約 150,355 件
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/612.html
LIVE FOR YOU (舞台) 1 ◆Live4Uyua6 世界を撫ぜる白色にその日が来たのだと目を開いた。そして天に頂く赤色を見上げこの日が終わりであると、そう確かめた。 出立。彼らはそれまでより足を持ち上げ、そしてそれからに向かい足を踏み出した。新しい未来への、出立。 後々。そしておわりへと向けて歩を進める。流れる風景の中には過去と現在。目の前に見据える先には、後々。 超越。憚るは苦難。天へと向かう為の鉄と木と硝子でできた梯子には段が無数。しかし、彼らはそれを登り、超越。 幸運。彼らは賽を振るい円盤を回す。己等の行方を試し、計り、見極める。必要なのはそれ。得るべきはつまり、幸運。 突破。半ばを超え演劇はそのテンポを上げる。次へと飛び込むのに必要なのは勢い。今、過去を確かめ、振り切り、突破。 舞台。ついには足をかけ、彼らはその上へと身をさらす。ここまで来たのなら、ただただそうするだけ。生き様を見せる、舞台。 何が始まるのだろう。どんな意味があったのだろう。その命は何を抱えて、彼らは何を成す? いかな結果がそこに残される? - ギャルゲ・ロワイアル2nd 第二幕 連作歌曲第六番 LIVE FOR YOU (舞台)」 - 悲願を達成したいと願っても、幸福を得たいと願っても、聞き入れるべき神は耳を閉じただ冷笑を返すのみで願いは届かない。 全ては舞台の上の立つ者の間だけで決定される。劇の内容がそのままの結末となる。では、今から、最後の舞台を、開演します。 ・◆・◆・◆・ 朝。 これまでとなにも変わらない朝がやって来た。 窓の外に浮かぶ朝日は霧雨に隠れてその輪郭は朧で。 かわりに雨粒はきらきらと輝いていて。 とても奇麗だ。 そんな光景を僕はベッドの上から見つめていた。 明日はなにをしなくともやってくる。 それが僕らにとってどんなに大切な日であっても、そうでなくとも同じように。 また日は昇り、そして僕らを照らすだろう。 それを、僕がまた見られるとして、果たしてそこにあるのは歓喜と希望なのか? それとも悔恨と絶望なのか? わからない。 けど、僕らはなんとしてでも明日を希望にしなくちゃいけないのだろう。 それが、僕らが……いや、僕。クリス・ヴェルティンがするべきことなのだろう。 唯湖。来ヶ谷唯湖を止めて、明日を希望に変えるために、しなくちゃいけないことなのだろう。 そんな重責を担っているはずなのに、どこか僕の心は軽かった。 何故だろうかと思いを巡らせ、その答えがなんとなく理解できる。 それは、……きっと何も変わっていないから。 空に輝く朝日も。 訪れた今日という日も。 そばで微笑んでくれる彼女も。 なにも変わってはいなかったから。 だから僕はここで朝日を見ていられる。 唯湖……君もこの朝日を見ているのかな? それは僕には知る由もないことなんだけれども。 でも、見ているのだろうとそう思った。 そして、また必ず訪れる明日。 その明日に君は一緒にいるのだろうか? 朝日をともに見られるのだろうか? 答えは誰も知ることもなく。 それは全て、きっと僕らにかかっているのだろう。 でも、……辿りついてみせるよ。 その、……明日へ。 朝日は変わらずに雨に隠れて淡く光っているだけなのだけど、 けれどその存在はまぎれもなく確かなもので、 光の先にはそれがあるのだと、信じることができた。 ・◆・◆・◆・ 「起きたか、クリス。ほらコーヒーだ」 「ん、ありがとう」 先に起きていた彼女――なつきが両手にコーヒーを持って僕の傍までやってきた。 一つを僕に渡し、そして僕の隣に座る。 口にしたカプチーノはちょうどいい熱さで、ぼやっとした頭を覚醒させていく。 なつきは変わらず僕の傍で、なにも変わらず微笑んでいた。 何も彼女は変わることなく笑っていてくれる。 そのことは僕にとって何故かとても嬉しくかけがえのないものだった。 「……遂に今日だな」 「そうだね」 穏やかで優しい時間が暫く流れた後、なつきは不意に呟く。 その声はどこか感慨深いもので、彼女が見つめる先もどこか遠かった。 僕はそんな表情を見ながら静かに相槌を打つ。 「これで全部決まる」 「……うん」 「その時……、一緒に居たいな。……なぁ……クリス」 「うん……そうだね……なつき」 なつきの表情は柔らかく穏やかなもので。 でも、少しだけ臆病な感じもして。 僕は曖昧に笑って、そっと彼女の方に身を寄せる。 彼女は表情を崩して、目を瞑って、ぎゅっと僕の手を握った。 その柔らかい、てのひらから伝わる温もりが僕の心も温めてくれる。 触れたら壊れそうな温もりがここにあって。 僕はそれを絶対に壊したくなかったから。 だから、もっと身を寄せ合った。 願うなら、ずっと一緒に居られるようにと。 静かに祈りながら。 「……そうだ、クリス。渡したいものがあるんだ」 「……うん?」 「これ、ホテルの売店で見つけたんだ」 「ペンダント?」 なつきから渡されたもの。 それは紐で括り付けられた大きな金属の錠と鍵だった。 こんなものがアクセサリーと言えるのか不思議に感じたけど、 錠と鍵にはとても美麗な意匠が刻みこまれていてそうなのだろうとも思えた。 僕がそれを興味深く触っているとなつきが微笑みながら言う。 なつきの手には僕と同じものが握られていた。 「これはな、2対で1セットなんだ」 「……どう言う事?」 「その錠と鍵を合わせてみろ」 「うん……あれ?……上手く会わないや」 錠に鍵をさそうとするもうまく合わない。 この錠と鍵では合わないのだろうかと思っていると、くすっとなつきが笑う。 「ほら……これで」 「あ……はずれた。……どういう事?」 そのままなつきは笑いながら自分の鍵を僕の錠に差し込んだ。 すると僕の錠は簡単に外れ、紐から落ちる。 なつきはそれを見て会心の笑みを浮かべ、その意味を教えてくれた。 「これはな……互いが鍵と錠を持ち合うんだ」 「うん」 「でも、今のようにクリスの鍵と錠じゃ開けられなかったろ?」 「うん」 「だけど、私の鍵ならクリスの錠を開けられる……そして、クリス。私の錠にクリスの鍵を」 「わかった」 僕は言われるままなつきの錠に鍵を差し込む。 そして、さっきと同じようにそれはあっけなく外れた。 様子を見て、なつきはまた説明を続ける。 「ほら、この通り簡単に外れただろ?」 「うん……だけどこれにどんな意味が?」 「それはな……こんな言い伝えがあるみたいなんだ」 なつきは子供のように笑ってその言い伝えを話し始める。 その様子はどこか憧れている少女のようで。とても微笑ましい。 「恋人同士が何かで一旦離れ離れになるかもしれない時、これを使うらしいんだ」 「……うん?」 「互いの錠を……互いの鍵で閉めるんだ……それはな」 なつきは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに。 「―――互いの心が結ばれたまま、解けないようにって」 そんな……恥ずかしくなりそうな言い伝えを。 なつきは真っ赤になりながら言うのだった。 「そしてまた二人が出会ったとき……外すんだ。再び……巡り合えたその証して……な」 そう、話を締めくくった。 顔を真っ赤に染めながら。 僕の顔もその話を聞いて真っ赤に染まってしまった。 単なる縁起担ぎかもしれない。 でも、そんな縁起担ぎが今の僕にとって何処か嬉しくて、縋りたくて。 だから、僕は、 「うん…………なつき……こっちに来て」 「……うん」 彼女の首へと手をまわして、錠を紐から離れないように。 心が結ばれたまま解けないように。 しっかりと鍵をかけた。 「これで……もう離れないよ、なつき」 「……うん……うん! クリスも……」 なつきも少し目じりに雫を貯めながら同じように。 僕の外れた錠を紐から離れないように。 心が結ばれたまま解けないように。 しっかりと鍵をかけた。 「これで……クリスも離れないな」 「うん……そうだね」 そして、結ばれた心。 それはもう二度と離れる事が無く。 強く強く繋がれ結ばれている。 だから、 「……きっとまた、明日も一緒にいられるから……なつき」 「うん…………そうだな……クリス……きっとそうだ」 「離れる訳……ないから」 「うん……うん」 また、明日を一緒にいられる。 繋がっているから。 結ばれているから。 その証が静かに互いの胸に揺れていて。 「クリス……」 「なつき……」 なつきは温かいてのひらで僕の頬をはさんで。 そのままずっと見つめ合って。 そして優しい口付けを。 いつまでも、いつまでも。 心が結ばれているようにと。 そう―――強く願いながら。 ・◆・◆・◆・ 潜りなれた扉を押し開け、食堂の中を覗き込んだクリスは自分となつきとが一番最後らしいと知った。 早起きはしたつもりだったが、どうやら少しゆっくりとした時間をすごしすぎたらしい。 頭の片隅にまだその余韻を少し残しながら、クリスはなつきの手を引いて部屋の中へと入る。 先日よりかは控えめであったが、テーブルの上には自由にとることのできる料理が並んでいた。 クリスは皿を手にすると、白く柔らかいロールパンとカボチャのスープにチーズとサラダをとってなつきの分も同じようにとる。 そして、飲み物をとってきたなつきと一緒にその場を離れ、席をとるためにぐるりと周りを見渡した。 「おーい、クリス。なつき。こっちだこっち」 ちょうどまっすぐ視線の先。この中では大柄な九郎が手を振っているのを見てクリスはそちらへと足を向けた。 九郎とアルとが並んで座っているテーブルに、なつきと隣り合うように腰をかける。 「どうだ? よく眠れたか?」 「うん。不思議とすんなり眠れたかな。九郎は?」 俺もだ。と、フォークを立てて答える九郎の目の前には積み上げられた皿の塔が立っていた。 どんな健啖家なのか。それよりも九郎はいつ起きていつから食べているのか。クリスは目を丸くする。 九郎の隣のアルはと言うと、そんなことには慣れっこなのか特に反応もないようだった。 ただ、見た目通りの幼い子供のように、生クリームののったプリンを小さなスプーンで崩してこれもまた小さな唇で食している。 周りはどうかとクリスは首を傾け視線を廻らせる。 向こう側の席にはファルと美希。そしてやよいとその右腕にはまっているプッチャンの姿があった。 ファルが傾けている白磁のカップの中身は紅茶だろうか。3人とも食事は終わったようでゆったりとお茶を楽しんでいるようだ。 その隣の席には箸を器用に使って魚を食べる柚明。 と、桂が皿を持ってその隣にやってくる。なんど往復を繰り返したのだろうか、積み上げられた皿を見るに彼女も健啖家らしい。 少し離れて、更に隣には碧の姿が見える。彼女らしからず目を瞑って神妙な態度で、しかしよく見れば口元は笑っていた。 部屋の奥の方には、そこが定位置だと言わんばかりに玲二と深優の姿があり、いつもどおりに黙々と食事をしている様子が窺える。 ぐるりと視線を反転させれば、部屋の端。壁に立てかけられたホワイトボードの前に九条と那岐が立っている。 どうやら今も今後の予定について色々と確認しあっているらしい。 その近くの席にはツンと澄まし悠々と食事をとっているトーニャがいて、その隣には珍しく静かなドクター・ウェスト。 なんどか同じ食卓を囲んでわかったことだが、彼は意外にもというか普段ほど食事の作法はエキセントリックではないらしい。 そして、一周し終えた視線を元のところに戻して、九郎とアル……と足元のダンセイニ。自分と、なつき。 この朝を迎えてこの島にきてより6日目。 ついにこの日が来たというわけだが、しかし決戦の日というには誰も浮き足立つところなく静かで、そこには心地よい緊張感があった。 騒がしくしている者はいない。かといって沈痛なわけでもない。ささやかなゆとりをもって、でも油断はしていない。そんな心地よさ。 「向こうの本拠地に入ったら、次はいつ食事がとれるかわからないからな。クリスもなつきもしっかり食べておけよ」 「うん。……そうだねクロウ」 「って、お前らそんなのだけで足りるのか? 食べられる時に食べておけだ。ほら、遠慮すんなって――」 大食漢である九郎からすればクリス達の食事は前菜にも相当しないのだろう。 山盛りのあんかけチャーハンや酒蒸しした貝ののったパスタなど、彼は自分の前からクリス達の目の前に移動させてくる。 クリスとなつき、目を合わせくすりと笑うと九郎に礼を言って、それぞれを互いに取り分けあった。 『――これより、二十一回目となる放送を行う。 新しい禁止エリアは、8時より”C-3”。10時より”B-6”となる。以上だ――……』 クリスが食事に手をつけはじめてほどなく、神崎黎人による定時放送が室内に流れた。 決戦を直前にした最後の放送。 あちらからも何かあるかもしれないと皆は身構えたが、しかしいつもどおり必要最低限のことだけを述べただけでそれは終わった。 天井を見上げていた九郎がまた大皿との格闘をはじめ、クリスも冷めないうちにとスプーンでスープを掬う。 ふと気付くとなつきとアルとがホワイトボードの方を見ている。 つられて見やると、九条が貼りだした地図に新しい禁止エリアを書き込んでいるところだった。 夜中に流れた放送で指定された”E-5”と”E-6”。そして今指定された”C-3”と”B-6”。 決戦を前にして全ての禁止エリアが指定されたこととなる。そしてそれは想定通り、作戦に問題をもたらすものではなかった。 「ふむ。順調すぎるのもまた逆に見落としがないかと不安を煽るものであるのう」 最強の魔導書であるアルはそんなことを呟き、しかし言葉とは裏腹なにんまりとした表情でいくつめかのプリンにスプーンを刺した。 「はい、ちゅうも~く!」 クリスがサラダをフォークでつつきはじめた頃。那岐がパンパンと手を叩いて皆の注目を集めた。 すでに食事を終えてまったりしている者。まだ忙しなく食べている者。ただひたすらにデザートをつついている者。揃って那岐の方を見る。 「さて、ついにこの日が来て、これから決着をつける為の一大決戦が始まるわけなのだけども――」 ホテルに到着して以後、時と場所に合わせて洋服や水着姿をとっていた那岐の衣装が本来のものである弥生時代のものと変わる。 「星詠みの舞の本来の進行役として、君たちが今ここにいることに対し感謝を述べさせてもらいたい。ありがとう、みんな」 珍しく神妙な顔で、そして一礼する那岐。ぺこりと小さな頭を下げて、もどすとにこりと笑みを浮かべた。 「これからあの黒曜の君である神崎黎人。彼が率いる一番地。そしてシアーズ財団との決戦がはじまる。 厳しい戦いになるだろう。 こっちも一騎当千の強者揃い。最強のHiMEの布陣だと胸を張って言えるけど、向こうだって世界を牛耳る秘密組織だからね」 とはいえ、と那岐は鼻をならす。 「僕は君たちが負けるだなんてこれっぽっちも思ってやしない。 HiMEの軍団は一人として欠けることなくまたこの場所に戻ってこれると確信している。それだけの強さが君たちにはある。 深優ちゃん。例のものを――」 那岐に言われ、一番後ろに座っていた深優が立ち上がり、更にその奥にあったテーブルの傍らへと進む。 そのテーブルの上にテントのように張られた真白なシーツ。深優がそれを引いて取り除くと、室内に小さな歓声が響いた。 「君たちのモチベーションを高めるためにね。ご馳走を用意しておいたよ」 一番目立つのは、テーブルの真ん中にデンと鎮座する子牛の丸焼きだろうか。 それを囲う皿の上にも、茹で上げられた真っ赤な海老やら蟹やら、カラリと焼き上げられた北京ダックやら、分厚い肉の塊など、 やよいが見れば卒倒しそうな、そして実際にそうなりかけた程の豪華な料理と食材がテーブルの上にずらりと並んでいた。 「勿論。これだけじゃあないよ。これはあくまで祝勝会用ディナーの一部の一部。 厨房にはまだまだこれ以上のものが控えている。デザートだって一軍を成して冷蔵庫の中で君たちの帰還を待っているのさ。 そして――」 勝って帰ってきたら今晩からはお酒も自由解禁だ。そう聞いて、また室内に歓声が響き渡る。 「今晩のご馳走を食べる為にみんな頑張ろう!」 さざなみのように小さく繰り返し感情の波が行き来する食堂の中。 皆が皆。それぞれの未来の予感を胸に、小さかったり大きかったり、それぞれの彼、彼女ごとの笑顔を顔に浮かべていた。 ・◆・◆・◆・ 朝食とミーティングを終え、決戦に向けて廊下をずらずらと並んで行く16の人と、一体のスライムとひとつのパペット。 パートナーとしてなつきの手を握って並び歩いているクリスは、そういえばと、前を行く九郎に話しかけた。 「その衣装はどうしたの?」 問われて九郎は「ああ、これか」と返事を返す。 彼の出で立ちは全裸でもなければタオル一枚でもなく、ローブだけでもなければ、ジャージ姿というわけでもなかった。 ノースリーブのインナーの上に襟の大きな白いシャツとタイ。下は漆黒のスラックスに同じ色の革靴を履いている。 クリスにとっては初見で、知る由もないが、彼――探偵大十字九郎としての一張羅である。 「行方不明になっていた俺の一張羅だったんだけどな。灯台下暗し。せしめていた犯人はアルだったんだ」 「なにが犯人か。たわけ。それは”偶々”、妾に対し支給品として配られていたものにすぎん。 礼こそ言われても、盗人扱いとは冗談としても度が過ぎておるぞ」 「ワリィ、ワリィって。――とまぁ、これが俺の本来の姿ってわけだ。格好いいだろうクリス?」 そうだね。とクリスは素直に同意する。 初めて彼を見た時は、全裸の上に泥に塗れたローブを羽織っていただけだったのだ。それと比べれば随分と見違えていた。 「持っていたなら、どうしてすぐに渡してあげなかったんだ? ただでさえ男物は少ないのに」 「ふむ。確かに妾も九郎と再会した時はその姿に憐れを感じ顔をしかめたものよ。 だがな、故に、今着せてしまえばまた早々に駄目にしてしまうと予見し、この時までとっておいたのだ」 なるほど。と、クリスの隣から質問したなつきは納得した。 アルはというと、クリスとなつきを振り返り、そしてその後ろを歩いている者たちを見てふむと頷く。 「期せずしてか、言い合わせた訳でもないのに皆がそれぞれに己が一張羅を身にまとっておる。 これもどことやらの運命の神の悪戯か、はたまた決戦に向かう我らの意気の表れなのかのう……?」 言われて、クリスもどうやらそうらしいと気付く。 クリス自身も今はアイドル候補生の為の衣装ではなく、はじめに来ていたピオーヴァ音楽学院の制服を着ている。勿論、男性用だ。 しかも九郎と同じく、この制服も卸したての新品であったりする。昨晩、カジノの景品よりなつきが持ってきてくれたのだ。 おそらくは彼女もそうしたのだろうか、同じ学院に通うファルも真新しい制服に身を包んでいた。 隣を行く美希が着る制服からもほつれや血の滲みは見られない。やよいが着ているトレーナーも襟首が伸びてはいたが奇麗なものだ。 碧はやはりそれが美少女戦士としての正装なのかウェイトレス姿で、深優はなつきと同じ制服をきっちりと着こなしていた。 皺くちゃだった玲二のスーツは誰が仕立て直したのだろうか、新品も同然のようになっており、 血に染まっていたはずの柚明の着物も、おそらくは桂の努力のかいあってか元通りの鮮やかな蒼を取り戻していた。 衣装だけでなく、皆は一様にこれが始まった時と同じようにデイバックを背中に負っている。 象徴として嵌め続けていた銀の首輪も一様にそのままで、始まった時の様に、そしてこれからが始まりだという様に、彼らは歩いていた。 クリスも、雨が降り注ぐ暗い森の中を歩いてたことを思い出し、その後と、今と、これからを思い、想い、廊下を進む。 昨日までより少しだけ長く感じたエレベータ。開いた扉より出て、クリスは冷たいコンクリートの感触を靴の裏に感じる。 そこは地下駐車場で、エレベータから出てきた面々の目の前にはこの為にと用意された車両が並んでいた。 「クリス。こっちだ」 慣れた所作でバイクに跨ったなつきからヘルメットを手渡され、クリスはそれを被り彼女の後ろへと跨る。 なつきのおなかへと手をまわすと、身震いするかのようにエンジンがブルンと大きな音を立てた。 「……クリス。その、もっとしっかり抱きついてくれ。優しくされると……なんだか、こそばゆい」 「う、うん。わかった」 なつきの背中に身体を密着させ、クリスはぎゅうっと抱く。 やわらかくて、温かさが伝わってきて、心地よく、初めての乗り物に対する不安が解けるように失われてゆく。 小刻みなエンジンの振動も、どこか心地よく感じると、そんな風にクリスは思い始める。 耳に地を震わすような大きく強いエンジン音。 向こうを見れば、無骨なジープの運転席に九条の姿があり、助手席にはトーニャが座っていた。 奥の荷台にはファルと美希とダンセイニ。そして、プッチャンを手に嵌めたやよいがいて、こっちに手を振っている。 ――出ませい! 鋼の牙! 愕天王! 召喚の雄叫びに振り返れば、天井につきそうな巨獣――愕天王が駐車場の中にその姿を顕現させていた。 その背中には、チャイルドの親である碧に、軽々と飛び乗る那岐と深優に、桂と彼女の手を借りてゆっくりと登る柚明。 一際甲高いエンジン音が響き渡り、駐車場の端から玲二の乗るバイクが出口へと向けて走り出した。 それを見て、それぞれも動き始める。 次いで、なつきが追うようにバイクを発進させ、その後ろにジープ。そして愕天王が地響きを立てて地下から表へと出てゆく。 「しっかり掴まっていろよ」 なつきの声にクリスはぎゅうと身体を押し付ける。グンと、速度が上がったのはその次の瞬間だった――。 ・◆・◆・◆・ 出立し、歓楽街を西へと走り去って行く3台の車両と1体の獣。 地より遥かに高い場所。ホテルの屋上にそれを見送るふたつの影があった。大十字九郎とアル・アジフである。 「外に出た途端に叩かれるってこともなかったか」 「うむ。どうやら、あちらも徹底してこちらを待ち構える姿勢であるらしいな」 では我らも出立するかと二人が頷きあった時、耳を劈くような轟音と共にホテルより最後の”車両”が飛び出した。 「ふぅはははははははははは! ドクタアアアァァァアアア……ウェスト……ッ! この世の理を解き明かす者たる我輩天才大天才。 愚者でありながら分不相応にも神秘の力を欲し、人頼み神頼みのボンクラ共を成敗に御供を従えいざ発進! GO! GO! WEST! GO-WEST! 一度に攻めて攻め破り、潰してしまえデーモンアイランドゥ!」 騒音のひとつ向こう。音楽の遥か先にあるけたたましいメタル調行進曲をがなり立てながらそれらは北進して行く。 先頭を進むのは九郎とアルからすればお馴染みで、出てきては叩き潰し出てきては叩き潰した破壊ロボ……の小さいやつ。 その後ろにつき従うのは3つの御供で、ロボの次に道路の上を普通に走る不思議な機関車トミー。 一見すれば普通のショベルカーにしか見えないが、しかし機動性は通常のものを遥かに上回り、トミーに負け劣らじのけろぴー。 最後尾を行くは、この島内において博士が直々に改造をほどこしたトラック。移動する騒音公害ことファイアーボンバー号。 まるで伝説の勇者の一行よろしく、それら4台は列をなして繁華街を北へと走り去って行く。 「相変わらずで喧しいことだ」 「そういえば、俺がアーカムに来た時にはじめて見たのが”アレ”だったんだよなぁ……」 アルは溜息をつき、九郎はしみじみと過去を回想する。 さてと、もうホテルには自身らを残して何者も残ってはいない。 皆、目的地へと向け出立した。遅れれば出番を失うだろう。そうなれば正義の味方としても失格だ。 大十字九郎はアル・アジフと共に、宙へとその身を躍らせる。 ――『マギウス・スタイル』 瞬間。少女の形態をとっていたアル・アジフが本来の姿である魔導書へと変じ、頁を展開して九郎の身を包んでゆく。 身を包む紙片は皮膚に浸透し神経と接続。物理的。魔術的。魂霊的にと繋がりあい、九郎の血肉とアルの知とを一体化。 ひと瞬きほどの刹那の後、適合した紙片は術者の上を黒い皮膚で覆い、人書一体――術衣形態は完成する。 ――『マギウス・ウイング』 ワードを発するだけで本来術者が行うべき複雑な詠唱は生きる魔導書がそれを肩代わりし、結果だけが瞬時に出現する。 再度展開した頁が九郎の背中に翼の形をとり、いくつもの呪文を浮かべ、魔術により理を捻じ曲げ人間の”飛翔”を現実とした。 次いで、”落下調整””加速””抵抗軽減”と連続で魔術を展開、九郎は白き太陽の前を突っ切る一条の矢と化し空を掻っ切る。 「さぁ、行くぜ。俺たちが一番乗りだ!」 術衣形態をとった九郎は地を行くドクター・ウェストをすぐに追い越すと、彼等の目的地であるツインタワーへと飛んでいった。 ・◆・◆・◆・ 「――参加者達が動き出しました。 パターンは『W7-GR2-P165』。行動を開始した時間、予想される進路ともに、こちらが最も可能性が高いと判断したパターンです」 参加者達が行く地上よりはるか地下深く。 忙しなく人が行き来する大会議室。その壁の一面を占める大型モニターの脇から、秘書が参加者達の動向を報告している。 「ふむ。だとすればこちらも予定通り動くとしましょう。戦闘配備を第3級より第1級へと移行させてください。 そして、最終決戦中の指揮権の規定により、シアーズ財団の戦力を黒曜の君の権限を使って徴収します。 これも予定通りに行うとシアーズ側へと通達してください。時間はありません。早急に行うようにと」 主催側の首魁である神崎黎人は報告を受け、いつもの様な静かな表情で、そして慌てることなくそのままの態度で指令を下した。 指令を聞いた秘書はすぐさまに踵を返し、主君の命令を各所に伝達すべくオペレーターの下へと駆けてゆく。 ほどなくして、モニター上部のランプが緑から赤色へと発する色を変え、モニターの中に各戦力の分布と状態が表示された。 「ふふふ。あれだけ渋ってた割には素直に言うことを聞くのね。これも想定内かしら?」 椅子に座る神崎の隣から、同じようにモニターを見つめる一番地警備本部長は彼へと声をかけた。 モニターの上ではシアーズ財団の所持するMYU型アンドロイドのほとんどがツインタワーへと移動を開始している。 彼女の言葉の通り、シアーズ側は貴重な戦力を先鋒として消費してしまうことにかなり難色を示していた。 少なくとも”表向き”はあれらが彼らの戦力のほとんどであったからだ。 「ええ。彼らではなく、”アレ”からすれば程度としてはかかる手間の問題でしかありませんからね。 ここで強硬な態度に出るとは考えていませんでした。所詮、たかだか数十体のアンドロイドにすぎません」 神崎は何事でもないように答える。だが、その表情には酷薄な笑みが浮かんでいた。 これも表向きは誰も気付いてないということにはなっているが、 シアーズ財団が決戦の機に乗じて主催を乗っ取ろうとしているのはもはや誰もが明確に感じ取っているところである。 故に、神崎はツインタワーへと、つまりは参加者側の最大戦力に対する当て駒にと、シアーズのアンドロイド軍団を向けた訳だ。 「相変わらず敵が多いと苦労も増えるものだわ」 「ええ。しかし突き詰めれば、個人個人にもそれぞれ異なる願望。欲する結果があります。 そう考えればシアーズの件に関してはさして難しい問題ではありませんよ」 ふぅん。と、警備本部長は艶かしい唇から息を漏らした。 この神崎黎人という一回り以上も年下の少年。黒曜の君であり、美袋命の兄でもある彼。中々に深いと感じる。 決して歳相応とは言えない落ち着いた物腰。柔和でありながらしかし鉄壁の心の内は茫洋としていてその奥が見えない。 「まぁ、いいわ。私は私個人としての願望と責任感に基づき与えられた仕事をこなすことにしましょう」 ふふ。と小さく笑い。彼女は神崎の元を離れ、自分に宛がわれたデスクへと向かう。 個人個人それぞれの願望。 それは参加者達やシアーズ側だけに限らず、自分も、神崎黎人も、名を知られることのない兵士だってもっているものだ。 戦いに挑む理由も、達成される野望にあったり、戦いの後の平穏にあったり、または戦いの中にあったりするのだろう。 「なんだか、長くなりそうね……」 革張りの椅子に深く腰を下ろすと、警備本部長はシガレットケースから煙草を一本取り出しその先に火をつけた――。 ・◆・◆・◆・ 朝の陽の光も射しこまない地下の暗く閉じた一つの部屋。 その部屋の主、来ヶ谷唯湖はしかし朝を認識していて、いつもと変わらないように紅茶を啜り、一枚の写真を見ていた。 耳をくすぐる鳥の声、ゆっくりと身体を温める陽射しなんてものはこの部屋には存在しえない。 ただの無機質で無音、無感情の中で、それでも唯湖は最後の朝をいつもと同じとおりに過ごしていた。 そう、最後の朝。 今日こそが来ヶ谷唯湖がクリス・ヴェルティンに殺される日なのだから。 だから、唯湖は静かに終焉を待ち続ける。 口に含む紅茶の味だけはいつもと変わらないなと思いながら。 ただ、一枚の写真を見続けて。 「――――来たか」 そして、唯湖がゆっくりと飲んでいた紅茶の一杯目を空にしようとする頃。 彼女は予感し、不意に笑う。 そして次の瞬間、 『来ヶ谷さん』 聞こえてくる神崎の声。 唯湖は白磁のカップをテーブルに置いて立ち上がる。 彼の声に耳を傾けながらポニーテイルに縛っていた髪をといた。 「来たのだろう?」 『ええ、彼が進行を開始しました』 さらりと広がる長い髪を適当に梳いて、いつもの黄色のリボンを結ぶ。 鏡を見て変わらない自分を確認し、制服の上着をとって袖を通した。 「全員か?」 『その通りです。もう少ししたらこの基地までやってくるでしょう』 そして、久々に使う事になるデイバックから武器を取り出す。 この島で最初に使用した、かの亡霊の愛銃でもあるデザートイーグル。 残弾を確認し、取り出しやすい場所に身に着ける。 そして、本来は鉄乙女の愛用品であり、この場所では千羽烏月が振るっていた名刀、地獄蝶々。 腰に差して、デイバックを背負い出立の準備を整えた。 『ですから、来ヶ谷さんは舞台の方に―――』 「解っている。今から向かう」 『お願いします。ではまた縁があったら』 「可笑しな事をいうな、君も。縁も何も……私の目的を知っているだろう?」 「……それもそうですね。健闘を祈ります」 「ああ」 そう言って、通信を切断する。 唯湖は無機質な部屋を、なんとなく見渡す。 居心地がいいと思っていたわけではないが、もう戻ってくることもないと思うと僅かに感じるところもあった。 自身が最後に出立した場所。そこを心の片隅に留め、最後にテーブルの上に置いてあった写真を取る。 唯湖は神妙な面持ちでその写真を見つめる。 しかしわずかに穏やかさとやすらぎを感じさせるような風で。 そして、しばらく写真を見続け、やがて決意したかのように写真を懐に仕舞い込んだ。 「――――行くか」 そう呟いて。 何も無かった部屋を後にする。 もはや誰も帰ってこない。二度と使われることのないその部屋を。 Little Busters!”M@STER VERSION” (突破) 7 <前 後> LIVE FOR YOU (舞台) 2
https://w.atwiki.jp/keika_shobo/pages/17.html
■セッションの舞台「蓮葉新町」 「蓮葉新町」はオフィス街を少し離れたところにある住宅地を中心とした街です。 駅前通りを中心に大きな区画整理が行われましたが、少し奥に入れば古い神社や祠、古民家などが残されており、「噂話」にはことかきません。 また、街を北へ少し歩くと、勾配のきつい山に出ます。この地域には今も農地や原生林が残されています。 記載されているマナの濃度についてはあくまで目安ですので、GMは参考程度に留めて下さい。例えば、蓮葉山で必ずマナが「標準」である必要はありません。 ▼蓮葉新町駅前通り ▼「桂花書房」 ▼蓮大通り ▼蓮町興業大学 ▼蓮町興業大学第一附属高校 ▼キャラメルタワー ▼蓮町総合医療センター ▼蓮葉山 ▼藤城公園 ▼ネットワーク「桂花書房」の仲間たち ▼人間の協力者たち ▼人間のNPC(「仲間」や「足手まとい」として設定は可能だが、実効はなし) ■蓮葉新町駅前通り 通称「蓮街通り」呼ばれる駅前商店街です。通りには街路樹として木蓮が植えられており、季節になると木蓮の名所として多くの人々が集まります。 駅前の表通りは地価も高く御洒落な商店街ですが、少し奥に入ると非常に入り組んだ路地が残されています。 「桂花書房」へと続く「門」もこうした入り組んだ路地の中にあります。助けを必要としている人間が、ふとした拍子に迷い込んでくることも珍しくありません。この周辺地域のマナは「疎」です。 ・登場するNPC ★ケヴィン・クリストファー テディベアの付喪神です。入り組んだ路地の向こうにある住宅街で、パートナーの小学生と共に暮らしています。 人間変身ができないため、自身で外出することはあまりないようです。 ★真壁進(まかべ しん) 大口真神……つまりニホンオオカミの伝承から生まれた一族の若手です。 普段は大工として生活をしていますが、高い戦闘能力を持ち、頼りにされています。 ■「桂花書房」 元々「本の虫」本田桂花の所有する隠れ里に近い古書店でしたが、蓮馬新町内の妖怪たちが集まるようになり、いつの間にかネットワークへと発展した自然発生的ネットワークです。 「桂花書房」には妖怪を除けば用のない人間が立ち入ることは出来ません。人間にとっての入口は蓮町通りの裏路地の、どこでもありどこでもありません。妖怪の手助けが必要であれば裏路地を「門」として自然とたどり着いてしまうのが、「桂花書房」なのです。 本田桂花の人間に対する態度は「優越/中立」であり、妖怪に纏わる事件について積極的に干渉するつもりはないようです。 彼女は純粋な興味から書店に集まった妖怪と、彼らに助けを求める人間達との顛末を一歩引いた場所から眺め、記録をつけるのが趣味なのです。 ですので、基本的に人間が助けを求めに来た時も、彼女はその場にいたネットワークのメンバーに押し付けるだけです。誰もいなければ暇そうなメンバーを呼びつけます。 そんな「桂花書房」ですが、そんな不思議な店が存在する、という「噂」だけは広がっているようです。 あるいは、そういった「噂」が「桂花書房」と本田桂花を産み出したのかもしれません。 「桂花書房」は元々ただの古書店でしたが、集まってきた妖怪たちが勝手に椅子やテーブルを並べ、珈琲や紅茶を飲んでたまり場にするようになったため、今では喫茶店も兼ねています。 とはいえ店主の桂花は本を読んでいるだけなので、全てセルフサービスです。用意される食事や飲料の出所、そもそもどうやって経営が成り立っているのかは全く持って不明です。 ちなみに、店内のマナは「疎」です。もっとも、店内で許可無く呪文を使うと桂花に叩きだされるかもしれませんが。 ・登場するNPC ★本田桂花(ほんだ けいか) 桂花書房の店主です。基本的に人間には無干渉の姿勢を貫いており、事件の解決にも非協力的ですが、質問に対して聞かれれば答える程度のことはしてくれるかも知れません。機嫌が良ければ。 ★藤原郁実(ふじわら いくみ) 桂花書房の事実上のリーダーです。 式神 を駆使し、進出鬼没に出現します。正体は「入内雀」です。歌人・俳人としても知られています。 ■蓮大通り 蓮町興業大学とその附属高から続く商店街です。学生やサラリーマンを狙って、食料品店やレストラン、居酒屋等が立ち並んでいます。 この周辺地域のマナは 疎 です。 ・登場するNPC ★神代優香(くましろ ゆうか) フラワーショップ「KAZAMI」の店主です。透明なものを見る程度の能力を持っています。 ★大隈輝臣(おおくま てるおみ) 骨董品店「大隈堂」の店主である老人です。店自体は半分道楽で運営しているようなものですが、人と物を見る目は確かです。(「自信過剰」は見ぬかれます) ★小豆島トヨ(しょうどしま とよ) 古株の一人で、「小豆婆」と呼ばれる妖怪です。少し名の知れた和菓子職人で、店ではたい焼きが人気です。 なんだかんだ親切ですが、少し意地悪なところが目立つ老婆です。 ■蓮町興業大学 蓮葉町駅を最寄駅とする大学です。興業大学と名乗ってはいますが、実際には総合大学です。大学生のPCであれば、この大学に通っているとするのが無難でしょう。 この周辺地域のマナは「疎」です。 ・登場するNPC ★聖護院 悟(しょうごいん さとる) 人文学部心理学学科の教授です。正体は「サトリ」です。臨床心理のプロフェッショナルです。 週何回か蓮町総合医療センターに駆り出されているようです。 ★アーノルド・シャクルトン 史学部考古学科の教授です。超自然的存在(つまりは妖怪…「クトゥルフ」関連のものが多いようです)と歴史との関わりを研究しています。 ★アルテュール・バエル インキュバスの青年です。もう一つ、サキュバスとしての顔もありますがそちらはあまり使わないようです。 たびたび釘を刺されていますが、妖怪としての性質から異性を誘惑するので、周囲ではトラブルが絶えません。 ■蓮町興業大学第一附属高校 通称、蓮高と呼ばれる蓮町興業大学の附属高校です。 大学も同様ですが、理事や職員、教員にも妖怪がいますので、高校生のPCであればこの高校に通っているとするのが無難でしょう。 なお、中等部や初等部も存在します。この周辺地域のマナは「疎」です。 ・登場するNPC ★柳俊一(やなぎ しゅんいち) 人間の数学教師です。微弱ながらオーラを見抜くことができます。また裏社会にもある程度通じており、そうした知識も豊富です。 ★御幸 容子(みゆき ようこ) 高等部の生徒です。妖怪の存在を知っている人間です。覆面小説家としても活動しています。 ★トイレの花子さん 初等部のトイレに住み着いている妖怪です。 基本的に学校から離れることができませんがトイレからトイレまで、PCを運んでくれます。 攻撃的な妖術は不得手ですが、悪しき妖怪から子供たちを守るべく学校を見守っています。 ■キャラメルタワー 実際の最寄駅は蓮葉新町の隣の駅ですが、この地域でのオフィスビルの代表格です。 キャラメルタワーを中心にオフィス街が拡がっており、蓮場新町駅から会社に通う人も多いようです。 この周辺地域のマナは「疎」です。一部ではマナが「なし」の場所もあります。 ★水橋碧(みずはし みどり) 嫉妬心から生まれた妖怪、「橋姫」です。 繁華街のジャズバーの歌姫として活動しています。たまに藤城公園にも表れるようです。 ■蓮町総合医療センター この地域では最大規模の総合病院です。 この病院でもネットワークの協力者が入り込んでおり、事件の被害者のケア等にあたっています。 この周辺地域のマナは「疎」です。 ・登場するNPC ★鎌井達也(かまい たつや) 医療センターで看護師を勤める青年です。気は弱いですが、特製の薬を使った治癒能力はいざと言う時頼りになります。 ■蓮葉山 蓮葉新町の北方面にある、未だ原生林の残された山々です。蓮葉山は登山スポットとして代表的なもので、他にもいくつか山はあるのですが、地元ではまとめて蓮葉山と呼ばれます。その範囲はかなり広く、熊や猪、狸が出ることもあるようです。 この周辺地域のマナは 標準 です。一部で「疎」の場所も存在します。ちなみに、蓮葉山は死火山です。 ・登場するNPC ★赤岩陽介(あかいわ ようすけ) 溶岩から産まれた妖怪「赤猪岩」です。綺麗な顔立ちの青年ですが、人間に対しては「独立」的な態度を取っており、おまけに「怠惰」です。 蓮葉山の中腹に存在する「赤磐神社」で宮司をしており、動物や岩を初めとする無生物と会話することができますが、何しろ性格が性格なので、協力を取り付けるのは難しいでしょう。 ■藤城公園 江戸時代に入り廃止された城跡に作られた公園です。かなり大きな公園で、朝から昼間にはジョギングや散歩をする人で賑わっています。 一方で幽霊や怪奇現象の噂も数多く、夜はほとんど人がいません。妖怪の「住処」となっている場所も多いようです。 この周辺地域のマナは「疎」です。一部ではマナが「標準」の場所もあります。 ・登場するNPC ★タリ アイヌ民話から産まれた妖怪「コロボックル」です。自然界での出来事に精通しています。 ■ネットワーク「桂花書房」の仲間たち ▼PCより強い妖怪(未使用CPを1点支払い、一時的に協力を仰ぐことができる) ★本田桂花(本の虫) ★聖護院悟(サトリ) ★藤原郁美(入内雀) ★赤岩陽介(赤猪岩) ★水橋碧(橋姫) ★トイレの花子さん ▼PCと同等の妖怪(未使用CPを1点支払い、戦力不足の際パーティに加えることができる) ★億里守(送り犬) ★タリ(コロボックル) ★アルテュール・バエル(インキュバス/サキュバス) ★小豆島トヨ(小豆婆) ★ケヴィン・クリストファー(テディベアの付喪神) ★真壁進(大口真神) ▼PCより弱い妖怪(未使用CPを1点払い、協力を仰いだりPTに加えることも可能だが、足を引っ張る可能性がある) ★鎌井達也(かまいたち) ▼桂花書房のメンバーではないが、協力関係にある妖怪 ブルーバード ■人間の協力者達(「仲間」として設定可能) ★柳俊一(やなぎ しゅんいち) ★神代優花(くましろ ゆうか) ★袴田啓二(はかまだ けいじ) ★アーノルド・シャクルトン ■人間のNPC(「仲間」や「足手まとい」として設定は可能だが、実効はなし) ★大隈照臣(おおくま てるおみ)(50CP) ★御幸蓉子(みゆき ようこ)(50CP)
https://w.atwiki.jp/imasss/pages/2255.html
【ミリマス】 『新しい舞台と変わらない想い』 執筆開始日時 2017/06/12 元スレURL https //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497193758/ 概要 1. CHANGIN MY WORLD 「すみません、このみさん。遅くまで事務仕事手伝わせてしまって」 「あら、いいのよ。最近みんなの仕事が増えてきたからプロデューサーも忙しいでしょ?」 階段を上る足音がふたつ響いている。 2人は劇場の事務室での仕事にキリをつけ、休憩のため屋上へ続く階段を上っているところだ。 あのミリオンスターズが夢みた舞台、武道館ライブから3ヶ月が経った。 37人が描いた虹色の看板から始まったライブは、観客たちすべてを熱狂へと誘った。 変わっていったのは季節だけではなく、彼女たちを取り巻く環境もまた同じで。 全員で作り上げたあのステージは多くのメディアに取り上げられ、劇場の外での仕事も大きく増えていった。 タグ ^馬場このみ ^春日未来 ^伊吹翼 ^最上静香 まとめサイト アムネジアss大全 あやめ2nd えすえすゲー速報 エレファント速報 おかしくねーしSSまとめ だる速 プロデューサーさんっ!SSですよ、SS! ポチッとSS!! SSまとめ みりえす!-ミリマスSSまとめブログ- SSでレッツゴー SSびより SSまとめプラス SSマンション SS★STATION SS2chLog wiki内他頁検索用 しんみり アイドル前日譚 ミリオンライブ 作者◆Kg/mN/l4wC1M氏 誕生日 馬場このみ
https://w.atwiki.jp/tiscampaign/pages/663.html
錬金術師同盟とは 各国概要 各姫設定(仮) 国名 名前 種族 年齢 概要(適当) アルデン "鍬を担ぐ"アリダ・ボンポット 人間 17歳 おっぱいでかい ダノン "そろばん握った"マルティナ・オレンス ドワーフ 50歳 当然ロリ ユルトレット "秒刻みの"メラニー ハイマン 20歳 発掘研究者 ワイラー "艶の女将"ヨラン 人間 41歳 おっぱいでかい
https://w.atwiki.jp/thomas/pages/7.html
サンマルコ広場・寺院 でっかい建物はドゥカーレ宮殿、作中ではマルコポーロ国際宇宙港です。 歴史的な興味からは、ドゥカーレ宮殿が一番見ごたえがありました。 広場の入り口には、柱上にヴェネツィアの守護神、有翼の獅子と聖テロドトスが鎮座しています。 宮殿左側はサンマルコ小広場と呼ばれるようですが、TVAの方でマルコポーロ広場と呼ばれていること(第1期/7話)がありました。意図して変えたのか、単なる間違いかはわかりません。 奥に進むと、サンマルコ寺院と広場が見えてきます。 鳩と戯れるアリア社長、くるっぽくるっぽー サンマルコ寺院の2Fは、展示スペースになっています。 ここから2Fテラスに出ると、広場や大運河を一望する景色が広がります。 原作エピソードにもあった「秘密の場所」です。 数百年も海を眺め続ける御方も、ここにいらっしゃいました。 カフェ・フロリアン 広場奥に進みますと、歴史あるカフェなどの店が周囲にならぶ広場に出ます。 カフェ・フロリアンは、左手の椅子の並び辺りにあります。 店内に入ってみました、歴史を感じさせる店内の雰囲気でした。 カフェラテ飲んでみましたが、とても普通でした。7.8ユーロ也。灯里ちゃん、よくあんなにいっぱい飲めるなぁ。 夕暮れ時に再び訪れると、広場がライトアップされていました。 この時間ちょっと寒くなりますが、広場側のオープンカフェ席が絶景! 時々、小楽団による演奏があります。 気さくな雰囲気で、お客さんからリクエストを受け付けたり、手拍子を求めるなど和やかな雰囲気でした。 演奏中、唐突にステージ一番右のおじさまから指されて、 「ジャポネーーゼーーー!」 は、はひっ!、なんですかっ?! おいらが一人で座ってて淋しそうに見えたのか、あるいは 手拍子してなかったのでノリが悪いように見えたのでしょうか? おじさまはステージ上から、にこやかに手を振っていらっしゃいます。 「コーンーニーチーワー!」 「こ、こんにちわー」 手拍子&手を振りかえしてご挨拶。はは、あはははー、みなさん陽気ですねー。 ・・・でっかい恥ずかしかったです カフェ、ケーキ類、店員の態度、どれも値段相応とは思えませんが、環境が全てを許す気にさせてくれます。良い所です。
https://w.atwiki.jp/publiccommentforart/pages/30.html
○ 本ワーキンググループでは,演劇,音楽,舞踊等の舞台芸術の振興について,その意義を踏まえた上で,現状の課題を改善するための今後の方向性と具体的施策について検討を行った。 【概要】 1.舞台芸術を振興する意義 ○ 舞台芸術は,人々に真の心の豊かさをはぐくみ,衣食住と同様に人が生きていくために必要不可欠なものである。また,新たな価値を創造し,我が国及び地域の経済・社会の活性化に大きく貢献するものである。さらに,次代を担う子どもたちに豊かな創造性や感性などをはぐくみ,ソフトパワーとしての国の魅力を高め,世界の文化芸術の発展に貢献するとともに,人々が共に生きる絆と社会基盤を形成するものである。今日,このような意義を共有できる社会の実現に向けて舞台芸術の振興は重要である。 2.舞台芸術の振興の方向性 ○ 文化芸術は国民や地域住民のための公共財である。このため,文化芸術の振興を国の政策の根幹に据えて,これまでの政策を抜本的に見直し,舞台芸術の振興策の強化・拡充を図る必要がある。 ○ また,我が国の文化予算は諸外国と比較し圧倒的に少ない。これは,我が国の文化芸術の振興によって我が国が世界の文化芸術の発展に本来貢献すべき役割を十分に果たしていないとも言え,国として文化予算を大幅に充実する必要がある。 3.舞台芸術の振興に向けた重点施策 ○ 本ワーキンググループとして,特に重視すべきと考える施策は,以下の4点である。 (1)地域の核となる文化芸術拠点の充実とそのための法的基盤の整備 地域の文化芸術拠点において,舞台芸術が創造・発信され,地域住民がそれらを享受できるよう,地域の核となる文化芸術拠点への支援を拡充する必要がある。また,その法的基盤の整備については早急に具体的な検討を行う必要がある。 (2)専門家による審査・評価の仕組みの導入の検討と支援制度の抜本的見直し 舞台芸術の支援に当たっては,専門家による審査・評価の仕組み(「日本版アーツカウンシル(仮称)」)の導入を検討する必要がある。また,分野の特性に応じた新たな支援制度を導入するなど,長期的視野に立った抜本的見直しとともに,人材育成の強化を図る必要がある。 (3)子どもたちが優れた舞台芸術に触れる機会の拡充 次代を担う子どもたちに豊かな創造性や感性などをはぐくむため,国として子どもたちができるだけ小さいころから,優れた舞台芸術に触れる機会を拡充するとともに,教育委員会や文化施設,文化芸術団体等が実施する取組を奨励する必要がある。 (4)舞台芸術の国際交流と海外発信の強化 海外公演への支援に加え,海外との双方向による共同制作への支援を充実する必要がある。 特に東アジアをはじめとした世界各国との国際文化交流を積極的に実施する。 *
https://w.atwiki.jp/polaris-trpg/pages/17.html
面影島とは 東京から船で7~8時間ほどの場所にある小さな島 人口は約1000人ほど、観光客は少ないが比較的若年層が多く活気のある島。 広く知られたものではないが、面影島には 「そこにいくと死んだ人とまた会える」という噂がある 江戸時代に流れた迷信、そしてどこかミステリアスな島名が その由来であると言われている。 面影神社にも"死者と再会できる"御利益があるとして、 江戸時代初期には、身分の高い参拝者が相次いだ記録もある しかし徐々にその噂も廃れ、明治初期には平凡な島として 特に話題になるようなこともなくなった 登場NPC 六白 傷無(むつしろ きずな) 年齢:15(died) 性別:女 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:中学生 カヴァー:中学生 和也の幼馴染。10年前、和也と共にジャームに襲われた。 その後和也とは再開できぬまま2年前に病死している。 シナリオ1,2,3,4 未登場 キズナ 年齢 ?? 性別:女 シンドローム:??? 侵食率:??? ワークス:レネゲイドビーイング カヴァー:霊体 和也の前に現れたキズナと名乗る少女。 シナリオ1 幽霊のような姿で和也に警告をする。 シナリオ2 ほぼ同じだが徐々に姿がはっきりとしていっている シナリオ3 未登場 シナリオ4 PC達の前に姿をあらわす。黄泉還りで生まれた存在らしいが 六白 神無(むつしろ かんな) 年齢:17 性別:女 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:高校生 カヴァー:高校生 傷無の双子の妹で傷無とは瓜二つの高校生2年生。 体が弱く病院暮らしだったため和也とは面識はない。 面影島には2年ほど前に兄と共にやってきた。 明るい性格、屈託のない笑顔でみなから好かれている シナリオ1 最後で実は傷無であると打ち明ける。 その他キズナとの関連は不明 シナリオ2 ほぼ登場なし シナリオ3 面影神社の巫女で縁切りの祭りを手伝う シナリオ4 霧人ともにPC達の前へ、完全な傷無になることを望み戦い、倒される。 六白 霧人(むつしろ きりひと) 年齢:24 性別:男 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:研究者 カヴァー:大学生 傷無と神無の兄で民俗学を専攻している院生。 傷無が死んでから神無と2人でこの島に移り住んできた。 島の風習や神話などを調べている。 人付き合いはあまりよくはないが端整な容姿で女性には人気がある シナリオ1 オープニングで和也達に神無を紹介する シナリオ2 和也に黄泉還りの話を伝える シナリオ3 オーヴァードであることを心に明かす シナリオ4 傷無の復活を目的とし、縁切りの祭りを失敗させたことを自白 PCと戦い倒される 面影 小春(おもかげ こはる) 年齢:17 性別:女 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:巫女 カヴァー:高校生 面影神社の管理を担う面影家長女。 成績優秀、容姿端麗、文武両道と非の打ち所のない少女であり 未だ高校生2年生であるが父に代わって神事の取り仕切りを行っている。 生真面目で規律に厳しいため周囲に威圧感を与える事もある シナリオ1 何かこの島の秘密を知っている様子 久楽にいずれ七姫薫は戻ってくると宣言 シナリオ2 頼道と話し、縁切りの祭りの邪魔をしないでというが シナリオ3 オーヴァードであることを明かす。 縁切りの祭りの準備を行う シナリオ4 縁切りの祭りに失敗、和也と心を排除しようとし倒される 面影 冬日(おもかげ ふゆひ) 年齢:16 性別:女 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:高校生 カヴァー:高校生 面影家次女、高校1年生。 姉とは違い島の風習や伝統には全く興味がなく、いつか都会へ出て行きたいと考えている。 しかし周囲の賛同が少なく、苛立ちをつのらせている シナリオ1 七姫薫と協力してこの島の秘密を探っていたことが判明。 基本的にPC達には協力する様子だが シナリオ2 時雨に殺害される。その後記憶を失い黄泉帰る シナリオ3 七姫とともに少しだけ登場 シナリオ4 祭りに姿だけ登場 “ナイチンゲール”小鳥遊 小夜(たかなし さよ) 年齢:18 性別:女 シンドローム:ブラックドッグ/ソラリス 侵食率:99% ワークス:FHチルドレン カヴァー:高校生 元FHチルドレン。現在は高校3年生。 かつては破壊工作、および他工作員のバックアップを担当していた。 数ヶ月前、相棒の“ソングバード”が負傷したためFHから逃亡。それ以来、面影島で暮らしている。 チルドレン出身のため動作が堅苦しく、常人離れしている事を隠せてないが 真面目で優しい少女であり、島の住民からは暖かく迎えられている 弟に関することで冷静さを失う。過保護な傾向がある。 シナリオ1 ソングバード小鳥遊声を蘇らせていたことが発覚 その日常を失う恐怖ゆえにジャーム化。PC達と争い敗北、死亡する。 しかしその死体は消え去りエンディングにて心の前に蘇った姿を見せる シナリオ2 復活して平穏な日常を送る 心にプランナーの警告をするが… シナリオ3 日常を守るために戦う 心とエンディングで祭りに行こうと誘う シナリオ4 祭りに登場 “ソングバード”小鳥遊 声(たかなし こえ) 年齢:10 性別:男 シンドローム:ハヌマーン/ノイマン/オルクス 侵食率:60% ワークス:FHチルドレン カヴァー:小学生 元FHチルドレン。現在は小学4年生。 未熟ではあったが素材としては一級品であったとされるチルドレン。 任務中負傷し、小夜につれられて逃亡。小夜の弟として暮らしている。 快活で素直な性格。島の住民が小夜に優しいのは彼の愛くるしさよるものも大きい。 シナリオ1 既に死亡しナイチンゲール、小鳥遊小夜が蘇らせていた。 ナイチンゲールの死亡とともに暴走。その後PC達に倒されその死体は消失する シナリオ2,3,4 登場なし 時雨 京一郎(しぐれ きょういちろう) 年齢:43 性別:男 シンドローム:オルクス/ソラリス 侵食率:80% ワークス:UGN支部長 カヴァー:医者 UGN面影島支部前支部長。 実際は支部とは名ばかりの個人派遣にすぎない。 学者肌の人間でオーヴァード発生率の高さの調査をまとめるために支部長となり病身の妻と共に面影島にやってきた。 戦闘や工作には疎い人物。 島では妻の病気静養のため隠居した元医師ということで通っている シナリオ1 オープニングにて頼道の前に姿を見せる。 失踪の理由は戦いが嫌になったとのこと その後ナイチンゲールのジャーム化に際し現れてPC達に協力するというが… シナリオ2 面影冬日を殺害、ジャーム化していることがわかり PC達と対立。倒される シナリオ3,4 登場なし 七姫 薫(ななひめ かおる) 年齢:23 性別:女 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:記者 カヴァー:記者 PC4の友人でもある記者。フリーランスのカメラマン オカルト系の記事でいつしか大きなスクープをモノとしてオカルトライターとして成功するのが夢。 破天荒な性格のため、ポカも多いが持ち前の愛嬌で乗り切ってる シナリオ1 依然として失踪したまま山に愛用の帽子だけが発見される シナリオ2 久楽の元に戻ってくる。黄泉帰りに関する調査の記録は すべて失っていた シナリオ3 久楽と少しだけ話す シナリオ4 祭りに登場 美作 重陽(みまさか ちょうよう) 年齢:28 性別:男 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:教師 カヴァー:教師 面影高校教諭。社会科全般を担当している。 PC1たちの担任でもある。気弱で真面目な性格。 生徒からは頼りないとも言われるものの お人好しな青年に概ね好意的 シナリオ1 和也と心を転校生としてクラスメイトに紹介する シナリオ2 未登場 シナリオ3 オープニングで学校の休みを告げる シナリオ4 FHエージェント、クロックメーカーであることを自白。黒幕であることを告げる 高岡 真美子(たかおか まみこ) 年齢:27 性別:女 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:医者 カヴァー:教師 面影高校養護教諭。 小学校や中学校も兼任している。 のんびりした性格で時には抜けているように見える時も 生徒たちからは親しみを持たれ好かれている。 シナリオ1 転校生である和也と心を歓迎する シナリオ2 未登場 シナリオ3 未登場 シナリオ4 祭りに美作重陽とともに登場 栄田 ウメ(さかえた うめ) 年齢:70 性別:女 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:商店主 カヴァー:商店主 面影島雑貨店、“栄田商店”の主。 島人のさまざまな生活必需品をとりそろえている。 島にはコンビニエンスストアなどはなく、 日常の様々な品が揃えられるので住人からは愛用されている 50年近く島の子供たちを相手にしており、かつては厳しい性格だったが 現在は穏やかになったと彼女を知る住民は言う シナリオ1 未登場 シナリオ2 久楽と冬日と七姫の会話に立ち会う シナリオ3 未登場 シナリオ4 祭りで射的の場面で少しだけ登場 長月 雄一郎(ながつき ゆういちろう) 年齢:68 性別:男 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:政治家 カヴァー:村長 面影村村長。 伝統的に村長の家系であり島の事情には詳しい。 調整手腕に優れている。 保守的な性格でよそ者への警戒心は強い。 住民や子供たちには厳しくも優しい老人 島内の人間関係や役所との手続きは彼が責任を持つが 年中行事や宗教儀式は面影家のほうが発言権を持つ シナリオ1,2 未登場 シナリオ3 余所者嫌いな所を和也に示す シナリオ4 小春とともにPCの排除を目指す 向井 忠(むかい ただし) 年齢:17 性別:男 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:高校生 カヴァー:高校生 面影高校2年生、野球部所属。 島育ちの元気な男子高校生。 都会への憧れを口には出すが、実際は怖がっており、島の自然や友達を大事にしている 本人もこのまま島でずっと暮らすだろうなと思っている シナリオ1 和也と心のクラスメイト、歓迎している様子 シナリオ2 小鳥遊小夜について尋ねられるも普通と答える シナリオ3,4 未登場 秋川 直貴(あきかわ なおき) 年齢:17 性別:男 シンドローム:なし 侵食率:なし ワークス:高校生 カヴァー:高校生 面影高校2年生、文芸部所属。 大人しく、真面目な少年。 都会へ出たいと考えてるわけではないがいつか外に出るだろうと感じ、日々勉強に励んでいる。 もっとも島育ちのためガリ勉というよりはのんびりした雰囲気のほうが強い シナリオ1 同じくクラスメイト、 シナリオ2 同じく談笑していたところ尋ねられる シナリオ3,4 未登場 オモイデ様 シンドローム:不明 侵食率:不明 ワークス:レネゲイドビーイング カヴァー:土地神 面影島で信仰されている土地神、外の人間にはほとんど知られていない。 人の思い出を受け、願いをかなえるとされている。死者の蘇りをもたらすとされた。 シナリオ1,2 それに触れるのは島の禁忌でもあるらしいが… シナリオ3 面影山のその聖域近くまで立ち寄る シナリオ4 その本殿の中へ。賢者の石のようなレネゲイド生命体であることが発覚
https://w.atwiki.jp/ateamnews-td/pages/27.html
DAIGO(エーチームグループ・エープラス所属)がミュージカルで舞台に初挑戦 ミュージシャンのDAIGO(31)が来年5月にミュージカル「リトルショップ・オブ・ホラーズ」(5月13~30日、東京・下北沢の本多劇場)で舞台に初挑戦することが27日、分かった。人間の血を求める吸血植物が登場する同名B級ホラー映画を原作にしたミュージカルで、82年にオフ・ブロードウェーで初演され、2000回を超えるロングランとなった。花屋で働く気弱なさえない青年シーモアが主人公で、日本版はこれまで真田広之、西川貴教、山本耕史が主演し、今回は初舞台のDAIGOが挑戦する。シーモアが思いを寄せるオードリーに安倍なつみのほか、新納慎也、尾藤イサオが共演する。 ソースDAIGOがミュージカルで舞台に初挑戦 - 芸能ニュース nikkansports.com 名探偵コナン BREAKERZ 「Everlasting Luv」 PV この曲のサビ良いですね!!歌詞がコナンっぽいかな! DAIGO DAIGOエープラス エーチームオーディション エーチーム噂 エーチーム掲示板 ミュージカル リトルショップ・オブ・ホラーズ 本多劇場 舞台
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/614.html
LIVE FOR YOU (舞台) 3 ◆Live4Uyua6 ・◆・◆・◆・ 機械神と戦闘機人たちによる対決は、この『大戦』の始まりに相応しい幕を上げた。 少数対多数。巨対小。正義対悪。構図についてはどうとでも言える、単純にして純粋なる闘争。 魔の力を内包せし青年が空を駆り、天が見定めし才により生み出された巨獣が大地を蹂躙する。 しかしそこには、なにかが足りないと――そう思わないだろうか? 作品のメインテーマにしてメインタイトル。強すぎるがゆえに座を奪われた象徴的存在。 黒幕はワンサイドゲームを嫌う。だから黒幕はそれの参加を良しとはしなかった。では。 最終決戦――クライマックス――世界最後の戦場。現れるか、現れてはいけないのか? ・◆・◆・◆・ ――合体ロボは男のロマンである。 数多の科学者、研究者が効率化の風潮と対立し、それでも追い求めることをやめなかった夢の完成形。 言動こそ奇異なれど、才能だけは本物と言えるその男――ドクター・ウェストもそれを追い求めた。 彼がこの数日間で拵えた決戦兵器は、迫る有象無象をことごとく粉砕していく。夢のままに。 「ぶわぁーひゃっひゃっひゃ! ドクタァ――――ッ、ウェェェェェストッッ!!」 金色に輝くその巨体の名は、『ドクター・ウェスト式ドリームクロス合体・G(何の略かはないしょ♪)破壊ロボ・おかわり3杯』。 ツインタワーの守備兵として配置されていた女性型アンドロイドが、数体がかりでこれの驀進を止めるべく攻撃を続けるが、 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ! さて、我輩は何回『無駄』と言ったであろうか? 自分でもわからぬっ!」 対物ライフル、熱線砲、ロケット弾等、ドクター・ウェストの発明品を考慮し用意していた武装のほとんどが、G破壊ロボの装甲に弾き返される。 「馬鹿め、この機械に銃は効かない! 誰が製造したかは知らぬが、なかなかのレアメタルだったのであ~る」 【ドクター・ウェスト名語録《1》――「この機械に銃は効かない」】 博物館に展示されていた油圧ショベルの『けろぴー』はその装甲こそが最大の長所(材質は不明)。 前大戦においても「駄目だっ……! あの機械に銃は効かない!」と諦観の声があがったことで有名。 本日の作戦プランは『G破壊ロボによる一点突破攻撃』――要は『突撃』。 ドクター・ウェストに与えられた役目は、あくまでもツインタワーからの敵基地侵入を補助することにある。 その巨体ゆえ、活躍の場は地上のみに限定されるというのもあり、操縦者のウェストはここぞとばかりに張り切っていた。 「しかし残念である。我が最高傑作が立つせっかくの大舞台、どうせなら相応の鬼械神を相手取りたかったところであるが――」 唯一の不満は、敵と呼べる存在が人間大の戦闘用アンドロイドしかいないということだろうか。 女性型のボディを持つそれは深優・グリーアの同型、そしてその戦闘力は深優の六割八割程度と聞かされている。 「こやつらにあのメタトロンほどの歯ごたえを期待するのも無為というものであろう。ならば!」 G破壊ロボのスペックに相応しい強者との戦いに憧れ、しかし叶わないからといって悲観することはない。 雑魚を蹴散らす破壊の権化というのもまた、それはそれで絵になるからだ。 「これは死闘でもなんでもなく、我輩のIt s Show! 一方的な蹂躙ゲームにほかならないのであぁぁぁるっ!!」 アンドロイドたちが放つ弾雨はG破壊ロボの驀進を止めるには至らず、あっという間にツインタワーの入り口まで差し掛かった。 距離が詰まったことを鑑みて、敵の一体が戦闘モードを近接用に切り替える。 右腕に内蔵していた高周波ブレードを展開、直接G破壊ロボに斬りかかった。 カギン、という珍しい音が鳴り、これも容易く弾かれる。 「ふん! このG破壊ロボがわざわざコクピットを晒すナンセンスな構造をしているとでも思ったか!? 耐熱ガラス一枚に隔てられた操縦席など非科学的であるからして、我輩へのダイレクトアタックは無効ッ!」 と、ドクター・ウェストはG破壊ロボのコクピットからモニター越しに敵アンドロイドを諭す。 そしてもちろん、鉄壁を過信してばかりではいない。 敵がこちらの射程距離に踏み込んできたと見て取るや、右の肩口に置かれていた『けろぴー』のショベルカー・アームが駆動する。 本来ならば土砂や岩石をつかんだだろうそれが、至近距離にあったアンドロイドの体を優しく包み込み、 そして、発光した。 「これがシャイニングフィンガーというものか! わひゃひゃひゃひゃーっ!」 【ドクター・ウェスト名語録《2》――「これがシャイニングフィンガーというものか」】 あの有名な「俺のこの手が光って唸る! お前を倒せと輝き叫ぶ! 必殺!」の掛け声により放たれる一撃。 ドクター・ウェストは溶断破壊マニュピレータと天地乖離す開闢のタービンの輝きによりこれを見事再現してみせた。 溢れんばかりの光は爆音を生み、そしてショベルカー・アームが解放されると同時、中から粉々になったアンドロイドの残骸が零れる。 他のアンドロイドたちは表情こそ変えぬものの、味方の一体がいとも簡単に破壊されたことにより攻勢を緩めた。 こちらの戦力に対する認識を改め、戦法を練り直す――いや、計算しているのだろう。 どうすればG破壊ロボを撃破できるのか、撃破までいかずとも中のドクター・ウェストを戦闘不能に追い込めないものか、 どちらも難しいとするならせめて足止めに徹することはできないだろうか、ひとまず撤退するのも手か――などなど。 天才科学者であるドクター・ウェストには、アンドロイドたちの思考パターンが容易に想像できる。 「ああ、しかし現実は非情なり。我輩とG破壊ロボの絶対的破壊力の前には、下手な小細工も意味を為さないのであった。 では、地上に這い蹲るカトンボがごとき雑兵を蹴散らす作業に戻るのであ~る。レェェェッツ、プゥゥゥレェェェイッ!!」 その姿はさながら金色に輝く破壊神――G破壊ロボの『G』はゴールドか、はたまたジェネシックか。 正解は未だ、制作者本人にしか知りえない。 ・◆・◆・◆・ 双頭の楼閣を背景にG破壊ロボが暴れ回っていた頃、九郎とアル・アジフはその隙をつきツインタワー内部へと進入を果たしていた。 幾度となく集合場所にとは考えたものの、北東の果てという僻地に位置したがため、結局は足を踏み入れることがなかった未開の地。 元々は都会の観光スポットかなにかなのか、海や街並みが一望できる展望フロアを始めとし、内部には土産屋や飲食店が多く並ぶ。 広さ、堅牢さ、隠れやすさ、どれを取っても不足なく、バトルロワイアル会場における一施設としては篭城にもってこいと言えた。 ただ、今回は隠れ潜む場所を探し求めに来たわけではない。 このツインタワーの地下に存在する一番地基地の入り口――会場内にいくつかある内の一つを、占拠しに来たのである。 一番地側としても、九郎たちの目論みは読めていたのだろう。 深優にそっくりな戦闘用アンドロイドをガードマンとして外と中に配置し、基地への進入を拒もうとしている。 九郎とアルの二人ならば、あるいは適当にやり過ごして基地への侵入という目的を果たせるかもしれないが、 後々の追撃の可能性、仲間の安全性などを考慮するとなると、潰せるものは潰せる内に潰しておきたい。 ゆえに九郎は『下』ではなく、ひたすらに『上』を目指しながら応戦に励んでいるのだが――。 『どぅわぁーひゃっひゃっひゃ! こちらは万事順調、快進撃であるぞ大十字九郎! そちらはどうであるか? なにやら息切れの音が聞こえるような、いやいや我輩終生のライバルに限ってまさかまさか。 と、宿敵の苦戦を見て見ぬ振りしてあげる優しさに満ち溢れた我輩、この冬映画化。早くもハリウッドが見えたのである!』 耳元のインカムから聞こえてくる騒音にイラつきを覚えつつも、律儀にこれを返す。 「やかましい! 通信してくんなら必要なことだけ喋りやがれ!」 それは『外』で奮闘しているG破壊ロボの操縦者、ドクター・ウェストからの通信だった。 ツインタワーの中腹辺り、壁一面がガラス張りになっている展望フロアで、九郎とアルは白兵戦に臨んでいる。 窓越しに外を見やれば、金色のドラム缶だかショベルカーだか機関車だかトラックだかよくわからないものが暴れており、 数体の敵アンドロイドを相手に言葉どおりの快進撃を見せているようだった。 ウェストは今頃、G破壊ロボの中でさぞ楽しそうに呵呵大笑しているのだろう。 その姿を思い浮かべれば、込み上げる怒りが沸々と、戦闘意欲へと転化されていく。 「後ろだ、九郎!」 そばを浮くアル・アジフ――が小さくなった姿、通称『ちびアル』形態――から警告が飛んでくる。 九郎はすぐさまその声に反応。振り向き様に手中の刀、『バルザイの偃月刀』を振り上げ、迫る刃を跳ね除けた。 外でウェストが蹴散らしているアンドロイドと同型の敵が五体、現在九郎とフロアを同じくしている。 『マギウス・スタイル』を展開しているとはいえ、九郎は生身。ウェストのように装甲任せ、火力任せとはいかない。 深優よりも若干は劣るか、というレベルを複数相手にし、油断ならない戦いに身を投じなければならなかった。 「侮るなよ九郎! ブラックロッジの雑兵共を相手にするのとはわけが違うのだぞ!」 パートナーからの心強い激が飛んでくる。 敵アンドロイドたちの構成は、内蔵型ブレードアーム装備が三体、それに援護としての機関銃装備が二体。 室内戦を考慮してか、さすがに度の越えた重火器は装備していないようだが、それぞれが侮れない身体能力を見せている。 銃弾は防御陣でほぼ弾き返せる分、接近戦で挑んでくるほうが幾分か厄介とも言えた。 「ああ、たしかにあの覆面共に比べりゃ全然強ぇや。それでもよ……」 五体の内の一体がカーペット敷きの床を駆け、九郎に肉薄してくる。 恐るべき速度での正面突破に目を見張り、しかし慌てず『バルザイの偃月刀』で敵の刃を受け止めた。 「どっかの鬼ねーちゃんに比べりゃ……全然弱ぇ!」 覇気のある声に伴い、九郎は己が腕力でこれを押し返した。 数日前にこの街で相対した『怪人』との一件を思い出せば、これしきのことは恐怖にすらなりえない。 ただでさえ、今は信頼できるパートナーが隣にいるのだ。それだけでもう、大十字九郎の口から弱音など生まれるはずがなかった。 二人なら無敵だ、と九郎は心中でのみ雄叫びをあげる。 耳にしたわけでもなく、傍らのアルは静かに微笑みを浮かべた。 直後、機関銃を構えた二体のアンドロイドが、九郎目掛けて一斉掃射を仕掛けてくる。 九郎は即座、宙に魔法陣を描き<旧き印(エルダーサイン)>を展開。 障壁が銃撃の雨を防ぎ、辺りに無数の弾丸が散らばった。 「へっ、これにしたって単なる鉛弾だ。柚明さんの剣の雨に比べりゃ屁の河童ァ!」 吼えて九郎は、機関銃を持った一体目掛けて『バルザイの偃月刀』を投擲。 ブーメランのごとく飛翔する刃がその身を削ぐかという瞬間、別の一体が腕のブレードを盾にこれを守った。 『バルザイの偃月刀』がまた九郎の手元に戻るまでの間、他三体も時間を無駄にはせず、二体は九郎に斬りかかり、一体は銃撃を再開する。 「チッ、さすがに数が多いと厄介だな、と!」 これに対し、九郎は背中の両翼『マギウス・ウイング』を展開。 鷹の羽ばたきを思わせるほどに雄大なそれは、アルの魔力とページで構成された作り物の翼。 本来は飛行のためのものだが、ここは室内。九郎は翼を羽ばたかせるのではなく、『分解』させる。 途端、『マギウス・ウイング』は硬質化された紙吹雪へと変幻し、展望フロアを埋め尽くさんほどに空間を舞った。 銃弾は逸れ、斬りかかってきたアンドロイドは九郎の姿を見失う。どこへ消えたかといえば、外だった。 「今度はこっちだ、キョロキョロしてんじゃねぇぞ!」 再び顕現させた『マギウス・ウイング』で窓ガラスを突き破り、外へと飛翔していた九郎。 五体のアンドロイドはそれを目視するや否や、攻撃方法を全員、射撃に切り替える。 対物ライフルや熱線砲、果ては内蔵型ミサイルまで持ち出し、宙を舞う九郎に向けて一斉放火。 九郎は蝶のように飛び回りこれを回避。余裕の残る声で傍らのアルに語りかける。 「思ったよりもチームワークいいんだな! ああも連携取られちゃ、各個撃破っていうのも難しいぜ!」 「あの深優の同型ともなればな。思考回路とて、ブラックロッジの戦闘員とは比べものにならんということだ」 敵対するアンドロイドたちは、ただ命令に従順な殺戮マシーンというわけではない。 命令を果たすために必要、不必要なことを見極める知能を持ち、攻撃に移るまでに『思考』というフェイズを経る。 味方の危機に反応したり、九郎の位置取りによって武器を切り替えたのがいい証拠。 彼女たちは常に最善策とはなにかを考え、各自で答えを出し、極めて効率的に戦っている。 ならば、そこにこそつけ入る隙はある――と、九郎とアルは揃って思考する。 「しかし、このままではいたずらに時間を浪費するばかり……やはり九郎、ここは当初の予定通り“切り札”を使うとしよう」 九郎が防御のための魔法陣を展開させる傍ら、アルが不敵に笑みつつそう言った。 九郎もまた、集中力は緩めず微笑みで返す。 「了解ッ! おい、やよい! 聞こえるかっ!?」 インカムのチャンネルを切り替え、今頃は西側のルートで進軍しているだろう高槻やよいに通信を試みる。 『うっうー! 九郎さんですか? なんだかすごい音が聞こえますけど、そっちは大丈夫ですかー?』 「ああ、まったく問題ないよ。それより、そろそろアレを出す! 合図するから、そっちも準備しててくれ!」 『アレですね? わかりましたっ! それじゃ、はりきって準備しちゃいまーすっ!』 この作戦、これから先はグループ間での連携が特に重要になってくる。 九郎とやよいのこの通信も、ツインタワー攻略のための大事な布石。 実るか腐るかは、やはりこの場の主役――大十字九郎の双肩にかかっている。 「さぁ、先駆けるぞ九郎!」 「おうよ!」 九郎は『マギウス・ウイング』を大きく羽ばたかせ、上空へと飛翔する。 敵アンドロイドの攻撃は基本的に、屋内からの射撃のみ。九郎のように空を統べる者はいない。 必然、彼女たちは九郎を狙い撃てる位置取りを求め、上階へと移動するだろう。 最終的な決戦の舞台は、おそらくツインタワー屋上――ヘリポート。 ・◆・◆・◆・ 「む?」 G破壊ロボのコクピット内で、ドクター・ウェストはモニター越しにその映像を捉えた。 「あれに見えるは大十字九郎……『下』ではなく『上』に向かっているとな? ふぅむなるほど、いよいよ大詰めということであるか」 塔の外壁に沿うように上昇していく九郎とアルを捉え、しかしウェストはなにも言わない。 彼らの狙いはわかっている。もちろん、この上昇が当初の予定通りであるということも。 「ならば我輩は我輩で、天才的にジェノサイドを続けるのみ。と、言ってはみたものの……」 戦いが始まって早々、ウェストのテンションは鎮火に向かっていた。 それというのも、現在G破壊ロボを囲っている敵アンドロイドの数が原因だった。 生半可な銃器では傷くらいしかつけられないと悟ったのか、武装は腕のブレード一本に固定。 直接斬りつけてもダメージは与えられないので、基本は回避に努めるというあからさまな時間稼ぎ戦法。 それらを実行するアンドロイドの数、三体。たったの、三体なのである。 「少ない……あまりにも少ないのである! 質で劣るならせめて数にものを言わせて欲しいところ、これでは張り合いがなさすぎる!」 まさか敵の戦力がこの程度であるはずがなく、たとえそうであったとしても、悲観はすれど楽観はしない。 では他のアンドロイドたちはいったいどうしたのか。答えは簡単、大十字九郎の妨害に回ったのである。 「確かに、この『ドクター・ウェスト式ドリームクロス合体・G(何の略かはないしょ♪)破壊ロボ・おかわり3杯』を 相手にするにはそれ相応の犠牲を伴うこと必定。手持ちの駒を無為に散らすよりは、比較的仕留めやすい大十字九郎を 狙ったほうが理に適っていると言えよう。だがこの場合、強すぎるがゆえに取り残された我輩の心情はしょぼ~んなのである」 ヨヨヨヨヨ、と薄暗いコクピットの中で感傷に浸るウェスト。 おそらく敵側は、G破壊ロボの進撃を防ぐことは不可能と判断したのだろう。 ならばこれに人員を割くのは無為。G破壊ロボには足止め係だけを残し、残りは全員、本命として大十字九郎を狙う。 どうせG破壊ロボ自体は、巨体すぎるがために基地へ侵入することができないのだ。 中にいるドクター・ウェストを止めることは不可能だとしても、最低限九郎とアルだけは戦闘不能にしておきたい。 ――というのが、一番地かシアーズ財団の誰かが考えついた無難かつ面白みのない作戦だろうか。 「屈辱! 雑魚キャラ掃討係など、我輩の行動理念に反するのであ~る! こんな雑務をこなすためにG破壊ロボの開発に勤しんできたわけではないと、我輩は声高らかに叫びたい! 奇跡の合体変形を果たしたスーパーロボットが、塔の周りでちまちま経験値稼ぎなど泣けてくるぜおっかさん!」 憤慨するあまり、ウェストは狭いコクピットの中でギターを掻き鳴らした。哀愁のビートである。 そうやってウェスト自らが隙を作ってしまっている間にも、敵アンドロイドたちは攻撃をしてこない。 完全に足止めに徹す構えなのだろう。遊んでいるなら遊んでいるで、ツッコミもなしにひたすら静観。 これは目立ちたがり屋のウェストにとって、ひどく頭にくる行為だった。 「ええい! 見せ場がないなら自分で作る! 最終回でいきなり空気キャラ降格など、寝言もいいところなのであーる! てっめぇーら全員いますぐ解体してやるからそこ一列並べぇ~い! と、咆哮する我輩ふと気づく。おんや……?」 G破壊ロボに搭載されたレーダーシステムが、不意にその到来――いや、飛来を察知した。 これより南の方角。空港の辺りより、なにものかが高速で接近してくる。 コンクリートジャングルを一直線に突き進むそれの速度は人間を超越しており、そしてなにより『高い』。 「……ふん。なるへそ、そういう展開であ~るか」 G破壊ロボの巨体が、ぐるりと南の空を向く。 その先、一直線に飛んでくる『敵機』の姿があった。 ――それは、〝猛禽類〟。 ――ラプターの愛称を持つ。 ――実戦経験はないが、現代最強クラスの戦闘翼。 ――鋭角的な機首、小さな操縦席、三角形の翼、二つの垂直尾翼。 ――刻まれしは『天海春香』、『765』、『PROJECT iM@S』などの刻印。 ――危なっかしくもあるけれど、いつでもポジティブに――少女の想いを重ねた新機軸の設計。 ――名称は、『F-22A -THE IDOLMASTER HARUKA-』。 ――アンドロイドの少女が操縦しているのだろうピンクカラーの……ステルス戦闘機だった。 「そういえば、アル・アジフが『戦闘機を乗り回す女子高生がいた』とかなんとか言っていたであるな。 あながちコント用のネタと切って捨てるべきではなかったということであるか。しかし、だからどうした! こちらは天下無敵のG破壊ロボ! たかが戦闘機の一機や二機、即座に粉砕☆玉砕☆大喝采なのであぁぁぁる!」 低空飛行で迫る戦闘機に先ほどのシャイニングフィンガーを叩き込まんと構えるG破壊ロボ。 敵機が機銃やミサイルを放ってこようと、G破壊ロボの装甲の前では無力。落とされる前にこちらが墜とす。 捨て身とも取れるが、これは過信ではない。自身が最高傑作の重装甲を確かに信頼しての、良策なのである。 しかし、 「……?」 どういうわけか、迫る戦闘機はミサイルの一発も撃ち込んでくる気配がない。 射程距離には入っているはずだ。まさかこちらのバリアを警戒しているわけでもないだろう。 ミサイルどころか機銃も発射してこない。そして飛行高度は、徐々に徐々に低くなっていっている。 ほとんど、地上の建物に激突せん勢いで――そこまで見極めて、ウェストはようやく気づいた。 敵の狙いは、突攻であると。 「なんと、カミカゼ・アタックとな!?」 【ドクター・ウェスト名語録《3》――「カミカゼ・アタック」】 のワの「わたし、転ぶのには慣れてますから! 転んでも怪我しないように、体が勝手に反応しちゃうんです! よっ、ほっ、はっ……おっ……とととと、と…………あ、ああっ、あ…………どんがらがっしゃーん」 並大抵の武器では効果がないと鑑み、敵はG破壊ロボに戦闘機を直接ぶつけてくるという暴挙に出た! こちらと拮抗するには、確かにそれくらいの大胆さが必要と言えよう。 操縦を務めているのも、おそらくはアンドロイド。玉砕前提の攻撃とて、向こう側にとっては痛手ではない。 「乗っているのが神崎黎人本人だったら、たいした大和魂だと褒めてやるところであるが……ふん。 気に食わん。実に気に食わんのである。機械は機械と。駒は駒にすぎないと。そう言いたいわけであるか……」 例の『言霊で部下を自我なき操り人形に変えた』という言も含め、神崎の本気が窺える戦術ではある。 しかし、いけ好かない。 自我を持つアンドロイドを単なる弾丸としか考えぬその所業、科学者であるウェストにとっては憤慨以外のなにものでもない。 もし、囚われのエルザが単なる駒として見られ、無碍に扱われでもしようものなら――。 「我輩激怒」 短く言い表し、ウェストは手元のコンソールパネルを開き操作し始めた。 怒涛のキータッチで、とあるプログラムを打ち込んでいく。 するとコクピットの天井からレバーが下がり、ウェストはこれに手をかけた。 戦闘機はその間にも高度を落とし続け、G破壊ロボとの距離を詰めている。 「凡人の戦術が、大天才である我輩の戦法を凌駕できると思うなよ」 相対距離はあとほんの数十メートルというところまで詰まり、それでもG破壊ロボは動かない。 これは諦観か。否。 回避を放棄し、防御に徹するために……動かないのだ。 上昇の予兆すら漂わせず、一目散に突っ込んでくる戦闘機。 その機首がついに、G破壊ロボに触れるか否かというタイミングで、 「イェェェェェスッ! オープン・ウェスト!」 ウェストは天井のレバーを思い切り倒し、秘蔵の回避プログラムを起動させた。 【ドクター・ウェスト名語録《4》――「オープン・ウェスト」】 合体ロボが合体するのは道理。合体ロボが分離するのもまた道理。分離からの再合体はロマン。 掛け声とともにレバーを倒すことで緊急分離プログラムを発動。G破壊ロボはバラバラになる。 背中に引っ付いていた改造トラック、ファイアーボンバー号が火を噴きながら天空へと上昇。 肩口に張り付いていた油圧ショベル、けろぴーがパワーアームの長さを調節しながら大地へ。 ボディとして覆いかぶさっていた機関車、トミーが元の形状に戻りつつ弾け跳ぶように離脱。 残されたミニマム破壊ロボはわずかに全長を低くし、頭の位置を通過しようとした敵戦闘機を両腕でキャッチ。 バーナー吹き荒れる戦闘機をそのまま馬力で押さえ込もうとするが、しかし上手くはいかずお手玉してしまう。 その絵はさながらうなぎ取りのようで、破壊ロボの寸胴なデザインも合わせると、ひどくコメディテイストだった。 「よっ、ほっ、はっ! うおおおおおおお、死なばもろとも~っ!」 【ドクター・ウェスト名語録《5》――「死なばもろとも~っ」】 とある大陸の伝説。ガソリンで動くマシーンが大型ミサイルをお手玉して相手に投げ返したとか。 男の子なら戦闘機の一つや二つ、爆発する前に受け止めてみせろということなのかもしれない。 ドクター・ウェスト魂の咆哮が響き渡り、破壊ロボの手中で戦闘機が大きく跳ねた。 博物館の展示品に収まるサイズの破壊ロボが、戦闘機をお手玉できるのはどういった理屈か。 それは気合や根性といった埒外のファクターが働いたわけでは、決してない。 すべてを可能にしているのは、破壊ロボの中枢に埋め込まれた動力炉代わりの宝具――『乖離剣・エア』の力なのだ! 『乖離剣・エア』ならば仕様がない。 破壊ロボはここ一番で本来以上のスペックを発揮し、神風突攻を仕掛けてきた戦闘機を、紙飛行機にように空へと投げ飛ばす。 すでに加速を失い、操縦も利かなくなっていたその機体は、すぐにバランスを維持できなくなり市街へと落下する。 結果、爆発。 モニターの奥のほうで爆炎が上がるのを確認し、ウェストは「絶景、絶景」と満悦に浸る。 決死の戦術は破られ、破壊ロボは未だ健在。ウェストは大勝利を収めたのだった。 「いやはやまったくもってご愁傷様神崎くんと言うほかないのであ~る。さて、ピンチも乗り切ったところで改めて合体を……うぬ?」 と、ウェストはそこで新事実を知る。 戦闘機飛来前に相対していた三体のアンドロイドの反応が、レーダーから消えている。 よもや逃げたのか? とウェストはこれを怪訝に思ったが、真相はどうやら違うらしく、アンドロイドたちの姿は別のところにあった。 ファイアーボンバー、けろぴー、トミーの、真下である。 「なんということでしょう(驚嘆)」 それは分離の際の幸運か不幸か、戦闘機の飛来により勝負を確信していたがための油断か。 空中での分離を果たしたG破壊ロボは、本体以外の三機が地上に着地した際、三体のアンドロイドを一体ずつ下敷きにしてしまったらしい。 改造済みのトラックとショベルカーと機関車である。 いくら頑丈なアンドロイドとはいえ、その重圧に耐えられるはずがなく、ボディはぺしゃんこ。 今は三体が三体とも、一切の機能を停止し、沈黙に伏している。 つまり――敵、残存兵力ゼロ。 ドクター・ウェストの前にはもう、敵の姿はなかった。 「ぬぅおおおおおおおおおおお! G破壊ロボのせっかくの出番がこれで終了とな!? まだまだ隠しウェポンは残っているのであるぞ! ええい、援軍! さっさと援軍を連れて来い! 我輩にもっとクライマックスを! 我輩とG破壊ロボに見せ場という名の愛をプリィィィィィズ!!」 魂の慟哭が空に響き渡る――その先。 ツインタワーの屋上では、真の主役がいよいよ、切り札を起動させようとしていた。 ・◆・◆・◆・ ツインタワー屋上。 広大なヘリポートとなっているその場所には今、多くの戦闘用アンドロイドたちがひしめき合い、大十字九郎とアル・アジフを包囲していた。 戦場を屋外に移したことで重火器も解禁。それぞれが多種多様に武装を果たし、最後の一手を詰めようとしている。 凶刃と凶弾を向けられる、そんな中で大十字九郎は思った。 「……なぁ、アル」 「どうした、九郎」 「少しおかしくねぇか? こいつら、本気で俺たちを殺しにかかってきてるような気がするんだが……」 「確かにな。だが、妾たちを害して困るのは他ならぬ神崎黎人のはず。それでも、四肢をもぐくらいのことはしてくるかもしれぬが」 「殺す気でかからなけりゃ、半殺しも難しいってか。高く買われたもんだぜ。ま、半分も殺されてやるつもりはねーけどよ」 それでこそだ、と傍らのアルから称賛を受け取る。その姿は依然、デフォルメモードだった。 九郎は右手に魔銃『クトゥグア』を持ち、周囲を取り囲むアンドロイドたちに応戦していたのだが、 その数も増してきた現状、一丁の銃で凌ぎきるというのももはや限界だった。 対多数を想定した武器、戦法がないわけではなかったが、それを行使・実行するためには条件がまだ揃い切らない。 「焦るでないぞ九郎。急いては事を仕損じる。この場はもうしばらく――」 「――踏ん張ってみせろ、男の子なら!」 九郎の叫びが号砲となり、銃を装備していたアンドロイドたちが数体、一斉射撃を始める。 『バルザイの偃月刀』で生み出す防御陣と『マギウス・ウイング』で形作った盾を駆使し、全方位からの攻撃に対応。 しかしそれは長く維持できるものではなく、また防御の隙を縫わんと、何体かのアンドロイドはブレードを振り翳し突撃してきた。 攻撃力のみならず、俊敏性も兼ね揃えた敵の近接格闘に『クトゥグア』の射撃を合わせるのも難しい。 目には目を、接近戦には接近戦をと、九郎は武装を拳銃から『バルザイの偃月刀』の方へとシフトさせる。 正面からやって来たアンドロイドの斬撃をまず一閃で薙ぎ払い、続けて後方から迫っていた二体の刃もこれで弾いていく。 味方が射程内にいる限りは、銃撃担当のアンドロイドたちも砲火を抑えるようだ。 それでも攻撃、離脱、即座の銃撃の流れに対応しきるのは至難と言え、九郎の体力は徐々に追い詰められていった。 敵の狙いも、もしかしたらこれなのかもしれない。 物量にものを言わせて攻め切ることも可能だが、あえてそれを行わず、時間をかけてじっくりと疲弊させていく。 もとより、来ヶ谷唯湖と美袋命以外の者が九郎やアルの命を奪ってしまっては、それは神崎にとっての大惨事となるのだ。 貴重な戦力をここで釘付けにし、基地への侵入を阻むというだけでも、作戦の成否としては上々と言えよう。 ならば、殺されることはないと高をくくり正面突破に躍り出るのも手ではある。 が、後々のことを考えれば、ここで傷を負いすぎるわけにはいかない。 手負いの鴨となってしまっては、それこそ敵拠点内で待ち受ける来ヶ谷唯湖に的撃ちされて終わりだ。 このまま消耗戦を続けるわけにはいかない――と、九郎は歯噛みしながら、ひたすらに好機を待った。 それを知らせる役目を担うのは、二人。 殺しても死なないという意味ではまあ信頼できるキ○ガイ科学者と、赤貧の辛さを共感しあったアイドルの女の子。 インカムを通じて齎されるはずの合図は、未だ。それでも九郎は防御と回避と反撃を繰り返し疲れを蓄積させていって、待つ。 (アレの起動さえ上手くいけば――!) 心の中で念じ、また振り翳された残撃を払う。 そのとき、ツインタワー付近の空で、轟音が響き渡った。 「な、なんだぁ!?」 南の方角を見やると、汚らしい花火が煙を焚いている光景が映った。 その瞬間を目撃するには至らなかったが、どうやら地上でなにかが爆散したようだ。 まさかウェストの破壊ロボが、と柄にもない心配をしてしまったことにはすぐさま首を振り、そして気づく。 その瞬間ばかりは、アンドロイドたちも攻勢をやめ九郎と同じ方角を見ていたことに。 やはり彼女たちは、単なるコンピュータではない。それなりの知能を持っているのだ――と。 『――応答せよ、大十字九郎! まことに遺憾であるが、我輩の活躍はこれにて一旦休止なのであーる! 残りはすべてそちらに回っただろうからして、きっちりかっちり始末をつけるのであるぞ! なに? 妙に優しいじゃないか、とな? か、勘違いしないでよね! 貴様を倒すのは我輩の役目だから――』 ドクター・ウェストからの緊急連絡が入ったが、必要な部分だけを聞いてすぐに通信を切った。 どうやら、階下での戦いは今の爆発を最後に決着したらしい。 残りの敵勢は九郎を取り囲む屋上のアンドロイド十数体と、ウェストの対応を諦め今まさに屋上へと向かっているだろう数体。 ならば後は、起動キーを持つ彼女に確認を取るだけだ。 「やよい! こっちの準備は整った、そっちはどうだ!?」 『うっうー! こっちも準備オッケーですっ。いつでも動かせますよ!』 インカムの向こうから、元気のいい返事が返ってくる。 九郎は一瞬、傍らのアルと視線を交し合い、揃って頷く。 これで、すべてが整った――。 「さぁ、こっからがクライマックスだ! 『アトラック=ナチャ』!!」 唱えた途端、九郎の髪が緑色に発光し、紐状になって屋上全域へと行き渡った。 紐――いや『糸』は辺りに散らばっていたアンドロイドたちの体に絡みつき、その身を拘束。 これこそが前述の対多数用戦法。捕縛結界魔法『アトラック=ナチャ』である。 「いよいよだ……詰めるぞ、九郎ッ!」 「応ッ! 『マギウス・ウイング』、展開ッ!!」 九郎を取り囲んでいたアンドロイドたちの身動きを封じ、さらに九郎は両翼を広げた。 そのまま真上に上昇。銃弾も届かないほどの高さまで飛翔し、停止。滞空しながら眼下を見る。 飛行手段を持たない戦闘アンドロイドたちは、飾り気のない表情で九郎とアルを見上げていた。 窺っているのだろう。 九郎がどんな手で打ってくるか。 撤退という可能性もあるいは踏まえているか。 否、大十字九郎は逃げも隠れもしない。 今この場で、アンドロイドたちは殲滅する。 そして、ツインタワーの地下から一番地に殴り込みをかけるのだ。 「目ん玉ひん剥いてよぉーく見やがれ! 大十字九郎とアル・アジフ、一世一代の大舞台だ!」 作戦に変更はない。必ず成功させる。 だからこそ、九郎はアンドロイドたちの注目をさらい――勝負を決すための祝詞を読み上げ始めた。 「――憎悪の空より来たりて!」 九郎を中心として描かれる、巨大な光線の魔法陣。 大空が轟き、軽い爆発が巻き起こった。 「正しき怒りを胸に――」 アンドロイドたちは皆、それを見上げることしかできない。 なにが起こるかは、データとして刻み付けられているのだろう。 「――我等は魔を断つ剣を執る」 ゆえに想像し、ゆえに警戒はする。が、おそらく対応策は持たない。 誰も想定の枠には入れていなかったから――それが召喚されるなど。 「汝、無垢なる刃――デモンベイン!」 鋼鉄を鎧い刃金を纏う神。 人が造りし神。 鬼械の神。 汝の名は、 I m innocent rage. I m innocent hatred. I m innocent sword. I m DEMONBANE. デモンベイン。 それは、魔を断つ者の名――。 ・◆・◆・◆・ 同時刻――。 星詠みの舞の舞台となった島の山頂、D-4のエリアより轟音が響き渡った。 あるシステムが発動されたがために、山の中枢部が大きく切り開かれ、その中身を露出させていく。 内部は無数の配線や鉄板、その他機械的な設備が多数見え隠れし、山内に生息する小動物たちを驚かせる。 召喚者の言霊を、鍵の所有者の意思を受けて、秘匿され続けていた機械が今、表舞台に現れた。 無骨で巨大な口。北東を一点に見据える黒い瞳。極めて機械的に動作する回路。 エネルギーは瞬く間に満ちていき、照準はとうに固定され、そして、起動する。 その名は――。 ・◆・◆・◆・ ――十秒、二十秒と待っても、変化は訪れなかった。 大十字九郎を中心として展開されていた魔法陣は既に消え失せ、今はなんの輝きもない。 なのに九郎は表情に微笑を浮かべ、パートナーのアル・アジフは傲岸に腕組みをして宙に佇んでいる。 ツインタワーの屋上からその様子を見上げるMYU型アンドロイド、十数体。 大十字九郎とアル・アジフの撃破、あるいは基地内潜入阻止を言い渡されたはずの彼女らは、ただただ待つ。 このままなにも起きず、九郎たちが下りて来ないというのであればそれでもよい。 彼らが戦線に加わらなければ、別ルートから攻め込んでくるだろう者たちの相手がそれだけ容易になる。 しかし、彼女たちとしては九郎が『デモンベイン』の名を告げたことだけが疑問だった。 詳細な資料を得ていたわけではないが、その存在はこれまでの九郎やアルの言動、エルザの情報から推察することができる。 彼らが元居た世界、アーカムシティという場所で猛威を振るっていた巨大人型兵器。 正しくは鬼械神(デウス・マキナ)という名称らしいそれは、此度の儀式には関わっていないはずである。 支給品や博物館の展示物、ましてやカジノの景品の中にも、その影は存在していなかった。 では、彼らはなにゆえデモンベインの名を呼んだりなどしたのだろうか? 考える――考え続ける――九郎にとっては唯一の懸念と言えたこのタイムラグを、『退避』ではなく『警戒』に使う。 それが、彼女たちの敗因。 精巧な機械人形であるがゆえの、失態。 九郎の策、というほどでもない『ハッタリ』にまんまと騙されてしまった、 「かかったな、アホが!」 どうしようもないミスが――南西からの号砲、という形で彼女たちを襲う。 島の山頂に隠されていた決戦のための秘密兵器。 原子力艦すら沈める超巨大大砲『青春砲』の直撃を受けて。 アンドロイドたちは、双頭の塔もろとも爆発し、地上に叩きつけられる。 ――九郎の眼下、『青春砲』の砲撃を受け、ツインタワーは倒壊した。 LIVE FOR YOU (舞台) 2 <前 後> LIVE FOR YOU (舞台) 4
https://w.atwiki.jp/chronica-note2/pages/27.html
■ガリアとは 「聖戦と死神」の舞台は、 Garia (ガリア)と総称される地方である。 作中で登場する国々や地名――たとえば Britannia や Preuzehn Aragón など、実在するこれらの名を見る限り、この<ガリア>は、我々の知る「ガリア」とそう違わない世界であると推測される。 つまり、アーベルジュが戦い抜けたこの世界は、我々の世界でいうヨーロッパと全く同じか、鏡像の関係にある世界と考えて差し支えないだろう。 このへん、あんまり深く考えると、本編の「黒の予言書」の世界観に引っかかってくるので、これ以上の言及は避けたい。まあ、ドナウ以西のヨーロッパ全土を舞台とした、架空のガリア軍記物と認識しておこう。 ※ちなみに、「ガリア」を辞書で調べると、 ――ローマ時代、ピレネー山脈とライン川の間のケルト人居住地域を呼んだラテン語の古地名。ほぼフランスの領域に当たる。ゴール。 (三省堂提供「大辞林 第二版」より) とある。その通りカエサルの「ガリア戦記」は限定された地域が舞台だが、 「聖戦と死神」では、イベリア半島以西、ブリテン島、北イタリアまでもが舞台になる。 ■いつ頃の話か 正直言って、特定するのは難しい。 騎士道華やかりし頃の「中世ヨーロッパ」と、漠然と考える方がいいだろう。 我々の世界のお話ならば、宗教の変移を観察するのも一つの手だが、「聖戦と死神」には、はっきりと国際宗教を匂わす描写が登場しない。 強いて挙げれば、フランドル帝国軍がブリタニアに進軍したとき連呼している「邪教の使徒は根絶やしにしろ」 というスローガン。 そしてブリタニア王国の 革命王女Rose Guine Avalon(ローザ・ギネ・アヴァロン)が、その決起の時、国民を前に光の女神 Brigid へ誓いを立てているシーンだ。 ブリギッドあるいはブリジッド神は、ケルト神話では火の女神である。後にイングランドを制圧したキリスト教会は、「邪教」ケルト神話の伝承を、遙かアイルランドの彼方へ駆逐してゆくが、ブリギッド信仰には手が出せず、聖ブリギッドとして教会の信仰体系に取り込んだ。 このあたりの描写から大雑把に考えると、 ブリタニアは大陸宗教に「帰依」しておらず、独自の神話を国民宗教として頂いていたようだ。 ところで、こうしてブリタニアを見ていると、ケルト神話とキリスト教が混在した形で複数の騎士物語を綴る世界、「アーサー王物語」をどうしても連想してしまう。ちょうど国もおなじだし、アヴァロンという響きもあり、何となく納得できそうな世界観ではある。 アーサー王のモデルといわれるローマ人総督アルトリウス(アルトリアでも可(;´Д`)は5~6世紀頃の人物だが、そこまで昔の話では無かろうから、カール大帝の活躍した8世紀あたりという線をひとつの候補に考えたい。 さらに時代を進めると、今度は十字軍のような聖俗一致の世界観になってしまうが、「聖戦」を「十字軍」に置き換えると、それも納得のいく時代である。イベリア半島にイスラム勢力がいないとなると、一四世紀も過ぎ、火砲がそろそろ出現する時代だ。中世の末期といってよい頃だが、これはこれで一つの候補であろう。 --- ブリタニアばかり見てきたが、Flandre(フランドル)王国もぼやけている。国王のChildebert(キルデベルト)6世は、国号を神聖フランドル帝国としているが、この逸話のモデルとして真っ先に思いつくのは、神聖ローマ帝国だろう。イメージとしては、そこれそフランク王国のカール大帝が再興した西ローマ帝国がしっくりくる。教皇の絶対権を後ろ盾に持ちながら、世俗権は皇帝が有するという、独特の支配体制だ。 神聖フランドル帝国の最大版図はすさまじく、文字通り ガリア 全土をほぼ攻略し尽くしている。まさにローマ帝国の再現。 後世(あるなら)の歴史好きの少年たちは、彗星のように現れ、嵐のように暴れ回った初代皇帝、聖キルデベルト6世の英雄譚を、目を輝かせて読み耽るに違いない。 ■登場する国々・地名 前項の考察により、このアーベルジュの戦いの舞台<ガリア>を、我々の知るヨーロッパ地理と同じと見なし、地図に大まかな予測をまとめてみた。 地図がヘボイのは容赦頂きたい。これでも戦地図含めて作成に4時間かかっている( ゚Д゚) さて、 ヨーロッパ地図で見てみると、これらの国々の位置関係は、現在の我々になじみのあるものとなる。 次頁にて、それらを一つずつ見ていきたい。 ↑TOPへ 次へ→