約 344,701 件
https://w.atwiki.jp/mhfbeagle/pages/18.html
プーギーの服素材一覧 白の丈夫な布地 - ガウシカの毛皮3個 ギアノスの皮 2個 雪獅子の毛 2個 なりきりパーツ - 陽光石 2個 トリモチケムシ 1個 竜骨(小) 1個 マカライト鉱石 3個 縞模様の布地 - 上質な毛皮 3個 縞模様の皮 2個 金獅子の黒毛 1個 セッチャクロアリ 2個 緑の布地 - ガウシカの毛皮 2個 雌火竜の鱗 3個 ドスゲネポスの皮 3個 ※射的場高得点による素材作成権利 モフモフ薬 - バクレツアロワナ 3個 獄炎石 1個 火薬草 5個 モンスターの体液 2個 プーギーの服購入素材一覧 ◇空腹の白と赤◇ 必要素材 - 無し コメント - 美味しい匂いが染み付いていそうな服。 赤いスカーフは、 こだわりのワンポイント。 発動スキル - 「ブーブー倹約術」 発動すると、笛とピッケル、 虫あみの壊れる確立が軽減される。 ◇はだかの王様◇ 必要素材 - 白の丈夫な布地 45個 なりきりパーツ 15個 コメント - 王子様気分を満喫できる服。 吸収性も抜群で、肌荒れも心配 いらずの高性能。 発動スキル - 「ブーブー割引き術」 発動すると、家具屋の購入 価格(素材・ゼニー共に)が 10%割り引きになる。 ◇眠りを誘う白◇ 必要素材 - 白の丈夫な布地 75個 モフモフ薬 22個 なりきりパーツ 30個 コメント - まるで他の生物に見えてし まうほど、そっくりな服。 みているだけで眠くなりそう。 発動スキル - 「ブーブー体術」 発動すると、回避とガード時の スタミナ消費が半減される。 ◇緑と黒の衝撃◇ 必要素材 - 縞模様の布地 45個 緑の布地 30個 コメント - 思わず食べてしまいたくなる 可愛らしさと美味しさを兼ね 備えた人気の服。 発動スキル - 「ブーブー異常攻撃術」 発動すると、状態異常攻撃の 属性値が少し上昇する。
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/57.html
「その手に掴むもの」Ⅲ 北国特有の寒風が吹きすさぶ。 地中海の街から見ると比較的若い建都となる街の一角で、コウヒエは今自分が置かれている状況に陥った理由を一つずつ考えていた。 事の起こりは1ヶ月前のセビリアまで遡る。 普段どおりの入港を果たした街中はどこか余所余所しい影を見せながらコウヒエを迎え入れた。 船倉は遠路を事無く運び終えた貴重な香辛料と宝石が満載されている、降り立ってまずは交易所へと足を向けたく思うのが商人としての性ともいえる所だったが、この日に限ってコウヒエはなぜかそれを後回しにしてギルドへと向かった。途中、交易所の前を通り過ぎる時、わずかにその足の動きが止まる。しかし、彼は「まぁ、良いか…」と一言呟くと不思議な引力に引き寄せられるように再び進路を変えずに歩き出した。 コウヒエにとってギルドに特別な用がある訳でも、戻れば報告をする義務もなかったが、今日のコウヒエは迷う事無く歩いていた。 大きな樽の看板が緩やかな風に揺られている。 交易ギルドの建物はセビリアの中央広場から少し東へ向かった所にある数多くの公的機関が密集する通りに一際高くそびえている。 隣国のポルトガルにインド東周り航路の開拓で先を越されてその隆盛は一時より一歩後退したものの、火器類の交易における拠点を押さえた国の方針が更に水をあける事を許さじとその威風たるや堂々と権力を誇示するように通りの真ん中に腰を据えている。 その正面には一切の情報の遮断と力なき者の立ち入りを阻む事を思わせるように黒く大きな扉がしっかりと閉められている。 コウヒエは慣れたように幾人もの手で幾千回、幾万回と開け閉めされて動きのぎこちない扉を開けて建物の中へと入った、途端に商売仲間の誰かに名前を呼ばれた。 「おぉ、コウヒエじゃないか。」 右手を上げて呼びかけに応えて、手招きしているその商売仲間の方へと歩いてゆく。 「久しぶりだな、いつ戻ったんだ?昨日か?今日か?次はいつ出る予定だ?」 「おいおい、何を聞きたいんだ。一つずつにしてくれ。」 一気呵成に押し寄せる仲間の質問に軽く両手を挙げるような格好で宥めようとする。 景気の良い笑い声とともにコウヒエの肩を叩きながら、その男は返答があるなしに関係なく話を進めていく。 「様子から察するに帰ってきてまだ間もないな?」 「そりゃそうだ、つい今しがた入ってきたからな。」 「よしよし、ちょうど良い仕事があるんだ。」 コウヒエは少し面食らっていた、今話しかけてくる男は昔から知っていたが、こんなに忙しい性格をした人物ではなかったからである。 「おいおい。他をあたってくれ、船員達にも俺にも今大切なのはゆっくり休むことさ。」 「お前みたく腕の良い商人じゃないと務まらないものなんだ。」 「なにを煽ててやがる、そういうお前こそぶらぶらしてるなら都合良いじゃないか。」 「そうしたい所なんだがな、俺には先約が入ってるからな。」 「まぁ、ともかくだ。他をあたってくれ…」 「つれない事を言うなよ。働けるうちに働く、儲けられるうちに儲ける。これが俺たちの大鉄則だろ?」 商売仲間の口調は滑らかで、押しの一手でコウヒエに迫ってくる。 ただ、コウヒエも商人としての性かこれまでの経験がそうさせるのか、簡単にうんと首を縦に振る事はなかった。 しかし、同じ商売仲間からの押し売りにも似た頼みに首を横に振ることもせず、曖昧な返事ではぐらかそうと静かな火花がギルドの一角で繰り広げられている。 「ともかくだ、休養をさせてくれ。話はそれからだ。」 「そうか、分かった。酒でも飲みながら話そうじゃないか。」 「なんでそうなるんだ?」 「お前にしかできないからさ。」 「古い殺し文句を使ってきやがって…」 「堅いこと言うなよ。」 そう言って、コウヒエの両肩を持ってくるりとその向きを変えると、何を急ぐのか足早に外へ連れて行こうと背中を押しながら大きな扉へと歩いてゆく。 「あぁ、さっきの話だけど。このコウヒエに置いといてくれ、こいつならきっとやってくれるから。」 背中から予想にない声が聞こえてくる。 「なに?おぃ、まてっ!」 「はいはい。続きは酒場でな。」 コウヒエが発した抗議の言葉は開かれた扉の錆びた音と重なりながらセビリアの街中へと消えていった。 「いったいどういうつもりだ。」 胸の前で組んでいる腕の指が不快感を明らかに示すようにとんとんと二の腕を叩いている。 表情はまだ穏やかなものの、普段に見る口元の笑みは表情から消えている。 そんなコウヒエの様相を意に介さない素振りで商売仲間の男は通りがかりの酒場娘へ注文を次げている。 「そう、肉だ。鶏肉の美味いやつがあっただろう。あぁ、それだ。それからウィスキーを持ってきてくれ。2本が良いな。」 コウヒエはその様子を身じろぎせずじっと見つめている。 注文を終えた男は酒場娘へ愛想を振りまいているが、手馴れた娘はそれをさらりとかわして厨房の方へと消えてゆく。 「ははは、ふられちまったか。」 どこの酒場でも居る陽気な酒飲みのように振舞いながら男はゆっくりと椅子に座りなおす。 「さてさて、なんだったかな。」 あくまでも自分の調子を変えずにようやく2人は向き合った。 「いくらお前でも、アレはやりすぎだろう。」 コウヒエの言葉は冷静を装いながらも語気が荒く聞こえる。 しかし、その言葉が向けられているはずの男はまったく動じることなく口を開いた。 「いやぁ、これはお前にとっても美味しい話なんだ。」 甘く感じる言葉に騙されまいとしてコウヒエは男の言葉を半分疑いながら聞いている。 「そう目くじらを立てるなよ、もしアレならさ、断っても良いんだぜ。」 「あの状況からこの状況で断る事ができるなら、そうしてたさ。」 「お前なら乗ってくれると信じてたさ。」 「今日は殺し文句の安売りか?」 「安く売って損しないなら切れるまで売ってみせるさ。」 男はテーブルに届けられた肉料理を口へ運びながら調子よく打っては響く答弁を続ける。そして、指に残ったソースを味わいながら続けて届いた酒を勢い良く流し込む。 「ふん。で、どんな内容なんだ?」 「それがな…」 汚れた手をナプキンで拭きつつ、男の表情が一変した。 先ほどまでの陽気さは露ほどにも感じさせず、その雰囲気はコウヒエの知る普段の姿だった。 男は一言ずつはっきりした口調で話し続けた。 「ここまで来て言うのも変なのだが、今ここが断る最後のチャンスだ。これから先、俺が口を開けば依頼を受けたとなるぜ。」 「なに…」 「そしてそれは時間にも猶予がない、恐らくお前が経験してきた中で一番辛いものになるかも知れん。」 真偽を確かめようとするコウヒエの視線に負けることなく互いが互いを直視している。 「遠路を越える旅よりも辛い仕事だと?」 「その通りだ。俺はお前の実力を知っているつもりだが、それでも成し遂げられるかは五分と言ったところか、本当に嫌ならこのまま席を立ってくれても結構だが…。」 そこまで聞いてコウヒエは口を噤んだ。 そして、今までの流れを頭の中で整理する。 この男が無理に陽気な振りをしてまで自分をここまで持ってきた事を察するに、事はかなり深刻な事態なのだと理解できる。 それ自体は自分が協力できるなら手を差し伸べたいとも思っているが、ただ、男の口車にのるような今の形が癪に障るようですっきりと返事をできないでいた。 周囲の雑音が消えてしまうぐらいの冷たい静寂がテーブルの上を支配している。 コウヒエは空になっていたグラスにウィスキーを注ぐと、一気に飲み干した。 「東回りの先を越され今こそ自力を見せなければならないイスパニア商人がそこまで言われて易々と引き下がっては名が廃る。面白い、その依頼引き受けてやろうじゃないか。」 我ながら陳腐な口上だと内心呆れ心が溜息をついている。 格好いい言葉を投げてやろうとしたコウヒエのささやかな反抗は平凡なものに終わってしまっていた。 しかし、その言葉を聞いた男は険しい表情を崩さず、コウヒエへ釘を刺す。 「安請け合いと後悔するなよ。」 「受けたからには達成してみせるさ。で、依頼主は誰だ?」 「今はそれを明かすことが出来ない。」 「おいおい、なんだそれは。商売ってのは信頼が基本だろう。」 コウヒエの言葉はどこの誰が聞いても通る理論だった。 交易はもとより、海事にせよ冒険稼業にせよ何につけてもコウヒエの言う信頼という2文字が成り立たなければ何も成しえることができないことは揺るぎない共通事項である。 「決してお前を信用していない訳ではないんだが、先方の方針でな。」 「それで納得しろと?」 憮然とした表情のコウヒエは心の内にある疑問を視線に含ませて相手を睨んでいる。 「しかし、これを受けてくれたという事であらゆる準備はギルドの名で最優先させるから我慢してくれ。」 まだ視線の度合いを戻さないコウヒエ。顎鬚に手をやり再び考えに沈む。 「それは何よりも俺の船を優先させることができるのか?」 「あぁ、ギルドから手を回しておくから大丈夫だ。」 その言葉を聞いてコウヒエの脳裏に一筋の閃光が走る。 「なるほど…そういう訳か。」 難解なパズルを解いたように、掌を打つ。 「どうせ経緯を聞いたとしても返事は同じだろうな。」 問いかける声にはある種の期待が含まれていた。 そして商売仲間の男はコウヒエの期待通りの言葉で返事する。 「まぁな。それより内容なんだがな。」 男の言葉を手で遮るように突き出すと身を乗り出すようにして口を開いた。 「それよりも、酒をもう1本だ。」 険しい表情のままで自らの部屋に閉じこもるコウヒエ。 航路図にコンパスあてながら日数を数えている、しかし試算を何度繰り返しても余裕という文字は生まれそうになかった。 「ふぅ。」 顎に当てた手に蓄えている髭のざりざりとした触感が伝わってくる。 余った片方の手は指を折っては戻す動作を繰り返している。 「やはり安請け合いだったか。」 ギルドの全面的なバックアップの元で2日という異例の準備時間の短さでセビリアを後にしたものの、受けた依頼内容を考えるとスムーズに事が運んで戻ってこれるのが期日前日になる予想に気の晴れる時間はどこにもなかった。 「厳しいってモンじゃないな。お偉方は何を基準にしてんだか…」 コウヒエは自分以外は誰も居ない部屋に居ながらも、問いかけるような口調で小さな愚痴を零す。 彼の頭の中では最終決断が迫っていることに少々の焦りが生じている。 「ベルゲンかオスロか…どちらにせよ期日ぎりぎりか。」 受けた依頼内容は『3ヶ月以内に800の船建材を仕入れてくること』だった。 木材の産地としては北欧がつとに有名で、この依頼を聞けば誰しもが北へ航路を取る事を考えるのが必定で、コウヒエ自身もその一人だった。 ただ、ベルゲンとオスロでは産量が異なり日数的に近いベルゲンはオスロと比べ産出量が少なく仕入れに時間が掛かりそうだった。反対にオスロはどうかと言うと建都して歴史の浅い街ながらもその発展振りは著しく木材の流通に関してはベルゲンを遥かに凌ぐ量を仕入れることができるが、ユトランド半島が作り上げる複雑な海流と東からの強烈な向かい風に到着するまでに日数を要する街だった。 3ヶ月という無理難題に近い内容を無事に達成させるにはどちらへ向かう事が良案であるか出航してから思案しつつも結論を出せず悪戯に時間が過ぎ、船はどんどん北へ進んでいる。 「いっそ今回の場合は間に合わせる事を最優先させると考えて、最良かつ最善はオスロか…。いぁ、もし嵐にでも遭おうなら…。」 手で頭を掻く素振りがだんだんと荒々しくなり、積もる苛々感が度合いを増していることを示している。 「コウヒエ君、ちょっと良いかな?」 若い女性の声がドアの外から聞こえてくる。 「ん?あぁ、どうぞ。」 中へ入ってきた女性はコウヒエを見るなりくすくすと笑いだした。 「なにそれ、寝起きじゃあるまいし不精にも程があるぐらいのぼさぼさ頭じゃない。」 掻いていた手で髪の様子を探るコウヒエ、確かに言われた通り全体があらぬ方向へ飛び跳ねている。 「どうせ、ベルゲンかオスロかなんて悩んでたんでしょう。」 女は腕組みした格好で目の前の茶番劇のような光景を分析している。 「そう。まさしくその通り。」 くるりと身軽に振り返ると勢い良く女性へ向けて指差すようなポーズを決める。 コウヒエのそんな様子を女は薄っすらと笑いを浮かべたまま黙って見ている。 例えようのない静かさが2人の微妙な距離の間に流れている。 この静けさに耐えられないようにコウヒエは無意味な咳払いを2・3度繰り返すと女に背を向けた。 女の足は一定のリズムで床を叩いている。その音がコウヒエへ緩やかな圧力となってのしかかって来る。そして更に追い討ちをかけるように女は口を開いた。 「…まだ余裕のようね。この船の一番偉い人は貴方なんだから、しっかり決断して頂戴ね。」 「フィゲレー、そんなにプレッシャーを掛けるなって。一国の浮沈が掛かる依頼だけにこれほどおもしろい仕事はないんだぜ。」 「はいはい、楽しむのも結構だけどね。私の出番がなくなるのだけはご免よ。」 「精々頑張らせてもらうさ。」 コウヒエは現実を目の当たりにする航路図を片付け始めた。 いくら図面を見たところで船足が速くなる訳もないと多くの地図が収められている箱の中へと投げ入れる。 「そうそう、本題を忘れてたんだけど。」 フィゲレーは組んでいた腕を腰に当てている。 「そろそろ、皆のご機嫌取った方が良いんじゃない。」 「かなりキてるか。」 「優秀な船員ばかりね。黙ってはいるけど腹に抱えてる物はありそうな雰囲気が充満してるわよ。」 原因を作ったのは貴方でしょうと言わんばかりの視線を投げかけるフィゲレー。 その視線を感じていないようにコウヒエは小さくお手上げだという手振りをする、そして、体格に見合った足音と共に扉へと近づく。 「おーい、誰か居るかーい。」 通路に響く声に機敏に反応したのは副官だった。 ばたばたという足音と共に駆け寄ってくる。 「今日は同行してくれてるフィゲレー提督の誕生日だそうだ。倉庫に上等の酒があっただろう。そう、アレだ。今晩はそれを使って盛大にやろうと皆に伝えておいてくれ。」 景気の良い話に副官の返事も勢いが良く、通路を戻る足取りもテンポが速い。 部屋へ戻るコウヒエ。 「宴会か、妥当な解決策を選んだわね。」 「気晴らしには酒が一番さ、どんちゃん騒ぎすればすっきりするだろう。」 「ただし…」 不敵な笑みを浮かべるフィゲレー。 「私の誕生日を変えた代償は高いわよ。」 「ははは、細かい事を気にするな。遅いか早いかの違いじゃないか。」 「その遅い早いが重要なのっ。」 フィゲレーが踏み蹴った床がどんと大きな音を響かせる。 その音に肩を竦めてコウヒエは部屋を出ようとする。 「そういや、副官へ言い忘れた事が…」 「こらっ!まてっ!」 船はヒホン沖を通り過ぎまもなくビスケー湾へ入ろうとしていた。 街へ降り立った一行は無言で同じ場所を目指していた。 その中には引きつった笑いを浮かべた者もいたが、唯一人を除いて余裕を見せる者は居なかった。 比較的穏やかな気候の地中海や1ヤード先でさえ陽炎で揺られそうな灼熱のインドなど暑さに関わる地域での生活が長かったコウヒエ率いる一行の予想を超えた寒さが彼等を襲っていた。 「親父、この店で一番暖かい服をくれっ。」 口々に同じ言葉を発しているが、ノルド語が堪能なのはフィゲレーだけであった為、彼女は街へ降りて早々に本職と関係のない仕事に追われる羽目となっていた。 全ての船員が満足する服装を買い終えるには到底1軒の店で終わるはずもなく、フィゲレーが率いるコウヒエ一行は町中にある防寒着を扱う店へ入っては我先にと服を買い求め、夕刻になってようやくフィゲレーの第一任務は終了した。 「いやはや、フィゲレーが居てくれて助かったな。」 コウヒエは幾重にも防寒着を重ね着し、万全の寒さ対策が整った事に満足し満面の笑みでフィゲレーへ感謝の言葉を述べる、しかし、その口調にフィゲレーが食いついた。 「着いて早々にこの無駄な時間は何なのかしら。遊ぶ時間なんてないんでしょ?」 「さすがに北国は寒いね、こうやって着込まないと上手く商売できないだろ。」 「そういう事じゃなくて、なんで用意しておかなかったのと言ってるの!」 「いや…まぁ…急いでたしな。」 元来大きな体格に加え買い求めた防寒着で着膨れた体格を小さくしている。 「大体ねぇ。アンタは計画性ってものがないのよ!こっちへ来るってのに軽装だし。」 コウヒエはフィゲレーへ背を向け、肩を竦めている。彼女からは見られないことを幸いにと口をへの字に結び浴びせられる小言を聞き流そうとしている。 「やれやれ、これなら洋上の嵐を耐える方が随分とましだな…。」 ぼそりとコウヒエの口が呟く。 「なぁに?なんて言ったの?」 「あ…いぁ…なんでもないですよ。」 「なによ、言いたいことがあるならちゃんと言いなさいっ!」 「いぇいぇ、有りがたいお言葉ですね。」 「そもそも今回の件だって、なんの目処があって引き受けたわけ?」 「いぁ~はいはい、フィゲレー様のご尽力は痛み入りますっ。」 いきなりコウヒエは声を張ってフィゲレーの言葉を遮った。 「今は長旅でおつかれでしょう。ささ、景気付けと依頼を完遂できるようにと腹ごなしでも向かいましょう。」 くるりと向きを変えフィゲレーの両肩を後ろから押すように移動し始める。 「ちょっと、どこ行くの?私の話を聞いてるの?」 「ええ、ご高説ごもっとも。それより空腹では戦に勝てないからね、続きはその時に拝聴させていただきます。さ、行こう。」 真新しいファーブーツが路面を踏みしめる、コウヒエはその歩みを留める事無く服探しをしていた最中に見かけた酒場へと向かう。しかし、それまでの道中もフィゲレーの小言が止まることはなく、行き交う人々は聞きなれぬスペイン語に奇異な物をみるような視線を投げかけるのだった。 鮭やトナカイの切り身をバターで炒めることによりこの地方で飲まれるアクアビットのあてとしては最高の料理に変わっている。ただでさえ南ヨーロッパでは出会うことが少ない珍味ともあり、2人が飲み干した酒量は思いのほか早い段階に適量以上へと達していた。 それに酒量が増える度にフィゲレーの機嫌は徐々に回復し、店へ入る前の尖った雰囲気は今は鳴りを潜めている。 「アンタ、良く食べるわねぇ。」 出てくる料理全てが見るに新鮮でコウヒエの食欲はその手をとめどなく動かしている。 「食べないの?これ美味いよ?」 コウヒエの食べっぷりを改めて目の当たりにしては自らの食欲さえもコウヒエの胃袋へ押し込まれてしまったかのような錯覚に陥り、フィゲレーの手はグラスを持つだけになっている。 「相変わらず旺盛な事ね…」 椅子へ斜めに座るようにし、細く伸びた足を組みながらも上体はテーブルに向けている。 頬杖をついて、目の前で繰り広げられる光景をただただ感嘆の眼差しで眺めるフィゲレーはかつて知人に聞いた牛には胃袋が4つあるという話を思い出していた。 「でも、目の前に居るのは人だものねぇ。」 見る見るうちに消えていく皿に盛られた料理の数を数えながら、まだ信じられない光景がいつもより多く飲んでいる酒が見せる幻でないことを自分に言い聞かせている。 ただ、彼女には目の前に座る大食漢に聞いておかなければならない事があり、軽くなったテーブルの上へ再び料理が届く合間を見計らって口を開いた。 「ところで、仕入れ自体はどういう風に考えてるの?」 「なにを?」 「仕入れよ、し・い・れっ!ここまで来て当たって砕けろな計画じゃないでしょうね?」 フィゲレーは大きく身を乗り出し、コウヒエに迫っている。その右手にサラダフォークが握られているのがコウヒエには見えている。 「テ、テーブルマナーは守った方が…ははは」 「その様子を見る限り、また鉄砲状態かしら?」 手に持ったフォークをくるくると回しながら呆れ顔をするフィゲレー。 しかし、コウヒエには仕入れに対する不安を感じさせない表情でグラスを手に持ち、アクアビットをごくごくと大きな音を立てて飲み干した。 フィゲレーはアルコール度数が40度を越える酒を軽く一気のみする様に再び目を疑ったが気を取り直して今後の予定を質問する。 「仕入れにかけられる時間はどれくらいなの?」 コウヒエは人差し指で天井を指すように立てた。 「これだけ。」 「まさか…1日?」 「いぁいぁ、それは無謀の範疇を越えて不可能の領域だ。1週間だな、1週間。」 「で、算段はついてるの?」 「ないと言えばない。あると言えばある。ここの人たちがどれだけ商人か次第だな。」 「なによそれ、結局はなにもないように聞こえるわよ。」 にこやかな表情を崩さずコウヒエは新たに登場した料理へ手をつける。 「どうにかなるだろ。明日に向けてちゃんと食べて英気を養っておこうか。」 「まだ食べる…のね。」 コウヒエは口の中に広がる幸せを感じてにこやかさを越えて満面の笑みへと変わっている。 歯切れの悪いコウヒエの回答が更にフィゲレーの食指が鈍っている。 宵の口が過ぎ、夜の帳が街を覆ってから1時間程が経過した頃、2人は酒場を出た。 ひゅうひゅうと鳴く風があらわになっている手や顔の肌に刺さるように吹き付ける。買ったばかりの防寒着の生地はまだ硬く深々と手を突っ込んだポケットさえも硬い布地が温かみを奪っていくような錯覚を覚える。 フィゲレーと道すがらに別れ白く伸びる吐息を引き連れて宿へと続く道を辿るコウヒエ。 「確固たる勝算はない、しかし負ける算段はさらに持ち合わせてないさ…」 街へ着いた翌朝から行動を開始したコウヒエはフィゲレーを伴い、木材を卸す組合本部へと乗り込み、用意していた口上と共に1つの案件を提示した。 『南地中海で大型の宗教建造物を建造するに当たり上質の木材を求めにきた。容易ならざる事態が押し迫った昨今、我々が求めるのはこれから生きてゆく糧と子々孫々までの安寧であり、主のお導きを得るため各国が国境を越えた協力をしている中、当組合も協力を要請するものである。ただし、脅威は目の前まで到来しておりこれを実現する為に残された時間は数えて少ない状況である。ただ多方面での協力を得ている我々には相応の手段をもってこれに協力をしたいと思い、次の案件を用意した。』 『当日収める分には3倍、以降翌日には2倍、3日より先は1.5倍を持って支払いをその場で行う。』 通訳をしていたフィゲレーはその内容を聞き同じ商人として我が耳を疑った。 だからこそこの提示の効果は覿面だった。 組合の面々は色めき立ちこの案件に飛びつこうとしていた。 ただ、組合のトップはこの美味し過ぎる条件に何か裏があるのではないかと疑いを持っていた。その様子を見たコウヒエはさらに条件を加える。 『もしこの件にご協力を賜れるのであれば、当船への卸値を5%上昇させてもらいたい。』 再びフィゲレーの声が詰まる。 売り交渉ならともかく仕入れ単価の値上げ提示など「安く買って高く売る」商人の鉄則に反するような行為である。ちらりとコウヒエの様子を窺うと、そこにはまるで獲物を仕留めるために身を低く構えるアフリカの肉食獣のような静かな殺気にも似た雰囲気を発しながら周囲の反応を静かに見定めるている。 その条件が意味することを察した組合長は一瞬動揺を見せたが、首を縦に振らなかった。しかし、周囲は組合長の判断にあからさまな不満を見せていた。そして更にそこへつけ込むようにコウヒエは用意していた最後の条件を出した。 『当船はあくまでも木材の用意にあり、協力くださる人全てに当てはまると一言申し上げておきます。』 その場に居た全てが先ほどまでのざわめきを捨てている。組合が立たなくても個人で納品した場合は提示された金額で卸すことができる、コウヒエの言葉はそれを意味していた。つまり生産者はどっちに転がっても儲けが出るという事だった。 居並ぶ面々は組合長がどんな判断を下すのかと視線を集中させている。例えようのない沈黙が部屋を包んでいる。その静寂の中コウヒエは静かに席を立った。 「なかなか結論が出ないようですね。私は伝えねばならない事を全て申し上げたので先に船にてお待ちしておりますが最後にもうひとつだけ。私はこの地の美しさが木々と共にあるということを知っています、なのでこの件については予定している量に達した時点もしくは5日後の日没に失効する事を申し上げておきます。もっともその時点までこの街にいるかどうかは定かでないですが…確かベルゲンも上質の木材が出ると聞いております。」 そう言ってコウヒエとフィゲレーは部屋を出た。 「通訳ありがとうな。」 先ほどとは打って変わっていつもの緩やかな雰囲気に戻ったコウヒエ。 「まさか、買値を上げる交渉なんて…大丈夫なの?」 「逆転の発想だな。」 「私達商人よ。大鉄則を逆転させちゃ駄目だと思うけど。」 「まあな、いつもいつも使える手じゃないな。」 そう答えるとコウヒエは歩いている通りに響くほどの声で笑った。 「ちょっと…声が大きいって…」 「ん?あぁ、すまんすまん…打つ手は打ったし後はのんびりと船で待つか。」 「上手くいくかしら?」 「大丈夫さ。」 意気揚々と港へと進む2人、南ヨーロッパで育った2人には南中を迎えた時刻にもまだ上りきらないように見える日差しに時間の経過感覚を狂わされている。時刻は正午を過ぎ昼支度の為に僅かながら街中に静寂が訪れ、淡く薄雲に化粧された空が寒々しさを一層引き立てている。 「うぅ寒い…。できれば今回だけにしたいもんだな。」 コウヒエが肩を狭めて零す。 「なによ。さっきまでふんぞり返ってたのに、格好悪いシャキッとしなさい!」 フィゲレーに背中を叩かれ慌てて背筋を伸ばすコウヒエ、しかし、路地へ風が吹き抜けると防寒着に首を引っ込めてしまい、再び体を丸くするのだった。 (その手に掴むもの Ⅲ 完)
https://w.atwiki.jp/gangroad-i/pages/197.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (0.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (1.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (2.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (3.jpg) ハイレア ハイレア ハイレア Sレア 獅子神 健吾 獅子神 健吾+ 獅子神 健吾++ [轟音] 獅子神 健吾 攻撃力 2430 攻撃力 2916 攻撃力 3402 攻撃力 4374 防御力 2240 防御力 2688 防御力 3136 防御力 4032 必要戦力 18 必要戦力 18 必要戦力 18 必要戦力 18 県下最大規模のバイクチーム「RODEO DRIVE」の特攻隊長。少なくない数の抗争で、何があろうと退かず常に先陣に立ち続けてきたチームの立役者の一人である。 県下最大規模のバイクチーム「RODEO DRIVE」の特攻隊長。その名の通り、獅子の如き荒々しさで数々の敵を打ち破ってきた彼は、ある時反乱を決意する…。 県下最大規模のバイクチーム「RODEO DRIVE」の特攻隊長。彼に接触してきたのは、某暴力団の女幹部。街を獲るための支援を申し出てきた女の名は…常盤志乃。 県下最大規模のバイクチーム「RODEO DRIVE」の特攻隊長。そして今日からは新生チーム「CRAZY RIDE」初代総長。この街を手に入れる時は来た。 「フン…今すぐ消えろこの雑魚がァ!」 「獲れる…のか?この俺が…街を…!」 「…乗ってやるよ…その神輿になァ!」 「…ついてこいよ。しっかりとなァ!」 売却価格 10900 売却価格 16350 売却価格 21800 売却価格 32700 スキル名:反逆の爆音 効果:虎属性の防 大ダウン
https://w.atwiki.jp/miraclebattle/pages/518.html
カードナンバー レアリティ 色 カード名 コスト 特殊能力 OP01-Ω1 Ω 赤 モンキー・D・ルフィ 8/3 OP01-Ω2 Ω 緑 ポートガス・D・エース 8/3 OP01-Ω3 Ω 白 “白ひげ”エドワード・ニューゲート 8/3 意地 OP01-Ω4 Ω 紫 “黒ひげ”マーシャル・D・ティーチ 8/3 OP02-Ω5 Ω 赤 ロロノア・ゾロ 8/4 OP02-Ω6 Ω 緑 バーソロミュー・くま 8/4 OP02-Ω7 Ω 白 青キジ 8/4 OP02-Ω8 Ω 紫 “神”エネル 8/4 OP03-Ω9 Ω 赤 黒足のサンジ 9/4 OP03-Ω10 Ω 緑 “女帝”ボア・ハンコック 9/4 OP03-Ω11 Ω 白 鷹の目のミホーク 9/4 OP03-Ω12 Ω 紫 金獅子のシキ 9/4 OP03-Ω13 Ω 青 モンキー・D・ルフィ 9/4 OP04-Ω14 Ω 赤 トニートニー・チョッパー 5/4 ミラクル OP04-Ω15 Ω 緑 赤髪のシャンクス 10/5 OP04-Ω16 Ω 白 大将・黄猿 9/5 OP04-Ω17 Ω 紫 ポートガス・D・エース 7/3 OP04-Ω18 Ω 青 不死鳥マルコ 6/3
https://w.atwiki.jp/mhwyumi/pages/429.html
基本性能 攻撃力 属性 皮 枠 会心 スロット 瓶 防御力 大聖 360 雷240 × ◇×5 10% *** 接,強,麻,毒,爆 百獣王 372 雷120 × ◇×5 -10% ④** 接,強 カガチ弓 264 雷330 × ◇×9 15% ①** 接,強,麻+ ジンオウガ弓 324 雷240 × ◇×5 - ②** 接,強 ジャナフ亜種弓 300 雷180 +雷60 ◇×9 20% *** 接,強,麻 ※皮・枠はカスタム強化で解説 激昂したラージャンの弓。 無比なる肉体を持つ者にのみ 引く事が出来る金獅子の弓。 特徴 Ver.13.00から追加された激ラー弓。今回は直接生産なのでふつラー倒す必要無し 物理&属性どっちも高めかつ会心+10%なので覚醒弓作るの面倒って人なら良いんじゃないだろうか 睡眠ビン以外なら使えるので状態異常絡めてダメージ稼ぎ出来るのはマルチだと利点 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/102.html
「GL定例会議(仮称)2009」その2 あっさりと梅田駅へ戻り、ホテルへと向かう。 勧めた甲斐があったというべきか、遠征組の定宿になっているのは気のせいだろうか。 ただ、いつもホテルに合わせて段取りしてくれている幹事さまに感謝である。 ホテルの看板が見える頃、その軒先に見慣れた人影が佇んでいる。 ぷかりぷかりと一条の煙を立ち上らせているのはウォル卿その人だ。 今回、幹事をしてくださった局長の粋な計らいで、宿泊先のホテルが集合場所となった為、以前のように集合予定時間+30分の間ならOKというGLルールも今日ばかりはクォリティを発揮できないようだ。 早速チェックインを済ませ、宛がわれた部屋に荷物を降ろすとすぐにロビーへと戻る。 その一角がGLメンバーで占拠されている。 そこから視線を外し、自動ドア越しに見える屋外の景色には立ち役を変わったかのように局長が煙を立てている。 全員集合まではまだ揃っていない状況を見て、だーす卿と共に道路向かいのコンビニへタバコを求めに歩いたりと時間を調整してみたが、最後の1人が揃わない。 局長が連絡を取ると、梅田地下街を歩いているとの事に対応して宴会場での集合に変更する。 誰かが言った、主役は遅れてやってくるのだと。 A=BなればB=Aという等価方程式を当てはめると、この場合は遅れた人が主役という事か。 なんとも考え抜かれた演出である。 宿から70mほど歩いたビルの地下。 黒色を基調とした中を店員に案内され宴会場へ通される。 先持って用意されていた局長熟案の割り当て通りに各々腰を下ろす。 それから暫くして各々思い通りの飲み物が運ばれてきた。 さすがは局長というべき、今回お世話になる店には熱燗からカシスオレンジに至るまでメンバーの全欲求を満たしている。 「今日のNGワードは『ドラクエ』やからな。おつかれ!」 いつもの3倍以上もある閣下のスピーチを皮切りに宴が始まった。 次々に並べられる料理の数々。 この為に某コーヒーショップでミラノサンドを抜いたといっても過言ではない。 とは言うものの、さすがに1人前は厳しいかも知れないが。 ほどなくして遅れた故の主役こうひえ部長が登場する。 実質2回目の登場だが以前より爽やかさが増した感もある。 「よー来た!」 やはり発せられた剛田卿のお家芸。 互いにがっちり堅い握手をかわしている。 その剛田卿は容姿とは裏腹に食欲はかなり旺盛。 特に野菜に関しては誰よりも箸を伸ばしている感がある。 対面には局長、これこそ準備は万端整ったかにも見えたが 残念な事に噂のアレは復活とはならなかった。 美味い肴に1杯2杯とグラスが空になる回数を重ねつつ 宴は静まることを知らぬ台風のように笑いの渦に包まれている。 開始20分ほど経過した頃にも箸を割っていなかったのは自身のみだったが これもお決まりの恒例行事でもあるし、今回は勅命を受けたと宣言する方も居らぬと安心していた。 しかし、丁度良いタイミングで運ばれてくる料理の為に剛田卿が甲斐甲斐しく取り分けてくれたのは優しさゆえの事だと言い聞かせた。 恐らく30分か40分ほど経った頃だろうか けん卿が賑々しさの陰に隠れるようにひょっこり現れた。 何かと忙しい中、調整に調整を重ねての参加は心から感服する。 空いている席に腰を下ろした先が丁度隣であったので これも良い機会と大イベントに関して何個か尋ねてみたりし 忙中の労いを傾ける。 今回、都合上どうしても遅れて参加になったのが2名 真の主役はまだ登場してないが どのような状況になろうとも先手を打っていたのは局長の細やかな心配り コース料理に加え追加注文も大丈夫との事で けん卿の注文に便乗する。 昼の判断は間違っていなかったと 今日ばかりは飲むだけではなく 箸を動かすこともさほど苦痛ではない。 それでも周囲の半分も口に運んではないが。 けん卿が隣に居るという事で色々と話を聞けたが 更にもう1人声を聞きたい人が居る どうしても参加には至らなかったが 電話ならOKとの事前了承を貰っていたにも関わらず 未だに連絡がない。 業を煮やしたけん卿に促されるまま メールを送る。 1度2度やりとりをした後 未登録の番号を表示しつつ携帯電話が震えた。 一瞬の間を置いて金糸雀を思わせる声が聞こえてくる。 erupepe嬢からだ。 緊張感が電話越しにも伝わってくる。 簡単な挨拶と少々のお話をしたのち これも名物となったケータイ廻しの刑に処す。 誰もが「SEIJIです。」と挨拶するのは混乱させる高等戦術か。 皆、和やかな顔してなかなかのヤリ手である。 ぐるりと1周して手元に戻ってきた頃 エル子の声は緊張と混乱で息を切らしていたようにも感じられた。 約1名「ゴラーーー」と怒鳴ってたのも居たようだし仕方ないとも言える。 冬のOFF参加に積極的な言葉を貰い、僅かな時間ではあったが また1つ願望がかなった。 さて、当然といえば当然かもしれないが あるなら乗らねばという気概で何本目かのお銚子を手に持つ。 初秋もしくは残り夏という時候にも 美味しくいただけるのは燗の優秀な一面だろうか。 手が伸ばせる範囲でしかお酌できない事に若干の歯がゆさを感じるが これも愛嬌と本土の酒を楽しむことができた。 残り時間30分という所で真打が登場する。 SEIJI卿が軽快な挨拶と共に入ってきた。 なんとか1次会に間に合ったとは言え 忙しさが爽やかな顔を濁している。 それだけ急行してくれたという事か。 駆けつけ三杯とは昔から言ったものだが SEIJI卿に関しては酒よりも食事のよう。 さらりと喉を潤した後は飲むよりも何よりも箸を動かしている。 何度見ても換わらぬその姿勢と勢いに圧倒される。 追加注文した「おこげ」を1人でぺろり。 コースでは2~3人分として出てきた「おこげ」料理だったのだが いやはや声にならない感嘆の声を上げるよりない。 人気ある店なのだろうか。 GLの後にも予約が押すという状況のため 定刻ぴったりに終了する。 時計は20時ちょい過ぎ 移動する足取りはまだまだしっかりしている。 このまま解散するとは誰も思わず 商店街というか各種居酒屋が立ち並ぶ通りを歩き 入れそうな店を探す。 これからは完全な手探り勝負。 っとはいかず、前回も使用した某居酒屋チェーン店へ。 食事ノルマ1人2品で飲み放題というプランに乗っかり 今回だけは全くのプラン無し状態で各々思う席へと座る。 またしても下座に位置取り、お通しとして軽い酒を注文する。 この店では兄ルカ・トニが乾杯の音頭を取り2次会が始まった。 さすがはチェーン店の強みというか メニューに載せられている品はどれも肴には最適なものばかり。 中でも気になったのは「どて焼き」 以前のOFF会で通天閣付近をぶらついた時だったか とある店の看板に掲げられているのを見て以来 何か引っかかるものを抱き続けてきた。 串カツ、お好み焼きなど焼き物、揚げ物の類かと想像だけ膨らませてきた。 いずれ口にできる日もあろうと今日に至っていたが まさに僥倖というべき遭遇である。 間もなくして小鉢に注がれた品が目の前に届けられる。 そして、じっとその物体を眺める。 「焼き」と詠っている割には煮込み料理のようにも見える。 どこかの郷土料理に土手鍋というものがあったのを思い出すが 似て非なるものといえる。 見ただけでは味の想像ができない容姿である。 けん卿、ひろっち卿、剛田卿が早速箸をつけるのに習い恐る恐る手を伸ばす。 これがどの等級に位置する味なのか 2択で感想を述べると、美味いに傾倒する味だ。 今回は欲望を叶える機会に恵まれている旅のようだ。 1次会で渦を巻くほど会話をしたにも関わらず この場でも話題が途切れることなくグラスと声帯を枯らしながら時間が過ぎてゆく。 と、そこへ、最後のプリマが合流した。 仕事を終えてはせ参じてくれたレナータ嬢だ。 席に座りざまチラチと皿の盛り具合を確認するとは、流石はOFF会歴戦の猛者と呼ぶべきか。 背筋に嫌な汗を覚えつつも、上座に負けぬよう周りに座る方と話を交わす。 爆発力だけは上座に敵わないが じんわり話し込むのも悪くない。 先ほどの店から数えて何品目だろうか 過去にないほどの食事を取っている。 さすがに山盛りのポテトフライは完食とまでいかなかったが 1食抜けばこんなにも違うのかと我ながら感心する。 2軒目ともなれば食いに関して1名を除けば停滞気味 これも毎回感服させられる 勝手に命名すれば「GL七不思議の1つ」といった所か。 しかし、総員掛かりでどれだけ飲んで話したかシンデレラタイムを迎え 皆、気分良く店を出ることとなった。 1次会、2次会で主だった話題は以下の通り。(時系列無視) 「地元はやはり恋しいか。」 「フットサル批評会開催?」 「ウォッカ!ウィスキー!」 「土蜂の生命力」 「やっぱり大海戦」 「あれれ、日程危ないぞ。」 「全鯖初の偉業へ向けて」 「隠れた宣伝活動DS版」 「合計Lv208とは」 「おめでとう。」 「All100ってできるかな?」 「やる事なーい?」 「気になるお年頃、突撃&撃沈編」 「買って良し、買わなくても良し。」 「皆で幸せになりませんか?」 これらの他にも抱腹絶倒の話題ばかりだったが 笑い声と共に店へ置き忘れてきたようだ。 委細を知りたい方は覚えてる方に尋ねてください。 ホテルへ戻り酒を抜くために熱いめの風呂へと浸かり1日を終えようとした時 机に放り投げていた携帯電話が静かに震えた。 元気な声が響いてくる。 仕事を終え帰宅したばかりのクラ卿だ。 週末が忙しい仕事柄が故に毎回電話での参加をしてくれる。 久方ぶりの声に2人だけで思わず話が盛り上がり 知らぬ間に1時間40分も話し込んでいた。 再び風呂を入れなおし無機質な壁を睨みつつ物思いに耽る。 思えば2桁開催が目の前に迫っている。 対面に座る人がどんなリアルを持っているかも知らず ましてやHNで呼び合う空間であっても 1つの共通項があればこれだけ楽しい時間を共有することができるのかと 毎回感心させられる。 こういう世界に怪訝な目を向ける人も居るが やはりDOLに居て、GLに居て良かったと心底思う。 次回は冬開催予定。 また集まって楽しく過ごせるのを期待しつつOFF会の夜を終えた。 このOFF会で閣下ならびにだーす卿が新たなる称号を授与されたのでお知らせします。 閣下へは「村の長老」 だーす卿へは「壷売り」 が、それぞれ授与されました。(拍手 パチパチ) (おしまい) 『こぼれ話と後日談』 OFF会に参加するとは他に 大阪へ向かう楽しみが他に1つある。 それが地元で入手困難な物品を求めることだ。 今回はガストン・ルルー著「黄色い部屋の秘密」と 小栗虫太郎著「黒死館殺人事件」の2冊 この2人の名を聞いて反応する方は結構な通か否か…。 求めた先は梅田にある大型書店ジュ●ク堂。 OFF会の翌日、早速に足を伸ばした。 店内検索システムを駆使して「黄色…」は在庫があるとの事。 指示に従って2Fの一角へ向かい探す。 数分の後、ガストン・ルルーが並べられている場所を探し当てる。 しかし、目の前には丁度1冊分の空きスペースが… 手元に握られている検索システムのレシートには 「前日まで在庫1冊」の文字が寂しく印刷されていた。 どのような国家的陰謀が働いたのか この事態にさすがの兄ルカ・トニも苦笑いを浮かべるだけだった。 小栗虫太郎に関しては在庫なしとの事で諦めた。 その2日後、無事地元へ帰った後 何も期待していなかった小さな書店で「黄色い部屋の秘密」を発見。 嬉しいやら寂しいやら分からぬ複雑な感情を抱きつつ 定価880円+税を支払った。 あの無駄に費やした労力はなんだったのか…。 (終)
https://w.atwiki.jp/loghorizon/pages/187.html
名称:鷲獅子(グリフォン) レベル:41~69 ランク:パーティー 出現場所:山岳 ◆解説 巨大な獅子の身体、鷲の頭部と羽根、後ろ足を持っている飛行種族の幻想種。体長は2~4メートル程。人間サイズの生物1~2体を乗せて飛行することが可能で、騎乗用として調教されているものもいる。 戦闘能力は亜種や年齢にもよるが、合成竜(キマイラ)に匹敵する。同じ飛行モンスターの中では〈鋼尾翼竜〉《ワイヴァーン》に匹敵する。〈鋼尾翼竜〉のように群れを作ることは無く、〈鷲獅子〉との遭遇は単体もしくはつがいの2匹である場合がほとんど。 アイテム モンスター 用語 冒険者 サブ職業 システム 召喚術師 地名 口伝 組織 クエスト 典災 職業 大地人 ゾーン 種族 妖術師 武士 守護戦士 暗殺者 古来種 施療神官 神祇官 盗剣士 武闘家 事件 吟遊詩人 特技 付与術師 森呪遣い 航界種 ダンジョン
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/40.html
外伝「誓いと絆」(中) アムスがゴールデン・ルーヴェの一員として自らの地位を確固たるものにするまでさほどの時間を要しなかった。それは何よりも彼女の持つ雰囲気と気配りがまるで雪解け水がせせらぐ川に溶け込むような感覚で皆は受け入れていた。アンレーデはその後、彼女と何度か行動を共にしていた中で、同じ生物学者として持つ見識の広さと深さとそれをそれとして見せ付けない立ち振る舞いに感心していた。 バルセロナの地に1人の男がいつもと変わらぬ歩幅を保ちつつ歩いている。季節はまだ暖かくなるには遠く少し襟を立てるような服装で交易所へと向かっている。 彼の元にようやく待ち人来るの報が齎されたのだった。 「ようやく俺本来の仕事ができる。」 そう気負った言葉が自然と発せられる。交易所はいつもイスパニアの商人で込み合っている。この地は商業地としてはその名を知られて居ないものの、工業的に多いに発展し特に地中海での鉄鋼産業の中心地として夙に有名である。 世界情勢が微妙なバランスの元に保たれているものの、火器にかんする需要は天井を知らないばかりに日をまして増加している。そこで、このバルセロナから発せられる様々な火器は北海のそれに対抗するように勢いを伸ばしている。それに乗るかのように街を歩く男性も交易所へと向かっていた。 バルセロナへ真新しく入港した船から1人の女性がトーガを纏い艀を降りてくる。 「さてっと。ケンさんはどこかな…」 そういうなり慣れた足取りで久方ぶりに降り立った街を交易所目指して歩いてゆく。新しい商会に入って目の回るような忙しさに少し足が遠のいていたが、先輩でもあるケンケーンの要望にアムスは再びこの街へと降り立ったのである。 街の面影は何も変わる事無く、重厚な車輪の音を響かせながら荷馬車が往来する様は以前にもまして増えているように思えるが変わらない街角、精製する煙の匂い、立ち並ぶ看板、瞬時に変わる相場を睨みつける各国の仕入れ業者達、そして同国の商人…表面上の変化が少々見受けられても本質は何も変わっていないことにアムスは安堵感を覚えている。 「大体この辺りに居そうなんだけど…」 イスパニア商人でごった返す交易所を見渡しながら待ってるはずのケンケーンを探す。 「どこに居るのかしら…」 「後ろに居るで。」 「え?きゃっ!」 小さな悲鳴と共に不意を疲れた返事に後ろを振り返る。ケンケーンは耳をふさぐような仕草をしている。 「いきなり悲鳴とは…俺が怪しい事やったと思われるやないか。」 「あの状況だと誰だって驚きます!」 少しふてくされた表情でアムスはケンケーンを睨む。 「まぁ、そんなに怒るなって。これは癖みたいなもんだ。」 「性質の悪い癖ですね…」 「そう言うなって。これでも商会内では爽やか系で通ってるんやで。」 「自他共に認めるですか?」 「ん…まぁ、認めてるかなー…まま、それよりアムス先生。今日から指導の程をよろしくお願いしますわ。」 ケンケーンは本来商人上がりの人物であった。程なく軍籍に身を置き数々の戦場を駆け巡ったが「初心に返る」と再び商人としてこの地に来たのであった。 「さて、ケンさん。なにから始めましょうっか?」 「最初から…どうも上手く交渉が進まへんねん。」 「はい、では裏手へ行きましょう。」 アムスはケンケーンを誘導するように雑多する交易所付近を通り抜けた。その先にはアムスが懇意にしている小さな交易所がぽつんとあった。アムスの久々の訪問に店主は両手を広げて歓迎するように挨拶を交わす。 「久々だなアムス。景気はどうだい?」 「それなりよ、マスターが良い話をくれたらもっと上がるんだけど。」 「おや、それはいきなりだな。」 アムスは手際よく交渉を進めていく、途中マスターにケンケーンを紹介する。 「マスター。この人を覚えておいてね、これからしばらく厄介になるから。」 アムスの紹介なら問題ないぞと二つ返事をしつつマスターはケンケーンの肩を叩いて「がんばれよ」と激励する。 次々と帳面を捌いてアムスは2隻に火器類を積み込む手続きをする。商売は信用第一とはケンケーンもかつての商人として十分に心得ていたが、その積み込み量をみてこんな小さな交易所のどこにそんな量を抱えているのかとケンケーンはその場で不思議がった。そんな疑念を抱くパートナーを他所にアムスは全ての手続きを終えていた。 「ケンさん行きましょうっか。」 呆然とするケンを我に返しながら2人は交易所を後にした。 その日を皮切りとしてアムスとケンケーンは小さな交易所と地中海を往復する日々が始まった。 『安く買って高く売る』 交易の根幹はこの一言に尽きる。とかく相場変動に左右される交易業はいかに安く多く蹴るかが勝負の分かれ目とも言えるだろう。さらには珍重されがちな希少種を持ち込めばそれなりのご祝儀相場が迎えてくれる。『欲するところへ欲するだけ』時局を見定めながら時勢の需要に応えていく事が1Dでも多く稼ぐ為の最低スキルでだった。 【パルマ】それは西地中海に浮かぶ小さな港町だ。バレアス諸島のど真ん中に位置しその位置関係からして西から東へ、東から西へと向かう船にとって正に理想とも言える補給港でもあった。それゆえその利権を求めて各国の標的になりやすくその街の持つ複雑な歴史は反面に支配と侵略と統治の繰り返しであった。そんな血で血を洗う過去は脈々と現代にまで続き現在はイスパニアの領土として存在しているものの各国との小競り合いは少なくなく、火器類に関する需要は治まりを知らなかった。 アムスとケンケーンはバルセロナで火器を仕入れると主にそのパルマへと荷を運ぶ。時には暴落している場合もあるが、そんな時には敵国オスマン領にあるチュニスやアルジェへと足を向けることもあった。 「同じ1Dの重さに価値は変わらない。無論、拠点であるパルマへ援助するという事が最大の条件にはなるが、相場が悪ければ何処へでも向かう。」 そう言いながらアムスとの火器交易は時に寄れば1ヶ月以上を有する事もあった。 最初は何ほどの要領を得なかったケンケーンも付きっきりの交易で慣れも感じ、各交易所からの信頼を徐々に勝ち得て仕入を任される領も随分と増えていった。 「しかし、さすがアムスやな。こうやって一緒に行動しててその凄さを実感できるな。」 「そうですか?」 「アムスのお陰で俺も実感できるほどに成長してるな。」 「それはケンさんの実力ですよ。」 「いあ、それはないな。全てアムスのお陰だ。」 売交渉を終えたばかりでパルマの大通りを歩きながらケンケーンは率直な感想をアムスへ伝えている。 「それにアムスがこんなに交渉上手とは…俺の出番が無いな。」 「あははは、交渉というよりお願いしてるだけですよ。」 傍目に見てもアムスの交渉は素晴らしく手際が良かった。馴染みの交易店という事も十分に味方に付け吹っかけや値切りの交渉を長引かせること無く楽々とこなしていた。 「そこら辺のコツもご教授願わねば…」 「うーん。教えるほどの事はないかと思いますよ。」 薄い雲が太陽の光を拡散させて肌寒さを演出させている。2人は昼食の為に適当に目に入った食堂へと入っていった。アムスはトルティーヤをケンケーンはパエリアを注文しとりあえずはとワイングラスを傾ける。 「ケンさん。私はこれからちょっとセビリアへ戻りますね。しばらく1人で頑張ってください。」 「ん?どうしたんや?アムス先生が居らんかったら俺は何もできんやないか。」 「もう大丈夫ですよ。それにちょっとの間だけですから。」 「そうか…何事も練習だな。」 運ばれてきた料理に舌鼓を打つ。 「美味いな…店の風貌からは考えられんな…」 「店の云々は関係ないと思いますが?」 「うん、関係ないが…なかなかイケるぞ。」 「味は確かに一級品ですね…」 アムスはパルマからセビリアへと向けて出航し、ケンケーンはバルセロナへと船首を向ける。このセビリアへ向かう航路がこの後のアムスに最も大きな影響を与えるとはその時誰にも知る由も無かったのである。 久々に1人での活動にケンケーンはアムスから教わった手法に加えて独自の方法を試しながら交易所のマスターと交渉していた。 アムスと共に培った経験は予想以上にケンケーンを助け、アムス嬢の顔分の差し引き分はあるものの本来真面目すぎるほどの彼の態度は各マスターの印象に残るに十分だった。 「ふぅ。なんとかなるもんだな。」 十分な交渉の手応えを得て、積み荷を確保したケンケーンは意気揚々と交易所を後にし船へと戻る。 「おや?あれはアムスの船やな…」 「その通りです。」 「うぉっ!」 背後からの返事に思わず奇声を挙げる。 「やった。ケンさんの後ろを取った~」 「俺の背後を取るとは…」 「この前の仕返しです。」 「恐るべし」 ケンケーンは項垂れる。 「確かに驚いてしまうな…。」 アムスは一杯食わせた事に満面の笑みを浮かべている。 「とりあえず再会でも祝して1杯どうだ?」 アムスを誘って、馴染みとなった酒場へと入る。 「さすがケンさんですね。なんとかなってるじゃないですか。」 アムスは順調なほどにケンケーンが取引をしているのを聞いて感心している。ケンケーンは商会内でも指折りの話し上手で一度口を開くと時間の経過を忘れさせるほどに話題が尽きない。それに加えて柔和な語り口は話を聞く相手にほっとする安心感を与える武器だった。 「あ、ケンさん話の途中ですみません。ちょっと友人が来たみたい…すぐ戻ってきますので。」 アムスは今酒場へと入ってきた1人の女性を見て席を立った。カウンター近くでなにやら話し込んでいるが言葉を聞き取れないケンケーンは目の前のピッツァへと手を伸ばした。 「お待たせしました、ごめんなさい。」 「いぁいぁ、ゆっくりと友人と楽しめたか?」 「えぇ…」 一瞬アムスの顔が曇ったのをケンケーンは見逃さなかった。 「アムス、このピッツァもかなりイケルな。知らんかった。」 察知したそれをおくびにも出さずに普段と同じ口調で話し始める。それに加えてアムスがセビリアへ戻った事に関しても特に詮索するような事はしなかった。 「しっかし、アムスのお陰で随分助かってるわ。顔が広いアムスならではやな。」 「いえいえいえ。ケンさんの実力ですよ。」 「人脈は何事にも替えがたい武器やからな。イザと言うときに頼れるのは信頼する仲間だけや。」 「そうですね。特に最近それを思いました。」 アムスはふとそういうと視線をケンケーンから外した。本人は意識していない所で今彼女が抱える問題を口にしてしまった。 「…結婚か…」 ケンケーンは身を乗り出して、聞きなおす。 「なに?結婚するのか?おめでとう!」 「え?あ、いや…あの…」 この前に座っている男性が作った安心感につい口を滑らしてしまった。 「そうか、それは商会を挙げてお祝いせんとな。」 ケンケーンはこの喜ばしい報に無垢なほど慶んでいる。 「あの…ケンさんお願いが。この事は誰にも言わないでもらえませんか?」 「なぜだ?こんなに喜ばしい事は隠しておいても仕方ないだろう。」 「お祝いしてくれるのは嬉しいんですが…なにか恥ずかしくって。」 耳元を真っ赤にしながらアムスは嘆願の眼差しをケンケーンへ向ける。 「う…そんなに見るな…。しかし…まぁそこまで言われるとな。しかし、トーレスさんには言うとけよ。」 「はい。」 「勿体無いなー。折角の慶び事なのに…」 「やっぱり…恥ずかしいから。」 「よし、俺もレディの頼みを無碍にするほど野暮ではないよ。アムスが皆に知らせるその日まで胸にしまっておこう。」 「ありがとうです。」 「とりあえずは今乾杯するには大丈夫やろ。おめでとう」 「あ、はい。ありがとうございます。」 一方的に攻められる側となったアムスは照れ恥ずかしい気持ちを一杯にケンケーンからの祝辞と質問を受け止めている。バルセロナ酒場の一角はその日夜遅くまで2人が独占し殺気立つ街とは異なる空間を作り上げていた。 一夜明けた窓辺でアムスは広がる景色を眺めている。出来ることならこの話が出た時、商会の皆には黙っておこうと思っていた。いずれ訪れる運命の日、それはこの大海から陸へ上がる日を意味する。誰にも迷惑をかけまいと固く決意したはずだったのに、今思えば、逆に誰かに聞いてもらいたいほどに不安だったのだと確かめる。何も変わらないはずの潮風はバルセロナの港から吹きつけてくる。 「アムス先生っ。今日も指導お願いしますっ。」 部屋のドアをケンケーンがノックする。 「あっ、ちょっ、ちょっと待って…まだ着替えてない…」 「ん?開けて良い?」 「待ってー!」 ドタバタと部屋中を走り回る音が静かな宿に響いていた。 「左旋回!」 漆黒の帆に金色の獅子が映える。 ギニア湾に響く怒号と砲撃音、サンジョルジュから少し東へ向かった沖合いで2隻の船がその命運を賭けて激しく波を蹴っている。 「よし、乗り込むぞ!」 英国の商船に上手く接舷したガレアス船員は一気呵成に飛び移る。 圧倒的多数における白兵戦は何ほどの抵抗を受ける事無く敵船を拿捕するにいたった。 「よし、けが人は各々手当てを。」 副官の伝令が響く。 そしてまだ硝煙の匂いが残る商船の甲板へと足を向けた。 「提督、各準備完了です。」 「ごくろうさん。この船の船員にも手当てを忘れずにな。」 「はっ。」 そう伝えると捉えたこの船の主へと会いに行く。 「イスパニア私掠艦隊F・トーレスである。国の為、当船の積荷を頂戴する。当方で出来うる限りの治療処置は全て行う。貴殿が望むなら街の近くまで牽引するが…」 「ふん…」 数ある商船を襲ってきたがどの船も同じ対応にF・トーレスも慣れてきた。 西アフリカはイスパニアを初めイングランド、ポルトガルの3国の同盟港が点在しその勢力拡大を目論む各国の熾烈な争いが地中海と同じく繰り広げられている。F・トーレスが活動の拠点をインドやカリブからここに移したのは最近とかく五月蝿い連中が西アフリカに集結しつつあるという情報を得たからであった。 同じ態度、同じ返事を背中に浴びながら彼は船室を出た。 「情報とは少し違うな…もっと殺伐としているかと思ったが。」 手応えのない商船への私掠行為は比較的楽で良いものの、絶対的にその数は事前情報から減っているように思えていた。時には数日間全く他国船に出会わないこともしばしばであった。 「よっしゃ、戻ろか。」 ガレアスへ戻った提督は商船を牽引しながらサンジョルジュを目指す。こうやって航行しながらも広く障害物のない広大な海を見ながら次なる標的を探すものの、やはり新たな船は現れることは無かった。 サンジョルジュ近くで商船を切り離し、ガレアスはサントメを目指す。 「しっかし、どうしたもんかな。これだけ数が居ないとな…」 兵装のままで煙草へ火をつける。白けた戦果、襲撃する相手にも困るほどの日々に閉口してしまっていた。 「提督!イスパ国籍らしき船が1隻こちらへ向かってきています!」 見張りの声が船中に響く。 自らも望遠鏡を覗き込み確かに同国の重ガレーが近づいてくる。 「まぁ、慌てるな。船足はさほど速くない…こちらから仕掛けるまでもないだろう。進路はそのままサントメで方向へ。」 一定の距離を保ちながら2隻の船は同じサントメを目指して進んで行く。 「ったく、アレにも困ったもんだ…」 望遠鏡を副官へと投げ渡しながらF・トーレスは船室へと戻っていく。 「おぃ、食事を持ってきてくれ。これから先はサントメまで狩りなしだ。」 港へは同日に2隻が寄港した。 「アムス、降りて来い。」 重ガレーが寄せた先でF・トーレスは声を上げる。 「やはりバレてましたか…」 地中海で活動しているときとは違って甲冑で身を包み、華奢な体つきがその重みで押しつぶされそうにも思えるがしっかりとした足取りで艀を降りてくる。 「当たり前や、船っちゅうのはな同じように進んでいるように見えて提督の癖が出るもんや。」 「そんなの商会長しか分からないですよ。」 ふふっと鼻で笑いながら最後の段を降りるアムスの手をとってエスコートする。 「どうしたんや、こんな所まで。一緒に私掠やるんか?」 「いえいえ、私だと返討が精々ですよ。ただベニン付近にイスパニア商船を襲った海賊がいると聞いて懲らしめにきました。」 「そかそか。」 サントメは特筆するほどの何かがある町ではない。ただ陸沿いの航海をする者にとっては貴重な補給地点でもあり、また近隣の上陸地点は多種多様な宗教と生態系が存在しており拠点とする冒険家も少なくはなかった。地中海からの侵略を受けて久しいこの地は独特の地域言語を有するものの統治下にポルトガル語が浸透し言語に関しては不便さを感じることは少なかったが、やはり食事面にかんしてはなれない者も幾ばかりか居た。 「商会長、少ないですけど料理の材料も持ってきましたよ。」 「なに!」 くるりと反転するF・トーレス。 「フロイラインの料理はセイジの料理とタメぐらいの美味さやからな!」 「煽てても何も出ませんよ。」 「はっはっは、構わせん。是非、ご馳走になりたいのう」 サントメの海岸は多いな笑いと浴びるほどの酒と懐かしい地中海の料理で盛り上がる。 両船の船員も緊張から離れてあちらこちらで酒を楽しんでいる。周囲を気にする事無く大声で話すもの、互いの戦果を語り競う者、まさに乱痴気騒ぎともいえる雰囲気にも集落のないこの地域ならでは許される行為だった。 「いや~楽しいのう。こうやって地中海の料理に出会えるとはのぅ。」 久々の良い料理にF・トーレスも酒を呷っている。こうやって酒を飲むのもいつ以来だろうかとセビリアで飲みなれていたブランデーを口にしながら懐かしむ。 尽きるとも止まない波うち際の喧騒を聞くだけの余裕は近年忘れていた感覚だった。じっくりとブランデーが指先にまで染み渡る感覚を楽しんでいる。 「商会長、お口に合いますか?」 「アムス…めっちゃ美味いで!」 「あはは、褒められてちょっと嬉しいかも。」 「世辞ちゃうからな。どや、ずっとコッチで料理長せんか?」 これ以上にない上機嫌な口調になっている。 「それはセイジさんに悪いからお断りします。」 「そかそか。見てみ、船員もすっかり気を抜いてるわ。」 美味い酒と美味い肴を得た船員達は他に何を得なくとも至福といわんばかりの表情を浮かべている。同じ顔連中だけの食事が続いていた彼らにとって他船との交流が彼らを底なしの胃袋へと変えているようだった。アムスが用意していた材料は見る間に減っていく、しかしそれをも予想していた彼女は同じ宴会を軽く3度は行えるほどの量を用意している。常にある食料をみて船員はまだ食べられるとその勢いを減らす事を止めなかった。 「まだまだ料理はありますよー。みなさん遠慮せずにやってくださいねー。」 紅一点に近いアムスの進めに重低音の返事が返って来る。こうやって進む宴会はアムスの相乗以上の肉と酒が消えたものの夜半越しには殆んどの船員が潰れてお開きとなった。 「ふぅ。」 そこまで酒を飲むほうではないF・トーレスは自らの船室へ戻り、満足した顔を浮かべている。途中、飲みより喰いへと変更した彼は軽く普段の倍近くの量をその体へと消費していた。 「商会長、起きてます?」 「ん?開いてるぞ。」 アムスは甲冑姿から着慣れたトーガへと着替えてトーレスの船を訪れた。これが彼女にできる正装だった。 「どうした?」 部屋へと招き入れる。小さなテーブルを挟んで2人は対峙する。 「この場所には不釣合いなほどの正装だな。」 「えぇ…」 緊張しているのが分かる、言葉が上手く出てこない。手で隠した下で唇が空しく空回りしている。 「えっと…えっと…」 額に滲む汗がそっと耳元へ流れて行く。手が小刻みに震えている。こんなはずじゃなかったと心で反復する。 その只ならぬ雰囲気を察したF・トーレスはアムスの気を殺ぐように席を立つと扉から出て行くと真新しいブランデーとグラスを2杯携えて戻ってくる。それを小さなテーブルに置くと部屋の窓を開ける、涼しい風が僅かに室内温度を下げる。 「何を緊張しているのか知らんが、とりあえずこれで喉を潤してみ。」 さり気ない商会長の心遣いが幾許か彼女の正気を取り戻す。 「あ、ありがとうございます。」 「ん」 再び商会長は何食わぬ顔で椅子に座る。 「えっと、商会長…」 「なんだ?」 「あの…その…なんて言えば良いのか。」 「何を緊張しとんのや。気楽に気楽に。」 ぐっと拳に力を入れて顔を上げる。 「私、結婚しようと思います。」 「!」 さすがにこの言葉にはF・トーレスも酔いが醒めた。 「結婚?誰と?」 「以前よりお付き合いしてた方と…」 良い例えようのない沈黙が2人を包む。 ぐいっとグラスに残るブランデーを商会長が飲み干す。 「そうか、それは喜ばしいことやな。なんで緊張してたんや」 「なんとなく…。」 「照れる事でもないやろ、よし、号令一発皆を呼んでお祝いしようやないか。」 「いや、その。暫く黙っていて貰えないですか?いずれ自分の口から皆へと思っていますので…」 「そうか、そうか。態々それを伝えにここまで来てくれたんやな。」 「えぇ、まぁ。」 「その心配りに感謝する。」 商会長はアムスに頭を下げる。 「商会長!頭を上げてください。」 「アムス…幸せになるんやで。」 「はい、ありがとうございます。」 柔らかに揺れる船体が安堵感をより一層誘っている。 港にガレアスを後にしたアムスの影が伸びる、この決意がこの先に皆との別れになるのだと思うとその足取りはさらに重くなっていた。しかし、商会員としての責務と1人の女性としての幸せを比べることなどできようもない。 「これで良かったのかな…でも、私は…」 俯きがちな顔を上げて高く上る月を見上げる。 「あと少しか…」 (続く)
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/108.html
「Amor torpe」Ⅳ 細い廊下の突き当たりに1階へ降りる階段がある。 この移動の時間が意味を持つのかは是非ともしがたいと重い1歩を踏み出した。 すると向かう先から軽妙に階段を駆け上がる音が聞こえてくる。 酒を呷って上機嫌になった客の1人だろうか。 「あ、ケンケーンさん。こんな時間からお出かけですか。」 廊下の先に現れたのはニュンだった。 「大事な資料を忘れたらしくてな。それより、ここへ抜け出してきて下は大丈夫なんか。」 「手が空いたので、何かお持ちしようと思ったんですけど…。まだ、なにも召し上がってないですよね。」 ピーク時には目も回るような忙しさになるにも関わらず、昼以降ケンケーンの姿を見ていない事をしっかりと把握していた。 もしかすれば、目を離した時に外出しているかもしれないが、気遣ってこの場に居るという事は確かな洞察力だった。 そう考えると、目の前にいる女性はこういう職業に合っているのかも知れないと他愛ない事が頭を過る。 「そうしたいんやがな。この按配やからまたの機会やな。」 鞄と書類を抱えた両手を見せる。 「そうですか…。」 思わず空振りに終わった事にニュンの言葉が少しだけ曇る。 「その心配りだけご馳走になっとくわ。」 ケンケーンは再び階段へ続く廊下を進みだした。 「あ、あの。ケンケーンさん。」 再びニュンにその足を止められた。 (なんとも長い廊下やな…。) ゆっくりと振り返る。 何か緊張したような面持ちのニュンが何かを言いたそうに立っている。 「あ、あの…。その…。今日はいろいろと有難うございました。私は何もお返しできないですけど、せめてお礼の言葉だけでも…。」 肩の力がするりと抜ける。 こうも1日に何度も感謝されては逆に心苦しくもある。 ただ、元気さが何よりもの取り得だと思っていた子がこうも神妙になる姿は思った以上に面食らう所もあった。 「普段一生懸命がんばってる自身へのご褒美やと思っとき。」 そういうとケンケーンはニュンに向かって1歩近付いた。 そしてそのままニュンの右手を取りそこに優しく口づけする。 「え…。」 「あれくらいなら何時でも叶えたるから。またな。」 もっとも、ほぼ立ち尽くしているだけのニュンには次の言葉を発することすらできなかった。 その場にニュンを残したまま、今度は引き止められることなく階段へ足をかけることができた。 1階は大体の客が引けて空いた席が大部分を占めている。 残っている1組の客は小さな賑わいを見せているが、追加する注文もなくいつ帰るのか時間の問題だった。 「おや、ケン坊。どこへ行くんだい。」 片付けに入っていた女将が店内を横切るケンケーンを見つけた。 「女将さん居たのか。丁度いい宿代払っとくな。」 鞄の中から財布を取り出し、本来の宿代とは少し多い銀貨を女将へと手渡す。 「ニュンへの挨拶は済んだのかい。」 「有りがたい事に成り行きに恵まれたんでな。」 「そうかい。あの子の為にもまた来ておくれよ。」 奥で厨房の片付けしている主人に軽く頭をさげて挨拶すると簡単な女将の見送りを受けて店を出た。 新月に近い町の中はどこもが暗く染め抜かれていて、昼間の陽気は欠片すらどの角にも落ちていなかった。 寒々しい足音だけを道連れにしながら港へと到着する。 ずらりと係留された船が不規則に揺れている。 侘しさを増徴させるように肌寒い風が桟橋を横切る。 その中を通り抜けて自らの船まで辿り着く。 掛けっぱなし渡し板をゆっくりと登っていく。 ぎいぎいと無機質な音が波音に混じる。 甲板に着いた時、ちょうど見回りの船員が船尾の方からやってきた。 「見回りご苦労さん。」 しっかりその姿を見回りに見せ付けた後、労いの言葉をかける。 「これは提督。こんな時間にお帰りとは珍しいですね。」 「できるなら戻りたくなかったがな。」 手に持っている書類を重たいという演技をしつつ、船内へ続く扉へと向かう。 「あぁ、そうや。まだ何も食ってないんやが、何か残ってるか。」 「さぁどうでしょうね。」 「期待はできへんか。まぁええ、見回り頑張ってな。」 資料忘れに食事抜きの追い討ちを受けて肩をがっくりと落としながら自室へと向かった。 提督室と書かれた部屋へと入ると、鞄をベッドへ投げる。 そして据え付けられている机の引き出しを検めると、すぐに目当ての資料は見つかった。 「なんでこれを忘れるんかな。」 胸の奥から搾り出すような声で小さくぼやくと、一番下の引き出しを空けそこから酒瓶を取り出した。 2つを机の上に並べ、さらに宿から持ち帰った書類を広げ椅子に腰を下ろした。 気付け薬代わりのブランデーを押し込みグラスをペンに持ち替えた。 「さぁ、やるか。」 その後、全ての書類を仕上げたのは辛うじて夜明けの一番鶏が鳴く前だった。 セビリアを出航して半月、ケンケーンの船はピサの町にあった。 途中、ヴァレンシアとバルセロナに立ち寄ったがセビリアと同じく相場が芳しくなく途中の港を通り越してこの町まで足を伸ばしたのである。 「と言うわけで、積荷は今日中にそちらへ。」 契約書に署名し終えると店主と握手し互いが上手い取引になった事を確かめた。 後ろに控える副官に荷降ろしの指示を出す。 一礼と共に副官は船へと向かった。 ケンケーンはというとお茶が出され、店主との雑談に興じていた。 「ピサの町も変わらず不思議な町やな。」 運ばれたお茶に口をつけながら率直な感想を零した。 「これほど長く隆盛を気付いた町は他にあらへん、町にある建造物はどれも芸術品ともいえる物ばかりや。それにかつてのピサ最高艦隊はどこよりも強く誇り高き艦隊やったな。今は名門ピサ大学を始めとする文化的役割が他を圧倒しとる。美しく強く賢い町や。」 「はは、かつてはの話ですな。トスカーナ第1と謳われたこの町も今はフィレンツェの言いなりというのが実情ですな。」 華やかさに隠された市井の現実を店主が吐露する。 この町の昔話をし始めると何百年も昔、ローマ帝国の時代から語り始めないと始まらない。 東ローマ帝国の造船の要として夥しい数の軍船を帝国に供給した事で知られ、帝国の衰退時期にも機転を利かせ徐々に北ティレニア海の主要港へと変貌し、トゥスキア州の首都と呼ばれた町がついにはピサ共和国として成立する。 11世紀にはイタリアの4大共和国の一角を成しその比類なき海事力によって管理された貿易システムがさらに強固な町を作っていった。 しかし、富国に進むにつれ外的脅威に晒されることも多く、その間で始まった近隣ジェノヴァとの対立は世紀を越え1284年のメローリア海戦でピサ最高艦隊が大敗を喫するまで続いた。 それからは多くの侵略と占領を受け、今はフィレンツェに再征服されその旗の下に従っている。 数多くの犠牲の上に成り立つこの町の歴史を紐解くと栄枯盛衰の縮図をそのままにしたような生々しい町、それがピサだった。 『これは幼少の頃に聞かされた話なのですが…。』 そう切り出す話は、親から祖父から聞かされたかつての栄光話であり、ピサに住む人々の良く知る御伽噺でもあった。 町の歴史や最近の相場や取り留めない世間話など店主との話が予想以上に盛り上がり、小一時間ほど経過していた。 そして2杯目のお茶が終わろうとしていた時、慌しく誰かが店内へ入ってきた。 2人してそちらへ顔を向ける。 若い男が息を切らせて立っている。 「店長、ちょっと…。」 どうやらこの店の従業員のようだった。 呼ばれるままに店主は奥で戻ってきた従業員と何かを話し始めた。 その内容のほどは遠くてうかがい知る事ができなかったが、元より人様の事情に興味あるわけもなくぼんやりと店内に飾られている品々を眺めながら手持ち無沙汰な時間を潰していた。 美術品取り扱いは専門外であったため素人目では価値の程は分からなかった。 ただ好き嫌いの感覚だけで観賞してた。 「なんだって!」 突然、店主の声が響いた。 驚いて声の方向を見ると一瞬、店主と目が合ったが、手を挙げて気にしないで欲しいという素振りを見せた。 ただのんびりとした雰囲気を何となく崩された感じになり、そのまま立ち上がる。 店の奥では神妙な面持ちの2人が難しい顔をしている。 見ているかどうか怪しいと思いつつも軽く挨拶をしながら店の外へと向かう。 その様子を見た店主は慌ててケンケーンを引き止めた。 「ちょっと待ってくれないか。」 店主が奥から戻ってくる。 「ケンケーンさん。あんたの船、空いてるかね。」 なぜか額には汗が滲んでいる。 「いや。来るはずだった船が嵐にあって座礁したらしいんだよ。」 「ほぅ、それは災難やな。」 「そこでだ。もしあんたの船が空いてるなら1つ仕事を請けてもらいたいんだよ。船の修理にどんだけかかるか分からないんでな。物を運ぶだけなんだが先方が期日に煩くってね。どうだろう、助けてはもらえないだろうか。」 ケンケーンは即答を避けた。 心情としては久々のピサの町に来たという事もあり1週間はのんびりと羽を伸ばしたいというのが一番だった。 しかし…。 「信用第一が商人の鉄則やからな。で、どんな仕事や。」 「おぉ、よかった。物は陶磁器なんだ、物が物だけに陸路は使えなくってね。届け先はセビリアだ。向こうへ着いたら管理局近くの交易店へ連絡してくれ。いぁ、助かったよ。」 店主はケンケーンの手を取り安堵の表情を浮かべている。 一方ケンケーンはというとセビリアへのとんぼ返りに複雑な心境だった。 (さて、あいつらに何と説明するか…。) それから港へと戻ったケンケーンは荷降ろしをしている副官を捕まえ事情を説明する。 話を聞いた副官は眉間に深い皺を刻んでケンケーンを睨みつける。 そして大きな溜息を1つ吐き出した。 「お仕事なら仕方ないですけどね。もう少し仕事を選んでもらっても結構ですよ。」 予想通り皮肉たっぷりの台詞が返ってきた。 「そう厳しい顔するんなって、困った時はお互い様やろ。」 「…まぁ、私も雇われの身なので快く働かせてもらいますよ。皆には私から説明しておきますから。」 「そうか、んじゃ物は明日には届くらしいんで色々と頼んだで。」 思ったよりすんなりと副官が首を縦に振ってくれたと、胸を撫で下ろす。 「ただしっ。今回は提督も働いてもらいますよ。荷積みは私がやりますから出航手続きはお願いしますね。」 「分かっとる、分かっとる。これもお互い様やな。」 事の次第と手筈が決まったという事でケンケーンは足早に港を後にした。 そしてその足で役場へと向かうと出航に関わる書類を受け取った。 「ったく、これじゃどっちが提督か分からへんな。」 小言を言う副官の顔が頭にちらつく。 それを振り払うように1・2度頭を横に振ると、その足を大聖堂のある市街地へ向けた。 パレルモ沖でサラセン艦隊を破った事を記念して作られたピサの大聖堂は、町の中でも一際大きい建築物で時の隆盛を忍ばせている。 中の丸天井にはキリストと洗礼者聖ヨハネ、聖母が、他にも玉座のキリストがモザイク画で描かれている。 その圧倒されんばかりの迫力が静かな雰囲気と相俟って一掃厳かな雰囲気を築き上げている。 ケンケーンはぽつんとその教会の真ん中に立って天井を見上げていた。 教会全体に描かれた物語全てを視野に納めようと体を弓のように反らせている。 そして一通り見終わると何も言わず外へ出た。 「立派過ぎるのも息が詰まる。」 外気を深く吸い込みながら港へ向けて歩き始めた。 のんびりする暇はない時ではないとは分かっていても、いまいち乗り気のしない足取りはどこか重たくゆっくりと南へと向かっている。 大きな通りを抜けてファルテローナ山を源とするアルノ川へと辿り着く。 その水面に頑丈な石橋と往来する人や馬車を写しこみながらゆっくりと流れている。 人とぶつからぬよう歩いていると、対岸に小さな教会が見えてきた。 川岸にひっそりと小さく佇むその姿からは先ほどの大聖堂にみられた他を寄せ付けない威厳と威圧感を微塵も感じさせなかったが、小さな尖塔が空に向かって多く突き出ているのがすぐ隣を流れるアルノ川があまりにも優雅と対比して全体の緊張感を損なわせず教会としての意義を保っているように見えた。 小さな教会に見とれつつも橋を渡りきると、再び町の喧騒が匂う通りが始まった。 取りとめもなくただ目的地の港へ向かうだけの足だったが、とある店の前で立ち止まった。 その店は道具屋とも雑貨屋とも形容し難い品揃えの店で言わば何でも屋のような感じだった。そこの店頭に並べられている女性用の髪飾りが妙にケンケーンの目に留まった。 「へい、いらっしゃい。」 立ち止まったケンケーンを見て店の中から店主らしき男が現れる。 「お兄さん、その髪留めが気になるかい。目が肥えてるね、これはジェノヴァの職人の作で今週入ったばかりの品なんだよ。」 売り込み文句の内容が嘘か誠かは定かでないものの、景気の良い台詞だけが並べられる。 「ジェノヴァ?ほんまかいな?」 「ああ、あの町には良い職人が多くてね。しかもこの品は職人のなかでも名人と謳われる人の作だ。この町でもウチでしか扱ってない代物だ。」 「確かにあの町には職人が多いが、この町はジェノヴァとの因縁は浅からぬもんがあるやろ。」 「そりゃあるさ。でも物に因縁なんてありゃしない。良い物は良い、それ以上もそれ以下もないだろう。こっちはそれを生業にしてんだ、町の因縁は別の話さ。」 無理矢理な理屈にも感じたが、確かにこの髪留めは気になる品であることは美術品素人のケンケーンでも分かる。 「で、なんぼまで勉強できんの。」 定価では買わない主義の商売人根性がぱっと表にでた。 店主が指で値段を示した。 「もう1声。」 店主の声に負けじとケンケーンも声を張った。 1つの髪留めの交渉とは思えない十数分の時間をかけ、結局ケンケーンの押し切り勝ちとなった。 これで幾分か上機嫌になると、それからは寄り道をせず船まで戻り書類作りに取り掛かった。 ピサも大きな町ではあるが、書類の数ではセビリアのそれとは全く数が少なく副官の心配をよそに早々と仕上げることができた。 「人間、気の持ちようやな。」 その日の夕食は珍しく仕事が早く終わった事を示すように口が軽く動いていた。 セビリアに到着したのはその日から20日後だった。 各手続きを済ませたケンケーンは再びあの宿屋へ向かった。 「やあ、女将さん。また世話になるよ。」 「もう戻ってきたのかい。今回は早かったじゃないか。」 「そういう段取りになったんでな。」 「そうかい。部屋は空いてるよ。」 女将から鍵を受け取りポケットへ仕舞う。 「それより町が何やら騒々しいけど、なんかあったんか。」 カウンターに腰を下ろして何か飲み物をと催促する。 女将はそれを分かっていてブランデーをグラスに注いでいる。 「何かって、今月末は祭りだからね。町全体がそわそわしてるよ。」 「あぁ、もうそんな時期か。」 セビリアの祭りは町の規模に応じて3日3晩続く盛大な催しで、この時期が来ると町の人間の誰もが浮き足立っているようになる。 ただ、1年の大半を海の上か他の町で過ごすケンケーンはそういう時節的な感覚が薄く聖誕祭でさえ洋上で過ごす事もある。 「今年は参加できそうやな。」 「あ、ケンケーンさん。」 突然、賑やかな声が食堂に響いた。 使いに出ていたニュンが帰ってきた。 「いつ戻られたんですか。今度はいつまでですか。」 明るい声で矢継ぎ早に質問する。 「急ぎの仕事が入らん限り、祭りが終わるまでは居るで。」 「それじゃ、また遊んでもらえますか。」 「構わんで。」 ニュンの笑顔が一層明るくなる。 「ニュン。そろそろ仕込みを手伝っておくれ。」 厨房から女将の声が聞こえる。 「はーい。あ、ケンケーンさん、私今お料理の勉強してるんですよ、いつか食べてくださいね。」 ぴょんぴょんと飛び跳ねるような足取りで厨房へと入っていった。 あっさり1人になったケンケーンはグラスの酒を飲み干すと2階の泊まり部屋へ向かう。 部屋までの短い間、祭り終わりまでどう過ごそうかと考えていた。 『陸に上がった船乗りほど使えないものはない。』 これは常々ケンケーンが口にしていた事だった。 「やれやれ、流れで言ってしまったもののどうすっかな…。」 部屋のベッドに身を投げ出すと、しばらくは何事かを考えていたが、いつの間にか目を閉じ静かな寝息を立てていた。 セビリアの町全体が連日大きな活気で満たされている。 広場はもちろん、そこに繋がる通りの全てに出店が構えられ景気のいい声が飛び交う。 その声すらもかき消すような雑踏があらゆる通り、路地に溢れている。 もしこの中を歩いたとすると、目的地まで何度肩をぶつければ良いのかとケンケーンは2階の窓から流れる人の頭を眺めながら考えていた。 祭りといえば血が騒ぐ、しかしこれほどの祭りだとそれなりの覚悟をもって行動しなければ無駄に疲労するだけだと部屋に篭っている。 祭りが始まるまでは好きな店で酒を飲り、たまに馴染みの交易店へ顔を出して世間話で時間を潰したりして過ごしてきた。 時折、宿屋の手伝い(もっとも大半がニュンの仕入れに関する荷物持ちだったが)もしたりして持て余す時間を使っていたが、こうなってしまっては外へ出る気も起こらない。 宿屋の立地条件的にまだ人の数は中心地のそれとは緩やかであるものの、普段からしてみれば洪水の如く人の群れでだった。 「よくもまぁ、最終日や言うのにこれだけの人数が動くもんやな…。」 船での生活は良くも悪くも限られた人数との付き合いの日々だ。 ながくそれに携わってしまうと、こういう陸のイベント時には少々損をするような気分になってしまう。 「もっとも、そう感じるのは個人差があるだろうがな。」 誰に聞かせるわけもない心情を吐露する。 傍らにおいてある酒瓶を手に取る。 「おや、空か…」 自棄酒のように呷ったせいか、瓶は1口2口を残す程度に減っていた。 どこで覚えたか忘れたが空瓶を使った曲芸まがいの遊びをしつつ1階へと降りる。 「おや。」 外の喧騒とは違って、しんと静まり返った空間が広がっている。 確かに昨日までは多くの人で賑わっていた。 「なんや、こんな日に店閉めて潰れたんか。」 「人聞きの悪いことを言うんじゃないよ。」 女将が奥から出てきた。 「聞いてたんか。」 「こんな日だからこそ休んで日頃の憂さを晴らすんだよ。アンタも篭って酒ばかり飲んでないで、外へ出たらどうだい。」 「そう言われてもなぁ…。」 ニュンが女将の背後からひょっこりと現れた。 着ている薄紅色の服はケンケーンが以前に買ったものだ。 先日渡したピサ土産の髪留めも光っている。 今日は薄っすらと化粧をしている。 町に溢れている塗り固めたような化粧でない所がまだまだ世間擦れしていない事を感じさせる。 「ケンケーンさん。お出かけしましょうよ、きっと楽しいですよ。」 両の目を爛々と輝かせてニュンの声はどこまでも元気だった。 純真なその目で見られると、なぜか後ろめたさを感じてしまう。 「ま、しゃーない。」 期待される視線の迫力に気圧されるままに返事をしてしまった。 (どうしてもあの目には逆らえん) 「女将さん、ケンケーンさんと一緒に遊んできて良いですか。」 「本当にアンタはケン坊がお気に入りだね。良いよ行っといで。」 ニュンは満面の笑みを浮かべた。 そしてケンケーンの元へ駆け寄るとすぐにでも出かけようとケンケーンの手を引いた。 「ちょい待て。こんな為りじゃどうにもならん。」 柔らかく腕を解く。 確かに今着ている服は部屋着として使っているだけあって、小さな解れや色あせが所々に見える。 その場にニュンを留まらせ、着替える為に部屋へと向かう。 折り目の正しくついた服へ着替えて戻ってくると宿屋夫婦の姿はなかった。 「羽目を外し過ぎないようにって女将さんからです。」 出かける前に女将から預かった言伝をそのまま伝えた。 しかし、今のニュンはそれよりも先に心は祭りの方へと向いているようだった。 「了解、了解。んじゃ、行こか。」 「はいっ。」 そう言ってケンケーンは気乗りしない足を向かわせる。 宿の外へ一歩出ると、予想通りの混雑っぷりだった。 「祭りといえば、まずは中央の広場や。人も多いし迷子にならんようにな。」 ニュンは歩き始めたケンケーンにぴったりと寄り添うと何の躊躇もなくケンケーンの左腕に腕を絡ませる。 「えへへ。こうすれば迷子になりません。」 確かに迷子にはならないが、誰かに見られてはあらぬ誤解を招くとの考えが一瞬頭に浮かぶ。 自分への誤解ならともかく、ニュンに対する誤解はこれから先、何かと邪魔になるかもしれない。 ただ嬉しそうなニュンを見ると無理にその手を解くのを躊躇してしまう。 どうしたものかと思案したが、良い案が浮かばなかった。 (まぁ、祭りやしこんなのも有りか…) (続く)
https://w.atwiki.jp/omf-game/pages/2697.html
2019/12/26メンテナンス終了後~2020/01/09メンテナンス前まで 限定装備やアイテムが手に入るメダルイベント【-謹賀新年-迎春祭】を開催! クエストをクリアすることで【謹賀新年メダル】が獲得できます。 手に入れた【謹賀新年メダル】はイベント交換所で限定装備や限定アイテムと交換できます。 クエストは10階層 3MAP1WAVE×10階層で構成されたクエストとなります。 難易度は3種類 全てアルティメットモードとなり3種類の難易度として登場! 【ルーキー】【ベテラン】【マニアック】難易度によって、メダル効率が異なります。 1日1回挑戦できる特別なクエスト 1日1回だけ挑戦することができる【ボーナスクエスト】に挑戦することで、大量のメダルが入手できます。 初心者でもクリアできる難易度となっているので忘れずに参加しましょう! 【ルーキー】 ゲームを始めたばかりの方でも気軽にクリアできる難易度です。 【ベテラン】 トロイア鉱山(通常)~トロイア鉱山(アルティメット)がクリアできる方であれば苦戦はしないかもしれません。 【マニアック】 地獄のような世界です。無理をして挑む必要はありません。 迎春祭ボーナスステージ 【1日1回限定】迎春祭のボーナスステージで大量の謹賀新年メダルをゲット!! 受注コスト(消費食糧) 報酬(グロー) 宝箱ドロップ 初回のみ 遭遇する敵 入手可能素材 初回クリア報酬 1 50000 謹賀新年メダル 製作キットx5 無治HP10 ミスリル鉱石 スキルストーンx20 - アダマント 穀物袋1500x10 - 迎春祭「ルーキー」 初心者用難易度!メダルを集めて限定装備やアイテムを手に入れよう!※難易度によってメダルドロップ確率とアイテムが異なります。 受注コスト(消費食糧) 報酬(グロー) 宝箱ドロップ 初回のみ 遭遇する敵 入手可能素材 初回クリア報酬 15 1000 カッティン鉱石 製作キットx1 無剣HP220 大鷲の骨 スキルストーンx1 闇剣HP178 ライトメタル鉱石 穀物袋1500x1 光重HP164 金獅子の骨 - 火魔HP130 謹賀新年メダル - Boss火魔HP772 迎春祭「ベテラン」 そこそこ高難度!メダルを集めて限定装備やアイテムを手に入れよう!※難易度によってメダルドロップ確率とアイテムが異なります。 受注コスト(消費食糧) 報酬(グロー) 宝箱ドロップ 初回のみ 遭遇する敵 入手可能素材 初回クリア報酬 30 3000 謹賀新年メダル 製作キットx1 無剣HP1970 カッティン鉱石 スキルストーンx1 闇剣HP1860 大鷲の骨 穀物袋1500x1 光重HP3708 ライトメタル鉱石 - 火魔HP2040 金獅子の骨 - Boss火魔HP8760 迎春祭「マニアック」 鬼畜難易度!メダルを集めて限定装備やアイテムを手に入れよう!※難易度によってメダルドロップ確率とアイテムが異なります。 受注コスト(消費食糧) 報酬(グロー) 宝箱ドロップ 初回のみ 遭遇する敵 入手可能素材 初回クリア報酬 50 5000 カッティン鉱石 ミスリル鉱石 製作キットx1 無剣HP17000 大鷲の骨 アダマント スキルストーンx1 闇剣HP8538 ライトメタル鉱石 穀物袋1500x1 光重HP13160 金獅子の骨 - 火魔HP14700 謹賀新年メダル - Boss火魔HP49000 注意事項 ※『-謹賀新年- 迎春祭』にて入手した【謹賀新年メダル】の取得数は引き継がれません。 ※本クエストは2020年1月9日メンテナンス時に終了となり、以降【謹賀新年メダル】は獲得できなくなります。 ※イベント交換所の利用は2020年1月16日メンテナンス開始時まで可能です。 ※【謹賀新年メダル】は2020年1月16日メのメンテナンス以降、表示されなくなり獲得数もリセットされます。 ※イベント交換所で交換した装備のレシピについては、イベント終了後にも引き続き生産することができます。 ※本イベントでは「レアモンスター」や「レアな場所」は出現しません。 交換所 正月のソウルx1 1000 1 ソウル 新年のココロx1 1500 1 こころ 年末のココロx1 1500 1 新年のキオクx1 500 5 記憶 年末のキオクx1 500 5 謹賀の指輪のレシピx1 2500 1 指輪 歳末の指輪のレシピx1 2500 1 謹賀の首飾りのレシピx1 3000 1 首飾り 歳末の首飾りのレシピx1 3000 1 正月の破魔弓のレシピx1 500 1 弓 正月の熊手のレシピx1 500 1 杖 ルテニウムx1 1200 50 ミスリル鉱石x1 1600 10 王家の黄昏x1 1600 5 スネークウッドx1 4000 1 瞬間硬化液x1 800 30 アダマントx1 4000 2 テュポーンの髄液x1 3200 5 カノンx1 1600 5 ヒュドラの血x1 3200 5 エレメスx1 3200 2 覚醒石★5重戦士x1 1200 1 覚醒石★5剣闘士x1 1200 1 覚醒石★5弓使いx1 1200 1 覚醒石★5魔術師x1 1200 1 覚醒石★5治癒士x1 1200 1 覚醒石★4重戦士x1 720 1 覚醒石★4剣闘士x1 720 1 覚醒石★4弓使いx1 720 1 覚醒石★4魔術師x1 720 1 覚醒石★4治癒士x1 720 1 古びた紅い魔石x1 960 1 古びた蒼い魔石x1 960 1 古びた緑の魔石x1 960 1 古びた大地の魔石x1 960 1 古びた光の魔石x1 960 1 古びた黒い魔石x1 960 1 スキルストーンx20 10 20 穀物袋1500x1 10 10