約 445 件
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/475.html
魔人 が 生まれた 日(前編) ◆ew5bR2RQj. 「貴様だけは、貴様だけは絶対に許さん。人間の心を弄ぶ、貴様だけは! この軽子坂高校2年E組の狭間偉出夫が、魔"人"皇として裁いてやる!!」 白の制服に身を包んだ少年が宣言する。 かつて少年は異能の力を掌握し、自らを蔑んだ者達を混沌の渦中に叩き込んだ。 最終的に元の世界に戻れたものの、犠牲者の数は決して少なくない。 ある者は悪魔に喰われ、ある者は悪魔に取り憑かれた。 しかもそれは”この”少年が連れて来られた世界の話だ。 蒼嶋駿朔が連れて来られた世界では、蒼島以外の人間は全員魔界に取り残されている。 自らを魔”神”皇と称するその少年は、確実に悪と呼べる存在だった。 「貴方がそっちに回るなんて予想外だわ」 金の鎧に身を包みながら、鷹野三四は言った。 V.V.曰く、このバトルロワイアルの参加者にはある程度の役割が振られている。 主催への反逆を目標とする対主催と、優勝するため他の参加者を殺し回るマーダー。 もう少し細かく分類することもできるが、多くの参加者がこのどちらかに属する。 例えば、何よりも人命を尊重する警察官・杉下右京。 例えば、自らの快楽のために他人を殺す連続殺人鬼・浅倉威。 前者は対主催として、後者はマーダーとしての活躍が期待されていた。 ならば、狭間偉出夫はどちらに属すると期待されていただろうか。 当然、マーダーとしての活躍だ。 それもシャドームーンや後藤のような強力なマーダーとしてだ。 対主催になる可能性も考えられていたが、彼に他者と友好関係を築く力はない。 事実、水銀燈に枢木スザクの二人とはすぐ仲違いしている。 さらに蒼嶋駿朔と和解することは有り得ないため、対主催に火種を撒く以上の役目はないと考えられていた。 それがどうだ。 今の狭間偉出夫は、対主催に力を貸している。 竜宮レナのL5を治療し、彼女を殺そうとする鷹野と対峙している。 「黙れ、貴様の物差しで人を測るな」 「随分な言い草だけれど、貴方は元の世界で何をしてきたか忘れたのかしら?」 「忘れるわけがない。軽子坂高校の者達を魔界に引きずり込み、結果多くの者が死んだ」 「覚えてるじゃない。なら正義漢気取るのはやめなさい、所詮は同じ穴の狢よ」 「そうだ、これは私の罪だ、一切の言い訳はしない」 「なら――――」 「だが、私の罪と貴様は何の関係もない」 鷹野が二の句を継ごうとするが、狭間がそれを許さないと言うように言葉を叩き付けてくる。 「私の罪と、貴様が竜宮達の心を弄んだのは何の関係もない これ以上のやり取りは無意味だ、私が貴様を許すことは絶対にない!」 屹然とした態度に、思わず慄いてしまう鷹野。 この様子では、どんな説得も無意味だろう。 戦うために錫杖型の召喚機を出現させ、そしてふと気付いた。 何故自分は、彼を説得しようとしたのか。 (……恐れている?) 狭間偉出夫の力は、シャドームーンや後藤といった者達にも匹敵する程。 こうして対峙しているだけでも、凍り付くようなプレッシャーがひしひしと伝わってくる。 出来ることならば、戦うのは避けたい相手だ。 (恐れる必要なんてない) 凍り付いた思考を解すように、ニ、三度首を振る。 確かに狭間は強力だが、今の鷹野は仮面ライダーオーディンに変身している。 北欧の最高神の名を冠するそれは、世紀王にも匹敵しうる力があった。 他にもいくつかの道具は用意してあるし、万が一のための切り札も用意してある。 負けるはずなど、ない。 「マハジオンガ!」 狭間が呪文を唱えると同時に、彼の右手から幾条もの電撃の鞭が放射される。 夜闇を切り裂きながら電撃は走り抜け、意思を持つかのように鷹野の陣地を侵略していく。 瞬く間に四方八方を電撃に塞がれ、鷹野は逃げ道を奪われた。 「無駄よ」 一斉に迫ってきた電撃を、姿を消して回避する鷹野。 そこには金色の羽だけが残り、行き場を失った電撃は霧散してしまった。 これこそがオーディンが所持する最強の能力――――瞬間移動。 ストレイト・クーガーや瀬田宗次郎の速さとはまるで別次元の移動法。 彼らの移動の軌跡は線だが、オーディンの瞬間移動は点。 彼らは四方八方を塞がれれば身動きが取れなくなるが、オーディンにそのような事態は無い。 姿を消した鷹野は狭間の背後へと降り立ち、ゴルトバイザーを振り上げる。 ニメートルを越える長さを誇る錫杖は、立派な打撃武器に成り得た。 「狭間さん!」 レナが叫ぶ。 狭間の背後に居たため、鷹野の行動が全て見えていたのだ。 彼の頭部を砕かんと迫るゴルトバイザー。 だが、直前でピクリと停止する。 斬鉄剣を抜いた狭間が、ゴルトバイザーを受け止めていたのだ。 「不意を突いたつもりか? 貴様の瞬間移動は既に北岡達から聞いている」 余った左腕を鷹野へと向ける狭間。 間髪入れずに氷系魔法の一つである「ブフーラ」を唱えた。 「あらぁ、それはご苦労なことね」 だが、ブフーラが命中するよりも鷹野が消える方が早かった。 残された金色の羽が爆発し、ブフーラを相殺してしまう。 (そうだ、負けるわけがない!) 今のやり取りで確信する。 狭間偉出夫の力を持ってしても、オーディンには敵わない。 そもそも彼の能力には、大幅な制限が課せられているのだ。 今度は彼の左側に姿を現し、先程と同様にゴルトバイザーを振り上げる鷹野。 (え?) そして、見てしまった。 ありとあらゆる憤怒の篭った、狭間偉出夫の双眸を。 「ジオ!」 狭間の右手から一筋の電撃が放射される。 瞬間移動で回避を試みようとするが、既に電撃は鷹野の身体を貫いていた。 腹部に鋭い熱と痛みが篭り、鷹野はたたらを踏む。 事前に調べた通り、雷系最弱の魔法である「ジオ」は大した威力ではない。 しかし、瞬間移動を呆気無く破られたことは動揺に値した。 瞬間移動で狭間の攻撃範囲から後退し、体勢を整えるために一枚のカードをデッキから抜き取る。 ――――SWORD VENT―――― ゴルトフェニックスの翼を模した二対の剣・ゴルトセイバー。 それは基本武器としては破格の力を持ち、一本でも他のライダーのファイナルベントを破るほどだ。 両手にそれらを握り締めると、鷹野は瞬間移動して狭間へと肉薄する。 右側面を陣取り、水平に斬り込む鷹野。 しかしそれは狭間の肉体まで届かず、斬鉄剣に受け流されてしまう。 すぐにもう一方の剣を振り下ろすが、僅かな動きで簡単に躱されてしまった。 身体を反転させて鷹野と向き合った狭間が、肌白い左手を向けてくる。 即座に瞬時に瞬間移動して、狭間の背後へと移る。 攻撃と防御を同時に熟す理想的な動き。 そのまま両腕を交差させ、狭間の細身を挟み込むように斬撃を繰り出す。 だが、それも届かない。 身体を捻りながら斬鉄剣を振り抜いた狭間は、ゴルトセイバーの交差する箇所に斬撃を叩き付けたのだ。 回転による遠心力を利用した一撃の威力は凄まじく、数秒の拮抗の末に鷹野の剣を弾く。 勢い余った鷹野は体勢を崩し、その隙に狭間の剣閃が走った。 「うっ……」 くぐもった悲鳴が漏らす鷹野。 オーディンのスーツで威力を削いでいたにも関わらず、腹部の痛みは確かな存在感を放っている。 「貴様、剣を扱ったことがないだろう?」 月光を斬鉄剣に反射させながら、狭間は鋭い視線を突き付けてくる。 「私も他人に師事できるほど剣に精通している訳ではない、だが貴様の技量はあまりにもお粗末過ぎる 太刀筋は滅茶苦茶、踏み込みは出鱈目、これでは素人同然だ しかもその素人が二刀流だと? 随分と笑わせてくれる」 狭間の指摘を受け、鷹野は顔を歪める。 銃火器の扱いは多少の経験があるが、刀剣類に関しては全くない。 北岡やジェレミアの時は辛うじて対応できていたが、狭間との戦闘でボロが出てしまったのだ。 (待て、どうしてボロが出た……?) 剣の技量を語るのならば、間違いなくジェレミアの方が上だ。 それにあの時は北岡も居たため、状況的には確実に不利だったはずである。 「どうして見抜かれたという様子だな、特別に教えてやろう」 図星を突かれ、鷹野は思わず目を見張ってしまう。 「先の戦いで貴様がジェレミア達に勝てたのは、その瞬間移動があったからだ 貴様の持つ強さなど、デッキが与える仮初の物に過ぎない」 またしても図星だった。 オーディンのデッキは最強ではあるが、それでも変身者による技量差が生じる。 鷹野には戦闘経験自体が少なく、はっきり言ってしまえばデッキに使われている状態だった。 「だが、それはこの私には通じない 何故なら、私は既にその貴様の動きを把握しているからだ」 尊大な物言いでとんでもない事を宣う狭間。 「出任せは止しなさい」 「出任せかどうか、試してみるか?」 口端を釣り上げて挑発する狭間。 瞬間移動を披露したのはたったの数回しかないのだ。 いくら狭間が天才でも、それだけであの動きを把握できるわけがない。 (出任せに決まってる!) 仮面の下から狭間を睨み付け、同時に瞬間移動を行う。 出現地点は狭間の正面から十メートル前方。 だが、すぐに別の場所へと移動する。 今度は左斜め前から五メートル前だが、すぐにまた別の場所へと移動。 次々に瞬間移動を行い、相手を撹乱する作戦。 「さぁ、どこから来るか分かるかしらぁ?」 嘲笑いながら、狭間の四方八方を次々に移動する鷹野。 彼は一歩も動くことができず、レナを背後に従えたまま沈黙していた。 「貴様の瞬間移動は、それほど遠くに行くことはできない」 不意に口を開く狭間。 怪訝に思う鷹野を尻目に、彼は言葉を紡いでいく。 「空中に移動することができないため、頭上を取ることができない」 「瞬間移動は自動ではない、故に貴様の意思が介在する」 「移動してから次の行動に移るまで、一秒程度の時間を要する」 「つまり攻撃に移るまで、僅かなタイムラグが生じるということだ」 分かり切ったように解説する狭間の姿は、かつて祖父の研究を踏み躙った政府の高官達を連想させる。 悍ましいほどの不快感と怒りが鷹野を支配していた。 もう、十分に撹乱しただろう。 最後に狭間の目前にまで肉薄すると、そのまま対極の位置である背後に移動。 前方を見ると、狭間の姿は前を向いたまま。 やはり、動きを把握したなど出任せだったのだ。 隙だらけの脳天を真っ二つに割ろうと、鷹野は月の昇る夜空へと剣を掲げる。 「そして――――」 気付いてしまった。 「貴様は無作為に動いていたつもりだが、行動にパターンが出来ていた いくら撹乱を狙っても、これでは無意味だ」 前を向いているにも関わらず、いつ現れるか分からなかったにも関わらず。 狭間の左手は、背後にいる鷹野に向けられている。 前を見据えたまま、背後にいる彼女を正確に捉えている。 「ザンダイン」 特大の衝撃波を撃ち込まれ、盛大に地面を転げる鷹野。 今までの攻撃と違い、ザンダインは衝撃系の中でも上級魔法に値する。 その威力は、今までの比ではなかった。 腹部を斬られたことで内蔵が傷つき、仮面の下で吐血する。 味わったことのない痛みに身体が警鐘を鳴らすが、それでも立ち上がらないわけには行かなかった。 ここで沈んでいては、すぐにまた追撃が―――― 「それに、貴様からは嫌というほど感じる DARK系の悪魔どもが放つような、ドス黒い殺気をな」 額に、手が翳される。 「ブフダイン」 狭間の左手に冷気が収集されていく。 高速で形を為していくそれは、瞬く間に鷹野の全身を覆い尽くす程の大きさを形成した。 その様相を喩えるなら、さながら巨大な氷の結晶。 「キャアアアアァァァァッ!!」 ブフダインが直撃し、宙へと投げ飛ばされる鷹野。 身体を凍り付かせながら、遊園地の地面を何度も跳ね跳ぶ。 その度に全身を強く打ち付け、やがてメリーゴーランドの残骸に墜落した。 「がっ……あっ……」 オーディンの鎧に守られているにも関わらず、打ち付けた衝撃は肺にまで到達した。 満足に酸素を吸い込むことができず、鷹野の口からは嗚咽が漏れる。 打ち付けた衝撃で凍結が砕けたのは不幸中の幸いだっただろう。 しかし、全身が凍り付くような寒さは残っている。 手はがくがくと震え、まともに力を入れることさえできない。 ゴルトセイバーは今の衝撃で取り零し、瓦礫の山の中に滑り込んで行ってしまった。 「ディア」 先程とは一転し、何処か優しげな声で魔法を唱える狭間。 手を向けられていたのは、背後にいるレナだ。 「痛いのが……治ってく?」 「それで少しはマシになっただろう」 「ありがとうございます」 「ッ……き、気にするな、このくらいどうということはない」 レナの身体が暖かな光に包まれ、喉と頬に刻まれた傷が治癒されていく。 その光景を見て、鷹野の怒りはさらに激しさを増した。 今の一瞬で追撃することも可能だったのに、あえてレナの治療を優先したのだ。 鷹野は非常に優秀な人間であり、それに見合う分の誇りを抱いている。 父の研究を知らしめるという使命感もあり、プライドの高さも常人を遥かに上回っていた。 その彼女が自身を歯牙にも掛けられていないと知れば、激昂するのも当然だろう。 しかし全身が冷え切っているせいか、頭の方は冷静さを保っている 認めるのは癪だが、狭間がオーディンの動きを読んでいるのは事実だ。 これではいくら撹乱したところで意味は無い。 今までのような、デッキの力に頼った戦い方は通用しないのだ。 (使うしか無いわね、切り札を……) 万が一の事態に備え、用意しておいた切り札。 こんなに早く切る羽目になるのは思わなかったが、狭間はそれを使うに相応しい相手だろう。 ――――ADVENT―――― 震える手でゴルトバイザーの蓋を開け、バックルから一枚のカードを抜き、窪みへ装填。 閃光が闇を切り裂き、夜空に太陽が昇る。 そう錯覚させる程に煌々とした輝きを纏う鳳凰・ゴルトフェニックスが、鷹野の召喚によって光来した。 「一人では勝てぬと知って増援を呼んだか、懸命な判断だな」 「フフ……この子を……呼んだのは……戦うためだけじゃ……無いわよッ!」 ゴルトフェニックスは宙を旋回すると鷹野の傍に降り立つ。 それを確認すると、鷹野は燃え盛るその翼に自らの手を突き入れた。 「あんなところに手を入れたら燃えちゃう!」 鷹野の奇行を目撃し、驚きの声を上げるレナ。 「それが目的だろう、ああすることで奴は体温を取り戻したのだ」 対する狭間は、何処までも冷静にその行動を分析していた。 「ええ、とっても熱いわ……でも平気よ……この程度今までに何度も体験してるもの!」 脳裏に蘇っているのは、これまでの人生でも一二を争うほど辛い記憶。 施設から脱走を試みて失敗した時の記憶。 糞便の溜まる便所へと落とされ、舌で掃除をしろと命令された。 悪臭で嘔吐を繰り返し、いくら払っても糞便が肌に纏わりつく。 舌で汚物を舐め取り、その不快感にまた嘔吐する。 それでも必死に舐め取るが、目の前の糞便は少ししか減っていない。 不快感と屈辱に塗れた地獄だった。 二十年近くが経過してもこの記憶は彼女の心に巣食い、毎日風呂で肌が擦り切れるほど身体を磨かせている。 「行きなさい!」 自らを鼓舞するように高らかと命令を下す。 呼応するようにゴルトフェニックスも雄叫びを上げ、黄金の翼を広げながら進撃を開始した。 同時に鷹野も一枚のカードを発動。 鳳凰の背と尾を模した巨大な盾・ゴルトシールドを装備する。 「来るぞ、私の後ろから離れるな!」 「はい!」 ゴルトフェニックスの突進を見据えながら狭間が叫ぶ。 レナが後退できないのは、オーディンの瞬間移動が理由である。 いくら狭間と言えども、遠く離れた場所にいる人間を守って戦うのは不可能だ。 瞬間移動は見破られているが、決して無意味になどなっていない。 「マハブフーラ!」 鷹野が正面に移動した瞬間、狭間の左腕から氷の弾丸が連射される。 しかし、ゴルトシールドがそれを阻む。 ゴルトセイバーを最強の矛とするなら、ゴルトシールドは最強の盾。 他のライダーのファイナルベントすら受け止める強度を誇る。 ゴルトフェニックスも身に纏う炎で氷を焼き尽くしため、マハブフーラは足止め程度にしか作用しなかった。 顔を歪める狭間に向けて、巨大な盾を突き出す。 防具であるため大した威力にはないが、そもそもの目的は別にある。 巨大な盾で視界を奪い、切り札の発動を悟られないため。 仮面の下で酷薄な笑みを作り、鷹野は指を鳴らす。 これが、切り札を発動する合図だ。 「狭間さん、上!」 上空を指差しながら声を荒げるレナ。 その指の先にあるのは、放物線を描きながら落下してくる球体。 「……手榴弾だと? どうやって投げ込んだ……ッ!」 落下してくる手榴弾を見て、狭間は疑問符を浮かべている。 それもそうだろう。 彼は鷹野の動きを注視していたが、彼女は一度も物を投げる素振りを見せていないのだ。 納得の行かないまま、迎撃のためにブフを唱える狭間。 発射された手榴弾は空中で命中し、信管ごと手榴弾を凍らせてしまう。 こうなってしまえばこの手榴弾が爆発することはない。 ――――しかし、これすらも囮であった。 夜闇に紛れるよう、小さな足音が侵攻を開始する。 蛇のように地を這いながら、一つの影が戦場へと往く。 上空に視線が向いていた彼らがその存在に気付いたのは、影が刀を抜いた瞬間。 鈍い輝きを放つ太刀が月光を返し、狭間へと振り下ろされた。 「ぐあぁっ……!」 気付いたのが遅かったため、狭間は迎撃の魔法を唱えることは出来なかった。 咄嗟に斬鉄剣を構え、迫り来る斬撃を受け止める。 だが、影の方が何枚も上手。 下から突き上げるような二撃目で斬鉄剣は弾かれ、返す刀で繰り出された三撃目が彼の白い制服を切り裂いた。 「狭間さん!」 「竜宮……伏せろ!」 警告と同時にレナを押し倒す狭間。 刹那の差で、彼らの頭上を大量の鉛玉が通過する。 やがてそれが終わると、上空にいたゴルトフェニックスが炎の竜巻を彼らへと飛ばした。 「アギラジャ!」 アギラジャは術者に火炎属性への耐性を持たせる魔法。 赤い光を纏った狭間は、迫り来る紅蓮色の竜巻に背を向けながらレナを抱き締める。 竜巻は狭間に衝突すると、霧散するように消えて行った。 「アハハ、良かったじゃない女の子を抱き締められて、もう二度と味わえないかもしれないんだからしっかり覚えておきなさい」 片膝を突きながら、背を向け続ける狭間 事前に調べておいたため、愛する女性に拒絶され続けた彼の過去を鷹野は知っている。 それを嘲り笑う彼女の背後に、二体の影が舞い降りた。 「そんな……なんで……」 鷹野の背後を見て驚愕するレナ。 そこに居たのは、絶対に居るはずのない人間達。 「詩ぃちゃんと……五ェ門さんが……」 友を思うが故に狂ってしまった友人と、彼女を守りながら散って行った侍。 先程攻撃を仕掛けてきたのは、死亡したはずの二人だった。 「なんで死んじゃった人がって顔してるわね、いいわ、特別に教えて――――」 「さざなみの笛」 鷹野の言葉を遮るように、狭間がぽつりと呟く。 「死人を魂のない人形にし、ゾンビのように操ることのできる道具」 レナから手を離した狭間は、背を向けたままゆっくりと立ち上がる。 「なぁ、楽しかったか?」 言葉を紡ぎながら、狭間はくるりと身体を反転させる。 「今までずっと嬲られてきた相手にようやく掠り傷一つ負わせたのは、そんなに楽しかったか?」 そうして対面した狭間の顔は。 施設にいた大人達よりも、祖父を馬鹿にした政府の高官達よりも、今まで見てきたどの顔よりも。 ――――怖かった。 「い、行きなさい! あなた達!」 背後に控えていた五ェ門と詩音に命令を下す。 狭間の言う通り、彼らを操っているのはさざなみの笛の力だ。 この道具は死者を復活させてしまうが故、支給品としては配布されなかった一品。 しかしオーディンのデッキ等に比べて希少性が薄いため、鷹野の権限でも持ち出すことができた。 事前に教会へと赴いていた彼女は、これを使用して二人を操り人形にしていたのだ。 この状態になった者には一切の攻撃が効かず、最強の兵士として操ることができる。 戦闘を有利に運ぶために用意した最後の切り札。 彼らが負けることなど、決して有り得ない。 「メディア」 溜息を吐きながら、狭間は魔法を唱える。 すると迫っていた二人の身体が光に包まれ、糸が切れたように崩れ落ちた。 「な、なんで……!?」 「さざなみの笛で蘇った者達は回復魔法を使うことで死者へと戻る、知らなかったのか?」 さざなみの笛は封印された支給品であったため、簡単な説明文しか記載されていなかった。 故に鷹野は知ることができなかったのだ。 「でも、また復活させれば……!」 「メギド」 鷹野がデイパックから笛を取り出すよりも早く、狭間の左手から一メートル程の大きさの火球が二発発射される。 それらが二人の遺体に触れると、あっという間に燃やし尽くしてしまった。 「答えろ」 「あ……あぁ……」 「貴様は何処まで人間という存在を貶めれば気が済むというのだ」 「……い、いや……こないで……」 「なぁ、答えてみろ」 「あ、あ、あ、あああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」 革靴を音を響かせながら、一歩ずつ近づいてくる狭間。 最後の切り札をちり紙のように引き裂かれ、恐怖心から大声を上げる。 思考はオーバーヒート直前の機械のように熱くなり、まるで冷静な判断を下すことはできない。 直ぐ様最後の手段を思い付いた彼女は、それを実行に移すため姿を消した。 「竜宮、前へ進め」 消える直前、こんな声が聞こえた気がした。 「アッハハハハハハハハハハハハハッ!」 瞬間移動した鷹野は、前方に向けて手を伸ばす。 彼女が移動したのはレナの背後。 彼女を捕まえて、再び人質にするためだ。 「ハハハハ……は?」 伸ばした手が空を切る。 前を見ると、レナの姿は手よりも数歩分先――――狭間のすぐ傍にあった。 「貴様のような下衆の考えることなどお見通しだ」 鷹野の腹部に、狭間の手が添えられる。 「マハブフダイン」 凍り付くような冷たい声に乗って、氷結系最強の魔法が唱えられた。 ☆ ☆ ☆ その一撃は猛吹雪と呼んでも過言ではなかった。 咄嗟にゴルトシールドを構えなければ、今の一撃で凍死していただろう。 自然災害そのものである。 ゴルトシールドは凍結して砕け散り、鷹野もその余波を受けていた。 炎の化身たるゴルトフェニックスの翼さえ凍り付かせる吹雪。 すぐ元通りになったものの、相当の体力を消耗させられたようだ。 強い、強すぎる。 強力な相手であることは覚悟していたが、まるで歯が立たない。 回復道具は用意してあるが、それを使ったところで狭間を倒すことはできない。 そしてオーディンの変身が解除されれば、その時点で詰みである。 身を芯から凍らせる寒さと恐怖に煽られ、がちがちと歯を鳴らす鷹野。 「さぁ、喋ってもらうぞ」 かつ、かつ、と音を立てながら、悠然とした態度で狭間は歩を進める。 もはや、打つ手はない。 でも、諦められない。 二つの思いが頭を交錯し、ぐるぐると渦を巻き始める。 その時だった。 「イデオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!」 建物の影から、一人の復讐鬼が姿を現した。 「がっ……その声……枢木!?」 「殺してやる! 殺してやる! 殺してやる!」 仮面ライダーに変身しているが、聞こえる声は間違いなく枢木スザクのものだ。 「は、離せ!」 「よくも水銀燈を殺したな! お前も同じ目に合わせてやる!」 狭間の首根っこを掴みながら、呪詛の言葉を述べ始めるスザク。 その様子を見た鷹野は、スザクと狭間の間にあった出来事を思い出していた。 「ほう……あれがあいつの復讐相手カ」 スザクに遅れて、建物の影からもう一つの影が姿を現す。 サングラスに白髪、間違いなく雪代縁だ。 鷹野がアジトを離れて以降、彼らは同盟を結んでいたのである。 (ツイてる……運命は私に向いてきている) 施設から脱走した際、公衆電話のお釣りの中に取り残されていた十円玉。 あれが無ければ、祖父に助けを求めることはできなかった。 あそこまで走って足掻いたからこそ、幸せを掴み取ることができたのだ。 今の状況はそれと同じ。 ここまで粘ったからこそ、彼らがこの場に到着することができたのだ。 急いでデイパックの口を開け、中身を見ないまま感触だけで中身を取り出す。 そうして出てきたのは知恵の香。 傷を完全回復し、さらに知恵を上昇させることのできる道具。 一つで出来ることが多すぎるため、さざなみの笛と同様に封印されていたのである。 凍える手でガラス瓶の蓋を開け、中に封入された香の匂いを嗅ぐ。 不思議な匂いが鼻孔を擽り、身体をな心地いい感覚に包み込む。 身体に刻まれた傷や寒さは瞬く間に回復し、頭が冴えていく感覚を鷹野は得ていた。 「雪代縁ね」 狭間とスザクの争いを傍目に捉えながら、鷹野は縁の傍へと瞬間移動する。 「……貴様いつの間に。いや、そもそも何故俺の名前を知っている」 「話は後よ、私に協力しなさい」 「何?」 「私は主催側の人間よ、これだけ言えば貴方なら分かるでしょう?」 鷹野がそう告げると、怪訝な目をしていた縁の目の色が変わる。 釣れている証拠だ。 縁が逡巡している間に、背負っていたデイパックから香を一つ取り出す。 そして残ったデイパックを強引に押し付けた。 「これを渡しておくわ、その代わりあの男を倒すのに協力しなさい この瓶の蓋を開けて匂いを嗅げば、あっという間に傷は回復するわ」 別途に取り出した瓶を手渡し、縁の前から姿を消す鷹野。 そのまま瞬間移動をして、再び戦場へと舞い戻った。 ☆ ☆ ☆ 「あっ……ぐっ……」 スザクに首を締められ、狭間の顔が青く染まっていく。 元々の超人的な握力に加え、ベルデの力と狭間に対する燃え盛るような復讐心。 これらが相乗効果を生み出し、スザクは普段の何倍もの力を発揮している。 「……ッ、ジオ!」 だが、狭間も負けていない。 圧迫されていく喉から声を絞り出し、左手から発射した電撃をスザクへと叩き付ける。 十分に魔力を込められなかったため、大した威力にはならない。 しかし雷系魔法の持つ固有効果で、スザクを一時的なショック状態に陥らせることには成功した。 「ゲホッ、ゲホッ……」 何度も咳き込みながら、狭間は酸素を取り込む。 その間に、スザクはショック状態から立ち直っていた。 「イデオオオォォォッ!」 爪が食い込むほどに強く握り拳を作りながら殴り掛かるスザク。 それに対し狭間は、僅かに身体を逸らすことで回避。 拳は空中を掠り、スザクの身体は前のめりに倒れそうになる。 否、違った。 本来なら倒れているところを右脚で強引に踏み止まり、それを軸足に裏拳を繰り出した。 超人的な身体能力を持つからこそ出来る芸当。 「貴様はまだあの人形に操られていることに気付かないのか!?」 振るわれる豪腕を屈んで回避する狭間。 「うるさい! 水銀燈が僕を操ってるわけがない!」 屈んでいる狭間を頭蓋を見据えながら、渾身のローキックをお見舞いするスザク。 「あの人形は貴様の思うような存在ではない!」 「黙れ! お前は死んだ彼女の魂すらも汚す気か!」 「貴様は……貴様は!」 「殺してやる! 絶対にお前を殺してやる!」 「この分からず屋め!」 狭間の白い手が、仮面越しにスザクの額に翳される。 「あの時は不憫に思って放っておいたがもう我慢ならん、貴様に掛けられた呪いを解いてやる」 「何を――――」 「カルムディ!」 カルムディは魅了状態を解除する魔法。 狭間が呪文を唱えると、スザクの動きが機械のように停止する。 「あ……あぁ……」 声が漏れた。 激しい頭痛に襲われているのか、両腕で頭を押さえ始めるスザク。 「あ……ああああ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」 それでも収まらなかったのか、漏れる声はだんだんと大きくなっていく。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」 やがてそれは獣の慟哭へと変わった。 「どうなっているというのだ……!?」 過去に幾度もカルムディを使ったことはあるが、このような反応を見せる者はいなかった。 想定外の事態に、狭間も思考を追い付かせることができない。 ――――確かに彼が推察した通り、スザクは魅了状態にあった。 だが彼の陥っている状態は、悪魔達の魔法による一時的なものとは違う。 彼が呑まされた惚れ薬は、水の精霊の一部を用いて作られた禁断の秘薬。 解除するには同等の力を持つ秘薬が必要であり、原産国であるトリステインでは違法とされていた。 全知全能の力を得た狭間でも、制限された力ではこの領域に足を踏み入れることができなかったのである。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!! 死んでしまえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛えッ!!!!」 しかし、全く効果を及ぼさなかったわけではない。 確かにカルムディは発動し、スザクはその効力を受けている。 魔法の効果で強制的に精神を戻そうとしたところで、より強い惚れ薬が頭を埋め尽くす。 力と力が脳内で奔流し合い、恐慌状態に陥ってしまったのだ。 「くっ……ブフーラ!」 拳を突き出しながら突進してくるスザク。 横に飛んで躱そうとしたが、背後には今にも泣き出しそうなレナがいた。 仕方なく迎撃の魔法を唱えて彼を迎え撃つ。 一直線に突っ込んできていた彼はこれを避けれず、身体を凍らせながら後方に吹き飛ばされていった。 「ッ!?」 背後に気配を感じ、瞳孔を見開きながら振り返る狭間。 そこに居たのは傷一つないオーディン――――鷹野三四の姿。 同時に空で待機していたゴルトフェニックスが、その大翼を広げながら滑空を始める。 「マハジオンガ!」 何条もの電撃が鞭のように放射され、宙にいるゴルトフェニックスと鷹野に襲い掛かる。 だが、鷹野はすぐに瞬間移動することで回避。 ゴルトフェニックスも電撃の隙間を縫うように飛び、難なく凌いでしまった。 そして―――― 「あんたに私怨は無いが――――」 あらゆる負の感情を煮詰めたような殺気が、狭間の背後に降り立つ。 「俺の目的のためだ、ここで犠牲になってもらう」 香の効能で傷を完全に回復した雪代縁だった。 「 掌 破 刀 勢 !」 掌から押し出された豪刀が、狭間の頭上へと振り下ろされる。 斬鉄剣で受け止めるがすぐに均衡は崩れた。 先ほど回復した際、彼が使ったのは力の香。 更に彼はデイパックの中から、本来の得物である倭刀を持ち出していた。 倭刀術と名を冠するだけあり、彼の剣術は倭刀を使うことで初めて完成する。 つまり、今の彼は自分の力を余すことなく発揮しているのだ。 「がああっ!」 斬鉄剣は彼の手から零れ落ち、さらに倭刀が右腕を切り裂く。 血飛沫が宙を舞い、狭間の制服を汚した。 「縁! イデオは僕が殺すと言ったはずだ」 「その割には苦戦していたようだが」 「うるさい! これは僕がやらなくちゃ――――」 「あの女は主催側の人間ダ、ここで協力しておけば後々有利になる なに、トドメはちゃんと譲ってやるから安心しろ、これを使って傷を癒やせ」 早口で捲し立てるスザクを制止し、瓶を投げ渡す縁。 スザクは暫くの間彼を睨んでいたが、やがて瓶の蓋を開け始めた。 枢木スザク――――仮面ライダーベルデに変身し、自身も超人的な身体能力を持つ。 雪代縁――――本来の得物を手に入れ、自身の力を完全に取り戻した。 鷹野三四――――あらゆるライダーを凌駕する仮面ライダーオーディンに変身する。 そして、彼女に付き従う最強のミラーモンスター・ゴルトフェニックス。 いくら狭間と言えども、レナを守りながら彼ら全員を同時に相手するのは困難どころの話ではない。 状況が一転して圧倒的不利になったことで、狭間は臍を噛む。 「形勢逆転ね、安心なさい すぐにレナちゃんも同じ所に送ってあげるから!」 鷹野の言葉で、三人が同時に狭間へ迫る。 痛む身体に鞭打ちながら、狭間が魔法を唱えようとした――――その時だった。 「がっ!?」 背後から銃撃音が轟き、大量のエネルギー弾が彼の頭上を通過する。 呻き声を上げながら、数歩ずつ後退していくスザク。 思わず目を見張るが、それだけでは終わらない。 「とおおおぉぉぉぉっ!」 狭間と彼らを分断ように戦場へと乱入する大きな影。 両手に持つ日本刀を交差させ、縁が振り下ろした刀を受け止めて弾き返した。 狭間が呆然とする中、くるりと身体を翻す影。 白い外套が風ではためき、月光によって橙色の仮面が曝される。 「スマン、遅くなった」 大きな影――――ジェレミア・ゴットバルトが狭間に顔を向けた。 「悪いな」 続いて、狭間の背後からゾルダに変身した北岡が歩いてくる。 前方にジェレミア、後方に北岡。 鷹野達から狭間を守るように、二人の戦士が肩を並べた。 「ふん、随分と遅かったじゃないか」 斬鉄剣を拾い上げながら、遅れてきた二人の文句を垂れる狭間。 だが、その顔はどうしようもないほど緩んでいる。 「悪い悪い、これでも飛ばしてきたのよ?」 ずっと遊園地の外周を探索していた北岡達だったが、夜空を照らすゴルトフェニックスを見て引き返してきたのだ。 「柊はどうした?」 「危ないから隠れてもらってるよ、流石のオーディンでもこの暗がりじゃ見つけられないだろうしね」 「竜宮は……どうやら元に戻ったようだな」 「さっきはごめんなさい! なんか私とても怖くなっちゃって……ホントにホントにごめんなさい!」 「私達は気にしてなどいない。それに……あの女が語ったのも全て事実だ 隠すべきではなかった、後でゆっくりと話をしよう」 「そうだな、俺も色々と言わなきゃいけないことがあるし。でも今は先にやることがあるだろ?」 「ああ」 言葉を切ると、北岡とジェレミアは目前に立ちはだかる三人に武器を突き付けた。 「鷹野だっけ? さっきは随分と甚振ってくれたじゃない それにそこのライダー、五ェ門の時に散々邪魔してくれちゃってさ、百倍にして返してやるよ」 「貴様と会うのはこれで二度目だな、今度こそ叩き切ってくれる」 ベルデに変身するスザクを見据えながら口火を切る北岡。 立ち尽くす縁に贄殿遮那を向けるジェレミア。 そして立ち淀む鷹野に向けて、狭間の眼光が突き刺さる。 「北岡、ジェレミア、そいつらの相手は任せたぞ その代わり、鷹野とあの鳥の相手はこの私がさせてもらう」 「……大丈夫なのか? 彼奴らの力は並大抵のものではないぞ」 ジェレミアが言葉を投げると、狭間はフッと笑う。 「私を誰だと思っている? 悪魔達の巣食う塔を昇り詰め、全知全能の力を得た魔人皇だぞ? 貴様らこそ、そんな傷だらけで大丈夫なのか?」 「この程度の傷など大したことはない、それに……私も相当腹が立っているのでな、ここで退く気は毛頭ない!」 「俺もだよ。ここまでムカついてるのは浅倉以来だ」 二人の言葉を聞く度に、狭間は自身が言いようのない高揚感に包まれていくことに気付いた。 今までの人生で一度も感じたことのない気持ち。 身体の芯が温かくなって、奥底から力の湧いてくる。 「そうか……ならば私に協力しろ この程度の危機、まとめて切り抜けさせてやる!」 大きく息を吸い込み、高らかに宣言した。 ☆ ☆ ☆ 「チィッ……邪魔をするナ!」 「貴様こそとっとと退け!」 刀と刀がぶつかり合い、金属音が周辺一帯に響き渡る。 ジェレミアは贄殿遮那と無限刃を巧みに振るい、縁は倭刀を自由自在に使い熟す。 互いに一流の剣の腕を持つ彼らの戦いは、他者の介入する余地など皆無。 さらに一度手合わせをして相手の動きを知っているため、戦いはより高度な読み合いへと発展していた。 「退け! 僕は狭間を殺さなきゃいけないんだ!」 「お断りだな。それにお前が邪魔しなかったら五ェ門は生きてたかもしれない、分かるか?」 対するスザクと北岡の戦いは、互いに飛び道具を撃ち合う遠距離戦。 スザクはヨーヨー型の武器・バイオワインダーを振るい、北岡はギガアーマーで攻撃を弾きながらマグナバイザーを撃つ。 怒涛の猛攻を仕掛けるスザクだが、今の北岡には通じない マグナギガがジェノサイダーを吸収したことで、ゾルダのスペックは大幅に向上しているのだ。 「くっ……なんで、どうして!?」 鷹野とゴルトフェニックスは連携して攻め込むが、狭間の巧みな体捌きの前には及ばない。 レナを――――足手まといを連れているはずなのに、一向に差が埋まらない。 ゴルトフェニックスが滑空を始めると同時に、背後に瞬間移動してゴルトバイザーを振るう。 だが、そこに下から突き上げるような斬撃が加えられた。 手から離れ、勢いよく宙を舞うゴルトバイザー。 そこにゴルトフェニックスが突っ込み、連携攻撃は失敗に終わる。 ぎりぎりと歯軋りを続ける鷹野。 既に息は上がり、呼吸は荒れ切っている。 オーディンのデッキが常にサバイブの恩恵を受けているためだ。 サバイブはライダーの能力を著しく上昇させる反面、変身者の体力を大きく削る。 鷹野の体力は特別優れているわけでもなく、ここに来て限界が訪れたのだ。 「この! この!」 変身してから既に八分が経過しているため、もうすぐ生身の身体に戻ってしまう。 再び不利な状況に立たされ、鷹野は冷静さを失っていた。 彼女は非常に優秀な人間だが、使命に固執するあまり撤退するということを知らない。 終末作戦の際、次々と山狗部隊が敗北したにも関わらず小此木の進言を無視して軍を送り続けたのが証拠だ。 「無様だな」 狭間の繰り出す斬撃に一瞬反応が遅れる。 咄嗟に瞬間移動するが、剣先は彼女の腹部を切り裂いていた。 (ハァ……ハァ……まずい……ッ!) 他のカードは残っているが、時間の方は残っていない。 小細工を弄するよりは、最強の切り札に賭けた方が懸命である。 掠れてくる視界で狭間の動きに気を配り、何とかファイナルベントを発動する隙を伺う。 そうして防戦に徹することで、ふとある事実に気付いた。 北岡達と合流してからの狭間は、斬鉄剣を振るうばかりで一度も魔法を使用していない。 怪訝な事実に首を傾げるが、やがてある結論に辿り着いた。 もしかしたら狭間の魔力は既に枯渇しているのではないか。 いくら魔法が優れていても、魔力が無ければ扱うことはできない。 むしろ優れているからこそ、大幅に魔力を消耗するのだ。 それに狭間の魔法には大きな制限が設けられているため、普段よりも魔力の消耗は早いはずである。 魔法が使えないのなら、いくらでも対策手段はあるのではないか。 ――――いや、そんなことは有り得ない。 この考えは、あまりにも自分本位で都合の良い考えだ。 いくら制限を設けられていても、この程度で狭間の魔力が尽きるはずがない。 なら、何故狭間は魔法を使用しないのだろう。 思考を展開し始めるが、突如響いた大きな悲鳴がそれを中断させた。 「ぐあああぁぁぁぁッ!!」 目にも留まらぬ速さで刀が振り抜かれ、鮮血が夜空を赤く染める。 悲鳴の聞こえた方向を見ると、ジェレミアが縁を圧倒している場面だった。 「がああああぁぁッ!」 北岡が肩に装着したギガキャノンを発射し、砲丸投げのように宙へ放り出されるスザク。 そのまま地面に激突し、地面へと沈む。 目を疑うが、倒れた彼らが立ち上がる様子はない。 増援に駆け付けた彼らは、こうして呆気無く敗北してしまった。 (おかしい! こんなに早く彼らが敗れるなんて……) スザクと縁の二人は、参加者の中でも上位に君臨する実力者のはずだ。 北岡やジェレミアも実力者ではあるが、今までの戦闘の負傷や疲労は残っている。 一方で二人は傷を回復した上、普段の全力以上を発揮する装備を使っていた。 これだけの好条件が揃っていて、敗北することなど有り得ない。 目の前の矛盾に頭を抱えるが、目前の敵はその答えを出す時間を与えてくれない。 首元を狙うように突き出される斬鉄剣。 瞬間移動して回避を試みる鷹野だが、不意に身体を異様なほどの気怠さが襲う。 まるで数日間徹夜を続けているような気怠さ。 両手足に力は入らず、意識すらも朦朧とし始める。 瞬間移動が間に合わず、辛うじて首を逸らすことで突きを躱す。 しかし刃が喉を掠り、スーツの内側に赤い線が刻まれた。 「ゼェ……ゼェ……」 いくらサバイブが使用者の体力を奪うと言っても、ここまで酷いものなのだろうか。 強烈な違和感が鷹野の脳裏を過る。 異様なほどの身体能力の低下、スザクや縁の不自然な敗北、魔法を使わない狭間。 「……まさか!?」 「どうやら、気付いたようだな」 そう言う狭間の声色は、やっと気付いたのかと言外に見下したものだ。 「私が魔法を使わなかったのではない、貴様が魔法を使われていることに気付かなかったのだ」 左手を掲げる狭間。 「ランダマイザ、これだけ言えば分かるはずだ」 狭間の口から飛び出た単語を聞き、鷹野は戦慄した。 ランダマイザ――――彼の世界では狭間以外に習得した者のいない魔法。 敵全体の攻撃力・防御力・命中率を一度に下げることができる。 一度でも脅威になる魔法だが、最大の脅威は重ねがけを行えるところだ。 「言っただろう? この程度の危機まとめて切り抜けさせてやると」 ランダマイザを使用していたなら全ての違和感に説明がつく。 この異様な疲労感も、スザクと縁の敗北も、ランダマイザによる能力低下が原因だったのだ。 「そろそろ貴様の化けの皮も剥がれるようだな」 指先を見ると、そこから粒子が上がっている。 もうすぐ変身が解除される兆候だ。 「うわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」 殺される。 変身が解除されたら、確実に殺される。 目の前にいる悪魔は、何としてでも殺さなければならない。 バックルから一枚のカードを取り出し、ゴルトバイザーを出現させる。 狭間が妨害の魔法を唱えるが、もはやそれすらも見えていなかった。 「キイイイイィィィィィィイッ!!」 ゴルトフェニックスが嘶く。 両翼から炎を纏った真空の刃が放たれ、狭間の発動した魔法と相殺された。 主人の危機を感じ、独断で発動したのだろう。 カードはバイザーに装填され、機械音が発動を宣言する。 ――――FINAL VENT―――― 黄金の炎を身に纏いながら、鷹野の背後へと飛行するゴルトフェニックス。 鷹野の身体が重力に逆らいながら、真上へと上昇し始める。 そうして両者の身体が合わさった時。 鳳凰が両翼を広げ、閃光が周囲一体を埋め尽くした。 「これで……終わりよ!」 地面に立つ狭間を見下ろしながら鷹野は叫ぶ。 鳳凰と一体化したその姿は、人間という枠組みを超越したかの如く神々しい。 オーディンのファイナルベント――――エターナルカオス。 永遠の混沌へと相手を導くその技は、他のライダー達のものとは文字通り桁が違う。 地上にいる狭間と、上空にいる鷹野。 その立ち位置の違いは、そのまま位の差だ。 地上を支配する皇も、天空に君臨する神には敵わない。 「死になさい!」 神に歯向かった反逆者を裁くため、鳳凰が下降を開始する。 その様子は太陽の落下。 圧倒的な光と熱量を持ったそれが、地上へと降り注ぐ。 「マハラギダイン!」 それに対抗するため、狭間も魔法を詠唱した。 そうして呼び出されたのは、地上を埋め尽くす程の炎の奔流。 マハブフダインとは対を為す火炎系最強の魔法。 太陽の落下を食い止めるため、うねりを上げながら大量の炎が空へと昇っていく。 「なんという熱さだ……」 「ああ、こっちまで熱くなってくる」 目を細めながら空中を見上げるジェレミアと北岡。 太陽と炎は空中でぶつかり合い、その圧倒的な熱量を周辺へと撒き散らした。 三人の額に玉のような汗が浮かび、遊具の残骸やコンクリートの地面に炎が走る。 酸素は燃やし尽くされ、息苦しさすら感じるほどだ。 このまま拮抗を続ければ、周囲への被害は甚大なものになるだろう。 「ッ……!?」 空が動く。 少しずつ、少しずつ、一歩ずつ踏み出すように太陽が炎を呑み込んでいく。 ランダマイザで能力が減少していても、エターナルカオスの威力が圧倒的であることに変わりはない。 鷹野の執念が、最後の最後で狭間に勝ったのだ。 (勝った!) 勝利を確信する鷹野。 そんな彼女の視界に、小さな異物が映り込む。 目を凝らすと、異物の正体が氷の塊であることに気付いた。 否、違う。 その氷の中には、黒い球状の物体がある。 異物の正体は、氷の塊ではなく黒い球状の物体を凍らせた物だった。 「あ」 その物体に、鷹野は見覚えがあった。 元の世界でも何度か目にし、彼の部下である山狗部隊が多用していた道具。 この場所においても二度使用されている 一度目は夜神月が使用し、展望台を崩壊に追い込んだ。 二度目は鷹野自身が持ち出し、操り人形と化した園崎詩音に投げさせた。 そして本来の役目を果たすことなく、狭間のブフによって凍り付いた。 「忘れ物だ、受け取れ」 投げ付けられた道具の名前。 それは――――手榴弾。 時系列順で読む Back 太陽と月 Next 魔人 が 生まれた 日(後編) 投下順で読む Back 太陽と月 Next 魔人 が 生まれた 日(後編) 155 Switch(Choice[Player]){...} 北岡秀一 159 魔人 が 生まれた 日(後編) 柊つかさ ジェレミア・ゴットバルト 竜宮レナ 狭間偉出雄 鷹野三四 152 SAMURAI X 枢木スザク 雪代縁
https://w.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/695.html
BACK ※ ※ ※ ※ ※ 工場入り口付近でのアリサの苦労は、まだ終わっていなかった。 こんなに手間がかかるとは、完全に計算違いである。 「絶対見ないでよ。見たら殺すからね」 『アリサさん、ここじゃその言葉、シャレになりませんよ~』 それもそうだと思い、言い直す。 「殺さないけど、見たら半殺しにするからね」 『自分は見たくせに?』 「やかましい!」 悪態を吐きながら手早く制服を脱ぎ、畳む手間も惜しんでインデックスに手渡す。 「はい。着かたはわかるわよね」 「うん。白くて長いから、ちょっと修道服に似てるかも」 「着る時は、その恥ずかしい服の上から着ちゃいなさい。 でもちょっと待って、まずは包帯を巻かないといけないから」 少し考えて、おもむろにスリップも脱ぐ。 上半身は完全に裸になり、あとはショーツ一枚きりである。 「ねえ、まだ? いつまで目を瞑ってればいいの?」 「まだ! 絶対見ないでよ! ルビー、もう一度ナースモードお願い」 『ええー? もう着ちゃうんですか? せっかくですから、もうちょっとリンクさんを悩殺してからにしましょうよ』 「しない、してない、するかっ!」 お見事な三段活用です~、と言いながら、ルビーは七色の光を撒き散らした。 完全にからかわれているのだが、もうあまり腹もたたない。慣れとは怖いものである。 それにしても、何度多元転身を繰り返したかわからない。 これって身体に悪かったりしないでしょうね、とか心配になったりもする。 贄殿遮那を裁断機代わりにして、スリップを繊維に沿って裂く。 これって、お気に入りだったのよね。まあ、そんな場合じゃないんだけど。 シルク100パーセントの無駄に高級な即席包帯を作りながら、アリサは思わず呟いた。 「……なのは、あたしが行くまで早まった真似しないでよ」 途端に反応するインデックス。 「なのはがここにいるの !? なのは! 捜してたんだよ!」 「ちょ、ちょっと待ちなさい! まだあんた服着てないでしょ! それとあんた、いろいろ捜しすぎ!」 暴れるインデックスを取り押さえている後ろでは、リンクがじっと顔を両手で覆いながら放置されていた。 「ねえ、まだ? いつまで目を瞑ってればいいの?」 ※ ※ ※ ※ ※ 「聞いたぞ。あちこちではしゃぎ回っていたそうだな」 軽口を叩きながら、エヴァはなのはを観察する。 目が澱んでる……いや、腐ってるな。 以前とまるで違うなのはの有様に、エヴァは密かに奥歯を噛み締めた。 「……その子はどうしたの、エヴァちゃん」 天井近くで凍りつくパタリロを見上げながら、なのはが問う。 「ああ、コイツは最初の時に、ジェダにご褒美を請求したヤツだよ。気にすることはない」 「……そうなんだ。でも、おかげで、助からないはずだった子を一人助けられたから、 それについてはお礼をいうべき……なのかな?」 なのはの視線が泳ぐ。 まるで、心ここにあらずといった様子だ。 よくないな、とエヴァが思った途端、一転してなのはは毅然とエヴァを見据えた。 「それで、エヴァちゃんも殺し合いに乗っちゃったの?」 「だとしたら、どうする?」 「殺すよ。私はもう、引き返せないから」 「即答とは恐れ入ったな」 エヴァは冷ややかに目を細める。情緒不安定になっているのが明らかだった。 ならば――さらに揺らして底を見極めてやろう。 「それにしても、殺すときたか。 貴様は人を救うために覚悟を決めたんじゃなかったのか? あの鉄槌の騎士を生かしておいた意味がないな」 「……そんな甘いことじゃ、結局誰も救えないんだよ。 目の前で誰かを殺しそうになってる人を、殺さずに捕まえるなんて現実的じゃない。 たとえ捕まえたとしても、その後どうするの? ずっと見張るの? 逃げられたらどうするの?」 「……」 「説得だって、通じる相手ばっかりじゃないんだよ。 殺せる時に殺しておかないと、後で悔やんでも遅いから」 言葉を交わしつつ、微妙に距離を取りながら、二人は徐々に部屋の中心へと移動していた。 緊迫した空気が漂う。 「なるほど、見事な理屈だ。 つまり、貴様が弱いからというわけだな」 「……そう。そうかも知れないけど、私は私にできることをするだけ。 私が悪い人を殺せば、それだけみんなの生存率があがるから」 「悪い人――というのはどうやって見分ける?」 「人殺しは悪い人だよ。……うん、私も含めてね」 「質問の答えになってないな。人殺しは悪人で、悪人は人殺しか?」 エヴァの問いに、なのはの顔にクエスチョンマークが浮かぶ。 「どういう意味?」 「必要条件と十分条件の話さ。数学は苦手か? ずいぶん単純に考えているようだが、 人を殺してしまった善人はいないのか、人を殺さない悪人はいないのかと訊いている。 考えたこともなかったか? 善人であっても、状況に迫られれば人を殺めるかも知れんし、 自らの手を汚さず人を死に追いやる悪人だっているかも知れん。 それをどうやって見極めるんだと訊いているんだ、高町なのは」 しばし、沈黙が漂う。 エヴァは左足を引き、やや半身に構えた。中距離魔法、近接戦闘、どちらにも対応できる構えだ。 約5メートルの距離を置いて、なのはは静かに佇んでいる。 やがて、なのははぽつりと沈黙を破った。 「……私が殺すべきだと思った人が、悪い人だよ」 「傑作だな」 「それに、数学は得意な方」 「それも傑作だ」 底は見えた。 ずいぶんとつまらない底だった。 堕落してしまったなのはに対して、エヴァは蔑みではなく、哀れみだけを覚えていた。 以前の無邪気な笑顔を知っているだけに、それが失われてしまった哀惜の念は強い。 「歪んだな、高町なのは。闇を纏わず、闇に呑まれたか。 堕ちるなら堕ちるで、まっすぐ堕ちればよかったものを」 「まっすぐ刺しても、ねじって刺しても、流れるのは同じ赤い血だよ」 「なかなか言う。その歪み方……。誰か大切な知り合いでも死んだか。 それとも――その手で殺したか?」 びくり、となのはの肩が揺れる様子を見て、エヴァはつまらなさそうに吐き捨てた。 「図星か、つまらん。どこまでも典型的な転落模様だな。 大切な者の命を粗末にしたから、他の者の命も粗末にしなければいけないと? そうでなければ許されないと感じているな? 知り合いを殺してしまえた自分が、知らない者を殺せないなんて許せないか?」 「そんなんじゃないよ。ただ私は、殺さなきゃいけない人がいる限り、それを自分の手でやりたいだけ。 誰にも人殺しになって欲しくないから、みんなのために。手を汚すのは、私だけでいい」 「美麗美句で己の所業を飾るな、胸糞が悪い。 理想もなく、誇りもなく、ただ無秩序に、自らの独善で悪と断じた者を容赦なく殺戮する――。 貴様がやっているのは、それだけに過ぎん」 嘆息と共に、エヴァはあからさまに構えを取った。 なのはもそれに応え、ミニ八卦炉を握りしめる。 「やはり、貴様の存在は捨て置けんな。これ以上面倒なことになる前に、今ここで始末する」 「……そう。やっぱりこうなっちゃうんだね」 手遅れだ、とエヴァは判断した。 そもそも、闇に耐えられる性質ではなかったのだろう。 おそらくきっと、ここに来るまでは、太陽のような少女だったのだ。 しかも、あれだけ歪みながら、まだ壊れていない。それがなおさら悲劇だった。 もう、戻れない。 しかし、進めない。 その上、狂えない。 この哀れな少女は、ここで終わった方が幸せだ。 殺すつもりはない。 ただ仮死状態で、悠久の氷棺の中で永遠に眠ってもらうだけだ。 いつか運が良ければ、遥か時の彼方で目覚めることもあるかも知れない。 緊張が高まり、ついに臨界を超える。 動いたのは、なのはが先だった。 「にっくきターゲットを狙い――」 「遅い! 氷結(フリーゲランス)、武装解除(エクサルマティオー)!」 氷嵐が吹き荒れ、一瞬でなのはの服を凍らせ、砕き尽くす。 「――ひ、えっ !?」 ランドセルも吹き飛び、中身が散乱する。 クロウカードが、ヘルメスドライブが、はやての腕が、そしてミニ八卦炉が、音を立てて氷床を滑っていった。 「さて、高町なのは。貴様が求めるのは、許しか?」 視線を逸らすことすら許さず、歩を進めながら、エヴァは冷酷に告げた。 「それとも――裁きか?」 * * * やられた。完璧にカウンターを取られた。 一瞬のパニックの後、なのはは冷静に現状を分析した。 全部の装備を持っていかれた。ミニ八卦炉は部屋の隅だし、素っ裸。 攻撃するタイミングの、一瞬の隙を突かれた。防御する間もなかった。 いつものようにバリアジャケットを着てたなら、こんなことにはならなかっただろう。 今、オートで作動するプロテクションはない。 衣服ごと装備を剥ぎ取り、無力化するための魔法。 なのはにとっては、思いもよらない攻撃手段だった。 でも、まだだ。 なんにもなくたって、魔法が使えないわけじゃない。 「まだ、なんにも終わってない。なんにも達成してない! だから許しも乞わないし、裁きもいらない! 私はまだ死ねない――!」 ミニ八卦炉を拾いに行く素振りを見せたら、きっと相手の思う壺。 だからなのははそちらに構わず、エヴァを見据えて咄嗟に距離を取った。 「リリカル・マジカル! 福音たる輝き、この手に来たれ。導きのもと、鳴り響け!」 「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック! 氷の精霊17頭(セプテンデキム・スピリトゥス・グラキアーレス)、 集い来りて敵を切り裂け(コエウンテース・イニミクム・コンキダント)!」 なのはの詠唱と同時に、エヴァも詠唱を開始する。 デバイスのない今は、上位の魔法発動には詠唱が必要だ。 この一年、毎朝二時間の練習を欠かさなかったのだ。誰よりも努力を重ねた自負はある。 「ふん、福音たる輝きか。誰が今の貴様を祝福するんだか」 「……!」 余裕の表れか、憎まれ口を叩くエヴァをなのはは鋭く睨み付けた。 その視線を意にも介さず、エヴァは鼻で嘲笑う。 「もっとも、闇の福音ならば私のことだがな」 なのはの周囲に桜色のスフィアが、エヴァの周囲に薄紫色のスフィアがそれぞれ形成される。 どちらも唱えたのは、似たような系統の誘導型射撃魔法らしい。 しかし、スフィアの数が違いすぎる。 デバイスなしでの魔法制御にタスクのほとんどを割り振って、それでもこっちはたったの5個。 対して、エヴァのそれはなんと17個。 ミッドチルダの常識では、信じられない数だ。とてもじゃないが、このままでは対抗できない。 なのはは魔力を振り絞り、さらにスフィアを生成する。 レイジングハートの補助なしで、どこまで出来るかが勝負だった。 見敵必殺の覚悟を決めてから、いずれ必要になるだろうと思っていたデバイスなしでの高等魔法制御。 いきなり実戦になるのは計算外だったが、覚悟はできている。 「魔法の射手(サギタ・マギカ)! 連弾・氷の17矢(セリエス・グラキアーリス)!」 「ディバインシューター! シュート!」 結果、生成されたスフィアは8個。8発の魔法弾が、17発の魔法の矢を迎え撃つ。 その一方で、防御魔法も用意する。コントロールはオートではなく、手動。 エヴァの魔法の矢は、複雑な軌道でなのはに向かって突進してくる。 しかし、数に反比例して速度はたいして速くない。これなら迎撃できる。 なのはの卓越した思念制御の賜物か、一発につきそれぞれ二つの矢を貫通、消滅させることに成功した。 あちこちで小さな水蒸気が破裂する。貫通力ならこっちが上のようだ。 残った一矢。左側面から回り込んできたそれを、左手のラウンドシールドが受けとめる。 防いだ。そしてまだ、なのはの魔法弾は生きている。 制御の負担がきつい。歯を食いしばり、そのまま誘導してエヴァを直接狙おうとして、 「あうっ!」 目にも見えない速さで、横から蹴り飛ばされた。 衝撃に、息が止まる。 なにをされたのか、一瞬わからなかった。 壁まで飛ばされる威力に、なのはは咄嗟にプロテクションを展開させる。 床や壁を覆っていた霜が地吹雪を上げ、なのははそのまま壁に叩き付けられた。 「くっ……、けほっ!」 呻きながら、なのはは自分の油断を理解する。 さっきの魔法の矢の速度は、わざと抑えられていたんだ。 そっちに気を取られてるうちに、意識の外から、緩急の差のミスマッチで私を直接叩くために。 手ぶらだったから考えもしなかったけど、エヴァちゃんは近接戦闘もできる。 しかも、水蒸気を煙幕代わりに利用していた。 すごく、熟練した、万能戦闘型魔導師……! 戦慄と共に、湧き上がる焦燥感。 ヴィータの相手で慣れているとはいえ、なのはは近接戦闘が得意ではない。 防御魔法で防ぎつつ誘導弾で撹乱、距離を取って砲撃魔法で決めるのが、なのはの戦闘スタイルである。 だが、ミニ八卦炉はエヴァを挟んで反対側の壁際にある。デバイスなしでは、高出力の砲撃魔法は撃てない。 しかも、エヴァは戦闘の組み立てが巧い。 読み合いでは、一枚も二枚も上をいかれるだろう。 凌ぎ続けるにも限界がある。逃げるのだって、許してもらえるかどうか。 でも――。 なのはは不屈の闘志でエヴァを睨み付けた。 でも、さっきの魔法弾はまだ生きてる――! 「――アクセル!」 中空にあった八つの魔法弾が加速し、光の軌跡を描いてエヴァ目指して突進する。 虚を付いたタイミング。速さも角度も申し分ない。 これで倒せるとは思わないけど、時間稼ぎにはなるはず。その間に体勢を立て直して……。 しかし、エヴァは迫り来る弾丸に目もくれず、右足で床を強く打ちながら叫んだ。 「こおる大地(クリュスタリザティオー・テルストリス)!」 床からエヴァを取り巻くように、無数の巨大な氷柱が天井まで伸びる。 伸びる。次々と伸びる。 魔法弾はすべてその氷柱に阻まれ、弾けて消えた。 そして柱は発生地点を延ばし、なのはのいる壁際まで迫る。 「えっ、きゃっ!」 巨大な質量が壁を砕き、なのはを吹き飛ばした。 間髪いれず砕けた氷の破片が降り注ぎ、なのはは慌てて転がる。 逃れた先は、薄暗い隣室だった。 さっきまでの部屋と違い、さほど広くはない。窓はなく、天井付近に換気口だけが開いている。 ドアは一つで、それは今なのはが入ってきた壁の穴、それと同じ方についていた。 ますます拙い。 こんな部屋では、機動力まで殺がれてしまう。逃げ道もない。 なのはは一瞬で覚悟を決めた。 防御魔法で身を固めて、どんな攻撃も受けて立つ。耐えてみせる。 耐えて耐えて、起死回生のチャンスを待つんだ。 逆光。真白な粉塵に影を映しながら、エヴァがゆっくりと姿を現す。 相変わらず、余裕の立ち振る舞いだ。だからこそ、つけ込む隙は必ずある。 エヴァはすぐに追撃を放とうとはせず、抑揚のない声で話しかけた。 「……貴様にだけは教えておいてやろう。私は殺し合いには乗っていない。 だが、仲良しごっこをするつもりもない」 迫力など少しもない声なのに、なのはの肝がしんと冷える。 純粋に、魔力だけで威圧されているのがわかった。 単騎でこれほどの魔力を持つ相手を、なのはは知らない。 「ジェダを見つけ出し、そこまでの道筋を付けるのが私の当面の目的だ。 誰とも馴れ合わず、何者も恃まず、私の好きなようにやらせてもらう。 善良な連中に手を出す気はないが、邪魔な輩は実力で排除する」 そう言って、エヴァは皮肉めいた笑みを向ける。 「つまり、殺し合いに乗った連中は、私にとっても敵だ」 「なら、私と同じ――」 「違うな」 なのはの言葉を遮り、エヴァの笑いは嗤いに変わる。 「私と貴様の決定的な違いがなにか、わかるか?」 歩を進めることもなく、壁の穴の位置に佇んだまま、エヴァは問う。 それでも、なのはは徐々に部屋の隅に追いつめられていた。 少しでも距離を取りたい。 プロテクションはすでに展開済みだが、魔力節約のため、ラウンドシールドは待機状態だ。 「状況に強いられたとはいえ、私は自ら選んだ」 そう言いながら、エヴァは右腕を高く掲げる。 その掌に魔力が収束し、薄紫色の輝きを放った。 「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック。 来たれ氷精、闇の精(ウェニアント・スピリトゥス・グラキアーレス・オブスクランテース)。 闇を従え、吹けよ常夜の氷雪(クム・オブスクラティオーニ・フレット・テンペスタース・ニウァーリス)」 ――来る。 あれはおそらく、ディバインバスター並の砲撃魔法だ。 なのはの身体に染み付いた戦いの感覚が、それを教えている。 この中距離で撃たれるそれは、脅威以外のなにものでもない。 「くっ!」 咄嗟に両手をかざしたなのはの正面に、桜色のドームと、二枚の魔法陣が浮かび上がる。 プロテクションとラウンドシールドの同時強化多重展開。 得意の防御魔法とはいえ、今のなのはにはギリギリだ。 「だが、状況に強いられたとはいえ、貴様は結局流された」 シールドの角度を調整し、弾くのではなく、流すことに重点を置く。 バリアジャケットがなく、普通の服すら着ていない現状、余波でさえ致命になり得る。 絶対に、プロテクションを抜かれるわけにはいかない。 「防御に自信がありそうだな。堪えてみせろ。 ――闇の吹雪(ニウィス・テンペスタース・オブスクランス)!」 * * * 手加減せざるを得なかったとはいえ、本当に耐え切ったなのはに、エヴァは素直に感心した。 なのはのいた部屋は完全に破壊され、壁も一面崩れてしまっている。 その先は、森だった。どうやら東の外壁に面した部屋だったらしい。 なのはは今、『闇の吹雪』によってなぎ倒された樹木の真ん中に、荒い息でうずくまっている。 だが、外傷はほとんどないようだし、なにより目が死んでいない。 澱んだ、しかし力強い視線は闘志を湛えて、エヴァを射抜いていた。 これで心を折るつもりだったエヴァとしては、不満の残る結果である。 氷棺に封じるだけでは足りないのだ。閉じ込められた者にとっては、悠久の時間でさえも一睡の夢に過ぎない。 いずれ目覚めた時、今のままの荒んだ精神状態では、結局なのはには破滅への道しか残らない。 どうしても今、あの歪んだ心を粉砕せねばならない。 ああ、いやだ。こんなことはとっとと終わらせたい。 こんな、女子供をいたぶるような真似は、趣味ではない。 そう思いながら、表情にはおくびも出さず、エヴァは月下へと足を踏み出した。 月は、ほとんど真上まで昇っている。 「闇を纏い、闇に生きるものはな、例外なく、自らに一つのルールを課している。 自身が悪であると自覚するが故に、善悪に拘らない、自己満足のルールをな。 例えば、契約は遵守する。例えば、不意打ちはしない。 例えば、逃げる者は追わない。例えば――女子供は殺さない」 声に反応して、なのはは半身を起こす。 信じられない意志力だ。 これが正しい方向へ向かっていれば、どれほどの人物になっただろう。 惜しい――と思うと同時に、なんともやり切れない。 「そうやって己を厳しく律し、闇の中で生きるための指針とするのだ。これを、悪の美学と呼ぶ。 しかし、闇に呑まれ、どこまでも堕ちていく者にはそれがない。今の貴様のようにな……」 ゆっくりと、なのはの傍まで歩み寄る。 外傷は見当たらなくとも、なのはの体力は限界だったらしい。 あるいは、魔力の限界か、胸にある青痣のせいか。 どうやら、立ち上がることができないようだ。 「ましてや、人の命を奪いながら、さもそれを正しいことのように居直るなど、愚の骨頂も甚だしい」 「た、正しいことだなんて、思ってない!」 「みんなのために殺すんだと、貴様は言った」 「……!」 唇を噛みながら、なのはは腕の力だけで、身体を引き摺るようにして後退る。 月光に照らされた裸体が芋虫のように地面を這いずる様には、一種凄惨な美しさがあった。 「醜いぞ、高町なのは。ああ、吐き気を催す醜悪さだ」 言いながら、エヴァは眉を細めてなのはの様子を観察する。 怯えた素振りでも見せれば可愛いものを、この少女はまだ諦めていない。 魔法障壁はまだ健在だし、左腕には体重をかけていない。 リンクと同じく、コイツも左利きだ。起死回生の一手を狙っているのか、あるいは盾を準備しているのか。 呆れ果てた強情さに、エヴァは小さく舌打ちする。 本当なら賞賛すべきところだが、今のなのはにとっては毒にしかならない。 仕方がない。幻想空間(ファンタズマゴリア)へ誘い、そこでじっくり教育してやるか。 あそこなら、制限を気にせずに全力で叩き潰せる。 ここまで強情なヤツだとわかっていれば、はじめからそうしていたものを……。 「私の目を見ろ、高町なのは」 目に魔力を込め、エヴァはなのはに呼びかける。 距離は約2メートル。 もとより目を逸らす気のないなのはは、言われるままにエヴァを見上げ、視線を合わせた。 幻術対策は慣れていないのか、まったく抵抗がない。 「……見るんだ」 視線が交わり、精神を引き寄せる。 精神を侵食し、意識を掌握する。 意識が同調し、そのまま呑み込んで固定する――。 ――その、瞬間。 眩い煌きが、エヴァとなのはの間に割り込んだ。 「――なにっ !?」 幻術を破られ、エヴァは反射的に飛び退く。 あらゆる自在法を受け付けない宝具。 その刀身に反射した月光が、エヴァの視線を弾いていた。 金髪が流れ、次に大きな太刀が目に入る。 握るは、大時代的な鳶色の割烹着を纏った緑眼の少女。 突然の闖入者が、エヴァとなのはの間に立ちはだかっていた。 なのはが息を呑むような声をあげた。 「――アリサちゃん !?」 「間に合った……!」 どう気配を断っていたのか、ここまで接近されて気付かなかったことに、エヴァは驚く。 少なくとも只者ではない。警戒し、さらに距離を取る。 ここにきての第三者の介入は、正直厄介だった。 アリサと呼ばれた少女の腰に差された玩具のようなステッキから、可憐な声が響く。 『アリサさん、死徒ですよ! すごいですね~、二十七祖クラスです!』 その声を無視し、大太刀の切っ先を突き付けたまま、少女はまっすぐエヴァと対峙する。 幻想空間へ行っている間は本体が無防備になるため、多対一の時には使えない。 予定が台無しにされた怒りを隠しもせず、エヴァは睥睨して問うた。 「貴様は? 高町なのはの知り合いか?」 少女は勝気そうな目で、きっぱりと言い放った。 「――友達よ!」 NEXT
https://w.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/780.html
今抜き放たれる最強の鬼札 ◆enneaLXxK6 リリスは、なんでこんな事を手伝っているのだろうと想いを馳せる。 思い返すにさっぱりだ。 「うん、お願い。そこに置いて」 インデックスの声に応じてそれを置く。 そっと床に横たえ、インデックスがそれに歩み寄るのを待つ。 インデックスはその前に屈み込むと十字を切って、短い聖句を唱えた。 その前に有るのは工場で死んだ者達の亡骸だ。 それは極々簡易的な、死者達の弔いだった。 リリスとインデックスは未だ工場に居た。 「インデックス、早くここを離れたいんだけど」 「ごめんね、リリス。もう少し待って欲しいんだ」 リリスの体液を飲ませたから、その心はもう自分の物になっているのではないのか。 自分自身の体液にどの程度の効果が有るのかは判らないが、あの薬だって飲ませたのだ。 インデックスはリリスに向けて強烈な好意を抱いているはずである。 だけどインデックスはそんな様子を見せずに、手短な葬儀を終えて。 「おやすみなさいなんだよ、リンク、なのは…………それから襲ってきた、あなたも」 順々に、それぞれに黙祷を捧げた。 それから振り返った。 「おしまい。手伝ってくれてありがとう、リリス」 ぺこりとおじぎをした。 戸惑いながらも、どういたしましてと返した。 インデックスの強い主張により工場に戻ってきて僅か数分のあまりに短い弔い── 死体を集めてシーツを被せただけだ──を済ませたが、これはリリスに対する好意から出た行動では無い気がする。 インデックスにはリリスの体液も惚れ薬も飲ましたのに、だ。 リリスは何かが思い通りに進んでいないのを感じていた。 「それから……不愉快だけど、この場に限ってジェダにもかな。 みんなの遺体がQ-Beeに食べられないで済んだんだよね」 「ああ、うん、そうだよね。あれはびっくりした」 リリスが飛び上がった矢先の事だ。 突如眼下の地上で、Q-Beeの死体が再生し蘇ったのである。 恐らく戦いが終わってほんの数分しか経っていなかったに違いない。 リリスは即座にそれを行ったのがジェダである事に気づいた。 なにせジェダ自身が姿を見せたのだから。 リリスはインデックスを担ぎ上げ、低空飛行で工場を離れる。 色々あって少々遅れたが、まずはこの場を離れるのが目下の予定だ。 インデックスは素直に担ぎ上げられ、場所を森へと移動する。 適当な巨木の梢に降り立って一息を吐いたところで、インデックスから問いの続きが投げかけられた。 「ねえ、ジェダ当人が姿を見せたって本当なの?」 「うん、そうだよ」 その時インデックスはまだ目覚めていなかった。 だからその姿を見たのはリリスとQ-Beeだけである。 ジェダはQ-Beeを蘇生した後で一撫でして奇妙な放電をさせると、 この場に転がる死体に食欲を覗かせたQ-Beeに『すぐ仕事に戻れ、食料庫に寄っても良い』と言い含めたのだ。 Q-Beeは即座に飛び去った。 それから滞空するリリスに訪ね、銀髪の少女を消し飛ばした大穴に降りていき、何かを拾い上げた。 そうして再び、現れた時と同じように、唐突に姿を消したのだった。 インデックスが目覚めたのはその直後である。 「Q-Beeを復活しに来てたんだと思うな」 とはリリスの予測。 インデックスはそうなのかなあと少し首を傾げていた。 その様子におかしな所はなくて、見るからに平常の状態だった。 やっぱり幾ら何でもおかしい。 リリスは思い切って訊いてみた。 「えーっと、インデックス……だよね。なんか体がおかしいなあとかそういう感じしない?」 「ぽかぽかするんだよ」 あれー、その程度? そう思ったら顔に出たのか、ジト目で見られた。 「それからもやもやーしたりかーってなったり。 ねえ、私に何かの魔術をかけたでしょう、リリス。惚れ薬とかそういうの!」 「うそっ、バレてる!?」 愕然となるリリス。 インデックスはえへんと胸を張り自慢気に語り出した。 「人の好意を求めるのは魔術の中でも一般的なんだよ。 しかも英国は惚れ薬を得意とする魔女達のメッカなんだから、判らないわけが無いんだよ! 現代も流行しているバビロニアのイシュタルの惚れ薬レシピの正しい物なんかはもちろん、 妖精王オベロンの媚薬魔術だってイゾルデの惚れ薬だって私の十万三千冊の魔導書にはバッチリ載っているんだから!」 (なんだかよくわかんないけど失敗したかも) インデックスに自分の体液が効かないとすれば、回復も何も無駄足だ。 せっかく味方に付けて情報を引き出そうと思ったのに、殺さなければならないかもしれない。 という所で、ふと首を傾げる。 なんで気前よくそれを話してくれるんだろうか? 大体どうして逃げないんだろう? リリスとインデックスは殺し合い開幕直後にも戦った、それなり敵対した相手のはずだ。 「ねえインデックス。つまりインデックスにはそういうのが効かなかったり効果を解いたりできるの?」 「………………」 つーっと冷や汗が流れた。 よく考えてみれば、知識はバッチリあると言ったけどそれをどうにか出来るとは言ってない。 「わ、私は十万三千冊の魔導書の毒にだって耐える精神耐性を持っているんだよ!? そそ、そんなもの、別に」 「効いてないの?」 「………………」 少なくとも全く効いていないわけではないらしい。 それから顔が赤くなった。 なんだか恥ずかしげにきりきりと歯噛みして。 「リリスぅーーーーーー!!」 「うわあ!?」 噛み付かれた。 「こ、この、離して!」 最初は攻撃かと思って、慌てて反撃しようと思った。 羽をハサミ状の斧に変えてバッサリ、そうすれば一撃で胴体を両断できただろう。 でも殺してしまうのはやっぱり、勿体無いのだ。 使えると見たインデックスを助けるために回復アイテムすら消費したのだ。 だから力任せに振りほどこうとしたが、これが中々外れない。 妙に噛み付き慣れていた。人間じゃなくて獣じゃないかと思うほどだ。 まるで戦いなれたプロが相手でも尽くワンパンチで殴り倒す腕力相手に噛み付きなれているような──なんだそれ。 痛みは耐えられる範囲だけれど、どうにか振りほどく手段を考えないと。 「くそう、こうなったらっ」 少しでも隙を作らなければならない。ほんのちょっぴりで良いのだ。 傷を付けずにちょっとびっくりさせる、その程度の隙で。 そう考え、思いついて、判断し。 リリスは一枚のカードを引きぬいた。 「小悪魔のウインク!」 「むぐ? ふ……ふみゃああああああああぁっ!?」 現れた小悪魔の幻影がパチリとウインクをした途端、インデックスの全身が衝撃に打ち震えた。 びくびくと震えて床に倒れ伏す。 リリスは予想以上の効果に戸惑いつつも更に二度三度と幻影の小悪魔を呼び出した。 小悪魔が、ウインクした。 「ちょ、ちょっとまっひゃっひあああああああぁあぁあぁあぁっ!!」 その幼い体がおとがいを仰け反らせて痙攣する。 瞳は見開かれ、起き上がろうと突いた腕が力なくかくりと折れてへたり込む。 震える舌が、喉が、甲高い悲鳴を上げている。 小悪魔が、ウインクした。 「ダメ、リリス、それ止め……やっ、ふああぁぁぁあぁっ!!」 瞳孔が開きガクガクと全身が身震いする。 手指は、つま先は、強張り床を掻くばかり。 珠のような肌からはにわかに汗が吹き出して、瞳からは涙が零れ出す。 小悪魔が、ウインクした。 「な、なにこれえっ、痛いんじゃ、ない、のにっ、ひあっ、くっ、ふっぅ、ふやああぁあああぁあっ!!」 びくびくと痙攣する肢体が全身の穴という穴から体液を噴き出した。 顔は涙と涎でぐしゃぐしゃになり、股間からは黄色い染みが広がっている。 それでもろれつの回らない口で止めてと言おうと。 小悪魔が、ウインクした。 「ひゃ……ひりすぅ、とめて、なにか、くる、くる…………ひゃっ、あ、あひいいぃぃぃいいいっ!!」 瞳の焦点が宙に浮く。 全身が力を失いくたりと停まり、口はぱくぱくと言葉無く呼吸を繰り返す。 ただおこりのように全身が震えるその眼前で。 小悪魔が、ウインクした。 「ひあ……あ、あ、あ、うああぁああぁあぁあぁぁっ!!」 まるで水揚げされた魚のようにびちりと撥ねて。 体が手足の指先までピンと張って。 力が、抜けて。 それで反応が無くなった。 荒い息を繰り返すだけで、動かない。 リリスはまじまじとインデックスとカードを交互に見つめた。 もう一度、自分にも試してみた。 小悪魔が、ウインクした。 「ふ……んく…………っ」 ビクビクとこの世のものならざる絶頂感が駆け抜ける。 だけど夢魔であるリリスにとってのそれは、やはり味だけの食事のようなもので。 大気中に住まう者が空気を毒とせず、海中に住まう者が海水を毒としないのと同じように。 「……なんで?」 インデックスに与えたほどのダメージは無くて、さっぱり理解できずに首を傾げた。 それから少し時間が過ぎて。 別の落ち着ける部屋に移り、インデックスの体を拭いて、新しい服を着せて。 起きるやいなやまたもむきーっと歯ぎしりするインデックスを、小悪魔のウインクで脅して制止した。 「噛み付いてきたらまたこれを使うからねっ」 「むぅ~、ずるいんだよ!」 インデックスの顔はなにやら紅潮している。 小声でうう、汚されちゃったんだよとか呟いてもいたが、リリスにはなんの事やらわからなかった。 「というかなんでこれそんなに効くの? 精気を吸う時の感覚だけみたいな物じゃない」 「そ、そそそ、そんなこと乙女の口からは言えないんだよ!」 「うーん?」 首を傾げる。 上手く使えば強力な武器になるのだろうか? イマイチ効果がよく判らなかった。 実験しようにも実戦の中ではリスクが大きすぎるし。 「そ、それより何か話が有るんじゃないの? わざわざ私を生かしたのって用が有るからなんでしょ?」 「ああ、そうだ、それそれ」 リリスは答えようとして。 答える前に問いかけが来た。 「そもそもリリスは何が目的なの? ジェダの言いつけを守って殺し合いに加担しているんじゃないの?」 「え、違うよ」 それは見当違いな推測だ。 リリスは端からジェダの言いつけなんて守っていない。このバトルロワイアルに飛び込んだのだって自分からだ。 リリスには、望みを果たせなくなる以外に死を怖れる理由がない。 リリスはただ、自らの心の奥から湧き上がる欲望に忠実なだけなのだ。 「私はグリーンにもう一度会いたいの。だから優勝を目指してる」 「グリーン? 名簿に名前が有ったんだよ。それがどうして?」 「だって殺されちゃったもの。 だから神体に収められたグリーンの魂とお話するしかないし、それはジェダ様の力が無いと出来ない事だもの」 「神体?」 「そう、ジェダ様の神体。死んだ人達の魂が収められている……って、あれ」 気づけば情報を引き出されてばっかりの気がする。こっちが引き出すはずなのに。 リリスはぷんすか腹を立てようとインデックスを見つめて。 真摯な瞳で、見つめ返された。 「どうして最初から相談してくれないの」 予想外の言葉と共に。 「誰かに会いたい。その願い自体は決して悪い事じゃないんだよ。 どうしてそれを相談せず、こんな……心を弄びみんなの命を奪うやり方をするの!?」 「インデックス?」 その瞳は強く煌めいていた。 きっとそれは、意志の輝きに。 「それはとても、胸が痛いことなんだよ……」 切ないまでの優しさに満ちている。 「インデックスは、グリーンともう一度お話する方法を知っているの?」 「それは……魂がジェダの手の内に有るなら、降霊術の類でも難しいと思うけれど」 「それじゃダメだよ。かもしれないなんてイヤ」 リリスは即答する。 グリーンの事が第一なのだ。それ以外の事は全て、その後だ。 「でもそれじゃリリスはみんなを敵に回しちゃうんだよ! 大切な人にもう一度会いたいって、ただそれだけの為にみんな敵に回して、傷つけて、憎まれて! そんなの悲しすぎるんだよ!」 「ねえ、インデックス」 だから理解さえしない。 「私がみんなに憎まれるのがどうして悲しいの?」 リリスは万人を、いやさありとあらゆる世界の尽くを敵に回したって構わないのだ。 そんな事はリリスにとってどうでもいい。 ただ胸の内の想いだけがなによりも大切で、その為には他の何もかもが要らないのだから。 「私は別にそれでも良いのに」 そんなリリスの想いに。 インデックスは想いのままに応えた。 「だって私はリリスのことが好きだもん」 きっぱりと言い放つ。 「作り物の感情でも、今、私は、リリスが好き。それはほんとうだもん」 それはリリスの体液が予定通り作用している事を意味している。 そして。 「リリスはこの、好きって想いまで利用するの?」 その行為の意味を、意味そのものを、意味している。 「みんなにも好きな人は居るんだよ。そんな想いを踏み躙って行くの!?」 インデックスの中にはリリスへの思慕の念が目覚めていた。 だけどインデックスは自らの想いが叶う事さえも望まなかった。 ただただ好きな人に幸せで居て欲しかった。 誰かを好きだという想いに忠実に生きるなら、好きだという想いを裏切らないでくれる事を望んだのだ。 『はっきり言いましょう。私は、あなたが嫌いです。少なくとも、好きにはなれません』 ふいにリリスの脳裏を、恋で縛り利用しようとしてきたニアの言葉がよぎった。 『それでも『貴方が私のことを好きだと言うから』近くにいることを許しているのです。 私のために働くことを、許しているのです。 あまり調子に乗らないで下さい。 それとも……私の嫌がることを、無理やりに実行してしまいますか? それが貴方の望みですか?』 ニアに付けられた心の古傷が激しい疼痛を訴える。 人を想いで縛り利用するのか。 自分が受けたあの痛みを誰かに押し付けるのか。 あるいは。 あの太っちょの少年にグリーンを殺されたように、誰かの好きな人を殺すのか。 誰かが好きな人を殺すのか。 それはリリスにとって予想だにしない痛みだった。 自分ではない誰かの痛みだ。 そんなモノ、これまで考えた事も無かった。 知らないから気にしないでいられた。 無知だから穢れないでいられた。 誰かを殺す事に、誰かを傷つける事に無頓着で居られた。 だけど今のリリスはそれを“想像”する事ができていた。 グリーンの与えた知恵の果実は、リリスの中で花開いていたから。 だからこそリリスはインデックスの言葉を受け止める。 素直に、心のままに受け止める。 そしてありのままの答えを返した。 「……………………利用しようとした事は謝る。ごめんなさい、インデックス」 「リリス……」 「でもね」 リリスは、続けた。 「私はやっぱり、グリーンに会いたいんだ。誰かを傷つけても。 それに今、ちょっと考えてみたんだけど、この島にいるみんなは、どうせ私を憎んでいるんじゃないかな?」 「そんなこと……」 無い、と言えるはずがなかった。 リリスはジェダの部下なのだ。 自ら殺し合いに参加し、朝方にもニケとエヴァを、インデックスを襲った。 その後だって同じような事を繰り返したのは語るまでも無い。 「私はグリーンに会うよ、インデックス」 「リリス……ダメ、ダメだよ……」 縋るように言葉を紡ぐインデックスに、リリスは、口ずさむように問いかけた。 「ねえ、インデックス。私の体液の効果が切れた後でも、インデックスは私を好きで居てくれるのかな?」 インデックスは答えた。 「きっと。ううん、絶対だよ! リリスがその想いだけを胸に戦う限り、私はリリスを嫌いになれそうにないもの。 さ、さっきみたいなのはもうやめて欲しいんだけどっ。あ、でもたまになら、ううんダメ!」 少し身悶えが入ったが。 「だから」 手を伸ばした。 リリスと握手しようと。 「友達になろうよ、リリス」 手を、伸ばした。 リリスはその手を、掴めなかった。 「ねえインデックス。おねがいだから、最後の二人になる前に、何処かの誰かに殺されてね」 「リリス!」 その言葉を最後に、リリスは飛び去った。 インデックスはその意味を正確に理解していた。 リリスはインデックスを利用するはずだった。 まして殺し合いから降りる気なんて毛頭なかった。 それなのにインデックスを殺す事も利用する事も出来なかった。 ほんの少し言葉を交わした、それだけの相手を胸に留めてしまったのだ。 だからインデックスは叫ぶ。 今さっきほんの少し言葉を交わしただけの、一度は自分達に襲いかかってきた襲撃者に。 ジェダの手下だからではなく、自らの意志で人を殺し続ける事を決めている少女に。 自分を殺せなかった少女に向けて叫んだ。 「友達なんだよ、リリス!!」 想いが急速に高まったわけは、惚れ薬や先程のアレとかアレとかの仕業に違いない。 科学においては吊り橋効果やらストックホルム症候群などと解釈される。 そんな紛い物の友情だ。 インデックスだって、単語は知らなくてもその位は理解できる。 しかしインデックスはありとあらゆる魔導の毒書に耐える強靭な意志によりて思考する。 自らの心の揺れ動きまでもを完璧に記憶した、わずか一年と数ヶ月分の人生と照合する。 リリスの望みがもう一度だけ大切な人と話したい、それだけである事を知り。 ほんの少しの間、言葉を交わし踏み入っただけのインデックスを殺す事も利用する事も出来なかった。 そんな少女と自分がもっと平和な場所で出会えていれば、どうだっただろうか。 インデックスは確信する。 その正解は、この紛い物の解と同じだったはずだと。 だからインデックスは切に願う。 リリスが傷つかないで欲しいと。 その結果として誰かが殺されるのはとてもとてもイヤな事だけれど、それでもやはり死なないで欲しいと願ってしまう。 インデックスはリリスの事を想い、祈った。 それはリリスにとって何の実益にもならない事だろう。 だけどそれでも、飛び去るリリスは胸の内に奇妙な熱を感じていた。 誰かに想われるという、その温もりを感じていた。 たったそれだけの、儚い絆が残された。 【A-2/森/2日目/午前】 【リリス@ヴァンパイアセイヴァー】 [状態]:右足と左腕にレーザー痕。顔に酷い腫れ。全身打撲。(以上全て応急手当済み) 全身に軽度の火傷。額に浅い切り傷。背中に打撲、両手に痺れ 微かな哀しみとすっきりと澄み渡った決意。『考え』る事に目覚めた。 [装備]:首輪×2(グリーンとニアのもの。腕輪のように両腕に通している) [道具]:基本支給品一式×8、(食料一人分-2、飲料水を少し消費)、眠り火×8@落第忍者乱太郎、魔女の媚薬@H×H、 メタちゃん(メタモン)@ポケットモンスターSPECIAL、きせかえカメラ(要30分の充電)@ドラえもん モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL 、小悪魔のウインク@H×H ブラックバレル・レプリカ(13/13)@メルティブラッド(予備弾倉×1、ガマリエル弾×1) 贄殿遮那@灼眼のシャナ、歩く教会の十字架@とある魔術の禁書目録、 時限爆弾@ぱにぽに、エスパー錠とその鍵@絶対可憐チルドレン、じゃんけん札@サザエさん、 ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)、5MeO-DIPT(24mg)、祭具殿にあった武器1~3つ程、祭具殿の鍵、 裂かれたアリサのスリップ(包帯を作った余り)、ビュティの首輪、鉄製の斧@ひぐらしのなく頃に(?) 塩酸の瓶×1本、毒ガスボトル×1個、ボロボロの傘、蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン ソードカトラスの予備弾倉×3(各15発、一つだけ12発)、バット、救急箱、100円ライター エルルゥの薬箱の中身@うたわれるもの(カプマゥの煎薬(残数3)、ネコンの香煙(残数1)、紅皇バチの蜜蝋(残数2)) スペクタルズ×8@テイルズオブシンフォニア、クロウカード『光』『剣』『希望』@CCさくら、 コエカタマリン(残3回分)@ドラえもん、不明支給品1~3 [思考]:利用する筈だったのに…… 第一行動方針:情報が少ない分だけ慎重によく考えて、殺害を続ける 第二行動方針:できれば首輪をはずしたい。外したら制限もなくなるはず。 第三行動方針:ニアのメモをとりにいきたい。 第四行動方針:5MeO-DIPTに興味あり。 基本行動方針:優勝して、グリーンの魂ともう一度語り合う。もう「遊び」に夢中になったりはしない。 [備考]: 荷物の中の『魔女の媚薬@H×H』と『大天使の息吹@H×H』には説明書がついていません。 Q-Beeからジェダに命じられた任務の内容を聞きました。 第二回の放送を聞く余裕はありませんでした。 【インデックス@とある魔術の禁書目録】 [状態]:健康、リリスの唾液と魔女の媚薬を服用(精神耐性により効果は半減) [装備]:水の羽衣(背部が横に大きく裂けている)@ドラゴンクエストⅤ [道具]:なし [服装]:私立聖祥大付属小学校の制服の下に水の羽衣。背中と足にシルクの包帯。 [思考]:リリス……! 第一行動方針:リリスが生き残り願いを叶える為の手段を模索する(殺人等は忌避したまま) 第二行動方針:リリスがみんなと幸せになれる手段を捜す。 第三行動方針:リリスが幸せになれる手段を捜す。 第四行動方針:ヴィータを捜し、説得する。紫穂の行方の手掛かりを探す。エヴァの説得も諦めていない。 名前しか知らないヤムィヤムィが少し気になる。ニケ達と合流する。 第五行動方針:リリスが欲しい。 基本行動方針:リリスの幸せ。誰にも死んで欲しくない。状況を打破するため情報を集め、この空間から脱出する。 [備考]:拾った双葉の型紐が切れたランドセルに荷物まとめて入れています。 インデックス自身のランドセルは壊れているので内容物の質量と大きさを無視できません。 深夜12時の臨時放送と第二回の放送を完全に聞き逃しました。 サクシャノイイワケ 被告答弁書。 いや小悪魔のウインクがもたらすこの世のものならざる絶頂感がアレ的な物とは明記されていないしきっと 性的な物じゃないんだよ多分恐らく少なくとも絵にすると一部ビリビリな上にシースルーだけど服着たままで モザイク一つ入らない健全な絵になるわけだし物理的に実際に何かしたわけじゃないんだし年齢についても リリスは精神年齢幼いけど存在が誕生したのは三百年以上前だしインデックスも外見年齢十四歳前後でも 実年齢不明だし十万三千冊記憶なんて速読でも無茶苦茶掛かるしもしかするとこのお話の登場人物は全て 十八歳以上なんじゃないかなあと思う次第だからほらこう考えれば……せふせふ? ≪286 怨鎖の雷と光の矢 時系列順に読む 000 ?≫ ≪286 怨鎖の雷と光の矢 投下順に読む 287 [[]]≫ ≪286 怨鎖の雷と光の矢 インデックスの登場SSを読む 000 [[]]≫ リリスの登場SSを読む 000 [[]]
https://w.atwiki.jp/doruota/pages/251.html
僕の考えたトレーナー/(水瀬伊織) /. `Y-‐== =‐- ..._ γ⌒Y-‐'' ´  ̄ 二ニ=‐-=ニ>、 r‐=ニゝ イ `ヽ\ ヽ { . ./. 丶ヽ .、 /. У ⌒ヽ .ヽヾ', /. /. i //∠-‐= .\ ヽ ヽヽ '. /. . i ! '//´ `ヾ、 ', .l! l /. l. !∨' \ .l | 从 | .ヽ y′ 、 \ .l l! ハ |! ヽ! \、 丶 ! .| ' l!ヽ | z.._ ヽ l ! / .| . ゝ-l!〃≠ミ、ヽ 、__ Y! .| /. l /⌒ 从 lr' i i`  ̄`ヽ | l .l!. /. 从 、ヽ 弋zソ ,≠=ミ.、 !| .| /. | ヽ._| ir' i i ヾY 、 i | /. j 八 , 弋zツ 〃!ハ 从! /. ノ 人 ヽ /`Y / .// ! /. //⌒ヽ. .\ , 、 /ゝ</ / ' |. /. f⌒/ / \ \ _..イ ./ /. ! / | / (ヽ. ヽ | . ` ー=≦i´ ! ./. / |. /. .(⌒ / / /ヽ ヽニ、 | ! . ./. ./. !.. /. . / / / ` ー- 、! ∨\ j r‐/. / ! |. /. .〈 | ,/ / ) ヽ ∨ \/ ̄ ´ / / | .! '. ヽ! ./ ( .. ∨ ヽ/ /. /`ヽ! .l 【名前】水瀬 伊織(AA出典:『THE IDOLM@STER』より「水瀬 伊織」) 【トレーナーステータス】 指示:A= 卓越した指示力。 育成:B-= 高水準の育成力。懐いているポケモン以外には1ランク下がる 統率:C+= 平均的な統率力。一部のポケモンに懐かれやすい 能力:E(C)= まだ固有ポテンシャルに目覚めていない。 【固有ポテンシャル】 『■■■』… 【手持ちのポケモン】 【ハス太(作品名『這いよれニャル子さん』)】 /\ /\ //⌒\ / ∧\ //゙\ \ / 厶 ‐─//- \ \ |'⌒ /⌒∨⌒¨¨ニ=ヘ /| | \ | | |/ ,′/ | | // | | i i | ヽ |__,/ヽ | | | i| | | i \_| /| i| l ィ⌒ ト | │ | | l ィ⌒| i|\ | |y≠ミV| │ | | | 斗==ミ八 八イト{ しi 犲 ハ| 八| 伐 iト{ しi ∨ V__ソ/厶 | |. i /| | 八乂_ン . │ |∧|. |八|/\|\ ゝ 八| 八 | 八 .\_> , , .イ / ハ |人∨\ ゝ _ イ |_// 〉 乂 |\| ∧≧=- <∨ / /|⌒ヽ { ` | { } _/⌒{ _彡'´ 丿 | | 人 |、 / { 〃´/ }_,, ´ | | | \e|_,,/e___乂{{ _彡'´___ノ{ | 丶| ||┃ ||/ 〃´八 ̄ '⌒ } | | ||┃ |{ {{/ 〉 / | 丿 圦 ロ┃ ロ\ 〃 / |. 〈 / ∧ ┃ {二X.二} ∨ 八 } / ∧. ┃ / ハ 人 } 【名前】ハス太 【タイプ】ひこう/かみなり 【特性】スナイパー… 自分の攻撃が急所に当たると、ダメージが1.5倍ではなく2.25倍になる。 【もちもの】 【技x5:エアスラッシュ、エアロブラスト、10まんボルト、こおりのいぶき、まもる】 こうげき:C ぼうぎょ:D とくこう:A とくぼう:C すばやさ:C 【ポテンシャル】 『エース』… 「ここぞ!」という時、自身の全能力値を強化(1.33倍)し、技が急所に当たりやすくなる。(C+1) 『黄衣の王』… 最後の1体の時、自身の全能力値を強化(1.33)倍する。 最後以外だと半減する。 『後の先』… 相手が自身より先に行動した時、稀に相手より先に行動することが出来る。 『対岩回避』… 敵陣に「岩」ポケモンがいる時、相手の「岩」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対岩耐性』… 敵陣に「岩」ポケモンがいる時、相手の「岩」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対岩迫撃』… 敵陣に岩「」ポケモンがいる時、低確率で自身の技のダメージが2倍になる。 『気合い』… 稀に気合いで相手の攻撃を耐える。残り体力が多いと発動しにくい。 『スラッグアーツ』… 「ここぞ!」という時、自身の「命中」を強化(1.33倍)する。 『キラー』がいると発動しない。 【アルフォンス・エルリック(作品名『鋼の錬金術師』)】 斗-‐∧‐< ./>- / ,__ \ // 〈 .〉 `ヽヽ ハ ___. `ー'´ __ ∧ .r' ‐弋ヒ ン ̄ ̄'弋ぅッ-' } /L -‐ ‐- .__∧ ./ /ヽ -‐ ‐-_/リュ∧ -‐=7_ / i ̄`V^'^'^'^'V´ i i ハ/`¨¨”i゙′ 八 ___ ノ 「`i ̄ ̄. | ヽ / `Y / | |. | / ̄∨ i / ̄ヽ | | 【名前】アルフォンス 【タイプ】はがね/いわ 【特性】ゆうれい… 自身のタイプに「ゴースト」を追加する。 【もちもの】 【技x6:バレットパンチ、げんしのちから、ふきとばし、ステルスロック、のろい、まもる】 こうげき:D ぼうぎょ:A とくこう:E とくぼう:A すばやさ:E- 【ポテンシャル】 『硬化』… 先発で場に出ると、「ぼうぎょ」が上がる。 『鋼鎧の丸薬』… 1/試/自動 「まもる」等の技で相手の技を無効化した時、一番最後に「変化技」による追加行動を得る。 『錬金術』… 1/試/自動 自陣に設置技が有るとき、自陣への「設置技」を無効化する。 『後の先』… 相手が自身より先に行動した時、稀に相手より先に行動することが出来る。 『対地回避』… 敵陣に「地」ポケモンがいる時、相手の「地」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対地耐性』… 敵陣に「地」ポケモンがいる時、相手の「地」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対地追撃』… 敵陣に「地」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『気合い』… 稀に気合いで相手の攻撃を耐える。残り体力が多いと発動しにくい。 『スターター』… 『先発』が発動した時、自身の全能力値を強化(1.05倍)する。 【シャナ(作品名『灼眼のシャナ』)】 /\二二} ____ } } /\__/ _, ´ `¨¨ ヽ、 _// /二二二/ , ´ _ --二-'、 /二二二/// ,.. '´ - 、 `ヽ、 ,'⌒! /二二二/´/ / _,.. } \ } l! /二二二/ , ' / / / ,. ',.イ /| 、 ' , / ノ _,. /二二二/ / / / // イ / / / i|{ . .、 . ,. -―' {-'´ /二二二/ / / / / 圦≧、\ / イ '} |l! ! !',マ{ , - ´ | /二二二/ ' // / イ / んヒ心}ト/' / // / | | |ハ リ ,. ´ , /二二二// / ,/ {/、__之こツ // {_,イ| / l. ! i| / _,. - 、, ヽ、__ノヽ/二二二// /イ/ ////////〉 /´ ィ升}〉/' | /} /} リ ー ´ / i /二二二/、{. | \ヽ、 \////// 込ツ イ |/ / イ / / _,.., ヽ /二二二/ | i! \> 、 \///、 - ` , ' |_/ `ヽ /,イ  ̄`ヽ、___,/二二二/ , | ヽ//`ヽ〉/! /\___,...... イ ! | `ヽ ヽ. /〈\_)\_} Y/二二二/ ,i! \//// 〉{//|///////{ 八 } . {_ノ\__ハ!__r{ /\__/>、___人{ \//{\_/////// / / \ | ! {_L_ \\___,/ \ リ { マ ̄ | ̄! {///// / / / \\_ \_)\〈 \__ノ \ .| j! }//`ヽ{_ / / /\_\___ \ /}| / ̄二ヽ/ _ _∧/////∧ , / /\____,\_ー _,ノ| { {/⌒ヽ \/////〉 / / / / /  ̄ / /\__/ 〉 }/// /. / / // / _/ /| / ////、 / / /' / / 八 / \// `ヽ、. / / / , ¨´ \ / Ⅳ `´\ ヽ. / / / ,.イ \__/ l{ 、 \ / / // ! / \ ヽ 【名前】シャナ 【タイプ】ほのお/ひこう 【特性】もうか… HPが1/3以下の時、『ほのお』タイプの技の威力が1.5倍になる。 【もちもの】 【技x6:せいなるほのお、フレアドライブ、つばめがえし、ちゅうがえり、おにび、まもる】 こうげき:B ぼうぎょ:C とくこう:C+ とくぼう:D すばやさ:C 【ポテンシャル】 『灼眼の剣舞』 1/試 技「つるぎのまい」を繰り出す。 『贄殿遮那』… 相手の『のうりょく』ランクを下げる技や特性の効果を受けない。 『後の先』… 相手が自身より先に行動した時、稀に相手より先に行動することが出来る。 『対電回避』… 敵陣に「電」ポケモンがいる時、相手の「電」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対電耐性』… 敵陣に「電」ポケモンがいる時、相手の「電」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対電迫撃』… 敵陣に「電」ポケモンがいる時、低確率で自身の技のダメージが2倍になる。 『気合い』… 稀に気合いで相手の攻撃を耐える。残り体力が多いと発動しにくい。 【神崎・H・アリア(作品名『緋弾のアリア』)】 / . . . . . . . . . .V ノ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .| . .| . . . . . . . . . . . . . . .', . . .∨} / . . . . . . . . . . . .}¨il . ヽ. /. . . . . . . . . . . . . . . . . . | . .| . . . . . . . . . . . . . . . .', . . . V. / . . . . . . . . . . . ./ . .!. . . ./ . . . . .{. . . . . . . . . . . . . | . ,' . . .| . . . . ', . . . . . . ', . . . .' .,. / . /. . . . . . . . . / . .i .! . . ,' . . . . . .| . . . . .', . . . . ./ / . . . | . .}、 . .', . . . . . .', . . . . . . / . / . . . . . . . . ./{ . . | .', . { . . . . . . | . . .| . ∧ .{', . ./ . . . . .| . 斗'´ } . . . . }! . .| . . . . . . .. / . ' . . . . . . . . ./ V . . . ', | . . . . . . | __ | / | .| ',/, . . . . . |´,ィ汽 .| . . . ,' ./} ! . . . . . . . .. / . . ′ . . . . . . / ∨ . . . | . . . . . . .', . . ト--| .|-‐'、 . . . |〃V 刈 . . . /. .|! . . . . . . . . . / . . . { . . . . . . . / V . . .! . . . . . . . ', . |,x=≠テミ \{', } しリ .{ .| . .,' . . . . . .| . . . .',. . . .. / . . . . .!i . . . . . / .V . . ', . .ト、 . . . .',〈(il . . .ハ / ¨´. | .! / j/} . . . | . . . . .', . . ',.. / . . . . . . !i . . . ./ ヽ . .', .{ ',\ .', ぅ=ソ 丶 八{ | . . | . . . . . .', . .i. / . . . . . . . . ! . . / ≧',!__ j/ .\ ¨¨´ . _ . ./. | . . | . . . . . . .', .| / . / . . . . . . .! / ニ=- .\ ' ィ .j/- .__ | . . | . . . . . . . . .|./ . ./ . . . . . . . . !. / ≧‐―r -‐.. }| . . . | . . . . . . . . .|. . / . . . . . . . . . .', , f^ 、 .〈 .', !|', ./ . . . , . . . . . . . . . | . / . . . . . . . . . .',. ', / \ ', !| } . . . . .′ . . . . . . . .|. ′ . . . . . . . . . ', . ', / \/ ̄ ̄ヽ / .| . . . , . . . . . . . . . . .′ . . . . . . . . . . . / ', . .', /\ \ } / .| . . .′ . . . . . ./ 【名前】アリア 【タイプ】くさ/はがね 【特性】かちき… 相手によって自身の能力が減少(低下)した時、自身の「とくこう」がぐーんと上がる。 【もちもの】 【技x5:リーフブレード、エナジーボール、かえんだん、シャドーボール、ラスターカノン】 こうげき:C ぼうぎょ:D- とくこう:B+ とくぼう:D すばやさ:C 【ポテンシャル】 『エースキラー』… 『エース』に与えるダメージを強化(1.5倍)する。 『緋弾の武術』… 自身のタイプ不一致技の威力を強化(1.33倍)する。 『双剣双銃』… 1/試/自動 『リーフブレード』『エナジーボール』のタイプ一致補正を一度だけ強化(2倍に)する 『後の先』… 相手が自身より先に行動した時、稀に相手より先に行動することが出来る。 『対炎回避』… 敵陣に「炎」ポケモンがいる時、相手の「炎」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対炎耐性』… 敵陣に「炎」ポケモンがいる時、相手の「炎」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対炎追撃』… 敵陣に「炎」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『戦闘続行』… 低確率で相手の技のダメージを自身の行動後に持ち越す。 『チャレンジ』… 敵陣に『エース』がいる時場に出ると、T終了時まで自身の技の優先度を+1する事が出来る。 【月読(作品名『魔法先生ネギま』)】 / / /∥ / | !l .|! | !lヽ、ヽ==ヾ¬七ヾTヾT l|l / / 〈〉 / /l ,l! l!| ! |l レ'ノ゙、 ヽ._ヽ ィ=≠≠≠;xヾ-|| / / /,/,;| l!| ,|!| |レl',、」、_ ヽ ´ {.゚{_} .} `》` || / / 〈〉 /!,'ムl| ハ' |!イ;ィlア;ヾ'' ゝ _,ン, ′ .!| / / / !'ムl'l_,」 '-‐' 'l》7'{.゚(}.} , -‐ 、(///`` '//) l| / / 〈〉 / ムl;' |l||! |≫ゝ-シr'′///ー-//-‐''" .!| / / / └' |l| l! (.l//_,. ヽ || ,. -‐ ''"゙ヾ、〈〉 / .|l| l! |.l`// _,... ----..、 || ( ′ ヽ / |l|'! l! | !. ( ; -r―| ||. ,.ィ/¬ーュ、 \ .|l| | !、 'l.゙、 ヾ、{ .! リ ,/!| 〈´ {、 `゙''ー `'i .|l| '! |l!', l 、 ヽ、 ヾ、 / / |! / `ゞ⌒``'ー‐- ノ' | |l| l |l! ヽ !ヽヽ `i、 / , | /、! }、 i | ,lリ | .|ll! ヽ !. ヾ、 'il `ヽ、 ,/ /ヽ| / /  ̄`'ー / | |l| | .|'l! ヽ 'l ヾ、il il `ーイ}∧!V`′ ,! / { 丿 ! |l| l | ll! ヽ '、 ヾ! il ヾ } l _,.、! / /. マ.ゝ,、_ ,/ | |l| l ! ` \、 r`-、i! ヾ } !/ .l/ , / __ゝ/__!、 ! ´ ヾ x ‐‐-- ヽ.__{ `ヽ、!Y〉' ' }, ',/′ γ´-‐‐-=;;、ヽ、_ '、 / { ,ゝ! l/ _,, i'巛三三三ミ`ヾ、\ \ / ,イ {. { イ- '"/ノ! 【名前】月読 【タイプ】ノーマル/あく 【特性】ぼうだん… たま・爆弾系の技のわざを無効化する 【もちもの】 【技x6:きりさく、つるぎのまい、つじぎり、おいうち、きりばらい、みきり】 こうげき:C ぼうぎょ:D とくこう:D とくぼう:D すばやさ:B 【ポテンシャル】 『戦闘狂の勝鬨』… 相手を倒した時、自身の体力を1/2回復する。 『戦闘狂』… 相手の接触技を受けたとき、自身の「こうげき」を1段階上げる。 『先の先』… 相手が優先度+1以上の技を使用した時、低確率で先に行動する。 『対闘回避』… 敵陣に「闘」ポケモンがいる時、相手の「」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対闘耐性』… 敵陣に「闘」ポケモンがいる時、相手の「」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対闘追撃』… 敵陣に「闘」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『戦闘続行』… 低確率で相手の技のダメージを自身の行動後に持ち越す。 【神楽(作品名『銀魂』)】 / ヽ / / ヽ_ / l l / 、\ / l l / l / / | \ヽ l l l ─ | | / / / .| / | | | |ヽ 0.. l l ─ | | / / /-、| / |/| | l | |||l ......l l ─_| | / / , = ‐、|/ _| /| | | | | ||| ヽ l l /、| | / /ミ/ l t` , -、||//| /丿  ̄\| ヽ| レ / 丶` -' l t //| | / ヽ (| |/  ̄ -'// | レ ヽ| | . , || | __.| |、 ー ノ|.| ノ `||_`丶、 / || _(__  ̄ ̄` ー── '=、 || / ``丶、 __ ー-、_ || / ``' ー- 、 __ `ー-l、 ヽー─ 、 __ `` ー─'''ヽ__ | ``丶、 -‐ ,. -‐ヽ | ',``丶、  ̄ ̄ ̄ ,.. -'', | ', ', ',` ー- ── '' ´ l ヽ '., ', , ', ゚ l | ヽ ', ', .. l | |... ', , .. l ヽ 【名前】神楽 【タイプ】かくとう 【特性】けんかうり… 味方と交代する時、5割で相手を「挑発」状態にする。 【もちもの】 【技x4:かわらわり、スカイアッパー、あびせげり、すてぜりふ】 こうげき:B ぼうぎょ:C とくこう:E とくぼう:C すばやさ:B- 【ポテンシャル】 『エースアシスト』… 場を離れる時、味方『エース』の任意の能力値を上げる。 『夜兎族の連撃』… タイプ一致技を繰り出したとき、稀に一番最後に追加行動を得る。 『先の先』… 相手が優先度+1以上の技を使用した時、低確率で先に行動する。 『対超回避』… 敵陣に「超」ポケモンがいる時、相手の「超」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対超耐性』… 敵陣に「超」ポケモンがいる時、相手の「超」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対超追撃』… 敵陣に「超」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『気合い』… 稀に気合いで相手の攻撃を耐える。残り体力が多いと発動しにくい。 『リターンヒール』… 味方と任意交代する時、中確率で味方の体力を1/4回復する。
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/515.html
CODE GEASS――ZERO REQUIEM ◆.WX8NmkbZ6 ランスロットとサザーランドが燃える。 元より拡散したハドロン砲によって燃えていた一帯は、街灯など無くても昼のように明るかった。 サザーランドの脱出装置は破損していたものの、運良くコックピットの開閉部も爆発の衝撃で外れていた。 そこから自力で脱出し、ジェレミアはKMFから飛び降りる。 ランスロットと交戦するうちに到達したその場所は、遊園地に併設されたホテル。 海にほど近く水平線さえ見渡せる、広い庭と繋がったテラスだった。 左腕を失って重心が変わった事もあり、コックピット程度の高さからの着地も覚束ずよろめいた。 吸い込む空気さえ燃えるようで、体の内と外の熱で額に汗が浮く。 視界が霞み、歪み、揺れる。 意識が途切れそうになる。 しかしまだ終わっていない。 決着はついていない。 背後に聞こえた足音に振り返るとスザクが立っていた。 ジェレミアがそうしたように、スザクもまた自力でコックピットから外へ出ていたのだ。 反応が遅れ、スザクの体当たりを避けられなかった。 ハーケンの直撃で裂けた腹部に焼け付くような痛みが襲う。 「ぐっ……」 膝を着きそうになるが、再度突き上げるような一撃が腹に見舞われた。 血を吐き、熱された地面に這う。 視線を遣れば腹には二つの灰色の金属片が刺さっていた。 MVSの破片だろう、ラクカジャの効果が続いていてもなお攻撃が通ったのはスザクの身体能力故か。 破片の幅は刀よりも広く、傷は背の装甲がなければ貫通していたであろう程深い。 スザクは何ら表情を変えずに、倒れたジェレミアを見下ろしていた。 白兜という仮面を剥がされた少年の目は、文字通り死んでいる。 ジェレミアもロロと遭遇して既に理解している、これがただの動く死体であると。 懐にある昇天石を投げても、この状態ではスザクには避けられてしまうだろう。 僅かな逡巡の間に生身の脇腹を蹴られて体が浮く。 ホテルの内部とテラスとを繋ぐ出入り口、それを支える大理石の柱に衝突して地に伏せた。 衝撃で半身から火花が飛ぶ。 体が重い。 だが腕で傷を押さえ、柱を背の支えにして立ち上がる。 「枢木、私は――」 向かってきたスザクの拳を掌で受け止めて握り込んだ。 だが左腕を失ったジェレミアに出来るのはそこまでで、もう一方の拳は避けられそうになかった。 腹に拳が突き刺さり、体がくの字に折れる。 傷から血が噴き出すも、まだ膝を着かない。 握り込んだ手は放さない。 「昔、君に助けられた事があっただろう……?」 背を折り曲げ、頭を低くして下を向いたまま言う。 スザクの死体に言葉など届くはずはなく、鋭い拳がジェレミアの頬を打った。 火花が散り、顔の左半分を覆っていた仮面が外れて落ちる。 地面と仮面とがぶつかり合う乾いた音。 それでも踏み留まり、顔を上げる。 今度はスザクと顔を突き合わせる、死んだ目を見据える。 「その礼を……伝えておきたかった」 一年前。 純血派の威信が、名誉がと躊躇っていた為に、結局スザクが生きているうちに伝えられなかった。 本当に伝えるべき相手、枢木スザクはもうどこにもいない。 ロロの死体に向けた言葉も、本来はロロの存命中に言うべきだった。 もう誰の耳にも届かない、聞いているのはジェレミア自身のみ。 その当人すら意味を見い出せないのでは自己満足にもならない。 それでも、言わずにはいられなかった。 そしてやはりスザクの死体に変化はなく、続けて殴打されたジェレミアは衝撃で脳が揺れる。 よろめくがスザクの拳は握り込んだままであり、引っ張られたスザクの体も傾いた。 そこでジェレミアは倒れずに一歩踏み出し、それを軸足にしてスザクの腹に蹴りを入れる。 同時に手を離すと、スザクは回転しながら後方に跳んで着地した。 そこから数秒をおいて、同じやり取りが繰り返される。 殴り掛かるスザク。 拳を掌で受け止めるジェレミア。 だが今度は無手ではない。 スザクが殴ったのは、ジェレミアの手の中にあった昇天石だった。 石が光り、その中から現れた夥しい数の護符がスザクを囲む。 「すまない……もっと早く、止めてやりたかった」 スザクを中心に、白い光の柱が立ち昇る。 死体に戻り、炎の中に倒れた少年を見て胸に湧くのは虚無感だけだった。 ジェレミアの不運も大概だったが、スザクのそれと比べれば余りに恵まれていた。 水銀燈に出会えばスザクでなくとも洗脳されていただろうし、彼が初めに奈緒子と出会っていればやはり保護していたはずだ。 スタート地点でジェレミアはほんの少し運が向き、スザクは徹底して向かなかった。 その大きな差が直接、今ある結果に繋がった。 参加者の動向には、ルルーシュの遺体に発砲したと書かれていた。 偽りの想い人を失ったと思い込んだスザクは、どんな思いで親友の存在を拒んだのだろうか。 最期の時、惚れ薬が切れた後に自分を取り戻せたのだろうか。 あるべき姿、侍として逝く事が出来たのだろうか。 皇女ユーフェミアの名と、向き合えたのだろうか。 何一つ分からない。 何も聞けなかった。 何も話せなかった。 看取ってやる事すら出来なかったから。 ほんの十行程の無味乾燥な文章でしか、スザクを知る事は出来なかった。 スザクが進んだ道を思えば、いっそ何も気付かずに死ねた方が幸せだったかも知れない。 それでもジェレミアは過去に、スザクの正しさに救われたのだ。 スザクが憎しみに囚われたまま死ぬのでは、かつての彼の正しささえ否定されているように思えた。 だから最期だけでも狂気から解放されていて欲しかった。 今更何を望もうと、何もかもが遅いとしても。 スザクはこの殺し合いの中でのジェレミアの在り方を、自分のそれよりも『正しい』と、『侍』としてあるべき姿だと感じていた。 大切な人の為に手段を問わないスザクの在り方を『正しい』と思ってしまったジェレミアとは逆だった。 噛み合わない。 そしてそれを互いに伝える事も出来ず、終わった。 虚しい幕切れだった。 背にした柱からずり落ちて、ジェレミアはその場に座り込む。 月は西へ西へと傾き、東の空は既に白み始めていた。 波打ちながらその色を反射する海面は、星のように瞬いて見える。 遠かった朝が近付いていた。 狭間達は無事だろうか、北岡達は彼らと合流出来ただろうか。 研究所は。首輪は。志々雄の動向は。 V.V.は。薔薇水晶は。翠星石は。シャドームーンは。 まだ何も終わっていない。 何の決着もついていない。 だが立ち上がろうにも手足に力が入らなかった。 一歩も動いていないはずなのに、いつからか血溜まりの中に座っていた。 視界の半分――左目が何も映さなくなっているのは殴られた衝撃によるものか。 左半身が絶え間なく発する火花はますます激しくなっている。 喉の奥や舌に纏わり付く鉄の味が不快で血を吐き出したが、口元と服を赤黒く汚すばかりで楽にはならなかった。 辺りの炎が広がっていく。 それまで燃えていなかったものも燃えていく。 ホテルもとうに火に飲まれており、今いる場所も遠からず焼け落ちるだろう。 「……ここまでか」 時間を掛けて漸く事態を飲み込み、呟く。 他人の手の中で踊らされるまま、同じく弄ばれた死体と戯れて。 これではただの犬死だ。 ――貴公の忠節は、まだ終わっていないはず。 窮地に立つ度に命を長らえてきたが、こうなってはそれらが何の為にあったのかも分からない。 ――生きて、ね。 ――私の分も……。 死んでいった者達の為に、元凶に一矢報いる事も。 問い質す事も戦う事も、どころか仲間との合流さえ出来ない。 ――それなら俺は後藤を倒す。最速でな。 失ったもの、諦めたもの、やり残したものばかりが数を重ねていく。 ――危険だと判断したら逃げていい。 ――それで研究所や我々が襲われる可能性があるとしても、とにかく絶対に死ぬな。 死に掛けの身体を引き摺って駆けずり回って血反吐を吐いて。 命を懸けても何も得られなかった。 後には何も残らない。 「結局私は、何も守れはしなかった……ッ」 生き残った者達も、約束も、何もかも投げ出して一人死んでいく。 虚しく、あるのは悔いだけだ。 奈緒子の死以来、アイゼルを失ってもなお流れなかった涙が落ちた気がした。 それも外気の熱に煽られて蒸発し、跡も残さずに消える。 最早足掻く気力すらなくなって、残った右目で舞い散る火の粉を眺めていた。 炎はますます激しく踊り、周囲の景色を舐めるように包んでいく。 燃え盛る草木、崩れる建物、割れる窓ガラス、全ての雑音も既に気にならない。 耳を傾ける事すら億劫で、意識を手放す。 「……」 炎の中、一際強い光に薄く目を開ける。 東の空と海の境界から差し込むその光は、炎よりも明るく柔らかい。 空と海をオレンジ色に染め上げ、扇のように広がって夜の闇を追い払っていく。 風が吹き抜ける。 熱風ばかりが吹き荒んでいたその場所に、少しだけ冷えた空気が流れ込む。 風向きが変わり、炎を震わしてその勢いを弱くする。 その新しい風を舞い込ませたのは、既に見慣れた二人だった。 上空から陽光を遮るように降り立ち駆け寄ってくる姿に、ジェレミアは目を丸くする。 「何故」と言おうとして開いた口は、言葉を紡ぐ事も出来ずにいる。 「何で驚いた顔してるかな……ここまで来て、言われた通りさっさと先に行くってわけにいかないでしょ。 俺一人ならともかくつかさちゃんもいるのに」 「ジェレミアさん、腕……怪我が……!」 騒がしさが強制的に耳朶を打つ。 眩い朝陽を背負った二人。 片膝を着いた北岡が手を差し伸べてくる。 死の間際に見る夢ではないかと、目の前の光景を信じられずにいた。 何故逃げなかったのかと、巻き込まれたらどうするつもりだったのかと言おうとしていた。 だがジェレミアも逆の立場であれば、やはりそこに留まっていただろう。 全員で、帰る為に。 人形のような音を立てて軋む腕を持ち上げ、差し伸べられた手に触れる。 そして首を小さく横に振った。 「……無理だ、北岡。 私はここに残る」 北岡とつかさの表情が固まる。 ジェレミアの手は力なく地に落ちた。 握り返す力も残っていない。 「ちょっと、まさかこの期に及んでまだ死にたいとか、」 「違うッ!!」 絞り出すような声に体から火花が強く飛び散り、ジェレミアの襟に掴み掛かろうとしていた北岡の手が離れる。 北岡は「どう思っていても結果は同じだ」と言うかも知れない。 だがジェレミアはこの場を生き延びる為に戦っていた。 死んでいった者達の分まで生き、守りたかったものを守り、仲間達が帰っていくのを見届ける為に戦っていた。 北岡が差し伸べたこの手を取れない事が、どれだけ口惜しいか。 純血派よりも黒の騎士団よりも付き合いが短く、けれど今まで得たどんな仲間よりも信頼した二人に。 この二人から話を伝え聞くであろう狭間やクーガー達に。 「この結果を望んでいた」などと思われたくはなかった。 左半身の損傷は限界値を超えていた。 右半身も既に手遅れだ。 差し伸べられた手を取る事は出来ない。 それを理解したようで、北岡はうなだれて溜息を吐いた。 北岡がそうして億劫そうに立ち上がろうとするも、悲鳴に引き留められる。 「ぃ、やです……!! だって、……だって皆、で……一緒に、帰るって!! 言って……私……いや……」 つかさはぺたりと座り込んでしまった。 北岡が立ち、つかさの肩を叩いて促しても首を横に振って嫌がった。 つかさも状況を理解出来ていないわけではないのだろう。 彼女の目からは涙がとめどなく落ちていく。 熱で蒸発するのも間に合わず、次から次へと流れていく。 「何か方法は」と途切れ途切れに尋ねる声に、北岡もジェレミアも答えない。 別れを惜しむような間柄でもなかったはずだ。 互いに相手を見れば殺した事を、殺された事を思い出す。 そしてつかさに負い目があるように、ジェレミアにもつかさを見殺しにしようとした負い目がある。 罪悪感を抱えている。 だから極力相手の視界に入らないようにして、けれどいつでも駆け付けられる距離を保って。 視線を合わせる事すら限られ、会話も必要最低限。 そんな相手の為に、今更流す涙もないだろう。 そう思う。 だがつかさがそう思わないであろう事は分かっていた。 それが分からない程の浅い付き合いではなかった。 「もういい」とジェレミアが言っても、つかさはやはり首を横に振る。 赤子のように大声で泣く。 幼子のように駄々をこねる。 「置いて、くなんて……」 「わざわざ、死に顔を見られたいとは思わん。 巻き込まれないうちに、離れたまえ」 守れなかったものの数を数え、悔恨に悔恨を塗り重ねて。 それなのに仇にこうも惜しまれては、毒気を抜かれてしまう。 背負ってきた悔いまで溶かされてしまいそうになる。 もう一度北岡に促され、つかさは服の袖を目に当てたまま立ち上がった。 泣きじゃくり、細い肩も足も頼りなく震えている。 それでもここで我儘を続けて北岡を困らせる真似はしない。 一日前ならばともかく今は、自分のやるべき事を知っているはずだ。 とは言えつかさが自力で立てた事に、ジェレミアはほんの少しだけ安堵した。 「移動ぐらいした方がいいんじゃないの」 「ここで良い。 それより……早く、狭間と合流してやってくれ」 誰よりも優れた頭脳、無二の能力。 そして一人で清濁も責任も全てを負おうとするその背に、自然と自らの主を思い出す。 だからそこに支えとなる者が必要な事も良く知っていた。 北岡とジェレミアのやり取りを余所に、つかさはふらふらと歩を進めてしゃがみ込む。 手にしているのはジェレミアが落とした仮面だった。 「これ……貰って、いいですか」 「……好きにしたまえ」 刀と違って何の役にも立たないだろうが、つかさはそれを大切そうに胸に抱き締めた。 熱風が吹き、もう時間が残されていないと告げている。 一度は収まりかけていたつかさの涙は再び溢れ、仮面の上に落ちた。 つかさが北岡と並ぶようにジェレミアの正面に立つ。 そして深く頭を下げた。 「ずっと……り、がど……ござ、いまし、た……っ」 嗚咽に潰れ、聞き取りにくい声だった。 それを見ていた北岡も、申し訳程度に続ける。 「あんたの事は嫌いだけど、結構助かったよ。 お疲れ、一応ありがとう」 感謝の言葉を口にされて、改めて思い知る。 既に理解して秘めていた事ではあるが、漸く正面から認められた。 本当に感謝するべきなのは。 支えられていたのは、縋っていたのは、依存していたのは――守られていたのは、ジェレミアの方だった。 「誰かを守る」という役目を己に課していなければ、立っている事すら出来なかった。 失ってばかりであっても独りになった事は一度もなく、本当に折れそうな時にいつも仲間がいた。 「感謝、している。 私は……貴公らと出会えた事を、誇りに思う」 ルルーシュと再会し、騎士として新たな人生を歩む事になった時。 それは自分を、世界さえも変えてしまうような瞬間だった。 不安定で何の目標もなかったはずの道が輝いて見えた。 それだけに主の喪失は、世界が壊れる事に等しい。 それでも今まで自暴自棄にならず、諦めもせず、戦い続けて来られた。 仲間がいたからここに辿り着いた。 その感謝を臆面もなく告げる事が出来たのは、ロロに、スザクに、云えなかった言葉があったからだ。 伝えようと思った時にはいつも手遅れだった。 今度こそ、悔いはない。 つかさはまだ泣いていた。 何度も鼻を啜り、幾ら袖で拭っても涙が落ちる。 だが息を止めてしゃくり上げるのを無理矢理抑え、それから大きく息を吸い込む。 そしてつかさは、笑ってみせた。 歪んでいて、不自然で、まだ涙が溢れていて、とても満面の笑みとは言えなかったけれど、笑おうとしていた。 「行ってきます」 いつかに聞いた言葉だった。 その時はジェレミアの方から送り出したのだが。 別れに際してこれを選ぶのは、とてもつかさらしく思えた。 まるで明日にでもまた会えるような、そんな錯覚を起こしてしまいそうになる。 ――申し訳ございませんルルーシュ様。 ――私は、最後まで柊つかさを…… これはきっと主への最後の、そして最大の不忠であろう。 常に険しくしていた眉間の力を僅かに解く。 強ばらせていた頬を少しだけ緩ませ、口の端を微かに持ち上げる。 「ああ、行け」 それなのにどうしてか、後悔は微塵も感じなかった。 【二日目/早朝/G-10 遊園地上空】 【柊つかさ@らき☆すた】 [装備]空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、ブラフマーストラ@真・女神転生if… [支給品]支給品一式×4(水のみ3つ、鉛筆一本と食糧の一部を消費)、確認済み支給品(0~1) 、レシピ『錬金術メモ』、陵桜学園の制服、かがみの下着、 食材@現実(一部使用)、パルトネール@相棒(開封済み)、こなたのスク水@らき☆すた、メタルゲラスの角と爪、 咲世子の煙球×1@コードギアス 反逆のルルーシュ、ジェレミアの確認済み支給品(0~1)、ジェレミアの仮面 [状態]精神的疲労(大)、ダメージ(中) [思考・行動] 0:殺し合いから脱出する。 0:……。 1:錬金術でみんなに協力したい。 2:狭間達と合流する。 [備考] ※錬金術の基本を習得しました。他にも発想と素材次第で何か作れるかもしれません。 ※アイゼルがレシピに何か書き足しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。 ※会場に連れ去られた際の記憶が戻りました。 ※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。 【北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】 [装備]:レイの靴@ガン×ソード、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不可) [所持品]:支給品一式×3(水×2とランタンを消費)、CONTRACTのカード@仮面ライダー龍騎、CONFINE VENTのカード@仮面ライダー龍騎 FNブローニング・ハイパワー@現実(12/13) 、RPG-7(0/1)@ひぐらしのなく頃に、榴弾×1、デルフリンガーの残骸@ゼロの使い魔、 五ェ門の確認済み支給品(0~1)(刀剣類では無い)、昇天石×1@真・女神転生if…、リフュールポット×1、デルフリンガーの残骸@ゼロの使い魔、 贄殿遮那@灼眼のシャナ [状態]ダメージ(中) [思考・行動] 0:殺し合いから脱出する。 0:……。 1:つかさに対する罪悪感。 2:狭間達と合流する。 ※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。 ※病院にて情報交換をしました。 ※レナ、狭間と情報交換をしました。 ※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。 ※会場に連れ去られた際の記憶が戻りました。 【サザーランド純血派機@コードギアス 反逆のルルーシュ】 ブリタニア軍が開発した量産・普及型KMF(ナイトメアフレーム)。 G-9地下のKMF格納庫に収容されていた。 純血派機のシンボルとして機体の頭部のファクトスフィアと両肩が赤く塗装されている。 起動キーはV.V.の手元にあり、バトルロワイアルの進行状況次第で参加者に渡す予定もあった。 型式番号 RPI-13 全高 4.39m 重量 7.48t 装備 スタントンファ、スラッシュハーケン、アサルトライフル 第五世代KMFであり、第四世代のものよりもコクピットの居住性・生存性の他、機動性の向上が図られた。 R2では多くの新型KMFが登場したため旧式となったが、ジェレミアは可翔式やサザーランド・ジークという形で使用し続けている。 V.V.の改造によって、本来この機体に用いられていなかった神経電位接続システムが採用された。 またサクラダイトの使用量を増やし出力増大。 更にエンドレス・イリュージョンのG-ER流体システムが導入され、搭乗者と機体の伝達速度がより速くなっている。 【エクスカリバー@コードギアス 反逆のルルーシュR2】 第九十八代皇帝のナイトオブワン・ビスマルクの専用機ギャラハッドが背中に装備する巨大剣。 皇帝が直々に命名したものである。 元の刀身はギャラハッド自体の全高七メートルすら上回るほど巨大。 収納時の機動力低下を防ぐためか鞘の先端にはランドスピナーが装備されている。 巨大な刀身からはピンク色のエネルギーフィールドが放出されており、天愕覇王荷電粒子重砲でさえも拡散させ払いのけてしまうほどの高威力を誇る。 この場ではサザーランドが扱えるよう約半分のサイズとなった為、出力もそれに合わせて低下した。 ▽ 二人が立ち去ってその背も見えなくなった頃には、炎は再び勢いを取り戻していた。 四方を火に囲まれ、傍らに転がっていた死体は既に火の手に飲まれて人の形を残すばかり。 これならもう志々雄やV.V.に利用される事もないだろう。 状況は何も変わっていない。 むしろ時間の経過によって悪化したと言ってもいい。 それなのに、不思議と気分は晴れやかだった。 「すまん、な……枢木。 私ばかりが、納得のいく結果に……なってしまった」 その代わり最期ぐらいは付き合おうと、小さく付け足す。 北岡に頼んで炎の来ない場所に移る事も出来たが、それではスザクを独りにしてしまう。 生前に何の借りも返せなかった、その分してやれる事はこれしか思い付かなかった。 ナイトオブゼロとナイトオブワン。 ゼロとナイトオブワン。 第九十九代皇帝ルルーシュと、二人の仮面の騎士による世界の変革。 この先、二人に訪れていたはずの未来をジェレミアが知る由もない。 ルルーシュがゼロとして初めて表舞台に立った時、ルルーシュが皇帝として最期を迎える時、そのどちらにも立ち会うはずだった二人。 奇妙な関係にあった二人は、結局敵となったまま終わってしまった。 この結末が残念ではあったが、今はもう諦めがついている。 左半身を蝕んでいた火花は徐々に収まっていき、やがて全体の機能が停止する。 それに併せて急激に意識が鈍り、朝焼けの名残を惜しみながら目を閉じた。 目蓋の裏に届く温かな光。 思い起こすのはいつか見たアリエス宮の夢。 誰もが笑っていられる幸せな世界。 実現し得ないと分かっていても、夢見ずにはいられない。 「ルルーシュ様、マリアンヌ様……」 二人の主はこの姿を見て呆れるだろうか。 それでも―― 「遅ればせながら私も、そちらに――」 葛藤も後悔も置き去りして、静かな眠りにつく。 訪れるはずだった未来にて、1と0の名を冠するはずだった二人の騎士は、炎の中に消えた。 【ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュR2 死亡】 時系列順で読む Back CODE GEASS――BLACK REBELLION Next メギド――断罪の炎――(前編) 投下順で読む Back CODE GEASS――BLACK REBELLION Next メギド――断罪の炎――(前編) 167 CODE GEASS――BLACK REBELLION 北岡秀一 170 ハカナキ者達の宴-Aurora Dream- Ⅱ 柊つかさ ジェレミア・ゴットバルト GAME OVER
https://w.atwiki.jp/talewiki/pages/8970.html
Ver4.93、4.97の詳細 Ver4.93、4.97の詳細 [#qb68dce1] Ver4.93の詳細 [#ceaa138d] Ver.4.93 追加及び変更・修正点 [#u94b4f8a] 新マップ [#j265b595] 新モンスター [#p9c35a03] 新規スキル [#qef8ee95] キャラクターの調整 [#tc20af59] 新規機能 [#y43d9f48] シルバースカルの仕様を一部改善 [#g54bcf4e] 新クエスト [#i5a9c2ad] イベント [#o16eab98] アイテムアートコンテスト [#gc5034a9] 宝箱リニューアル [#ebd04f2d] ビューティーショップ関連 [#u3272f45] アイテムショップイベント [#e951ead3] 新アイテム [#g7eb4fac] その他修正点 [#u6ffef37] Ver4.97の詳細 [#c826e970] イベント [#b2d1846b] キャラクターの調整 [#z7230f8a] 宝箱リニューアル [#n9b9c46b] 新アイテム [#z4b0e90b] 装備アイテム [#m45bd503] アイテムショップのアイテム [#u229ccaa] 修正・変更点 [#g217496f] Ver4.93の詳細 2010/07/28実装 Ver.4.93 追加及び変更・修正点 新マップ ネオテシス2待機室 忘れられた天空の廃都 新モンスター 造魔ジェネラル カーネル キャプテン ワーカー ガード クリーナー マネージャー コック バトラー 新規スキル キュアレイション ディスペル ※キュアレイションとディスペルは シルバースカル専用スキル です キャラクターの調整 1.)イスピンの一部スキルを上方調整しました。 『散花舞』:攻撃力の上昇 『治癒術』:回復量の上昇 『御剣術』:反撃ダメージの上昇 2.)シベリンの一部スキルを上方調整しました。 『バーサーク』:攻撃力の上昇 :移動速度の上昇効果追加 『ハードスキン』:防御効果がすべての攻撃タイプに適用 『投龍』:スキル発動時、一定確率で追加効果(麻痺) 3.)シベリンの突き型ステータスを調整しました。 ・突き型の成長させやすいステータスを [STAB][HACK]から[STAB][DEX]に変更。 新規機能 ワールドマップに新機能 ・検索機能 フィールド、モンスター、NPCを検索することができます。 ※一部のイベントフィールド、モンスターやNPCは検索対象外となります。 ・クエストアイコンの表示 クエストの所在地を示すアイコンが表示されます。 シルバースカルの仕様を一部改善 【改善点】 ・ファイトポイント及び疲労度を実装しました。 『ファイトポイント』 ファイトポイントを消費して報酬を受け取ることができます。 シルバースカルで勝利すると増加し、敗北すると減少します。 保有できるポイントは最大で30,000、最小で-10,000です。 『疲労度』 シルバースカルで対戦すると蓄積する数値です。 疲労度が最大値になると当日はシルバースカルに参加できません。 ・シルバースカル関連クエストを実装しました。 ブルーコーラル王城ソード・ラ・シャペル前にいるNPCトッドより受注できます。 トッドのクエストを完了するとブルーコーラル王城内に進入できるようになります。 ・シルバースカル専用商店を実装しました。 ブルーコーラル王城ソード・ラ・シャペル内にいるNPCより、 ファイトポイントと報酬アイテムを交換することができます。 ・ユリグシリーズを実装しました。 ハイアカン騎士団に伝わる武具ユリグは、ブルーコーラル王城内のNPCより受注できる クエストを進行することで入手できます。 レベル105・165・215の3つのカテゴリに分かれており、60日間の有効期限がついていますが、 装着すると対人戦に有利な特殊効果を発動します。 ・「セカンドプレビューシーズン」を開始しました。 シルバースカルのランキングはシーズン単位で管理されるため、 シーズン終了時に以下の情報はリセットされます。 ・勝率 ・戦績 ・ファイトポイント ・バトル経験値(シーズン用のみ) ※通常のバトル経験値は現在未実装になります。 ※シーズンバトル経験値はゲーム内のPvPウィンドウからは確認できません。 過去のシーズンのランキングはランキングページから閲覧することができるようになります。 今アップデートよりファイトポイントを実装したため、次回シーズンが始まる時は、 新シーズン開始約1週間前にシーズン終了の事前告知を公式サイトに行います。 シーズン終了時にはファイトポイントがリセットされるため、事前告知を確認した後は、 シーズン終了までにファイトポイントを使い切るようにしてください。 新クエスト レベル24 〜 28向けクエスト 慢性疲労ロンダ アルビナの頼み ほか レベル28 〜 35向けクエスト 盗まれたお茶袋 消えた防具 ほか レベル35 〜 42向けクエスト [海の中へ]からの依頼 リカスの追憶箱を探して ほか レベル42 〜 52向けクエスト 自警団のために! 洞窟調査依頼 ほか 【概要】 24レベル〜52レベルまでの育成をサポートするクエストです。 それぞれのレベル帯ごとにクエストの流れを追いながらクエストをクリアしていくと、 報酬としてレベル帯に見合った武器と防具が入手できます。 また、一部のクエストについては、該当レベル帯であれば1日1回進行可能ですので レベル上げの補助になります。 【詳細】 1).レベル24 〜 28向けクエスト カウルのNPCロンダより開始します。 最近疲れが取れないロンダ。料理も美味しく食べられないために困っている。 彼の妻、アルビナも心配顔だ。 困っている彼らを助けてあげよう。 2).レベル28 〜 35向けクエスト ライディアのNPCアビエスより開始します。 最近、アビエスのお店から、お茶袋だけが頻繁に盗まれている…。 犯人は誰だ、そして彼らの意図とは。 3).レベル35 〜 42向けクエスト ナルビクのNPCリカスより開始します。 クエストショップは本日も大盛況。だけどリカスは落し物をして困っている様子。 依頼をこなしながらリカスのお手伝いをしてあげよう。 4).レベル42 〜 52向けクエスト クラドのNPCネロリーより開始します。 クラドの町を守る自警団。 多忙な彼らのお手伝いをして、クラドの町を一緒に守ろう。 【注意点】 一部のクエストでは、報酬が選択式となっています。 クエスト完了を選ぶ前に、報酬を選択するようご注意下さい。 ※NPCネロリーよりクエスト受託可能な「丈夫な装備が必要!」での不具合について クエスト受託、クエスト完了時に確認できるプレビューにて「†ライムのライトアーマー」が プレビューウィンドウ上で、敏捷補正が +3 〜 +33 と表示されますが、 実際の補正は +3 固定となります。 イベント 【実施期間】 7月28日(メンテナンス後)〜8月11日(メンテナンス前) 【概要】 今ナルビクで話題になっている「不思議な種」。 噂によるとこの種はただの種ではないようです・・・。 なんとお宝が生まれるかもしれない不思議な力を秘めた種なのです! そんな貴重な種を植えていてる最中、モンスターに奪われてしまった ドロシー・・・。どうか種を集めてきてドロシーに返してあげて下さい。 お礼として不思議な種が実った果物畑に案内してくれるようですよ! 【進行手順】 1.)ナルビクにいるNPCドロシーから「不思議な種」クエストを受注して下さい。 受注後、モンスターを倒してアイテム「不思議な種」を30個集めて下さい。 ※クエスト開始する際はNPCドロシーを右クリックして「Q」アイコンから クエストを選択して下さい。 2.)集めた不思議な種をNPCドロシーに渡すと、お礼として果物畑MAPに案内してくれます。 ※果物畑MAPには1人から最大でチームメンバー5人まで同時に移動することができます。 3.)果物畑MAP内には大量の果実が配置されているので、制限時間以内に できるだけ多くの果実を破壊して報酬アイテムを入手して下さい。 ※果実を破壊するとアイテムだけでなく、果実モンスターが出現する場合があります。 果実モンスターは各々得意な状態異常攻撃をして進行妨害してきますので注意して下さい。 ※果実モンスターを累計100体倒すと果実イベント限定の称号が入手できます。 さらに一定数の果実モンスターを倒すと、上位版の称号を入手することが可能です。 【報酬アイテム】 †スイカくんヘッド †カブトムシの羽 †カマキリの手袋 加護のインクリスクロール 祝福のインクリスクロール クリムゾンシャープドットカード クリムゾンスラッシュラインカード クリムゾンマジックサークルカード おいしそうな西瓜 おいしそうな桃 おいしそうなメロン 各種ヒールP 各種マナP など 【イベント注意点】 ・イベントは1日無制限で進行可能です。 ・1回イベント進行した場合、5分間の待機時間が発生します。 ・†スイカくんヘッド(無期限)は、1キャラクター1個まで入手可能です。 ・キャラクターよりも極端にレベルの低いモンスターからは不思議な種を入手することはできません。 ・イベント終了後、アイテム「不思議な果実」は削除させていただきます。 ・イベントマップ内へペットを連れていくことはできません。 ・イベントマップ内では一部のアイテム及びスキルを使用することができません。 アイテムアートコンテスト 【実施期間】 1.)イベント開催・応募期間 7月28日(メンテナンス後)〜 8月11日(メンテナンス前) 2.)受賞作品選定期間 8月11日(メンテナンス後)〜 8月18日(メンテナンス前) 3.)受賞作品発表期間 8月18日(メンテナンス後)〜 9月1日(メンテナンス前) 【概要】 様々なアイテムを駆使してアートを作成するアイテムアートコンテストを開催いたします。 クラドにいるNPC「ルディ」からクエストを受注してください。 一人でもチームを組んでも参加が可能です。 アイテムアートコンテストはオリジナル部門とガイドライン部門の2種類があります。 オリジナル部門では、イベントマップに配置されたキャンパスに自由にアートを作成してください。 いつも作っている得意なデザインで作成しても、自分の感性に従って独創的なデザインで 作成してもかまいません。 ガイドライン部門では、イベントマップに描かれたトゥートゥーとゼリッピを自由にアートしてください。 ガイドライン通りに忠実に再現しても、あえて独創的に作っても自由です。 作成したアイテムアートはスクリーンショットで撮影し、特設ページから応募してください。 応募作品の中から抽選でアイテムアートコンテスト限定アバターアイテムやネクソンポイントが当たります。 また、応募者全員にイベント限定称号をプレゼントいたしました。 【報酬】 1.)オリジナル部門 最優秀賞(1名):ローズリボンベレー[銀]1個、ネクソンポイント10000Point 優秀賞 (3名):ローズリボンベレー[銅]1個、ネクソンポイント5000Point GM賞 (7名):ネクソンポイント3000Point ※ローズリボンベレーはアイテムアートコンテスト限定アバターアイテムとなります。 2.)ガイドライン部門 ゼリッピの部 GM賞(7名) :ネクソンポイント1000Point トゥートゥーの部 GM賞(7名) :ネクソンポイント2000Point 3.)応募者全員 :名誉の証(IA) 【注意事項】 ・正式会員の方のみご応募いただけます。 ・応募期間は2010年7月28日〜8月11日(23 59 59)です。 ・アイテムアートを作成する際には、解像度を1024*768に設定してください。 ※オプション設定から変更が可能です。 ・アイテムアートに使用するアイテムに制限はありません。 ・チームでアイテムアートを作成した場合、代表者1名からの応募となります。 ・チーム作成した作品が抽選に当選した場合、報酬は代表者(応募者)1名のみに配布されます。 ・異なる応募者から同一作品の応募があった場合、応募は無効となります。 ・撮影したスクリーンショットは加工せずに応募してください。※加工された作品は無効となります。 ・応募回数に制限はありません。報酬は応募頂いたキャラクターに配布されます。 ・1キャラクター1日1回のみ参加可能となります。 宝箱リニューアル 【宝箱】 宝箱「国士無双」 宝箱「九蓮宝燈」 宝箱「大三元」 宝箱「四喜和」 宝箱「清老頭」 詳細は別途お知らせをご確認下さい。 ビューティーショップ関連 【ビューティーショップとは】 トレンドを取り入れたデザイン性あるスタイルと お客様にご満足いただける髪型を提供する アルミド大陸全土に展開する美容室です。 【髪型】 ・エアリーマッシュ ・フェザーミディ ・ファンキードレッド ・ショートアシメ 【髪型染色】 ・エアリーマッシュ用ヘアカラー5種 ・フェザーミディ用ヘアカラー5種 ・ファンキードレッド用ヘアカラー5種 ・ショートアシメ用ヘアカラー5種 ・各髪型用デザイナーカラー アイテムショップイベント アイテムショップで期間限定販売する「植木鉢」を使用すると進行する アイテムショップイベント「不思議な花を育てよう!」を実施しました。 育てた花を使用すると素敵なアイテムが手に入ります。 【実施期間】 2010年7月28日(水)メンテナンス後 〜 2010年8月4日(水)メンテナンス前 ・7月の種:ヒマワリの種 ・7月の花:派手な花 【イベントの流れ】 1.)ケルティカの銀行にいるNPC「アン」がお花を育てているそうです。 「アン」に雑貨店で購入した「植木鉢用の肥料」「植木鉢用の水」を 届けると、1セットに付き、花の種を1個もらえます。 2.)アイテムショップで「植木鉢」を購入し、 もらった花の種をダブルクリックで、植木鉢に使うとすぐに 素敵な花が手に入ります。 ※「植木鉢」は花の種1個に付き1個必要です。 3.)花をダブルクリックして使用すると、 「†花ブローチ」とランダムなアイテム1種の2つのアイテムが手に入ります。 【ランダムで入手できるアイテムの例】 ・アバター作成キット ・遠隔マジックルーレット利用券 ・ロードインクリスクロール ・加護のインクリスクロール ・祝福のインクリスクロール ・†アルファウイング ※約60種類のアイテムから1つが手に入ります。 4.)「†花ブローチ」はそのまま装備していただけますが、 インベントリに12個持った状態で「アン」に話しかけると 追加のクエストが開始し、12個の「†花ブローチ」と交換で 以下のアイテムを入手することができます。 (すぐに交換されてしまいますので、話しかけるときにはご注意ください。) ・中級好感度キャンディー 3個 ・孵化短縮巻物(3時間) 3個 ・復活P 5% 3個 ・午後のおやつ(ペット用) 3個 【注意事項】 ※過去に実施した「不思議な花を育てよう!」イベントの報酬である花は 使用できますが、種については今回の植木鉢アイテムには 使用することができませんので予めご了承ください。 新アイテム 【一般アイテム】 ・勇士の回復ポーション ・勇士の体力回復ポーション ・初心騎士体験スクロール ・見習い騎士体験スクロール ・熟練騎士体験スクロール ・専門騎士体験スクロール ・女王の騎士体験スクロール ・勇士の紋章 ・ソウルオブナイト ・アキュラシーカード ・ハイアキュラシーカード ・ロードアキュラシーカード ・クリムゾンアキュラシーカード 【装備アイテム】 ・†蒼穹のスティレット ・†蒼穹のクレイモア ・†蒼穹のエストック ・†蒼穹のジェズル ・†蒼穹のランス ・†蒼穹のウィップ ・†蒼穹のリボルバー ・†ユリグダガー ・†ユリグセイバー ・†ユリグソード ・†ユリグブレイド ・†ユリグナイフ ・†ユリグシミター ・†ユリグフェイクソード ・†ユリグスピア ・†ユリグパイク ・†ユリグウィップ ・†ユリグスモールレイピア ・†ユリグフレイル ・†ユリグアックス ・†ユリグスタッフ ・†ユリグロッド ・†ユリグメイス ・†ユリグワンド ・†ユリグピストル ・†ユリグマナピストル ・†ユリグガントレット ・†ユリグブーツ ・†ナステの指輪(序) ・†ナステの指輪(破) ・†ナステの指輪(仁) ・†ナステの指輪(烈) ・†ナステの指輪(極) ・†ロシュのガスマスク ・†憂鬱な金曜日 その他修正点 ・シルバースカル対戦終了時にクライアントが強制終了する問題を修正しました。 ・シルバースカルで強制終了した際、再ログインできなくなる問題を修正しました。 ログイン画面で「接続中」と表示された場合、再ログインすることでログインが可能になります。 上記手順でも改善されない場合、お手数をお掛けしますが不具合報告フォームよりご連絡ください。 ・インクリスクロールが消費されない場合がある問題を修正しました。 ・クエストアイテムを消費せずにクエストが進行する場合がある問題を修正しました。 ・一部のビジュアルイベントで文字化け、キャラクターグラフィック不具合が発生していた点を修正しました。 ・ジョシュアキャラクターにて発生していた、一部のFACE装備の表示不具合を修正しました。 ・ランジエで†羽飾り帽を装備してスキルを使用すると表示がずれる不具合を修正しました。 ・「中級師匠の紋章」のアイテム説明の効果時間が不適切だった点を修正しました。 ・ミラにて、エピソード1チャプター6が開始できない場合がある不具合を修正しました。 ・ジョシュアキャラクターにて発生していた、一部のBACK装備の表示不具合を修正しました。 Ver4.97の詳細 2010/09/15実装 イベント 1.「灼眼のシャナ×テイルズ」タイアップイベント りたーんずを開始しました。 【イベント名】 「灼眼のシャナ×テイルズ」タイアップイベント りたーんず 【イベント期間】 2010年9月15日(水)メンテナンス後 〜 2010年9月29日(水)メンテナンス前 ■イベントその1「メロンパンを取り返せ!」 【イベント概要】 期間中、ナルビクの町にNPCシャナが登場します。 困っている様子のシャナに話を聞いてみましょう。 どうやら、へんなモンスターがシャナの大好きなメロンパンを ぜんぶ持っていってしまったようです。 お腹がすいてやる気が出ないシャナの代わりに、モンスターから メロンパンを取り返してあげましょう。 ステキなプレゼントがきっともらえるはずです。 ※メロンパンの個数によって以下のアイテムと交換できます。 10個 [炎の下級鍛錬]シャナ 10個 [雷の下級鍛錬]シャナ 50個 メガメロンパン 100個 エモーション(ヘカテーたん)(30日有効) 500個 †贄殿遮那 1000個 †みかん箱シャナB 1000個 †りんご箱ヘカテー 3000個 †シャナたん 500個 [NEW]†吉田専用(各キャラクター分、11種類) 1000個 [NEW]†シャナといっしょ ■イベントその2「シャナの鍛錬を受けて特別な称号を手に入れよう!」 【イベント概要】 下記8種類のアイテムを使用するとシャナの鍛錬を受けることができます。 (シャナの鍛錬を受ける=モンスターを倒す) [炎の下級鍛錬]シャナ [炎の中級鍛錬]シャナ [炎の上級鍛錬]シャナ [炎の伝説鍛錬]シャナ [雷の下級鍛錬]シャナ [雷の中級鍛錬]シャナ [雷の上級鍛錬]シャナ [雷の伝説鍛錬]シャナ 鍛錬を受けると特別な名誉の証をシャナがドロップすることがあります。 手に入る称号は下記3種類になります。 炎髪灼眼の討ち手 (えんぱつしゃくがんのうちて) 弔詞の詠み手 (ちょうしのよみて) 万条の仕手 (ばんじょうのして) ■イベントその3「宝箱「炎髪灼眼」期間限定販売!」 宝箱「炎髪灼眼」には「灼眼のシャナ」に関連するアイテムのみ出現します。 【宝箱】 ・宝箱「炎髪灼眼」 1個 200P/30日 ・宝箱「炎髪灼眼」 5個 1000P/30日 ・宝箱「炎髪灼眼」 11個 2000P/30日 ※宝箱「炎髪灼眼」から出現する全アイテム [炎の中級鍛錬]シャナ [炎の上級鍛錬]シャナ [炎の伝説鍛錬]シャナ [雷の中級鍛錬]シャナ [雷の上級鍛錬]シャナ [雷の伝説鍛錬]シャナ コキュートス アズュール エモーション(シャナたん)(30日有効) 箱入りシャナ 箱入りヘカテー †ちっちゃなシャナ †ちっちゃなヘカテー †ヘカテーたん †シャナ変身マント †みかん箱シャナA [NEW]†ちっちゃなヴィルヘルミナ [NEW]†一美といっしょ [NEW]†漂うコキュートス [NEW]†紅蓮の双翼 [NEW]†ヘカテー帽子 [NEW]†ドジっ娘専用 【販売期間】 2010年9月15日(水)メンテナンス後 〜 2010年9月29日(水)メンテナンス前 ■注意事項 ・†漂うコキュートスの装備部位は[REAL EFFECT]です。 ・†漂うコキュートスはマジックルーレットが可能なアイテムです。 ・†吉田専用は11種類(各キャラクター分)の中からランダムで入手できます。 キャラクターの調整 ■ ルシアンの一部スキルを上方調整しました。 『連』 ・攻撃力の上昇 『殺』 ・状態異常「麻痺」になる確率の上昇 『召雷剣』 ・攻撃力の上昇 『ラグランジュ神速剣』 ・クリティカル率の上昇効果を追加 『チャンスガード』 ・スキル発動確率の修正 ■ ボリスの一部スキルを上方調整しました。 『フローズンスレイ』 ・攻撃範囲の上昇 『氷撃斬』 ・攻撃力の上昇 『クラッシュボム』 ・攻撃力の上昇 ・ディレイ時間の短縮 『反』 ・効果持続時間の上昇 『赤い月の盟約』 ・スキル発動時の命中率の上昇 宝箱リニューアル 【宝箱】 宝箱「国士無双」 宝箱「九蓮宝燈」 宝箱「大三元」 宝箱「四喜和」 宝箱「清老頭」 ※詳細は別途お知らせをご確認下さい。 アバター宝箱「百花繚乱」の更新を行いました。 全100種類のアバター装備アイテムから、いずれか1種類が出現します。 各アバター装備アイテムの出現確率は全て同じ(各1%)です。 アバター宝箱「百花繚乱」から出現するアバター装備アイテムには有効期限がありません。 アバター宝箱「百花繚乱」から出現するアイテムは銀行の倉庫に保管が可能です。 ※アバター宝箱「百花繚乱」から出現する今回の目玉アイテム †アリスカチューシャ †狂気の呪縛 †タイガーマント †リボンバンダナ †三度笠 †ナルビカースタイル †安らぎのノクターン †グリーンリボンコサージュ (※新規実装アイテム) †バタフライバンド (※新規実装アイテム) †ワンコのおなか (※新規実装アイテム) †ハンプティ変身マント (※新規実装アイテム) †パンキッシュハット (※新規実装アイテム) 新アイテム 装備アイテム ・†超蝶仮面 ・†鋭い角兜 ・†プラチナエンジェルリング ・†ルシファーの角 ・†古めかしいウィンキー帽子 ・†漆黒のイヤリング ・†わんこ耳 ・†レッドシザーズバンド ・†アジダカハキャップ アイテムショップのアイテム 【マジック・染色】【スクロール】 クラブ経験値スクロール 1個 1000P/30日 ※効果説明 使用すると、7日間、モンスターを倒した際に得られるクラブ経験値が2倍になります。 クラブ員の内、誰か1人が使用すれば効果は全クラブ員に適用されます。 またクラブに所属していない場合は使用できません。 捨てると消滅します。30日経過すると消滅します。 修正・変更点 ・セット効果で付与される補正値が表示するよう変更しました。 ・モンスターの座標がずれて狩りがしづらい問題を修正しました。(※今後も継続して修正作業を行います。) ・オプション「GAME」タブ「ゲーム進行」の項目に「非同期ローディング」の設定を追加しました。 ※プレイ動作が緩慢になる場合は「非同期ローディング」を切り替えて最適な設定にしてください。 ・クラブウィンドウに、現在クラブにかかっている効果がわかる「クラブエフェクト」タブを追加しました。 ・スリーピングショットの睡眠効果が消滅しない不具合を修正しました。 ・スパークボディのダメージ反射の確率と感電効果の発動確率を修正しました。 ・「†ミカエルの聖羽冠」「†アザゼルの闇羽冠」をユーザー商店(露店)に出品できない問題を修正しました。 ・蒼穹シリーズの装備にセット効果を付与しました。 ・ミラで「†ウェディングベール」を装備した際に装備がずれる問題を修正しました。 ・シベリンで「†王様マント」を装備した際に装備がずれる問題を修正しました。 ・「†ノリーのリーヴァアックス」の説明文の文字間違いを修正しました。 ・クラブ倉庫に預けた「龍泉郷特製餌」を取り出せない不具合を修正しました。 ・ネオテシス2ダンジョンで入手可能な称号アイテムをごみ箱で削除できるよう修正しました。 ・販売停止となっていた「キューティーカール」を販売再開しました。 ・「丈夫な装備が必要!」の選択報酬をクエストウィンドウ上でプレビューした際に 「†ライムのライトアーマー」の装備補正が正常値で表示されない問題を修正しました。 ・ネオテシス2進入クエストで使用するクエストアイテム「輝く石」を ごみ箱に捨てられるように変更しました。
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/61.html
第540話:大崩壊/ユートピア(美しい国) 作:◆eUaeu3dols ダナティアの宣言は島中に響きわたった。 それは多くの者達に意思を届け、波紋を広げ、思索を巡らせる。 様々な者達に。 シャナは悩んでいた。 ずっと悩み、迷い、彷徨い、藻掻いていた。 「ダナティア……もう、正しい道なんて判らないよ」 少女は思いつく限りありったけの物を喪っていた。 喪い、奪い、誤って、正しい道さえも見失ってしまった。 大切な優しい、仲間(と言う事も烏滸がましい)セルティの親友を殺した。 それに悔いて殺さなければ良いのだろうか。 だけどシャナが殺さずに見逃した者によって殺されてしまった誰かが居た。 そしてその見逃した者と同じように、ベルガーが殺さなかったシャナは、人を殺した。 殺す事は死を振りまく事なのか。 それとも殺す事は誰かを助ける事なのか。 そんな事にさえ答えを出せず、シャナは彷徨い続ける。 それなのにダナティアは言ったのだ。悔い改めて進めと。 「それじゃわたしは、どっちに進めばいいの……?」 殺さなければいいのか。殺せばいいのか。 当然のように確かだった答えさえもが失われた。 力強いアラストールの声は聞こえず、弱くとも心強い坂井悠二の言葉は手紙だけに遺される。 ベルガーの言葉もシャナを救うには足りなくて、届けられたダナティアの言葉は遅すぎた。 もう正しい道は、判らない。 ……だけど。 どれだけ考えていたかも判らない、長い永い思索の末に。 シャナは唐突に閃いた。 「あの人達はきっと、正しい道を歩んでいる」 ダナティアは。ベルガーは。セルティは。保胤は。 きっと正しい道を進み続けているはずだ。 今もきっと、正しい道を進み続けているはずだ。 だから思いついた。彼らの道を助けようと。 それは独立独歩を尊び何者にも縋らないフレイムヘイズの思考ではなかった。 フレイムヘイズの誇りもまた、少女が失ってしまった物の一つだったのだから。 ただの少女としてのシャナにとって、それは掛け替えのない閃きだった。 「セルティに、謝りに行こう」 ようやくその事を決められた。 そして聞こう。償いの為、前に進む為に自分がどうすれば良いかを聞こう。 その答えを胸に、シャナは前を向いて歩き出した。 その先に見える理想郷の住人達を信じて。 ダナティアの宣言は島中に響きわたった。 それは多くの者達に意思を届け、波紋を広げ、思索を巡らせる。 様々な者達に。 「で、あの放送に対してあたしらが何をするかだけど」 火乃香は未だ船上で、ヘイズとコミクロンを集めて話し合っていた。 「ところでその前に一つ訊きたいんだが」 「何?」 「なんか……さっきより空が明るくなってねえか?」 ヘイズの言うとおり、彼らが船を探索する前より空が明るくなっていた。 少し前まではまだ残っていた雲が吹き消され、星々や月の明かりが差し込んでいるのだ。 更に北東の方、演説の有った方角では地上からの明かりによって空がうっすらと照らされていた。 「ああ、それ? そっか、中に居たからわかんないよね。 それもさっきのあいつらの放送の時。ほんと凄かったんだから。 空に向かって紅い光がびーっと伸びて、どーん。起きた風で雲がぶわわーっと吹き散らされてさ」 微妙に頭の悪そうな表現と共に身振り手振りでそれを表現する。 「ってちょっと待て、確かに轟音はしたが……空の雲を吹き散らしたのか!?」 「むむ、それは興味深いな。もっと話せ」 ヘイズとコミクロンが迫る。 「話せって言われても……多分威嚇か力の誇示だろうとは思うけど、それ以上はあたしにもわかんないよ。 あの辺りがちょっと明るくなったのもそれからかな。高い建物の明かりでも付けたみたいに。 ここからじゃ殆ど点だったけど、あの辺の上空に飛んで姿を見せたおまけ付きで」 「まるで明かりに照らされた舞台だな。くっ、なぜこの天才コミクロン様が居ない場所でそんな派手な事をっ!」 ちょっとズレたベクトルで悔しがるコミクロンを後目にヘイズは考え込む。 今の時点で判った情報から推測できる事はそう多くはないが…… 「…………なんつー無茶苦茶な奴らだ」 「うん、それは間違いないね」 殺し合いの島であれだけ堂々たる演説をし、自らの力を示し、来るなら来いと姿を現した。 それだけを見ると信じがたい暴挙だ。 「だが……」 「うん。それだけじゃないね」 その裏に有るのは自分達の力に対する絶対的自信だけ、ではないような気がする。 殺し合いを否定し仲間を集めるようでいて、高圧的なまでに自らの道を宣言し。 如何なる力にも屈せぬ気高き強さと共に、畏怖を与えるように力を振るう。 所々にある僅かな矛盾に精緻な計算が潜んでいるように感じられるのだ。 「現時点で推測できるケースは大雑把に分けて三つって所か」 ヘイズはまず一本目の指を立てる。 「一つはあのダナティアが実はゲームに乗っていて誘き寄せた奴を皆殺しにする陰謀というケース。 けど、これなら力を誇示する必要は薄いな。油断させて甘い顔で誘き寄せた方が利口だ」 続けて二本目の指を立てる。 「二つ目は本気で仲間を集めてこのゲームに抗するケース。 あの演説の迫力からして、内容が全部嘘とも思いにくい。 素直に信じても外れを引く可能性はそう高くねえ。……もし違ってたら最悪の賭けになるけどな」 そして、三本目の指を立てた。 「三つ目は、一つ目と二つ目の融合。ゲームに抗するのが目的なのは同じ。 ただし“乗った奴を誘き寄せて始末するつもり”ってケースだ。 これは割と有り得る上に、のこのこ出向いたらやばい話だな。 何かの理由で勘違いされて殺されたらシャレにならねぇ」 それで終わり、と思いきやヘイズは五指の全てを広げた。 「あと、現時点で完全に憶測となるケースが幾つか有るな。 演説に別の目的、例えば人を集めて知り合い捜しや誰かへのメッセージが有るとか、 あの目印を置いて離れる事で生き延びるつもりだとかな」 (あの最初の意味の判らない一文も何だか気に掛かるからな) ヘイズは演説の内容を回想する。 『この愚かしいゲームに連れてこられた者達よ』 この一文は言うまでもない。だが次の一文。 (『忌まわしき未知の問い掛けに弄ばれる者達よ』っていうのはどういう意味だ?) 一文目に重ねる形で続けられた謎の第二文。 それは愚かしいゲームという一文目と同じ事を指しているように思えた。 ([愚かしいゲーム=この殺し合い=忌まわしき未知の問い掛け]って事か? ダナティアは一体何を伝えようとしたんだ?) 判らない。結局の所、現時点の材料でこれを考えた所で……。 「まあ、結局推測だが」 「なにそれ」 憶測にしかならない。 ヘイズと火乃香は二人して溜息を吐いた。 あの放送が何を意味するのか、信じて良いのか不味いのか。 熟考を要する判断に思われた。 ――しかしここの天才空気読まない。 「だがなかなかに興味深いな。それでどうする? 天才的には迷わず行ってみる事を勧めるが」 「……あんた、話聞いてた?」 あんまりすぎるコミクロンの発言に火乃香は思わずジト目になる。 この状況、危険かもしれないから慎重に行動しようという結論に行くのが当然である。 コミクロンの提案は一段か二段跳ばしの内容に聞こえる。 だがコミクロンは何を当たり前の事をと言わんばかりに答えた。 「結局、調べに行かないと何も判らんのだろう?」 「「………………」」 沈黙するヘイズと火乃香。 その様子にコミクロンの方が怪訝な顔になる。 「何か変な事でも言ったか?」 「いや、正しい。おまえは全くもって正しいよ」 「そだね。真剣に悩んでも答えは出ないだろうし」 考えるには材料が少なすぎる。それなら調べに行くのは当然の帰結である。 だからといって迷わずにそれを選択するのは単純なのか優れた決断なのか判断に迷う所だ。 「よっし、それじゃ船中で見つけた事を纏めたら出発だね。 あんた達、何か見つけた?」 「ああ、少しはな。後で調べに来た方がいいかもしれねえ」 「フッ、聞いて驚くな! この天才も……似たようなものだが」 そんなこんなで。 三人はその後もしばらく話し合うと、幽霊船を後にした。 目指すは放送の源、煌々と輝くマンションがそびえ立つC-6エリア。 理想郷を示した気高い女の待つ場所へ。 ダナティアの宣言は島中に響きわたった。 それは多くの者達に意思を届け、波紋を広げ、思索を巡らせる。 様々な者達に。 『彼』がダナティアの演説を目にしたのは『女』を取り逃がし苛立っていた時だった。 その『女』はしたたかだった。 『彼』の僅かな油断と哀惜を、ただの口先と怯えた演技だけで長い時間と小さな隙に変換し、 遂には世界の中心である『彼』の目の前から逃げ延びたのだ。 それだけではなく『女』は続く『彼』の追跡を振り切って見せた。 片腕を完全に粉砕しただけだったとはいえ、信じがたい結果だ。 やってくれる。そして赦せない。 世界の中心が、この世界の全てを壊し尽くしてやろうと決めたのだ。 にもかかわらず『女』は『彼』から逃げ延びた。 有り得ない奇跡を起こして見せた。 この世界は有り得ない事ばかりが起こる。 腕の中の、冷たい肉の塊に変じてしまった『彼女』がその極みだ。 何もかもが有り得ない。有り得ない。有り得ない! ……だからその放送も有り得ない事の一つだった。 世界の中心である彼に対して居丈高にルールを命じた『女』。 『女』はまるで自らこそが世界の中心であるかのように振る舞った。 だがそのルールは、『彼』の心を何一つ変えはしない。 『喪った者として告げましょう。奪うな、喪うな、そして過つなと』 ああ、何も奪いはしない。ただ壊すだけだから。 ああ、何も喪いはしない。最早世界の全てを壊しても喪う物は何も無い。 ああ、何も過ちはしないとも。 最早言葉は『彼』の心を変えられない。 『喪われた者達の想いから目を逸らしてはいけません。 彼らはあなたや誰かを赦さないかもしれません。 最早、何も考え想う事は無いかもしれません。 それでも尚、道を見失う事は愚かです』 そう、だからこそ。 『彼女』の無念を晴らすのだ。 騙し討ちで殺された『彼女』を、『彼女』を喪わせたこの世界を。 全て叩き壊して『彼女』の供養にするのだと。 それでも『彼』の心に一瞬だけ、ほんの一抹の疑問は浮かんだ。 『彼女』が生きていたら、『彼女』はそれに喜んでくれただろうか。 『彼』の贈るプレゼントに喜んでくれるだろうか。 (喜ぶに決まっている) そうでなければどうしてこんな事を書き残す。 『彼女』はその無念を『彼』に書いて遺したのだ。 だから『彼』の憎しみは消えず、ただ前に突き進む。 憎悪のままに。憤怒のままに。激情のままに。 裏返ってしまった想いを受け取って過ちの道をひた走る。 (ああ、おまえは運が悪いな、ダナティア) 『彼』、クレア・スタンフィールドは心の中で独り言つ。 (当たり前のことを宣って、俺の癇に障ったんだからな) 破壊の塊と化した男は次の標的を見定めた。 もう何もなくなったこの世界で嘘っぱちの理想郷を謳った女へと。 ダナティアの宣言は島中に響きわたった。 それは多くの者達に意思を届け、波紋を広げ、思索を巡らせる。 様々な者達に。 「……佐山みたいな奴だわ」 風見・千里はダナティアの演説を見て真っ先に彼を連想した。 何処が、というのを上げていけばキリが無い。 むしろ違う所を上げていけば、両手の数で何とか足りる程度で収まりそうだった。 【なるほど、彼女がダナティア皇女か。十叶詠子が語った人柄は間違ってはいないようだね】 子爵はそう綴りながら演説の締めとして上空に浮かび上がった彼女の姿を回想した。 といっても特別見上げていたわけではない。 ここは灯台の頂上であり、ダナティアは上空に浮揚して月明かりの中にその姿を見せた。 更にこの灯台とマンションとの距離はそれほど離れてはいるわけではない。 彼らは島の中でも有数の特等席に座して放送を目撃したのだ。 といってもそれでもダナティアの顔を判別する事すら難しい距離が有ったのだが。 「さて、どうしようか。放っておくには気になりすぎるんだけど、さっきの」 【確かにその通り。あの銃撃の最中でも続けられた演説など感動の大スペクタクルだ! いやはやこの年でハラハラと手に汗を握らされた物だよ】 手も汗も無い子爵だが、風見はわざわざツッコミを入れずにスルーする。 子爵の言葉にはそういった文面が山ほど有るから全てにツッコミを入れてはいられない。 「あの演説、演技だと思う?」 【もしあれが演技だとすればアカデミー賞間違い無しだとも。 もっとも、彼女がアカデミー賞を受けた女優だったとしても矛盾は無いのだがね】 「少なくとも銃撃は本物みたいね。一緒に居た少年らしい声も凄い緊迫感だったし」 【あれも演技という可能性も0ではないが、確かに名優が二人とは考えにくい】 あの臨場感が、あの緊迫感が、高らかに主張している。 この演説は本物だ。私達は本気だ。この言葉は本当の言葉だと。 【少なくともあの演説は生半可な物では無い。 例えあの言葉に嘘や隠し事が有ったとしても、彼女はそれを真実として押し通すのだからね】 「子爵は、彼女を信じるに足ると思ったの?」 【まだそうは言わないとも。しかし評価するに能う人間なのは間違いない。違うかね?】 「……まあ、そうね」 もしも彼女が悪党で演説が全て嘘偽りで有ったとすれば、彼女はただの悪党ではない。 後世に名を残す大悪党だ。 【何にせよ一目会いに行く意味は有るだろう。彼女を見極めねばならない】 「はいはい、やっぱりそうなるのね。じゃあ二人が帰ってくるまで待ちましょ」 EDとBB。出払っている二人を待たなければどうにも動きようがない。 【うむ、彼らも放送を見たら一度帰ってくるはずだ。それ、噂をすれば一人戻ってきた】 重く甲高い金属的な足音が灯台の中に帰ってくる。 ブルーブレイカーが灯台に帰還したのだ。 しかしそれからいつまで待っても、EDが灯台に戻ってくる事は無かった。 ダナティアの宣言は島中に響きわたった。 それは多くの者達に意思を届け、波紋を広げ、思索を巡らせる。 様々な者達に。 「うーん、誰も通らないなぁ」 「そうだねぇ」 魔女を連れたわるい吸血鬼は茂みの中で……ぼーっとしていた。 彼女にとって放送はありがたそうな物では有ったが、特別何か感じる物ではなかった。 ただ、C-6エリアのマンションに人が沢山集まりそうだという判断は出来た。 C-6エリアは5つもマンションが有って地下駐車場で繋がった要塞のような場所だが、 周囲も禁止エリアや自然の要害が散らばりちょっと近づきづらい位置にある。 その限られたルートの一つがここ、南から向かう時に通る道が有るE-8エリアなのだが。 「南の方、人が少ないのかなあ」 大正解。 今この時間、島の南には殆ど人が居なかったのだ。 その人口密度は過疎村にも匹敵せん程である。 残った者もC-6の大集団に会いたくない者やら地下通路を使う者やらばかりで、 必然的にこの道を通る者などまるで居なくなっていたのだ。 今のところの成果と言えば、D-8の道に転がっていた女の子の死体が一つだけ。 気丈そうで割と可愛い娘だったようだが、如何せん頭が半分吹き飛んでいてエグかった。 しかも半日以上放置され、野ざらしで雨に打たれて色々と嫌な感じになっていた。 ちなみにその近くには胴体が雷撃で焼き斬られ泣き別れた少年の遺体も転がっていた。 そっちは眼中にも入らなかったが。 女の子の血だからと少し飲んでみたが、予想通り不味かった。 少しは腹の足しにはなったけれどその程度で、結局の所はそろそろ限界である。 「もうすぐ飲めそうだからって我慢してたんだけど……ねえ、詠子ちゃん」 「なにかなあ、カルンシュタインさん」 平然と返事をする詠子だが、実は少し引いている。 血に飢えた聖は吸血鬼の衝動に呑まれ――というより身を委ねて理性がアッという間に空っぽになる。 事実、聖の瞳は欲望に呑まれてギラギラしだしたし、気のせいか牙もより鋭く尖って見えてきた。 もういつ襲い掛かってきてもおかしくない緊急事態である。 「ちょっぴり荒っぽくなりそうだけど許してね?」 すごく色んな意味で。 「マンションのエリアに近づいてみたら、誰か見つかるんじゃないかなあ?」 「でもあそこ、苦手な人が多そうなんだよね」 「マンションまで行かなければ良いと思うよ、カルンシュタインさん」 血だけのみならず貞操だとか、割と真面目に命の危険も感じた詠子が聖を説得する。 聖もその言葉に一理あるなと考えて。 「じゃあそうしてみようかな。まあ、お腹減った方がごはんは美味しいものね」 もう少しだけ我慢する事にした。 「でもあまり夜更けに物を食べると美容に良くないんだよね。 日が変わる前くらいまでにしようかなあ」 ちなみに現在時刻は10時半を回ったくらい。 制限時間はあと1時間と少し程度である。 端から見ると緊迫感はまるで無いが、詠子の色んな危機はまだ継続中であった。 (楽園から来た魔女、優しい女帝さんは理想郷を築いてくれているかなあ) そこに楽園が有れば次第に人々が集まっているだろう。 この世界を打倒する為に必要な人々は集まっているだろうか。 ……ついでに目の前のわるい吸血鬼の目に止まりそうな女の子は居るだろうか。 色々な命運は、まだ見ぬ理想郷へと託された。 ダナティアの宣言は島中に響きわたった。 多くの者達に意思を届け、波紋を広げ、思索を巡らせた。 そして――様々な者達を呼び集めた。 人々の独立を謳ったユートピアに。 運命の圧政に苦しむディストピアに。 全ては一点に圧縮される。 【C-7/平地/1日目・23 00】 【シャナ】 [状態]:吸血鬼(身体能力向上) [装備]:贄殿遮那/神鉄如意 [道具]:支給品一式(パン6食分・水2000ml) /悠二の血に濡れたメロンパン4個&保存食2食分/濡れていない保存食2食分/眠気覚ましガム /悠二のレポートその2(大雑把な日記形式)/タリスマン [思考]:大集団に縋る形で僅かに持ち直した。前に進みたい。前が判らない。 [備考]:体内に散弾片が残っている。 手術で摘出するまで激しい運動や衝撃で内臓を傷つける危険有り。 ただし吸血鬼の再生能力と相まって高速で再生する。 18時に放送された禁止エリアを覚えていない。 C-8は、禁止エリアではないと思っている。 【G-1/難破船/1日目・22:00】 【戦慄舞闘団】 【ヴァーミリオン・CD・ヘイズ】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:有機コード、デイパック(支給品一式・パン6食分・水1100ml) 船長室で見つけた積み荷の目録 [思考]:様子を見に行く。ただし慎重に。 [備考]:刻印の性能に気付いています。ダナティアの放送を妄信していない。 【火乃香】 [状態]:健康 [装備]:騎士剣・陰 [道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水1400ml) [思考]:様子を見に行く。ただし慎重に。 【コミクロン】 [状態]:右腕が動かない。 [装備]:エドゲイン君 [道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水1000ml) 未完成の刻印解除構成式(頭の中) 刻印解除構成式のメモ数枚 [思考]:様子を見に行く。ただし慎重に。 [備考]:かなりの血で染まった白衣を着ています。 [チーム備考]:火乃香がアンテナになって『物語』を発症しました。 [チーム行動予定]:EDとエンブリオを探している。刻印の情報を集める。 大集団の様子を見に行く。ただし慎重に。 【F-1/海洋遊園地/1日目・21:40】 【クレア・スタンフィールド】 [状態]:健康。激しい怒り [装備]:大型ハンティングナイフx2/シャーネの遺体(横抱きにしている) [道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水2000ml)、コミクロンが残したメモ [思考]:この世界のすべてを破壊し尽くす。/ “ホノカ”と“CD”に対する復讐(似た名称は誤認する可能性あり) シャーネの遺体が朽ちる前に元の世界に帰る。 [備考]:コミクロンが残したメモを、シャーネが書いたものと考えています。 【A-7/灯台/1日目・21:50】 【灯台組】 【ゲルハルト・フォン・バルシュタイン(子爵)】 [状態]:やや疲労/戦闘や行軍が多ければ、朝までにエネルギーが不足する可能性がある [装備]:なし [道具]:なし(荷物はD-8の宿の隣の家に放置) [思考]:アメリアの仲間達に彼女の最期を伝え、形見の品を渡す/祐巳のことが気になる /盟友を護衛する/同盟を結成してこの『ゲーム』を潰す /いろいろ語れて嬉しいが、まだDVDの感想については語り足りない [備考]:祐巳がアメリアを殺したことに気づいていません。 会ったことがない盟友候補者たちをあまり信じてはいません。 【風見・千里】 [状態]:風邪/右足に切り傷/あちこちに打撲/表面上は問題ないが精神的に傷がある恐れあり [装備]:懐中電灯/グロック19(残弾0・予備マガジンなし)/カプセル(ポケットに四錠) /頑丈な腕時計/クロスのペンダント [道具]:懐中電灯以外の支給品一式/缶詰四個/ロープ/救急箱/空のタッパー/弾薬セット [思考]:早く体調を回復させたい/BB・ED・子爵と協力/出雲・佐山・千絵の捜索 /とりあえずシバく対象が欲しい [備考]:濡れた服は、脱いでしぼってから再び着ています。 EDや子爵を敵だとは思っていませんが、仲間だとも思っていません。 【蒼い殺戮者(ブルー・ブレイカー)】 [状態]:精神的にやや不安定/少々の弾痕はあるが、今のところ身体機能に異常はない [装備]:梳牙(くしけずるきば)、エンブリオ [道具]:なし(地図、名簿は記録装置にデータ保存) [思考]:この島で死んだという“しずく”が、己の片翼たる少女だったのか確認したい /風見・ED・子爵と協力/火乃香・パイフウの捜索/ /脱出のために必要な行動は全て行う心積もり 2007/02/10 修正スレ290 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第539話 第540話 第541話 第532話 時系列順 第566話 第517話 十叶詠子 第542話 第538話 ヘイズ 第566話 第538話 火乃香 第566話 第521話 BB 第541話 第559話 クレア 第542話 第521話 子爵 第541話 第517話 佐藤聖 第542話 第521話 風見・千里 第541話 第530話 シャナ 第541話 第509話 コミクロン 第566話
https://w.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/368.html
拝啓、地獄の釜の底から ◆bmPu6a1eDk 「それで、ここはどこなん?」 狭く薄暗い、無機質な部屋の中。しゃべる人形をひとしきりいじくって元気になった私――八神はやては、 アリサちゃんと一緒にいたデバイスに現在位置を聞くことにした。 『どこって、ご存知ないんで?』 「私ら、瞬間移動できる道具でここまで来たんよ。島のどのへんにおるのかもわからへん」 『瞬間移動……空間転移ですか!? そんなほとんど魔法のアイテムまであるとは、驚きですね~』 まあ私には及びませんけどねぇうっふっふ、とデバイスは笑った。微妙にくねくねと動いて見えるのは目の錯覚だろうか。 「それで、ええと、カレイドステッキやったっけ?」 『はいはい。より正確に言うならカレイドステッキに搭載された人工天然精霊・マジカルルビーです。 気軽に親しみと恐懼の念をこめてルビーちゃんとお呼びください』 そんな器用な呼び方できそうにない。 『先ほどの質問の答えですけど、ここはシェルターの入り口です。島のどのあたりかは分かりませんが、 民家がぽつぽつある平原から南に行った所にある四角い大きな建物の中ですよ』 「シェルター? って、あんまり知らんけど確か、」 『はやてさんが考えたのでおおむね合っていると思いますよ。 地震雷火事オヤジ、天災人災大怪獣、ありとあらゆる死亡フラグから命と財産を守ってくれる 厚さン十cmのコンクリートの要塞、いわゆるところのシェルターです』 大怪獣ってなんや、とつっこみかけて止めた。ルビーのいた世界では本当に大怪獣が街中をのそのそ歩いている可能性だってあるのだ。 ランドセルから地図を取り出して条件にあった場所を探す。 ……G-5とH-5にまたがった四角い建物。私とアリサちゃんは割合近い場所にいたらしい。 『そちらにあるのが扉と開閉スイッチです。外からはそう簡単には開けられません。 私達より前に人が入っていたり、ここ以外に入り口がある可能性もありますが、今のところ私の探知には引っかかっていませんねぇ』 とりあえずの安全は確保できた、と言っていいのだろう。 息をついて体の緊張を解く。車椅子に沈みこむと、歪んだフレームが嫌な音をたてた。 『あの~、それであなた方はアリサさんのお知り合いで?』 「うん。こっちの男の子は違うけど私は八神はやてちゅうて、アリサちゃんの友達や」 『なるほどはやてさんですか。お話はアリサさんから伺っております』 そこでぷかりと、疑問符が頭に浮かんできた。 浮かんできた、という表現は我ながら的を射ている。 最初から気になっていたけど、優先事項に押しのけられ意識の底でわだかまっていたもの。 それが『アリサちゃん』というキーワードによって浮かび上がり、陽の目を見たという感じ。 なんにせよ、分からないことがあったら聞けばいい。それに答えられそうな人物がいるなら尚更だ。 「『ところで――』」 二つの声が、 「『(アリサちゃん/はやてさん)は、どうして(ナース/メイド)の格好を?』」 はもった。 ◆ どこか安全なところに行きたい、と彼女は願った。 ◆ 『レンさん……ですか?』 「そや。ルビー、なんか知っとるんか?」 『うーん……巨大化して空から地上にストライクする私の姿が脳裡に』 「なんでや」 『なぜでしょう』 『それは、おそらくアリサさんを襲ったのと同一人物かと』 「そうなん!?」 『名前まで同じなら間違いないでしょう。お強い方でしたね~』 「マスターって、二人以上でもええんやろ? ほんなら私が契約すればアリサちゃんやトマ君の治療も……」 『大変ありがたい提案なのですが、はやてさんはスーパーオトメ力が足りないので契約できませんね~。残念です』 「す、すうぱあおとめりょく??」 アリサちゃんとトマ君が目覚めるのを待つ間、私はルビーと今までのことを話し合っていた。 分かったのは、カレイドステッキは私のいうデバイスとは少し違う存在であること。 その能力によってアリサちゃんがゲームに乗った殺人者からなんとか逃れたこと。 そして、アリサちゃんを襲った殺人者は「レックス」と名乗る少年――私とトマ君を襲った子と同一人物であること。 一通り情報交換が終わり、話題も尽きた頃。 ルビーがマジカル星がどうの80年代アイドルがこうのと言っているのを右から左に聞き流していると、小さな声が耳に入った。 「う……ん」 アリサちゃんだ。包帯だらけの体を丸めて、眠そうに目を擦っている。 「ふぁ……あれ、なんか暗い……ていうかここは……」 『お目覚めですか~?』 「アリサちゃん、目ぇ覚めた?」 「はやて? ん~……ってはやて!? 大丈夫だった!?」 完全に目が覚めたのか、ガバっと身を起こすアリサちゃん。真っ先に私の心配をするのが彼女らしくて、少し笑ってしまう。 「私は大丈夫や。アリサちゃんこそそのケガ、痛まんか?」 「あっ……と、結構痛むわね。我慢できない程じゃないけど、傷口はもっと水で洗わないと」 「消毒もした方がええな」 「そうでもないわよ。消毒って傷を治す為の細胞も殺しちゃうから、逆に治るのを遅れさせることにもなるし。 とにかく水が必要ね。患部が……かなり広いけど、乾燥しないくらいの。 背中の切り傷は縫合したいけど、設備もないし自分じゃできないし……」 すらすらと自分の状態と治療法を説明するアリサちゃん。 ルビーの説明によれば、今のアリサちゃんは本物の医者や看護士と同じくらいの知識と技術を持っているらしい。 少なくとも私が診るよりは的確な判断のはずだ。 ……そうだ。 「アリサちゃん、目が覚めていきなりで悪いんやけど、そこの男の子も診てやってくれへん?」 「男の子……誰?」 「トマ君いうてな、一緒にここまで来たんよ」 私が視線を促した先には、横向きで眠るトマ君の姿。 顔つきは穏やかだが、実はひどいケガをしていないとも限らない。 専門家がいるのなら早めに診察してもらったほうがいいだろう。 小さく寝息をたてるトマ君の顔を見つめて、アリサちゃんはしかしそれ以上近づこうとしない。 「アリサちゃん?」 「……信用、できるの?」 その声は、震えていた。 見れば、アリサちゃんの顔色はこの薄暗がりの中でも分かるくらい――それとも薄暗がりのせいなのか――青白くなっている。 失血のせいだけではないのだろう。 ルビーから聞いた話を思い返さずとも、彼女の痛々しい体を見れば分かる。 アリサちゃんは、私よりももっと直接的に死の危険を感じたのだ。感じさせられたのだ。 だから。 だから、私は。 「大丈夫やで、アリサちゃん」 私は答えた。 「私も何度か危ない目にあってな。 正直何もかもいやになったりもした。 でもな、その度に私を助けてくれる人がそばにいたんよ。 トマ君だって、私を助けてくれた一人や。 だから、押しつけがましいかもしれんけど、 もしアリサちゃんが私のことを信じてくれるなら、同じようにトマ君のことも信じてほしい」 ここには危険な人たちがいっぱいいるけど、助けてくれる人も同じくらい――ううん、きっとそれ以上にいる。 それを伝えることが、レンちゃんの死を無駄にしないためにできることだと、私は信じる。 アリサちゃんはしばらく黙っていたが、やがて何かを飲み込むように喉を動かした。 「ん……。ごめん、ここに来てから最初に会ったのがとんでもない奴だったから、疑り深くなっちゃって」 『あ、その方ですけど、はやてさんにも襲い掛かったようでして』 「本当に!? ケガさせられなかった?」 「うん。それもトマ君が助けてくれたんよ」 それが最後の一押しになったのだろう。 アリサちゃんは「はやてに免じて、その子を一応信用してあげるわ。一応、だからね」とトマ君との同行を承諾し、 『さすがアリサさん! その言葉、スーパーオトメ力が溢れてますよ!』とはやすルビーを踏みつけながらも診察を行ってくれた。 数分後。アリサ先生によるトマ君の診察の結果は、 「さすがに脳や神経の損傷までは分からないけど」 前置きをしたうえで、特に問題は無いとのことだった。 さっきルビーにしたのと同じ話をアリサちゃんにも聞かせた。 なのはちゃんやフェイトちゃんの行方がわからないのを残念がっていたけど、 二人とも――もちろんヴィータも、どこかでピンピンしていると思いたい。 「それで、これからのことなんやけど」 「ちょっと待ってはやて、その前に」 アリサちゃんが私の言葉をさえぎり、さっき踏みつけられた時のまま床に転がっていたカレイドステッキを持ち上げて言った。 「ルビー、私を剣使いの状態に戻しなさい」 『え~』 「え~じゃない!」 『だってアリサさん、まだナースの魅力を十分に引き出せていないじゃないですか。 それにどうせ変身するなら一度着たものでなく新しいコスチュームにしましょうよ』 「私は着せ替え人形じゃないっての! この状態だと刀を持ってられないからいざという時に不便でしょ。 応急処置は終わったんだから、さっさと戻しなさい!」 『せっかく多種多様なコスチュームを用意しておりましたのに~』 心底残念そうに呟くルビー。しかしすぐに気を取り直して、 『でもはやてさんとあわせて和洋メイドコンビというのも悪くないですね~。 わかりました、和風メイドに変身させましょうっ。それではっ』 瞬間、光と風が弾けた。 「な、なんや!?」 眩しさにくらんだ目を細め、腕を風防になんとか光の発生源を見る。 そこに私が見たのは――なんというか、どこか見覚えのあるものだった。 ◆ 金髪にナース服の少女が宙を舞う。 否、ここにはもはや宙も地面も無い。あるのはただ、少女と杖とよくわからないモヤモヤした背景だけである。 少女――アリサは神の啓示を受ける巫女のように目を瞑り、小さな口をわずかに開き、自身を動かす大いなる流れに身を委ねている。 すらりと伸びたアリサの足先が空を打ち、赤い波紋を描かせる。量感豊かに翻る金の髪。 すると、彼女の体を包んでいたナース服が、下着もろとも赤みがかった光の粒子となって飛散した。 白い肌が晒される。傷跡や包帯があったはずだが、なぜだろう。このシーンに限って見当たらない。 波紋をくぐったアリサが両手を広げ、縦横無尽ダイナミックにくるくると回転。 回転は風を生みかつて服だった光の粒子群を巻き込み従え、架空の円盤に降着させる。 そうして造られた光景はまさに絶景、渦状銀河さながらの光のスペクタクル。その中心、全裸のアリサとカレイドステッキが向かい合う。 銀河が糸のようにほどけた。その端緒、先陣を切った粒子がアリサの足先に絡みつき、細い脚を這い登る。 粒は波へ。いつしか粒子の群れは互いに融け合い、滑らかな液体の振る舞いを獲得する。 光の奔流は脚を征服した後も止まらない。二筋の川は少女の下腹で合流、鈍るどころか速度をいや増して螺旋を描きながら氾濫を続ける。 臀部から腰を巡り、臍を覆い隠してさらに胴を一巡、起伏の無い胸をやすやすと乗り越え、両手の指先までが一分の隙もなく埋め尽くされる。 少女が、光に満たされた。 一切の心を乱されることなくアリサは目を閉じたまま、カレイドステッキをそっと、しかし確固として掴み取る。 金属質の閃光。 熱の無い光を寸断し、剣聖の腰から抜かれた刃のごとく顕れたアリサが身に纏うのはもはや光でなく、暗紅色の着物。 その色彩は錆びた血のよう。両の袖がはためく様は幽界の焔のよう。 決して派手でも無ければケレンも無いただの和服が、なぜそんなにも禍々しいのか。 問いに答えぬまま、凶事を隠蔽するかのように純白の割烹着が被さり、肩紐をフリルが彩った。 これで完了か? ――いや、忘れてはならない画竜の睛。 微かに残っていた光の残滓が黒い髪ゴムを構成し、少女の象徴ともいえる小さなツインテールをくくり出す。 さあ、これで舞台に上る準備は整った。 その大きな眼を開き、アリサが今度は足を軸に大回転、最後の詰めと言わんばかりにカレイドステッキをバトンのように振り回し、目を見張るようなポージング。 しかと見よ、今ここに無限の並行世界随一の暗殺剣の使い手、アリサ・バニングスが降誕した。 ◆ 光が収まり、風が凪いだ。 私はきっと、バカみたいに口を開けているんだと思う。 見慣れた薄闇と、いわくいいがたい沈黙の中。 アリサちゃんはゆるゆるとポーズを解き、凛とした顔を上げ、 「なんなのよ今のはーーー!!」 カレイドステッキをぶん投げた。 『いえせっかく観客がいるものですから私、アリサさんに恥をかかせるわけにはいかないとつい張り切ってしまいまして』 「余計な気を回さなくていいっ! 変身する度にあんな事してたら進む話も進まないわよっ!」 『それもそうですね~。わかりました、次の変身シーンは更に気合を入れて演出しましょう! 倍の尺くらいで』 「せめて会話を成立させなさい!! あ、いたたた……」 「ア、アリサちゃん。ケガしとるんやから大声は出さんほうがええよ。 それにルビーももうちょっと真面目にしてくれんと、私怒るで?」 「あ~、ルビーはそのまんまでいいわよ。不真面目でいるうちは安心ってことだから」 「へ?」 意外なところから援護射撃を食らってしまった。 「と、とにかく刀も持てるようになったし、準備完了。これからどうするのか考えましょ」 やっと本筋に戻れた感がある。 「うん、私考えたんやけど、ここってシェルターなんやろ? 災害時に避難する場所なら、医薬品や食料なんかが備えてあるはずや……そうやんな、ルビー?」 『はい、仰るとおり。これほど大規模なものでしたら厨房や医務室まであってもおかしくありません』 「でも、ここに備えられているとは限らないでしょ?」 「うん。でも、探す価値はあると思うんや。上手くいったらアリサちゃんの治療もできるし、 島のどこかでケガをしてかもしれん人達を助ける事ができる」 「そう、ね。まあ、私は賛成。見つかったらめっけもんね」 「せやな。見つかったらめっけもんや。……じゃあ、悪いけどトマ君には起きてもらって、早速地下へ行こか 「そこまでして急ぐことないと思うけど」 「でもアリサちゃん、ケガの治療せなあかんのやろ?」 「まだボトルに水は残ってるし。それに、そんなに待つ必要は無いと思うわよ。さっき診た感じじゃあ……眼球が……呼吸……えっと、あれ?」 『今のアリサさんには説明できませんよ~。医療の知識が無くなっていますから』 「そうなんだ。なんか変な感じ……とにかく、割と早く目を覚ましそうってこと。」 「そか。ほんなら、トマ君が目ぇ覚ますまで待とか」 『そうですね~。トマさんが目を覚ますまで、ですね。うふふふふ』 「なんで笑ってるのよルビー」 『いえいえ、ラッキースケベがどうとかなんてちーっとも思っていませんよ、私は。うふふふふふ』 「? 何言ってるかわからないけど、なんかすごいヤな予感がする……」 そのままアリサちゃんとルビーは口論(ツッコミ漫才?)を始めだした。 こうして見るとこの二人、結構気が合っているのかもしれない。 二人の声を背にして、私は闇の向こうへ――シェルターの地下へ繋がっている廊下の奥へと目を向けた。 ――地震雷火事オヤジ、天災人災大怪獣。 シェルターからの連想なのだろう、ふと、ルビーの言葉を思い出した。 ルビーのいた世界では、本当に大怪獣が街中をのそのそ歩いている可能性だってある。 それなら――この島にも大怪獣という程ではなくとも、危険な生物が生息している可能性もあるのではないか? 想像する。暗く無機質な地下建造物の中、迷い込んできた者たちを襲い死肉を食らう異形の化け物。 まるでホラーものの映画かゲームみたいな筋書きだ。そんなことが起こるとは考えにくい。 でも、考えにくいからといって万が一の可能性を排除するわけにはいかない。 (そうや。化け物はいないにしても、別の入り口からゲームに乗った人間が入ってくる可能性もあるんやし。――私が二人を守らんと) リインフォースやレンちゃんのようなことを繰り返さないためにも。 今度は、私が二人を助ける番だ。 私にそれを成す意志があるのを確かめるように、エプロン越しに懐のカードを固く握った。 ◆ (シェルター……かぁ。どうやら、物がいっぱい貯め込んである所みたいですね) 冷たい床に身を横たえたまま、目を閉じ息を潜めたままトマは考える。 (これなら道具を作る材料や工具もあるかもしれませんよ。いっそ、ここに僕の店を構えてもいいですし) 彼が目を覚ましたのはつい先程。アリサが変身した際の光と風の刺激によるものだ。 既に意識は覚醒。二人の会話も密かに聞き取り、今後の行動方針も決定した。 ……では、なぜはやて達に話しかけることもなく、気絶したふりを続けているのか? (……顔の火照ってるの、戻らないなぁ……) トマは商人である。 アイテムを扱う者としての修行を重ね、自分の店を持ったこともあるし、街づくりを主催した事だってある。 しかし、この状況にあってそんなものは何の役にも立たない。 彼に振り掛かっているものはもっとシンプルで根源的な問題。 社会レベルのステータスでは太刀打ちできない、生物としての構造的な命題。 要するに。 (こんなんじゃ目を合わせることもできませんよ……何か別のことを考えて気を散らさないと……魔法のアイテム……トマの店出店…… ……でも、綺麗だったなぁ……あああ、脳内から消え去れーーーー!!) 彼だって、光と風のさなかで見た女の子の裸を意識せずにはいられない程度には、男の子なのだ。 ◆ 結論から言おう。化け物は、いた。 シェルターは分厚いコンクリートで仕切られた要塞だ。 地震や竜巻といった自然の猛威や核の炎はもちろん、 異端の科学によって生みだされた霧も魔法の雷もここへなら届かない。 ここは、この上もなく「安全なところ」だ。 数百人は納められそうな大空間が、今は薄闇に沈んでいる。 それでも、目をこらせば見えるはずだ。壁に取り付けられたいくつかの無愛想な鉄の扉。 その一つ。その向こう。 配管が複雑に絡み合い、空調設備がやかましく唸り続けている、シェルターの心臓部。機械室。 そこに隠れるようにして。 千メートル先からでも間違うまい。 その体躯は、人間ではありえない。 その色彩は、人間ではありえない。 丸太もしのぐ豪腕は、人にとって凶器以外の何物でもない。 いやらしい程につり上がった口唇は、笑顔が本来威嚇の表現であったという仮説を思い起こさせる。 その巨体から繰り出されるであろう咆哮は、ともすればシェルターをも鳴動させるほどの―― 「くー……くー……」 鳴動させるほどの―― 「やん、ちょっ……北川さん、どこさわってるのよう……」 させる――かもしれないのだった。あるいは。 【H-5/シェルター地上部・入り口内/1日目/真昼】 【八神はやて@魔法少女リリカルなのは】 [状態] 腹部に浅い切り傷 [装備] メイド服(防弾仕様・腹部に裂け目)、車椅子(持ち手やフレームがひしゃげているが動作に問題なし)、カード×4@魔法少女リリカルなのは [道具] 支給品一式(はやてとレン)、自分の服、首領パッチソード@ボボボーボ・ボーボボ、 ヘルメスドライブ@武装錬金(夕方以降まで使用不可)、アビシオン人形@ハズレセット [思考・状況]:私が二人を守らんと……! 第一行動方針:トマが目を覚ますのを待つ。人形をトマに返す。 第二行動方針:シェルターの地下で物資を調達する。 第三行動方針:何かあったらカードを使ってアリサとトマを守る。 第四行動方針:ヘルメスドライブが使用可能になったらなのは、フェイト、ヴィータと合流したい。 第五行動方針:ヘンゼル、イリヤ、レックスを止める。 第六行動方針:脱出手段を練る。 基本行動方針:ゲームからの脱出。 ※闇の書事件の数週間後ほど後から参戦。リインフォースⅡは未完成な時期。 ※首領パッチソードの説明は読んでいません。馬鹿らしくなったので。 【トマ@魔法陣グルグル】 [状態]:健康。別の意味でも健康。 [装備]:麻酔銃(残弾6)@サモンナイト3、アズュール@灼眼のシャナ [道具]:基本支給品、ハズレセット(割り箸鉄砲、便座カバーなど) [思考]:と、とにかく顔が赤いのはまずいですよね…… 第一行動方針:平静を取り戻す。 第二行動方針:他の参加者と情報と物の交換を進める。必要ならその場で道具の作成も行う。 第三行動方針:シェルターを本拠地に店を開けるか確かめる。 第四行動方針:情報と物を集め、『首輪の解除』『島からの脱出』の方法を考える。 第五行動方針:ジュジュの安否が気がかり。 第六行動方針:できれば『首輪』の現物を手に入れたいんだけど……無理かな? 第七行動方針:できれば、トリエラと再び会いたい。それまでは死ぬわけには行かない。 基本行動方針:ニケたちとの合流。及び、全員が脱出できる方法を探す。 ※ハズレセットのうち、豆腐セット、もずくセット、トイレの消臭剤、根性はちまきを使用しました。 割り箸鉄砲の輪ゴムは、まだ残りがあります。 【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのは】 [状態]:全身に軽い火傷(右腕・顔は無事)、左腕から出血(打撲によるもの、軽度)、 背中から出血(切り傷、深い) 上記の怪我は全て応急処置済み [装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ、カレイドステッキ@Fate/stay night [道具]:支給品一式、マシカルアンバーミサイル×7@メルティブラッド [服装]:和風メイド服 [思考]:ルビー、なんでさっきからニヤニヤしてんのよ?いや雰囲気が。 第一行動方針:トマが目を覚ますのを待つ。 第二行動方針:シェルターの地下で物資を調達する。出来れば傷の治療も行う。 基本行動方針:ゲームからの脱出。 ※トマのことは「一応」信用することにしました。 【H-5/シェルター地下部・機械室/1日目/真昼】 【鈴木みか@せんせいのお時間】 [状態] レム睡眠中 [装備] 参號夷腕坊@るろうに剣心、エスパーぼうし@ドラえもん、FNブローニングM1910 [外見] 夷腕坊の操縦席の中にすっぽり収まっている (ので、外見からでは一見して中に人がいるとは分からない) [道具] 支給品一式 [思考]:小林さんもほっぺた引っ張らないでよう。 基本行動方針:殺し合いはしたくないが、どうしたらいいのか具体的には考えてない ※みかは、ベルフラウの説明によりここが「リィンバウム」だと思っています。 ※リィンバウムについての簡単な知識を、ベルフラウから得ました。 同時に、ベルフラウの考察を教えてもらっています。 ≪125 放送中止? 時系列順に読む 127 you-destructiv(前編)≫ ≪125 放送中止? 投下順に読む 127 you-destructiv(前編)≫ ≪114-1 はやてのごとく!~at the doll s theater~(前編) 八神はやての登場SSを読む 145 明暗≫ トマの登場SSを読む ≪114-2 はやてのごとく!~at the doll s theater~(後編) アリサ・バニングスの登場SSを読む ≪099 霧中逃避行 ~Panic Hopper~ 鈴木みかの登場SSを読む
https://w.atwiki.jp/ranobesaikyou/pages/848.html
. 【簡易】大きさ男子学生並、攻撃力防御無視。防御原理付き物理・不思議無効。素早さ銃弾並の近接格闘+浮遊可能。 【作品名】とある魔術の禁書目録 【名前】 一方通行(アクセラレータ) 【属性】人間 一方通行(アクセラレータ) Lv5の超能力者 【攻撃力】 触れるだけで血液や生体電気を逆流させ生物を破裂させる事が可能 殴った時にベクトルを操作して、殴った物の内部を破壊する事が可能 風塊:タメ2~3秒。直径数十mの風の塊の渦を頭上に発生させて相手にぶつける技。 風速120mのこの風は車すら簡単に舞い上がらせ、人間が車に撥ねられる位の衝撃を与える。 プラズマ:空気を圧縮し、摂氏1万度の高電離気体(プラズマ)を発生させる。 自分の頭上100mにプラズマを浮かべ、それを対象にぶつける。 直径20mを越すこの高熱の塊は核シェルターを地下から丸ごと掘り起こす威力を持つ。 十数秒の作成時間が必要。射程数十m。 上記2つの技は風の向きを正確に計算して制御しなくていけないので 風向きを大幅に乱されると使用不能。 (作中では街中にある風力発電のプロペラ×10万の回転で乱された) 【防御力】 あらゆる運動量・熱量・電気量を反射する。(詳しくは特殊能力欄) 中性子や放射線も反射する。核ミサイルが直撃しても傷一つ付かない。 不意打ちで600m先からフルオートの対戦車ライフルで狙撃されても 体表に命中した時点でその弾丸が反射され正確にライフルの銃口に戻って暴発。 真正面からのアサルトライフルの連射も四方八方に弾き、まったく意に介さない。 反射できない周囲の酸素を欠乏させる等の手段は有効。 ただし都市レベルの範囲(数km位)の風を操作できるので密室でなければ大丈夫。 反射は常に体の表面に張っているような状態で寝ている時も発動する。 核ミサイル=数百万度さえ耐えうる(核ミサイルが現実と同程度の威力の場合) 火炎放射などの場合、一つ一つの分子の動きを反射ではなく、纏めて炎として反射する。 ナイフや警棒を持った奴らに襲われたが、攻撃を『反射』した結果襲った相手の手首がボキボキ折れた。 素の耐久力は、一本だけでビルの天井から中腹までを破壊できる翼を 6本同時にくらって吹っ飛ばされても戦闘可能 【素早さ】 超音速で数十m移動可能。その際接近戦で格闘して 自分と同速で突っ込んできた相手と交錯した瞬間に 手傷を負わせる事が可能な反応速度。 足の裏からロケット噴射のように『向き』を操作することで 7mの距離を一瞬で詰めたり、2歩で一気に30Mの距離を詰める。 上記と同様の方法で10m上方に飛び、先を走るスポーツカーを追い越して その前方に着地することも可能。 背中に竜巻を背負うことで空に飛翔することができる。浮遊も自在。 移動速度は風速120mの風を操れるのでそれに依存。 【特殊能力】 あらゆる「向き」(ベクトル)を制御する能力。 デフォルトでは「反射」 この「反射」は無意識の内に行う演算によって生存するのに必要最低限の力 (重力、気圧、酸素、熱量、音波波長など)を算出し、『それ以外を反射』と設定。 そのため意識が無い状態でも常に起動。睡眠中でも能力を維持している。 必要最低限を超える量以外は決して通さず、 相手にそのまま反射するため軍隊でも相手にならない。 (見た事も聞いた事も無い謎エネルギーは全部有害フィルタに入れられて反射されている) これは任意に設定の変更が可能。 (良く聞こえるようにしたり、煩いと感じたら一定以上の音を遮断したり) 生体電流を操り、ある程度体の成長コントロールができる。 例えばマッハ3で攻撃がやってきた場合、反射で跳ね返るスピードもマッハ3である。 物理法則全体を塗り替えてしまう、「この世に存在しない素粒子」 でさえも一方通行のベクトルを解析しなければ通用しなかった 【長所】防御力が高い。 物理系にはほぼ無敵 【短所】弱体化した後の覚醒描写が使えない 【備考】五巻最初の状態で開始 この時は音も反射状態で何も聞こえない 【戦法】相手が見えない→自分毎プラズマで焼き尽くす 相手を補足できる→生物なら触って破裂、それ以外なら殴って内部破壊 31スレ目 22 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/22(金) 14 51 17 ID teaNYtk5 21 フィルタに穴というか最低限通常生活に必要な物は 通さないと真っ暗闇やら息がすえなくなったりするんだから その当たりを分かった上での攻撃だったからだろ。 デフォで「それ以外」に設定されてるのが入ってきたわけじゃない。 27 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 00 48 11 ID WI72gU0V 22 だから「それ以外」って言う設定もあくまで物理法則下限定の話であって、 物理法則に従わない謎ベクトルに対しては通用しない、って話じゃなかった? 本当に (見た事も聞いた事も無い謎エネルギーは全部有害フィルタに入れられて反射されている) ならわざわざ未元物質を含めた物理法則を演算し直す必要はなかったはず。 28 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 01 19 25 ID 0Z7SQOhq それは「見たことも聞いたことも無い謎エネルギーを『操作する』」ためじゃないか? 29 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 02 15 21 ID Dw86KsKe 一方通行の自動反射フィルタの穴を突けたのは 通常透過させているものが未元物質によって変質したもの 上記により知ることが出来た通常透過させている穴を通るように調整した未知の物質 の二種のみで 未調整の未知の物質が反射を無効化した描写は無い 未知の物質であれば調整しなくても反射を無効化できるのならわざわざ解析なんてしないと思うけど ちなみに能動的なベクトル操作による攻撃は未知の物質でも有効みたい 未知の物質云々が出た後に「素材は関係なくベクトル変換能力は全てを粉砕する」とある 30 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 08 46 20 ID OLLWHp9a 完全に 29の言う通りだな。 って言うかその辺は前スレで全部説明されてる。 30スレ目 修正 29スレ目 415 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2007/07/07(土) 21 41 29 ID 34AxgX0T 一方通行再考 死なずの醍醐=ムーンウォーカー>クラーク・ケント>スピノザ>左京良彦 ガベットゲンガー=リヴァル>黒沢祐一>和穂>黒獅子・改 神裂火織>パンドラ>峠昌樹 死なず △ムーン 本体倒せない ○クラーク 反射自滅勝ち ○スピノザ 反射自滅勝ち ○左京 触れない、プラズマ勝ち ○ガベット 反射自滅勝ち ○黒沢 反射自滅勝ち △一穂 再来砂からやり直され分け ×黒獅子 運命切断負け ○神裂 反射自滅勝ち パンドラ ×峠 空間引き裂かれ負け 581 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 19 32 51 ID 815yr1x9 一方通行 考察続き 精神攻撃は効く ベクトルがある攻撃ならなんでも反射扱い ○戌子 まあ勝てる ○塩原鯱人 全力突撃反射勝ち ○~×蘭堂翔太 接触魂吸収を反射できれば勝ち 違うなら負け ×アングルボザ 空間攻撃反射不能 ×フィブリゾ クリスタルの封印が効けば負け 違っても最高分け ×ラギアソーン 接触が効けば負け 違っても最高分け ×アザリー 精神攻撃負け ×~△『竜』 金縛りは効く 木っ端微塵が反射できるかどうかで変わる ○アストラ 反射勝ち ?竜(鼠と竜) 接触精神攻撃を反射出きるかどうか ミイラ男 テンプレがめんどい パス ○ハジ・エルイエ 波動反射して勝ち ○鷹栖絢子 反射できるから勝ち ○スマッシャー 重力も反射できるだろう勝ち ○○メタトロン(機巧天使) サンダルフォン まぁ反射で勝ち ×長門 時空切断なので無理 ○ミーシャ 水翼反射して勝ち ×~△死なずの醍醐 忌み名効くなら負け 違うなら分けだと思う 13スレ目 反射議論 一方通行過去ログ 一方通行過去ログ2 4スレ目 再考 457 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/04(火) 20 52 59 ID yj7myvDk 一方通行より低い位置にいて、一通に勝てそうなキャラ ランドール:グレイテストオリオンはどんな能力持ちの姿にでも変身できる リミット:空気を固定して窒息させられる 剣将:第三炎帝でなんでも燃やせる。少なくても炎で空気ごと焼いて窒息させられる 蘭堂翔太:魂を吸える 程穫:斬像矛は時空間を含めてなんでも斬れる ハジ:停止破壊の視線 両義式:線は超能力にも見えるんで斬れる 天目一個:贄殿遮那が魔術などの特殊能力無効だから斬れる 中村久秀:炎神で何でも燃やせる。少なくても炎で空気ごと焼いて窒息させられる 河東稀人:ドゥベ他が魂を破壊出来る 今在家熾乃:精神や魂を攻撃、破壊出来る 人飼無縁:心停止は体内に発動だけど効くのか? ややグレー 玄霧皐月:ほぼ全能だけど、トロいから間に合うか? ややグレー 四条雄一郎:時空の隙間に放れるけど、トロい。 ややグレー フォルテッシモ、舞衣、ヴァシュマールは一通の上になりそうだし、勝てるんで 一通あんまり勝率良くないな 勝敗表作ったら急降下したりして 458 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/04(火) 20 57 26 ID h+Lw+MOj 「少なくても炎で空気ごと焼いて窒息させられる」っていうのは大都市全域の風を操作しても 間に合わないくらい広範囲の影響力を持ってるの? 466 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/04(火) 21 56 50 ID gPoT6wMo 456 ありゃ、『攻撃自体に影響~』っていうルールが有るのか。 空間ねじ曲げて攻撃返すのと似たようなもんだと思ったが…… それなら作中内容から想像される『水素爆弾』耐久がせいぜいか。 まあ、それ以前に窒息負けが有るけど。 そういや一方通行の11次元反射は有りなのかな。 『学園都市の(公式に知られていた)あらゆる能力者が歯が立たない』 『学園都市でテレポーター能力者は11次元のベクトルを計算した転移攻撃が可能』 という設定を作中で明言されたレベルに含めて良いなら防げるんだが。 関係するのは対ffくらいだろうけど。 459 むむ……よく判らない。 周囲から暴風を招いたり、空気から酸素選り分け呼吸したりしても窒息する? あと、一発くらい自分巻き込みプラズマアタック行けそうだけど……これは避けてすぐ戻るだけか。 457 人飼無縁 他人のだけど、能力で血流を維持した事がある。 心停止が決まったとしても咄嗟にそれで耐えられると思う。 玄霧皐月 初手風弾だろうし一通の勝ちかな。 四条雄一郎 宣言中に動かず風弾で勝ち。 性格からすると動いて自滅しそうだけど性格は関係ないしな(w 467 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/04(火) 22 13 08 ID tY/HpQY5 一方通行の風ってそんなに速度があったか? 致死ダメージすらなかった気がする 482 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 12 21 27 ID wQ7/S5nq 一方通行再考 ○ユラヴィカ 反射勝ち ×ランドール タイムタイムとグレイテストオリオンで負け ×リミット 空気固められて酸欠負け ×葬送曲 反射勝ち ×剣将 空気燃やされ続けて負け 空気もやされてるのでプラズマも撃てないし ○ミーシャ 反射勝ち △変異体 倒せないが負けない ×蘭堂翔太 魂吸収負け ×程穫 泥刻砂と斬像矛で負け ○アクシア 反射勝ち ○神裂火織 反射勝ち ○カイルロッド 反射勝ち ○ハジ 反射勝ちかな? ○ヘルパート 相手の攻撃は効かないしプラズマで倒しきれるだろ ○夢幻 根こそぎ反射勝ち ? プルートゥ 重力は効くのか? ○アリス 反射勝ち 程穫の下じゃね? 483 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 13 49 22 ID S8VG7PyS 482 vsリミット 空気封印は対象の周囲の空気を固定するわけだから、一方通行の体は空気に触れている。 それならその触れている部分のベクトルを操作して息が出来るんじゃないかな。 まぁ問題としてはどちらの能力を優先するのかなんだだけどね。 vs葬送曲 勝ちなら○ね。 vs剣将 第三炎帝の実体の有無が問題だけど、多分勝てない。 実体無しなら相手にダメージを与える手段が無い。(素早さが違いすぎる) 実体ありなら武器反射で相手の手にダメージ、それ以降どう動くかが問題になる。 vs変異体 延々プラズマ撃たれたら厳しくないか? 長期戦考えたら一方通行が勝ちそう。 vsプルートゥ 重力は反射できると作中で明言されてる。 普段は日常生活で必要なもの(重力、気圧、光量、酸素、熱量、音声波長など)を除き反射しており、 もし全て反射すると重力に反発して大気圏外まで飛んでしまうそうだ。 もう一個上でやらないとダメっぽい気がする。 ランドール・蘭堂翔太・程穫は完全に相性の問題だし。 484 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 14 11 08 ID Yj1GH04Z 空気燃やし続ければ勝てるっていきなり見破れちゃうわけ? 486 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 15 31 24 ID wQ7/S5nq △神野 勝てないが負けない ○メタトロン 反射勝ち ?レリック 体当たりを反射したら逆方向に飛んでくのか?どっちにしろ負けはないので有利 ×リスキィ 反射した攻撃は防がれるいつか大気操作能力で負け ×虫生 雷反射して相手に向けるのは無理だから火口へおとされて負け ○国東弾 反射勝ち ?アナピヤ 精神操作咒式しだい ×牟田孝二 かてないのでいつか酸欠負け あまり勝率よくないみたいだよ 488 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 15 58 48 ID GO1iSx3k 486 ?レリック 体当たりを反射したら逆方向に飛んでくのか?どっちにしろ負けはないので有利 以前の考察と同様に、眼力で操られて負けだろ。一方通行に精神支配とかの耐性はない。 489 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 16 02 59 ID Yj1GH04Z 雷反射して相手に向けるのは無理だから 単純な反射じゃなくてベクトル変換だからできるでしょ。 490 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 16 08 37 ID GO1iSx3k 489 デフォルトはそのまま来た方に反射。 ベクトル変換の向きの設定を変える前に落雷は反射されて上空へって意味だろ。 491 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 16 11 07 ID wQ7/S5nq ああ、すまんレリックの眼力忘れてた 492 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 16 24 36 ID NKGUw84Z 486 アナピヤの精神操作は磁気干渉によるものだから反射できる。 さらに上を考察。 ×ミリィ 反射してもダメージにならない、エルブス・サイクロで酸欠になって負け。 ×アスラリエル 暗黒魔術は反射不能、負け ×クルスディア 任意全能(?)には勝てないんじゃない?負け。 ×フィブリゾ クリスタル封印は反射できそうだが、内部破壊は防げないだろう、負け。 △~○黒沢祐一 騎士剣の斬撃を反射で手が逝く。その後逃げるなら△、戦闘継続なら勝ち。 情報解体は対人戦で使うとは思い難いため考慮外。 ×ヘイズ 虚無の領域で負け。 ×天樹錬 空間歪曲は防御不能、負け。 ?四吉 真逆の概念で反射がどうなるかわからない。 ○ヨーカーン 反射で勝ち。 ×三明 固定概念で能力無効化、負け 適当なんで間違いあるかも。まぁそこらへんはどうにかしてちょ。 493 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 16 29 51 ID wQ7/S5nq 一方通行戦績まとめ ××××○××?○×△○×××○○×○××○×○○××○○ ミリィ 神裂火織 どこだろ虫生以下は確定なんだが 494 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 16 55 51 ID GO1iSx3k アクシアって前スレ終盤の考察で 両儀式>天目一個>中村久秀>アクシア>浅上藤乃 ここに移動したはず。 神裂火織>アストラ>カイルロッド>ハジ カイルロッドの魔物の軍団を飲み込む光の柱とか、 ハジの視線の停止破砕は反射できないから ハジ>一方>ヘルパート じゃないか? 495 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 17 21 13 ID Eaq/V4o9 一方通行は順位の付けようがないと思う。 上の方でも勝つのには勝つし、下のほうでも負けるのには負ける。 対戦相手が、一方通行の能力の特性に気づくのがどの時点か分からないし。 馬鹿な奴だと最大の攻撃を反射されて負けるだろうし、賢い人だと上手に弱点つけるかもしれん。 496 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 17 32 55 ID GO1iSx3k 495 ランキング的には他キャラと一緒で連敗した所に置いておけば問題ないと思うが。 497 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 17 58 22 ID Eaq/V4o9 496 それだともっと下の 今在家熾乃=人飼無縁=古猟邦夫>玄霧皐月 の辺りかな、 魔眼とか統一言語とか反射出来ない気がする。 正直、禁書目録の他のキャラ出したほうが良いと思う、読んでないから詳しく知らないけど。 503 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/05(水) 20 28 19 ID 9/REH+Tk 483 vsリミット その場合、一通が作中で「固定化した大気・もしくはそれに類するもの」のベクトルを操作した描写がなければ、リミットの能力が勝ちじゃないかな。 あと憶測だが、大気圧縮はあくまで大気を固化させるものであって、そこに運動エネルギー等は介在しない。つまりベクトルがなくなるのではないかと。 804 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/14(金) 09 06 04 ID Rq1YbaZP 一方通行(アクセラレータ)の場合、ベクトルを計算可能かどうかが問題であって 攻撃の質は関係なさげ。 防いだ攻撃 ・数km先からの対戦車ライフルによる狙撃 (「反射」で銃弾が正確に跳ね返り銃身に銃弾が飛び込み銃身破壊) ・次世代兵器いっぱい (詳細不明。現代+αの技術力の学園都市で開発されてる、対能力者兵器) ・超能力いっぱい (詳細不明。集団で闇討ちしようとした超能力者、暴走した超能力者を制裁する超能力者部隊、 いずれも通用せず) 防げる攻撃 (防げると作中描写で明言され、実行描写は伴ってないもの) ・どんな攻撃でも ・核兵器 ・学園都市230万人の能力全て (誰一人アクセラレータには勝てない、学園都市最強、との記述) ・その他全人類が死滅する攻撃でも (その結果アクセラレータ一人が生き残っても、コンビニもファミレスもない 焦土で原始人生活になるだけなので勝つ意味がない。 だからアクセラレータは全てを滅ぼせるけど意味がないのでやらない。 これは「実際に世界を滅ぼせる力を持つ人間」だからこその悩みだと 本文で解説されてる) 防げなかった攻撃 ・上条当麻の「右手」 「それが異能の力なら、神の奇跡(システム)だって破壊してみせる」が謳い文句の右手。 触れるだけで絶対防御(法王級)を破壊し、魔術を無効化し、超能力を無効化する。 地球規模で、全人類と天体制御できるガブリエルをも巻き込んで強制発動した魔術も 上条にだけは右手で効果が消されて影響ナッシング。 致死因子無効、擬似全能にも対抗。 味方によるテレポートも治癒能力も無効。 超能力のひとつと思われていたが、最新刊で超能力ではない未知の何かだと判明。 805 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/14(金) 09 33 00 ID Rq1YbaZP 演算可能 核兵器を含むあらゆる攻撃・あらゆる能力の「反射」。(上条の右手は例外。原理不明) ベクトルを計算できれば何でも操れる。 都市規模の大気を自由に操作してプラズマ生成可能。 (妨害が無し~一回限りなら) ギリギリ可能 人間一人の生体情報を直接読み取り、それを本来あるべきデータと比較照合して、 異なる部分を上書きして正常に戻す。 全情報を読み取り比較して正確に異常個所を上書きする、この全作業を数分で終わら せたときは、全演算能力をこれに注いでいたので銃弾でさえ反射できなかった。 ここから演算速度・処理能力が算出できるかも。 なおこのシーンは、助けたい人を助けるために拳銃で狙われていることを覚悟で全力を データ上書きに注いでいたシーンであって、通常は攻撃を自動反射するくらいの余力は 常に残している。 演算不可 電撃使い一万人に、都市内の風力発電用風車10万を、アクセラレータの演算を妨害するよう リアルタイムに都市中の風速を滅茶苦茶に乱されたときは、ベクトル演算が追いつかずに 風のコントロールを失い、生成していたプラズマが霧散した。 806 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/10/14(金) 11 28 18 ID Wybmdtbo 804 805 一方さんは伊東谷とかホワイトライアットとかと一緒で 勝率が相性に左右され過ぎるから魔法の類を反射するまで待ちって話だったが突然どうした・・・ 今再考するとしても皐月とアウレオルス、河東稀人、今在家熾乃、四条雄一郎、 中村久秀、天目一個、アクシア、式には負けるから上に相当連勝しなきゃならん。 これより下だとエミリアにも切断の魔力で負けるか。 1スレ目 参戦
https://w.atwiki.jp/jojosyana/pages/45.html
成田新東京国際空港。 巨大な機体の轟音が何度も交錯する。 そのロビーで清楚な服装に身を包んだ壮年の淑女が大きく手を挙げた。 「ここよ!パパ!」 その声に初老の男性が振り向く。 しかし体格は老齢のそれではなく、見上げるほどの長身に加え、全身ははち切れそうな筋肉で覆われていた。 服装もまるで冒険家を想わせるワイルドなスタイルである。 「ホリィ!おいどけ!」 偶然二人の間に入ったスーツ姿の男に肘鉄をくらわせ、男性はホリィと呼んだ女性に駆け寄る。 「パパァ!」 淑女はまるで少女のように父親であるその男性に抱きついた。 しばし、周囲の目など気にせず、子供のようにはしゃぎながら親子の再会を喜びあった後、 淑女は唐突に顔を曇らせた。 「カバン、持つわ。」 先程の(劇的とも言える)再会に罪悪感を抱いているように、淑女は端的に言葉を伝え、足早にその場を去ろうとする。 「ところでホリィ、承太郎の事じゃが、たしかに「悪霊」と言ったのか?」 「承太郎」その名にホリィの足が止まる。張りつめた氷が溶けるように、 美しいその瞳に透明な雫が溜まっていく。 「ああ!なんてことッ!承太郎ッ!他の人達には見えなかったらしいけど、私には見えたわ・・・別の腕が見えて・・・それで・・・拳銃を・・・」 「他の人には見えないのに、お前には見えたのかい?」 顔を覆いさめざめと泣く娘の肩を優しく抱きながら、初老の父親は娘に問う。 「ええ・・・」 ようやく涙を拭って娘は答えた。 「承太郎は最近取り憑かれたといってるらしいが、おまえにも何か異常はあるのかい?」 「私にはないわ。でも、承太郎は原因がわかるまで2度と牢屋から出ないっていうのよ! パパ・・・ど・・・どうすればいいの?」 睡眠不足がたたってか、ホリィの顔色は悪い。 「よしよし、可愛い子よ。このジョセフ・ジョースターが来たからには安心しろ! まずは早く会いたい・・・」 ジョセフと言った男性は、貧血気味で頼りない足取りの娘の身体をしっかりと支えた。 「我が孫の承太郎に。」 ジョセフは腕の中の娘に注意を払いながらも、背後に視線を送る。 目当ての人物は、ソファーに足を組んで腰を下ろし、湯気の立つ紙コップを口に運んでいた。 おそらく近寄れば、噎せ返る程甘い匂いがするに違いない。 マントのような黒寂びたコート。そのフードをすっぽりと被っている為、表情は伺えない。 だが紙コップが口元に運ばれたその時だけは、きっと妖精のような笑みを浮かべているのだろう。 ジョセフはその黒コートの人物に左手を指しだした。 「パチンッ」と弾かれた指が小気味の良い音を立てる。 黒コートは空になった紙コップを背後に投げ捨て(ちなみにそれは30メートル先のダストボックスに見事着弾した。) 娘と寄り添いながら歩くジョセフの後を付いていく。 音も無く。影も無く。衣擦れの音すらしなかった。 ゴギギイイ・・・・・・ 鉄製の錆びた扉が重苦しい音を立てて開かれる。 承太郎の居る牢屋の中は、一昨日とはまた別の部屋のように様変わりしていた。 オーディオ、DVDデッキ、エアロバイク、ソファー、コーヒーメーカー、ノートパソコンetcetc、 およそ人間が快適に生活出来る、ありとあらゆるものが存在していた。 中にはバイクのメットやラジコン等、マヌケなものもいくつかあったが。 「お・・・恐ろしい・・・またいつのまにか物が増えている・・・こんな事が外部に知れたら、私は即免職になってしまう・・・・・・」 兇悪な犯罪者を見慣れている筈の看守が、恐怖心を隠す事もなく呻いた。 「大丈夫・・・孫はわしが連れて帰る。」 ジョセフは穏やかに、しかし各個とした意志を込めて言った。 「孫・・・?」 備え付けのベッドの上で煙草を銜えていた承太郎が、その一言に反応する。 その脇には「ESPの全て」「神秘と魔法」「死者の書」「紅い世界」等のオカルトじみた書物が山積みになっていた。 「承太郎!おじいちゃんよ!おじいちゃんはきっとあなたの力になってくれるわ!おじいちゃんといっしょに出てきて!」 鉄扉の脇でホリィが叫んだ。 承太郎は祖父の顔を一別すると、銜えていた煙草を吹きだした。 赤い飛沫が冷たいコンクリートの床で弾ける。 ジョセフは無言で、孫である承太郎のいる牢屋に近づいた。 承太郎もそれに合わせるようにベッドから身を起こす。 最後のゲートが暴力的な音を立てて開いた。 互いに言葉は一言も交わさなかった。 が、空気どころか空間まで震えるようなプレッシャーを伴う、二人の邂逅だった。 「出ろ!わしと帰るぞ」 「消えな。」 ジョセフの言葉が終わる前に承太郎はそう吐き捨てた。 「およびじゃあないぜ・・・オレの力になるだと?何ができるっていうんだ・・・ わざわざニューヨークから来てくれて悪いが・・・アンタはオレの力になれない・・・」 承太郎は挑発的にジョセフを指さす。その隙間に何か光るものが握られていた。 「は!」 ジョセフは咄嗟に左手に視線を向ける。 頑丈な鉄製の義手の、小指部分が欠損していた。 その事実にジョセフは戸惑いを隠せなかった。 老いたとはいえ、かつて太古の最強種と戦い抜いた、歴戦の戦闘者である自分が、 気配すら感じる事が出来なかったのだ。 「見えたか?気づいたか?これが悪霊だ。」 承太郎はジョセフの小指を指先で放った。 それが鉄扉にぶつかって耳障りな音を立てる。 「オレに近づくな・・・残り少ない寿命が縮むだけだぜ。」 話は終わりだとでもいうように承太郎は祖父に背を向けた。 なんてやつだ・・・このわしをいきなり欺くとは・・・ ジョセフは成人前の自分の孫に、畏怖に近い感情を抱いた。 ベッドの上で片膝を抱え込む承太郎を見つめる。 実の孫はもうジョセフに興味を失ったらしく、紫煙を燻らせていた。 「むうぅ・・・」 呻きのような嘆息がジョセフから漏れた。 おそらく、やつはこの事を、あの「悪霊」を自分自身だけで抱え込むつもりなのだろう。 他人に頼るなどということは、端から思考の隅にも存在すらしなかったらしい。 奇妙な事だが、それは血の繋がりで確信に近い形で実感出来た。 同じ立場に置かれたら、考えの相違はあれど、結果的には自分もおそらく同じ選択をするだろう。 しかし、だからこそ承太郎に自分の「悪霊」を実際に体験させなければと思った。 将来、必ず訪れる危機の為にも。 いま、ここで、身体で理解する必要がある。 「君の出番だ。」 ジョセフは「パチンッ」と右手で弾く。 黒寂びたコートを着た小柄な人物が、牢屋の前に立つ。 フードを被っているので、顔は解らなかった。 「最近、知り合った友人の一人だ。名は贄殿遮那。長いので単純にシャナと呼んでいるがな。 シャナ・・・孫の承太郎をこの牢屋から追い出せ。」 承太郎はやれやれと帽子の鍔を正す。 「やめろ。何者かはしらねーが、目の前で追い出せと言われて、素直にそんな優男に追い出されてやるオレだと思うのか? いやなことだな・・・逆にもっと意地をはって、なにがなんでも出たくなくなったぜ。」 承太郎の言った優「男」という言葉に、シャナの肩がピクッと震える。 「コイツ、ムカつく・・・ジョセフ、少し荒っぽくいくけど良い? きっと自分の方から「出してくれ」って、泣いて喚いて懇願する位苦しむ事になるけど。」 声の主の意外なトーンに、承太郎が一瞬驚きの表情をみせる。 「こいつ、女か・・・」 しかもションベンくせえ・・・と頭の中で付け加える。 それが伝わったのかどうか、シャナのイラだちが一層強まる。 「・・・・・・・・・腕の2、3本へし折っちゃうかもしれないけど、良い?」 怒気で少々震える声のシャナに。 「かまわんよ。」 と、こともなげにジョセフは言った。 「パパ!いったい何を!!」 「おい!さわぎは困るぞ!」 「だまってろ!」 騒ぎ出したホリィと看守をジョセフは一喝する。 その声に、一瞬視線を逸らした承太郎の目の前に、いつのまにかシャナが立っていた。 「・・・・・・!」 扉は閉じたまま、しかも鍵が掛かっている筈だ。 抉じ開けたとしても、何の音もしなかった。 しかも、こんな数秒の間に・・・・・・ シャナは徐にフードを外した。 腰の下まで届く艶やかな黒髪が、音もなく垂れ下がり空間を撫でた。 承太郎でなければ、その清冽な美しさにしばし見入っていた事だろう。 ベッドの上から、承太郎は初めてシャナの姿を観察する事になった。 黒コートの異様な存在感で気づかなかったが、彼女の背丈は140㎝前後。 自分が立てば、その腰まで届くかどうか。年もせいぜい12歳前後というところだ。 しかし、その顔立ちにはその年齢特有のあどけなさが微塵も感じられない。 無表情な瞳からは、何も言わなくても強い意志を感じる事が出来た。 何故か、銀鎖に繋がれた変わったデザインのペンダントが妙に目を引いたが。 なんなんだ?このガキは? 最初に浮かんだ感想はそれだった。 自分も従順な子供ではなかったが、ここまで人間味をなくしてはいなかったはずだ。 純朴さや無邪気さ、そんな幼年期特有の柔らかい感情。 その全てが剥離したような子供では。 一体どのような人生を送れば、この歳でこんな表情が出来るようになる? 少女の袖先から覗く、可憐な指先がコートの内側に潜った。 出てきた手には、少女の身の丈に匹敵するほどの大刀が握られていた。 どこからどう出したのか、まるで魔術師だ。 承太郎は、しばしその刀に魅入られた。 それほどにその刀は美しかった。刀身はまるで冷たい水で濡れているよう。 人を殺傷する事を最大の目的としながら、同時に人心を誘惑し安らぎに近い感情すら想起させる、 そんな危険な甘さがその刀には在った。 「峰だぞ。」 唐突に少女の胸元ペンダントから声がする。 重い、荘厳な、賢者のような声だった。 「こいつ次第よ。」 少女は感情を込めずに言った。 艶やかな黒髪がわずかになびき、そして火の粉を撒いて灼熱の光を灯した。 同時に舞い落ちる炎の飛沫の向こうから、二つの光が承太郎を見ていた。 火の粉を撒いてたなびく長い髪と同じ、灼熱の輝きを点した二つの瞳が。 少女の変容に承太郎が声をあげる間もなく、 目の前の少女は、大刀の重量など意に関する事無く軽やかに跳躍し、 承太郎の胸元に大刀の峰が逆袈裟に撃ち込まれた。 鍛え抜ぬかれた承太郎の胸板で無ければ、 間違いなく胸骨陥没コースの激しい打擲だった。 「うぐぅ!?」 ベッドの上から弾き飛ばされ、床に無造作に転がった電化製品を跳ね飛ばしながら、 承太郎は留置場の罅割れた壁に激突した。 「ぐ・・・うう・・・ヤロウ・・・!」 滞った呼気がようやく吐き出され、頭蓋が揺らぐ。 ブレる視点を意志の力で無理に繋ぎ合わせ、承太郎は壁を支えに立ち上がろうとした。 しかし次の瞬間、得体のしれない力が承太郎を押さえつけ、全身を壁面に縫いつけた。 「こ、これは・・・?」 腕に、足に感じる熱。肉と革の焦げる匂い。 煙のような炎が、まるで生き物のように自分の身体を這い回っていた。 ブスブスと音を立てながら、炎は承太郎の身体を侵蝕していく。 信じがたいことだが、自分が、今、炎に焼かれている事を嫌でも認識できた。 「う・・・うぐぐ、熱い・・・火、火だ!や・・・焼ける。オ・・・オレの腕が焼ける! こいつは・・・あのガキの悪霊の力か!?」 「パパ!承太郎に何をするのッ!」 「火?火なんて見えるか?」 「なんだ?あいつなに苦しがってるんだ。」 悲痛なホリィの叫びとは裏腹に、看守達はポカンとしている。 「う、うおおおおおおぉぉぉ!!」 承太郎の猛りと共に、その背後から途轍もない存在感を持った「何か」が姿を現した。 ジョセフはその存在に目を見開いた。 「おおお、出・・・出おった。よ・・・予想以上の承太郎のパワー!ついに「姿」を見せたか!」 牢内の人数がいつのまにか一人増えていた。 否、それを「人」と呼んで良いかどうかは甚だ疑問だが。 古代ローマの剣闘士を思わせるプロテクターに身を包んだ、巨大な人型の何か。 それが飢えた野獣のように承太郎の身体から躍り出て、シャナの大刀に掴みかかっていた。 「へぇ、ここまではっきりした形で出せるなんてね・・・・・・意外だわッ!」 それは口元に凶暴な笑みを浮かべ、戦いの悦びに打ち震えていた。 技術もへったくれもない、乱暴で一方的な圧力のゴリ押しに、 シャナの片膝が意図せずに落ちる。 「テメーもオレと同じような・・・「悪霊」の力を持ってるとはな・・・ そして、ジジイ。アンタは「悪霊」の正体を、」 身を焼かれる苦痛に強靱な精神で耐えながらも、なんとか承太郎は言葉を紡ぎ出す。 「知っている。そちらのシャナはまた違った力の発現系だがな。 しかし、彼女が驚いているように「悪霊」の形がこんなにはっきりみえるとは、相当のパワーだ!」 「うるさいうるさいうるさい!別に驚いてなんかないわよ!」 奥歯をギリッと食いしばりシャナは言う。 「でもジョセフ、アンタがコイツを牢から出せと言ったから、手加減したけど・・・ このままじゃちょっとヤバいわ・・・正直、肩の関節外れそう。」 刀と素手の鍔迫り合いは、明らかに「悪霊」の方に分があった。 シャナの片膝は地に付き、悪霊の顔が眼前にまで迫っている。 「やめる?このままどーしても出せ!っていうのなら。 コイツを半年程、病院のベッドで暮らさなきゃならないほど、荒っぽくやらざる負えないんだけど。」 震える手で柄を持ちながらも、心底負けず嫌いな少女の台詞にジョセフは 「かまわん。ためしてみろ。」 と余裕たっぷりに応じた。 「OK!」 そう叫ぶと、シャナは大刀を高速で内側に引いた。 力の均衡が崩れ、その対象を失った承太郎の「悪霊」は、 逆に自分自身の力に引っ張られ、大きく体勢を崩して蹈鞴を踏む。 その隙にシャナは悪霊の手から愛刀を引き剥がし、バックステップで距離を取る。 そして柄から利き腕を放し、指先を立てて頭上に掲げた。 その先端に蛍のような光が幾つも集まり、そして発光する。 承太郎を押さえつけていた煙状の炎は、瞬時に荒縄状に変化し、蛇のように巻きついて呼吸器を塞いだ。 シャナは振り子のように弾みを付け、指先を大きく真横に薙ぎ払う。 その動きに炎の荒縄が連動し、引っ張られた承太郎は、 牢の鉄格子に勢いよく叩きつけられた。 衝撃で鉄格子がギシギシと軋んだ音を立てる。 「ぐ・・・!い・・・息が・・・!」 再びシャナに掴みかかろうとしていた「悪霊」は、ガクンッと膝を折り、 吸い込まれるように承太郎の身体に戻っていく。 「悪霊がひっこんでいく・・・・・・熱で呼吸が苦しくなればお前の悪霊は弱まっていく。 正体をいおう!それは悪霊であって悪霊ではないものじゃ!承太郎!悪霊だと思っていたのは、 お前の生命エネルギーが創り出す、パワーあるヴィジョンなのじゃ! そばに現れ立つというところから、 そのヴィジョンを名付けて『幽波紋(スタンド)』!」 「スタ・・・ンド・・・?」 消え去りそうになる意識を、精神の力で繋ぎ止めながら、承太郎はその言葉を反芻した。 「人間の童話にあったわね・・・寒風では旅人は衣を纏うだけだけど、熱さは音をあげさせる・・・ お前?此処から出たくなった?今なら「出してください」って心の底からお願いすれば、 考えてあげないでもないわ。」 勝ち誇った表情に、小悪魔的な微笑みを浮かべ、シャナは承太郎に言った。 「テメー・・・いい加減にしやがれ・・・オレが出ねえのは、 この悪霊が他人に知らず知らずのうちに「害」を加えるからだ。」 承太郎の意外な答えに、シャナはその紅い目を丸くする。 「同じような力を持ってるって事で、多少は親しみがわくが、 このまま続けるとテメエ・・・死ぬぞ。」 そう言った刹那、承太郎は身を翻し、後ろ廻し蹴りの要領で、背後の剥き出しの水道管を破壊した。 勢いよく吹き出すカルキ臭い水によって、炎は官能的な音を伴いながら、白い湯気となって立ち消え、 本体が自由となったスタンドは、俄然勢いを取り戻す。 「おおおおおおお!!テメーー!!もうどうなってもオレは知らんぞッ!!」 承太郎のスタンドは、頑丈な鉄格子を飴細工のように捻じ曲げて引き千切る。 真っ二つに切り裂かれ、鋭利な刃と化した鉄格子。 それを両手に構えた承太郎のスタンドと、 大刀を両手に屹立したシャナが再び対峙した。 承太郎のスタンドの底知れないプレッシャーと、シャナの全身から立ち上る炎の燐光。 その鬩ぎ合いに、空間が歪むような、重苦しい空気が場を錯綜する。 その空間で、承太郎の碧眼とシャナの灼眼が交差した。 均衡は突如破られた。 承太郎のスタンドが唸りを上げて全身を脈動させ、鉄刃の投擲体勢に入る。 精密なフォームを寸分の狂いもなく形成しながらも、 視線は正確に着弾地点を射抜いている。 正中線の最上部、シャナの眉間だ。 その動きに対しシャナは、いともあっさり承太郎に背を向けた。 承太郎のスタンドは投擲体勢を保ったまま、その場で停止した。 シャナの髪と瞳は、焼けた鉄が冷えるように、元の艶のある黒に戻っていく。 「貴様!何故急に後ろを見せるッ!こっちを向きやがれ!」 両者(?)共に猛っているので、まるでスタンド自身が喋っているような錯覚を覚えた。 シャナはこの承太郎の当然の問いを無視し、 見向きもせずに大刀をコートの中、左腰のあたりに収める。 切っ先から、後ろに突き抜けるような勢いで押し込まれた刀が、 そのままコートの中に消えてしまった。 刀身は身の丈ほどもあったというのに、本当に魔術師のようだった。 シャナはジョセフの居る壁際の傍までトコトコと歩いていき、目を閉じて腰を下ろす。 「ジョセフ。見ての通りアイツを牢から出したわよ。」 承太郎は自らの足下を凝視した。 いつの間にか靴が鉄の仕切りを跨いでいた。 その事に興を削がれたのか、スタンドは承太郎の内側に潜るように消えていく。 「してやられたというわけか?」 形の良い唇から嘆息が漏れ、誰に言うでもなく一人語ちる。 「そうでもないわ。私は本当にお前を病院送りにするつもりでいたわ。 パワーだけは予想外だった。」 「だけは」というのを強調してシャナが応えた。 スタンドが完全に承太郎の中に消え、手にしていた鉄の刃が落下して重い音を立てる。 「もし、オレの悪霊が、この鉄棒を投げるのをやめなかったら、どうするつもりだった?」 「私は『フレイムヘイズ』。『炎髪灼眼の討ち手』。 『宝具』でもないただの鉄棒なんか、空中で粉々するのはわけないわ。」 と素っ気なくシャナ。 意味不明な単語が幾つかあったが、要するに自分の戦闘能力は高いという事なのだろう。 『フレイムヘイズ』というのは、こいつの悪霊の名前か? 「シャナはおまえと同じような能力をもつ者・・・ もう牢屋内で悪霊の研究をすることもなかろう。」 ジョセフが親指をグッと立てて承太郎を促した。 「わ〜〜♪承太郎ここを出るのね♪」 待ちかまえていた淑女がまるで恋人同士のように承太郎に抱きつき、腕を絡める。 「ウットーしいんだよ、このアマ!」 苦虫を10匹まとめて噛み潰したような顔で承太郎。 「はあ〜い。ルンルン♪」 本当にルンルンと口に出し、ホリィは承太郎の、その逞しい腕に頬ずりしている。 その二人の態度にジョセフは、「ムッ」と激高する。 「おい!きさまッ!自分の母親に向かってアマとはなんじゃ!アマとはッ! その口のききかたはッ!なんじゃ! ホリィもいわれてニコニコしてるんじゃあないッ!」 「はーーーーーい。」 その光景をシャナはジト目で眺めていた。 甘いものは大好きだが、このような雰囲気は嫌いだった。 「ジジイ、ひとつだ!」 甘ったるい流れを断ち切るように、承太郎は立てた指をジョセフに向けた。 「ひとつだけ今・・・・・・わからないことをきく・・・・・・なぜアンタはオレの悪霊、 いや・・・そこのガキも含めた、とんでもねぇ能力の事を知っていたのか? そこがわからねえ。」 「な!?ガキって・・・お前誰に向かって!」 真っ赤になって抗議の声をあげるシャナを、ジョセフが手で制止する。 「いいだろう・・・それを説明するためにニューヨークから来たのだ・・・ だが、説明するにはひとつひとつ順序を追わなくてはならない。 これはジョースター家に関係ある話でな・・・まずこの写真をみたまえ。」 ジョセフは、コートの内ポケットから取り出した数枚の写真を、承太郎に手渡した。 承太郎は訝しげにそれに視線を落とす。 一枚目・・・大海原に浮かぶモータークルーザー。 二枚目・・・フジツボにびっしり覆われた、金属製の大型の箱。 三枚目・・・開かれた箱、内部は二重底になっている。 四枚目・・・箱の側面に刻まれた、『DIO』という刻印。 「なんの写真だ?」 一通り目を通した承太郎がジョセフに問う。 「今から4年前、その鉄の箱がアフリカ沖大西洋から引き上げられた。 箱はわたしが回収してある・・・ブ厚い鉄の箱は棺桶だ。ちょうど100年前のな・・・ 棺桶はお前の5代前の祖父・・・つまりこのわしのおじいさん、 ジョナサン・ジョースターが死亡した客船につんであったもの、 ということは調べがついている。中身は発見された時カラっぽだった。 だがわしには中に何がはいっていたのかわかる!」 そう言って、強い意志に満ちた眼光を承太郎に向ける。 「わしとシャナ達はそいつの行方を追っている!」 ジョセフの瞳に宿る気高き光。 それは、その誇り高きジョースターの血統のみが持つ、 真の正義の輝きだった。 「『そいつ』?ちょい待ちな・・・そいつとはまるで人間のようないい方だが、 百年間海底にあった中身を、そいつと呼ぶとはどういうことだ?」 承太郎の問いに、ジョセフは確信を込めて言い放つ。 「そいつは邪悪の化身!名はディオ!!そいつは百年のねむりから目覚めた男! 我々は、その男と闘わねばならない宿命にあるッ!」 DIO。 呪われた石仮面が生み出した、狂気と戦慄の悪魔。 ジョースター家にまつわる百年の因縁。 このとき、承太郎はまだ、自分の置かれた状況を認識していなかった。 そして、紅い灼眼が招き寄せる幾千の因果も。 しかし、その日、そのとき、 彼の日常は崩れ去った。 あるいは燃え上がった。 静かに。音もなく。 時は流れる。 運命の車輪は回転を続ける。 世界は変わらず、ただそうであるように、動いている。 ジョジョの奇妙な冒険×灼眼のシャナ 〜STARDUST・FLAMEHEZE〜 TO BE CONTINUED・・・