約 485,753 件
https://w.atwiki.jp/gumdamblackcat/pages/348.html
【選別】 【選別・続――飽食の時代】 親まりさは衝撃に身を震わせた。何が起こっているのか把握する間もなく、体が宙に浮く。 「ゆゆっ! おそらをとんでるみたいなんだぜ!」 そのまま、投げられた。 「ゆぎゃべっ!?」 顔面に鈍い痛みが広がり、餡子を吐き出しそうになる。しかし、餡子を吐くということは人間でいえば内臓をぶちまけることと同義である。まりさは、懸命に口元を引き締めた。 「まりさ、家族はうまかったか」 声が聞こえた。冷たい、氷みたいに冷たい声だ。 本能が言う。逃げろ、ここにいたら殺される。あれには勝てない、と……。 「ま、まりさはむれでいちばんかけっこがはやかったのぜ! ゆっくりしないでにげ……ゆっ!?」 窓から飛び出そうとしたところで、身動きできなくなる。 「おまえの口は飾りか? 会話を成り立たせるところから始めなければならないのか? ……まあ、ちゃんと答えてもどうせ殺すけどな」 ――――― まりさは眼を覚ました。どうやら、あのゆっくりできない人間に眠らされていたらしい。 「起きたみたいだな。目覚めはどうだ?」 良いはずがない、そう言おうとしたところで気付く。 口が、開かない。 「餡子を吐き出してしまうとすぐに死ぬからな。ちょいと細工させてもらった。木工ボンドと溶いた小麦粉、澱粉のりにセメントとアロンアルファ……他にもたくさん使ったなぁ」 まりさの口は、接着剤によって固められたのだった。上唇も下唇も、ぴくりとも動かない。 「口を聞けない口なんか、要らないよな」 「んんんごんむぐぐ……」 「あはは、面白い顔だな。それじゃあ、この辺からいってみようか」 ――――― 俺は注射器を手に取った。中には、真っ赤な液体が入っている。鋭い針をまりさの頬に突き刺して、液体を全て注ぎ込んだ。 「んごんぐぐぐ……」 まりさが奇妙なダンスを踊り始める。おかしな表現だが、それは狂った人形を想起させた。 液体の正体は、 「激辛ラー油」だ。 ゆっくりにとって、辛いものはすなわち激物である。唐辛子を食べた赤ゆっくりが破裂した、なんて話もある。 「むぐんごぐぐ……! ごんんん!」 まりさは全身を真っ赤に染めて、ぐねぐねと跳ね回る。見ていて飽きない、自動人形の珍妙なダンス。 ゆぎゃああああ! からだがあつくていたいんだぜえええ!ゆぎぃぃぃ! にんげんはまりさにゆっくりさせるんだぜえええ! ゆがぁぁぁいだいいいいいい! んぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! ――――― 「次はこれだな」 まりさは完全に意気消沈していたが、そんなことはどうでもいい。 「口の次は、眼をいこうか」 裁縫箱から、針と糸を出す。暴れないように、針でまりさの底面下部、ゆっくりで言うところの「あんよ」を傷つける。 ぷす、ぷす、ぷす……。針があんよを突き刺すたびにまりさは身もだえしていた。 「んぎゅっ! ぐびっ! ごぶっ!」 ぴくぴくと痙攣し始めたまりさを抱えて、片方の眼、瞼に糸を付けた針を勢いよく刺した。 「んぐぅぅぅーーーーーー!!」 瞼を縫いつけられる痛みは想像を絶するものだろう。まりさは餡子の涙を流していた。 「呪怨にこんなやついた気がする」 そんなことを言いながら、両方の眼を縫った。 ――――― おめめさんがいたいいいい! ゆわあああ! まりさのぱっちりおめめさんがみえなくなっちゃったのぜえええええ! ――――― 放置して数日が過ぎた。ぷるぷると動いているから、まだ生きているようだ。 叫び声もあげられぬ絶望の暗闇のなかで、まりさはどんなことを思っているのだろうか。 ――――― ゆんゆんゆゆーん♪ まりさはむれのたいしょうなんだぜ! ゆんゆんゆゆーん♪ まりさはつよくてかっこいいんだぜ! ゆんゆんゆゆーん ゆんゆんゆゆーん ゆんゆんゆゆーん ゆんゆん………………。 ――――― 生きることに、善も悪もない。俺は生きるために魚も肉も野菜も食うし、あまつさえそれに評価を付ける。うまいかまずいかで、食べるか食べないかを決める。 ……もしも食料が何にもなくて、家族を食わねば自分が死ぬ、という状況になったとき。 俺はどうするのだろう。大人しく食われるか、それとも食うか。家族全員、仲良く共に飢え死にするのか。 「家族を食べる」ことに一点の疑問も持たなかったこいつに腹を立てた俺という人間は、はたして立派な人間なのだろうか。 まりさの干からびた死体をちぎって蟻の巣の近くにばらまきながら、そんなことを考えていた。 完
https://w.atwiki.jp/syuramesi/pages/102.html
パン 修羅場の時の食事(゚д゚)ウマー 126 126 名前:名無しさん@どーでもいいことだが。:01/12/08 10 11 ID s14BiOuK 食パンにバターorマーガリンをタプーリ塗る。 ↓ スライスした生トマト、刻んだハムorベーコンをのせ、溶けるチーズを散らす。 ↓ トースターで3~4分チン!! ↓ ピザトースト風で(゚д゚)ウマー
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/895.html
「――よし、これで準備完了だ。」 リョウの手によって立ち上げられたディスプレイ群。 青を背景にどの画面にも等しく“Xi‐column”という文字が並ぶ。 「あとは……ディー君、これを。」 そう言い手渡されたのはいかにもと言った感じの物々しいヘッドギア……らしき何か。 黒い革張りに無数の電極が打ち込まれており、それから伸びるケーブルのどれもがXiカラム本体へと繋がっていた。 「それを付けて瞳を閉じ、知りたい事を頭にはっきり思い浮かべるといい。後はXiカラムが何とかしてくれる。」 「これを被って、なぁ……」 手に取りまじまじと見つめてみる。 作り自体は嫌にしっかりとしているのが却って怪しさを倍増してくれている。もうちょっと何とかならなかったんだか…… 「見た目は被れば気にならないよ。」 「そりゃ見えないもんな……」 そういう問題じゃねぇ――という文句を飲み込みながら渋々脇に置かれていたオフィスチェアーに腰掛ける。 今はこれしか手がかりが無い。文句を言っている場合じゃないのも分かるが…… 「ディー。」 などと考えつつ被ろうかとしていると正面からアリスの声。 ヘッドギアの下から覗き込み、何か言いたげな表情をしている。 「?」 「私も共に行こう。ソートシンク。」 「!?」 瞬く間に白い光となり目の前より消失するアリス。 あの銀色のに変身するのかと身構えるものの、予想を裏切りまるで変化が無い。 <ソートシンク。ソートアーマー以下の事象励起をもってリンクしたある種の基底状態だ。これならば予備動作無しにソートアーマー形態に移行する事も可能な上、身体能力のある程度の向上も見込める。> いきなり身体の裏側から響くアリスの声に一瞬戸惑うものの、こんな経験もいい加減慣れてきた。もうどうにでもなれ。 <精神面でのリンクもソートアーマーと同等。2度装置を使う手間も省けるというわけだ。> 「ふーむ……2人で相乗りか。こんなケースは多分初めてだが、まぁいいだろう。」 <頑張ッテネェ~ン!> 頭をすっぽりと包むヘッドギア――と言っていいのかどうか良く分からない物体X。 中は真っ暗。外の音もくぐもって聞こえる。 「では、ゆるりと楽しんできたまえ。」 「!!!」 リョウの声と共に、ガチリというレバーの動く音が聞こえた。 その直後脳天より突き刺さる強烈な衝撃。それが何なのか分からない内に、俺の意識は途絶えて消える事となった…… 真っ直ぐ伸びながらも捩れた螺旋。 3面しかない4面体。 輪は円を結び繋ぐ紐より、唐突に漏れ出で落ちて逝った。 黒い泡はごぽりと沸いて、大いなる深淵は愉しげに鳴り渡る。 (――――) ――全ては正しくなかった。だが全ては正しかった。 誰かがそこに居た。紅い影。けたたましく廻り、嗤う。 ――何もそこには無かった。故に総てがそこにあった。 誰かがそこに居た。黒い影。雄々しく、強大にして、重厚。 ――総てがあった。目に見えるモノ以外の総てが。 誰かがそこに居た。灰の影。鋼鉄の歯車が噛み合い、超越の重低音を掻き鳴らす。 ――だがありはしない。こんなモノ、在りはしない。 誰かがそこに居た。白い影。揺らめくそれは、冷たく、静かに。 ――そう、本来在りはしない存在達。だが、“ここ”には確かに在る。 誰かがそこに居た。影無き影。光無き眼。破壊の象徴。狂える豪腕。白銀にして暗黒。それは―― (――――ッッ!!!) ……理解するよりも遥かに先に過ぎって行ったイメージ達。 俺が何を見たのか。それを理解出来るモノはこの宇宙に誰1人としていやしない。 セカイ外の存在。 僅かに流入したアリスの知識が教えてくれる。 それは世界の怨敵。憎悪の向かい手。 遥か過去より、未来より、あるいはそれ以外より、「既知たる“O”」の使者としてセカイを狂わす悪しき者達。 「それが君達が相手取ろうとしている敵だ。」 それが―― 「その力はあまりにも強大。ありとあらゆる理に縛られないそれらを止める事など出来はしない……破壊のロストフェノメオン“eXar-Xen”を除いてはね。」 イグザゼン…… 「――良く来たね、ディー・リングダム、そしてアリス。イグザゼンに魅入られし“御する者”にして定めの子らよ。」 ――Alice. part 気が付いた時には――ただ、1人だった。 “私”がいたのはあの部屋。記憶にあった子供部屋。窓際に座った私の半身を木々の合間から窓より差し込んだ、穏やかな日差しが明るく照らす。 (――――) 普段着る事のないような洋服――スチームヒルでの服屋で見かけたようなそれ――を身に纏い、木の椅子に腰掛ける“私”。 目の前には白いキャンパス。手元には使い古したクレパスがあった。 (――――) これは現実なのだろうか? 分からない。Xiカラムが私に見せているのだとすれば、これは“いつ”で、“何処”の、像なのか。 (――――?) 人の気配。 扉の向こうから“誰か”がこの部屋に入ってきた。 靄のかかったような――酷く曖昧なそれは、人の形をした雲のようにも見える。 ―――――――――。 それは、私に対して何かを言った。 言葉だ。人の言葉だ。だが―― “聞こえない。” 遠いのだ。あまりにも遠いのだ。 その声は、遠い過去か、遥か未来か……物理的にも、時間的にも、あまりにも遠い所より放たれた声。いくら耳を澄ましたところで、今の私には決して届く事は無い。 Xiカラムは過去をも映すと言っていた。 ならばこれは過去の話か?だがセカイ外の事象を映すとも言った。交わらない時間軸の更に向こう側で起こった事――それがこの事象の正体だろうか。 ――――――?―――――――。 ……ともかく、全てを越えた先より聞こえた声は、だがしかし“私”の耳には届いたらしい。 “私”は小首を傾げ、しばし思慮を巡らしていたようだが、やがてその「何か」に向け ―――――――! 今の私には眩しすぎる、花の咲いたような明るい笑顔をもって言葉を返した。 ――D.part 誰かが、目の前にいた。 その姿は酷く朧げで、今にも消えてしまいそう。 「お前は……?」 「僕は“観測者”。セカイの、セカイ外の悉くを俯瞰し、理解する者。君が来るのを知っていた。遥か未来より、遠き過去より……あるいは、それ以外より。」 わけの分からない事を言う“観測者”と名乗る何か。 その言葉の意味を考える前に、俺は自身の違和感について口を開いていた。 「?……アリスは!アリスは何処だ!!」 俺と共にXiカラムを用いたはずのアリスの気配が無い。 半身を失ったような喪失感と違和感。 「ああ。彼女は彼女で然るべき所に居るよ。心配する必要は無い。君は君で自身が知るべき事を知るといい……君が望む家族の居場所をね。」 その声を合図に、色無き光景に“色”が映る。 巨大なビルが空を突き刺す摩天楼。その内でも一際高い建物。 そのとある1つの窓に視点は集中した。 「ベル……!」 外の景色を力無く眺め、腰掛ける人影。 見間違える筈が無い。ベルの姿がそこにあった。 思わず手を伸ばす――が、届く事は無い。 「“ここ”で出来る事は観測する事のみ。干渉する事は不可能だ。」 歯痒い。 こうまで近くでその姿があるというのに。何も出来ないなんて…… 「さて、時間も無いので次へ行こう。」 “色”が消え、異なる“色”が映る。 次に映されたのは酷く暗い場所。恐らく地下。そしてただ1人椅子に座る人影。 「バール……!」 「さっきの彼女と同じ場所。ただ、警備は酷く厳重。」 「くそっ……!」 何故あんな目に遭わなければいけない?あまりに酷い仕打ちに怒りが込み上げる。 「さて、次が最後――ウェルの現在地だ。」 映し出されたのは 「……水の中?」 滑らかで、人工的な壁に囲まれた水中。天より差す光によって明るく煌く。これってもしかして…… 「――――!」 そんな中を悠々と横切っていった黒い影。魚の類ではない。もっと大きな、別の何か。 それは大きさに反して細長く、水中にてゆらりと揺れる。 「…………」 そして停滞。太陽の光を背に無数に本体より伸びた足のような物を広げ、黒く浮かび上がる異様なシルエット。槍のように尖った頭部らしき部分に一対の赤く鋭い眼光が走る。 「――――ッッ!!」 “目が合った。” そんな筈は無いのに、どうしようもない悪寒が全身を震わす。 手は震え、視線は定まらない。ただ一睨みされただけだというのに。 「――「深底」のオーバードフェノメオン「アビスワン」。君が直面している“脅威”の名だ。」 同時に爆音。周囲の“色”がブレる。 「――ッ!!」 「急いだ方がいい。手遅れにならない内に。」 目の前の影もゆっくりと更に薄れていく。 「待てよ!お前は一体……!」 「いずれまた会えるさ――僕は“観測者”にして“探求者”。「未知なる“Ⅰ”」を探す者。君が君であれば、きっと……ね。」 色のみならず思考もぼやける。 息が詰まる。声が出ない。去っていくその影に対し続ける言葉が出ない。 光が失せ、闇が失せ、全てが失せ、そして―――― 「――――ッ!!!」 次に気が付いた時には、俺の心は元の――Xiカラムのある部屋へと戻っていた。 さっき感じた鈍く響く振動。それは変わらず部屋を揺らす。 「やぁ、やっとお目覚めかい。さっきからこっちはこうやって揺らされてて大変なんだよ。」 <ミ、水……我慢デキネェ!全部ダァ!!> そういうのは、何処からどう見ても大変そうには見えないリョウと、その下で回るミッチー。 「アリス……!」 <話は後だ。どうやらオーバードフェノメオンの類がここを襲撃しているらしい。> 俺の内より響くアリスの声。 よかった。いなくなったわけじゃなかった……なんて思うと共に、頭上より響く衝撃に意識を回す。 「……「深底」のオーバードフェノメオン「アビスワン」だっけ?」 <ああ……何処からかは分からんが、どうやら同じモノを見ていたようだな。> “観測者”がウェルの居場所と言い指し示した機械仕掛けの怪物の名。 どういう事かはよく分からないが……ともかく 「リョウ、ミッチー、お前らは早く逃げろ!ここは長く保たねぇぞ!!」 衝撃のたびに天井よりの浸水が激しくなっていく。 どうやらこの壁一枚隔てた場所は湖の底らしい。 「ああ、健闘を祈ってるよ。ミッチー!」 <ガッテンダー!!> 入り口にあった分厚い隔壁がゆっくりと閉じていき、その合間をミッチーに跨ったリョウが素早くすり抜けていく。その姿を見送った後 「じゃ、行くぜ。イグザゼン、ソートアーマー!!」 白い閃光。そして瞬間的に巻き起こる旋風。それは俺の姿を白銀の甲冑へと変える。 直後、それでトドメを刺してしまったのか崩落する天井。莫大な量の水が瞬く間に“落下”し、周囲を真っ青に染める。更に 「ちょ!うぉあー!?」 追い討ちとばかりにこちらに向かって襲い来る白く腕ほどの太さはある何かの群れ。 慌てて回避するもその内の1本が足に絡まり捕われてしまう。 「~~~~~!!!」 それに巻き上げられ猛烈な勢いで水中へと放り出される俺/イグザゼン。 <落ち着け。動作の基本は陸上と同じだ。> 「っ!!」 半ば反射的にイグザダガーを顕現化。 逆手に持ち、それを輪切りに切り捨てる。力が緩まり、湖底に沈んでいく先端のそれ。 残りの部分も後方へと退いていくが 「……?」 おかしい。 足があるなら本体もあるはずなのに、その姿がまるで見えない。 <励起反応も皆無……奴め、強力な迷彩機能を持っているようだな。> 浮遊しつつ辺りを見回す。視界はそこまで良くは無い。上を見上げても水面が見えず、下を見れば底無しにすら思えてくる。何故か魚は一切おらず、何処か異様な雰囲気も感じる。 「一体何処に……?」 <こちらの様子を伺っているのか。それとも――――ッ!> 上方より襲来する殺意。 直後、猛烈な勢いで俺を掠める黒い何か。巻き起こる強烈な水流はイグザゼンを軽々吹き飛ばす。 「くそっ!」 <下だ!> Uターンして更に襲い来るそれを翻りつつ辛うじて躱す。黒い影はそのまま直進し、こちらが反撃の態勢を整える前に青い闇の向こう側へと消えていった。 「ッ!」 奴が消えた方角より迫る何か。 それを見て、考えるより尚早く両手を胸の前に伸ばす。瞬時に形成されるベクトル干渉の力場。それに触れた数発の細長い砲弾のような何かは全弾あらぬ方向へと消えていった。 「!」 それを見届けてかまたもや迫る黒い影。身を捩じらせ躱わし、お返しにと数本のダガーを投擲してみるが、まるで当たらない。 「くそっ、早ぇ……!」 こっちは慣れない水中だと言うのに、向こうのイカのバケモノはそんな事知った事かと半ば一方的に攻め立ててくる。これじゃ駄目だ。突撃も砲撃も今は一応避けられているが、これも長くは続きそうに無い。どうすればいい。どうすれば…… 「……そうだ!ソートギガンティック!あれを!!」 同じオーバードフェノメオンであるビルドグランデを実質一撃で葬ったあの力ならこいつだって恐るに足りないだろう。そう思いアリスに向け言葉を投げかけるが <ソートギガンティックはイグザゼンの能力をほぼ全て攻撃へと転じた“解”。今こうして浮遊している為の空間制御能力さえ余す事無く失う事となる。 ベクトル干渉なら多少は扱えるが……それだけであの超重量を支えるは出来ん。それに顕現中は無防備な上、行った所で湖底へと沈んでいくのが関の山だ。今行うのは妥当ではない。> 「……要約すると、使えないと?」 <そういう事だ。が、まだ手が無いわけではない。> その直後、背後より過ぎる影。 その正体は言わずもがな愚直にも手も変えずまた突っ込んできたイカ野郎。不意打ちでも4度もやられれば多少は慣れる。 <今だ!組み付け!> 「つぁああ!!」 紙一重の所を通過する奴の横っ腹にダガーを突き立て、しがみ付く。 暴れるアビスワン。だが離してなんてやるものか。 <ステルスパターン解読――確認。視覚に出すぞ。> 今まで黒い影や朧げにしか見えなかった奴の姿が克明に映し出されていく。 その姿は酷く醜悪にして凶悪な姿をしたイカといったところ。鋭角的なボディーに刺々しい先端を持つ足。全長はソートアーマーの10倍程はあるだろうか。 「……そこか!」 更に浮かび上がる“楔”の位置。 体表面近くにあったらしく、容易に発見出来た。 「イグザブレイド、顕現化(マテリアライズ)!」 右の腕に生じる銀の長剣。 左の腕の短剣で体を支えつつ、“楔”のある場所に馬乗りになりつつ力を込めて剣を構える。 ――――eXar-Xen might access 同時に超常の力が剣に宿る。 内包する「破壊」の力は如何なる怪異の存在も許しはしない絶対的な力。 受けたモノは悉くが塵芥と消える事になる。 「これでとど……め?」 だが、“楔”の内部を直視して、俺はその刃先を止めざるを得なくなってしまった。 「……な、何で……?」 <これは……> 今まで必死になっていてすっかり忘れていた。 ――――あの“観測者”はウェルの居場所にこの怪異を指していた事を。 「――――」 俺の視線の先。 薄いオレンジの色をした膜――アビスワンのセカイの楔――その中に、膝を抱え穏やかに眠るウェルの姿があった。 01010101010101011110010101011――!!! 俺が何も出来ないのを見て嘲笑するように、アビスワンは高らかに吼えた。 直後、爆発的に放たれた事象震。放心状態で捕まる事も忘れていた俺は、紙切れのように吹き飛ばされた。 ――Abyss- One_ Materialize ビルドグランデの際も聞こえたノイズに混ざった電子音。 同時にアビスワンの内部が“裏返り”、超越的に、猛烈な速度で変形、構築、顕現していく。 その行程があらかた終わった時、その姿は既にイカのそれでは無く、触腕を束ねた歪な四肢を持つ奇怪なヒトガタへと変貌していた。 「何てこった……」 心の底より吐き捨てるように言う。 俺/イグザゼンを見下げるアビスワン。その内には間違いなくウェルがいる。 俺は、俺はどうすれば…… 原始の闇近い湖底にて対峙する銀の異形と、その掛け替えの無い者を孕んだおぞましき異形。 彼は断てるか。彼は討てるか。彼は、救えるか……? ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
https://w.atwiki.jp/tekitoudng/pages/21.html
生徒会 このページでは、本キャンペーンに投稿された生徒会陣営のキャラクターの一覧を記載します。 五十音順にソートしてあります。 全てのキャラクターについては総合名簿を、番長G陣営のキャラクターについては番長Gを、転校生陣営のキャラクターについては転校生を、それぞれご確認ください。 記載された情報について誤りや疑問点がある場合には、お気軽に本スレにて御指摘ください。 キャラクター名 性別 学年 攻 防 体 精 FS 特殊能力名 発 成 分類 紅井 叫司 男性 2年 10 0 3 3 14 ファントム・レクイエム 100 100 それ以外 アキカン10³神 無性 その他 3 3 3 3 18 アキカン³ 97 50 術師 斧寺 春 女性 1年 1 15 7 5 2 丘の上の熊 102 100 ブロッカー カベクイグソクムシ 男性 1年 0 5 5 3 17 スタイリッシュ虫食い 100 100 術師 姦崎姦 男性 3年 12 1 5 5 7 7th Heaven(セブンス・ヘブン) 82 100 それ以外 機動乙女アストレア 女性 2年 20 2 5 3 0 エロティック斬! 92 0 アタッカー 桜縁 女性 2年 0 3 10 5 12 一人団体チアリーディング 96 100 それ以外 人造神 アル=ダ=ノーヴァ 男性 その他 20 1 2 3 4 神意~プロヴィデンス~ 93 100 アタッカー 新入生殺しの多田 女性 2年 15 2 9 3 1 キルワン 45 100 それ以外 スマホ依存の近藤くん 男性 2年 1 15 8 5 1 悪魔の呟き 89 0 ブロッカー 芹沢増男 男性 1年 2 2 6 5 15 筋肉革命(マッスルレボリューション) 100 100 術師 ダヴォス・シーワース 男性 その他 12 6 7 5 0 ショートハンド 90 100 それ以外 只野 海仁 男性 1年 10 5 7 4 4 負けの美学 91 100 それ以外 田中さん五郎 男性 1年 5 6 9 4 6 即席落とし穴 100 100 それ以外 探偵Gと秘書E子 両性 3年 12 2 10 4 2 三擦り半の推理劇場 74 100 それ以外 十薬シブキ 女性 1年 0 0 8 4 18 アナタの為のこの命 100 100 術師 虎子 無性 1年 12 1 5 3 9 傷んだ赤の白昼夢 75 100 それ以外 一 壱九四 女性 1年 15 3 7 2 3 威嚇射撃! 78 100 それ以外 伴 走子 女性 1年 15 0 7 3 5 走子BANG! 100 100 それ以外 不確定な切り札くん 男性 2年 20 0 5 3 2 ……なんだよ なんなんだよ、この力は! 101 100 アタッカー 福篠単波 女性 3年 18 1 3 4 4 応急対所攻撃 96 100 アタッカー フジキ 男性 3年 12 5 6 4 3 禍炎来打・火々鬼 70 100 それ以外 フロレンツィア・ビブリオテーク 女性 2年 3 11 12 4 0 ツェーレンブーフ 90 0 ブロッカー 編集者アキカン 無性 その他 3 3 3 3 18 ヒトノカベ 77 100 術師 キャラクター名 性別 学年 攻 防 体 精 FS 特殊能力名 発 成 分類 重坂 阿諛香 女性 2年 0 0 4 4 17 魔粧敦盛 ?? ?? シークレット 超闇黒大魔エクストラ最終兵器 無性 その他 1 1 2 3 18 究極帝王裂空因果天黒光 ?? ?? シークレット 放射能ちゃん妖精 無性 3年 0 0 5 10 10 人間解体 ?? ?? シークレット 真野逆 男性 2年 1 1 4 4 15 鏡写しの世界 ?? ?? シークレット Mr.スカー 男性 その他 0 0 10 1 14 ステアウェイ・トゥ・ファントムルージュ ?? ?? シークレット 総合名簿へ移動<<|メニューへ移動|>>番長グループへ移動
https://w.atwiki.jp/starlight0672/pages/11.html
生徒会執行部役員を選出する選挙のこと。選挙権はもちろん、被選挙権も全学年の生徒にあります。 各役職の立候補者たちは、立会演説会やポスターなどで、意気込みをみんなに伝え、それをうけて投票が行われます。もし、ひとつの役職に2人以上立候補者が出た場合は、誰が相応しいか、という選任投票、1人しか出なかった場合は、その人が役職に適しているか、という信任投票になります。 最近信任投票が多く、選挙の活発化が叫ばれています。行われるのは2月。本学園一大イベントのひとつです。
https://w.atwiki.jp/syuramesi/pages/225.html
卵料理 修羅場の時の食事(゚д゚)ウマー 353 353 名前:男の手抜き料理:02/01/18 01 30 ID /04w1Dan オイル漬けタイプのツナ缶を、熱したフライパンの上にオイルごとぶちまける。 卵を割り入れてかきまぜれば、30秒でツナ炒り玉のできあがり。味付けは、 1)醤油 2)ケチャップ 3)カレー粉 などで。いずれも、チープ&シンプルにして栄養価も高く(゚д゚)ウマー
https://w.atwiki.jp/dmseitokai/pages/569.html
ズバリ、生徒会に入る方法とは。
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/870.html
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/287.html
第30話『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。天まであがれ!(後編)――』 四人は大凧を公園に運んできていた。運ぶこと自体は大変ではなかった。 その大きさに比べて、驚くほどに軽いのだ。それでいて、とても頑丈にできている。あらためて大変なものだと感心する。 せつなは緊張した面持ちでタコ糸を握る。凧の骨組みは強靭で、生地も和紙ではなく布地だった。糸もとても丈夫な素材で作られていた。 揚げ方の簡単な説明は聞いていた。でも、それは主に怪我をしないための配慮であり、成功を願った助力ではなかった。 ラブと美希が左右から凧を支える。引っ立てと呼ばれる役目だ。凧の糸が張った瞬間に上に押し上げるように離す。 祈里は尾っぽ係りだ。尻尾が絡まないように束ねて、凧の浮上と共に手を離す。 揚げるのはせつな一人。それがせつなから切り出した約束だった。 周囲には軽く人だかりができていた。 ジャージ姿の女の子が、大きな凧を抱えて揚げようとしているのだ。人目に付かないようにするなんて不可能だった。 中にはおじいさんの姿もあった。大凧揚げは危険を伴う。観衆が近寄り過ぎないようにロープを張っていった。 「ラブ、美希、ブッキー、準備はオーケーよ。行くわ!」 『オーライ!』 十分な準備運動を終えたせつなが助走のモーションに入る。 ラブたちはカウントを数える。 「「「3――2――1――」」」 『GO!!』 『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。天まで上がれ! (後編)――』 勢いよくせつなが走り出す。放たれた凧が上昇していく。周囲から歓声が巻き起こる。 しかし、それも長くは続かなかった。 風が弱くて浮力が足りないのか、せつなの揚げ方に問題があるのか、たちまち失速して落下してしまった。 がっかりする人々。表情一つ変えないおじいさん。せつなたちは黙々とスタート地点に凧を戻す。 容易なものではないことくらい、始めからわかっていた。 大切な凧を傷付けないように、慎重に準備してから再び走り出す。 しかし、やはり十メートルも揚がらないうちに落下してしまう。 せつなたちはあきらめず、何度も何度も繰り返した。 飽きたのか、諦めたのか、観衆は一人、また一人と去っていく。 開始から一時間が経過したところで、せつなの足がもつれて転倒した。三人が駆け寄る。 せつなの息は上がり、足も腕も震えていた。 大凧の抵抗を受けながら全力で走る。それはタイヤをいくつも引いてダッシュを繰り返すようなものだ。 体力には自信のあるせつなにも、相当に過酷な負担であった。 「せつなちゃん、もうあきらめよう。こんなの一人で揚げられるわけない」 「大凧って、何人かで協力して揚げるんじゃなかったっけ?」 「せつな……。大丈夫?」 「あきらめないわ。無理をお願いするんだから、こっちも無理を通さなきゃいけないの」 せつなは立ち上がり、ふらふらと落下した凧を取りに向かう。 全長四メートル。大凧としては小さな部類に入る。体格のいい慣れた男性なら、一人で揚げてしまう人も存在する。 でも、せつなの体は女性の中でも決して大きい方ではなかった。まして凧揚げなんて、生まれて始めての経験だった。 その後も、休憩を挟みながら凧揚げは三時間も続いた。空が暗くなり、これ以上は無理と判断する。 「気は済んだか? 根性は認めてやるがもう諦めろ。凧は返してもらうぞ」 「待って――ください! まだ降参はしていません!」 「まだやるつもりなのか?」 「期限は決めてないはずです。揚がるまでやります!」 「――好きにしな。凧は壊しても構わねえが、怪我だけはするんじゃねえぞ」 「ありがとうございます」 せつなは寒い中を一日中付き合ってくれた、ラブと美希と祈里にも丁寧にお礼を言った。 明日からは、なんとか一人でやれるように工夫するからって。 みんな何かを言いかけて、その言葉を呑み込んだ。せつなは一度言い出したら、決して聞くような性格ではなかったから。 夕刻の桃園家の食卓。 色鮮やかなお刺身が並ぶ。今夜は手巻き寿司だった。 熱々のお吸い物から湯気が立ち昇る。とても楽しい食事になるはずだった。 だけど――そこに、せつなの姿はなかった。 「ラブ、せっちゃんはどうしたんだ?」 「どこか、具合でも悪いの?」 「そうじゃないんだけど……。凄く疲れてるみたいで、部屋に戻るなり寝ちゃったの」 「凧揚げね、女の子の遊びじゃないのに……。無理して体を壊さなきゃいいけど」 「起こせないのか?」 「ごめん、起こしたくない」 いつもなら、花が咲いたように明るい桃園家の食卓。でも、せつなが一人いないだけで凄く寂しくて。 みんな口数も少なく、静かに食事を終えた。 コンコン コンコン コンコン 時間を開けながらの三回のノック。あゆみがお盆を抱えてせつなの部屋の前で待つ。 普段なら、寝ていても足音だけで目を覚ますような子だ。よっぽど疲れているんだろうと思った。 「おかあさん、ごめんなさい。こんな時間になってるなんて……」 「いいのよ。お雑煮を作ってみたの、これなら消化もいいわ」 一階に降りてちゃんと食べると言うせつなに、あゆみは部屋で食べることを促す。 少し二人で話したいと思ったのだ。 美味しそうにお餅を食べるせつなを、あゆみは優しく見つめる。 別に病気って訳ではないのだから、目が覚めれば元気なものだった。 食べている中で、せつなの手のひらが赤く擦り剥けていることに気が付く。少し血がにじんでいるようだ。 あゆみは救急箱を取りに戻り、手当てをしながら今日の出来事を詳しく聞いた。 「そうだったの。できるなら止めたかったけど、それじゃあ無理ね」 「心配かけてごめんなさい」 「いいのよ、わたしも職人の娘だもの」 「源おじいさまって、どんな方だったんですか?」 「その方と似てるわよ。一針一針心を込めて縫いこんでいくから、畳には価値があるんだって」 「職人って、幸せに対して妥協しない人のことなのね」 「そうね、機械縫いの畳や絨毯なんかとは最後まで相容れない人だった」 そして、そんな自分が時代から取り残される存在であることにも気が付いていた。 だから、圭太郎に跡を継ぐことを勧めなかったんだって。 心が痛む。ここにも――居たんだ。幸せの輪から外れそうになりながらも、懸命に頑張っていた人が。 きっと、おじいさんと同じような寂しさを感じながら畳を縫っていたんだと。 その技術が自分の代で途絶えることを知りながらも、決して最後まで信念を曲げなかったんだと。 「おかあさん。私はおかあさんが買ってくれたこのベッドも好きだし、ラブの畳のベッドもどちらも好きよ」 「うん、そうね。それでいいのよ」 「凧も、おじいさんのためだけに揚げてるんじゃないの。何一つ上手くいかない凧揚げが、楽しいと思ったの」 「せっちゃんを手こずらせるなんて、その凧も相当なものね」 「うん、だから――思い切ってぶつかってみる。凧にも! おじいさんにも!」 せつなは瞳を輝かせてあゆみに宣言した。精一杯がんばるわって。 あゆみも、それでこそわたしの娘よって、そう言ってせつなを抱きしめた。 そして、紙袋をせつなに手渡す。 それは、圭太郎がデパートを駆け回って探してきたもの。柔らかい羊の毛皮で作られた手袋だった。 これなら手の感覚を妨げずに、糸の摩擦から手を守ってくれる。彼もまた、せつなが諦めないことを確信していたのだった。 早朝の公園。せつなは凧を支えるための台を作ろうとしていた。棒状で地面に差込むタイプだ。 物干し竿の台座のような形状で、少し引っ張れば倒れてしまうように浅く差し込む。万が一にも凧を引っ掛けないための配慮だった。 しかし、いざやってみると思うようにいかない。昨日よりも更に浮上具合が悪いように感じた。 手を離す瞬間に、軽く上に押し上げてもらう。ほんの小さな力なのだが、それがないことが原因だと思えた。 そんなところまで器具で再現はできない。無い物ねだりをしても始まらない、今ある状況で頑張るだけだ。何度も繰り返し挑戦した。 「あ~もうやってる。せつな、早いよ!」 「見てられないわね、ほら貸しなさい!」 「待たせてゴメンね、せつなちゃん」 「みんな……。どうして?」 「せつな抜きで遊んでも楽しくないよ」 「今日だけじゃ済まないかも知れないわよ?」 「いいわ、冬休みが終わるまでだって付き合うわよ」 「昨日だって、結構楽しかったよ」 みんな、せっかくの休みを返上して付き合ってくれるという。 せつなの胸が温かくなる。勇気が湧いてくる。そう、四人一緒で出来ないことなんてあるわけがないんだ! 「「「3――2――1――」」」 『GO!!』 十メートル、二十メートル、徐々にではあるが揚がる距離が高くなっていく。 しかし、そこまでだった。どうしても風に乗り切らずに落下してしまう。 あるいは、せっかく風に乗ってもバランスを崩して横滑りして落ちてしまう。 おじいさんが言っていた、職人の教えを思い出す。 (迷わず、一心に数をこなせ。後は指が教えてくれる) 一心に数をこなす。でも、それだけじゃ駄目だ! 指が教えてくれる? 指? 今までは、凧の動きを目で追って操作しようとしていた。それではタイミングがどうしても遅れてしまう。 指が握っているのは糸。何のために四十三本もの糸が取り付けられているのだろう? 操作するために決まっている。バランスを取るために決まっている。その四十三の糸を束ねる一本を自分は握っているんだ! 凧の動きは――風の動きは、糸が教えてくれる。それを指で感じとるんだ。そのために数をこなすんだ。 凧が大きいからって、自分の操作まで大雑把になる必要は無い。 大きくたって、繊細に作られている。そんなのわかっていたはずなのに。 感じろ! 空と自分とを糸で繋ぐんだ。 糸がたるむ前に引いてやる。糸が引っ張られる前に送ってやる。 これは大空と自分との綱引きだ。綱引きのコツなら知っている。ただの力比べなんかじゃないって! ほんの小さな風を逃がさずに掴む。風に対処するんじゃなくて、風を予測して操る。 徐々に、しかし、目に見えて凧が大きく揚がるようになって行く。 そして、ついに高く、高く舞い上がった! 「やった! 揚がった!!」 「せつなっ!」 「せつなちゃん!」 グングンと高度が上昇する。糸を送る速度が追いつかない。 そして、突風! せつなの腕がもげそうなくらい強く引っ張られる。両手で支えるものの、体が一瞬浮き上がり引き倒される。 そして、そのままズルズルと地面を引きずられた。 「痛ッ――!」 「せつなっ! 糸を離して!!」 せつなは決して離さない。そのまま数メートル引きずられて凧は落下した。 「くっ、後少しだったのに……」 「せつな、大丈夫?」 「平気よ、少しコツがつかめた気がするの。次は上手くやってみせるわ」 「良かった、でも明日にしよう。もう遅いよ」 せつなは惜しそうにしたが、あゆみのことを思い出して今日は引き上げることにした。 これ以上、心配をかけるわけにはいかないから。 そして、三日目の朝。これまでとは違う、自信を漲らせた表情のせつなが立つ。 目を閉じて静かに時を待つ。風の音を聞いているのだ。 そして、風の流れが変わる。目を開き――走り出す! 弾かれるように、速く――鋭く! 「「「3――2――1――」」」 『GO!!』 ラブと美希が勢いよく凧を上に投げ出す。祈里が足をほぐすように広げて離す。 せつなは凧を引きながら糸を操る。 時に引きながら、時に繰り出しながら。 そして、突風! 体重の無いせつなは、力で支えることができない。 右の持ち手を左で支える! 浮き上がった体を空中で丸める! 体が落下する力を利用して、更に凧を引き上げる。 丸くなって座り込み、地べたを這うようにしてコントロールを立て直す。 高く――高く――高く――凧が大空に舞い上がる。 一定以上の高度に達した凧は、抜群の安定感を見せる。 もう、バランスを崩すことはないだろう。 しかし、引き上げる力は強烈だった。有無を言わせない、大空を翔ける風の強大な力。 せつなは、腕が千切れそうになるような痛みに懸命に堪える。 握力も徐々に無くなり、限界を感じた時だった。 「おめでとう、せつな。もういいよね?」 「せつなは立派に一人で揚げきったわ、アタシたちが証人よ!」 「おめでとう、せつなちゃん!」 ラブ、美希、祈里がせつなの持つ糸を一緒に支える。 力負けしなくなった土台に支えられて、大凧は更に大きく飛翔する。 ブ――ン! ブ――ン! ブ――ン! と勇ましい音を鳴らしながら凧は飛び続ける。 後から聞いた話だが、これは風箏(ふうそう)と言って、和凧の特徴であり自慢なんだとか。 パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ あちこちから拍手が巻き起こる。 始めは無理と諦めて去っていった見物人たち。 しかし、せつなはあきらめなかった。その姿に自分を恥じ、こっそりと見守っていたのだ。 大凧を一人で揚げようとしている少女がいる。それが口コミになって、その数は何百人にもなっていた。 そして、その中から一人の老人が歩み寄った。 「よくやったな、お嬢ちゃん。いや、せつなちゃんだったな」 「おじいさま! 見ててくださったんですか!?」 「始めからずっと、この三日間通して見てたぜ。ここまでやるとは思わなかったがな」 「じゃあ、凧を――また、作ってくれますか?」 「ああ、俺にも火が付いちまったしな。最高の凧をこしらえてやる」 「ありがとうございます!」 「やったね、せつなっ!」 「おめでとう、せつな!」 「わたし、信じてた!」 四人、いや、五人が喜びあう中、たくさんの観衆がその周りを囲んでいく。 昔、凧で遊んだ思い出がよみがえった大人たち。 初めて凧が飛ぶ姿を見た小さな子供たち。 本来は男の子の遊びだった。 それを女の子が懸命に頑張って、巨大な凧を揚げた姿に己を恥じたのだろう。 あるいは血沸き、肉踊ったのだろう。 「その凧、僕にも作ってもらえませんか?」 「あっ、ずるい! 僕も!」 「じっちゃん凧作んのか? 俺のも頼むよ!」 「へっ、待ってな。家から山ほど持ってきてやるからな」 涙ぐんで喜ぶクローバーたち。そして、おじいさんの声も涙声だった。 「僕もやろうかな」 「それじゃあ、私も!」 「あらあら、お父さんたちまで」 「男の人って、こういうのに熱くなるのよね~」 「そこがいいんじゃない!」 圭太郎と正、あゆみにレミに尚子までいた。みんな、せつなたちを見守っていたのだ。 お疲れ様って、労いの言葉をかけていった。 「ふん、この街もまだまだ捨てたもんじゃないね」 「なんだ居たのかよ、梅干ばばあ」 「居て悪いかい? 凧じじい」 「ああ……。俺は凧じじいだ」 駄菓子屋のおばあさんも居た。きっと、ずっと見守ってくれていたのだろう。 ダルマのように着こんだ服装がそれを証明していた。 そして、盛大な凧揚げが行われた。 大小さまざまな凧が、ところ狭しと舞い上がる。 工房の無数の凧もすっかり空っぽ。その分、おじいさんの意欲は充実感で満ちていた。 クローバーたちも、思い思いの凧を揚げている。 おじいさんが、今度は小さな凧を揚げているせつなに話しかけた。 「やってるな、せつなちゃん。凧揚げはどうだ?」 「とても楽しいです。普段は見上げるだけの空が、手を繋いでいるみたいに身近に感じられて」 「それが凧揚げの魅力よ。わかってるじゃねえか」 「それに、コツをつかめたように思うんです」 「ふん、そこはわかっちゃいねえな。俺から見ればまだまだよ。見てな!」 おじいさんは手にした凧を顔の高さまで持ち上げる。 そのまま引きもせずに、スッと凧を離す。 落下するよりも先に、軽く手首をしゃくる。そのままスルスルと糸を送っていく。 まるで魔法でも見ているかのようだった。 おじいさんは一歩も動いていない。手も、小さく軽く数回振っただけだ。 それなのに、凧は空に吸い込まれていくかのようにグングンと高度を上げていく。 あっという間にせつなの凧を追い抜いてしまった。 「すご……い! おじいさまは作るだけじゃなくて、揚げるのも名人なのね!」 「当たり前よ! よく知りもしないものを作れるかってんだ!」 自信満々のそのセリフがおかしくて、せつなはクスッっと笑った。 そして、私もそう思いますって、力いっぱい返事した。 よく知らないものは、作ることもできなければ、広めることだってできはしない。 だから、自分はこの街に帰ってきたのだから。 幸せを学ぶために。みんなを笑顔と幸せでいっぱいにするために。その輪を大きく大きく広げていくために。 私――精一杯がんばるわ!
https://w.atwiki.jp/sumaburaworld/pages/28.html
グレラス(魔王) ご存じの通り変態スケベエロ魔王。 よく女の部下にセクハラを働くが一応上司としては有能なうえ部下思いなためそこそこ部下に信頼されている。 世界の制服を企む理由はニートの撲滅と奥さんがかかっている゛エーテル病゛という病気の特効薬をある人物からもらうため。 戦闘では主にイオ系とドムヌ系の魔法(ともにDQの魔法)、刃属性の魔法、たまにいてつく波動、OFF波動、文殊を使う。 (文殊は一回の戦闘で8個まで使える。波動系はあわせて一回) 剣術はプロ並の腕前。 ※文殊 一つのキーワード(漢字)を込めて使う物、投げないと発動しない。 威力が高いうえ攻撃や治癒、防御 はたまた誘惑までに使えるため使われたらかなりやっかい 。 シロスケ(有泉智寛) 引きこもりで面倒くさがりで根暗で嫉妬深い東方厨なニコ厨。 もう何もかもが面倒くさく妬ましい。 別に任天堂倒産については何とも思っていない。 ちなみにポケモントレーナーではない。 最近自分からゲームを買いに行くということは少なくなった。 見た目はルイージ、ただし目が緑色でエルフ耳。 ルイージの身体能力やオバキュームの他パルスィのスペルカードが使える。(正しイージー・ノーマルスペカのみ) ちなみになぜパルスィかというと潜在意識の中に一番残っていたのがパルスィだから。 水橋パルスィ シロスケの潜在意識によって引き込まれた幻想郷の住人。 幻想郷にいた頃は地底の門番みたいな事をしていた。 ちなみに人間ではなく橋姫という妖怪である。 「嫉妬心を操る程度の能力」を持ち、敵側を簡単に仲間割れさせる事が出来たりする、恐ろしい。 本人もかなり嫉妬深く「妬ましい」が口癖 。 掃除屋(金城千尋) 後の尾内千尋。 超強力な魔法でラスボスをワンターンキル・・・ってできるかー! マルクの力授与イベントと死亡イベントがなくなったためまだ。 戦闘班の一番下っ端が強い。 魔術師タイプだが魔力も未熟 。 大器晩成タイプなのかもしれない。 ちなみに愛属性。 カルビ(ルビー・カーバンクル) 黄緑色の毛色といくつもの尾を持ち、危険が迫れば体を大きくすることができるカーバンクル。 後のカバク。魔王軍研究部員に捕獲されそうになったところを掃除屋に救出され、 それをきっかけに召還契約をかわすことになる・・・予定。 特技は子守・・じゃなくて反射魔法と炎属性の攻撃。 属性は炎 。 黒ピット 黒いピット。魔王専属の情報収集屋。 でも敵味方関係なく情報を流したり、隠蔽したりする。 戦う気はまったくないが、いざとなったら強い。 面白い事が好き。なぜか動物に好かれやすい。 性格は楽観的。よく話をややこしくするが、悪気はない。 でも、他人を傷つけたくないがために、自分が危険な目にあうことがある。 闇エクス 物静かな感じ。 完璧(?)に闇に染まってる•••らしい 魔王になついている。 ランペル 魔王グレラスの部下、下っ端。 『ものを変身させる程度の能力』を持ち、自分を含むあらゆるものを別のものに変身させる事ができる。 本人曰く「下級妖怪の上位互換」。 新入りが来たと聞いてからかいに来たが逆に弄られる。 下級妖怪にだけは負けたくないと思っている。 下級妖怪 魔王グレラスの部下、下っ端。 『他人を真似する程度の能力』を持ち、一度見た者の姿などを真似できる。 能力が全然下級じゃないのは仕様である。 元ネタは東方汚忍蝉。 ランペルをライバル視している。 普段は雀のような姿をしているが それが本当の姿なのか雀の『真似』をしているだけなのかは不明 。 黒クッパ 魔王軍の戦闘部戦闘課である 主に銃を武器にして使う 腕はそこそこ主に夜のスナイピングが得意 通称:夜のブラックスコーピオン(自称) ジョニー&ジョン ジョニーは警備の仕事 ジョンは開発の仕事 どちらも脇役である .