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「・・・・・」 目的の観覧車に乗り込んだ後、あんなにはしゃいでいた舞ちゃんは、急に無口になった。 「綺麗だねー。天気いいから、遠くまで見渡せるかな?」 「ええ、私のおうちも見られるかしら?」 「ちょっと遠すぎない?でも、方角わかるなら探してみようよ。どっち?」 わりと盛り上がっている私たちとは明らかに空気が違う。 両手をガッチリ千聖の腕に絡めて、頭を肩に乗せて、視線はえりかちゃん。ちょこちょこ振られる千聖の話も耳に入っていない様子で、舞ちゃんは生返事しか返さない。 だけど、私たちも長年の付き合いでよくわかっている。舞ちゃんが急に不機嫌になったり、黙り込んでしまった時は、逆にあまり気を使わないほうがいい。 おしゃべりに参加したくなったらそのうち乗ってくるし、乗ってこなくても別に誰かに八つ当たりするようなタイプじゃないから、今も、舞ちゃんの好きなようにしてもらうことにした。 今日一日一緒に過ごしてあらためて思ったけど、どうやら舞ちゃんは千聖のことが本気の本気で好きらしい。子供の独占欲じゃなくて、ちゃんとした意味で。その大好きな人が、今から寝盗られる(と言っていいのか)のだから、そりゃあ穏やかではいられないだろう。 最初の決意どおり、私はどちらに肩入れするつもりもないし、千聖がしばらく答えを出さないのならそれはそれでいいと思う。でも、それぞれの気持ちを思うと、何か本当に難しいな・・・。 学校の友達でも、恋して悩んでいる子は何人かいるけど、相手の一挙一動に振り回されたりして大変そうだ。まあ、私はまだそういうのはちょっとわからないし、当事者じゃないからこんな暢気に構えていられるんだろうけど。 「千聖、舞ちゃんと撮ってあげる。2人、真ん中にずれてくれる?」 観覧車がもうすぐ頂上につくという頃、えりかちゃんはデジカメを取り出した。 「ええ、もちろん。舞さん、いいかしら?」 「うん・・・」 千聖はえりかちゃんのお願いに応じて、体を舞ちゃんにより密着させる。舞ちゃんの腕に、千聖の大きめなおっぱいが乗っかった。 「でっかー・・・」 「え?」 「いえいえ。ケッケッケ」 多分、こんなどうでもいいことを考えているのは私だけだろう。えりかちゃんは写真に夢中になってるように見えるけど、手元のデジカメのシャッターはなかなか押されない。さっきムラムラしてるとか言ってたし、どうみても上の空。 「えりかちゃん、ピント合ってるみたいだけど・・・」 「ん?え?あ、そうだね、ありがと。はい、撮るよー。」 ちょうどてっぺんに到達したその時、えりかちゃんは改めてカメラを構えた。そして、眩いフラッシュが2人を包んだとき、私は信じられないものを目の当たりにすることとなった。 「・・・・・むぐ?」 千聖の肩を抱き寄せて、唇と唇をくっつける舞ちゃん。よっぽど強く押し付けているのか、二人の唇はアヒルみたいにむにゅっとつぶれている。 「・・・・・へぇえ?」 あまりのことに、私は自分が何を見ているのかちゃんと理解できなくて、半笑いで変な声を出してしまった。おそるおそるえりかちゃんの方を見ると、呆然とした顔のまま固まっている。その手から、デジカメがポロッと落ちた。 「わっわっ!」 慌てて手を差し出して、両手でしっかり受け止める。画面を覗くと、バッチリ2人のキスシーンが写ってしまっていた。 光の加減とかで、まるでドラマのワンシーンみたいに綺麗だった。モノクロの絵葉書でよくあるような、小さな子供2人が無邪気にキスしているような。・・・全然、そんなシチュエーションじゃないんだけれど。 「ん・・・」 「むぐ・・・」 目の前の2人はまだ唇をくっつけている。一足先に正気に戻った私は、「舞ちゃん、舞ちゃん!」と慌てて膝をペシペシ叩いた。 「だ、だめだよ、舞ちゃん!もう観覧車下がってるから、人に見られちゃうよ!」 一歩出遅れて、えりかちゃんも舞ちゃんを止めにかかる。ほどなくして、舞ちゃんはやっと千聖の後ろ髪を掴んでいた手を離して、唇も開放した。紅潮したほっぺたもそのままに、横目でえりかちゃんを捕らえてニヤッと笑う。 「ち・・・千聖・・・」 一方の千聖は、未だに何が起こったかよくわからないような呆けた表情で、目をまん丸にしたまま微動だにしない。気まずい空気の車内に、“本日は、ご利用ありがとうございました・・・・”と、タイムリミットを告げる無機質なアナウンスが響く。 「えりかちゃん。」 その時、舞ちゃんが再び体を起こして、千聖の手を握った。 「な、なに、舞ちゃん」 えりかちゃんはいつになく緊張した面持ちで、それでも千聖の空いている方の手を掴んだ。すごい、何てベタすぎる三角関係図! このまま下に着いてしまったら、乗り場にいる人や係員さんの目を引いてしまうかもしれない。どうしよう、また仕切り屋愛理に変身するべきなのかな・・・ ハラハラしながら動向を探っていると、ふいに舞ちゃんの表情が緩んだ。そのまま私の横に移動してきて、えりかちゃんを押し出して千聖の隣に座らせる。 「舞ちゃ・・・」 「・・・・えりかちゃん、今日は貸してあげるから、ちゃんと返してね。ちーは舞のなんだから」 ――かっこいい・・・・ 後光すら差しているように見える、舞ちゃんの堂々とした振る舞いに、私はついつい見入ってしまった。 「あ・・あの・・・・」 「舞ちゃん・・・」 えりかちゃんと千聖がどうしていいかわからないように顔を見合わせているうちに、観覧車は地上に到着した。 「お疲れ様でしたー」 「ありがとうございまーす。・・・ほら、早く降りよ?もう一周しちゃうよ?」 さっきまでのハードな人間ドラマの主役っぷりが嘘のように、舞ちゃんは無邪気な笑顔で私たちを手招きする。 出口でつっかえてコケそうになるえりかちゃんを千聖と2人で支えながら、釈然としないまま私たちも後に続く。数歩歩いたところで、舞ちゃんはくるっと振り返った。 「それじゃ、舞は愛理と帰るから。楽しかった。」 「えっ!」 何か手痛い罵倒の一つもあるのかと思いきや、晴れ晴れした表情で、舞ちゃんは私の腕を引いた。 「愛理・・・舞ちゃん・・・」 「またレッスンでね、バイバイ!」 とまどう2人を残して、舞ちゃんは振り返らずにぐんぐん歩いた。 虚勢を張っているようには見えないけど、こんな時、何て声をかけていいのかよくわからない。 駅まであと少し、というところで、赤信号に引っかかって、舞ちゃんの足が止まる。 「・・・良かったの?」 そのタイミングで私が話しかけると、舞ちゃんは黙って大きくうなずいた。 「・・・舞が千聖にキスしたとき、えりかちゃんが止めに入らなかったら、どんな手を使ってでも千聖を連れて帰るつもりだったんだ。でも、えりかちゃん、愛理と2人でちゃんと私達を引き離したでしょ。だから、いいの」 好きな人を取られちゃったっていうのに、舞ちゃんは満足そうに唇を触って微笑んでいる。 「今日一日ちーとえりかちゃんのこと見てて、2人とも本当に楽しそうだった。えりかちゃんがちーのこと都合のいいように弄んでるってわけじゃないのもわかった。 それならいいんだ、今日だけは譲ってあげる。舞だって、ちーには笑っていてほしいんだよ。イジワルばっかしてるけど」 「・・・・えらいっ!」 舞ちゃんの優しさが胸を打つ。私はたまらなくなって、おどけたふりして舞ちゃんを抱きしめた。 「うわっ何!いきなり!」 信号は青に変わったけれど、私はしばらくそのまま舞ちゃんの髪を撫で続けた。 「もう、わけわかんないよ・・・愛理ってば」 少しだけ顔を赤らめて、ニヒヒと笑う顔がとっても可愛い。 「舞ちゃん、今日、うち泊まる?」 「え・・・・」 「ね、泊まろう!それとも、何か用事ある?」 「ないけど・・・・わかった、そうする!パジャマとか、借りるね。初じゃない?お泊りするの」 このままバイバイするのは、なんとなく名残惜しかった。私のいきなりの申し出を、舞ちゃんは笑って受け入れてくれた。 「今日は、大好きな舞ちゃんのこと、もっと大好きになっちゃった。ケッケッケ」 「・・・・なぁーに言ってんの、愛理ウケるー!」 ちょっぴり顔を赤くした舞ちゃんは、手を飛行機みたいにして、パーッと先に走っていってしまった。 「愛理、早くー!」 「ちょっと待ってよう」 同じようなポーズで、私も舞ちゃんを追いかける。 私たちのお楽しみの時間は、まだまだこれからが本番になりそうだ。 ***** 「・・・・千聖」 「あ・・・は、はい」 遠ざかる舞さんと愛理の背中をぼんやり見つめていると、つないだままのえりかさんの手に力が篭った。 「そろそろ行かないと、チェックインの時間過ぎちゃう」 「はい」 それきり無言で、舞さんたちとは反対の方向へ歩き出した。 えりかさんは表情が豊かな方だから、いつもお顔を見れば、何となく考えていることを察する事ができるのに、今はよくわからない。怒っている、という風には見えないけれど・・・・少し怖くなって、私も手を強く握り返した。 舞さんと口づけするのは、初めてのことではない。 海の洞窟で、舞さんのお部屋で、仕事場の空き室で。 そして今日、今まで何度となく繰り返してきたそれらの行為の罰であるかのように、とうとうえりかさんの前で唇を合わせてしまった。 舞さんに恨み言を言ううつもりは全くない。私からキスをせがんだことはないけれど、舞さんに求められれば応じてきた。それ以上のことも、したことがないわけではない。 私はえりかさんのことが好きなのに、舞さんの真剣な眼差しに捕らえられると、魔法がかかったように拒む事を忘れてしまう。 もう、どうしたらいいのかわからなかった。私がこんな不埒な状態だからいけない。それはわかっている。でも・・・ 「えりかさん」 つぶやいた声は車のクラクションで消されてしまったのか、聞こえないふりをされてしまったのか、えりかさんは前方を見たまま、私のほうを見てはくれなかった。 さっきの私と舞さんを見て、どう思ったのだろう。考えると、胸がギリッと締め付けられるようだ。 これから2人でゆっくり過ごすというのに、こんな気持ちのままでいいのだろうか。 うつむいて歩いていると、しばらくしてえりかさんの足が止まった。 「着いたよ」 「あら・・・」 そこは、駅から程近いところにある、タワー型の大きな建物だった。とても目立つから、存在は何となく知っていたけれど、中に入った事はなかった。ホテルだということも、今初めて知ったぐらいだ。 「入るけど、大丈夫?」 「あ・・・は、はい」 まばゆいシャンデリアに彩られたロビーを抜けて、えりかさんはまっすぐにフロントへ足を運ぶ。 お母様から渡された宿泊許可証を提示して、ボーイさんに連れられるまま、重厚なエレベーターに乗って部屋を目指す。 手をつないでいたら、変に思われないだろうか。ふとそんなことが頭をよぎったけれど、えりかさんは指と指を組み込むようにして、私の手を離さないでいてくれたから、そのままでいいと思い直すことにした。 今は笑顔は少ないけれど、こうして私をそばにおいてくれるのだから、余計なことは考えなくていいのかもしれない。 「ごゆっくりどうぞ」 4階の角部屋。 ボーイさんが戻られたのを確認して、私はキョロキョロと部屋を見渡した。 繊細な模様を編みこんだ絨毯。ガラス張りと言っても過言ではないほど大きな窓が2面。よく磨かれたガラスのテーブルに、2人掛けの大きなソファ。 仕事柄、ホテルに滞在する機会はとても多いけれど、これほど洗練された部屋は使った事がない。ベッドもスプリングの利いたいつものとは違って、とても柔らかく、座っている場所だけ体が沈んだ。 「どう?結構いい部屋でしょ」 ソファに座ったえりかさんが微笑む。 「え・・・えぇ。でも、えりかさん・・・」 お金、の話はしてもいいものだろうか。お母様同士が話し合って、今回はお礼だからと、えりかさんに全額出していただいたのだけれど・・・お部屋のグレードは、私の想像をはるかに超えていた。 「・・宿泊費のことなら、気にしないで」 「えっ」 「実はね、おじいちゃんが、知り合いの人に割引券もらってたんだ。だから、いいお部屋だけどそんなたいした金額じゃないの」 考えている事が顔に出ていたのか、えりかさんは優しい声で説明してくれた。 「それより、こっち来て。チョコ置いてある。食べよう」 手招きされるままにソファへ移動して、思い切って寄り添ってみる。 「なーに、あまえんぼ」 細い指が、私の髪を梳く。えりかさんの好きな、薔薇の香りが鼻をくすぐった。 「千聖」 顔を上げると、ちょうどえりかさんが大ぶりのトリュフをご自分の口に運んでいた。そのしぐさに見惚れていたら、パキッと弾ける音とともに、私の唇に甘くて柔らかい塊が押し付けられた。 「んっ・・・ん・・・!」 それがえりかさんの唇がもたらすものだと気づいた時、無意識に体がビクッと跳ねた。 えりかさんは体に触れてくれることはあっても、あんまり唇を合わせてはくれない。本当に久しぶりの感触。蕩けてしまいそうな錯覚を覚えて、私はされるがままに、えりかさんに身を委ねた。 前へ TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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才葉さくら、OLです 今こちらはぱらぱらと小雨が降っています、なので外で遊ぶわけにもいかんので大波くんを膝に抱えながらテレビを見てます 野球少年の割りには結構小さい大波君、私の膝に乗ってもそんなに重くないんですよ。 そんな大波くんにはテレビを見るときにだけの面白い癖がありまして、 例えば「笑いどころ」とかが来ると笑顔でくるっと私の方を見てくるんですよ 「……(チラッ)」ほらね、可愛いでしょ そして私がニコッっと笑顔で返すと満足したようにまたテレビを見るんです 多分「お姉ちゃんも今の面白かったかな」と思ってるんじゃないかなと解釈してます あっそれと大波君は撫でられるのが大好きなので常に頭の上に手を置いてます 「~♪」本当無邪気な子供なんだから 「……ねえ大波君?」「なに?」 ……出来ればずっとこのまんま、波風たてずにいたいとも思ったけど、私の口は聞かずにはいられない 「大波君、私に隠し事してない?」 「えっ?」きょとーんとしてる、そりゃいきなりなんだって思うよね 「……この間、ジナイダさんに会ったんだよね」「!?」それでも私は直接その単語を出さない 大波君を信頼してるんだよってことにならないからね 「……もちろん、私はそんなことないなあ~っては、信じてるけど」 大波君の目線がチラチラと散らばっていく、子供の嘘って目から見え見え 私もこうだったのかなあ~ とか思いながら私は大波君の肩に優しく触れる 「私の目を見て、しっかり答えてほしいな」「……」だんだん血の気がなくなってますぜ、旦那 しかも鼓動ばくばくしてる胸の動きからも察した、これは嘘ついてる その目にはうっすら涙すら浮かんでいるんだもの 「一旦深呼吸しよっか」「……うん」 「……お姉ちゃんは怒ってるわけじゃないよ、でも正直に言わない子には鬼のツノが生えてくるかも、みゃはは」 「……嘘をつくつもりはなかったんだ」お? 「俺が宇宙にいくって聞いたんだよね」その目からついに涙がポロポロと落ちては跳ねる、声は震えていた 「宇宙に行くのは本当だよ…ヒクッ、でもっ、お姉ちゃんにっ、知られたらお姉ちゃんもうっ、ヒクッ、会ってくれなくなるんじゃないかって思って言えなくてっ」「……よくお話しできました」溢れる涙を袖で拭く大波君を、そっと抱き締めてあげる 「……っ………っ……うぅぅ」肩がひくりひくりと動く、目には大きな涙の粒、えらいえらいと私は背中を優しく撫でる 「私はそんなことでいなくならないからね」「ごべんなざい……ごべんなざい」「謝らなくていいのよ、みゃは」 一度出ると止まらないもんね、涙って、よくわかるよ、だから遠慮せずに泣いていいから そう言い聞かせて、泣き止むまでずっとこう抱き締めていた ………… 「……すぅ……すぅ」泣き止んだ途端に今度は眠っちゃったので、ソファーベッドに寝かせておく 「……寝てても可愛いんだから」 寝顔を見てついこっちまでよだれを垂らしそうになるなあ… 小麦色に焼けた肌、もっちりしてそうな顔、うう…「しかし未成年に手は出せぬ……」来いよア○ネエエエエエス!! ……それから寝ている間におやつでも作ってあげようかとキッチンで準備をしている時だった 「ピンポーン」と軽快な音を立てチャイムが鳴る、外のインターホンには中国人?の女の人が立っていた 「こんにちは、あなたが才葉さくらさんですか?」玄関で迎えると女性は軽快に私に話しかけてきた 私の事を知ってるのかな? 「どちら様ですか…?」するとついうっかりと言うような仕草をして女性がにこやかに自己紹介をしてくれた 「私の名前はホンフーと言います、あなたが異常性癖を持っているとの事でカズさんから聞いてやって来ました♪」この人もかっ!カズさんからの刺客!……と、思いきや女性は意外なことを口にし始めた 「私はカズさんの表現には多少オーバーがかかっているとは思ってますよ♪見たところそんな趣味の人では無さそうですし、なによりそんな性癖をしている人にあの子がなつくと思いませんしね、私はカズさんの誤解を解きにも来たのですよ♪」 この人はただ者ではない、一瞬で把握した、言葉の丁寧さやどこからか来てるかわかんない威圧感がビンビンだ 「とりあえず客間へどうぞ、大波君をちょうど寝かしつけたところなんで」 「おや、やっばりあやしいかな?」 「どうでしょうか~?」 ソファーベッドに寝転ぶ大波君を見て「おやまあここまで気を許すなんて」と微笑むホンフーさん、この人も大波君を知っているみたい せっかくなので二人で寝顔を少しの間眺めていた、大波君はなんにも知らずに小さな寝息を立てている 「みゃはは、可愛いですよね」 「そうですね♡…まずなんで、カズさんがあなたの事をやたらと警戒するのかはわかりますか?」「ふにゃ?」唐突な質問に脳内があたふたする ……カズさんの過去の事とか聞いてると限りでは素直に警告してくれてるのかとしか思えないなあ… 「私の事を思って警告してるんだと思ってます」しかしブッブーと両手でバッテンをされた、ぐぬぬ 「カズさんはあなたに嫉妬しているんですよ、おほほ♡ あの人の青春話は多分本人から聞いてるでしょう?あの人は一度失恋している、失恋はですね、人の心をかなり歪ませるんですよぉ」「はにゃ…」 ずいぶんとド直球な事を言ってくるなあ… 「……あの人の嫉妬は私にも気持ちはわかります」「ホンフーさんも失恋を?」「いえいえ、彼女を昔無くしてまして」 ドンガラガッシャン! 「おやまあ…」 男の人なの!? 「……先に言うのを忘れてました、私は男です」「みゃはは…そうですか…」「いろんな人に間違われます♡」み…みゃはは… 「とにもかくにも、私は彼女を失いました、そのときなぜ救えなかったのか、自分の無力さを今でも悔やんでいます……だから、可能性がある人には逆に失ってほしくないんですよ」 ……可能性がある?つまり… 「彼が宇宙に行く期間は3~5年間です、もうその事を知ってるあなたは待つだけでいいのです」「……それが当たり前じゃ無くなるかもしれないんですか?」ちょっと深読みしすぎたかな…とも思ったけれど、ホンフーさんは「……驚きました」と苦笑いをする これはきっとなにかがあると言うことなのだろう 「……彼には三人の父親がいるのですよ、その父親達があなたとの交際をあまりよく見てない節があってですね…いえ異常性癖のように見ているわけではなくて、なんと言いましょうか、貴方がいることで駄目な人間になったと思っているそうです」 私の…せいで? 私が大波君を甘やかしたからか…な 「……『混乱して、落ち着かないで』」 ホンフーさんが私に声をかけてると何故か急に頭が冷やされた 「あなたが甘やかしていることは間違ったことではないのですよ、むしろ足りないものを補ってあげてるんだから、しかし旧パラダイムの育成方針の彼らには」「旧パラダイム?」 聞いたことあるような無いような… でもよくわかんない… 「……簡単に言うと、昔の考えです、つまりは昭和の頑固親父とでも思ってください、とにかくそこに新パラダイム…あなたが入ってきたので頑固親父からしたら横槍を入れられて、しかも自分達よりなついていってるから面白くないのですよ」「私がそんな新パラダイムなんて…」時々あって甘やかすだけでそんな影響でるかなあ? 「出るんですよ」「うひゃあっ!?」 心の中読まれてる!? 「カズさんの知り合いの私がなんの能力も無いわけがないですよね♪まあまだこれは端に過ぎませんが」……納得 「あなたと出会ってからどうやら彼、学校での成績がうなぎ登りだそうですよ?あと多少フレンドリーになったそうな」「そんな簡単に!?」 信じられぬ…私がやったことと言えば… 「おやつ食べるー?」とか「なでなでー」とか「今日はキャッチボールしよっかー」……改めて考えるとそんな特別でもないような? 「彼からしたら他人の家でのんびりしたり異性から撫でられたりとかは目新しい事ばかりでしょうねえ」「……だから心を読まないでください」「おや、能力の切り替えを忘れてました」 「でも、それって別に悪いことじゃないような……」「……彼の視点が広まったと言うことで、父親達は野球への影響を考えています、事実、ここに来る日は練習を午前で切り上げて来るらしいですからねえ、成長期に野球漬けにしたい彼らからしたらあなたがもたらしたものは邪魔でしかないようで…そこにカズさんの話が舞い込んできたからさあややこしい」……私たちが勝ち上がったときも練習は普通に休みいれてたし、プロになった小波くんも「休みは必要」とか言ってたのになあ… 「……おそらくもうじき接触してくるでしょうね、彼らは強引なところがあるので、勢いに押される事の無いよう、おそらくカズさんも同行してくると思います」「なんか喧嘩みたいですねえ…」怖いよお 「あら?これはれっきとした乙女の大問題です、大波君を守りたいなら、あなたが戦う姿勢を見せなくてはいけません」 私が戦う…大波君のために そんなの当たり前じゃない 「やってやりますですよ!」ふんと力こぶしを作るポーズを見せるとホンフーさんが笑った、ちょっち恥ずかしい… 「私も協力しましょう、まずこちらにも助っ人を用意します、ブラックと言う方です」ブラックとな?まるで正義のヒーローみたいな名前だなあ 「どんな人ですか?」「正義のヒーローです」本当にかい、まあ感覚がなれたので今度はそこまで驚かなかった 「……守れる関係は大切にしないとダメですよ?失って気がつくのは手後れの懐古に過ぎないので」そう語るホンフーさんはちょっと寂しそうに見えた 「うぅーん…うわ!ホンフーさんがいる!?」おっと大波君が起きたようだ もうそんなに時間がたってたんだなあ…最近は話で時間が過ぎていく事が多いにゃー… 「では私はこれで失礼します、大波君も、そろそろお家に帰る時間でしょうし、送っていくので」 「それはありがとうございます!……また来てくださいね?」 「ええ、ここは良いところですし、たまに遊びに来るかもしれません、その時はどうぞよろしく♡」 「……」「……ん?」「……おやおや」 大波君が珍しく「まだ遊ぶ」オーラを出してきている、他人の手前で甘えるなんて珍しいなあ、でも今日はさすがに遅いし…… 「あらあら、でも大波君、今日のところはおいとましましょうか」「……わかった」ホンフーさん本当大人だなあ…拗ねてる大波君も可愛いなあ 私このまま泊まらせたかもしれない ……別にそんな変な意味じゃないよ? 「あなたやっぱり」「違います!」 ………… 「いよいよ明後日、その彼女とやらの家に乗り込むでやんすね?」「ああ、ホンフーは多分説得失敗するやろうしな」「……あんたら本当に行くんでやんすね」「これは大波を野球に引き戻すため、仕方のないことでやんす」「そう言うことですねん山田さん」「…………」 ………… 寝る準備をしていた夜遅くにまた玄関からチャイムの音が 「……?」ドアを開けるとそこには黄色いヘルメットを被った眼鏡の人が立っている 「あんたがさくらさんでやんすか?おいらは山田、大波の父親でやんす」 この人が!?ととっさに身構えるが どうも覇気がない 「おいら達は三人で大波を育ててるでやんす、多分あんたが考えてる眼鏡は湯田とか落田でやんすね、少しだけ玄関先でいいから質問に答えてほしいでやんす」……この人は反対ってようすでもない、三人のなかでも意見が違ったりするのかなあ? とりあえず質問に答えることにする 「アンタは大波にどうなってほしいでやんすか?」 シンプルで簡単な質問だった そんなことはずっと前から決まってる 私は深呼吸をすると山田さんの目をぱっちりと見て回答する 「大波君には、立派な野球選手になってもらいたいです」 山田さんは驚いた顔になる、その奥では笑っているように見えた、そして私に「アンタならあとの二人も説得できそうでやんすね、ガンバるでやんす」と言って手を差し出してきたので 私もその手を握り返し豪語した 「任せてください!」
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「ほら、あの時言ってたでしょ?えりかちゃんはちっさーのシェルターになってあげるために、エッチな関係になってるって。」 もう撮影は始まっているのに、栞菜はサラダ用の野菜を切りながら興奮した様子で喋っている。 うまくカメラマンさんが近くにいないときを見計らっているみたいだ。 愛理は栞菜の脳内妄想を知ってか知らずか、目を丸くしながら黙って話を聞いている。 「お姉ちゃん、ちっさーと付き合ってるわけじゃないって言ってたけど、やっぱりちっさーのことが好きだから、体を使ってまでちっさーを慰めてあげてたんだよね。本当の愛は献身だもん。」 「容疑者梅田えりかの献身だね。ケッケッケ」 栞菜の話は続く。私は牛肉を炒めながら、とりあえずこのすっとんきょうな話のオチを待っていた。 「でね、もう言っちゃうけど、ちっさーも一回私とそういうことになりかけたのね。」 「ええっ!嘘!いつ!何で!」 「あの、みんなのおかげでちっさーと仲直りできた日だよ。何でかはわからないけど、前にえりかちゃんが言ってた、遠くへ行っちゃってる顔になってた。急に不安で寂しくなっちゃったみたい。」 フライパンの中で肉が焦げ付いてるのも厭わず、私は栞菜の話に聞き入っていた。 まさか、千聖が私以外の人にそういうお誘いをかけるとは。何だかもやもやした気持ちになる。 「それで、私もえりかちゃんの代わりになれないかなって思って、ちょっとだけ触ったのね。ちっさーの体に。」 「ちょ、え!」 「えー栞菜すごいことするねー」 「あ、大丈夫。服の上から手でペタペタしただけだから。・・・その時、ちっさー途中で“帰りたい”って言ったの。それでもう、お開き。後は私の部屋で普通に遊んで、家に帰った。」 栞菜はそこまで一気に喋ると、一回軽くため息をついた。 「カメラさん、こっち来てる。」 その呟きをスイッチに、3人して仕事用の顔とテンションに戻った。 939 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/11/12(水) 22 42 54.39 0 「はい、私たちのカレー作りも順調に・・・あーっもうえりかちゃん!お肉焦げてる!」 「わーごめんボーッとしてた!」 「珍しいね、えりかちゃんが料理でドジしちゃうなんて。」 ここは完全に素だったけれど。 ちょっと危なっかしい手つきながら、順調に野菜を切る栞菜。それを手伝いつつ鍋の様子を見たり、いらない器具をしまったり、こまごました作業をこなす愛理。隠し味がうんたらかんたら言いながら下ごしらえをする私。 一通りカレー作りの様子を撮影すると、またカメラマンさんは他のグループの方へ行った。 「・・・じゃあ、続きね。それで、その時私わかったの。ちっさーは、誰にでも触られたいんじゃなくて、えりかちゃんがいいんだよ。 それがわからなかったから私のことを誘ってみたんだけど、やっぱりえりかちゃんじゃなきゃだめだって途中で気付いたんだ。 きっと、帰りたいっていうのは、家にじゃなくてえりかちゃんのところにってことだよね。 えりかちゃんも、さっきも言ったけど、ちっさーが相手じゃなきゃきっとエッチはしないと思うの。 愛するちっさーだからこそ、えりかちゃんは触りたくなっちゃうんだよ。それって、完全に恋だと思う。」 「待ってよ。それ、何か根拠があって言ってるの?」 「根拠?」 栞菜は鍋の灰汁抜きをしながら、ちょっと目を細めた。 「まあ、女の勘だよね。」 勘かよ!危なかった。 栞菜は本をたくさん読んでるだけあって、感性が鋭い。しかも話に妙な説得力があるから、今もうっかり引き込まれるところだった。自分の感情なのに。 「あのねぇ栞菜、」 「もう何も言わなくていいよお姉ちゃん!私は味方だから。・・・どうやらなっきぃもちっさーを狙ってるみたいだけど。」 「はっ!?熱っ!」 栞菜の爆弾発言で手元が狂う。肉汁がほっぺたに弾け飛んだ。 940 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/11/12(水) 22 44 57.61 0 「だって行きのバスで、何かセクハラしりとりみたいなのやってちっさーの取り合いしてたじゃん。それに、今日のなっきぃはすごいちっさーのこと気にしてるし。 でも、今のところえりかちゃんの方が有利だよ多分。なっきぃ真面目だからね。エッチな関係なんてありえないケロ!って思ってそう。」 あああ、そのせっかくの感受性を、意味のわからない妄想に使わないで妹よ! 愛理はもう傍観者に徹することを決めたのか、なかなか見せない悪大名スマイルで私を眺めている。 「いい、栞菜?まず、私が千聖を好きって話だけど、」 「あれっ舞美ちゃん、舞ちゃん。どうしたの?」 やっと私が説得を始めようとした矢先、手をつないだ舞舞美が仲良くこちらへやってきた。 「はろー。お米炊くの終わっちゃったから、手伝いに来たよ。」 「本当?じゃあテーブルセッティングと、サラダ作り手伝ってほしいな。」 ああもう!舞美たちがいるんじゃ、とても話は続けられない。あれで案外純情乙女な舞美には、まだ私と千聖のことは誤解したままでいてほしかった。事実を知ったらぶっ倒れちゃうかもしれない。 941 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/11/12(水) 22 45 49.62 0 「えりかちゃん、舞なんかやることある?」 「あ、ウチは大丈夫だよ。もうあと煮込むだけだから。ありがとうね。・・・舞ちゃん?」 舞ちゃんは黙って私の手元をまじまじと見つめている。 「この手で、千聖をね・・・」 ひぎぃ! 「えりかちゃん、千聖は、舞のものなんだからね。」 「ち、ち、ち、ちさ、ちさとは、も、ももものじゃないからそそっそういう言い方は」 私のヘタレ反論を鼻で笑うと、舞ちゃんは 「でも、現実的に舞のものだから。ライバルだね、私たち。」 と不敵に笑った。 栞菜はアホな恋愛妄想に心を持ってかれてるし、今日の愛理は精神的ドS。舞ちゃんにライバル認定された上に、全力リーダーにはちょっと話せない。 「ひーん・・・ちさとぉ・・・」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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前へ 千聖と離れた私は、しばらく舞美ちゃんやちぃたちとバカ話で盛りあがった。 時々聞こえる千聖の楽しそうな声が、私を安心させてくれる。 「何か舞ちゃん、大人になったよね。」 「そう?まあ、いろいろあったから。」 「うん、舞は本当によくできた妹だよ。心も外見も急成長した!舞は最高にいい妹だね!」 「・・・・恥ずかしいから2回も言わないでいいよ。」 考えてみれば、千聖が頭打ったあの事件から、まだ1ヶ月もたっていない。 喜怒哀楽の全てをフル活用した、あまりにも中身の濃すぎる数週間だった。 「ねー、もうそろそろお開きにしませんか!あんまり遅くなると中学生組はお父さんお母さんも心配しちゃうだろうし。」 30分ぐらいして、キャプテンが大きな声でみんなに呼びかけた。 「えー」 「えー、じゃないの。またすぐ会えるんだから。早くお菓子片付けよう。」 チョコやクッキーはみんなで山分けして(ポテチの残りは舞美ちゃんがなっきぃにカ゛ーッした)、ゴミをまとめると、急ぎ足で部屋を出た。 ベリキューそれぞれのロッカーで荷物を持って、大階段のあたりで再び合流する。 「いい?行くよー」 まるで集団下校みたいだ。舞美ちゃんとえりかちゃんが先頭で、一番後ろはキャプともも。 私と千聖は前から2番目。後ろには茉麻となっきぃがいた。 年長組に挟まれて、みんなでキャーキャー言いながら階段を降り始めた。 「あ・・・嫌だわ、私ったら。いただいたお菓子、ロッカーに置いてきちゃった。」 私が手に提げていたお菓子の袋を見て、千聖が声をあげた。 「また今度でいいんじゃない?レッスンすぐあるし。」 「でも・・・明日菜たちにおみやげで持って帰りたいの。すぐに追いかけるから、私ちょっと戻ります。」 千聖はそういうと、くるっと後ろを振り返った。 「茉麻さん、ちょっとごめんなさい。私・・・」 「えっ!?」 茉麻は私たちに完全にお尻を向けて、後ろ歩きしながら熊井ちゃんとおしゃべりしていた。 急に話しかけられてびっくりしたんだろう、若干オーバーリアクション気味に、体全体で思いっきり振り返った。 茉麻のほうへ駆け寄っていった千聖の胸のあたりに、いきおいよく茉麻のひじがぶつかった。 「あ」 「あ」 「あ」 何人かの唖然とした声が重なる。 デジャヴ。 こんな光景を、私は知っていた。 もっとずーっとずーっと昔、茉麻に飛びつこうとした千聖が、振り返った勢いで吹っ飛ばされてしまった事件があった。 私は直接見たわけじゃないけれど、あとでビデオかなんかで見て、おなかが痛くなるほど大笑いしたからよく覚えている。 もうあんなに子供じゃないけれど、千聖はやっぱり体が小さいし、茉麻は大きい。 驚いた顔のままの千聖が、階段から押し出されて宙に浮いた。スローモーションのように、体が倒れていく。 「危ない!」 舞美ちゃんの大声で、私の時間感覚は元に戻った。 階段から落ちかけた千聖を、舞美ちゃんが両腕で抱きとめた。 千聖をかばったまま、2人は階段の一番下に落ちてしまった。 「千聖!!!!」 私は自分の口から、こんな金切り声が出たのを初めて聞いた。 もう大事な人を失いたくない。恐怖で足がガクガク震えて、座り込んでしまった。 「舞美!千聖!」 茉麻が真っ青になって、2人のところへ走っていく。 「ごめん、私・・・!」 「えっ何?どうしたの?」 「落ちたの?大丈夫?」 後ろの方のみんなも、人が落ちる鈍い音に驚いて集まってきた。 「舞ちゃん、立てる?」 肩を貸してくれたなっきぃの体も震えている。 「舞美・・・・」 「・・・・イタタタ・・・背中打ったー・・・。一瞬息止まったんだけど」 しばらくして、舞美ちゃんが照れ笑いしながら、体を起こした。 「平気なの?舞美。」 「うん、もうあと5段ぐらいだったから。なんてことないよ。それより・・・よかった。今度は守れた。」 舞美ちゃんは優しい顔で、千聖の体を抱きしめなおした。 でも 「・・・・ちっさー?ちっさー?・・・・・どうしよう、ちっさー、どこか打ったのかもしれない。起きないよ。」 舞美ちゃんの腕の中の千聖は、目を閉じたまま全く動かなかった。 「舞ちゃん?」 大切な人を失う恐怖で、体から力が抜けていく。 「・・・私、マネージャー呼んでくる。」 「私も。」 愛理と栞菜の声が遠ざかっていくとともに、私の意識もゆっくり遠のいていった。 次へ TOP
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翌日。 「舞、何か元気ない?」 「え?」 最近はほぼ毎日あるゲキハロの稽古終わりに、私のお姉ちゃんこと舞美ちゃんが声をかけてきた。 「・・・伝わっちゃった?お姉ちゃんいつも鈍いのに」 「なんだとー!一言多いんだから、舞は!お姉ちゃんは悲しいよ!とかいってw」 舞美ちゃんの大きな手が、私の髪を優しく梳く。 「ちっさーとケンカしちゃった?」 ――おお。そんなことまで感づかれてるとは。 「さっき、私とちっさーがふざけっこしてた時、ちっさーが舞に話しかけたのに、聞こえないふりしてたでしょ。いつもの舞なら、ちっさーが話しかけた時すっごい嬉しそうな顔するのに。」 「・・・そう、かな。」 「そうだよー。」 そう言って、舞美ちゃんが視線を上げた先には、隅っこのほうでえりかちゃんと雑誌を見て談笑している千聖の姿があった。 “赤レンガ倉庫が・・・”“中華街が・・・” 漏れ聞こえる声を拾ってみたところ、やっぱり横浜デートのお話をしているところらしい。 ふいに、えりかちゃんが千聖に何か耳打ちする。からかうような内容だったのか、千聖は恥ずかしそうに首を横に振って、眉を寄せた顔でもじもじしている。 ――あ、まずい。昨日の妄想を思い出してしまった。首の後ろが熱くなる。 “そんなことやめて、舞さん。はずかしいわ” 「あー!もう!」 その妄想から意識を逸らすべく大声を出してみる。 「舞、怖ーい!」 「だって・・・」 「えりにちっさーを取られちゃいそうで怖いの?」 まったく、お姉ちゃんは普段はありえないぐらいの天然っぷりをかましてくれる人なのに、時々こうやって人の痛いところをクリーンヒットでえぐってくる。 「もう、お姉ちゃんてさぁ」 「でも、ちっさーは舞のこと大好きだと思うよ。」 舞美ちゃんはくったくのない顔で、ニカッと笑いかけてきた。 「・・・本当に?」 「うん。だから、早く仲直りしちゃいな。2人がケンカしてるとね、キュート全体が暗ーくなっちゃうんだから。」 「でも、何て言ったらいいのかわかんない。舞の逆ギレが悪いんだけど、千聖は舞が何にキレたのかわかってくれないと思う。・・・違う、本当はわかってもらいたくないのかもしれない。せっかく千聖が謝ってくれてるのに、これじゃいつまでたっても仲直りできない」 仲直りはしたいけど、千聖と向き合うことで、千聖の気持ちのありかを再確認したくない。だけどそんな都合のいい話があるはずもない。 「うーん。むずかしいけど・・・・・・とりあえず、謝っちゃえば?難しいことは抜きにしてさ。」 少々難しい顔で黙り込んでいると、お姉ちゃんは私の肩を抱きながらそう言って微笑んだ。 「でも、でもさ」 「だって、ちっさーも舞と仲直りがしたいんでしょ?舞もそうなんでしょ?だったら、難しいことはおいといて、一言“ゴメン!”で。それでもだめなら、ゆっくり話せばいいじゃないか。あんまり頼りないかもしれないけど、私もできることがあれば協力するから」 「お姉ちゃん・・・・」 舞美ちゃんの背中に、後光が射している。なんだかんだ言っても、それこそ千聖がお嬢様化する前から、私たちのケンカを仲裁してくれていたお姉ちゃんなんだ。その一言だけで、私の心はだいぶ軽くなった。 「おねーちゃん、大好き!」 ひざに飛び乗って、猫みたいに体をすりつけて甘えてみる。 「なーに?甘えん坊モード?とかいってw」 本当に、舞美ちゃんの言うとおりだ。 いろいろ理由をつけてみたところで、行き着くのは「仲直りしたい」ただそれだけ。 「ちゃんと仲直りするからね。」 「そうそう、その調子!それにしても、なっきぃも舞ちゃんもどうしてえりがちっさーと仲良くすると怒るのー?仲良きことはすばらしきことって言うじゃないか!」 ――それは、舞の口からはとても。はい。 ともあれ、私はこうして舞美ちゃんに背中を押してもらって、一歩踏み出すことができた。 ドッキリの計画もあり、千聖の身辺が慌しくてなかなか切り出せなかったけれど、バースデーパーティー当日、私は少々ルール違反をして、思い切って千聖に頭を下げた(事実上のプロポーズ付き。) お姉ちゃんの言うとおり、千聖は笑って謝罪を受け入れてくれた。そして、(あくまでも仕事上の話だけど)私を一番に選んでくれると暗に言ってくれた。 嬉しかった。天にも昇るような気持ち。だけど、ワガママな私はそこですべて満足するというわけではなくて。 「千聖。」 千聖のバースデーパーティの最中。 たくさんの人に話しかけられている千聖を、そっと輪の中から連れ出した。 「なぁに?舞さん」 「今日、このあと舞のうちに来て。」 「え・・・」 「お願い。あんまり遅くしないから。帰り、ママの車で送るから。」 実は、明日はゲキハロ初日だ。ゆっくり体を休めるように劇団の皆さんにも言われているけれど、こうなったら私はこのテンションのまま、すべて解決させて明日に望みたかった。 「・・・わかったわ。」 さすが、長年の相方。私の本気が伝わったらしく、ちょっと困った顔をしながらも承諾してくれた。 この時の私は、本当に、少し話し合って終わりにするつもりだった。ええ、本当に、そのつもりだったんです、神様。 前へ TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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「つんくとか来て楽しかった」 オーディションに合格を果たした時、小さかった私は感想を求められてこう答えた。 小学生になったばかりの私に相手を敬って、『さん』付けをしろ、なんて要求をする人はそうそういないと思う。 良くも悪くもこの言葉はかなり印象的だったようで、撮影に参加していたスタッフから笑い声が漏れた。 私には何故笑っているのかわからず、聞かれたことに対して答えただけだった。 大人たちが笑っている理由がわからないまま、スタジオで待つモーニング娘。の元に呼ばれた。 横にずらっと十四人が並び、誰が合格するか不安な中、つんく♂さんの発表を待つ。 そして、つんく♂さんから言われたのは「全員、合格です」の言葉だった。 この言葉を聞き、現年長メンバーは驚きつつも喜び、騒いでいたことを記憶している。 でも、私はそれがどんなに大変なことなのかもわからなかったので、いまいち喜べなかった。 その後も映画の撮影をします、と言われ、映画監督の前で台詞を読んだり、と気づけば活動を開始していた。 皆が皆、仕事をしていく中でデビューをするんだ、という明確な目標を持った。 でも、彼だけは違った。 岡井千聖はモーニング娘。に憧れて入ったから、初めからデビューしたくてキッズにいたのだろう。 本来、ハロプロには男の子は入れない決まりがあるのだけど、彼は”女の子”と偽ってキッズになった。 私は彼がキッズに合格した頃から、随分と男の子みたいな子が入ったなと気にしてはいた。 これといって確信を持っていたわけじゃない。 何となく、彼の存在が気になって仕方なく、いつも彼の事を目で追っていた。 年が一つ違いだったこともあり、私たちは一緒にいる時間も多く、一気に打ち解けた。 私は千聖を好きになっていた。 彼を見た瞬間から恋をしていたのかもしれないが、好きだと自覚するようになったのは何年か経った後だ。 自覚をしたあたりからだろう、彼に自分の気持ちをぶつけていったのは。 夜空に星が輝く中、私たちがステージを後にした国立競技場から花火が上がるのが見えた。 前座の形で出させてもらった今夜の花火大会は、自分たちも見られたらいいな、と密かに願っていた。 それがこうして叶うと、言葉に出来ないくらいに嬉しいものだ。 しかも、隣には手を繋いだ千聖がいる。 千聖は、花火を見上げるばかりで隣の私をちっとも見ようとはしてくれない。 私も花火を見ようとするものの、千聖が気になってそれどころではなくなっている。 だけど、花火が元は見たかったわけだからどうにかしてみたいな、と思う私はいい案を思いついた。 大好きな千聖の瞳に映った花火をみていれば、同時に見たい二つのものが見られる。 案の定、「舞ちゃん、花火が綺麗だよ」と囁きつつも、花火に集中する千聖の瞳には綺麗な花弁が咲いている。 心の中でそっと、「千聖の花火が一番綺麗じゃん」といおうと思ったのだが、やめておいた。 そうしたら、恥ずかしがって千聖がきっと花火から目を逸らしてしまい、私も見てくれない可能性もある。 どっちも見られなくなるのは悲しいし、今はこれが一番いい状態なんだろう。 「舞ちゃん、今年の花火はたぶん僕が生きてきた中で最高に綺麗だよ」 「どうして?」 「だってさ、今年は舞ちゃんがいるし、℃-uteのメンバーも一緒にいる。これって最高じゃない?」 「そうだね。今年の花火は特別かもね」 「でしょ~舞ちゃんもしっかり見ておきなよ」 千聖が花火から目を逸らし、からかうような目で私ににっこりと微笑んだ。 その笑顔が純粋そのもので、彼の瞳を通してみたらどんなものでも綺麗に映ってしまいそうだ。 しっかり見ておくといっても、私は千聖ばかりしっかり見ているけれど、それでもいいなら見ている。 千聖と見るから特別なのであって、私には彼がいなかったら去年と変わらないただの花火になっていた。 それを変えてくれたのは、千聖だ。 「来年もここでライブやって、花火が見られるといいね。舞ちゃんの浴衣姿が見てみたいよ」 「えぇぇ~やだなぁ~撮影で見慣れてるじゃん。変わんないよ」 「そんなことないって。舞ちゃんは成長しているし、来年はぐっと大人っぽい浴衣姿になりそうだよ」 「ぐ~んと伸びて、千聖のつむじを見下ろす高さにいたりしてね」と、笑いながら返してみた。 すると、彼は少し寂しそうな顔になり、溜息をついて「そうかもしれない」、と呟いた。 そうだった、彼は今は伸び悩んでいる時期でまだ身長が思うように伸びていないのだ。 去年までは彼が大きかったのに、今年に入ってからはどんどん伸びる私が追い抜いてしまった。 隣に並ぶと、千聖が幼い顔つきのせいもあって弟みたいになっている。 彼は身長が抜かれた事を実はどんな事よりも気にしていたみたいなのだ。 四月のよみうりランドではネタにしてコントをしたが、あれだって進んで話していたわけでは決してない。 スタッフの書いた台本通りの台詞を話していたに過ぎない。 とうとうグループ一の小柄になった彼は、これからの成長次第では伸びると期待しているようだ。 後から私を抜いて、今とは逆に私が再び見上げられるようになったら、どんなにいいか。 そうなってくれたら、千聖も身長のことで卑屈な思いをせずにすむのに。 「千聖、男なんだからこれから伸びるって。平気平気」 「だといいな。だって、小さいと舞ちゃんだって嫌でしょ」 「嫌じゃないよ。千聖は千聖じゃん。違う?」 「違くないよ。でも、僕はもっと大きくなってかっこよくなりたいなって」 「何だよ、暗い顔するなって。千聖~ほら、花火綺麗だよ」 私は気を逸らそうと、花火を指差してみたのに、千聖は花火を見てもまだ身長が気になっているらしい。 失言してしまったことに今更ながら気づいたが、もう時既に遅し。 どうして一言多いかな、私って人間は。 そこへ「よっ、お二人さん。何、花火見てイチャついてるのかな~」、と舞美ちゃんが現れた。 千聖の隣に座ると、舞美ちゃんはさっそく千聖をからかってふざけ始めた。 こういうところ、何だか中学にいる男の子みたいだ。 好きな子を見ると、ついからかいたくなるなんてちょっと女の子っぽくないよ。 でも、千聖はそういう舞美ちゃんも好きなんだ。 「イチャついてなんているもんか。いつも通りさ。花火見てただけ」 「千聖~花火見るなら誘いなよ。マネージャーさんにここにいるって教えてもらうまで知らなかったんだから」 「ごめんごめん。舞美ちゃんたちはマネージャーさんと話しあいがあるみたいだったしさ」 「そんなの気にしなくていいのに。今日は花火観て帰らないと損だよ。あっ、すっごい綺麗」 「うん、綺麗だ」 ちぇっ、まただ。 せっかく二人きりでいたのに、舞美ちゃんが来てすっかり台無し。 こうなったら、とことんいじり倒してやるまでだから、覚悟してよね。 舞美ちゃんのお邪魔虫という思いと同時に、私にはある事が思い出されていた。 インディーズ時代、それ以前から千聖はやたらとお姉さんたちに可愛がられやすい事を――― 舞波ちゃん、めぐ、二人とも千聖をよく可愛がっていたし、千聖自身懐いていた。 舞美ちゃんに軽くつっこみを入れようとする直前、意識は過去にフェードアウトを起こした。 インディーズ時代、デパートなどを回ってイベントをこなす日々を送っていた時に。 半ば、彼を脅すようにキスを迫ったり、抱きしめてとおませな事を要求した。 千聖は男の子だとバレてしまえば、活動を続けられなくなるのはわかっていたから、こう言えば嫌でも要求を呑むのは当然だ。 頬っぺたにキスをするのも照れる彼を、私は叱ったりした事もある。 もっとちゃんとして、と。 千聖はその後も照れ屋で、なかなかキスもしてくれたことはなかったけど、私は側にいられるだけでよかった。 そのお願いを神さまが聞いてくれたのか、私たちは同じグループになることが出来た。 それが私と千聖の物語の始まりとなった。 次のページ→
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今日は静岡の浜松で℃-uteのコンサートがあり、私たちは新幹線に乗って静岡までやってきた。 あいにくの雨で、遠くから会場まで来てくれたファンの人たちのことも気が掛かりだけど、一番の心配は我がリーダーだ。 今、会場でリハーサルを行っているのは私を含め六人なのだ。 舞美ちゃんは遅刻して私たちと同じ新幹線に乗り遅れ、まだ新幹線の中にいる。 リーダーなのにおっちょこちょいで頼りないところがある舞美ちゃんは、それでも℃-uteには大事なリーダーだ。 私個人としても、舞美ちゃんはいつまで経っても本当のお姉ちゃんみたいに思っている。 千聖とのことは嘘なんだと言ってほしいけど、嘘じゃないことは自分自身がよくわかる。 だから、今もこんなに苦しい想いをしているんだもの。 その苦しい思いをちょっとでも取り除きたいくせに、私は今、千聖を尾行した。 千聖はリハーサル中もずっと気にしていた、舞美ちゃんの現在の様子をマネージャーさんに尋ねいている。 「マネージャーさん、舞美ちゃんはまだなのかな?」 「そうね、同行してるスタッフの話だとあと一時間くらいってことだけど。千聖は舞美がそんなに心配?」 そわそわとして落ち着きなくリハーサルをしていたせいで、千聖はスタッフさんから集中していないと注意されていた。 それでも、舞美ちゃんが心配で仕方なかったから、こうしてマネージャーさんを探し回っていたのだろう。 舞美ちゃんの心配をする千聖の顔は真剣そのもので、今日みた顔で一番力がある。 そんなに舞美ちゃんが心配なの? もしも、私が舞美ちゃんみたく遅刻したら千聖は心配してくれるよね。 「うん、やっぱりリーダーいないとしまらないからさ。舞美ちゃんに全力で走ってこいって伝えといてよ」 「ふふっ、はいはい。千聖、休憩もうすぐ終わりだからステージに戻る」 「はぁ~い」 舞美ちゃんがいつ来るのか、それがわかると嬉しそうな顔でリハーサルに戻っていった。 千聖、私があなたから離れたんじゃないよ、あなたが舞美ちゃんにくっついていっちゃっただけなんだよ。 ギュっと張り裂けそうになる胸を抑え、私も千聖を追いかけてリハーサルに戻る。 まだ諦めちゃダメだ、チャンスならこれからどんどんあるんだから。 「休憩おわり、リハーサル続きやるよ!!」 客席からスタッフさんの声が会場いっぱいにこだまする。 私は笑顔の千聖をチラチラと眺めながら、自分の立ち位置についた。 舞美ちゃん、気持ちなら私は負けないからね。 「お待たせ~ごめんねぇ~皆」 あれから一時間、慌てた様子で会場に舞美ちゃんが到着した。 舞美ちゃんが到着する頃には、私たちはリハーサルを通しで何度もやって疲れていた。 ジャージ姿でステージに上がってきた舞美ちゃんに、皆が遅いぞと声をかけつつ、笑顔で出迎える。 私もそうしたかったけど、怒りたい気持ちが胸の中をグルグルと渦を巻いている。 遅刻をしてきて笑顔で謝られても全然許す気にならないし、何よりあんなに千聖の気持ちを独占してしまうのが許せない。 私だって、お姉ちゃんのことは許してあげたい。 でもね、やっぱり千聖をいきなりかっさらっていくのはダメなの。 「もぉ~そうやって皆が甘やかす。だから、舞美ちゃんは遅刻するんだよ。舞美ちゃんも舞美ちゃんだよ」 「どうしたの、舞ちゃん?」 皆が一人勝手に怒る私をおかしなものを見る目でみてくる。 私一人を除いて皆が許しているよ、と空気を醸し出しているのに、私だけが怒っているから浮いてしまう。 何さ、もう知らない。 「舞ちゃん、ごめんね。お姉ちゃん、お寝坊さんだったね」 「いいよ、ちょっと怒ってみたかっただけ。それよりリハーサルの続きをするんでしょう」 はぁ、舞美ちゃんの到着で一層激しく降るようになった雨に、私の悲しみの涙もちょっぴり混じっているのかもしれない。 そう思いながら、私はリハーサルに頭を切り換えた。 次のページ→
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前へ そこは真っ暗だったけれど、とても暖かくて、甘いお菓子みたいな匂いがただよっていた。 私は一人ぼっちでうずくまっていた。不思議と寂しくはない。 柔らかい綿みたいなものに包まれながら、ウトウト目を閉じたり開いたりしてまどろんでいた。 どこだろう、ここ。 長い時間ここにいたような気もするし、さっき来たばっかりのような気もする。時間の感覚がよくわからない。 たしか私、舞ちゃんと喧嘩してたんじゃなかったっけ?その後舞美ちゃんとふざけっこしてて・・・・ 「・・・眠い・・・・」 いろいろ考えようとしても、頭がボーッとしてうまくいかない。 体に力が入らない。 私、もしかして死んじゃうの? 嫌だ、まだやりたいこといっぱいあるのに。 キュートでいっぱい活動して、学校の友達といっぱい遊んで、パパやママや妹弟たちとももっとたくさんの時間を過ごしたいのに。 フラフラする体を無理矢理起こすと、なんと私の目の前に私がいた。 「うわっ。」 完全に真っ暗な空間だったのに、私の姿だけはなぜか見えた。 「ねえ、あのさ、千聖だよね?ていうか私も千聖なんだけど」 とりあえず話しかけてみるけれど、私はにっこり笑ってるだけで、何にも言わない。 よく見てみると、今私が見ている私は、私自身とは少し違うような気がした。 私、こんな大人っぽい顔してたかな?服も、私じゃ絶対選ばないようなお嬢様っぽいスカートなんて履いてるし。 「ねえ、」 もう一度話しかけようとしたら、目の前の私はいきなり手を伸ばして私を抱きしめてきた。 私はどうしていいのかわからなくて、とりあえず私を抱き返してみた。 その瞬間、2人の体が、ピッタリと一つにつながったような気がした。 「あぁ・・・・」 唇から大きなため息があふれ出た。 頭の中に、たくさんの映像が流れ込んでくる。 私の手を抱いて、みんなの輪の中に引き入れてくれる愛理。 私と一緒に、笑いながらグラウンドを走る舞美ちゃん。 私の名前を叫びながら、傘もささずに夜の街を駆けるなっきぃ。 目に涙をいっぱいためながら、どこにも行かないでと私を引き止める栞ちゃん。 暗い部屋の中で、黄色いリボンで指をつないだまま、私と寄り添っている舞ちゃん。 どんなシーンでも、優しい顔で私を後ろから見守ってくれているえりかちゃん。 桃ちゃん、りーちゃん、ベリーズのみんな、パパ、ママ、妹に弟。みんなが私に向かって笑いかけている。 長い長い映画を観ているような感覚だった。 なぜだかわからないけれど、すごく胸が痛くて、私はボロボロと涙をこぼしていた。 みんなに会いたくてしかたがなかった。早くここを飛び出したくてたまらない。 「みんなのとこ、戻らなきゃ。」 私がそういうと、もう一人の私は、肩越しにしっかりとうなずいた。 暗闇の中でぼんやりと光っていた目の前の私の体が、だんだんとさらに強い光を放っていく。 「まぶしっ・・・・」 目を開けていられない。 私は光の洪水の中で、しばらくの間きつく目を閉じていた。 たくさんの人の気配で目が覚めた。 ちょっと黄ばんだ天井。薬くさい空間。 レッスンで使うスタジオの、医務室のベッドに私は寝ていた。 右手が熱を持ったようにジンジン痛い。強い力で握り締められているみたいだった。 「茉麻ちゃん・・・?」 舌が引きつれてうまく喋れなかったけれど、私の声を聞いた茉麻ちゃんは、うつむいていた顔をガバッと上げた。 大きな丸い目が、裂けちゃいそうなぐらい大きく見開かれている。 「手、痛いよ茉麻ちゃん・・・・」 「千聖・・・・!」 茉麻ちゃんの顔が歪んで、私のほっぺたに涙が落ちた。 「千聖、千聖!ごめんね、私のせいで」 茉麻ちゃんは放っておいたら土下座でもしそうな勢いだった。何が何だかよくわからなかったけど、私はあわてて「私、大丈夫だよ。」と背中をさすった。 「・・・ちっさー」 今度は後ろから名前を呼ばれた。 振り返ると、至近距離に舞美ちゃんの顔。まるでお化けでも見るような顔で、私を見つめている。 よく見たら、狭い部屋の中にたくさんの人が集まっていた。 キュートのみんなだけじゃなくて、ベリーズも。マネージャーさんやスタッフさんも端っこの方にいた。 「えっ、これ何っ・・・私、どうしたの?何かあった?」 「千聖・・・喋り方」 「え?何か変?ごめんわかんないけど」 「元に戻ったんだ・・・・・」 めったに泣かない愛理が表情を崩したのを合図にしたように、キュートもベリーズも、皆が泣き出してしまった。あのももちゃんまで。 「え・・・ええっ・・・・!ちょ、ちょっと、やだなあ。舞美ちゃん?えりかちゃん?アハハ、やめてよぅ」 ドッキリでもしかけられてるのかと思って笑いかけるけれど、誰も「なんちゃって!冗談冗談ー♪」と言ってくれない。 りーちゃんや栞ちゃんなんて、吐いちゃうんじゃないかってぐらいヒーヒー言いながら泣いている。 「っ痛・・・・!」 何気なくおでこに手をやると、包帯が巻かれていた。右のほっぺたも湿布で覆われている。 なんだろう、この感じ。前にもこういうことがあったような気がする。 「あ、あのごめん、私なんで怪我してるの?」 キュートのみんなはもうまともに喋れるような感じじゃなかったから、どうにか話を聞いてもらえそうなキャプテンと雅ちゃんに声をかけてみた。 「・・・覚えてないの?千聖今、階段から滑って落ちちゃったんだよ。」 「それで、キャラが変わ・・・違う、元に戻って・・・・・でも良かった、本当に」 2人はそこで声を詰まらせて、また泣いてしまった。 「キャラって・・・」 いったい何のことを言ってるのかわからない。 階段から落っこちたっていうのは、多分舞美ちゃんとくすぐり合いっこしてたからだと思うけど。 でもそれなら何でベリーズの皆がいるんだろう?ていうか、そもそも何でみんなこんなに泣いてるんだろう。 「ねえ、みんなそんなに泣かないでよー・・・」 私は何だか悲しくなってきて、つられて泣き出してしまいそうになった。 「・・・・・・・・・・・・・千聖。」 その時、泣き続けるみんなをうまく避けながら、舞ちゃんが私のところに近づいてきた。 「あっ舞ちゃん。ねーこれっ何で・・・・」 質問しようとした私の唇を、舞ちゃんの手が覆った。 ひんやり冷たい手が、ほっぺたを辿って鼻、まつげ、髪の毛に触れた。 どうしてだろう。 こうやって舞ちゃんが私の顔に触れるのは、初めてじゃない気がする。 “くすぐったいわ、舞さん” 頭の中に、そんな不思議な声が聞こえた。 「ちさと・・・・ちさと・・・・」 舞ちゃんは私の名前を何度も呼んで、細い腕で私を抱きしめた。 「舞ちゃぁん・・・」 壊れやすいガラス細工を扱うように、とても優しく包まれて、私もついに泣き出してしまった。 どうしてなのかわからないけれど、胸が締め付けられるようにズキズキ痛んだ。 思いっきり泣いてみんな落ち着いた頃、舞美ちゃんからいろいろ教えてもらった。 それによると、私は3週間ぐらい前にも階段から落ちて、頭を打ったらしい。 「舞美ちゃんとふざけてて、落ちた?」 「それは3週間前。・・・ちっさー、今日何日だかわかる?」 私が答えると、みんなが落胆のため息をついた。どうやら3週間分の記憶がすっぽり抜けているらしい。 「本当に覚えてないの?」 「うーん・・・」 何かが引っかかっているけれど、思い出すことができない。 「ちっさー、お嬢様になってたんだよ。」 ――お嬢様。 その単語を耳にした途端、私の心臓がドクンと波打った。 すっかり忘れかけていた、さっきの夢のことを急に思い出した。 もう一人の私が見せてくれたあの光景が、頭をいっぱいに満たしていく。 「千聖?大丈夫?」 思わずこめかみを押さえてキツく目をつむる。 「思い・・・・出した、かも」 「ええっ!」 「まだ全然、ざっとだけど。自分がお嬢様キャラとか全然わかんないし。」 それでもみんなにとっては嬉しい報告だったらしく、安心したようなおだやかに笑ってくれた。 「お帰り、千聖。」 困ったようないつもの笑顔で、愛理が手を差し出した。 「ただいま。」 握った愛理の手は、何だかいつもより暖かくて頼もしかった。 その後。 キュートのみんなは元に戻った(らしい)私をすぐに受け入れてくれて、いつも通りのキュートになった。 舞ちゃんは最初すごく優しくしてくれたけど、今はもうすっかりもとどおりになった。私とつまんない喧嘩をしながら毎日キャーキャー騒いでる。 パパやママなんて、3週間の間いい子だった私と今の私を比べて、「また部屋汚くして!勉強は?お嬢様千聖を見習いなさい!」なんて言ってくる。 明日菜は「キモかった」「変だった」を連発した後、「おかえりなさい。」と呟いた。可愛い奴め。 結局私は、全ての記憶を取り戻すことはできなかった。 あの時夢で見たみたいに、ダイジェストみたいな形で、大まかな出来事は思い出せる。でも細かいことや、自分がお嬢様言葉で喋っていたり、可愛い服装をしていたことなんかは実感がない。 そういわれればそう・・・なのかな?という程度。 「ちっさー、本当に可愛かったんだよ。」なんて時々栞ちゃんが私をからかう。みんなは真顔でうなずいたりする。 「やめてよ恥ずかしいよ」 照れ隠しに変顔やったりしてごまかすけれど、お嬢様の話をされると、なぜかいつも胸の奥が甘くざわめく。 「まだここに、お嬢様の千聖はいるのかな。いたら面白いなあ。おーい。ごきげんよう。」 独り言をつぶやいて、胸をノックしてみても、当然何の反応も返ってこない。 それはみんなが知ってて、私だけが知らない、ひと夏の不思議な出来事だった。 次へ TOP
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改札をくぐると、運よく急行電車が入ってきたところだった。 ギリギリ乗り込むことができたから、どうやらそれほど遅刻しないで済みそうだった。 一応皆にお詫びのメールを打っておこう。 定型文を少しいじって送信したら、すぐに返事が来た。 “わかりました 気にしないで 私はもうつきました まだ誰も来てない 待ってます 目立つ格好してます 舞” 句読点がない。敬語。改行改行改行。怖すぎる。 舞ちゃんは基本大人びた子だけれど、どうも千聖が絡むと見境がなくなってしまう。 栞菜と千聖の事件を引きずりまくっているのはこの機嫌の悪い文章からも明らかだ。 思えば昨日の帰りも相当ひどかった。 みぃたんに先に帰るよう指示されたときは仁王像のような顔になり、私と愛理の不自然に明るいおしゃべりを聞いてる時の瞳の凍った笑顔は、一部のファンの人に殺戮ピエロと称されるあの表情そのものだった。 今日の話し合いの流れ次第では、舞ちゃんの感情が爆発してしまう可能性もある。 栞菜と舞ちゃんも仲のいい2人ではあるけれど、お嬢様の千聖をあんな状態に追いやってしまった相手のことを、冷静な目で見られるかはちょっと微妙なところだ。 舞ちゃんは決して冷めている子じゃない。 むしろマグマのように煮えたぎる思いをたくさん胸に秘めていて、いきなりそれをドカンと噴火させてしまうような恐ろしさがあった。 今日の私の役割は、お姉さんたちからの話(作戦?)をしっかり聞いて、舞ちゃんを宥めながら場の空気を良くしていくことなんだろうな。 私は私のできること・やるべきことで、グループの問題根絶を目指していこう。 「よしっ」 電車が目的の駅に着いた。気合を入れなおして、私は電車を降りた。 改札を目指して歩いていると、いきなり後ろから肩を叩かれた。 「なっきぃ、おはよ。」 「あれっ愛理も遅刻なの?珍しい~」 「何か眠れなくって、ぐずぐずしてた。」 深めにかぶった帽子をちょこっと上げて、愛理は困ったような顔で少し笑った。 「みんなもう着いてるかな?急ごっか。・・・なっきぃ、今日服の感じ違うね。」 「そ、そう?まあまあ気にしないで!」 本当に大慌てで家を飛び出してきたから、私は今日自分がどんな格好なのかよく確認していなかったんだけれど。 変な色落ちのジーパン(姉私物)に変な緑色のしましまTシャツ。しかもキモイみかんのキャラつき(妹私物)。変な色のクロックス。すっぴん。ダサダサ! きちんとコーディネートしてる愛理と比べて、なんていうか、私アイドルとしてどうなんだろう・・・ みぃたんが見たら、きっと自分のモサ服を棚に上げて大笑いするだろうな。 若干胃が痛くなってきたけれど、いつまでもボサッとしていられない。 愛理と2人、駅のまん前にあるファミレスに連れ立って入っていった。 「どこだろう・・・」 時間が時間だけにお客さんはあんまりいないけれど、入り組んだ造りになっているから座席の様子が見えづらい。 「なっきぃ、なっきぃ。ちょっとあそこ。」 きょろきょろしていたら、愛理が急に声をひそめてそでを引っ張ってきた。 視線を辿ると、奥の方にえりかちゃんとみぃたんの姿が見えた。なぜか深くうつむいている。 そしてその向かいには 「・・・何、あれ?」 遊園地とかによくいるような、でっかいうさぎの後頭部がのぞいていた。 店員さんも、うさぎの方をちらちら見ながら困惑した顔をしている。 「行っていいんだよ、ね?」 「ちょっと待って、愛理。」 私の頭には、小さい頃にデパートかなんかであのうさぎに追いかけられた恐ろしい記憶がよみがえっていた。 何年か前に読んだ本で、あの着ぐるみを着た変質者が女子高生をターゲットに連続猟奇的殺人を起こすというのもあった。 うつむいて動かない、みぃたんとえりかちゃん。心なしか震えているようにも見える。 もしや何かの犯罪に巻き込まれてる? テーブルの下で、ナイフか何かで脅かされてるのかもしれない。 「愛理、静かにね。」 何で舞ちゃんがいないの、とか 何で店員さんは通報しないの、とか そんな疑問をすっ飛ばして、私は思い込みの迷路の中に迷い込んでしまった。 「みぃたんたちを助けよう。」 「ええっ?なっきぃ?」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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オフ会大好きオフ会厨である為、似たような名前のコミュを建てている 夢.ひとひら http //sexi-sns.net/?m=pc a=page_c_home target_c_commu_id=9928 夢舞台 http //sexi-sns.net/?m=pc a=page_c_home target_c_commu_id=9344 夢屋敷 http //sexi-sns.net/?m=pc a=page_c_home target_c_commu_id=9430 規約違反該当日記とちの姫が凸した日記 http //sexi-sns.net/?m=pc a=page_fh_diary target_c_diary_id=837722 comment_count=18 さくらさんの日記(全員に公開) «前の日記 次の日記» 2009年 04月21日 02 09 2チャンネルによると・・・ 私は実は50代・・・・という噂が出ていたそうです。 おもしろいね それと、3月17日の日記で初めてバツイチがわかったそうです。 ずっと言ってるし、隠してもないのにね。 有名人になるってこんなことなのかなぁ・・・・ 会ったこともない人が、人の話の寄せ集めで書いてるから 人ごとのように見てしまいます 逐一日記も偵察に来ているようで・・・・ 御苦労さまだわ。 コメント 1番~20番を表示 2009年 04月21日 02 59 1 なおと ご苦労さん・・・ですよね~。 客観的にそして冷静に楽しんでるさくらさん、余裕の勝利ですね^^w 2009年 04月21日 03 03 2 さくら なおとさん 一度お会いしたことがあるなおとさんなら、 そのページみたら笑っちゃうと思いますよ 2009年 04月21日 03 24 3 春一番3 ハハハ(笑) 其なら僕70過ぎになりますね(笑) 2009年 04月21日 03 37 4 源 邪姫 初コメです。私は、そのページで、メンヘラ女の 男狂い。時々男に 噛みつくと 書いてありました。 笑えました。 2009年 04月21日 06 34 5 よしくん おはようございます[m(_ _)m] 女性の年齢は 関係ないよ[花束] 2009年 04月21日 06 38 6 Ra この日記も覗きに来られてるのかなw笑 2009年 04月21日 06 58 7 黒龍 へぇー、さくらさんって有名なんだ 2009年 04月21日 07 11 8 KOU 2chなんかに書き込みあるんだー(-.-;)y-~~~ ここで日記書かないから、叩かれる事ないだろうけど、もしあったらオフ会でお会いしたメンバーが!って事にw 怖いね(-_-) 2009年 04月21日 07 15 9 ちょこぷりん 読んだよぉ… さくらちゃん…強いね しかし、暇なヤツらが多すぎでしょσ(^_^; 2009年 04月21日 07 54 10 ゆきな(.ω.`) 見たw 面白いよねw 2009年 04月21日 08 02 11 まさとも 2Chは・・・最近公衆トイレに落書きするやつが少なくなった ってな程度のもんです(笑) 無視が一番。。。 2009年 04月21日 08 25 12 マダムテディーベアー 私も前に書かれた経験あるw 写真つきでね(苦笑) まぁーそのときはSEXIじゃなかったけど。 2009年 04月21日 09 12 13 アキ 2ちゃんねるに書かれてるんですかネット社会って、怖いですね 2009年 04月21日 10 31 16 G☆ 50代ってアハハ(笑) 影で悪口&毒吐いてる人って、自ら孤独まねくんだよね(笑) 不動で人を引き付ける女性って素敵だよね 逆は最悪最低 同情をかわない、その姿勢素敵です 何かあれば、あの人が…(笑)だね ねねね 2009年 04月21日 10 50 17 ひろさん 2chっていい噂無いので、あまり見ないなあ。まあ、強いさくらさんだから良かったけど、変な奴らが多くて困るねえ。 2009年 04月21日 15 28 18 ケンシロウ 怖いな・・・ オレもさくらさん会ってるから真実を知ってるよ♪ 50代なわけないのにね。 2009年 04月21日 18 46 19 Ⅲ世 そのページ見てみたいーーー!! 2chってなんでそんなに適当?なの チャンねらーってやだ・・・ 2009年 04月22日 00 29 20 黒龍 みんな こきおろすの好きよね^^; 1番~20番を表示 http //sexi-sns.net/?m=pc a=page_fh_diary target_c_diary_id=838206 さくらさんの日記(全員に公開) «前の日記 2009年 04月21日 13 37 今日はオフ会 よるお暇な方、一緒にオフ会楽しみませんかぁ 有名なさくらとお知り合いになれますよぉ 2チヤンネルのまとめwiki書いてる人も、 実際見にくればいいのに…さくらが50歳かどうか 会ってから書いてもらいたいものだわね 詳しいイベントの内容は、夢・ひとひらのコミュの イベントトピに、主催の女将さんが詳しく書いてくれてます。 見に行ってくださいね コメント 2009年 04月22日 13 04 21 ちの姫 ドマイナーキャラのみなさん、ご安心ください。 人気も知名度もsexiにとっての必要性もおまえらはちのたんの足下にも及びません。 精々規約を守って細々とsexiをお楽しみください http //sexi-sns.net/?m=pc a=page_fh_diary target_c_diary_id=904630 陽菜さんの日記 (全員に公開) «前の日記 次の日記» 6月6日のオフ会のお知らせ 悶々生活続行中の 陽菜です(笑) 悶々解消のために6月6日オフ会に行ってきます。 悶々解消のお手伝いをしてくださる方は、上のURLをクリックして、 イベントトピをご覧の上、主催者のSwingerさんにメッセしてくださいね。 人選はありますが、陽菜のマイセクさんだと言ってくだされば、 優先してもらえるかもしれません。 陽菜も2か月以上ぶりのオフ会参加で楽しみにしていまぁぁぁす コメント 1番~12番を表示 2009年 06月04日 02 32 1 H2O 楽しんで来てね。 2009年 06月04日 08 10 3 まさとも 行きたい・・・けど その日は無理(†_†) 7月まで・・・悶々生活です(涙) 2009年 06月04日 09 07 4 ひろさん めちゃめちゃ行きたいけど その日は予定が入っていて・・・・残念 次の機会を待ってようっと 2009年 06月04日 09 32 5 ゆうじ☆ 悶々解消のお手伝い出来ますように~♪(#^.^#)エヘ 2009年 06月04日 10 08 6 ミスターK 遠方でつ 結果報告楽しみにムラムラしてマツ 2009年 06月04日 15 26 7 マダムテディーベアー いいなぁ~オフ会・・・ 2009年 06月04日 16 58 8 Ⅲ世 お昼は・・・ 6月6日雨ザーざー とはならないように祈っておきます 2009年 06月04日 23 00 9 ルパン四世 6日はちょっと予定があり無理なんですよ またお誘い下さいー 2009年 06月05日 00 36 10 なおと 行きたかったけど、バンドの練習がブッキングしてますT_T 2009年 06月05日 13 35 11 トシ 行きた~い^^; でも、土曜日は… 思いっきり発散してきてくださいね~ 2009年 06月06日 14 32 12 拓海 行きたいなぁ… 今頃楽しんでるのかな あぁ仕事だぁ… 1番~12番を表示