弾薬の補充に注意させます」 腕が無い分は、弾をばらまくしかない。幸い、弾薬の補給は順調に行われていた。しかし消費弾薬に比べ、倒した敵はそう多くない。 稲富の目に敵は見えない。しかし、ひたひたと迫る敵の気配と、時間と共に疲労していく自陣の様子が、何故か理解出来た。 この一時間が山だな。戦場の喧騒の中で、稲富は静かに覚悟した。 京都府舞鶴市余部下 国道27号線上 2012年 6月5日 21時20分 エレウテリオは確かな手応えを感じていた。敵の狙撃を避けるため愛馬を降りた彼は、地面に突き立てた長剣の柄頭に両手を置いた姿勢で、静かに伝令の報告を聞いていた。 「騎士アルマハーノ様が手勢、右翼にて敵陣に迫りつつあり!」 「敵陣正面に対しては、長弓兵隊が射撃を継続中!」 「神官戦士団長グイド殿、麾下二十士と共に総寄せに加わるとの事」 密集陣形を捨てたエレウテリオ騎士団は、夜陰に紛れ敵陣に迫った。 エレウテリオの手元には、今までの損害と逃散したゴブリン兵を除いても、騎士二十騎と兵三百が残されている。温存していた軽騎兵も百騎が健在である。長弓兵は疲労の為、戦闘可能な者は約五十。 エレウテリオは、まず左翼海側と陣地正面に長弓兵の全てと下馬軽騎兵の半数を投入した。さらに選抜した軽装歩兵を躍進させ、陣地突入を窺う。 当然、敵魔法戦士の反撃は苛烈を極めた。たちまち敵陣に肉迫した兵が撃ち倒される。生き残りは、路上で釘付けとなった。 「エレウテリオ卿、頃合にて」 騎士の声に、エレウテリオは重々しく頷き、長剣を地面から引き抜いた。 攻撃の主力は右翼──敵の城館敷地を通り敵陣の側面に至る──である。植え込みや建物を利用し、騎士団は静かに敵前二十歩の位置までにじり寄っていた。 エレウテリオは眼前に片膝をつく伝令達に命じた。 「諸隊、総寄せにかかれ」 「はッ!」 伝令が駆け出すのを確認したエレウテリオは、自らも前線へと歩き出した。背を真っ直ぐに伸ばし大股で進む姿は、騎士団長の威厳に溢れていた。傍らに控える魔導師バルトロに告げる。 「さあバルトロ殿。参りましょうぞ」 「ふぇっふぇっふぇっ。人使いの荒い御方じゃな」 バルトロが応える。その声は夜に溶け込み、直ぐにかき消えた。 「右翼は騎士団長が直率されるぞ」 「団長が出られる」 細波の様に声が伝わり、一瞬遅れて静かな熱気が、兵の間に広がった。 京都府舞鶴市余部下 総監部前予備陣地 2012年 6月5日 21時30分 陣地は絶え間ない弓射を受け、じりじりと負傷者が増え続けていた。特に海側への攻撃が激しい。 稲富は予備隊の機関銃班を右翼に投入し、支えさせていた。効果はあったようだ。敵の突撃を二度撃退している。 「いい加減奴ら諦めないかな」 稲富が硝煙で真っ黒になった顔に、うんざりした表情を浮かべ、ボヤいた。半日戦い続け、さすがに疲労が誤魔化せなくなってきていた。 装備も疲労していた。彼と彼の部下達が頼みとする豊和工業製64式7.62㎜小銃は、その多くが分解整備を必要としていた。排挾不良を起こす確率が増加している。 「総監部守備隊より『敵の攻勢が弱まった』との通報ありました!」 通信員の報告に、稲富は一瞬安堵しかけた。やれやれ、ようやく諦めたか。部隊に一休みさせられるか? 沢田曹長が言った。 「砲術長、総監部が楽になるのはいいですが、こっちはどうでしょうな」 その言葉に稲富は頭を殴られたような衝撃を受けた。そうだ!こっちはまだ攻撃を受けているんだぞ。都合の良いように考えてどうする。 「通信!総監部に敵の動きを報告させろ。あと、早く火を消せと伝えろ!」 「了解!」 総監部への攻撃を止めた敵は、退くのか。それとも── 総監部からの答えを待つまでもなく、答えは示された。 「左翼に敵多数!突っ込んできます!」 陣地左翼側面を守備する隊員からの、悲鳴のような報告が稲富の耳朶を打った。 陣地左翼。 総監部守備隊が内柵に下がった結果、防衛線に間隙が生まれていた。第二分隊が側面の守備につき、間隙を埋めている。 分隊を指揮する有吉二曹は、膝が震えるのを止められなかった。 分隊員は警衛所付近に展開している。その眼前、放置車両や植え込み、売店の建物等の彼方此方に、蠢く影が見える。それは明らかに数を増やしていた。 「有吉二曹、これやばくないですか?」 「そうだな──狙えるか?」 小銃を構えた隊員は、照門を覗き込んだ後、顔を上げ被りを振った。 「煙でよく見えないです。それに、奴ら上手く隠れやがる」 寒気が背筋を伝う。取り返しがつかない事が起きる予感。このままでは、拙い。有吉二曹は指揮官に報告しようと無線機を手に取った。その瞬間── 鋭い叫び声が聞こえた。続いて無数の矢が警衛所に打ち込まれる。さらに、低く重厚な喊声が上がった。 敵が突撃を開始した。いち早く気付いた有吉二曹は七名の部下に射撃開始を命令しようとした。 しかし、次の瞬間、唸りをあげて飛来した投擲斧が、彼の魂を肉体から消し飛ばした。 「エレウテリオ騎士団、突撃せよ!」 明らかに敵は立ち遅れた。行ける。いくらかは撃ち倒されるだろうが、生き残りは敵陣に辿り着く。 「戦神よ!御照覧あれ!」 敵陣に向けて駆ける彼の隣を、戦斧を振りかざした神官戦士団長グイドが猛烈な勢いで敵陣に迫る。 彼等が突入出来れば、如何に魔法戦士といえども対抗できまい。熟練の神官戦士は並の兵五名を容易く屠る。 物陰を出た槍兵が穂先を並べ、駆け出した。雄叫びが夜空に響く。残念な事に、彼等はすぐに撃ち倒された。だが、槍兵が倒れる間に、その脇を騎士アルマハーノとその手勢が先へと進んだ。 神官戦士団も、甲冑の上に着込んだ法衣を翻し、躍進する。たとえ戦歌の効果が無かろうと、彼らの戦意に一点の曇りもない。 戦神の導きの下、名誉ある戦に身を投げ出し、神の武器たる戦斧を振るい、戦塵に倒れることを至上とする漢達であるからだ。 焔の礫に打たれ、騎士アルマハーノがもんどりうって倒れる。しかし、エレウテリオは確信した。 敵は俺達を阻止出来ない。 第二分隊から「敵、突撃を開始。有吉二曹死亡」の報告を聞いた稲富一尉の動きは早かった。 「松井二曹、正面を任せる!」 そう命令すると、自分の64式を掴み、左翼へと駆けだしたのだった。沢田曹長と予備隊の二名が後に続く。 稲富の内心は悔恨に満ちていた。早くに気付くべきだった。総監部への攻勢が突然衰えた。ならばその兵はどこに向くのか。 畜生。自分に都合が良い方に考えちまった。あらゆる教本に、やるなと書いてある事を。 彼は朴訥な顔に怒りを張り付け、陣地左翼を守る土嚢に辿り着いた。敵の槍兵が陣地まであと五メートルに迫っていた。 「負けるな!撃て撃てェ!」 叫ぶと同時に、腰溜めで発砲する。至近距離で弾丸を食らい敵兵が吹き飛んだ。 稲富は辛うじて間に合った。戦意を砕かれかけていた第二分隊は、稲富の指揮を受け反撃を開始。負傷者二名を出したものの、第一波を撃退した。 「砲術長!次が来ます。斧を振り回した厳つい奴等です!」 「そうか!歓迎してやれ!予備班は警衛所を守れ!」 新手は長衣を翻した大柄な兵だった。手には長柄の斧をかざしている。比叡山の僧兵を連想させる姿だった。 部下が発砲する。しかし、驚くべきことに最初の一人を撃ち倒された敵は、素早く地を転がると射撃を避けた。後方から矢が降り注ぐ。 慌てて土嚢に伏せた。すぐに反撃するものの、ゆっくり狙う暇がない。 「砲術長、拙いですな」 「狙いは適当でいいから、とにかく敵の頭を抑えよう……だが」 膠着状態に持ち込むことには、成功した。しかし、稲富の手に反撃するための兵力は残されていなかった。 危うい均衡は、何かが加われば容易く崩れることは明らかであった。 第一陣の騎士と兵達が倒れるのが、エレウテリオからもよく見えた。彼自身も敵陣まであと僅かの位置に進んでいた。 「敵ながら粘るな……」 先行する神官戦士団も、射竦められていた。こちらの弓射により敵の狙いも甘くなっているものの、無視できる密度では無い。 あと一手、あと一手が欲しい。エレウテリオは心から願った。手勢の半数は倒れ傷付き、もう半分もこれ以上の戦闘に耐えられそうもない。 やはり、自ら鼓舞するより他に手は無し。 彼は、敵前に身を曝す覚悟を決めようとした。 「エレウテリオ殿、お待ちくだされ」 戦場の喧噪の中、何故かバルトロの嗄れた声が、よく耳に届いた。振り向くと、ローブに小柄な身を包んだ老魔導師が影のように佇んでいた。 「……手短にお願いする。私は配下を鼓舞せねばならぬ」 エレウテリオは苛立ちを隠さなかった。しかし、バルトロは彼の刺すような視線を気にする素振りもなく、エレウテリオに言葉を投げた。 「死にまするぞ」 「!!」 「敵の礫を侮ってはなりませぬ。エレウテリオ殿が死ねば、兵は崩れましょう」 エレウテリオは周囲を見た。地に伏せる兵達の視線を感じる。 「だが、このままでは敵陣を抜けぬ。あと一撃を加えねば!」 バルトロはその皺だらけの口元を薄く開くと、笑った。右手で首飾りを弄んでいる。石と石が擦れる様な音が鳴った。 「その一撃、儂が加えて差し上げる」 何を馬鹿な。エレウテリオは思った。そして、すぐに思い直した。バルトロは魔導師である。 星を降らせたとて、驚くに値せぬ。 エレウテリオの無言を同意と受け取ったバルトロは、目を閉じると詠唱を始めた。右手で弄んでいた首飾りを引きちぎる。首飾りには尖った石がいくつもぶら下がっていた。 京都府舞鶴市余部下 総監部前予備陣地左翼 2012年 6月5日 21時45分 彼我の交戦距離は限りなくゼロに近づいていた。射撃をかい潜り敵兵が陣地に迫る。 「うわぁッ!」 陸戦隊員の海士が戦斧を下から突き上げられる。鉄帽が弾け飛んだ。彼はそのまま後ろに倒れ込む。左の頬がざっくりと切り裂かれていた。 敵兵は土嚢に足をかけると、倒れた海士に戦斧を振り上げた。 「させるか!」 沢田曹長が素早く動いた。大きく空いた敵兵の脇腹に着剣した64式小銃を突き込む。銃剣が鎖帷子を突き破り、臓腑を抉った。 苦悶の表情を浮かべた敵兵は、それでもなお道連れとばかりに戦斧を振り下ろそうとした。沢田曹長は銃剣が刺さったまま、引金を引いた。 轟音と共に敵兵は土嚢から転がり落ちた。沢田曹長は、すぐさま倒れた海士の首根っこを掴むと、引きずり起こした。 「おい、無事か!?」 「痛テテテ……目は見えます。口も動く」 沢田曹長は、海士の背を平手でどやしつけた。 「よろしい。戦え!次が来るぞ!」 いやはや、頼もしい限りだ。自らも敵に銃撃を浴びせつつ、稲富は部下の活躍に舌を巻いた。戦況は苦しいが希望はある。数分前、通信員が報告した内容を思い出す。 『前島埠頭に陸自普通科小隊到着。市場検問所を第三戦車大隊通過。市内へ急行中』 朗報であった。あと少し耐えれば、増援が到着するのだ。 その時、生暖かい風が稲富の頬を撫でた。煙に霞む戦場に奇妙な気配を感じる。 何だ? 稲富だけでは無かった。隊員達は程度の差は有れど、落ち着かない様子であった。 突然、敵軍内に青白い光が生まれた。生暖かい風は、光の中心から吹いている。付近の煙を巻き込み、渦が生じている。 カタカタと、音がした。 光が消えた戦場に、先程まで存在しなかった人影が浮かび上がった。 乾いた足音が、陣地に迫る。数は十を超えていた。 人影は、片手に曲刀、片手に円形盾を持っている。ゆっくりと迫ってくる。 「ヒィッ!?」 稲富の傍らで、海曹が情けない悲鳴を上げた。 「情けない声を出すな!海曹だろう!」 思わず稲富は叱責の声をかけていた。些細な事で士気が崩壊する事が怖かったからであった。しかし、彼の予想に反し、その海曹はさらに悲鳴を上げた。 「あ、あれを見てください!何だってんだ!勘弁してくれ!」 その言葉に導かれるように稲富が目を向けた先には、敵兵が立っていた。 それは異形、の一言では片付けることが出来ない姿であった。一目でこの世のものではないと分かった。驚くべきことに全身のどこにも肉はなく、ぽっかりと空いた眼窩の奥に、青白い炎が見えるのみであった。 「……骸骨が動いている?」 流石の稲富も、動揺を押さえられなかった。 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ 呆然とする隊員達をあざ笑うかのような、骨が鳴るけたたましい音と共に、骸骨達は一斉に走り出した。 「う、撃てェ!」 陸戦隊員達が一斉に射撃を開始した。統制も何もない、全弾をフルオートで叩き込まんとする射撃であった。 数秒の後、静寂が訪れた。1弾倉を撃ち尽くし、隊員達は骸骨がバラバラになったことを期待した。 ──しかし。 骸骨兵は倒れていなかった。手や足や、頭を失ったままの姿で、前進を続けていた。 「もう駄目だ!」 稲富が恐れていた一言が、自陣から発せられた。骸骨が銃撃をものともせず目前に迫る様子に、稲富自身も一瞬同意しそうになった。 その一言で、ついに守備隊は崩れた。隊員が次々と逃げ出す。稲富も、沢田もそれを止めることは出来なかった。 「くそっ、沢田曹長。第一分隊に後退命令を出せ!もう持たない」 「残念です」 側面が崩れては正面が持ちこたえても無意味であった。この局面を打開できる唯一の手段──予備隊も存在しない。 稲富に出来ることは、部下と共に後退するのみであった。 エレウテリオは、呆気なく崩れる敵軍をやや意外に感じた。あれほど頑強に戦った魔法戦士が、竜牙兵を見ただけで総崩れになるとは。 そこで周囲の様子に気付く。神官戦士団こそ平然としているが、その他の騎士や槍兵達は一様に足を止めていた。竜牙兵に近付く者はいなかった。皆、畏れている。 我が手勢とて同じか。話には聞けど、竜牙兵を見たことのある者など、我を含め一人もおらぬからな。 「さてさて、エレウテリオ殿。如何なされましょうや」 魔導師バルトロが言った。彼の傍らには一体の竜牙兵が侍っている。竜の牙を寄代に、魔導によって生み出された外道の兵は、何の感情も持たず、ただ使役者の命ずるままに殺戮を行う。 禍々しい姿よ。だが、その力は認めねばなるまい。 「流石は本領軍直属の魔導師殿。御助勢感謝する」 エレウテリオはいくらかの本音を込め、バルトロに答えた。さらに、配下の兵に告げる。 「敵は崩れた!勇敢なる我が騎士団の兵達よ!追撃だ!敵を海に追い落とせ!」 エレウテリオが発した力強い激に、兵達は己を取り戻した。土嚢を越え、敵を追撃にかかる。 勝った。 エレウテリオは、確信した。このまま敵を追い散らす。そして、市内で戦うアランサバル指揮下の別働隊と合流し、この都市を我が物とするのだ。 京都府舞鶴市余部下 海上自衛隊北吸岸壁 護衛艦みょうこう艦橋 2012年 6月5日 21時47分 艦橋内は照明が消され、照度を抑えた赤灯だけが僅かに手元を照らしていた。その僅かな光が、艦橋立直員の姿を暗闇に影絵の様に浮かび上がらせている。 暗闇に声が響く。 「総監部に小火災。未だ鎮火に至らない模様」 「陸戦隊、敵部隊と交戦中」 「立入検査隊指揮官負傷。現在、東駅に移動中」 左ウィングで二十倍双眼鏡を覗き込む二番見張員、艦橋中央に立つ航海長、無線からの交話を中継する通信士が、口々に報告した。 護衛艦『みょうこう』艦長、細川孝英一等海佐は、艦橋の右側に据えられた艦長席の赤い背もたれに体を預け、静かに左手を上げた。 「了解」 彼は静かに返答すると、そのまま左手をあごにあて考え込み始めた。 『みょうこう』は戦闘配置を維持している。艦橋ウィングには土嚢と防弾盾が配置され、見張員は鉄帽と防弾チョッキに身を固めていた。 細川は物々しい様子を見せる艦橋で、指揮を執っていた。通常、護衛艦において戦闘ともなれば、艦長はCICに降りるのが普通である。 しかし、この異常な夜に限って言えば、『みょうこう』の戦闘力の源であるイージス武器システムの大部分が眠ったままであり、戦闘指揮に必要な条件は艦橋に揃っていた。 細川は自分の目で状況を把握する必要を感じ、CICを船務長と砲雷長に任せると、艦橋に上がったのだった。 艦の左前方数百メートルの路上では、彼の部下が慣れない陸戦を戦っていた。常に穏やかな雰囲気を絶やさない細川も、さすがに気が気ではない。 明滅する発砲の光。総監部から流れる煙。怒号と銃声が艦橋の開け放たれた防水ドアから聞こえてくる。 細川は首から提げた双眼鏡を持ち上げ、顔にあてがった。視界が限られる代わりに、数倍に増幅された映像が彼の目に映し出された。 細川の口元が歪んだ。唸りが漏れる。彼には珍しいことだった。背後に控えていた通信士が、思わず表情を変えた。 「拙いな。崩れるぞ……」 「艦橋、二番。味方が陣地を離れます。──撤退しています!」 「艦長!」 細川の呟きをかき消すかのように、見張員と航海長の叫びが、艦橋に響いた。 細川は、装受話器を手に取った。 「CIC、艦橋艦長だ。射管員長はいるな?」 『はい!射管員長です!』 まだ三十代前半の若い声が、返ってきた。元気がよいと評判の一曹だ。 「砲術長が危ない。主砲、やれるか?」 細川は言葉を惜しんだ。静かだが苛烈な問いに、艦内通信系がしばし沈黙する。 『……出来ます!』 『無茶だ!』 射管員長と砲雷長が同時に叫んだ。艦内通信系の向こうで、雑音に混じり何かのやり取りが聞こえる。 数秒の後、細川は再度尋ねた。 「無理か?」 『やります!可能です!』 間髪入れず、挑むような声が返ってきた。 『……他に手はないのでしょう。稲富組を信じて、やります』 砲雷長も同意した。 すでに総監部前予備陣地には、敵兵が突入しつつあった。陸戦隊員は一部の者が反撃を加える中、辛うじて敵の手から逃れようとしていた。 「対地戦闘用意」 「対地戦闘用意!」 命令が復唱される。アラームがけたたましい音をかき鳴らし、全乗員が戦闘配置につく。 「各部、配置よし。対地戦闘用意よし!」 すでにほとんどの乗員が持ち場についていたため、素早く報告があがった。 細川は、はっきりとした発音で、命令を下した。 「左対地戦闘」 『左対地せんとーう。260度、距離300。目標、敵武装集団』 独特の抑揚をつけた号令がスピーカーを震わせた。前甲板に鎮座する54口径127㎜単装速射砲塔が生き物のように動き、砲口をわずかに左へ向けた。 目標指定を受け、CICでは射管員長が脂汗で顔中を濡らしていた。砲雷長も同じである。 距離300。対地射撃。すぐ傍に味方。前代未聞の射撃であった。自分のミス一つで砲術長以下数十名が吹き飛ぶ。 だが、迷っている時間はなかった。試射も出来ない。算出した調定値を入力する。 主砲がほんの少し俯角をかけた。即応弾マガジン・ドラムから主砲弾が砲塔内に揚弾された。無人の砲塔内に重い金属音が響く。 「調定よし!」 射管員長が全身全霊を込めて報告する。 『装填よし』 報告を受けた砲雷長は、大きく唾を飲み込んだ。フットペダルを踏む。おい、本当に撃っちまうぞ。 『調定よし。主砲目標よし、射撃用意よし』 スピーカーから砲雷長の報告があがった。 『みょうこう』は、わずか数分で敵に向け牙を剥く用意を終えたのだ。 細川は軽くうなずくと、背後に控える通信士に言った。 「砲術長と話す」 京都府舞鶴市余部下 北吸岸壁前 国道27号線上 2012年 6月5日 21時52分 稲富は、最初その呼びかけを意図的に無視した。自分にはもっと優先すべきことがあると考えたからだった。 最後の弾倉を装填すると、スライドを前進させると同時に、敵に向けて引き金を引いた。 発砲。その隙に、周囲を転がるように部下たちが逃げる。その半数がすでに小銃を失っていた。 拙い、ヤバい、洒落にならん。稲富の半分茹だった頭の片隅で、警報が鳴っている。どう考えても、逃げ切れないと頭の中の冷静な部分が告げていた。 スライドが金属音を立てた。前進した状態で止まっている。弾切れだ。顔を上げると、骸骨が一体土嚢の上でゆらゆらと揺れていた。 一瞬の躊躇のあと、彼は小銃を捨てた。弾帯から9㎜拳銃を抜く。冷たい金属の塊は、彼の手にずしりと重みを伝えたが今の状況ではいかにも頼りなかった。 「──長。砲術長!」 そこでようやく通信員の叫びに気づいた。携帯無線機を片手に、目に涙を浮かべながらも、必死に稲富を呼んでいた。 「どうした、早く逃げろよ」 稲富の言葉に、通信員が何を言っているんだ、という顔をした。 「砲術長に、通信です!逃げたいので早く出て下さい!」 ああ、そうか。こいつ俺が無線に出ないと逃げられないのか。稲富はすまん、と詫びると通信員が差し出した携帯無線機を握った。 「こちら、砲術長」 『艦長だ。生きているな』 稲富は思いがけない相手が出たことに驚いた。 「はい、今のところは、ですが。しかし、ずいぶんと楽しくなってきました」 話す間にも敵は迫る。稲富と通信員は拳銃で敵を牽制しつつじりじりと後退した。突撃をかけられたら、抑えきれない。 『砲術長が敵に一番近いな?もう、陣地に味方はおらんな?』 「はい。私と通信員が最後尾です。再びお目にかかるのは難しいかも知れません」 一拍の間があり、艦長が言った。 『君の仕事を代わってやる。今すぐ総員側溝に飛び込め。いいな?』 「は?それはいったい……?」 『いいからすぐに飛び込んで、目を閉じろ。口は開けておけよ!』 まさか、まさかな。稲富は、『みょうこう』を見た。前甲板の主砲がこちらを向いていた。なんてこった、艦長は本気だ。 「砲術長了解!──総員側溝に飛び込め!急げ、死んじまうぞ!」 稲富は周囲で味方の撤退を援護していた数名に、有らん限りの声で叫んだ。傍で状況を掴めずおろおろするばかりの通信員を、側溝に蹴り込む。 周囲の全員が飛び込むのを確認し、稲富は身を翻した。左肩に矢が刺さるのを感じつつ、彼は側溝に倒れ込んだ。 「路上に味方なし!」 「航海長、確認した。艦長、クリアです」 細川は、艦長席で背筋を伸ばすと、よく通る声で命令した。 「主砲打ち方始め」 『打ちー方始め!』 『射ェッ!』 スピーカーの号令に、間髪入れず砲雷長が裂帛の気合いを込めて叫ぶ。 閃光。轟音。計測員が測る間もなく、300ヤード先の路上に、着弾の閃光と土煙が上がる。薬莢が甲板に転がり、耳障りな音を立てたが、誰も気にする者はいなかった。 『遠五十』 「よぉし、まずまず!」 航海長が叫んだ。初弾は風圧で桜並木を吹き飛ばしたあと、敵の真っ只中を抜け、路上に着弾した。 『修正、下げヒト。───調定よし!』 『射ェッ!』 弾着から速やかに修正が行われる。再計算値が入力された。第二弾発砲。 『命中!』 次弾は突撃を挫かれた敵の直中に着弾 した。アスファルトと土砂と、生き物だった何かと、この世の者ではない何かの混合物が巻き上げられる。 『射ェッ!』 第三弾発砲。冷却水を滴らせた砲口から閃光が煌めく。艦橋は鼻を突く硝煙の臭いに包まれた。 第三弾は、国道に架けられた歩道橋の基部にダメージを与えたらしかった。始めはゆっくりと。そして、ある瞬間からは一気に、年期の入った外見の歩道橋は、埃を猛烈に巻き上げながら倒壊した。 「総監部守備隊より本艦宛て。『敵は潰乱セリ。射撃効果大』」 通信士が報告した。細川は、はっきりとうなずくと、静かに命令した。 「打ち方やめ」 『打ちー方やめ!』 『主砲打ち終わり。砲中弾なし』 CICから異状なしの報告を受けても、艦橋では誰もしゃべらなかった。射撃は絶大な威力を発揮し、敵の突撃を破砕したというのに、歓声をあげる者もいない。 誰もが一時的に放心していた。その中で唯一艦長細川一佐だけが、平常心を保っていた。 「うん、なかなかよろしい。──航海長、陸戦隊の収容を行え」
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前回までのあらすじ 未知の平原に乗り出した自衛官片桐と、聖女スビア。そこで初めて出会ったのは戦士トルンドだった。彼の話ではこの平原世界の名前はヨシーニア。出会った者同士いつ決闘が始まってもおかしくない。刺すか刺されるかという殺伐とした世界だった。 この殺伐とした世界に点在する村、ギルティで一躍注目を浴びてしまったスビアは殺人鬼トラボロに目を付けられてしまう。それを察知してトルンドは片桐たち を彼の隠れ家に案内するが、お世辞にもそこは快適とは言えなかった。しかも、トルンドはスビアを求めて彼女の寝込みを襲うが、彼女の機転でそのもくろみは 失敗に終わる。夜襲をかけてきたトラボロ一派をまいて、トルンドの言う「腑抜けの街」を目指す2人。 街にたどり着いたとき、追跡してきたトラボ ロ一派の強襲を受ける。片桐は門を開いてくれるように街の衛兵に頼むが時間がかかり、トルンドは射殺されてしまった。間一髪、門を開いてくれた警備隊長ド ロスの案内で片桐、スビアは街での在留資格を問う評議会に出頭する。都市の名前はリターマニア。片桐が召還された大陸、ヌーボルのさらに北にあるコロヌー ボルにある神聖ロサール王国の自治都市だった。 在留資格を得た2人はドロスと伴侶タローニャの親切な歓待を受け、街でつかの間のバカンスを楽しんだ。リターマニアは高度に洗練された魔法文明と自由な雰囲気、平和的で教養ある人々であふれる理想郷のように思われた。 翌日、殺人鬼トラボロの弾丸からドロスを救い、彼を射殺した片桐はドロスとの友情を確固たるものにして、その夜に行われた年に1度の「神の御心」の対象者 選考を迎えた。惜しくもはずれて残念がるドロスだったが、スビアが見事当選した。周囲の祝福ムードに流され彼らの言われるがままスビアと別れた片桐だが、 そこでドロスから「神の御心」について衝撃的な内容を教えられて血の気を失った。 ドロスのにこやかな表情とは正反対の宣告を聞いて片桐は愕然とした。それと同時にこの恐ろしい選考にはずれたことを心底残念がるドロスを理解できなかった。狼狽する片桐をドロスはタクシーに乗せた。すうっと走り出した車内で片桐はドロスにつかみかかった。 「ドロス!それはあくまで「権利」なんだろ?拒否することもできるんだろ?」」 慌てて片桐はドロスに尋ねた。彼は、少し驚いた表情をしたが、すぐにいつもの穏やかな顔に戻った。 「実質拒否はできないよ。それに今まで拒否した人を聞いたことがない。だって、不本意な死(彼らは戦死や殺人、病死などをそう呼ぶ)でなく、神の意志による死だよ。神に近づく最大の栄誉なんだ!拒否なんてしないよ。」 だが片桐にはその理屈は通用しなかった。死は同じだ。永遠に別れることを意味するにすぎない。 「ドロス、止めてくれ!」 片桐はドロスにタクシーを停車させた。そしてドアを開けて飛び出そうとしたが、ドロスがそれを止めた。彼の意図を察していたのだ。 「止 めておけ、ここに来て間もない君には理解できないだろうが、これも彼女の運命だ。そしてそれは不幸な運命ではないとわたしは信じている。それに、彼女を奪 い返すということはこの都市だけでなく、神聖ロサール王国の法律に違反することになる。わたしに君を逮捕させないでくれ・・・」 その言葉に片桐は反論しようとしたが、ドロスはそれを無視して言い含めるように彼に言った。 「それにもう遅い。スビアはわたしのタローニャの手伝いで支度を整え、首都ヴァシントに送られた頃だろう」 思わず片桐はシートにうずくまった。愛する聖女がもうここにはいないこと、そして自分ではどうにもできない状況に置かれたことを悟ったのだ。最後に彼女が残した笑顔で言った言葉が片桐の脳裏に繰り返し流れていた。 「片桐!よくわからないけど、楽しみにしていて!」 楽しみにできることなどあるはずもなかった。ポルを使った全国中継で彼女が心臓をえぐり出されたり、首を切られたりする断末魔のあえぎを中継されることな ど、楽しみのはずもない。そしてここは高度な魔法文明社会だ。今までみたいに無茶な冒険でどうにか道を切り開けるようにはとうてい思えなかった。 「さあ、片桐。着いたよ」 ドロスはそう言って片桐をタクシーから降ろした。彼の部下である士官の家のようだ。うなだれる片桐を出迎えたのはドロスの部下と彼の伴侶だった。 「おめでとう!」 「おめでとうございます!」 口々に祝福の言葉を捧げるドロスの友人に片桐はもはや反論する気力もなかった。形だけ乾杯につきあうと、早々に提供された部屋に入った。 ベッドに突っ伏すと片桐は大声で泣きたい心境に駆られた。こうなるとわかっていたら彼女をこんな危険な抽選から棄権させることもできたかもしれない。そも そもこんな恐ろしい都市に足を踏み入れることもなかったかもしれない。自責の念だけが彼を襲い続けた。つい1時間前まで片桐の腕の中にいた最愛の聖女は、 今はいずことも知れない地、すなわち彼女の生涯を強制終了させられる地、に送られているのだ。 「片桐・・・」 ドアが開いてドロスが顔をのぞかせた。 「お願いだから、変な気は起こさないでくれよ。そして最愛の友人に君を逮捕させるような悲劇は見せないでくれ・・・」 そう言ってドロスはドアを閉めた。今の彼の言葉は自己の保身のためではないことは片桐も承知していた。彼は片桐がショックのあまり暴走することを恐れてい たのだ。そうなれば、警備隊長であるドロスは片桐を逮捕して、この都市の最高刑である追放刑に処さねばならない・・・。それを心配しての言葉だった。それ と同時に、ドロスが片桐とスビアを友人として受け入れてくれていることも知っていたし、片桐も彼の教養や人柄以上に彼を友人と思っていた。 「変な気ね・・・」 ベッドにうつぶせて片桐は彼の言葉を反芻した。変な気・・・・ 「あっ」 思わず片桐は飛び起きた。そして意識的にか、無意識的にかわからないドロスの友情に感謝した。ドロスは「変な気を起こすな」と警告しつつも、片桐を1人に しているのだ。これを利用する手はなかった。片桐の心に自衛隊で鍛えた不屈の精神が再びよみがえっていた。そうと決まれば話は早い。電光石火。片桐はドア の外を確認して、本当にだれもいないことを確認すると窓にとりついた。 「けっこう高いな・・・」 2階の窓から地面まで4,5メートルあったが、片桐は窓枠に彼が着ている、この世界の着物の腰巻きを結んでぶら下がった。これで足腰に負担なく、悟られることなく屋外に出ることができる。だが、それを実行に移す前に、ドロスのおだやかな笑顔が片桐の脳裏によぎった。 「ドロス、すまない・・」 彼に聞こえるはずもないが、せめてもの気持ちでそうつぶやくと、ぶら下がったベルトから手を離して地面に降り立った。そしてタクシーを拾うと、タローニャしかいないドロスの家へ向かった。 警備兵はすでにドロスの家からはいなくなっていた。スビアを連れて首都ヴァシントに出発したのだろう。ここでの片桐の用事は決まっていた。彼の荷物と銃だった。玄関をさけ、ゲストルームに面した窓が開かれているのを確認した。中ではタローニャが宴会の片づけをしている。 用済みの革の靴を脱ぐと素足で窓を飛び越えた。キッチンに洗い物を運んだタローニャの口を後ろからふさいだ。 「んん!」 警戒の声を出そうとするタローニャの耳元で片桐はささやいた。 「タローニャ、俺です。片桐です」 その声を聞いて彼女は声を出すのをやめた。片桐はそれを見届けて彼女を拘束していた手を離した。 「タローニャ、スビアはどこです?」 片桐の意外な来訪に気がついてからすぐに彼の意図を察したであろうタローニャは悲しげに首を振った。 「もう手遅れです。彼女は先ほど首都ヴァシントへの船に乗りました。他の当選者と共に。片桐、今なら遅くない!ドロスのところへ帰って!わたくしをからかった悪ふざけということでなんとかなります!」 タローニャの言葉に片桐は無言で首を横に振った。半分悟っていたのだろう、タローニャは美しい顔に苦悶の表情を浮かべた。 「すまない・・・、タローニャ」 彼女をキッチンの手ぬぐいや布巾で後ろ手に軽く縛り、両足も同じように軽く縛った。 「痛くないですか?」 片桐の質問に彼女は無表情、無言で頷いた。それを確認すると、スビアと片桐に割り当てられた部屋に駆け込み、着慣れた迷彩服と防弾チョッキを身につけ、愛用の89式小銃を手に取った。と、机に向かうと大急ぎで一筆書いて懐にしまった。 「片桐・・・あなた、どうしても行かれるのですか」 キッチンに戻った片桐の姿を見てタローニャが小さく叫んだ。そんな彼女の元に片桐は歩み寄った。 「タローニャ、君とドロスの恩は忘れない。だが許してくれ。俺はスビアをこんな形で失いたくないんだ。」 そう言って片桐は先ほど書いた手紙をタローニャの懐にねじ込んだ。中には、この計画は片桐単独で謀ったこと、ドロスはそれを知らないし、タローニャも不意をつかれて拘束されたことを記していた。 「それじゃあ・・・」 「片桐、無事を祈ります・・・」 そう言うタローニャの口に猿ぐつわをかまして片桐はキッチンの窓から外に出た。そして再びタクシーを拾って今度は街の門に向かった。シートの中でドロスとタローニャへの罪悪感で思わず吐きそうになったが、最愛のスビアを失うことを考えたらそれもどうにか我慢できた。 門の前の衛兵は昼間、ドロスと共にいた衛兵だった。 「やあ、どうしました?」 衛兵は陽気に片桐に声をかけた。迷彩服姿の片桐を大して気にしていないようだった。 「昼間やっつけた男の確認にドロスと出かけるんだ、開けてくれ」 片桐の言葉を信用して衛兵は門の通用口を開けた。それをくぐって片桐は街と外界を隔てる第1の門へと向かおうとした。が、その前に、警備隊に預けてある彼の弾薬が必要だった。馬小屋は無人だった。 「いい子で待ってろよ・・・」 船に乗るのに愛馬を連れていくことはできない。片桐は賢い愛馬に別れを告げて第1の門へと向かった。 「異世界人片桐、こんな時間にどうしました?」 第1の門を守る門番は不思議がって片桐に質問してきた。無理もない、完全武装で夜中に外界に出るというのはちょっと考えられない。片桐は第2の門番へ言った嘘と同じ嘘を彼についた。 「ドロスと、昼間倒した男の確認に行くことになってるんだ」 だが、この門番はそれを鵜呑みにしなかった。 「だったら、2人だけで行くのは危険です。護衛の小隊が必要です・・。わたしからドロス様に言いましょう」 そう言って、門に備えられた伝声管にとりついた。ここで下手に連絡されてはすべてが露見してしまう。片桐は決心した。 「すまん・・・!」 背中をさらした衛兵に片桐は飛びつくと彼の右手の親指を締め上げて、背中に腕を持ってこさせた。彼のベルトをはずし後ろに回った右手を縛り、左手も素早く奪うと後ろ手に縛り上げ、ベルトのもう一方を門の柱に縛り付けた。 「すまん、俺は行かねばならんのだ」 「異世界人片桐!その通用口を開けてはだめだ!君はその瞬間、全土のお尋ね者になってしまう。わたしは君の人相書きを見たくはない!」 ここでも片桐への言葉はドロスやタローニャと同じ内容だった。しかし、それを気にしてはスビアを助けることはできない。片桐は通用門を開けて外界、ヨシーニアへ踏み出した。 ヨシーニアに出て、すぐに片桐は海沿いのギルティへ向かった。こんな殺伐とした世界に長くいる理由はなかった。目的は船だった。コロヌーボルにある首都 ヴァシトンへ向かうための船が必要だった。片桐は村にはいると一目散に、商店に入った。例によって愛想の良くないガンドールが窓口にいた。 「おい!船をくれ!」 そう言うが早いか、片桐は手持ちの金を全部、窓口のガンドールに差し出した。しかし、ガンドールは驚きながらも平静を保っている振りをして答えた。 「今すぐには無理だよ!」 面倒をいやがったのだろう。言い訳するガンドールに片桐は有無を言わさず89式を突きつけた。横柄なガンドールもさすがに息を飲むのがわかった。 「演説はいらない。今すぐ出航できる船はあるんだろうな?」 殺人鬼トラボロを射殺した彼の銃の評判を知っていたのだろう。ガンドールは怯えながら船の手配をはじめた。 「あるよ!1隻だけな。でもあんたが望んだんだ!後で文句は言うな!」 負け惜しみに近い感じでガンドールはそう言って、許可証を片桐に出した。 船着き場で指定された船を片桐は見つけた。長さ20メートルほどで漁船みたいな形をしている。帆が大きく張ってあり、船外機らしきものも船尾に見受けられた。大きな後部甲板に片桐は装備を乗せた。 「ええっと・・・、エンジンはどれだ?」 キャビンに入った片桐は操舵室らしきところでエンジンを動かそうとしたが、うまくいかない。そこへ1人のクーアードが通りかかって片桐に声をかけた。 「エンジンがかからないのか?」 「ああ、俺には操縦できないようだ」 片桐の言葉を聞いてその男は船に乗り込んでいとも簡単にエンジンを始動させた。聞けばこの男、遠洋漁業から戻って仕事がないということだった。 「よし、俺をヴァシントまで送ってくれ」 ミストと言う男は二つ返事でそれに応じた。コロヌーボルは目と鼻の先だ。片桐もポルを使ったエンジンを動かすことのできる船員を手に入れて満足だった。 「出航するぞ!」 ミストの得意げな大声が夜空を裂いた気がした。だが、その言葉と裏腹に、船のスピードはいまいちだった。 「片桐、エンジンの調子が悪いみたいだ」 ミストが片桐に操舵室から叫んだ。あのガンドールめ。思わず片桐は舌打ちした。当然、彼にこの世界の船の修理なぞ出来はしない。自然、ミストに任せること になった。数百メートル沖に出たところで、やくざな木造船は停止した。片桐は夜の海を見ていた。岸にはついさっき、飛び出したリターマニアがの夜景が見え る。ほんの数時間前まで理想郷のように思っていた大都市が今の片桐にはなにか、恐ろしい魔都のように見えた。 そこへ、1隻の木造船が接近してくるのが見えた。何者が潜んでいるかわからない。片桐は89式のセレクターを安全から「3」へ切り替えた。そうしているうちにも船はどんどん接近して片桐の船と横に並んだ。 「おい!ミスト!いいカモを捕まえたな!」 船には3人の男が乗っていた。どうやら海賊のようだ。片桐が89式を構えようとすると、彼の耳元をゲベールの弾丸かかすめた。 「変なまねするな!今度ははずさないぞ!」 そう言って男がゲベールに弾丸を込めようとした。その隙をついてマガジン1本分の5・56ミリ弾を海賊どもが乗る木造船の喫水線あたりに撃ち込んだ。 「うわああ!」 轟音と水柱で3人の海賊は尻もちをついてしまった。弾丸が命中した部分は見事に壊れ、恐ろしい量の水が船に流れ込んでいる。 「このやろう!」 ミストが後ろから飛びかかってきた。それをひょいっと交わして片桐はミストの背中を押してやった。哀れ、ミストは頭から海に落ち込んだ。 「おい!こっちに捕まるんじゃない!」 泳げないのだろう。ミストは沈みゆく海賊船にしがみついた。その重みで船はますます傾くのが見て取れた。 「た、助けてくれ!」 「お願いします!俺たち泳げないんです!」 口々に海賊たちが片桐に助けを求めた。あきれたことに海賊たちは4人とも泳げないと言う。片桐とて無益な殺生を望んでいるわけではない。それにポルを使っ た船の操縦は彼には難しすぎた。ザンガンは片桐のポルの量が多いと言っていたが、実践となるとからっきしだ。あまり才能がないように思えた。 「よし、こっちに乗れ」 片桐は油断することなく、哀れな海賊を船に乗せてやった。 海賊たちは嘘のように片桐に従順だった。そして彼がリターマニアの評議会から6000サマライの懸賞金付きでお尋ね者であることを知っていた。すでに全土 にそれは知れ渡っているようだ。たった数時間で異世界人片桐は、お尋ね者片桐になってしまったわけだ。だが、それがかえって海賊たちの尊敬を集めたよう だ。 聞けば彼らもリターマニアを追放刑で追い出された連中だった。陸の殺伐とした世界を逃れて海に出た連中だった。 「キャプテン・片桐!目的地はどこです?」 片桐にゲベールを撃ったトータが質問した。どうやら片桐はこのちんけな海賊団のボスになったようだ。もう1人のタリマはせっせと何か針仕事をしている。ミストは服を乾かし、もう1人、マルージが船を操縦している。 「ヴァシントだ。どこにあるかわかるか?」 その言葉にトータはうなずいた。首都ヴァシントは対岸に見える都市ではなかった。対岸の都市はつきだした半島の先端に位置していた。そこからコロヌーボル は北に向かって東西に広くなっていく。ヴァシントはその東岸に位置していた。この船で2日の距離だった。トータの話によると、コロヌーボルはヌーボルほど 大きな大陸ではない、みたいだった。というのも、ヴァシントから北は山脈が多く、寒冷で神聖ロサール王国の支配地域ではなく、あまり知られていないのだ。 異種族が住んでいるそうだが、神聖ロサールとは仲が悪く交流もないということだった。 「よし!できたぞ!」 タリマが大声をあげた。さっきから黙々と針仕事をしていたがそれが終わったようだ。 「おい、タリマ!何を作ったんだ?」 服をようやく乾かしたミストが尋ねた。タリマは自信満々に彼にその仕事の成果を見せた。 「キャプテン・片桐の旗だよ!」 そう言ってタリマはみんなにも旗を見せた。自衛隊の三等陸曹の階級章を模した見事な造りだった。口々に海賊が驚嘆の声をあげた。そして、「キャプテン」片 桐は思わずため息をついた。俺は自衛官なんだ。海賊の親分になった覚えはないぞ!と叫びたくなったが、彼らに自衛官とはなんたるかを説明する気にはなれな かった。 首都ヴァシントの港は壮観だった。大きな18世紀のコルベットに似た軍艦や、ガレオン船のような商船。それらと港を行き来する様々な小舟が無数に見えた。 「ヴァシントの自慢はその海軍だそうですよ。キャプテン、あれをご覧なさい。」 そう言ってトータは港の向こうを指した。港のさらに先に軍港が見えた。そこには100隻近いコルベットが停泊している。よく見てみようと片桐は双眼鏡を探した。だが、見つからない。 「あっ」 思い出した。リターマニアの城壁でドロスに貸したままにしておいたのだ。しかたなく、肉眼で見える範囲でそのコルベットを観察してみた。パサティアナで見 た大砲が数門装備され、船首には衝角がついている。片桐は海上自衛官でないが、船の構造でこの世界の海戦がおおよそ飲み込めた。 まず、大砲を互いに撃ち接近する。そして、チャンスがあれば衝角で敵船にぶつかり、甲板上のゲベール隊が水夫を減らし、接舷して突入するのだろう。 「キャ、キャプテン!」 操縦していたマルージが怯えた声をあげた。それを聞き、片桐は軍港の観察を止めた。振り返ると、さっきまでつぶさに観察していたコルベットが間近に接近している。その砲門は間違いなく、片桐たちを狙っていた。 「異世界人片桐と見受けた!こちらに乗船せよ!」 甲板で士官が叫んだ。港からはかなり離れていたつもりだったが、自分のうかつさに片桐は歯がみした。 「キャプテン、どうします?」 トータがゲベールを構えようとしたが、片桐はそれを止めた。今更1発撃ったところで大砲にこの船を木っ端みじんにされるのが落ちだ。片桐だけならいざとなれば泳いで港までたどり着けるだろうが、残念ながら彼の忠実な部下は全員がかなづちなのだ。 「心配はいらぬ!お尋ね者としてではなく、客人として迎える。グンク・シュブのお達しだ」 この国の王はシュブと言うらしい。抵抗も無駄。逃げることも難しいとなれば選択肢はなかった。運が良ければスビアを生け贄からはずすように王に直談判できるかもしれない、と思った。非常に楽観的だが、今の片桐にそれ以外の選択肢はなかった。 港に着いた時点では、グンク・シュブの約束は守られているようだった。片桐の部下は拘束されることなく、船に残された。そして片桐は海軍士官と共に王の待 つ城へと向かった。ヴァシント海軍の士官はドロスたち、リターマニア警備隊と似たり寄ったりの格好だった。そして首都ヴァシントの町並みも同じだった。高 度な魔法文明社会だった。だが、この高度な文明社会に「生け贄」という野蛮な習慣が存在しているのも確かであり、そのために片桐は愛するスビアを失う危機 に直面しているのだ。 王宮はまるでヴェルサイユ宮殿を思わせる造りだったが、その大きさはヴェルサイユほどでもなかった。しかし内部の豪華さは 引けを取っていなかった。豪奢な絨毯に、壁に描かれた美しい絵画の数々。そこを行き来する士官たちの出で立ちや淑女のドレスや装飾具の美しさは夢の世界の ようであった。 そして王座の間の前にある扉には警備隊の通常装備である革の装具と剣以外に様々な装飾具で飾った親衛隊が控え、恭しくその扉を開けた。高い天井に真っ赤な絨毯の先にある玉座にグンク・シュブは座っていた。その両側には彼の側近や閣僚がずらっと居並んでいる。 「さあ、私をまねて控えて・・・」 海軍士官が片桐にささやいた。彼は片膝をついて王に敬意を払った。とりあえず、片桐もそれに習った。 「異世界人片桐、よもやこんなに早く貴殿と会えるとは思っておらなんだ」 グンク・シュブは小柄な茶髪の中年で、一見すると王とは見えない。だが、彼の言葉と雰囲気から発されるオーラは間違いなく王のそれであった。 「この2日で君をとりまく状況が変化したことをまずは説明したい。君のリターマニア評議会での審査結果は聞いている。そして君がリターマニアから6000サマライの懸賞金で追われていることも」 グンク・シュブは淡々と片桐に話した。時折、そばの女性が彼にペーパーを見せている。あれに片桐に関する情報が書かれているのだろう。 「だ が、昨日余とリターマニア評議会を決裂させる決定的事件が起こった。それは以前からの古代ロサールの神々を巡る解釈の違いだったんだが、今の君には関わり ないことだ。その結果、ヴァシント評議会は全会一致でリターマニア評議会のこれまでの宗教的解釈を異端とし、その行為を反逆と見なした。」 そこで再びシュブはペーパーを見た。彼はあまりすらすらとしゃべることが得意でないように思えた。 「そ こで、この国における君の罪状は取り消しとなった。君を罪人とすることを評決した評議会自体が違法と判断されたからだ。したがって、その評議会が選考した 「神の御心」を行使する権利も無効となる。異世界人片桐、君の今回の行動の動機も聞き及んでいる。反逆者のしたこととは言え、君に多大な苦痛を与えたこと を国民に代わってお詫びしよう」 一瞬、片桐はグンク・シュブの言った意味を理解できなかった。が、数秒してその意味を知ると涙がこぼれそうになった。自分自身がお尋ね者でもなくなったと同時に、スビアも生け贄ではなくなったのだ。 「こ の国は古代ロサールの神々の恩恵で今日の繁栄を築いた。歴代の王は都市に、神への解釈、法律の制定など、ある程度自治と自由を与えてこの国をよりすばらし い国にしようと努力した。しかし、リターマニアの評議会はそれを軽んじ、越えてはならぬ一線を越えてしまった。フェルド、海上封鎖の準備はいいか?」 フェルドと呼ばれた将軍は王の前に進み出て報告した。 「はっ、目下50隻のコルベットを動員して海上封鎖の準備を行っております」 その答えに満足したグンク・シュブは今度はペーパーを持っていた女性に声をかけた。 「イラス、国民への呼びかけはどうだ?」 彼女は賢そうな表情をした女性だった。そしてその返答は彼女の外見通りだった。 「はい、国民に彼ら反逆者の悪行をわかりやすく、正義感をかき立てやすい内容にしております」 それを聞いてグンク・シュブは満足げに頷いた。そして片桐に向き直った。 「余は王であると同時に国民への奉仕者でもある。自由と神への敬意を第一に考えておる。そして余の敵は背教者どもだ。」 そこへ伝令が入ってきた。伝令はイラスに内容を伝えて立ち去った。彼女の表情から見てあまりいい知らせではないようだった。 「グンク、また今年も「神の御心」に選ばれた市民がさらわれました」 グンク・シュブの顔つきが先ほどまでの善良な王の顔から怒れる王の顔に変わった。 「またしてもウィンディーネの仕業か!」 王の言葉に居並ぶ閣僚の中でただ1人、無表情だが怒るグンクに軽蔑的な視線を向ける人物を片桐は見つけた。だが、その男は一瞬そのしぐさを見せただけで、その後は無表情のままだった。 「異世界人片桐、君の探す聖女を含めた「神の御心」当選者が北のウィンディーネにさらわれたそうだ。彼らは捕まえた捕虜を数ヶ月生かして太らせ、食料にすると聞いている。余はこの非人道的な事態を看過するわけにはいかない」 片桐は目の前が真っ暗になりそうだった。彼の愛する聖女は、心臓をえぐり出される危機から転じて、今度は食人種のメインディッシュにされるというのだ。怒りと絶望でふらふらしながら、片桐は目の前の王に尋ねた。 「で、俺・・・、いや自分は何かできることが?」 片桐のその言葉を待っていたのか、グンクは顔をあげた。その顔は今度は悲壮感にあふれていた。場合が場合でなければ、相当な役者だと片桐も思えたことだろう。 「我 が軍は現在再編成中で兵力不足だ。リターマニアへの海上封鎖と首都の防衛で手一杯なのだ。そこで君にお願いしたい。命令ではない。先発隊としてウィン ディーネに行ってはくれないだろうか?君のこの世界での功績や武勲は聞き及んでいる。今、この事態を打開できるのは君しかいない!」 片桐としては彼の願いは断る理由もない。せっかく、生け贄から解放されたスビアは今度は食料となる危険にさらされているのだ。 「わかりました。すぐにでも出発したいと思います。グンク、お心遣い感謝します」 「余とて、いかに百戦錬磨の君だけでは困難な話ということはわかっておる。パウリス!」 王に呼ばれて一歩前に進み出たのはさきほど、グンクに冷たい視線を投げた閣僚だった。 「パウリス、君は異世界人片桐と共にウィンディーネの状況を探ってくれ。しかる後、余が自ら軍を率い救出に向かおうぞ!」 「はっ!」 こうして、片桐には名君主に見えるグンク・シュブとの会談は終わった。 片桐に割り当てられた王宮の部屋は豪華絢爛だった。豪奢なツインベッドに美しい浴室。そしてその広さは下手なホテルのスウィート以上だった。だが、今の片 桐にはその豪華な寝室を堪能する気分ではなかった。グンク・シュブの話では数ヶ月あるスビアの生存期間だが、この世界の伝え聞く話はあまりあてにならな い。この手で彼女を抱きしめない限り、その無事を信じることはできなかった。思えば、片桐はこの世界でスビアと別れ別れになったのは、ガルマーニで拘束さ れた2日と、パサティアナでの2日だけだ。3日目、たった3日で片桐は身を削られるような気持ちになった。 この世界に召還されて数ヶ月、古代ロ サール滅亡の謎を解き、世界を安寧に導く秘術を求めて旅に出てから、片桐の支えは文字通り、スビアだけだった。今、翌日の旅立ちを控えている間でも片桐は 彼女を求めていた。彼女の美しい黒髪、彼女の柔らかい唇、暖かい指。その感触だけが心の支えだった。 「入るぞ・・・」 不意に声がしてドアが開かれた。入ってきたのは同行するパウリスだった。グンク曰く、彼はこの国の国務大臣で最高の剣士ということだそうだ。彼は手近なイスに座った。がっちりとした彼の身体は豪華なイスには若干窮屈のようだった。 「片桐、君に警告に来た。」 いきなり開かれたパウリスの言葉は意外なものだった。少し驚く片桐を無視して彼は言葉を続けた。 「出発前に言うのも何だが、グンクは我々をお払い箱にするためにこのような無茶な旅をご下命なさった。君は異世界人だ。妙な思想を国民にふれさせないため、そして、わたしが指名されたのはグンクやフェルドが進める軍国主義に反対する勢力を黙らせるためだ」 「え?この国は都市が自治しているんじゃないのか?」 その片桐の質問にパウリスは肩をすくめて笑った。無骨な剣士らしい笑いだった。 「わたしは剣士として常に戦場に立った男だ。その中でグンク自身の保身や利益のために戦った戦争も多かった。君の言う、都市の自治を認めた最大の原因は、ロサールの神々への解釈の違いで大規模な宗教戦争が起こりかけたからだ」 パウリスが言うには、10年ほど前、グンク・シュブたちの急進的な保守主義、すなわち神への帰心とその教えを全世界に広げようとする復古運動に反対する都 市が独立を宣言したことがあった。その論争は国を2つに分ける勢いであったという。それを納めるべく、グンクは宗教的解釈を各都市の評議会に任せることで 妥協したのだ。その見返りに、現在の軍拡、世界統一路線を容認させた。すべては正義の名の下に世界をその支配に治めるためだ。それに宗教的観点から唯一反 対していたのがリターマニアの評議会だという。 「彼らは無法地帯ヨシーニアだけでなく、君の来たヌーボルの西部地域の状況をふまえて、神聖ロサール独自の支配は不可能だと反対していたのだ。それが、先日のグンクとの会談で決裂に至った。」 そう言って、パウリスはポルを使った魔法ラジオのスイッチを入れた。 「親愛なる国民のみなさん、グンク・シュブです。今日はみなさんに悲しい発表をしなくてはいけない・・」 スピーカーから聞こえたのはグンク・シュブの声だった。 「か ねてより、意見の分かれていたロサールの神々についてのリターマニア評議会との交渉で、ヴァシント評議会はついに彼らとの決裂に至りました。彼らは神のご 意志である世界の統一を否定し、あつかましくも、ヌーボル西部の原住民との共存を訴えました。古代ロサールの聖地を抱くヴァシントの、そして神聖ロサール 王国のグンクとしてわたしは彼らのこの冒涜にこれ以上甘んじることはできません。」 次にグンクから放たれた言葉は片桐にも少なからず衝撃を与えた。 「わたしは、ロサールの神々のご意志を受け継ぐグンクとして、このような背教者に対し海上封鎖による制裁を発動することを決心しました。」 恐ろしい内容だった。一見民主的で合理的だが、その実気に入らない主張をする勢力は「神と正義の名」において罰するというのだ。 「神聖ロサールとその善良な国民に神のご加護があらんことを・・・」 ラジオはその言葉で終わった。パウリスはスイッチを切った。さっきまでの演説を聞いて片桐の脳裏に浮かんだのはドロスとタローニャのことだった。今や、グ ンク・シュブの庇護を受ける片桐はドロスとは敵になってしまったのだ。彼の屈託のない笑顔と、タローニャの美しい笑顔が脳裏をよぎった。 「こういうことだ。グンクは政治力に優れているが、敵を恐れている。命令が下った以上、わたしもグンクの命令に従う・・・。悲しいものだな」 パウリスの言葉を片桐もイヤと言うほど理解できた。元々の世界では彼も自衛官だ。上官や政治家の無茶な命令で死ぬとわかっている命令も受けなければならなかった身だ。 「で、この時期にここにいられちゃ都合の悪い我々が、野蛮なウィンディーネへの潜入を命じられた訳か・・・」 片桐はグンク・シュブの政治力に驚いた。彼が今までで会ってきたこの世界の王や指導者とはグンク・シュブは違っているように感じた。むしろ片桐の世界にいる政治家に近い。 「とにかく、お互い死出の旅だ。仲良くやろう」 そういってパウリスは部屋から出ていった。 数日後、片桐とパウリスは雪を抱く山々を見ながら高原地帯を北上していた。山と言っても木々はほとんどない。岩と、湖が所々にあり、森はその周辺にぽつぽ つある程度だ。気温は低く、温度計がないので正確にはわからないが、氷点下を下回っている感じだった。2人は毛皮のコート、と言えば豪華そうだがその実、 ただのオーバーコートにすぎないような代物だけで高原を歩いていた。 「俺は死なんぞ!生還して、評議会にグンクの政治責任を問うまではな!」 ここ数日のパウリスからの説明、半分愚痴のようなものだったが、によると、彼らは政権内で分裂しているようだ。 まず、強硬派のグンク・シュブとフェルド。穏健派のパウリス。そして中立のイラス、評議会は表面上中立だが立法権や宗教的解釈の裁量をグンクから与えられている手前、表だったグンク批判はしない。 「自由や正義は押しつけではない。君のいたアムターやガルマーニ、エルドガンたちに我々の宗教解釈と正義感を押しつけるつもりはない。共存していくうちに彼らが学んでいけばいいのだ」 片桐からすれば、強硬派でも穏健派でも、結局彼らの考えはヌーボル西部の人々に受け入れられるべきであると言うことに変わりはないようだったが、この寒さの中、歩く以外にすることもないのでパウリスの政治学講座を止めることはしなかった。 「なあ、ところで、グンク・シュブが言ってた「古代ロサール」の聖地ってなんだい?」 話の内容がパウリスの考える異民族との共存論に入ったところで片桐は鼻水をすすりながら尋ねた。 「言葉の通りだ、古代ロサールの神々が眠る聖地だ。もっとも、そこには歴代のグンクと評議委員しか入れないがね。我々が偉大な神から受け継いだ自由と正義の根元なのだよ。」 思わず片桐は歩を止めた。アムターから旅立って数ヶ月。おそらくそこがこの旅の最終目的地であろうことが予想できた。 「そこに何がある?この世界を平和に導く秘密の魔法でもあるのか?」 片桐の思わぬ食いつきように驚いたパウリスが答えた。 「わ からん。俺はそこには入ったことはない。だが、君も見てきただろう?古代ロサールから受け継いだ我が国の魔法文明の数々を。そしてアムターの聖女の他、少 数が受け継いだと言われる召還魔法。あれらはすべて古代ロサールの残された秘伝だ。その源があそこにあると言われている。」 パウリスの答えは片 桐の質問の答えとは違っていたが、それでも彼は確信を持ちつつあった。だが、直感的な疑問も発生した。もしも、その聖地にスビアの求めるものがあったとし て、なぜ、歴代のグンクはそれを修得することも、行使することもなかったのか?グンク・シュブのような野心あふれるグンクばかりだったわけではあるまい。 そして「神の聖地」を抱く神聖ロサールはなぜ、このような王制とも共和制ともつかない奇妙な政治体制で、各都市、異民族と政治的、宗教的な対立と融和を繰 り返しているのか・・・。 その疑問はふと聞こえてきた奇妙なもので中断された。 「おい、パウリス・・・。聞こえるか?」 自分の聞こえたものが幻聴でないことを確認すべく片桐は彼に声をかけた。パウリスも聞こえたのだろう。立ち止まって耳を澄ませている。それは歌だった。こ の世界ではあまり音楽は聴かないし演奏もされない。それがなぜかはわからないが、そうなのだ。片桐にとってこの世界の歌を聴くのはほとんど初めての経験 だった。 「こんな寒いところで演奏会か?」 今、片桐とパウリスがいるのは広大な高原のまっただ中だ。ところどころ雪が積もり、湖も凍り付きそうな寒さの中なのだ。 「あっちからのようだ・・・」 パウリスが示す方向には大きな湖とその周辺に雪をかぶった森が見えた。その向こうには数千メートル級の山々がはるか彼方まで連なっている。このあたりが世界の果てと言うのかもしれないな、と片桐は思った。 そして、その世界の果てで歌声は間違いなく2人の耳に聞こえていた。その歌声はソプラノ歌手のような声にも、アルトのような低音にも聞こえたが、思わず聞き惚れる美しさだ。 「行ってみよう・・・」 どちらからともなくそう提案して2人は湖の岸辺へと出た。高原の湖はきらびやかな水面と、吸い込まれそうになるほどの透明度で2人を出迎えた。歌声は今やすぐ近くから聞こえていた。湖につきだした大きな岩の上にその歌い手がいた。 「あれはいったい・・・」 半分呆然と片桐はつぶやいた。歌い手は女性だった。ほっそりとした体つき、美しい青みがかった髪、湖に負けないくらい透き通った白い肌・・・。そしてこの 寒さに関わらず彼女はしなやかなローブをまとっているにすぎなかった。その姿で岩場に腰掛け、足を伸ばして水面を蹴っている。白昼夢のようにすら思える光 景だった。パウリスとて同じ思いだったのだろう。この奇妙な光景に剣を持っていることを忘れているようだった。食人種の野蛮人の地に足を踏み入れて、この ような光景に出くわすとは夢にも思っていなかったようだ。 「ヴァシトンの貴族と異世界人・・・」 不意に女性が歌うのを止めて片桐たちに振り向いた。今や3人の距離はいくらもない。片桐もパウリスも歌声に導かれるように彼女のすぐ近くまで歩み寄っていたのだ。 「あなたが噂に聞く異世界人ですね・・・」 静かに女性が言った。その美しい顔にこぼれたほほえみに思わず片桐は見とれてしまった。それに気がついた女性は伸ばした足で湖の水面を軽く蹴った。 「わたくしはウィンディーネの女王、セイレースです。勇敢な異世界人、よくぞ世界の果てウィンディーネまで来られました」 その言葉にパウリスが夢から覚めたようにはっとして、即座に剣を抜いた。 「おのれ!ウィンディーネの女王、セイレース!我が国民を数年にわたって誘拐し、無惨に殺した罪をこの剣で償わせてやる!」 その言葉にセイレースは軽くほほえんだ。パウリスはひと飛びで彼女に飛びかかり斬るだけの間合いにいるのだ。 「ヴァシントの貴族パウリス。あなたほどの聡明な男がそのような世迷い言を信じているとは・・・」 「世迷い言だと?貴様がさらったのは我が国民でも「髪の御心」に選ばれ、その意志で神の国に旅立つ者たちだ!それを太らせて食うなどと、神を冒涜するにもほどがある!」 電光石火、剣を構えて飛びかかろうとしたパウリスの足下に音もなく、つららが数本刺さって彼の足を止めた。彼女のポルが作り出したつららだった。 「うっ・・・」 歴戦の剣士パウリスは、自分が再びセイレースに斬りかかろうとしたら間違いなくそのつららが自分を切り裂くであろうことを悟った。 「ついて来るがよい。わたくしが本当に食人をしているか・・・。それを確かめてからでもそなたの剣を振るうのは遅くはない・・・」 そう言ってセイレースは岩場から立つと森に向かって歩き出した。片桐とパウリスもそれに続いた。まるで彼女の優美な歩みに引き寄せられるように・・・。 山に面した岩の壁にセイレースの居城は造られていた。その麓の森の中に城下町があった。建物は木で作られ、その屋根には森の木と同じ葉で覆われていた。暖 房と、偵察の目を欺く2つの効果を期待してのことだった。村の人々は男はクーアードと見分けがつかないが、女性はみな、セイレースのように透き通る肌が印 象的だった。 セイレースの居城は岩の中、豪華な装飾にも関わらず底冷えするような雰囲気だった。その中に作られた玉座の間に置かれた氷のように輝くクリスタルの玉座に彼女は座った。周りには毛皮を着た幕僚が控えている。 「みな、席を外せ」 開口一番、女王が幕僚に告げた。幕僚たちはざわめいた。 「セイレース様、彼らの武装もまだ解除しておりません。どうかお考え直しを・・・」 そう言う幕僚にセイレースは優しさに満ちた目を向けた。 「彼らなら心配はいりません。さあ、言われたとおりになさい」 口調こそ優しかったが、彼女の言葉にはその場の者にこれ以上の異論を差し挟ませない空気があった。それを察して幕僚たちは次々と玉座の間を辞した。広い部屋には片桐とパウリス、そして美しい玉座に座る美しい女王だけになった。 「さて、ヴァシントの貴族パウリス。そなたはわたくしたちが、そなたたちから奪った捕虜を食べていると言いましたね?その証拠はどこにあるのです?」 玉座から身を乗り出すようにセイレースはパウリスに問いかけた。彼は少し口ごもった。 「我がグンク・シュブとフェルドの調査の結果である!」 それを聞くと女王はくすっと笑った。 「では。3年前に「神の御心」に選ばれたそなたの親族を覚えていますね?」 意外なセイレースの言葉に歴戦の剣士がうろたえた。そう言えば、数日にわたった彼の愚痴の中にそんなことを聞いた記憶が片桐にはあった。 「これへ!」 女王は玉座の横にある扉に声をかけた。1分も立たぬうちに1人のクーアードが玉座の間に入ってきた。それを見てパウリスが驚きのあまりその場に座り込んだ。 「パ、パロウス!?幻ではあるまいな・・・」 「パウリス様、夢ではありませんぞ」 パロウスは驚く剣士に駆け寄ってその手を取った。その手の温かさにパウリスもようやくこれが現実であると判断したようだ。男泣きに泣きながらパロウスを抱きしめた。 「おお!神のお慈悲だ!」 「神のお慈悲ではありません・・・・、その答えはセイレース様から聞くがよろしかろう・・・」 そう言って、パロウスは感涙むせび泣くパウリスから離れ、女王に跪いた。それを見てセイレースは玉座から立ち上がり、片桐とパウリスに歩み寄った。 「パウリス、そなたならこれからわたくしが見せることは評議会で使われる魔法と同じく、嘘偽りないこととわかるであろう・・・」 そう言ってセイレースは右手を片桐、左手をパウリスの額に近づけた。ひんやりと冷たい感触が片桐の額に伝わった。それと同時に彼女のポルを介して強力な映像が彼の脳に流れ込んできた。 そこは狭い一室だった。大勢の男女が恍惚に満ちた顔で座り込んでいる。そこへ、グンク・シュブの親衛隊がやってきた。丁重に室内の男女を連れだした。室内の人々も王の親衛隊の誘導に喜々として応じた。 「さあ、こちらへ」 親衛隊が人々を案内したのは暗い地下室だった。しかし、その広さはかなりの広さで、奥までは暗くて見通せない。「神の御心」当選者たちはそこに全員入場した。 「では、神のご加護を」 そう言って親衛隊は入ってきた扉を閉じてカギをかけた。数ヶ月待たされてようやく神に近づくことができる人々は暗い地下室で神の迎えを待った。だが、そこに現れたのは彼らの想像した神の使いではなかった。 「ぐるるるるる・・・・」 血に飢えたうなり声をあげて歩いてきたのは身長2メートルを超える醜い怪物だった。犬歯の発達した口からよだれを垂らして、延びっぱなしの爪で武装された指をくねくねさせている。想像しない「神の使い」に人々はざわめいた。 「おお!神よ!」 それでも、先頭の1人が化け物に向かって身体を差し出した。次の瞬間、化け物はその身体に噛みつき腹の一部を食い破った。 「わぁぁぁぁぁぁ!!!」 その男は絶叫しながら床を転げ回った。あまりの出来事と、化け物の目的を察した人々に動揺が広がった。一斉に閉じられた扉に飛びつく。 「開けてください!」 「我々はオーガに食われるために選ばれたんじゃない!」 「神の御心とはこれだったんですか?」 その直後、数匹の化け物は幸運な「神の御心」当選者に一斉に飛びかかった。 片桐は気がつくと玉座の間の床に座り込んでいた。身体には脂汗がびっしりと出ているのがわかった。そしてそれはパウリスも同じであった。 「あ、あれは伝説の魔人オーガ・・・・」 古代ロサールの聖地で儀式的な死を迎えることを希望していた幾多の人々の末路をかいま見てパウリスは驚愕していた。グンク・シュブが語ったウィンディーネの野蛮さは、そっくりそのままパウリスの祖国のことだったわけだ。 「これは哀れな生け贄と共に捕らえた親衛隊の兵士の記憶です・・・。」 セイレースの言葉にパウリスは真っ青になった。彼の中にあった神への自己犠牲の精神がぼろぼろに壊れていくのを感じていた、 「まさか、歴代のグンクはあいつらを飼育するために・・・、「神の御心」と称して市民を選んでいたのか・・・」 うろたえるパウリスの自問を聞いてセイレースはうなずいた。 「わたくしもこのことはつい数年前まで知りませんでした。ひょんなことからそれを知ってそれ以来、見つけられる範囲で彼らをさらって救っていたのです」 セイレース曰く、あの化け物はオーガと言い、不老でほとんど不死の食人鬼だ。神聖ロサール歴代のグンクは彼らを飼い慣らし、生け贄として餌を提供して飼育 していたのだ。それが、神聖ロサールの勢力拡大を助けていたわけだ。そして餌の安定供給のために「神の御心」と言う、半分自発的な生け贄選考を行っていた のだ。すべては「神の名において」自由と正義を世界に満ちさせるために。 「な、なんということだ・・。」 あまりの事実にパウリスは言葉を失った。それを見たセイレースは今度は片桐に向き直った。 「そなたが探し求める聖女もここにいます・・・」 そう言って女王は先ほどと同じく扉の向こうに声をかけた。そして現れたのは片桐の探し求めたその人物だった。 「片桐・・・?」 別れたときのローマ風の白いドレスと、ここに来て与えられたのだろう毛皮のコートをまとった女性は間違いなく、スビアだった。 「スビア!」 思わず駆け寄ろうとした片桐の首筋に冷たい感触の何かがふれて彼の足を止めた。 「待ちなさい・・・」 そう言ったのはセイレースだった。そして片桐の首筋に当たった冷たいものとは、鋭いつららだった。首筋から数センチのところで止まっている。そして同じものがスビアにも向けられていた。 「スビア、わたくしはこのような世界の果てまであなたを追い求める異世界人に感心しました。そしてその実物を見て、愛するに至りました」 意外な人物の意外な言葉を聞いてスビアは驚愕の表情を浮かべた。それを見てセイレースは冷たい微笑を浮かべた。 「わたくしの意志ひとつであなたたちの前のつららはどうにでもなります。」 セイレースの言葉を確認するつもりで片桐は真横に動いてみた。つららは片桐の喉元数センチの距離を保ちつつ、平行に動いた。 「片桐、あの聖女を捨てわたくしを受け入れなさい。そうすればあの聖女をアムターまで無事に帰しましょう」 その言葉にスビアは怒ったような、驚いたような表情を浮かべた。そしてセイレースに対抗するように1歩、前に進んだ。つららの鋭い先端は彼女の首ぎりぎりにまで迫る形となった。 「わたくしは片桐を捨てることはありません!」 きっぱりと言う彼女に従って片桐も1歩前に進んだ。これは推測だったが、セイレースは本気で2人を殺すつもりがないように思えた。それがなぜかはわからな いが、彼にはそう思えて仕方がなかった。それを見てセイレースは自嘲気味に笑うと首を横に振った。そのとたん、彼らに突きつけられていたつららは床に落ち て見る見る水になって溶けてしまった。 「私の負けです!異世界人片桐、聖女スビア!」 玉座で女王が宣言した。 「これはあなたがたの愛を試す、わたくしの芝居です。やはり、あなたがたは本気で愛し合っているのですね。わたくしの悪い癖です。どうか許してください。」 その言葉と同時に片桐とスビアは駆け出していた。そして互いの感触を確かめ合うようにきつく抱き合った。 「片桐!怖かった!まさか、わたくしが生け贄になるなんて夢にも思ってなかったから!」 底冷えのする最果ての玉座の間で2人は互いの体温を確かめ合うかのごとく抱き合った。突然の事態を見守っていたが、ようやく我に返ったパウリスが赤面するほどだった。 「片桐、スビア、これが愛なのですね・・・」 2人が落ち着いたところでセイレースがつぶやいた。その顔には安らかなほほえみが浮かんでいた。 「わたくしたちが、ヴァシントの哀れな生け贄を助けることにした動機があるのです」 女王は閑散とした玉座の間で話し始めた。3人はそれに聞き入った。 「わたくしたちウィンディーネは女系血族です。産まれる子供はすべて女子です。だから子孫を迎えるには男子を外から招くほかありませんでした。わたくしの王家に伝わる歌も、思えば太古、男をいざなうためのものだったのでしょう・・・」 女王は今度は少し悲しげな表情を浮かべて言葉を続けた。 「そ んな中でわたくしたちは、愛情を失いました。わたくしたちに備えられた美しい歌。美貌は子孫をもたらす手段としてしか見られなくなったのです。どういうわ けか、わたくしは少し違っていました。生け贄にされる神聖ロサールの民を哀れみ、今、あなたたちの愛し合う姿を見て心が動いています。異世界人片桐、そし て聖女スビア。あなたがたはわたくしたちウィンディーネが凍らせていた「心」を溶かしてくれたのかもしれません」 セイレースはパウリスに向き直った。 「パウリス、そなたは神聖ロサール王国の最高機密を知ってしまいました。おそらく、ヴァシントには帰れないでしょう。評議会も今、そなたが見た記憶と、パロウスの生存を見ればそなたがうそを言っているとは言えないはず。」 パウリスは女王の言葉にしばらく何か考えていたが、思いついたように手を叩いた。 「リターマニアへ向かいましょう。リターマニアの評議会で我々の記憶を見せて、生け贄の真実を全国民に知らしめれば、グンク・シュブの権威は地に落ちる!」 「だが、フェルドはリターマニアを封鎖しているぞ・・・」 片桐は玉座の間で交わされたフェルドとグンク・シュブの言葉を思い出していた。2人の話を聞いていたセイレースはポンポンと手を叩いた。玉座の間に1人の士官が入ってきた。 「クランガートを準備なさい。この者たちをリターマニアまで送り届けます」 「はっ・・・」 聞き慣れない言葉に片桐とパウリスが互いに顔を見合わせた。それを見てスビアが笑った。 「大きな鳥です。彼らはそれに乗って空を飛ぶのです。空から行けば、海にいくら艦隊がいても関係ないでしょう?」 それを聞いて片桐は少し考えた。パウリスから道すがら聞いた「神の聖地」のことを思い出していた。 「セイレース、俺1人だけでもヴァシントへ送ってもらえないでしょうか?」 その言葉にスビアが驚きの声をあげた。セイレースも驚きの表情を浮かべて片桐を見つめた。 「ヴァシントの「神の聖地」。その謎を解くことが、おそらく俺たちの旅の最終目的です。できれば、合図をしたら俺を収容してもらえたらありがたいのですが・・・・」 そう言って片桐は2台のトラックからはずしてきた発煙筒を取り出した。 「用事が済めばこれで合図します。」 「待って!わたくしも行きます」 予想しなかったわけではないが、その言葉に片桐はスビアを振り向いた。今度という今度はあまりに危険すぎる。 「今回はいくら何でもやばすぎる・・・。先にリターマニアに行くんだ」 「イヤです!それに、片桐。あなただけで古代ロサールの魔法が理解できて?」 彼女の言葉に片桐は反論の言葉を失った。確かに、片桐1人では、聖地を見てくるだけで大したこともわかりそうにない。 「わかった・・・。セイレース、彼女も一緒にお願いしたい・・・」 セイレースが頷いて、再び手を叩いた。先ほどの士官が再び入ってきた。 「ショーク、そなたもクランガートを出しなさい。そして異世界人と聖女をヴァシントまで送り、合図を待って彼らを収容し、リターマニアへ向かうのです。できますね?」 ショークと呼ばれた士官は膝をつき、王女に恭しく一礼した。 「仰せのままに・・・・」 危険な任務を引き受けたショークにセイレースは歩み寄ると、彼を抱きしめた。 「ショーク、生きて帰ってくるのですよ」 「もったいないお言葉に存じます」 かつては愛情もなく、氷のような世界で氷の心持っていたウィンディーネに生まれた、暖かい心を持った女王は忠実な部下の額に優しくキスをした。 王座の間から出てすぐの岩山を利用したバルコニーにクランガートが準備されていた。クランガートは体長5メートル近い、白鳥のような鳥で手綱のようなロープで操縦者が操るようであった。 「片桐、リターマニアで待っているぞ!」 パウリスと親戚のパロウスが先に飛び立った。巨大なクランガートは颯爽と大空に飛び立ち、かなりのスピードでリターマニアに向かった。 「セイレース、いろいろとお世話になりました。では・・・」 片桐もそう言ってショークが乗るクランガートに乗り込もうとした。しかし、それをセイレースが止めた。 「そなたたちの愛を試すようなまねをして、申し訳ないと思っています。きっと、わたくしに流れる祖先の血があんな行動をさせたのかも知れません。」 「あなたが我々を本気で殺すとは思っていませんでしたよ。」 その言葉にセイレースは少し微笑んで、スビアに向き直った。 「できることなら、片桐に感謝の気持ちを込めたキスをしたいのですが、許してくれますか?」 スビアは黙って頷いた。彼女にはそれが「感謝の意」だけではないことはわかっていたが、醜い嫉妬心で彼女の申し出を断る気持ちもなかった。同時にその気持 ちは哀れみでもなかった。自分でもよくわからない感情だった。セイレースは片桐の顔に自分の顔を近づけると、遠慮がちに少しだけ唇に触れた。冷たい感触が 片桐の唇に感じられた。 「さあ、お行きなさい。自らに課した旅の結末を確かめてくるのです・・・。そして、2人の愛を永遠のものにするのです・・・」 セイレースは後ろを振り返った。そのまま、玉座の間に入っていった。 「では出発します」 ショークが手に持った手綱を動かすと、巨鳥クランガートは2人を乗せて大空に飛び立った。 思ったよりもクランガートは乗り心地がよかった。ショークは怪鳥を操りながら片桐に質問した。 「しかし、先ほどの筒でどうやってわたしに合図を」 「派手に煙が出るし、炎も出る。上空からでもわかると思うよ」 片桐は彼の後ろ、怪鳥の背中の上でスビアの肩を抱きながら答えた。今、彼は迷っていた。ようやく、安全を取り戻したスビアを、最大の危機に立たせようとしているのではないだろうか、と。その不安を察したようにスビアは片桐の手を握った。 「片桐、後悔しないで。これはわたくしが望んだことです。それに、ショークが迎えに来てくれれば何も危ないことはありません」 その言葉を聞いて片桐は考えるのを止めた。もはやここまで来ては、彼女を止めることはできない。その考えを振り切るように、今度は片桐がショークに尋ねた。 「ショーク、君の女王は愛を知った初めての女王だそうだが・・・」 「ええ、彼女の両親は心の底から愛し合って、女王を産み、育てました。それまでのウィンディーネは、その美しい歌声で導いた男と交わるだけで、愛情はなかったのです。その瞬間からウィンディーネは変わりました。平和で友好的な民族に変身したのです」 なるほど、愛し合った末に生まれ育てられた彼女だからこそ、哀れな生け贄の末路を知って助け船を出したわけだ。ショークは言葉を続けた。 「しかし、セイレース様はお気の毒です。彼女は愛を知っている故、愛に飢えておられる。先ほど、玉座であなたたちにあんな行動をしたのも、愛を知っているが故・・・」 片桐とスビアは、最果ての女王に同情の心を抱いた。愛を知り、強く求めるが故の悲しさを抱く女王に将来、幸せが訪れることを祈らずにいられなかった。 「まもなくヴァシントです。「神の聖地」は郊外にありますので、そこまでお送りしましょう。そして上空で旋回してあなたの合図を待ちます」 ショークは郊外にそびえる神殿を指さして言った。3階建ての壮大な神殿には人影もなく、王宮のような豪華さもない。神殿と言うより、なにか巨大な墓地に見えた。 「ショーク、あなたはヴァシントにいたことがあるのですか?」 スビアの質問にショークは振り返ってにっこり笑って答えた。 「わたしもかつて「神の御心」当選者でした。セイレース様に助けられた1人なのです」 無人の神殿の屋上らしきところにクランガートは着陸した。ショークは発見されぬように素早く飛び立った。広い屋上には片桐とスビアだけだった。 「ホントに広いな・・・」 3階建てとはいえ、その屋上は遙か数百メートルから1キロ以上の幅を持っている。福岡ドームよりもはるかに多くの人間を収容できそうだった。 「さあ、片桐。行きましょう・・・」 手近な入り口を見つけて2人は階段を下った。片桐は89式を構えて慎重に進んだ。長い階段は薄暗く、直接1階までつながっているようだ。どうやら、この神 殿は巨大な吹き抜け構造であるようだ。しかし、見張りが誰もいないというのが、片桐には疑問だった。パウリスの話ではここは、グンクと評議会しか入れない と言うが、聖地ならもうちょっと警戒厳重でもいいものではないのか・・・・。 「どうやら、下に降りてきたようです・・・」 スビアの言葉に片桐は下を見下ろした。階段は終わって、薄明かりが外から漏れている。いよいよ古代ロサールの聖地のすべてを見ることができるかも知れない。2人は思わずつばを飲み込みながら階段を下りきった。 「な、なんだ・・・これは?」 思わず片桐は声をあげた。この建物が吹き抜け構造になっている理由がわかった。今、2人が降りてきた階段に沿った壁一面、びっしりと2メートルほどの大き さ、ガラスのような物質でできた「棺桶」が置かれている。その上にも、その上にも、15メートル近い天井の上までびっしりと・・・・。数列おきに梯子があ り、それを使って上の方にある棺桶まで行くことができるようだった。壁だけではない。幅4、5メートルの通路以外、巨大な神殿は一面、何十にも重なったガ ラスの棺桶で覆われているのだ。何万、何十万あるかわからない。 「これが、古代ロサールの聖地・・・」 スビアが予想とは全然違う「聖 地」を見て呆然としている。彼女の期待していた「聖地」は、古代ロサールの秘術を収めた数々の文献と、偉人たちの残した言葉だった。だが、それはこの「聖 地」のどこにも見あたらない。彼女の思いつく限りの言葉でこの「聖地」を表現するなら・・ 「まるで集団墓地だ・・・」 片桐の言葉の通りだった。片桐は「棺桶」のひとつを確かめてみた。中には今まで見たことのない人種の男が眠るように、ほほえみすら浮かべて死に顔を見せて いた。なぜ、死体が腐敗しないのかまではわからなかった。そして片桐が何より不思議だったのは、天井に近い「棺桶」までびっしりと入った死体の数々だっ た。そこまで行く手段は小さな梯子だけだ。この梯子を死体を担いで「棺桶」に収めたのか。それとも、死体を収めた「棺桶」を組み立てたのか。 「いや、違うな・・・」 「棺桶」は壁沿いのものは壁に埋め込まれている。まるで最初からこのように設計されていたようだ。とすれば、この中の人々は自らの意志で「棺桶」に入ったことになる。ふと、片桐は無人の「棺桶」を見つけた。 それを丹念に調べてみた。 「棺桶」は心地よい羽毛みたいな材質で包まれている。頭が収まる部分には枕のような、何かがついている。驚いたことに、「棺桶」の蓋は内側から閉まるようにできているのだ。 「スビア、ここの連中は自分からこの「棺桶」に入ったんだ・・・、こうやって・・・」 そう言って片桐はその「棺桶」に入った。 「片桐!何をするのです?」 スビアが片桐の行動を見て叫んだ。片桐の頭が、枕のような何かに触れた瞬間、彼の意識は飛んだ。 「片桐!どうしたんです?片桐!」 慌ててスビアが片桐を抱きあげた。その瞬間、片桐の意識が戻った。しかし、その顔は真っ青で脂汗が浮かんでいる。 「なんてことをしたんです!」 しばらくしてようやく片桐は我に返った。そして、静かにつぶやいた。 「・・・・彼らの意識が見えたんだ。ここは墓場じゃない。いや、墓場じゃなかった・・・」 水筒の水を飲んで一息ついた片桐は、一瞬の間にかいま見た古代ロサール人の末路を話し始めようとした。 「異世界人片桐!」 その時、巨大な神殿にグンク・シュブの声が響いた。どこにいるかはわからない。片桐は89式を構えて周りを警戒した。だがやはり姿は見えず、その不敵な声だけが響くばかりだった。 「まさか、ウィンディーネから生還してよもやこんなところにいるとは思わなかったぞ!しかも、古代ロサールの聖地まで侵すとはな!」 2人は身を隠すために駆け出した。だが、数歩走ったところで彼らは自分たちの足が床を踏んでいないことに気がついた。いつの間にか、落とし穴がその床に開いていたのだ。 「貴様らには、オーガの餌になってもらおう!最近腹を減らしておるのでな!聖女の村も、侍の村も、余が艦隊を率いて殲滅してくれるわ!」 グンク・シュブの恐ろしい声を聞きながら片桐とスビアは、真っ暗な穴にまっさかさまに転落していった。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- アービル=別世界。この物語の場合日本を指す アクサリー=石。ポルを増幅させる。ゲベールなど魔法を使う道具に多く使われている。 アムター=聖女スビアの治める村。古代ロサール語で「豊かな森」と訳されるという。 アンバード=蛮人。アムターはじめヌーボル西部の森を荒らし回っていた。 イラス=神聖ロサール王国、グンク・シュブの補佐官 ウィンディーネ=コロヌーボル北方の山岳民族。女系社会で女王セイレースが支配する エルドガン=耳長人。エルフみたいな人種 エル・ハラ=片桐がエルドガンの都市パサティアナで出会った少女。ホントはエルドガンの王女 オーガ=伝説の魔人。不老でほとんど不死。神聖ロサール王国が生物兵器として密かに飼育していた ガルマーニ=ドイツ人が作った都市。元ナチ幹部ボルマンが支配していた。 ガンドール=人種。こびと ギルティ=平原世界ヨシーニアにある交易所。中立地帯 クーアード=人種、人間とほとんど同じ クブリル=海岸に住む、ワニに似たどう猛な生物 クランガート=ウィンディーネが使う大きな鳥 グンク=王の呼称、王女の呼称はグンクラート コロヌーボル=ヌーボル北方の大陸 ゲベール=この世界で広く使われる武器。ポルで弾丸を飛ばす。 サクート=ガルマーニのレジスタンスを率いるリーダー サニート=ヨシーニア戦士の階級。下級戦士。 中級戦士はボサニート、上級戦士はデボサニートという サマライ=この世界の通貨単位 ザンガン=アムターの長老。両親を失ったスビアを育てる ジャキータ=平原に住む肉食獣。食うとうまい シュブ=神聖ロサールのグンク。世界制覇をもくろむ。 シュミリ=海沿いの村。召還された馬を育てていた ショーク=ウィンディーネの士官。クランガートを操る ジョニーチ=ロサリストの指導者 神聖ロサール王国=強大な魔法文明国家。古代ロサールの聖地を抱く セイレース=ウィンディーネの女王 セピア=片桐の愛馬。スビアの愛馬はローズ ゾード=赤い満月。なぜそうなるかは不明 タボク=片桐に救われたシュミリの村人 タムロット=シュミリの長老。スビアを敬愛している タリマ=海賊 タロール=エルドガンの警備隊長。エル・ハラと結ばれた タローニャ=リターマニア警備隊ドロスの伴侶 トータ=海賊 富田竜之助才蔵=侍の末裔。片桐の盟友 富田弥太郎=才蔵のいとこ トラボロ=ヨシーニアの戦士。大勢を率いる殺人鬼 トルンド=ヨシーニアの戦士。片桐に助けられるがスビアを襲う ドロス=リターマニア警備隊長 ニル=エルドガンの王 ヴァシント=神聖ロサールの首都 バートス=才蔵の「草」忍者 パウリス=神聖ロサールの国務長官にして剣士 パサティアナ=エルドガンの要塞都市 バストー=アムターのガンドール。片桐と初めて出会った パタトール=アンバードなどが使う原始的な弓 ハルス=元Uボート艦長。ボルマン打倒後、リーダーの1人になる ハルスマン=ボルマンの副官 パロウス=パウリスの親族 パンサン=異世界の戦士を召還する魔法 フェルド=神聖ロサールの将軍。強硬派 フランツ=元親衛隊中尉。片桐の盟友 ヘラー=ボルマンの敬称。フューラーがなまった ボスポース=六本足の馬 ボルマン=元ナチス幹部。この世界にたどりつきガルマーニを支配した ポルンゴ・ロッサー=ロサリストの叫び「ロサールの神に栄光あれ」の意 ポル=魔法力の意味。さまざまな魔法の根元 マルージ=海賊 ミスト=海賊で片桐の船に乗り込む ミスタル=アムターに咲く花 ヨシーニア=殺伐とした刺すか、刺されるかの世界 リターマニア=神聖ロサールの自治都市 ロサール=古代に滅亡した王国 ロサリスト=エルドガンに発生した過激派