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073眠り姫 もう、4年になる。 月最後の休日予定は決まっている。今日もいつものようにアパートの玄関で靴を履き、友人に電話をした。 「俺。今、頼んでいいか?」 『あっくん?大丈夫だよ。ちょっと待ってね。』 電話を切ってそのままドアを開けずしばし待つ。すると、アパートのドアの姿が霞み、やがて周囲の壁に似合わない引き戸が現れる。木の枠に薄く水が滴っているような、しかし向こうが見通せない不思議な質感のガラス状のものが嵌ったそれは、からからと軽い音を立てて向こうから開いた。 薄いフレームの眼鏡をかけ、穏やかな笑みを見せる男性が話しかけてくる。 「いらっしゃい、あっくん」 「ありがとう。これ、こないだの出張の土産。」 「おやお菓子?お茶していくよね、後で一緒に食べよう。」 「ああ。」 開いて貰った戸の向こうには、広い玄関があり、沢山の靴が脇に並んでいる。小さいのから大きいの、新しいものから古いものまで、下駄から草鞋からブーツから革靴に運動靴と多種多様の靴がごちゃごちゃとした順番に並ぶその様子は見慣れたものだ。 丁度遊びに行くのだろう、少年がわたわたと急ぎ足で廊下の角から顔を出し、玄関へやってきた。そのままの勢いで小さめの運動靴を履きながら挨拶をする。 「おじちゃんたちやっほー!いってきまーす!おばちゃんによろしく!」 「おうわかった行って来い。」 「ちょっと待ってね戸を戻すから。…はい。気をつけていってらっしゃい。」 「はーい!」 いつの間にか戸は姿を変え、同じように木枠でも、ごく普通の曇り硝子が嵌ったものに変っていた。少年はそこを勢いよく開け、大きな音を立てたことに慌てて静かに閉める。 濁った硝子の向こうに少年の着ていた黄色いシャツの色がぼんやり広がったかと思うとすぐに小さくなった。 「さて、俺もお邪魔します。2階に行くな。」 「うん。」 少年を二人で見送ると少年の靴の代わりと言うには大きすぎる自分の運動靴を靴の群れに追加した。周囲から人声や気配がするのを耳に肌にかすめながら、玄関からまっすぐ歩き、奥から伸びた階段を上る。 ぎし、ぎいっ、と歩く度に音が鳴るが十年以上歩いているそれには不安は感じない。登りきり、右の奥の部屋へと向かう。 体が覚えている歩数を進み、そこのドアのノブを軽く握る。すう、はあ、と、一呼吸ついてから開いた。 今日も変わらず、その布団は小さく膨らんでいる。 「……来たぞ。入る。」 応えがないとわかっていながらも、そう呟いて八畳間の中央、布団の横に胡坐をかいた。成人用のそれより小さな赤い布団は真っ白なカバーに覆われ、枕もシーツも同じく真っ白だ。 何を着ているのかは今は見えないが、それが季節に合わせた色とりどりの浴衣であることは何度も見ていたので予想がつく。 そのカバーも枕カバーもシーツも浴衣も、全く汚れないのに毎日交換されているのことも、知っている。 その浴衣が知人の手で毎月新しいものが増やされていることも、知っている。 ただそこに眠っている本人だけが知らない。 「元気か?今日はいい天気だぞ。俺のところでは桜が散ったが、こっちはこれからだな。満開になったら見に行こうか。」 小さく白い頬を静かに撫でて話しかける。六~七歳ほどに見えるその少女の膝まである長い髪は全て枕の上に払われ、まっすぐに黒い線を作っている。前髪は顔にかからないようにだろう、額のところで小さいピンで止めてあった。その寝顔は子供特有のあどけない表情で、知らず見ている分には至極平和に見えるだろう。 ―――その呼吸が止まっていることを除けば。 触れた頬は柔らかく、しかし子供が持っている高い体温は感じられず、ひんやりとしている。 壊れないよう壊れないよう、そっと布団をのけて、その手を握る。それもひんやりとしていた。鮮やかな萌黄色に水の流れがついてあった浴衣の下の薄い胸は動かず、胸に耳を当てて鼓動を聞いたとしても聞こえない。 「響…。」 小さい爪を軽く撫で、手を握り直すが、握り返される力は返ってこない。苦笑を浮かべながら話しかけた。 「早く、起きろよ。」 実際には二十歳を過ぎている、自分が守ろうとしたのに自分を守った少女は、生きておらず、しかし死んでもおらず、ただ静かに目を閉じていた。 「おかえり。お茶淹れるね。」 1階の青年の部屋に行くと、新聞を読んでいた青年がこちらを見てそれを閉じ、傍に置いておいた道具で緑茶を淹れてくれた。小さく礼を言い、すする。この時期こちらは暖房を焚く程の寒さは過ぎているが、それでも肌寒く感じることも多い。 わずか冷えた室温に、その温かい湯の温度は心地よかった。 「どうだった?」 「今日も寝てたな。傍から見て腹が立つほどに。頬をびよんびよんと引っ張ってやろうかと毎回思う。」 「そう言いながらも、しないくせに。」 くすくすと笑いながら青年―――融(とおる)は二枚の菓子皿を用意し、そこに先ほどの土産の菓子を盛り付けた。自分の分の湯呑に口をつけて言う。 「まあでも気持ちもわかるかな。起きてくれないと僕も滸(ほとり)も結婚式ができないよ。」 「既に尻に敷かれてるな。」 「それが円満のコツ。覚えておいた方がいいよ?―――それに僕たちもそうしたいしね。」 「……。」 からかうように指を振ったかと思うと目を伏せ呟く。視線は湯呑に向いているため見えないが、その、声を沈め、溜息をつくように零した声に、上手く返事が出来なくなってしまった。 「更に言えば、結婚式の衣装の時点で無理だしねえ。」 そんな空気を壊すように再びおどけて融は笑んだ。それに合わせてこちらも軽口で返す。ネタにされた本人には悪いが、普段が普段だから甘んじて受けてもらおう。 「公私混同が過ぎるな。稼がせてやる必要は無いぞ?アイツに作らせずに断っちまえ。」 「残念ながら既にデザインとかは出来上がってるらしいんだよ。本人の脳の中で。今から断ったら騒がれちゃう。」 「叩いたら消えるんじゃないか?」 「ははっ、流石に今の姿でそれをするのは少し躊躇するなあ。そうそうこの前……」 それからは雑談に話が流れ、穏やかに時間は過ぎて言った。 「じゃあな。長居した。」 「こちらこそ楽しかったよ。今度はつーくんとも遊んであげてね。」 「わかった。汚れてもいい服で来て、気力体力を充実させて来よう。」 融の要望に重々しく頷いて答えると「修行じゃないんだけどなあ。」と苦笑された。半分は冗談だが、半分は本気だ。まだアレは弱すぎる。 「また来る。」 「うん。じゃあね。」 玄関で靴を履き、入ってきた時と同じ戸を開くと、そこには自分のアパートが広がる。手を後ろに振りながら戸を閉めると、戸は現れた時と同じように霞み、何の変哲もない金属のドアに戻った。 それを確認すると、いつものように融らの母親が持たせてくれた夕飯をテーブルに置き、椅子に座った。手帳を開き、週明けの仕事のスケジュールを確認する。 なんとはなしにシャツに手を入れ背中を掻き、手を止めた。 そこには、傷痕は無い。しかし過去そこに傷があったことを覚えている。 そこに触れているのは自分自身の手だ。しかし小さな手か過去そこに触れたことを覚えている。 『ごめんなさい。』 数回しか聞いたことがなく、そして最後に聞いた肉声はそんな言葉だった。 数回しか見たことがなく、そして最後に見た感情ある表情は泣き顔だった。 知らず片手を目の前に広げ、テーブルに肘をつく。叩いたらあっという間に壊れてしまうテーブルに当たるわけにはいかない。ただ目を強くつぶり、眉間をきつく顰め、感情の波が過ぎるのを待つ。 「早く起きろ……謝れないじゃないか。」 波が通り過ぎた後呟いた言葉は、誰のためのものだろうと自嘲した。
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C-2にある森の中の木かげで、僕――桜川九郎は思索していた。 岩永を巻き込まないよう単独で初柴ヒスイを追うという行動方針を決めたのはいい。岩永が僕との合流を考えているのであれば向かう先はおそらくB-2、真倉坂市工事現場だろう。それ以外に僕らの知る固有名詞の地名は地図上に存在せず、暗黙の了解的に集まろうと企てられる場所が存在していない。 また、同様の理由で紗季さんもB-2での集合を目指し得る。元より地図の端にあるB-2に、積極的に他害を試みる者が向かうとも思い難い。僕がいなくても、B-2を目指す岩永の安全は比較的確保されているのだ。安心、と呼んでしまえる状況ではないけれど、少なくとも危険は未来決定能力のない僕がいたところで大きく改善されるものでもない。 それよりも、気にすべきはヒスイの側だ。彼女は六花さんのことを語っていたし、僕の不死の力と未来決定能力についても知っているようだった。未来を掴めなくなった僕が唯一、この両手で掴めるもの。絶対に、逃がしてなるものか。 それに、殺し合いに乗っている彼女を止めることは岩永や紗季さんの安全にも直結する。個人的な事情を抜きにしても、彼女を追わない理由はなかった。 だが、一度不覚を許し、海に落ちたところからスタートしているのだ。岸に上がった時にはすでにヒスイの姿は見えなくなっていたし、石製の港であったために足跡を辿るようなこともできそうになかった。つまり今は、海に落とされる前にヒスイが向いた先に向かって何となく進んでいるに過ぎない。彼女が進路を僅かばかり逸らしてしまえば見失ってしまう。 もしもくだんの力がパレスの制約を受けていなければ、死んでは未来を掴み取って、正しい方角へ向かうことができただろうが、この世界でそれは叶わない。 さらに、くだんの力に制約があるのならば、殺し合いを茶番と化してしまうだけの人魚の力すら、どうなっているのかは分からない。怪我を避けるよう行動するのは、一般的な人間が当たり前のように行なっているものでありながら、それが習慣から抜けてしまった僕にとっては簡単なものでも無い。高低差があろうものなら安易に飛び降りてショートカットしそうになる。入り組んだ地形では足場の悪さに足を取られれば、立ち止まらなければ足を欠損し得る。 ……何とも、不都合だ。 一応、伊澄さんに爆殺された時に人魚の力で蘇ってはいる。これからも復活できるのか、どこまで機能するのかなどは分からないが、それでも普通の人間とは異なる身体ではあるらしい。だというのに、命を惜しまないといけない限り、この身体はただの人間よりも動きが鈍くなってしまう。 (伊澄さんといえば……どうやら亡くなってしまったみたいだ……。) 今しがた思い起こした名前を、放送から聞こえた声と重ね合わせた。ゲームが始まって間もなく出会った少女。自分を殺した相手であるとはいえ、それでも和解に至り、情報交換のためにひと時を共にした彼女の死に、思うところがないはずもない。 鷺ノ宮伊澄は、口を閉ざした岩永と同じようなお嬢さまらしさを備えながら、岩永と違う意味で心配になる少女だった。まるで彼女の周りだけ違う時間が流れていると錯覚させてしまうような。他者を惹き付け、釘付けにしてしまうような。高嶺の花、と言うとうまく言い表せているだろうか。この催しは、そんな花を無理やりに摘み取ってしまった。 何故、殺されなくてはならなかったのか。そんな哲学的な疑問よりも先に、浮かぶ疑問がある。 何故、彼女が殺されたのか。 何せ、僕はそんな彼女に一度殺されている。 仕組みなんて分からない、遠距離からの有無を言わさぬ爆殺。たとえ殺意をもって襲ったとしても、普通の人間であれば彼女に近付くことすらできないだろう。 不意打ちで殺したか、伊澄さんの射程外から銃殺でもしたのか、それともその相手が伊澄さんを超える超常的な力を持っていたのか。だとして、一般人だったはずの小林さんが同行しながらも生きているのはどういう状況なのか。 (……なんて考えても、仮説を出すことくらいしかできないな。深入りはやめておこう。) 結局、伊澄さんの力をこの目にした以上、心に留めておくしかないのだ。この世界ではどんな不思議な事が起こってもおかしくないのだ、と。 ――そして僕は、その心持ちを改めて実感することになる。 考え事に耽っている間に、木々の合間から陽の光が差し込んだ。そろそろ放送から一時間が経過し、時刻にして七時頃。本来だったらベッドから目を覚ます時間か、と、恨めしげに眠い目を擦る。 「……ん?」 そんな時、ふと、背中に違和感を覚えた。 いつの間にかザックの重量が変わっているような気がする。 いや、そればかりか――確認しようとザックを降ろしてみれば、明らかにザックの中で何かが暴れている。幼い頃に受けた実験の代償に、全身の痛覚が機能していない僕は衝撃を信号として受け取ることはなかったが、一体何時から暴れていたのだろうか。 「いや、でも最初に支給品を確認した時は生き物の類は入っていなかったはず……。」 それに最初から暴れていたとしたら、一時的に同行していた小林さんか伊澄さんが気付くだろう。 と、これまでのゲームの流れに思考を回したところで――気付く。そもそも、何故このザックは、伊澄さんに殺された時、身体が爆散するほどの衝撃に見舞われながらも、無事でいるのか? 「……見てみるとするか。」 不死身の癖はなかなか抜けない。危険物かもしれないというのに、気付けば躊躇無くザックを開け放っていた。 「……う?」 中から出てきたのは――幼子であった。 「子供……?」 見るに、3歳かそこらといったところだろうか。背丈ほどある銀髪の中に混ざるメッシュの、瞳と同じ紫色の髪が文字通り異彩を放っている。 「……君は、一体……。」 「なまえ?」 見てくれは外国人のそれをしている幼子は、感嘆交じりに漏らした言葉に、同じ日本語で返してきた。 「――アラス・ラムス。」 「アラス・ラムス……?」 「う。なまえ。」 教養レベルの外国語知識の辞書の中にないその名前が、どの国の言語体系に沿うものなのか分からない。だが、それを差し置いても疑問は山ほどある。 アラス・ラムスはいつからザックの中に入っていたのか。 アラス・ラムスはこれまで何をしていたのか。 アラス・ラムスは何者なのか。 だが、それらの疑問を差し置いて、真っ先に込み上げてきたものがあった。 自立歩行が自在にできる年齢ではないアラス・ラムスは、やむを得ず僕の腕の中に収まっている。得体の知れない存在であるとはいえ、この殺し合いの環境の中で放置するほどの薄情さはさすがに備わっていない。 そう、僕は今――まるでこの子の父親のように赤子を抱き抱えている。平凡な顔つきだという自覚はあるが、それ故に、20代前半の父親というパブリックイメージにも相応に沿っている光景なのだろう。 (なんていうか、岩永には見せられないな……。) ショウジョウバエの如く喚く自称恋人の面持ちを脳裏に浮かべては、小さくため息。 ああ――どうやら今日は、厄日の予感だ。 【C-2/草原/一日目ㅤ朝】 【桜川九郎@虚構推理】 [状態]:健康 全身が濡れている [装備]:無し [道具]:基本支給品 不明支給品(0~2)、進化聖剣・片翼(アラス・ラムス) [思考・状況] 基本行動方針:初柴ヒスイを追う。 1.桜川六花の企みを阻止する。 2.もしかして不老不死にも何か制限がかけられているのか? 3.アラス・ラムスについて知る。 ※件の能力が封じ込められていることを自覚しました。 ※不老不死にも何か制限がかけられているのではないかと考えています。 【支給品紹介】 【進化聖剣・片翼(アラス・ラムス)】 桜川九郎に支給された意思持ち支給品。 「イェソド」の欠片の一つである宝珠のアラス・ラムスが、遊佐恵美の持つ進化聖剣・片翼と融合し、意思を持った聖剣となった。 殺し合い開始時は0時であり、九郎の支給品袋の中で聖剣のフォルムで眠っていた。005話では、聖剣の力で鷺ノ宮伊澄の「八葉六式『撃破滅却』」を防いでいる。 7 00に起床。幼子のフォルムへと変化した。 Back← 055 →Next 054 Memosepia【戻れない選択が象ったもしもが、ちらついた】 時系列順 056 [[]] 投下順 045 人と妖怪の狭間を語ろう 桜川九郎
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茨野棗の能力一覧 【性別】 ・女性 【見た目年齢】 ・14歳~15歳 【能力】 ・睡眠中のみ発動する能力、夢遊人格を無意識に発動する力を宿している・能力の発動中は生物の限界値を超えた身体能力と高度な体術、さらに爆破系の魔術を使いこなして周囲の全てを破壊し尽くす 【外見的特長】 ・色白で小柄な体つき・顔つきやスタイルは至って平凡で地味な少女・腰まで届くほど長く艶のある黒髪・その髪を二本の三つ編みおさげにして纏めている・胸元には純白の花弁を持つ薔薇の入れ墨が彫ってある・セーラー服を素朴に着こなしている・乱視のため赤い縁のメガネを着用 【性格】 ・内気で気が弱く臆病・自分に自信が持てず殻に閉じこもりがち 【その他】 ・通常時の棗は、勉強は人並みで特殊能力もなく、運動に関しては最悪と言っても過言ではない・棗自身には能力発動中の記憶は一切残らない
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ドイナカ村に転送された御一行。 そこで、完全管理都市インペリアで大規模な戦闘が始まったという情報を入手。 何やかんやで浄子・アルテナを仲間に加え、インペリアへ向かう。 近くの村を襲っていたホバークラフト型の機械を説得し、それに乗って潜入に成功。 そこでは、人機械問わず全ての物が活動を停止していた。 一行の前に、怠惰のアインソフオウル バアル・ベオル の顕現且つ兄を名乗る者が現れる。 彼は妹を終わらせてくれる者を待ち望んでいるという。 戦いの末に彼に認められ、バアル・ベオルの元に案内される。 生命維持装置に繋がれ、脳をインペリアの管理機構アシュラ・クロックと連結された昏睡状態の少女だった。 アルテナとゲッツの力によってバアル・ベオルの精神世界と連結したアシュラクロックのプログラム内へ潜入する一行。 精神世界ですら眠っているバアルベオルを見つけた一行の前にマモンが立ちはだかる。 マモンは自らの支配下に置いたアシュラ・クロックを操り、バアル・ベオルを解放しようとする一行と戦闘を開始。 アシュラ・クロックを倒すと、バアル・ベオルは朽ち果て、一行は現実世界へ送還された。
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合計 Player score 1st よしを 995 2nd 3rd ソプラノサックス ☆8 Player score 1st よしを 99 2nd 3rd クラリネット ☆8 Player score 1st よしを 99 2nd 3rd OD・ギター ☆8 Player score 1st よしを 100 2nd 3rd フォークギター(ギター) ☆7 Player score 1st よしを 100 2nd 3rd ピアノ① ☆7 Player score 1st よしを 99 2nd 3rd ピアノ② ☆5 Player score 1st よしを 100 2nd 3rd ストリングス① ☆6 Player score 1st よしを 100 2nd 3rd ストリングス② ☆4 Player score 1st よしを 100 2nd 3rd ピックベース ☆7 Player score 1st よしを 99 2nd 3rd ロックドラム ☆9 Player score 1st よしを 99 2nd 3rd
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不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫 機種:Wii, PSP 作曲者:松尾早人、すぎやまこういち 開発元:チュンソフト 発売元:セガ(Wii)、スパイク(PSP) 発売年:2008(Wii)、2010(PSP) 概要 「風来のシレン」シリーズのナンバリング3作目。 時系列的には『不思議のダンジョン 風来のシレンGB2 砂漠の魔城』から1年後の話となっている。 他作品と比べてシナリオを重視した作りとなっていて、シリーズの中でも異色の出来。 音楽はトップメニューやマップ画面ですぎやま氏の既存の曲が使われているほかは、全て松尾氏による作曲である。 店の音楽やモンスターハウスの音楽なども、今作から全て新しく作り直されている。 シリーズの中でも特に純和風系の音楽が中心。シナリオはかなり長丁場な為、曲の数はかなり多めとなっている。 収録曲(仮タイトル) 曲名 作・編曲者 補足 順位 メインテーマ オープニングムービー トップメニュー オオツツキ村 子供達のわらべ歌 マップ:ホウライ地方 サヌキノ森 十狼太のテーマ 十狼太のイベント ボス戦1 剣虎・大ムカデ・大ワシ・阿吽・ツボキング・からくり火車戦など からくり峠 ホウライ四天王のテーマ 四天王のイベント 茶屋 大ムカデの巣穴 大天狗の城 大ワシの砦 お店 泥棒 大ナマズの巣 大天狗の城 ボス戦2 大天狗・イカヅチカミ・魔神イカヅチカミ戦 マップ:ホウライ地方(千年前) ヲチミズ峠 オオツツキ村(千年前) 子供達のわらべ歌(千年前) サヌキノ竹林 からくり屋敷・外郭 おぼろのテーマ おぼろのイベント からくり屋敷・内郭 からくり姫のテーマ からくり姫のイベント かぐやのわらべ歌 マップ:地下ホウライ王国 火の森 水の山 死者の谷 竜が池 ボス戦3 センセー・からくり姫・アスカ戦 からくり櫓 からくり櫓(奥部) 縁日の境内 拝殿部 本丸 本丸(奥部) 銭蔵 銭蔵(奥部) 空中舞台 空中舞台(奥部) 天守閣 徐福のテーマ 徐福のイベント かぐや御陵 かぐやのテーマ かぐやのイベント 黄泉比良坂 マップ:黄泉 黄泉御殿 イザナミ戦1 イザナミ(1回目)戦 かぐやvsイザナミ イザナミ戦2 イザナミ(2回目)戦 月へ還るかぐや エピローグ1 崩れるからくり屋敷 エピローグ2 河原にて スタッフロール 月人のテーマ バニーのイベント どこでもダンジョン 特殊モンスターハウス 化け物小屋とは別の曲
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第39話 ホテルの跡の眠り姫、王子はきっとやってくる あの時、僕は何を考えていたのだろう 気絶している青年をホテルに運びこみ、応急処置をした後で床に座り込んだルシオは考える。 先程の戦い、確かに僕はこの青年の命を助ける事ができたのだ。 そうは考えるのだが、ルシオの心は晴れない。 あの時、僕は何を考えていたのだろう 支給品や名簿を確認し、まずはプラチナを捜すため歩き出した。 少し行った所で、壮年の男性に殺される寸前のこの青年をみて、たまらず飛び出した。 しかし相手は僕の不意打ちをあっさりと受けて、そして剣を弾かれた。 正直、相手が逃げてくれたから良かったものの、 あのまま戦っていたら自分もこの青年と一緒に血の海に沈んでいたに違いない。 その光景を想像し、思わず背筋を冷や汗が伝う。 この青年をあのまま見捨ててしまえばよかったのだ、 とはさすがに思えないが、もう少し冷静な思考はできなかったものか。 と、目の前にある無敵ユニットを見ながらルシオはうなだれる。 傍らに置いてある説明書には、一定時間は攻撃できないがその間は無敵になれると書いてある。 あの場でこの道具を使っていれば安全にあの男を追い払えたかもしれない。 だがルシオは使わなかった。なにも出し惜しみをしたわけではない。 目の前に今にも殺されそうな青年を見て、すっかり気が動転してしまったルシオは、 道具の事もプラチナの事も、何もかも忘れてその場に躍り出てしまったのだ。 考えるうち、ますますルシオの気分は沈んでゆく。 あれからしばらく経ったのだが青年は一向に目覚める気配を見せない。 知り合いだろうか、しきりにレナという名を呼んでうなされている。 その姿を見てルシオも思い人の事を思い出す。 (プラチナは、どうしてるだろう) もしかしたらこの青年のように誰かに襲われているかもしれない。 彼女の強さはルシオ自身よく知っているとはいえ、 ロキやブラムスといった強敵に襲われればただで済むはずがない。 いや、そもそもがこんなゲームに放り込まれた以上いつまでも無事でいられるはずがないのだ。 戦乙女でもあるプラチナを倒せる者など滅多にいるものではないと考えるも、 一度覚えた不安は際限なく膨らんでゆく。 なおも目覚める気配を見せない青年を前に次第に焦りがつのりだす。 友人だろうか、安らかな様子でアシュトンという名を呼び続ける青年に苛立ってくる。 こうしている間にもあの変態魔道士がプラチナに言い寄っているかもしれない。 あんなのに彼女がなびくとは思えないが、胸に渦巻く不安はどうしてもおさまってくれない。 (プラチナは、大丈夫かな) 彼女は確かに強いけれど、どんな時でも不測の事態というのはあるものだ。 別にそんな時に自分さえいれば何とかできるだろうと思い上がるわけではない。 ただ、こんな自分でも、近くに居たならきっと何かできる事はあるのではないかと、 自分が傍にいることで、きっと何か分け合える事もあるのではないかと、 ルシオはそう思うのだ。 いつまでたっても目を醒まさない青年にとうとう痺れを切らす。 恋人だろうか、にやけた顔でシンという名を連呼する様は正直いって見ていられない。 実は気を失っているのではなく眠っていたという落ちではないかと疑いだす。 迷いながらも、ルシオはやがて立ち上がる。 気絶したままの青年を置いてゆくのは気がかりだが、 この青年を襲っていた男も戻ってくる気配は無さそうなので、一応は安全なはずだ。 そう考え、自分を納得させてルシオはホテル跡から立ち去ってゆく。 (プラチナを、捜さなきゃ) 【E-4/昼】 【クロード・C・ケニー】[MP残量:100%] [状態:右肩に裂傷(応急処置済み、武器を振り回すには難あり)左脇腹と背中に浅い裂傷(応急処置済み)、気絶中] [装備:無し] [道具:未確認の支給品×1~3、荷物一式] [行動方針:仲間を探す] [思考:不明] [現在位置:E-4のホテル跡の一室] 【ルシオ】[MP残量:100%] [状態:普通] [装備:アービトレイター@RS] [道具:無敵ユニット、確認済の支給品×0~1、荷物一式] [行動方針:知り合いと合流(特にレナス)] [思考:村を目指す] [現在位置:E-4のホテル跡入り口] 【残り55人】 第38話← 戻る →第40話 前へ キャラ追跡表 次へ 第25話 クロード 第63話 第25話 ルシオ 第61話
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「殺し合い、ねえ……」 男は殺し合いの場で笑っていた。 楽しむような微笑と、獣のそれのようにギラギラと光る瞳。 その表情からは恐怖などは微塵と読み取れない。 表情の奥にあるのは好戦的な感情だけだ。 男の名はロロノア・ゾロ。 超新鋭海賊団・麦わらの一味が戦闘員。 一億二千万ベリーの賞金がその首に賭けられた大型ルーキーである。 「へえ、ルフィとコックも連れてこられてんのか。まあ、あいつ等なら大して心配はいらねえか」 その手に握られているのは、殺し合いの参加者が記載されているタブレット端末。 タブレット端末の使用法は分からなかったが、適当に触っていたら勝手に灯りが灯った。 不思議な物があるもんだと感心しながら端末を見ると、そこには自身の名と二人の仲間の名が記されていた。 二つの名にゾロは少しも心配の念など感じなかった。 モンキー・D・ルフィとサンジ。 片や自分が認めた船長。 片やクソむかつく奴ではあるものの戦闘力だけとれば一級品だ。 どちらもこんな殺し合いなどでくたばるタマではない。 「さて、どうするか」 ゾロは首を回して周囲を見渡す。 気付けば自分がいたのは、暗闇の街。 殺し合いが目的の会場だ。いくあてなどある訳がない。 うだうだと考えるのも性に合わない。 取り敢えず周りを探ってみるかと、適当に考えながら歩き始める。 途切れることのない闇の中、彼の脳裏に過ぎるのは先の部屋で良く分からない事を語っていた男。 あの男は相当に使う。 あのような存在がゴロゴロといるのならば、成る程この殺し合いとやらは中々に楽しめるものになるだろう。 修行にはピッタリだ。 二年の修行を経た自分が、さらに高見に辿り着けるのならばそれは僥倖でしかない。 無論、無傷という訳にはいかないだろうが、それでも乗り越えてみせる。 この試練を乗り越えた先にあるのは、更なる強さ。 新世界へ足を踏み入れ始めた今、力はどれだけあっても十分ということはない。 そして何より、『最強の剣士』という夢に近付ける。 共に修行したのだ。あの『鷹の眼』の桁外れの強さは、自身が誰よりも知っている。 絶対に追いつき、追い越してみせる。 そのためなら、この殺し合いとやらも踏み台とさせてもらう。 どんな敵が相手であろうと絶対に負けない。 勝ってみせる。 (面白くなってきやがった) 心中に従うようにゾロの表情に浮かぶ笑み。 猛獣を思わせる、好戦的で楽しげな微笑み。 身体をうずかせながら、進んでいく。 ちょうど市街地が途切れ、暗闇の森林へと入ったその時であった。 彼は、他の参加者と出会う。 自分と同じように日本刀を腰に携えた女性。 右の目には眼帯が、左の目は凛とした力強さに満ちている。 その立ち居振る舞いには隙はなく、一挙一動に鍛錬の片鱗が伺える。 強い。 一目でゾロにそう思わせるそのいで立ち。 女性は、ゾロを見るなり口を開いた。 「ああ、そこの緑髪の男! スマンが少し手を貸してくれ!」 明瞭で溌剌な声で言った女性は―――己の右肩をもう一人の参加者に貸していた。 その人物は力なく頭を垂れ、手足も脱力仕切ってダラリと下げている。 現在の殺し合いという状況だ。 日本刀の女性に抱えられた者を見て、ゾロの脳裏に血生臭い予感が過ぎる。 「すぐそこで見かけれな。見つけた時には既にこのような状態だったのだ……」 近寄るゾロに女性は幾分の焦りの混じった複雑な表情で言い、己の肩に寄りかかる者へと視線を送る。 ゾロも女性の視線に促されるように見た。 肩まで伸びた茶色の髪。灰色のミニスカートに紺色のブレザーを纏っており、一目で女性だと分かる。 少し見た所では負傷の有無は分からない。 ゾロはもう片方側の肩を貸す。 それと同時に、見た。 その気絶中の参加者の表情を。 何がどうなってそのような表情へと至ったのか、ゾロでさえも驚愕する表情を。 「う~~~い~~~、ご~は~ん~」 両肩から、二人に挟まれるように抱えられた少女は、そう一言で言ってしまえば『寝ていた』。 ぐっすりと、呑気に、気持ちよさげに、寝ている。 それも寝言つきという完膚なきまでの熟睡模様。 日本刀の女性よりも、更に一回りほど若い少女だ。 その光景に、さしものゾロといえど言葉をなくす。 先ほどの殺し合い云々というエピソードが夢だったのではと思ってしまう程だ。 「……おい、殺し合いの会場っての知らねぇか? この近くでやってるらしいんだが」 「あー、さっきの場には私もいたぞ。ここが殺し合いの場だということも間違いではない。 ただ、こいつは男の言っていた『まだ目を覚ましていない者』らしくてな。現状を全く把握していないようだ」 思わず口からでた問いに、女性はやはり苦笑で返す。 確かに画面の男はそんな事を語っていたように思うが、それにしてもこの有様は……。 「ずいぶんと呑気な奴だな」 「同感だ。扶桑の撫子なのだ。もう少しばかり緊張感を有していて欲しいものだが……まぁ、仕方あるまい」 そんな少女に肩を貸しながら、女性はダッハッハと豪快に笑い飛ばす。 何だかんだで、寝坊助少女を容認しているあたり、この女性も相当なものだ。 叩き起こすでもして、何とかするのが普通である。 思わず気が抜けてしまう。 頭を掻きながら、ゾロは小さく溜め息を吐き身体から力を抜いた。 「……ロロノア・ゾロだ。お前は?」 「私は坂本美緒だ。こちらの寝坊助の名は分からん。街のど真ん中で寝ていたところを拾ったのだ」 「街のど真ん中でか……」 「ああ、見事な熟睡だったぞ」 再び溜め息。 数分前までの意気込みはとっくのとうに消えていた。 のんびりとした空気の中でゾロは質問を飛ばす。 「さっきの男について何か知っているか?」 「モニターに映っていた男だな。すまないがさっぱりだ。初めて見る顔だったし、名前にも聞き覚えはない」 「じゃあ、この名簿の中で知ってる奴は?」 「この宮藤芳佳という奴は私の部下だ。あとは知らない名ばかりだな」 「部下?」 「ああ。私と宮藤は、扶桑皇国海軍、そして501統合戦闘部隊『ストライクウイッチーズ』に所属しているウィッチでな」 美緒の言葉に、ゾロの目の色が変わった。 海軍。 ゾロが知るそれとは若干異なるが、確かに美緒の服装は海軍のものだ。 「お前、海軍か」 「一応はな。何だ? 軍属は苦手か」 「職業柄な。……まあ、俺の名に心当たりがないってんならどうでも良い」 僅かに警戒心をあげるゾロであったが、事態が事態だと考え直す。 自分の名を知らないようだし、ここで騒いで面倒を起こすよりは、知らぬが仏で現状を貫き通した方が得策だ。 「ロロノア。お前も珍しいな。ウィッチについてよりも海軍であることの方に食いつくとは」 「いや、そもそもウィッチてのが良く分からねえし」 「ウィッチを知らないのか?」 「ああ」 「ハーハッハ! お前は顔に似合わず面白い冗談をつくものだな!」 「お、おう?」 何故笑われたか分からずに首を傾げるゾロに、更なる笑い声をあげる美緒。 そして、美緒の肩の上でグッスリと眠り続ける少女―――平沢唯。 この殺し合いの場で偶然にも出会った三人。 海賊、ウイッチ、女子高生と、何とも色物な面子ではあるが、三人は出会ってしまった。 出会ってしまった以上、知らぬ存ぜぬで通り過ぎる訳にはいかない。 二人の剣士と、何も事情を知らずに殺し合いの場に参加させられた少女。 三人のバトルロワイアルは、このような出会いを経て始まった。 【B-2・市街地・深夜】 【ロロノア・ゾロ@ONE PIECE】 [状態]健康 [装備]和道一文字@ONE PIECE、三代鬼徹@ONE PIECE、秋水@ONE PIECE [道具]支給品一式 [『色』]青色 [思考] 1:強い奴と戦いたい 2:適当にぶらつく 3:ルフィ達はまあ大丈夫だろ 【坂本美緒@ストライクウィッチーズ】 [状態]健康 [装備]烈風丸@ストライクウィッチーズ [道具]支給品一式 [『色』]赤色 [思考] 1:面白い輩ばかりだな。ハーッハッハッ! 2:宮藤と合流したい 3:争いは止める 【平沢唯@けいおん!】 [状態]健康、熟睡 [装備]ギー太@けいおん! 唯の携帯@けいおん! [道具]支給品一式、拳銃@現実(15/15)、拳銃の弾丸@現実(50/50)、サバイバルナイフ@現実 [『色』]赤色 [思考] 1:う~~~い~~~
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登録日:2012/05/20(日) 20 44 05 更新日:2024/05/24 Fri 08 03 25NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 2008年 PSP Wii からくり からくり屋敷の眠り姫 ガッカリゲー ゲーム シレン? スパイク セガ チュンソフト ローグライク←何故ローグライクでやった 不思議のダンジョン 月 風来のシレン 黒歴史 『不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫』は2008年6月5日に発売されたWii用ダンジョンRPG。風来のシレンシリーズ第三作。 2010年1月28日にはPSP版『不思議のダンジョン 風来のシレン3 ポータブル』が発売された。 あらすじ 幾多の冒険を乗り越えきた風来人のシレン。 相棒である語りイタチのコッパと共に風に吹かれて旅をしていたところ、フラリと立ち寄った街で懐かしい人物と出会う。 その人の名はセンセー。 シレンの剣術の師匠であり、叔父でもある凄腕の風来人だ。 思い出話に花が咲く中、センセーはふいに懐から古ぼけたカギを取り出しこう切り出した。 「…シレン、からくり屋敷の眠り姫の伝説を知っているか?」 登場人物 シレン 三度笠に縞合羽がトレードマークの風来人。 砂漠の魔城からおよそ1年後で年齢は21歳。 今回はこれまでシリーズで名前だけは出てきた父のギメンジャや、シレンの祖先などが登場する。 ムービーでは声はついていないものの、シリーズの女性たちを泣かせてきたイケメンっぷりを見せつけてくれる。 今回は両手に武器を装備できる二刀流が使用できる。 センセー シレンの叔父であり、剣術の師匠。 凄腕の風来人なのだがゲーム中では二刀流しか使用できず、盾を装備できない。その守備力は多くの 風来人を泣かせた。 アスカ 外伝作品では主人公も務めた女風来人。 昔の「~ござる」口調は、妙齢の女性に成長した今作では使わないでござる。 シレンやセンセーのように二刀流は使えないが、これまで通り刀+盾のオーソドックスなスタイルなので使いやすい。 24歳にもなって幽霊を怖がるアスカちゃんかわいい! 評価 シレンシリーズの新規ナンバリング作品としては約8年ぶりに発売された為本作品が発表された当初は多くの風来人達が歓喜した。 しかし他のシレンシリーズと比べると毛色の違う部分が非常に多いため、従来のファンからは否定的な意見が強く、結果的にはシリーズ屈指の低評価を受ける事に… 中には本作品を『黒歴史』と称する人もいるほど… どうしてこうなった… 以下、よく指摘される問題点。 まずシナリオの雰囲気が大幅に路線変更された。 やたら伏線を張ったり、風来人の運命をプッシュしたりと壮大なストーリーが展開される。 …のだが明らかに今までのシレンシリーズと雰囲気が違い多くの風来人から反感を買った。 特に(ネタバレになるため詳細は伏せるが)「死ね、月よ」という台詞は本作屈指の迷台詞として有名。 また風来人の運命云々に関してはシナリオ担当が風来人という存在に対して根本的に間違った解釈をしているように見受けられる所も多くファンを困惑させた。 またシナリオがやたらと長く、途中でダレるという意見も多い。具体的には平均2~30時間、シレンシリーズとしては異例の長さである。 システム面にも変更点が多い。 まずシレン初のレベル継続制を導入。 それに伴いレベル上げ前提のバランスになっている所が多く、特にボス戦はほぼ全てアイテムの補助効果が効かない為能力と回復アイテム任せのガチ勝負になりがち。 その為今までと比べると戦略性がかなり低い。 ストーリーと合わせてローグライクというより普通のRPGっぽい印象を受ける。 また今回は同行する仲間キャラ全員=プレイヤーキャラという扱いで、仲間が1人でも死ぬとゲームオーバーという謎仕様。 その割に仲間のAIはかなりアホで放っておくとすぐに死ぬ。 仲間が死ぬのを防ぐには態々全員の操作を手動で行う必要があるがそれをするとテンポが無茶苦茶悪くなってしまう。 結果としてスムーズにゲームを進めるには仲間は連れていかないほうが良い。 また今回からモンスターに属性の概念が加わり、属性ごとに特殊な能力を持っている。 …だがこの属性の効果が全体的に強力過ぎ、理不尽な死を頻発させる結果に。 今までも理不尽な特殊能力をもつモンスターはいたが、そのようなモンスターは大抵後半の難関ダンジョンから登場する。 対してこの属性は序盤から頻繁に登場するため対策も出来ないまま倒される事態が非常に多い。 属性によるプレイヤー側が得する要素も無いに等しく、完全にストレスが溜まるだけの誰得要素になっている。 オニギライズしようとしたら痛恨連打で死亡するのはよくある光景である。 また全体的にロードやモーションが遅く非常にテンポが悪い。 武器を空振りして罠確認を繰り返すだけでもかなり億劫。建物に出入りするだけで3~4秒かかる。 これはPSPで改善されているため、プレイするならPSP版推奨。 他にも恒例の罠ダンジョンが存在しなかったり、もののけ王国のようなやりこみ要素が少なかったり…と、細かい不満点が積もり積もった結果が本作品の低評価を招いてしまった。 シレンファンで有名なタレントの伊集院光も本作を 「1(SFC)は100点満点で300点、2(64)は100点満点で315点、3は100点満点で150点」 と酷評を下している。 ただし上記の問題点はあくまで『シレンシリーズとしては』といった物も多く、シレンシリーズやローグライク系列のゲームとして見なければそれなりに良作という意見もある。 実際本作品からシレンシリーズを初体験した人は『普通に楽しめた』という声も多い。 またクリア後の隠しダンジョンはそれなりに手応えがあり、過去作品のキャラクターを登場させる等のファンサービスもそこそこ好評なため従来のファンの中においても『クリア後からが本番』と言う人もそこそこにはいる。 またBGMの評価は高くサヌキノ森、縁日の境内、かぐや御陵など後にシレン4、5にアレンジされたものも多く、中でも縁日の境内はダンジョンの雰囲気も相まって特に高く評価されている。 また、これまでの盾≫武器というゲームバランスに喧嘩を売るセンセーの導入や敵をグループに分けて属性を持たせる仕様は斬新的であり、異常武器台頭 盾の弱体化やオーラという形で引き継がれている。 つまりこの作品の最大の問題点は『単に多く変更点がシレンシリーズのノリに合わなかった』だけであり、単体で見ると決して駄作ではない。 そういう意味では典型的な『ガッカリゲー』とも言える作品とも言えるだろう。 余談だが、転び石の罠を活用したアイテム増殖バグが存在する(Wii、PSP双方)。 持ち込みなしのダンジョンでは手間かつリスキーだが下準備さえできれば気軽にできるため持ち込み可のダンジョンでのアイテムロスを気にしなくて済むのは利点。勿論ご利用は自己責任で。 影響 2024年発売の『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』は時系列が本作より過去になっているが、 その理由としてアスカの口調を元に戻すためであることがインタビューで語られており(*1)、制作側にとっても触れづらい作品になってしまった節がある。 『死ね、追記修正よ』 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] このゲームは黒歴史でも無かった事にするのは勘弁。だって次回作の良作の4では3の先祖シレンが活かされているから。ただそれだけ。 -- 名無しさん (2014-07-24 12 51 19) 値札の付いた同種の矢を整理ボタンでまとめられる唯一の作品という事実 -- 名無しさん (2014-11-29 23 02 21) あれ?普通に楽しいじゃんと思いながら進めてたら大ワシのジョニーとかいう屑が出て来たところで全てを察した -- 名無しさん (2017-07-15 16 39 03) 本編がプロローグ。クリア後が本編 -- 名無しさん (2019-05-24 09 38 50) コガタナバチ種の図鑑解説がクソゲーネタに寄っているのはハチ初出の3の出来の悪さに対するスパチュンの自嘲という説もある -- 名無しさん (2020-12-11 07 29 49) 「100点満点で150点」が酷評なあたり、それまでのシレンシリーズが異常だっただけなんじゃ -- 名無しさん (2021-01-15 22 32 02) 流石に土属性が姿を消せるは酷かった。マゼルンで合成する時も土属性で姿を消した奴が間にいる可能性があるから、気軽に合成もできやしない。 -- 名無しさん (2023-01-05 01 33 46) モンスターのデザインは結構好きなの多い -- 名無しさん (2023-05-02 15 43 24) 名前 コメント
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眠り姫目覚める時――/――皇の策略◆Noo.im0tyw 「とにかくこの場から離れなければな……」 仮面の男―――『ハクオロ』は少女―――『神尾観鈴』をお姫様だっこをしつつ思考した。 この放送室から渡り廊下を渡って反対側の館内に行くのは容易なコトだった。 しかし、一抹の不安が残っていたためなかなか行動に移すことが出来なかった。 (反対側に移動しても、結局はあの廊下を渡らなければならない……。それはあの者たちに見つかる可能性が上がってしまう……) しばらく苦悩するが、ハクオロは決断する。 (とにかく今は、向かい側の校舎に向かうのが先決だろう…。そして、彼らに見つからないためには……) ハクオロは少女を持ち直し、階段を上り2階の渡り廊下へと向かう。其処についた時、ハクオロはそこから見える景色にまた頭を抱えることになる。 「これは、いったいどういうことなんだ……」 放送を聞き、駆けつけてきたであろう翡翠色の髪を持った少女と、茶髪色をした青年…。たしかにあの時、二人は対峙していた。しかし、今はどうだろう?――青年のほうには、また新たに二人の少女が傍らに立っており、翡翠の少女はあっけに取られた顔で青年のほうを見ていた。 (気にしている暇はない…今はとにかく脱出を考えるのだ!) ハクオロは自分に言い聞かせ、そくさに廊下を渡りきり、目の前にあった部屋に一時身を隠し、少女を隅に隠させる。そこまで終えるとハクオロはようやく一息つく。 (さて、ここからが本番だな……。いったいどうやってここから抜け出そうか…) ハクオロは目を瞑り思考を開始する。 (あの者たちからできるだけ見つからないようにここから出るためには……そうか!) ピンっとハクオロが閃く。 「あそこ、あそこから出ている階段からなら……!!」 ハクオロの考えている『階段』。それは、この校舎から門のほうへ向け出ている『非常階段』のことだった。 (あそこを通れば、青年たちから死角になることは間違えない。いや、そう上手くいかない可能性もある…) 常に2手、3手読むことを心がけているハクオロだからこそ、慎重になる。様々なパターンを考え、ついに最良と思われる策を見出す。 「やはり、あの娘にも協力してもらわなければならんか……」 ハクオロがつぶやき、ふと少女のほうを見たときだった。 『――――――――!!』 甲高い音がしたのと同時に、自分の皮膚から血が出ているのがわかった。寝ていたはずの少女の手には先程自分が解明した、『名のわからぬ武器』によく似ていたモノが握られていた。 (血…?私は死んでしまう、の、か……) 最後にみた光景は、身体を震わせながらも自分に近寄ってくる少女の姿だった。 ◇ ◇ ◇ 少女が目覚めたところ、そこはどこかの部屋の隅であった。 「アッ……アッ……」 震えそうになる体をどうにか押さえつけ、たぬき寝入りを敢行する。 無力な自分は、こうするしかないと悟った観鈴はただただ嘆いていた。それでも、 (……観鈴ちん、ピンチ!) なんて思ってられる程、精神が回復できていたのは、観鈴にとって不幸中の幸いであった。 仮面の男に気付かれないように、自分のバックの中身を探る。手の感触から、おはぎのパック以外のものを探す。底の方に手を伸ばすと、何か冷たい金属が手に触れた。 (なんでこんなものがはいってるかなぁ……) 底から持ってきたソレは―――通称『Mk.22』と呼ばれる、消音効果の高い銃であった。 手にしてみてわかる、確かな重み。引き金をひけば、仮面の男は死んでしまうだろう…。 (でも、でも……!!) 一介の女子高生である観鈴にそんなことが出来るはずなかった。現に小刻みに手は震えている以外は、最初の格好となんら変わっていない。しかし、 『…………ならんか』 男が何かつぶやき、ふいにこちらを見たときに、観鈴の精神は一瞬にして崩壊した。張り詰めていた緊張が一気に解き放たれる。―――思考よりもさきに手が動く。 そして、自分が気付いた時には、仮面の男が血を流し倒れているところだった……。 その光景に、ハッとする。泣き出しそうになるのをこらえて、仮面の男に駆け足で近寄る。 「大丈夫ですか…?!」 男の傷は頬にしかなかった。それでも自分は撃ってしまったのだ。拭いきれない後悔が観鈴を襲う。身体を揺すってみるが、男の反応は無く、観鈴を不安にさせた。 「うっ…うっ…往人さん……」 自分ではもうどうしようもなくなり、ここにはいない、自分のもっとも信頼できる人物に助けを求める。 観鈴はただ、気絶しているのか死んでいるのかわからない仮面の男に泣きすがるしかなかった。 ◆ ◆ ◆ 「ハクオロさーん、ハクオロさーん!!」 どこかで聞いたことのある馴染みの声が聞こえてくる。 最初は誰かわからなかったが、特徴のある声に声の主に気付き、返答する。 「ん? どうしたんだい、エルルゥ?」 自分の大切な家族で、いつも自分のことを気遣ってくれた優しい娘『エルルゥ』。会うのはいつ以来だっただろう…。 実際に離れていた時間は数時間でしかなかったが、今はそれが、何日にも感じた。そんな風に思っている時にエルルゥが言葉を発する。 「今のハクオロさんの状況をどうにかしないと、大変なことになりますよ?」 今の状況といえば、女の子と一緒に放送室にいて確かそれから……と記憶を巡らせる。 そして、思い当たる節がないので、エルルゥに聞くことにした。 「エルルゥ……それはどういうことなんだ?」 「それは…内緒です♪」 返答時間はわずか0.2秒。最初から自分が聞くことをわかっていたかのような反応だった。 「いや、そんな可愛らしく言われても困るんだがな……」 可笑しそうに笑う彼女を見て、ハクオロは頭を抱え呟いた。 「とにかく頑張ってください、ハクオロさん。約束なんですから……」 突然、スッ――と表情が硬くなり、その声はいつもより低くなっていた。 その様子に不審を抱くが、エルルゥの横からヒョイっと現れた『彼女』によって思考を止められてしまう。 「主さま、簡単に死んでしまったら許さないですわよ?」 髪を1つに束ねた美女『カルラ』。彼女に会うのも、久しく感じられた…。 「カルラ……お前もいたのか」 「えぇ……不本意ながら。それでもこっちでエルルゥさんと楽しくやってますわ」 楽しくということは酒を飲みまくっているのだろうと、苦笑いする。 「ちなみにこっちって、どっちのことなんだ?」 「それは、秘密ですわ。だけど、いずれ主も気付くことになるでしょう…」 カルラは微笑して答える。ちなみに返答時間はこれまた同じく、0.2秒。 彼女たちは私のことを見抜いているということに改めて気付かせられる。 (やれやれ…心を見透かされるとは皇失格だな…) と、自分をたしなめる最中に、自分を見つめる1つの視線に気付く。 凛としたその目の持ち主、カルラは先程から何も言わず自分のことをずっと見ていた。 「カルラ……」 吸い込まれそうな瞳に思わず彼女の名前を呼んでしまう。彼女は何か言いたそうにしていた。言いたくて、言いたくて、でも言えなくて――――。 そんな彼女の思考が手に取るようにわかった。どれくらい時がたっただろうか。このまま時がすぎないのも悪くない、そう思った時だった。 「ハクオロさーん!! ちょっと私のこと忘れてませんか~?」 しまった、と思ったときにはもう遅かった。エルルゥの顔は喜怒哀楽で言えば、『怒』。 しかも、髪は逆立ち、後ろにはメラメラと燃えるオーラ付きだ。 「すっすまない、エルルゥ」 すぐさま謝るが、エルルゥは頬を膨らませ、そっぽを向いている。 カルラに助けを請おうとするが、カルラはクスクスと面白そうに笑って見ているだけだった。 ……その後謝り続けた結果、やっと機嫌が直ったのか、エルルゥはこちらに向き直り、しゃべり始める。 「ふんっ、もういいですよ…。とにかくハクオロさんは頑張らなきゃだめですよ? 私たちの家族として、そしてトゥスクルの皇として……」 穏やかな声。いつ聞いても安心できるその声はハクオロの心に染み渡った。 「わかっているさ……」 「安心しました…」 ホッと、胸を撫で下ろすエルルゥ。この子には心配をかけっぱなしだと、自分を咎めていたが、背後で『ドスン』という音が地面に鳴り響きハクオロはハッと振り返る。 「では主さま……あなたはもうすぐ起きますが、今私たちにあった記憶だけ消し去ってもらいますわ」 鉄塊にも見えるその剣をいとも簡単に振り回しながら、カルラは近づいてくる。カルラに気をとられていたが、よく見るとエルルウは鋭利な金属を片手に装備している。 「どうしてそんなことをするんだ…っておい、カルラ!! 剣を振るのをやめろ! それにエルルゥ、その危なっかしい金属は何だ!? 今すぐ捨てるんだ!」 怒気を含ませながら言うが、確実に彼女たちは近づいてくる。 「さようなら主さま……。できることならもう2度と会いたくありませんわ……」 カルラが別れの言葉を捧げつつ、その剣を頭上めがけて振り落とす。 「さようならハクオロさん。ずっとずっと大好きですから……」 一方、エルルゥは持っていた鋭利な金属を全身に向かって投げつけようとしている。 「止めろ、止めるんだ……!!!」 ハクオロは尻餅をつきながらも逃げようとするが、彼女達の攻撃のほうが早かった。カルラの剣は確実にハクオロの頭上に当たり、エルルゥの金属は全身に刺さっていた。 「ああぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」 絶叫しつつ、目の前が真っ暗になるのを感じた……。 ◇ ◇ ◇ 『ごめんなさい…ごめんなさい……』 (ん…ここは…?) 目覚めると、少女が私の上で泣きついているのがわかった。 ハクオロは話すために彼女に呼びかけた。 「すまないが、少しそこからどいてくれないか?」 私の声に驚いたのか、少女がパッとその場からどき部屋の隅で私のことを見つめていた。そしてすぐに、 「ごめんなさい、ごめんなさい…」 と、まるでそれしか知らないオウムのようにひたすら謝り続ける。 必死に謝っている様子から察するに、この少女は自分を気絶させたのだろう、と思う。 (しかし、いったいどうやって…?) ただの少女にどんな力が…、と思考するが、少女の手にある『武器』を見て納得する。 「そうか、これで私を…」 ポツリと呟いたのに少女は反応する。 「すいません、私が銃であなたを撃ってしまったから……」 少女は、まだ隅で怯えながら話す。 (銃…これは銃というのか……) 初めて聞く名前をあの黒い塊とリンクさせる。 「そうか……。少女の力でも人を殺せる武器なんだな」 ハクオロの言葉に少女はキョトンとする。 「銃を知らないんですか……?」 初めて少女からの質問。やっと、落ち着いてくれたと心底ホッとする。 「あぁ……私の国にはこんな武器はなかったからな」 「どこから来たんですか…?」 「トゥスクルというところからだ。私の名はハクオロ、そこの皇だ」 「王様!? すごいっ……」 少女は口に手を当てて絶句しているようだが、目は輝いていた。 「お前の名はなんと言うんだ?」 「神尾観鈴です」 「観鈴…いい名前だ」 「が、がお……」 ハクオロの褒め言葉に観鈴は奇怪な言葉を発し、紅潮する。 「観鈴…君はこのゲームに乗っていない。そうだな?」 ハクオロは念のため確認しておく。 「はい…だからみんなに呼びかけてやめてもらおうと…」 ハクオロは観鈴のことを本当に純真な子だと思った。その純真さ故、危険に晒されていることに気付いてないだけだと。 「なら、結果から言おう。君の呼びかけにこたえたのは、少なくとも私を含め5人。残る2人はこの学校内にいるが、まだ素性が判明していない」 観鈴は黙ってハクオロの話を聞いている。 「私は、ここからの脱出を一番に考えている。だが、正直彼らに見つかることなく逃げ切るのは難しい。そこでだ、観鈴。君の協力が必要になる。やってくれるか?」 ここで断られたら、脱出案はすべて破棄。もう一度考えることになるんだがな…と思考するが、 「私は、ハクオロさんにすべてを任せます」 と、いう観鈴の返答に満足し、ハクオロは行動に移す。 観鈴の傍にあったマイクに目をむける。スピーカーの音量を最小限にとどめ、尚且つ設定を『校内放送』へと変える。これならば、外へ放送が漏れる音は最小限にとどまるだろう。 そして最後に、観鈴に言って欲しい最大のキーワードを彼女に教える。 観鈴は驚愕の顔をするが、「すごい!」と言いながら興奮していた。そんな様子を微笑ましく思いつつ、ハクオロは作戦を決行する。 「観鈴…はじめるぞ!」 「はい、ハクオロさん!」 目に力を込めて観鈴は返答する。それを確認したハクオロは、スピーカーをONにした――――。 ◇ ◆ ◇ 仮面の人が起きたとき、私は正直、戸惑っていました。 今考えてみると、私はこの人に何もされてないのに、私はあの人を発砲してしまった…。 (が、がお……) どうしようもない虚しさが、観鈴の胸を締め付ける。それでも、そんな自分を許してくれたあの人を観鈴は信じようと決めた。 (――――だから、私はあの人に名乗った。『私は神尾観鈴です』、と……) 名前を呼ぶことは、相手のことを認識した証。 (往人さんの時もいっぱい時間がかかったけど、仲良くなれた。だからハクオロさんとも…) 単純な考えかもしれない。幼稚だと笑われるかもしれない。でも観鈴にとってそれは唯一無二な答えであった。 簡単な互いの自己紹介の後、ハクオロと共に行動することを決めた観鈴は、彼の行動の手伝い――マイクの準備や、部屋の掃除をすることに決めた。 誰でも出来ることだが今の観鈴は十二分に満足していた。様々な準備が整い、ハクオロからキーワードを教えられる。 (えっ!? でもそれって……) と、混乱してしまうがハクオロの狙いに気付き興奮する。でもそんな興奮もつかの間、ハクオロの合図と共にスピーカーがONになり放送が開始された―――。 ◆ ◇ ◆ 『あーぁー。聞こえているか? 私の名はハクオロ。ここにいた少女、神尾観鈴は私が保護した』 校内に十分響く音量かつ、校外にはあまり漏れない音量。ここらへんは流石ハクオロといったところか。 そこまで言うと、観鈴が横から割ってはいる。 『私は大丈夫です。ですから、私の声に反応してくれた方たち、どうか争いをやめて下さい』 観鈴の切実な声がスピーカーを通して響く。 『この通りだ。私たちはお前たちと話し合う機会を求めている。私に賛同してくれるならば、一度、この部屋に集まって欲しい。時刻は3:30まで。それ以降は待たない』 『あ…放送室のことです!』 ハクオロの説明不足を観鈴が補う。 そして、最後に、 『願わくば、お前たちが私と違う道を歩んでいないといいんだがな…』 とポツリと呟き、放送がブツンと切れた―――――。 ◇ ◇ ◇ ハクオロは観鈴の手を引き、廊下の隅にある扉に向けて走っていた。 扉を開くと目の前に現れる『非常階段』。その階段を一気に下り地面を駆ける。今聞こえる音は、自分たちの足音のみ。――――つまり、作戦は成功したのだ。 「ハクオロさん、あんな嘘ついてよかったんですか?」 息を切らしながら、観鈴はハクオロに質問する。 「構わないさ。嘘も方便というだろう」 にっこり笑いハクオロは観鈴に返答する。 ハクオロのついた嘘は2つ。1つは観鈴に放送中、わざと『放送室』にいるように言ってもらうこと。実際にハクオロたちがいた場所は『講師室』である。そこのマイクを使って放送をしていたのだ。 もう1つは、「3:30まで放送室で待つ」ということ。そもそも敵か味方かいまだに怪しい者を信用する気は初めからハクオロにはなかった。 仮に、あの場にいた青年たちがゲームに乗っていたとする。そうすれば、自分たちを殺しに放送室へと向かってくるであろう。 その隙をついて、この場所から脱出をすれば3階にいる人と2階にいるもの、どちらがより早く校門につくかは小学生でも計算できるだろう。 「ハクオロさん、校門です!!」 観鈴が興奮したように話す。 「あぁ! さぁ、ここから脱出して仲間を探すぞ!」 ハクオロもそれに元気よく答える。二人で同時に校門を抜け、そのまま朝日の照らす森の中へと突き進む。そしてしばらく歩んだ所の森の木陰で休むことにした。 「ハクオロさん、ぶいっ!」 嬉しそうに観鈴がピースをしてくる。 「ははは……こうか?」 ハクオロも微笑みながら返した。 ―――照らしこむ月光が二人を包み、夜独特の柔らかな空気が流れ込む。時刻は3 00。 まだまだゲームは始まったばかり……。 【D-5 森の中/1日目 黎明】 【ハクオロ@うたわれるもの】 【装備:オボロの刀(×2)@うたわれるもの】 【所持品:支給品一式(他ランダムアイテム不明)、S W M60 チーフスペシャル(.357マグナム弾5/5)】 【状態:健康・休憩中】 【思考・行動】 基本:ゲームには乗らない 1・観鈴とこれからのことを話し合う。 2・エルルゥ、アルルゥをなんとしてでも見つけ出して保護する 3・仲間や同志と合流しタカノたちを倒す 4・観鈴を守る。 【備考】 ※校舎の屋上から周辺の地形を把握済み ※中庭にいた青年(双葉恋太郎)と翠髪の少女(時雨亜沙)が観鈴を狙ってやってきたマーダーかもしれないと思っています。 ※放送は学校内にのみ響きました。 ※銃についてすこし知りました。 【神尾観鈴@AIR】 【装備:Mk.22(7/8)】 【所持品:支給品一式、おはぎ@ひぐらしのなく頃に(残り3つ)、Mk.22(7/8)・予備マガジン(40/40)】 【状態:健康・放送中】 【思考・行動】 基本:ゲームには乗らない 1・ハクオロと行動する。 2・往人と合流したい 【備考】 ※校舎内の施設を把握済み 059 二度と触れ得ぬキョウキノサクラ 投下順に読む 061 下半身に罪はない!~トイレを求めて全力疾走~ 056 連鎖する誤解~chain misunderstanding~ 時系列順に読む 033 出会いと別れ 056 連鎖する誤解~chain misunderstanding~ ハクオロ 066 そこには、もう誰もいない 056 連鎖する誤解~chain misunderstanding~ 神尾観鈴 066 そこには、もう誰もいない