約 445 件
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/4078.html
ヴァイスサイド 灼眼のシャナカードリスト ブースター エクストラブースター トライアルデッキ プロモーションカード 総評 ブースター 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 SS/W14-001 キャラ RR SP 黄 この街での成長 シャナ 0/0 500/1/0 《炎》 《メロンパン》 SS/W14-002 キャラ RR SP 黄 ドレス姿の一美 3/2 10000/2/1 《愛》 《ドレス》 SS/W14-003 キャラ R 黄 メイド服の近衛 0/0 2000/1/0 《謎》 《メイド》 SS/W14-004 キャラ R 黄 踏み出せた一歩 一美 0/0 2500/1/0 《愛》 SS/W14-005 キャラ R 黄 不器用なシャナ 1/1 1500/1/1 《炎》 《メロンパン》 SS/W14-006 キャラ R 黄 変わった“トーチ”悠二 1/1 2500/1/1 《炎》 《宝具》 SS/W14-007 キャラ R 黄 吉田 一美 1/1 6000/1/0 《愛》 SS/W14-008 キャラ R SR 黄 初めての気持ち シャナ 2/1 7500/1/1 《炎》 《メロンパン》 SS/W14-009 キャラ U 黄 佐藤 啓作 0/0 500/1/0 《愛》 SS/W14-010 キャラ U 黄 平井 ゆかり 0/0 1500/1/0 《特徴なし》 SS/W14-011 キャラ U 黄 メロンパン大好き シャナ 0/0 2500/1/0 《炎》 《メロンパン》 SS/W14-012 キャラ U 黄 水着のシャナ 1/0 4500/1/0 《炎》 《メロンパン》 SS/W14-013 キャラ U 黄 近衛 史菜 1/0 5000/1/0 《謎》 《動物》 SS/W14-014 キャラ U 黄 坂井 悠二 2/1 7000/1/1 《炎》 《宝具》 SS/W14-015 キャラ U 黄 零時迷子の“ミステス”悠二 2/2 8500/2/1 《炎》 《宝具》 SS/W14-016 キャラ C 黄 ジュリエット役の一美 0/0 1000/1/0 《愛》 SS/W14-017 キャラ C 黄 ロミオ役の悠二 0/0 1000/1/0 《炎》 《宝具》 SS/W14-018 キャラ C 黄 坂井 千草 0/0 2000/1/0 《愛》 SS/W14-019 キャラ C 黄 池 速人 0/0 2000/1/0 《メガネ》 SS/W14-020 キャラ C 黄 戸惑うシャナ 0/0 3000/1/0 《炎》 《メロンパン》 SS/W14-021 キャラ C 黄 メイド服の一美 1/0 5500/1/0 《愛》 《メイド》 SS/W14-022 キャラ C 黄 緒方 真竹 1/1 7000/1/0 《スポーツ》 SS/W14-023 キャラ C 黄 御崎高校の生徒 一美 2/1 8000/1/1 《愛》 SS/W14-024 キャラ C 黄 疑惑の転校生 近衛 2/1 8000/1/1 《謎》 《動物》 SS/W14-025 キャラ C 黄 田中 栄太 2/1 8500/1/1 《スポーツ》 SS/W14-026 イベント U 黄 アラス・トオル 2/1 EV SS/W14-027 イベント U 黄 清秋祭始まる 2/1 EV SS/W14-028 クライマックス CR 黄 校舎裏の宣戦布告 CX 1・風 SS/W14-029 クライマックス CC 黄 どうしようもない気持ち CX 2 SS/W14-030 クライマックス CC 黄 零時迷子の元へ CX 1・炎 SS/W14-031 キャラ RR SR 赤 シャナ&アラストール 1/1 4000/1/1 《炎》 《武器》 SS/W14-032 キャラ RR SP 赤 “戦技無双”の美姫 ヴィルヘルミナ 2/1 7500/1/1 《炎》 《メイド》 SS/W14-033 キャラ RR RRR 赤 誇り高き者 シャナ 2/2 8500/2/1 《炎》 《武器》 SS/W14-034 キャラ RR SP 赤 大いなる器 シャナ 3/2 10000/2/1 《炎》 《武器》 SS/W14-035 キャラ R RRR 赤 討滅の使徒 シャナ 0/0 2500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-036 キャラ R 赤 ティアマトーの契約者 ヴィルヘルミナ 0/0 1500/1/0 《炎》 《メイド》 SS/W14-037 キャラ R SR 赤 対峙の時 シャナ 0/0 3500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-038 キャラ R SR 赤 “麗しのゴブレット”マージョリー 1/0 4000/1/0 《炎》 《本》 SS/W14-039 キャラ R SR 赤 “フレイムヘイズ”ヴィルヘルミナ 1/0 4000/1/0 《炎》 《メイド》 SS/W14-040 キャラ R 赤 炎剣一閃 シャナ 1/0 5000/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-041 キャラ R SP 赤 『弔詞の詠み手』マージョリー・ドー 2/1 4500/1/1 《炎》 《本》 SS/W14-042 キャラ R RRR 赤 シャナ&悠二 3/2 9500/2/1 《炎》 《武器》 SS/W14-043 キャラ U 赤 3分料理 ヴィルヘルミナ 0/0 500/1/0 《炎》 《メイド》 SS/W14-044 キャラ U 赤 マティルダ・サントメール 0/0 2500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-045 キャラ U 赤 アラストールの契約者 シャナ 1/1 6500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-046 キャラ U 赤 紅蓮の双翼 シャナ 1/1 6500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-047 キャラ U 赤 “フレイムヘイズ”マージョリー 1/1 7000/1/1 《炎》 《本》 SS/W14-048 キャラ U 赤 ドロシー役のシャナ 2/1 2000/1/1 《炎》 《武器》 SS/W14-049 キャラ U 赤 マージョリー&マルコシアス 2/2 8000/2/1 《炎》 《本》 SS/W14-050 キャラ C 赤 悠二の元へ シャナ&アラストール 0/0 500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-051 キャラ C 赤 ヴィルヘルミナ・カルメル 0/0 500/1/0 《炎》 《メイド》 SS/W14-052 キャラ C 赤 マージョリー・ドー 0/0 1500/1/0 《炎》 《本》 SS/W14-053 キャラ C 赤 意思と使命 シャナ 0/0 2500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-054 キャラ C 赤 『炎髪灼眼の討ち手』シャナ 0/0 3000/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-055 キャラ C 赤 水着のマージョリー 0/0 3000/1/0 《炎》 《本》 SS/W14-056 キャラ C 赤 守るべきもの シャナ 1/0 5000/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-057 キャラ C 赤 『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル 1/0 5500/1/0 《炎》 《メイド》 SS/W14-058 キャラ C 赤 “屠殺の即興詩”マージョリー 1/0 1500/1/0 《炎》 《本》 SS/W14-059 キャラ C 赤 その先を見据えるシャナ 2/1 8000/1/1 《炎》 《武器》 SS/W14-060 キャラ C 赤 ヴィルヘルミナ&ティアマトー 2/2 8500/1/1 《炎》 《メイド》 SS/W14-061 キャラ C 赤 『儀装の駆り手』カムシン・ネブハーウ 2/2 9000/2/1 《炎》 《神器》 SS/W14-062 イベント U 赤 トーチとフレイムヘイズ 1/1 EV SS/W14-063 イベント U 赤 封絶 1/1 EV SS/W14-064 イベント U 赤 銀の炎 1/1 EV SS/W14-065 イベント U 赤 手料理への挑戦 2/3 EV SS/W14-066 クライマックス CR 赤 天道宮の戦い CX 2 SS/W14-067 クライマックス CR 赤 天破壌砕 CX 2 SS/W14-068 クライマックス CC 赤 何でもできる CX 2 SS/W14-069 クライマックス CC 赤 掴んだ手掛かり CX 2 SS/W14-070 クライマックス CC 赤 想いの力 CX 扉 SS/W14-071 クライマックス CC 赤 茜色の死闘 CX 2 SS/W14-072 キャラ RR SP 青 “頂の座”ヘカテー 1/0 3000/1/0 《炎》 《巫女》 SS/W14-073 キャラ RR RRR 青 託宣の巫女 ヘカテー 2/2 8000/2/1 《炎》 《巫女》 SS/W14-074 キャラ R 青 “屍拾い”ラミー 0/0 1500/1/0 《炎》 《手袋》 SS/W14-075 キャラ R 青 “壊刃”サブラク 0/0 4000/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-076 キャラ R 青 フレイムヘイズ殺し フリアグネ 1/0 5000/1/0 《炎》 《人形》 SS/W14-077 キャラ R SR 青 対峙の時 ヘカテー 1/1 6000/1/0 《炎》 《巫女》 SS/W14-078 キャラ R 青 大御巫 ヘカテー 2/1 8000/1/1 《炎》 《巫女》 SS/W14-079 キャラ R 青 “千変”シュドナイ 2/2 8500/2/1 《炎》 SS/W14-080 キャラ U 青 “三眼の女怪”ベルペオル 0/0 500/1/0 《炎》 《眼帯》 SS/W14-081 キャラ U 青 “彩飄”フィレス 0/0 2500/1/0 《炎》 《愛》 SS/W14-082 キャラ U 青 からっぽの存在 ヘカテー 0/0 2500/1/0 《炎》 《巫女》 SS/W14-083 キャラ U 青 “逆理の裁者”ベルペオル 1/1 5500/1/1 《炎》 《眼帯》 SS/W14-084 キャラ U 青 フリアグネ&マリアンヌ 2/1 8000/1/1 《炎》 《人形》 SS/W14-085 キャラ U 青 開かれる器 ヘカテー 3/2 10000/2/1 《炎》 《巫女》 SS/W14-086 キャラ C 青 “虹の翼”メリヒム 0/0 2000/1/0 《炎》 《愛》 SS/W14-087 キャラ C 青 “狩人”フリアグネ 0/0 2500/1/0 《炎》 《人形》 SS/W14-088 キャラ C 青 “探耽求究”ダンタリオン 0/0 2500/1/0 《炎》 《科学》 SS/W14-089 キャラ C 青 “愛染自”ソラト&“愛染他”ティリエル 0/0 2500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-090 キャラ C 青 浴衣のヘカテー 0/0 3000/1/0 《炎》 《巫女》 SS/W14-091 キャラ C 青 “戯睡郷”メア 1/0 500/1/0 《炎》 《宝具》 SS/W14-092 キャラ C 青 風の操り手 フィレス 1/0 4000/1/0 《炎》 《愛》 SS/W14-093 キャラ C 青 “三柱臣”シュドナイ 1/0 5000/1/0 《炎》 《タバコ》 SS/W14-094 キャラ C 青 “三柱臣”ヘカテー 2/1 2500/1/1 《炎》 《巫女》 SS/W14-095 キャラ C 青 天目一個 2/2 9000/2/1 《炎》 《武器》 SS/W14-096 イベント U 青 敖の立像 1/1 EV SS/W14-097 イベント U 青 都喰らい 1/1 EV SS/W14-098 クライマックス CR 青 直接対決! CX 2 SS/W14-099 クライマックス CC 青 この世での徒の誕生 CX 2 SS/W14-100 クライマックス CC 青 器の回収 CX 本 エクストラブースター エクストラブースター 灼眼のシャナIII-FINAL- 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 SS/WE15-01 キャラ R 黄 悠二の消えた日 シャナ 2/2 7000/2/1 《炎》 《メロンパン》 SS/WE15-02 キャラ C 黄 囚われのシャナ 0/0 2500/1/0 《炎》 《メロンパン》 SS/WE15-03 キャラ C 黄 ネコミミ 一美 0/0 2500/1/0 《愛》 《動物》 SS/WE15-04 キャラ C 黄 揺れる想い 一美 0/0 3000/1/0 《愛》 SS/WE15-05 キャラ C 黄 逃げない勇気 一美 1/0 1500/1/0 《愛》 SS/WE15-06 キャラ R 赤 成長の鍵 シャナ 0/0 500/1/0 《炎》 《武器》 SS/WE15-07 キャラ R 赤 一流の自在師 マージョリー 0/0 1500/1/0 《炎》 《本》 SS/WE15-08 キャラ R 赤 この刃に懸けて シャナ 1/1 6000/1/0 《炎》 《武器》 SS/WE15-09 キャラ R 赤 最終決戦 マージョリー 1/1 6500/1/0 《炎》 《本》 SS/WE15-10 キャラ R 赤 “ペルソナ”装着 ヴィルヘルミナ 2/1 7500/1/1 《炎》 《メイド》 SS/WE15-11 キャラ R 赤 愛がすべて シャナ 2/2 7500/1/1 《炎》 《武器》 SS/WE15-12 キャラ R 赤 悠二と歩む道 シャナ 3/2 10000/2/1 《炎》 《武器》 SS/WE15-13 キャラ C 赤 最強の自在法 シャナ 0/0 1000/1/0 《炎》 《武器》 SS/WE15-14 キャラ C 赤 使命の為に ヴィルヘルミナ 0/0 1500/1/0 《炎》 《メイド》 SS/WE15-15 キャラ C 赤 『鬼功の繰り手』サーレ・ハビヒツブルグ 0/0 2500/1/0 《炎》 《神器》 SS/WE15-16 キャラ C 赤 揺るがぬ心 シャナ 0/0 4000/1/0 《炎》 《武器》 SS/WE15-17 キャラ C 赤 『輝爍の撒き手』レベッカ・リード 1/0 5000/1/0 《炎》 《神器》 SS/WE15-18 キャラ C 赤 乾坤一擲 シャナ 1/0 5500/1/0 《炎》 《武器》 SS/WE15-19 キャラ C 赤 闘争の渦 シャナ 1/0 6000/1/0 《炎》 《武器》 SS/WE15-20 キャラ C 赤 『調律師』カムシン・ネブハーウ 1/1 3000/1/1 《炎》 《神器》 SS/WE15-21 キャラ C 赤 『極光の射手』キアラ・トスカナ 1/1 7000/1/0 《炎》 《神器》 SS/WE15-22 キャラ C 赤 理屈と気持ち シャナ 2/1 8000/1/1 《炎》 《武器》 SS/WE15-23 キャラ C 赤 『震威の結い手』ゾフィー・サバリッシュ 2/1 8000/1/1 《炎》 《神器》 SS/WE15-24 クライマックス C 赤 新世界へ CX 扉 SS/WE15-25 クライマックス C 赤 ぶつかる想い CX 2 SS/WE15-26 キャラ R 青 『巫女』ヘカテー 0/0 1000/1/0 《炎》 《巫女》 SS/WE15-27 キャラ R 青 『参謀』ベルペオル 1/0 3000/1/0 《炎》 SS/WE15-28 キャラ R 青 創造神“祭礼の蛇” 2/2 10000/2/1 《炎》 《蛇》 SS/WE15-29 キャラ R 青 神威召還 ヘカテー 3/2 10000/2/1 《炎》 《巫女》 SS/WE15-30 キャラ C 青 別れの哀愁 シュドナイ 0/0 2000/1/0 《炎》 《タバコ》 SS/WE15-31 キャラ C 青 確かな存在 悠二 0/0 3000/1/0 《炎》 《蛇》 SS/WE15-32 キャラ C 青 理屈と気持ち 悠二 1/1 6500/1/0 《炎》 《蛇》 SS/WE15-33 キャラ C 青 神算鬼謀 ベルペオル 2/1 3000/1/0 《炎》 《眼帯》 SS/WE15-34 キャラ C 青 幾万の願いの結晶 ヘカテー 2/1 8000/1/1 《炎》 《巫女》 SS/WE15-35 キャラ C 青 『将軍』シュドナイ 2/1 8000/1/1 《炎》 《武器》 SS/WE15-36 クライマックス C 青 次の願いの結実まで CX 2 トライアルデッキ 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 封入数 SS/W14-T01 キャラ TD 黄 メロンパン大好き シャナ 0/0 2500/1/0 《炎》 《メロンパン》 2 SS/W14-T02 キャラ TD 黄 戸惑うシャナ 0/0 3000/1/0 《炎》 《メロンパン》 4 SS/W14-T03 クライマックス TD 黄 どうしようもない気持ち CX 2 4 SS/W14-T04 キャラ TD 赤 ヴィルヘルミナ・カルメル 0/0 500/1/0 《炎》 《メイド》 4 SS/W14-T05 キャラ TD 赤 マージョリー・ドー 0/0 1500/1/0 《炎》 《本》 2 SS/W14-T06 キャラ TD 赤 『炎髪灼眼の討ち手』シャナ 0/0 3000/1/0 《炎》 《武器》 4 SS/W14-T07 キャラ TD 赤 “屠殺の即興詩”マージョリー 1/0 1500/1/0 《炎》 《本》 2 SS/W14-T08 キャラ TD 赤 守るべきもの シャナ 1/0 5000/1/0 《炎》 《武器》 2 SS/W14-T09 キャラ TD 赤 『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル 1/0 5500/1/0 《炎》 《メイド》 4 SS/W14-T10 キャラ TD 赤 アラストールの契約者 シャナ 1/1 6500/1/0 《炎》 《武器》 4 SS/W14-T11 キャラ TD 赤 『儀装の駆り手』カムシン・ネブハーウ 2/2 9000/2/1 《炎》 《神器》 2 SS/W14-T12 イベント TD 赤 トーチとフレイムヘイズ 1/1 EV 2 SS/W14-T13 クライマックス TD 赤 想いの力 CX 扉 2 SS/W14-T14 クライマックス TD 赤 何でもできる CX 2 2 SS/W14-101 キャラ TD 赤 贄殿遮那の担い手 シャナ 1/0 1500/1/0 《炎》 《武器》 1 SS/W14-102 キャラ TD 赤 養育係 ヴィルヘルミナ 2/2 9500/2/1 《炎》 《メイド》 1 SS/W14-103 キャラ TD 黄 御崎高校の生徒 シャナ 0/0 2500/1/0 《炎》 《メロンパン》 2 SS/W14-104 キャラ TD 赤 翻る黒衣 シャナ 3/2 10000/2/1 《炎》 《武器》 2 SS/W14-105 キャラ TD 黄 “フレイムヘイズ”シャナ 2/1 8000/1/1 《炎》 《メロンパン》 4 プロモーションカード 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 SS/W14-106 キャラ PR 黄 灼眼のシャナたん 0/0 3000/1/0 《炎》 《メロンパン》 SS/W14-107 キャラ PR 赤 “偉大なる者”シャナ 0/0 1000/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-108 キャラ PR 赤 エカテリーナと遊ぶシャナたん 0/0 3000/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-109 キャラ PR 青 頂のヘカテーたん 0/0 1000/1/0 《炎》 《巫女》 SS/W14-110 キャラ PR 赤 無類のメロンパン好き シャナ 2/1 8000/1/1 《炎》 《メロンパン》 SS/W14-111 キャラ PR 黄 メイド服のシャナ 1/0 5000/1/0 《炎》 《メイド》 SS/W14-112 キャラ PR 黄 おめかし シャナ 0/0 2500/1/0 《炎》 《武器》 SS/W14-113 キャラ PR 黄 夏服のシャナ 1/0 5000/1/0 《炎》 《メロンパン》 SS/WE15-P01 キャラ PR 赤 屈せぬ心 シャナ 2/1 8000/1/1 《炎》 《武器》 SS/WE15-P02 キャラ PR 黄 水着のシャナ 1/0 5500/1/0 《炎》 《メロンパン》 SS/WE15-P03 キャラ PR 黄 チャイナドレスのシャナ 0/0 2500/1/0 《炎》 《メロンパン》 大タイトルとしては初の試みとなる3色構成。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/19003.html
登録日:2013/07/15 Mon 18 24 42 更新日:2024/06/26 Wed 23 27 46 所要時間:約 16 分で読めます ▽タグ一覧 こうかがないみたいだ… その幻想をぶち殺す そんなオカルトありえません コンファインベント スキル チート 厨二項目 最弱 最強 無効 無効化 能力 能力バトル 「無効化」とは、主に能力バトル作品で使われる能力の一種。 文字通り「相手の能力を無効化させる」能力。 ▽目次 ◆概要 ◆無効化能力の種類A.発動阻害タイプ B.相殺タイプ C.消滅タイプ D.干渉無効タイプ E.体術タイプ F.回帰タイプ G.貫通タイプ ◆類似項目 ◆メジャーな無効化能力/無効化能力者○上条当麻(とある魔術の禁書目録) ○神楽坂明日菜(魔法先生ネギま!) ○マーシャル・D・ティーチ(ONE PIECE) ○ECM/ECCM(絶対可憐チルドレン) ○アンチエスパー(〃) ○円環少女の一般人 ○天魔・宿儺(神咒神威神楽) ○ゼファー・コールレイン(シルヴァリオ ヴェンデッタ) ○佐倉蜜柑(学園アリス) ○華秦(東京アンダーグラウンド) ○朧(甲賀忍法帖、バジリスク~甲賀忍法帖~) ○仮面ライダーW サイクロンジョーカーエクストリーム(仮面ライダーW) ○仮面ライダーエターナル(〃) ○対抗呪文(MtG) ○もみ消し(〃) ○神の宣告(遊戯王OCG) ○サイレント・マジシャンLV8(〃) ○仮面ライダーガイ(仮面ライダー龍騎) ○植木耕助(うえきの法則) ○いてつくはどう(DQシリーズ) ○ディスペル(解除) ○守封(クロノ・トリガー) ○桜小路桜(C0DE BREAKER) ○贄殿遮那(にえとののしゃな)(灼眼のシャナ) ○天樹院シャオ(PSYREN-サイレン-) ○レーバテイン(フルメタル・パニック!) ○反仙術(こわしや我聞) ○ケンシロウ、ラオウ(北斗の拳) ○ハート様(〃) ○郭海皇(バキシリーズ) ○リーチ(X-MEN) ○ミノフスキー粒子(機動戦士ガンダム) ○ハイレイン(ワールドトリガー) ○ヒ一族(ゲゲゲの鬼太郎) ○一刻堂(ゲゲゲの鬼太郎) ○アスタ(ブラッククローバー) ○イレイザーヘッド(僕のヒーローアカデミア) ○草薙護堂(カンピオーネ!) ○織斑一夏(IS(インフィニット・ストラトス)) ○アインズ・ウール・ゴウン(オーバーロード) ○風鳴弦十郎(戦姫絶唱シンフォギア) ○攻撃無効を持つキャラクター(にゃんこ大戦争) ○ゼローグ∞(パズル&ドラゴンズ) ○聖舶神・ノア=ドラゴン(パズル&ドラゴンズ) ○エンタープライズ、エルドリッジ(アズールレーン) ○クルス・シルト(NEEDLESS) ○ジェレミア・ゴットバルト(コードギアス 反逆のルルーシュ) ○崎谷亮介(ハイスクール・オーラバスター) ○咲-Saki-における無効化能力者 ○太宰治 (文豪ストレイドッグス) ○ディアボロ(ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風) ○まもる/みきり (ポケットモンスター) ○かなしばり/ふういん (〃) ○キャンチョメ (金色のガッシュ!!) ○パリィ(エクスペリエンス製DRPG) ○無効共鳴(ヴォイド・ハウリング)(BASTARD!!-暗黒の破壊神-) ○対魔力(Fateシリーズ) ○司波達也(魔法科高校の劣等生) 中島ナナオ(無能なナナ) ○特級呪具「天逆鉾」(呪術廻戦) ◆概要 本来、能力バトル作品は「強くなる為に『能力』に頼る」事が前提であり、その『能力』を無に帰してしまう強力な能力。 大抵の相手は文字通り『無力化』してしまう。 その関係上、主人公やヒロイン、またはそれに匹敵する重要人物が所持している事が多い。 また、所持者が主人公な場合、 『無効化はできるが、それ以外の(他の異能力者は共通して使える)能力が使えない、使わない、使えても弱い』 『当初は無能力者だった(だと思われていた)』 『近距離での格闘戦が基本で、中遠距離攻撃の手段が無い、ないし限定的である』 といった傾向がある。 一方で、「能力を無効化する“だけ”」なので攻撃手段が一切無いことも多い。 特に、この手のキャラは能力が「無効化」しか使えない場合も多いので、戦うなら何かしら別種の攻撃手段を持つか、「自力」に頼らざるを得ない。 ただ、逆に相手の能力の根源そのものを無効化できるなどして、事実上の一撃必殺能力として機能するものもある。 更に、「味方や自分自身をも巻き込む」、「プラスになる能力も無効化してしまう」、「そもそも「無効化」しか使えないので汎用性が異常に低い」などの欠点を持つこともある。 また、あくまで「相手が能力を使える事」が前提なので、相手が「無能力」なら意味を成さない。 普通の武器で武装しているキャラクターや、単純な殴り合いで勝負をするようなキャラクターは天敵。 特に、時々登場する能力に頼らない戦闘技術だけで敵の能力に対抗できるキャラなどは絶望的に相性が悪い。 そのため、“「最強」にして「最弱」の能力”などと矛盾した表現で表されることもある。 尤も、能力バトルには「能力に頼って身体能力がモヤシ」という魔法使いタイプも珍しくないため、 能力を無効化→隙をついて攻撃 でも何とかなる相手が多い(但し対策されやすいが)。 昨今では、「とりあえず切り札は無効化で良いんじゃね?」という風潮になり、嫌う人も多い。 また、下手すればパワーバランスを崩壊させたり、下手をすれば作品そのものを全否定しかねない。 ある意味、一番作者の腕が試される能力でもある。 中には、「戦場で無効化能力が当たり前のように使われている」「世界が無効化能力に覆われている」といった理由で、 無効化能力の存在を前提にした兵器体系や戦略・戦術が構築されている作品も存在する。 そうでなくとも作中で上述の「普通の武器や単純な殴り合いには弱い」ことを見抜かれ、その場で対策されて追い詰められる展開も珍しくない。 また、後述のDタイプが顕著だが、“影響を受けないのが自身のみ”という場合は、逆に「周囲の大事なものをどう守るか」ということがドラマとなる場合もある。 ◆無効化能力の種類 さて、一口に「無効化」と言っても実はかなり種類が多い。 作品やキャラによって様々な能力が登場することもあるが、方法から結果まで実に多くの無効化能力がある。 そのため、なかなか分類することは難しいが、大別するなら以下のようになるであろうか。 イメージを湧きやすくするために、「人物Aが、人物Bに拳銃を向けられている」所を想像していただきたい。 そして、その発射される(であろう)銃弾が『能力』であると思っていただきたい。 A.発動阻害タイプ 「使おうとしても使えなくする」タイプ。 「な、何故能力が使えないんだー!」な感じ。 封印や妨害と区別が付かないが、能力そのものをピンポイントで使えなくする能力が無効化能力と呼ばれやすい。 例で言うなら、Bがトリガーを引いたのに、銃弾が発射されなくなる。 B.相殺タイプ 能力に対して無効化能力をぶつけることで対消滅させ消し去るタイプ。 「打ち消された……こんなあっさり!?」な感じ。 これだと炎に対して氷で相殺などでも無効化になってしまうが、そういうのは基本的には言われない。 主に能力以外には無害に近く、能力に対してのみ相殺する能力が無効化能力と呼ばれる。 例で言うなら、Bがトリガーを引いて発射された銃弾に、Aが特殊な銃弾を当てて撃ち落とす、ないしは潰しあうイメージか。 C.消滅タイプ 「使った能力を使用者の意図に反して勝手に消す」タイプ。 「バカな! 消えた…だと……」な感じ。 強制的に消してしまうだけだとBタイプとほぼ同じだが、この手の場合は無効化能力そのものは能力と打ち消し合わず、ほとんど一方的に消せる場合が多い。 Bが発射した銃弾が、Aに当たったはずなのに消えてなくなっているという状況。 D.干渉無効タイプ 「能力の影響を受けない」タイプ。 「の、能力が効かない……!?」な感じ。 能力が直撃して大爆発が起きようが本人は無傷で平然と爆心地から歩いてくるようなアレ。 このタイプは相手の能力は消滅させない。ただ一切通用しないのみである。 そのため、Cタイプとの違いとしては、無効化能力者以外への能力の影響は正常に行われている点。 なお、単純に硬かったりタフだったりする場合は基本当て嵌まらない。 Bが発射した銃弾が、Aに当たったはずなのにAは無傷という状況(*1)。 E.体術タイプ 「当たらなければどうということはないor当たってもどうということはない」タイプ。 能力というか技術。凄い見切りや回避、受け流しや衝撃軽減の極地がたまに呼ばれる。 性質上技量でどうにかなる範囲を超えた攻撃は無効化できない。 Bがいくら銃弾を発射しようと、Aはそれを回避する、もしくは叩き落とすイメージになるか。 F.回帰タイプ 「能力という事象そのものを巻き戻して無に帰す」タイプ。 能力体系に干渉するタイプもあれば復元する能力を「能力が使われていない状況に『戻す』」と言うような因果や現象に干渉する能力の発展系として見受けられる。 Bが銃弾を発射したはずなのに、いつの間にか弾が弾倉に戻っている、といった感じか。 G.貫通タイプ 「相手の特殊な体質を無視して攻撃できる」タイプ。 攻撃する時相手の体質が消えているのか消さずに貫通するかは作品によって異なる。 上記までのタイプとは異なり、Aが防弾チョッキなどで対策を整えているのに、Bが発射した銃弾はチョッキを貫通、ないしはすり抜けてしまう状況(*2)。 …などになろうか。 当然、この解釈に当てはまらないタイプもあるので、あくまで目安程度のものとして捉えてほしい。 もちろんそれぞれが複合してたりもする。 そして、実はCタイプのみというのはとても少ない。 恐らく問答無用なチートに近い(もちろんピンキリだが)からであろう。 ◆類似項目 無敵… あらゆる能力を無効化してしまえば、この状態になる。 吸収/反射… 100%吸収してしまえば無効化(Cタイプ)と同義となる。また、周囲へ反射してしまえばDタイプのようにもなる。 ◆メジャーな無効化能力/無効化能力者 ○上条当麻(とある魔術の禁書目録) 全ての異能を打ち消す右手、「幻想殺し(イマジンブレイカー)」を持つ主人公。 「その幻想をぶち殺す」(略してそげぶ)は余りにも有名。 ただ右手限定なので割と窮地に陥ることもあり、また相殺する対象のエネルギーが莫大だと消し切れない。 ○神楽坂明日菜(魔法先生ネギま!) 「完全魔法無効化能力(マジックキャンセル)」の使い手。 ただし空間転移のような周囲の空間ごと飛ばす魔法は通じる。 ○マーシャル・D・ティーチ(ONE PIECE) ヤミヤミの実を食べた全身闇人間。通称黒ひげ。 闇の引力を手から発し、能力者を正確に引き寄せ掴んだ相手の能力を無効化する事ができるBタイプ。 これにより全身自然現象でもゴムでもぶん殴れる上の人のようなことができる。 ただ引き寄せられている途中は能力を使えるので遠距離攻撃されると普通に喰らってしまう。 ○ECM/ECCM(絶対可憐チルドレン) 超能力対抗措置(ECM)装置。 超能力波阻害機で一般人でも開発・制作できる機械。 後にさらにこれを阻害する超能力対抗対抗措置装置(ECCM)が作られる。 作中、「こうした技術は結局いたちごっこになる」と語られている。 ○アンチエスパー(〃) 超能力不活性化能力者。 こちらは超能力そのもので、周囲にいるエスパーの超能力を無効化する超能力。 正確には超度(レベル)に応じて大幅に弱体化させるものであるため、Bに該当。 連載前に掲載された読み切り版にはさらにこの能力のみを無効化する「アンチ・アンチエスパー」というニッチすぎる超能力も登場している。 ○円環少女の一般人 この手の作品には珍しく、一般人(モブキャラ)が魔法を無効化と特殊な設定。 一味違う「無効化」の魅力が楽しめる。 ○天魔・宿儺(神咒神威神楽) 結界内全ての者の異能を封殺して弱体化、自分は異能使い放題という反則技中の反則技「太極・無間身洋受苦処地獄(たいきょく・むげんしんようじゅくしょじごく)」の使い手。 厨二作品の最低系主人公やメアリー・スーへのメタ的なアンチテーゼでもある。 ○ゼファー・コールレイン(シルヴァリオ ヴェンデッタ) 星辰体と呼ばれる作中世界においてあらゆる存在に影響を与え、異能力のトリガーとなる物質の反粒子を星辰体から置換して生み出す「闇の竪琴、謳い上げるは冥界賛歌」の使い手。 反粒子で打ち消されれば星辰光は意味を成さないどころか星辰体の恩恵を受けている作中世界のあらゆる存在は死滅するという凶悪すぎる能力。 無効化能力に世界観レベルの猛毒能力を兼ねた能力と言ってもよく、上記の通り「零から生成する」のではなく「星辰体から置換して生成する」ため「大気中の酸素を毒ガスに置換する」と言えばその凶悪さが伝わるだろうか。 ○佐倉蜜柑(学園アリス) 無効化のアリスを所持。 更に、他人の能力(アリス)を奪う「盗みのアリス」にも覚醒している。 Cタイプ…に見えたが、終盤で「Cタイプ的発動形態のBタイプ」だと判明した。 ○華秦(東京アンダーグラウンド) あらゆる能力を無効化する能力。 この世界のあらゆる能力は彼の姉サラサの能力が起源であるため、その血を分けた弟である彼は能力で傷つけられることはない。 加えてあらゆる物を叩ききる能力と卓越した刀術を駆使するため攻守共に地下世界最強の存在。 ○朧(甲賀忍法帖、バジリスク~甲賀忍法帖~) 何の忍法も使えないポンコツ娘 朧が生まれつき備わっている「破幻の瞳」は、ただ見るだけであらゆる忍法を無効化する。 1958年からの連載という極めて古い作品で、無効化系の能力を日本の創作で初めて使ったのはおそらくこの小説と思われる。 ○仮面ライダーW サイクロンジョーカーエクストリーム(仮面ライダーW) 敵の怪人ドーパントの能力の解析と無効化攻撃が可能。 ただし、攻撃そのものが通らなければ無効化ができないという弱点がある。 ○仮面ライダーエターナル(〃) こちらはマキシマムドライブとして、T2メモリ以前の旧型ガイアメモリを使用不能にする「エターナルレクイエム」を持つ。 ○対抗呪文(MtG) MtG最強候補に挙げられる程の強カード。 MtGのルールにより魔法はおろかモンスター召喚をも無効化するチート性能。 名前の通りCタイプ。 ○もみ消し(〃) 対抗呪文では干渉できない「起動、誘発型能力」を無効化する。 モダン以下の環境で多用されるフェッチランドによる土地サーチをもみ消して実質ランデスにするのも基本ムーブの一つ。 能動的な使い方では「○体生贄にしないと墓地に行くクリーチャーを出して、その誘発能力をもみ消す→巨大クリーチャー降臨」というのも。 AかBか微妙なところ。 ○神の宣告(遊戯王OCG) 遊戯王シリーズ最強の無効化カード。 一部の例外を除く様々なカードの発動を無効にし破壊する、Aタイプの効果。非常に強力な反面リスクも大きい。 他には「スキルドレイン」「王宮のお触れ」なども有名か。 こちらは「効果の発動」ではなく効果そのものを無効にする効果で、発動を介さない永続効果(所謂、常時発動型効果)に対処できる。 ○サイレント・マジシャンLV8(〃) 遊戯王シリーズで(劇中で)初めて登場したレベルモンスターであり、「相手の」魔法カードの効果を受けない効果を有する。Dタイプ。 相手の罠カードやモンスターの効果は受けてしまうのだが、それでも攻撃力3500のモンスターカードが相手の魔法カードの効果を一切受けないというのは強力であり、 かつ、「発動を無効化する」のではなく「効果を受けない」ので、「効果を発動した」ことに反応する相手の誘発効果持ちカードが発動できないというのも地味なメリットである。 ○仮面ライダーガイ(仮面ライダー龍騎) 仮面ライダー達の持つシステム「アドベントカード」の効果を無効化してしまうカード「コンファインベント」を複数所持。 これにより他のライダーを苦しめたが、最期は自らがガードベントにされてしまい… ○植木耕助(うえきの法則) 「ゴミを木に変える能力」のレベル2で、木に触れた相手の能力を強制的にサイクルさせ、元に戻してしまう。 「AをBにする能力」という形式が多い同作の中では唯一、ゴミから生み出した木を再びゴミとしてリサイクル(A→B→A)できる性質から発展したもの。 強力な能力ではあったが、物語のかなり終盤で完成した能力であった為、実際に使われたのは数えるほど。 上記の分類ではFタイプに該当する。 ○いてつくはどう(DQシリーズ) あらゆる補助呪文によるステータス上昇、耐性を無効化する。 これ自体にダメージは無いが、大抵使ってくるのが魔王クラスの大ボスなので、耐性を無効化された直後同じターンに強力な全体攻撃でボッコボコにされる事多し。 Bタイプと思われるが、Cタイプで剥がされてるとも言えなくもない。 ○ディスペル(解除) FF、テイルズ、ゼロ魔などで見られるいわゆる解除呪文。 ステータス異常無効化やバリア解除などできる ○守封(クロノ・トリガー) ラヴォス第二形態と最終形態であるラヴォスコアが使用。 その戦闘が終わるまでステータス異常無効化状態を無効化する。Bタイプに該当。 ラヴォスもステータス異常攻撃を行うが、本作では最強クラスの防具ほとんどにステータス異常無効化が付与されているほか一段階ほど防御力は落ちるが店売りのものもある。 こうなるとそれらの防具を全員分揃え、さらに万能薬など用済みとばかりに全部売ってしまいたくなるもの。 しかしラヴォス戦でこの技を使われたが最後「絶対にステータス異常にならない」前提が崩され、万能薬がなければ有利だった戦局が一気に覆される可能性がある。 万能薬があったとしても治療とHP、さらにはMPの回復に追われなかなか攻撃に転じれない可能性すらある。 簡単に仲間全員に常時ステータス異常無効化を施せるなら、それさえも無効化する技を使ってくる敵がいるかもしれないと初見で見抜けたプレイヤーはどれだけいただろうか… 余談だが、戦闘開始直後に技とアイテムコマンドを使用不可にする「オールロック」を使用する敵がいる。 技コマンドを使用不可にする「ロック」の上位にあたるステータス異常に見えるが、これは無効化できない。 ならば「ステータス異常無効化は看板に偽りありじゃないか」と言いたくなるだろう。 しかしながらオールロックを使用する敵との戦闘では発動演出の前の段階、もっと言えば戦闘開始の時点で既にこれらのコマンドが使用不可になっているので、厳密にはステータス異常ではなく戦闘システムである。 ○桜小路桜(C0DE BREAKER) コードブレイカーたちの異能を無効化する特殊な血を持つ「珍種」。 Cタイプだが、実はこの能力のもう一つの側面として生命力をも無差別に吸収するという性質があり、暴走すると自我が吹き飛び「死神」と化す。 使いすぎると体が小さくなる。 ○贄殿遮那(にえとののしゃな)(灼眼のシャナ) あらゆる力や敵意による干渉を完全に無効化する大太刀。 ただし無効化するのは刀自身に対して加えられた影響のみなので、基本的には絶対に破壊されない頑丈な刀としてしか意味が無い。 ○天樹院シャオ(PSYREN-サイレン-) 相手のPSIの力を見極めることで発動するそのものずばりアンチ・サイキック能力の「陰陽心羅」を使える。 Aタイプ。 ○レーバテイン(フルメタル・パニック!) 一定の範囲内の全てのラムダ・ドライバを無効化するラムダ・ドライバキャンセラー「妖精の羽」を装備している。 ただし自らのラムダ・ドライバも使用できなくなる両刃の剣。 典型的Aタイプである。 ○反仙術(こわしや我聞) ヒロインの國生陽菜とその父武文が使用する能力で、仙術を発動に必要な氣を霧散させることで無効化する事ができる。 また、作中終盤には、この能力の理論を応用して数キロに渡って仙術を無効化する仙術兵器「マガツ」が登場した。 ○ケンシロウ、ラオウ(北斗の拳) 愛と哀しみを背負った男にのみ使える北斗神拳究極奥義「無想転生」を習得する。 この技の前にはあらゆる技が無になり、攻撃が当たらない。 発動した時はもはや空そのものの境地に達しているのだろう… ○ハート様(〃) 「拳法殺し」と呼ばれる特異体質。その脂肪の壁により外部からの衝撃を吸収してしまう。 しかし、主であるシンの南斗聖拳やケンシロウの「北斗柔破斬」には無力であり、ケンシロウに呆気なく破られた。 ○郭海皇(バキシリーズ) 究極の脱力によりあらゆる打撃を無効化する「消力(シャオリー)」の使い手。これを突破できるのは範馬勇次郎のみ。 ○リーチ(X-MEN) 周囲にいるミュータントの能力を中和して無効化する能力を持ったミュータントの少年。 生まれつき異形の外見を持つミュータントも、彼の周囲では普通の人間の姿に戻る。 実写映画3作目では彼の能力を抽出したミュータント治療薬「キュア」が登場する。 ○ミノフスキー粒子(機動戦士ガンダム) 散布するとフィールドを形成し、強力な電波妨害作用、即ち兵器の誘導能力の無効化をもたらす素粒子。 これの実用化で所謂「ニンテンドー・ウォー」が実現不能になったことで、有視界戦闘を主眼に置いた人型兵器「モビルスーツ」が戦場の主役となった。 ロボットアニメにおける「人型ロボットの存在意義に関する設定」の走り…だったのだが、富野監督が演出重視で設定を無視した描写をやったせいで後付での設定の発展を余儀なくされた。 ○ハイレイン(ワールドトリガー) 「卵の冠(アレクトール)」から放つ動物型弾丸に当たると、トリオンで作られた物体や弾丸が強制的にトリオンキューブに変わってしまう。 このブラックトリガーの反則めいたところは攻防一体かつそのどちらも明確な弱点が存在しない点にある。 トリオン体を例外なくキューブ化してしまうためトリガー使いにとって天敵なのはもちろん、そもそもトリオン体はそれ以外の干渉を受けない超越的物質なので、 「トリオン体以外での攻撃」が無意味であるという無効化能力にあるまじき理不尽を誇る。 一応、キューブ化できるのはトリオン体のみという制限こそあり、生身には一切の効力を及ぼさないが、そもトリオン体は素手で頭を潰すぐらい余裕の(ry 無効化能力としても強力だが、空間を埋め尽くすほどの大量の弾丸を複雑な機動で同時に操ることができる射撃性能と、 トリオンキューブを取り込んでのトリオン補充・自己トリオン体回復能力を兼ね備え、隙がない。 なお原則としてどんなトリガーもトリオン体の修復は不可能であるため、この黒鳥はキューブ化と回復能力の二つのユニーク能力を持っている。加減しろ馬鹿! Aタイプ。 ○ヒ一族(ゲゲゲの鬼太郎) 原作およびアニメ第3期に登場。 妖怪の天敵と言われている、妖怪とは全く別種の存在。 その名は妖怪達からも大変恐れられており、原作ではヒ一族の存在を知った途端子泣き爺が「みんなで地獄に逃げよう」と言い出し、アニメではヒ一族が名乗った瞬間に砂かけ婆がなんの抵抗もせずに真っ先に逃げ出した程。 口から原作ではトリモチのような粘性の物質、アニメではガスを吐き、これを浴びると原作ではソーセージの素、アニメではぬいぐるみになってしまう。 天敵というだけあって妖怪の能力は一切通じず、髪の毛針は当たった瞬間にただの髪の毛に戻り、指鉄砲もただのゴム弾のように跳ね返された。 正体は、蠱毒の最後の一匹を特殊な霊草で飼育し、そのフンを溶かした水で育てられた蛭。 原作では毒素を消毒されて蛭に戻り、アニメでは海に落とされて消滅した。 ○一刻堂(ゲゲゲの鬼太郎) アニメ第4期「言霊使いの罠!」に登場。 「この世に不思議な事など何もない」を信条とする由緒正しい陰陽師の末裔であり、「言霊」の力で妖怪達の存在を否定し、名を奪い本来の姿に変える。 例えば、名を奪われた朱の盆は朱塗りの大皿1枚に変化した。 Fタイプ。 ○アスタ(ブラッククローバー) 魔道書から出てくる大剣で斬ることで魔法を無効化することができる。 側面でバットのように打ち返すことで魔法を反射することも可能。 剣なのでそのまま攻撃手段になる、オンオフできるので味方の支援魔法の恩恵は受けられるなど汎用性が高い。 Bタイプ。 ○イレイザーヘッド(僕のヒーローアカデミア) 個性「抹消」により見た相手の「個性」を無効化することが出来るという、ヒロアカ版「破幻の瞳」。 有効時間は「対象を見てから次に瞬きをするまで」であり、瞬きをした瞬間に隙が出来てしまうため、 ゴーグルをして瞬きを周囲に見せづらくする、個性を消している間に相手を拘束してしまう等して無力化するのを基本戦法にする等の対策を取っている。 ただ、個性の使い過ぎによるものか生来の体質なのかは不明だが、使い手がドライアイなので強力な個性なのにいまいち本領を発揮できていない感がある他、 とある強敵との戦いで顔も含む重傷を負わされた結果、個性を使えなくなることは避けられたものの、それ以前よりも個性の持続時間が短くなってしまっている。 また、尻尾が生えている、翼を持つなどといった「異形型」に分類される個性は無効化出来ない(*3)。 A・Cタイプ。 ○草薙護堂(カンピオーネ!) 「戦士」の権能により、神や神殺しの「権能」と相殺し直接相手にぶつける事で一時的に封じもする「黄金の剣」(見た目は閃光)を振るう。Bタイプ。 但し「相手の由来を『1,2冊本が書ける』くらい理解しなければ発動しない」・「使えば使うほど剣が消耗していく」という欠点があり、『剣で斬る神ないし権能』を途中で切り替えると威力も半端になる。 なお発動条件は仲間の少女魔術師達から知識を口移し(ディープキス)され、アンキパン形式で植え付けてもらう事で解決している。 ○織斑一夏(IS(インフィニット・ストラトス)) 彼専用IS『白式』が装備するブレードは全てのISに標準装備されているバリアを無効化して直接相手ISにダメージを与える能力を持つ。 更にここから繰り出される必殺技はエネルギーそのものを消滅させるため、ビーム攻撃を切り裂いたり敵機の耐久力そのものを削り取る事も可能となる。 第二形態では上記必殺技を応用してビーム攻撃を完全に遮断するバリアを張る事ができる様になった。 その後の第三形態では敵ISを強制的に初期化させる能力に覚醒した。 分類としてはB、Cに当たる。 これだけならチート性能に思えるが、壊滅的に燃費が悪いため継戦時間が非常に短い、 基本となる第一形態では件のブレードしか武器が無いため近距離戦しかできないといった深刻な問題を抱えた『欠陥機』である。 ○アインズ・ウール・ゴウン(オーバーロード) 転移前のDMMORPG『ユグドラシル』において、レベル60以下の肉体による攻撃及び一定魔力以下の武器による物理ダメージを無効化する「上位物理無効化」、 第六位階以下の魔法ダメージを無効化する「上位魔法無効化」というパッシヴスキルをアインズは習得している。 転移前はこれらのスキルで攻撃が無効化されるような低レベルのプレイヤーと戦うことはまずなく、アインズはいわば「魔王感」を出す雰囲気作り程度で習得していたのだが、 転移した世界(物語の主な舞台となる世界)では「強者」と呼ばれる者でもレベル30以下で、第七位階以上に匹敵する魔法を使える者も皆無なため、 当該世界でアインズに通用する攻撃を繰り出せる者はまずおらず、アインズに敵対した者はまさしく手も足も出ないまま蹂躙されることとなる。 Dタイプ。 ○風鳴弦十郎(戦姫絶唱シンフォギア) 「特異災害対策機動部」二課の屈強な司令官。時に自身も前線に立って戦うOTONA。 通常兵器が通用せず、人間が触れると炭化してしまうノイズ相手に直接触れずカウンターを決め続けるという神業レベルの体術でノイズの攻撃を無力化してみせた。文句なしのEタイプ。 ○攻撃無効を持つキャラクター(にゃんこ大戦争) 英雄令嬢メルシュと共に実装された特殊能力。 一定確率で該当属性からの攻撃を数秒間無効化する。無効化中は妨害も防げる。 量産できる壁キャラクター(*4)が持っていればその耐久力が増すし、耐久の無いキャラ(*5)が持っていれば生存度が増す。 ただし発動中でも該当属性以外の攻撃は普通に食らうので注意。 逆に敵が持っていると鬱陶しいことこの上ない性能に… ○ゼローグ∞(パズル&ドラゴンズ) 最初の特殊降臨のボス。 先制行動で自身に干渉する効果を無効し、(Dタイプ) リターン・トゥ・ゼロでバフを解除し、(Cタイプ) HP半分でスキルを封印する王眼を使う。(Aタイプ) ○聖舶神・ノア=ドラゴン(パズル&ドラゴンズ) 最強のレーダードラゴン。 アークスケイルで自身に干渉する効果を無効し、 聖舶の護壁で1500万以上のダメージを無効化、 HPが低くなるにつれスキル封印、スキルターン遅延、覚醒(=常時スキル)封印等を繰り出し、 HP1割でバフを解除し即死ダメージを食らわせる。 さらに属性吸収を使うため、対策が用意されるまでは聖舶の護壁が切れるまで99ターン耐久することが定石だった。 ○エンタープライズ、エルドリッジ(アズールレーン) 前者は航空攻撃発動時に高確率で全攻撃を回避する「LuckyE」 後者は被ダメージ時に低確率で味方全体が全攻撃を6秒間回避する「レインボー・プラン」を発動する。 どちらも入手と限界突破は時間をかければ可能で、かつ育成するスキルが1つしかないため、装備以外は育成が簡単である。 ○クルス・シルト(NEEDLESS) 物語終盤で発現したフラグメント「女神の盾(シールド・オブ・イージス)」 左手を向けた方向からのニードレスの攻撃エネルギー及び天使からの暗黒物質を対消滅させて無効化する。Bタイプ 劇中では単純な物理衝撃もこれで緩和していた節があったり防御能力としては強力だが範囲は狭い。 ○ジェレミア・ゴットバルト(コードギアス 反逆のルルーシュ) サイボーグ化の果てにR2では一定範囲内のギアスの効果を「ギアスキャンセラー」で無効化するギアスを左目に得た。 特に記憶阻害など継続的な効果を与えていたギアスを解除できる点で大いに活躍した。再び巻き添え食った子もいたが Cタイプ ○崎谷亮介(ハイスクール・オーラバスター) 「中和能力者(オーラバスター)」と呼ばれる、妖力・術力を問わず中和し無効化できる能力を持つ。 ただ、思ったらすぐ発動できるようなものでもない。 ○咲-Saki-における無効化能力者 麻雀漫画なのに相手の異能にどう対処するかを考察しなければならない漫画だけあって、能力無効化のようなことをする雀士もいる。 「そんなオカルトありえません」な原村和は徹底したデジタル派として自分自身に対する能力効果(ステルスモモなど)であれば無視できる。ただし、場に対する効果には本人が気づかないだけであまり意味がない。同卓が荒れまくるだけである。 龍門渕透華は「冷やし透華」になれば、能力由来のものも含め場の動きを沈め切って自らの和了のみ誘発する。ただし、本質は単純に河の支配という可能性が高い。 臼沢塞はモノクルを介して、相手の特に有効牌を引く能力を「塞ぐ」ことができる。ただし、原理は不明だが体力的な負担も大きく、また場全体に効果のあるものではない。 総じて一般的無効化能力とは言いにくいかもしれない。 ○太宰治 (文豪ストレイドッグス) 異能力『人間失格』を使用する。 相手に触れることで相手の異能力を無効化することができる。 ○ディアボロ(ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風) イタリアギャング組織「パッショーネ」に君臨するボスにして、時間を消し飛ばすスタンド「キング・クリムゾン」の能力を持つ作中のラスボスでもある。 時間を消し飛ばしている間はあらゆる事象の干渉を受けず、本来ディアボロに命中するはずの攻撃もすり抜けていく。分類としてはDタイプとなる。 例えば、暗殺チームリーダーのリゾットに取り押さえた自分ごとエアロ・スミスに狙撃させようとされた時には、 自分の身体にエアロ・スミスの弾丸が着弾する瞬間だけ時間を消し飛ばすことで弾丸を素通りさせ、自分を取り押さえているリゾットだけを撃ち殺させるという芸当を見せている。 ○まもる/みきり (ポケットモンスター) 殆どのポケモンが覚える防御技。1ターンの間、相手のわざを完全に防ぐ事が出来る。 ただし、その原理は不明。 みきりは使用者が少ないが効果は同じ。後述の「ふういん」で縛られにくいというメリットがある。 ただしこれらを貫通する能力を持つ「フェイント」「ゴーストダイブ」等の技や、 「のろい」「ほえる」「ほろびのうた」など一部の補助技は無効化されないこともある。 連続で使用すると成功率が減っていく。 ○かなしばり/ふういん (〃) かなしばりは相手が最後に使った技を、ふういんは自分と同じ技を使えなくするAタイプのわざ。 特にかなしばりはストーリーでも使用者が多く妨害を受けて困った人も多いのではないだろうか。 交代すると妨害は解除される。他にも技でなくとくせいを封じたり変更する「いえき」「なやみのタネ」といった技もある。 ○キャンチョメ (金色のガッシュ!!) 音と光により、「術を止める(魔物)」「心の力を止める(人間)」という命令を脳に伝える事で術を強制的に止める術「フォウ・スプポルク」。 キャンチョメが得意とするいわば幻術の類であり、仕組みを知らなければ相手は術を消滅させる呪文と勘違いする。 ちなみに最強術である「シン・ポルク」はこの効果を含んだ様々な幻を操る事が出来るというとんでもない術である。 Cに見せかけたAという珍しいタイプ。 ○パリィ(エクスペリエンス製DRPG) 攻撃をいなすスキル…なのだが、このメーカーのは次元が違う。もっぱらクラス「ニンジャ」が習得する。 効果は「確率であらゆる攻撃を無効化する。防御すると発動確率大幅アップ。」というもの。 そう、あらゆる攻撃を、である。魔法だろうがブレスだろうが、発動さえすれば全ていなして無効化する。ニンジャすげぇ。もちろん発動率は高くないが、運を上げることで補強できる。 シリーズごとに形は異なるが転職やサブクラス、神器といった別クラスの能力を使用できる余地があるため、組み合わせ次第ではすさまじいシナジーを発揮する。 盾役に習得させて生存能力を上げることはもちろんのこと、最強魔法が威力依存するウィザード、被弾すると効果が解除されてしまう強力スキルを持つレンジャー、被弾・死亡するまで決闘状態で殴り合いをするサムライ辺りが候補である。 後半の特性は防御自体あまり魅力がないので恩恵を受けにくいが、デモンゲイズシリーズでは話は別。 前衛を盾1人だけにできる編成システムと同じように防御すると発動確率が上がる後衛をかばうスキルの組み合わせにより、例え数十回集中攻撃を受けようがほぼ無傷でいる化け物が出来上がる。 ○無効共鳴(ヴォイド・ハウリング)(BASTARD!!-暗黒の破壊神-) 人間によって生み出された、天使の持つ神霊力を無効化する技術。Bタイプ。 悪魔の体内に埋め込まれた天使を触媒として放つ振動波により、結界内の天使の力を全てゼロにしてしまう。 この無効化能力は完璧で、作中ではレベル13000の魔神コンロンが使用し、レベルに10倍以上の開きがある最上位天使「熾天使(セラフ)」の攻撃を完全に無効化して天使の軍勢を壊滅寸前に追い込み、 熾天使の一角ウリエルを堕天させ、最強の天使であるミカエルをも打ち負かすという功績を上げている。 まあ読者達には全く別のベクトルでの功績ばかりが評価されているのだが… ○対魔力(Fateシリーズ) サーヴァント(Fate)の持つスキル。Cタイプ。 一定以下のランクの魔術を問答無用で無効化してしまう付与能力。セイバー、ランサー、アーチャー、ライダーのクラスはデフォルトでこのスキルを持つ。 対魔力スキルのランクによって無効化できる魔術の規模が異なるが、高ランクのものは現代の魔術師が咄嗟に行使できる最高レベルの魔術ですら無効化してしまう。 無効化出来ずとも魔術の威力・効力を減退させる効果などはあるため、魔術を主な攻撃手段とするキャスターは(直接対決するならば)対魔力持ちのサーヴァントには最初から不利がついてしまっており、聖杯戦争においてキャスタークラスが不遇とされる理由の一つでもある。 ○司波達也(魔法科高校の劣等生) A~Gを全て兼ね備えた珍しいタイプ。さすがはお兄様です。 相手の術式を破壊する《術式解体》や発動を阻害するサイオン粒子塊射出とキャスト・ジャミング、相手の術式を分解する《術式解散》、相手の魔法発動そのものを無効とする《ゲートキーパー》、自身に直接的に干渉する魔法を完全に無効化する《接触型術式解体》、《再成》の応用で行動に支障をきたした時に発動することが可能な《自己修復術式》など、様々なレパートリーがある。 中島ナナオ(無能なナナ) 能力者の集まる島にやってきた転校生。他人を無能に貶めるが、本人が自発的に何かをできるわけではないという理由で「無能」と呼ばれてきた。 自分が触れた能力者及び能力の産物を無力化する。 第一話で退場したせいで戦闘描写が少ないため詳細は不能だが、恐らくA、Cを兼ね備えたタイプ。 能力は後に成長を遂げ、「物を認識する」「理性を働かせる」「生きる」といった生物としての能力すら無効化できるようになった。 ○特級呪具「天逆鉾」(呪術廻戦) 呪術におけるあらゆる術式効果を強制解除する術式が付与された武器である特級呪具のひとつ。 作中では呪力が完全に0で術式が使用できない代わりに圧倒的な身体能力を持つ天与呪縛(フィジカルギフテッド)の伏黒甚爾が所有している。 天逆鉾の術式無効化能力は作中最強キャラの五条悟の生得術式の無下限呪術による無限の空間すら突破し、一度は五条を瀕死に追い詰めている。 類似した呪具にミゲルが所有する呪具「黒縄」があり、こちらは術式効果を乱し相殺するという形で無効化能力に相当する能力が付随している。 追記・修正は『荒らし』を無効化しながらお願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2018-03-01 23 17 27) ドラえもんズの映画でアチモフが「ひみつ道具を使えなくする電波」を使っていたが、あれもこれに近い感じだな -- 名無しさん (2018-04-08 21 02 59) タイプとしては他に吸収による無効化があるな。派生して吸収した能力エネルギーで回復したり、吸収した能力を解放できたり、コピーしたりする。 -- 名無しさん (2018-10-15 19 07 08) 個人的にはニンジャスレイヤーの「キリングフィールド・サップーケイ」が好き。 -- 名無しさん (2019-09-23 10 46 24) もう10年前のアニメだけどアスラクラインの生徒会長も無効化能力者だよね?結構好きなキャラだけど、そんなに有名じゃないどころかむしろマイナーだから書き加えるのはあれだが。 -- 名無しさん (2019-12-09 15 24 35) カードゲームアニメでの無効化合戦はバトルがつまらなくなる要因の一つ。書き手の能力の問題だろうけど -- 名無しさん (2020-05-01 01 39 50) まさに作者の腕の見せ所のチート能力。一番見事に作品に生みこんだのは…多分一番最初の作品の「破幻の瞳」。凄い -- 名無しさん (2020-05-28 12 59 33) バトルでは協力だが日常ではあまり役に立たない能力だと思う -- 名無しさん (2020-06-20 11 16 14) ↑映画館で上映中にミノ粉を撒いたところを想像してみろ -- 名無しさん (2020-06-20 12 19 56) FE烈火には結構な広域の魔法や杖の使用を阻害する、魔封じの者って敵がいる。殴ってはこないけど、外伝の為にはワンターン撃破を求められる。 -- 名無しさん (2020-08-07 19 52 26) 鎧の魔剣や鎧の魔槍も思い浮かべました。 -- 名無しさん (2020-09-16 00 26 55) 咲-Saki-は穏乃が山に対する支配を無効化する節を見せてたな。現状作中で一番無効化能力に近いタイプ -- 名無しさん (2020-09-16 01 53 04) 球磨川禊の大嘘憑きは、F.回帰タイプのだろうか。 -- 名無しさん (2020-10-18 18 16 52) 封印系も結構多く無いですか? -- 名無しさん (2020-12-07 20 52 00) 僕のヒーローアカデミアの個性消失弾とかMH Wの龍封力(段階抑制)も無効化かな -- 名無しさん (2021-05-25 16 09 22) ↑10 それはカードゲームアニメだけでは無い。 能力だの戦略だのにかまけたパワーインフレに対抗する為のメタとして挙げられるが、根本的な問題点は決して解決することは無い。結局の所↑9の人も挙げているが作者の腕とその時の場の勢いと空気で決まってしまう能力。 -- 名無しさん (2021-05-25 17 10 43) 聖槍騎士団(ペルソナ2)のロンギヌスコピーもある意味これの一種だけど、これの場合ゲームシステム上能動解除できない魔封状態にすぎないのと封殺手段あるのがなあ -- 名無しさん (2021-05-26 01 05 00) 文スト太宰のように「相手に触ること」が条件になっている無効化能力者は、自分が非力な状態でどうやって相手に近づくかというのもバトルの面白さになる。逆に都合のいい時だけ現れて同時に無効化しているようではつまらなくなる。 -- 名無しさん (2021-05-28 07 37 40) 宿儺さんがいて安心したぞ… -- 名無しさん (2022-08-01 22 36 48) 現実でも、超心理学者が超能力無効化超能力(アンチサイ、Antipsi)の存在を主張することがある。この項目だとAタイプで、ようは実験失敗の言い訳 -- 名無しさん (2023-05-28 13 42 43) ↑×3太宰で思い出したけど無効の通じないラヴクラフトみたいなタイプの能力者居るんだよな -- 名無しさん (2023-06-28 18 59 52) ジョルノのGERのキャンセル程えげつないと思ったものは無い。攻撃は攻撃にならず、GERに殺されてしまえば対象は以降、死への無到達により永遠に死に続けるって恐怖に過ぎる -- 名無しさん (2023-09-12 14 37 08) 字面だけ見ると軽減の上位版っぽく見えるが、一部のゲームだと性能的に軽減の方が有難がられたりする(一定ダメージ無効化は閾値を超えたダメージが素通りするのに対し、軽減はしっかり引き算してくれるため) -- 名無しさん (2023-11-29 00 03 43) ゴールドエクスペリエンスレクイエムが入ってないやん! ゴールドエクスペリエンスレクイエムが見たかったから閲覧したの! -- さる (2024-02-20 07 03 37) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hiragiyasai/pages/204.html
キョン刑務官 月 カニンガン駅長 ペ様 ドクロちゃん 犬作 アナゴさん ヤムチャ NINJA ジュウシマツ住職new! アベフトシ イチロー ナッパ ラディッツ ルイズ ナギお嬢様 シャナ ニダー船長 静香ちゃん キノコダンサー キョン刑務官 / | ∧ ∧ ! | | ', ;′| ハ / '. / V | | | | ∨ l. |! | / '. ; ′ ∨ | l Ⅳ. ∨ | | / }; '_..-'´ ∨ / l | | ∨ |/ _..-'´ ', / ハ| | ,.. '_______ ' / / | / '´ ∪ `' | / /| l ′ ー‐---一' |/ / } ∧ | ,′ / /リ ` ハ , / / ∪/ / ′ . | /V/ l| 厂7. ! /∧| / / 独房のやる夫を見張っていたが、オナホールの誘惑に負けて 彼を脱獄させてしまう。 月 早 / l l 、 、 ヽ 、 \ \ ヽヽ ヽ 駄 .く / ! i ! ヽ ヽ ヽ ヽ、 \ ヽ ヽヽ ', 目 な. / l ! ヽ! ヽ ヽ \ ヽ、 ヽ ヽ ! i ! だ ん ハ l 、 ヽ \ \ \ `ヽ、 ヽ ヽ ! ! l と / l !ヽ ヽ 、 ヽ 、 \ \ \ ! ヽ ! i l l こ か ! /! ! ! ヽ ヽ{ \ ヽ \ \ ヽ ヽ! }! l li| い し j/ l ! 、 ! ト、 、 ヽ `ヽ{、 \ \{、 i ! l l ! つ な l i l i i 、 l lテ=-、 ヽ、_、 \_,≧ェュ、_、\ i li ! リ : い !ハト { ! i トN{、ヒ_ラヘ、{ >、{ 'イ ヒ_ラ 》\ l ! ト!! l l! : と ヽ i、ヽ ト{、ヾ ̄"´ l!\ `" ̄"´ | ! l ! j ll ! : ! 、 i l u | /lj/l !リ : ヾト、 !u j!/ j| リ ヾ! ヽ ‐ u /イ´lハ/ }ト.、 -、ー-- 、__ /' ! // リl l゛、 `二¨´ / |/ / rー''"´ト! i{\ / / ! / / ^ヽ ヾ! ヽ _,,、'´ / j/ やる夫の家の隣に住んでいたため、硫化水素の被害に遭う。 月の家は後に野比家が住むことになる。 カニンガン駅長 / `ヽ、 . / r'`ヽ、 ` 、 / l ╋ l‐-、 .、 `ゝ、 . / ,r'^ヽユィ,/ ~`ー-、_ `ー- .,_ ヽ l_,.-=───-- ..,_ ヽ、_ } `y  ̄ ‐-ュ,`ー-、 _,r' / ____ r'、 `ー-、'´ '-‐=l! l ̄rュ,l}ーl´`ru- ̄`l}‐='-.,_, く li_l _j´ ヾ、__,.r' i ,y'イ l l ̄ ,.l _ -'`ヽ、 i_,l r,.r' . l ' _, .. ,-ュ、` , r'-l ヽ ' _,二,l _ヽ、 l! .l _,,.-ヽ ヘ'_,y'_,. ,r',ri´ ̄ ` _,,.r'-´ ,rヽ、_ ,.r ュ'_ ,.-l l! r'r´' / ,r y' / l l 誠実な駅長。 ハバナ産の葉巻を愛用している。 ぺ様 ,.-ァ‐-、_ _,.-',ィ ァ ァ ニ≧ーヘ / ノ / //,ィ// ///,ィヽ r' ノ / /,//,ィ_ ///1ィノハ ノ////ィ´〃 /ノ' 彡' |ヾ ハ ノ // 川/ノ-‐‐く ,.-┴.! ハ 7 / 彡'_,r_,二`TニF二`L ,リ ┤ 三ノ ヽ 二ノ ヾ二.ノ!ハj フ彡'ノ=' 〃- 、 , - 、 ! ノ イ ヾ-、 { i-rrrrrrrァ} }ノ ノハ、ーヽ ヽヾ='='='/ /、 _} ノヘ\ \_ ,ィ'ノ ト-、 韓流スター。 あとは特に無し ドクロちゃん / r'´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `丶、`ヽ、 丶.ヽ、 `丶.丶、 `丶`丶、 ____ \ \ `>'´  ̄`ヽ、 _} } ,.-‐ァ'′ `く ‐∧ ∧ / / / ,イ| | ヽ / 厂`ヾ、/_〉. / / / / /| l | ト、 | l | | | { ヽ `ヽ / / /| l lレ廾| N l弋_工lメ || | 、 ヽ | {.イ /| | | 伐ニミ ヽヽr〒テミl| l_ | ト、 l | |/ ̄ ̄ ̄> |/ /!ハ、ヽ._トh } h lリ ! }| | ヽ、l| | ト┬< ̄ {\ /l / |l | ヽ {_l `ー' , `ー'/, レ' | | l | l| /|lr┴< 、ヽ「∨ || | ヽ、 マ ̄} // /,イ トヽノ l∧ ! {__ \ // _〉、ヽ.`ヽ、/,l| ト、∧ >、ニィ彡/ /|/_|/Vl | ヽ| | `ヽj. //_ノ 、\ }/ | l |レ=≠=、/斤=彳/ ; `ヽ ! l /`ー--、 / ハ 、 \ノ/ | | | | ´ //l { /,|/ / lヽヽ. ノ|ヽィ―‐'′ | l ト、_ >'´ | レN/ //l ト、∨/ / ト、\ヽ[_丿 | | l し'´ | /ヘニ/ / | | /V l/ |ノ \ヽ. |ー1 | | 〉 |{ // { | |/ | |―‐、 ヽ} r┴く レ' /∧ ∧ //! V/ | !ー-┘ └r‐'´ // ヽ. / V `、 [/! | | | |. // ヽ. l 〉 ! |{O rヘ. l { | | | `ヽj { } |l ‐-{ | | l | | l / 爿ニニ| `ヽ」ノ | | ロリ可愛い天使。 エスカリボルグでやる夫を昇天…いや、蘇生させた。 tvk映らないから観てないんだよこのアニメ!! 犬作 -=- . / \ \ .| ミ | ミ|_≡=、´ `, ≡=_、 |;/ ||. ◎ .| ̄|. ◎ |─/ヽ |ヽ二/ \二/ ∂ /. ハ - -ハ |_/ | ヽ/ヽ/\_ノ / |. \、 ヽ二二/ヽ / /. \i ___ /_/ 創価学会のボス。 こいつも硫化水素の被害に遭い死亡。 ざまぁwwwww アナゴさん / ̄ ̄ ̄ ̄ / | / ̄ ̄ ̄ ヽ | | / \|| | ´ ` |(6 ιつ / | / /⌒⌒ヽ| \  ̄ ノ | /  ̄ アナゴさんの同僚。 普段は温厚だが、怒ると基地外になる。 ヤムチャ トv'Z -‐z__ノ!_ . ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く` ,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、 . , rュ. . {_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'| ,.、 、 ,ェr `iァ'^´ 〃 lヽ ミ ∧! .´ ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf ~ r_;. Y ''/_, ゝァナ=ニ、 メノ ` ;. _ \,!ィ'TV =ー-、_メ r、 ゙ ,ィl l. レト,ミ _/L `ヽ ._´ ;. ゞLレ' \ `ー’,ィァト. ,. ~ ,. , ュ. `ヽニj/l |/ _ .. ,、 l !レ' ,. " `’ `´ ~ 学会員。 犬作マンセーなZ戦士 NINJA __ / \ __/ ⌒ | /_ | 入 /| ト__// | /ー、\ | =◎= / | / _| |∴ \ ̄_/ \ ____________________|_\||ー|-ー'⌒|---------------、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄||_| | | \--------------′ \__\人从∧人 / | \ \/ | \ / _/|___ / ̄ ̄ |__」 / ̄\ / ̄\ サイボーグ忍者。 強化骨格とメカニカルな刀が武器。 股間にセットされた爆弾を発見して知らせてくれる。 ジュウシマツ住職 ,-'"ヽ / i、 / ̄ ̄ ヽ, _/\/\/\/|_ { ノ "' ゝ / ', \ / / "' ゝノ {0} /¨`ヽ{0} < ニャーン!! > / ヽ._.ノ ', / \ i `ー'′ '.  ̄|/\/\/\/ ̄ / }. i' /、 ,i.. い _/ `-、.,, 、_ i /' / _/ \`i " /゙ ./ (,,/ , ' _,,-'" i ヾi__,,,...--t'" ,| ,/ / \ ヽ、 i | (、,,/ 〉、 、,} | .i `` ` ! 、、\ !、_n_,〉 変幻自在の珍獣。 最早ジュウシマツではない。 アベフトシ ,r 、 / ハ ノ i, ,' リ ' ‐tiァ'ハr'; リ i (i ヾi!' ! (, ハ ` i! ヽリヽヾ <iテ ! ヾ ` - 、 ` r リ ;《 ニ==,' i ;;ハ ヾ ル /r' _,,..-ツ' ヘ ヽ |;;\ ,r'''‐ー'''" ∠;; -'''^ヽヽ ` ム;;; ヽ、 /;; ヽ ' ;ヘ ヘ /; ; 丶、..,,__ i; i; ヽ ヘ ヽ ゚ i; ;/~ ||; ` "ヘ i; ヽ ヘヽヽ ,i/;; |; ||;; / ヽ ;;i; ヽ i;; V ;; |;; ノ|;; /; ;i, .;;;;;i; ヽ 'i;; ; ;;|; / !; i; ;;i, ;; ;;;;;;.;;;i;; ヽ 'i,;; ; ;|; /| .|;; i;; ;;| ;;;;;; ;;;;;;;i;;; ヽ i, ;;| / | .| ;i;; ;| ;;;; ;;;;;/;;;;;;;; ヽi, ;;i / | .| ;/;; ;;i 鬼。 カッティングが凄い。 やる夫が阿部高和と間違えて召喚した。 イチロー . . ....-‐…‐-. . .. . /. . . ゚. /. ` . .、 __/{ , ′. . . /. ゚ __ 丶 〉 > /'ヽ. 7/ __ ヽ ― 、/ 。/ ノ. . ヘ.ノ/((.! {|D)N l ,⊥/ / ゝ∠二Z,ノ-‐‐} - + - j/ /___ ` <..イ. | l / ∠;;;;;;;;ヽ、 ̄ ̄ ̄ ゙゙゙̄ー―-=ニ / ☆ jノ`ヽ ´ \、 . \ / /⌒)_ _+____+二三三三三二ニ丶、 _/( _,/ __+,ノヽ`ヾ'' . ;;;;{`ヽ三三 ヽ /´ ̄  ̄` .ィテ>'' `ーニ彡′ (/ { ,′ \ ヽ , |/ ☆ l ヽ } ,. 、 `ヽ ノ/ - + - ...イ .、\; . ゝ ー- フ´ l '\\ ` ヽ .;. ¬'′ ヽ.\\\ `ト ;;. ;. .,.ノ __j__ | ヽ.\\\{ 川 \`ヽ i′ 人  ̄ `Y´  ̄ | レーザービーム。 ほぼイキかけました。 ナッパ .,,_ -、 \ : ; ! l!゙ 、\ ヽ , ' ' | __ ゙i, ヽ \ _,,r'li r'〔__ i ヽ ゙''{ ・, 、ヽリ/ , r :'i" /ヽ | |_ ゙゙ ̄" `''”j,r'r”_‘-’_/,r' ,' i` ー } ゙ , ... jl゙゙'l゙ "⌒ i' ,' }' ! l ,,;.. j | ! / _i i i ,r==゙ 、、 j j ,r' / ,r'' {' ` ー '| ," .|l゙(゙\ `ー,' ,イ/ _l | |,........., l! `ー ==-i| / r' ,ー'、 ゙i,..j 、 |, i l! i! / i i `、 ;、 ゙i, | | ' ⌒ ` i' ./ | . ゙i, ゙、 ,} j j' / i . ゙i,, ゙ 、゙ ゙ . ゙ , 1ヽ ,r' / i . ゙, , , ' _, | i \ / /| _____!ヽ;_ __,_'_,,. -''' "_ ̄| ヽ、___/ i⌒\ \,r'ヽ、____,,. -'' ",r',r' ベジータの手下。 何故かこいつだけ髪が短いどころか生えてない ラディッツ //_____ /| / ∠_____ / |/ / / \ |/ \ | / ̄ヽ \ |/ヽ / | \ | ヽ/ | \ ノ l ___ ,.---、 \ ヾ、=。'l`| リ c ュ T l 日| ∠|`=ノ ヽ__√ T 日| / | く、__,、 `ー、‐' ∠- !、  ̄´ // \ /__ ,\ / / `ー---_,__,_____ / / / / ヽ-‐ / __ // | | | | | | l、  ̄ー' ̄ ̄ ̄____// | | | | |, ‐ゝ- 二―二二二--―――― \ | | | 髪が馬鹿みたいに長いおっさん。 ベジータの手下。 ルイズ ___ _ , ィ´,. - ´ `> / !/ i `丶、 / /-‐′ \ ′ / _/__ .ハ \ ′ .| | `メ、./ ! / ヽ._ / ! ィォ=ミ、′/ /__ィ !`T´. / /| | 弋zり /-‐'"_ /`/ ./. / /∧∧ \ ヽ fリノイイ/ / /,. -- 、ヘ ト、!,.へ._ ' / イ ,、__,. ---一'´ / ,. -‐ ミ| !、{__)ノ _,ノ /! / ,.、, `ヽ , -/ / / \| |ヽエT ´ | ∧ヽ /ノ//,.ィ ,ハ  ̄`ヽ / ハ | / ! ! f⌒ヽ! | |、` ̄! ./,/_/_/´/_/ ヘ ヘ /| / ヽ l / | l ゝ._,ハ! ! \! //./ l ヘ ハ ヾ、 ./ | | ,.イ| |\ヾ //ァ/ l ハ キ 突然現れて服役中のやる夫を魔法で助け出す。 獄中のツンデレヒロインその1 ナギお嬢様 / \ / 丶 \ ヽ / / | ヽ ヽ ,' / l | l l │ | | l | l i l | | |l | l l\ | │ l 、 | | | | │ ! | l| | | l ヽ |、 │ │ ヽ ! | | | │ j| / ! / | l 、_|___ l l | ヽ │ | ∨ | l | l. / l_ | _|__|ノ| | | ヽ ̄丁 T 十ハ ! | ハ V l | | l j !.│ l │ l\ │ -\ ! jl / | | │ ∨j}\ Vヘ l ヘ小∧ ! ヽ{ ヽ { \|'r行モ示矛〒ラ | | /ー/ツ \ ヽ∧ ヽ、 ∨} ヾ ヽ \ Vヘ ト-1 " | l /| /シ″ \. \ \xヘ l∧ ッ=z=彡 -ゞ-=≠″ ! Ⅳ火 ヽ ヽ /\/\ ! ハ. /////////////// | ∨/ \ ヽ / / ム丶八 ' ,′/く \ ',. / // ヘ ゝ、 / / / ヽ、 ヽ i i ,' 〃 ヘ. l > ` イ ∨ ./ ヽ、 ', l | _,斗‐/ \ {\ 个ー-- ‐< | /,xヘ ヘ i l |. く { ..\ ヽ ∧ / / \ ..} | l | 獄中ツンデレヒロインその2。 なぜかやる夫と脱マーを始め、勝ち逃げ シャナ /. . . . . . . . ./. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ . . . . . . . . . . ヽ / / . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ . . . . . . ', / イ . . ./ . /| . . . l . . . . .\ . . . . . . . '. . . . . . . l /' | / | ∨ l | | \ } \. . . . . │ . . . . . .| | / | /\l∧ | l斗-‐| \ ヾ^ . .l. | . . . . . . | |ハ j小i{f伀ハ |ヾ斗=弍㍉! l . . .Ⅳ . . . . . . | Ⅵ | ヘ V j|ハ { V゚/ハ }ヘ∧ /|-、 . . . . | . | j/Ⅳ } ゞ' \ r込ソ リ ∨ |^ } . . . . l . | | |/////// ! |_ノ . . . l .| | 八 ` _ | | . . . . l | | \‘ ' _ | | . . . . l | |. lヽ、__ , r<. | | . . . .l| |. |''´ / 〉 | | `ヽ、_ . . . | /゙|. | }_ /´ ̄¨\| | 77`ト、 犯されるためだけに安価で呼び出されたが、未遂に終わり、名刀「贄殿遮那」でやる夫を切り捨てる。 獄中ツンデレヒロインその3 ニダー船長 ∧ ∧ / ヽ ./ ヽ / `、 / ヽ /  ̄ ̄ ̄ ヽ / .\ / \ヽ ヽ/ / ヽ ( \___/ ) 人 ヽ \/ __(_____ )__ \ 、___ ___ ___ , -(___________) _rく /癶V⌒!=| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| __,、=T下、``ヽ /‐''"_, -ヘ|ウンコ汁 | /「 ̄´ ヽヽ \ ヽ/ ´ _,,厶ヘ ∧=、、 北朝鮮貨客船「万景峰号」の船長さん。 そこそこ強い。 ウンコ汁飲んでるから? 静香ちゃん ,,,,,,---ー---、、、 ,.-'"; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽ、 ,,.;;; ; ; ; ; ;; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;!i`ヽ /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; !!!!!!!!!''""" ;!!!!ノヾ; ; \ /; ; ; ; ; ; ; ; ; !!''" !; ; ; ; ;ヽ |; ; ; ; ; ; ; !'" ヽ; ; ; ;ヽ |; ; ; ;i''" i!; ; ; ;| |; ; ; ;| ヾ; ; ; | |; ; ; ;| ,,,;; iii;;;;; ,.-==--、. `!; ;|ヽ 〉; ; | ,.-''" ̄ ̄ ̄`ヽ⌒| --。、-、 ヽ-`' | i `u i -‐'"ヾ'" ! | ノ i | ノ ヾ、___ノ | | | ヽ、__,.-i i 、 | | | '" `~ー~'" ヽ | `i ヾ ' ____ ; ; | \ -‐'''"~ ̄ ̄ ̄ ̄ ; ; /-、_ ヾ . ` " " " ,./ `ー-、 ,,,--'\ ,. ,.イ _,.-‐'" |`ヾ; ; ヽ....、 / ! _,.--‐'" | `ー、; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ,.-''" | | `>ー‐< / ! / ,.'"\ ! クッキー作りが趣味のヒロイン…なんてことは絶対無い。 眼鏡と横に長い口がトレードマーク キノコダンサー ,r''⌒ヽ ,ノ o ○、 ♪ (,,,O,,,,,,,,,,,,,,,,,,,) (´・ω・`) )) (( ( つ ヽ、 ♪ . 〉 とノ i )) (__ノ^(_) 頭にキノコの生えたかび臭いダンサー。 何故か爆弾にされてしまう
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/447.html
第529話:カウントダウン(やがて来るもの) 作:◆eUaeu3dols 折原臨也はあまりに上機嫌で笑いだしそうだった顔を引き締め、慎重に歩き始めた。 そろそろ誰かが見ているかもしれないし、目的とした以外の相手が居るかもしれない。 あるいはセルティやその仲間に至近距離で遭遇して攻撃されるかもしれない。 この島において事故で人を殺してしまう前例は、呆れる程の数になっているはずだ。 先ほどのシャナという少女も意図せず静雄を殺してしまったわけだし。 また笑い出してしまいそうなのを必死に堪えて、臨也はコツコツと足音を立てて歩く。 もう目的のマンションに入り、目的の階層まで辿り着いている。 セルティと、居るならばその仲間に早く見つけてもらった方が得策だ。 自分は見たところ“無力な普通の人間”なのだから。 果たして、すぐにお目当ての人物は現れた。 「やあ、セルティ。会えて嬉しいよ」 臨也はにこやかに声を掛ける。 目の前にいるのは影でヘルメットを作っているセルティと、欧州系の男女が一組。 セルティと、ベルガーと、ダナティア。 臨也は大集団と接触した。 * * * シャナは項垂れていた。 あの心優しい青年にセルティの居場所を教えたけれど、シャナの状況は何も変わらない。 ――これから、どうすれば良いんだろう。 坂井悠二を失った。 誇り高い肉体は穢された。 フレイムヘイズの誇りさえ失ってしまった。 最後に残った絆の為に戦って……その仲間の親友を、殺めてしまった。 心に残るのはただ痛みだけ。 ズキズキと響く鈍痛が心を次第に弱らせていた。 ふと、シャナは自分の居る場所に気が付いた。 D-8エリアの北端、悠二が殺されたC-8エリアのすぐ近くだ。 (悠二……) 胸が締め付けられる想いがして……悠二の何かを求めて、デイパックから保存食を取り出した。 悠二の血をたっぷりと含んだそれを口に入れて咀嚼する。 悠二を失った悲しさと悠二の何かを体に取り入れる喜びが。 人から外れてしまったおぞましさと餓えが満たされる幸福感が交差する。 ……もう、自らを慰める意味しか無い。 (ダメだ、こんなの……) 悠二が殺された場所を、もう一度だけ見に行ってみようと思った。 そこに何かがあるような気がしたから。 この堂々巡りな地獄を吹っ切ってくれるような何かが。 だからシャナはC-8エリアに足を踏み入れた。 シャナはそこが禁止エリアであった事を知らない。 臨也の禁止エリア解除装置により僅か1時間だけ解除されている事を知らない。 現在時刻は午後9時10分。 禁止エリア再発動まで、残り25分である。 * * * 謎の青年がセルティの名を呼んだ事にベルガーは怪訝な表情を示した。 捜し人の平和島静雄……とはどうも人相が違う。 「知り合いなのか?」 『まあな。折原臨也という奴だ』 彼の問いにすらすらと答えの文を返す。 「静雄という奴の他にも知り合いが居たのか。どうして捜さなかったんだ?」 『あまり信用できない奴だからな』 「ひどいなあセルティ。少なくともシズちゃんよりは話が通じるつもりだよ」 セルティは少しだけ考えた。 確かにそれは事実だ。静雄はふとしたキッカケで激昂して殴りかかってしまう。 臨也はそれに比べれば会話は可能だ。可能なのだが。 『それとおまえが信用できるかは別の話だろう』 臨也は言葉が通じるだけにタチが悪い人間だ。 静雄と比べてどちらが危険かとは一概には言えない。 『どっちも危険が有るなら、友人の方を先に捜すさ。 それにおまえと静雄は仲が悪いからな。両方とも見つけてしまったら事だ』 (イヤだな、よく判ってるじゃないかセルティ) 臨也は内心で苦笑する。 静雄と自分が顔を合わせっぱなしで居なければならない状況なんて嫌すぎて危ない。 嬉しいことにもうそんな危惧をする必要は無いわけだが。 「それよりも、おまえは誰からこの場所の事を聞いたのかしら?」 ダナティアが臨也に問い掛ける。 「知っていた? 違うよ、たまたまさ」 「嘘おっしゃい。おまえはこのエリアに入ってから一歩も迷わずここに来たじゃないの。 エリアに入って、5つもあるマンションの一つを選んで、目的の階まで一直線。 これをたまたまだなんてよく言えたものね」 (やっぱりどこかから見ていたわけだね) ここは既に相手の陣地なのだ。監視下に有るのはむしろ予想通りと言えた。 しかしマンションの外は暗い。少なくとも夜目が効かなければ見えないだろう。 あるいは…… (マージョリー・ドーと似たような能力を持っているのかもしれないな) もしそうなら随分と厄介な相手だ。 一方的に情報を得る能力を持っているなんて情報屋にとっては天敵にも等しい。 といってもそんなマージョリーも別の敵と“共倒れになってしまった”わけだが。 そう考えるとやっぱりそこまで警戒する必要も無いのかもしれない。 「答えなさい。誰に聞いたの?」 「ああ、シャナって子に聞いたんだ」 「「『どこで?』」」 三人から重なった問いが返ってきた。 (……しまったな) 臨也は内心で舌打ちした。 彼女達は皆、シャナを捜していたのだ。 それはある程度までは予想通りだ。 だがマージョリー・ドーと似たような“感知能力を持った奴が捜しに行く事”は想定外だ。 (それも今すぐ行かれると、少しだけどまずいじゃないか) シャナと普通に会った所で状況は変わらない。 問題はシャナがC-8エリアを彷徨っていた場合だった。 * * * シャナは坂井悠二の殺された場所を再び訪れた。 別に、何もなかった。 まだ乾ききらない悠二の血痕が血の匂いを漂わせているだけだった。 近くに零崎の出刃包丁が転がっていたりはするが、その程度だった。 悠二の死体は持ち去ったし、悠二の霊が語りかけてくれるなんて幻想的な事も無かった。 セルティに謝りに行く勇気をくれるような物も、無かった。 シャナはただ、虚ろさと悲しみを胸に立ちつくしていた。 現在時刻は午後9時15分。 禁止エリア再発動まで、残り20分。 * * * (さて、どう答えようかな) 特殊な感知能力を持たない者なら、隣のエリアを彷徨う誰かを発見する事など不可能だ。 だが感知能力を持つ者が隣のエリアからC-8を彷徨うシャナを発見すれば、 禁止エリアが解除されている事が露呈してしまう。 もちろん後になってシャナが誰かと禁止エリアについて話せばその矛盾に気づくだろうが、 それはあくまで人伝の話で、禁止エリア内を歩き回るなど突拍子も無い話は信じられない。 それに対してC-8でシャナを発見された場合、明確な証拠が突きつけられ、 更にシャナの話と総合すれば臨也が何らかの手段で禁止エリアを解除した事も推理可能だ。 切り札の禁止エリア解除装置の事がバレてしまうし、信用を得るのにも支障が生じる。 つまり、禁止エリアが再発動するまではシャナの居場所を教えない方が良いのだ。 幸い禁止エリア再発動までもう30分も無かったはずだ。 問題はシャナの所に行かせない方法だ。 偽の位置を教えても良いが、もし後にシャナと再会する事が有った時に不都合が出るし、 そもそも嘘を吐いて相手を操るなんていうのは情報屋としてスマートではない。 そう、そんな事をしなくても…… 「シャナちゃんの居場所? 悪いけれど今は教えられないなあ」 「なぜ?」 険悪な雰囲気の中で臨也は情報を流し始めた。 「彼女は自らの意志で君達から離れたんだろう? その居場所を勝手に教えるわけにはいかないよ」 「ええ、シャナが悪い方に悪い方に考えすぎての事よ」 ダナティアが傲然と言い放つ。 「あたくし達は彼女の抱える多くの問題に対処する術を既に手に入れているわ。 今ならまだ彼女を連れ戻せば済む話よ」 「君達の知らない場所で問題が増えてしまっていたとしても、かい?」 臨也は不吉な言葉を告げた。 「例えばそう、彼女が罪を背負ってしまっていたら? それに対する答えもなく彼女を連れ戻せるかな?」 『何が言いたい、臨也』 セルティの問いに臨也はあっけらかんと答えた。 「そのシャナって女の子がシズちゃんを殺しちゃったよ」 * * * シャナはいつしか、周囲を彷徨い歩いていた。 そこは言うまでもなく、C-8エリアの範囲内だ。 一時的に解除された禁止エリアを歩いて、彷徨って……見つけたのは二つの死体だった。 「この女……」 確かゲーム開始直後に出会った自称サムライガールだ。 いきなり人の武器をよこせと言ってきて、挙げ句の果てに襲い掛かってきた。 (私も同じじゃない……) その後になってシャナはベルガーに同じ事をした。 その時のベルガーと同じように、シャナは冷静さを失ったその女を軽くあしらった。 そして、殺さなかった。 そんな事をしたら悠二が悲しむと思ったから。 「……でも、死んだ」 その女と、そのすぐ近くにもう一人男の死体が転がっていた。 何かに刺された男と、銃で撃たれた女。 全ての凶器は持ち去られ、何がどう転がってこうなったのかは判らない。 だけどそれでも死体の向きや手の形、形相や足跡が作る周囲の空気が朧気ながらに教えてくれる。 あの女はシャナが見逃した直後にこの男を殺して、そして自分も誰かに殺されたのだ。 (殺しておくべきだったんだ……) シャナが見逃してもこの女は結局死んだ。 もしシャナがこの女を殺しておけば、少なくともこの男は死なずに済んだ。 殺そうとしなかったのに女は死んで、女を殺さなかったせいで男が死んだ。 あまりに皮肉な連鎖だった。 手向ける言葉すら思い浮かばず、ただじっと死体を見つめる。 その時に気づく機会は有った。 死体がナイフや銃創だけではなく、それ以上に無惨に壊されている事に気づく機会は有った。 『死体が7時に発動した刻印により破壊されている』事に気づく機会は有った。 ――しかし、シャナはそれに目を奪われた。 殺された男、ヤン・ウェンリーのデイパックから幾つかの装飾品が転がっていた。 まるで血のように紅い宝玉の付いた、4つで1セットの装飾品。 「……きれい……」 それは吸血鬼である為か、それともその内なる力がシャナの魂を震わせたのか。 シャナはその場に座り込み、その“タリスマン”を手に取っていた。 血色の輝きに呪縛されたかのように。 現在時刻は午後9時20分。 禁止エリア再発動まで、残り15分。 * * * 「ぐっ!」 喉元に鈍い衝撃が走った。 臨也の襟元をセルティが掴み、廊下の壁に押しつけていた。 「………………!!」 「そう興奮……しないで欲しいな、セルティ……」 絞まる喉から切れ切れの声を絞り出す。 「話を、聞いて欲しいな……」 「落ち着け、セルティ! そいつの言うとおり、話を聞かないと始まらない」 「………………」 セルティはしばらく沈黙した末、ゆっくりと臨也の襟元から手を退けた。 紙に言葉を殴り書く。 『どういう事だ、臨也』 臨也は安堵の息を吐いて呼吸を整える。 それからじれったくなる程にゆっくりと、答えた。 「今言った通りだよ。シャナって女の子が、シズちゃんを殺した」 『なぜだ?』 「さあね。色々あると思うよ? 判る分だけでもね」 言い聞かせるように、落ち着かせるように、動揺させる言葉を吐く。 「例えばシズちゃんは服がボロボロだった。服装で見分ける事は出来ないだろうね。 シャナちゃんは乱暴な物言いだった。キレやすいシズちゃんを起爆するには十分な程。 それから……ああ、そうそう。 シズちゃんは由乃のロザリオと言った小さな十字架を大事そうに持っていたな」 (まさか……!!) セルティが息を呑む気配を確かめると、臨也は切り札の一枚を出した。 「シズちゃんは平安野郎をぶっ殺すって叫んでた。 君の仲間にそんな奴が居るんじゃないか? シャナちゃんはなんて呼んだっけ……ああそうそう、保胤って言ってたね」 「――――!!」 慶滋保胤。 彼は紛れもなく善意で行動した。 しかし彼の行動が、間接的に一人の死を生みだした。 「あと、これがシズちゃんの遺品さ。 シズちゃんと俺は憎んでも憎み足りない仲だったけど、それでも知り合いだからね。 君に渡そうと持ってきたんだ」 そう言って臨也はセルティの手を取って、そこにつるの折れたサングラスを置いた。 静雄のサングラスを。 ――もう、否定する事は出来なかった。 「…………臨也と言ったわね。シャナは、相手が静雄である事に気づかずに殺したの?」 ダナティアの問い掛けに臨也は口元を歪ませて聞き返した。 「そうだとしたら? 引っ張ってくるのかい? 静雄の親友だったセルティの目の前に」 「ええ、片方でもまだ生きているなら助けたいわ」 臨也は悲しげに深々と溜息を吐いてみせる。 「だけど残念。あいにくとシャナちゃんは戦いの最中に静雄の事に気づいちゃったのさ。 それで手加減しようとはしたみたいだけど……できなかった」 救いは無かった。 「シャナちゃんは君達に会いに来れないってさ。だから俺が代わりに来たわけだ」 それはつまり。 「もしシャナちゃんを見つけた所でどうするんだい? 追いかけ回して捕らえるかい? 罪の意識に怯えている、なのにとんでもない力を持った相手をさ」 下手につついてシャナが錯乱でもすれば、最悪被害を拡大させる危険が有る。 そうでなくても彼女を死に追いやってしまうかもしれない。 遭遇した時に言葉が届くかも判らない。 セルティやその関係者に会うだけでどんな反応をするか予想ができない。 今、彼女に会いに行くことは危険だった。 * * * シャナは地べたに座り込んでそれを手に取っていた。 血を固めたような宝玉が填め込まれた、ネックレスと、バックルと、二つのブレスレット。 別に大した意味が有るわけではなかった。 確かにシャナはその“タリスマン”から強大な存在の力を感じてはいた。 使い方だって、感じ取れた。 だけどそれが力になるから持っていこうとか、美しいから身につけたいなんて理由じゃない。 血を感じさせるその紅さが吸血鬼の本能を刺激したとしても、それさえ直接の理由じゃない。 ただ、シャナの弱った心がふと、美しく力強いタリスマンの輝きに見とれていた。 山登りで疲れた登山者が風景に見とれるように。 ……そうしていれば、辛いことを考えなくて済むから。 現在時刻は午後9時25分。 禁止エリア再発動まで、残り10分。 * * * 「……そう。それじゃ、今シャナを捜しに行くのはやめた方が良いようね」 「どうする気だ?」 沈黙しているセルティの事も気にしながら、ベルガーは訊いた。 この皇女なら見捨てる、という選択肢では無いはずなのだが。 「シャナも罪の意識は感じているのでしょう。いつか、セルティに謝りに来るわ」 「独りぼっちでか?」 「………………」 ダナティアは答えなかった。 ただ、言った。 「“計画”を早めましょう」 ベルガーの表情に緊張が走る。 「確かに準備は終わったな。だが、今すぐか?」 「今すぐよ。色々あったとはいえ時間を掛けすぎたわ」 (“計画”……ね) 臨也は意味深な言葉に興味をそそられた。 どうやらこのゲームに抵抗しているらしき集団の“計画”。 少なくともこの三人の他に保胤という男と、単独行動を避ける為に一人以上は居るだろう。 最低5人ともなれば相当に有力な集団だと言える。 分散した隙の襲撃で半壊してしまったが、あの学校に居た集団のように。 「その“計画”、俺も乗せてくれないかな?」 一瞬の沈黙。 セルティが『知人だが信用できない奴』だと書いた折原臨也。 彼を招き入れるのは本当に正解か? 「……言っておくけれど、危険はたっぷり有って、しかもあなたは信用は出来ないわ。 武装解除くらいは要求しても良いのなら」 (願ってもない位だ) 元々、正面からの殺し合いに巻き込まれれば自分は不利だ。 それなら武装解除した被保護者という人道的な人間が護ってくれる立ち位置の方が有利だ。 少なくともセルティはそういった人間(人ではないが)に含まれる。 しかも彼はシャナとセルティと保胤に絡んだ情報を持っている。 もしかするともっと効果的な相手も集団の中に居るかも知れない。 武装解除で少なからずでも信用を得られるならむしろ安い物だった。 (情報は武装解除出来ないんだからね) 武器だって集団の中で自分の地位を確立すれば幾らでも取り戻せる。 ただ、危険があるというのは気にはなったが。 (彼女達は間違いなく勝算を持っている) ならば乗ってみれば良い。危なくなったら逃げ出すだけだ。 「…………判ったよ。その位は仕方がないからね」 武器を失う不安を迷いながら乗り越えた、そんな表情と声で答えた。 もちろん、内心では爆笑してしまいそうだった。 「……セルティ、行けるかしら?」 少し間があって。 『ああ、私の割り当ては大した事じゃないからな。私は、大丈夫だ』 しっかりとした文字が返る。 内心の動揺は察するに余りある。 「それじゃ、いきましょう」 だから、何かしら行動していた方が気持ちを落ち着かせるには良いだろう。 彼らはマンションの中を歩き出した。 * * * シャナは地べたに座り込んだまま、立ち上がらない。 萎えた心が全身の力を奪ってしまっていた。 もう何も考えたくない。 考えてしまえばその思考の先は一つしかないのだから。 (ごめんなさい……ごめんなさいセルティ……ごめんなさい…………) なのにそれをセルティに告げに行く勇気は無くて。 罪の意識を紛らわそうとタリスマンの輝きに心を奪わせる。 現在時刻は丁度午後9時30分を指した。 禁止エリア再発動まで、残り5分。 現在位置、依然C-8エリア。 【C-8/港町/1日目・21 30】 【シャナ】 [状態]:吸血鬼(身体能力向上)/ダメージ軽微/精神的にボロボロ [装備]:贄殿遮那 /神鉄如意 [道具]:支給品一式(パン6食分・水2000ml) /悠二の血に濡れたメロンパン4個&保存食2食分/濡れていない保存食2食分/眠気覚ましガム /悠二のレポートその2(大雑把な日記形式) [思考]:もう誰も殺さないよう一人でいる/覚悟が出来たら、セルティに謝りたい タリスマンを見ている。 [備考]:体内に散弾片が残っている。 手術で摘出するまで激しい運動や衝撃で内臓を傷つける危険有り。 ただし吸血鬼の再生能力と相まって高速で再生する。 18時に放送された禁止エリアを覚えていない。 C-8は、禁止エリアではないと思っている。 【C-6/マンション1/1日目・21 20】 【大集団】 【ダナティア・アリール・アンクルージュ】 [状態]:健康/生物兵器感染 [装備]:コキュートス/UCAT戦闘服(胸元破損、メフィストの針金で修復) [道具]:デイバッグ(支給品一式・パン4食分・水1000ml)/半ペットボトルのシャベル/メガホン [思考]:救いが必要な者達を救う/集団を維持する/ゲーム破壊 【ダウゲ・ベルガー】 [状態]:健康 [装備]:強臓式武剣“運命”(ゲレーゲンハイト)、精燃槽(フロギストンタンク)一式、鈍ら刀、携帯電話、黒い卵(天人の緊急避難装置) [道具]:デイパック(支給品一式(パン6食分・水2000ml)) PSG-1(弾薬0) 悠二のレポートその1(異界化について) 悠二のレポートその3(黒幕関連の情報(未読)) [思考]:シャナを助けたいが…… ・天人の緊急避難装置:所持者の身に危険が及ぶと、最も近い親類の所へと転移させる。 【セルティ・ストゥルルソン】 [状態]:平常 [装備]:黒いライダースーツ+影のヘルメット [道具]:携帯電話/静雄のサングラス [思考]:………………。 【折原臨也】 [状態]:脇腹打撲。肩口・顔に軽い火傷。右腕に浅い切り傷。(全て処理済み) [装備]:光の剣(柄のみ)、銀の短剣 [道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水2000ml)、探知機 ジッポーライター、救急箱、青酸カリ、スピリタス1本、静雄のサングラス [思考]:クエロに何らかの対処を。人間観察(あくまで保身優先)。 ゲームからの脱出(利用出来るものは利用、邪魔なものは排除)。 残り人数が少なくなったら勝ち残りを目指す [備考]:クエロの演技に気づいている。 コート下の服に血が付着+肩口の部分が少し焦げている。 2007/12/12 修正スレ283 2007/12/21 修正スレ285 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第528話 第529話 第530話 第533話 時系列順 第530話 第526話 セルティ 第531話 第527話 折原臨也 第531話 第525話 ベルガー 第530話 第527話 シャナ 第530話 第525話 ダナティア 第530話 第525話 アラストール 第530話
https://w.atwiki.jp/fullgenre/pages/258.html
フレイムヘイズ×矛盾×雌伏 ◆U1w5FvVRgk ホテルとはサービスを売りにする場所だ。 客に不愉快な思いをさせないため、外観のデザインや清潔さにも気を払わなければならない。 その点からすれば、エリアB-1のホテルは失格だと断言できる。 何しろホテル正面のガラスは砕け、ロビーのあちらこちらに弾痕が刻まれているのだから。 ここだけ見れば、既に廃業しているとも思えるだろう。 そんな荒んだ場所にて、泉新一は頭を悩ませていた。 「どうしようかなぁ……」 左手で頭を掻きながら、新一はホテルのロビーにて唸る。 チーズのように穴だらけのソファに身を沈める姿は、一見して気だるげだが顔だけは真剣な面持ちだ。 隣に目を向けてみれば、そこには穏やかに寝息を立てる青年が一人。 新一の知っている限りでは、テレビによく出るそこらのアイドルよりも整った顔立ちをしていた。 毛布代わりに、その身には新一に支給されたゼロのマントが掛けられている。 新一は彼の名前を知らない。 そんなことを聞く暇も無く、二人は先ほどまで戦っていた。 サブマシンガンを携えた青年が襲撃してきたのがほんの一時間程前。 結果は新一が何とか青年を気絶させて終わったのだが、その後が問題だった。 青年をどう扱うか、新一は決めかねていたのだ。 普通に考えれば、自分を襲ってきた相手など捨て置けばいい。 この場が殺し合いであることも考慮すれば、殺すという選択もある。 が、新一はどちらの行動も起こしていない。 殺すという選択ははなから論外であり、気になる事があるので放ってもおけなかった。 新一の脳裏に引っかかるのは、青年の言葉。 青年は言った。『所詮この世は弱肉強食、強ければ生き弱ければ死ぬ』と。 自分と同年代の青年がそのような価値観に至るのが、新一には理解できなかった。 それでも想像力を働かせて行き着いた結論は、青年が虐げられる立場にいたというものだった。 具体的にはイジメや虐待、あるいは両方かその他の原因かもしれない。 新一自身は平凡な家庭で育ったので、想像するしかない。 もし、そのような環境を青年が過ごしたなら、弱肉強食という価値観に至るのも無理は無いのか? そう考えたものの、この考えには穴があった。 (仮に俺の推測が当たっていたとして、ああまで殺人を躊躇しなくなるか?) 殺人とは人間にとって最大の禁忌。少なくとも新一はそう思っている。 だというのに、少年は殺人を当たり前のように行おうとしていた。 いくらなんでも、現代に生きてる人間として当然の論理観を捨てれるだろうか。 新一には、どうしてもそこらへんが分からなかった。 (こいつならどうするんだろうな) 気が付くと、新一は右手を眼前まで上げていた。 こんな時ミギーならどうするだろうかと考えて……すぐに止めた。 考えずとも、新一には答えがおのずと想像できたからだ。 『彼がどのような事情を抱えていたとしても、わたしや新一には関係ないだろ。 どうしても聞きたいなら、彼の持ってたマシンガンでも突きつけたらどうだ。 きっとすぐに話してくれるぞ。 それが嫌なら、さっさと彼を置いてどこか別の場所に行こう』とでも言うのだろう。 実に合理的かつスマートな回答だ。 実際そのように答えられたら、新一はミギーらしいなと呆れが混ざった溜め息を吐くだろう。 確かに青年を叩き起こし、サブマシンガンを向けながら無理矢理事情を話させるのが、 この場では最も手っ取り早い方法だ。 だが、そんな強盗同然のやり方を新一が出来るはずもないし、やりたくもない。 一応、少年のサブマシンガンと、他の武器になりそうな支給品は新一のデイパックに移してある。 最初は盗むようで気が咎めたものの、最後は元々主催者が配った他人の物だと自分を納得させた。 それでも、食料などの基本支給品に手を付けてないあたりは甘いのかもしれない。 さて、どうするかと再び堂々巡りの思考を始めようとして、新一の正面から夜風が吹きつけてきた。 寒さに一度身を震わせる。 新一の正面、ホテル入り口脇のガラスは青年が破壊している。 そのため肌寒い風が時折吹き付けるのだが、今のは特に冷えていた。 だからか、何気なしに新一がそちらに目を向けると、一時間程前を再現するかのように人影があった。 瞬間、新一は自分の心臓に直接冷風を当てられた気がした。 (やばい!) 直後に青年が突撃してきた情景を思い出して、慌てて傍らに置いてあるデイパックを掴む。 新一の所持品の中で一番役立ちそうな物は、やはりサブマシンガンだ。 が、新一はこれを手にしない。 こんな状況とはいえ、人を殺す銃器に嫌悪感を懐いたのだ。 なので新一の選択は少年を抱えながらの逃走。 普通なら難題だが、常人以上の力を持つ新一なら決して不可能ではない。 以前に島田というパラサイトから人を抱えて逃げたこともあるのが、この選択を選ばせた。 ミギーが起きていればと愚痴を漏らしたくなるが、そんな暇も無さそうだ。 新一が青年を抱えようと手を伸ばしたところで、 「待ちなさい!」 女性のものと思われる鋭い声が動きを止まらせた。 思わず新一が振り向くと、こちらに向かって少女が歩いていた。 見た目はまだ12、13歳ぐらいで、背丈は140センチ程。 腰まで伸びた黒髪が艶やかで、幼いながらもその顔は凛々しく、間違いなく美少女と形容できる。 着ているセーラー服から学生だと察せられた。 途端に新一の体から力が抜ける。 (こんな子供相手に俺は取り乱してたのかよ。 そうだよな。さっきみたいにいきなり襲ってくる奴の方が珍しい……ん?) 人影の正体に安堵していた新一だが、少女の携えている物に違和感を覚えた。 少女の右手にあるのは、どうやら金色の剣のようだ。 薄暗いホテルの中でもうっすらと判るぐらいに輪郭が浮かんでいる。 随分と装飾されているようだが、一箇所だけおかしい箇所があった。 刃の部分に何故か赤黒いシミが滲んでいたのだ。 何か付着した液体を強引に拭ったのか、それは剣の外見を損ねていた。 あんなところに付着する赤黒い液体とは何かと新一は考えて、嫌な予想が付いた。 「ま、待て!」 今度は新一が少女に静止の声を掛けた。 幸いにも、少女は歩みを止めてくれた。 眉間に皺を寄せ、不満げな様子をありありと示していたが。 知らず、少し冷や汗が出てきていた。 できれば、剣については見間違いであって欲しかった。 だが、見てしまった以上は確認しないといけない。 「なに?」 「な、何だよそれ。その剣に付いてるの」 少女はちらりと剣に目を向けて、あっさりと返答した。 「血液よ。人間の血液」 何の戸惑いもなくシミの正体は明かされた。 新一は、その答えを上手く呑み込めない。いや、理解したくなかった。 まさか、こんな子供が……そんなことは考えたくもない。 だから、違う予想を立てる。 それが当たっている可能性が低いと分かりながら。 「何で、そんなものが……最初から付いてたのか?」 そうだと言ってくれ、と新一は願った。 しかし、少女はどこか小馬鹿にした視線を新一に浴びせると、事も無げに告げる。 「それならもっと変色している。これはさっき、私が斬った人間の血。 こびり付いたからこれ以上は拭えなかった」 淡々と事務的に報告する少女に、新一は頭痛がしてきた。 異常だ。十代前半の子供が平然と殺人の事実を口にする光景は、間違いなく異常だ。 「どうしt」 「待って。さっきからお前ばかり質問してる。私にも聞きたいことがあるんだけど」 理由を問おうとしたところで、再度待ったを掛けられた。 無視したいところだが、そうしたらこちらの質問にも答えてくれないだろう。 言ってること自体は間違ってないので、新一は首肯した。 「聞きたいことは二つ。まず、赤い宝石が付いたペンダントを知らない?」 「知らないな」 「そう、ならこのホテルを襲ったのは……お前?」 「俺じゃねえよ!?」 「じゃあ、そっちで寝てる方ね」 「それは、違う」 「へたくそ。自分すら誤魔化せない嘘は滑稽なだけよ。 どうしても嘘だと言うなら、荷物を見せてくれればいい。 それでここにある弾痕を刻むような銃が無かったら、違うと認める」 これほど誤魔化すだとか嘘を吐くのが苦手な自分を恨めしく思ったことはなかった。 間が悪いことに、新一のデイパックには物的証拠となるサブマシンガンが入っている。 言い逃れは出来そうになかった。 「そっちがやったのね」 「……ああ、そうだよ」 新一の答えに少女は一つ頷くと、自分の番は終わりと新一に話す権利を譲った。 苦い気持ちを味わいながら、新一は殺人の理由を問い掛けてみた。 せめて、これぐらいはマシな答えを期待したかった。 「どうして、殺したんだ? 危ない奴だったのか?」 「それは分からない。会話する間も無く首を切ったから。 殺した理由は、首輪が欲しかったからよ。これを解除するとしても、サンプルが必要でしょ。 だから、仕方なかった」 今度こそ、新一は目まいを起こしそうになる。 目の前の少女はパラサイトでは? とも考えたが、可能性は限りなく低い。 パラサイトならまず武器を使わないし、第一に首輪など取らずに人間を喰らう筈だ。 それが彼らの本能なのだから。 それでも、少女の無感情な有様は、新一にパラサイトを彷彿とさせるのに十分だった。 新一の様子に構わず、少女はこれで話はお終いとばかりに近づいてくる。 そして、新一のすぐ傍まで歩くと、右手に持つ剣を突きつけてきた。 「退きなさい」 ただ一言。 恐らく、新一が退けば少女は後ろで眠っている青年を殺すだろう。 首輪解除の障害にしかならないだとかそんな理由で。 新一は―――― 【フレイムヘイズ】 《紅世の徒》による『世界の歪み』の発生を防ぐために彼らを討つ異能の遣い手たち。 《紅世の王》と、《王》と契約した元人間の、二人で一人を指す。 不老の肉体を持つため、生きた年月に比べて精神的な成長が遅い。 もしコキュートスがあれば、アラストールが短慮を諌めて、魅音を殺すことを防げたかもしれない。 シャナがもう少し未来から呼び出されていれば、新一ともコミュニケーションができたかもしれない。 どちらも起こらなかったばかりにこの状況。 まだ炎すら出せない未熟なフレイムヘイズは、自らが正しいと思う合理的な判断に従った。 それが人間からすればどれだけ冷徹に見えるかは考えずに。 ■ ■ ■ 「……は?」 《炎髪灼眼の討ち手》シャナは突然右手に走った衝撃に、思わず呆けた声をこぼす。 直後、何か硬い物が床に落ちる音が聞こえた。 右方に視線を動かしてみれば、自分の右手はしっかりと黄金の剣を握っている。 ただし、刀身は半分の長さになっていたが。 眼前の少年が、素手で叩き追ったのだと理解すると同時、後ろに跳んで距離を取った。 少年はしばし右手を振りぬき、顔は俯けていたが、やがてゆっくりと上げた。 浮かべている表情は怒り。先ほどまでの動揺を露にしていた様子は見受けられない。 本気で怒っているとアピールするように顔を歪めて、シャナを睨んでいる。 そこいらのチンピラなら恐怖のあまり逃げ出す凄みが、その顔にはあった。 シャナは少年への認識を改める。 さっきまでは間違いなく平凡な人間だった。だが今は断定できない。 こんなときコキュートスがあれば、アラストールが有益な助言を授けてくれるはずだ。 現状では無いものねだりだと分かっていても、長年の相棒と話せないのは違和感があった。 「ふざけんなよ! 何が仕方ないだ……そんな簡単に人を殺すなんて、お前は」 「お前は」 だから、自分で確かめる。 「本当に人間なのか?」 「本当に人間なの?」 偶然にも、二人の問いが重なる。 互いが人であるかどうか、図りかねた故の質問。 シャナの問い掛けに、少年は即答はせず僅かに言いよどんだ。 「俺は、俺は人間だ!」 「普通の人間にこんなことは出来ない」 真ん中で折れてしまった剣を見せる。 すると少年は口を噤んでしまう。 シャナもこの剣がかなり脆く、劣悪な品だとは解っている。 実用性を重視するならば、宝石などで華美な装飾を施したりはしない。 まさに見掛け倒しの玩具と言ってもいい剣だ。 それを差し引いても、鉄で出来た剣を素手で叩き折るなんて芸当は異常である。 シャナを残った黄金の剣を横に捨てると、背負っていたデイパックを降ろした。 どうでもいい対象から、警戒対象に引きあがった少年に折れた剣では力不足。 なので、自分に支給された最強の武器にて相対することにした。 デイパックから出てきたのは、シャナの身の丈よりも長い白い槍。 手にした瞬間、体に力が湧いてくる感覚を覚えた。 槍の名は『ゲイボルグ』 ケルト神話において、クー・フーリンが扱ったとされる槍だ。 もちろん、本物では無いだろうが、それでもかなりの名品なのは確実。 武器としては、この槍の方が黄金の剣より数段上である。 ならば最初から使えばいいのだが、シャナには槍を扱った経験が無かった。 それゆえ性能が劣るとはいえ、使い慣れた大太刀に近い剣を選んだのだ。 その剣が折れてしまった以上、代わりに使える武器はゲイボルグしかない。 確かに扱った経験は無いが、それでも、突いて、掃って、振り上げれば何とかなると当たりをつけた。 経験の足りないところはセンスで埋めるしかない。 槍を適当に持ち、シャナは先端を少年に向けながら最後通告を行う。 「もう一度言うわ。退きなさい。退かないと……」 その先は口にしない。 言わなくとも分かると思ったからだ。 対する少年の返事は、シャナと同じくデイパックから武具を取り出すというものだった。 「そう。あくまで、邪魔するのね」 「黙って見逃せないだろ」 少年が取り出したのは盾。 表面に蛇を模った紋章があり、蛇の口先にはルビーのように赤い宝玉が埋め込まれていた。 生半可な強度なら、ゲイボルグは易々と貫く。 そう確信させるだけの力強さを、この槍は備えている。 しかし、あの盾は不味いと、シャナの直感は訴えていた。 邪気、あるいは妖気とでも言えばいいのか。 自分の宝具、贄殿遮那に近しいものを感じた。 だとしても、所詮は盾だ。守ることは出来ても、それだけでは勝てない。 迷わず攻め込む。それがシャナの選んだ戦法だ。 「そういえば、さっきの質問に答えてなかった。 私は……厳密に言えば人間じゃない」 「え?」 告げると、シャナは突撃するため、体を右に捻った。 扱いは分からなくとも、槍の基本が突きだとは推察できる。 出来ることなら、一撃で仕留めたい。狙いを付けながら、シャナはそんなことを思った。 【矛盾】 一般的には辻褄が合わない、物事の道理が一貫しないなどの意味で使われている言葉。 由来は【どんな盾でも貫く矛】と【どんな矛でも防ぐ盾】を売っていた商人と、質問をする客の話。 客の質問は『ではその矛で盾を突いたらどうなるのか?』というもの。 もちろん、商人は答えられなかった。 矛が盾を貫いても貫かなくても、辻褄が合わないからだ。 ちなみに、この言葉には日本でだけ使われるもう一つの意味が存在する。 辞書いわく、『武器を取り戦うこと』とある。 二人が手にしているのは偶然にも槍と盾。 槍と矛は別種かもしれないが、一緒くたにしている地域もあるので構わないだろう。 さて、神話にも名が残る魔界で二番目に強い槍と、ライダーキックすら防ぐ盾。 この二つがぶつかったらどうなる? ■ ■ ■ (馬鹿な人だなぁ。女の子の言ってることが正しいのに) 瀬田宗次郎は既に目覚めていた。 といっても、意識を取り戻したのはほんの数分ほど前、シャナがホテルに来訪した辺りだ。 とりあえず目を開けず、状況を把握しようと狸寝入りをしていた。 それで待った結果は、新一へのわだかまりが募っただけだった。 どうやら、新一はどうあっても弱肉強食の理念に逆らうつもりらしい。 (この人は甘すぎる。 僕を気絶させたなら、その時に殺せばいいし、今だってさっさと僕を見捨てて逃げればいい。 それに、あの機関銃を使えば有利になるのに) この場から逃げるのは容易い。 《天剣》とまで評される抜刀術は、天賦の剣才に加えて、人並み外れた脚力があればこそだ。 逃げに徹すれば、追いつかれはしない自信が宗次郎にはある。 新一の様子からすれば、サブマシンガンで撃たれもしないだろう。 とはいえ、懸念が無い訳ではない。 新一はともかく、シャナはかなりの使い手だと宗次郎は思っていた。 似ているのだ。 志々雄や十本刀といった強者の気配に近しいものを、彼女は持っていた。 そして、耳にした限りでは徹底的に合理的なところも。 拳法の心得などない宗次郎では、無手ではどちらと戦っても勝機が薄い。 だから、隙が出来るまで待たねばならない。 あるかどうか分からない隙を。 (それまでは……とりあえず寝たふりを続けようかな) この状況で一片の動揺も見られないあたりに、彼の豪胆が窺えた。 【雌伏】 本来は、雌鳥が雄鳥に服従することを指す。 転じて、強い力を持った人や組織などに屈服すること。 またはそのような状況で、いずれ訪れるであろうチャンスをじっと待つなどの意味で使われる。 この会場において、宗次郎は間違いなく運が良い方に分類される。 彼の支給品は三つ。 イングラムM10、ビルテクター、そしてラジコンカー型爆弾。 使い慣れた得物である刀こそ無いが、どれも大当たりな品々だ。 更に、ラジコンカー型爆弾は新一のデイパックではなく、今も宗次郎のデイパックに入っている。 支給品を検めた際、新一はそれを単なる玩具だと判断してしまったのだ。 説明書は宗次郎が一度読んだあと捨ててしまったので、判れというのが無理かもしれないが。 これもまた、彼の幸運。 《天剣》が雄飛できるのかは、たった一つの爆弾次第。 【一日目黎明/B-1 ホテルのロビー】 【泉新一@寄生獣(漫画)】 [装備]ビルテクター@仮面ライダーBLACK [所持品]基本支給品(水を一本消費)、拡声器@現実 イングラムM10(32/32)@バトルロワイアル [状態]疲労(小) [思考・行動] 1:宗次郎が起きるまでシャナを止める。 2:宗次郎を監視。起きれば事情を聞く。 3:生き残る。 ※ミギーは後数時間(早朝まで)は完全な睡眠状態にあります。 ※ラジコンカーが爆弾だと気付いていません。 【瀬田宗次郎@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(漫画)】 [装備]なし [所持品]ゼロのマント@コードギアス 反逆のルルーシュ [状態]全身打撲、狸寝入り [思考・行動] 1:どう動く? 2:新一にイライラ。 3:弱肉強食に乗っ取り参加者を殺す。志々雄に関しては保留。 ※宗次郎の傍にデイパック(基本支給品、ラジコンカー型爆弾@相棒)が置いてあります。 【シャナ@灼眼のシャナ】 [装備]:ゲイボルグ@真・女神転生if... [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~1(武器ではない)、首輪(魅音) [状態]:健康、力と運が上昇 [思考・行動] 1:新一を倒して、宗次郎を殺す。 2:コキュートスを探す。 3:危険人物には容赦しない。 4:首輪の解除ができそうな人間を探す。解除が無理なら殺し合いに乗る。 ※シャナの傍に黄金の剣(折れている)@ゼロの使い魔があります。 【支給品紹介】 【ビルテクター】 ゴルゴムの戦士、剣聖ビルゲニアの盾。 ライダーキックを弾き返すほど頑丈だったが、サタンサーベルには一撃で真っ二つにされた。 【ゲイボルグ】 魔界の妖精、クー・フーリンの持つ白い槍。 攻撃力95、装備すれば力+2と運+1の効果がある。 何故か女性しか装備できない。 【ラジコンカー型爆弾】 相棒-劇場版-に登場したラジコンカー型の爆弾。プロポとセットで支給。 少なくとも、車を一台吹き飛ばす程度の威力があると思われる。 時系列順で読む Back 相乗りヘブン Next 接触 投下順で読む Back 相乗りヘブン Next 接触 029 乱(みだれ)後… 泉新一 067 無知 瀬田宗次郎 030 鎖を解く鍵 シャナ
https://w.atwiki.jp/fullgenre/pages/263.html
危険地帯 ◆ew5bR2RQj. 拡声器を使用してからおよそ一時間。 北条悟史は一歩も移動せず、誰かが来るのを待ち続けていた。 (やっぱり……誰も来てくれないのかな) 早朝とはいえ、彼がいる森の中はまだ薄暗い。 その中で孤独に待ち続けるというのは、想像以上に彼の精神を消耗させていた。 (沙都子、大丈夫かな) 彼が思い浮かべるのは唯一の肉親であり最愛の妹、北条沙都子の姿。 自分でさえ、胸が張り裂けそうなほど不安なのだ。 幼い上に女の子ならば、それ以上の不安を抱えているだろう。 叔母夫婦の虐待により、心を壊されてしまっている沙都子であればとくに。 「…………」 雛見沢で生活していた頃を思い出す。 事の発端は、雛見沢がダムの底に沈められる計画が持ち上がった時。 村人達は団結して反対運動を起こしたが、彼の両親はそれに協力するどころかダム建設に賛成したのだ。 周囲の人々から反感を買うも両親は意見を変えず、村人達とは衝突する日々が続き、 数ヶ月ほど経過しダム建設計画は頓挫したが、その頃には北条家は裏切り者という認識が村中に広まってしまっていた。 故に彼ら兄妹は、俗に言う村八分の影響下で生活を送ることとなったのだ。 それから一年後。 両親が不慮の事故で死亡して、彼らは叔母夫婦のもとに預けられた。 が、そこでも安寧は訪れない。 彼の両親の影響の余波を受けていた叔母夫婦は、その鬱憤を彼ら兄妹に叩きつけたのだ。 叔父からは暴力を振るわれ、叔母からは嫌味を言われる。 外に出ても村人達から白い目で見られ、無視され続ける。 そんな生活が続き、沙都子の精神は崩壊してしまったのだ。 (もしかしたら……もう!) 幼い上に精神的崩壊した少女など、殺し合いに乗った人間にとっては格好の的。 この瞬間でさえ、彼女は命を狙われているかもしれない。 (やっぱり待ってるだけじゃ駄目だ、沙都子を探さないと) 待っているだけでは、手遅れになりかねない。 そう考えた彼は立ち上がった――――その瞬間。 背後の茂みから、草が擦れる音が響く。 「誰だ!?」 声を荒げながら振り向く悟史。 そこにいたのは、自らに銃口を向けている少年だった。 「うわぁ!」 響く銃声。 咄嗟に身を屈め、銃弾を回避する悟史。 意識して屈んだのではない、本能がそうさせたのだ。 あと一瞬でも遅れていたら、彼の身体を銃弾が通過していただろう。 「そんなに驚かないでほしいなぁ、君の呼び掛けに乗って来たんだから」 隠れる必要がなくなったからか、茂みのなかから出てくる少年。 その様子は腰を抜かしている悟史とは違い、余裕綽々といったものだ。 「さっき誰だと言ったね、僕の名前は織田敏憲っていうんだ、北条悟史くん♪」 少年――――織田敏憲は心底愉快そうに自らの名を名乗る。 「な、なんなんだよ、お前!?」 「イヒヒ、愚民の癖に、高貴な俺に対する言葉遣いが成ってないなぁ」 朝の日差しが強くなってきたおかげで、織田の容姿が鮮明に浮かび上がる。 低身長の体を学生服で包んだ少年の顔は、一言でいえば醜い。 潰れた蛙のように横長い顔には大量のニキビが目立ち、 分厚い唇から成される笑みや言動も相まってか、非常に嫌らしい印象を悟史に与えた。 「それにしてもバカだね、君は。あんなことして誰か来てくれると思ったのかい?」 嘲笑を浮かべながら、悟史を見下す織田。 「来てくれる訳ないだろ! そんなお人好しがいる訳ないだろ! そんなことも分からなかったのか、この下品なシスコン奴僕がッ!」 唾を吐き散らしながら、織田は笑い続ける。 「あんなことしたら、むしろ君達のお仲間は危険になるだけだ 下品なお前の下品な仲間達なんて、高貴なこの俺には関係ないけどね まっ、下品で空っぽなお前の脳味噌じゃ、この程度のことに気付けないのも当たり前ってことか お前のおかげでお前のお仲間が呑気な連中ってことが分かった、そのことについては感謝してやろう、イヒヒッ!」 「うるさい!」 織田の言葉に怒りを覚えた悟史は、刀を構えて立ち上がろうとする。 が、威嚇射撃を足元に受け、思わず竦んでしまった。 「下品な奴僕はそうやってすぐキレる、これがゆとり教育の賜物というものか 高貴な俺に楯突こうなんて、イケない奴だなぁ、君は」 織田は再び拳銃を構え、悟史の顔面に銃口を合わせる。 口端を吊り上げ、嫌らしげに笑みを浮かべながら。 「そろそろ終わりの時間だ、恨むのならノータリンな自分を恨みたまえ」 そう最後に告げ、彼は引き金を引いた。 「え!?」 いや、引くはずだった。 実際は引くことが出来なかった。 彼の腕に纏わり付く、緑の宝玉が原因で。 「一体なにが……」 「そこの貴方! 大丈夫ですか!?」 現状が理解できない悟史の前に、横の森林から二人の人間が飛び出てくる。 一人は悟史と同年代の少年、もう一人はシルクハットが特徴的な少女だ。 「な、なんとか大丈夫です……」 次から次へと現れる登場人物たちに、混乱する悟史。 それでも彼は、現れた二人組に相槌を取った。 「怪我は……していないようですね」 怪我が無いことを確認し、二人組の一人――――橘あすかは安堵の息を吐く。 「ふぅ……よかった、それに今度はちゃんと拘束する相手を選べたみたいだ」 「うん、さっきの声、間違いないよ」 そう言って二人組のもう一人、蒼星石は織田の方を振り向いた。 「この人がさっき僕を撃ってきた奴だよ、そうだよね、織田敏憲君?」 「なんでお前が……心臓を撃ち抜いてやったのに」 幽霊を見るような眼で蒼星石を見る織田。 その視線は、心臓部分に弾痕が残っている服に注がれている。 「ああ、これ? 残念だけど僕は防弾チョッキを着ていたんだ」 あくまで真面目な顔で、蒼星石は告げる。 「下品な有象無象の分際で……」 織田は醜い顔をさらに醜く歪め、蒼星石を睨みつける。 だが蒼星石は視線を逸らし、身動きの取れない織田の視線を躱した。 「どうしてこの場所が……?」 現れた二人に悟史は疑問を問いかける。 確かに彼は拡声器で呼び掛けを行ったが、Eー7は広い上に大量の木で視界は悪い。 にも関わらず、二人が完璧なタイミングでここを訪れられたのが不思議に感じられた。 「簡単な話です。そこの彼が大声で喋ってましたから、それを辿ってきました」 当然のことのように告げるあすかを見て、悟史は納得したように頷く。 もし織田がすぐに悟史を撃っていれば、このような醜態を見せるはめにはならなかっただろう。 織田はバツが悪そうに顔を背け、周囲の森林に視線を移す。 「ひっ!」 何故かその瞬間、彼の顔面は蒼白に染まり始めた。 「……?」 怪訝な目で織田を見る二人。 その視線の先を見るが、そこには木々が生えているだけだった。 「あすか君、こいつはこのまま放っておくと危険だよ」 「分かってます、彼にはしばらくの間、気絶しててもらいましょう」 震えだす織田を尻目に、二人は彼の処遇を話し始める。 彼は二度も他者の命を狙ったのだ、放置しておけば同じ行動を繰り返すだろう。 「僕のエタニティエイトで眠らせておきます、そうすればしばらくは目覚めないでしょう」 「や、やめて! 俺はただ怖かっただけなんだ! 信じてくれよぉ!」 涙を流しながら必死の形相で、あすかに懇願する織田。 しかし先ほどの彼の言動を聞いているため、信用することなど到底できなかった。 「それは出来ません、貴方を野放しにするのは危険すぎます 大丈夫です、眠っていてもらうだけですから」 そう言って、眼を瞑るあすか。 その瞬間。 「あすか君!」 「うおあああぁぁぁッ!」 蒼星石の声と共に、金髪の男が現れ―――― 「がぁッ!?」 ――――あすかの頬を、思い切り殴り付けた。 「楽しそうなことやってるようだなぁ、俺も混ぜてくれよ」 突然現れた金髪の男は、舌なめずりをしながら呟く。 一方で殴られたあすかは、頬を抑えながら倒れた身体を起こした。 「な、なんですか、貴方は!?」 僅かな恐怖心、そして多大な警戒心を顕にしながら尋ねる。 蒼星石も数歩下がり、見上げるように男を睨みつけた。 「あぁ? 俺は浅倉だ だがそんなことはどうでもいい、俺と戦え!」 金髪の男――――浅倉は苛立ちを隠そうともせず、野獣のような眼を向ける。 「ひ……ひぃぃぃぃぃぃぃ!」 そんな中、織田は悲鳴をあげながら森の中に逃げ去っていった。 「ま、待て!」 蒼星石が逃げる織田へ手を伸ばすが、もう遅い。 殴られたのが原因であすかの集中力が途切れ、エタニティエイトの拘束が緩まっていたのだ。 「あんな奴はどうでもいい! 戦え!」 「戦うことに何の意味があるというのですか!?」 吼えるように叫び、戦いを促す浅倉。 あすかは気圧されながらも、反論の言葉を叩きつける。 「意味? 戦っているとスッキリする、それだけで十分だろ」 「そ、そんな理由で……まるで野蛮人だ」 「何をゴチャゴチャ言っている、とっとと戦え!」 「戦え戦えって……僕は戦うなんて一言も――――」 「あすか君」 言い合いを続けるあすかを制止するように腕を出し、前へと出る蒼星石。 「この人は狂ってる、いくら話し合いをしても無駄だ」 彼女は他人の夢に介入するという能力の性質上、人の人格を判断する能力には長けている。 毒蛇の如くギラついた眼光は、狂者そのものだ。 そのうえ彼女は、過去に幾度も同じような性質の人物と戦っていた。 (似ている、水銀燈と……) ローゼンメイデン第一ドールである水銀燈。 彼女もアリスゲームに勝ち抜くために、積極的に他の姉妹に攻撃を仕掛けていた。 その水銀燈に、目の前の浅倉と言う男は酷似している。 いや、凶暴さは浅倉の方が勝っているかもしれない。 「もう、戦うしかないよ」 水銀燈でさえ、説得が通じなかったのだ。 それ以上の凶暴さを持つ浅倉が、牙を収めるわけがないだろう。 「分かってるようだな、そっちの小さい奴は。好きだぜ、お前みたいな奴」 嗜虐的な笑みを浮かべながら、蒼星石を見下ろす浅倉。 だが蒼星石はその眼光に射抜かれることはなく、翠と紅の瞳で睨み返した。 「……分かりました。北条さん、貴方はどこかに隠れていてください!」 「は、はい!」 傍で立ち尽くしていた悟史に、この場からの避難を促すあすか。 その声を聞いた悟史は、怯えるように森の中へと走っていく。 「さぁ、来いよ!」 「気絶させて拘束します、エタニティエイト!」 あすかは右腕を前方に差し出し、自らのアルター、エタニティエイトを進行させる。 八つの宝玉は複雑な軌道を描きながら、浅倉に接近していった。 「……あぁ? なんだこれは?」 「これでも……喰らいなさい!」 あすかは浮いている宝玉のうちの一つを、浅倉の額へと飛ばした。 「うおぉ……!?」 苦痛に表情を歪めながら、両手で頭を抑える浅倉。 額に吸い付くように張り付いた宝玉は、頭の割れるような痛みを与える。 だがあくまでそれは副次効果であり、本命は洗脳。 これを受けた者は、自由意志を奪われあすかの操り人形と化す。 この方法ならば最も効率良く、浅倉を気絶させることができると考えたのだ。 (これで洗脳することに成功すれば……) 祈るように眼を瞑り、集中力を高めるあすか。 しかし、現実は上手くいかない。 「うおぉ……あぁッ!」 浅倉は張り付いた宝玉を強引に引き剥がし、地面に叩きつけたのだ。 「なっ……僕の玉が……ただの人間に!」 「クク……ハハハ! なかなか面白い力を持っているな、お前」 先刻まで激痛が脳を苛んでいたにも関わらず、浅倉は余裕を崩さない。 相手が未知の力を持っていたことを、心の底から楽しんでいる。 「だがまだ足りない、こんなんじゃ満足できない、もっと楽しませてくれ」 そう言って、浅倉はズボンのポケットから長方形の物体を取り出す。 「あ、あれは!?」 それは両者にとって見覚えのある物――――カードデッキであった。 「俺の力も見せてやるよ」 カードデッキを前方に掲げ、構えをとる浅倉。 「でも鏡の代わりになる物なんて……まさか!?」 最初こそ驚いたものの、周囲には鏡の代わりになる物など見当たらない。 故にこの場で変身することは不可能と、蒼星石は判断していた。 が、それは早計であった。 一つだけ、浅倉の身体を映す物体がこの場にあったのだ。 「あすか君、アルターを仕舞って!」 「え?」 それは橘あすかの保有するアルター、エタニティエイト。 宝石のように輝く美しい円形のそれは、浅倉の身体を鮮明に映していたのだ。 「変身!」 蒼星石は急いであすかに声をかけるが、もう遅い。 その頃には既に変身を終え、仮面ライダー王蛇となっている浅倉の姿があった。 「あぁ……」 変身を終えた浅倉は、首を一回転して音を鳴らす。 そして蛇を象った紫色の仮面越しに、二人へと視線を向けた。 「さぁ……来いよぉ!」 仮面ライダーとなったことで、浅倉の放っていた殺気が数段と高まる。 それはまさに狂蛇に睨まれいるが如くの殺気であった。 「すいません、まさか僕のアルターを鏡代わりに利用するなんて」 「今は謝ってる場合じゃないよ、僕も変身するから援護をお願い!」 落ち込むあすかを宥めつつ、蒼星石は懐からカードデッキを取り出す。 あすかも彼女の言う通りに宝玉を一つ飛ばし、彼女はそれにデッキを掲げる。 その瞬間、何処からともなくベルトが現れ、蒼星石の腰に装着される。 そのバックルにカードデッキを装填し、一言叫んだ。 「変身!」 彼女の言葉に呼応し、ベルトが一瞬だけ光を放つ。 次の瞬間には蒼星石は橙色の鎧に、蟹を模した仮面に包まれたライダー。 仮面ライダーシザースへと姿を変えていた。 「おぉ、お前もライダーだったのか、ハハ、ツイてるぜ 何故それをお前が持っているかは知らないが……やっとイライラが収まる」 僅かな疑問などどうでもいい、戦いが先だ。 そう言いたげな態度で、二人に対峙する浅倉。 「行くよ、あすか君」 「はい!」 覚悟を決め、目の前の強敵と対峙するあすかと蒼星石。 一陣の風が吹き、木々の葉を擦らせた瞬間。 三者は同時に動き始めた。 【一日目早朝/C-7 森】 【北条悟史@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】 [装備]贄殿遮那@灼眼のシャナ [所持品]支給品一式 ハリセン@現実、拡声器@現実 [状態]健康、雛見沢症候群L3 [思考・行動] 1:どんなことがあっても沙都子を守る。 2:戦いに巻き込まれないように、森の中に隠れている。 3:詩音って誰? [備考] ※園崎詩音のことを知りません。 【蒼星石@ローゼンメイデン(アニメ)】 [装備]防弾チョッキ@バトルロワイアル、シザースのデッキ@仮面ライダー龍騎 [所持品]支給品一式、ランダム支給品(確認済み)0~2 [状態]健康、仮面ライダーシザースに変身中。 [思考・行動] 1:自分とあすかの仲間(カズマ、劉鳳、クーガー、かなみ、真紅、翠星石)を集めて脱出する。 2:浅倉を倒す。 3:2を達成後は悟史を保護し、逃げた織田を追いかける。 4:襲ってくる相手は容赦しない。 [備考] ※nのフィールドにいけない事に気づいていません 【橘あすか@スクライド(アニメ)】 [装備]エタニティエイト [所持品]支給品一式、ランダム支給品(確認済み)0~2 [状態]健康 [思考・行動] 1:自分と蒼星石の仲間(カズマ、劉鳳、クーガー、かなみ、真紅、翠星石)を集めて脱出する(出来ればかなみ優先) 2:浅倉を倒す。 3:2を達成後は悟史を保護し、逃げた織田を追いかける。 4:襲ってくる相手でも、出来れば戦わずに和解したい。 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 [装備]王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎 [所持品]支給品一式×2(浅倉とルルーシュ)、FNブローニング・ハイパワーのマガジン×1(13発)、ランダム支給品(未確認)(2~3) [状態]全身打撲、仮面ライダー王蛇に変身中。 [思考・行動] 1:北岡秀一を殺す。 2:目の前にいる奴らを殺す。 3:大剣の男(五エ門)を殺す。 4:全員を殺す。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「はぁ……はぁ……ひぃぃい!」 舞台は変わって、森林内。 あすかの拘束を逃れた織田は、無我夢中でここを走り抜けていた。 「ひぃ……うわああぁぁ!」 呼吸は完全に乱れ、額は脂汗だらけ。 情けなく悲鳴を上げるその様子からは、余裕など微塵も感じられなかった。 「はぁ、はぁ……うがっ!」 木の枝に足を引っ掛けて、転倒する織田。 膝に鋭い痛みが走るが、それでも彼はひたすら走り続けていた。 「なんで……なんであいつがいるんだよぉ……」 彼がここまで恐怖を感じ、必死に逃げる理由。 それは蒼星石やあすかに拘束されるのを恐れたわけでも、浅倉に本能的な危険を感じたわけでもない。 あの時あすかにミスを指摘され、視線を森の中に逸らした時。 確かに、見たのだ。 かつて自らを殺した男の、桐山和雄の姿を。 「ぜぇ……ぜぇ……いやだ!」 短機関銃で股間を打ち抜かれた光景を思い出し、その時の激痛が蘇る。 もう、あんな体験など二度としたくなかった。 もう、桐山和雄の顔など二度と見たくなかった。 「なのに……なんでいるんだよぉ!」 なのに、なんでこんなにすぐ会ってしまうのか。 あの機械のように冷たい瞳に再び射抜かれた時、彼の理性は消し飛んだ。 もしあのまま拘束されていたら、間違いなく彼は殺されていただろう。 そう考えると、浅倉威の乱入は幸運だったかもしれない。 いや、幸運だったに違いない。 (そうだ、運がいいってことは神に選ばれたってことだ 俺は選ばれた人間なんだ! あんな下品な奴僕に二度も殺されるなんて堪ったもんじゃない!) 僅かだが恐怖が薄れ、思考能力が戻ってくる織田。 (絶対だ……絶対に逃げきってやる!) 脳内に浮かび上がる桐山の顔を掻き消すように、彼は心中で決意した。 【一日目早朝/Cー7 森】 【織田敏憲@バトルロワイアル(漫画)】 [装備]ワルサーP-38(1/9)@ルパン三世 [所持品]支給品一式、ワルサーP-38の弾薬(20/20)@ルパン三世、ランダム支給品(確認済み)0~2 [状態]膝に擦り傷、疲労(中) [思考・行動] 1:桐山から絶対に逃げ切る。 2:無理の無い範囲で殺せそうな参加者を殺していき、ここから生還する。 ※死亡後からの参戦です ※桐山が蒼星石とあすかの同行者であることを知りません。 ※どの方向に逃げたかは、次の方にお任せします。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 再び舞台は移り変わり、蒼星石とあすかが浅倉と対峙している場所。 その脇にある木陰で、一人の少年がそれを覗いていた。 「…………」 一般的な学生服に、襟足が長いオールバック。 名を桐山和雄と言う。 彼は同行者である二人に、隠れているよう言われていたのだ。 「…………」 だが彼の同行者は知らなかった。 彼が織田敏憲など遥かに上回る危険人物であり、織田を殺害したことがあることを。 「…………」 彼は全てを見ていた。 織田敏憲が逃げ去っていく姿も、北条悟史が近くに隠れる姿も、三人の人間が対峙する姿も。 彼は、全てを見ていた。 【一日目早朝/Cー7 森】 【桐山和雄@バトルロワイアル】 [装備]コルトパイソン(4/6)@バトルロワイアル [所持品]支給品一式、コルトパイソンの弾薬(24/24)、ランダム支給品0~2(確認済み) [状態]右上腕に刺し傷、治癒力向上(どの程度かは不明) [思考・行動] 1:遭遇した参加者から情報を聞き出した後、利用出来るなら利用、出来ないなら殺害する。 2:これからどう動くか思考中。 [備考] ※蒼星石、あすかとの情報交換がどこまで進んでいるかは次の方にお任せします。 時系列順で読む Back オレンジ焦燥曲 Next 目を開けながら見たい夢がある 投下順で読む Back オレンジ焦燥曲 Next 目を開けながら見たい夢がある 032 悲劇、決意、そして覚悟 北条悟史 069 BATTLE ROYALE 世界の終わりまで戦い続ける者たち(前編) 012 苦労をするのはいつだって良識ある常識人(後) 織田敏憲 049 I ll be Back 浅倉威 034 堕天使の微笑 桐山和雄 蒼星石 橘あすか
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/264.html
危険地帯 ◆ew5bR2RQj. 拡声器を使用してからおよそ一時間。 北条悟史は一歩も移動せず、誰かが来るのを待ち続けていた。 (やっぱり……誰も来てくれないのかな) 早朝とはいえ、彼がいる森の中はまだ薄暗い。 その中で孤独に待ち続けるというのは、想像以上に彼の精神を消耗させていた。 (沙都子、大丈夫かな) 彼が思い浮かべるのは唯一の肉親であり最愛の妹、北条沙都子の姿。 自分でさえ、胸が張り裂けそうなほど不安なのだ。 幼い上に女の子ならば、それ以上の不安を抱えているだろう。 叔母夫婦の虐待により、心を壊されてしまっている沙都子であればとくに。 「…………」 雛見沢で生活していた頃を思い出す。 事の発端は、雛見沢がダムの底に沈められる計画が持ち上がった時。 村人達は団結して反対運動を起こしたが、彼の両親はそれに協力するどころかダム建設に賛成したのだ。 周囲の人々から反感を買うも両親は意見を変えず、村人達とは衝突する日々が続き、 数ヶ月ほど経過しダム建設計画は頓挫したが、その頃には北条家は裏切り者という認識が村中に広まってしまっていた。 故に彼ら兄妹は、俗に言う村八分の影響下で生活を送ることとなったのだ。 それから一年後。 両親が不慮の事故で死亡して、彼らは叔母夫婦のもとに預けられた。 が、そこでも安寧は訪れない。 彼の両親の影響の余波を受けていた叔母夫婦は、その鬱憤を彼ら兄妹に叩きつけたのだ。 叔父からは暴力を振るわれ、叔母からは嫌味を言われる。 外に出ても村人達から白い目で見られ、無視され続ける。 そんな生活が続き、沙都子の精神は崩壊してしまったのだ。 (もしかしたら……もう!) 幼い上に精神的崩壊した少女など、殺し合いに乗った人間にとっては格好の的。 この瞬間でさえ、彼女は命を狙われているかもしれない。 (やっぱり待ってるだけじゃ駄目だ、沙都子を探さないと) 待っているだけでは、手遅れになりかねない。 そう考えた彼は立ち上がった――――その瞬間。 背後の茂みから、草が擦れる音が響く。 「誰だ!?」 声を荒げながら振り向く悟史。 そこにいたのは、自らに銃口を向けている少年だった。 「うわぁ!」 響く銃声。 咄嗟に身を屈め、銃弾を回避する悟史。 意識して屈んだのではない、本能がそうさせたのだ。 あと一瞬でも遅れていたら、彼の身体を銃弾が通過していただろう。 「そんなに驚かないでほしいなぁ、君の呼び掛けに乗って来たんだから」 隠れる必要がなくなったからか、茂みのなかから出てくる少年。 その様子は腰を抜かしている悟史とは違い、余裕綽々といったものだ。 「さっき誰だと言ったね、僕の名前は織田敏憲っていうんだ、北条悟史くん♪」 少年――――織田敏憲は心底愉快そうに自らの名を名乗る。 「な、なんなんだよ、お前!?」 「イヒヒ、愚民の癖に、高貴な俺に対する言葉遣いが成ってないなぁ」 朝の日差しが強くなってきたおかげで、織田の容姿が鮮明に浮かび上がる。 低身長の体を学生服で包んだ少年の顔は、一言でいえば醜い。 潰れた蛙のように横長い顔には大量のニキビが目立ち、 分厚い唇から成される笑みや言動も相まってか、非常に嫌らしい印象を悟史に与えた。 「それにしてもバカだね、君は。あんなことして誰か来てくれると思ったのかい?」 嘲笑を浮かべながら、悟史を見下す織田。 「来てくれる訳ないだろ! そんなお人好しがいる訳ないだろ! そんなことも分からなかったのか、この下品なシスコン奴僕がッ!」 唾を吐き散らしながら、織田は笑い続ける。 「あんなことしたら、むしろ君達のお仲間は危険になるだけだ 下品なお前の下品な仲間達なんて、高貴なこの俺には関係ないけどね まっ、下品で空っぽなお前の脳味噌じゃ、この程度のことに気付けないのも当たり前ってことか お前のおかげでお前のお仲間が呑気な連中ってことが分かった、そのことについては感謝してやろう、イヒヒッ!」 「うるさい!」 織田の言葉に怒りを覚えた悟史は、刀を構えて立ち上がろうとする。 が、威嚇射撃を足元に受け、思わず竦んでしまった。 「下品な奴僕はそうやってすぐキレる、これがゆとり教育の賜物というものか 高貴な俺に楯突こうなんて、イケない奴だなぁ、君は」 織田は再び拳銃を構え、悟史の顔面に銃口を合わせる。 口端を吊り上げ、嫌らしげに笑みを浮かべながら。 「そろそろ終わりの時間だ、恨むのならノータリンな自分を恨みたまえ」 そう最後に告げ、彼は引き金を引いた。 「え!?」 いや、引くはずだった。 実際は引くことが出来なかった。 彼の腕に纏わり付く、緑の宝玉が原因で。 「一体なにが……」 「そこの貴方! 大丈夫ですか!?」 現状が理解できない悟史の前に、横の森林から二人の人間が飛び出てくる。 一人は悟史と同年代の少年、もう一人はシルクハットが特徴的な少女だ。 「な、なんとか大丈夫です……」 次から次へと現れる登場人物たちに、混乱する悟史。 それでも彼は、現れた二人組に相槌を取った。 「怪我は……していないようですね」 怪我が無いことを確認し、二人組の一人――――橘あすかは安堵の息を吐く。 「ふぅ……よかった、それに今度はちゃんと拘束する相手を選べたみたいだ」 「うん、さっきの声、間違いないよ」 そう言って二人組のもう一人、蒼星石は織田の方を振り向いた。 「この人がさっき僕を撃ってきた奴だよ、そうだよね、織田敏憲君?」 「なんでお前が……心臓を撃ち抜いてやったのに」 幽霊を見るような眼で蒼星石を見る織田。 その視線は、心臓部分に弾痕が残っている服に注がれている。 「ああ、これ? 残念だけど僕は防弾チョッキを着ていたんだ」 あくまで真面目な顔で、蒼星石は告げる。 「下品な有象無象の分際で……」 織田は醜い顔をさらに醜く歪め、蒼星石を睨みつける。 だが蒼星石は視線を逸らし、身動きの取れない織田の視線を躱した。 「どうしてこの場所が……?」 現れた二人に悟史は疑問を問いかける。 確かに彼は拡声器で呼び掛けを行ったが、Eー7は広い上に大量の木で視界は悪い。 にも関わらず、二人が完璧なタイミングでここを訪れられたのが不思議に感じられた。 「簡単な話です。そこの彼が大声で喋ってましたから、それを辿ってきました」 当然のことのように告げるあすかを見て、悟史は納得したように頷く。 もし織田がすぐに悟史を撃っていれば、このような醜態を見せるはめにはならなかっただろう。 織田はバツが悪そうに顔を背け、周囲の森林に視線を移す。 「ひっ!」 何故かその瞬間、彼の顔面は蒼白に染まり始めた。 「……?」 怪訝な目で織田を見る二人。 その視線の先を見るが、そこには木々が生えているだけだった。 「あすか君、こいつはこのまま放っておくと危険だよ」 「分かってます、彼にはしばらくの間、気絶しててもらいましょう」 震えだす織田を尻目に、二人は彼の処遇を話し始める。 彼は二度も他者の命を狙ったのだ、放置しておけば同じ行動を繰り返すだろう。 「僕のエタニティエイトで眠らせておきます、そうすればしばらくは目覚めないでしょう」 「や、やめて! 俺はただ怖かっただけなんだ! 信じてくれよぉ!」 涙を流しながら必死の形相で、あすかに懇願する織田。 しかし先ほどの彼の言動を聞いているため、信用することなど到底できなかった。 「それは出来ません、貴方を野放しにするのは危険すぎます 大丈夫です、眠っていてもらうだけですから」 そう言って、眼を瞑るあすか。 その瞬間。 「あすか君!」 「うおあああぁぁぁッ!」 蒼星石の声と共に、金髪の男が現れ―――― 「がぁッ!?」 ――――あすかの頬を、思い切り殴り付けた。 「楽しそうなことやってるようだなぁ、俺も混ぜてくれよ」 突然現れた金髪の男は、舌なめずりをしながら呟く。 一方で殴られたあすかは、頬を抑えながら倒れた身体を起こした。 「な、なんですか、貴方は!?」 僅かな恐怖心、そして多大な警戒心を顕にしながら尋ねる。 蒼星石も数歩下がり、見上げるように男を睨みつけた。 「あぁ? 俺は浅倉だ だがそんなことはどうでもいい、俺と戦え!」 金髪の男――――浅倉は苛立ちを隠そうともせず、野獣のような眼を向ける。 「ひ……ひぃぃぃぃぃぃぃ!」 そんな中、織田は悲鳴をあげながら森の中に逃げ去っていった。 「ま、待て!」 蒼星石が逃げる織田へ手を伸ばすが、もう遅い。 殴られたのが原因であすかの集中力が途切れ、エタニティエイトの拘束が緩まっていたのだ。 「あんな奴はどうでもいい! 戦え!」 「戦うことに何の意味があるというのですか!?」 吼えるように叫び、戦いを促す浅倉。 あすかは気圧されながらも、反論の言葉を叩きつける。 「意味? 戦っているとスッキリする、それだけで十分だろ」 「そ、そんな理由で……まるで野蛮人だ」 「何をゴチャゴチャ言っている、とっとと戦え!」 「戦え戦えって……僕は戦うなんて一言も――――」 「あすか君」 言い合いを続けるあすかを制止するように腕を出し、前へと出る蒼星石。 「この人は狂ってる、いくら話し合いをしても無駄だ」 彼女は他人の夢に介入するという能力の性質上、人の人格を判断する能力には長けている。 毒蛇の如くギラついた眼光は、狂者そのものだ。 そのうえ彼女は、過去に幾度も同じような性質の人物と戦っていた。 (似ている、水銀燈と……) ローゼンメイデン第一ドールである水銀燈。 彼女もアリスゲームに勝ち抜くために、積極的に他の姉妹に攻撃を仕掛けていた。 その水銀燈に、目の前の浅倉と言う男は酷似している。 いや、凶暴さは浅倉の方が勝っているかもしれない。 「もう、戦うしかないよ」 水銀燈でさえ、説得が通じなかったのだ。 それ以上の凶暴さを持つ浅倉が、牙を収めるわけがないだろう。 「分かってるようだな、そっちの小さい奴は。好きだぜ、お前みたいな奴」 嗜虐的な笑みを浮かべながら、蒼星石を見下ろす浅倉。 だが蒼星石はその眼光に射抜かれることはなく、翠と紅の瞳で睨み返した。 「……分かりました。北条さん、貴方はどこかに隠れていてください!」 「は、はい!」 傍で立ち尽くしていた悟史に、この場からの避難を促すあすか。 その声を聞いた悟史は、怯えるように森の中へと走っていく。 「さぁ、来いよ!」 「気絶させて拘束します、エタニティエイト!」 あすかは右腕を前方に差し出し、自らのアルター、エタニティエイトを進行させる。 八つの宝玉は複雑な軌道を描きながら、浅倉に接近していった。 「……あぁ? なんだこれは?」 「これでも……喰らいなさい!」 あすかは浮いている宝玉のうちの一つを、浅倉の額へと飛ばした。 「うおぉ……!?」 苦痛に表情を歪めながら、両手で頭を抑える浅倉。 額に吸い付くように張り付いた宝玉は、頭の割れるような痛みを与える。 だがあくまでそれは副次効果であり、本命は洗脳。 これを受けた者は、自由意志を奪われあすかの操り人形と化す。 この方法ならば最も効率良く、浅倉を気絶させることができると考えたのだ。 (これで洗脳することに成功すれば……) 祈るように眼を瞑り、集中力を高めるあすか。 しかし、現実は上手くいかない。 「うおぉ……あぁッ!」 浅倉は張り付いた宝玉を強引に引き剥がし、地面に叩きつけたのだ。 「なっ……僕の玉が……ただの人間に!」 「クク……ハハハ! なかなか面白い力を持っているな、お前」 先刻まで激痛が脳を苛んでいたにも関わらず、浅倉は余裕を崩さない。 相手が未知の力を持っていたことを、心の底から楽しんでいる。 「だがまだ足りない、こんなんじゃ満足できない、もっと楽しませてくれ」 そう言って、浅倉はズボンのポケットから長方形の物体を取り出す。 「あ、あれは!?」 それは両者にとって見覚えのある物――――カードデッキであった。 「俺の力も見せてやるよ」 カードデッキを前方に掲げ、構えをとる浅倉。 「でも鏡の代わりになる物なんて……まさか!?」 最初こそ驚いたものの、周囲には鏡の代わりになる物など見当たらない。 故にこの場で変身することは不可能と、蒼星石は判断していた。 が、それは早計であった。 一つだけ、浅倉の身体を映す物体がこの場にあったのだ。 「あすか君、アルターを仕舞って!」 「え?」 それは橘あすかの保有するアルター、エタニティエイト。 宝石のように輝く美しい円形のそれは、浅倉の身体を鮮明に映していたのだ。 「変身!」 蒼星石は急いであすかに声をかけるが、もう遅い。 その頃には既に変身を終え、仮面ライダー王蛇となっている浅倉の姿があった。 「あぁ……」 変身を終えた浅倉は、首を一回転して音を鳴らす。 そして蛇を象った紫色の仮面越しに、二人へと視線を向けた。 「さぁ……来いよぉ!」 仮面ライダーとなったことで、浅倉の放っていた殺気が数段と高まる。 それはまさに狂蛇に睨まれいるが如くの殺気であった。 「すいません、まさか僕のアルターを鏡代わりに利用するなんて」 「今は謝ってる場合じゃないよ、僕も変身するから援護をお願い!」 落ち込むあすかを宥めつつ、蒼星石は懐からカードデッキを取り出す。 あすかも彼女の言う通りに宝玉を一つ飛ばし、彼女はそれにデッキを掲げる。 その瞬間、何処からともなくベルトが現れ、蒼星石の腰に装着される。 そのバックルにカードデッキを装填し、一言叫んだ。 「変身!」 彼女の言葉に呼応し、ベルトが一瞬だけ光を放つ。 次の瞬間には蒼星石は橙色の鎧に、蟹を模した仮面に包まれたライダー。 仮面ライダーシザースへと姿を変えていた。 「おぉ、お前もライダーだったのか、ハハ、ツイてるぜ 何故それをお前が持っているかは知らないが……やっとイライラが収まる」 僅かな疑問などどうでもいい、戦いが先だ。 そう言いたげな態度で、二人に対峙する浅倉。 「行くよ、あすか君」 「はい!」 覚悟を決め、目の前の強敵と対峙するあすかと蒼星石。 一陣の風が吹き、木々の葉を擦らせた瞬間。 三者は同時に動き始めた。 【一日目早朝/C-7 森】 【北条悟史@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】 [装備]贄殿遮那@灼眼のシャナ [所持品]支給品一式 ハリセン@現実、拡声器@現実 [状態]健康、雛見沢症候群L3 [思考・行動] 1:どんなことがあっても沙都子を守る。 2:戦いに巻き込まれないように、森の中に隠れている。 3:詩音って誰? [備考] ※園崎詩音のことを知りません。 【蒼星石@ローゼンメイデン(アニメ)】 [装備]防弾チョッキ@バトルロワイアル、シザースのデッキ@仮面ライダー龍騎 [所持品]支給品一式、ランダム支給品(確認済み)0~2 [状態]健康、仮面ライダーシザースに変身中。 [思考・行動] 1:自分とあすかの仲間(カズマ、劉鳳、クーガー、かなみ、真紅、翠星石)を集めて脱出する。 2:浅倉を倒す。 3:2を達成後は悟史を保護し、逃げた織田を追いかける。 4:襲ってくる相手は容赦しない。 [備考] ※nのフィールドにいけない事に気づいていません 【橘あすか@スクライド(アニメ)】 [装備]エタニティエイト [所持品]支給品一式、ランダム支給品(確認済み)0~2 [状態]健康 [思考・行動] 1:自分と蒼星石の仲間(カズマ、劉鳳、クーガー、かなみ、真紅、翠星石)を集めて脱出する(出来ればかなみ優先) 2:浅倉を倒す。 3:2を達成後は悟史を保護し、逃げた織田を追いかける。 4:襲ってくる相手でも、出来れば戦わずに和解したい。 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 [装備]王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎 [所持品]支給品一式×2(浅倉とルルーシュ)、FNブローニング・ハイパワーのマガジン×1(13発)、ランダム支給品(未確認)(2~3) [状態]全身打撲、仮面ライダー王蛇に変身中。 [思考・行動] 1:北岡秀一を殺す。 2:目の前にいる奴らを殺す。 3:大剣の男(五ェ門)を殺す。 4:全員を殺す。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「はぁ……はぁ……ひぃぃい!」 舞台は変わって、森林内。 あすかの拘束を逃れた織田は、無我夢中でここを走り抜けていた。 「ひぃ……うわああぁぁ!」 呼吸は完全に乱れ、額は脂汗だらけ。 情けなく悲鳴を上げるその様子からは、余裕など微塵も感じられなかった。 「はぁ、はぁ……うがっ!」 木の枝に足を引っ掛けて、転倒する織田。 膝に鋭い痛みが走るが、それでも彼はひたすら走り続けていた。 「なんで……なんであいつがいるんだよぉ……」 彼がここまで恐怖を感じ、必死に逃げる理由。 それは蒼星石やあすかに拘束されるのを恐れたわけでも、浅倉に本能的な危険を感じたわけでもない。 あの時あすかにミスを指摘され、視線を森の中に逸らした時。 確かに、見たのだ。 かつて自らを殺した男の、桐山和雄の姿を。 「ぜぇ……ぜぇ……いやだ!」 短機関銃で股間を打ち抜かれた光景を思い出し、その時の激痛が蘇る。 もう、あんな体験など二度としたくなかった。 もう、桐山和雄の顔など二度と見たくなかった。 「なのに……なんでいるんだよぉ!」 なのに、なんでこんなにすぐ会ってしまうのか。 あの機械のように冷たい瞳に再び射抜かれた時、彼の理性は消し飛んだ。 もしあのまま拘束されていたら、間違いなく彼は殺されていただろう。 そう考えると、浅倉威の乱入は幸運だったかもしれない。 いや、幸運だったに違いない。 (そうだ、運がいいってことは神に選ばれたってことだ 俺は選ばれた人間なんだ! あんな下品な奴僕に二度も殺されるなんて堪ったもんじゃない!) 僅かだが恐怖が薄れ、思考能力が戻ってくる織田。 (絶対だ……絶対に逃げきってやる!) 脳内に浮かび上がる桐山の顔を掻き消すように、彼は心中で決意した。 【一日目早朝/Cー7 森】 【織田敏憲@バトルロワイアル(漫画)】 [装備]ワルサーP-38(1/9)@ルパン三世 [所持品]支給品一式、ワルサーP-38の弾薬(20/20)@ルパン三世、ランダム支給品(確認済み)0~2 [状態]膝に擦り傷、疲労(中) [思考・行動] 1:桐山から絶対に逃げ切る。 2:無理の無い範囲で殺せそうな参加者を殺していき、ここから生還する。 ※死亡後からの参戦です ※桐山が蒼星石とあすかの同行者であることを知りません。 ※どの方向に逃げたかは、次の方にお任せします。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 再び舞台は移り変わり、蒼星石とあすかが浅倉と対峙している場所。 その脇にある木陰で、一人の少年がそれを覗いていた。 「…………」 一般的な学生服に、襟足が長いオールバック。 名を桐山和雄と言う。 彼は同行者である二人に、隠れているよう言われていたのだ。 「…………」 だが彼の同行者は知らなかった。 彼が織田敏憲など遥かに上回る危険人物であり、織田を殺害したことがあることを。 「…………」 彼は全てを見ていた。 織田敏憲が逃げ去っていく姿も、北条悟史が近くに隠れる姿も、三人の人間が対峙する姿も。 彼は、全てを見ていた。 【一日目早朝/Cー7 森】 【桐山和雄@バトルロワイアル】 [装備]コルトパイソン(4/6)@バトルロワイアル [所持品]支給品一式、コルトパイソンの弾薬(24/24)、ランダム支給品0~2(確認済み) [状態]右上腕に刺し傷、治癒力向上(どの程度かは不明) [思考・行動] 1:遭遇した参加者から情報を聞き出した後、利用出来るなら利用、出来ないなら殺害する。 2:これからどう動くか思考中。 [備考] ※蒼星石、あすかとの情報交換がどこまで進んでいるかは次の方にお任せします。 時系列順で読む Back オレンジ焦燥曲 Next 目を開けながら見たい夢がある 投下順で読む Back オレンジ焦燥曲 Next 目を開けながら見たい夢がある 032 悲劇、決意、そして覚悟 北条悟史 069 BATTLE ROYALE 世界の終わりまで戦い続ける者たち(前編) 012 苦労をするのはいつだって良識ある常識人 織田敏憲 049 I ll be Back 浅倉威 034 堕天使の微笑 桐山和雄 蒼星石 橘あすか
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/259.html
フレイムヘイズ×矛盾×雌伏 ◆U1w5FvVRgk ホテルとはサービスを売りにする場所だ。 客に不愉快な思いをさせないため、外観のデザインや清潔さにも気を払わなければならない。 その点からすれば、エリアB-1のホテルは失格だと断言できる。 何しろホテル正面のガラスは砕け、ロビーのあちらこちらに弾痕が刻まれているのだから。 ここだけ見れば、既に廃業しているとも思えるだろう。 そんな荒んだ場所にて、泉新一は頭を悩ませていた。 「どうしようかなぁ……」 左手で頭を掻きながら、新一はホテルのロビーにて唸る。 チーズのように穴だらけのソファに身を沈める姿は、一見して気だるげだが顔だけは真剣な面持ちだ。 隣に目を向けてみれば、そこには穏やかに寝息を立てる青年が一人。 新一の知っている限りでは、テレビによく出るそこらのアイドルよりも整った顔立ちをしていた。 毛布代わりに、その身には新一に支給されたゼロのマントが掛けられている。 新一は彼の名前を知らない。 そんなことを聞く暇も無く、二人は先ほどまで戦っていた。 サブマシンガンを携えた青年が襲撃してきたのがほんの一時間程前。 結果は新一が何とか青年を気絶させて終わったのだが、その後が問題だった。 青年をどう扱うか、新一は決めかねていたのだ。 普通に考えれば、自分を襲ってきた相手など捨て置けばいい。 この場が殺し合いであることも考慮すれば、殺すという選択もある。 が、新一はどちらの行動も起こしていない。 殺すという選択ははなから論外であり、気になる事があるので放ってもおけなかった。 新一の脳裏に引っかかるのは、青年の言葉。 青年は言った。『所詮この世は弱肉強食、強ければ生き弱ければ死ぬ』と。 自分と同年代の青年がそのような価値観に至るのが、新一には理解できなかった。 それでも想像力を働かせて行き着いた結論は、青年が虐げられる立場にいたというものだった。 具体的にはイジメや虐待、あるいは両方かその他の原因かもしれない。 新一自身は平凡な家庭で育ったので、想像するしかない。 もし、そのような環境を青年が過ごしたなら、弱肉強食という価値観に至るのも無理は無いのか? そう考えたものの、この考えには穴があった。 (仮に俺の推測が当たっていたとして、ああまで殺人を躊躇しなくなるか?) 殺人とは人間にとって最大の禁忌。少なくとも新一はそう思っている。 だというのに、少年は殺人を当たり前のように行おうとしていた。 いくらなんでも、現代に生きてる人間として当然の論理観を捨てれるだろうか。 新一には、どうしてもそこらへんが分からなかった。 (こいつならどうするんだろうな) 気が付くと、新一は右手を眼前まで上げていた。 こんな時ミギーならどうするだろうかと考えて……すぐに止めた。 考えずとも、新一には答えがおのずと想像できたからだ。 『彼がどのような事情を抱えていたとしても、わたしや新一には関係ないだろ。 どうしても聞きたいなら、彼の持ってたマシンガンでも突きつけたらどうだ。 きっとすぐに話してくれるぞ。 それが嫌なら、さっさと彼を置いてどこか別の場所に行こう』とでも言うのだろう。 実に合理的かつスマートな回答だ。 実際そのように答えられたら、新一はミギーらしいなと呆れが混ざった溜め息を吐くだろう。 確かに青年を叩き起こし、サブマシンガンを向けながら無理矢理事情を話させるのが、 この場では最も手っ取り早い方法だ。 だが、そんな強盗同然のやり方を新一が出来るはずもないし、やりたくもない。 一応、少年のサブマシンガンと、他の武器になりそうな支給品は新一のデイパックに移してある。 最初は盗むようで気が咎めたものの、最後は元々主催者が配った他人の物だと自分を納得させた。 それでも、食料などの基本支給品に手を付けてないあたりは甘いのかもしれない。 さて、どうするかと再び堂々巡りの思考を始めようとして、新一の正面から夜風が吹きつけてきた。 寒さに一度身を震わせる。 新一の正面、ホテル入り口脇のガラスは青年が破壊している。 そのため肌寒い風が時折吹き付けるのだが、今のは特に冷えていた。 だからか、何気なしに新一がそちらに目を向けると、一時間程前を再現するかのように人影があった。 瞬間、新一は自分の心臓に直接冷風を当てられた気がした。 (やばい!) 直後に青年が突撃してきた情景を思い出して、慌てて傍らに置いてあるデイパックを掴む。 新一の所持品の中で一番役立ちそうな物は、やはりサブマシンガンだ。 が、新一はこれを手にしない。 こんな状況とはいえ、人を殺す銃器に嫌悪感を懐いたのだ。 なので新一の選択は少年を抱えながらの逃走。 普通なら難題だが、常人以上の力を持つ新一なら決して不可能ではない。 以前に島田というパラサイトから人を抱えて逃げたこともあるのが、この選択を選ばせた。 ミギーが起きていればと愚痴を漏らしたくなるが、そんな暇も無さそうだ。 新一が青年を抱えようと手を伸ばしたところで、 「待ちなさい!」 女性のものと思われる鋭い声が動きを止まらせた。 思わず新一が振り向くと、こちらに向かって少女が歩いていた。 見た目はまだ12、13歳ぐらいで、背丈は140センチ程。 腰まで伸びた黒髪が艶やかで、幼いながらもその顔は凛々しく、間違いなく美少女と形容できる。 着ているセーラー服から学生だと察せられた。 途端に新一の体から力が抜ける。 (こんな子供相手に俺は取り乱してたのかよ。 そうだよな。さっきみたいにいきなり襲ってくる奴の方が珍しい……ん?) 人影の正体に安堵していた新一だが、少女の携えている物に違和感を覚えた。 少女の右手にあるのは、どうやら金色の剣のようだ。 薄暗いホテルの中でもうっすらと判るぐらいに輪郭が浮かんでいる。 随分と装飾されているようだが、一箇所だけおかしい箇所があった。 刃の部分に何故か赤黒いシミが滲んでいたのだ。 何か付着した液体を強引に拭ったのか、それは剣の外見を損ねていた。 あんなところに付着する赤黒い液体とは何かと新一は考えて、嫌な予想が付いた。 「ま、待て!」 今度は新一が少女に静止の声を掛けた。 幸いにも、少女は歩みを止めてくれた。 眉間に皺を寄せ、不満げな様子をありありと示していたが。 知らず、少し冷や汗が出てきていた。 できれば、剣については見間違いであって欲しかった。 だが、見てしまった以上は確認しないといけない。 「なに?」 「な、何だよそれ。その剣に付いてるの」 少女はちらりと剣に目を向けて、あっさりと返答した。 「血液よ。人間の血液」 何の戸惑いもなくシミの正体は明かされた。 新一は、その答えを上手く呑み込めない。いや、理解したくなかった。 まさか、こんな子供が……そんなことは考えたくもない。 だから、違う予想を立てる。 それが当たっている可能性が低いと分かりながら。 「何で、そんなものが……最初から付いてたのか?」 そうだと言ってくれ、と新一は願った。 しかし、少女はどこか小馬鹿にした視線を新一に浴びせると、事も無げに告げる。 「それならもっと変色している。これはさっき、私が斬った人間の血。 こびり付いたからこれ以上は拭えなかった」 淡々と事務的に報告する少女に、新一は頭痛がしてきた。 異常だ。十代前半の子供が平然と殺人の事実を口にする光景は、間違いなく異常だ。 「どうしt」 「待って。さっきからお前ばかり質問してる。私にも聞きたいことがあるんだけど」 理由を問おうとしたところで、再度待ったを掛けられた。 無視したいところだが、そうしたらこちらの質問にも答えてくれないだろう。 言ってること自体は間違ってないので、新一は首肯した。 「聞きたいことは二つ。まず、赤い宝石が付いたペンダントを知らない?」 「知らないな」 「そう、ならこのホテルを襲ったのは……お前?」 「俺じゃねえよ!?」 「じゃあ、そっちで寝てる方ね」 「それは、違う」 「へたくそ。自分すら誤魔化せない嘘は滑稽なだけよ。 どうしても嘘だと言うなら、荷物を見せてくれればいい。 それでここにある弾痕を刻むような銃が無かったら、違うと認める」 これほど誤魔化すだとか嘘を吐くのが苦手な自分を恨めしく思ったことはなかった。 間が悪いことに、新一のデイパックには物的証拠となるサブマシンガンが入っている。 言い逃れは出来そうになかった。 「そっちがやったのね」 「……ああ、そうだよ」 新一の答えに少女は一つ頷くと、自分の番は終わりと新一に話す権利を譲った。 苦い気持ちを味わいながら、新一は殺人の理由を問い掛けてみた。 せめて、これぐらいはマシな答えを期待したかった。 「どうして、殺したんだ? 危ない奴だったのか?」 「それは分からない。会話する間も無く首を切ったから。 殺した理由は、首輪が欲しかったからよ。これを解除するとしても、サンプルが必要でしょ。 だから、仕方なかった」 今度こそ、新一は目まいを起こしそうになる。 目の前の少女はパラサイトでは? とも考えたが、可能性は限りなく低い。 パラサイトならまず武器を使わないし、第一に首輪など取らずに人間を喰らう筈だ。 それが彼らの本能なのだから。 それでも、少女の無感情な有様は、新一にパラサイトを彷彿とさせるのに十分だった。 新一の様子に構わず、少女はこれで話はお終いとばかりに近づいてくる。 そして、新一のすぐ傍まで歩くと、右手に持つ剣を突きつけてきた。 「退きなさい」 ただ一言。 恐らく、新一が退けば少女は後ろで眠っている青年を殺すだろう。 首輪解除の障害にしかならないだとかそんな理由で。 新一は―――― 【フレイムヘイズ】 《紅世の徒》による『世界の歪み』の発生を防ぐために彼らを討つ異能の遣い手たち。 《紅世の王》と、《王》と契約した元人間の、二人で一人を指す。 不老の肉体を持つため、生きた年月に比べて精神的な成長が遅い。 もしコキュートスがあれば、アラストールが短慮を諌めて、魅音を殺すことを防げたかもしれない。 シャナがもう少し未来から呼び出されていれば、新一ともコミュニケーションができたかもしれない。 どちらも起こらなかったばかりにこの状況。 まだ炎すら出せない未熟なフレイムヘイズは、自らが正しいと思う合理的な判断に従った。 それが人間からすればどれだけ冷徹に見えるかは考えずに。 ■ ■ ■ 「……は?」 《炎髪灼眼の討ち手》シャナは突然右手に走った衝撃に、思わず呆けた声をこぼす。 直後、何か硬い物が床に落ちる音が聞こえた。 右方に視線を動かしてみれば、自分の右手はしっかりと黄金の剣を握っている。 ただし、刀身は半分の長さになっていたが。 眼前の少年が、素手で叩き追ったのだと理解すると同時、後ろに跳んで距離を取った。 少年はしばし右手を振りぬき、顔は俯けていたが、やがてゆっくりと上げた。 浮かべている表情は怒り。先ほどまでの動揺を露にしていた様子は見受けられない。 本気で怒っているとアピールするように顔を歪めて、シャナを睨んでいる。 そこいらのチンピラなら恐怖のあまり逃げ出す凄みが、その顔にはあった。 シャナは少年への認識を改める。 さっきまでは間違いなく平凡な人間だった。だが今は断定できない。 こんなときコキュートスがあれば、アラストールが有益な助言を授けてくれるはずだ。 現状では無いものねだりだと分かっていても、長年の相棒と話せないのは違和感があった。 「ふざけんなよ! 何が仕方ないだ……そんな簡単に人を殺すなんて、お前は」 「お前は」 だから、自分で確かめる。 「本当に人間なのか?」 「本当に人間なの?」 偶然にも、二人の問いが重なる。 互いが人であるかどうか、図りかねた故の質問。 シャナの問い掛けに、少年は即答はせず僅かに言いよどんだ。 「俺は、俺は人間だ!」 「普通の人間にこんなことは出来ない」 真ん中で折れてしまった剣を見せる。 すると少年は口を噤んでしまう。 シャナもこの剣がかなり脆く、劣悪な品だとは解っている。 実用性を重視するならば、宝石などで華美な装飾を施したりはしない。 まさに見掛け倒しの玩具と言ってもいい剣だ。 それを差し引いても、鉄で出来た剣を素手で叩き折るなんて芸当は異常である。 シャナを残った黄金の剣を横に捨てると、背負っていたデイパックを降ろした。 どうでもいい対象から、警戒対象に引きあがった少年に折れた剣では力不足。 なので、自分に支給された最強の武器にて相対することにした。 デイパックから出てきたのは、シャナの身の丈よりも長い白い槍。 手にした瞬間、体に力が湧いてくる感覚を覚えた。 槍の名は『ゲイボルグ』 ケルト神話において、クー・フーリンが扱ったとされる槍だ。 もちろん、本物では無いだろうが、それでもかなりの名品なのは確実。 武器としては、この槍の方が黄金の剣より数段上である。 ならば最初から使えばいいのだが、シャナには槍を扱った経験が無かった。 それゆえ性能が劣るとはいえ、使い慣れた大太刀に近い剣を選んだのだ。 その剣が折れてしまった以上、代わりに使える武器はゲイボルグしかない。 確かに扱った経験は無いが、それでも、突いて、掃って、振り上げれば何とかなると当たりをつけた。 経験の足りないところはセンスで埋めるしかない。 槍を適当に持ち、シャナは先端を少年に向けながら最後通告を行う。 「もう一度言うわ。退きなさい。退かないと……」 その先は口にしない。 言わなくとも分かると思ったからだ。 対する少年の返事は、シャナと同じくデイパックから武具を取り出すというものだった。 「そう。あくまで、邪魔するのね」 「黙って見逃せないだろ」 少年が取り出したのは盾。 表面に蛇を模った紋章があり、蛇の口先にはルビーのように赤い宝玉が埋め込まれていた。 生半可な強度なら、ゲイボルグは易々と貫く。 そう確信させるだけの力強さを、この槍は備えている。 しかし、あの盾は不味いと、シャナの直感は訴えていた。 邪気、あるいは妖気とでも言えばいいのか。 自分の宝具、贄殿遮那に近しいものを感じた。 だとしても、所詮は盾だ。守ることは出来ても、それだけでは勝てない。 迷わず攻め込む。それがシャナの選んだ戦法だ。 「そういえば、さっきの質問に答えてなかった。 私は……厳密に言えば人間じゃない」 「え?」 告げると、シャナは突撃するため、体を右に捻った。 扱いは分からなくとも、槍の基本が突きだとは推察できる。 出来ることなら、一撃で仕留めたい。狙いを付けながら、シャナはそんなことを思った。 【矛盾】 一般的には辻褄が合わない、物事の道理が一貫しないなどの意味で使われている言葉。 由来は【どんな盾でも貫く矛】と【どんな矛でも防ぐ盾】を売っていた商人と、質問をする客の話。 客の質問は『ではその矛で盾を突いたらどうなるのか?』というもの。 もちろん、商人は答えられなかった。 矛が盾を貫いても貫かなくても、辻褄が合わないからだ。 ちなみに、この言葉には日本でだけ使われるもう一つの意味が存在する。 辞書いわく、『武器を取り戦うこと』とある。 二人が手にしているのは偶然にも槍と盾。 槍と矛は別種かもしれないが、一緒くたにしている地域もあるので構わないだろう。 さて、神話にも名が残る魔界で二番目に強い槍と、ライダーキックすら防ぐ盾。 この二つがぶつかったらどうなる? ■ ■ ■ (馬鹿な人だなぁ。女の子の言ってることが正しいのに) 瀬田宗次郎は既に目覚めていた。 といっても、意識を取り戻したのはほんの数分ほど前、シャナがホテルに来訪した辺りだ。 とりあえず目を開けず、状況を把握しようと狸寝入りをしていた。 それで待った結果は、新一へのわだかまりが募っただけだった。 どうやら、新一はどうあっても弱肉強食の理念に逆らうつもりらしい。 (この人は甘すぎる。 僕を気絶させたなら、その時に殺せばいいし、今だってさっさと僕を見捨てて逃げればいい。 それに、あの機関銃を使えば有利になるのに) この場から逃げるのは容易い。 《天剣》とまで評される抜刀術は、天賦の剣才に加えて、人並み外れた脚力があればこそだ。 逃げに徹すれば、追いつかれはしない自信が宗次郎にはある。 新一の様子からすれば、サブマシンガンで撃たれもしないだろう。 とはいえ、懸念が無い訳ではない。 新一はともかく、シャナはかなりの使い手だと宗次郎は思っていた。 似ているのだ。 志々雄や十本刀といった強者の気配に近しいものを、彼女は持っていた。 そして、耳にした限りでは徹底的に合理的なところも。 拳法の心得などない宗次郎では、無手ではどちらと戦っても勝機が薄い。 だから、隙が出来るまで待たねばならない。 あるかどうか分からない隙を。 (それまでは……とりあえず寝たふりを続けようかな) この状況で一片の動揺も見られないあたりに、彼の豪胆が窺えた。 【雌伏】 本来は、雌鳥が雄鳥に服従することを指す。 転じて、強い力を持った人や組織などに屈服すること。 またはそのような状況で、いずれ訪れるであろうチャンスをじっと待つなどの意味で使われる。 この会場において、宗次郎は間違いなく運が良い方に分類される。 彼の支給品は三つ。 イングラムM10、ビルテクター、そしてラジコンカー型爆弾。 使い慣れた得物である刀こそ無いが、どれも大当たりな品々だ。 更に、ラジコンカー型爆弾は新一のデイパックではなく、今も宗次郎のデイパックに入っている。 支給品を検めた際、新一はそれを単なる玩具だと判断してしまったのだ。 説明書は宗次郎が一度読んだあと捨ててしまったので、判れというのが無理かもしれないが。 これもまた、彼の幸運。 《天剣》が雄飛できるのかは、たった一つの爆弾次第。 【一日目黎明/B-1 ホテルのロビー】 【泉新一@寄生獣(漫画)】 [装備]ビルテクター@仮面ライダーBLACK [所持品]基本支給品(水を一本消費)、拡声器@現実 イングラムM10(32/32)@バトルロワイアル [状態]疲労(小) [思考・行動] 1:宗次郎が起きるまでシャナを止める。 2:宗次郎を監視。起きれば事情を聞く。 3:生き残る。 ※ミギーは後数時間(早朝まで)は完全な睡眠状態にあります。 ※ラジコンカーが爆弾だと気付いていません。 【瀬田宗次郎@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(漫画)】 [装備]なし [所持品]ゼロのマント@コードギアス 反逆のルルーシュ [状態]全身打撲、狸寝入り [思考・行動] 1:どう動く? 2:新一にイライラ。 3:弱肉強食に乗っ取り参加者を殺す。志々雄に関しては保留。 ※宗次郎の傍にデイパック(基本支給品、ラジコンカー型爆弾@相棒)が置いてあります。 【シャナ@灼眼のシャナ】 [装備]:ゲイボルグ@真・女神転生if... [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~1(武器ではない)、首輪(魅音) [状態]:健康、力と運が上昇 [思考・行動] 1:新一を倒して、宗次郎を殺す。 2:コキュートスを探す。 3:危険人物には容赦しない。 4:首輪の解除ができそうな人間を探す。解除が無理なら殺し合いに乗る。 ※シャナの傍に黄金の剣(折れている)@ゼロの使い魔があります。 【支給品紹介】 【ビルテクター】 ゴルゴムの戦士、剣聖ビルゲニアの盾。 ライダーキックを弾き返すほど頑丈だったが、サタンサーベルには一撃で真っ二つにされた。 【ゲイボルグ】 魔界の妖精、クー・フーリンの持つ白い槍。 攻撃力95、装備すれば力+2と運+1の効果がある。 何故か女性しか装備できない。 【ラジコンカー型爆弾】 相棒-劇場版-に登場したラジコンカー型の爆弾。プロポとセットで支給。 少なくとも、車を一台吹き飛ばす程度の威力があると思われる。 時系列順で読む Back 相乗りヘブン Next 接触 投下順で読む Back 相乗りヘブン Next 接触 029 乱(みだれ)後… 泉新一 067 無知 瀬田宗次郎 030 鎖を解く鍵 シャナ
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/432.html
寄生獣 ◆ew5bR2RQj. 田村玲子は走っていた。 膝をへその辺りまで上げながら疾走する姿は、まるでオリンピックに出場する陸上選手のようである。 黒いミニスカートから下着が見え隠れしているが、彼女にそれを気にしている素振りはない。 それどころか、全力疾走しているにも関わらず彼女は無表情だった。 無表情を顔面に貼り付けた美女がオリンピック選手並の速度で疾走する様は、見る者が見れば笑いを誘うのかもしれない。 だが、彼女にはふざけているつもりは一切なかった。 「そこまでだ」 空から降りてくる声。 同時に彼女の目の前を、木の上から着地した者が塞ぐ。 「随分と手こずらせてくれたな、だが、もう終わりだ」 あくまで冷静を装いながら、目の前にいる者は言葉を紡ぐ。 だが、実際は燃え滾るような憤怒を隠していることに玲子は気付いていた。 寄生生物は特殊な脳波を発しており、同じ寄生生物ならばそれを受信することができる。 特に殺意や怒りははっきりと伝わってくるため、彼女は必死に逃げていたのだ。 「……その左腕はどうしたのだ?」 目の前に降りてきたのは、後藤だった。 「志々雄という人間に斬られた」 後藤の姿は化け物そのものだった。 全身の筋肉が露出したような姿で、両脚はまるでダチョウのようだ。 右腕は肘から下が枝分かれしていて、それぞれが鎌のような形状を取っている。 この時点で、彼が他の参加者とコミュニケーションを取る気がないことが伺えた。 そして、左腕はない。 その理由を語る口調は淡々としたものだが、内側にはやはり屈辱感が渦巻いている。 最強だと自負していた彼が、よりにもよって人間に遅れを取ったのだ。 無理もないだろう。 「お前の片腕を斬り落とす程の人間か、興味深いな」 「ああ、だがお前に研究させる暇はない、あの人間は俺が殺す」 「元からそのつもりはないさ、そんな人間に私が勝てると思うか?」 「そうだな」 今は完全ではないが、後藤は五体の寄生生物からなる存在だ。 その強さが他とは一線を画することは、彼を産みだした彼女自身が一番よく理解している。 そんな彼を圧倒した人間に興味はあるが、戦闘にもつれ込めば確実に負けるだろう。 「それで……お前はどうしようというのだ?」 幼児に尋ねるような、そんな口調で問いただす玲子。 しばらくした後、後藤が自分の子供のような存在であることを思い出して自嘲した。 「さっきも言っただろう、志々雄を殺す」 「万全の状態で負けたのだろう、今のお前が勝てるのか?」 「確かに今の俺では勝てないだろう、だからこうやってお前を追ってきたのだ」 耳元まで裂けた口が、嗜虐的に歪む。 「田村玲子、お前の頭を寄越せ」 やはりか、と玲子は脳内で思考する。 自分より格上の存在に宣戦布告されたにも関わらず、彼女さは冷静を崩していない。 展望台を去った後、彼女は舗装された道路を使って市街へと向かった。 特に理由があったわけではないが、強いて言うならば他の参加者が多そうだからだろう。 道中は誰にも会わなかったが、もうすぐ市街に辿り着くというところで一つの死体を発見した。 ルパンとの約束があるため捕食はしなかったものの、他の参加者の痕跡があったことに彼女の心は震えた。 多くの参加者が脱落しているとはいえ、未だ半分近くが生き残っている。 答えそのものは導き出せずとも、ルパンのように切欠を授けてくれる参加者はいるかもしれない。 いや、いてもらわなくては困る。 あんな退屈な人間の道楽に参加させられたのだ、これくらいの報酬は期待してもいいだろう。 そんなことを考えながら、彼女は歩行を再開しようとする。 いや、再開しようとして足を止めた。 寄生生物が発信する脳波を受信し、思わず足踏みをしてしまったのだ。 泉新一が死亡した以上、この脳波の主は後藤以外に有り得ない。 この脳波が殺意で色濃く塗り潰されていることに気付いた時、彼女は来た道を逆走しだした。 脳波の受信半径は三百メートル以内であり、つまり半径三百メートル以内に後藤がいるということ。 自分では抗いようのない存在が、明確な殺意を抱いて迫ってきている。 逃げない理由はない。 その後は森林部を利用して撒こうと奔走したが、やはり後藤は戦闘に特化した生物だ。 あっという間に追い付かれてしまった。 「そうか」 後藤の姿を見た時、彼女は一瞬でその目的を理解できた。 彼は元来から好戦的な性格であったが、その攻撃性は人間へと向けられていた。 それが同族である自分に向けられたとなれば、その理由は限られてくるだろう。 「分かった」 それが当然のことであるかのような軽い口調で、玲子は自らの命を捧げる旨を示す。 いや、実際に彼女にとってこれは当然の決断であった。 左腕を失ったとしても、まだ後藤は四体の寄生生物を統合している。 それに対し、自分は頭部にいる一体だけ。 規格外といってもよく、真正面から戦ったとして万に一つの勝ち目すらない。 故に抗うことは無駄。 逃げ切れなかった時点で、既に彼女にとっては詰みなのだ。 「抵抗しないのか、まぁ構わん」 不満そうに玲子を一瞥した後、後藤は枝分かれして触手のようになった右腕を伸ばす。 その触手は死刑台のギロチンにも等しかったが、彼女は何の感慨も抱くことはない。 ――――お前さん達が人間の言葉を理解出来んのは、上手く擬態して人間を楽に食っちまう為か? ――――そんな理由じゃ……さぁみしいだろ ない、はずだった。 「一つだけ聞かせてほしい」 玲子の言葉に、伸びてくる触手がぴたりと止まる。 「なんだ?」 「私を取り込んだ後、お前はどうする?」 質問を投げかけた瞬間、後藤は嘲るように玲子を見る。 「決まっているだろう、志々雄真実を殺す」 「その後は?」 「……そうだな、そろそろ参加者も淘汰されてきた頃だ 今、生き残っている人間どもは、それなりの力を持った者たちだろう」 一呼吸置いた後、咆哮を上げるように猛々しく後藤は言った。 「そいつらを一人残らず殺す! 前に貴様は言っていたな、我々は何のために生まれてきたのだと 俺にとっては戦いこそが生きる意味だ! 目的だ! そのためにもお前の頭を取り込ませてもらう!」 叫ぶと同時に、加速した左腕が襲う。 無表情を貼り付けたまま、迫りくる触手を見据える玲子。 ――――お前さん達の頭が良いのは、人間とこうして話をする為……って思いてぇじゃねぇか 彼女の顔から、一本の触手が伸びた。 「どういうつもりだ」 研ぎ澄ました牙のように尖った双眼で、後藤は自らの左腕の先端を見る。 そこは輪切りにでもされたかのように先端が欠け、ゴポゴポと血液が零れ落ちていた。 「悪いな、後藤」 「どういうつもりだと聞いている!」 「気が変わった、ただお前に喰われるのはやめだ」 斬り落とされた肉片が後藤の右腕に戻るのを見ながら、玲子は変形させた顔面をゆっくりと戻す。 「何故だ!」 「さぁ、私にもよく分からない」 怒り心頭の後藤を、たった一言で一蹴する玲子。 「だが、一つだけ言えることがある」 「なんだ……!」 「人間の社会には司法という制度があり、罪を犯した者は裁かれる そして償いきれぬ大罪を犯した者には、法の裁きという名目で死刑が下される」 「何が言いたい!?」 「やり過ぎた個体は、同族からも弾き出されるということだ」 玲子の顔面が再び変形し、先端に眼球を貼り付けた二本の触手が蠢く。 「戦うために同族を襲う個体などあってはならない、お前はやり過ぎだ、ここで私が死刑を下す」 抑揚のない淡々とした口調。 その内側に確固たる意思があることに、彼女自身も薄っすらと気付いていた。 先程語った言葉に、嘘偽りは一切ない。 だが、それだけでは後藤に立ち向かう理由にはならなかった。 玲子が後藤に立ち向かった一番の理由。 それは後藤が全ての参加者を殺すと語った時、不意にルパンの顔が頭に思い浮かんだからだ。 何故彼の顔が浮かんだかは分からないが、後藤が言葉通りの行動を起こすならばルパンにもその凶刃を及ぶのだろう。 その光景を想像した時、全身の毛が逆立つような悪寒が走った。 万に一つの勝ち目が無かったとしても、立ち向かわなければならないような気がしたのだ。 「そうか……まぁいい、一度はお前と戦ってみたいと思っていた」 「随分と自然な笑い方だな、人間らしさが板についてきたじゃないか」 激情に駆られていたはずの後藤の顔は、いつの間にか愉悦に歪んでいる。 笑うという動作は、猛獣が獲物を見つけた時に牙を見せる様から来ているらしい。 今の後藤の顔を見て、思わず納得してしまう。 万に一つの勝ち目はないが、億に一つの勝ち目ならばあるかもしれない。 後藤の右腕は喪失し、玲子は咲世子の鍛え上げられた肉体を得ている。 実力的なアドバンテージならば、確実に狭まっているはずだ。 あとは創意工夫次第。 寄生生物でも指折りと評された頭脳に、合計三人分の支給品。 咲世子から奪ったファムのデッキや、侍風の男が残した二つの道具。 これらを有効活用すれば、億に一つの勝ち目を掴むことができるかもしれない。 否、掴まなければならないのだ。 「ルパン、これは正当防衛に入るだろう?」 「何を言っている?」 「いや、なんでもない」 「そうか、それでは行くぞ!」 裂けた口から牙を剥き出しにしながら、後藤は勢いよく地面を蹴り上げた。 ☆ ☆ ☆ 「ああ……もう!」 シャナの機嫌は最悪だった。 役に立たない参加者を駆逐しようと西に向かったのが、今から半日以上も前の話。 鬱蒼と生い茂る森林や山中を駆けずり回ったが、苦労に見合った対価を得ることができなかったのだ。 生きている参加者は一人もおらず、人と呼べるのは美術館前の惨殺死体だけ。 真司との接触で元から機嫌を損ねていたため、今の彼女は苛立ちが最高潮に達していた。 (そう、無駄足踏んだからイライラしている) 自らに言い聞かせるように、シャナは心中で言葉を述べる。 自分自身を納得させようと必死な、そんな物言いであることに彼女は気付いていなかった。 ちょうど山頂に到着した辺りの頃だろうか。 太陽が空の頂点に達すると同時に、禁止エリアと死者の名を告げる二回目の放送が始まった。 一回目の時と同様、禁止エリアを覚えるためだけの放送。 死者の名前や数など、路傍に転がる小石とも大差ない。 そう、思っていた。 『泉新一』 一番最初に告げられた死者の名前。 鈍器で思い切り殴られたような強い衝撃が、彼女の頭蓋を走り抜けた。 数秒の間、シャナは茫然自失する。 そして意識が戻った時、去来したのは燻るような怒りだった。 「……」 新一と一緒に過ごした時間は三時間にも満たない。 一時的に共闘していたものの、最終的に喧嘩別れのような形で袂を分かった。 だから、彼が死んだところで自分が感傷に浸るはずがない。 そもそもフレイムヘイズは死を超越した存在ではあり、感傷などとは無縁の存在である。 真司の戯言が目立っていたが、冷静に振り返れば新一の言葉も癪に障った。 むしろ、死んで清々すると言ってもいいくらいだ。 「なんで」 そのはずなのに、胸の中にあるもやもやが消えない。 路傍に転がる小石のはずなのに、何故か切り捨てることができない。 (なんで、なんでよ) なんで―――― 「……バカじゃないの」 そう、吐き捨てる。 新一に向けて言ったのか、自分自身に向けて言ったのか。 彼女には、よく分からなかった。 「死んじゃったら、終わりじゃない」 お人好しで無鉄砲な新一のことだ。 翠星石か真司の身代わりになったのか、あるいは自分より格上の相手に返り討ちにあったか。 どちらにしても、彼が”バカ”であることに変わりはない。 死は全ての生物が最終的に辿り着く到達点であり、存在の力が喰われることはまるで違う。 それでも居なくなるということに変わりはない。 死ねば人は記憶や記録になり、いずれはそれすらも無くなってしまう。 だから、自分の命だけは絶対に捨ててはいけない。 自分の命と対等のものなどこの世にはない、そんなもの在ってはならないのだ。 「あぁ、もう、ムカツク」 混迷に陥っていく思考を放棄し、シャナはずかずかと歩き出す。 右手には槍、左手には盾を添えてながら。 新一が死んでも、彼女の目的は変わらない。 多くの参加者と接触し、その人物が役立ちそうなら生かし、そうでないなら殺して首輪を回収する。 そして、城戸真司はいつか殺す。 間近にあった樹木の枝を槍で切り払い、彼女は鬱蒼と生い茂る森の中に進んでいった。 それから彼女は会場の北西エリアを散策し、同時に色々な施設を回った。 劇場、美術館、廃洋館、展望台。 だが見つけたのは惨殺死体と首輪、美術館にこれ見よがしに飾られていたカードキーだけ。 短い時間で多くの施設を回る必要があったため、各施設の細かいところまでは調べていない。 もしかしたら他にもあったのかもしれないが、それを探している余裕はなかった。 (なんで誰も居ないのよ……) 今のシャナは、森の中を通って市街部に向かっている。 市街部には施設が集中しており、参加者の多くはそこにいるのだろう。 力のない参加者が西側に潜んでいると予測したが、どうやらアテが外れたようだ。 弱い癖に生意気だと、シャナは心中で毒づく。 歩きやすい道路を使わなかったのも弱者を炙り出すためだが、やはり誰にも会うことはなかった。 「……音?」 静寂を保っていた森の奥から、木の枝が折れるような音がシャナの耳に届く。 フレイムヘイズでなければ聞き取れなかったであろうほど小さな物音なため、だいぶ遠くにいるのだろう。 市街部とは逆方向に行く形になるが、他者との接触の機会とあれば逃す術はなかった。 相手に気取られぬよう、気配を消しながら進むシャナ。 近づいていく内に、物音ははっきりと認識できるようになっていく。 先ほどまで音源は移動していたようだが、今は物音ともに一箇所に止まっている。 代わりに男と女が会話する声が届いていた。 この時間帯まで生き残っているとなれば、両者ともそれなりの力は備えているのだろう。 役に立つ参加者であることを期待しながら、シャナはゆっくりと歩を進める。 そして、ついに声の主が視認できる位置まで到達した。 (あれは田村玲子?) 出会った時と服装は違っているが、あの顔は間違いなく田村玲子だ。 頭部を変形させ人を喰う寄生生物。 首輪の解除に役立たない危険人物と判断し、一度は抹殺しようとした参加者だ。 槍の柄を深く握り締め、シャナは田村玲子の影に隠れている参加者を見る。 その人物が役立ちそうなら保護、役立たないなら田村玲子ごと抹殺。 そんな算段の下、彼女は視線を逸らす。 そして、絶句した。 (なんなの、あれ) 左腕が欠けていて、代わりに右腕の肘から下が二つに裂けている。 全身の筋肉が剥き出しになっており、それを隠すための衣服は殆ど無い。 申し訳程度にズボンを履いている程度だ。 他にも口が避けていたり、目が四つもあったりと、その異様を枚挙する手段には事欠かない。 恐怖を抱くことはなかったが、あまりのグロテクスさに気分を害してしまう。 紅世の徒でもあそこまで趣味が悪い者はなかなかいない。 (あれも寄生生物なの?) 会話を聞いている内に、あの生物の名前が後藤であることが判明する。 田村玲子の口から、後藤が寄生生物であることも語られた。 だが、寄生生物にしても後藤は異質過ぎる。 泉新一に田村玲子と二人の寄生生物をシャナは見てきたが、彼らは変形できるパーツが一箇所だけだった。 しかし、後藤は何箇所も変形している。 もしかしたら全身が寄生生物と化しているのかもしれない。 これだけでも十分異様だが、後藤を最も異様であると思わせているのはその精神だ。 泉新一や田村玲子は会話する余地があったが、後藤にはそれが全くない。 彼の眼光は戦闘狂が放つものであり、彼自身も自らが戦うために生まれてきたと告げている。 僅かに言葉を交わしたら、すぐにでも襲い掛かってくるだろう。 役に立つかどうかの問題ではない。 後藤を蔓延らせておいたら、首輪の解除に役立つ参加者も皆殺しにされてしまう。 何としてでも、ここで抹殺するべきだ。 (でも、あれに勝てるの?) 贄殿遮那があれば、今すぐにでも殺しに行っただろう。 だが今の彼女の得物は、使い慣れない長槍と盾だ。 泉新一や田村玲子とは応戦できたが、あれに対抗できるかどうかは分からない。 首輪解除に役立つ人間を生かすために戦って、自らが死んでしまっては元も子もないのだ。 (どうするべきなの) 田村玲子は最初は黙って喰われるつもりだったが、最終的に決裂したようだ。 一触即発と呼ぶに相応しい状況であり、すぐにでもこの周辺は戦場になるだろう。 フレイムヘイズとして、彼女が取る行動は―――― ☆ ☆ ☆ 田村玲子、後藤、シャナ。 一人の寄生生物に、一体の寄生生物、そして一人と一体に深い関わりを持ったフレイムヘイズ。 彼ら、彼女らが一同に介した時、起こりうる出来事とは―――― 【一日目夕方/D-6 森林部】 【田村玲子@寄生獣】 [装備]篠崎咲世子の肉体、黒の騎士団の制服@コードギアス 反逆のルルーシュ [支給品]支給品一式×3(玲子、剣心、咲世子)、しんせい(煙草)@ルパン三世、手錠@相棒、不明支給品(0~2)、双眼鏡@現実、 ファムのデッキ@仮面ライダー龍騎、首輪×2(咲世子、劉鳳)、着替え各種(現地調達)、シェリスのHOLY隊員制服@スクライド、 黒の騎士団の制服@コードギアス 反逆のルルーシュ [状態]ダメージ(大)、疲労(小)、数カ所に切り傷 [思考・行動] 0:後藤を殺す。 1:新たな疑問の答えを探す。 2:茶髪の男(真司)を実際に観察してみたい。 3:正当防衛を除き、人を食わない。 4:ルパン……? ※咲世子の肉体を奪ったことで、彼女が握っていた知識と情報を得ました。 ※シャナ、茶髪の男(真司)を危険人物だと思っています。 ※廃洋館で調達した着替え各種の内容は、後続の書き手氏にお任せします。 【後藤@寄生獣】 [装備]無し [支給品]支給品一式×3(食料以外)、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0~1、カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿 三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル [状態]疲労(中)、左腕(三木)欠損、ダメージ(小) [思考・行動] 0:田村玲子を殺し、その身体を取り込む。 1:会場内を徘徊する。 2:志々雄真実を殺す。 3:強い奴とは戦いたい。 [備考] ※後藤は腕を振るう速度が若干、足を硬質化させて走った際の速度が大幅に制限されています。 【シャナ@灼眼のシャナ】 [装備]:ゲイボルグ@真・女神転生if...、ビルテクター@仮面ライダーBLACK [支給品]:基本支給品(水を一本消費)、首輪(剣心)、カードキー [状態]:健康、力と運が上昇、イライラするんだよ…… [思考・行動] 0:後藤を抹殺するか、それとも…… 1:首輪を解除できる人間とコキュートスを探す。首輪解除が無理なら殺し合いに乗る。 2:首輪解除の邪魔になるような危険人物には容赦しない。 3:市街部に行く。 4:真司に対する苛立ち。彼が戦いを望まなくなった時に殺す。 5:玲子の首輪に関心、次に会ったら殺す。 6:主催者について知っている参加者がいれば情報を集める。 時系列順で読む Back 飢える魂 Next 0/1(いちぶんのぜろ) 投下順で読む Back 急転直下 Next It was end of world(前編) 130 運命の分かれ道 田村玲子 140 寄り添い生きる獣たち 127 死せる者達の物語――I continue to fight 後藤 113 惑いのフレイムヘイズ シャナ
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/514.html
第410話:擦り抜ける灯火 作:◆eUaeu3dols 学校を後にした悠二は、市街地を北東に向かっていた。 自分に戦う術は無い以上、誰かに襲われれば逃げるしかない。 出来るだけ、物陰に隠れて逃げきれる可能性の高い町中を通りたかった。 それに市街地は人が集まりやすく『物語』を広めるにも、人を捜すにも適している。 問題は…… (今の僕は、殆ど存在の力を感じ取れない) ただでさえ強者と戦う力は無く、相手の企みを見抜く機転を最大の武器とする彼にとって、 探知の力が殆ど失われているのは致命的と言ってもよかった。 悠二は耳を澄ましながら物陰を歩き続け。唐突に爆発音を耳にした。 「…………!?」 音は角を曲がった先から聞こえてくる。 駆け寄り、そっと覗いてみると……目の前で戦いが繰り広げられていた。 豪奢なサークレットを身につけた少年が呪文を唱え、次々と火球を撃ち放つ。 だが、対する男が指を鳴らすと不可視の重圧が空を裂き、全ての火球が叩き潰される。 「甘い、甘い少年!!」 男の声が響きわたる。 少年も負けじと信じがたい機敏さで動き回り、火球を乱れ撃っていた。 目の前まで飛び散る火の粉が悠二の髪をチリチリと焦がす。 (まずい、ここに居ると見つかるかもしれない!) おそらく片方はゲームに乗った人間だ。ここに居るのは危険だろう。 悠二は少し離れた建物に逃げ込んだ。 (しばらくはここに隠れていよう) 戦いが終わっても彼らがすぐにこの近辺を立ち去るかは判らない。 そして、幸いにもここは食料に不自由しない。籠城にうってつけだ。 「スーパー。それも、ちゃんと冷蔵庫の電源が入ってるのか」 人が居ない事を除けば、概ね本来の機能を維持している市街地。 もしかすると、この事にも何か意味が隠されているのだろうか。 「……考えるには材料が少なすぎるか」 メモに機能しているスーパーの事を書き込むと、悠二は食料を見繕い始めた。 お総菜コーナーからコロッケや野菜サラダを取り、 ペットボトルのお茶とコップを用意すると、 レトルトの御飯を備え付けのレンジで温める。 チンという音にすこしびくつきつつ、奥にある従業員控え室に引っ込んだ。 ここなら外から見られても見つかる事はないし、 それどころか店舗に備え付けられた監視カメラで入り口付近を見張る事が出来る。 「いただきます」 こうして、悠二はそれなりにまともな食事を摂る事ができた。 (シャナや長門さんも、ちゃんとした食事を出来ているのかな) それが少し不安だった。 「そういえば、缶詰も有ったんだっけ」 IAI製と書かれたプルタブ式の缶詰を一つ開けてみる。 「……水? いや、水飴か?」 中には並々と水飴が満たされていた。 しかし問題はその特異な匂いだ。何処か懐かしい食欲をまるでそそらない奇妙な匂い。 恐る恐る少しだけ指に付け、舐め「うぇっ!?」即座に吐いた。 「な、なんだこれ……!?」 少なくとも水飴の味ではない。それだけは全身全霊をもって断言できた。 よく見ると缶詰の底に、毛筆体で何かが書いて有った。 『非情食第三弾・健康みずあめ~みみず味~』 「……………………」 悠二は全ての缶詰を部屋の隅に放置し、お茶でよく口をすすいだ。 悪夢は去った。 「……いや、去ってないか」 何を考えているのだろう。 自分が最悪の悪夢の住人である事を突きつけられ、自分に呆れてしまった。 第二回放送が始まっていた。 『075オドー、081オフレッサー、099鳥羽茉理、103イルダーナフ、05リリア……』 「……シャナと長門さんは無事か」 挙げられた名前は、どれも悠二の知らない名前ばかりだった。 だが、今もどこかで誰かが死んでいる。 少し前に見た二人のどちらか片方の名も、今の放送に含まれていたのかもしれない。 (早く物語を広めて、二人も見つけないといけない) 地図に禁止区域を書き込むと、眠気覚ましのガムとお茶と保存食、 ついでに幾つかのメロンパンをデイパックに詰め込み、店を出る。 今の位置はC-3の南寄りだ。 (もう少し東寄りに進もう) 再び歩みを再会し……今度は唐突に声を掛けられた。 「ああっ! そいつだ、間違いない!」 「え!?」 声の方を見ると、そこに先ほど火球を放ち男と戦っていた少年が居た。 「くそ!」 相手が何者かは知らないが、五割の可能性でゲームに乗った人間だ。 先ほどの戦いを覗いていたのに気づき、口封じをしようとしているのかもしれない。 物陰に飛び込もうとしたが、背後から伸びた腕が肩を掴んだ。 (しまった、仲間が居たのか!) 焦り逃れようとする悠二。 だが、信じがたいほど美しく優しい声が彼を縛り止めた。 「待ちたまえ。我々は君に危害を加えるつもりはない」 ドクター・メフィストが彼を止めた。更に彼の後ろから志摩子が顔を出し、言った。 「あなたは狙われているのです」 「人に憑依する古代の魔女が、僕を狙っている……?」 「そうだ。何か心当たりは有るかね?」 悠二は首を傾げた。 「どうしてそれを知られたのか、どうしてその魔女が僕を狙うかは判らないけど、 誰かに狙われる理由なら心当たりはあります」 危険人物では無いようだと判断し、悠二は自分に蔵された物について語り始めた。 トーチとミステスの事。零時迷子の事。そして、自らに掛けられた制限の事を。 「あと、制限については色々考えてみたんだけど……」 悠二は裏面に考察を書き込んだ地図を差し出す。 「なるほど、興味深いな」 メフィストは一瞬でその内容に目を通すと、即断した。 「では診てみよう。脱ぎたまえ」 「え゛!?」 「私は医者だよ。診察のために服を脱ぐのは当然だろう?」 理屈は判る。判るが…… 悠二は理屈では説明不能な本能から来る根元的寒気が背中を音速で走り抜けるのを感じた。 その様子を見て、メフィストの口からレア度の高い失言が爆発する。 「安心したまえ。診察の間は何もしないと私の誇りに賭けて誓おう」 「「つまり、診察が終わると……」」 志摩子と終のハモった茶々入れに、寒気が急速に現実味を帯びて恐怖となって凍りつく。 「うわああああああぁっ!!」 悠二は悲鳴を上げて回れ右して走り出した。 「逃さぬよ。しっかりと捕縛し、とっくりと診察してやろう!」 メフィストが神速もかくやと言うほどの高速で手を伸ばした。 「待てよこの野郎!」「止めてください!」 悠二にとって幸運だったのは、彼を止める者達がここに居たことだ。 きっと、居なかった場合のifストーリーではヤバイ目に遭っていた事だろう。 「気を取り直して、今度こそ診察といこう。安心したまえ、本当に診察だけだ」 二人の制止により真面目になったメフィストが言う。 「だが、やはり上は脱ぎたまえ。何、重ねていうが誓って診察だけだ」 「…………はい」 悠二は不安げにしていたが、志摩子と終と見つめ合い、信じる事にした。 (……って、二人に見守って貰うって事は、志摩子さんにも見られるって事じゃないか) 上半身だけ、水着姿のようなものだと思っても、肌を注視される事には変わりない。 誰かは知らないが、同年代位の異性に半裸を見られると思うと、それはそれで気恥ずかしい。 しかし、目の前にいる美形の医師から感じる不気味な敵意ではない謎の感情を思うと、 一人でも多くの人に見守っていてほしいのもまた事実だった。 悠二は恐る恐る上着を脱ぎ、上半身を露わにした。 「では、始めよう」 美しき声の主の美しき繊手が胸に触れ……悠二は息を呑んだ。 メフィストの指が、まるで水面に沈むようにずぶずぶと悠二の中に沈み込んでいくのだ。 (これは……零時迷子を暴かれた時の!?) 直接悠二の中の零時迷子に触れる事により、それに掛けられた制限を調べようというのか。 「待った、零時迷子には元から戒禁という防備の仕掛けが……」 「いや、そこまで調べる必要はあるまい」 メフィストの手がピタリと止まる。 「……有った。君の構造が幸いしたな。 いや、それともこの仕掛けは刻印とは別口なのか。 何にせよ予想は当たり、そして……よく、私の診察を受け容れてくれた」 胸に潜ったままのその手がぐるりと半回転したかと思うと、何も持たずに引き抜かれた。 次の瞬間。 「――!!」 悠二は、声も無くビクンと体を折り曲げる。 「大丈夫ですか!?」 志摩子が倒れそうになる悠二の体を支える。荒い息を吐く悠二。 それを見た終が血相を変えてメフィストに噛みつく。 「おい、あんた何したんだ!?」 「落ち着きたまえ」 「これが落ち着けるかよ!」 何か危険な事をしたのではないか。そう思う終に、メフィストは淡々と告げた。 「彼専用の制限を取り外しただけだ」 世界が激変していた。いや、本来の色を取り戻していた。 封じられた、かつて時間を掛けて徐々に慣れていった感覚が、一瞬で目覚めていた。 (存在の力が感じ取れる!?) だが、その次の瞬間、世界全体に強烈な違和感を感じた。 更に次の瞬間、違和感は異物感にまで拡大し、視界が白く染まり、奔流が全てを…… ぴたり。 額に指が当たる感触と共に、感覚の爆発は止まった。 「……何か見えたかね?」 「…………何も」 悠二は青ざめた表情で答える。 「存在の力が全部見えたけど……一瞬だけだったし、鮮烈すぎて何も判らなかった」 「そうか。今はどうだね?」 「今は……」 ハッと目を見開く。 「……判る。完全ではないけど、朧気に力を感じ取れる」 メフィストが宣した。 「術式は完了した」 「凄いな、制限を外せるのか!?」 終が目を丸くする。 メフィストは少し沈黙し、首を振った。 「…………生憎、この少年に掛けられた制限が他より多く、その分が外せただけだ。 何故かは判らないが、彼に掛けられた制限は他よりも徹底的だった。 だが、何重にもなっていれば一つは綻び、判りやすい物が出来てしまう。 私はそれを外しただけだ。他の制限が何処に掛けられた物かもまだ判らない。 彼の魂に元から鍵穴が有った事も幸いしたな」 今の彼の心霊手術は殆ど使い物にならない。 だが、元から蔵として作られた、開ける事を前提とされた魂なら話は別だ。 「これで他と同条件という程度だろう」 「それでも、ありがとうございます!」 思わず敬語になる。 朧気ながら力を感じ取れるようになった今なら、 すぐ近くまで行けばシャナにもコキュートスにも気づくことが出来るだろう。 「せめて何かお返しを……」 「何、君の体を隅々まで……」 それは代償が怖ろしく高く付く気がしてならないので何か別のお返しを……!! そこまで考えて、本来の目的をまだ果たしていない事に気が付いた。 「……お返しに、物語についてお話します」 メフィスト、志摩子、終の三人は、悠二と別れた。 一通り情報を交換すると、悠二はシャナと長門という少女を知らないかと訊いた。 そして、シャナという少女に出会ったら『C-8の港に行った』と伝えて欲しいと言い残し、 三人と別れて港に向かったのである。 もちろんカーラに狙われている彼を一人で行かせるのは何かと不安も有ったし、 せめて武器を渡そうとしたのだが―― (特に終は、支給品の魔剣が半ば彼の物だったと知り、押しつけようとさえした) 悠二は制限の緩和をしてもらった上、自分にも銃が支給されているからと断ったのである。 「……大丈夫かな、あいつ」 終が心配そうに呟く。 「何、力は弱くともなかなか機転が効く、見所の有る少年だ。無事だろう」 「メフィスト医師の太鼓判が押されれば安心ですね」 志摩子がにこりと笑った。 「ところで、先ほどの『物語』という物はお話いただけないのですか?」 「うむ。少し様子を見てから決めるつもりだ」 「そうですか」 物語の法則を聞き、メフィストだけは『鏡の物語』そのものも耳にした。 それは単なる意志の強さで耐えられる物かはまだ判別が付かない。 だから、メフィストは志摩子にも、終にさえ物語を伝えないでいた。 「ところで、俺も気になる事が有るんだけど……」 「何かね? 終君」 メフィストはその言葉に敵意が篭もっている事に気づいた。 終は目に疑念と警戒をたっぷり湛えながらいった。 「あの坂井って奴と話してる時、不穏当な発言が幾つか有った気がするんだけど…… おまえ、やっぱり『そういう趣味』なのか?」 「……なに、ただの冗談だ、そう気にしないでくれたまえ」 あっさりと受け流す。 「そ、そうか、それなら良いんだけどよ……」 「うむ。君に警戒されるのはとても悲しい事だ」 「………………」 何処か間の抜けた緊張感が漂っていた。 一方、3人と別れた悠二は更に北東に向かっていた。 「右手には長い階段か。……ちょっと危なそうだな」 階段は見晴らしが良く、足場が不安定な場所だ。 彼の支給品である狙撃銃が最高の性能を発揮する場所だろう。 だけど、逃げるのに向かないのは致命的だ。 万全の状況を整えても尚、自分が弱者である事は知っている。 どれだけ悔しくてもそれが事実だ。今はそれを前提にするしかない。 「えーっと……前進すれば川があるのか」 川沿いに進む事にし、直進する。 周囲に気を配りながら、緩やかな下り坂を進んでいく。 すると……死体を見つけた。 「――――っ」 息を呑む。 2mにも届こうかというその巨漢は、首をねじ切られ、死んでいた。 (これが、死体……) 死斑を浮かべ、血の池に沈んだ無惨な死体。 紅世の従との戦いの犠牲者はそれさえも残せない。この島の犠牲者は見ていない。 だから、これが悠二が初めて見た、人間の死体だと言える。 (……少し、気持ち悪い) でも、それだけだった。 (大きすぎる。埋葬はしてあげられないな) 冷静に周囲を見回す。血の海の中には美しい剣が。その少し遠くには眼帯が落ちていた。 「……すみません。もらっていきます」 自分でも気づかない内に、恐怖も罪悪感も麻痺した心が、冷静に遺留品を拾わせる。 悠二は水晶の剣を拾い上げた。 そして、死体に背を向け、川に向かって歩き出した。 森の入り口の川で洗おうと、そう思って。だけど…… 「……水が、無い?」 地図に記されているはずの川は枯れていた。 仕方なく川を渡って、森との境目を上流に向かう事にした。 上流の湖に行けば、少しは水も残っているだろうと思って。 しばらく歩いて、悠二は遠くから近づいてくるバイクの音を耳にした。 (そんな物を支給された人も居るのか?) 何にせよ、人が来るなら話をしよう。 物語を伝えて、シャナと長門を知らないか訊いてみよう。 そう思った時……二つの事に気づいた。 「って、こんな物を持っていたらまずいじゃないか!」 血の池から拾い上げた水晶の剣は当然のように真紅に塗れていた。 更に拾い上げた手までも血で汚れていたのだ。 こんな様を見たら、間違いなくゲームに乗った人間だと思われる。 そしてもう一つ…… 「なんだ、この気配!?」 ぞくりと寒気が走る。 バイクの音が近づくと共に強まる、何か異様で奇怪な気配。 悠二は慌てて森に駆け込み……数十秒後、バイクが通過した。 「それにしてもおっかないよね。 さっきも死体が転がっていたし、剣山生け花ってこの事かな」 しばらく沈黙が続き……ベルガーがツッコミを入れた。 「もしかすると、屍山血河か?」 「そう、それそれ」 難易度高すぎである。 「ところで、揺れが激しくなっていますけど、サイドカーは大丈夫ですか?」 『ああ、大丈夫だ。支障はない』 影で出来たサイドカーに乗る保胤に、首無し騎士(デュラハン)のセルティが返答を返す。 「それより、さっきの『ふもふも』言う怪物は来てないだろうな?」 「大丈夫ですよ。橋から……直接追っては来ても、回り込まれはしないはずです」 自分達が南に行ったからそれを追ったかもしれないというだけの返事を返す。 丁度その瞬間、バイクは坂井悠二の目の前を通り過ぎていった。 「やれやれ、あいつのおかげですっかり時間を喰っちまったぜ」 そして、最後に呟いたベルガーの愚痴は…… 「合流したらシャナって嬢ちゃんと刀との事も有るのに、疲れる事ばかりだな」 悠二の耳に、届かなかった。 (まずは、少しでもいいから血を落とさないと) 悠二はデイパックから水が1000ml入ったペットボトルを取り出して、水晶の剣に注いだ。 「……あれ?」 こびり付いていたはずの血糊が異様なほど早く水に溶け、洗い流されていく。 ペットボトルの水を使い切る頃には、手に付着した血飛沫まで綺麗に洗い流せていた。 首を傾げつつ、これからの事を考える。 (今のバイクは何だったんだ? それにふもふも言う怪物って……あの怪物か?) セルティと、彼女が生み出した影のサイドカーの気配を警戒し、隠れていた茂みから出ると、 バイクの走り去った先と、バイクの来た方向を見渡した。 「あの化け物がここを通る可能性も有るのか。それに、あのバイクも不気味だったし……」 現在地点はB-6の最西端の辺りだ。 ここから川沿いにC-6、C-7、C-8と進むつもりだったが、 このルートが危険となると…… 「森の合間を北沿いに抜けて、海岸沿いに向かうか」 A-6、A-7と灯台へ抜けて、そこからC-8に向かうルートを選ぶ事にする。 「よし、行こう」 悠二は北に向けて歩き出した。 こうして、彼は知らず知らずの内に…… 自らを狙う魔女の手からも、自らの救いとなる少女の手からも擦り抜けた。 【B-6/森沿い/1日目・13:10】 【坂井悠二】 [状態]:健康(感染)/制限並程度に緩和 [装備]:狙撃銃PSG-1、水晶の剣(オフレッサーの遺留品) [道具]:デイパック(支給品一式、地下水脈の地図 (かなり劣化)、 保存食10食分、茶1000ml、眠気覚ましガム、メロンパン数個) [思考]:1.シャナ、長門の捜索。2.異界に耐性ある人に物語を知らせる。3.北回りに港C-8に移動 [備考]:悠二のMAP裏に零時迷子のこと及び力の制限に対する推論が書いてある。 ただし、制限の推論が正しいかは不明。 IAI製缶詰はC-3のスーパーの奥に放置されました。 水晶の剣が、魔女の水により洗い浄めらた事による影響の有る無しは不明。 制限が他の参加者と同程度に緩和され、感知能力がある程度復活しました。 【C-4/一日目/13:10】 【藤堂志摩子】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:デイパック(支給品入り) [思考]:争いを止める/祐巳を助ける 【Dr メフィスト】 [状態]:健康 [装備]:不明 [道具]:デイパック(支給品入り) [思考]:病める人々の治療(見込みなしは安楽死)/志摩子を守る [備考]:物語とその仕組みを聞きました。 【竜堂終】 [状態]:健康 [装備]:吸血鬼(ブルートザオガー) [道具]:なし [思考]:カーラを倒し、祐巳を助ける [チーム備考]:この後、[395:今、一人が死んだ]に続きます。 物語本体を聞いたのはメフィストだけです。 【B-6/枯れた川沿い/1日目・13:10】 『ライダーズ&陰陽師』 【ダウゲ・ベルガー】 [状態]:心身ともに平常 [装備]:エルメス(サイドカー装着) 贄殿遮那 黒い卵(天人の緊急避難装置) [道具]:デイパック(支給品一式+死体の荷物から得た水・食料) [思考]:保胤に刻印について聞く。 仲間の知人探し。 ・天人の緊急避難装置:所持者の身に危険が及ぶと、最も近い親類の所へと転移させる。 【セルティ・ストゥルルソン】 [状態]:やや強い疲労。(鎌を生み出せるようになるまで、約6時間必要です) [装備]:黒いライダースーツ [道具]:携帯電話 [思考]:静雄の捜索及び味方になる者の捜索。ベルガーとの情報交換。 長期的には何をしていくべきか保胤と話し合う。 【慶滋保胤】 [状態]:不死化(不完全ver)、疲労は多少回復 [装備]:ボロボロの着物を包帯のように巻きつけている [道具]:デイパック(支給品入り) 、「不死の酒(未完成)」(残りは約半分くらい)、綿毛のタンポポ [思考]:静雄の捜索及び味方になる者の捜索。 島津由乃が成仏できるよう願っている [チーム備考]:エルメス(サイドカー装着)に乗ってC-6へ移動。 2005/07/16 修正スレ169 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第409話 第410話 第411話 第396話 時系列順 第405話 第383話 セルティ 第420話 第358話 藤堂志摩子 第443話 第383話 慶滋保胤 第420話 第383話 ベルガー 第420話 第330話 坂井悠二 第416話 第358話 竜堂終 第464話 第358話 メフィスト 第395話 第383話 エルメス 第420話