約 2,798 件
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3199.html
室内。活気溢れるアミューズメントスポットの面影は何処にも無く、全ての遊具が停止して、娯楽の欠片も見当たらない。ここはD-7エリアだ。 ふらふらと、まるで浮浪者のような足取りで歩く少女。 目は正気を保ってこそいるが焦燥した様子が見て取れ、表情も不安と焦りに駆られた恐怖心を出していた。一言で言えば、とても不安定な風に見える。 彼女はどうしようもなく平和な日々を生きていた。 変態の従兄とその妹と暮らし、普通に恋をして、生きていた。 何一つ特別な能力など持たず、荒事にも関わりはない。 本来彼女がこんな悪夢に招かれること自体ありえなかったのだ。 そんなことが起きたのは、『彼ら』の気まぐれに過ぎない。 ただの遊び、ただの暇潰し。 彼女―――――――――高村橘花は、日常を粉々に破壊された。 脈絡も伏線も無く、あまりにも唐突に招かれたデスゲーム。 今まで平和に青春を謳歌してきた橘花には、耐えられるものではない。 更に最愛の恋人である従兄・深町徹生はこの場には居ないのだ。 心の支えを失くした彼女は、許容量を遙かに越えるストレスに押し潰された。 ふらふら、ふらふら、ふらふら。 ゆらゆら、ふらふらと歩いていく。 何も目指さず、何も求めず。 ただ―――――――――――――――ふらふらと。 □ 殺人鬼。 どの時代にも世に蔓延る異常な嗜好を持つ人間、例に出すなら《零崎一賊》。理由無く殺す殺人鬼。 裏の世界に生きる者たちにさえ敬遠されるほどの危険集団。 まあ彼らは例に出すにしてはかなり極端な例かもしれない。 このバトルロワイアルにも《零崎》が一人参加しているのだが、ここはもう一人の殺人鬼の話をしよう。より『COOL』な殺しを求めた青年の話を――――。 雨生龍之介。《冬木の悪魔》《冬木の連続殺人鬼》の正体だ。 整った若者受けしそうな顔立ちは多くの女性を惹きつけ、気に入った相手は美しく×してやる―――そんな血塗れの日々を生きていた。 彼の憧れたのは豹。冷静沈着な殺しは彼を魅せた。 紆余曲折あって――――龍之介はとある儀式に辿り着く。 英霊召喚の儀式に。そこから始まる戦乱に。 聖杯戦争。 彼は何も望まないまま、ただ血を求めて殺し続けていった。 彼の英霊は青髭公・ジル・ド・レェ伯。 二倍の狂気を加速させ、ただ血と血と血と血と血と血と血を生む。 監督役からも疎まれるが、ただただただ殺して解す。 未だ見ぬ紅を求めて。 そんな彼に、このバトルロワイアルは願ってもいない好機だった。 より多くの死が見られる! より多くの嘆きを聴ける! より多くの命で遊べる! より多くの芸術品を作れる! 雨生龍之介は、警戒も何も気にせず、欲望のままに叫んだ。 かつて彼が殺人の師・『青髭』と出会ったときのように。 「ぅ―――――――っ、COOL!!」 148の参加者たちは殺し合いでの立場を定めると共に、皆一様に主催者・古戸ヱリカに対しても何かを思う。敵意だったり哀憐だったり、或いは共感か。 龍之介は明確に、後者だ。 ヱリカの執り行うこの宴に、共感どころか尊敬さえ抱いている。 恐らく彼以上に、ヱリカに対して好意を向ける者は居ないだろう。 正気の沙汰ではない。これほどの人数の参加者を集めて殺し合いを行わせるなど、悪魔とまで称された彼にも思いつかなかった。思いついたとして、実行することは現実的に不可能だったろう。 それを難なくこなし、ここまで徹底したルールを定める。 絶妙だ。 絶望させながらも、願望の成就と云う『希望』を持たせる。 希望が絶望を加速させる。実に素晴らしい! その賞品が架空だとしても、これまた素晴らしい! 恐怖の鮮度。 彼にとっての偉大なる師・『青髭』ジル・ド・レェの言葉だ。 『青髭』の言葉が彼の殺しにどれほど影響を与えたか分からない。 『青髭』の教えをふまえている主催者は、紛れもなく同志だ。 だから龍之介は感嘆し、彼女の示した殺し合いを喜々として遂行する。 「(最ッ高だ……この快感、青髭の旦那にも分けてやりてえ……)」 しかし遠慮などしない。『青髭』は、遠慮されて喜ぶような小物ではないと龍之介は異常者ながらに信じていた。彼を想うなら、彼の血潮さえ沸き立たせるほどに美しい、雨生龍之介の最高傑作を作るのが弟子として一番の行為だ。 それに、殺意を抑えるなど彼の殺人の流儀にも反する。 殺し、殺し、殺し、殺す。 弄る、弄る、弄る、弄る。 殺人は芸術だ、芸術は殺人だ。血は絵の具でナイフは筆だ。 支給された大仰なナイフを片手に、獣の瞳をぎらつかせる。 最初に『豹』に喰らわれるのは誰かな、と彼はげらげら笑う。 そして、一匹の豹は怯えきった小動物をその双貌に捉える。 【深夜/D-7】 【高村橘花@夏めろ】 [状態]健康、精神不安定 [所持品]不明支給品 [思考・行動] 0 殺し合いはしたくない。 1 徹ちゃん…… 2 つぐみちゃんは死なせない。 ※橘花ルート後からの参加です 【雨生龍之介@Fate/Zero】 [状態]健康、高揚感 [所持品]拷問部屋のナイフ@ひぐらしのなく頃に [思考・行動] 0 美しく、芸術的に殺人する。 1 あの女の子(橘花)を狩る。 2 もし志を同じくする者が居たら……? ※衛宮切嗣に射殺される直前からの参加です ※キャスターの令呪は消えています 過程上のバッドエンド 投下順 [[]] GAME START 雨生龍之介 [[]] GAME START 高村橘花 [[]]
https://w.atwiki.jp/pokest/pages/119.html
naviで指定しているページは存在しません どれだけ走ったのだろう。 喉がへばりつき、満足に呼吸をすることすら出来ないほどの渇きを訴えている。 全身が『すす』に染められて、行き交う人々の視線が痛い。 自宅へ帰るのは危険と判断したアキは、住宅街の1画にある公園へと逃げ込んだ。 程良く生い茂った雑草に身を包み、ひとまずの休息をとることにする。「くそったれ…… 仕事を辞めるからって警察にたれ込みなんかするかよ…… ちくしょうが……」 どのような生業をしていたにしても、世間から後ろ指を指されるような家業である。 自身が証拠隠匿のために消される事ぐらい、容易に想像できていた。 アキにとって予想外だったのは、『あの男』の勘が想像以上に鋭かった事である。 身を隠す前に悟られるとは思いもしなかったのだ。 自分自身の考えが、どれだけ甘かったかを知らしめられ…… その不甲斐なさに苛立っていた。「どうするかな……」 呟きながら空を仰ぐと、アキ達を探しているのだろうか…… スピアーの群が飛び去っていく様子が見える。 ここにいても、見つかるのは時間の問題だろう。「お前…… 何で逃げなかったんだ?」 ふと、素朴な疑問を懐に向ける。「……あぁ ……俺が、俺達が悪いんだよな……」 未だに震えている、そのポケモンの姿を見つめながら…… 自責の念が止めどなく溢れ出す。「謝っても、許してなんかくれねぇよな……」「いっつもこうなんだ。ガキの頃から…… 大切なモノを自分の手で傷付けて…… 捨てて……」「後悔なんかしねぇなんて、強がってばっかで……っ……」 言葉にしながら、アキは自分自身を責め続けた。 色々なモノを置き去りにしてきて、それを忘れようと強がっていた自分自身を……。 涙が、零れ落ちた。「……ごめんな、ごめん…… 俺みたいな馬鹿野郎はよ…… こんな、ギリギリになってからじゃねぇと分からねぇんだ……」「……人間みんなを嫌いになんねぇでくれ…… 世の中にはよ、俺みたいな馬鹿な人間ばっかじゃないんだ……」「ごめん…… 身勝手、ここに極まりだよな……」 確かに、あまりに身勝手な言葉の羅列だった。 あまりに身勝手ではあったが、懐に抱かれたポケモンは…… アキの瞳を真っ直ぐに見つめていた。 垂れ落ちる涙を、真っ直ぐに……真っ直ぐに……。 自身の心根をさらけ出す、小さな人間の瞳を……。 結局、その日は公園で一夜を過ごしてしまった。 これからどう動けば良いのか、アキは……考え続けていたのだが、その答えはついに出て来なかった。 登りゆく朝日を眺めながら、アキの記憶に『あの少女』の姿が思い浮かぶ。「そういや、あの女の子…… この公園で見たんだったな……」 朝露が木々や遊具を濡らす風景を眺めつつ、思い出すように呟く。 見かけて以来、夢に見続けていた…… あの少女の事を。「カラカラー、なに見てんのー?」「……っ!?」 不意に聞こえた声に顔を上げ、目の前に視線を向ける。 すると、いつの間に近付いていたのか…… アキにとって、嫌と言うほど記憶に焼き付いた姿がそこにいた。 だが、目の前にいるポケモンは…… 不思議なモノでも見るかのような瞳を向けている。「お前…… 覚えて無……」 声を掛けようとした瞬間、そのポケモンは背後から追いついた少女に抱き上げられた。「ひとりで先に行っちゃだめだよ、カラカ……ラ……? あ……」 アキの姿を見つけた少女は、カラカラを抱き上げた姿勢のままで硬直してしまった。 そのまま、互いに言葉を出せないという無言の時間が流れ……。 その静寂を取り払うかのように、少女の方から声を出した。「お怪我は…… おはようございます?」 意味不明。 ……だが、アキにとっては何でも良かった。 話し掛けるための機会を、少女自身が与えてくれたのだから。「……あっと、君…… 前にもこの公園に来てたよね?」「はいっ、朝はいっつも連れて来るんです」 変質者と受け取られても仕方ない一言だったが、当の少女は笑顔で答えた。 それからは、堰を切ったかのように少女の方から話し掛けてきてくれた。 少女のポケモン達の事や、公園で見る朝日の事を……。 ひとしきり話し終えると、少女は腕時計を見ながら…… 顔色を変えた。「……ああ、学校?」 アキが訪ねると、少女は慌てて立ち上がり、「話しに夢中になってましたよっ!? どうしょう、ごめんなさい、ありがとうございました!」 またも意味不明にまくし立てながら、笑顔で走り去ってしまった。 その後ろ姿を見送りながら、アキは懐のポケモンに囁いた。「あの子なら…… お前も幸せになれるかもな」 少女と、その横で少女に寄り添うカラカラの姿が、アキに1つの答えを出させた。 二度と、人間に対して心を許す事など出来はしない。 そう確信出来るまでに、弄び、苦しめ、絶望の淵へ追いやったポケモンが……。 まるで全てが嘘や幻だったかのように、少女に対して心を開く姿。 その姿を見たアキは、懐に抱いていたポケモンをその場に残して、公園を後にした。 軽く頭を撫でながら、『ごめんな』…… そう呟き、振り返る事もなく歩き出す。 最後の最期まで、自らの身勝手さを自覚しながら……。 あの少女に、1つの願いを託しながら……。 ページの先頭へ戻る
https://w.atwiki.jp/ssteam/pages/21.html
戦闘空間 このページではダンゲロスSSドリームマッチの試合の舞台となる戦闘空間の説明をします。 戦闘空間内のNPCについて SSごとに書き手のプレイヤーの自由に設定してください。 「戦闘のために設けられた空間であるため、余計なNPCはいない」としても構いませんし、「戦闘空間は現実世界と等しい特性を持つ空間なので、その空間に本来存在するであろう他の人間や動植物は存在する」としても構いません。 試合開始時の初期位置について 試合開始時の互いの位置関係は、書き手のプレイヤーが自由に決定して構いません。 自分が有利になる位置から始めるのも、その逆も自由です。 各戦闘空間説明 以下が今回の選手達が戦う戦闘空間になります。 記載されていない詳細な設定についてはプレイヤー各自で補完してください。 おおまかな舞台設定のみが決まっていますので、それに沿って自由にイメージをふくらませてください。 すべての戦闘空間は夢の世界の中に存在しているため、実際の歴史に即していなくとも構いません。 戦闘空間は夢の中に存在しますが、 物理法則をはじめとした空間内の法則は現実と変わりません。 異国の地、歴史上の実在事件、有名史跡などを扱うのも、書き手の自由です。 戦闘空間一覧 豪華客船 特急列車 海水浴場 孤島 ショッピングモール 美術館 遊園地 廃病院 10倍スケール3LDK庭付き2階建て 摩天楼群 学校 山 ジャングル 豪華客船 戦闘領域:豪華客船周囲200m きらびやかな内装に豪奢な個室、立派な食堂に広いホール。 世界一周旅行も快適にこなせる豪華客船が戦いの舞台となる。 荒波に揺れる足場への対応や、海上での戦略が試される。 海上を進んでいるが、戦闘領域内なら海の中でのバトルも可能だ。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS ダンゲロスSS3 ダンゲロスSS4 特急列車 戦闘領域:各車両から30m以内 高速で走る長大な特急列車。食堂車や寝台車も備わっている。 無人で走行しており、運転席で列車の操作をすることは出来ないらしい。 ノンストップで走り続けるこの戦場からは振り落とされないように注意。 レールは大きな環状線になっているため、戦いが長引いても問題ない。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS ダンゲロスSS3・裏 ダンゲロスSS4 海水浴場 戦闘領域:1km四方 常夏の海が広がる白い砂浜。海の家や水着屋などが散在している。 砂浜で戦うか、海の中で戦うか、自分の得意なフィールドに相手を引きずり込もう。 眩しい日差しを受けながら思う存分波と戯れるのも、それはそれでありかもしれない。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS・裏 ダンゲロスSS3 ダンゲロスSS4・裏 孤島 戦闘領域:島内 白い砂浜に囲まれた、未だ文明の手が入らぬ無人島。 木々に覆われた自然豊かな島、あるいは不毛の孤島であるかもしれない。 広大な閉鎖空間においては、潜伏と探索の技術が何よりも求められる。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS4 ショッピングモール 戦闘領域:ショッピングモール内 生活に必要な物資のほとんどが揃うショッピングモール。 調理器具や工具などは、武器としても十分な危険性を発揮するだろう。 食料品も豊富に存在するため、籠城戦術にも十分に堪える。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS ダンゲロスSS3・裏 ダンゲロスSS4 美術館 戦闘領域:美術館内 美しい絵画や力強い彫刻など、多数の美術品が展示された施設。 ここで派手に暴れようものなら破損した品々の被害総額は青天井だ。 試合に昂ぶる気持ちを鎮めて、しばし芸術に身を委ねてみてはいかが? 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS3 ダンゲロスSS3 遊園地 戦闘領域:園内 観覧車、ジェットコースターなど、多数の遊具が備わった遊園地。 大掛かりかつトリッキーな仕掛けを戦闘に活かすためには、 他の空間以上に機転と順応性が求められるだろう。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS3 ダンゲロスSS4 廃病院 戦闘領域:廃病院敷地内 心霊スポットとしての人気も高い打ち捨てられた病院。 通常の暮らしでは触れることのない薬品や医療機器を用いた戦いは、 予想外の番狂わせを生むことがあるかもしれない。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS ダンゲロスSS4 10倍スケール3LDK庭付き2階建て 戦闘領域:敷地内 どこにでもある一般家庭を10倍に拡張した戦闘空間。 まるで自分が縮んでしまったかのような体験ができる。 生活感あふれる日用品が思わぬ武器となるかもしれない。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS 摩天楼群 戦闘領域:1km四方 巨大な高層ビルが立ち並ぶ、無人のオフィス街MAP。 縦にも横にも広いので、スケールの大きな戦闘が期待できる。 1km四方の「立入禁止」の表示を超えると場外負けとなるので注意。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS ダンゲロスSS4 学校 戦闘領域:学校敷地内 校庭や体育館、プールといったオプションを備えるお馴染みの学び舎。 魔人対策の施された悪名高き希望崎学園か、はたまた広大な敷地を持つキャンパスか。 磨き上げた対テロリスト戦の構想を解き放て。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS ダンゲロスSS3 ダンゲロスSS4 ダンゲロスSSR ダンゲロスSSRace ダンゲロスSS裏Race 山 戦闘領域:1km四方 緑が茂り、川が流れ、滝が落ちる。起伏に富んだ試合場。 野生の動物もちらほらと見られる、自然の宝庫である。 地形を存分に利用し、勝利をその手に収めよう。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS ダンゲロスSS3 ダンゲロスSS3 ダンゲロスSS3 ジャングル 戦闘領域:1km四方 サバイバル力が試されるアマゾン風の危険なMAP。 怪しげな植物や獰猛な動物に注意が必要。 敵は対戦相手だけではない。 過去の同(類似)地形での試合 +... ダンゲロスSS ダンゲロスSS ダンゲロスSS4 ダンゲロスSS4・裏
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2975.html
『ある男の興奮する話』 4KB 観察 考証 小ネタ 愛情 希少種 都会 短いお話、直接の虐待は皆無 SSというよりSSS(スーパーショートストーリー) ある男の興奮する話 街の空には暗雲が立ち込めていた。人々は皆家に閉じこもり窓を閉め、カーテンをかけている。 今日は特別に大きな嵐が来ると、天気予報のお姉さんは言っている。 その証拠というべきか、既に轟々とした風が街の中を吹き荒れており、 公園の遊具や木々の下に巣を作っては我が物顔をしていた野良ゆっくりたちに、 多大な被害を与えていた。 あるものは寒さで自殺し、あるものは健気にダンボールでつくった巣ごと吹き飛ばされる。あるものは母ゆっくりの口の中に入り そのまま仲良く吹き飛ばされる。そのまま咀嚼してしあわせーを満喫するゆっくりもいるようだが、 そんなものは日常どこにでも見れるものであるので割合しよう。あ、もちろん。そのあと満足気な顔でふきとばされるのだが。 とはいえ、ひときわ被害が激しいのがゆっくりというだけで、もちろん風は相手を選ばないので 被害にあうのはゆっくりだけではない。自然である風は誰彼かまわず襲いかかり、とにかく縦横無尽に暴れまわっている。 当然それは私にも言えることである。 分厚い手袋にマフラーを巻き、襟まである厚手のコートの上にレインコートを着込んでいるというのに、 まるで冷蔵庫の中にいるかのような寒さだ。吐き出す息は白い。 おちおちしていると足を取られて吹っ飛びそうになるが、これもまぁ、当然である。 しかしこんな日にこそ面白いモノは向こうから現れるもので、 出てきて早速期待が寒さでへし折られる直前、私の前の交差点を何かが横ぎった。 おおと近づいて見るならば、それは一匹の同付きゆうかである。 一匹の同付きゆうかが、懸命に走っていた。 いや、走っているというのは傍目から見ればわかる錯覚で、ゆうかの決死の表情が そう見せているのであり、実際は壁伝いにのたのたと亀のような鈍足を進めているだけである。 服にも髪にもバッジはなく、その点のみを見ればただの野良のようだが、どうやら違うようだ。 ゆうはには、左腕はひじから先がない。ふと彼女の後ろを見れば、餡子が、 ゆうかの歩いてきた道を示すように点々と零れていた。 片目は潰れて薄黒く腫れ上がり、そこから砂糖水が餡子と混じった ドロドロの液体となって頬を伝っている。髪の毛の先はぐすぐすに焦げ、 歩けば歩くほど振動で崩れ、吹いてきた風に攫われた。 さてはどこぞで虐待など受け、命からがら逃げたのであろう。ゆうか種は人気者である。 それはもちろん普通のブリーダーのみならず、特殊な性癖を持つ者にも。愛くるしさと 礼節さと適度なS具合が受けているのだという。 もっとも彼らの筆舌しがたい【愛】の前には、そんなチンケな理由など建前に過ぎないのであるが。 無情無情。 壁伝いに近づいてじっとよく眺めてみると、なるほどそういった魅力があるのもわかる。 ただでさえぼろぼろの服が、風ではだけてああ飛ばされて、胸や腰はが露わになっている。 さらにじっと凝視すると、そこにあったのはなだらかな山と丘の、自然な繋がりである。 私は彼らの気持ちを少しだけ理解した。緩急のない緩やかなそれは、人間の女性にはないまろやかさを秘めているのだ。 思わずなめたくなるのも無理はない。ゆっくりだけにきっと甘いことだろう。 妄想とこみ上げる唾液を飲み込み、ゆうかの後を追った。残念ながら、私の息子は萎えている。 「きゃっ……!!」 ひときわ強く吹いた風が、狙ったかのように不安定だったゆうかの足を攫う。 壁に叩き付けられ、跳ね飛ばされるように空を見上げた。飛び散った餡子が暗雲の中を泳いでおちた。 無情無情。 遠近感がわからないゆうかは、ぼうっとそれを眺めながらずるずると崩れ落ちる。 転げた拍子にスカートの中身がおおっぴらに露呈しているが、見られたものじゃない。 餡子切り裂かれた股から餡子と白いモノが濁って滴っている。なるほど、相手はHENTAIだったか。 それも腕と目だけでは物足りないひどいHENTAIだ。誰かは知らないが、私の息子を見習うべきだ。 頭を強くうったのか、ゆうかはぼそぼそと口を震わせる以外でもう動かなくなった。 ああ無情無情。 死んだ、いや死んだのだろう。風に転がされ泣きわめくまりさが通りかかっても 風に流されふぃーばーしているいくさんが通っても全裸でころがるてんこが通っても、 なんの反応も示さない。 私はゆうかのしたいを持ち帰ろうかしばし悩んだ。 ゆうかのしたいからは、きっとさまざまなことを見ることができる。 目をそらしたくなるようなことだけではない、きっと、あのゆうかが幸せに過ごしてきた時間さえも 私の中にすっぽりと納まることだろう。 私の息子がしたたかに反応し始めた。彼女と一つになる私を想像しているのだから無理もないが、 愚息は正直でほとほと困り果てる。 しばらく考えて、とりあえずこのまま放置して別の面白いことを探しに行くことにした。 あわれに思った人が連れ去ったり、足りないゆっくりが食ったりすることでここからいなくなる可能性もあるが、 ご存じのとおりこの天候である。確率は低い。もちろんいなくなくなっていた場合万が一心苦しいかと聞かれれば……その実、NOである。 理由については、私が面白いモノ好きであるから、ということで納得していただきたい、とても無理だろうが。 しいていうなら、彼女がいなくなった時のショックを考えると、今そそり立つ愚息の調教にもちょうどいい。ということだ。 さて、私は晴れやかなる心で次の面白いことを探すことにした。 無情無情である。 これは、ただ、淡々としたSSSだ。
https://w.atwiki.jp/newrowa/pages/90.html
青少年なんちゃら法 イリス・シャトーブリアン。10歳。 北条沙都子。年齢しらんけど小学生。 灰原哀。一応小学一年生。 ここに集ったのは、三人の幼女。 近くの遊園地は彼女たちの年を考えるとおあつらえ向きだった。 子供にとって、遊園地とは近くに寄るだけで身体がそちらへ動いてしまうもの…… ……が 「アイリスあの遊園地で遊ぶんだもん!」 「だから、今はそれどころじゃありませんのよ!」 「子供っぽいことを言ってないで、早く大人と合流しないとならないわ」 「アイリス子供じゃないもん!」 その精神が大人びている哀、普通の子供である沙都子、年齢より子供っぽいアイリス。 彼女たちはなりが子供である以上、うまくことを運べないのも無理はなかった。 だいたい、幼女に殺し合いは無理だ。 「だいたい、今行ったって、たぶん何も動いてませんわよ?」 「そうね。あんな遊園地を動かすことに意味がないもの」 観覧車やジェットコースターが見える。 見た限りでは、それらは動いていないように見える。 そこに遊園地があるのはわかるが、それが遊具があるだけで、意味のないものだというのはすぐにわかった。 (うん……? ということは、無人ですわよね) 沙都子がこのとき、あることを閃いた。 「アイリスさん、哀さん……私たち、あの遊園地に立てこもるのはどうです?」 「え?」 「今、私たちはあの遊園地に寄る暇はないと言いましたわよね? なら、ほかの人たちも同じことを思うのでは? もしかしたら、あそこが一番安全なのかも……」 「なるほど。確かに。良いところに目をつけたわね」 哀もおよそ賛同的だった。 確かに、このメンツでうろうろしているよりは、立てこもって情報を練るほうがいいかもしれない。 だいたい、この三人はここで偶然会ったばかりだ。 「きっまり~! じゃあじゃあ、早く行こう、哀、沙都子!」 おそらくフランス人だが、彼女は日本語がペラペラだった。 日本で長いこと育ったか、或いは自力で覚えたか。……前者の可能性が高いか。 哀も沙都子も、そう認識している。アイリスは見たところ、普通の女の子だ。服が豪奢で、人形のようななりをしているが。 「仕方ないわね……私たちのことも、向こうで詳しく話しましょう。まだ名前くらいしか聞いてないし」 「そうでございますわね」 瞬間──。 「《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》」 背後から叫ばれた、謎の声に全てが凍る。 その声が、何と叫んでいたのか聞き取った沙都子と哀は、すぐにその声と逆方向に走り出した。 「《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》!!!!」 その声は、規制がかかるほどに下品な言葉であった。 何故、彼がそういう言葉を叫び続けているのかはわからないが、とにかく異常な性癖の持ち主なのだろう。 幼女相手にこんな言葉を叫び続けるとは……まあ、不審者の類だろう。 「え? 《ピーッ》って何──」 「いいから早く遊園地に行きなさい!」 「まだ知らなくていいことでございますわ!」 アイリスを連れ、そそくさと彼女たちは遊園地に入っていった。 その顔が羞恥のあまり赤く染まっていたのを、アイリスはなんとなく見ていた。 欲望の限りを言葉にした、あの男に真っ先に出会ってしまったのが幼女だったのが何よりのミス。 本当に何をするかわからないタイプの人間だろう。 たとえば、殺しとか──。 そんな思いをめぐらせながら、彼女たちは遊園地の入り口の門を潜った。 【1日目 深夜/H-6 遊園地】 【イリス・シャトーブリアン@サクラ大戦】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らない。 1:とりあえず遊園地に入る。 2:哀、沙都子と行動する。 3:《ピーッ》って何……? ※十歳の誕生日終了あたりからの参戦です。 【灰原哀@名探偵コナン】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:打倒主催者。 1:遊園地で情報交換。 2:不審人物から逃げる。 3:沙都子、アイリスと行動する。 【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:打倒主催者。 1:遊園地で情報交換。 2:不審人物から逃げる。 3:哀、アイリスと行動する。 ★ ★ ★ ★ ★ 「《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》!! ああ、満足した……」 このreionikusuという男が叫び続けたのは、性的興奮を抑えるためであった。 卑猥な発言をしまくることで、ストレスと興奮を同時に発散させたのである。 「とりあえず遊園地にでも行くか……」 reionikusuは歩く。 また、すぐにやってくるこの放送コードぎりぎりの衝動を抱えながら。 【1日目 深夜/H-6 遊園地付近】 【reionikusu@ヒーローズオペレーションF】 【状態】健康、ストレス解消 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:不明。 1:とりあえず遊園地に入る。 2:性的興奮やストレスがやってきたら、とりあえず《ピーッ》と叫ぶ。 011 鳴神さんより大神さん 投下順 013 人の自由を奪う 種アンチを倒せ 011 鳴神さんより大神さん 時系列順 013 人の自由を奪う 種アンチを倒せ 初登場 イリス・シャトーブリアン 048 正義と忠義 初登場 灰原哀 048 正義と忠義 初登場 北条沙都子 048 正義と忠義 初登場 reionikusu 048 正義と忠義
https://w.atwiki.jp/hakarowa4/pages/78.html
残酷なアリアを歌え、壊れモノよ ◆auiI.USnCE ――――壊れたモノは、結局どんな処でも、壊れたままだ。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「ふむ……」 ざあざあと流れる波の音が延々と響いている。 灼熱の太陽に照らされている眼前の海は何処までも蒼かった。 強く吹き付ける潮風が肌に感じて、妙に心地よい。 水平線は何処までも続いているように感じて、何か癪だった。 水平線の彼方にあるモノは何だろうかと、ふと思う。 何となく手を伸ばして、そして無駄な事と直ぐに気付いて興味を失う。 暫く、深い蒼を見続け、やがて 「飽きた」 彼女はふわあと大きな欠伸を上げる。 大きく腕を伸ばして伸びをするが、バランスを崩しそうになってしまう。 すこし、慌てながら、改めて彼女は座りなおす。 自分が座っている場所、灯台の天辺のてすりの上の危うさにようやく気付くが、でも、それもどうでもよかった。 このまま、落ちるのもある意味面白いかとくくっと笑う。 扉を開けてみたら、其処がこの場所であった。 島を一望できそうな高さもある灯台の展望台が、彼女の始まりだった。 とはいえ、だからと言って彼女が特別に何かをすると言う訳でもない。 何となく、そのまま手すりに腰掛けて、広がる海を眺め始めただけ。 でも、それも、もう飽きた。 ただ、ひたすらに退屈だった。 「ふむ……やっぱり私は人形でしかないのだな」 そして、感慨も無しに彼女はぽつりと呟いた。 自身の欠陥を再確認して、自嘲するような笑みを作る。 所詮コワレモノだったなと思いながら、視線を雲が流れる空を見た。 先程見知った顔の首が飛んだ。 でも、それに何か動く事がなかった。 そんな自分はやはり人形でしかないと思う。 ああ、死んだんだなと当たり前の事しか考えなかった。 そして、自分の欠陥を改めて感じ、それで終わった。 彼女には感情を認識する事が無い。 無機質な人形のように、プログラムで動く機械のように、心が無かった。 嬉しいと思う感情も、怒りという感情も、哀しいと感じる事も、楽しいと思った事も、一度も無い。 感情の表現の仕方が、さっぱりわからなかった。 ああ、こんなものだろうなと思うのを演じるだけで。 実感と言うものはありはしない。 そんな、自分はきっと壊れているのだろう。 彼女は、そう思い、だからと言って何か変える訳も無かった。 「……まあ、もうどうでもいいか」 そして、またつまらなそうに。 くだらないと思った思考を打ち切って、次を考える。 終わってしまった夢を。 「……しかし、此処に居るという実感があるというのはそういう事なんだろうな」 あの二人を成長させる夢は、唐突に終わった。 殺し合いという現実によって。 どうしてこうなったという仕組みや理屈は気になるが、まあそういうものなんだろうなと解釈する。 だから、今此処で動くのは彼女の意志だ。 自分自身はどうしたらいいのかと考えて 「………………どっちにしろつまらんな」 乗るか反るか。 彼女が出した結論は結局どっちもつまらないという事だけで。 退屈そうに、彼女は欠伸をする。 支給されたモノは恐らく大当たりだろう。 これがあれば色々有利になれることは間違いはない。 間違いは無いが、対して面白いものも出ない。 好奇心を満たしてくれるものだったらよかったのにと一人愚痴る。 「ここが面白い場所だったら良かったのに」 例えば、沢山の遊具が溢れる遊園地とか。 未知の技術に溢れた場所とか。 世界的にも貴重な建造物、例えば大聖堂とか。 そんな場所であったら、暇潰しにはなっただろう。 「もしくは面白い人間でもいいぞ。理樹君みたいな」 やったら熱い女の子でもいい。 純朴そうな少年でもいい。 若しくは自分と同じ欠陥を持ってるようなヒトとかでもいい。 そんな人間と行動したら実に面白そうだ。 「最も……そんな人間が居たら、色々大変な事になりそうだが」 また一人で彼女は笑い、馬鹿な事だなと思う。 そんな事が起きないから今、とてもつまらない事になっているというのに。 一頻り、自分ひとりで何が可笑しいか解らないのに笑って。 笑って、笑い続けて。 「まぁ、いい加減、決めるか」 取り出したのは一枚のコイン。 表だったら乗る。 裏だったら乗らない。 とてもシンプルかつ簡単に自分の生きる道を運命に任せる。 どうでもよかった。 自分が進む、何もかもが。 だから、運命に身を委ね、コインをトスする。 コインはクルクルと舞い、太陽の光に反射して。 一瞬、空と海の蒼に解けて。 そして、彼女の手元に落ちてくる。 コインが示した、彼女の未来は―――― 「――――なあんだ。結局それか。つまらんな」 退屈そうに、その結果を受け止め、つまらなそうに笑う。 そして、彼女は、何も変わらない海と空を眺めて。 手すりから、くるりと宙返りをしながら、飛び降りて、出口に向かう。 壊れた人形が、とても面白くなさそうに、ゆっくりと、歩き出した。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ その壊れたモノの名は、来ヶ谷唯湖といった。 【時間:1日目午後1時00分ごろ】 【場所:H-8 灯台 展望台】 来ヶ谷唯湖 【持ち物:FN F2000(30/30)、予備弾×150、水・食料一日分】 【状況:健康】 020 夜の扉 時系列順 022 「あさはかなり……」 020 夜の扉 投下順 022 「あさはかなり……」 GAME START 来ヶ谷唯湖 075 ALIEN(異邦の人)
https://w.atwiki.jp/wiki6_piro/pages/8361.html
2016年9月17日(土) 東京ドームシティアトラクションズ 東京ドームシティのポイントカードに入会してるんだけど、ワンデーパスポートの半額券が送られてきたので、東京ドームシティアトラクションズに行ってきた。名前長い。おれらの世代的には、後楽園ゆうえんち。 今は「東京ドームシティで僕と握手!」ってCMやってるらしい。 小さいころ行ったけど、ほとんど改修されてて当時の面影は皆無。 東京ドームの東側、白山通り沿いに南北に長く、平面や、建物内・屋上の各ゾーンにわかれている。 春日・後楽園駅に近い、ラクーアゾーンのビッグ・オー。 世界初のセンターレス観覧車。 この観覧車は数回乗ったことがある。 長女は3回目(2012年11月25日、2013年11月24日)。 初めて乗った1歳の次女も楽しそう。 観覧車から、隣のバイキングゾーンの車の遊具が見えて、長女が行きたがるので次はそこへ。 ブンブンビー。けっこう浮遊感ある。 長女曰く、「お腹がモワモワする」。 長女はとても気に入っていた。怖がるかと思ったけど、こういうの好きなのか。 マジカルミスト。 霧が出たり、水が出たりする。 東京ドームシティアトラクションズは入場料無料なので、タダで遊べる。 でも今日は着替えが無いからダメ。 マスコットキャラクターのララちゃん。 ゴーヤとかが生えてる、緑のトンネル。 これ、冬はイルミネーションつけてるやつだ。 ラクーアゾーンに戻ってきて、メリーゴーランドのヴィーナスラグーン。 長女が乗ってるのは、オーソドックスな馬だけど、ライオン、象、キリン、ウサギ、ゴリラ、カエルとか、いろいろいた。 俺はブタだった。 ラクーアの銀だこにあったかき氷を長女が食べたがったので買ったら、超でかかった。 3人で食べてちょうど良かった。 しかも平皿で食べやすい。 そして、意外にもシロップがおいしい。 再びバイキングゾーン。 スーパーバイキングソラブネ。 長女はさっきはこわがって、乗らないと言っていたけど急に妻と乗りに行った。 そしたら、気に入って連続乗車。 パラシュートゾーンへ走って移動。疲れる。 俺が乗りたかった、スカイフラワー スカスカだからかなり開放感がある。 気持ちよかった。 ブルームエクスプレス けっこう速くて楽しい。 次女と二人でピクシーカップ。 1歳だと、乗れるのが、観覧車とメリーゴーランドとこれだけしかない。 夜のビッグ・オー。 ラクーアで夕ご飯を食べてから、閉園までの1時間弱、バイキングゾーンへ。 空いていたので、スーパーバイキング、ブンブンビー、キッズハッカーを待ち時間無しで乗って終了。 朝11時から夜9時まで、これだけ乗った。 ビッグ・オー:家族 フリフリグランプリ:俺・長女 キッズハッカー:妻・長女 ブンブンビー:俺・長女 ブンブンビー:妻・長女 フードコート、ゴファンで昼食 ピクシーカップ:俺・長女 パワータワー:俺・長女 ヴィーナスラグーン:俺・長女 スーパーバイキング:妻・長女 スーパーバイキング:妻・長女 スカイフラワー:俺・長女 ブルームエクスプレス:妻・長女 スカイフラワー:妻・長女 ピクシーカップ:俺・次女 ブルームエクスプレス:俺・長女 ウォーターキャノン:俺・長女 フラッシュラッシュ:俺・長女 ピクシーカップ:家族 ビッグ・オー:家族 ラクーアで夕食 スーパーバイキング:妻・長女 スーパーバイキング:俺・長女 ブンブンビー:俺・長女 キッズハッカー:俺・長女 関連項目 2016年度/行った所写真 一言日記 東京ドームシティアトラクションズ この項目のタグ 2016年9月17日 子連れ 文京区 日記 東京都 タグ「2016年9月」がついた項目 2016年9月結婚式・積丹半島ツーリング / 2016年9月結婚式・積丹半島ツーリングの装備 / AFD2005 / 宇宙の湯余市川温泉 / 大田区 / 神恵内村 / ガラナ / 共和町 / 国道229号 / 国立科学博物館 / 国立西洋美術館 / 佐倉市 / 札幌市 / サッポロクラシック / 札幌グランドホテル / 札幌市時計台 / さっぽろテレビ塔 / 積丹町 / 新千歳空港 / 千歳市 / つぶつぶカフェ+ボナ!つぶつぶ早稲田店 / 東京大学赤門 / 東京大学総合研究博物館 / 東京大学本郷キャンパス / 東京ドームシティアトラクションズ / 泊村 / ニッカウヰスキー余市蒸溜所 / 日本キリスト教団札幌教会 / はぐれ雲 / 羽田空港 / 古平町 / ポール / 北海道庁旧本庁舎 / 八千代市 / 余市町 / ラーメン屋切田製麺 / リボンナポリン / 六花亭 タグ「日記」「子連れ」がついた項目 2014-08-09 / 2014-10-11 / 2014-11-24 / 2016-05-05 / 2016-06-05 / 2016-06-11 / 2016-08-28 / 2016-09-11 / 2016-09-17 / 2016-11-06 / 2017-01-29 / 2017-04-16 / 2017-08-06 / 2017-09-30 / 2017-11-03 / 2018-02-12 / 2018-03-18 / 2018-04-08 / 2018-05-04 / 2018-06-17 / 2018-07-08 / 2018-09-23 / 2018-09-24 / 2018-11-24 / 2018-11-25 / 2018-12-02 / 2019-01-05 / 2019-01-27 タグ「日記」「文京区」がついた項目 2009-03-16 / 2009-09-06 / 2010-08-02 / 2012-04-07 / 2013-07-05 / 2014-08-29 / 2014-10-17 / 2016-09-17 / 2016-09-22 / 2016-10-29 / 2018-05-14 / 2018-12-02 / 2018-12-06 / 2022-07-30 / 2023-02-23 / 2024-01-20 / 2024-04-20 / 2024-05-12
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/836.html
ゆっくり Change the World(解答編) 20KB ※ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり、ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編)の続編です。 ※駄文、稚拙な表現注意。 ※俺設定注意 「・・・というわけだったんだよ。」 「そうか。私のれいむはれてぃに・・・」 結局のーぶるれいむは全てを白状した。 最初はしらを切っていたが、男が「正直に言えば怒らない」「それどころかあのれいむの代わりにここにおいてやる。この部屋も好きに使っていい」と言ったら全てを吐いた。 恐らく嘘はないだろう。れてぃの仕業なら今までの飼いゆっくりの失踪事件も説明がつく。 覚悟していたとはいえ・・・ショックだった。 あのれいむがもうこの世にいないなんて。 男は思い返していた。れいむとの思い出を。 なぜれいむを創り出したのか。全ては3年前にさかのぼる。 ゆっくり Change the World(解答編) 作、長月 3年前、男は大手ゆっくり企業「ゆっくりカンパニー」の会長だった。 男には1つの信念があった。 ゆっくりは万人から愛される存在でなければならない。 それこそが男の行動理念であり、男にとっての全てだった。 そうした会長直々の陣頭指揮のもと、「愛されるゆっくり」をテーマに様々なゆっくりの品種改良が行われた。 ゆっくりもみじとれいむを掛け合わせてできた「わふーれいむ」 さくやとれいむを掛け合わせたメイドカチューシャをつけた「めいどれいむ」 さなえとれいむを掛け合わせた信心深い「みこみこれいむ」 どれもヒット商品になり現在も売れ続けるロングセラー的商品である。 しかし男は満たされなかった。 もっと・・もっと愛されるゆっくりを作れないのか? そう思った男は思い切った行動に出る。 それは自社にある品種改良専門のトップブリーダーを招き、最高の「愛されるゆっくり」を作って欲しいというものだ。 研究に必用とされるゆっくりは全てゆっくりカンパニーのほうから取り寄せ、男の会社の研究員を数人を部下にすることを条件にブリーダーはこの提案を了承した。 当然社内では公私混同であると批判されたが、この研究データは会社にも役に立つことや、ゆっくりの代金やブリーダーへの報酬は男が全て負担することを説明すると渋々ではあるが認められた。 ちなみに時田の言っていた1千万というのはブリーダーへの報酬と研究に必要なゆっくりの代金である。 そして半年後、偶発的な突然変異による一匹のみではあるが研究は成功する。 さなえやさくやなどの人気のあるゆっくりの愛される要素を凝縮させた個体。 純粋無垢でけしてゲス化せず、愛くるしいしぐさで人々を魅了するゆっくり。 通称「愛されいむ」の誕生だった。 愛されいむは全ての人間に愛された。 ゆっくりランにいけば、たちまち人だかりができ、全ての人間がれいむを賞賛した。 ゆっくりたちの間でも人気者で、つがいになってほしいと言われた回数は100を超える。(溺愛する男が全て断ったが) TVに出てくれと言われて出演すれば「ゆっくりしていってね」の挨拶しかしていないのに、他に出演していたどの希少種達をさしおいてぶっちぎりの一番人気だった。 愛されいむは「ゆっくりしていってね」しか言えなかったのではない。 「ゆっくりしていってね」だけで十分なのだ。 それだけで全ての人を虜にできるのだから。 そんなれいむを男はいたくかわいがり、セレブゆっくりの証であるダイヤモンドバッジを与えた。そして会長職を辞任し、れいむと共に悠々自適な老後を楽しむことにしたのだ。 しかしれいむは行方不明になってしまう。 男は必死になって探した。自分で、使用人を使って、時には探偵を雇って。 そんな中やっと掴めたれいむの所在。男は病院へと急いだ。 しかし居たのはまったくの別ゆっくりだった。 男にはわかってしまうのだ。れいむをずっと見ていたのだから。 所詮どれほどうまく演じようともゲスはゲス。愛されいむの可愛らしさには似ても似つかぬものだったのだ。 おそらく成りすますのが普通のゆっくりならうまくいっていたのだろう。ゆっくりの顔など人間には同じに見えるのだから。 だが残念ながらのーぶるれいむが成りすまそうとした相手は世界でただ1匹しかいない愛されいむだったのだ。 その違いは男の飼っているゆっくりさくや達も違和感を感じるほどのものだ。男が間違えるはずもない。 男があの時、涙を流したのはのーぶるれいむの策にだまされた訳ではない。 飼いゆっくりにとって命同然のりぼんとバッジをこのれいむがしている以上、もはや愛されいむの生存は絶望的だと悟ったからだ。 男はその場でのーぶるれいむを叩き潰してやりたかったがぐっと堪えた。 自分の愛するれいむに成り代わろうとするこの偽者にはもっと悲惨な目に合わせなければ気がすまない。 そう思ったからである。 「ゆゆっ、むししないでね。ぷんぷん。」 れいむの声にはっとなる男。どうやらずっと考え込んでいたせいでれいむが話しかけているのに気づかなかったようだ。 「やくそくどおりれいむをかってね。あんなれいむよりれいむのほうがいいでしょ。だってれいむは・・・」 延々とのーぶるれいむの自慢話が続いていたが男には聞こえていなかった。 あんなれいむ・・・だと。 愛されいむは男にとって理想のゆっくりだった。愛されいむを馬鹿にすることは男の生涯を馬鹿にすることに等しい。 猿芝居と浅知恵しか能のない腐れ饅頭が私のれいむをあんな、だと。 男の怒りはすでに沸点を超えていた。 「ああ勿論だとも・・・約束は守ろう。」 そう言いながら笑顔でれいむに近づく。 その表情は笑顔でありながらどこか薄ら寒い恐怖を感じさせるものだった。 「ああ勿論だとも・・・約束は守ろう。」 この言葉にれいむは色めき立った。 やった。当初の計画とは違ったがついにセレブ飼いゆっくりになれたのだ。 しかもあの無能なれいむとしてではなく、のーぶるれいむとして。 あのじじい、いろいろ言っていたが結局あのクソれいむよりのーぶるゆっくりである自分を選んだのだ。 この理想のゆっくりプレイスで好きなだけあまあまを食べ、あの美ゆっくりたちとすっきりーをしてたくさんの子供を作ろう。 そしてその子供達にのーぶるゆっくりとして英才教育を施し、ここをのーぶるれいむの王国にするのだ。 愚民たちめ。支配してやるぞ。のーぶるれいむ様の英知の前にひれ伏すがいい。 ゆっくり特有の願望と誇大妄想のいりまじった思索にふけるれいむ。 だから気づかなかった。男の怒りに。そして男が右手に持っているものに。 ちくっ。 「ゆゆっ、何を・・・ゆっ!?」 何か尖ったものを刺されて急に身体が動かなくなったれいむ。にやけ面のまま固まってしまった。 それもそのはず男の持っていたのは注射器。中に入っていたのはゆっくりを半永久的に動けなくするゆっくり餡凝固剤である。 餡子そのものが固まるので声すらももうれいむは出せない。 「約束は守るぞ。クソ饅頭。この部屋に置いてやるよ。一生な。」 (ゆゆっ・・うごけな・・・い・・・) 急激に餡子が固まったショックでれいむはそのまま気絶してしまった。 れいむが動けなくなったのを確認して男は部屋を出る。 「旦那さま・・・」 心配して扉の外に待機していた時田が話しかける。 「時田、聞いての通りだ。すぐにれいむを殺したれてぃを探し出し、駆除するようゆっくりギルドへ連絡しろ。武勇のハンター鬼意山を雇うのだ。金はいくらかかっても構わん。」 「はっ。かしこまりました。」 「私は少し疲れた。一人にしてくれ。」 「旦那さま・・・」 そう言い残し自室へとぼとぼと向かう男を時田は心配そうに見送った。 のーぶるれいむが目覚めたのは次の日の昼過ぎだった。 なぜかあのまま寝入ってしまった。記念すべきのーぶるれいむ様のセレブデビューの日に。 そう思いながらもみあげで目をこする。どうやら注射されたことは忘れたらしい。 まあいい。時間はたっぷりある。今日はとりあえずあの美ゆっくりたちのもとに挨拶へいってやろう。 あの無能なれいむに代わり自分があのゆっくり達を支配してやるのだ。 きっとあのゆっくり達もあんなクズから偉大なのーぶるれいむ様が支配してやることに泣いて喜ぶだろう。 そう思い扉のほうへ跳ねようとしたが・・・動けなかった。 それどころか昨日のにやけ顔から表情を変えることもできない。動くのは、もみあげだけだ。大声をあげたいがそれもできない。 どういうことだ?何がおきている!?このれいむ様に!!? れいむが混乱しているとドアの開く音がした。男が来たようだ。 どういうことだじじい!!このれいむ様に何をした!! そう言おうとした所(言えないが)目が点になった。 男は足元にゆっくりを連れていた。そしてそのゆっくりは昨日のさくや達の誰でもなかった。 クズめーりんだ。しかも昨日車の窓から道路で見たあのクズ親子。 どうしてあの薄汚い虫けらどもが偉大なるれいむ様の聖域に? なぜこんな事になったのか。話は数時間前にさかのぼる。 男は歩いていた。朝の町並みを。ただ一人で。 自室にこもっていても気が滅入るばかりなので散歩へ出たのだ。 しかし失敗だった。 この道は愛されいむと共に歩いた散歩道。いやでもれいむのことを思い出し、悲しみがこみ上げてくる。 「うぅ・・・れいむ・・・」 思わず涙声でその名をつぶやく男。だがもう男のれいむはこの世に居ないのだ。 そう悲嘆にくれている男の耳に悲鳴のようなものが聞こえた。 どうやら悲鳴は近くの路地裏から聞こえてくるようだ。なんだろうと覗き込んで見る。 それはゆっくり同士の喧嘩だった。正確には喧嘩というより集団リンチだったが。 数匹のゲスまりさとでいぶが因縁をつけめーりんを痛めつけているのだ。どう考えてもめーりんに勝ち目はない。 「クズめーりんがいるせいで、まりさたちがじじいたちからあまあまもらえないんだぜ!!」 「れいむたちがにんげんさんにけられたのもめーりんがしくんだんことでしょ!!」 「クズのぶんざいでなまいきなんだぜ!!」 ちなみにこのまりさとれいむ達は通行人に物乞いをして生計を立てるゆっくりだったが 「おらおらじじいども。まりささまはつよいんんだぜ。とっととあまあまよこすのぜ。」 「れいむはしんぐるまざーなんだよ。かわいそうなんだよ。だからさっさとあまあまちょうだいね。そんなこともわからないの!? ばかなの!?しぬの!?さんびょういないでちょうだいね。ぐずはきらいだよ。」 などと喧嘩を売っているとしか思えないことを言うゲス達のため、良くて無視、悪いと思いっきり蹴飛ばされていたのだ。 そしてその憂さをおとなしくて人間に人気のあるめーりんへと向けた。めーりんは人気もあり性格もいい為、何もしなくても通行人に餌をもらえていたのだ。 自分より下のはずのクズめーりんがなぜ・・・きっと裏で何かしているに違いない。だから自分達には餌がもらえないのだ!! そんな嫉妬と差別心、更には被害妄想が入り混じり今回の凶行に及んだわけである。 100%純粋な、ここまで来ると気持ちいい位のゲスっぷりである。 男はそのまま立ち去るつもりだった。ゆっくり同士のいさかいに首を突っ込んでる気分ではなかったから。 立ち去るつもりだったが・・・いつの間にかゲスたちを潰しめーりんを助けていた。 その後、傷ついた親めーりんと子めーりん2匹を屋敷につれて帰り、ゆっくり医を呼んで手当てさせる。幸い体当たりによる軽い打撲だけで済み、それもオレンジジュースをかけるとすぐに治った。 そしてメイドに命じて体の汚れを落としてみるとなかなかの美ゆっくり。それにどことなく愛されいむに雰囲気が似ている気がする。 男はめーりん親子を飼うことにした。これも何かの縁だと思って。 以上のような経緯があったのだが当然のーぶるれいむは知るはずもない。 「さあ、めーりん。ここがお前達の部屋だ。好きに使っていいんだよ。」 その男の声に子めーりん2匹が遊具へと跳ねていく。始めて見る遊具に興味しんしんなのだ。その後から親めーりんがついていく。 れいむにとってめーりんは害虫でしかない。当然排除しようとする。 (そこのくずめーりんたち!!とっととでていってね!!ここはおまえたちみたいなくずのはいれるばしょじゃないんだよ!!) れいむとしては大声を出してるつもりだが、人間にとって喉にあたる場所も昨日の薬剤で固まっているため声を出せない。 だから当然無視される。子めーりん達は遊具で遊び始め、親めーりんはその様子を見守っている。 (うがぁぁぁぁあ!!むじずるなぁああ!!くずどもぉぉぉぉ!!) 叫ぶれいむだが当然聞こえていない。実力行使でめーりんたちを排除しようにも体が動かないのでどうしようもない。 そんななか子めーりんたちが遊具で遊ぶのをやめ、れいむのほうへ近づいてきた。 れいむの内なる声が聞こえたのではない。もっと面白そうなものに気づいたからだ。 子めーりん達の見つけた面白そうなもの。それはピコピコ動くれいむのもみあげだ。どうやらもみあげ以外動かないれいむをそういうぬいぐるみと勘違いしたようだ。 冗談じゃない。こんなクズどもに触れられたら体が穢れる。 そう思うれいむだったが動けず、声も出せないのではどうしようもない。 なすがまま、されるがままにされるしかなかった。 その日のうちに愛されいむの死と代わりにめーりん親子が飼われることが館のゆっくりたちに知らされた。 最初は泣き崩れていたゆっくり達だったが、 「いつまでもないてはいられませんわ。きょうからめーりんさんたちがおじょうさまですわ。」 とさくやが言うとみんなそれに賛成してくれた。めーりん親子ははれてこの館へ迎えられたのだ。 その様子をれいむは歯軋りしながら見ているしかなかった。 それから毎日れいむは地獄だった。 ある時は子めーりんたちにトランポリン代わりにされ、顔じゅうあざだらけになった。 ある時は噛み癖のあるもみじにあたまをガジガジと齧られ、自慢だった髪を半分以上引き抜かれた。 ある時はちぇんにサッカーボール代わりにされて壁に激突した衝撃で目玉が1つ飛び出た。 もはや見る影もなく落ち武者のような姿のれいむ。 そんなれいむを見て、さなえとさくやは「ゆっくりできないぬいぐるみ」と汚いものを見るような目で見られる毎日。 れいむはのーぶるゆっくりなのに。本来、畏怖と尊敬の念で見られるべきなのに。 れいむは人知れず涙を流した。 そんなある日、のーぶるれいむは自分の目を疑う。 男と共にドアを開けて入ってきたのは・・・なんと研究お兄さんだった。 研究所で自分の世話をしてくれたあのお兄さんなら助けてくれるに違いない。 なぜなら自分はのーぶるゆっくりなのだから。 その研究お兄さんに捨てられたからここに居るのだということをすっかり忘れているようだ。すさまじい餡子脳である。 (ゆゆっ、おにいさん!!のーぶるれいむだよ!!はやくたすけてね!!) 当然無視される。そもそも研究お兄さんがここに来た理由はのーぶるれいむなどではないからだ。 「それじゃここに設置ということでよろしいですね?」 「ああ。完成までどれぐらいかかるかね?」 「1時間もあれば十分です。」 そう言い研究お兄さんはなにやらその場で組み上げ始めた。 1時間後。 「ふう。できた。」 研究お兄さんが組み上げたのはゆっくりハウスだった。 大きな門。「こーまかん」と書かれたゆっくりが数匹休めるスペースの屋敷。小さな造花の花壇。 ゆっくりハウス(こーまかん、門番めーりん仕様)。男からめーりん親子へのプレゼントだ。 実は研究お兄さんの働いてる店の店長と男はゆっくりハンター仲間なのだ。(なお男は中級、店長は上級ライセンスを持っている) だからそのよしみで男は研究お兄さんと会うことも多く、今日も男が店で購入したこのゆっくりハウスを配達しにきただけなのだ。 「じゃあ僕はもう店に戻りますので。」 「ああごくろうさん。店長によろしく。」 まずい。 れいむは焦った。お兄さんが帰ってしまったらもう誰も助けてくれない。 このままこの地獄でゆん生を終えることになる。それだけはいやだ。 もはやれいむにのーぶるゆっくりとしての選民思想など残っていなかった。 (おにいさんおねがいじまずうぅぅぅぅっ゛!!!でいぶをだずげでぐだざいぃぃぃぃぃ!!!) プライドも見栄もなくそう叫ぶ。声にならなくても思いは届く。そう信じて。 (でいぶわるいこでしたぁぁぁぁぁ!!かみさまにえらばれたゆっくりなんてちょーしこいてまじだー!!) (いいこに・・・いいこになでぃますからぁぁぁああ!!でいぶをみすでないでぇぇぇ!!) 正に捨て身の懇願。その時奇跡が起きた。 のーぶるれいむと研究お兄さんの目があったのだ。 やったこれで助かる。そう喜んだれいむだったが。 現実は非情だった。 「汚いぬいぐるみだな。」 汚物を見るような目で一瞥し、ぼそっとつぶやく研究お兄さん。 のーぶるれいむの最後の希望、そして最後のプライドが粉々になった瞬間だった。 その夜れいむは寝付けなかった。 結局お兄さんはれいむを助けてくれなかった。それどころかのーぶるれいむだと解らなかった。 もう自分には何の希望もない。 「・・・どうしてころしたの?」 不意に誰かがつぶやいた。誰も居ないはずなのに。 誰だ?どこにいるんだ?怯えるれいむ。 「どうしてママをころしたの・・・・おちびちゃん・・・」 姿を見せた声の主にれいむは恐怖した。 それはのーぶるれいむの母親だった。全身から餡子をふきだしながら苦悶の表情を浮かべれいむへ近づいてくる。 そんな・・・死んだはずだ。自分の母親は・・・。自分が確かに殺したはず・・・。 「れいむ・・・どうしてちぇんをころしたの・・・わからないよ・・・」 「こんなの・・・とかいはじゃないわぁ・・・」 「すごく・・・すごくいたかったんだぜぇぇぇ・・」 母れいむの後ろから出てきたゆっくりに更に驚愕するれいむ。 それはれいむが研究所で殺したゆっくりたちだった。みな全身餡子やクリームまみれでまるでゾンビのような姿だ。 ある者は足し算ができなかったから。 ある者はかけっこが他のゆっくりより遅かったから。 ある者はのーぶるれいむに口答えしたから。 そんな些細で理不尽な理由でみんな殺してきたのだ。クズを排除できるのはのーぶるゆっくりの特権、そして使命であると信じて。 「むぎゅぅぅぅ・・・・どうしてぱちゅにあんなことしたの・・・ひどいわぁぁぁぁ」 「れいむは・・・とんでもないくされゲスだみよぉぉぉぉぉぉん」 どんどんゾンビのようなゆっくりは多くなる。新しく現れた者達は野良時代にれいむが殺したゆっくりだった。 ある者はえさを横取りする為に。ある者は住処を奪い取る為に。ひどい時など憂さ晴らしの為にその命を奪った。 (どうじでいきてるのぉぉぉぉぉぉぉ!!!みんなしんだはずでしょぉぉぉぉぉぉぉ!!!) 声なき声でれいむは叫ぶ。発狂しそうな恐怖に震えながら。 「ゲスれいむにふくしゅうするためじごくからまいもどってきたんだぜぇぇぇぇぇ」 「いなかもののれいむにはてんちゅうをくだすわぁぁぁぁぁ」 「ゲスはせいさいなんだよぉぉぉぉぉぉ。わかってねぇぇぇぇぇぇ」 口々に恨み言を漏らすゾンビゆっくり達。 もちろんこのゆっくり達はれいむに殺されたゆっくりが生き返ったわけではなく、悪霊というわけでもない。 これは幻覚。れいむの罪悪感が見せたまぼろしなのだ。 今までれいむは仲間であるゆっくりを殺すのに何の罪悪感も感じなかった。自分は神に選ばれしのーぶるゆっくり。他の平凡なゆっくり達の生殺与奪の権利は自分にある。そう考えていたからだ。 しかしれいむは認めてしまった。自分は神になど選ばれていないただのゆっくりにすぎないと。 その結果、潜在意識にあった罪悪感が一気に幻覚という形で表に出たのだ。 (ゆうううううぅぅぅぅうううう!!!だれかたずげでえぇぇぇぇぇぇぇ!!) 恥も外聞もなくしーしーを垂れ流しながら助けを求めるれいむ。動けないれいむにはそれしかできない。(正確には声が出ないのだからそれもできていないのだが。) しかし誰も助けには来ない。例え来ても助けることはできない。 なぜならこれはのーぶるれいむの罪そのもの。けして逃げることはできないのだ。 (ゆんぎゃあああああぁぁぁあああああ!!!」) れいむの声にならない叫びが館に木霊した。 男は窓からゆっくり達を見ていた。男の部屋は2階にあり、庭で遊ぶゆっくり達を見るのには特等席である。 暖かな日差しの中、ゆっくり達は皆一様に楽しそうに遊んでいる。その様子を目を細めて男は眺める。 男は思う。 愛されいむは自分の産み出したゆっくりの中でも最高傑作だ。今でも愛している。それはこれからも変わらないだろう。 だが同時に思い出す。初めてめーりんに会った時のことを。 あの時めーりんのそばには子ゆっくりたちが居た。 めーりんは2匹の子供を守っていたのだ。子供達に覆いかぶさるように自分の体を盾にし、ゲス達の攻撃を一身に受けて。 恐怖でブルブルと震える子供達にめーりんは子供達に向かって微笑んでいた。 おちびちゃん達は自分が必ず守る。だから心配しないで。そう言わんばかりに。 ゲス達によるリンチに苦しんでいたはずなのに。そんなめーりんだからこそ男は思わず助けてしまったのだ。 彼女もまたれいむと同じ愛される、いや愛すべきゆっくりだと思って。 穢れを、悪意を知らぬゆえに悪意によってその命を散らせた愛されいむ。 その身を挺して悪意から自分の愛するものを守ろうとしためーりん。 どちらが真のゆっくりと言えるのだろう。いや答えなど存在しないか。 願わくばあのゆっくりたちの笑顔がいつまでもかげらんことを。 そう思いつつ男は部屋を出た。 愛するゆっくりたちのもとへ向かうために。 今日の希少種 愛されいむ 希少度 不明 愛されることを目的に品種改良されたゆっくり。純粋無垢でゲス化することもない愛玩動物としては理想のゆっくりだが、虐待緒お兄さんやゲス、捕食種には効果がないので注意。ありとあらゆる生物に愛される完全体の愛されゆっくりもいるらしいが真相は定かではない。 補足説明 ゆっくりハンター ゆっくり局の監督するゆっくり関係の仕事をする者の総称で全国に数千人いる。主な仕事はゲスの駆除、捕獲、希少ゆっくりや虐待ゆっくりの保護など。ハンターはクラスによって希少ゆっくりの売買などの権利を得るので、ゆっくりショップの店員はこのライセンスを持っていることも多い。 階級としては初級ハンター、中級ハンター、上級ハンターとあり、その上のクラスがハンター鬼意山である。ハンター鬼意山には二つ名が与えられ「○○のハンター鬼意山」と名乗ることが許されるが、その資格を持っているのは日本で十人ほどしかいない。 あとがき 解答は 「セレブれいむは愛されいむと言う人間に愛されることに特化した品種改良種。人間、特に飼い主がみればゲスのれいむがどう演技しても一目瞭然だから。」でした。 すいません。こんな「わかるか、ボケ!!!」と言いたくなるようなひどい作品で。その上難易度上げすぎて出題編2を作るようなグダグダっぷり。本当に申し訳ありません。次回作こそこのようなことのないようがんばりますので。 ちなみに愛されいむを思いついたきっかけは、コードギアスR2、15話にでてくるCCが昔持っていた「愛されるギアス」です。 なお書き始めた当初は原種ゆっくりが正解だったので出題編1で原種ゆっくりと書いた人は全員正解あつかいとします。その上で一番今回書きやすかったコメントナンバー1254013508 さんのリクエスト「研究お兄さんとの再会」を今回書かせていただきました。たくさんのコメントありがとうございます。他の方のリクエストもいずれ書く予定なので気長にお待ちください。 PS 店員お兄さんの名前は研究お兄さんに戻しました。そのほうがしっくりくるので。 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 ふたば系ゆっくりいじめ 298 ゆっくりを拾ってきた ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編) ふたば系ゆっくりいじめ 357 ゆっくり Change the World(出題編2) 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る いつもれいむは被害者…か…… -- 2014-01-25 00 24 02 ↓×5説明位ちゃんと読めよ… -- 2013-12-10 16 08 10 解答とか内容がこれだとどうでも良いな、とりあえずめーりん親子が幸せになったから良かった -- 2013-01-18 10 20 36 愛されいむ…どこからそのキーワードを引っ張り出せと… -- 2011-04-12 20 34 45 難易度が馬鹿だろwww 分かるわけねえwww -- 2011-01-30 19 23 10 出題編、解答編に分けなければまだ普通のSSとして読めたのに… 出題編になんのヒントも無いから作者の妄想とシンクロできる人以外解答不能 作者さんには有名なこの言葉を送ります。 「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」 -- 2010-10-25 23 34 14 うん!酷い解答だww 酷いにも程があるww 難易度が高いとかそういう問題じゃないなww なんでもありですねww 別にのーぶるれいむは致命的なミスをおかしてないし だいたい愛されいむってどうやって愛されんの? れてぃは愛されいむを愛さなかったの?定義がわからん まあ俺はれいむってだけでぶっ潰したくなるから 愛されいむという存在自体を否定するけどねw -- 2010-09-23 02 59 56 愛されいむか・・・ちゃんと出ていないせいか存在が微妙。 -- 2010-08-13 01 57 12 れてぃ殺すのはもったいない。 -- 2010-07-19 06 31 11
https://w.atwiki.jp/pomumeruto/pages/12.html
バールのような男 読み:ばーるのようなおとこ 『バイオハザードRE 4』に登場するザコ敵のこと。 バールのようなものを持っている男ではなく、バールのような男とめるとくんに呼ばれてしまった。 これもプラーガのしわざ。 関連: パール 読み:ぱーる アコヤガイなどの貝の体内で生成される宝石の一種。 めるとくんが泣くと目からパールがこぼれる。 なお、口からは虹、鼻からはミルキーウェイ、耳からは砂金、お尻からはダイヤが出る。 ハイボール 読み:はいぼーる 『ポケットモンスター』シリーズに登場するボール、ハイパーボールのこと。 初めての同人誌 読み はじめてのどうじんし めるとくんが初めて読んだ同人誌。 友人にコミケに連れていかれためるとくんは、売り子の手伝いのお礼に同人誌を買ってもらえることになった。 めるとくんが「ゼルダの伝説が好き」と伝えると、友人はなんとリンクがモンスターに……される同人誌を買ってきた。 ぴゅあぴゅあフィルターがかかってとても読めなかったらしい。 関連 https //youtube.com/shorts/Wql34EWZpZs?si=Bz-R83JqlJWTqR6m バタバタバタフライ 読み ばたばたばたふらい 突如めるとくんが発した謎の言葉。 苦手な虫の種類として不規則に動き回る虫として蝶々を挙げためるとくん。 「バタバタするバタフライ……バタバタバタフライ」と自分で言ってしまいツボに入り1人で笑い転げていた。 イノセントイノセ、モンゴル8000万、バタバタバタフライがめるとくんの三大ツボ用語。 関連動画 嶋野 読み:はとの めるとくん読み間違いシリーズ。 『龍が如く』シリーズの登場人物、東城会直系「嶋野組」組長、嶋野太(しまのふとし)。 めるとくんは「嶋」を「鳩」と読んだため、彼の名前は「はとの」になった。 関連動画: バトルドーム 読み:ばとるどーむ ツクダオリジナルが販売していた4人対戦ピンボールゲーム。 「超!エキサイティン!」のCMで有名。 とっくに販売が終了しているバトルドームを「ご自由にどうぞ」と書かれたゴミ置き場から拾ってきためるとくんだが、1人では遊べないことに気づき結局ゴミとなった。 ちなみにめるとくんは色々なものを無料置き場から拾ってきている。貧乏王子。 関連: パパ 読み ぱぱ 『桃太郎電鉄~昭和 平成 令和も定番!~』における偉人および貧乏神のこと。 元々は偉人(サポートNPC)の1人、渋沢栄一がプレイヤーにお金をくれることから「お金配りおじさん」と呼ばれたのが始まり。後にプレイヤーに着いてくる偉人たちや、さらには貧乏神(キングボンビー)までパパと呼ばれるようになった。 めるとくんはたくさんくれるパパを探し回った。 ハム太 読み:はむた めるとくんが昔飼っていたハムスターの名前。 夜行性なので夜中も車をカラカラしていた。 めるとくんのことを「世話役としてなら居てもいいぞ」と思っている。 関連 バルーンハウス 読み ばるーんはうす 児童が中に入って遊べる巨大なバルーンのこと。エア遊具とも呼ばれる。 楽しいのでめるとくんもつい入りたくなるが、床の隙間に首を挟んだり、他の子に体当たりされ壁に顔をぶつけるなど、無傷では帰れない危険な遊具らしい。 関連: はると 読み:はると めるとくんの弟。ぽむ・はると。 正真正銘の弟だが身長は180cm近くあるらしい。 一時期IRIAMで配信しており、めるとくんとコラボしたこともある。 めるとくん同様地球に降り立っており、たまにめるとくんの家に来て部屋を掃除してくれる。通い妻か。 ハンギョドン 読み:はんぎょどん 『アンダーテール』に登場する戦士、アンダインにめるとくんがつけた名前。 半魚人はみんなハンギョドン。 参考:https //www.sanrio.co.jp/characters/hangyodon/ 関連動画: https //www.youtube.com/live/E8bHljG9DJw?feature=share パンケーキ屋さん 読み:ぱんけーきやさん めるとくんの労働遍歴のひとつ。 いっぱい入れるからという理由でパンケーキ屋の店長になっためるとくん。 キッチンにもテーブルにも手が届かないので店員に指示するだけの人になり、クレーマーにも店長だと思われないなど大変だった。不憫。 関連: ぱんつ 読み:ぱんつ 下腹部を覆う肌着のこと。 初めてのFA(ファンアート)のときからめるとくんは履いていなかった。 本人曰く、「寒い日にははいてる」。 たまに履くぱんつは尻尾部分が出せる特別製。 アクリルキーホルダーが作られたときには履いてる差分ができた。 関連:「ぱんつはいてるもん!」 ぱんつキノコ 読み:ぱんつきのこ 『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』に登場するアイテム。 旅一座の座長・ゴーマンが履いているパンツから採取できる謎のキノコのこと。 めるとくんはこれを気持ち悪そうに持ち歩いた末、有効活用できず5ルピーで売った。 ピアノタオル 読み:ぴあのたおる めるとくんの不憫エピソードのひとつ。 地球に来る前、ピアノ教室に通っていためるとくんだが、 家にピアノがないのでレッスン以外では練習できなかった。 そこで母親に「ピアノがほしい」と頼んだところ 鍵盤の描かれたタオルを渡され「これで練習しなさい」と言われたのだった。 関連 ビーストモード 読み:びーすともーど めるとくんの本来の姿。 完全な羊の見た目(ただし直立二足歩行)になる。 ひき肉事件 読み ひきにくじけん キーマカレーを作って食べた夜、めるとくんは喉に詰まりを覚えた。 めるとくんはこれを「キーマカレーのひき肉が喉に引っかかっている」と考え、その日は咳をしながらも配信を続けたのだが…… 翌日発熱し、喉の違和感はインフルエンザだったと判明した。 (その後インフルエンザだけでなくコロナと咽頭炎にかかっていることも判明し、快癒まで1ヶ月かかった。) キーマカレーに冤罪がかけられた嫌な事件だった。 羊飼い 読み:ひつじかい めるとくんのファンの呼称。ファンネーム。 ファンマークは🐑🌟🍼。 百味ビーンズ 読み:ひゃくみびーんず 編集中 ぴゅあぴゅあフィルター 読み:ぴゅあぴゅあふぃるたー めるとくんの目に搭載された健全フィルター。 子どもが見てはいけないものが目に入ると自動的にモザイクがかかる。 これによりめるとくんは純粋さを維持している。 フェアリータイプ 読み:ふぇありーたいぷ めるとくんがコ〇ナに感染してしまった状態のこと。 陽性→妖精→フェアリー。 ポケモンSV実況でテラスタル(ポケモンが結晶化しタイプが変わること)が登場したころだったのでこう呼ばれた。 フェアリータイプの際には声が出せなくなってしまったが、配信は毎日休まず続けていた。すごい。 関連動画:https //www.youtube.com/live/exOVoHRxxww?feature=share フグ 読み:ふぐ 編集中 ふじ山 読み:ふじさん 標高3776m、日本最高峰の活火山。 めるとくんの頭の中では岐阜県と長野県の県境に位置している。 動画: 豚の卵 読み ぶたのたまご めるとくんが卵とじのカツ丼を見て「親子丼?」と言ったため、豚の子=豚の卵という概念が生まれた。 めるとくんはカツ丼を食べたことがなく、カツを卵でとじることを知らなかったらしい。 「星空では親子丼をよく食べていた」と述べていたが、よく聞いてみるとそれは鶏肉が入っていない、ただの玉子丼だった。泣ける。 カツ丼を食べたことがない理由も、貧しかったからではなく単に出会ってこなかっただけと弁明していた。 関連 ぷっちんこっこ 読み:ぷっちんこっこ めるとくんがとびっこにつけた愛称。 ふつれ 読み ふつれ テニスの王子様OP曲『future』のこと。 めるとくんはフューチャーが読めなかったのでふつれになった。 歌枠でリクエストされているが未だに歌えていない。 ふにぽん 読み ふにぽん めるとくんが昔飼っていたミドリガメの名前。 ふにふにしていたのでふにぽんと名付けられた。 クサガメのゴンザレスをめちゃくちゃビンタしていた。 関連 プラズマ 読み:ぷらずま 原子と電子が分離し激しく運動している状態のこと。 めるとくんはプラズマの科学的説明は理解できなかったが、 めるとくんが尊すぎる羊飼いがプラズマ化し尊死していることを知った。 関連: 傭兵 読み ぺいぺい めるとくん読み間違いシリーズ。 忍者の話題から「傭兵」というコメントが挙がったが、めるとくんはこれを「ぺいぺい」と読んだ。 きっと傭兵(ぺいぺい)は、報酬も電子決済で支払ってもらっているのだろう。 関連 ペラ太郎 読み:ぺらたろう めるとくんが育てていたウチワサボテンの名前。 ぐにゃぐにゃ曲がったらしい。 関連: ホイップちゅっちゅ 読み:ほいっぷちゅっちゅ 節分の日に行われた禁断の行為。 えぽむまきを作った際、めるとくんは余ったホイップクリームを絞り袋から直接ちゅっちゅした。 本人も「これやったら人として終わるよね」と自覚はあったが、衝動は止められなかった。 なお、大量摂取で翌日お腹を壊した。 関連動画:https //www.youtube.com/live/W3zqf1IG8og?feature=share 🔪 読み:ほうちょう めるとくんへ投げつけられる刃物。 星空の世界では一夫多妻制が認められていると主張し次々と嫁をとるめるとくんに対し それを認めない羊飼いがたびたび投げつける。 星空から舞い降りた、保護対象癒し系なまいキッズ毎日配信王子†ぽむ・めると† 読み:ほしぞらからまいおりたほごたいしょういやしけいなまいきっずまいにちはいしんおうじぽむめると めるとくんの肩書きのひとつ。 YouTube配信1周年を迎え「新人Vtuber」ではなくなっためるとくんが、新しい〇〇系を募集した結果生まれた。 関連動画https //www.youtube.com/live/mG_3FDo4clk?feature=share 星空団地 読み:ほしぞらだんち めるとくんが地球にやってくる以前、王子に選ばれる以前に住んでいた団地のこと。 勉強机がないので首から下げた画板で勉強したり、 おもちゃを買ってもらえないので空き箱をクラフトして遊んだりして育った場所。 ぽに・ぽにお 読み ぽにぽにお 『ポケモンSV ゼロの秘宝 碧の仮面』のキーキャラクター、オーガポンの名前。 「ぽに」「ぽにおっ」と鳴くのでぽにおと呼びたくなるのはわかるが、なんとめるとくんはぽにおが本名だと思い込んでいた。 そのため作中で「オーガポン」の伝承が語られても何のことか意味がわかっていなかった。 「ピカチュ」と鳴くからピカチュウのノリ。 関連 骨抜きメモリアル 読み:ほねぬきめもりある 『アンダーテール』での事件。 骸骨の青年パピルスにデートを求められたので仕方なく付き合ったはずのめるとくんは、気づいたら向こうからフラれていた。 向こうから迫ってきたのにフラれて終わった『ときメモ』の風真ルートを彷彿とさせた。不憫。 関連動画: ぽむです。 読み:ぽむです 『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』でのセリフ。 電話でデートに誘うときの第一声が「ぽむです。」だった。 苗字を「ぽむ」に設定してある以上当然の名乗りなのだが、めるとくんは普段自分でぽむと名乗ることはないため、違和感が凄かった。 関連動画: ぽむめるとランド 読み:ぽむめるとらんど めるとくんの夢であり目標。自分がマスコットキャラクターのテーマパーク。 建設予定地は舞浜か宮古島。 色々なアトラクションが設置される予定だが、コーヒーカップは人が飛ばされるため禁止されている。 本人は併設したマッシュルーム工場の工場長をやりたい。 ほら貝 読み:ほらがい 大型の巻貝を用いた吹奏楽器のこと。 めるとくんのモノマネのひとつ。 ほら貝リクエストをすると、非常に上手な「ぶぉう~」を聴かせてくれる。 ボラギノール 読み:ぼらぎのーる 『バイオハザード0』に登場する、ヒルのオブジェのこと。 めるとくんが「座薬みたいな形」と呼んだことで、謎解きはマーカス所長に座薬を入れてあげるゲームと化した。 なお、めるとくんは昔ママに座薬を入れてもらっていた。昂る。 関連: ポリスコレクション 読み:ぽりすこれくしょん 警察のファッションショー、警察界のパリコレのこと。 略称「ポリコレ」。 まどかマギカとの関連性も指摘されている。 関連動画: ぽり・めると 読み:ぽりめると ローポリゴン3Dのめるとくんの名称。略してぽりめる。 なぜかトラッキングが上手くいかずめるとくんの意思とは無関係に動き回るので 自我が芽生えているのではないかと噂されている。 関連動画: ほんごとメン 読み:ほんごとめん めるとくんの精一杯の謝罪の言葉。 ある日の配信でマイクが入らず、配信開始が遅れてしまっためるとくんはチャットで「待ってなほんごとメン><」と打ち込んだ。 誠意は伝わる。 ぽんぽんぺいん 読み:ぽんぽんぺいん 幼児語でお腹を表す「ぽんぽん」と、痛みを表す「pain」を合わせた言葉。 一般的なネットミームでは「腹痛」を意味する。 『バイオハザード』シリーズにおいて、プレイキャラの体力が少なくなるとお腹を押さえるため、負傷=ぽんぽんぺいんと呼ばれている。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4489.html
「じゃじゃーん!」 いつものように虐待用のゆっくりを探すため山道を歩いていると、そんな叫び声とともにそいつは現れた。 赤い髪に黒い猫耳、左右にある三つ編みを黒いリボンで止めたその姿は、希少種の中でもめったに見かけられないゆっくりおりんである。 「おにーさん、ゆっくりしていってね!」 「ん……あ、ああ。ゆっくりしていくよ」 普段はゆっくりから『じじい』とか『おじさん』と呼ばれているため、一瞬自分のことだと気付けなかった。 まだ若い身空であるため『おにーさん』と呼ばれて当然なのだが、初対面の人間をそう呼ぶゆっくりなんてさなえとおりんぐらいのものであろう。 飼いゆっくり以外で礼儀正しいゆっくりなんて、それぐらいしかいない。 「しかしおりんか……ちょっと困ったな」 「ゆゆ?」 おりんはゆっくりの死体を操る能力……ある程度原形をとどめた死体からゾンビゆっくりを作る能力を持っている。 ゾンビゆっくりは原型が崩れるか腐って動けなくなるまで仮初めの命を手に入れたゆっくりだ。 一応生きていたころの記憶はあるのだが、自分の意思が希薄でおりんの命令に逆らえないため、実質おりんの奴隷である。 そのゾンビゆっくりだが、見た目がグロい。 一度つぶれた死体が多いため、片目や餡子が漏れているのは当たり前。さらに死体だからゆっくりの免疫機能なんて働いてないため、腐りかけのまんじゅうと大差ない。 人間が見ても気持ち悪いそれは、ゆっくりの目から見ると一層恐ろしいものに映るらしく、ゾンビゆっくりとおりんはゆっくりの中でもかなり嫌われている。 それこそ、群れごと移動して逃げ出すくらい。 つまり、この付近にいたゆっくりの群れはもういない可能性が高いのだ。 「なあ、君がこの場所にきてから何回太陽がでてきた?」 「ゆっ! たぶん6回か7回だよおにーさん!」 となると、だいたい一週間か。たぶん大半が街に逃げ出してつぶされている頃だろう。 このあたりにもまだ何匹か残っているかもしれないが、探し出すには時間がかかるに違いない。 「どうしようか……この際おりんでいいかな」 「おりんになにかようかい?」 「ああ、ちょっとね」 (そう言えば、希少種を虐待したことはなかったな……見かけたら大抵ペットにしているし) ここはスタンダードに針山地獄コースかなと考えていると、突然脳裏にどこかの偉い鬼井山の言葉が聞こえた気がした。 『―――ゆっくりにはそれぞれ特徴がある。その特徴を利用しないで何が虐待だ』 「……くっ! 俺はいったいなんてことを考えていたんだ!」 「? よくわからないけれど、ゆっくりしていってね!!!」 ああ、ゆっくりするよ。お前を使ってな。 しかしゆっくりに慰められるなんて、人間の立場としてどうなのだろう…… ……まてよ。立場か。 「なあ、おりん」 「なんだい、おにーさん」 「実はゆっくりを飼おうと思っていてね。どうだい? 飼いゆっくりにならないか?」 「ゆゆっ!!」 おりんも飼いゆっくりのことは知っていたのだろう。目をきらきらと輝かせる。 おりん自体はさなえ並に飼いやすいゆっくりだが、ゾンビゆっくりの放つ悪臭や死体処理が手間であるため、一部の愛好家や虐待家を除いて飼う人はいない。 ならゾンビゆっくりを作らなければいいと思うかもしれないが、ゾンビゆっくりを作るのは本能であり、おりんにとってゾンビゆっくりはゆっくりできるものなのだ。 作らせなければすぐに衰弱死すると言われている。 そのため、希少種の中でも飼われにくいという珍しい境遇。このチャンスを逃せば、きっと野生で一生を終えるに違いない。 (まあ、野生で暮らすほうが幸せだとは思うがな) 「ゆ~んゆ~ん……ゆっ! おにーさん、おりんきめたよ! おにーさんの『かいゆっくり』になるよ!!!」 「おお、そうか。それじゃあおりんを連れていく前に、ゾンビゆっくりをここに呼んでくれ。みんな一緒に飼いゆっくりにしよう」 「ゆっ! おにーさんふとっぱらだね! わかったよ!」 ◇ ◇ ◇ 「ユッグリシテイッデネ!!!」 「……ユッグリ……ユッグリ」 「ユヴゥゥゥ……」 「うおっ、結構いるな」 おりんは十匹のゾンビゆっくりを連れてきた。 どれも見た目はひどいのだが、前にここら辺にいた群れから調達したためかそれほど腐ってはいない。 「これならしばらくは遊べそうだな……」 「ゆ?」 「よし、それじゃあおりんは抱えてあげるから、ゾンビゆっくりたちは俺の後ろをついてきてくれ」 「ユッグリ! ユッグリ!」 「マリサモカガエテ……」 誰がお前らを抱えるかよ。 抱えてる時にその体にあいた穴から虫が這い出てくるとマジ怖いんだぞ。 ◇ ◇ ◇ 俺の家に着いたとき、まずは家に飼っているゆっくりを全員二階に移動させた。 一階のある一室を使って虐待しようと思うのだが、そこに運ぶ前にほかのゆっくりの存在を気取らせたらまずい。 飼いゆっくりということは、基本的に(ゆっくり基準で)美形である。もし誰かが見初められたら、子供を作ると同時に殺されてしまう。 「と、言うわけだ。ついでに遊具もいくつかそこに運んでおいたが、我慢してくれ」 「べつにいいんだどぉー。うつくしいのはつみなんだどぉ~☆」 「正しいがお前に言われるのは何か気に食わん。明日ぷっでぃ~んは抜きだ」 「うわぁぁぁーーーー!!!」 「おいこら、叫ぶと外に聞こえるだろ。ふらん、れみりゃを二階に連れていってくれ」 「うー!」 白目をむいて驚愕した表情のれみりゃがフランに連れられて階段を上っていくのを確認すると、防腐剤を片手に持ちつつ玄関の前で待っているおりんの場所に戻る。 「さっきれみりゃのこえがきこえたような……」 「ん? ああ、ここら辺には割と多いらしいからな。でも家の中なら安全だぞ」 「そうだね! ゆっくりできるね!」 「……じゃあ、最初におりんを家の中にれるけど、ゾンビゆっくりはここに待たせてくれ」 「ゆゆっ!? みんなはゆっくりできるよ!?」 「ああ、大丈夫。この防腐剤を混ぜたり虫を取り除いた後で連れていくから」 「『ぼーふざい』さんってゆっくりできるもの?」 「ああ、みんなが腐らなくなるんだ。長い間ゆっくりできるぞ」 「ゆっ! それはすごいね! 『ぼーふざい』さんはゆっくりできるよ!!!」 「解ってくれたか。じゃあ、まずはおりんだけ連れてくぞ」 そう言いつつ持っていた防腐剤を玄関に置いておき、代わりにおりんを持って家の中に入る。 そして予定していた部屋に運び込むと、おりんはその中を見て驚愕した。 まず、(ゆっくりにしては)広い部屋。丸々一室なのだ、木の根元の洞と比べる方が間違っている。 次に、ゆっくりできそうな遊具の数々。もともと飼っているゆっくりがそれなりに多いため、少し持ってきただけでも一匹には十分すぎるだろう。 最後に、窓からの光を浴びて輝く床。餡子が飛び散った時のためのビニールシートを敷いてるだけです。 「じゃ……じゃ……」 「じゃ?」 「じゃじゃーん!!! ここはおりんのゆっくりプレイスだよ!!!」 おりんは感動の涙を流しつつ、声高らかにそう叫んだ。 野生ではありえないような巣であり、しかも人間さんのお墨付きでもある。 しかも話に聞く限りでは、飼いゆっくりは毎日たくさんのあまあまをくれるという。 きっとここで一生ゆっくりと過ごし、素敵な伴侶ももらえ、最後にはたくさんのかわいい子供たちに看取られてずっとゆっくりするのだろう。 この宣言こそ、その第一歩なのだ。 しかし、それを聞いている自分の心境としては『おいおい、いきなりお家宣言かよ』といったものである。 まあこのおりんはそれなりに頭が良いようだし、この部屋のことだけを言っているのだろう。そうでなければ即潰す。 「それじゃあ、ゾンビゆっくり達を連れてくるからな」 「ゆっ! ゆっくりつれてきてね!」 ◇ ◇ ◇ それから、おりんのゆっくりとした生活が始まった。 その生活はまさに天国。野生のころには考えられなかったほどである。 朝は朝食を食べてゆっくりし、 昼は昼食を食べてゆっくりし、 晩は夕食を食べてゆっくりする。 おにーさんはこの壁さんの向こう側からあまあまを持ってくるときにしか会えなかったけれど、いつもゾンビゆっくりが一緒だから寂しくなんてない。 部屋の外には頼んでも出してもらえなかったけど、部屋から出れなくても『しーそー』さんや『ぶらんこ』さんとかがあるから遊ぶには事欠かなかった。 だけど――― 「おにーさん……きょうもいっしょにいてほしいよ」 「ん……またか?」 おにーさんが夕食の黒いあまあまを持ってきたときに声を賭けるのは、すでに日課といってもよかった。 人間さんは頭がいいから、これだけ伝えれば何が言いたいのか察してくれる。 「悪いな。俺はここではゆっくり寝れないんだ」 「ゆぅ……」 今日も断られた。 やっぱり、信じてもらえないのだろう。 「むーしゃむーしゃ、ふしあわせー」 おいしいあまあまも、この後に起こることを考えたらおいしくない。 いつもは力強いゾンビゆっくりのみんなも、このときは頼りなく見えた。 ◇ ◇ ◇ 突然、ガタッっという大きな音が鳴った。 「ゆゆっ!?」 眠っていたおりんはその物音に反応してすぐに起きるが、周りは暗くてよく見えない。 「ゆー……」 眠れない。 眠ることができない。 怖い。 何が起こってるのかわからない。 ここ数日、同じような出来事が起こっていた。 夜中の間に突然大きな物音が鳴り響くのだ。まるで、誰かが暴れているみたいに。 そしてその物音で目を覚ますのだが、部屋の中にはだれもいない。 朝に確かめてみると遊具が倒れていたり、ゾンビゆっくりがばらばらの位置にいたり、逆におりんが移動していることもある。 このはなしをおにーさんにいうと、一度だけ一緒に寝てくれた。 その時は不思議なことに物音も移動することもなく、何も起こらないまま朝を迎えることができた。 「ゆ……ゆっくりしていってね……?」 きっと、このゆっくりプレイスにいる『なにか』は人間さんが怖いんだろう。 それだけは解っていた。おにーさんと一緒だと物音をたてたりして機嫌を損ねることはない。人間さんが怖いから。 だから毎晩おにーさんに一緒にいてくれるよう頼むのだけれど、おにーさんは信じてくれない。この『なにか』をしらないから…… 『なにか』って何? どうすればいいの? どうすればゆっくりできるの? ゆ……ゆぅぅ…… 「ゆっぐりじていってよーーー!!!」 ◇ ◇ ◇ このゆっくりプレイスに来てから、おひさまが7回ぐらい上がったころ。 「それじゃあ、これが今日の晩御飯な」 「ゆっ! ありがとうおにーさん! ……それでね?」 「なんだ、まだ物音がするとか言ってるのか……。怪談はまだ早い時期だぞ? それじゃあな」 「ゆゆっ! まっておにーさ……ゆぅぅ……」 今日もダメだった。 きっと、今夜も『なにか』が襲ってくるのだろう。 「ゆ……でも、おとだけだもんね……」 そう、音だけなのだ。 おりんやみんなが移動することはあっても、起きた時にいどうすればいいだけだからそんなに迷惑じゃない。 眠るのを邪魔する音さえなんとかなれば、このゆっくりした生活が完璧なものになる。 一日中ゆっくりすることができる。 「それじゃあみんな! きょうも『なにか』がきたらゆっくりおしえてね!」 「ユッグリ……」 「ワガッタンダゼ……」 「ムギュー……」 「…………」 ……? おかしい。ちぇんだけ返事がない。 「ちぇん、どうしたの?」 「…………」 無言。 命令しているのに、何もしゃべらない。 もしかしてずっとゆっくりしちゃったのかな? 最初に思ったのはそれだった。 『ぼーふざい』さんの効果が終わったのかもしれない。 こう言ったことは野生のころに何度も経験している。 だから、それを確かめようとしてゾンビちぇんに近づいた。 「ちぇん、めいれいはゆっくりき―――っ!?」 突然、眼だけだけがぎょろりとこちらを向く。 その目はなにか……そう、『なにか』……自分ではないものの意思を含んだ眼だった。 思わず恐怖で言葉が詰まる。 ……恐怖? そう、恐怖していた。おりんの命令をなんでも聞くゾンビゆっくりなのに、なぜか恐怖していた。 でも、どうして? このゾンビちぇんはおりんのだし、このゆっくりプレイスにはおりんとみんなしかいない。 『なにか』なんて―――いないのに。 「ワガルヨー」 「ゆっ!?」 突然ちぇんが反応して、思わず体がすくむ。 そして、それが自分の出した命令に対する返事だと理解するのに少し時間がかかった。 「ゆっ……わ、わかればいいんだよ。ゆっくりみはっててね!」 「ワガルヨー」 なんだか、今夜はまったく眠れそうになかった。 ◇ ◇ ◇ 「ゆぴー……ゆぴー……」 床がきしむ音がする。 でもそんな音じゃあ起きない。 「ゆゆぅ……あまあま……」 何かがはねる音がする。 でも普段響くのははもっと大きい音。 「ゆーん……おにーさん……」 突然、一瞬だけ音が止まった。 でも、それは本当に一瞬。 「ゆぅ……ゆゆ?」 そして気がつけば、 ちぇんがおりんを喰べていた。 ◇ ◇ ◇ 「ゆっぎゃぁぁぁーーーーー!?!!?」 目が覚める。 窓の外からは月が出ており、周りはまだ暗い。 「ゆはぁ、ゆはぁ……ゆめ?」 周りを見渡すが、ちぇんはいない。 いつも音を鳴らす『なにか』もいない。 怖かった。 悪夢だった。 「ゆぅぅぅ……ゆめさんはゆっくりできないね!」 でも、どこかで夢でよかったと安堵していた。 そうだ、今は『なにか』もいないし、ゆっくり寝れる。 「ゆっ! それじゃあおやすみな―――」 右頬の痛みに気づいたとき、真っ先に視界に飛び込んできたのはあの無言だったちぇんの顔だった。 「うわぁぁぁーーー!!!」 さっきまで悪夢だったものが正夢になった瞬間。おりんの頭に浮かんだのは命令することだった。 「やべて!! やべてよぢぇん!!!」 だが、それがいけなかった。 そう言って命令するが、ちぇんは聞こえてないかのようにおりんの頬を噛み続ける。 そうだ、だってこのちぇんは、命令を聞かないちぇんじゃないか。 この状況で無理に引き離せば千切れて中身が漏れてしまうだろう。 そしたら……死ぬ。永遠にゆっくりしてしまう! 「べいれい! べいれいをきいで!!!」 いやだ。死にたくない。 せっかくすばらしいゆっくりプレイスを見つけたのに、死ぬだなんて……いやだ! そう思っていると、何かが破れるような音と―――痛み。 右頬が噛みちぎられたのだ。 「あああぁぁぁぁぁ……!?」 すっかり野生の生活も抜けたおりんにとって、それは激痛にも等しかった。 さらにゾンビちぇんは左側のほほにも噛みつき、そこにも穴をあけようとする。 左に皮が引っ張られると、必然的に右の頬の穴は広がる。 もはやおりんの右頬からは、真っ赤な中身が血のように流れ出ていた。 ―――実質、ゆっくりにとって血以上に大切なものだが。 「いやだいやだいやだやべてよぢぇんはなじてがまないでじにたぐないじにだぐないぃぃぃーーーーー!!!!!」 「大丈夫か!」 突然ゆっくりプレイスが明るくなり、おにーさんがやってきた。 きっと助けに来てくれたのだ。 「おにーさん……」 助かった。 その思いから、今後起こることを予想する。 きっとこの状況を見て、おにーさんはちぇんをおりんから引きはがすだろう。 そのあと、おりんの頬を直してくれる。人間さんはすごいから、きっとすぐに直るはずだ。 もしかしたらちぇんは潰されるかもしれないけれど、しかたない。 ちぇんはゆっくりできるちぇんだったけど、ゆっくりできないちぇんになってしまったのだ。 きっとそのあと、おにーさんはおりんと一緒にいてくれるようになる。一緒に寝てくれるようになる。 『なにか』もちぇんも―――何も、心配しない毎日を送れる。 きっと、ゆっくりできる毎日を送れる。 「おにーさん……たすけて……」 「ああ、待ってろ。すぐに治療してやる」 「そのまえに……ちぇん……」 「ちぇん? ちぇんがどうかしたのか?」 ……? 「おりんの……ひだりにいる……ちぇんだよ……」 「……?」 ……??? 「とりあえず、すぐに治療してやる。あとな―――」 ―――左にちぇんなんていないぞ? 「……ゆ?」 おにーさんがそう言ってゆっくりプレイスを出ていくのを見送った後、左を向くと、そこにはちぇんはいなかった。 いない。当然だ。 だって、おりんの頬を喰いちぎったちぇんは、ゆっくりプレイスの隅でみんなといっしょに寝ているのだから。 ……なんで? ちぇんがおりんの頬を噛んだのは間違いない。 だって、中身が流れ落ちているのが何よりの証拠。 でも、そしたらおりんの左側にいるはずで…… 「なんでちぇんがそっちにいるのぉぉぉーーーーー!!!」 ◇ ◇ ◇ 「ほら、治ったぞ」 おにーさんに両頬を治療してもらった後、おりんはゾンビちぇんのことを言うべきか迷っていた。 あのちぇんのことを言えば明日もゆっくりできるけれど、おにーさんはおりんのことを信用していない。 いや、信用しているかもしれないけれど、このことでは信用していない。 これ以上何か言えば、また野生に返されるかもしれない。 でも…… 「……おにーさん、ゆっくりよくきいてね」 「ん? なんだ?」 「……あのすみっこにいるちぇんのうち、てまえにいるほうをつぶしてね!」 「どうしてだ? あれはお前のちぇんだろう?」 「あのちぇんがおりんのほっぺたをたべたからだよ!!!」 「でも、どうしてちぇんが食べたんだ?」 「ゆぅ……それは……」 ちぇんがどうしておりんを襲ったか、さっぱりわからなかった。 ゾンビゆっくりは基本的に食事をすることはない。ましてや、主人を襲うことなどありえない。 そもそも、意思がほとんどないのだ。もしあったとしたら、おりんの傍から逃げ出しているだろう。 もしありえるとすれば――― 「『なにか』だよ……」 「? 『なにか』って、なんだ?」 「おりんもよくわからないものだよ……」 そうとしか言いようがない。 「そうか……まあ、あのちぇんはもともとおりんの物だからな。潰してほしいというのなら潰してやろう」 「ゆっ! ありがとうおにーさん!」 そしておにーさんは眠ったままのちぇんを持ってゆっくりプレイスから出ていくと、再びあたりが暗くなり、大きな壁さんが閉じた。 この壁さんのおかげで、もうちぇんは襲ってこない。 よかった。これで少なくとも、今夜は安心して眠れる。 その時、気づいた。 気づいてしまった。 隅にいるゾンビゆっくりたちが、全員目を輝かせてこっちを見つめていることを。 「ユッグリジネ……」 誰かがそう呟くと、まるで地の底から水がわき出るかのように声が響き始めた。 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ゆわぁぁぁーーーーー!!! どいて! どいてよかべさん! おにーさん!!! たすけてよおにーさぁぁぁん!!!」 助けは二度もやってこない。 ◇ ◇ ◇ 次の日から、おりんの生活は一気に変わった。 まず、ゾンビゆっくりを使って遊ばなくなった。 シーソーで遊ばなくなったが、他にも遊具はあるからなんとかなっているようだ。 次に、ゾンビゆっくりに一切命令をしないようになった。 また命令をすると、襲われるかもしれないと思っているらしい。 でもゆっくりできるものには変わらなかったから、潰すことはなかった。 今のおりんの中で、ゾンビゆっくりは『ゆっくりできてゆっくりできないもの』だ。 ゾンビゆっくりは一日中、部屋の隅から動くことはなかった。 警戒心も強くなっていた。 たぶん、突然襲われても反撃できるように身構えているのだろう。 幸いにもゾンビゆっくりは腐りかけなぶん、やわらかく脆い。 普通に戦えば九対一でもなんとか勝てる。 警戒心が強くなった反動か、ずいぶんと俺に甘えるようになっていた。 ご飯である餡子を運ぶ時に猫なで声ですりよってきて、部屋から出ていこうとすると寂しそうに呼び止めてくる。 やべえ、鼻血でそう。 「予定通り……いや、ここまで懐いてもらえる可愛さを考えれば、予定以上といったところかな」 ここはおりんが住んでいる部屋の隣。 観察用の虐待を観賞するために、隣の部屋につけた隠しカメラの映像を見ることができる小さな部屋だ。 ちなみに隣の部屋よりも小さいため、ゆっくり数匹と一緒にいるだけでも狭い。 「うー♪ おまちどぉ~だどお~♪」 「おっ、持ってきたか。今回はこぼさなかったようだな、よしよし」 「うぅ~~♪」 れみりゃの頭をなでつつ、持ってきたオレンジジュースを飲む。 コーヒー? 苦くて飲めんよあんなもん。 「…………」 「……ん? どうしたれみりゃ?」 普段なら給仕の後はどこかに遊びに行くれみりゃだが、なぜかじっとこっちを見てきた。 昼食の時間はもう過ぎたし、おやつでも催促するのだろうか。 そう思っていると、 「れみぃもかわいいんだどぉ~☆」 ……さっきおりんのことを可愛いといったからそれに反応しているのだろう。 なるほど、その反応は可愛いと言えなくもない。 「だが断る」 「な、なにをだどぉー!?」 「フラン!」 「うー!」 「うわぁぁぁーーーざぐやぁぁぁーーー!!!」 結局、かわいくないと言えない自分がかわいかった。 ◇ ◇ ◇ ゾンビちぇんが襲ってきたとき以来、もう夜中に音はしない。おりんが移動することもない。 だが、前よりもつらい日々が続いていた。 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ゆぅぅぅ……」 おりんは「ユッグリジネ……」の大合唱に対し、布団として与えられた布きれにもぐりこんで震え続けるしか方法がなかった。 実際に襲いかかってくるのであれば、覚悟を決めて反撃することができる。今度はあのちぇんの時のように後れを取ることはないはずだ。 だが、こんな風にゆっくりできない声だけだと、潰すことだけはどうしてもできないのだ。 野生だった頃のゆっくり過ごした日々を思い出して、みんながゆっくりできないものだと思えない。思いたくない。 だから、こして布団にくるまるしかない。 せめて、無表情で呟き続ける怖いお顔を見ないで済むように…… (ゾンビだからもともと怖いだなんていうのは野暮である) 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「やめてね! ゆっくりできないよ!」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ユッグリジネ……」 「ゆっくりさぜでよぉぉぉ!!!」 おりんは叫びながら、ゆっくりと考えていた。 きっと『なにか』がみんなに取りついたんだ。どうしてかわからないけれど、『なにか』はそんなことができるんだ。 だからみんなは悪くない。悪くない。悪くない。 思えば、ここ最近まったくゆっくりしていない。 おいしいあまあまはあるし、あんぜんなばしょにいて、やさしいおにーさんもいるのに、まったくゆっくりしていない。 どうして? どうして? 『なにか』だ。 全部『なにか』が悪いんだ。 それさえなくなれば、毎日いつでもゆっくりできる。 この声が早く終わってほしい。もう聞きたくない。 だって『なにか』が悪いんだから。みんなは悪くないんだから。 でも、朝まで続くのならばそれはそれでいいのかもしれない。 そしたら、おにーさんが様子を見に来てくれた時に助けてくれるだろうから。 ◇ ◇ ◇ 「……さて、あのおりんの虐待はそろそろ終わりだな」 おもむろに、そう思った。 ここまでは前座とはいえ、今思えばちぇんが襲いかかったときが一番面白かった。 布きれにくるまって非難の声に震える様子を見るのもかわいくてそそるものがあるが、このまま続けても大したスパイスにはならない。 「ゆっ! ようやく『ねたばらし』をするんだね!」 「そうだ。あの山にもそろそろ群れが住み着いただろうし、防腐剤の効果もそろそろ切れてくる頃だろう。詰めとネタばらしといきますか」 「ゆっゆっゆ。たのしみだよ」 悪役笑いをするゆっくり、もとい相棒。 今回のMVPであり、終わりを飾る役者でもある。 「……あんまり性格が悪いと、お前を捨ててあのおりんを飼うことにするぞ」 「ゆゆっ! それはこまるよ! でもおにーさんといえど、このいかりはおさまらないよ!」 このゆっくりはもともと隣の部屋、今おりんがいる部屋で過ごしていたゆっくりである。 一匹につき一室が与えられているわけではないのだが、どうやら縄張り意識みたいなものを感じているらしい。たぶん。 正直、そこまで怒ることなのだろうか。ゆっくりの考えは解らない。 「あ、そう言えばさ」 「ゆ?」 「お前、あの部屋に『なにか』がいるって知ってるか?」 「なにかじゃわからないよおにーさん!」 「だよなぁ……」 ◇ ◇ ◇ それは、突然だった。 「ゆゆっ!?」 いつものように布団に丸まりながら寝ようとしていると、それは突然襲ってきた。 足に力が入らない。 体がだるい。 気持ち悪い。 この感覚は、野生のころに経験している。 たしか、ゆっくりできない草さんを食べた時……だった気がする。 「ゆぅ……なんで……」 部屋から出てないため当然だが、ゆっくりできない草さんを食べた覚えはない。 じゃあ、一体どうしてなのか…… 「ゆゆぅ……」 これも『なにか』のせいなのか。 『なにか』が不思議な力で襲いかかってきているのか。 解らない。解らないけれど――― ―――この状況は、ゆっくりできない。それだけは解った。 「ゆぅぅぅ~~~!?」 見れば、九匹のゾンビゆっくりたちが一斉にこちらに向かってきている。 そうか、よくわからないけれどみんなは―――いや、やつらはこの時を待っていたんだ。 「やめてね! こっちにこないでね!」 もはや意味をなさない命令もむなしく、じりじりと近づいてくるゾンビたち。 ゆっくりとした動きとは裏腹にその様子はとてもゆっくりしていなくて…… おりんは初めてゾンビゆっくりの姿に恐怖を感じた。 頭がつぶれたれいむがこっちにやってくる。 片目を失ったまりさがこっちにやってくる。 腐りかけの生クリームのぱちゅりーがこっちにやってくる。 顔に大きな穴があいたみょんがこっちにやってくる。 キモチワルイ。 なぜ。 なぜみんなは襲ってくるの。 あんなにゆっくりしていたのに。 どうして…… そんなことを考えている間に、九匹が円陣を組んでおりんの周りを囲んでしまった。 逃げ場はない。逃げる力もない。 そして、その時が―――来た。 「いだっ―――ひぎっ!?」 それは、前のちぇんの時の比ではなかった。 数の上でも九倍である。 両頬を噛まれ、足を噛まれ、髪を噛まれ、右耳を噛まれ、両耳を噛まれ、 無事な場所は目と口ぐらいしか残っていなかった。 ちぇんの時より腐敗が進んでおり、おりんの肌をすぐに噛みきれないほど噛む力が弱いのだが、大した朗報とは言えない。 もっと噛む力が強ければ、一瞬で死ねたのに。何も知らずに死ねたのに。 腐った顔面が迫ってきて自身の体をむさぼり喰う恐怖を味わわなくてすんだのに。 「たずげて! だずげてよおにーざん!!!」 周りはB級ホラーの映画さながら。腐った同族に喰われるというシチュエーション。 だが、その中心にいる者にとってはただ事ではない。 おりんは必死に助けを求めて叫ぶ。 まだ体に穴は開いてないが、それも時間の問題だ。 そして、一か所に穴が開いたら九匹の圧力によって一気に抜け出てしまう。 そうだ。ちぇんの時だって本当に危ないときは駆け付けてきてくれたじゃないか。 だから、叫んでいればいつか伝わる。助けに来てくれる。 そう信じて、おりんは全力で……家に響き渡るほどの声で叫んだ。 「おにーーーざぁぁぁん!!!」 「よんだ?」 おにーさんは、そこにいた。 いつの間にか部屋は明るくなっており、いつも開く壁さんの近くにいた。 まるで最初からこの様子を眺めたかのように、自然な様子でそこにいた。 ◇ ◇ ◇ 「お……おにーざん! たずげで……! はやぐたずげて!」 おりんが俺を呼んでいる。 きっと、助けてくれると信じているのだろう。 おそらく、さらにその後のことも考えているに違いない。その目が語っている。 この状況を作ったゾンビゆっくりは、ゆっくりできないものだった。 おにーさんはちぇんの時のようにすぐに助けたあと、優しく治療してくれる。 きっと今まで信じてくれなかったことも全て信じてくれて、あやまってくれる。 その後もずっと一緒にいてくれて、もう怖い思いなんてしなくて済む。 そして、ゆっくりとした生活が過ごせるようになるのだ……と。 本当のことなのに信じてくれないのは辛いもんな。 いつも味方だったものが突然襲ってくるのは怖いもんな。 ―――信じてた人に裏切られるのは、痛いよな? 「いやだな」 その言葉を告げた時、おりんは何を言ってるのか理解できないといった表情を返してきた。 「ゆ……ゆ?」 「おりんのことを助けないって言ったんだ。わかるか?」 その時のおりんの表情は、面白いものだった。 驚愕、 困惑、 混乱、 理解、 最後におりんは―――静かに泣いた。 「どぼじでぇ……」 「もともとそういう予定だったからだ。まあ、悪く思うな」 「どぼじでぇ……」 「ああ、そうだな。その様子が見たかった。お前ほど人懐っこく、さみしがり屋で、素直な良い子だからこそ泣いてくれるんだからな」 ゲスだとつけあがって暴言を吐くだけだしな、とも付け加える。 その言葉は聞こえているのかいないのか、おりんはただひたすら「どぼじでぇ……」と呟き、音もなく泣き続けるだけだった。 「……おにーさん」 「どうした?」 しばらくおりんが泣きやむのを待っていると、おりんの方から話しかけてきた。 もちろんゾンビゆっくりはおりんの体中を噛んだままの状態で停止しており、まだ全身に痛みがあるはずなのだが、話しかけられるぐらいには慣れたらしい。 「おりんはもうどうでもいいよ。どうなってもいいよ」 「そうか、それは殊勝な心がけだ」 「だから、おにーさんのそばにいさせてね」 「……それ、は……」 予想してなかった返事にうろたえてしまう。 正直、ここまですれば暴言を吐くところまではいかないまでも、一緒にいたくないと思うだろうと予想していた。 まさか、自分が殺そうとしたことを含めて理解していないのかもしれない。 ……ん? 「かいゆっくりじゃなくてもいいよ。えさだってじぶんでとってこれるし、おうちだってべつべつでもいい」 よく考えたら、俺は助けないといっただけで…… ゾンビゆっくりがどうして襲ってきたか理解してない? 「おにーさんがおりんのないたかおをみたいんだったらいつでもなくよ。なんでもするよ。なぐられても、けられてもいいよ。だから……いっしょにいさせて。ゆっくりさせて」 あっ、やべ。順番間違えた。 ネタばらしやってねえ。 というよりは、おりんが泣きやんだらするつもりだったんだよな。 「もうおにーさんしかいないんだよ……」 しかしこのおりんの言葉、どこかの調教系ゲームのようなセリフだ。 うん、ちょっと飼ってもいいかもって思いたくなる。 思いたくなるだけで、結論はもう決まってるんだが。 「あー、実はね」 「なに……?」 「じゃじゃーん!!!」 空気が凍った。 なんというか、おりんの目が驚きすぎて今にも飛び出そうなほど大きく見開いてる。 俺の腕に抱えられたおりんを凝視して。 「なんでぞごにおりんがいるのおおおぉぉぉぉぉ!?!」 「ん? 俺の飼いゆっくりなんだから当然だ」 「じゃじゃーん! うらかたたんとうのおりんだよ! ゆっくりしていってね!!!」 ゾンビゆっくりで地面に固定された方のおりんにむけて、飼いゆっくりの方のおりんは頭のゴールドバッチを輝かせながらふんぞり返っている。 そう、今回の虐待の肝は俺が飼っていたおりんだった。 「どぼじでぇぇぇぇぇ!?!」 「いや、どおしてと言われても……こっちのおりんのほうが早かったから?」 「ゆゆんっ! おにーさんとおりんのきずなはそんなもろいものじゃないよ!!」 「いや割と脆いと思うが」 「どぼじでぇぇぇぇぇ!?」 「お前も泣くんかい」 この虐待の計画を簡単に言うと、『おりんのゾンビゆっくりを入れ替えた』。これに尽きる。 山道でこの計画を思いついた俺は、家に帰ってこの部屋にいたおりんに協力するよう命令。 その後、野生のおりんが連れてきたゾンビゆっくりの帽子を、俺のおりんのゾンビゆっくりのものと入れ替えた。 ちなみにあの防腐剤はゾンビゆっくりを玄関の前に置いておかせるだけのブラフである。 本当はおりんとゾンビゆっくりの立場を入れ替えて、『ゾンビゆっくりにいじめられるおりん』というのをやってみたかったのだが、 そんなことをすればそのゾンビはすぐに殺されてしまうらしい。当然か。 というわけで、いじめられるまでは行かなくてもミステリアスな雰囲気をかもしつつゾンビ達に責められるという、ホラーものになったわけだ。 まず最初に、ここにきたおりんに聞こえた音や移動について。 単純明快。ゾンビゆっくりが遊具を倒して音を立てたのである。移動していたのは、そのまま眠らせたり、おりんをゆっくりと移動させたりしたから。 意味は怖がらせることや、ゾンビゆっくりが移動していることに気付かせないためのブラフでもある。 次にあのゾンビちぇんだが……言うまでもあるまい。 それ以降は隣の部屋を監視していた俺の飼っているおりんが、ゾンビゆっくりを操っていただけなのだから。 「―――と、説明しても解らないだろう。一言で言ってやる。お前のゾンビゆっくりはすりかえておいたのさ!!!」 「じゃ、じゃああのちぇんは……」 「おりんのちぇんだよ!」 「みんなは……」 「みんなおりんのゾンビたちだよ!」 「『なにか』は……」 「なにかじゃわからないけれど、すべてはおりんとおにーさんの手のひらの上だったんだよ!」 「ちなみに、今回の虐待のテーマは『B級ホラーとひと夏の恋』でした!」 「ゆっくりかんぺきだね!!!」 床にゾンビゆっくりで押さえつけられたままのおりんは、もう驚きのあまり何も言う言葉がないようだ。口をあんぐりあけたまま呆然としている。 うん、この表情も見たかったんだ。よかったよかった。 ◇ ◇ ◇ 「……ゆ? じゃあ、おりんは……どうなるの?」 「おいおい、ゾンビ映画の終わり方は決まっているだろう?」 「あわれなさいごのぎせいしゃは―――」 「「ゆっくり八つ裂きにされましたとさ」」 あ、九匹だから九つ裂きか? そんな思いとともに、ビニールシートに覆われた床一面に赤いものが飛び散った。 あとがき チルノの裏で希少種虐めの話題が出ていたので思いついたのを書いてみました。 これが処女作となります。大した練りこみもなく作ってごめんなさい。 このSSに感想をつける