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テイルズオブザテンペスト(NDS) カイウス・クオールズ 高城元気 ルビア・ナトウィック 門脇舞(※現:門脇舞以) ティルキス・バローネ 山崎たくみ フォレスト・ルドワウヤン 乃村健次 アーリア・エクバーグ 荒木香恵 ルキウス・ブリッジス 斎賀みつき アルバート・ミュラー 麻生智久 ロミー 瀬那歩美 ヴィンセント・ブリッジス 小林清志 国王 長克己
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LUMINES 機種:PSP 作曲者:中村隆之、横田克巳 開発元:キューエンタテインメント 発売元:バンダイ 発売年:2004年 概要 「音と光の電飾パズル」をキャッチコピーとする落ち物パズルゲーム。 BGM・効果音とブロック・背景のイラストをセットにした「スキン」という独特なシステムを採用。 ブロックを消していくと、BGMや効果音、背景やブロックなどが自然と変化するなど、音と画面がシンクロしていく様を楽しめる。 新感覚のパズルゲームとして国内外で髙く評価された作品で、シリーズ化もされた。 音楽はブレインストームの中村隆之氏が担当。またキューエンタテインメントのデザイナーである横田克巳氏も1部担当している。 またミュージシャンの大沢伸一氏率いるバンド「MONDO GROSSO」や、大沢氏がプロデュースした信近エリ氏の楽曲も収録された。 サントラは中村氏が編曲したアレンジサントラが発売されているが、MONDO GROSSOや信近エリ氏の楽曲は未収録。 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 作・編曲者 補足 順位 Disc1 welcome to the club 中村隆之 URBANIZATION ROUNDABOUT SLIPPING SQUARE DANCE 横田克巳 TALK 2 YOU 中村隆之 JUST... Dark Side Beside The River ABACK WORKING IN THE HOLE SISTER WALK Da-Di-Do STRANGERS HOLIDAY IN SUMMER TAKE A DOG OUT A WALK Big Elpaso My generation 横田克巳 MEGURO 中村隆之 SPIRITS Get up and go FLY INTO THE SKY Disc2 45 degrees 横田克巳 RODENT 中村隆之 MORNING BEATS WATER, FLOWER LIGHTS TIN TOY prime factor Japanese form Automobile Industry Please return my CD The bird singing in the night MEKONG Whoop-De-Do The SPY loves me Brash Chinese restaurant MOON BEAM Neodymium merci サントラ未収録曲 Lights 大沢伸一 歌:信近エリ 泣き曲220位 I Hear the music in my soul Shinin 曲:MONDO GROSSO Shake ya body サウンドトラック LUMINES remixes 中村氏が編曲したアレンジサントラ。
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【名前】 マシンガン眼魔 【読み方】 ましんがんがんま 【声】 長克己 【登場作品】 仮面ライダーゴースト 【登場話】 第5話「衝撃!謎の仮面ライダー!」第19話「爆発!絵を描く心!」(スペリオル)第24話「出現!謎の戦士!」 【分類】 眼魔 【モチーフ】 ハット 【特色/力】 腕部マシンガンの高速連射 【詳細】 「ハット」と融合した事で変貌した個体。 戦闘時は腕部マシンガンで攻撃を行う。 他の眼魔アサルト達をファミリーと呼んで大切に扱い、ギャングのボスを彷彿とさせる。 廃校跡に謎の魔法陣を作るのが使命で、「縄張り」と称し眼魔アサルトが憑りついた市役所職員達と共に廃校跡の封鎖を行う(表向きは「新庁舎建設」と偽っていた。)。 その後、仮面ライダーゴーストに対し人質(御成、月村アカリ)を取って攻撃を仕掛けるが、ゴーストのゴースト眼魂を狙って割り込んできた仮面ライダースペクターに「俺の獲物だ」と攻撃を行った事で刺激してしまい交戦、ゴーストチェンジしたスペクターツタンカーメン魂になす術もなく、最期はガンガンハンド鎌モードでの攻撃「オメガファング ツタンカーメン」を受け爆散した。 24話ではアランを排除しようと別個体が登場。 ゴーストグレイトフル魂が駆けつけ、召喚されたパーカーゴースト複数を用いた「オメガフォーメーション」を受け爆散した。 【眼魔スペリオル・マシンガン】 「イゴール」が「マシンガン眼魔」の力が内包された眼魔眼魂を用いて眼魔チェンジした形態。 「マシンガン眼魔」と同等の力を有する。 命令を聞かない「画材眼魔」を処罰するのに変化、ゴースト闘魂ブースト魂と戦い、更にベンケイゴースト眼魂を用いたゴースト闘魂ベンケイ魂にゴーストチェンジし、闘魂ベンケイ魂の力の前になす術もなく、「オメガボンバー ベンケイ」を受け爆散した(「イゴール」は脱出した。)。 【余談】 声を演じる長克己氏は平成仮面ライダーシリーズの怪人の声を初めて担当する。
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インターフェイスを経由していないかたは一度ご覧ください できるだけラノのバージョンで読んでください 2 工克巳(たくみ・かつみ)は、尊敬する裏醒徒会長、蛇蝎兇次郎(だかつ・きょうじろう) に、一日でも早く学園の覇権を握ってもらわねばならないと強く実感していた。 このままでは、学園はラルヴァの脅威に対応できなくなる。 だいたい、昨今の各地での多発的なラルヴァの発生は、明らかに監視体制が不足しているこ との現れであり、加えて初動態勢の遅れが事態の悪化に拍車をかけていた。 その弥縫策に追われる中で今回の事態だ。なんたる失態の上塗り。蛇蝎が学園を掌握してい れば、最少限の被害で収拾できていただろうに。 おかげで克巳にまで召集令状がまわってきてしまった。先月風紀委員によって取り潰された ロボ研の跡地から、面白そうな図面が出てきたという話を、裏醒徒会の幹部である笑乃坂(え みのさか)に聞いたばかりだったのだが。 さっさと片づけて、分析のために学園へ帰らなければならない。 もっとも、新装備を試してみる機会と考えれば、島内での買い物に使える電子マネーも入っ てくるし、ラルヴァ討伐に招集されること自体は悪いことではない。克巳はいままでに三度お 声がかかっており、中等部の生徒としては申し分ない戦果を挙げていた。 克巳の異能力はいわゆる超科学系統にあたり、基本的には魂源力で動き、ラルヴァに対して 打撃効果のあるデバイスを製作することができる。しかし克巳が自前で作って自在に操れるの は「鋼鉄の毒蛇〈Steel Viper〉」だけだ。それ以外の装置に関しては設計図と材料が揃って いるものを組み立てることしかできないし、作ってみてもまともに動く保証はない。 だが〈鋼鉄の毒蛇〉は胸を張って自慢できる装置だった。322個の体節をつなげた、直径 9センチ、全長2メートルの金属製完全自律型兵器。名に反して毒はないが、80枚もの回転 ブレードをそなえており、ひとたび放ってしまえば、克巳が気絶しようが死のうがエネルギー 切れまで目標を切り刻み続ける。 これまでの三度の招集で、撃破したラルヴァは中級−4ランクをも含む実に13体。克巳本 人の無力はともかく、〈鋼鉄の毒蛇〉は非常に強かった。 にもかかわらず討伐チーム入りしていなかったのは、克巳自身が蛇蝎の部下としての務めを 優先してシフト希望を出していなかったというのもあるが、〈鋼鉄の毒蛇〉を使い切ったら最 後、完全に非戦力化してしまうからだった。 〈鋼鉄の毒蛇〉は克巳自身の魂源力(アツィルト)をチャージすることのみで稼働し、そのイ ンターバルは最低3時間。リミッターなしの、フル・パワーモードあらため殲滅形態〈デスト ロイ・モード〉では、せいぜい3分しか動かない。 3時間に一度、3分間しか戦力にならない隊員を抱えられるほどのチームは総じてエリート 組に限られ、もちろんそうした所帯は克巳程度を必要とはしていない。したがってこれまでは、 既存のチームに一発限りの火力を付与する目的で喚び出されていた。異能者チームの編成とい うのは考え抜かれた上に決定されているものなので、克巳は最も重要な局面で〈鋼鉄の毒蛇〉 を放つことができていた。 今回は長丁場の作戦で、決め打ちは利かない。試作品の装備をいくらかバックパックに放り 込んで、克巳はB−747の搭乗タラップに足をかけた。 ※ 所属は航空自衛隊だが、いわゆる政府特別便と呼ばれているB−747はつつがなく千歳へ 着陸し、そこから東へ約150キロ、道央S町の陸自駐屯地まではヘリでの移動になった。こ こは、通報を入れてきた第二師団ではなく、第五旅団戦車隊の駐屯地だ。さらにバスへ分乗し て、二手にわかれて山のほうへ向かうこと二時間弱。宿営地兼拠点になるという大農場に到着 したときには、すっかり夕方になっていた。分遣隊のほうも、20キロほど東の、やはり大規 模な農園に到着しているはずだ。 バスからぞろぞろと降りる学園生たちは、やはり、対ラルヴァ戦を控えた隊員というより、 林間学校にやってきた学徒の群れにしか見えない。 「作戦開始は夜明けですから、早く寝ておくように。それと、急造のチームですから、お互い に理解を深めておくこと」 そういって、都治倉つじくら生徒課長は各チームの班長に鍵を渡していく。観光農場も兼ね ているのでコテージがあるのだが、どうやら今夜はチームごとに食事をして休めという趣旨ら しい。ほとんどのチームは男女混成なので、就寝時に男は追い出される。テントか農場の建物 の大部屋での雑魚寝か、どちらかを選べとのことだ。 機中と車内では智佳、弥乃里と並びの席でここまでやってきた質にとって、気の進まない時 間のはじまりのようだった。 質の所属する第8分隊(この場合の「分隊」は完全に記号的なもので、軍事上の編成員数と 関係はない)は、6人構成らしい。 火焔系の能力者らしいがやたらとすぐに転ぶ娘だとか、妙に暑苦しく盛り上がっちゃってる 人とかがいて、やや不安になってくる。いちおうあとの3人は大丈夫そうだが、異能力を持っ ていない人まで混ざっていた。まあ、質の異能力も戦闘で役に立つものとはいえないので、他 人のことはいえないのだが、そこまで人手が足りないのだろうか。 前衛が4人で、中衛が質で、援護が転がり娘——と、バランスがいいとはいえない編成のよ うだが、質はとりあえずメンバーを確認してみることにした。そのうちふたりとは同学年なの で、いちおう見かけたことくらいはある。 E組の刀遣いの河越明日羽(かわごえ・あすは)が、たぶん実戦経験の一番豊富な人材だろ う。本営詰めのテレパス係の友人で、受信役に設定されていた。従って彼女が分隊長を兼ねる ことになる。 C組の拍手敬(かしわで・たかし)は異能を持っていないが、太極拳の遣い手で、打撃には 魂源力を込められるとのことだった。本人の話では、今月のやりくりが苦しいので臨時報奨金 に釣られたとか。 一年生の神楽二礼(かぐら・にれい)は前出の柏手敬と知合いだそうだ。同じチームに配属 されたのはたまたまだろうと笑っていたが、ふたりでラルヴァを数体退治したことがあるとも いっていた。おそらく上層部はそういう情報もつかんでいるのだろう。 いずれにせよ「鋼のB組」を称されるほどのクラスの一員であるので、実力的には問題なさ そうだ。風紀委員も務めているが、まだ見習なので警邏シフトには入っておらず、今回の招集 に引っかかったらしい。 そして三年生の二階堂悟郎(にかいどう・ごろう)。柔道部とのことで、今回の蟲型怪物と は相性があまり良くなさそうだが、哺乳類と合体して身体能力を向上させる異能者らしい。 「ヒグマがいれば、クマー・パゥワー! うをををーーー!!」とすごいテンションで叫んでい た。しかし、できればヒグマには出てほしくないと質は思う。 援護役は火焔遣いの米良綾乃(めら・あやの)、唯一の中等部生だ。ころころ転んでばかり いるが、急峻な斜面の多い戦場で大丈夫なのだろうか。そもそも北の大地の原生林を延焼させ てしまわないのか心配になってくる。とはいえ、自衛隊や米軍が対処することになれば山肌が 剥き出しになるほど砲弾を撃ち込むことになるだろうし、結局異能者がラルヴァを掃討するの が一番なのだろう。 明日羽は見た目どおりの、先輩風を吹かせることのできる性格らしく、二礼と綾乃とはだい ぶ打ち解けているようだ。質はもうひとつ溶け込めないまま、機中で説明されたことの確認と 基本方針の策定にだけしっかりと参加し、あとはなんとなく時間がすぎるのを待っていた。 選抜メンバーのうちでも特に使えると見込まれた三分隊ほどは、久留間戦隊や政府直属の特 務隊とともにすでに展開しており、封鎖線をラルヴァが突破しないよう監視しているとのこと だった。 ※ AM4:24—— 緯度の高いこの地方は、夏至前後の日の出が異様なまでに早い。すでに作戦開始からは30 分近くが経過しており、覘弥乃里の「位相界の眼〈Ethereal Eye〉」が捉えた目標へ向け、送 信テレパスを介した指示で次々と各分隊が誘導されていく。 工克巳の配属された第十一分隊は、東部側から投入されて、破竹の勢いで突き進んでいた。 ただし、ちょっとうるさかったが…… 「どうしてこの私があんたなんかの指示に従わなきゃならないの!?」 忌々しげに叫びながら、春部里衣(はるべ・りい)がその爪で大々蚊〈ガガガンボ〉をバラ バラにする。体長一メートルほどまで巨大化しすぎたあまり飛ぶことすらできなくなったガガ ンボとかいう、もはや可哀相なレベルに達している虚弱なラルヴァだ。とはいえ草木の汁を吸 って次々と枯らしてしまう、害虫には違いないので、農園に出てくる前に処分する必要はある。 彼女の異能は、猫の身体能力を模倣するというもののようだ。 「私が指令通信の受信係なんだから仕方ないでしょう。べつにあなた個人に命令しているわけ じゃないわ。でも、進路指示には従ってもらいますからね!」 春部の敵意に満ちた爛々たる目を向けられながらも、理知的だが相手の神経を確実に逆撫で する物いいをしたのは、笹島輝亥羽(ささじま・きいは)だった。そういいながら、木刀で大 々蚊を粉砕する。彼女の異能は受けたダメージを二倍以上にして相手に返すというものだそう で、こういう貧弱な相手では能力を発揮しようがない。かといって、危険なラルヴァはたいて いが一発で人間を殺す攻撃力を有しているのでカウンターもへったくれもない。使い勝手はか なり悪そうだ。 それにしても、上層部はなにを考えて仲の悪いふたりを同じチームに入れたのだろうか。そ の上、克巳のみたところ、この分隊は直接打撃戦闘にばかり特化しすぎている。 「ガナル・クロー!」 というかけ声とともに、二匹いっぺんに大々蚊を葬ったのは、どうみても特撮ヒーローのコ スプレをしているとしか思えない人型生命体だった。デミヒューマンラルヴァだといわれたら、 克巳は即座に信じただろう。しかし、彼も立派な学園生だ。木山仁(きやま・じん)というら しい。 特撮ヒーローのような人材が、6人しかいないこの分隊になぜかもうひとりいて—— 「トォヤアァッ!」 額にクワガタムシの意匠が映える、画像をウェブ上にアップデートしたら版権的な問題が発 生しそうな恰好をした大男が、やはり大々蚊をちぎっては投げていた。 その彼、二階堂志郎(にかいどう・しろう)は、7人兄弟妹の中3人がこの討伐隊に招集さ れているといっていた。空手家なので、直立していない蟲相手の戦いはあまり面白くなさそう だ。また、彼の異能は春部センパイのものとは違い、合体相手を必要としていた。まだクワガ タが出るには早い季節なので、相棒を見つけるには相当苦労したようだ。宿舎に帰ってきたの は結局空が白みはじめてからだったか。 「ちぃ、ミヤマなら本州にもいる。もっと珍しいやつがよかった……」 などといっていたところをみると、どうやらひと晩徹夜くらいは問題ない体力の持ち主らし い。いまも空手とはあまり関係のなさそうなパンチや、額の立派な角を使った頭突きで、大々 蚊を蹴散らしていた。 「どうでもいいけどお前はぜんぜん働かないなあ」 キレのいいキックで大々蚊を一匹バラして、錦龍(にしき・りゅう)が克巳へあきれたよう な声をかけてきた。とはいえあまり悪意を感じない。なんでも、異能がないので学園に残った 親友がいるのだという。非戦闘員のカバーは馴れているのだろう。彼も空手部員で、若手のホ ープらしい。そういえば昨夜は二階堂センパイと結構盛り上がっていたようだ。 「おれ、いちおう遠距離担当なんで。近寄ると危ないのとかが出れば役に立ちますよ、たぶん」 最年少らしく、ひかえめな態度で克巳は応じた。いちおう護身用に、グロック17と、魂源力 を流せるように改造した圧電ナイフは持ってきたので、大々蚊くらいは倒せそうだが、いがみ 合う女性陣ふたりがすごい勢いで狩っていくのでわざわざ弾を使う必要もなさそうだった。ガ ナリオン=木山氏も、ときおり手を止めて「もう、あのふたりだけでいいんじゃないかな」と つぶやいている。 30匹はいた大々蚊が全滅するのに、1分少々しかかからなかった。まともな武器を持って いれば一般人でも倒せる弱い怪物とはいえ、いや、だからこそ逃げ惑う大々蚊を追いつめて殲 滅していく速度としては早すぎる。 (怖え、いがみ合う女マジ怖え) 克巳が内心で偽らざる感想を述べたところで、笹島センパイが顔をあげた。 「次の目標は南東700メートル。数は12。いくわよ」 「ふん、私だけでさっさと片づけてやるわ。あんたなんかと1分でも顔を突き合わせたくない」 そういって、春部センパイはしなやかな動きでさっさといってしまう。 「隊列を崩すなといわれてるでしょう!」 笹島センパイは独断専行を咎めながらも、対抗心剥き出しで、遅れまじと駆けっていった。肩 をすくめてから、ミヤマ仮面とガナリオン、錦センパイも続く。周囲はところどころに灌木の茂 る高原地帯で、そんなに走りやすい足場ではない。 「次の機会までに移動用のデバイスを造ったほうがよさそうだな……」 と、身体能力としては十人並以下の克巳は、この先の難儀を思ってぼやくのだった。 ※ ほとんどいじめ状態の第11分隊に比べると、第8分隊の初戦の相手は手強かった。 「——のわっ、あぶねっ!」 弾丸のように突っ込んできた破城飛蝗〈バッタリングラム〉を、敬が得意の太極拳で受け流す。 勢いのベクトルが少々変わるだけで威力はまったく死なないため、怪物飛蝗はそのままエゾカラ マツに衝突して、その幹をぶち折った。体長1.5メートルもある上に、やたらとデコっパチな 面構えをしている蟲だ。 サイドステップで一匹の側面を取り、跳びかかろうとたわめはじめていた右の後肢を斬り飛ば しながら、明日羽が警告を発する。 「そいつの頭突きをまともにくらえば軽トラックくらいは一発で横倒しになる、気をつけて!」 右のバネだけを失った破城飛蝗は、明後日の方向へすっ飛んでいった。 「なにその交通事故。めっちゃヤバいじゃないっすか」 そういいながら、二礼は敬を盾にする。 「おい、俺の真うしろはかえって危ないぞ。もうそのくらいわかってるだろ」 「ちゃんと『捌き』ができれば横に逸らすこともできるはずっすよ」 「……軽トラ横倒し級の勢いを横にズラせるわけないだろ」 「いい機会だから挑戦してみたらどうっすか?」 などと掛け合いをしている、仲の良いふたりを遠目に、質は綾乃のかたわらに陣取っていた。 貴重な支援火力の遣い手を護衛している、というわけではない。ただ単に彼女の発する炎を恐れ て破城飛蝗が近寄ってこないからであって、要するに二礼が敬を盾にしているのと状況的には変 わらなかった。これが夜間であれば、飛んで火に入る夏の虫、の言葉のとおりにガンガン突っ込 んできて、たいへん危険なことになっていただろうが。 「重換先輩、でしたっけ? すごく、情けない図式だと思うわけですが」 左手に火焔をまとわせ、突撃体勢を取ろうとする破城飛蝗を牽制しながら、綾乃が質へ遠慮な い声を浴びせる。 質にとってはべつにショックな科白でもない。 「わたしのことは戦力外だと考えてくれていいよ」 「はぁ……。私の憧れの先輩に、ものすごく強くてカッコよくてキレイなかたがいるんですけど」 「うん、わたしはそういうのじゃないから。……待った、撃たないでいい」 「なんでです?」 こちらへ突っ込むのをあきらめたか、横を向いた破城飛蝗へ、火焔弾を投げつけようとしてい た綾乃は、質に制止されて不機嫌そうになった。 それに対し、 「あっちに任せておけばよさそう」 といって質は右手を指し示す。 そこには、破城飛蝗をいままさに引き裂いているクマ怪人の姿があった。怪人目がけてべつの 破城飛蝗が頭突きをかましたが、クマ男は左の掌底を差し伸べるだけで砲弾同様の攻撃を受け切 った。そのまま破城飛蝗の頭をつかんで、足元の岩にたたきつける。 死ぬと同時に風化したかのように崩れていくラルヴァでなければ、かなりグロい光景となって いるところだろう。 クマ怪人の正体は、昨日の熱望を本当に果たしてしまった二階堂悟郎だ。クマ牧場から、活き が良くて人なつこい助っ羆がきてくれたのである。二階堂家の異能は融合相手に依存するところ が大きそうで、ヒグマとの合身を果たした悟郎は、もはや柔道技の有無などどうでもいいくらい の強さになっていた。 「ベアー・ハーァグッ!!」 下級ラルヴァとはいえ、小口径の銃弾ならはじき返すこともある破城飛蝗の外骨格が、ベア階 堂の一撃を受けて飴細工のように砕け散った。剛腕がうなるたびに破城飛蝗が引き裂かれ、打ち 砕かれ、たたき潰される。 「強……クマ強……」 鬼神のごときクマ怪人の活躍に、綾乃が茫然とつぶやく。敬と二礼、明日羽も、もはや破城飛 蝗の相手はしていない。とりあえず頭突きしてみる、仲間がやられたらそっちへ向かって頭突き してみる、を身上としている単純な蟲ラルヴァの群れは、レミングスのようにクマ怪人へ特攻を 繰り返し——ほどなく全滅した。 仁王立ちのクマ仮面が、右手を天へと突きあげた。 「うををおおおー! いくぞー、いぃち、にぃい、さぁーん!」 『クマー!!』 完全にテンションマックスのクマ階堂にあわせて、一同で唱和する。質はお義理だったが敬と 綾乃は割とノリノリのようだ。他の人はどうだったのか。 そう思って質は明日羽の様子をうかがってみたが、どうやら次の指示が入っているようだ。殲 滅確認と同時に次のターゲットをまわしてくるとは、司令部はずいぶんと人使いが荒い。 「真西へ1400メートル、3体確認。いくよ!」 『クマー!』 もうクマさんに全部任せておこう——すくなくとも、このときの質はそう思っていた。 ※ 真っ先に突っ込んでいったはずの、春部、笹島の両センパイがいやにしおらしく後続を待って いるから、おかしいとは思ったのだ。 「どうした、並のラルヴァが12匹なら、恐れるほどでもないだろう。そんなに厄介そうなのが いたのか?」 と、追いついたミヤマ仮面志郎が訊ねる。それに対し、ふたりはまばらに細い樹が立ちならん でいる林の一隅を指差した。 「ん……シカの角が転がっているのか。シカは英語でスタッグだ。ちなみにクワガタムシもスタ ッグビートルというな。クワガタ仮面ならまだなんとかサマになるが、シカムシ仮面では台無し だ」 腕を組んでミヤマ仮面がそんなことをいっている間に、あとの三人も追いついてきた。克巳は、 ほとんどガナリオンと錦センパイに両脇から抱えてもらって移動してきた案配だ。とはいえ山道 の700メートルを5分で移動しろというのは普通の人間には無理な話だった。 「シカの角っていうか、毛皮もついているような」 「むしろ中身だけない……」 たしか、シカの角というのは春に抜け替わるはずだよな——と思い出しながら、克巳は観察を 続けた。20センチもない、まだ三つ又になったばかりの、丸みを帯びた角だった。一冬経った 古い死骸ではない。最近ヒグマに襲われたのなら、もっとひどい状態になっているはずだ。毛皮 がきれいに残りすぎている。 まるで、血肉だけが溶けてなくなってしまったかのよう…… 「私たちとラルヴァの反応が完全に重なっているですって!?」 笹島センパイが、送信されてきたテレパスの警告に驚く。 「——上だ!」 錦センパイが叫び、克巳の襟を引っ張って大きく飛びさがる。樹の上から、タタミ一畳ほども ある、ぬめぬめしたものが降ってきた。 「なによこれっ」 「うわ、キモッ!!」 さすがに気持悪いらしく、女性陣ふたりもそそくさと距離を取る。 「ヒルか?」 「なるほど、こいつらがシカをミイラにしていたというわけだな」 ガナリオンとミヤマ仮面は、得心いった、という感じでさっそく攻撃に移ろうとした。 ——が。 地面に落ちたと思ったら、巨大蛭〈メガリーチ〉どもはたちまち半身を起こし、あるいは再び 地上3メートルほどにまで跳ね上がって、その全身でもって押し包もうと迫ってきた。 「まて、ヒルというのはもっと慎ましく動くものだろう!」 巨大蛭の異常な動きに面食らったのか、ミヤマ仮面はあわてて身をひるがえし、結果的にそれ は正解だった。 「ガナル・クロー!」 飛びかかってきた敵を迎撃したガナリオン木山だったが、鋭いカーネリアンの爪をまとったパ ンチは躱されてしまい、巨大蛭に腕に巻きつかれてしまった。 「ぬおっ!?」 とっさに振りほどいたが、そのわずかな一瞬で、ガナリオンの右腕は動きを止めた。 「く、力が入らない。ガナル・スーツはモース硬度七だぞ……なんでデカいだけのヒルに」 「気をつけて木山くん。そいつらは、接触するだけで相手から生体エネルギーを吸い取ってしま うらしいわ!」 おそらく、遭遇したラルヴァの情報を司令部に問い合わせたのだろう。笹島センパイが新たな 情報を伝えてきた。 「接触するだけって……防御力関係なしかよ!」 後退しながら、ガナリオンは感覚を回復させるためか、右腕を振っている。どうやら一瞬しび れただけで、大したことはないようだ。 「おれがやります、みんなさがって」 ようやく出番がきたらしいので、克巳はうきうきと前へ出た。ジャケットの襟元を緩めると、 自慢のデバイスが這い出してきて、左腕へと巻きつく。 ターゲットから除外するのはチームの五名(自滅機能はない)のみ、それ以外の動くものすべ てを攻撃、リミッター・オフ—— 「いけ、〈鋼鉄の毒蛇〉デストロイ・モード!」 克巳が左手を振ると、高周波の唸り声をあげて、〈鋼鉄の毒蛇〉が解き放たれる。後ろ半分の 150ほどの体節を波打たせながら地面の上を素早く滑り、前方半分の回転ブレード、40枚ほ どを展開させる。 すれ違うだけで、二匹の巨大蛭がミンチに変わった。危険きわまりなくとも、基本的には大き くなっただけのヒルにすぎないらしい。 巨大蛭からすれば、金属の塊である〈鋼鉄の毒蛇〉は存在しないに等しい。生きていて、体温 の存在する人間たちのいる方向へ、本能に導かれるまま移動していき、後ろから襲ってくる獰猛 な機械によって次々と裁断されていく。 8匹、9匹、10匹—— 完全自律型の、コントロール不要どころか、遣い手がコントロール不能になっても勝手に動き 続けるマシンは便利なようにも見える。しかしどうしようもない欠点もいくつかあって、主人の 身を守ることを最優先しない、というのはかなり重大な問題だった。ターゲツトと看做した相手 を発見した先から攻撃していくため、その間に主人が後ろでどんな目に遭っていようがおかまい なしなのだ。 そういうわけで、〈鋼鉄の毒蛇〉が11匹目の巨大蛭をコマ切れにしている間に、克巳は12 匹目にすっかり肉薄されていた。克巳と巨大蛭の距離はあと1メートル。対して克巳と〈鋼鉄の 毒蛇〉まではあと13メートル。最後の目標を発見した〈鋼鉄の毒蛇は〉転回したが、そのとき には巨大蛭は粘性のあるマットレスのような身体を全開に広げて、克巳へ覆いかぶさろうとして いた。 「アーク!」 圧電ナイフを鞘から抜いて、克巳が叫んだのはその一瞬後だった。〈鋼鉄の毒蛇〉の頭部ユニ ットと、圧電ナイフの間を青白い電索が結ぶ。閃光に刺し貫かれた巨大蛭は、一度痙攣すると、 そのまま地べたに落っこちた。 稼動限界にはまだ2分ほど残していたはずの〈鋼鉄の毒蛇〉も、勝手に丸まって動きを止める。 「……一発で打ち止めかよ。燃費悪いな」 新機能がきちんと作動することまでは予定どおりだったが、まさか一度使うだけでガス欠にな るとは思っていなかったので、克巳は頭をかいた。非実体ラルヴァ対策に開発したのだが、これ ではあまり頼りにならない。 「ブレードのほうにアストラルコーティングとか、そういうあやしい方面で攻めるしかないのか ねえ」 ぶつぶつと今後のプランをつぶやきつつ、機能停止した〈鋼鉄の毒蛇〉を拾いあげ、ジャケッ トを一度脱いで腹に巻き直す。 と、ようやく克巳は、チームの面々に囲まれていることに気づいた。 「——なんすか?」 「な、なかなかやるじゃないの」 「どうも。でも、これで今日のおれの仕事終了ですから」 「……はぁっ?」 春部センパイは、あきらかに「褒めて損した」という顔をしているが、克巳はおかまいなしに 淡々と事実だけを説明する。 「この装置〈デバイス〉は俺の自前の魂源力でしか動かないんです。チャージ時間は最低3時間。 まあ、3時間経てばもう一度使えるってことではあるんですけど、正直、あと3時間もこの山道 を走りまわったら、体力的な意味でおれがダウンしちゃいます。つまり事実上これで終了です」 「一瞬使える少年なのかと思ったが、やっぱり役に立たない」 「ええまあ、そういうことです二階堂センパイ。この先はまるっきり役立たずなんでよろしく。 いちおう、弾倉一個分だけは魂源力コーティングしてあるのを持ってますけど、中級くらいのラ ルヴァにも弾が通るってだけで、威力が上がるわけじゃないんで期待はしないでください」 ずいぶんふてぶてしい態度に映っただろうが、苦戦必死と思われた巨大蛭をほとんどノーリス クで始末できたのは克巳のおかげであることは認めないわけにもいかないようで、皆それ以上は なにもいわなかった。 ガナリオン木山氏がちょっとだけあらぬ方へ目を泳がせていたような気がしたが、その理由を 克巳が知るのはもう少し先のことである。 前へ 次へ インターフェイスページへ トップに戻る
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「これで世界はワシのものじゃ!」 本名:アルバート・W・ワイリー(Albert W. Wily) 出身地:アメリカ 年齢:57歳(『ロックマン&フォルテ』) 好きなもの:恐竜、怪獣、世界征服 嫌いなもの:乗り物酔い、負けを認めること 最終学歴:ローバート工科大学電子工学科卒業 趣味:卓球 + 担当声優 青野武 『8 メタルヒーローズ』『バトル&チェイス』『スーパーアドベンチャー』『ロックマンロックマン』『X4』 梅津秀行 『11 運命の歯車!!』 石森達幸 『2・ザ・パワーファイターズ』 緒方賢一 『日本上陸』『星に願いを』『未来が危ない』 坂東尚樹 『DASH 鋼の冒険心』 長克巳 『エグゼ』『エグゼ 光と闇の遺産』『エグゼ トランスミッション』 梅津氏は『エグゼ』のアニメ版でワイリーマニアのガウス・マグネッツを演じている。 『ロックマン』シリーズの登場人物。 悪の天才科学者であり、同シリーズで度々ラスボスまたは黒幕を務めている。 名前の由来は、悪い→わるい→ワイリーではなく、英語の「WILY(ずる賢い)」。かのワイリー・コヨーテと同じである。 モデルは『鉄腕アトム』の天馬博士や、実在の科学者アインシュタイン説がある。 また、上記のフルネームが『バイオハザード』シリーズに登場する「アルバート・ウェスカー」と名前が類似しており、 その為ウェスカーの名前はワイリーに由来するという説も存在する。 彼の目標は世界征服であり、自分を認めない世間の鼻をあかして己の天才ぶりを知らしめるのが目的である。 ロックマンシリーズの大体の流れは、ワイリーが世界征服を企む→ライト博士の作ったロックマンが阻止→土下座して逃げる→ワイリーが世(ry という事の繰り返しで、世に言うアンパンマンとばいきんまんのようなストーリーである。 好きなものは恐竜や怪獣で、それらをモチーフにしたロボットを作るのが子供の頃から夢だったという。 所謂かまってちゃんジイさんではあるが、こんな彼でも若い頃はロボットが大好きな超エリート学生であった。 ライト博士の良き友人として活動し、ローバート工科大学(恐らくハーバード大学が元ネタ)を成績2位で卒業。 彼の研究者としての実績は、ノーブル物理学賞ノミネート、世界技術大賞銀賞、LITマニュアルデザインコンテスト5年連続準優勝と目白押し。 しかしワイリーはこれだけ実力を評価されても、ちっとも嬉しくなかった。 それは大学の同級生であったライト博士が、全てにおいてワイリーの成績を上回っていたからである。 ワイリーの上記の実績が軒並み銀メダリストである理由は、同じく参加していたライト博士が金メダリストだったから。 ワイリーが銀賞を取ればライトは金賞、準優勝なら優勝、ノミネートなら受賞。ちなみに趣味の卓球もライトの方が上手い。そして先にハゲた これによりライトに対して全てにおいて二番に甘んじ続け、 世間に「劣化ライト」の烙印(それでも充分凄いのだが)を押された事を、彼のプライドが許さなかった。 ……彼は大学を卒業後しばらくして行方不明に。再び世の中に姿を表した時は、全世界に世界征服を宣言する悪の科学者Dr.ワイリーとしてだった。 つまりライト博士が同期だったせいで、時代に恵まれなかった故世間に認められなかった天才なのである。 ライト博士こそ全ての元凶、なんて言われたらライト博士にしてみれば言いがかり以外の何物でもないだろうが とは言うものの、提唱する理論がどれも過度に高い理解力を要する物であったのも一因であるため、一概に被害者とは言い難いのも事実である。 + ライト博士の研究者としての評価 ライト博士の研究として公式設定で有名なのは、太陽光エネルギーを取り入れた動力システムである。 これはロックマンの動力炉やロックバスターの弾を製造するために使われている画期的な装置。 しかしワイリー博士はこのシステムを0から作る事が出来なかった。彼は原子力システムを用いた動力炉の製造が限界だった。 彼も後に太陽光エネルギーシステムを採用するのだが、それはブルースを救助した時や、 ライト博士のロボット達を拉致した時に、ライト博士の太陽エネルギーシステムを参考にしたのがきっかけなのである。 このように、ワイリーはライト博士を忌々しく思っているが、ライト博士の技術力を認めている節もシリーズ中で垣間見える。 一方で、ライト博士もワイリーの技術を参考にして自分のロボットに取り入れた事もある。 また、この他にも、漫画やゲーム中にワイリーとライトの仲について様々な設定がある。 有賀ヒトシ氏の『ロックマンギガミックス』では「ロボットに心を持たせる事」が重要であると考えており、 同じような主張を力説して大学の教授に理解されていなかったライト博士に加勢して人工知能の共同研究を完成させた。 また「ロボットがどう生きてどう死ぬかは全てロボットが勝手に決めれば良い」とも発言しており、 ロボットを愛するがゆえに護ろうとするライトと、愛するが故に放任主義に徹するワイリーという対比にもなっている (未来におけるイレギュラーの存在もまた「犯罪」という自由を与えようというワイリーの判断によるのかもしれない)。 池原しげと氏版漫画ロックマンではワイリー博士は自分達のロボット技術を、防衛のために軍事開発にも利用しようと考えたがために、 あくまで平和的な目的以外でロボットを使うのはやめようとしたライト博士と衝突した結果、袂を分かつエピソードがライト博士の口から語られている。 『ロックマンロックマン』では理論が過激でオレ流なせいで、大学の先生達に理解されなかった(追放された)。 そして『ロックマン11』において、大学時代に彼の提唱したダブルギアシステムを危険視したライトにより研究を凍結された事がきっかけで、 ワイリーの研究が過激になっていった事がライトの口から語られた。*2 この際に「例え心を持ったとしてもロボットは人間にとって道具に過ぎない」「力を誇示すれば、ロボットは人々に認められる」と、 彼なりのロボットや社会に対する価値観がうかがえる台詞があると同時に、彼の願望なのか自身の研究の素晴らしさを伝えるパフォーマンスか、 「これを組み込めば、全てのロボットがヒーローとなるのだ!」とも発言している。 そして、そのヒーローの姿にロックマンを重ねているような部分もEDで見受けられるなど、 公式作品としてはかなり具体的にライトとの関係性が掘り下げられている。 このあたりの設定の正確な統一はされていないが、とにかく「異端児」という扱いだったようだ。 余談としてロックマンと同じコミックボンボンに掲載されていた『メダロット』のメダロット博士とヘベレケ博士も、 この2人の関係をオマージュしているのか類似点が見受けられるが、 「偶然研究費を手に出来た 偶然人々と意見が一致した 偶然私より評価された」 「それはお前が普通だったからだ 多数派だったからだ それは正しさの証明にはならん」 「機械に自我を持たせるなら彼らが人間に背を向けるかもしれんのだぞ 友人と敵対することになったらおまえはどうする」 など、作風の違いからかワイリーにあたるヘベレケ博士の主張がもっともらしく読者に考えさせるように描かれている (メダロット博士の性格が「人類の可能性」を異様なまでに信じるという点も大きい)。 しかしワイリーは世界征服を企んだものの、ロックマンに阻止された回数は数知れない。 正規ナンバリング以外のシリーズ作品もカウントすると20回以上阻止されている。 世界征服を企む悪役は数あれど、正にネバーギブアップ精神の化身のような高性能お爺ちゃんである。 最初は純粋に世界征服が目的だったが、『9』辺りからロボットの味方として人間への復讐にシフトしているような気もする。 計画を全て潰すロックマンも凄いが、毎回あの手この手で作戦を立てるワイリーも大概である。 サッカーもやるしレースもやるし、手段を選ばなさすぎるにも程がある。 + シリーズにおけるワイリーの世界征服作戦の歴史 初代 ライト博士の作ったロボット達を洗脳し世界中で大暴れさせる。暴走を止める条件に世界征服。 2 前回の敗因はライト博士のロボットに頼ったから。今回は自作のロボットで世界征服を狙う。 3 改心したフリをしてライト博士と協力して色んなロボットを開発。そのロボット達を使って反乱。 4 娘のカリンカを人質にとって、コサック博士に世界征服をさせよう。自分は影でコサック博士を操って暗躍する。 5 ライトとブルースのサポートのせいで失敗するんだ。ライトを誘拐しブルースの偽者を作って世界征服をさせれば…。 6 もう黒幕も全部自分でやろう。Mr.Xというどう見てもバレバレだが何故か誰も気付かない仮の姿になって財団を作り、 ワイリー対策として集まったロボット達を操って世界征服。 7 ついに逮捕されちゃったけど、こんな事もあろうかと、部下が助けにくるように準備してたんだ。 8 宇宙から落ちてきた不思議な悪のエネルギーを手に入れたぞ。これで世界はワシのものじゃー! 9 処分されそうになったロボット達を助けて恩を売り、人間に復讐するように仕向けよう。 元々はライトが設計したロボットだから濡れ衣を着せてやれば……。 10 ロボットが病気になるインフルエンザを発見したぞ。世界中に流行させれば、ワクチン欲しさに皆が従うだろう。 11 大学時代に研究していた禁断の装置を完成させたぞ。これさえあれば世界はワシのものじゃー! 外伝なども含めると、 W1,3,4,MW 対ロックマン用に設計した特別なロボットで返り討ちにしてやる。 W2 ロックマンのせいでいつも負けるんだ。だったら未来のロックマンを改造すれば最強のロボットが出来るのでは……? 結果、大失敗に終わった上に自分は殺意100%のロックマンに撃ち落とされたが W5 地球外文明製のロボットを発掘したぞ。コイツ達の力があればロックマンなんぞ一捻りじゃー! R F 自分の作ったロボットに寝首をかかれてしまった。上手い事倒してもらってそれから世界征服だ。 B C 世界征服するには資金が必要。レースの賞金を丸々横取りじゃー! PB 以前倒されたロボット達を復活させたぞ。これでロックマンにリベンジだ。 PF ライトの研究所から未知のエネルギーとパーツを盗み、更にロールを誘拐してやった。さあ、どうするロックマン? RB 研究所をたくさん建てて全世界を征服してやる! サッカー サッカー場を占領してサッカーを愛する連中の楽しみを奪ってやろう。 これ世界征服と何の関係があるんだ アドベンチャー 古代遺跡で究極のロボットを発見。『2』『3』のロボット達も復活させ、更には世界中に電磁波を発生させて世界征服じゃー! 大雑把に説明するとこうなる。反省を踏まえてちょっとずつマイナーチェンジしてるあたり哀愁を誘う。 ちなみに『3』では改心したふりをしてライト博士を手伝っていたのに、 パッケージ裏のストーリー解説で「(今回の事件は)ワイリーの仕業なのか?!」と開始前から疑われ…… というかサブタイトルからして『Dr.ワイリーの最期!?』なので最初からバレバレ、 『5』でも「ワイリーステージでは~」と盛大にネタバレをやられていたがプレイヤーからは無問題であった。 『6』なんてどう見ても正体バレバレ過ぎて一周回ってワイリーじゃないのかもと疑ったプレイヤーもいたかもしれないが、 もちろんワイリーがそんな搦め手で来るわけもなく正体はワイリーだった。 ワイリーと直接対決する時のワイリーマシン&ブルーレットワイリーカプセルシリーズもシリーズが進む度に改良され、 ロックマンの弱点を研究し、初期には搭載されてなかった脱出装置、第二段階、飛行移動、ワープなど追加要素が増えていった。 特に『7』のワイリーカプセルは史上最強といわれており、多くのプレイヤーを苦しめた。もうこれだけ生産してればいいんじゃないかな また、計画の度に巨大な秘密基地(通称「実家」)を作るのも恒例で、『10』では宇宙にまで作られた(通称「別荘」)。 他にも小惑星型の宇宙基地を作ったり、島ごと丸々基地に改造したり。1作品に2つ基地を作る事も。いつも最後は壊される運命だけど 突然X財団とか作っちゃったり、どこにそんな金があるんだ、と言いたいが、実は資金繰りに困っている描写が無いわけではない。 『1』のライトナンバーズや『6』のボス達など他人が製作したロボットを、ワイリーが改造して使用するケースは後の作品でも事例があり、 ワイリーが製作したボスキャラや雑魚キャラには、ワイリーが節約&省エネ生活の果てに生まれた経緯のロボットもいる (昔自分の乗っていた自動車を改造して造ったターボマンとか)。 シリーズ全体で見ると、完全ワイリー製のボスキャラロボットは、全体の半分にも満たなかったりする。 そしてワイリーと言えば、最後の対決でロックマンに負けた際のジャンピング土下座である。 土下座をしてロックマンが油断した虚をついて、ワイリーが逃げるのが定番。 もはや様式美と化したこの儀式にロックマンも飽き飽きしており、 『7』では「もうだまされないぞ!」とロックバスターを向け、 『9』では「ワイリー、これを見るんだ!このときから始まって!このときも!このときも!」と、 歴代シリーズ思い出の土下座シーンのアルバムをワイリーにわざわざ見せて説教する始末であった。 このフィルムが後世に残っていてゼロが見たらどう思うだろうか ゼロ「ぶった斬る」 ちなみにこのシーンで映る過去のロックマンのボディの色は、そのシリーズのワイリーマシンに有効な特殊武器を装備している時のもの、 という小ネタが仕込まれている。 AAの「ワイリー!!!!」はあながちネタでもない。 この様式美が災いしたのか、フォルテとの関係は『7』以降悪化している(このような面をフォルテが激しく嫌うようになったため)。 性格は目立ちたがりで、指名手配されているのに資金集めのために自作車でレースに参加したりする。 シリーズ全体で見ると「犠牲を払ってでも策を選ばない外道」になったかと思えば「悪人だがどこかヌけてて憎めない人」になる。 『9』で「この城とともに死ね!」とライト博士の偽者を使ってロックマンを罠にハメたかと思えば、 『10』で風邪を引いた所をロックマンに救助された恩返しに、ロボットインフルエンザのワクチンを土産にし(て病院から脱走し)たり。 本家でもワイリーの本質についての描写は曖昧模糊ではある。 基本的にはどうしようもない下種だが根は邪悪一辺倒ではない、と言った所か。 + 漫画作品でのワイリー 有賀ヒトシ氏の漫画では、『メタルハート』でゴミ捨て場を見て人間のやる事なす事に嘆く一方で、 捨てられたおもちゃの電子頭脳をイエローデビルに改造したり、 『復活の死神』ではスカルマンを解放して、事あるごとにコサックの持論とスカルマンへの態度の乖離を突いたりと、 ロボットへの少々歪んだ同情がよく描かれる (ただし、ワイリーがコサックに命令して持論に反するロボットを作らせたのがその剥離を招いた大元の原因である。 そのためワイリーのやった事はかなり悪質なマッチポンプであるのだが…)。 あと、資金難の描写も多くナンバーズ達はいつもエネルギー不足らしい。 コサック博士が書いた本がベストセラーになった事から対抗して本を出版したが大体が返本されていたり、 『ロックマンギガミックス』ではロボット達の中に紛れてレースに出場したりとコミカルな一面も目立つ。 + かっこいいDr.ワイリー 「どう生きて どうくたばるかなんぞはコイツら自身が決めればいいこと!! そのためにこいつらに“心”があるんじゃないのか!!」 前述の通りコミカルな一面が目立つが最終章にあたるスペースルーラーズ編では一貫してシリアスを貫いている。 ライト博士を「何故自分達がロボットに心を持たせたのか思い出せ」と叱咤し、ロボット達への想いを吐露するという、 今まではどうにもコミカルすぎるワイリー博士がイケメンすぎる姿を見せてくれる。 前述の言葉はロールからカットマンへと伝わり、この言葉によりカットマンがある決意を固め、ロックマン復活の鍵となる。 ロックマンが負傷した時にはライト博士と全力で立ち向かい修理を行っている。 「諦めるなライト!!なんとかするんだ!!オレとお前で!!」 「もちろんだ!!オレたちふたりの手にかかれば直せぬロボットなどあるものか!!」 あと、『8』直前の本誌記事ではDr.ライスボートという部下がいる設定になっていて有賀ヒトシ氏のインタビューに答えているが、 その一回こっきりの設定である。 池原しげと氏の漫画ではロックマンの嘆きに「ロボットはワシの野望をかなえるために働けばそれでいい!」、 フォルテが壊される前に撤退したと聞いて「戦闘ロボに心を持たせて失敗だったな!」などと言い放ったりと、 基本的にマッドであるが、『7』では憂さ晴らしに「ワイリーマン」なるゲームを自作して、 ライトロボ相手に無双したりするお茶目な面(ワイリーマンは有賀氏の漫画でも一度台詞に出している)や、 あわやという所をフォルテが、「強くしてもらいたいから」という利己的な理由で助けてくれた際も、 動機に文句一つ言わず、むしろ助けてくれた嬉しさから笑顔で強くする事を約束する義理堅い面も見せている。 また前記のMr.Xの変装の際は、ほぼ同じ髪型(髪質は少し違う)のカツラを被るという謎行動を披露している。 『6』『7』では原作以上にマッドな面が強調され、ロックマンやブルースも躊躇なくバスターを向けるようになってきた。 出月こーじ氏の漫画では常にハイテンションで、フォルテがロックに「最強は俺だが作った人間ならお前の方(ライトの事)が上なのは認める」 と言っているのを聞いてマジギレしたり、バレンタインデーを破壊しようとするなど、これまたお茶目な面が目立つ。 『ロックマン&フォルテ』の冒頭ではメットールに用意させた宣戦布告の原稿に「8度の敗北にもめげず」とあるのを見咎め、 「ワシは一度も負けたとは思っておらん!」と凄まじい負け惜しみを見せた。 ゲームではプレイヤーが戦っている隙にキングの制御を取り戻してラスボスを務めているのだが、漫画では余りの小物っぷりにキングに素で反乱を起こされ、 最終決戦にも来はしたが、洗脳ではなくおだてて取り入ろうとして撃墜されてしまっている。 「世界の嫌われ者番付1位」「恋人にしたくない男・上司にしたくない男10年連続1位」という不名誉な記録を持っているらしい……。 『ロックマン』シリーズ全体で見ると、彼の存在は非常に重要なポジションである。 彼がいなければブルースは死亡していた可能性が高く、フォルテやゼロの誕生も無かった。 Xシリーズでも長らく彼の存在が語られており、ゼロの夢に出てきたり、シグマに巨大ボディを提供するなど裏で暗躍している。 また、『X2』のサーゲスはその断末魔の台詞からサイボーグ化したワイリーではないかと言われている。 『X6』のアイゾックもゼロの事を昔から知っているような素振りで、部下のハイマックスがゼロに倒されてもゼロの強さに喜びさえした (エックスの場合は憤慨する)。 そして、息を引き取る間際に「お前こそが最強のロボットじゃ!」と語りかける等、レプリロイド化したワイリー説が浮上している。声も似てるし シリーズの育ての親である稲船敬二氏は「ワイリー=サーゲス」説に関しては念入りにはぐらかしつつも認めるかのようなコメントをしている。 ただ『X』シリーズにおけるワイリーは回想にせよ疑惑の人物にせよ行動原理は「エックスを倒す事」「ゼロを最強にする事」ばかりで、 世界征服に拘るような様子はなく、目的のためなら他のロボット(レプリロイド)がどうなろうと意に介する様子もない。 このように、後世では生前よりも悪役・大科学者としての印象が強い形で誤解されて伝わっており、 実は当人は意外とおちゃめなジャンピング土下座じじいという事は知られていない。 ゼロに(恐らく)ロボット工学三原則を積まなかったために、ワイリーを上回るマッドサイエンティストを殺す事が出来たのだが、 かつて本人がロックマンに殺されそうになった時(恐らく)三原則を盾に命乞いしたのを忘れたのだろうか。*1 初代シリーズと『X』シリーズや『ゼロ』シリーズの間に何が起きたのかは、重要な部分でありながら明確になっていない。 ライトとワイリーの死、初代ロックマンとエックスの関係、ライトがエックスを作ったのはいつ、何故なのか、 ミッシングリンクが描かれるのを期待された『9』のエンディングでもやっぱり毎度おなじみのジャンピング土下座だった (実はその辺りの詳細が細かく書かれた資料がロックマンゼロコレクションの公式サイトに載っていたが、 サイトがリニューアルされた際に全て削除されてしまった。カプコンがまだ明かすべきではないと判断したのか、全て没設定になったかは定かではない…)。 + 本家以外のシリーズ 本家以外の『ロックマン』シリーズでもワイリーという名前のキャラが登場している。 時系列的にはパラレルワールドと思われる『エグゼ』シリーズでは『4』以外の作品に黒幕として幾度と無く登場。 この世界では本家とは違って善良な人格者であったが、 ネットワーク社会が発展した代償に彼が人生を捧げたロボット工学そのものがないがしろにされたために歪み (技術の共倒れ防止という正当な事情があり、ネットワークとロボットのどちらを優先するかを決める際には、 激しい激論が繰り広げられた事をワイリー自身が明言している)、 この社会を滅ぼす事を目的に、ネットマフィア「WWW(ワールドスリー)」を組織するなどして大規模なネットワーク犯罪を繰り返した。 こちらでは世界観上、ネットナビの以外にも、 究極のコンピュータウイルス「ドリームウイルス」 ネット社会以外に居場所が無い少年を教唆して結成させた過激なネットマフィア「ゴスペル」 バグの積み重なりによって生物的本能を得た初期型インターネット「プロト」 といった電脳上の存在を尖兵として使う事が多いが、 ネットナビをインストールする事でその戦闘力などを現実世界で再現出来るロボット「コピーロイド」を自ら開発するなど、 現実世界でもロボット工学の権威として高い技術力を発揮している。 人物的には、 本家以上に捻じ曲がった性根 余りにも行き過ぎたなりふり構わないやり方(例:無知な子供に嘘を吹き込んで手駒にする) 部下の意見を滅多に聞かないし、粛清も平気で実行する といった数々の欠点から『1』開始以前の時点で部下の離反が絶えず、 ゲーム中では上記の悪辣な面ばかりが非常に目立っているものの、 人格者の面が残っている上に本家同様完全悪とは言い難い人物でもあるため、 それ故に彼のネットマフィアには多くの優秀な人材が彼の人望に惹かれて集まった。 ちなみに、一人息子を設けており、こちらもワイリーに負けず劣らずの悪人っぷりを見せている。 一人息子の方は悪の道に走ったワイリーへの果てしない嫌悪故という、あまりにも皮肉な理由で父と同じ轍を踏んでしまっている。 そのせいか流石のワイリーもこの件に限っては心底から悔いており、正体を伏せた上ではあるものの脱獄してまで彼の更生に奔走していた。 この世界におけるライト博士に当たる人物として、ロボット工学と対になるネットワーク工学の権威である光正博士がいる。 彼とワイリーは親友であり共同研究者でもあった間柄であり、ワイリーは親友である光博士の事も逆恨みする様になってしまったが、 光博士の方は親友が道を踏み外した事を知らず、そして最期まで親友が真っ当な道を進んでいると信じたまま、物語開始以前にこの世を去った。 そして本編ではその孫である光熱斗とロックマンがワイリーに立ち向かうという、本家シリーズを踏襲したストーリー構造になっている。 最終作『6』ラストでは野望が潰えた後にとうとう完全に改心し、その後はネットワーク社会のさらなる発展に大きく寄与したとされる。 『エグゼ』のアニメ版にも登場するが、ゲーム通り悪役だったのは1期まで。 『Stream』以降は浮浪者のような隠遁生活を送りながらも、ディメンショナルジェネレーターやシンクロチップなど人知れず熱斗達に協力している。 曰く「地球が消滅したら旨いものが食えないから」だそうだ。とんだツンデレじじいである。 自身に迷惑をかけた車に、手押し車内に備え付けていたミサイルを放って爆破した事はあるけど。 ちなみに前述の光博士も『BEAST』にて平行世界の別人として登場しているが、そこでは何の因果か本家シリーズでワイリーを演じた青野武氏が演じていた。 『DASH』でも貸しボート屋の経営者として登場。 本家を踏襲した悪役感漂う人相をしているが、性格の方は至って温厚かつ親切である。 『ZXA』では彼をファーストネームからとった三賢人のマスター・アルバートというキャラが登場する。 残りの2人の名前もライト博士、コサック博士の名前から採られている。 アルバートは危険思想を抱きラスボスを務めたが、残りの二人も何やら不穏な態度を見せている。 未来の人達に土下座アルバムを見せたらどんな(ry 『流星のロックマン』シリーズでも、『3』にて彼から名前をもじったと思われるヨイリー博士が登場する。ちなみに女性。 「よい」という名前を意識してか、本家ワイリーとは違い完全な善人。 好々婆然としており、人生経験を重ねてきたものとしてスバルにとって決して軽くはない言葉をかけつつも、暖かく彼らを見守る良き大人である。 現在はニンテンドーDSのwi-fiサービスが終了しているため目にかかる事はないが、wi-fi対戦中に切断行為をすると彼女から説教をもらう事になる。 回数を重ねるとセリフも変化し、彼女の見た目と性格からは考えられない「いい加減にしろよ!」というセリフが出てきて驚いた方もいるのでは (驚かすための演技ではあるが)。 アーケードゲームでは、『ロックマン・ザ・パワーバトル』系の2作にラスボスとして登場する。 内容はロックマンのステージ道中を廃止してボス戦だけになったようなゲーム。 子供向けのゲーセンに設置されてる事が多かった為、ゲーム自体の知名度はいまいち。 『MARVEL VS. CAPCOM』関連では、プレイアブルキャラやボスキャラとしての起用はなく、『MVC1』の背景で登場しただけ。 秘密基地の前で戦うヒーロー達に向かって拡声器でなにやら怒鳴っているが、完全に無視されている。ロックマンにさえ。 この時のワイリーが喋っているボイスすら無く、本当に声が届いていないのかもしれない。攻撃が当たりそうなぐらい近い場所にいるのだが……。 なお、背景にいる時はガン無視のくせに、この時ロックマンは勝利台詞で「どこだワイリー!許さないぞ!」と叫んだり、 オンスロートに向かって「キミはワイリーの巨大メカだな!」と言い放ったり、完全にワイリーのせいだと決めてかかっていた。 おまけにオンスロートを倒すとマグネティックショックウェーブを獲得。この後ワイリーはどんな目に遭わされたのだろうか。 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では、アシストフィギュアとして『7』のワイリーカプセルに乗って登場。 エネルギー弾を放ったり、回転しながら突進して攻撃する。 ガイルなどと同じく撃破可能なタイプのフィギュアで、撃破するとおなじみのジャンピング土下座をする。 ランダムなので実戦で狙うのは難しいが、一応ゼロと同じ場に出す事も可能。 MUGENにおけるDr.ワイリー 海外で複数製作されている。 『MVC1』のワイリー基地も徐庶元直氏が国内で代理公開されている。 + Manic氏製作 Manic氏製作 海外の製作。どこかで見たようなワイリーマシンに乗るワイリーである。 『MVC』シリーズのステージ背景にいたワイリーのスプライトを使用していため、常にスピーカーを持っている。 食らい判定はワイリー本体&メカ含めて全体にある。ボイスは海外の『ロックマン8』から。 改造した特殊なスピーカーで衝撃波や相手の動きを止める弾や電撃や地震を引き起こす。 ハイジャンプは出来るが、基本的に動きはゆったりしている。ゲージ消費技は搭載されていない。 しゃがみ攻撃のスピーカー音波攻撃の判定が強力で(ただし密着されるとスカる)かなりAI殺し。 とっさに逃げられる機動力がないので、遠距離から音波殺しで、近づかれたらフレイムタワーで暴れよう。 + Xardion氏製作 Xardion氏製作 こちらも海外の製作。氏によればβ版との事。 ロックマン・ザ・パワーバトルのワイリーマシンが流用されている。 攻撃手段はパンチボタン3つとチョップボタン3つのみ。 対応しているMUGEN本体のバージョンが最初期あたりのもので、 現在使われているWinMUGENやMugen1.0以降のバージョンでは登録しただけでMUGENが起動せずに強制終了してしまう。 ……と言うのも、今となっては過去の話題だが、MUGENのバージョンアップの歴史上、 それ以前のバージョンとキャラの互換性が無く、それ以前に製作されたキャラは一切使えなくなるという驚愕の更新が行われたことがあり、 このワイリーはそれ以前のバージョンで製作されたのである。 今になっても一部のキャラで尾を引いているmovecontactとmivecontact = 1の仕様変更等とは比較にならない大混乱が起き、 MUGEN1.0の本体更新時におけるキャラ側のバージョンアップ対応も、あの時に比べれば「極わずかな微修正」でしかない。 流石にもう今では大きな影響は残っていないが、あれがMUGEN史上最大の事件と言えたかもしれない……。 + 起動するように改造する方法 defファイルの中のnameとdisplaynameを括弧で括る。 cmdファイルの中のコマンド全てを同じように括弧で括る。cnsファイルの中も同様に。 cnsファイルの中に「var1」というのがあるので「var(1)」に変える。var9も同様に。 helperのnameが括弧で括られていないので括弧を付ける。 「helper1000」という記述を「helper(1000)」に変更する。1000の他にもヘルパーがあるので、cmdとcnsの中を「helper」で全部チェック。 hitdefの「sparkno」を全て「;sparkno」に変更する。(少々乱暴だが) 「AnimExist != 175」のようになっている記述を「!AnimExist(175)」に変更する。コモンステート関連にたくさんあるので全て変更。 「Velocity X」を「Vel X」に、「Velocity Y」を「Vel Y」に、「Position Y」を「Pos Y」に変更する。 ……と、ここまでやれば落ちずに動いてくれる。 色化けを起こしているが、それは別の手段で直す事が出来る。 ここまでやっても前述のように攻撃手段は6ボタン分の基本技のみだが。 ちなみに倒すと爆発してワイリーカプセルで逃亡。土下座は無し。 + NDSilva氏製作 NDSilva氏製作 MUGEN1.0以降専用。MVCのワイリーのスプライトの改変に手描きのワイリーマシンを組み合わせたもの。 原作のプレイアブルキャラに混ぜてもまったく違和感のないレベルに仕上がっており、クオリティは非常に高い。 ミスターXやエイリアンのネタまで組み込まれている。2ラウンド取られるとジャンピング土下座。 後にWinMUGENに対応したバージョンも公開された。性能は同一。 システム面もMVCを参考にしたものになっている。6ボタン式。 仕様上、常時空中に浮いた状態だがしゃがみとジャンプに対応するモーションがある。 全体的に機動力はやや低めだが、その分相手のコンボが繋がりにくいのでバランスが取れているといえる。 戦闘では各種飛び道具やマシンハンドを駆使する。 飛び道具はそれぞれに軌道に癖があり、状況によって使い分ける事が必要。 エリアルレイヴも搭載されており、近距離でコンボを使った立ち回りも出来る。 超必は攻撃範囲が広く、火力も高いものが揃っている。 特殊仕様としてアシストシステムがあり、1ラウンドにつき5回ワイリーロボを呼びよせて攻撃出来る。 ロボの種類はコマンド入力によって変化する(1ゲージ消費)。 また、3ゲージ消費で総攻撃になる。火力は高い。 付属のコンフィグConfig.txtをいじる事でボイス選択(日本語・英語)や各種性能の細かい調整が可能。 デフォルトでそこそこ動くAIが搭載されている。 更にホルン氏製作のAIパッチも公開中。飛び道具やアシストシステムを活かした遠距離主体の立ち回りをする。 videoプラグインエラー 正しいURLを入力してください。 + mabskmk氏製作 mabskmk氏製作 ファミコン版のドットを使って製作されたワイリー。ダウン時のモーションはもちろん土下座。 シリーズに登場した様々なロボットを召喚して戦うという形で、 超必殺技ではワイリーマシンに乗って攻撃したり、 「皆の者かかれー!」 と緒方賢一氏の声で各シリーズのボスロボット(一部手描きのオリキャラ)複数体呼び出して襲わせる。 唯一の生身で戦うワイリーである。 AIも搭載されている。 この他、クッパ大王のクッパクラウンに乗り、炎の弾や伊吹川氏の伊吹萃香を落としてくるワイリーも海外で作られている。 出場大会 第2回遊撃祭 正義vs侵略者!都道府県陣取りゲーム なんでもないテーマ別4on4サバイバル大会 大乱闘!!MUGENタッグマッチ2 宇宙丸ごと大決戦!! 削除済み 正義VS悪【ランセレ】勝ち抜き戦 *1 但しこの三原則、ここで書かれている通り、原典からして「解釈次第で破る事も可能」だと言う事を前提に創作されたネタである。 *2 この時ライトは、「ロボットに対して多大な負荷をかけてしまう事」「悪用された際、人間に対して大きな脅威となり得る」事を、 ダブルギアシステムへ反対した理由として挙げていた。 この事を直接ワイリー本人へ話したり学会で説明したかは直接語られていないが、 「綺麗事では解決しない事もある」とワイリーが憎らしげに発言した事から少なくともそういった説明はされており、 かつワイリー自身もそれらのリスクはある程度把握していたらしい事が窺える。
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テイルズオブジアビス(PS2) ルーク・フォン・ファブレ 鈴木千尋 ティア・グランツ ゆかな ジェイド・カーティス 子安武人 アニス・タトリン 桃井はるこ ガイ・セシル 松本保典 ナタリア・L・K・ランバルディア 根谷美智子 ミュウ 丸山美紀 ヴァン・グランツ 中田譲治 イオン 大谷育江(ドラマCD:釘宮理恵) モース 大矢兼臣 アッシュ 鈴木千尋 リグレット 伊藤美紀 アリエッタ 雪野五月 ディスト 矢尾一樹 シンク 大谷育江 ラルゴ 玄田哲章 インゴベルト6世 長克己 ノエル 中村千絵 ギンジ 細井治 ピオニー・ウパラ・マルクト9世 山崎たくみ ネフリー・オズボーン 鈴木麻里子 アスラン・フリングス 細井治 フローリアン 大谷育江 ゲルダ・ネビリム 鈴木麻里子 テオドーロ・グランツ 岡和男 ノワール まるたまり ウルシー 巻島直樹 ヨーク 渋谷茂 ローレライ 細井治 ファブレ公爵 楠見尚己 シュザンヌ・フォン・ファブレ 堀越真己 ラムダス 三戸耕三 老マクガヴァン 後藤史彦 トリトハイム 木村雅史 ハイマン 白石稔 パメラ 荒木香恵 イエモン 茶風林 スピノザ 中博史 ヘンケン 大西健晴 キャシー 瀧本富士子
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年度 1位 勝数 2位 勝数 3位 勝数 1994 武豊 12勝 南井克巳 11勝 岡部幸雄 9勝 1995 武豊 9勝 松永幹夫 8勝 南井克巳 7勝 1996 横山典弘 9勝 武豊 8勝 河内洋 7勝 藤田伸二 田原成貴 1997 武豊 17勝 岡部幸雄 15勝 松永幹夫 10勝 1998 武豊 14勝 蛯名正義 13勝 横山典弘 11勝 1999 蛯名正義 12勝 河内洋 9勝 横山典弘 7勝 的場均 2000 和田竜二 10勝 岡部幸雄 7勝 的場均 6勝 横山典弘 2001 蛯名正義 7勝 四位洋文 6勝 江田照男 5勝 ペリエ 武豊 - 松永幹夫 2002 武豊 10勝 岡部幸雄 8勝 柴田善臣 7勝 後藤浩輝 福永祐一 2003 蛯名正義 8勝 安藤勝己 7勝 田中勝春 6勝 佐藤哲三 福永祐一 横山典弘 2004 武豊 11勝 横山典弘 9勝 安藤勝己 7勝 藤田伸二 2005 福永祐一 9勝 後藤浩輝 7勝 佐藤哲三 6勝 武豊 藤田伸二 横山典弘 2006 池添謙一 10勝 石橋守 9勝 四位洋文 8勝 2007 武豊 7勝 岩田康誠 6勝 安藤勝己 5勝 小牧太 田中勝春 四位洋文 福永祐一
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年度 頭 タイム 1着 騎手 2着 騎手 3着 騎手 1着馬の父 成績 1994 1 40.6 ノースフライト 武豊 マーベラスクラウン 南井克巳 エルウェーウィン 岸滋彦 トニービン ◆ 1995 1 35.4 ビッグショウリ 塩村克己 イナズマタカオー 南井克巳 エルウェーウィン 岸滋彦 ノーザンテースト ◆ 1996 1 33.5 ニホンピロプリンス 小林徹弥 フジノマッケンオー 藤田伸二 エイシンワシントン 熊沢重文 ニホンピロウイナー ◆ 1997 1 35.0 オースミタイクーン 武幸四郎 ロイヤルスズカ 南井克巳 ヤマニンパラダイス 熊沢重文 ラストタイクーン ◆ 1998 1 33.9 オースミタイクーン 武幸四郎 キョウエイマーチ 松永幹夫 ホッコービューティ 熊沢重文 ラストタイクーン ◆ 1999 1 35.7 キョウエイマーチ 秋山真一郎 ケイワンバイキング 横山典弘 エイシンガイモン 上村洋行 ダンシングブレーヴ ◆ 2000 1 34.3 マイネルマックス 佐藤哲三 タイキブライドル 岡部幸雄 エイシンルバーン 安藤勝己 ブライアンズタイム ◆ 2001 1 32.8 ジョウテンブレーヴ 蛯名正義 メイショウキオウ 宝来城太郎 チェックメイト 藤田伸二 ダンシングブレーヴ ◆ 2002 1 32.9 ジョウテンブレーヴ 安藤勝己 イーグルカフェ M.デムーロ マグナーテン 岡部幸雄 ダンシングブレーヴ ◆ 2003 1 31.9 ローエングリン 後藤浩輝 テイエムオーシャン 本田優 ダンツフレーム 池添謙一 シングスピール ◆ 2004 1 33.0 ローエングリン 岡部幸雄 エースインザレース 池添謙一 サイドワインダー 福永祐一 シングスピール ◆ 2005 1 33.5 ローエングリン 横山典弘 アサクサデンエン 四位洋文 カンパニー 安藤勝己 シングスピール ◆ 2006 3 1 37.2 ローエングリン 四位洋文 マイネルハーティー 幸英明 ラントゥザフリーズ 池添謙一 シングスピール ◆ 2007 8 1 32.2 コンゴウリキシオー 藤田伸二 スイープトウショウ 池添謙一 マイネルスケルツィ 柴田善臣 Stravinsky ◆ 2008 9 1 33.6 カンパニー 横山典弘 エイシンドーバー 福永祐一 コンゴウリキシオー 藤田伸二 ミラクルアドマイヤ ◆
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テイルズオブシンフォニア-ラタトスクの騎士-(Wii) エミル・キャスタニエ 下野紘 ラタトスク マルタ・ルアルディ 釘宮理恵 テネブラエ 大塚芳忠 リヒター・アーベント 浜田賢二 アクア 本多陽子 アリス 金月真美 デクス 陶山章央 ブルート 西凛太郎 ホーク 岸祐二 マーグナー 茶風林 アルバ 千葉繁 フロル 堀越真己 レイソル 加瀬康之 ラナ 引田有美 シュナイダー 滝雅也 ポール 真田アサミ ヴァンガード兵 後藤史彦 ヴェリウス くじら ロイド・アーヴィング 小西克幸 コレット・ブルーネル 水樹奈々 ジーニアス・セイジ 折笠愛 リフィル・セイジ 冬馬由美 藤林しいな 岡村明美 ゼロス・ワイルダー 小野坂昌也 プレセア・コンバティール 桑島法子 リーガル・ブライアン 大塚明夫 クラトス・アウリオン 立木文彦 ユアン・カーフェイ 森川智之 テセアラ王 掛川裕彦 アスカード町長 長克己 イセリア村長 水内清光 ダイク 佐藤正治 ハーレイ 坪井智浩 ライナー 菅沼久義 アルテスタ 竹本英史 アイーシャ 福圓美里 セレス 今野宏美 トクナガ 長嶝高士
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「ドッポ」 呟いたと同時に、意識が猛烈な勢いで引っぱられるのが分かった。これが「東京に戻る」 ことを意味しているのか。ジェットコースターのような激流に成すがまま、意識が呑み込 まれていく。 意識はまもなく再構築され、うっすらと視界が開けてきた。 蛍光灯が並んだ白い天井。胸から下を包む布団の柔らかい感触。頭は枕の上に乗ってい る。体を起こすと白い壁、また自分がベッドに横たわっていることが判明した。 「おう。ようやく目ぇ覚ましたか」 「すげぇな。あの娘がいってたとおりだ」 懐かしい声が二つ、鼓膜を揺るがせる。久しぶりに聞く声だ。 「館長……克巳さん……」 ベッドの横にある丸椅子に、双方とも私服姿で腰かけていた。特に驚かされたのが、師 匠の風体だ。切断されたはずの左手が復活しており、その代わり顔中がケロイドに覆われ ている。 「どうしたんスか……すげぇ火傷じゃないですか」 「なァに、ちょいとしくじっちまってな。おめぇさんの敵討ちと洒落込みたかったが、烈 にオイシイところ持ってかれちまった」 「ちょっと待ってくれよ、館長。俺の敵討ちってのはどういう意味だよ」 「──おめぇはドリアンに単身で挑んで返り討ちにあったんだ。まさか全然覚えてねぇの か?」 まるで身に覚えのない事実を伝えられ、冷えた汗が乾かない。東京での記憶は、ドリア ンを追跡していたところで途絶えている。 「……全然」 「しょうがねぇ奴だな。これでも心配してたんだぜ、なぁ克巳よ」 「えぇ、まったく。今生きているのが奇跡なくらいですよ」 二人が嘘をついているとは思えない。つく意味もない。もし独歩と克巳が偽者で、試練 がまだ続行中だとするなら、記憶の矛盾もどうにか説明がつく。が、百パーセントありえ ない話だ。二人が嘘をついていないと断定するなら、自然と、いや必然的に恐るべき仮説 が生み落とされる。 「冗談だろ……まさか、今までのは全部──」 夢。 結論として、一ヶ月間にも及ぶ加藤清澄の無人島での生活は全て、「夢」という一文字 に集約されるに至った。 残酷すぎる真実。どんなに現実的(リアル)で充実していた内容でも、夢であったのな らば潔く諦めるしかない。分かっているはずなのに、なかなか気持ちの整理がつかない。 もちろん、こんな心境を独歩や克巳と共有するなど不可能だ。バカバカしくて語る気にも なれない。 ふと、克巳が加藤に水を向ける。 「ところで、うちの井上君って知ってるか?」 「え」 知っているも何も、共に戦い、キスまで済ませた仲だ。もっとも夢の中での話に過ぎな いが。それでも彼女の名前を聞いた途端、心臓が激しく胸を打つのが分かった。 「女子部の娘なんだが、ちょっと前にまったく稽古に出なくなった時期があってな。で、 十日くらい前にひょっこり復帰したらしいんだが、そしたら別人のように強くなってたら しいんだな。 まぁそれはさておき、五日前アンタを見舞いに行った時、偶然彼女に会ったんだよ。ん で“どうしてこんなところに”って聞いたら彼女なんて答えたと思う?」 「さぁ」 「“加藤先輩を見舞いに来た”って答えたよ。しかも“詳しいことは話せないが、先輩は 五日後に必ず目覚める”ともな。みごとに当たってたよ」 加藤は脊髄に電流を放り込まれたかの如き衝撃を受けた。 「でも、おまえと井上君って面識あったっけ?」 「えぇと……」少し考えてから、加藤は答えた。「一度もないな」 「だよな。ま、アンタがやられたって報は神心会中に広まったからな(つうか、俺が広め たようなもんだけど)。それで知ったのかもな」 会話も一段落し、再会の喜びを分かち合う加藤と克巳。若い神心会戦士の笑い声がこだ まする。 しかし、なぜか独歩は神妙な顔つきを崩さない。 「親父ィ、どうしたんだよ。色々あったけどさ、ひとまず回復を祝ってやろうぜ」 「加藤よ」 五十五年間で培われた観察眼が、意識を取り戻して間もない患者を鋭く射抜く。 「おめぇ……少し、いやかなり強くなってねぇか……?」 「おいおい親父、どうしたんだよ。だって加藤はずっと寝たきり──」 すぐに克巳も察した。 夢ではあったが夢ではなかった。無人島で毎日欠かさなかった鍛錬と、試練との激闘の 記録は、心と体にしっかりと刻み込まれていた。 独歩、克巳に続き、ようやく加藤も気づく。 全ては紛れもない現実であった、と。 一度気づけば、芋づる式に自覚できる。入院していたにもかかわらず、筋量が増えてい る。会得した数々の術も、今すぐにだって出せる。 歯茎をむき出し、力ずくで加藤を引き起こす独歩。 「よしっ! さっそく退院して、ちょいと手合わせといこうや」 「おいおいおいおいおい」 「いいスよ、館長……。ぶっちゃけ敗けませんよ」 「おいおい、お前までッ!」 あくまで常識人を装う克巳だが、すでに彼の心も決まっていた。 父であり師でもある偉大なる武神と、不可解なレベルアップを果たしたデンジャラスラ イオン。どちらが上か、観戦したい。そして出来るなら、自分も混ざりたい。 「よっしゃ克巳、さっそく院長に手ェ回して、退院の手続き取ってこいや」 「親父にゃあ、敵わねぇなァ~」 「へっ、バカヤロウ、おめぇも好きなくせによ」 「ハハ、バレてましたか……」 こうして、あれよあれよと加藤の退院は実現した。 「ところで、加藤よ」 「あン?」 「おめぇ目ぇ覚ました時、独歩っていってたが、まだオイラァおめぇに呼び捨てされる筋 合いはねぇぜ?」 「え? いや、あれは違うんだよ。館長じゃなく、虎の名前で……」 「虎なんてどこにいるんでぇ」 「いや、どこにっつうか……何でもないス。──ゴメンナサイ」 その後、病院の出口で加藤はある戦友のことを思い出した。 「そういやァ館長。大方末堂の奴もさっきまでの俺みたいに、この病院で寝たきりなんだ ろ? あいつも近いうちにうち起きるから、心配しなくていいぜ」 日が傾き、空が夜を歓迎するために燃え上がっている。公園にほとんど人気はなく、犬 を連れている人や、これから帰社するであろうサラリーマンが、ぽつぽつ歩いているだけ だ。 女性が独り、ベンチに腰を下ろしている。 理由は待ち合わせ。約束はしていない。なのに、彼女が待っている人間は必ずここへ来 るという自信があった。 ベンチはお世辞にも上等とはいえず、ひんやりとした感触が心地悪い。が、たとえ北風 であろうと太陽であろうと、彼女を移動させる力は持たない。 やがてスニーカーが軽快に地面を蹴る音が聞こえてきた。 これだ、と女性の中で直感が轟いた。 「井上」 「先輩」 直感は正しかった。座る女と立つ男、両者の視線が斜線を描いて交わった。 「戻ったぜ」 男が息を弾ませているのは、ロードワークだけが原因ではあるまい。 「道場で会うってハナシだったが、やっぱあそこじゃ色々と目立つからな。と思って来て みたら、やっぱり居てくれたな」 「私も同じことを考えて、ここで待ってました。神心会本部に近くて、再会しやすい場所 といったらここしかないですから」 「敵わねぇなァ……」 苦笑いする加藤に、井上が好奇心を満面に浮かべて問いかける。 「ところで、館長とはどうでした……?」 「え、どうして俺が試合したことを……?」 「分かりますよ。真新しい絆創膏やバンテージが貼ってますもん」 「おまえにゃ空手だけじゃなく、探偵の才能もあるみてぇだな」 ふぅ、と嘆息すると、加藤は独歩との試合結果を報告した。 加藤が手を差し伸べると、井上はその手を握った。 「行くか!」 「オス!」 共に空手を志す雄と雌。彼らの本当の試練は今日を以って開始された。 お わ り