約 760,335 件
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/96.html
「汝、その諷意なる封印の中で安息を得るだろう、 永遠に儚く セレスティアルスター!」 神オロチが使用する4ゲージ消費の超必殺技。 本来この技(というか神オロチの技全て)に名前は存在しておらず、ゲーム『ヴァルキリープロファイル』において、 魔術師が使用する大魔法「セレスティアルスター」にエフェクトが似ている(というか色違い)ためこう呼ばれている。 冒頭の台詞はセレスティアルスター発動時に唱える呪文で、術者によっては「永遠(えいえん)」を「とわ」と読んだり、 「得るだろう」が「得るじゃろう」となっていたりという違いがあるが、魔法自体は問題なく発動する。 また、神オロチの作者がアレンジした「神ズィルバー」も同作品の「メテオスウォーム」という大魔法に似た技を繰り出している。 参考動画(7 30あたり) この攻撃は即死攻撃であり、最新版では食らった相手は消滅するようになっている。 威力もさることながら、空から降り注ぐ光弾は見ていて美さすら感じるものであり、神オロチの代名詞とも言える技である。 なお、ノーマルAIの場合はゲージが溜まる前に他の超必殺技を使ってしまったり、試合が終わってしまったりするので見る機会はあまり無い。 各バリエーションの性能は以下の通り。 地球意思(非狂パッチ) ガード可能のP2StateでのState奪取即死技。 どんなに体力防御力があってもLIFEを0にSetしてしまうので即死させやすい 。 地球意思(狂パッチ) ガード不能で上記の効果。 宇宙意思6P~12P(var1.12以前) 上記の効果+当身判定(永久ターゲットでのTargetState+TargetLifeAdd)。 宇宙意思12P(var1.12) 上記の効果+当て身判定にトムキラー付き (旧神七夜を何度目かで倒せるぐらいの精度。超即死は無い)。 宇宙意思12P(オロチキラー(混線バグ)対策パッチ) 上記効果+トムキラーが神七夜を安定して倒せるぐらいに精度UP。 余談だが、格ゲーで初めてセレスティアルスターを取り入れたのは渡辺製作所の同人ゲーム『Party s Breaker』のキャラ「ピーチ瑞希」である。 流石に即死技ではないが、当たると痛い癖に光線がある程度敵を狙うためフルヒットしやすい。 『ヴァルキリープロファイル』の同人格ゲーである『Valkyrie Fight』にも、当然超必殺技として採用されている。 なお、元となった本家セレスティアルスターも夢瑠の技として搭載されているためMUGEN入りしている。 キャラの知名度の問題なのか、こちらはMUGEN界隈ではあまり有名ではないが。 原作プレイヤーにとっては、大魔法の中でも別格の破壊力を持つため、 「他の大魔法の名前や演出忘れたけどセレスティアルは覚えてる」ということもあるほどの使用率を誇る。 あまりにも高威力だったせいか『2』以降では登場しない (『2』は『1』及びリメイク作の『レナス』の過去という時系列のため、まだセレスティアルスターが開発されてない時代だったとも考えられるが…)。 ちなみに、セレスティアルスターに次ぐ性能だったメテオスウォームはラスボス専用ではあるものの、『2』にも続投している。
https://w.atwiki.jp/skygalleons/pages/52.html
レアリティ:★★ コスト:4 属性:緑 配置:全て ステータス LV 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 HP 120 122 124 127 129 132 134 136 139 144 AT 40 40 41 42 43 44 44 45 46 48 AG 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 カード説明 大地の女神セレスに供え物を捧げることで死の穢れが祓われると言う。 行動 特技:豊穣の調べ(属性 無, ゲージ 4) 味方全体のHPをAT分回復する 発動確率:100% 効果範囲:絶対 ■■■ ■■■ ■■■ 前列:大地の慈愛(属性 無) 範囲内の味方のHPをAT×0.5回復する □■□ 60% ×0.5 ■●■ 30% ×0.6 □■□ 10% ×0.75 中列:大地の鼓舞(属性 無) 範囲内の味方のATをAT×0.3アップする(2ターン) □■□ 60% ×0.3 ■●■ 30% ×0.36 □■□ 10% ×0.45
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/12268.html
セレステ・ホルム 名前:Celeste Holm 出生:1917年4月29日 - 2012年7月15日 職業:女優 出身:アメリカ 出演作品 1960年代 1965年 ★Kilroy*(ミセス・フラー) 1970年代 1977年 ★The Bluegrass Special*(ディアドラ・ウェインライト) 1980年代 1987年 スリーメン&ベビー(ミセス・ホールデン):島美弥子、京田尚子 1989年 ポリー 歌う天使*(ミス・スノー) 1990年代 1990年 ポリー 天使と仲間たち*(ミス・スノー)
https://w.atwiki.jp/comic8/pages/293.html
妖しのセレスをお気に入りに追加 情報1課 <妖しのセレス> #bf 外部リンク課 <妖しのセレス> ウィキペディア(Wikipedia) - 妖しのセレス Amazon.co.jp ウィジェット 保存課 <妖しのセレス> 使い方 サイト名 URL 情報2課 <妖しのセレス> #blogsearch2 成分解析課 <妖しのセレス> 妖しのセレスの83%は魂の炎で出来ています。妖しのセレスの9%は野望で出来ています。妖しのセレスの5%は白い何かで出来ています。妖しのセレスの3%は純金で出来ています。 報道課 <妖しのセレス> フリーダムな声優・杉田智和のルーツ 運命を好転させた2人のキャラ(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【キャラ誕生日まとめ】9月24日~10月1日生まれのキャラは? 「スタァライト」愛城華恋から「SAO」アスナまで - 超! アニメディア 渡瀬悠宇 - コミックナタリー - ステージナタリー 天女再び舞い降りる!アニメ「妖しのセレス」DVD-BOX化 - コミックナタリー 情報3課 <妖しのセレス> #technorati マンガとは マンガの33%は厳しさで出来ています。マンガの30%はカルシウムで出来ています。マンガの25%は元気玉で出来ています。マンガの9%は毒物で出来ています。マンガの1%は月の光で出来ています。マンガの1%は毒電波で出来ています。マンガの1%は魂の炎で出来ています。 28589.jpg?_ex=300x300 s=2 r=1 ヨスガノソラ 春日野 穹 -すくみず 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 ページ先頭へ 妖しのセレス このサイトについて 当サイトは漫画のタイトル毎にインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ページをブックマークしておけば、ほぼ毎日その漫画のタイトルに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/jizouyakusi/pages/23.html
名前 セレス PL 山鳥 クラス/レベル キャバルリー/2,フェアリー/8,ソードマスター/1 HOT 意志持つ魔剣 性別/年齢 女/21 種族 フェアリー 身長/体重 ?/? 瞳/髪/肌 ?/?/? 紹介 登場履歴 第1話「機械仕掛けの聖剣伝説」PC参加 第4話「剣の遺跡」PC参加 第5話「湯煙に隠された影」PC参加 第8話「偽りの公女」PC参加 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/horserace/pages/1991.html
ジョーセレスをお気に入りに追加 ジョーセレスの情報をまとめています。リンク先には学生・未成年の方には不適切な表現内容が含まれる場合があります。またリンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。 ジョーセレス <保存課> 使い方 サイト名 URL ジョーセレス <情報1課> #bf ジョーセレス <情報2課> #blogsearch2 ジョーセレス <情報3課> #technorati ジョーセレス <報道課> MotoGP:2022年は3クラス84人が暫定でエントリー。日本人は7人がフル参戦(オートスポーツweb) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【順位結果】2021MotoGP第18戦バレンシアGP Moto2予選総合(オートスポーツweb) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【順位結果】2021MotoGP第17戦アルガルベGP Moto2決勝(オートスポーツweb) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース Moto2サンマリノ予選:ラウル・フェルナンデスが5度目のポール獲得。小椋藍は12番手(motorsport.com 日本版) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ハワイ・フード&ワイン・フェスティバル2021、10月にハワイ島、マウイ島、オアフ島で開催!|allhawaii - allhawaii 脱サラから香水ベンチャーを立ち上げ 映画とのペアリングなどユニークなアイデアを生み出す「セレス」 - WWD JAPAN.com 憧れの香水を好きな容量、好きなタイミングでお得に試せる新サービス「Myセレクト」がスタート! - PR TIMES どの香水が届くかワクワク!「香水ガチャ」がネットサービスとして誕生 - PR TIMES ジョーセレス <成分解析課> ジョーセレスの39%は電力で出来ています。ジョーセレスの37%は下心で出来ています。ジョーセレスの24%は柳の樹皮で出来ています。 ページ先頭へ version3.0
https://w.atwiki.jp/terra-credigna/pages/46.html
さらに数日が経ち、金の魔術士が留守から戻ったのを感じた私は、身のうちに閉じていた翼を広げ、敷地を見渡す高さにまで昇ってみた。 魔術士に侍る風精の気配を手繰るように滑空し、尖塔の最上階らしき張り出し窓にふわりと降り立ってみれば案の定、机に向かう金色の後頭部が覗いて見えた。 幅広な机に紙束を積み上げ、一束取り上げては捲り、時たま何やら書き込んでは別の紙束の山に積む作業に没頭している無防備な後ろ姿に、先日の不覚の精算を考えないでも無かったが、風精が獣が喉を鳴らせて警告を発するように空気を震わせたのでやめておいた。 風精も来訪者を報せたかった訳ではなかろうが、結果的に呼び鈴の役を果たしたことになり、魔術士は手を止め少し首を左右させ、やにわに振り返って『やぁ』と破顔してみせた。 無防備で何を考えているのか、未だによくわからぬ魔術士に手招かれるまま、室内へと踏み入る。 留守中敷地内を見てみたかと訊ねる魔術士に、別段話すことはないと返したものの、ふと呪詛構成を組んでは消すあの少年が脳裡をよぎった私は(自分でも驚きだったが)あの日理解しかねた疑問を魔術士に問うた。 あれはなんだ?と訊ねた私に魔術士は少し目を見開き『そう、セレスに会ったんだね』と呟くと椅子の背もたれに深く背を預け、しばらく黙っていたかと思うと、何やら思案する様子で小さく息を吐いた。 「あれはね……あの子自身にかけられた呪い、その複写なんだよ」 顔をあげてそう告げた魔術士に、私はバカな……と反駁した。 あれは幾年もの年月を重ねて練られた呪詛だ、齢十を僅かに越えた程度にしか見えぬ子供に向け続けるにはあまりに長く、深すぎる。 第一あの少年にはあれほどの黒く禍々しい呪詛に蝕まれている者に特有の生臭い呪波を感じなかった。 そう告げると魔術士は頷く。 「呪自体とは切り離したんだ、今はね。僕が見つけた時、あの子は起き上がるのすらままならない酷い状態だった……」 呪詛を引き剥がし、穢れに衰弱した身体を自ら動かせる状態に戻すまで三年かかった。 そう続けた魔術士の声を耳にしながら、ここ数日見続けた記憶にある線の細い体躯を思い起こした。 でも……と言葉を継ぎながら魔術士は深く息を吐き眼差しを伏せる。 「できたのはそれだけ。あまりに長くあの呪詛に晒された身体には滓のように呪波が溜まり続けた為に、本来人が持つ自浄能力が失われてしまっていた……あの子は…」 多分、次の春までは保たないだろう。 伏せた瞳の奥で感情のざわめきを律するように淡々とした声音で語る魔術士。 「……何故だ?ただの子供ではないか、あれほどの怨嗟を身に受けるような……」 あの仔犬のような少年が死に至るほどに濃い呪詛を受ける謂れがあるというのか? 私の問いかけを半ばに受け、魔術士はゆっくりとかぶりを振る。 「何も……。あの呪詛は……」 閉じていた瞼が上げられ、金の双眸が悲しげに揺らいだ。 「あの子の母親が、我が子に与えたものだ」 魔術士が語った、少年……セレスの生い立ち話の前半は、有体に言えばよく耳にする類の話だった。 父は在野の魔術士、その能力を用いて一財産を築き(恐らく人の意識に作用する類の術だろう)戦時の混乱に乗じて爵位と街を買い取った、いわば成りあがりだ。 魔術を私欲の為に用いる者の典型に違わず、セレスの父は買い取った街の独裁者として傍若無人な振る舞いに及んだ。 彼にとって領民は己の財産の一部であり、物も人も、時にはその命さえも、欲してはそれを抑えることが無かったという。 不幸にもそんな領主を戴いた領民の中にセレスの母親も居た。 狩猟中の領主の目にとまった彼女は、戯れに城へと奪われ、汚し犯され、同様の身の上の少女たちと同じようにやがて捨てられた。 抜け殻となって里へ戻った彼女が見たのは、焼けた我が家と朽ちた家族の骸。 貴重な働き手であった娘を連れ拐われた彼女の年老いた両親は、領主の定めた過酷な税を納めることができず、娘を取り上げた領主を非難した為、見せしめとして生きたまま家ごと焼かれ、埋葬することすら許されなかったらしい。 途方に暮れ、隣家の小作女として暮し始めた彼女はやがて自分が身ごもっている事に気付き絶望した。 魔術士が聞き調べた限りでは幾度と無く自ら命を絶とうとしたようだが、不思議なことに全て失敗したそうだ。 彼女は己から全てを奪った領主を憎み、その記憶を嫌でも思い出させる自らの腹の子を呪った。 セレスにとって不幸であったのは、偶然にも母たる彼女にも潜在魔力があったことだろう。 とめどない嘆きと怨嗟は十月十日、無制御の呪詛となって胎児に降り注いだ。 母体から呪詛の攻撃を受けながらも奇跡的に胎児はこの世に産まれ出たが、それは果たしてセレスにとって幸運な事だったのかどうか判じる術は無い。 呪詛の影響は隠すべくも無く、小柄で病がちな子であったらしいセレスに物心が付いた頃、その日はやってきた。 息子に不可思議な力があることに周囲が気付いてしまったのだ。 それは母親からの遺伝であったかもしれないが、自らの潜在魔力のことなど知らぬ母親は、それが記憶を封じようと己を穢した領主が自らに与えた逃れられない呪縛だと感じ、母親たる本能だけで保たれていた彼女の糸は切れてしまった。 心を病んだ彼女は、否定と怨嗟が生む箍の外れた感情の奔流を呪詛と暴力へと代え、訳も分からず泣いて縋る我が子に向けた。 ……向け続けた。 母という存在に生まれる前から呪われ続け、呪詛を蓄積したセレスの身体と命は、もはや後戻りできぬ程に蝕まれてしまった。 それが、あの呪詛? あれほど厚く塗り重ねられた負の願いが、存在を否定するあれほど純粋で、どす黒い祈りが母が我が子に向け続けたものだとは……。 『なぜそんな目にするも不快で毒々しく絡まり、乱暴で粗雑な構成を用いてそれを求めるのだ?』 自らが少年に向けて放った言葉と、悲しげに震えた繊細な睫に覆われたハシバミ色の瞳を思い出して、私の中で何かが軋んで音を立てた。 「そんな……そんなのは間違っている!」 なぜだろうか、思わず眩暈のようなものを感じ、声が荒くなった。 私に人間らしさなどは備わっていない。 それでも湧き上がるこの理不尽さは、私も望んだわけではない娘たちを持つ身であるからなのか、あるいは私の部品とされた少女の魂のカケラが今もどこかに残っているが故にそうさせるのか。 セレスの父親に対するそれよりも、母親に対してこそ『なぜだ』そう強く訴えたかった。 「そうだね。でもあの子の母親は決壊してしまった自分の感情を止められなかった」 もう少し早く見出していれば違ったかもしれないが、残念だと魔術士はかぶりを振った。 「……父親は?どうしようもないクズだとしても、父親はあの子を保護しようとはしなかったのか?」 そうしなかったから、あの少年がここにいるのだとは理解していたが、思わずついて出た言葉に魔術士はふと表情を変え、口をつぐんでこちらを見据えた。 なんだ、と瞳で訴えると魔術士は『そうだね、君は知っておくべきかも知れない』と小さく呟いた。 「母親の暴力がセレスの命を脅かすほどのものになりだして、周囲の誰かがセレスのことを領主に告げたそうだ。似た生い立ちの子は他にも多く居ただろうが、強い潜在魔力を目に見える形で現した子は他に居なかったようで、それを知った領主はセレスを手元に引き取ろうとしていたらしい」 「……らしい?」 予想とは少し異なる答えが返ってきたことに驚きながらも、魔術士の言葉尻に妙な違和感を覚える。 「そう、結果的には引き取られなかったんだ」 なぜ?と問おうとして遮られた。 「セレスの父親が領していた街の名はフランギル、君は彼を知っているはずだよ?」 フランギル、魔術で人を支配する残虐で享楽的な領主。 私が彼を知って……いる? 私の中でカチリ、カチリと何かの符丁が一つずつ嵌まっていくのを感じながら、小さくよせと呟きながらかぶりを振る。 「セレスが父親に引き取られて母親の呪詛から遠ざけられることは無かった。なぜなら……」 ……やめろ、もう聞きたくない。 しっかりと私の瞳を見据え、魔術士は穏やかに、けれどはっきりと告げた。 「そう、セレスの父親は君が殺したんだから」
https://w.atwiki.jp/skygalleontcg/pages/30.html
属性:緑 コスト:3 HP:100 AT:30 AG:18 配置:すべて 識別子:A-004 分類:♀ 特技 ■ ■ ■ 豊穣の調べ(ゲージ 4):緑味方全体のHPをAT分回復する ■ ■ ■ ■ ■ ■ 前列 □ ■ □ 大地の慈愛:緑無範囲内の味方のHPを20回復する ■ ■ ■ □ ■ □ 中列 ■ ■ ■ 大地の鼓舞:緑緑範囲内の味方のATを10アップする(2ターン) □ □ □ □ □ □ 後列 □ □ □ 大地の恵み:緑デッキから1ドローする □ □ □ □ □ □ レアリティ:UC illust:yapo カード考察など 関連ページ バージョン1.0
https://w.atwiki.jp/terra-credigna/pages/53.html
ズゥゥン…… 鈍く重い精神波の衝撃。 セレスが障壁越しに念を延ばす為に力を絞っているとはいえ、この私の張り巡らす障壁にも関わらず、わずかに響きを伝えるほどに強く凝り固まった想いの記憶。 黒い翼を持った化鳥の羽ばたきのように、母体である呪詛そのものから切り離されたそれが散り際に響かせた声。 『わたしをみないで……!』 『こんなの違う!!』 『どうしてわたしには……っっ!』 己が腹に宿った子、己が腹を痛めた子に向けて母が紡いだ呪詛、その核を覆う最後で最も頑強に中心を守るようにしていた想念の絡み目を切り解いて放たれた想い。 障壁の向こうでその声を攫うように衝撃を打ち込み弾いたけれど、訴える痛みのようなその悲痛な叫びは衝撃の余波で膝をつき、肩で息を繰り返すセレスにまで届いてしまったろうか。 それは母が我が子から向けられた眼差しに、憎い父の姿を見たゆえの拒絶の言葉なのだろうか……。 だとしたら……。 想念の最も集中する核。 幾重にも重なり絡まった毛糸玉のようで、黒い花弁を幾層も連ねた蓮の花のような呪詛の根源。 その核を織り成す黒い糸に包まれた繭の奥で赤く脈打つように垣間見える、この願いからうまれた魔術式を呪詛たらしめた原初の想いがそこにある。 ……だとしたら、そこにあるものに触れることは本当に、真にセレスにとって必要なことなのだろうか。 あの魔術士が言ったように、セレスが生を全うする為に、自らの生に納得する為に本当に必要なことなのか……。 ここまで呪詛を紐解くことに力を貸しながらも私は今も答えが見出せない。 もしも、セレスも魔術士も、私も、誰もが間違っていたら。 そこにあるものを紐解いた瞬間、取り返しのつかない痛みを解き放ってしまうのではないのか……。 そう、あの日の私のように…… 黒く煤け、砕けた城壁の上からあてもなく方々へと散っていく、幾つもの小さな影を見送ったあの日の光景が頭の奥をよぎる。 「セレス……ひどい汗だ。もう今日は……」 自らの記憶に揺らいだかのように、目の前で喘ぐ真っ青に血の気の失せた頬へと伸ばしかけた手はセレスのそれに掴まれる。 意外にも強いその力と、真っ直ぐに黒い繭の内で赤く輝きを漏らす核を見つめる強い眼差しに言葉を飲み込む。 ……そうだ、選ぶのは私ではない。 「……一度しか聞かぬぞ、本当に……いいのだな」 無言でしばしじっと核を見つめるセレス。 その横顔を、潤みながらも燃えるように強い光を宿すその眼差しを確認するように、見届けるように眺める。 もう本当に残り少ない命、その残量など気にも留めぬように今わたしの腕の中でそれを燃やす鮮やかな魂。 「……ぼくは」 縫い留められたように視線を外せないまま、掠れた声で紡ぐセレス。 それは私にか、母の残したものの残滓に向けてであるのか。 「ぼくは、お母さんを苦しめてしまったから……だからぼくは、お母さんがどんなに苦しかったか知っていてあげたい。お母さんひとりぼっちだったから、ぼくは……ぼくじゃダメなのかもしれないけど……もう間に合わないことだけれど……それでも……」 ゆっくりと赤く輝く核から視線を外し、わたしを振り返るセレスの鳶色の瞳。 「それでもぼくは……お母さんがたとえ誰にも見られたくないかもしれないことでも……知りたい。ぼくが、ぼく自身がお母さんにとって 痛みしかもたらせない存在だったのか、それを知りたい」 夕陽が山の向こうに沈んだ後に鮮やかに稜線を彩る、消えゆく輝きの色。 そこに宿る強い思いに応えるように頷く。 二度は訊ねないと約した。 お前が望んだものに手を伸ばすがいい、自ら選び取る力はお前の中にある。 例え、望まぬものがそこから飛び出そうとも、共に見届けてやる。 そして…… そして、やはり私のあの日の選択が間違いだと思えたなら、お前の痛みごと、母の弱い心ごと、私の解き放った罪とともに私が私と世界を砕く唄を奏でてやろう。 それが、やり直しをさせてはやれぬ私にできる、恐らく唯一のことだから…… 想いを吐き出し、ぐったりと力が抜け崩れ落ちそうなセレスの肩を抱きながら、伸べ差した指先から力を珠の形に封じて弾き出す。 脈打ちながら眠り続ける、呪詛の核。 その内に込められた想念を励起する為に…… ゆっくりと宙を滑るように浮遊したそれは黒い繭の隙間を抜け、まっすぐに内に脈づく核へと触れると解けるようにその中へと吸い込まれ ……光が弾けた。 『シルウィ、もう身体はいいのですか』 『……はい、司祭さま。ご迷惑をおかけしてしまって』 声が聴こえる。 『迷惑なことなどは何もないのだよ、とにかく無事で良かった。……聞いたよ、君が決めたと』 慈愛に満ちた老いた男性の声と、少し硬い女性の声。 乳白色の靄ごしに垣間見えるそれは、誰かの記憶? 『はい、でも………できるでしょうか、わたしに? 自分のお腹の中にいる命よりも自分自身の痛みに耐えかねた、わたしのようなものが成れるものなのでしょうか、母親とは』 さて、と呟きながら女性の隣に腰を下ろす僧服を纏った老いた男性は手にした教典らしきものを繰りかけてやめ、それを脇へと置く。 『私は男として生を受けましたし、この年まで妻帯もしませんでしたから、何をもって母親が母親たりうるのかはわかりません。教典を紐解けばいかにして子を愛せと書かれているかを説教することはできるでしょうが、シルウィそれはあなたが求める答えではないでしょう』 無言のまま頷く訳でもなく、虚ろな視線を祭壇に据えられた大地母神の像に注いだままの女性。 像が腕に抱き、見下ろす産着に包まれたソレは世界とそこに住まう命だと言われる。 『そうですね……私に言ってあげられるのはシルウィ、これだけです』 前方に視線を投げたままの女性の方へと身体を向け、自らの拳をもう片手で包むようにして胸の前に掲げながら紡ぐ言葉は、伝えられてきた教典からの借り物でなく、人として生まれもった魂が語らせるものであろうか。 慈愛に満ちた温かみのある声で、僧服の男性が言葉を継ぐ。 『浜辺に打ち上げられた貴女を見つけたとき、貴女の両腕はしっかりとお腹を抱き抱えていたそうです。ここに運ばれ、神官たちに身体を 温められながら目覚めた貴女が発した第一声は "お腹に赤ちゃんが" というものだったそうです』 僅かに肩を揺らせた女性が、ゆっくりと振り向いた顔、信じられないことを耳にしたように驚愕に染まる瞳に僧服の男性は柔らかく頷く。 『確かにそう言ったそうです』 女性の瞳の驚愕の色は、いずれに向けるべきものか羞恥と嫌悪の色を僅かに差したものの、見る間に潤み色はぼやけてしまう。 『そんなはずない……わっ……わたしは……わたしは、このっ』 瞳を濡らせながら尚も言い募ろうとした女性に、僧服の男性がそっと手のひらを広げて掲げ、それを遮る。 『シルウィ、まだ赤ん坊だった貴女を祝福したのはこの私です。貴女を小さい頃から知っている。私が一度でも嘘をついたことがありましたか?』 目と口許をくしゃくしゃにした女性が何度も首を振る、横に。 『子をお腹に宿した時から母だと言うものもいれば、生まれ出でた子と共に母となっていくと言うものもいるでしょう。何が正しいことかなど私には分かりません……ただ、貴女が何を思って海に身を投げたにしても、あなたの身体は無意識にお腹の子を抱え、貴女の本能はお腹の子をまず助けてくれと私たちに告げました。それはきっと……母親にしかできないことなのではないかと思うのです』 何かを諦めるように、何かを悔やむように、嗚咽を漏らす女性。 肩が震えるたび肩から乱れ流れていく栗色の髪……その背を優しく撫でながら僧服の男性が、だからと続ける。 『シルウィ、あなたは母親になれます』 また乳白色の靄が辺りを包み込み、先程の僧服の男性が祭壇の下で跪いている姿が見える。 無人の祭壇で、大地母神の像に頭を垂れながら、胸元の聖印を両手で握りしめ、一心に祈りを捧げている。 静寂を引き裂く、一つの音……いや、それは声だ。 命の始まりを告げて力強く泣く赤子の産声。 老いた身体を持ち上げるようにして立ち、祈りの仕草をした男性が祭壇の脇へと姿を消す。 扉を開いた先には白布に包まれ、額に栗色の髪を張り付かせた女性。 付き添っていた女性神官が母体同様の白布に包んだ赤子を今まさに母親の手に渡そうとしているところだった。 存在を主張して強く泣き続ける赤子を恐る恐る受け取った女性が、ぼうぜんと腕の中の我が子に視線を送り続ける。 『……おめでとう、シルウィ』 静かに告げた祝福に視線で頷いた女性は再び腕の中で泣き続ける我が子をしげしげと見つめていたかと思うと、おもむろに口を開く。 『司祭さま、古い言葉で"神さまの"って何ていうのかしら……』 問いかけの意味を反芻するように少し間を置いた男性に、女性……母親は言葉を重ねる。 『私の父の家の名は古い言葉で"贈り物"を意味するんだって昔聞いた事があるんです、同じ言葉で"神さまからの"は何というんですか』 質問の意図を理解した男性が、静かに微笑んで応じる。 『そうですね、"神さまからの"では少し固いですから……これはどうでしょう。セレスティア……"天よりの"という古い古い言葉です』 振り向いた女性が口許を綻ばせ、また我が子へと視線を落とすと、たった今伝え聞いたその言葉を小さく何度も繰り返す。 『セレスティア……セレス……天からの贈り物……それがあなたの名前よ』 泣き止まぬ腕の我が子をあやすように身体を揺らしていた女性が、不意に瞳をしばたかせて肩を揺らす。 『ごめんね、ずっと待っていてあげなくて、ひどいことをしてごめんね……ごめんね、わたしちゃんとお母さんになるから……今までできなかった分まで、いいお母さんになるって約束するからっ……ごめんね、セレス……生まれてきてくれてありがとう、わたしをお母さんにしてくれて……ありがとう』 命を主張して泣き続ける赤子の声の中、何度も繰り返される『ごめんね』と『ゆるして』の後悔の声が徐々に遠くなる。 視界を再び乳白色の靄が閉ざし、遠ざかる声もやがて聞こえなくなる……。 「……ステラ、聞いた?」 腕の中に抱いたセレスが掠れた声で発した呟きに、ああと応じる。 「お母さん、泣いてた……お母さんがぼくの名前をつけてくれたんだ……ごめんねって……ぼくがお母さんを苦しめたのに……ありがとうって言ってたよ」 セレスの背中がわななき、しゃくりあげるように波打つ。 呪詛の核に残された母の記憶が見せたもの、聞こえた声を本当のことだよねと何度も何度も私に尋ね、私はそうだなと答えながらも、まるで苦いものが口中にあるような気分を味わう。 紐解いた呪いの根源にあったのは術者たるセレスの母が、母親たらんと決意した日の記憶だった。 それは確かに、セレスが言質を取るように、忘れぬように繰り返す言葉の通り、セレスの母がその日抱いた真実の感情であり、それは彼女の願いでもあった。 けれど私は知っている。 この願いを覆い隠すように絡まった黒く染まった想念こそが、彼女がこの願いを全うできなかったことを表わし、その劣等感は我が子を見るたび、我が子に見つめられるたびに高まり、この願いを無かったことのようにするため、何層にも何重にも心にかけた鍵がついには我が子を蝕む呪いを再発させることを……。 彼女はこの願いを祈りの力を与えることに失敗し、やがて我が子を死に追いやる呪いへと育てるのだ。 『母親になれる』あの司祭の言葉は彼女を母親にしたけれど、セレスに庇護者たる母親を与えはしなかったではないか…… ……けれど、腕の中でしゃくりあげる少年には、確かにこの願いが必要だったのだろう。 母の胎内に居ながら忌みものとして扱われ、生まれ落ちて後も己を見つめる瞳に後悔と怨嗟を見続けた少年には、生まれてきた瞬間まで望まれていなかったわけではないと、母が一瞬でも己を祝福したことを知る意味が……確かにあったのだと、それは人ならざるこの私にも腕の中で震えるセレスから伝わった。 弱き人の子たち……でも…… 身体の奥が捩じれるようなこの痛みは一体何なのか……私にはわからない。 ……けれど、母親の祝福と後悔、息子を迎え言祝いだその事実だけは確かなことであったから、震えたまま『お母さん』と、届かぬ声で母を呼んで叫ぶセレスを一つの衝動で背中から強く強く抱きしめた。 そうしていないと、今すぐセレスが消えてしまいそうで、セレスのように答えをえることができないまま、セレスに置いていかれるような気がして、私は怖かったのだ………
https://w.atwiki.jp/terra-credigna/pages/90.html
昏睡から目覚めたセレスは、あれほどに消耗していた時とはうって変わり、憑き物が落ちたようにその体力を回復させた。 他の子供たちに混じり、日中は屋内で机を並べて何事かを教授され、合間合間に表に出ては同じ年頃の子供たちと語らう。 そして、あの鐘が鳴ると他の子供たちと共に建物から吐き出され、一人中庭へとやってくる日が続いた。 周囲を見回し、控え目な声で私に与えられた仮初の名を呼びながら芝の上を歩き回った。 その視線は姿を消して見つめる私の前を何度か通り過ぎたけれど、セレスの瞳に私は映るはずも無く、梢の奥から息を殺してセレスをただ見つめた。 人にも獣にも、眷属である冥魔ですら怖れたこの私が、病み上がりの少年の声から隠れているなど滑稽に過ぎたが、自身の行いの数々に疑問を覚えてしまった私は、この声の前にあまりに臆病になってしまっていた。 返事がないことに心もち肩を落としたように見えたセレスは今日もまた私が腰掛けた梢の向かいに植わった木の根元に腰を下ろすと、抱えていた書物の束から一冊を抜き出すと膝の上に広げ、ねぐらへの帰還を促す鐘が再び鳴り響くまで、時々視線を上げて周囲を見回すようにしながら一日を過ごした。 翌日も、そのまた翌日も。 そんな日が何日か過ぎたある日。 今日も懲りずに中庭へとやってきたセレスは、今日もまた飽きもせず梢に腰掛けた私を探してあの名で私を呼ぶ。 ステラ、と。 いつものように黙して見つめていると、芝の上を行ったり来たりしていたセレスの足がふと止まる。 とうとう諦めることにしたのだろうか、何気なく視線を送っていると突然セレスが片手で胸の辺りを押さえる様子が目に入ったかと思うと、芝の上に膝をつき咳き込んで倒れた。 セレスは次の春までもたないだろう…… 冬を間近に控え、去り行く秋の気候に魔術士の言葉が思い出される。 やはり体力が戻ったのは一時的なものだったのか……。 考えるより先に飛び出した身体が梢を払い、虚空に姿を現しながら芝に降り立った私は、倒れこんで苦しげに身を捩るセレスへと駆け寄り抱き起こす。 「しっかりしろ、セレス。どこが痛むのだ」 腕に抱きあげたセレスは両手で胸元を押さえるように服を握り締め、眉根をぎゅっと寄せている。 心もち高潮した額に手をあててみるが汗は無い。 どうしたものか、とにかく魔術士に報せればいいのか……。 焦燥する思考に中庭の茂みの向こうの人気も、セレスの目も慮外に翼を拡げようとした瞬間、セレスが息を漏らした。 「……っセレス?」 「……っふふ……」 漏れでた息はやがてくつくつと小さく咳き込むように変わり、訝しげに固まる私の腕の中で、あの鳶色の瞳がぱちりと開いてまばたく。 口角の上がった口元で少し尖るような唇がやおら開くと、相好を崩してセレスが私を見つめながら一言呟く。 「みーつけた、ステラ」 今さっきまで苦しげに胸元を掴んでいた拳は、私の腕をしっかりと握りしめている。 まるで捕まえた獲物を逃がさぬようにと。 「……なんともないのか?……セレスお前、私を謀ったのか?……わ、私はお前が……」 なんたることだ。 この私を謀るようなかくも悪辣な仕儀をこの仔犬のような少年がやってみせるとは…… 私は継ぐ言葉も無く、そう人風に言うならば飽いた口が塞がらず、ただぱくぱくと唇を動かす。 「うん、ごめんね。でもステラもいけないんだよ。呼んでるのにあれから一度も返事してくれないんだもん。だから学長先生に相談したら……」 後は怖いがやってみる価値はあるだろう……って。 大成功だったけどねと続けて、何が楽しいのかくつくつと声を漏らすセレスを呆れたように見つめながら、口中であの魔術士に毒づく。 本当に病を抱えている子供にやらせる芝居としては質が悪すぎるのではないのか。 乗るセレスもセレスだと、腕の中の少年を見つめる眉根に皺がよっていくのが自分でも分かる。 「怒っちゃった??」 怒るという感情はよく分からない、私が知っているそれは、これまで魔導師や狩るべき対象に向けたもので、この少年に向けるそれとは異なるような気がしたから、首を一つ横に振るとセレスはよかったと呟き口元を綻ばせたが、すぐに鳶色の瞳をしばたいて見上げてきた。 「どうして返事をしてくれなかったの?」 セレスの問いに、身が強張るのが可笑しいくらいによくわかった。 「……元々お前のあの危なっかしい行を手伝ってやるだけのつもりだった。それが終わったのだから、もう私は必要なかろう」 それは偽りではないが、別の何かを偽る為の方便に過ぎないと私は知りつつも、なんとかして誤魔化せないかというみっともない逃げ口上。 「必要ないって誰が決めたの?ぼくたち友達じゃないの?」 いつまでも腕の中に抱きかかえているのも、セレスに触れていることも憚られて、そっと上体を起こしつつ芝の上に座らせると、今すぐにも姿を消して逃げ出したいのに、セレスの瞳に見つめられ、力が抜けてしまったかのように私もまたぺたりと芝に腰を下ろす。 水気を失いつつある秋の芝がカサリと鳴る音が響く。 「……ともだち?ともだちとはなんだ」 先生とはなんだと訊ねたときのように、もっと怪訝な顔をされるかと思ったが、意外にもセレスはそれに訝しがることもなく、顎に手をあててうーんと唸り声を上げる。 「さぁ?ともだちはともだちだよ。だって、先生じゃないってあんなに言い張るんだもの。先生じゃなかったら、毎日時間を約束して、一緒に同じことをして、名前で呼び合ってたんだから友達って言っていいんじゃないかな」 セレスの言はやはりよくわからないけれど、なぜかその"ともだち"という言葉は、以前聞かされた"せんせい"という言葉に憶えた反感にも似た引っ掛かりは無いまま私の内に染み込み、その柔らかい響きには、なぜだかそんなに嫌な感じは無かった。 ああ、でもそれでも…… 「お前はよくわからないことばかり言うな……。それにお前はもう為すべきことを果たしたのだから……私に関わらぬ方が良い……」 他にすべきことを見つけるのが良い……残された時間は、という言葉を飲み込み……ことの他、その言葉を搾り出すのに力が必要だったことに戸惑いを覚える。 このまま黙ってこの少年と語らっていれば良いではないかと囁く声を振り払う。 自ら背負うことを選んだものから目を背けるような女々しきものに成り下がったつもりはない。そう思うのに、仔犬のような真っ直ぐさで見上げてくる視線に内面が揺らぎを憶える。 「どうして?」 見上げる瞳を見つめ、一度瞳を閉じて再び開く。 私を映して艶やかにひらめく鳶色の瞳が嫌悪と恐怖に歪む模様を思い浮かべて、防御を張ろうとする己の思いがけぬ脆さに軽く驚きを覚える。 「セレス、私は……きっとその"ともだち"というものにもなれない……」 少しだけ背筋を伸ばして、少年から距離を置くように言葉を選びながら語りだそうとすると、セレスの瞳が曇るのが分かって、胸の何かがチクリと痛んだのも束の間、何かを決したように眉をぎゅっと寄せたセレスが、口を割って私の言葉を遮る。 「……それは………ステラが僕とは違う種族だからなの?それとも……それとも、僕のお父さんをステラが手にかけたから?」 ドクンっと鼓動が脈打ち、喉が鳴る。 思わずセレスから外した視線、一瞬真っ赤に暗転した視界に、床に倒れ臥し動かぬ骸となったセレスの父親の肥えた身体と染みのように広がる朱い床の光景がよぎる。 また、あの魔術士の仕業か……余計なことを。 一体いつ……いつから……。 いつから私をバケモノで、親殺しの仇だと……知っていたのだ。 なぜそれを知らされながら私を呼んだのだ。やはり私はお前から責めを負う務めから逃れることはできないということか。 外した視線を戻せない。鳶色の瞳をもう一度覗くのが怖くて……。でもそれは受け入れるべきもので逃げられるものでもない。そう己に課して時を過ごしてきたというのに、なぜだ。なぜこんなにも私は、この腕の中の少年の眼差しを恐れるのか。あぁ……そうか、いつの間にか私は……独りでいないこの庭での午後を……この仔犬のようでいて、残り少なくも強い命の輝きを秘めた少年のことが……。 自らに芽生えかけた一つの感情ともいうべき執着に気付きながらも、その思いはかなうべくもないと揺らぐ己を鎧で覆い、観念したかのようにセレスへと視線を戻す。 「……そうだ。人の子は……お前は私のようなものを……親殺しの相手を傍近く置いたりしてはならん」 そう告げながら、真っ直ぐ覗いたセレスの眼差しには、眉根をよせて何かを堪えるような力の働きは見いだせたが、その奥の瞳によぎるものは、私が恐れたものとは少し異なるものだった。 「どうして……」 人ならざる世界の異端、冥魔であり己と己の母を苛んだ災厄の撒き手にして、顔を知らなかろうと血縁者を屠った者。 それが目の前にいるのにセレスは再びそう口にしただけで私を見つめ、責める言葉を口にしない。 それでも、セレスが私を責めずとも……私は 「……例えお前に父親の記憶がなかろうと、お前をこの世に導いた命を私は屠った。今お前に触れているこの手で……この手はお前に連なるものとその他多くのものの血に穢れた手だ。もしかしたら、お前が生まれる前にそうしていたなら、お前すら私は……殺していたことになる」 言い募るセレスに、わかるだろうと首を振って見せる。 そうだ、私は偶然お前の父親を見つけ、魔力を振るう姿を見て、ただ私だけの天秤によって測り彼を裁いた。 それが私がすべきことと己に課し、選んできたことだから。 それまでと同じように。ただそれだけの理由で。 「どうして……」 「それが私がすべきことだったからだ。悔いているのかと問われれば、否……そう答える。セレス……例えお前の父だと知っていたとしても、私はお前の父があのようであったなら、やはり同じことをしただろう」 まだ言い募るセレスの上体を起こし、腕の中から押し出すように手放す。 知らなかったからではないのだ。だから、親殺しにもう触れさせてはいけない。そう伝えるかのように。 「違うよ……」 向かい合って座るセレスが絞り出す声。 「……違うよ。僕が聞きたいのは、そんなことじゃない。……僕のお父さんがどんな人だったか、どんなことを色んな人に強いたのか、お母さんをどれほど苦しめたのか……学長先生から全部聞いたし、僕はお母さんを見てたから……どんな人だったかはなんとなく分かっていたよ。それでも死んで当然とは言わないけれど……でも、どうして……」 途端セレスの表情がくしゃくしゃに歪み、小さな手を私に伸ばす。 頬に迫るその手を払わなければいけないと思ったけれど、私は動けなかった。 セレスの……セレスの瞳から透明の液体が溢れ出すのを不思議に見つめながら、私は麻痺したように動くこともできず、小さな手が頬に沿わされるのをただ黙して受け容れた。 胸を押し潰すような圧迫感と共に……。 「どうして……後悔していないのならそんなに痛そうなの。どうして自分の名前を……僕にリリスって名乗ってくれたときあんなに痛くて痛くて堪らないのに、自分を叩くのを止められない顔をしていたの。僕を見ながら『お前さえいなければ』って、そう言った時のお母さんと……お母さんと同じ顔をステラがするから、僕はステラの言うことを信じないよ……ステラが見せてくれたお母さんを信じているから。……だから」 頬を高潮させ、とめどなく瞳から大粒の液体を次々と溢しながら、途切れ途切れにしゃくりあげて言葉を継ぐセレス。 私が……セレスの母親と同じ顔……? なぜ私が傷も負っていないのに痛むのだ……。 セレスの言葉は分からない、分からないけれど、セレスの小さな手の感触と、ぐしゃぐしゃに歪んだ表情を見つめる私には傷など無いのに……確かに今この瞬間、胸が潰れそうなほど痛むのはなぜだろう。どうしてなんだろう。 「ステラが後悔していなくても、ステラにそんな顔をさせているなら……それは悲しいことだと思うから。僕は……いやだ。ステラは僕を助けてくれたから……それが気紛れでも、すべきことだったことでも……僕にとってはそれが本当だから、僕はステラにもう痛そうな顔をして欲しくないよ。例えお父さんだとしても、僕は僕以外の人の命が奪われるのことを仕方なかったとか、許すとかそんなこと言えない。……でも、ステラがそんな顔で語らなきゃいけないことなんだったら……それは」 もう一度、それは…と繰り返してセレスが鼻を啜りあげる。 「それはきっとステラがしたいことじゃないよ。一緒に痛がらずにすむ方法を見つけよう。今度は僕が手伝うから……何ができるかわからないけど、僕が一緒に考えるよ、一生懸命考えるから……。だから……だから僕たちはともだちになれるよ!!だって僕はステラが好きだものっ!」 その叫びが胸を突き抜けていくような、疼く痛みごと攫って駆け抜けていくような感覚を覚える。 セレスに否定されることが怖くて、私が蓋をした可能性……。 そうだ……私はこの仔犬のようであるのに、狼のように凛とした魂を持つこの少年……セレスに恐れられ、嫌悪されることが怖かったから……逃げたかったんだ。 私はいつしか、このセレスを好ましいものとしてしまっていたから……それを認めるのが怖かった。 でも、セレスは私のしてきたことを否定はしたけれど、私を否定しなかった……。誰よりその権利があるのに…… 「……セレス。私は私の選んだものを後悔していない……後悔しているとは言えない……。でも……それでも一つだけ許されるなら……お前が生まれてくる可能性を屠らなくてよかった……お前がその身に受けたものを知っていても……いずれそれを自らの力で越えるお前という可能性を屠らなくて……よかった……そう言っても許されるだろうか」 うんと何度も頷くセレスに穢れきった両手を伸ばし、引き寄せる。 熱を帯びたその肌が心地よかった。 その日から私とセレスは"ともだち"になった。 世界の異物である冥魔でありながら、私はこの世界で友人を得た。 それが何かはまだよく分かってはいなかったけれど、その言葉は私がセレスの傍にまだ居てもいいという"許し"となって、私の中に染み込んだのだった。