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ここでは自分で追加するのはメンドクサイ単語を書いていってください。 気が向いたら更新するかも知れません。 ※ただし人物記事は本人に許可を取ること そんちゅのふぃじかりーちゃんれんじ -- そにあん (2011-06-20 22 00 24) 自動車部つくるか・・・? -- そんちゅ (2011-06-21 22 02 25) おおかた作ったのであとは頼んだ! -- そんちゅ (2011-06-21 23 03 33) フィジカリー(ry 追加しました -- riki (2011-06-24 21 24 07) スベッカム -- そにあん (2011-06-25 10 38 08) アル・デンテ(?) こんな感じのやつ -- そにあん (2011-06-27 13 55 18) 全部追加しましたよ! -- riki (2011-06-28 00 08 08) 高梨追加!後高菜 -- ミナミ (2011-06-30 18 10 23) 高梨追加! -- riki (2011-07-02 22 53 54) 長嶺マック -- っそにあん (2011-07-04 15 17 41) 長嶺マック追加完了! -- そんちゅ (2011-07-04 16 51 15) 第2R -- そにあん (2011-09-18 00 31 30) 茶番に組み込む感じで第2Rとその他4つ追加! -- riki (2011-09-18 20 30 11) はっぴーはっぴーたーんたーん -- っそにあん (2011-12-19 14 00 56) 筋肉番付 -- 高梨 (2011-12-19 14 01 53) 名前 コメント
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担当メンバー -若松南菜子(担当代表) -吉田純 -長嶺伸 -森谷圭佑 今後の予定 議事録 月日 場所: (文責:) コメント欄 名前 コメント
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山口 山口(チーム順位のみ) 山口(個人成績のみ) 山口(所属のみ) 山口(チーム順位と個人成績) 山口(個人成績と所属) 順位推移・山口 トップに戻る 北海道 青森 秋田 岩手 島根 鳥取 京都 福井 石川 富山 新潟 山形 宮城 山口 広島 岡山 兵庫 滋賀 岐阜 長野 群馬 栃木 福島 佐賀 福岡 大阪 奈良 愛知 静岡 山梨 埼玉 茨城 長崎 大分 愛媛 香川 和歌山 三重 神奈川 東京 千葉 熊本 宮崎 高知 徳島 鹿児島 沖縄 山口・戦力分析 項目 評価値 レベル 備考 総合 11.38 ■■■■■■■■■■■ 1区 10.57 ■■■■■■■■■■■ 2区 10.97 ■■■■■■■■■■■ 3区 10.55 ■■■■■■■■■■■ 4区 11.13 ■■■■■■■■■■■ 5区 10.97 ■■■■■■■■■■■ 6区 11.0 ■■■■■■■■■■■ 7区 11.03 ■■■■■■■■■■■ 山口戦力分析(旧コース) 項目 評価値 レベル 備考 総合 12.05 ■■■■■■■■■■■■ 1区 7.65 ■■■■■■■■ 2区 11.87 ■■■■■■■■■■■■ 3区 12.48 ■■■■■■■■■■■■ 4区 11.51 ■■■■■■■■■■■■ 5区 10.30 ■■■■■■■■■■ 6区 12.91 ■■■■■■■■■■■■■ 7区 11.71 ■■■■■■■■■■■■ 山口・戦力分析(新コース) 項目 評価値 レベル 備考 総合 11.22 ■■■■■■■■■■■ 1区 11.25 ■■■■■■■■■■■ 2区 10.75 ■■■■■■■■■■■ 3区 10.1 ■■■■■■■■■■ 4区 11.04 ■■■■■■■■■■■ 5区 11.12 ■■■■■■■■■■■ 6区 10.55 ■■■■■■■■■■■ 7区 10.86 ■■■■■■■■■■■ 3回以上選出されたチーム ジュニアA(高校) 西京高(47回)、宇部鴻城高(6回)、 ジュニアB(中学) 萩東中(5回)、田布施中(4回)、島田中(4回)、萩西中(3回)、太華中(3回)、 大学・一般 カネボウ(鐘紡)(21回)、中国電力(5回)、東海大(4回)、城西大(3回)、 チーム記録 コース 総合記録 1区記録 2区記録 3区記録 4区記録 5区記録 6区記録 7区記録 旧コース 第1回 2 18 46 第4回 長嶺貴裕 14 45 第3回 戸村将幸 8 46 第2回 瀬戸智弘 26 22 第1回 藤井敏行 21 41 第2回 大中哲 14 50 第1回 福田洋治 8 50 第1回 豊岡知博 42 40 現コース 第16回 2 21 06 第16回 松村元輝 20 15 第6回 本多浩隆 8 33 第8回 瀬戸智弘 24 07 第18回 松村陣之助 14 29 第21回 野田一輝 25 14 第6回 尾崎一哉 8 51 第16回 石川卓哉 37 37 旧コース 大会 順位 記録 1区 2区 3区 4区 5区 6区 7区 1回 7 2 18 46 河崎拓馬 14 49 33位 益本光章 9 10 31位 小倉幸康 26 37 17位 藤井敏行 21 41 8位 山田雄二 14 59 19位 福田洋治 8 50 3位 豊岡知博 42 40 8位 2回 8 2 18 48 山田雄二 15 05 43位 長嶺貴裕 8 49 5位 瀬戸智弘 26 22 10位 木村文彦 21 47 9位 大中哲 14 50 7位 蔭谷将良 8 52 3位 小倉幸康 43 03 22位 3回 11 2 20 42 北村政志 15 11 45位 戸村将幸 8 46 2位 瀬戸智弘 26 23 1位 吉富一成 22 02 16位 吉松智彦 15 37 34位 村木健二 9 10 7位 小倉幸康 43 33 16位 4回 23 2 21 24 長嶺貴裕 14 45 26位 原田誠 9 06 30位 小倉幸康 26 47 21位 益本光章 22 35 34位 蔭谷将良 15 35 35位 安藤辰己 9 16 24位 市之瀬進 43 20 20位 現コース 大会 順位 記録 1区 2区 3区 4区 5区 6区 7区 5回 4 2 21 17 蔭谷将良 20 38 17位 本多浩隆 8 54 19位 瀬戸智弘 24 10 2位 元杭康二 14 37 5位 長嶺貴裕 25 18 7位 田中聡一 9 01 7位 松山孝 38 39 9位 6回 8 2 22 04 戸村将幸 20 21 5位 本多浩隆 8 33 1位 井幡政等 25 05 28位 白浜三徳 14 32 1位 井生知宏 25 58 22位 尾崎一哉 8 51 4位 小倉幸康 38 44 17位 7回 13 2 22 18 本多浩隆 20 30 12位 橋本雅史 8 51 14位 高岡寿成 24 09 2位 松尾斉彬 14 56 20位 寺内健 25 45 20位 藤原昌隆 9 04 17位 阿武優一 39 03 25位 8回 14 2 23 02 本多浩隆 20 38 15位 高橋靖 8 46 6位 瀬戸智弘 24 07 3位 竹下正人 15 05 27位 尾崎一哉 25 54 20位 平井拓満 9 06 18位 佐藤浩紀 39 26 33位 9回 20 2 23 52 竹下正人 20 49 21位 伴尚宏 9 11 34位 市之瀬進 24 52 22位 竹中友人 15 03 28位 西本貴之 25 39 17位 宮原克典 9 03 13位 真壁剛 39 15 28位 10回 6 2 21 25 竹下正人 20 39 19位 刀祢健太郎 8 49 11位 中村悠希 24 27 12位 藤原昌隆 14 42 9位 西本貴之 25 33 9位 石橋成司 9 17 31位 瀬戸智弘 37 58 3位 11回 8 2 23 22 中原知大 20 40 6位 河村政伸 9 08 12位 真壁剛 25 12 17位 高橋靖 14 59 17位 石川卓哉 25 30 13位 植木雅哉 9 04 23位 梅木蔵雄 38 49 16位 12回 15 2 23 30 刀祢健太郎 20 30 12位 内記和馬 8 59 31位 藤原昌隆 24 57 30位 伴尚宏 15 05 23位 石川潤一 25 34 9位 原直也 9 40 45位 戸村将幸 38 45 15位 13回 21 2 24 21 刀祢健太郎 20 28 14位 木村勇貴 9 13 38位 戸村将幸 24 25 17位 岡村悠平 14 57 9位 末山貴文 26 01 18位 松田司 9 23 35位 石川卓哉 39 54 36位 14回 28 2 24 02 住中翔 20 47 27位 樫部直人 8 47 18位 油谷繁 25 06 35位 河村政伸 15 18 43位 寺田裕成 25 52 23位 水間翔平 9 18 32位 刀祢健太郎 38 54 20位 15回 28 2 24 07 上田拓 20 49 21位 佐々木康成 9 11 38位 刀祢健太郎 25 22 35位 森永貴幸 15 12 36位 木村勇貴 25 26 16位 白地慶信 9 00 16位 油谷繁 39 07 28位 16回 13 2 21 06 松村元輝 20 15 6位 佐々木康成 9 01 32位 藤本拓 24 48 34位 森永貴幸 15 02 29位 木村勇貴 25 24 18位 末次慶太 8 59 17位 石川卓哉 37 37 4位 17回 38 2 25 39 松村陣之助 21 03 31位 中村駆 8 53 14位 山本隆司 25 47 42位 水間翔平 14 57 18位 藤井翔太 25 46 23位 原田建史朗 8 57 14位 刀祢健太郎 40 16 42位 18回 16 2 22 03 田村和希 20 35 21位 福本真大 8 43 17位 松村元輝 24 25 15位 松村陣之助 14 29 2位 末次慶太 25 42 21位 原田建史朗 8 59 5位 中本健太郎 39 10 26位 19回 25 2 22 41 末次慶太 20 27 18位 吉岡龍一 8 51 16位 松村陣之助 25 34 45位 中村駆 14 41 9位 住田優範 25 50 34位 森本直樹 8 56 15位 石川卓哉 38 22 16位 20回 26 2 22 56 中村駆 20 53 23位 吉井道歩 9 11 39位 田村和希 24 30 13位 野田一輝 14 44 27位 花田凌一 25 31 20位 田中寿和 9 06 27位 浜本栄太 39 01 29位 21回 25 2 23 37 中村駆 21 12 34位 中村優吾 8 57 16位 藤本拓 25 43 42位 福本真大 15 00 28位 野田一輝 25 14 14位 長岡京汰 9 22 37位 田村和希 38 09 5位 ※順位・タイムの太字は都道府県最高記録、チーム順位の黒字は区間での順位変動なし、赤字は上昇、青字は下降。個人順位の白抜きは区間賞、所属の赤地はふるさと選手
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向かいの席に座り、悔しそうに歯軋りをする智子の恨めしい視線を一身に受ける俺は窓の外の景色に目を反らした。 窓越しに見える山々は所々にまだ紅色を残しているものもある。 自然の澄み切った空気を吸いながら山道を歩けばさぞ清々しい気分になれるのだろうが、今の俺は眼前から注がれる鋭い眼差しに冷や汗を浮かべていた。 とても旅行中の若者とは思えない表情を刻む俺は視線を合わせまいと窓に外を向け続ける。 圭子「ねぇ。俺?」 現実から逃避するかのように流れていく景色をぼんやりと見つめていると、隣に座る圭子が肩をつついて来た。 移した目線の先には膝の上に小さな弁当箱のようなものを置き、恥ずかしげに目を泳がせながら自分の袖をきゅっと掴んでいる。 一体何の用なのだろうかと首を傾げつつ、口を開く。 俺「どうした?」 圭子「そのっ……俺って卵焼きが好き、なのよね?」 俺「……まぁ」 目が無いほどではないが、好物の部類には入る。よほどのゲテモノではない限り、基本的に俺は何でも食べる方だった。 唯一許せないのはシュールストレミングなるスオムスの缶入り食品である。今でも興味本位で缶を開けてしまった当時の自分の浅はかな行動を思い出すだけで吐き気が込み上げてきてしまう。 あのような激臭を放つ食物を口にするのは今後の人生においてもう二度と無いだろう。というより断固として食べたくない。 スオムス人には悪いが、自身があれを食べ物として認めることは未来永劫来ないと断言できる。 圭子「そのね? 余分に作ってきちゃったから……食べ切れなくて。もし、よかったら……食べてくれない?」 俺「……良いのか?」 圭子「このまま放っておくのも勿体無いし……その、あなたに……食べて欲しくて」 俺「……まぁ。そういうことなら遠慮なく食べさせてもらうよ」 智子「ッ!!」 武子「智子、車内では静かにしなさい。気持ちは、わかるけど……」 最後のほうになると声が尻すぼみになったため、上手く聞き取れなかったが他人の好意を無碍にするわけにもいかず、俺は差し出された弁当箱を受け取った。 途端に智子から突き刺される怨嗟に満ちた眼勢が一層強烈なものへと変化し、俺は反射的に身震いしてしまう。 そんな智子の頭に彼女の隣に座る武子が手を置くも、その武子でさえどこか不機嫌そうに頬を膨らませ、じっとりとした目つきでこちらを見つめているのだ。 一体何が二人の機嫌をそこまで損ねているのだろう。その原因が自分にあると露とも知らない俺は他人事のように考えながら身を屈めた。 俺「えっと……箸、箸」 何とも居た堪れない気分を味わいながら足元に置いてある鞄に手を入れて箸を探すも、中々出てこない。 ちゃんと食べ終わったときに弁当箱と一緒に入れたはずなんだけどなぁと考えている内に膝の上に乗る弁当箱の感触が消える。 何事かと圭子のほうへ顔を向けると、ほんのりと頬を染めた彼女は自分の箸で弁当箱の隅に残っていた卵焼きを器用につまむと、 圭子「あ、あ……ん」 俺「っ!?」 今にも消えてしまいそうなほどの儚げな声を洩らし、卵焼きをつまんだ箸を俺の口元に向かって差し出してきた。 本人自身もよほど恥ずかしいのか箸を握る手がぷるぷると震え、瞼はきつく閉ざされている。目を閉じるほど恥ずかしいならば、大人しく箸を渡してくれればいいものを。 俺「あー……ん」 智子「ッッッッッッ!!!???」 武子「智子……ッ! 落ち着きなさい……落ち着くのよ……!!!」 震える箸の先端に顔を近づけ、口を開き、卵焼きを咀嚼する。 直後、智子が地団太を踏み始めた。あまりの音量に彼女のほうへ目線を向けると瞳に僅かな涙を溜め、こちらを睨みつけているではないか。それもどこか悔しげに。 一方で智子を制止する武子であったが、彼女自身もまた悔しそうに唇を噛み黙って非難めいた視線を送ってきている。 何が何だか、よく分からないがどうやら自分は彼女たちの気分を害してしまったらしい。 黒江「ぐぎぎ……!!」 俺「ご、ごめんなさい……」 江藤「あんたたち。せっかくの旅行なんだから騒ぎを起こさないの。いいわね?」 通路を挟んだ隣の座席に座って、それまでのやり取りを傍観していた江藤が同じように歯軋りする綾香の頭に手を置きながら釘を刺した。 表情こそ笑顔ではあるものの、有無を言わさぬ圧倒的なる圧力に分が悪いと察したのか身を小さく縮こませる智子たち。 俺「(温泉、か。楽しみだなぁ……)」 再び窓の外の景色に視線を戻す俺が、空を眺めながら胸中でぽつりと呟いた。 事の発端は一週間前まで遡る。夕食を終えた自分たちに突然部隊長である敏子が部隊全員で休みを取って温泉にいくと言い出したのだ。 初めの内は何を言い出すんだと思っていた俺ではあったが、敏子が言うには休暇の際に市街地の福引で見事に一等である温泉の招待券を六人分も引き当ててきたらしい。 その後は各自がスケジュール調整に奔走し、今日になってようやく部隊全員の休暇が重なり、こうして列車に揺られているわけである。 圭子「俺。卵焼きは……どうだった?」 俺「あぁ、美味しかったよ。ごちそうさん」 俺が正直な感想を述べた。 絶妙な焼き加減なだけあってか卵もふっくらとしており、味の加減も申し分ない。 それにしても、あまりにも自分好みの味だったので驚きはしたが、きっと自分の味覚と圭子の味覚が近いのだろうと解釈する。 圭子「えぇ……!!」 智子「……ぐすん。俺の、ばか……」 武子「よしよし」 俺の言葉に圭子が満面の笑みを浮かべて返す光景を見せ付けられ、目尻を拭う智子の頭を武子が撫でた。 智子の子守役という部隊内での役割もあながち間違いではないのかもしれない。 黒江「くそぅ……私だって。私だって」 江藤「ごほん! はいはい。そろそろ駅に到着するから、その位にしておきなさい」 何とか理性を働かせようと、ぷるぷると全身を小刻みに揺らす綾香を尻目に目的の駅が近づいたことを告げるアナウンスが車内に流れ、席から立ち上がった敏子が手を叩いた。 今日という日を穴拭智子は心の底から待ち望んでいた。 いつぞや武子の誕生日プレゼントを選びに行った俺に付き添った際には逃してしまったが、よもやこのような形で好機が巡ってこようとは。 温泉旅行という非日常を利用し、密かに慕い続ける俺との距離を一気に縮めようと胸を膨らませていただけに、思い通りに事が運ばぬ現実を突きつけられ今日の彼女は荒れに荒れていた。 俺「お、重い……なんで俺が。みんなの荷物……持たなきゃ、いけないんだ……?」 江藤「男の子でしょ? それぐらいはしなさい」 俺「ちくしょう」 智子「ふんっ!」 と鼻を鳴らし後ろで全員分の荷物を背負わされる俺など眼もくれず、足早に目的地である旅館へと歩き続ける。 せっかくの温泉旅行だというのにくじ引きでは俺の席を圭子に奪われ、挙句の果てには卵焼きをあんな形で食べさせるだなんて。 智子「(俺も俺よ。あんなにデレデレして……)」 後ろを振り向けば、俺の隣を歩く圭子が彼の額に浮かぶ大粒の汗をハンカチで拭っている最中だった。 季節は十二月に入り、すっかりと冬に移り変わっているが、全員分の荷物を持たされここ十数分は休みも無しに歩かされているため汗が出ても何ら不思議ではない。 甲斐甲斐しく頬や首筋を拭われている俺の姿を見て、智子は再び不機嫌そうに鼻を鳴らすのだった。 俺「あぁぁぁぁ……つかれたぁ」 部屋に通された俺が荷物を放り出して、畳みの上に身を投げた。 あれほどまでの重量を背負ったのはいつ以来だろうかと考えながら手足を伸ばすと、肩と腰から鈍い痛みが生まれ、思わず顔をしかめる。 たしかに自分が男ではあるが、休憩を入れてくれてもいいではないか。 俺「こうなったら」 敏子から聞かされた話によると今日は自分たち以外の宿泊客はいないらしい。 つまり事実上の貸し切り状態ということになり、他の宿泊客に気兼ねすることなく動くことも出来るというわけである。 俺「ぎゃふんと言わせてやる」 このままでは気が済まない。 自分を荷物持ちにしたことを後悔させてやる。 そう意気込んだ俺は着替えと浴衣、その他の洗面用具を手にし、部屋を飛び出して大浴場のほうへと駆けて行った。 地上の楽園をこの目に焼き付けるために。 温泉の湯から立ち昇る湯気が僅かに景色を覆う中、一糸纏わぬ姿となった女性陣が目の前に広がる巨大な露天風呂に感嘆の吐息を零した。 覗き対策からか、柵は高めに作られているとはいえ豊かな自然の景色を損なわぬようバランスを重視した造りになっている。 智子「わぁぁぁ!! すごい! すごいわ!!!」 武子「智子、あんまり走り回っちゃ転んじゃうわよ。背中流してあげるから、こっちに来なさい」 無邪気な笑みを浮かべて子供のように走り回る智子の姿に苦笑いを浮かべる武子が彼女に手招きをする。隣では同じような笑みを作る圭子が大きく伸びをした。 部隊内では隊長である江藤に次ぐ年齢なためか発育も他の三人と比べて恵まれており、背を伸ばした際に形の良い双丘がぷるんと上下に動く。 黒江「温泉か。手足を思う存分伸ばしたまま湯に浸かれるのはいいことだな」 江藤「アンタたち! ちゃんと入る前に身体を洗いなさいよぉ!!」 女性陣が女湯で姦しい会話を楽しんでいるところに同じく、誰もいない男湯に入ってきた俺は足音を立てないよう敷居の役割を果たす柵に向かって歩き出す。 俺「ごくり」 この向こうに地上の楽園が広がっているのだと思うと、生唾を飲み込まずにはいられなかった。 普段は巫女衣装や陸軍の制服に包まれている彼女らの瑞々しい裸体を拝めることが出来る。 仲間の裸を覗くという背徳感が俺の煩悩を昂ぶらせた。 再び唾を飲み込んだ俺が柵に手を添え、体重を傾ける。 軋む音が一切立たないことから、新品に取り替えたか。それとも頑丈な造りとなっているのか。 どちらにせよ、力を入れても物音が立たないというのは好都合であった。 俺「よし。いくぞ」 溝や金具に手をかけ器用に柵を登っていく。 子供のころの木登りの経験がこんな形で活かされるとはと思いつつ、見つからないよう身長に顔を出した俺が息を飲み込んだ。 湯煙で視界が覆われているかという予想は見事に裏切られ、彼の視界に無防備な裸身を晒す智子たちの姿が入り込む。 俺「おぉぉ……おぉぉぉ……!!!」 まずは智子。 部隊内で最年少だけあってか身体つきは未発達ではあるが小ぶりなヒップには、そそられるものがある。 また、湯で濡れた黒髪が白い背中に張り付く後姿が何とも言えない扇情さを醸し出しており、今後の成長に期待が出来た。 次に武子。 全身に付着する石鹸の泡を桶に溜め込んだ湯で流す姿がやたら艶かしい。 日頃、制服の下から自己主張する胸は外気に晒され、その均整の取れた姿を見せつける。 黒江は日々剣の鍛錬を欠かさないだけあってか、腰周りに一切の無駄がないがそこには女性特有のしなやかさと柔らかさが確かに存在していた。更に、腹部には愛らしいおへそが姿を覗かせている。 圭子だが、やはり他の三人と比べて年長なためか肉付きがよく胸、腰、ヒップと申し分ない破壊力を秘めていた。特筆すべきは太ももであろう。 これもまた、軍人としての訓練の賜物なのか贅肉といったものはないが、その肉感的な柔らかさは乳房や臀部以上もの情欲を男に与えてくれるに違いない。 そして、最後に敏子である。 もはや彼女に関して言うことは何も無い。 乳、腰、尻。年相応に発育した彼女の肉体は大人の色気をむんむんと放っており、年頃の男子にとっては刺激が強過ぎた。 湯によって艶やかな光沢を帯びる全身が俺の息遣いを荒いものへと変えていく。 俺「よし、撤収」 これこそが最後のエデンという奴なのだろう。 胸中でそう呟きながら俺が柵から飛び降り、何事も無かったかのような顔で身体を洗い始めた。 本当ならばもっと拝んでいたかったが、欲を出しすぎれば破滅するというこの世の理を悟っていた彼は後ろ髪を引かれる思いを味わいつつも吐息を零す。 このあとに地獄が待っているとも知らずに。 夕食後、目の前の光景に俺は絶句せざるを得なかった。 俺「これは……これはいったいどういうことだ!?」 頬を赤く染め、仰向けに倒れる智子たちの傍には扶桑酒が入っていたであろう徳利が無造作に転がっている。 少し席を外し、戻ってきたときには既に倒れ伏していた彼女たちの真ん中では江藤が浴衣の胸元をこれでもかというほどにはだけさせ、唖然とする俺を尻目に何が楽しいのかニヤニヤと唇を歪めていた。 俺「四人は犠牲になったのだ」 しばしば晩酌に付き合えと敏子に強制連行された経験から俺は酒に対しての耐性があった。 しかし、智子たちの昏倒ぶりを見るからに、どうやら彼女たちにはまだそれが備わっていなかったようである。 俺「敏ねぇ……なんてことを」 隊長命令と称して無理やり酒を勧める江藤の姿が用意に想像できた。 江藤「良いじゃない。こういう時ぐらい羽目を外さないと」 扶桑酒が注がれたお猪口を回しながら、口元に運び一気に煽る。 見ているこちらが清々しくなってくるほどの豪快な飲みっぷりを前に俺は息を飲み込んだ。 こくんこくんと上下する喉の動きがいつにもまして、いやらしく見えて仕方がない。 きっと浴衣がはだけ、素肌が顕になっているからなのだろうと言い聞かせる。 俺「まったく……旅館の人に迷惑かけちゃいけないぞ。って……なっ!?」 次の瞬間、徳利とお猪口を拾い集める俺の動きが硬直した。 俺がゆっくりと足元に視線を落とすと、そこには自身の右足にしがみつく武子が妖艶な光を湛えた黒瞳をこちらに向けているではないか。 俺「ひっ!? やめろっ! 離せ!」 武子「やぁだ。ふふっ……おれぇ」 艶やかな光を放つ唇が歪む。 甘みを含まれた声に俺は心臓が収縮する感覚を覚えた。 圭子「武子ばっかりずるい……わたしも」 俺「圭子、お前もか……ッッ!!!」 武子と同じように大虎の毒牙に掛かってしまった圭子が空いた左足にしがみつき、仔犬が甘えるように頬を摺り寄せてくる。 普段の大人びた印象とはかけ離れた幼稚な姿にギャップを感じた俺は息苦しさのあまり、心臓の部分に手を伸ばした。 俺「っていかん。離れろ! 離れなさい!!」 黒江「すきありっ」 俺「ぅひゃあ!?」 慌てて我に返り二人を引き剥がそうと身を屈める俺の背中に、それまで寝そべっていた黒江がいつの間にか目を覚まして後ろから抱き着いてきた。 その際にバランスを崩してしまった俺が大きく尻餅をついてしまう。 すかさず、絶好のチャンスだといわんばかりに武子と圭子の二人が俺の身体を這い登った。 武子「ふふふっ」 圭子「つかまえたぁ」 黒江「もう逃げられないぞぉ?」 俺「(駄目だ、こいつら。完全に酔ってやがる……早く何とかしないと)」 前後ろから色気に満ちる湿った声音が俺の耳をくすぐった。 どうにかして打開策を見つけなければと頭を回転させる俺が、首筋を這う生暖かい感触に反射的に身体を強張らせる。 俺「な、何だぁ!?」 黒江「ふふっ……ぺろっ……ぺろっ」 俺「綾香っ!? おまえっ……何をしてって……ひぅ!?」 ザラザラとした下の感触に声が裏返ってしまう。 武子「綾香。独り占めなんてずるいわよ」 圭子「私たちにも、ね?」 ぴちゃぴちゃとした音から生暖かい感触が背中にしがみつく黒江の舌であると理解した時には既に遅く、左右からそれぞれ抱きついてくる武子と圭子が顔を近づけ、黒江に習って俺の首筋や頬を舐め始めた。 俺「ひっ……や、やめっ……!!」 身体を捻って三人の拘束から逃れようとするも、武子たちは酔っていると思えないほどの膂力を以って俺の身体を押さえつける。 飼い主にじゃれ付いてくるかのように舌を動かし、俺の敏感な箇所を舐めくすぐってくるのだ。 俺「本当に、やめ……ろっ。きたな……いっ」 圭子「あら? あなたの身体に……汚いところなんてないわよ?」 武子「えぇ……んちゅっ」 黒江「ほぅ」 自分のものだと印でもつけるかのように武子が首筋に唇を押し当てる。 直後に冷たい電流が背筋を、全身を駆け巡った。 さらに追い討ちと言わんばかりに背後の黒江が首筋に息を吹きかけた。 これ以上責め続ければ可笑しくなってしまう。 智子「うぅぅぅ……」 俺「ちょっ! 智子! お前までやめっ!?」 瞳に涙を浮かべた智子が三人には渡さないとでも言いたげに俺の身体に圧し掛かり顔を近づけてきた。 俺「(まずい……このままでは!!)」 このままでは彼女の唇を奪ってしまう。 そう直感した俺が離れたところで酒を煽る敏子に向かって声を張り上げた。 俺「と、敏ねぇ! 助け……ひぁっ……た、助けてください!!」 江藤「えっ!? なに? 何か言った!?」 耳に手を当てわざとらしく、おどけてみせる敏子の態度に俺の眉が吊りあがる。 俺「聞こえてただろ!? 絶対に今の聞こえてたよなぁ!?」 江藤「良いじゃない。こんな機会もうないかもしれないわよっ?」 俺「だからって……いくらなんでもこれはないだろ!?」 たしかに胸や太ももの柔らかさを肌で堪能できるのは役得だとしても、このままでは自分の理性が持ちそうにないのだ。 江藤「鈍感なアンタが悪い。以上」 俺「以上って、そんな無責任な……あ」 ふと、舌舐め攻撃が止んでいることに気がついた俺がしがみつく少女たちに顔を向ける。 圭子「っぅ……ぅうん」 武子「ふぁ……んっぅう」 黒江「んぅぅぅぅぅ……」 どうやら寝入ってしまったらしい。 拘束が解けたことを確認し、俺が立ち上がり肩を回す。 ようやく地獄から解放された彼の顔が次第に清々しい笑みへと変わっていった。 俺「ってあれ? 智子は?」 今の今まで圧し掛かっていた智子の姿が見えない。 加えていつの間にか敏子の姿も消えている。 あの一瞬で二人とも部屋を出て行ったのだろうか。 俺「とりあえず、こいつらどうにかしないとなぁ」 はだけた浴衣を直し、まず最初に武子を背負った俺が足早に広間を後にした。 彼女たちの部屋に着くと既に四人分の布団が敷かれていた。 これなら寝かせるだけで済みそうである。 俺「おい。大丈夫か?」 武子「ぅ……ぅん? ここ、は?」 布団の上に武子を寝かせると、彼女がゆっくりと瞼を開けて目を動かした。 そして、自身を布団に寝かせる俺に気がつき目を丸くする。 俺「お前たちの部屋だよ。覚えてないのか? 酔い潰れたんだぞ?」 武子「えっ……あ、あぁぁぁぁぁ!?」 記憶が戻ったのか、慌てて起き上がった武子の頬がみるみると紅潮し甲高い悲鳴が室内に木霊した。 俺「うわっ。どうしたんだよっ?」 武子「ごめんなさい! 私ったら何てことを……ごめんなさい! 本当にごめんなさい!!」 理性を取り戻したことで自分がしでかしてしまったことへの羞恥心が武子の全身を覆う。 武子「私ったら……あぁもう! ごめんなさい!」 俺「あー……もういいよ。過ぎたことだ……ただ、今度から酒を飲むときは気をつけてくれ」 武子「う……はぃ」 俺「相手が俺だったからあれだけど……他の男だったら、どうなってたか分からないぞ?」 強靭な理性で何とか持ちこたえることが出来たが、仮に相手が自分ではなく別の男だとしたらどうなっていたことやら。 武子「……」 俺「武子?」 武子「……他の人には、しないわよ……こんなこと。ぜったい」 俺「ん?」 武子「何でもないわよ……。それより、俺のほうは、大丈夫なの?」 俺「まぁな。なんだ? 俺のことも心配してくれるのか? 嬉しいなぁ」 快活な笑みを前に武子が俯いた。 膝に当てた拳を握りしめる武子が口を開きぽつりと呟く。 武子「どうしてよ……」 俺「武子?」 武子「どうして……そんなこと、言うの?」 俺「お、おい……どうしたん――」 武子「心配しないわけないでしょう!?」 俺「た、武子……ッ!?」 武子が声を張り上げ、それまで伏せていた顔を上げた。 目を凝らせば彼女の双眸に透明な雫が込み上げているのが見え、その潤んだ輝きを放つ武子の瞳を前に俺は息を詰まらせる。 不謹慎ながらも涙を零す彼女の姿を美しいと感じてしまったのだ。 武子「あなたはっ! いつだってそうよっ!!」 そんな俺の胸裏に生まれる動揺など、お構い無しに武子は彼の身体を布団の上へと押し倒す。そして、嗚咽が混じる声を絞り出しながら俺の胸元に顔を埋め、浴衣の襟を掴みあげた。 武子「いつだって私たちのことを大切に考えていてくれる! それなのにっ! それなのに、あなたはっ! 自分のことを何とも思ってない! 自分のことを心配してくれることを当たり前だって思ってない!」 思いの丈をぶつけてくる武子に俺は見つからないよう、小さな苦笑いを零した。 さきほど、彼女たちの入浴シーンを覗いてしまっただけに、武子の言葉は胸を抉るほどの鋭さを秘めていた。 俺「武子……俺は」 武子「いや……なのよっ。あなたが……っく、自分のことをそんな風に考えているのが」 俺の言葉を遮り武子が堰を切ったようにまくし立てる。 武子「もっと自分のことも大切にしてよ……っっ!!」 酒による酔いがまだ抜けていなかったのか、感情的に 武子「もし、あなたに万が一のことがあれば……私はっ!! 私たちは!!」 俺「武子」 武子「ッ!?」 感情の抑制が効かず声を荒げる武子の背中に俺が手を回し、抱き寄せた。 そのまま、子供をあやすかのように回した手で柔らかな背中をさする。 俺「ごめんな。心配かけさせて……」 武子「本当よ。ばかっ……あなたは、本当にばかよっ……」 彼女がこうも感情的になるのを俺は初めて目の当たりにした。 酒のせいでもあるが、それはあくまで切欠にすぎない。 武子がこうも感情を爆発させるということは日頃から彼女に心配をかけさせていたということだろう。 俺は罪の意識を感じつつも、彼女が眠りに就くまで背中をさすり続けた。 もたれかかる黒江に肩を貸し、部屋へ向かって歩を進める。 武子を寝かしつけ、広間に戻ると目を覚ました黒江が寝そべったまま手を伸ばしてきた。 何でも一人では起き上がれないらしく、背負うかと尋ねてみると顔を真っ赤にして拒否されてしまい、こうして肩を貸して部屋に向かっているのだが。 黒江「ぅぅぅん」 俺「まったく。酔いつぶれるくらいなら飲まなきゃいいのに」 こうして時折苦しげなうめき声を間近で聞かされると、やはり無理やりにでも背負うなり抱きかかえるなりしていったほうが良かったのではないかとも思う。 黒江「これぐらい……平気だ。ところで、さっき私は何をしていた……? 記憶が無いんだ……」 俺「寝てたよ」 斬り捨てるかのようにも取れるほどの即答ぶりに黒江が眉を顰めた。 黒江「寝ていた? 本当か?」 俺「だって記憶にないんだろ?」 黒江「う、ううん……?」 記憶がないだけに俺の言葉を半信半疑で受け止めていた黒江であったが、素直に俺の言葉を信じたらしい。 些か腑に落ちないながらもこれ以上の追求をやめ足を動かすことに専念する彼女の姿に俺は内心で安堵の溜息を吐いた。 もし彼女が自分に抱きつき、首筋を舐め回していたことを知れば先ほどの武子とは比にならないほどの後悔に襲われるだろう。 世の中には知らないほうが幸せなことがあるのである。 俺「さてと、着いたぞ。早く寝ろ」 黒江「まて……」 寝息を立てる武子に黒江を寝かせ残る圭子のもとへ向かおうとした矢先、手を黒江に掴まれてしまった。 俺「どうした?」 黒江「おまえは……どうして、いつもいつも……」 布団の上に寝そべりながらも、見上げてくる瞳に浮かぶ切なげな光。 俺「いつも?」 黒江「ふ、ふんっ。なんでもない……早く行けっ」 俺「……はやく寝ろよ?」 乱暴に手を離すと、そのまま布団を被って背を向ける黒江に一声かけ、俺は部屋を出て行った。 黒江「ばか……もう少しかまってくれても、いいじゃないか……」 圭子「待ちくたびれた」 それが広間に戻ってきた俺に対する圭子の言葉だった。 俺「そりゃ悪かった」 圭子「なんてね。本当はもう、殆ど酔いから醒めてるの」 俺「じゃあ……自分が何をしたかも覚えてるよな?」 悪戯めいた笑みを浮かべる圭子に訊ねる。 すると、すぐに自身のはしたない行動を思い出したのか、ぽっと頬を染めて俯いた。 圭子「それは……ごめんなさい」 俺「まったく。呑まれるなら初めから飲まなきゃいいだろう?」 圭子「自分でもあんなに弱いとは知らなかったのよ!!」 両手を腰にあて見下ろしてくる俺に圭子が反論した。 まさか、あれほどまでに強烈な酒とは思っていなかったのである。 俺「怒るなって」 圭子「ご、ごめん」 俺「何かあったのか?」 武子のことを考えると圭子もおそらく日ごろの鬱憤を溜め込んでいるのではないかと察した俺が隣に座り、落ち着いた口調で訊ねる。 案の定、小さく頷いた圭子が俺の身体に寄りかかってきた。 圭子「少し……愚痴を零しても良い?」 俺「構わないぞ」 圭子「ありがと」 圭子から聞かされた話は自分と智子たちの違いであった。 撃墜数も自分の方が上であるにも関わらず彼女たちばかりに注目が集まりつつあること。 注目を浴びるためにウィッチになったわけではないが、それでも叩き出した成果をよく見てもらえないこと。 そんな現状に対する悔しさや憤りを正直に吐露する圭子が瞼を閉じた。 圭子「だから、たまに……本当にたまにね? 思うのよ。私って……ここにいる必要あるのかなって」 俺「そんなことはないよ。それに、射撃だけが圭子の全てじゃない」 圭子「……?」 俺「たしかに俺たち二人は。智子たち三人と比べると、世間一般からは地味に見えるのかもしれない」 圭子「……」 俺「でもっ」 圭子「?」 俺「俺は圭子が銃を撃つ姿が地味だとは思えない」 真っ直ぐに敵を見つめる凛々しい眼差し。 銃を握り締める伸びた腕。 引き金にかけられた、しなやかな指。 それらを持つ圭子の姿は、刀を手にしてネウロイへと肉薄する智子たちと何ら変わらぬほどに勇ましく頼もしかった。 圭子「そ、そう……なの?」 俺の言葉に圭子の頬に差し込む紅が濃くなる。 まさか自分の姿をそんな風に見られていたとは。 俺「あぁ。だから自信をもってくれよ。圭子がここにいるってことはさ。圭子の力がこの部隊に必要だってことなんだから」 圭子「……なんとなく、わかった気がする。どうして智子があなたに惹かれたのか」 俺「圭子? どういうことだ?」 圭子「なんでもないわ……ありがとう。俺」 俺「月並みな言葉しか言えなくて、ごめんよ」 圭子「ううん。今ハッキリしたわ。大勢の人よりも、あなたに認められるほうが嬉しいみたい」 顔を埋め、身を委ねる圭子が弾んだ声で返す。 俺「そ、そうか……そりゃ。よかった……」 圭子「ねぇ、俺?」 圭子が俺を見上げる。 潤み、熱の篭った彼女の視線に俺がたじろぎ慌てたように視線を宙に泳がせた。 そんな俺の姿に圭子の口元に自然と笑みが零れた。 あれだけ頼もしく思えていた彼が、こんなにも可愛らしい狼狽する姿を見せるなんて。 改めて自分が身を預ける人物がまだ少年であると気がついた圭子の胸裏に小さな嗜虐心が生まれた。 俺「な、なんだ……ッ!?」 圭子「もう少し……甘えてもいいかしら?」 俺「……程々にな」 圭子「ありがと」 こうして甘えるのも悪くない。 頼もしくて。それでいて可愛らしい、この年下の少年に。 そう思いながら、俺の温もりを実感し頬を緩める圭子であった。 おしまい たとえば、こんなバースデー ~穴拭智子の場合~ に続く
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19話 異国の空から届けられたモノ 長嶺和歌子は小学生でありながら、犬科の獣との姦淫や露出行為に耽る、少し困った子であった。 友人の籠彩愛も巻き込んで日々快楽を愉しんでいた彼女は、彩愛と共に殺し合いゲームに巻き込まれてしまう。 「ちょっと待ってよぉ!」 廃村、その中に有るとある廃屋の中。 壁際に和歌子は追い詰められていた。相手は、かなり薄汚いオス犬。妖犬か魔犬の類であろう。 首輪をしておりデイパックも所持していたので参加者の一人のようだが、目の焦点は合っていない上ダラダラ涎を垂らし息を荒げているその様からは、 まるで知性を感じさせずまともに会話が通じそうには見えない。 その上、和歌子を憂慮させている事象が有った。 「何で発情してんの……」 オス犬は和歌子に欲情していた。 いきり立つ股間のそれがチラチラと見えていた。 「ウーッ! ウーッ! ***とっオシッコのニオイィ、した! ハァハァヤりたいー!」 「あっ……」 オス犬の言葉に、和歌子は先程その辺りで用を足した事を思い出す。どうやらその時の臭いを嗅ぎ付けたらしい。 「いやえーと待って下さい、あの、ちょっと今、そういう気分じゃないんで」 慌ててオス犬に訴える和歌子。 もしオス犬が小奇麗でまともに会話出来そうであったのなら割とあっさり行為に及んでいただろうが、 今目の前に居るオス犬はとにかく汚く何とも言えぬ悪臭を放ち、無理矢理「する」気も満々のようで、それよりも何よりも。 (何あれ、何か病気持ってるって! あんなの無理! あんなの入れられたら病気移されちゃう!) オス犬のそれは幾つものイボが出来、明らかに何かの性病を患っているのが見て取れた。 そんな物を受け入れる勇気など和歌子には無い。いつも犬を相手にする時は清潔にしてから臨んでいたのだから。 「ガマンれきなぃいー」 「うわああ!」 逃げ出す間も無くオス犬が和歌子に飛び掛かる。 もう駄目だと和歌子は諦観した。 「〈~~~~~~~~!!〉」 その時突如響く青年の怒声。 「ギャンッ!?」 和歌子の身体に覆い被さっていたオス犬が引き剥がされ、2メートル程離れた壁に叩き付けられた。 建物が老朽化していたせいか壁には大きなヒビが入り建物が揺れ埃が天井から舞い落ちる。 何が起きたのか分からず目を白黒させる和歌子の視界に映ったのは、獣足の有翼獅子獣人の青年。 服を着ない種族なのか、ほぼ全裸の格好だった。 「いっだぁあ、ナンだよおまえっ!」 「ガアアアアアア!!」 「ヒッ……!」 牙を剥き出し獣の形相で威嚇する獅子青年。オス犬は耳を伏せ怯える。この時点で勝負はついたと言って良い。 負けを認めたオス犬は脱兎の如く逃げて行った。 「た、助かった……」 「〈~~~?〉」 「え、あの、何語……?」 話しかけてくる獅子青年であったが和歌子には理解出来ない言語であった。 察したのか青年は一度咳払いをして、流暢な日本語で喋り始めた。 「ごめん、大丈夫? 怪我してない?」 「あ、日本語出来るんですね……はい、何とか」 一先ず危機が去った事で安心しながら、和歌子は自分を助けてくれたらしい獅子青年と対話する。 ◆◆◆ 裸族でもある有翼獅子獣人種の青年、ウラジーミル・イリイチ・コスイギン。 ロリコンである彼は良質なロリ系のアダルト雑誌や漫画、ゲームやAV等を求めて来日していた。 その矢先に今回の殺し合いゲームに拉致され参加させられた。 ロリコンである事以外は基本的に善人である彼はj殺し合いには乗らず、 スタート地点近くの廃村を探索しようとしていたのだが、その時少女の悲鳴を聞く。 駆け付けてみると、汚い巨躯のオス犬に犯されそうになっている彼好みの小学校高学年位の人間少女が居た。 助けなければ、そう思いウラジーミルは飛び込み、オス犬を撃退し彼女を救助した。 断っておくが少女を助けた行動自体は純粋な気持ちからであり邪な意図は一切無い。 (〈……可愛い〉) ただ、助けた後、落ち着いた上で改めて少女の事を見ると、本当に自分好みの可愛らしい子だと言う事を認識してしまい、 ほんの少しだけ、ほんの少しだけ、欲望が湧き出てしまっていた。 自制しつつ、ウラジーミルは長嶺和歌子と名乗った少女と対話を始めた。 ◆◆◆ 薄汚いオスの妖犬、タローは逃走の末、廃村の隅にある防火倉庫跡に隠れる。 人間の可愛い少女を欲望のまま犯そうとした時、突如現れた有翼獅子獣人の青年に邪魔され壁に叩き付けられた。 その時の身体の痛みがまだ残っている。 「ウッ、ウーッ、いてぇ……あの、ライオンやろう、めっ……コハル、どこぉ? ウーッ……」 自分をいつも優しく受け入れてくれた、神社の巫女の少女、布川小春の名前を呼ぶタロー。 タローと言う名前も小春が名付けてくれた物だ。 汚く、臭く、性病も抱え、知能も低い自分の事を受け止め、毎日のように肉体を交えていた小春。 彼女も自分と同じくこの殺し合いに巻き込まれており何とか再会したいとタローは願う。 「コハルとヤりたいよぉ! ハァハァハァハァ!」 己の股間のイボだらけの逸物をまさぐり息を荒くするタロー。 小春と再会したいという気持ちには、純粋に彼女を慕っていると言うのも有るのだが、性欲の方が微かに勝ってしまっていた。 【明朝/C-2廃村戸川家】 【長嶺和歌子】 状態:健康 装備:不明 持物:基本支給品一式、不明支給品 現状:死にたくない。あやちゃん(籠彩愛)と会いたい。助けてくれた人(ウラジーミル)と話をする。 備考:タロー(名前は未確認)を危険人物と判断。 【ウラジーミル・コスイギン】 状態:健康 装備:不明 持物:基本支給品一式、不明支給品 現状:殺し合いには乗らない。助けた少女(長嶺和歌子)と話をする。 備考:タロー(名前は未確認)を危険人物と判断。 【明朝/C-2廃村防火倉庫跡】 【タロー】 状態:身体に痛み 装備:不明 持物:基本支給品一式、不明支給品 現状:コハル(布川小春)と会いたい。交尾したい。 備考:長嶺和歌子、ウラジーミル・コスイギンの外見のみ記憶。 《キャラ紹介》 【長嶺和歌子】 読み:ながみね わかこ 年齢:11 性別:女 種族:人間 特徴:黒髪セミロング。年相応ながら魅力的な身体 職業:小学生 備考:犬科獣とのいやらしい行為や露出が趣味。 それを除けば明るく優しい少女。あまり頭は良くないらしく家庭科以外は軒並み成績が悪い。 友人の籠彩愛を自分と同じ道に巻き込みしょっちゅう一緒に犬科獣との遊びを愉しんでいる。 彩愛の事は「あやちゃん」と呼んでいる。 【タロー】 年齢:不明(おっさんらしい) 性別:♂ 種族:妖犬 特徴:茶色と白のボサボサで薄汚れた悪臭を放つ毛皮、痩せ気味。いつも涎を垂らし知性が感じられない瞳。性病に罹患し陰茎に多数のイボ有り 職業:無職 備考:とある神社に住み着く汚い野良犬のオス。 その神社の巫女である布川小春と親密になり毎日のように交わり餌を貰い暮らしていた。 知能は低く欲望に忠実。小春の事は性欲の発散相手にしか見ていない、ようにしか見えないが一応慕っている。 【ウラジーミル・コスイギン】 年齢:21 性別:男 種族:有翼獣足型獅子獣人種 特徴:茶色い毛皮。ライオンを二足歩行にして少し人間寄りの体型にした上で竜のような翼が背中に生えたような外見。裸族 職業:不明(相当の収入は有る様子) 備考:ロシア風国家より日本風国家への旅行途中に今回のロワに巻き込まれる。 フルネームはウラジーミル・イリイチ・コスイギン。 重度のロリコンであり、日本にやってきたのも良質なロリ系エログッズを集める為。ロリコンである事を除けば善良。 裸族である為服は基本的に着ない。母国語の他に日本語や英語が出来る。 前:その行為は嘘をつかない 目次順 次:ホテルの中の憲兵さん ゲーム開始 長嶺和歌子 次:心と身体は乖離、狂宴に気もそぞろ ゲーム開始 タロー 次:浅い眠り続いていた ゲーム開始 ウラジーミル・コスイギン 次:心と身体は乖離、狂宴に気もそぞろ
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隕石 第2話 俺「ストライクウィッチーズは世界を魅了する」 787- 作者 ID Cs0L3vds0 総レス数 XXX このページでのレス数 XX 336 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 37 14.92 ID 0Shel6iw0 それでははじめます 209から 前回までのあらすじ アルアシブ広場に来襲したネウロイ達。 偶然にも先行していた北野古子は、住民が避難するのを自らを盾に支援する。 が、たまたま居合わせたおじさん、ナセル将軍がなかなか避難しないため、 断続してシールドへ攻撃を受けてしまう。 そこへ現れた謎のウィッチ。 巨大すぎるシールドでその攻撃を軽々しく防ぐ姿は‥‥男!? 援軍が到着しネウロイを撃退すると、 謎の男ウィッチは話をする代わりに基地に招待してくれと申し出た。 いったいこの男ウィッチは何者なのか? 物語は、まだ、始まったばかり。 337 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 40 28.50 ID 0Shel6iw0 ……… …… … 圭子「つまり、あなたはブリタニアに行くはずだったリベリオンのウィッチなのね」 俺「ああ、階級は――こっちに来るときに中尉になったんだっけかな」 キャンプに戻ると、さっそく得体のしれない男の尋問が始まった。 この部隊のお偉いさん方3人には、とりあえず補充兵ということだけ伝えてある。 リベリオンということなのでパットン中将あたりがそのうち裏をとるだろう。 圭子「ふーん‥‥航空ウィッチというには、大事なものがないようだけれど」 そういえばそうだ。航空というぐらいなんだから、戦地で歩いてることがおかしい。 圭子「あなたの"魔法のほうき"は?」 空をとぶウィッチといえば無くてはならない翼。それが航空ストライカーというものである。 338 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 43 12.81 ID 0Shel6iw0 俺「ああ‥‥それなんだがな」 急にあさっての方向を見て頬をポリポリと掻いている。 俺「そっちの荷物だけはしっかり運ばれちゃったみたいで‥‥」 圭子「え?」 俺「さっき言っただろ? 俺、特異体質で一日12時間は寝ないといけないんだ。 で、今回このアフリカに来たのも、そのー‥‥寝過ごしたわけだ」 圭子「‥‥それで、荷物はもってかれたってこと?」 彼は無言でうなづく。さすがに恥ずかしいらしく目線を合わせようとしない。 339 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 46 57.92 ID 0Shel6iw0 圭子「呆れてものもいえないわね‥‥まあいいわ。それで、ここで飛んでくれるんですってね」 俺「ああ。向こうも心配だが、聞けばこっちも激戦区だそうじゃないか。扶桑で言う、一宿一飯の恩義‥‥だっけ? ガリアのほうも俺一人で戦況が変わるとも思えないしな。機材の方も連絡すればそのうち届くだろう」 真美「今、余ってるストライカーってありましたっけ?」 圭子「一応、ね」 この眼の前にいる彼より一足先に扶桑より送られてきた予備のストライカーがある。 圭子や真美とおんなじ三式飛行脚、とか言ったか。 圭子「ただ、彼が本当にウィッチなのかを確かめないとね」 俺「そうはいっても‥‥」 そう言うと彼の頭からは黒い小さな耳が、腰のほうからは細長く黒いしっぽが伸びた。 先程見たとおり、黒猫が使い魔のようだ。 340 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 50 22.23 ID 0Shel6iw0 俺「固有魔法もないようなものだし、これじゃ信用できないか?」 マルセイユ「十分だろ」 ライーサ「無いようなものっていうと?」 俺「今は使えないってことさ。それより」 そういうと彼は大あくびをする。手で押さえてはいるものの大きく開かれた口は隠せていない。 俺「さっきも言ったとおり眠くなりやすい体質でな。どこかに寝床を用意してくれると嬉しいんだが‥‥」 結局その日の尋問は終わってしまった。 彼の寝床は整備兵のテントを間借りする形となったようだ。 341 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 53 16.09 ID 0Shel6iw0 俺「とんだ災難だ」 まさかブリタニアに行くはずがアフリカに来る羽目になるとは。 なんで気づかなかったんだ‥‥久々にこの体質を恨む。 だが、俺の目的からすればこの地でもやることは変わらない。 それができる力は遠のいたけど、なんとかなるだろう。 単純で、青い願い。 それがどんなに陳腐でも。 叶えて見せる。 足を一歩踏み出し、砂を踏みしめた。 第 二 話 その力を、誰かを守るために 342 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 56 19.98 ID 0Shel6iw0 ……… …… … 翌日、飛行場。 俺達は滑走路に立っていた。 圭子「それじゃ、これで飛んでもらおうかしらね」 目の前には三式飛行脚がハンガーにかけられてある。 早速俺のウィッチとしての実力を見ようというのだ。 俺「‥‥だいぶ久しぶりだからな‥‥しっかり飛べるといいが」 圭子「久しぶりっていってもちょっとでしょ? わたしにしたらまだまだってとこねぇ~」 俺「そうなのか」 圭子「私もちょっとブランクがあってね」 マルセイユ「ケイ程のブランクでも飛べたんだ。それ以下だろうお前は余裕なんじゃないか」 マルセイユはクスクスと笑いながら、こちらの様子を見守っている。 圭子「ちょっとそれどういう意味よ」 小言を笑顔で返しながらハンガーのセッティングを終える圭子。 343 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 58 18.95 ID 0Shel6iw0 圭子「準備ができたわ。履いてみてちょうだい」 俺はうなづくと靴を脱ぎ、目の前のストライカーに飛び込んだ。 契約した黒猫の力を借りると、魔法力が体中を駆け巡り、強制的に力が開放される。 全身の筋肉を緩め、内から溢れる力に身をゆだねる。 久方ぶりの快感だ。 ストライカーが独特の音を上げ、魔導エンジンが駆動し始める。 とりあえず起動はした。安堵のため息を一つつく。 圭子「うん、航空ウィッチというのは間違いないようね」 俺「久しぶりだからちょっと緊張したよ」 圭子「まだ終わってないわよ?」 エンジンを回しただけではまだ信用できないというわけか。ま、仕方ない。 逆の立場だったら俺も同じ行動をするだろう。 344 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17 59 35.65 ID 0Shel6iw0 目の前の滑走路を視線でなぞり、遥か遠くの地平線を見る。 しかしここは熱いな‥‥このスカーフも邪魔くさいが‥‥仕方あるまい。 心臓が早鐘を打つ。 GOサインを確認し、俺は体を前へ傾けた。 俺「行きます」 体は前へ進みだし、徐々にそのスピードを増していく。 十分に速度がついたところで、俺は地面から飛び立った。 重力を感じながら上昇していくと、回りの景色はどんどんと遠ざかっていく。 ライーサ「発進は十分ですね」 圭子「そうね。ストライカーの扱いに慣れてるんでしょ」 真美「久しぶりっていってたのにすごーい‥‥」 346 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18 05 29.13 ID 0Shel6iw0 十分な高度まで上がると、ループなどを行い感覚を取り戻す。 ああ、そうだ。こんな感覚だった。 このストライカーは旋回性能がいいようだ。高速の場合はどうなのかは試してみないとわからないが‥‥ 借りる銃はどんなだったか‥‥ マルセイユ達が使っていた銃だから、中距離戦闘あたりが妥当か。 と言っても銃を使うのも久しぶりだからなあ‥‥感覚を取り戻さないと。 そんなことを思いながら、地表へゆっくりと降下する。 俺「どうだ? こんなかんじだが」 圭子「うん、合格。飛行はかなりうまいわね」 俺「そりゃどうも」 348 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18 10 13.87 ID 0Shel6iw0 真美「今日はじめて乗ったんですよね? そのストライカー」 俺「ああ、三式飛行脚だっけ?」 ライーサ「初めて乗ったストライカーであれだけ動けるんだ‥‥すごいなあ」 俺「ま、飛行にはちょっとだけ自信があるからな。 それより、銃の方は扱わせてくれないのか? こっちのほうが不安なんだ」 マルセイユ「いいだろう。訓練用の弾と的はセットしてある」 マルセイユの指差す方向を見ると、ネウロイのような模様のある風船が浮いている。 ライーサと呼ばれていたウィッチからMG34を受け取ると、 回りのウィッチが離れたのを確認してから俺は再び離陸した。 349 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18 15 33.19 ID 0Shel6iw0 風船へ適当に近づくと、銃を風船へと向ける。 久しぶり過ぎてどれぐらい近づけばいいのかもわからんが‥‥まあいいや。 トリガーを引く。けたたましい音と共に銃が火を吹いた。 その衝撃が自分の手にも襲いかかってくる。 俺「うわっとっと‥‥」 思わず手から溢れそうになった銃を必死で抑えこんだ。 発射された弾達は風船にカスることもなくどこかへと消えていった。 圭子「あちゃー‥‥銃はさっぱりみたいね」 いつのまにか圭子とマルセイユが上がってきていた。 マルセイユ「そんなに扱いづらいかその銃」 圭子「というより、銃そのものの扱いに慣れてない感じね」 俺「いい"眼"をお持ちで」 看破などたやすいと、それほど酷い有様だったのだろう。 マルセイユ「飛行がうまいなら、当たる地点まで近づいて撃てばいいだけさ」 俺「なるほどな」 圭子「そうは言うけどねぇ‥‥この距離で、か‥‥」 圭子は頭を抱え、ため息を吐いた。 350 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18 18 20.44 ID 0Shel6iw0 何度か銃を試してみたが、うまくなる気配もなく。 仕方が無いので飛行脚になれる訓練をすることにした。 マルセイユ「フフ、わたしを捕まえられるかな?」 目の前にいるアフリカの星はこちらを挑発してきた。 逃げるマルセイユを俺が追う。それだけで訓練にはなる。 マルセイユといえばアフリカのトップエースだ。それを追う。あわよくば触れることが出来れば、 少なくとも飛行に関してはエース様と肩を並べて飛行することもできるだろう。 俺「ブランクありまくりの俺に捕まるなよ?」 挑発には挑発で返すのが俺の流儀だ。 マルセイユ「ほう。言ってくれるな。だが、それは起きない事象だ」 俺「仮説さ。だが、もしそうなったら、エースの名は俺が受け継いでやるよ」 マルセイユ「夢は夜に観るものだぞ?」 なぜだか笑いがこみ上げる。ああ、この感じ、懐かしい。 見るとマルセイユも笑顔になっていた。目以外は。 その目にかぶさる保護具がひとつ。 マルセイユ「じゃあ、付いてこい!」 そういうと彼女は離れていく。 少しだけ間を空けると俺もその"かの有名なお尻"を追いかけた。 352 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18 21 12.54 ID 0Shel6iw0 真美「‥‥」 圭子「どうしたのよ真美」 真美はまるで、池の中の鯉が空から餌が降ってくるのを待つように口を開け、 上空で踊る一組の男女を、その黒く大きな光る真珠で追っていた。 真美「世界は広いんですね‥‥」 圭子「なにが?」 彼女は人形のように整った顔をこちらに向ける。 真美「男の人が飛べることにも驚きましたけど、 あのマルセイユさんとほぼ同レベルの飛行能力ってすごいですよ」 圭子「そうねぇ‥‥」 353 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18 25 19.94 ID 0Shel6iw0 マルセイユは何もせず有名という訳ではない。 その名に恥じぬ実力を持っている。 世界中のウィッチでも5本、いや3本の指に入るウィッチだ。 エーリカ・ハルトマンが飛行能力でナンバーワンならば、 ハンナ・ユスティーナ・マルセイユは射撃能力ナンバーワンといったところだろうか。 マルセイユの固有魔法、偏差射撃は狙ったネウロイには確実に当たると言っても過言ではない。 その光景はネウロイへ向かって銃を撃っているのではなく、銃を撃っているところにネウロイが向かっているのだ、とまで言われる。 射撃能力もさることながら、飛行能力でも他のウィッチの追従を許さない。 僚機を務めているライーサはよくやっていると思う。 そんな彼女といい勝負をしているのが上空の彼だ。 まるで本当の鳥のように空を縦横無尽に駆け回る二人。 あれだけの能力をもったウィッチが、それも男のウィッチがいたなんて。 わたしもそれなりに世界のウィッチのことは知っているつもりだったのだが‥‥ まだまだ勉強が足らないな。 圭子「ってわたしはもう記者じゃないんだから」 真美「え?」 圭子「あ、いや、こっちの話よ」 真美「私もがんばらないとなあ‥‥」 圭子「あんなのもってあれだけ動かれたらネウロイはたまったもんじゃないわね」 354 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18 28 25.40 ID 0Shel6iw0 マルセイユ「ほんとにブランクあったのか?」 俺達は地上に降り、呼吸と視界を妨げる道具を外した。 俺「まあ。飛んだの自体は‥‥1年半ぶりぐらいかな?」 マルセイユ「おいおい、お前はまだ私の自信を削ぐ気か?」 俺「結局捕まえられなかったんだからいいじゃないか。 とてもじゃないが無理ってことがわかったよ」 マルセイユ「そういう問題じゃないんだよ」 俺「はいはい」 わざとらしく息を吐く。 俺「俺は射撃ができないんだからいいだろ?」 マルセイユ「フフン、そうだったな」 途端に上機嫌になったのか、彼女は腰に両拳を当て、鼻を鳴らす。 表情が豊かだな彼女は。 そんなことを思いながらストライカーをハンガーに戻す。 俺の新しい翼だ。大事にしないと。 ‥‥あんなことにならないように。 370 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 23 20.38 ID 0Shel6iw0 ……… …… … マルセイユ「じゃ! 世にも珍しい男ウィッチが新しい翼を手に入れた記念に!」 「「かんぱーい!」」 夜、彼のため‥‥のはずのパーティーが開かれた。 どうみてもマルセイユ自身が一番楽しんでいるのはいつものことだ。 俺「新隊員が来るたびこうなのか?」 真美「そうですねぇ」 俺「マルセイユ‥‥聞きしに勝る猛将よ」 圭子「そんな事まで有名なの?」 俺「いや、なんとなくこういう人物なんだろうと思ってただけさ」 世界中で見られる写真を見ればわかる。 どの写真を見ても"どうだ?"という声が聞こえてきそうな顔ばっかりだ。 まあ、全部私が撮ったんだけど。 マルセイユ「私の話か?」 片手に大型ジョッキを持ったご本人様の登場だ。 371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 24 56.44 ID OspiqQuU0 マルセイユ「( ・´ー・`)フッ どやっ?」 支援 373 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 25 20.33 ID 0Shel6iw0 俺「ああ。"アフリカの星、ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ"さん」 マルセイユ「ほう、さすがに知ってるか」 俺「そりゃあ知らないほうがおかしいだろ? ウィッチなら尚更、さ」 ライーサ「俺には何か通称とかなかったの?」 俺「あー‥‥」 そこで彼は言いよどむ。通称があるなら誇ればいいのに。 俺「‥‥"隕石"、かな」 圭子「"隕石"‥‥なんだか変な通称ね」 俺「まあな。誇れる通称ではないな」 マルセイユ「墜落常習犯てところか。あれだけ飛べるのに不思議なもんだ」 そう言うと彼は笑いながらコップをぐいと煽る。 その様子をみてマルセイユがいつにもまして笑顔になった。 マルセイユ「なんだおまえ。かなりいけるじゃないか」 俺「そんじょそこらの酒じゃ、俺は堕ちないぜ?」 マルセイユ「いうねえいうねえ!」 圭子「こっちは堕ちないのね」 374 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 28 30.46 ID 0Shel6iw0 俺「あんたは飲まないのか? えーっと‥‥」 圭子「ケイでいいわ。本名は、加藤圭子よ」 その名前を聞くと彼はすこし考えたあと驚いた顔をした。 俺「加藤圭子って‥‥あの扶桑海の?」 圭子「あら、知ってるなんて光栄ね」 俺「そりゃあ扶桑海の真のエース様ですもん、知ってますよ。 そうか、そういえばアフリカの隊長をやってるとか言ってたな。 いままで忘れていたとは‥‥」 思わず失笑する。 俺「ちゃんとアレも読んだよ。良い読み物だった」 375 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 32 33.54 ID 0Shel6iw0 アレというのは私が書いた本、"来た、飛んだ、落っこちた"だ。 扶桑海事変の内容を私、加藤圭子の視点から書いた本である。まあ、発売するに当たって改訂なども多かったが。 圭子「その話は恥ずかしいからあまりしないでちょうだいね」 俺「"扶桑海の閃光"も見たよ」 圭子「その話もしないでね‥‥というか」 そういうと私は首を傾げた。 圭子「その二つを見て、"真のエース様"なの? 智子のほうがエースに見えるはずだけど」 たしかに扶桑海事変での撃墜王は私だ。 だが、扶桑海の閃光での主役は穴拭智子である。 ネウロイ共をバッタバッタとその刀で切り裂いていく姿に扶桑の女学生たちは惚れたものだ。 俺「ああ、当事者からいろいろ話を聴く機会があってね」 376 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 36 54.55 ID 0Shel6iw0 ……… …… … シャーロット「あ、あの!」 俺「?」 真美とは対照的な感じのポニーテールの可愛らしい女の子が声をかけてきた。 それとほぼ同時に圭子はおつまみを補充しに行った。 シャーロット「私、シャーロットです!」 俺「ああ、あのでっかいのに乗ってる子だろ? すごかったよ」 シャーロット「あ、ありがとうございます!」 377 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 40 08.36 ID 0Shel6iw0 俺「しかしウィッチってのは小さい子ほどデカイモノを扱うのが決まりなのか?」 そう言いながら真美の方に眼を向ける俺。 真美「え!? い、いやそういうわけじゃないんですけど‥‥」 シャーロット「たまたまです!」 俺「ふーん‥‥俺の知り合いも物騒なもん扱ってたから、そうなのかと思ってたよ」 マルセイユ「こーんな小さな子達があんなもん扱っちゃうのはウィッチだからこそよねー」 真美とシャーロットは褒められてるんだかけなされてるんだかわからないがとりあえず恥ずかしい、というような表情をしている。 俺「というか重くないのかあれ」 真美「私は念動力の固有魔法が使えるので」 俺「念動力か‥‥なるほど、筋力だけで持っているわけではないということだな」 378 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 43 46.94 ID 0Shel6iw0 納得せざるをえない。こんなちっちゃな子があんなモノもってるんだ。 ウィッチだとしてもなにか固有魔法でもないと持ち上げることは出来ても、動きまわることはできないだろう。 デカイといえばこのシャーロットという子の陸戦ユニットもそうだ。 "ティーガー"とか言ったか。最初に見たときは小型のネウロイにでも乗ってるかと思った。 ちょっとしたネウロイとなら殴り合いでもできるんじゃないかアレ。 しかしこの隊は補給が大変そうだ‥‥ と思ったのだが、ここにはマルセイユという看板娘がいるんだった。 統合戦闘団や飛行隊などには、活躍によって母国から贈り物が送られる。 となればエースの中のエース、マルセイユには山ほどプレゼントが来るだろう。 そうでなくても、マルセイユには世界中にファンが居る。 それこそどんな装備だってここに来る可能性はある。 そういえば。 俺「マルセイユの写真ってケイが撮ってるのか?」 いつのまにかまた戻ってきた圭子へ尋ねる。 圭子「ええ、こいつでね」 そういいながら傍らにおいてあったカメラを手に取る。 詳しくはないが、メンテナンスはしっかりしてあるようで、鈍く光っている。 379 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 47 48.61 ID 0Shel6iw0 圭子「せっかくだから記念に一枚どう?」 マルセイユ「お、いいね、撮ろう」 俺「俺なんかが写ったら価値が下がるぞ」 マルセイユ「別に売るわけじゃないだからいいんだよ」 そう言いながら肩を組んでくるマルセイユ。 傍若無人というかなんというか‥‥ 圭子「じゃあわらってー」 一応作り笑いをする。 数瞬後まぶしい光と共に俺の姿がレンズに吸い込まれていった。 380 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21 50 14.28 ID 0Shel6iw0 俺「あの"世界のマルセイユ"と一緒に、写真を撮ってもらえるなんて光栄だね」 マルセイユ「ありがたく思えよ?」 俺「あとは出来上がった写真にサインでもしてもらえば墓場まで持って行くんだがな」 こんなアフリカくんだりまで来てしまったんだ。それぐらいのおみやげを貰ってもバチは当たるまい。 マルセイユ「フ」 そういうとマルセイユは鼻で笑い、 マルセイユ「悪いな。私はサインしない主義なんだ」 そう、言い放った。 彼女は、これまでに幾度も目にしてきた"あの顔"をしていた。 ウィッチには変わり者が多い‥‥か。 違いない。 手元のコップの中に映る変わり者の男ウィッチの顔を見ながら、そう思った。 隕石 第3話へつづく
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エリ「まずは私のサーブ!」 圭子「エリ選手、早速サービスの構えに入りました」 エリ「二人とも覚悟しなよ!」 圭子「……ああっと! あの構えはまさか!?」 春菜「私も前に見たことあります。あれは……」 春菜「バレーのサーブの構えですね」 圭子「ですね」 エリ「くらえええ!!」 「アウトー!」 エリ「あれ? 入ったと思ったのに」 アカネ「いやワンバウンドもしてないよ!?」 * * * 圭子「あの衝撃的なバレーサーブ(卓球)が炸裂してから、 エリ選手の暴走は止まりません」 圭子「エリ選手は台と平行の軌道を描く強烈ショットで、 相方のアカネ選手を翻弄しています」 圭子「対するアカネ選手は堅実で安定したプレイで、 着実にポイントを重ねています」 圭子「もはや小さい二人に為す術なし、完全に二人の独壇場です」 春菜「それなのに点数は互角。不思議な試合ですね」 圭子「全くです」 圭子「現在得点では十対九でエリアカチームがリード。 しかし次のサーブは、問題のエリ選手です」 春菜「アカネ選手がエリ選手に声をかけていますね。 恐らく、“せめてコートに入れろ”と言っているのでしょう」 圭子「ああっと、エリ選手が任せろと言わんばかりに、親指を立てたー! まるで任せられなーい!」 春菜「アカネ選手の気持ちが窺い知れますねー」 圭子「これはアカネ選手も万事休すかー!」 エリ「二人とも、聞こえてるからね!?」 圭子「おや、エリ選手がなにか言いたげな顔をしていますね。 ちょっと現場のちずるさんを呼んでみましょう」 圭子「ちずるさーん!」 ちずる「はい、こちら試合会場です。 どうやらエリ選手、全くアカネ選手に信頼されていないようです」 エリ「だから聞こえてるからね!?」 アカネ「なにか言いたいことがあるなら、試合でそれを示してよ……」 エリ「うぐっ」 ちずる「おっと、エリ選手黙り込んでしまいました。 呆れかえったアカネ選手の言葉が、深く突き刺さったのでしょうか」 エリ「……」 エリ「……そうだね」 エリ「もうこれ以上、アカネにかっこ悪いところは見せられないかな!」 まき「おー……!」 三花「カッコいいよ、エリ〜!」 とし美「せめて次のサーブぐらい決めなよー!」 しずか「私たちも油断してられないね……!」 ちずる「……す、凄い! エリ選手、会場を完全に味方につけました!」 三花「エーリ、エーリ!」 ちずる「今のエリ選手に、敵なしです!」 エリ「いくよ、まき! しずかちゃん!」 アカネ「……エリ、慎重にね!」 エリ「任せて、アカネ……。このサーブで決めるから!」 圭子「あ、あの構えは……」 春菜「フォアハンドのロングサービス、上回転でしょうか」 圭子「サービスエースを狙えるサービスではありますが、 あのエリ選手が成功するものでしょうか!?」 春菜「今のエリ選手なら、大丈夫。私はそう思います」 圭子「あ、ああ、今サービスが放たれようとしてます! そして同時に、会場も一つになろうとしています!」 「エリ、いっけええええ!」 エリ「うおおおお!」 ・ ・ ・ 「カツン」 アカネ「えっ」 まき「えっ」 しずか「えっ」 三花「えっ」 とし美「えっ」 ちずる「えっ」 春菜「えっ」 圭子「エッ」 圭子「エッジボール……」 * * * エリ「……はあ」 アカネ「まあまあ、勝ったんだし」 エリ「でも最後のあのノリで、エッジボールだよ? かっこ悪いにも程があるよー……」 アカネ「私はかっこよかったと思うよ、エリのこと」 エリ「えっ?」 アカネ「私にかっこいいとこ見せようと頑張ったんだもん。 その姿勢が、とってもかっこよかった」 エリ「本当?」 アカネ「本当」 エリ「……アカネ〜、心の友よ〜!」 アカネ「はいはい」 「ゲーム トゥ 三花、とし美! イレブン、ツー!」 アカネ「……イレブン、ツー?」 * * * 三花「いえーい、まず一本!」 とし美「次も取っていくよー!」 アカネ(九点もの点差をつけながら、この余裕か。恐ろしい二人ね……) エリ「……あれ、まきは?」 しずか「まきは“身長よりも恐ろしいものを知ったよ”と呟いて、 どこかへ去っていったよ」 アカネ「なにを見てしまったの」 しずか「それと、まきからアカネたちに伝言」 しずか「“それでも世の中身長が全てじゃない!”」 アカネ「だから私はなにも言って無いんだけど!?」 * * * 圭子「さて最終戦は“エリアカ”チームvs“三花とし”チーム! これは好カードですね」 春菜「最後、土壇場で会場を沸かせた前者と、 圧倒的な技術力で勝利をつかみ取った後者、見逃せない試合です」 圭子「では会場のちずるさんに繋いでみましょう。ちずるさーん!」 ちずる「はい、こちら試合直前の会場です。 今回は、敗北が決定してしまった、ちっちゃいチームの二人にも来てもらっています」 まき・しずか「ちっちゃくないよ!」 ちずる「では、どちらのチームとも戦った経験のある、お二人にお伺いします」 ちずる「正直どちらが勝つと思いますか?」 まき「三花としチームかなー」 しずか「同じく」 ちずる「ほう、その理由は?」 まき「相手にエリちゃんがいるから!」 しずか「同じく!」 ちずる「なるほど、わかりやすい理由です!」 エリ「うおい!!」 * * * エリ「スタートダッシュ決めちゃうよ!」 圭子「おっとエリ選手、いきなり前の試合で最後に使った、 例のサービスを使用するようです」 春菜「出し惜しみせず全力で戦う必要があると、そう感じたのでしょう」 エリ「必殺!」 エリ「エッジ・サービス!」 アカネ「ええっ!?」 圭子「最低だー! のっけからエッジボールを狙ったサービス! 極悪非道、冷酷無比というほかありません!」 春菜「ただあの軌道、本当にエッジボールになりますよ」 圭子「無駄にコントロールだけは上手くなっている! 汚い、汚いぞエリ選手!」 「カツン」 エリ「よしっ」 とし美「……甘いよ、エリ」 エリ「なに!?」 圭子「おっと、とし美選手、予めポジションを大きくずらし、 エッジボールに対応できる位置についていたー!」 春菜「ラフプレーに対して正攻法で立ち向かう、 とし美選手の真面目なプレイスタイルが良く出ていますね」 圭子「おや、体制を少し低くしていますが……」 とし美「くらえっ!」 圭子「ロビングだー! ロビングで返したー!」 春菜「ボールを持ち上げるように打っていますね。 あれは非常に回転かかってますよ」 アカネ「くっ、跳ねる!」 圭子「アカネ選手、ここでなんとか返す! しかしボールが浮いてしまっているぞー!」 三花「チャンスボールだね!」 アカネ「しまった! エリ!」 三花「いっけえええ!」 エリ「くっ、間に合わない……!」 「ピーッ!」 圭子「決まったー! 三花選手の強力なスマーッシュ!」 春菜「とても良いスマッシュでした。 タイミングもばっちりで、チャンスを見事活かしていましたね」 圭子「今のやり取りを見て、どう感じましたか春菜さん」 春菜「とし美選手は回転をかけるのが非常に上手いですね。 対して三花選手は強打が得意のようです」 春菜「とし美選手が繋ぎ、相手を翻弄、三花選手が決める」 春菜「見事な連携プレイといえます」 エリ「くう、あと少しだったのに!」 アカネ「ごめんねエリ。私が上手く返せなかったから……」 エリ「いいや、私のサーブが甘かったよ。 もっときわどいところを、狙っていかないと……」 まき「……」 しずか「ねえ、まき」 まき「なに?」 しずか「……私たちって卓球部だったっけ?」 まき「少なくとも私たちはバレー部なんだけどねー」 * * * ちずる「ゲーム トゥ 三花・とし美! イレブン、ファイブ!」 三花・とし美「ありがとうございましたー!」 エリ・アカネ「ありがとうございましたー!」 エリ「あー、負けたー!」 アカネ「二人とも強すぎだよ」 とし美「そっちもなかなか手強かったよ」 エリ「くうっ、とし美のくせに上から目線とは……!」 とし美「勝ったのは私たちだしね!」 三花「そうそう。じゃあ早速勝利の一杯を貰っちゃお〜」 アカネ「えっと、三花はコーヒー牛乳でいいんだよね?」 三花「そうだよ〜」 アカネ「で、とし美はドクターペッパー」 とし美「それ本気で言ってるの?」 ‐バレー部班の部屋‐ とし美「あー、疲れたー」 まき「汗かいちゃったねー」 とし美「ほんとにね。もう一度お風呂入れないの?」 アカネ「今の時間じゃ、もう開いてないよ」 三花「仕方ないから汗拭けるだけ拭いて、今日は寝よ〜?」 エリ「賛成ー……、なんか今日は疲れちゃったよ」 アカネ「本当、あの盛り上がりはなんだったんだろう……」 とし美「その場のノリって、訳も分からないものだよね……」 三花「それじゃ、電気消すよ。皆、おやすみ〜」 まき「おやすみー」 * * * エリ「……」 エリ「……アカネー?」 エリ「……」 エリ「寝ちゃったかー……」 アカネ「なに、エリ?」 エリ「うわっ、起きてたの?」 アカネ「呼ばれてなかったら、寝てたよ」 エリ「なんかごめん」 アカネ「別にいいよ。……それで、なにか用?」 エリ「……今日、銀閣寺でとし美となに話してたの?」 アカネ「どうしたの。そんなこといちいち気にして」 エリ「だって、あの時のアカネ、一際真っ直ぐな目をしててさ。 なんだかアカネが、ずっと遠くにいるみたいに感じて」 アカネ「うん」 エリ「心配しちゃったっていうのかな……」 アカネ「……ふふっ」 エリ「わ、笑うなあー!」 アカネ「つまり“相談したいことあるなら、私にしてもいいんだよ”って」 アカネ「そう言いたいんでしょ?」 エリ「……うん」 アカネ「エリは面白いね」 エリ「面白いってなにさー」 アカネ「面白いんだもん。多分一生一緒にいても、飽きないよ」 エリ「……アカネって、たまに凄い恥ずかしいこと口走るよね」 アカネ「そうやってすぐ照れちゃうのも、面白いよ」 エリ「は、謀ったね!」 アカネ「ふふ、引っ掛かる方が悪いんだよ」 アカネ「……」 アカネ「……あのねエリ。私、進路で悩んでるの」 アカネ「四年制の大学に行くか、専門に行くかね」 エリ「専門って、美容師の?」 アカネ「エリには私の夢は話してたっけ」 エリ「うん。そっか、そのことを話してたんだ」 エリ「……それじゃ、私に答えは出せないね」 アカネ「ううん、話を聞いてもらえただけで十分だよ」 エリ「そっか……」 アカネ「……」 エリ「……心配しないで。アカネなら大丈夫だよ」 エリ「アカネなら、どんな選択をしても、それを正解にしてみせるから」 アカネ「エリ……」 エリ「私の知るアカネは賢くて良い子だから」 エリ「だから自分に自信を持つんだよ、アカネ!」 「ぎゅっ」 エリ「えっ……」 アカネ「……ありがと、エリ」 エリ「い……、いやいやいや! 大したことはしてないって!」 エリ「だから、そのー……抱き着くのはやめて欲しいっていうか、 ちょっと暑くないかなっていうかー……」 アカネ「……お願い」 アカネ「しばらく、このままでいさせて……」 エリ「アカネ……」 * * * アカネ「……」 エリ「……」 アカネ「……エリ、ありがと」 エリ「えっ、ああ、うん。もう大丈夫なの?」 アカネ「うん」 エリ「……ま、たまには甘えちゃいなよ。いつでも胸を貸してあげるからさ」 アカネ「うん」 エリ「今日はもう遅いから、寝よう。おやすみ」 アカネ「うん、おやすみ」 エリ「……」 アカネ「……」 エリ「……あの、アカネさん?」 アカネ「うん?」 エリ「いや、なんで私の布団で寝ようとしてるのかなと思って」 アカネ「……」 エリ「自分の布団に戻ろう? ほら、隣だし、大した手間はないよ?」 アカネ「……」 エリ「いや枕だけ持ってきても意味ないから」 アカネ「……今日は甘えたい日なの」 エリ「えっ……」 エリ「えええぇぇぇーーー!?」 アカネ「嫌?」 エリ「い、いや別に嫌じゃないっていうか、むしろ」 エリ「アカネなら歓迎出来るっていうか……、ああもう恥ずかしいなあ!」 アカネ「……」 エリ「あー、身体が燃えるように熱いよ……」 アカネ「……ふふっ」 エリ「アカネ?」 アカネ「……やっぱりエリって、面白いね」 エリ「は……」 エリ「謀ったねえええ!?」 アカネ「二回も引っ掛かってくれるとは思わなかったよ」 エリ「アカネのバカー! 本当に本当に、恥ずかしかったんだからね!?」 アカネ「知ってる知ってる」 アカネ「でも、最初は本気だったんだよ。それに良かった」 アカネ「元々知ってるけど、エリは私の、とっても大切な親友なんだよね」 エリ「……そんなこと言われたら、怒るに怒れないじゃん馬鹿」 アカネ「あとで埋め合わせはするよ」 アカネ「……それにしてもあんな大声出して、誰も起きてこないのは奇跡だね」 エリ「もし起きてきちゃったら、恥ずかしくて死んじゃうよ」 アカネ「ふふ、確かに。聞かれてなくて良かった」 まき(……たとえ聞いてても) とし美(聞いてる方が恥ずかしすぎて) 三花(起きるに起きれないんですけど〜……) ‐新幹線車両内‐ まき「おー、富士山だ!」 まき「反対側の窓だけど」 とし美「行きの時も同じこと言ってなかった?」 三花「京都、楽しかったね〜」 とし美「うん、また皆で行ってみたいね」 まき「そうだ、京都に行こう!」 とし美「今から!?」 まき「思い立ったが吉日だよ、とし美ちゃん」 とし美「こんな極端なパターンは入らないと思うけど……」 まき「そうかなー」 三花「……あっ、ちょっとごめん。お手洗い行ってくるね」 とし美「それなら私も」 まき「うん、いってらっしゃーい」 * * * 三花(そういえば、エリたちの席は一番扉に近いんだっけ……) 三花「……あっ」 エリ「すー……」 アカネ「……」 三花(寝てる……) とし美「……二人も、楽しんでたもんね」 三花「うんうん。今は、じっくり身体を休める時だよ」 アカネ「んー……」 三花「しかしまあ、互いにもたれ合っちゃって……」 三花「よし、カメラ起動〜」 とし美「旅の良き思い出の一つ、ね」 第七話「桜高バレー部の旅路の二」‐完‐ 10
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保村 真(やすむら まこと) 出演リスト 保村真 - Wikipedia ゲームタイトル 対応機種 キャラ名 音声量 アーメン・ノワール PS2、PSP レイン フルボイス Enkeltbillet PSP 増島健治 フルボイス 金色のコルダ3 AnotherSky feat.至誠館 PSP 長嶺雅紀 フルボイス ひめひび ─New Princess Days!!─ 続!二学期 PS2、PSP 橘伊吹 フルボイス
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山口 山口(チーム順位のみ) 山口(個人成績のみ) 山口(所属のみ) 山口(チーム順位と個人成績) 山口(個人成績と所属) 順位推移・山口 トップに戻る 北海道 青森 秋田 岩手 島根 鳥取 京都 福井 石川 富山 新潟 山形 宮城 山口 広島 岡山 兵庫 滋賀 岐阜 長野 群馬 栃木 福島 佐賀 福岡 大阪 奈良 愛知 静岡 山梨 埼玉 茨城 長崎 大分 愛媛 香川 和歌山 三重 神奈川 東京 千葉 熊本 宮崎 高知 徳島 鹿児島 沖縄 山口・戦力分析 項目 評価値 レベル 備考 総合 11.38 ■■■■■■■■■■■ 1区 10.57 ■■■■■■■■■■■ 2区 10.97 ■■■■■■■■■■■ 3区 10.55 ■■■■■■■■■■■ 4区 11.13 ■■■■■■■■■■■ 5区 10.97 ■■■■■■■■■■■ 6区 11.0 ■■■■■■■■■■■ 7区 11.03 ■■■■■■■■■■■ 山口戦力分析(旧コース) 項目 評価値 レベル 備考 総合 12.05 ■■■■■■■■■■■■ 1区 7.65 ■■■■■■■■ 2区 11.87 ■■■■■■■■■■■■ 3区 12.48 ■■■■■■■■■■■■ 4区 11.51 ■■■■■■■■■■■■ 5区 10.30 ■■■■■■■■■■ 6区 12.91 ■■■■■■■■■■■■■ 7区 11.71 ■■■■■■■■■■■■ 山口・戦力分析(新コース) 項目 評価値 レベル 備考 総合 11.22 ■■■■■■■■■■■ 1区 11.25 ■■■■■■■■■■■ 2区 10.75 ■■■■■■■■■■■ 3区 10.1 ■■■■■■■■■■ 4区 11.04 ■■■■■■■■■■■ 5区 11.12 ■■■■■■■■■■■ 6区 10.55 ■■■■■■■■■■■ 7区 10.86 ■■■■■■■■■■■ 3回以上選出されたチーム ジュニアA(高校) 西京高(47回)、宇部鴻城高(6回)、 ジュニアB(中学) 萩東中(5回)、田布施中(4回)、島田中(4回)、萩西中(3回)、太華中(3回)、 大学・一般 カネボウ(鐘紡)(21回)、中国電力(5回)、東海大(4回)、城西大(3回)、 チーム記録 コース 総合記録 1区記録 2区記録 3区記録 4区記録 5区記録 6区記録 7区記録 旧コース 第1回 2 18 46 第4回 長嶺貴裕 14 45 第3回 戸村将幸 8 46 第2回 瀬戸智弘 26 22 第1回 藤井敏行 21 41 第2回 大中哲 14 50 第1回 福田洋治 8 50 第1回 豊岡知博 42 40 現コース 第16回 2 21 06 第16回 松村元輝 20 15 第6回 本多浩隆 8 33 第8回 瀬戸智弘 24 07 第18回 松村陣之助 14 29 第21回 野田一輝 25 14 第6回 尾崎一哉 8 51 第16回 石川卓哉 37 37 旧コース 大会 順位 記録 1区 2区 3区 4区 5区 6区 7区 1回 7 2 18 46 河崎拓馬 14 49 33位 益本光章 9 10 31位 小倉幸康 26 37 17位 藤井敏行 21 41 8位 山田雄二 14 59 19位 福田洋治 8 50 3位 豊岡知博 42 40 8位 宇部鴻城高 勝山中 鐘紡 西京高 宇部鴻城高 島田中 鐘紡 2回 8 2 18 48 山田雄二 15 05 43位 長嶺貴裕 8 49 5位 瀬戸智弘 26 22 10位 木村文彦 21 47 9位 大中哲 14 50 7位 蔭谷将良 8 52 3位 小倉幸康 43 03 22位 宇部鴻城高 福賀中 鐘紡 宇部鴻城高 西京高 住吉中 鐘紡 3回 11 2 20 42 北村政志 15 11 45位 戸村将幸 8 46 2位 瀬戸智弘 26 23 1位 吉富一成 22 02 16位 吉松智彦 15 37 34位 村木健二 9 10 7位 小倉幸康 43 33 16位 西京高 島田中 鐘紡 萩工高 宇部鴻城高 鹿野中 鐘紡 4回 23 2 21 24 長嶺貴裕 14 45 26位 原田誠 9 06 30位 小倉幸康 26 47 21位 益本光章 22 35 34位 蔭谷将良 15 35 35位 安藤辰己 9 16 24位 市之瀬進 43 20 20位 萩高 垢田中 鐘紡 宇部鴻城高 西京高 島田中 鐘紡 現コース 大会 順位 記録 1区 2区 3区 4区 5区 6区 7区 5回 4 2 21 17 蔭谷将良 20 38 17位 本多浩隆 8 54 19位 瀬戸智弘 24 10 2位 元杭康二 14 37 5位 長嶺貴裕 25 18 7位 田中聡一 9 01 7位 松山孝 38 39 9位 西京高 熊毛中 鐘紡 徳山高 萩高 田布施中 鐘紡 6回 8 2 22 04 戸村将幸 20 21 5位 本多浩隆 8 33 1位 井幡政等 25 05 28位 白浜三徳 14 32 1位 井生知宏 25 58 22位 尾崎一哉 8 51 4位 小倉幸康 38 44 17位 西京高 熊毛中 カネボウ 美祢工高 西京高 島田中 カネボウ 7回 13 2 22 18 本多浩隆 20 30 12位 橋本雅史 8 51 14位 高岡寿成 24 09 2位 松尾斉彬 14 56 20位 寺内健 25 45 20位 藤原昌隆 9 04 17位 阿武優一 39 03 25位 下松高 萩西中 カネボウ 西京高 西京高 萩西中 カネボウ 8回 14 2 23 02 本多浩隆 20 38 15位 高橋靖 8 46 6位 瀬戸智弘 24 07 3位 竹下正人 15 05 27位 尾崎一哉 25 54 20位 平井拓満 9 06 18位 佐藤浩紀 39 26 33位 下松高 大内中 カネボウ 西京高 西京高 田布施中 カネボウ 9回 20 2 23 52 竹下正人 20 49 21位 伴尚宏 9 11 34位 市之瀬進 24 52 22位 竹中友人 15 03 28位 西本貴之 25 39 17位 宮原克典 9 03 13位 真壁剛 39 15 28位 西京高 平生中 カネボウ 西京高 西京高 東部中 カネボウ 10回 6 2 21 25 竹下正人 20 39 19位 刀祢健太郎 8 49 11位 中村悠希 24 27 12位 藤原昌隆 14 42 9位 西本貴之 25 33 9位 石橋成司 9 17 31位 瀬戸智弘 37 58 3位 西京高 萩西中 カネボウ 西京高 西京高 玖珂中 カネボウ 11回 8 2 23 22 中原知大 20 40 6位 河村政伸 9 08 12位 真壁剛 25 12 17位 高橋靖 14 59 17位 石川卓哉 25 30 13位 植木雅哉 9 04 23位 梅木蔵雄 38 49 16位 西京高 周陽中 カネボウ 西京高 豊北高 太華中 中国電力 12回 15 2 23 30 刀祢健太郎 20 30 12位 内記和馬 8 59 31位 藤原昌隆 24 57 30位 伴尚宏 15 05 23位 石川潤一 25 34 9位 原直也 9 40 45位 戸村将幸 38 45 15位 西京高 桑山中 東海大 西京高 西京高 萩東中 九電工 13回 21 2 24 21 刀祢健太郎 20 28 14位 木村勇貴 9 13 38位 戸村将幸 24 25 17位 岡村悠平 14 57 9位 末山貴文 26 01 18位 松田司 9 23 35位 石川卓哉 39 54 36位 西京高 田布施中 九電工 西京高 西京高 菊川中 明治大 14回 28 2 24 02 住中翔 20 47 27位 樫部直人 8 47 18位 油谷繁 25 06 35位 河村政伸 15 18 43位 寺田裕成 25 52 23位 水間翔平 9 18 32位 刀祢健太郎 38 54 20位 西京高 太華中 中国電力 高水高 西京高 柳井西中 東海大 15回 28 2 24 07 上田拓 20 49 21位 佐々木康成 9 11 38位 刀祢健太郎 25 22 35位 森永貴幸 15 12 36位 木村勇貴 25 26 16位 白地慶信 9 00 16位 油谷繁 39 07 28位 西京高 萩東中 東海大 西京高 西京高 柳井中 中国電力 16回 13 2 21 06 松村元輝 20 15 6位 佐々木康成 9 01 32位 藤本拓 24 48 34位 森永貴幸 15 02 29位 木村勇貴 25 24 18位 末次慶太 8 59 17位 石川卓哉 37 37 4位 西京高 萩東中 国士舘大 西京高 西京高 平生中 中国電力 17回 38 2 25 39 松村陣之助 21 03 31位 中村駆 8 53 14位 山本隆司 25 47 42位 水間翔平 14 57 18位 藤井翔太 25 46 23位 原田建史朗 8 57 14位 刀祢健太郎 40 16 42位 西京高 萩東中 城西大 柳井商工高 西京高 高川学園中 東海大 18回 16 2 22 03 田村和希 20 35 21位 福本真大 8 43 17位 松村元輝 24 25 15位 松村陣之助 14 29 2位 末次慶太 25 42 21位 原田建史朗 8 59 5位 中本健太郎 39 10 26位 西京高 浅江中 城西大 西京高 西京高 高川学園中 安川電機 19回 25 2 22 41 末次慶太 20 27 18位 吉岡龍一 8 51 16位 松村陣之助 25 34 45位 中村駆 14 41 9位 住田優範 25 50 34位 森本直樹 8 56 15位 石川卓哉 38 22 16位 西京高 太華中 城西大 西京高 西京高 桜田中 中国電力 20回 26 2 22 56 中村駆 20 53 23位 吉井道歩 9 11 39位 田村和希 24 30 13位 野田一輝 14 44 27位 花田凌一 25 31 20位 田中寿和 9 06 27位 浜本栄太 39 01 29位 西京高 田布施中 青山学院大 西京高 西京高 岐陽中 武田薬品 21回 25 2 23 37 中村駆 21 12 34位 中村優吾 8 57 16位 藤本拓 25 43 42位 福本真大 15 00 28位 野田一輝 25 14 14位 長岡京汰 9 22 37位 田村和希 38 09 5位 西京高 国府中 トヨタ自動車 西京高 西京高 萩東中 青山学院大 ※順位・タイムの太字は都道府県最高記録、チーム順位の黒字は区間での順位変動なし、赤字は上昇、青字は下降。個人順位の白抜きは区間賞、所属の赤地はふるさと選手
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― 夜 統合戦闘飛行隊「アフリカ」にて ― 俺「加東圭子大尉!命令により、カールスラント陸軍第103戦隊所属、俺以下2名着任いたしました!」 圭子「そんなに堅くならなくてもいいわよ。 それより…肝心のティーガーは…?」 俺「あの……木っ端微塵に…」 圭子「…はぁ…まぁ、こればっかりは仕方が無いわね。 じゃぁ新しいティーガーが届くまで、ここで大人しく待機していてちょうだい」 俺「了解です」 圭子「えっと…俺中尉にハンス上等兵、それとカネパルト軍曹ね。 これからよろしくね」 ハンス「これからは迷惑を掛けてしまうかもしれませんが、よろしくお願いします」 カネパルト「あなたが有名な加東大尉ですね! 想像していた以上にお美しい!!見惚れてしまいます!」 圭子「あら、一体どういう事かしら? 俺中尉の部下はおもしろいわね、上官を口説くなんて」 俺「ご無礼をお許しください。 なにぶん、コイツは女に餓えているので」 圭子「そうなの? 結構、いい顔立ちしてるのに?」 カネパルト「な、な……おれ、褒められてる…初めて、女性に褒められた…!!ヒャーハー!!」 ハンス「カネパルト軍曹、落ち着いてください」 圭子「に、賑やかね…あなたたち…」 俺「本当にスミマセン!」 圭子「では、俺中尉とは話があるのでカネパルト軍曹とハンス上等兵は退室してくれるかしら?」 ハンス「了解です」 カネパルト「顔立ちが良い……グヒヒヒヒヒwww」 ハンス「ほら、カネパルト軍曹…早く行きますよ…」 バタン 圭子「…ホント、賑やかね」 俺「いや…申し訳ない」 圭子「まぁ、いいわ。それより、あなた達の実戦経験はどれ位かしら?」 俺「俺とカネパルトは、アフリカで戦って2年になりますが…ハンスは最近、こっちへ来たもんで実戦経験は殆ど無いですね」 圭子「教えてくれてありがとう。確かにハンス君は子供の顔が抜け気ってなかったもんね。 ハンス君は何歳なの?」 俺「19歳です。 でも、ハンスはもう既に結婚していて、最近子供が出来たみたいですよ」 圭子「こ、子供!? ハンス君の子供って事!!?」 俺「ええ、俺も聞いた時はビックリしましたよ」 圭子「へぇ…人って見かけによらないわねぇ…」 俺「ホント、その通りです」 俺「ふぃ~ 話も一段落ついたし、「アフリカ」のみんなとの顔合わせでもしておくか!」 ― テント ― 俺「お~い、カネパルト、ハンスはいるか?」 ハンス「稲垣軍曹は料理が得意なんですか~」 真美「はい!でも、扶桑食だけですけど…」 ハンス「それでも、十分スゴイですよ! おれなんか、お湯を沸かすので精一杯です」 カネパルト「シャーロット・リューダー軍曹…小さくてカワイイねぇ…フヒッwww」 シャーロット「ル、ルコ!! この人コワイっ!!」 古子「だ、大丈夫だよ!シャーロットちゃん!! カネパルトさんは真面目だと思うよ! たぶん…」 俺「…あいつ等、もう打ち解けてるじゃねぇか……なぁカネパルト、ハンス! トランプでもやらないか?」 カネパルト「おれはパス。 シャーロットちゃんと北野軍曹と喋ってるから」 ハンス「おれもパスでお願いしま~す」 俺「…そ、そうか……仕方が無いな…」 俺は誰も座っていないテーブル前の椅子に腰掛け、煙草を吸い始めた。トランプ、やりたかったんだけどな… マルセイユ「トランプなら、私が相手してやるか?」 俺「マ、マルセイユ中尉! でも…」 マルセイユ「別に気にするな、同階級じゃないか。 ほら、ライーサもこっちへ」 ライーサ「わ、私も?」 マルセイユ「ああ、2人だけじゃつまらないからな」 ライーサ「そ、そういう事なら…よろしくお願いします、俺中尉」 俺「こ、こ…こちらこそ…!」 マルセイユ「私が一位で、ライーサが2位、そして俺がビリッケツか! 弱いな、俺!!」 俺「ま、まぁ…」 ライーサ「ポーカー、楽しかったです! またやる時は誘ってください、俺中尉! それじゃぁっ」 俺「ま、またな!」 マルセイユ「それじゃぁ、私はケイの所に行ってくるよ。」 俺「付き合ってくれて、ありがとうございました」 マルセイユ「私も楽しかったぞ。 またな!」 俺「……ふぅ…ところで、あいつ等は…」 ハンス「へぇ~! その"オミソシル"っての食べてみたいな!」 真美「明日の朝に作る予定なので、よかったら食べてみますか?」 ハンス「はい!是非!!」 カネパルト「おお!おれの髪型がスゲェ事に!! スゴイな!ルコちゃんは!!」 古子「い、いえ…! そんな事…///」 シャーロット「カネッパの髪、さらさらしてそう!触ってみてもいい!?」 カネパルト「ん? 遠慮せずに触っていいんだぞ?シャーロットちゃ~ん……フヒヒヒヒ…」 シャーロット「……やっぱ止めようかな…」 俺「……あいつ等、フレンドリーすぎるぜ…」 俺は特にやる事も無いので、夜景を眺めようと、テントの外へと出た 俺「…やっぱ夜は寒いな…」 テントを出て、すぐ近くでは整備員たちが暖を取っていた 整備員「おっ! 今日、来たティーガーの人か?」 俺「ああ、そうだよ。 でも、肝心のティーガーは無いけど…」 整備員「はははっ、そりゃ残念だ。 それより、アンタの名前は?」 俺「名前は俺」 整備員「階級は?」 俺「一応、中尉をやらせてもらっているよ」 整備員「中尉かぁ~ アンタすごいな。 ところで、俺中尉」 俺「ん?」 整備員「こういう写真には興味ある?」 俺「こ、これは…!!」 整備員たちから差し出されたのは、ウィッチたちが写ったプロマイド写真だった マルセイユ中尉だったり、稲垣軍曹だったり…世界各国のウィッチたちの様々な写真があった 整備員「なぁ、どれか買う気はないかい?」 俺「……ペットゲン少尉のは…あるのか?」 整備員「ああ、勿論! ほら、ペットゲン少尉がよだれを垂らしながら寝ている貴重な写真だぞ~」 俺「!! (か、可愛い!!) 」 整備員「どうだ? 買うか?」 俺「…いくらだ?」 整備員「100ドルでどうだ?」 俺「ひゃ、100ドル!? いくらなんでも高い!!」 整備員「仕方が無いなァ~ それじゃぁ、70ドルでどうだ?」 俺「…それなら、買おう」 整備員「毎度ありっと!!」 続く