約 467,716 件
https://w.atwiki.jp/pmvision/pages/2227.html
《八意 永琳》 No.322 Character <第五弾> GRAZE(3)/NODE(5)/COST(2) 種族:人間 耐性:幽霊 (自動α): 〔このキャラクター〕は、呪符カードがセットされている場合、「戦闘修正:-2/-2」と「マナチャージ(1)」を得る。 (自動β): 〔このキャラクター〕がプレイされて場に出た場合、〔あなたの冥界の上のカード1枚〕を、裏向きにしてこのキャラクターにセットする。以後、そのカードは以下の効果を持つ呪符カード「蓬莱の薬」として扱われる。 「(自動γ): 〔このキャラクター〕が決死状態になった場合、〔このキャラクターにセットされている「蓬莱の薬」1枚〕を破棄しても良い。破棄した場合、このキャラクターの決死状態を無効にする。」 攻撃力(5)/耐久力(5) 「あいにく、私は薬学の心得があるから、多少の怪我なら大丈夫だけど」 Illustration:里村響 テキスト修正@2012/05/27 コメント 八意 永琳/1弾のリメイクカード。 プレイ時に「蓬莱の薬」をセットする効果を持つ。 「蓬莱の薬」がセットされる事によって、1番目の(自動)効果も同時に満たされる。 その為、このカードは実質的に「3/3でマナチャージ持ち」キャラクターであると言える。 他のマナチャージ所持者と同様に人界剣「悟入幻想」の射程範囲の耐久力で、一度破棄されても生き残る事が可能だが、その場合は当然マナチャージを失ってしまう。 逆に言えば他の呪符をセットする事でまたマナチャージを得る事が出来るので、その気になればリサイクルが可能なマナチャージ所持者とも言えるか。 もちろん破棄された後は5/5のキャラクターとしても扱える。 一応蓬莱山 輝夜/1弾で呼び出しも可能。 しかしその場合はプレイ効果は使えないので注意。 同じ場にいれば5ノード以下でデッキからサーチ出来る為風神「風神木の葉隠れ」の弾として使ってもすぐ場に戻す事が出来、相性が良い。 呪符が何枚ついていても「-2/-2」は重複しない。 収録 第五弾 関連 「八意 永琳」 八意 永琳/1弾 八意 永琳/5弾 八意 永琳/10弾 八意 永琳/13弾 八意 永琳/17弾 八意 永琳/19弾 場で「八意 永琳」として扱われるカード 永遠の月人チーム(連結) 神秘の薬師チーム(連結) 「八意 永琳」が術者であるスペルカード 禁薬「蓬莱の薬」 薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 神符「天人の系譜」 天呪「アポロ13」 錬丹「水銀の海」 秘薬「仙香玉兎」 薬符「壺中の大銀河」 天丸「壺中の天地」 操神「オモイカネディバイス」 「天網蜘網捕蝶の法」 蘇活「生命遊技 -ライフゲーム-」 覚神「神代の記憶」 秘術「天文密葬法」 「八意 永琳」を参照するカード 蓬莱山 輝夜/1弾 悠久の月明 錬丹「水銀の海」 因幡 てゐ/13弾 蓬莱山 輝夜/13弾 蓬莱山 輝夜/19弾 「蓬莱の薬」 禁薬「蓬莱の薬」
https://w.atwiki.jp/presenile/pages/1172.html
html2 plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 流れるピアノの旋律は あなたとの時間があったよろこび 馨しく匂う 宝石の記憶 .
https://w.atwiki.jp/ocg-o-card/pages/5387.html
《人間の日の記憶》 通常罠 自分フィールド上の獣戦士族モンスター1体が、戦闘で相手モンスターを破壊する度に このカードに記憶カウンターを1つ置く。 カウンターが4つのったこのカードを破壊する事で 自分のデッキ・手札・墓地から戦士族または獣戦士族モンスター1体を 召喚条件を無視して特殊召喚する。 part14-728 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gensouutage_net/pages/9657.html
裏鍵//神社の飼い猫//火焔猫 燐-火焔猫 燐-博麗 霊夢-博麗 霊夢- 雪平//永遠亭オールスターズ!//鈴仙-鈴仙-蓬莱山 輝夜-八意 永琳- 雪平は山札をシャッフルしました。 雪平の呪力は今1(+1)です。 雪平 では 配置:生薬「国士無双の薬」 Turn 2 - 裏鍵//体力19( 19) 呪力1( 1) 手札7( 6) 山33( 34) スペル0( 1) タイマー00 00(00 15) 手札:霊撃//霊撃//恨霊「スプリーンイーター」//屍霊「食人怨霊」//霊撃//屍霊「食人怨霊」//大結界「博麗弾幕結界」// 配置:屍霊「食人怨霊」 Turn 3 - 雪平//体力19( 19) 呪力3( 1) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 15(00 09) 配置:難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」 Turn 4 - 裏鍵//体力19( 19) 呪力3( 3) 手札7( 5) 山32( 33) スペル1( 2) タイマー00 09(00 21) 手札:霊撃//霊撃//恨霊「スプリーンイーター」//霊撃//屍霊「食人怨霊」//大結界「博麗弾幕結界」//無重力// 配置:大結界「博麗弾幕結界」 Turn 5 - 雪平//体力19( 19) 呪力6( 3) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー00 20(00 19) 配置:狂符「幻視調律(ビジョナリチューニング)」 Turn 6 - 裏鍵//体力19( 19) 呪力6( 6) 手札7( 5) 山31( 32) スペル2( 3) タイマー00 18(00 28) 手札:霊撃//霊撃//恨霊「スプリーンイーター」//霊撃//屍霊「食人怨霊」//無重力//猫符「キャッツウォーク」// 配置:猫符「キャッツウォーク」 Turn 7 - 雪平//体力19( 19) 呪力10( 6) 手札6( 6) 山31( 31) スペル3( 3) タイマー00 26(00 25) 配置:波符「月面波紋(ルナウェーブ)」 Turn 8 - 裏鍵//体力19( 19) 呪力10( 10) 手札7( 5) 山30( 31) スペル3( 4) タイマー00 24(00 33) 手札:霊撃//霊撃//恨霊「スプリーンイーター」//霊撃//屍霊「食人怨霊」//無重力//「死体繁華街」// 配置:「死体繁華街」 起動:「死体繁華街」 Turn 9 - 雪平//体力19( 19) 呪力15( 7) 手札6( 6) 山30( 30) スペル4( 4) タイマー00 30(00 32) 配置:散符「栄華之夢(ルナメガロポリス)」 起動:難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」 Turn 10 - 裏鍵//体力19( 19) 呪力11( 13) 手札7( 5) 山29( 30) スペル4( 5) タイマー00 31(01 34) 手札:霊撃//霊撃//恨霊「スプリーンイーター」//霊撃//屍霊「食人怨霊」//無重力//夢符「二重結界」// 戦闘:裏鍵 - 「死体繁華街」 vs 難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」 - 雪平 裏鍵は屍霊「食人怨霊」を山札の一番上から捨札に送りました。 裏鍵は「死体繁華街」の1番目の特殊能力を使いました。 結果:裏鍵 - Dmg 1 4 Dmg - 雪平 起動:「死体繁華街」 配置:夢符「二重結界」 Turn 11 - 雪平//体力15( 18) 呪力19( 8) 手札6( 6) 山29( 28) スペル5( 5) タイマー01 32(00 47) 配置:散符「栄華之夢(ルナメガロポリス)」 起動:難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」 Turn 12 - 裏鍵//体力18( 15) 呪力13( 17) 手札7( 5) 山27( 29) スペル5( 6) タイマー00 42(01 49) 手札:霊撃//霊撃//恨霊「スプリーンイーター」//霊撃//屍霊「食人怨霊」//無重力//妖怪「火焔の車輪」// 戦闘:裏鍵 - 「死体繁華街」 vs 難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」 - 雪平 裏鍵は間欠泉の怨霊を山札の一番上から捨札に送りました。 裏鍵は「死体繁華街」の1番目の特殊能力を使いました。 結果:裏鍵 - Dmg 1 回避 - 雪平 起動:「死体繁華街」 配置:妖怪「火焔の車輪」 裏鍵は妖怪「火焔の車輪」を場から手札に戻しました。 配置:恨霊「スプリーンイーター」 起動:恨霊「スプリーンイーター」 Turn 13 - 雪平//体力15( 17) 呪力20( 7) 手札6( 6) 山28( 26) スペル6( 6) タイマー01 48(01 14) 配置:覚神「神代の記憶」 Turn 14 - 裏鍵//体力17( 15) 呪力12( 20) 手札7( 5) 山25( 28) スペル6( 7) タイマー01 06(02 08) 手札:霊撃//霊撃//霊撃//屍霊「食人怨霊」//無重力//妖怪「火焔の車輪」//間欠泉の怨霊// 戦闘:裏鍵 - 「死体繁華街」 vs 難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」 - 雪平 裏鍵は神技「八方鬼縛陣」を山札の一番上から捨札に送りました。 裏鍵は「死体繁華街」の1番目の特殊能力を使いました。 結果:裏鍵 - Dmg 1 4 Dmg - 雪平 起動:「死体繁華街」 配置:屍霊「食人怨霊」 裏鍵は間欠泉の怨霊を裏鍵の「死体繁華街」につけました。 Turn 15 - 雪平//体力11( 16) 呪力28( 8) 手札6( 5) 山27( 24) スペル7( 7) タイマー02 01(01 36) 雪平は永夜異変を雪平のリーダーにつけました。 雪平は狂気の瞳を雪平のリーダーにつけました。 起動:散符「栄華之夢(ルナメガロポリス)」 Turn 16 - 裏鍵//体力16( 11) 呪力14( 16) 手札6( 4) 山23( 27) スペル7( 7) タイマー01 26(02 28) 手札:霊撃//霊撃//霊撃//無重力//妖怪「火焔の車輪」//夢符「二重結界」// 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵の体力が-1 (15) - 永夜異変 裏鍵の呪力が-1 (13) - 永夜異変 戦闘:裏鍵 - 「死体繁華街」 vs 散符「栄華之夢(ルナメガロポリス)」 - 雪平 裏鍵は調伏を山札の一番上から捨札に送りました。 裏鍵は「死体繁華街」の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵は間欠泉の怨霊の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵は屍霊「食人怨霊」を場から捨札に送りました。 結果:裏鍵 - Dmg 1 回避 - 雪平 起動:「死体繁華街」 配置:妖怪「火焔の車輪」 起動:妖怪「火焔の車輪」 Turn 17 - 雪平//体力11( 14) 呪力20( 6) 手札5( 5) 山26( 22) スペル7( 7) タイマー02 23(02 04) 裏鍵の呪力が-6 (0) - 永夜異変 配置:薬符「壺中の大銀河」 Turn 18 - 裏鍵//体力14( 11) 呪力5( 20) 手札6( 4) 山21( 26) スペル7( 8) タイマー01 44(03 03) 手札:霊撃//霊撃//霊撃//無重力//夢符「二重結界」//妖怪「火焔の車輪」// 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵の体力が-1 (13) - 永夜異変 裏鍵の呪力が-1 (4) - 永夜異変 戦闘:裏鍵 - 「死体繁華街」 vs 散符「栄華之夢(ルナメガロポリス)」 - 雪平 裏鍵は猫符「キャッツウォーク」を山札の一番上から捨札に送りました。 裏鍵は「死体繁華街」の1番目の特殊能力を使いました。 雪平は狂気の瞳の1番目の特殊能力を使いました。 結果:裏鍵 - Dmg 0 回避 - 雪平 起動:「死体繁華街」 配置:妖怪「火焔の車輪」 Turn 19 - 雪平//体力11( 13) 呪力23( 1) 手札5( 5) 山25( 20) スペル8( 8) タイマー02 57(02 44) 裏鍵の呪力が-1 (0) - 永夜異変 配置:生薬「国士無双の薬」 Turn 20 - 裏鍵//体力13( 11) 呪力6( 23) 手札6( 4) 山19( 25) スペル8( 9) タイマー02 21(03 32) 手札:霊撃//霊撃//霊撃//無重力//夢符「二重結界」//恨霊「スプリーンイーター」// 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵 あれ? 裏鍵 もう当たらない? 裏鍵 3+1+1+1=6 裏鍵 ああ、一応まだ当たるか 起動:大結界「博麗弾幕結界」 雪平 ですね 配置:恨霊「スプリーンイーター」 Turn 21 - 雪平//体力11( 13) 呪力29( 2) 手札5( 5) 山24( 19) スペル9( 9) タイマー03 07(03 44) 裏鍵の呪力が-2 (0) - 永夜異変 配置:覚神「神代の記憶」 Turn 22 - 裏鍵//体力13( 11) 呪力6( 29) 手札6( 4) 山18( 24) スペル9( 10) タイマー03 29(03 56) 手札:霊撃//霊撃//霊撃//無重力//夢符「二重結界」//チームプレイ// 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 配置:夢符「二重結界」 Turn 23 - 雪平//体力11( 13) 呪力36( 6) 手札5( 5) 山23( 18) スペル10( 10) タイマー03 28(04 36) 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵の体力が-1 (12) - 永夜異変 裏鍵の呪力が-1 (5) - 永夜異変 戦闘:雪平 - 散符「栄華之夢(ルナメガロポリス)」 vs 「死体繁華街」 - 裏鍵 裏鍵は妖怪「火焔の車輪」を山札の一番上から捨札に送りました。 裏鍵は「死体繁華街」の1番目の特殊能力を使いました。 雪平は狂気の瞳の1番目の特殊能力を使いました。 結果:雪平 - 回避 1 Dmg - 裏鍵 裏鍵の呪力が-5 (0) - 永夜異変 配置:覚神「神代の記憶」 Turn 24 - 裏鍵//体力11( 11) 呪力8( 31) 手札6( 4) 山16( 23) スペル10( 11) タイマー04 16(04 35) 手札:霊撃//霊撃//霊撃//無重力//チームプレイ//猫符「キャッツウォーク」// 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 配置:猫符「キャッツウォーク」 Turn 25 - 雪平//体力11( 11) 呪力39( 8) 手札5( 5) 山22( 16) スペル11( 11) タイマー04 03(05 30) 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵の体力が-1 (10) - 永夜異変 裏鍵の呪力が-1 (7) - 永夜異変 戦闘:雪平 - 散符「栄華之夢(ルナメガロポリス)」 vs 大結界「博麗弾幕結界」 - 裏鍵 雪平は狂気の瞳の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵は大結界「博麗弾幕結界」の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵 サーセン 結果:雪平 - 回避 1 Dmg - 裏鍵 裏鍵の呪力が-6 (0) - 永夜異変 雪平 ういす Turn 26 - 裏鍵//体力9( 11) 呪力10( 31) 手札6( 5) 山15( 22) スペル11( 11) タイマー05 35(05 03) 手札:霊撃//霊撃//霊撃//無重力//チームプレイ//チームプレイ// 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 起動:大結界「博麗弾幕結界」 Turn 27 - 雪平//体力11( 9) 呪力39( 6) 手札6( 6) 山21( 15) スペル11( 11) タイマー04 27(06 32) 雪平は永夜異変の1番目の特殊能力を使いました。 裏鍵の体力が-1 (8) - 永夜異変 裏鍵の呪力が-1 (5) - 永夜異変 戦闘:雪平 - 散符「栄華之夢(ルナメガロポリス)」 vs 大結界「博麗弾幕結界」 - 裏鍵 裏鍵は大結界「博麗弾幕結界」の1番目の特殊能力を使いました。 雪平は狂気の瞳の1番目の特殊能力を使いました。 結果:雪平 - 回避 1 Dmg - 裏鍵 裏鍵の呪力が-4 (0) - 永夜異変 起動:生薬「国士無双の薬」 Turn 28 - 裏鍵//体力7( 11) 呪力10( 29) 手札7( 6) 山14( 21) スペル11( 11) タイマー06 00(05 39) 手札:霊撃//霊撃//霊撃//無重力//チームプレイ//チームプレイ//恨霊「スプリーンイーター」// 裏鍵 引けない 裏鍵 投了で。 雪平 はい 雪平 ありがとうございました 裏鍵 やれやれ 裏鍵 ではー 裏鍵 ノシ 雪平 ノシ
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/245.html
炎の記憶 ◆wivGPSoRoE 目の前の少女の体から、温もりが消えていく。力なく己の手に回された手が、力を失っていく。 抜けていく力を補うように、生へと少女をとどめようとするように、ケンシロウは腕に力を込めた。 ふっと少女が笑った気配が伝わってくる。 ケンシロウの見えぬ目に浮かぶのは、少女の美しい笑顔。 生命の輝きと躍動感に満ちたあの笑顔に、男なら誰もが魅了されたであろう。 だが、その笑顔もまた失われようとしている。 少女の死と共に。 ほとんど力を失っていた少女の指先に、わずかに、ほんのわずかに、力がこもった。 それが最後の命の輝きであると、数知れぬ命を見送ってきたケンシロウには、わかった。 指先から少女の想いが伝わってくる。 ケンシロウは微笑みを浮かべた。 「……俺もだ」 その言葉を聞いて少女はまた、笑ったようだった。 唇がほんの少し動いたことが、空気の流れで分かる。けれど、首の傷が少女から言葉を奪っていた。 それでもケンシロウは安心しろというように何度も頷く。 届いていると、伝わっていると、伝えるために。 唐突に、少女の体から力が抜けた。 激情の炎が一瞬にして心を埋め尽くし、心の壁を焼き焦がした。 怒りと悲しみの炎を鉄の自制心で堰き止め、ケンシロウは口を開く。 「キュルケ……」 穏やで優しい声だと生前少女が感じていた声で、ケンシロウは語りかける。 答えは―― しばらく沈黙の海に沈んでいた男は、永遠に沈み続けるさだめとなった女を残し、 一人、浮上した。 少女の瞼を閉じさせてやり、その体を抱き上げ、リビングへと運ぶ。 硬直を始め、冷たくなった体は、それでもまだ柔らかく――そして、軽かった。 こんな体で、彼女はあのラオウに立ち向かい、自分の命を救ってくれた。 ラオウから逃げるために、心の限りをつくして自分を遠くへと、運んでくれた。 自分の生があるのは、この少女がいたからだ。 だというのに。 ――自分は一体何をしてやれたというのか? 心の中に悔恨という名の嵐が吹き荒れるのを、ケンシロウは感じた。 彼女の友を救うことができなかったばかりか、彼女の命すら守れなかった。 湧き上がる悔恨と自分への怒りは闘気となって吹き荒れ、部屋の調度が不快な金属音を立てた。 ――いかん。 ケンシロウは闘気を封じ込めた。 (すまない……。キュルケ) 胸中で謝罪の言葉を呟きながら、ケンシロウはキュルケの遺体の前にひざまずき、その乱れた髪を、整え始める。 手探りであるから限界はあったが、それでも顔にかかった髪を整えてやることは、できた。 息を吐く。 吐息と共に怒りと悔恨を吐き出そうとするが、心を燃やす炎と烈風は、容易に収まる気配を見せなかった。 ――気付いてはいたのだ。 女の殺気に。自分とキュルケを伺う女の気配に。 気付いていながら――見逃した。 この、誰も信用できない状況のせいで、神経過敏になっているのだろうと思っていた。 半数近くのの人間が死んでいるという現実がある。 生き残りが立った一人しか許されないという非常極まる現実がある。 ――そんな中で、女が一人でいるのはどれほど辛かろう。 女を安心させてやろうと思った。 こちらが手を出さぬという意思表示を優先し、ジグマールの時のように秘孔で確かめることも、 何らかの言葉によって、牽制をかけておくこともしなかった。 それは優しさ、慈しみと呼ばれる感情。本来は美徳とされるもの。 だが、それは「甘さ」とも言えよう、 そして、そのの甘さゆえに、キュルケは死んだ。 何一つ報いることができぬまま、死なせてしまったのだ。 ――守れていたのに。 キュルケの側にいれば、あの女の凶行を防ぐことは容易かったというのに。 家の中に入っていれば、そうせずとも、キュルケに一言伝えて警戒を促しておけば―― いくもの「もしも」の文字が、ケンシロウの頭の中で踊り狂う。 ――あの時、キュルケが襲われていた時、自分は何をしていた? ケンシロウは自身に問いかける。 ――外で待っていた。 ただ、待っていたのだ。 あって間もない女とキュルケが二人きりという状態に対して何の危機感も、警戒心も、抱くことなく! メイクがどうのとお気楽極まることを考えながら! 悔恨の炎は胸の壁を突き破り、ケンシロウの頭に駆け上がった。 怒りのあまり、思考に空白が生まれる。 手に軽い痛み。 あまりにも強く握り締めたせいで、掌から出血していた。 だがこの程度の痛みなど、キュルケが味わった痛みに比べれば、彼女の死の恐怖に比べれば、何だというだろう? 胸中に嵐を抱えながら、ケンシロウは思考する。 女を警戒すべき材料なら、それこそいくらでも転がっていた。 ――あの老人にとって、保身の要とも言うべき制限の内容を、そう簡単に明かすだろうか? 首輪について話し合った時に聞いた女の意見を一つ取ってみても、女が、感情を殺して行動するに長けた人間であることが分かる。 ラオウと赤髪の男が対峙した時、老人は心底狼狽しているように見えた。 100人がみたら99人は同じ感想を持つだろう。 そして、あの老人は、あの場でラオウと勇次郎が闘争を開始することを予測していたろうか? あの老人は赤髪の男と顔見知りであったようであるから、ひょっとしたらと思っていたかもしれぬ。 それでもなお、あれはやはり突発的な事態といえよう。その中で、能力の「制限」に関する情報をあの場にいた者達に、 誤認させようという思考を伴いつつ、あそこまで狼狽した風を装おえるものだろうか? ――不可能に近い。 できるとすれば、恐ろしいまでの演技力と人間離れした冷静さを持ち合わせた人間だけだ。 ところが、あの女はいとも簡単にそれを口にした。 あの口ぶりには、自分ならできる、という確信があった。 合理的で、どんな時にも冷静さを失わない人間が、信用できないというわけではない。 しかし、あの女がある種の冷徹さを兼ね備えた人間であるということには、気付くべきだった。 否――気付いていたのだ。 それでも、実際にあの女がキュルケに牙を向くその瞬間まで、女がキュルケを害するという発想は、 ついにケンシロウの中で、現実感を持たなかった。 ――何故? 自分はあの女の自由にさせてしまったのか? ケンシロウは何度も自問する。 いくつもの答えが浮かんでくる。その中でもっともしっくり来る理由は、 ――女だったから。 何度自問を繰り返しても、その答えが正解だとケンシロウの心は言っていた。 幾百、幾千の悪党をケンシロウは叩きのめし、時には無残に殺してきた。 ところが、稀有というべきか、運命のめぐり合わせの奇跡というべきか、 ケンシロウという男は、「女の悪党」という者に出会ったことがなかったのだ。 男が超絶の力を持つケンシロウの世界では、女というのは例外なく保護すべき「弱者」でしかなかった。 女が悪事を働かない、というのは、フェミニストを通り越して、ただの無想家の発想である。 ケンシロウとて、女の悪人が存在することぐらいは知っていた。 だが、人間は経験を伴わない限り、概念として知っていても、それを実感できない生き物でもある。 マミヤ、リン、アイリ、そしてユリア……。ケンシロウが深く関わった女達は全て善良であり、優しさに満ちていた。 特にケンシロウにとっての最愛の妻、ユリアが慈愛の権化のような人間であったことが、 ケンシロウの女性観をどこか、理想がかったものにしていたのである。 けれど、ここにおいて、ケンシロウは悟る。 女にも、「悪」はいるのだということを。 (今まで女を手にかけたことは、なかったが……) あのラオウですら、その生涯において女を手にかけたことはなかったはずだ。 なかったからこそ、ユリアは生きていたのだから。 だがしかし。 ――この非情さ、このすごみ……昔のケンシロウではないな。 ジャギが自分を評して言った言葉がケンシロウの心に蘇ってくる。 無数の敵の血を流し、甘さは捨てたはずだった。 ――だが、捨て切れてはいなかった。 捨て切れていなかった証が、キュルケの死だ。 ケンシロウは立ち上がった。 (女といえど……。容赦はせぬ) 女の声は、はっきりと記憶している。風の流れが教えてくれた、その体格。 何よりキュルケの言っていた特長的な銀髪。 (見つけ出す……。そして、必ず) ケンシロウの拳が、ごきり、と音を立てた。 ――仇は取る。 決意を定め、ケンシロウは立ち上がった。 台所へ向かい、手探りで火種を探す。 ライターを一つ発見し、ケンシロウはリビングへとってかえした。 彼女の遺品となってしまった杖を、自分のディパックに移す。 キュルケの友が、全て死んだことは知っている。 だが、できるかどうかは分からないが、キュルケの杖は、彼女の家族の元へ返したいと思った。 ――それくらいのことしかしてやれぬ。 その時ふと、ケンシロウは自分に支給されたものの中に『般若心経』と書かれた紙が入っていたのを思い出す。 拳法と仏教の関係は深い。それゆえ、何らかの経文であることがケンシロウには分かり、 同時に、主催者に対する怒りも湧いた。 死者が出るから、これで経を唱えろというつもりか、と。 ゆえに開こうともせず、ディパックの中へ放り込んだ。 けれど、こうなってみると、目が空いているうちに開いておかなかったことが、少し悔やまれる。 目が見えなくなってしまっては、読み上げることもできない。 そこまで考えて――ケンシロウは、拳を胸の前で打ち合わせた。 人の命を奪うことを、他人に悲しみを強いることを躊躇わない、あの銀髪の女に 何よりも、彼女をこの地に連れてきて、彼女から全てを奪った主催者、愛を否定する者達に。 「ならば……」 呟きながら、ケンシロウはライターで紙に火をつけると、それが大きくなるのを待って、 リビングに放った。 幸いにも、この家の周りに家はなく、燃え移る心配もない。 ならば、キュルケと同じように、愛に生きた男、南斗水鳥拳のレイを弔った時と同じように、、送ってやりたかった。 炎の熱を背中に感じながら、ケンシロウは廊下をわたり、戸口へと歩み出た。 夜風がケンシロウの頬を撫でていく。 「キュルケ……。忘れはせぬ。お前もまた、よき強敵達と同じく、俺の中に生き続ける」 まずは、炎を見て人が来るのを待つ。 正義の心を持ち、力があるものならば、何かあったかと、義憤を抑えられずに駆けつけてこよう。 戦闘を好むものなら、勇んで寄ってこよう。 味方となるべきものなら列に加えてもらい、敵ならば撃つ。 もし仮に誰もこなくとも構わない。その時はひたらすら、歩くだけだ。 彼女の遺志は自分が継ぐ。 愛を否定し、踏みにじる者達がいる。 その者達が死を望み、殺し合いを望むなら―― 「俺は、愛のために闘おう」 燃え盛る火を、見えぬ目で感じ取りながら、ケンシロウは誓う。 キュルケの残した熱は、ケンシロウの中で炎となって、燃えていた。 【D-4 北東の民家(炎上中)。一日目 夜中】 【ケンシロウ@北斗の拳】 [状態]:カズマのシェルブリット一発分のダメージ有り(痩せ我慢は必要だが、行動制限は無い)全身各所に打撲傷 キング・クリムゾンにより肩に裂傷 両目損失。吐き気はほぼ、おさまりました(気合で我慢できる程度) [装備]: [道具]:支給品一式、ランダムアイテム(般若心境と書かれた紙(エニグマ/開かれていません)、他2つ、本人確認済み) [思考・状況] 基本:殺し合いには乗らない、乗った相手には容赦しない。 1:人を待つ。来なければどこへでもいいから、とにかく歩く 2:エレオノールを捜索してキュルケの仇を討つ。 3:アミバを捜索、事と次第によれば殺害。 4:ラオウ・勇次郎他殺し合いに乗った参加者を倒す。 5:助けられる人はできるだけ助ける。 6:乗ってない人間に独歩・アミバ・ラオウ・勇次郎・エレオノールの情報を伝える。 [備考] ※参戦時期はラオウとの最終戦後です。 ※ラオウ・勇次郎・DIO・ケンシロウの全開バトルをその目で見ました 。 ※秘孔の制限に気付きました。 ※ラオウが無想転生を使えないことに気付きました。(ラオウは自分より過去の時代から連れて来られたと思っています) ※民家の前に消防車が止まっています。 ※オリンピアが懸糸の切れた状態で消防車の助手席の後ろに座っています。 <首輪についての考察と知識> ※首輪から出ている力によって秘孔や錬金が制限されていることに気付きました。 首輪の内部に力を発生させる装置が搭載されていると思っています。 191 男とアルター 投下順 193 求めたものは 191 男とアルター 時系列順 193 求めたものは 190 人形の名を名乗った娘 ケンシロウ 202 何をしても勝利を
https://w.atwiki.jp/magichappy/pages/66.html
▼● Memories of a Maiden ウィンダスから合同調査隊へ選出されたのは、 鼻の院の研究員イルクイル。 彼のことを調べなくてはならない。 ウィンダス水の区 ウィン☆ダッスー! Makki-Chebukki おほお~~~。 Makki-Chebukki おほほお~~~。 Makki-Chebukki ここが、 おいらたちの故郷なのか~。 Cherukiki 違うよ、 とうちゃんの故郷なんだよ! Kukki-Chebukki 違うぜ、 かあちゃんの故郷なんだぜ! Makki-Chebukki ってことは……? Kukki-Chebukki ここが、 おいらたちの故郷なのか~。 Cherukiki 違うって! Kukki-Chebukki おなかへったなぁ。 Cherukiki おなかへったねぇ。 Makki-Chebukki ……。 Makki-Chebukki そうだ、とうちゃんを探そうぜ! Kukki-Chebukki とうちゃん!? Cherukiki とうちゃん!? Makki-Chebukki とうちゃんはね、 おいらたちみたいに頭がいいんだ。 Kukki-Chebukki とうちゃんはね、 おいらたちみたいに強いんだ。 Cherukiki そんですっごい、えらい人なんだ。 Makki-Chebukki とうちゃーん。 Cherukiki とうちゃーん。 Kukki-Chebukki とうちゃーん。 ▲ 主のなき都 をとめの記憶 をかしき祖国 ■関連項目 プロマシアミッション , ウィンダス水の区 Copyright (C) 2002-2012 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/220.html
波紋の記憶 ◆vPecc.HKxU 「……………オオオオオォォォォ――ッ!!!」 「ジョジョッ!? なにするのよ!!?」 エリアG-8の大通りに面した民家の一角で少女、柊かがみの怒声が響く。 怒声の矛先は身の丈195cmを誇る波紋の戦士、ジョセフ・ジョースター。 数分前まで仲間だったはずの彼は今、腕を前後に180度以上広げるというポージングでかがみを見据えている。 そこから湧き上がる波紋のオーラ、そしてジョセフが放つ『スゴ味』にかがみは金縛りにも似たような感覚を体験していた。 (や……やられる……っ…) 背後には壁。全力で逃げたとしても常識破りの速度で走るジョセフから逃げ切ることは無理。 「逃げられない」 かがみは覚悟を決めた。 吸血鬼…不死王アーカードと対峙した時と同じく、激戦を握り締める。 それと同時に、ほんの半日程前に頭部を砕かれた記憶が蘇り、 かがみは恐怖の表情を浮かべ、歯を食いしばり目を瞑った。 だが、ジョセフはそれを見てなおポージングをやめない。 ――ピチャッ ジョセフの手の先から油が垂れて落ちる。 次の瞬間!! あろうことか!! ジョセフはその筋骨隆々の肉体を思い切り捻り、かがみの頭部目掛けて手刀を突き出したのだッ!! メ メ タ ァ ! ! ◇ ◆ ◇ 「……やる時は最初に断ってからにしろ――っ!!」 本日何度目かにもなるかがみの鉄拳がジョセフの顎にクリーンヒットする。 それ自体に大したの威力はなかったのだが、ジョセフがオーバーに吹っ飛んで民家の観葉に突っ込む。 ジョセフ本人はこれで笑いを取って許してもらおうという魂胆だったのだが、依然かがみは怒り心頭だ。 「オーいてぇーッ。そーいやシンジにも同じことやって似たよーなこと言われたっけ」 「懲りないヤツなのね、アンタって……」 半分呆れ気味にかがみが頭に手をやる。 つい先ほど、確かにジョセフの手刀はかがみの頭部に当たった。 だが、かがみが頭にやった手には血の生暖かさはおろか、たんこぶの1つの感触すらない。 しいていうならば、少しおでこにサラダ油がついたくらいである。 「ヘヘッ。だが、今のは意味があったぜ。なんたって…」 そう言い、ジョセフが近くに落ちていた円盤状の物体を拾い、器用に回す。 それはまさしく、かがみが使っていたスタンド―マジシャンズ・レッドのディスクだった。 ◇ ◆ ◇ 時は少しさかのぼる。 かがみが自分の足で歩くことを決意し、駅周辺の探索を始めようとした直後のことだ。 グウゥ… 「オイオイ。かわいい腹の音だな、かがみ」 腹が減っては戦はできぬ。などと言うが、かがみはそんな状況であった。 参加者がこの場に集められたのはもう18時間ほど前のこと。 特にかがみは何度か嘔吐をしていたため、もはや胃の中には何も残っていない。 それでもこの数時間は友人や仲間の死を悼み、気にする余裕がなかった。 しかし、友人や仲間の死に向き合おうと考えた瞬間、身体の緊張が少しほぐれたことで空腹が気になり始めたのだ。 「しょ、しょうがないでしょ! 食べ物もみんな燃えちゃったし、家の中にも何もないし…」 それに気付いたかがみが冷えた腹部を押さえ、顔を赤らめる。 「しょーがねェな。コレやるぜ」 そう言い、ジョセフがデイバックの中からコンビニで売っていそうなカツサンドとコッペパンを取り出す。 デイバックにはあらかじめ食料がいくつか入っているのだが、その内容も実はランダムらしい。 ちなみにそれらの種類は現代日本で食されているものに限られているのだが、特にそれと察する者はいない。 「あ、ありがと。こっち、もらうね」 差し出された二つのうち、コッペパンを受け取り口にくわえる。 それを見てジョセフもカツサンドを口に放り込んだ。 「お、これウマイな。波紋のおかげであんまハラは減らねェけど、やっぱりイイもの食べると心が躍っちゃうネッ!」 「まあ、確かにコンビニで普通に売ってるものでも、お腹減ってるとおいしく感じちゃうわよね」 「コンビニ? こんなのが普通に売ってる店がかがみの住んでるとこじゃあるのか? 便利なもんだぜ」 「……? コンビニくらいアメリカとかイギリスにもあるでしょ?」 まるでコンビニという単語を始めて聞いたかのようなジョセフの質問に、再びかがみの頭に疑問がよぎる。 かがみがジョセフの上に乗っていた時……語弊がありそうなため、言い直そう。 精神疲労のためまともに立てず、ジョセフに背負われていたとき、二人は色々な話をした。 スピードワゴンという老齢の石油王の知り合いがいること、ナチスの科学は世界一なこと、波紋や吸血鬼の力のこと、 まだ生き残っているかがみの友人、こなたのこと、自分の家族のことなど。 みゆきや桂、灰原のことが出てこなかったのは語ることにかがみが辛さを感じていたからである。 3人の死を乗り越えられたらこのことは語ろう、とかがみは決めていた。 その話の中では、少なくともジョセフはアメリカやヨーロッパ諸国を渡り歩いたはずである。 アフリカの奥地で生まれ育ったのならともかく(このときかがみはジャングルで雄叫びをあげてターザンをするジョセフを想像してコッペパンを噴いた)、 コンビニを知らないというのはあまりにも常識外れではないのか? 自他共にオタク・インドア認定をしているこなたですらコンビニにカツサンドが売っているくらい知っている。 先ほどもジョセフが駅の話をした際、はっきりと『汽車』という単語を使っていた。 現代の都会に住むものならばまず『汽車』などという単語は使わず、『電車』というはずである。 (まさかね………?) こなたと違い、常識人であるかがみはそこで思考を踏み留めようとした。 ジョセフはただ単純にふざけているのであろう、と。 だが、 不滅の再生力を誇る吸血鬼アーカード、 頭に挿入でき、自分の身体より発現したマジシャンズレッド――といった、 明らかに自分がいた世界には存在しないはずのものが頭をよぎる。 もしかしたら、それらに比べればジョセフに抱く疑問である”それ”はまだ普通なのではないかと。 ――ジョセフが過去の人間であるということが。 「……かがみ、オイ! 聞いてるのか?」 「な、なにっ?」 突然のジョセフの声にかがみは驚き、振り向く。 するとジョセフはかがみの手を取り、駆け出した。 「ちょっと! いきなり何するの… 「時間が来たみたいだ。電灯のある場所に行くぜ」 「あ…………」 ――さて諸君、午後18時の定時放送を始める。調子はいかがだろうか? ――では御機嫌よう、6時間後の放送を心待ちにしていたまえ。 マイクのスイッチが切れる音を最後に、戦士達の死を告げる放送が終わる。 幸か不幸か、彼らがこれまでに会った仲間……生存者はわずかに三村信史、泉こなた、柊つかさの三名だが、 彼らの名前が呼ばれることはなかった。 そのことにかがみは不謹慎ではあると思ったが、心の中で安堵のため息をつく。 (そういえば、桂さんや灰原さんのこと、あんまり聞かなかったな……) 1人は幼い容姿にも関わらず、どこかダークでシリアスな雰囲気を醸し出していた灰原哀という少女。 もう1人は時代錯誤な格好をしていたが確かな実力を持っていた男、桂小太郎。 かがみは2人の知り合いを知らない。 4人は出会った時、互いを疑いはしなかった。 そのため皆が皆、仲間割れで時間を食うことなく協力して隠れ家を作り、作戦を立てることができた。 この時4人全てが確かに「希望」というものを持っていた。 だからそれ故に彼らはすぐに全ての手持ちの情報を打ち明けあわなかった。 なぜなら、あまりにも早い別れが来るとは思わなかったから。 現状の情報の少なさに、かがみは心もとなさと、多大な後悔の念を抱く。 しかし、あまり不安そうな顔をしてジョセフに気を使わせることもためらわれた。 なるべく不安を顔に出さないよう、かがみは隣で名簿を覗き込むジョセフの方へ顔を向けた。 「………………」 そこには恐らく静かな怒りの表情を浮かべ、それでも闘志の炎を燃やす男がいる。 そうかがみは思っていた。 ところがそこにいたのは、彼曰く『マヌケ面』のジョセフだった。 「ジョジョ……?」 怪訝そうな表情でかがみがジョセフの顔をまじまじと見る。 腹痛か何か? いや、それは突然それはありえないだろう。 だとすればかがみが知らない、ジョセフの知り合いの名前が呼ばれたのだろうか? かがみは襲われた時とは別の焦りを感じた。 彼女はこれまでの放送の中で他者に励まされたことはあれど、自分が励ます側に回ったことなどない。 子供のように頭を撫でればいい? 後ろからそっと抱きしめる? それも違う。 何より― ―どんな言葉をかければいいのかわからない。 それが彼女の心境だった。 「………く、」 ジョセフがゆっくりと口を開ける。 「空条承太郎……おれにはジャパニーズの知り合いなんざいねェ。 けど、コイツの名前を聞いた時、まるで親友と息子を同時に失った……そんな気分になった」 「し、しっかりしてよジョジョッ!」 かがみが思わずジョセフの肩に手をかける。 その振動にジョセフがハッと我に返る。 「あ、ああ。ただそんな気がしただけなんだ。 経験や記憶じゃない、もっと何かを越えた……深い”何か”が、俺を悲しませやがる……そんな気がな」 ジョセフと空条承太郎。時間が時間ならば2名は旅を共にし、 打倒DIOを誓った仲間であり、同時に祖父と孫であった。 またある時は吉良吉影を追う強きスタンド使い達のうちの2名でもあった。 しかし、今ここにいる誇り高き血統の男の中に承太郎の記憶はなく、 空条承太郎の名前を知っていると感じたことすらほんの気のせいかもしれない。 だが、遠い未来に自分の娘より生まれ、 氷のような沈着冷静さを持ち合わせながらも熱き炎のような魂を持って戦った男に、 ジョセフは無意識に涙を流さざるを得なかった。 「ジョジョ………」 「大丈夫だぜ、かがみ」 不安そうに見つめるかがみを元気づけようと、ジョセフが指を涙を拭う。 「サンキュー。まさかこのジョセフ様が心配されるとはな」 「ううん…ごめん。私、なんていったら言いかわからなくて……」 「気にするなよ。かがみの裸思い出したら余計なとこまでゲンキ出てきちゃいそー」 「っっっのスカタン!!!」 「ちなみにウソだぜ」 「……それはそれで腹立つ」 かがみに無力さを感じさせることなく、ジョセフが軽いジョークで場の空気を引き戻す。 しかし、ジョセフの表情はすぐに真剣なものに変わった。 「シンジのヤローも無事だ。 だが、さすがにこのおれ様でもちょっと危機感を覚えたぜ」 ジョセフはまだこの場に来て、まともな敵と拳を交えたことがない。 そのため、ジョセフは持ち前の力とその場のアイデアのみで誰とでも戦えるだろうと過信していた。 だが、承太郎の死。 それは無意識のうちに自分よりも遥かに強い相手がいるということをジョセフに感じさせていた。 かつての宿敵、ワムウとの戦いと同じ規模のものがあるのではないかと。 また、わずか18時間で参加者が半分に減ったという事実も彼を急かせた。 「新たなパワーが必要だな」 「新たなパワー……って、アテはあるの?」 「アテ? Yes Yes. もちろんあるに決まってる。それはかがみ、オメーだ」 「えぇっ!?」 自分より遥かに優れた肉体を持ち、さらに波紋という技まで持っているジョセフ。 そんなヤツが一体私に何を求めるのだろうとかがみが訝しがった。 「正確に言うと、あの焼き鳥だ。一体全体どーやって出してるんだ? アァン?」 「わっ、私の力じゃないに決まってるでしょ! 支給品よ、支給品!」 「支給品だと!? なァんてベストなんだッ!! 楽シテ身につく方法サイコ――ッ! どんな道具なんだ!?」 かがみの言葉を聞いた瞬間、ジョセフが目を輝かせて両手を肩前でにぎにぎさせる。 「えっと、支給品の紙からディスクが出てきて…それを頭に入れたら使えるようになったってゆーか…」 が、途端にジョセフの顔がカワイソウなものを見る目つきに変わる。 「かがみぃ~、おれはオメーのことをちょっと意地っ張りなフツーのオンナの子だと思っていた。 けど、ちょっとオトボケな一面を発見したぜ。頭に穴なんてあいてるわけねーだろガッ!」 「あるわけないじゃない! でも実際入ったのよ!」 「オーケイ。この際信じてやる。で、それは出したりできるのかい?」 「うっ……それは……」 かがみは困った。 アーカードと対峙した時に咄嗟に使ったはいいのだが、あまりにも事態が切羽詰っていたため、 説明書の最低必要限の文しか読まなかったのだ。 もしかしたら外す方法が書いてあったかもしれない。 下手をすれば一生この焼き鳥…マジシャンズ・レッドを宿したまま生きることになりかねない。 「わからない…」 「入ったからには出す方法があるはずだよなぁ~~~。コイツは試してみるしかねェ」 「ごめん…って、どこ行くのよジョジョ!」 そう言うと、ジョセフが思い出したように民家を漁りだし、帰ってくる時には手に油が滴り…… ◇ ◆ ◇ そして、今に至る。 「まったく、もう!」 「だーからさァー、怒るなよかがみ~ん。ぶっ叩いたら出てくると思ったんだってばよォー」 「だからって危ないじゃない! それに女の子の頭を殴るなんて!」 憤慨するかがみにひたすらジョセフが平謝りを続ける。 ――ジョセフの思考は単純明快。 頭の中に異物が入っている。ならば波紋でそれだけを弾き飛ばしてやればいい、と。 波紋は物体によって伝導率が異なる。 つまり人体を通しながらも傷つけることなくそれに繋がる物体を破壊することができる。 今回のものはそれの応用で、かがみの頭の中にあるであろうディスクのみを吹き飛ばす、という荒業。 当然ながら人体の中にあるものを吹き飛ばしてしまえば身体に風穴が開くが、 かがみの頭が虫食いでないというのであれば、それは物質法則を無視して挿入されたということ。 万が一彼女の身体を傷つけるようなことがあったとしても、今の彼女には田園地帯で見せた激戦の再生能力がある。 これらの条件下のもとでジョセフは首輪に力が向かないよう、手にちゃっかり民家の台所で見つけた油を塗り、 万全の状態で力の行使を行ったのだ。 そして、これらの行動は結果的に功を奏した。 言い訳に聞く耳を持ってもらえそうにない、とジョセフは判断した。 そこで気を散らせる意味も含め、ディスクを頭へと挿入する。 すると、かがみの言うとおり、ジョセフの虫に食われていそうな頭の中にディスクは入っていった。 「…ど、どう? 使えそう?」 「やってやろーじゃないの。カモーンッッッ! 焼き鳥ちゃ~~ん!!」 ジョセフが出ろ、と念じるとそこに猛禽の頭部と、格闘家の体格にも勝るとも劣らない人の身体を併せ持つ肉体が現れた。 「シュッ」 ジョセフが右手を繰り出すイメージをすると、同じように右手が繰り出される。 「ハァッ!」 同じように左足で蹴り上げるイメージをすると、また同じように左足が蹴り上げられる。 「うっふゥ~~ン」 ジョセフが両手を左右反対の肩にやり、足を気色悪くくねらせると同じようにマジシャンズ・レッドも…… 「マジメにやりなさいよっ!!」 「それじゃあマジメにやるとするぜ」 そういうと、ジョセフは持っていたヨーヨー2つかがみに手渡す。 「ん? 何よこれ」 「ちょっと練習には危ねェから少し離れてくるのさ。それで遊んで暇潰してくれよ」 「ってこんな子供っぽいので遊ばないわよ、ジョジョ……! もう…」 怒鳴ろうとするかがみを背に、ジョセフは走り出していた。全力で。 ◇ ◆ ◇ (マジメにやるっつったがな……コイツはかなりクセモンだ) 内心でジョセフはかなり苦戦していた。 かがみから離れたジョセフは、街路樹のある大通りで練習…ではなく、街路樹があった大通りで練習していた。 単純なパワーのみで戦うというスタンスは悪くはない。 だが、問題はそのパワーである。 念じすぎれば炎は威力どころか範囲すら定まらない。 加減が過ぎればライターの火から一気に近隣一帯半焼である。 戦いの場において、スタンドで殴る蹴るだけならば加減などせずに全力に打つだけで済む。 また、特定の能力を”発動させるだけ”でも加減はいらない。 だが、ジョセフが操るそれは力を調節できる炎。 万が一味方が近くにいる場合に全力で放ってしまえば、田園地帯でのかがみの二の舞になる。 実は彼がその威力をうまく操ることが出来ない、その理由は波紋の修行に関与していた。 波紋の技の使い方の基本は、何らかの物質にその力を注ぎ込むことである。 対象は人体の一部であろうとコーラであろうと何も問題はない。 しかし、何故か彼は無意識に炎を波紋のように扱ってしまう。 注ぎ込むような力の使い方で炎は使いこなせない。 (クソッ! せっかく使えるようになってもコレじゃ意味ネー!) せめて炎を操ることができるだけでもジョセフの戦法は格段に広がる。 完全に使いこなせなるまで努力する気はないが、せめて使い方くらいは理解したい。 それがジョセフの心情だった。 (チッ、なんだか疲れてきやがるぜ……やっぱやめてやる、こんな焼き鳥ヤロー) 使えないならば使えないでいい。威嚇など、戦闘以外の使い道だってある。 ジョセフが投げやり気味に道路に寝転ぶ。 (日が暮れるな……) 日が暮れれば訪れるのは深い闇。 夜空に輝くの星や月を尻目に跳梁する吸血鬼達。 そしてサンタナ・エシディシ・ワムウ・カーズといった柱の男達。 サンタナを倒すべく手榴弾で爆発していったシュトロハイム(生きてたけど)、身体を半分喰われたマルク、 そして命を賭けて敗れていったジョセフの戦友、シーザー。 他にも数え切れない人々が吸血鬼に襲われ、恐怖の中死んで逝ったに違いない。 自分の祖父や父もまた吸血鬼の手によって…… (………………) そのことを思いジョセフは……… ハラが立った。 「こぉぉンのブァカヤローガァァァァ――ッ! なんだって俺がそんな思いしなきゃならねェんだヨォォォ―――ッ!!」 身体をバネに立ち上がると、ジョセフは思い切り走り出し、 少し離れた場所に生えていた街路樹を思い切り殴りつけた。 マジシャンズ・レッドで。 その怒りを発散させるべく、その殴りつける手から迸るイメージは…… 「な、なんだ!? いきなり燃えあがっただとッ!?」 マジシャンズ・レッドが殴りつけた部分から発した火は瞬時に業火となり、街路樹を炭に変えた。 そう、ジョセフにとってもっとも使いやすいイメージである注ぎ込む動作と炎の合わせ技。 これこそが今のジョセフにとって唯一の炎の威力を操る術だった。 ◇ ◆ ◇ 一方、ジョセフから少し離れた位置にいるかがみはある決意を固めていた。 (ジョジョが過去の人間だとしたら……) 思い当たる節はいくつもあった。 間違っていたらまたバカにされるだろうが、聞いてみる価値はある。 だが、それが本当ならばいくつものとんでもない事実が発覚してくるだろう。 それがかがみにとって恐ろしい。 (ダメだな、私……誰かと一緒にいないとどんどんマイナス思考になっちゃう……) そんな自分に嫌悪感を抱きながらもジョジョが戻るのをかがみは待つ。 (それにしても暇ね) 思考を一旦やめてしまうとやることがない。 ふと手に目をやると、先ほどジョセフから借りたヨーヨーがある。 「懐かしいなぁ、こういうの。昔つかさや友達と一緒にやったっけ」 そう思い、少しだけとヨーヨーの糸を指にハメて振り下ろす。 もっとも基本的な技であるスリープの技をして、手に戻す。 案外できるものね、と今度はスリープさせたヨーヨーを道路に付け、走らせてみる。 「あれはできるかな……なんだっけ、ループ・ザ・ループ」 かがみの手から前方に投げられたヨーヨーが引き戻され、手首の返しで再び前方へと飛ぶ。 そして戻ってきたヨーヨーをかがみは……キャッチできなかった。 「あはは、やっぱできないかなー………あ」 誰もいないのに笑みを零すかがみ。 それをジョセフが民家の脇からイイ笑顔で覗き見していた。 「子供っぽいかがみんカワイィ―ッ!」 「う、うっさい!!」 ◇ ◆ ◇ ジョセフがひとしきり笑い転げたところでかがみが喋りだす。 「…で、あれは使えたの?」 「おれ様を誰だと思ってやがる。オメメパッチリでご覧アレ!」 そういうとジョセフは近くに落ちていた大きめの石を上に投げる。 落ちてきた石に向かいマジシャンズ・レッドが拳を放つ。 「赤熱の波紋疾走(プロミネンス・オーバードライブ)!!」 石は砕け、直後に燃え上がると地面に落ちる前に炭と化した。 「にひひッ、気に入ったぜ。名前がほしいな。 生命エネルギーから作り出され、 そばに現れ立つパワーある像(ヴィジョン)……名づけて『幽波紋(スタンド)』だ!!」 「……いっとくけど、初めからそれ名前あるわよ。マジシャンズ・レッドって」 「な、なんてこった! 初めにそれを言ってくれよな~~~かがみぃ~~~~~」 「しかもそういえば、そういうのを総称して『スタンド』って言うみたいよ。世の中偶然ってあるものよね」 「チクショ―ッ!! ソイツを名づけたやつはハンサム顔か相当性格悪いヤツに違いねェな! いっぺん会ってみてーぜッ!」 頭を抱えて心の底から負けたとジョセフが嘆きの声をあげる。 そんなジョセフを見て、かがみは1つため息をつくのであった。 「よし、じゃあそろそろ駅に向かうとするか」 「待って」 駅へと向かおうとするジョセフをかがみは引き止める。 かがみの疑問。それが今後2人の精神面にどういった影響をもたらすかはわからない。 だが、やらずに後悔するよりはやって後悔しよう。 そう、かがみは思った。 「そっちの問題が片付いたみたいだから私も単刀直入に言うわね」 かがみが胸に手を当て、深呼吸をする。 そして自分を落ち着かせながら口を開いた。 「ジョセフ……あなた、西暦何年生まれの何歳?」 「1920年9月27日、実年齢19歳のてんびん座だッ!」 「星座は余計よ。…それで、間違いないのよね?」 「俺がウソつくよーな人間に見えるのかッ!?」 「見えるから言ってんのよ。…そっか…そうなのね」 波紋使いだというから、もしかしたら見た目は若いが年は相当、ということも予想していた。 だが、予想は裏切られかがみが落胆し、地面にへたれこむ。 それを見て『俺がウソつきに見えるだってェ~~?』と脅そうとしていたジョセフの口が止まる。 「それがどうしたんだ?かがみ」 「私が21世紀の人間だって言ったら分かりやすい?」 「な、なんだってェ!? ってゆーことはかがみは未来人…」 「違うわよっ! アンタが過去から来たの!! …とは言い切れないか」 もう何があってもおかしくはない。 これがかがみにとって1番恐ろしい事態だった。 自分達をここに招いた連中は時を越える技術を持っている。 何故わざわざ21世紀のただの人間であるかがみと、 20世紀の波紋使いであるジョセフが呼ばれたのかはわからない。 『なんでもよかった』などという理由なのだとしたら、それはまさに狂気だ。 技術の無駄遣いにも程がある。 「するってェとアレか…これもそれで説明がつくのか?」 「これ?」 ジョセフが指したのは自分の左腕。 見るからに逞しく、健康的なそれに違和感はない。 「いいか、かがみ。俺はカーズを倒す時に左腕を失っている。 そして、その後俺はスージーQって女と結婚している。この意味がわかるか?」 「わっ、わかるかもなにもっ、ジョセフの言うことが本当ならおかしいじゃない!?」 「そうだ。確かに俺はあの後から義手をしている。だが、この腕はどうだ? 切りゃ血は流れる。波紋の通りだってイイ。どう考えてもカーズ…柱の男を倒す前の腕といって間違いねェ」 「じゃあ、ここに来るまでにジョジョの腕が治ったってこと……? でも、そんな完璧に腕を治しちゃう技術なんて見たこと……」 そこまで言うとかがみの脳裏にあるものが思い浮かぶ。 ”アーカード” 彼のような再生力なら或いは…? しかし、目の前のジョセフは吸血鬼を倒す力、波紋の使い手だという。 そんな力の持ち主が吸血鬼であるだろうか? そもそも、義手をつけるくらいなら自然に治るのを待った方ほうがいいのでは? そう思い、かがみはそれを口に出すのをやめた。 ちなみに波紋使いが吸血鬼になったという例はあるのだが、かがみはそんなことをしるよしもない。 「……こういっちゃあナンなんだけどな」 ジョセフが自分の、かつて義手だったという手を見つめながら口を開く。 「今のこの状態。こいつはおそらく、おれの人生でほぼ最強のコンディションだ。 はっきり言うぜッ! おれにとってコイツは『都合がイイ』!」 「はぁ!? ちょっと待ってよ! アンタ、19歳なのよね? なんでそれなのに、最強のコンディションなんて言うのよ!?」 「まず、俺が呼ばれた時期だ。カーズとの戦いはおれにとってまず間違いなくナンバー1・2を争う激闘だ。 この経験は確実におれを強くした! 年月が経てばこの記憶はだんだん劣化していく…今がホットなのさ」 ジョセフは究極生命体となったカーズとの戦いで左腕を失い、長い療養を必要とするハメになった。 だが、その戦いの中でジョセフはどう足掻いても倒すことができない絶望、 それとそれに対して抗う意志を感じた。 「それはまあわかるけど……でも、これから修行したらもっと強くなれるんじゃないの?」 「そりゃ~ないな。ボクちゃんこれから修行する気なんてないもんネー」 「でも、波紋の修行って、身体を若く保てるんでしょ? ならやった方が……」 かがみは女性のとって当たり前の意見を言ったつもりだった。 だが、ジョセフは何故かどこか遠い目をしながら言葉を放つ。 「……かがみ、おれはな。波紋の力を使ったり、吸血鬼になってまで長生きした連中を見てきた。 けどな。そういう連中に限ってロクな人生送っちゃいなかった」 目を瞑るジョセフの脳裏に蘇るのは3人の戦士。 老いを恐れ、吸血鬼へを身を変貌させた男、ストレイツォ。 夫を失ってなお、実の息子を抱きしめることもなく苦心の修行を続けてきたジョセフの母、リサリサ。 そして、1万2千年もの間強者を捜し求め彷徨っていた男、ワムウ。 それらの人物との出会いはジョセフに何を思わせただろう。 「俺はもっと人生ハッピーに生きてェ。 それに、愛しのマイワイフ、スージーはやきもち焼きだからな。 いつまでもこんなハンサムボーイが若かったら老後も落ち着いてられないだろうぜ」 「…ジョジョ………」 愛しい人と人生を歩むために自ら歩調を合わせる。 それも、通常の人間よりも遥かに長く生きられる権利を捨てて、だ。 それができるということはなんと素晴らしいことか。 かがみはそこまで頭が回らなかった自分に腹を立てると同時に、一種の感動すら覚えていた。 だが、その一種の感動は一瞬で砕け散る。 「……なァ~んてな! 本当はそんな生真面目なことやってられるかってーのよ おれの嫌いな言葉は、一番が「努力」で、2番目が「ガンバル」なんだぜ。 修行が面倒なだけに決まってんだろーがッ」 「…でしょうね。アンタの場合」 人差し指を突きたて主張するジョセフに対し、かがみが呆れると同時にコートがずり落ちて肩があらわれた。 (まあ、ちょっとだけカッコよかったかな。さっきのは) 結局かがみにはジョセフが言ったことが真実かは皆目検討がつかなかった。 「で、つまり…私達をここに連れてきたやつらはすごい医療技術を持っているってこと?」 「ああ。それもナチスよりも高い、な。シュトロハイムのヤツが聞いたら喜んでスパイしに行くだろーぜ」 (ナチスが1945年になくなったってこと、言っていいのかしら?) 「もしかしたらおれの他にも変な時代から連れてこられて、 最高にハイな状態にされてるヤツがいるかもしれねェ。いたらそれで決まりだ。 あの光成ジジイはおれ達を集めてトーナメントでもやろうって魂胆だ。放送でも言ってたしな」 「少し待ってよ。ならどうして私達みたいな一般人が呼ばれるの? それも、別に私は今が最強の状態だなんて思わないし……」 ジョセフが言う通り、強者を選び出すためだけというのならば不自然ではある。 それこそアーカードやジョセフ、ZXといった戦士がふさわしく、 かがみ達や三村といった一般人がを並べるべきではない。 それこそかがみ達や三村が後にスゴイ能力を発現する…といえばわからなくもないが、 ならばそのスゴイ能力が発現後に呼び出すのが適切と言えよう。 「ンッン~。確かに、かがみはもうちょっと時期が経ってたら胸もビッグに。そしたらサイキョ…」 「ほっとけ!」 「じゃあテキトーに選ばれた、ってのはどうだ?」 「どうだ…って言われても。納得できないわよ。私がそういう目的でやるんだったら、 もっと効率的にやるわ」 「そうだな…なら、ジョースター家には伝統的な発想法があってな」 「『逆に考える』んだ 『テキトーに選んだ』のではなく『テキトーに選ばざるを得なかった』ってな」 「…それなら、一応筋は通るわね。それで適当に選ばれたのが私達や三村ってこと…で……」 「サッパリしねェけど、手持ちの情報じゃこれが限界だ」 「うん……」 こうして2人の最優先目的は自動的に、誰かと合流することとなった。 ◇ ◆ ◇ 「さて、これからどうするかね」 「ねえ、ジョジョ。私が暴走してた時のことなんだけど… あの時、もう1人いたわよね? あの人は信用できない? 私を助けてくれたんでしょ?」 「難しいな。アイツはかがみの腕をいきなり切りやがったヤローだ。 ワムウと同じく戦闘大好きみてーだが、戦う約束もしちまったし、会いたくねェ」 「でも……」 なんとか説得できないか、かがみはそう言おうとした。 「そういやアイツ、かがみの裸をマジマジ見てたぜ」 「…合流は後回しにしましょ」 「オーケイ。誰だってそーする。おれもそーする」 「三村は? ジョジョは大丈夫っていうけど……」 「大丈夫さ、アイツは」 ジョセフの強い言葉をかがみは信用することにした。 きっとジョセフが信頼するほど三村は強い男なのだ、と。 「行くぜ、俺達の仲間を探しにな」 「あ、ちょっと……」 早歩き気味に駅へと向かうジョセフの後をかがみが小走りで追いかける。 「駅に行ってことは北に行くってこと?」 「言っただろ。”仲間”を探しに行くってな」 「あ………うんっ」 日は沈み、吸血鬼だけではなくどこにいるかもわからない殺人鬼も活発化するであろう時間になった。 だがしかし、それに怯むことなく生死を問わず仲間を探しに行く者もいる。 (空条承太郎……いったいオメーは何モンなんだ?) (もし本当に、”適当”に私達や三村をこんな目に会わせたんだとしたら……) 2人は新たな情報を求め、北へ向かう。 それぞれの思惑を秘めて。 To be continued………… 【G-8 駅前 一日目 夜】 【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康、顔面にマジシャンズ・レッドの拳によるダメージ、精神疲労(微小) [装備]:ハイパーヨーヨー×2(ハイパーミレニアム、ファイヤーボール)、 マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]:支給品一式(食料を2食分消費)、食用油1L(現地調達) [思考・状況] 基本:あのスカタンを一発ぶん殴ってやらねぇと気が済まねぇ~~。 1:S10駅を捜索。何も発見できないようならばS5駅までの各駅とその周辺を探索していく。 2:かがみを三人の友達の死に対して決着をつけさせる。 3:2のために駅周辺を探索。三人を殺した悪党をぶちのめす。 4:三村とそのうち合流。 5:マップの端を見に行く。 6:「DIO」は警戒する、一応赤石も探しとくか……無いと思うけど。 7:空条承太郎の情報を集める。 8:赤ムシ野郎(ZX)にはもう会いたくねぇな [備考] ※二部終了から連れてこられていますが、義手ではありません。 ※承太郎、吉良、DIOの名前に何か引っかかっているようです。 ※水を使うことで、波紋探知が可能です。 ※村雨が西の方角へ行ったと勘違いしています ※三村の留守電を聞き逃しました。 ※主催者は目的は強者を決めることであり、その中にはイレギュラーもいると考えています。 ※少なくともかがみとは別の時代の人間であるということを認識しました。 ※波紋の力を使うことで対象のディスクを頭部を傷つけることなく強制排出することができます。 ただし、かなりの集中力を要求します。 ※マジシャンズレッドの火力は使用者の集中力によって比例します。 鉄を溶かすほどの高温の炎の使用は強い集中力を要します。 火力センサーは使用可能ですが精神力を大きく消耗します また、ジョセフのマジシャンズ・レッドは通常の炎の威力の調節が極端に難しい状態です。 ただし、対象に直接マジシャンズ・レッドの手を当てて炎を出した場合に限り調節が可能です。 修練をすれば通常の炎の精度が上がる可能性がありますが、今のところ修練する気はないようです。 【柊かがみ@らき☆すた】 [状態]:左肩、左脇腹に打撲、精神消耗(大) [装備]:核鉄「激戦」@武装錬金、 江頭2 50のタイツ、上半身裸に汚れたコート [道具]:白いエプロン [思考・状況] 基本:生きる 1:S10駅を捜索。何も発見できないようならばS5駅までの各駅とその周辺を探索していく。 2:みゆきたちの死と決着をつける。 3:そのために駅周辺を探索する。 4:殺し合いには乗らない、脱出を目指す 5:ジョセフについていく。 6:こなた、つかさと合流する 7:三村に謝りたい 8:赤い仮面の男(ZX)をちょっと警戒 9:ま と も な ふ く が ほ し い (誰か助けて) [備考] ※アーカードを不死身の化け物と思っています。 ※「激戦」は槍を手から離した状態で死んだ場合は修復せずに死にます。 持っている状態では粉々に吹き飛んでも死にませんが体の修復に体力を激しく消耗します。 常人では短時間で三回以上連続で致命傷を回復すると意識が飛ぶ危険があります。 負傷して五分以上経過した患部、及び再生途中で激戦を奪われ五分以上経過した場合の該当患部は修復出来ません。 全身を再生した場合首輪も再生されます。 自己修復を利用しての首輪解除は出来ません 禁止エリア等に接触し首輪が爆破した場合自動修復は発動しません。 ※精神消耗のためしばらくスタンドは出せません ※三村の留守電を聞き逃しました。 ※ボウリング場にかがみのメモを張っています。 ※主催者は目的は強者を決めることであり、その中にはイレギュラーもいると考えています。 ※波紋、ジョセフが知る吸血鬼の能力について知りました ※2人の主催者に対する見解。 ①主催者は腕を完璧に再生する程度の医療技術を持っている ②主催者は時を越える”何か”を持っている ③主催者は①・②の技術を用いてある人物にとって”都合がイイ”状態に仕立てあげている可能性がある ④だが、人物によっては”どーでもイイ”状態で参戦させられている可能性がある。 175 たとえば苦しい今日だとしても 投下順 177 今夜月の見える丘で 175 たとえば苦しい今日だとしても 時系列順 177 今夜月の見える丘で 153 一歩進んで ジョセフ・ジョースター 189 ――の記憶 153 一歩進んで 柊かがみ 189 ――の記憶
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/4906.html
レナス 古代機械の記憶 機種:SFC 作曲者:田中公平 開発元:コピアシステム(現シャングリ・ラ) 発売元:アスミック 発売年:1992年11月13日 概要 アスミックから発売されたロールプレイングゲーム。 パステル調の色使いが魅力的。 音楽は田中公平氏。効果音及びサウンドプログラムは当時コピアシステムに在籍していた森彰彦(DON)氏。 スタッフロールによると演奏は「モリもりグランドオーケストラ」というものによるもの。おそらく森彰彦氏自身であろう。 収録曲(オリジナル・アルバム) 曲名 補足 順位 OPENING <語り>俺の名はリヒター ナスクオト <語り>放浪 サスクオト <語り>神聖戦士 チェズニとミディア <語り>運命の出会い ゼイゴス〜Final War〜 <語り>そして神話へ・・・ 収録曲(スーパーファミコン版) 曲名 英名 補足 順位 レナス オーバーチュア Lennus Overture 束の間の平和 Momentary Peace 魔法学校など(街のテーマ1) 目覚めるダル・グレン Awakening Dal Gren 災難 Calamity 崩壊した魔法学校 明るい故郷 Bright Homeland ナスクオト(フィールド1) 平原での戦い Battle on the Plains 通常戦闘曲314位 勝利! Victory! 暗黒の世界 Dark Underworld 暗闇の中での戦い Battle in the Darkness レスター島など(ダンジョン1) 激戦 Fierce Battle ボス戦 大勝利 Grand Victory ハグドのラグタイム Hagudo Ragtime ゴドムの子守唄 Godom Lullaby 聖地 Holy Sanctuary 竜の中 Inside the Dragon 古代の翼 Ancient Wings 赤い地球、ダークキングダム Red Earth, Dark Hearts サスクオト(フィールド2) 根深い憎しみ Deep-Rooted Hatred ロープウェイに乗って Ropeway Ride ロープネットワーク 活気のある南部町 Lively Southern Town さまよう魂 Wandering Spirits カロンなど シュレックパレード The Shimrek Parade ゼイゴス~冷酷な皇帝~ Zaygos ~ Heartless Emperor ゼイゴスの神殿 ライガの記憶 Memory of Raiga 神々の御座(地下)など 高速輸送 High-Speed Transport 地底弾道特急 無限の海を航海します Sailing the Boundless Sea 時の経過 The Passing of Time ドース~隻眼のガーディアン~ Doth ~ All-Seeing Guardian 水晶の迷宮 千年を超えて Beyond the Millennia 時めぐる船など 運命の対決 Fated Confrontation ゼイゴス戦 カイマート~ツイスト・ユニオン~ Kaymat ~ Twisted Union ラスボス戦 再会、出発... Reunion, Departure... スタッフロール Staff Roll おやすみなさい... Good Night... 宿泊 おはようございます! Good Morning! 宿泊終了 宝箱 Treasure Chest アイテム入手 同盟 Alliance 仲間キャラクター加入 別れ Fond Farewell 仲間キャラクター離脱 サウンドトラック レナス「古代機械の記憶」オリジナル・アルバム オーケストラによるゲーム音楽コンサート3
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/693.html
過去の記憶 俺「ストライクウィッチーズであります!」 933-938 971-975 俺「ストライクウィッチーズぅ~?」 83-90 総レス数 XXX このページでのレス数 XX 933 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 19 29 16.80 ID 1vNvv7NU0 658より あらすじ 戦闘割愛とかひどすぎww ビューリング「ベロモロカナルなんてすうもんじゃない」 ヴァルター「お前に言われたくないわ」 二人「ハハハハ」 エルマ「キャー」バタンッ ヴァルター「何もないとこでころぶなし」 エルマ「どじでサーセン」 ヴァルター「あれ? これどこかで見たような」バタンッ ってかんじ 934 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 19 33 02.98 ID 1vNvv7NU0 ?「ここのお料理はおいしいですね」 ヴァルター「一度、一緒に来てみたいと思っていたんだよ」 ヴァルター「そ、その……、イレーネ、話があるんだが……」 イレーネ「何? ヴァルターさん」 ヴァルター「ウィッチとしての寿命は20で終わりだろう? そうしたら親父達の研究所に行こうと思うんだ」 ヴァルター「それでなんだが、イレーネもその……、一緒に来てくれないか?」 イレーネ「それってつまり……」 ヴァルター「俺と、けっ、けっこ 935 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 19 36 03.01 ID 1vNvv7NU0 ?「――ルターた――! ヴァル――大尉!」 ヴァルター「イ、イレーネ……?」 目を開けたらそこにいたのはエルマ中尉だった。 エルマ「大丈夫ですか? 大尉、いま大佐を呼んできますね!」 エルマ中尉はかけだしていった。 智子「いきなり倒れたって聞いたけど、大丈夫ですか?」 ヴァルター「あ、ああ……。なんとか」 そこにはエルマ中尉以外の中隊の全員がいた。 そこに大佐が入ってきた。 大佐「目覚めたか。君たちは少し席を外してくれ。大尉と話したいので」 智子「わかりました。行きましょう」 936 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 19 39 52.67 ID 1vNvv7NU0 大佐「大尉、体調の方は大丈夫かね?」 ヴァルター「はい、少し頭痛がしますが問題有りません」 大佐「うむ、そうか。……ところで、記憶の方はどうだね」 ヴァルター「イレーネがどうとか……」 大佐「そうか。博士の方には私から話しておく(イレーネというとフォン・コンラディ家の娘か)」 大佐「明後日は作戦だ。明日も将軍が視察に来るそうだから、安静にしていなさい」 そのまま眠りについた。 937 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 19 42 01.63 ID 1vNvv7NU0 ――翌朝、飛行場 飛行場に一機のスオムス空軍輸送機が着陸した。 その輸送機から降りてきたのは、スオムス軍の将軍だった。 ハッキネン「マンネルハイム将軍、いますぐ兵を整列させますので……」 マンネルハイム「その必要は無い。普通にしていてくれればいい」 ハッキネン「はっ、了解しました」 マンネルハイム将軍は数名の副官を連れ、基地へと向かっていった。 ――宿舎 智子「なんだか外が騒がしいわね」 キャサリン「今日はマンネルハイム将軍が視察に来てるねー」 智子「えっ!? じゃあ、なんでこんなにくつろいでるのよ!」 キャサリン「いつも通りにしてていいって言われたねー」 智子「そう言う問題じゃ無いでしょ!」 ガチャ 938 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 19 45 07.00 ID 1vNvv7NU0 マンネルハイム「失礼するよ。久しぶりだね、お嬢さん達」 智子「こ、これはマンネルハイム将軍っ!」 智子はサッと立ち上がり、直立不動の姿勢を取った。 マンネルハイム「楽にしてくれたまえ。穴拭中尉」 マンネルハイム「ん、君は……」 ヴァルター「自分……ですか?」 マンネルハイム「やはり! 久しぶりだなあ、ヴァルター君。今は大尉か」 ヴァルター「はあ、そうですが……。どちら様でしょうか?」 マンネルハイム「スオムス軍最高司令官マンネルハイムだ」 ヴァルター「これは失礼しました!ご無礼をお許し下さい」 マンネルハイム「構わないが、一体どうしたんだ。公式な訪問では無いのだからいつも通りでいいんだぞ」 ヴァルター「すみません。私には将軍にお会いした記憶はないのですが」 971 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 21 43 53.79 ID 1vNvv7NU0 では行きます 938より その時、部屋に軍医殿が入ってくる。 大佐「失礼します。マンネルハイム将軍」 マンネルハイム「君も来ていたのかね。クリューガー大佐」 大佐「はい。それで、彼のことなんですが、彼は記憶を失っておりまして……」 マンネルハイム「なんだって!? そんな状態で前線に立たせるとは、カールスラント軍も酷だな」 大佐「戦力は不足しておりますので……。致し方ないかと」 マンネルハイム「致し方ない……か。ところでお父上とは会ったのかね」 大佐「か、閣下……」 ヴァルター「亡くなりました」 マンネルハイム「……」 マンネルハイム「すまぬ事を聞いたな。しかし、惜しい人を亡くした。君の記憶がいち早く戻ることを祈るよ」 ヴァルター「お気遣いありがとうございます」 マンネルハイム「それでは失礼するよ。中隊の皆さん、明日の作戦は期待しているよ。それでは」 将軍は司令室の方へと向かっていった。 972 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 21 47 02.83 ID 1vNvv7NU0 マンネルハイム「それでは失礼するよ。中隊の皆さん、明日の作戦は期待しているよ。それでは」 将軍は司令室の方へと向かっていった。 智子「なにを話していたんですか? カールスラント語で分からなかったけど」 ヴァルター「たいしたことじゃない」 エルマ「でも、マンネルハイム将軍とお知り合いみたいでしたけど……」 ヴァルター「俺は記憶にないが、会ったことがあると言っていたが」 将軍は基地をまわり、兵達に激励の言葉を述べた後、 輸送機でミッケリの司令部へと帰った。 973 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 21 50 06.18 ID 1vNvv7NU0 ――翌日、上空 ついにヴォスク鉄橋爆撃作戦当日となった。 義勇独立飛行中隊の任務は鉄橋付近の対空砲を破壊することだ。 編成はビューリングとキャサリンのロッテ、エルマとウルスラのロッテ、 そして智子とハルカ、ヴァルターのケッテとなった。 智子「対空砲陣地は全部で3つのようね。ビューリング小隊は右、エルマ小隊は左をお願い」 智子「私たちは真ん中をやるわ。私と同じ機動で付いてきて!」 二人「了解」 バレル・ロールとシールドで対空砲火を避け、三人は対空砲陣地に爆弾を投下する。 爆弾は見事命中し、対空砲は吹き飛んだ。 キャサリン「大変ねー! ビューリングが!」 右を向くと対空砲陣地は破壊されているが、ストライカーから煙を噴いているビューリングの姿が見えた。 智子「待ってて! 今行くわ!」 キャサリン「早くー! わぁっ!」 ついでキャサリンも被弾。 974 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 21 53 21.77 ID 1vNvv7NU0 ウルスラ「エルマ中尉、被弾……」 振り返るとエルマ小隊もビューリング小隊と同じような状態になっていた。 智子「ハルカ! 大尉と一緒にエルマ中尉の撤退を援護して!」 ヴァルター「俺はビューリングとキャサリンを援護する! 君は敵に集中しろ!」 智子「でも」 ヴァルター「でもじゃない。向こうを見てみろ」 そこには新たなネウロイの迎撃隊がこちらに向かって来ているのが見えた。 ヴァルター「俺のストライカーの方が速い。安全空域まで送り届けたら戻ってくる。行け!」 智子「わかったわ。任せました、大尉」 すぐさまビューリング小隊の撤退援護に向かう。 ヴァルター「ほら、掴まれ」 キャサリン「……わるいねー」 ヴァルター「早く戦闘空域から離脱するぞ」 肩を貸し飛び立とうとしたとき、ヴァルターは頭を押さえた。 ヴァルター(くそ……! またあのときの頭痛か……) 975 :スオムス派遣の大尉:2011/01/01(土) 21 57 10.27 ID 1vNvv7NU0 キャサリン「どうしたねー」 ヴァルター「いや、何でもない。行こう」 安全空域までヴァルターとハルカ達は離脱した。 ヴァルター「ウッ……(またあの頭痛が……)」 キャサリン「どうしたねー」 ハルカ「大尉! 大丈夫ですか、大尉!」 ヴァルター(意識が……、遠のいて……いく……) 83 :スオムス派遣の大尉:2011/01/03(月) 18 59 02.75 ID HuG7Ygb00 ヴァルター「こちら第3中隊! 負傷者多数! 弾薬も残りわずか! 援軍を要請します!」 指令「駄目だ、救援は出せない。他の中隊は撤退を始めている。君の中隊も撤退しなさい」 ヴァルター「しかし、指令! まだ住民が残っているんですよ! それに――」 ヴァルター「指令!? 司令部応答願います! 司令部!」 通信兵「駄目です! 断線しました!」 ヴァルター「シャイセ! 無線機は!」 通信兵「ありません!」 曹長「撤退しましょう、大尉! このままでは全滅します」 陸軍士官「撤退だ! 空中機動歩兵部隊も撤退せよ! 援護する」 ヴァルター「先に撤退してくれ、俺は住民の避難を待つ」 陸軍士官「駄目だ! 今すぐ撤退しろ!」 そうしている間にもネウロイの地上兵器が迫ってくる。 陸軍兵士「またあのデカブツがきやがったぞ! このままじゃ全滅だ」 大尉「しかし――「大尉、危ない!」 84 :スオムス派遣の大尉:2011/01/03(月) 19 04 15.43 ID HuG7Ygb00 ネウロイの攻撃が自分めがけて飛んでくる。 一瞬、死んだのかと思ったが……。 ヴァルター「……、ん? そ、曹長!」 目の前には曹長が立っており、攻撃を受け止めていた。 曹長「きゃっ」ドサッ だが、シールドで防ぎきれず負傷する。 ヴァルター「大丈夫か、肩に掴まれ! 行くぞ!」 曹長「大尉……、早く……逃げ下さい……」 85 :スオムス派遣の大尉:2011/01/03(月) 19 09 20.05 ID HuG7Ygb00 ヴァルター「……曹長!」 キャサリン「いきなりどうしたねー」 自分は戦場にいたはずだった。だがそこは病院の一室のようである。 エルマ「ひどくうなされていましたが、大丈夫ですか……?」 ヴァルター「ゆ、夢か……。そういえば戦闘は!? 一体どうなったんだ」 キャサリン「いきなり頭抱えて倒れたねー。ネウロイはトモコとアホネン大尉達が撃退したねー」 ヴァルター「そうか、すまない。迷惑をかけたな」 エルマ「そんなことないですよ。あ、それと大佐からの言づてがあります」 大佐『2、3日休めば大丈夫だろう。なにか思い出したら博士に伝えなさい。私は先に帰国させてもらう』 エルマ「だそうです」 ヴァルター「わかった」 その時、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。 キャサリン「あいてるねー」 そうキャサリンが返すと、入ってきたのは智子とハルカ、ウルスラの三人だった。 86 :スオムス派遣の大尉:2011/01/03(月) 19 14 31.73 ID HuG7Ygb00 智子「元気そうじゃない」 ビューリング「そっちはどうなんだ?」 智子「あんた達がいなくて大変よ。人手が足りなくてね」 智子「でも、敵の攻勢も弱まったし、第一中隊と私とウルスラのロッテで間に合ってるわ」 ハルカ「なんで私がのけ者にされてるんですか! ケッテでしたよ!」 智子「だってあなた、ただ逃げ回ってただけじゃない。いい加減眼鏡かけたらどうよ?」 ハルカ「そ、それだけは……」 キャサリン「あ、あの眼鏡は……」ププッ ハルカとヴァルター以外は必死に笑いをこらえていた。 ヴァルター「そんなにすごいのか?」 ビューリング「あれは……」ププッ ハルカ「皆さん、ひどいです!」 部屋の雰囲気がぱっと明るくなった。 ずっと本を読んでいたウルスラが立ち上がる。 88 :スオムス派遣の大尉:2011/01/03(月) 19 19 01.44 ID HuG7Ygb00 ウルスラ「そろそろ門限」 智子「はぁ? 門限なんていいじゃない」 ウルスラ「決まり」 智子「それじゃ、また来るわ」 キャサリン「まったく、ほんと騒がしい連中ねー」 ――数日後、カウハバ空軍基地 怪我から復帰したいらん子中隊のメンバーは訓練を行っていた。 智子「しっかり私の機動に付いてきて下さい」 ヴァルター「了解」 89 :スオムス派遣の大尉:2011/01/03(月) 19 24 14.67 ID HuG7Ygb00 内容はロッテでの戦術機動訓練だ。 ビューリング「のりきれてないな。やはり戦術機動はまだ無理か」 エルマ「そうなんですかね……」 キャサリン「でもハルカやミーよりマシねー」 ハルカ「だからそれどういう(ry」 キャサリン「この前、話したとお(ry」 ハルカ「だからそれっ(ry」 下の方ではなにやら騒いでいたが、二人は訓練を終え、帰投した。 智子「大尉、やはり遅れています。ビューリングは見ていてどうだった?」 ビューリング「こちらから見てものりきれていないように見えた」 智子「やっぱり……。こればかりは訓練あるのみね」 エルマ「でも、水平飛行での速度はすごかったですよね」 タンク「なんたって改良したユンカース社製のJuma210Gaを搭載しているんだからな」 智子「タンク博士!」 90 :スオムス派遣の大尉:2011/01/03(月) 19 29 10.96 ID HuG7Ygb00 タンク「なんたって改良したユンカース社製のJuma210Gaを搭載しているんだからな」 智子「タンク博士!」 タンク「整備方法も整備しにみっちり教えてきたし、体調も良さそうだ。私は先に帰っているよ」 運転手「博士! そろそろお時間です」 タンク「すまない。ゆっくり話していたいが車を待たせているのでね。では」 智子「お気を付けて」 タンク「戦術機動のことは任せたよ、穴拭中尉」 智子「はい。お任せ下さい」 タンク「Auf Wiedersehen」 智子「このあと飲みに行かない? 最近、行ってないでしょ」 ビューリング「そういえばそうだな」 キャサリン「来たばかりのこと思い出すねー」 橋爆破作戦へ続く
https://w.atwiki.jp/dm-original/pages/259.html
天頂の記憶 R 光 (4) 呪文 ■S・トリガー ■次の自分のターンの終わりまで、自分のコスト7以上のクリーチャーは「S・トリガー」を得る。 ■自分のシールドを1枚選び、自分の手札に加える。 収録 幻龍編第3弾 炎龍黙示録(ガイアール・ストーリー) 作者 天照 評価・意見 名前 コメント