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〇〇〇学(考察) 俗説 俗説 広まっている俗説 / 勃起について / 食べたべ論争 / 謎の白い物体 / 妹の2chへの疑惑書き込み/ ブラスバンド部の寄せ書き色紙 / 〇〇〇の現状は親のせい? 配信活動 名義の変遷 / 「〇〇〇」の由来 / YouTube引退の背景(2014) / 動画を消さなかった世界線/ 2期以降の推定収益 / 復活後の〇〇〇はなぜ失敗し続けるのか / 3期はどこまで台本だったのか?/ 不文律・地雷ワード / 湾岸のやりこみ具合 配信環境 〇〇家の間取り / 能美島の実家特定の経緯 身体的特徴疾患等 〇〇〇の身長 / 顔の曲がり具合 / 病名リスト / 発達障害・パーソナリティ障害説 その他 外部リンク 広まっている俗説 〇〇〇や周辺人物に関して広まっている誤解、研究が必要な説などです。 [デマ/誤解](2014年時点での)32歳説Skypeのプロフィールでは年齢が32歳になっていた ゆうにへ「じぶん30なんですけど」と言い、プロフィールについては「なりすまし被害にあったので、対策です」と説明 新訳のび太のバイオハザード実況のおまけパートでパワーストーンを紹介した際(動画:4分10秒~)に子年生まれと言っているこれらのことから正しくは1984年生まれ(2014年3月で30歳)だと考えられている。 [デマ/捏造]ハンバーガーが原因でアトピーになったネカマとして〇〇〇とSkypeで会話した、と主張する人物の知恵袋への書き込みがソースだが、矛盾点が多く信憑性は低い。(→黒幕兄貴#Yahoo!知恵袋の書き込み) [デマ/捏造]〇〇〇が描いた猫夜叉の似顔絵↑この画像は〇〇〇が猫夜叉に描いたものとして出回っているが、正しくは2016年以前に一部界隈でネタに(ウォッチ対象に?)されていた人物が描いたイラストである。2017年5月に何者かがそれをなんJの無関係なスレに次々と投下し(rP1fY4N.jpg/7vOXaRY.jpg)、5月22日には『xxxxxが描いたイラストwwwwwwww』というスレの 1がこの画像を紹介し、〇〇〇の作品というデマが広まることとなった。 [デマ/誤解]職歴・バイト歴0、広告収入0だった、人生で友人0…等2014年12月13日のツイキャス(→動画/内容まとめ)では自虐的な発言を繰り返しており、それらが末期ツイキャス発言集コピペとして出回っているが、黒幕兄貴の入れ知恵で本人なりに炎上商法(?)を狙っていたためでありすべてが真実・本心ではないので注意。× 人生で友達0人…以前のフリートークではスーパードンキーコングを友達にクリアしてもらった、中学のブラスバンド部に友達と入った、ライン工時代の友人にメールを送った等の思い出を語っていた。 × 収入0円…あまり情報は残されていないが、「のび太戦記ACE:実況プレイ!」というシリーズはパート68でも再生数が4万以上だったことが確認されており(アーカイブ)、全盛期にはそれなりの広告収入があったのは確かだと思われる。また、「第二回:オフ会の受付!」(2014年8月撮影)では、過去30日間の再生数が11万を超えていたことが確認できる。 × フォロワーはお小遣いで買った…当時信用していた黒幕兄貴には、フォロワー購入を認める発言について「炎上するかなって。咄嗟に嘘ついた」と説明していた。さらに外国人フォロワーは本人の言っていた金額より遥かに安く買えるはずであり、購入方法について聞かれると「なんか買えちゃったよ、買えちゃったわ」と返答に困っていたため、これも嘘の自虐ネタの可能性が高いか。 × バイト歴・職歴0…YouTube登録時に「製氷業」を名乗っており、ツイキャスでライン工の思い出を詳しく語っていたのでアルバイトしていたのは本当だと考えられている。 [デマ?/捏造]〇〇〇の削除依頼によって複数の候補から住所が確定した当時の転載動画へのコメントには候補が割れているような様子は見当たらない。また、削除依頼板への〇〇〇の書き込みとして「大阪府貝塚市○○~」と〇〇〇家の住所を番地・部屋番号まで含んだものがコピペされて出回っているが、実際の投稿は以下のように一部の情報しか含んでいない(※〇〇〇の削除依頼によりその部分が確定情報となったのは事実)。以上のことから、これは作為的に作られたデマ情報の可能性が高い。 [デマ/誤解]機材などは全て親に買ってもらっていた当初は何か〇〇〇が買う度に「親の金」と言われていたが、現在では必ずしもそうとは断定できないことが明らかになっている。アルバイト(ライン工など)ウォンツから買ったDTM教材や機材は同時期にしていたアルバイトの給料で買ったらしい。 広告収入2014年にはのびハザ動画を投稿しても以前のように1万再生を超えることはなくなっていたにもかかわらず、過去に投稿した分の影響(のびハザバブルの恩恵)か2014年8月の月間再生数は10万を超えていたので、収入がゼロということはなかったと思われる。 お小遣い[2014年] 本人はお小遣いは貰っていないと主張し続けていた。ツイキャス(2014/12/01)では、クーポンを使うと1時間100円で利用できるカラオケですら、広告収入が振り込まれるまで行きたくても行けないというようなことを話している。小遣いは確かに0だったのか、もしくは厳格に金額と支給タイミングが決められていたという可能性もある。また、ツイキャス(2014/12/13)では「小遣いでWii買ったし、キャプチャーボードも買った」などと発言しているが、これらは炎上狙いの虚言だろうと考えられている。(しかし直後の母に機材をねだる様子の真似《「しゃーないなー、しゃ、いくらよ?」「アッアッ、イヤ…」「また?もーう、これで終わりやで?」》は妙なリアリティがある。)[2015年] チャンネル削除により広告収入はなくなったはずだが、ショッピングセンターでパフェを食べたり映画館に行ったことをツイートしていた。 [デマ/誤解]ファン0人だった純粋に〇〇〇の動画を楽しんでいる視聴者が多数存在したことは、Twitterで〇〇〇が受け取っていたリプライ、一部残っていた動画へのコメント等から確認されている。 [デマ/誤解]「今日はNG出てませんね」で撮影を強行正しくは"今回はNG出てませんね"。2011年頃にWEBカメラを使用したときは室内を映すことを止められたが、2014年にリビングで動画を撮影していても咎められなかったらしく出てきた発言。約束を破って勝手に黙認状態と受け取っているのは確かだが、一日二日のような短いスパンではない点に注意。 [デマ/誤解]営業職や被災者をバカにした発言をしていた「営業のお仕事の人は大変だろうね~、スーツ着て」という発言は、言葉選びの下手さと総集編のカットのせいで営業職をバカにしていると誤解されているが、暑さについての話の流れでの発言であり、本人にそのような意図はない。 [デマ/誤解]アニメや漫画に興味がない内容について具体的に語ることがほとんどないというだけで、知っているアニメや好きなライトノベルをきかれた際にはすぐにいくつものタイトルを答えており、日常的に深夜アニメ等を視聴していたらしいということが分かる。また、過去には「涼宮ハルヒは俺の嫁。」とツイートしたこともある。 [デマ/捏造]カルビー 夏ポテト対馬の浜御塩味のパッケージが〇〇〇の影響で変更された2016年夏にパッケージの「対馬」にふりがながついたと話題になったが、拡散されていた画像は2011年バージョンのものなので捏造ネタである。これ以外の変更についても、『ポテチ博物館』の記事を確認すると分かるが、「対馬」の文字や「つしま」というふりがなをつけたり外したりと毎年パッケージがマイナーチェンジされているというだけであり、〇〇〇の影響ということはない。 [謎]身体に悪いものばかり食べている配信や遭遇者への証言では(アトピー治療のための)食事制限について話しており、普段から動画と全く同じような食生活をしているとは言い切れない。 [デマ/誤解]一年=50日ウォンツインタビューにてDTM歴一年、一日一曲作っているという話の流れで、今までに作った曲の数を答えた際に『大体50曲以上』と字幕が出ているが、よく聞いてみると「まぁ350曲以上…かな」と発言している事がわかる。インタビュアーが「50曲以上?」と聞き返しているのにも関わらず、なぜ訂正しなかったのかは不明である。 [謎]動画での言動はすべて天然ボケか?現在では(主に1期の動画について)すべての言動が「素」だと考えられ、日々ツッコミを受け続けているが、以下のようにはっきり断定できない部分もある。「意外とこれ量が少ないんだけども、飲み終え…た後に、ま量もちょうどいいから」[明治R1ヨーグルト(ドリンクタイプ)を飲んでみた!]この発言については、実は動画投稿時のツイートにも「量は少ないけど、量はちょうどいい」と書いている。ギャグとして意図的に発言していたのか、もしくは自分で編集する際にツッコミどころだと気づいていた可能性がある。 同じく明治R1ヨーグルトレビューで、視聴者のリクエストした"クッキング動画"を出せない理由として「一人暮らしではないので、ちょっと台所はちょっと無理」「カメラマンがいない」を挙げ、要望には応えられないがレトルト食品を利用してクッキングぽい動画を出したいと語っている。オリジナルメニュー自体にも意図的なボケが含まれていた可能性が考えられる。 「EXILEの…ATSUSHIに似ていると言われましたんで」[ひとりカラオケ:高得点目指して歌います!パート10]荒唐無稽であり、妄想で勝手にうぬぼれているのではと言われていたが、実際に当時の視聴者が「EXILEのATSUSHIに似てましたね」とツイートしていたことが判明している。 「尚、イラストの販売はしてません。もちろん、自作曲も販売してません。」(Google+より)これもうぬぼれ発言かと思われていたが、この前に「〇〇〇さんの自作の絵や曲ってなにかの形で販売とかされてますか?」とコメントされていたのが後々発掘された。 2014年の食品レビューでは「前の食品レビューで」「前の動画」といったワードが時折出てくるが、これは2013年以前の実写動画シリーズを指している。「前の動画でもあったと思いますねこのアングル」等、1年も前に削除された動画を視聴済なのが前提かのように話している箇所もある。過去の動画やコメントといったコンテクストが失われていることもあり、仮に意図的なおふざけや視聴者の影響があったとしても、今はもう判別できなくなっていると言えるだろう。 [デマ?/誤解]九藤さんにブロックされた腹いせに嫌味を言った2023年6月20日の配信4枠目で視聴者から九藤さんへの謝罪を要求され、「自ら心に鍵をかけてシャットアウトする。そんな子が、小説とか浪人して大学受かるわけないじゃないー。」という愚痴ツイートは「別人に宛てた言葉」と否定した。事実にせよ別人ならいいのか。(→動画) [デマ/捏造]無免許説一時期、実は無免許(運転免許を未取得)なのではないかという言説が流行っていたが、当然誤りである。基本的に説というより単なるネタとして言われていただけだが、まれに固執している人もおり、まとめて免許嫉妬民と揶揄される。ただし、おしっこマンへの嫉妬というよりも、自分の想像する〇〇〇像から外れていれば事実だろうが認めないという信念?の表れだろうか。 2期以降に関する情報 [デマ/誤解]代理人(髙木)と貝塚勃起宿舎を出る際カスゴリを殴った取っ組み合いになったとする証言はあるが、殴ったとする証言はない。UUUM凸配信で「殴った……ことになってる」と言ったのが聞き取りづらく誤解されてしまったのもある。(→髙木の質問箱のスクショ/エアガンの質問箱/2※本スレ 124に転載 原本は質問は残っているが回答は削除済み) [デマ/誤解]虚夢(カズナリ)とあず希に誘拐された情報源は髙木が「連れ去られた」と表現したことからだが、京都のカズナリの実家に行ったのは一時的に保護するためで双方の合意のもと行われた。東京へ行ったのは〇〇〇の意思でありロゼⅡ特定前の時点で髙木も了承していた。あくまで髙木の管理下から離れ連絡が取りにくくなっただけである。 [デマ/誤解]ピザを食べすぎて吐いたカズナリがDMと質疑応答で否定している。(→画像/動画)吐いたのは事実であるが虚夢と関わる前に髙木が作った味噌汁であり、理由は後に「インフルエンザ(自己申告)だったから」だと判明している。なお体調を崩した理由は2月の酷寒の中、動画も撮らずにひたすらあず希に精スプし続けていたことが挙げられる。余談だが急いで食べて吐くという行為は実際にしている。(→魚拓) [デマ/誤解]2019年6月上旬に実家に帰ったのは活動資金が尽きたから2022年9月4日の配信で「収益は60万振り込まれたって話は聞いた、髙木から」、「髙木が自身の口座を勝手に登録して金回りの管理をしていた」と発言。単にやる気を失ったか家事が面倒になった等の方が妥当なところ。 [デマ/誤解]髙木のPS4を借りパクしたそもそも情報源は〇〇〇であり「PS4を『返せ』じゃなく『ください』と言った」と否定している。ただし、2023年6月19日に「俺は代理人のスマホ盗んだしPS4も盗んでやったぜ。他人のPS4で遊ぶゲームは最高だぜ。」と開き直ったツイートをしているため窃盗扱いで良さそう。(→魚拓) [デマ/誤解]カスゴリが実家を出て行った3期から4期において〇〇〇がカスゴリに言及することが非常に少ないことからにわかに囁かれている。もっとも、「うちの両親は高齢だから(インターホンまでの)そのちょっとの距離が辛い」「お母さんはガーデニング好きやから(投げ銭で)そういう系(を買う)」「今着てる服は多分ゆめタウンでお母さんが餞別で買った」等と発言しており、根拠は全くない。2023年6月20日の配信3枠目(転載5本目)で「私の母親は出て行ってないから」と正式に否定した。(→動画) [デマ?/真偽不明]へずま「もし両親が亡くなったらどうします?」〇〇〇「うちはまだ生きてるけん」というやり取り3期で最も有名なコピペ。初出は恐らく2022年9月14日午後9時になんJで建てられたスレ。しかし、直近の配信2枠にもそれ以前の枠にも件のやり取りはなく切り抜きも存在しない。あるとすればアーカイブが残ってない枠かへずまと嫁の暴露枠となるが、その場合なぜこのタイミングでスレを立てたのかという疑問が残るうえ、該当期間の本スレにもそれらしい反応が見当たらない。なお、かころぐβで検索すると特定の人物が熱心にスレを立てていることが確認でき、動機は不明だが嘘を広めようとしていた可能性も考えられる。(→リンク)以下全文 へずま「もし両親が亡くなったらどうします?」 〇〇〇「うちはまだ生きてるけん」 0001風吹けば名無し2022/09/14(水) 21 11 19.14 ID dQ7yAEBE0へずま「けどもしも亡くなったらどうやって生活していこうと思ってます?」〇〇〇「んー。まぁ大変やと思うけどうちはまだ健在ですから」へずま「どうやって暮らしていこうと思ってます?」〇〇〇「だからうちはまだ生きてるから」 [デマ?/真偽不明]親が死んだ後どうするか聞かれて「そんな悲しいこと考えたくない」と答えた上のコピペと類似する発言で、少なくとも2021年末頃には完全に定着しているが現在はソース不明。比較的近いものとしては2014/11/30配信で自身の老後について「考えたくないわ~ほんま」と言っている。 [デマ/誤解]恥の概念がない2023年7月9日の配信で「(結婚式私服・祝儀なしは)穴があったら入りたい気持ちだったよ」「恥ずかしいよ~」と発言。健常者のそれとは著しく異なるがあるにはある模様。 [デマ/誤解]免許返納済み「ダイソーフリルシュシュ ブローチ(23/02/23)」34分頃で「こないだ免許の更新に行ってきた」「来月免許証取りに行かなきゃいけない」と発言。同年6月20日の配信でも免許を更新したと言及している。 勃起について 有名な"すがたかがみ"に勃起を見せつけたシーンについての考察のまとめ。→動画 勃起説服が擦れて勃起した説 歌いながら踊っているうちにテンションが上がって勃起した説 鏡の中のイケメンに興奮して勃起した説 鏡に映った自分が同じ動きをするのが面白くて興奮した説 非勃起説本人は勃起について否定して「服のしわ」だと言い張っている。普通に服のしわ説 巨根説平常時でもデカすぎてもっこりしているという説。 紙おむつ説普段から紙おむつを使用しているのでは?という説(吸水ポリマーは水を吸うと10倍以上に膨らむ)。ちなみに直前の部屋紹介でトイレを見せた際、流されていないトイレットペーパーらしきものが便器の中に見える。 食べたべ論争 Mon Mar 31 06 13 00 +0000 2014おやつの時間です。パルム食べたべ。(@xxxxx_Gameより) 上のツイートの解釈を巡って長年続いてる論争。 「食べた+べ」説〇〇〇は「だで」「だべ」といった語尾をしばしば使っている(「メール送ったべ」というツイートもあり) 後ろの「たべ」がひらがな 「食べ+食べ」説同様に「なでなで」「鼻血吹き吹き」という表現を使っている(しかし、「吹き吹き」の場合は後半も漢字に変換されている) 過去形ではない「食べ食べ」の方が前文「おやつの時間です」からの繋がりが自然 謎の白い物体 上の写真は2014年12月13日に難波駅で三香(MK)を待つ〇〇〇の隠し撮り画像。 621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/13(土)12 10 34.75 ID R5PPNWWv0http //i.imgur.com/nG6WAXh.jpg 〇〇〇近影 【オフ会0人】xxxxx_game第40回オフ会0人【コラボ二コニコ妹バレ?】 この画像が投下されて以降、手に持っている白い物体が何なのか度々スレで議論になっていたが、後に〇〇〇本人が「印刷した紙」だと証言した(2015/08/27ツイキャスコメント)。 難波駅で持ってた黒い物体は、たぶん印刷した紙だと思います。24 28 | 2015/8/27 21 49 20待ち合わせ場所を印刷した紙だったかなぁ。25 19 | 2015/8/27 21 50 11 以下はそれ以前に提唱されていた説の一部 保湿クリーム説拡大するとチューブを絞っているように見える。チューブにしては大きすぎる? 〇〇〇は母の保湿クリームを普段使っており、デート当日は三香にクリームを持ってくることを頼んでいた。 メモ説この時携帯電話を所持していなかったため、待ち合わせ時間を書いたメモを確認していた? ナプキン説三香に買わされた生理用ナプキンを取り出してまじまじ見ていたという説。 使い捨てカイロ説形が細長すぎる? カイロを手に持って眺めるのは不自然? 文庫本説待ち合わせ時間が12 00で画像が投下されたのが12 10、本を読み始めているのは不自然? 妹の2chへの疑惑書き込み 難波遺棄事件後の配信(転載2本目)の「2ちゃんねるに妹さんの書き込みありましたよ」というコメントについて。 上4つの書き込みがID被りとしても「父と私のみが分かるパスワードをかけました。」が10日時点で嘘であるためなりすましの可能性が高い。 必死チェッカーもどき YouTube 2014年12月10日 YkNugKyP0 【実写動画復活】xxxxx_game第37回オフ会0人【俺を釣る気満々やん】 [転載禁止]©2ch.net57 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2014/12/10(水) 03 27 06.03 ID YkNugKyP0なぁにがミラクルパワーじゃそれしか言えんのかこの城!!【実写動画復活】xxxxx_game第37回オフ会0人【俺を釣る気満々やん】 [転載禁止]©2ch.net77 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2014/12/10(水) 06 27 41.39 ID YkNugKyP0白鳥兄貴のガバガバ設定思い出すだけで草生えるからやめろや【ニコ生】うきょち part30 [転載禁止]©2ch.net975 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2014/12/10(水) 13 12 02.12 ID YkNugKyP0興信所使ったって信じてるの?w今だにあの一家が言うことを信用できる奴って凄いと思うわ俺はちゃんとした証拠を出さない限り何百回言われようが信用できないがw【ニコニコ】つわはす part12【実況】©2ch.net876 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2014/12/10(水) 14 32 17.11 ID YkNugKyP0FF9とKH2早く投稿してくれ【実写動画復活】xxxxx_game第37回オフ会0人【俺を釣る気満々やん】171 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2014/12/10(水) 16 12 57.91 ID YkNugKyP0始めに、この度は兄が大変無礼な行いをしていたことをお詫びいたします。申し訳ございませんでした。私ども家族としましては、本人の至らなさとはいえ兄が専門学校中退後大変気持ちが沈み、部屋に篭ってしまった事に危機感を覚え、パソコンを与えてしまったことに責任の一端を感じております。パソコンを使っている兄は、それまでの陰鬱とした生活からは想像できないほどの明るさを取り戻し、工場に就職することもでき私ども家族は安心しておりました。工場勤務は作業着が長袖のものしかないためアトピーが悪化し、2年ほどで退職してからは再度引きこもるようになってしまいましたが、それでも本人の意向で自宅にいながらもできる仕事を探して、現在に至ります。私どもとしては兄が未だ就職先を探しているものとばかり思ってましたおりましたが、どうやらYouTubeに動画を投稿することで収入を得るという夢物語に本気で取り組んでしまっていたようでした。私と父は薄々ながらも兄の現実を省みない呆けた姿勢に苦言を呈していましたが、母と下の妹は少しでも収入が有ればいいと甘やかしていたのが原因かもしれません。気づいてみれば各企業様から販売されている商品に的外れで失礼な感想を述べていたり、女性の方々への差別的な見方をしている様を動画にまとめていたようで、これ以上のパソコン使用は禁止、という方針を決め兄には分からないよう父と私のみが分かるパスワードをかけました。これまでの兄の横柄な態度、ならびに失言によってご迷惑を被られた皆さま方には、重ね重ねになりますがお詫びを申し上げます。申し訳ございませんでした。不躾なお願いだとは存じ上げておりますが、年賀状の送付や自宅への訪問は控えていただけると、私どもとしてはありがたく思います。 ブラスバンド部の寄せ書き色紙 ブラバンに最初に、入った時は、なれなかったけど、2年後は、なれたけど、今は、楽しかった、練習の時は、がんばったけど、ブラバンの試合も出た、いっぱい出たけど、そのうちになれたのでがんばります。 2019年2月頃、フリマアプリ メルカリに上の寄せ書き色紙が「sya●u の大ファンの方から頂きました」として、45万円で出品された。 〇〇〇の文章の癖からかけ離れており疑問の声が上がっていたが、2019年5月15日の配信で本人から否定された。 偽物として扱っておくのが安全だと思われる。 ただし、以下のような謎も残る。 筆跡オリジナルイラストの手書き文字と比較してみると、「れ」がカタカナのネに近い形になっている、「か」「が」の二画目の縦線が下まで下がりきらない、という共通点が見られる。ただし、そのほかの文字は特に同一人物と断言できるほどではなく、「い」に関しては全く異なっている。 別人説色紙中央に「センパイ」「ヒトコト」とあるように読み取れる。また文中で「2年後」と言っているので学校の部活動で作成されたものだと考えられる。すると同姓同名でブラスバンド部所属かつ一部癖字が似ている人ということになるが、偶然の一致とするのは困難だろう。 偽作説中央の鳥のイラスト等、もし0から捏造したとすると異様に手が込んでいる。何らかの寄せ書きに後からつけ足したと仮定しても、モザイクで隠された部分と全く同じ色のペンを使っているように見える。また、もし〇〇〇のものだと信じさせたいなら、当然小説や過去のツイート等を参考にするべきだろうが、この文章の異様さは逆に不審である。〇〇〇のことをあまり知らない人間が作ったのだとすると、「〇〇〇の書いた文には詳しくないが中学時代の部活動を知っており、かつ過去作品の筆跡を一部真似した」ということになるだろうか。不思議ですね~ 〇〇〇の現状は親のせい? これに関して「〇〇〇は教育や躾でどうにかなる次元じゃない」派と「それでも暴力を伴う躾やスマホ没収といった強硬手段に出ていれば今よりはマシになるはず」派で真っ二つに割れている。 どうにもならない派の主張 2人の妹はまともに育ち自立しているつまり両親の教育方針に間違いはなく、こうなったのは〇〇〇の資質に依るものが大きいとする見方。ただ長子(長男)と以降の子供では育て方が大きく変わることも多々ありこれだけでどうにもならない根拠とするのは微妙な所。 既に厳しいが効き目がない例として〇〇〇は38歳にもなって親の「実家で活動するな」という言いつけを守らず、外出した隙をついて配信したり(2022/11/26)、親の就寝後に声を潜めてバーチャルオフ会とやらを行っていた(2023/02/05~04/02)。 実力行使に出ようとすると暴れる〇〇〇はスマホを取り上げる等実力行使に出ると暴れて反抗するから手が付けられないとする見方。ただこれに関しては根拠に乏しい(前述の通り2期の家出の際に母親を殴ったとするのはデマである)。 マシになる派の主張 本気で止めようとしていない〇〇〇自身は活動をやめない理由を「親が力づくで止めないから」としているが、実際なぜそうしないのか疑問に残る。もっとも70歳にもなると気力が残っておらず説教したり罵倒するだけで精一杯なのかもしれない。また、稀に観光や映画鑑賞に連れて行っておりそれを甘やかしていると批判する者もいる。 家から追い出さない/帰ってきても迎え入れてしまう39歳の扶養義務はないのだから追い出せばいいという見方。一応勝手に出ていく分には協力しているが、「出ていくなら出ていけ。二度と帰ってくるな」と言ったのにみすみす受け入れている。 ネット断ちさせない明らかにネットが〇〇〇の精神衛生に悪影響を与えている上、それが原因で何度も家族(亡くなった祖父母も含む)や近隣住民を巻き込んだり、警察沙汰になるほどのトラブルを引き寄せているが一向にネットをやめさせる気配がない。地元警察からも既に3回活動をやめる要請があったにも拘らずそれを知ってか知らずか放置している。また、2023年6月末には〇〇〇の上京に際して港まで車で送り出している。一部のファンチ・アンチからもスマホを破壊したり没収することが望まれており葉書が送られたらしいがこれも無視している。ちなみにどの程度効果があるかと言うと2015年9月頃から約3年ネット断ちさせて引きこもり支援施設に通わせた所、発言のおかしさは残っていたものの精神的には安定していた。しかしそれも復活から時が経つに連れて失われていき翌年3月上旬には完全に増長しきっていた。 矯正施設に入れないいわゆる引き出し屋等の強引な手段でもって自立に追い込ませるべきという見方。ただこの手の業者もボランティアではなく軽く数十万~数百万はかかることが指摘されており、無気力過ぎて餓死寸前→やむを得ず送還ということも考えられることから、脅しとして有効でも実際に依頼するのは現実的ではないのかもしれない。 配信活動 俗説 広まっている俗説 / 勃起について / 食べたべ論争 / 謎の白い物体 / 妹の2chへの疑惑書き込み/ ブラスバンド部の寄せ書き色紙 / 〇〇〇の現状は親のせい? 配信活動 名義の変遷 / 「〇〇〇」の由来 / YouTube引退の背景(2014) / 動画を消さなかった世界線/ 2期以降の推定収益 / 復活後の〇〇〇はなぜ失敗し続けるのか / 3期はどこまで台本だったのか?/ 不文律・地雷ワード / 湾岸のやりこみ具合 配信環境 〇〇家の間取り / 能美島の実家特定の経緯 身体的特徴疾患等 〇〇〇の身長 / 顔の曲がり具合 / 病名リスト / 発達障害・パーソナリティ障害説 その他 外部リンク 名義の変遷 浜ちゃん2008年には「浜ちゃん」を名乗ってライトノベル作法研究所で活動していた。現在確認できる最も古い書き込みは3月28日(→魚拓)。それから一年以上経った2009年夏に会員登録したpiaproの掲示板(→piapro)でも、当初は「浜ちゃん」という名前を使っていた。判明している限りで最後に浜ちゃんと呼ばれているのは2010年4月10日で、これより後に「シン」に改名したようだ。 シン2010年9月4日にニコニコに動画を初投稿、2010年10月3日にYouTubeに登録するがどちらも「シン」と名乗っていた。視聴者に叩かれたせいかこの後1年間ニコニコへは投稿せず、しばらくはYouTubeへオリジナル曲、ADVゲーム製作・動画製作の解説動画などを投稿し、2011年夏にゲーム実況プレイを始める。2011年9月3日投稿の新訳のび太のバイオハザード実況プレイ最終パートではシンと名乗っていた。 月神ツイッターアカウント「@sinn2011」とアメーバID「tukigami2011」から2011年にシン→月神へ変更したと思われる。2011年9月15日にニコニコ動画に実況プレイ動画を投稿開始し、以降ニコニコに投稿した動画は「月神」をタグロックしているが、9月18日投稿のナルキッソスを実況プレイ!14のみ代わりに「シン」がロックされている。これは恐らくニコニコでの活動中に名前をシンから月神へ変更した際のタグ編集忘れだと考えられる。動画が現存する2011年12月13日投稿の怪異症候群プレイ動画では「月神」と名乗っている。同じ動画をYouTubeにも投稿していたため、YouTubeでも月神を名乗っていたと思われる(もしくはシンと併用)。ニコニコへの最後の投稿は2012年1月9日のClown's pavilion最終パートだが、この時は生声ではなくSofTalkによるゆっくり実況プレイで「〇〇〇&シャド」と名乗っている(なお、『怪異症候群』実況のOPに出てきた対馬犬がこの名前だった為、おそらくはこの2匹に喋らせているという設定だと思われる)。 〇〇〇Twitterで確認できる限りでは2012年1月14日に@sinn2011宛のリプライで「〇〇〇さん」と呼ばれている。また、視聴者のツイート(→リンク)によるとのびハザEasyTypeの実況中に月神から〇〇〇へと改名したらしい。該当するシリーズはパート1が2012年1月13日投稿であることが判明しているため、「〇〇〇」を名乗り始めたのは2012年1月13日か14日のどちらかであることがわかる。 浜川裕平2015年3月頃から使用。自作小説これが~ユージの歩く道!の主人公「前川祐二」と本名「〇〇〇■」を組み合わせたらしい。 裕P2015年8月に変更した。相変わらず占いのようなものに影響されている。 新しいハンドルネームを考えて、ハンドルネーム占いをしてたら、占いの結果に大吉が出てビビった。 Sat Aug 15 09 04 19 +0000 2015 「〇〇〇」の由来 自分の名前の由来は、適当です笑〇〇〇のほうが親しみやすいかなって。 本人は上のように言っているが(画像)、〇〇〇が0から何かを生み出すことはあまりないので由来について考察されている。 たまに間違えられているが"xxxxx_Game"はメインチャンネルの名前で、ハンドルネームとしては「xxxxx」「〇〇〇」を使っていた。 〇〇〇猫説2019年5月12日「寝る前の配信」で「〇〇〇でググったらWikipediaになんかいいこと書いてた」「多分〇〇〇猫」と発言。翌13日の「お昼配信」でも「〇〇〇猫が由来」と明言した。 SIAM SHADE(〇〇〇シェイド)説「〇〇〇」を名乗る少し前、ニコニコに投稿した実況動画に登場させた対馬犬の名前が「〇〇〇」と「シャド」だったが、これらはSIAM SHADEを誤読してつけたのかもしれない。 〇〇〇船長説映画「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」に登場するオラフ伯爵(演:ジム・キャリー)が変装して名乗った名前が「〇〇〇船長」だった。 MUSIA(ムーシャ)説TV番組「学校へ行こう!」に出演していたラッパー MUSIA に影響を受けたのではないかという説。 YouTube引退の背景(2014) 諸説あるが真相は不明 2014年12月13日に三香(MK)とのデートのため難波に行き待ちぼうけさせられ、帰宅後ツイキャスで今までと違う弱気な発言や自虐的な発言を繰り返す。12月17日~18日頃に味方だったはずのエイミン(黒幕兄貴)が、13日のデートも含め全て裏から仕組んで騙していたことを〇〇〇に明かす。18日昼に「ヤバイ、今度こそマジで裏切られた・・・ショックだわ・・・」とツイート、午後7時頃YouTubeのチャンネルを削除し引退。 一見するとアンチとの戦いに傷つき引退したように見えるが、実はチャンネル削除の直前まで普段通りの調子でシバターとスノボ旅行の話をしたり、外出してロッテリアでハンバーガーを食べたことをのんきにツイートしていた(@xxxxxdesu20134)。三香(MK)のこともまだ諦めていなかったようで、チャンネル削除の翌日に再び連絡を取ろうとしてあしらわれている。更に2度も〇〇〇を騙したエイミンにも19日には今後についての相談のメールを送っていたようだ。(22日のエイミンの書き込みでは「メールのやり取りしたのは19日だ 復活しないと決めたからもうやり取りはしてない。」となっているが、その後年をまたいで1月半ばまで友人としてやり取りを続けていたらしい※現在はソース確認できず) これらに加えて、(引退の少し前に)家に嫌がらせの年賀状が2通届き母が涙を流す、妹がネットで〇〇〇が話題になっていることを発見し両親に相談する…という事件があったそうなので、本人が後に言っていたように「家族にチャンネル削除を求められた」というのが引退の理由だと考えられる。つまり、ネカマに裏切られたりアンチに罵倒されてダメージを受けて引退した…というようなイメージは必ずしも正しいとは言えない。(ちなみに年賀状に関してエイミンは「年賀状は別に送っても構いません 特に気にしてないんで」と書き込んでいたため、それ自体が引退の決定打ではなく嫌がらせがエスカレートすることを恐れたのだろうか。) その後2016年3月の聖地巡礼者曰く、家のPCはロックされて使えず、仕事を見つけて自前で機材を購入しての再起を図っていたと発言したとのこと。しかし、その2年後には結局他人に丸投げしてしまった。 (余談:引退は本人の意思か?) チャンネル削除後は(自ら公表するまで俺オナ民らに発見されずに)小説を投稿したりTwitterで助詞に絡んだりといったネット活動を行っていた〇〇〇だったが、2015年夏、自身の大ファンを自称する黒騎士に接触を試み「〇〇〇に金渡して、YouTube復活させてやれ」「黒騎士、機材買ってよ」等と発言し、動画投稿を再開する意思があることが判明した。 その際引退理由について聞かれて「家族を守るために引退しました。」と答えていたが、2015年9月1日の配信(動画)にて「そりゃまぁデビューしたら…両親も納得すると思うし。話しするつもり。『やりたいんだど~、どうしても。どうしてもYouTubeやりたいんだけど』って言ってみる」と発言したため、「動画投稿はしない」という約束を家族とさせられた、さらには引退自体が〇〇〇ではなく両親の意思によるものなのではないか?という可能性が浮上した。 また、(撮影)機材については「機材は全部売ったからね。」「機材買取価格0円」とコメント、このときは動画投稿の催促をかわすため、黒騎士に機材をねだるために咄嗟についた嘘ではないかという疑念が持たれていたが、2016年1月の遭遇者にもアルバイトを始めてスマホやハンディカムを購入するつもりであることを語っていたため、以前使っていた機材を手放した(させられた)のは本当らしいという見方が強くなった。 外部からは唐突にも感じてしまうPC禁止措置も、2014年12月時点ではチャンネル削除・機材売却だけだったが、その後も騒動を起こしたため止むを得ずネット自体を禁止…と段階的に行われたと考えれば自然な流れだといえる。 動画を消さなかった世界線 2014年の引退時にYouTubeチャンネルを消さなければブームに乗っかりそれなりの金を稼げたという説。これについては概ね事実であると思われる。 ただし、2018年9月に小学館がのびハザの著作権侵害に対して関連動画の一斉権利者削除を行ったため、当時PCにログインできない〇〇〇にはどうすることもできず、xxxxx_GameチャンネルはBANされていた可能性が非常に高い。 また、実写チャンネルに関しても2017年からDAMの権利者である第一興商がカラオケ動画の音源の無断使用を問題視して削除請求しているため、こちらも収益の停止ないしBANされていた可能性がある。 以上から最大で4年しか恩恵に預かれなかったと思われる。 (チャンネル削除について批判されることもあるが、そもそも1期の引退時点では転載動画も4桁再生程度の注目度で、単なる炎上であり素材としての価値も発見されていなかった。後に一大ブームになるなどど予想できた者はいるはずもなく、チャンネルを削除して逃げるという行為自体は、当時の状況を考えれば自然な選択と言える。) 2期以降の推定収益 2期 下記が事実なら84万円以上だが、確実に手元に渡ったのは21万円となる。 なお、〇〇〇は「(髙木が)口座を勝手に登録してた。広告収入は髙木の口座に入るわ」「事実上俺には1円も入ってきてない」と発言する一方、「スマホとWi-Fiはもうちょいで届く(2019年5月18日の配信)」「髙木に金返した。15万返せつったから5万上乗せで20万返した(2022年9月4日の配信)」と矛盾した発言をしており、金の流れは非常に不明瞭となっている。 確実と思われるもの 01/17 ふわっち収益62463pt(還元率50%)※髙木の取り分 02/10-12 1回目のTシャツ収益の前払い 20万円 02/15 ふわっち収益5000pt(還元率50%)※虚夢による推定 02/15 UUUM凸配信中に凸者から受け取った1万円 不確実なもの YouTube再生回数 {10819459(06/30時点)-6201287(収益化達成時)}×0.01-0.4以上=46181~1847268(円)※動画1本ごとに還元率が決められるらしい再生回数 {11290208(07/31時点)-6201287(収益化達成時)}×0.01-0.4以上=50889~2035568(円)※8月も受け取れていた場合 スパチャ 259530円(還元率70%※iPhoneアプリの場合+Appleのサービス手数料) Tシャツ(2回目)非公開の為不明。〇〇〇自身が頻繁に宣伝していたことや引退後になぜか再販したことから、全く売れなかったのではないかと囁かれている。2019年5月28日の配信では「Tシャツの売上金は自分の口座に入る」と発言していた。 60万円説2022年9月4日の配信で「60万振り込まれたって話は聞いた、髙木から」と発言。なお、この中に1月17日のふわっちや2回目のTシャツ販売が含まれるかは不明。 xxxxx's YouTube Stats (Summary Profile) - Social Blade Stats(チャンネル削除から直近30日のデータ) 【精スプーンで】xxxxx_game第736回オフ会0人【お漏らし】 835 名前:名もなきゾット帝国民[sage] 投稿日:2019/05/18(土) 13 47 17土竜のスパチャで誰がいくら投げたとかスパチャ額のトップ3等をシートにまとめたので興味のある人は見てみてください絶対後悔すると思いますhttps //docs.google.com/spreadsheets/d/1AHa1USndIaahTnRY-XxVNN2ddtMHo9AQDgK-YOoCxmo/edit?usp=drivesdk 各動画の合計スパチャ額はここにも書いておきまスゥゥゥゥゥゥゥ…2019/03/23 【りんくうの星】観覧車乗ってみた(昼の部)【りんくうタウン】 ¥46,4182019/03/24 【りんくうの星】観覧車乗ってみた(夜の部)【りんくうタウン】 ¥69,0852019/03/30 【しーくる】久しぶりにボーリングやってみた【実写】 ¥8,4292019/04/03 【hole.io】ホリオハイスコア【Part.2】 ¥25,8152019/04/08 久しぶりに踊ってみた? ¥11,4412019/04/26 久しぶりの生配信 ¥58,9862019/05/11 バイオハザードRE2実況プレイ1、2 ¥28,5482019/05/13 バイオハザードRE2実況プレイ3 ¥10,808総計 ¥259,530ついでにゆゆうたコラボ時のシートだでhttps //docs.google.com/spreadsheets/d/1zVe2NGvTZSaeXlBEPgN1bD13tmGILnBu6UNueiRWOrg/edit?usp=drivesdk 2019/04/22 大物youtuber xxxxxさんとのコラボ枠【ゆゆうた】 ¥85,558 3期の推定収益 0円2022年11月30日のツイートで「アンチの通報で収益化が止まり9月分の収益が口座に振り込まれてません。なので9月分の収益受け取りはかなり先になりそうです。」とツイートしている。(→11月30日/12月1日/スクショ)しかし、このツイートの後にへずまとトラブルになりかけたことからか翌日までに削除してしまった。一方でスパチャした者によると「返金されてない」とのことであり虚言もしくはへずまが着服した可能性が高い。2023年7月11日の配信1枠目でも「ちなみに3期の収益は0円でございます」「アンチが収益化剥奪して」と発言していた。 焼肉からの手切れ金4万円の余り手切れ金とは言うが「(3期が)最悪駄目だったら手切れ金4万で実家に帰る」と発言しており実質的には往復分の交通費である。 4期江田島編の推定収益 YouTube 不明2023年3月11日のclusterリークによると税務情報でつまづいて受け取れていなかった模様。(→動画#25 38)3月22日には2万円スパチャした者に「収益振り込まれるはず!」とツイートしていた。(→魚拓)5月31日の配信では「YouTubeの収益で買いましたんで機材は全て」と発言しているがどうやって税務情報を突破したのかは明言していない。4月以降は投稿頻度と再生数が激減しているためプレミア公開時のスパチャが主な収入源と思われる。 ニコニコ 不明(YouTube未満)→実質0(2023年11月14日~)2023年9月1日のインスタライブで「収益は貰えていますか」との質問に「収益はYouTubeとニコニコかな」「ニコニコの収益は少ない」と発言。 同年11月14日に投稿動画を全て削除。配信も行っておらず収益は途絶えたものと思われる。 Doneru/OFUSE 10万3000円以上?ごく一部の者から相当額投げ銭されていたようで、実際に当初ダイソーや100均で買っていた機材が徐々に豪華になっている。信憑性は不明だが20万円投げ銭した者もいるらしい。(→スクショ) 【爆サイ自演】xxxxx_game第919回オフ会O人【ペテン師】 157 名前:名も無きゾット帝国民[sage] 投稿日:2023/06/03(土) 22 15 46〇〇がどねで買った撮影機材たちスマホ用曲がる三脚(UURIG) ¥1,999ワイヤレスピンマイク(AnkerWork M650) ¥34,990スマホ用ジンバル(Insta360 Flow) ¥20,900モバイルルーター(富士ソフト +F FS040W) ¥12,700プリペイドSIM(10GB/6ヶ月) ¥2,000(推定)ガクチャリ(クロスバイクではない) ¥30,000(推定)合計 約103,000円ツイ消しされるかもしれないからまとめました計算間違ってたらごめんやで インスタ 0円(収益化未達成)2023年9月1日のインスタライブで発言。 4期東京編の推定収益 バーアタオカ 20万円以上?2023年7月7日の配信の終盤で女性客から10万円を直で受け取った。7月8日の配信では「(昨日の売上)トータル7万5千ぐらい」と発言。前日の客は計12人であり、同日も10人来たらしい。しかし、その後客は激減し給料・売上・所持金についての発言も曖昧なものが多い。また、7月18日の配信では「バーでは数えてないけど10万以上稼いだ」と発言していた。 なお、短期間でサボりまくったり無駄遣いしまくったことで翌月3日までに生活困難になった末に実家へ帰ってしまった。その後もプリベイドSIMを購入した以外に機材への投資はしておらず、ほぼすべてを使い切ったものと思われる。 復活後の〇〇〇はなぜ失敗し続けるのか 本人にやる気(成功する気)がないまずこれが最大の要因である。1期では投稿が2日空いただけで断りを入れる程度にはバイタリティがあったが、2期と3期は撮影も編集もアカウント管理も他人任せで、サボる理由を「こっちの事情」とはぐらかしたり環境や他人のせいにする等かなり救いようがなくなっている。4期では代理人不在のため全部自分でやるようになったが最初の2ヶ月をピークに投稿頻度は激減しておりモチベが続かないのが実情である。ファンチやシバターからは「活動拠点だけ与えて好きにやらせればいい」と言われていたが、実際には環境を与えた所で動画も撮らずに精スプ以外何もしない日の方が多いことが明らかになっている。 なかなか機材を買わない/買っても優先度がおかしい2期では1期よりも段違いで稼ぎやすくなったにも拘わらず機材への投資には極めて消極的だった。4期では視聴者に機材購入という名目で投げ銭を募っておりそれなりに投資しているが、マイクやジンバルには大金をかける一方で動画一本録っただけでスマホのストレージ容量が限界になるのを放置したり配信者の必需品とも言えるパソコンは一向に買わない等、明らかに優先度がおかしい。また、肝心の編集もおざなりのままでありその多くが宝の持ち腐れと化している。 アンチやアンチコメを過度に意識しているプライドが邪魔をする1期最後の動画であるコンドーム カラムーチョレビューのように笑い者になることを受け入れられなくなっており、かといって芸風を変えるだけの引き出しもなく、単におふざけにキレのない1期の劣化と化している。また、「〇〇〇コンテンツ」「〇〇なのが〇〇〇」という言葉を多用し、予防線を張るようになったのも視聴者を大いに失望させている。 凸を恐れる〇〇〇は何よりアンチの凸を恐れており、活動拠点では特定対策をガチガチにしている。ほとんどの動画で画角を極端に狭めていたり、配信は声のみとなっており、一部の視聴者からは「脅されてやってる」「夏休み感がない」と言われている。なお、4期は活動拠点が辺境にある実家で凸は父親に対応させるためか例外的に外での活動が主となっている。 触れてはいけない存在になった3期(2022年8月)以降の〇〇〇は少しでも自分に言及した有名配信者やアンチ、MAD作者に対し憎しみを顕にしている。特に前者に関しては「自分の知名度を利用して金稼ぎしたのに1円も入ってきてない」とアンチからの罵倒よりも嫌がっているフシすらあり、ますます自分の知名度を金に変えることが困難になっている。また、当初は脅迫同然の訴訟を仄めかしていた。一応脅迫であることを理解してからは鳴りを潜めるが今度は執拗に通報を繰り返すようになっており、彼について自由に語れる場は激減している。なお、精スプDMリークによると2023年8月時点でも訴訟の意思はあるが、同年9月10日の配信では「訴えたりはしない。できないからお金がないから」と発言している。また、2023年2月~4月にclusterでの猥褻発言をリークされてからは例え女性ファンであろうと意に介さない発言をすればブロックしたり晒し上げて誹謗中傷している。1期から3期は「アンチがやり過ぎ」という批判が本スレ以外の多くで見られたが、4期では窘めた擁護派にも噛み付きまくった結果、ほぼ全てのコミュニティーで話題に上がらなくなる程過疎化するかアンチが多数派となっている(一見擁護が多いように見えてもネカマかブロックのし過ぎで見えなくなっているだけ)。なお、怒りの原因として「(エゴサのし過ぎで)実家にいる時から頭の中で罵倒とかがぐるぐる回って寝れない(2022年9月4日の配信)」「(エゴサは)就寝前と就寝後2~3回、6時間ぐらい(2023年6月29日の配信)」と発言しており、病的なまでにアンチコメに固執していることが判明している。(→切り抜き) 金に対する執着は強いのに嗅覚がない2期ではチャンネル登録者29万、フォロワー35万人(いずれもピーク時)という状況から9ヶ月で84万円程度(〇〇〇の取り分は最少で21万)しか稼げずに終わっている。主な理由としてはYouTubeLiveから早々に逃げ出してリスナー2桁~3桁前半が常の過疎配信サイト(spoon)に引きこもり、ゲリラライブと称して平日の早朝から昼過ぎに不定時配信を行っていたことが挙げられる。2019年4月22日には大物youtuberゆゆうたとコラボ配信するもなぜか自分の枠で配信せずみすみす投げ銭の機会を逃している。3期ではへずまの指示の下、YouTubeLiveの連発でスパチャを荒稼ぎしつつあったが、定時配信しない、配信の告知をしない、不安定な配信環境をなかなか改善しない、謎にゴールデンタイムを避ける、配信サイトをころころ変える等の悪癖は変わっておらず、初動をピークにほとんど稼げなくなっていた。また、自身の言動について思わぬ反響があっても何もしなかったりお気持ち表明するだけと毎回チャンスを溝に捨てている。 そもそもつまらない忘れられがちだが〇〇〇動画の大半は予備知識がないとひたすら長くてつまらない苦行であり、古参が離れるのは常でも新規が付くのは難しい。特にライブ配信とほぼ全てのゲーム実況は凄まじい長さに対して見所は圧倒的に少ない超上級者向けとなっている。一応4期の動画の一部に関しては完全にマイペースでやれているためか2期髙木編・西山編・3期よりは高い評価を得ている。…が結局再生数は4桁~1万台と新規獲得は疎か元ファンの再獲得にすら繋がっていない。 のびハザとカラオケを実質禁止されたのびハザは2018年9月を境に権利者の小学館が削除請求を行っており、収益化は疎か動画化・配信すらできなくなっている。カラオケについても2017年に音源の無断使用が違法だと認められたことで、フリー音源と歌詞を用意しないといけなくなった。前者は「〇〇〇と言えばのびハザ」と言える程に浸透しており、ある程度の再生数を見込めるコンテンツだったために損失は大きい。後者も一曲の長さにつられて〇〇〇本編の中では「短くて見どころがある確率が高い」コンテンツとなっていたため、(全盛期程のキレがないことを考慮しなければ)手痛い損失である。もっともこれらは勢いがあった頃の話で、3期以降は仮にやったとしても大して伸びないと指摘されている上、当人も「今更俺がのびハザやった所で伸びはしない」と認めている。 代理人がことごとく無能歴代代理人は揃いも揃って〇〇〇やアンチに対する理解の不足やネットリテラシーの低さから早々に手に負えなくなり、自滅したり批判に晒されるのが常態化している。もっともこれは数ある理由の一つに過ぎず、むしろ両親の了承を得て実家から連れ出すだけでも〇〇〇にとっては相当なファインプレーと言える。結局の所〇〇〇本人の問題に依る所が大きい。なお、その点に気付かず「俺なら有能な代理人になれる」と言う軍師様が後を絶たなかった。 3期はどこまで台本だったのか? ここで言う台本はあからさまな虚言や自演・工作、ウケ狙いのことを指す。 収益でスマホを買った→台本9月5日の配信で「iPhone 11 Pro(2019年9月20日発売)を自分の収益で買った。まだ分割払えてない」と発言しているが、実際はへずまが買い与えたものである(ちなみにこのスマホは2台目で1台目はHUAWEI)。矛盾の無いようにすり合わせると「文無しの〇〇〇に代わって一時的に建て替えたが3期の収益が入ったら払わせるつもりだった」ということになる。 ツイ垢管理と代理投稿→半々少なくとも9月21日まではへずまがアカウントを管理していたが、あくまで〇〇〇からDMされた内容を代理投稿したと主張しており、〇〇〇も「形としてはね、まず俺がこういう風にツイートしたいって先生に送って、で、『いいよ』ってへずま先生が言って初めてそこでツイートされます」「俺が1人でツイッターのアカウント動かしたら精スプしちゃう(から管理させてる)」と双方合意の元で行っていた。しかし、トランプ元米大統領のフォローや「ネカマでもええからやりたい」ツイート等、へずまの独断や意向が強く含まれるものもあった模様。また、10月以降は順度高めのツイートが増えており、共同管理にした可能性も考えられる。 暴露枠での発言→微妙多少の誇張はあったものの概ね事実と思われる。ただし、「収益入ったら2人にTシャツ買ってあげる。いっつもおんなじ服で貧乏臭いから」と発言した件について〇〇〇は「またそうやって台本作りやがって」「貧乏とは言ってねぇ」と部分的に力強く否定しており、100%信用できるものではない。 へずまと嫁の破局からの復縁→半々〇〇〇曰く、喧嘩自体は「俺と出会う前もちょくちょくしとった」らしく、へずま自身も「大体やらせ」と発言している(9月11日の配信)。しかし、へずま嫁の最後の暴露枠でのキレっぷりは〇〇〇の介護への精神的苦痛がへずまと一部の視聴者の心無い言動で発露したとも考えられ、復縁後も〇〇〇との関わりを極力避ける方向で落ち着いたとみられる。 なんJ民の爆破予告であそびば貝塚でのオフ会中止→微妙少なくとも9月5日時点で準備を進めていたのか、〇〇〇は「"皆んなが"望んどるあそびば貝塚オフ会が実現するかもしれん」と発言していた。また、ご丁寧にポスターまで作っており、何事もなければ開催するつもりだったものと思われる。しかし、明らかに実行する気のない犯行予告で中止判断を下すのは英断すぎるとも言え(*1)、この時点でへずま側にやる気がなかったと考えられる。 ツイ垢削除→台本9月10日の配信で〇〇〇が「心配をすると思うよ一週間音沙汰なかったらへずまがさ、『xxxxxさんがとうとう逃げました もう俺の手には負えません』て言って」と発言しており、双方合意の元で行われたことが窺える。 再生数・高評価・チャンネル登録者等の購入疑惑→概ね台本ネタバラシはしていないものの、配信の同接より4倍以上も多い高評価数(画像)や再生数がYouTube運営から減らされたことが確認されている。チャンネル登録者数についても不自然なくらい一定のペースで増え続けていた。〇〇〇はアンチのせいで3期の収益は0と主張しているが、どちらかと言えばこれらの工作行為が運営に知られて収益停止に繋がったと考える方が自然である。また、高額スパチャもサクラではないかと指摘されていた。 へずま「xxxxxさんの新しい飼い主が現れました」→台本実際には広島の実家に帰しただけであり、〇〇〇の両親を指しているにせよ「新しい飼い主」は語弊がある。この発言について自分以外の代理人志望者への牽制という指摘もある。 〇〇〇「へずま早く迎えに来て」(10/17投稿)→微妙この時点でも〇〇〇はへずまの支援で復活する算段だったようだが、当のへずまはかねこあやとのコラボ動画の反響を見て見切りを付けたことが窺える。確実なのは〇〇〇も11月16日までにへずまから支援を受けることを断念し、22日から単独で活動を始めたことである。 アカウント乗っ取り騒動→台本ではないへずま嫁はあくまで譲渡を主張しており、〇〇〇も1年後に追認している。 りんへの精スプとリーク→微妙[〇〇〇視点]ボイスメッセージの棒読み具合が指摘されているが、リークされた経緯も含め、狙ってやったものかは微妙な所。[へずま 嫁視点]飴と鞭でいう飴であり、〇〇〇が反抗的な態度を取った時のための脅し道具として活用していた。 不文律・地雷ワード 〇〇〇独自のNGワードや許せないユーザー名。あからさまなアンチコメを除く。 ここに書いてあるのは一部であり(というかアンチコメの範囲が際限なく拡大している)、誤読した上でブロックされることもある。 Q.ファンだけどブロックされないためにはどうしたらいいか?A.コメントやフォローは厳禁、インスタやThreads、TikTokはログアウト状態での閲覧を心がける Q.なんで些細なことでブロックするの?A.「本当に(ガチ恋)女子だったら見に来るよまた」とのこと 発言 理由・備考 (指示・提案)〇〇してください〇〇しないんですか? 「その言葉が配信者を追い込んでる」「馬鹿にしたいだけやろ」※NGされないケースもあり (忠告)〇〇しない方がいいですよ〇〇すると××になりますよ (訂正)〇〇じゃなくて××ですよ (質問)〇〇はどうなったんですか? 都合が悪いとブロック (DM等の返信が遅れる) 特に初回時は危険度が高い (アイコン未設定) インスタ、Threads、TikTok、Pococha等 F-ZERO OFF-ZERO(オフ会0人)を連想させるから 江田島 「バレてるけどNG」「『島』でお願い」 (顔が)面白い TikTokのエフェクト動画だろうとNG (家族の名前) 毎回丁寧に「これうちの家族の名前じゃん」と答え合わせしてくれる カツドン 「他の配信者の名前を出すな(俺はセーフ)」 頑張ってください サボり・怠惰ぶりを批判と同様? キャプテンファルコン F-ZEROと同様 キャラのアイコンもNG 草 「『草』も侮辱罪」 この人有名な人? 「本当は知ってるくせに嘘つくな」 サボり・怠惰ぶりを批判 「その言葉が配信者を追い込んでる」 したらば 「したらばっていう掲示板で誹謗中傷されてるから」※ユーザーネームもNG ジョボジョボ 「コラッ!!何言ってんだよ!!」 高木 ニコニコのNGワード設定済 は? 無言ブロック 働け 「働いてる奴がマウント取ってくる」「働いてるじゃねぇかよ(1円でも投げ銭あれば仕事理論)」 焼肉 「父親の蔑称だから」 ※蔑称の意味を理解していない 湾岸のやりこみ具合(本スレ民の解説) 【キャストなのに】xxxxx_game第936回オフ会O人【接客されている】 67 : 名も無きゾット帝国民 :2023/07/11(火) 01 53 39装備とか見た人が言ってたんだっけ?かなりやらないと手に入らないみたいな71 名前:名も無きゾット帝国民[] 投稿日:2023/07/11(火) 02 01 06 67装備じゃなくて走行距離動画の時点での走行距離が10万超1クレで一番効率よく稼げるのが30km1クレ100円だとしても40万くらいは使ってる72 名前:名も無きゾット帝国民[] 投稿日:2023/07/11(火) 02 01 14 67ゲーム内で走った総距離で車からオーラみたいなのが出るんだけどそれの形でやり込んでるのが分かった。対戦戦績でオーラの色が変わるんだけどCPU戦しかしてないから真っ白だった ↓2016年撮影 白オーラ(対人対戦0) 配信環境 俗説 広まっている俗説 / 勃起について / 食べたべ論争 / 謎の白い物体 / 妹の2chへの疑惑書き込み/ ブラスバンド部の寄せ書き色紙 / 〇〇〇の現状は親のせい? 配信活動 名義の変遷 / 「〇〇〇」の由来 / YouTube引退の背景(2014) / 動画を消さなかった世界線/ 2期以降の推定収益 / 復活後の〇〇〇はなぜ失敗し続けるのか / 3期はどこまで台本だったのか?/ 不文律・地雷ワード / 湾岸のやりこみ具合 配信環境 〇〇家の間取り / 能美島の実家特定の経緯 身体的特徴疾患等 〇〇〇の身長 / 顔の曲がり具合 / 病名リスト / 発達障害・パーソナリティ障害説 その他 外部リンク 〇〇家の間取り 有志によって作られた〇〇家の間取り図 585 :名もなきゾット帝国民:2015/12/19(土) 19 22 281日無駄しただで…でも〇〇家の全容はこんな感じじゃないかと思いまスゥゥゥゥさすがに物が多すぎるし家具のデータがないから再現は無理 https //i.imgur.com/V3iOOtI.jpg https //i.imgur.com/VY2MPNp.jpg https //i.imgur.com/TdBH9Vb.jpg https //i.imgur.com/M1shSws.jpg 【お前じゃ弱い】 xxxxx_game第279回オフ会0人【ボクは強い】 CG 紹介動画でおなじみの部屋 家具あり 家具なし 能美島の実家特定の経緯 2019年3月9日、先月15日にUUUMで迷惑行為を働いた件について前代理人の虚夢1人に責任を押し付ける動画を広告付きで公開したことで低評価は3万6千を超え、アンチが激増・過激化する事態になった。 この流れでファンチの1人「xxxxx_search」が3月14日までに実家を特定、TwitterにRAV4の画像と共に「自宅から引っ越しした後の経緯を全て説明して今後は一人で活動を行う」「(説明しない代わりに)今後youtuber活動を一切辞める」という条件を飲めば公開は控えるという投稿をし、一週間の猶予を与えた。(→魚拓) しかし、〇〇〇と代理人髙木康輔と友人のユウこと西山玄一郎はこれを完全にスルー。結果公開されてしまう。〇〇〇は名古屋の活動拠点が特定された際には半日で逃げ出す程アンチに怯えており、俺オナ民に対して事あるごとに「家族に迷惑をかけるな」と言っているが、結局の所自分の活動に支障がなければどうでもよかったようである。しかし、これが後の空き巣被害や祖母の遺影暑中見舞いに繋がる致命傷となる。 なおこれは脅迫や強要に当たる犯罪であり、警察に相談したことを表明して牽制する等の対応もできたはずだがそれすらしなかった。 悪いかどうかで言えばxxxxx_searchが10割悪いのだが〇〇〇に一欠片の良心があれば防げた可能性もありやりきれない(もしxxxxx_searchが約束を破ればその時活動を再開すればいいだけの話である)。 ちなみに特定方法は住所でポンやゼンリン地図で当たりをつけてから登記簿を取得したものと思われる。 もっとも能美島を含む江田島市は人口2万程度の小さい市であり、条件を飲んだところで特定は時間の問題だった可能性もある。 身体的特徴・疾患等 俗説 広まっている俗説 / 勃起について / 食べたべ論争 / 謎の白い物体 / 妹の2chへの疑惑書き込み/ ブラスバンド部の寄せ書き色紙 / 〇〇〇の現状は親のせい? 配信活動 名義の変遷 / 「〇〇〇」の由来 / YouTube引退の背景(2014) / 動画を消さなかった世界線/ 2期以降の推定収益 / 復活後の〇〇〇はなぜ失敗し続けるのか / 3期はどこまで台本だったのか?/ 不文律・地雷ワード / 湾岸のやりこみ具合 配信環境 〇〇家の間取り / 能美島の実家特定の経緯 身体的特徴疾患等 〇〇〇の身長 / 顔の曲がり具合 / 病名リスト / 発達障害・パーソナリティ障害説 その他 外部リンク 〇〇〇の身長 自己申告 ゆうにとの通話 〇〇〇「あ、シモちゃんって身長なんぼなん?」ゆうに「157?」〇〇〇「157、一緒くらいか~、俺160ぐらいかね、165くらいか」 三香(MK)とのDM 身長同じくらいだね!自分、165くらいだよ。 2014/12/13配信 「155じゃないと思う160ぐらいだと思うんやけど」 2015/08/27黒騎士のツイキャス 「身長何センチだろ...165ぐらい?フフフフッ」「いや、150センチは無い。猫背だから...」「あの動画の時多分猫背だったから...165ぐらいあると思う」 2019/01/17配信(2枠目) 「身長は163ぐらい 体重50ぐらい」 2019/05/11配信 「身長は158cmでスゥゥゥ」 いずれも150後半~160台前半と表現しており、165cm以下であることは確実と思われる。 直接会った者の証言 シバター(SBT) @nankotusoup 155cmくらいっすかね - シバター (@jtshibata3)2014, 12月 11日 2016/03/24遭遇者 自分の身長が160ちょうどで、〇〇〇さんの目線がそれより少し低かったから158~159だと思います。 2023/07/08バーに来た客 (配信2時間29分頃、自称163cmの客と背比べ→)157か6ぐらいで確定でいいと思います 検証画像 シバターとの比較 ↑〇〇〇の方がシバターより若干手前に立っているので注意。また、プロレスラーとして活動しているシバターの公称180cmというのも正確な数値かは分からない。 二色の浜公園の像との比較 ノスタルジックな雰囲気に浸る、大物youtuberより動画を見ると分かるがかなり手前に立っているので注意 こちらの画像からは背筋を伸ばした〇〇〇の座高が向かって左の像より少し高いように見える (画像は2015/11/21巡礼者撮影)左の像の座高は約86cmなので、〇〇〇が平均的なスタイルだとすると身長は160~170cm辺りだと予想される→参考資料 ↑四谷学院の広告との比較。〇〇〇の頭より少し低い緑色の部分までの高さが153cm 難波駅の柱との比較 計測は12/13巡礼者による。 顔の曲がり具合 顎変形症説転載元:http //www.smla.jp/surgical/ かみ合わせが原因説 先天的に歯の本数が少なく顔が曲がってしまったという説。 【のびハザで】xxxxx_game第284回オフ会0人【年を越した】 250 :名もなきゾット帝国民:2015/12/27(日) 03 16 19 HOST xxxxx*〇〇〇の歯並びは下顎右第一、第二小臼歯欠損。おそらく先天性。下顎の歯の本数が少なく、右側に著しくずれているため、上顎の中切歯とは下顎の左側切歯と犬歯が噛み合っている。右側では、下顎大臼歯二本でしか噛むことができない上、下顎左第一大臼歯に対応する上顎の臼歯が無いため、実際には右側で物を噛むことがほとんど出来ないはず。顔が頬骨辺りから大きく曲がっているのは噛み合わせの不都合により右顎が著しく未発達なため。257 :名もなきゾット帝国民:2015/12/27(日) 03 48 10 HOST xxxxx* 250訂正右側では、下顎大臼歯二本でしか噛むことができない上、下顎左第一大臼歯に対応する上顎の臼歯が無いため、実際には右側で物を噛むことがほとんど出来ないはず。↓右側では、下顎大臼歯二本でしか噛むことができない上、下顎右第一大臼歯に対応する上顎の臼歯が無いため、実際には右側で物を噛むことがほとんど出来ないはず。〇〇〇の動画はたくさん見たけど、口内が見える動画は知る限り無く、実際に奥歯がどうなってるのか正確には分からない。でも、とんかつマックバーガーを買って車の中で撮影してる動画( http //sp.nicovideo.jp/watch/sm27843038?cp_in=watch_watchRelatedContents )では前歯の状態が割りと鮮明に映っていて、この噛み合わせのズレと輪郭の歪みは欠損歯に独特で顕著な特徴だから、下顎右に欠損歯があるのはほぼ間違いない。くわえて、渡遺誡(東北大 2014)によれば、70歳以上の老人を対象にした臨床研究で、歯の数が少ないほど認知症リスクが高まるので、〇〇〇も若年性認知症の可能性があるっちゃある。 病名リスト 〇〇〇が抱えていると思しき障害などについて、スレで飛び交う考察を簡単にまとめたものです。 ※俺オナ民の言いがかりがほとんどです。また、これらの病気・障害の方々をブジョォクする意図はございません。 アスペルガー症候群(無意識に他人を見下す、他人との距離感が掴めていない等) 自閉スペクトラム症候群 統合失調症(自己を客観的に見られない、ウォンツモードやホエザルモードなどの躁鬱症状等) 注意欠陥・多動性障害 若年性アルツハイマー(同じ言葉を繰り返す。参考動画 同じ話題と貧弱な語彙だけで14分に渡って話し続けた。) 自己愛性人格障害(殆どが当てはまる。Wikipedia) 失語症(言葉が出てこない、話のループ等。参考動画では「食品レビュー」と何度も繰り返す。3 00~辺りには怒涛のマーガリン連呼) 学習障害(簡単な掛け算ができない、常用漢字が読めないなど) 軽度識字障害(多数の誤読) 境界知能(知的ボーダー) 誇大自己性症候群(自分を大物youtuberと思い込んだり、明らかに自分を誇大して見ている発言など。 例『ンーーー、改めて俺って凄いと思うなぁやっぱ。サムネも作れるしさ(略)』 明らかに実力が伴っていないのにこんな発言が出来てしまうためこの症状が推測される。) 上顎突出症(嘴。参考画像) 顎関節症(顔曲がり。曲がった顔の参考画像) 歯の先天的欠如(上に同じ、これのせいで顔が曲がったのではないかと推察された) 不正咬合 半身麻痺(右手が不自由?) ヘバーデン結節(右手薬指の不自然な曲がり。参考画像) アトピー(本人の自供) ヘルペス(鼻の下のヒゲ状のかさぶたが症例と類似している。が2014年の動画では首の後ろにヘルペスが出来ていると言っている参照) 糖尿病(カツカレーチャーハンやチキンラーメンカレーなど高カロリーの物を食べていても太らないから疑惑が出た) 脱毛症(ハゲ疑惑。参考画像) 眼瞼下垂(まぶたが開きにくくなる病気。無意識に別の部分に力を入れて目を開けようとするため、額にシワがつきやすくなる) 小人症(基準) 排泄障害(おむつ着用説) 色覚障害(あまり色が似ていないジュースを色が似ていると発言した為。) 味覚障害(味をおおまかにしか判断できない、パッケージを見て味を判断する為。亜鉛不足が原因なのかもしれない。もしくはただ単に馬鹿舌か、どっちかです) 口腔習癖(指をしゃぶったり爪をかんだりするクセの事。xxxxxの場合動画に映り込む親指の爪がボロボロの為後者が推察される。) 視力障害(〇〇〇がたびたび誤読をしたり、視力の著しい低下により自動車の運転ができなくなったことなどから、白内障や円錐角膜などの眼疾患を疑われている。どちらもアトピーやかきむしる事が病因のひとつとされており、眼鏡をかけても完全には視力が矯正できない。モグラアイの原因の一つと言えるかもしれない) 乱視 モザイク型ダウン症(目の幅が狭く小さい、ぱっちり二重、極端に小柄等…ダウン症特有の特徴が見受けられる。) 第14番染色体父親性ダイソミー症候群(前額部突出、眼瞼裂狭小など) 胎児性アルコール症候群 痔瘻 金属アレルギー(ピアスをつけている時に耳朶が赤くなっている為) 発達障害・パーソナリティ障害説 俺オナ民の考察でよく挙がるのは「高機能自閉症(アスペルガー)」と「自己愛性パーソナリティ障害」ですが、医師でも〇〇〇さんの知り合いでもない人が勝手に認定してもしょうがないし考えるのも馬鹿馬鹿しい為、よく指摘される点を列挙しておきます。 ※あくまで考察止まりという点に留意 共感性が欠如しており、他者の立場に立って物事を見るという考えに至らない "「共感」(empathy)というのは、ごく簡単に言えば、「他者の立場に立って考え、行動し、感じ、外界を認知することができる能力」と定義づけることができます。"(引用) 言葉選びが下手で、他者を不快にさせる言動を繰り返す彼を語る上で欠かせない悪癖の一つ。無意識のうちに初対面の人物を見下しているため、誤解を招く表現や不快な表現ばかりになってしまう。「ところで、時間に余裕があったら参加するド素人さんは、何を担当するのでしょうかね。気になるところです。」piaproの掲示板より、〇〇〇に協力を申し出たド素人さんに対しての発言。馬鹿にしているようにしか受け取れない。 「長々と返信ありがとうございました!」@hamakawa20153より、小説の相談に乗ってもらった後、よりにもよって開口一番こうほざく。シンプルに「ありがとうございました」でよいのになぜこうも一言付け足すのだろうか? 「自然には勝てませんが、ですが、自分の身は自分で守ることは出来るはずです」「最低でも自分の身は自分で守る事ができる…はずです」震災についての発言。被災者を煽っていると受け取られても仕方ない(後に失言だったことを認めて謝罪したが、後の祭り)。 「プレゼントがある方、は持ってきてくれても大丈夫です」「俺は偉いんだから黙ってプレゼントをよこせ」と言っているつもりは本人にはないらしい。 相手が女性とみるや執拗にアプローチをかけるが、倫理観を欠いている女性と看做したユーザーとほんのちょっとやり取りしただけで自分の事が好きだと一方的に思い込む(かりんちゃん、ゆうにとの会話等)。 三香(MK)とゆかり(niwa)を同時に口説いていたことがバレて追求されるがまったく悪びれる様子がなかった。そもそもなぜ三香に怒られているのかすら理解できなかったらしく、次の日には「でも、その人(別の女性ファン)とデートすることになったらどうするの?」と三香に聞いていた。 女性に下ネタのツイートをしブロックされるも「あれだけ仲良く絡んでた子に、いきなりブロックされたんだけど。ブロックされる理由が見当たらない」と、自分の愚かな言動を顧みない。 己の物の考え方こそが世間一般の常識であり、他者がそれに服従するのは当然だと思っている「(YouTubeを仕事にすることを)みんなは、反対するかもしれへんけど」 「俺がさ、彼女、彼女と一緒にゲーム実況収録したい、収録してるやつ見たいでしょそりゃぁ」 「じゃあ連れてってあげるわ。車がいいかね?」「助手席やなもちろん。ヘッ(笑)夢、それもしかして?フッフッ(笑)」このように自分と他者の考えがごっちゃになっているように思える発言もいくつかある。三香(MK)とのやり取りでは、MKが自分の予定通りの反応をするように誘導しようとしているような場面もあった。 妄想と現実の区別がついておらず、猜疑心がやたら強い前述の女性ユーザーへの異常接近をきっかけに「コイニハッテンシテ…」を始めとした気色悪い妄想垂れ流しトーク。オフ会で出会ったファンと付き合う、などということを公言すれば視聴者がドン引きするだろうことが理解できていなかった。 「もちろん、下田さんも疑ってます。」ネカマ被害にあった〇〇〇を気遣う言葉を掛けたゆうに(下田さん)への一言。自ら味方を切り捨ててゆく。 自己中ゆえに「伝える」事を考えておらず、物事の本質に関係ないどうでもいい情報が多い 徹頭徹尾自分が目立つ事しか考えていないせいか、目についた要素を手当たり次第にだらだら垂れ流す。食品レビュー動画ではバーコード・製造番号・賞味期限などのどうでもいい事を長々紹介。 勝浦編で宿泊したホテルの部屋を紹介する動画では、玄関の靴、トイレ(なぜか紙を流していない)や冷蔵庫の注意書きなどホテルの魅力と関係ない物ばかりを説明する。さらに湾内を航行する大量の漁船を追いかけ回すだけ、エスカレーターをただ上り下りするだけ(いずれも無言)など中身がなく、動画として上げる意味が全くない。 個人情報に対する意識が乏しく、それにより多大な被害をもたらす事を予測できない前項の弊害だが、自宅後悔編では個人の特定につながる情報(生活のしおり、自宅の窓の外の風景、住所の書かれた郵便物)をさらりと映すなど、間違いなく破滅へ直結する要素を躊躇なく曝け出す(モザイクを入れるなどの加工もしない)。周囲の人間にとっては迷惑極まりないどころか殺意を持たれても不思議ではない。というより、自宅を公開して目立とうとする時点でそもそもおかしい。彼曰く「コメントで自宅を見てみたいと言われたので公開する」らしいが、そんな事をすれば真っ先に家族に対して危害が及ぶだろうと考えなかったのか。 ナルシズムが強く、物事に対する考えが著しく歪んでいる 誇大性と共感性の欠如は根源的に同じものだと考えられている。…自己肯定こそが自己否定されることへの最大の防衛たり得ることを心得ている無意識の心が、壊されないよう「攻撃は最大の防御」たる構えの姿勢に入るのである。 自画自賛が多く、自分は世界一まっとうな人間だと思い込んでいる「ンーーー、改めて考えると凄いな、って思うなあ。俺はやっぱ」と動画が撮影できる、編集できるというだけで延々と自分を褒め倒す。三香(MK)に対しても「みんな、本当の俺を知らなかっただけ。」と一言。「自分は尊敬されるべき素晴らしい人間なのに何故か誰も理解してくれない」という自惚れが見える。 至極どうでもいい、誰にでも出来る事を自己肯定の材料として扱う中古のWiiを購入しただけで「有言実行した俺は凄い」と訳の分からない正当化をしていた。ゆうにに対して「PCのセーフモード起動」「Twitterの機能が使える」などをアピールした挙句「パソコンなんて簡単でしょ」と発言。まるで万物を超越した天下のパソコン大先生のような振る舞いである。 自分は完璧な存在なので、何もしなくても皆は勝手に喜んでくれるだろうと期待している食品レビュー動画は普段の食事を写しただけのようなものが多いが「人気者の自分が食事する姿を見せる」だけで視聴者はチヤホヤしてくれると思っていたように見える(俺の日常シリーズではただ買い物に行くだけの動画もあった)。 サクセスストーリーに妄執し、それが自身にも当然該当すると思っている「無職から小説家になった方もいますよ。」=「だから自分は小説家だ。」というトンデモ論法(〇〇〇曰く"ポジティブ"らしい)。結末に至るまでのあらゆる過程をすっ飛ばして物を考えるとこうなるという好例。 自尊心が傷つくのを極度に恐れるがゆえに、相手に対して一切謝罪の言葉をかけないへずまりゅうと共演した動画において、明らかに自分が原因でへずまが怒っているにもかかわらず「太鼓の達人」と自らの頭を差し出して許しを請う醜態を晒す。その後も「なりません!なりませんよ!?」と条件反射からか意味不明な発言をするも、とうとうへずまに謝罪する事はなかった。彼の考えでは「ごめんなさい」などの謝罪の言葉は相手への無条件降伏と同時に絶対服従のサインであり、自身の生き様や存在を完全否定される最大級の屈辱であるようだ。これは後述する悪癖にも関連する。 常に勝者でないと気が済まないため、己のしくじりを認めず都合のいい形で解釈し優越感に浸る 「すっぱい葡萄(イソップ寓話)」「阿Q正伝(魯迅)」参照のこと。唐突に陰謀論を唱え出したり、超能力が使えるようになったと主張しだす人間もこのクラスに入る。 空想上の強大な敵を作り出し、罪をかぶせる事で自分は正常だと主張する「しかも、自分のオフ会も彼らに邪魔されました。」白鳥麗香のリークより。本物の参加者がいなかったのをアンチのせいにしている(もしくは偽の参加者コメントに釣られたのを「邪魔された」と表現したのだろうか)。 自身の行いによりぶつけられた罵倒も、字義をそのまま受け取り効いていないアピールをする「少なくとも、出会い厨ではなくなった。」三香(MK)のリークより。行動が問題なのだが言葉の定義から外れればそれでいいと思っている。犯罪者予備軍と罵倒されたら本当に犯罪を犯すのとでも言うのだろうか。 目標や欲求が満たされないのは、完璧である自分と話が合わない分からず屋のせいであるTwitterについて「まぁフォローしてくれてる人はいるんだけど、会話がちょっと…盛り上がらな、盛り…上がらないんですよ」と言い視聴者にさらなるフォローを呼びかける。会話が盛り上がらないのをすべて既存のフォロワーのせいにしている。 自分が駄目にされたきっかけを盲目的に断定し、そのまま一方的に当たり散らす「ニコニコ動画に無断転載されてから、YouTubeの動画収益が減っています。」〇〇〇が語りかけていたファン達はみな転載動画に流れてしまったと思っていたのか、転載動画の再生数がすべて自分の懐に入るはずだったと勘違いしていたのだろうか。 接客業は自分より能無しで格下の存在であり、憐れみをかけられても仕方がないハンバーガーの包みを裏から開けて「また裏返しですね。あららららら」店員が無能なため間違えて上下逆さに入れてしまったと思ったらしい。何回も。というより包み紙の意味を理解していない可能性がある。 失敗しても自分は誰かの発言に従っただけで、責任はその人物が取るべきなので自分はむしろ被害者である視聴者の提案で実況にWEBカメラを導入しようとするもPCのスペック不足でうまく使えず、「反対の人がいなかったんだよね~」と視聴者のせいにしようとする。「欲張った結果失敗した」と何度も繰り返しつつも、自分の責任だという事は絶対に認めたくないようで「これはこれでよかった」「フリートーク…できればWEBカメラでやりたかったなーって薄々思ってたから」と自分が正常であるかのように言い聞かせていた。 義務教育を真面目に受けていないためか、全体的に学力が低い しかしこのような人物に限って、小難しい事象に積極的に首を突っ込んで騒ぎ立てる。まさに「片手落ち」なのだが当人には自覚がないのだから不思議である。 日本語の使い方がおかしい「テイルズだったら、語られるよ。」「こんな狭い所じゃ、踊られねぇ!」など、"ら抜き言葉はいけない"というルールを意識し過ぎるあまり逆におかしな言葉遣い(ら入れ言葉)になってしまっていた。読解力も相応に低いが、これについては後述する。自信たっぷりに投稿した小説内でも「皮肉」という概念を明らかに誤用している。以下小説からの引用。 「カイトくん。妹の栞と仲良くしててくれ。なあに、新しい妹ができたと思えばいいさ。こっちの暮らしも悪くないよ? そうそう、自己紹介が遅れたけど、僕はカイトくんの父親なんだ。まあ、カイトくんは私の先祖だから、ややこしいけど。すぐ慣れるよ。なんなら、父さんって呼んでもいいからねっ」 葛城はちゃっかり皮肉を言いのけて立ち上がり、去り際にウインクして手を振って廊下の奥に消えた。 (ゾッ帝カイト編からの引用) 句読点の使い方が悪い読点(、)が無意味に多く、文章の区切りが滅茶苦茶である(小学校の国語の授業でよく指摘される「てんてん言葉」)。読解力の低さゆえに思考が遅い事も関係があると思われる。 代名詞破棄・文章表現が稚拙指示代名詞(こそあど)や曖昧な言い回しが苦手で、文章表現が回りくどい。代名詞以前に文章の組み立て方もかなりおかしい。 算数・数学に異様に弱く、計算能力が低い中学の数学のテストで0点を取ったことがあるほか、動画では40×9という計算に失敗していた。和歌山勝浦編パート21では4枚の布団を指で数える事すら苦戦しており、数字全般に弱いらしい。 読解力が低いため、言葉の受け取り方がおかしく発想が支離滅裂 読解力や語彙力の低い人物は「言葉を知らない原始人」と同義である。言葉が通じない見ず知らずの国に放り捨てられたも同然なので、部分的に意味が分かる単語をやみくもに繋ぎ合わせた上で自身が置かれた状況を必死に理解するしかないのである。 前後の文脈が読み取れず、的外れな返答をするファン層を広げるべくしょっちゅう質問動画を上げるが、自身に対する刺激的な言葉が真っ先に目に入ってくるせいか、感情をむき出しにして訳の分からない返答をしたり、そもそも答えになっていない事例が見受けられる。 言葉を表面的にしか理解せず、額面通りに受け取ってしまうニコニコミュニティ「xxxxx_Gameファンクラブ」が出来たとき自分をチヤホヤしてれるファン(信者)が作ったと勘違いしていた(ニコニコの無断転載動画がアンチコメントであふれていたのは知っていたが、本当のファンもいるはずだと思い込んでいた)。しかし、後に女性から「しまいにゃいてまうどわれ」とリプライをもらった(→@hamakawa20153#九藤さん)時は本気で拒絶されているということを全く分かっておらず、表面的な理解というより単に都合のいい解釈しかできないだけとも言える。 言葉を拡大解釈した結果、常識では考えられない行動をとるラーメンの丼を持ち上げて食べるのはその好例で「器を持って食べろ」という指摘を受けたあと食事マナーを見直せばよかったのだが、言葉通りに「例えいかなる時でも食事中は全ての食器を持ち上げて食べなければいけない」と思ってしまったらしい。食事マナーの悪さについては後述。 その他指摘 一般名詞や企業の名前を言い間違えたり、なかなか出てこないハンバーガー開封動画で顕著であるが、しきりにバンズの事を「パン生地」、パティの事を「てり焼き(かかっているソースを肉そのものの名前と誤認)」と発言している。自分で言っておいておかしいと思わないのだろうか。自宅後悔編ではレンジフードの事を「何か回す奴」と言葉に詰まり「換気扇やな」と時間をかけて発言した挙句、リビングに置かれている複合機のメーカーを「ブラウザー(ブラザーの誤り)」と発言していた。 手癖が悪く、不潔食品レビュー動画では食材を指先でつんつんしたり、ソースや油にまみれた手をこすり合わせたりと端から見ていて不快な手癖が目立つ(そして自覚がないのか治そうとしない)。ホテルで枕を数える場面でも枕を揉みしだいたりと気色の悪い動作が目立つ。 食べ方が汚いこれも食品レビュー動画だが、口元にマイクを置いているためクチャクチャチュパチュパと咀嚼音をそのまま拾ってしまっておりとにかく汚らしい。前述した特有の骨格のせいで正しく噛めないのか、やたらズズーッ!っと啜る動作も多くゲンナリする。食事中も油がついた指を舐め取ったり、無意識に汚れをズボンで拭いたり、卓上に肘をついたままだったりと基本的なマナーもなっていない。 味覚過敏/野菜を露骨に嫌う発達障害の症状の一つ(らしい)。動画でコーヒーゼリーについて苦すぎるだの大人向けCCレモンについて酸っぱすぎるだの不平不満を爆発、甘いものばかり好んで食べていた。しかし「グラニュー糖の味」「食塩の味」「ワインの風味」などパッケージを見ながら感想を言う場面もあり、味覚が死んでいる説もある。バーガー開封動画ではレタスが多い事にやたら不満を漏らしていたりと、幼児並みの野菜嫌いを隠そうともしなかった。 リズム感がない学習障害の症状の一つ。頭の中でリズムは取れるが思った通りに体を動かすことができないというような症状らしい。〇〇〇の場合はDTMでも拍子感覚がめちゃくちゃな完全なるリズム音痴であり、運動能力云々はあまり当てはまらないかもしれない。 融通が利かない・謎のこだわりあそびば(カラオケ)の部屋について「なんかいつもの、部屋…が空いてなかったら、なんか変な感じなんだよね」と発言。サークルKのスイーツ3品のレビューを溜め撮りした際「二品でよかったかな―と思いますけども、もう買っちゃったものはしょうがないからね」と発言。買ったその日のうちにレビューしないといけないマイルールなのか、もしくは置いておくと家族に盗み食いされるとでも思ったのだろうか。 食への執着「今日の朝食はパン一枚!」「実は、まだお昼食べてないんだ…みかちゃんと一緒に食べるつもりだったから…」とここでもどうでもいい事をアピール。「ちゃんと、朝昼晩摂りましょ」としつこくゆうにに説教するなど、言葉の端々から空腹=生命にかかわる重大な危機という感覚を持っていることがうかがえる。理由としては「かつて餓死しかけたことがある説」、逆に「おやつなどが好きなだけ貰える環境で育ったので生まれてから極度の空腹になったことがない説」がある。 シングルタスクゲームをプレイしながら喋ることが上手くできないのか、やたらと「オッケー」「よしよし」を連呼して間を埋めていた。 ワーキングメモリが低く、直前の発言を覚えていないWii版バイオ4実況では「まだ俺は体力回復せんぞー」等と宣言しておいて数秒後には回復アイテムを使用する…というシーンが何度か見られる。フリートークで同じ話題を何度も繰り返すおなじみの光景も、直前の思考を覚えていられないことからきているのかもしれない。また、ワーキングメモリに問題があることは吃音の原因の一つとして挙げられることもあるようだ。 その他 俗説 広まっている俗説 / 勃起について / 食べたべ論争 / 謎の白い物体 / 妹の2chへの疑惑書き込み/ ブラスバンド部の寄せ書き色紙 / 〇〇〇の現状は親のせい? 配信活動 名義の変遷 / 「〇〇〇」の由来 / YouTube引退の背景(2014) / 動画を消さなかった世界線/ 2期以降の推定収益 / 復活後の〇〇〇はなぜ失敗し続けるのか / 3期はどこまで台本だったのか?/ 不文律・地雷ワード / 湾岸のやりこみ具合 配信環境 〇〇家の間取り / 能美島の実家特定の経緯 身体的特徴疾患等 〇〇〇の身長 / 顔の曲がり具合 / 病名リスト / 発達障害・パーソナリティ障害説 その他 外部リンク 外部リンク 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xxxxxさんが正しく読めた漢字と誤読のリスト フリーゲームのストーリーを理解できないxxxxxさんを考察する 猫夜叉とxxxxxの漢字の読みの知識が同じくらいである可能性 〇〇〇さんの怪異症候群:実況プレイ!が後半で面白くなくなる理由 仕事をせずに生きていくのを諦めた男の話 xxxxxさんの謎文章考察【チャフ】 xxxxxさん、コラボ実況の理想と現実【チャフ】 xxxxx_game黎明期(piapro編)について【チャフ】 xxxxx_game、シーズン3開幕【チャフ】 xxxxx3期、動きが多すぎて追いきれない【チャフ】 xxxxxさん、呆れられ飽きられる【チャフ】 xxxxxさん、多分もう帰った【チャフ】 xxxxx3期総括【チャフ】 xxxxx4期の情報を随時書いていく記事【チャフ】 xxxxx4期(江田島編)まとめ【チャフ】 xxxxx5期の情報を随時書いていく記事【チャフ】
https://w.atwiki.jp/matomemodijital/pages/38.html
25位 新生児マススクリーニング 初っ端から面倒くさいのがランクインしました。ちなみに順位は完全に主観で選んでいます。 たしか全部で6項目くらいあって、尿とか血液とかを検査して、クレチン症が一番数が多いとかそんなんでした。 代謝系の疾患って病名と原因物質と蓄積される物質がバラバラで 非常に覚えにくい印象を持っていますというか実際に覚えにくいです。 この後の方のランキングでも確かまた出てきますよ代謝系。 この項目ってよく小奇麗な表にまとまって載っていることが多いですが、 基本的な流れを理解することなくいきなりこの表を見てしまうと何が何だか分からなくなって 結局あやふやな知識だけが残ってしまうということになります。 この際バシッと覚えなおしてしまいましょう。 アミノ酸代謝異常:フェニルケトン尿症・ホモシスチン尿症・メープルシロップ尿症 糖質の代謝異常:ガラクトース血症 内分泌疾患:クレチン症・先天性副腎過形成症 フェニルケトン尿症(フェニルアラニン)・ホモシスチン尿症(メチオニン)・ メープルシロップ尿症(ロイシン) 以上3項目の検査がGuthrie法、3つとも~尿症。 ガラクトース血症ではgal-1-pトランスフェラーゼ欠損(Beutler法)、 ガラクトース(Paigen法) クレチン症はTSH、先天性副腎過形成症は17-OHプロゲステロンを測定する(RIA法) 日齢5に足底穿刺により採血、それを濾紙に染み込ませたものを用いる。 フェニルケトン尿症:先天性のアミノ酸代謝異常症の中では最多、 フェニルアラニン→チロシンの反応における酵素または補酵素の機能的欠損 この代謝副産物が中枢神経系に蓄積することで、無治療の場合は精神遅延をきたす またチロシンから誘導される甲状腺ホルモンやメラニン、カテコールアミンの不足による各症状が生じる、 原発性甲状腺機能低下症、メラニン不足で頭髪や皮膚の色が薄くなる、カテコールアミンが欠乏することで神経症状も呈する ただし、チロシンは食餌中から摂取できるためこれらの症状があらわれないこともある フェニルアラニンは必須アミノ酸なので低フェニルアラニン食を血中濃度と照らし合わせながら続ける対症療法を行う 脳の発達が終わった後も、生涯治療を継続することが望ましいとされるようになってきた ホモシスチン尿症:メチオニン代謝の中でホモシスチンがシスチンに変換されず、体内に多量に蓄積され尿中へ排出される 1歳過ぎから知能障害が出始め、3歳ごろからは骨格異常による高身長・四肢指伸長・続発性の骨粗鬆症、 水晶体偏位による視力低下・緑内障などを引き起こす、Marfan体型+精神遅滞 血中ホモシスチン濃度を下げるため、メチオニンを制限または除去した食事療法を一生継続して行う 最終生成物であるシスチンが不足するためシスチンを添加した食事療法も行う メープルシロップ尿症:分枝アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンの代謝経路にある α-ケト酸脱水素酵素複合体の活性が低下するために生じる、 α-ケト酸が体内に貯留するため尿や汗からは特有のメープルシロップのような甘いにおいがする 哺乳力の低下、吐乳、痙攣、嘔吐、意識障害、呼吸障害などが見られ、 治療を施さなければ麻痺、発育障害、知的障害をきたして死に至る 急性期においては高カロリー輸液の投与、腹膜透析、交換輸血。 軽症例にはα-ケト酸や分枝アミノ酸の脱炭酸に働くビタミンB1を大量投与により改善する場合がある 食事療法としてLeu、Ile、Valの摂取制限、本症でない乳児に使用すると分枝アミノ酸欠乏を生じるため禁忌 ガラクトース血症:日本では低く、イタリアでは頻度が高い、ガラクトース代謝酵素が少ないか欠損 細胞破損による肝硬変、毛細血管損傷による腎不全、水晶体に浸透圧損傷を起こし発生する白内障、 敗血症、髄膜炎などを引き起こし言語障害、失調、測定障害、骨粗鬆症、早発閉経などの合併症を伴う 食事療法によって乳糖とガラクトースを摂取しないことが大切、 母乳や牛乳を避け、豆乳や調合ミルクなどの摂取に切替えなければならない 早期に対処を施しても、発声障害、学習障害、震えなどの神経系損傷、 女子の場合は卵巣の障害などといった長期にわたる合併症を発症してしまう場合がある クレチン症:橋本病によるものが多い、TSH不足・TRH不足のものは脳腫瘍性に生じることが多い 先天性副腎過形成症は大体分かるので割愛 小児科に参考書のまともなやつが手元になかったのでwikipediaから拝借しました。 別にレポートを作っているわけで時はないのでかまわないでしょう。 アミノ酸代謝異常の3つはどれも必須アミノ酸だから、食事療法の際にも注意しないといけないんですね。 しかし思った以上の分量になりましたね。25位がこれだと先はどうなることでしょう。 押さえるべきところをピンポイントに押さえたメモを心がけていきたいと思います。 24位 抗不整脈薬 薬全般があまり得意とは言えませんが、抗不整脈薬があやふやになることが多いです。 リドカインは心室性のやつに使う程度は押さえていますが、それぞれの機序までは把握できていないのが現状です。 頻脈型に対して Ⅰa:心房性不整脈に使用、キニジン・プロカインアミド・ジソピラミド 心筋細胞膜のNaチャネルを抑制して活動電位の立ち上がりを抑制して伝導抑制を主作用とする、QTは延長する 副作用:キニジン(皮疹、高度伝導障害)、プロカインアミド(ループス様症状)、ジソピラミド(尿閉) Ⅰb:心室頻拍に使用、リドカイン、心筋の活動電位持続時間を短縮させる、副作用に全身痙攣、悪性高熱 Ⅰc:心房性不整脈薬に使用、電位の持続時間には影響を与えない、上2つよりも強力な抗不整脈作用、あんまり出ない Ⅱ:β遮断薬プロプラノロール、陰性の変時・変力作用により洞性頻脈に効果的 Ⅲ:Kチャネル抑制により不応期を延長させる、アミオダロン、 消失半減期が長く副作用が重篤(間質性肺炎、甲状腺異常、肝障害) Ⅳ:Caチャネル拮抗薬、洞結節や房室結節に作用して心拍数を減少させたり心収縮力を低下させたり ベラパミル(降圧・徐脈・抗不整脈薬作用)、ジルチアゼム(降圧・抗狭心症・徐脈作用) 房室ブロックをきたしうるのはベラパミルの方 ATP:房室・洞結節の抑制作用により房室・房室結節内回帰性頻拍を停止する 徐脈型に対して アトロピン:洞性徐脈や房室ブロックに対して使用、抗コリン作用で迷走神経を抑制することで 洞結節・房室結節に対して陽性の変時作用を持つ β刺激薬:洞結節の自動能を促進、房室結節の伝導促進 確かに頻脈型の抗不整脈薬はいつ見てもわかりにくいもんですね。 今回ちゃんとまとめてやっと機序まで理解したような気がします。 クエバンに不整脈の問題自体は結構あるんですが、不整脈薬に焦点を当てた問題というのは意外と少なくて、 こういった視点からまとめを作るのは今回が初めてです。 この知識で不整脈の問題が解けるようになりますように。 1つの項目を作るために、かなりの調べ物をしている気がします。 少なくとも自分にとっては、このランキングは極めて効果的だと思います。 クエバン、まとメモとやってきた勉強のなかの集大成ですねこれは。最後まで頑張ります。 23位 PIE症候群 好酸球がどうのこうのってやつ。いざ説明しろって言われると困る所です。 その好酸球が血中で増加なのか肺胞に浸潤なのかはたまたBAL中だったか、なぜか毎回混乱します。 PIE症候群: pulmonary infiltration with eosinophilia syndrome 好酸球が関与する肺炎のうち末梢好酸球が増加するもの 最近では好酸球性肺炎(好酸球を伴う肺浸潤をきたす一連の症候群)にまとめられている 急性好酸球性肺炎:若年男性の喫煙し始めに多い、1週間以内に出現増悪する発熱、咳、呼吸困難 血中好酸球↑、IgE↑、BAL中好酸球↑(25%以上)、両側びまん性の浸潤影、胸水(+)、 ステロイドに対する反応は良好、自然軽快例あり、予後良好で再発は少ない 慢性好酸球性肺炎:数週~数か月の経過で発熱、咳嗽、X線で外側辺縁優位の移動性の末梢浸潤影、末梢血好酸球↑ 中高年の女性に多い、症状・所見は急性のと類似、少量ステロイドの長期投与にて治療、再燃は多い 薬剤性:ペニシリン・ニトロフラントインなどによる 寄生虫性:レフレル症候群 真菌性:ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症) 膠原病・血管系疾患:ウェゲナー、CSS、結節性多発動脈炎、リウマチ性疾患など 過敏性肺炎では好酸球増加は認めない なかなか普段目にする機会がないと思っていたら、今は好酸球性肺炎というまとめ方なんですね。 イヤーノートでもしつこいくらいに『過敏性肺炎は含まない』ということを強調しているので、 混同してしまう人が他にも沢山いるものと思われます。 このまとめのおかげで、肺炎関係にとっかかりができて、他の肺炎の理解も進みそうです。 22位 皮膚の腫瘍 範囲が大雑把すぎる。要は有棘細胞癌と基底細胞癌と悪性黒色腫の3つです。 病名から臨床像が全くイメージできないのが皮膚科の疾患の悪いところなんですが 悪性腫瘍の疾患にも全く同じことがあてはまりますね。 写真もなんかわかりにくく、発症原因もお互いにかぶっていたりと勘弁してほしいです。 有棘細胞癌:表皮の角化細胞が悪性化して増殖したもの、頭部・顔面・四肢の露光部に好発する 発症には紫外線・慢性炎症・放射線が関与、前駆症状としてBowen、光線角化症、熱傷瘢痕、 白板症、尋常性狼瘡、色素性乾皮症などがある。 腫瘍は淡紅色で小さな結節状から腫瘤状へと増大して、やがて潰瘍や糜爛を形成する、 壊死に至ると特有の悪臭を呈するようになる、組織は角化傾向を有する異型性の有棘細胞が見られる 角化傾向が少ないほど悪性である、 治療は早期であれば外科切除、外科的切除、リンパ節転移があれば廓清、その他化学や放射線も 基底細胞癌:皮膚癌の約50%、表皮の基底細胞から発生、紫外線曝露による光老化が関与している 脂腺母斑や色素性乾皮症から生じるものもある、ヒ素、放射線も関与 顔裂線(鼻・口唇上部・頬・眼瞼下部)に好発、表面平滑で黒~黒褐色の結節、 進行すると中央部に潰瘍、組織では腫瘍細胞が蜂巣を形成してその辺縁に柵状構造を形成する 転移は非常にまれ、外科切除と放射線で根治できる 白人の基底細胞癌では色素を欠く 悪性黒色腫:メラノサイトが悪性増殖、肢端黒子型(最多)、結節型、表在拡大型、悪性黒子型、 慢性的な機械的刺激、外傷、紫外線が原因、色素性母斑、悪性黒子、色素性乾皮症が発症母地となる 辺縁不整で不均一、非対称、7mm以上、などが特徴、原発病巣の厚さで予後を判定する 5-S-CDがマーカー、色が濃いほど悪性というものではない 放射線感受性は低いので外科切除が治療の原則 思った以上に発症要因がかぶっていました。問題文の病歴だけでは絞れませんね。 きちんと画像を見る練習をしていないといけないようです。 こいつら以外のPaget病とか菌状息肉腫とかはキャラがたっててすぐに覚えられたんですけどねえ。 21位 分子標的薬 これは結構定番で、しょっちゅうどれがどれだったか分からなくなります。 一度このテーマでちゃんとまとめておきたいと思っていたところでした。ちょうど良かった。 イレッサ(ゲフィチニブ) EGFR 非小細胞肺がん ハーセプチン(トラスツズマブ)HER2 乳がん グリベック(イマチニブ) Bcr-Abl, KIT、消化管間質腫瘍、CML、Ph染色体陽性ALL ネクサバール(ソラフェニブ) Raf, VEGFR-2, FLT3 腎細胞がん アバスチン(ベバシズマブ)VEGF 大腸がん リツキサン(リツキシマブ) CD20 B細胞リンパ腫 ゼヴァリン(イブリツモマブ) CD20 B細胞リンパ腫 試験に出るのはこのくらいでしょうか、グリベックは多才ですね。 見れば見るほど、名前は思いっきり知っているのに、何に使う薬だったか思い出せないという気になりますね。 さすがに作用機序まで律儀に覚える余裕は無いので、本番までは何度もこれを見返して暗記したいと思います。 以上25位から21位でした。皆さんの苦手な項目は入っていましたか? 後半になるほど、つまり上位になるほど、普段自分が『ああ、これいっつもあやふやなんだよねー。』と感じる ある種の『あるあるネタ』にも近いような事柄が出てくるので、そっちはむしろ単純暗記系が多いと思います。 ここら辺の順ににランクインしているのは、逆に素で理解できていないところです。お恥ずかしい。 5項目編集するのに軽く3時間かかりました。終盤は上記の理由で多少スピードアップすると思いますが、 まだまだしっかりした説明が必要そうなやつがランクインしてくるでしょう。頑張ります。 それでは次回は20位から16位までの発表です。 20位 骨腫瘍 また極めて面倒くさいやつが…骨肉腫とEwing肉腫はいいとして、 その他の骨軟骨腫、類骨骨腫、内軟骨腫、骨巨細胞腫、軟骨肉腫の5つが問題。 キャラわけができてないってレベルじゃない、文字面を眺めても毎回さっぱりです。 骨軟骨腫:骨幹端の軟骨内骨化をおこしている部位に好発する、大腿骨下端や脛骨上端など。 10~30歳に好発する、原発性骨腫瘍の中では最多、キノコ状の骨性隆起(軟骨帽)が起きて疼痛が生じる 小児では無症状なら経過観察、疼痛が強ければ切除、成人となると成長が停止するので軟骨帽も消失する 20%程度が軟骨肉腫へと変化する 軟骨肉腫:原発性悪性腫瘍では骨肉腫に次いで多い、あらゆる年齢層に生じ、性差は無い 軟骨部に腫瘍が生じ、X線では骨髄内の透明巣に斑状石灰化を認める、骨膜反応は少ない 化学・放射線は無効なため基本は手術 内軟骨腫:骨軟骨腫に次いで多い、10~30歳、手足の短管骨の骨幹端部に生じて病的骨折をきたす X線にて菲薄化した骨皮質と境界明瞭なすりガラス状の透瞭像が認められる 掻爬・骨移植により治療 類骨骨腫:長管骨の骨幹部、10~20代に多い、夜間痛が特徴でアスピリンが有効 腫瘍は硬化像の中心に透明巣(nidus)を持ち、nidusを含めた切除を行う 骨巨細胞腫:膝関節・橈骨の骨端~骨幹端に境界明瞭な骨吸収像、soap bubbled appearance(地図状骨破壊) 腫瘍の発育は緩徐で、患部の疼痛・腫脹・病的骨折をきたす 十分な掻爬を行い、場合によっては骨セメントで充填する 骨軟骨腫:キノコ、 軟骨肉腫:悪性、 内軟骨腫:指、 類骨骨腫:骨幹部、 骨巨細胞腫:骨端部 大体こういった感じでのキャラ付でいいと思います。意外と覚えられるかな? ちなみに骨巨細胞腫の『巨』の文字が、上腕骨の骨端部に見えないこともないというこじつけで覚えました。 あとはそれぞれ画像をしっかり見ておくことですね。 この項目は最初から捨ててる人が多いでしょうから、ぜひ出題されることを願ってます。 19位 中耳炎 急性中耳炎・滲出性中耳炎・慢性中耳炎の3つです。 病歴を読んで上記のうちのどれかが微妙に判断できないことがあってなんか苦手意識があります。 いい機会なのでまとめてみます。 急性中耳炎:多くは耳管経由の細菌感染による(インフル菌、肺炎球菌、黄ブ菌) 耳管機能が未発達である幼小児に好発する 発熱や鼻汁過多などの感冒症状が先行し、次いで耳痛・耳漏が出現する。 耳閉塞感と伝音難聴、耳鏡検査にて鼓膜の発赤と腫脹、 抗生物質の投与と、膿貯留があれば切開排膿、 急性期の耳管通気は細菌侵入を助長するのでやらない 滲出性中耳炎:耳管の狭窄・開放症により上咽頭の細菌が中耳腔に入り込む 基礎疾患は咽頭炎、副鼻腔炎、アデノイド増殖症、上咽頭腫瘍など、 5~6歳に好発、8歳を過ぎると激減する(耳管機能発達により軽快) 耳漏・耳痛(-)、ティンパノグラムでBあるいはC型、滲出液が貯留しており鼓膜は内陥、 耳管通気や切開排膿、鼓膜チューブ留置術にて治療する 慢性中耳炎:鼓膜穿孔、伝導難聴、粘液性耳漏が3徴、急性中耳炎からの慢性化が多い 緑膿菌感染、側頭骨気胞化不良、糖尿病などによる、肉芽腫を形成、耳痛(-) 6歳以前では乳頭蜂巣の発育抑制、A-B gap、伝音難聴が高度な場合は鼓室形成術を行う 症状だけ見るとどれも思ったとおり似てますね。耳痛の有無なんかがポイントでしょうね。 ティンパノメトリーも苦手でしたが、BまたはCが浸出性中耳炎というのを押さえておけばいいと思います。 18位 DNAウイルス 今回のランキングは圧倒的に感染症からのランクインが多いんですが、やっと1つ目が出てきましたね。 感染症はどうしても単純暗記が多くなるので、こういった機会にまとめておくことが有効だと思います。 たまに一般問題で聞かれることがありますよね、DNAウイルス。 有名なやつならいけますが、ちょっとマイナーなやつを問われると絶対迷ってしまいます。 パルボウイルス:伝染性紅斑のB19のやつ パピローマウイルス:HPV ヘルペスウイルス:おなじみヘルペスファミリー へパドナウイルス:B肝だけはDNAというのは有名 ポックスウイルス:痘瘡ウイルス ポリオーマウイルス:JCウイルス、BKウイルス アデノウイルス:アデノウイルス 前々から、なんとか語呂を作ってやろうと思っていたのですが、 下手に何か作るよりも、上から順に『パパヘヘポポア』で覚えた方が早いです。ハ行率がやたら高いんですよね。 17位 目の検査機器 この前の模試で苦汁を飲まされた項目、というかあの模試の方が異常なのか? 傍目に見て何やってんのかよくわからない検査が多くて、検査ごとの意義を理解するのが大変です。 細隙灯顕微鏡検査:結膜・角膜・虹彩・水晶体・硝子体までを観察する 眼底検査:直像法(後極部の一部が大きく見える、普通の眼底鏡) 倒像法(広範囲の眼底が見える、でっかいレンズで拡大する) Goldmann三面鏡:中央のミラーで硝子体を観察できる、他に隅角・網膜も観察できる Goldman圧平眼圧検査:緑内障の観察 思ったよりも全然少なかったですね。結構検査ごとに特徴があったので、 画像をしっかりチェックしておくことが大切だと思います。 16位 関節液の性状 なんとマイナーな。いろんな疾患になった時の性状の変化があやふやになっていますが、 クエバン以外でこの項目の問題が出たところを見たことがありません。 関節リウマチにて:外見は淡黄色・混濁(WBC↑)、糖↓、蛋白↑、粘稠性↓、ムチン↓、 IgGリウマトイド複合体(+)、補体価↓ 炎症性疾患では粘稠度が低下、液量は増加する 粘稠度は滑膜細胞から分泌されるヒアルロン酸によるもの 変形性膝関節症:黄色味が強くなる 手元の資料がしょぼくてあんまり詳しいところまでわかりません。 あんまり詳しいところまでやろうとするとそれはそれで大変ですが。 以上が20位から16位まででした。このペースで今日中に終わるのか!? 15位 細菌性食中毒 大物が来ました。全部は網羅ぜずに自分の苦手な部分だけをピックアップしてまとめます。 潜伏期:ブ菌とウェルシュが当日、翌日はビブリオ、サルモネラ、ボツリヌス、 2日以降はカンピロ、エルシニア、大腸菌 加熱無効:ブ菌、フグ毒、毒キノコ 毒素原性大腸菌ETEC:易熱性(コレラに類似)と耐熱性の2種類の毒素を産生、とぎ汁様下痢 腸管組織侵入性大腸菌EIEC:菌が細胞内に侵入、赤痢に類似した膿粘血便 腸管出血性大腸菌EHEC:べロ毒素が侵入して傷害、蛋白合成が阻害される、重症例で出血性大腸炎 約10%にHUS、急性脳症合併 ←発症早期の抗菌薬投与で合併症を予防可能 腸管凝集付着性大腸炎EAEC:付着や毒素産生、小児下痢症のひとつ、水溶性下痢 細菌性赤痢:国外での感染、潜伏期1~3日、全身倦怠感、急激な発熱、水様→膿粘血便、 テネスムス(病変が直腸に達すると生じる)、志賀毒素は蛋白合成を阻害、べロ毒素と類似 ニューキノロン系、整腸薬(乳酸菌を増やす) サルモネラ:夏季に鶏卵、マヨネーズ、加熱不十分な食肉の摂食後、カメとの接触後1~3日で発症 悪心・嘔吐、緑色水様下痢、腹痛、発熱全部あり、基本的に対症療法のみ、 免疫不全者・重傷者には抗菌薬投与(ニューキノロン、ホスホマイシン) コレラ:河口に生息、魚介類や水から経口感染、潜伏期1~3日で 突然の発熱・腹痛(-)の水溶性下痢と悪心を伴わない嘔吐、腸液喪失で代謝アシ 適切な輸液、重症例にはTC、ニューキノロン投与 腸炎ビブリオ:好塩菌、水温15℃以上で増殖、潜伏は12時間前後、激しい腹痛と水様~粘血便 食前の加熱が有効、対症療法のみで数日で自然治癒、使うならニューキノロン カンピロバクター:食肉、生乳、ペットとの接触で感染、2~7日の潜伏 コイル状菌体のらせん運動、細菌性食中毒では最多、細胞内侵入型、発熱、腹痛、水様→粘血便 ペニシリン・セフェムに耐性、エリスロが第一、感染後にギランバレー、反応性関節炎の発症 赤痢>腸チフス>コレラ>パラチフスの順の頻度 感染毒素型:ウェルシュ、ビブリオ、コレラ、O157 感染性:赤痢、サルモネラ、カンピロ、チフス 抗菌薬と潜伏期が毎回あやふやになります。取り敢えずニューキノロンを入れとけばいのか。 食中毒の問題は病歴と所見から起因菌を考えるのが楽しいですからねえ。 しっかりと知識をため込んだ上でいろんな問題に挑戦したいものです。 14位 TORCH また感染症か。こんだけやった以上は本番でたくさん出題されてほしいですね。 5つ疾患があって、それぞれの特徴自体は何となく理解しているんですが、 疾患ごとに重複している所見が多くて、詳しくやればやるほど混乱してしまうという蟻地獄のような項目です。 混乱しない程度にコンパクトにまとめたいです。 Toxoplasmosis トキソプラズマ:原虫が血液やリンパ液に乗って全身に運ばれるため、胎盤を介して胎児に感染する 出生直後は無症状で、数年して精神遅滞や神経症状で発見されることが多い 四主徴:①網脈絡膜炎・ブドウ膜炎 血行性に原虫が眼に移行する。 眼底検査にて黄斑部を中心に 強膜を露出した網脈絡膜炎の瘢痕萎縮として発見されることが多い。 ②水頭症 ③脳石灰化 ④精神運動障害 その他、小脳症、リンパ節腫大 、肝脾腫 母体に対してマクロライド系抗生剤のスピラマイシンやサルファ剤などを投与する Other agents:梅毒、水痘、コクサッキー、B肝など Rubella 風疹:胎盤の形成が未熟な妊娠初期に高率に垂直感染し、 白内障・動脈管開存症・感音性難聴などの古典的三主徴を生じる 0~12週で感染すると高率にCRSを発症、12~18週なら難聴のみ、それ以降ならほぼ発症しない 出生前にはIUGRであることが多い Cytomegalovirus サイトメガロウイルス:抗体保有率が70~80%に減少している 経胎盤感染した児の10%が巨細胞封入体症(CID)を発症する 小頭症・脳内石灰化・精神遅滞、網脈絡膜炎、感音性難聴、貧血・黄疸、肝脾腫、低出生体重 Herpes simplex 単純ヘルペス:産道感染が問題となる、潰瘍があれば帝王切開 新生児ヘルペスに対してはアシクロビルを投与 表在型:限局性の水疱、中枢神経型:脳炎による痙攣など、後遺症を残す 全身型:敗血症様症状、DIC、MOF、産道感染では全身型の発症が多い HBV感染予防策:HBs(+)のみならローリスク、HBe(+)もあればハイリスク 出生直後のHBIG筋注と、2~5ヶ月までのワクチン皮下注、 ハイリスクでは2か月でのHBIGと抗原・抗体検査を追加する HIV感染予防策:なにもしないと垂直感染率20~40%、 妊娠中の母体にAZT単剤またはHAART療法にてHIVの増殖を抑制する→帝王切開 出生した児にAZTのドライシロップを継続的に投与、人工栄養 これらの予防策により垂直感染率を2%以下まで低下させることができる ちょっとまじめな感じに仕上がりました。HBVとHIVはついでに載せてみました。 ちゃんとまとめると、あんまり所見はかぶっていませんね。 CMVだけがなんかやたら症状が多くて、他のは結構区別がつきやすいです。 何事も予防と早期発見が大切ですね。気をつけましょう。 13位 ゴーシェとかニーマンピックとかあの辺 なんだこの項目。小児の代謝異常でおなじみの、まああの辺の疾患群です。 滅多に出題はされないんですが、教科書でも見た瞬間拒否反応を示すというか、 苦手意識の強いところなので、頑張ってまとめてみます。 Gaucher病:グルコセレブロシダーゼの活性低下によりグルコセレブロシド(糖脂質)をセラミドに分解できず、 肝臓、脾臓、骨などにグルコセレブロシドが蓄積してしまう疾患である。 ライソゾーム病、先天性代謝異常症に分類される。世界に約5000人、ユダヤ系に多い。 肝・脾臓の肥大、骨髄内のGaucher細胞による産生低下と脾機能亢進による貧血症状、 骨髄にゴーシェ細胞が蓄積するために、骨髄内の血流障害や骨皮質が薄くなるため、病的な骨折、骨痛、骨変形 タイプによっては神経症状が出る患者もいる、脳にゴーシェ細胞が蓄積され、けいれん、斜視、開口困難などの症状 臓器摘出・切除法、酵素補充療法、骨髄移植、生後6か月までに発症して1~2歳で死亡 Niemann-Pick病:スフィンゴミエリナーゼ欠損によりスフィンゴミエリンが蓄積 A型(乳児神経型)は生後数か月から肝脾腫、退行が進行する、こっちの方が多い、3~4歳で死亡 B型(非神経型)は神経症状がなく、小児期から肝脾腫が出現する、こっちは予後が良い 骨髄移植により肝脾腫が縮小する Fabry病:伴劣、αガラクトシダーゼA欠損により全身にセラミドトリヘキソシドが蓄積する 発熱と四肢痛、低汗症、皮膚に被角血管腫、腎障害、心筋障害、 四肢疼痛に対してカルバマゼピン、心不全症状に対して薬物療法など Tay-Sachs病:GM2ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシド蓄積症、常劣 生後6カ月程度で発達遅滞で発症、2歳くらいで死亡、有効な治療法はなし 錐体路症状、腱反射亢進、知能障害、痙攣、巨頭症、眼底チェリー、失明 元にしたまとメモがあまりにもコンパクトすぎて笑えました。クエバンの情報量だけで作ったらそうなるわな。 こういった単純暗記に近い項目くらいは、多少行数を取ってまとめておくべきでしたね。 必ずしも量が多ければ多いほど覚えにくいというものではなく、 情報量が多いほどイメージを湧かせやすいということもあります。 そんな理由で覚え損ねてずるずる来たのがこのランキングなんでしょうね。 12位 GCS いよいよ後半戦!年内に間に合うかなあ…? JCSは一発で覚えたのに、GCSは完全にさっぱりです。 毎回問題を解くたびに出るな出るなと祈りながらやっています。 働きだしたらそんなわけにもいかないので、これを機に覚えてみます。 開眼:1~4 4:自然に開眼 3:命令すると開眼 2:痛みに対して開眼 1:開眼しない きれいにJCSと対応しています。覚えやすい 言語機能:1~5 Verbalの5と覚える 5:見当識がある 4:意味のない会話をする 3:意味のない単語を発する 2:単語にならない発語のみ 1:反応なし 運動機能:1~6 MMTも6段階だからそれとこじつけて覚える 6:命令通りにできる 5:痛み刺激部位がわかる 4:痛みに対して手足を引っ込める 3:病的屈曲(除皮質硬直)、2:伸展反応(除脳硬直)、1:反応なし 言語と運動がとにかく覚えにくいですね。JCSとの差別化を図っているので当然っちゃあ当然ですが。 実際の問題を通して練習するしかなさそうです。 11位 内視鏡的治療の適応範囲 将来的に内視鏡専門医を取得するつもりなのに何事だ! 特に食道癌の適応範囲が良くあやふやになりますね。 内視鏡的治療という観点から、消化器疾患全体をまとめます。 食道癌 絶対的適応:壁深達度m2まで、かつ周在性2/3以下のもの 相対的適応:m3~Sm1でリンパ節転移(-)のもの 食道静脈瘤 内視鏡的硬化薬注入療法EIS:予防的治療、潰瘍の合併に注意する 緊急時・非代償性肝硬変例にも施行可能 内視鏡的静脈瘤結紮術EVL:単独では再発が多いので硬化療法との併用が多い、 胃癌 ①分化型腺癌、②潰瘍所見を認めない、③20mm以下、④明らかなsm所見を認めない 胃ポリープ 胃腺腫に対してEMRが勧められる 大腸癌:リンパ節転移の可能性がほとんどなく、切除可能な大きさと部位である ①MおよびSMに軽度浸潤する癌、②最大径2cm以下、③肉眼型は問わない 術後の病理標本で浸潤(+)や低分化型であれば追加切除を行う 3か所で微妙に適応範囲が違うものですね。まとめてみて良かったです。 イヤーノートのまとめ方がややコンパクトすぎて戸惑いました。普通はあんまり注目しないところなんでしょうね。 この適応範囲も、機器の進歩によってどんどん拡大していくことでしょう。 さあ11位まで終了し、ベスト10を残すだけとなりました。 年内完成は無理かと思っていましたが、残った項目を見ると意外といけそうな気になって来ましたよ。 ちょっと豪華な食事を取って、酒が入って、紅白でも観ながらまとめを作っていきます。 10位 鼠径ヘルニア そろそろ筋金入りに苦手なやつが登場してきます。 外鼠径、内鼠径、大腿の3つです。 半端な知識のおかげで余計に混乱するという厄介な項目の一つ。半端じゃなくしてやりましょう。 外鼠径ヘルニア:男性に多く、小児>成人、鼠径ヘルニアの大部分 内鼠径輪(外鼠径窩)から入って鼠径管を通って外鼠径輪から陰嚢へ出る 小児の外鼠径ヘルニアは先天性の腹膜腱鞘突起の開存による 1歳を過ぎると自然治癒は期待できない 立位・腹圧上昇で増大する鼠径部の腫瘤、乳児期には嵌頓が多い、silk sign 下腹壁動静脈の外側に位置する、触診にて動脈をヘルニア内側に触れる 治療は小児ではヘルニア嚢の高位結紮、鼠径管補強は行わない 成人では鼠径管後壁をメッシュで補強する 内鼠径ヘルニア:男性、中年、肥満に多い、ヘルニアの1%程度 鼠径三角(内鼠径窩)から腹壁を貫通して外鼠径輪から脱出する 鼠径部の半球状腫瘤、嵌頓は稀、下腹壁動静脈の内側に位置する 外鼠径と同じく鼠径管後壁を人工メッシュで覆う 大腿ヘルニア:中年以降の経産婦に多い、鼠径ヘルニアよりも稀 右>左、片側性が多い、鼠径靭帯の下の大腿管を通り、 大腿動静脈の内側に腫瘤が出現する、内容は大網・小網が多い、 嵌頓をおこしやすく腸管壊死を合併しやすい メッシュにて大腿輪を覆う、診断がつけば速やかに根治術 内鼠径輪(外鼠径窩)を見て思わずつっこみました。どんだけ紛らわしいネーミングなんだ。 とはいえ発症頻度を考えると外鼠径ヘルニアを重点的に押さえておいて、 該当しないやつを残りの2つで補う感じでいいと思います。 9位 球麻痺と偽性球麻痺 脳神経系は全体的に意外と大丈夫なのに、この項目だけとにかく苦手です。 球麻痺:球(bulb)とは延髄のことで、昔の解剖学者が延髄を脊髄の球状延長とみていたために残っている呼び方 下位脳神経麻痺(嚥下障害や構音障害など)を指す、下位の麻痺なので舌萎縮や線維束性収縮(+)、 下顎反射低下、咽頭・催吐反射(+)、軟口蓋反射の消失は稀、半固形物が飲み込みにくくなる ALS、MG、PM、ポリオ、Walenberg症候群で見られる 偽性球麻痺:症状的には延髄機能障害を示唆するけれども、皮質球路(corticobulbar tract) とくに両側内包部の障害により下位脳神経麻痺を来した状態を言う。 すなわち延髄がやられていないのに延髄がやられたのと同様の症状を呈するため仮性球麻痺と言う 舌萎縮や線維束性収縮(-)、下顎反射・咽頭催吐反射は亢進する、軟口蓋反射は消失 両側の大脳、脳幹の血管病変が原因となる、水様物が飲み込みにくくなる 思ったとおりわかりにくい…問題を解きながらイメージをつかむしかなさそうですね。 8位 細菌性髄膜炎の年齢別の起炎菌 定番ですね。何度覚えてもまた忘れる猛者の一つです。 今回は治療に使う抗菌薬まで抑えてみたいと思います。 新生児:B連菌(50%)>大腸菌(25%)>インフル菌(20%)>リステリア(重篤) リステリアを無視できないのでアンピシリン+3世代セフェムを使用 乳幼児:インフル菌(70%)>肺炎球菌(25%) カルバペネム+3世代セフェム 成人:肺炎球菌(65%)>インフル菌(10%)>髄膜炎菌 カルバペネム or 3世代セフェム+バンコマイシン サイトカインの放出抑制のため、抗菌薬の投与直前・あるいは同時にステロイドを投与する。 Waterhouse-Friderichsen症候群:電撃性菌血症 髄膜炎菌による敗血症に続発する出血性副腎不全 →低Na血症、高K血症、代謝アシを伴う、ショック、DICの症状 こんなもんか…ステロイドを同時に投与するというのは初めて知りました。 7位 1歳半でできること・3歳でできること 乳児期のは大丈夫なのに、この2つはノーマークな状態が続いてずっとあやふやです。 両者とも検診を行う時期の大切な所見なので見落とさないようにしないといけませんね。 1歳6か月:上手に歩く、なぐり書き、積み木を2つ、単語が増えだす 3歳:片足立ち、3輪車、靴をはく、名前と年齢を言える、自己中心的、反抗的、箸を使う、パジャマ 3つ物を数える、○を描く、会話ができる、2語文を使いこなす 羅列するしかないような気もしますがこんなもんです。 クエバンか何かの解説に、『健常な3歳時はタラちゃんをイメージするとよい』とあったのが強烈に印象に残っています。 タラちゃんは二語文どころじゃないでしょうに。運動面では確かにそんな感じかもしれませんね。 そもそも最近あんまりサザエさんを真剣に見ないので何とも言えません。 6位 ビショップスコア Apgerスコアとは比べ物にならないほど覚えにくいです。 書いて覚えるというよりは、よく目を通す所に置いておきたいです。 点数 0 1 2 3 子宮開大度(cm) 0 1~2 3~4 5~6 展退(%) 0~30 40~50 60~70 80~ 下降度 Sp-3 SP-2 Sp-1,0 Sp+1~ 内子宮口の位置 後方 中央 前方 頸部の硬度 硬 中 軟 こういうのって余所に貼った時は絶対ずれるんだろうなあ… 1点と2点のやつを重点的に覚えれば0点と3点も自然とわかるという寸法です。 『病気が見える』でまた何度か確認して、本番でもすらすらと使える知識にしておきたいです。 6位まで終わりました。2010年は残すところあと3時間ちょい、頑張れば終わるぜ! 5位 学校感染症 ベスト5にもなると定番ネタばかりです。 麻疹とかインフルエンザとか、どうなったら登校可能になるかってやつ。 8割型は覚えているのに、あとちょっとの所があやふやです。 第1種:感染症法の1.2類感染症、ただし結核は除く、いずれも治癒するまで 第2種 インフル:解熱後2日、咽頭結膜炎:主要症状消退後2日 百日咳:特有の咳消失まで、流行性耳下腺炎:耳下腺の腫脹消失まで 麻疹:解熱後3日、風疹:発疹の消失まで、水痘:全ての発疹の痂皮化 結核:感染の恐れがないと認められるまで 第3種:その他、感染の恐れがないと認められるまで 文字面を眺めると、知らないことは何一つないのに、案外本番で出てこなかったりするんですよね。 もうベスト5以上のはトイレにでも張り付けておこうか。 4位 定期予防接種と生ワクチン また感染症か。こいつもあとちょっとの所があやふやです。 予防接種を行う1類疾患(集団予防目的、小児が対象) 結核・ポリオ・ジフテリア・百日咳・破傷風・麻疹・風疹・日本脳炎 2類疾患(個人予防目的)インフルエンザ 生ワクチン:ポリオ、麻疹風疹、結核、ムンプス、水痘、黄熱 ワクチンが生なのか不活化なのかって、全くイメージがわかないので始末が悪いですよね。 これもトイレに貼っておきましょうか。 3位 Wiskott-Aldrich症候群 単一疾患でのランクインはこれだけです。 免疫異常のくせに免疫グロブリンの中には上昇するものがあったりして手がつけられません。 他の免疫疾患は、この疾患を見直すついでに何度も目を通していたら自然に思えてしまいました。 Wiskott-Aldrich症候群:機能細胞骨格蛋白の異常によりT,B細胞の接触不良、血小板の小型化 Tの異常により加齢とともにCD8が低下、 Bの異常によりIgM低値→肺炎球菌・ジフテリア・破傷風に易感染 IgEとIgAは上昇する、掻痒感を伴う湿疹は重症例で多い 自己免疫性疾患や悪性腫瘍を合併する IgGが低下する一方で、IgEとAが上昇するんですね。 血小板減少と免疫異常が、細胞骨格蛋白の異常という同一の原因から生じているものというのがポイントです。 なんか上位のものほどシンプルな単純暗記が多くて若干拍子抜けですね。 まあ何度やっても覚えられない項目なんてそんなもんです。 第2位 血液検査で入れておく薬剤 ヘパリン?EDTA?とにかく何度やろうが毎回あやふやなのがこの項目です。 とにかくこの一覧を普段目に着く所に置いておきたいという一心です。 EDTA採血管:血球計算用の採血管、EDTAによって凝固しない検体を作成できる ヘパリン採血管:ガス分析、アンチトロンビンの作用を高めることで凝固しない検体を作成する クエン酸ナトリウム採血管:血液凝固検査(PT、APTTなど)用の採血管 EDTAほどではないがCaイオンをブロックする作用があり、このほどほどにブロックするのが凝固検査用に丁度いい。 採血して試験管レベルでカルシウムイオンを添加することにより、凝固が開始される。 フッ化ナトリウム(NaF)試験管:血糖用試験管として有名。 NaFは解糖系をブロックするため、採血後にも血糖の値が低下しない。 EDTA採血管を使用すると偽性血小板減少症が生じる可能性がある 高濃度ヘパリンには血小板を凝集する作用があるので一般には血球計算用には用いられない 解説付きだと何とわかりやすいことでしょうか。改めてこのランキング作って良かったと思います。 何度でもこの文章を読み返して、着実な知識を身につけたいですね。 第1位 神経皮膚症候群 1位と2位は接戦でした。この2つをどげんかしないとという思いからこのランキングは作られました。 本当に不思議なもので、たった4つくらいの疾患なのにこんなにも混同してしまうものなんでしょうね。 あやふや具合は2位と大差ありませんが、こっちの方が出題頻度は高いということで1位になりました。おめでとう! レクリングハウゼン病(神経線維腫症1 型) 神経堤起源細胞由来の母斑症で,神経線維腫,色素斑,多臓器の神経系腫瘍を主徴とする。 NF1 は最も頻度が高く約3,000 出生に1 例の割合で生じる 常染色体優性遺伝.生下時から多発する色素斑(カフェオレ斑), 小児期以降で出現する軟らかい腫瘤(神経線維腫)、貧血母斑などが重要. 中枢神経病変として,脳神経および脊髄神経の神経線維腫,グリア細胞腫,髄膜腫など. 痙攣発作や知能低下,学習障害などもある.脊柱側彎や胸郭の変形および骨欠損などの 骨の異常が約半数の症例でみる.眼ではLisch 結節と呼ばれる虹彩の結節を生じる. 眼窩内に神経線維腫を形成し,眼球突出を生じることがある.まれに先天性緑内障や網膜腫瘍を生じる。 クロム親和性細胞腫の合併率も一般より高い. 治療はレーザー療法や外科的切除.進行性疾患であるため,中年期以降,全身に無数の神経線維腫の 発生をみることがあるが、一般的に生命予後はよい. 神経線維腫症2 型 両側聴神経の神経鞘腫(前庭神経鞘腫)など中枢病変が主体となる.聴力障害やめまいを起こし, 腫瘍の拡大によって四肢の麻痺や知覚低下を引き起こす.弾性硬で境界が明瞭な皮下の神経鞘腫症も認める. NF1 でみられるカフェオレ斑とは異なる褐色斑がみられることもある 5 ~ 10 万人に1 人の割合で発生する常染色体優性遺伝形式の疾患 神経線維腫症1 型 以下の所見のうち,2 つ以上を有すること. 1.5 mm 以上のカフェオレ斑が6 個以上(思春期前) 15 mm 以上のカフェオレ斑が6 個以上(思春期後) 2.2 つ以上の神経線維腫か,末梢神経内に1 つ以 上の神経線維腫 3.腋窩あるいは鼠径部の色素斑 4.眼窩内の神経線維腫 5.2 個以上のLisch 結節 6.骨の異常 7.NF-1 の家族歴 神経線維腫症2 型 以下の所見のうち,1 つ以上を有すること. 1.CT かMRI での診断で認めた両側聴神経の腫瘍 2.NF-2 の家族歴があり,本人が一側性の聴神経腫 瘍を有するか,神経線維腫,髄膜腫,神経膠腫, 神経鞘腫,若年性白内障のうち2 つを有していること. 結節性硬化症 Bourneville-Pringle〔ブルヌヴィーユ・プリングル〕母斑症 顔面の血管線維腫,知能障害,痙攣発作の3 主徴. 常染色体優性遺伝.乳児期の葉状白斑,幼児期以降に多発する鼻周辺の丘疹(血管線維腫)が特徴的. 粒起革様皮膚,爪囲線維腫〔Koenen(ケネン)腫瘍〕も重要な所見. ・顔面の血管線維腫(angiofibroma) 常色~淡紅色で,直径2 ~ 10 mm までの硬い丘疹が多発する.鼻唇溝,頬部,鼻周辺に 対称性に出現するのが特徴的である(図20.29).約90 %の症例で認められ,また特異性も高いため 本徴候をもって診断できる.生下時には認められず,多くは3 ~ 4 歳頃から初発し,年齢とともに増加する. 成長とともに皮疹が融合し,腫瘤状や局面状の病変を呈する ・粒起革様皮膚(shagreen skin) 結合織母斑の一型.粒起革とは“表面がブツブツした,なめしていない革”という意味である. 主に腰や殿部に,直径3 cm大までの硬い扁平隆起性病変が生じて融合し,唐草模様のような外観を呈する. 思春期以降明らかになってくることが多い ・葉状白斑(white leaf-shaped macules) 体幹や下腿に好発する長楕円形の色素脱失.病変部位でのメラニン産生低下によって生じる. 本徴候は約半数の症例で出現し,乳幼児期から出現するため早期発見の手がかりとして重要であるが, 正常人でもまれにみる.慎重に観察しなければ見逃されることが多いが,Wood 灯を照射すると確認しやすい. なお,白斑の増加はない ・中枢神経症状 痙攣発作および知能障害が主となる.痙攣発作は約半数の患者でみられ,生後1 年以内に始まる. 発作型は点頭てんかん,Lennox 症候群,強直間代発作など多様である.さまざまな程度の 知能低下が認められることがある. 頭部CT で側脳室壁や基底核での結節状石灰沈着と側脳室の拡大,MRI で大脳皮質などに結節状の腫瘤 〔病理学的には星状膠細胞性過誤腫(astrocytic hamartoma)〕を認める Sturge-Weber:顔面の単純性血管腫に脳軟膜の血管腫による神経症状および ブドウ膜の血管病変による眼症状を合併するもの。 常染色体優性遺伝病 顔面の単純性血管腫(ポートワイン母斑) :三叉神経の第1枝に一致して片側に生じることが多い。 神経症状:脳軟膜に血管腫が生じるとてんかんを来たすほか、片麻痺を生じることもある。 緑内障:脈絡膜の血管腫によって眼圧が亢進する。 頭部CT所見:脳軟膜血管腫が高吸収域に見える。 頭蓋内石灰化像 tramline calcification 脳回に一致した石灰化によって、頭部X線およびCTにて二重曲線の陰影を見る。 やたら詳しめの所から持ってきました。この程度の分量なら大元から覚えてしまった方が早いです。 4種類とも常染色体優性であるということに初めて気付きました。 まあどの疾患も名前の通り皮膚症状と神経症状があって紛らわしいことですね。 こんだけまとめた分、人より余計に覚えて優位に立ちたいものです。 2日間あっという間でしたが、無事に25項目まとめ終えることができました。 先日まとめた『いつおぼ!』と合わせて1月以降は早速印刷して、文字通り肌身離さず持ち歩いて 穴という穴を埋め尽くしていきたいと思います。 思ったよりも大変でしたが、おかげでメリハリの利いた年末を過ごすことができました。 頑張って作った分、ちゃんと役に立ってくれることを願っています。
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更新日時 2013-07-30 16 21 51 (Tue) 問題1 56歳の女性。全身痙攣と意識障害のため搬入された。 現症:意識レベル:大声で呼びかけると開眼するが、刺激しないとすぐに閉眼する。 離握手など簡単な命令には応じるが、言葉は出ない。 意識レベルはJapan Coma Scaleでどれか?1つ選べ。(正答率:67.1%) ①Ⅰ-1 ②Ⅰ-3 ③Ⅱ-10 ④Ⅱ-20 ⑤Ⅲ-100 出典:104回E64 +... 解答 正解:④ 解説 ○④Ⅱ-20:大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する。 意識障害の指標(3-3-9度方式)(JCS(Japan coma scale)) Ⅰ)刺激しないでも覚醒している状態(1桁で表現) 1)大体意識清明だが、今ひとつはっきりしない。 2)見当識障害(時間、場所、人)がある。 3)自分の名前、生年月日が言えない。 Ⅱ)刺激すると覚醒する。刺激をやめると眠り込む状態。(10桁で表現) 10)普通の呼びかけで容易に覚醒する。 20)大声または身体をゆさぶることにより開眼する。 30)痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する。 Ⅲ)刺激をしても開眼しない。(100桁で表現) 100)痛み刺激を払いのけるような動作をする。 200)痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめたりする。 300)痛み刺激に反応しない。 R(Restlessnes不穏状態) I(Incontinence失禁) A(Akinetic mutism無動性無言またはApallic state失外套症候群) 例(JCS Ⅲ-200-A または 200-A )と書く。 意識障害の指標GCS(Glasgow coma scale)(グラスゴー方式) E)開眼(eyes open) (GCS E* V* M* 計*点/15点満点)と書く 4自発的に(spontaneous) 3音声により(to sound) 2疼痛により(to pain) 1開眼せず(never) V)発語(best verbal response) 5指南力良好(orientated) 4会話混乱(confused conversation) 3言語混乱(inappropriate words) 2理解不明の声(incomprehensible sounds) 1発語せず(none) M)運動機能(best motor response) 6命令に従う(obeys commands) 5疼痛部認識可能(localize pain) 4四肢屈曲反応逃避(flexion withdrawal) 3四肢屈曲反応異常(flexion abnormal) 2四肢伸展反応(extension) 1全く動かず(none) 問題2 70歳の女性。約30分前に多数のスズメバチに刺され、来院した。スズメバチに刺された既往がある。 意識レベルはJCS I-1。呼吸困難を訴える。全身の皮膚が紅潮し、頭部CTと四肢とに多数の刺傷がある。 呼吸数30/分、脈拍120/分、整。血圧60/40mmHg。心音に異常を認めない。全肺野にwheezesを聴取する。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.45、Pao2 68Torr、PaCO2 36Torr、HCO3- 24mEq/l。 処置として適切でないのはどれか。一つ選べ。 ①アドレナリン皮下注 ②アミノフィリン静注 ③副腎皮質ステロイド静注 ④塩酸イソプロテレノール静注 ⑤フェイスマスクによる酸素吸入 +... 解答 ④(正答率:62.3%) 解説 2回目の蜂刺症直後に出現したアナフィラキシーショックに対する初期治療。 診断:アナフィラキシーショック ○①浮腫、気管支攣縮、血圧低下を改善させるfirst choice薬。 ○②気道狭窄に対する気管支拡張作用が期待される。 ○③効果発現までに4~6時間を要するが、遅発性の症状出現(二相性アナフィラキシー)を抑制する。 ×④β刺激作用を持つが末梢血管を拡張するためにショック時の使用は勧められない。 ○⑤ショック患者に対しては高流量酸素の投与が必須である。 副腎皮質ステロイド投与の目的は、二相性アナフィラキシーを予防することである。 二相性アナフィラキシーは、初期症状が軽快してから数十分~数時間後に血圧低下、 咽頭浮腫、気管支攣縮、皮膚症状の再出現をきたし、ときに初回以上に重篤となる。 初期症状発現例の5~28%に出現するとされる。 アナフィラキシー発症時に、患者又は家族が使用するための緊急注射用キット(エピペン)がある。 問題3 成人の一次救命処置で正しいのはどれか. ① 胸骨圧迫は剣状突起部で行う. ② 胸骨圧迫は1分間60回の速度で行う. ③ 人工呼吸と胸骨圧迫の回数は1対5で行う. ④ 口対口人工呼吸ができなければ胸骨圧迫のみでよい. ⑤ 除細動をするときは患者が動かないように押さえる. +... 解答 ④(正解率:98%) 解説 ×① 胸骨圧迫部位は胸骨尾側2分の1である.胸骨の真ん中,あるいは左右の乳頭 を結ぶ線の中点に手掌基部を置く. ×② 胸骨圧迫は1分間100回の速度で行う. ×③ 人工呼吸と胸骨圧迫の回数は2対30で行う. ○④ 救助者が換気を行うべきではないと判断,もしくは行えない場合は,胸骨圧迫 のみの蘇生処置でよい. ×⑤e 除細動器を使用して解析や放電を行う際には,全救助者が患者から離れていな ければいけない. #2005年に改訂されたアメリカ心臓協会 の心肺蘇生のガイドラインでは, 医療従事者はすべての成人向け心肺蘇生において人工呼吸と胸骨圧迫の回数を2対30 で行うように推奨している. ● AHAガイドライン2005の主な変更点 胸骨圧迫の重要性が強調された 人工呼吸と胸骨圧迫の比率は2 30 人工呼吸の吹き込みは1秒以上で胸郭の挙上を確認 除細動器で除細動を行った後は,すぐにCPRを続行する 1歳以上であれば自動体外式除細動器(AED)の使用が推奨される AHAガイドラインではバイスタンダー(救急現場に居合わせた人)に対して,より 明確な指示を行えるように,心臓マッサージから胸骨圧迫に名称変更がなされた. 問題4 一次救命処置の心マッサージで適切なのはどれか.1つ選べ。 a 10回/分 b 20回/分 c 30回/分 d 60回/分 e 100回/分 出典:100E26 +... 解答 e(正答率:98%) 解説 この回数についてはAHAのガイドライン2005では毎分100回以上行うことが推奨されている. ×a~d 圧迫回数が不足である. ○e AHAガイドラインでは最低100回/分を推奨している. ●AHAのガイドラインで推奨される処置:成人の胸部圧迫では,市民であれ医療者 であれ,圧迫回数は最低でも100回/分以上とし,深さは4~5cm以上とするのが 妥当である.救助者は胸部圧迫ごとに,完全に圧迫の解除を行う. 問題5 次の文を読み, 35, 36の問いに答えよ。 38歳の男性。直下型地震で倒壊した家屋の下敷きになり救急車で搬入された。 現病歴:地震で倒れた柱に両側下肢を挟まれ、救助隊が到着するまで身動きができなかた。 両側下肢に激痛がある。尿は出ていない。。 現 症:意識は混濁。身長177cm,体重72kg。体温371℃。脈拍112/分,整。血圧76/32mmHg。 皮膚は蒼白で冷たい。頚静脈拍動が臥位で認められない。両側下肢に皮下出血と腫脹とを認める。 救出から搬入まで尿は出ておらU、入院後にカテーテルの導尿によって10mlの尿が得られた。 検査所見:尿所見:色調はコーラ調。蛋白1+,糖(-),潜血1+。 血液所見:赤血球310万,Hb 11.2g/dl, Ht 30%,白血球13700,血小板34万。 血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl,アルブミン4.5g/dl,尿素窒素40mg/dl,クレアチニン2.5mg/dl, 尿酸8.0mg/dl,総ビリルビン0.9mg/dl,AST 700単位. ALT 140単位, CK 10200単位(基準10~40). Na 135mEq/l, K7.1mEq/l, Cl 111mEq/l。心電図でT波の増高が認められる。 35 尿がコーラ色なのは何を含んでいるためか。 ① ビリルビン ② ポルフィリン ③ ミオグロビン ④ ウロビリノゲン ⑤ メトヘモグロビン 36 輸液として最も適切なのはどれか。 ① 生理食塩液 ② 脂肪栄養液 ③ アミノ酸栄養液 ④ 5%ブドウ糖液 ⑤ カリウム含有低張液 +... 解答 35:③、36:①(正答率:90%:35は99%、36は93%) 解説 ①倒壊した家屋の下敷き,両側下肢に皮下出血と腫脹,激痛-クラッシュ症候群 ②地震で倒れた柱に両側下肢を挟まれ激痛あり,筋原性酵素(AST,CK)の上昇一筋肉挫滅 と血行再開後の横紋筋融解症 ③コーラ色の尿所見,潜血1十,血清総ビリルビン0.9mg/dl- 尿はミオグロビン尿>血尿>ビリルビン尿 ④血清K 7.1mEq/l,入院後尿量10ml/,心電図でT波増高 - 高カリウム血症を伴う急性腎不全と心電図変化 [35] ×① 血清総ビリルビンは0.9mg/dlのため,尿中だけ高くなる可能性は低い。 ×② 情報なし。 ○③ 下肢が挟まれ,その後の皮下出血や腫脹,筋原性酵素の上昇は,クラッシュ症候群によ る筋挫滅と横紋筋融解症の可能性が高い。筋崩壊が多いほど血中のミオグロビンは上昇し ているはずである。そのため尿の色はあふれ出たミオグロビンによると考えられる。 ×④ 肝障害や溶血性貧血の所見はない。 ×⑤ 潜血反応は陽性であるが,局所麻酔薬や亜硝酸薬,アニリン系の染料など該当薬物の内 服や曝露は明らかでない。 [36] ○① 血管内容量の減少には細胞外液の輸液が第一選択である。 ×② ショックの急性期に脂肪乳剤は全く適応外であり,安全性は確立していない。 ×③ アミノ酸栄養液は,基本的に3号輸液(維持液)にアミノ酸を加えたもので,低張であ り血管内への分布は少ないため,急性の血管内容量減少性ショックには用いない。 ×④ 低張液である5%ブドウ糖液も同様で,細胞内外へ均等に分布するため,血管内脱水の 補正には適さない。 ×⑤ 高カリウム血症のある患者にこの処方は禁忌肢といえる。 解説には、高K血症にもかかわらず、カリウムの入っている乳酸加リンゲル液も 点滴OKとなっていました。そのまま載せます。 クラッシュ症候群によって筋組織の崩壊と腫脹が生じ,筋肉由来の酵素と細胞内Kの逸脱, 結果として高ミオグロビン血症を起こし,それが腎からあふれてミオグロビン尿(ポートワイ ン色,ここではコーラ色)となる。壊れた筋肉細胞へ水分が移行し浮腫を起こすことによる血 管内容量減少と乏尿を生じる。以上がクラッシュ症候群によって起こる横紋筋融解症とそれに 付随する血管内脱水,急性腎不全の病態である。コンパートメント症候群については別項参照。 診断は,上記の外傷機転と臨床症状,採血結果と特徴的な尿色から比較的簡単である。治療 は,細胞外液(=等張液,具体的には生理食塩水,乳酸加リングル液,酢酸リングル液などを 指す)の十分な輸液による脱水の補正とミオグロビンの腎からの洗い出し,尿のアルカリ化に よるミオグロビンの腎毒性軽減である。この間コンパートメント症候群を生じれば,減張切開 のタイミングを整形外科医と相談して決定する。腎不全が完成した後は,CHDF(持続血液濾 過透析)によってミオグロビンを直接排泄しつつ,腎機能を補助し急性腎不全の時期を乗り来 ることとなる。 コンパートメント症候群の説明 コンパートメント症候群の診断がつけば,減張切開の適応のため筋区画内圧の測定は必要で, 臨床症状から上昇している可能性は高い。 横紋筋融解症自体は,大量の細胞外液輸液と尿のアルカリ化(重炭酸ナトリウムの持続静注) で尿量を保つことによってミオグロビンを尿中に洗い出し,急性腎不全を予防する。進行し尿 量が保でない場合には,CHDF(持続血液濾過透析)(血液透析)の適応である。 大量輸液によって筋が腫脹し,疎血所見が出てくればまめに筋区画内圧を測定し, 悪化傾向が認められれば早めに減張切開を整形外科に依頼する。 血流がなくなってからでは,末梢神経障害により運動機能が廃絶し,良好な予後は見込めない, 問題6 26歳の男性。オートバイを運転中に自動車と衝突したため搬入された。 意識は混濁。身長165㎝、体重65㎏。脈拍120/分、整。血圧78/60mmHg。 脾破裂と診断し緊急手術となった。開腹止血術、輸液および輸血によって循環動態は安定し、術後、 集中治療室に収容した。入室時、脈拍76/分、整。血圧110/76mmHg。 中心静脈圧は5mmHgであったが、Hb値は6.5g/dlであった。 Hb値10g/dlを目標に赤血球濃厚液を投与することとした。 何単位の投与が必要か。ただし、赤血球濃厚液1単位は全血200ml(Hb14g/dl)に由来する。 ①3 ②6 ③9 ④12 ⑤15 出典:103E56 +... 解答 ②(正答率:62.9%) 解説 必要な輸血量の理論は、研修医になってもオーベンは おおむね教えないとか。 ごく簡便法で「こうやれば良い」とか言うだけなので 今理解しておかないと一生恥をかくとか聞いた。 (1)成人の循環血液量は、体重の13分の1または8%とされている。 この人の循環血液量は、 65㎏÷13=5L または 65㎏×0.08=5.2L →→ 計算しやすい方を採用して5Lとできる。 (2)血管内は常に1定量の血液量 現在は出血のため5Lに満たない血液量だったが、 輸液により5Lが血管内を循環している。 輸血した分の血液と併せて5Lを越えた場合は、腎臓で濾過されて尿となるか、 組織内に移行して少しむくむと考える。 血液量5L、Hb6.5g/dL、で10g/dLを目標にする。赤血球濃厚液1単位は全血200mL(Hb14g/dL)。 5L=50dlだから、10g/dLが目標だからHbは50×10=500g必要。 現在、Hbは50×6.5=325gある。 500-325=175gだけHbを入れればよい。 175=14×2×Y (Y本) Y=175÷14÷2=6.25本 よって、約6単位必要。 (簡略法) あーこれは、赤血球濃厚液輸血の時に、暗算でやるんだって。 大人では、血液量5Lと、10g/dLの目標はいつも固定して暗記しておくから、 total 500gのヘモグロビン量も暗記しておく。 現在のヘモグロビン量は6.5×50=325g 必要量は、500-325=175g→だいたい180gとする。 赤血球濃厚液は14g/dLだが、だいたい15g/dLで代用する。 つまり200mlだから2×15=30gが一本の赤血球濃厚液に含まれるHb量。 180=30×Z よってZ=180÷30=6本 (超簡便法) MAP1単位でHb0.6上昇っておぼえてたら楽勝だけどな ポリクリのとき覚えさせられたし 1単位入れるとHbは約0.6g/dl増える。←この定義だけ覚えとけ 6.5g/dlから10g/dlにするには3.5g/dl増やしたい。 だから3.5÷0.6=5.8333…≒6 よって6単位。 問題7 体重50㎏の患者に0.1%塩酸ドパミン注射液を用いて5μg/㎏/分で静脈内投与する際の注入速度で正しいのはどれか? ①0.025ml/分 ②0.25ml/分 ③1.0ml/分 ④2.5ml/分 ⑤25.0ml/分 +... 解答 ② 解説 50㎏だから、50×5=250μg/分で静注すればよい。(目標値) 1%注射液なら1ml中には0.01mg塩酸ドパミンが入っている。 実際は0.1%注射液だから1ml中には0.001mg塩酸ドパミンが入っている。(千分の一) (1ml≒1g=1000mg 、1mg=1000μg) (1ml≒1g=1000mg=1000000μgだから0.001ml=1000μg) 注射液1ml≒1000μgだから250μg/分では0.25ml/分の注入速度となる。 問題8 外傷性出血に対する経カテーテル動脈塞栓術で誤りはどれか。2つ選べ。 ①肝損傷に、固有肝動脈を金属コイルで塞栓した。 ②脾損傷に、出血点に近い末梢動脈をゼラチンスポンジ細片で塞栓した。 ③脾損傷に、脾動脈本幹を金属コイルで塞栓した。 ④腎損傷に、腎動脈本幹を金属コイルで塞栓した。 ⑤骨盤骨折に、両側の閉鎖動脈をゼラチンスポンジ細片で塞栓した。 +... 解答 ①④ 解説 ×①動脈のスパズムにより、損傷血管から造影剤の血管外漏出を認めない事があるので、中枢から塞栓を行う必要がある。 門脈血流が保たれているならば、肝壊死には至らないが、 胆嚢動脈よりも末梢に行うべきで、固有肝動脈はいけない。 ○②「正常脾実質をできるかぎり温存するために、著しい出血を示す血管のみをできるだけ出血点に近い所で塞栓」する。 ○③脾動脈本幹塞栓術を行って血流を減らすだけでも止血する場合がある。 その時は短胃動脈から側副血行路が出来るので、脾臓は壊死しない。胃がない人だと無理ですが。 ×④「腎動脈は終動脈であるので、塞栓部より末梢は壊死を起こし腎機能は廃絶する」ため 「できるかぎり末梢で塞栓する」べき。 ○⑤「患側の血管を塞栓すると健側である反対側からの血流が優位になり、 そこから出血が持続することがある(cross circulation)。 したがって、反対側(健側)の血管もゼラチンスポンジで塞栓する」 問題9 推定60代の男性。1月某日の午前4時頃、工事現場で倒れているところを通行人に発見された。 救急隊到着時に意識がなく、自発呼吸と頸動脈拍動も認められなかった。CPRを行いつつ救急車で搬送した。 救急外来で心室細動(VF)となり、3回の除細動とアドレナリン(エピネフリン)1mgの静注を 行ったがVFは継続している。直腸温は27度。アルコール臭を認める。 正しい処置はどれか。3つ選べ。 ①除細動を繰り返す。 ②アドレナリン3mgを静注する。 ③暖めた乳酸リンゲル液を輸液する。 ④温生理食塩水による腹腔灌流を行う。 ⑤PCPS(経皮心肺補助)を行う。(PCPS大腿動静脈を使った人工心肺装置) +... 解答 ③④⑤ 解説 PCPS(percutaneous cardiopulmonary support) 急性期の心肺補助に使用される人工心肺装置で大腿動静脈で送脱血を行う。 ×①除細動は復温するまで繰り返してはいけない。3回も除細動やって良いの?と思いますが、 ヨーロッパ蘇生協会のガイドラインには「もし心室細動(VF)が検出されたら、ショックを与える。 もし3回ショック後も心室細動/心室頻拍(VF/VT)が持続しているならば、 核温が30度以上になるまで、それ以上の除細動の試みを遅らせる」とある。 日本のガイドラインでは低体温時は1回。「1回のショックに反応しない場合はそれ以上除細動はせず、 再度除細動を試みる前にCPRを継続し、体温が30~32度(86~89.6F)になるまで加温することに専心する」とある。 ×②「深部体温が30度(86F)を越えて上昇するまで、その後の除細動や追加の薬剤ボーラス投与は延期すべきである(ガイドライン)」。 また大量投与は良くないと。 ○③暖かい輸液を入れるのはガイドラインに載っています。が、体温はそれ程上昇しません。 日本では乳酸リンゲルが良く使われていますが、ガイドラインには生理食塩水とあります。 値段などの問題でしょうし、間違いと言う事はないでしょう。 ○④こちらもガイドラインに載っている。 ○⑤こちらもガイドラインに載っている。ヨーロッパ蘇生協会のガイドラインには 「心停止で低体温の患者では、ゆっくりと核体温が増加していく間に循環、酸素化、換気も保たれるため、 心肺バイパスが能動的内加温法として勧められる」とある。 問題10 以下の薬剤でアナフィラキシーショックに使える薬剤はどれか。すべて選べ。 a.アドレナリン b.ノルアドレナリン c.ドパミン d.ドブタミン 出典:スレ6 962氏 +... 解答 a 解説 アナフィラキシーショックに用いる薬剤は、必ずアドレナリンでなくてはいけない 末梢気道の拡張にはβ2刺激、中枢気道の拡張にはα1刺激、心拍出量の増加にはβ1刺激が必要だが、 これら三役を備えた薬剤はアドレナリンしかないので ノルアドはβ2刺激が無く、ドパミンとドブタミンはβ1刺激しかないので、アナフィラキシーの治療には使えない 確かに、YNやQBの記述を見ると、アナフィラキシーにエピネフリン投与するのは、 「cAMPを介したアナフィラキシー反応の阻止」が目的であって、 血圧上昇のためではない、と書いてありますね・・ ちなみにこの問題の参考にしたのはSTEP①第3版p306で、ほぼこの問題 解説文まんまの記載があります。 個人的な解釈で申し訳ないんですが、「」内の作用はあるとしても、エピネフリン投与に際して血圧の上昇を全く期待していないということはなく、 やはり病態の改善を狙ってα、β刺激作用のあるエピネフリンを用いるべき、という話なんじゃないでしょうか? 出題者コメント ちょっと性格悪かったかな・・; 問題11 35歳男性、1時間前から右下腹部に激しい痛みを感じ来院。下痢はない。 腹部は平坦軟。右下腹部に軽度の圧痛がある。BBT36.7℃ BP124/60 次に行うものを3つ選べ a尿検査 b血算 c腹部単純X線 d静脈性尿路(腎盂)造影 e下腹部超音波検査 出典:89d19 +... 解答 abc 問題12 詳細不明の意識障害の患者が搬送された。さしあたり投与が考慮されないのはどれか? 1. ブドウ糖 2. 酸素 3. ジアゼパム 4. チアミン 5. ナロキソン 出典:スレ24 539氏 +... 解答 c 解説 Do Don tと覚える。別名comaカクテル。 デキストラン、酸素、ナロキソン、チアミン=ビタミンB1 問題13 38歳の女性.歩行中乗用車にはねられ救急車で来院した. 意識は清明であったが顔面蒼白で低血圧と頻脈とを呈した. 脾破裂による腹腔内出血があり,直ちに全身麻酔下に緊急手術が開始された. 術中大量輸液と輸血とにより血圧は90/68mmHgに回復したが, 気管内に多量のピンク色泡沫状の分泌物を生じた. 頸静脈怒張を認め,胸部にギャロップとcoarse cracklesとを聴取する. 脈拍112/分,整.血液所見:赤血球450万,Hb 13.6g/dl,白血球5,800. 動脈血ガス分析(人工呼吸,FiO2 0.6):pH 7.36,PaO2 92Torr,PaCO2 42Torr,BE-1mEq/l. 中心静脈圧17cmH2O. 適切な治療薬はどれか.2つ選べ. a ドパミン b フロセマイド c 重炭酸ナトリウム d プロカインアミド e プロプラノロール +... 解答 正解:ab 解説 過剰輸液によるうっ血性心不全かARDS(呼吸窮迫症候群) 水泡音も血算もⅢ音も怒張も納得だわ 問題14 103E41 (正答率:約67%) 21歳の男性。4日前に交通事故のため搬入された。両側大腿骨骨折と筋肉の挫滅とを認めた。 2日前から尿量が減少しフロセミド1,000mgを静注したが、尿量の増加を認めなかった。 昨夜から仰臥位での息苦しさが出現した。意識は清明。体温37.2℃。呼吸数24/分。脈拍96/分。 血圧160/78 mmHg。胸部両側下部にcoarse crackles を聴取する。 血液所見:赤血球 244万、Hb 6.7g/dl、Ht 20%。 血液生化学所見:総蛋白5.0g/dl、アルブミン2.6mg/dl、尿素窒素 105 mg/dl、クレアチニン6.9mg/dl、 Na 132mEq/l、K 7.0mEq/l、Cl100mEq/l、 Ca 8.4 mg/dl、 P 2.0mg/dl、 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.36、 PaO2 96Torr、PaCO2 34Torr、 HCO3- 18mEq/l。 直ちに行うのはどれか。 a.血液透析 b.保存血輸血 c.アルブミン静注 d.炭酸カルシウム投与 e.重炭酸ナトリウム投与 出典 106スレ10 465氏 +... 解答 正解:a 解説 診断:外傷性ミオグロビン血症による急性腎不全 ○a血液透析でカリウム値を下げる。乏尿、高カリウム血症、高血圧、肺うっ血があり血液透析の絶対適応である。 電解質のうち、最も重要なのがカリウムである。 カリウム濃度が6.0以上か、2.5以下の時、心電図異常が起こり、生命の危険のあるパニック値となる。 カリウムの正常値は、3.7~4.8mEq/l である。 高カリウム血症 Kの腎からの排泄障害やアシドーシスによる細胞外への移動によるが,保存血輸血やK保持性利尿薬が原因となることもある. 知覚異常・筋力減退やテント状T波などの心電図変化がみられ,K濃度が6.5mEq/L以上になれば 心室細動から心停止に至るため緊急を要する. 緊急では血液透析を行う。 状態に応じて食事のK制限と重曹・イオン交換樹脂の経口投与を試みる 低カリウム血症 血清K濃度が3.5mEq/L以下の病態であり,進行すると筋力低下,多飲多尿, 麻痺性イレウス,心電図異常(U波)などが出現する. その要因としては,下痢・嘔吐など消化管からの喪失,腎臓からの尿中喪失および アルカローシスによる細胞内への移動である. ①U波→不整脈の誘発 ②四肢の筋緊張低下 ③尿の濃縮力低下 カルシウムは8.4であり、 カルシウムはアルブミンが4mg/dl以下では、次の計算式で補正する。 補正カルシウム=現在のCa値+(4-アルブミン値) よって補正Ca値=8.4+(4-2.6)=8.4+1.4=9.8で正常である。 (カルシウム基準値:8.6~10.2mg/dl) <血清電解質:酵素:血糖の基準値> ナトリウム:135~147mEq/l、カリウム:3.7~4.8mEq/l 、クロール:99~106mEq/l カルシウム:8.6~10.2mg/dl、リン:2.5~4.5mg/dl、鉄(Fe)70~160μg/dl AST(GOT)40単位以下、ALT(GPT)35単位以下、 総ビリルビン1.0mg/dl以下、直ビ0.2mg/dl以下、間ビ0.8mg/dl以下、血糖110mg/dl以下 a 正解、Kがそんなに高けりゃ、心臓止まるぞ。挫滅症候群かなんかだろ。 b 意味なし c すぐに手に入るもんか。 d グルコン酸カルシウムならOK e 血ガスは特に異常というほどのものでもなかろ。 カリウムだけじゃなく肺水腫出現、BUN>80な時点で透析導入だろ 挫滅症候群による高カリウム血症、肺水腫、BUN 80と模範解答に出ていました。 問題15 ARDSをきたす疾患はどれか。2つ選べ a,急性膵炎 b,心不全 c,ネフローゼ d,大量輸血 e,大量輸液 出典106スレ10 693氏 +... 解答 正解:ad 解説 ARDSの診断基準 ①急性発症 ②低酸素血症(Pao2/FIo2≦200) ③胸部X線写真上 両側びまん性肺浸潤 ④心原性肺水腫の否定 ⑤PAWP(肺動脈楔入圧)≦18mmHg…心不全・過剰輸液(-) (Pao2/FIo2が200~300ではALI急性肺損傷という) <正常値は350~400以上> ARDSの原因となる基礎疾患 ①直接損傷:肺炎、胃内容物の誤嚥など ②間接損傷:敗血症、外傷、重症熱傷などARDSの診断基準 ARDSの原因 カリニ肺炎,脂肪塞栓,胃液誤飲,高濃度酸素暴露,薬物、敗血症,肺挫傷・外傷,術後, 急性膵炎,過剰輸血、溺水、虚血/再灌流,切迫溺死、熱傷などで重症の患者に突然起こる. (熱傷に関しては気道熱傷がなくても起こる場合あり) →現在は大量輸液によるものは除外とする。 ※過剰輸液・心不全の除外はARDSの診断基準 その初期段階における病態生理は様々であるが、最終的に発症に至る経緯及び治療法は同じである。 Berlin definition of ARDSとして発表されました。近々、JAMA掲載予定。 新しい診断基準です。 クラス P/F 胸部XP ……………………………………………………………………………………………………………………… Mild 201-300 PEEP/CPAP 5 bil opacity Modelate 200 PEEP 5 bil opacity Severe 100 PEEP 10 少なくとも3領域のopacity さらに病態学的に心不全、肺水腫の否定など。 ARDSの治療 治療の基本は適正な動脈血O2分圧の維持,水分制限,抗生物質の投与,ステロイド療法である.肺胞の虚脱を防ぐためにPEEPは必須であり,心拍出量の低下に注意してbest PEEPを設定する.肺は硬く,高い吸入圧が必要で気圧外傷barotrauma(気胸,気縦隔,皮下気腫の発生)に注意する.許容高炭酸ガス血症(permissive hypercapnia)の考えを取り入れ,最大気道内圧と1回換気量を低く設定して肺の過伸展による肺の損傷,すなわち気量外傷volutraumaを未然に防ぐ必要がある. これからの人工呼吸法 1回換気量≦6ml/㎏ ←1回換気量は少量とする SPO2 88~95% Pao2は高くてもよい PHを正常化 気道内圧<30cmH20 気道内圧制限内でPEEPは、高く設定する 最小の酸素濃度 問題16 問題・5 ARDS(Acute Respiratory Distress Syndrome)について正しいものはどれか。 (平成22年 集中ケア) a、ARDSの診断基準には、 急性発症、PaO2/FIO2(P/F) 200、PAWP肺動脈楔入圧 18㎜Hg、胸部X線上両側性の浸潤陰影の存在がある。 b、聴診上、両側肺野でcoarse craclesを認める。 c、動脈血液ガス分析で、PaO2低下、A-aDO2開大を認める。 d、肺の直接的な損傷による呼吸不全はARDSではない。 e、人工呼吸器の設定は、一回換気量を多くすることが推奨されている。 1,a,b,c 2,a,b,e 3,a,d,e 4,b,c,d 5,c,d,e +... 解答 正解:1,a,b,c 解説 ARDS=急性呼吸促迫症候群 ○a、 Pa02/FiO2 200 : 正常値は350~400以上 200以上300以下の場合、ARDSの一歩手前のALI(急性肺損傷)という。 ○b、聴診上、両側肺野でcoarse craclesを認める。 ○c、PaO2低下、A-aDO2開大を認める。 ×d、肺の直接的な損傷による場合もある。 ×e、人工呼吸器では、一回換気量を少なくことが推奨されている <人工呼吸法> 1回換気量≦6ml/㎏と1回換気量は少なくする SPO2 88~95% Pao2は高くてもよい PHを正常化 気道内圧<30cmH20 気道内圧制限内でPEEPは、高く設定する 最小の酸素濃度 肺胞呼吸音 coarse cracles =細気管支内に貯留した粘液内を空気が通る→ 気管支炎、肺炎、気管支拡張症、ARDSなど fine cracles = 閉塞した小気道が開く → 間質性肺炎、肺線維症 rhonchi = 太い気道閉塞、狭窄、異物、腫瘍 wheezes = 細い気道の狭窄部を空気が通る → 気管支喘息 心雑音 Austin-Flint murmur → AR Carney-Coombs murmur → MR Graham-Steell murmur → MSや動脈管開存による肺高血圧 Rivero-Carvello murmur → 三尖弁閉鎖不全 or 三尖弁狭窄 問題17 除脳硬直、除皮質硬直ってJCSいくつだっけ? 出典106スレ12 226氏 +... 解答 正解:Ⅲ-200 解説 意識障害では必ず疼痛刺激を与えて意識レベルの判定を行うのだがその際、特有の姿勢反射が誘発されることがある。 間脳レベルで障害をうけると上肢が屈曲し、下肢が伸展するこれを除皮質硬直という。 中脳赤核・橋に病変が及ぶと疼痛刺激に対して四肢が伸展する姿勢反射が誘発されるこれを除脳硬直という。 繰り返し意識レベルを判定していると除皮質硬直であった姿勢反射が除脳硬直となることがある。 よって、除脳硬直、除皮質硬直はⅢ-200 意識障害の指標(3-3-9度方式)(JCS(Japan coma scale)) Ⅰ)刺激しないでも覚醒している状態(1桁で表現) 1)大体意識清明だが、今ひとつはっきりしない。 2)見当識障害(時間、場所、人)がある。 3)自分の名前、生年月日が言えない。 Ⅱ)刺激すると覚醒する。刺激をやめると眠り込む状態。(10桁で表現) 10)普通の呼びかけで容易に覚醒する。 20)大声または身体をゆさぶることにより開眼する。 30)痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する。 Ⅲ)刺激をしても開眼しない。(100桁で表現) 100)痛み刺激を払いのけるような動作をする。 200)痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめたりする。 300)痛み刺激に反応しない。 R(Restlessnes不穏状態) I(Incontinence失禁) A(Akinetic mutism無動性無言またはApallic state失外套症候群) 例(JCS Ⅲ-200-A または 200-A )と書く。 問題18 97-B30 睡眠薬を大量に内服した患者に胃洗浄を行う。 適切な体位は? a 仰臥位 b 腹臥位 c 右側臥位 d 左側臥位 e Fowler体位 出典106スレ17 ??氏 +... 解答 正解:d 解説 国試頻出問題だそうだ ちなみにd以外は禁忌肢になってる。 十二指腸に入った物は取り除けない。 胃底部を下にするdが正解。 問題19 救急はそろそろまたGCSがくるぞ。 痛み刺激を与えても開眼せず,言語反応はない.運動反応を認めない.舌根は沈下し,自発呼吸を認めない. 瞳孔径は4mmで左右差を認めないが,対光反射が消失している. この患者のGCSはいくらか。 a 0点 b 1点 c 3点 d 13点 e 15点 出典106スレ23 ??氏 +... 解答 正解:c 解説 実はこれ98C22なんだ。 やばい!GCSきた! と思ったら3点を答える問題だった。。。 意識障害の指標GCS(Glasgow coma scale)(グラスゴー方式) E)開眼(eyes open) (GCS E* V* M* 計*点/15点満点)と書く 4自発的に(spontaneous) 3音声により(to sound) 2疼痛により(to pain) 1開眼せず(never) V)発語(best verbal response) 5指南力良好(orientated) 4会話混乱(confused conversation) 3言語混乱(inappropriate words) 2理解不明の声(incomprehensible sounds) 1発語せず(none) M)運動機能(best motor response) 6命令に従う(obeys commands) 5疼痛部認識可能(localize pain) 4四肢屈曲反応逃避(flexion withdrawal) 3四肢屈曲反応異常(flexion abnormal) 2四肢伸展反応(extension) 1全く動かず(none 問題20 中心静脈栄養の体験談見つけた。 研修医のいろはのろ http //homepage3.nifty.com/kimuatsu/kennshuuibekarazu2.htm 中心静脈栄養の続き http //homepage3.nifty.com/kimuatsu/ivh2.htm 出典106スレ33 ??氏 +... 解答 解説 中心静脈栄養。私らが研修医の頃新しく導入されたテクニックでした。 つまりオーベン(部長などその当時40代くらいの働き盛りの医師)は全くこれについては練習したことがなく、 よって我々研修医と競争で修得していた(でも部長のプライドがありますからあんまり熱心ではなく たいがい私らに任されてましたが。)というわけです。 要するにこのテクニックに限り私ら研修医がパイオニアだったのです。 今は・・・気の毒ですが私ら40代が部長となると残念ながら研修医たちより遙かに上手です。 そこでこのテクニックについてのうんちくなんぞをひとつ。……… 問題21 乳児の脱水94D11 乳児の脱水に対する輸液中のカリウム量を決定する際に最も重要なのはどれか。 a発熱 b黄疸 c乏尿 d便秘 e呼吸困難 出典106スレ? ??氏 +... 解答 正解:c 解説 利尿を確認後、初期輸液から維持輸液に切り変えるようにする。 ×a発熱の有無は輸液とは直接関係ない。 ×b黄疸も輸液とは直接関係ない。 ○c乏尿が認められる場合、初期輸液にはカリウムを入れると危険である。 ×d便秘も輸液とは直接関係ない。 ×e喘息などの呼吸障害に脱水症を伴うことがあるが、輸液中のカリウムとは直接関係ない。 乳児嘔吐下痢症による脱水の初期輸液には、K(カリウム)を入れないこと。 初期輸液では、ソリタT1号を選択すると良い。 名 前 Na(mEq/l) K(mEq/l) CL(mEq/l) L-lactate(mEq/l) ソリタT1号 90 - 70 20 輸液製剤の電解質濃度(ソリタ)97F21 Na(mEq/l) K(mEq/l) CL(mEq/l) Glu(%) 1)ソリタT1号 90 - 70 2.6 2)ソリタT2号 84 20 66 3.2 3)ソリタT3号 35 20 35 4.3 4)ソリタT4号 30 - 20 4.3 乳児嘔吐下痢症による脱水の初期輸液には、決してK(カリウム)を入れないこと。 初期輸液では、1)ソリタT1号を選択すると良い。(乳児の脱水) 3)、4)ではNa濃度が低すぎるため、血漿浸透圧低下を誘発する危険がある。 2)、3)ではK(カリウム)を含んでいるため禁忌 問題22 97F21乳児嘔吐下痢症による脱水(発熱、嘔吐、下痢、大泉門陥凹、口唇乾燥、尿量減少) この患児の初期輸液の組成で適切なのはどれか。 Na K Cl 乳酸 ブドウ糖 1)154 0 154 0 0 2) 90 0 70 20 2.6 3) 30 20 35 20 4.3 4) 30 0 20 10 4.3 5) 0 0 0 0 5.0 出典106スレ? ??氏 +... 解答 正解:2) 解説 ×1)初期輸液としてはNa濃度が高すぎる点が不適切。 ○2)乳酸は肝臓で代謝されるとHCO3-を生成するため脱水による代謝性アシドーシスの補正によい。 Na濃度も適切。 ×3)カリウムを含んでおり禁忌である。 問題23 フレイルチェストの対応 国試的には、フレイルチェストなら気管挿管して、陽圧換気+疼痛除去(持続硬膜外ブロック)で良いかな? +... 解答 解説 高度なフレイルセグメントがある場合は受傷直後からフレイルチェストがみられるので 躊躇なく気管挿管をして陽圧換気を行う。 受傷直後に胸壁が不安定でグラグラしている場合は早晩,陽圧換気が必要になるので, 呼吸不全に陥る前に気管挿管をすべきである。 肋骨骨折は痛みが強く,単純肋骨骨折でも痛みが強く寝返りさえ打てない。 疼痛のため、咳嗽はおろか深呼吸さえできないので疼痛除去の併用を行う。 疼痛対策として最も効果のあるのは持続硬膜外ブロックである。 意識清明で治療に協力できる患者には持続硬膜外ブロックとNPPVを併用すると, 病悩期間が短くなり陽圧換気は数日間で済むことが期待される。 重症のフレイルチェストの人工呼吸管理の期間は,持続硬膜外ブロックを併用しなかった1995年までは平均20日だったのが, 持続硬膜外ブロックを併用してから平均10日に短縮した と。 非侵襲的陽圧換気 non-invasive positive pressure ventilation NIPPV(NPPV) 問題24 106B44 (正答率:89.5%) 64歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。4日前に左胸痛と息切れとが出現し,次第に増悪してきたため 受診した。体温36.2℃。脈拍100/分,整。血圧120/80 mmHg。呼吸数20/分。 SpO292%(room air)。 眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頚部リンパ節を触知しない。左胸部に呼吸音を聴取しない。 血液所見 赤血球420万. Hb 13.0 g/dl. Ht 37%,白血球4.400 (悍状核好中球5%,分葉核好中球60%。好酸球1%, 好塩基球2%。単球7%。リンパ球25%)。血小板21万。CRP 0.4 mg/dl。 来院時の胸部エックス線写真(別冊N0.4A)を別に示す。 (左肺の透過性亢進、縦隔の右側へのシフト、左横隔膜低位、) 入院後,胸腔ドレーンを挿入したところ,直後から咳嗽と泡沫状の喀痰とが出現した。 この時点の胸部エックス線写真(別冊No. 4B)を別に示す。 (左肺全体の透過性低下) 胸腔ドレーン挿入後の病態として正しいのはどれか。 a 肺 炎 b 肺水腫 c 無気肺 d肺胞出血 eうっ血性心不全 +... 解答 正解:b肺水腫 解説 診断:左緊張性気胸への胸腔ドレーン挿入直後の再膨張性肺水腫 ×a肺炎所見は見あたらない。 ○b長期に高度虚脱していた肺を急に再膨張させると生じやすい。 ×c無気肺のX写真では、境界明瞭、均一な濃度の透過性低下をみるはず。 ×d肺胞出血なら、びまん性陰影を呈するはず。 ×e心不全なら、病変が両側に認められるはず。 再膨張性肺水腫は、長時間虚脱していた肺が胸腔ドレナージによって一気に再膨張した際に生じる。 肺虚脱時間が長く、虚脱率が大きいほど発生しやすい。 気胸に限らず、胸水、縦隔腫瘍による肺の圧迫を手術で腫瘍切除したとき、慢性膿胸で肺剥皮術を施行したときに 生じやすい。 気胸では3日以上、30%以上虚脱した肺を急に再膨張させると起こりやすい。 肺毛細血管から肺胞へ血液成分の漏出が起こり多量の泡沫状血性痰を認める。 治療は、ステロイド、利尿薬投与、人工呼吸器管理などを行う。 問題25 106E51 フレイルチェストの問題(正答率:63.3%) 67歳の男性。交通外傷で搬入された。車の運転中,電柱に衝突した。意識は清明。 胸痛と呼吸困難とを訴えている。脈拍96/分,整。血圧146/76mmHg。 呼吸数20/分。SpO2 93% (リザーパー付マスク10L/分酸素投与下)。頸静脈の怒張を認めない。 胸郭の奇異性運動を認める。胸骨部に圧痛と皮下出血とを認める。 血液所見 赤血球384万、 Hb 11.2 g/dL、 Ht 39%。白血球9.800。血小板23万。 CK 57 lU/L (基準30~140)。 CRP 0.3 mg/dL。 動脈血ガス分析(自発呼吸,リザーバー付マスク10L/分酸素投与下) PH 7.21、 PaC02 60 Torr、 PaO2 80 Torr、 HCO3- 23 mEq/L。 胸部エックス線写真と胸部単純CTとで気胸を認めない。胸部単純CT(別冊N0.8A)と (気胸は-、心嚢内に液体貯留像、右胸腔内背部にわずかの液体貯留像) 胸郭3D-CT(別冊N0.8B)とを別に示す。 (胸骨を横断する骨折、右第1~7肋骨骨折) まず行うべき処置はどれか。 a 輸 血 b 陽圧換気 c ドパミンの投与 d 心嚢ドレナージ e 胸腔ドレナージ +... 解答 正解:b 解説 診断:胸骨骨折、多発肋骨骨折に伴うフレイルチェスト(flail chest)、心嚢内血腫 ×a今はHbの低下はない。 ○bフレイルチェストの治療としては、鎮痛・鎮静+気管挿管して陽圧換気を行う内固定(気管挿管+陽圧呼吸)が第一選択。 ×c心原性ショックではない。 ×d心嚢内に液体貯留はあるが、頸静脈怒張(-)、脈拍、血圧も高いので、循環は安定している。 ×e気胸は(-)、右胸腔内の液体貯留所見も軽度であるから、ただちには胸腔ドレナージは必要ない。 問題 +... 解答 解説
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うちの庭でタブンネが巣を作った。 多くの人はタブンネの巣を嫌う。タブンネは生命力、繁殖力旺盛なうえ自分たちの巣の外ならどこにでも排泄する。そのためタブンネの巣ができた庭はどんなに美しく整えられていても1ヶ月あれば見る影も無い腐海と化すのだ。なので、通常タブンネの巣が発見されれば出来るだけ早くそれらを撤去する必要がある。タブンネが抵抗するようなら痛めつけて、二度と戻ってこないように処理するのが一般常識なのだ。さらに言えば、処理は早ければ早いほどいい。出来ればタマゴが見つかるより早いことが好ましいとされている。タマゴがなければつがいのタブンネは案外すんなりと別の場所へ行くのだが、タマゴを持ってしまうと逆上して襲い掛かってくることもあるという。 さて我が家の庭には1ヶ月ほど前からつがいのタブンネが住み着いている。大して広い庭でもないのですぐに気付いたが、放置した。1週間もするとタマゴができた。タブンネは最初、自分たちの存在に気付いている私をひどく警戒した。だが、きまぐれに痛みかけた木の実や失敗したポフレを投げてやると次第に心を許し、ここ最近はまったく警戒が見られない。タマゴが生まれてもそれをにこやかに眺めている私を見て油断しているようだった。野生のポケモンは野生に生きている以上どんな状況でも油断してはならないというのに・・・ 油断したら気が緩んだのか、それから数日連続して親タブンネがタマゴを生んだ。今となっては5匹のチビタブンネと一つのタマゴが確認できるほどだ。頑張りすぎだろ。 そして昨日、ついに最後のタマゴが孵った。 ピキピキと殻を割って、親タブンネよりずっと小さなベビータブンネの誕生だ。親タブンネもうれしそうである。 ところで我が屋の庭だが、もともと大して手入れもしていなかったのも相まってそこかしこにタブンネの糞が落ちていてとても汚い。 私は潔癖なので糞尿の処理などはしたくないし、何より野生のポケモンは危険だ。 幸い近隣に家屋はなく、おとなりさんの家は1キロ先なのでこの状況でも不満を言う人間は私以外には存在しない。 ベビンネの誕生を見届けて、私は早速電話をかけた。 【もしもし、こちら庭掃除専門店ダストロンです!】 「庭掃除をお願いしたいのですが」 【はい!いつごろお伺いしましょう!】 「少し仕事が立て込みそうなので、1週間後でお願いします。住所は・・・~」 【承りました!それでは一週間後にお伺いします!】 準備はできた。 久々の遊戯に今から胸が高鳴る。庭ではタブンネたちが楽しそうに合唱している。 ミィミィとかわいらしい声だ。思わず口角が上がる。 こちらに気付いたタブンネは、私が笑っているのを見てうれしそうに笑った。 夕方。 いつもこの時間に自分の夕食を準備する。 そのときに出た生ゴミはタブンネたちの巣へ持っていくことにしている。 最初は遠くから投げるだけだった関係も、数日すれば警戒するどころか、自分たちから手を伸ばして近寄ってくるようになった。 ママンネはまだ生まれたばかりのベビンネに乳を与えている。 パパンネはそんなママンネに寄り添ってうっとりとわが子を眺めている。 バカな親だ。 タブンネは非常に浅ましい性格をしている。 自分たちが施しを受けて当然だと思っているので、私が生ゴミの袋を持って近づくとあっという間に足元まで駆け寄ってくる。 最初はその性質を利用してさっさと捕らえてしまおうかと思ったが、増えるタマゴを見て計画を思いついた。そして、今日が最大の好機である。 いつもどおり裏口から庭に出るとわっとチビンネに囲まれた。 この時間になると裏口の付近でスタンバイしているのだ。なんとも意地汚い生物である。 普段と変わらない様子を装って一匹ずつゴミを手渡してやる。 この辺りはきのみの生る木もなく、主食が雑草であるバカ舌タブンネにはこんなゴミですらご馳走なのだ。 いつもならなるべく早く終らせるために雑に渡して終わるのだが、今日は違う。 わざわざ小さくカットした野菜クズを少しずつ少しずつ渡していく。 そのうち開け放した裏口から、いい香りが漂ってくる。 オーブンにはころあいを見て匂いが届くよう焼き上げている甘い甘いポフレが入っている。 狙い通り浅ましいタブンネは家の中から香る匂いにクンクンと鼻を鳴らし、指を銜えて物欲しそうにこちらを見ている。 「食べたいのかい?」 私が優しく聞くと一斉にチビンネたちがうなずいた。 必死で頭を縦に振る姿に思わず笑いそうになる。 「いいよ、中にあるから入っておいで。入るときは足をきちんと拭いてからね」 私が言うとよほどうれしいのかチビンネたちはミィミィとうれしそうに合唱した。 巣を見るとニコニコとベビンネに乳を与えながらママンネがこちらを見ている。 パパンネは相変わらず乳に吸い付くベビンネを見つめている。本当に無責任なクソ親だ。 「あとで君たちにも持っていくからね」 そういうとママンネはコクリとうなずいた。普通そこは礼を言うところだろうが。 全員が足の裏をきれいにしたことを確認すると、私はチビンネたちを一匹ずつ中へ"招待"した。 今日のパーティの主役は君たちだ。 中に入るとチビンネたちは一目散にオーブンの真下へ集まる。 甘い匂いがここからしていることをめざとく感じ取ったのだろう。 だがあいにくまだポフレは焼きあがっていない。 「まだ出来ていないから、こっちで遊んで待ってよう。別のおやつも用意してあるよ」 そういって私はクッキーを差し出しながら地下室への階段を下りていく。 一応こういった状況をあらかじめ想定して、うちの地下室へ続く階段はとても明るい。 LEDのちからってすごい。 また、以前怖がってなかなか下へ降りてくれなかったこともあったため、階段そのものを可愛くデコレーションしている。 見た目だけならまるで御伽の国のようなキラキラっぷりだ。 事情を知らない人からするととんでもない趣味に見えるだろう。 当のチビンネたちはこちらの目論見通り楽しそうに地下室の階段を下りていく。 人間にとってはたいしたことのない段差だが、まだ子供の彼らには一段ずつ降りなければいけないので時間がかかる。 漸く下まで5匹全員が降りきると、一斉にミィミィと鳴き始めた。 おおかた、「がんばったんだから早くクッキーちょうだい!」とでも言っているのだろう。 お望みどおりクッキーをくれてやる。甘い甘いクッキーは、睡眠薬と麻痺毒と猛毒入りが一つずつ、そして何も入っていないものが2つ。誰がどのクッキーにあたるかな。 まず最初にかぶりついたチビンネは半分ほどまで食べると眠そうに目をこすってぺたんと座り込んだ。 しかしクッキーは握ったままだ。ゆっくりとクッキーをかじりながら、ついにはこてんと眠ってしまった。 「おやおや疲れてたのかな?」 茶化しながら言うと冗談と受け取ったのか残りのチビンネたちもミィミィと眠ってしまったチビンネを指差して笑った。ひどい兄弟だまったく。 次にかぶりついたチビンネは一気に3口ほど頬張ってゴクンと勢い良く飲み下した。 どうやら麻痺毒だったようで、硬直したまま動かない。 頬袋にはまだ飲みきっていないクッキーがあったらしく、口端からポロポロとカスがこぼれていく。 「あーもう急いで食べるから!きたないなぁ!」 にやにやしながら口をぬぐう振りをして残りのカスを口の奥へ詰め込んでやる。 「ム、ムゥ・・・イ・・・」声を出すことも難しいようだ。 そして残りの3匹。 2匹はなんともないクッキーを夢中になって食べている。もう他の兄弟のことなど気にしていない。 1匹は猛毒入りのクッキーを一口食べてどく状態になったが、それでも甘いクッキーがやめられない。 半分以上食べてしまったがもうどく状態だ。顔色は紫色で血が通ってなさそうである。ここまでバカだとは・・・ 「うーん、なんか3人は調子わるくなっちゃったみたい・・・このまま看病するから、君たちはお母さんたちのところへ戻りな?」 私が言うと2匹のチビンネは不安そうに顔を見合わせた。 しかし「お土産にクッキーも持って帰っていいよ」とクッキーを何枚か渡すと兄弟のことなど頭から吹き飛んだのか、それをかっさらうように受け取って地下室の階段を上り始めた。薄情である。 その日は2匹のチビンネを親元へ返してやった。 ママンネは減ってしまった子供にぎょっとしていたが、チビンネたちがクッキーを手渡して説明すると状況を理解したらしく、こちらにぺこりと頭を下げた。 「子供たちを頼みます」とでも言うのだろうか。 というかタブンネにそんな礼節があるとは驚きだ。 私は片手を上げて「任せろ」とジェスチャーし、窓のカーテンを閉めた。 地下室。 早速捕らえたチビンネたちで遊ぶことにする。 何の苦労もなく状態異常となったチビたちは自力で立つこともできず苦しんでいる。 もうどく状態のチビンネなど消え入りそうな声でミィ・・・ミィ・・・・と鳴いている。 「助けて」と言っているのだろうか? ひとまずいのちに別状のない眠っているチビと麻痺しているチビにそれぞれボールを投げる。 チビンネ2匹ゲットだぜ! もうどく状態のチビンネに向き合う。 少し離れたスキにまたクッキーをかじったらしく、手にもっているクッキーのかけらはさきほどより小さい。 それが功を奏したのかよりいっそう体力がけずられて、今にも死にそうである。 かわいそうな毒ンネ!ひとまず解毒のために水を飲ませよう。代謝を上げることで体内の毒を排泄する機能を強めるのだ。 普通のスポイトでは間に合わない。灯油用の大きめなスポイトを使って水分補給させることにする。 「大丈夫か?がんばれ!水だぞ!」 抱きかかえて声をかけながらスポイトを近づけてやると、毒ンネはミィ・・・と掠れた声で答えた。 クッキーのせいか毒のせいか喉が渇いていたようで、スポイトに口をつけて必死にちゅうちゅうと吸っている。そんなに喉が渇いていたんだな! もっと飲ませてやることにする。 スポイト3杯ぶんも飲むとずい分吸う力が弱くなってきた。 このままでは水での解毒が間に合わず死んでしまうかもしれないな。 ここでスポイトに軽くきゅっと力を入れる。突然勢いをつけて流れ込んできた水に思わず毒ンネがむせる。 「だめだ、がんばれ!飲んでくれ!」 熱い声援にがんばろうという気になったのか、勢いのある水をごくごくと飲んでいく。 2回、3回、4回!すごいぞ毒ンネ! しかしもういらないと言いたいのか「ミッ、ミィイ・・・」と首をイヤイヤ振りながら前足をピンと張ってくる。 腹はもう見るからにパンパンで、すこし指で触れると水で満たされていることがよく分かる 「だめだ!飲んでくれ!死んでしまうぞ!」 おかまいなしに口へ近づける。 すると今度は前足でそれを阻まれた。これはいけない。 前足をそっと握って「大丈夫だ、わかってるぞ・・不安なんだよな」心配そうな声をかけながら「ミィ・・・」と返事をしたその瞬間にスポイトの先を突っ込む! 「ミガッ!?」 そのまま注入! ガボガボと音を立てて許容量を上回る量の水が流れ込み、ついには口から逆噴射した。 小さな身体の中では口から胃まで水流による洗浄が行なわれているのだ。 おかげで胃液とともに毒入りクッキーが水と共に口から吹き出てきた。 吐き出した際に力んでしまったのか、尻からも汚物と共にダラダラと水があふれている。 「まだまだ、おまえが食べたクッキーはこんなものじゃないだろう!」 人間の言葉は分からないだろうが私の熱い気持ちが伝わったようで、「ミ・・・ミィッ!」と毒ンネが返事をする。さながら熱血教師とその生徒といったところか。 「次行くぞ!口を開け!」 私の掛け声に少し躊躇い、困惑しながら毒ンネが鳴く 「ミ・・・・ミィイ」 「なにぃ!?もうヘバったのか!おまえ死にたいのか!?このままじゃ死ぬぞ!口開け!」 私の勢いに押されておずおずと口を開く。 もう一度水のなみなみと入ったスポイトをぶち込む。こんどは喉までだ。 「ムガァア・・!」 「大丈夫、これで君は助かるよ」 ウインクしながらスポイトを思い切り握った。今までに無い水流が一気に毒ンネの中を駆け巡る ビシャアアアアア! そんな音とともに水が胃へ流れ込んでいく。 とうに限界を超えた水は上へ下へと行き場をなくして逆流と順流をこの小さな身体で繰り返しているのだ!ワンダフル!まさに生命の神秘。 とうの毒ンネは気道をスポイトと逆流する水でふさがれ失神寸前、さらには尻からも大量の水を噴出しはじめた。 もう完全に糞を出し尽くしたのか、尻からあふれる水もまるで清流のように澄んでいる。 まるで湧き水のようだ。美しいぞ毒ンネ! スポイトが空になったことを確認するとそれを抜き取り、あらぶる息をととのえて「大丈夫か?」と毒ンネに声をかける 返事は無い。ただのしかばねのようだ。 仕方が無いので地下室に備え付けてあるシンクで捌いて冷蔵庫に保管しよう。 時間がたてば抜ける毒だから明日の昼には食べられるだろう・・・ まずは毛皮を剥ぐために、四肢を切り落とす。 ダン!と両足を中華包丁で切り落とすとどうやら気絶していたらしい毒ンネが水を噴出しながら目を覚まし手をバタバタと振り回した。 「なんだ、まだ生きてたのか」 「ゴブェ・・ギイイイイ!」 最早鳴き声だけではどのポケモンかも分からない断末魔をあげているが、残念ながらここは地下室なので愛するパパとママにはとどかない。 今頃やつらはおいしいクッキーを食べてご満悦だろうよ・・かわいそうな毒ンネ・・・ 生きていたにしても渡りかけた船である。 解体の続きとしゃれ込む。次は手首を切り落とす。 ダン、ダンとリズムよく切り落とすと毒ンネが白目をむいて痙攣した。 「ムブウウウウウウウ!!!ギイイイイイイ!!!」 口から尻から止め処なく水を出しながら毒ンネが叫ぶ。 先ほどからだの中を水でよーく洗ったので口から吐くのも尻から出すのもきれいなお水。 むしろまな板の上の血を流してくれて便利だ。今度からこれは使えそうだな。 首周りをぐるっと一周、皮だけ切る。 そして首から肛門まで正中線上にピっと切れ目をいれて、中央から外側に向けて一気に皮をむく。 タブンネは他の動物と違い皮が剥きやすくて助かる。 ピンクと白の毛皮の下から露出したピンクの肉と白い脂肪のコントラストが美しい。 まだ致命傷には至っていないが、失血によるショック状態か心拍数がひどく高い。 肋骨の上からも心臓の拍動が伺えるほどだ。ここまできたらもう意識はないかもしれないが、美味いタブ肉のためにも毒ンネはもうひと頑張りしてもらう。ここからはスピード勝負だ。 まずは内臓を傷付けないよう腹膜を破り消化器を取り除く。膀胱はとくに尿が漏れてしまわないようそっと取り除く。それからレバー。こちらは胆嚢が付いているが、これをやぶると胆汁が出てしまい食用にできなくなるので注意。あらかたの臓器は毒ンネと切り離された。 ハラミとも呼ばれる横隔膜を取り去ると残るは肺と心臓のみ。 生命力の強いタブンネは失血状態に陥ってもしばらく生きているようだ。関心関心。 驚いたことに失った手首と足は再生こそせずとも止血が始まっている。 肺は食味も良いとは言えないが遺していても問題ないのでそのままに。 いままで臓器があったところに香草や果物をつめて、腹をタコ糸でとじてやる。 そして全身に塩を塗りこむ。さすがの激痛に久しぶりに毒ンネから反応がみられた。 目を白黒させながらビクビクと激しく痙攣しはじめたのだ。 この痙攣自体は単純に筋肉にナトリウムが付着したことからおきる生理反応なのだが、どうにもまだ生きている毒ンネには激痛もまた感じられたらしい。 頭は明日落とすとしよう。白目を剥いた毒ンネをジップロックに入れて冷蔵庫で保管。昼ごろには美味いタブ肉が食べられるだろう。楽しみだ。 すやすやと眠り続けるチビンネとクッキーを握ったまま硬直しているチビンネのボールを眺めながら、私は次なる遊戯へ胸を高鳴らせた。何をして遊ぼうか? 翌日。 朝日が昇ると共に目が覚めてしまった。元々早起きなたちだが、今日はうまく眠れなかった。 あまりも楽しみだったのだ。 毒ンネはあのあと日が暮れるまで冷蔵庫の中で失神と覚醒を繰り返したようだ。 扉越しにムゥ・・・ムゥ・・・と力ない声が聞こえていたが、夜中にはすっかり静かになってしまった。 どうしても気になって真夜中に一度冷蔵庫の扉を開いたが、残念ながらすでに毒ンネは絶命していた 。 恐怖か苦痛か、目はカッと見開かれ、顔面の筋肉は強張った状態で。 なんともいえない表情に感銘を受けてしまったので、その場で頭を切り落とし頭部は冷凍庫で冷凍保 存することにした。 というわけで今日の毒ンネには頭部がない。もう市販の丸焼き用タブ肉となんら変わり無い姿である 。 オーブンでじっくり焼き上げよう・・・とオーブンを開けると中から昨日焼いたおいしそうなポフレ が顔を出した。 そういえば渡すの忘れてたな。食べる前に食べられちゃうなんて可愛そうな毒ンネ! ポフレを取り出してオーブンを暖める。今日は低温でじっくり焼き上げたいので160度。 オーブンが温まったら天板にクッキングシートを乗せ、その上に毒ンネを置く。 さらにプチトマト、スライスオニオンなどを添えてオーブンへ。 今日の昼食が楽しみだ さて料理が出来るまで昨日から麻痺と眠りの状態でボールに収まっているチビンネ達と遊ぶとしよう。 まずは眠り状態のチビンネをボールから出す。起こさないようそっと抱き上げ、新品のタオルでおくるみの状態にする。 そうしておくるみされた眠ンネを抱いたまま裏口を開けると、ママンネが心配そうにこちらを見ていた。 巣の中ではパパンネとベビンネ、そして昨日運よく逃げたチビンネが丸くなって眠っている。 ママンネと目が合ったので微笑んでみる。ママンネはわが子が大事そうに抱かれているのを見て安堵の表情を浮かべた 「ミィ!ミィ!」 ママンネは駆け寄ってくるとチビちゃん起きて!と眠ンネに語りかける。 当然起きない。許容量を超えた薬による昏睡レベルの深い眠りである。自発呼吸しているのは奇跡かもしれない 「どうも消耗が激しくてね・・中でゆっくり看病するから心配しないで」 私が優しく言うとママンネは耳を垂れて「ミィ・・」と悲しそうにうなずいた。 「大丈夫、すぐに良くなるよ」 そう言って昨日のクッキーの残りを手渡して私は屋内へと戻る。 ちなみにママンネたちに渡したクッキーには何も入っていない。ただの美味しいクッキーだ。 ママンネは手渡されたクッキーが余程うれしかったのかチビンネのことなど忘れて小躍りしながら巣へと戻っていった。 本当にダメな親だと思う。 さておくるみ状態にした眠ンネはそのままボールに戻す。 一応致死量には満たない量だが、このまま体温が低下して死んだりしては計画に支障が出てしまう。 今日私と遊ぶのは・・・麻痺ンネ!君に決めた。 ボールを投げると中から身動きひとつしないチビンネがポンと出てきた。 ポケモンは他の生物にに比べかなり強靭な肉体をしている。 そのため成熟した個体なら麻痺していてもある程度戦うことができる。 が、これはまだ成熟する前、生まれたてのチビンネだ。 麻痺毒に体が追いつかず、いまだに硬直したまま目を見開いている。 眼球だけがぐりぐりと動いて愛らしい。このまま人形にしたいくらいだ。 「大丈夫か?まだ体が動かないんだな・・・かわいそうに・・・」 私の問いかけにも眼球を動かしながら「ミヒュッ・・・ヒュッ・・・」と空気の通る音でしか答えられない。 しっかりしろ、気を確かに、そんな言葉をかけながら麻痺ンネを抱き上げ地下室へ降りる。 麻痺ンネはぬくもりに安心したのか呼吸が少し落ち着いてくる。 「大丈夫だぞ。キレイにしてやるからな」 私の言葉に麻痺ンネは不思議そうな顔を・・・できていたらしただろう。 なんとなく目が「キレイにするの?」と問いかけている気がした。 今日はこのかわいい麻痺ンネで人形を作る。 だが普通にやっても意味がない。麻痺毒は時間経過では抜けないだろうし、万が一口に入れば人間には危なすぎる。 どうせ食わない肉なら多少薬を足しても問題はない。 痛みを緩和するために新たな薬を注射器で足す。 「これで苦しくなくなるぞ」 私の言葉に麻痺ンネは信頼のこもった視線で答えているような気がする。 注入するのはいわゆる麻薬である。とは言えわが国でも一般的に麻酔として処方されるような物なので、決してアブナイ路地裏で怪しいニーチャンから買ったわけではない。 入手方法は今後の入手ルート確保のためにも割愛させていただこう。 意識を失われても面白くないのでいわゆる硬膜外麻酔を施す。今まで散々練習してきたのでたぶん上手くやれてるだろう。 ためしに仰向けにして、麻痺ンネから見えないよう腹にメスで薄く切れ目を入れてみる。 うん。痛がらないし多分成功だろう。 「一度やってみたかったんだ・・・剥製ってさ・・・」 地下室の物置からホコリを被ったマネキンを引っ張り出す。 真っ白なウレタン樹脂でできたそれは、ちょうど麻痺ンネと同じ背格好だ。 「バッチリだな」 そして早速とりかかる。 昨日は解体のために手足を落としたが、今日のはそれに比べるとずっと難しい。 皮を全てつなげなければならないのだ。 先ほど切れ目をいれた腹部から慎重にメスを進めていく。まずは顎の下へ、そして恥部まで。 剥製を作るのは今回が初めてだ。あらかじめシミュレートした手順でゆっくりゆっくりと毛皮を傷付けないよう進めなければ。 当の麻痺ンネは眼球以外首すら動かせないおかげで、自分の腹部で一体何が行なわれているのか検討もつかないといった表情だ。 もちろん、握ったメスは絶対に麻痺ンネに見せない。 ひとまず、腹側の毛皮を左右に広げ、下肢も剥ぎ終わった。 痛がらないところを見ると麻酔は成功のようだ。 だが麻酔が切れてはさすがの麻痺ンネも暴れだすだろう。かわいそうだから麻酔の効いてるうちに全部終わらせてやろう。 小さな手足を完全にズル剥けにすると、次は背中だ。 流石にうつぶせはかわいそうなので横にかたむけて背中まで剥いていく。 ぶっちゃけ痛みもなく視認もできないのでここまで麻痺ンネに大きな反応はない。 さぁ背中まで完全にズル剥けである。 残るは頭部のマスクを引っぺがす最大の見せ場だ。 ちなみにマニュアルはないので完全に自己流。これからまた練習していけばいいのだ。 耳は面倒なので耳介ごと取り除く。もちろん麻酔しているので違和感こそあれど痛みはないだろう。 徐々に、徐々に、後頭部から皮を剥いでいく。前頭部まで剥ぎ、今度は下顎から頬まで。 そして残るは眼窩のみだ。 漸く違和感の正体に気付いたのだろう。不安げに泳いでいた目が右へ左へ上へ下へせわしなく動き始める。 怖いのだろうか?静かな地下室にドクドクドクドクとすばやい鼓動が小さく響く。 「ヒュッ・・・ミェッ・・・・ヒュウウッ」 麻痺により息をするのもやっとだろうに、何か言おうとしても口がうまく動かないようだ。 タイムリミットが近づいている。さっさと終わらせてしまおう。 ズルっと剥いたらタブンネの皮の出来上がり!一皮剥けて大人になったね麻痺ンネ! 毛皮はすぐになめしたいところだが、まだ生きている麻痺ンネと遊ぶほうが先だ。 ひとまず毛皮の裏にたっぷりと塩を塗りこみ冷蔵庫で保管。 明日にでもなめそう。 さて毛皮をまるごと失いついでに耳介も失った哀れな麻痺ンネちゃん。 露出した筋肉がやけに生々しい。 痛みはないし身体的苦痛は味わっていない。 しかし自慢の尻尾も毛皮もまるごと失ったというのが相当こたえたらしく、動かない身体をガタガタ震わせている。 仕方が無いので手鏡でその姿を映してやると「ヒュッッッ・・・・ヒッィ・・・ミヒィイイッ・・・」と間抜けな悲鳴を上げた。 さすがにそろそろ身体が動かないとかわいそうなので昨日から用意してあったクラボの実ジュースを飲ませる。 クラボの実はからいので口に合わないかもしれない。 スポイトで昨日の毒ンネのように食道へ直接注ぎ込む。こうかはばつぐんだ。麻痺ンネは喉の粘膜にやけどを負った。 すぐに麻痺が抜けたのかゲフゲフと咳き込みながら、そばに置いてある手鏡を両手をついて覗き込む。 何度見てもそこには真っ赤な筋肉のかたまりに不気味な青い目玉のついたオバケしか写っていない。 「ミッ・・・ミェッェエエエエエエエ!!!」 恐怖と嫌悪で四つんばいの麻痺ンネが嘔吐する。 嘔吐によって消化器が動いたせいで、今まで麻痺により緊張していたもろもろの括約筋が緩み、筋肉ダルマの股間を汚していく。 「き、汚いっ!さすがタブンネ汚い!」 私は潔癖なのでタブンネの糞尿など絶対触りたくない。 地下室のシンクからホースをつないで排水溝へと糞尿を流していく。 まだ身体に力の入らない筋肉と化した麻痺ンネは、ホースの水流に流され自分の糞尿にまみれて地下室をころがった。 「ミィェ・・・ミィェエエエエエエエエエエエエエエン!」 毛皮を失ったことが悲しいのか、それとも糞尿の水溜りを転がされることが悲しいのか。 たぶんその両方だろうが、麻痺ンネは泣いた。声の限りに。 しかしここは地下室。お前のパパとママはきょうだいたちと暖かい巣の中でおいしいクッキーに夢中さ。 可愛そうな麻痺ンネ ひとまず私が手を加えるのはここまでだ。 あらかた糞尿を落とし、ついでに麻痺ンネのからだに付いた汚物も流し終わったら水を止め椅子に腰掛ける。 ショウタイムはまだまだこれからだ。 局所麻酔は種類にもよるが大体1時間から2時間でその効力を失う。 今回出来はともかくスピードを第一に作業したので、本来ならあと1時間は麻酔が切れることはないはずだ。 だが先ほど飲ませたクラボの実には麻痺を即座に完治させる薬効があり、そのすさまじい効能が麻酔にまで及ぶという。 つまり、もうすぐ麻痺ンネの麻酔は完全に切れてしまうわけだ。 麻酔後にも関わらず麻痺ンネが動き回っているのも、クラボの実の効果なのだろう。 そんなことも露知らず筋肉ダルマもとい麻痺ンネは手鏡で自分の姿を何度も見直している。 これは悪い夢だ!と言うかのようにいやいやと首を振り、瞼を切り離したことで数倍大きくなった目玉からボロボロと涙があふれている。 異変は徐々に訪れた 最初、麻痺ンネは鏡とにらめっこしながら無意識といった様子で腹をポリポリと掻き始めた じわじわと、ゆっくりと、感覚が次第に戻っていく。 しばらくするともう片方の手で足を掻き、だんだんと掻く範囲が広がっていく。 ゆっくりと、緩慢に。痛みは痒みとして麻痺ンネの身体に戻っていった。 その状態で10分もすると麻痺ンネは唸りとも叫びとも付かぬくぐもった声を出しながら床をごろごろと転がり始めた。 「ミグウウウ・・・ミィイグウウウ!」 いかんせん薬が強かったのか、クラボのジュースをもってしても抜けるのが遅い。 今麻痺ンネをおそっているのは全身を駆け巡る途方も無い痒みだ。 「ミィ!ミイイイイ!」 つめは面倒なので剥がさず残していたのが仇となり、麻痺ンネの手が届く範囲はもれなく麻痺ンネ本人のつめで傷付けられていく。 掻いた場所は血がにじみ、転がりまわるもんだから地下室はなんともグロテスクである。 汚いのでもう一度水で流す。 「ミィギャアアア!!!!」 さすがに冷水に当たると痛かったらしい。やっと痛覚が戻ったよ!やったね麻痺ンネちゃん! 「ガァアア・・・ミイイイイイ」 全身くまなく皮をはいだので、全身くまなく痛いようだ。 真っ赤に腫れあがり熱をもっていそうな気がしたので冷水で冷ましてあげることにした。 少し痛いだろうががんばれ麻痺ンネ!きみのためだ! 「ミガアアアアアアアアアアアアアアアアア!」 普段の可愛い鳴き方はどこ行った!と聞きたくなるような悲鳴で麻痺ンネが鳴いた というか叫んだ。 「ミフウウウウウウウ、ミフウウウウウウウウウ」 口唇も眼瞼も失った異様な姿で、眼を血走らせた麻痺ンネ。 もうタブンネだったころの面影はどこにもない。 ホースをむけると四つんばいになり、ホースに向かって荒い息で威嚇している。 どうやら痛みで錯乱し始めているようだ。 すかさず厚手の軍手を4枚ほど重ねて装着し、つかみ上げる。 痛みで暴れ、自身をつかむ軍手に歯を立てるが幼い乳歯では軍手を貫くことはできない。 「だいじょうぶ、怖くない」 もう片方には先ほどお世話になったメス。これで喉頭の上部を切り開く。 「カフウウウウウウウウ」 狙ったのは声帯。まだまだ麻痺ンネにはしてもらいたいことがあるのだ 切開は多分上手く行った。多分。いかんせん声帯と気管は近い位置にあるので、傷ついていたならばもう彼が事切れるのも時間の問題だろう。 暴れ続ける麻痺ンネ、っていうかもう何かよくわからない生ける肉塊を手に地下室を出る。ついでに正面から外に出て、こっそりと外から庭へ肉ンネを投げ込んだ。 ボスンと音を立てて肉塊のタブンネモドキが落下する 「フッフウウウウウウウ!カアッフウウウウウ!」 雑草のクッションがあるとは言えダイレクトに衝撃があるとやっぱり痛かったらしく、声にならない声で肉ンネが鳴いた。 「ミッ、ミイイイ!?」 声に反応してタブンネたちの巣からママンネとパパンネが顔を出し、その異形に悲鳴を上げた。 ママンネは「ミイイ、ミイイイ!」と悲鳴を上げ続け、パパンネは「ミギイイ!」と威嚇している。 当の肉ンネは愛する家族の居る愛する我が家へ痛みをこらえながらズリズリと匍匐前進している 立ち上がろうにも激痛で這い回るのがやっとのようだ あと少しで巣に手が届く。 そんなところでパパンネが仕掛けた! パパンネのおうふくビンタ! バシン!バシン!バシン! 「カフウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」 大した威力もないパパンネのおうふくビンタが3回決まると、肉ンネは叩かれたところから血を吹きながら吹っ飛んだ。 「ミギギギイイイイイ!」 巣の前に立ちはだかり、両手を広げて威嚇している。後ろではママンネがチビンネたちと抱き合って震えていた。 我が家は俺が守る!そんなパパンネの熱い思いが伝わってくる。 かわいそうな肉ンネ!もう彼はパパンネにとって家族ではないのだ。 そしてママンネたちにとっても。 タブンネという種族は主に鳴き声やしぐさ、匂いや触覚、そして視覚といった方法で個体の判別を行なう。 だが今の肉ンネはかつての面影はなく、血の匂いのする異形はとても仲間とは認識できないようだ。 ひどくショックを受けたのだろう、瞼のない眼からはボロボロと涙をこぼし、何かを訴えたいかのように手を伸ばす。 パパンネは巣へ振り返り「ミッ!」とママンネへ一言言うと、ママンネも力強くうなづいた。 たぶん「君たちを守るから」とでも言ったのだろう。カッコイイ~ パパンネが構える! パパンネは助走をつけると肉ンネへとっしんを決める。 肉ンネの身体は宙を舞う。そこへパパンネの捨て身タックル! 脂肪を失った身体に緩衝する力はなく、骨へダイレクトに衝撃が伝わる。ビキ、とやわらかな骨が割れる音が聞こえた。 文字通り手ごたえを感じたのか、「いける!」という顔でパパンネが最後のわざを繰り出す。 肉ンネはすでに虫の息なのでとっくにライフはゼロといったところか。 「ミイイイイイハアアアアア!」 大げさな掛け声とともに、パパンネの「とっておき」が炸裂する。 モロに受けた肉ンネはろくに受身もとらずに庭の外にある草むらへ落下した。 「ミィッフ!」 「ミミィ♪ミイイ♪」 「やったぜ!」「かっこいいわ♪あなた♪」 そんなやり取りをしているのだろう。パパンネを労わりペロペロと頬を舐めるママンネ。 お前らが殺したのはお前らの子供だけどな。 大笑いしそうになるのをこらえ、こっそりと玄関から肉ンネが落ちた草むらへ急ぐ 当然だが肉ンネは絶命していた。 瞼も唇もないのでいまいち表情はわからないが、眼窩から目玉が零れ落ちかろうじて視神経とつながっているさまは軽くホラーだったので、記念に写真をとっておいた。 明日には無くなっているからこのまま放置して問題ない。 ころあいよくオーブンから香ばしいタブ肉の香りが漂ってきた。 すっかりおなかも減ったところだし、そろそろお昼にしよう。 食べたあとのカスは、先ほどのバトル(笑)で消耗したタブ家族にあげることにする。 一日に2匹ものわが子を文字通りその牙にかけたことを知ったら、あのタブンネたちはどんな顔をするのだろう。 そんなことを考えるとよだれが出てしまうのだった。 美しく皿に盛られた毒ンネの丸焼き。 付け合せには焼いたプチトマトとスライスオニオン。 ソースはヒメリをベースにマゴ、ザロクをブレンドした甘辛いフルーツソースだ。 こんがりと焼きあがった肉にハケでソースを塗ったら完成! 一日中苦しんだタブ肉など、自家製でなければ味わえない。 ナイフを入れるとジューシーな肉汁を出しながらもやわらかいことが伺える。 ソースを十分にからめて一口。 「美味い!」 やはりタブ肉は自家製に限る! こんなに美味いのだし誰かとこの悦びを分かち合いたいが、あいにく僻地にある我が家へは今から招待しても料理が冷めてしまう。 せっかくだから庭にいる我が愛しの客人へおすそ分けすることにしよう 食べ易いように肉を切り分け、しっかりソースをからめて適当なポリ袋に入れる 裏口を開けるとまずママンネが巣から小走りで近寄ってきた。 「ミミッ。ミィイ」 子供たちの様子を知りたがっているようだ。 腰からボールを取り出し、中で眠っている眠ンネに会わせてやる 最初、ボールに入れられたわが子に「ミィイ!?」と驚愕していたが、治療のためにこうしていることを説明するとなんとか落ち着きを取り戻した。 「それより、君たちさっきは大変だったね」 「ミミッ。ミッミイィ」 「うんうん、パパかっこよかったよ」 「ミヒィイン♪」 身振り手振りでパパンネを賞賛するママンネ。それに同意してやるとご満悦な表情を浮かべた 「それよりお昼ごはんはどうだい?とっても美味しく出来たんだ」 そういって透明なポリ袋をちらつかせるとママンネの顔がパアっと明るくなった。 主食が雑草のママンネは乳の出が悪い。そのため高栄養なものをもらえることはとてもうれしいようだ まあそれだけでなく単純に美味いものを食べれるのがうれしいのかもしれないが。 「じゃあこれ、みんなで分け合って食べるんだよ」 そういってウインクするとママンネは「ミィッ」と元気良く返事をして巣へ戻っていった。 その姿を見届けて、私も屋内へ戻る。 皿の上のタブ肉を平らげ、二階にある自室でアフタヌーンティーを楽しむ。 タブ肉のおかげで今日は一日とても頑張れそうだ・・・ 「出て来い、バルジーナ」 自室に置いてあるボールから出てきたのはほねわしポケモンバルジーナ。 数ヶ月間ボールと自室しか出入りを許されていなかったためとても気が立っている。 「ごめんな。ほらこれ、おいしいとこ取っといたぞ」 タブ肉を与えると美味そうに一口で飲み込んだ。 「そろそろ仕事を頼むよ。それが終わったら好きにお散歩し放題だからな」 喉を撫でながら私が言うと、バルジーナはクルルと鳴いて返事をした。 バトルの時間だ。 いつもどおりこっそりと玄関からバルジーナを解き放つ。 あらかじめ使う技と使う相手を指定し、あとはバルジーナに任せることにした。 こいつはずっと昔から私と一緒に生活しているので、きっと私好みの仕事をしてくれることだろう 屋内へ移動し、今回は二階のベランダから観察することにする。 上から見るとタブンネの巣が丸見えだ。 バルジーナもこれなら仕事がしやすいだろう。 当のタブンネたちは食後の毛づくろいにいそしんでいる。 ママンネはチビンネ二匹をペロペロと交互に舐めてやり、チビンネたちはうれしそうにミイミイと歌っている。 パパンネはそんな三匹を他所に自分の尻尾の手入れに余念が無い。バルジーナは一体どれを最初に狙うだろう・・・ チビンネたちの毛づくろいが終わったところで、バルジーナが仕掛けた。 はるか上空から優雅にタブンネの巣へ降り立つ。 「ミッ!?」 突然の強襲に皆言葉がない。 無理もない。数ヶ月ろくな敵もなく突然こんな強敵を前にしてしまったらとっさの行動もできないのだろう。 バルジーナはギロリ、とタブンネたちを品定めする。 そしてまずはママンネに「はたきおとす」 ママンネは抱いていたベビンネを取り落としてしまった! 急いで取り戻そうとするが、バルジーナはママンネが動くよりも早くベビンネを銜えた。 「ミイイ!ミイイイ!」 ママンネの悲痛な声がこだまする。返して!返して!というように手を伸ばすが、その手はバルジーナの翼で軽く叩き落された。 大粒の涙をぼろぼろこぼしながら、ママンネが呆然とバルジーナを見ている。 おそらくだが、ママンネには攻撃するためのわざが備わっていないのだろう。 「チィ!チチチィ!」 ベビンネもママンネの柔らかい身体ではなくバルジーナの硬いくちばしが不快なのか、身をよじりママンネへ手を伸ばしている。 ようやく事態を飲み込んだパパンネが立ち上がった 「ミギャアアア、ミギイイイイイ」 汚い声でバルジーナを威嚇しているが、バルジーナに怯む様子はない。 それどころかベビンネを上に放り投げたり銜えたりして「ちょうはつ」している。 パパンネは攻撃しかできない!まぁこいつは攻撃技しかもっていないことを昨日確認済みなので意味はないが。 とっしんしようとするモーションを見せるが、バルジーナは微動だにしない。 「ミイイイ!」 パパンネがとっしんを仕掛ける!バルジーナはとっしんをモロに喰らった! もちろん全く動じていない。当然だ。うちのバルジーナは野生にやられるほどヤワではない。 しかしパパンネはとっしんが全く効いていないことにひどく驚いていた。 どうやら昨日とった杵柄、もとい肉ンネとのバトル(笑)で過剰なまでに自信をつけていたらしい。 「ミッ!ミミミッ!」 ママンネがそんなパパンネに声援を送る。 「ミィー!ミィー!」 チビンネ二匹も父親の勝利を疑っていないようすだ。やっちまえ!というようにこぶしを突き上げている。 だが今度はバルジーナの番だ。 とっしんされて毛並みが乱れてしまったところを器用に翼でペシペシと整え、ぎろりと睨みパパンネにその大きなつめを食い込ませる。これは手痛い「しっぺがえし」だ 「ミギャア!」 どうやら眼に爪が刺さったらしく、パパンネは大げさに暴れ始めた。 地を這うパパンネの顔を片足で押さえ込み、バルジーナがベビンネをパパンネの股間へ落とした。 「チッ、チィ?」 開放されたこと、そして父の身体の上へ落とされたことで先ほどまで暴れていたベビンネの動きが一瞬止まる。 「ミィ!ミィイ!」 ママンネは両手を広げベビンネを呼んだ。 その声に応じてベビンネが這い這いでパパンネの身体の上を移動しようとしたとき、バルジーナがそのするどいくちばしをパパンネの股間へ付きたてた! 「ついばむ」だ!バルジーナはどうやらパパンネの股間のナッツを食いつくそうとしているらしい 「ミッギャウ!!!!ミギャギャアッ!!!!!」 パパンネの悲鳴が響いた。 パパンネの股間からは粘液とも血液ともつかぬ不思議な液体が飛び散り、それがベビンネの身体を汚くコーティングしていく。 どうもうちのバルジーナはタブンネのナッツが大好きらしい。喜びながら何度も何度もくちばしを付きたて、啜り、噛み千切っている。 「ミギャッ!ミギュウウ!ギャギイ!」 「ヂィイ・・・ヂイイイイ・・・・」 短い悲鳴を上げるパパンネとは対照的に、いまいち状況が分かっていないチビンネは自分の身体を小さな舌でペロペロと磨こうとする。 だがそのなんともいえない液体の味に顔をしかめ、一向にきれいにならない。 それどころかパパンネの血と種のシャワーはバルジーナが動くたびに噴出すのだ。 「ミギャアアアアアアアアアアアウ!ミッ・・・・ミフッ・・・・!!」 しばらくバルジーナが喰い進めたところでついにパパンネは泡を吹いて失神した。 痛みで死ななかった(というよりは死ねなかった)のは、タブンネという生命力の強い種ならではの悩みだろう 「ヂィイ・・・・ヂィ!ヂィヂィ!」 どうやら自分の父が生死の境をさまよっているというのに、このベビンネは遊んでいると勘違いでもしたのか、「汚れちゃったよう!やめてよう!」とパパンネの身体をぺしぺしとたたき始めたではないか! バカもここまでくればおめでたいものである。 「ミヒッィ・・・ミヒイイイ・・・・」 残されたママンネはというと、目の前で夫が食い散らかされていく様がよほどこたえたのか発狂寸前といった様子だ。 チビンネ二匹を抱きかかえ、ガタガタと震えている。その眼は焦点が合っていない。 もうベビンネのことは諦めたのだろうか?なんとも薄情な親だ。 バルジーナがゆっくりチビンネとママンネに向き合う。 ママンネは錯乱したのか、血にまみれたバルジーナのくちばしに向かっていやしのはどうを流し始めた。 バルジーナはニヤリと不適に笑い、ママンネに抱かれたチビ二匹を先ほどのようにはたきおとした。 しかしもはや正気でないママンネにその意味は理解できなかったらしく、さきほどのような抵抗らしい抵抗はない。 「ミッ!?ミィイイイ・・・・」 一匹は自らの運命を予測したのか、身を竦ませてジョロロロと音を立てて失禁した。 バルジーナは失禁ネをパパンネの肉片が付いたくちばしでチョンチョンとつついて遊んでいる。 失禁ネは眼を閉じ涙を流しながら必死でいやいやと首を振っている。 もう一匹は・・・お得意のアレをやるつもりらしい。 「ミィッ♪ミィッ♪ミィイイ!♪」 必死の形相で媚を売り始めたのだ。 汗をだらだらと流しながらも笑顔は崩さない。まったく見上げた根性だ バルジーナはというと、自身の足元で踊り狂うチビンネを一瞥すると血や肉片で汚れたくちばしをチビンネに擦り付け始めた 「ミッ・・・ミィイイ♪」 一瞬自慢の毛並みが汚れることに抵抗の色を示したが、媚売りが成功したと思ったのか、チビンネはそのくちばしを自ら抱きしめ一生懸命頬ずりをする。 しばらくそうして地獄の最中に和やかな空気が流れていた。 バルジーナは思う存分くちばしをチビンネに擦り付けると、抱きついていたチビンネを唐突に振り払い、その小さな頭を上から銜え込んだ。 「プミッ!?」 ろくな悲鳴を上げる間もなくチビンネの身体がバルジーナの身体の中へ消えていく 「ミゥッ!ミッ!」 チビンネは身体が完全に飲み込まれる寸前まで足をばたつかせていたが、抵抗もむなしく生きたままバルジーナの喉を通り過ぎていった あのチビンネはこれから窒息しながら肉体を酸で焼かれてしまうのだろう。その様子を見られないのは残念だ。 身体の中でタブンネを殺す感覚を味わえるバルジーナは本当にうらやましい。 「ミヒッ、ミヒイイイイ!」 残された失禁ネの悲鳴がこだまする。 しかしそんな失禁ネを助けてくれる者はもう誰も居ない。 まだ幼いベビンネはボロ雑巾と化した父親の股間でいまだに一生懸命自分の毛繕いをしている。 いつもやさしかったママンネは精神が限界に達したのだろう、光のない眼であらぬ方向を眺めて「ミヒャッ!ミヒャヒャ!」と笑い続けている。 右も左も仲間はいない。一生懸命辺りを見回していたチビンネは、ふとベランダから見下ろす私に気付き眼を輝かせた 「ミィイイイ!ミイッミイイイイイ!」 助けて!というように両手をこちらに向けぴょんぴょんとアピールをする。 なんとも微笑ましい姿だ。手を振ってやる 「ミイ!ミイイイ!ミイミイ!」 違う違う!とチビンネが首を振り、バルジーナを指差しながら助けて!とアピールを繰り返す。 思わず笑ってしまう。突然笑い出した私にチビンネはポカンとしている。 「バルジーナ、そのチビとそこで寝転がってるオスは食っていいぞ」 そう言ってバルジーナにGOサインを出した瞬間、ようやく状況を理解したチビンネの顔に絶望の色が戻っていく。 「ミイッ・・・・・ミ、ミイイイ・・・・」 ガタガタと両足が震え始め、極度の緊張と安堵と緊張を繰り返したせいで尻からは止め処なく下痢が漏れ出す。 バルジーナはそのくちばしを柔らかなチビンネの腹部へ突き刺した。見事に貫通し、風穴が開く 「ミギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 チビンネが絶叫した。 バルジーナが食事を楽しんでいるのを尻目に、私は空のモンスターボールを用意して庭へと急いだ その後。 バルジーナは生きたままチビンネを食い散らかし、まだ息のあるパパンネの頭をカチ割って脳みそをすすった。 我が手持ちながらなかなかのグルメである。 残念ながらどちらもこれといって面白い反応はなく、あえて言うとしたらパパンネが脳髄をすすられている間、左右の目を別々の方向に向けながら前から後ろから止め処なく失禁し、ガタガタとオモチャのように痙攣していたことくらいしか特筆すべき点はない。 残されたのはベビンネといまだ眠り続ける眠ンネ、そして壊れてしまったママンネ。 ママンネにはボールを投げ、すんなりとゲットすることができた。 ベビンネはバルジーナがチビンネを食っているすきに暖かな濡れタオルでくるんで家に連れ帰り、その汚らしく光る毛皮を吐き気をこらえながらキレイにととのえてやった。 生まれて2日のチビンネには、自分の父親が股間を破壊されたことも、自分がその現場に居合わせたことも、愛する母親がすっかり壊れてしまったことも理解できていないらしく、ただ自分をキレイにしてくれたというだけで私に信頼を寄せている。 ママンネは地下室の片隅に檻を用意し、そこでボールから開放した。 相変わらずミヒャミヒャと笑い続けていて不憫だったので、この間麻痺ンネから剥いだ生皮をなめして、用意してあった例のマネキンにかぶせ剥製にして渡してやると相当気に入ったらしい。 口の部分に自らの乳房を当て、片手で無理やり乳をしぼって乳やりをしている気になっている。 もちろん飲み込むはずもないのでマネキンの皮はママンネの乳でべしゃべしゃである。 おもしろいのでコイツは次の季節までここで飼うことにした。 眠ンネはバルジーナが痕跡となりうる骨や肉片すべてを平らげた後、カゴの実を用いて起こしてやった。 そして沈痛な面持ちで 「ママンネが突然おかしくなり、巣を破壊した」 「パパンネたちはママンネから逃げてしまった」 「ママンネは危険なので地下室にいる」 と伝え、すっかり壊れた母親と対面させてやると、涙目になりながらも現実を受け止めたようだった。 まあその現実の半分以上は嘘なのだが。 起こした眠ンネにはベビンネと共にまだまだ途方もない仕事が待っている。 「さすがに、タブンネを二匹もうちでは養えないんだ・・・」 申し訳なさそうな声で私が言うと、存外眠ンネは分かっているとでもいうようにうなずいた。 この個体は比較的ひかえめな性格をしているらしい。タブンネに共通する卑しさが幾分少ないようだ。 まぁそうでなくとも壊れた母を前にして現実を思い知ったのだろう。 「パパンネたちはあっちの方向へ逃げていったよ。向こうには確かに森があるから、これからはそこで頑張って暮らしておくれ・・・」 私の言葉に眠ンネは涙をこらえてうなずいてくれた。 それから3日間、私は眠ンネとベビンネを甲斐甲斐しく世話した。 主食は栄養満点嗜好性抜群の高級フードとベビー用ミルク。眠ンネには毎日ポフレを与え、ベビンネにはきのみペーストの離乳食を与えたりもした。 そして4日目の朝ベビンネを託し、眠ンネとは涙の別れ。 眠ンネは何度もこちらを振り返りながら、森への道を進んでいった。 私は彼らが見えなくなるまで見送ってやった。 今彼らを取り巻く環境は、決していいといえないだろう。 タブンネという種は近年害獣として認識されつつある。 その高慢ちきな性格、糞尿を撒き散らす性質、そして豊富な栄養素を持つ肉。 こういった要因からタブンネはポケモン・人間双方から「積極的に狩る対象」として認識されている。 眠ンネとベビンネはこれからそれを痛いほど味わうことになるだろう。 幸いなことにこの近辺はタブンネを積極的に捕食するようなポケモンも、またタブンネを求めて狩りに出るトレーナーも存在しない。 だがそれは裏を返せばそういったポケモンたちが生息するに値しない枯れた土地ということでもある。 そういった場所にしか、もはやタブンネに安寧の地はないのだ。 眠ンネとベビンネはこれから過酷な体験を数多くすることだろう。 飢え、寒さ、暑さ、疎外、孤独。 そのたびに思い起こすのは、暖かな家族と我が家の甘美な思い出。 一度でも知ってしまえば忘れられないあの味。 彼らは絶対に戻ってくる。 あのパパンネのように、つがいの相手を連れて。 ここはタブンネが住むための庭。 「やりすぎたなぁ・・・庭掃除早く来て欲しいわ~」 荒れ果てた庭を前に、次の季節が来ることを思って私は心を躍らせた。 次のシーズンまでは、相棒のバルジーナと共に地下室のオモチャで思う存分遊ぶとしよう。 終
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【O 小児科】 細胞外液量が多いため生理的体重減少 積み木:2歳で3~4個、3歳で8個 3歳:片足立ち、靴をはく、名前と年齢を言える 自己中心的、反抗的、3輪車、3つ物を数える 新生児は腸内細菌叢が未成熟 =腸内細菌によるVitK産生が不十分 生後6か月までにBCGの接種 不活化ワクチンなら1週間開ければいい 体表面積は3歳で成人の1/3、6歳で1/2 乳歯:6か月頃から萌出→3歳で20本 月齢-6が大体の本数 1ヶ月54cm、3か月60cm、1年75cm、4歳で100cm 体重は生後3ヵ月で2倍 生後2~3か月でHbFの生理的溶血により貧血ぎみ 臍帯脱落:5~7日 生理的黄疸:4~5日 動脈管:15~30時間/10日~2週間 細胞内液量はずっと35% Moro:4ヶ月には消失、パラシュート:8~9か月から 手掌把握反射:6ヶ月には消失 Landau反射:顔を上げると体幹・下肢が伸展 原始歩行:生後~2ヶ月まで 10か月頃から大脳皮質レベルで平衡反応 脊髄レベル:把握、交叉性伸展、自動歩行 脳幹レベル:Moro、哺乳・吸啜、緊張性頸反射 中脳レベル:Landau、パラシュート、頸部立ち直り 乳児:呼吸40、脈拍120、幼児:呼吸30、脈拍100 運動発達は頭に近い所から遠位へ 3歳で3輪車、丸、会話、自分の名前 2~3歳で第1反抗期 Kaup指数:10×体重(g) / 身長2(cm2) 15~18が正常 Rohrer:学童期、110~160 初乳:3~5日、免疫、高ミネラル、蛋白、淡黄色 粘稠、濃厚、アルカリ性、低脂肪 成乳:乳糖(牛<乳)、エネルギー・脂肪(牛=乳) 牛乳の方が蛋白(カゼイン)・リンが多い 総エネルギー・脂質・水分はほぼ同量 哺乳回数:生後2か月は7~8回、以後漸減、15分/回 離乳食は9~11ヶ月で1日3回 5か月・7キロが離乳開始の目安、半固形食 10か月~1年で離乳完了 離乳の遅延で蛋白質・鉄が欠乏 母乳栄養で便が酸性 大泉門:1歳6カ月で閉鎖 SIDSリスク:受動喫煙、人工栄養 Ⅰ歳で頭囲=胸囲 2週~5歳までリンパ球>好中球 VitB1欠乏→脚気(beriberi) 腹膜炎:腹壁反射低下~消失、腸蠕動も低下 小児の熱射病:直腸温38.5℃以下になる様に冷却する たばこ2cm以上食べた時は胃洗浄 第3度熱傷10%以上のときは重症熱傷 生理的体重減少:3~4日で最大 生理的黄疸:2~3日から、4~6日でピーク 臍帯脱落:5~7日 真性メレナ:VitK不足による新生児の消化管出血 仮性メレナ:母体の血液を嚥下することで生じる Apt試験:HbFとHbAを鑑別、真性では陰性 在胎24~29週では全身に産毛 欧米より頻度が高い:先天性胆道拡張症、胆道閉鎖症 高直接ビリルビン血症に光線療法でbronze baby 妊娠高血圧で胎児は低O2から多血→低血糖へ 排尿のしつけ:2~3歳ごろ 胎便吸引症候群MAS:分娩直前の無酸素症、 気胸、胎児循環遷延を合併、 胎児仮死を起こした成熟児で生じる 42週以上が過期産 痙攣→血糖、血清Ca値、Mg値を検査する 呼吸促迫症候群RDS:極低出生体重児、肺透瞭像 マイクロバブルテスト 未熟児網膜症:過剰酸素で血管閉塞→網膜剥離 Ⅰ型糖尿病:HLAと相関、ウイルス先行感染 Pickwick:高度肥満と低換気 溶連菌蛋白と心筋に共通抗原、心炎、多関節炎、 伸側皮下結節、舞踏病、輪状紅斑 定期予防接種:麻疹と風疹⇔ムンプスと水痘は任意 IgMは一歳で成人値 幼児肥満→総エネルギー・糖質を制限 蛋白・野菜を増やす 尿量減少時に含K輸液は駄目 最初の24時間:欠乏水分量+100ml/kg/日 大泉門早期閉鎖:Crouzon病、Apert病 閉鎖遅延:くる病、Down、水頭症、甲状腺低下 間接ビが神経障害作用 卵円孔:生後すぐ/数か月~数年 直ビ1.5以上で異常、新生児肝炎 新生児黄疸:閉塞性出血、多血症、敗血症 3~5日から2週間まで、間ビ 母乳中プレグナンジオールが抱合を抑制 間接ビ↑で核黄疸 CRP:12~24時間で上昇 小児の敗血症:無呼吸発作、低体温、発熱 出血斑、黄疸 新生児低血糖:無呼吸、痙攣、振戦、嗜眠 チアノーゼ、異常な泣き声 痙攣は症状が小さい、前駆として易刺激性 低酸素→多血症→低血糖 無呼吸:低体温、頭蓋内主血、感染、低血糖 術直後は保育器湿度を100% 骨形成不全症:Ⅰ型コラーゲン成熟異常 易骨折性、難聴、青色強膜 新生児は体重当たりの輸液量は成人より多い 先天性股関節脱臼:男:女=1 5 体の一か所の形状奇形はだいたい多因子遺伝病 Down症に合併:ECD、急性白血病、十二指腸閉鎖 新生児期に一過性異常骨髄造血、 乳児期に急性巨核芽球性白血病(M7)、 小児期に急性リンパ性白血病 Klinefelter症候群で乳癌の頻度大 5%に精神遅延、新生男児の1/1000 Noonan:常優、Turnerに類似した体型、精神遅滞 Apert:常優、尖頭合指症 Prader-Willi:肥満、floppy infant、精神遅滞 (消化管) 遷延性食道閉鎖:C型、出生直後から泡沫状唾液 胃内容物嘔吐→低Cl・低Kアルカローシス 間欠的な不機嫌:腸重積→粘血便 注腸により95%が治療 Hirsch:直腸粘膜生検をAChE染色、壊死性腸炎合併 壊死性腸炎:超低出生で生後10日までに下血で発症 出生児仮死、無呼吸発作、RDS、敗血症が誘因 腸回転異常症:Ladd靭帯切離(Ladd手術) Ladd靭帯による十二指腸圧迫、生後2日以内に 胆汁性嘔吐、嘔吐は十二指腸閉鎖症よりも遅い 左胸部グル音:横隔膜ヘルニア、横隔膜弛緩症 Bochdalekヘルニアで肺の低形成を起こす 嚢胞状リンパ管腫:リンパ嚢の発生異常、頚部・顔面 胎便イレウス:粘稠な便により腸閉塞 腸重積:回腸盲腸型、回腸結腸型が多い、間欠的腹痛 肥厚性幽門狭窄症:4:1で男児に多い、2~3週から 吐いた直後も空腹のためにミルクを欲しがる エコーで確定、粘膜外幽門筋切開:Ramstedt手術 先天性腸閉鎖症:十二指腸のが最多、合併奇形が多い アルカロに対する腎の代償でH再吸収・K排泄 神経芽細胞腫:腫瘍のVIP産生により難治性下痢 遺伝性球状赤血球症でビ結石 肛門周囲膿瘍:大腸菌、バクテロイデスなど 基礎疾患なしのものは乳児期に多い 便性、腸管局所免疫の未熟性による VitK欠乏による下血:生後2~3日ごろ 外鼠径ヘルニア:男児では右に多い (肝) 黄疸遷延、直ビ上昇あれば、胆道閉鎖か新生児肝炎 リポ蛋白X:胆道閉鎖で(+)、新生児肝炎で(-) 十二指腸液検査で胆汁を検出、エコーで胆嚢を確認 先天性胆道閉鎖症:2か月以内に手術 術後効果のないものに対しては生体肝移植 直ビ:Dubin-Johnson・Rotor→排泄障害 光線療法やると光分解産物蓄積でブロンズ 先天性胆道拡張症:腹痛・腫瘤・黄疸が3徴 日本にやたら多い、合流異常を高率に合併 女児に多い、脂溶性Vitの吸収↓、嚢胞切除+再建術 (心臓) 心電図:右心優位、V1~4の陰性T波、V5,6のQ波 生後7日以降V1Tが陽性のときは右心肥大と考える 新生児持続性肺高血圧症PPHN:胎児期の生理的 肺高血圧が持続、低酸素→代アシ→肺血管抵抗増大 過換気、ドパミン投与により治療、予後不良 未熟性動脈管開存症:プロスタ生合成阻害薬の静注 ECD:goose neck sign、1度房室ブロック、左軸偏位 左室低形成→プロスタグランディンE投与 BAS:バルーン心房中隔裂開術 2歳以下のチアノーゼの90%がTOF DiGeorgeとの合併、多血による脳血栓 VSD:軽症では心電図正常、無症状なら普通の生活 2歳以下の手術で肺高血圧は正常化 雑音が聞こえてくるのは生後3~7日目から 胸骨左縁3・4肋間Erb領域に収縮期逆流性雑音 自然閉鎖は2歳まで、30~50%の例に見られる ASD:右心容量負荷→不完全右脚ブロック、右軸偏位 成人で見られる先天性心疾患では最多 心内膜床欠損症ECD=房室中隔欠損症AVSD 肺動脈弁狭窄→経皮的バルーン肺動脈弁形成術PTPV Fallot:VSDが大きいため左=右室圧、 右室流出路弁下狭窄=漏斗部狭窄による心雑音 合併症:脳血栓、心内膜炎、脳膿瘍 Bland-White-Garland症候群:左冠動脈肺動脈起始症 心筋虚血によるMR、極めてまれ β遮断:プロプラノロール β刺激:イソプロテレノール PDA:末梢にバウンディングパルス 乳児はⅢ音が聞けて普通 立ちくらみは夏に増悪 (代謝) クレチン症:マススクリーニングの中で最多 TSH↑、甲状腺形成異常、黄疸遷延、便秘、嗄声 骨年齢遅延→大腿骨端核が小さい、哺乳不良 コルチゾール過剰によるGH分泌抑制 →体重増加時に一致して身長増加の低下 下垂体線腫によるものがCushing病 下垂体性低身長症では知能低下(-) 副腎:21が最多、男性化、低血糖、嘔吐 コルチ・アルドの合成↓、色素沈着、低Na 高K、 早期から哺乳力低下、17-OHプロゲステロンを測定 思春期早発:手根骨で判定、小児期に急成長する ものは真性=下垂体ゴナドトロピンの過剰 仮性は性ステロイド分泌過剰による 糖原病Ⅰ型:グルコース6フォスファターゼ活性低下 肝型、低身長、肝腫大、低血糖、出血傾向 von Gierke病、グルコース負荷で乳酸値低下 検尿で尿中ケトン体陽性、食事回数を増やす Ⅱ型:Pompe、全身型、巨舌、心肥大、 低血糖は(-) 全身のリソゾームにグリコーゲンが蓄積 ケトン性低血糖症:頻回嘔吐、グルカゴンに無反応 絶食で発作誘発、原因不明、10歳までに自然治癒 アセトン血性嘔吐症=自家中毒症、周期性嘔吐症 ストレス、感染、疲労が誘因、2~10歳まで 血中・尿ケトン体(+)、低血糖(-)、制吐薬と輸液 アセトン血性とケトン性の嘔吐の鑑別の負荷試験 →グルカゴン・インスリンを負荷 単純性甲状腺腫:女性ホルモンの影響、10歳以上 プリン代謝酵素HGPRT 有機酸代謝異常で血中アンモニア濃度高値 Beutler法:ガラクトース血症のスクリーニング VitD欠乏性くる病:P低下、骨端の杯状変形 Laron型低身長症:GHの受容体異常 Turnerの新生児:手足背側のリンパ浮腫、中手骨短縮 糖尿病→糖50%、蛋白20%、脂肪30%の食事 メープル:分枝鎖アミノ酸の代謝異常、 錐体路障害、痙攣、哺乳困難 ムコ多糖症:分解酵素欠損、骨変化が主体、角膜混濁 尿中のものをトルイジンブルー反応で見る ホモシスチン:外見はMarfanと酷似、知能低下(+) メチオニン↑、血栓形成 シスチン尿症:シスチン、オルニチン、リジン、 アルギニン(COLA)の腎再吸収障害 McCune-Albright症候群:卵巣の自律機能亢進 性早熟・多発性骨線維性異形成・カフェオレが3徴 Rubella:風疹→PDA開存、末梢肺動脈狭窄、ASD 猫鳴き:5の短腕欠失、小頭、小顎 XR:Duchenne、Fabry、慢性肉芽腫、 Wiskott-Aldrich、Bruton型無γグロブリン Marfan:フィブリリンの遺伝子異常、常優 青色強膜、高アーチ口蓋、大動脈弁輪拡大 Ehlers-Danlos:コラーゲン・結合織の異常 先天梅毒:早期→鼻閉、Parrot仮性麻痺 (骨軟骨炎による疼痛で動かさない) 晩期:幼児~学童、Hutchinson三徴: 角膜炎・難聴・Hutchinson歯 先天性白皮症:メラノサイトは存在するが メラノソーム生成が障害、ドーパ反応が陰性 Guthrie法:フェニルケトン(塩化第二鉄)、 メープル(尿臭)、ホモシスチン(ニトロプルシド反応) 3つとも~尿症、生後5~7日、哺乳後に実施 フェニルケトン尿症:フェニルアラニン蓄積と チロシン欠乏、赤毛・湿疹・白い肌、 1か月以内に治療しないと知能障害をきたす 楓糖尿症:低イソ・ロイシン・バリン食、VitB1補充 中枢神経障害が残ることが多い Beutler法でガラクトース血症→無乳糖乳を与える Wilson病:Cuの組織への蓄積、セルロプラスミン↓ 尿中Cu↑、13染色体、Descemet膜に沈着 肝細胞壊死によるCu流出により溶血 神経症状・肝硬変・眼輪が3徴 小児期には肝障害のみのことが多い Cu制限、エビ・カニ・キノコ・チョコレート Menkes病:腸管からの吸収障害、kinky hair、 中枢神経障害、血管形成障害、骨異常 低MgによりPTH分泌抑制→テタニーの原因 (腎) AGN:蛋白尿は1か月、血尿は1~3か月で消失 浮腫は軽くて数日で消退する、ASO↑、補体価↓ ペニシリン、降圧利尿薬、蛋白・塩分・水制限 ネフローゼ:分子量の小さいAlb、α1、γが低下 小児の80%が微小変化 、 浮腫・乏尿期以外は水分制限なし 微小変化:2~6歳に好発 先天性水腎症:血・蛋白・膿尿、低比重 半数は自然回復、腎盂尿管移行部の成長により改善 尿路感染:大腸菌、クレブシエラ、幼児期以降は女児 メサ領域の障害で血尿、糸球体障害で蛋白尿 Ⅰ年以上の尿所見異常で慢性腎炎、検尿での発見多い 小児慢性腎盂腎炎:自覚症状が乏しく進行性 早期より尿濃縮力の低下を認める 抗GBM型:線状 ⇔ 免疫複合型:顆粒状沈着 HUS:小児の急性腎不全としては最多、TTPと鑑別 Alport:糸球体基底膜の主成分がⅣ型コラーゲン 慢性腎不全としては腎尿路奇形が最多 出血性膀胱炎:アデノ11,12によるものが多い (免ア) 川崎病:5日以上の発熱、結膜の充血、血小板↑ 口唇・口腔・手足の硬性浮腫、体幹の発疹 リンパ節・BCG部の発赤、9日以降に冠動脈瘤 抗炎症+抗血栓療法、急性期はγグロブリン投与 結膜・皮膚・リンパ節症候群MCLS:川崎病の別名 γ-グロブリン製剤:川崎病急性期の第1選択 若年性関節リウマチJRA:ASO正常、WBC↑から リウマチ熱・SLEと鑑別できる、小児膠原病で最多 サリチル酸系(アスピリン)が第1 ASO上昇:先行溶連菌感染の照明、リウマチ熱 RFの治療:ペニシリン、アスピリン、 心炎を伴う時はステロイド リウマチ熱:5~15歳、移動性多関節炎、心炎、 皮下結節、心内膜炎、輪状紅斑(初期) 小児のSLE:症状が非典型的、多彩 成人より合併症が多く、難治例が多い 慢性肉芽腫症CGD:NADPH酸化酵素欠損により 食細胞の殺菌作用の異常、BCGは禁忌 NBT色素還元陽性細胞が著減、NBT試験陰性 カタラーゼ活性陽性細胞を殺菌できない 予防的にST合剤投与により治療 カタラーゼ陽性:黄ブ、陰性桿菌、真菌 Chediak-Higashi:好中球の遊走障害+ 脱顆粒障害(巨大顆粒)、形態異常、貪食は正常 顆粒を持つ全ての細胞に巨大顆粒 メラニン細胞の色素顆粒異常による部分白子 重症複合型免疫不全症SCID:乳児期早期から リンパ幹細胞のT・Bcellの分化異常 著しいリンパ球減少と低γ-グロブリン血症 治療としてHLA適合骨髄移植 Wiskott:易感染性・湿疹・血小板減少が3徴 出血傾向のコントロールに摘脾を実施 毛細血管拡張性失調症=Louis-Bar症候群 常劣、悪性腫瘍合併、進行性小脳失調、 細胞性↓、グロブリン減少、 先天性無γ-グロブリン血症(Bruton型) B細胞系の異常→6か月以降に症状 DiGeorge:生後1週間以内にテタニーで発症 T細胞系の欠損、心血管異常と顔面異常 Ⅲ型アレルギー:主にIgGによる PHA、ConA:細胞分化誘導物質、T細胞が幼若化 LPS、SACでB細胞が幼若化 Bリンパ球の方が薬剤感受性が高い Henoch:血尿のみの例は予後が良い Rumpel-Leede試験陽性、四肢伸側に対称性紫斑 (血液) 新生児のHb値:15~20g/dl 小児の貧血:Hb 10g、RBC 350万 Diamond-Blackfan貧血:先天性の赤芽球癆 寒冷凝集素症:寒冷暴露によりIgM型の寒冷抗体が 補体とともに赤血球に結合→溶血、 寒冷を避ける L1:小細胞性、L2:大細胞性、 L3:表面がB細胞型=Burkittリンパ腫が白血病化 ALL予後不良: 1歳・ 10歳、白血球2万以上 男児 低VitK→突然の消化管出血、頭蓋内出血、 PIVKAⅡ↑、PT時間延長 未熟児貧血:エリスロ分泌不全のものが初期 貯蔵鉄欠乏によるものが後期 ALL再発部位は中枢神経が最多 ALL:Burkitt、縦隔腫瘤・中枢神経浸潤は予後不良 溶血で生じたヘモと血清ハプトグロビンが結合 血友病:一次止血栓は形成されるが、剝がれて血腫 (感染) 犬吠様:声門下喉頭の狭窄→吸気性喘鳴、夜間 百日咳:新生児でも感染する、1~2週の潜伏期 カタル期に飛沫感染、Bordet-Gengou培地 発熱(-)、眼瞼浮腫、マクロライド系 クループ:パラインフル、アデノ、フル菌が原因 舌圧子での咽頭部診察は気道完全閉塞の危険性 呼気性喘鳴:喘息か急性細気管支炎(RSウイルス) 急性~:加湿+O2吸入、輸液 急性細気管支炎:加湿・酸素吸入・輸液で治療 抗生剤・鎮咳剤は無効、6か月前後の乳児に好発 流行性耳下腺炎:抗生剤等は無効、抗体価で確定診断 麻疹患者と接触後5日以内に免疫グロブリン投与で 発症を予防できる、麻疹抗体は生後1年まで持続 麻疹は弱毒ワクチン、一歳になったら接種 2相性発熱の後半に発疹、発疹は水疱化しない 顔面・耳後部→体幹→四肢に発疹 解熱後3日間の登校禁止 脳炎:発疹出現後1~8日 ⇔ SSPE:5~10年 Koplik斑:発病早期に見られる、発疹出現後には 消退しているが多い、 耳後部のリンパ節腫脹→風疹、5~10代前半に好発 合併症でITP・関節炎、落屑・色素沈着はない 手足口病:夏から秋、3~5日の潜伏、 発熱と同時に発疹、瘢痕や色素沈着を残さない ヘルパンギーナ:咽頭痛と発熱、口蓋垂付近の水疱 無菌性髄膜炎と脱水に気を付ける 突発性発疹:解熱と同時に紅斑、体幹を中心、 永山斑:発熱1~2日目に軟口蓋に粟粒~米粒の紅斑 合併症で熱性痙攣 顔面から始まり四肢へ広がる皮疹:伝染性紅斑 頬に対称性の蝶形紅班、四肢にレース状網状紅斑 骨髄炎:血行性、外傷、周囲からの波及、 黄ブによるものが最多 ジフテリア:外毒素による心筋障害 ムンプス難聴:一側、治療抵抗性、15000人に一人 潜伏2~3週、耳下腺腫脹→血清アミラーゼ↑ 膵炎・髄膜炎を合併、中耳炎(-) 、予防は生ワクチン TORCH トキソ:脈絡網膜炎が必発 風疹:PDA、PS、難聴、白内障、脳内石灰化なし CMV:間質性肺炎、難聴 梅毒:胎児水腫、鼻閉、仮性麻痺、石灰化(-) Parrot:骨軟骨炎の痛みで四肢を動かさない Ritter病=SSSS 何となく元気がない・哺乳不良→発熱(-)でも 敗血症を疑い、血液培養と抗生物質投与 エピツベルクローゼ:肺門部リンパ節腫脹による びまん性の無気肺、乳幼児の結核に多い モラキセラ:鼻腔内常在菌、上気道や中耳に感染 ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群SSSS:粘膜症状は稀 乳幼児結核:胸膜炎は少ない、粟粒結核になりやすい 熱→発疹:川崎、麻疹、猩紅熱、突発性発疹 同時:水痘、風疹、RF、JRA 回虫:幼虫が肺を通過する時に単純性肺好酸球増加症 =Löffler症候群:軽い喘息・息切れ (呼吸器) 新生児の呼吸困難が呼吸窮迫 扁桃摘出:繰り返す急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、 気道閉塞・嚥下障害の原因となっている場合が適応 3歳以下には行わない クループ:喉頭部の狭窄による陥没呼吸と呼吸困難 高音:wheezes、低音:rhonchi 重積発作:ステロイド投与しても24時間以内に 収まらない喘息発作 先天性喘鳴:吸気時に咽頭蓋が嵌入 血管輪:大血管の発生異常により気管圧迫→喘鳴 急性細気管支炎:肺気腫像+小さな無気肺 大葉性肺炎:Kohn小孔を通じて肺葉全体に波及 細菌性肺炎は肺胞性が多いが、百日咳は間質性肺炎 マイコ:発熱と激しい咳、間質性肺炎、WBC正常 喘息:5歳までに80%以上が発症 RDS:呼気性呻吟により肺胞内を陽圧に維持している 網様顆粒状陰影とair bronchogram クラミジア肺炎:無熱性、呼吸困難強い、好酸球↑ Wilson-Mikity:未熟児が生後3~4週間で発症 X線上びまん性の泡沫状・不規則索状気腫状陰影、 両肺野びまん性小円形透瞭像、レース状陰影 呼吸窮迫症候群RDSが先行しない、 出生前感染、生後28日以降も持続 、予後不良 (神経) 脳浮腫から生じる痙攣 痙攣では発熱を伴うかどうかが大事 てんかんを疑う:運動発達遅延、15分以上の熱性痙攣 Brudzinski徴候:頸部前屈で下肢を屈曲 Leigh脳症:嚥下障害で発症する代謝性疾患、 大脳基底核が低吸収となる クロラムフェニコール投与によりgray syndrome ウイルス性髄膜炎:エコー、ムンプス、 コクサッキー、リンパ球↑、糖正常 急性小脳失調症:水痘の皮疹治りかけの7~14日目 非特異的感染の回復期、数日~数週後には自然軽快 Reye症候群:肝生検で脂肪変性、ミトコン変性 →脳浮腫予防 SSPE:罹患後6~8年、性格変化、ミオクローヌス、 12歳以下がほとんど、PSD Werdnig-Hoffmann病:下位運動ニューロン障害 脊髄前角の変性、CK正常、生後2~4ヶ月で発症、 MELAS:乳酸・ピルビン酸↑、乳酸アシドーシス West症候群:点頭てんかん、発作は群発、 シリーズ形成、ACTH筋注、VitB6、 ニトラゼパム、クロナゼパム Lennox-Gastaut症候群→slow spike and wave、 2~8歳、多彩な発作、基礎に重症脳障害+ 精神発達遅延、Westから半数が移行 意識消失があれば複雑部分発作(精神運動発作) =側頭葉てんかん、自動症、一過性の幻覚 単純部分発作:焦点発作、体の一部から始まり 全身に広がる=Jackson型、Todd麻痺を残す Todd麻痺:焦点性運動発作後の一過性の運動麻痺 大発作:強直性間代性痙攣、発作後睡眠、光刺激 全般性or焦点性の棘波、予後は良好 小発作=欠神、短時間意識喪失、3ヘルツspike wave 過呼吸により誘発、思春期以後は消失 熱性痙攣:1~2分の全身の強直性間代性痙攣 6か月~4歳、大部分は学童期までに自然消失 熱の上がり始め、発作は20分以内、年4回以下 強く泣いた後の痙攣発作:泣き入りひきつけ 新生児の髄膜炎:大腸菌、B連 第4脳室に好発の腫瘍:髄芽腫、上衣腫 神経芽細胞腫:尿中VMA↑↑、血中NSE↑ 境界不明瞭、石灰化像、正中を越える 縦隔原発のものは予後良好 神経芽細胞腫の転移先:骨髄、肝、眼窩が多い Ⅳs期:肝・皮下・骨錐への転移 Wilms腫瘍(腎芽腫):弾性硬、境界明瞭、表面平滑 被膜を持つので摘除可能、低年齢で予後良好 放射線の感受性高い、特異的マーカーなし 肝芽腫:AFP↑↑、化学+手術、放射線の感受性低い 選択緘黙:家族以外と会話を拒否、心理的要因 ビンクリスチン:他剤併用で多種類の悪性腫瘍に使用 アクチノマイシンD:Wilms腫瘍 アントラサイクリン:AML シクロフォスファミド:神経芽細胞腫、悪リン、CLL Cheyne-Stokes呼吸:呼吸中枢の障害(皮質下、間脳) 高齢者睡眠時、Pickwick,脳のO2欠乏時 Biot:延髄障害、上のより周期が短く不規則な呼吸 髄膜炎の末期 【P 産科】 尿中hCG:4週から上昇、10週頃に最高値、 25~50IU/lで妊娠陽性、流産で↓、胞状奇胎で↑↑ 尿中hCGを測定:胞状奇胎、子宮外妊娠、 切迫流産の予後推測 妊娠末期:尿中E3、血中CAP、hPLが上昇 卵子:第1分裂前期複糸期で休止、 精子侵入により第2分裂開始 原始生殖細胞:仙骨部、後腹膜、縦隔、松果体に迷入 原始卵胞:一層の扁平な顆粒膜細胞 胞胚が透明帯から脱出し、内側の細胞塊が 子宮内膜に接着して着床 LHサージにより減数分裂、生殖器系は中杯葉由来 卵膜=脱落膜(母体由来)、絨毛膜、羊膜 初期羊水は皮膚から作られる、羊水はアルカリ性 1500未満が極、1000未満が超 先体反応により透明帯反応が起きて透明帯を 通過可能になる 初期の卵胞発育はFSHに依存しない 排卵時期:LHサージの16~24時間後 受精卵は分泌期内膜に着床 心拍数は10~11週が170~180で最大 Arantius管(静脈管):臍静脈→下大静脈のシャント 絨毛間腔は母体血が充満 プロゲの作用で高体温・牽糸性↓ DHA-S:エストリオールの前駆物質、頸管の熟化作用 妊婦尿中エストリオール:胎児副腎・肝・胎盤が関係 妊娠中の栄養:低カロリー・高蛋白、 妊娠末期の付加エネルギーは500kcal 妊婦の体重増加は8kg以上 妊娠末期の子宮は1000g、容量5L、胎盤は500g 妊娠中の正常頸管長:30週未満で40mm、 32~40週で25~32mmと短縮、早産の指標 鶏→鷲→手拳→新生児頭→児頭→大人 (1~6ヶ月の子宮の大きさ) 妊娠時は風疹ワクチン投与は禁忌→心奇形、 白内障、難聴を起こす 妊娠前から葉酸を多めに摂っておく、 プロゲとエストロは7週目まで黄体で産生、 その後は胎盤で産生される ヒト胎盤性ラクトゲンhPL:胎盤で産生、児に グルコースを送るために母体への抗インスリン作用 母体の栄養補給のための脂質分解作用 胎盤重量と値が相関、胎盤機能評価に利用 エストロ:乳汁分泌の準備・妊娠中の乳汁分泌抑制 妊娠末期に頸管熟化を促して分娩準備 プロゲ:妊娠維持、妊娠中の排卵抑制、乳汁 高エストロで乳腺レベルのPRLの感受性は低下 PRL:妊娠末期でピーク、産後減少し授乳で復活 E3合成に胎児の機能が必要→尿中濃度で胎児評価 胎嚢(GS):週数ー4cm、5~8週まで 頭殿長CRL:週数ー7cm 8~11週 在胎週数:妊娠初期の頭殿長で計測 児頭大横径BPD:週数÷4、12~15週 恥骨結合上縁~子宮底の長さ:妊娠月数×3+3 子宮底長:33cm以上で巨大児→肩甲難産のリスク 胎児心拍数陣痛図CTG:胎動と子宮収縮圧を計測 ノンストレステストNST:胎動、胎児心拍、陣痛の 経時的記録 40分間記録する、20bpm以上の 一過性頻脈が20分間に2回以上でreactive 一過性頻脈:自律神経系の正常反応、胎児状態良好 早発一過性徐脈:頭部圧迫による迷走の正常反応 遅発一過性徐脈:胎盤の機能不全、児の低酸素状態 変動一過性徐脈:羊水過小による臍帯圧迫 サイヌソイダルパターン:基線が規則正しい正弦波 先天性心疾患、胎児貧血、低酸素状態など 正常脈:110~160bpm、100以下なら徐脈 コントラクションストレステストCST: 胎児胎盤機能不全が疑われる時に行う オキシトシンによる子宮収縮でCO負荷 胎児に心拍数低下があれば反応陽性 Biophisical profile scoring:胎児well-beingの評価 呼吸、胎動、筋緊張、羊水量、NST、各2点ずつ 肺胞サーファクタントは30週ごろから作られる 30週未満の分娩では母体にステロイド投与(肺成熟) L/S比:レジチン/スフィンゴミエリン、 肺の成熟度をみる、L/S比2以上は肺成熟 マイクロバブルテスト陽性=肺は成熟 マイクロバブルテスト:胃液を使う、泡の数 妊娠悪阻:妊娠初期を過ぎてもつわり症状が増悪 全妊娠の1~2%、ストレス、脱水、飢餓状態、 →Wernicke脳症の予防にvitB1を十分補給する 胎児死亡:羊水流出→フィブリノゲン低下、出血傾向 稽留流産:無症状、尿hcG低値 3回連続で習慣流産 妊娠12週以降の死児:死産、それ未満は早期流産 妊娠の15%が自然流産、高齢になると上昇 早産は全体の6~7% 早産の指標:頸管粘液中顆粒球エラスターゼ↑、 胎児性フィブロネクチン↑ 切迫早産:多くは絨毛膜羊膜炎が原因 絨毛膜羊膜炎CAM:上行感染→炎症によるPGが 子宮収縮、好中球が卵膜コラーゲン分解→早産 呼吸促迫症候群に対しステロイド経口→肺成熟 ウリナスタチン:頸管熟化を抑制、破水を予防 切迫流産:下腹痛は軽・欠如⇔進行流産は陣痛様激痛 人工妊娠中絶の合併症:付属物遺残で持続性器出血、 子宮内感染、子宮外妊娠の見過ごし Arias-Stella反応:子宮外妊娠により子宮内膜の 腺細胞の膨化、巨核球の存在、細胞境界不明など 流産、奇胎でも認める 子宮頚管妊娠→内診で雪ダルマ状に肥大した頸部 メソトレキセート:絨毛性疾患(絨毛癌、侵入奇胎、 胞状奇胎)、子宮外妊娠の治療 受精卵の絨毛増殖を選択的に抑制 過期産:爪が長い、羊水少量、胎盤機能低下 妊娠高血圧PIH 20週以降~分娩後12週まで 収縮160以上or 拡張110以上で重症型 重症化で肺水腫、脳出血、常位胎盤早期剥離、HELLP 妊娠中の降圧薬:塩酸ヒドララジン、メチルドパ HELLP:妊娠高血圧の重症型、妊娠中期以降発症 溶血、肝酵素上昇、 血小板減少 (hemolysis, elevated liver enzyme, low platelets)、 HELLPでは最初に肝酵素が上昇 子癇:妊娠高血圧から続発、20週以降初めて痙攣発作 光や大きな音が発症誘因、←硫酸Mgで治療 常位胎盤早期剥離:板状硬+圧痛、外出血は少ない DIC・ショックがあれば先に治療、産科DICで最多 CTGで子宮収縮の持続を確認、さざ波状、 前置胎盤:無痛性の多量出血、出血は陣痛発作時 多産婦ほど高率に発症、子宮内膜の荒廃が原因 胎盤上方移動placental migrationを考慮する →妊娠中期以降まで診断ができない 羊水量:<100mlで過少、>800mlで過多 羊水過少により肺低形成、関節拘縮 約半数は前期破水による Potter症候群:胎児両側腎無形成による羊水過少 羊水過多:特発性が60%、産生過剰か吸収低下 羊水検査:高齢妊娠で適応、16~18週 10~20ml採取 AFP値を計測→無脳児、二分脊椎で上昇 妊娠中に安静が必要: 早産をおこす:切迫早産、PROM、多胎、前置胎盤 胎盤血流を増やしたい:妊娠高血圧、IUGR 双胎間輸血症候群TTTS:一絨毛膜性のものでリスク 受血児:羊水過多、過粘稠、心肥大、皮下浮腫 供血児:羊水過小、貧血、栄養障害、発育遅延 不均衡型IUGR:異栄養、腹囲のみ↓ Small for dates:低血糖、低Ca、多血症、 高ビリルビン症になりやすい Light-for-dateは肝のグリコーゲン蓄積不足で低血糖 出生児がRh(+):分娩後72時間以内に 母体へ抗D人免疫グロブリン投与 間接Coombs陽性:血清中の抗D抗体の存在 直接Coombs:血球に付着した抗D抗体の存在 初回感作時はIgM産生で胎盤を通れないから大丈夫 胎児の溶血具合は羊水中ビリ様物質の量を測定 光線療法は470~620nmの緑色光 胎児水腫:皮下、胸腹水、心嚢液、羊水過多を伴う 非免疫性が多い、血液型不適合で免疫型 羊水ΔOD450で溶血の程度を検査 インドメタシン:強力な子宮収縮抑制作用があるが 胎児動脈管収縮作用があるため使用不可 子宮収縮抑制薬として塩酸リトドリンが第一 分娩開始前:前期破水⇔子宮口全開大前:早期破水 子宮口全開大で適時破水、 骨盤位は早期破水が多い 早期破水例:抗菌薬投与、骨盤を高位、モニタリング 破水検査:Αーフェトプロテイン、羊歯状結晶 胎芽病:妊娠8週までの病毒・化学物質の作用 風疹、サリドマイド、放射線被曝など 子宮筋腫合併妊娠:妊娠中に増大・縮小どちらもあり 流・早産、産道通過障害の原因、保存的に治療 頸癌合併:Ib以上で妊娠初期なら母体優先 卵巣腫瘍合併:茎捻転が問題、嚢胞性の10cm以上、 充実性の5cm以上は16~20週以降に摘出術 ITP→プレドニンとγーグロブリン(大量)で治療 児の頭蓋内出血を避けるため吸引・鉗子分娩は不可 SLE:Ccr≧70ml/分以上、長期寛解の状態で妊娠可能、 妊娠前半、分娩前後で増悪することがある ステロイド、低用量アスピリンで治療 新生児ループス:完全房室ブロック(非可逆性)、 汎血球減少・皮疹←移行抗体消失で改善 Basedow合併:児の甲状↑でIUGR、流早産 hCGはTSH様作用を持つから妊娠初期に悪化 産褥期に免疫抑制がとれてまた悪化 妊娠授乳中は血糖降下薬投与禁忌→児の低Ca血症 インスリンは胎盤通過しない 血糖目標:食前100以下、食後2時間120以下 先天性HIV:抗HIV薬ジドブジン(ZDV)の 6週間継続投与、HIVの20~30%で垂直感染 妊娠中も抗てんかん薬を継続投与 TORCH:トキソプラズマ、梅毒、CMV、風疹 単純ヘルペス :外陰部潰瘍から産道感染、脳炎 先天性風疹症候群CRS:白内障、心奇形、難聴が三徴 胎児性ワーファリン症候群:催奇形因子、 鼻梁低形成、脳梁欠損、骨端形成異常 喫煙:流早産、常位胎盤早期剥離のリスク 新生児脳室内出血:未熟児に多い、脳室上衣下、 低酸素、循環不全が原因、診断に頭部超音波 胎児発育停止→分娩誘導 第1胎向が2/3、第2だと肝臓と下大静脈が邪魔 回旋:第2回旋時の児頭後頭部が前方か後方か 胎勢:胎児の姿勢、下顎が胸壁に接しているか、 屈位が正常 ⇔ 前頭位、額位、顔位 第○ ○方 ○位 Leopold法:7か月以降で行う、 子宮底→側面→下行部→下降度 第4段で児頭の浮動の有無がわかる 陣痛周期が10分、一時間に6回以上で分娩開始 SPは棘間線上から上方か下方か SP-2~0で児頭最大通過面が骨盤入口部を通過=固定 排臨:SP+5ほど、間欠時に隠れる ⇔ 発露 児頭の固定:骨盤入口部、SP-5 入口部は横長、峡部は縦長 ビショップ:頸管展退度、児頭下降度、腟部硬度、 開大度、腟部位置、13点満点 分娩誘発の条件、 9で成熟、 4で未成熟 新生児の頭:頭部大斜径が13cmで最長 前後径=肩幅=11cm、大横径=小斜径=殿幅=9cm メトロイリーゼ:子宮拡張器、水風船みたいなもの ラミナリア桿:子宮頸管に留置して熟化を促す 子宮下部のFrankenhauser神経叢が児頭で 刺激されて陣痛が増強、CPDがあると微弱陣痛 プロスタ:子宮収縮促進+子宮頸管熟化作用 DHEAS:頸管熟化、オキシトシン感受性↑、 試験分娩:CPDの境界例、帝王切開既往、心疾患など 鉗子・吸引の適応:子宮口全開大、破水後、SP+2以下 CPD:産科的真結合線-児頭大横径が1cm未満 Seitz法(+)で児頭>恥骨結合、CPDの可能性大 大泉門先進:第1回旋の異常、短頭形となる 高在縦定位:骨盤入口部で縦向きのまま停止、 2時間以上停止で帝王切開を考慮 低在横定位:骨盤闊部で第2回旋の起こらない状態で 児頭が峡部に達して矢状縫合が骨盤横径に一致 側臥位にて経過観察、駄目なら吸引分娩 鉗子分娩をすると顔面損傷の危険が高い 後方後頭位:第2回旋が逆向き、第3回旋時に 児頭が恥骨に引っかかる、吸引・鉗子分娩 分娩第2期で頭蓋骨の骨重積が起こる 骨盤位:単殿位が最多、7か月時30%→3~4%まで低下 臍輪娩出までは児の娩出を急がない 30~35週:胸膝位・側臥位で胎位矯正 35週を過ぎたら外回転術 児呼吸が不穏ならば背部を刺激 臍帯の血管周囲のWharton膠質が血管を保護 羊水過少により過短臍帯(25cm以下)、正常は50cm 胎児機能不全(胎児ジストレス):子宮内で呼吸、 循環機能が障害→高度徐脈、遅発一過性、 高度変動一過性、基線細変動の消失 RI(resistance index)低下=胎児が低O2の時、代償で 脳動脈の血流増加を示す 血流再配分:脳・心・副腎は保たれる 子宮破裂は腹腔内・後腹膜腔への内出血が主 Bandl収縮輪:臍高まで達する子宮収縮輪 正常では収縮輪は腹壁上から観察できない 頸管裂傷:全分娩の1%で発生、3時と9時方向 分娩後に子宮収縮良好なら産道裂傷による出血 子宮内反:第2期まで正常、腹痛、臍帯の牽引後 などに生じる→全麻下で用手的修復、駄目なら開腹 制服に成功した後は子宮収縮促進薬 腹膜牽引による激痛で神経原性ショックがあり得る 弛緩出血に対して子宮底輪状マッサージで収縮を促す 早期産褥出血500ml以上で異常 羊水塞栓症:分娩誘発時、破水直後、死亡率60~80% 肺サーファクタント、組織因子の血管内流入による DICを起こす←ヘパリン、凍結血漿、血小板など 産瘤:皮膚と帽状腱膜の間、圧迫による浸出液の貯留 頭血腫=骨膜下血腫、骨縫合を越えない、黄疸が増強 帽状腱膜下血腫:骨縫合を越える、骨膜間出血、 輸血による治療 子宮底:分娩直後は臍下6cm、12時間後で臍の位置 産褥1~3日目でそれぞれ臍下1~3横指 産褥一ヶ月で子宮の復古が終了、尿路系の復古は遅い 帝王切開後の産褥期:子宮復古不全、悪露滞留症 授乳婦は産褥性無月経が3~4ヶ月、 吸引刺激によるPRLの卵巣機能抑制効果 鬱滞性乳腺炎:産褥期2~4日から、初産婦、乳管に 一致した腫大・発赤、発熱は軽度、積極的に哺乳 急性化膿性乳腺炎:上のに続発、高熱、授乳中止、 膿瘍形成あれば穿刺、切開排膿 血栓塞栓症:産褥期が最多、妊娠でリスク5倍 産褥熱:産道損傷からの感染で10日目までに発熱 アンピシリン・クリンダマイシンの併用で治療 【Q 婦人科】 プロゲとエストロ:子宮・膣に対しては互いに拮抗 乳腺に対しては互いに協調 莢膜細胞でLHの作用でコレステからアンドロに変換 顆粒膜細胞でFSHの作用でアロマターゼが活性化、 アンドロからエストロに変換する 排卵後に少量の腹水貯留 排卵に一致した下腹痛・中間期出血・水様性帯下 初経1~2年はLH surgeなし 子宮内膜:基底層-海綿層-緻密層 海綿+緻密が機能層 子宮内膜日付診;月経周期と子宮内膜の関係を見る 高温期(黄体期)に行う エストロ作用で増殖期、エストロ+プロゲで分泌期 増殖期=卵胞期、分泌期=黄体期、 黄体の持続期間は2週間、黄体期~卵胞期が月経期 増殖期:螺旋動脈侵入で機能層の増殖・肥厚 ドーナツ状腺管構造、核の偽重層化、間質浮腫 分泌期の内膜腺上皮細胞にグリコ蓄積による核下空胞 腺管の屈曲、蛇行 エストロによる頸管粘液変化で精子は侵入しやすい 頸管粘液:量・透明度・牽引性・結晶形成は 排卵期がピーク、排卵が近いとさらっとした粘液 原発性視床下部性無月経:Kallmann、Frohlich、 Laurence-Moon-Biedl症候群 続発性視床下部性無月経:Chiari-Frommel、 食思不振、体重減少性、視床下部機能障害 Asherman症候群:子宮内掻爬による腔内の 癒着のために無月経 Sheehan症候群:前葉の壊死、体重↓、トルコ鞍空胞 無月経・更年期症状に対してKaufmann療法、 挙児希望にはゴナドトロピンによる排卵誘発 Chiari-Frommel症候群:分娩後視床下部障害で 高プロラクチン、低ゴナドトロピン、 乳汁漏出性無月経症 Kallmann症候群:嗅覚脱失+性腺機能低下 神経性食思不振:精神的因子の作用でゴナド分泌不全 →LH,FSHは低下、LH-RHテストは正常 ゲスターゲン:プロゲ作用を持つ合成物の総称 ゲスターゲン検査:1度無月経なら消退出血あり Kaufmann療法:プロゲ+エストロ投与での 第2度無月経の治療 GnRH負荷試験:卵巣性なら過剰反応、 PCOSならLHのみ過剰反応 排卵周期は20~25歳で確立 →機能性月経困難症もこの辺が好発年齢 PRL:夜間に高く日中低い ブロモクリプチン:ドパミン様作用によりPRL分泌↓ 多嚢胞性卵巣症候群PCOS:月経異常、LH↑FSH→ エコーでネックレスサイン、テストステロン高値 患者の多くは初経時より月経不順の症状、 エストロ高値のためゲスターゲンで消退出血 →一度無月経治療はクロミフェンが第一 無効例にはゴナド療法(多胎妊娠の発生率高い) 排卵誘発により黄体機能改善 腹腔鏡下にて卵巣焼灼、卵巣楔状切除術 アンドロゲン過剰→尿中17-KS↑ クロミフェン:抗エストロ作用(視床下部の受容体に 拮抗)によりGnRH分泌↑、不妊症の治療 排卵させても抗エストロ作用で頸管粘液は増えない hMG:ヒト閉経期ゴナドトロピン→FSH様作用、 卵胞発育促進 ⇔ hCGはLH様作用 無排卵周期症:低温一相性、月経周期は不順 頻発月経:未熟な卵胞が排卵なしに退縮することで エストロが急速に低下→増殖期の後すぐ消退出血 希発月経:卵胞がエストロを分泌し続ける 螺旋動脈の増生が追い付かずに破綻出血 ⇔ホルモン低下で螺旋動脈を維持できなくて消退出血 黄体機能不全:黄体期短縮、内膜の分泌期変化(-) 黄体期血中プロゲが10未満、高温相が10日以内 黄体からの分泌不全による←プロゲの補充、 黄体期にhCG投与で刺激、クロミフェンで誘発 機能性子宮出血:不正出血の30%、思春期と更年期 内分泌異常による子宮内膜からの不正出血の総称 止血・内膜安定化を目的にゲスターゲンor エストロ・プロゲ合剤投与(Kaufmann) 月経:20~140ml、3~7日間が正常、月経血は非凝固性 Muller管:卵管・子宮・膣の上2/3 Wolff管:精巣上体、精管、精嚢、射精管 Rokitansky-Kuster-Hauser症候群:Muller管の異常 →腟欠損と痕跡状子宮、卵巣機能は正常 セルトリからミュラー管退縮物質が放出 ライディッヒからテスト分泌でWolff管発達 先天性副腎皮質過形成:21-水酸化酵素欠損が80% 下1桁が1:男性化,デオキシエピアンドロステロン↑ 10の位が1:高血圧、Na↑、K↓、 デオキシコルチコステロン↑ 精巣性女性化:アンドロゲン受容体異常 Muller管は退縮しているがWolff管も未発達 Turner:エストロ分泌(-)のためgrowth spurtがない Kaufmannで月経は発来、その前にGH投与 膣自浄作用:エストロが膣上皮を肥厚化、 プロゲがグリコーゲン生成して乳酸菌 性成熟期の円柱上皮が赤く見えて偽性びらん 淋菌:2~数日、頚部粘膜の円柱上皮に付着して増殖 膿性の帯下、強い炎症 クラミジア:2~3週間、自覚症状はほとんどなし 細胞内に侵入するので免疫反応起きにくい →放置されやすく不妊をきたしやすい Fitz-Hugh-Curtis症候群:クラミジアの肝周囲炎 骨盤内炎症性疾患PID:淋菌、クラミジアによる 性器ヘルペス:核内封入体、左右対称性の浅い潰瘍、 性交後3~7日で発症、有痛性びらん、HSV-2型 多発性小水疱(kissing ulcer) アシクロビル外用 性器カンジダ:白色帯下増加、発赤、悪臭、常在菌、 妊娠後期にも好発、ヨーグルト(酒粕)様帯下、 糖尿病、抗菌薬でも発症、イミダゾール 尖圭コンジローマ:とさか状、抗腫瘍薬外用が有効、 性交後3週~8ヶ月、HPV6,11⇔頚癌は16,18,31,33 トリコモナス:悪臭のある黄~淡灰色の泡沫状帯下、 膣壁の発赤、メトロニダゾール、チニダゾール投与 OHSS:卵巣過剰刺激症候群、多胎妊娠により重症化 エストロゲン↑により血管透過性亢進 →尿量減少、K↑、Alb↓、Na↓ 血液濃縮による凝固亢進、白血球↑ 症状があれば輸液による治療、その後利尿薬 ドパミン投与で循環血液量の維持→腎血流の増加 経口避妊薬:FSH・LH分泌を抑制→排卵の抑制 子宮内膜の増殖抑制、頸管粘液の粘稠度上昇 良性乳房疾患発生率↓、子宮体癌・卵巣癌発生率↓、 子宮内膜症症状緩和、月経困難症改善 子宮頸癌発生率↑、脳卒中・血栓症↑ 高エストロが誘発する疾患を抑制する効果 委縮性腟炎:閉経後、卵巣摘出後の低エストロによる 子宮脱:基靭帯と恥骨頚部筋膜の弛緩、高齢の多産婦 排尿・排便困難、帯下の増加と出血 子宮全摘、Manchester手術、Le Fort手術 子宮下垂:腟部最下端が両側坐骨棘を越えた状態 子宮癌は30代、乳癌は40代で最多 子宮内膜症:20~40歳、ダグラス窩病変、CA125↑ 卵巣チョコレート嚢胞、腹膜blueberry spot 月経痛、不妊、LH-RHアナログ療法で低エストロ にして治療 、副作用で更年期様症状、骨量減少 卵巣チョコレート嚢胞が卵巣癌発生と関連 ダナゾール療法:テストステロン誘導体、 低エストロにする、副作用を抑えるため低用量長期 CA125:卵巣癌・肺癌・子宮内膜症で上昇 子宮腺筋症:CA125↑、子宮壁の肥厚と正常内膜像、 子宮内膜組織が子宮筋層内に直接浸潤 境界不明瞭、出血性嚢胞の高信号病変が混在する Douglas窩から直腸に病変があると子宮周囲癒着 子宮内膜症よりも月経痛が強い 子宮筋腫:30~40代、充実性、境界明瞭、 平滑筋から発生、血行性転移、紡錐形の悪性細胞 大半は無症状、症状あれば筋腫存在部位が推定可能 MRIはT2で低信号、血流に乏しい GnRHアゴニスト投与による偽閉経療法を行う 頸癌:SCJの円柱上皮側より発生、95%が扁平上皮癌 正常⇔異形上皮→上皮内癌→浸潤癌 異形上皮までは自然治癒あり 細胞診でクラスⅢa以上で直ちに狙い組織診 コルポスコピー:子宮頸部の拡大鏡診 酢酸加工:表層部の異形細胞が白色になる HPV:白色乳頭状隆起、核周囲が明るい、空胞 (コイロサイトーシス) 子宮頚部上皮内癌CIS:傍基底細胞(予備細胞)の 核異常、0期、円錐切除で確定診断、単純子宮全摘 頸部上皮内癌:モザイク、赤色斑、異型血管 細胞診でclassⅣ、傍基底・基底細胞型悪性腫瘍 子宮頚部腺癌:頸癌の5%、帯下の増量が見られる 子宮体癌:肥満、不妊、未産婦、40~60代 進行で血性・膿性癌滲出液→子宮留膿腫 無排卵周期症、PCOSの既往でも生じる T2で内膜より低信号、筋層より高信号 内膜異型増殖症からの続発とde novo発生の2タイプ 子宮肉腫:平滑筋肉腫、紡錐形の悪性細胞 閉経後に増大する、特異的腫瘍マーカーなし 表層上皮性・間質性腫瘍:漿液性、粘液性、類内膜、 明細胞、 性索間質性腫瘍:莢膜細胞腫、顆粒膜細胞腫 セルトリ、ライディッヒ細胞腫 胚細胞腫瘍:奇形腫、カルチノイド、卵黄嚢種 漿液性嚢胞腺癌:卵管上皮に類似した腫瘍細胞、 腫瘍細胞が乳頭状に増殖、壊死・石灰化を反映する 砂粒小体(サモマ・ボディ)を伴う、CA125↑ 多房性~充実性の腫瘤、嚢胞壁の肥厚 腫瘤は10cm以下、手術療法と術後化学療法 卵巣粘液性腺癌:アルシアンブルー染色陽性、 子宮頸管腺に類似した腫瘍細胞、腫瘤が大きい 漿液性より予後が良い、緩徐、単房性~多房性 CA19-9↑、CEA↑、化学療法が効きにくい 明細胞腺癌:多房性腫瘤、大型の明るい細胞を持つ 妊娠子宮内膜に類似する腫瘍細胞、日本で増加中 乳頭状充実部分を認める多房性嚢胞腫瘤 hobnail pattern、化学療法無効 類内膜腺癌:子宮内膜に類似、腫瘍細胞同士が接して back to back配列、篩状構造cribriform 明細胞・類内膜は子宮内膜症が前癌病変 顆粒膜細胞腫・莢膜細胞腫:エストロ↑、閉経前後 片側・充実性、境界悪性 、性索間質より発生 子宮内膜増殖症:エストロ分泌腫瘍に合併しやすい →顆粒膜・莢膜細胞腫 Sertoli・間質細胞腫瘍:20代女性、アンドロ産生 成熟膿胞性奇形腫:3胚葉成分を含む、CA19-9↑ 35歳以上で1~2%で悪性転化、腫瘍核出術 Meigs症候群:良性卵巣腫瘍+腹水・胸水、 腫瘍摘出後に消退する 胞状奇胎:点状高輝度エコー、snow flake pattern 強い悪阻、不正性器出血、子宮の速やかな増大 東洋人、血行性、加齢、雄性発生46XX、 合胞細胞からhCG放出、卵巣黄体嚢胞形成 性器出血+つわり症状 部分胞状奇胎:絨毛の一部が嚢胞化、胎児成分あり 侵入胞状奇胎:子宮筋層内に侵入、絨毛形態、 早期に血行転移、肺転移が多い、 先行妊娠が胞状奇胎の人、メトトレキセート 抗腫瘍薬単剤投与が著効 絨毛癌:先行妊娠の60%が胞状奇胎、血流が豊富 早い時期から血行感染、hCG 雄性発生:ゲノム欠損卵に1,2個の精子が受精 黄体嚢胞:絨毛からのゴナドの刺激で卵巣が腫大 無痛性、12週以降自然消退することが多い 卵巣腫瘍との鑑別が大事 膣嚢腫:胎生期Gartner管の遺残から発生 濾胞性で表面平滑(良性)⇔充実性で表面不整(悪性) 膣上皮は角化しているとパパニコロウでオレンジ色、 酸性、表層ほど細胞が大きい ⇔閉経期は好塩基性の青色の深層の細胞 性交痛:子宮内膜症、老人性腟炎、慢性頸管炎など 低エストロゲンによる膣の狭小化、膣上皮の菲薄化 接触出血:頚癌、腟部びらん、頸管粘膜ポリープ、 老人性腟炎、トリコモナス腟炎 陣痛様疼痛:進行流産、子宮蓄膿症、粘膜下筋腫、 子宮体癌、処女膜閉鎖(モリミナ) 卵巣出血:黄体期の突然の腹痛と腹腔内出血、圧痛(+) 子宮発育不全→偽妊娠療法 ゲスターゲン (+エストロゲン) hCG値:体重減少で低下、 無排卵が視床下部性か 卵巣性かの鑑別 偽妊娠療法:エストロ・プロゲで内膜を脱落膜化 偽閉経療法:ダナゾール療法:体重増加をきたす LH-RHアナログ療法:開始後に更年期症状 不妊症の30~50%に子宮内膜症を合併 閉経前後の不正出血:子宮体癌の可能性 X線検査は卵胞期のみ、月経直後に行う 子宮体部:充実性、西洋梨状 陣痛様下腹痛:子宮内貯留物を排除する子宮筋の収縮 腟鏡診の後に双合診 腹腔鏡検査の気腹針はモンロー点から 排卵直前の子宮内膜厚は10mm 子宮内部荒廃により前置胎盤、癒着胎盤 2絨毛膜性の双胎では胎盤は別々 Huhnerテスト:子宮頸管因子の一般検査 Rubinテスト:卵管通気検査 乏精子症:2000万/ml以下 卵管炎・頸管炎:クラミジアを疑う 更年期:ゴナドトロピン高値、エストリオール一定 Y染色体あれば男性型外陰 子宮奇形で下部尿路奇形も合併 43歳未満なら早期閉経 抗うつ薬、スルピリド(消化器)→高PRL血症 軟性下疳:ヘモフィルス=インフル菌による Baetholin腺=Cowper腺、尿生殖洞から発生 Skene腺=前立腺 類脱落膜化:非妊娠時の排卵後の機能層の変化 卵巣動脈と子宮動脈上行枝が吻合 尿管は膀胱子宮靭帯の前層・後層の間を貫通
https://w.atwiki.jp/matomemodijital/pages/35.html
【O 小児科】 細胞外液量が多いため生理的体重減少 積み木:2歳で3~4個、3歳で8個 3歳:片足立ち、靴をはく、名前と年齢を言える 自己中心的、反抗的、3輪車、3つ物を数える 新生児は腸内細菌叢が未成熟 =腸内細菌によるVitK産生が不十分 生後6か月までにBCGの接種 不活化ワクチンなら1週間開ければいい 体表面積は3歳で成人の1/3、6歳で1/2 乳歯:6か月頃から萌出→3歳で20本 月齢-6が大体の本数 1ヶ月54cm、3か月60cm、1年75cm、4歳で100cm 体重は生後3ヵ月で2倍 生後2~3か月でHbFの生理的溶血により貧血ぎみ 臍帯脱落:5~7日 生理的黄疸:4~5日 動脈管:15~30時間/10日~2週間 細胞内液量はずっと35% Moro:4ヶ月には消失、パラシュート:8~9か月から 手掌把握反射:6ヶ月には消失 Landau反射:顔を上げると体幹・下肢が伸展 原始歩行:生後~2ヶ月まで 10か月頃から大脳皮質レベルで平衡反応 脊髄レベル:把握、交叉性伸展、自動歩行 脳幹レベル:Moro、哺乳・吸啜、緊張性頸反射 中脳レベル:Landau、パラシュート、頸部立ち直り 乳児:呼吸40、脈拍120、幼児:呼吸30、脈拍100 運動発達は頭に近い所から遠位へ 3歳で3輪車、丸、会話、自分の名前 2~3歳で第1反抗期 Kaup指数:10×体重(g) / 身長2(cm2) 15~18が正常 Rohrer:学童期、110~160 初乳:3~5日、免疫、高ミネラル、蛋白、淡黄色 粘稠、濃厚、アルカリ性、低脂肪 成乳:乳糖(牛<乳)、エネルギー・脂肪(牛=乳) 牛乳の方が蛋白(カゼイン)・リンが多い 総エネルギー・脂質・水分はほぼ同量 哺乳回数:生後2か月は7~8回、以後漸減、15分/回 離乳食は9~11ヶ月で1日3回 5か月・7キロが離乳開始の目安、半固形食 10か月~1年で離乳完了 離乳の遅延で蛋白質・鉄が欠乏 母乳栄養で便が酸性 大泉門:1歳6カ月で閉鎖 SIDSリスク:受動喫煙、人工栄養 Ⅰ歳で頭囲=胸囲 2週~5歳までリンパ球>好中球 VitB1欠乏→脚気(beriberi) 腹膜炎:腹壁反射低下~消失、腸蠕動も低下 小児の熱射病:直腸温38.5℃以下になる様に冷却する たばこ2cm以上食べた時は胃洗浄 第3度熱傷10%以上のときは重症熱傷 生理的体重減少:3~4日で最大 生理的黄疸:2~3日から、4~6日でピーク 臍帯脱落:5~7日 真性メレナ:VitK不足による新生児の消化管出血 仮性メレナ:母体の血液を嚥下することで生じる Apt試験:HbFとHbAを鑑別、真性では陰性 在胎24~29週では全身に産毛 欧米より頻度が高い:先天性胆道拡張症、胆道閉鎖症 高直接ビリルビン血症に光線療法でbronze baby 妊娠高血圧で胎児は低O2から多血→低血糖へ 排尿のしつけ:2~3歳ごろ 胎便吸引症候群MAS:分娩直前の無酸素症、 気胸、胎児循環遷延を合併、 胎児仮死を起こした成熟児で生じる 42週以上が過期産 痙攣→血糖、血清Ca値、Mg値を検査する 呼吸促迫症候群RDS:極低出生体重児、肺透瞭像 マイクロバブルテスト 未熟児網膜症:過剰酸素で血管閉塞→網膜剥離 Ⅰ型糖尿病:HLAと相関、ウイルス先行感染 溶連菌蛋白と心筋に共通抗原、心炎、多関節炎、 伸側皮下結節、舞踏病、輪状紅斑 定期予防接種:麻疹と風疹⇔ムンプスと水痘は任意 IgMは一歳で成人値 幼児肥満→総エネルギー・糖質を制限 蛋白・野菜を増やす 尿量減少時に含K輸液は駄目 最初の24時間:欠乏水分量+100ml/kg/日 大泉門早期閉鎖:Crouzon病、Apert病 閉鎖遅延:くる病、Down、水頭症、甲状腺低下 間接ビが神経障害作用 卵円孔:生後すぐ/数か月~数年 直ビ1.5以上で異常、新生児肝炎 新生児黄疸:閉塞性出血、多血症、敗血症 3~5日から2週間まで、間ビ 母乳中プレグナンジオールが抱合を抑制 間接ビ↑で核黄疸 CRP:12~24時間で上昇 小児の敗血症:無呼吸発作、低体温、発熱 出血斑、黄疸 新生児低血糖:無呼吸、痙攣、振戦、嗜眠 チアノーゼ、異常な泣き声 痙攣は症状が小さい、前駆として易刺激性 低酸素→多血症→低血糖 無呼吸:低体温、頭蓋内主血、感染、低血糖 術直後は保育器湿度を100% 新生児は体重当たりの輸液量は成人より多い 先天性股関節脱臼:男:女=1 5 体の一か所の形状奇形はだいたい多因子遺伝病 Down症に合併:ECD、急性白血病、十二指腸閉鎖 新生児期に一過性異常骨髄造血、 乳児期に急性巨核芽球性白血病(M7)、 小児期に急性リンパ性白血病 Klinefelter症候群で乳癌の頻度大 5%に精神遅延、新生男児の1/1000 Noonan:常優、Turnerに類似した体型、精神遅滞 Apert:常優、尖頭合指症 Prader-Willi:肥満、floppy infant、精神遅滞 (消化管) 遷延性食道閉鎖:C型、出生直後から泡沫状唾液 胃内容物嘔吐→低Cl・低Kアルカローシス 間欠的な不機嫌:腸重積→粘血便 注腸により95%が治療 Hirsch:直腸粘膜生検をAChE染色、壊死性腸炎合併 壊死性腸炎:超低出生で生後10日までに下血で発症 出生児仮死、無呼吸発作、RDS、敗血症が誘因 腸回転異常症:Ladd靭帯切離(Ladd手術) Ladd靭帯による十二指腸圧迫、生後2日以内に 胆汁性嘔吐、嘔吐は十二指腸閉鎖症よりも遅い 左胸部グル音:横隔膜ヘルニア、横隔膜弛緩症 Bochdalekヘルニアで肺の低形成を起こす 嚢胞状リンパ管腫:リンパ嚢の発生異常、頚部・顔面 胎便イレウス:粘稠な便により腸閉塞 腸重積:回腸盲腸型、回腸結腸型が多い、間欠的腹痛 肥厚性幽門狭窄症:4:1で男児に多い、2~3週から 吐いた直後も空腹のためにミルクを欲しがる エコーで確定、粘膜外幽門筋切開:Ramstedt手術 先天性腸閉鎖症:十二指腸のが最多、合併奇形が多い アルカロに対する腎の代償でH再吸収・K排泄 神経芽細胞腫:腫瘍のVIP産生により難治性下痢 遺伝性球状赤血球症でビ結石 肛門周囲膿瘍:大腸菌、バクテロイデスなど 基礎疾患なしのものは乳児期に多い 便性、腸管局所免疫の未熟性による VitK欠乏による下血:生後2~3日ごろ 外鼠径ヘルニア:男児では右に多い (肝) 黄疸遷延、直ビ上昇あれば、胆道閉鎖か新生児肝炎 灰白色便、褐色尿も共通 先天性胆道閉鎖症:2か月以内に手術 術後効果のないものに対しては生体肝移植 糞便中のビが陰性(Schmidt反応陰性) 肝の線維化、細胆管増生が著しい 新生児肝炎:原因不明、ウイルス性ではない 多核巨細胞が多数、線維化や細胆管増生は軽度 十二指腸液検査で胆汁を検出、エコーで胆嚢を確認 対症療法のみで多くは数カ月で自然治癒 リポ蛋白X:胆道閉鎖で(+)、新生児肝炎で(-) 先天性胆道拡張症:腹痛・腫瘤・黄疸が3徴 日本にやたら多い、膵胆管合流異常を高率に合併 女児に多い、脂溶性Vitの吸収↓、嚢胞切除+再建術 直ビ:Dubin-Johnson・Rotor→排泄障害 光線療法やると光分解産物蓄積でブロンズ (心臓) 心電図:右心優位、V1~4の陰性T波、V5,6のQ波 生後7日以降V1Tが陽性のときは右心肥大と考える 新生児持続性肺高血圧症PPHN:胎児期の生理的 肺高血圧が持続、低酸素→代アシ→肺血管抵抗増大 過換気、ドパミン投与により治療、予後不良 未熟性動脈管開存症:プロスタ生合成阻害薬の静注 ECD:goose neck sign、1度房室ブロック、左軸偏位 左室低形成→プロスタグランディンE投与 BAS:バルーン心房中隔裂開術 2歳以下のチアノーゼの90%がTOF DiGeorgeとの合併、多血による脳血栓 VSD:軽症では心電図正常、無症状なら普通の生活 2歳以下の手術で肺高血圧は正常化 雑音が聞こえてくるのは生後3~7日目から 胸骨左縁3・4肋間Erb領域に収縮期逆流性雑音 自然閉鎖は2歳まで、30~50%の例に見られる ASD:右心容量負荷→不完全右脚ブロック、右軸偏位 成人で見られる先天性心疾患では最多 心内膜床欠損症ECD=房室中隔欠損症AVSD 肺動脈弁狭窄→経皮的バルーン肺動脈弁形成術PTPV Fallot:VSDが大きいため左=右室圧、 右室流出路弁下狭窄=漏斗部狭窄による心雑音 合併症:脳血栓、心内膜炎、脳膿瘍 Bland-White-Garland症候群:左冠動脈肺動脈起始症 心筋虚血によるMR、極めてまれ β遮断:プロプラノロール β刺激:イソプロテレノール PDA:末梢にバウンディングパルス 乳児はⅢ音が聞けて普通 立ちくらみは夏に増悪 (代謝) クレチン症:マススクリーニングの中で最多 TSH↑、甲状腺形成異常、黄疸遷延、便秘、嗄声 骨年齢遅延→大腿骨端核が小さい、哺乳不良 コルチゾール過剰によるGH分泌抑制 →体重増加時に一致して身長増加の低下 下垂体線腫によるものがCushing病 下垂体性低身長症では知能低下(-) 副腎:21が最多、男性化、低血糖、嘔吐 コルチ・アルドの合成↓、色素沈着、低Na 高K、 早期から哺乳力低下、17-OHプロゲステロンを測定 思春期早発:手根骨で判定、小児期に急成長する ものは真性=下垂体ゴナドトロピンの過剰 仮性は性ステロイド分泌過剰による 糖原病Ⅰ型:グルコース6フォスファターゼ活性低下 肝型、低身長、肝腫大、低血糖、出血傾向 von Gierke病、グルコース負荷で乳酸値低下 検尿で尿中ケトン体陽性、食事回数を増やす Ⅱ型:Pompe、全身型、巨舌、心肥大、 低血糖は(-) 全身のリソゾームにグリコーゲンが蓄積 ケトン性低血糖症:頻回嘔吐、グルカゴンに無反応 絶食で発作誘発、原因不明、10歳までに自然治癒 アセトン血性嘔吐症=自家中毒症、周期性嘔吐症 ストレス、感染、疲労が誘因、2~10歳まで 血中・尿ケトン体(+)、低血糖(-)、制吐薬と輸液 アセトン血性とケトン性の嘔吐の鑑別の負荷試験 →グルカゴン・インスリンを負荷 単純性甲状腺腫:女性ホルモンの影響、10歳以上 プリン代謝酵素HGPRT 有機酸代謝異常で血中アンモニア濃度高値 Beutler法:ガラクトース血症のスクリーニング VitD欠乏性くる病:P低下、骨端の杯状変形 Laron型低身長症:GHの受容体異常 Turnerの新生児:手足背側のリンパ浮腫、中手骨短縮 糖尿病→糖50%、蛋白20%、脂肪30%の食事 メープル:分枝鎖アミノ酸の代謝異常、 錐体路障害、痙攣、哺乳困難 ムコ多糖症:分解酵素欠損、骨変化が主体、角膜混濁 尿中のものをトルイジンブルー反応で見る ホモシスチン:外見はMarfanと酷似、知能低下(+) メチオニン↑、血栓形成 シスチン尿症:シスチン、オルニチン、リジン、 アルギニン(COLA)の腎再吸収障害 McCune-Albright症候群:卵巣の自律機能亢進 性早熟・多発性骨線維性異形成・カフェオレが3徴 Rubella:風疹→PDA開存、末梢肺動脈狭窄、ASD 猫鳴き:5の短腕欠失、小頭、小顎 XR:Duchenne、Fabry、慢性肉芽腫、 Wiskott-Aldrich、Bruton型無γグロブリン Marfan:フィブリリンの遺伝子異常、常優 青色強膜、高アーチ口蓋、大動脈弁輪拡大 Ehlers-Danlos:コラーゲン・結合織の異常 先天梅毒:早期→鼻閉、Parrot仮性麻痺 (骨軟骨炎による疼痛で動かさない) 晩期:幼児~学童、Hutchinson三徴: 角膜炎・難聴・Hutchinson歯 先天性白皮症:メラノサイトは存在するが メラノソーム生成が障害、ドーパ反応が陰性 Guthrie法:フェニルケトン(塩化第二鉄)、 メープル(尿臭)、ホモシスチン(ニトロプルシド反応) 3つとも~尿症、生後5~7日、哺乳後に実施 フェニルケトン尿症:フェニルアラニン蓄積と チロシン欠乏、赤毛・湿疹・白い肌、 1か月以内に治療しないと知能障害をきたす 楓糖尿症:低イソ・ロイシン・バリン食、VitB1補充 中枢神経障害が残ることが多い Beutler法でガラクトース血症→無乳糖乳を与える Wilson病:Cuの組織への蓄積、セルロプラスミン↓ 尿中Cu↑、13染色体、Descemet膜に沈着 肝細胞壊死によるCu流出により溶血 神経症状・肝硬変・眼輪が3徴 小児期には肝障害のみのことが多い Cu制限、エビ・カニ・キノコ・チョコレート Menkes病:腸管からの吸収障害、kinky hair、 中枢神経障害、血管形成障害、骨異常 低MgによりPTH分泌抑制→テタニーの原因 (腎) AGN:蛋白尿は1か月、血尿は1~3か月で消失 浮腫は軽くて数日で消退する、ASO↑、補体価↓ ペニシリン、降圧利尿薬、蛋白・塩分・水制限 ネフローゼ:分子量の小さいAlb、α1、γが低下 小児の80%が微小変化 、 浮腫・乏尿期以外は水分制限なし 微小変化:2~6歳に好発 先天性水腎症:血・蛋白・膿尿、低比重 半数は自然回復、腎盂尿管移行部の成長により改善 尿路感染:大腸菌、クレブシエラ、幼児期以降は女児 メサ領域の障害で血尿、糸球体障害で蛋白尿 Ⅰ年以上の尿所見異常で慢性腎炎、検尿での発見多い 小児慢性腎盂腎炎:自覚症状が乏しく進行性 早期より尿濃縮力の低下を認める 抗GBM型:線状 ⇔ 免疫複合型:顆粒状沈着 HUS:小児の急性腎不全としては最多、TTPと鑑別 Alport:糸球体基底膜の主成分がⅣ型コラーゲン 慢性腎不全としては腎尿路奇形が最多 出血性膀胱炎:アデノ11,12によるものが多い (免ア) 川崎病:5日以上の発熱、結膜の充血、血小板↑ 口唇・口腔・手足の硬性浮腫、体幹の発疹 リンパ節・BCG部の発赤、9日以降に冠動脈瘤 抗炎症+抗血栓療法、急性期はγグロブリン投与 結膜・皮膚・リンパ節症候群MCLS:川崎病の別名 γ-グロブリン製剤:川崎病急性期の第1選択 若年性関節リウマチJRA:ASO正常、WBC↑から リウマチ熱・SLEと鑑別できる、小児膠原病で最多 サリチル酸系(アスピリン)が第1 ASO上昇:先行溶連菌感染の照明、リウマチ熱 RFの治療:ペニシリン、アスピリン、 心炎を伴う時はステロイド リウマチ熱:5~15歳、移動性多関節炎、心炎、 皮下結節、心内膜炎、輪状紅斑(初期) 弁膜症予防のためにペニシリン予防内服 小児のSLE:症状が非典型的、多彩 成人より合併症が多く、難治例が多い 慢性肉芽腫症CGD:NADPH酸化酵素欠損により 食細胞の殺菌作用の異常、BCGは禁忌 NBT色素還元陽性細胞が著減、NBT試験陰性 カタラーゼ活性陽性細胞を殺菌できない 陰性細胞は菌の出したH2O2で殺菌可能 予防的にST合剤投与により治療 カタラーゼ陽性:黄ブ、陰性桿菌、真菌 自ら産生したH2O2を分解できる Chediak-Higashi:好中球の遊走障害+ 脱顆粒障害(巨大顆粒)、形態異常、貪食は正常 顆粒を持つ全ての細胞に巨大顆粒 メラニン細胞の色素顆粒異常による部分白子 白血球粘着不全症:β2インテグリンの欠損 粘着・遊走・貪食が異常、数は著増する MPO欠損症:無~軽度の易感染性、治療不要 重症複合型免疫不全症SCID:乳児期早期から リンパ幹細胞のT・Bcellの分化異常 著しいリンパ球減少と低γ-グロブリン血症 治療としてHLA適合骨髄移植 Wiskott:易感染性・湿疹・血小板減少が3徴 出血傾向のコントロールに摘脾を実施 毛細血管拡張性失調症=Louis-Bar症候群 進行性小脳失調+眼球結膜と皮膚の毛細血管拡張 +細胞性↓・低グロブリンによる上気道反復感染 常劣、悪性腫瘍(リンパ腫系)合併 先天性無γ-グロブリン血症(Bruton型) B細胞系の異常→6か月以降に症状 DiGeorge:生後1週間以内にテタニーで発症 T細胞系の欠損、心血管異常と顔面異常 Ⅲ型アレルギー:主にIgGによる PHA、ConA:細胞分化誘導物質、T細胞が幼若化 LPS、SACでB細胞が幼若化 Bリンパ球の方が薬剤感受性が高い Henoch:血尿のみの例は予後が良い Rumpel-Leede試験陽性、四肢伸側に対称性紫斑 (血液) 新生児のHb値:15~20g/dl 小児の貧血:Hb 10g、RBC 350万 Diamond-Blackfan貧血:先天性の赤芽球癆 1/3の症例に奇形を合併、ステロイドに良く反応する 寒冷凝集素症:寒冷暴露によりIgM型の寒冷抗体が 補体とともに赤血球に結合→溶血、 寒冷を避ける L1:小細胞性、L2:大細胞性、 L3:表面がB細胞型=Burkittリンパ腫が白血病化 ALL予後不良: 1歳・ 10歳、白血球2万以上 男児 低VitK→突然の消化管出血、頭蓋内出血、 PIVKAⅡ↑、PT時間延長 未熟児貧血:エリスロ分泌不全のものが初期 貯蔵鉄欠乏によるものが後期 ALL再発部位は中枢神経が最多 ALL:Burkitt、縦隔腫瘤・中枢神経浸潤は予後不良 溶血で生じたヘモと血清ハプトグロビンが結合 血友病:一次止血栓は形成されるが、剝がれて血腫 (感染) 犬吠様:声門下喉頭の狭窄→吸気性喘鳴、夜間 百日咳:新生児でも感染する、1~2週の潜伏期 カタル期に飛沫感染、Bordet-Gengou培地 発熱(-)、眼瞼浮腫、マクロライド系 クループ:パラインフル、アデノ、フル菌が原因 舌圧子での咽頭部診察は気道完全閉塞の危険性 呼気性喘鳴:喘息か急性細気管支炎(RSウイルス) 急性~:加湿+O2吸入、輸液 急性細気管支炎:加湿・酸素吸入・輸液で治療 抗生剤・鎮咳剤は無効、6か月前後の乳児に好発 麻疹患者と接触後6日以内に免疫グロブリン投与で 発症を予防できる、麻疹抗体は生後1年まで持続 潜伏期は10日間、胸腺でのT細胞系が抑制される 麻疹は弱毒ワクチン、一歳になったら接種 2相性発熱の後半に発疹、発疹は水疱化しない 顔面・耳後部→体幹→四肢に発疹 解熱後3日間の登校禁止 脳炎:発疹出現後1~8日 ⇔ SSPE:5~10年 Koplik斑:カタル期の終わりごろに見られる 発疹出現後には消退しているが多い 耳後部のリンパ節腫脹→風疹、5~10代前半に好発 発疹期が一番伝染力が強い、発疹と同時に発熱 合併症でITP・関節炎、落屑・色素沈着はない 発疹が消失するまで登校禁止 手足口病:夏から秋、3~5日の潜伏、 発熱と同時に発疹、瘢痕や色素沈着を残さない ヘルパンギーナ:咽頭痛と発熱、口蓋垂付近の水疱 無菌性髄膜炎と脱水に気を付ける 突発性発疹:解熱と同時に紅斑、体幹を中心、 永山斑:発熱1~2日目に軟口蓋に粟粒~米粒の紅斑 合併症で熱性痙攣 顔面から始まり四肢へ広がる皮疹:伝染性紅斑 頬に対称性の蝶形紅班、四肢にレース状網状紅斑 骨髄炎:血行性、外傷、周囲からの波及、 黄ブによるものが最多 ジフテリア:外毒素による心筋障害 TORCH トキソ:脈絡網膜炎が必発 風疹:PDA、PS、難聴、白内障、脳内石灰化なし CMV:間質性肺炎、難聴 梅毒:胎児水腫、鼻閉、仮性麻痺、石灰化(-) Parrot:骨軟骨炎の痛みで四肢を動かさない Ritter病=SSSS 何となく元気がない・哺乳不良→発熱(-)でも 敗血症を疑い、血液培養と抗生物質投与 エピツベルクローゼ:肺門部リンパ節腫脹による びまん性の無気肺、乳幼児の結核に多い ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群SSSS:粘膜症状は稀 乳幼児結核:胸膜炎は少ない、粟粒結核になりやすい 熱→発疹:川崎、麻疹、猩紅熱、突発性発疹 熱と発疹が同時:水痘、風疹、RF、JRA 回虫:幼虫が肺を通過する時に単純性肺好酸球増加症 =Löffler症候群:軽い喘息・息切れ (呼吸器) 新生児の呼吸困難が呼吸窮迫 扁桃摘出:繰り返す急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、 気道閉塞・嚥下障害の原因となっている場合が適応 3歳以下には行わない クループ:喉頭部の狭窄による陥没呼吸と呼吸困難 高音:wheezes、低音:rhonchi 重積発作:ステロイド投与しても24時間以内に 収まらない喘息発作 先天性喘鳴:吸気時に咽頭蓋が嵌入 血管輪:大血管の発生異常により気管圧迫→喘鳴 急性細気管支炎:肺気腫像+小さな無気肺 大葉性肺炎:Kohn小孔を通じて肺葉全体に波及 細菌性肺炎は肺胞性が多いが、百日咳は間質性肺炎 マイコ:発熱と激しい咳、間質性肺炎、WBC正常 喘息:5歳までに80%以上が発症 RDS:呼気性呻吟により肺胞内を陽圧に維持している 網様顆粒状陰影とair bronchogram クラミジア肺炎:無熱性、呼吸困難強い、好酸球↑ Wilson-Mikity:未熟児が生後3~4週間で発症 X線上びまん性の泡沫状・不規則索状気腫状陰影、 両肺野びまん性小円形透瞭像、レース状陰影 呼吸窮迫症候群RDSが先行しない、 出生前感染、生後28日以降も持続 、予後不良 (神経) 脳浮腫から生じる痙攣 痙攣では発熱を伴うかどうかが大事 てんかんを疑う:運動発達遅延、15分以上の熱性痙攣 Brudzinski徴候:頸部前屈で下肢を屈曲 Leigh脳症:嚥下障害で発症する代謝性疾患、 大脳基底核が低吸収となる クロラムフェニコール投与によりgray syndrome ウイルス性髄膜炎:エコー、ムンプス、 コクサッキー、リンパ球↑、糖正常 急性小脳失調症:水痘の皮疹治りかけの7~14日目 非特異的感染の回復期、数日~数週後には自然軽快 Reye症候群:インフルエンザ脳症の中で、肝障害 (脂肪変性とミトコン変性)と脳浮腫を伴うもの 発症にアスピリン投与が関係 SSPE:罹患後6~8年、性格変化、ミオクローヌス、 12歳以下がほとんど、PSD Werdnig-Hoffmann病:下位運動ニューロン障害 脊髄前角の変性、CK正常、生後2~4ヶ月で発症、 MELAS:乳酸・ピルビン酸↑、乳酸アシドーシス West症候群:点頭てんかん、発作は群発、 シリーズ形成、ACTH筋注、VitB6、 ニトラゼパム、クロナゼパム Lennox-Gastaut症候群→slow spike and wave、 2~8歳、多彩な発作、基礎に重症脳障害+ 精神発達遅延、Westから半数が移行 意識消失があれば複雑部分発作(精神運動発作) =側頭葉てんかん、自動症、一過性の幻覚 単純部分発作:焦点発作、体の一部から始まり 全身に広がる=Jackson型、Todd麻痺を残す Todd麻痺:焦点性運動発作後の一過性の運動麻痺 大発作:強直性間代性痙攣、発作後睡眠、光刺激 全般性or焦点性の棘波、予後は良好 小発作=欠神、短時間意識喪失、3ヘルツspike wave 過呼吸により誘発、思春期以後は消失 熱性痙攣:1~2分の全身の強直性間代性痙攣 6か月~4歳、大部分は学童期までに自然消失 熱の上がり始め、発作は20分以内、年4回以下 強く泣いた後の痙攣発作:泣き入りひきつけ 新生児の髄膜炎:大腸菌、B連 第4脳室に好発の腫瘍:髄芽腫、上衣腫 神経芽細胞腫:尿中VMA↑↑、血中NSE↑ 境界不明瞭、石灰化像、正中を越える 縦隔原発のものは予後良好 神経芽細胞腫の転移先:骨髄、肝、眼窩が多い Ⅳs期:肝・皮下・骨錐への転移 Wilms腫瘍(腎芽腫):弾性硬、境界明瞭、表面平滑 被膜を持つので摘除可能、低年齢で予後良好 放射線の感受性高い、特異的マーカーなし 肝芽腫:AFP↑↑、化学+手術、放射線の感受性低い 選択緘黙:家族以外と会話を拒否、心理的要因 ビンクリスチン:他剤併用で多種類の悪性腫瘍に使用 アクチノマイシンD:Wilms腫瘍 アントラサイクリン:AML シクロフォスファミド:神経芽細胞腫、悪リン、CLL Cheyne-Stokes呼吸:呼吸中枢の障害(皮質下、間脳) 高齢者睡眠時、Pickwick,脳のO2欠乏時 Biot:延髄障害、上のより周期が短く不規則な呼吸 髄膜炎の末期 【P 産科】 尿中hCG:4週から上昇、10週頃に最高値、 25~50IU/lで妊娠陽性、流産で↓、胞状奇胎で↑↑ 尿中hCGを測定:胞状奇胎、子宮外妊娠、 切迫流産の予後推測 妊娠末期:尿中E3、血中CAP、hPLが上昇 卵子:第1分裂前期複糸期で休止、 精子侵入により第2分裂開始 原始生殖細胞:仙骨部、後腹膜、縦隔、松果体に迷入 原始卵胞:一層の扁平な顆粒膜細胞 胞胚が透明帯から脱出し、内側の細胞塊が 子宮内膜に接着して着床 LHサージにより減数分裂、生殖器系は中杯葉由来 卵膜=脱落膜(母体由来)、絨毛膜、羊膜 初期羊水は皮膚から作られる、羊水はアルカリ性 1500未満が極、1000未満が超 先体反応により透明帯反応が起きて透明帯を 通過可能になる 初期の卵胞発育はFSHに依存しない 排卵時期:LHサージの16~24時間後 受精卵は分泌期内膜に着床 心拍数は10~11週が170~180で最大 Arantius管(静脈管):臍静脈→下大静脈のシャント 絨毛間腔は母体血が充満 プロゲの作用で高体温・牽糸性↓ DHA-S:エストリオールの前駆物質、頸管の熟化作用 妊婦尿中エストリオール:胎児副腎・肝・胎盤が関係 妊娠中の栄養:低カロリー・高蛋白、 妊娠末期の付加エネルギーは500kcal 妊婦の体重増加は8kg以上 妊娠末期の子宮は1000g、容量5L、胎盤は500g 妊娠中の正常頸管長:30週未満で40mm、 32~40週で25~32mmと短縮、早産の指標 鶏→鷲→手拳→新生児頭→児頭→大人 (1~6ヶ月の子宮の大きさ) 妊娠時は風疹ワクチン投与は禁忌→心奇形、 白内障、難聴を起こす 妊娠前から葉酸を多めに摂っておく、 プロゲとエストロは7週目まで黄体で産生、 その後は胎盤で産生される ヒト胎盤性ラクトゲンhPL:胎盤で産生、児に グルコースを送るために母体への抗インスリン作用 母体の栄養補給のための脂質分解作用 胎盤重量と値が相関、胎盤機能評価に利用 エストロ:乳汁分泌の準備・妊娠中の乳汁分泌抑制 妊娠末期に頸管熟化を促して分娩準備 プロゲ:妊娠維持、妊娠中の排卵抑制、乳汁 高エストロで乳腺レベルのPRLの感受性は低下 PRL:妊娠末期でピーク、産後減少し授乳で復活 E3合成に胎児の機能が必要→尿中濃度で胎児評価 胎嚢(GS):週数ー4cm、5~8週まで 頭殿長CRL:週数ー7cm 8~11週 在胎週数:妊娠初期の頭殿長で計測 児頭大横径BPD:週数÷4、12~15週 恥骨結合上縁~子宮底の長さ:妊娠月数×3+3 子宮底長:33cm以上で巨大児→肩甲難産のリスク 胎児心拍数陣痛図CTG:胎動と子宮収縮圧を計測 ノンストレステストNST:胎動、胎児心拍、陣痛の 経時的記録 40分間記録する、20bpm以上の 一過性頻脈が20分間に2回以上でreactive 一過性頻脈:自律神経系の正常反応、胎児状態良好 早発一過性徐脈:頭部圧迫による迷走の正常反応 遅発一過性徐脈:胎盤の機能不全、児の低酸素状態 変動一過性徐脈:羊水過小による臍帯圧迫 サイヌソイダルパターン:基線が規則正しい正弦波 先天性心疾患、胎児貧血、低酸素状態など 正常脈:110~160bpm、100以下なら徐脈 コントラクションストレステストCST: 胎児胎盤機能不全が疑われる時に行う オキシトシンによる子宮収縮でCO負荷 胎児に心拍数低下があれば反応陽性 Biophisical profile scoring:胎児well-beingの評価 呼吸、胎動、筋緊張、羊水量、NST、各2点ずつ 肺胞サーファクタントは30週ごろから作られる 30週未満の分娩では母体にステロイド投与(肺成熟) L/S比:レジチン/スフィンゴミエリン、 肺の成熟度をみる、L/S比2以上は肺成熟 マイクロバブルテスト陽性=肺は成熟 マイクロバブルテスト:胃液を使う、泡の数 妊娠悪阻:妊娠初期を過ぎてもつわり症状が増悪 全妊娠の1~2%、ストレス、脱水、飢餓状態、 →Wernicke脳症の予防にvitB1を十分補給する 胎児死亡:羊水流出→フィブリノゲン低下、出血傾向 稽留流産:無症状、尿hcG低値 3回連続で習慣流産 妊娠12週以降の死児:死産、それ未満は早期流産 妊娠の15%が自然流産、高齢になると上昇 早産は全体の6~7% 早産の指標:頸管粘液中顆粒球エラスターゼ↑、 胎児性フィブロネクチン↑ 切迫早産:多くは絨毛膜羊膜炎が原因 絨毛膜羊膜炎CAM:上行感染→炎症によるPGが 子宮収縮、好中球が卵膜コラーゲン分解→早産 呼吸促迫症候群に対しステロイド経口→肺成熟 ウリナスタチン:頸管熟化を抑制、破水を予防 切迫流産:下腹痛は軽・欠如⇔進行流産は陣痛様激痛 人工妊娠中絶の合併症:付属物遺残で持続性器出血、 子宮内感染、子宮外妊娠の見過ごし Arias-Stella反応:子宮外妊娠により子宮内膜の 腺細胞の膨化、巨核球の存在、細胞境界不明など 流産、奇胎でも認める 子宮頚管妊娠→内診で雪ダルマ状に肥大した頸部 メソトレキセート:絨毛性疾患(絨毛癌、侵入奇胎、 胞状奇胎)、子宮外妊娠の治療 受精卵の絨毛増殖を選択的に抑制 過期産:爪が長い、羊水少量、胎盤機能低下 妊娠高血圧PIH 20週以降~分娩後12週まで 収縮160以上or 拡張110以上で重症型 重症化で肺水腫、脳出血、常位胎盤早期剥離、HELLP 妊娠中の降圧薬:塩酸ヒドララジン、メチルドパ HELLP:妊娠高血圧の重症型、妊娠中期以降発症 溶血、肝酵素上昇、 血小板減少 (hemolysis, elevated liver enzyme, low platelets)、 HELLPでは最初に肝酵素が上昇 子癇:妊娠高血圧から続発、20週以降初めて痙攣発作 光や大きな音が発症誘因、←硫酸Mgで治療 常位胎盤早期剥離:板状硬+圧痛、外出血は少ない DIC・ショックがあれば先に治療、産科DICで最多 CTGで子宮収縮の持続を確認、さざ波状、 前置胎盤:無痛性の多量出血、出血は陣痛発作時 多産婦ほど高率に発症、子宮内膜の荒廃が原因 胎盤上方移動placental migrationを考慮する →妊娠中期以降まで診断ができない 羊水量:<100mlで過少、>800mlで過多 羊水過少により肺低形成、関節拘縮 約半数は前期破水による Potter症候群:胎児両側腎無形成による羊水過少 羊水過多:特発性が60%、産生過剰か吸収低下 羊水検査:高齢妊娠で適応、16~18週 10~20ml採取 AFP値を計測→無脳児、二分脊椎で上昇 妊娠中に安静が必要: 早産をおこす:切迫早産、PROM、多胎、前置胎盤 胎盤血流を増やしたい:妊娠高血圧、IUGR 双胎間輸血症候群TTTS:一絨毛膜性のものでリスク 受血児:羊水過多、過粘稠、心肥大、皮下浮腫 供血児:羊水過小、貧血、栄養障害、発育遅延 不均衡型IUGR:異栄養、腹囲のみ↓ Small for dates:低血糖、低Ca、多血症、 高ビリルビン症になりやすい Light-for-dateは肝のグリコーゲン蓄積不足で低血糖 出生児がRh(+):分娩後72時間以内に 母体へ抗D人免疫グロブリン投与 間接Coombs陽性:血清中の抗D抗体の存在 直接Coombs:血球に付着した抗D抗体の存在 初回感作時はIgM産生で胎盤を通れないから大丈夫 胎児の溶血具合は羊水中ビリ様物質の量を測定 光線療法は470~620nmの緑色光 胎児水腫:皮下、胸腹水、心嚢液、羊水過多を伴う 非免疫性が多い、血液型不適合で免疫型 羊水ΔOD450で溶血の程度を検査 インドメタシン:強力な子宮収縮抑制作用があるが 胎児動脈管収縮作用があるため使用不可 子宮収縮抑制薬として塩酸リトドリンが第一 分娩開始前:前期破水⇔子宮口全開大前:早期破水 子宮口全開大で適時破水、 骨盤位は早期破水が多い 早期破水例:抗菌薬投与、骨盤を高位、モニタリング 破水検査:Αーフェトプロテイン、羊歯状結晶 胎芽病:妊娠8週までの病毒・化学物質の作用 風疹、サリドマイド、放射線被曝など 子宮筋腫合併妊娠:妊娠中に増大・縮小どちらもあり 流・早産、産道通過障害の原因、保存的に治療 頸癌合併:Ib以上で妊娠初期なら母体優先 卵巣腫瘍合併:茎捻転が問題、嚢胞性の10cm以上、 充実性の5cm以上は16~20週以降に摘出術 ITP→プレドニンとγーグロブリン(大量)で治療 児の頭蓋内出血を避けるため吸引・鉗子分娩は不可 SLE:Ccr≧70ml/分以上、長期寛解の状態で妊娠可能、 妊娠前半、分娩前後で増悪することがある ステロイド、低用量アスピリンで治療 新生児ループス:完全房室ブロック(非可逆性)、 汎血球減少・皮疹←移行抗体消失で改善 Basedow合併:児の甲状↑でIUGR、流早産 hCGはTSH様作用を持つから妊娠初期に悪化 産褥期に免疫抑制がとれてまた悪化 妊娠授乳中は血糖降下薬投与禁忌→児の低Ca血症 インスリンは胎盤通過しない 血糖目標:食前100以下、食後2時間120以下 先天性HIV:抗HIV薬ジドブジン(ZDV)の 6週間継続投与、HIVの20~30%で垂直感染 妊娠中も抗てんかん薬を継続投与 TORCH:トキソプラズマ、梅毒、CMV、風疹 単純ヘルペス :外陰部潰瘍から産道感染、脳炎 先天性風疹症候群CRS:白内障、心奇形、難聴が三徴 胎児性ワーファリン症候群:催奇形因子、 鼻梁低形成、脳梁欠損、骨端形成異常 喫煙:流早産、常位胎盤早期剥離のリスク 新生児脳室内出血:未熟児に多い、脳室上衣下、 低酸素、循環不全が原因、診断に頭部超音波 胎児発育停止→分娩誘導 第1胎向が2/3、第2だと肝臓と下大静脈が邪魔 回旋:第2回旋時の児頭後頭部が前方か後方か 胎勢:胎児の姿勢、下顎が胸壁に接しているか、 屈位が正常 ⇔ 前頭位、額位、顔位 第○ ○方 ○位 Leopold法:7か月以降で行う、 子宮底→側面→下行部→下降度 第4段で児頭の浮動の有無がわかる 陣痛周期が10分、一時間に6回以上で分娩開始 SPは棘間線上から上方か下方か SP-2~0で児頭最大通過面が骨盤入口部を通過=固定 排臨:SP+5ほど、間欠時に隠れる ⇔ 発露 児頭の固定:骨盤入口部、SP-5 入口部は横長、峡部は縦長 ビショップ:頸管展退度、児頭下降度、腟部硬度、 開大度、腟部位置、13点満点 分娩誘発の条件、 9で成熟、 4で未成熟 新生児の頭:頭部大斜径が13cmで最長 前後径=肩幅=11cm、大横径=小斜径=殿幅=9cm メトロイリーゼ:子宮拡張器、水風船みたいなもの ラミナリア桿:子宮頸管に留置して熟化を促す 子宮下部のFrankenhauser神経叢が児頭で 刺激されて陣痛が増強、CPDがあると微弱陣痛 プロスタ:子宮収縮促進+子宮頸管熟化作用 DHEAS:頸管熟化、オキシトシン感受性↑、 試験分娩:CPDの境界例、帝王切開既往、心疾患など 鉗子・吸引の適応:子宮口全開大、破水後、SP+2以下 CPD:産科的真結合線-児頭大横径が1cm未満 Seitz法(+)で児頭>恥骨結合、CPDの可能性大 大泉門先進:第1回旋の異常、短頭形となる 高在縦定位:骨盤入口部で縦向きのまま停止、 2時間以上停止で帝王切開を考慮 低在横定位:骨盤闊部で第2回旋の起こらない状態で 児頭が峡部に達して矢状縫合が骨盤横径に一致 側臥位にて経過観察、駄目なら吸引分娩 鉗子分娩をすると顔面損傷の危険が高い 後方後頭位:第2回旋が逆向き、第3回旋時に 児頭が恥骨に引っかかる、吸引・鉗子分娩 分娩第2期で頭蓋骨の骨重積が起こる 骨盤位:単殿位が最多、7か月時30%→3~4%まで低下 臍輪娩出までは児の娩出を急がない 30~35週:胸膝位・側臥位で胎位矯正 35週を過ぎたら外回転術 児呼吸が不穏ならば背部を刺激 臍帯の血管周囲のWharton膠質が血管を保護 羊水過少により過短臍帯(25cm以下)、正常は50cm 胎児機能不全(胎児ジストレス):子宮内で呼吸、 循環機能が障害→高度徐脈、遅発一過性、 高度変動一過性、基線細変動の消失 RI(resistance index)低下=胎児が低O2の時、代償で 脳動脈の血流増加を示す 血流再配分:脳・心・副腎は保たれる 子宮破裂は腹腔内・後腹膜腔への内出血が主 Bandl収縮輪:臍高まで達する子宮収縮輪 正常では収縮輪は腹壁上から観察できない 頸管裂傷:全分娩の1%で発生、3時と9時方向 分娩後に子宮収縮良好なら産道裂傷による出血 子宮内反:第2期まで正常、腹痛、臍帯の牽引後 などに生じる→全麻下で用手的修復、駄目なら開腹 制服に成功した後は子宮収縮促進薬 腹膜牽引による激痛で神経原性ショックがあり得る 弛緩出血に対して子宮底輪状マッサージで収縮を促す 早期産褥出血500ml以上で異常 羊水塞栓症:分娩誘発時、破水直後、死亡率60~80% 肺サーファクタント、組織因子の血管内流入による DICを起こす←ヘパリン、凍結血漿、血小板など 産瘤:皮膚と帽状腱膜の間、圧迫による浸出液の貯留 頭血腫=骨膜下血腫、骨縫合を越えない、黄疸が増強 帽状腱膜下血腫:骨縫合を越える、骨膜間出血、 輸血による治療 子宮底:分娩直後は臍下6cm、12時間後で臍の位置 産褥1~3日目でそれぞれ臍下1~3横指 産褥一ヶ月で子宮の復古が終了、尿路系の復古は遅い 帝王切開後の産褥期:子宮復古不全、悪露滞留症 授乳婦は産褥性無月経が3~4ヶ月、 吸引刺激によるPRLの卵巣機能抑制効果 鬱滞性乳腺炎:産褥期2~4日から、初産婦、乳管に 一致した腫大・発赤、発熱は軽度、積極的に哺乳 急性化膿性乳腺炎:上のに続発、高熱、授乳中止、 膿瘍形成あれば穿刺、切開排膿 血栓塞栓症:産褥期が最多、妊娠でリスク5倍 産褥熱:産道損傷からの感染で10日目までに発熱 アンピシリン・クリンダマイシンの併用で治療 【Q 婦人科】 プロゲとエストロ:子宮・膣に対しては互いに拮抗 乳腺に対しては互いに協調 莢膜細胞でLHの作用でコレステからアンドロに変換 顆粒膜細胞でFSHの作用でアロマターゼが活性化、 アンドロからエストロに変換する 排卵後に少量の腹水貯留 排卵に一致した下腹痛・中間期出血・水様性帯下 初経1~2年はLH surgeなし 子宮内膜:基底層-海綿層-緻密層 海綿+緻密が機能層 子宮内膜日付診;月経周期と子宮内膜の関係を見る 高温期(黄体期)に行う エストロ作用で増殖期、エストロ+プロゲで分泌期 増殖期=卵胞期、分泌期=黄体期、 黄体の持続期間は2週間、黄体期~卵胞期が月経期 増殖期:螺旋動脈侵入で機能層の増殖・肥厚 ドーナツ状腺管構造、核の偽重層化、間質浮腫 分泌期の内膜腺上皮細胞にグリコ蓄積による核下空胞 腺管の屈曲、蛇行 エストロによる頸管粘液変化で精子は侵入しやすい 頸管粘液:量・透明度・牽引性・結晶形成は 排卵期がピーク、排卵が近いとさらっとした粘液 原発性視床下部性無月経:Kallmann、Frohlich、 Laurence-Moon-Biedl症候群 続発性視床下部性無月経:Chiari-Frommel、 食思不振、体重減少性、視床下部機能障害 Asherman症候群:子宮内掻爬による腔内の 癒着のために無月経 Sheehan症候群:前葉の壊死、体重↓、トルコ鞍空胞 無月経・更年期症状に対してKaufmann療法、 挙児希望にはゴナドトロピンによる排卵誘発 Chiari-Frommel症候群:分娩後視床下部障害で 高プロラクチン、低ゴナドトロピン、 乳汁漏出性無月経症 Kallmann症候群:嗅覚脱失+性腺機能低下 神経性食思不振:精神的因子の作用でゴナド分泌不全 →LH,FSHは低下、LH-RHテストは正常 ゲスターゲン:プロゲ作用を持つ合成物の総称 ゲスターゲン検査:1度無月経なら消退出血あり Kaufmann療法:プロゲ+エストロ投与での 第2度無月経の治療 GnRH負荷試験:卵巣性なら過剰反応、 PCOSならLHのみ過剰反応 排卵周期は20~25歳で確立 →機能性月経困難症もこの辺が好発年齢 PRL:夜間に高く日中低い ブロモクリプチン:ドパミン様作用によりPRL分泌↓ 多嚢胞性卵巣症候群PCOS:月経異常、LH↑FSH→ エコーでネックレスサイン、テストステロン高値 患者の多くは初経時より月経不順の症状、 エストロ高値のためゲスターゲンで消退出血 →一度無月経治療はクロミフェンが第一 無効例にはゴナド療法(多胎妊娠の発生率高い) 排卵誘発により黄体機能改善 腹腔鏡下にて卵巣焼灼、卵巣楔状切除術 アンドロゲン過剰→尿中17-KS↑ クロミフェン:抗エストロ作用(視床下部の受容体に 拮抗)によりGnRH分泌↑、不妊症の治療 排卵させても抗エストロ作用で頸管粘液は増えない hMG:ヒト閉経期ゴナドトロピン→FSH様作用、 卵胞発育促進 ⇔ hCGはLH様作用 無排卵周期症:低温一相性、月経周期は不順 頻発月経:未熟な卵胞が排卵なしに退縮することで エストロが急速に低下→増殖期の後すぐ消退出血 希発月経:卵胞がエストロを分泌し続ける 螺旋動脈の増生が追い付かずに破綻出血 ⇔ホルモン低下で螺旋動脈を維持できなくて消退出血 黄体機能不全:黄体期短縮、内膜の分泌期変化(-) 黄体期血中プロゲが10未満、高温相が10日以内 黄体からの分泌不全による←プロゲの補充、 黄体期にhCG投与で刺激、クロミフェンで誘発 機能性子宮出血:不正出血の30%、思春期と更年期 内分泌異常による子宮内膜からの不正出血の総称 止血・内膜安定化を目的にゲスターゲンor エストロ・プロゲ合剤投与(Kaufmann) 月経:20~140ml、3~7日間が正常、月経血は非凝固性 Muller管:卵管・子宮・膣の上2/3 Wolff管:精巣上体、精管、精嚢、射精管 Rokitansky-Kuster-Hauser症候群:Muller管の異常 →腟欠損と痕跡状子宮、卵巣機能は正常 セルトリからミュラー管退縮物質が放出 ライディッヒからテスト分泌でWolff管発達 先天性副腎皮質過形成:21-水酸化酵素欠損が80% 下1桁が1:男性化,デオキシエピアンドロステロン↑ 10の位が1:高血圧、Na↑、K↓、 デオキシコルチコステロン↑ 精巣性女性化:アンドロゲン受容体異常 Muller管は退縮しているがWolff管も未発達 Turner:エストロ分泌(-)のためgrowth spurtがない Kaufmannで月経は発来、その前にGH投与 膣自浄作用:エストロが膣上皮を肥厚化、 プロゲがグリコーゲン生成して乳酸菌 性成熟期の円柱上皮が赤く見えて偽性びらん 淋菌:2~数日、頚部粘膜の円柱上皮に付着して増殖 膿性の帯下、強い炎症 クラミジア:2~3週間、自覚症状はほとんどなし 細胞内に侵入するので免疫反応起きにくい →放置されやすく不妊をきたしやすい Fitz-Hugh-Curtis症候群:クラミジアの肝周囲炎 骨盤内炎症性疾患PID:淋菌、クラミジアによる 性器ヘルペス:核内封入体、左右対称性の浅い潰瘍、 性交後3~7日で発症、有痛性びらん、HSV-2型 多発性小水疱(kissing ulcer) アシクロビル外用 性器カンジダ:白色帯下増加、発赤、悪臭、常在菌、 妊娠後期にも好発、ヨーグルト(酒粕)様帯下、 糖尿病、抗菌薬でも発症、イミダゾール 尖圭コンジローマ:とさか状、抗腫瘍薬外用が有効、 性交後3週~8ヶ月、HPV6,11⇔頚癌は16,18,31,33 トリコモナス:悪臭のある黄~淡灰色の泡沫状帯下、 膣壁の発赤、メトロニダゾール、チニダゾール投与 OHSS:卵巣過剰刺激症候群、多胎妊娠により重症化 エストロゲン↑により血管透過性亢進 →尿量減少、K↑、Alb↓、Na↓ 血液濃縮による凝固亢進、白血球↑ 症状があれば輸液による治療、その後利尿薬 ドパミン投与で循環血液量の維持→腎血流の増加 経口避妊薬:FSH・LH分泌を抑制→排卵の抑制 子宮内膜の増殖抑制、頸管粘液の粘稠度上昇 良性乳房疾患発生率↓、子宮体癌・卵巣癌発生率↓、 子宮内膜症症状緩和、月経困難症改善 子宮頸癌発生率↑、脳卒中・血栓症↑ 高エストロが誘発する疾患を抑制する効果 委縮性腟炎:閉経後、卵巣摘出後の低エストロによる 子宮脱:基靭帯と恥骨頚部筋膜の弛緩、高齢の多産婦 排尿・排便困難、帯下の増加と出血 子宮全摘、Manchester手術、Le Fort手術 子宮下垂:腟部最下端が両側坐骨棘を越えた状態 子宮癌は30代、乳癌は40代で最多 子宮内膜症:20~40歳、ダグラス窩病変、CA125↑ 卵巣チョコレート嚢胞、腹膜blueberry spot 月経痛、不妊、LH-RHアナログ療法で低エストロ にして治療 、副作用で更年期様症状、骨量減少 卵巣チョコレート嚢胞が卵巣癌発生と関連 ダナゾール療法:テストステロン誘導体、 低エストロにする、副作用を抑えるため低用量長期 CA125:卵巣癌・肺癌・子宮内膜症で上昇 子宮腺筋症:CA125↑、子宮壁の肥厚と正常内膜像、 子宮内膜組織が子宮筋層内に直接浸潤 境界不明瞭、出血性嚢胞の高信号病変が混在する Douglas窩から直腸に病変があると子宮周囲癒着 子宮内膜症よりも月経痛が強い 子宮筋腫:30~40代、充実性、境界明瞭、 平滑筋から発生、血行性転移、紡錐形の悪性細胞 大半は無症状、症状あれば筋腫存在部位が推定可能 MRIはT2で低信号、血流に乏しい GnRHアゴニスト投与による偽閉経療法を行う 頸癌:SCJの円柱上皮側より発生、95%が扁平上皮癌 正常⇔異形上皮→上皮内癌→浸潤癌 異形上皮までは自然治癒あり 細胞診でクラスⅢa以上で直ちに狙い組織診 コルポスコピー:子宮頸部の拡大鏡診 酢酸加工:表層部の異形細胞が白色になる HPV:白色乳頭状隆起、核周囲が明るい、空胞 (コイロサイトーシス) 子宮頚部上皮内癌CIS:傍基底細胞(予備細胞)の 核異常、0期、円錐切除で確定診断、単純子宮全摘 頸部上皮内癌:モザイク、赤色斑、異型血管 細胞診でclassⅣ、傍基底・基底細胞型悪性腫瘍 子宮頚部腺癌:頸癌の5%、帯下の増量が見られる 子宮体癌:肥満、不妊、未産婦、40~60代 進行で血性・膿性癌滲出液→子宮留膿腫 無排卵周期症、PCOSの既往でも生じる T2で内膜より低信号、筋層より高信号 内膜異型増殖症からの続発とde novo発生の2タイプ 子宮肉腫:平滑筋肉腫、紡錐形の悪性細胞 閉経後に増大する、特異的腫瘍マーカーなし 表層上皮性・間質性腫瘍:漿液性、粘液性、類内膜、 明細胞、 性索間質性腫瘍:莢膜細胞腫、顆粒膜細胞腫 セルトリ、ライディッヒ細胞腫 胚細胞腫瘍:奇形腫、カルチノイド、卵黄嚢種 漿液性嚢胞腺癌:卵管上皮に類似した腫瘍細胞、 腫瘍細胞が乳頭状に増殖、壊死・石灰化を反映する 砂粒小体(サモマ・ボディ)を伴う、CA125↑ 多房性~充実性の腫瘤、嚢胞壁の肥厚 腫瘤は10cm以下、手術療法と術後化学療法 卵巣粘液性腺癌:アルシアンブルー染色陽性、 子宮頸管腺に類似した腫瘍細胞、腫瘤が大きい 漿液性より予後が良い、緩徐、単房性~多房性 CA19-9↑、CEA↑、化学療法が効きにくい 明細胞腺癌:多房性腫瘤、大型の明るい細胞を持つ 妊娠子宮内膜に類似する腫瘍細胞、日本で増加中 乳頭状充実部分を認める多房性嚢胞腫瘤 hobnail pattern、化学療法無効 類内膜腺癌:子宮内膜に類似、腫瘍細胞同士が接して back to back配列、篩状構造cribriform 明細胞・類内膜は子宮内膜症が前癌病変 顆粒膜細胞腫・莢膜細胞腫:エストロ↑、閉経前後 片側・充実性、境界悪性 、性索間質より発生 子宮内膜増殖症:エストロ分泌腫瘍に合併しやすい →顆粒膜・莢膜細胞腫 Sertoli・間質細胞腫瘍:20代女性、アンドロ産生 成熟膿胞性奇形腫:3胚葉成分を含む、CA19-9↑ 35歳以上で1~2%で悪性転化、腫瘍核出術 Meigs症候群:良性卵巣腫瘍+腹水・胸水、 腫瘍摘出後に消退する 胞状奇胎:点状高輝度エコー、snow flake pattern 強い悪阻、不正性器出血、子宮の速やかな増大 東洋人、血行性、加齢、雄性発生46XX、 合胞細胞からhCG放出、卵巣黄体嚢胞形成 性器出血+つわり症状 部分胞状奇胎:絨毛の一部が嚢胞化、胎児成分あり 侵入胞状奇胎:子宮筋層内に侵入、絨毛形態、 早期に血行転移、肺転移が多い、 先行妊娠が胞状奇胎の人、メトトレキセート 抗腫瘍薬単剤投与が著効 絨毛癌:先行妊娠の60%が胞状奇胎、血流が豊富 早い時期から血行感染、hCG 雄性発生:ゲノム欠損卵に1,2個の精子が受精 黄体嚢胞:絨毛からのゴナドの刺激で卵巣が腫大 無痛性、12週以降自然消退することが多い 卵巣腫瘍との鑑別が大事 膣嚢腫:胎生期Gartner管の遺残から発生 濾胞性で表面平滑(良性)⇔充実性で表面不整(悪性) 膣上皮は角化しているとパパニコロウでオレンジ色、 酸性、表層ほど細胞が大きい ⇔閉経期は好塩基性の青色の深層の細胞 性交痛:子宮内膜症、老人性腟炎、慢性頸管炎など 低エストロゲンによる膣の狭小化、膣上皮の菲薄化 接触出血:頚癌、腟部びらん、頸管粘膜ポリープ、 老人性腟炎、トリコモナス腟炎 陣痛様疼痛:進行流産、子宮蓄膿症、粘膜下筋腫、 子宮体癌、処女膜閉鎖(モリミナ) 卵巣出血:黄体期の突然の腹痛と腹腔内出血、圧痛(+) 子宮発育不全→偽妊娠療法 ゲスターゲン (+エストロゲン) hCG値:体重減少で低下、 無排卵が視床下部性か 卵巣性かの鑑別 偽妊娠療法:エストロ・プロゲで内膜を脱落膜化 偽閉経療法:ダナゾール療法:体重増加をきたす LH-RHアナログ療法:開始後に更年期症状 不妊症の30~50%に子宮内膜症を合併 閉経前後の不正出血:子宮体癌の可能性 X線検査は卵胞期のみ、月経直後に行う 子宮体部:充実性、西洋梨状 陣痛様下腹痛:子宮内貯留物を排除する子宮筋の収縮 腟鏡診の後に双合診 腹腔鏡検査の気腹針はモンロー点から 排卵直前の子宮内膜厚は10mm 子宮内部荒廃により前置胎盤、癒着胎盤 2絨毛膜性の双胎では胎盤は別々 Huhnerテスト:子宮頸管因子の一般検査 Rubinテスト:卵管通気検査 乏精子症:2000万/ml以下 卵管炎・頸管炎:クラミジアを疑う 更年期:ゴナドトロピン高値、エストリオール一定 Y染色体あれば男性型外陰 子宮奇形で下部尿路奇形も合併 43歳未満なら早期閉経 抗うつ薬、スルピリド(消化器)→高PRL血症 軟性下疳:ヘモフィルス=インフル菌による Baetholin腺=Cowper腺、尿生殖洞から発生 Skene腺=前立腺 類脱落膜化:非妊娠時の排卵後の機能層の変化 卵巣動脈と子宮動脈上行枝が吻合 尿管は膀胱子宮靭帯の前層・後層の間を貫通
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腎・排泄 安静時の血流量 肝:26%,腎:25%,脳:15% 浸透圧 ※ 血液の浸透圧は主としてNaClにより維持される。(血中NaCl 0.9%) ※ 膠質浸透圧の主体はアルブミン(血漿蛋白質濃度 7%) ※ 浸透圧はモル濃度(大きさNaCl 30 アルブミン 60000) 浸透圧受容器のある場所・・・視床下部 多量の汗などで血液の水分が減り,浸透圧が高まる → 浸透圧受容器が刺激 → 下垂体後葉からバゾプレッシン(抗利尿ホルモン)が分泌 → 腎臓の遠位尿細管,集合管での水の再吸収を促進 → 尿量を減少させる。 腎臓の集合管に働きかけて利尿を抑制し、体内の水分を保持する。その結果、体液の実効浸透圧は減少する。 バソプレッシンは集合管に作用して尿素を髄質間質に取り込ませ、髄質内層に蓄積させ、集合管での水の再吸収を促 進する。 濾過された水分の約99%は再吸収されて血液中に回収される。 糸球体で血漿からろ過される原尿の量は1日に150ℓにも及ぶが,99%は再吸収され,残る1%の約1.5ℓが尿として排泄される。 濾液中の水分の60〜70%以上は近位尿細管で,残りの大部分は遠位尿細管と集合管で再吸収される。 レニン レニンは、傍糸球体細胞で生成される蛋白分解酵素 1. 腎臓からレニンが分泌される。 腎臓には血圧をモニターしてレニンをつくる細胞がある (傍糸球体細胞)。 2. レニンはアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンIに変える。 アンギオテンシノーゲンは肝臓が作る。・・・ノーゲンというのは、・・・の素。 3. ACE (angiotennsin converting enzyme アンギオテンシン変換酵素)は アンギオテンシンI を II に変える。 4. アンギオテンシン II は強力な昇圧物質。標的は2つ。ひとつは血管でこれを収縮させる。 もうひとつは副腎皮質で、 アルドステロンの産生を亢進させる。 5. アルドステロンは腎臓に働いて、ナトリウムイオン・水の再吸収を促進する。 エリスロポエチン エリスロポエチンとは主に腎臓で作られているホルモンで、造血組織において赤血球前駆細胞 上の受容体に結合し、この細胞の増殖と分化を促進することにより赤血球産生を促進する作用がある。したがって、普通、貧血になると腎臓はエリスロポエチンの産生を増大させ造血に向かわせるので血清中のエリスロポエチンは上昇する。ところが、貧血であるにもかかわらず血清中のエリスロポエチンが上昇しない病態があり、これを腎性貧血という。 Na+の再吸収促進・・・アルドステロン アルドステロンは、最も強力な鉱質コルチコイドで副腎皮質球状層で合成・分泌される。アルドステロン分泌は多因子によって調節されているが、主要な分泌調節因子として①レニン-アンギオテンシン系、②血漿K濃度、③ACTHが重要である。アルドステロンは遠位尿細管におけるNa+再吸収とそれに伴う水の再吸収を促進させる。 原発性アルドステロン症,Conn 症候群 • 概念 副腎皮質の腫瘍がアルドステロンを過剰に分泌することによって種々の代謝異常を招く疾患である。多くの高血圧症と異なり、手術よる根治が可能である。 • 病因:副腎皮質腫瘍:ほとんどが副腎皮質腺腫であり、副腎過形成もある。副腎過形成は両側性であり、副腎腺腫は一側性となる。 • 症状 – 高血圧が初発症状である アルドステロンの作用により、遠位尿細管での Na+ の再吸収が促進され、Na+ と水が貯留して高血圧に至る。 – 代謝性アルカローシス 遠位尿細管での Na+ の再吸収量が増加するため、H+ が Na+ と交換されて尿中に排泄される。 – 低カリウム血症 アルドステロンは遠位尿細管で Na+ の再吸収と交換に K+ の排泄を行なうために K+ が体内から喪失する。 ∗ 周期性四肢麻痺 ∗ 筋力低下 ∗ QT 延長症候群 尿細管で再吸収されなもの 体にとって不要な物質(尿酸・尿素・硫酸塩)などはあまり再吸収されない(いくらか再吸収される)。 アンモニアやH+,パラアミノ馬尿酸はむしろ尿細管でさらに分泌される(再吸収されない)。 100%再吸収 ・グルコース ・アミノ酸 ・蛋白質 → 飲作用により吸収 糸球体における濾過の仕組み 基底膜を通過できる小さな粒子だけが濾過される・・・小さな粒子には、水、電解質、ブドウ糖、各種老廃物などがある。 濾過されない物質には蛋白質がある・・・蛋白質分子の大きさは水分子や老廃物分子の数千倍以上もあるので、基底膜の隙間を通り抜けられない。 尿細管におけるグルコース再吸収のしくみ グルコースの再吸収は近位尿細管にてATPのエネルギーを用いた能動輸送によって行われており、それに必要なATPをまかなうため、尿細管の細胞ではミトコンドリアが発達している。 グルコースの再吸収: 尿細管に排泄されたグルコースはほぼすべて近位尿細管で再吸収されます。尿細管中のナトリウムイオンとグルコースは共通の担体であるSGLT(Sodium-dependent glucose transporter)に結合し、細胞質中に運ばれます。さらに細胞質中に運ばれたグルコースはGLUT (Glucose transporter)によって細胞間質(血管)に輸送されます。細胞内に取り込まれたナトリウムイオンはNa+-K+-ATPase(ナトリウムポンプ)によってATPのエネルギーを使って細胞外にくみ出されます。同様の機構によるグルコースの吸収は小腸の腸管にも見られます。 糸球体濾過量と膠質浸透圧との関係 有効濾過圧=糸球体血圧ー血漿の膠質浸透圧ーボーマン嚢内圧= 45 - 25 - 10 =10 mmHg 腎臓には1分間に約500〜700㎖の血漿が流入する。この血漿量を腎血漿流量(RPF)という。このうち約20%の100〜150㎖が糸球体で濾過される。糸球体で濾過されてボーマン嚢へ押し出される濾過量を糸球体濾過量(GFR)という。GFRが100㎖/分程度であるとして,一日あたりの糸球体の濾過量は100×60×24=150,000㎖(150ℓ)にも達する 補液などで血液中水分が増加して血漿の膠質浸透圧が低下する・・・GFR増加 腎臓結石や尿管結石で腎盂内圧や尿管内圧が上昇 → ボーマン嚢内圧上昇 → GFR減少 出血やショックなどで全身血圧が著しく低下 → 糸球体内圧低下 → GFR減少 尿のpHは変わるか? 健常人の血液のpHは7.40±0.05 の狭い範囲に保たれるのに対し,尿のpHは身体の状態に応じてpH 4.5〜8.0 の範囲で変化する。多くの栄養素が代謝分解されて酸性物質を生じるため,体液は酸性に傾きやすい。腎臓は体液中の過剰なH+を尿中に排泄し,H+の緩衝に重要な重炭酸イオン(HCO3-)を再吸収することにより,体液のpHを調節する。 尿量の異常 尿量が異常に少ないことを乏尿(1日400〜500㎖以下),病的に多いことを多尿(3,000㎖以上)という。1日400㎖以下の乏尿が続くと体内の窒素代謝産物が十分尿中に排泄しきれないために,尿毒症が出現する。 心房のホルモン 心房からは,心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が分泌される。心房性ナトリウム利尿ペプチドは血液量の増加により心房筋が伸展されたときに分泌され,腎臓に作用して水とNa+の排泄を促進させる。 – 血管拡張 – 利尿を起こして血液量を減少させる ∗ 輸入細動脈を弛緩し輸出細動脈を収縮させて糸球体の静水圧を増加する ∗ Na+ の排泄を増加する – アルドステロン分泌を抑制 → 総じて血圧を下げる。 プールに入った後にスッキリした気分になり、なぜか空気がすがすがしく感じた体験をしたことがありますか? それは、水圧により老廃物のたまった静脈が心臓に戻され、処理されたからなのです。水圧によって下肢に圧が加わります。すると、静脈は体幹に押し上げられます。血液が心臓にたくさん集まります。 そうすると、心臓の心房性ナトリウム利尿ホルモンがでます。これは、利尿作用を促す同時に、血管を収縮させるホルモンを抑制に働かせます。不感温度で直立した場合、心房性ナトリウム利尿ホルモンは、陸上より2.5倍から3倍程度に増加します。 つまり、プールに入ると血管が拡張するのです。拡張された血管では、血行が促進され末梢にたまっていた老廃物を流してくれます。また、肺による水圧で努力性呼吸となっているので、肺にほどよく負担がかかります。 水泳をした後に水中ウォーキングで新鮮な空気を肺に入れてやる。そんな繰り返しは、カラダにとってとてもよいのです。 腎性貧血 腎不全が原因で起こる貧血。腎臓は赤血球を作るホルモンであるエリスロポエチンを作っているので、慢性腎不全ではエリスロポエチンが不足して正球性正色素性貧血になる。 尿細管における水分再吸収のしくみ 能動的にATPのエネルギーを使い,ポンプを回して再吸収しているのがNa+である.一方,水は,Na+ポンプを通るのではなく,水チャンネルを通って再吸収される.水を動かす力は,ポンプではなく,Na+の浸透圧である.Na+ポンプで尿細管から血管に再吸収されたNa+の浸透圧に引かれ,水が尿細管から血管へ再吸収されるのである. 糖尿出現の血糖閾値:180㎎/㎗。 血糖正常値(100㎎/㎗) 糖尿になると尿量が増加する。(浸透圧が高いから) 人はどんなにのどが渇いても海水は飲めない。 → 海水より濃い尿はつくれない。海水魚は海水より濃い尿をつくれる。 アルドステロンは腎臓だけでなく、汗腺にも作用している。 コンは食塩摂取量を減らすと、汗の中への食塩量の排泄が減少することを観察し、これはアルドステロンのような塩類保持の作用をする副腎皮質ホルモンの増加することによる順応作用であると考えた。十分暑熱労働になれた人では、毎日7リットルの汗をかくような場合、食事の内容は食塩の摂取合計を一日に20グラム、11グラム、6グラム、1.9グラムと変えた場合、尿と汗への食塩の排泄を観察すると、変えた最初の日に尿中への食塩排泄が減少し、汗の中の食塩排泄は少し遅れて、24時間から36時間たって減少し、変化のあとの食塩摂取と排泄のバランスが成立することを認めた。汗の中の塩類濃度の変化のおくれは、副腎皮質ホルモンの作用に要する時間的なおくれに相当すると考えた。またこのことは長期にわたって食事の食塩を減らす場合にもおこり、コンは健康な人で、一日5-9リットルの汗を出す人で、一日1.9グラムの食塩摂取で、塩類のバランスのとれることを観察している。この場合尿中には一日50ミリグラムの食塩しか排泄されていない。このような能力は人によって異なるが、汗の中の食塩は普通は1リットル中数グラムなのに、0.1グラムにまでうすくすることができると述べている。免疫 自然免疫(非特異的防御機構) 先天性免疫ともいう。生体は初めて侵入してきた微生物などの異物に対してでも,これを速やかに排除しようと働く。この働きは,感染の初期において特に重要である。自然免疫は主に,好中球やマクロファージの食作用により行われる。そのほか,補体やインターフェロンなどの液性因子やNK細胞も関与する。 獲得免疫(特異的防御機構) 後天性免疫ともいう。生体内に侵入した異物を記憶し,その異物に対して特異的に反応を示す。たとえば,一度麻疹に感染したり予防接種を受けたりすると,麻疹ウイルスに対する獲得免疫が確立され,つぎに麻疹ウイルスが侵入したときに記憶された免疫系が効果的に働いて感染を予防できる。獲得免疫には抗体が重要な役割を果たす。また抗体を産生する形質細胞や,B細胞から形質細胞への分化を助けるT細胞も必要である。 自然免疫獲得免疫 特徴生まれつき備わった抵抗性刺激を受けた抗原を特異的に認識・記憶する 抵抗性感染の繰り返しで変化しない感染の繰り返しで上昇していく 細胞好中球,マクロファージ,NK細胞などT細胞,B細胞,形質細胞など 液性因子インターフェロンなど抗体など 抗体はB細胞により産生されます。 抗原認識から抗体産生までの流れは以下のようになります。 マクロファージなどの抗原提示細胞が抗原を取りこみ、分解してその一部が細胞表面に提示されます。 提示された抗原をヘルパーT細胞のT細胞受容体で受取り、ヘルパーT細胞が活性化してサイトカインを放出、B細胞が活性化します。B細胞自身も膜表面の受容体で抗原を認識して活性化します。 ヘルパーT細胞やB細胞自身の抗原認識によりB細胞が活性化すると、形質細胞(プラズマ細胞)と記憶B細胞に分化します。形質細胞は抗体を大量に産生して抗原を攻撃します。記憶B細胞はつぎまた抗原を認識した際、初回よりも迅速に抗体を産生します。 抗体のクラスと役割 人間のB細胞が作り出す抗体は、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDの5種類あります。その中には赤ちゃんの体を守るのに欠かせない抗体もある。まだハシカにかかったことのない子どもは、ハシカが流行するとウイルスに感染してしまいます。感染すると体内ではB細胞が敵を排除しようとして、IgMを産生します。 IgMは分子が大きいので、一つで約10個のウイルスを相手にすることができますが、残念ながら寿命が約5日と短命です。すべてのウイルスは退治できません。その隙に、残りのウイルスがどんどん増殖します。 次にB細胞はIgGを作ります。1個のIgGは2個の敵しか相手にできませんが、産生量が桁違いに多く、敵との結合力も強く、寿命も23〜28日程度と長いので、ウイルスは排除され病気は治ります。 翌年、ふたたびハシカが流行すると、子どもの体内に、またウイルスが入ってきます。今度は3〜4日以内にいきなりIgGが大量に産生され、ウイルスを急速に退治できます。 前回の感染時につくられたハシカに対応するIgGの一部が免疫系に記憶されていて、抗原(ウイルス)の浸入とともに即、産生するからです。おかげで子どもはハシカを発病しないですむのです。(一般に免疫があるといいますが、「免疫がある」というのは、免疫の「記憶」のことを指します。) もしも、この子どもが女子で、大人になって妊娠したとします。IgGは唯一、胎盤を通して胎児に移動する抗体です。ハシカの抗体をもらった赤ちゃんは、生後数ヶ月にはハシカにかかる心配がありません。 人間(哺乳類)の母乳には、たくさんのIgAが含まれています。特に出産後数日間に出る初乳は大量に含有しているので、これを飲んだ赤ちゃんの呼吸器や胃腸の粘膜にIgAが分布し体を守るのに役立ちます。 母乳で育った赤ちゃんは人口栄養の子に比べ病気にかかりにくく、とりわけ呼吸器感染に対する抵抗力が強いことがわかっています。また遺伝的にアレルギー体質であっても、発症しにくといわれています。 このアレルギーと関連する抗体が、IgEです。たとえばスギ花粉症の人が、スギ花粉を吸い込み、鼻やノドの粘膜から花粉が体内に入ると、IgEが産生されます。これがクシャミや鼻水の元凶です。症状のひどさに、大量のIgEが産生されるかと思うかもしれませんが、量はごくわずかしか産生されません。 アレルギー症の人の免疫システムは、人間にっとって有害でない花粉などを敵であると間違った判断をし、過剰反応からIgEを産生するのです。 体内にはもう一つ、IgDが存在します。B細胞が成熟してくると細胞膜上に現れるので、B細胞の分化・増殖と関係があるのではないかと考えられています。 抗原提示細胞 抗原提示細胞(マクロファージ,樹状細胞,B細胞)は,HLAクラスII 上に外来タンパク質の断片を提示する。ヘルパーT細胞はT細胞受容体を介して敵の侵入を確認。自己増殖すると同時に,直ちに全軍(B細胞,キラーT細胞,NK細胞)に指令を発する。 自己免疫疾患 自己免疫疾患とは、本来は細菌・ウイルスや腫瘍などの自己と異なる異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称である。自己免疫疾患は、全身にわたり影響が及ぶ全身性自己免疫疾患と、特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類に分けることができる。 関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)に代表される膠原病は、全身性自己免疫疾患である。 代表疾患 関節リウマチ (RA) 全身の関節を中心に炎症を来す疾患。30~50歳代に多く発症し、男女比は1 3。リウマトイド因子 (RF)は変性IgGに対する自己抗体で、主にIgMに属する。関節リウマチで最も陽性となりやすい(約70~80%) 全身性エリテマトーデス (SLE) 全身の臓器に障害が生じる慢性炎症性疾患。多彩な臓器病変が見られるが、ループス腎炎が代表的。15~40歳に多く発症し、男女比は1 10。抗核抗体(自分の細胞の核内の構成成分を抗原とする自己抗体の総称)が陽性となる。全身症状として発熱,倦怠感,液肥蝋管。皮膚症状として蝶形紅斑,ディスコイド疹(円板状紅斑),頭髪の脱毛,日光過敏症など。 全身性強皮症(PSS、進行性全身性硬化症、全身性硬化症、強皮症、SSc) 進行性全身性硬化症は全身の組織が硬くなる病気。全身でコラーゲンが作られ過ぎる事による。コラーゲンの作られすぎで、手の指がソーセージの様に硬く大きくなる。ソーセージの様に硬く大きくなる事をソーセージ様の浮腫性硬化と言う。コラーゲンの作られすぎで、仮面様顔貌になる。本症の仮面様顔貌は鼻の先が尖り、唇が厚くなって口が小さく見え、口から放射状に皺が出来る、と言う特徴的な顔貌になる。コラーゲンの作られすぎで、食道平滑筋が動かなくなり、逆流性食道炎、等から嚥下困難を来たす。 多発性筋炎 (PM)、皮膚筋炎 (DM) 全身の横紋筋に障害が起こり、筋力低下や筋肉の痛みなどの症状が見られる疾患。眼瞼部の紫紅色の皮疹や手指伸側の落屑を伴う紅斑等の皮膚症状を呈する場合には皮膚筋炎と呼ばれる。自己抗体は、抗Jo-1抗体、抗Mi抗体が特異的。好発年齢の分布は二峰性であり、5~15歳の小児期に小さなピークと35~65歳の成人期に大きなピークを持つ。男女比は1 2。特定疾患治療研究対象疾患。 バセドウ病 甲状腺刺激ホルモン受容体刺激抗体によって甲状腺機能の亢進がおこり、血中の甲状腺ホルモンが異常高値となる。 橋本病(慢性甲状腺炎) 甲状腺の慢性炎症のため、びまん性の甲状腺腫大や甲状腺機能低下症などを来す疾患。中年女性に多く、男女比は1 20~30。自己抗体として、抗サイログロブリン(Tg)抗体や抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体が認められる。 重症筋無力症 運動の反復による筋力低下が見られる疾患。自己抗体として、抗アセチルコリンレセプター(AChR)抗体。男女比は1 2で、女性では20~40歳代に多く、男性では50歳以上に多い。特定疾患治療研究対象疾患。 1型糖尿病 膵β細胞が破壊されてインスリンの分泌障害が起きる疾患。2型糖尿病は生活習慣病。自己抗体は、抗グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体、膵島細胞抗体(ICA)、IA-2抗体など。小児や若年成人の発症が多い。 原発性胆汁性肝硬変 (PBC) 肝内胆管が慢性炎症により壊され、胆汁のうっ滞が見られる疾患。黄疸や掻痒感などが見られる症候性PBCと症状が認められない無症候性PBCがある。中年以降の女性に好発し、男女比は1 8。自己抗体に、抗ミトコンドリア抗体(AMA)、抗ピルビン酸脱水素酵素(PDH)抗体。特定疾患治療研究対象疾患。 ギラン・バレー症候群 (GBS) 多発性の根神経炎の一つで、運動神経が障害のため四肢に力が入らなくなるなどの症状を呈する。自己抗体として抗ガングリオシド抗体が半数程度に見られる。 シェーグレン症候群 (SjS) 涙腺、唾液腺などの外分泌腺が障害され、涙や唾液の量が低下する疾患。中年女性に多く、男女比は1 20。抗SS-A抗体、抗SS-B抗体が見られる。抗SS-B抗体は特異的である。 多発性硬化症 (MS) 脳や脊髄の神経線維である軸索を覆っている髄鞘が壊れる(脱髄という)疾患。脱髄の起こる部位により多彩な症状を呈する。15~50歳に発症し、男女比は1 1.3程度。特定疾患治療研究対象疾患。 免疫性溶血性貧血 (IHA) 自己の赤血球の膜上抗原に対する自己抗体が作られ、結合した赤血球が破壊されて貧血を来す疾患。 HLAクラス I とクラス IIの役割 HLAは,主要組織適合性複合系(MHC)とも呼ばれ,移植拒否に関わるタンパク質群として発見された。HLAは,白血球のみならず全ての有核細胞の細胞膜に発現される。 HLAクラス I :全ての有核細胞に発現 細胞内で合成されたタンパク質の断片をプロテアソーム経由で結合して細胞膜上に提示する。これにより,ガン特異抗原やウイルス蛋白質の合成が免疫系に報告され,検知される。 HLAクラス II :抗原提示細胞にのみ発現 飲食作用により細胞に取り込まれた外来タンパク質の断片を,リソソーム経由で細胞膜上に掲示する。これにより,敵の侵入が報告される。 腫瘍マーカ ガン特異抗原は,正常細胞が産生せず,ガン細胞のみが生産するタンパク質を指す。 AFP(αフェトプロテイン): 主として肝臓癌に対して CEA(ガン胎児性抗原): 主として大腸癌に対して PSA(前立腺特異抗原): 主として前立腺癌に対して (CA19−9:主として膵臓癌に対して)( CA125:主として卵巣癌に対して) キラーT細胞はHLAクラスI 上に提示されたガン特異抗原をよりどころにガン細胞を発見して殺す。 全身の有核細胞は,自らが合成しているタンパク質の断片をHLAクラス I 上に掲示する。T細胞受容体を介して異常タンパク質の合成を確認したキラーT細胞は,この細胞を危険なものとして直ちに殺す。 殺しの方法は,アポトーシスの誘発か,パーフォリンによる細胞破壊である。 NK細胞はガン特異抗原とは無関係にHLAを提示しないガン細胞を殺す。 T細胞の成熟 骨髄を出た後,胸腺で軍人としての教育訓練を受けるリンパ球をT細胞と呼ぶ。胸腺における教育訓練の内容は以下のようなものである。 多様なリンパ球が作られる。 B細胞同様,自己非自己を問わず,あらゆるものを攻撃できるT細胞が遺伝子組換えによりつくられる。事実上,あらゆる抗原を識別できるT細胞受容体が生産可能である。 自己HLAを正しく識別できるリンパ球が生き残る。 細胞膜上に提示される自己HLAを解読し,情報を認識できるものだけが,選択されて生き残り,この作業ができないものは除かれる。 自己を攻撃するリンパ球は除かれる。 HLA上に提示される自己抗原を攻撃する性質をもったリンパ球は危険なものとして除かれる。この作業に失敗して自己を攻撃するリンパ球が生き残って発症するのが自己免疫疾患である。 1. の過程で作られたリンパ球のなかで,2. 3. の過程に合格して無事卒業できるのは数%に過ぎない。胸腺は極めて厳しい士官学校といえる。胸腺において脱落するリンパ球はアポトーシスのスイッチを押されて死んでいく。胸腺を無事卒業できたT細胞は,前線基地である二次リンパ組織に配属され,そこで更なる訓練を経て完成される。 T細胞は,司令官と実行部隊に分化する。 胸腺で成熟するT細胞は,免疫軍の司令官たるヘルパーT細胞と実行部隊であるキラーT細胞に分化する。ヘルパーT細胞は,免疫軍全体の指揮をとる司令官で,細胞性免疫を担当するTh1と液性免疫を担当するTh2から構成される。細胞性免疫と液性免疫の勢力のバランスが崩れると,自己免疫疾患やアレルギー疾患が生じると考えられている。キラーT細胞は,有害化した細胞を殺して回る実行部隊である。 二次リンパ組織は前線基地である。 骨髄を出たB細胞や胸腺を出たT細胞は,二次リンパ組織(リンパ節,脾臓,粘膜付属リンパ組織など)に配属される。 リンパ組織には,その近傍に配置されている斥候(抗原提示細胞)からの情報が集められる。抗原提示細胞は,敵と遭遇すると,最寄りのリンパ組織に帰還して,そこに待機しているヘルパーT細胞にHLAクラス II を介して報告する。敵発見の情報を確認したヘルパーT細胞は,自ら増殖すると同時にリンフォカインを分泌して全軍の指揮をとる。 自分の担当する敵が現れないT細胞は,必要ないということで徐々に消滅する。このようにして免疫系は,無駄な出費を節約している。 アポトーシス 体細胞は,自らが個体全体にとって有害または不要となった場合,自ら死んでいくための装置を備えている。アポトーシスのスイッチは自ら押す場合もあるし,他の細胞によって押される場合もある。キラー細胞やNK細胞にアポトーシスのスイッチを押されると,ガン細胞は心ならずも殺されてしまうので,ガン細胞の中にはアポトーシスの装置を破壊するものが出現する。アポトーシス誘発の鍵を握っているのはゲノムの番人P53 であるが,ガン患者の過半数に P53遺伝子の異常が認められている。 p53分子の最も重要な機能は、ゲノムの番人 Guardian of Genomeということが出来ます。すなわち、細胞が放射線や薬物によりDNA損傷を受けた際に、DNA修復が完了するまで細胞周期を停止させる機能、あるいは損傷が修復不能の場合にはアポトーシスと呼ばれる細胞死を誘導することで損傷細胞自体を除去する機能をp53は担っており、結果として細胞の癌化を抑制する癌抑制遺伝子として働いています。 各組織にいるマクロファージの名前 肝 → クッパー細胞 消化管 → 腹腔マクロファージ 肺 → 肺胞マクロファージ 皮膚 → ランゲルハンス細胞 脳 → ミクログリア 骨 → 破骨細胞 ヒトが作れる抗体の種類 遺伝子組換え(VDJ遺伝子再構成 )によって,ほぼ無限の種類を作り出せる。 抗体はY字型をしており、可変部はアミノ酸配列を変化させるという特徴がある。アミノ酸をどのような順番で並べるかを決定するのが、遺伝子という設計図です。 可変部をつくるための遺伝子は、V遺伝子、D遺伝子、J遺伝子の3グループに大きく分類できる。V遺伝子には、V1から数百種類があり、同じようにD遺伝子はD1から約20種類、J遺伝子は、J1からJ4の4種類ある。 可変部のアミノ酸配列は、3つのグループからどの種類の遺伝子を選び出して組み合わせるか、その違いで決まってくる。たとえば、ある抗体は「V1+D1+J1」の組合せに。別の抗体は「V1+D1+J2」になるかもしれない。 Y字型の部分は、H鎖とL鎖という2本ずつの鎖でできていて、各々の鎖の可変部で遺伝子の組合せが成立します。これをざっと計算すると、1兆パターンの抗体ができることになります。つまり1兆種類の抗原に対応できるというわけです。 HLAは細胞の身分証明書であり,健康証明書である。 通常のタンパク質は,同一の種では基本的に同じである。HLAを構成するタンパク質は,同一種内でも個体ごとに異なっているのが原則である。この性質を利用して,個体はHLAを細胞の身分証明書として使用している。更にHLAには細胞内で合成されたタンパク質や,細胞に侵入してきたタンパク質の断片(オリゴペプチド)が添付されることにより,細胞の健康証明書としての役割が担われる。 異常事態がHLAにより免疫系に告知されると殺されてしまうので,ウイルスやガン細胞の中には,HLA掲示の過程に干渉してHLAを掲示させないものがいる。キラーT細胞は,HLAが掲示されないと異常に気がつかない。このような場合はNK細胞が対応する。NK細胞は,HLAを掲示しない細胞を,抗原とは無関係に殺す。 HLAをもたない細胞 赤血球,血小板 T細胞受容体は抗原タンパクを単独では識別できない。 細胞性免疫の担い手は,T細胞である。T細胞はT細胞受容体(TCR)により自己と非自己を識別する。 T細胞受容体の抗原の識別法は,抗体とは全く異なる。抗体は,タンパク質の表面の形(抗原決定基)を単独で識別する。T細胞受容体が識別するのは,タンパク質の断片(オリゴペプチド)である。しかも, T細胞受容体は,単独では抗原を識別できるず,HLA上に提示されたものだけを識別できる。このことにより,T細胞受容体はタンパク質内部に生じた些細な変化を見逃さないと同時に,情報を正確に入手できる。 ヘルパーT細胞は,HLAクラス II 上に提示された抗原を識別する。HLAクラス II とT細胞受容体の情報伝達を介助するのはCD4補助受容体である。 キラーT細胞は,HLAクラス I 上に提示された抗原を識別する。HLAクラス I とT細胞受容体の情報伝達を介助するのはCD8補助受容体である。 一つの形質細胞・・・1種類の抗体のみを産生する 抗原と抗体の関係は、しばしば鍵と鍵穴の関係に例えられます。すなわち、ある抗原が侵入してくると、それにぴったりと合った抗体が結びつく。そうであるなら、当然次のような疑問が生まれてきます。「自己」以外のありとあらゆる抗原となりうる「異物」に対して、抗体は備わっているのだろうか。昔のひとは、ある抗原が入ってくるとそれを「抗原認識系」みたいなものが認識して、それに対応する抗体を作り出すのであろうとと考えていました。 ところがバーネットという人が、それに異を唱えました。バーネットは、そもそも体内では、「自己」「非自己」にかかわらず、すべての抗原に対応する抗体を作れるだけのリンパ球が作られるが、「自己」に対するものは、胸腺で周到に排除され死滅する。「非自己」に対するものだけが生き残るが、それが体内を巡るうち外来の未知の抗原に接触すると、その接触したリンパ球だけが増殖し抗体を産生すると考えました。これをバーネットのクローン選択説といいます。 クローン選択説について クローン選択説とは、1959年にF.M.Burnetによって提唱された抗体産生理論の1つで、今日広く受け入れられている。この説によると、あらゆる抗原に対して、これに特異的に反応する抗体が、もともと先天的にB細胞のクローン(クローン;1個の体細胞をもとにして分裂増殖により生じた同一特性をもつ細胞集団)として用意されていて、抗原が生体内に侵入すると、この多数のクローンの中から特定のクローンが選択され、その抗原と反応して急激に増殖し、抗体を作る形質細胞になるという。この説によると次のことが言える。 B細胞であるリンパ球表面には、分化し、活性化された際に放出される抗体と同じ特異性をもつ受容体が存在する。→受容体と同じ結合部位を持つ抗体を生産する。 個々のB細胞には、それぞれ1つの特異性がある。 ある特異性をもつという運命づけは抗原に出会う前からすでにきめられている。 適当な条件のもとで特異的リンパ球クローンは、抗原とレセプターが結合することで、増殖分化し、免疫記憶細胞や形質細胞へと変わっていく。 胎生期または新生時期に抗原と出会うと、それに対するクローンは消去される。 →自己抗原に対するクローンは除かれる。つまり、成長後自己抗原に対して無反応になり攻撃されない。 ここで重要なのは、体内では「自己」「非自己」にかかわらず、すべての抗原に対応する抗体を作れるだけのリンパ球が作られるが、「自己」に対するものは、排除され死滅し、「非自己」に対するものだけが生き残るということ、そして非自己に対する各々のリンパ球が体内を巡るうちに、外部から侵入してきた非自己の抗原と特異的に結合し、その結合したリンパ球だけが増殖し抗体を産生するという点である。 次に、抗体産生は主にB細胞による液性免疫であるので、液性免疫(抗体IgG産生)のメカニズム)についてまとめる。 B細胞はもともとその表面にIgMを発現している。ただし、1個のB細胞は1種類の抗原に対応するIgMしか表面に持っていないので、様々な抗原の種類に対応するために無数の種類のB細胞が用意されている。IgMによって抗原を認識し、その抗原に結合したB細胞は、その場で細胞分裂によって増殖し形質細胞へと分化する。そしてその形質細胞がその抗原に特異的な抗体IgGを産生し、放出する。この、IgMからIgGへの変化を「クラススイッチ」と呼ぶ。また、形質細胞に分化しなかったB細胞はメモリーB細胞(免疫記憶細胞)として残り、次回の抗原の侵入に備える。B細胞の分裂・増殖、形質細胞への分化は、抗原に結合しただけでもある程度起こるが、抗体の産生にはヘルパーT2細胞(ヘルパーT2細胞(Th2)とはサイトカイン(免疫調節物質)を、産生することで他の細胞の働きを促すT細胞のこと)の助けが必要である。B細胞は抗原と結合すると、抗原を分解し、その分解した抗原蛋白を自分のclass II MHC分子の上にのせ、再度、細胞表面に「抗原+MHC分子」として発現させることでヘルパーT2細胞に助けのサインをだす。(抗原提示)ヘルパーT2細胞はB細胞表面の「抗原+MHC分子」をTCR(T cell receptor:CD3)によって認識する。抗原掲示を認識したヘルパーT2細胞は、IL-3、4、5、6、10、13など(Th2系サイトカイン)を放出し、それらのサイトカインによってB細胞の形質細胞への分化が進む。そして形質細胞が生産したIgGや、活性化補体C3bが細菌表面に結合(オプソニン化)すると、好中球は強力な貪食・殺菌作用を発揮できるようになる。これは好中球がIgGのF c部分に対するレセプターとC3bに対するレセプターを持っているためである。このようにして外部からの抗原は退治、除去される。 臓器移植と免疫 20世紀後半,ヒトの生存に必須な重要臓器が致命的機能不全に陥っても救命できる臓器移植の技術が開発された。初期の段階では,移植手術に成功しても,移植臓器は宿主の免疫系により拒絶され早晩脱落した。移植拒否防ぐため免疫抑制剤を使用すると,今度は免疫不全により患者が死亡した。このため,臓器移植は不可能な技術と諦めかけた。 この事態を打破したのは,画期的免疫抑制剤サイクロスポリンAであった。サイクロスポリンAは,移植拒否の現象を選択的に抑制し,細菌感染に対する免疫機能をそれほど阻害しなかった。 サイクロスポリンAの開発を契機として,臓器移植は急速に普及した。 サイクロスポリンA はペプチドであり、もともと抗生物質として使われていた。1985年以降、臓器移植で用いられた。 T細胞内のサイクロスポリン結合タンパク質と結合し、カルシニューリンの活性を抑制して転写因子の核内移行を障害する。 結果、インターロイキン2 [ IL-2 ] 遺伝子の発現が進行せず、免疫反応(細胞性免疫)が抑制される。 FK506 [ tacrolimus ] は藤沢薬品が開発したもの。世界で一番よい免疫抑制剤といわれている。 タクロリムス結合タンパク質と結合する他は、サイクロスポリンAと作用機構は同じ。IL-2 の産生を抑える。 液性免疫と細胞性免疫 免疫とは、外界から侵入してくる病原体や体の中で発生するがん細胞など異常な細胞を認識して排除する仕組みで、体の防御機能の要です。免疫は主にリンパ球という細胞が中心になってコントロールされています。リンパ球にはB細胞・T細胞・ナチュラルキラー(Natural killer, NK)細胞などがあります。 B細胞は抗体という飛び道具を使って細菌やウイルスを攻撃するもので、これを「液性免疫」といいます。IgEという抗体の一種が関与するアレルギー性疾患はこの液性免疫が過剰に反応する結果発生します。 一方、ウイルス感染細胞やガン細胞など自分の細胞に隠れている異常を発見して、キラーT細胞やNK細胞などが直接攻撃する免疫の仕組みを「細胞性免疫」といいます。細胞性免疫はがんに対する生体防御に重要な役割を果たしますが、調節が狂って正常な自分の細胞を攻撃すると慢性関節リュウマチなどの自己免疫疾患の発病に関連します。 液性免疫と細胞性免疫とは、互いに相反関係にあることが知られていました。つまり、シーソーのように、一方の働きが強くなるともう一方は抑制される関係です。このメカニズムは、2種類のヘルパーT細胞 (Th) のバランスにより説明されています。 ヘルパーT細胞は、B細胞やT細胞の増殖や働きを調節するタンパク質(サイトカイン)を分泌して、液性免疫と細胞性免疫のバランスを調節しており、そのサイトカインの産生パターンから、Th1(1型ヘルパーT)細胞とTh2(2型ヘルパーT) 細胞に分類されます。Th1は細胞性免疫を促進し、Th2は液性免疫を促進します。 ヘルパーT前駆細胞(Th0)がTh1細胞に成熟(分化)するためにはマクロファージから分泌されるIL-12が必要であり、一方、Th2細胞となるためにはT細胞から分泌されるIL-4が必要とされています。 Th1細胞はインターフェロン・ガンマ(IFN-γ)や インターロイキン-2(IL-2)を分泌して細胞性免疫を増強し、Th2細胞はIL-4, IL-5, IL-6, IL-10を分泌してB細胞を活性化して液性免疫に関与します。Th1細胞が出すIFN-γはTh2細胞の働きを抑え、逆にTh2細胞が出すIL-10はTh1細胞を抑制します。この仕組みによりTh1とTh2がシーソーのように相互に制御されるのです サイクロスポリンA は,IL-2の産生を抑えることにより,細胞性免疫を選択的に抑制。細菌感染などに対する液性免疫をそれほど阻害しない。 骨髄移植には,HLAの型が一致する必要がある。 心臓,腎臓,肝臓など一般臓器の移植は,特異的免疫抑制剤の使用により近年急速に普及してきた。しかし,骨髄移植は特異的免疫抑制剤を使用しても成功しない。いかに,骨髄移植について整理する。 骨髄移植は,白血病の治療法として開発された。 骨髄性白血病では,骨髄の放射線照射によりガン細胞を根絶することが可能である。しかし,骨髄で活動している血球幹細胞も,ガン細胞同様放射線感受性細胞で,ガン細胞とともに死滅する。このままでは,ガンは治っても,血球幹細胞死滅のため貧血,出血,感染症のため患者は死亡する。 空き家となった骨髄に,正常な人の骨髄を移植し幹細胞が定着して,赤血球,白血球,血小板が生産できるようになって初めて治ったといえる。 しかし,そこで産生されるリンパ球はあくまで他人のリンパ球なので,新たな宿主の細胞を敵とみなして攻撃する。その結果,移植片対宿主病(GVHD)と同じ現象が起こり,多臓器不全に陥り死亡する。 ※ 移植片対宿主病:従来,稀な輸血事故として観察された。輸血中のリンパ球が,輸血を受けた患者の体内で増殖して,患者の臓器を攻撃して引き起こす病気である。現在では,このような事故を防ぐため,輸血に使用する新鮮血は,ガンマ線を照射することが原則とされている。 骨髄移植は,HLA の型が一致することが条件である。 移植片対宿主病を防ぐため骨髄移植に使用する骨髄は,患者のHLAと型が一致していなければならない。しかし,既に述べたように,HLAは一卵性双生児以外では異なっている。 骨髄バンクには,多くのヒトの協力が必要である。 HLAは個体ごとに異なっているのが原則であるが,10万人に一人くらいの割合で型が一致する人が存在する。そのため,骨髄移植を必要とする白血病患者が現れた場合,移植可能な骨髄提供者を探すため多くの人が骨髄バンクにHLAの型を登録しておく必要がある。登録者不足のため,骨髄移植を受けれない白血病患者が多いのが現状である。現在,骨髄バンクを補う目的で胎盤バンクも創設されている。 NK細胞とストレス キラーT細胞の活性は抗原刺激により高まるが,NK細胞は自然免疫の構成員として常時待機している。近年,笑いの健康増進効果が注目されている。ストレスはNK細胞活性を抑制し,笑いなどによるストレス発散はNK細胞活性を高めることが知られている。 成人T細胞白血病(HTLV)とHIV 成人T細胞白血病という病気は、ウイルス感染によってひきおこされる白血病として世界で初めて日本で解明された白血病です。 日本では沖縄から九州、四国南部、紀伊半島にかけて多くみられます。 成人T細胞白血病は、名前のようにT細胞にウイルスが感染して起こります。この感染したTリンパ球を含む体液によって人から人にうつります。最も多いのが母乳を通じて母から子への感染です。母乳中には多くのT リンパ球が含まれるからです。性交によっても感染しますが、この場合は男性→女性のみでその逆はないとされています。 感染してから発病するまでの潜伏期間が30〜70年と非常に長いのが特徴です。 したがって乳児期に母乳から感染したとしても、発病するのはかなり年をとってからです。患者年令の中央値は57才で、30才未満の発病はきわめてまれです。 この病気の原因ウイルス(HTLV−Ⅰ)はレトロウイルスと言われ、HIVと同じ種類のウイルスです。それぞれのウイルスは共通の祖先から分かれたものであることが分かっています。いずれもCD4(細胞の表面マーカーと言われるもの)陽性のTリンパ球に感染します。このリンパ球はヘルパーT細胞といい、身体の免疫機構のもっとも主要な中心的役割をする細胞です。 HIV は感染することにより、Tリンパ球を破壊し、HTLV −ⅠはTリンパ球を腫瘍化してその機能を失わせます。したがっていずれの病気も、主要な症状として免疫不全症が現れます。 排泄と腎臓 腎臓は代表的な排泄器官である・・・体内の不要な物質を捨てることを排泄という。腎からは尿という形で、水、電解質、各種老廃物などを排泄している。電解質とは塩分、酸、アルカリなどのことをいう。老廃物の例には、尿素、尿酸、クレアチニンなどがある。肺からはCO2という酸を排泄している。肝臓からは胆汁を排泄している。皮膚からは汗という形で、水、電解質を排泄している。 ネフロンは糸球体と尿細管とから成り立っている・・・尿を作っている最小単位をネフロンという。腎はネフロンが約100万個(両腎で200万個)集まったネフロンの集合体である。 糸球体は毛細血管の塊である・・・腎臓は血管にきわめて富んだ臓器であり、血管の塊ともいえる。 尿細管は近位尿細管、ヘンレわな、遠位尿細管、集合管に分けられる・・・近位尿細管から遠位尿細管までは枝分かれのない1本の管である。糸球体、近位尿細管、遠位尿細管は皮質にあり、ヘンレわなは髄質にある。 腎の髄質の浸透圧は高い・・・高浸透圧の尿を作ることができるのは髄質の浸透圧が高いからである。 糸球体 糸球体で血液成分の濾過が行なわれる・・・糸球体と尿細管との間には小さなすき間があいている。 基底膜を通過できる小さな粒子だけが濾過される・・・小さな粒子には、水、電解質、ブドウ糖、各種老廃物などがある。 濾過されない物質には蛋白質がある・・・蛋白質分子の大きさは水分子や老廃物分子の数千倍以上もあるので、基底膜の隙間を通り抜けられない。 濾液(原尿)は血液から血球と血漿蛋白質とを除いたものに等しい・・・電解質やブドウ糖などの糸球体で濾過される物質は、血漿中と濾液中の濃度は等しい。濾液のことを原尿ともいう。 濾過は血圧の力によって行なわれている・・・血圧が60mmHg以下に下がると濾過ができなくなり尿を作れなくなる。 糸球体の濾過によって生成された濾液の量を糸球体濾過量という・・・糸球体濾過量(GFR)の正常値は約100ml/分である。腎臓を流れる血液量を腎血液流量(RBF)という。腎臓を流れる血漿の流量を腎血漿流量(RPF)という。腎臓を流れる血漿の約1/5(20%)が濾過され尿細管腔に移動し原尿となる。 尿細管 尿細管では再吸収が行なわれている・・・再吸収される割合は物質によって異なっている。 糸球体で濾過された水分の約99%が尿細管で再吸収される。 糸球体で濾過されたブドウ糖のほぼ100%が尿細管で再吸収される・・・正常では尿中にはブドウ糖はほとんど含まれていない。ブドウ糖の再吸収能力には限界がある。 一般にナトリウムの移動にともなって水も移動する・・・ナトリウムの移動は能動輸送である。糸球体で濾過されたナトリウムの約99%は尿細管で再吸収される。 物質によっては尿細管から分泌されるものもある・・・分泌されるものには、酸、カリウム、ある種の毒物や薬物などがある。カリウムは再吸収と同時に分泌もされている。 尿量を調節しているホルモンにADHとアルドステロンとがある・・・水の再吸収が増加すると尿量は減少する。抗利尿ホルモン(ADH)は水の再吸収を促す。アルドステロンはナトリウムの再吸収を促す。 尿 尿の量や質は体の状態を反映している・・・1日の正常尿量は約1〜1.58㍑程度である。1日の尿量が400ml以下を乏尿という。腎での尿生成が停止すれば無尿となる、100ml以下をいう。頻尿とは排尿回数が多いもの(約10回/日以上)をいう。尿閉とは、腎では尿は生成されているが尿路の異常で尿が体外に排出されない状態をいう。尿失禁とは排尿の意志がないのに排尿がおこることである。 尿量は体の水分の量を反映している・・・水分摂取が多いと、多尿となり尿比重は低下する。尿の比重と尿の浸透圧はほぼ比例する。 血漿より浸透圧が高い尿を高張尿、ほぼ等しいのを等張尿、低いものを低張尿という・・・高張尿のことを濃縮尿、低張尿のことを希釈尿ともいう。 尿検査は手軽にでき患者にほとんど苦痛を与えない・・・尿は一般に弱酸性である。正常の尿は淡黄色で清澄だが、塩類などが析出して混濁していることもある。正常の尿には蛋白質もブドウ糖も含まれていない。尿沈渣とは尿中の有形成分を遠心して集めたものである。 腎の内分泌機能/腎不全 腎臓の機能は尿を作るだけではない・・・腎はレニンを分泌して血圧を調節している。腎はエリスロボエチンを分泌して造血を調節している。腎はビタミンDを活性化する。 腎機能の低下を腎不全という・・・腎不全では排泄されるべき物質(水、酸、カリウム、老廃物など)が体内に蓄積されてしまう。カリウムが高いと心室細動をおこして急死する。尿毒症では尿量は減少し、出るのは等張尿である。腎不全では高血圧、貧血、骨折などもおこる。 腎不全の治療は透析か腎移植である・・・透析とは血中の老廃物などを半透膜を介して透析液に抜きとる方法である。透析には血液透析と腹膜透析とがある。透析では腎の内分泌や代謝の機能までは代償できない。腎不全患者には厳密な水分塩分制限が必要である。 尿路 尿路は尿管、膀胱、尿道からなる・・・尿路では尿の成分や量は変化しない。尿路では尿の流れは一方通行であり、逆流はしない。 膀胱には蓄尿と排尿との2つの機能がある・・・膀胱内圧が上昇すると尿意がおこる。膀胱の出口には尿道括約筋がある。 普段は膀胱壁は弛緩し尿道括約筋は収縮して尿を膀胱内にためる・・・いったん排尿が開始されると完全に尿を出し終わるまで排尿動作は続く。排尿後の膀胱内に残尿はほとんどない。 残尿があると菌が繁殖しやすい・・・女性の方が膀胱炎になりやすい。◎ 泌尿器とは? 体液成分(水分、電解質)の恒常性(質的&量的),老廃物(窒素代謝産物=尿素、等)・有害物質の排出 浸透圧(溶質濃度に比例;0.9 %食塩水とほぼ等張=生理的食塩水;半透膜) 能動輸送(ATPを利用して濃度勾配に逆らう)と受動輸送(濃度勾配に従う) A 腎臓 ・腎臓の疾患:蛋白尿、腎不全→移植・透析(人口700人に一人、年間医療費1兆円) ・腎臓の肉眼的構造 腎門(尿管、腎動静脈)、腎洞、腎盂(腎盤)、腎杯・腎乳頭 皮質(糸球体が見える?)、髄質(髄放線が見える?) ・腎臓の組織学的構造 ネフロン nephron(約100万!):腎小体(≒糸球体)+尿細管+(集合管) 腎小体=糸球体+ボウマン嚢;+傍糸球体装置(傍糸球体細胞、緻密斑、等) 糸球体=糸球体毛細血管内皮細胞+メサンギウム細胞+上皮細胞(足細胞) 糸球体濾過障壁=内皮細胞+糸球体基底膜+足細胞(スリット膜) 尿細管=近位尿細管(曲部・直部)+中間尿細管+遠位尿細管(直部・曲部) ヘンレループ=近位直尿細管+中間尿細管+遠位直尿細管(=太い上行脚) 腎の血管系 ←心拍出量の25%が左右の腎臓に入る 腎動脈→葉間動脈→弓状動脈→小葉間動脈→輸入細動脈→糸球体毛細血管→ 輸出細動脈→(髄質では直動脈)→尿細管周囲毛細血管→静脈系...→腎静脈 ・尿の生成=糸球体濾過(毎分100ml)+尿細管による分泌・再吸収(99%を再吸収) 糸球体濾過:糸球体毛細血管の血圧が原動力、膠質浸透圧差に押し返されている GFR(糸球体濾過値)←Ccr(クレアチニン-クリアランス) =約100ml/分:RPFの20% RPF(腎血漿流量)←PAHクリアランス、RBF(腎血流量)毎分1L 尿細管でのイオンの分泌・再吸収 ←PSP排泄試験;β2ミクログロブリン、NAG 近位尿細管で:選択的な再吸収&分泌 (:刷子縁と細胞嵌合とで表面積↑) Naの再吸収(能動輸送)+水の再吸収(受動輸送) グルコースやアミノ酸の能動的再吸収、Kのほとんどの再吸収 PSP・尿酸・抗生物質などの有機イオン・薬物の能動的分泌=排出 ヘンレ下降脚で:尿の濃縮 細い下降脚で水の再吸収(浸透圧差による受動輸送) ヘンレ上行脚で:尿の希釈[水の量を変えずに!] 細い上行脚でNa+Clを受動輸送 (NaClは間質へ移動して浸透圧を上げる) 太い上行脚でNa+K+2Clを能動輸送により再吸収 遠位曲尿細管で:(緻密斑で Cl - 濃度をモニター→傍糸球体装置を形成) Na+Clを能動輸送により再吸収 集合管主細胞で:尿の濃縮(最大4倍;ホルモンによる濃縮力の調節) 水の再吸収(ADH存在下、受動輸送)、尿素の回収(受動輸送) 酸・アルカリの分泌による体液pHの調節(間在細胞による) 近位尿細管:Naと水、有用分子の再吸収 →等 張 性 細い下降脚:水の透過性が高く、NaClの透過性は低い →尿の濃縮 細い上行脚:水の透過性が低く、NaClの透過性は高い →尿の希釈 太い上行脚:NaClの能動的な再吸収 ←ループ利尿剤のターゲット 集 合 管:ADHによる水の透過性の調節 →尿の濃縮 クレアチニン:すべて糸球体で濾過され、尿細管で分泌・再吸収されない PAH:近位尿細管でほぼ完全に分泌される 尿の濃縮の調節: ネフロン自体の自己調節能 →TGF(輸入細動脈の収縮によりGFR↓) (傍糸球体装置による) →レニン分泌(全身の血圧を上げてGFR↑) ホルモンによる調節 ADH(抗利尿ホルモン=バソプレシン)→集合管での水の再吸収↑ アルドステロン →集合管でのNa再吸収↑・K分泌↑ ANPなどのナトリウム利尿ホルモン →集合管でのNa再吸収↓ 上皮小体ホルモン(パラトルモン) →遠位尿細管でのCa再吸収↑ ・尿の成分(色調←何に由来?、pH、比重、成分=水が95%)、尿量は一日1L! なぜ、尿検査では早朝尿の中間尿を取るのか? なぜ、起床時の尿は「濃い」のか? ・内分泌器官としての腎臓 レニン(傍糸球体細胞から;アンギオテンシンを活性化して全身の血圧を上昇) エリスロポエチン(間質の線維芽細胞から;骨髄における赤血球の産生を亢進) プロスタグランジン産生(集合管にて)、ビタミンDの活性化(近位尿細管にて) B 尿路、排尿路 ・腎臓→尿管→膀胱→尿道 (膀胱・尿管の壁は移行上皮!) 尿管 ureter の生理的狭窄部、内縦・外輪(・外縦)の平滑筋層による蠕動運動 膀胱 (urinary) bladder の底部に尿管口と内尿道口←膀胱三角;膀胱の後ろは何? 尿道 urethra の男女差(長短、屈曲の有無、精路との合流の有無)と導尿 骨盤底筋群(外尿道括約筋、肛門挙筋、尿生殖隔膜・深会陰横筋、等) ・蓄尿・排尿の神経系によるコントロール(どうやって尿を出し、また我慢するか?) 二種類の括約筋、自律神経系と体性神経系による二重の支配 内尿道括約筋=膀胱括約筋(平滑筋=不随意) 外尿道括約筋=尿道括約筋(骨格筋=随 意) 蓄尿:膀胱→[骨盤内臓神経:副交感]→脊髄(仙髄)→脊髄(腰髄)→ →[下腹神経:交感]→膀胱筋・弛緩、内尿道括約筋・収縮 大脳皮質:意思→[陰部神経:体性・運動]→外尿道括約筋・収縮 排尿:膀胱内圧上昇→膀胱壁進展→[骨盤内臓神経:副交感]→脊髄(仙髄)→ →脳幹→脊髄(仙髄)→[骨盤内臓神経:副交感]→膀胱収縮筋・収縮 →脊髄(腰髄)→[下腹神経:交感]抑制→内尿道括約筋・弛緩 →大脳皮質:「尿意」→[陰部神経:体性]抑制→外尿道括約筋・弛緩 尿失禁(腹圧性、切迫性) 排尿困難
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脳梗塞[ノウコウソク] 【英】brain infarction, cerebral infarction 【独】Hirninfarkt 脳血管の血流障害により,脳組織が壊死を起こすことをいう.血流障害の原因として,脳血栓*,脳塞栓*によることが多いが,クモ膜下出血*に伴う血管攣縮,低血圧*,低酸素血症などによっても起こる. 脳血栓[ノウケッセン] 【英】cerebral thrombosis 【独】Hirnthrombose 【仏】thrombose c*r*brale 【ラ】thrombosis cerebralis 脳血管に生じた血栓により脳血流障害が起こり脳梗塞*を生じることをいう.血栓形成の原因としてアテローム硬化に伴う血栓が多いが,動脈炎や血液疾患によるものもある.前駆症状として脳虚血発作をくり返すことが多い.発症は緩徐でありかつ段階的に進行する.脳局所症状にくらべて意識障害が軽く,髄液は清澄であり,髄液圧は正常であるなどの臨床的特徴がある.ただし,大梗塞を生じた場合は,意識障害,頭蓋内圧亢進を呈しうる.脳血栓の成因としてアテローム硬化のほか血液凝固能の亢進,高ヘマトクリット値などの血液因子も重要である. 脳塞栓[ノウソクセン] 【英】cerebral embolism 【独】Hirnembolie 【仏】embolie c*r*brale 流血中の血栓,空気,脂肪,腫瘍などの異物により脳血管が閉塞し,脳虚血を起こすことをいう.心臓または太い血管に生じた血栓が剥離し,頚部または頭蓋内動脈を閉塞することによる場合が多い.突然に発症することを特徴とする.再開通し,出血を伴い出血性梗塞*を呈することが多い 脳卒中[ノウソッチュウ] 【英】cerebral apoplexy 【独】Gehirnschlag 【仏】apoplexie c*r*brale 【ラ】apoplexia cerebri 脳血管障害*により,急激に意識障害*,神経症状が出現する病態.脳出血(高血圧性脳内出血*),脳梗塞*,一過性脳虚血発作*,クモ膜下出血*などがあり,それぞれに多くの原因疾患がある.脳出血の大部分は高血圧性脳内出血であるが,アミロイド*,アンギオパシーangiopathyによるものや出血性素因に基づくものもある.脳梗塞は脳血栓*と脳塞栓*に分けられ,脳塞栓の原因として心疾患が最も多い. クモ膜下出血[クモマクカシュッケツ] 【英】subarachnoid hemorrhage(SAH) 【独】Subarachnoidalblutung(SAB) 【仏】h*morragie sousarachno *dienne クモ膜下腔に出血した状態であり,頭部外傷によるクモ膜下出血を除けば,脳動脈瘤*破裂によるものが最大の原因である(60〜80%).その他の原因としては,脳動静脈奇形*破裂(10%),高血圧性脳内出血*(10%),その他の順となっている.高血圧性脳内出血の場合は,出血が脳室内に穿破し,これがクモ膜下腔に流出したと考えてよい.〔症状〕 クモ膜下腔に広がった血液による髄膜刺激症状および脳圧亢進症状が前景となる.前者では項部硬直,Kernig徴候,Brudzinski徴候などの髄膜刺激症状が出,後者では頭痛,嘔気,嘔吐,さらには眼底出血などが出現する.破裂脳動脈瘤による出血では,一時的にしろ意識障害が約半数に出現する.また,頭痛はこれまで経験したことのない強烈な頭痛であることが特徴である.〔診断〕 血性髄液を証明することであるので,腰椎穿刺が行われる.頭蓋内圧上昇のケースが多いので,脳へルニア*を防ぐため髄液採取の際に流出する髄液の量を最少にする必要がある.クモ膜下出血急性期にはX線CTスキャン上では血液は高吸収域として現れ,脳底槽,大脳間裂,シルヴィウス裂に高吸収域が現れるので腰椎穿刺をしなくても診断がつく.C. M. Fisherはこれらの部位の出血の程度を検討して,脳血管攣縮発生の予測ができるとした.〔治療〕(→脳動脈瘤).なおクモ膜下腔閉塞による慢性的な髄液循環障害が約10%に生じ,正常圧水頭症を引き起こす.その症状である歩行障害,尿失禁,知能障害は,髄液シャント術によって回復する.→ハントの分類,フィッシャーの分類 脳ヘルニア[ノウヘルニア] 【英】cerebral herniation 【独】Gehirnbruch, Hirnhernie 【仏】hernie du cerveau 《同義語》脳嵌頓,圧迫円錐pressurecone 頭蓋内圧が異常に亢進した場合,脳組織が一定境界を越えて隣接腔へ嵌入した状態をいう.嵌入する部位は,4つの部位が知られている. 1)テント切痕嵌頓*(ヘルニア)transtentorial herniation:テント上圧の亢進により,テント切痕を越えて側頭葉内側部(鉤回・海馬回)が下方に嵌入するもので,中脳,動眼神経,後大脳動脈などが圧迫される.臨床的には,進行する意識障害と除脳硬直*に至る一連の症状を呈する.除脳硬直に至る前に減圧処置がとられなければ,死の転帰をとるか不可逆性の症状を残す. 2)小脳扁桃嵌頓*(ヘルニア)tonsillar h.:後頭蓋窩圧が亢進して小脳扁桃が下方に押し出され大孔内に嵌頓するもので,延髄が圧迫されて無呼吸を生ずる.小脳腫瘍や出血に際して生じ,特に不用意に腰椎穿刺を行い髄液を排除すると生じやすい.最も緊急の処置がとられなければ救命できない. 3)大脳鎌下ヘルニアsubfalcian h.:大脳内側面の帯状回が大脳鎌下縁を越えて対側に嵌入した状態で,帯状回ヘルニアcingulate h.ともいう.このヘルニアのみで重篤な臨床症状を呈することはない. 4)蝶形骨縁ヘルニアsphenoid ridge h.:前頭葉の占拠性病変で前頭葉下面が蝶形骨縁を越えて中頭蓋窩へ,または側頭葉占拠性病変で側頭葉の前部が前頭蓋窩に嵌入した状態をいう.このヘルニアは,テント切痕ヘルニアや小脳扁桃ヘルニアと違って,臨床的に重大な問題を起こすことは少ない. 一過性脳虚血発作[イッカセイノウキョケツホッサ] 【英】transient 〔cerebral〕 ischemic attack(TIA) 【独】transitorische Anf*lle von zerebraler Isch*mie 【仏】accidents isch*miques c*r*braux passagers 脳血管障害*により突然,片麻痺*,失語症*などの脳局所症状が出現し,24時間以内(通常10〜20分以内)に回復する病態をいう.その病因として現在広く受け入れられている考えによると頚動脈や椎骨動脈などの頭蓋外部分に粥状硬化があり,そこに付着した血栓がはがれて頭蓋内の末梢脳血管に流入し,そこを閉塞して症状が出現する.やがて血栓は溶解して症状が消失する.これを微小塞栓説(micro embolus)という.一方,古くから脳血管不全説があり,この考えで説明しうる症例もありうると考えるものもある.一過性脳虚血発作の症例でCTあるいは剖検でその症状に一致する梗塞巣が見出されることがある.TIAの約10〜20%の例は脳梗塞*に移行し,脳梗塞の前兆として重要である.脳梗塞の予防に抗血小板薬が用いられる.なお脳局所症状が24時間以上持続し,3週間以内に消失するものをリンドRIND*(reversible ischemic neurological deficit)という. 高血圧性脳内出血[コウケツアツセイノウナイシュッケツ] 【英】hypertensive intracerebral hemorrhage(HICH) 【独】hypertonisches Intracerebralh*matom 【仏】h*matome intrac*r*bral 《同義語》脳出血cerebral hemorrhage 脳血管障害の20%を占める.長期に持続する高血圧のために脳の細小動脈壁に類線維性壊死が起こり,壁が破綻し出血するとされている.また微小脳動脈瘤が発生し,それが破綻するとする説もある.好発年齢は60歳代である.出血の発生部位は大脳基底核視床部60%,大脳皮質下20%,小脳10%,中脳橋10%となっている.中大脳動脈*より出る外側線条体動脈の最外側枝は脳卒中動脈arteria apoplecticaと称されるほど破綻をきたしやすい.また基底核視床部に生ずる出血は内包を境にして外側型と内側型に分ける.外側型の方が1.5 /1で頻度が高い.〔診断〕突然に発症する意識障害*,片麻痺*などの神経脱落症状と高血圧の既往が参考になる.頭痛は出血が脳室からクモ膜下腔への流出があるさいに強度となるが,そうでない場合は脳梗塞*の場合と同じく伴わない場合が多い.確定診断には従来,脳血管写が用いられていたが,現在ではCTスキャンで確定的となる.出血巣は高吸収域として描出され,出血部位,広がり,進展方向,脳室穿破の有無などが明らかになる.脳実質内の高吸収域は出血の大きさにもよるが3週間ほど経過すると高吸収域から低吸収域と変化し徐々に吸収される.〔治療〕 原則的には保存的治療がなされ,出血の拡大防止,頭蓋内圧低下,全身合併症の防止,早期リハビリに向けられる.外科的治療の目的は救命である.血腫の量と一般に出血後1週間以内にピークとなる脳浮腫*とが相まって頭蓋内圧亢進*をきたして危険な状態となるので大きな血腫には血腫除去術が行われる.一般に基底核出血・皮質下出血では一つの径が4cm以上である場合,小脳出血では径が3cm以上である場合が血腫除去の対象となる.血腫除去の方法としては開頭による除去のほかに近年再び定位脳手術*による除去も試みられている.一般に径が5cm以上のもの,脳室内に穿破して鋳型を作っているものに関しては手術を行っても生命の予後は悪い.視床出血(内側型出血),橋・中脳出血は手術対象にはならないが,脳室に穿破したものでは血性髄液除去,髄液循環改善,頭蓋内圧低下の目的で脳室ドレナージ*が行われる 髄膜炎[ズイマクエン] 【英】meningitis 【独】Meningitis 【仏】m*ningite 【ラ】meningitis 《同義語》脳脊髄膜炎 髄膜は,硬膜,クモ膜,軟膜の3層よりなるが,髄膜炎とは,通常軟膜,クモ膜およびクモ膜下腔の炎症を意味する.病因により次のように分類される. 1)化膿性髄膜炎*purulent meningitis:化膿菌により起こり,急性の経過をとる. 2)ウイルス性髄膜炎*viral m.:急性の経過をとるが,一般に化膿性髄膜炎より程度が軽く,自然治癒することが多い. 3)結核性髄膜炎*tuberculous m.:亜急性の経過をとり,多くは肺結核巣からの血行性転移により起こり,粟粒結核に随伴することもある. 4)真菌性髄膜炎*fungal m.:クリプトコックスによるものが多く,カンジダ,アスペルギルスなどもある.全身消耗性疾患や免疫不全状態の患者に起こりやすく,亜急性の経過をとる. 5)その他:レプトスピラ性髄膜炎などである.各種髄膜炎の共通の臨床症状は髄膜刺激症状に頭蓋内圧亢進*症状が加わったもので,一般に発熱,頭痛,嘔気,嘔吐を訴え,ときに痙攣,意識障害あるいは精神症状が出現する.神経学的には項部硬直*, Kernig徴候, Brudzinski徴候を認め,症例により脳神経障害や脳巣症状を示すこともある.髄液所見は原因により異なり,化膿性髄膜炎では,外観は混濁ときに膿性,圧上昇,細胞数増加,とくに多形核白血球の増加,タンパク上昇,糖の低下を認め,ウイルス性,結核性,真菌性では細胞の種類は単核球が優位であり,ウイルス性では糖は低下しない.原因菌検索のため,化膿菌はグラム染色,結核菌は抗酸菌染色,真菌では墨汁染色を行い,菌の培養も必要となる.治療としては原因疾患に応じた療法を施行する.化膿性ではペニシリン系などの抗生物質,結核性では抗結核薬,真菌性では抗真菌薬を投与する. 化膿性髄膜炎[カノウセイズイマクエン] 【英】purulent meningitis 【独】eitrige Meningitis 【仏】m*ningite purulente 【ラ】meningitis purulenta 《同義語》化膿性脳脊髄膜炎 細菌感染による軟膜,クモ膜およびクモ膜下腔の炎症であり,主な原因菌は,髄膜炎菌*,肺炎球菌,インフルエンザ菌,レンサ球菌,大腸菌,ブドウ球菌などである.感染経路は,血行性,外傷性あるいは中耳,副鼻腔などからの波及などによる.病理組織学的には,脳槽や脳表の溝の部分に多形核白血球,マクロファージ,リンパ球などの炎症細胞や滲出液が認められる.臨床症状は,一般に発熱,頭痛,嘔気,嘔吐,痙攣,意識障害あるいは精神症状が出現し,神経学的には,項部硬直*,ケルニッヒ徴候*Kernig s sign,ブルジンスキー徴候*Brudzinski s signを認める.検査所見は,一般の炎症所見に加えて,髄液所見が重要である.髄液所見は,外観は混濁ときに膿性,圧上昇,細胞数増加,とくに多形核白血球の増加,タンパク上昇,糖の低下を認める.原因菌の検索のため,菌の培養,同定が必要となる.治療は,ペニシリン系などの抗生物質の全身投与が有効である.髄膜炎の後遺症として,髄液の吸収障害による水頭症や硬膜下水腫の出現に注意すべきである. ウイルス性髄膜炎[ウイルスセイズイマクエン] 【英】viral meningitis ウイルスによって引き起こされる髄膜炎*であり,無菌性髄膜炎*aseptic meningitisの大部分を占める.わが国ではコクサッキー,エコーなどのエンテロウイルスによるものが多いが,ヘルペスウイルス,アデノウイルス,パラミキソウイルス,ピコルナウイルス,トガウイルス,ブニャウイルス,アレナウイルスやHIVでも生じる(→HIV髄膜炎).まれではあるがアデノウイルス,サイトメガロウイルス,エプスタイン・バーウイルス,インフルエンザウイルス(A, B), 麻疹ウイルス, ムンプス,風疹ウイルス,パラインフルエンザウイルス,水痘・帯状ヘルペスウイルスによっても生じる.典型例では発熱などの一般の感染症状に加えて,頭痛,嘔気,嘔吐,髄膜刺激症状*(項部硬直*,ケルニッヒ徴候*)などを示すが細菌性髄膜炎*bacterial meningitisより軽度のことが多く,場合によっては髄膜刺激症状がはっきりしないことも多い.髄液所見では,単核球優位の細胞増多,軽度のタンパク増加を示すが,糖は減少しない.予後は,一般に良好である. 結核性髄膜炎[ケッカクセイズイマクエン] 【英】tuberculous meningitis 【独】tuberkul*se Meningitis 【仏】m*ningite tuberculeuse 【ラ】meningitis tuberculosa 結核症の一つとして,しばしば髄膜炎*が起こる.とくに,糖尿病などの基礎疾患をもち,感染に対する抵抗力の低下している症例などに起こりやすい.一般に,緩徐に発症する.髄液所見の特徴は,タンパク増加,糖の減少,単核球優位の細胞増多である.髄液から,染色標本や培養にて結核菌を証明して,確定診断が得られる.十分な抗結核療法を行う. 真菌性髄膜炎[シンキンセイズイマクエン] 【英】fungal meningitis 【独】mykotische Meningitis 【仏】m*ningite mycotique 真菌性髄膜炎は真菌感染による亜急性髄膜炎である.病原体としてはクリプトコックスCryptococcus neoformansによることが最も多く,その他カンジダCandida albicans,アスペルギルスAspergillus fumigatus,ムーコル菌などがみられる.臨床症状は徐々に発症し進行する頭痛,発熱,悪心,嘔吐,精神症状,さらに意識障害を認めることが多く,ときに局所症状を示す.髄液ではリンパ球増加と糖の減少が特徴的であり,結核性髄膜炎*との鑑別が困難であり,墨汁染色および培養により病原体を証明することが重要である. 頭蓋内圧亢進[トウガイナイアツコウシン] 【英】increased intracranial pressure 《同義語》脳圧亢進brain hypertension, Hirndruckssteigerung 脳脊髄腔の圧が高まることを頭蓋内圧亢進または脳圧亢進といい,以下のような原因により生ずる. 1)脳実質の増大(脳浮腫*), 2)脳循環血液量の増加(炭酸ガス分圧の上昇), 3)脳脊髄液の貯留(髄液流路閉塞,吸収障害,過剰分泌), 4)頭蓋内占拠性病変(腫瘍,血腫,膿瘍),5)原因不明のもの,などである.〔自覚的症状〕 1)頭痛:最も頻度が高いが,必発ではない.頭痛は早朝にみられることが多い(early morning headache). 2)嘔吐:嘔気を伴うことが多いが,嘔気を伴わず突然生ずることがあり,多くは噴出性projectileである. 3)視力障害:初期にはあまり自覚しない.一過性反復性の視力障害としてみられることが多い.頭蓋内圧亢進が長く続くと視神経萎縮を生じ,失明することがある. 4)複視:多くは外転神経麻痺により生ずる.動眼神経麻痺*によることもある.〔他覚的所見〕 1)うっ血乳頭:視神経乳頭が突出し,乳頭辺縁が不鮮明となる.乳頭周辺に網膜出血を生ずることがある. 2)眼球運動障害:一側の外転障害が多い. 3)意識障害:頭蓋内圧亢進に伴って意識障害の程度が進行する.テント切痕ヘルニアに陥ると昏睡となる. 4)瞳孔不同:テント切痕ヘルニアにより動眼神経が圧迫されて生ずる.同時に散瞳側の対光反射消失を伴う. 5)徐脈,血圧上昇,体温上昇:急激な内圧亢進により,視床下部や延髄が障害されて生ずる. 髄膜刺激症状[ズイマクシゲキショウジョウ] 【英】meningeal irritation sign 【独】Meningealreizerscheinung クモ膜下出血あるいは各種髄膜炎による炎症などによって髄膜が刺激された時にみられる症候の総称で,項部硬直*,ケルニッヒ徴候*Kernig s sign,ブルジンスキー徴候*Brudzinski s signなどの徴候のほか頭痛,羞明,悪心・嘔吐その他がみられる.頭痛や意識障害を呈する症例には必ずこれら髄膜刺激症状の有無を検査することが大切であり,これを示す場合は脳炎*,髄膜炎*,クモ膜下出血*,脳出血(高血圧性脳内出血*)など髄液に異常がみられる疾患が大多数を占める 頭蓋内腫瘍[トウガイナイシュヨウ] 【英】intracranial tumor 《同義語》脳腫瘍brain tumor 頭蓋内に発生する腫瘍.脳実質のみならず,頭蓋内に存在する組織,すなわち骨,髄膜,血管,下垂体,脳神経,先天性遺残組織などから発生する原発性または転移性新生物をさす.寄生虫,結核などの肉芽腫*も頭蓋内腫瘍として取り扱うことがある.発生原因は現在のところ不明であるが,母斑症*の一部と網膜芽細胞腫*は遺伝因子が関与する.多数の頭蓋内腫瘍の分類があり統一されたものはないが,組織発生学的根拠に基づく分類が基礎となっている.最近はWHOの国際統一分類が提唱されている.神経膠腫*の頻度が多く(約40%),次いで髄膜腫*(約18%),下垂体腺腫*(約10%),神経鞘腫*(約10%)の順に多い.わが国と欧米の統計を比較すると,わが国において頭蓋咽頭腫*と松果体部腫瘍*の発生頻度が多い.頭蓋内腫瘍はあらゆる年代に発生するが,35〜55歳に好発する.頭蓋内腫瘍の症状は,頭蓋内腔の中で腫瘍が増大あるいは髄液流通障害による頭蓋内圧亢進*症状と腫瘍発生部位による局所症状である.頭蓋内圧亢進症状は, 1)頭痛, 2)悪心・嘔吐, 3)うっ血乳頭であり(三主徴),局所症状は,多くの場合は発生部位の脱落症状であるが,刺激症状として痙攣発作をきたす.発症からの経過は進行性である.〔診断〕 臨床経過および神経学的所見を基本とし,補助診断により確定される.補助診断としては,頭蓋単純撮影,CTスキャン,脳シンチグラフィ,脳血管撮影,脳波などがあるが,CTスキャンが最も有効である.最近では,MRI*が有用である.〔治療〕 基本的には手術による腫瘍摘除である.腫瘍の局在部位により根治手術が困難な場合は,放射線療法,化学療法が用いられる.〔予後〕 腫瘍組織により異なり,膠芽腫では5年生存率10%,星細胞腫50%であるが,髄膜腫,下垂体腺腫,神経鞘腫は80%以上と良好である. 神経膠腫[シンケイコウシュ] 【英】glioma 【独】Gliom 【仏】gliome 《同義語》グリオーマ 脳実質の神経外胚葉組織から発生した腫瘍の総称.原発性頭蓋内腫瘍の30〜40%を占め,最も頻度の高い脳腫瘍である.神経膠腫の分類は,1926年のBaileyとCushingによる組織発生学的分類により基礎が築かれた.彼らは神経膠腫を14に分類し,その名称は広く用いられている. Kernohanらは,臨床的悪性度を加味し,悪性度によりI〜IV度に区分する分類を提唱している.このほかにも多くの分類があるが,最近WHOによる国際統一分類が提唱されている.神経膠腫に含まれるものに,星細胞腫(アストロサイトーマ*astrocytoma),多形性膠芽腫glioblastoma multiforme,髄芽腫*medulloblastoma,脳室上衣腫*ependymoma,乏突起膠腫oligodendroglioma,脈絡叢乳頭腫choroid plexus papilloma,その他がある.星細胞腫は,全神経膠腫の20〜30%を占め,組織形態によりfibrillary, protoplasmic, gemistocyticの3型に分けられる.星細胞腫は,中枢神経系のどこにでも発生するが,大脳半球に好発する.良性から悪性までみられ,一般に正常組織との境界は不鮮明である.若年者では,小脳,脳幹部,視神経に好発し,fibrillary typeが多い.多形性膠芽腫は神経膠腫の約30%を占め,成人の大脳半球に好発し,最も悪性の腫瘍であり,手術,放射線,化学療法を併用しても,5年生存率は10%程度である.髄芽腫は神経膠腫の約10%を占める.組織発生学的に幼若なもので,悪性度は高く,小児の小脳に好発する.脳室上衣腫は5〜8%を占め,脳室壁から発生し,脳室内あるいは脳実質に進展する.部位的に第四脳室,第三脳室,側脳室の順に多い.若年者に好発する.乏突起膠腫は5%を占め,成人の大脳半球に好発する.緩慢に発育する腫瘍で,しばしば石灰沈着を伴う.脈絡叢乳頭腫は,頻度の少ない腫瘍で,小児の脳室に発生する. 髄膜腫[ズイマクシュ] 【英】meningioma 【独】Meningiom 【仏】m*ningiome 《同義語》メニンジオーマ クモ膜顆粒*のクモ膜絨毛細胞から発生する.肉眼的に一部硬膜と癒着し,一般に球状の被膜を有し,脳とは明らかな境界を有する.頭蓋内腫瘍の約15%を占め,神経膠腫*についで頻度が高い.成人に好発し,やや女性に多い.好発部位は,傍矢状洞部,とくにその中央1/3および大脳鎌付近である.このほかに,蝶形骨縁,嗅溝,鞍結節部,小脳テント,小脳橋角部にみられる.まれに脳室内脈絡叢から発生することがある.髄膜腫は,頭蓋内のほかに,脊椎管内に発生し,神経鞘腫*とともに脊椎管内の硬膜内髄外腫瘍の大部分を占める.組織学的には,大部分の髄膜腫は内皮細胞型,線維芽細胞型,移行型に属し,ほかに血管芽細胞型,肉腫型があるが,数は少ない.経過は長く,徐々に脳を圧迫する形で増大する良性腫瘍であり,悪性の髄膜腫はまれである.〔症状〕 発生部位に対応する神経症状であり,側頭葉てんかん(精神運動発作*)やジャクソンてんかん*などの焦点性てんかんを初発症状とすることがある.〔診断〕 CTスキャンにより容易となり,限局した腫瘍像がよくみえ,増強CTによりびまん性の高吸収域となる.頭蓋単純撮影上,頭蓋骨内板肥厚,石灰沈着などの異常がみられる.脳血管撮影上の異常として,外頚動脈からの血流支配および腫瘍陰影が特徴とされる.〔治療〕 手術により付着硬膜を含めての全摘出が可能であり,その場合は根治できる.発生部位により,全摘出不能の場合も,発育が緩徐なため,有意義な生活をおくることが比較的長期にわたり可能である. 下垂体腺腫[カスイタイセンシュ] 【英】pituitary adenoma 【独】Hypophysenadenom 【仏】ad*nome hypophysaire 下垂体前葉細胞から発生する良性腫瘍.頭蓋内腫瘍の約10%を占め,好発年齢は成人(30〜50歳)で小児はまれである.従来,組織の染色により,嫌色素性腺腫,好色素性腺腫(好酸性腺腫,好塩基性腺腫)に分類されたが,下垂体ホルモン分泌による次のような分類が重要視されている.分泌性腺腫(プロラクチン分泌腺腫,成長ホルモン分泌腺腫,副腎皮質刺激ホルモン分泌腺腫,甲状腺刺激ホルモン分泌腺腫,性腺刺激ホルモン分泌腺腫,混合腺腫)および非分泌性腺腫.〔症状〕 視力障害,頭痛の圧迫障害と内分泌障害(腫瘍組織による下垂体前葉機能低下,および腫瘍組織より分泌されるホルモンによる機能障害)に大別される.〔治療〕 手術による腫瘍の摘除である.手術到達法としては,前頭開頭術と経蝶形骨洞到達法がある.プロラクチン分泌腺腫に対して,ブロモクリプチン内服が有効であるが,長期投与に関してはいまだ不明である. 神経鞘腫[シンケイショウシュ] 【英】neurilemoma, neurinoma 【独】Neurilemom, Neurinom 【仏】neurinome シュワン腫schwannomaとも呼ばれ,線維性被膜に囲まれた良性の病変で,組織学的には紡錘形細胞と線維が豊富で核の柵状配列palisadingの目立つ成分(Antoni A型)と,細胞および線維に乏しい疎な部分(Antoni B型)とからなる.臨床的にはあらゆる年齢層に生じるが,20〜50歳に多い.頭頚部,四肢の伸側に好発する.後縦隔や後腹膜に発生することもある.通常は単発性であるがまれには多発し,フォンレックリングハウゼン病von Recklinghausen disease(神経線維腫*)に合併する場合もある.肉眼的には腫瘍は,神経鞘内に発生するため,神経外膜からなる被膜で囲まれている.大きな神経内に生じた場合は神経内に偏在性に存在する.腫瘍は通常は直径5cmくらいの大きさであるが,後腹膜や縦隔に生じた場合は相当に大きな腫瘤を形成する.大きな病変では嚢胞形成や石灰化などの二次的な変性が起こっていることが多い.組織学的には前述のようにAntoni A型とB型の像を有することが特徴であるが,A型のみからなる場合もある.前述のような核の柵状配列のほかに,細胞と線維のうずまき状の配列が特徴である.Antoni B型のところでは,嚢胞変性や不整の大きな血管や炎症細胞浸潤がみられ,時には腫瘍全体が血管腫のようにみえることがある.軽度の核異型や少数の核分裂像を伴う場合もある.電顕的には神経線維腫とは異なり,神経鞘腫はシュワン細胞のみからなる.腫瘍細胞には細長い突起が目立ち,細胞は基底膜で囲まれている.腫瘍細胞間にはしばしばlong-spacing collagenがみられる.免疫組織化学的にはS-100タンパク*陽性である. 転移性脳腫瘍[テンイセイノウシュヨウ] 【英】metastatic tumor of the brain, metastatic brain tumor 頭蓋内腫瘍*の約15%を占めるが,原発巣の治療成績の向上により,その頻度は増加している.脳転移を起こす悪性腫瘍の70%は癌であり,原発病巣で最も頻度の高い部位は,肺,次いで乳腺,胃,頭頚部,腎である.欧米では,胃癌*は少なく,悪性黒色腫*の頻度が多い.癌の中で脳に転移をきたしやすいものは悪性黒色腫, 悪性絨毛上皮腫であり, 肺癌*,乳癌*では約20%に,胃癌では0.5%に脳転移をきたすにすぎない.年齢では30〜60歳に多く,10歳以下では,肉腫や神経芽細胞腫*の転移がみられる.転移部位は,下垂体*を含む大脳*に多い.約2/3が多発性で,約1/3が単発性である.軟膜にびまん性に広がるびまん性髄液腔癌腫症の形をとる場合がある.臨床上の問題として,原発巣が明らかで脳転移が疑われる場合と,脳腫瘍として発現し,後に原発巣が発見される場合がある.脳転移の摘出により有意義な生活が期待される場合は,手術適応となる. 脊髄腫瘍[セキズイシュヨウ] 【英】spinal cord tumor 【独】R*ckenmarksgeschw*lste 【仏】tumeur de moelle *pini*re 【ラ】tumor medullaris(spinalis) 脊髄の周囲あるいは内部に発生した腫瘍の総称で,神経根あるいは脊髄の圧迫症状を呈する.初期には疼痛を示すが,腫瘍の増大とともに,しびれ感,歩行障害,排尿障害などの脊髄麻痺症状を呈するようになる.腫瘍の脊柱における横断面上の占拠部位から,髄内腫瘍intramedullary tumor,硬膜内髄外腫瘍intradural-extramedullary t.,硬膜外腫瘍extradural t.と分類される.また,脊柱管spinal canalの内外に及ぶものを砂時計腫*dumbbell shaped tumorと呼ぶ.病理組織学的には,髄内腫瘍には上衣腫ependymoma(脳室上衣腫*),アストロサイトーマ*astrocytoma,硬膜内髄外腫瘍には神経鞘腫*neurinoma, neurilemmoma,髄膜腫*meningiomaが,硬膜外腫瘍には転移性腫瘍metastatic tumor,悪性リンパ腫malignant lymphoma,癌腫などが多い.また,多発性腫瘍として,神経線維腫症*neurofibromatosisがある.腫瘍の発生年齢は,小児には少なく,大部分は青壮年にみられる.好発高位は胸椎部である.診断には,発生部位により特徴的な像(髄内腫瘍の脊髄腫脹像,硬膜内髄外腫瘍の騎袴状像,硬膜外腫瘍の筆の穂先状像)を呈するミエログラフィーにより診断される.最近は,核磁気共鳴画像(MRI*)により,早期に診断されるようになってきた.造影剤としてGD-DTPAを静注すると腫瘍の輪郭がより明らかになる.治療は腫瘍の全摘出術が原則であるが,境界不明瞭な髄内腫瘍では術後の麻痺の増悪を考慮にいれ切除範囲を決めるべきである. パーキンソン病[パーキンソンビョウ] 【英】Parkinson disease(PD) 《同義語》振戦麻痺paralysis agitans, shaking palsy,特発性パーキンソニズムidiopathic parkinsonism 中脳黒質のドパミン作動性神経細胞の変性脱落によって,神経終末がある線条体でドパミン不足をきたし,錐体外路性運動障害が出現する変性疾患で,静止時振戦*,筋強剛,動作緩慢*・無動,姿勢反射障害を四主徴とする.とくに,親指と示指で丸薬をこねるような振戦*(丸剤製造様運動pill-rolling movement)は本症に特徴的である.他に,仮面様顔貌*,瞬目減少,脂顔,小声で早口,前傾で四肢を屈曲した姿勢,小刻み歩行,すくみ足,突進歩行,方向転換困難などが出現し,便秘や排尿障害,低血圧などの自律神経症状も合併する.高齢者では痴呆の頻度が高い.補充療法である(L)-ドパが著効し,ドパミン受容体刺激薬,抗コリン薬も有効である.病理学的には,中脳の黒質と橋の青斑核*のメラニン含有神経細胞の変性脱落と,残存神経細胞質内に出現する好酸性封入体(→レヴィー小体)が認められる.有病率は10万人当たり約100人である.病因は不明であるが,何らかの中毒物質の関与が推定されている. ハンチントン病[ハンチントンビョウ] 【英】Huntington s disease(HD) 【独】Huntington-Krankheit 【仏】maladie de Huntington 《同義語》遺伝性舞踏病hereditary degenerative chorea 従来は,ハンチントン舞踏病Huntington s chorea,Huntington-Chorea,choree de Huntingtonという名称が用いられていたが,最近では,舞踏病症状が必発というわけでなく,ハンチントン病とされることが多くなった.本病は,1872年,Huntingtonによって,小舞踏病*chorea minorから区別されるものとして提唱された一疾患である.単純優性遺伝の形式をとる遺伝性変性疾患である.わが国での家系は欧米に比べはるかに少ない.30〜40歳代に発症し,手,四肢,顔,頚,肩などに舞踏様の不随意運動(ヒョレアchorea)がみられる.動きは緩慢で,振りも大きく,踊りを踊っているようにみえるので,舞踏病という名がつけられた.筋緊張は亢進し,協調運動の障害を伴う.不随意運動は全身に広がり,随意運動ができなくなるほど進行する.不随意運動に続発,あるいは先行して,精神症状が出現するのが特徴である.痴呆と人格障害*が目立ち,まとめて皮質下痴呆*ともいわれている症状を示す.抑うつ,不活発,無欲,投げやり,怠惰,易怒,衝動的となり,道徳感情が失われ,社会的逸脱行為を示す.判断力,抽象能力,見当識障害などもみられてくる.経過は慢性進行性で,10〜15年ののち,全身衰弱,合併症で死の転帰をとる.なお,以上の古典型のほかに,亜型として若年発症型,パーキンソン症候群(パーキンソニズム*)を主徴とする筋固縮型rigid form(あるいはウェストファール変異型Westphal s variant)が知られている.本病の主な脳病変は,線条体(尾状核,被殻)の著明な変性・萎縮である.その部の小形神経細胞が変性・消失し,線維性グリオーシスを示す.大脳皮質や白質も萎縮し,大脳皮質の神経細胞の変性・消失もみるが,細胞構築は保たれるなど,他の大脳皮質病変を主とする疾患とは異なった皮膚病変を示す.CTやMRI,あるいはSPECTやPETなどの画像検査によって,臨床的にもこの疾患の診断はより確実となった.線条体の変性に対応してGABA,P物質,エンケファリンなどの神経伝達物質の異常がみられる.本病の病的遺伝子の座が第4番染色体の長腕q16.3にあり,そこでCAGの3塩基配列の異常繰り返しがあることが明らかとなっている(George Summer Huntingtonはアメリカの神経学者,1862-1927). ウィルソン病[ウィルソンビョウ] 【英】Wilson s disease 【独】Wilson-Krankheit 【仏】maladie de Wilson 《同義語》肝レンズ核変性症hepato-lenticular degeneration 肝硬変*,進行性錐体外路症状およびカイザー・フライシャー角膜輪*Kayser-Fleischer corneal ringを三主徴とする先天性銅代謝異常症である.常染色体性劣性遺伝形式をとり,男女両性に出現する.発症は,4〜60歳と幅広い.小児期には,肝障害や溶血をもって発症する肝型が多く,神経症状をもって発症する神経型や肝神経型は10歳以降にみられる.肝障害は,軽い黄疸・軽度の肝機能障害から腹水を認めるものまでいろいろの型をみるがいずれも進行性の結節性肝硬変となる.神経症状は,構音障害,特有の振戦などから始まり次第に歩行障害が出現し荒廃する.Kayser-Fleischer角膜輪は,肉眼的には10歳以降にみられ,神経型には必発といわれる.血清セルロプラスミンの低値,尿中銅排泄過多があり,生体内に過剰銅が蓄積するために諸症状を呈する.〔治療〕 キレート剤であるD-ペニシラミンが使用され,発症予防や治療が可能となっている.D-ペニシラミンの副作用も多く報告され,トリエンが使用されることもある(Samuel Alexander Kinnier Wilsonはイギリスの神経科医,1878-1918). 脊髄小脳変性症[セキズイショウノウヘンセイショウ] 【英】spinocerebellar degeneration(SCD) 【独】spinale cerebellare Degeneration 【仏】d*g*n*ration spinoc*r*belleuse 脊髄小脳変性症(SCD)は1954年にGreenfieldがそれまでの小脳性運動失調症cerebellar ataxiaや遺伝性運動失調症hereditary ataxiaなどをSCDの名のもとにまとめたが,現在に至るまで臨床病型に合致しない症例が出現し混乱に陥ってきた.SCDは疾患群の総称であり,単なる概念にすぎず疾患単位(病名)ではない.運動失調*,体幹運動失調truncal ataxia,協調運動*障害,小脳性言語障害,錐体路障害,眼振*や不髄意運動を主要な神経徴候とする.主要病変部位による分類では, 1)小脳型(小脳皮質に病変を有するHolmes型など), 2)脊髄小脳型(Menzel型オリーブ・橋・小脳萎縮症など), 3)脊髄型(Friedreich運動失調症,遺伝性痙性失調症hereditary spastic ataxiaなど)に分けられている.近年,分子遺伝学的研究の導入により遺伝性SCDを中心として従来の疾患分類が大きく変わりつつある.とくに遺伝性オリーブ・橋・小脳萎縮症(遺伝性OPCA)やMenzel型遺伝性OPCAとされてきた一群に認められる.1つは遺伝子座がSCA(spinocerebellar ataxia)1と命名され第6染色体短腕上6p22-23に決定されているもので,他の遺伝子座はSCA 2(脊髄小脳変性症2型)と命名され,第12染色体長腕12q23-24.1に決定されている.遺伝性OPCAに包含されてきたマシャド・ジョセフ病Machado-Joseph disease(MJD)も,わが国の家系の遺伝子座は第14染色体長腕(14q23.4-32)にあり,さらにフリードライヒ運動失調症Friedreich ataxia(フリードライヒ病*)では遺伝子座が第9染色体長腕の動原体側9q13-21に決定された.このように従来の臨床病型などから分子遺伝子解析に基づく病型分類の作成へと移りつつあり,SCD領域にも新しい動きが出現してきている. 脊髄(延髄)空洞症[セキズイクウドウショウ] 【英】syringomyelia(‐bulbia) 【独】Syringomyelie(‐bulbie) 【仏】syringomy*lie(‐bulbie) 脊(延)髄に液貯留が起こり,脊(延)髄が嚢胞性拡大をきたした状態.中心管と交通をもつ交通性と,交通のない非交通性に分類可能.交通性では第四脳室の出口の閉塞が先天性あるいは後天性に起こり,第四脳室と中心管が交通しており,髄液脈圧が中心管に伝達されて脊髄内水腫hydromyeliaになるが,上衣細胞が破綻すると傍中心管性syrinxが発生する.syrinxとは管とかパイプという意味で,中心管とは無関係.hydromyeliaの壁は上衣細胞.しかしこの説は非交通型や,中脳水道狭窄型にみられるsyrinxの説明にはならない.本症は頚部に多いが,延髄にあればsyringobulbiaとなる.診断は最近ではMRIやCT脊髄造影法で数時間後に造影剤(メトリザミドmetrizamide)がsyrinx内に取り込まれドーナツ型になる点に留意する.治療は第四脳室内中心管開口部に筋肉小片や他のprosthesisをつめたり,嚢胞とクモ膜下腔の短絡術を行う. 進行性核上性麻痺[シンコウセイカクジョウセイマヒ] 【英】progressive supranuclear palsy(PSP) 【独】progressive supranukleare Paralyse 【仏】paralysie progressive supranucl*aire 《同義語》スティール・リチャードソン・オルゼウスキー症候群Steele-Richardson-Olszewski syndrome Steele, Richardson, Olszewski(1946)によって独立疾患として認識され,垂直注視麻痺,項部ジストニー,仮性球麻痺,錐体外路徴候,痴呆を主徴とする.男性にやや多く,40〜60歳代に,不安定な歩行,言語障害,性格変化などで徐々に発症する.特徴的なのは注視麻痺で,垂直注視,とくに下方視の障害が顕著で,進行すると側方注視も困難となる. oculocephalic reflexや人形の目徴候*が存在し,麻痺は核上性と考えられる.また頚筋のジストニー,固縮により頭部の後屈がみられる.体幹筋,四肢の固縮も存在する.中期以降には仮性球麻痺が出現し,軽〜中等度の痴呆も伴う.病理学的には淡蒼球,黒質などの大脳基底核,上丘,中脳水道周囲灰白質,橋被蓋などに神経細胞の脱落,神経原線維変化,グリオーシス,脱髄がみられる.原因は不明であるが,変性疾患と考えられている.有効な治療法はなく,徐々に進行性で,平均5〜6年で感染症,栄養障害のために死亡する. アルツハイマー型痴呆[アルツハイマーガタチホウ] 【英】dementia of Alzheimer type(DAT) 初老期発症のタイプを最初に記載したアルツハイマー Alzheimerにちなんでアルツハイマー病Alzheimer s disease,高齢期発症のタイプを19世紀初頭のピネル以来の記載にならって老年痴呆senile dementia,あるいはアルツハイマー型老年痴呆senile dementia of Alzheimer type(SDAT)と称し,あわせてアルツハイマー型痴呆という.初老期では,40歳代後半から50歳代にかけ,高齢期では70歳代後半以降に発症し,記憶障害,意欲障害,判断障害,失語,失行,失認,人格障害,感情障害,鏡現象,クリューヴァー・ビューシー症候群Kl*ver-Bucy syndromeなどの症状が現れ,高度の痴呆におちいり,さらに,てんかん発作や筋固縮などの神経症状が加わり,最後は失外套症候群*を示し,寝たきりとなって死に至る脳の変性疾患である.脳の病理変化としては,老人斑*(アミロイドタンパク,βタンパク*の沈着),アルツハイマー神経原線維変化*,神経細胞消失がみられ,症状の進行とともに病変は高度となり,著明な脳萎縮(→脳萎縮症)をきたす.側頭葉内側部と側頭・頭頂・後頭葉接合部に病変が強い.病態として,アミロイドタンパク,βタンパクの異常かつ早期の沈着,神経細胞内のリン酸化タウタンパクの貯留が重要であり,またアセチルコリンなどの神経伝達物質の異常減少が背景にあることなどが明らかにされている.アルツハイマー型痴呆のなかに家族性アルツハイマー病familial Alzheimer disease(FAD)といわれ,親子,同胞に同疾患が多発する遺伝性のある一群があり,そこでは第14, 19, 21のそれぞれの染色体における遺伝子の異常が報告され,またアミロイドタンパクの前駆体タンパクにおけるアミノ酸配列の点変異(→点〔突然〕変異)の存在が証明されている.このように最近になって詳しい病態が明らかとなってきたが,絶対的な予防や治療は,なお,見いだされていない.現段階では,脳機能改善薬(脳代謝賦活薬,脳循環改善薬,神経伝達機能調整薬)を主体とした薬物療法,リハビリテーション,生活指導,ケアと看護などが治療の主流である(Alois Alzheimerはドイツの著名な精神医学者,1864-1915). アルツハイマー型痴呆[アルツハイマーガタチホウ] 【英】dementia of Alzheimer type(DAT) 初老期発症のタイプを最初に記載したアルツハイマー Alzheimerにちなんでアルツハイマー病Alzheimer s disease,高齢期発症のタイプを19世紀初頭のピネル以来の記載にならって老年痴呆senile dementia,あるいはアルツハイマー型老年痴呆senile dementia of Alzheimer type(SDAT)と称し,あわせてアルツハイマー型痴呆という.初老期では,40歳代後半から50歳代にかけ,高齢期では70歳代後半以降に発症し,記憶障害,意欲障害,判断障害,失語,失行,失認,人格障害,感情障害,鏡現象,クリューヴァー・ビューシー症候群Kl*ver-Bucy syndromeなどの症状が現れ,高度の痴呆におちいり,さらに,てんかん発作や筋固縮などの神経症状が加わり,最後は失外套症候群*を示し,寝たきりとなって死に至る脳の変性疾患である.脳の病理変化としては,老人斑*(アミロイドタンパク,βタンパク*の沈着),アルツハイマー神経原線維変化*,神経細胞消失がみられ,症状の進行とともに病変は高度となり,著明な脳萎縮(→脳萎縮症)をきたす.側頭葉内側部と側頭・頭頂・後頭葉接合部に病変が強い.病態として,アミロイドタンパク,βタンパクの異常かつ早期の沈着,神経細胞内のリン酸化タウタンパクの貯留が重要であり,またアセチルコリンなどの神経伝達物質の異常減少が背景にあることなどが明らかにされている.アルツハイマー型痴呆のなかに家族性アルツハイマー病familial Alzheimer disease(FAD)といわれ,親子,同胞に同疾患が多発する遺伝性のある一群があり,そこでは第14, 19, 21のそれぞれの染色体における遺伝子の異常が報告され,またアミロイドタンパクの前駆体タンパクにおけるアミノ酸配列の点変異(→点〔突然〕変異)の存在が証明されている.このように最近になって詳しい病態が明らかとなってきたが,絶対的な予防や治療は,なお,見いだされていない.現段階では,脳機能改善薬(脳代謝賦活薬,脳循環改善薬,神経伝達機能調整薬)を主体とした薬物療法,リハビリテーション,生活指導,ケアと看護などが治療の主流である(Alois Alzheimerはドイツの著名な精神医学者,1864-1915). ピック病[ピックビョウ1] 【英】Pick s disease 【独】Pick-Krankheit 【仏】maladie de Pick アルツハイマー病(アルツハイマー型痴呆*)とともに,初老期痴呆*症を代表するもので,現在なお原因不明の変性疾患である.1892年,プラハ大学のPickによって特有の痴呆症状と限局性脳病変を呈した症例が報告され,のちに大成潔‐H. Spatzによってピック病と命名された.臨床的には,人格変化,意欲減退,判断力低下などの症状で始まり,加えて,感覚失語や語義失語などの言語障害,滞続現象,怠け思考,衝動行為,無関心,無為などの症状が現れ,痴呆が進行性に悪化し,末期には失外套症候群*様の状態となり,最後は合併症で死に至る.8〜10年の経過をとる.なお,経過中,記憶障害*は軽度であるのが特徴である.神経病理学的には,脳葉の限局性萎縮,萎縮部位の皮質神経細胞の消失とグリオーシス,皮質下白質の萎縮と硬化が存在するのが主病変である.アルツハイマー病にみるような老人斑*や神経原線維変化(アルツハイマー神経原線維変化*)のような老人変化は存在しない.残存した皮質神経細胞が腫脹し,あるいは胞体内に嗜銀性封入体がみられることがある.後者の所見をピック嗜銀球というが,必発の所見ではない.まれな疾患で,アルツハイマー病との比率は,1対100ほどの頻度であるといわれている.原因,詳しい病態もまだよくわかっていない.したがって,効果ある治療法もまだ開発されていない(Arnold Pickはプラハ大学の精神医学教授,1851-1924) 重症筋無力症[ジュウショウキンムリョクショウ] 【英】myasthenia gravis(MG) 神経筋接合部の興奮伝達ブロックにより,筋の脱力,易疲労性が生じる疾患で,自己免疫疾患*とされている.運動機能は末梢神経終末からアセチルコリンが分泌され,それがシナプス後筋線維膜に存在するアセチルコリン受容体タンパクと結合して終板電位を起こし,これが閾値に達すると筋活動電位が発生することで保たれている.本症においてはこのアセチルコリン受容体タンパクが障害を受けて減少し,そのために興奮伝達が阻害されている.症状としては眼症状が高頻度で,眼瞼下垂,外眼筋麻痺,複視がみられる.顔面筋,喉頭筋の症状も多く,嗄声,嚥下障害などをみる.四肢では肩,腰の筋の脱力が強い.こうした症状は少しの時間休養すると消失し,動作をくり返すと悪化する.また朝は比較的症状が軽く,夕方悪化することも多い.こうした症状の不安定性と休息による回復性が本症の特徴である.こうした特徴に加えて,誘発筋電図での活動電位の減衰,抗コリンエステラーゼ薬の有効性(テンシロン試験*),血清抗アセチルコリン受容体抗体価上昇などが確かめられれば診断は確定する.本症では胸腺肥大,胸腺腫の合併の頻度が高く,胸腺摘出が根治療法につながる重要な方法である.ほかに副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤での治療法もあり,対症的には抗コリンエステラーゼ薬を用いる.急性増悪(クリーゼ)の際は呼吸管理が重要で,また血漿交換療法(プラスマフェレーシス*)が役に立つこともあり,予後は従来に比してはるかに良好である. 進行性筋ジストロフィー[シンコウセイキンジストロフィー] 【英】progressive muscular dystrophy(PMD) 【独】progressive Muskeldystropie 【仏】atrophie musculaire progressive 【ラ】dystrophia muscularis progressiva 進行性筋ジストロフィーとは「筋線維の変性・壊死を主病変とし,進行性の筋力低下をみる遺伝性疾患である」と定義されている.遺伝形式により表のように分類されている.この中で最も頻度が高いのはデュシェンヌ型筋ジストロフィー Duchenne muscular dystrophy(DMD)である.わが国では福山型先天性筋ジストロフィー Fukuyama type congenital muscular dystrophy(FCMD),ベッカー型筋ジストロフィーBecker muscular dystrophy(BMD)が次に多く,肢帯型筋ジストロフィー limb-girdle muscular dystrophy,顔面・肩甲・上腕型筋ジストロフィー facioscapulohumeral muscular dystrophyと続く.筋力低下や筋萎縮の分布,進行度は上記の疾患間で異なる.いずれの型も筋電図は筋原性,血清クレアチンキナーゼ(CK)値は上昇する.筋生検muscle biopsyでは筋線維の大小不同,壊死と再生,間質結合〔組〕織や脂肪〔組〕織の増加をみる.デュシェンヌ型のような進行が速いものでは呼吸筋,心筋が侵され,死の転帰をとる 筋萎縮性側索硬化症[キンイシュクセイソクサクコウカショウ] 【英】amyotrophic lateral sclerosis(ALS) 【独】amyotrophische Lateralsklerose 【仏】scl*rose lat*rale amyotrophique 【ラ】sclerosis lateralis amyotrophica 運動ニューロンの選択的変性がみられる,いわゆる運動ニューロン疾患*motor neuron diseaseの代表的疾患である.本症は中年以降に発症し,男性にやや多い.有病率は10万当たり2〜6とされているが,わが国では紀伊半島に,世界的にはグアムで多発している.原因は不明である.〔症状〕 二次ニューロン障害としての小手筋の筋力低下,筋線維束性攣縮,筋萎縮などから始まり,四肢筋に及ぶ.感覚障害はみられない.一次ニューロン障害としての深部腱反射亢進,Babinski徴候などの病的反射出現という錐体路徴候*が認められる.また,舌の萎縮,構語・嚥下および呼吸障害などの球麻痺*症状が出現する.〔予後〕 きわめて不良で,治療法はなく5年以内に球麻痺症状の悪化によって死亡する.最近は,人工呼吸器などの使用によって,呼吸管理が容易となり,延命が可能になった.1974年,難病(特定疾患)*に指定. ギラン・バレー症候群[ギランバレーショウコウグン] 【英】Guillain-Barr* syndrome 【独】Guillain-Barr* Syndrom 【仏】syndrome de Guillain-Barr* 《同義語》感染性多発神経炎infective(infectious)polyneuritis,急性炎症性多発ニューロパシー acute inflammatory polyneuropathy Guillain, Barr*,Strohlによって1916年,〔脳脊〕髄液cerebrospinal fluidのタンパク細胞解離を特徴とした予後良好な急性多発性神経根炎acute polyradiculitisとして記載された疾患.前駆症状として感冒様症状,あるいは下痢,腹痛などの腹部症状があり,その後1〜2週間ぐらいして急性に神経症状が発現し,1ヵ月以内に症状が完成し,以後しばらくプラトーの状態が続き,その後3ヵ月〜1年で徐々に回復し,多くは単相性の経過をたどる.神経症状の中心は,弛緩性の運動麻痺*で,深部腱反射は早期より消失する.顔面神経麻痺*,嚥下障害,構音障害*,深部感覚障害,自律神経症状(不整脈,洞性頻脈,血圧の変動,発汗異常)を伴う場合がある.臨床型として,急性脱髄型と急性軸索型があり,急性脱髄型は比較的予後は良好である.急性軸索型は,グラム陰性桿菌(Campylobacter jejuni, Penner 19型)感染が前駆することが多く,血清中に抗ガングリオシド抗体(GM(1), GD(1a))が出現し,症状は重症で回復が遷延することが多い.治療としては,血漿交換(免疫吸着immunosorbent technique)療法(プラスマフェレーシス*),高ガンマグロブリン大量静注法などが行われている(Georges Guillain, 1876-1961;Jean Alexander Barr*, 1880-1971はともにフランスの神経科医). 顔面神経麻痺[ガンメンシンケイマヒ] 【英】facial nerve paralysis, facial palsy 【独】Fazialisl*hmung 【仏】paralysie faciale 《同義語》ベル麻痺Bell s palsy 末梢性麻痺と中枢性麻痺に分けられる.前者の代表的なものはベル麻痺である.スコットランドの医師Bellが種々の原因による末梢性顔面神経麻痺を記載したため,古くは末梢性の顔面神経麻痺をベル麻痺と呼んだが,現在では病因が不明の「特発性」のものに限ってベル麻痺の名を用いるのが一般的である.末梢性顔面神経麻痺peripheral facial paralysisの病因として,外傷,新生物,感染症(中耳炎*,乳様突起炎*,脳炎*,髄膜炎*,骨髄炎などに続発するもののほか,帯状疱疹*,単純ヘルペス,ポリオ,ハンセン病*などの直接的感染),肉芽腫(サルコイドーシス*など),血管障害(多発性動脈炎*,糖尿病*など),脱髄性(ギラン・バレー症候群*)などが知られるが,日常もっとも多く経験するのは病態不明のもの,すなわちベル麻痺である.ベル麻痺はしばしば一側の顔面に寒冷刺激が加わった後に発症する.このため,顔面神経自体の循環障害を生じたり,細い骨性の顔面神経管内で浮腫が生じたりすることが原因として考えられているが,証明はない.単純ヘルペスの活性化によるとの説もある.ベル麻痺は男女,性を問わず,また特別の発症季節もなく発症する.急性の一側性の全表情筋の麻痺を主徴とし,これに同側の味覚低下,涙腺分泌障害,アブミ骨筋麻痺による聴力過敏を伴うことがある.予後は比較的良好で,50〜80%の症例はほぼ完治する.ときに再発する.両側同時に発症する顔面神経対麻痺facial diplegiaはギラン・バレー症候群Guillain-Barr* syndromeの一型であることが多いとされる.中枢性麻痺(核上性)は脳血管障害などでみられ,前頭筋が侵されないのが特徴的である.顔面筋の随意収縮時は麻痺がないのに,笑ったときなど情動発現時のみにみられる麻痺はmimetic facial palsyと呼ばれ,対側側頭葉損傷時などにみられる(Sir Charles Bellはイギリスの解剖学者,1774-1842). ハント症候群[ハントショウコウグン] 【英】Hunt syndrome 【独】Hunt-Syndrom 【仏】syndrome de Hunt 《同義語》ラムゼイハント症候群Ramsay Hunt syndrome, dyssynergia cerebellaris myoclonica, facial paralysis with herpes zoster of ganglion geniculi ハントにより報告された症候群である. 1)1921年, Huntは進行性小脳失調症とミオクローヌスてんかんの合併例をdyssynergia cerebellaris myoclonicaとして報告しRamsay Hunt症候群と呼ばれている.常染色体劣性の遺伝様式で小児期に発症し,企図振戦,動作時ミオクローヌスおよび運動失調がみられ,しばしば全身痙攣を伴う.病理学的には歯状核と上小脳脚の変性が著明である.つぎに 2)耳介,外耳道や口腔内の帯状疱疹,外耳道および顔面深部の痛み,および末梢性顔面神経麻痺facial paralysis atalgiaを伴うものもRamsay Hunt症候群と呼ばれている.この場合は膝神経節が帯状疱疹herpes zosterにより侵されている. 3)Huntは進行性淡蒼球変性症progressive pallidal degenerationについても研究しているが(1917),これはHunt症候群とは呼ばれていない(James Ramsay Huntはアメリカの神経学者,1872-1937).
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交通事故の一方当事者が主張する各傷害を詐病と認定したうえで,当該当事者の診療をした医師についても,当該詐病につき診療の当初から共同不法行為者であるとして,損害保険会社からの損害賠償請求をほぼ全額認容した事例 主 文 1 第1事件原告・第2・第3事件被告Aの第1事件被告ら4名に対する,第1事件請求をいずれも棄却する。 2 第1事件原告・第2・第3事件被告A,第2・第3事件被告G及び第2・第3事件被告医療法人Fは,第2事件原告あい おい損害保険株式会社に対し,各自金1251万8167円及びこれに対する平成14年1月13日から支払済みまで年5 分の金員を支払え。 3(1) 第1事件原告・第2・第3事件被告A及び第2・第3事件被告Gは,第3事件エース損害保険株式会社に対し,各自金 1264万0144円及びこれに対する平成14年5月26日から支払済みまで年5分の金員を支払え。 (2) 第2・第3事件被告医療法人Fは,第3事件原告エース損害保険株式会社に対し,金711万2414円及びこれに対 する平成14年5月26日から支払済みまで年5分の金員を支払え。 (3) 第3事件原告エース損害保険株式会社の第2・第3事件被告医療法人Fに対するその余の第3事件請求を棄却する。 4 第1ないし第3の事件を通じて,第1事件原告・第2・第3事件被告A,第2・第3事件被告G及び同医療法人Fと第1事 件被告B,第1事件被告C,第1事件被告D,第1事件被告E,第2事件原告あいおい損害保険株式会社とのそれぞれの間に 生じた各訴訟費用は,同A,同被告G及び同医療法人Fの負担とし,第3事件原告エース損害保険株式会社と第1事件原告・ 第2・第3事件被告A,第2・第3事件被告Gとの間に生じた各訴訟費用は同A,同被告Gの負担とし,第3事件原告エース 損害保険株式会社と第2・第3事件被告医療法人Fとの間に生じた訴訟費用は,これを2分してその1を同医療法人Fの負担 とし,その余を同エース損害保険株式会社の負担とする 5 この判決の第2項及び第3項の(1),(2)は仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 当事者等の略称等 1 第1事件原告・第2・第3事件被告Aについては,以下全事件を通じて「被告A」という。 2 第1事件被告B,第1事件被告C,第1事件被告D及び第1事件被告Eについては以下全事件を通じて,それぞれ「被告 B」,「被告C」,「被告D」,「被告E」という。 3 第2事件原告あいおい損害保険株式会社については,以下全事件を通じて「原告あいおい損保」という。 4 第2・第3事件被告医療法人F,第2・第3事件被告Gについては,以下全事件を通じて「被告医療法人F」,「被告G医 師」という。 5 第3事件原告エース損害保険株式会社については,以下全事件を通じて「原告エース損保」という。 6 原告あいおい損保及び原告エース損保を一緒に呼称するときは「原告損保会社ら」という。 7 別紙事故目録1ないし3記載の各交通事故については,以下全事件を通じて「第1事故」,「第2事故」,「第3事故」と 略称する。 第2 当事者の申立て 1 被告A (第1事件につき) (1) 被告D及び被告Eは,被告Aに対し,連帯して450万円及び内金400万円に対する平成6年7月1日から支払済み まで年5分の金員を支払え。 (2) 被告B及び被告Cは,被告Aに対し,連帯して350万円及び内金300万円に対する平成9年9月13日から支払済 みまで年5分の金員を支払え。 (3) 第1事件訴訟費用は被告D,被告E,被告B及び被告Cの負担とする。 (4) 仮執行宣言 (第2事件につき) (1) 原告あいおい損保の第2事件請求を棄却する。 (2) 第2事件訴訟費用は原告あいおい損保の負担とする。 (第3事件につき) (1) 原告エース損保の第3事件請求を棄却する (2) 第3事件訴訟費用は原告エース損保の負担とする 2 被告B及び被告C (第1事件につき) (1) 被告Aの第1事件請求をいずれも棄却する。 (2) 第1事件訴訟費用は被告Aの負担とする。 3 被告D及び被告E (第1事件につき) (1) 被告Aの第1事件請求をいずれも棄却する。 (2) 第1事件訴訟費用は被告Aの負担とする。 4 原告あいおい損保 (第2事件につき) (1) 主文第2項と同旨。 (2) 第2事件訴訟費用は被告A,被告G医師及び被告医療法人Fの負担とする。 (3) 仮執行宣言 5 原告エース損保 (第3事件につき) (1) 被告A,被告G医師及び被告医療法人Fは,原告エース損保に対し,連帯して各自金1264万0144円及びこれに 対する平成14年5月26日から支払済みまで年5分の金員を支払え。 (2) 第3事件訴訟費用は被告A,被告G医師及び被告医療法人Fの負担とする。 (3) 仮執行宣言 6 被告G医師及び被告医療法人F (第2事件について) 1 原告あいおい損保の第2事件請求をいずれも棄却する。 2 第2事件訴訟費用は原告あいおい損保の負担とする。 (第3事件について) 1 原告エース損保の第3事件請求をいずれも棄却する。 2 第3事件訴訟費用は原告エース損保の負担とする。 第3 事件の概要 第1事件は,被告Aにおいて,被告D及び被告Eに対しては第2事故による損害の賠償を,被告B及び被告Cに対しては第 3事故による損害の賠償を,それぞれ自動車損害賠償保障法3条,民法709条に基づいて請求するものであり,第2事件 は,原告あいおい損保において,被告A,被告G医師及び被告医療法人Fに対し,第3事故に関して自家用自動車総合保険に 基づいて支払った保険金相当額を,被告Aが同事故よる傷害及び後遺障害の程度,範囲等を偽った詐欺であるとして,被告G 医師らも故意ないしは過失によって虚偽の内容の診断結果を示したり,誤った診断書を作成する等して被告Aの行為に荷担し たとして,不法行為,共同不法行為,使用者責任等に基づく損害賠償として求めるものであり,第3事件も自家用自動車総合 保険の保険者である原告エース損保において,被告A,被告G医師及び被告医療法人Fに対し,第2事件と同様の理由によ り,第2事故において支払った保険金相当額他を損害賠償として求めるものである。 (当事者間に争いがない,ないしは,掲記の証拠により明らかな事実) 1(1) 被告A(昭和39年a月b日生)は,貨物自動車等の運転を職業とするものである。(弁論の全趣旨) (2) 埼玉県北葛飾郡c町に所在するH病院は,訴外医療法人Iが経営しているものである。(弁論の全趣旨) (3) 被告G医師は,H病院に平成6年7月以前から医師として勤務していたが,平成8年4月2日に被告医療法人Fの理事 長としてG整形外科病院を開設したため,同病院の経営すると共に医師として診療に当たっているものである。(丁7, 弁論の全趣旨) 2(1) 被告Aと訴外Jとの間において,平成5年9月25日,第1事故が発生し,被告Aは,同事故において負傷(以下「本 件第1傷害」という。)したとして,H病院に平成5年9月25日から同年12月26日までと平成6年2月28日から 同年3月2日まで,同年5月25日から同月27日まで入院(合計99日間)し,平成6年6月30日まで通院した(以 下「本件第1入通院」という。)。(甲9,同10,同20,同22,同41の1ないし6,乙1の2) (2) 本件第1傷害については,H病院の勤務医であった被告G医師は平成5年9月30日以降その主治医となって,次とお りの傷病名の診断をした。(甲10,同21,同41の1ないし6) ① 平成5年9月25日の初診時 外傷性頸椎椎症,頭部打撲,両上肢打撲,両上肢擦過傷 ② 平成6年5月25日入院時 頸椎捻挫,腰椎捻挫,外傷性腰椎椎間板ヘルニア (3)① 本件第1傷害は,平成6年6月30日に症状固定(以下「本件第1治癒」という。)したとして,また,被告Aに は,頸部及び上肢の疼痛,しびれ等の神経症状が後遺障害(以下「本件第1後遺障害」という。)として残存するとの 後遺障害診断がされた。(甲11,同23) ② その後,本件第1後遺障害については,後遺障害等級14級10号に該当すると自動車損害保険料率算定会(以下「自 算会」という。)によって認定された。(弁論の全趣旨) 3(1) 被告Aと被告Dとの間において,平成6年7月1日,第2事故が発生した。(甲12,同24,乙1の1) (2) 被告Aは,同事故において負傷(以下「本件第2傷害」という。)したとして,次のとおり入通院(以下「本件第2入 通院」という。)した。(甲13ないし16,同25,同26,同29,同30,同31,同42の1ないし5,丙2) ① H病院 平成6年7月4日から同年9月10日まで入院 平成7年6月7日から同月28日まで入院 平成7年9月19日から同年12月22日まで入院(合計186日間) 平成6年7月1日から平成8年3月30日まで通院(実通院343日間) ② G整形外科病院 平成8年4月2日から平成9年9月13日まで通院(実通院329日間) (3) 本件第2傷害については,H病院及びG整形外科病院においていずれも被告G医師によって,次とおりの傷病名の診断 がなされた(甲13,同15,同16,同25,同29ないし31,同42の1ないし5,丙2)。 ① 平成6年7月4日H病院における初診及び入院時 頸椎捻挫,腰椎捻挫,びらん性胃炎 ② 平成7年9月19日,H病院に2回目の入院時 外傷性腰椎椎間内関節症,外傷性頸椎症,左腕神経引抜損傷 外傷性肩関節周囲炎 ③ 平成8年4月2日 G整形外科病院へ転院時 外傷性頸椎症,外傷性両膝関節症,外傷性腰椎椎間関節内関節症 左腕神経引抜損傷,外傷性神経根性腰椎症 (4)① 原告エース損保は,被告D車の所有者で自賠法3条所定の運行供用者である被告Eとの間において,対人賠償保険金 を無制限とする自家用自動車総合保険(以下「本件エース損保保険」という。)を締結していた。(弁論の全趣旨) ② 原告エース損保は,同保険契約に基づいて第2事故に関して合計1264万0144円(内訳,治療費106万693 6円,通院費16万3020円,雑費17万0180円,装具その他9万2495円,仮払金265万円,休業損害8 49万7513円)を被告Aのために支払った。(乙2の1ないし28) 4(1) 被告Aと被告Cとの間において,平成9年9月13日,第3事故が発生した。(甲1,同2,同33,乙1の3) (2) 被告Aは,第3事故において負傷(以下「本件第3傷害」という。)したとして,平成9年9月13日から平成12年 2月27日までG整形外科病院に通院(実通院384日間)(以下「本件第3通院」という。)した。(甲3,同34) (3) 本件第3傷害については,被告G医師によって,次とおりの傷病名の診断がされた。(甲3,同4,同34,同35, 同47) ① 平成9年9月13日(初診時) 外傷性頸椎症 外傷性腰椎症 ② 平成11年3月2日(後遺障害診断書) 外傷性頸椎症,外傷性肩板損傷,外傷に伴う目眩,頭痛,左上肢振戦 左腕神経引抜損傷,外傷性神経根性腰椎症,外傷性両膝関節症, 外傷性腰椎椎間内関節症 (4)① 本件第3傷害については,平成11年2月27日に症状固定(以下「本件第3治癒」という。)したと診断され,ま た,被告G医師の平成11年3月2日付後遺障害診断書(以下「本件第3後遺障害診断書」という。)において,「精 神・神経の障害/他覚症状及び検査結果」欄に「歩行も介助具がなければ歩行困難の状態,上下肢筋力低下著明(特に 左大腿周囲の筋萎縮著明)」との後遺障害(以下「本件第3後遺障害」という。)の診断がされた。また,被告G医師 は,原告あいおい損保の訴訟代理人による弁護士法23条の2に基づく照会に対しても同様の回答をした。(甲4,同 34,同35,同38) ② しかし,自算会は,平成11年9月13日,被告Aの第3事故についての本件第3後遺障害診断書に基づく後遺障害認 定申請については,非該当とした。そこで,被告Aは,二度の異議申立て(以下「本件後遺障害異議申立」という。)を したが,平成12年7月5日までに棄却された。(甲5ないし7,同36,同37,乙3) (5)① 被告Bは,被告C車の自賠法3条所定の運行供用者である。同被告は,原告あいおい損保との間において,対人賠償 保険金を無制限とする自家用自動車総合保険(以下「本件あいおい損保保険」という。)を締結していた。(甲1,同1 9) ② 原告あいおい損保は,同保険契約に基づいて,第3事故に関して被告Aのために合計1183万6167円(内訳 治 療費426万6020円,交通費2万8820円,休業補償754万1327円)を支払った。また,後記の被告Aの行 動調査の費用として68万2000円(合計1251万8167円)を要した。(甲39の1ないし5,同40,同4 9) 第4 争点 (被告Aの主張) 1(1) 第1事故の態様は,被告Aが被告貨物車を運転して鷲宮高校方面から鷲宮駅方面に向かって信号機のない交差点を進行 したところ(なお,被告貨物車の進行道路は優先道路である。),J車が右側から一時停止標識があるのにそれを無視して 一時停止しないで交差点に進入したため,被告貨物車の右側運転席付近に衝突し,本件第1傷害を負ったものである。 (2) 被告Aは,平成9年6月19日,第1事故によって被った損害につき,訴外Jとの間で,賠償金を320万円とする訴 訟上の和解(丙1)をした。 2(1) 第2事故の態様は,被告D車がセンターラインを超えて進行してきたため,被告タンクローリーの右側面と被告D車の 右側面が接触したものである。 (2) 被告Aは,第2事故により次の合計1842万4095円の損害を被った。その既払金額を控除しても,その残存損害 額は450万円(ただし,内50万円は弁護士費用)を下回らない。 治療費 106万6936円 通院費 16万3020円 入院雑費 21万3200円 装具費その他 9万2495円 休業損害 1361万8444円 慰謝料 327万円 3(1) 第3事故の態様は,被告C車がガソリンスタンドから道路に出るに際して,その店員の一時停止の指示を無視して前方 及び左右の安全を確認せずに路上に勢い良く飛び出したため,被告A車の左側運転席付近に衝突し,被告A車はセンター ラインを超えて押し出されたものである。 (2) 被告Aは,第3事故によって,弁護士費用50万円の他次の合計1246万7660円並びにその他治療関係の損害を 被った。既に相当額の既払を受けているが,その既払金額を控除しても残存損害額は350万円(ただし,内50万円は 弁護士費用)を下回らない。 通院費 3万8250円 慰謝料 179万円 休業損害 1063万9410円 4 よって,被告Aは,自賠法3条ないし民法709条に基づいて,被告D及び被告Eに対しては,連帯して450万円及び内 金400万円に対する平成6年7月1日から支払済みまで民法所定年5分の遅延損害金の支払を,被告B及び被告Cに対して は,連帯して350万円及び内金300万円に対する平成9年9月13日から支払済みまで民法所定年5分の遅延損害金の支 払を求める。 5 第3事故は,第2事故による外傷性腰椎症,外傷性頸椎症などの治療中に発生したもので,その受けた傷害の部位及び態様 が殆ど同じものであるので,いずれの事故がどの程度の傷害の原因であるかの判別が付かなかったものである。 (原告損保会社ら) 1(1) 被告G医師の一連の診断及び病態評価には,医師に委ねられている診断・病態評価としての裁量の範囲を著しく逸脱し ている。その診療録(本件カルテ)の記載は,付された傷病名,施されたとする治療内容等につきその不自然な内容自体 から信用できない。被告Aに対する治療行為が真に本件カルテの記載どおりに行われたかについても疑問がある。 (2)① 一般に外傷に起因する傷害については,受傷直後に最大症状を発現し,時間の経過と共に治療の効果も相俟って,そ の症状は軽減していくものである。したがって,傷病名についても初診時の一定の傷病名が診断される。また,確定判 断等が必要である場合であっても,遅くとも受傷後1か月以内には,外傷に関する傷病名が診断確定されることが一般 的である。 ② しかし,本件第1ないし第3の各事故における被告G医師の傷病名は,時間の経過と共に著しく増加したばかりでな く,より重傷化しており,医学上極めて不自然である。 (3) 被告G医師作成の本件第1ないし第3の各傷害についてのカルテ(以下「本件カルテ」という。)から見ると,本件第 1ないし第3の各傷害に対する,被告G医師の治療行為の内容等は,不合理・不自然である。 ① 被告Aに対する治療は,その殆どが大量の神経ブロック注射を繰り返しただけである。そして,治療を継続したにも拘 わらず,快復に向かわずに逆に悪化の一途をたどって,かえって重篤な傷病名が増加している。すなわち,第2事故に関 連しては,平成6年7月から平成9年9月までの間にブロック及び腔内注射の施術は,本件カルテ上では合計900回に 及ぶものである。ただし,そのブロック注射の目的,その効果についての本件カルテへの記載はされていない。本件カル テ上,被告G医師は,効果の確認できない同注射を続け,その他の治療を試みようとはしなかった。 ② 神経ブロック注射は,その効果を確認しながら週1回程度施術して患者の様子を見るのが一般的な用法とされている。 それであるのに,被告G医師は,肩甲上神経ブロック,星状神経節ブロック及び硬膜外ブロックの各注射を,1か月間に 20ないし30回も施術を行ったことになっており,特に平成6年9月10日から平成7年9月19日までの約1年間 に,脊椎椎間節注射と各種ブロック注射(トリガーポイント注射の回数を含まない。)を合計400回以上もしたことに なっている。 頻繁な同一部位への注射は,いわゆる「注射たこ」の発生をさせるものであるが,被告Aにはそのような肉体的異変は ないとされていることからすると,真実,同ブロック注射が本件カルテの記載どおりに施術されたことにも疑問がある。 (4) 第2,第3の各事故における個々の診断自体にも次のような不合理・不自然な点がある。 ① 「左腕神経引抜損傷」との傷病名は,医学上存在しない。これを「左腕神経叢引抜損傷」と推測するとしても,「腕神 経叢」とは,第5頸髄神経から第1胸髄神経までの神経根が複雑に吻合,分岐を繰り返し形成している神経叢であって, 腕神経叢の損傷がある場合には,損傷された神経の以遠の支配筋は,初期にはその緊張度が低下して弾力性を欠いた柔ら かい状態となるが,経時的に萎縮し結合組織の増生とともに硬くなるので,筋萎縮は視診上も明らかである。そして,腕 神経叢引抜損傷とは,上記の神経根の一部若しくは全部が神経根レベルで引き抜かれて断裂が生じた状態の極めて重篤な 傷害である(強力な外力に発症するもので,受傷直後には上肢の麻痺が出現する。オートバイの衝突による転倒事故によ って発症することが知られている。)。 ② その重大な症状を呈する腕神経叢引抜損傷という傷病が,それまで左上肢の麻痺の症状も見られなかったのに,第2事 故から1年2か月以上経過して時点で突然出現したとしており,その医学的機序からして有り得ないものである。 なお,「左腕神経引抜損傷」が「左腕神経叢引抜損傷」と異なる「腕神経が伸展などにより軽微な損傷を受けたもの」 についての診断名であるとする被告G医師の後記主張は,神経根の断裂を表す「引抜損傷」との客観的表現からは理解し 得ない。 ③ また,「外傷性肩関節周囲炎」なる病名も,「肩関節周囲炎」とは,いわゆる五十肩を表すもので,外傷性であるはず がない。「外傷性両膝関節症」も「両膝関節症」自体が外傷を機序とするものではない。 なお,上記外傷性両膝関節症等のために被告Aが装着していたとされる装具は,関節症には適応がなく,却ってその装 着によって,筋萎縮や余計な疼痛や皮膚障害を生じさせるもので,症状の改善には役立たないものである。関節症のため の装具としては,「支柱付サポーターとか膝折れ防止継ぎ手付き」等が一般的である。 ④ 「外傷性腰椎椎間内関節症」とは,医学的に存在しない病名であって,腰椎内関節それ自体が存在しない。これは,被 告G医師が第2事故の初診時から1年2か月余を経た時点で,被告Aの再入院をさせるに当たってされた診断の病名であ る。被告Aには何ら新たな増悪要因がないのに,被告Aの主観的な腰部に関する愁訴を理由に,これを交通事故に起因す るものとして,わざと「外傷性」を課して医学上あり得ない傷病名の診断をしたものであると推測される。 「外傷性神経根性腰椎症」も医学上存在しない病名で,その内容は不明である。 2(1) 前記のとおり,被告Aには,本件第3後遺障害診断書において,本件第3治癒後に「歩行も介助具がなければ歩行困難 の状態である。上下肢筋力低下が著明(特に左大腿周囲の筋萎縮著明)である。」との本件第3後遺障害が存する旨の診 断が被告G医師によってされており,また本件カルテ上でも「歩行も装具などの介助具はなければ歩行不可」としている が,医学的には,歩行に介助具を要する状態であれば,筋力低下と共に廃用性の筋萎縮が生じ,下肢の周囲は健側よりも 患側が明らかに短縮し,時間の経過により骨萎縮も生じるのが通常であるが,被告Aにはその症状が認められない。 (2)① 被告Aには,本件第3後遺障害は全く存在しないことが,原告あいおい損保の調査によって判明している。すなわ ち,被告Aは,平成12年7月28日,車載トラックに軽自動車を載せたり,同トラックを運転した後,タイヤ止めの木 材を取り除いて,軽自動車をトラックから降ろすなどの激しい労働(以下「本件労働」という。)に従事していた。その 際,被告Aは,何らの障害もないように,下肢の動きの悪いはずの片方の足に全体重をかけたり,方向転換をするときも 患側下肢を踏ん張ったりしていた。さらに,車体の下に潜り込んで作業をした後,仰向けの姿勢から跳ぶように立ち上が ったりしていた。そして,杖なしで正常に日常的に独歩していたもので,健常者と全く変わらない動作と生活行動を行っ ていた(以下「本件Aの行動状況」という。)ことがビデオカメラで撮影されている。被告Aのその動作は,被告Aが主 張する後遺障害を有する者の行動ではないことは明らかである。 ② なお,被告Aは,平成10年8月7日と平成11年2月16日に行われた,原告あいおい損保の係員との面談の際に は,左足に装具を付けて現れて,その症状から就労は出来ないと報告していた。 そして,被告Aは,平成12年4月に自算会に対してした本件後遺障害異議申立においても,「(ア)筋力の低下から左 足の第3,4,5足趾が動かない,装具や手摺りがないと階段の昇降ができない,缶ジュースやペットボトルの蓋が開け られない,和式トイレが使えない,座っていられない,(イ)著しい知覚障害があるので,物を持っていて知らないうちに 落としたり細かい作業や細かい物を持つのが困難である,少しの段差で躓いてしまう,熱い冷たいが判らないので手を切 ってもわからなかった,(ウ)腰から足先までのしびれ痛みが強いので,椅子に座っていても立っていても,横になったり 足を投げ出しても,痛みが酷い。」等の障害が残存していると主張していた。また,被告Aは,平成9年12月には身障 者3級の認定を受け,さらにその後平成11年3月18日には,同2級(要介護,杖なしでは歩行できない状態の障害) の認定を受けているのであるが,本件Aの行動状況からすると,上記報告は勿論,本件後遺障害異議申立の事由,身障者 としての認定事由は,全て被告Aの虚偽の申告等に基づいてなされたものであることは明らかである。 (3) 被告G医師は,第3事故後の平成9年10月15日の原告あいおい損保の医療調査の際には,「第3事故により症状的 には第2事故の治療成果が80パーセントまで達せられていたのに,20パーセント増悪して60パーセントの状態に戻 ってしまった。」,「就労については2度目の受傷により,就労復帰が困難な状態になっており,見込みは立てられな い。」との説明・回答をしていた。 さらに,平成12年2月18日の弁護士照会に対しては,「階段の昇降時及び動作時,すべてにおいてコルセットがなけ れば不可能。未装着の場合移動不可能な状態である。筋力低下は歩行障害から歩行困難へ変わっている。常に腰から左足趾 のつま先までのしびれと痛みが酷く,椅子に腰掛けているときも足を投げ出して座っているときも,長時間立っているとき も歩行するときも発生して困難になる。生活環境を変えないと,普通の生活が送れない。」などと,本件後遺障害異議申立 時よりさらに症状が重篤であるような回答をしていた。しかしながら,その後,本件カルテ上何らの症状の改善の記録もな いのに,真実には本件労働を行う等,本件Aの活動状況を行える状態にあったものである。 3(1)① 第3事故における事故態様と双方の車輌の損傷状況は,被告A車左側面のドア部分がへこんだ小破(修理費10万6 575円)と,被告C車右バンパー軽微損傷(修理費2万円)と極めて軽微であった。したがって,被告Aが受けた衝撃 も軽微であったもので,本件第3傷害も殆ど通院を要しない程のものであった。仮に,同傷害の治療につき通院が必要で あったとしても,どんなに長くても1か月以内には完治する程度であったとしか推測できない。 ② しかしながら,被告G医師は,平成7年9月19日のH病院への第2回目の再入院時に前記のとおりの傷病名の追加診 断をし,さらに本件医療調査の際には,前記のとおり被告Aの就労は困難な状態にある等としていたものである。 (2)① 第2事故は,その事故態様と双方の車輌の損傷状況(被告タンクローリーは右ヘッドライトの一部とその周辺部が破 損程度であり,被告C車を運転していた被告Dは全く負傷していない。)は極めて軽微であった。しかも,被告タンクロ ーリーは,被告D車(普通乗用自動車)より大型で重量もある車輌で,その衝突も助手席側であることから,被告Aが受 けた衝撃も極めて軽微であった。 ② しかし,被告G医師は,被告Aの主観的症状の訴えのみから,第1事故と継続性のない「頸椎捻挫(いわゆる鞭打ち 症)」の症状があるとの診断をしたのであるが,第2事故の態様からすると鞭打ち症が起きる可能性は殆どなかった。ま た,第1事故の症状を悪化ないし増悪させるものではあり得ないものであった。また,第1事故に関する後遺障害認定調 査書においても,「腰部及び下肢の神経症状については,初診時の傷病名が外傷性頸椎症,頭部両上肢打撲,両上肢擦過 傷とその治療経過等からして,事故によるものとは捉え難い。」とされている。 ③ 第2事故は,第1事故の治療途中に生じたものである。被告Aは,本件カルテ上からは,第2事故当時,既に外傷性頸 椎症,腰部及び下肢の神経症状があったのに,新たに頸椎捻挫と腰椎捻挫が発症したこととされた。しかし,被告Aに対 して多数回に亘って行われたレントゲン検査によっても,被告Aには,その頸椎,腰椎,股関節,胸椎,膝関節等に何ら 異常は認められていない。 ④ 被告Aは,平成7年6月7日から同月28日までの間,第2事故後2度目の入院をし,左第4指神経癒着剥離手術を受 けたが,同手術が第2事故に起因するものであることは,本件カルテの記載上全くなく,その手術部位からすると,第2 事故との関連はない。 ⑤ 本件カルテ上,被告Aが第2事故において,特別な治療を要するような傷害を負ったことを推測するに足りる客観的他 覚的根拠に基づく所見は存在しない。被告G医師においては,単に被告Aの不定愁訴の申告のみから,上記重篤な傷病名 を付して濃厚な治療を長期間続けたものである。また,第2事故が第1事故の症状を増悪せしめるようなものでなかった ことは,前記のとおりである。このことは,被告Aが本件第2入院中に不在,外泊を繰り返していることからも明らかで ある。 (3) 第1事故による本件第1傷害は,打撲ないし擦過傷に過ぎないもので,筋肉,骨等には他覚所見は全くなかったこと は,レントゲン検査,MRI検査,CT検査等によって確認されていた。すなわち,平成5年10月15日のMRIの検 査による何ら異常がないことが確認されたころ,本件カルテには「週末外泊,よければ来週中に退院」との記載も見られ る。 したがって,被告Aについては入院の必要はなかったのに,被告G医師は,平成6年6月30日にようやく症状が固定 し,被告Aには本件第1後遺障害が存する旨の虚偽の内容の診断をしたものである。 被告Aには,第1事故においても,休業損害等の損害は発生する余地はなかった。仮に,被告Aに第1事故につき,入 院しての検査,治療が必要であったとしても,平成5年10月22日までには退院できたものである。 なお,平成6年6月30日の本件第1治癒の診断は,その後の治療の根拠を第2事故に絞るためのものであって,第2事 故発生後の便宜的措置に過ぎず,真実の診断結果ではない。すなわち,被告Aは,第2事故当時上記既往症があって,同事 故と相当因果関係にある新たな傷害及び既存の症状の増悪があったものではない。 4(1) 被告Aは,自己の症状について,虚偽の申告を自算会や原告損保会社らに故意に行い,また,被告G医師に自覚症状と して告げたものである。それに対して被告G医師は,被告Aの訴える同症状が虚偽のものであることを了知しながら,ない しは,虚偽であってもかまわないと認容して,又は,少なくとも医療従事者としての注意義務に著しく違反する過失によ り,診断の基礎となる臨床所見,検査所見が全く見られないにもかかわらず,被告Aの虚偽の訴えに沿う病態評価を行い, 虚偽の診断,又は,医学常識にない診断をし,その診断書を作成したものである。 (2) その結果,原告損保会社らは,虚偽の内容の診断書を前提に対応することを強いられ,前記のとおりその保険金の支払 を余儀なくされた。 5 以上によれば,被告Aは,第2,第3の各事故において殆ど受傷しなかったのに,本件第2,第3の各傷害を負ったとし て,自己の症状について故意の虚偽の申告をして長期間に亘って治療を受け,両原告損保会社から保険金を詐取した。また, 被告G医師においては,被告Aの詐病を漫然と受け入れて,医師として患者に対して医学的見地から相当かつ適切な診断, 病態評価・治療を施して,かつ,それを的確に記載した診断書等を作成する義務があるにもかかわらず,その義務に違反し て,故意(未必の故意を含む)に被告Aの詐病を奇貨として不必要な治療をし,又は,その必要限度を遙かに超える濃厚治療 をして,さらに被告Aが如何にも重篤な状態であるかのような傷病名と症状を付した診断書等を作成した。又は,被告Aの詐 病は,客観的所見が殆ど存しなかったのであるから,僅かな注意でそれに気付いたのに,それを漫然と見過ごすという重大な 過失により,前記のとおりの医学的に誤った一連の診断,病態評価,治療行為を繰り返し,かつ実体に反する診断書等を作成 したことにより,両原告損保会社にそれぞれ前記のとおりの保険金等の支払を余儀なくさせて各その支払相当額等の損害を与 えた。 被告Aの前記行為と被告G医師の行為は,原告損保会社らに対し,それぞれ全体として不法行為を構成すると共に同時に民 法719条所定の共同不法行為を構成する。また,被告G医師は,被告医療法人Fの代表者である理事であるので,被告G医 師が被告医療法人Fの業務として行った範囲で民法44条に基づく共同責任がある。 (被告G医師及び被告医療法人F) 1(1) 被告G医師は,平成6年7月4日,第1事故につき,被告Aから聴取した受傷の転機と,背部から腰部にかけての痛み という自訴から「頸椎捻挫」,「腰椎捻挫」との傷病名を付したが,第2事故後,被告Aに下肢の神経根症状が著明になっ てきたため,腰部から左下肢にかけての神経根症状という趣旨で,「外傷性腰椎椎間内関節症」との傷病名を付してより詳 しい診断名としたものである。「外傷性頸椎症」も頸椎捻挫の症状から付したもので,病名を追加したものではない。 (2) 本件第2傷害に対する傷病名も,「頸椎捻挫」,「腰椎捻挫」の被告Aの症状を適切に表現するために前記のとおり記 載したものにすぎず,また,本件第3傷害に対する傷病名も,「外傷性頸椎症」,「外傷性腰椎症」の被告Aの症状を適切 に表現するために,記載したのに過ぎず,いずれも傷病名を追加したのではない。 2(1) 「外傷性腰椎椎間内関節症」の傷病名について ① 腰痛症のうち原因的分類のできる腰痛を除いた原因不明のものを「腰椎症」と呼んでおり,それらの殆どは他覚所見が 乏しいもので,その原因としては,筋・筋膜性などの軟部組織に由来するもの,姿勢不良等による疲労性のもの,椎間関 節性の関節痛などが原因であるとされている。 ② 被告Aは,平成6年9月10日,H病院を退院後も,遷延する腰痛を訴えており,左下肢の知覚低下も訴えていたが, X線検査,MRI検査などでは明らかな異常はなく,腰痛の新たな増悪要因もなかったが,被告G医師は,その原因を外 傷による椎間関節の関節面の不適合によるものではないかと疑い,外傷による椎間関節に起因する症状という趣旨で,外 傷性腰椎椎間内関節症との病名を付した診断をしたものである。 (2) 「左腕神経引抜損傷」について 上記傷病名は,原告損保会社らが主張する「腕神経叢引抜損傷」とは異なる病態を意味するもので,被告G医師は,被告 Aに見られた左上肢の軽度の不全麻痺が,左腕を支配している神経のいずれかの部分に「腕神経叢引抜損傷」と同様の機序 で軽度な損傷を被っているのではないかと考えて用いたものである。従って,一般的な傷病名ではない。 3(1) 被告Aは,第1事故により受傷したとして,背部から腰部の痛みを訴えて外来治療のみでは痛みも強くつらいのでと入 院を希望していたものであり,軽微な交通事故でも外力を受けたときの状況や姿勢などから頸椎捻挫等の傷害を負うことも あることから,頸部捻挫,腰部捻挫の傷害を負ったと診断したものである。 なお,第1事故の本件第1傷害は,平成6年6月30日に治癒したのではなく,その日時は,被告Aに依頼されて便宜的 に記載したものである。 (2) 被告Aは,平成6年9月10日にH病院を退院した後においても,遷延する腰,肩,左下肢等に痛みを訴え,さらに, 左足の知覚低下を訴えていたものである。そこで,被告Aに対しては,外来での腰部硬膜外神経ブロック療法が行われてい たが,十分な効果が見られなかったことから,入院管理の下に行う必要のある持続硬膜外カテーテル挿入による持続注入法 による硬膜外ブロックを行うため,第2事故において再入院(平成7年9月19日から同年12月22日まで)措置を取っ た。 (3) 被告Aの第1ないし第3の各事故を通じての症状は,次のとおりである。 ① 平成6年9月から12月当時,3回の測定値によれば,健側の右手(45㎏,47㎏,52㎏,)に比べて左手(20 ㎏,15㎏,24㎏)の握力は低下しており,カミソリが旨く使えないと訴えていた。そして,平成6年9月ころから平 成7年5月ころまで左膝関節の痛みを訴えていた(それは,後記のとおり健側と患側の大腿周囲の差異があって,明らか に患側に筋萎縮が見られることからもその痛みの存在は明らかである。)。 ② 平成6年11月ころから平成7年4月ころには「左手知覚鈍麻」,「左手しびれ+」,「4指,撓骨側知覚↓↓,しび れ感」等と左腕の知覚神経・運動神経に由来すると見られる症状(知覚低下)があった。 ③ 第3事故の日である平成9年9月13日から,心因性とは見られない,「かなり振戦+」,「平行機能検査にてロンベ ルグ率の上昇,面積率の上昇」等があり,同年10月15日「知覚右上肢8/10,左上肢6/10,右下肢8/10, 左下肢4/10」という知覚低下(鈍麻)が認められた。 ④ 本件後遺障害診断の時点である平成11年6月12日ころは,上下肢の筋力は正常値の「5」から劣った「5マイナ ス」であった。 (4) 被告Aは,第2事故の時点では既に第1事故による頸椎及び腰椎の障害が残存しており,第3事故の時点では,第2事 故の症状が完全には回復していなかったため,そのような既往症がある部位に衝撃が加われれば,軽微な衝撃でも,健常者 には現れないような症状が出現することも十分あり得た。 被告Aの病態は,その臨床症状自体は,脊髄損傷的なものを窺 わせるものであったが,非典型的なものであったので,外傷性の疾患であることを前提に教科書的な正確な診断及び診断名 をつけることと,確実に治癒することができる治療法を見つけることが困難なものであった。 (5) そのため,被告G医師は,被告Aが訴える疼痛に対して,硬膜外ブロック,星状神経ブロック等の痛みを緩和する治療 を基本的に行ってきた。患者が痛みを訴えてくる以上,それに対する治療を行うのは医師として当然である。 被告G医師が被告Aに対して行った「ペインクリニック」とは,患者の疼痛を除去し,生活の質の維持・向上を図るもの (患者のQOLの改善を目的とする。)で,被告Aが多数回のブロック注射を受けざるを得なかったことは,被告Aが疼痛に 苦しんでいたことを端的に示すものである。 4(1) 被告Aは,本件第3治癒後も歩行のためには介助具が必要であった。本件後遺障害診断書中の「介助具がなければ歩行 困難」との記載は,「介助具をつければ困難でない」とするものである。 (2) 被告Aが膝関節症において使用した装具は,体格が大きいことと,若く活動的であることから通常用いられることが多 い支柱付きサポーター等では保持力が弱く,疼痛の軽減及び歩容の改善にいたらないため,それより高度な機能性装具を装 着させたものである。 (3) 被告G医師は,本件後遺障害診断書において,本件後遺障害の程度をことさら重篤に記載したことはないし,就労不能 であるなどと記載したこともない。 5(1) 被告Aは,損保会社の調査等(ビデオの撮影)がなされた平成12年7月28日当日,薬剤の局所注射,腰部硬膜外ブ ロック,点滴の治療を受けた日であったので,被告Aはその治療の効果から正常な歩行や動作が可能であった。 (2) 被告G医師は,原告損保会社らの医事調査の際には,「被告Aの第3事故における症状は,第2事故における症状と同 じであって,第2事故との関係があり,第3事故のみによって出現したものではないが,症状の線引きはできない。第3事 故により従前の症状が増悪したのではないか。」との趣旨の回答をしたもので,「被告Aが就労が不能である。」等とは言 っていない。むしろ,平成7年6月30日ころには原告損保会社らには「被告Aについては軽作業であれば問題ない。」と 言っていた。 6(1) 被告Aの診察に当たっては次のことが認められたのであるから,被告Aは詐病ではない。被告Aは,下記のとおり医学 的侵襲を伴う施術を受けており,また,詐病であればできるだけ忌避するはずの,被告G医師の多数回に亘る診察等を積極 的に受けているのであるから,これを詐病とすることは不自然である。 ① 被告Aの大腿周囲は,平成10年5月7日の計測によれば,右47センチメートル,左44.5センチメートルと著明 に左足が有意に細い状態の筋萎縮があった。 ② 被告Aには明らかな知覚鈍麻があった。すなわち,平成10年6月1日にはカッターナイフで左2指を切ったが判らな かったとして来院した。また,同年10月18日には,再度カッターナイフで切ったとする傷口(5㎝)の縫合(8ない し10針)を局所麻酔なしで行ったが,痛がらなかった。さらに硬膜外ブロックを皮膚表面の痛みがないと言うので麻酔 なしで行っていたが,痛がらなかった。また,平成12年7月17日に行われた鍼灸治療においても,熱風を「つぼ」に 充てた際,火傷しても気付かなかった。 ③ 被告Aに施術されていた腰部硬膜外ブロック療法には,重篤な合併症である全脊椎麻酔(ショック状態になる。)が生 じる虞があり,実際に被告Aは2度その合併症を引き起こし,生命の危機に直面したこともあったが,痛みが強くブロッ ク注射以外では疼痛をコントロールできないことから,硬膜外ブロックの治療を続けていた。しかも,被告Aは,同施術 において,その知覚鈍麻から通常針刺の際行われる局所麻酔を不要としていたものである。また,被告Aには,星状神経 ブロック注射の効果があったことを示す眼瞼下垂等の症状(Homer症候群)も見られた。 ④ 被告Aは,平成11年2月27日の本件第3治癒後は,治療費等に対する保険金給付を受けられなくなったが,自費 (健康保険を使用)で治療を続けている。 (2) 仮に,被告Aの自訴が真実は詐病であったとしても,被告G医師は,それに気付かず被告Aの訴えに対して,痛みを和 らげる治療を中心に診療に当たってきたもので,医師の診療として過失はない。 (3) 仮に,被告Aの自訴が詐病であって,かつ,被告G医師及び被告医療法人Fにつき損害賠償責任が認められるとして も,原告損保会社らは,いずれも保険事故の有無・程度並びに保険金支払に当たっての査定を専門にしている以上,医師の 診断内容に疑問があるのであれば,その調査を行うこと等は当然であるから,それを懈怠して漫然とその保険金の支払をし た原告損保会社らについては,被告G医師らの関係においては過失相殺がなされるべきである。 7 なお,被告G医師の診断に誤りがなかったことは,次のことからも明らかである。 (1) 訴外K病院の訴外L医師は,被告Aを,平成9年11月22日に初診し,平成11年2月26日,さらには平成13年 4月28日において,「外傷性神経根性腰椎症」,「外傷性頸髄症」と診断して,「確実に治癒することができる治療法も 見あたらない。」とし,そして,後遺障害については,「装具なしでは歩行不可」,「身障者2級に相当するかも?」との 診断をしている。 (2) また,被告Aが両原告損保会社の指示を受けて受診したM病院の診察(カルテ)では,「両上下肢とも筋力の低下,常 に震えがあり,歩行にびっこをひいている。足趾屈曲不能(左1,2趾,右3ないし5趾),巧緻運動障害や熱さ痛さがわ からない等の知覚低下・障害がある。」との神経損傷に起因する症状があったので,「頸髄損傷」との診断がなされてい る。 第5 当裁判所の判断 1 被告Aは,平成5年9月25日から平成9年9月13日の約4年間に第1ないし第3の各事故に遭い,本件第1ないし第3 の各傷害を受けたとして,平成5年9月25日から平成11年2月27日までの期間,H病院及びG整形外科病院に連続して 入通院したことは前記のとおりである。 そして,被告Aは,上記両病院での主治医であった被告G医師から,①本件第1傷害については,「外傷性頸椎症,頭部打 撲,両上肢打撲,両上肢擦過傷」,次いで「頸椎捻挫,腰椎捻挫,外傷性腰椎椎間板ヘルニア」の診断を受けて本件第1入通 院をし,平成6年6月30日に本件第1治癒したが,「頸部及び上肢の疼痛,しびれ等」の神経症状の本件第1後遺障害が残 存したとの診断を受けたこと,②本件第2傷害については,当初「頸椎捻挫,腰椎捻挫,びらん性胃炎」,次いで「外傷性腰 椎椎間内関節症,外傷性頸椎症,左腕神経引抜損傷,外傷性肩関節周囲炎」,さらにその後「外傷性頸椎症,外傷性両膝関節 症,外傷性腰椎椎間関節内関節症,左腕神経引抜損傷,外傷性神経根性腰椎症」の診断を受けて本件第2入通院をしたこと, ③本件第3傷害については,当初「外傷性頸椎症 外傷性腰椎症」,次いで「外傷性頸椎症,外傷性肩板損傷,外傷に伴う目 眩,頭痛,左上肢振戦,左腕神経引抜損傷,外傷性神経根性腰椎症,外傷性両膝関節症,外傷性腰椎椎間内関節症」の診断を 受けて本件第3入通院し,平成11年2月27日に本件第3治癒したが,「歩行も介助具がなければ歩行困難の状態,上下肢 筋力低下著明(特に左大腿周囲の筋萎縮著明)」との症状の本件第3後遺障害が残存したとの診断を受けたことは前記のとお りである。 2(1) そして,証拠(甲6,同37,同38,同49,丙7)及び弁論の全趣旨によれば,被告Aは,埼玉県知事から平成9 年12月には身障者3級の認定を受け,さらに平成11年3月18日には,同2級(要介護,杖なしでは歩行できない状 態)の認定を受けたこと,被告Aは,平成11年2月16日等に行われた原告あいおい損保の係員との面談の際には,左足 に装具を付けて現れ,その症状から就労は出来ないと報告したこと,また,被告Aは,平成12年4月にした自算会に対す る本件後遺障害異議申立においても,「筋力の低下から左足の第3,4,5足趾が動かない。装具や手摺りがないと階段の 昇降ができない。缶ジュースやペットボトルの蓋が開けられない。座っていられない。物を持っていて知らないうちに落と したり細かい作業や細かい物を持つのが困難である。」等の障害が残存して十分な動作が出来ない等と訴えていたこと,原 告あいおい損保らによって実施された医療調査にあっては,被告G医師から,「第3事故により症状的には第2事故の治療 成果が80パーセントまで達せられていたのに,20パーセント増悪して60パーセントの状態に戻ってしまった。」, 「就労については2度目の受傷により,就労復帰が困難な状態になっており,見込みは立てられない。」との説明・回答がさ れていたこと,さらに,原告あいおい損保によって平成12年2月18日ころされた被告G医師に対する弁護士照会におい ては,「被告Aの症状は,階段の昇降時及び動作時,すべてにおいてコルセットがなければ不可能。未装着の場合移動不可 能な状態である。筋力低下は歩行障害から歩行困難 へ変わっている。常に腰から左足趾のつま先までのしびれと痛みが酷い。生活環境を変えないと,普通の生活が送れな い。」等と診断されるとされていたことが認められる。 (2) ところが証拠(甲5ないし7,同18,同36,同37,同41の1ないし5,同42の1ないし5,同43の1ない し9,同45ないし47,同49,同50の1ないし5,乙3,同4の1,証人N,被告A本人)及び弁論の全趣旨によれ ば,自算会は,平成12年7月5日,被告Aの第3事故についての本件第3後遺障害診断書に基づく後遺障害認定申請につ いては,「外傷に伴う自覚症状の両上肢・下肢の知覚異常・疼痛・運動制限・筋力低下・持続的な頸部及び腰部痛,体幹に おいても知覚障害あり等の診断については,提出の医証・画像等の書証から,頸部のレントゲン画像では,頸椎には異常所 見は認められず,MRI画像上,脊髄等への圧迫所見も認められない。また,画像上,事故前から第3事故に至る経時的推 移に伴っての異常変化の所見も捉えられない。医証上の筋力,筋萎縮,反射軽度低下,知覚障害等の神経学的所見において も経時的な症状悪化を示す所見はない。」との医学的理由から非該当とされ,さらに二度の本件後遺障害異議申立もいずれ も棄却されたこと,被告G医師の被告Aの前記本件第1ないし第3の各傷害についての診断に際しては,被告Aには客観的 症状が殆ど認められなかったので,それを被告Aのほぼ自訴のみに依拠して独自の見解に基づく傷病名を診断として付した こと,また,専門医が現時点で検討しても,被告Aの自訴する症状に符合ないしそれを推測させるような客観的所見は,第 1ないし第3の各事故を通じて本件カルテ上一切発見できないこと,そして,被告Aは,平成12年7月28日,車輌運搬 用のトラックを単独で運転し,そのトラックに軽 自動車を運転して載せたり,同トラックを運転して目的地に赴いて,重量のあるタイヤ止めの木材を取り外したり,積載し ていた軽自動車をトラックから細い渡り板の上をバックで運転して降ろすなどの本件労働を円滑な動作で行ったこと,しか も,特にその際には,被告Aは,障害があるとされている患側の片方の足に全体重をかけたり,方向転換をするときも患側 下肢を踏ん張ったりする動作も見られたり,キャスターのついた板の上に仰向けに横たわった姿勢で自動車の車体の下に潜 り込んで作業をした後,その仰向けの姿勢から跳ぶように元気よく立ち上がったりする動作も見られたこと,そして,その ころ杖や介助具もなしで普通に歩行していたもので,健常者と全く変わらない生活をしていたことが認められる(なお,被 告Aの様子は,調査会社によってビデオに撮影されており,上記動作等を内容とする本件Aの行動状況は明らかであ る。)。 なお,被告G医師においては,「被告Aは,損害保険会社の調査において,ビデオの撮影がなされた平成12年7月28 日には,G整形外科病院において,薬剤の局所注射,腰部硬膜外ブロック,点滴の治療を受けたので,その治療の効果から ビデオで撮影されているような歩行や動作が可能であったものである。」等と主張し,被告G医師も同旨の供述をその本人 尋問においてしているが,その供述内容は医学上非合理の点が多いこと,また,上記ビデオから見られる被告Aの動作が極 めて機敏,かつ力強いもので到底,被告G医師の診断にあるような障害をもつ者(その痛みを麻酔注射等の痛み止めで防い でいる者)の動作とは見られないことからして,被告G医師の上記供述は全く措信できない。 (3) したがって,被告Aの少なくとも第2,第3事故における本件第2,第3の各傷害についての症状に関する被告G医師 に対する自訴,又は,自算会,身体障害者の認定を受ける等のための被告Aの上記症状についての申告内容は,全くの虚偽 であったもので,それらにおいて被告Aが主張している各傷害は,全くの詐病(以下「本件詐病」という。)であったと認 めるのが相当である。 そして,証拠(甲18,同41の1ないし6,同42の1ない
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平成17年5月10日宣告 平成14年(わ)第194号,第197号,第222号 殺人被告事件 判 決 被告人 甲 主 文 被告人は,本件各公訴事実について,いずれも無罪。 理 由 第1 公訴事実 本件各公訴事実は,以下のとおりである。 1 平成14年7月2日付け起訴状記載の公訴事実 被告人は,平成元年1月25日午後8時ころから午後9時ころまでの間に,佐賀県杵島郡北方町大字β地内の路上に停車中の軽四輪貨物自動車(佐賀40せ3735)内において,同乗中のX(当時37歳)に対し,殺意をもって,その頸部等を手で絞めるなどし,よって,そのころ,同所において,同女を窒息死させて殺害したものである。 2 平成14年7月7日付け起訴状記載の公訴事実 被告人は,昭和62年7月8日午後10時ころから午後11時ころまでの間に,佐賀県杵島郡北方町大字γ地内の路上に停車中の普通乗用自動車(佐賀56ひ5107)内において,同乗中のY(当時48歳)に対し,殺意をもって,その頸部を手で絞めるなどし,よって,そのころ,同所において,同女を窒息死させて殺害したものである。 3 平成14年7月30日付け起訴状記載の公訴事実 被告人は,昭和63年12月7日午後8時ころ,佐賀県杵島郡北方町大字β地内の路上に停車中の軽四輪貨物自動車(佐賀40せ3735)内において,同乗中のZ(当時50歳)に対し,殺意をもって,その頸部を手で絞めるなどし,よって,そのころ,同所において,同女を窒息死させて殺害したものである。 第2 当事者双方の主張及び本件の争点等 被告人は,上記の各公訴事実について,いずれも自らの関与を否認し,第1の1記載のXに係る事実については,当時,Xと交際していたものの,同記載の日時には知人と会うなどしており,Xとは会っていない旨述べ,第1の2記載のY及び第1の3記載のZとはいずれも面識がない旨述べ,弁護人も,いずれの公訴事実についても被告人は犯人ではなく無罪であると主張するほか,本件各公訴提起は公訴権を濫用したもので違法である旨も主張する。 これに対して,検察官は,被告人のアリバイ主張は虚偽であって,関係各証拠から認められる客観的事実により,被告人がX,Y及びZを殺害した犯人であると優に認定することができる旨主張する。 本件において,各犯行と被告人とを直接結びつける証拠としては,平成元年10月から同年11月にかけて被告人が別件の覚せい剤取締法違反事件に関し佐賀県大町警察署留置場に起訴後勾留されていた際に取調べを受けて作成された,Xらの殺害を認める旨の自白(上申書・供述調書)以外に証拠が存在しないところ,当裁判所は平成16年9月16日付け証拠決定において,上記上申書等を証拠として採用しない旨決定していることから,上記上申書等(平成元年当時の取調官らの当公判廷における供述中に現れた被告人の自白等も含む。)以外の関係各証拠及びそれから推認される間接事実を総合することによってXらの死亡が他者の殺害行為によるものであること(事件性)及び被告人がXらを殺害した犯人であること(犯人性)を認定できるか否かが問題となる。 なお,事実認定について検討する前に,その前提として弁護人の公訴権濫用の主張について考察する。 第3 公訴権濫用の主張について 1 弁護人の主張の要旨 本件の捜査は,ずさんで,鑑定にも誤りがあり,犯人検挙の焦りから被告人に対し自白獲得のための強引な取調べがなされ,被告人の犯人性を裏付ける証拠の収集に終始し,被告人の犯人性を疑わせる事情についてはこれを捨象するなど,公正さのみならず,適法性も欠くものであった。その後も,取調べに関する記録の改ざんやずさんな資料管理がなされ,捜査自体も長期間放置された後,格別の新証拠もなく,被告人の犯人性に重大な疑いがあったのに,時効成立阻止という警察の面子維持のために本件各公訴提起がなされたものであって,恣意的で不当な起訴遅延といわざるを得ない。 また,その後の検察官の訴訟遂行も,客観的な証拠と矛盾する主張を続け,Xの着衣に付着した精液のDNA型に関する鑑定書(甲436)といった被告人の防御にとって極めて重要な証拠を開示しないなど,全く公正さを欠き,公益の代表者のそれとはいえないものであった。 その不当な起訴遅延及び不公正な訴訟遂行によって,被告人には時間の経過による記憶の欠落や調査の困難性という重大な不利益が生じている。 したがって,本件各公訴提起は,公訴権の濫用に当たる。 2 当裁判所の判断 検察官の公訴提起が,公訴権の濫用として無効となるのは,公訴提起自体が職務犯罪を構成するような極限的な場合に限られると解されることからすると,本件捜査において,被告人の取調べに関し違法と評価せざるを得ない事情が認められるとともに,Xの膣内容物を拭き取ったガーゼ片が紛失するなど証拠資料の管理が甚だずさんであったといわざるを得ない事情も認められるが,そのような事情があるからといって,本件捜査全体が違法となるわけではなく,被告人の取調べ以外の捜査によって収集された証拠及びそれから推認される間接事実からも被告人の本件各殺人についての嫌疑がうかがわれるという事情にかんがみれば,本件各公訴提起が刑罰法規に触れるようなものであるとはいえない。 また,事件発生から起訴までに長い年月を要し,被告人が時間の経過による不利益を被っていることは,弁護人指摘のとおりであるが,捜査機関において,被告人側の防御権を不当に侵害する意図を持って捜査を遅延させていたとの事情はうかがえず,検察官においても,被告人がそのような不利益を被ることを殊更意図して公訴提起を不当に遅延させていたとは認められない。 さらに,公訴提起後の訴訟遂行の過程において,検察官が弁護人及び裁判所に対し当初提示していた証拠構造とは矛盾する客観的証拠の存在を認識しながら,この証拠を弁護人からの要求があるまで開示しなかった点は公正さに欠けるとの指摘についても,事後的な訴訟遂行の当否によって公訴提起がさかのぼって違法となることはないというべきである(なお,弁護人主張の上記鑑定書(甲436)は,平成14年7月15日付けの鑑定嘱託に基づいて,同年8月28日付けで作成されたものであり,本件各公訴提起時には存在しなかったと認められる。)。 よって,本件各公訴提起が検察官の公訴権を濫用してなされたものとは認められない。 第4 前提事実 関係各証拠によれば,本件の事件性・犯人性を考察する上で前提となる事実として,以下の事実が認められる。なお,地名に関しては,特に断りのない限り佐賀県内のものである。また,年の記載のない月日は,平成元年のそれを意味する。 1 X,Y及びZの失踪前後の状況 (1) X関係 ア Xの失踪当時の生活状況 X(昭和27年1月22日生)は,昭和53年9月にAと結婚して北方町大字βの通称α地区にあるAの実家で暮らしていたが,Aがくも膜下出血で倒れて以降,Aの家族との折り合いが悪くなったことから,昭和63年1月に長男Bを連れて同町大字γにある実家に戻り,両親(C,D)とともに生活していた。 当時,Xは,北方町内の紳士服縫製会社で工員として働いており,毎朝,軽四輪貨物自動車(赤色のダイハツミラ。佐賀40け2039。以下「X車両」という。)で出勤していた。帰宅は午後6時ころで,残業のときは午後7時過ぎであった。Xは,帰宅すると自ら又はDが準備した食事をとり,全員の食器を流し台に運んでから風呂に入り,その後で流し台の食器を洗っていた。 Xは,常日ごろ,財布,キャッシュカード,化粧品のほか,預金通帳や印鑑などの貴重品を自分のバッグなどに入れて持ち歩いていた。 イ Xの失踪以前の外出状況等 Xは,昭和63年12月ないし平成元年1月当時,午後7時ころから午後7時30分ころまでの間の食事中に電話を受け,「会う約束をしていた。」,「友達が近くまで来ているので,ちょっと行ってくる。」などと言って,食事,片づけ,風呂,洗い物をすませ,服を着替えてでかけることがあり,週の半分くらいは外出していた。Xが外出する際に,Bが起きていることもあったが,Bがついていくと言っても,「友達の所へ行くけん。もう遅かけん連れて行かれん。」などと言って連れて行かなかった。また,午後9時30分ころにBに添い寝して寝かせつけた後に外出することもあった。Xの外出時間は大体1時間くらいであった。 昭和64年1月1日午前中,Xは,北方町内の衣料品店において白色のカーディガン(以下「本件カーディガン」という。)を購入した。同日午後8時ころ,帰宅した際に,Xが電話を受けたが,この日は外出しなかった。翌2日午後8時ころ,男からXに電話があった。その男はXに「Aさんは元気ですか。Aさんと話ばしてみたいけど,あんまい分かいやらんけん何時か話ばしゆうかね。」と言っていた。Xはこの電話に出たときに「どちらさまですか。」と10回くらい言っていた。 1月19日ころの午後6時ころ,XはBを連れて佐賀市内の化粧品店に行ったが,その日は午後10時ころに食事をし,夜の12時を過ぎて帰宅した。1月23日の夜もXは外出した。 1月24日午後6時ころ,Xは帰宅後,Bからせがまれてお菓子を買いに行き,同日午後7時前に帰宅した。Xらが食事をしていると,テレビの「サザエさん」が終わるころ(午後7時30分ころ)に電話があって,Xが電話に出たが,小さな声でぼそぼそと話して電話を切った。その後,Xは,食事を終えて風呂に入り,パジャマに着替えて食器の後片づけをし,それから座敷で服を着替え,口紅や化粧をして,「友達ば送ってくっけんね。遅うなっけんね。」と言って,同日午後8時ころX車両に乗って外出した。 ウ Xの失踪当時の交際相手に関する供述状況 昭和64年1月2日から同月8日にかけて,Xの実妹Eが北方町大字γの実家に戻ってきた際,Xは,Eに対し交際相手ができたことを打ち明け,その交際相手の氏名については明かさなかったものの,年齢二十六,七歳の男性であるなどと話した。その後の同月3日から同月8日までの間の夜に,Xは電話を受けて外出したが,帰宅後,Eに対し,「近くの畳屋の前の路上で交際相手と会って話をしたが,交際相手は,大町町でなく,αに住んでいることが分かって驚いた。以前,大阪にいたと言っている。家族は,母親と妹がいて,父はいない。家業は農業であるが,近所の人に任せている。派手な飾りの付いた軽トラックに乗っている。中肉中背で余り背が高くなくラフな感じの洋服が好みである。玄関から入らないで2階に上がれる家に住んでいる。」などと話した。さらに,同月15日過ぎに,Eが電話でXと話をした際,Xは,「交際相手に,もう会わない方がいいのではないかと言ったところ,交際相手から崖のようなところに連れて行かれ,成人の日に起きた小城町での交通死亡事故を引き合いに出されて脅かされた。」などと話していた。 エ Xの失踪直前の状況 Xは,1月25日午前7時50分ころに出勤して同日午後6時55分に退社し,同日午後7時15分ころに帰宅した後,同日午後7時20分ころから着替えもせずにDが用意していたすき焼きを6畳居間で家族と一緒に食べた。同日午後7時25分ころに同居間の電話が鳴り,Xが受話器を取って応対した。電話の時間はおおよそ20秒くらいであったが,家族の者には相手の声は聞こえず,相手の名前も分からなかった。Xは,「今どけおっと。」,「はい」などと話していた。電話が終わった後,Xは食事をすませて全員の食器を流しに運んで片づけた。同日午後7時45分ころ,Xは,風呂にも入らず座敷で服をズボンからスカートに着替え,本件カーディガンを着て口紅や化粧をし,バッグを肩にかけて,「友達の車がパンクしたので,武雄の先の山内まで友達を送っていく。」旨家族に告げた。Bが自分もついて行くと言ったが,Xはこれを許さずにX車両に乗って外出した。その後,翌朝になってもXは帰宅しなかった。それまでにXが無断で外泊するようなことはなかった。失踪当時,Xが特に病気にかかっていたり,けがをしたりしていたということはなく,家出や自殺をするような事情もなかった。 オ X車両の目撃状況 1月25日午後8時前後ころ,Fは,武雄市朝日町大字甘久所在の武雄ボウリングセンター西側駐車場において,帰宅するために自己の自動車に乗って後退しようとしたところ,自車後方に北向きに止まっていた赤色のダイハツミラに衝突しそうになった。その際,同車のライトはついておらず,エンジンもかかっていなかった。 翌26日午前8時30分ころ,武雄ボーリングセンター支配人のGが,武雄ボーリングセンター西側駐車場の中央からやや北東よりの地点に赤色の軽自動車が北向きに駐車されているのを目撃している。 それぞれ目撃された車両の止まっていた地点は,いずれも1月27日にX車両が警察官によって発見された地点とほぼ同じであった。 (2) Y関係 ア Yの失踪当時の生活状況等 Y(昭和14年3月10日生)は,昭和62年7月当時,武雄市武雄町所在の自宅で夫(H)とともに生活していた。Yは,昭和55年ころから武雄市内の割烹料理店「魚善別館」で仲居として働いていた。毎朝,午前8時30分ころ家を出て,徒歩で「魚善別館」に行き,午後7時から午後9時ころまでには帰宅していた。Yは,「魚善別館」での仕事を終えた後で同市内のスナック「綾」を手伝うことがあった。 イ Yの失踪直前の状況等 昭和62年7月8日午前9時ころ,Hが起床したときには,既にYは「魚善別館」に出勤していた。その日は午後6時ころから午後8時ころまで宴会が入っていたことから,Yも仲居としてその宴会の仕事についていた。Yは,片づけ等の仕事が終わった後,午後9時過ぎに「魚善別館」を出て,同僚のIとともに「綾」に寄った。Yは,Iとともに「綾」を出た後,小料理屋「お俊」の前を通りかかった際に,「お俊」に寄っていかないかとIを誘ったが,同人が寄らないと答えたので,そうであれば自分も寄らないと言って「お俊」には寄らずに,同日午後9時35分ころ,「お俊」近くの歯科医院の前でIと別れた。Hが同日午後11時前に帰宅したときには,Yがまだ帰宅しておらず,翌9日午前零時を過ぎても同人が帰ってこなかったので,長女に電話をした。しかし,同人もYの行く先について心当たりがなかった。さらに,Yと同じく「魚善別館」で働いていたYの実姉やIにも電話をしたが,同人らも心当たりがなかった。また,長男にも電話をしたが,同人も心当たりがなかった。そこで,Hは,自宅から「魚善別館」までの経路を何回も回ってみたがYの姿はなかった。そのため,Hは警察にも届け出たが,それから平成元年1月27日に遺体で発見されるまでの間,Yの足取りはつかめなかった。 Yの失踪時の服装は,上が白とグレーの横じまのサマーセーター,下が白のスカート,ビニール製白色ヒール靴であった。また,Yは,青色革製の財布(手のひら大)を持っており,「魚善別館」の日当はその中に入れていた。同財布や化粧品は布製黒色手提げ(30センチメートル四方の大きさで,ビーズの装飾があり,口のところをひもで絞るもの)の中に入れていた。 失踪当時,Yが家出をするような理由は見当たらず,家庭や職場においてトラブルがあったとの事情もなかった。また,Yが当時重い病気にかかっていたとも認められない。 (3) Z関係 ア Zの失踪当時の生活状況等 Z(昭和13年3月28日生)は,昭和63年12月当時,北方町大字β所在の自宅において,夫(J),次女及び三女とともに生活していた。Jが簡易郵便局の局長を務めており,長女も同局で働いていたことから,長女の子供の面倒をZが見ていた。 イ Zの失踪直前の状況等 昭和63年12月7日午後7時10分ころ,次女が休憩のため仕事先から一時帰宅した際,Zは既に食事を終えて北方スポーツセンターで行われるミニバレーの練習に行く準備をしていた。同日午後7時20分ころ,Zは黄土色のセーターに横線模様が入ったカーディガン,紺色のジャンパーを着て,紺色のズボンをはいて,シューズを入れたバッグと会費1000円を持って徒歩でミニバレーの練習に出かけた。Zは常に眼鏡をかけており,この日も眼鏡をかけて出かけた。同日午後7時30分過ぎころ,北方町大字β所在の丸商ニット有限会社(以下「丸商ニット」という。)の前付近を自動車で走行していたKが,自転車から降りてハンドルを持った状態の女性とZが話しているのを目撃している。 同日午後10時50分ころ,次女が帰宅したときにZはまだ帰宅していなかった。その日はミニバレーの忘年会の話合いがあるということを聞いていたが,余りに帰りが遅かったことから,次女がミニバレーの関係者に電話したところ,Zが練習に来ていないことが分かった。その後,帰宅したJが事情を聞いて北方スポーツセンターまでの経路を捜したが,Zの姿は見当たらなかったため,警察に届け出た。翌8日,警察犬によってZの足取りを追ったが,自宅から歩いて5分くらいのところにある丸商ニットの先で足取りをたどれなくなった。その後,平成元年1月27日に遺体となって発見されるまでZの行方が分かるような情報は得られなかった。 失踪当時,Zの家族の中で問題はなく,借金や病気などといった家出をするような事情はなかった。また,Zが他人から恨まれるような事情も認められなかった。 2 X,Y及びZの死体等の発見状況等 (1) 死体発見の経緯 1月27日午後5時35分ころ,Lが夫であるMの運転する自動車に同乗して北方町大字β所在の雑木林付近を通りかかった際,道路わきに供花となる枝花を見つけたため,同所で下車してそれを採っていたところ,崖下に死体が遺棄されているのを発見し,そのことをMに伝え,同人が警察に通報したことから,X,Y及びZの3名の死体が発見された(以下,Xらの死体が発見された場所を「本件死体遺棄現場」という。)。 (2) 本件死体遺棄現場の状況 本件死体遺棄現場は,佐賀市から武雄市へ至る幹線道路である国道34号線から約2.2ないし2.3キロメートル北進した山中にある雑木林内で,町道α線沿いにある。同所は,緩やかに湾曲したカーブの南西側にある崖下の斜面で,α地区の集落の北側に位置する。平成元年当時,周辺に人家はなく,人や車の通行も閑散で,街灯も設置されていなかった。本件死体遺棄現場である雑木林内に通路はなく,雑木やかずら等が繁茂して昼間でも薄暗い状態であった。 (3) X,Y及びZの死体等の発見状況 Xの死体は,上記町道α線の路肩縁より約1.4メートル下った崖縁から更に約4.6メートル下の斜面上に,ほぼあお向けの状態で発見された。Zの死体は,同崖縁から約3.75メートル下の斜面上にうつ伏せに倒れた状態で発見された。Xの死体は,Zの死体の西側やや下方に位置しており,両者の各腹部間の距離は約1.3メートルであった。白骨化したYの骨や衣類等は,ZとXの死体の南東側の斜面上に散乱していた。鎖骨1個がZの死体の頭部の下から発見された。同現場にあったブラジャーには肋骨,胸骨,膝蓋骨がついていた。ストッキング片方の中にはYの左足の骨16個が入っていたが,大腿骨,腓骨,脛骨は入っていなかった。また,スカート内又はその下の土砂内から上腕骨,鎖骨,腰椎,胸椎,肋骨が見つかった。 Xらの死体の周囲は雑木林で,死体を引きずった跡など人が立ち入った形跡が認められないことから,Xらの死体は崖上の町道α線の路肩から遺棄されたものと考えられた。 本件死体遺棄現場の土砂内からYのサマーセーターが発見されたが,Yが失踪当日に所持していた黒色手提げ(帯,財布等が入っていたと思われる。)のほか,Yのパンティーやストッキングの片方も本件死体遺棄現場からは発見されなかった。 Zに関しては,本件死体遺棄現場に布製手提げバッグとその内容品(運動靴,靴下片方,輪ゴム,ピンク色手袋,黒地手袋)が遺留されていた。なお,Zのズボンの左ポケットには1000円が入っていたが,Zの眼鏡は本件死体遺棄現場では見つかっていない。 X及びZの各死体の衣類は,同人らが失踪時に着用していたものと同じものであると認められる。また,遺留されていた衣類等の中でサマーセーター,スカート,ビニール製白色ヒール靴,婦人用腕時計,指輪等については,Yの衣類等であると認められる。 3 Xの使用車両・所持品の発見状況等 (1) X車両 死体発見後の1月27日午後7時35分ころ,X車両が上記武雄ボーリングセンター西側駐車場のほぼ中央で,北向きに駐車されているのを警察官が発見した。同車の施錠は全てなされており,窓も全て閉まった状態で,車内は特に乱れていなかった。 同車の助手席フロントガラス内側に素足痕があり,同車両内で精液,尿,血痕付着についての予備検査を実施したが,いずれも陰性であった。 (2) メナードクレジットカード Nによって,1月26日午後零時ころ,北方町大字β所在の薬局東側角端付近路上においてX所有の日本メナード株式会社発行のメナードクレジットカードが拾得され,同日午後零時15分ころ,大町警察署β駐在所に届けられ,同日夕方,Cに返却された。翌27日,同カードはCから警察に任意提出され領置された。 (3) ショルダーバッグ Oが,1月26日午前8時ころ,北方町大字β所在のP方南方約110メートル先の町道牟田浦線上の西側有蓋側溝上に遺留されていたX所有のショルダーバッグを拾得し,上記Oの祖母であるQが上記β駐在所に連絡をした。翌27日午前9時ころ,上記β駐在所勤務のR巡査部長がQから同ショルダーバッグを拾得物として受け取った。その後,Rにおいて同ショルダーバッグやその内容物である現金2円,財布,健康保険証,車の鍵等の領置手続を行った。 (4) メモ帳等 2月5日午後4時10分ころ,北方町大字β所在のかみや旅館前の自動販売機横に設置された空き缶入れ(赤色ポリ容器)内の左奥から,SがX所有のメモ帳を発見し,次いで,幾つか空き缶を取り除いた後で同容器の真ん中あたりに玉屋おたのしみ会お買物票と同会会員証を発見した。同日午後4時25分ころ,Sから大町警察署勤務のT警部補がこれを領置した。 (5) 運転免許証 2月6日,機動隊によって北方町内の山林の検索が行われたが,同日午前10時7分ころ,北方町大字β所在の山林内において,機動隊員のUが運転免許証入れに入った状態のX名義の運転免許証を発見した。その場所は,町道から約6.9メートル離れた,町道の法面とその南方にある杉林との中間付近であった。その後,Tが運転免許証等の領置手続を行った。上記運転免許証入れには,上記運転免許証のほかに,千円札2枚,500円記念硬貨2枚,Xの源泉徴収票等が入っていた。 4 Xらの死体の司法解剖及び着衣等の鑑定の内容 平成元年1月28日及び翌29日,当時の佐賀医科大学法医学教室解剖室において,同大学法医学教室V教授(その後,同人は和歌山県立医科大学法医学教室へ異動しているが,以下,所属にかかわらず「V教授」と表記する。)により,X,Y及びZの各死体の司法解剖が実施された。また,当時の佐賀県警察本部刑事部鑑識課科学捜査研究室(後に同部科学捜査研究所に改組)等において,Xらの着衣等に関しても各種の鑑定が行われた。 なお,本件における各種鑑定(後述の第5の3(4)ないし(8)に記載した各鑑定も含む。)に関し,弁護人は,鑑定を行った技術吏員らが捜査機関から完全に独立して鑑定に当たっておらず,その内容も恣意的で不公正なものであると主張するとともに,鑑定を実施した技術吏員の能力の問題や鑑定嘱託書が複数存在するなど鑑定手続のずさんさ等を理由に,その適法性・正確性を弾劾する。しかしながら,関係各証拠からは,上記技術吏員らが捜査機関に偏した不公正な鑑定人であるとはいえず,恣意的な鑑定を行っていたとは認められない。また,弁護人指摘の諸点をもっても各鑑定の手続が違法であったと評価することはできない上,その鑑定手法も鑑定当時においてその科学性・信頼性が広く承認された一般的なものであったと認められることからすると,上記鑑定の内容には一定の信用性が認められるというべきである。 (1) X関係 ア 死体の司法解剖 V教授の行ったXの死体の司法解剖の内容は以下のとおりである。 Xの顔面には上口唇内側口腔粘膜に歯牙の形状が明瞭に印象され,鼻背部より右側顔面には小裂創を含む表皮剥脱が散在しており,これらは鼻口孔を強く圧迫することによって生じたものと思料される。カーディガンの正中よりやや左側上方に薄茶色のアイシャドーが付着していることから,被疑者がカーディガンをXの顔面まで持ち上げ,それで鼻口孔を閉鎖し,その時に被疑者の爪で小裂創及び表皮剥脱が生じたものと思料される。 頸部においては,右前頸部に着衣の織目が明瞭に印象され,右下顎角の下方で皮膚に印象された織目の上縁直上方に左右径2センチメートル,上下径1センチメートルの帯状淡赤色変色部があり,その変色部皮下軟組織内に2×1センチメートル大の出血があるが,織目印象部内景には出血は認められない。前頸正中上部内景には約2.8×1.3センチメートル大の僅微な皮下軟組織内出血があり,同出血は外表における織目印象部上縁の上方約2センチメートルのところに位置している。これらの頸部の所見は扼頸によって生じたとして矛盾がないものと思料される。織目紋様(X着用のトレーナーの襟に相当)について,そのような織目を持った襟で右前頸部を圧迫したことは事実であるが,絞頸時に被害者が動いたりしたために生ずる表皮剥脱や皮下出血はない。その紋様の直上方で右下顎角の下方の変色(皮下出血を伴うもの)があるが,その大きさが2×1センチメートルであり,絞頸時索溝の上縁部に生ずる皮下出血にしてはその幅が大き過ぎ,圧迫部位の長さに比し短いので,この紋様は絞頸のため生じたとは考え難く,扼頸により生じたものとするのが妥当であると思料される。したがって,皮膚の織目紋様は扼頸時と同時的に襟を圧迫することにより印象されたものとして矛盾はないものと思料される。織目が明瞭に印象されているにもかかわらず,同部に表皮剥脱・皮下出血が存在しないことは極めて特徴的である。 以上により,被害者の死因は,顔面うっ血,眼瞼結膜の溢血点等いわゆる急性窒息の所見の存在を考慮に入れ,鼻口孔閉塞兼扼頸に基づく窒息であり,他為によるものと思料される。 左下腿下部から足部にわたる範囲の損傷部の着衣には血液が付着しており,同部やその周辺には枯れた木の小枝が多く付着していることから,これらの損傷は発見現場に遺棄されたとき,その現場に存在する小枝等により生じたものと思料される(鑑定人は解剖後死体発見現場に出かけ観察した。)。また,これらの損傷は表皮剥脱部位から出血し得る時期,すなわち不可逆的死への過程中あるいは死後まもなく(数分以内)の時点で生じたものと思料され,そのような時期に遺棄されたものと思料される。その他の損傷は用器的特徴を具備しないが,窒息経過中に同人が暴れたり痙攣することにより何らかの鈍体での打撲擦過作用により生じたものと思料される。したがって,鼻口孔閉塞や扼頸を受けた場所は身体を少し動かすことによって何らかの物に身体が当たるようなところ,すなわち,かなり狭い場所と推測される。 同人の死から解剖着手時である平成元年1月28日午前零時までに経過した時間は,死体現象から約2日くらいと推測される。さらに,同人の胃内容の消化程度,腸内容の程度から食後約1時間以内に死亡したものと推定される。 薬物検査をしたところ,薬物は検出されなかった。 血中アルコール検査をしたところ,アルコールは検出されなかった。 同人の血液型は,「O-M型」に属する。 (なお,弁護人は,Xの死亡時期について,鑑定書には十二指腸内容物の欄に「黄褐色粥状少量」との記載があるところ,消化内容物が胃から十二指腸に移行し始めるのは食後1ないし2時間程度であることからすると,Xの死亡推定時間は夕食後1ないし2時間程度とも考えられる旨主張する。しかし,V教授は上記の事情を前提に十二指腸内容物が胃内容物と同じものであったとしてもその量が少量であったことから,食後約1時間以内に死亡したものと推定する旨の判断を行ったものであり,その判断が不自然・不合理とはいえない。また,弁護人は,V教授がXの殺害方法は「鼻口孔閉塞兼扼頸」であって,鼻口孔閉塞と扼頸の2つの行為を同時に行ったと考えられる旨証言しているが,鑑定書にはこの点に関して全く触れられておらず,V教授がいつの時点でどのような経緯から,加害者が鼻口孔閉塞と扼頸の2つの行為を同時並行的に行ったと判断したのか全く不明であり,その証言は信用できない旨主張する。しかし,V教授は,ほぼ同時的に行ったと思われる旨供述しているのであって,必ずしも2つの行為が同時に行われたと断定しているわけではなく,上記の「兼」の意味についても鼻口孔閉塞と扼頸のいずれが先であるか判断が付かないためにそのように表記した旨供述している。しかも,Xの死体や衣類からうかがわれる各所見からすれば,鼻口孔閉塞と扼頸のいずれについてもその存在を合理的に推認することができ,そのいずれもが窒息死という結果発生に寄与したことも合理的に推認することができるのであるから,殺害方法に関する上記の鑑定結果は合理的で十分信用に値するというべきである。) イ Xの着衣の付着物の鑑定 科学捜査研究室法医係によって,Xの着衣に関し,人血及び体液等の付着の有無及びその血液型についての鑑定が実施された。その鑑定の内容は以下のとおりである。 ①本件カーディガンにはヒト血痕及びヒト血痕とだ液の混合斑が付着し,血液型はO型と判定された。精液,尿の付着は認められない。 ②クリーム色スカートには血痕,尿,精液の付着は認められない。 ③白色トレーナーにはヒト血痕及びヒト血痕とだ液の混合斑が付着し,血液型はO型と判定された。精液,尿の付着は認められない。 ④長袖シャツには血痕,尿,精液の付着は認められない。 ⑤パンティーの前面のほぼ中央部から左右臀部相当部にかけて淡黄色の汚斑がみられ,人尿の付着が認められた。血液型はO型と判定された。SMテスト試薬を用いた酸性フォスファターゼ試験を行ったところ,陰部相当部のほぼ中央部が中程度の陽性反応を示し,その周辺部及び臀部相当部にいくに従って弱い陽性反応を示した。この陽性部の一部を切り取り,バェッキー染色後に顕微鏡で検査したところ,ヒト精子が検出されヒト精液の付着が認められた。精液付着部位はヒト精液と人尿との混合斑と判断され,その血液型はO型と判定された。精液の付着していない対照部位の血液型もO型と判定されたことから,精液付着部位のヒト精液の血液型はいずれもO型と判定された。 ⑥ガードルの陰部相当部位に淡黄褐色の汚斑が見られ,人尿の付着が認められた。血液型はO型と判定された。SMテスト試薬を用いた酸性フォスファターゼ試験を行ったところ陰部相当部のほぼ中央部に母指頭大,それよりやや後方に小指頭大(臀部寄り)のやや弱い陽性反応を示した。陽性部について一部を切り取り,バェッキー染色後,顕微鏡で検査すると精子が検出され,ヒト精液の付着が認められた。精液付着部位はヒト精液と人尿との混合斑と判断され,その血液型はO型と判定された。精液の付着していない対照部位の血液型もO型と判定されたことから,精液付着部位のヒト精液の血液型はいずれもO型と判定された。 ⑦パンティーストッキングには人尿の付着が認められた。血液型はO型と判定された。SMテスト試薬を用いた酸性フォスファターゼ試験を行ったところ弱い陽性反応を示した部位があり,その一部を切り取り沈降電気泳動法による検査を行ったところ,沈降線がすべてに認められ,ヒト精液の付着が認められた。精液付着部位はヒト精液と人尿との混合斑と判断された。血液型はすべてO型と判定された。赤褐色の血痕様付着物はいずれもヒト血痕で血液型はO型と判定された。 ⑧ブラジャーの表面及び裏面の任意の場所から,その一部を切り取り,ブルースターチ・アガロース平板法によるだ液定性試験を行ったところ,裏面に陽性反応を示した部位があり,その部位について残存澱粉検査,生成糖検査によるアミラーゼ試験を行うと,すべて陽性であったことから,ブラジャーにだ液が付着しているものと判断された。血液型について解離試験を行ったところ,1か所だけがA型と判定され,ほかは判定困難であった。だ液の付着していない対照部位に型活性は認められなかった。 血痕,尿,精液の予備検査はいずれも陰性で,これらの付着は認められなかった。 ⑨ヘアーバンドには血痕,尿,精液の付着は認められなかった。 ウ Xの死体の膣内を拭き取ったガーゼ片の鑑定 Xの死体の膣内を拭き取ったガーゼ片(入口)1片(資料1)とXの死体の膣内を拭き取ったガーゼ片(奥)1片(資料2)について,上記科学捜査研究室法医係により鑑定が行われた。その鑑定の内容は以下のとおりである。 SMテスト試薬を用いた精液の酵素反応である酸性フォスファターゼ試験を行ったところ,資料1に弱い陽性反応が,資料2にごく弱い陽性反応が認められた。その陽性反応部位について,バェッキー染色後,顕微鏡で検査したところ,資料1,2とも膣扁平上皮細胞を認め,資料1については精子の頭部をわずかに検出し,資料2については精子の頭部をごくわずかに検出した。次に,抗ヒト精漿抗体を用いて沈降電気泳動法により検査を行ったところ,そのSMテスト試薬陽性反応部位の資料1については明瞭な沈降線を,資料2については弱い沈降線を認め,資料1,2ともヒト精液の付着が認められた。以上のことから,資料1,2のSMテスト試薬陽性反応部位はヒト精液と膣液の混合斑と認められる。資料1,2のヒト精液と膣液の混合斑痕部について,それぞれ4箇所を任意に選び血液型検査を行ったところ,吸収試験,解離試験ともすべてO型と判定された。資料1,2の対照試験部位として付着物のない部位を選び,吸収試験,解離試験を行ったところ,型活性は認められなかった。また,フォスフォグルコムターゼ(PGM1)型の検査を行ったが,判定できなかった。なお,血痕検査を行ったところ,陰性であった。 エ Xの膣内及びパンティーに付着した精液の付着時期の鑑定 上記イ及びウの鑑定からXの着衣等に精液の付着が認められるところ,その付着時期について,V教授に鑑定嘱託がなされた。その鑑定の内容は以下のとおりである。 剖検時,Xの膀胱は空虚であり,Xのパンティー等に広範囲に尿斑が認められることから,Xは殺害時の死戦期に失禁したとしても矛盾はない。行方不明から発見までの間は時々雪が降り,寒い天候であり,解剖時にもパンティーの陰部相当部はまだ湿った状態であった。さらに,胃内容物の消化程度からXの死亡時期は食後1時間以内と推測され,解剖着手時である平成元年1月28日午前零時までに約2日経過していることになる。 仮に被害者が外出して死亡するまでの1時間足らずの間に性行為を行ったとすれば,精液が完全に乾燥しない時期に死戦期での失禁が起こったことになり,精液は尿斑が認められる範囲近くまで浸潤したと思料される。しかるに,SM試験陽性部は尿斑陽性部内に島嶼状に存在するにすぎないことから,Xのパンティー等に付着した精液は乾燥して硬くなり,失禁や降雪による湿りによっても浸潤し難い状態になっていたとして矛盾はない。すなわち,同精液はXが外出する際には既に付着していたものと思料され,外出から死亡までの1時間の間に性行為はなかったものと思料される。 Xの膣内容物の鑑定書(上記ウの甲62)及びXのパンティー等の鑑定書(上記イの甲60)の結果を検討するに,膣内容物のSM試験の呈色程度は膣入口では弱い陽性を,膣奥部ではごく弱い陽性を示すことは,X生存中24時間弱,精液が膣内に存在していた所見であり,死体膣内では2ないし3日で呈色は陰性化することからも,SM試験での陽性程度はX死亡の約24時間前に性行為を行ったことを示すものとして矛盾はない。上記の推定は,本件精液が約1日間生体膣内に,次いで2日間死体膣内に存在することにより,精子の検出が一部陰性化し,精子頭部のみがわずかに検出されたという膣内容物の顕微鏡による検査結果とも矛盾しないことなどから,Xの膣内,パンティー等に精液が付着した時期は,同人死亡の約1日前と推定される。 オ Xのパンティーに付着した精液のDNAに関する鑑定 平成14年7月15日,佐賀県警察本部長から科学警察研究所長あてに,Xのパンティーに付着した精液のDNA型と被告人のDNA型の異同識別に関して鑑定嘱託がなされた。同所警察庁技官Wらが鑑定した結果は以下のとおりである。 鑑定資料として,平成14年6月16日にXのパンティーから採取された布片(資料1),資料1の対照部位として同様に採取された布片(資料2),平成元年2月1日にXのパンティーから採取された布片(資料3,4),資料3,4の対照部位として同様に採取された布片(資料5),Xの血液(資料6)及び被告人の頭毛(資料7)について,外観検査,精液予備検査(酸性ホスファターゼ検査),細胞学的検査,血清学的検査,血液型検査,DNA型検査を行った結果,Xのパンティーから採取された布片(資料1)から精子のDNA型を検出し,その型が被告人の頭毛(資料7)のDNA型と一致した。 カ Xの乳頭部に付着しただ液及びXのブラジャーの付着物に関する鑑定 (ア) 上記イのとおり,Xのブラジャーには血液型A型のだ液の付着が認められた。また,司法解剖の際にXの乳頭部を拭き取ったガーゼ片の鑑定を科学捜査研究室において実施した。上記イ同様にブルースターチ・アガロース平板法によるだ液定性試験,その陽性部位について残存澱粉検査,生成糖検査によるアミラーゼ試験を行ったところ,同女の乳頭部にだ液の付着が認められ,解離試験によるとその血液型は被告人と同じA型であるとの結果になった。 (イ) 次いで,平成14年にXのブラジャー,Xの血液及び被告人の頭毛を鑑定資料として,Xのブラジャーの付着物について核DNA型の鑑定を科学捜査研究所において行ったが,十分な型判定ができず,被告人のそれとの異同識別はできなかった。 (ウ) そこで,同年,同様にXのブラジャー,Xの血液及び被告人の頭毛を鑑定資料として,ブラジャーの付着物のミトコンドリアDNAについて,当時の宮崎医科大学法医学教室のa助教授に鑑定嘱託がなされ,その結果,Xのブラジャーにはヒトに由来する何らかの細胞が付着していたことが認められ,Xと同じ型のミトコンドリアDNAとともに被告人と同じ型のミトコンドリアDNAが検出されたが,X及び被告人以外の人物のミトコンドリアDNAも検出された。 (2) Y関係 ア 死体の司法解剖 V教授の行ったYの死体の司法解剖の内容は以下のとおりである。 検査結果によれば,完全に白骨化しており,骨に損傷は全く認められなかった。性別は女性で,年齢は約50歳前後であり,死因,自他殺の別は不詳である。身長は145センチメートル前後と推測する。死後約1.5年と推測する。姦淫の有無は不詳であり,血液型は判定できなかった。薬物服用の有無も不詳である。アルコール含有の有無も不詳である。 イ 歯牙の鑑定 当時の佐賀医科大学口腔外科講師bが死体上下歯牙と歯科医院で保管されていたYのレントゲン写真とを対照したところ,死体の上下歯牙はYのものと一致した。 ウ サマーセーターの損傷の鑑定 本件死体遺棄現場において発見され,Yが失踪時に着用していたと認められるサマーセーターについて,平成14年に科学捜査研究所において鑑定を行ったところ,鋭利な幅のある刃物等による損傷は発見されなかった。 (3) Z関係 ア 死体の司法解剖 V教授の行ったZの死体の司法解剖の内容は以下のとおりである。 外表検査においては,全身腐敗高度で蛆虫が多数付着していた。 内景検査においては,内臓が蛆虫に蚕食されていた。 損傷検査においては,外表上に損傷は認められないが,内景においては頸部正中中央部,すなわち甲状軟骨上縁に相当する部位にほぼ母指頭面大の皮下筋肉内出血があり,その左やや上方約2センチメートルのところに小指頭面大の皮下出血がある。また,前頸中央下部,すなわち胸骨上縁の直下部にもほぼ二倍母指頭面大の皮下出血がある。前頸部深層においては,甲状軟骨の上甲状切痕部に小線状骨折があり,さらに,輪状軟骨は正中のわずか右方で完全に骨折し,骨折部には筋肉内出血が認められる。頸部内景にある損傷の性状,程度,配列(指頭面大の損傷が印象されていること)から,同人は手指により扼頸されたものと思料される。したがって,同人の死因は扼頸に基づく窒息であり,他為によるものと思料される。 同人の身体の腐敗変化は高度であり,気候,遺棄場所を考慮すると,同人の死から解剖着手時である平成元年1月28日午前4時までに経過した時間は約2か月くらいと推測される。 胃内容物がほとんど消化されていない状態であったことから,Zの死亡推定時間は食後1時間ないし2時間以内であったと思料される。 本件被解剖者の死後経過時間は約2か月くらいと推測され,精液の経時的検出限界を超えていることから精液検査は行っておらず,被害当時の姦淫の有無については不詳である。 また,剖検所見上,胃内容中には薬剤等は認められず,積極的に薬物服用を証明する所見は認められない。 前記のように,被解剖者の死後経過時間が長いため,採取する血液はなく,アルコール検査は行っていない。 血液型検査においては,毛髪,指爪を採取し,それらから解離試験によりO型と判定された。 被解剖者の年令は,頭骨の縫合程度,歯牙の咬耗度から約50歳前後と推測される。 5 本件当時の被告人の生活状況等 (1) 被告人の生活状況 ア 昭和62年7月当時の被告人の生活状況 被告人は,昭和59年7月20日に,窃盗,覚せい剤取締法違反(使用)の罪により,懲役1年6月・3年間執行猶予・付保護観察の有罪判決を受けた後,北方町大字βのα地区にある自宅に戻り,農業の手伝いをしていたが,同年12月ころから,c商店で働くようになった。c商店は,d生コン株式会社等の生コン会社に運転手を派遣しており,被告人も主にd生コンで運転手をしていた。被告人は,昭和62年10月に逮捕されるまでc商店で稼働していた。 上記のとおり,被告人は,昭和62年7月当時も,d生コンにおいて生コン車の運転手として稼働していたところ,被告人の稼働状況を記した輸送一覧表によれば,昭和62年7月に被告人が休んだのは,5日,12日,19日,26日の日曜日のほかに,3日,9日,16日,21日,28日,29日,30日であり,同月8日はd生コンに出勤している。 その当時,被告人は,d生コンの仕事仲間らと仕事帰りに飲みに行くことがあった。被告人がよく行っていたのは北方町の焼鳥屋「石松」であり,そのほかに「はまゆう」,「つゆ」,「ドリーム」,「桂」にも行っていた。また,c商店のcに連れられて「お俊」に行ったこともあった。 被告人は,昭和61年9月にeと婚姻し,被告人夫婦は,上記自宅において,母親f及び実妹gと生活するようになった。ところが,翌10月にeが死産し,それから徐々に夫婦仲が悪くなり,被告人の帰宅が遅いことや女性関係を理由に,被告人はeとけんかをするようになり,その際にeを何度かけったことがあった。また,eの勤務先の女性が自宅に来た際に肉体関係を持ったことがあり,そのことがeに分かって,けんかになったこともあった。 昭和62年5月ないし6月ころから,被告人は,自宅で飲酒したときなどに,知っている女性に誘い出しの電話をするようになった。 同年7月当時,被告人が外泊をしたり夜遅く帰ったりするので,fが女性との交際について被告人に注意をしたところ,被告人が家でも何でも燃やしてしまうというようなことを怒鳴ったことがあった。そのころ,被告人は,何でもないことにカッとなって,くそみそに暴言をはき,fの注意も聞かず,家の農業の手伝いも全くしないようになった。被告人がfを殴ったことはなかったが,物を投げつけたことはあった。また,覚せい剤を注射しているのではないかとfが尋ねたところ,被告人が口出しするなと怒ったことがあった。その上,被告人はeに給料を同年7月分から渡さず,反対にeから金をせびりとるようになり,eはその都度殴られたりするので,言われるたびに1万円くらいずつを被告人に渡していた。なお,eは,被告人から殴られたり,物を投げつけられたりされていた旨をfに話していた。 被告人は,昭和60年ころから覚せい剤の使用を再開させ,白石町や武雄市の暴力団から覚せい剤を購入しては北方町の山中に止めた車両内で使用していた。昭和62年の盆のころ,eが実家に帰ってしまったことにいらつき,被告人の覚せい剤の使用回数が増えた。 昭和62年10月,被告人は,覚せい剤使用の容疑で逮捕され,同年12月16日,覚せい剤取締法違反(使用)の罪により懲役1年2月の実刑判決を言い渡され,服役した。昭和63年3月に被告人はeと離婚した。 イ 昭和63年9月から平成元年10月までの被告人の生活状況 被告人は,昭和63年9月に上記刑を仮出獄後,αの上記自宅に戻り,再びc商店で稼働するようになり,運転手として砂等を運搬していた。被告人のc商店での給料は日給7000円で毎月5日に支給されていた。被告人は,昭和63年12月いっぱいはh商店に派遣され,平成元年1月からは,d生コンにおいてダンプで砂を運搬する仕事をしていた。c商店に出勤するときは午前7時すぎころに自宅を出ていた。仕事時間は,午前8時から午後5時までであったが,大体午後6時前にc商店に戻ってから帰宅していた。d生コンに行くようになってからは午前7時20分から午前7時30分ころには自宅を出ていた。帰りは午後6時ころで,遅いときは午後7時すぎころに帰ったこともあった。fが夕食を作っておくと,被告人は勝手に炊事場で食べたり,居間でテレビを見ながら食べたりしていた。 被告人は,c商店での稼働状況を運転日報(甲530)に記録していたが,それによると,被告人は,昭和63年12月7日もc商店に出勤し,同日午後5時過ぎには仕事を終えている。 被告人は,仕事帰りに酒屋等でワンカップの酒一,二本を買ってきたり,会社帰りに北方町の焼鳥屋「石松」に飲みに行くこともあった。また,パチンコをしに行くこともあった。被告人は電話をするときはほとんど2階の自分の部屋に電話機を持って行って使用していた。その当時,被告人は週に3度は外出していたが,外出先は家族に話さなかった。外出するときは,午後7時すぎくらいに出て午後10時か11時ころに帰宅していた。 被告人は,1月27日から連続して4日間大町警察署において佐賀県警察本部刑事部捜査第一課強行犯係長であったi警部補(以下「i取調官」という。)らから取り調べられたが,その間に自宅2階の被告人の部屋にfが来たことがあった。fが,被告人に対して1月25日のことを尋ねると,被告人は,自分は人を殺していない,友達のうちに行っていた旨答えた。fがその日に何をしていたのか尋ねても,被告人は答えなかったが,警察には話をしていると言った。fが,(殺人を)しているのなら一緒に死のうと言ったところ,被告人は,してもいないのに何で死ななければならないのかと答えた。被告人が使用していた車両と同様の飾りを付けた軽トラックが1月25日武雄ボーリングセンター駐車場に止まっていた旨の新聞報道があったことから,fが被告人にそのことをただすと,被告人は「おれは行っていない。」と答えた。 被告人は,4月17日ころまでc商店で稼働し,5月ころには自宅を出て福岡で生活するようになった。 平成元年10月,被告人は覚せい剤使用の罪で逮捕された。同年11月,fが佐賀少年刑務所に面会に行った際に,被告人は,fに対し,「1月25日の外出先は嬉野の友達のところだった。」と話した。 (2) 本件当時の被告人の女性関係 ア 乙との交際状況 被告人は,昭和62年5月ころ,d生コンの同僚らと,スナックドリームという店に初めて行ったとき,アルバイトをしていた乙と知り合い,それから1か月くらいたって交際するようになった。被告人は,仕事が終わった後に乙とドライブなどをし,ホテル等で肉体関係を持っていた。同年10月に被告人が覚せい剤で逮捕されて服役した後も交際を続け,被告人が昭和63年9月に仮出獄した後,再び頻繁に会うようになった。 平成元年(昭和64年)1月に被告人が乙と会ったのは,1日,8日,10日,15日,17日,21日,23日であり,21日と23日は,被告人が午後8時ころ乙の家に行き,午後10時ころまで同女の部屋で話をした。 1月24日,被告人は,乙と会わなかったが,その日の電話で,被告人が,乙の1月25日の都合を尋ねたところ,同女が会社の新年会があるなどと答えて,被告人とけんかになって電話を切るということがあった。 1月25日昼ころ,被告人は,乙に電話し,すぎやデパート近くのガソリンスタンドで乙と会って,午前中に接触事故を起こしたことを話した。同日午後10時ころ,乙は,被告人方に電話をかけて,被告人と1時間くらい話をした。 イ Xとの交際状況 被告人は,Xがα地区のA方で生活していたことから,Xの顔を知っていたが,顔を合わせれば会釈する程度であった。 被告人は,乙とは結婚を考えて交際していたが,他方で乙以外の女性と付き合って肉体関係を持ちたいと考え,昭和63年12月当時も乙以外の女性に電話をかけて誘ったりしていた。 被告人は,XがA方を出て実家に戻っていることを聞いていたことから,Xに電話をして誘い出し,肉体関係を持ちたいと考えた。そこで,被告人は,昭和63年12月上旬ころの午後8時すぎころ,Xに電話をかけたつもりで間違ってj方に電話をかけてしまったが,同人からX方の電話番号を教えてもらうことができた。早速,X方に電話をかけ,Xに出てくるように誘ったところ,Xがこれに応じて待ち合わせ場所まで出てきたので,以後被告人はXと交際するようになった。Xと会うときには,被告人がX方に電話をかけて,会う時間・場所を決めていた。XはX車両に乗って待ち合わせ場所までやってきて,被告人運転の車両に乗り換えてホテルに行っていた。 (3) 被告人の使用車両 被告人は,昭和59年9月ころ,白色の軽四輪貨物自動車(スバルサンバー。佐賀40せ3735。以下,「被告人車両」というが,関係者の供述中では「軽トラック」と表記されることもある。)を,北方農協から新車でローンを組んで購入した。また,被告人は,昭和60年9月ころに軽四輪乗用自動車(ダイハツミラ)の新車を購入した。さらに,被告人は,昭和62年4月ころ,上記ダイハツミラを下取りしてもらって,新たにグレーの普通乗用自動車(スターレット。佐賀56ひ5107)の中古車をk板金からローンを組んで購入したが,同年7月20日k板金に売却した。その後,被告人は,上記スターレットを売却した直後の同年7月下旬ころ,紺色の普通乗用自動車(マークⅡ)の中古車をk板金からローンを組んで買ったが,同年10月に被告人が覚せい剤使用の罪により逮捕されたので,同年11月か12月にfが上記マークⅡをk板金に処分した。 昭和62年6月ころ,被告人は,d生コンの同僚に福富町の鉄工所を紹介してもらい,そこで被告人車両の運転台の上部等に魚の鱗に似た紋様のステンレス製バイザー(以下「鱗ステンレス製バイザー」という。)を付けた。被告人は,通勤用にはほとんど被告人車両を使っていた。被告人車両には被告人のほか,f,g,e,乙も乗車したことがあった。また,被告人が服役中に,fがd生コンの運転手仲間や被告人の叔父に被告人車両を貸したことがあった。 平成元年2月ころ,d生コンの同僚が被告人車両の鱗ステンレス製バイザーを取り外した後,被告人は,同バイザーを友人に売却した。さらに,4月23日ころ,被告人は,株式会社l商会に被告人車両を売却したが,被告人車両は,4月26日に同社から警察に任意提出され,同日,領置された。 (4) 平成元年1月25日の被告人の行動状況 1月25日午前7時30分ころ,被告人は被告人車両を運転