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「あの、花京院君、怒っていますか?」 東風谷早苗は、おそるおそる質問をした。 今しがた、荒木が放送で言っていたように、殺し合いは続いているのだ。 それなのに自分達ときたら、そんなのとは無縁のように竹林の中を呑気に何時間もさ迷っている。 ハッキリ言って、馬鹿である。勿論、それ自体は望んでやったことではないが、 そんな結果に至ってしまった過程を考えると、どうしたって彼女の中にも罪悪感が湧き出てしまう。 「別に怒っていませんよ」 花京院は早苗には目もくれず、ぶっきらぼうに答えた。 そしてそのまま早苗を無視して、彼は昼食の用意を続けていく。 彼の視線の先を辿ると、カセットコンロの火の上に乗った鍋があり、 そこからはコトコト、コトコト、と何とも小気味好い音が聞こえてきた。 花京院が手に持ったスプーンで鍋の中をグルグルとかき回すと、今度は香ばしい味噌の香りが辺りに漂ってくる。 それは花京院に支給された食糧である水、レトルトご飯、インスタント味噌汁の三つを 一つの鍋の中に放り込んで、ざっくりと煮込んだ料理とも言えない料理だ。 ぞんざいな作りのせいか、見た目は悪く、間違っても人に出すような代物に見えない。 しかし、延々と歩き通して疲れた身体には、そんなものですら魅力的に映ってくるから不思議なものだ。 早苗は口の中から涎が出てくるのを何とか我慢し、再び花京院に訊ねる。 「じゃあ、何でそんな怒った顔をしているんですか?」 「その怒った顔というのが、どういうのか知りませんが、僕は単に考え事をしていただけです」 「考え事って何ですか?」 「僕はこんな所で何をしているんだろう、と」 「やっぱり怒っているんじゃないですかー!!」 たまらず、早苗は吠え立てた。花京院の言は、早苗にとって皮肉や嫌味にしか聞こえない。 とはいえ、花京院は怒っていなかったというのは本当らしく、「どうせ、私が悪いんですよ」と ふてくされる早苗に向かって、彼は溜息を混ぜながらも、甲斐甲斐しく声をかけた。 「今になって思えば、あの場で皆を待つという東風谷さんの選択肢が正しかったのでは、と考えていたんです」 その言葉に、早苗の表情は色彩を取り戻したかのように明るくなる。 「ほらー、やっぱりそうなんですよ! だから、私が言ったじゃないですかー!」 「まぁ、だからと言って、迷子になった東風谷さんの責任が消えて無くなるわけでもありませんが」 「……うぅ」 途端に色を失ったかのように早苗の顔は暗くなる。 そんな彼女の口から漏れ出る溜息は重く、昼を迎えたというのに、その表情は夜のように濃い影を差している。 反省するのは良いが、それで気落ちして動けなくなっては元も子もない。 花京院は早苗をいじめるのを止め、代わって湯気が立ち込もる鍋から、昼食をよそってあげることにした。 「ごはんができましたよ、東風谷さん。これを食べて、元気を出して下さい」 完成したおじやを、早苗のお皿によそる。到底、物を食べる気分などではないが、 体は現金なもので、いざご飯を目の前に出されると、早苗のお腹は待ってましたとばかりにグゥーと盛大な音を鳴らした。 早苗の暗い顔は、今度は一転して赤くなる。「はわわわ」と、恥ずかしさからか、彼女は慌ててその場を立ち去ろうするが、 その前に花京院は早苗の手を掴み、おじやが入ったお皿を手渡すことに無事成功していた。 「どうぞ、東風谷さん。味については色々と文句があるかもしれませんが、こんな場所なのでご容赦下さい」 そう言うなり、花京院は自分の分の昼食を皿によそり、それをガツガツとスプーンで口の中に放り込んでいく。 彼の様子を見るに、どうやら早苗のお腹の虫の音は聞こえなかったと見える。 早苗はそのことにホッと一安心すると、大人しくその場――椅子代わりの大きな石――に座り、 差し出された食事を食べることにした。 「いただきます」 と、早苗は花京院に向かって小さく言うと、おじやから立ち上る湯気の中で大きく息を吸い込み、また吐き出した。 ご飯と味噌の香りだけで、心が落ち着き、肩から力が抜けていくのが分かる。何とも素晴らしい魔法だ。 大した栄養など含まれていないのに、何故日本人は先祖代々に渡って米と味噌を食しているのか、 これだけでも理解できようというものだ。 早速、早苗はそのおじやをスプーンですくい、口に運んでいった。 舌に訴えるのは、懐かしき味わい。別にご飯も味噌汁も久しぶりというわけでもない。 だけど、郷愁にも似た安心感を覚えるほどに、頭と身体は食事のことを綺麗さっぱりに忘れていたようだ。 ついつい浮かべてしまった笑顔で、早苗はおじやをゴクリと飲み込んで、胃の中に落とす。 そうすると、お腹を中心にじんわりと温かさが身体全体へ広がっていった。何というか、身体に沁みるのだ。 疲弊して、空っぽになった身体を満たすように、エネルギーが全身に行き渡る。 早苗はそれを確かに実感すると、次の行動に備えて一口、また一口とおじやを口にしていった。 「そういえば、僕は以前、死神(デス・サーティーン)というスタンドと戦ったことがあるんですよ」 早苗がごはんを半分も食べた頃、花京院が唐突に話題を振ってきた。 その話には何か意味があるのだろうか、それとも他愛のない会話の一環なのだろうか。 早苗は昼食を食べながら、そんなことを考えて言葉を返す。 「死神ですか。何とも恐ろしげなスタンドですね」」 「ええ、実際に恐ろしいスタンドでした。その能力は人の夢の世界に入り込み、それを支配するというもの。 もっと簡単に言えば、死神は夢の中を自分の思い通りにできたわけです。それこそ空を飛んだり、何もない所から物を生み出したりとね。 まぁそれだけなら取るに足らないものですが、夢の世界で起きた肉体の変化が、現実世界にも適用されるというのが、 そのスタンドを死神たらしめていました。つまり、夢の中で死ぬと、現実でも死ぬのです」 「話を聞くだけだと、何だか無敵って感じがしますけれど、そんなのを相手にどうやって勝ったんですか?」 「夢の世界ではスタンドを出すことができなかったのですが、ひょんなことから眠る時にもスタンドを出していれば、 着ている衣服と同じように夢の世界に持ち込むことができるのでは、と思い至ったのです。 そうして僕は夢の世界にハイエロファント・グリーンを連れて行くことに成功し、死神相手に無事に勝利を収めることができたわけです」 「えっと、おめでとうございます」 「しかし、問題はここからでした。死神のスタンド使いは、何と赤ん坊だったのです」 「え、赤ちゃんですか? それじゃあ、その赤ちゃんは一体……?」 「僕も悩みました。幾ら僕を殺しにかかってきた敵とはいえ、さすがに赤ん坊を再起不能にするのは良心が痛みますからね。 かといって、そのままにしといたら、また襲い掛かってくるということもありますから、やはり罰は必要となってきます」 「罰ですか。結局、何をしたんですか?」 「それはですね、赤ん坊のウンチをこういう風にしてですね」 そこで花京院はスプーンで何かを掬い取るような仕草をしてから、それを鍋に入れてグルグルと力強くかき回し始めた。 そして早苗の視線がこっちに向いているのをしっかりと確認してから、花京院はゆっくりとその先の言葉を続けていく。 「赤ん坊に食べさせたのです」 「え……? ま、まさか……!?」 早苗は目の前の鍋と手元にある食事を交互に見比べ、ハッと何かに気づいたように顔を青くする。 それ対して花京院は笑みを浮かべて、早苗が待ち望んだ答えをくれてやった。 「悪い子には、お仕置きが必要ですよね?」 「おええええぇぇぇ」 早苗はすぐさま顔を下に向けて、胃の中にあったものを吐き出した。 そのいきなりのことに、花京院は目を丸くして、口を大きく開く。 「な、何をしているんですか、東風谷さん!! 折角のごはんが勿体無い!!」 「勿体無い、じゃありませんよ!! あんなことを言われて、食べられるわけないじゃないですか!!」 「ですが、僕が言ったのは冗談です!」 「そんな冗談がありますか!!」 「大体、僕は東風谷さんの目の前で料理を作っていたんですよ! いつ、そんなのを入れる余裕があったというんですか! いや、それ以前に僕も同じ鍋のものを食べているんですから、冗談だってすぐに気がつくはずです!」 「だからといって、世の中には言って良い冗談と、悪い冗談があります!! そんなことも分からないんですか、花京院君は!!」 言いたいことを言い終えると、早苗は支給された水を取り出し、それで口の中ををすすぎ始めた。 それが済むと、彼女は花京院に背中を向けて、デイパックから自分に支給された食糧を取り出す。 早苗はツーンとそっぽを向き、もう花京院とは口をきかないといった姿勢だ。 「すみません、東風谷さん。悪ふざけが過ぎたようです」 花京院の謝罪の声がすぐに聞こえてきたことに、早苗はビックリした。 こういったことには男の子は意地を張るものだと彼女は思っていたのだ。 それとも、花京院君は自分の意地以上に私のことを大切に思ってくれたのだろうか。 そんなことを考え、早苗はさっきの怒りとは別に、ちょっと嬉しくなったりもする。 「はぁ、しょうがないですねぇ。でも、許すのは今回だけですからね」 頬が緩んでしまうのを何とか我慢しながら、早苗は厳かに振り返る。 しかし、そんな華麗なる転身に泥を塗るかのように、何ともすえた臭いが彼女の鼻孔を刺激した。 何事かと下を見ると、早苗が吐き出し物が、まるで玉座に座るように盛大にふんぞり返っている。 どうしようと前を見ると、花京院が悪びれることなく呟いた。 「まぁそういう訳ですので、東風谷さんがそれを片付けて下さい。 文字通り、それは東風谷さんがまいたものなんですからね」 ぐぬぬ、と早苗は強く歯を噛んだ。花京院に対して物凄くたくさんの文句が思い浮かんでくるが、 結局のところ、足元にあるのは早苗自らが出したものに違いはない。 早苗はいきり立つ気持ちをぶつけるように、つま先で何度も地面を蹴り、ドロドロの物体に土を被せた。 ドスン、と花京院に抗議するかのように音を立てて石に座りなおすと、早苗は改めて食事を開始した。 彼女に支給された食糧はパンの詰め合わせだ。その中からサンドイッチを手に取り、小さな口でほうばる。 味は悪くない。寧ろ、良い方だろう。挟んである具材だって、けち臭くなく、ちゃんとした厚みがある。 しかし、それで早苗の心が満たされることはなかった。 雨足は弱まってきたとはいえ、冷え込みは段々と厳しくなってきているのだ。 ややもすれば、身も震わすような寒さ。そんな中では、どうしたって温かい食べ物が欲しくなってくる。 だけど、今更おじやを下さいなどとは、早苗の口からは間違っても言えない。 「そのサンドイッチは美味しいですか、東風谷さん?」 花京院は早苗の気持ちを見計らったかのようなタイミングで訊ねてきた。 早苗は先ほど浮かんだ気持ちをひた隠し、しれっと答える。 「ええ、美味しいですよ。おじやなんかよりも、ず~~っと。でも、花京院君にはあげませんからね」 「……そうですか。美味しいのですか」 そこで花京院は頭を伏せ、地面を黙って睨みだした。あれ、そんなにショックだったのだろうか。 罪悪感に駆られた早苗は慌てて言葉を付け足す。 「ああ、いや、嘘ですよ。欲しければ、ちゃんとあげますから、そんな悲しまないでください」 「……別にパンが貰えなくて悲しいから項垂れていたというわけではなく、単に考え事をしていただけです」 「考え事? また私をいじめる算段ですか?」 「違います。東風谷さんは大分僕という人間を誤解しているようですね。 まぁそれはともかく、東風谷さんの支給品は何でしたか?」 「えっと、スタンドDISCですね。ナット・キング・コールという」 「ふむ。他の人に配られた支給品というのは覚えていたりしますか?」 「覚えているというか、印象に残っているのは、オンバシラですね。あれは美鈴さんのです。 あとは、その、神奈子様のでっかい銃とスタンドが忘れられません」 「美鈴という方は女性ですか?」 「ええ、そうです」 「では、プロシュートと言いましたか? 人を老化させるスタンドを持った、あの凄腕の男の支給品は何か分かりますか?」 「んー、えーと、ナイフだったと思います、確か」 「やっぱり、そうですか」 花京院は早苗の答えに深く頷いた。その意味深な言動に、早苗はサンドイッチを食べることも忘れて聞き返す。 「何がやっぱりなんですか?」 「その前に僕の支給品を教えましょう。 僕に配られたのは、承太郎の記憶DISCと先ほどの昼食で使ったコンロとお皿が入ったキャンプセットとかいうやつです。 確かにそれは食事を作るにあたっては役には立ちましたが、そんなものが殺し合いで役にも立つはずもありません。 正直に言ってゴミですね。僕に配られたのは、そんな役立たずの不用品です。そしてプロシュートのナイフも他の支給品に比べたら、 やはり見劣りしてしまいます。ここまで言えば分かりますか、東風谷さん?」 「支給品に差があるということですよね」 「正確には、男女において、差があるということです。無論、サンプルが少ないから絶対というわけではないですが、 これが真であるのならば、そこからは一つの結論を導き出すことができます」 「何ですか、それは?」 「荒木たちも所詮は男ではないか、ということです」 花京院の予想外の台詞に、早苗は呆気に取られながらも、何とかその内容を整理する。 「えっと、つまり荒木と太田は私達女性に良からぬというか、憎からずというか…… とにかく、そんなやましい感情を持っているから、支給品を優遇したということですか?」 「そういうことになります」 「成る程、一理あるかもしれませんが、それにどんな意味が?」 「分かりませんか? これはつまり、荒木達に色仕掛けが通用するかもしれないということです」 「色仕掛け」 思ってもみなかった異変の解決方法に、早苗はその言葉を反芻し、意味を咀嚼する。 しかし、早苗がその内容を完全に理解する前に、花京院が実に素敵な言葉を放ってきた。 「そういう訳ですので、東風谷さん、ここは一つ、僕を荒木や太田だと思って誘惑してみてください」 「ええーーッ!? 私がやるんですかーー!?」 「他に誰がいるんです」 「いや、でも、誘惑ってどうすればいいんですか? そんなの分かりませんよ!」 「東風谷さん、今までに良い人の一人や二人はいたでしょう? その時のことを思い出してくれればいいんです」 「良い人って……今まで私にそんな縁があったことはありませんよ!! っていうか、花京院君は私をからかって遊ぼうとしていませんか!?」 「失敬な。僕は至って真面目です」 「いや、でも、じゃあ、何でここで……!?」 「東風谷さんも荒木の放送を聞いていたでしょう? 幸いなことに、僕達の親しい人の名前は呼ばれませんでした。 しかし、今現在も殺し合いは続いていて、罪無き人々の命があたら失われようとしているのです。 そしてその中に、いつ僕達の知り合いや大切な人の名前を含まれても、おかしくはないのです。 それを防ぐのに、東風谷さん、貴方のたった一つの行動で済むのかもしれないのですよ。 それを聞いても、東風谷さんはまだ動くことを躊躇うのですか? それとも、ここでやる意味はないと、お考えですか? 僕は何も東風谷さんを笑おうと思っているわけではありません。僕はただ荒木達に対して実践する前に練習をしてみようと言っているのです」 花京院は真摯な表情で切実に訴えかける。彼の態度には人を揶揄するようなところは見られない。 おそらく花京院のは、純粋に他意のない発言なのであろう。実際、彼の言っている内容に偽りはないし、納得できる部分も多い。 それを悟った早苗は再び歯を強く噛み締めると、羞恥心を脇に押しやり、勇気を振り絞ってみることにした。 「ぜ、絶対に笑わないでくださいね」 「勿論です」 花京院がそう請合うと、早苗はおもむろに立ち上がり、両脇で自らの胸を抱え上げた。 そして腰をくねくねと左右に振り、ウィンクをしながら投げキッスを贈る。 「うっふ~ん(ハート)」 花京院は盛大に溜息を吐くと、荷物をそそくさとまとめだした。 それが済むと、すっと立ち上がり、早苗に背中を向けて遠慮なく前へ歩き出す。 「ちょ、ちょっと待ってくださいッ!! どこに行くんですか~!?」 早苗は慌てて花京院の背中に飛びつき、しがみついた。 彼女の目の端は涙が浮かび、顔は茹蛸のように真っ赤だ。 しかし、花京院は彼女のそんな姿に泡を食うこともなく、冷静に目的地を告げる。 「どこって、皆の所にです。元々、それが僕達の行こうとしていた所じゃないですか」 「いや、そうですけど! そうですけど!! でも、その前に言うことがあるんじゃあないんですか!? 私、恥ずかしいのを我慢して、精一杯頑張ったんですよ~!!」 「逆に訊きますが、東風谷さん」そこで花京院は振り返り、早苗を憐れんだ目で見つめながら告げる。「何か言った方がいいのですか?」 「……ううぅっ、やっぱりいいです」 花京院の冷たい顔から放たれる言葉を聞いたら、きっと心はガラスのように脆く砕け散る。 そんなことを予感した早苗は、大人しくその場を引くことにした。 とはいえ、それで湧き出た恥ずかしさや後悔が消えてなくなるわけでもなく、早苗は花京院を正視できず、俯いたままだ。 そのくせ、花京院の服の裾を掴んで離さないのだから、彼女の心の中で何がせめぎ合っているかは容易に見て取れる。 そんな不毛な葛藤で精神の浪費、あるいは磨耗を続けていたら、後々の行動にも障りかねない。 花京院は一瞬ほど瞑目すると、早苗に向かって優しく声をかけた。 「東風谷さん、確かにあの仕草には女性としての魅力は大いに欠けていました。 しかし、そこには欠けた部分を補って余りある東風谷さんの魅力が十分に溢れていたと思います」 「……私の魅力って何ですか?」 その質問に花京院は思わず黙り込む。そのあんまりな態度に早苗の額にはクッキリと青筋が浮かんだ。 「いや、私を慰めるんじゃないですか!? 何でそこで黙るんですかー!?」 「すみません、少し考え事をしていて。まぁそれはともかく、僕からも質問いいですか?」 「ともかくって何ですか、ともかくって!? ひょっとして、このまま流すんですか!? 流しちゃうんですか!? 私を励ます話は無かったことになっちゃうんですか~!?」 「すみません」 花京院の謝罪に早苗は大きく嘆息を吐く。これでは男として、甲斐性が欠けていると言わざるを得ない。 普通は嘘でもいいから、語感の良い綺麗な言葉で女性を着飾ってやるべきなのだ。 こういう場合は、それが何よりも男としての役目なのだ。 それなのに花京院ときたら、小さな声で早苗に謝るのみ。彼女が抱いた失望は、それは大きなものであった。 「……いえ、花京院君に、こういうことの機微を期待した私が馬鹿でした。ええ、きっと私の方が悪いんですよね」 「何だか、僕のことをひどく馬鹿にされたような気がするのですが?」 「気のせいですよ。それで質問って何ですか?」 「……まぁ、いいでしょう。質問というのは、他に魅力的な女性を知らないかというものです」 「まだ、あの作戦を敢行するつもりなんですか?」 「ええ。確かに穴は多いかもしれませんが、やって損するものでもありません」 「まぁそうですね。でも、私にとって男を悩ます魅力的な女性というのは一人しか知りませんよ」 「それは誰ですか?」 「神奈子様です」 その発言に花京院は息を呑んだ。神奈子といえば、ガトリング銃とスタンドで花京院の命を奪いにきた凶悪な輩である。 とてもではないが、女性的な魅力に溢れているとは思えない。寧ろ、あの益荒男ぶりは、男らしいといった方が、より相応しいだろう。 「あの、東風谷さん、僕にはそんな印象を抱けなかったのですが?」 花京院は冷や汗を流しながら、おずおずと訊ねる。 おそらく彼の脳裏には神奈子に襲われている光景が、まざまざと思い出されているのだろう。 そんな様子に、早苗はクスリとほんの少しだけ笑みをこぼすと、丁寧な説明を加えていった。 「花京院君がそう思うのは無理からぬことかもしれませんが、普段の神奈子様はあんな殺伐とはしていませんよ。 明るく、優しく、綺麗で、面倒見が良くて、いつも人の輪の中心におられて……。 他愛のない話なんかしてても、別に退屈そうにはしなくて、笑って耳を傾けてくれるんです。 男の子からすると、包容力があるっていうんですかね? 私が失敗とかもしても、勿論怒ったりはするのですが、 理不尽に責めたりはせず、ちゃんと私の話も聞いてくださる。そうして最後には、いつも私を温かく励ましてくれるんですよ。 とにかく神奈子様は同じ女である私が憧れ、そして嫉妬してしまうような魅力的な御方なんです。 ボディの方も、こうボンキュッボンで凄いですからね!」 アハハ、と早苗は最後に笑って付け足す。神奈子のことを話して、湿っぽい空気になりつつあったのを、払拭しにかかったのだろう。 そんな健気で殊勝な気遣いを無駄にしないためにも、花京院は早苗のことへと話をそらさずに、本題を追求していくことにする。 「東風谷さんがそう言うなら、それは事実なのでしょう。実際、彼女の支給品の充実振りを見れば、答えは自ずと分かります。 あれは荒木達に愛されていると言っても過言ではない。僕はどうやら、出会い頭のあの強烈な姿に見事騙されていたようです」 「神奈子様の魅力を分かっていただけて、私としても嬉しいのですが……しかし、そうなると、どうなるのでしょう?」 「そうなると、八坂神奈子を止めるという重要性が増すのです」 「ですよね」 早苗は自らの責任の重さを再確認する。山の神を止めるという行いは、この殺し合いの行く末を決めることにもなってしまったのだ。 もし八坂神奈子が凶行を止めることもなく、荒木たちの誘惑にも失敗するようであれば、流血の連鎖は延々と続くことになってしまう。 そんな悲劇は、何としても御免蒙りたい。しかし、神奈子を殺してでも止めるという悲壮なる覚悟を決めていた早苗だが、 ここに来て一つの光明を見つけたのも確かだった。早苗は早速、その希望の光を手中に収めんと手を伸ばす。 「花京院君、私からも質問いいですか?」 「構いませんよ」 「花京院君の話を聞いていて思ったのですが、ここは死神(デス・サーティーン)の夢の世界ってことはありませんか?」 その質問に花京院は知らず知らずの内に腕を組み、手を顎にやり、思考に没頭する。 そうしてしばらくした後に、彼の口から出てきたのは、意外にも早苗の考えを肯定するものであった。 「確かにその可能性はありますね。死神と戦って以来、僕は眠る時には必ずスタンドを出すということを習慣づけていました。 しかし、突発的に、あるいは瞬間的に、相手を眠りに陥らせるスタンドというものがあってもおかしくはない。 その方が、夢の世界を支配するだとか、奇跡を起こすだとかよりは、よほど現実的ですからね」 「あの、花京院君、さりげなく私に喧嘩を売っていませんか?」 「気のせいです。とにかく、死神の能力なら、この会場を作り出すことも、 また誰にも気づかれることなく頭の中に爆弾を仕込むことも容易に可能ということです。 何と言っても、夢の中なら何でもできるのですから」 「えーと、自分で訊いといて何ですが、その可能性って本当にあるのですか? 夢の中だとスタンドを出すことが出来ないって、花京院君は言ってませんでしたか?」 「確かにできません。しかし、死神は他のスタンドを作り出すことができ、 そうしてスタンドを出したと勘違いさせることもできるのです」 「本当に何でもありなんですね」 「本当に何でもありなのです。だからこそ、ここは死神の夢の世界ということが考えられるのです」 そこまで話が進むと、早苗は一度大きく深呼吸をした。 そして今まで、どこかのほほんとした表情を引き締め、これから先はふざけることは許さぬ、と 花京院を矢のように見据えて、重々しく訊ねる。 「では、もう一つ質問します。ここが夢の世界だと実証する手段はありますか?」 「ありませんよ」 「え~~、ないんですか~~!」 花京院の実にあっけらかんとした返答に、早苗の張り詰めていた表情は途端に緩み、何とも情けない声で悲鳴が漏れでてしまった。 彼女の身体はそれに釣られてか、へなへなと力が抜けていき、まだ濡れているにも関わらず、地面へと膝をつける。 早苗の様子に花京院は首をかしげながらも、まずは死神のことを話すのが先決だと思い、その詳細を語っていくことにする。 「そもそも、あの戦いで夢の中とかスタンド攻撃とかと気づけたのは、死神が呑気に自分の能力を説明してきてくれたからです。 もし死神の登場や、能力の説明がなかったら、僕もポルナレフと同じく遊園地で遊んでいたかもしれません。 というか、死神に勝てたのも、そこらへんに由来します。もしスタンド使いが精神的に未熟な赤ん坊ではなく、 十年も修羅場を潜り抜けてきたような凄味のある奴だったら、もっと言うのならプロシュートのような男だったら、 ポルナレフは勿論のこと、僕や承太郎、そしてジョースターさんまでもが死を免れることができなかったでしょう」 「は~~、そうですか~~」 覇気が全く感じられない早苗の返事に、さすがの花京院も湧き上がる疑問を抑えることができなかったらしく、 今度は素直にその原因を訊ねてみることにした。 「東風谷さんは何故そんなことを訊くのですか? そもそも夢の中だろうと、そうでなかろうと、 当面の行動に違いは出てこないと思うのですが……」 「花京院君は言っていたじゃないですか。神奈子様は殺し合いに乗るのは、幻想郷の最高神が生贄を求めているからだって。 だから、ここが幻想郷とは全く関係ない場所だって証明できたら、神奈子様を止めることができるだろうって思ったのです」 その考えを聞いた花京院は、元気のない早苗と打って変わって、喜びを露にする。 「成る程、それは妙手かもしれませんね。どうやら僕は東風谷さんを誤解していたようです」 「誤解? どういうことですか?」 「いえ、八坂神奈子を止めると言った時の東風谷さんは随分と思いつめた表情をしていましたから、 てっきり東風谷さんは感情で訴えるとか、力づくで止めるとか、脳味噌空っぽの猪武者みたいな行動をすると思っていたんです。 ですが、東風谷さんは、それとは違う選択肢も考えていたんですね」 「ハハハ。やっぱり花京院君は私に喧嘩を売っていますよね? っていうか、私は覚えているんですからね! 花京院君が私に付いてくる時、戦力が必要だって言ったことを。それって戦うことを前提とした発言ですよね? どっちの脳味噌が少ないか、もう明白じゃないですか!」 「僕は万が一の時のために戦力が必要と言ったのです。誤解してもらっては困ります」 「ああ言えば、こう言う。花京院君はいい加減自分の過ちを認めることをしたらどうなんですか!」 「僕がいつ過ちを犯したというんですか? それに東風谷さんこそ、いい加減に悪意ある曲解はやめたらどうなんですか! 僕は先ほど東風谷さんを褒めたんですよ!」 「あの花京院君の台詞のどこに喜ぶ要素があったんですか!? あれが褒め言葉って、もう言葉のチョイスの仕方が根本的におかしいですよ!」 「いいえ、普通です。僕は至って正常です」 二人は、そのまま自分達の意見を譲り合わず、睨み合う。 一触即発。そのように思われたが、次いで、その二人の口から出てきたのは、長い溜息だけだった。 こんな所で、お互いに争うのは不毛だと判断したのだ。 「意見をまとめましょうか」 花京院は気持ちを切り替えるかのように軽く咳払いしてから、改めて早苗に声をかけた。 彼女も再び話が脱線せぬように努めて冷静に応える。 「はい、そうですね。といっても、話はそう難しいものでもありませんよね」 「ええ。男女における支給品の優劣の差は、荒木達が女に弱いから。 その支給品の充実振りからは、八坂神奈子が荒木達に愛されていると推測できる。 そしてそんな彼女の色仕掛けなら、荒木達の心変わりを狙えるのではないか、という寸法です」 「何というか、改めて言葉にすると、すごく馬鹿げているように思えます」 「ですが、ハニートラップは昔に始まり、現代において尚も存在します。 それが廃れなかったのは、色仕掛けが男には有効だという何よりもの証左なのではないでしょうか」 「それはそうなんでしょうけど……。いえ、まぁ、そこらへんは神奈子様の魅力に期待しましょう」 「そしてその作戦の大前提となる八坂神奈子の説得です」 「はい。勿論、最悪の場合は戦うということになると思います。 ですが、その前段階として、ここは幻想郷とは関係ない場所だから、と説き伏せることができるのではないかということです。 要するに、神奈子様の行動の根幹を崩しちゃおうってわけです。ただ神奈子様が今、歩まれているのは容易には引き返せぬ道。 単なる推測では、方針を変えることはないでしょう。ですから、その方法で説得するとなると、 やはり誰にも否定できぬ証拠というものが必要となってくると思います」 「証拠となると難しそうですね。ここが死神の夢の世界だとしたら、何をしても起きることはありませんし、 例え起きたとしても、夢のことを覚えているというわけでもありません。ここが夢の世界だと立証するには それこそ死神のスタンド使い、おそらくはスタンドDISCで力を得たであろう荒木達の説明を願うしかないでしょう」 「何だか雲を掴むようなというか、藁にも縋るようなというか……。もどかしい感じですねぇ」 「僕の方では残念ながら解決策は思いつきません。ですが、東風谷さんの方はどうですか? ここが幻想郷ではないと立証する方法、あるいは立証できる人や妖怪の心当たりはありますか?」 「ありますね」 早苗は即答した。花京院の台詞を聞いて、真っ先に思い浮かんだ妖怪がいたのだ。 「それは誰ですか?」 早苗の答えの速さに驚きながらも、その迅速さに興味を引かれた花京院は心して訊ねる。 そして早苗の方も、一音も聞き漏らしてはならないように、と丁寧に、ハッキリとした口調で答えた。 「それは幻想郷を作ったと言われる八雲紫さんです」 その台詞に、花京院は目を見開いた。そこまで大げさな肩書きを持った者がいるとは思わなかったのだ。 だがしかし、それは帆に順風を送るような理想的な答えでもある。そんな妖怪がいるのであれば、 この場所と実際の幻想郷の差異など、簡単に明らかにできるであろうから。 花京院は肩の力を抜いて、実に気楽に口を開いていった。 「成る程、そんな方がいるのでしたら、案外説得への道のりは遠くないのかもしれませんね。 それでその八雲さんが、この会場で行きそうな場所は見当がつきますか?」 「私、あんまりあの方のことは良く知らないので、結構な当て推量になると思います。 それでも話すとしたら、彼女の行き先は永遠亭じゃないでしょうか。 私はまだ幻想郷で暮らして短いですけど、あそこは殺し合いを良しとする場所じゃないってことだけは分かります。 スペルカードに代表されるように、平和で穏やかで、それでいて楽しいって所を作った方なら、絶対にこの異変に反意を抱くはずです。 でも、実際に荒木達に反抗するにしても、無理があるじゃないですか。 私達はこんな所に連れこまれ、閉じ込められているんです。しかも、無理矢理にです。 一人でどうにかできるなら、こんな事態には陥っているはずもありません。 となるとですよ、荒木と太田を倒すって考えたら、誰かしらの協力を得ようってことになると思うんです」 「その誰かしらが、永遠亭に関係ある方なんですか?」 「結論から言うと、そうなります。そこには八意永琳という、とんでもなく頭の良い方がいらっしゃるとのことで。 多分、あの方を味方に付けるというのが、危急の際における最善の策かなぁとは思います。 ただですね、私とか、霊夢さんとか、魔理沙さんとか、あとは私とかですね そういった異変解決の主人公というか、スペシャリストにも、お声が掛かるんじゃないかなぁと思うと、 探す範囲は永遠亭にとどまるものではなくなってしまいますね」 「現状、あまり手広く探すことなどできませんから、やはり近くを探すというのが現実的ですね」 「となると、永遠亭ですね」 「永遠亭ですか」 「永遠亭です」 「永遠亭か」 「永遠亭」と二人揃って小さく呟くと、彼らは気の抜けた笑いをしながら、お互いに目を伏せた。 永遠亭。二人にとって、それは最早、呪いのような響きを持った言葉である。 随分と前から、そこに行こうとしているのに、依然と辿り着けていない迷宮のゴール。 永遠亭は文字通り、彼らから貴重な時間と体力を奪っていったのだ。それも一方的に、無慈悲に、残酷に。 そんな忌むべき場所の名前が、再び語られることとなっては、二人の心労は大きくなるばかり。 とはいえ、有限の時間の中では、いつまでも気落ちはしていられない。 早苗は「よし!」と気合を入れると、花京院を叱咤するように声をかけた。 「こんな所で、グズグズとはしていられません! それでは行きましょう!」 すかさず花京院は疑問の声を上げる。 「行くって、どこにです?」 「永遠亭にです」 「どうやってです?」 「…………では、ここは一旦、元の場所に戻ってみますか? それで皆さんと合流した後にということで」 「戻るって、どうやってです?」 重い沈黙が辺りを支配する。二人とも、その問いに対する答えを持ち合わせていなかったのだ。 先ほど、自らに活を入れた早苗の意気はもう阻喪とし、彼女の瞳は光を反射せずに真っ暗となっている。 もう一方の花京院も全く答えの見えない状況に嫌気が差したが、それでも気力を振り絞り、早苗に声をかける。 「とりあえずは、竹林を出ることを第一目標としましょう」 「何か私達の目標って、どんどん低くなっていますよね」 「情けないことは確かですが、千里の道も一歩からと言います。気を取り直して行きましょう」 「そうですよね。何をするにしても、その一歩が肝心なんですよね」 動かなければ、何も始まらない。それを改めて悟った早苗は再び「よし!」と掛け声を上げ、自らを奮い立たせた。 そうして食べかけだったサンドイッチを一気に丸ごと口の中に放り込む。これで気力のみならず、体力も満タンだ。 早苗は意気揚々と、最初の一歩目を踏み出した。しかし、最果てにまで届きそうな力強い足取りは、僅か数歩で止まってしまった。 花京院が早苗に続かず、その場で棒立ちのままなのだ。その様子を不審に思った早苗は訝しげに訊ねる。 「どうしたんですか?」 「ああ、いえ」 と、答えて、花京院は黙り込んだ。不審極まりない答えである。だが、それもむべなるかな。 というのも、冬眠前のリスやハムスターのように、両頬に食べ物を目一杯詰め込んた早苗のマヌケ面を見たら、 不意に「私の魅力って何ですか?」と訊いてきた早苗の言葉が、花京院の頭に過ぎってしまったのだ。 その時、口に出さずに終わった答えが「東風谷さんは承太郎の母親であるホリーさんのようです」だ。 人の心を和ませる、傍にいるとホッとした気持ちなる、とホリーに似通った点を花京院の早苗の中に見出していた。 しかし、それをどうしても早苗に伝えることができなかった。それを言おうと瞬間、花京院は思い出してしまったのである。 「恋をするのなら、あんな気持ちの良い女性がいいと思う」とホリーを評していたことを。 そしてそれに気がついた途端「まさかッ!?」という考えが、花京院の頭の中を支配し、彼に言葉を見失わせてしまったのだ。 「本当にどうしたんですか?」 早苗は花京院の顔を覗き込みながら訊ねた。 その急接近に、花京院は思わず後ずさりしながら答える。 「すみません。少し考え事をしていただけです」 「考え事? ま~た私をいじめる算段ですか?」 「違います。ただ単に東風谷さんはかわ……」 「……かわ? かわ、何です?」 「いえ、何でもありません。先を急ぎましょう」 ぞんざいに答えを放り投げると、花京院は足早に歩き出した。 そんな愛想のない彼の背中に向かって、早苗の怒りの言葉が届けられる。 「もう本当に私、怒りますよ! どうせ、私の頭がかわいそうとかって言おうとしたんですよね!? 私、分かっているんですからね! 女の子は、そういうのには敏感なんですから!」 「だから、違います。東風谷さんも、いい加減に誤解はやめてもらいたい」 「じゃあ、何て言おうとしたんですか!? どうせ、その問いには、答えられないんですよね!? 答えられないのが、まさに私の勘が正しいって証拠じゃないですか!」 「別に僕は何も言おうとはしていませんよ。単なる東風谷さんの勘違いです。きっと幻覚でも見ていたんでしょう」 「また、それですか!! 絶対に私のことを馬鹿にしていますよね、花京院君は!!」 「だから、誤解です」 「もういいです! イーッだ!」 早苗は白い歯を見せて、ご機嫌斜めといった表情を見せてくる。 全く意志の疎通が取れていない会話に、花京院は頭が痛くなる思いだったが、 それでも早苗が八坂神奈子のことを考えて、時折見せる塞ぎ込むような、悲痛に満ちた表情よりかは、全然マシだと思った。 心が和む。そこまではいかないが、こういった下らない会話が、いつまでも続けばいい。 だが、竹林を抜け、他の参加者や八坂神奈子と出会えば、それは自ずと終わりを迎える儚いものだ。 願わくば、いつかは他愛のない日常の中で、東風谷早苗の元気で、温かな笑顔を見られたら、と 花京院典明は心の中で何となく思ったり、思わなかったりするのだった。 「だから、誤解です」 「イーッだ」 【不明 迷い竹林のどこか/真昼】 【花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース】 [状態]:迷子、体力消費(小)、精神疲労(小)、右脇腹に大きな負傷(止血済み) [装備]:なし [道具]:空条承太郎の記憶DISC@ジョジョ第6部、キャンプセット@現実、基本支給品×2(本人の物とプロシュートの物) [思考・状況] 基本行動方針:承太郎らと合流し、荒木・太田に反抗する 1:竹林の脱出。そして永遠亭へ行く。八雲紫の捜索。 2:東風谷さんに協力し、八坂神奈子を止める。 3:承太郎、ジョセフたちと合流したい。 4:このDISCの記憶は真実?嘘だとは思えないが…… 5:3に確信を持ちたいため、できればDISCの記憶にある人物たちとも会ってみたい(ただし危険人物には要注意) 6:青娥、蓮子らを警戒。 [備考] ※参戦時期はDIOの館に乗り込む直前です。 ※空条承太郎の記憶DISC@ジョジョ第6部を使用しました。 これにより第6部でホワイトスネイクに記憶を奪われるまでの承太郎の記憶を読み取りました。が、DISCの内容すべてが真実かどうかについて確信は持っていません。 ※荒木、もしくは太田に「時間に干渉する能力」があるかもしれないと推測していますが、あくまで推測止まりです。 ※「ハイエロファントグリーン」の射程距離は半径100メートル程です。 ※荒木と太田は女に弱く、女性に対して支給品を優遇していると推測しています。またそれ故、色仕掛けが有効と考えています。 ※八坂神奈子の支給品の充実振りから、荒木と太田は彼女に傾倒していると考えています。 【東風谷早苗@東方風神録】 [状態]:迷子、体力消費(小)、霊力消費(小)、精神疲労(小)、過剰失血による貧血、重度の心的外傷 [装備]:スタンドDISC「ナット・キング・コール」@ジョジョ第8部 [道具]:なし [思考・状況] 基本行動方針:異変解決。この殺し合いを、そして花京院君と一緒に神奈子様を止める。 1:竹林の脱出。そして永遠亭に向かい、仲間と合流する。八雲紫の捜索。 2:出来たら、ここが幻想郷とは関係ない場所だと証明する。それが叶わないのならば……。 3:『愛する家族』として、神奈子様を絶対に止める。…私がやらなければ、殺してでも。 4:殺し合いを打破する為の手段を捜す。仲間を集める。 5:諏訪子様に会って神奈子様の事を伝えたい。 6:3の為に異変解決を生業とする霊夢さんや魔理沙さんに共闘を持ちかける? 7:自分の弱さを乗り越える…こんな私に、出来るだろうか。 8:青娥、蓮子らを警戒。 [備考] ※参戦時期は少なくとも星蓮船の後です。 ※ポルナレフらと軽く情報交換をしました。 ※痛覚に対してのトラウマを植え付けられました。フラッシュバックを起こす可能性があります。 ※ここがスタンド「死神」の夢の世界ではないか、と何となく疑っています。 <キャンプセット@現実> テント、シェラフ、テーブルウェア、クッカー、カトラリー、カセットコンロ、カセットボンベ(予備)を 一纏めにした充実品。これがあれば、日をまたいでのバトルロワイヤルも安心して過ごせる。 157:第二回放送 投下順 159:鼻折れ天狗のウォーキング・スロウリィ:√0 157:第二回放送 時系列順 159:鼻折れ天狗のウォーキング・スロウリィ:√0 140:マヨヒガ 花京院典明 :[[]] 140:マヨヒガ 東風谷早苗 :[[]]
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冷静さを売り飛ばして 塵になった 僕らを 世界は愚かと笑ったけど みな誰かの大事なひと 「僕は違う」そしてただ 自分だけと 諦めていた 保証もない旅だって構わなかった 理由より大切なものを 知ってたから あの頃ただ先急いでた 星屑みたいな僕らだったけど 生きてた 胸を張れること 後悔はない 喜びだって悲しみだって 仲間と共に分かちあってたから 恐れない どんなことも 長い旅のストーリーも 幸せな結末へ 少しはそれを手伝えただろうか あの時この精神の全てをかけて 刻んだ 強い思いの 命じるまま いま も一度この気持ち 光る星の様な友に伝えたい 一度は 無くした誇りを 取り戻した いつだって泣きたくなる程に 毎日が楽しかったんだ ほんとさ 絆を 信じていた 今は分からない 誰かがまた 物語受け継いで 歩いてゆく 数十日のあの旅で 僕は一番生きてたから 父さん 母さん どうか泣かないで 笑ってほしい 星が綺麗なこんな夜には 次の誰かの幸運祈ってる 今夜 この場所から 原曲【鬼束ちひろ「Sign」】 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/sm1109860】
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tes
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前哨戦 ◆45MxoM2216 花京院典明は迷っていた ここで"姿の見えないスタンド使い”を追って放送局へ踏み入るか、それとも一旦退いて当初の予定通りに島を南下し、仲間を集めるか 元々"姿の見えないスタンド使い”を撒くために墓地を経由して南下していた上、相手のスタンドは明らかに逃げ場の少ない閉所でこそ真価を発揮するタイプだ 先ほど奴が入っていった放送局など、どう考えても相手のホームグラウンドだろう 最悪の場合、既に何かの罠が仕掛けられているかもしれない さらに言えば、先ほど邂逅したアフロの男にしても、まだ善玉であると決まったわけではない 本人は襲ってきたのは女の方だと言っていたが、その女が否定も肯定もする前に死んでしまったのだから、確認する術も最早ない 普通に考えれば、ここは無理をせずに一旦退くのが良いのだろうが… (僕が拘束していなければ、彼女は……) 花京院は、彼女の死の原因を作ってしまったことに苦悩していた 『法皇の緑』で周囲を警戒していた花京院でさえ、一切の無駄なく殺しにきたあのスタンド使いの攻撃は避けるのが精一杯だったのだから、拘束しようとしなかろうと、アフロの男との戦いに注力していた彼女にあの攻撃を避けることは難しかっただろう さらに、あの状況では一旦アフロの男と女の両方を拘束して場を収めるのが最善の手であったことは間違いない だからと言って、そう簡単に割り切れる訳もなかったが (どれだけ逃げても追ってくる"姿の見えないスタンド使い”… このまま追跡され続けるくらいなら…奴に他の参加者を殺され続けるくらいなら、いっそここで倒すか…?) 彼女の死に対する自責の念が、花京院を焦らせ、蛮勇へと走らせそうになる… 「なんでもいいけどよ、何が起きてんのか説明してくれよ!」 そんな花京院の思考を邪魔するような声が響いた アフロの男ことファバロ・レオーネである しかもこの男、『法皇の緑』による拘束を解かれた後、ちゃっかりヴァローナの持ち物を回収していた 賞金稼ぎはがめついのである 「ありゃ召喚魔法か!?でもよぉ、あんな召喚魔法見たことねぇぞ!」 ファバロは賞金稼ぎとして、報酬をかけられた賞金首たちと何度も戦っており、その中には召喚魔法を駆使して戦う者たちもいた 召喚された魔物は得てして、人間よりも強力な力を持っている しかし、魔法陣もなしにいきなり現れて、一撃で人を〝削り取る〟ような召喚魔法は彼は知らない 「本当に一瞬で死んだアル…」 神楽は困惑していた あらかじめ敵の能力を花京院から聞いていたとはいえ、目の前で女性が一瞬で死んだのである 流石の彼女も動揺を隠せなかった 「あれは『スタンド』!特殊な守護霊のようなものだ!それも姿を消し、探知にも掛からず、一撃で相手を殺す、とびきり強力な!」 「おいおい、その『スタンド』ってのはよく分からねぇがよ、それってヤバいんじゃねぇか?」 スタンドについては全く知らないファバロだが、花京院の説明からその危険性を嫌でも理解させられた (ジル・ド・レェってゾンビ使いも大概だが、お次は見えない一撃必殺の殺人者かよ…) チャンスがあれば危険極まりないゾンビ使いを倒すつもりだったファバロだが、あるいはそれ以上に厄介な相手と遭遇してしまった 「どうするネ?あいつ、あの中に入っていったアルヨ」 神楽はそう言って放送局を指差す 日が出てきたからか、持っていた傘を差している 「僕もそれを考えていたんだが…」 と言って、花京院はファバロに顔を向ける 「ん?勝算があるなら俺も手伝うぜ?」 (ま、勝算がないんだったら、さっさと逃げちまおう) "姿の見えないスタンド使い”をのさばらせておく危険性を分かっているファバロは、勝算があるのであればこの二人組に手を貸して戦うつもりだった 先ほどの拘束の手際からして少なくとも男の方はかなりの使い手だろうし、敵の『スタンド』とやらにも詳しいようだから、協力すれば勝ちの目もあるとファバロは踏んでいた 「それはありがたいんだが…」 と、花京院は微妙そうな表情をする ファバロを信用していいかどうか、まだ迷っているらしい 「んだよ、まだ疑ってんのかよ? ならよ、こいつに聞けば俺が被害者だったってわかるぜ?」 そういってファバロは、先ほど失敬したヴァローナの持ち物から、「あるもの」を見せた 「え、僕?」 言わずもがな、緑子のカードデッキである ヴァローナの突然の死に呆然としていた緑子は、急に話を振られたことによって狼狽えた 「そうだよ、お前最初っから見てた…つーかあの女に協力してただろ?」 「たしかに、最初に攻撃したのはヴァローナの方だったけど…」 「ほらよ聞いたかぁ!?俺は逃げながら応戦してただけだっつーの!」 「…なんか釈然としないアルけど、とりあえず信用してやるアル、ハナ◯ソ頭」 「だから言い過ぎじゃね?」 アフロだのボンバーヘッドだのはよく言われるが、さすがにハナ◯ソ呼ばわりはされたことのないファバロであった 「勝算はある、だが今から戦えば、放送をちゃんとは聞けないだろう」 「でもよ、放送の内容って白のカードでも確認できるんだろ?だったら問題ねぇだろ」 「大事なことは後回し、それでも大抵なんとかなるネ」 (そこはかとなく不安を感じるな…) しかしそんな不安は顔には出さない花京院であった 「えっと…放送を聞いてからじゃだめなのかな?」 「おいおい、姿の見えない敵がいつ狙ってくるかも分からない状況で、呑気に放送なんて聞いてられるかよ」 「それに情けない話だが、もし承太郎たち…僕の仲間たちの名が放送で流れたとしたら、少なからず動揺してしまうだろう…その隙を突かれたりしたら大変だ」 「ま、銀ちゃん達がそう簡単にくたばるとは思えないアルけどね」 緑子の提案はにべもなく却下された 彼らにとって不幸だったのは、同じ世界の出身でありながら花京院がヴァニラ・アイスについて詳しくは知らなかったことだろう もしヴァニラ・アイスが吸血鬼であることを知っていれば、太陽の出ているこの時間帯に見えない襲撃に怯えることも、被害の拡大を防ぐために無理を押して放送局へ攻撃を仕掛ける必要もなかったのだから… 「よし、では簡単に説明する 先ほどのやつの行動で、やつのスタンドの弱点も大よそわかった いいか、まずは…」 「と、その前にさ、そういやまだ名乗ってなかったよな 俺はファバロ ファバロ・レオーネだ」 「話の腰を折るんじゃねーヨ、厨二くさい傷なんて付けやがって…神楽アル」 「僕は花京院典明。スタンドの名は『法皇の緑』だ」 「お、やっぱアンタもその『スタンド』ってのを使えるんだな」 「ああ、詳しくは次の機会にでも話すよ。それで作戦なんだが……」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ (フフ…どうやら追ってきたようだな 何やらスタンドで索敵しているようだが、『クリーム』にそれは通じん) 自分の支給品の一つである双眼鏡を覗きながら、ヴァニラ・アイスは早くも勝利を確信していた 武器の必要ない自分にとって、遠くから相手の動向を確認できるこの支給品はなかなかの当たりだと言えた (だが焦りは禁物だ…あまり入り口付近で戦って太陽の光を浴びては敵わんからな…もう少し奥へと進んだ時が貴様の最期だ、花京院!) どうやら先ほどのアフロの男が一行に加わっているようだが、それでも三対一 奇しくも憎きポルナレフと戦った時と同じ人数差であり、不意打ちで十分一網打尽にできる数だ あの時は自分の身よりも仲間の命を救うことを選んだアブドゥルによって不意打ちでの一網打尽は失敗したが、今自分が狙っている相手たちは出会ってからほんの僅かな時しか経っていない烏合の衆…そのような事態が起こるはずもない (不意打ちの上、この狭い通路では先ほどのようには避けられまい…) 入口から真っ直ぐ奥へ進んだ所の通路の左右に一つずつドアがあり、そこからさらに真っ直ぐ行った所、花京院のスタンド『法皇の緑』の索敵範囲外ギリギリにヴァニラ・アイスは待ち受けていた 彼にとって幸運だったのは、DIOの僕が何度もジョースター一行と戦っており、そのおかげで彼らのスタンドの情報をある程度手に入れていることだった しかも、花京院とポルナレフに至っては元々は同じDIOの僕 一行の中でも特に正確な情報を手に入れていた (さて、奴のスタンドに感知されてはかなわんからな、そろそろ暗黒空間に入るとしよう) 彼は望遠鏡を黒のカードに戻してから自分だけの空間に入り、外部からの干渉を完全にシャットアウトする これにより、 こちらも相手の状況が分からなくなり攻撃のタイミングは当てずっぽうになるが、ここまで来れば多少タイミングがずれようとこの形態で突撃すればそれだけで事足りる (目の前にドアがあれば、自ずとそちらに注意がいくもの…それを踏まえ、あえて正面から攻撃を仕掛ける!) ちなみに、二つのドアはいずれも内側から重い物を立て掛けて簡単には開かないようにしている 『クリーム』の力を持ってすれば、花京院達が追うかどうか迷っているうちにこの程度の小細工は可能だ これにより、攻撃の際に部屋の中に咄嗟に入るということもなくなった (死ね、花京院…この裏切り者が!) そして、いよいよヴァニラ・アイスは攻撃を行った 「跡形もなく消滅したか…はたまたアブドゥルのように一部だけは残ったか…」 『クリーム』の内部でヴァニラ・アイスは再度勝利を確信した 花京院らにあの攻撃を躱せる道理はない 彼は悠々と暗黒空間から出て、周りを確かめようとした その直後… 「おらぁ!」 突如、奇妙な銃声がしたと思ったら、これまた奇妙な弾丸がヴァニラ・アイスめがけて飛んできた なんと、アフロの男が奇妙な銃をこちらに撃ってきているではないか! 「なに!?」 咄嗟にスタンドでガードするが、スタンドを通して体にダメージが入る (スタンドのスタンド以外に対する無敵性がなくなっている…?) このバトルロワイヤルが始まって以降、初めてまともな攻撃を喰らった彼は、スタンドに制限がかけられていることにようやく気付く 『――おはよう。午前6時、定時放送の時間よ』 なにたら放送が始まったようだが、今は聞いている暇はない 「ふぅん!」 と、今度はチャイナ服の娘が傘を構えて突っこんできた …と思ったら、なんと傘から銃撃が発射された! 「が!?」 接近戦を予想していたヴァニラ・アイスは、意表を突かれて弾丸をもろにくらってしまった 『さあ、次はお待ちかね、ここまでに命を落とした方々の発表といきましょう―――』 (く、一旦暗黒空間に戻るか…) 体操選手の倒立静止のような体制を取って飛び上がり、クリームの口の中に戻ろうとするヴァニラ・アイス だが… 「エメラルドスプラッシュ!」 「な!?」 突如飛来してきた固い氷のような物体を腹部に受けて吹き飛ばされてしまい、暗黒空間へ戻ることに失敗してしてしまった 『まだいるわ。魂がカードに閉じ込められていないけど―――』 「な、何故だ…何故全員、五体満足で生きている!?」 床に這いつくばりながら、ヴァニラ・アイスは叫ぶ 彼の前には、花京院典明、ファバロ・レオーネ、神楽の三人が無傷で立っていたのである 『それじゃあ、これで放送を終了するわ。次は正午、また私の声が聞けるといいわね』 いつの間にやら、放送も終わっていた だが、今はそれよりも目先の脅威の対処だ 「作戦成功だな、花京院」 「まったく、緊張して損したアル」 花京院の立てた作戦というのは至極単純なものだ "姿の見えないスタンド使い”の弱点…物質を消滅させながらでないとステルス状態での移動ができないことを放送局の破壊具合や道まで削り取られていることから察した花京院は、自らのスタンドを紐状にして周囲に張り巡らせておいたのだ これにより"姿の見えないスタンド使い”が迫ってきたとしても、『法皇の緑』の損害具合からその軌道が分かるということだ 幸い、紐状にした『法皇の緑』ならば多少の損壊はダメージにならない 攻撃の瞬間はステルス状態を解除しなければならないことにも当たりを付けた花京院は、その瞬間の迎撃をファバロと神楽に頼み、怯んだ所にエメラルドスプラッシュを放つという算段だった ステルス状態を解除せずに突っこんで来たことは想定外だったが、軌道が分かっていればいくら狭い室内とはいえ、避けるのは容易かった (い、いくら紐状ならダメージが軽いとはいえ、限度があるだろう! 花京院のスタンドにこんなに耐久力があるとは聞いてなかったぞ…?) 「…ハッ!」 そういえば、以前もこんなことがなかったか? そうだ、ポルナレフと戦った時も、聞いていた以上のスタンドパワーを発揮していた ポルナレフよりもアブドゥルを評価していたこともあり、所詮火事場の馬鹿力と大して気にも留めなかったが… 「"姿の見えないスタンド使い”…貴様は既に知っているだろうが、一応名乗っておこう」 そう、ヴァニラ・アイスは知らないが、スタンドの性能は本人の精神力によって成長するのである 「我が名は花京院典明」 では、何が花京院の精神力を増大させたのか? 「悪人とはいえ、貴様に後ろから殺された範馬勇次郎の無念のために」 ポルナレフの時はアブドゥルを殺されたことだった ならば花京院は… 「僕の判断ミスで死なせてしまった、名も知らぬ女性の魂の安らぎのために」 下手人であるヴァニラ・アイスへの怒りだけでなく自らの判断ミスを責め、自分への怒りで静かな怒りを爆発させている 「死をもって償わせてやる」 【E-1/放送局近辺/一日目・朝】 【花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:疲労(大)、脚部へダメージ(小)、腹部にダメージ(中)、自分への怒り [服装]:学生服 [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、黒カード:不明支給品0~2枚 [思考・行動] 基本方針:繭とDIOを倒すために仲間を集める 1:死をもって償わせてやる 2:承太郎たちと合流したい。 3:ホル・ホースと『姿の見えないスタンド使い』、神楽の言う神威には警戒。 4:スタンドが誰でも見れるようになっている…? 5:僕が拘束していなければ、彼女は…… [備考] ※DIOの館突入直前からの参戦です。 ※繭のことをスタンド使いだと思っています。 ※スタンドの可視化に気づきました。これも繭のスタンド能力ではないかと思っています。 ※第一回放送を聞き流しました どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします 【神楽@銀魂】 [状態]:健康、呆然 [服装]:チャイナ服 [装備]:番傘@銀魂 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、黒カード:不明支給品0~2枚 [思考・行動] 基本方針:殺し合いには乗らないアル 1: 『姿の見えないスタンド使い』を倒すアル 2:神威を探し出し、なんとしてでも止めるネ。けど、殺さなきゃならないってんなら、私がやるヨ。 3:銀ちゃん、新八、マヨ、ヅラ、マダオと合流したいヨ [備考] ※花京院から範馬勇次郎、『姿の見えないスタンド使い』についての情報を得ました。 ※第一回放送を聞き流しました どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします 【ファバロ・レオーネ@神撃のバハムート GENESIS】 [状態]:疲労(中)、右頬に痺れ、酔いも覚めた [服装]:私服の下に黄長瀬紬の装備を仕込んでいる [装備]:ミシンガン@キルラキル [道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(8/10) 黒カード:黄長瀬紬の装備セット、狸の着ぐるみ@のんのんびより、小型テレビ@現実 グリーンワナ(緑子のカードデッキ)@selector infected WIXOSS、カードキー(詳細不明)ビームサーベル@銀魂 [思考・行動] 基本方針:女、自由、酒ってか? 手の内は明かしたくねえんだよ 1: まだ油断はできねぇな 2:チャンスがあればジル・ド・レェを殺す。無理そうなら潔く諦める。 3:カイザルの奴は放っておいても出会いそうだよなあ。リタにも話聞かねえとだし。 4:『スタンド』ってなんだ? 5:寝たい。 [備考] ※参戦時期は9話のエンシェントフォレストドラゴンの領域から抜け出た時点かもしれません。 アーミラの言動が自分の知るものとずれていることに疑問を持っています。 ※繭の能力に当たりをつけ、その力で神の鍵をアーミラから奪い取ったのではと推測しています。 またバハムートを操っている以上、魔の鍵を彼女に渡した存在がいるのではと勘ぐっています。 バハムートに関しても、夢で見たサイズより小さかったのではと疑問を持っています。 ※今のところ、スタンドを召喚魔法の一種だと考えています ※第一回放送を聞き流しました どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします 【ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]: ダメージ(中) 疲労(中) [服装]:普段通り [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、黒カード:双眼鏡@現実 不明支給品0~2、範馬勇次郎の右腕(腕輪付き)、範馬勇次郎の不明支給品0~3枚 [思考・行動] 基本方針:DIO様以外の参加者を皆殺しにする 1:おのれ、花京院! 2:血を吸って回復したい 3:承太郎とポルナレフも見つけ次第排除。特にポルナレフは絶対に逃さない [備考] ※死亡後からの参戦です ※腕輪を暗黒空間に飲み込めないことに気付きました ※スタンドに制限がかけられていることに気付きました ※第一回放送を聞き流しました どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします 支給品説明 【双眼鏡@現実】 ヴァニラ・アイスに支給。 一般に流通している物と同じ仕様の双眼鏡。 遠くを見渡すことができる。 「ふむ、こんなものですか」 キャスターは放送局の一室で水晶玉を用い、局内で起こっている戦闘を観察していた 今のところ三人組が有利だが、まだまだ勝負は分からない 色々な人物が放送局を目指しており、いつ何時どんな形で妨害が起こっても不思議ではない現状なら、なおのことだ 「それにしても、先ほどの放送で呼ばれたジャンヌの名前…なんだったんでしょうねぇ」 本物のジャンヌ・ダルクであるセイバーがこの場にいる以上、先ほど呼ばれたジャンヌが本物であることはありえない 最悪のパターンとしては、セイバーというのは別の聖杯戦争のセイバーであり、先ほど呼ばれたジャンヌこそが本物のジャンヌであることだが、キャスターの自分と先ほど遭遇したランサーがクラス名で呼ばれている以上、その可能性は低いだろう まぁ、見たこともないバーサーカーのようなサーヴァントもいたが、彼に関しては情報が少なすぎるので保留とする 「やはり、偽物…でしょうね ジャンヌの名を騙る不徳者が早々に死んだというのは、喜ばしいことです」 結局、偽物だったということで思考から追いやることにした 涜神の舞台は、まだ始まったばかり… 【E-1/放送局/一日目 朝】 【キャスター@Fate/Zero】 [状態]:健康、魔力300%チャージ [装備]:リタの魔導書@神撃のバハムート GENESIS、神代小蒔、南ことり、満艦飾マコのゾンビ [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:生命繊維の糸束@キルラキル、遠見の水晶球@Fate/Zero [思考・行動] 基本方針:ジャンヌ・ダルクと再会する。 1: ひとまず、今起こっている戦闘を見届ける 2: 放送局で宝具を持つ参加者とジャンヌを待ち受ける [備考] ※参戦時期はアインツベルン城でセイバー、ランサーと戦った後。 ※ジャック・ハンマーをバーサーカーかあるいは他のサーヴァントかと疑っています。 ※神代小蒔、南ことり、満艦飾マコの遺体をゾンビ化しました。 時系列順で読む Back 二度殺された少女たち Next わるいひとなどひとりもいないすばらしきこのせかいで 投下順で読む Back 二度殺された少女たち Next 和を以て尊しと為す(上) 080 魔領にて 花京院典明 119 進化する狂信 080 魔領にて 神楽 119 進化する狂信 080 魔領にて ファバロ・レオーネ 119 進化する狂信 080 魔領にて ヴァニラ・アイス 119 進化する狂信 056 Strange Fake キャスター 119 進化する狂信
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2階にエルメスらしき人発見。でもホントは年齢的に生まれてないと思う。。 -- 名無しさん (2011-07-20 00 39 21) ↑このゲームの設定上、過去と現在と未来がごっちゃになってるから。 -- 名無しさん (2011-07-20 00 58 23) 変装看破不正解時の友好度上昇が起こりませんでした。他の方はどうなのでしょう? -- 名無しさん (2011-07-24 18 38 23) カーンもちゃっかり入院している。 -- 名無しさん (2011-07-27 01 20 37) ていうかあの医者ども…医者が血管針ゾンビと同名は吹いた -- 法皇の昆布 (2011-08-04 08 10 51) ナースセンターに着く前でも宝箱開いているようです(2.2ver) -- 名無しさん (2012-09-22 08 35 39) 2.2薬屋でなぜかダイヤモンドCが二つ売ってた -- 名無しさん (2012-11-11 15 12 51) 女主人公だと診察室連れてく時に花京院の反応ににやにやしてしまう -- 名無しさん (2013-01-31 15 27 51) カフェの前だったかジョセフが確認の電話をするんだよな。んでそん時に時間巻き戻しで日数に余裕あると「あれ、意外と余裕あるね」的な会話がされるんだよな。ホリィさんの頑張りによるところみたいにまとめられてるけど -- 名無しさん (2013-04-06 15 23 42) ↑短時間で行ったって話じゃなく、ホリィさんがDIOの呪縛に抵抗していて寿命に余裕があるという解釈だったな -- 名無しさん (2013-04-06 15 37 36) 鍵入手前に二階にある宝箱の中身手に入ったんだけどバグかな? -- 名無しさん (2013-07-29 16 12 16) 攻略に関係ない雑談なら左メニュー・企画の中のスレッド形式雑談所オススメ 住み分けは大事ですよ。 -- 名無しさん (2013-08-05 21 36 24) 花京院に肩をかしてたら転んでHP減った。ふらつくだけじゃないんだなー -- 名無しさん (2013-09-03 16 03 56) 花京院を医務室まで送り届ける際に1Fの右下の部屋で医者が薬を売ってくれるのですが、「ダイヤモンドC」が2つ欄にあります。仕様ですかね? -- 名無しさん (2015-01-10 17 15 41) 自販機で烏龍茶とチャイ買えたので、追加おねがいします -- 名無しさん (2015-01-21 10 30 53) 何か、病院ルートに行ったらラッシュ時のセリフ変更が出来なくなった……バグかな? - 名無しさん 2015-10-01 17 45 46 思ったんだが、偽者がオインゴって事はスタンド見えるよな?アントとかなら虫を這わせて反応したのがオインゴみたいなイベント出来そうだな - 名無しさん 2016-07-19 09 24 46 扉を調べたら扉と戦闘できるようになり強引に入ることが出来ました - 名無しさん (2018-11-26 20 56 20) 扉と戦闘してたら花京院が生き絶えてしまった… - 名無しさん (2018-12-09 23 57 14) ちなみに答えはベイジ先生 - び (2018-12-28 14 11 26) ↑謎解きの答えは確率ランダムです。 - 名無しさん (2018-12-28 15 18 50) 防犯裝置強い、普通の病院でなだ? - 名無しさん (2019-01-09 13 57 20) ↑それは病院に染み付いてるスタンドだよ、スタンド使いはスタンド使いと引かれ合うからね - 名無しさん (2019-01-09 19 24 14) 入れ替わった医者のヒントは2階の倒れている人を調べることだよね? - 名無しさん (2019-01-15 00 11 01) 鍵見つかってないのに普通に病室は入れちゃうってなに?この説明の仕方だと、花京院病室以外の、どこかに呼ばれた先生を見つけだしにいくのかと思ったんだが。。。無駄足すぎる。急いで病室に戻ろう!とかでないの? - 名無しさん (2020-05-05 05 39 30) ↑鍵は四人の医者(変装したオインゴ含む)が花京院の病室に入るために使ったから開いてるので、病室に入れる事には何も不思議は無い。あと無駄足を踏んだのは単純にあなたの勘違いなので、ここで不満を言うのは筋違い。仕様に関して意見があるなら、それは作者さんにしかるべき方法で問い合わせるべき - 名無しさん (2020-05-05 11 56 26) ↑wikiも見ましたが、初見ではわかりにくかったためコメントしたまでです。変に突っかからないでいただきたいのですがwww - 名無しさん (2020-05-30 15 59 55) ↑え!そうか、人によってはそう感じることもあるんか…初見プレイだけど病室戻るんだなって自分はわかったから… - 名無しさん (2020-08-07 15 16 13) 病院二階のネタ要素は入院患者の『床屋のカーン』『アバッキオの同僚』『エルメェス』とトイレの個室でテンション上がってるボインゴくらいかな? - 名無しさん (2021-12-24 23 42 58) 1階処置室(診察室右隣)の医師に話しかけると傷薬、薬箱、ダイヤモンドC、オーバードライブSY、レクイエムGEを買うことが出来ます。 - 名無しさん (2022-01-27 14 56 47) たしかに鍵閉められたけど戻ったらなぜか開いてるって事なのか - 名無しさん (2022-03-24 21 01 01) いや勘違いか、先に本当に先生が開けて入ってたからやな - 名無しさん (2022-03-24 21 03 03) 花京院護衛してみたくて友好度上げてたけど私には無理な気がしてきた - 名無しさん (2022-11-01 02 48 37) ↑なんで?あきらめんなよ!(修造)もしや犯人が誰かわからないとか、それともドアが倒せないとか? - 名無しさん (2022-11-02 21 49 59) 50レベル花京院のHPが0にならなくても再起不能になる。なんで? - 名無し (2024-03-03 16 12 24) ↑私もなったからもしかしたらSPも関係するのかも、それか一撃必殺とか決められたり、 - 名無しさん (2024-04-29 22 02 57)
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質問ページ 攻略・ゲーム内容に関する質問はこちらへ。 大抵の情報は当wiki内にあります。「○○について教えて」等はページ最上部の「wiki内検索」で調べてみてください。 FAQ・攻略のヒントも参照。 一応キャラのレベルです。 - ↑ (2021-01-21 16 57 08) 主人公補正手に入れたんですけど、スタクル中花京院だけ装備が花京院のサングラスのままなんですけど・・・バグですか? - 名無しさん (2021-02-05 18 52 38) 花京院に限らず装備させたいキャラをパーティに編成→ラジオから補正外す→再装備すれば装備できます。ブラウザ版でプレイしたところ、1回目の装着で花京院のハンカチが手に入り、2回目の装着でハンカチがサングラスに上書きされるみたいです。ブラウザ・スマホ版は細かなバグが多いのでその一部だと思います。 - 名無しさん (2021-02-06 00 13 02) 仲間の主人公補正の外しかたを教えて欲しいです - 名無しさん (2021-02-18 19 26 36) シンガポールの隠しタイマーの時間を教えてください - 名無しさん (2021-04-17 13 36 53) 通常版を始めたばかりの者ですが、セーブする際のファイルの使い分けはどのようにすれば良いのでしょうか。 「最新のデータに上書きしないことをお勧めします」というようなことを提案されますが、その度にファイルを変えていては無尽蔵に増えるような気がするので、どうすれば良いか困っています。 ネタバレは見ないようにしているのですが、先に進んだ時に後悔のないようセーブしておきたいので、教えていただけると助かります。 - 名無しさん (2021-05-30 00 34 02) ↑恐らくボス戦で詰まないようにという配慮からの忠告だと思う(自分はそう解釈してる)ので、とりあえずその忠告が出たら別ファイルにセーブ→無事ボスを倒せたら上書きしてOKと思います。途中ルート分岐があるけど周回で回れるしあまり深く考えなくても大丈夫 - 名無しさん (2021-05-30 14 21 05) ありがとうございます、そのようにしたいと思います。 - 名無しさん (2021-05-30 18 53 43) ジョーイ館の入り口が分からない - 名無しさん (2021-08-04 18 19 56) 主人公補正がどこで手に入るか分からない - 名無しさん (2021-09-19 16 15 06) 矢じりの破片はいつ追加されましたか? - 名無しさん (2021-10-23 17 13 19) 名前
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――次第に空が明るんできた。東の方……花京院が歩いてきた方角にある港、そのさらに向こうにある地平線から今にも太陽が昇ってきそうである。 リゾットとの戦いに負傷しながらも勝利した花京院は決して快調な足取りではないが街の中心を目指して歩いてきた。 (空が明るくなってきた……これ以降は慎重に行動しないとすぐに人に見つかってしまうな) 決して万全では無くなってしまった体――今戦意充分の者と鉢合わせたら負けてしまう可能性は高いだろう。 身を隠せる家のある住宅街に向かわなければ……その一心で花京院は歩いてきた。 花京院はここまでを振り返る。 (あの男、動けなくはしたがかなりの強敵だった。奴にも仲間がいるかも知れない。もし奴がその仲間に助けられ再び僕の目の前に立ちはだかる事があったら……) そこまで考え、ふと自分も仲間を探そうとしていた事を思い出す。 (もし奴が再び僕の目の前に現れる現れないの前に襲い来る敵に対抗するには仲間がいる。幸い承太郎やポルナレフ、ジョースターさんやアブドゥル達もいるんだ) そこでふと何かが頭の端に引っ掛かる。何であろうか? そんな花京院の脳裏にDIOの館での承太郎とポルナレフの会話が思い出される。 『アヴドゥルとイギーは?』 『こ……ここまではこれなかった……おれを助ける…………ために……』 そうだ……アヴドゥルとイギーは死んだはずなのだ。しかし参加者名簿には両名の名が……さらにアヴドゥルに至っては開始前に荒木に攻撃を仕掛けている。これは一体…… (バカな……死んだ者が生き返るだと?そんなメルヘンやファンタジーやゲームの様な話があるわけがない! 何らかの秘密があるはずだ。恐らくそれが荒木のスタンドの能力!) 花京院はさらに深く考える。 (しかし……いくらスタンドとは言え死んだ者を甦らせるなど出来るのか?だがしかしそれならなんだ?) 花京院は仮説を立ててみた。 1・アヴドゥル達は良く出来たCGで最初のやり取りは一人芝居の様な物だった。 これは恐らくないだろう。何しろさっき体験した事…… 戦いでの痛み等が全て本物だった事からこのゲーム自体が多分リアルでの出来事であろう。 そこまで手を込ませて殺人ゲームを強いる奴がCG等を使うとは思えない。 2・あのアヴドゥルは荒木のスタンドの能力で作り上げられた人形の様な物だ。 これも恐らく有り得ない。アヴドゥルは荒木にマジシャンズ・レッドで攻撃を仕掛けていた。 いくらアヴドゥルを真似た人形を作れたとしてもスタンド能力まで如実に再現は無理だろう。 3・それ以外 もうもはや五里霧中と言った感じである。 『死んだはずの人間やら何やらを一ヵ所に連れてくる』『攻撃は目の前で掻き消す』『相手の動きを封じる』 ざっと考えただけでこれだけの能力を操る能力者なわけだ。 (無理な話だ。これらが一つのスタンドで解決というのは困難な話だ。きっと見えないところに仲間がいたのだろう。 死んだ者を連れてくるとかいうだけなら空間や時空を飛び越える能力なら……空間や時空を飛び越える?) 花京院はある一つの可能性に辿りついた。 (そうだ。荒木の能力は恐らく空間・時空を操る能力なんだ。 空間を飛び越えて様々な人間を一ヵ所に連れてくる。その際時空を超えれば死んだ人間が死ぬ直前から連れてくる事も出来る。 アヴドゥルの攻撃もそうだ。自分の目の前の空間をどこかに直結させれば攻撃が掻き消された様に見せられる。 あの少年が動けなくなったのは恐らく少年の周りの空間を固定したのだろう。 言うなれば水の中に石を入れて凍らせたら動かせないのと同じ理屈) 荒木の能力を推測する事は出来た。しかし問題はここからだ。そんなスタンド相手にどうやって戦えば良いのだ? 攻撃は恐らく全て通じない、様々な時代・場所に吹き飛ばされるかもしれない、身動きを取れなくされるかも知れない。 そんな奴相手に戦う?無茶な話だ。だがやらねばならない。このままではただゲームに流されて犬死の可能性もある。 何としてもこの仮説を誰か……仲間に話さなければならない。 花京院の歩が早まる。一刻も早く仲間と合流しなければ。 花京院は辺りを見回す。もうかなり明るくなっており日が昇りそうだ。 慎重に、かつ迅速に承太郎達を探す……花京院は己に誓いを立てた。 次の瞬間、そんな花京院に俄かには信じがたい出来事が起こる事になる。 「ん?こんなところにTVが捨ててあ……バカな?!何故映っている?!」 目の前にある打ち捨てられたTV。それだけなら何の不思議もないがそのTVは不鮮明ながら何かを映し出していた。 コンセント等当然どこにも繋がってはいない。 不思議な現象を前に唖然とする花京院を余所に、不鮮明なTV画面の向こうの何者かが語り始める。 それは物語を大きく動かしていくスイッチだった…… 「えー皆聞こえてるかな?それじゃあただいまから一回目の放送を行いま~す」 【路上(G-7)/一日目/早朝】 【花京院典明】 [スタンド] 『ハイエロファント・グリーン』 [時間軸] DIO相手に結界を張った時点 [状態] 重傷・応急手当て済み [装備] アーミーナイフ [道具] 支給品一式+リゾットから奪った食料 [思考・状況] 1)荒木の能力は……まさか僕の予想通りなら何て恐ろしい能力なんだ 2)荒木を倒すにはやっぱり仲間と合流しなければ…… 3)ただ明るくなったら余り派手に動き過ぎてはいけない。慎重に行かなくては…… 4)して今のこの状況(放送)は一体?! 花京院が荒木の能力に気がつきました。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 21 開戦 花京院典明 62 テリトリー×テリトリー(前編)
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三部 ▼総合 じょー☆すた~ジョジョ3部ver.~ ハレ晴レユカイver.ジョジョ3部 Star Dust(ジョジョ3部) 組曲『ニコニコ動画』でジョジョ3部敵キャラを紹介する ジョジョ de きしめん Akubi girlで替え歌 となりのスタンド WRYッ!とマーチ 仲間なのです オラァ!ジョジョマンガ日和 ディオの奴が倒せない-3部編- ドゥル☆すた(インド+日本編) ドゥル☆すた(インド編) ヤカタDEダンス ワールド☆ワールド ワールドスイッチ 黄色い帝王 最終鬼畜吸血鬼三部・一部声 時のトビラ 十字戦隊クルセイダー 星屑クルセイダーズ 『エアーマン』をjojo3部で替歌。 オラオラ動画十字軍 千本ナイフ ジョジョ3部ごっちゃに!「スターダストクルセイダーズ」 カリスマヒーロー I AM THE BEST EveR ∞ LastinG ∞ WorlD ▼ジョースター一行 戦え!星屑の十字軍~GO!GO!GO! ザ・ワールドが倒せない ▽承太郎 プラチナDays 前髪変じゃあないかッ!~承太郎の逆襲~ ハートを止めるっきゃねえ 恋心/KOI-GOKORO(Ver.承) ラフ・メイカー(Ver.承太郎) スタンドゲットだぜ 消えない星 じじい おしえておじいちゃんver.3部 NEXT STAGE スタ☆モンGETだぜ! 奇妙なジョジョマン ネクサス 撲殺天使承太郎ちゃん 承太郎とスタプラのタンゴ 承太郎でポーカーフェイス ▽花京院 のりあキッス~レロレロだも~ん まっがーレロレロ↓スプラッシュ 典明忘れちゃレロレロよ! ハレ晴レユカイ~ver.花京院典明~ ハイエロファント外伝 すごいよ!!ノリアキさん(すごいよ!ノリくん) 緑、結界、カイロにて。 Ark~ジョジョ3部~ チェリー(典明ver) 組曲「花京院典明」 最強ノリアキ計画 アンインストール~花京院の~ Beautiful World さくらん坊将軍~お仕置きの時間だよ~ 思い出返し 君のチェリー貰ってあげる ワンダーカキョーイン ノリノリあキッス~誘爆だも~ん~ レロレロワールド 翠玉の輝き こんにちは赤ちゃん Yes!ジョジョキュアチェリー 花京院とパレード No.Ri.A.Ki. はーと 承太郎 レロレロ☆ 時をかけた少年 法皇の緑紐 Yield ―kakyoin ver― cry -Stardust Crusaders- Resolution Sign ver.花京院 アゲハ蝶 ver.花京院 カキョイズム 桜ver.花京院 典明情緒 「NightmaRe」花京院Ver 「「Shoot」ver.ジョジョ3部(花京院典明) God knows..ver.花京院 Little Bird ~ver 花京院 典明~ SOS~花京院ver.~ Star Climbing ~星に救われて~ アゲイン エメラルド ソライロver.花京院 それでも勝利はやってくる リリカルのりあきM(メロン)’s レロレロにしてあげる♪ レロロ・ラブソング 花京院追悼ED 花京院典明のテーマ 花京院典明裏組曲 私と最後を 星間飛行ver.花京院 杜王町へ行ったら 法皇と学ランとぼく 未成年 緑の結界 エメラルドスプラリアット 「実はよくわからないんだ」と僕は言う shooting star 極楽鳥 -stardust crusaders- CHERRY ~花京院ver~ さくらんぼ 花京院のシリョクケンサ 弱虫エメラルド チェリリリ★バーニングナイト The Emerald. ゴーゴー花京院 ▽ポルナレフ 見つけてHapPolnareff ポル窓辺にて 階段がのぼれない FULL版 ポルナレフのテーマ SAGAver.ポルナレフ わたしの使い手(パートナー) ファイティング☆ポルポル 星屑十字軍とポルナレフ ▽ジョセフ 策士のジョセフ・リターンズ! Ark(Ver.ジョセフ) ハーミットおじいちゃん ハーミット日和 ハーミット日和(若ジョセフver.) わしにはマゴとムスメだけ ▽アヴドゥル 恋のブ男伝説 私はアヴドゥル 炎のアヴドゥル 冷酷な発想のアヴドゥル まっくらアヴドゥルの歌 真赤な魔術師 これはブ男ではないアヴドゥル アヴ空 コイするニワトリ~紅海の小さな島で マジシャンズ★レッド モハメド・アヴドゥルのテーマ 愛のブ男閃光 火の鳥替え歌 灼熱魔術師カーニバル 赤い鳥 熱くなれ(Ver.アヴドゥル) ▽アヴドゥル、ポルナレフ Help me AVDULLLLLL!! アヴとポルのChasse(withカメオ) ▽家出少女 TOKIMEKI家出少女 ▽DIO ひれ伏せ愚民どもっ! WRYYYYYY EDISION 小指でぎゅっ!ver.DIO様と朝倉さん でぃおでぃおstation 跪いてWRYYYYY DIOは人気者 DIO咆哮ッ!THE WORLD! DIOぴったん 帝王でしょでしょ 四方八方無駄鉄砲 最強☆スタンド計画 大スタンド峠 DIO様カーニバル!! 館でハイテンション Majiでhighする5分前 I&Yourself ドラえもんのうた ver..DIO ハレバレユカイ デフォルト吸血鬼うりぃ スタプラが倒せない 私は帝王 DIOの世界 DIOです☆ DIOの無駄ソング DIO参上! せかいコンプリート 闇のDIO 最強ハレバレッ! 即ち…光をも逃がさぬ究極の幽波紋 禁じられた仮面 「さくらんぼ」替え歌 28 raindrops DIO Cheat! DIOのうた DIOを讃えるっきゃない DIO様destiny DIO様で「狙/い/撃/ち」 DIO様のグルメレース GO MY WRYYYYYY!! いい血だな(無駄ノン・ロック) ザ・ワールド ザ・ワールドイズマイン ジョジョでスプーのえかきうたver.DIOさま スターダスト十字軍 スタンド使いDIO それいけ!DIOさま となりのていおう 館道 虐殺吸血鬼DIOさま 時、世界、エジプトにて 人間辞めても 世界(ザ・ワールド) 世界イズマイン 世界飛行 洗脳・下僕・虎の巻 鮮血天国 超幽波紋ディオ・ブランドー 頂点のテーマ 無駄無駄WRYッ!! 無駄無駄にしてあげる♪ 惑いて来たれ、星屑の十字軍ver.DIO 埃及layla幻談 無駄!無駄!★ナイフフィーバー Japanese Ninja No.1 ザ・ワールドエンド・ダンスホール 【メルト替え歌】ワールド【ジョジョ3部OVA】 終わりゆく「世界」と、最後のDIOら。 マジMUDA1000% Knife is steal DIOのカーニバル 無駄無駄WRYYYYYっとぶらんどー! 悪の化身 帝王によせる「炉心融解」 DIOの世界事情 カリスマティックD.I.O 時の守護霊~Invincible Stand~ ▽ヴァニラ・アイス 吸血戦士セーラーヴァニラ ジョジョの奇妙なスクールデイズ verヴァニラ ヴァニラ・アイスDestiny【ドグサレVSド畜生】 ジョバイローヴァニラアイス ぼくヴァニラ ▽ラバーソウル チェリー(ニセモノver) ▽ウィルソン・フィリップス わしらは ▽イギー チューイン!がむがむう?! イギーと8823 ▽テレンス ひとりのどじげーまー ね~え? ▽ホルホース まっが~れ↓エンペラー ▽アヌビス神 ダブアク anubis-form ▽ダービー兄弟 ぶらざー・うぉーず ▽J・ガイル HANGEDMAN ▽空条貞夫 Just the only name ▽承太郎、DIO エジプトの少年ジョジョ 最終鬼畜一部ジョジョ 男ジョジョ お・ま・えローテンション太郎 ▽承太郎、花京院 くだらない唄(Ver.花+承) ▽スタープラチナ グレートプラチナ ▽ハイエロファントグリーン メロン色の汁を飛ばせばいいよ! ▽DIO、ヴァニラ 砂塵の緋き悪魔 ▽マライア 磁力の中の遊戯 ▽エンヤ婆 正義おばあちゃん ▽テレンス、花京院 地下 ビーチ F-MEGAにて テレンスと テレンスと花京院でWAVE ▽ホルホース、ボインゴ 予言参照 ▽ペットショップ 埃及恋々鳥。 ▽花京院、ポルナレフ 脳内肉の芽ボーイズ ▽スティーリー・ダン ラバーズ けばぶ売り ▽ンドゥール 夢食い白黒バク.Verンドゥール
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470 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 09 50 ID ??? 花京院の『幽波紋(スタンド)』、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の全体が完全に少女の表に出た。 承太郎の『幽波紋(スタンド)』、『星の白金(スタープラチナ)』に頭部を鷲掴みにされたその姿は未来人、或いは異星人のような 異様なフォルムに甲殻類が身に纏うようなプロテクターを局部に装着していた。そして鮮やかなエメラルドグリーンの、 その全身は深海生物のように発光を繰り返している。 「花京院!これがテメーのスタンドか!緑色でスジがあってまるで光ったメロンだな!」 承太郎は目の前のスタンドを睨め付ける。 「引きづり出した事……後悔するぞ……空条 承太郎……!」 脳を圧迫する苦痛に堪えながら、花京院は歯をきつく食いしばって言った。 「けっ!強がってんじゃあねー。額に指の痕がくっきり出てんだよタコ。このまま……テメーのスタンドのド頭をメロンのように潰せば テメーの頭も潰れるようだな。ちょいと締め付けさせてもらうぜ。気を失ったところでテメーをオレのジジイの所へ連れて行く…… DIOのヤローの事を洗いざらい喋ってもらうぜ。テメーが望もうと望むまいとな!」 そのときスタープラチナが目の前の異変を捉えた。 花京院のスタンド、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』手の平から緑色のオイルのような液体が絶え間なく溢れだしていた。 「花京院!妙な動きをするんじゃあねえ!!」 頭部への圧迫を強めようとスタープラチナの手に力が籠もる。 そのとき。 「かはッッ!!」 突如、承太郎の腕の中の吉田一美が口から血を吐いた。 返り血が承太郎の顔にかかる。 「!?」 その事に承太郎は一瞬、呆けたような顔になりスタンドは完全な無防備状態になる。 「くらえ。我がスタンド、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の……」 艶めかしく動くスタンドの手の間で緑色の液体がうねるように集束していく。 それはやがて硬質な結晶と化し眩い輝きをもって弾けた。 471 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 15 57 ID ??? 「エメラルド・スプラッシュ!!」 「!! 前をみなさいッ!承太郎ッ!」 花京院と同時に我に返ったシャナが叫んだ。 しかし二人の声はどちらも承太郎には届かなかった。 スタンドの重ね合わせた両手から射出されたエメラルドの波に覆われる光り輝く無数の光弾。 それが棒立ちになっているスタープラチナの胸を深々と刺し貫いた。 直撃を受けたスタープラチナの胸部が抉れて膨張し引き裂かれ、そして爆散する。 衝撃で背後に弾き飛ばされたスタープラチナとその影響で引っ張られた承太郎は、 木々を何本もへし折りながら樹齢700年の大木に激突してようやく止まった。 巨木の幹から力無く崩れ落ちる承太郎の口から大量の血が吐き出される。 更に胸部にもスタンド同様裂傷が浮かび上がり生暖かい鮮血が勢いよく噴き出した。 「……な、なんて威力……私が手こずった『星の白金(スタープラチナ)』をたったの一撃で…… それにあんな複雑な構成を一瞬で編み上げるなんて……」 花京院の華麗かつ壮絶な流法に驚愕の声をあげるシャナ。 「……むぅ。この者、人の身でありながら『王』に匹敵する力を携えている……」 右腕を前方に水平に構えて差し出し威風堂々と屹立する花京院を見たアラストールは、敵とはいえどその清廉な姿に思わず声を漏らした。 「エメラルド・スプラッシュ。我がスタンド、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の体液にみえたのは『破壊のエネルギーの象(ヴィジョン)』…… 君のスタンドの胸を貫いた……よって君自身の内蔵はズタボロだ。そして、その女生徒も」 花京院が指差した先、前方の地面に仰向けに倒れていた吉田一美が再び喀血した。 「あ……あ……!」 声にならないか細い悲鳴を上げ意味なく空に伸ばした手が、やがて糸の切れたマリオネットのように弧を描いて地面に落ちる。 土の上に口から流れ出る少女の血が染みていった。 472 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 19 55 ID ??? 「いったはずだ。僕の『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』に攻撃を仕掛ける事は、その女生徒を傷つけることだと…… 僕のスタンドは君より遠くまで行けるが広い所はきらいでね。必ず何かの中に潜みたがるんだ……引きずり出すと怒ってしまう…… だから喉内部あたりを出るときキズつけてやったんだ……君が悪いんだぞ?空条 承太郎。君の責任だ。これは承太郎……君のせいだ。 君がやったんだ。最初から大人しく殺されていればこの女生徒は無傷で済んだんだ……」 花京院はその怜悧な美貌を歪め忌々しそうに吐き捨てる。 「くっ!おまえぇぇ!!」 あまりにも身勝手な花京院の理屈にシャナの怒りが燃え上がった。 灼眼の煌めきが増し、炎髪が鳳凰の羽ばたきのように火の粉を振り撒く。 その花京院の言葉に承太郎は無言で立ち上がった。 俯いている為表情は伺えない しかし全身から血を流しながらも重い足取りでゆっくりとこちらに歩いてくる。 彼の足跡には無数の血の痕が残った。 「ほう、立ち上がる気か?愚かな……ただ殺される為だけに死力を尽くすとは。 大人しくしていればこの僕に奥の手を使わせた事に敬意を表し、楽に殺してやったものを」 シャナが紅い灼眼でキッと花京院を睨むが、すぐに敗残兵のようにボロボロな姿の承太郎に向き直って叫んだ。 「承太郎!おまえはもう戦える状態じゃない!後は私に任せなさい!この男、『法皇の緑』は私が討滅する!」 しかしシャナの声はもう承太郎には届かない。 もう誰の声も彼には届かない。 承太郎は地面の上に倒れている吉田一美の傍まで来るとそこで足を止めた。 血を流す承太郎の身体から『幽波紋(スタンド)』、『星の白金(スタープラチナ)』が静かに抜け出る。 その腕が吉田一美の華奢な身体を抱きかかえた。 473 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 24 07 ID ??? 歩きながら半透明のスタンドの手が口元の血を拭い、野生の花が群生している草むらにそっとその身を横たえる。 もう決して誰にも触れさせないように。 もう決して誰にも傷つけさせないように。 脳裏に少女の笑顔が甦る。 名も無き花に囲まれた少女は、本当にただ眠っているようにみえた。 彼女に一体何の「罪」があったのか? 少女はただ、承太郎の為に行動しただけだった。 彼女なりに精一杯、自分に出来る事を考え、一生懸命それを実行しただけだった。 しかし……その少女は今……いま…… ゴゴゴゴゴゴゴゴ…… ゴゴゴゴゴゴゴゴ! ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!! 空間が蠢き空気まで震えるような途轍もないプレッシャーが承太郎の全身から発せられる。 顔を伏せたまま承太郎は徐に口を開いた。 「…………このオレ、空条 承太郎は……いわゆる不良のレッテルをはられている……ケンカの相手を必要以上にブチのめし いまだ病院から出てこれねえヤツもいる……イバルだけで能なしなんで気合を入れてやった教師はもう2度と学校へ来ねえ。 料金以下のマズイ飯を食わせるレストランには代金を払わねーなんてのはしょっちゅうよ!」 承太郎は口の中に溜まった血を吐き捨てた。 ビシャッと草むらが鮮血で染まる。 474 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 28 03 ID ??? 「だが!こんなオレにも!吐き気のする「悪」はわかる!!」 承太郎が血塗れの手で拳を握るのと同時に横でスタープラチナも力強く拳を握る。 その拳は光に煌めき放つ光はダイヤモンドよりも気高く輝いていた。 「「悪」とは!テメー自身のためだけに!弱者を利用し踏みつけるやつのことだ!!」 承太郎がいきなり顔を上げた。 「!?」 完全にキレタその風貌は歴戦の『フレイムヘイズ』であるシャナでさえ気圧される程のものだった。 「『ましてや』女をーーーーーっ!!きさまがやったのはそれだ!!ア~~~~~ン?! テメーのスタンドは被害者自身にも見えねえし!わからねえ!だから!」 学帽の鍔に走らせた二本の指が光の軌跡を描く。 「オレが裁く!」 怒りは臨界を超え運命を司る感情、『正義』となって昇華した。 その気高い光が承太郎の瞳に宿る。 熱く。激しく。燃え尽きるほどに。 その瞳で自分を見る承太郎に花京院は穏やかな微笑で応えた。 「フッ……それはちがうな。「悪」?「悪」とは敗者のこと……「正義」とは勝者のこと……生き残った者のことだ。過程は問題じゃない。 敗けた者が「悪」なんだ。君が言っている事は弱者の遠吠えに過ぎない」 そう告げると花京院は再び先程同様、両手を艶めかしく動かした。 連動してスタンド、ハイエロファント・グリーンも同じように動く。 「さらばだ、空条 承太郎。くらえ!とどめのエメラルド・スプラッシュを!」 再びハイエロファント・グリーンの両手に緑色の光が集束する、そして開いた両手から無数の光弾が 先程以上の輝きを持って弾けた。 「スタープラチナァッ!!」 承太郎の猛りと共にスタープラチナが疾風迅雷の如く身体から飛び出した。 475 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 37 51 ID ??? その余波で周囲に旋風が巻き起こる。 木々を揺らし、木の葉がざわめくほどに。 スタープラチナは十字受けの構えを執り軸足を大地が陥没するほど強力な踏み切りをつけると、 カタパルトで射出されたように『エメラルド・スプラッシュ』に音速で突撃し緑の光弾を真正面から受け止めた。 スタープラチナは軸足で踏ん張ったまま流法『エメラルド・スプラッシュ』に気圧される事なくその場に立ちふさがり、 やがてエネルギーは膠着状態に陥る。 「こ、こいつ!どこにまだこんな力が!?それにこのパワー!」 花京院の顔が驚愕で引きつる。しかしすぐに動揺した自分諌めてその表情を引き締めた。 「フッ……いいだろう。真剣勝負というのも嫌いじゃない。パワーだけが『スタンド使い』の 絶対的戦力差でないという事を教えてやる!」 花京院が熟練したピアニストのように指先を動かしながら何度も腕を交差させると、ハイエロファント・グリーンの盲目の瞳が発光し、 流法『エメラルド・スプラッシュ』の後押しをするように両手から光の波が放出された。 それに対抗するように承太郎の身体からも白く輝くスタンドのエナジーが迸りスタープラチナに注入される。 二つの強力なスタンドパワー同士が真正面から激突し空間が飴細工のようにぐにゃりと歪んだ。 「うおおおおおおおおおおおおおお!!」 「はああああああああああああああ!!」 承太郎は両手をポケットにいれたまま、花京院は右腕を水平に構えたまま互いに猛る。 力が拮抗している以上勝敗を決するのは互いの精神力。 相手の気迫に一時でも気圧された方が敗北する。 空条 承太郎と花京院 典明。 特異な才能を持つ二人の『スタンド使い』の力は完全に互角だった。 しかし。 そのとき。 『起こり得ない事態がそこで起こった』 476 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 41 22 ID ??? ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ! ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!! 「オォォォォラァァァァアァァァァーーーーッッッッ!!!」 魂の慟哭ような咆吼を上げる承太郎。 その声に呼応するように白金色に輝く光がスタープラチナの全身から発せられた。 「うぅっ!」 「むぅ!」 光に照らされたシャナとアラストールが同時に声をあげる。 スタープラチナから発せられた光は白夜の太陽よりも明るく周囲を照らし、電磁波のようにバリバリと音を立てながら 爆ぜ激しくスパークした。 「な、何ィ!?」 花京院の放った必殺の流法『エメラルド・スプラッシュ』はその光に呑まれ徐々に力を失っていく。 「うぅ……!目…目がくらむッ!限界なく明るくなるッ!何!?この光は!?」 光に目をやられないように黒衣の袖で視界を覆ったシャナに、 「むう!馬鹿な!信じられん!彼奴の存在の力が増大している!」 胸元のアラストールが叫んだ。 「ウソでしょ!?アラストール!怒って強くなれるなら誰も苦労なんてしないわ!」 眩い光に照らされシャナの炎髪と灼眼も白く染まった。 「うむ。確かに通常の理ではそうだ。戦闘中に我を失う等愚の骨頂…… だが思い出して見ろ。彼奴は何の戦闘訓練も受けていないにも関わらずお前と互角に渡り合った。 人間の身でありながら『封絶』の中で動き、数多の『燐子』をたった一人で粉砕した。 そして現に今も、手練れの能力者を相手に全く引けをとっておらん」 477 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 46 38 ID ??? 「そ、それは……」 鋭敏な頭脳を持つ彼女も理から外れた事象に対しては押し黙るしかない。 「お前には黙っていたが我には初めから解っていた。彼奴の器は常人のそれではない。彼の者、 『幽血の統世王』と全く同じなのだ」 「え!?」 予期せぬ言葉。 承太郎とDIO。 光と闇。 星屑と世界。 バラバラの記号がランダムにシャナの思考の内に点灯する。 「俗な言い回しになるが今はこういうしかないだろう……『例外』或いは『特異点』と…………」 「ッオラァッッ!!」 交差した両腕をスタープラチナが音速で押し広げた。 ズン!!という重低音と共に輝くエメラルドの光弾は全て粉微塵になって消し飛んだ。 砕けたエメラルドの飛沫が煌めきながら空間に散華する。 「バ、バカな!?『エメラルド・スプラッシュ』を『パワーのみで全て消し去る』とはッ!……ハッ!?」 驚愕の表情を浮かべる花京院の目の前に白金色に輝くスタープラチナが音より速く迫っていた。 「は、疾い!うぐうッッ!?」 神速のスタープラチナの右拳がハイエロファント・グリーンの顔面に撃ち込まれる。 そのスピードが衝撃を上回った為、本体とスタンドは一刹那遅れて後方に弾き飛ばされる。 『しかしそれより疾く』再びスタープラチナが花京院の眼前に迫った。 「敗者が「悪」か!それはやっぱり!テメーの事だったようだな!花京院!」 承太郎が逆水平に構えた右手で花京院を指差し、叫ぶ。 MAXスピードに達し、最早見えなくなったスタープラチナの超速の拳が ハイエロファント・グリーンに全弾総射された。 478 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 52 00 ID ??? 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」 白金に輝くの拳の狂嵐により『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の全身に隈無く拳型の刻印が撃ち込まれる。 「がッ!?ぐッ!?ぐはッ!?うぐッ!?ぐうッ!?」 花京院の身体にもそれに連動して刻印が刻まれていく。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」 承太郎の脳裏に少女の姿が浮かんだ。 淀んだ「悪」に、無惨に踏みにじられた何の罪もない少女の姿が。 それが火勢を煽りスタンドはさらに加速していく。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!裁くのはッ!!オレのッッ!!スタンドだあぁッッッーーーーーーーー!!!!」 承太郎の決意の叫びと共に摩擦熱で火を噴いたスタープラチナの渾身の右ストレートが、撃ち下ろし気味に ハイエロファント・グリーンの左胸に撃ち込まれる。 ズギュンッ!という全身が痺れるような振動波を感じる間もなく花京院はスタンドと共に後方に神速で吹き飛んだ。 先程の承太郎をトレースするように木々を何本もへし折った花京院の身体は、梵字の刻まれた石碑に激突し亀裂の走った石面に縫いつけられると、 全身から血を噴いた。まるで磔刑にかけられた殉教者のように。 「な……なんて……凄まじい……スタンド能力……!見事……だ……空条……承太郎………………」 肉体は疎か精神と五感まで破壊された花京院は、声にならない声でそれだけ呟くと意識を闇に呑みこまれた。 承太郎はスタープラチナと同じ撃ち下ろしの構えのまま大地に屹立していた。 俯いたまま全身を朱に染め、(よく耳をすまさなければ聞こえないが)獣のように息を荒げている。 血に塗れ全身傷だらけのその無惨なる姿は、木々から漏れる陽光の下なぜかシャナの胸を打った。 まるで紅世の聖堂に飾られている一枚の絵のように美しく荘厳に感じられた。 「……あいつ……すごい……」 「おそるべし……『星の白金』……空条 承太郎……」 あらゆる感情が綯い交ぜになり言葉もないシャナの胸元でアラストールが小さく呟いた。 479 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 17 56 33 ID ??? 「シャナ。オメーに頼みがある」 血塗れの花京院を片手で軽々と抱え上げ、地面の上に降ろした承太郎がシャナに言った。 「う……う」 花京院はかろうじて死を免れたようだ。額から断続的に血を流し呼吸音も微かだが死んではいない。 「オメーが昨日やってたそのジザイホーとやらで、この女の「傷」と今の「記憶」を消せ」 花京院から少し離れた位置で意識を失っている吉田一美を承太郎は指差した。 「不可能よ」 シャナはゆっくりと首を振った。 「昨日のは封絶内だったからトーチで修復出来たの。コイツが傷を負ったのは 因果閉鎖空間ではない現実世界。トーチなんかじゃ治せない」 その答えをあらかじめ予想していたように承太郎は落ち着いた口調で言った。 「誰も残り滓を使えとは言ってねぇぜ。『オレのを』使え。その、『オレ自身の存在の力』とやらをな」 「バ、バカ!そんな事したらおまえ!」 自らの存在の力を消費する事は体力の消耗というよりも怪我に似た形で現れる。 体調が万全の状態でもその「痛み」は相当なものだ。 それなのに負傷したこんな状態でそれを行えば、後の事は想像するのも恐ろしい。 「うむ。確かに貴様自身の存在の力を使えば不可能ではない」 「アラストール!?」 信じられない、と言った口調のシャナの代わりに胸元のアラストールが応えた。 「しかし『フレイムヘイズ』でない者がそんな事を行えばどうなるか我にも解らぬ。貴様、死ぬかもしれんぞ」 「ナメんなよ。ンな事でビビり上がるようなシャバイ気合いじゃ、「不良」はやってられねーぜ」 微塵の動揺もなく承太郎は言い放った。 480 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 18 00 42 ID ??? 「記憶の操作もまた問題だ。自在法はそう都合良くは出来ていない。この娘の記憶を弄るという事になると、 『反作用によって貴様の存在はこの娘から完全に消える事になる』。貴様を軸にして起こった出来事を消すという事だからな。 良いのか?それで?」 「好都合だ。やりな」 これにも承太郎は即答した。 あまりにも明確な答えに微かな異和感を感じたアラストールがムゥと小さく呻く。 承太郎の胆力と覚悟の程を試す為に多少事実を誇張して言ってはみたが、予想に反して承太郎が全てをあっさりと受け入れ 全てをあっさりと差しだしてくるので、不意に老婆心に近い感情が『紅世の王』、『天壌の劫火』の心の内に沸いた。 「……貴様?本当にそれで良いのか?『この娘にとってそちらの方が残酷だとは、」 「同じ事を二度いう必要はねーぜ……」 アラストールの言葉が終わる前に承太郎は学帽で目元を覆いながら言葉を遮った。 「オレの傍にいれば必ずまた同じ目に会う。ロクでもねぇ事に関わって死ぬこたぁねー」 傍を渇いた風が通りすぎシャナの黒衣の裾を揺らす。 承太郎の目元は学帽の鍔で覆われているのでその表情は伺えない。 だが感情も目も言葉もいらなかった。 その存在だけでアラストールには充分だった。 承太郎の全てが伝わった。 その想いも、何もかも。 無言の男の詩と共に。 「……うむ。ならばもう何もいうまい。貴様がそれで良いというのなら……」 明らかに含みのある言葉でアラストールが言った。 『男同士にだけ』解る事があるのだろう。 シャナは胸元のアラストールを見つめる。 アラストールには一体何が解っているのだろう? 481 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 18 07 45 ID ??? シャナは承太郎の前に立ってその凛々しい灼眼で承太郎のライトグリーンの瞳をみた。 「いいのね?言っとくけど半端じゃなく痛いわよ」 「痛い」という部分を強調してシャナが言う。 「くどい……とっとと始めろ」 「手ぇ出して」 「…………」 シャナは差し出された承太郎の血に塗れた手に、少し赤くなって自分の小さな手を重ねて繋ぐと 瞳を閉じて自在式を編む為に精神を研ぎ澄ました。 「はああぁぁ」 鋭い声と共にシャナの足下に封絶の時とは違う火線で描かれた紋章が浮かび上がる。 それと同時に繋がれた手から承太郎の白金色に輝く存在の力が流れ出した。 「!」 自分を……体などではなく、自分そのものを削るような薄ら寒い喪失感。 その感覚が全身の傷の至る所に絡みつきやがて悲鳴を上げ始める。 全身を蝕むようなその痛み。 まるで同じ箇所を何度も何度も切り刻まれているようだった。 「……う……ぐぅ……」 全身を生き物のように這い回る苦痛に思わず呻き声が漏れそうになるが、承太郎は耐えた。 耐えなければならない理由があった。 目の前で横たわる少女はもっと苦しかったはずだから。もっと辛かったはずだから。 シャナが振り子のように何度も指を振り翳すのと同時に、承太郎から抜け出た白金色の光が煌めきながら 吉田一美の華奢な身体を螺旋状に包んでいく。 優しく、そっと、スタープラチナの腕がそうしたように。 そして、やがて、靡きながら消えていく。 制服の血糊も、身体の傷も、涙の痕も、悪夢の記憶も、承太郎への想いも、全て。 輝く白金の光に包まれて…… 482 名前 ◆u68XLQ0lCU  Mail sage 投稿日 2007/02/27(火) 18 08 54 ID ??? 「空条……君……」 漏れ出る光が消え去る寸前、吉田一美の口から声が漏れた。 閉じた瞳から涙が一筋流れ落ちる。 最後の涙。 承太郎の存在が宿った最後の雫。 その声に承太郎が、本当に小さく呟いた。 風に消え去りそうな、小さな声で。 あばよ、と。 その独り言がシャナには聞こえた。 シャナにだけ、聞こえていた。 ←To Be Continued……