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「んじゃ、お疲れ」 「お疲れ様です」 ビールが並々と注がれたグラスを控えめに掲げ、乾杯。カチン、と気持ちの良い音が小さな屋台の中に響いた。 そして口元へと運び、グイッと一気飲み。いやぁ、うまい。 ほど良い酩酊感を携えた体には、この吹きつける寒風とキンキンに冷えたビールのダブルパンチは効くねぇ。 それがまた良い、ってのもあるんだがね。要するにうまいんだよ、冷たいくらいが。 それでも今体内に流し込んだ液体のお陰でそのうちまた体が火照ってきて、それを打ち消すためにまたビール。 そんなことをしばらくしていれば、自然と眠くなるってもんだ。まったく、人間ってのは良く出来ている。 酔っぱらってるせいもあってか、脳内でよく分からないやり取りを繰り返す。誰も聞いてはいないだろうな。 数瞬前まで満たされていたはずのそれをテーブルへコトリと置くとどうしたことか、手の届くところに置いてあったはずの瓶が無いではないか。 あれ、どこにやったっけ? キョロキョロと周りを見渡すと、右手に見えるは瓶を両手で持って微笑むふゆきの姿。 それを持つ彼女は控えめに上品さを醸し出している。育ちの良さを改めて感じるな。私ならラッパ飲みをするが如く片手で持つところなんだが。 ――って違う違う。 「ふゆき、何で私がラーメンに誘ったかを忘れたのか?」 「ふふっ、ごめんなさい」 ふゆきから瓶を奪い自分のグラスへと注ぐ。トクトクと泡立ちながら、グラスに再び綺麗な麦色が戻る。 もう片方のグラスは空いていないようだ。急かすのも悪いからな、空いたら注いであげよう。 「しっかし年忘れって名目のはずなんだから、あんなに働かなくてもいいんじゃないか?」 「うーん、癖っていうものですかね? ついついやってしまうんですよ」 「随分嫌な癖なもんだ。私には真似出来ん」 「自分でも結構楽しいと思ってますから」 ほのかに頬を染めた彼女は、そう言って笑みを浮かべた。 ……うーん、世の男共には見せたくないな、この顔は。雄には刺激が強すぎる。 「はい、お待ちどお」 ふゆきのグラスに二杯目を注いでいるところにおいしそうな湯気を立たせたラーメンが置かれる。 透き通るようなスープに、メンマに刻み葱、海苔が二枚のシンプルな具材。その中に麺が幸せそうに包まっている。 ラーメンというよりも中華そば、って感じ。呼び名が違うだけで同じ食べ物なんだがな。まぁイメージってのはそういうものだろう。 うむ、うまそう。その一言に尽きるな。ふゆきも同じ思いを浮かべているような顔してる。 「うまそう、じゃねえんだなこれが。実際うまいんだよ」 カウンター越しから声が飛ぶ。声の方を向くと、店主の親父は腕を組んでいいから早く食え、と言いたげにニンマリとこちらを見ていた。 どうやら思いが口に出てしまっていたみたいだな。 「ははっ、そいつは失礼した。それじゃ、いただきます」 「いただきます」 「どうぞ、召し上がれ」 「――親父、うまかったよ。ごちそうさん」 「だろ? 俺が作ってんだから当然さ」 流石にお腹が一杯でスープまでは楽しめなかったが、それでも十分うまいラーメンだった。 それにこの店主もなかなかに気さくな男で、私たちに酔っ払い客の話やらラーメンの豆知識やらをノンストップで話してくれた。 こういう人と話をするのが好きな私はもちろん、猫舌なふゆきも麺をフーフーさせながらも四方山話を楽しんでいたようだった。 それも相まってか、まだまだふゆきの器は空になりそうもない。ということで再び私はこの飾り気なく話す親父との会話を楽しむことにした。 「ところで、何でまたこんな屋台にべっぴんさん二人で入ってきたんだい?」 「べっぴんさんだなんて、言ってくれるじゃないか」 「ははっ、嘘ついてどうする」 「こりゃどうも。さっきまで忘年会があってだね、それでこっちの子が酒注ぎばっかりしてたもんだからさ」 「で、ウチで積もる話でもしようってか」 「まぁ大体そんなところだ」 全然楽しめてないんじゃないか、ってちょっと思ったからさ。 それから彼女の忘年会での振る舞いやいつもの学校での様子とかを話すとこの親父、私を見てニヤニヤと笑いやがる。 「一体何だっていうんだ? 嫌な笑み浮かべて」 「えぇ? あぁ、もしかしてお前さん、その子に惚れちまってんじゃないんか?」 ははっ、何馬鹿なこと言ってるんだ? と反論しようとしたところ、 「えぇ、ひかるさんったら私にベタ惚れで」 いつの間にか食べ終わっていたふゆきが楽しそうに口を挟む。酔っぱらってるな、こいつも。 「私は友人としてはお前のこと好きだがな、断じてそういうつもりは――」 「なんだよ姉ちゃん、水臭ぇな。さっきの話聞いてたらとてもそうは聞こえねえよ」 「そうですよ、ひかるさん」 そうして二人は互いに目を合わせてケラケラと笑う。 うむ、聞いてられん。私はグラスに残ったままのちょっぴりぬるくなったビールに手を伸ばし、そして飲み干す。 「やれやれ。親父、もう一本くれ」 「親父さん、御馳走様でした。ラーメン、おいしかったです」 「客をからかうのも程々にしといてくれよ」 「済まないね。んじゃ、これからもお二人さん仲良くな!」 うちの学校の生徒よりも幼く見えるような笑顔で店主は手を挙げて、私たち二人を送り出した。 「いやぁ散々なラーメンだったな」 「いえ、そんなことないですよ? とっても楽しかったです」 どうやらふゆきもあの親父さんと息が合ったようで、それから延々と私と自分のことを話していた。 二人ともずっと私を見てニヤニヤ笑いながら小一時間。私にとっては散々だったよ。 「そんなに不貞腐れないで下さいよ」 「そんなつもりはないよ。聞いていられなかったけど私も楽しかったぞ?」 冬の夜風はやんわりとだが絶え間無く吹いて、結局あのあともう一本開けたっていうのに身体を火照らす余裕すら私には与えてくれない。 もう少し暖かい格好をすべきだったなぁ、と支度をして家を出る前の私に対してぽつりと呟いた。 「やっぱり冷えますね」 「そうだな。折角の酔いが醒めてしまう」 「……こうすれば暖かくなりますよ?」 そう言ってふゆきは私の腕を取り自分の左腕に絡ませた。 「お、おいっ」 「嫌ですか?」 「い、いや、そんなことはないんだが……」 「ならいいじゃないですか」 ニコリと彼女は笑う。……その笑顔は反則だろ? 「頬が熱くて仕方ない」 「そんな、恥ずかしがらなくてもいいのに」 「いや、しょうがないさ」 相手がふゆきだからな、という言葉は胸の中にしまっておけた。 「――なぁふゆき」 「なんですか? ひかるさん」 「……好きだぞ」 「ふふっ、私もです」 コメントフォーム 名前 コメント GJです!! 7巻みて 先生2人に惚れたのは俺だけでしょうか? -- 名無しさん (2009-10-19 00 43 48)
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ああ、親とケンカはいつものことだったが、いい頃合だし、18で勘当ってことになってな。 ドイツの大学は学費がいらねえ、ってのを誰かに聞いてたんだ。かなり後になってからフランスもそうだったと知ったんだが、大失敗だったな。食うものにはこだわらない方だが、フランスのめしの方がうまいくらいは俺にも分かる。 そう、ドイツ語どころか、英語も怪しいもんだ。知ってたのはハロー、プリーズ、サンキューだけだ。金があるうちは、パック旅行の旅行者と一緒で、その程度でもなんとかなるが、金がなくなるとな。ホワットとハウを知って、飛躍的に語彙が増えた。「今、なんて言った?」「そりゃ、なんだ?」「どんな風に(どこで、だれに、どんな場合に)使うんだ?」としつこく聞くんだ。ヘボンって医者は、それだけで最初の和英辞典を作ったらしいが。 ドイツ語はもうちょっとましで、大学に付属してる留学生向けの語学コースがあるんだ。そこで教科書とか先生がいる。 とりあえず、飯をすませて下宿に戻ったら、教科書を毎日30回、あたまからしっぽまで大声で読むわけだ。シュリーマン・メソッドだ。トロイヤ遺跡を掘り当てた奴がいたろ。このやり方で7カ国語できたそうだ。まあ、最初はたどたどしくやってるから、時間もものすごくかかって、おわると空が明るくなりかけてたりする。だんだんとうまく読めるようになると、1時間くらいで終わるようになる。なんかハンター協会の会長みたいな話だな。まあ、その頃は、教科書の全文を暗唱できるようになってるんだが。 大学に入ってからもそんな感じだったな。学費は無料で、奨学金まで出る。返さなくていい奴だ。贅沢はできんが、飢え死にすることもない。奨学金が入ったら、食堂へ行って、次の奨学金までの日数分の食券を買う。これで食うには困らんわけで、残った金の使い方を考える。デートなら1回、映画なら3回とかな。金はないから女に縁はなかったな。 大学出ても何をしたらいいか分からなかったんで、通貨の高い国でバイトして、通貨の安い国で暮らす、金がなくなったその国でバイトして、もっと通貨の安い国へ移る。というのを繰り返してたら、アフリカの真ん中辺りの国に居てな、酒場で怒鳴りあいのケンカしてたら、後から声をかけてきたおっさんがいた。 おまえ、日本人か、という訳だ。 そのおっさんは、日本の銀行から世界銀行に出向して、それから世界銀行が金を貸してる世界中の小国に現場派遣された一人だ。一応、その国の中央銀行総裁だ。 といっても、その国には銀行なんてそれっきりひとつだけだし、その銀行で帳簿のつけ方を知ってるのは、総裁のおっさん一人だ。 ヨーロッパから来てたスタッフとかいう連中はバカンスだと思って銀行にちっとも来やがらないし、現地採用した連中は内戦時代に育ったやつらで、やる気はあるが誰も学校へ行ったことがなくて、字はおろか数字も書けない 銀行らしいものといったら、3度焼けた火事でも残ってたバカでかくてからっぽの金庫と、総裁のおっさんが新人時代から使ってる自前のそろばんだけ、といった具合だ。 総裁のおっさんは、俺が酒場でケンカしてたんで、最初通訳に雇おうと思ったらしい。おっさんは英語とフランス語ができるが、これだと国の偉いさん、要するにヨーロッパに留学した連中だな、それとヨーロッパから来ているバカンス気分のお雇い外人としか話ができない。 俺も言葉はいい加減だったが、アフリカに入ってからしばらくするうちに、ケンカはスワヒリ語でやれることがわかった。 アフリカの連中はだいたい4つの言葉を使いこなして話ができる。出身の部族の言葉、アフリカでの商用共通語のスワヒリ語、宗教関係でアラビア語、それに白人や留学階層に媚をうるのにつかう英語やフランス語だ。気の置けない間柄では部族の言葉ではなす。アフリカ人だがよそ者とはスワヒリ語で商売からケンカだな。 で、毎日、銀行に付いて行った。銀行の仕事なんざ何も分からなかったが、しばらく眺めていると、俺のやることがはっきりした。 まず出勤簿をつくって、毎日やって来ている現地の連中に記入させた。これで連中の名前が分かった。まあ、何て読むんだとしつこく聞いたんだが。それで、1ヶ月経ってもやってこないヨーロッパ人が遊んでるところを一軒一軒借金取りみたいにまわって「おまえは首だ」と通告した。 世界銀行には、先に総裁のおっさんから手紙と出勤簿の写しを送っておいたから、連中、泡食ったな。そいつらの給料が浮いた分で、日本からそろばんを送らせた。そろばんが着くまでは、地面に溝を書いて、そこに石ころ並べてな、ソロバンごっこだ。ついでにいうと、数字の書き方も、地面の黒板で教えた。紙やほんとの黒板でやるより、みんなやる気を出したな。まあ、だから銀行のミーティングは、その後も、野外でお互い土に何か書きながらやることにしたんだ。 それから仕事の最後に、総裁のおっさんが一日中何か書きこんでる帳簿を、日がわりで順番に読み上げさせることにした。これでようやく、総裁のおっさんが毎日、赤くなったり青くなったりしてる理由を、連中も理解したって訳だ。 この辺りまでは、俺には給料なんてなくて、総裁のおっさん宅に寝とまりして飯を食わせてもらって、という感じで、まあ昔で言うと食客だな。日本がソロバンが届いたんで、おっさんに退職金がわりの路銀を出させて、おさらばしようとしたら、今世界銀行から正式に辞令が出た、おまえに給料が出せるようになったから、もっといろ、と言うんだ。これが、まともな職についた最初だな。 まあ、総裁のおっさんもずっと孤立無縁だったのが、行員が数字の扱いになれてきて、行員っぽくなったんで、やる気がでてきたんだろ。元々やる気はある連中なんだ。ところがこれまで来た外国人が自分の邪魔になるからと、何も教えなかったんだ。そのくせ現地人行員をバカにしてたしな。最初にお雇い外人をクビにしたんで人気が出たんだ。 給料は出るようになったが、俺には土の上のソロバン塾ぐらいしか仕事がない。それもちょっとどうかとおもったんで、総裁のおっさんに「あんたが一番困ってることはなんだ?」と聞いたんだ。 「一番目と二番目は、君がもう解決した」 「そりゃなんだ?」 「顔も出さない外国人行員と、やる気のない現地人行員だ」 「なるほど。三番目を教えてくれ」 「こればかりはどうにもならない」 「ああ、そういうのが、俺は好きなんだ」 「インフレだ。物価が週ごとに倍になる。中央銀行の第一の仕事は物価の安定だ。君はここを銀行にしてくれたが、私は自分のやるべきことができてない。できる見こみもない」 「あんたは、クソがつくほど真面目なんだな。だが、それはあんたの仕事の領分を越えてるぞ。金を増やしたり減らしたり、いくらいじったってダメだ。この国の連中は腹をすかせてる。なのにモノがない。そりゃ物価はあがり放題にあがる。あがると分かってればモノをもってる連中は溜めこむからますますモノが足りなくなる。内戦時代よりひどいらしいじゃないか。理由は簡単だ、国境を越えて入ってくる密輸品や国境付近で立っていた闇市を、盛大に取り締まってるからだ」 「それは知ってる。大統領が一番力を入れている仕事だ。他の大臣は、外国人ぞろいの顧問団に取り囲まれて思考停止しているが、大統領だけは自分の判断が出きるし、実行もできる」 「あんたはバンカー(銀行家)だ。今みたいな話を、大統領にすればいい。金の話だ、あんたは専門家だ。それに、あんたらは真面目人間同士だ。きっと気が合うだろう」 「密輸を奨励しろ、というのか。中央銀行の総裁が?」 「だからクソ真面目だっていうんだ。ものは言い様だぞ。国境沿いに『公設市場』をつくれ、でいいじゃないか」 「公設市場といっても何もないし、何かつくる金もないぞ」 「そんなのは商売やりたい奴らがなんとかするさ。俺たちはただ募集して名目だけの許可書でも出せばいい。それも見境になしに制限なしにだ。真面目な国境警備隊にはこう言ってやれ。これからは、おまえらが守るのは国境じゃない、国民の胃袋だ、と」 結局、おれは総裁にくっついて大統領府に行き、今みたいな話を大統領にしてやった。こいつは若いが頭はよさそうだし、なによりやる気があった。 「あなたの話は総裁から聞いている。あそこを銀行にしてくれた功労者だ」 「この国の連中は腹がすいているが、やる気がある。邪魔してたものを追い出したり、取り除いたりしただけだ」 「日本人は世界一勤勉だと聞いている。日本人の君から、そう言ってもらえてうれしいよ」 「俺は経済に詳しくないが、総裁は詳しすぎるそうだ。俺みたいな奴から話したほうが、話がシンプルになるかもしれない。おれたちの計画を話していいか」 「もちろん。ぜひ聞かせてくれ」 「物価がバカみたいに上がりつづけてる。こいつをなんとかしたい。物価が上がり続けると、後で売ったほうが得だろうと思って、モノを持ってる連中はますます売らない。だからモノ不足が続く。これをなんとかしたい」 「君の言う通りだ。そのために総裁も奔走してくれている」 「問題は金よりもモノだ。あんたの兵隊、とくに国境警備についている連中に協力してもらいたい」 「おいおい、強盗や盗賊の真似はお断りだぞ」 「その逆だ。国境で市場を開く。盗賊や強盗から守られた、安全な市場だ」 「その市場には、どこから品物が入ってくるのだろうか? 君も知っての通り、国際収支を改善するために、この国は貿易を止められている。それも、総裁を派遣してくれている世界銀行からだぞ」 「物資がどこから来ようと俺には興味がない。大統領、あんたにだって興味がないだろう。俺たちが関心を持つべきなのは、この国の連中の胃袋だ」 「密輸に目をつぶれ、ということかね?」 「繰り返し言うが、物資がどこから来るか、国の外からなのか、内からなのか、おれたちには興味がない。この国にも人々が欲しがるものを持っている連中はいる。たとえば溜めこんでるやつらだ。そういう市場ができるとなれば、もう物価は上がらない。それで損するやつらにも、物資を吐き出す機会は与えるべきだ。買う奴らだって、それが誰からの物資なのか、興味はないだろう」 「私の軍隊に何をさせたいのかね?」 「国を守ることだ、ただし国境という国の皮じゃなく、市場という国の胃袋を守ってくれ。働く場所は変わらない」 「このペテン師め!」 大統領は大声で笑いしやがった。 「私は留学して経済学を学んだ。そして何故私が生まれた国が貧しいかを研究した」 「その答えなら知っている。この国がヨーロッパやアメリカじゃないからだ」 「そのとおり。付け加えるなら日本でもない。君は本当に総裁と同じ日本人かね?」 「正直、自信はない。俺は日本から逃げ出してきた人間だ。この国に来たのはたまたまだ。日本には、このおっさんみたいなクソ真面目な連中は割といる。だが、この国に来たのはこのおっさん一人だ。後の奴らは、みんな断った。だから、俺を信じなくていい、このおっさんを信じろ。そしてあんたの国の腹をすかせてる真面目な奴らを信じろ」 「私は国王の息子として生まれて教育を受けた。革命が2度起こって、現在の地位についたが、いまでも、周りのもののうち誰が嘘をついていて、誰が本当のことを言っているか、はわかるつもりだ。君はとんでもないことを語っているが、嘘を言ってもいないし狂ってもいない。君の好きな通りやってくれ。私は邪魔しない」 「どっちがペテン師だ。だが、あんたとなら組めそうだな」 「まだ何かあるのか?」 「あるとも。いま日本から、廃車になったオンボロバスと修理工具一式を送らせてる。中央銀行前から国境の公設市場へは歩けば3日かかる。そこにバスを走らせる。大儲けだ。そしたらまたバスを買って、修理工具を買って、志願者に運転と修理を教えて、この国に公共交通ってのをつくってやる。完成したら、俺を国境までそのバスで送ってくれ。ここは悪いところじゃないが、長いこと居過ぎた」 「まるで西部劇だな。かっこ良すぎるぞ」 「うまくいけば、の話だ。こっちは命がけだぞ」 「私もだ。ひとつだけ聞こう。なぜ中央銀行の前から出発する? 大統領府からにしない?」 「最初の質問の答えは、そのバスは俺が運転するからだ。後ろの質問への答えはこうだ。あんたのところには、虫のすかないねたみっぽい外人顧問団がいっぱいだ。そんなところから走らせたら、おれはそいつら全員を国境まで運んで置き去りにするぞ」 それからか? 大統領黙認の国境闇市はうまく言った。最初は行きは買い手でいっぱい、帰りは品物と買い手でいっぱいだったが、そのうちバスに乗って売りに行く連中も出てきた。そのうちバス代をけちって中央銀行前で市が立った。金が国の中で周り始めたのを、目の当たりにした中央銀行総裁なんて、あのおっさんだけだろう。 おっさんは任期が済んで世界銀行へ帰るとき、おれにヨーロッパの銀行を紹介してくれた。肩書きが笑わせる、エコノミストだとよ。 大統領からは、経済大臣と中銀総裁を兼任しろというオファーがあったが、そんなものは自分とこの人間にやらせるもんだ、と断った。実際、土の上でそろばんを練習した若い奴らがその席に付いて立派にやってたさ。しょうがないから勲章やら推薦状やらじゃまにならないものを気の済むまで送ってきたがな。何年か前に飛行機ごとテロにあって爆死だ。いい奴は長生きできんのかね。 あの総裁が紹介してくれた銀行はウィーンにあって、古くて小さいが、なかなかいいところだった。ところが2年もしないうちに、よりによって日本の銀行が買収しやがった。買ってみたら、銀行に元からひとり日本人が居るじゃないかと、なんか役職あてがわれたんで逃げようとしたんだがな、その頃ちょうどに母さんに会ったんだ。運命だ。 それから、母さんが未亡人になったと聞いたんで、銀行には辞表を出して駆けつけた。まあ、実はそれからもいろいろあって、すぐに手に手を取り合って逃げた訳じゃないが、腹括って日本に帰ることにしたんだ。ハルヒもその頃には母さんの腹の中にいたし、母さんの体調も芳しくなかったんでな。
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気持ち悪い^^; [23時 52分 27秒] 叫ぶ ぼくはてれーぜ姫様がだいすきです!! Click [某肉親父]
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妖界に存在する乳製品をとりあつかっている業者。 妖界件乳協会会員。 主な生産物 クダン親父バター 国産クダン親父ナチョラルチーズ 来歴 2008年3月18日、妖界東西新聞での登場が初出。(妖界東西新聞(不定刊版)第7号 http //koorinteihyousen.blog.shinobi.jp/Entry/68/)
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ヰタ・セクスアリス/雨宿り及びつづきについて ハルヒが言っていた「雨の日にしたくなるのは何故か?」という疑問は、以前にある人から投げかけられて、しばらく持っていたものです。その時、たどり着いた答えは、「背中あわせでいいから、くっついていたい」「誰かに(とくにあなたに)いっしょにいて欲しい」というものでした。男(キョン)の立場だと、これはかなり拷問に近いものがありますが(笑)。まあ、彼なら我慢できてしまうかもしれない。 この線で書けば、もう少しきれいなお話になって、 「ハルヒ、……また『雨宿り』していくか?」 「うん」 こうしてわたしたちは、いつか『大人』になる日が来て、それぞれの『相手』を探しに出かける時が来るまで、大きな木のつくる洞の中で、同じ雨に濡れ、手をつなぎ背中を合わせながら、雨宿りをしている。 ……みたいなラストになっていたかもしれません(ハルヒVer.でやろうか、とかいうスケベ心も出てきました)。 キョンも「パンツを脱げ」などと言われなかったでしょう(笑)。 自分で書いておいてなんですが、親父語録の中で好きなものに 「知恵の実食べてかしこくなった人間が知ったことといえば、パンツをはくことだけだ」 というのがあるんですが(笑)。 でも、「つづき」のキョンはいいな、と自分で書いてても、思います。最近、キョンとの間に「和解」が成立しつつあると、親父書きとしては感じているのですが(壮絶な勘違いかもしれません)。 911さんのポイントをついたコメントにも感謝。もしコメントがなければ、つづきは書けなかったか、書けたとしてもずっと後になっていたと思います。 もうひとつ。この二人、ちょっとガマンが足りないんじゃないか、というご意見に対して。 そう思います(笑)。 長門さん何読んでるの?の100冊の中に、ヘーゲルの『精神現象学』という本があって、その100冊をハルヒが読むというシリーズの書き始めにこの本を選んだのですが、とりあげたのは、古い訳では「快楽と運命」(けらくとさだめ、ふりがながついてます)と見出しが訳されている箇所です。話はそのまんまで、SEXしまくって気持ちがいい(快楽)、あるとき子供ができた(運命)、運命をを受けいれるのが受け入れるのが大人になることだ、という実も蓋もない(あるいは実と蓋しかない)ことが書いてあります。ヘーゲル自身が私生児として生を受けたという事実も背景にあるのですが、とりあえず、そっちはヘーゲルの個人的な問題で、どうでもいいと言えばいいんですが。 バカップルの顛末の中には、つまり『二人は幸せに暮らしました』というハッピーエンドがはらんでいる可能性のうちには、「高校生で子供ができる」というのもあるはずで、そいつをハッピーエンドに回収するには、実にものすごく恵まれた周囲と同時に、ものすごい覚悟と努力と知恵と勇気が必要だというのが「できちゃった」というシリーズなんだと思います。 追記 つづきで、キョンが説明する「不安の回避行動としての性依存」のメカニズムについては、 「一人旅に必要な事シリーズ」で何カ所か、 「不安を怒りに変えるのが習い性なら、子供相手は止めときなさい。あたしがいつでも相手になってあげる」(一人旅に必要な事 その後の後) 「あの人は不安だったの。自分の夫や家族が、いつどこの馬の骨ともわからない女にかっさらわれるか、と思うとね。不安を一時的に抑えるにはね、怒りでも性欲でも食欲でもいいの。でも一時的に抑えた不安は、また大きくなる。ますます怒りその他に頼りたくなる。一種の依存症よ。自分が作り上げた怒りの巣に、自分を不安に陥れる人たちを配して役付けしたくなる。そんな風に社会や世界を眺めたくなる。珍しい事じゃないのよ。人間がもっと闇と恐怖と近いところで暮らしていた社会では、ごくごく当たり前の事。あんたに教えてもらったんじゃなかったっけ?」(一人旅に必要な事 エピローグ1) と、ハルヒのセリフとして(しかもキョンから教えてもらったものとして)登場してます(時系列つながってる?)。
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『できちゃった』について ハルヒ、いきなり妊娠してます。で、生むと言ってます。周囲も反対する気配なしです。 難しい素材だ思うけどと、コメントをいただいてますが、確かに難しい。こんなに簡単に書き始めるんじゃなかった、実力が足りてないぞ、と後悔することしきり。 ただ、子が親になり、親が祖父母になる、という話は、いつか必ずやろうと思ってました。世代交替というか、世代の循環があってはじめて、お話に出てくる親たちが、書き割りや背景でなく、主人公世代と並び立てる全うな登場人物になるんじゃないか、と思っていたからです。 ただ人が読みたがるか、需要はあるかと言えば、とても微妙です。 いまのコメディものは、ジャンルで言うと「家庭喜劇」というのに分類されるのですが、異なる世代を徹底的に排除しクリーニングした上に成り立ってるものも多いです。 異なる世代のことなんて、理解も想像もできないからです。 どの時代でもそうなのかわかりませんが、人間の寿命に対して、変化の激しい環境で生きる人たちは、親の世代から受ける(継承する)影響よりも、若い同世代の仲間から受ける影響の方が大きいし、そしてそれは変化に適応するのに、より望ましい形なんだ、という話があります。 変化が激しいと先代(親世代)の経験が陳腐化するのも激しくて、あまり役に立たない。 むしろ同じくらいの世代の中で、たまたま成功した奴を真似る方が生き残る確率が高くなる。 そういう社会環境では、核家族というか親たち親って、極端にいえば遺伝子と栄養(とお金で買える機会)を提供できるだけで、心に残ってたり、言葉や体験を通じて伝えたりするものの重みはグンと減るだろうと言われてます。 逆に親を真似る(たとえば親の仕事を継ぐ)ことが難しく、また楽でも有利でもない社会なら、「真似しようにも真似できない親」というのが、いいのでは、と親父シリーズを書くときに考えてます。 涼宮父母が無駄に高いスペックを備えているのは、そうした仕様です(笑)。
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消えた親父 報酬 ☆5 R 4000 コンパクトスコープβ 1.カフェ・チェルシーにいるアルコットと会話2.顔見知りのスタッフに報告する。
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糞まみれで 投稿者:変態糞親父 (8月10日(木)14時30分56秒) 先日、二回目になるが例の浮浪者の親父と川原の土手でひさしぶりに会ったんや。 高架の下で道路からは見えないとこなんで、 2人で真っ裸になりちんぽを舐めあってからわしが持って来た、 いちぢく浣腸をお互いに入れあったんや。 しばらく我慢していたら2人とも腹がぐるぐると言い出して69になり お互いにけつの穴を舐めあっていたんだが、 わしもおっさんも我慢の限界が近づいているみたいで、 けつの穴がひくひくして来たんや。おっさんがわしのちんぽを舐めながら ああ^~もう糞が出るう~~と言うまもなく、わしの顔にどば~っと糞が流れこんできた、 それと同時にわしもおっさんの口と顔に糞を思い切りひりだしてやったよ。 もう顔中に糞まみれや。お互いに糞を塗りあいながら 体中にぬってからわしがおっさんのけつにもう一発浣腸してから 糞まみれのちんぽを押し込みながら腰を使い糞を手ですくいとり、口の中に押し込むと舐めているんや。 お互いに小便をかけあったり糞を何回もぬりあい楽しんだよ。 最後は69のままお互いの口に射精したんや。 3人や4人で糞まみれでやりたいぜ。おっさんも糞遊びが好きみたいじゃ。 わしは163*90*53、おっさんは、165*75*60や一緒に糞まみれになりたいやつ連絡くれよ。 岡山県の北部や。まあ~岡山市内ならいけるで。 はよう糞まみれになろうぜ。
https://w.atwiki.jp/oyajiserver/pages/22.html
親父ダンジョン1 ルーキーの冒険者達はまずここで経験を積むんだ! 名前 ステータス 使用スキル ドロップ アイポ HP 300,000STR 1AGI 5000VIT 10INT 1000DEX 1000LuK 100 バッシュハイディングソウルストライクコールドボルト 親父コイン 90%反作用ポーション1 50%宝石箱 50%アイポカード 1% レキュポ HP 300,000STR 1AGI 5000VIT 10INT 1000DEX 1000LuK 100 アンクルスネアハイディングソウルストライクコールドボルト 親父コイン 90%反作用ポーション1 50%宝石箱 50%レキュポカード 1% ハクヘイ(MVP) HP 1,000,000STR 1500AGI 600VIT 500INT 1000DEX 1000LuK 600 ヘルジャッジメントダークストライクパリィングメテオストーム残影 ステータススクロールLv2 90%反作用ポーションLv2 50%宝石箱 50%宝物箱 20%ダンジョンチケット 10%ハクヘイカード 1% ブラッドアイク(MVP) HP 1,000,000STR 1000AGI 600VIT 500INT 1500DEX 1000LuK 600 マジックミラーオートガードツーハンドクイッケン速度減少 ステータススクロールLv2 90%反作用ポーションLv2 50%宝石箱 50%宝物箱 20%ダンジョンチケット 10%ブラッドアイクカード 1%
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妖怪 肩骨親父 「人間を肩こりにする程度の能力」を所持。 弱点:のびのびサロンシップ 元ネタは日本橋に新しくできた「げんこつおやじ」の読み間違いネタから。 値段もそこそこでなかなかの満腹感を味わえる。終日キムチ食べ放題なのが素敵。 でも、キムチ嫌いな人も居るのでそこら辺は考えてください ↑別に 無理して 食べなければ いいと思うよ。 今後Gストア交流会のアフターにおける王将orマクドのほかの候補にされるかもしれない。