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Ep7「早乙女涼雅はなにを守りたかったのか」 反旗を翻したLord達、各地で行われるLordとの決戦は熾烈を極め、多くの犠牲が払われる中抗う人々に微かな希望を与える救援が現れる── ──── prologue 神城夏希を失い神野志穂を中心として新たに動き始めた神城製薬だが、神城夏希という人間の存在は大きく、その内部では神城夏希のようにしようと今は亡き背中を追う神野のしかし神城夏希とは違う思考からくる僅かなぎこちなさがあった。 しかし、それでも着々と駆除員としての役目をこなす岡村とラザレガ両名は、Lordへと覚醒したプリズムVenom=旭凰優城と交戦、その身柄を拘束して神城製薬へと搬送。 それとは別の場所、MMが住処としている公園に現れた世間を賑わせるアイドル「ソレイユ」がゲリラライブを決行しその地を盛り上げていた、しかしその名の通り「太陽」を冠するソレイユは検体M(Moon=月)であるMMに惹かれ、自分のものとなれとMMに迫る…しかし、LordとしてVenomを統べ、人類を滅ぼし地球をVenomの星に変えようとするソレイユと、Venomでありながら人間に寄り添い、友人である根上淳の遺志を継ぎ人間を救おうとするMMが分かり合える筈もなく両者は激突、MMがVenomであるが故に傷付けることができないソレイユは自らの計画を教えた上で、MMに王となって出直すように悟し撤退する。 そんな中、ラザレガは商店街にて姉であるEllisを精神的に追い詰めたシェリーと対峙する、Ellisと「友達」になる為にEllisの周りの人間を狙うシェリーを討つべくその夜に廃校へと赴いたラザレガはそこでシェリーの罠に掛かり、感情や痛みを知らないラザレガにそれらを与える為の実験が行われる。 その最中、銀髪の男からラザレガの窮地を聞かされたEllisが駆け付けシェリーとの交戦を行うも、乱入した謎のVenomと融合したシェリーは暴走したその力により激しい消耗から撤退し、最悪の事態は免れたかと思いきや、Ellisとラザレガはそのまま互いの望みの為に戦闘を行い、EllisはペインVenomに感染しそのままアンプルに回収される形で決着となる。 その翌日、Venomの残党を駆除していた神凪の前に、神凪の扱うアクセル同様の音速域で動くことが出来るジェニファーが現れ、神凪にレース勝負を持ち掛ける…他のVenomと異なり純粋に実力の近い相手と遊びたいと考える一見無害なジェニファーだが、その影響で他者に危害が及ぶことも考えないという在り方から市街地から離れたサーキット場を舞台として後日レースを行うことを承諾して別れるのであった。 その一方で、Boostの副作用として体内にVenomを取り込んでいった結果、その末期症状である肉体の崩壊現象の影響で入院していた羽矢蔵の前に何者かから逃げ込んできた早乙女兄妹と遭遇する、神城夏希の死を知らない早乙女涼雅は夏希に頼みがあると言うが、神城夏希の死を告げられ動揺する中、狙われているのは自分だからと、兄である早乙女涼雅を置いて外へと飛び出すレイブンVenom=早乙女麗を追い、心身共に幾つもの傷を負いながらも早乙女涼雅はその場を後にし、二人を援護するために神野は羽矢蔵を含めた複数の駆除員に早乙女兄妹の捜索を指示するのだった。 ──── Main ジェニファーとのレース当日、サーキット場に訪れた神凪の前に現れたジェニファーは、神凪の本気と戦いたいという理由からレースの決着と同時にそのまま神凪のいた孤児院に向かい襲撃すると伝える。 公平な勝負がしたいと自身の特性であるジェットの能力を明かすと同時に始まったレース、アクセルとジェット、共に音速域で移動できるがその速度はジェットの方が上でゴールされると思った瞬間、何者かの狙撃によりジェニファーがコースアウトし、その隙にゴールした神凪の通信機に死んだ筈の神城夏希の声でジェニファーの能力を一時的に失わせたと連絡が入る。 勝負の邪魔をされたことに激怒するジェニファーに刃を向ける神凪だが、Lordの身体能力には適わず追い込まれていき、封印されていた能力も戻り絶体絶命と思われたその時、孤児院を守りたいという思いからBoostの真の力であるOverLimitを発動させ、ジェニファー同様飛行能力を得て空中戦を繰り広げ、互いに音速域という一瞬の判断の遅れが致命的となる世界で太陽を背に逆光でジェニファーの視界を奪うという策を取りジェニファーを撃破する。 それと同じくして、神凪の援護を終えた神城夏希は神城製薬を抜け出した美代聖樹に対し謝罪するべく廃校にて待ち続ける…夏希がその身に宿した紅牡丹の気配を辿って姿を現した美代に対し、深く傷付けたことを謝罪すれば美代もそれで良いと、夏希の手を取り共に神城製薬へと帰還する。 一方で商店街にいるシェリーとの決着を付けるべく岡村とラザレガは現場に訪れる…商店街にいた住人を操り襲わせ、街中に仕掛けた糸で狙撃を防ぎ、岡村とラザレガの二人を相手にその策を一つ一つ打ち砕き、感情の無いラザレガではなく岡村を精神的に追い詰めようとするも、激しい怒りに燃える岡村は恐怖することなく攻める手を継続させるが、それさえもへし折ろうと最初から二人の攻撃は効果などなかったのだと告げるシェリーに、以前打ち倒した検体Fの残した黄金のアンプルを持った男が現れアンプルを岡村へと託す。 怒りをエネルギーに変えて威力を増すその特性と、Lordの力でシェリーに攻撃が通るようになったことに、相性が悪いと逃げ出すシェリーのその背へ怒りをぶつけるように街一つを消し飛ばすほどの威力の一撃を放ち、決着を付ける…その背後でラザレガは兵器としての己の価値を見失い始めていた。 早乙女兄妹の捜索に出た羽矢蔵の前に現れた葉村みくるは、普段の彼女ならば有り得ない言葉と共に羽矢蔵へと敵意を向ける…葉村みくるは既に死んでいて、目の前のそれはVenomであると割り切り戦う羽矢蔵だが、OverLimitを使う葉村に対し為す術が無くなると、既にOverLimitの発動条件の一つであるVenomの末期症状が起きている羽矢蔵は無力感からOverLimitを発動させ暴走する。 暴走する羽矢蔵を羽矢蔵碧流と認識できなくなったからか、羽矢蔵を正気に戻そうと動く葉村、二人の帰りが遅いことに電話をかけた巧、彼らの健闘の末正気を取り戻した羽矢蔵だが、今度は葉村が羽矢蔵の命を狙う…そこにシェリーとの戦いが終わった岡村達が駆けつけ、葉村がシェリーに操られていてシェリーは既に撃破したと、彼女を救う手段がない事を伝えれば、羽矢蔵は今度こそと、自分を殺して羽矢蔵が精神的に追い詰められればそれで良いと抵抗を辞めた葉村を討つと、精神世界にて正気の葉村みくると邂逅、彼女から願いと葉村の想いが込められた白銀のアンプルを受け取るのだった。 早乙女麗を見初めたウルフのLordである渡は、その欲求を抑えることなく開放し、執拗に早乙女麗を追い詰めその身を捕らえたその場に駆けつけた早乙女涼雅は、神城夏希というただ一人死んで欲しくなかった人間を失ったことに対する哀しみと空虚感、そしてその命を奪った根本にあるVenomに対し尋常ならざる憎悪を抱きOverLimitを発動させる。 自分の知っているVenomの能力をその身に発現させるという強力な力を扱い一時は優勢になるも、奥の手を解放した渡に敗北、それでも最後に残った早乙女涼雅が縋るべき生きる理由である麗を失うものかと、その場に居合わせた緇川と共に生身で挑むと、その最中完全にVenomと化した影響により生まれたアヴェンジャーのアンプルを麗の持つドライバーを使い変身、敵味方問わず全てのVenomを殺し尽くす為に暴走する。 Lordにも匹敵するアヴェンジャーの力で渡を追い込むも、理性の無い隙だらけのその状態を逃さず隙を突き逆襲する渡の必殺の一撃、その瞬間に早乙女涼雅の命と心を守る為身を呈して庇った麗は早乙女涼雅に対し生きてくれと願い、Venomでありながら側に置き妹として扱ってくれた彼に幸せだったと告げ白銀のアンプルを託す。 麗の遺したレイブンSoulと己のウルフを使い得た力を用い苦戦したウルフLordを撃破すると、全てのVenomを殺す為に慈悲の心を捨て姿を晦ます。 ──── epilogue 岡村が撃破したと思われたシェリーは咄嗟の判断で一命を取り留め、協力者の元へと向かう。 シェリーが合流したその協力者は、Ellisにラザレガの窮地を知らせた銀髪の男で、更なる力を求めるシェリーに対し用済みだと原初のVenomの贄として捕食させる… その銀髪の正体は、以前早乙女涼雅との戦闘で自爆攻撃を行い死んだ筈の根上淳であり、原初のVenomを手中に収める根上は「真の救星計画」の為に活動を開始するのだった── Next Episode 「目覚めるB/臆病者の戦い」
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安東女子プロレス 団体所属選手 正規軍 グラップラー蒼井率いる、本隊。 ベーオウルブス ”静かなる孤狼”神凪幽透が結成したヒール軍。 団体旗揚げ後、自らヒール軍を提案して結成する。 他●名 と書かれてる箇所は、NPC募集中の箇所です。 作っちゃってくださいな。 威厳L6 正規軍:グラップラー蒼井 ベーオウルブス:神凪幽透 威厳L5 正規軍:朝霧智子 ジェニファー・ハール ベーオウルブス: ジャイアント・ザ・レディ 威厳L4 正規軍:3名ほど ベーオウルブス:村上有紀 他2名 威厳L3 正規軍:神代さつき 安藤ゆうこ ベーオウルブス 朝倉葵:笠原 葉子 他2名 威厳L2 正規軍:TOMO 他2名 ベーオウルブス 2名ほど 威厳L1 PC達+1名ほど
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(ここにタイトル画像) 作: KP: 「REPLACE STEP」←前 次→「箱庭の怪物達にさよならを」 あらすじ ショートキャンペーン『君を神様になんてしない』の2作目。 天馬市で発生した変死体事件を発端に発生したと思われる噂話。 その噂こそ誰が呼んだか「喰霊回遊」 神凪 彰率いる探偵団はその噂話の調査に乗りかかるが、その最中“人成らざる敵意”と邂逅する事になるのだった―― 登場キャラクター メイン 神凪 彰 森近 颯二郎 星住 叶奈 星住 理奈 サブ フォックス 平塚 紫 ジャイロ ジョニィ ジャイロ FC-SLα(ナナヒト) SLγ(ミーナ) ほか 関係性の変化/特筆事項など イメソン 神様のシンドローム/彩音 videoプラグインエラー 正しいURLを入力してください。 アーカイブ
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【名前】姫宮桃子(ひめみや ももこ) 【容姿】菫色のツインテール 152cm 【所属】阪神 【利き腕】右右 【守備位置】先発 【背番号】18 【能力】オーバー44(西村聖) 148km/h スタB コンE 対ピンチA 奪三振 勝ち運 根性○ 闘志 四球 乱調 短気 安定極端 カーブ2 フォーク5 【年齢】23 【球歴】高卒 【性格】 明朗活発で、感情の振れ幅がデカ過ぎる。また誰とでも打ち解けるコミュニケーション能力を持つ。 【その他】 天海や神凪の同世代であり、○○世代と付くなら彼女の名前が入る。元々は地元オリックスファンで指名の際も入団するかどうかで迷っていたが、天海や神凪に説得されて入団を決意した。 一度夢の150km/hをマークしたが、スピードガンの誤作動と言う事が判明。また、身長が低い為に長身選手にはよく弄られている。
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概要 鬼守衆とは、レイトンに存在していたといわれる集落である。 真説妖狩巫女伝奇で語られているが、あまりにも昔のことということもあり、はっきりとした資料がほとんど存在せず、伝説や伝承に頼る部分が多い。 レイトン115年頃に、妖狩の里と呼ばれる集落と共同で、激しい戦いを繰り広げたが、滅亡したと記載されている。 他の妖狩の里や朱竜族の結末が不明なのに対して、早い段階で滅亡したこともあり、鬼守衆の里の壊滅は記録が残っている。 伝承によると、鬼と呼ばれる妖者(=魔物)を撃ち破り、部下として使役することで戦っていた一族だが、里の内部で反乱が起き、鬼の裏切りにあって里は半壊、この弱体によって周囲の妖者の侵攻を防げなくなり壊滅したという。 神凪珀 神凪零 霧島彩花 紅犀鬼 蒼龍鬼 黒曜鬼 関連項目 妖狩の里
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『カ』 怪盗零面相 カイミ・スラク 牙王 輝きの赤 カグヤ 風見鶏 ガシャロ・アルグシャルズ “語り手” ガブリー カミオ&オミカ 神条院 茨 神代龍雅 上水流 カオリ 神凪 世界 神谷玲奈 金好&コチニール カリス カリオストロ カルミア カレッタ・マルセウス ガートルッド=エリッド 観楽亭三味線 神凪 京子 葛西 亮 神裂 翼 カイル・グレイロード 『キ』 喜助 キーナ 鍵・鸞 如月 輝 樹助 木元桜雅 キリコ 桐嶋廉儀 キル キング 銀子 菊落逝音 キョーコ・ミハイロフ 『ク』 くー クヴェル 草陰ハル 九分繰 久連乃 クラウス・アヴィット グランツ グリューネワルト=Z=風花 クルーエル クルス クレセント 紅 雪希 クロ クロイツ クローサ=セレズニア クロト クロル 葛葉 健一 黒羽 璃王 黒瀬 幸一 黒澤 我信 黒妙 ヨスガ 『ケ』 ゲーティア ケイ 激流 ケリー・バーンズ ゲルデナ 『コ』 紅閻寺 レン 木谷 翔 梧堂 渉 駒形 寧夢 コルプ・イルーシュタイン コルル
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登録日:2009/08/26(水) 21 06 33 更新日:2023/03/09 Thu 09 40 58NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 07年春アニメ GONZO TRPG アニメ シャナではない ドラゴンマガジン ライトノベル 仙人 作者急逝 富士見ファンタジア文庫 富士見書房 小野大輔 山門敬弘 未完 概念系能力 炎 納都花丸 藤村歩 風 風のスティグマ 風の聖痕 事件は凄腕の 風術師 八神和麻が四年ぶりに帰国したと同時に起こった。 古より日本を陰から支えてきた 炎術師 の一族神凪家の術師が、次々惨殺されたのだ。 疑いの目はかつて一族から追放された和麻に向けられるが……。 風の聖痕(スティグマ) レーベル 富士見ファンタジア文庫 著者 山門敬弘 イラスト 納都花丸 本編6巻 短編6巻 第13回ファンタジア長編小説大賞準入選作品。 著者が亡くなったため絶筆。 最新刊である短編第6巻が2010年3月に発売、長編第7巻として準備中であった未完成の遺稿が収録された。 著者は執筆中に白血病であることを公表しており、あとがきではその経過が記されていた。 退院はしたものの闘病は続いていたが、2009年7月20日に病没。ご冥福をお祈りします。 ■主要登場人物 八神和麻(ヤガミ カズマ) CV.小野大輔 主人公にして今作最大のチート野郎。最強の風術師。 神凪宗家の嫡子として生まれ様々な才能に恵まれていたが、神凪が誇る“炎術”に関しては全く使えず、 炎術を最強と思っている一族からは無能呼ばわりされていた。 故に勘当され、以降八神姓を使っているが実態は宗主のヒモ。 本来の風術師は戦闘向きではなくサポートの方に優れているが、 神凪の血が影響してるのか、風術の常識を笑ってしまうくらい軽く覆しており、無茶苦茶強い。 しかも風の精霊王と契約しており、彼を知る者は世界最強の風術師と称える。 精霊王の力を使う時は目が蒼くなる。 性格はハッキリ言って外道。女癖は能力が開花しなかった時期から悪く、勘当された当時付き合っていた彼女を捨てて国外逃亡し現地で新しい恋人を作った。 『ボランティアは金持ちの道楽』と豪語し、基本方針は『敵対するもの老若男女平等に皆殺し』。1巻では黒幕に操られた面々を煉の眼前で粛清。後述する亜由美の一件があったにもかかわらず敵に操られた煉の友人を躊躇なく殺そうとし、煉に怒られるのが面倒という理由で気絶に留めた。 また5巻では復讐の為にヴェルンハルトから能力を与えられた若者を多数廃人に追い込み、ストーカー被害に遭う七瀬を利用して内海をおびき寄せ、彼女を警護していた霧香の部下(とアニメ版ではキャサリン)を返り討ちにする等、凡そかつて虐げられ恋人を失ったとは思えない非道な行為を繰り返した。だが主人公補正で誘拐ほう助、脅迫傷害殺人、公務執行妨害等には一切問われなかった。 皮肉屋・自己中心・軽薄・怠惰と絵に描いたような人柄で、自分で動く必要が無いときは主に他力本願。 真正面から敵に戦おうとはせず、それどころか不意打ち、 人質をとる、味方を騙す、敵前逃亡を必要ならば何のためらいも無くやる。 ただ、そういった外道戦法をとるのは本人の性格というか趣味みたいなものであり、 戦闘力自体は世界最強の風術師の何恥じずチートレベル。 具体的には 相手が発生させた五本の竜巻に対し、ダウンバーストで破壊して術者にもダメージを与えた(同じような竜巻を生み出すのは無理だったので、風術を下降気流の勢いで威力を増加させた)。 周囲100km単位の風を操り空間内の妖魔を浄化する。 ミサイル1ダース+サブマシンガンの雨を食らっても無傷。 文字通り光速で飛んでくるレーザー光線を認識した後、風で切る(アニメ版では風の結界で弾いている)。 ってか風で空間を切る。 ついでに人の首も切る(アニメ版ではやっていない)。 空を飛べるのにバイクで走行する一般人を攻撃しバイクを強奪(アニメ版ではry)。 とわりとやりたい放題だが相手も同じレベルでチートなので無双と言うほど無双してなかったりする。短編では雑魚ばかり相手をするので探査能力をほとんど活かせていない。 仕事も楽して儲けるがモットーだが、一度契約した仕事は解雇されない限りやり抜くプロ。え?1巻冒頭で雇い主をわざと見殺しにして倍の料金脅し取ってたって? 己の実力は軽視しないし過信もしない。え?2巻冒頭の宴会で自分がやったジェノサイドを声高に自慢してたって? このように原作ではやりたい放題のクソ外道なので、アニメ版では目に余る外道行為は控えられ多少善人寄りの性格に変えられた。また盗撮犯が撮影したビデオをこっそり見ようとするなどムッツリスケベなシーンが追加されている。 4年前綾乃に敗れた件は全く意に介しておらず、彼女の扱う紅炎に興味を抱く程度。 また、綾乃が陰陽師の次男と見合いをした時は相手の前で綾乃を抱き締めて挑発、学園へ護衛に就く場合も彼女との密着度を周囲に見せつける等、綾乃を自身の所有物として扱っている描写が多く見られる。 神凪綾乃(カンナギ アヤノ) CV.藤村歩 神凪次期宗主として期待されている16歳の女子高生。 12歳の時、一族の宝剣・炎雷覇(えんらいは)を継承している。そこ、シャナ言うな。 外見は「光り輝くような美少女」で、学校で彼女に一目惚れする者は跡を絶たないが、実の所性格は単純かつ短気。 どれぐらい短気かというとナンパ男をフルボッコして時には相手の睾丸を潰してしまうくらい。 素の顔を見せるのは家族や親友など一部の者に対してだけで、 普段は猫をかぶって良家のお嬢様を完璧に演じている(ただし綾乃には演じているという自覚はないらしい)。 火力は非常に高いが細かい技術は苦手。体術も優秀だが経験不足なせいか、結構負けている。 とはいえ亜音速の雷球を体術のみでかわせるあたり常人でないことは確か。 格上の相手と戦う事で着実に成長している。 神炎(もどき)は紅色。 和麻にはツンデレ。直前まで一族の仇と憎しみを抱いていた相手なのだが和解した途端にデレた。 実力的には神凪のNo.3だが、上二人には大きく引き離されている。どのくらいかと言うとNo.2の厳馬は、綾乃の10倍は強い(控えめな評価)。 アニメではヒロインらしくパンチラというかパンモロ担当。原作では編集の意向によりパンチライラストは一切ないが、一度だけパンチラ描写があった。 原作は原作で和麻や資料室の爺からセクハラ・モラハラを一身に受ける苦労人。 神凪煉(カンナギ レン) CV.森永理科 和麻の弟にしてショタ。ヒロインの綾乃よりもヒロインっぽい男の子。 1巻の時点で主人公を泣き落とす、ホテルのスイートルームで主人公と一夜を明かす、 敵対勢力にさらわれる、そして主人公に助けられる、とヒロインフラグを立てまくった。 浄化の金色の炎を使い、作中では綾乃にできない妖魔だけを焼き尽くすことも可能になる。だが後に火力不足が露呈、活躍はこれっきりとなった。 3巻では実質的な主役であり、人間的に大きく成長した…かに思えたが、やっぱり敵にさらわれたり、和麻の暴走を止めると言い張るもいざ当人と対面するや二度も言いくるめられ戦意を喪失したり、 隣の国からやってきた同級生が帰国する際に「二度と会えない」と勘違いして泣き出したり、 そばで綾乃が面倒ごとに巻き込まれてもため息ついて何もしなかったりと、むしろ諦め癖が目立つようになる。 しかしそこは武闘派一派の若君、大人の歯をワンパンで砕いたり公然で不良の胸倉を掴んで失禁させたりと格下の敵には容赦ない。 ホモダチとか老師とか友達が結構ブットビ。 神凪重悟(カンナギ ジュウゴ) CV.てらそままさき 綾乃の父親にして、神凪現当主。交通事故で両足の自由を失っており、第一線を退いている。 長編では渋くて話のわかる親父だが、短編だと親バカで和麻と綾乃をくっつけるため色々画策する。 暴走した和麻を説得できなかったケースを考えていなかったり、ベリアル召喚を予想していなかったり、 街で起こっている怪奇現象の解決に権力を使わないなど、いまいち当主としての能力を見せていない。 神凪厳馬(カンナギ ゲンマ) CV.小山力也 和麻と煉の父親で、現役最強の炎術士。和麻いわく、炎雷覇をもった綾乃の倍強い。 その強さゆえか、一巻で和麻に病院送りにされて以降、治療や出張で出番があんまりなかったりする。 退院後まもなく暴走した息子の処理を投げっぱなしにするのは現役最強としていかがなものかと。 橘霧香(タチバナ キリカ) CV.大原さやか 2巻から登場。日本唯一の公営退魔組織「特殊資料整理室」の室長を勤める美女。 2年前ロンドンで復讐鬼だった頃の和麻と出会っている。 探査能力に長けるが、攻撃力に欠ける特殊資料整理室の欠点を補うために、神凪と共同戦線を張ることが多い。 ぶっちゃけ言うと仕事は全て神凪や和麻へ丸投げし、仕事時間中に繁華街喫茶店に入り浸っていたり、 殺人事件の現場封鎖や指揮や野次馬の避難誘導や人質の安全確保確認etc.は一切やらず重悟の愚痴聞き役をしたり、 和麻とつるんで綾乃をからかってストレス解消してたり…と働いている描写がほとんどない。 公僕としてそれでいいのか。 久遠七瀬(クドウ ナナセ) CV.伊藤静 2巻から登場。綾乃の親友で陸上部の花形選手。原作では途中から綾乃が能力者と知るが、アニメでは最初から彼女の素性を知っている。 いわゆる「ヅカ系」のボーイッシュな性格で同性からの人気が高い。 同級生の内海からストーキングされ、一旦は綾乃の助力で追い払うも能力者化した内海に囚われ操られてしまう。 彼女のボンデージ姿は必見。 篠宮由香里(シノミヤ ユカリ) CV.猪口有佳 2巻から登場。綾乃の親友で新聞部部員。漫画版ではぼっち飯をする綾乃に声をかけ、彼女と友情を築いた。 情報通で好奇心過剰なところがあり、七瀬が囚われた際もリサーチのため自ら首を突っ込み内海に捕まってしまう。 このとき超タイト丈のメイド服を着せられたが挿絵はなく、アニメ化の際にようやく日の目を浴びた。 なお短編で騒動が大きくなるのはだいたいこいつのせい。 大神操(オオガミ ミサオ) CV.植田佳奈 2巻ヒロイン。神凪一族の末席に名を連ねる大神家の娘。 1巻の騒動で兄弟を失い、その渦中にいた和麻を逆恨みしていたところを「天使」を自称する少年に誑かされ、和麻への復習のため実父を含む多くの人々を死に至らしめる。 子供の頃にいじめられていた和麻を救ったことがあり、和麻はその恩があって操を討たなかった。 その後なんらお咎めもなく出家して尼になる。 石蕗亜由美(ツワブキ アユミ) CV.酒井香奈子 3巻ヒロイン。地術師・石蕗一族によって生贄用に作られたクローン。 脱走したところで煉に出会い二人で海を見に行ったりした。 わずか1ヵ月で無理矢理12歳まで成長させられたため非常に短命。 富士山の魔獣との戦いで煉のために自分の力を使いきり、煉の手の中で息絶えた。 登場はわずか1巻のみだが、その後も彼女を思う煉の描写が度々登場する。 実は彼女と出会う以前に煉は亜由美そっくりの妖魔(未来の悪夢)に襲われ、あっさり倒している。 翠鈴(ツォイリン) CV.牧野由依 和麻が神凪から逃げた先の香港で知り合った恋人。 和麻と幸せな普通の生活をしていたが、アーウィン・レスザールによって魔術儀式の生贄となった。 1巻から度々名前は出てくるが、本格的に語られるのは4・5巻の万魔殿編である。 だが肝心な和麻と出会った経緯、生贄にされた理由が語られることはなかった。 アーウィン・レスザール CV.小西克幸 魔術結社アルマゲストの首領で世界最高の魔術師。 本編開始前に翠鈴の仇として和麻に殺害されている。 ヴェルンハルト・ローデス CV.堀内賢雄 4巻に登場するアルマゲストの評議会議長。 ヴェサリウスと名乗って、日本でインターネットを使った妖魔憑依実験を行った。 ラピスともども和麻との決着は付いていない。 ラピス CV.牧野由依 翠鈴の残留思念からヴェルンハルト・ローデスが作りあげた人形。巨大な剣で都庁をぶち壊した。 和麻は暴走から立ち直った後も彼女を綾乃から庇ってしまい、過去を完全に振り切れない様が窺える。 凰 小雷(ファン シャオレイ) 6巻に登場する風術師の大家、凰(ファン)家の娘。 神器を狙う者達のことを神凪に伝えようと密入国してきた。 風の神器・虚空閃を所持しているが正式な継承者ではない。後に和麻によって略式の継承が行われた。 壊滅的な貧乳。そして和麻に胸をグリグリと踏まれた。 ちなみに小雷は本名ではない。 ゴート 遥か昔に絶滅したと言われるの精霊喰いの男。 6巻の黒幕であり、結局こいつに関しては多くの謎が残ってしまった。 キャサリン・マクドナルド CV.たかはし智秋 アメリカの炎術師の名家マクドナルド家の娘。 最強の称号と神器・炎雷覇を求めて来日する。 短編集に二度出演しただけのゲストキャラクターだったが、 アニメでは準レギュラーとして特殊資料整理室のメンバーと行動を共にしていた。 コンヨーク。 柊太一郎 短編2巻以降に登場する綾乃の後輩。 物語開始早々綾乃に告白し玉砕。由香里から和麻が恋人だと唆され、なんやかんやあって綾乃の素性を知るも彼女を慕い和麻を敵視する。 以後も由香里と和麻にいじられ、煉を女と勘違いし危うく惚れかけたりするが、どうにか綾乃とデートできるまでの関係になれた。 アニメ 2007年4月より9月まで放送。タイトルが『風のスティグマ』とカタカナ表記になっている。全24話。アニメーション製作はGONZO。 基本的に長編の1~5巻をベースに途中に短編が挿入されている形。 この時期のアニメらしく細かい改変は多めで、原作では絡まないキャラが先に出てきたり、1巻の封印された『神』が『妖魔』になっていたり。 ちなみに1巻のラストバトルの舞台となった京都北西の山である愛宕山山頂では実際に火の用心の御札が買える。 ネット上ではシャナのパクリと謂れなき叩かれ方をしていたが、実のところ原作1巻の刊行はこちらの方が約十ヶ月早い。 シャナは刊行ペースがかなり早かったので(本作も2007年までは順調に刊行していたがそれより早い)、ラノベヲタでもシャナが後なのを意外に感じた人は割といるかも。 TRPG F.E.A.R.社の汎用システム「スタンダードRPGシステム(SRS)」の流用作品(SRS同士で互換性があり混合してプレイ可能)の一つとして『風の聖痕RPG』が2007年に発行されている。 追記、編集をお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 作者が病没してしまい、もう二度とこの人の作品を見れないと思うと時折悲しくなる・・・ -- 名無しさん (2013-11-28 18 54 52) 煉君って和麻がコントラクターって 見抜いたり 実はあの一族で一番有能かと思った -- パキスタン (2013-11-28 19 03 51) TRPG版はSRS使ってるんで普通に遊べる良作 -- 名無しさん (2015-01-15 21 07 46) 原作は、ドラゴンボールでいうとベジータとナッパが来襲してこれからサイヤ人編、ってとこで絶筆なんだよな。話が広がろうというところで惜しい作品だ。 -- 名無しさん (2015-02-10 23 02 43) 風属性の理不尽な弱体化にビックリしたのを覚えている。 -- 名無しさん (2015-06-23 02 57 18) 作者が亡くなったから憚れるけど、正直ストーリーは褒められたもんじゃないと思う。 -- 名無しさん (2016-02-21 17 15 50) 好きだったけど、今でいうところの最低系や俺tueee系的な要素もある作品だからねえ -- 名無しさん (2016-07-04 20 23 53) 正直小説レベルはなろうの域を出ない。 -- 名無しさん (2017-07-26 11 56 47) シャナのパクリと叩かれたのはどの辺りなんだろうか。精霊王と契約して、目の色が変わるから? -- 名無しさん (2017-07-26 19 16 55) 原作は読んだことないけどアニメと二次SSは多少知ってるって人は結構いるかも -- 名無しさん (2017-07-27 23 56 56) やたらとダーティな主人公を持て余して気味だった。戦闘描写はよかった気がするけど -- 名無しさん (2017-07-28 00 53 27) 続きが出るの聞かないなと思ったら亡くなってたのか… -- 名無しさん (2017-09-27 10 11 40) 翠鈴の件とか精霊喰いの件とか伏線ばらまきまくってたとこで絶筆だからなあ… -- 名無しさん (2021-01-19 20 50 25) 富士見ファンタジア文庫のソーシャルゲームの参戦希望ランキングで11位にランクインしてて、愛された作品だったことを感じて泣いた。・・・可能性低いとは思うけどでも、あわよくば参戦してくれないだろうか。 -- 名無しさん (2021-02-28 19 04 06) 名前 コメント
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読者の皆様へ。 本作はハッピーさんの作者が執筆しております。 しかし、この作品は第一話に引き続き、ファイのプロローグ、ジョン・ドゥのプロローグの設定に準拠しております。 …そして、 山乃端万魔のプロローグ及びすーぱーブルマニアンさん十七歳のプロローグとも繋がっております。 数多のキャラクター達の世界と完全に地続きの物語としてお楽しみください。 + つまりどういうこと? ハッピーさん:ファイの守っていた山乃端一人を護衛に向かい、典礼を撃破(第一話)。山乃端一人が複数存在することを知り調査を始める。 ファイ:『大体何でも屋レムナント』として、アグレッシブな山乃端一人を護衛中。 ジョン・ドゥ:シスター服姿の山乃端一人を護衛中。我が花嫁として丁重に扱う。山乃端一人に害するものは容赦しない。 山乃端万魔:囲碁部の山乃端一人の親友。父親であるクリスプ博士と離反してでも山乃端一人は守りたい存在。 すーぱーブルマニアンさん十七歳:変態から守ってあげた少女が山乃端一人であった。変態は私のことではないぞ!悪しからず! ◆◆◆ 魔人警察の一室に、タイピング音と資料をめくる音が響く。 「だ!終わりが見えねえ!!」 大量の書類とデータを相手に格闘するのは、金髪の大男。 魔人警察に属する警部、遠藤ハピィ。通称ハッピーさん。 山乃端一人の調査のため、彼は魔人警察に保管されている膨大な資料をあさっていたのだ。 「ハピィ警部、お疲れ様です!」 「お、サンキュ。でもハッピーさんでいいぞう。」 協力してくれる部下の差し出してくれたコーヒーをグイっと飲み干し、またしても書類に向かう。 山乃端一人。 自身の死をトリガーとして災厄を引き起こす魔人能力者。 彼女を保護することで災厄を事前に防ぐことが出来る。 「…と考えて『大体何でも屋レムナント』に保護された山乃端一人を迎えに行ったのによぉ…」 そう。山乃端一人は一人ではなかったのだ。 ジョン・ドゥに守護されたシスター服姿の山乃端一人の出現により事態は大きく変わってしまった。 【山乃端一人は一人ではない】 それを前提に調べ始めたら、山乃端一人の気配が東京中に転がっていることに気づかされた。 「死が災厄を呼ぶ少女なんて大々的に知らしめるわけにはいかない!」と理性に基づいた最少人数での対応が各地で行われ、結果として全体共有が出来ていなかったのだ。 「スカイツリーの黒龍も山乃端一人絡んでいるのか?列車でのデモンスレイヤーによる無差別殺人は?東京タワーでの寿司テロは?…クソ!俺一人じゃどうにもならん規模だぞこれは!!」 ハッピーさんは、事実の解明と協力者の選定を急ぎ進める。 これは徹夜の作業になるか。そう覚悟を決めて動き出したところに、部下の言葉が飛び込んできた。 「ハッピーさん。どうしてもお会いしたいという方がいらしています。山乃端一人の件とのことです。」 「…!?通してくれ。」 急ぎ面会を許可したハッピーさんの前に現れたのは、瓜二つの顔を持つ二人の少女。 山乃端一人と山乃端万魔であった。 「ここにも山乃端一人かよ…!」 ◆◆◆ またしても山乃端一人。 一体何人山乃端一人がいる?護衛しなくてはならない対象はどこだ? この二人は何をしに来た? ハッピーさんは高速で思考を始める。 そんなタイミングに、ハッピーさんの携帯がけたたましく振動をした。 「…こんなタイミングに誰だよ…って、ウゲェ…」 携帯のディスプレイに表示される通話相手の名前に顔を歪めながら、ハッピーさんは電話を取った。 妙にハキハキとした声が部屋中に響き渡る。 「ハッピーさん!お久しぶりですー!少女の味方!ブルマニアンです!」 「…切るぞ。」 「ヘイヘイヘイ!ストップ!山乃端一人!山乃端一人の案件に私も絡んでいるんですってば!」 ブルマニアンが山乃端一人の案件に絡んでいる。 この事実にハッピーさんは一瞬だけ眉をひそめたが、すぐに思考を改めた。 確かにブルマニアンは変態。ハッピーさんとは別ベクトルで組織活動が出来ないタイプであり、同じ魔人警察ながら相性が良いとは言えなかった。 しかし、その正義感に関しては疑うところがない。 ブルマニアンが少女を守ると口にしたならば、それが破られたことは無かった。 「…マジか。どんな感じで。」 ブルマニアンはこれまでの経緯をハッピーさんに語る。ハッピーさんも情報を提供する。 互いの立ち位置が明確になったところで、話は次の段階へ進んだ。 「なるほど。お前がこの二人のお嬢ちゃんを俺のところに寄越したのか。」 山乃端一人と山乃端万魔。 彼女たちは池袋での騒動で仙道ソウスケに襲撃された。 紆余曲折あってなんとか窮地は脱したものの、組織だった襲撃の恐ろしさというものを嫌というほど痛感した。 個人では山乃端一人を守り切ることはできない。 そう感じた山乃端万魔は、組織の力を頼ることにしたのだ。 最初は警察に頼ることに不安を感じていたが、当の魔人警察に囚われ収監されている父親、クリスプ博士の 「山乃端一人の件に関して、魔人警察は味方のようだ。悪用しようという気配がない。」 という言葉を信じて魔人警察に出頭。対応したのがブルマニアンだったのだ。 「その通り!私も山乃端一人の護衛をしているけど、複数守るなんて無理無理。というか複数いるってことにビックリ。今、魔人警察で信用出来て、山乃端一人の件に絡んでるの、ハッピーさんくらいしか思いつかなくて!」 ハッピーさんは山乃端一人を守るため、典礼と代々木公園で派手に交戦した。 一般にその情報が漏れないように統制はしたが、裏、および身内に対して隠しきるのは難しく、ブルマニアンの耳に届いていたのだ。 「じゃあ、そこの二人についても話しちゃうね。」 ブルマニアンは続けて山乃端一人と万魔の情報も提供した。 ハッピーさんは新たに入った情報と、今目の前にいる二人、これまでの人脈、様々を加味し何をすべきか組み立てていく。深い思考に潜り込んでいくハッピーさんにブルマニアンがもう一声かけた。 「――最後、これが一番大切な話。」 ブルマニアンらしからぬ真面目な声色。 その声に本気を感じ取り、ハッピーさんは静かに言葉を待つ。 「あの(・ ・)憑坐 操(よりまし みさお)が、そこの山乃端一人を狙っているらしい。」 憑坐 操。その名を聞いた瞬間、ハッピーさんの獅子を思わせる髪がざわりと揺れた。 額にはハッキリと血管が浮かび、こめかみがぴくぴくと震える。 「あの(・ ・)憑坐が、か。戦後最悪の寄生能力者。人から人へ移り、数多の破滅をばら撒きながらも、魔人警察の追跡を躱し続けた厄介な腐れ外道…!あの野郎の痕跡を追うのは酷く困難なはずだが、どうやってその情報を?」 「宵空あかね…って名前でいっても分かんないよね。ちょっと前に、幽霊の女の子と知り合う機会があって。」 幽霊?とツッコミを入れたかったが黙って話の続きを待つ。 「彼女は幽霊だから、何かが憑いてる存在が分かるんだって。何かに憑かれた大男が、そっちの山乃端一人の写真を見ながら、『これが山乃端一人ねえ…新しい駒を確保してからヤッちまうかぁ…』って呟くのを聞いたとか。彼女は山乃端一人って名前に反応してコッソリ写真を覗き込んだけど、自分の知ってる山乃端一人じゃなかったからそこで興味を無くしてそれ以上追いはしなかったみたい」 「何かに憑りつき、次の憑依先を物色し、山乃端一人を狙う存在…限りなくビンゴに近いな。あの腐れ外道がこちらの山乃端一人を狙っている、か。助かったブルマニアン!その情報があるかないかで全然違うぞ!」 「役に立ったなら良かった!じゃあ私は、こっちの山乃端一人の護衛があるので!じゃあね!正義執行(ジャスティス)!」 上司の決め台詞をパクったブルマニアンの別れの言葉と共に電話は切れた。 山乃端一人と万魔は、ブルマニアンとハッピーさんの通話を不安そうに見つめていた。 その視線に気が付いたハッピーさんは、頭を乱暴にガシガシと掻いた後、ニッと音が聞こえてきそうな笑顔で二人に向きあう。 「心配するなお嬢ちゃんたち!俺はこう見えてもプロだ!ああいう外道の考えることはよ~く分かる。お嬢ちゃんたちは俺が守って見せるさ!」 不安を与えない、風のような声だった。 「…ただな、それでも強敵が相手なのは間違いない…」 そうして万魔に真っすぐ目を合わせる。 「協力してもらうぞお嬢ちゃん。この戦いは、準備が肝心だ。これから作戦会議をする。やることをしっかり頭に叩き込んでくれ。」 「一人を守るためなら、俺は何でもする!」 「その意気だ!始めるぜ!…外道狩りを!」 ◆◆◆ 霧雨が降る午後であった。 魔人プロレス地方団体のエースである、リカルド権藤は特に何を想うこともなく商店街を歩んでいた。 この程度の雨ならば傘をさす必要もない。 そう考えながら進むリカルドの前を、少女がふさぐ。 プロレスラーとしての本能。リカルドは瞬時に筋肉を緊張させた。 肩まで垂れる三つ編みにしたおさげが軽く揺れる。 「リカルド権藤さんですよね!?ファンなんです!サインをいただけませんか!?」 ファンに対して一瞬警戒をした己を恥じ、リカルドは応じる。 「…あ、でも、この雨でサインが濡れるのは嫌だから、屋根のあるところに行きませんか?すぐそこに倉庫があるので…」 少女の提案を受け、リカルドは倉庫に歩みを進めた。 倉庫、という点を少し怪しくは思ったが、少女の挙動に怪しいものはなく、殺気のかけらも感じなかったため杞憂と判断した。 仮に何か罠のようなものがあったとしても、自分ならば問題なく対処できるという自信もあった。 しかし、その自信は慢心であった。 「…は?」 倉庫に踏み入れた瞬間、リカルドの二の腕に深々と光の剣が突き立てられた。 予兆…というより殺気は一切なかった。日常の一部、トースターから焼けたパンを取り出すかのような気軽さで光芒一閃(サンライズ・セイバー)は発動していた。 リカルドの腕には剣が突き立てられたというにもかかわらず傷一つない。 それでも筋肉を切り裂かれる痛みだけはリアルなものとして襲い掛かって来ていた。 そう。リカルドを誘った少女の名は光芒一閃(サンライズ・セイバー)の使い手、神凪ひかり。 少女は何でもないことのように、再び光の剣を振るう。 しかしリカルドとて魔人プロレスのエース。 瞬時に精神を立て直し、豪風のような一刀を躱す。 そしてそのままの勢いで膂力に任せたボディーブローを神凪に叩きつけた。 神凪の左あばら骨がベキベキとへし折れる音が倉庫に響く。 何本かの骨は内臓に突き刺さり、妙に鮮やかな血が彼女の口から吹き出た。 リカルドは神凪をここで殺すつもりはなかった。 ボディーブローの痛みで動きを止めたところで、関節を決め警察に引き渡すつもりだった。 ――その優しさを弱さと呼ぶのは酷というものだろう。 神凪ひかりは、内臓を痛めつけるほどの一撃を受けたにもかかわらず、少しも動きを止めなかった。 すぐさま光芒一閃(サンライズ・セイバー)を振るい、光の剣をリカルドの脳髄に突き刺した。 光芒一閃(サンライズ・セイバー)は生物を斬っても傷が入ることはないが、斬られたことによる痛みは伝わる。 脳に直接伝わる痛みという、未だ経験したことのない激痛を前に、リカルドは意識を手放した。 地に伏す大男を、神凪ひかりは、否、憑坐 操は歪んだ笑顔で見下ろすと、ゲラゲラと笑った。 「やっぱりこの体はなかなか優秀だあ~。見た目の割に能力の出力が高いから良い感じに不意打ちが出来るなぁ!」 倉庫で起きた一瞬の凶行。 その一部始終を、体の中から(・ ・ ・ ・ ・)見ている存在があった。 それは、精神牢獄(マインド・バインド)に囚われた、本物の神凪ひかりの精神。 まるで巨大ロボットに乗った操縦者がコクピットから外部を見るような感覚。 映画のスクリーンよろしく目の前に展開された映像に、神凪ひかりは涙をこぼす。 「やめて…もうやめてよ…私の体で!これ以上酷いことしないで…!」 リカルドの一撃による痛みを全て押し付けられ、口から血を吐きだしながらも、彼女は懸命に目の前の外道に抗議をした。 「うるせえなぁ~~??ま~だ学習しねえのか?」 相対するは憑坐 操の精神体…という名の本体。顔には意地の悪い笑顔が張り付いている。 弱者の命をもてあそぶことに愉悦を感じる者特有の、歪んだ笑顔だった。 キヒっ、と一つ笑うと、憑坐は神凪ひかりの体を操りナイフを一つ取り出した。 その様を精神体の神凪ひかりは内部から見ていることしかできない。 「いや…やめて…それだけは!」 少女の必死の懇願を無視し、神凪ひかりの首筋にゆっくりとナイフが深々と突き立てられた。 「あ…ぐげぇ…!」 憑坐が憑りついた宿主への痛みは、内部にいる寄生された被害者の精神にフィードバックする。 リカルドの一撃による痛みのときと同様、神凪ひかりの精神体の喉元がゆっくりと切り裂かれ始めた。 ゆっくりと、ゆっくりと刃が進んでいく。 ごぼごぼと口元から血の泡が吹き出て、少女らしからぬ蛙が潰れたようなグゲェという悲鳴が零れた。 そうして、酷い痛みと屈辱の中で神凪ひかりは息絶えた。 その瞬間、彼女の肉体からずるりと憑坐が這い出た。 憑坐 操は、寄生先の宿主が息絶えると表に出てくるのだ。 しかし、憑坐は少しも慌てず、再び神凪ひかりの死体に憑りついた。 するとどうだ。神凪ひかりの首元の傷も、あばら骨の粉砕骨折も、まるで無かったかのように治癒をした。 これぞ、精神牢獄(マインド・バインド)最大の特徴。 憑坐は死にたてであれば、死体であろうと強制的に治癒・生存させ、寄生することが出来るのだ。 寄生するにふさわしい強力な宿主に寄生するにはある程度痛めつけなくては憑りつく余地がない。 仮に多少やりすぎて殺してしまったとしても問題なく憑りつけるように、最悪の蘇生能力が備わっているのだ。 そしてこの能力は、宿主を屈服させるためにも使われる。 自殺、生存、自殺、生存を繰り返し、死の絶望を何度も与えることで反抗心を刈り取るのだ。 「…あ…はが…」 自死からの強制的な蘇生により、焦点の合わない目でぜひゅーぜひゅーと荒い呼吸をする神凪ひかり。 「キヒヒ!お前さん、結構タフだねえ。何回死んだ?これだけ死んで、まだ反抗的な目を出来るやつは、そんなにいなかった!」 心からの賞賛を憑坐は繰り出す。 「そうだなあ…大体50人もいなかったんじゃないかな?」 さらりと憑坐は告げる。――いったいどれだけの宿主を踏み台にしてきたのか。 その悍ましい有様に、神凪ひかりは叫んだ。 「…人でなし!こんなことして…それでも人間!?」 神凪ひかりは、折れていなかった。 あばら骨を滅茶苦茶にされ、精神をズタズタにされて、何回も殺されて。 それでも彼女は闘志をもって憑坐に嚙みついた。 その闘志を、憑坐は酷く滑稽なものとして笑い倒した。 品のかけらもない笑いだった。 「ギャハ…!ギャギャギャハハハハァ!!まだ、まだ理解してなかったのかよ?おめでたいなぁ!お前、俺が、この俺が、人間に見えるのかい(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)?」 ――憑坐 操(よりまし みさお)。 正確には尸童(よりまし)と書かれる。祭礼に関する語で、稚児など神霊を降ろし託宣を授かるべく育てられた少年少女の意味だ。実際には「寄りまし」が語源とも言われているが、真偽のほどは定かではない。 なんにせよ、憑坐 操という存在は、『何か』を求めて祈り続ける尸童(よりまし)の懇願が歪んだ形で現実化した存在だ。ここまでして祈り、求めるならば、寄ります存在があってしかるべきだという人々の集合意識が生んだ邪念だ。 人々の願いに応え、降ろされたはいいが邪悪のまま振舞う怪異。 醜く歪んだ黒い流れ星。長年人々の祈りを糧に人から人へ憑りつき渡る大怪異。 それが憑坐 操の正体だった。 「ああー、笑った笑った。本当にお前は馬鹿だな…っと!」 憑坐は容赦なく神凪ひかりの精神を締め上げる。 「俺はお前の意識なんざいつでも粉々に出来るんだぜ?ま、リアクションが楽しいから生かしてやってるけどよ。もっと媚びな!犬っころみてえによぉ~!」 (ま、本当は意識を残してるのは痛みの生贄にするためだけどな) とことん神凪ひかりを侮辱しながら、憑坐は続ける。 「俺の目的はよぉ、死と引き換えにハルマゲドンを起こす山乃端一人に憑りつくこと…。俺の能力なら何度だって山乃端一人を殺せる!ハルマゲドンのバーゲンセールだ!死体の山の中から、せいぜい使い勝手のいい宿主を見繕ってやるよ!ギャギャギャハハハハァ!!」 濁った眼が神凪ひかりに向けられる。 「そうしてよぉ~、山乃端一人に憑りつくときには…お前は用済みさ。…今度こそ、完全に、死ぬ。俺に利用されたまま、一生陽の目を見ることも無く消滅する…」 その死刑宣告に、神凪ひかりはぶるりと震えた。 体の芯に、氷の柱を突きさされたような底冷えする感覚に襲われる。 「ほら、言ってみろよ?『命だけは助けて(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)』ってさぁ~~?ヒヒッ!」 それは酷く歪んだ、卑しい笑いだった。 「ほら、ほら、ほらほらぁ!芋虫みたいに這って、無様に媚びながら『命だけは助けて』って言ってみろ!」 ペッ、と一つ唾を顔に向かって吐きつける。 薄く濁った液体が、少女の頬を穢した。 「もしかしたらその滑稽さに俺様も絆されて、お情けをやるかもしれねえぜ?ウケケケケ!」 そんなはずはない。 こんなことを言いながら、結局は憑坐のような悪党は、宿主を無残に殺してから次に移るに決まっている。 懇願し、生を媚びたくなる欲求に襲われながらも、神凪ひかりは必死に己を奮い立たせ、何も言わずにキッと憑坐を睨みつけた。 「いいねえ~。その負けん気!その強情ごと、あとでぐちゃぐちゃに犯してやるから覚悟しな!」 言うが早いか、憑坐は神凪ひかりを蹴り上げ、腹を殴りつけ、後頭部を叩き気絶をさせた。 そうして、肉体の操作に戻る。 「イヒヒィ!」 憑坐は神凪ひかりの肉体を再起動させると、地に伏せたままのリカルドの頭部をグチャリグチャリと踏みつぶし、床の染みに変えた。倉庫中に血の嫌な香りと雨の湿気が満ちる。 「ギャハ!ギャハハハハァ!!お前らを踏み台にして、俺は先に進む!まだ、まだまだ先に飛べる!」 神凪ひかりの体で憑坐が笑う。 欲望に歪み切った笑顔が、少女の顔に張り付くさまはグロテスクと言っていいほどであった。 憑坐は自らの栄華を疑わずに笑い続ける。 先に広がる勝利と栄光の道を確信し揺るがない。 ―――憑坐は確かに恐ろしい存在だ。 長年、人から人に移り寄生し続けてきた。 狡猾にして残忍。悪辣にして陰険。人を利用することを一切躊躇わず、望むままに生きてきた。 彼を害することが出来る存在など、この世にほとんどいないであろう。 しかし、ゼロではない。 数多の人生に憑りついてきた大怪異を誅することの出来る者は存在する。 憑坐は知らない。 このあと彼が対峙する相手が、現代日本最強の「怪異殺し」であることを。 ハッピーさんであることを。 ◆◆◆ ハッピーさんと 外道の最期 ◆◆◆ 新宿。入り組んだビル街をハッピーさんと山乃端一人、山乃端万魔が練り歩く。 ハッピーさんの策はシンプル。 山乃端一人を囮にし、襲い掛かってきたところを仕留める。 大通りであれば罠を警戒し、あるいは逃走経路がないことに難色を示して憑坐は襲ってこないかもしれない。 しかし入り組んだビル街であれば逃走経路は十分用意されているし、目撃者も少ない。 襲撃には格好のスポットである。――だからこそ動いてくる。 そうハッピーさんは確信していた。 「…じゃあ事前の打ち合わせ通りに。」 山乃端一人と万魔は既定のルートを通る。 新宿のビル街は複雑怪奇かつ広大なので、いくつかのルートを組み合わせた動きをするだけで、自由意思に基づいて歩き回っているかのような印象を与える。実際はハッピーさんの規定した通りの動きをしているなど初見では見抜きようもない。 (こうして歩き回っていれば釣れる可能性が高いだろ…問題はどっちを狙ってくるかだな…) 二人の移動経路、タイミングを完全に把握しているハッピーさんは、敢えて二人から距離を取る。 監視の存在を感じられては、憑坐は釣りだせないと考えたからだ。 既定のコースをぶらつく山乃端一人と山乃端万魔。 位置を把握しながらも接触しないハッピーさん。 ヒリヒリするような時間が流れる。 (…まあ、いきなり奴が釣れるなんざ思っちゃいないさ。今日は駅中のベルクあたりで一杯ひっかけて帰るかな) 空が夕闇に染まり始めたあたりで、ハッピーさんは撤収を考え始めた。 その、ほんの少し、気が緩んだ瞬間。 側を歩いていた女学生が予兆を全く見せずに光の刃を振るった。 その凶刃を、ハッピーさんは当たり前のように受け止めた。 「…やるねえ…。どうして俺に気付いた?厄介そうな保護者から潰しちまおうと思ったが…初手を防がれるとは思わなかったぜ。」 「簡単な話だ。俺はお前みたいな外道の考えることはよく分かる。手を出しにくい、若い女性に憑依して不意打ちしてくることくらい読めてんだよ。…『怪しさのない若い女性』にだけ警戒を絞っていたってわけだ。」 ハッピーさんの答えに、憑坐は歪んだ笑みで返す。 「奇遇だなあ。俺もお前みたいな正義気取りは何人もぶっ殺してるから、考えがよく分かるんだよ…!」 人から人へ寄生する大怪異と、現代日本最強の怪異殺しの戦いが幕を開けた。 「こっちに出た。手筈通りに!」 ハッピーさんは開戦直後に一本の電話をかけた。 この電話が全ての結果を左右する一手であったことを、憑坐はまだ知らない。 ◆◆◆ 「オラァ!喰らえや!」 憑坐は神凪ひかりの能力を十全に使用し、『光芒一閃(サンライズ・セイバー)』を繰り出す。恐ろしい冴えを見せる光の剣がハッピーさんに襲い掛かった。 「『時よ止まれ、君は。(ファウスト)』!!」 しかしハッピーさんは動じず、光の剣を傷つけた瞬間に箱に閉じ込める。 『光芒一閃(サンライズ・セイバー)』は光を物質化し、干渉可能な存在とする能力であるが、物質化するという事は傷をつけられるという事。ハッピーさんの愛刀である妖刀武骨が煌めき、傷をつけ能力発動の条件を満たしたのだ。 光の剣が箱化したのに合わせて、ハッピーさんは憑坐の腹部に強烈な足刀蹴りを放った。 真っすぐに押し出すような動きをする空手の技が、憑坐の鳩尾に突き刺さるかと思われたが、僅か手前でハッピーさんの蹴りは動きを止めた。 『光芒一閃(サンライズ・セイバー)』の応用。 淡い光の防御膜で全身を覆い、守備力を格段に高めていたのだ。 それは、さながらエアバッグ。決まるはずであった一撃は幕に阻まれダメージとならなかった。 (チッ、攻防一体の能力か!相手にしにくい!) 内心毒づきながらも、ハッピーさんは顔色を変えずに憑坐を攻め立てる。 達人であるハッピーさんと、長年寄生を続けてきた憑坐が操る神凪ひかりの戦闘力は拮抗していた。 互いに決め手に欠けるまま、一進一退の攻防が繰り広げられる。 (いい宿主に憑いてやがる…。光を体にまとっているのか?箱化しようにも中身を巻き込んでしまう使い方は出来ない…どうしたもんかね) 攻め手を考えながら、ハッピーさんは再度蹴りを放った。 全身を覆う光の防御幕であっても、何発か撃ち込むうちに摩耗するのではないかと推察したのだ。 何回も蹴りと斬撃を入れることで防御のための光を削る。 それは作戦として正しかった。 神凪ひかりを相手にするのであれば、その戦法がまさに正着と言っていい一手だったであろう。 しかし、ハッピーさんが相手をしているのは神凪ひかりではない。 その中に巣くう、憑坐 操こそが相手なのだ。 ハッピーさんはその違いを理解しきっていなかった。 ハッピーさんの鋭い蹴りが叩きつけられる刹那、憑坐は『光芒一閃(サンライズ・セイバー)』による光の防御幕を解除した。 「な…!?」 憑坐のどてっぱらにハッピーさんの一撃が綺麗に決まる。 メキメキとあばら骨の砕ける嫌な感触がハッピーさんに伝わった。 ゴポリ、と嫌な赤色をした血潮が、憑坐の操る神凪ひかりの口から零れた。 「…どうして…?」 神凪ひかりが涙をこぼし、何故自分を痛めつけるのかと責め立てる。 ハッピーさんは世界一諦めの悪い男だ。 ありとあらゆる手段を用いて神凪ひかりを助けるつもりであった。 そのプランの中には、彼女を五体満足ではなく、ある程度負傷させてでも助け出す次善の策もあった。 ハッピーさんは、人質を傷つけてしまう事も覚悟していたのだ。 しかし、この瞬間、全く予想をしていないタイミングで少女を傷つけてしまったことに、愛と正義の人であるハッピーさんは僅かながら揺らいだ。 これが外道の策であると理解しながら、少女の涙に心を揺り動かされてしまった。 その、ほんのわずか生まれた隙をつき、憑坐はハッピーさんの側頭部に鮮烈なハイキックを撃ち込んだ。 意識が一瞬吹き飛ぶほどの一撃に足踏みをした瞬間を狙い、光の剣が四肢を傷つける。 拮抗していた攻防が一転、ハッピーさんは地に崩れ落ちた。 「キヒヒィィィィ!!言ったよなあ!?正義気取りの考えることはよく分かるってよお!」 崩れ落ちたハッピーさんに対し、何の容赦もなく追撃が行われる。 拮抗していた戦闘力。天秤が一旦傾いてしまえば、あとに待っているのは一方的な蹂躙であった。 ハッピーさんはなんとか攻撃を防ごうと努めたが、何もかもが一手遅い。 あっという間にハッピーさんの全身は血に染まり、肩で息をし始めた。 だが、それでもハッピーさんの表情に絶望はない。 圧倒的に不利な状況にもかかわらず、ハッピーさんは笑顔で話しかけた。 「俺は、言ったよな…外道の考えることはよく分かると…」 血にまみれながら言葉を紡ぐハッピーさんを、憑坐は嘲笑った。 「ああ、言ったなあぁ~。そして俺はこう返したぜ。『俺も正義の味方の考えることはよく分かる』ってなア!もう忘れたか?記憶が朦朧としてんのか?」 ハッピーさんの顔面に、容赦なく憑坐の蹴りが突き刺さる。 「お前みたいなタイプは、俺が憑いている少女を犠牲に出来ねえ!」 『光芒一閃(サンライズ・セイバー)』がハッピーさんの内臓に、切り刻むかの如き痛みを与える。 (コツはよお~、嬲ってやることだ。『このままだと死ぬかもしれない』と思わせたら、この宿主の命を無視して襲ってくるかもしれないからな~。じわじわ痛めつけて、抵抗心を削いでやるよ!) 「ギャギャギャハハハハァ!お前のようなお人好しは!俺みたいな悪者に利用されるって決まっているんだよ!」 容赦ない暴力がハッピーさんを打ち据える。 それでもハッピーさんの目の光は一向に濁らず。 血反吐を吐きながらも、ハッピーさんは言葉を紡いだ。 「何度だって言うぜ…俺はお前みたいな外道の考えはよく分かる…。『嬲ってやればいい』とか思ってんだろ?外道はいつだってそうだ。一方的に相手をいたぶることに夢中になる。」 憑坐は、この期に及んで余裕を見せるハッピーさんが気に食わなかった。 ムカついたので鼻っ柱に強烈な一撃をお見舞いし、鼻骨をへし折った。 「キヒヒィ!良~い感じになったじゃねえか色男!」 徹底的に蔑む憑坐に、ハッピーさんは酷く冷めた言葉を投げた。 「…違うな。クソ野郎。色男ってのは、俺じゃなくて、お前の後ろの男(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)みたいなやつに使うんだぜ…!」 ハッピーさんの言葉が耳に届くか否かというタイミングで、憑坐の背を、何者かの手が触れた。 その瞬間、神凪ひかりの内部に異変が起きた。 「…あ?なん…だ!?ちょっと待て!なんだこれは…!?俺の…俺の能力がぁぁぁ!?」 「言っただろ!?外道は相手をいたぶることに夢中になるってな!背中がお留守だ!光の防御幕があれば大丈夫だとでも驕ったか?なんにでも例外があることは、魔人なら常識だろうが!!」 酷く呆気なく、精神牢獄(マインド・バインド)は解除された。 神凪ひかりの口から、精神体である、エクトプラズムのような憑坐の本体がずるりと飛び出た。 (何が?何が起きたっていうんだ!?) 混乱のままに、憑坐は自分に触れた手の正体を確認する。 そこには、まさに色男と呼ぶにふさわしい、人間離れした端正な顔立ちにホストのような華美なスーツを着た青年が立っていた。青年の後ろには、シスター服姿の女性が不安げな顔で立っていた。 「『大侯爵』」 青年は能力名をビル街に放り投げる。 対象に直接接触している間のみ持続するその能力は、魔人能力を無効化する能力(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。 能力者の名は、ジョン・ドゥ。 【こっちに出た。手筈通りに!】 ハッピーさんが憑坐と接触したタイミングで電話をかけた相手は、万魔ではなく、前回の戦いで縁が出来たジョン・ドゥであったのだ。 (何が起きた、じゃねえ!まずいまずいまずい!逃げろ!!逃げるんだよ!) ジョン・ドゥの能力で剥き出しになった憑坐は、恐慌をきたしながら逃げの一手を打つ。 「ジョン・ドゥ!ありがとなぁ!この借りは近いうちに返すぜ!!」 礼を叫びながら、剥き出しの憑坐を容赦なくハッピーさんが追う。 「…ふん、俺を都合よく使ったことには一言言いたいが…我が花嫁の望みであるのなら叶えないわけにはいかんのでな…!」 ジョン・ドゥは、自らの役目は終わったと言わんばかりに、花嫁を優しく抱きかかえ去っていった。 「俺をここまでさせるのはお前だけなのだぞ?」 愛の言葉を吐くのを忘れぬままに。 ◆◆◆ ビル街の入り組んだ路地を、必死に憑坐が逃げる。 (畜生…畜生!能力解除の能力者!?天敵じゃねえかクソが!!) 内心で罵詈雑言を吐きながらも澱みなく逃走をする。 新宿の入り組んだビル街が憑坐に味方をする。 多種多様な曲がり角を十全に利用し、憑坐は一心不乱に逃走をした。 その熱意が起こした奇跡か。 はたまた、ただの偶然か。 一つの曲がり角で、憑坐は見知った少女と遭遇した。 写真で何度も確認した存在。 丁寧に身につけられた制服。上品にカットされた髪。穏やかでありながら芯の通った空気感。 憑坐が狙っていた、山乃端一人がそこにいた。 (やった!!ついてる!俺はついている!情報では山乃端一人は魔人であるけれど、死亡時のハルマゲドン能力以外に何かをすることはできない!だったらすぐに憑ける!本当に憑いているぜ!) 憑坐は喜色満面で山乃端一人に襲い掛かる。 怪異が急に襲い掛かってきたことに怯えたのか、山乃端一人は恐怖で失神をした。 糸を切られた操り人形のごとく、ぐにゃりと倒れ込んだのだ。 憑坐はすぐさま失神した山乃端一人の肉体に憑りついた。 もう少し落ち着いた場面であれば、憑坐も気が付いたであろう。 あまりに都合のいい展開であると。これがハッピーさんたちの用意した罠であると。 事前の打ち合わせ通りに待機していた万魔の策であると。 憑りついた瞬間に憑坐は山乃端一人の精神体を掌握しようとする。 しかし、奇妙なことに山乃端一人の精神体が存在しない。 憑坐が憑りついた体には、魂が含まれていなかったのだ。 困惑する憑坐に対して高らかな声が降り注ぐ。 「彼誰時(クライベイビーファーストクライ)」 山乃端一人と瓜二つの顔ながら、白い髪に褐色の肌。 山乃端万魔がそこに立っていたのだ。 「まんまと引っかかったね。あんたが憑りついたのは、一人の変装をした私。あんたが襲い掛かってきた瞬間に能力を発動させて別のボディに移ったのさ。」 ――つまり。 憑坐は魂の存在しないボディに憑りついてしまった。 死体であろうと憑りつくことの出来る応用性の広さが災いした。 憑坐は、人質がいないまま憑りついてしまったのだ。 ◆◆◆ フッ!と一つ息を吐き出したハッピーさんのジャブが、万魔のスペアに憑りついてしまった憑坐の顔面に刺さる。めきりと嫌な音を響かせ、鼻が歪に曲がる。 「……?……??」 憑坐は何が起きたか分からずに棒立ちをした。 ハッピーさんのジャブが着弾してから数瞬の時を経て、爆発的な悲鳴がビル街に轟いた。 「…!!???い…痛ぇ~~!!あ!あ!痛っ、痛、痛い~!!??」 それは当然の道理。憑坐は今まで痛みを宿主の精神体に押し付けていた。 憑坐が憑りついてしまった万魔のスペアには精神体が存在しない以上、痛みは全て憑坐が負う。 何十年何百年と、痛みとは無縁で存在してきた憑坐にとって、久方の痛みは深く、鋭く、重く突き刺さった。 (痛い!痛い!痛い!どうしてこんな!?) 声も出せずに混乱し悶絶する憑坐に、万魔がお手本のようなローキックを叩きこむ。 太ももからブチブチと筋繊維の断絶する不愉快な音が響く。 「…俺と同じの顔の相手をぶちのめすなんて、気が乗らないと思ってたけど…そんだけ気持ち悪い笑顔をしている奴なら容赦はしない…!外道でいてくれてありがとう!容赦なくぶちのめせる!!」 「今までの分…きっちりお返ししなきゃなあ!」 「やめ…やめろクソったれぇぇえ!!!」 憑坐の叫びを無視し、二人の溜まりに溜まった感情が爆発する。 万魔の左フック。ハッピーさんの右ミドルキック。 万魔の肘打ち。ハッピーさんの廻し蹴り。 万魔の目突き。ハッピーさんの金的蹴り。 万魔の掌底。ハッピーさんのアッパーカット。 「「うおらぁぁぁぁああああああ!!!!」」 暴力の嵐が憑坐を痛めつける。 内蔵が潰れ、眼球が飛び散り、骨が砕かれ、四肢がひしゃげる。 「あ!ぎゃ…ぎゃぶ!ぐげぇ!」 汚い悲鳴と共に血を撒き散らす憑坐。 もはや彼に道はなく、こうして成す術もなく死んでいく。 ――そんな未来を、憑坐は信じていなかった。 長年人間を食い物にしてきた大怪異の面目躍如。 絶望的状況であっても、自身の生に貪欲であり、何とか生き延びようとする。 久方ぶりの痛みに情けなく悲鳴を上げながらも、諦めてはいなかった。 ハッピーさんの渾身の右ストレート。 万魔の裂帛の左ハイキック。 強烈な一撃に対して、憑坐はあえて脱力した。 今までは痛みを極力抑えるように、攻撃に対し抵抗し、身を固め、衝撃を逃がす努力をしていた。 その戦法を繰り返し、相手に意識付けしたうえでの脱力。 強大なパワーをそのまま受け入れ、ぼろ雑巾のように吹き飛ばされる。 そうして、その瞬間に寄生を解除した。 猛烈な勢いで憑坐が射出される。精神体が加速し、一直線に離れていく。 二人の達人の一撃を利用し、推進力と変えて逃走を図る。 (タイミング!完璧!俺は貴様らから逃げきって見せる!少し、ほんの少し別の路地に逃げさえすれば、そこら辺の一般人に憑りついて逃げることが出来る!!) ハッピーさんと山乃端万魔の手の届かぬ位置に消えゆく憑坐。 しかしハッピーさんも万魔も、欠片も慌てるそぶりがない。 「言っただろ?外道の考えはよく分かっているって…。倒したいだけなら妖刀武骨を抜けばいいだけだ。そっちに(・ ・ ・ ・)逃げるように仕向けたんだよ。」 逃走の成功を確信した憑坐 操の前に、死神が待つ。 因果応報の具現が、路地裏に構えを取る。 肩まで垂れる三つ編みにしたおさげが夕焼けに照らされ、燃えるように赤く光る。 憑坐 操に寄生されていた少女、神凪ひかりがそこに立ちふさがっていた。 あばら骨を砕かれ、精神を徹底的に痛めつけられ、命乞いを強要されても折れなかった少女。 満身創痍なれど、その瞳は爛々と輝き、憑坐 操を睨みつける。 ペッ、と一つ口に溜まった血反吐を路上に吐き捨て、渾身の構えを見せた。 憑坐 操の顔色が青に染まる。 (いいいいいつの間に???何故まだ立てる??何故何故何故???!!) 完全に恐慌状態に陥る憑坐。 結局のところ、彼は人間を甘く見ていたのだ。 たまたま(・ ・ ・ ・)上手くいっていた現状を当然と思い、刹那に輝く人間の意地を舐めていた。 ハッピーさんは、握り拳をグッと神凪ひかりに突き付けて叫んだ。 「お嬢ちゃん!!ぶちかませぇぇぇえええ!!!」 ハッピーさんの声援をブーストに、神凪ひかりが輝きを増す。 魔人能力『光芒一閃(サンライズ・セイバー)』による、淡くも美しい光の剣が生成される。 彼女の剣閃は霊体である憑坐 操にも容赦なく干渉し斬り捨てることが出来る。 憑依し能力を十全に把握していた憑坐は、誰よりもそれを理解していた。 憑坐 操の脳裏を、高速で記憶が駆け巡る。 自身が神凪ひかりにしてきたことを反芻していたのだ。 彼女の精神を散々に嬲り、犯し、痛めつけ、蹂躙し、利用し、踏みにじった。 ――笑いながら。 反芻の結果、結論は一つ。 許されない。赦されるはずもない。 如何に傲慢で人を人と思わない憑坐であっても、神凪ひかりが自分を赦さないことくらい理解できた。 この期に及んで神凪ひかりが、自分を見逃すはずなどないと理解できた。 思うが儘に過ごしてきた長き悦楽の日々の終わりが、まさに眼前に迫っていることを理解できた。 「い…嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ!」 霊体であるにもかかわらず、彼の全身をねっとりと脂汗が包んだ。 涙と鼻水、絶望で顔面をぐちゃぐちゃにしながら、夕陽に照らされ美しく佇む少女に向かって叫んだ。 「命だけは助けてぇぇぇえええええ!!!!」 外道の命乞いが、ビル街に惨めに響いた。 その汚い悲鳴を切り裂くかのように、凛とした声が押し通る。 「光芒一閃(サンライズ・セイバー)ァァァ!!!!」 「あぎゃああああぎぃぃぃぃいいいい!!!!」 憑坐 操は絶望を顔に張り付けたまま両断され、夕闇のビル街に霧散していった。 勝者:ハッピーさん&山乃端万魔&神凪ひかり 敗者:憑坐 操。完全敗北 ◆◆◆ ――激戦を終えて―― ◆◆◆ 魔人刑務所の奥。特に危険な人物、もしくは特殊犯を収監するための施設。 山乃端万魔の生みの親であるクリスプ博士が収監されている部屋に、今回の事件の関係者が集っていた。 山乃端万魔、山乃端一人、クリスプ博士、ハッピーさん。 そしてもう一人。 坊主頭に鍛え上げられた肉体、身にまとうはボサボサの袈裟。 まさに修行僧そのものといった巨漢が同席していた。 クリスプ博士が感心したように言葉を漏らす。 「ふむ…日本の警察は本当に優秀だねえ!まさか数日で彼を発見し連れてくるとは!」 「名前と、あんたが接触した時期さえ分かればな…ベタなセリフだが、日本の警察を舐めないでいただこう、ってやつだ。」 ハッピーさんが連れてきた男は、『他人の能力を知る魔人能力者』。 その名は贋真。物事の真贋を見抜く者。 クリスプ博士が山乃端一人のハルマゲドン能力を知るのに使った能力者である。 「あんたがコイツの名前と接触時期を教える条件に出したのは、これからすること(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)を共有すること…。約束通り、あんたの目の前で行うことにしたぜ。」 その言葉を合図に、贋真がぬらりと動く。 大きな手を、山乃端一人の頭にピタリと付けた。 「…拙僧の魔人能力は遠隔でも発動し、対象者の能力を看破できるが…直接触れた場合は能力をより深く見抜くことができる…」 「山乃端一人が複数いて、同じ能力を有している…ならば、能力の解析をより深くできれば秘密が分かるのではないか、ってわけよ。」 贋真の手が薄ぼんやりと光りはじめた。 その瞬間、贋真の眉がビクビクと痙攣し、顔面が脂汗に染まった。 どんどんと呼吸が荒くなったかと思うと、ぶはぁと大きく息の塊を吐き出した。 「…こんな…こんなことが…!」 贋真の反応に嫌なものを感じながらも、万魔は思い切って尋ねた。 「一人の能力…分かったのかよ…?」 贋真はこくりと頷き、 「良い情報と悪い情報がある。」 と、どこかの洋画にでもありそうなセリフを吐いた。 「まず良い情報であるが…彼女にハルマゲドン能力を与えた大いなる存在…仮に『神』とでも呼ぼうか。『神』はどうやら今回はどうしてもハルマゲドンを起こしたかったようだ。そのために本来1人に与えるべき能力を25人に分割した…。どの山乃端一人が死んでもハルマゲドンは起きる。これで発生確率は跳ね上がる。」 ハッピーさんが眉をひそめて食ってかかる。 「待て待て!どこが良い情報だそれの!」 「焦るな。続きがあるのだ。分割した故に、能力の有効期限が極端に短くなってしまった。…山乃端一人のハルマゲドン能力は、この冬を終えて春が来れば消失する(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。」 一瞬の沈黙。 「やったー!!!」 万魔が一人に抱き着く。 「うわ!万魔!何急に!」 「だってよお…春になれば一人が狙われる理由はなくなって!そうしたら、そうしたらさ、俺たち、普通に学生出来るわけじゃない?…一人はさ、もう危ない目に合わなくて済むわけじゃない?」 万魔の目にジワリと涙が浮かぶ。 それにつられたのか一人の鼻も赤くなった。 「あ~、お嬢ちゃんたち。水を差すつもりはないが…喜ぶのは、『悪い情報』とやらを聞いてからにしようや。」 ハッピーさんの言葉に万魔は気を引き締めなおす。 空気が再び緊張をはらんだものに変わったのを見届け、贋真は口を開いた。 「悪い情報は…彼女を確実に仕留めるために『転校生』が呼ばれる…!そういう能力!」 先ほどまで喜びと興奮で朱に染まっていた万魔の顔が、一瞬で蒼白に染まった。 ――『転校生』。 無限の攻撃力と無限の防御力を持つ、魔人とすら一線を画す存在。 それはもはや厄災の一種であり、過ぎ去るのを祈るしかできぬ相手である。 その恐ろしさはこの世界に生きる者であれば誰もが骨身に染みている。 「…やれやれ。やっぱり忙しくなりそうだぜ」 ハッピーさんのため息が、静かに収監施設に響いた。 ◆◆◆ 「――――と、そんな秘密が山乃端一人にはあるそうですよ」 クリスプ博士が収監されている施設には、他にも稀代の悪党が存在していた。 その男は情報を操る。 人知れずに施設内の会話を傍受するなどお手の物であった。 その男の名は仙道ソウスケ。 一度この施設を抜け出し池袋で暴れたソウスケは、紆余曲折あって再び施設に戻っていたが、情報網はいささかも衰えていなかった。いかにして看守を買収したかは知らぬが、看守の目前で堂々と携帯で外部と通話をする。 ――その通話相手は。 「ペーラペラペラ!!面白い情報だな!それをオレに教えてどうしようってんだい!?」 「特に他意はありませんよ。池袋でお世話になった方々に、山乃端一人の情報を提供したまで…今後のお付き合いを考えたアフターサービスというやつです。」 軽薄な口調でソウスケと通話するのはウスッペラード。 「つーことは、ジャックや餅子にもコレ伝えた?ペーラペラペラ!あいつらどう動くかなあ!」 (ま!考えても分からね~けどな!) 彼は薄っぺらかった。 「なんにせよ良いタイミングで知らせてくれてサンキュー!」 興奮気味にウスッペラードは通話を切った。 その行為とすれ違うかのように、ウスッペラードを呼ぶ声が響く。 「ウスッペラードさん!出番です!」 彼を呼んだのはテレビ局のスタッフ。ウスッペラードは、『新春大特番!生でお笑い東西戦』のゲストとして呼ばれていたのだ。ペストマスクの怪人という分かりやすいビジュアルを持ち、特撮によく呼ばれる影響で子供たちへの知名度は高く、薄っぺらながら場を盛り上げる能力もあるウスッペラードはバラエティ番組で重宝されていた。 しかしテレビ局は理解していなかった。 ウスッペラードは「マジで本物の悪役」であり、正真正銘の「異次元からの侵略者」なのだ。 予定調和が重んじられる生放送番組に彼を呼ぶという事の意味を、少しも理解していなかった。 ~五分後~ 「ペーラペラペラ!カメラ!もっとちゃんとこっち向いて!オレの言葉を届けるんだよ~!」 ウスッペラードは大物司会者を頭から丸呑みにして紙化。 人質にしてスタジオで暴れていた。 何故いきなりウスッペラードはスタジオをジャックするなどと言う暴挙に出たのか。 なんのことはない。 ただそっちの方が悪役っぽいかなー! こう、全国電波に乗せて関係者には伝わるメッセージとかイケてない? と思っただけだった。 彼は薄っぺらかった。 スタジオをジャックしたウスッペラードは高らかに笑った。 「ペーラペラペラペラ!山乃端一人たちに告ぐ!25人いる、山乃端一人たちに告ぐ!」 「山乃端一人?」「誰だそれ?」 「え、コレってドッキリじゃなくてガチ?」「警備員何やってんの!」 スタジオと全国のお茶の間に広がる困惑をよそにウスッペラードはペラペラ喋る。 「山乃端一人!お嬢ちゃんの能力は~、春になったら消えちゃうぜぇ~!良かったなぁ!ラッキー!」 軽薄の極み。彼はどこまでも薄っぺらく、特に責任感も持たず秘密をぶちまけた。 「だけどアンラッキー!絶対仕留めようと『転校生』が来るってよ!『転校生』が来るってよ!一人でも殺されたら…ドカン!ハルマゲドンだ!ペーラペラペラ!」 全国の電波に乗って、秘密の共有が行われた。 それが何を引き起こすのか、ウスッペラードは特に考えない。薄っぺらいから。 彼にとって世間だとかど~うだってよかった。 他の山乃端一人もど~うでもよかった。 自分なんかのファンでいてくれる、奇特な山乃端一人以外のことは知ったことではなかった。 この放送をみれば、他にも山乃端一人がいることを知って、刺客はバラけるんじゃね? だとか 鏡に姿すら映らなくなった、重圧を背負うあの山乃端一人も少しは楽になるんじゃね? だとか ウスッペラードが考えていたかは分からない。 彼は薄っぺらだから。 ただまあこれは「わるいこと」だろうな、とだけは思っていた。 ◆◆◆◆ 「『転校生』まで来るかい…たいぎいのう。」 だぼだぼの学ランをまとった少女が呟いた。 「儂の獲物を横取りする愚か者がおるか…同胞達!戦の支度じゃあ!」 並行世界の超越者が咆えた。 「『転校生』っすか…。相手が誰であろうと、こっちの取立が優先っす。」 最速の取立屋が静かに燃えた。 シスターが。幽霊が。配信者が、メイドが、殺し屋が。 それぞれの山乃端一人に思いを馳せて、それぞれが行動に移った。 様々な思惑が絡み合いどのような物語が生まれるのか。 それは誰にも分からない。 ただ一つ確かなことは。 この物語の終着はハッピーエンドである、ということだ。 ――――間もなく、冬が終わる。 了
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R5-069 アンコモン 天空の囁き ファルコンナイト Lv.20 飛行系 直接攻撃 装備Lv:剣A槍S 気力8 攻撃4 反撃2 剣+2 イラスト/神凪涼柊 ペガサスナイトに付与可能。 【匠の技】 これを付与したユニットの持つ特殊能力のコストを-1する。 装備:銀の槍 R5-069 アンコモン 天空の囁き ドラゴンマスター Lv.20 飛行系 直接攻撃 装備Lv:剣A槍S 気力8 攻撃4 反撃2 剣+2 イラスト/神凪涼柊 ドラゴンナイトに付与可能。 【匠の技】 これを付与したユニットの持つ特殊能力のコストを-1する。 装備:銀の槍 これを付与したユニットは、このカードに記載されたステータスに変更される。特殊能力のみ追加される。 イラスト:ヴァネッサ、シレーネ ペガサスナイト、ドラゴンナイト専用の職業カード。職業カード全般についてはリンク参照。 紋章、トラナナのドラゴンナイトは反:2持ちなので装備できないので注意。 トラナナのペガサスナイト(ミーニャのみ)も反:2持ちなので装備できない。
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登録日:2011/05/05(木) 02 05 13 更新日:2022/10/25 Tue 18 48 28NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 2chベストエロゲー あっぷりけ エロゲー ゲーム コンチェルトノート タマゲー 学園物 絆と成長を描く学園ADV 良ゲー 莉都ゲー それは、絆を紡ぐ物語―― 2008年10月23日にあっぷりけより発売された18禁アダルトゲーム。 スタッフは後に黄昏のシンセミアを世に送り出すシナリオ・桐月、原画・オダワラハコネのコンビ。 ▽目次 ストーリー キャラクター 備考 曲 ストーリー 「――進退窮まった」 倉上進矢は追い詰められていた。 事故により長期の入院生活が開けた後、彼の立場は一転していた。 諦めて働こうとした所に、初めて訪れた幸運。 懐かしい幼なじみからの連絡と再開。 彼女がもたらしたのは、新しい学園と月光館という古ぼけた洋館だった。 懐かしい街で、進矢は少女達と出会う。 絶対無敵の幼馴染「神凪莉都」 事故の原因のクラスメイト「今里和奏」 負けず劣らず不幸な下級生「東条白雪」 莉都と犬猿の仲の会長「名凪星華」 月光館を預かるメイドさん「夕月小夜璃」 新天地での新しい生活。 暖かい人たちと新しい家。 ここでイチから頑張ろう。 そう決意した彼に、ある夜、一人の少女が告げる ――おぬし、今のままだと10日程で死ぬぞ。 幸御魂〈タマ〉という少女との出会い。 彼女の力で幸運を与えられピンチを助けられるが、ますます窮地に立たされる事になる。 幸運を前借りした負債は3つ 一つ、進矢達本人の運がなくなる 一つ、他人の不幸を肩代わりする 一つ、返済しきれない場合「不幸」となって訪れる この日から、進矢達には様々な事件、事故が降りかかる。 学校で起こった窃盗や誘拐事件。 女子寮の不審者。ストーカー、盗難事件。 街にも学園にも、不幸の種は眠っている。 人々の抱える不幸を解決し、少しずつ幸運を集めて窮地を救え! 進矢達は、明るい未来を掴むため、仲間達と東奔西走する事になる――。 キャラクター 倉上進矢(くらかみ しんや) 主人公。他のあっぷりけ作品の例に漏れる事無く良主人公。天涯孤独だったり、長期入院により前の学校を退学になるなど超が付くほどの不幸体質。しかも作中にて更に不幸になる。 手先が器用で特技はマジック。 他にも日曜大工も出来るし勉強も学園の編入試験に奨学生として合格出来る、割と完璧超人。 莉都とは幼馴染み(といっても、幼い頃からずっとではなく、幼い頃に遊んだという関係)だが、初めての出会いは割と酷く、そこから殴り合いで友情が生まれてたりする。 身体能力はそこまで高くないが、荒事の時は道具と頭でカバーする頭脳派。 主武装はワイヤー。 神凪莉都(かんなぎ りと) CV.かわしまりの 絶対無敵の幼馴染み メインヒロイン。 容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群と、天が二物も三物も与えたような人物。幼い頃、進矢に殴られた事で進矢とは無二の親友にして相棒となる。 実は神凪家と呼ばれる日本有数の財閥の娘だが、実家を嫌い現在は出奔中。 物語の主舞台となる天津原学園の生徒にして理事長。そこに男じみて堅くキツい口調や気難しげな表情が相まって、ほとんど友達がいない(表に出さないが、本人も結構気にしている)。 「コンチェルトノートは莉都ゲー」とスタッフが語る通り、とにかく出番が多く、自分のルートは元より他ヒロインのルートでもそれなりに以上に活躍する。 でも自ルートの最後はタマに盗られた感が強い。 今里和奏(いまさと わかな) CV.夏野こおり ある意味入院の原因 ヒロイン。 明朗快活で猪突猛進な性格。人見知りせず、他人にキツい物言いをする莉都が進矢を除いて唯一「友人」と呼べる存在。 進矢の元クラスメイト兼、現クラスメイト。進矢が天津原学園にくるきっかけを作った、ある意味ではこの物語の元凶とも言える人物。 前の学校にいた頃、進矢に「とある危機」から助けられるが、代わりに進矢が長期入院をする羽目になってしまう。 その直後に天津原学園への転入・引越しが決まったため、礼と謝罪ができないまま別れた進矢の事がずっと気にかかっていた……が、しばらく経って同じく天津原学園に転入してきた進矢とばったり再会することになる。 ソフトボール部に入っており、実力は確かだが、現在はあまり行こうとはしていない。 東条白雪(とうじょう しらゆき) CV.みる 負けず劣らず不幸な下級生 ヒロイン。 進矢と同等かそれ以上に不幸な下級生。線が細く、深窓の令嬢を絵に書いたような美少女だが、根は強い。 よく行動が裏目に出るため、自ら行動を起こすのは苦手。 実家は(神凪程ではないにしろ)資産家だが、自身が病弱な事もあり若干の肩身の狭さを感じている。 同じクラスで新聞部員の斎宮媛子とは友人関係にある。 部活動に憧れを抱いているが、自身の不幸属性もあってどこにも所属していない。が、ルートによっては進矢達が立ち上げる「ボランティア部」に入部する。 名凪星華(ななぎ せいか) CV.榊原ゆい 莉都と犬猿の仲の生徒会長 ヒロイン。 天津原学園の生徒会長で、学年は進矢達の一つ上。さっぱりとして男っぽい性格。生徒からは人気だが、ある理由により一部の教師から煙たがられている。 祖父から習ったという我流の武術を使い、その実力は去年の学園祭で行われた武道大会(一部武器使用可能)で優勝した程。 本来はイイトコのお嬢さまだが、現在は結構質素な生活をしている。 女子寮に住むが、ルートによっては月光館に引っ越してくる。 また、とある理由により莉都……というか神凪家を嫌っている。 普段着はジャージ。 夕月小夜璃(ゆうづき さより) CV.風音 月光館を預かるメイドさん ヒロイン。 名目上は学園寮である月光館の寮長的存在。 元々はOLだったが、紆余曲折あり莉都のメイドとして働いている。 エロゲメイドの宿命か、あらゆる面において有能で、掃除洗濯は元より莉都の秘書の様なこともこなす。ただし戦闘力は皆無。 基本クールビューティーな人物だが、可愛い物に目が無く、部屋にはファンシーグッズが大量に置いてある。 タマ CV.松永雪希 運を操ることが出来る謎の(超小型)少女 ヒロインではない。 「幸御霊」と呼ばれる、運の操作能力を持つ霊的な存在。長らく進矢に取り憑いていたが、本編開始後、進矢をはじめ周囲の人間に視認され、会話が交わせるようになる。見た目は幼い少女で、人の肩に乗れるくらいに小さい。 この物語のキーパーソンであり、和奏とは違う意味で物語の元凶。 好物は蜜柑で、若干不遜な性格。 古風な喋り方だが、進矢に長く憑いていた影響か所々に現代語が混じる。 ある理由から神凪の家系を毛嫌いし、莉都にも神凪の人間として嫌悪感をあらわにするが、莉都とは割といいコンビ。 莉都ルートは、ある意味ではタマルート・神凪ルートとも言えなくはない。 本作最大の涙腺クラッシャー 備考 エロゲとしての評価は、他の有名作品程爆発的ではないが、良質なシナリオや個性的なキャラクター、システム周りの環境の良さから、比較的高い評価を受けている。 あっぷりけ作品の特徴である『フローチャートシステム』を搭載した初の作品。同社の見上げた空におちていくに搭載されたフラグメントシステムと共に、黄昏のシンセミアのシステム周りを整えた作品の一つとも言える。 昨今では黄昏のシンセミアが萌えゲーアワードを取った影響か、やたらと中古価格が高騰しているが、ダウンロード販売もしているため入手自体はしやすい。 曲 主題歌 「コンチェルトノート」 歌:NANA エンディング主題歌 「あの頃のように」 歌:Riryka 挿入歌 「輝いたまま」 歌:中山マミ 笑え、進矢……笑え。 追記・修正は「輝いたまま」を聞きながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] BGMが好き -- 名無しさん (2013-07-15 14 16 57) Windows 8 以降の 64bit OS だと例の Win8WOH が必要です -- 名無しさん (2022-10-25 18 48 28) 名前 コメント