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きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月 点数:7P 票数:6票 (2015-01-23) BaseSon Light ←感想15-31.花咲ワークスプリング! →感想15-33.ハルウソ -Passing Memories- 2015年に戻る A-179■きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月■― SC H2 1025 元気チビ・シニカルノッポ・おっとりおっぱいの仲良しルームメイト3人組。 その全員が主人公かつヒロインであり、ひとりがひとりに恋をしたクリスマスまでの1ヶ月を描くという、ありそうでなかった低価格百合ゲー。 最大の特徴はカップリングによってキャラクターのタチネコが変化することで、 残り一人の反応も応援したり黙って見守ったりと三人の三様の関係性の変化を楽しめる至高のカプ厨ゲーである。 主体が固定される男性主人公ではどうあっても出せない「掛け算によって引き出されるキャラクターの多面性」という カップリングの楽しさをエロゲ界隈に持ち込んだのって実はこれが初めてじゃなかろうか。 ボリュームは価格相当だしヤマらしいヤマもないがその分短編としてすっきり纏まっており、 最後にはちょいとメタ入った小粋な伏線回収もあって、今後百合ゲーを語るうえで外せないであろう意欲作。 お気に入りは文。クリスマスイブのチャペルの中、言葉責めしながらノリノリでスパンキングをキメるシーンは必見。 キャラの変化という点ではケンカ友達から犬になりたいと言い出し、首輪型チョーカーを貰ってつけて!つけて!と喜ぶ陽菜も中々に。 A-166■きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月■― S H1 156 優しい優しい恋の物語。低価格故の物足りなさはあるものの、 ショートストーリーとして綺麗にまとまっていて非常に楽しめました。 ほんわり幸せになる感じ。 2-038■きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月■+1 SC H2 142 単なる百合ゲー、癒しゲーとしても十分良作だが、シナリオも良かった 少女達の恋愛模様、TRUEルートで感じられる余韻、どれも自分の好みだった A-160■きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月■― SC H1 72 百合ゲー入門用の作品 他では味わえないような、暖かい雰囲気が良かった A-152■きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月■― C H3 56 隠れた良作、優しい百合の世界にはニヤニヤしっぱなしでした A-066■きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月■― C H1 38 癒し系の百合ゲー。隠れた良作だと思う。 ←感想15-31.花咲ワークスプリング! →感想15-33.ハルウソ -Passing Memories-
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彼と彼女の恋愛事情 『だきしめる』 彼と彼女の恋愛事情 『なまえをよぶ』 彼と彼女の恋愛事情 『すきということ』
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彼女と彼女の事情 鴻畔を乗せて運ばれていく担架を見送ると、シスター・マリーはベンチに腰掛けた。 格闘大会である以上、仕方のないことである。だがライバルたちを再起不能に追い込む罪悪感に、マリーは未だ慣れることができないでいた。 「明日は我が身、か」 そう呟くと、煙草を取り出し火をつける。 紫煙の向こうに、先程まで戦場だった公園が霞んで見えた。 大会も6ターン目を迎え、続々と脱落者が出ている。 逆に言えば、賞金1兆円を手にする優勝者候補の数も絞られ始めたということだ。 このままいくと…… 「この公園内は全面禁煙だぜ」 突如自分に向けられた声に振り返ると、そこにはスーツを着てよれたコートを羽織った男が立っていた。 30歳前後といったところか。一見したところ人畜無害な様子だが、油断のない面構えが彼の実力を物語っている。 「わりぃな、そいつは知らなかったよ」 マリーは煙草を揉み消すと、ポケットから取り出した携帯灰皿に突っ込んだ。 「ほう、準備がいいな」 「喫煙者のエチケットってヤツだろ。ところであんたは?」 「おっと、こいつは失礼した。俺はこういうもんだ」 男はコートの内ポケットに手を入れると、警察手帳を取り出して見せた。 「……振樹……渋流? ふれきしぶる、変わった名前だな」 「名前のことは言わんでくれ。気にしてるんだ」 ムスッとした表情を見せる振樹刑事。 渋い格好に似合わぬ子供っぽい態度に、思わずマリーの頬が緩んだ。 「ははは、悪かった。ところで刑事さんがオレに何の用だ?」 振樹は数秒マリーを品定めするように見ていたが、何かに納得したように口を開いた。 「刑事の勘(FS:5)なんだが、どうにもこの大会はきな臭いような気がしてな。個人的に動向を監視しているんだ」 「きな臭い?」 「具体的なことは言えんが、な」 「ふーん」 生返事のマリー。 「なんだ、興味なさそうだな」 「俺は賞金を稼げさえすれば文句はないからな」 負傷治療のためにした借金は、既に返済している。 優勝できるかどうかは置いておくとしても、知名度上昇による寄付金の増加が未知数な今、財政難の施設のために少しでも賞金を稼いでおかなくてはならない。 「まあ、そういうことだ。オレは何も知らないし、取り調べしたって有用な情報は出てこないぜ。おかしなヤツを見かけたら教えてやる、くらいのことはしてやるよ」 「そうだな、よろしく頼む。ただ、この話は他言無用だぞ。俺はマナーの良いお前さんを信用したんだからな」 そういって、振樹はマリーが手にしている携帯灰皿を見やった。 「ああ、これか? これは今年の俺の誕生日に、施設の子どもたちがプレゼントしてくれたんだ」 「施設……。ああ、そう言えばお前さん、聖アリマンヌ教会のシスター……いや、天使さんだったな」 「アリマンヌ教会のこと知ってるのか! これは知名度も上がってきたな!」 「いや、俺はあそこの近所に住んでいて、出勤で教会の向かいの道を通るんだよ」 露骨に落胆するマリー。だが、ランキング中位ではそんなものなのかも知れない。 と、そこで振樹は何かを思いだしたようだった。 「どうした?」 「いや、今日出勤途中に見たんだが、アリマンヌ教会に救急車が停まってたのを思い出してな。なんかあったのか?」 「救急車?」 胸騒ぎがした。 救急車が来たということは、教会か施設でかなり大きな怪我人若しくは病人が出たということだろう。 ふと、親友の顔が浮かんだ。 子供の頃から彼女はあまり身体の強い方ではなかったが、最後に会ったエルザの顔色は明らかに良くなかった。 大会に集中してもらうために、あえて自分に何も告げないのだろう。 エルザの気遣いを察し、自分から聞くことはしなかったが、まさか…… 振樹に断りを入れ、ケータイでエルザの番号に電話を掛ける。 ほんの数秒でつながり、マリーは焦りを押さえて第一声を切り出した。 「もしもしエルザ、今朝教会に救急車が来てたらしいけど、なんかあったのか?」 いつものように、のんびりとした声が聞こえてきて欲しい。嫌な予感なんて打ち砕いて欲しい。 マリーの希望は、悲鳴に似た子供の声にかき消された。 『マリーねえちゃん! エルザねえちゃんが!』 息が詰まった。鼓動が早まる。 「エルザ!? エルザがどうしたんだ!?」 『今朝急に倒れて! 胸押さえて苦しそうで! 咳も全然止まらなくて、どうすればいいのか分からなくて!』 『バカっ! マリー姉ちゃんには絶対に言うなって、エルザ姉ちゃんが』 『でもっ!!』 身体の芯が冷えていく。 携帯電話から聞こえてくる大音声が、いやに遠い。 「……大丈夫、大丈夫だ。エルザはそんなに弱いやつじゃない。あいつなら大丈夫だから、な」 声が震えているな、とやけに冷静な自分をぼんやりと感じながら、マリーはエルザの状況や搬送病院を聞くと電話を切った。 「あんな大きい声で話してりゃあ、筒抜けだぞ」 いつの間にか、振樹刑事が後ろに立っていた。 「……行かなきゃ」 「パトカー貸してやる。二戦目までに戻って来ないとマズイだろ」 「すまん」 「良いってことよ」 ついてこい、と手で合図をしながら振樹は言った。 「警察はな、善良な市民の味方なんだよ」 ********************************* 治療法はあるが、失敗する可能性は無視できない。 どのような処置を施すにしろ、高額の治療費が掛かる。 今は容態が安定しているが、今後どうなるかは分からない。 病室で聞いた説明は、だいたいこのようなものだった。 「よく考えてからご返答ください」 「いくら掛かっても構いません。オレの親友を、治してやってください!」 医師の言葉に、マリーは即答した。 ********************************* 壁際に立って腕時計を見ていた振樹が、片羽の生えた背中に声を掛けた。 「そろそろ出発しないと、間に合わなくなるぞ」 「……そうだな」 握り続けていたエルザの冷えきった手を、そっと布団の中に入れる。 眠っている親友の黒髪を軽く撫でると、マリーは立ち上がった。 守るべきものを守るためには、戦って勝ち取らねばならない。 聖人であり天使でもある少女は今、鬼として戦場に舞い戻る。 「……じゃあ、行ってくる」
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キーボードを打つ規則的な音が部屋に響く。 ふと、時計を見れば時刻は深夜2時。締め切りまであと57時間。 ペース自体は悪くないが、どうも気分が盛り上がらない。 顔を上げ眼鏡を外して軽く目元を揉みほぐす…物音が聞こえたのはその時だ。 そちらを見ればメイド服姿の神姫…私の神姫、D-ベルセルク。 頭上に掲げた盆に載ったコーヒーカップが湯気を立てている。 「どうした?ベルセルク」 眼鏡を掛け直して問う。椅子の背凭れに身体を預けて。 「論理構成の小規模なバグ、誤差内のデータの不整合…有り体に言えば、ストレス」 説明しながらこちらに歩いて来る。盆を持ったまま器用に机に飛び乗った彼女がカップを 勧めながらこちらを見詰めて。 「レクリエーションによる改善を希望」 ベルセルクがそう告げる。 「成程。だが私も締め切り前で忙しいんだがな?」 手を止めてそちらを見下ろし、問いかける。 カップを受け取ってゆっくりとコーヒーに口をつけ。 「駄目?」 無表情ながらも上目遣いでこちらを見る姿はそれなりにそそる物がある。 この服を買い与えたのは悪くなかったかも知れない。 「さぁな。で、何がしたいんだ?」 「もっとも効率の良いレクリエーション…」 私の問いに、腕組みしたベルセルクがしばし黙考する。 「セックス」 やがて顔を上げて言い放ったその一言に、流石の私もコーヒー吹いた。 「今のはなかなか良かったぞ、ベルセルク」 吹いたコーヒーを片付けながら、我が神姫のアドリブ能力を褒める。 その思考パターンは正直予想外だった。 「なら、遊んで」 無表情のまま切り返すその姿は何か資質めいた物を感じる。さて。 「それとこれとは別だ。とはいえなかなか気を持たせる導入ではあったな」 机の上に頬杖して、ベルセルクを見下ろす。 「好きか?セックス」「好き。気持ちいい」 即答か。 「私も好きだ。奇遇だな…だが、まだスイッチが入らない」 それっきりモニタへ向き直り、再びキーボードを打ち始める。 「その気にさせてみろ」 さぁ、どうでるか。 視界の端で思案するベルセルクに、内心は笑みを浮かべているのだが。 やがて、ベルセルクがゆっくりと声を上げた。 「ボス…見て」 メイド服のスカートをたくし上げてベルセルク…ベルが俯く。 僅かに朱の差すその表情と、彼女の下半身を交互に、執拗に視線で舐める。 その視線すら刺激なのか、妖しい笑みを浮かべる彼女。 「まったく。いやらしいヤツだな、お前は?」 その表情は確かに、私の嗜虐心を刺激するのに充分ではあった。 指先でその顔を持ち上げ、視線を交わらせる。 「快楽や本能に忠実な事は自然な事。ボスの信条でもある」 「私もそう…だから、今欲しい」 コイツは私の主義を割りと色んな面で理解している。 焦らすのもそろそろ飽きたし、問答も無駄だろう。なら、楽しむことにしよう。 悪くない提案とは思って居る。 「期待した目をしているな…ほら、舐めろ。いつもの様にな」 人差し指をベルの前へ突き出す。 ベルは淫靡な瞳でソレを見詰めると、男性器を扱うように頬を擦り付け舌を這わせた。 人間、しかも女の指とはいえ、神姫には充分巨大なサイズだ。 ゆっくりと全体に自分の唾液を塗りつけるように丁寧に舐めるその表情を、 目を細めて見詰める。 「美味いか?」 一心不乱に指先を愛しながら、ベルが頷く。 彼女の口を滴る液体が、彼女のメイド服のエプロンを汚す。 その光景は扇情的だ。 身体の奥が熱を持ち始めて居るのを自覚し、指を離す。 ライトを反射して妖しく濡れた指を彼女の目の先へ。 「お前がサカるから指がドロドロじゃないか」 笑みを含んだ声。自分で聞いていても可笑しくなる。 私は明らかにこの状況を楽しんでいた。 「すっかり汚れてしまったな…お前ので」 呟き、指に纏わり付く唾液を舐め取る。 「厭らしい味だ。こっちまでそんな気分になって来る」 立ち上がり見せ物の様にブラウスのボタンをゆっくり外していく。 惚けた表情でこちらを見るベルに衣服を脱ぐよう促し、私もスカートを床に落とし 下着を脱いで髪留めを外した。拘束を解かれた長い髪が揺れる。 ベルを連れてベッドに横になる。 ベルのボディは人に近い質感を持ち、触覚を強化したタイプだ。 体の繋ぎ目はあるが、素肌の上にボディースーツを着たような状態を素体とする。 元々は感覚強化用に購入したのだが、こういう使い方も当然想定はしていた。 やはりノーマル素体よりは一糸纏わぬ肌の方がそそるという物だ。 「いい格好だ。お前の裸はいつ見てもそそるな」 笑みを浮かべ、賞賛する。もっとも、揶揄に聞こえたかも知れないが。 「ボスも綺麗」 頬を上気させ、自分の胸に手を置いてベルが呟く。 年並みに美容や体系維持はしているし、身体ラインに自信はあるが。 己の神姫とは言え、褒められるのは女として悪い気はしない。 「ムードが無いな。セックスの時ぐらい秋奈でいい」 微笑みベルを手で抱き寄せ。 ─私達は今夜最初のキスを交わした。 「そう…好きにしていいぞ」 ベルは私の上に乗り、私の胸にその裸身を擦り付けている。 「お前、意外と胸が好きだな」 「柔らかいし、暖かい。それに…秋奈の鼓動を感じる」 そう呟きながらも、その小さい口で私を攻め立ててくる。 その、微細な刺激がむず痒くも心地よくもある。 「ベル、先の方だ…舌で丁寧にな」 「ん…秋奈も、好き…?」 指摘しつつ、その小さい舌が私の乳腺を弄る。 ピリピリと背中を僅かに走る電流のような感覚。 「ん…否定はせん、よ。」 素直に声を上げるのもなんとなく面白くなく。 指を噛んでその刺激と痛みを味わう。 指に食い込む歯の硬さと痛み、胸を弄ぶベルの舌の感覚が重なって快楽を引き出す。 痛みと快楽は近しいモノだと感じる。 少なくとも、私は肉体を激しく責め立てられるのも嫌いでは無い。 「秋奈…腰が疼いてる。そろそろ、する?」 こういう事を指摘されるというのもバツが悪い物だ。 「久しぶりだからな…ん」 指を自分の奥へ宛がい、具合を確かめる。 欲求不満でもなかろうが、久しぶりの快楽に其処はすっかり出来上がっていた。 「ふふ…我ながら、貪欲と言うか。愚かしい事だな…」 「準備は出来て居る…来い」 軽い自嘲の笑みを浮かべ、ゆっくりと脚を開く。 脚の付け根の位置に、ベルが移動した。 「そうじろじろ見るな。初めて見るワケでもあるまい?」 「ここも好き。ひくひくしてる」 神姫の小さく硬質な指が、敏感な壁をそっと撫ぜる。 「っ…恥ずかしいヤツだ…」 突然の刺激にベッドに倒れこみ、私は暫くベルの成すがままに任せる事にした。 ベルが外側から私の奥へと、その手と舌を使って刺激を繰り返す。 時間をかけて道筋を作りつつ、ベルの身体自身が私の内側へ侵入してくる。 無言のまま私の内側へ愛撫を繰り返すベルを受け入れるべく、極力身体の力を抜く。 会話が無いのも間が持たないが、自分の内側で喋られるのも気味が悪い。 身体の奥をノックされるような感覚にピクピクと内側の筋肉が引き攣るのを感じる。 …妙な事を考えていても、身体は正直な物だ。 「ッ!?」 その時、ベルがキスをした。内側にだ。 身体を、電流が走る。 いや、生易しい物では無い。ショックを受けたように身体が強張る。 「く…うぅぅっ…うぁ…」 内側も大した抵抗のハズだが、ベルは味を占めたようにキスを繰り返す。 ビクビクと身体が震え、昇り詰めていく感覚を強く感じる。 マズイ─そう、思った時にはもう達する直前だった。 「─ッ!!!」 そして止めとばかりにベルの抱擁を身体の内側に受け、私はそのままガクガクと 身体を弛緩させた。 「はぁ…はぁっ…」 激しく息をつき、疲労に身を任せて…やがて、彼女を中から引き抜く。 「…ベタベタだな」 笑い、彼女をウェットティッシュで拭いてやる。 「ムチャをしおって…今度は私の番だな?」 ベッド脇のノートパソコンからケーブルを引き出し、ベルへと接続する。 素早くコードを入力すれば、ベルの身体が大きく震えた。 「ふぅっ…」 「すっかり身体が出来上がってるじゃないか。まったく…私もお前も、しょうがないな」 自嘲と加虐…そして言い知れぬ興奮。 直接制御系にコードで干渉する事で、身体自体に快楽を「入力」する。 身体を撫で回し、貪り、その奥へ突き立て、抉る。 ソレをコードを使って実体験させる…私がコイツらを抱く為に編み出した方法だ。 今、彼女の身体はソレを認識している。 己の身体を蹂躙し、その身体を行き来する強い身体の快楽を。 「どうだ?お前はこういう風に責められるのが好きだったな?」 ベルの身体を四つんばいにして、後ろから突き立てる。 「もっと…激しく…して…」 か細いその声に唇を歪めて、さらなる行為を打ち込む。 「存分に啼け」 その身体を愛撫する様に、キーボードを滑る指。 嬌声を上げ、ガクガクと身体を揺らす目の前の小さな少女。 …随分歪な形だが、与える側と受ける側がいて。それはまた双方向でもある。 自分達がしている行為が、セックスなのだと改めて自覚する。 これもまた、進化というモノなのかも知れない。 …いや、大げさな話だ。コレは、私と彼女の遊戯。そのぐらいの方が良い。 いっそう高くなったベルの声が、私を現実へと引き戻す。 ちらりと見たグラフの波形が、限界が近い事を告げる。 「…そろそろか」 スパートを掛けるように激しく叩き込む。 言葉にもならない呻き声を上げ、身体を戦慄かせてベルの身体がガクガク揺れる。 耳までを紅潮させ、大きく口を開き、声にならない悲鳴を上げて。 やがて身体を大きく仰け反らせて震えたベルは、繰り糸が切れたように その場に崩れ落ちた。 熱いシャワーを浴びる。情事の残り香を洗い流し、思考をクリアに。 …結果としてはあのまま原稿と睨み合うよりは遥かに有意義ではあった。 どちらの為のレクリエーションだか判った物ではない。 それが可笑しくて私は少し笑った。 髪を拭きながら部屋に戻れば、過負荷で一時的にダウンした(俗に言えばイッた) ベルがハンドタオルを身体に捲いて座っていた。 擬音で形容すればちょこんと、というヤツだ。コレはコレでなかなかの光景ではある。 「起きたか。いや、起こしたか?」 「問題なし。このタオル…ボスが?」 「…風邪はひかんだろうが、裸で転がしておくのもなんだろう?」 常に服かアーマーを着せ続けているおかげか、ウチの神姫は完全な素体状態を人間で 言う裸の様に認識している。そして、羞恥もする。 もっともそうなる様に仕込んだのは私だが。 羞恥するコイツらをメンテする弟の狼狽した顔と言ったらもう傑作だ。 素晴らしきかな人生。 「ありがとう…」 小さく呟き、下を向くベルの声に現実に戻る。いい反応だ、育てた甲斐を感じる。 「私は仕事に戻る…戻って寝ろ」 「…充電は足りている。今日はここで寝たい」 やれやれ。ま、情事の後ぐらい優しくしてやるのもいいだろう。 「なら、ここで眠れ。寝付くまでは傍に居てやる」 私もベッドに横になり、ベルを寝かせる。 「手、貸して」 「握りたいのか?指にしておけ」 差し出した指を握り、はにかんだような笑みを浮かべてベルが目を閉じる。 微かに残る疲労感と火照った身体。何よりこの弛緩した空気が私の眠気も誘う。 時計の針は午前4時半を示していた。 …ハンパな時間だ。やはり今夜は私もこのまま眠ってしまおう。 この心地よさで眠らないのも惜しい。 「おやすみ、ベル」 もう眠っている彼女にこの声は聞こえまい。 だが、その無意味さが人生の機微というヤツだろう。 一人小さく笑った私が眠りに落ちるまで、そう時間は掛からなかった。 メニューへ
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366 :僕と彼女の恋事情 ◆msUmpMmFSs [sage] :2006/09/14(木) 15 39 30 ID iRL1fkGP 1/彼の場合 友人曰く、幼馴染のユーナは『電波女』だそうだ。 「……ユーナ。これって実はアンテナだったりするのか?」 ユーナの頭頂部より少し後ろから、尻尾のように生えている髪の毛を掴んで俺はそう訪ねた。 腰まで伸びた髪の毛は見た目よりも軽い。梳いてもらっているのだろうか。 もっとも、四六時中一緒にいるが、ユーナが美容院に行くところを俺は見たことがない。 多分、自分で切ってるんだろう。 真夜中に、電気もつけない真っ暗な部屋で、一人ハサミをチョキチョキ動かすユーナの姿を想像してみる。 中々面白かったので、つい笑ってしまった。 「ヘンなマー君。なんでアンテナなのかな? なんで笑ってるのかな?」 そう言って、制服姿のユーナは手に持った荷物をぶん、と振りながら振り返った。 俺は髪を持ったまま一歩下がって、 「友人曰く、ユーナは電波女だそうだ」 そう言うと、ユーナは「けたけた」と口に出して笑った。 「やだなマー君。『曰く』なんていう人、わたし始めて見たよ」 ユーナは笑ったまま、さらに半回転して歩き出した。 手で掴んでいた髪がすり抜けていく。スカートの裾がわずかに円を描いた。 俺はため息を一つ吐いて、その後に続く。 もう夜も更けているので、辺りは足元が覚束ない程に暗い。 田舎の裏道には街灯もなければ、通行人もいない。驚くべきことに車のヘッドライトすらないのだ。 だというのに、ユーナは見ているこっちが危なく思うくらいに、ふらふらとした足取りで進んでいく。 「――ユーナ。こけるぞ」 「ねぇマー君。わたしがこけたら泣くのかな?」 「……泣きはしないが困るな」 我ながら面倒くさそうな口調で言うと、ユーナはぴたりと足を止め、 すすすすすすすと、後ろ向きにすり足で寄ってきた。夜道でそんなことをやられると妖怪に見える。 俺の隣まで戻ってきたユーナは、荷物を左手に持ち替え、右手で俺の腕に抱きついて、 「なら、一緒に歩こっ」 上目遣いでにっこり笑ってそう言われたら、何も言い返せない。 決して、腕にあたるふくらみに惑わされたのではない。本当だ。 「いいけど。腕掴んだままこけるなよ、頼むから」 「マー君は心配しょうだなあ。お姉ちゃん心配だぞ」 「ぬかせ。そもそもユーナ、お前の方が年下だ」 「マー君と三百六十四日違うだけじゃない、それくらいいいでしょ?」 「前後の文が繋がってない」 他愛のないことを話しながら、全体重をかけて抱きついてくるユーナを引きずるようにして歩く。 俺はどうして――こんなことをしているんだろうな? 367 :僕と彼女の恋事情 ◆msUmpMmFSs [sage] :2006/09/14(木) 15 49 04 ID iRL1fkGP 2/彼女の場合 わたしの見る限り、幼馴染のマー君は殺人鬼だ。 「マー君っていっつも真っ赤だよね」 わたしがそう言うと、マー君は「俺は郵便ポストじゃない」なんて低い声で呟き返してくれた。 わたしの何気ない言葉にも、マー君はぜんぶ答えてくれる。学校だと、みんな何にも言わないのに。 みんなの耳が悪いのか、マー君の耳がいいのか。たぶん、どっちかだと思う。 「でも、赤いマー君はかっこいいよね」 そうか、とマー君は頷く。十センチ高いところにある瞳が、わたしの方をちらりと見た。 腕に抱きついたまま、わたしが「にこっ」って笑い返すと、マー君は恥かしそうに視線をそらした。 うん、こういうところは昔から変わってない。 昔からマー君は、無口で、ぶっきらぼうで――なにより、赤い。 小一のとき、階段から落ちたわたしを庇ってくれたマー君は、頭から血を出して真っ赤だった。 小三のとき、お母さんが死んじゃいそうなときに助けてくれたマー君も、真っ赤だった。 小五のとき、火事になった家から助けてくれたマー君は、火に照らされて真っ赤に見えた。 いつだってマー君は助けてくれたし、そのたびにマー君は真っ赤だった。 だから、好きなのだ。 ――彼が殺人犯だとしても。 「マー君はいつだってマー君だねー」 「ユーナはユーナのままだな」 「そうかな?」 「だよ」 「えへへ、そっか。マー君は、いっつも一緒だもんね」 右手でしっかりと、マー君に抱きつく。本当は左手でも抱きつきたいけど、荷物を持ってるから無理。 掴んだマー君の手は、真っ赤な血で濡れてたけど、気にしない。 マー君の白いシャツは、血で真っ赤に染まってたけど、気にしない。 だってわたしは、赤いマー君が大好きなんだから。 真っ赤に染まったマー君は格好よくて、いつでも私を助けてくれる。 「ねーねーマー君」 「んだよ」 「わたしねー、マー君のこと好きなんだよ」 思い切ってそう言うと、マー君はわたしを見て、 「知ってる」 その返事が嬉しくて、わたしは思わず笑ってしまう。 マー君は殺人鬼だ。 けど、マー君を通報しようとか、逃げようとか、そんなことは思わない。 いつかマー君に殺されるかもしれないけど、それでも、いいのだ。 ――しょうがないじゃない、惚れたんだから。 368 :僕と彼女の恋事情 ◆msUmpMmFSs [sage] :2006/09/14(木) 16 00 41 ID iRL1fkGP END/彼と彼女の場合 ユーナ曰く、俺は殺人鬼らしい。 まあそれでもいいと思う。腕に抱きついて、「えへへ」と幸せそうに笑うユーナを見てるとそう思う。 いつまでたっても成長しないような童顔に、昔から変わらないポニーテール。 長い付き合いで気心が知れているし――いや、そうじゃなくて。 単純に、惚れているのだろう。俺が、こいつに。 「なんで好きなんだ?」 腕にしがみつくユーナに、投げやりに言葉を投げかけてみる。 どうせ答えはわかっている質問だった。 案の定ユーナは、一度俺のシャツを見て、それからまた俺の顔を見て、笑って答えた。 「マー君には秘密ー」 そうか、と答えて、俺も自分の胸元を見る。 シャツは真っ赤だ。血のりやペンキじゃなくて、他人の――しかも、さっきついたばかりの血。 確かに、この光景を見られれば、殺人鬼と思われても仕方がないだろう。 実際、こんな人気のない道を通るのは、見つからないようにするためなのだから。 けど―― ――そんなことは、ユーナだって同じことだ。 俺は、俺以上に真っ赤に染まったユーナの、左手に持つ荷物を見ながら言う。 「ソレ」 「うん?」 「重くないのか」 「ひょっとしちゃったらマー君、心配してくれてるの?」 「まあな」 「大丈夫だよー、これくらい。わたし、平気」 そう言って、ユーナは荷物を――大型の肉切り包丁をぶんと振り回して、へらへらと笑った。 成る程、この笑い顔は、確かに電波と思われても仕方ないかもしれない。可愛いからいいが。 セーラー服と鞄ならともかく、セーラー服と肉きり包丁はなかなかシュールだが、見慣れれば気にならない。 ユーナはいつだって凶器を持っていたし、いつだって同じくらいに赤かった。 小三のとき、自分の母親を切り殺したときだって。 小五のとき、自分の父親と義母の家に火を放ったときだって。 いつだって、ユーナの傍には、凶器と赤がある。 「早く帰ろっ。マー君、今日のご飯は何かな?」 「ミートソース」 「やったっ!」 ぴょん、と跳ねて喜ぶユーナ。たった今人を解体してきて、よく食べれるな――と思うが、それは同じだ。 第一、ユーナはきっと、人を殺したとは思っていない。 俺を赤く染めようと思っているだけなのだから。赤い俺が大好きなのだから。 赤く笑うユーナを見てると、どうしても俺は思わずにはいられない。 ひょっとしたら――小1のときのあれは、ユーナに突き落とされたのかもしれない。 けど、別に構わない。ユーナを通報しようとも、逃げようとも思わない。 たとえ、いつかユーナが俺を真っ赤に染めるために、俺を殺そうとしたとしても――構わない。それでも、いい。 ――仕方ないだろう? 惚れてるんだから。
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t03-032 :流れSS書き ◆63./UvvAX.:2010/01/15(金) 02 27 08 ID EhPKkyxM 跨った男のピストンが早くなり、胎内を埋め尽くすペニスの先端部が一気に 膨張する。 (あ、来るんだ!) 怒濤のような快楽の片隅で射精の気配を感じ取った明菜は言葉の代わりに両 腕を背中に両足を男の体に巻き付けて最深部での爆発を強請る。既に彼女の若 い子宮は自分から男を銜え込まんばかりに子宮頸管粘液を沸き上げながら降り、 括約筋も本能的に男をギュウギュウ締め付けて受胎の予感に悦び蠢く。 「早くぅ! 早く……ぅっ!?」 そんな少女の全身を使った歓待に答えるように男が弾けると、明菜の中の女 も爆発する。男の絶頂に合わせて腰を擦り付け更に強く抱きついて、頭の中を 真っ白に染めながらも男の熱い子種を一滴残らず吸い出して飲み干して卵子と 混ぜ合わせて、溜め込んでゆくのだ。 (ああ、気持ちいい!) 例えるなら、何も考えずに程良い温かさの湯船に浸かってい時の心地良さだ ろうか。欲していたもので満たされた子宮が切なさから解放され、切ないほど の渇きが朝靄のように溶けてなくなってゆく感覚が明菜は大好きだ。頂点まで 達した波が引いてゆくと同時に精液の熱が神経をピリピリさせながらゆっくり と全身に広がり、少女は男が与えてくれた熱を微睡みの中で味わう。 「どうだった?」 男の問い掛けに 「素敵だった」 と幸せそうに答える明菜だが、それは飽くまでもセックスという肉欲への賛 美であり、男の大きさや技巧や力強さは彼女にとっては二の次に等しい。とい うか血が通い精液を放つ生のペニスを食べれさせすれば良いだけで、度を超え て小さすぎ下手すぎ弱すぎでなければどうでも良いのだ。 つまり、求めているのは性行という儀式のみ。 「じゃ、じゃあさ、今度……」 「悪いけど、終わったらさっさとどいてくれない? 一一回だけって約束たっ たわよね?」 t03-033 :流れSS書き ◆63./UvvAX.:2010/01/15(金) 02 28 04 ID EhPKkyxM だから気持ちが冷めるのも早い。むしろセックスを終えた男は出涸らしに過 ぎず既に不要の存在。 「そ、そうじゃなくて映……」 「ちょっとぉ、重いのよね! それに汗臭いんだから早くどいてって言って るでしょ!!」 「あ……」 「私、忙しいの。シャワー浴びたらすぐ帰るし、私が入ってる間にお金の用 意しといてよ。それから予約したいんだったら後でメール出しといて。他の人 もいるんだし直接交渉はルール違反だって言っといたでしょ?」 なおも渋る男を突き放し、明菜は膣口をキュッと締め大切な液体が漏れ出さ ないようにと内股気味にホテル備え付けのシャワールームに向かう。せっかく 子宮が精液漬けで良い気分なのに、これ以上むさ苦しい男の側にいたら台無し になってしまう。急いで男の移り香を洗い落とし家に帰って今日は……美希子 に電話しよう。 (うん、それが良い!) 「あの、アキちゃん……」 「るっさいなぁ、終わったんだからお金用意してって言ったでしょ! そろ そろマジでウザくなってきたし早く消えてくれない!? あんまりしつこいと レイプされましたって警察に駆け込むんだからっ!!」 他の相手も含め、男共とのメールのやりとりも約束のないようも全て家のパ ソコンに残してある。そしてそれは相手全員に伝えてあるから主導権をとられ る心配は全くない。 「じゃーねっ!!」 いい加減腹が立ってきた明菜は、用は済んだとばかりに男の返事も待たずに シャワールームに入った。 t03-034 :流れSS書き ◆63./UvvAX.:2010/01/15(金) 02 29 31 ID EhPKkyxM 「あの馬鹿……!!」 が、残念なことに明菜の至福の時間である女友達との長電話は男の最悪な置 き土産によって順延を余儀なくされてしまった。 「どんだけ溜まってたってのよ、あの早漏っ!」 ご無沙汰だったのか童貞だったのか単純に馬鹿だったのか知らないが、がっ ついてきた男に脱がされるときにショーツの脇が軽く裂けてしまっていた。シ ャワーを終えて制服を着直そうとして気づいたときには後の祭り、犯人は約束分 だけの代金を置いて帰った後。ほんとうに男というのは我が儘でデリカシーが 無くてヤルことしか頭にない猿だ。 もっとも、明菜にとって男は精液タンクに過ぎないのだから早漏なのは構わ ないが。 「決めた。絶っっっ対、弁償させるんだから!」 使用に耐えるモノさえ持っていれば誰にでも体を開く明菜だが、それ故にセ ックスの際には幾つかのルールを決めて必ず守らせている。中でも徹底してい るのが膣以外の使用の禁止と、膣内射精以外の禁止である。生殖行為で快感を 得るのが目的である以上はオーラスセックスなど時間と労力の無駄でしかなく、 他の部位での奉仕など以ての外、経験を重ねて前戯なしでも充分濡れるように なってからはベッドインから脱いで即インサートが当たり前になっている。 そして通常なら敬遠されることが多い生での挿入と中出しで悦ぶ明菜の人気 は高く、代金を割高に設定しても客が途切れることはないので明菜は豪華すぎ る青春を存分に謳歌するだけの現金を常に持ち歩いているのだが…… 「そうと決まれば奮発よね当然!」 さっきの男が未練タラタラだったのは間違いない。なら普段よりワンランク 高い物をセットで買って次の料金に上乗せしてやろう。そう決め、いままで手 が出しにくかった大人向けの下着を身に付ける自分の姿を想像して幾分か溜飲 の下がった明菜は先程よりも軽い足取りで行きつけのランジェリーショップへ と向かった。 t03-035 :流れSS書き ◆63./UvvAX.:2010/01/15(金) 02 29 52 ID EhPKkyxM そんな明菜が『彼女』と出会ったのは、あるいは運命だったのかも知れない。 「ん?」 昨今では駅前のアーケードに堂々と店を構えることも多くなった女性下着の 専門店。その斜向かいに鎮座している時代遅れの喫茶店の二階に、その少女は いた。 「……………………」 物憂げに頬杖をつく可憐な彼女の歳は明菜と同じ高校生くらいか。ゴスロリ チックな黒いブラウス黒いワンピース黒い長袖カーディガンに黒いハイソック ス。明菜と違い染めたことがないとしか思えないほどに美しい黒髪をサラサラ と腰まで伸ばし、少々くたびれた窓際の席に一人で座る少女は、膝を揃えた上 品なポーズのまま長い睫毛を伏せ小さな唇を噛み締め人形の様に身じろぎもせ ずに眼下の通りを寂しそうに見つめている。 (男と待ち合わせ……じゃないよね?) あの格好が制服とか普段着とは思えないが、男とデートにしては徹底した全 身黒尽くめ(よく見ると足下も黒のハイヒールだ)は解せない。確かに可愛い し良く似合ってはいるが学生のデートに着てくる服じゃない。 (だったら、何してんだろ?) しかも、あの表情は人待ち顔ではない。むしろ受け入れがたい孤独の心細さ を少しでも誤魔化そうと人通りのある場所を見つめて気を紛らわせているので はないか? そんな儚げなオーラを少女は纏っている。 「……って、止め止め! アタシとは明らかに住む世界が違うって!」 惹かれかけた心を無理矢理引き戻し、何故か感じる後ろめたさを頭を振って 追い払った明菜がランジェリーショップで馴染みの店員と楽しく談笑しながら 大胆なカットの上下お揃いを買って店を後にする時にも、黒い少女は悲しそう な瞳で行き交う人々を見下ろしていた。 78 :彼女×彼女:2010/02/14(日) 00 27 30 ID WcGPwe2B つまるところ、校内というのは生徒達が作る一つの独立社会である。 もちろん規模は小さいが、それでも様々な形での階級、派閥、流通、政治と言った物が生 徒達の交流の中から自然発生し、さながら大人の社会の縮小版のように様々な思惑を交え つつも駆け引きを行い利害を授受しあうことで『世界』を形成している。 そして、授業内容そっちのけで雲の流れ眺める明菜がノート一つ取らずに赤点ギリギリ を常にキープできているのも、その学生社会のお陰と言えた。 ヴーッ、ヴーッ。 「ん?」 有名事実とは言え、授業中の携帯電話の使用は校則違反だ。全く使い込まれた様子のな い教科書を衝立代わりに、明菜はマナーモードで振動を続ける最新型の携帯を懐から取り 出し着信したメールを開く。 『休憩時間に相談がある』 同じ一年の佐久間康夫からだ。文面が簡潔なのは同じく授業中で、あちらは教師の目を 欺きながら慌ててタイプしたからだろう。 「……って、なんで?」 そのままスケジューラーを呼び出すと、今日の項目に佐久間の名前があった。彼は本日 の『客』なのだ。 79 :彼女×彼女:2010/02/14(日) 00 29 20 ID WcGPwe2B 「はぁ? 対抗試合ぃ?」 「悪ぃ、明後日と勘違いしてたんだ!」 そうして、人気のない校舎の隅からかけた電話に出た佐久間は開口一番で謝ってきた。 「そんなのサボっちゃいなよ。どうせ補欠なんだし、次もあるんでしょ?」 だが明菜は容赦ない。ここのところは妙な趣向を持った大人の相手ばかりが続き、ノー マルで手軽なセックスに飢えているのだ。その点で言えば、この佐久間という男子生徒は 運動部所属と言うだけあって体力はあるし明菜の中に射精することしか考えていないタイ プだから服を着替えさせたり演技を求めたりと面倒なことは要求してこない。 つまり今の明菜にとっては渡りに船というべき相手で、明菜も朝から楽しみにしていた のだ。はいそうですか、と簡単に引き下がるわけにはいかない。 「ちょ、無茶言うなって……」 「無茶言ってるのはアンタの方じゃない! お金払っても良いからセックスさせてくれ って言って来たの、そっちでしょ!?」 アタシだって精液欲しいのに。朝から子宮がキュンキュン言ってるのに、とは間違って も口には出さない。常に自分がイニシアチブを握っていないと駄目なのだから。 「そ、そりゃそうだけどさぁ……」 「『そうだけど……』何? まだツマンナイ言い訳グダグダ続けるっての? あ~あ、 なんか冷めてきちゃったかも。アンタって想像以上に使えない男よねー」 「お、おい……!」 「もう良いよ、勝手にすれば~? その代わりに次はキャンセル料上乗せだから。気が 向いたら来月くらいに時間作ってあげても良いかもって感じ?」 「待……!」 80 :彼女×彼女:2010/02/14(日) 00 31 18 ID WcGPwe2B 「何? なんか文句ある? だったら新しいコを勝手に探せばいいじゃん。んで何処の 馬の骨から分からない馬鹿女に性病移されてチンポ腐れせちゃいなよ。それともアタシに 払うよりも高いお金出して、お店で皺だらけのオバさんに子供扱いされながらユルユルマ ンコ入れさせて貰ってコンドームの中に射精するのぉ?」 優位に立ったと確信した明菜は反論の隙を与えず、一方的に捲し立てる。わざと露骨な 言葉を選んで相手の想像力を煽りつつ、別の可能性(カノジョを作るとか、来月までは自 家発電で我慢するとか)を思いつかないように先手を打って佐久間の思考を明菜の都合の 良い方へと誘導する。 「じゃ、アタシも忙しいしもう切るから。もしかしたら、もう二度と口聞かないかも知 れないけど精々タイコウジアイ頑張ってね~」 「だ、だから待ってくれって! えっと……そうだ、昼休み……!」 「ん~? なにぃ~?」 「だから昼休みじゃだめかな!?」 明菜とのセックスも捨てきれないが、部での活躍の機会も逃したくない。だから放課後 になる前に、と考えたらしいが、 「はぁっ? なに寝惚けた事いってんの? 一時間もないのにホテルまで行って帰って これるわけないじゃん。それとも午後の授業全部サボんの?」 「いや、それは俺に任せてくれ。絶対に何とかするから!」 「……まぁ、いいけどさ……」 「じゃ、昼になったら呼びに行くから西階段で待っててくれ」 とりあえずセックスさえ出来ればいいや、と明菜は特に深く考えずに佐久間に了解の旨 を伝えて電話を切った。もちろん、無理を聞いてやる代償として追加料金に加え学期末の 古文のノートのコピーも確約させた上で。 81 :彼女×彼女:2010/02/14(日) 00 32 39 ID WcGPwe2B そして午前の授業が終わると同時に(化粧品と後始末用の用品と弁当箱しか入っていな いので中身は軽い)通学鞄を手に、これから始まる快楽の時間にウキウキと楽しげな顔で 席を立つ明菜だが。 「ちょっと、新美さん!」 数歩も進まないうちにツーサイドアップの女子に行く手を阻まれた。 「……どいてくれない委員長? アタシ急いでンだけど!?」 「ええ、今すぐにでも通してあげるわよ。今から何処に行くのか教えてくれれば」 明菜よりも僅かに背が低い学級委員長。腰に手をあてた仁王立ちで貧相な胸を偉そうに 張っているのは、一学期が始まった直後のホームルームでお約束とでも言うべきクラス委 員の押し付け合戦のグダグダさにブチ切れして自分から立候補し気合いと根性でクラスを 纏めているという奇特というか物好きな単細胞。確かササハラとか言ったはずだ 「はっ、アンタ何様のつもり? 昼休みに行きたいトコ行くのに一々委員長にお伺いを たてなきゃいけない義務なんてないと思うんですけど~」 と、さりげなく周囲を見渡すと、二人の様子を遠巻きに見守っていたらしい他の生徒達 が一斉に目を逸らす。どうやら皆、関わり合いにはなりたくないらしい。いや、どちらか と言うと…… ”あんな奴、放っておけばいいのに!” ……と言いたげな空気、の方が近いのかも知れないが。 82 :彼女×彼女:2010/02/14(日) 00 34 15 ID WcGPwe2B 「新美さんがどう思ってようが、私にはクラス委員としてクラスの秩序を守る責任があ るの。誰も何も言わないからって、あなたが勝手に抜け出して帰ってこなかったのって一 度や二度のことではないでしょう? もうこれ以上見て見ぬ振りなんて出来ないわ!」 キッ、と正義感に満ちた瞳で立ちはだかる委員長。 「はぁぁぁ!?」 その偉そうな顔を鞄でブン殴ってやろうか、等と物騒な怒りが一瞬浮かぶ。鼻持ちなら ないとは正にこのことだ。 「お、大きな声を出したって無駄だからね。通すもんですか!」 僅かにたじろぎながらも、持ち前の責任感やら正義感やらで辛うじて踏みとどまり虚勢 を張り続ける委員長。あくまで引くつもりはないらしいが。 「……うざ……!」 思わず漏れてしまう呟き。明菜にとっては『うざったい』だけである。こうしている間 にも楽しいセックスタイムがどんどん順延されてゆくというのに。 「ちょっとなによ、その言い方は! 前から言おう言おうと思ってたけど、新見さんに はクラスの一員としての自覚が……」 「あーもー……生理よ」 余りに鬱陶しすぎてマトモに相手をするのすら馬鹿馬鹿しくなってきた明菜は、今迄 何度も何度も教師相手に使ってきた定番の言い訳を使う。こんな面倒臭い女を相手に 頭を使うのすらアホらしい。 「は……?」 呆気にとられて目を点になる委員長。 「だから生理よ生理。あんたツンボ? セ・イ・リ、なの。急に始まっちゃって、パ ンツの中が血でヌルヌルなのよ~? だから今日は早退するって訳」 83 :彼女×彼女:2010/02/14(日) 00 35 25 ID WcGPwe2B セ・イ・リ、とわざと区切ってクラス中に聞こえる大声で吹聴すると委員長だけでな く教室内の全員が硬直するのが面白い。確かに下着を汚しているのは事実だ。もっとも 経血ではなく授業中から期待感で漏れまくっている愛液でだが。 「……そ、そそそ、そんな訳が……」 それでも口をわなわな震わせて耳まで真っ赤になっているのが約一名。賭けても良 いが、この生意気な女は絶対に処女だ。それどころかキスの経験すら怪しい。 「へ~? 疑うんだ~? だったらここでパンツ見る~?」 「っっっっっ!?」 その証拠(?)に明菜が制服のスカートの裾を軽く持ち上げただけで怯む委員長。 「ちょ……いい加減にしなよ、二人とも!!」 と、ここで見かねたらしい別の女子が割って入ってきた。こいつは確か、委員長と連 んでる……なんて奴だっけ? 「だって~、委員長がアタシの話が嘘だって言うからさ~?」 「っ! そうじゃなくて私は……」 「だから止めてって言ってるでしょ! みんな見てるんだよ!?」 そんな事は重々承知だ。というか、それが面白いから言ってるのにと心の中でほくそ 笑む明菜。特に大嫌いな委員長がグゥの音も出せない様なのがたまらなく楽しい。 84 :彼女×彼女:2010/02/14(日) 00 36 59 ID WcGPwe2B 「じゃあさ、アンタも委員長に言ってやってよ。生理用品付けてないから、アソコか ら出る血でパンツがぐっしょりでぇ、早くしないと太ももまで垂れて来そうだって」 「ににに新見さん、下品な冗談も大概に……」 「わかったわかった、わかったから早く帰ってって! その代わり先生には新見さん からちゃんと連絡しといてよ!」 いまにも明菜に向かって突進してきそうな委員長を羽交い締めで抑えながら、仕方な く明菜の言い分を認めて事態を収拾させようとするミズ?……なんとかいうクラスメイ ト。そんな様子を鼻で笑いながら、明菜は悠々と二人の側を通って教室の外へ。 「あ~お腹が痛いお腹が痛い。今月はちょっと重いかも、あははは~」 「って、見なさいよあれ! せいr……あんな顔が出来るわけないでしょ!!」 「そ、そんなこと言ったって万が一にでも本当だったらどうすんの! こんな所で汚 れた下着を晒させたりしたら大問題に……ってお願いだから暴れないでよリカりん、痛 いってばぁ!」 「じゃ~ね~!」 「待ちなさいよ、待てぇ! 話はまだ終わってなにのにぃ~!!」 「だからちょっと落ち着いて考えようよ。どうどう!」 「私は馬かぁ~~~~~~~っ!?」 勝手にレズってろ、と口の中で捨て台詞を残して明菜は佐久間との待ち合わせ場所へ と向かった。
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To:キョン 4月に入って1週間も経ったわ。なのにキョン、あんたから一通もメールがないって、どういうこと!? あたしだって入学式だの単位登録だの、その他で忙しいかったわよ! このアホキョン、なんとか言いなさい!! To:ハルヒ すまん 大学が始まって早々事故っちまった。 相手も俺も大した怪我じゃないから心配すんな。 To:キョン ちょっと事故ってどう言うこと?相手って、誰かに怪我させたの?人身事故じゃないの?なんで、そんな大事なことを。 To:ハルヒ 相手は同じ大学の学生だ。怪我も、もう大丈夫だから。 To:キョン そう。無事なら無事で、それでいいわ。 それより、G.W.には帰ってくるんでしょうね? To:ハルヒ ああ。 To:キョン わかったわ。詳しくはその時、聞くから。あんた、自分が思ってるのの百倍は鈍いんだからね。相手にちゃんとするのよ。 To:ハルヒ わかってる。 * To:ハルヒ 約束を破ってすまん。病院へ行ってた。あいつがまた手首を切った。 医者には入院を勧められてる。 To:キョン あいつって?手首を切ったって、どういうことよ? 入院って、何よ、それ? To:ハルヒ 事故の相手だ。あいつは不安定だ。今は目を離せない。帰ったら詳しく話す。 * To:ハルヒ 誕生日、おめでとう。 To:キョン 自動発信のバースデイメールなんてよこして、むかつくわ。 あんたがいない誕生日なんて、最悪よ。 To:キョン キョン、なんとか言いなさい!! To:ハルヒ あいつがいてメールできない。しばらくメールしてくるな。絶対、連絡する。 To:キョン キョン、事故の相手って、リストカットしたのって、女の子? To:キョン ねえ、キョン、《彼女》は今どこにいるの? To:キョン 答えなさい、キョン! To:キョン あんたはお人よしだから利用されてるのよ! あんたがいなくなったらまた別の人にそうするわ。 それが、どうしてわからないの!? To:ハルヒ いまさらこんなことを言って、俺は卑怯者だと思う。おれはハルヒのことが好きだ。だが、目の前のこいつをほっとけない。 * To:ハルヒ あなた、だれ? To:ハルヒ キョンの何なの? To:キョン キョンの携帯、勝手につかって! あんたこそ、誰よ!? To:ハルヒ へえ、あなたがハルヒなんだ? 何度アドレス消しても、ハルヒって人だけは復活するの。 故障かなんかかとおもったわ。 To:ハルヒ ねえ、あなた、生きてる人?死んでる人? To:キョン 生きてるわよ。あたりまえでしょ。 To:ハルヒ そう。わたしはもうすぐ死ぬわ。でもキョンは渡さないから。 To:キョン ちょっと、あんた、何いってんの? To:ハルヒ Sleeping Beauty。永遠に眠って目を覚まさない。だからキョンはわたしを起こし続けるわ。ずっとそばにいてくれるのよ。彼がわたしを置いていけない人間だって、あなただって知っているでしょ? To:キョン キョンはお人よしよ。やさしくて、困った人間を見捨てて置けない。口ではなんといおうとね。あんたはそこにつけこんでるのよ。 To:ハルヒ ふん、ずいぶんとお利口さんだこと。そこまでわかってるなら、あなたにはもうキョンは必要ないわ。あなたは強い人よ。さあ、さっさと自分の道を歩いていきなさい。キョンは誰にも渡さないわ。 To:キョン あんたはキョンの弱みにつけこんで、すがって、ただ依存しているだけ。 To:ハルヒ じゃあ、あなたはどうだっていうの? To:キョン 愛し合ってるわ。 To:ハルヒ はあ? To:キョン 愛し合ってる。あたしはあいつを愛してるし信じてる。あいつはあたしのことを愛してくれているし信じていてくれてる。 To:ハルヒ 妄想もそこまでいくと怖いわね。何を証拠に? To:キョン じゃあ、あんた、いま誰にメールしてるの? To:キョン なんで見ず知らずのあんたが、あたしにメールできるの? To:キョン あんたとあたしをつないでるのはキョン。キョンがどちらかの手を離したら、あたしたちは永遠にメールを交わすこともなかったわ。 To:キョン あたしを、あたしたちを、なめないことね。 To:ハルヒ いまさら、あなたに何ができるっていうの? To:キョン 決まってるわ。あんたを叩き起こして、キョンを取り返す。死のうたって、そうはいかないわよ! To:ハルヒ せいぜい遠くで吠えてなさい。わたしたち、一緒に暮らしているのよ。 To:キョン そう。まあ、そんなことだろうと思ってたけど。 ガチャリ 「おかげで探す手間がはぶけたわ。キョンはでかけてるのね」 「あ、あなた! 誰? まさか、ハルヒ? どうして?」 「二人で不動産屋巡りして探した部屋よ。合鍵くらい持ってるわ。夜行バスで、今朝にはこっちについてたの。強襲しようと思ってたけど、このタイミングでメールがあるなんてね」 「ハルヒ! おまえ?」 「ちょうどいいところに帰ってきたわね、キョン。修羅場をやりに来たわよ。また、あたしひとり蚊帳の外ってどういうこと? 一人で悩むなって言ってたのはあんたでしょ!」 「ハルヒ、こいつは病気なんだ。悪いと思ってる。しかしな……」 「ストップ。キョン、あんたにとってはこの娘は、病人で庇護の対象だろうけど、あたしにとってはただの恋がたきよ。さあ、名無しのあんた。どうするの? 悔しかったら、ここまで上がってきなさい!」 「な、なによ! あんたが先に出会っただけじゃないの!」 「だけじゃないわ。あたしも逃げようとしたことがある。でもね、あたしたちは選んだの、この世界をね。『夢』っていうんでしょうけど、キョン、あたしはあれを忘れる訳にはいかないの。あそこから、あたしたち、始まったんだもの」 「ば、ばかじゃないの? こんな男に固執して」 「名前は聞かないでおいてあげるわ。今度会った時、名乗れる名前があるように」 「もう会わないわ。あんた最悪よ」 「ハルヒ……」 「夜行バスで今朝着いたばかりなの。一睡もしてないわ」 「あ、ああ。少し眠るか」 「……キョンと出会ってなかったら、あたしがあの子だったのかな……?」 「ちがう。誰がなんと言おうと、おまえはおまえだ」 「それはそうと、キョン、一発殴らせなさい」 「お、おお」 ばきっ 「あと胸をちょっと借りるわよ。……泣こうと眠ろうと、あたしの勝手だから、何も言わないでよね」 ● ● ● To:キョン で、今度の休みも帰って来ないつもり? To:ハルヒ バイトだ。やましいことは何もないぞ。 To:キョン あたしは何も言ってないわよ。胸に覚えがあるのかしら? To:ハルヒ 誰かさんが泣いてた感触なら胸に残ってるぞ。 To:キョン 次、あったとき、胸に穴開くぐらい殴るからね。 To:ハルヒ ところでハルヒ、入っていいか? To:キョン え、え、え? キョン? あんた、いま、どこにいんのよ? To:ハルヒ ドアの前だ To:キョン すぐそこにいるのに、何のメールよ!? To:ハルヒ 大事なことは、面と向かって言うんだったろ。 ガチャリ
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僕と彼女の生きる道 剛主演ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」のパロディ 小柳徹朗・剛(慎吾)/小柳凛・美山加恋(吾郎)/主題歌・&g(剛) 2004.3.15
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登録日:2012/06/20(水) 07 15 05 更新日:2021/11/03 Wed 09 26 02 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 カメラ モーニング・ツー 三角関係 写真 彼女とカメラと彼女の季節 月子 漫画 百合 深山さん 写真部入らない? 『彼女とカメラと彼女の季節は』、月子がモーニング・ツーで連載していた漫画。 全5巻。 高校三年生の主人公深山あかりは、クラスで「安心な」日常生活を送っていたものの、 その表面的で退屈な付き合いと、女子同士の見えないルールにうんざりしていた。 そんな中ルールに囚われずに常に一人ぼっちのクラスメイト、仙堂ユキのことが気になっていた。 ユキはどんな日常を過ごしているんだろう、とユキの後を追いかけていったあかりは、 ふとしたことでユキと交流を持つことになる。 そして段々とユキに惹かれていくお話。 なお作者がカメラ好きなのか、単行本にはマニアックなカメラの話が飛び出してくるため、 カメラ好きにはたまらないのかもしれない。 ■登場人物 深山あかり 主人公の高校三年生。 クラスメイトと何気ない日常を送っていたが、 ユキと話すようになってからは、ユキとベッタリになる。 普段寡黙で無表情だったユキの笑顔を見たことがきっかけで、 もっと色んな表情を見てみたい→一緒にいれるだけで幸せ→ユキ大好き……、になってしまった。 家は貧しく母親が水商売で働いており、本人もコンビニでバイトしている。 そこそこ胸もあり、健康的なボディラインである。 上記のように段々とユキに惹かれていくと書いたものの、わりと急激に好きになってしまい、 1巻の時点で、 「ユキまでその低俗な世界に引っ張りこまないでよ」 「ユキの時間は全部私のもの」 「(ユキのことを)どんどんどんどん欲しくなる」 「わたしもうユキしかいらない!!」 「撮りたい。ユキの(乳首)……キレイ」 「犯すぞ……」 などというセリフを言っている(最後のセリフに至っては2話の時点)。 仙堂ユキ ヒロインであかりのクラスメイト。 寡黙で人と喋らなかったが、追いかけてきたあかりを写真に撮ってから仲良くなる。 写真部に所属しており、大のカメラ好き。 わりと天然かつ自由奔放な性格で写真撮影に時と場所を選ばない。 コンビニの冷蔵庫の裏を撮ったり、中央分離台から歩行者を撮影したことがあったり、 あかりの風呂タイムを襲撃したりする。 家は金持ちらしく、とても広いマンションに住んでいる。 香川凜太郎 あかりのクラスメイトの男子で野球部部員。 チャラい性格かつ女子に優しいのでモテる。 あかりのことが好きで、猛烈なアタックをするが相手にされない。 しかし全くめげない。 もっともあかりと二人きりの時は、 普段のチャラさが嘘のように照れだしたりマジメな顔をすることも。 ユキとの間になにか関係がありそうだが……。 ユキ「あかり、追記・修正しよっか」 あかり(ちくしょー、かわいい……!)カアッ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ニコニコ静画で今だけ一巻無料で読めるのか。 -- イキーダ (2014-11-19 07 13 00) 名前 コメント
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「かしゆかが熱でダウンした」 気だるい身体を引きずってPerfume号に乗り込むと、もっさんにそう告げられた。 そのまま簡単に今日の予定と変更を続けていくもっさん。 だけど、彼女のこと以上に重要な用件なんて今のわたしにはなくて、それ以上の言葉はわたしの耳には届いてこなかった。 ・・・・昨日の、雨のせいだ。 泣きながら、部屋を飛び出していったゆかちゃん。 慌てて後を追いかけると、外はそれまでの晴天とは一転ドシャブリの雨。 あ、、まるで、今のわたしたちみたい。 一切、振り向きもせずに走っていくゆかちゃんの背中がすべてのものを拒絶しているようで。 足が動かなかった。 もしかしたら、彼女はわたしから離れた方がいいんじゃないかって。 もしかしたら、彼女はそれを望んでるんじゃないかって。 だとしたら、 彼女を追いかけるこの行為も、ただ彼女を傷つけるだけじゃないか。 彼女の背中を抱きしめたって、彼女の重荷を増やすだけじゃないか。 どんどん雨の中に霞んで行く彼女の背中。 その細い身体で背負ってる彼女の不安がどれくらいのものか想像することすらできなくて。 小さくなっていく背中を見つめながら、雨の中でただ立ち尽くすことしかできなかったんだ。 「ゆかちゃん大丈夫かね?」 遠くであ〜ちゃんの声が聞こえる。 いつの間にあ〜ちゃんちまで来てたんだろう。 彼女の不安に気づいてたくせに、何もできなかった。 ううん。ホントに気づいてた? そして、何かしようとした? 「のっち、ゆかちゃんと何かあったん?」 その言葉に現実に戻された。 まっすぐでやさしいあ〜ちゃんの瞳。 思わず逸らしてしまった。 だって、彼女に目が眩んでしまいそうになるから。 今のわたしに太陽の光は眩しすぎるんだ。 「何もないよ」 「大丈夫だよ」 そんな簡単なことすら言葉にできなくて、首を小さく横に振ることしかできない。 あ〜ちゃん、もしかして気づいてる・・・? のっちとゆかちゃんのこと。。 あ〜ちゃん、のっちはさ、、 ただ、、大切にしたかったんよ、ゆかちゃんを。 だけど、結局、のっちは、、、 ストールに顔をうずめて、目を閉じる。 今日、いつも通りに彼女と顔を合わせていたら、 どんな言葉を彼女にかけるつもりだったんだろう。 どんな態度で彼女に接するつもりだったんだろう。 わたしは、彼女の何を見ていたのだろう。 きっと、自分の幸せばかりを考えて、浮かれて、、ちゃんと彼女を見れていなかった。 ゆかちゃんを追い詰めたのは、わたし。 雨のせい、なんかじゃない。 わたしの、せいだ。 こんな時だって仕事はある。 それが有難くて、すこし、後ろめたい。