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『バニラハザード (前)』 36KB 不運 戦闘 同族殺し 共食い 野良ゆ 都会 独自設定 ぺにまむ 四作目。初めて連載物に挑戦。 ※注 ゆっくりに関しての独自設定強し 人間さんが被害に遭う描写あり ゆっくり同士での殺害描写あり 作中、視点変更あり 一部のゆっくりがかなり優秀です 過去作品 anko2612 ひやしあんよ anko2626 主食ゆっくり anko2644 間食ゆっくり ドカッ!! 「ゆべらぁっ!?」 「れいむうううううぅぅぅぅぅ ぶべっ!?」 「黙れ糞饅頭」 蹴り飛ばされたつがいに向かって叫ぶまりさの頭を、男が勢いよく踏みつける。 男は今、ゆっくりへの制裁の真っ最中であった。 このれいむとまりさの二匹は、男が換気用に開けていた窓からの侵入を試みたところを見つかり、捕獲された。 そして、休日を邪魔された男の怒りのはけ口として、激しい暴行を加えられていた。 「ゆぎっ…ゆぎ……れいぶのきれいなおがおがぁ……」 「なんでなんだぜえええええぇ!? まりさたちはおひっこしをしてただけなんだぜえええええええぇ!?」 「俺の家にか? ふざけんなよ」 男は舌打ちし、バレーボールほどの大きさのまりさを帽子ごと片手で掴み上げる。 そしてそのまま棚の下で呻いてるれいむの方に向き直り、力いっぱい投げつけた。 「久しぶりの休みを邪魔しやがって、この野郎がああああ!!」 ドゴッ!! 「おぞらぶびぇっ!?」 「まりびゅっ!?」 まりさの肉弾をまともに食らったれいむは再び棚に叩きつけられ、口から泡の混じった餡子を吐き出した。 当のまりさはバウンドして棚にへばりつき、黒い染みを残しながらずり落ちてくる。 「…ゆげぇ…ゆげ……」 「まりざ、まりざぁぁ……」 二匹が自身のゆん生の最後を覚悟した、その時だった。 バリンッ!! 棚の上にあった褐色の瓶がまりさ達の衝突によってバランスを崩して落下し、大きな音を立てて砕けた。 四散した瓶の破片と共に、入っていた茶色の液体が床一面にまき散らされる。 そして、その飛び散った液体は、傍にいたれいむのまりさの全身にも振りかかった。 ゆっくりできない音と衝撃に、れいむが悲鳴をあげようとする。しかし、 「ゆh」 「あ……ああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」 同時にあげた男の悲鳴が、れいむの悲鳴をかき消してしまった。 「俺の…俺のバニラがあああああああああっ!?」 言うが早いか、すぐさま割れた瓶の底を掴み、床に飛び散った液体を手ですくい集めようとする。 その表情は、完全に我を忘れていた。 「畜生おおおおおおおおっ!! 早く! 早く拭かないと!!」 手での回収は無理だと判断したのか、男はすぐさま部屋を飛び出した。 ドアを蹴り開け、戻ってきたその手にはボウルとふきんが握られている。 「くそおおっ!! くそっ! くそっ! 五千円もした俺のバニラが、バニラがあぁ…」 「…れいむ…あとすこしだょ…」 「…そろー…り……そろ…ー…り……」 ずり… ずり… 少しでも液体を回収しようと、男が一心不乱に床の液体をふきんに染み込ませ、ボウルに絞り出す工程を繰り返す。 そのゆっくりできない姿を横目に見ながら、れいむとまりさは侵入してきた窓に向かって濡れた体を必死に引きずっていく。 ――そして、 「くっそおおお!! あの糞饅頭どもがあああぁぁっ!! 何処だ! 何処に逃げたあぁっ!!」 男が床にこぼれた液体を可能な限り回収し、再びれいむとまりさの存在を探そうとした時には、 二匹の姿は、すでに窓の外へと消えていた。 バニラハザード 近年、日本全土を襲った異常気象は秋の収穫量を大幅に激減させる結果となり、全国の農家に甚大な打撃を与えた。 しかしその影響は、何も人間に限られたことでは無かった。 収穫できる作物が減り、それを餌とする昆虫も共に減少。そして、それら両方を餌とするゆっくり達にもまた、壊滅的な食糧危機をもたらしたのだ。 その結果、民家、ゴミ捨て場、商店街、学校…わずかな食料を求めてさまよう野良ゆっくり達が、街中の至る所で見られようになった。 そして、それらは冬の季節が近づくに従い、次々と物言わぬ死体へと変わっていった。 「…ゆっ! おかーさん!?」 「ゆゆっ!? おうちがみつかったの?」 「…おとーさん、やっときたのぜ…」 「もぅ、さむいさむいはいやだよ…」 吹きすさぶ北風の中、引っ越し予定先のおうちの前で待たせていた子ゆっくり達が、あんよを引きずる両親の姿を見つけ、次々と声を上げた。 れいむ種とまりさ種がそれぞれ二匹ずつ。その外見はどれも薄汚れ、寒さでぶるぶると小刻みに震えている。 この一家は、新しいおうちを求めて自ら公園の群れを離れた野良ゆっくりの家族であった。 狩りの名人であった父まりさの努力により、他のゆっくり達が飢餓で苦しんでいる中でも四匹の子供達は立派な子ゆっくりへと成長することができた。 しかし、それもここまでが限界であった。 留まることを知らない冬の寒さと、食料を分配しあう群れの制度から、父まりさは今までの食料調達では一家全員が冬を越せなくなることを危惧したのだ。 そこで、自ら住み慣れた公園の群れを離れ、より食料確保が望める場所への引っ越しに踏み切ったのだった。 …最も、ゆっくりの行動範囲では、公園付近までの移動が限界だったのだが。 「ゆぅ…おちびちゃん、ぶじだったんだね…」 「…とりあえず、いったんおちびちゃんたちのもとへもどるのぜ……」 元気な子供達の姿を見て気分が落ち着いたのか、両親がお互い顔をほころばせる。 地面を蹴るそのあんよにも、少しずつだが力が戻ってきた。 先ほど二匹が受けた傷は、実はそれほど深いものではなかった。 ゆっくりは内部の中枢餡に深刻なダメージを受けるか、自身を構築する内容量が1/3を下回らない限り、早々死ぬことはない。 この二匹は男の手によって痛めつけられはしたが、外傷は全て殴打によるものであり、外皮が破れるような傷を受けなかったことが幸いした。 まだ中枢餡を揺らされたショックは残っているものの、すぐに元気な姿を取り戻すことだろう。 二匹と子ゆっくり達との距離が、次第に縮まっていく。 ――その時だった。 「ゆゆっ!? おとーさんとおかーさんから、あまあまなにおいがするよ!!」 「…あまあまもってきてくれたの?」 「おねーちゃん! あまあま! あまあまたべたい!!」 「さすがおとーさんはかりのめいじんっ! なんだぜっ!!」 「「ゆ?」」 あと少しといったところで子ゆっくり達が両親の異変に気づき、突然騒ぎ出したのだ。 「あまあま? れいむあまあまなんてもっていないよ?」 「…たぶん、さっきのおみずさんのせいなんだぜ…ひっしでにげててきづかなかったけど、たしかにあまあまのにおいなんだぜ」 あの時、二匹が浴びたものは、お菓子の香辛料などで用いられるバニラオイルであった。 先ほど二匹を虐待していた男は料理を趣味としており、最近ではケーキやクッキーなどの焼き菓子作りにも挑戦していた。 何事も本格的に材料を揃えなければ気が済まない性格だったらしく、彼はつい先月、通販で税込4980円もする高級バニラオイルの大瓶を購入したのだった。 揮発性の高いバニラエッセンスとは違い、油脂を溶剤としたバニラオイルは数滴たらしただけでも非常に強い香りを放つ。 それを全身に浴びた二匹の体からは、数メートル離れていても明確にわかるぐらい、強烈な甘味性の匂いを周囲に撒き散らしていた。 「おかーさん! あまあま!!」 「…ごめんねおちびちゃん、あまあまはもってこれなかったよ…」 「でも、あまあまのにおいがするよ?」 「これはおうちをよこどりしたじじいにやられたんだよ…ごめんね、ごめんねぇ…」 「ゆぅ…そんなぁ…」 「……もしかして、おかーさんたちだけであまあまをむーしゃむーしゃ、したんじゃないのぜ?」 姉まりさが放ったその一言に、とたんに子ゆっくり達の顔が疑惑の表情へと変わった。 寒い屋外で、長時間待たされ続けた子供達。 かたや、そばでむせ返るほどに強烈なあまあまの匂いを発している両親。 子ゆっくり達がそれを訝しむのには、そう時間はかからなかった 「そうだよ! きっとおかーさんたちはあたらしいおうちで、あまあまをむーしゃむーしゃしてきたんでしょ!!」 「そんな…どぼしてぞんなこというのおおおおおおお!?」 「れいむたちをさむいさむいおそとでまたせてるのも、こっそりあまあまをむーしゃむーしゃするためなんでしょ!?」 「ほんと…? おかーさん、それほんとうなの…!?」 「ちがうよ! おかーさんはおちびちゃんたちのあんっぜんのために……」 父まりさと母れいむは多少人間に対する認識は甘かったものの、そこそこ優秀な個体ではあった。 今まで公園という限られたゆっくりプレイス以外でほとんど行動したことがない子供達では、何か危険があった時に対処できないと判断したのだ。 そのため、二匹は引っ越し先を見つけた際、子供達を安全な場所に待機させておき、二匹での探索を試みたのだった。 もしこの判断が無かったならば、おそらく二匹の子供達は、冒頭の場面でいともたやすく全滅させられていたことだろう。 しかし、引っ越しが失敗した今となっては、その行動は子供達に疑惑の種を植え付けるきっかけとしかならなかった。 「あまあまをひとりじめするげすおやなんて、もうまりさのおやじゃないんだぜ!!」 「ちがうよおおおおおおお!? おちびちゃん、しんじてえええええええええええええええ!!」 「だったらしょうこをもってくるんだぜ! あまあまをもってきてまりさたちにもむーしゃむーしゃさせるんだぜ!!」 「そうだよ! れいむたちもあまあまたべたい!!」 「たべたい!!」 「ゆうぅぅ、そんなこといわれても…」 「それがひとりじめしたしょうこなんだぜ、まりさg」 「…いいかげんにするんだぜ!!」 先ほどから黙っていた父まりさが、突然声を張り上げた。 その威厳あふれる声に、全員の体がびくりと硬直する。 「…そこまでいうなら、しょうこをみせてやるんだぜ」 そう言うと、疑惑のきっかけを作った姉まりさの方にあんよを進めた。 その鋭い眼光に睨まれ、姉まりさの顔色が変わる。 「…ゆ……く、くるんじゃないのぜ!?」 「……………(ずり、ずり)」 「ご……ごめんなざいぃぃぃ!? まりざがわるがっだのぜえぇぇ!?」 「……………(ずり、ずり)」 父まりさの外皮が、姉まりさに触れる。 「………ゆ、ゆひぃぃ!?」 すーり……すーり…… 「……ゆ?」 「……これがしょうこなんだぜ、おちびちゃん」 怯える姉まりさの饅頭肌に、父まりさがすーりすーりを繰り返す。 その表情には、いつもの穏やかな表情に戻っていた。 落ち着いてきたところで、父まりさはすーりすーりをやめ、姉まりさから離れた。 「……ゆ!? おねーちゃんからもあまあまなにおいがするよっ!!」 やがて、姉まりさのそばにいた妹れいむが声を上げた。 父まりさに付着していたバニラオイルがすーりすーりによって付着し、姉まりさも両親と同じ甘味を発するようになったのだ。 「これでわかったのぜ? このあまあまの匂いは、おとうさんとおかあさんのはだについたものなんだぜ」 「ゆぅ…そうだったのぜ……」 甘味の正体を知り、姉まりさの声が力が弱々しくなった。 少しでもあまあまを食べれる希望にすがりたかった分、そのショックは大きなものだった。 「…おかーさん、ごめんなさい……まりさおなかがすいて、わるいこといってしまったのぜ……」 「いいんだよ、おねぇちゃんがいちばんつらいおもいをしていることは、おかーさんにもよくわかっているよ」 「ゆぅぅ…ごめんなざいぃぃ……」 涙を流して謝る姉まりさに、母れいむも優しくすーりすーりをして慰める。 そのゆっくりした姿を見て、妹達も母れいむにすり寄ってきた。 「おかーさん、れいむもすーりすーりしたいよ!」 「おねーちゃんだけずるーい!」 「こらこら、かわりにおとうさんがすーりすーりしてやるんだぜ」 「おとーさんはおはだがごーつごーつだから、おかーさんがいいー」 「どうしてそんなこというのおおおおおおおおおおおお!?」 「ゆふふ、おちびちゃんたちもまだまだあまえんぼさんね。みんなすーりすーりしてあげるからこっちにきてね!」 「「「ゆわーい!!」」」 わざとおどけて見せたお父さんまりさと優しいお母さんれいむを見て、子供達の顔にも再び笑顔が戻ってきた。 皆ですーりすーりしてあまあまの匂いを擦りつけ合い、お互いにゆっくりできる匂いに家族で笑い合った。 …それが家族全員で笑い合った、最後のひと時だとも知らずに…… 数分後、一家は一旦おうち探しを中断し、食料を確保するために近所のゴミ捨て場を探し始めていた。 最近はゴミの回収に防護ネットやポリバケツが用いられるようになり、ゴミ捨て場からの食料調達は困難となってきたが、たまにマナーの悪い人間が無断でゴミを投棄していくことを、父まりさは知っていた。 そして、それらは回収日でないことから、大半が無防備な状態で放置されているということも。 一生懸命あんよを動かし、一家はやっとの思いでゴミ捨て場へと到着した。 「…おちびちゃんはここで…ゆ!? だれかいるんだぜ」 いつものように子供達を待機させようとした父まりさは、ゴミ捨て場にすでに先客がいることに気がついた。 ゴミ捨て場の陰から、ごそごそと動くあんよが見え隠れしている。 皆でそろーりそろーりと近づいてみると、やがて大きな赤いリボンが物陰から姿を現した。 「れいむがいるよ! ゆっくりしていってね!!」 そこにいたのが同種だった事に安堵したのか、姉れいむが父まりさの脇をすり抜け、ぴょんぴょんとその野良れいむに近づいていった。 気配に気付き、一心にゴミ袋をあさっていた野良れいむが振り向く。 大きさは、母れいむと同じくらいだろうか。 野良ゆっくりの例にもれず全身は薄汚れ、黒く跡が残るほどに頬をこけさせたその姿は、明らかに食糧不足によるものだった。 異臭の漂う生ゴミをくちゃくちゃと咀嚼しながら姉れいむを見つめるその瞳からは、どこからも生気が感じられない。 「おちびちゃん! はなれちゃだめなんだぜ!!」 野良れいむの表情に不信感を抱いた父まりさが、慌てて姉れいむを追いかけた。 当の姉れいむは、すでに野良れいむの足元にまで接近している。 「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!!」 「…………」 ぼたぼたぼたぼた 野良れいむの半開きになった口から、咀嚼していた生ゴミがこぼれおちた。 濁った二つの瞳は、じっと姉れいむを見つめ続けている。 「れいむはおなかがすいたんだよ!! いっしょにごはんさんをむーしゃむーしゃしていいですか?」 「…………ま…」 子供達は、今まで公園内の群れの中でしか生活してこなかった。 両親に教えられたとおりにきちんと挨拶ができる姉れいむを、群れのみんなはいっぱいいっぱい可愛がってくれた。 れいむはちゃんと挨拶できたよ。 ちゃんと丁寧にお願いできたよ。 期待の眼差しで見つめる姉れいむに向かって、野良れいむが大きく口を開けた。 そして、姉れいむが期待していたその返答は ぐちゅっ ――顔の右半分への、痛みだった。 「………あ……れ………?」 「……ゆふっ……ゆふふふっ…あま…あま…あまあま……」 突然現れた激痛に、姉れいむの体がびくんと痙攣した。 恐る恐る、目の前にいる野良れいむを見上げる。 くちゃっ、くちゃっ、くちゃっ、くちゃっ 先ほど生ごみを咀嚼していた口元から、見覚えのあるものがはみ出していた。 ずっと大切にしていた、真っ赤なリボン。 みんながたくさん褒めてくれた、さらさらな黒髪。 「…ゆ…あ………ああ………」 右目が動かない。真っ暗で、何も見えない。 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ びちゃっ くちゃくちゃと咀嚼を繰り返す野良れいむの歯の隙間から、白いものがどろりとこぼれ、姉れいむの足元に落ちた。 「ああ…ああああああああああ!?」 それがぐちゃぐちゃに潰れた自分の右目だということに気付いた瞬間。 姉れいむの意識は、そこで途切れた。 「おちびちゃああああああああああああああああああああん!!!!」 父まりさがびくびくと痙攣を続ける姉れいむに駆け寄った。 「おちびちゃん!? しっかりするんだぜええええええっ!! おぢびじゃあああああん!!」 その姿は、酷いものであった。 姉れいむの右半分がざっくりと食いちぎられ、傷口から大量の餡子が吹き出ている。 幸い傷は中枢餡までには達していなかったものの、一目で見て絶望的な状態であることが感じ取れた。 「ゆふぇっ、ゆふぇふぇふぇ…あまあま…あまあまぁぁぁ……」 「このくそげすがあああああああああああああああ!!!! どういうつもりなんだぜええええええええええええええええええええええええ!!!!」 未だにくちゃくちゃと姉れいむの一部を咀嚼し続ける野良れいむに向かって、父まりさがあらん限りの声を張り上げた。 「どうぞくぐいはげすいかのきんきなんだぜええええ!! ぜったいにゆるさないんだぜええええええ!!」 「……どう…ぞく? なにいって…るの?」 憎悪をむき出しにする父まりさに放たれたのは、野良れいむの予想外な一言だった。 「れいむは…あまあまさんを……むーしゃむーしゃしてるだけ…なんだよ……?」 「…な、なにわけのわかんないことをいってるんだぜえええ!?」 その一言に、父まりさの思考が混乱する。 あまあま? このクズれいむは何を言っているんだ? お飾りも無くなってないし、丁寧に挨拶もした。そのおちびちゃんのどこをどう見ればあまあまだと言うのか? その答えはいくら考えても出てこない。 「あまあまさん……ゆめにまでみたあまあま…さんを、れいむははじめ…てむーしゃむーしゃ…した…んだよ」 くちゃっ、くちゃっ、くちゃくちゃくちゃくちゃ 「あまあまあまあまあまあま……ふひっ、ふひっ、ふへほほほふへはほっ」 咀嚼を続ける野良れいむの体がびくん、びくんと痙攣しだし、あんよの上から親指ほどのぺにぺにが隆起し始めた。 両目はぐるりと反転し、恍惚の表情で満たされたまま機械的に口元を動かし続ける。 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ 「…じあばっ! …じっ、じあわぜ!! じあ、じあばぜえええええええええええええええええええええええええええええええ!!」 「く……くるってやがるのぜ……」 口から、目から、ぺにぺにから、全身から大量の砂糖水を撒き散らして叫ぶ野良れいむの狂気の表情に、父まりさは身じろぎをした。 そしてお下げを使い、まだかすかに痙攣を続ける姉れいむを自分の後ろに隠し、身構える。 「あ…あれ……あま…あまがふえてるよぉ……!?……むーしゃむーしゃしたら、あまあまがふえちゃったよおおおおお!?」 口の中の物を飲み込んだ野良れいむが、突然父まりさに向かって叫んだ。 左右のもみあげをばしばしと地面に叩きつけ、満面の笑みを見せる。 「このくず…まりさもあまあまにみえてやがるのぜ!?」 「…いいにおいがするよぉ……ぜんぶ…ぜんぶれいむが…むーしゃむーしゃしてあげるよおおおおぉぉぉおお!!」 「いい…におい…?」 この一言で、父まりさは気付いてしまった。 野良れいむがなぜ、姉れいむをあまあまと間違えたのか。 「まさか……この、においのせい…なのぜ?」 そう。 全ては、全身に浴びたバニラオイルの匂いが原因だった。 ゆっくり――特に街に住む野良ゆっくりは、人間の持つあまあまに対して異常な執着心を示す。 自然の中では手に入らないその甘味は、時にはゆっくりの味覚をも破壊し、麻薬的な中毒性を及ぼすほどに強力である。 その幻の食物を求めるあまり、人間に無謀な要求をして殺害されたり、同族を裏切り、凄惨な殺し合いにまで発展した事例も数多く残されている。 しかし、ここで疑問が残る。 どうしてゆっくり達は、ほとんど口にしたことがないあまあまを、あまあまとして認識することができるのか? …それは、嗅覚である。 あまあま自体には口を付けた事がないゆっくりでも、その元となる匂いは街中のいたるところに存在している。 道端やゴミ箱に捨ててあるお菓子の空箱、アイスの袋。 店の室外機から流れ出てくる、焼いたお菓子の香り。 人間が食べているものと、そこから漂う匂いを重ね合わせることで、ゆっくりはあまあまがどんなものであるかを認識していたのだ。 そして、それらの匂いの元の大半は、バニラ香料によるものである。 ゆっくり達がバニラ香料をあまあまとして認識してしまうのも、当然のことであった。 そして一番の原因は、この野良れいむはまりさ一家とは違い、極限に近い飢餓状態であったという点だった。 ――吐き気のするような生ゴミを漁り続け、それでも全く満たされない空腹感。そんな時に現れた、今まで何度も夢見てきたあまあまの香り。 その源が今、目の前にある。 同族? 違う。 あれはあまあまだ。 あまあまだから、食べていい。 食べていい食べていい食べていい食べていい食べてい食べて食べ食べ食べ食食食食食食食食食食食食食食食食食食食食…… ゆっくり特有の思い込みの力が後押しとなり、異常なまでに肥大化した食欲が野良れいむの中枢餡を蝕んでいく。 それが理性を完全に手放す段階に至るまでには、十分すぎる程の条件が揃っていたのだ。 「いだだぎばあああああああず!!」 野良れいむが大きく口を開き、父まりさに全力で飛びかかった。 白目をむき出しにしたその表情からは、完全に理性が失われている。 「…ふざけるんじゃ…ないのぜえええええっ!!」 しかし、すでに攻撃に対して身構えていた父まりさは軽く身をひねって野良れいむの突進をかわした。 そのままバランスを崩した野良れいむの横顔めがけて、全力の体当たりを炸裂させる。 「ぶびゅぅっ!?」 アスファルトに強烈なちゅっちゅを交わしたれいむの顔から、白い粒が混じった餡子が飛び散る。 口を開けたまま激突した衝撃で、何本かの歯が一緒に砕けたのだ。 「ばが…れいぶのばが…あばあば……」 「しねっ! しねっ! くずれいむはただちにしぬんだぜええええ!!」 激痛でのたうち回るあんよの先端に、父まりさが全体重をかけて飛び乗る。 顔の傷口から、さらに大量の餡子が噴き出した。 「ぶじゅうぅぅ! ぶっ! ぶびっ!! ぼっ! ぶっ!!」 「しねっ! しねっ! しねえええええええ!!」 数十回にもわたるストンピングの末、野良れいむは断末魔を残すことすらできずにそのゆん生を終えた。 ――あまあまを食べたという、最高の快感と共に。 「ゆふぅ…ゆふぅ……じごくへ、おちるんだぜ…」 中身の大半を撒き散らし、べったりとピザ生地のように広がった野良れいむの死体に唾を吐きかけると、父まりさは倒れた姉れいむの元へと向かった。 すでにその周りには、母れいむと残りの子供達が集まっていた。 「おぢびぢゃん…どうしてこんなめに……」 「ゆぐっ…ゆぐっ…」 「ここはきけんなんだぜ…はやくべつのばしょにいどうしたほうが、よさそうなんだぜ…」 「べつのばしょって…どこ…なんだぜ…?」 父まりさは、感づいていた。 ゴミ捨て場の周囲から、いくつものゆっくりの目が、こちらを凝視していることに。 …そして、そのどれもが先ほどの野良れいむのように、狂喜の光を宿していることにも。 「…とりあえず、おさのぱちゅりーなら、なにかしってるかもしれないのぜ」 「また、こうえんさんにもどるの…?」 「…しかたがないんだぜ、いまはおひっこしより、じぶんたちのいのちのほうがだいじなんだぜ」 「……ゆぅ…わかったよ。おさなら、きっとおちびちゃんをなおしてくれるよ…」 「おねーちゃん、れいむがみているから、がんばってね…」 「……それと…なんだぜ」 必死に姉れいむを頭に乗せようとするつがいに向かって、父まりさが言いづらそうに切り出した。 「そのおちびちゃんは…ここにおいていくんだぜ……」 「…ゆ?」 「お、おいて…く?」 「おとーさん、なにいっt」 「なにいってるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!??」 最初に静寂を破ったのは、母れいむの必死な叫びだった。 「おちびちゃんをおいてくって、なにかんがえてるのおおおお!? ばかなの!? しぬのおおおおおお!?」 「……しかたがないんだぜ…それに」 「おちびちゃんはすなおでいいこなんだよおおおお!? まりさにとってもだいじなおちびちゃんでしょおおおおおお!?」 「わかってる…わかってるんだぜ……」 姉れいむは、誰の目から見ても生存は不可能な状態だった。 ショック症状からはなんとか切り抜けたものの、中身を大量に流出しすぎている。 持って、あと数分の命といったとこだろう。 「…おねぇ……ちゃん…」 「そんな…そんな…」 「……」 残った子供達は、両親と姉れいむを交互に見つめたまま、誰も口を挟もうとはしなかった。 「このままじゃ、ほかのおちびちゃんたちもきけんにさらされるのぜ…ほかのおちびちゃんたちのためなんだぜ…」 「まりさはほかのおちびちゃんたちのほうがたいっせつなんだねええええ!? そんなげすだったんだねえええええっ!!」 父まりさの必死の説得にも、母れいむは全く耳を傾けようとしない。 二人の討論が次第にヒートアップしていく。 ――その、時だった。 「…………ぉか………さ……………」 「おち…び?」 「おちびちゃん!? めをさましたんだね!!」 蚊の鳴くような小さな声に、皆の視線が一斉に姉れいむの方へと向けられた。 「ぉ…かぁ…さ………ぉと…さ………ごめん…なさ……」 「おちびちゃんは…なにもわるいことはしてないんだぜ…あやまらなくていいんだぜ…」 「いう…こ…と…きかな…から………」 「おちびちゃん! すぐにげんきになるからあんしんしてね!! れいむがぜったいにまもるからね!!」 「おね…が…おか……さ……」 「おねーちゃん…おねーぢゃぁぁん…」 姉れいむの削れた右半身から、ごぼりと餡子が漏れる。 母れいむがもみあげを使って必死で押し戻そうとするが、どう見ても焼け石に水であろう。 「れい…む…おい…て……にげ…………て…」 「そんな!! おちびちゃんはだいじょうぶだよ!! そんなこといっちゃだめだよ!!」 「おね………が………」 「………おちび…」 姉れいむは、姉妹の中で一番素直な子ゆっくりだった。 妹達のお手本となるように誰にでも元気に挨拶し、正しい言葉づかいから群れの皆から好かれていた。 その姉れいむが、ゆん生で初めて両親に告げたわがまま。 ――それが、自分を置いて逃げること。 「……………おちび…ちゃん、わかったよ……」 母れいむが静かに姉れいむに言った。 「おかあさんが、のこされたみんなをまもってあげるから……それで…いいでしょ……」 「…………ぁ……り………ぁと……」 中身の大半が流出し、白くなった姉れいむの肌を、母れいむがもみあげで優しくなでる。 それに倣うように、姉れいむの体が少しずつ萎んでいく。 「おちびちゃん……ゆっくり…していってね……」 「……ゅ……………………て…ね…」 涙を流す家族達に向かって、姉れいむは精一杯の笑顔を向けた。そして軽く目を閉じると、 …そのまま、動かなくなった。 父まりさと母れいむは、残された子供達を連れてすぐにその場を離れた。 ――動かなくなった、姉れいむをその場に残して。 やがて家族達が去った後、あちこちの物陰から沢山のゆっくり達が顔を出した。 れいむ、まりさ、ありす、ちぇん、みょん、ぱちゅりー。 単身、つがい、親子連れと、その組み合わせは様々だ。 彼らは、まりさ一家から発するあまあま(バニラ香料)の匂いにつられてきた野良ゆっくり達である。 当初、父まりさと野良れいむの争いを目撃したゆっくり達は、どちらかがあまあまを隠し持っていると踏み、手を出さなかった。 彼らは少し離れた場所で隠れていた事が幸いし、いきなり飛びかかるほどまでに理性を失うには至らなかった。 そして、一家が去った後、まだあまあまの匂いが残っていることに気がつき、おこぼれを貰おうと這い出てきたのだ。 …だが、そのちっぽけな理性も、そこまでが限界だった。 あんよを進めるに従って、どんどん強くなるあまあまの匂い。その匂いが中枢餡を優しくくすぐり、少しずつ蝕んでいく。 やがて、匂いの元凶である、姉れいむの死体の前であんよを止めると、野良ゆっくり達は一斉に睨みあった。 湧き上がる空腹感、死体からわき上がるあまあまの匂いが死臭と同族食いの禁忌に打ち勝つまでに、そう時間はかからなかった。 ぱくっ 一匹の赤ちぇんが、姉れいむの右半身から溢れ出た中身に飛びついた。 まだ幼かった分、理性を手放すのが誰よりも早かったのだろう。 「むーちゃ、むーちゃ、むーちゃ……」 ごくり… 幸せそうに咀嚼するその姿を見て、他のゆっくり達も一斉に姉れいむの死体に群がった。 ぐちゃっ ずるり どぴょっ くちゅっ 引っ張り、噛みつき、掻き出し、 バニラ香料でコーティングされた姉れいむの死体は次々とちぎり取られ、原形を失っていく。 「むーちゃむー…ぶちゅ!!」 次々と死体に殺到するゆっくり達に、最初に飛びついた子ちぇんが潰された。 その死体は、姉れいむの残骸と混ざり合い、他のゆっくり達の腹の中へと一緒に消えていった。 くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ 咀嚼音が、あちこちから響き渡る。 手に入れた念願のあまあまの味を、口の中で溢れるあまあまの香りを、より沢山味わうために。 くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ やがて、口の中で咀嚼していたあまあまが無くなった時、さらなる悲劇が起きた。 ぶちっ ぐちゅっ みちゃっ びちょっ 姉れいむの死体に群がっていたゆっくり達が、近くにいたゆっくり達を襲い始めた。 死体を漁った時にお互いに付着した、あまあまの匂いを食べるために。 ぐちゅっぐちゅっ ずずず ぶちぶちっ ぐちょっ そこには、種族も大きさも関係なかった。 空腹とあまあまの匂いによって理性を破壊された中枢餡は、すでに同族をもあまあまとして認識していなかった。 ぱちゅりーも、子ゆっくりも、赤ゆっくりも、ただ目の前のあまあまを食べるために手当たり次第に襲いかかっていく。 その行為は、大量に発生した死臭があまあまの匂いを隠すまで、何度も何度も続けられた。 くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ …やがて、あまあまの匂いを失ったゆっくり達が、公園の方へと移動を始めた。 僅かに残った、父まりさ達のあまあまの匂いを頼りに、次々とあんよを進めていく。 その顔はどれも、あまあま中毒によって完全に理性を失っていた。 ――公園周辺にいたゆっくり達の大半がまりさ一家の敵となった、瞬間であった。 「ゆひぃ…ゆひぃ…いったい……どうなってるんだぜえぇぇ…!?」 「おとーさん、だいじょうぶなのぜ?」 公園から数メートルほど手前に路上駐車された車の下。そのわずかな隙間にまりさ一家は避難していた。 あれからまりさ一家は、公園に向かうまでに何匹かの野良ゆっくり達と遭遇した。 そして、そのどれもが一家に近づいた途端、いきなり襲いかかってきたのだ。 れいむだけでない。まりさ、ありす、挙句の果てには子ゆっくりまで、まりさ一家をあまあまと呼び、牙をむいた。 最初はそれらを相手にしていた父まりさであったが、公園に近づくにつれて次第にその数は増していき、ついには物陰で避難するはめとなってしまったのだ。 「…しばらくは、ここをうごけないんだぜ…」 「ゆぅ…もう、つかれたよ…」 「れいむ、まわりはどんなかんじなんだぜ?」 「ちょっとまっててね…」 母れいむがタイヤの影から、外の様子をこっそり覗き込む。 「……あま…あま……いーいにおいがするよぉ……」 「とかい…は…むーしゃ…むーしゃ…」 「……ふぇら……ふぇら……そー…せーじ……」 周囲には、何匹かのゆっくりが辺りを徘徊していた。 そのどれもが生気のない顔つきをしつつも、ぎょろぎょろと目玉を動かしている。 まりさ一家から発せられる、あまあまの匂いの元を見つけるために。 「だめだよ…あちこちにゆっくりできないゆっくりがたっくさんいるよ…」 「そうなのぜ……ぱちゅりーのおうちまではまだあるのに…」 「おとーさん、ほんとうにおさならなんとかしてくれるのぜ?」 「…わからないんだぜ。だけど、まりさにはそれしかおもいつかないんだぜ」 ここに来る途中、父まりさは全身についたバニラオイルの匂いを落とすために、いくつかの手段を試みてみた。 水浴びや砂浴び、苦い草やタイヤにすーりすーりしたり、挙句の果てには痛みに耐えながらブロック塀で肌を削ったりもした。 もしこれが水溶性のバニラエッセンスだったならば、多少は効果があったのかもしれない。 しかし、ホールケーキ(円形ケーキ)でさえ数滴入れれば十分なバニラオイルを全身に浴びたのだ。 父まりさの必死な抵抗は、ただいたずらに自身の体をボロボロにするだけで何の意味も成さなかった。 そこで父まりさは、前の群れの長であったぱちゅりーを頼ることにしたのだ。 公園の群れを一人で管理し、時には人間さんと会って話をしていた所を父まりさは見たことがある。 その優秀さを認めていた父まりさは、ぱちゅりーなら何か良い方法を知っているかもしれないと踏んだのだった。 それに、狩りの名手であるまりさは、群れを離れるまで食料調達に大きく貢献していた。 そんな自分の頼みを今さら無碍には扱わないだろうという、打算的な狙いもあった。 「ゆぅぅぅ…さすがに、おなかがすいてきたのぜ…」 「おちびちゃん、もうすこしがんばるんだぜ、ぱちゅりーのおうちにいったら、いっぱいごはんさんをむーしゃむーしゃするんだぜ」 「おねーちゃん、まりさもがんばるから、おねーちゃんもがんばろうね!」 空腹を訴える姉まりさに、末っ子まりさが激励の言葉をかける。 決して、末っ子まりさだけがお腹を空かせていないわけでは無い。 少しでも家族を元気付けようとする、精一杯の強がりであることに皆はすぐ気づいた。 「わかってるんだぜ…まりさもみんなとむーしゃむーしゃしたほうが、たっくさんしあわせになれるんだぜ」 「れいむも、みんなといっしょがいいよ!」 「おねーちゃん! いっしょにごはんさんたべようね!」 家族皆の表情に、少しだけ笑顔が戻っていく。 辛いのは自分だけではない。 一番小さい末っ子まりさがあんなに頑張っているんだ。自分達だって負けてられない。 末っ子まりさの小さな強がりは、皆の心に大きな力を与えてくれた。 「………………みつけたよぉー………………」 ――そこに、招かれざる客が現れるまでは。 一家の表情が一瞬にして凍りつき、一斉に声がした方向を振り返った。 車と塀の隙間によって作られた暗闇の中―― 三つの赤い瞳がまりさ一家をじっと見つめていた。 「…………あまあま…こんなところにあったんだねー……」 「……ハァフ…ハァフ…………」 やがて、二匹のちぇんが暗闇から姿を現した。 片方は父まりさ、もう片方は姉まりさ程の大きさであることから、恐らく二匹は親子なのであろう。 しかし、その外見はまりさ一家とは比べ物にならないほどに酷い状態であった。 ちぇんの全身には爪跡のような傷が無数に走っており、その傷の一つが左目を醜く潰している。 そして子ちぇんは帽子、両耳、尻尾の全てが欠損しており、口元からは絶えず茶色い泡を吹き出していた。 二匹の眼はどちらも血のように赤く染まっており、先ほどの野良れいむと同じ狂気を感じさせていた。 「おちび…ちゃんが…よろごぶんだよー……わかるよ…わがるよぉぉ…」 「……grrrrrrrrrrr……」 すでに子ちぇんは、言葉を発することすらできなくなっていた。 飢餓と甘味の匂いによって肥大化した食欲が、中枢餡にある言語機能までをも破壊してしまったのだ。 金属を擦り合わせるように唸り声を放つその姿は、もはやちぇんと呼べる姿とはかけ離れて見えた。 「ゆひ…」 「ゆわわわわ…」 「お、おとーさぁん…」 突然の異常事態と二匹の異様な姿に、父まりさの判断が一瞬遅れた。 慌てて、硬直したままのわが子に向かって指示を出そうと叫ぶ。 「おちび! はやくおとうさんのところまでにg…」 だが、その一瞬だけ生じた隙を、獣と化した二匹の赤い瞳は見逃さなかった。 「あまあま…あばあばたべるよ、たべるよたべるよたべるおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 「ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 父まりさの声が引き金となり、二匹のちぇんが一斉に飛び出した。 飢餓状態にあるとは思えないその驚くべき素早さは、瞬く間にまりさ達との距離を縮めていく。 ちぇんの体が跳ねた。 その赤い瞳には、一番近くにいた末っ子まりさだけが映り込んでいる。 「わがるよおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ゆt」 ――末っ子まりさには、何が起こったのか分からなかった。 近づいてくる、真っ赤なぴかぴかさん。 突然目の前に現れた、恐ろしい怪物の姿。 そして、いきなり訪れた暗闇。 くちゅっ …だが、末っ子まりさの思考はすぐに終わりを告げた。 自慢のお帽子も、さらさらの髪も、宝石のようなおめめも、輝く白い歯も、自慢のあんよも、大事な餡子さんも、 すべてちぇんの口の中で潰され、一つとなったのだから。 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ 「あ…ああ…」 すぐそばで全身をがたがたと震わせる姉まりさに見向きもせず、ちぇんが恍惚の表情で口の中のものを咀嚼していた。 一瞬の出来事だった。 さっきまで傍にいた末っ子まりさが、ちぇんの口の中へと姿を消したのだ。 「ま、まりさ……どうして…?」 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ 「か………かえせええええ!! まりざのだいっじないぼうどをがえぜええええ!!」 なけなしの勇気を振り絞り、姉まりさがちぇんに向かって全力で体当たりを仕掛けた。 姉まりさの渾身の一撃はちぇんの横腹に命中し、僅かにちぇんの体が傾く。 それでも、当のちぇんは全く動じなかった。ただひたすらに、咀嚼を続けている。 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ 「やべろおおおおおおおおおおおお!! はきだせ! くぢのながのものをはきだぜええええええええええ!!」 姉まりさは、まだ末っ子まりさが死んだことを頭の中で否定し続けていた。 口の中に入っただけで、まだ生きてるかもしれない。 少し傷ついても、皆でぺーろぺーろしてあげれば大丈夫に違いない。 その希望に必死ですがり、姉まりさは大切な妹を救い出すためにひたすらちぇんへ無謀な攻撃を繰り返す。 「はきだせ! はきだせ! はきだせえええええ!!」 ――だが、 そのちっぽけな希望も、すぐに打ち砕かれることとなった。 突然ちぇんが咀嚼を止め、地面に向かって静かに口を開いた。 その口の中から、粘液にまみれた黒い塊がずるりと吐き出され、姉まりさの目の前に落下した。 ぼちょっ 「」 「ゆふ…ゆふふふふふふ…ごれなら…おぢびちゃんも、むーしゃむーしゃでぎるんだね…わがるよぉぉ」 姉まりさの願いは、違う形によって叶えられた。 ちぇんの口から吐き出された、拳大ほどのぐちゃぐちゃな黒い塊。 その周囲には、白いリボンや、金髪の破片、見覚えのある物が沢山からみついている。 そして、その塊からはゆっくりできない死臭と共に、自分と同じあまあまの香りを発していた。 歯が不自由なわが子のために、ちぇんが口の中で咀嚼していたもの。 それは間違いなく、数分前まで自分を励ましてくれた妹の、成れの果てだった。 「……ぁ………」 「おちびちゃーん、あまあまだよぉー だっくさんたべでねー」 「…ガフゥッ!……ガフッ!」 末っ子まりさだった塊に向かって、子ちぇんが涎にまみれた口を大きく開く。 ぐちゃっ 「…ぁ………ああぁ…………あああああぁ……」 ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」 「おちびちゃん!!」 突然、姉まりさの視界が真っ暗になった。 我を取り戻した母れいむが、姉まりさを急いで口の中に避難させたのだ。 その口の中では、姉まりさが叫びながら必死に暴れまわっているのが感じ取れる。 それでも母れいむは、我が子を離すまいとしっかり歯を食いしばって耐えていた。 「れいむ! おちびちゃんをつれてはやくにげるんだぜ!!」 帽子の上に妹れいむを乗せた父まりさが、母れいむの背中に向かって叫んだ。 その口元には、先端を鋭く尖らせた割り箸が咥えられている。 「ひまひふほ(いまいくよ)!!」 「まりさがみちをつくるんだぜ! れいむはあとにつづくんだぜ!!」 「ははっはほ(わかったよ)!!」 背後で繰り広げられる惨劇から目をそむけるようにして、二匹は車の下から勢いよく飛び出した。 ――わずかな希望の残る、公園に向かって。 ちぇんは幸せだった。 あまあまを食べたことによるものでも、理性を失ったことによるものでも無い。 「ガフガフガフガフ!!」 ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ 目の前のおちびちゃんの、幸せな顔を久しぶりに見ることができたからだ。 ちぇんには三匹のおちびちゃんがいた。 どれも自分とよく似た、笑顔の絶えない素敵なおちびちゃんだった。 つがいに先立たれ、ご飯をお腹いっぱい食べることができなくなっても、ちぇんはおちびちゃんがいるだけで毎日が幸せだった。 …ある日、毛むくじゃらの化け物がおちびちゃん達を連れ去るまでは。 全身をズタズタにされながらも、ちぇんはおちびちゃん達を取り戻すために必死で戦った。 結局、助け出せたのは一匹だけ。それ以外は皆、化け物の玩具にされて、じわじわと嬲り殺しにされた。 そして唯一助け出せたおちびちゃんもまた、帽子も、耳も、尻尾も、歯も、全身の至る所を奪い取られ、ゆっくりできない姿となってしまった。 それでも、ちぇんは諦めなかった。 もう一度おちびちゃんの笑顔を見るために、ちぇんは様々な手段を試みた。 自身の食事も忘れて、ずっとおちびちゃんの傍にいてあげた。 …でも、どんなにすーりすーりしても、ペーろぺーろしても、おちびちゃんの顔に笑顔が戻ることは無かった。 ――そんな時だった。突然どこからともなく、あまあまの匂いが漂ってきたのは。 (…むにゃむにゃ……あまあまにつつまれてしあわせなんだよー……ここがきょうからちぇんのおうちだよー) 昔、おちびちゃんがクッキーの空き箱の中に入って、あまあまの残り香の中で気持ち良さそうに眠っていたのを思い出す。 (…きっとらんしゃまのようなあじなんだねー。いちどでいいからたべてみたいよー) 僅かに残ったあまあまの匂いを嗅いで、あまあまの味を想像していたこともあった。 もし、そのあまあまをお腹一杯食べることができたら、おちびちゃんはまた、自分にあの笑顔を見せてくれるだろうか。 再び、あの日々に戻りたかった。 あまあまがあれば、 あまあまが… そして、目の前の誘惑にちぇんは自らの意思で理性を放棄した。 その後の事はもう、何も覚えていなかった。 ――いや、思い出す必要なんかない。 「わかるよー………わらってるん…だねー…」 ちぇんは幸せだった。 夢にまで見たあまあま香りに包まれて、ずっとずっと、幸せそうにおちびちゃんを見つめていた。 …やがて匂いに集まってきた他のゆっくり達が、自分の体を食い破るその時が来ても。 ちぇんはずっと、おちびちゃんに向かって優しく微笑み続けていた。 最後の時まで、ずっと――― ――to be continued… 挿絵:○○あき
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「ゆふぅぅぅぅん!れいむぅぅぅぅ!まりさはもうげんかいだよぉぉぉぉ!」 「むほぉぉぉぉ!れいむもだよぉぉぉぉ!ゆぁぁぁぁ!」 「「すっきりぃぃぃぃぃぃ!!」」 ネチネチと醜いゆっくりのすっきりシーン。 すっきりが終ると途端にれいむの額から茎が生えてくる。 そしてそこに赤ゆが実り始める。 「ゆふふぅぅぅん……れいむ…とってもよかったよぉぉ 『ドカッ!』 ゆびゃ!」 「まりさのれいむになにしてるんだぜぇぇぇぇ!!」 突然まりさに体当たりしてきたのは小汚いまりさ。 れいむはすぐに、だぜまりさに駆け寄る。 「まりさぁぁぁ!れいむはこのかいまりさに、むりやりすっきりされたんだよぉぉぉぉ!」 「いだだだだ………れいむ?!どうしてそんなこというの?あいしあっていたんじゃないの?」 「ゆん?よくみればこのまりさ、きんばっちさんなのぜ?!これはだいもんだいなのぜ!」 「ゆわぁぁぁん、れいむの、はつすっきりがぁぁぁ(棒読み)」 「ゆゆ?どういうことなの?なにがおこっているの?」 どうやらこの飼いまりさ(金バッチ付き)は野良達にはめられたようだ。 野良まりさはニヤニヤしながら金まりさを威嚇する。 野良れいむは頭があまり良くないのか、大根役者丸出しだった。 「おいまりさ!おまえのかいぬしさんに、せきにんをとってもらうのぜ!あんないするのぜ!」 「なにいってるの?どうしてまりさが 『ドカッ!』 ゆびゃぁぁぁん!わがりじだぁぁぁ!あんないじまずぅぅぅ!」 「ゆふふ!うまくいったよ………はっ!ゆびゃぁぁぁん、れいむのばーじんさんがぁぁぁ」 文句を言おうとした金まりさだったが、野良まりさの体当たりを再度喰らうと呆気なく飼われている家まで案内した。 野良二匹は上手くいったと思い込み、これから金まりさの飼い主にどんな要求をしようか、 ニヤニヤしながら考えていた。 「あまあまをたくさんようきゅうしてやるのぜ!………いやいや、かいゆっくりにしてもらうのも、いいかもしれないのぜ?」 「ゆふふ!さすがはれいむのまりさだね!とってもゆっくりできるよ!」 しばらくすると、金まりさがとある家の前で動きを止めた。 玄関の前まで来ると、金まりさはゆっくり用インターホンを押す。 しばらくすると玄関を空けて、金まりさの飼い主が現れた。 「帰ってきたか……なんだ?今日は二匹か?」 「おにいさん!はなしをきいてね!」 「ゆふふ!おばかなにんげんさんに、まりささまがわかりやすくせつめいしてあげるのぜ!」 「れいむはまりさにすっきりされたんだよ!ばーじんさんがすっきりでたいへんなんだよ!」 「れいむはだまってるのぜ!!………じゃあ、せつめいするのぜ?」 野良まりさは得意そうに飼い主に説明を始めた。 多少賢いとはいえ所詮はゆっくり、金まりさにれいむが無理やりすっきりされたこと以外にも、 自分の企みまでご丁寧に説明してくれていた。 「ふむ、つまりはれいむを子持ちにした責任を取れって事だな?」 「りかいがはやくてたすかるのぜ!じゃあ、さっそくあまあまよこすのぜ!かいゆっくりにしてくれてもいいのぜ?」 「ゆふふ!これでれいむは、ゆっくりしたせいかつをおくれるよ!しあわせすぎてごめんね!」 「わかった、じゃあしばらく飼ってやろう」 「「ゆわーい!」」 そう言うと飼い主は玄関に置いてあった透明な箱に野良二匹を放り込んだ。 二匹は乱暴に扱われた事に腹を立て、文句を言おうとしたがすぐに蓋をされる。 「流石防音加工の箱だな…っと、じゃあ明日は野良探しして来なくても良いぞ!」 「ゆぅぅ……おにいさん、まりさはもうこんなことするのいやだよ!ゆっくりできないよ…」 「ん?そうか?それならお前が変わりにれみりゃの餌になるか?」 「ゆぅぅぅぅ………それは………」 「勝手に外ですっきりしてきたお前を今まで面倒見てきてやったのは誰だ?加工所送りにされないだけマシだと思え!」 「ゆぅぅぅ………ごめんなさい………」 「理解できたらさっさと家に入れ!俺はれみりゃに餌をやってくるから」 そう言うと飼い主は二匹の入った箱を嬉しそうに抱えて二階に上って行った。 金まりさはそんな飼い主を複雑な表情で見つめていた。 「うっうー!おいしそうなまりさなんだどー!」 「ゆわわわわ!れみりゃだぁぁぁぁ!!」 「野良の割には丸々太って美味しそうだろ?遠慮しないでどんどん食べろよ?」 「ゆぎゃぁぁぁぁ!」いだいんだぜぇぇぇ!やめでぇぇぇ!ごめんなさいだぜぇぇぇぇ!!」 「うー!おいしいんだどー!おにいさんありがとなんだどー!」 「やだぁぁぁ!まりさ、まだしにだぐないんだぜぇぇぇぇ!たすけでぇぇぇぇ!」 嬉しそうに野良まりさを食べる胴付れみりゃ。 それを見てニコニコ顔の飼い主。 野良まりさは先ほどまでの威厳の欠片も見られないくらい、情けない顔で泣きながら命乞いをするまりさ。 れいむは状況が分からず、箱の中でしーしーを漏らし振るえるのみだった。 このれみりゃは金まりさが外で勝手にすっきりをして、野良れいむを連れ込んだ事に腹を立てた飼い主が飼い始めたものだった。 当初は金まりさも、れみりゃの餌になるはずだったのだが、野良ホイホイとして利用する事で生かされていた。 金まりさも嫌々ながら、気兼ねなしにすっきり出来る事、餌にされる恐怖からこれに従った。 まりさが金バッチをつけている事もあり、馬鹿な野良は簡単に金まりさに騙されてれみりゃの餌になっていった。 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぁぁぁぁ!まりさはしにだぐないよぉぉぉぉぉ!!」 「うっうー!いきがよくておいしいんだどー!」 「すっきりはゆっくりできるけど、れみりゃのえささんはゆっくりできないよ………」 二階から聞こえる声に金まりさは身を震わせると、自分用に用意されているダンボールの中に入っていった。 完 徒然あき
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※スレの「電子レンジでゆっくりは爆発するものなのか?」という話題に触発されて書き ました ※独自設定垂れ流し 「すっきりしたよ! つぎはあまあまほしいよ! さっさともってきてね!」 腕の中、野良れいむが勝手なことを喚いている。 思わず叩きつぶしたくなるところだが、ここは我慢である。 今回の虐待のテーマは「ゆっくりはシンデレラになれない」だ。 一度とことん綺麗に着飾っておだてあげ、それからじわじわ汚してけなす。身の程知らず なゆっくりの心をじわじわ折る大人の虐待なのである。 そのためにわざわざ野良れいむを拾ってきて、風呂で綺麗にしてやったばかりなのだ。こ こで潰しては元も子もないというものである。 だが、むかつくものはむかつく。 そんなとき、目に入るものがあった。 電子レンジだ。 野良れいむごときをわざわざタオルで拭くのは面倒くさい。 ところが、文明の利器たる電子レンジを使えばスイッチひとつで気軽に乾かせる。我なが ら素晴らしい思いつきだ。 ゆっくりを電子レンジで温めると爆発するなんて噂があるが、あんなのはただの都市伝説 だ。 以前固くなってしまった饅頭や大福を温めたことがあったが、爆発なんてしなかった。 饅頭はややぱさつき、大福は表面のモチが少し溶けた。 だが、それだけだ。 ゆっくりもダメージがあるだろうが、それくらいなら特製オレンジジュースですぐ治せる レベルだ。れいむにもいいオシオキになるだろう。さほど外見を損ねることもないだろう から今回のテーマにも反しない。 よし、問題ない。なら実行だ。 さっそくれいむを電子レンジの中に放り込む。 「ゆゆ!? はこさんはせまいからゆっくりできないよ! だして!」 「なぁに、すぐにゆっくりできるさ」 スイッチを押すと、ブン、という独特の電子音と共に内部の回転テーブルが回り出す。 どのくらいの時間を要するのかわからないから、機械任せの自動判断モードにした。 「ゆっくりまわるよ~♪ ゆゆ~ん♪」 れいむも気に入ってくれたらしい。 俺はやれやれと、虐待専門誌「ゆ虐天」を手に取り、椅子にこしかけ待つことにする。 電子レンジがチンと鳴るか、れいむが悲鳴を上げたら乾かし終了。それまではノンビリし よう。 パラパラと雑誌をめくる。目に入ったのは毎月「読者の選ぶ十の虐待」だ。これは毎月、 一般公募の虐待アイディアを競うもので、入賞すれば賞品がもらえる。賞品といえば特別 な虐待道具を考えそうなものだが、普通の家電だったりする。虐待に傾倒すると日常品が 不足しがちなのだ。 「ゆ虐天」は読者の隠れたニーズに答える心憎い専門誌なのである。 いずれ俺も入賞したいものだ。 「ゆ、ゆぎゅぎゅぅ!?」 雑誌をぱらぱらやっていると、れいむが妙な声を上げだした。 そろそろ乾いたんだろうかと、腰をあげかけると、 「ゆげるっぱぺぽぷぅぅぅ!」 よくわからない悲鳴と「ポン!」という間抜けな音。 その二つの音を残し、れいむは電子レンジの中で弾けて散った。 電子レンジでチンしてポン! 知らなかった。 ゆっくりって、電子レンジに入れると本当に爆発するんだ。 あの後、野良れいむが爆発したのはひょっとしたら偶然かも知れないと、虐待用にストッ クしていたゆっくり三十匹ほどで試した。そのいずれも爆発したからまず間違いないだろ う。 ストックにあったのは、手に入りやすい言わゆる基本種――れいむ、まりさ、ありす。野 良もいれば安価でたたき売られていた加工所製もいたが、全て爆発した。どうやら種類も 生まれも関係ないらしい。 ただ、「永遠にゆっくり」したゆっくりは爆発せず、通常の饅頭のようにぱさついただけ だった。どうやら例によってゆっくりの不思議能力が原因らしい。 ゆっくりの爆発する前、苦しむものが大半だった。だが、中には変わった行動をとるゆっ くりもいた。 脈絡なく下手糞な歌を歌い出すれいむ。 突然狂ったように暴れるまりさ。 唐突に号泣し出すありす。 だが、いずれも結果は変わらない。最後には爆発する。 なかなか楽しい見せ物ではあったのだが、心の中の疑問がひっかかった。 ――ゆっくりは、どうして電子レンジで爆発するのか。 それがあるため、心から楽しむことができなかった。 とにかく数はそれなりに試して様子もつぶさに観察した。それでもわからないのだから、 あとは思考をめぐらすのみ。まずは原点に立ち返ろう。 ゆっくりの原点など考えても無駄なので、電子レンジの原理から考察だ。 電子レンジの原理は、簡単に言えばマイクロ波を照射し、水分子を振動させて熱を発生さ せること。 ゆっくりは涙を流したりしーしーしたり、通常の饅頭よりは水分があるのだろう。 だが、ニワトリのタマゴのように電子レンジで爆発するほどではないはずだ。事実、「永 遠にゆっくり」したゆっくりは爆発しなかった。 なら、電子レンジの原理とゆっくりの特性がかみ合ってこの不可解な現象が起きるはずだ。 ゆっくりの特性――様々な虐待経験が頭の中をよぎっていく。 足焼き。目玉抉り。赤ゆ潰し天どれも楽しかったなあ。 そんな思い出に浸る内に、ひっかかるものがあった。 電子レンジの原理とゆっくりの特性を繋ぐキーワード。 それがひとつ、見つかった。 * * * 「ゆんゆ~ん♪ ゆっくり~♪」 今、電子レンジの中では生きたゆっくりれいむがマイクロ波を浴びている。 俺は時計片手に、れいむの様子を固唾を呑んで見つめていた。 ゆっくりが苦しみだすのは、先ほどの試した限りでははおおよそ十秒前後。 時計が八秒を刻んだところで、 「今だ!」 「ゆゆぅ!?」 素早く電子レンジを停止、れいむを取り出すとテーブルの上に載せた。 「ゆ、ゆゆぅ?」 れいむはゆっくりらしく、急速な状況の変化に反応できず戸惑っている。 俺は取り出してからは一切手を触れず、ただじっとれいむを見つめる。 変化はすぐに現れた。 まず、頬が赤くなった。これは電子レンジで温められたのだから当然だ。 問題は次だ。 「ゆ、ゆゆ……ゆふ~ん? んほぉぉぉぉぉぉ!」 突然だった。 れいむはいきなり息を乱したかと思うと、ぺにぺにをクライマックスまで屹立させた。目 はだらしなく垂れ下がり、卑猥に笑みを浮かべる口元からはヨダレがとめどなく流れてい る。 その性欲に溺れた顔はれいぱーありすにも引けを取らない醜悪さだった。 そこで俺は確信した。 「やはり! 『振動』がキーだったのか!」 そして、俺は包丁を取り出すと一気にれいむを両断した。 「ゆげぇっ!?」 おぞましく発情したれいむはまっぷたつになった。普通のゆっくりなら断面に餡子が見え、 それがこぼれ落ちるのに少しは時間がかかる。ゆっくりの餡子の粘性は意外に高い。 だが、こいつはそうはならなかった。 二つに割られた皮からすぐさま漏れ出たのは、どろどろに溶けた餡子のスープだったのだ。 * * * ゆっくりと電子レンジをつなぐキーワード。 それは、「振動」だ。 ゆっくりは振動させると発情する。 そして、電子レンジはマイクロ波で水分子を振動させる。 餡子にも水分は含まれる。だからゆっくりを電子レンジで温めると言うことは、分子単位 で、それも体内からゆっくりを強制発情させることになる。これは相当異常な状態と言え るだろう。 ゆっくりが発情すると、身体から糖分たっぷりの粘液を分泌する。すっきりーすれば精子 餡を射出する。いずれも餡子よりずっと水分が多いものだ。 これはゆっくりの中にある水分を使ったものだろうか? おそらく違う。それでは量が足りない。 ゆっくりは、発情時に餡子を水分に変換しているに違いない。喰った物をなんでも餡子に 変換するのだから、逆もまた然り。このくらいはあり得るだろう。 普通ならば特定の部位から適量だけすっきりーに必要な水分が生み出されるはずだ。 だが、電子レンジでは違う。 電子レンジの中のゆっくりは、マイクロ波で体内を分子単位に揺さぶられるという通常で はあり得ない強制発情の異常状態。おそらくは体内の全ての餡子が精子餡や粘液を――す なわち水分を発生しだすようになるのだろう。 するとゆっくりの体内はどろどろになってしまう。いくらゆっくりがいい加減な適当ナマ モノとは言え、これではたまらない。爆発前の異常行動はそれが原因なのだろう。いきな り身体中の内臓がぐしゃぐしゃになるなど、どんな苦しみか想像もつかない。 そして、体内で急速に水分が増加し、電子レンジによりいっそう加熱される。おまけに発 情したゆっくりの体温上昇まで加わる。 これらが非常に短時間で行われる。 結果、爆発するのだ! 全ては推論に過ぎない。 しかし、苦しみだす直前に取り出したれいむの状態を見るにまず間違いないだろう。 大発見だ! 俺はとてもすっきりした気持ちになった。いや、素晴らしい! 実に気分が良くなり、今までイマイチ楽しめなかった分も取り返したくなった。 どうせやるなら凝ったことをやろう。 「んほぉぉぉぉ! いいわぁぁぁぁ!」 俺が選んだのはありすだった。とりあえずこいつをひとしきり手で揺すって発情させる。 そして、 「んほぉぉぉ! すっき……」 すっきりー直前で手早く電子レンジの中にたたき込む。 「ちょっとぉぉぉ! ここまでやってじらすなんて、とかいはじゃないわぁぁぁ!」 喚くありすを無視して、電子レンジのスイッチをオン。 オレンジ色のランプに照らされ、回転皿でありすが回る。 「ん、んほ!? ありすのぺにぺにをぜんしんなめまわすようにみたいなんて、おにいさ んもとんだへんたいさんねぇぇぇぇ!」 確かに言われてみればストリップショーみたいだ。 れいぱーありすは発情時になんでも自分に都合良く考えると言うが、ここまでキモイもの だとは。正直むかつく。 だがこれはいらだちはこの後の素敵なショーを味わうためのスパイスのようなもの。 俺はそれこそストリップショーの観客のように舌なめずりしてありすを眺める。 「ん? んほ、んほ、んほぉぉぉ!? なんだかとってもとかいてきだわぁぁぁ! から だがあつくなってきたわぁぁぁ!」 既に発情状態だったためか、あるいはさすがれいぱーありすと言うべきか。 マイクロ波に敏感に反応し、ありすはさらに興奮を高める。 ぺにぺにをさらに大きくし、ぬらぬらと身体からは止めどなく粘液を分泌しだす。 「んほぉぉぉ! んほぉぉぉ! んっほおおお!」 雨上がり、アスファルトでのたうつミミズのように暴れ回り、それでいてなめくじのよう に異様なぬめりと光沢を放つ身体は醜悪そのもの。その身体に張り付く金髪は濡れて乱れ 張り付き悪夢のような気色悪い彩りだ。 情欲まみれというよりヤバイ薬をキメたかのような正気を失った目。ダラしなく伸び、振 り回される舌は触手のように柔軟にしてキモイ。 電子レンジの中、発禁レベルのクリーチャーが誕生しようとしていた。 さすがに正視に耐えなくなってきた。とっとと終わりを迎えて欲しい。 そう願ったとき。 「すっきりーっ!」 爆発した。 異常膨張したぺにぺにから放たれる沸騰したカスタード。その発射に耐えきれないかのよ うに爆裂四散するありすの身体。 俺が見ることが出来たのはそこまでだった。 悪い予感に身を任せ、咄嗟に身を伏せた。それが幸いした。 頭上で爆発音が通り過ぎ、しばらくしてからゴン、と頭に当たる者があった。 電子レンジの蓋だ。 爆発したのはありすばかりではなかった。 電子レンジそのものが、爆発してしまったのだ。 * * * 「やれやれ、やっぱりれいぱーありすをオチにもってくるものじゃないなあ……」 ため息を吐きながら後かたづけをする。 幸い火事になったりすることもなく、被害は電子レンジ付近が少々焦げたぐらいだった。 それでも大損害である。 だが俺はそれほど後悔していなかった。 虐待としては楽しかった。都市伝説が事実だとわかったばかりでなく、その原理まで回答 できたのだ。大収穫だ。 なにより、「ゆ虐天」の来月号予告が俺を勇気づけてくれた。 「読者の選ぶ十の虐待」の賞品の中には、電子レンジがあったのだ。 了 by触発あき
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「おかーさん、これ捨てるならもらって良い?」 「いいけど…そんな物何に使うの?」 「えっと…学校の工作だよ」 「割らないように気をつけるのよ」 少年はそれを2つタオルに包み、上着のポケットに入れた。 少々不恰好になってしまったが、そんな事も気にせず元気に家を出る。 「おまたせ!まった?」 「いや、そうでもないけど…で、持って来たのか?」 「うん!2個あったよ、早速やってみようか」 少年達は人通りの少ない路地に足を進める。 ゴミが放置してある汚い路地で何か動いていた。 二人はそれに足音を立てないように近づいていく。 「ゆん?なんなの?たべものをくれるの?!くれないなら、どこかにきえてね!れいむはおなかがすいているんだよ!」 「いたね!こいつにしようか?」 「うーん、ゲスまりさの方がおもしろそうなんだけど…まあいいか」 少年の友人が野良れいむを持ち上げる。 少年は家から持ってきた物をポケットから取り出した。 「ゆわーい!おそらをとんでるみ 『ズブッ!』 ゆぼびっ?!」 少年は持ってきた物、使用済みの「電球」をれいむのあにゃるに無理やり押し込んだ。 一瞬何が起きたのか理解できないでいたれいむ。 だがすぐに痛みから涙を流し始める。 「ゆぎぎぎぎ!れいむのあにゃるがぁぁぁ!!」 「うわっ!きもちわりぃ!ってかきったねぇな…」 「じゃあ、もう一個いきまーす!しっかり押さえててね」 必死に身をよじり、逃れようとするれいむ。 そんなれいむのまむまむに少年は2個目の電球を押し当てる。 「ゆふん!やめてね!へんなところをさわらないでね!」 「うるせぇな!ってか気持ち悪いな…」 「ゆびっ!ゆぎぎぎ!いだいよ!そんなものは、はいらないよ!ゆっくりやめてね!」 「何言ってるの?入らないじゃなくて、入れるんだよ!」 「やめろぉぉぉぉ!ゆっぎぃ!ゆがががが!…ゆ……ゆ……ゆ……れいむのばーじんさんががが……」 「ますますきもちわりーなこれ!」 れいむは無理やりまむまむに電球を押し込められ、痛みと悔しさから身を震わせて泣いた。 「じゃあ、そろそろいくか!ちょっとはなれてろよ………ほいっと」 「ゆがぎぎぎ!……ゆわーい!おそらをとん 『パンッ!』 ゆぎゃび?!」 少年の友人はれいむを真上に放り投げるとその場から離れた。 れいむは痛みを忘れ、宙を舞う感覚を楽しんだが、重力には逆らえず落下した。 「ゆぎべべべ!いだいぃぃぃぃ!どおなってるのぉぉぉぉ!!ゆがげがぎがががごごご!」 落下した衝撃で電球が割れた。 電球の破片はれいむの体内に刺さり、れいむを苦しめる。 痛みに耐えられず転がりまわるたびに、ガチャガチャと音を鳴らすれいむ。 少年達はそんなれいむを見て笑っていた。 「ゆびぎがごごご!どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉぉ!!」 「ははははっ!なんでって?くくくくくっ!おもしろそうだったからだよ!ははははっ!」 「いぎゃ!ゆぐびび!ゆっぐりでぎないぃぃぃぃぃ!!」 少年達はしばらくれいむを見て楽しむと、何処かに行ってしまった。 れいむは痛みに耐えられず、その日のうちに死んでしまった。 完 子供って無邪気に酷いことしますよね… 自分は小さい頃は無益な殺生はしませんでしたね。 周りの友人は虫や蛙とか殺してましたけど… そんな自分も今ではゆ虐にはまってますねw 徒然あき 挿絵:車田あき
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れいむ No.141 タイプ:しんとう/ひこう 特性:はくれいのみこ(相手に能力を下げられない) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 れいむ 110 95 90 85 90 80 Aれいむ 90 120 80 85 85 90 Dれいむ 125 75 100 80 100 70 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) はがね/こおり/ことわり いまひとつ(1/2) ゆめ/ほのお/みず/しぜん/こころ いまひとつ(1/4) --- こうかなし だいち コスト:210(コスト技の威力:120) れいむ 解説 覚える技レベルアップ 技マシン タマゴわざ 解説 やや控えめな攻撃性能に合わせて、アタッカーとしては耐久性能に優れる空を飛ぶ不思議な巫女 全キャラ中、唯一の神+飛行。耐性範囲が広めだが、神道と飛行の一番の急所である鋼と理が弱点として残っている 特質するべきは防御能力の高さ。BDは90と平均より少し上程度なのだが、それを補完するように広い耐性と高いHPを保持している 素の状態での火力は、物理より特殊で勝る(物理は飛翔、特殊は銀色の風)が、優秀な積み技追い風の存在により、積み前提なら物理の方が攻撃性能が勝る 上記の高い耐久性能によって、強引だがほぼ確実に1回積み技を発動出来る事が最大の特徴 問題はややSが低い事。そのため、性格不一致だと、努力値を目一杯振っても追い風1回でS125最速までしかぬけない。逆に性格を素早さに一致させると火力面で不安が残る 対理タイプに弱点でさせる技が皆無。飛行の技も全体的に貧弱な関係で、サブウェポンが軒並み半減されてしまう神+理のえいき系やひじり系もややきつい 覚える技 レベルアップ ちびれいむ れいむ 技 - 1 ねごと - 1 ロックバレット - 1 カウンター - 1 ほのおのパンチ - 1 れいとうパンチ - 1 かみなりパンチ - 1 じこあんじ - 1 ふきとばし - 1 じんつうりき - 1 ひしょう - 1 おいかぜ - 1 ぎんいろのかぜ 1 - ふうましん 5 - みやぶる 10 - さばきのつぶて 16 - たまなげ 21 - きつけ 27 - とびげり 32 - ふういん 38 - かまいたち - 43 エアスラッシュ - 46 ひかりのかべ - 49 ミサイルばり - 52 ふきとばし - 56 じんつうりき - 60 ひしょう - 64 おいかぜ - 68 ぎんいろのかぜ 技マシン マシン 技 威力 命中 タイプ 分類 PP 技01 きあいパンチ 150 100 ゆめ 物理 20 技04 めいそう - - しんとう 変化 20 技07 かまいたち 60 - ひこう 特殊 20 技09 さばきのつぶて 60 - しんとう 特殊 20 技10 どくづき 80 100 しょうき 物理 20 技16 ひかりのかべ - - しんとう 変化 30 技17 みきり - - ゆめ 変化 10 技23 はがねのこぶし 100 80 はがね 物理 10 技25 かみなり 120 70 かぜ 特殊 10 技27 おんがえし - 100 げんそう 物理 10 技31 かわらわり 75 100 ゆめ 物理 15 技32 かげぶんしん - - げんそう 変化 15 技33 リフレクター - - ゆめ 変化 20 技34 エナジーボール 120 75 ゆめ 特殊 5 技38 だいもんじ 120 80 ほのお 特殊 5 技39 がんせきふうじ 55 90 だいち 物理 15 技40 いばる - 90 あんこく 変化 15 技42 からげんき 75 100 げんそう 物理 15 技43 ひみつのちから 70 100 げんそう 特殊 20 技44 ねむる - - げんそう 変化 10 技45 メロメロ - 100 こころ 特殊 15 技49 よこどり - 100 あんこく 変化 10 秘02 そらをとぶ 90 100 ひこう 物理 15 秘04 かいりき 80 100 ゆめ 物理 15 秘05 フラッシュ 65 90 しんとう 特殊 15 秘06 いわくだき 50 100 ゆめ 物理 20 タマゴわざ のろい はっけい はたきおとす クロスチョップ いあつ リベンジ いわなだれ
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虐待とは言えない内容。 誰も死なない。 人間あり。人間のスカトロ描写あり。 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 本日はとあるれいむを追ってみる事にしましょう。 れいむはいつも野良に憧れていました。 野良は好きな時にお外で遊べる。 野良はいつでも自分のしたいことが出来る。 野良は飼いゆっくりのように生活を縛られない。 野良はとても自由だ。 れいむには野良ゆっくりがそう映っていました。 この家を出よう! そう決心するまでに日数は掛かりませんでした。 ゆっくりは自分の欲に忠実です。 後先よりも、目先を目指してしまう個体が多いのが、 この脆弱な生物の大きな欠点です。 そうと決まれば膳は急げ! 飼いゆっくりの証であるバッヂが汚れていると言って洗ってもらっている今、 空気の入れ替えに飼い主が空けた窓から外に出れば誰も自分を飼いゆっくりとはわからないのだ。 部屋に誰もいなくなった事を確認すると、れいむは窓から外へ飛び出しました。 これで晴れて野良の仲間入りです。 もう家には戻らないとれいむは決心していました。 いえ、この広い世界こそがれいむの家だと思っていました。 しかしれいむを待っていたのは厳しい現実でした。 「ゆー、れいむはおなかがすいたよ。 おねーさん、おかしちょうだ……い?」 家を出ていつもは決まった範囲しか散歩できなかったので、 好きなように街を歩き回った結果、 いつものようにお姉さんと散歩に出かけたと勘違いし、 居もしないお姉さんにおかしを要求していました。 「おねーさんどこいったの? れいむはおなかがすいてるんだよ!?」 れいむのなかでは、 お姉さんがれいむを置いてどこかに行っている事になっています。 これもゆっくり種によくある、都合の悪い事をすりかえるという行動です。 「ゆっくりできないおねーさんはもういいよ! れいむはほかのひとにおかしをもらうよ!」 れいむの知っている人間は全員お菓子をくれていました。 知っているのがゆっくりを飼っている人や、お姉さんの知り合いばかりだからです。 だから人間は全てゆっくりに…自分に食べ物を用意してくれると勘違いしていました。 最初は分をわきまえて生きていても、ゆっくり種は環境に慣れると傲慢になるモノが多いようです。 このれいむも、野良に憧れる前は分を弁えていたようですが、すでに見る影もありません。 しかし、そんなれいむもすぐに現実を知る事になります。 「おにーさん、れいむにおかしをちょうだいね!」 自分の飼い主にもらいなさい。 「おねーさん、れいむにおかしをちょうだいね!」 他人のゆっくりに何かをあげると、 躾に影響があるからそう言う事は出来ないの。 ゆっくりが浸透している現在は、 ゆっくりの躾については大体の人が知っており、 中途半端に他人が他人のゆっくりに干渉するのはよくない事だと認知されています。 「ゆぅ……なんで? なんでだれもおかしくれないの?」 すでに夕暮れ。 お昼ご飯を食べていないれいむはおなかがペコペコです。 「ゆぅ、おうちかえろう……」 自分が家出をし、 居もしないおねーさんを見限った事をすっかり忘れ、 れいむは家に帰ろうと動き出します。 しかし…… 「ゆわぁぁあぁぁぁん!!! ここどこぉおぉぉぉぉぉぉ!!!!」 れいむは動き回ったせいで、 自分の知らない場所に居ました。 距離的にも3km程度家から離れています。 「おねーざぁぁぁん、なんでむがえにぎでぐれないのぉぉぉぉ!!!!」 基本的なゆっくりは人間の幼児と同じ程度の知能です。 それに我欲の強さが重なり、自分の都合で全てを他者の責任へと転換します。 良く言えばポジティブであり、脆弱な生命として生きていくには必須の能力とも言えます。 「ゆぅ……たべものさんさがすよ……」 泣きつかれ、せめて空腹を満たそうとします。 しかし、野良歴四分の一日程度のれいむに、 食べ物がどこにあるかなどという知識はありません。 食べ物は誰かが持ってくる、 持ってこなくても探せば必ずどこかにあるもの、 そういう知識しかありません。 「なんでたべものないのぉぉぉぉ!!!!」 何が食べれて何が食べれないか、 そんな事以前にれいむは家の中と外をごっちゃにしていました。 家の中のように、台所を探そうとしていたのですから、 食べ物が見つかるはずもありません。 「ゆ?どうしたのかしら?」 おや?野良のゆっくりが来たようですよ。 れいむに声をかけたのはゆっくりありすでした。 見た目にも野良とわかる程度の汚れはありましたが、 野良にしては清潔そうな汚れの少なさです。 「ゆぅ、れいむはおなかがすいてるんだよ……」 「あなたはかいゆっくりでしょう? おうちにかえればいいじゃない」 『かいゆっくり』 という言葉でれいむは思い出しました。 自分は野良に憧れて外に出たのだと。 「ゆゆ! ちがうよ、れいむはのらになるためにいえをでたんだよ!」 その結果がこれだというのに、 またしても都合の悪かった事を忘れています。 「なぜのらにあこがれるの?」 「のらはじゆうなんだよ! かわれるとじゆうじゃないんだよ! だからのらになったんだよ! それもわからないの?ばかなの?」 「そう。そのままかわれていればしあわせだったのに……」 ありすは呆れたというよりは哀れに思いました。 このれいむは世界を知らなすぎている。 このれいむはきっと深く後悔して死んでいく。 と。 「かわれるなんてしあわせじゃないよ! ゆ!?わかったよ! ありすはのらがふえるのがやなんだね! じぶんだけがゆっくりしたいだなんて、 ごうまんだね!ゆっくりできないありすはさっさときえてね!」 「そうね、ゆっくりできないのらはさっさといくわ。 わたしもおなかがすいているし」 ありすはゆっくりにしては知性と大人の精神を持っていました。 一般的な通常のゆっくりなら、 今のれいむの態度で激怒していてもおかしくありません。 「ゆ! そうだよれいむもおなかすいてるんだよ! ゆっくりできないありすはれいむにごはんをちょうだいね!」 「のらとしていきるんでしょう? だったらのらはじぶんでごはんをさがすのよ。 だってのらはじゆうなんでしょう? それならごはんをたべることもさがすこともじゆうなのよ」 飼われていた頃は礼儀も良く、 他者を刺激するような事も言わなかったれいむは、 一体どこにいったのかというほどの見る影の無さです。 ゆっくりが潜在的に持つ、ゲスの因子なのでしょうか。 「わけわからないこといわないでれいむにごはんをちょうだ…… まってよぉぉぉ!なんでどっかいっちゃうのぉぉぉ!!!」 ありすはもう聞く耳を持たずにさっさと行ってしまいました。 追いかけようにも、空腹感に弱い飼いゆっくりでは、 空腹を我慢できる野良ゆっくりに体力では勝てません。 「ゆぅ……ゆっくりできないありすのせいでまたおなかがすいたよ!」 責任転嫁もここまでくると清清しさを感じてしまいますね。 おや?近くでゴミを漁る音がしますよ。 「まりさ、きょうはどう?」 「ゆぅ、きょうははずれだったよれいむ……。 にんげんさんがたべれなかったものをすてるのはきょうじゃないみたい……」 「ゆぅ……」 野良のまりさとれいむです。 会話の内容からすると、それなりに野良を続けていたとわかります。 汚れ的にもそれを物語ります。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 れいむはお決まりの言葉で二匹の気を引きます。 この言葉は本能に染み付いた言葉で、 ゆっくり種であれば同じ返事を返さずにはいられない魔法の言葉です。 「いいところであったよ! れいむにごはんをわけてね!」 「ゆぅ、ざんねんだけど、ここにごはんはないよ」 「ごはんがほしかったらほかをあたるといいよ」 「ゆゆ!? のらのくせにごはんももってないの?」 れいむの中の野良の定義、 いつでも好きな時にご飯を食べられる。 それがまだ残っているようです。 この言動で、野良まりさと野良れいむは、 このれいむが飼いゆっくりだと理解しました。 「かいゆっくりならいえにかえってごはんをたべればいいよ」 「そうだよ、れいむたちみたいにうすぎたなくいきなくていいんだよ」 なんと優しいゆっくりでしょう。 先程のありすといい、この街の野良ゆっくりは、 自分達の身の程をしっかりと弁えて生きているようです。 このまま躾が行き届けば、立派な飼いゆっくりになれるかもしれませんね。 「なにいってるの、 かいゆっくりなんてふじゆうでしかないんだよ? かわれたことがないからわからないんだね! せけんしらずなんだね!むちなんだね!」 野良ゆっくりへの憧れが抜けきっていないれいむは野良二匹を罵倒しています。 これが野良ゆっくりの姿であると、まだ気付けずにいますね。 野良に対する自分の言動と、野良となった自分の立場の矛盾にも気づいていません。 「まりさ……」 「わかってるよれいむ。 このこには、のらのきびしさをおしえてあげないと」 おや? まりさがなにやら食べ物のようなものを帽子から出しましたよ? おそらく今夜食べようと思っていた食べ物でしょう。 保存をしておく習慣まであるとは、いやはや野良にしては優秀です。 「ゆ?たべものさんだね! さっさとれいむにちょうだいね!!」 このれいむにつける薬があるとすれば暴君ハバネロでしょうかね。 「これはまりさとれいむがひっしになってみつけたごちそうだよ。 それでもたべて、のらとかいゆっくりのさをしってね」 そう言って二匹はさっさと去っていきました。 れいむは空腹からか、大急ぎで食べ物に飛びついています。 「ゆっ!?」 おやおや? なにやらようすがおかしですね? 「ゆげぇ!! なにこれぇぇぇぇえ!!! くさいよぉ!!! おいしくないよぉぉぉ!!! ゆっくりできないよぉぉぉ! だまじだなぁぁぁぁあ!!!!!」 なるほど、生ゴミでしたか。 飼い生活の長さで舌の肥えたれいむに、 野良のご馳走はやはりゴミなのですね。 「ゆぅ……ゆっくりできないのらがおおいよぉ……。 あのゆっくりしたのらみたいなまりさをさがすよ……」 れいむは空腹が限界ですね。 ナレーションがこういうのもなんですが、 とても惨めで大馬鹿です。 「ゆ?」 「むーしゃむーしゃしあわせぇ!」 おっと、今度は別の野良まりさです。 どうやらご飯にありつけているようですね。 「まりさ、まりさはとってもゆっくりしたのらだね!」 「ゆ? だれ?」 「れいむはれいむだよ! まりさ、たべものさんをわけてね!」 図々しい……誰かハンマーを…… ゴホンゴホン、失礼しました。 本当に失礼なれいむですね。 まりさ、怒ってもいいですよ? 「これはまりさのごはんなんだぜ! かいゆっくりはさっさといえにかえれだぜ!」 おや、このまりさは「だぜ」口調ですね。 なかなか長い野良生活を送っていると見ました。 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉ!! れいむはおながずいでるんだよぉぉぉ!!」 ちょっと誰かハンマー持ってこいや! ……あぁっと失礼。 先程から優良ゆっくりばかりで、 性格悪いゆっくりに対する耐性が薄れてしまいました。 もう大丈夫です。 「かわれてるならさっさといえでごはんをたべればいいんだぜ。 ばかなの?しぬの?」 「れいむはのらなんだよ! かいゆっくりなんてゆっくりできないゆっくりじゃないよ!! まりさこそそんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 これはまりさが襲い掛かってきても仕方ない状態ですね。 ていうか襲え。 「……わかったんだぜ、じゃあこれでもたべるといいんだぜ」 おや、やけにあっさりですね? 「ゆゆ! わかればいいんだよ!」 ………………………………。 「ゆぎゅ、ごれはゆっぐりでぎないよ! べつのをちょうだいね!!!」 「それがまりさのごはんだぜ。 それがたべれないようならのらなんかやめてっさっさといえにかえるんだぜ。 まだまにあうんだぜ。」 なんてこと、このまりさも優良ゆっくりだったなんて!! わたくし、感動いたしました!! そしてれいむには最初からずっとですが、失望しました。 「ゆぐぐぐぐ!! そうやってごちそうをかくすつもりだね!! ゆっくりできないまりさはしね!!!!」 ついに実力行使に出たようです。 ……早く潰されろ。(小声) 「ゆぎゅ!」 おっと、まりさは華麗に回避しましたね。 どうやられいむは、まりさが集めたご飯の中にダイブしたようです。 「ゆぎゃああああ!!! ぐざぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 憧れの世界ではご馳走である生ゴミの中にダイブして臭いとは酷いですね。 「それがまりさのごはんぜんぶなんだぜ。 ぼうしのなかもなにもないんだぜ。」 「うるざぁぁぁぁい!!!! ゆっくりできないまりざはじねぇぇぇぇぇぇ!!!」 もうご飯どころではないようですね。 まりさを殺す事意外頭に無いようです。 「ゆっくりできないのはれいむのほうなんだぜ!!!」 「ゆぎゅぶ!!」 やはり肥えた歴戦の野良の体力には勝てないようですね一撃で吹っ飛ばされています。 「もうくるなだぜ!! かんちがいかいゆっくりのかおはもうみたくないんだぜ!!」 「ゆ、ぐ……」 そこだ、そこで追い討ちだまりさぁぁぁぁ!!! あぁもうじれったい!! 手が出せないナレーションという立場をここに来てようやく呪いました。 「ゆ……ぅ、おねぇざぁぁぁぁん……! どぉじで、だずげでぐれないのぉ……!」 這いずり回っていますね。 醜い。(小声) 家出をしたという事を忘れていますね。 これで何度目でしょう。 おや?また新たな影が近付いてきていますね。 「かいゆっくりがそんなところでなにしてるんだぜ?」 「ゆぅ、れいむはのらだよ……かいゆっくりとはちがうんだよ!」 まだ言ってます。 影の主は野良まりさですね。 「のらにしてはきたなくないんだぜ」 「きょうのらになったばかりなんだよ! そういうまりさはくさくてきたないね! ゆっくりできてないよ!!!」 さっきまで野良の近距離まで近付かなかったから臭いが気にならなかったんでしょう。 普通に考えれば野良は汚くて臭いとわかるものですが。 脳内……いえ、餡子脳フィルターがかかってたのでしょうね。 「へんなかおのれいむにいわれたくないんだぜ」 「ゆ!れいむはへんなかおじゃないよ! ていせいしてね!!!」 「じゃあそこをみるんだぜ」 まりさが示したのは鏡。 自分の姿を見ろという事でしょう。 「ゆ? なにこのきたないれい……む?」 あらあら、固まっちゃいましたよ。 「ゆあああぁぁぁぁぁ!!! でいぶのぎれーながおがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 ゆっくりの基準はわかりませんが、 その叫び顔はたしかに醜いですね。 「ゆああああああああん!!!!!」 「きたないれいむにきれいなかざりはふつりあいなんだぜ」 おや、まりさがれいむに近付いていますね。 これは期待通りの展開になりそうですよ! 「ゆ!? なにずるのぉぉぉ!! でいぶのおりぼんがえじでぇぇ!!!!」 「ゆっへっへっへ!! このりぼんはまりさのれいむのためにもらってくんだぜ!!! きたないれいむはこのきたないりぼんがおにあいなんだぜ!!!」 そう言ってまりさはれいむのリボンを盗み、 代わりに汚くボロボロになった、おそらく番のリボンを落としていきました。 何だよもっとやれよ。(小声) 先ほどは正面から生ごみに突っ込んだだけだったので、飾りは綺麗なままなのですね。 「こんなぐざいのいやだよぉぉぉぉお!!!!」 どうやら死臭はしないリボンのようです。 でも、綺麗好きの飼いゆっくりとしてはこの汚いリボンは、 死臭にも劣らないゆっくり出来なさがあるのでしょう。 「ゆぅ……れいむのおりぼん……」 結局れいむはリボンをつけなかったようですね。 プライドだけは高かったようです。 プライドでお腹は膨れないとはよく言います。 「かざりがないこがいるねーわかるよー」 この喋り方はちぇんですね。 しかし攻撃するでも汚らしく見るでもないようです。 「れいむはおりぼんさんをぬすまれたんだよ……。 すごくかわいそうなゆっくりなんだよ……」 「わかるよー、わかるよー。 きれいなかざりはぬすまれやすいからねー、わかるよー」 「じゃあちぇんははやくれいむをたすけてね! あまあまをもってくるだけでもいいからたすけてね! こんなかわいそうなれいむがめのまえにいるんだから、 たすけてとうぜんなんだよ! これはしぜんのせつりなんだよ! わかったらはやくごはんをもってきてね!」 「わかるよーみじめなんだねー。 でもかいゆっくりならいえにかえればいいんだねーわかるよー」 このちぇん、まったく動じないところを見るとおそらく長く生きていますね。 飾りをつけていない事についてあまり言及もせず、 一歩引いた位置から静観しているのも、観察しているという事なのでしょう。 「ゆがああああああああ! なんでたべものをくれないの!? こんなにかわいそうなれいむがたのんでるんだよ!? はやくもってこぉぉぉぉい!!!!」 「わかるよー、みじめなれいむはじぶんでかりもできないんだよねー。 だからだれかにめいれいすることしかできないんだよねー。 そんなだめゆっくりがのらでいきていけるはずないんだよねーわかるー?」 挑発的ですねこのちぇんは。 しかもすごい口数の多さ。 これも生きた長さを示しているんでしょうか。 「ぅぅぅぅぅぅうううう!!! ゆっくりできないちぇんはしねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 「これでせいとうぼうえいなんだねー、わかるよー」 「うぎゅべぁ!!」 ひらりとかわすちぇん。 そして間髪いれずにタックル。 まったくもって喧嘩慣れしていないれいむは餡子を吐きながら転がっています。 それにしてもれいむは堪忍袋がすぐ破裂しますね。 「そんなんじゃ、ぱちゅりーにもかてないよー。 はやくいえにかえるんだねー、わかってねー」 この町の野良は本当に優良ですね。 下手に飼いゆっくりを攻め立てないのは後々の事を考えてなのでしょう。 賢いです。 実に飼いゆっくりに適しています。 「ゆぐぐぐ……ちょっとすべっちゃったけど、もうゆるざないよ……!」 突き飛ばされてから2分経ってようやく立ち上がるれいむ。 おそらくすぐ立ち上がった気なのでしょう。 気絶していたのにも気付かずに。 「ゆ!?ちぇんがいないよ! にげたんだね!ひきょうものだね! れいむのちょーすぴーどについてこれなかったんだね!」 さっきのを自分のミスで転んだような感じで脳内変換しているのでしょう。 なんという餡子脳。 というか、どんどんこのれいむは馬鹿になってきていますね。 そろそろ終わりでいいよこいつ。(小声) 「ゆぅ……まっくらになっちゃったよ……。 おねぇざぁぁぁぁぁんむがえにぎでよぉぉぉぉ!!!」 そうこうしている間に夜になりました。 町の夜とはいえ、民家では街灯だけではあまり明るくありません。 そして現在夜11時。 いろんな危ない者が通る可能性があります。 野良れみりやもいる可能性がありますし、 夜出歩くゆっくりはれみりやレベルの強さを持つゲス系ゆっくりの可能性もあります。 「うっ……まずい飲みすぎた」 あとこんな酔っ払いとかね。 テンプレを期待します。 おっと、れいむも酔っ払いに気付いたようです。 「ゆ!おじさん、れいむをおうちにつれてってね! あとあまあまをちょうだい!」 「あぁぁぁぁ……ん? ゆっくりかぁ……こんな夜に珍しい」 「きいてるの?! れいむをはやくおうちにつれていってね! まったくよっぱらいはこれだからぐずなんだよ! そんなんだからしゅっせできないんだよ!!」 「なんで野良のお前をうちに連れてかなきゃならんのか……うぅ」 れいむは「れいむの家につれていけ」と言い、 おじさんは「おじさんの家につれていけ」と勘違い。 言葉って難しいですね。 「れいむはとくべつなゆっくりなんだよ! だからみんあれいむにやさしくしてれむのいうことをきかなきゃいけないんだよ! そんなこともわからないんだから、まんねんひらしゃいんなんだよ!! ほんとむのうだね!」 「聞き捨てなら無いなぁ。 ようし、いっちょ世の中の厳しさを教えておいてあげよう……うーぷ」 そういうと徐にれいむを持ち上げるおじさん。 「やっとれいむをおうちにつれていくきに……ゆ?」 「うげろろろろろ」 「ゆぎゅあばばばばばばばばば」 流れ出る嘔吐物。 それを大口開けて受け止めるれいむ。 ひどい、これはお茶の間には放送できない。 でもよくやったおじさん。 「うげ……うぎゅえ……きぼじ、わぶい……うぎゅ」 「うげーくっさ。 まぁ、路面汚さなかったしよしとしますか……。 あと俺は部長だ。それに来月また昇進するんだ。 お前みたいな底辺とは違うんだよ……あぁ糞してぇ」 なんとズボンを下ろし始めるおじさん。 そしてれいむの顔を自分の尻の目の前に……ああ、これは……なんという……あぁ。 「ふん!」 プリッ。 「!?!?!??!???!?!?!?!?!!」 見事れいむの口の中にホールインワン。 あーこれは正直同情せざるを得ないですねぇ。 目の前にいたら多分おじさんの方をぶん殴ってますよ。 だってれいむ汚いし。 「すっきりしたぁ……あぁ、拭いたティッシュも食わせとくか」 「がふっ!が、ぎゅぶぎゅ……」 すっきりした表情でおじさんは夜の闇に消えていきました。 れいむといえば、半日ぶりに目いっぱい食べさせてもらって、感謝感激意識消失状態。 完全に死に体ですね、よく生きていると感心してしまいます。 「ゆぎゅり、しだい、よ……」 明くる朝、れいむは夜明けとともに目を覚ましました。 見た目はどこからどう見ても野良。 異臭レベルは歴戦の野良を超えて最強レベル。 夜中、何匹かのれみりゃがれいむを見つけましたが、 その漂う異臭に耐えかねて逃げています。 その異臭は体内の餡子まで侵食しているため、洗った程度では落ちません。 誰も、人もゆっくりも動物も、れいむに近付こうとはしません。 「だれが、だずげでよぉぉぉ……」 異臭は、他者に殺される確率を大いに下げる事に貢献しています。 更に、れいむは気付いていませんが完全に味覚と嗅覚が破壊されているため、 何を食べても味も臭いもせず、どんなものを食べても一応大丈夫になっているはずです。 あとはこのれいむがこれらの事実に気付くことができれば、 野良としては生きていけるでしょう。 それが幸せかどうかは別として。 これが野良に憧れたゆっくりです。 しかし、このれいむは非常に運が良い例です。 もしかしたら、ありすやまりさとれいむの番に殺されている可能性だってあったのです。 人間に出会って、野良として潰されなかったのも運が良いのです。 更にはおそらく駆除以外では殺される事の無い武器も手に入れています。 実はこれだけ悲惨に見えて、実はかなり高ランクな野良になっているのです。 ですが、こんな目に遭いたいですか。 遭いたくありませんよね。 そうです、野良になる事になんの良い事も無いのです。 今これを見ている飼いゆっくりのみなさんは、これを良く覚えておいてください。 今が退屈?いいじゃないですか、苦労がなくて。 だから、飼い主の言う事はしっかり聞いて、無茶や馬鹿な事は考えずに暮らしてください。 それでは、今日はこのへんで。 ゆっくり教材ビデオ。 飼われているゆっくりに様々な境遇のゆっくりを淡々と見せる事で、 自分が如何な立場にいるかわからせるための教材である。 各巻1000円。 プロデューサー・あたいあき ナレーション・あたいあき 製作会社・株式会社GYAKU 挿絵:儚いあき 挿絵:儚いあき 挿絵:儚いあき
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『ゆっくりは戦いを舐めたっ!』 16KB 制裁 自業自得 日常模様 戦闘 番い 野良ゆ ゲス 現代 おおテンプレテンプレ 気ままあき 「ゆっへっへっ……おい!そこのくそにんげんっ!そのごはんさんをいますぐまりささまに けんっじょうっするんだぜぇぇぇっ!」 「はやくよこしてねっ!ぐずはきらいだよ!それとれいむのまりさはとってもつよいんだよっ! いたいめにあいたくなかったらさからうなんてみょうなきはおこさないでねっ!」 俺がいつものごとく公園のベンチに座ってコンビニのおにぎりを食べていると、 これまたいつものごとく野良ゆっくりがやってきてソレをよこせコレもよこせと恐喝しに来た。 薄汚い身なりの野良まりさと野良れいむ、ほんっっっっっっとうにありふれたつまらない組み合わせである。 「おいっ!きいてるのかぜくそにんげんっ!さっさとごはんさんをよこさないとせいっさいっするのぜ!」 「やっちゃいなよまりさ!くそにんげんはばかだから、くちじゃいくらいってもわからないんだよ!」 「ふう……やれやれなんだぜ。くそにんげんにもすこしはちせいがあるとおもったけどしつっぼうっしたのぜ!」 「ゆんっ!きにやむことはないよまりさ!ていっのうっなくそにんげんがわるいんだからっ!」 「まったく、かんだいなこころでおだやかにことをすませようとしたまりささまがおろかだったんだぜ……」 これまたいつものごとく、人間を見下してゆっくりしようというくだらないコントが俺の前で繰り広げられる。 この野良どもはなにかやらいろいろ好き勝手な事いってるが、 要するに俺がすぐに食料を差し出さないんで、口で命令して食料を差し出させる路線は諦め 俺を暴力で屈服させた後にあらためて食料を奪い取る路線に変更した……という事らしい。 よくもまあ…まだ勝ってもいない、戦いもしていない時点でここまでいい気になれるもんだ。 こいつらのお花畑な脳内ではすでに勝ちが確定しているんだろうが……アホな連中だな本当に。 そして薄ら笑いを浮かべた野良まりさが俺の足元へと余裕たっぷりにやってきた。 「ゆっへぇっへぇ~~かくごはいいのかぜ?くそにんげんはさいっきょうっのまりささまのいちげきをくらって、 さっさとえいえんにゆっくりするがいいのぜ!」 「ほう……お前は俺を殺す気なのか?」 「まりささまだってほんとうはころすなんてしたくないのぜ?そうせざるをえないようにしむけたのは ばかなくそにんげんのおまえなのぜ?だからうらむならじぶんのばかさかげんをうらむのぜ? まりささまはなにもわるくないのぜぇぇぇぇっ!よわよわなくそにんげんがぜんぶわるいのぜぇぇぇぇっ!!」 「ゆっ!まりさのいうとおりだよっ!よわいやつがぜんぶわるいんだよっ!」 「ふーん……じゃあ俺も殺す気でお前を迎え撃つわ。殺されたくないし」 「ゆぷぷぷぷ~~~~っ!よわよわなくそにんげんがまりささまにかてるとか ほんきでおもってるのぜぇぇぇっ!?もうっそうっもたいがいにしといたほうがいいのぜぇぇぇっ!」 「かわいそうだね……くそにんげんって。あたまのなかではじぶんがゆっくりよりつよいって ほんきでそうおもっているんだね……みててすごくいたいたしいよ。れいむはもうあわれみすらかんじるよ……」 「ほらいいからさっさとかかってこいよ。それとも何か?口喧嘩ではまりさは最強とかそういうオチなわけ?」 「ゆふ~……もうはったりさんしかないのぜ?ちからでかてるきがしないから やれることはもうきょせいっをはるしかできないのぜ?くそにんげんはほんとうになさけないのぜ…… しかたないからまりささまが、とっととしゅんっさつっでおわらせるのぜ……!」 「まりさ…できるだけくるしめないようにころしてあげてね?それがきょうしゃのぎむだよ?」 「わかってるのぜ。さいっきょうっのしょうごうをもつもののつとめってやつなのぜ……いいのぜ! くそにんげんがなんでもおもいどおりにできるっていうのならっ! まずそのふざけたげんそうをぶちころすのぜぇぇぇっ!」 「そのいきだよまりさっ!ゆゆ~ん、ほんとうにれいむのまりさはゆっくりしているよぉ~~~♪」 「まりさっ!さいっきょうっでごめんねっ!」 いつまでたってもかかってこないので俺はのんびりと残りのコンビニおにぎりを全部食ってしまった。 これでこいつらが仮に俺に勝てたとしても本来の目的は達せられなくなったわけだが…… つくづくアホだなこいつら。 「それじゃいくのぜ?くそにんげん……いちげきでおわらせるのぜ!さいしょからくらいまっくすさんなのぜ!」 「あーはいはい。わかったからはやくこいよ……面倒くさいなあ」 「まったくかなしいよゆうづらなのぜ……でもそれもここまでなのぜ!ゆっくりしねぇぇぇぇぇっ!!」 野良まりさは俺の足目掛けて猛烈な体当たりを敢行した。 俺は余裕をもってカウンターをあわせる……と、その時!なんとまりさが加速したっ! なんだとっ?俺はタイミングを見あやまった。 しまった…と思った時にはもうまりさの体当たりを足に喰らっていたっ! ベキィッ! ぐわっ……!な、なんだこの音と痛みは……!? なんということ……恐る恐る見てみると野良まりさの一撃で俺の足が骨がヘシ折られている! バカな!ゆっくりにそんなことができるはず……っ! 片足をやられた俺は思わず地面に倒れこんだ。い、痛いっ!痛いっ!痛いっっっ! そんな……ゆっくりごときに骨折させられるだなんてそんなっ! 「だからいったのぜ……もうっそうっとげんじつはちがうんだぜ?」 「ぐっ……!」 俺を憐れむような目をした野良まりさが俺にせまる。 お、おい……やめろよ。さっきの体当たりをさらにかます気なのか? そんなことされたらお、俺は確実に……死…… 「これでとどめなんだぜ。あわれですいくようのないくそにんげんゆっくりしね……っ!」 俺は生まれて初めて殺されることを、死を覚悟した……! と、ここまで野良まりさとれいむの脳内でこうなるはずだと思い込んでいるだけのただの妄想である。 さーて厳しい現実タイムが始まるよー! 「ゆぎゃっ!?」 俺に蹴飛ばされた野良まりさが折れた歯をまき散らしながらふっとんでいった。 野良れいむは「ゆっ?」と言ったっきり固まっている。 「ゆべぇぇっ!?ゆ、ゆぎぃぃぃ……いだいぃぃぃっ!おぼにおかおがいだいぃぃぃぃっ!」 「誰がハッタリかましてるって?誰が虚勢をはってるってんだ?ええっおい?」 「ゆぎゃ!や、やべろぉぉぉぉっ!げるなぁぁぁぁっ!ばりざさまがゆっくじでぎないだろぉぉぉぉっ!?」 「幻想をぶち殺すってなに?なあ答えろよまりさ様よォ。なあっ!なあっ!なあっ!なあっ!」 「ゆべっ!ゆげっ!ど、どぼじでばりざざまがまけ……ゆぎゅぅぅぅっ!」 俺は追い討ちの蹴りを、続けざまに野良まりさに何回も入れまくった。 もうこの時点で野良まりさは息も絶え絶えの瀕死状態だ。 歯はごっそり抜け、肌は蹴りによる打撲痕だらけ、涙をちょちょぎらせてゆんやーゆんやーとか泣くばかりだ。 野良れいむはいまだにフリーズ状態から立ち直っていない。 絶対に勝てるという妄想がいとも容易く覆されたという現実にまだ意識が対応できないのだ。 いや信じたくないという方が正しいのかもしれないが。 「ご、ごんなのおがじいよぉぉぉっ!どぼじてさいっきょうっのばりざざまがぐそにんげんごときに まげるんだぁぁぁっ!」 「簡単な話だ。単にお前が弱いからだろ」 「ぞんなごとあるがぁぁぁっ!ばりざざまはつよいんだぁぁぁっ!あまがえるさんもっ!かまきりさんもっ! みんなばりざざまにはがなわながっだんだぁぁぁっ!ぞれなのになぜぇぇぇぇっ!?」 「あっそ。じゃあ聞くけどさ、ちっちゃぁぁぁ~~いアマガエルやカマキリなんかより人間はずぅぅ~~~っと 体が大きいわけだけど。人間はそれらより遥かに強いとは思わなかったの?」 「ゆうっ!?」 「だってそうだろ?体が大きければそれだけ強いのは道理じゃないか。それなのにたかがカエルやカマキリに 勝った程度で人間にも勝てるとか思うなよ……恥ずかしい奴だな」 「ゆ……ゆぐぅぅぅぅっ!」 小動物に勝てたから大型動物にも勝てると思うのがゆっくりの謎思考だ。 ヤモリに勝てたからアフリカ象にも勝てると思う人間はたぶん少ないはずだ。 つまりそれくらいありえない思考だということだが、ゆっくりの謎思考はさらに斜め上をいくわけで…… 「ぐ、ぐぞにんげんはきっとひきょうなてをつかったんだぜぇぇぇぇっ!ばりざざまはせいっせいどうどうっと たたかったけど、ひきょうなてをつかわれたんだからやられてもしかたないのぜぇぇぇぇぇっ!!」 「ほう……卑怯な手ね。具体的にどういったことを俺がしたと?」 「ぞんなのじるがぁぁぁっ!どにがくひきょうなまねをおばえはじだんだぁぁぁっ! おおっひきょうひきょうっ!ひきょうなぐぞにんげんはゆっくじじないでいまずぐじねぇぇぇぇっ!」 「ほほ~~?」 卑怯な手を使われたから負けた……自分の弱さと敗北を認められないゆっくりは 少しでもゆっくりしようとよくこういう妄言を放つ。 だがそんな屁理屈は俺が許さない。真剣勝負にそんなものは許されないのだ。 「で、卑怯だから……だからなに?」 「ゆっ!?ばかなのぜ?ひきょうはゆっくりできないのぜ!?はんそくさんはげすのやることなのぜぇぇぇっ!」 「あのさあ……お前は俺と公平なルールのあるスポーツの試合でもしているつもりなの?卑怯な真似すれば やさしぃ~~~い審判さんがやってきて俺を叱って負けにしてくれるとでも思ってるわけ?」 「ゆゆっ!?」 「んなわけねえだろ……?俺は最初に聞いたじゃねえか『お前は俺を殺す気なのか』ってよ。 そしたらお前はそうだと答えたじゃねえか。他にも『ゆっくり死ね』とか殺す気満々で攻撃しにきたしよ」 「ゆっ……ぞ、ぞれは……!」 「だったら俺たちが今やってんのはルール無用の殺し合いだ。言うなれば俺とお前の戦争だよ。 殺し合いに卑怯もへったくれもあるかバカ。むしろ卑怯は戦場では美徳だ。ゆっくりできる正統派なんだよ」 「ぞ、ぞんなのおがじいんだぜぇぇぇぇぇっ!ひ、ひきょうさんはゆっくじ……!ゆっくじでぎなっ!」 「うっせバーカ」 「ゆびゃっ!?」 俺はさらに屁理屈をこねようとした野良まりさを蹴飛ばした。 まりさ様はとめどなく涙を流しながら小さくふっとんでいく。 俺は歩いてはまりさのそばにいって小さく蹴っとばし、歩いては小さく蹴っとばしを延々続けた。 「そもそもさァ。卑怯な真似ができるってことはそれだけ頭がいい証拠だって事がわからないのかね?」 「ゆびぃっ!ぞ、ぞんなごと……!」 「少なくとも誰かさんみたいに自分と相手との戦力差も見抜けず、ただ闇雲にやればとにかく自分が勝つと 能天気に思い込んで、勝つための手段を何も用意しないバカよりは数段マシだと俺は思うがね?」 「ゆべぉぉぉっ!ち、ちが……!ばりざはばかなんかじゃな……ゆぼぉぉっ!?」 「や、やべてあげてねぇぇぇぇっ!ばりざいたがってるよぉぉぉっ!」 「あん?」 見るとようやくフリーズ状態から立ち直ったのか野良れいむが 涙をちょちょぎらせて必死に俺に向かって戦いを止めるように懇願してきた。 こいつも戦う前からさんざん好き勝手なことをほざいていたくせに今さら何いってんだか…… 「うるせえよ。部外者は口出すんじゃねえ」 「ぶっ……?ぶがいしゃってことはないでしょぉぉぉっ!?れいぶはばりざのおくさんっなんだよぉぉぉっ!?」 「部外者だろうがよ。今ここで戦ってンのは俺とこの糞まりさだけだ。喧嘩に参加してねえくせに 外から偉そうにやめろとか命令してんじゃねえよ」 「ゆぐぅ!?」 「第一なにが痛がってるよ、だ?その痛いことを俺にしようとしたくせに今さら何いってンのお前?」 「で、でぼぉぉぉ……ごんなのやりすぎ…」 「やりすぎィ?お前らは俺を殺そうとしたじゃねえか。人間を1人殺すことに比べればこれくらい 全然たいしたことじゃないだろ」 「ぞんなっ!ひどいよ!ゆっくじでぎないっ!」 「……あのよ。喧嘩を終わらせる権利をもつ者は勝者だけなんだよ。敗者や部外者がピーピー吠えてるんじゃねえっての 勝った奴だけがすべてを握ってるンだよ!当然どこで喧嘩をやめるかという権利もだ!」 「で、でぼ!でぼぉぉぉっ!ごんなのひどいよっ!どぼじでにんげんざんはごんなひどいごとを へいきでやれるのぉぉぉぉっ!?これいじょうやっだらばりざがしんじゃうでしょぉぉぉぉぉっ!!」 「……ハア?その酷い事以上のことをお前らは俺にしようとしたくせになに言ってるの?」 「ゆぅっ!?」 「死んじゃう?俺を殺しにきたくせにてめーの番が返り討ちになったからって いきなり被害者面なんかしてんじゃねーよ。忘れるなよ?お前らが俺に喧嘩売ってきたんだぞ?」 「ゆ、ゆぎぃ!?ゆぎぎぎぎぎっっっ………!」 「それにお前さっき自分で言ってたじゃねえか。そう確か……弱い奴が全部悪いんだって。 ならこの糞弱いまりさが全部悪いってことだよなァ?俺はなにも悪くないよなァ?なあ?」 「ゆがあああああああっ!」 野良れいむは何も言い返せない。言い返せるはずがない。 何故ならばこういうアホなゆっくりは勝負における勝ち負けを真剣に考えていない。 つまり勝つことに命を賭けていないのだ。 勝つことはただの前提で、勝負前に相手をバカにして優越感に浸るコントがこいつらにとってゆっくりする本番なのだ。 勝利してからゆっくりするのではない。戦いそのものをオマケ程度にしか考えていないのだ。ゆえに勝てるわけがない。 だから勝てないとわかったら、とたんに被害者面して「理不尽な暴力に翻弄されるかわいそうな自分」 を演じてゆっくりするのだ。とことんゆっくりする事しか考えない糞饅頭どもの思考だと言えるな。 そして負けると思ったらなにもかもを放り出すのもゆっくりだ。つまり…… 「も、もうやべでぇぇぇ……ばりざのまけでいいでずがら……もうげらないでくだざいぃぃぃ……!」 「ば、ばりざぁぁぁぁっ!?」 「ほう……自ら負けを認めるか」 「は、はいぃぃ……にんげんざんがつよいでいいでず……ばりざはよわよわでじだあ……だがら」 「でも駄目だな」 「ゆびぇぇぇぇっ!?」 惨めに命乞いをはじめた野良まりさだったが、俺はかまわず蹴り飛ばした。 いちいち言い方が気にくわないんだよなこいつらは…… 「な、なんでぇぇぇっ!?なんでぇぇぇぇっ!?」 「まりさの負けでいいです?人間さんが強いでいいです?なんだよそれ。お前自分が弱いことも俺が強いことも なにも認めてねーじゃねえか。ただ今は負けたから『そういうことにしといてやる』てだけのことだろ? バカが。お前の承認なんか必要ねーんだよ!糞ゆっくりは激弱で人間様は強いんだよっ!それが現実だっ!」 「ち、ちがうっ!ちがうぅぅぅっ!ゆっぐりはつよぐで!でもいまはちょうしがわるぐで!ひきょうなてをつかわれで!」 「ああそうかい。強いけど負けて命乞いすンのがゆっくりなわけだ。おおっつよいつよい♪」 「ちがうっ!ちがうぅぅぅっ!ぞうじゃないだろぉぉぉぉっ!」 「まあいいや。どのみち俺は宣言どおりお前を殺すだけだから。せいぜい最強とかあの世でほざいてろ」 「ゆゆぅぅぅぅっ!どぼじてぇぇぇぇっ!?ばりざはあやまったでしょぉぉぉっ!あやまったらゆるすのが ふつうなんだぜぇぇぇぇぇっ!?」 「普通ねえ。で、お前は今まで謝って許してもらったことがどれだけあるよ?」 「ゆっ?」 「どうせお前が謝って許してもらったのは親とか姉妹とか、家族身内だけなんだろ?」 「ゆううううっ!どぼじでしっでるのぜぇぇぇぇっ!?」 「家族相手ならそりゃ謝れば罪の程度にもよるが基本的には許してもらえるさ。 だが赤の他人にはそういうのは通じねえんだよ。それも俺を本気で殺しに来た奴とくれば 口先ひとつの謝罪で許すとかあるはずねえだろうが。謝れば許してそれで終わりという問題じゃねえんだよ」 「わ、わがらないぃぃぃっ!あやまればゆるすのはとうぜんだろぉぉぉっ!ばりざざまはなにもわるぐないんだぁぁぁぁっ!」 「ほら本音が出た。悪くないと思ってるのになんで謝るの?まりさ様はバカなの?死ぬの?」 「ゆぎぃぃぃっ!ばりざはばかじゃないぃぃぃぃっ!」 「んでさ……俺がお前らを許さない理由というのはお前らが俺を殺しにきたことではなく、実はそこにあるんだわ」 「ゆべっ!?」 「ば、ばりざぁぁぁっ!じっがりじでぇぇぇぇっ!?」 俺は野良まりさを踏んづけて身動きとれなくするとわざと低く押さえた声で言い放った。 「……てめえ等ゆっくりは戦いを舐めたっ!それが許せねえんだよ俺は……!命を奪う覚悟なく、命を奪われる覚悟もなく、 お遊び気分で気安く誰にでも喧嘩ふっかけやがって……!勝つ為の努力をなにもせず、 負ければ形だけ謝ればそれですむと思っていやがるっ!その覚悟なきふざけた態度が気にくわねえんだ!」 「ゆひぃぃぃぃっ!」 「に、にんげんさん?ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってねぇぇぇぇっ!?」 「このまま二匹ともブッ殺してやろうかと思っていたが……」 「い、いやだぁぁぁぁっ!ばりざしにだぐないぃぃぃいっ!」 「れいぶもじぬのはいやだよぉぉぉぉぉっ!?」 「気が変わった。お前らに死ぬまで味わわせてやろう……覚悟なき戦いというものがどれほど残酷なものなのかをッッッ!」 野良れいむはその言葉に思わず俺の顔を見た。よほどゆっくりできないものを感じたのだろう。 まりさも何かを感じ取ったのだろうか。猛烈にゆっくりできない悪寒というものを。 気が付いたときには二匹揃って泣き叫んでいた。 「「ゆ、ゆんやああああああああああああっっっ!!?」」 数日後……とある路地裏に野良ゆっくりの夫婦の姿があった。 かつて人間に喧嘩を売って返り討ちにされたあの二匹だ。 二匹は心底ゆっくりできない顔をしていた。それもそのはずで野良まりさは黒帽子の鍔が丸ごとなくなっていた。 野良れいむの紅白リボンは右半分が丸ごとなくなっていた。当然かつての人間にやられたものだ。 お飾りが欠損したゆっくりはゆっくりできない。だがそれ以上に…… 「ゆゆっ!あんなところにゆっくりできないゆっくりがいるのぜ!」 「ほんとね!まったくいなかものなゆっくりだわ!」 「ちょっとせいっさいっしていこうよー!ゆっくりできないゆっくりあいてなららくっしょうっなんだねー!」 「ゆふん!でいぶのつよさをみせてあげるよ!」 「「ゆ、ゆあああああああ………」」 お飾りの欠損を見つけた付近の野良ゆっくりが毎日毎日この野良夫婦を虐めにきた。 その虐め行為はまさにそれは覚悟なき戦いそのものである。 勝つ負けるを完全に度外視した、命を失う覚悟なしで命を弄ぶ……そんな一方的な戦いである。 お飾りを傷物にされ、すっかり自信をなくした野良まりさと野良れいむには この理不尽な暴力に対抗しうる気力はもうない。 思い込みの力を失ったゆっくりはとたんに弱くなるものだ。 野良夫婦は他の野良ゆっくりに一方的に虐められるばかりであった。 「ゆ、ゆんやあああっ!もうやべでよぉぉぉっ!ばりざをゆっぐじざぜでぇぇぇぇっ!」 「ごべんなざい!かくごじないでけんかうってごべんなざい!もうにどとじまぜん!じないがら…… これいじょうれいぶをいじべないでぇぇぇっ!ゆんやあああああああああっ!!」 勝てばすべてを得る、負ければすべてを失う真剣勝負は覚悟も勝算もなしに気安く売っていいものではない。 負けてお飾りを失った野良夫婦は死ぬまで思い知らされることになるだろう。 覚悟なしに気軽にやってしまった一世一代の真剣勝負、その結果の重さというものを…… 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3479この世はでっかいゴミ捨て場 anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね! anko3503じゃまもの anko3509ゆっくりいーたー anko3522野性のゆっくりとゆっくりしてみた anko3526気持ち悪い! anko3534ゆっくりしているゆっくり anko3537野性のゆっくりとゆっくりしてみた2 anko3545霊園の野良ゆ対策 anko3570自画自賛 anko3582親と子の契約 anko3585賢いゆっくり anko3605ゆっくりできるモノを分け合う anko3624ありふれたつまらない疑問
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Dれいむ No.261 タイプ:しんとう/ゆめ 特性:はくれいのみこ(相手に能力を下げられない) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 Dれいむ 125 75 100 80 100 70 れいむ 110 95 90 85 90 80 Aれいむ 90 120 80 85 85 90 ばつぐん(4倍) ことわり ばつぐん(2倍) けもの/あんこく いまひとつ(1/2) ゆめ/ほのお/みず/かぜ/げんそう いまひとつ(1/4) こころ こうかなし --- コスト:210(コスト技の威力:120) Dれいむ 覚える技レベルアップ 技マシン タマゴわざ 覚える技 レベルアップ ちびれいむ Dれいむ 技 - 1 ロックバレット - 1 ねごと - 1 カウンター - 1 ほのおのパンチ - 1 れいとうパンチ - 1 かみなりパンチ - 1 ふきとばし - 1 とびひざげり - 1 めいそう - 1 てっぺき - 1 ぎんいろのかぜ 1 - ふうましん 5 - みやぶる 10 - さばきのつぶて 16 - たまなげ 21 - きつけ 27 - とびげり 32 - ふういん 38 - かまいたち - 43 エアスラッシュ - 46 ひかりのかべ - 49 ドレインパンチ - 52 とびひざげり - 56 じんつうりき - 60 めいそう - 64 てっぺき - 68 ぎんいろのかぜ 技マシン マシン 技 威力 命中 タイプ 分類 PP 技01 きあいパンチ 150 100 ゆめ 物理 20 技04 めいそう - - しんとう 変化 20 技07 かまいたち 60 - ひこう 特殊 20 技09 さばきのつぶて 60 - しんとう 特殊 20 技10 どくづき 80 100 しょうき 物理 20 技16 ひかりのかべ - - しんとう 変化 30 技17 みきり - - ゆめ 変化 10 技23 はがねのこぶし 100 80 はがね 物理 10 技25 かみなり 120 70 かぜ 特殊 10 技27 おんがえし - 100 げんそう 物理 10 技31 かわらわり 75 100 ゆめ 物理 15 技32 かげぶんしん - - げんそう 変化 15 技33 リフレクター - - ゆめ 変化 20 技34 エナジーボール 120 75 ゆめ 特殊 5 技38 だいもんじ 120 80 ほのお 特殊 5 技39 がんせきふうじ 55 90 だいち 物理 15 技40 いばる - 90 あんこく 変化 15 技42 からげんき 75 100 げんそう 物理 15 技43 ひみつのちから 70 100 げんそう 特殊 20 技44 ねむる - - げんそう 変化 10 技45 メロメロ - 100 こころ 特殊 15 技49 よこどり - 100 あんこく 変化 10 秘02 そらをとぶ 90 100 ひこう 物理 15 秘04 かいりき 80 100 ゆめ 物理 15 秘05 フラッシュ 65 90 しんとう 特殊 15 秘06 いわくだき 50 100 ゆめ 物理 20 タマゴわざ のろい はっけい はたきおとす クロスチョップ いあつ リベンジ いわなだれ
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れいむ種 れいむ種は虐待に限る!! れいむ種は絶対と言っていい程ゆ虐作品に出ます。 れいむ種は主にまりさ種とおちびちゃんを作り、二ゆになったら「たくっちゃん」と認識します。 また、ゲスは「ぷくー」と言うフグみたいな気持ち悪い威嚇をし、「れいむはつよいね!!」とじゆんのあんこで思いながらぷくーをします。 漫画を見たい人は「れいむ種 ゆ虐」と調べれば出てきます。
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Eれいむ No.003 タイプ:ノーマル/ひこう 特性:はくれいのみこ(相手の特性や技の効果では能力が下がらない) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 90 100 95 85 90 80 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) でんき/こおり/いわ いまひとつ(1/2) くさ/むし いまひとつ(1/4) --- こうかなし じめん/ゴースト 同タイプ人形比較 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 Eれいむ 90 100 95 85 90 80 Eあや 90 90 90 60 60 140 Eミスティ 90 85 70 70 85 110 Eときこ 90 105 70 80 60 105 Aミスティ 80 70 70 70 110 90 何かとつけては他の御三家2人と比較され、不遇扱いを受け続けてきた主人公。 しかし現在EさくやとEまりさは弱体化傾向にあり、Eれいむは追い風・大文字・雷・吹雪が追加された。今こそ見返してやる時。 種族値は流石の万能型。特に穴は無く攻撃と防御が気持ち高め。速さが足りないと思ったら追い風を積めばいい。 総合的な耐久は飛行タイプの中で最も高く、積み技・補助技もそこそこ揃っているので耐久型もできない事は無い。 Eれいむ追い風型 サポート型 覚える技レベルアップ 技マシン タマゴわざ 追い風型 性格:いじっぱりorさみしがりorやんちゃ、ようきorせっかちorむじゃき 努力値:攻撃252 素早さ252or調整残り耐久 持ち物:ラムのみ、シルクのスカーフ、するどいくちばし 確定技:おいかぜ 選択技:おんがえし/すてみタックル/LUNATIC/むそうてんせい/かわらわり/シャドーボール/はがねのこぶし/だいもんじ/サイコブースト 場が整ってから出し、追い風を積んでひたすら暴れてもらう。特性により威嚇が効かないのがおいしい。 追い風持ちの中ではEもみじと並んで攻撃技が豊富。Eあや・Eミスティ・Aマリサ等では少々攻め手に欠ける。 ただ他のキャラと違い先制技が全く無い事には注意。積む時にある程度削られ先制技持ちが来たりすると為す術が無い。 素早さの性格補正無しだと追い風を1回積んでも125族までしか抜けない。130族抜きは性格一致172振り。140族抜きは性格一致236振り。 以前の仕様では他の御三家2人には手も足も出なかったが、追い風1積み状態の性格補正無し攻撃振り恩返しで耐久無振りEまりさを確定1発。 性格不一致特攻無振りの大文字でも特防特化のEさくやを確定2発。勝てる要素は十分にある。 攻撃技選択例 恩返し+夢想天生+α 一致2種を持ち威力を重視する型。両方とも岩タイプと鋼タイプに半減されてしまうので残り1つで対応する事になるが限界はある。 鋼の拳だと鋼タイプで、大文字だと岩タイプで、瓦割りだとゴースト鋼・エスパー鋼で止まる。シャドーボールだと岩・鋼に抜群が取れない。 恩返し+α サブを2つ持ち、対応範囲を広げる。こちらは夢想天生を持たせない場合。一致で抜群を取る事ができなくなるので火力は落ちる。 シャドーボール+瓦割りor鋼の拳or大文字辺りが広く対応できる。シャドーボールを持たせないとゴーストタイプが非常につらい。 夢想天生+α こちらは恩返しを持たせない場合。夢想天生で抜群を取れる相手には強いが、命中が少々不安定。電気タイプにも弱くなってしまう。 同じくシャドーボール+瓦割りor鋼の拳or大文字辺りの組み合わせで。一応ノーマルor飛行+ゴーストだけでEりか以外には等倍を取れる。 サポート型 性格:いじっぱりorゆうかん、わんぱくorのんき、しんちょうorなまいき 努力値:攻撃252 残り耐久(いじっぱりorゆうかん) HP252 防御252(わんぱくorのんき) HP252 特防252(しんちょうorなまいき) 持ち物:たべのこし、ラムのみ、カゴのみ 確定技:おんがえしorむそうてんせい/リフレクターorひかりのかべ 選択技:かわらわり/シャドーボール/はがねのこぶし/だいもんじ/サイコブースト/あくび/どくどく/あまごい/ていそくいどう/めいそう/ねむる そこそこ殴れる壁貼り役。半減or無効相手に出して壁を貼った後、後ろに繋げてもいいしそのまま自分で戦う事も。 似たような耐性・耐久で120族のEげんげつが同じ事ができるので需要はあまり高くなかったりする。 出てすぐ引っ込む型なのでサイコブーストとか生かせそうだけど、格闘タイプには夢想天生で弱点を突けるので使い道がほとんど無い。 覚える技 レベルアップ ちびれいむ れいむ Eれいむ 技 1 1 1 はたく 1 1 1 なきごえ 7 7 7 ふうましん 11 11 11 とびげり 15 15 15 ちょっかん 19 20 20 かまいたち 23 25 25 みこにさいせん 27 30 30 ひかりのかべ 27 30 30 リフレクター 31 35 35 PWJニードル 35 40 42 そらとぶみこ 39 45 49 ていそくいどう 43 50 56 じんつうりき 47 55 63 むそうてんせい 技マシン マシン 技 技01 きあいパンチ 技05 ほえる※ 技06 どくどく 技09 めいそう 技10 メロメロ 技14 ふぶき 技15 LUNATIC 技16 ひかりのかべ 技17 まもる 技18 あまごい 技20 しんぴのまもり 技21 かまいたち 技23 はがねのこぶし 技25 かみなり 技27 おんがえし 技28 あなをほる 技29 サイコキネシス 技30 シャドーボール 技31 かわらわり 技32 かげぶんしん 技33 リフレクター 技38 だいもんじ 技39 がんせきふうじ 技40 つばめがえし 技41 ソニックブーム 技42 からげんき 技44 ねむる 技46 どろぼう 技48 げきりん 技49 よこどり 秘02 そらをとぶ※ 秘04 かいりき 秘06 いわくだき ※ほえるはEれいむのみ。そらをとぶはれいむ、Eれいむのみ。 タマゴわざ ふういん あくび たまなげ おいうち サイコブースト おいかぜ はめつのねがい すてみタックル