約 485,753 件
https://w.atwiki.jp/gakuseibr/pages/34.html
大東亜共和国プログラムによるバトルロワイヤル……!! 他校生徒の鋭い眼光、室江高の運命やいかに……!? それは、いったい誰の思惑だったのか?! 室江高剣道部に最大にして最悪のの危機が迫る!! そして、今、戦いの始まりを告げる鐘が鳴り響く――――― そのとき、室江高剣道部のピンチに駆けつける小粒なヒーローが颯爽と現れた!! 機動戦士を彷彿とさせるヘルメット。 オレンジカラーの入ったサングラス。 目に鮮やかな真っ赤なスカーフ。 そして、右手にはビームサーベル。 足元には、どこか見覚えのある猫。 駆けつけたヒーロー、その名は――――スーパーダン!! 彼の英雄譚が、今始まる。 □ 朝の白い陽射しが木造の校舎へと差し込む。 ここは平瀬村分校跡。 校舎の周りに茂っている大小の草木は、朝露に濡れ輝きを見せていた。 古びた体育倉庫に、せまい運動場。学校施設として整っているとは言いがたい。 分校ということもあって、平時でも穏やかな時間が流れていたであろうことが伺える。 しかし、現在のこの場所は穏やかどころではない静けさに覆われていた。 出勤してくる職員も、登校してくる児童や生徒は一人としていない。 日常というものから切り離された空間が、そこにはあった。 そして、こんな分校の中で覚醒を間近に控えた少年が一人。 短く刈られた髪に縦長ながら丸みを帯びた顔、その寝姿は人に呑気そうな印象を与える。 その少年の名は栄花段十朗。室江高校剣道部の所属である。 「待ってるぉ、みんなぁ……今、俺がたすけにぃ……」 キリリと眉を吊り上げ、調子外れな寝言を言いながら、残り少ない夢の時簡に浸る。 彼には、夢を名残惜しむ権利があるだろう。 やがて幸せな夢の終わりを告げ、過酷の悪夢が始まるのだから。 「よし……すーぱーだんがきたからには、もぅ大丈夫だ……ぞ。 ………………んー、う、んー? ………………あ?」 ほどなくしてダンは目を覚ますこととなった。 まだ夢と現実の区別があいまいなのか、キョロキョロと辺りを見回す。 周囲にあるのは、古びた机と椅子、薄汚れた黒板などだった。 これだけの情報でも、そこは学校の教室であると判断できる。 しかし、そこはダンの慣れ親しんだ学校とは明らかに違う。 ここまで認識したところで、意識を失う前のことをおぼろげながらに思い出してきていた。 頭に浮かぶのはプログラムに選ばれたこと、開幕の場で殺された人たちのことなど様々だ。 学校に通い、部活をして、ミヤミヤと一緒に帰る。 そんな日常からは既に切り離されていることを思い出す。 現状を一通り知ったところで、ダンは、まず始めに純粋に怖いと思った。 彼はギャグ漫画に出てきそうな容姿とは裏腹に、高校生としては、かなりできる人間であった。 成績優秀でスポーツセンスもよくかわいい彼女がいる。 さらに、自覚的にかどうかはわからないが人の暗い部分も受け入れられる懐の深さを持っていた。 そんな彼だが、所詮は一般的な男子高校生であることに変わりはない。 国家権力により強制された殺し合い。恐ろしくないわけがなかった。 教室の床に座り、これからどうすればいいんだろう、と考える。 今回のプログラムは団体戦であり、剣道部の仲間と殺しあう必要はない。 その点は、彼の心にわずかな安心を与えた。 しかし、ダンは悩む。必要に迫られたからとはいえ、自分に人を殺すなんてことが出来るのかと。 悩みながらも、彼はのんびりしてはいられない。 ダンの恋人であるミヤミヤは、周りを殺してでも自分を生きて帰そうとするだろうから。 彼女の持つ闇を知っている。今の状況は彼女の闇を際立たせてしまうだろう。 だが、同時にそれ以上の彼女の優しさを知っている。 だから、そんな彼女守ってあげたいと思う。 「俺は……弱い男だ」 字面とはイメージの違う間の抜けた声で漏らす。 一般人のダンが周囲の人間を殺す覚悟など簡単に出来るわけがない。 かといって、このプログラムを壊すと言えるほど常識がないわけでもない。 そもそも、プログラムの概念が浸透しているこの国では、反逆の意志を持つのは容易ではないのだ。 そんな中でも迷う彼は充分な倫理観を備えた人間だといえるだろう。 「よし! こんなもん俺がぶっ潰してやるぜ。みんな安心しろ!」 右手でガッツポーズを作りつつ、宣言してみる。 日頃の彼を知っている人間は、実にダンらしい発言だと思うだろう。 だが、すぐにダンは右手を下ろし、しょんぼりとした顔に戻ってしまう。 空気を読まない発言も目立つ彼だが、その心根は優しいものだった。 しかし、普段のように振舞えるようになるには、何かしらのきっかけでもないと無理そうだった。 しばしの沈黙の後、やっぱりみんなと合流しようという結論にいたる。 剣道部のみんなが心配だ。 今後の身の振り方は置いておくとしても、これだけは、今のダンにとって100%純粋な感情だった。 ズボンをはたきながら立ち上がる。と、ここで彼は身を震わせた。 プロの殺し屋でもあるまいし、別に敵の殺意を感じ取ったわけではない。 「ト、トイレー」 少し落ち着いたからか、催しただけである。 ダンは荷物を掴み、男子トイレへと駆けて行った。 □ 「ふぅー」 ハンカチで手を拭きながら、すっきりした表情で廊下へとダンが姿を現す。 そして廊下に置いておいたやけに重たく感じた荷物へと目をやる。 ここでようやく支給品の確認をすることとなった。 出てきたのはモシン・ナガンM1891/30。 帝政ロシア時代から第二次大戦にかけてソ連で使用されたボルトアクションのスナイパーライフルだ。 フィンランドの天才スナイパーであったシモ・ヘイヘが愛銃とした銃の後継にあたる。 重量は実に4kgであり、一般人が持ち歩くには苦労があるだろう。 説明書を読み、ダンはモシン・ナガンを恐る恐る手に取ってみる。 そのずっしりとした重みに、再び恐ろしさを感じた。 「へ、この程度の重さなんて、剣道やってる俺には何ともないぜ」 強がりを言い、銃をぐっと持ち上げて銃口を上へと向ける。 その姿はふらふらしてかなり危なっかしい。 だが、調子に乗ってダンは右手だけにモシン・ナガンを持ち替えた。 それが彼の失敗だった。 「うぉ、っとと、うわ」 頭が大きいダンは、ただでさえ重心が安定しない。 持ち上げた銃の重みで後ろへと重心がずれ、ととっと後ずさる羽目になる。 慌てて両手に持ち帰るも、既に手遅れだった。 ダンの右手と背中の間から後ろに突き出た銃底が何かを砕く。 瞬間―――― ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ けたたましい音が校舎全体から響き始める。 不運なことにダンが砕いたのは火災報知機だった。 「うわ! なんだなんだ!?」 突然の事態に混乱し、右往左往するダン。 冷や汗をかき、報知器をいじくりまわす。 だが、ダンが混乱して操作を誤っているのか報知器は一向に止まる気配がない。 ここは分校『跡』だ。もしかしたら報知器自体が壊れているという可能性もある。 焦るダンを置き去りにして、朝焼けの中、火災報知機の音は周辺へと存在を主張するように響き続ける。 ダンの手により、今、戦いの始まりを告げる鐘は鳴らされた。 血で血を洗う凄惨なバトルロワイヤルが始まる。 ダンは、果たしてヒーローとなり、英雄譚を紡ぐことが出来るだろうか。 【G-3 平瀬村分校跡/一日目 早朝】 【栄花段十朗@BAMBOO BLADE】 【状態】:健康 【装備】:モシン・ナガンM1891/30(5/5) 【所持品】:支給品一式、予備弾30、狙撃用スコープ 【思考・行動】 0:うお、なんだ、どうしたんだ? 1:室江高のメンバーと合流する。 ※火災報知機がなっています。周辺エリアにおいて、報知器の音が響きわたりました。 投下順で読む Next 政府連絡文書
https://w.atwiki.jp/syuramesi/pages/440.html
和風サンドイッチもどき 修羅場の時の食事 (゚д゚)ウマーの3 59・61 59 名前:名無しさん@どーでもいいことだが。:02/10/19 00 43 ID fr8lWEHS ホットケーキを焼いている時、タネがぷつぷつ泡だってきたら 適当に切ったウインナー(魚肉ソーセージでも可)を好きなだけ乗せる。 あとは普通に裏返して焼くだけ。 バターを塗って(゚Д゚)ウマー このホットケーキは厚めがウマーなので、牛乳は分量よりも少しだけ 少なめにするのがコツ。 61 名前:名無しさん@どーでもいいことだが。:02/10/19 03 52 ID VzvV5JOH 59さんの変わりホットケーキ同じくよくやりまつ! うちの場合ケチャップとカラシで食べますがアメリカンドッグみたいな感じで(゚Д゚)ウマー ソーセージの変わりにバナナの輪切りを加えて焼いてバターたっぷりつけてもかなり(゚Д゚)ウママー ああ…無性に食べたくなってきたよママン…
https://w.atwiki.jp/dharmagedon4/pages/17.html
生徒会名簿 名前 性 攻 防 体 精 FS 他 特殊能力 発 成 あっちん・T・アキカン 女 3 3 3 3 18 も、もれちゃうメカ~ 95 100 あんかけ 男 17 0 7 4 2 片栗粉G 84 100 猪狩信吾 男 0 15 7 4 4 空間湾曲 79 100 稲田鳩子 女 0 10 12 6 2 平和主義者の布教 74 100 鬼無頼 雷観 男 0 12 7 3 8 四囲敷応 94 100 死怒 美洒巣 男 10 5 7 3 5 飲酒 59 100 スカラ・カーン 男 20 0 5 5 0 魔人拳 85 100 ダース・キン 男 0 10 10 8 2 暗黒大掃除 66 100 谷和原 剛正 男 0 20 5 5 0 柔よく剛を制す 120 100 よみがえる駒沢 男 11 6 6 7 0 変衣抜針・霞縫い 86 100 希望崎 太郎 男 0 0 8 5 12 リボルバーファクター 93 100 白金あJ 男 0 0 10 10 5 秘 性転換Ⅲ ? 100 次郎丸 弘美 女 0 7 9 4 5 秘 BSDN ? 100 灯 柾清 男 0 0 5 5 15 秘 完全なる虚構 ? 100
https://w.atwiki.jp/dgsl/pages/51.html
生徒会 名前 性別 学年 攻 防 体 精 FS PS 能力 発動 成功 サポートマスター 男 1 5 16 4 4 - 極楽蝶の舞 95 100 お料理ロボ 無性 8 12 3 6 1 - プリンメーカー 93 100 メカコタケ 男 1 9 9 3 3 - 自分のマスにガスを~ 33 100 バ=ルーン 男 6 4 6 3 11 - 巨大化 79 100 ピカチュウ 男 19 0 6 3 2 - かみなり 84 100 ザ・ニンジャ 男 6 0 3 3 18 - 忍法・順逆自在の術 84 100 田辺アツシ 男 3 3 3 3 18 - NABEATSU 76 100 野原ノンノ 両性 10 5 3 4 8 - みんな、目を覚まして! 29 100 ジョバンノ=カマセーヌ 男 10 3 6 4 7 - 鞭のロード 134 100 マダム・プリン 女 12 0 3 5 10 - 右手にウンコを~ 70 100 名前 性別 学年 攻 防 体 精 FS PS 能力 発動 成功 鈴仙 女 1 2 3 4 20 - インビジブルフルムーン 42 100 阿頼耶識ゆま 女 0 0 8 2 20 - ヴァイシャリー2 40 100 闇口空 男 0 0 16 1 13 - ティアフルジャンプ 97 100 依原水無 女 20 0 4 3 3 - ロード・オブ・ザ・ローズ 79 100 内藤めあ 女 15 0 5 5 5 - 悪夢 180 0 内藤だいま 男 3 12 10 5 0 - 危険な報復 104 100 牛若丸 女 0 0 12 10 8 - 義経バリアー 112 100 チロル 女 10 10 5 5 0 - 毒の試練! 100 100 剣士ロギンス 男 20 0 2 4 4 - 浄化 51 100 こあくま 無性 0 14 6 1 9 - 司書の魔術1 87 70 名前 性別 学年 攻 防 体 精 FS PS 能力 発動 成功 山谷ウルフ 男 6 0 2 2 20 - ムーンライト 108 100 狭山打算 男 0 0 15 3 12 - 塩素バリアー 112 100 速攻のブラックニンジャ 男 0 5 7 3 15 - 賊活 225 100 重松かれん 女 17 5 3 3 2 - ここは生徒会室です 88 100 倉持健太 男 10 0 3 6 11 - 秘剣・蟻地獄 80 100 風丸一郎太 男 17 0 2 3 8 - ぶんしんフェイント 83 100 霊乃光 女 0 0 10 5 15 - カルテット・スピリタス 100 100 迷惑ロボ1号 無性 0 0 5 5 20 - 大迷惑 173 100 葛切菱江 女 0 0 10 0 20 - 学校の怪談 100 100 ハリブキ 両性 6 9 7 5 3 - 達磨落とし 66 100 名前 性別 学年 攻 防 体 精 FS PS 能力 発動 成功 ホアン 男 0 5 10 3 6 - 心体操術 101 0 宮崎太郎F 男 0 0 3 3 9 FLY アイキャンフライ 69 100 あぶたらすF 女 13 0 2 0 0 FLY まいまいかぶり 64 100 婚后姫路 女 0 5 4 1 20 - エアロシュート 83 100 シャウアプフ 男 0 0 2 0 13 FLY 蠅の王 6 100 女神 女 20 0 5 5 0 - 金の斧 53 100 炎竜ゴルヴィン 男 6 8 13 3 0 - 四天王結成! 61 100 唐沢ハルト 男 0 15 5 3 7 - 肩代わり 85 100 大魔王バーン 男 0 0 20 0 10 - 知らなかったのか?~ 12 100 高橋青葉 男 3 3 8 6 10 - スーパー言い訳テクニック 85 100 名前 性別 学年 攻 防 体 精 FS PS 能力 発動 成功 迷惑ロボ3号 無性 0 0 4 6 20 - ほんのり迷惑 73 100 大橋美樹 女 12 0 4 4 10 - ブレイクショット 82 100 巨大ウサギ 女 14 0 14 2 0 - 寂しがり 66 100 カトレア 両性 1 1 1 7 20 - エターナルフォースブリザード -166 100 聖徳太子 男 0 0 12 1 17 - 「飛鳥文化アタック」 132 100 コサック・マトリョーシカ 女 0 5 6 1 18 - 増える 56 100 ヒマワリ 男 0 0 8 2 20 - リベンジ 57 100 ベアトリス・イヴォンヌ 女 0 3 4 5 18 - サモン・ファミリア 75 100 バロン 男 4 1 6 4 15 - バイバイ! 55 100 青田 刈 男 0 0 7 3 5 FLY 「空間翔転移・集」 84 100 名前 性別 学年 攻 防 体 精 FS PS 能力 発動 成功 パペットマスター小泉 女 14 0 6 4 6 - 呪われた玩具 72 100 襷 祐介 男 0 0 2 0 18 versatile 聖火ランナー任命 66/140 100 火゜華厨 女 0 0 2 3 15 versatile 花火製作 -14/125 100 奥野次元 男 0 0 5 5 20 - 次元渡り 50 100 奥野村山次元斬 男 0 0 10 0 20 - 次元斬改 50 100 ジライヤン 男 13 0 13 4 0 - 人間爆弾 80 100 白銀 晴海 女 10 6 10 4 0 - 天弓 80 100 名前 性別 学年 攻 防 体 精 FS PS 能力 発動 成功 おまかせ 名前 性別 学年 攻 防 体 精 FS PS 能力 発動 成功 リディア 女 0 0 2 8 20 - 召喚(W魔法) 87 100 黄金川 女 0 20 10 0 0 - 吠える 50 100 ヒリューくん 男 0 0 2 3 15 versatile ミラクルドラゴン 44/53/17/52 100
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/87.html
狭いとも広いとも言えないタイル張りの床と壁、端に据えられたバスタブと湯沸し器。 「――――」 その中心で、私は途方に暮れていた。 ――どうして、こんな状況になった? 地下――眠ったまま佇む黒い獣の元から離れ、警戒とも寂しさとも言える感銘に戸惑っていた中、あれよあれよと言う間に脱衣所に放り込まれ、大人しく風呂に入ら(従わ)なくては出してもらえそうな雰囲気だった為、流れに従う形で今に至るのだが――。 「……私がここに居る理由はあるのか?」 確かに厄介な事になりそうな窮地を助けられ、友人の言っていた感覚の正体らしき物を早々に発見できたのは僥倖以外の何物でもないが、だからと言って言われるがままにされる必要も無い筈だ。 「――よし」 出よう。 そして彼女がここに居る真意を確かめてから片腕を助け出し、トローヤに帰ろう。 そう決意して脱衣所のほうに目をやると磨硝子の向こうに青と白の色彩が見えた。 「――!?」 「アルフィ様、失礼致します」 反応しようとした時には扉を開けられていた。 「T4、と申します。 テーナ様からアルフィ様の御世話をする様にとの命を受けました」 「……は?」 ――テーナ(アイツ)の血縁者……? いや、違う。 似すぎている。 ――しかし、何でいきなり他人が入ってくる? ――そもそも名前が何かおかしく無いか? ――と言うよりも、今、何か危険な言葉が聴こえた気がする。 咄嗟に思い付くだけでも四つはある疑問に硬直している間に、T4と名乗った女性――私と同じ位の外見年齢をした彼女は、さも当然といった風に浴室に収まった。 「ここの機材は少々新しいので、御説明も必要かと思いましたので」 「いや、ちょっと待て」 状況に混乱し、浴室の端へと退ろうとするが、 「あと、洗いが甘いとテーナ様からも仰せつかっておりますので、お手伝いもさせて頂きます」 なにか、言い知れない間合いの取り方で――気が付いた時には至近に接近されていた。 「いや、だからちょっと待――」 「失礼します」 ――――この後の事は、ちょっと思い出したくない。 「――――」 人間(?)、崩れだしたら早いもので、もうどうにでもしてくれと心の中の何かが折れた瞬間、大体の事に耐えられるようになるらしい。 意図的に記憶の外に置いてある出来事が終わってからも穏便に事が済む筈も無く、T4が先に上がり、次に私が脱衣所に戻った時――私の服は無かった。 「T4……焼き方が上手くなったわねぇ」 「テーナ様の御教授があってこそです」 「…………」 そうして私は、代わりに配されていた服を着てここ食卓に居る。 リビングと呼ばれるものらしい広めの部屋に、彩り豊かな食卓を自分ともう二人――テーナとT4が囲み、テーナは私やT4の事を気にしながら賑やかに、T4は静かに受け答えしながら箸を進めている。 そんな中、私は人間の名前ではない名を抱く女性――T4の事を見据え、先程聴かされた彼女の生い立ちを思う。 ――最強のZA能力者の複製体にして、ゾイドコアを体内に埋め込まれた実験生物。 あの悪魔の研究が他の所でも推し進められていたという事実に行き場の無い怒りが湧いてくるが、その元凶はリバイン・アルバという組織の前身が既に潰してしまっている為に、本当に行き場が無い。 「……どうやら、あんまり満足して頂けていないようですね」 「――ぇ?」 唐突に発せられたテーナの言葉と視線に驚くと、思考によって箸が止まっていた事に気が付いた 「あ……そんな事、ない」 私の場合、生きていくのに必要が無い事から食料――その加工品である料理には無頓着であり、満足な食事をする事自体あまり多いとは言えないのだが、それでもテーナとT4の合作だというこれらの食事が豪勢だというのは理解できる。 「……よし、奥の手を出すわ。 T4、間違っても貴女は食べちゃダメよ?」 「もう、そんな子供ではありません」 「そうね、それじゃアルフィ……ちょっと待っててくださいね」 ――この後の衝撃を、私は一生忘れる事が無いだろう。
https://w.atwiki.jp/sekina_seitokai/pages/85.html
『アニメ第8話 -嫉妬する生徒会-』 エ「ガンです」ここでエリスが聴診器代わりに使ったのが寺西化学工業製作の「マジックインキ」油性ペンの代表ブランドで「マジック」が油性ペンとして意味を成すきっかけとなった商品でもある。 エ「水酸化アルミニウム」化学式Al(OH)3 の化合物。主に医薬品, 吸着剤に使用される上、防火性の高い壁紙の原料としても使われる エ「硝酸化アルミニウム」化学式Al(NO3)3。 日常生活品としては制汗剤や防腐剤, 石油精製やウラン抽出にも使われる…が、正しくは硝酸アルミニウムである エ「窒化アルミニウム」化学式AINのアルミニウムの窒化物。熱伝導率が高い点を利用して電気製品の放熱材であるヒートシンクの材料として使われる エ「硫酸化アルミニウム」化学式Al2(SO4)3 の化合物。媒染剤や定着剤や医薬品など幅広く使われている。……が、正しくは硫酸アルミニウムである エ「水素化アルミニウム」化学式AlH3 の化合物。還元剤として使われる固体物…だが前までのアルミニウムと比べると限定的な範囲でしか使われていない エ「スニーカー」ここより文庫縛り開始。正確には「角川スニーカー文庫」で、代表作として「ロードス島戦記」シリーズ、「涼宮ハルヒ」シリーズなどがある エ「でんげき」アニメでは何かと他社よりネタの出番も多い「電撃文庫」。ライトノベル出版社の中でも投稿数,出版数はトップで、代表作には「キノの旅」 「灼眼のシャナ」 「とある魔術の禁書目録」などがある エ「スーパーダッシュ」集英社刊行のライトノベル「スーパーダッシュ文庫」。前身「スーパーファンタジー文庫」からの引継ぎ作品が多い。アニメ化作品として「R.O.D」「紅」「カレイドスコープ」などがある エ「ファミつう」ゲーム雑誌の中でも一躍有名な「週刊ファミ通」………ではなく、ここでは「ファミ通文庫」を指す。他社レーベルに比べゲームのノベライズ化作品が多い。年1回発行されるガイドブック「このライトノベルがすごい!」では、毎年1位作品の出版社が入れ替わる中2009の「"文学少女"」と2010の「バカとテストと召喚獣」で初のV2を達した。 杉「そこは「ファンタジア」って言うところでしょう!」生徒会の一存出版元でもある「富士見ファンタジア文庫」…自虐ネタとはいえ不毛すぎる代表作としては「スレイヤーズ」「フルメタル・パニック!」「魔法遣いに大切なこと」などがある エ「ストライカーズパンツ」2008年放映アニメ「ストライクウィッチーズ」における魔女たちの履き物……パンツじゃないから恥ずかしくなかったのでは? エ「メタルギアー」コナミ(※協力2回目)製作のゲーム「メタルギア」シリーズで武装国家「アウターヘブン」が所持しているとされる殺戮兵器 エ「わたパチー」明治製菓(※今回の協力)製作のお菓子「わたパチ」キャンディ内に積めた気泡が、口内の熱と湿気で外に出ることではじけるような音がする仕組みになっている エ「げんていジャンケン、ふねをかしきってやるんだけどー」講談社刊行「賭博黙示録カイジ」の主人公、伊藤開示(カイジ)が借金返済で乗った船「エスポワール」で行った最初のギャンブル「限定ジャンケン」。12枚のカードを用いたジャンケンで、敗者には悲惨な運命が待ち受けている。カイジは巧みな閃きと話術でこれを乗り切るが… 知「794年、日本であった事は?」 会「泣くよレーニン理想郷!」○泣くよ(794)ウグイス平安京。 桓武天皇が日本の首都に指定した年で、京都府京都市にある。一方レーニン(ウラジーミル・イリイチ・レーニン)は1870年生まれのロシアの指導者。 知「じゃあ、次、710年」 会「なんと意外なトリックが!」○なんと(710)立派な平城京。 藤原京から平城京へ遷都された年。「立派な」の部分は「きれいな」「素敵な」など地方によって異なり何パターンも存在する 知「じゃあ、1192年は?」 会「いい国だったね邪馬台国!」○いい国(1192)作ろう鎌倉幕府。 征夷大将軍に任官した源頼朝によって始まった幕府時代。一方、邪馬台国は3世紀前後に日本に存在したといわれる国。いい国だったかどうかは定かじゃない タケシ君が入ったコンビニ「LAWON」国内店舗数2位の大手コンビニ「LAWSON」がモデル 次回予告リ「水酸化アルミニウム」→エ「無硝酸化アルミニウム」→リ「無窒化アルミニウム」→「無硫酸化アルミニウム」→リ「無水素化アルミニウム」→エ「無アルミニウム」要は本編アルミニウム無双の否定形。以後、この回を見た視聴者は「む」行しりとりに異常に強くなったという
https://w.atwiki.jp/tmnanoha/pages/434.html
小高い山を少し越えた平野―――― 「さて、何を見せてくれるのやら。 素手で熊とでも戦うのかね?」 「いや、それは流石に出来ない……」 見晴らしの良い一面の空を見上げながら魔法使いが二人、言葉を交わす。 「アナタならそのくらいやりかねん。 それとも、まさか人をここまで引っ張って来といて綾取りでも見せようっての?」 「うう……何かみるみるハードルが上がっている気がするよ」 「つまらなかったら即、帰るからよろしくー」 腕を組んで木陰に寄りかかりながら高町なのはを囃す蒼崎青子。 だが、ここまで来たら体当たり。 いつも通り、全力で言いたい事を伝えるだけだ。 桃色の尾を引いて今――――――魔導士が飛び立った! ―――――― ――――――時は一刻ほど前に遡る 「うおっ! マジでかわいいじゃないの」 携帯電話の画像フォルダ内に保存されていた一枚の写真。 そこに写っている少女を見て、青子は感嘆の呻きを漏らした。 それを受けて満面の笑みを称えながら頷くのは高町なのは。 少女を褒められた事が本当に、自身の事のように嬉しいのだろう。 「うん……名前はヴィヴィオ。 高町ヴィヴィオ」 「…………………富士重工製の何かか?」 「違うってば……」 軽い溜息を付いて、なのはは同居人のボケを相殺する。 この手の突っ込みは故郷の家族や友人達からも散々受けている。 もはや今更だ。 「いや何にしてもさ……私は母親なんて一生縁が無いと思っているけれど アナタに先を越されてるという事実は悔しい。 よしレン、今日から私の事は青子ママと」 「―――死ねば?」 「反抗期か……傷つくわー」 大仰に手を挙げて被りを振る青子に、魔導士は「たはは…」と苦笑を浮かべる。 だが次いで思いついたように、なのははつっけんどんな少女に目線を合わせて、中腰で言葉をかける。 「初めに青子さんじゃハードル高すぎたのかも…… 練習してみようか。 試しになのはママって呼んでみて」 「お前、今失礼な事言ったよね?」 「じょ、冗談じゃないわ……お断りよ」 鼻を鳴らしてそっぽを剥く少女であったが、目の前の女から何か異様な雰囲気を感じてハっとなる。 眼前の人間の目が心なしか非常にリリカルな輝きを放っているのだ……鼻息も荒い。 「何事もチャレンジチャレンジ! さあ……!」 「な、なのは……………マ、マ」 100年級の使い魔をして圧殺せんほどのプレッシャーを受け、反射的に言葉を漏らしてしまうレン。 「~~~~~~~!」 「キャーーーーーーーーーーーーー!!!!???」 しかして――――上気して赤くなった顔を擦り付けながら、絞め殺さんばかりに白い少女をハグするなのはさん。 夢魔の絶叫が―――――――小屋内部に響き渡った。 ―――――― 「人の使い魔に何やってんだコラ」 「いや、つい……」 世界の終わりを感じさせる恐慌を身に帯びて一目散に逃げてしまった少女。 その背中を物惜しげに見つめる一児の母である。 彼女の声はとにかく愛しの娘ヴィヴィオに似ていて、特に先ほどの「なのはママ」はヤバ過ぎた。 100万ボルトの電気ショックに匹敵した。 「欲求不満かね? あんな不意打ちじゃなくて直接言ってやればガッポリ吸って貰えるのに」 「そういうのじゃないから……」 とまあ、前途多難な日常を思わせない和やかな昼下がりである。 談笑する二人の魔法使い。 同居生活も一ヶ月を過ぎ、だいぶ体にも馴染んで来た感がある。 (……………………) だが―――なのはの胸の内には、とある秘めた思惑があった。 自分は任務中に行方をくらませた遭難者なのだ。 そう、責任感のある彼女は、現状の馴染んでしまっている自分に対する危機感が常に先立っていた。 こんな所でくつろいでいてどうする? いつまでもふざけている場合ではないだろうという焦り。 付近の調査は続けているが悉く空振り、仲間とは相変わらず音信不通。 ならば今、少なからずやれる事は何か? 一つ一つでも片していける物はないのか? そう思い煩っていた高町なのはは故に今日―――今日こそは大事な話を同居人としなければならない。 気難しい魔法使いの女性は、なのはにとって何処にスイッチがあるか分からない爆弾のようなものだ。 柔らかい笑みを灯している魔導士だったが、実はその表情に先ほどから緊張を称えているのもそのためだった。 「ところで青子さん、あとで時間を作れないかな? 一手だけ、胸を借りたいのだけれど……」 「またその話? 断る。 だるい」 彼女と同居を始めてから一ヶ月、模擬戦の申し込みは今日もあっさりと断られる。 でもあきらめるわけにはいかない。 教導官はあくまでも食い下がっていく。 「そんな事言わないで……異なる体系の使い手同士、お互いのレベルアップにも繋がると思うよ」 「キョーミないわね」 「なら、見学だけでも……まずは私が一人でトライアルをやって見せるから。 とにかく青子さんもたまには体を動かさないと」 まずはどうにかして壁を壊していかなくては話にならない。 これなら展開によっては軽い手合わせ、という流れに持っていけるかも知れない。 そうして渋る青子を半ば引きずるように、なのはは外に連れ出した。 魔法使い達の教練は―――――こうして始まる。 ―――――― 「ええいっっっ!」 Nice. Good shoot なのは自らが朝早くから準備していた特設コースにて、トラアルは既に始まっていた。 基本に忠実なマニューバから、飛行しながらの射撃を行う空戦魔導士特有の演習だ。 あらかじめ設置していたオートスフィアを仮想敵に、空のエースがその力を存分に発揮する。 異世界の魔法使いの目に自分の戦技はどう移るのだろう? あれほどの使い手を満足させる技を見せる事が出来るのだろうか? 久しくなかった緊張は程よい高揚感となって、なのはの翼に躍動を与える。 それは武道の演舞の如し。 形だけを真似て行う未熟者のそれとは一線を画し、真に極めたものの気迫、闘気の篭った演舞は見る者の魂を震わせる。 古来より技を極めたものの術技は武道というより武「芸」として人々の胸を打ち、芸術として扱われて来た。 空戦における戦技もまた多聞に漏れるものではなく、空を舞う高町なのははまさに艶やかに咲き誇る一輪の花を思わせる。 (体は動く……良い感じ!) 決して器用では無い彼女が蒼崎青子に向けた、それは同盟の証でもあり 自身を超える術技を有した相手に対する挑戦状でもある。 そんなメッセージを技に込めつつ、彼女は大空を舞い続けるのだ。 トライアルも早くも中盤を過ぎ――――― ミッドチルダの魔導士ならば一度は見たいと泣いて懇願する、エースオブエースの全力全開。 視界を覆うほどの魔弾の嵐が大空に飛び交い、重低音と空を切り裂くカン高い音が同時に大地を、鼓膜を叩き続ける。 凄まじい光景だ………これは人間一人が起こし得る現象を明らかに超えているといって良い。 だが、しかし…………… そんななのはが、今まさにメッセージを宛てている相手をチラっと見て――― 上げたテンションが行き場を失う羽目になる。 「………………ポテトチップス……」 カルビー銘菓のスナック菓子の名前をポツリと呟いたなのはさん。 そう、当のミスブルーは頭上に展開された華麗な技など興味ないとばかりに週刊誌を広げ バリバリと暢気にスナックを頬ばる音を―――木陰の清涼とした空気に響かせていやがったのだった。 ―――――― Master! 「きゃっ!?」 遺憾の念から言葉に詰まり、思考が凍った一瞬――― 空戦トライアルはその一瞬の油断が明暗を分ける。 危うく設置したスフィアに直撃しそうになったなのはが、寸でのところで挙動を建て直す。 修正する白き翼が桃色の魔力光を場に散らす様は、突如として乱れた彼女の思考を体現するかのよう。 全く関心を持っていない? 心に響いていない? 自分のトライアルは彼女にとってそんなに程度の低い、関心を示す価値もないものなのか? 「レイジングハート……本気出すよ。 なんとしても振り向かせてやる!」 戦場で刃を交し合う以外の戦いもある。 自身の演舞が相手の心を震わせるか否かを賭けた、これもまた紛う事なき戦いだ。 基本を踏襲した堅実な舞いが、荒々しく変化する。 ギリギリを通す攻防の見切り、高速で最短距離をカットする大胆なライン取り。 空気が変わる………なのはが――――――本気になった! ピンク色のスフィアを周囲に纏いて空を駆ける彼女の様は、舞い散る桜の花びらを遊ばせる天女のようだ。 気は昂ぶっていても一糸乱れぬ挙動は美の極致。 流石としか言いようが無い。 あくまで優雅さはそのままに舞踏は戦舞となり、空に描く激しいリズムはロックバンドのドラムの激しさそのもの。 「仕上げ! おっきいの!」 アクセルシューターで全ての仮想敵スフィアを打ち抜きながら、なのはは規定位置に設けられた着地地点に舞い降りた。 勢い良くドズン!と地面に亀裂を作り、滑るように接地しつつ、設けてあったポイントに数分違わず降り立つ。 そしてレイジングハートを正面の山に向けると、標準を合わせた紅玉の杖の先端が集束された光の束を造り上げていく。 「スターライト……………!」 タイムロスはほとんど無し。 接地時の激しい衝撃の中で微塵も乱れぬ魔法詠唱。 ほぼ完璧なパフォーマンスを披露したエースの、最後の仕上げは当然これだ! 「ブレイカァァァァーーーーッッッ!!!!!」 彼女が得意の集束砲を今―――眼前の対象に叩き込んだ!! ―――――― 華奢な女魔導士の脇に抱えられた、大口径カノンと化したインテリジェントデバイス。 その先端から極大と言って余りある砲撃が放たれた。 バックファイアが後方の大気を、大地を豪壮に抉り取る。 なのにそれほどの衝撃を支える彼女の両足は地面に根を張ったように微塵もぶれず、動かない。 対象である山が目の前で灰燼と化すまで約5秒―――全力斉射にて放たれた桃色の奔流が視界全域を覆い尽くす。 …………………………………!!!!!!! 前方の視界一杯を文字通りの更地へと変えてしまう程の――――Sランク空戦魔導士・戦技トライアルはこうして幕を閉じた。 破壊の化身と化したなのはが、デバイスの柄でタンと地面を突く。 それは自らの戦舞の終了を示す挙動に他ならない。 「ふ、う………」 体力と集中力を限界まで注ぎ込んだ体は激しく酸素を求めていた。 だが乱れた息を周囲に悟られるのは三流の所業だ。 2、3、短い深呼吸だけで悲鳴をあげる肺に酸素を送り込み、戦技教導官は揺ぎ無くその場に佇む。 これだけの「動」の世界を体現したにも関わらず、一瞬で場を凛とした「静」の空気へと変えてしまう。 齢20にしてこの魔導士は既に玄妙の位―――達人の域へと足を踏み入れていると言えよう。 なのはが今見せたのは、スタンドアローンの魔導士に課せられるトライアルの最高峰の一つ 「キラー・ビー」 アサルト&デストロイ―――敵の砲火を掻い潜り、戦艦や要塞の中枢に無双の一撃を叩き込む 危険なミッションを想定した最も難しい型の一つである。 砲撃魔導士でこれが出来る者はそうはいない。 ここまで完璧にこなせる者となると局内部でも両手で数えるほどだ。 それを見事に完遂したなのはが、レイジングハートを優雅に回して胸の前で止め、残心の意を表す。 あれだけの全開運動を行ったのだ。 早鐘のように波打つ心臓がドンドンと彼女の胸の内をノックするが――― (これでどう……?) 今、彼女が気にしているのは採点者の動向だ……それを待たずして気を緩めるわけにはいかない。 期待を込めて観覧者の方を振り向くなのは。 我ながら快心の出来だった。 青子という人物が大仰な拍手を降らせてくれる人でない事は重々承知だが…… いくら何でもここまでやって無反応という事はない筈―――――― 「…………」 だが――――― 上気して紅く染まった相貌を向けた、視線の先には―――― 食べかけのスナック菓子がポツンと転がっているのみであった。 蒼崎青子は既にその場を立ち去っていたのだ………… ―――――― NANOHA,s view ――― シュンと肩を落としながら丘を後にする自分の姿は、誰かが見ていたら相当みすぼらしく移ったと思う…… 左手には一緒に頑張ってくれたレイジングハート。 右手には同居人が置いていった週刊誌とポテチの袋。 途中で帰るなら、せめて自分のゴミくらい片そうよ……青子さん。 「頑張ったんだけどなぁ……」 自分は不器用だし、彼女は決定的に私とは考え方やタイプが違う。 なら、上辺だけの言葉で飾り付けても伝わらない。 互いに戦いに従事する者同士、この方法が一番良いと思ったのだけれど、当てが外れたかなぁ。 正面から体でぶつかるという試みが常に功を奏すわけではないけれど、ちょっと……かなり残念。 空を飛んで帰れば小屋まであっという間なんだけど、どうもそんな気になれない。 頭を垂れて山を下る私………高町なのはは今相当、凹んでます。 「―――――――」 「…………!」 とその時、頭上に気配を感じて私は宙を見上げる。 「レン………」 覚えのある鈴の音を聞き間違えることはない。 木の枝に純白の少女が座っていた。 「――――つくづく大したタマね。 アレをああまで挑発してのけるなんて…… 知らずにやってるんだとしたら相当の天然よ。 貴方」 言葉を紡ぐ少女。 敵意と警戒心を称えた声色は変わらない。 でも、挑発? 確かに挑戦的な意味は含めたけれど決して青子さんを愚弄するような感情を込めた覚えは無い。 それが途中で帰ってしまった原因なのだとしたら……一体何が気に入らなかったんだろう? 「アレはアレなりに魔法使いなんて大層な肩書きを背負って周囲に振舞っているわ。 元がどんなに奔放な性格だって、魔法使いという言葉の重さを感じ取れないような奴があの域にはいられない。 でも――――あれで芯はまだヤンチャな小娘なのよね………珍しく他人に対して反骨心を露にしてる」 「反骨心? 誰に?」 「貴方によ。 気を落とす事は無いわ。 メッセージは青子にちゃんと届いてる―――臓腑を抉る勢いでね」 オウム返しになってしまう私の問いかけに意味あり気な答えを返してくるレン。 青子さん……ああ見えて私の気持ちに気づいてくれたのかな? 「でも、ポテチ食べてたよ?」 「ポーズに決まってるじゃない。 アンタなんかに興味ありませんよーっていう。 貴方が 魔術 や 神秘 に対してアプローチをかけたい以上に、青子は貴方達の事を知りたがって……とと、今のナシ」 「………そっか。 有難うレン。 教えてくれて」 「別に……私はみっともなく右往左往する青子が珍しくて面白がってるだけ。 せっかくだからもっともっとアレを引っ掻き回して欲しいわ―――笑えるもの」 クスクス、と意地悪い笑みを残して白猫は森の奥へと消えてしまった。 「…………首尾は上々、だったのかな?」 少し安心した……自分の意思はどうやら少しは彼女に届いていたようだから。 そしてくたびれ損でなくてよかったと気を抜いた瞬間、ドっと疲労が沸いてきた。 うう~……ホントに疲れたよ。 あれは私の持ち技の中でも、とっておきだったんだから。 あれで届かなかったら正直、お手上げだっだ。 「とにかく……少し間をおいて、夕食時にでも改めて話を切り出そう」 そう思い立ち――――私は帰路につく。 その足取りは心なしか軽いものとなっていた。 ヴィヴィオと性格は全然違うけれど、やっぱりレンの声は凄く落ち着く。 私にとっては今や癒しそのもののあの少女ともう少し仲良くなりたいな、なんて思いながら―――私は山地を後にする。 ―――――― ―――――― そして今は夕刻の食事時――― 卓に並べられた簡素な夕餉を黙々と平らげていく二人。 ――― 空気が……………重い…… ――― 租借し舌鼓を打つ音と、カチャカチャと食器の擦れる音だけがダイニングに木霊する。 野菜と炭水化物と蛋白質のバランスの取れた、調理者であるなのはの性格が伝わってくるような品揃え。 だが談笑に花を咲かせるでもなく、無言で箸を勧められては食材にも申し訳が立たないというものだ。 「青子さん……その、昼間の事なんだけど」 意を決してなのはは話を切り出した。 「……………」 「どうだったかな? 貴方ほどの術技を持った人から見たら全然未熟だったかも知れないけれど…… 出来れば今後のためにも忌憚ない意見を聞かせて欲しいんだ」 「……………」 「ねえ教えて青子さん。 私の戦力は………貴方の世界ではどの程度、通用するのか」 「……………………む」 「む?」 遠慮がちに、だけどはっきりと相手に言葉を投げかける高町なのは。 しかして―――― 「むきゃーーーーーーー!!」 「ひゃあっ!?」 返ってきたのは怪鳥音と――――――ドレッシング。 プラスチック製の容器が、ダッキングで避けたなのはの頬を掠めて壁にぶっ刺さった………… ―――――― AOKO,s view ――― ――― ああ………嫌なもん見せられた ――― 全く持って苛々が収まらない。 対面にちょこんと座ってインゲン豆をポリポリ口に運びながら、しきりにこちらをチラ、チラ、と見てくる女。 我がむかつきの原因である魔法少女、高町なのはさん(20)である。 会話を切り出したくてしょうがないといった風体だが、どーせ昼間の事だろう……ああ、腹立つ。 「青子さん……その、昼間の事なんだけど」 ―――――そら来た……… 彼女が色々と悩んでいたのは知っていた。 暇さえあればああして出かけていって、汗だくになって帰って来て、玉ッコロと反省会などをしてた。 常にどこか陰を落とした表情は、遭遇した困難―――どうにもならない壁を目の当たりにして相当の衝撃を受けたのだろう。 この一ヶ月、互いに自身の手札を隠したまま何とか相手の情報を引き出そうという ささやかながらの情報戦が狭い小屋内で行われていた。 両者とも秘匿せねばならない事項を抱えた身。 すんなり打ち解け、交流しましょうというわけにはいかない。 そして今日、相手がついに現状に痺れを切らしてアクションを起こしてきたってとこ。 この子は今―――どうしても魔術の事が知りたいのだ。 ……………… しかし昼間、ああして改めて奴の力を見させられたわけだが………コノヤロー。 一体、私と戦った時はどんだけ手加減してたっていうのよ……… 結果、英霊と互角に戦ったという彼女の言葉の真偽はめでたく証明されたわけだが。 はっきり言って私と五分程度の力で英霊なんかと闘えるもんじゃない。 あれは基本、ヒトがどうにか出来るものじゃない。 十分な用意と下地と勝算を以って臨んだならばともかく、道端でばったり出会って戦闘になった場合、対応できる相手では断じて無い筈。 だからせいぜい方々の体で逃げてきたんだろうな、くらいに思ってた………昼の彼女のパフォーマンスを見るまでは。 結論、この女はマジでヤバイ―――英霊なんてモノと互角に戦い兼ねん力を本当に持っていた。 私との戦いは互いに遊びみたいなものだったけど、それでも私は「まあ、死ななきゃいい」くらいの気持ちで撃ち込んでいた。 だいたい5分~6分、といったところだろうが、対して彼女は蟻を摘むかのような細心の注意を払って私に臨んでいたに違いない。 この私を………相手にして………ッ!!! 「むきゃーーーーーーー!!」 「ひゃあっ!?」 むかついたんでドレッシング投げてやった。 避けくさった。 魔力ダメージという便利な機能を有しているといっても、その効能はぶちかましや爆風の破片にまでは至らない。 衝撃波だけで戦闘ヘリの一つや二つ、簡単に吹っ飛ばせる奴が BJとやらを纏っていない私を大怪我させずに無力化させるのにどれだけ苦心した事か……… 高町なのはの「敵をなるだけ傷つけない」という制約を外した本来の動きが昼間のアレなのだろう。 認めざるを得ない……まともに戦えば、私はなのはに到底、適わない。 いや、アレが向こうさんの技術力の賜物だというのならば、魔術師そのものがミッドチルダ式魔導士には適わない。 その事を今日、存分に思い知らされたのだ。 くそー……同世代で私をキッチリ殺せそうなのは姉貴くらいかと思っていただけに、はっきり言ってショックだわ。 これじゃ井の中の蛙じゃないの……悠々とあれだけの力を見せ付けておいて 「どの程度通用するのか♪」 だってさ。 イヤミな奴め……お前なんかキライだ。 爆発してしまえ。 ―――――― 前 目次 後
https://w.atwiki.jp/talesrowa/pages/248.html
悲しみの先にあるものは―― 「う……」 突然鳴った爆発音でトーマは目が覚めた。 身体中が草まみれだったが、トーマは気にしなかった。 その頭にあるのはただひとつ。ミミーのこと。 「ミミー! ミミーはどこだ!?」 「ク……」 その言葉に答える者は1匹の動物……クイッキーだけ。 「クイッキー! ミミーは……ミミーはどこにいるんだ!」 「ク~~……」 トーマのその問いにクイッキーはただ首を横に振り答えた。 その様子に違和感を感じ、不安になるトーマ。 辺りを見回しても人らしき姿は見当たらない。 見えるのはクイッキーとG5の町。そして、1体の首がない死体。 ――死体? トーマははっとした。 まさか……あれは…… もう一度その亡骸に目を向ける。それは見覚えのある服を纏っていて―― 「ミミー? ウソだろ?」 トーマは体を震わせながらゆっくり首のないミミーへと向かっていった。 そこにクイッキーが止めに入る。 「クイッキ~~!!」 「どいてくれ、クイッキー! 俺は……ミミーを!!」 「クイッッッキィィィ~~~!!」 トーマの目に再びミミーの亡骸が映った。 首のない死体。放置されている支給品袋。 決して頭はよくないトーマだったが、それを見て何が起きたかはなんとなく想像できた。 「まさか……ミミーは……?」 トーマはその場で崩れ落ちた。 閉じた目から零れ落ちるのは一滴の水。 ずっと忘れていた悲しみの涙。 『いらっしゃいパン!アナタは最初のお客様パン。大サービスするパンよ!!』 ――こんな俺を温かく迎えてくれたミミー…… 『じゃあミミー特製のキッシュを焼くパン!きっと牛さんも驚くパン!』 ――まだキッシュとやらを作ってもらってすらいないのに…… 『これが終わったら、あまり得意じゃねえが、髪飾りでも作ってやるよ。頭がさびしいだろ?』 ――俺も……まだその約束を果たしていないのに…… ――――どうして……こんなことに…… 「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 トーマは吼えた。ミミーを失った悲しみ、ミミーを守りきれなかった自分への怒りを吐き出すように。 何時間声を出し続けただろう。そんな時、ふとある人物の言葉が頭をよぎり、トーマは吼えるのを止めた。 ――望むなら死者でさえ蘇らせてやろう。 それはゲームの勝者は願い事をひとつかなえられるという主催者ミクトランの言葉。 そのときは馬鹿馬鹿しいと思った。だが今は―― 「クイッキー。ミミーの持ち物を取りに行ってくれないか?」 「クィ……?」 クイッキーから支給品袋とメガグランチャーを受け取り、トーマはゆっくりと立ち上がった。 その目はまるで獲物を狙う猛獣のように恐ろしく…… (待っていろ、ミミー。俺が必ず……) トーマは北西の方角へと歩き出した。 ただ一つ残された希望にすがるために―― 【トーマ 生存確認】 状態:深い悲しみ 右肩に擦り傷(軽傷) 軽い火傷 TP小消費 所持品:ミスティブルーム、ロープ数本 、メガグランチャー、ライフボトル、ウィングパック×2 イクストリーム 金のフライパン マジカルポーチ ペルシャブーツ 基本行動方針:ミミーを蘇らせる 第一行動方針:北西へ向かう 現在位置:F5の平原 クイッキー 状態:不安 基本行動方針:トーマについていく 前 次
https://w.atwiki.jp/haruhi_dictionary/pages/78.html
人物画像 登場作品 基本情報 性格・容姿 正体 関連記事 関連人物 人物画像 登場作品 第8巻『涼宮ハルヒの憤慨』収録の「編集長★一直線!」 第9巻『涼宮ハルヒの分裂』 基本情報 県立北高校2年生(第9巻『分裂』より3年)の男子生徒。本名は不明。 初登場は第8巻『憤慨』収録の「編集長★一直線!」。第9巻『分裂』にも喜緑江美里と共に登場する。 性格・容姿 一人称は「私」だが、それはハルヒと喜緑がいる時のみで、キョン達の前になると「俺」になる。作中で「のっぽ」と称されていることから長身であることが伺える。 冷徹・陰湿な生徒会長で、非公式団体であるSOS団を疎ましく思っている。 仮面の下はかなり含むところがあり、その裏側を隠しているいわゆる不良ではあり、未成年であるにも拘らず、喫煙をしている。 本来の性格はある意味で「非常に正直」でもあるらしい。 正体 「機関」の外部協力者で、「涼宮ハルヒが望む生徒会長らしい生徒会長」を演じている。 生徒会長としての仕事に対して、最初のうちは「面倒だが交換条件のためだ」と割り切っていたが、徐々に仕事そのものや「別人格を演じる」ことに楽しみを見出すようになる。 関連記事 超能力者関連 関連人物 涼宮ハルヒ キョン 古泉一樹 喜緑江美里
https://w.atwiki.jp/gumdamblackcat/pages/348.html
【選別】 【選別・続――飽食の時代】 親まりさは衝撃に身を震わせた。何が起こっているのか把握する間もなく、体が宙に浮く。 「ゆゆっ! おそらをとんでるみたいなんだぜ!」 そのまま、投げられた。 「ゆぎゃべっ!?」 顔面に鈍い痛みが広がり、餡子を吐き出しそうになる。しかし、餡子を吐くということは人間でいえば内臓をぶちまけることと同義である。まりさは、懸命に口元を引き締めた。 「まりさ、家族はうまかったか」 声が聞こえた。冷たい、氷みたいに冷たい声だ。 本能が言う。逃げろ、ここにいたら殺される。あれには勝てない、と……。 「ま、まりさはむれでいちばんかけっこがはやかったのぜ! ゆっくりしないでにげ……ゆっ!?」 窓から飛び出そうとしたところで、身動きできなくなる。 「おまえの口は飾りか? 会話を成り立たせるところから始めなければならないのか? ……まあ、ちゃんと答えてもどうせ殺すけどな」 ――――― まりさは眼を覚ました。どうやら、あのゆっくりできない人間に眠らされていたらしい。 「起きたみたいだな。目覚めはどうだ?」 良いはずがない、そう言おうとしたところで気付く。 口が、開かない。 「餡子を吐き出してしまうとすぐに死ぬからな。ちょいと細工させてもらった。木工ボンドと溶いた小麦粉、澱粉のりにセメントとアロンアルファ……他にもたくさん使ったなぁ」 まりさの口は、接着剤によって固められたのだった。上唇も下唇も、ぴくりとも動かない。 「口を聞けない口なんか、要らないよな」 「んんんごんむぐぐ……」 「あはは、面白い顔だな。それじゃあ、この辺からいってみようか」 ――――― 俺は注射器を手に取った。中には、真っ赤な液体が入っている。鋭い針をまりさの頬に突き刺して、液体を全て注ぎ込んだ。 「んごんぐぐぐ……」 まりさが奇妙なダンスを踊り始める。おかしな表現だが、それは狂った人形を想起させた。 液体の正体は、 「激辛ラー油」だ。 ゆっくりにとって、辛いものはすなわち激物である。唐辛子を食べた赤ゆっくりが破裂した、なんて話もある。 「むぐんごぐぐ……! ごんんん!」 まりさは全身を真っ赤に染めて、ぐねぐねと跳ね回る。見ていて飽きない、自動人形の珍妙なダンス。 ゆぎゃああああ! からだがあつくていたいんだぜえええ!ゆぎぃぃぃ! にんげんはまりさにゆっくりさせるんだぜえええ! ゆがぁぁぁいだいいいいいい! んぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! ――――― 「次はこれだな」 まりさは完全に意気消沈していたが、そんなことはどうでもいい。 「口の次は、眼をいこうか」 裁縫箱から、針と糸を出す。暴れないように、針でまりさの底面下部、ゆっくりで言うところの「あんよ」を傷つける。 ぷす、ぷす、ぷす……。針があんよを突き刺すたびにまりさは身もだえしていた。 「んぎゅっ! ぐびっ! ごぶっ!」 ぴくぴくと痙攣し始めたまりさを抱えて、片方の眼、瞼に糸を付けた針を勢いよく刺した。 「んぐぅぅぅーーーーーー!!」 瞼を縫いつけられる痛みは想像を絶するものだろう。まりさは餡子の涙を流していた。 「呪怨にこんなやついた気がする」 そんなことを言いながら、両方の眼を縫った。 ――――― おめめさんがいたいいいい! ゆわあああ! まりさのぱっちりおめめさんがみえなくなっちゃったのぜえええええ! ――――― 放置して数日が過ぎた。ぷるぷると動いているから、まだ生きているようだ。 叫び声もあげられぬ絶望の暗闇のなかで、まりさはどんなことを思っているのだろうか。 ――――― ゆんゆんゆゆーん♪ まりさはむれのたいしょうなんだぜ! ゆんゆんゆゆーん♪ まりさはつよくてかっこいいんだぜ! ゆんゆんゆゆーん ゆんゆんゆゆーん ゆんゆんゆゆーん ゆんゆん………………。 ――――― 生きることに、善も悪もない。俺は生きるために魚も肉も野菜も食うし、あまつさえそれに評価を付ける。うまいかまずいかで、食べるか食べないかを決める。 ……もしも食料が何にもなくて、家族を食わねば自分が死ぬ、という状況になったとき。 俺はどうするのだろう。大人しく食われるか、それとも食うか。家族全員、仲良く共に飢え死にするのか。 「家族を食べる」ことに一点の疑問も持たなかったこいつに腹を立てた俺という人間は、はたして立派な人間なのだろうか。 まりさの干からびた死体をちぎって蟻の巣の近くにばらまきながら、そんなことを考えていた。 完