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148 :earth:2012/04/05(木) 23 11 16 日本帝国政府(正確には夢幻会)はあまり乗り気ではなかったが、最終的に津州皇国との国交を開いた。 異世界の国であるが、日本と津州は人種的にも、文化的にも近いものがあったので良い関係を築けるのではないかという声が 日本国内にはあった。 「異世界の国でも信頼できる国なら問題ない。平然と裏切ったり、俺達を下等な猿扱いする連中が闊歩する国よりかはマシだろう」 それが多くの日本人の意見だった。 世論の期待に押されるように日本政府は津州皇国の外交団が到着した際に大々的な歓迎式典を執り行い、世界最強国家の首都に 相応しい都市を目指して再開発が進められる帝都東京、そして工業地帯を見学してもらった。 多くの日本人からすれば好意によるものだったのだが、見学させられた津州皇国の人間達は日本がその圧倒的な生産力と技術力を 見せ付ける行為でしかなかった。 「これがこの国の底力とでも言うのか」 外交団の一員として参加していた皇国陸軍大尉・三笠光清は、宿泊先のホテルの部屋で日本帝国の力に恐怖さえ覚えた。 (近代化を開始して100年も経たないうちに、世界最強国家にまで上り詰める……冗談のような国だな) 陸軍工廠に並べられた多数の高性能戦車、自分達の世界では考えられないような巨大戦艦群、そして戦場の概念を根底から覆す 大規模な航空機部隊。トドメに大都市をただの1発で廃墟にしてしまう核爆弾。そしてそれらの兵器を満足に運用することを 可能にする圧倒的と言ってよい生産力と技術力。 それらは全て津州皇国にはないものだった。 (ゲート越しでも敵対できる国は無い。いやむしろ、彼らの力を利用して津州皇国を強くする必要がある) このような衝撃を受けたのは彼だけではない。 外交団は勿論、詳細な情報を受け取った津州皇国政府首脳も巨大な衝撃を受けていた。 ゲート越しとは言え、どの列強よりも強大な国家が隣り合ったようなものなのだ。幸い友好関係は築けそうだが、それでも この新たな隣国を脅威と見ない人間はいない。 おまけにゲートの出現と共に、エネルギーの流れに変化が生じたのか津州皇国が切り札と考えていたG動力の研究は半ば 頓挫しかけていた。 「どうしたものか……」 津州皇国政府関係者の苦悩は深い。 だがそれ以上に苦悩が深まる者達もいた。そう、津州皇国に復讐を誓う者達だ。 彼らは圧倒的と言っても良い隣国、それも津州皇国とよく似た国家の存在が自分達の目的を阻害するのではないかと 気が気でなかった。 「列強を結集しても勝てるかどうか」 世界最大国家であるヴェラヤノーチ帝国の皇帝に取り入った男・コロトコフは苦い顔だった。 「日本帝国と津州皇国の分断、そしてこちら側の列強を集結させての対日、対津同盟が必要になるか。出来ることなら 日本帝国側の世界の列強とも関係を築ければ良いのだが……」 彼の暗い情念が実を結ぶか、それは誰にも判らなかった。
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「かがみ~、あそぼ~よ~」 「ちょっと待って、今からこっち片付けないといけないんだから」 「え~」 そう言って唇を尖らせるこなた。そんなこなたを見て、かがみは苦笑しながら、 「後で遊んであげるから」 と、ポンポンと頭を軽く叩きました。 くすぐったそうに目を細めるこなた。頭に生えている狐の耳がピクピクと動きました。 そんな、2人の日常です。 助けた狐が人間になった。かがみも、そしてその家族も最初は驚きました。 ですが、昔から狐は何かに化ける動物と言われています。 なので、神社を営んでいるかがみの家の人達は、それを狐の恩返しと、解釈しました。 一方、狐であったこなたは、何故、人間になれたのか?そんなことは一切気にせず、ここぞとばかりにかがみに甘えてくるようになりました。 「かがみ~、あの時は助けてくれてありがと」 そう言ってかがみに擦り寄るこなた。ですが、こなたの中で2箇所、人間になりきれていない所がありました。それは、耳と尾です。 どういう訳か、狐の耳と尻尾だけは消えることなく、こなたの頭と腰の辺りから生えていました。 なので、こなたがかがみに擦り寄ると、ふさふさと毛が生えた耳や尾がかがみに当るわけで、 「ちょ、くすぐったいってば」 「んふふ~。か~がみん♪」 それでも、嬉しそうにしているこなたを見ると、ついつい口元を緩めてしまうのでした。 「あんまり足を動かすんじゃないわよ」 かがみが言うと、こなたは、は~い、と返事をしました。 人間になっても、足に負った怪我は治ってなくて、まだ包帯を巻いています。包帯を替えるのはかがみと、双子の妹のつかさの役目でした。 そのつかさは、今、かがみと一緒に神社の境内の掃除をしています。 サッサッ、とかがみが竹箒で石畳を掃き、つかさが一箇所に纏める。木々が多いここでは、必然、ゴミは落ち葉が主体になります。 はじめは、かがみが後で遊んでくれると言ってくれたので、こなたもおとなしく階段に腰をかけ、足をぶらぶらさせていました。 しかし段々と積もっていく葉っぱの山を見て、悪戯を思いついたのか、ニヤリと笑うと2人に気付かれないようにそっと、立ち上がりました。 「お姉ちゃん、これぐらいでいいかな?」 一通り境内を掃き終えて、かがみが、ふぅ、と息をついたところでつかさが話しかけました。かがみは辺りを見渡して、 「そうね。屋台の設営場所とかが綺麗になっていれば、とりあえずはいいと思う」 その時です。掃き溜めた山から一抱え葉っぱを持ってきたこなたが、2人に勢い良く、それを被せました。 「わっ!?」 「きゃっ!?」 狼狽する2人を見て、こなたはニコッと笑うと、 「驚いた?」 「~~~っ、こなた~っ!!」 かがみが、勢い良く拳を振り上げると、こなたは「かがみが怒った~っ」と、楽しそうに逃げ回り始めました。 「待ちなさいっ、こなたっ!!」 追いかけるかがみ。ですが、こなたの足は早く、また、元が狐なためか非常に俊敏で、中々捕まりません。 「ここまで、おい……痛っ!」 と、突然うずくまったこなた。かがみが追いつくとこなたは足を押さえ込んでいます。 「痛いよ~、かがみ~」 「はぁ……だからあんまり足を動かすなって言っといたのに――ほら」 一つ息をついて、かがみはこなたの肩と腰を抱えると持ち上げました。 「傷口が開いちゃってるか、ちょっと包帯外して見てみなくちゃね」 「うぅ~……」 ショボン、と目じりを下げるこなた。それと一緒に耳もぺたんと寝てしまいました。 「全く、なんであんなことしたのよ」 かがみが言っても、こなたは目を合わせようとはしません。不安そうに尻尾が揺れているだけです。 そんなこなたの様子を見てつかさが助け舟を出しました。 「きっと、見ているだけで退屈だったんだよ。ね?こなちゃん」 「……そうなの?」 かがみがこなたの瞳を覗き込むと、不安そうに揺れていたそれを伏せて、コクン、と頷くと、 「だって、後で、って言ったのに、かがみ全然遊んでくれないんだもん」 寂しそうに、そう呟きました。 そんなこなたの様子に、つかさは苦笑しながらかがみの方を向いて、 「ここは後、私がやっておくから、お姉ちゃんはこなちゃんをお願いしてもいいかな」 と言いました。それを聞いてこなたは顔を上げると、 「かがみ……?」 「……分かったわよ。ほら、こなた、つかさにお礼言いなさい」 「うん。つかさ、ありがと」 「ううん。気にしないでいいよ」 そして、つかさを残して、2人は家の方へと戻りました。 「はい、じゃあ、足を見せて」 かがみがそう言うと、こなたは借りている巫女服の袴の裾を持ち上げて、傷口が見えるようにしました。 「あ~、やっぱり、ちょっと傷口開いちゃってる」 ちょっと待ってて、と言うとかがみは家の奥の方へと引っ込んで行きました。後に残されたこなたは特にすることもなく、畳敷きの部屋の中を見渡しています。と、 「あら、こなたちゃんじゃない」 かがみが向かった方とは別の方から、かがみのお母さんの柊みきが盆にお茶とお菓子を乗せて現れました。 「あ、おば……」 さん、と言おうとした時、一瞬背筋が寒くなった気がしたので、こなたは会釈をしておくだけに留めて置きました。 みきは、盆を傍の机に置くとにっこりと微笑んで、 「こなたちゃんも、大分人間の言葉について覚えてきたようね」 と言いました。 「ところで、こんな所でどうしたの?かがみとつかさは?」 みきが不思議そうに呟くと、こなたは足元の傷口を指しました。それを見て、みきは納得したようで成る程、と頷きました。 「痛くない?大丈夫?」 と、聞かれて、少しこなたは後ろに下がりました。 「どうしたの?」 みきが訝しげに眉を顰めます。こなたは、耳と尾の毛をピンと張り詰めさせて、 「人間は、嫌い」 と、言って四つん這いになると、姿勢を低くし警戒の意を示しました。 それを見て、みきは苦笑すると、 「あらあら。どうして?」 「だって、人間は私達を罠にかけたり、大きな音を出す棒を持って追い立てるから」 こなたは、更に姿勢を低くして、唸り声を上げました。その様は、人間になった狐といった佇まいは消えて、元の子狐のようにも見えます。 ですが、みきは、その様子を見ても動じません。ふっと笑うと、 「じゃあ、かがみは?」 と、聞きました。 すると、こなたの張り詰めていた緊張がほぐれ、立っていた毛も元通りにぺしゃりと寝ました。頭頂の一房だけは立ったままでしたが。 「かがみは、好き。人間だけど、優しいし。ツンデレだし」 「え~と……それは狐の言葉、なのかしら?」 「それにね、かがみといると、温かい。ずっと一緒にいたいって思える」 そこまで言って、でも、とこなたの耳がぺしゃっと寝ました。 「かがみは、私のこと、どう思ってるのか分からない。私、迷惑かけちゃってるよね。自分勝手な狐だし、怪我もしてるし……でも、かがみといると楽しいから、だから……」 ぐすっ、と鼻を啜り上げ始めたこなたを、みきは制しました。そして、 「大丈夫よ、こなたちゃん。かがみは素直じゃない所もあるけど、きっと」 「きっと?」 それには答えず、みきは目線を横にずらしました。つられて、こなたもそちらを見ます。すると、 「ゴメン、お待たせ。中々替えの包帯が見当たらなくて。あれ?お母さん?」 かがみが戻ってきました。みきの姿に一瞬訝りましたが、直ぐにこなたのところに向き直ると、 「大丈夫?痛くない?直ぐに包帯を替えるから」 そう言ってこなたの足元を優しく両手で包みました。はっとして、こなたがみきを見ると、みきは微かに頷きました。 「あ、そうそう。かがみ、包帯を替えるなら先にお風呂に入れちゃったほうがいいわよ?」 「それもそうね。傷回りも洗わないとだし」 「……え?」 「こらっ、こなた!暴れないの!!」 「ちょっ、かがみ!?ダメ、お湯だけはダメ!!」 お風呂場、ちょっと早い入浴です。 かがみはこなたをお風呂に入れようと持ち上げますが、こなたは暴れて抵抗します。 「ヤダッ!毛が濡れると気持ち悪いんだよ?」 「ダ~メ。清潔にしないと傷の治りが遅くなるわよ」 お互いに一歩も譲りません。狭い浴場の中をじりじりとにらみ合いながらこなたとかがみは間合いを計ります。 これは、こなたが人間の姿になった初日から続く戦いです。元々、狐であるこなたは毛が濡れる事を極端に嫌います。人間の姿になってもそれは変わらなかったようです。 しかし、元は野生の子狐。外に出れば泥だらけになるまで駆けずり回ります。それで家に上がられては困ると、無理を承知でこなたをお風呂に入れるのです。 「うぅ~……かがみにはあの気持ち悪さが分からないんだよ」 こなたが呟くと、かがみは組んでいた腕を解いて、 「そうね、そんなに嫌なら強制するのも悪いかしら」 と言いました。それを聞いてこなたも、ほぅ、と息を吐きました。 「良かった……」 無い胸をなでおろしたこなたを見て、かがみは少しだけ微笑みました。 「ちょっとこなた、こっち来なさい。頭撫でてあげるから」 「ホントッ!」 疑うことなく、こなたはかがみの胸に飛び込みました。お風呂場なのでお互い何も身につけていない状態です。ポフッ、と音がしました。 「ん~、かがみん柔らかい」 「く、くすぐったいってば」 すりすりと頬と耳をかがみに擦り付けるこなた。その時です、密着した状態のこなたの背中にかがみは右腕を回しました。 「ほぇ?」 しっかりと捕まえて離しません。そして、かがみの左手にはお湯の入った桶。 「ぁぁぁあっ!?」 ザパッとこなたの頭からお湯をかけました。 「うみゅぅ~!?」 そして、こなたが逃げないように両足で挟み込むと布に石鹸を絡ませてこなたの背中を洗い始めました。 「ちょ、か、がみ……ぁ」 「じっとしてなさいよ」 背中を流し、尻尾の付け根へ。すると、こなたの体がピクっと硬直しました。 「じっとしてなさいって」 丁寧に、丁寧に尻尾周りを洗います。最初は強張っていたこなたの体も段々と緊張がほぐれてきました。 「次、頭洗うわよ~」 かがみの声が届いていないのか、こなたは何も答えませんでした。それを肯定の意と取って、こなたの髪の毛に石鹸を絡ませます。 耳に泡が入らないように気をつけて、ゆっくりと。 「(あ、耳がぴくぴくしてる)」 こなたは先程から俯いたままで、その表情は分かりません。ですが、ぴくぴく動く耳を見ると、きっと気持ちいいんだろう、とかがみは思いました。 そっと、こなたの耳に手を当てます。 「(うわ、狐の耳って柔らかい……)」 ふわふわでもふもふ。そしてぴくぴく動く耳。ゆっくりと、毛並みに沿って指を滑らせます。 こなたの体がまた強張りました。 「こなた……?」 流石に心配になってこなたの顔を覗き込むと、潤んだ瞳と目が合いました。 心なしか、こなたの息遣いも荒くなっているみたいです。 こなたは、かがみを潤んだ瞳で見上げると微かな声で、 「かがみ、ずるいよ……そんなことされたら、私、私……」 そう言ってこなたは尻尾をかがみの体に巻きつけました。そして、ゆっくりと、顔を近づけていきます。 かがみも、こなたにあわせるように顔を近づけます。こなたが、目を閉じました。 そして、 「にゃぅあ!?」 頭の上から、またお湯をかけました。 「はい、頭洗い終わったわよ」 「うぅぅ~……」 お風呂に入った後は、かがみの部屋に行って足の包帯の付け替えです。 お風呂に入って毛が濡れたことが相当嫌だったのか、こなたはかがみの布団に丸まって唸り声を上げ続けています。 「ちょっとこなた、いい加減機嫌直しなさいよ」 かがみが言うのに、プイと横を向いて。 「フンだ。かがみひどいよ。頭撫でてくれるって嘘までついてさ」 と言った時です。こなたの頭をフワ、と撫でるものがありました。 「……嘘は、言ってないわよ?」 こなたが顔を上げると、ちょっと困ったような、微笑んだような、かがみの顔がありました。 かがみはこなたを布団から持ち上げると後ろから抱え込むようにしました。 そして、そのまま、また頭を撫でます。 「嫌だったお風呂、頑張ったからね。ご褒美」 「かがみ……」 また、耳がぴくぴくと動き、尾がパタパタ跳ねます。短い付き合いですが、かがみには、これがこなたの喜んでいる証だと、分かりました。 ゆっくり、ゆっくり、こなたの蒼い髪の毛を撫で梳き、耳をかいてあげます。 気持ち良さそうに、こなたは目を瞑りました。 「包帯替えるの、後でいい?」 かがみが言いました。 「もう少し、こうしていたいから」 「うん」 こなたは頷きました。そして、かがみの方を向いて、その頬をペロリ、と舐めました。 「かがみ……好きだよ」 プロジェクト・こなかが 外伝『子狐こなたんの物語』(完結)へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-02-24 17 44 22) これヤバい マジでこなた萌えるわ -- 名無しさん (2012-07-20 08 18 56) 子ぎつねこなたんが一家に一人ずついたら、きっと世界から争いは無くなることでしょう GJな作品ごちそうさまでしたm(_ _)m -- 名無しさん (2008-09-03 18 46 07) かわゆいいいいい!!!!子ぎつねこなたん可愛すぎるうううっっっっ!!!!!…萌えまくったw -- 名無しさん (2008-06-20 01 19 58) やべぇ…最高ww続き大いに期待!! -- 名無しさん (2008-06-05 01 11 53) い、いけない現代かがみがみたら無事ではすまないぞ -- 名無しさん (2008-05-29 20 21 03) ? 子ぎつねこなたんかわいいよww現代のかがみが見たら、間違いなくさらっていくだろうw誰か絵書いてくれないかな… -- 名無しさん (2008-05-19 17 56 34)
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●ミドル1「作戦会議」のつづき 登場:ザニア、全員登場 舞台:ベイカーの屋敷、会議室 概要:PC達が、 ①住民を避難させ、ベスリクム要塞に篭城する ②メンバーを厳選して、敵兵糧庫を襲撃する という事を決めたらシーン終了です。 作戦会議は難航している。// 【ザニア】:では「おやおや、青臭いですか?」と昨日のラティアに微笑みで応えてから、 【ザニア】:「食料庫には、私が行きましょう」と平然と言ってのけよう 【ケネシュ】:「それじゃ防衛の指揮はだれが取るの? あなたは砦に入った方がいいと思うのだけど」>ザニア 【ザニア】:「そうですねえ、ナノカさんと‥‥後二人、付いて来て下さい」 【ナノカ】:無言でスッとザニアの横に。 【カリス】:「では俺も行きます」>ザニア 【クリシー】:「あたしも一応シーフだし、潜入破壊工作組かな」 【ザニア】:「では、クリシーとカリスにお願いします」 【ケネシュ】:「人手を割けるのはそのくらいね。あとはカイン卿の軍勢を引き付ける係、ね」 【ザニア】:「気になることがあるのですよ」>ケネシュ 【ケネシュ】:「? なにかしら?」>ザニア 【ザニア】:「あのアーロンという男の存在が無かったなら、仰るように砦で大人しく引き篭もってるんですが」 【ラティア】:「‥‥‥‥」 無言。ザニアを観察。 【クリシー】:「ほんとはあのカインと勝負付けしたいとこだけど‥‥ま、それは後のお楽しみってことだね」>カリス 【カリス】:「あぁ‥‥うん、そうだね」歯切れ悪く>クリシー 【カリス】:「今回限りであきらめてくれればよし、そうでなければまた次があるさ、きっと」<カイン 【フレリア】:「ねー、いちいちそんな面倒なことしないでもさーぁっ」 空気読めない子w 【フレリア】:「ザニアが石でどっかーん!って殲滅しちゃえばいーじゃーんっ」 【ケネシュ】:「できるだけ石に頼ったやり方はしたくないのよ、ザニア様は」>フレリア 【カリス】:「シセ、あんまり無理するんじゃないぞ」 かがんで目線を合わせてw>シセ 【カリス】:「ラティア様やケネシュさんの言うことを聞いて、怪我しないようにな」 【シセ】:「うん。みんな‥‥気をつけてね! ボクはここを絶対守って見せるから!」>カリス 【カリス】:「ああ、任せた」ぽん、と肩を叩く>シセ 【ザニア】:そんな様子を微笑ましげに眺めた後、 【ザニア】:「所でディーンはまだあんな調子ですか?」 【カリス】:「えぇ、まぁ‥‥」<ディーン 【カリス】:「砦防衛には向いていると思うんですけど、あの様子では正直心もとないですね」>ザニア 【ナノカ】:「Neet. “糸の切れた凧”というキーワードが似合う男として、初登場で堂々のランキング入りです」 【ナノカ】:「クリスティナ様も調子を崩されている、とナノカは判断いたします。――御二人は戦力外かと」 【ザニア】:「‥‥仕方ありませんね。言い方はきついですが、足手纏いと判断せざるを得ません」 【ザニア】:「民間人としてレイドに残って貰いましょう」 【GM】:では、扉の外で物音がして、誰かが走り去ったようです。 【ラティア】:「‥‥意地が悪いね、若様?」 にやり。ワザと聞かせるつもりで云ったろう?w 【ラティア】:「お優しいこって」 【ザニア】:「いつも鞭はナノカさんに任せっきりでしたからね?」 【ナノカ】:「?」 きょとん。 【クリシー】:「ふふふ」とナノカの頭をかいぐりかいぐりします。 【ケネシュ】:「ふふ‥‥では方針も決まったことだし、行動に移りましょう」 【GM】:では、シーンを切ります。 ●ミドル2「騎士と軍師」 マスターシーン:PC登場不可 舞台:レイウォール軍陣営 天幕の中でカインとアーロンが話し合っている。 その様子はとても友好的とは思えない。 【GM/アーロン】:「どうあっても、現地民から食料調達は行わないので?」 【GM/カイン】:「フン、食料調達、か。体の良い略奪行為ではないか」 【GM/カイン】:「島の民に罪は無い。そのような事をする訳には行かんな」 【GM/アーロン】:「持ってきた兵糧はあまり長くは持ちませんよ。長期戦になれば兵の士気に関わりますがねぇ」 【GM/カイン】:「わかっている。要はさっさと落とせばよいのだろう」 【GM/アーロン】:「敵はおそらくベスリクム砦に立てこもるはずですよ」 【GM/アーロン】:「あそこは難所でしてねぇ。騎馬では行軍が難しいでしょう」 【GM/アーロン】:「地の利を取られ、数の利も生かせないとなると‥‥ねぇ?」 【GM/アーロン】:「食料調達か、もしくは、夜陰に乗じて奇襲をかける事をお勧めしますよ」 【GM/カイン】:「馬鹿なことを。御喋りは終わりだ。明日に備えさせてもらおう」 カインは天幕を退出する。残されたアーロンは芝居がかった仕草で肩をすくめる。 【GM/アーロン】:(やれやれ、所詮は猪武者か。この戦、先が見えましたかねぇ) 【GM/アーロン】:(このままではボーナスゲーム過ぎますか。ワタクシも脇役なりに、少し頑張るとしましょうか) 【GM】:では、シーンを切ります。 【GM】:さて、ここからはお伝えしたとおり、PC同士で死にフラグを立てあうシーンになりますw 【ラティア】:んじゃ、あたしもシーン欲しいな。GMさん。 【ラティア】:若様を訪ねて、オジュロー様を忍びつつ杯を交わしておきたいの~w 【GM】:うい。どうぞ。 ●ミドル3 シーンPC:ラティア=Es=ロスベルク 登場は自由。 深夜のベスリクム城塞。明日の早朝に敵軍の総攻撃が控えていることもあり、緊張に包まれている。 【ザニア】:終始忙しくしてますよー。入念なチェックに余念がありません 【ザニア】:でも深夜になれば流石に部屋にいますw ようやく指示を出し終わって。ザニアが自室に戻ってきたとき。 【ラティア】:「や。お疲れさん」 すでに部屋の中に勝手にあがりこんでるw 【ザニア】:「‥‥ここ、一応男性の部屋なんですけども?」 呆れ顔w 【ザニア】:「少しは女性として躊躇というものは無いんですか」 とは言うものの半分以上諦めてる 【ラティア】:「ふふん」 ザニアをじーっと観察。上から下まで。じっくりと。「‥‥不合格」 【ザニア】:「勝手に上がりこまれた挙句、一方的に貶されてるように感じるのは気のせいですかね」 やれやれ、と。 【ラティア】:「ちょっとね。若様の顔を見にきたんだよ」 【ザニア】:「顔?」 【ザニア】:「そんなもの、今更珍しくも無いでしょう」 やや視線を背けて。 【ラティア】:「相変わらず素直じゃないね」 ふふふ。「可愛いよ」 【ザニア】:暫しじっと黙る。その意味を推し量るように。 +舞台裏 【GM】:何だ、このアダルト空間!?w 【ラティア】:あ、乱入OKよん?w 【ザニア】:楽しませていただいておりますw 【GM】:外野から堪能しますw 【ケネシュ】:うんうんw 【ラティア】:「若様。‥‥ザニアくん。もう人前で泣ける立場じゃないでしょ。だから、あたしが、ね?」 【ザニア】:「何を言い出すと思えば。明日がどんな日だと思ってるんです。泣きませんよ」 【ザニア】:「今、そんな事が許される訳が無いでしょう」 【ラティア】:「あたしが許すさ」 【ザニア】:「父上が死んでも、泣きませんでしたよ?」 【ラティア】:「あたしだって泣いてない」 そっと歩み寄り。ザニアの頬に手を添えて。「だろう?」 にやり。 【ザニア】:一瞬どきりとするけど、つとめて冷静に!w 【ザニア】:「はは、今頃父上が寂しがってたりしますかね」 【ラティア】:「――合格」 くすくす。「流石に動じなくなったね。最初に会った頃の素直なザニアくんが懐かしいや」 【ラティア】:「あたしが『今日から来ました美人家庭教師のお姉さんでーす! 手ェ出してもいいけど籍は入れないよ!』」 【ラティア】:「『あんたのお父様と添い遂げる予定だからっ!!』って挨拶したら、ザニアくんマジ引きしてたじゃない」 くすくす。 【ザニア】:「十年も前と一緒にしないで下さいよ。――そういう貴女は、変わりありませんね。ラティア」 【ラティア】:「キミは変わったよ。ザニアくん。――大人になった」 【ラティア】:そっとザニアの背中に柔らかい重みが。「イイ男に、なったよ」 【ラティア】:ここでシーンが閉じますw 【GM】:では、シーンを切ります。 【ザニア】:お、こういうシメもいいなぁ。 【ラティア】:ふぅ。し、死亡フラグって難しいねぇ‥‥?w 【ケネシュ】:あれだけ好き勝手やっておいて!w 【ケネシュ】:いじめっこめ‥‥w!>ラティアさん 【GM】:別に死亡フラグでなくてもいいですよw 【ケネシュ】:朝まで語り合ってもらっても構いませんことよ?w 【ラティア】:若様を独占しちゃうと、他のPC辛くない? 【ケネシュ】:他のPCの用事が全て終わって最後にこのシーン、でしょう。 【GM】:その辺りは後で考えればよし! 【GM】:次は誰が行きますか? 【カリス】:じゃ、いきまーす(挙手) フレリアに協力をお願いしよう。 【フレリア】:およばれしまーす! ●ミドル4 シーンPL:カリスウェート=クエリアス 登場は自由。 レイド島民たちの砦への避難誘導も終わり、まずは一仕事終わったかな、という頃。 砦の中では防衛の準備をしている男たちを、カリスが窓からぼんやりと見ている‥‥ 【カリス】:「‥‥やっぱり、ダメなのかな」 【フレリア】:「何が?」 背後から超唐突に登場っ! 【カリス】:「っふぁっ!?」思わず、素っ頓狂な声が出てしまう カリスが振り返ると。そこに立つのは一人の少女。 最近、ラティアらに連れてこられたフレリア=ロストハーヴェンだ。 妙にザニアの周りをうろちょろしている、カリスにとっては目障りな存在かもしれないw 【カリス】:「び、びっくりした‥‥えっと、フレリアさん、だっけ」 【カリス】:まだしっかりとは覚えてなさそうに 【フレリア】:「そ、フレリア。覚えにくい名前でもないでしょー。忘れちゃ怒るわよっ」 【カリス】:「忘れてるんじゃなくて、覚えてなかっただけだ」ぷいw 【フレリア】:「あ、冷たーい」 むすっ 【フレリア】:でもコロっと表情は戻ってw 「で、何がダメだって? 明日のコト?」 【カリス】:「みんなちゃんと準備してくれているし、明日のことは大丈夫だよ」 【カリス】:(小声で)「‥‥俺はこっちに残るわけじゃないしね」 【フレリア】:「もしかして砦チームの方に入りたかったの?」 【カリス】:「いや、そんなんじゃない。むしろほっとしてるくらいだよ」 【フレリア】:「あーあ、竜輝石と一緒なんてあたしが代わって欲しいくらいなんだけどなー」 【カリス】:「‥‥フレリアさん、はさ」 【カリス】:「仮に、男だったら‥‥とか、思ったことはない?」 【カリス】:じ、と下で働いている自警団の男の人を見ながら 【フレリア】:「え、何それ。ちーっとも?」 【カリス】:「もし自分が今とは違う立場だったら、とか。もし、もし、もし‥‥」 【フレリア】:「言っとくけどあたしはそんじょそこらの男に引けは取らないわよっ?」 【カリス】:「引けを取らないことだったらいいんだ」 【カリス】:「でもどんなに頑張ってもどうしようもないこともある。‥‥昼間、カイン卿にそんなことを言われてね」 +舞台裏 【カリス】:ごめんねー、答えようのない悩みでw 【ラティア】:いいセリフがあるよ、フレリアちゃん。 【ラティア】:「やれ」 【ラティア】:「いいからやれ」w 【フレリア】:アネゴ直伝だねっ☆ 【フレリア】:「何、そんなくだらない事でうじうじ悩んでる訳?」 一蹴した。 【カリス】:「悩みたくもなるさ。いつも考えないようにしてたからなー」 【フレリア】:「どうしようもないの? 本当にそれは」 【フレリア】:「ハタから解決のしようが無いものってもしかして決め付けてない?」 【カリス】:「たぶんね。魚に空を飛べっていうようなものだから」 【フレリア】:「じゃあ飛んじゃうといいよ!」 即答。 【カリス】:「! ‥‥そんな馬鹿なこと」 【フレリア】:「海しか知らない魚が空を知ったら、きっと凄く興奮すると思うけどなー」 【フレリア】:「あのね。ダメなものはダメって決め付けちゃダメなのよ!」 【フレリア】:指をびしっとカリスの顔面に近づけてw 【カリス】:「‥‥」突きつけられてw 【フレリア】:「いいからやるの。分かった?」 ラティアのアネゴ直伝。 【カリス】:「‥‥あ。う、うん」 【カリス】:なんかこう、素直にお返事w 【フレリア】:「うし。それでいいのよ」 満足げに頷くw +舞台裏 【ラティア】:フレリアちゃん前向きでいいなぁw 【カリス】:「ほんとにw それ期待して鬱屈させたともいうけどw 【ラティア】:他の連中だと、ロクなリアクションしそうにないからね‥‥w>鬱屈 【クリシー】:ここで乱入してもいいか? > カリス 【カリス】:どうぞ、構いませんぜw 【クリシー】:「んー、何難しい話してんだい?」と乱入。 【フレリア】:「あ、クリシー!」 【カリス】:「く、クリシー? あ、えーと‥‥」とフレリアのほうを見るw 【クリシー】:「悩み事があったらお姉さんに何でも話してみなさい」 【フレリア】:「その逆よー。難しく考えすぎてもいいこと無いよって話をしてただけー」 【カリス】:「そう、何でもないから!」>クリシー 【カリス】:「俺、やること思い出したんで!」と言って立ち去り際に 【カリス】:「助かった。‥‥サンキュ」>フレリア 【カリス】:と言ってシーンから退場(あとはおまかせー/すたこら)w 【フレリア】:「ん」 にっかり笑顔で受け止めようw 【クリシー】:「ふふ‥‥ま、悩んで考えるのが人間の特権だから、ね」と一瞬だけ真面目な表情で 【ナノカ】:「そうなのですか」 いつの間にか、カリスの代わりにクリシーの前に立ってw 【フレリア】:「クリシー? どっかした?」 【フレリア】:「うわ、神出鬼没ナノカちゃん!」 【ナノカ】:「人間以外は悩むべきではないのでしょうか」 【クリシー】:「ナノカも何か悩むことがあるのかい?」と頭を撫でます 【ナノカ】:「Neet. ディーン様とクリスティナ様に関することですが‥‥」 【ナノカ】:ここでシーンを斬りましょうか。ずばっとw 【ナノカ】:あとはEDで。 【クリシー】:切りましょう 【GM】:では、シーンを切ります。 【GM】:今日はここまで。お疲れ様でした。 【フレリア】:ほほーい! 【カリス】:おつかれさまー。 【ナノカ】:おつかれさまです。 【クリシー】:お疲れ様でしたー 【ナノカ】:次回は来週火曜日の22:00~ですね。 【GM】:はい。次回もよろしく。 キャンペーン本編に戻る 第5話へ 続き
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================================================== 「脱原発の日実行委員会」週報 11月19日号 長文につき2度に分けて掲載/2 =========================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★浜岡原発関連サイト更新情報★ ○保安院見解「東海地震にも耐える」に異議あり! 東井怜 地震が起きてはじめて地震波の異常増幅が判明した浜岡原発。その理由も未解明のまま「東海地震にも耐える」と16日、保安院が見解表明。そこには幾つもの無理が… 原発の耐震設計審査指針が改訂されてから4年が過ぎた。営業運転中の原発に対しても耐震性の見直し(バックチェック)が指示され、それぞれ設計時より大幅に厳しくした地震動(揺れ)に耐えられることを示し、それを行政庁(原子力安全・保安院)が審議、確認作業を行っている。 想定東海地震の震源直上に建ててしまった中部電力浜岡原発は、世界でもっとも危険な立地であり、地震が発生する前に運転停止するよう各方面から声が上がっている。 これに自然からの後押しが加わり、浜岡原発の耐震見直し作業は次々と障害に見舞われ、未だに新しい地震動も決まらない。とりわけ昨年8月11日の駿河湾地震により最新の5号機では想定外の異常増幅が観測され、地震時に自動停止したままだ。地元静岡県は、東海地震に耐えられると国が保証することを運転再開の条件としている。 保安院は昨日(11月16日)、この5号機の運転再開に関する保安院見解案をまとめ、バックチェックを審議する委員会(略称合同W)に提出、その場で概ね合意を得てしまった。多少の修正を事務局で行うことと、もうひとつの審議会(略称構造W)で構造強度の審議を受けることが次の課題とされた。 しかし保安院の見解案は、それら構造強度上の結論をも先取りして「仮想的東海地震(後述)に対して増幅を考慮したとしても重要な施設の機能維持に支障がないものと考える」と結論付けるという非常な勇み足だ。 ともかく結論ありきで、静岡県の条件に応えるためという意図が見え見えだ。保安院はすこぶる協力的で、中電がよほど泣きついたのかと思わせるほど。 そもそも保安院は駿河湾地震において観測された5号機の増幅要因を分析し報告するよう自ら課しており、それはまだ緒についたばかりだ。なにしろわずか400mしか離れていない4号機の2倍半を越える揺れを観測した。 中部電力は地下300m前後に埋め込まれた「低速度帯」の存在が、凸レンズのように地震波を収束させたものと推定しているが、検証が足りないことを委員から多々指摘されている。そこで敷地内を中心に年度末までの予定でさらなる地下特性調査を実施中、保安院はその結果を待たなければ信頼性ある解析はできないとしていた。 5号機についての保安院見解はいわば付録であって、この日まとめたのはじつはバックチェックに対する保安院評価の中間報告である。そこには今後の課題が満載されている。これまでの審議の中で累積したものだ。そのメインは、増幅要因の分析とそれを反映した新たな基準たるべき地震波(地震動)の作成である。その基準地震動が妥当と認められて初めて、構造強度を判断するための振動解析を行うことができるのである。 ではどうして基準が定まらないのにその揺れに耐え得ると判断できたのか。 そのからくりが仮想的東海地震である。「仮想的」とは、浜岡原発の直下に強い地震波を放出する「アスペリティー」を置いたケースで中部電力の造語である。仮想だという証拠はないのであるが、中央防災会議の想定東海地震では、原発直下は強い地震動を放出しないとして避けている。 中部電力はこのモデルで、水平方向の地震波が2.3倍、鉛直方向が1.7倍になったと仮定して「影響確認用地震動」というものを作成した。これは耐震設計における手法とは異なる簡便法で、おそらく学術的な検証も経ていないだろう。中部電力が考案し、この保安院の審議会だけが妥当としたものかもしれない。ここは第三者機関によるクロスチェックが行われるべき部分だ。 その先の構造強度に至っては、原子炉建屋へのこの地震動の応答スペクトルも示さず、解析結果のみパワーポイントで示した。すなわち重要設備機器8つについて得られた応答値は基準値内であったという。これが中電の昨日の新しい報告だ。これらは、少なくとも構造強度の審議会でとくと審議されなければ、妥当という結論など出せるものではない。だが誰も異議は唱えなかった。 水平動は、2.3倍した結果、約1500ガルになったという。中部電力は過去に耐震補強を実施済みで、1000ガルを想定して行ったとしている。それでほんとうに1500ガルまで耐えられるのか??補強済みの配管も、また間に合わなくなるものがそうとう出てくることだろうに。 一方上下動に関してはたったの186ガルで水平動に対して余りにも小さい。これこそ昨日の審議会の対象だ。だがここはフリーパス。ここも第三者機関によるクロスチェックが行われるべき部分だ。 駿河湾地震後のこの1年、保安院事務局も審議会委員も、頼りない中部電力に対してなかなかしっかり苦言を呈し頼もしくもあった。中間報告に見る今後の課題整理はまず妥当なところといえる。 にもかかわらずこのとつぜんの豹変振りはなぜ?! 勇み足なのか焦りなのか、異常なことづくめである。 中部電力の正式な報告書がないことも異常である。文書といえばパワーポイントの図ばかり。審議会で聞いたことを基に、中部電力の行った説明を保安院がまとめている。あたかも親が宿題をやっているようなものだ。 駿河湾地震で判明した地下の増幅特性が再現できて、それを正しく反映した基準地震動が認められて初めて、来る東海地震に対する耐震性が検証できる。まるで順序が逆だ。 また、クロスチェックも経て保安院の2つの審議会で妥当とされた後は、原子力安全委員会でダブルチェックを行うのが現行のバックチェックの鉄則だ。 クロスもダブルもバックも抜きのチェックとはいったい何をチェックしたものなのか?! 今から強く指摘しておく。 昨日の続きは保安院の構造強度の審議を充分に経て、時には再度合同Wに差し戻す、さらにその先は必ず安全委員会での審議を求めることが必要と。 ◆駿河湾地震と浜岡5号機の異常な増幅については、下記の記事を参照ください。詳しく書きました。 回避コスト創出でムダ撲滅以上の財源捻出を (東井怜)2009/10/16 http //www.news.janjan.jp/living/0910/0910151678/1.php 【参考記事】 浜岡原発4号が定検入り、プルサーマル燃料装荷予定を公表 http //www.janjanblog.com/archives/19317 浜岡原発閉鎖への一歩 〜浜岡1・2号廃炉を歓迎する〜 http //www.news.janjan.jp/living/0812/0812150511/1.php 浜岡原発1・2号廃炉の真相 〜東海地震に耐えられない・免震化工事を検討?〜 http //www.news.janjan.jp/living/0812/0812260233/1.php 東井怜記者のプロフィール JANJAN市民記者として、主に原発関係について2004年から書いてきました。JanJanBlogスタートには出遅れましたが、またボチボチ書き続けていきます。 ───────────────────── ○薔薇、または陽だまりの猫 浜岡原発5号機運転再開強行の動きについて・阪上 武/NoNukeMLから 2010-11-19 18 37 03 | 社会 浜岡5号機の運転再開問題は、年内燃料装荷が狙われている4号機の浜岡プルサ ーマルにも大きく関わる件ですが、**さんから流れているように、保安院は非 常に強引なやりかたで強行突破しようとしています。県・保安院との折衝、説明 会開催の要求等について静岡のみなさんと相談しながら進めていきたいと思いま す。以下、この間の経緯と審議会での中電の報告及び保安院の評価書案を見ての メモです。 阪上 武(浜岡原発運転差止訴訟原告/福島老朽原発を考える会) 資料は以下(上が保安院・下が中電) http //www.nisa.meti.go.jp/shingikai/107/3/056/56-4.pdf http //www.nisa.meti.go.jp/shingikai/107/3/056/56-3.pdf ■経緯 ・浜岡5号機は、昨年8月の駿河湾地震以来止まったままです。問題になってい るのは、5号機が数百メートルしか離れていない他号機の2倍以上揺れたことで す。地震波が5号機の地下で特異に増幅したと考えられています。 ・中電と国は、5号機の設備健全性評価と増幅のおおよその要因を挙げることで 運転を再開しようとしましたが、静岡県が待ったをかけ、想定東海地震について、 増幅を考慮した耐震安全性の確認まで行うことになりました。 ・その暫定的な耐震安全性評価が11月16日の国の審議会で出てきました。これが 後述するように問題だらけのものなのですが、その日の審議会に準備よろしく保 安院が評価書案を出し、数十分の議論で承認され、地元では結果だけが報道され るという異常ぶりです。 ■増幅の要因 ・何が地震波を増幅させたかについて、中電の説明は何度か変化しました。最後 に落ち着いたのが、5号機の地下300メートル付近にあるレンズ状の地盤の柔ら かい層(低速度層)の影響でした。地下に掘ったボーリングの穴に入れた計測器 で人工地震波を受けて行うオフセットVSPという調査で見つかり、簡単なモデル で計算したら、観測波と同じような増幅特性が再現されたというのです。 ・中電はバックチェックの関係でボーリングを何本も掘っていました。しかし今 回問題となっている低速度層については直接それを掘り当ててはいませんでした。 さらに、今回行われたオフセットVSPでは、3・4号機の地下に観測の空白域が ある、低速度層の南北方向の形状が不明であるといった問題があり、ボーリング 及びオフセットVSPの追加の調査を行うことになりました。来年の3月が目途と なっています。 ・追加調査の結果を出して、低速度層の形状を把握して、より正確な解析を行っ て、という手順が必要ですが、今回はそれを待たずにとにかくゴーサインを出し てしまおうと動いているのです。 ■中電の耐震安全性評価 ・中電は今年の早い時期に地元にチラシを撒き、3・4号機のバックチェックで 使っている「想定東海地震」のモデルをもとに、駿河湾地震の方向からの揺れを 2倍にしても、5号機の基準地震動に収まるとして、増幅を考慮しても想定東海 地震に耐えることを示そうとしていました。 ・しかしこれは国の審議会では通用せず、保安院や委員の指摘、また裁判や意見 聴取会を通じてこちらから意見を出したこともあり、「仮想的東海地震」のモデ ルについても増幅を考慮することになりました。 ・「想定東海地震」は、中央防災会議の2001年モデルを基にしたもので、大きい 地震波を発生させるアスペリティという領域が、浜岡原発から遠い位置に設定さ れているため、浜岡原発でのゆれが小さくなり、私たちは裁判で、過小評価とな ることを訴えてきました。そのかいあって、中電は、アスペリティの一つを浜岡 原発直下にもってきたモデルについても評価を行いました。それが「仮想的東海 地震」です。 ・しかし11月までに中電が示していたのは、5号機で仮想的東海地震の評価を15 の代表部位で行ったら「重要な主な施設の地震力に対する余裕度は2.5倍以上あ り、駿河湾の地震で見られた顕著な増幅(地震記録の分析結果:水平2.3倍程度) を踏まえても耐震余裕を有していることを確認した」という、あまりに大雑把で 評価とは言えないものでした。 ・これではあまりにいい加減だという意見が委員から出たのでしょう。11月16日 にはじめて出てきたのが、増幅を考慮した仮想的東海地震の地震動とそれによる 15の代表部位での評価結果でした。 ・増幅を考慮した仮想的東海地震の揺れはすさまじいものでした。解放基盤表面 で1500ガルを超え、応答スペクトルでは0.1〜0.3秒の周期帯で3000〜4000ガルに まで及んでいます。柏崎刈羽原発の新しい基準地震動は2300ガルですが、柏崎で は原発の基礎に至るまでに1000ガル程度に減衰します。浜岡の場合は1500ガルが ほぼそのまま原発の基礎に来ますから、柏崎の比ではありません。浜岡3・4号 機も柏崎と同様に原発の基礎で1000ガル程度ですので、今回の揺れは浜岡3・4 号機では耐震安全性がクリアできないでしょう。こんなすさまじい揺れを想定し なければならないというのはそれだけでも背筋が凍ります。ここに原発はあって はならないと改めて思います。 ・中電はこの地震動を使った評価で、もっとも厳しい余熱除去系配管でも、地震 による発生応力354MPaが評価基準値363MPaに収まっており、安全性が確認された としています。さらに別の項で、時刻暦解析を用いたりや減衰定数でより現実的 な値を用いたりした評価と比べると、「実際の耐震余裕」はもっと大きいと主張 しています。 ■中電の評価の問題点 ・中身に入る前に、中電の出した評価は、指針が変わってバックチェックがはじ まってから5号機について出たはじめての耐震安全評価です。これまで各地のサ イトから報告書が出ていますが、いずれも数年かけて検討されています。それが、 正式の報告ではなく、中間報告でもない、パワーポイントで結果だけの報告で、 たった1日、たった数十分の審議でオッケーというのはあまりに無理があると思 います。 ・評価の中身にも疑問があります。中電は、増幅を考慮した仮想的東海地震につ いて、破壊開始点を2点設定し、2種類の地震波を作成しています。このうちも っとも応答加速度が大きい破壊開始点1の東西方向の波を代表波として施設評価 を行っています。しかし、厳しい値が出ている余熱除去系配管や主蒸気系配管の 固有周期が集中する周期0.1秒のあたりでは、「破壊開始点1の東西方向の波」 は波の谷になっており、応答加速度がものさしで見て2200ガルになっています。 この付近では「破壊開始点2の東西方向の波」が2700ガルと大きくなっています。 およそ1.2倍ですから、その分地震力も大きいとすると、余熱除去系配管の地震 による発生応力は、38+316×1.2=417MPaとなり、評価基準値の363MPaを上回っ てしまいます。 ・次に増幅の考慮の仕方ですが、中電の資料によると、もとの仮想的東海地震の 増幅を考慮する地震波をすべての時間について係数倍するとしています。倍率に ついては、別の項目をみると、基本モデルが水平2.3倍、上下1.7倍、参考モデル が水平3倍、上下2倍となっています。最終的に評価に使ったがどちらかはわか りません。実際に観測された地震動を周期ごとにみると、主蒸気菅や余熱除去系 配管の固有周期が集中する0.1秒付近では、駿河湾地震の余震で4倍近くになっ ているデータがあります。こうしたものキチンと考慮すれば、やはり地震により 発生する応力はより大きくなるでしょう。 ・計算の根拠もパラメータも不明なものがあります。代表部位15箇所だけという のも少ないでしょう。配管や機器のサポート部などの評価も必要です。いずれに しろ、さまざまなケースについて詳細な検討が必要です。 ・また中電は「実際の耐震余裕はもっと大きい」と主張しますが、それは設計時 時に不確かな部分を安全代として織り込むやり方を無視した考え方でしょう。時 刻暦応答では、一つの模擬地震波について安全確認ができるだけです。「実際に は」2方向、3方向で大きな揺れが一時に重なる可能性は十分にあり、最大値ど うしを重ねるやりかたが過度に保守的であるとは思えません。 ───────────────────── ◎今週の予定◎ ★11月21日★ ○ 仙台 日本科学者会議総合学術研究集会で永田文夫さん発表 日本科学者会議の「第18回総合学術研究集会in宮城」が、KKRホテル仙台で、11月19日(金)から21日(日)まで開催されます。この中で、21日に、三陸の海を放射能から守る岩手の会の永田文夫さんが発表を行ないます。同じ分科会で、「だまっちゃおられん津軽の会」代表の宮永崇史さんにも「原子力神話から自然エネルギーへ 青森県と再処理工場」という題名で講演を行ないます。コチラ。 日時:2010年11月21日(日)12 40〜13 10(会議本体は、19日〜21日です) 開催場所:KKRホテル仙台(仙台市青葉区錦町) アクセス:市営地下鉄 勾当台公園駅 徒歩7分、JR仙台駅 徒歩15分 永田文夫さん発表 「六ヶ所再処理工場周辺の放射性物質による汚染」(カテゴリーは「B 転換期の科学・技術政策 B-2エネルギー・原子力」) 参加費 非会員1日2000円 連絡先 電話 03-3812-1472 ☆ 仙台 日本科学者会議総合学術研究集会宮永崇史さんによる講演「原子力神話から自然エネルギーへ 青森県と再処理工場」 第18回日本科学者会議総合学術研究集会第三日の分科会B-2「エネルギー・原子力問題」(21日9 00〜17 20)で「だまっちゃおられん津軽の会」代表の宮永崇史さんによる講演「原子力神話から自然エネルギーへ 青森県と再処理工場」 同じ分科会で三陸の海を放射能から守る岩手の会の永田文夫さんの講演もあります。コチラ。 場所:開催場所:KKRホテル仙台(仙台市青葉区錦町) 参加費 非会員1日2000円、連絡先 電話 03-3812-1472 ……………………………………………………… ○11/21 東京 第7回ウラン兵器禁止を求める国際行動デー 第7回ウラン兵器禁止を求める国際行動デー 日時:2010年11月21日(日)13 30〜17 00(13 00開場) 会場:明治大学リバティタワー15F 1156教室 お話: 高遠菜穂子さん「イラクの現状――放射能に苦しむ子供たちを救いたい」(仮) 志葉玲さん「イラク戦争の検証――大量破壊兵器はなかった」〜米英と小泉政権の責任 参加費:当日1000円、前売り800円 主催:劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク」 ニュース購読料年間個人3000円、団体6000円 連絡先:たんぽぽ舎気付 〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F TEL 03-3238-0056(13〜20時) ……………………………………………………… ○北海道(幌延) 北海道への核持ち込みは許さない!11・23幌延デー北海道集会 北海道への核持ち込みは許さない! 11・23幌延デー北海道集会 とき 2010年11月23日(火)13:00〜(開場正午) ところ 天塩郡幌延町共進会場(東が丘スキー場下) 主催 北海道平和運動フォーラム 共催 道北核廃棄物処分場反対連絡協議会 内容 集会後、デモ行進 スローガン 地層処分反対! 北海道のすべての地域で放射性廃棄物の最終処分、核持ち込みを拒否しよう! 泊3号機の営業運転反対! 老朽原発運転延長・点検期間短縮、「放射能スソ切り法」の具体化に反対しよう! ストップ! 核燃料サイクル!! 泊3号機でのプルサーマル計画反対! 六ヶ所再処理工場建設・運転阻止など全国の仲間と連帯して闘おう! 幌延町が核廃棄物施設を誘致してから26年が経過しました。この間、当初の貯蔵工学センター計画は地元住民・道民の反対で実施されませんでしたが、2000年10月の道議会において、いわゆる「核抜き条例」を制定し、2003年7月に深地層研究所の建設が始まりました。また、2007年6月にはPR施設として「ゆめ地層館」を開館させました。 さらに、2008年7月には、原子力環境整備促進・資金管理センター(原環センター)と共同事業という名目で、「地層処分実規模設備整備事業」に着手し、今年4月にオープンさせ、高レベル放射性廃棄物の地層処分の宣伝をしています。フランスのビュールでは、「研究だけ」ということで始めながら、処分場に適している地層であることを理由に、途中で法律を変え強引に最終処分場に推進しようとしています。 原環センターは、「幌延に核の持ち込みはしない」ことを約束した三者協定の当事者ではないことから、最終処分場へのなし崩し的な建設を目論むことが危惧されます。 このような中、「11.23幌延デー北海道集会」は今年で25回目を迎えます。国による核のゴミ処分問題を浮き彫りにし、原発・核燃料サイクルに反対する強い意志を固めるため、今年も集会を開催します。みなさん、ぜひご参加ください。 ……………………………………………………… ○福島(郡山) 「ハイロフェスティバル」(仮称)第一回実行委員会 ブログ「ミニコミ図書館」に、脱原発福島ネットワーク発行の『アサツユ』が「ハイロフェスティバル」(仮称)の開催を呼びかけているとの記事が載っていました。 本文は→ http //plaza.rakuten.co.jp/minito9/diary/201011150000/ 第一回実行委員会が下記のとおり開催されます。 日時:11月23日(火・祝)15:30〜17:30 場所:郡山教職員組合会館(郡山市桑野2-33-9、郡山駅よりバスで女子大前下車) 連絡先:TEL FAX 0246-58-5570(佐藤) ……………………………………………………… ○原子力円卓会議2010シンポジウム「原子力政策をどう見直すか〜日英独における今日的論点とその方向性」 原子力円卓会議2010シンポジウム 「原子力政策をどう見直すか〜日英独における今日的論点とその方向性」 日時:2010年11月23日(祝)13 30〜17 00(13時開場) 場所:東京工業大学 本館第1会議室 大岡山キャンパス http //www.titech.ac.jp/about/campus/o_map.html?id=01 参加費:無料 共催: 原子力政策円卓会議2010 東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP) 特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP) ……………………………………………………… ○11/23 大阪 「もんじゅ」を廃炉に! 関西集会 「もんじゅ」を廃炉に! 関西集会 日時:11月23日(火・祝)13 30から講演、15 45パレード。要事前申し込み。 場所:大阪市 住まい情報センター3階ホール 地下鉄天神橋筋六丁目駅 資料代1300円(学生700円、前売割引あり) 講師 小林圭二(元京大原子炉実験所講師)ほか。 要事前申し込み。 連絡先:とめよう「もんじゅ」関西連絡会(072-843-1904ストップ・ザ・もんじゅ) ……………………………………………………… ○和歌山各地 東条雅之祝島写真展「つながるすべてのいのちのために」 東条雅之 祝島写真展「つながるすべてのいのちのために」 2010年11月6日〜11月14日 和歌山市 じゃんじゃん横丁(http //co2lo.jp/janjan/) 11月16日〜11月21日 田辺市 てんつくゲストハウス(http //www.tentsuku.net/) 11月23日〜11月28日 場所 じょんのび →てんつくまんさんつながりで http //www.konomise.com/arida/jyonnobi/ ではないかという気がする→(11/19加筆)当たってました ……………………………………………………… ○札幌 「泊3号機のプルサーマル計画の撤回を求める緊急全道集会」 泊3号機のプルサーマル計画の撤回を求める緊急全道集会 とき:2010年11月24日(水)18 30〜19 30 ところ:大通西6丁目広場 主催:「脱原発・クリーンエネルギー」市民の会 内容:集会後、デモ行進 政府の原子力安全委員会は11月11日、また、原子力委員会は11月16日、それぞれ泊原発3号機でのプルサーマル計画について、「妥当」との答申(二次審査)を行いました。これにより国の審査は実質的に終了し、来週中にも「許可する」見通しとなっています。プルサーマル計画をめぐっては、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)ではトラブルの連続で工場完成の目途もたっていません。また、使用済みMOX燃料の処理方法もいまだ決まっていません。 一方、使用済み核燃料から発生するプルトニウムを燃料とする高速増殖炉もんじゅは、14年5ヶ月ぶりに運転を再開したものの、8月に炉内中継装置を原子炉容器内に落下させる重大な事故を起こしています。 このように国の「核燃料サイクル」はすでに破綻したといわざるを得ません。さらに、泊原発沖の「新たな活断層の存在」をめぐっては、原子力安全・保安院が北電に対して「追加調査」を命じ、現在地質・地層調査を行っている最中です。 このような中で、国が泊原発3号機においてプルサーマル計画を許可することは断じて容認できません。 つきましては、「泊3号機のプルサーマル計画の撤回を求める緊急全道集会」を開催します。ぜひ、ご参加ください。 ……………………………………………………… ○11/24・12/22 東京(霞ヶ関) 「再処理やめなさい! 経済産業省別館前行動」 再処理やめなさい! 経済産業省別館前行動 高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉に! プルサーマル計画の中止を! 日時: 11月は24日(水)18 30〜19 00まで 12月は22日(水)18 30〜19 00まで 場所:経済産業省別館前(地下鉄霞ヶ関駅または虎ノ門駅下車) 18 50から要望書などを読み上げて、終わったら解散。申入書や横断幕、プラカードなどを持ってきてください、とのこと。 主催:再処理とめたい!首都圏市民のつどい 呼びかけ団体:原水禁国民会議(03-5289-8224) / プルトニウムなんていらないよ!東京(旧称 ストップ・ザ・もんじゅ東京) / 大地を守る会 / 福島原発老朽化問題を考える会 / たんぽぽ舎 / 日本山妙法寺 / 日本消費者連盟 / ふぇみん婦人民主クラブ / グリーンピース・ジャパン / 原子力資料情報室 ……………………………………………………… ○ 院内集会「表現者の目から見た祝島と上関原発計画地」 上関原発どうするの? 〜瀬戸内の自然を守るために〜(「上関どうするネット」)では、11月25日(木)に、衆議院第二議員会館で、NPO法人環境エネルギー政策研究所との共催で院内集会を開催します。お話しいただくのは、フォトジャーナリストの広河隆一さんと、ベルリン自由大学政治社会科学部教授で環境政策研究センター所長のルッツ・メッツさんです。以下の呼びかけ文は国会議員宛になっていますが、一般のみなさまにも多数お集まりいただきたいと思います。ふるってご参加くださいませ。(予約は不要です。当日正午ごろから、衆議院第二議員会館の入口で通行証を配布します。) 呼びかけ文に出てくるとおり、広河隆一さんは、「上関原発建設中止を求めるジャーナリスト・言論文化人の会」の緊急声明の呼びかけ人のひとりです。この声明、および署名者については、ブログ「DAYSから視る日々」の10月19日付記事「【緊急・転送希望】上関原発反対声明文」をご覧ください。 院内集会のお知らせ ジャーナリスト・言論文化人 表 現 者の目から見た祝島と上関原発計画地 日時:2010年11月25日(木) 12 30〜14 00 場所 衆議院第二議員会館 1F 多目的会議室 10月17日、「上関原発建設中止を求めるジャーナリスト・言論文化人の会」が緊急声明を発表しました。声明は建設予定地周辺が生物多様性の宝庫であり、失えば取り返しがつかないことになること、一帯が地震帯であり危険であることから、計画の中止を訴えています。 この上関原発建設に伴う海面埋め立て計画に対しては、日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会からも、埋め立て工事の中止とあらためての環境影響調査が要請されているものです しかしながら、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の会議が日本で開催されている最中に中国電力が計画地の埋め立て作業を始めようとしました。この時は地元の反対と世論の声で作業は中止されましたが、地元ではいつ始まるか分からない緊迫した状況が続いています。 今回の声明の呼びかけ人の一人広河隆一さんは、このような中国電力の対応に「居てもたってもいられずに」呼びかけたといいます。中村征夫さん、田沼武能さん、佐高信さん、石川文洋さん、池田香代子さんら179名の賛同が集まりました(11月2日現在)。賛同人の一人山田洋次さんは、「上関町の室津で、ぼくは1967年に『愛の賛歌』(倍賞千恵子主演)という作品を制作しました。あのなつかしく美しい風景に原発はにあいません。止めてほしい、と心から思っています」とメッセージを寄せています。 今回の院内集会では、ジャーナリスト・言論文化人の緊急声明を呼びかけた広河隆一さんに、この思いと上関の近況等を報告していただきます。 また、日本の原子力推進政策とは異なる脱原発政策を実現しているドイツからルッツ・メッツさんをお招きして、ドイツの原子力政策の現状についても報告します(逐次通訳)。メッツさんはベルリン自由大学政治社会科学部教授であり、環境政策研究センターの所長でもあります。 ご多忙のことと存じますが、この機会にどうぞご参集くださいますよう、議員のみなさまにお願い申し上げます。 主催 上関原発どうするの? 〜瀬戸内の自然を守るために〜 NPO法人環境エネルギー政策研究所 連絡先 認定NPO法人原子力資料情報室(Tel 03-3357-3800 Fax 03-3357-3801 担当 永井、伴) 広河隆一さんのプロフィール フォトジャーナリスト、DAYS JAPAN編集長 1982年 レバノン戦争とパレスチナ人キャンプの虐殺事件の記録で、よみうり写真大賞受賞 1983年 同記録で、IOJ世界報道写真コンテスト 大賞・金賞受賞 1989年 チェルノブイリとスリーマイル島原発事故の報告で、講談社出版文化賞受賞 1993年 写真集「チェルノブイリから〜ニーナ先生と子どもたち」で産経児童出版文化賞受賞 1998年 「人間の戦場」(新潮社)で日本ジャーナリスト会議特別賞受賞 1999年 「チェルノブイリ消えた458の村」(日本図書センター)で平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞 2001年 「チェルノブイリ消えた458の村」でさがみはら写真賞ノスタルギア賞受賞 2002年 「パレスチナ 新版」(岩波新書)で早稲田ジャーナリズム大賞受賞 2003年 「写真記録パレスチナ」(日本図書センタ—)で日本写真家協会賞年度賞受賞 「写真記録パレスチナ」(日本図書センター)で土門拳賞受賞 2008年 記録映画『パレスチナ1948・NAKBA』を制作 ルッツ・メッツ博士のプロフィール ベルリン自由大学政治社会科学学部教授。環境政策研究センター所長。1993〜1994年、デンマーク、ロスキレ大学環境技術社会研究学部客員教授。おもな研究分野は環境とエネルギー政策で、特に原子力研究センターで研究員、およびドイツ連邦政府のエネルギー政策コンサルタントとして勤務した。チェルノブイリ事故の後、ドイツ連邦環境相において原子力発電の段階的撤退をコスト評価する科学チームのメンバーを勤めた。「エネルギー政策の国際的パースペクティブと原子力発電の役割」(スティーブ・トーマス氏、マイケル・シュナイダー氏との編著)など多数の研究がある。 ……………………………………………………… ○「シバレイのイラク戦争なんだったの!?」 イラク戦争検証・英国視察報告会 イラク戦争の検証を求めるネットワークPresents シバレイのイラク戦争なんだったの!? イラク戦争検証・英国視察報告会 11/26(金)@神戸、27(土)@堺&大阪、28(日)@京都 神戸会場 日時 11月26日(金)18 30(18 00開場)〜20 30 会場 神戸まちづくり会館ホール 神戸市中央区元町通4-2-14 電話078-361-4523 元町商店街4丁目西端の南側角 堺会場 日時 11月27日(土)13 30(13 00開場)〜16 00 会場 創造空間BOX1-6(南海高野線「堺東駅」7分) 大阪府堺市市之町東6丁1―24 TEL&FAX 072-227-6123(神谷) 大阪会場 日時 11月27日(土)18 30〜20 30 会場 伊藤塾・大阪梅田校 大阪市北区芝田2-7-18 オーエックス梅田ビル新館5階 JR大阪駅より徒歩5分 阪急梅田駅より徒歩3分 京都会場 日時 11月28日(日)14 00(13 30開場)〜16 30 会場 伊藤塾・京都校 京都市中京区烏丸通蛸薬師上る七観音町635 からすまビル3階 地下鉄四条駅・阪急烏丸駅、地下鉄烏丸御池駅より徒歩5分 参加費不要 ただし少額のカンパをいただきます お申し込みなしで、どなたでも参加できますが、人数把握のために事前に連絡いただければ助かります。 メール iraqwarinquiry★gmail.com まで(転載者注 ★は @ に変えてお使いください) 主催 イラク戦争の検証を求めるネットワーク関西 http //iraqwar-inquiry.net/ 協賛 イラクの子どもを救う会、フレンド・オブ・マーシーハンズ、市民社会フォーラム、神戸YWCA平和活動部(神戸会場)、九条の会ひょうご(神戸会場) ……………………………………………………… なお地域別イベント情報は、12月8日前後のイベント情報 各地で開催される12月8日、脱原発の日前後のイベント情報です お近くの、ご都合の良いイベントにぜひご参加下さい!! (電子メールアドレスは☆を@に変えてください)http //mugla.in/datugen/event.html =========================================== 取り急ぎお知らせいたします。 脱原発の日実行委員会 メーリングリスト http //www.freeml.com/datugen/ ブログ http //ameblo.jp/datsugenpatsu1208/ mixiコミュニティー http //mixi.jp/view_community.pl?id=5251020 グルっぽ http //group.ameba.jp/group/k-ble2OqcEOI/ ツイッターhttp //twitter.com/datugennohi
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優さんが女体化した後も俺たち美通覇亞の活動は続けられていた。 女体化しても強さはなんら変わることのなかった優さんは美女になったことで更に俺たちの結束を強くしてくれた。 そんな矢先のことだった。 優さんが突然集会を開き、引退を表明したのだった。 「そろそろ夢を追いかけようと思うんです~。」 「夢……ッスか…… 俺らはずっと姐さんと一緒に走るのが夢だったッスよ……」 「あらあら、泣かないでください~。 折角の男前が台無しですよ~?」 「ありがとうッス……で、姐さん。 夢って何なんスか?」 「夢~……ですか?」 優さんはいつものように頬に人差し指を当てながら首を傾げた。 その仕草ももう見れなくなるのかと思うと涙がこみ上げてきた。 何千もの仲間が優さんを見つめる中、彼女は一人で何かを考えている。 暫くう~ん、と唸った後、少し頬を朱に染めて俺にこう言ったのだった。 「お嫁さん、でしょうか~…… 今、私の目の前にいる方の。 うふふっ。」 瞬間、俺の思考はフリーズしてしまった。 俺の…お嫁さん? つまりは逆プロポーズ? 優さんが、俺の…嫁さんに…? フリーズした頭にバババっと色々な考えが走っていった。 そして数瞬後、俺はようやく状況を理解した。 「あ……姐さぁぁぁぁん!! よろこんで! 俺みたいなのでよかったら、是非に!」 「はい~。 不束者ですが、よろしくお願いします。」 ぺこりと頭を下げる優さんに釣られて俺も頭を下げてしまう。 湧き上がる大歓声、皆俺たちを祝福してくれるのだろうか… と思った瞬間、俺の頭に鈍い衝撃が走った。 「てんめぇ、この幸せもんが! 俺らからの餞別だ、とっとけやぁ!!」 「おうよ! ワシらの餞別の拳じゃあ!!」 「ちょwwwwwwwwwwwww待つッスwwwwwwwwwwwwww」 暫くチームの頭格にフルボッコにされ、意識が徐々に遠のいていった。 しかし途中から悲鳴が俺の物からリーダー格達の悲鳴に代わったのは、きっと俺の気のせいだろう。 いや、気のせいだと信じたい…。 俺が目を覚ますとそこは… 1:見慣れない天井と優さんの心配そうな顔が目の前にあった。 2:見慣れた店の天井と優さんの心配そうな顔が目の前にあった。 3:何処かのホテルの一室のような天井と優さんの心配そうな顔が目の前にあった。 3:何処かのホテルの一室のような天井と優さんの心配そうな顔が目の前にあった。(安価で決定) 「あ、気がつきました~…?」 「…っ~…姐さん、ここは…?」 気がつくと俺は柔らかいベッドの上に寝かされていて、優さんが俺の顔を心配そうに覗き込んでいた。 というか、ベッドの上で膝枕をされている状態だった。 慌てて起き上がろうとした瞬間、お約束のように俺は優さんと頭をぶつけてしまった。 「ぐおっ…」 「まだ起きちゃだめですよ~。」 めっ、といつものように人差し指を立てる仕草。 どうやらダメージがあるのは俺だけらしい。 頭と体のダメージは思ったよりも大きく、俺は柔らかな優さんの膝に少しだけ甘えることにした。 「とりあえず、ここはどこッスか…?」 「あの後気を失ったヤスさんを皆さんが運んでくれたんです~。 良くわかりませんけど、婚約したならここだ~って。」 どうやらここは地元でも有名な高級ホテルの一室らしい。 なるほど、どうりでやけにベッドがふかふかだと思った。 しかしこんなホテルにつれてくるあたり、なんだかんだで皆はお祝いムードなんだと感じさせられた。 「そういや、姐さん…」 「は~い? あ、これからはできたら名前で呼んで欲しい…かもです~。」 「じゃあ優さん、どうして俺なんかと結婚しようと思ったンスか?」 聞いた直後は嬉しさでそうは感じなかったが、正直な話一番疑問が残るところだ。 どうしてイケメンの雄二さんでもなく、俺を選んでくれたんだろう。 そんなことを口にすると、優さんは少し切なげな笑顔を俺に返してくれた。 「どうしてって… う~ん…」 「な、悩むンスか…」 ぱっとすぐ答えが出てこなかったことに少しだけ落胆してしまう。 けれど、悩ましげな優さんの表情もコレはコレで捨てがたいものだった。 「私にお誕生日のメールを送ってくれたこと、覚えていますか~…?」 「そりゃもちろんッス。 あの時は皆メールやお見舞いに行ったッスから。」 「その後私が回復して~…色んなことがありましたよね。」 「色々、無茶もやったッスね。」 殴りこみに来た別グループを優さんがバチキだけで一掃したこと。 調子に乗りまくって警察に追い回されたこと。 何とか逃げ切って一緒に川原で寝転んで笑いあったこと。 俺の誕生日にパレードまがいの大暴走をしたこと。 半殺しにされかけた時、優さんや雄二さんが助けてくれたこと。 その全てが、走馬灯のように頭を駆け巡った。 「その全ての局面に… 貴方がいてくれたんです。 楽しかった時、苦しかった時、悲しかったとき、嬉しかった時…… いつもいつも、貴方と一緒でした。 だから、私……」 「優さん……」 言われてみればそうだ。 何かで別働する時も、逃げる時に分散する時も、食事をする時も。 いつもいつも、俺は自然と優さんの側にいた。 昔から一番の舎弟としていつもつるんではいたけど、優さんが女体化してからは距離が少しだけ縮まったような気がしていた。 「これからも、貴方と一緒にいたいなって。 そう思ったんです。」 柔らかく微笑んだ優さんの表情にドキリとしてしまう。 その笑顔はとても綺麗で、どこのどんな男でも虜にしてしまえそうな、そんな感じがした。 こんなに想ってくれる人を無碍にできる男なんてこの世にはいないだろう。 俺は…… 1:真面目にプロポーズを返した。 2:とびっきりクサい科白でプロポーズを返した。 3:俺にはつりあわないと思って断った。 1:真面目にプロポーズを返した。(安価で決定) 「俺も…優さんと一緒にいて、楽しかったッス。」 「…うん…」 「だから俺も…… これからも優さんと一緒にいたいッス。」 「…はい…」 頬に冷たい水の雫が落ちる。 それは紛れもなく、優さんが流した涙だった。 もちろんそれは悲愴の涙ではなく、その表情は喜びに満ちていた。 「さっきは先に言われちゃったッスけど… 本当に、俺と一緒になってくれるッスか…?」 「もちろん……です……!」 ゆっくりと、優さんの唇が俺の眼前に迫ってくる。 塞がる視界、迫る愛する人の顔。 柔らかく、確かな感触が俺の唇から伝わってくる。 俺は一時的にその幸せに身を委ねる事にした―――… 安価:エロはない方向で 一夜が明けて、俺の顔つきは少し変わっていた。 ただのヤンキーの顔から、大人の男の顔へと変わろうとしていた。 俺はその後高校に頼み込み、何とか卒業できることになった。 そして卒業後の進路は知り合いのとび職の見習いになることに決まった。 そして―――… 『卒業証書授与。 央沢恭(オウサワ ヤスシ)。 以下、同文。 ――――――… 鍵山優(ニシダ ユウ)。 以下、同文。』 「終わっちゃいましたね~…卒業式。」 「そうッスねぇ… なんとか卒業できて助かったッスけどwwwwwwww」 「っ…うふふっ…」 俺たちは卒業できた喜びを一緒に分かち合った。 そしてこの喜びの後に、もう一つ大きな喜びが待っていた。 本来、金銭面の都合でひっそりと行う予定だった俺たちの結婚式は仲間たちのカンパによってかなり豪勢に執り行えることになった。 系列チームの全員が1万近くも出せば、それ相応の金が集まるというものだ。 ―――Sunday―June―6――― 「そろそろ、準備できたッスかねぇ…?」 「まだじゃねーの? ドレスの着るのは時間かかるだろうし。」 俺は既にタキシードに着替えていたのだが、向こうの準備がまだ済んでいないらしい。 その暇な時間を潰すために、何故か神父役を買って出た雄二さんを呼んだのだった。 チーム最年長の雄二さんはこういうことには慣れっこらしく、会場内で一番落ち着いている気がした。 『新郎さん、新婦さんの準備できましたよ。』 「お、いよいよみたいだな。 ほれ…行ってきやがれ、この幸せモン!」 雄二さんに突き飛ばされるように優さんが待つ部屋に入った。 そこには… 「どう…です? 似合ってますか~…?」 言葉が出ないという状況は正にこの事だと思う。 あまりに綺麗過ぎて息が詰まってしまった。 俺は瞬きも忘れ、ただただウェディングドレスに包まれた彼女を見つめていた。 「あの… そんなに見つめられると、私~…」 「ほれヤス、何かいってやれよ!」 照れた様子でいつものように頬に手を当てる。 その姿にすら見惚れていた俺は、雄二さんの裏拳によって現実に引き戻された。 「あ、ああ… 綺麗ッス。 言葉が、全くでないくらいに……」 「もう…ヤスさんったら…」 「おうおう、あちーあちー。」 茶化す言葉も右耳から左耳へと通り抜け、俺たちは再び見詰め合った。 そんなことをしている間に、式の時間は来てしまった。 式は滞りなく進み、いよいよ俺たちが誓いを立てる場面がやってきた。 雄二さんは一丁前に神父の格好をし、俺たちの表情を窺っている。 『まず、この結婚に意見、異議がある方がいらっしゃれば申し上げてください。 ―――…いらっしゃらないようですね。 ではあなたがた二人に申し上げます。人の心を探り知られる神の御前に、静かに省み… この結婚が神の律法にかなわないことを思い起こすなら、今ここで言い表してください。 神のことばに背いた結婚は、神が合わせられるものではないからです。』 俺たちは顔を見合わせることも無く、じっと雄二さんの顔を見つめている。 幸いネタとして異議を申し立てる者も無く、静かに式は進んでいった。 『結婚に異議はないようですね… では、新郎新婦一歩前へ。』 打ち合わせをしたわけでもないのに、俺たちはほぼ同じタイミングで一歩前へ出た。 カツン、と靴の足音だけが静かな講堂に響いた。 『謹んで聞きなさい… 聖書第一ヨハネの手紙より―――… 愛する者たち、互いに愛し合いましょう。 愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ…神を知っているからです。愛することのない者は神を知りません。 わたしたちは、わたしたちに対する神の愛を知り、また信じています。 神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり… 神もその人の内にとどまってくださいます。 愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。 なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。 わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。 愛がなければ何の役にも立ちません。愛は寛容であり、愛は親切です。 また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。 礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず… 不正を喜ばずに真理を喜びます。 すべてを我慢し、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。 愛は決して絶えることがありません。 こういうわけで、いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。 その中で一番すぐれているのは愛です。愛を追い求めなさい。 妻たちよ、主に仕えるように、自分の夫に仕えなさい。 キリストが教会の頭であり、自らその体の救い主であるように、夫は妻の頭だからです。 夫たちよ、キリストが教会を愛し、教会のために御自身をお与えになったように、妻を愛しなさい。 夫も、自分の体のように妻を愛さなくてはなりません。 妻を愛する人は、自分自身を愛しているのです。 わが身を憎んだ者は一人もおらず、かえって、キリストが教会になさったように、わが身を養い、いたわるものです。 わたしたちは、キリストの体の一部なのです。 それゆえ―――…人は父と母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。 以上、長い説法終わりっ! お幸せにな!』 会場から拍手と笑い声が巻き起こる。 この長科白を全て覚えてきた雄二さんは凄いが、最後の最後にネタを仕込んでくるあたりやはり雄二さんだと感じる。 俺たちの式は、こういう感じの方が合っている気もする。 『それでは主の御前に、誓約を立てましょう。 新郎、央沢恭。』 「はい。」 『あなたは今、この者を妻としようとしています。 あなたは、真心からこの女子を妻とすることを願いますか?』 「願います。」 迷うことなく即答する。 雄二さんも深く瞬きをしながら一度だけ頷いた。 流石に、この局面で野次を飛ばしてくるような阿呆はいないらしい。 『では新婦、鍵山優。』 「はい。」 『あなたは今、この者を夫としようとしています。 あなたは、真心からこの男子を夫とすることを願いますか?』 「願います。」 優さんも迷うことなく返事をした。 雄二さんは俺の時と同じく、深い瞬きと共に頷いた。 会場の野郎どもが俺に殺意の視線を向けているのは気のせいだと信じたい。 『この結婚が神の御旨によることを確信し、誓いを立てなさい。 ―――…新郎、央沢恭。』 「はい。」 『あなたは神の教えに従い、清い家庭をつくり、夫としての分を果たし… 常にあなたの妻を愛し、敬い、慰め、助けて… 死が二人を分かつまで、健やかなときも、病むときも 順境にも、逆境にも、常に真実で、愛情に満ち あなたの妻に対して堅く節操を守ることを誓いますか?』 「誓います。」 わかってはいるのだが、どうもこういう儀式物はおべんちゃらが長いらしい。 雄二さんもよくもまあここまで科白を考えてきたものだ。 しかし長ったらしい儀式でさえ、俺たちの心の中にずっと残り続けることは言うまでもない。 『では、新婦鍵山優。』 「…はい。」 『あなたは、神の教えに従い、清い家庭をつくり、妻としての分を果たし… 常にあなたの夫を愛し、敬い、慰め、助けて、しばいて… 死が二人を分かつまで、健やかなときも、病むときも 順境にも、逆境にも、常に真実で、愛情に満ち あなたの夫に対して堅く節操を守ることを誓いますか?』 「誓います……?」 会場からドッと笑いが湧き上がる。 やはり最後の最後までネタを仕込んできた雄二さんには感服するしかなかった。 程よく会場が盛り上がったところで、雄二さんが一つ咳払いをした。 『ではここに、新郎央沢恭と新婦鍵山優が主の御前において夫婦となったことを宣言いたします。 誓いの証に指輪の交換を。』 ちゃっかりと雄二さんが用意していた指輪を優さんの左手の薬指にはめる。 サイズはぴったりで、その細く折れそうな綺麗な指に良く似合っていた。 そして彼女も俺の左手の薬指に指輪をはめてくれる。 誰かが言っていたが、左手の薬指には恋の脈が通っているらしい。 それを締めるから、結婚指輪は左手の薬指にはめるのだと。 『では―――…愛の証に、誓いのキスを。』 俺と優さんは向かい合い、俺はそのヴェールをまくる。 ヴェール越しではなくなった彼女はとても綺麗だった。 今日一番大きなため息が会場から零れた。 そして彼女の唇にそっと己の唇を重ねる。 さらに大きなため息と野次が会場から溢れた。 彼女の瞳から零れる涙が頬を伝って俺の頬へと流れた。 『これで、お二人は正式な夫婦となりました。 これから先、永遠に互いを想う心を忘れないように…』 教会の鐘と舞い散る花びら、そして飛び立つ白い鳩達に祝福されながら教会を出る。 もちろん俺は彼女をいわゆるお姫様抱っこの形で絨毯の上を歩いている。 そして結婚式といえば、やはりメインイベントはブーケ・トス。 抱きかかえられた状態から、彼女は勢い良くブーケを空に投げた。 しかし無茶な体勢から投げられたブーケはあらぬ方向に飛び、それをキャッチしたのは… 「…ん? 優さん、ちゃんと女の子狙って投げなきゃだめだろー?」 「あらあら、まぁ~… 今度は雄二さんがご結婚、でしょうか~?」 こともあろうに神父役を買って出た雄二さんだった。 しかし男がブーケをキャッチして果たして意味があったのだろうか。 周りのレディースからの突き刺さるような視線が雄二さんに集中している。 「ん~まあ、俺が持ってても仕方ないか… ほら、やるよ。」 「……へ?」 雄二さんは視線を誤魔化すように頭を二、三度カリカリとかくと近くにいたレディースの子にブーケを手渡した。 にこりと笑う雄二さんに対して、他のレディースの子は奇声を上げたり冷やかしたりと大忙しだ。 「ばっ、バカいってんじゃないよ! なんでアタシが雄二さんからブーケ貰わなくちゃならないのさ!?」 「いらねぇのか? なら別の子に―――…」 「んなこた言ってねぇだろ!」 レディースの子はブーケをもう一度手中に収めようとした雄二さんから奪うようにブーケを取り上げる。 化粧は厚い方だと思うが、それでも頬が紅潮しているのが手に取るようにわかった。 「あらあら… ブーケを投げた方向、間違ってなかったみたいですね~。」 「ホントッスね。」 「ちょ! 優さんもヤスさんも何言ってるんですかー!!」 照れた様子を浮かべながら走ってくる彼女を尻目に、俺たちは走りサイドカーに乗り込んだ。 俺たちの式なら車よりはバイクだろうということでわざわざチョイスしてもらったのだ。 俺はエンジンを吹かし、式場を後にする。 「照れなくてもいいのよ~? お幸せに、うふふっ。」 「そういうことッスwwwwwwwww それじゃ、ひとっ走りしてくるッスよwwwwwwww」 「こんの… バカップルがー!!」 そんな声ももう遠くに響いている。 俺たちはまた走り出したのだ。 新たなる生活の第一歩を、このバイクと共に―――… 『そこのノーヘルの新婚! 止まりなさい!!』 「ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 「あらあら、あら~…?」 もちろんすぐに警察に見つかり、こっぴどくお叱りを受けた。 幸い式場の敷地のすぐ外で、新婚ということもありゴツい中年の警察官は見逃してくれた。 こういうのも、俺たちらしいかもしれない。 余談ではあるが、先ほどブーケを受け取ったレディースの子の苗字が後に”北川”になるのは、また別のお話……… ―――後日―ある昼下がり―都内某オフィスにて―――――――― 「あー、北川君。 君宛に事務所に手紙が届いていたよ。 ほら、コレだ。」 「わざわざすみません、社長。 えーと…おお、綺麗に撮れてるなぁ…」 「何かの絵手紙かね?」 雄二が手にしている手紙を中年のダンディーな男が覗き込む。 そこには太陽のような笑顔を浮かべる綺麗な女性と、その傍らで微笑む男の婚礼衣装での写真が映っていた。 「おお…コレは… 確か君は有給を取っていたね? コレのためだったのかい?」 「ええ、そうなんです。 仲の良い友人の結婚式でして。」 「ほぅ… ところで北川君、私はこの写真を見てひらめいてしまったのだが…」 「どうしました?」 ニヤリと何か勝利を確信したような笑顔を作る中年の男。 その笑顔の視線の先には、紛れもなく写真の中の女性に向けられていた。 雄二はその視線と男の顔を見合わせ、苦笑を浮かべたのだった。 「まさかとは思いますが…」 「うむ。 そのまさかだ。」 「「この人をウチのアイドルに!」…?」 語尾は違えど二人の科白は完璧に重なった。 雄二はため息をついたが、乗り気ではないわけではなかった。 実際この事務所は経営難で、何か起爆剤の一つでも必要だったからだ。 「でも、この人元男ですよ…? ほら、女体化って今世間でも話題になってるじゃないですか。」 「それはそれで話題性があると言うものだよ。 まあ、善は急げと言うだろう?」 男は電話をしろという内容のジェスチャーを雄二に送った。 雄二は男の顔を二、三度うかがった後、携帯電話を取り出した。 そしてその女性に電話をかけたのだった。 『は~い、もしもし~?』 「あ、優さん? ちょっと相談があるんですけど…」 『なんでしょう~? 他ならぬ雄二さんの頼みですから、できる限り協力しますよ~?』 「ありがたい。 実は―――…」 この時の雄二も社長も予想はしていなかっただろう。 この偶然の重なり合いが、後に伝説のアイドルを生むことになることを―――…
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593-160の続き 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/26(火) 22 44 48.24 ID /kGj7OO10 [4/9] 後日談-かなみさんと登校風景 月曜日の朝。それは言うまでもなく学生にとって憂鬱の代名詞である。 しかし、今日の私は、胸を高鳴らせながら家の前であいつが来るのを待っていた。 そう、私たちは昨日、ようやく念願の恋人同士になれたのだ。……もっとも、あいつの方ではずっと付き合っていると思っていたらしいの だが。まあもう過ぎたことだしそれはいい。それはいいけれど、しかし。 「あいつはいったい、何分待たせるつもりよ……!」 通行人もいないので苛立ちを隠さずに独りごちる。 胸を高鳴らせながら待っていたのも既に過去形である。携帯を開いて時刻を確認すると、約束の時間をもう十分も過ぎていた。別に、早めに出ているから学校に遅刻するとかそういった問題はないのだが、あいつが遅 れているというのが何よりの問題である。 「あんなことがあった次の日なのに、なんで……なんで、さっさと来ないのよあの馬鹿ぁ!」 イライラが頂点に達し、思わず近くの電柱を思いきり蹴ってしまった。 通行人はいなかったが、近くにいた猫が、ミャアと驚いたように鳴いて、どこかに逃げていく。私も泣けるものなら泣きたいと思った。 うぅ……もう最悪だ。あいつが来たら徹底的に油を絞ってやろうと決意する。 と、ちょうど良いタイミングで私の家のお向かいさんである、あいつの家の玄関が開いた。もちろんドアの向こうから現れたのはあいつの姿だ。 あいつは私の方を見て、慌てたように走ってやってきた。 そして、心底申し訳なさそうに言う。 「す、すまんかなみ! その、ちょっと……」 「ちょっと、何かしら? 大事な大事な恋人を待たせるに足る理由があるなら、ぜひ教えて欲しいわね」 「あ、いや、その、別に大した理由って訳じゃ」 「へー? 大した理由もないのに、私を待たせるなんてそれこそ大した度胸ね。そ・れ・で、なんで私のことを十分以上も待たせてくれたのかしら?」 私は先ほどの決意を実行すべく、どれだけ怒っているかが、しっかり伝わるようにあいつを追及する。 「ね、寝癖を直すのに手間取ってました……」 あいつは反省の意を示すように頭を下げる。 「ね、寝癖ってあんたねー! そんなの、余裕を持って少し早めに起きてれば済む話じゃないの、この馬鹿!」 「う……おっしゃるとおりでゴザイマス……」 「はあ、もういいわ。ずっとこんな話してて遅刻するのもアホらしいし、さっさと行くわよ。――ただし、この罰は後できっちり受けて貰うからね!」 あんまりにもあんまりな理由に脱力した私は、最後にそう言ってあいつに背を向ける。 何よ、一人で浮かれてた私が馬鹿じゃない……。あいつが今までと全く変わった様子がないのを見て、私の胸はなんだか悔しいような寂しいような気持ちでいっぱいになった。 「あ、ちょっと待てよかなみ!」 そんな私に背後からあいつの声が呼び止めた。 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/26(火) 22 48 15.17 ID /kGj7OO10 [5/9] 「何よ、謝罪ならもう――」 振り向いて切り捨てようとした私の唇は、言葉を言い切る前に、昨日と同じくあいつの 唇でふさがれていた。 「んなっ! い、いきなり何するのよ!」 短い口づけが終わると、あまりにも突然の事態に私はパニックになりながらも言葉を紡 ぎだす。 するとあいつは、満面の笑みで答えた。 「だって、昨日、かなみが『明日からは毎朝おはようのキスをしよう』って……」 「い、言ってないわよそんなこと! 何勝手にねつ造してるのよ馬鹿ぁ!」 「ちぇ、かなみのことだから、誤魔化せるかと思ったんだけどなー」 「何年も前のことと昨日のことを一緒にするな馬鹿! ……もう、ほんっと馬鹿なんだか ら……」 そう言って火照る頬に手を当てた。 不意打ちにキスなんて卑怯すぎる。心の準備もせずにそんなことをされたせいで、顔は 燃えるように熱かった。 「だって、急にしたくなったんだもん。目の前に大好きな女の子がいたらキスしたくなる のは当然だって」 そんなとんでもないことを言って、あいつは、にへらっと笑う。 「だ、だ、大好きって、ばっかじゃないの!? うぅ、も、もう知らない!」 私は思わず、あいつに背を向けて歩き出していた。何だってあんなに恥ずかしいことを さらっと言えるのだあいつは。 しかし、あのキスのせいでさっきまであんなに怒っていた遅刻のことは、もはやどうで もよくなってしまっていた。自分の、あまりの単純さが情けない。今だって、自然ににや けてしまう顔を平常に戻すのに集中しなければいけないのだ。 すぐにあいつは私に追いついた。しばらく二人して無言で歩く。 するとまた、「あ、もっかい待ったかなみ」と先ほどのようにあいつに呼び止められる。 「今度は何よ?」 前回の失敗から学んだ私は、不意打ちを恐れてあいつから一歩離れてから呼びかけに答えた。 「そんな身構えるなって。ただ、せっかく恋人同士になったんだしさ。手、繋いで学校行こうぜ」 そう言ってあいつは左手を差し出してきた。 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/26(火) 22 50 47.74 ID /kGj7OO10 [6/9] 「な、何言ってるのよ! 誰かに見られたら、その、付き合ってるってばれちゃうじゃない……」 私は俯いてそう言った。 ……正直、私だって手を繋いで歩きたい。だけど、昔よりは大分マシになったとはいえ、 私は根っからの恥ずかしがり屋なのである。もし、同じ学校の人に見られて、噂でもされたら、 恥ずかしくて消えてしまいたくなるに違いなかった。 長年の付き合いであるタカシなら、それくらいわかってるはずなのに……。 そう思っていると、あいつは笑って私に言った。 「ああ、かなみが恥ずかしがり屋だってことくらいわかってるよ。だからさ、学校の前の 大通りに出るまでってことにしようぜ。あそこらへんまでなら同じ学校のやつが通ることもないしさ」 確かに、あいつの言うとおり、学校が面している大通りに出るまでの道を、同じ学校の 生徒が通ることはほぼない。 しかし……。 「それじゃあ、繋いでいられるの五分くらいしかないわよ? 大通りに出るの、すぐなんだから」 そうあいつに確認する。 すると、あいつはさっきと同じのんきな笑顔で、 「ああ、わかってる。でも、少しの間でもかなみと恋人らしいことがしたいんだよ」と、 これまた聞いてるこっちが恥ずかしくなるような台詞を返した。 わたしはまた、自分の顔がひどく熱くなるのを感じた。 しかし、それは、決して恥ずかしさからではなく、大好きな人から愛情のこもった言葉 をかけられたことに対する嬉しさからだ。 「そ、そこまで言うなら特別に繋いでやっても良いわよ」 相も変わらず、私はなかなか素直になれない。そんな私に対して、あいつはまた例の笑 顔を浮かべて、「おお、サンキュ」と、さっき差し出した左手で私の右手を取った。 それは、指を絡ませる、いわゆる『恋人繋ぎ』ではなかったけれど。 あいつの温かい気持ちが直接手を伝って流れ込んでくるようで、素直に嬉しかった。 嬉しさに顔がにやけるのを抑えきれずに、大好きな人と歩く。今というこの瞬間をかみ しめるようにゆっくりと歩いてゆく。 私も、あいつも、しばらく口を開かずに黙っていた。だけど、それは、決して重苦しい 沈黙などではなく、心が幸せに満たされるような心地よい時間だった。 164 名前:ぎりぎり五レスだった…[sage] 投稿日:2011/04/26(火) 22 52 54.68 ID /kGj7OO10 [7/9] ――ああ、私はこの人のことが心の底から大好きなんだと、そう、実感してしまった。 そうして歩いていると、件の大通りにはすぐに着いてしまった。 大好きなあいつと手を繋いで歩く時間は、実際よりもずっと短く感じた。 「じゃ、名残惜しいけど……」 そう言ってあいつは手を離そうとした。 離そうと、したのだが。 「あれ? かなみ?」 気付けば、その手を私は強く握って、離させまいとしていた。 「ねえ、あんたってできればずっと手を繋いでいたいのよね?」 あいつにそっぽを向いて問う。 こんな恥ずかしい台詞を、この私が真っ正面から言えるもんか。そんなのは昨日が特別 だったから出来たのだ。 「まあな。でもかなみが嫌なら別に――」 「出来ればずっと繋いでいたいのよね?」 あいつの言葉に被せるように言う。それはもはや、質問なんかじゃないのは自分でも分 かっていたけれど、決して素直にはなれない私からの精一杯の譲歩だった。 「ああ、できれば、学校までずっとな」 あいつは何もかも了解した、と言うような顔で答えた。とても悔しいけど、やはり私の ことを誰よりも分かってくれるのはあいつなのだ。 「じゃあ、嫌だけど……嫌だけど、あんたがかわいそうだから離さないであげる。……せ、 せいぜい感謝しなさいよね」 「ん、ありがとな。かなみ」 本当は素直じゃないのを謝るべきなのは私の方なのに、あいつは優しくそう言ってくれた。 あいつの大きな左手が、私の右手を包み込んでいる。 今は、それだけで、私は死んでも良いと思えるほど幸せだった。 165 名前:これで最後[] 投稿日:2011/04/26(火) 22 54 58.28 ID /kGj7OO10 [8/9] きっと、このまま手を繋いで学校に行けば、知り合いには私たちが付き合っているとば れてしまうだろう。それを考えると今から憂鬱になるけれど。 けれど、仕方ないと思う。 ――私も、あいつと同じように『少しの間でも恋人らしいことがしたい』と、強くそう 思ってしまったのだから。
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258: 名前:サスライ☆10/08(木) 17 02 11 現代バージョンのシェンフォニー様が、珍しくシリアスな顔をして、私は魅入って「何かネタに出来ないかな~」とか考えていると、晶ちゃんが動いた。 「…駄目。暴走は危ないから」 「だ~が断る。 俺は、他人の意見にNOと言うのが好きなんだ。 それにだ、晶ちゃんと、俺なら、十分に止められるだろう? 兎に角、俺は変わらないさ」 口調は何時もと変わらない、ちゃらんぽらんな感じ。なのに不思議と、重くて低い声に、感じる。 目付きも、何時もと変わらない、緩いタレ目。なのに不思議と、三白眼よりも鋭く感じる。 その力を人は、【魂】と呼ぶのだろうか。 「…そう、か」 晶ちゃんは本棚から、一冊の本を引く。 すると壁を作るブロックの一つが、開いた。いや、正確には、ブロックに見せた隠し棚だが。 晶ちゃんは隠し棚に手を入れる。そして何やら、金色の棒の様な物を取り出した。 よく見れば、飾り付けがされている事が分かる。 更によく見れば、輪帝国の紋章が入ってる事が分かる。 そして更によく見れば、ソレは鞘に入った剣だと分かった。 私はその剣の名前を知っている。輪帝国帝王にしか持つ事を許されず、鬼の心臓を貫いた剣。 「…これは、王剣・輪王。 悪いけど、通さないよ?」 晶ちゃんは、顔を真っ赤にして、目を潤ませて叫んだ。此処まで感情を出した晶ちゃんは初めて見る。 「だって!シェンフォニーが居なくなったら皆で愉しめ無いじゃないか! 約束したじゃん、『宴会には、また呼んで』ってさぁ!!」 261: 名前:サスライ☆10/09(金) 19 52 07 ボクは剣を見せるが、シェンフォニーは至って冷静だった。まるで、子供をあやす顔つきで此方を包む様に語る。 「ほう。 だけど、いかんでしょ? 俺を殺したら、元も子も無い」 「知っ ているよ。 だから戦えない程度にする」 顔つきは、まだまだ余裕だ。 寧ろ、遊んでいる。 しかし、見下している訳でも無い。それが逆に苛つかせる。 優し過ぎるよ…。 「…足を斬る」 「そりゃ怖いな。 で、失敗したらどうするのさ?」 寒くも無いのに、指が震えた。その原因は、心が冷えたからだろう。 様々な負の感情が、ボクの小さな心を、取り込もうとしているのだ。 それでも! ボクは、ありったけの勇気を振り絞る。視界が涙でぼやけて、振り払ったから直ぐに元に戻る。 「死 んでやる! 失敗したら、死んでやる!」 「あんま、物事は勢いで言う物じゃないよ? 疲れるから」 苦笑いを浮かべて、此方に目を合わせて来るシェンフォニーに対してボクは駆けた。何よりも速く。常人では捉えられないスピードで。 狙いはシェンフォニーの左足。 抜刀のタイミングは過去最高。失いたく無いんだ! 「…てな、訳で。 口に出すのは、出来る事の方が良いよね」 金属音がして、シェンフォニーの語りが聞こえた。 見るとソコには、シェンフォニーに踏み潰されて、しかも折れた剣。 呆然としてるボクの頭上に、彼は手を置いた。 「大丈夫。俺は強いからさっ、見守っててよ」 「…… …あ、ああ、あああああ!」 何故だか涙が止まらない。心が熱い。 悔しいな、安心している自分が居る事が。 262: 名前:サスライ☆10/10(土) 20 04 28 たまには、シェンフォニーのトコにでも、遊びに行こうか。 私、天童 宗厳。 ピッチピチ(死語)の約10歳。帝国が人形兵と鉄兵を起用して、さっさと滅んだから意外と若かったりする。 とは言っても、人格は故人の、女兵士を基にしてるらしいから、精神年齢は高かったりする。 「…ロリババアって言うなよ!?」 『いや、何を突然』 「ひゃひ! ク、クロガネ!?居たのか、居たならノック位せんか!」 『野外だから、無理』 電波で小うるさく抗議をするクロガネ。よく考えたら、クロガネは室内に入らない。 ん、そんな巨体が見えない程の距離からの電波だったな。 「て、 事は…まさか、独り言が無意識の内にそんなデカく!」 『そうだな。始め聞こえた時は見逃そうと思ったけど、こうも長い時間、デカい声で喋られるとなぁ』 「バ、バカァ~~~!! 聞こえたなら、さっさと言わんかぁ! あ、でもそれだと何か多く言われそうだ!!」 『そうだな。過去にどれ程、似たケースがあったか…。えぇと、例を上げるなら、 メソ…』 「うわぁ~!言うな言うな言うなぁ~~!!」 顔をクシャクシャにした私は、頭を抱えてしゃがみこむ。恐らく、耳まで真っ赤だろう。 拝啓、社博士。 作中からハブられたりしてるけど、私は元気です。 265: 名前:サスライ☆10/11(日) 11 36 19 これは、宗厳と私、向日葵 社が別れた、その後の私の話である。 「も しも、私が帰って来たら… いや、よそう。科学者らしくないが野暮というものだな」 そう言って白衣を翻し、月光を正面へ。タイミングも完璧に、それは、宗厳にとって印象深さを作る。 フフン、格好良いだろう!正に芸術的!嗚呼、美しい、なんて美しいんだ!! 私は芸術が好きだ。だから、発明が好きだった。 ある本で読んだ事がある。「おしなべて観察者を無言のままに触発する人間の触発作用」、それが芸術の定義だと。 思ったのだが、ベクトルが違うだけで、発明も同じでは無いか?それを考えると、『アレ』を失敗作で済ませていいのかなと思う。 『人形兵に千鳥流を使わせる為のプログラム』を。 何故か暴走するから、封印しているが、もしかして、私の捉え方が間違っているのかも知れない。 そこで私に、ある閃きが浮かんだ。 「…まさか、暴走の原因は」 それを確かめる為に、私は助手に研究所を任せて、プログラムが封印されている場所。 井時の元へ向かう事にした。井時に向かって私は、戸惑いなく言って見せる。 まるで、地雷を踏んだが、突っ走る様に。 「井時。 あのプログラムなんだが、【私に】入力してくれ」 「……ブハァ!」 取り敢えず、予想通りに井時は吹き出した。 266: 名前:サスライ☆10/11(日) 12 05 48 ボクは混乱していた。 思わず、自分を攻撃してしまう程に。しかし、頬をつねっても痛いと言う事は、これは現実らしい。 「…えぇと、秀才に良くある、ノイローゼってヤツ?」 「いや、大丈夫。ついでに言えば、研究し過ぎで、アホの衝動に目覚めた訳でもないさ」 確かに、社は何時も通りだった。小さい身長に、白衣に、シルクハットに、小さい身長に、伏せ目に、小さい身長と。 ボクは社に考えを聞く事にした。 「うむ。 先ずは本国から、技術者不足の知らせが、届いた。 しかし、あの国は近い内に間違い無く滅ぶ。 私は、此処で作った絆を失いたくない。」 「早い話、死にたくないと」 「話が早くて、良いことだ。40Y追加だな。 暫く、此処で隠れさせて貰う。尚、私が本国に行く船は、沈んだ事になっている」 「…Yって何さ」 「今考えた単位だから、後でゆっくり会議で決めよう」 やっぱりコイツ、ノイローゼか、なんかじゃないか?兎に角、グダグダしてても話が続かなそうなので話を続ける。 何故、プログラムを己に入れるか。 「芸術は、押し付ける物では無い。無理に感性を押し付ければ、それは拒絶反応が出て当然なんだ」 …だから、その芸術を一番理解している、作者が実験台となる訳か。 しかし、あのプログラムは、笑師範を筆頭とした、様々な人々の魂の言葉。 それに耐えきれなかったら廃人にもなりかねない。 「覚悟の上さ。 それに、どちらにしろ私は抑えられないんだ。 心が熱くなるコレを 『試したい』ってさ」 白い歯を見せて、笑っていた。 267: 名前:サスライ☆10/12(月) 22 08 44 仮面がある。 材質は木に見える。 しかし、その正体は強化繊維、つまり、化学合成物質だ。 私はコレが何故、井時の部屋に在るかを知っている。コレこそが、千鳥流プログラム装置だから、此処に在るのだ。 決して、一人仮面舞踏会をして、人に見つけられ、恥ずかしさで「ギャー」と叫んで逃げるのが井時の趣味では無い。 むしろ宗厳の趣味だと思う。 『捏造せんで下さい!』 「…? 井時よ、今何か言ったかね」 「…いや、別に。研究し過ぎで君がボケたんじゃないの?」 不思議な空耳。まあ、そんな事は、どうでも良い。 風の振動を、声とでも勘違いしたのだろう。 この仮面を付ける事で、千鳥流の入力は完了する。 しかし、人形兵なら割と簡単に済むが、人間だと時間がかかったりする。 それはきっと、人形兵の心が純粋だから。純粋だから、我に囚われず、現実を受け入れる事が出来るのだ。 「井時。 人間を保存するカプセルは無事だね?」 「…うん」 井時を発見した時、井時を保存していたアンドロイド保存カプセルも回収した。 それに改造を加えて、人間を保存するカプセルを作る事に成功していた。 「人は経験を得れば、変わる。あの太子の様に。 さて、井時。この仮面を被って、千鳥流と言う経験を得た後、私はどんな人間になっているか分からない。 耐えられなくて、廃人かも知れない。力を得て、外道になっているかも知れない。 しかし、しかしだ。 その中で、【私】が残って居たら、また会おう」 仮面を被り、処理に困る情報が流れ込んで来る。 意識を失いつつも、倒れているのが自覚出来た。 まるで、墜ちている心地だった… 268: 名前:サスライ☆10/13(火) 20 08 20 此処は何処だ。 私は誰だ。 「この仮面の男が、社博士だとはねぇ」 「…恨む?君を裏切った事を」 目の前の男は誰だ。 目の前の女は誰だ。 何故、こうにも懐かしい。 「いんや、恨まないさ。彼は彼なりに戦い、俺はソレに気付かなかった。 俺は敗者さ。 敗者は何も言えない」 柔らかく、飄々と動く目の前の男の台詞には、独特の深みがあった。 この男は、この男である事を自覚しているからだ。 ならば 私は何だ、私には何がある! 解らない。解らない解らない解らない解らない解らない解らない解らない解らない解らない解らない… ワカラナイ。 「で、ボタン押したんだから、社博士ってば、意識はある筈なんだよね?」 「…廃人じゃ無ければ」 記憶の奥底に光明が見えた。それは、知識。 私が、私である為の命綱。 四肢を用いて、モノを壊す為の、知識があった。 コレが、私が私である為に存在するなら、それに従おう。 私は何故、此処に居るのだ?それは、壊す為だ。 先ずは、目の前の男を壊そう。四肢に異常は無い。プログラムから、行動の為のフォルダを探す。 フォルダ名;【龍虎咆哮】 体に力が沸く。 心臓と脳が高ぶり、そこから発せられる力が臓器と連結して、増幅した力の流れは髪の先まで達する心地だ。 さて、壊すか。 私が私である為に。 269: 名前:サスライ☆10/14(水) 19 34 21 それは奇襲だった。 社博士の手刀は、カプセルの強化アクリルを貫き、俺の顔面を切り裂こうとしていた。 突然で焦ったが、バックステップで回避して、抑え込む。 その予定だった。 が、何か違和感があった。避けた筈だが、右頬から鼻を通して左頬にかける、熱。 流血しているからだ。深々と入った傷口から。 「こ りゃ、参ったね」 軽く言って見せるが、実は、かなり焦っている。と、言うのも、俺の龍虎咆哮では、あそこまでの肉体強化は出来ないからだ。 つまり社博士は、才能なら俺を超えるかも知れない。 さて、取り敢えず血止めかな。 俺は掌を合わせ、目を閉じ、瞑想。 神経を顔の器官に集中させる。 千鳥流瞑想術、【蓮華】。傷口の筋肉を締める事で、止血を行う上に、ホルモンを操作して治癒能力を高める。 その作業の内に、社博士はメリメリとカプセルを破壊しながら、這い出て来た。 「や~れ、やれ。君はアレか、ジェイソンか?タイラントか?シュワちゃんか? っての!」 最後の一言のタイミングで、今度は、右足で飛び蹴りを放って来る。今度は、受け流し、足を掴む。 しかし、掴まれた足を軸に、俺を地面代わりにして、左足回し蹴りを放って来た。俺は下にしゃがむ事で回避、そのまま間合いを取る。お~怖い、頭が吹っ飛ぶトコだった。 まあ、そんなヤツに言う事は一つ。 「まったく、危ないじゃないか!」 271: 名前:サスライ☆10/16(金) 13 47 58 【BGM;L・O・V・E!OUTSIDER】 君が俺と戦う事を望むならば、俺はそれに答えよう。 社博士に対して、そう思う。しかし、本当にそうだと言う、疑念も浮かぶ。 もしかしたら俺は只、この傷に対する恨みで、戦っていないか? もし、そうならば、それはエゴだ。国を腐らせて逃げ出した貴族と変わらない。しかも、大義を盾にしているから、俺のは尚、質が悪い。 そこまで考えて、笑った。 希望だの、恨みだの、これは、そんな大層なモノじゃ無いだろう。 俺は、動きに合わせて、上から拳を繰り出し、社博士はアッパーを繰り出していた。 俺の方が早い。 しかし、相手は避けずに、額で受ける。 「メリ…」と鈍い音が仮面の繊維を裂く音で、しかし、衝撃は奥まで伝わる筈だ。 が、怯まずにアッパーを振り切った。これはアレか。 笑が、ロケットランチャーを受けた時の、【玄武咆哮】って技か。笑の記録が基になってるから使えるんだな。 俺の手刀は無駄になったのかと言えば、そうでは無い。 アッパーの軌道をずれさせて、顎を砕くのを、顔の左半分の下から上までの肉をエグれさせる程度に留めた。 距離を取り、大流血で俺は笑う。 「十字傷の方が格好良い。ありがとよ。格好良くしてくれて。 良いぜ、楽しもうぜ、 利口な自分探しも、陰湿な戦争も無い。 只の喧嘩をよ」 そして叫ぶ。 「やああああぁって…やるぜ!!」 銀田一 雪さんとシェンフォニー様と後、なんかの話 続き12
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解体抹消手続きとは、車の使用を一時的に中止する手続きとは異なり、完全に廃車にしてしまう手続きです。 いわゆる解体することによって、手持ちの車を完全、永久に使えなくなるようにしてしまうことを指します。 完全に廃車にするには、登録から抹消する必要があり、そのための手続きを解体抹消手続きと言います。 この手続きをするタイミングは、既に解体済み、もしくは、災害などでもう車が使用できなくなった場合に行います。 解体抹消手続きをする場所は決まっていて、現住所を管轄する運輸支局でとり行わなければなりません。 この手続きは法律で決まりがあって、解体終了の報告を受けてから、15日以内に手続きをする必要があります。 解体事業者、もしくは車の解体処理を引き受けた店から、解体された連絡を受けた後に、手続きへと移行します。 この手続きをした時は、残存する車検の有効期間に応じた重量税の還付を受けられます。 解体抹消手続きをする際は、事前に車両が解体されていることが条件で、業者から、移動報告番号と解体報告記録日の報告を受けている必要があります。 自動車保険の等級基礎知識~保険の見直しポイント~
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91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/30(金) 19 15 55.94 ID oXmgcewg0 [2/7] ツンデレと聖夜を一緒に過ごしたら その2 「ふぃ~食った食った」 食べはじめてから数十分後、俺たちの前にはほとんど空になった鍋だけが残っていた。 「ごちそうさまー。……まあ、コウジが作ったにしては美味しかったわね」 そう言うまりも、言葉通りと言うべきか、言葉とは裏腹にと言うべきか、満足そうな表情を浮かべている。 「そりゃあ良かった……はー、鍋食った後、こたつで横になれるってだけで、日本に生まれてよかったって気になるなあ……」 「まったく、コウジは呑気なんだから……食べてからすぐ寝ると牛になっちゃうわよ?」 まりの奴に見下ろされながら、ごもっともなお叱りを受ける。これでは、どっちが年上なのだかわからない。 少しムッと来たので、軽くからかってやれ。 「じゃあお前も一緒に寝て牛になるか?」 「は、はぁっ!? いっ、いいい一緒に寝るとか、なに馬鹿なこと言ってんのよ?!」 思った通り、いつもの生意気げな態度から一変して、頬を朱に染めながら目を白黒させるまり。 問題は、からかった本人である俺自身が、そんなまりを見て動揺しちゃっているところである。 「な、なに、赤くなってるのよっ、ば、馬っ鹿じゃないの……!」 「う、うるせい、お前だって真っ赤だっつうの……!」 お互いに黙って睨み合うが、言うまでもなく、まりも俺も赤面したままであり、まったくもって格好がつかない。 (ええい、何でもいいから、なんか空気を変えられるもんはないか……) 「あっ、そうだ」その時、俺の脳裏に閃くものがあった。というか、今の今まで大事な物を忘れていた。 「な、何よぅ……?」 また、さっきみたいにからかわれるのを警戒しているのか、まりからは、疑うような視線を向けられる。 「良いから、ちょっと待ってろ」 言って、俺は自分の部屋から、綺麗にラッピングされた小さめの箱を持ってきた。 「そ、それって、もしかして……?」 まりは、期待と驚きの入り交じったような目を、その箱と俺の顔の間で行ったり来たりさせる。 俺は、そんな子供みたいなまりに微笑みを漏らしつつ、クリスマスプレゼントを差し出した。 「ああ、お前が気に入ると良いんだけどな……」 「あ、開けても良いの?」プレゼントを受け取ったまりが、恐る恐るといった様子で問いかけてくるもんだから、またもや思わず微笑んでしまう。 まったく、いつもの生意気なまりは、一体どこに行ったんだか……。 「もちろん、そのために買ってきたんだからな」 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/30(金) 19 16 49.80 ID oXmgcewg0 [3/7] 「じゃ、じゃあ、開けるからねっ」 中の物が、万が一にも傷ついたりしないように、丁寧に包装を破るまりを見ていると、知らず俺まで緊張してしまう。果たして、俺の選んだプレゼントをお気に召してくれるだろうか。 そうして、箱の中から現れた物。それは…… 「こ、これ、マフラー……?」 「お、おう……いや、ほら、お前、ちょっと前まで使ってた奴、古くなったから捨てたって言ってただろ? だから、この冬はそれ使ったらいいんじゃないかって……」 俺が、まりへのプレゼントとして選んだのは、目にも鮮やかな明るい赤色のマフラーだった。 しかし、まりがただじっと、それを見ているもんだから、俺は不安になって口数が多くなってしまう。 (あちゃー、こりゃあ、やっちまったかなあ……) 「あー、気に入らないんだったら、それは返品して、また別の奴に……」 「い、いいわよっ……」 「へ?」 「だっ、だからっ、これで良いって言ってるの!」 「いや、でも……」 「だ、だってさ、こ、これ、コウジが私のために選んでくれたんでしょ……?」 「あ、ああ、まりだったら、やっぱり明るい感じの色かなぁと思って、いろいろ見比べてみたりはしたけど……」 「だ、だったら、これで良いわよ。ま、まあ、その、コウジにしては悪くないセンスだと思うし?」 「……つまり、気に入ってくれたと?」 「そ、そういうわけじゃないけどっ! わざわざ選んでくれたものを受け取らなかったりしたら、いくらコウジ相手でも失礼だと思っただけだしっ! ……って、ああもう、なににやけてんのよ!」 「いや、お前だって、さっきから超にやけてるし」具体的には、『コウジが私のために』云々のあたりから、いつもの、にへって感じの笑いが、顔に張り付いていた。 「へっ!? う、嘘っ、にやけてなんかないもんっ。……に、にやけてなんかないけど、こっち見ちゃ駄目だからね!」そう言って、俺のあげたマフラーで口許を隠してしまうまりが、可愛くて仕方ない。 (ああチクショーっ、認めないようにしてたけど、やっぱ俺、こいつのこと好きだ……!) とうとう、自分の気持ちを理解しだした俺は、意図的にまりから顔を背けて、言う。 「ま、まあ、今日はそれ巻いて帰るといいさ。デザインだけじゃなくて、実際に暖かいかどうかも考えて選んだしな。……さーて、渡すもん渡したし、鍋とか片付けるかなっと」 「ま、待ってよ」 こたつの上の鍋へと向き直った俺を、まりが呼び止める。 「ん? どうした?」 「わ、私からも、その……ぷ、プレゼントがあるんだけど……」 「お、マジかよ? もしかして、そのデカイ紙袋の中か? 俺はてっきり、オセロとかボードゲームでも持ってきたのかと思ってたんだが……」 俺は、言いながら、まりがもってきた、やたらと大きな紙袋へと目をやった。確かに、最初から気になってはいたのだ。 「ま、まあ、プレゼントっていうか、プレゼントの一部っていうか……」 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/30(金) 19 17 53.56 ID oXmgcewg0 [4/7] 「一部……?」なんだそりゃ? 「う、うん……ちょっと、準備してくるから、待っててね……ぜ、絶対見ちゃ駄目だからねっ」 「あ、おいっ……」 そんな、さっきと似たようなことを言って、まりは止める間もなく、廊下へと出ていった。 「何だってんだ一体……?」 準備する時間が必要なプレゼントとは何なのだろう。しばらく悩んだが、ちょっと待てばそれもわかるだろうと思い、とりあえず鍋や茶碗を流しへと運ぶことにする。 そして、こたつの上がだいたい片付いた頃、 「お、お待たせっ」 そんな声と共に、廊下と居間を繋ぐドアが開いた。 「お、ようや――」 言いかけて、絶句する。 「な、なに黙ってるのよ……なんか言いなさいよ……?」 「……えーと、髪、下ろしたんだな」とりあえず言えたのは、それだけだった。いや、確かにいつもツインテールとかいう髪型にしているまりが、髪を下ろしているのは珍しいのだが…… 「そっ、そんなことより、もっとなんか言うことあるでしょ?!」 いい加減、引っ張るのは止めよう。まりの今の格好を端的に言い表すのなら、そう…… 「み、ミニスカサンタ、か……」 この時期、色んなキャンペーンやらでよく見る、あの衣装である。さりげなく、俺がさっきあげたマフラーまでしていて、頬がにやけてしまうのが、止められそうにない。 そんな俺の様子には気づかずに、まりは落ち込んだように俯いてしまっている。 「や、やっぱ、似合ってないかな? ぅ、そ、その、友達が絶対似合うって言うから、借りてきたんだけどさ……へ、変だよね、やっぱり……」 「いっ、いや、全っ然変じゃないぞ!? ただ、可愛すぎて、言葉が出てこなかっただけだ!」 なんだか不安そうで、泣きそうなまりの表情を見て、慌ててフォローする。いや実際、奇跡みたいに可愛いし。 ただその、すらっとした生足が、惜しげもなく露出していて、物凄く目のやり場に困る、という難点はあるのだけど。 「よ、良かったぁ……にひひ、まあ、私なら何着たって似合うなんてわかりきってたけどねっ。……で、でも、その、あ、ありがと……」 「お、おう……なかなかインパクトのあるプレゼントだったぜ……」 「……あ……ううん、違うの……」 「? 何がだ?」 「だ、だから、これを見せるのがプレゼントじゃないの……」 「えっ、じゃあ何が……?」 さっきまで、何か決心を決めかねているようだったまりが、今、顔を上げ、俺の目をしっかりと見つめる。その目は、少し潤んでいて……それでいて、どこか強い意思を宿し、輝いているように見える。 94 名前:終わり[] 投稿日:2011/12/30(金) 19 18 47.17 ID oXmgcewg0 [5/7] 「わ、私……」 「へ?」 「ぇ、えっと、だから、その……わ、私がコウジへの、ぷ、プレゼント……」 「…………へ?」 まりがプレゼント? 俺への? つまり、だから? ……駄目だ、混乱しすぎて、まるで考えがまとまらない。 黙り込んでしまった俺に、まりは今にも泣き出しそうに潤んだ瞳と、真っ赤に染まった、その天使みたいな顔を、しっかりと向けたまま告白を続ける。 「だ、だから……わっ、わた、私は……こ、コウジの、ことが、す、好き、なの……」 「……はは、あーそうか、キスの時みたいなジョークだろ、これ? まったく、年上をあんまり……」 「ち、違うもん!」 「っ、まり……」 「じょ、冗談とか、嘘じゃ、ないん、だからっ……! わ、私はっ、ずっと、ずっと前から、コウジのことがっ――」「まり!」 「ぇ、ぁ……? こ、こう、じ……?」 気づけば……気づけば、俺は、まりを抱き締めていた。もう誤魔化すこともできないくらいに、自分は、まりのことが好きなんだと、このときようやく俺は自覚したんだ。 「ごめん……ごめんな、まり。冗談ってことにして、誤魔化そうとしてたのは、俺の方だ……。俺も、俺も、まりのことが好きだ、大好きだ……!」 「ぅ、うわぁあああぁん、コウジぃっ」 滅多に泣いたりしない、気丈なまりが、まるで子供のように涙を流しながら、俺に体ごと抱きついてくる。何故だか、俺まで泣いてしまいそうだ。 「コウジ、コウジ、コウジぃっ! い、いっつも、酷いことばっかり言ってたけど、でも、でも、ホントはコウジのことが好きなのっ、大好きっ!」 「ああ……ああ、俺も大好きだよ、まり。……本当にごめんなぁ、こういうのは、やっぱり男から言わないとダメだよなあ……」 「ううん、いいよ……こうして、ちゃんと好きだって言えたもん……コウジからも好きって、言ってもらえたんだもん……。……だから、ねえ、コウジ……私と付き合ってくれるなら、ちゃんと形にして……?」 そう言って、まりはゆっくりと目を閉じる。 俺は、高鳴る胸をなんとか抑えて、ゆっくりと、まりの愛らしい唇へと、自分のそれを重ね合わせた。 それは、時間にすれば、きっと二秒と経っていなかっただろうが、俺にとってはまるで永遠のように感じられた。 「コウジっ、大好きっ!」 長くて短いキスの後、まりは感極まったように、再び体ごと抱きついてくる。俺は、それを抱き返して、また、好きだと囁きながら……いつもみたいに優しく、頭を撫でてやるのだった。 ただし今度は、教え子でも、年の離れた幼なじみでもなく……他の誰よりも可愛らしくて愛しい、たった一人の恋人に対して。
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準決勝 淡「リーチ!」 姫子(このままじゃ……負ける) 姫子(部長と頑張ったのに……京太郎くんも見とるのに) 姫子(……そうやった……京太郎くんも見とるんよね) 姫子(やったら……負けるとことか、見せられんよ!)ゴッ 淡(新道寺?何か変わった?)タン 姫子「……ロン」 淡「……え?」 姫子「もう、負けんよ」 姫子「みんなが、部長が、京太郎くんが見とるんやけん、負けられんよ」 決勝 姫子「ツモ」 実況「き、決まったー!!優勝は、新道寺女子高校!!」 淡「ははは……強いや」 咲「うぅ……カンできなかった」 末原「…………」カタカタカタカタカタカタカタカタ 表彰式 「団体戦優勝は新道寺女子高校!おめでとうございます」 哩「やった……やったんやな」 煌「す、すばらぁああああああ!すばらすぎです!!」 姫子「もー……花田、落ち着かんと」 「新道寺女子高校の選手は、前に出てください」 哩「姫子」 姫子「え?部長じゃ…」 哩「こんなかで一番頑張ったのは、姫子たい」 姫子「は、はい!」 「では、優勝旗と…」 「何か、一言お願いします」 姫子「えっと……その……」 「こう、言いたいことがあれば」 姫子(こ、こういう時は……部長がやってるみたいになんか一言……いや、言いたいこと?) 姫子「京太郎くん!好きです!!付き合って下さい!!!」 姫子「…………あ」 ざわ……ざわ…… 姫子(ま、間違えた!!これは2人きりの時に…) 京太郎「俺も!姫子さんが好きです!!」 姫子「……え……あ、ありがとう!!」 パチパチパチパチパチパチパチパチ 「おめでとー!!」 「羨ましいぞー!!」 「すばらぁぁぁぁ!!」 「リア充爆発しろ!!」