約 1,956 件
https://w.atwiki.jp/katanagirl/pages/26.html
ステージ 消費体力 5 経験値 12 5-1 五条の夜叉を討て! 20コイン 40コイン 指南書 200コイン 5-2 偽僧侶を追討せよ! 20コイン [雪1]瀬登太刀 お宝5-1(神輿) 200コイン 5-3 安宅の関攻防戦線 20コイン [雪1]池田正宗 お宝5-2(神輿) 200コイン 5-4 勧進が肝心 20コイン 指南書 100コイン 200コイン 5-5 弁慶の泣きぼくろ 20コイン 40コイン 100コイン [花1]地蔵切り兼元 クエストボス - 弁慶 消費体力 110 体力 3692 攻撃力 38 荒法師に太刀往生を! 刀精5 1000コイン 指南書 [雪1]池田正宗 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/306.html
─── 病や不健康以外の理由で、一日に幾度も気を失う人間なぞそうそういるものではない。 この不幸な少年を除いては。 上条「んあ?」 間抜けな声を出しながら、当麻は辺りの騒がしさに目を開けた。 薄ら目に映る天井がやけに遠い。 なんだ、どこだ、ここは。 青ピ「やーっとお目覚めかぃ」 相変わらずの妙な訛りを後ろから浴びて、慌てて起き上がろうとする当麻だが、 上条「ぅおぐっ!?」 腹にずきりと痛みが走り、思わず呻いてしまった。 土御門「まぁ、あんだけ強烈なボデヰを喰らったらしょうがないにゃー」 元春の格好付けた横文字など耳に入らぬ様子で、当麻は腹を押さえてふらふらと立ち上がった。 成程、どうやら先刻の騒ぎで また 気を失っている間に移動させられ……してもらった、ようだ。 そこでふと、先ほどの小萌の台詞を思い返す。 ── 「次は体育館で……」 上条「……体育館」 呟いてから、辺りを見回す。 各所傷みの目立つ木造の体育館だが、中は広々としている。 妙なことはと言えば、何やら學生達がうろうろとしたり、幾らかの列に並んだりしては、何やら紙と睨めっこしている。 列の先は保健室にあるような幕で区切られた小さな区場が幾つかあり、 そこでは白衣の人間が数名あわただしく動いていた。 学び舎には珍しい白衣の人々に「おや」と思いながらも、現場の様子に心当たりがない訳では無い。 卯月の恒例始業、もとい學年の初めに必ず行われる通過儀礼。 上条「身体測定か!」 合点がいった当麻が無邪気に結論付けて笑んだところだが、 そばでそれを聞いていた青ピと元春の両名はやれやれと言わんばかりに当麻を肩を叩く。 青ピ「かみやん、よう見てみ」 土御門「まあ測定すんのは間違ってないんだけどにゃー」 上条「え?」 そう言われて戸惑いながらも振り返って目を凝らしてみると、 確かに身長計や体重計等が見当たらない。 代わりに、机の上に握りこぶし程の球や、何やら目盛りが付いた不思議な器具が置かれているばかりだ。 そんな物に長い列を組んでいることすら訝しいのに、生徒が真剣な目を据えながら手をかざしている、 更には白衣の連中はそれらに鋭い目を注ぎながら、鉛筆を持つ手を忙しく動かしている。 己の思考能力の限界を超える光景に、当麻は首を傾げるしか無かった。 困ったような顔で振り返る当麻に、青ピが肩をすくめて言う。 青ピ「念術測定や」 そう言われれば、その言葉には憶えがある。 上条(小萌先生がそんなこと言ってたな……) しかし、当麻の眉間の皺は深くなるばかりである。 答えが答えになっていないのだ。 上条「念術測定って、何だ?」 頬をかきながら尋ねる当麻に、今度は元春が素っ頓狂な声を出した。 土御門「かみやん!? そんなことも知らんで此処来たん!?」 上条「お、おう……」 自身の無知加減に少し落ち込んだのか、当麻は思わずしゅんとしてしまった。 その様子に元春が慌てて言葉をつなげる。 土御門「えーと、まあ、とにかくやってみれば分かるにゃー! ほら、一緒に行こうぜい!」 そう言われて手を引かれ、当麻は青ピと元春と一緒に近くの測定場の列に並ぶ。 列は割りと長めで、仕切り布で囲まれた場で何が行われているかはよく見えない。 少しずつ列を前に進みながら、元春が当麻に声を掛ける。 土御門「そーいや、かみやんはどーして此処に……學園都市に来たんだにゃー?」 前に並んでいた当麻は振り返ると、しばし逡巡してからぽつりと口を開いた。 上条「不幸だ……から、かな」 ──── ──── ── ─ 当麻には幼少から不幸が付き纏った。 初めは周りの大人も「運が悪い子だ」と笑い話に済ませていた。 が、当麻の引くあみだくじはいつも外れる、必ずじゃんけんで負ける、といった話から始まり 当麻が渡る番になると川の橋が崩れる、当麻が楽しみにしている行事は雨が降る、といったことが続くにつれ、 次第に大人達も気味悪がるようになった。 それでも当麻の母親、詩菜は「当麻さんはおっちょこちょいなのねぇ」と優しく撫でては息子を可愛がったし、 「人間、運に頼れば駄目になる だから当麻、お前は偉い子なんだ」とは、父親の刀夜の言である。 当麻が成長しても、やはり不幸な出来事は付いてまわった。 神社の神主に御祓いを受けたこともあったが、帰り道に転んで川へ落ち、その拍子に船に積んであった米俵を沈めてしまった。 次第に村の中でこう囁かれるようになった。 『疫病神』と。 村の子供達、また心無い大人達からも爪弾きにされながらも、両親の愛情に包まれて当麻はひねくれずに育っていった。 しがない行商人である刀夜の稼ぎは決して多い訳では無かったが、家は食うに困る程でも無く、平々凡々な慎ましい暮らしをしていた。 数多の不幸に襲われながらも、それだけで当麻は 幸せ だった。 転機が訪れたのは、当麻の齢も拾伍(十五)を迎えた、ある夏の日。 その日は朝っぱらから囃子やお太鼓が鳴っては響く、村総出の夏祭りが在る日であった。 父親の刀夜も朝早くから祭の準備に駆り出され、詩菜も村の奥さん方の手伝いにへと行ってしまい、 当麻は朝から家に独り残された。 親は「友達と祭りで遊んできなさい」と言ってはいたが、自分が顔を出せばまた突然大雨でも降り出すんだ、 そうくさくさ呟いては、家で寝っ転がって天井を睨み付けていた。 しかし…… 遠くから聞こえるお囃子の音、時折上がる威勢の良い掛け声。 年頃の少年が気にならないはずも無く、次第に当麻はそわそわし始めた。 そうだ、別のことを考えよう、そうだ、歌でも歌おう。 村の鎮守の 神様の 今日はめでたい お祭日 どんどんひゃらら どんひゃらら どんどんひゃらら どんひゃらら 朝から聞こえる 笛太鼓 違う違う、こんな歌じゃなくて。 頭に流れるのは學校で習った、今は思い出したくも無い唱歌。 だんだん、いてもたってもいられなくなってきた。 ちょっとだけなら、いいかな。 当麻はいつもの癖でぽりぽりと頭をかくと、はやる足が絡みそうになるのを堪えながら家を出たのであった。 ─── ─── とある村のとある小さいあばら屋の、 土間口の戸がガタガタと音を鳴らして開いたかと思うと そこからひょこりと顔を出した者がいる。 少年は出した顔をきょろきょろと左右に走らせると、 まだ躊躇いの残る動きでのそりと外に出て来た。 いつも当麻を疫病神と虐める子らは残らず祀(まつり)のある神社へ行っているらしい。 辺りはしんとして、聴こえてくるは遠くから響くお囃子の楽しげな拍子だけである。 しかし少年は外に出たものの、 暗みを帯びた表情を浮かべ神社のある山の方へ伏し目がちに見向くばかりである。 上条「………」 生まれてこのかた不幸という言葉と切っても切れぬ縁に纏わり憑かれた彼を 未だに思い切り祭に参加させぬのは、正にその縁に依るこれまでの体験だ。 また何かやらかしはしないかと臆病になるのも仕方ない程に、 この永くも無い人生の中で相当の不幸せを舐めて来たのだ。 しかしうら若い精神を引き留めるには…… 特段変化の無い日々を味気なく過ごす村において、年に一度の村人総出一切合財巻き込んで騒ぎに騒ぐこの祭事は 余りに魅力的過ぎた。 一瞬迷う。腕を組む。悩む。 が、よしと頷くと次の瞬間には駆け足で神社へ向かった。 その跳ねる背中は、間違い無く、間違い無く幸せの欠片を携えていた。 その類の幸せを……人はそれを期待と呼ぶ。 しかしこの少年に限っては、ほんの少しの勇気も宿っているのだということを、是非記しておきたい。 ─── 神社の長い階段を登り終えた当麻は思わず息を呑んだ。 どんとした佇まいの大きな神輿が境内の中央に鎮座している。 まるで出番待ちの横綱力士のようだ。 そして普段閑散として無駄な広さを誇っている境内だが、 此の時ばかりはうじゃうじゃとして賑やかだ。 吹けば飛ぶよな小さな村だが、ここまで集まると壮観である。 来て良かったな、と当麻は思った。 勿論、色とりどりの露店や、年に一度お目に掛かれる荘厳流麗な御神輿だって心躍る。 しかしそれよりも村の活気というか、躍動というか、そんな生き生きとした空気が何より好きだった。 ……普段の不幸体験の反動だろうか。 そして思わず口元に笑みを浮かびかけたそのときだった。 「あ、疫病神だ」 「疫病神ー!何で来たんだよー!」 「来んなよ!不幸が移るだろ!」 突如後ろから浴びせられた罵声に振り向くと、 いつもの当麻を虐めている面々が揃って口々に罵っていた。 上条「………」 もはや茶飯事過ぎて怒り哀しみも湧いてこない。 ただ寂しかった。 彼らの言うことは間違っていないのだ。 自分は、疫病神、なのだから。 当麻は踵を返し、駆け出した。 絶えず背後から投げつけられる「疫病神」の言葉から逃げるように。 当麻は人気の無い神社の裏手まで行くと、 誰もいないのを確認してその場にしゃがみ込んだ。 はあと一息ついて、周りの音に耳を澄ましてみる。 ぴーひゃらどんどん、と下手糞な、けれど楽しげなお囃子。 がやがやと騒がしく飛び交う話し声。 それが聴こえるだけで幸せだった。 そう、これでいい、と当麻は思った。 露店を覗くのも、踊りに交じるのも、何だか気が進まなかった。 自分が関われば不幸に皆を巻き込みかねない、そんな思いが圧し掛かったからだ。 しかし、そんないじらしい自重が一瞬で吹き飛ぶ胴間声が耳に飛び込んで来た。 「神輿が出るぞーっ!」 祭の佳境、ついに神輿担ぎが始まるのだ。 豊穣と平安を祈願し、村の男衆で巨大な神輿を担ぎ、揺すり、轟かせる。 その猛々しい怒涛と臨場を以て、祀(まつり)は最高潮を迎えるのだ。 当麻は軽く唇を噛んだ。 ふつり、と胸の奥底に湧いたソレは段々と形になって言葉となって はっきりと浮かんでしまった。 上条(……見たい……) こきこきと鳴らして首をめぐらせる。 頭がぐりんぐりんと三週程する間に、当麻の中で一つ折り合いが着いた。 上条(物陰からこっそり見れば大丈夫だろう) 我ながら良い考えだと自賛しつつ 神社の本殿の端に駆け寄ると、そろそろと頭を覗かせた。 ここからなら良く見える。 境内の真ん中で大の男達が威勢の良い掛け声を上げている。 それに合わせて豪壮な大神輿が轟々と上下に揺れている。 それを建物の影から眺めながら、当麻は興奮を隠せないでいた。 上条(……すごい!) 憂いを帯びた顔は大人びてみられるとはいえ、中身はやはり少年である。 雄々しく波立つ神輿と体躯──当麻の目を奪うには十分だった。 と、そこでふと一人の担ぎ手に目が止まる。 弩太い担ぎ棒を肩に乗せ、汗を散らしてひと際力強く上下に揺すっているのは── 上条(……父さん!?) 当麻の父親、上条刀夜であった。 刀夜の振りは他の担ぎ手の中でも一段と勇ましい。 神輿の周りの人だかりから歓声が飛ぶ。 喧騒と喚声の渦のなかで神輿がうねる。 祭の波は絶頂を迎えようとしていた。 熱狂の真っ只中で活躍してみせる父親を見る。 その姿が、当麻には余りにも眩しかった。 気付けばもう足は動いていた。 そして、夢中で物陰から飛び出すと一路、神輿見物の人だかりへ突っ込んで行った。 人混みを掻き分け、ひたすら前に出る。 上条「通して……通して下さい!」 必死で進んだ先が拓けた時、すぐ目の前で神輿が揺れていた。 そして、父親が精一杯の仕事をしていた。 それを見て、当麻は胸に込み上げる物を感じた。 周囲に、そして父に負けじと声を張り上げる。 上条「父さーん! 頑張れーっ!」 その声に気付いたのか、刀夜がこちらを振り向く。 自分の息子を見つけたらしく、白い歯を見せて笑い掛けた、 その時だった。 腹の底をえぐるような、得体の知れない鳴動が轟いた。 それが、神輿を支える心棒が軋み、割れ裂けた音だと知れたのは 神輿の胴が捻じれ、座が歪み、 その巨大な屋根が とある不幸な少年の上に降って来た、時、だ、っ、た。 ─── 世の常人が己の人生を振り返るのは、齢幾つの時だろうか。 山を越えて一息着いた五十の頃か、はたまた寿命尽きんとする畳の上か。 ただ、彼の場合は僅か拾伍(十五)の時であった。 そんな不幸な、ただ不幸な男の話である。 少年も聴いていた。 体の芯まで震わす轟音と、尾を引きずる不快な 裂けび声 を。 しかし、何が、何だか、すぐには、分からなかった。 いきなり世界の動きが遅くなった。 いやにゆっくりとした景色。 周りの人間はこちらを見て口をぱくぱくと忙しく開閉しているし、 担ぎ手の男達は鬼気の表情(かお)で何やら叫んでいる。 指を差す者、顔を覆う者、何だかそれらが滑稽に思えた。 少なくとも、 真上を見上げて黒々と迫る巨大な物塊──神輿の屋根が「お前を圧し潰してやる」と宣言するまでは。 上条「……うわあああああああああぁぁぁぁ!!」 そして前述の通り、己の人生を振り返る訳である。 ちなみに走馬灯という言葉を彼が知るきっかけとなったのは、この件である。 馬鹿馬鹿しいぐらいの巨人の掌が襲って来る。 眼の前の影が段々と黒濃く塗り潰されて行く。 当麻は目をきゅっとつぶり、 心の底から 観念した。 不幸な人生だったな、と思った。 でも最後に格好良い父さんを見れて良かったな、と思った。 俺もああなりたかったな、と思った。 あ、やっぱり不幸だな、と思った その時だ。 再び轟音が場を、地を、髄を震わせた。 しかし先程の怖気立つ音とは違う。 もっと血の通った…… 上条「………?」 恐る恐る、目を開ける。 思わずひい、と情けない声が出る。 目に飛び込んで来たのは、眼前ぎりぎりに迫った屋根の角部分だった。 そして、 上条「とっ、父さん!?」 誰一人、誰一人担ぎ手のいなくなった神輿の下で いや、唯一人、上条刀夜が 支えていた。 肩に担ぎ棒を食い込ませ、其処彼処を血にまみれた姿で たった一人で支えていた。 逃げなかった。 息子を助けるために。 当麻が再び口を開くより先に、刀夜が吠えた。 刀夜「当麻ああああ!!逃げろおおおお!!」 当麻はその言葉に弾かれたように体ごと飛びのいた。 その瞬間だった。 無茶な均衡で留まっていたそれは再び大きく軋むと、 呆気なく崩れ落ちた。 地を震わせるような砲声と轟音を上げながら 下に居る刀夜を容赦無く巻き込みながら。 当麻は見た 無情な巨塊に踏み潰される寸前に見せた 刀夜の微笑みを。 上条「父さああ゙あ゙あああああああああああん!!」
https://w.atwiki.jp/1014151617/pages/16.html
福岡八幡神社祭礼 屋台名 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 ご神輿 江戸中期 今井 2段 白木 下町南(伊曾乃) 下町 2段 黒塗 池田 2段 白木 下町(石岡) 屋台名 初奉納 法被 縮小画像 特徴・その他 上町 江戸中期 周敷神社祭礼 屋台名 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 ご神輿 江戸中期 久枝(さいだ) 下喜多川 綾延神社祭礼 氏子区域 田野上方・北田野・長野・石経・来見・湯谷口・志川・寺尾・明穂・安井・大頭 屋台名 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 田野組 ? 2段・白木 末長 辻堂 3段 黒塗 下町(丹原)
https://w.atwiki.jp/eternalcity2life/pages/24.html
なっちゃん♪:「巨神輿いきましょい!ワッショイ!(゚∀゚)」 こうみえても「しろちゃん」の三代目連合長ある。 通称「なっつん」。 最近PCが破損しインできなかったみたいだが、今現在は元気にインしている模様。全チャでのあのセリフをみないと、寂しいよおお~! メインはAR。つうかARならなっちゃん♪、なっちゃん♪ならARというぐらいに有名。 巨大クリーチャー出没時に、巨神輿のお祭りとして全チャで上記のように呼びかけ、鼓舞するかのように盛り上げ、風のように惨殺する人。 最近は住民の巨大クリーチャー討伐のお手伝いをしてくれるみたいで、攻撃が30%向上するの煙幕を張ったり、ザコ処理等とサポートに回ってくれる。 ARには独自の持論を持っており、同じAR使いのローリング土下座が参考にするぐらいにARに長けている人。
https://w.atwiki.jp/geisaikeibi/pages/68.html
10月1日(月) 特別警備班より 元特別警備の先輩が、5日(金)以降に直接会って話をしてくれます(日にちは未定)。 特警の仕事について質問や相談をするつもりなので、なるべく皆も来たほうがいいと思って書き込みました。 パレードや神輿の警備は、自警1や看護のようにスタッフを募集したり、自警2のように展示に参加する学生にやってもらったりするのではなく、警備部員と執行部員だけでシフトを組んでやります。 例外もあるけれど、基本的には警備部5人と執行部5人で。 当日は皆も忙しいと思うけど、空いている時間にシフトに入ってもらいます。 というわけで、神輿とパレード警備はどの班の人にも関係するので、先輩の話をぜひ聞きに来てください。 ちゃんと日程が決まったらメーリスで回します。 (こげカレー) 2007-10-01 21 22 26 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5193.html
前ページ次ページとりすていん大王 箸にも棒にもひっかかる気は無い 始まるです とりすていん大王 10回目 前回、お父さんとモンモランシーの治療で一命を取り留めたウェールズ王子でしたが迫り来るレコン・キスタの軍勢に風前の灯です 「パリー、覚悟を決めるぞ」 「殿下、地獄の果てまでお供させて頂きますぞ」 王子は四方八方から迫る矢を暴風で叩き落し、並み居る敵をつむじ風で切り裂き、無数の魔法を風の壁で跳ね返します パリーも王子に負けんとその身を翻し、レコン・キスタの兵士に斬りかかります 「パリー・・・生きているか?」 「・・・・・・残念ながら」 闘いが始まってから数刻、すでに王子とパリーの体と精神力は限界に達していました じわじわと二人を兵士達が包囲します 「これまでか・・・」 王子が呟き、空を見上げると同時に一人の兵士が無言で剣を振り上げました 王子の目に青空が写り・・・ 次に空に高く吹っ飛ぶレコン・キスタの兵士たちを見たのです 「な、何?何がおこった!?」 そして、王子は見たのです 逆光にシルエットを写す三人の姿を 「まずは露払いだ!!」 「ひやぁーはぁー いいぜ相棒!!心を奮わせろー」 黒髪の少年 サイトが喋る剣を従えて次々と兵士を切り伏せていきます 彼に放たれた魔法も剣が吸収してしまいました 「ぶぅるわああああ!!」 別方向で人柱が吹き上がりました お父さんが一度腕を降ると兵士達が吹き飛び、蹴り上げると大地が震えます 「こ、これは一体?」 突然の事にウェールズ王子も困惑していると最後のシルエットが王子に話しかけてきました 「王子、死ぬ事は簡単です 王族の勤めと死ぬのもいいでしょう ですが・・・」 有無を言わせぬ迫力にウェールズ王子もパリーも言葉を失います 「女性一人を泣かせるのは男の恥ではないのですか!!」 ドドンと言う効果音と共に仁王立ちのシルエットは王子に告げます 「あーいや、その」 「ええと・・・王子なんですかコレは?」 もう何がなんだか解らないといった感じで王子とパリーはお互いを見つめ合ってしまいました そしてついに最後のシルエットの主が姿を現します その姿に王子もパリーもそしてレコン・キスタ兵士達も畏怖し、叫んだのです 「「「へ、へ、変態だぁーーーー!!」」」 四体の(アマゾネスっぽい)ワルキューレに神輿を担がせ、その神輿に威風堂々と佇む、ブーメランパンツ一丁とマントだけを羽織った男 その名もギーシュ・ド・グラモン改め、ギーシュ・ザ・グレート!! 「さぁ、脱出しましょうウェールズ王子!!」 そう言うが早いが嫌がるウェールズ王子を無理やりに神輿に乗せてギーシュは戦場を脱出するため動き始めたのです お父さん達が戦場に乱入して数分、レコン・キスタの軍勢はめちゃくちゃ理不尽な強さを発揮する三人に手を焼いてました サイトの相手になった兵士はまだいい方です マトモに闘い、敗れました お父さんの相手は不幸でした 何も出来ずに殴られたり蹴られたり頭突きされたりで気を失いました そして、ギーシュの相手をした兵士は・・・ 「うわぁああ!!」 「ぎゃあああ!!」 「うひぃいい!!」 次々と暴走神輿に引かれて吹き飛んでしまいます まるで一人だんじりです 「うわはははは!!」 神輿の上ではギーシュが腕を組み仁王立ちで高笑いをしています 「と、言うか逃げるんじゃなかったのか?」 神輿の中で、何かを諦めた様なウェールズ王子が呟きました 「く、て、撤退!!撤退だぁ!!」 なんとたった三人に押し返されて、戦意を喪失したレコン・キスタ軍は撤退し始めました 「くっ、だが今、無理をしなくてもよい 軍を立て直して万全で仕留めればよい」 「その通りです閣下」 レコン・キスタ本陣では歯がゆそうにワルドとクロムウェルが撤退する軍を見ていました 「お、王子!!敵が、レコン・キスタが引いていきますぞ!!」 「ああ、僕たちは助かったのか?」 王子とパリーが信じられないと言った表情でその光景を見つめていました その時です、彼らが異常な魔力を空に感じたのを 「逃がさん」 空の上、お父さんがくるくると回転しながら点滅を繰り返しています そしてお父さんを中心にまるで大気が渦を巻くように蠢き始めました アルビオンから離れた洋上の空の上、お父さんたちと離れて避難したルイズたちはアルビオンを振り向き声を上げました 「「「「あ」」」」 ウェストウッドの村でサイトの帰りを待つテファや子供達にもそれは見えました 「「「「あ」」」」 タルブやラ・ロシェールでも人々がそれを見て声を上げます 「「「「あ」」」」 ウェールズ王子が空を見上げ言います 「あ」 レコン・キスタの兵士達が呆けた顔で言います 「「「「「あ」」」」」 ワルドとクロムウェルが唖然として言いました 「「あ」」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・ それはあまりにも、あまりにも巨大な まるでアルビオン大陸と同程度ぐらいはあるのではないかという 「メリーー」 お父さんでした その体がワルドにむかって、クロムウェルにむかってゆっくりと飛来してきます そしてその時、それを見ていた人全てが言いました 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「あ。」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 続く 前ページ次ページとりすていん大王
https://w.atwiki.jp/kochike/pages/20.html
兵庫県 兵庫県(ひょうごけん)は本州中西部に位置する、南北に海を擁するオシャレ文化の発信基地である。 県庁所在地は神戸市だが、神戸市以外は砂漠が広がっていると、神戸市民は思っている。 また、兵庫の田舎は三田市しかなく、姫路市などは存在しないと思っている。 姫路市は兵庫県西部に位置し、ヤンキーが統治している。 なにかと神戸市を目の敵にする。 主な活動として、姫路市最大のイベントである浴衣祭りでの警官隊との衝突、また豊作を祝う秋祭りにおいては、神輿同士を激しくぶつけ、敵集落の神輿を破壊しつくという伝統もヤンキーらしいところであり、見所が多い。 豊岡市は日本海に面し、カニが旨い。 鞄などを作ったり、雪が降ったり、カニが旨い。 経済力・人口密度・気候風土などがバラバラで、当然ながら、県民意識が薄い。 ■外部リンク 兵庫県 - ウィキペディア 兵庫県 - アンサイクロペディア
https://w.atwiki.jp/nanakazari/pages/67.html
【漢達の序曲】 【漢達の前奏曲】 【漢達の行軍歌】 【漢達の舞踏曲】 【漢達の鎮魂歌】 【漢達の子守唄】 【漢達の序曲】 今日も暖かい日になりそうだ。 雲一つない空を眺めながら、藤江はうんと両手を高く上げて体を伸ばした。ようやく春らしい好天が何日も続くようになってきた。そんな日の朝早くのことだった。 「いよぉう……」 お食事処「たたら」の開店とほぼ同時と言っても良い頃合い、げっそりとやつれきった男が店にやって来た。 「え、ええっと……、七さん? いらっしゃい。なんかお疲れのようだねぇ」 四月の空に負けないほどの爽やかな笑顔を一瞬引きつらせ、藤江は彼を出迎えた。 ここ最近まったく姿を見せないお得意さんなのだが、以前店に来た時とは別人のような顔つきに変わっている。 「へへへ、ちょっとね……。祭で休みを貰うために働きすぎたってとこよ……」 本来岡っ引きであるはずの七さんだが、にやりと笑ったその顔は、まさしく悪人のそれに等しい笑いだ。 「ま、まあねぇ、祭のために頑張んのはいいんだけどさ。それで体壊して祭に参加できなくなっちゃ本末転倒ってもんだよ。ちょっと気を抜いても良いんじゃない?」 「へへへ、仕事も昨日で終わりさ。明日っから休みってもんよ」 「ならいいんだけどさぁ。父ちゃん、七さんご来店だよ!」 藤江が厨房に向かって声をかけると、客席との仕切りから男が顔を覗かせた。 「よぉ、七さん。話ぁ聞かせてもらったぜ。その心意気や良し、だ。今日の飯は俺のおごりだ。じゃんじゃん食って力つけてくれぃ!」 そう言ったおやじは、丼に山と盛られたごはんとみそ汁、生卵のはいった椀を乗せた盆を取り出して藤江に渡した。「さあ、小鉢は何が良い。焼き物は何にするよ」 「すまねえ、おやっさん。それじゃあ、いつもの鮭の焼きを頼むぁ」 おうよ、とおやじの返事が返ったあと、魚を焼く香ばしい香りが、客席の方まで漂ってきた。 「てぇへんだ、てぇへんだ〜!」 七さんが食事を終えて、腹をさすりながらもう食えねえ、と唸っているところに、新しいお客がやって来た。否、正確には客ではない。七さんに厄介ごとを持って来る、同僚の十三が、毎度のごとく大声を張り上げながら、たたらの中へ飛び込んできた。 「どうしたんでぃ、十三」 うぷっ、と胃の中の空気を放出しながら、七さんが十三を自分の席に呼ぶ。 「七さん、奴らだ。今度は祭用の褌を百八枚もかっさらって行きやがったんだよ!」 「何だとぉ!」 机を真っ二つにするかのような勢いで、七さんが机を叩く。 「しかも盗まれたのは宮廷の中にあったものばっかなんだ。こいつぁちょっとした問題じゃねえかって政庁の方でも噂んなってやがるよ」 「ちぃっ。やってくれるぜ、褌小僧共めっ!」七さんは楊枝で口の中をすすきながら、立ち上がる。「せっかくの休暇だってのによぉ! おい、いくぜ、十三」 「がってんだ!」 七さんと十三は暴れ馬のごとき勢いでたたらを飛び出していった。 「まったく、いつもながら、慌ただしいお人達だねぇ」 七さんの机を片付けながら、ぼそりと藤江は呟いた。 「信乃さん、また奴らが現れたそうだね」 宮廷の一画、祭の準備にてんてこ舞いになっている有馬信乃に向けて、七比良鸚哥が声をかけた。 「おや、摂政さま。いかがなさいました? たしか今日から祭の終わりまで、休暇をとられていたはずでは?」 「ああ、そうなんだが……、奴らが現れたのなら休暇もなにもあったもんじゃないだろう」 いつになく真顔で、ぽっこり膨れたお腹をさすりながら信乃を見る。 「ははぁ、十倉のやつですね。まったく心配しなくてもいいと言っているのに、困ったもんだ」 「なぜ? ……、あ、また今回も追跡用の理力褌を紛れ込ませたとか?」 「いや、まあ……、そうではないんですがね。盗まれたのは無料配布用の祭褌なので、たいしたことじゃないかと」 「何を言ってるんです。たとえ無料配布用であっても、それはれっきとした犯罪。たとえやつらでなかろうとも、放っておくわけにもいかんでしょ」 「まあ、そうなんですがね……。いや、今回の件に関しては、大袈裟に考えなくても問題はありませんよ」信乃は、ふと口元を緩める。 「じつはですね、少し前のことなんですが、祭に参加したいという他国の方がいらっしゃったのですが、諸処の事情によって全員参加して頂くわけにはいかなかったのですよ。その数が百八人、今回盗まれた褌の総数と同じです。しかもご丁寧に祭の参加要項も一緒に盗っていっている。おそらく彼らでしょう。まあ、その辺りのことはすでに手を打ってあるので、心配するほどのことではない、というわけなんですよ」 「ふむぅ……」 鸚哥は顎に手をやってしばらく考え込むようにおし黙った。 「わかりました。しかしここは念には念を入れて、私も加わりましょう。場合によっては外交問題にもなりかねない。そいつらの神輿管理は私が担当します」 「いえ、そのようなことして頂かなくとも……。摂政さまは休暇中なのですから、担ぎ手としてご自身の地区に参加して頂いて構いませんよ?」 「いやいや、仮にも摂政の身、私事よりも国事を優先させるのは当然のことです」 「いえ、だから手は打ってあるのですが……」 何故か意気揚々としている鸚哥の前に、信乃の言葉はむなしく宮廷に広がるだけであった。 町の中心から離れた地区にある、うらさびれた食堂。昼の日中だというに、店内はほの暗い。先に座っていた二人の前に、一人の男が席につく。どうやら待ち合わせのようだ。 「遅かったですね、黄金様」 「ああ、すまん。これでも忙しい身でね。それよりも首尾はどうだ、赤よ?」 赤と呼ばれた男は、うっすらと笑みを浮かべた。 「ほぼ完璧です。さすが、としか言い様がありません。黄金様に頂いた地図通りで、大変仕事しやすかったですよ。よくこんなものを持ち出せましたね」 食卓の上に一枚の紙を置く。黄金はそれを取って、懐にしまった。 「それなら結構。俺の力を持ってすれば、こんなもの雑作もないことだ。それよりも、奴らの方も何かしらの手を打っているようだ。とりあえず俺の方でも対処はしておいたが、お前達も気を抜くなよ」 「心配ありませんって。黄金様がお戻りになるまで、俺と赤にお任せ下さい」 「ふむ、青よ。お前達の実力はちゃんとわかっているつもりだ。だがやつら、特に有馬信乃は見かけによらず、かなりの策士。どのような手段を用いて来るかは俺でも読めん。くれぐれも油断は禁物だぞ」 「はっ!」 赤と青、二人の声が同時に響く。 「さて、と。俺はまたいつものところへ戻る。ここの勘定は俺が出そう」 黄金は銀子一枚を卓に置いた。 「そんな、こんなに多くはありませんよ」 「なに、あまりは外で待っている連中に美味いものでも買って持っていってやってくれ。せっかくの祭なんだ、やつらにも精を付けてやらんとな」 くくく、と悪そうな笑いを浮かべながら、黄金は席を立ち、後に手を振りながら店を出た。 「なあ、赤よ。俺ぁ計算が苦手だが、この量じゃ百五人分の飯なんて買えねえんじゃねえか?」 「言うな、青よ。足らず分は俺達で出そうじゃないか……。黄金様の心意気を俺達で買うのさ」 次の派生SS → 漢達の前奏曲 → 浜のけんか祭 → たけきの藩の祭前 → 巫連盟の祭前 【漢達の前奏曲】 「ほんっと済まねえ、おやっさん!! この借りは必ず別のことで返すから、今回だけは見逃してくれぃ!」 夕餉時まで一時閉店中のたたら。土下座しそうな勢いで、七さんは頭を下げた。 「いや、仕方ねえってのはわかってるよ。さすがに公務じゃしょうがねえさ」 たたらのおやじはぷかりとキセルの煙を吹き出しながら、笑って答えた。 「ああ、ほんっとすまねえ。今年こそはこの地区に勝者の振る舞い酒を持って帰るつもりだったのによぉ……」 そう言って、また深く七さんは頭を下げる。 「いや、だから七さんが悪いわけじゃねんだからさ。気にしなくていいってよ。まったく、役人達もこんなときに仕事を押し付けるなんて、なんてぇやつらだ」 「それはちげえよ、おやっさん。別に休んでも良いたぁ、言ってくれてんだけどよ。それじゃ、俺っちの正義の心ってやつが納得してくんねえのさ」 「くぅ〜、格好良すぎるぜ、七さんよぉ」 おやじはけむくじゃらの腕を目に当て泣きまねをする。よほど七さんの行動に感動しているようだ。それが七さんの良心にちくりと刺をさす。 「いや、そんなこたぁねえよ。俺のわがままで、おやっさん達に迷惑かけちまうんだからな。けどよ、何事も起こんなかったら、俺の担当する神輿と、おやっさん達の神輿、境内で勝負しようじゃねえか。そんときぁ全力でいかせてもらうぜ」 「おうよ! それこそ望むところさ。こっちだって手ぁ抜かねえぜ」 七さんとおやじはがしっと腕を組んだ。 ……、熱っくるしいなぁ。 買い出しから戻った藤江が、呆れた顔でその光景を眺めていた。 今回は相当に大規模な褌対策本部、通称マルフン達が動員されている。しかも兵部省の方から兵員の借り出しを行ったらしい、との噂までマルフン達の間に出ているほどだった。 「信乃様、これほどまでに大規模な動員が必要でしょうか?」 マルフンにおける信乃の片腕、十倉助三郎は、祭当日の兵員配置図を見ながら尋ねた。 「これでも少ないと思ってるんだけどなぁ。ここだけの話だが、どうやら他国からの褌一味が相当数紛れ込んでいるのだ。せっかくの好機、ここで一気に叩いておきたいんだよ」 「ですが、祭当日は多くの参加者が褌姿ですよ。どうやって見分けをつければ良いものやら……」 十倉は両手を挙げてお手上げです、と仕草で示した。 そんな彼に、信乃はふっと笑って口の端を斜めにあげて見せた。 「そのための無料配布褌さ。我々が参加者に手渡したものは全て記録がとってある。褌の枚数も地区ごとに制限があるし、偽造できないように簡単には手に入らない布も使ってあるからな。それらと見合わせれば一般人か褌一味かは簡単に見分けられるよ」 「なんとっ、そのようなことをなさっていたとは……」 「祭の実行委員も兼ねているからな。これくらいは役得と言うもんだよ。良いか、この話は誰にも漏らすなよ。どこで奴らの耳に入るかわからないからな」 「ええ、わかりました……」 「さて、じゃあ残りの作戦もさっさと組み上げてしまおう。もう時間はないんだからな」 それから翌日の太陽が昇るまで、褌対策本部の間から明かりが消えることはなかった。 こうして、マルフン達の最も長く熱い一日が始まる。 「褌こそは男の正装! 褌に力を、褌に勝利を、褌に栄光をーーー!」 神輿の上に立って男が叫ぶ。今は祭の規則上、乙の字入りの赤い褌姿だが、普段は金色の褌を纏う男、黄金が担ぎ手達を叱咤激励する。 それに応える声は低く地を揺るがしそうな野太い男達の声。 「我ら褌のために! 全ての力を出し切るのだ!」 「いくぜ、野郎共! 褌の力を今こそ見せつけてやるんだ!」 威勢の良さだけであれば、どこの地区よりも彼らは勝っていたことであろう、と後の観客の一人は語る。なぜ彼らが境内戦まで残れなかったのかが不思議である、とも。 「いくぞ、褌藩の名の下に!」 「おおぅっ!!」 盛大な男達の掛け声のあと、他国参加乙組の神輿は、その巨体をゆっくりと宙に舞わせた。 「良いか、これ以上褌を冒涜させるような輩をのさばらせるわけにはいかん。ここで奴らを一網打尽にしてやるんだ。褌共に罰を、褌共に制裁を、褌共の撲滅をーーー!」 マルフン諸隊を前に、男が盛大な演説を行っている。有馬信乃が祭実行委員のため朝の間は代わって十倉助三郎が隊を仕切っているのだ。 マルフン達も楽しみにしていた祭参加を奪われる形となって、褌一味に対する恨みの念からか、今日はいつも以上に士気が高い。奴らに目にものを、奴らを排除せよとの声が、あちこちから沸き上がる。 たとえ帝国本体が相手だったとしても、彼らのやる気がそがれることはなかっただろう。後にマルフンを退役した者は当時の状況をそう語る。それがなぜ、あのような結果に終わったのだろうか、とも。 「行くぞ、褌小僧を根絶やしに!」 「おおぅ!!」 マルフン達は勢いよく駆け出し、それぞれの持ち場へと散っていった。 次の派生SS → 漢達の行軍歌 → 神輿出陣 → 祭の裏方達 → 祭の観客達 → 神輿のかき手達 【漢達の行軍歌】 褌のために! 彼らの勢いは衰えることがなかった。一台目の神輿を完膚なきまでに叩き壊した彼らは、観客からの応援を受けて得意気になっていた。普段街中で褌一丁で暴れ回っていれば、変態だの狂人だのと後ろ指を指されるのに、今日だけは彼らの勇姿に対して、男からは熱い賞讃を、女からは黄色い声援を投げられる。彼らにとってこんなに嬉しいことはない。俺達は間違っちゃいなかった、そんな錯覚すらも覚えていた。 「青よ、褌とは、良いものだな」 赤は隣で神輿を担ぐ青に向かって呟いた。 「ああ、俺も同じことを思ったさ」 青も同じように考えていたらしい。 二人は顔を見合わせて。ふっと満足げな笑みを浮かべた。 「まだだ、こんなもので終わらんよ」 二人の会話に割り込んできたのは黄金だった。 「黄金様」 「これはまだ始まりでしかないのだ。もっと多くの民に、もっと多くの国に、そう、褌こそが世界を繋ぐものとして、全ての民に褌の栄光を知らさねばならんのだよ。この祭はそのための第一歩にしか過ぎんのだ」 それは王が国を治めるように、神が世界を創造するように、遥か高きを目指すかのごとくに黄金は言った。 「申し訳ありませんでした。そうですね、まだこれは単なる始まり」 「黄金様の目指す頂まで、俺たちぁどこまでもついて行きます」 黄金の言葉に感銘を受けた赤と青は、自分たちの浅慮を改め、そして再び気合いを入れ直した。 「さあ、次の相手はどこのどいつだ! 褌の力みせつけてやるぞっ!」 おかしい、順路道理に進んでいるはずなのだが……。 黄金は実行委員から手渡された地図を見て首を傾げた。一戦目を終えてから、およそ一時間ほど神輿を進めたのだが、二戦目の会場に未だ辿り着いていない。それどころか、白浜宮神社から遠ざかっているようにさえ思えた。道端にいる観客の数もあきらかに減っている。 大体にしてこの地図が不親切すぎることも一つの原因だ。順路を描くのであれば、地図に線を引けば良いものを、神輿の出発地から一戦目の神輿競り会場までしか記されておらず、その先は、突き当たりを右、三つ目の十字路を左、と言った具合に、言葉だけで道が表記されている。一応担当者としてこの国の人間が道案内をしてくれているのだが、本当に彼らがちゃんと場所をわかっているのか、少々不安になってきた。 黄金は巫国内の地図を頭の中に描き、現在の位置を割り出そうと試みる。やはり、白浜宮神社とは逆方向へ向かっているようだ。 「おい、この道だと白浜宮神社へいくには相当な遠回りになると思うのだが、間違っているのではないか?」 黄金は担当の一人に声をかけた。 「いえ、間違ってはございませんよ。私は何度も有馬様と共に順路を歩いておりますので、経路はばっちり頭に入ってございます。もう少し先に行くと広い空き地があるのはご存知でしょう? そこで二戦目となっておるのですよ」 黄金は道の少し先に目をやった。確かにあそこの角を曲がれば、相当に広い空き地へ出る。だが、祭の会場としては適当だろうか? なにより周囲の観客数があきらかに少ないのだ。屋台の出も多くなく、中には見知った顔のもの達が掃き掃除なんかをしている。 ふむ、まあこんな神社から離れた所では、観客も来たがることはない、ということか。 そんなことを思いつつ、黄金達の神輿は二戦目の神輿競り会場へと辿り着いた。 「来たか」 神社から遠く離れた空き地にて、信乃は数人の部下と共にその中央に立ち、神輿が入ってくるのを眺めている。 「もう合図を出しましょうか?」十倉が声をかける。 「いや、もう少し引きつける。どうやらまだ気付いていないようだからな」 信乃は静かに言葉を返した。 やがて、他国参加乙組の神輿が中央にやって来た。ちょうど信乃達と向かい合うような形で、神輿は止まる。 「有馬様、他国参加乙組、全員連れて参りました」 担当の一人が有馬の前で跪き報告をする。 ご苦労、と小さく首を縦に振った信乃は、左手を高く上げた。そして、 「褌小僧一味の皆様、お疲れさま。あなた方の祭はここで終わりです。この空き地は完全に包囲してあります。おとなしく投降するのなら、手荒な真似はいたしませんので」 静かに、だが冷たく、神輿の男達に向かって言った。 「な、何を馬鹿なことを! そもそも俺達は他国からの祭参加者だぞ。そんなもんのわけねえだろうが」 「そうだそうだ、ひでぇ言いがかりだ!」 誰ともなしに神輿担ぎの男達からそんな声が上がる。 「てえことだ。俺達を捕まえるってんなら相応の証拠ってもんを持ってきてもらおうじゃねえか!」 一人の担ぎ手が前に出てきて、信乃に向かって啖呵を切った。 「先日、宮廷から赤い褌が百八枚盗まれたのですよ。乙組参加者百八名。数はぴったり合うわけです」 「そ、そんなの偶然だ! 俺たちゃちゃんとした参加者だよ!」 「やだなぁ、ちゃんとした参加者なら、赤褌は甲の字なんですよ。……乙字の赤褌は、祭運営委員では作っちゃいないんだ!」 最後の台詞を勢いよく言い放ち、信乃が左手を下ろすと、空き地の周囲に伏せていたマルフン達が箒型銃を構えて立ち上がる。彼らは皆制服ではなく、祭の観客やら何やらに変装していたのだ。 「く、くそぉ! 謀ったなっ!」 赤褌の集団は抵抗しようと構えるが、如何せん今まで神輿を担いでいたために、武器となるものは何一つ持ち合わせていない。素手対箒型銃、あきらかに不利であると悟ったのか、彼らはクモの子を散らすようにバラバラの方角へ逃亡しようと試みた。 「誰一人として逃がすなよ!」 信乃の声でマルフン達は一斉に神輿に向かって突撃する。 熱き漢達の戦いの火ぶたが切って落とされた。 次の派生SS → 漢達の舞踏曲 → 祭の観客達 → 神輿のかき手達 → 浜漢への道 【漢達の舞踏曲】 「褌のために!」 黄金は神輿の陰に隠れて同志達に発破をかけた。祭への意気込みがそのまま士気に繋がっているようで、彼らは威勢よくおう、と返事を返してくる。 だがそうは言っても周囲をぐるりと取り囲まれているため、状況は圧倒的不利。一部ではマルフンと同志達の殴り合いも始まっている。なんとかして打開策を見つけなくては、と黄金は策を練り始めた。 その時である。神輿を内側から叩く音が聞こえ、やがてそこから腕が伸びてきた。 何だこの腕は!? よく見ると出てきたの袖は、マルフン達の制服のものであった。 「ちぃ、神輿の中に伏せ手がいるぞ!」黄金は声をあげて注意を促す。 その間にも神輿のあちこちから腕や脚が出現し、神輿自体が割れ中からマルフンの増援が現れるのも、もはや時間の問題に思えた。 「ええい、一点突破を試みる。全員頭を低く下げよ。突撃をかますぞ!」 指示を出した黄金は自らも頭を低くしてマルフン達に向かって突っ込んでいった。箒型銃は本来敵を威嚇、足止めすることを前提に作られてあるので、平時の出力では殺傷能力が全く無いことを彼は知っていた。弾が当たっても数発までなら耐えきれる、そう踏んでの行動である。 だが、黄金の予想は簡単に裏切られた。 「ぎゃあぁぁぁ!」 後方から断末魔のような叫び声。ふと後ろを振り返ると、数人の同志が気を失って崩れ落ちていく。それを見た黄金は出力が平時の鎮圧設定ではなく、戦時の裁定出力に調節されていたことを理解した。 「ここは街中だぞ! なんてことをー!」 黄金は大声で信乃に向かって叫ぶが、その声はマルフン達の威嚇、同志達の悲鳴、二つによってすぐさまかき消された。 仕方ない、ここは下手に戦うより逃げる方を優先しよう。 そうと決めた黄金は、マルフン達の囲いを破って何とか戦場から立ち去ることに成功した。 伏せ手の奇襲が予想以上に出遅れた。その結果こちらの意図が悟られてしまい、多くの褌小僧達を逃亡させる結果となってしまったようだ。もっと強度を落としておくべきだったか、と信乃は戦況を見ながら後悔をしつつも、頭の一方では今後の方針についても考えを巡らせる。 神輿競り会場はかなりの乱戦になっている。褌小僧をマルフンが羽交い締めにし、縄をかけようとしたところにべつの褌小僧が体当たりをかまし邪魔をする。それを別のマルフンが羽交い締めにして……、と千日手のように事態は膠着していた。その中から一人の男が上空へと飛び出し、民家の屋根へと登った。 あの身のこなし、後ろ姿、やつに違いない。 「十倉、ここは任せる。何人かは僕に続け!」 信乃は屋根の上を悠々と走る一人の男を追いかけた。褌小僧一味における実行部隊の長と目される人物、通称「赤」。せめてやつ一人でも押さえてしまえば褌被害の大半は防げると踏んだからである。 信乃にとって幸運だったのは、赤が神社方面へ向かわなかったことだ。あちらに逃げられては道を走る追跡隊は人ごみに邪魔されて身動きが取れなかっただろう。ところが何故か赤は人通りの少ない北を目指して走っていた。 「あいたっ!」 上ばかり見ていたせいで、横から飛び出してきた女の子に気付かなかった信乃は、彼女とぶつかって大きくよろめいた。女の子の方は尻餅をつく。 「これは失礼しました。お怪我はありませんか?」 信乃は女の子に向かって手を差し伸べる。 「あ、ええーと、大丈夫、です」 信乃は手を掴んだ女の子を引き起こす。 「本当に申し訳ありません。ただいま祭を濁す無粋な者が現れました故、追いかけてるのに夢中でお気付きできませんでした」 「あ、いえ、私の方こそ……」 「ただ、この先は女性には危険ですので、しばらく立ち入られない方がよろしいと存じます。では、私は賊を追いかける任務がございますので、失礼させて頂きます」 信乃は女の子の前でくるりと踵を返し、再び赤を追いかけて走っていった。 くそぅ! なんて狡猾な! 誰よりも早く神輿競り会場から逃げ出したのは赤だった。忍者でもある彼は、いつものようにその跳躍力を活かし、一瞬で包囲網を飛び越え、次には民家の屋根へと飛び移り、あとは屋根伝いに逃亡した。ふと後をみると、有馬信乃を先頭に数人のマルフン達が道を走って追いかけて来る。 よりにもよって信乃さんとは……。 赤は唇を噛みながら忌々しげな思いを胸に伏せ、さらに脚を速めて屋根を走る。 とにかく宿舎に戻ってしまえば、あとは何とかなるはずだ。 そう考えた赤は、ぐるりと周囲を見渡した。宿舎までの最短路を探すために。だがそれは、予想だにしない出来事を引き起こした。 それはお互いほんの刹那の出来事であっただろう。一人の女性とばっちり目が合ってしまった。 いや、それは赤の錯覚であったかもしれない。平時であれば気にしなかったかもしれない。しかし、こんな逃走劇のまっただ中ではそんな思考も悪い方へと向かってしまうのも当然だろう。 まずい、まずいぞーーー!!! このまま宿舎に戻るのも危険だと感じた赤は、追手からも宿舎からも離れるように進路を変更した。 北に広がる森を目指して……。 手遅れだったか……、まさか役人に追われるとは。いったい何をしたんだろうか。 ……いや、当然の報いね。 たけきのこは、屋根伝いに逃げる男を追いかけていく役人達を眺めながら、そんなことを考えた。いつの間にか自国で暴れる褌達に慣れ過ぎていたようだ。普通に考えればあんな姿で街中をうろつくこと自体十分に犯罪的だ。 あいつの制裁は彼らに任せてしまおうか、とも考えたが、ぼろを出してうっかりたけきのの名を出されても困る。自国内ならまだしも他藩に迷惑をかけるなど藩王としての矜持が許さなかった。 仕方ないわね……、使いたくはなかったけど……。 たけきのこは右手を首の後へ持っていき、するするっと金色に輝く鉄の棒を取り出した。長さ三尺三寸、先へいくほど太くなっている。二度三度軽く素振りをして、たけきのこは屋根を走る影を追いかけた。 次の派生SS → 漢達の鎮魂歌 → 祭の観客達 → 浜漢への道 【漢達の鎮魂歌】 森の中は意外と暗かった。朝はそれなりに晴れていたのだが、いつの間にか太陽は雲に隠れてしまったようだ。夕立でも来なければ良いのだが、と信乃は別の人間に任せきりにしている祭のことが少しだけ気になった。 わずか数名で森の中を捜索するのはやはり無茶だったかもしれない。信乃についてきた追跡隊は誰一人として信乃の周囲にはいない。皆迷子になっていなければ良いのだが。 ……、迷子は僕の方か。 いやいや、森は広いのだから手分けして探しているのだ、ということにして信乃は一人で森の奥へと進んでいく。しばらく森の中央へ向かって歩いたが、結局赤はおろか、追跡隊一人として出会うことはなかった。 さて、どうしたものか……。 信乃は両手を逆の袖の下にしまって考え込む。すると右手の袖の下に何やら小さな箱が当たった。取り出されたその箱は、先日ボロマールに貰った紙巻き煙草だった。悪いとは思いつつも、封を切って一本取り出し、口にくわえる。考え事をする時にはどうしても吸ってしまうのは信乃の悪い癖だが、それをわかっていながらも、頭が冴えてしまう(それが錯覚と知りつつも)のだから止めようとは思わない。 火打石をとり出して煙草の先に火をともす。ぽわっと小さな赤い光が、信乃の周りを照らした。 「いたか?」 「いや、こっちにはいないようだった。そっちはどうだ?」 「すまん、こっちでも見つけられなかった」 一本だけある森の奥への道で、巫の兵装をした男達がそんな話をしている。 たけきのこは近くの木に身を隠して彼らの話を聞いていた。男達の話をまとめると、どうやらこの森に逃げ込んだのは確実で、現在のところ誰も見つけてはいないらしい。さらに、彼らはどうやらここで一旦引き上げるらしく、事態はたけきのこにとって都合の良い方向へと進んでいるようだ。 ふっふーん、まってろよー たけきのこは男達に見つからないように、そっと身を伏せて森の奥へと向かって進んでいった。 五分ほど進んだところで、鼻をくすぐる嫌な臭いが漂ってきた。この臭いには十分に心当たりがある。誰かさんが吸っているのを何度か見かけたことがあった。煙草だ。 臭いのする方に目を向けると、うっすらと人影が見え、たまに顔の近くがぽっと赤く光るのが見える。 たけきのこはにやり、と口元を歪め、そっと近づいていく。絶対に逃がしはしないと万全の体勢を整え、大きく上段の構えをとった。 「なにをやらかしたーーーー!!!!」 大きな叫びとともに人影に向かって「粉砕バット改」を振り下ろす。 「え?」 振り向いた人影、彼はたけきのこが頭に描いていた人物とはまったく別の顔をしていた。そこにあるのは先ほど街中でぶつかった役人の顔だ。 「え、えーっ!?」 慌てて腕を止めようとするが時すでに遅く……、鈍い音とともに彼は地面へと横たわっていた。見間違いかもしれない、と倒れた男の顔を覗くが、やはりそこにあるのはあの役人の顔だった。 …………、 ……え、えーと。 「ぎゃーーーー!!」 加害者であるたけきのこが倒れた男に変わって大きな悲鳴を上げる。 ど、どっどどっどどうしよーーーー! え、えーと……、だ、誰も見ていなかったから知らないふりをしてればいいのかな。あ、いや、まずはこの死体をどこかに埋めないと。発見を遅らせることが捜査攪乱の第一歩よね。 ……、違うって! そうじゃなくってー! 落ち着け、冷静になれ、とぶつぶつ口の中で呟きながら、男の容態を確認する。男の胸に耳を当てると心臓の鼓動が聞こえ、顔に手をやるとかすかながら息が当たるので、幸いにして命に別状は無さそうだ。 ふー、何とか最悪の事態は免れたようね。 男の側にへなへなっと座り込んで、たけきのこは安堵の息を漏らした。そして顎に手をやってどうしようかと思案する。 こういう場合はたしか頭を固定してやればいいはず。 戦闘訓練で気を失っている兵士にそんな応急処置を施していた軍医がいたことを思い出した。だが、頭を固定させようにも、周りに適当な枕となりそうなものは見つからない。 し、しかたないわ、ね……。 たけきのこは男の頭を自分の膝の上に乗せてみた。不本意ながら頭の納まり具合はちょうど良い。しばらくの間、たけきのこは男を膝枕の状態で様子を見ることにする。 早く起きないかと男の頬をペチペチと叩きながら、途中で見かけた兵士達が早くやってくることを願った。 たたらのおやっさん達は境内戦に辿り着いたか。頑張れよ、おやっさん……。 白浜宮神社境内、息を切らせた七さんは鳥居をくぐってくる神輿を眺めていた。 「七さん、七さんてぇへんだーーー!」 そんな七さんの元へ、神を振り乱した十三が駆け寄ってきた。 「どうしたんでい十三。褌小僧達の残党共が現れやがったのか!?」 「ち、違うんだ。いや、そうかもしれねえんだけど……。有馬様が褌小僧の一人を追いかけたまま森の中で行方不明になっちまったらしいんだ!」 「なんだとー!!」七さんは祭の掛け声よりも大きな声をあげる。「今すぐ手の空いてる者を森の入り口へ集合させ……、いや、集めるんでぃ!」 七さんは十三と共に政庁方面へと向かった。 摂政七比良鸚哥はメイド達を率いて、有馬信乃の行方を捜索するため森の中へと進んでいった。半刻ほど森の中をうろついたところ、森の中で一人の女性が座り込んでいるのを発見した。よく見るとその膝の上には人の頭が乗っており、彼女の膝枕で男が横になっているようだ。もしやと思い、鸚哥は彼女達に近づいていく。 「七比良さん!」 お互いを視認できる距離になって、先に声をあげたのは相手側だった。 「これは、たけきのこ様ではありませんか。このような場所で何を……、それに、そこで横になっているのは信乃さんか」鸚哥は二人の元へ駆け寄る。「一体、何があったのですか!?」 「え、えーと……」 束の間、黙り込んだあと、たけきのこが言葉を発した。 「じつは……、私が森に迷い込んでしまってですね。えっと……、そうだ、褌の暴漢に襲われそうになったんですよ。うん、それで、この方に助けて頂いたのですがね。ただそのときに、ちょっと頭を殴られたみたいで、気を失ってしまわれて……」 たけきのこがどもりながらたどたどしい言葉を続けようとした時、信乃がゆっくりと目を開けた。 「あれ、摂政さまではありませんか。それに、貴方はたしか……」 「信乃さん、大丈夫ですか? ええ、貴方はよくやってくれましたよ。貴方のおかげで外交問題にならずに済みました」 「は? 何のことです?」 「貴方がお救いしたこのお方はたけきの藩国たけきのこ藩王様なんですよ。ご存じなかったのですか?」鸚哥はたけきのこに手を向けて信乃に説明した。 「なんと、それはご無礼を」信乃は慌ててたけきのこから離れ、膝をついて頭を下げる。「ですが、藩王さまをお救いしたとは一体どういうことでしょう?」 「たけきのこ様が暴漢に襲われていたところを信乃さんが助けたそうじゃないですか?」 「え? いえ、確かに暴漢らしき人物は現れまし……」 「七比良さん! この方は頭を強く打っておられますので、早く医師の元へお連れした方がよろしいかと」 信乃の言葉を途中で断ち切り、たけきのこが提案をはさむ。 「ええ、そうですね。誰か、信乃さんを医務室までお連れしてください」 次の派生SS → 漢達の子守唄 → 浜漢への道 → 深夜の団子屋 【漢達の子守唄】 祭も無事に終わった夜の政庁。マルフン達の仕事場にはまだ灯りが灯っていた。部屋の中には二人の男、有馬信乃と十倉助三郎である。 「というわけで、逮捕者総数四十七人、ですが、黄金、青、赤、をはじめとした首謀者達は残念ながら一人も捕縛することは出来ませんでした」 「そうか。僕の不注意で迷惑をかけた。本当にすまない」 「いえ、有馬様がご無事であった事の方が大事です。それに、たけきの藩王様をお救いしたとか。大変な栄誉ではありませんか」 「ああ、そのことは……」信乃はわずかに溜息を漏らす。「確かに暴漢は現れたんだが、その時は僕一人だったんだ。あのとき僕がたばこを……」 言いかけて信乃は言葉を止める。森林では火災予防のため禁煙区域に指定されていたことを思い出したのだ。法官出仕を予定している者がそのような規則違反を犯したことは出来れば伏せておきたかった。 「どうなさいました?」 「いや、なんでもない。たけきのこ様がそうおっしゃるのなら、きっとあの方の言い分が正しいのだろう。僕は気を失っていたのだから……」 浜のけんか祭は今年もまた熱く盛り上がったようである、翌日の瓦版にはただそのことだけが記されていた。 次の派生SS → 祭の終わり → 帰路 → 日常の曙
https://w.atwiki.jp/nanakazari/pages/70.html
【はじめに】 両作品はそれぞれ独立した作品となっておりますが、二作で対となる作品でもあります。 単独作品として読み進められる時は、そのまま下方向へ画面をスクロールさせてください。 両作品を通して読み進められる時は、各章末にある分岐をクリックして頂けると、その章へ飛ぶことが出来ます。ただし、こちらの読み方をなさった場合、進め方によっては途中で読むことの出来ない箇所も出てくる可能性がありますので十分に注意してください。 浜の喧嘩祭 各章へのショートカット → 浜のけんか祭 → たけきの藩の祭前 → 巫連盟の祭前 → 神輿出陣 → 祭の裏方達 → 祭の観客達 → 神輿のかき手達 → 浜漢への道 → 祭の終わり 漢達の祭 各章へのショートカット → 漢達の序曲 → 漢達の前奏曲 → 漢達の行軍歌 → 漢達の舞踏曲 → 漢達の鎮魂歌 → 漢達の子守唄
https://w.atwiki.jp/opfan/pages/3421.html
薫桜ノ皇国は空鳴村(うろなきむら)で奉られている存在。 万年桜の古木の虚の中にある小さな御堂に住まうとされている。 『魂鎮』の儀と称し、春の新月に夜に神託の下った家の男児をこの『ずるずるさま』に捧げる儀式が行われるらしい。 この儀式は生贄となった男児をずるずるさまに婿入りさせるものであり、供物と共に男児の入った神輿をお堂の前に置いた後、村の頭領が祝詞を唱えると『それ』がお堂の中から現われるとの事。 『それ』は豪華な着物を羽織った巨大な蛞蝓のようなモノであり、粘液を纏わりつかせながら這い出ると神輿の供物を貪り始める。 そして供物を食らい、酒を飲み尽くしたずるずるさまは新たな『夫』を連れて御堂の中へと消えるのである。 連れ去られた男児がどうなるのかは定かでは無いが、儀式に満足したずるずるさまは一年の間村を見守り豊作をもたらすと言われている。 関連 薫桜ノ皇国 おおてさま 目次に戻る