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318 :後の空白すらも私だけに:2010/08/31(火) 21 28 33 ID r8CNAMjm 「はいこれ」 「ノート?」 こくりと笑顔で頷いた野崎に僕は思わず首を捻った。 彼女にこんなノートを貸した覚えはない。 第一、そのノートは僕の趣味とはかけ離れたファンシーな柄の表紙、これが僕のものでないことは明らかである。 それでも野崎は笑顔のまま何も言わないので、仕方なくこちらから聞いてみることにした。 「これ、何だよ」 「日記帳」 「日記帳?」 ただのノートだとばかり思っていた。 どこにもそれを示唆する文字がなかったので、まあ気付かなくても無理はない。と、自己弁護に励んでみる。 相変わらずにこにこと満面の笑みを浮かべている野崎は「いやいやー」と照れたように呟いていた。 なんだ、自分の日記を僕に見せてくれるのか。 そう言うと、彼女はハッとして右手を大げさに左右へ振って、否定の意を表した。 「ち、違う違う! これは君の!」 「僕の?」 「そう。だって、最近学校とか遅刻気味だし、テストの成績も良くないっておばさんから聞いたんだよ!」 「それが何だ」 おばさんてあれか、僕の母親か。自分の息子の成績を暴露して何が楽しいんだよ。いや、そんな成績を取る僕が悪いのか? 319 :後の空白すらも私だけに:2010/08/31(火) 21 30 56 ID r8CNAMjm 「だからね、日記でも付けるようになれば持続性も養われるし、 なにより毎日文章を書くってことが小論文とかに役立ったりするんだから。ね」 「ね。じゃない。そんな面倒くさいこと、いまどき小学生でもやらないぞ。 夏休みの一行日記は毎日《楽しかった》がデフォな時代だ」 「どの時代でも不真面目な子は誰でもそうだったと思うよ」 「……とにかく、僕が貰ってメモ用紙になり下がるよりも、お前が持って有効的に使った方がいいだろ」 じゃあなと別れを切り出すと、野崎はあからさまに項垂れて「そっかー……」と小さく呟いた。 そんな様子を見ていると、自分がとてつもなく悪いことをしてしまったんじゃないかという罪悪感に苛まれる。 まあ、こいつと絡んでいれば日常茶飯事付け回るものだ。なにをいまさら、こいういうときは、 「わかったよ、もらう」 折れてしまえばいい。 言った瞬間に野崎はパアッと明るい笑顔になり「じゃあ、はい」とそのノートを手渡した。 良く見れば鍵付きのノートだった。これなら母親や妹弟に読まれて冷やかされることもないだろう。 なんというかその、な。 正直実感は未だないのだが、野崎は彼女(二人称的な意味ではなく)なのだから貰わないわけにもいかない。 一度は断ったくせにと言われそうだけれど。まあ、そのあたりは僕が天の邪鬼なのだと思ってくれれば問題はない。多分。 「毎日はつけないだろうけど」 「できる限り頑張って!」 「できる限りな」 「あと、勉強も頑張ってね! 来年受験なんだから」 「……できる限り、な」 320 :後の空白すらも私だけに:2010/08/31(火) 21 33 43 ID r8CNAMjm 《10月14日 野崎に日記をもらった。》 《10月15日 順調に二日目。今日は近藤がやたらと絡んできた。 「ねえねえ野崎さんとはどこまでいったのー?」にやにやしながら聞くな阿呆。》 《10月16日 よし三日目だ、よし。今日は野崎の機嫌があまりよくなかった。 いつもは能天気に笑ってるくせに、風邪か? 心配だ。》 《10月18日 三日坊主を体現しそうになった、なんとかセーフ。 野崎に日記のことを言われなかったら、そのまま放置するところだった。今日は雨が鬱陶しかった。》 《10月20日 大崎たちと本屋へ行った。》 《10月21日 今日は野崎と本屋へ行った。料理雑誌って、主婦か。》 《10月25日 大崎が彼女と喧嘩をしたらしい。僕は力になれないが、仲直りできるといいな。 僕は野崎とうまくいっているので、喧嘩の兆しもなし。》 《10月27日 近藤が映画へ行こうと誘ってきた。気持ちは嬉しいが野崎に誤解されるとまずい。 本当に悪い、次なんかおごるから、そんな目で見ないでくれ。》 《10月28日 野崎が始終へばりついてきた。悪い気はしないが、さすがに周囲の視線が痛かった。》 《10月31日 野崎がハロウィンパーティーがどうたらと言い始めたので、 適当に菓子をやったらその3倍のお返しをもらった。ハロウィンなのか、これは。》 321 :後の空白すらも私だけに:2010/08/31(火) 21 37 11 ID r8CNAMjm 《11月14日 一か月も続いている。よくやってるな。》 《11月16日 餅田が勉強を教えてくれと言ってきた。もちろん速攻で断った。僕にそんな技量はない。 ……どうして女ってこう頼みごとを断ると罪悪感を覚えさせられるんだろう。》 《11月17日 今日は野崎とは帰らなかった、用事があるらしい。とりあえず大崎や小川と帰った。》 《11月19日 餅田から変なメールが送られてきた。 自分のアドレス削除してくれってどういうことだ? 後で電話をかけようと思う。》 《11月20日 昨日電話に出なかったので、放課後に餅田を捕まえて聞いてみるとなんでもないと言われて逃げられてしまった。 何なんだ?その直後に野崎が追いかけてきたので、とりあえず野崎と下校した。》 《11月22日 相変わらず餅田には避け続けられている。 ……僕が何かしたのか? 勉強を教えるのを断っただけだぞ?》 《11月23日 野崎や他の奴と話していても餅田のことが気にかかる。 明日もう一度話を聞いて、次に避けられたらもう諦めよう》 《11月24日 うそだ》 《11月30日 僕のせいか?》 《12月04日 餅田が亡くなって10日以上たつ。 あんなことを断ったぐらいで死ぬわけがないとは思う。でも、あいつが飛び降りる理由も他にない。》 《12月05日 野崎が最近、以前に増して優しい。気にかけてくれているんだろう。 ありがとう、ごめん》 《12月06日 今日は近藤が野崎や大崎たちと明日は遊びに行こうと言ってくれた。 明日は普通に学校なんだが、承諾してしまった。》 《12月07日 僕もそろそろ立ち直ろう。このままぐずぐずしていても仕方がない。 餅田のことは未だいろいろと調べているが、一般高校生に掴めるものなんてたかが知れている。でもやろう。 今日は、確かに楽しかった。ごめん。》 《12月10日 期末試験だ……学校滅べ、テスト問題もそのデータも紛失してしまえ。》 《12月11日 野崎も近藤もこの間僕らと遊んでたよな? 何でそんなに出来たような顔してるんだ? その脳を僕にくれよ……。》 《12月15日 終わった。いろいろ。》 《12月16日 授業なんてもういいだろ?冬休みにしてくれよ頼むから、しかも今日土曜だぞ? とりあえず大崎が振られたことが判明した、小川に彼女ができたことが判明した。大崎生きろ。》 322 :後の空白すらも私だけに:2010/08/31(火) 21 38 51 ID r8CNAMjm 《12月19日 野崎は今日も元気だった。近藤にクリスマスは野崎と過ごすのかと聞かれた。当たり前だろ。》 《12月20日 いつも以上に機嫌の良い野崎が一緒に帰ろうと言ってきたが、断ってしまった。 今日は先に近藤と約束したんだ、ごめん。前回のことがあるので断れなかったんだ。》 《12月21日 野崎の機嫌が悪い。昨日断ったからか? 埋め合わせをすると言ったら「ああごめん、違う違う。君が気にすることじゃないんだよ」と言われた。意味がわからん。》 《12月22日 近藤が学校の階段から落ちて、救急車で運ばれていったらしい。落ちるという言葉がトラウマになりそうだ。 とにかく見舞いへ行こう。明日から冬休み。》 《12月23日 野崎に一日中ひっぱりまわされたせいで見舞いにはいけなかった。 断りきれない僕も僕だ……。明日は行こう。》 《12月24日 言いたいことがあるとここへ書くくせがついてしまったらしい。 まあ、吐き出せば気も晴れる。野崎の我儘具合がひどい、前はこんな調子じゃなかったのに。》 《12月25日 野崎と近藤のところへ見舞いに行った。足の骨を折ったらしい、ギブスをしていた。 クリスマスなので、昨日野崎と別れた後に買ったストラップをあげると異様に嬉しがってくれた。 あそこまで喜んでくれたのなら送り主として本望だ。 野崎は他の知人が入院しているらしく近藤とは顔を合せずに、その見舞いへ行った。クラスメイトなんだから顔ぐらいみてもいいだろうに。》 《12月29日 野崎から連絡が全くない。さすがに不安だ。》 《12月30日 大掃除が面倒だった。ワックスがけとかいいだろもう、水ぶきで十分。 野崎がメールをしてきたことにかなり安心した。風邪を引いていたらしい、言えば見舞いぐらい行ったのに。》 《12月31日 今年も終わる。来年は受験だから、さすがに勉学に励もう。》 《01月01日 野崎のさそいで初詣に行った。絵馬には『世界平和』と書いておいた、無難だ。 野崎は見せてくれなかったが、後で確認すると僕とずっと一緒にいたいと書かれていた。 ……素でこういうことを書く辺りあいつは可愛い。そうなるといいな。》 323 :後の空白すらも私だけに:2010/08/31(火) 21 40 55 ID r8CNAMjm 《01月08日 新学期。近藤が松葉杖をついて学校へ来ていた。元気そうでよかった。》 《01月09日 近藤に野崎との様子を聞かれる。 順調に決まっているだろと言ったら、渋い顔をされた。なんなんだよ。》 《01月10日 何度考えても餅田が自殺をしたとは思えない。 あいつの葬式でも、ご両親が同じようなことを言っていた。やっぱり何か変だ。》 《01月11日 寒い、冷暖房完備の学校がうらやましい。 近藤は昨日から風邪で休んでいるし、野崎も調子が悪そうだ。このまま学級閉鎖へもつれ込んでくれ。》 《01月12日 近藤から「野崎さんのこと、ちゃんと見てる?」と電話があった。 僕以上にあいつのことを知っているやつはいないぞと惚気てみたら、無言で電話を切られた。なんだ?》 《01月13日 ついに野崎まで休んでしまった。メールには大丈夫とあったが、本当だろうか。 大崎や小川は僕と同じく馬鹿の部類に入るので風邪などとは無縁の様子。》 《01月14日 再び近藤から電話。野崎とは別れた方がいいと言われたので、何を言っているんだこいつはと思った。 が、話を聞いてみると本気で僕の身を案じているような口ぶりだった。野崎が近藤に何かしたのか?》 《01月15日 まだ足が治っていないのに、何で行方不明になるんだよ!? 》 《01月16日 近藤はまだ見つかっていない。そして、ずっと野崎を避けてしまっている。 野崎は関係してなんかいないと思いたいでも近藤の言動が》 《01月17日 近藤は遺体で発見された。立ち入り禁止の学校の屋上で、脇腹を刺されて…… 誰かが殺したんだ近藤をあいつが殺される理由なんて(この先は滲んでいて読めない)》 324 :後の空白すらも私だけに:2010/08/31(火) 21 47 05 ID r8CNAMjm 《1月18にち 野崎が怖い。 近藤が行方不明になったときにあいつは休んでいたし、病院でも避けているように見えた。 まさか近藤は野崎に突き落とされたんじゃないのか? 違うと思いたい。でも近藤は野崎を危険視しているようだった。 実は自分が野崎に突き落とされたと知っていて、それで……野崎をちゃんと見ているかって……別れた方がいいって。 だとしたら僕はとんでもないことをしてしまった近藤は伝えようとしてくれたのに僕は聞かなかったんだ あいつが殺されてしまった今そうとしか思えない学校の屋上なんかで普通人を殺すか? そんな考えに至るのは学校の人間だけでも野崎が近藤を殺さなくてはいけない理由って何だ? あのふたりはあまり口をきく方ではなかったから喧嘩をしようにも理由がない共通の知人など僕ぐらいだろうじゃあ僕がその原因? また僕か? 餅田のときもそうだったじゃないか真偽は分からないが原因は僕の知りえる限り『僕』だけ…… まさか餅田が死んだのは それは さすがに ないだろ な? とにかく野崎本人にそれとなく近藤の話をふってみて反応を見てみよう。僕はお前が人殺しだなんて思いたくないんだ―――― 325 :後の空白すらも私だけに:2010/08/31(火) 21 50 57 ID r8CNAMjm 「嘘つきさんだなあ、私のことなんて信じてないくせにー……。 これ、絶対近藤さんを信用してるよね、私じゃないんでしょ? 私が殺したと思ってるんだよね? わかってるよわかってるよ、もう嘘つかないで嘘つきさんは嫌いだよ、ああでも君なら許せる。 そんなところも大好きだって言えるから。だって大好きだから一緒にいたいから一緒にいたいなら、全部許容しなくちゃね。 ね? だからこれからは私のことも許容してね? 近藤さんを骨折させたことも刺したことも餅田さんを突き落としたことも全部全部許してね? いいよねこれからずっと一緒なんだから。でも君、本当に考えなしだよ、これだけ疑ってるのに単身私のところに来るなんて、 ああわかった。むしろ私にああしてほしかったってこと? だって私がひとり暮らしなの知ってたでしょ? 実は君も私とずっと緒にいたくてわざと? そっかそっか天の邪鬼さんなんだった、ごめんね気付かなくて。でもこれからは本当にずっと一緒だよ。 邪魔な人を消すよりふたりしかいない場所へ行った方が楽だって、私やっと気付いたんだ。 うわッ、そろそろ帰らないと目覚めちゃうかも……一応口塞いで拘束しておいたけど、起きてすぐそんな状態だったら怖いもんね。 よし、待ってて今すぐいくから! そうだ日記見てたこと謝らないと……最初から日記のスペアの鍵をとって、毎晩読みに来てたって言わなくちゃ…… でも私は好都合だったな……君の思ってることがすぐに分かるから。手足の拘束がとれるようになったら、また日記帳渡してみよう。 それにしても楽しみだなあこれからずっと一緒にいられる好きだよ好きだよ大好きだよ 君は私とだけいればいいんだからできることなら君に触れた人間全員いなくなってほしいぐらい でもそんなことしてるより君といたいからやめておくねああ本当に早く帰らないとっ」
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私だけがいればいい ◆Vj6e1anjAc 冬木大橋。 本来ならばその名の通り、日本の冬木市にあるべきものである。 開発の進む都市部・新都と、古い町並みを残す深山町――冬木市内において、この相反する2つのエリアを結ぶのが、この橋であるはずだった。 故にこの島にあるこの橋は、本来あるべき冬木大橋の、レプリカとでも言うべきもの。 異なる場所に複製されたそれは、その土地と土地の間隔に合わせ、スケールも微妙に異なるものになっていた。 「――これは窮地と見るべきか、はたまた好機と見るべきかな」 くつくつ、と。 赤い鉄骨造りの橋に立つのは、黒衣に身を包んだ長身の男。 その冬木大橋の真ん中に、宵闇に溶け込むかのようにして、1人の青年が立っていた。 その名を、ロロ・ヴィ・ブリタニア。 神聖ブリタニア帝国が国教・エデンバイタル教団の枢機卿の座に、若くして上り詰めた男である。 彼の口元に浮かぶのは、笑み。 得体の知れない『儀式』に巻き込まれ、殺し合いを強要された立場にしては、ともすれば緊張感に欠けているようにも見える顔つきだ。 「よもや取り逃した獲物達に、こうもあっさりと追いつけるとは」 ロロの紫色の双眸は、手元の名簿へと向けられていた。 この儀式に参加させられた、57人のプレイヤーの名が、びっしりと書き連ねられた代物だ。 そしてそれらの名前のうち、彼が着目したものは3つ。 自らの地位を奪った憎むべき兄――ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。 魔道器を駆り立ちはだかる妹――ナナリー・ヴィ・ブリタニア。 そして渇望する魔王の力――C.C.。 そのどれもがロロにとっては重要なファクターであり、そのいずれの命も、元より彼にとっては、刈り取るべき対象であったのである。 (ゼロの持つ魔王の力……それさえ手に入れることができれば、この『儀式』に勝ち残ることも難しくはなくなる) にぃ、と邪悪に笑む様は、兄ルルーシュと同じ血を引く故の仕草か。 生まれた時より皇位を奪われ、影に追いやられた彼の闇は、より凄絶さを増しているようにすら感じられる。 ロロが狙うものはシンプルな答えだ。 ルルーシュらを殺害することで、自らが魔王の座を継承する。 その力を持ってブリタニアに帰還し、父シャルル・ジ・ブリタニアから王座を奪う。 自らを貶めた全てを殺し、世界の全てを手中に収める――魔王を目指す者が歩むのは、血のカーペットに彩られた修羅道だ。 (……だが、分からないこともある) しかし。 笑みを浮かべていたロロの顔が、不意に怪訝そうなものへと変わった。 彼の高揚を打ち消したのは、同じくそこに記された2つの名前だ。 ロロ・ランペルージなるものと、ゼロなるものの名前である。 (まずはゼロだ。こいつ自身は、同名の別人とも考えられるが……) 1つ目の名前によって浮き彫りになるのは、自らが追う者に対する疑念である。 そもそもゼロというものは、ルルーシュがC.C.と契約を結び、同化した魔人の名乗った名前である。 そしてそのゼロと同じ名前こそが、両者の不可解さを際立たせていた。 この名簿に記されている名前が真実ならば、現在そのルルーシュとC.C.は、再び別々の個体として分裂したということになる。 果たしてそんなことが可能なのか、はたまたそうする意味があるのか? 本人の意志でないのなら、アカギ達主催者側がそうさせたのか? 何のためにそうしたのか? 両目に見据えた獲物の焦点が、急速にブレていくのを感じた。 (それだけではない。気がかりなものはもう1つある) そしてある意味でそれ以上に、ロロ・ヴィ・ブリタニアが気にかけるもの――それがロロ・ランペルージなるものの存在である。 (私と同じ名前を持つ、私の知らないランペルージとはな……) こちらは偶然と断じるには、あまりにも性質の悪い存在だ。 そもそもランペルージという姓は、ブリタニアの追っ手から逃れるために、ルルーシュが創作した架空の姓である。 そしてそのランペルージの家系に、自らと同じロロなる人間が存在しているというのだ。 この名前が指すものが、自身でないことは理解している。名簿にはランペルージ姓ではない、ブリタニア姓のロロの名前も書かれている。 なれば、やはりロロ・ランペルージという個人が、この殺し合いに参加させられているということになるだろう。 真の弟を差し置いて、同じ名前の、別の身内が存在する可能性があるということか。まったく、嫌味な冗談もあったものだ。 「……うん?」 ふと。 その時、ふと目をやったその先に。 自身と同じく橋の上に、1つの人影が見えた気がした。 目を凝らして見てみると、まぎれもなくそれは人影だった。 一瞬判断を迷ったのは、それもまた己自身と同じく、黒ずくめで身を覆っていたかららしい。 闇の内から覗くような。 黄金色の単眼の少女が、ぼんやりとこちらを向いて佇んでいた。 (奴の言っていたプレイヤーか) どうやら蹴落とすべきライバルが、こちらの存在を察知したようだ。 後手に回ったことに舌打ちしつつ、ロロは相手の様子を探る。 黒を基調とした服装は、燕尾服を女性風にアレンジしたものか。ところどころに飾られた、白いフリルが印象的だった。 ショートカットの黒髪の下では、右目が眼帯によって隠されている。相手が単眼に見えたのは、この眼帯が原因らしい。 冷たい夜風に煽られて、テールコートとボブヘアが揺れる。虚ろな視線と相まって、幽鬼のごとき印象を受ける。 果たして、娘は本当にそこにいるのか。はたまたそこにあるのは幻なのか。 触れたら即座に掻き消えるような、蜃気楼のようにも感じられた。 異様な女だ。 (だが、殺意は感じられない) 脱力しきったその少女と、自らの間の距離を探る。 距離にしておおよそ50メートル。己の「力」の射程外だが、この腑抜けた状態から、一瞬で詰められる距離でもない。 ならば、勝負が始まるのはこれからだ。 仮に攻めてくるにしても、まだワンテンポ猶予がある。奴が臨戦態勢を取る前に、取るべき対処法を構築すれば―― 「―――」 刹那。 にぃ、と。 眼前に浮かんだ幻が、微かな笑みを浮かべた瞬間。 「ッ!」 黒衣の少女の体躯が、一瞬にして倍近くに膨れ上がった。 (速い!?) 実際に巨大化したわけではない。遠近感が生み出す錯覚だ。 なれば目の前の少女が、自分の想像を超えた速度で、一気に肉薄してきたことになる。 想像以上の加速度だ。対策は一瞬にしてご破算となった。 振りかぶる右手に掲げたものは、爛々と煌めく3本の鉤爪。 20メートル、10メートル、5メートル。コマ送りの度に詰められる距離。 (ジ・アイス――間に合えッ!) きっ、と黒衣の少女を睨んだ。 エデンバイタルとのバイパスを繋ぎ、外なる力を内へと取り込む。 心中で絶叫した力の名は、万物を凍てつかせる静止の力。 ギアス能力「ジ・アイス」――自らのテリトリーに入った獲物に作用し、あらゆる運動速度を低下させる不可視の枷だ。 叩き込まれるは漆黒の魔手。 それを阻むは時の凍結。 一瞬の間の攻防が、まばたきと共に過ぎ去った瞬間。 「……!?」 ぷつ、という微かな裂音と共に。 端整な顔つきの左頬に、赤いラインが浮かび上がった。 (かわしきれなかった? 馬鹿な、かわせるだけ「遅らせた」はずだ!) 己の傷を指先でなぞり、ロロは内心で驚愕する。 普段通りであるならば、今のは完全に回避できた。内から外へと発した力は、それだけの出力を用意したはずだ。 しかしターゲットの移動速度は、その予想よりも僅かに「速いまま」だった。 ギアス能力の出力が不十分だった――それ故に攻撃を回避しきれず、敵の爪が頬をかすめたのだ。 「んっ、んー……?」 背後から聞こえる声に、向き直る。 「あっれぇー、変だな……当たるようにしたんだけどなー……」 すれ違いざまに斬りかかった少女が、怪訝そうに首を傾げる。 暢気とすら形容してもいい、間延びした呟き声だった。一瞬前のロロと同じ、戦場には似つかわしくない余裕の声だ。 あの突風のような突撃からは、予想だにできない発声と言えよう。 「……うん」 くるり、と黒髪が振り返る。 背中を見せた態勢から、再び向き合う姿勢に戻る。 「でも、ま、その、あれだ」 じゃきん、と物騒な音が響いた。 片手のみだった鉤爪は、三爪二対の双刃に変わった。 左手にも装着されたことで、合計6本となった爪が、柳のごとく涼風に揺れる。 「些細だ」 にやり、と笑みが浮かんだ瞬間、再び風が吹き荒れた。 脱力からのロケットスタートが、ロロの元へと殺到する。 速度は見切った。間合いも見切った。ギアスの不調も理解している。 (今度は許さん!) ジ・アイスを再発動。 領域内に踏み込んだ敵の、歩みを凍らせ減速させる。 普段以上の力を込めて、猛然と迫りくる弾丸を回避。 「ひゅう! すごいねっ、またかわした!」 がりがりとアスファルトを削る音が、振り向くロロの耳に届いた。 向き直り両爪を地に立てて、強引にブレーキをかける少女が、口笛と共に賞賛する。 「でもまだ次があるよっ――」 完全に停止するや否や、加速。 凶刃はブレーキからアクセルへと変わった。 爪の長さの分浮いた身体を、水泳のごとくキックで発射する。 宵闇を泳ぎ、右手を一閃。 これまたかわされたと見るや、その手を地につけて、一蹴。 カポエイラの要領で放たれた、独楽を思わせる回転蹴りが、男の鼻の先を走る。 「――次々次次次次次次次ィッ!!」 瞬間、突風は竜巻へと変わった。 斬る、薙ぐ、蹴りかかる。 回転の勢いを味方につけ、轟然と放たれる連撃が、爆音を伴って鼓膜を揺さぶる。 流麗かつ間隙なく迫る刃が、相反する獰猛さを宿して迫りくる。 黒豹の牙か――獣を思わせる金眼を前に、ロロは敵の姿をそう評した。 強く鋭くしなやかに、喉笛を噛み千切らんと攻め立てる様は、まさに人の皮を被った野獣だ。 「あっはははははは!!」 調子の外れた声を上げて、けたけたと少女の顔が笑う。 第一印象の静けさとは、既に全くの別人だった。 「図に乗るのはそこまでにしてもらおうか……!」 されど、そうしていつまでも笑わせはしない。 このままいいようにさせるつもりはない。 魔王たらんとするロロ・ヴィ・ブリタニアは、こんな馬の骨相手には屈しない。 にやり、と顔に浮かべたものは、威嚇の意を込めた邪悪な笑みだ。 知性あるエデンバイタルの獣が、絶対零度の牙を剥く。 ずずずずず、と響くのは、さながら耳鳴りにも似た裂音。 量子シフト、始動/空間座標軸、固定/ナイトメアフレーム、転送。 「現れよ! 魔王の騎馬――ヴィンセントッ!!」 さっ――と掲げた右腕が、烈風を伴い夜空を裂いた。 ばたばたとマントをはためかせ、ロロの異能が空間を引き裂く。 夜より暗き黒の窓から、姿を現すものは黄金。 ずぅん、と地鳴りが足に伝わる。目を丸くする少女の前に、金色の巨人が姿を現す。 身長4メートルの巨躯に宿されたのは、見る者全てを圧倒する威容。 騎馬(ナイトメア)の名はヴィンセント。 魔王継承者のために生み出された、ロロ専用の機動兵器である。 「ひれ伏せ、我が力の前に!」 刹那、世界は一変した。 静かな夜から、激動の嵐へと。 どうっ、と吹き荒れるのは吹雪。 比喩でも誇張でも虚構でもない、絶対零度の突風が、鉤爪の女へと襲い掛かる。 ヴィンセントに積まれた増幅回路が、ロロのジ・アイスを強大化させた副産物だ。 運動速度を落とすギアスは、大気の熱運動さえも阻害し、テリトリー内の空気を急冷させた。 「!」 ばっ、と。 危機を察知したらしき少女が、攻撃態勢を解いてその場から飛び退く。 回避しきれなかった鉤爪の先が、ぱきぱきと音を立てて凍結した。 「逃さん!」 ちゃき、と抜いたのは黒光りするピストル。 ロロの構える銃口が、雄叫びと共に銃弾を吐き出す。 狙いはターゲットの眉間――しかし、狙い通りには当たらず。防いだのは右手から伸びた爪だ。 ばりん、と。 弾丸を文字通り相殺し、守り手は音を立て砕け散る。凍結し強度を失った得物が、銃弾によって破壊されたのだ。 右手を振り抜くと同時に、着地。破片が地についた頃には、新たな爪が姿を現す。 (まるで手品だな。いや……あるいは私の知らないギアスユーザーか?) 拳銃を収め宙へ浮きながら、ロロは改めて少女を見定めた。 縦横無尽に疾走し、光の爪を生むそのさまは、明らかに人間の常識を逸脱している。 彼女もまた理を歪め、超常の力を振るうギアスユーザーなのか。そう考える方が自然とも思えた。 少なくとも超スピードに関しては、この『儀式』にも呼ばれている、アリス・ザ・コードギアスの例もある。 「やっぱりすごいね、キミは。キミも魔法少女なの?」 「……生憎と、私は見ての通り紳士でね。とても少女とは言えないな」 ふっ、と苦笑を浮かべながら、ヴィンセントのコックピットに入り、言った。 黄金の騎馬に跨って、眼下の少女の姿を見やる。 まったくもって可愛げがない。これだけの力を見せつけられながら、もう顔には笑顔が戻っている。 であればよほどの豪傑か、あるいは力差を理解できない馬鹿か。 「ふぅーん……それで、どうするの? 私を殺したいんじゃなかったの?」 「いや、少し事情が変わった」 玉座に座したロロの口調からは、威圧的な棘が抜けていた。 先天的に能力を得たギアスの申し子――ワイアードギアスユーザーといえど、彼は教団所属の文官であり、根っからの戦士というわけではない。 自分の代わりに戦う駒がいるのなら、それに越したことはない。そして相手が馬鹿だとするなら、そこには付け入る隙がある。 「どうやら君も、この『儀式』に乗るつもりのようだな。ならば同じ目的同士、ここは手を組まないか?」 目的は殺害からシフトされる。 選んだのは駒を得るための懐柔だ。 「駄目だよ。遠慮させてもらう」 にべもなく切り捨てられた。 当然といえば当然だ。 先ほどまで自分を殺そうとした者を、いきなり信用しろというのは無理がある。いきなり首を縦に振る方がおかしい。 「ほう。では、その理由を聞かせてはくれないか?」 「生憎と、その枠はもう一杯なんだ。2人以上は守れない」 「守りたい者がこの場にいる、と?」 無言は肯定の意と解釈した。 どうやら彼女もまた、この『儀式』の参加者の中に知り合いがいるらしい。 ならば、攻略の糸口も決定される。魚を釣り上げるためには、食いつきたくなる餌を垂らすことだ。 「……いいだろう。ならばその守りたい者を、共に守ることを約束しよう」 この誘惑には抗えまい。 優しげな言葉とは裏腹に、邪悪に笑いながら、提案した。 たとえ馬鹿であったとしても、否、馬鹿であればこそ。 どれだけ平静を装おうと、大切な身内が危機に晒されていれば、内心は穏やかでいられるはずもない。 焦りに逸ったその心は、提示された条件に、疑いなく食いつこうとするはずだ。 「………」 これにはさすがの少女も、無視を決め込むわけにはいかなかったらしい。 凍った左手の爪を消し去ると、顎に手を添えて考える素振りを見せる。 堕ちたな――内心でほくそ笑んだ。 これで条件はクリアされた。 人外の域に立つ強力な駒を、いきなり労せずして手に入れたというわけだ。 「さぁ」 この手を取るがいい、と。 ヴィンセントの剛腕をほどき、手のひらを差し伸べるジェスチャーを取らせた瞬間。 「――やっぱり、駄目だ」 凍てつくような少女の声音が、スピーカー越しに耳に届いた。 「……何だと?」 「駄目なんだよ。キミは約束を守らない。他の奴は騙せても、キミじゃ私を騙せないよ」 常に笑っていたその口元が、冷気と共に釣り下がる。 への字に口を結んだ少女が、金の隻眼で巨人を見上げる。 夜風に揺れる襟の影から、鋭い眼光が突き刺さった。 (ただの番犬ではない、か……) ほとんど即決だ。理性で判断した様子はない。 恐らくは本能的な直感で、こちらの目論見を看破したのだろう。 得意げに笑っていたロロからも、次第に笑顔が消えていく。 「どうしても、手を組むつもりはないと?」 「彼女には私だけがいればいい。誰の手も煩わせるつもりはないし、誰の手にも触れさせるつもりはない」 ただの番犬であるならまだよかった。 犬は知性ある動物である。 ある程度の条件を与えれば、理性でその利点を判断し味方につく。場合によっては、尻尾を振らせることもできただろう。 だがこの娘には通用しない。 何者にも従わず、何者であっても従えられず。 こいつはきっと理性でなく、野性で全てを認識し、本能で愛する者を独占する魔物。 獣の範疇にすらない。文字通り住む世界が違うのだろう。 たとえるなら理解も共感も跳ね除けて、迫るもの全てを食らう魔犬獣(ケルベロス)だ。 黒豹という認識ですら、過小評価であったというわけだ。 「ならば仕方ない……予定通り消えてもらおう!」 ほどいた手のひらを握り直し、ヴィンセントにファイティングポーズを取らせる。 ジ・アイスを再度発動し、魔性の吹雪を轟かせる。 味方にできないと分かったのなら、もはやこいつを生かしておく理由はない。 こいつは危険だ。 それが野獣であれ魔獣であれ、手なずけられない獣であれば、こいつは確実に自分に食いついてくる。 背中を見せた先に待つのは、背中から噛みつかれる末路だ。 殺すにせよ、倒すにせよ、この場は退けておかなければ。 「……ふっ、はは! その重たそうなデカブツでかい!?」 狂笑。 絶叫と共に顕現する、殺意。 ばっと開いた両腕から、必殺の凶刃が牙を剥く。 「面白バカみたい! やれっ! やってみせてよ魔王サマ!」 刹那、疾走するは三爪二対。 びゅん、と風切り音が響く。 きぃん、と吹雪を突き抜け進む。 両腕を高らかと掲げた姿勢で、斜め前方上に猛スピードで跳躍。 「ならば、ご期待に応えるとしよう!」 ここで大人しく食らうようでは、魔王の名折れというものだ。 機体前面の大気目掛けて、ジ・アイスをフルパワーで発動。 虚空に顕現したものは、直径3メートルにも到達する円形の氷壁。 黒き魔戦士の行く手を阻み、破壊力をそぎ落とす白銀の盾だ。 「ハァァァァァッ!」 それでも少女は止まらない。 氷壁に真っ向から突撃し、ばりんと爆音を立て砕きながら、尚も魔王の懐へ殺到する。 ジ・アイスの速度低下にも、氷壁の障害にも怯むことなく。 轟然と唸りを上げ、一閃。 斬――と。 重力加速を得た上空から、両の爪を同時に叩き下ろす。 「!?」 その、瞬間だ。 狂喜に満ちた少女の顔が、驚愕の一色に染まったのは。 突き出されたヴィンセントの左腕は――無傷。 いくら威力を殺されたとはいえ、この渾身の一撃を、全くの無傷で受け止められるとは。 この戦闘が始まって以来、初めてまともに味わったであろう困惑が、その顔からありありと伝わってくる。 「――チェックだ」 そしてその驚愕こそが、ロロにとっては最高の供物だ。 ぱきぱき、ぱきぱきと音が上がる。 黄金の甲冑の表面から、凍った時が侵食を始める。 攻撃を防いだ左腕から、熱運動停止による凍結が始まり、少女の爪を貼り付けたのだ。 これでもう逃げられない。 五月蠅い虫は羽をもがれた。 ならば、この痴れ者が辿る未来はたったひとつ。 魔王に噛みついた反逆者の罪は、たとえそれが畜生であろうと、その命をもって償ってもらう。 「死ねッ!!」 レバーを操作。 サクラダイトが躍動。 マッスルフレーミングを介して、電気信号が伝達される。 隆々と唸る右腕部が、重厚な効果音と共に駆動。 ごっ、と鈍い音を伴って。 まばたきをした瞬間には、既に拳は突き出されていた。 黄金に煌めく鉄拳が、漆黒の少女を吹っ飛ばした。 爪を砕かれ、支えを失った娘は、ろくに抵抗もできずに宙を舞う。 無様に脱力しきった身体が、アークを描いて投げ出される。 ばしゃん――とスピーカーが拾ったものは、眼下の海から響く音か。 盛大な水しぶきを上げた後、凶刃を振るった少女の姿は、海面の波紋に溶けて消えた。 ◆ かつり、とアスファルトを叩くブーツの音。 黒のマントで半身を覆い、ロロ・ヴィ・ブリタニアが街中を進む。 ヴィンセントのランドスピナーを以って、橋を渡り終えた彼は、地図上西部の市街地へと到達していた。 (橋を降りた直後、ヴィンセントは何者かによって、強制的に回収された……) 一瞬前に起きたことを、回想する。 戦闘が終わり、移動を開始し、地に足が着いたその時、突如ロロはパイロットシートから、地上へと投げ出されたのだ。 魔王の騎馬が彼を吐き出し、量子テレポートの闇をまとって、いずこかへと姿を消したのである。 このような現象は起こるはずがなかった。 マークネモやガウェインと異なり、純粋に人の手によって作られたヴィンセントが、そんなオカルト寄りの不具合を起こすはずはない。 であれば、考えられる可能性はひとつ。 あのアカギなる者が、ヴィンセントに細工をし、一定以上の現界を不可能にしたのだ。 (まぁ、呼べないよりはマシとしよう。次に呼び出せるのは、いつになるかは分からんが) こうなると手駒の存在は、今まで以上に重要になってくるだろう。 ヴィンセントに制限が課され、ジ・アイスさえも弱体化した今、己が戦闘能力は著しく低下している。 加えて荒事から距離を置く文官の身では、あの少女のような達人とは、生身でまともに立ちまわるのは難しい。 あれだけの実力者が、他にいることを考えるならば、早急に戦力を整えるべきだ。 (惜しかったな、あの娘は……) 橋の方を振り返り、内心で独りごちた。 結局海に落ちた少女の生死は、確認することはできなかった。 他にも敵がいる以上、彼女だけに執着しているわけにはいかない。撃退という目的は果たした以上、そのままそこを立ち去ったのだ。 だが生きているにせよ死んでいるにせよ、あれだけ派手にやってしまえば、もう手元に加えることはかなわないだろう。 残念だ。あのまま手駒にできたなら、さぞや役に立っただろうに。 (ないものねだりをしても仕方がない) 大事なものは、あるものをこの手に掴むこと。 忌むべき兄妹を抹殺し、魔王を我がものにすることだ。 「待っているがいい、ゼロよ。私は全てを手に入れるぞ」 にやり、と。 不敵な笑みを浮かべながら、青年は1人歩を進めた。 【H-3/橋の近く/一日目 深夜】 【ロロ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】 [状態]:疲労(中)、左頬に切り傷(軽度)、ヴィンセント召還制限中 [装備]:なし [道具]:基本支給品、コルト・ガバメント(6/7)@現実、不明ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本:この殺し合いの優勝者となる 1:ルルーシュとC.C.を抹殺し、ゼロの力を手に入れる 2:ナナリーを抹殺する 3:このまま市街地に入る 4:手駒にできそうなプレイヤーを見つけたら、戦力として味方に引き入れる 5:眼帯の少女(呉キリカ)は深追いしない。ひとまずは放置し、他のターゲットを探す 6:ゼロともう1人のロロ(ロロ・ランペルージ)の名前に違和感 7:魔法少女とは何のことだったのだろうか? [備考] ※参戦時期は、四巻のCODE19と20の間(ナナリーを取り逃がしてから、コーネリアと顔を合わせるまでの間) ※ジ・アイスの出力には制限が設けられています。普段通りに発動するには、普段以上のエネルギー消費が必要です ※ヴィンセントには、召還できる時間に制限があります 一定時間を過ぎると強制的に量子シフトがかかりどこかへと転移します また、再度呼び出すのにもある程度間を置く必要があります (この時間の感覚については、次の書き手さんにお任せします) ※ルルーシュとC.C.が、別世界から来ている人間であることに気づいていません 「自分の世界のルルーシュとC.C.が、何らかの要因で分裂している。ゼロは同名の他人である」という仮説を立てています ◆ 冬木大橋の橋の下に、蠢く小さな影が1つ。 布を手に取り絞るのは、華奢な少女の形の影だ。 両の指先でつまんだものは、女ものの三角形のショーツ。 「……まぁ、恥部を見せびらかすのは駄目だよね。はしたない、って叱られちゃう」 一瞬の逡巡を示した後に、生乾きのそれを足に通した。 水滴の浮かぶ太腿に、するすると布地を上らせていく。 すっ、と黒いスカートを持ち上げると、ようやくショーツを穿き終えた。 さすがに水気の残るそれは、じめじめと肌に貼りついて気持ち悪い。 だが、下手を打ったのは自分なのだ。偉そうに不平を漏らすわけにはいかなかった。 「これで着替えは完了、と」 呟き、1人腰を下ろす。 黒髪と黒ずくめの女戦士――呉キリカは生きていた。 KMFの鉄拳を食らい、海に叩き落とされながらも、ここまで逃げ延びていたのだ。 「こっちは乾いてからつけよう」 ショーツと同じ色のブラジャーを、ずぶ濡れの衣服と共に、デイパックへ押し込む。 白いシャツとピンクのスカートは、彼女が「変身」する前に身につけていたものだ。 戦闘服に変身し、魔法を操り、魔女を倒す――彼女は自身が言った通りの、魔法少女と呼ばれる存在だった。 変身を維持している間は、元の服が損壊することはないのだが、 海に落ち濡れた身体で、うっかりそのまま変身を解いた結果、私服までずぶ濡れにしてしまい、今に至ったというわけである。 今まさに彼女が着替えたのは、たまたま支給品に入っていた、どこぞの学校の制服だ。 「……危なかった」 未だずきずきと痛む胸を押さえ、直撃の瞬間を回想する。 ほとんど直感的な動作だった。 直撃を受ける瞬間、自身の魔法を行使して、鉄拳の威力を「スピードごと殺した」。 そのままわざと大げさに吹っ飛び、海へ飛び込み、目をくらませた。 そう。キリカの有する能力は、あのロロの持つそれに近しいものだ。 自らと相対した者の時を遅らせ、相対的に速力を得る力――速度低下の魔法である。 それをあんな風に使うとは、今まで思ってもみなかったのだが。 (今の私の攻撃力では、あれを倒すことはできない) 強いだけなら御するのは容易だ。敵の攻撃を遅らせてかわし、食らう前に倒せばいい。 しかしその上硬いとなると、事情は大きく異なってくる。 身軽なキリカの攻撃は、しかし一撃一撃の威力に乏しい。 恐らく10本全ての指で、鉤爪を展開したとしても、あれに勝つことはできなかっただろう。 (この妙な不調のこともある) 左手に握った魔力の結晶・黒のソウルジェムを見つめる。 ロロが戦闘中に感じた不調は、彼女の身にも感じられていた。 事前に橋に仕掛けたはずの、速度低下の魔法陣が、普段よりも弱くなっていたのだ。 そして、スタミナの問題もある。魔力消費による穢れの蓄積が、普段よりも速く進んでいる。 これらのことも考慮して、今後はより慎重に立ちまわる必要がありそうだ。 (奴は危険だ。織莉子に牙を剥く前に、何とか対策を練らなくちゃ) 身震いしながら、目をひそめた。 キリカはさして頭はよくない。でなければ親友・美国織莉子に、戦術・戦略は委ねていない。 それでも彼女は直感的に、あの男の危険性を察知していた。 目が同じなのだ。 あれはかつての自分と――否、かつてなろうとしていた自分と、同じ目をしていたのである。 全てを見下し、蔑む目。 その双眸に映る全てを、嘲笑い利用し食らいつくす、獰猛な詐欺師の目をしている。 約束などあの男には無意味だ。きっとキリカの目の届かぬところで、奴は織莉子を殺すだろう。 (それだけは駄目だ) すっ、とその場から立ち上がる。 今はあえて見逃そう。現状持ちうる戦力では、あの黄金の牙城は崩せない。 しかしあの下衆なマント男が、織莉子を毒牙にかけることは許さない。 いいや、誰であってもだ。 織莉子は最愛の親友だ。 織莉子の存在が自分を変えた。彼女と仲良くなりたいという願いが、一歩を踏み出す勇気をくれた。 それを穢そうとする者は、誰であろうと許さない。 織莉子は私だけのものだ。 織莉子に触れていいのは私だけだ。 「私は織莉子に無限に尽くす……織莉子、今私が助けに行くよ」 私の手で守らなければならないのだ。 【H-5/橋の下/一日目 深夜】 【呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカ】 [状態]:疲労(小)、ダメージ(中)、軽く濡れている、ソウルジェムの穢れ(2割) [装備]:穂群原学園の制服@Fate/stay night、ノーブラ [道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~2、キリカの私服(上着、スカート、ブラジャー) [思考・状況] 基本:プレイヤーを殲滅し、織莉子を優勝させる 1:織莉子と合流し、彼女を守る 2:まどかとマミは優先的に抹殺。他に魔法少女を見つけたら、同じく優先的に殺害する 3:マントの男(ロロ・ヴィ・ブリタニア)を警戒。今は手を出さず、金色のロボット(ヴィンセント)を倒す手段を探る 4:乾いたらブラジャーを付け直す [備考] ※参戦時期は、一巻の第3話(美国邸を出てから、ぬいぐるみをなくすまでの間) ※速度低下魔法の出力には制限が設けられています。普段通りに発動するには、普段以上のエネルギー消費が必要です ※冬木大橋に仕掛けられた、速度低下の魔法陣は、既に消滅しています 【穂群原学園の制服@Fate/stay night】 士郎や桜の通う、穂群原学園で使われている女子用の学生服。 白いシャツにベージュのベスト、黒いスカートから成り立っている。 005 はじめてのバトルロワイアル ~十六歳と十五歳と十歳の場合~ 投下順に読む 007 What Mad Universe 時系列順に読む 初登場 ロロ・ヴィ・ブリタニア 055 だが…信用できないのはルルーシュ・ランペルージだ…!(前編) 初登場 呉キリカ 043 ティーブレイク
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私だけのWORLD END◆wd6lXpjSKY 戦線を放棄したゼロは何を考えているか何て解らなかった。 藤堂さんに全指揮権を与えても、黒の騎士団にとってゼロ不在に傷は深過ぎた。 別に藤堂さんを見下している訳じゃない。あの人は凄い人だから。 でも、誰がゼロの代りになれるの。 扇さんから言われた通り私はゼロを追った。 遺跡の中で出会ったスザクとゼロ。 スザクが撃った銃弾はゼロの仮面に当たって遂にゼロの素顔が顕になった。 その時は信じられないってのもあったけど、頭が働かなかった。 だって生徒会の副会長であるルルーシュだったから。 そこからもう、私は考える事を放棄していた。 そして気付けばセイバーが居た。 セイバーは私に気を遣ってくれた。 聖杯っていう何でも願いが叶う願望器を手に入れるために戦ってくれる。 ギアスみたいな超常現象に私も触れるのか、なんて思ってた。 ゼロのことで頭が一杯だった私をセイバーは励ましてくれた。 吹いてくれたオカリナの音色が今も記憶に残っているの。 私は辛い時もそれを思い出して頑張ろうと思う。 それが私が見た短くて長い夢の話で――――――。 「……ちょ、なにこの匂い!?」 目が覚めた紅月カレンを出迎えたのは鼻に残るキツイ匂いだった。 辺りを見渡せばホテルの一室だと解るが、匂いの理由にはならない。 隣のベットに視線を送ると衣服や荷物が散乱しており、正体が自ずと近付いて来る。 生活にだらしがない人間を一人しっている。 散乱している衣服から同じ人間だと推測し、ベッドの奥にあるピザの箱で確信した。 「C.C.! アンタこれ放置しないでよ!」 「全く寝起きでうるさい奴だな……」 カレンの怒号に反応したのか、シャワー室の奥から一人の女性が現れた。 裸でシャカシャカと歯を磨いており、端的に言ってだらしない女性であった。 これでも日本を開放するための組織、黒の騎士団の一員である。 「ベッドの上に食べ物を置くな! ついでに片付けなさい!」 「お前は本当に私の母か何かか?」 「願い下げだよっ!」 バン、とベッドを叩きその勢いで立ち上がったカレンは冷蔵庫から水を取り出す。 何気ない日常の動作で水を飲むがとある異変に気が付いた。 無い。無いのだ。 「右腕に傷が無い……?」 「……? どうしたんだカレン。子犬みたいにか弱い瞳をして」 「私の右腕はあの老人に……でも、え……?」 「おい、どうしたんだ」 アッシュフォード学園にてランサーのマスターに遣られた傷が無い。 そもそも此処は何処なのか。 紅月カレンの記憶には聖杯戦争で戦っていた記憶が存在している。 そしてもう一つ、黒の騎士団壊滅後にC.C.と共に反逆の時を待って活動している記憶も存在している。 自分で自分が解らなくなるカレンだが、無理矢理納得する。 C.C.との記憶は聖杯戦争中に抜け落ちていた記憶に違いない、と。 ならばカレンは夢でも見ていたのだろうか。 偽りのアッシュフォード学園の生活も、セイバーとの出会いも全部夢なのか。 虚ろな瞳をしているカレンを心配してC.C.が顔を覗き込む。 しばらくしてから気付いたカレンは驚いたリアクションを取るとベッドに腰を落とす。 一呼吸置いてから彼女は考えた。 C.C.に聖杯戦争のことを聞いてみるのはどうだろうか、と。 ギアスを知っている彼女だ。聖杯戦争について何か知っているかもしれない。 カレンは確信が欲しいのだ。聖杯戦争が実在する事実と証拠が。 自分が体験してきた戦争は実在する。セイバーの存在は偽りではない。 「ねぇC.C.」 「ピザはやらんぞ」 言え。 言ってしまえ。 だが切口が見付からないのだ。突然聖杯戦争の話を振ってどうするのか。 自分も元々は知らないで巻き込まれたのだ、何を言えばいいか解らない。 セイバーのことか、天戯弥勒のことか、ランサーのことか、人吉善吉のことか、夜科アゲハのことか。 「……お前、本当に大丈夫か?」 C.C.が柄にもなく心配しており、自分が不安定なことを再度認識するカレン。 セイバーとの思い出を話すべきだろうか。 剣を持った時の勇者は月夜を暴れる吸血鬼と戦ったお伽話を話そうか。 それとも森の中で吹いてくれた心安らぐ音色のことを話そうか。 「――ううん、なんでもない」 夢なら夢のままでいいかもしれない。 無理に話した所で、誰かに同意を求めても何も得ない。 自分を満足させるためだけの活動は必要ないとカレンは思い出す。 ゼロが現れた時、黒の騎士団の活動を批判していた。 小さいと、市民を巻き込むな、と。 C.C.を聖杯戦争に巻き込む必要は無いし、そんなことで悩んでいる時間はない。 黒の騎士団は必ず復活する。 その時にルルーシュを再びゼロとして迎え受け、黒の騎士団は日本を開放するために再びブリタニアと戦うのだ。 それにC.C.に話しても「殺し合い? 実は私も参加した記憶があってだな――」と茶化されるかもしれない。 紅月カレンは前を向く。 日本を開放するために、日本人の誇りを取り戻すために、明日を取り戻すために。 セイバーは今も暁美ほむらの剣となって聖杯戦争の中で戦っているだろう。 彼の戦場が聖杯戦争なら紅月カレンの戦場はこの世界である。 カーテンを開けると、前と同じように月夜が輝く美しい夜空である。 きっとセイバーも遠いこの空の下で同じ空気を吸っている。世界は違えど繋がっている。 「……ん?」 ふとポケットに異物感を感じたカレンは異物を取り出し目視する。 すると見慣れた物が木製で精製された模造品が混入していたのだ。表情が緩む。 セイバーが森の中でくれたのであろう――オカリナを見つめながら紅月カレンは再び黒の騎士団として活動を再開した。 【紅月カレン@コードギアス反逆のルルーシュ 生還】
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大きな大きなクジラ型のポケモンが、ゆっくりと海を進んでいる。 その背に一人、黒髪をたなびかせたナイスバディを水着に包んだトレーナーが乗っていた。 いわゆるビキニ姿の美女――ビキニのおねえさんのヘンリーは、美貌をゆがめた険しい顔で島を睨んでいた。 彼女は怒っていた。 「ふざけないで欲しいわね……!」 見渡す限りまっ平な海。雲のないからっからの空。 謎の説明のあと起き上がってみれば、彼女は大海原にひとりきりだった。憤慨だ。 自由といえばそうなのかもしれない。 支給されたホエルオーに乗って浮いていればしばらくは誰にも見られず、 探されず、意識されることもなく、何も起きず平和に過ごすことができたかもしれない。 だがいまヘンリーの首には首輪が付けられていてとても自由とは言えなかったし、 「どうして私を……! この世界レベルの美貌と魅力、そして強さを兼ね備えた私をッ! こんな地図の端のヘンピなところからスタートさせるの! 全くもって分かっていないわ! これじゃあ! 私の至高のビキニ姿が! 誰にも見られていないじゃないの!」 それよりなによりヘンリーは、 自分が誰にも見られていないなどという状況が死ぬほど嫌だった。 人に見られ、賞賛や羨望の気持ちを向けられるときこそが、ヘンリーが最も生を実感できる瞬間だ。 そして、自分にはそんな視線を向けられるに値するだけのものがあると、少なくともヘンリーは思っていた。 「――そう、私こそが主役。私がステージに上がらなければ幕は決して上がらない」 つまるところヘンリー……ビキニのおねえさんのヘンリーは、 「なぜならいずれ世界は、私が席巻するのだから。私は彼が造り出した……アイドルモンスターなのだから! さっさと島に向かいなさい、ホエルオー! 世界の幕を上げに行くわよ!!」 超が付くほどの大言壮語家で、そして目立ちたがり屋だったのだ。 ▼ ただし。先に言ってしまうと、そんな彼女は、無事には島に付けなかった。 当初A-1の海原へと放り出されたヘンリーがこうして島へとたどり着こうとしたのとほぼ同時に、 A-1にほんの少しだけ飛び出た高台の地形部分では以下のような戦いが行われていたのだから。 「私の狙いはこっちだーーーっ! シャババーーーーっ!!」 「……地面が、崩れ――――?」 尋常ならざるカラテを持つからておうのガンマによる、かいパンやろうビリーとの戦い。 トレーナーサーチによる先手必勝を見事に決めたガンマは勝負の〆を、 じわれからの震脚による大きな地形崩しによって決めた。 そして、A-1の一部の陸と海の境界線が崩れさり…… ――新しい崖が生まれた。 無論、いわなだれどころではない土砂崩れを海に降らせながら。 「んな――――ッ!!??」 そう、島へと辿り着いたヘンリーは間の悪いことに、その土砂崩れの真下に居たのだった。 岩、岩、砂、岩。 砂、岩、岩、岩。 一つの岩の大きさだけでもゴローニャやギガイアスを大きく上回るだろうものが、面となって降ってきたのだ! まるでアクション映画の爆破演出のようだった。スケールが大きすぎて現実感がない。 「わ、私に黙って……こんな派手なVFXを!! どこの演出家の仕業!?」 ヘンリーは自分より派手な効果演出を見せつけられて憤慨した。 いやそこに憤慨している場合じゃないだろう、 そもそもこれは本物だ! と思う人もいるかもしれない、ただこれは仕方がないことだった。 ポケウッドのスター女優を目指してアイドル稼業をしていた彼女にとって、 まだこの瞬間までは、この催しは自分の優れた演技力を買ったどこかの番組が企画し、 様々なエキストラと大量のお金を掛けて実行した何かのドッキリかもしれないという甘すぎる考えがあったのだ。 しかしそれも、岩が自分のそばに落ち、ホエルオーの背に刺さったことで否定される。 『エ゛ル……オ~ッ!!』 ホエルオーの背から血が滲んだのを見て、ヘンリーは一気に現実に引き戻された。 「……嘘!? な、なんでッ!? ちょ、ちょっとシンボラー出なさい! 私を護りながら“コスモパワー!”」 そこからのヘンリーの行動は早かった。 もう一匹与えられていた手持ち、とりもどきポケモンのシンボラーを自分の頭上に召喚し、 宇宙レベルの神秘の力で防御力・特殊防御力を上げるコスモパワーを使って耐久力を上昇させる。 「“コスモパワー”! “コスモパワー”! そして、……“アシストパワー”っ!!」 『……くてゅ、るっ、きゅー!!!!』 そのまま続けて数回指示したあと、頃合いを見計らってアシストパワーを指示。 アシストパワーは自らにかかっている能力上昇のぶんだけ威力を上げるエスパー技だ。 通常のバトルでは専用の構成でなければまずお目にかかれない技ではあるが、 コスモパワーを3度使っているシンボラーが使えば、サイコキネシスを上回る威力へと変貌する。 不思議な鳥っぽいポケモン・シンボラーがいまいち言語化しづらい鳴き声で叫ぶと、 その姿が光輝き、溜めこまれていた宇宙レベルの力の波動が球状に放たれる。 あわやヘンリーに降り注ぐかと思われた尖った大岩や石礫は、その大いなる力でほぼ無力化された。 だがもちろんそれはヘンリーのそばに限った話だ。ホエルオーには直撃する。 「ぎゃ、あああああッ!!」 『ゥエ゛ルオ~ッ!!!』 立っているホエルオーの背が揺れる。ヘンリーも揺れ、バランスを崩して倒れる。 地平線の代わりに見えたホエルオーの青い体躯には斑に赤の水たまりが出来つつあった。 “これはまずい”、そう思ったヘンリーの目の前でホエルオーの頭上にひときわ大きい岩が降ってきた。 ホエルオーは世界レベルのヘンリーにふさわしい大きさのポケモンだが、防御は低い。 あのレベルの岩がぶつかれば死んでもおかしくない。 ヘンリーは青ざめ、一瞬思考が遅れ、そしてそれゆえに次に起きた出来事への対応が出来なかった。 急だった。巨岩があわやぶつかるかと思われたわずか数コンマ前。 ホエルオーの身体が赤光に包まれ、モンスターボールの中へと突然戻ったのだ。 「な……」 感じる重力、浮かんで疑問、 宙に放り出されたと脳が解決するまで一秒、 ホエルオーが入ったモンスターボールが腰から離れて同じく宙に浮いているのを視認するまで二秒、 シンボラーが慌てつつもヘンリーを覆い隠すようになけなしの翼で包み込むまで三秒、 弾き損ねた追加土砂の層にすべてが飲みこまれるまでにおよそ四秒、 繋 いでいた意識が途切れるまで、五秒、 ▼ 「起きて、おねえさん。もう終わったよ」 「……!?」 ヘンリーが目覚めるとそこはリーグ会場のバトルコート、 ポケモンが戦うフィールドの両サイドに設置されたトレーナー用の立台の上だった。 仰向けに気絶していたらしいヘンリーに手を伸ばしてきた少年がいて、ヘンリーはこの少年を知っていた。 忘れるわけがない。 この少年は数年前、ヘンリーをこの会場で完膚なきまでに負かし、 リーグチャンピオンになって有名になるというヘンリーの夢を醒まさせた張本人だ。 「な、なんでアナタがここに!」 「ほら、次の試合もあるから早く起きて。綺麗な衣装に汚れが付いちゃうよ」 「ちょっと!?」 「さてと。僕は次はあのクレイジー・アーサーさんかあ。勝てるかな、勝てるといいなあ」 「ま、待ちなさ…………いえ……、これ、って……」 「じゃあね。いやあ、強かったよおねえさん。また戦おうね!」 ヘンリーの呼びかけに応じることなく通路の向こうへと消えていく少年の姿を、 数年前と同じポーズで自分が見送っていることに、さすがのヘンリーもここで気づいた。 さきほどの少年のセリフは。 ――自分の記憶の中の少年のセリフとまったく同じだった。 さらに舞台も同じとなれば。……導き出させる答えはたったひとつだ。 「過去の夢、追体験……。それもずいぶん、意識レベルが高い……」 走馬灯なのか、それともただの夢なのか。 懐かしいような不安なような不思議な気持ちになりつつ、呆然とヘンリーは歩き出した。 歩き出そうと思って歩き出したわけではない、視界と思考以外が勝手に過去をなぞっていく。 選手控え室とステージを繋ぐ暗い通路。 かつてのヘンリーはこの通路をどんな気持ちで歩いていただろうか。 いやそんなのは決まっている。周囲に大口を叩いておいてぶざまに負け、 みじめに気絶し、助け起こされての退場なんて、 悪目立ちなんてヘンリーにとっては心臓を握りつぶされるレベルの苦痛にほかならなかった。 忘れたいほどの感情だった。 それでも追体験が止まらないのは、 ヘンリーにとって、あの少年に負けたのと同じくらいの人生の転機がこのあと訪れるからだ。 ――そして今、それを彼女は――特に強く思い出さなければいけなかった。 「あー……試合お疲れ様です。エリートトレーナーのヘンリーさん」 「ねぇ、どういうことなのかしら……」 「落ち込まないことです。彼は天性だ。あれはいずれ、ポケモンマスターになる逸材です。 現実というものは残酷だ、どれだけ頑張っても努力しても、頂点には成れる者しか成れない。 そして彼は成れる人間で、貴女は成れない人間だった、それだけの話ですよ」 「……あなたのこの言葉は、嘘だったの?」 通路の途中、ヘンリーを待ち構えている男に向かって、ヘンリーは問いかける。 かつてはこの男のこの言葉に、ヘンリーは強く激昂したものだ。 しかしその一方で、才能が無かっただけというこの言葉に、ある種の納得をしてしまっている自分がいたことも事実だった。 それほどにヘンリーの戦った少年は、圧倒的だった。 「落ちついてください。貴女に能力がないと言っているわけではないんです。 ただ単純に……ポケモンバトルという土俵では、貴女はここが限界だったというだけ。 貴女は、自分が一番輝くべきだと思っている人だから。貴女にとって、ポケモンは目立つための道具だから。 トレーナーとポケモンの絆が生む力には勝てない。個人の力では、勝てないのです」 この男の指摘も筋が通っていた。自分が目立つことを1に置くヘンリーと比べれば、 自分を負かした少年はポケモンと一緒にチームで戦おうとしている意識があった。 ヘンリーの指示が独りよがりだった訳ではない。 ヘンリーは的確な指示を出した。それでも、意識の差が、あった。 そう言われればそう思わされた。一対多。勝てない道理としてこれ以上があるだろうか? だからこのときヘンリーは、何も言い返せなかった。 「そうして口をつぐんだ私に、あなたは名刺を差し出した」 「ああ……申し遅れましたね。私はこういうものです」 「芸能事務所の、プロデューサー……驚く私に、あなたはさらに畳みかけて来たわね」 「……ポケモンリーグでチャンピオンになっても、所詮は地方レベルですよ、ヘンリーさん。 こちらの土俵では負けましたが、私は貴女の中に、世界レベルのポテンシャルを感じました。 私が貴女が輝くお手伝いをします。世界に貴女を知らしめることが、貴女の何よりの望みである限り」 そして男は言った。 芸能界に、来ませんか、と。 「この言葉は。この世界で目立つならポケモンだと安易に考えていた私にとって、衝撃的だったわ。 だからこそ強く惹かれたし、素性も分からぬあなたに付いて行った。 そしてアイドル……確かにトレーナーより私に合っていたし、楽しい仕事だった。 それを与えてくれたあなた、折れかけた私を救ってくれたあなたには、感謝していたのよ、P(プロデューサー)」 でも……。 ヘンリーは、目の前に立つ男の姿を、 暗い廊下でこちらに向かって笑いかける男の、服装を見る。 「ねえ、P……あなたのPは……プロデューサーじゃ、なかったってことなの?」 男は深緑色のスーツを着ていた。 胸と肩に、「P」と書かれたワッペンを付けていた。 名刺に書かれた男の名は、サカモト。 このコロシアイの参加者にルールを説明した男もまた、サカモト。 ――これが、ヘンリーがこのコロシアイを番組だと誤解した何より大きな理由だった。 「私はあなたに……利用されたの?」 瞼の裏にうつる過去のサカモトはヘンリーの問いには答えない。 ただ、輝かしいはずだった思い出だけが黒くくすんでいって、そして見えなくなっていった。 ▼ 目が覚めた。 砂埃と潮が混ざったひどく泥くさいにおいが鼻を刺す。 崖下の海に新たに作られた浅い岩場の上に、ヘンリーは倒れていた。 げほっ、と口に入った泥水を吐いてからよろりと起き上がった。 悪夢を見たあとのような倦怠感がどっと体を襲って、自分を勇気づけるための言葉も浮かばない。 ビキニの無事を確認した。とりあえず、身体にも酷い外傷は無かった。 ホエルオーのボールはどこかへ流されてしまったようだ。探すにも海は広すぎた。 立ち止まっているのは怖かったので、どこへなりとなく歩き出す。 羽根に傷を受けてふらふらと飛ぶシンボラーが、所在なさそうにヘンリーの周りを舞っていた。 そして見つけた。少し歩いた岩場で見つけた。 ねじまがった人間の腕と、脚。 その近くの水面に浮かぶモンスターボール、2つ。 「……」 人の死体。 ヘンリーの前に突き付けられた、それが現実だ。 もはや信じざるを得なかった。VFXやドッキリではない、これは本物のコロシアイ。 ここはコロシアイ実験を行うためだけに占有された島。 サカモトはそこにヘンリーを放り込んだ。 おそらくは資金稼ぎの一環としてのヘンリーが、用済みになったがゆえに。 あるいは最初から、ヘンリーをこれへ放り込むところまで、決まっていたのかもしれない。 どうあれヘンリーはここではアイドルではない。 ただのビキニのおねえさんで、ひとりの参加者でしかないのだ。 「……急がなきゃ」 ――戦いは常に、先に行動できる者が有利である。 ポケモンバトルにおいても、バトルロワイアルにおいてもだ―― 彼に言われたこの言葉がヘンリーにそれを言わせたと、ヘンリーは気付いていただろうか。 ヘンリーは死体のそばからモンスターボールを奪い取って、崖上へと上がった。 こころもまだ、きまっていないのに。 「大丈、夫。このくらいの逆境で、こんなちっぽけな島で、私が終わるわけ、ないじゃない。 だって……だって、私が世界レベルだってことだけは、誰にも否定できないんだから……」 ▼ いつだって わたしは じぶんのつよさを しんじて きた きっとそれが わたしの つよさだったんだと おもうの でも もし わたしが じぶんのつよさだけしか しんじられなく なってしまったら… 【A-1/崖下/一日目/日中】 【ビキニのおねえさんのヘンリー 生存確認】 [ステータス]:疲労(中)、軽傷 [バッグ]:基本支給品一式、ランダム支給品×1~2 [行動方針]こんなちっぽけな島で終わらないために、 1:私こそが世界レベル ▽手持ちポケモン ◆【シンボラー♀/Lv50】 とくせい:マジックガード もちもの:かえんだま 能力値:???? 《もっているわざ》 サイコシフト/はねやすめ/コスモパワー/アシストパワー ※残りHP30%ほどです。 ※ぼうぎょ、とくぼうが3ランクアップしています(ボールに戻せば元に戻ります) ◆【????/Lv?】 とくせい: もちもの: 能力値: 《もっているわざ》 ???? ※かいパンやろうのビリーによってある程度調整されています ※ビリー好みのポケモンではなかったようです ◆【????/Lv?】 とくせい: もちもの: 能力値: 《もっているわざ》 ???? ※かいパンやろうのビリーによってある程度調整されています ※ビリー好みのポケモンではなかったようです ※A-1崖下にかいパンやろうのビリーのデイパックは埋まってしまったようです ▼ 「……いきなりすげえもんが釣れたな」 一方つりびとのサエグサは、ホエルオーの入ったヒビ入りのモンスターボールを手に驚いた顔をしていた。 【A-2/低地/一日目/日中】 【つりびとのサエグサ 生存確認】 [ステータス]:良好 [バッグ]:基本支給品一式、ボロのつりざお(手製) [行動方針]釣り 1:釣りをする 2:その間に方針を決める 3:誰かが罠にかかったら見かけと雰囲気で判断する。 4:殺し合いに乗っていると判断したら殺す ※周囲に糸がはかれました ◆【ミカルゲ/Lv50】 とくせい:すりぬけ もちもの:いのちのたま 能力値:防御、素早さ特化 《もっているわざ》 のろい/さいみんじゅつ/かげうち/ギガインパクト ◆【ウルガモス/Lv50】 とくせい:ほのおのからだ もちもの:もくたん 能力値:特攻、素早さ特化 《もっているわざ》 ちょうのまい/だいもんじ/むしのさざめき/ギガドレイン ◆【ホエルオー/Lv50】 とくせい:???? もちもの:???? 能力値:???? 《もっているわざ》 ???? 第26話 過去と未来の再会 第27話 私の世界に私だけ 第28話 ひこうポケモンの戦い!スカイバトル
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side,k 大好きなのっちを抱き締める。 離さないように、 離れないように、 強く、強く。 大好きなのっちの匂いでいっぱいになりたくて、 のっちに身を寄せて思いきり息を吸い込む。 ——違う。 息を吸い込んで感じた匂いは、 ゆかの大好きなのっちの匂いじゃない。 ゆかとも違う、他の誰かの香り。 ねぇ、誰の香り? ゆかと会う前に他の誰かと一緒にいたの? こうやって優しく抱きしめたの? 「…のっち、なんで他の人の匂いがするの?」 徐々に自分が黒く染まっていくのが分かる。 でもそれを止めようとはしない。 だって、悪いコトをしたんだからお仕置きしなきゃ。 ゆかは間違ったこと、してない。 狂おしいほど愛してるから、 勝手にゆかから離れないように、 ゆか以外を愛せないように、 ちゃんと躾けなきゃでしょ? 「え?あ、いや…」 どうしてハッキリ言えないの? 「ゆかに言えないようなこと、してたの?」 「!そ、そんなこと絶対ない!してないよっ!」 どうしてそんなに必死なの? やっぱり何かあったんじゃないの? ドロドロとした黒い感情がゆかを支配する。 もう駄目、止められない。 ナニカハズレタ。 のっちから体を離し、自分のバックから香水を取り出す。 いつもゆかが使ってる、お気に入りの香水。 のっちは突然離れたゆかを見て、不思議そうに首を傾げてる。 ねぇのっち。 ゆかはね? ゆかのものじゃないのっちなんて嫌いなの。 のっちは鈍感だから、どうせ知らないでしょ? だから教えてあげる。 二度と忘れないように、体に刻みこんであげる。 「ッ!?」 手に持っていた香水を、のっちに向けて思い切りぶちまけた。 頭から香水を被ったのっちは、何も言えずに固まってる。 ——もっと、ゆかでいっぱいになって。 香水でびしょ濡れになったのっちを抱きよせて、匂いを嗅ぐ。 良かった…、ゆかの匂いしかしない。 あの忌々しい匂いはもう消えてしまった。 今ののっちを支配しているのは、ゆか。 匂いも、瞳も、心も。 これでのっちはゆかだけのもの。 のっちはゆかだけを抱きしめればいいの。 ゆかだけを見てればいいの。 ゆかだけを、愛せばいいの。 これ以上離れていかないで。 いっそひとつになってしまえればいいのに。 「ゆかだけで、いっぱいになってよ…」 もう駄目なの。 我慢できないよ。 のっちがゆか以外のものに染まってほしくないの。 「こんなことしないでも、のっちはゆかちゃんでいっぱいだよ」 そう言ってのっちはギュッと抱きしめてくれる。 大好きな、のっちのぬくもり。 「のっちは、ゆかだけののっちじゃなきゃ嫌なの…」 ワガママばかりの可愛くない子でごめんね? でも止められないの。 あなたがそれを受け止めてくれると知っているから。 あなたの優しさに、溺れてしまうの。 「…のっちだって、のっちだけのゆかちゃんじゃなきゃ嫌だよ」 じんわりと、心の奥が満たされていく。 のっちはズルイよ。 ゆかを不安にさせたと思ったら、たった一言でこんなにも満たしていく。 のっち次第で、ゆかは白くも黒くもなれるんだよ? ねぇ、ちゃんと覚えておいてよ。 じゃないと、 幸せなのに苦しくて 苦しいのに幸せで 自分が分からなくなる。 「のっち…。ゆかはのっち次第で、どうにでもなれるんだよ?」 離さないで、離れないで。 愛して、愛させて。 満たして、満たさせて。 「だからゆかを、不安にさせないでよ…」 抱きしめていた腕に力を込めると、のっちはその大きな瞳でゆかを見つめた。 「…ごめんね。でものっちは、ゆかちゃん以外見えてないから」 「……うん」 「ゆかちゃん以外を見たいとも思わないし、愛したいとも思わない」 「…うん」 「この先何年たっても、それは変わらないよ」 …やっぱり、ズルイ。 なんでこういう時だけそんなに大人なの? ゆかだけが必死で子供みたい。 でも、そんなところも大好きなんだよ。 悔しいくらい、好き。 ねぇ、もっとあなたに溺れてもいい? なんでも受け止めてくれる優しさに、身を預けてもいい? 黒になったり、白になったりしてもいい? 「じゃあ…、ゆかだけの、のっちになって」 「とっくの昔になってるよ」 そう言って小さく笑うのっち。 憎らしいけど、愛しくて。 誰にも渡したくないと思う。 絶対に譲らないから。 ゆかだけの、のっち。 ワガママなお姫様だけど許してね? ヘタレなゆかだけの王子様。 Happy end?
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元スレURL 侑「私だけが生えてる同好会」 概要 突如ふたなり化した侑ちゃん。普段犯されている同好会メンバーへの復讐を誓うが… 関連作 侑「おちんぽ格付けチェック?」璃奈「うん」 ポム太郎「てちてちっ! てちてちっ!(腰を打ち付ける音)」 タグ ^高咲侑 ^上原歩夢 ^中須かすみ ^天王寺璃奈 ^ゆうぽむ ^ふたなり ^エロ ^ホラー ^R-18 名前 コメント
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私だけいれば問題ないよね ノベル 1,300円(税込)549MB ちょっと病んでる女の子からのメッセージ あなたはどう返信する? 10年前、離ればなれになった幼なじみ 彼女があの頃の面影を残したまま また、僕の前に現れた 。 でも、メッセージのやり取りを交わすうちに 僕の知らない一面が見えてきて…? そして、同じ大学に通う先輩、悩みを抱える友人、高校時代の甘えたな後輩など… 個性豊かなキャラクター達からのメッセージに返信して、エンディングを目指そう! "結末"にたどり着けるかはあなたの選択次第。 メーカー SEEC 配信日 2020年6月18日 対応ハード Nintendo Switch セーブデータお預かり対応 対応コントローラー Nintendo Switch Proコントローラー タッチスクリーン プレイモード TVモード, テーブルモード, 携帯モード プレイ人数× 1 対応言語 日本語 レーティング CERO C 暴力, 犯罪, 言葉・その他 「私だけいれば問題ないよね」を全キャラクリアしたが、セーブ関係のシステムとか色々微妙だった ADVなのにオートセーブしかない上に選択肢選んだ時点でセーブされてやり直しがきかない微妙仕様 別の選択肢選びたかったらシナリオ進行度をリセットして最初から遊ぶしかないという 選択肢で上下する深愛度ってポイントを稼がないとエンディング見られない仕様もあるのでイラっとする 一応救済要素なのかオプションに選択肢の深愛度変化量がわかるようになるヒント機能がある(使わないとやってられない) 共通ルートみたいな物はなく選択したキャラの話を進めるだけ 1キャラ30分程度で終わり分岐もエンディングのみ(キャラ6人、エンド2つずつ) 別エンド見る為には仕様上シナリオ進行度リセットして最初からのプレイが必要 キャラ掘り下げの足りない薄味の個別ルートだけ見せられるって感じで個人的にはイマイチだった あまりオススメはしない -- 名無しさん (2020-06-28 14 59 08) 名前 コメント
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『次は、新小宮山。新小宮山です。JR武蔵野線は、お乗り換えです』 おっと、ここで降りるんだっけ。 昨日貰ったメールを確認して席を立つと、電車はホームに滑り込んでいった。 いつもアキバに行くときは通り過ぎるけど、なかなかご立派な駅なよーで。これでメイトや ゲマズみたいな店があれば利用するんだろーけどね。 ドアが開くと、休日ってこともあってかホームに出る人はまばら。そのままゆっくりと 階段を下りて……確か、改札で待ち合わせだっけ。 んじゃ、Pasmo出してっと。ん? あの金髪は……って、ちょっ! 「おーい、泉。こっちや、こっちー」 なんでもうここでロッテのシャツなんて着込んでるんですか先生! ================================== 私だけの"せんせー" ================================== 「……んで、どーしてそんなカッコで来てるんですか」 「何ゆーとんねん。ファンやったら球場入る前から気合い入れるのがデフォや」 先生はにっこにこしながら言うけど……いや、そのピンストライプのシャツは目立ちすぎですヨ? 「しかし、まさか休日に先生のほうから誘われるとは」 「いつもオンで閉じこもってるってのもアレやからな。たまにはこーやってオフ会ってのもええやろ」 「そのオフ会で野球観戦ってのは全然聞いてませんでしたが」 それは昨日のこと。HRが終わった後、先生に呼び出されて、 『泉ー。明日ヒマか? たまには外にでも遊びに行かんか?』 って言われて、イベントも無いし、バイトもお休みだし、ネトゲもちょいと煮詰まりすぎてた ってことでOKしたのが、まさに運のツキ。 「来たモンはしょうがないと思っとき。昼飯も電車代もオゴるって言っとるんやし」 「それは確かにお得ですけどー……ヤですよ、あの人混みの中に行くの」 たまーにテレビで見るけど、あのチームの応援っていろんな意味で凄いからなー。 「あの中で応援するのがええんやないか! って、まあ初心者には確かにあそこはキツいわな。 今日は幕張やなく、浦和でまったりコースや」 そういえば、確かに乗ってる電車は幕張方面じゃなく浦和方面。南小宮山駅じゃ、向か い側のホームには先生のお仲間らしき人がいっぱいいたよーな…… 「浦和? 浦和で高校野球でも見るんですか」 「ちゃうって、二軍や二軍。人も少なめやし、入場も無料やからたまにはそこでまったりしよ」 「はあ、二軍ですか」 あんまり野球には詳しわけじゃないけど、そういえば二軍でも試合をやってるんだっけ。 なんか、河川敷でやってるとかそういうイメージが…… 「で、どーして私に白羽の矢が?」 「今のネトゲもそろそろやり尽くしたって感じがしてなー。多分泉もそうやないかと思って」 うわ、ホントにビンゴだよ。 「最近は真新しいクエストもあんまり無いですからねー」 「もーちょい、こうヒネったクエスト出してもらわんと。ユーザーとしてヒマでかなわんな」 「……で、そんな理由で私と野球と」 「そやー。興味が無いってわけやなさそうやったし、たまにはええかなと思って」 「まさか、これ幸いと私にお説教でもするんじゃないでしょーね」 それに関してはアレやコレやソレやと思い当たりが無いわけでも無いんで…… とか思ってたら、先生はひらひらと手を振って苦笑いした。 「あのな、こういうお休みの日は教師と生徒ってのはナシ。海行ったときと同じ思っとき。 それに、帰りには新小宮山のアニメイトでも連れてったるから」 「えっ、あそこってアニメイトあるんですか!」 「ちょいと歩けばな。とゆーわけで、夕方頃までは付き合ってもらうで?」 「まあ、それならいーですけど。ホントにお説教はナシですからね」 「アホ、そんなん当たり前やないか」 先生はそう言うと、にかっと笑いながら私の頭をなでつけた。 武蔵浦和駅で降りて、私と先生は高架沿いをてくてくと歩き始めた。 途中のコンビニで缶ビールを買い込んでたのには閉口したけど「せっかく電車で来とるんやし、 飲まな損やろ」とかウキウキしてるし……まあ、休日だからいっか。 そんなこんなで徒歩十五分。私たちは「ロッテ浦和球場」っていう看板が出ているネットの下に立っていた。 「ほら、着いたでー」 「はー、こんなところに球場なんてあったんですか」 まわりは住宅街ってわけじゃないし、原っぱってわけでもないし……うーん、微妙だ。 「そや。あんま設備は良くないけど、これで無料やったら文句ナシ」 「んー、お得とゆーかなんとゆーか」 ファンにとってはそうなのかもしれないけど、私にはどっちでもないような。 「ほな、時間もええところやし、そろそろ行くでー」 先生はそう言うと、私の手を引いて歩き出した。 ……なんか、お父さんにしてもらって以来だな、こういうの。 「おー、やっとるな」 中に入ると、先生のシャツと同じピンストライプのユニフォームを着た大勢のプロ野球選手が グラウンドで練習しているところだった。 「ここ最近チームの調子も悪いみたいやけど、今日は日本晴れなんやしスッキリ勝ってほしい もんやなー」 「調子が悪いって、どのくらいなんです?」 「11勝29敗」 「ちょっ」 じゅ、11勝29敗って借金背負いまくりじゃないですか! 「でも、ななこサンが来れば今まで21勝17敗やから大丈夫!」 「いや、それもまた微妙なラインかと」 「ほっとけ、気分や気分」 あうっ、デコピンは酷いですせんせー。 「んじゃ、どこにしよかなー……そやな、あっちにしよ」 ぐるぐると辺りを見回していた先生は、三塁側の奥の方に歩き出した。途中、上段の席 に座ってるロッテの帽子を被ってたオジサンに挨拶してたけど、こんなところにも顔見知りが居るんだ。 私も先生についていって、奥の方にある席につく。 「おー、目の前すぐがグラウンドってのは意外と迫力がありますねー」 「そやろ。それがここのいいトコや」 確かに、コレでタダだったらお得かもしれない。 「それじゃ、試合始まる前にお昼にしよか」 そう言いながら、先生は肩から提げていたバッグから何かを取り出した。 えっと、コレはお弁当箱? 「あの、これってお弁当ですか?」 「そやー」 お弁当のフタが、パカッと開けられる。 「しかもなんか、手作り感にあふれてますね?」 「そやー」 おにぎりに鶏の唐揚げ、メヒカリの唐揚げに卵焼き。ほうれん草のバター炒め。お弁当 の定番メニューがB5判の同人誌大のお弁当箱に詰め込まれていた。 「お母さんに作ってもらったんでしょうか」 「アホ、ウチは一人暮らしや」 ってことは、先生の家には先生一人しか住んでいないわけで……ってことは…… ……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!? 「ちょっ、コレ、せんせーの手作りなんですかっ?!」 「言うたやろ、料理も家事も人並みに出来るって」 「いや、確かに言いましたけど、言いましたけどー!」 唐揚げは鶏もメヒカリも冷凍じゃなくて手作りだし、おにぎりもちんまりかわいく握られてる。 まさか、先生の手作りお弁当を食べる機会が来るとは…… 「ま、泉の口に合うかどうかはわからんけどなー。ほれ、お前の分のお箸」 「あ、ありがとうございます」 んじゃ、鶏の唐揚げを一ついただいてみますか。 あむっ。 「どや?」 「……あの、先生」 「ん?」 「手作りにしちゃ、コレってみょーに手が込んでやいませんか」 普通だったら鶏肉に唐揚げ粉をまぶして揚げて「はいオシマイ」なのに、コレはいろんな 味付けがされているっていうのが、噛むだけでよくわかる。 「ふふふっ、ななこさんをあんまり甘く見てもらったら困るなぁ。オカン直伝でな、しょう油 に酒、ハチミツ・レモン汁をちょびっととショウガの絞り汁で鶏を揉み込んで、最後に 片栗粉を混ぜ込んで揚げるんや。唐揚げ粉なんて使うたら、黒井家の名がすたるで」 おおぅっ、なんか妙に威張ってるけどそれに見合う味だー。 メヒカリの唐揚げも中までしっかり揚がってたし、卵焼きは砂糖が少し強めで私も好み。 ほうれん草もベーコンの味が混ざってていいし、おにぎりも全然ボロボロしてこない。 「ふふふっ、びっくりしたやろ」 「びっくりとゆーか、普段の先生とは180度違う繊細な料理だなーと」 「……試合終わったら、そのへんゆっくり教えてもらおか」 あう、余計な一言だったか。 「というか、ギャルゲーでもこういうイベントは実に萌えなシチュエーションですけど」 「お前、例えがなぁ――」 「リアルで経験しても萌えるもんなんですね」 「あ、アホぬかせっ」 いや、実に萌え萌えですよー。料理が美味ければさらに倍。 そんなこんなで、私は先生手作りのお弁当を美味しく頂いた。 さっきのレシピは、お父さん用にまた教えてもらおっと。 試合が始まると、選手とかよくわからない私はただぼーっと見てるしかなかったけど、 ロッテファンな先生はやっぱり試合にのめり込んでいった。 「こぉら大松! 上で定着したいんやったら堤内ぐらいしっかり打たんかい!」 「手嶌ー! 同期の久保が泣くよなピッチングはするなー!」 「ワティ、ズレータおらんのにここで打率一割でどーすんねん!」 「おーっ! 細やんホームラン! 角中と一軍争いしたりやー!」 「ああっ、ジョニーや! ジョニー! 上で待ってんでー!」 まわりは結構のんびりしてるのに、ここだけなんか関西の某球場みたいに空気が違うよ…… 他の観客のみなさんすいません。先生はいつもこんな感じなんです。千葉マリンでもそう だったらホントすいません。そう苦笑しながらまわりを見てると、オジサンたちもいーよ いーよという感じに手を振りながら、選手に野次や愚痴をこぼしていた。 他にも膝枕してるカップルはいるし、スコアブックをつけてる人もいるし、お酒飲んで 潰れてる人もいるし……うむー、ここは実にフリーダムな球場だ。 試合は5回が終わって4-3。千葉ロッテが湘南に1点勝ち越していて先生は結構いい 感じに出来上がっていた。 「はー、こうリードしてると気持ちいいなー」 そう先生が幸せそうに呟いてるうちに、何故か球場に「ヤングマン」がかかってグラウンドの 整備が始まった。 「そや、なんか自販機でジュースでも買ってこよか。泉は何がいい?」 「いやいや、いーですよ。ジュースぐらい自分で」 「何遠慮しとんねん。こーゆー時はウチに頼りや」 「んじゃ、スポーツドリンク系をテキトーに」 「了解」 そう言いながら、先生は小銭入れを手に来たときの道を歩いていった。 それにしても、またーりした一日ですなー。 選手が活躍したり、先生が野次る以外は応援歌とかも無くてのんびりしてるし、先生の 意外なお弁当も食べられたし、こんな間近で野球を見られてるし……ここ最近はガッツリ ネトゲをやりすぎたし、たまにはこんな風にのんびりするのもいーかもしんない。 誘い方はちょっと強引だったけど、先生には感謝、感謝……あ、ギャルゲでこういうの ってあんまりないなー。今度ひよりんにネタで提供してみよっか。 「泉、買ってきたでー」 「あ、はーい」 先生がぶらぶらと提げた「BAKARA」のボトルを受け取って、頬にちょこんとあてる。 陽射しがちょいと暑めだから、ひんやりとしてて気持ちいいや。 先生は隣に座って、手にしていたデカブタCのフタを開けた。 「ホント、いい休日ですねぇ」 「そやろー? たまには外に出てのんびりってのも悪くないで」 「ネトゲもやりすぎると引きこもり状態ですしー」 「第一、最近の泉は授業中にも船こいでたりするからな」 「あう、気付いてましたか」 確かに、ここ最近は明け方までネトゲをして、そのまま学校へって日もあったから…… そのせいか、昨日はホントぐっすり眠れたよ。 「気付かないわけないやろ。もーちょいと、生活サイクルしっかりしとき。それでなくても、 お前は成績とかギリギリなんやから」 「あのー、今日は説教ナシだったんじゃ? なんかネトゲで説教されたのを思い出すよーな……」 「アホ」 「あう」 先生は苦笑いすると、私のオデコを人差し指でツンと突いた。 「教師と生徒ってのはナシって言ったやろ? 先生ってだけで注意したん思ったら、大間違いや」 そう言いながら、先生はデカブタCをぐいっとあおった。 「あん時も立場上って言うたけど、教師って立場だけじゃなくて"友達"って立場でもあるから心配 して言うたんやで」 「友達、ですか?」 「そ」 確かに、学校でもネトゲでも、たまのお出かけでも先生は友達って感じではあるけど、 面と向かって先生からその言葉を聞くとは。 「泉は、暴走したらそのまま突っ走ってまうからなー。五月病言うて休んだり、高良をちょいと 困らせて怒らせたりとか」 「あうあうあう」 た、確かに、言われると思いっきり心当たりががががが…… 「確かに柊がストップ役にはなっとるけど、いつもウチのクラスにいるって訳でもないし。 他にお前を止められるのは、ウチぐらいなもんやろ」 そう言いながら、先生はボトルを弄びながら笑って、 「あー、なんかガラでもないこと言った! 今のナシ。今のナシ!」 顔をどんどん真っ赤にしていった。 「ちょ、ナシにしなくてもいいじゃないですかー!」 「自分で言うてて恥ずくなったわ。あー、今から忘れさせっからぶん殴ってもいい?」 「いやいや、先生、そろそろ試合再開ですからっ!」 「ちっ、帰り覚えてろよー」 先生はボソッと言うと、選手が散っていったグラウンドに向き直った。 でも、心配しなくてもいいですよ先生。 殴られても、ずっと私も思ってる自信がありますから。 実際、先生のことは先生ってよりも友達とか、おねーさんみたいな感じだと思ってたし。 ゲームとかだけじゃなく、プライベートでも……なんてゆーのかな、タマシイが響きあう っていう感じかな。 じゃなかったら、私も先生に海へ行くとき誘わなかっただろうし、殴るのもスキンシップ とは全然思わないだろうし。それに、貴重な休日も使うことはない。 「よしよしっ! 南いい肩やでー!」 そーゆー風にニコニコ笑ってる先生も、 「くぉら秦! ウチのチームの若いのにぶつけて潰すな!」 そーゆー風にドカンと怒る先生も。 「あー、折角の満塁がー……残塁グランドスラムにー……」 そーゆー風にちょっと落ち込んだりする先生も、 「内くん、ナイス三振! コバマサの後継者は君やー!」 そーゆー風に楽しむ姿を見せる先生も。 知ってました? ななこ先生。 みんな、先生のそーゆーところがスキなんですよ。 まあ、私はもっともっとスキだけどね。 でも、先生がそういうのをナシにしたいんだったら、 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ! 同点ホームランくらったー!!!」 私も、言ってやんないよーだ。 * * * * * 「はうー、結局延長10回引き分けかー」 「まー気を落とさないでください。結構いい試合だったじゃないですか」 結局、試合は延長に入っても決着がつかないで6-6の引き分け。それでも、結構いい 試合だったんじゃないだろーか。 だけど、先生はすっかり疲れたように私に寄りかかってきていた。 「あそこでまさか失投するとはー……内くん、コバマサの劇場っぷりまで受け継がなくて いいんやでー……」 うーん、よくわからないけどなんか実感がこもった言葉だ。 「ほら、そろそろみんな撤収してますし、そろそろ帰りましょうよー」 「うー、このままじゃ収まらん! どっか飲みに繰り出すで!」 先生はいきなり立ち上がると、拳を握って突然燃え上がり始めた。 「けど、先生」 「うん?」 「今はまだ午後3時ちょい過ぎだし、私を連れて居酒屋とか入ったら、多分お店のほうで 引っかかっていろいろ面倒になるかとー」 「…………」 私がツッコミを入れると、その拳をだらんと下げて、 「……ファミレスにしとこか」 あははと、苦笑いしてみせた。 さすがに、コレで教師生活をフイにしたくないだろーしね。 「アニメイトも忘れないでくださいよ」 「わーっとるって」 そう言って、先生は私の手を取ってそっと立ち上がらせた。 「んじゃ、まだまだ時間もあるし、もーちょい付き合ってもらうでー」 うん、いつも通りってほどじゃないけど、ちょっとは元に戻ったかな。 でも、私なりに先生を元気づけるなら…… 「お付き合いしますよ、"ななこせんせー"」 「おー。……って、ちょ、なにいきなり名前で呼んどんねん!」 こんなイタズラ心も、たまにはいいかなーとか思ったりして。 「いやほら、"友達"だってさっき言ってましたし。たまにはいいじゃないですか」 「お前、それは不意打ちってもんで……あー、まあええわ。 それじゃウチも……"こなた"、行くでー」 「はーいっ」 気の合う友達と過ごす、またーりとした日曜日。 まだまだいっぱい時間もあるし、ななこ先生と一緒に楽しみ尽くしますよー! 完 コメントフォーム 名前 コメント エロパロスレって事を完全に無視したイイ話だー。 こういう日常描写は、らきSSにぴったり。 -- 名無しさん (2011-04-11 23 52 07) おぉ面白い GJ! -- 名無しさん (2010-04-10 04 59 08)
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お茶の間の真実〜もしかして私だけ!?〜 司会者 コメント 2006年10月29日から2008年8月18日までテレビ東京系列で放送されていたバラエティ番組。放送は毎週月曜日の21 00~21 54。 司会者 ハトーボー:長嶋一茂 名前から オオタチ:大橋未歩 名前ネタ コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 司会者 オオタチ:大橋未歩 名前ネタ -- (ユリス) 2017-06-17 15 24 00