約 4,976 件
https://w.atwiki.jp/trpgken/pages/935.html
“神々の猟犬”藤堂 柚香 「――神の目からは逃げられませんよ?」 「やっぱり私には、こういうのは向いていませんね…。」6話より 「マスター、いつものクレープをお願いします。」7話より 「本当に私とですか!?え…こ、これはドッキリか何かですか!?」幕間その4より ≪プロフィール≫ 【コードネーム】“神々の猟犬―Divine Chaser―” 【性別】女 【年齢】16歳 【身長】162cm 【体重】42kg 【誕生日】4月12日 【血液型】A型 【ブリード】ピュアブリード 【シンドローム】エンジェルハィロゥ 【ワークス/カヴァー】風紀委員B/風紀委員 【ロイス】 [Dロイス]:パックチーフ 親友 平坂梓 ■庇護/□疎外感 同僚以上 香月直斗 ■信頼/□不安 【ライフパス】 出自:有名人 父親がUGNの要人らしい 兄も兄で… 経験:無二の親友:平坂梓 おかえりなさい、また一緒に遊べるね 邂逅:いい人:秋庭小夜子 本当に、いろいろと大変そうですね 覚醒:犠牲 よくも私の親友を… 衝動:加虐 うふふふ…、楽には死なせてあげませんよ? 【能力値・技能】 肉体: 1 感覚: 8 射撃 Lv7 知覚 Lv1 精神: 2 RC LV1 社会: 1 調達 Lv2 情報:UGN、アカデミア Lv1,2 【副能力値】 基本侵食率:35 HP:24 行動値:18 【エフェクト】 種別 名称 Lv タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵食値 制限 備考 - ≪リザレクト≫ - オート x HP回復。 - ≪ワーディング≫ 1 オート 0 エキストラ除外。 1 コンセントレイト(エンハイ) 2 メジャー シンドローム 対決 - - 2 - クリティカル-LV 2 小さな塵 3 メジャー 射撃 対決 - - 2 - 攻撃+(LV×2) 3 光の裁き 1 メジャー シンドローム 対決 単体 - 5 ピュア ダイス+(LV×2) ドッジ不可 シナリオ1回 4 マスヴィジョン 5 メジャー シンドローム 対決 - - 4 100% 攻撃+(LV×5)シナリオ3回まで 5 ミスディレクション 1 オート - 自動 単体 視界 5 - 対象の範囲を単体に 1シナリオLV回 6 フラッシュゲイズ 5 オート ー 自動 自身 至近 3 80% 1ラウンド1回 対象の判定ダイスー(2×LV) 【イージーエフェクト】 名称 Lv タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵食値 備考 ウサギの耳 1 メジャー - 自動 自身 至近 - 遠くの音を聞き取ることができる 真昼の星 1 メジャー - 自動 自身 至近 - 遠くのものや細かいものを見ることができる 【コンボ】(100%未満/100%以上) 名称:ヘブンズレイ/パニッシュメント 組み合わせ:1+2/1+2+4 タイミング:メジャー 技能: 射撃 対象:単体 射程:30m 侵食値:4/8 ダイス:8/8 CT値:8/7 攻撃力:11 達成値+3/43 達成値+3 名称:ジャッジメントレイ 「――諦めますか?逃げ出しますか?無駄と知りつつ抵抗しますか?」 組み合わせ:1+2+3+4 タイミング:メジャー 技能: 射撃 対象:単体 射程:30m 侵食値:13 ダイス:12 CT値:7 攻撃力:43 ドッジ不可 達成値+3 【アイテム】常備化P:8 財産P:0 名称 種別 常備化 詳細 ショットガン(スラッグ) 武器 7 射撃 攻+5 射程30m 強化服 防具 1 装甲値1 Aランク:スペシャリスト ランク 0 小さな塵 達成値+3 浸食基本値+4(適用済み) プラスランク ランク 0 常備化+2 個人的メモ: 次回必須:思い出の一品:銀のペンダント ≪容姿・性格≫ 暗めの茶髪を束ねて背中に垂らした髪型。長さは大体肩甲骨のあたりまで 目は垂れ目で黒いナイロールの細い眼鏡を愛用しているようだ 体つきは細身で、風紀委員だけあって制服はきっちりと着ており愛用のショットガンはケースに入れて背中に担いでいる いつも止まっている懐中時計を持ち歩いている その懐中時計は友人の形見であり、事件のあった時刻をさし続けている 穏やかな性格で丁寧な物腰と見られているが 親友をFHに殺されたため(誰にやられたかは未定)か、家での教育のせいか相手を悪と判断すれば容赦がなくなる 丁寧な言葉遣いでさらっと酷いことをいうこともしばしば たびたび神という言葉を口にするが自分の行動に自信をつけるためなのかもしれない が、彼女の兄もしばしば口にしているので家族の決まりなのかもしれない 兄によくやられていたためか、口では嫌がりながらも頭を撫でられるのは嬉しい様子 しかしもうそんな年でもないのは自覚しているからか顔は真っ赤 ≪設定≫ 全ての悪は滅ぶべしを家訓とする藤堂家の長女で、2つ上の兄がいる 兄の親友である緋阪無宇が兄に送った盾の形のペンダントを兄と半分ずつ持っていたが、兄は家出の際にそれを置いていっている 小学6年生のころ兄が家出、父が任務中という状況で親友とともにFHに連れ去られ眼の前で親友を殺される その際能力が発現し、自力で脱出するもUGNが到着したころにはFHは逃げ出した後で親友も助からなかった そう伝えられており本人もそうだと信じている 友人を助けられなかったことを今でも悔やんでおり、当時のフラッシュバックに苛まれることも多々ある そのため学園では風紀委員にはいり、ウサギの耳で争いの種を察知しては事が起こる前に解決することを仕事としている ○第1話 幽霊騒ぎにおいてベアトリスから依頼を受け解決に動く とっておいてよかったウサギの耳で彷徨う幽霊を探し、無事に風雅君と会わせることができた 最後暴走状態のままで衝動だだもれだったのは秘密 兄のおいて行ったペンダントの片側をお守り代わりに風雅君に投げつける ○第2話 AOW-BがRファイトへ出ることとなり代理の警備を試合開始2時間前に頼まれる 休日出勤お疲れ様… よく試合開始に間に合いましたね ○第5話 時間を繰り返しているように錯覚させるジャーム"ユートピア"事件の際、ベアトリスから調査の依頼が回ってくる まわされたのは深夜、提出期限は翌朝 でもやってくるあたりがなんとも… ○第2´話 AOW-Bから鼠の捕獲への協力を依頼される 若干自虐が入ってきている気がするが、まだ大丈夫だろう ○第6話 過去の仇を発見し、復讐を計画するも支倉歩、秋元風雅、秋庭小夜子、神柁ベルムらの活躍により断念。 最終的には親友、平坂梓とともに仮面の元から帰還する。 ○第7話 学園島でたまたま見つけて以来愛用している軽食店「はなぶさ」。 はなぶさのマスターが事件に巻き込まれたと聞いて風紀委員として、また個人として事件解決に向かい動く そんな中で突如覚醒し暴走していたさやかを止めるため、仲間とともに尽力した 最終的には事件は解決し、クレープを食べに行くのは日課になったようだ ○第8話 来雨を追いかけるだけだったハロウィンのはずがひょんなことから大きな事件となり、巻き込まれる 事件解決のために努力はしたものの、意志の低さか暴走が多かったようだ。 最終的に来雨を止め、元の世界に戻ってくることに成功した。 ○幕間その4 島中が不思議な空気に包まれ、忙しくなったクリスマス。 香月やいつもの仲間たちとともにパトロールしつつ祭りを楽しんだ。 アカデミアメイズでは謎の状態に混乱しつつも、無事優勝を飾ることに成功。 最後の屋上では少し春の兆しが見えたとか。 追記:恥ずかしがっていたものの一度着た後は割とメイド服が気に入ったご様子 《PLより》 定例会でやったおとなしそうな暴走キャラが楽しかったのでまたやらせていただくことにしました ご迷惑になっては大変ですので行きすぎたときには止めてやってください 誰が何と言おうと柚香さんはサポートと追跡担当です!
https://w.atwiki.jp/cosces/pages/18.html
皆様!いつもお世話になっております。Cosces店はIdentityVcosplay衣装が販売しています。 店舗のURLはhttps //www.cosces.com です。 もしIdentityVゲームに入って、どなたになりたいですか?思えば、現実の傭兵に仮装しよう! 今日は傭兵を紹介させて頂きます。 傭兵のスキン(衣装)について軽く触れていきたい。 以下を確認してもらうとわかるんだけど、傭兵のスキンはかなり格好良いものが揃っていると思う! まずは「猟犬」だけど、犬男みたいでかなりクールだよね! https //www.cosces.com/cos10258-identityv-mercenary-cosplay 第五人格(IdentityV)より引用 猟犬のスキンは犬男って感じで格好良い! もともとバトワンはそこまで傭兵に興味がなかったんだけど、このスキンを見て「使いたい!」と考えるようになったほど。 同じように思ったプレイヤーも多いんじゃないかなー?他にも以下のホオジロザメとかも良い感じ! 第五人格(IdentityV)より引用 ホオジロザメのスキンもスタイリッシュ! こっちは上記の猟犬にはやや劣るような気がするけども、これもGETすることが出来たらば、猟犬と順番で使っていきたいスキンの一つだと思う! https //www.cosces.com/cos00500-nawabu-clarity-identityv-cosplay 第五人格はあくまで鬼ごっこのゲームではあるんだけど、こういうスキンの多彩さも面白みのひとつだと思うから、こうやってバリエーションを持たせてくれるのは本当に嬉しいサービスだよね! 今後も傭兵の新たなる衣装の登場を楽しみにしていきたいと思う! 第五人格の製品に関して質問がございましたら、遠慮無くどうぞ。お気軽にこちらに連絡してください!弊店のLINEお友達限定キャンペーン開催中 お客様にいくら購入されてもおまけ付きトータル金額が高ければ高いほどおまけもよくなります。 小売りも卸売りも大歓迎です。一回で何百個も発送出来ます。お問い合わせをお待ちしておりす。 弊店のLINE (LINE ID cosces)お友達登録でそれにLINEでお問い合わせ後ご注文ならば弊店の全ての商品(単価6000円以上)セールさせていただきます 1点 1000円 0FF 2点 2000円 0FF 3点 3000円 0FF 3点以上の場合、それぞれ1500円お値引きさせていただきます。(特価商品以外) ちなみに、お友達をご紹介してご購入の場合、最大お値引きは50%0FF可能です。 詳細はラインにお問い合わせください!
https://w.atwiki.jp/filinion/pages/93.html
https://w.atwiki.jp/mihoyowikiunofficial/pages/176.html
目次 性能ステータス スキル1 次元をねじれる狩り スキル2 無知な狩人 入手方法 説明 関連項目 性能 ステータス No. 名前 3925 ティンダロスの猟犬 小分類 シリーズ ☆ 神格覚醒 自動ライフル クトゥル 6 属性 攻撃力 射速 残弾数 異能 564 10 300
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2561.html
トリステイン魔法学院には怪談がある。 無論、言うまでもない事だが怪談はどこにでも犇いている。 ある時は主を失い寂れた古城に、ある時は霧のかかった森に、 墓地に、古戦場に、湖に、その例は枚挙に暇がない程だ。 暗闇を見渡す目を持たない人間は夜の中に未知の恐怖を見出す。 やがて、それは人々に形を与えられて怪談という形になる。 意外に思うかもしれないが怪談は恐怖が生み出すのではない。 恐怖から逃れるようとする人間の弱い心から生み出されるのだ。 人が恐怖するのは“それ”を理解できないから。 得体の知れない何かを形を持った恐怖に変える事で人は一時の安心を得る。 話を戻そう。この世界にどれほど幽霊が蔓延っていようと問題となるのはただ1件。 トリステイン魔法学院に出没するという幽霊の事だ。 なるほど。確かにトリステイン魔法学院は怪談を生み出す最高の土壌が出来ている。 伝統ある建物は言い換えれば古めかしく、その趣はどことなく威圧するような印象さえ与える。 辺りには魔法学院以外の建物はなく消灯の時間を過ぎれば一面闇に覆われる。 また、生徒達の娯楽である噂話は伝染病のように怪談を伝え広めていく。 友達の友達、知り合いの知り合い、誰が最初に言い出したのかを突き止めるのは困難な作業だ。 まさか生徒一人一人を締め上げていくわけにもいくまい。 それに教師達はこの事態に緘口令を布いて混乱を収めようとしている。 本来ならそれほど大騒ぎするほどの事ではない。だが実際に被害が出れば話は別だ。 すでに三人……今朝倒れている所を発見されたギーシュも含めれば四人の犠牲者が出ている。 今までと同じで外傷はなく、それなのに自力で起き上がれないほど衰弱している。 最初の犠牲者はスティックス。彼は夜中に部屋を抜け出してキュルケに会いに行ったらしい。 女子寮の傍らで倒れていた彼は意識を失っており、目を覚ましたのはそれから数日経ってからだった。 もっとも弱っていようとも、寮に不法侵入した不届き者を女子達が許す訳もなく、 また男子達も衰弱するほどキュルケとナニをしていたんだと殺意を滾らせた。 正直このまま意識を取り戻さなかった方が良かったのではないかと思うほどの惨状だった。 彼の証言によると、女子寮の廊下を歩いている最中に背後からひたひたと何かの足音が聞こえたらしい。 振り返るがそこには誰もいない。そして再び歩き出すとまた足音が聞こえてくる。 やがて、それはどんどんと近付いてきて―――そこで意識は途絶えたと言う。 彼の証言は一笑に付され、ただの疲労から来る妄想と断定された。 しばらくはスティックスも物笑いの種にされたが、それも少しの間だけ。 笑い話にならなくなったのは二人目の被害者が出てきてからだった。 今度はスティックスと同学年のペリッソン。 彼もまた深夜に抜け出し、翌朝、洗濯に来たメイドに倒れている所を発見された。 怪我一つなく疲弊し切った彼の症状はスティックスと全く同じで、 そして彼が深夜に歩き回っていた理由も全く同じだった。 ベッドに横たわりながら互いに火花を散らす彼等に周りは冷たい視線を送る。 そもそも当のキュルケは見舞いにさえ来てないのだから虚しい争いなんて止めればいいのにと思う。 魔法学院が誇る教師陣はこの問題に大いに頭を悩ませた。 一人なら偶然かもしれない、だが立て続けに起きればそこに関連性を見出すのが人の性だ。 三人目、四人目が出ないという保証もなければ犠牲者が二度と目覚めない可能性だってある。 不平不満を洩らす教師達にオスマン学院長は宿直の教師による見回りを命じ、 そして生徒達には夜間の外出を禁止し厳重にこれを取り締まった。 だが、それでも怪談は収まらず、むしろ余計に悪化していった。 生徒たちの間で実しやかに語られる恐怖談。 それは誰もいないはずの廊下を通り抜けていく誰かの足音だったり、 三階の窓に張り付く誰かの手だったり、実害こそ無いものの被害者は増えていく一方。 興味深いのは誰一人として幽霊の顔を見ていないという事だ。 不安や恐怖が被害妄想を拡大させていると考えたミスタ・コルベールが始めた朝の体操も、 寝不足で体調不良を訴える生徒達からは殊更不評だった。 そして、遂に三人目の犠牲者が出てしまった。 彼……ギムリは夜遊びが出来なくて退屈しているキュルケの為に幽霊退治に乗り出したらしい。 結果は返り討ち。相手の正体さえ掴む事も出来ず前の二人と同じ運命を辿った。 しかし以前と違い、ギムリは翌朝には意識を回復して話が出来るまでになっていた。 それに自分が襲われた瞬間の事、そして力を抜き取られていく感触をはっきりと覚えていた。 幽霊の力が弱くなってきているのか、それとも他に理由があるのか。 だがギムリが襲われた事で事態は予想外の方向へと移っていく。 襲われた三人には夜に出歩いていた以外の共通点があった。 それは全員キュルケのボーイフレンドだったという事だ。 振り返ってみれば外出した理由はどれもキュルケに誘い出されたとも受け取れる。 だが彼女がそんな事をする動機も無いし、するはずもない。 それでもキュルケを怪しむ噂は怪談と合わせて波紋のように広がり、 一部の生徒は彼女を避けるようにしているらしい。 恐らくはトネー・シャラントのような輩が彼女を陥れようとしているのだろう。 四人目の犠牲者はギーシュ。彼もまた女生徒の前で格好をつけたかったに違いない。 これでキュルケの疑いは晴れたかに思えたが、男子達は隠れてキュルケと付き合っていたに違いないと鼻息を荒くしている。 また、お見舞いに来たモンモランシーとケティが遭遇、そこで互いにギーシュのガールフレンドだと主張した。 彼の意識が戻り次第、彼等による徹底した拷……尋問が行われると予想される。 キュルケは疑惑を否定しないだろう。 彼女はそういう性格だ。たとえ誰が噂しようとも意に介さない。 面と向かって言われたのならともかく根も葉もない誹謗中傷など聞く耳を持たない。 だけど傷付かないはずはない。いや、たとえ彼女が大丈夫だったとしても。 友人を侮辱されて平気でいられるほど温和な性格ではない。 疑惑を解消する方法はただ一つ、出没する幽霊の正体を晒す事だけだ。 それに付け加えるなら、私もまた弱い人間の一人に過ぎない。 吹きつける風に窓が揺れる音やドアが軋む音に一々怯えて過ごすのは……精神の健康に良くない。 時には、日が昇るまでトイレに行くのを我慢させられた事もあった。 復讐を誓った時のように湧き上がる憤怒が恐怖を塗り潰していく。 情報収集に来た医務室を出て行くタバサと、 入れ替わるように入ってきたルイズが擦れ違う。 いつもと変わらぬ表情の中にただならぬモノを感じてルイズは振り返る。 「なにかあったのかしら」 そもそも何で医務室なんかに足を運んだのか。 少なくとも医務室で寝ている人間の中に彼女の友人はいない。 というよりもツェルプストー以外に友達いるのかしら、あの子。 かといってどこか体調が悪いようにも見えない。 ルイズが首を傾げていると奥から病室とは思えない喧騒が響く。 その理由を予想し、はぁとルイズは溜息をついた。 病人のプライバシーを守る白いカーテンを大きく開ける。 ベッドは5つ。病人も5人。しかしベッドにへばり付いているのは4人だけ。 残りの1人……その中で最も大きな怪我を負った男が他人の見舞い品を漁っていた。 身体を起こす事も出来ない彼等の批判を受けながら、 そいつは他人のベッドに腰掛けて平然と果物の皮を剥く。 「随分と元気そうね」 呆れたようにルイズは零す。 ちょっと前までは全身に大怪我を負って半死半生。 意識も混濁し明日をも知れぬ身だったというのに今はその面影さえない。 つくづく人の生命力というものについて深く考えさせられる。 単に自分の使い魔が生き汚いというだけなのかもしれない。 「元気な訳ねえだろうが。俺は怪我人よ? もちっと優しく労わって貰ってもバチはあたらねーぜ」 嫌味を口にするルイズに果物をかじりながら男……噴上裕也は答えた。 文句を言うスティックスを無視して今度は勝手に鏡を拝借する。 「なんつーか、俺が怪我するってのはよ、芸術における大いなる損失だよな。 控えめに言ってミロのビーナスの両腕みたいにさあ」 鏡を覗き込んでいた裕也がちらりと背後のルイズへと視線を送る。 しかしルイズはフンとばかりに明後日の方向へと顔を背けた。 子供にゃあまだ分からねえか、と呟いて再び鏡に見入る。 そして額に巻いた包帯を徐に解き始めた。 そこには頭蓋骨にまで到達する深い裂傷があったが今ではもうほとんど残っていない。 傷口を指でなぞりながら裕也は治り具合を確認する。 (露伴や仗助から養分を奪った時以来の回復力だな) ルイズが使った水の秘薬とやらの効果もあるのだろうが、 それ以上にメイジから得られる養分による物が大きかった。 その量はスタンド使いと同等か、あるいはそれ以上か。 この調子なら間もなく完治に至るだろう。 騒ぎも大きくなってきたし、そろそろ潮時だ。 (最後に一人……それで元通りだ) 背を向けたルイズには見えなかったが、 鏡に映った噴上裕也の顔は隠しようもないほどに笑っていた。
https://w.atwiki.jp/kiganhankoku/pages/41.html
奇眼の猟犬、ひとり往く -------------------------------------------------------------------------------- + 舞花 > こんばんは~ (1/18-22 07 23) -------------------------------------------------------------------------------- + 舞花 > 早速ですが、藩王様、亡命許可をw (1/18-22 07 53) -------------------------------------------------------------------------------- + ODD EYES > 了承ー (1/18-22 09 24) -------------------------------------------------------------------------------- + 舞花 > あ、脱藩許可でしたw (1/18-22 09 32) -------------------------------------------------------------------------------- + 舞花 > あ、本当ですか?w (1/18-22 09 44) -------------------------------------------------------------------------------- (奇眼藩国兵士御用達『憩いの酒場』での会話より) 藩王即答――。 人のよさげな微笑を浮かべた藩王は、そのまま何事もなかったようにカウンターの内側で、柔らかい布を使い、グラスをキュキュッと磨き上げる。ここは藩王が趣味で開いている酒場、ようするにマスター=藩王である。「この酒場内ではあくまでマスター、礼儀無用!」とのお達しがたびたび藩王の口から言及されるため、一兵卒であってもフランクに藩王に話しかける機会が与えられている。 どうでもいいが、我が奇眼藩国の藩王にはちょっと変わった趣味が多い。普段の老人姿は特殊メイクであるらしいだの、メイド服姿でジャーマンするのが得意らしいだの、あー、そういえば先日、塔の地下で発見されたという油田の採掘現場らしき痕跡も、じつは藩王の仕業らしい(このあたりは全く噂の域を出ていないのであるが)。そんな藩王ではあるが、意外と藩国内での人望は篤く(笑)、酒場は連日常連の兵士たちで賑わいを見せている。 「うちの藩王様は、ある意味猫よりも猫らしい性格なんじゃないかしら?」 内心ちょっと首をかしげる犬士歩兵の舞花である。 実のところ、先日行われた大規模動員で、中隊指揮をとった藩王ご自身の首が今危ないという状況なのだ。戦勝パレードがどうのこうのと世間が浮かれる一方で、戦いに参加した兵士たちは尻尾を垂れてひたすら沈黙を守っていた。正直、末端の一兵卒には、あの戦闘がなんだったのかさっぱり理解が出来なかった。ただ、戦闘随行吏族と指揮官たちの異常な混乱ぶりだけは見て取ることができた。少なくとも、南の海でみんなして水泳大会をすることがあの遠征の目的でなかった、それだけは確かなはずだ。そして…。 粛清の嵐がくる――既に兵士たちの間で、密かに情報が駆け巡っていた。 それなのに、いつものとおり夜になると酒場を切り回し、兵士たちの会話に気軽に付き合い、そして理由も告げずに脱藩すると申し出た兵士に、この返答。いや、こちらが酔っ払って与太話を振っているのでないことを、藩王は十分理解しているのだ。そんな藩王だからこそ、安心して後の処理を任せてよいのだと、決心することができた。感謝を込めて敬礼…おっと、ここは酒場だった、ショットグラスを軽く掲げる。周りで談笑する馴染みの仲間たちに黙って別れを告げながら、最後の酒場の雰囲気を心地よく味わった。 今回の粛清にて、真っ先に槍玉に挙げられたのは、連隊長を務めたジェントルラット藩王。藩王のみならず、ジェントルラット藩国は臣民含めて全員が抹殺されるだろう。なぜなら、あの悪名高い殲滅部隊「ディンゴコープス」の派遣が決定したというのだから。そして、指揮を執った隊長クラスも全員査問会にかけられ、処刑されるという。軍隊において、失敗の責任は償わねばならない。が、隊長クラス全員処刑、ましてや一藩国全員抹殺というのは、どうなのだ? 明日は我が身…いや、もしかして、同じ戦場に顔を並べた戦友たる藩国を、自らの手で追い立てる羽目になりはしないだろうか。そんな怯えが、すべての藩国の兵士たちの背中の毛をうっすらと逆立てさせていた。 そんな血塗られた帝国を、プリンセス・ポチはお望みなのだろうか? その疑問に答えが出た者たちは、時を同じくして行動を開始しているはずだ。 生贄が「ディンゴコープス」の牙に引き裂かれる前にたどり着けば、間に合うかもしれない。 正直、躊躇はあった。脱藩した身といえど、これからの自分の取る行動が天領に露見すれば、奇眼藩国がジェントルラットと同じ粛清にあうのは間違いない。しかし、さんざん口の中でうなり声を上げて悩んだ挙句、決意したのだ。そして、藩王もそれを是としてくれた。あとは藩王と仲間たちの裁量を信じて任せよう。 /*/ 「728-728…ナニワ、ナニワ~♪」 こういう場面で緊張感のある格好良い台詞が出てこないのが、舞花というキャラクターの弱点ではある。支度をしながら、脳に刷り込まれたお馴染みののキャッチフレーズをつい口ずさんでしまう。リュックに詰めているのは、ナニワアームズ商藩国の通販番組でちょっとしたブームの変装セット一式。本来帝国では手に入らないはずの代物。これを手渡してくれた友の、そのときの半ベソの顔が突然浮かんで、思わず歌が止まる。 「バッカ! 私ってば。これからあの子たちにひどい迷惑かけようっていうのに…」 舌を噛んで、あとは黙々と荷物をまとめる。酒場の従業員控え室からこっそりくすねてきた藩王の特殊メイク用キット。猫目のカラーコンタクト。猫耳バンド。またたび・スプレー、マスタード・スプレーetc. まあ、ジェントルラットでこの扮装が役に立つかどうかは正直わからないのだが。最後にしばらく考えた末、やはりこれだけは置いていけないと、リュックのいちばん取り出しやすい位置に愛用のスコップを差し込む。奇眼藩国歩兵にとって、スコップはあらゆる兵器に勝る万能の価値を持つのである。いざというとき、命を救ってくれるのは必ずこいつだ。そう、魂に刻み込まれている。 「結局、バトルメード見習いにしかなれなかったのかぁ…ちょっと残念だよね~」 これが最後とバトルメードの制服に身を包み、愛用の歩兵ライフルを肩にひっそりと寮を出る。 北国の冬。早朝。空はまだ暗く星が瞬いている。冷たい空気を胸のいちばん深いところまで吸い込む。冷気が肺に差し込む。むせる。声を押し殺す。目の端に涙がにじむ。 「くはっ、もうっ、胸痛い…! あ~、ホントに、私の、バカ、考えなしっ!」 気配を察して、2匹の犬士が何事かと走り寄ってくる。相手が誰かはこちらも承知。先日リンクゲート探しの任務で偶然救出した、あの迷い犬たちだ。まだ幼犬の域を出ない、真っ白もふもふグレートピレネーズの「ブラン」。顔は怖いが面倒見のよい犬ぞり隊長、ハスキーの「銀」。あの一件以来すっかり懐かれてしまい、しょっちゅうジャレついてくるようになっていた。もっとも先日の水泳大会では、初めて飛び込んだ海でパニックを起こした2匹にしがみつかれ、ひどい目にあったけど(笑)。 「しぃ~、静かにしてぇ。皆を起こしちゃまずいのよ」 こんな時間に珍しいねと、さっそくじゃれつこうとする2匹を押しとどめ、声を潜めて寮から離れた場所に誘導する。犬士たちは、どういうことかと耳を傾げてちょっと戸惑い顔。 「君たちも知っているでしょ? こないだの作戦の件で、うちの大将がピンチになっているのを」 2匹の顔がさっと引き締まる。我が藩王は犬士たちにも人気があるのだ。なにしろ、リンクゲート探しの任務で、期待された成果を挙げることもできず、あげく塔の(ごく)一部を破壊して、尻尾しおしおで引き上げてきた兵士たちに対して、「いやいや、よくぞ、この迷い犬士2匹を保護して帰りました! 犬士に勝る資源はありませんからね」そうきっぱり言い切り、表彰まで行った藩王の、その人柄を犬士たちは高く評価していたのである。まして救助された当の犬士たちにしてみれば、もう崇敬の対象だったりする。 「なんとかして、藩王を助けたいのよ。それには、宰相のご機嫌を取れるような手柄とか、あるいは注意をそらせられるような情報とか、何かあれば、ね? それで、私考えたのよ。奇眼藩国は、にゃんにゃん共和国に国境を接する唯一の国でしょ。どうにかしてナニワアーム藩国辺りに潜入して、情報収集できないかなって。例えば、噂の新型I=Dの設計図とか…」 リュックの隙間から、ナニワ変装セットの一部をちらりと見せる。 大それた、危険な行為。そんなことを藩王様が許すはずはない。犬士たちの低いうなり声。 「うん、だからこれは、私の独断行為。軍務規定違反にあたるわね」 「それでも…どうしても、やるつもり。だって藩王が処刑されちゃったら、結局のところ、うちの藩国つぶされちゃうもの。だったら、命かけてチャンス掴むしかないじゃない?」 「くふん、きゅう~ん」心底困った様子で、幼いブランが鳴き声を上げる。 舞花の身を案じているのと、軍規違反者の逃亡を見逃す行為への躊躇と。思わず、そのもふもふの体をぎゅっと抱きしめる。 「ごめんね。でも、私は大丈夫。必ず帰ってくるから、ね?」 「君たちは連れて行けないよ、わかっているでしょ? 猫の国だものね」 その姿勢のまま、傍らで沈黙している銀に向かって 「迷惑ついでに、頼まれてくれるかな。じつは表向きには、先日の任務で失敗したリンクゲート探しに行ってきますって書き置きしてきたんだ。だからさ、君たちも協力してリンクゲート探しに出掛けてたってことにしてくれない? 今日一日だけでいいからさ。実際のところ、私よりも君たちのほうが、犬士としての感覚ははるかにすぐれているわけだし。それに、首尾よくどこかにつながるリンクゲートを発見できれば、ひょっとして藩王の助けになるかもしれないし」 2匹の犬士の長い沈黙…。 辛抱強く時間の経過を待ったあと、立ち上がってゆっくり歩き出す。少し間をおいて…やがて犬士たちが走って追いつく。しばらく並んで、黙々と歩く。道の分岐。犬士たちに方向の指示を与え、大きく一度うなずいてから、右手を振り上げ、前へ。命令に従って、犬士たちが全速力で走っていく。その姿が見えなくなるまで、見送る。それから…。 向きを変えて、本当の出発。 朝になれば、兵士たちの行き来があらかた痕跡を消してくれるだろう。本当はどこに向かったのか、あの子たちは何も知らなくていい。もし問い詰められた時は、自分の見たままを猜疑の目を向ける者たちに語ればいい。犬士の証言は鋼より重い。嘘がないのだから。 しっかりとした足取りで歩きながら、ふと目線を上げる。森の向こうにそびえる塔が目に入る。藩国の名の由来である「奇眼の塔」。長い年月をかけ、増築を重ねた奇怪なシルエット。その根元には蓄えられた藩国の英知が眠る。あの塔で多くの仲間にめぐりあった。多くのことを学んだ。藩国の掲げる玉条は「正義の貫徹」「弱者の保護」そして「星詠みの探求」。 奇眼の尊ぶその精神の命ずるままに、今は前に突き進もう。もう、この塔を見上げる機会はないかもしれないが。願わくば、あの塔に集う者たちに、そしてこの厳しい北国でたくましく生きる全ての命に、星神の加護のあらんことを。 (格好つけておいて、ホントのホントの話、彼女の心の一番奥深いところを揺さぶったのは、「もう一度、スイトピー様に会うために逃げよう」という、その藩王の率直さだったりする。けっ! すでに一度会って話をすることができただけでも十分じゃないかと毒づきながらも、わかりすぎるほどわかってしまう、その気持ち…。彼らにその想いあるかぎり、見捨てるわけにはいかないじゃない? なにしろ奇眼藩国の国是には、「正義の貫徹」「弱者の保護」「星詠みの探求」とともに、もうひとつ「萌え全肯定」というのが明文化されているのだからw) (文士・舞花)
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/9277.html
その猟犬は空気に鼻をひくつかせ、低いうなり声をあげた。武野御大将は忠実な勇丸を見下ろし、なでて落ち着かせた。「兵を準備せよ。神が来るぞ。」 The hound sniffed the air and let slip a low growl. General Takeno looked down at the faithful Isamaru and calmed him with a touch. "Alert the men. The kami are coming." 神河物語 【M TG Wiki】 名前
https://w.atwiki.jp/vipdetyuuni/pages/3163.html
【月夜に嘶く血濡れの猟犬】~GUNMETALHOUND~ 二挺の拳銃より魔犬を打ち出す能力 + 能力詳細 この者は魔導を組み込まれた特殊な拳銃を所持している。この銃は実弾の他に猟犬を模した特殊な魔弾を放つことが可能。 魔弾を放てば其れは障害物をある程度まで回避し、相手を追い続ける。速度は一般的な犬と同等。コンクリートを破砕するぐらいの威力がある。但し強度は弱く通常攻撃で壊れる。 また魔弾を自身に打ち込むことにより己の体内の魔術回路を暴走させ身体能力を超人の域まで高めることが出来る。 しかし反動も大きく5レス程度しか保たない上その後激しい痛みに襲われる。 またこの拳銃は所有者の魔導を感知し起動するため他の者が持ってもただの金属塊にしかならない。 持ち物 特殊な拳銃二つ。普通の弾薬は弾切れが起こらない程度に所持 スペック 拳銃の扱いはプロレベル。軍人並の身体能力を持つ 性別 男 年齢 33 能力分類 【遠距離】 誕生日 11月24日 身長 183cm 体重 85k 趣味 写真撮影 好き 反逆者 嫌い 反逆者 大切 例のあの人 ────概要 よく能力者達が目撃される町(次からは『シティ』と称す)の半分を裏から支えまた統治している暴力団組織の最高幹部にして若頭 祖国外人部隊部隊長として各地で数々の任務を成功させてきた経歴を持ち正確な射撃センスと屈強な肉体指示能力により信頼を得ていた だが今より15年程前に行われた祖国との対戦の際に部下の裏切りの為に背中から銃撃を喰らい負傷、そのまま失踪し軍部は死亡扱いとし 裏切った部下は乗っ取った形で祖国本陣に攻撃占拠、劣勢だった帝国を逆転させたとして迎えられそのまま晩餐会の夜に暗殺された。 事件現場はまるで犬が這いずり廻った様に荒らされ死体はあらゆるところを噛まれ引き千切られた形跡があり目撃者情報があがっていた 犯人は黒いコートとサングラスを付けており、まるで死んだはずの元部隊長だと部下は語たり犯人は見つからず幽霊が殺したと噂されるた そしてその事件から五年後、元部隊長『張・蒙卓』はシティに足を踏み入れた。魔術組織『時計塔』の手下として己の恩を返すために ────容姿 高い身長と良いガタイを持ち時期に問わず黒いコートとサングラスをつけている壮年の男、声は酒焼けした声である(cv:大塚芳忠氏か) サングラスを外すと意外と若い、幼い顔つきであり彼はそれを隠すためにサングラスをかけている様だ。現在もふもふ状態である ────思想 全てはかの人の為とを基本方針とし邪魔者は容赦なく排除する冷酷な殺人者、であり戦闘を愉しむ事が出来熱い戦いを好む好戦家でもある 己は正義では無く絶対的な悪と位置づけ、助けに入る人物をヒーローと呼び、彼らとの戦闘は倒す事があっても殺す事はほぼ無いだろう。 長きに渡る従軍経験の賜物か、戦闘に置いては興奮する事はあってもそれに飲み込まれる事は少なく、冷徹に銃弾を撃ち込んでくるだろう ────持ち物 べレッタM76×2 彼が従軍当初から所有している45口径の拳銃、全体に傷がついているが良く磨かれ手入れされている様子が窺がう事が出来る 装弾数は10発、カラーリングはブラック&シルバー。側面に魔方陣の様な溝が彫られており黑の魔犬銀の魔犬を打ち出す 疑似手りゅう弾 【魔力操作】氏より購入した手りゅう弾そっくりの玩具 従来の使い方通りにピンを引き抜き使用すればそっくりな音が出る 黒刀《冥》 【黒乃誓約】氏との戦闘終了後に回収した全てが深淵たる闇が形どる黒き刀、持ち主が鞘を用意して無く抜身を除けば一般の刀である きちんと使用するためには基本の技術を学ばなければ成らない武器である為に彼が使用しても唯の鈍器にしかならず近頃打ち直しの予定
https://w.atwiki.jp/kerberos-saga/pages/45.html
第8部 メーメル篇 第2話「殲滅」(最終回) 2007年3月29日放送 概要 「ベルゲ1(アイン)よりベルゲ1(ツヴァイ)」 「先頭の85ミリを狙え」 85ミリ 「徹甲4、榴弾5」 「弾かれた!」 「交互に発砲しつつ後方阻止線まで後退せよ」 「脚(あし)は捨てろ」 「もう立派な擲弾兵ですね」 半装軌車 「後方で予備の車両に乗り換えるのさ」 「2個戦車中隊と1個突撃砲中隊で」 34年式特殊増加装甲 「狼の皮」 デイライトタイプ(?) 「対戦車戦闘準備」 カチューシャ Katyusha 「止まれば背後から撃たれますからね」 「フラックで掃射しろ」 廃兵 獣面人心 ハインケルの改造機 分裂反応弾 「1週間後には、極東の戦争にも終結をもたらした」 次の戦争への戦間期 参考文献 「ベルゲ1(アイン)よりベルゲ1(ツヴァイ)」 ベルゲ1、2、3(ドライ)、は赤軍の戦車部隊を迎撃している戦車小隊各車のコードネーム。 ベルゲ1(小隊長車)は2、3に左右への展開を命じ、敵が側面に回りこむのを防ごうとしているようである。 「先頭の85ミリを狙え」 ここでベルゲ1の車長が呼びかけている相手の人名がよく聞き取れないが、砲手に対し射撃目標(T-34/85)を指示している。 「先頭の」と言っているので敵の戦車部隊は先頭車両はT-34/85、残りの車両はT-34/76、もしくは76と85の混成と思われる。 85ミリ T-34/76の主砲を76mmから85mmに換装したT-34/85戦車のこと。 T-34/85は史実では1943年末に量産が開始されているので、登場の時期が半年以上早くなっている。 主砲の85mm砲はティーガーの88mmには劣るものの4号戦車の75mmを凌駕していた。 また砲塔が大型化されたため乗員が4名から5名となり、車長が砲手か装填手を兼任せず指揮に専念できるようになった。 史実では終戦までに3万両近くが生産され、戦後も長くソ連および共産主義諸国で生産と使用が続けられた。 最近では90年代の旧ソ連諸国および旧ユーゴ内戦でも反政府勢力などが使用している姿がTVで放映されている。 http //ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F T-34-85_g%C3%B3ra_RB.jpg 44年型T-34/85 「徹甲4、榴弾5」 徹甲榴弾と榴弾のこと。 徹甲榴弾はタングステンなどの硬い材質で作られた砲弾で対戦車戦に用いられる。 目標の装甲を貫通後遅延信管が作動して弾殻内の炸薬が爆発する。 弾殻が厚くなっているため炸薬量は少ないが、車内で爆発し破片を飛散させるので乗員や機器の殺傷・破壊には充分な威力を持つ。 この他に弾体の重量を軽くすることで初速を早め。貫通力を向上させた高速徹甲弾というものもあった。 こちらは内部に炸薬を持たないが、貫通時の衝撃で飛散する装甲板の破片や弾体自身が戦車内部で跳ね回ることで内部の機器や人員を殺傷することができた。 榴弾は比較的薄い弾殻内に大量の炸薬を充填した砲弾。 着弾し爆発すると広範囲に弾片を撒き散らすので、歩兵や装甲されていない車両・施設に対して用いられる。 4号戦車では87発の砲弾を搭載できるので、ベルゲ1は一連の防衛戦でほぼ撃ち尽くしたか補給不足の状態で出撃したものと思われる。 「弾かれた!」 T-34シリーズは独特の斜めに傾けた装甲板(水平に飛来する戦車砲弾にとって厚みが増すこととなる)を持ち、さらにT-34/85では正面装甲が70mmから90mmになったため、四号戦車の75mm砲では撃破しずらい強敵となっている。 このシーンでは砲塔の旋回音、砲弾を装填して砲尾の閉鎖器が閉じる音、発射後閉鎖器が開いて空薬莢が弾き出される音が聞こえる。 「交互に発砲しつつ後方阻止線まで後退せよ」 このシーンでは、1両が停止・発砲して敵の進行を食い止めている間に他の2両が後退するという「蛙跳び」機動を繰り返しつつ後方に退こうとしている。 阻止線とは敵の侵入を食い止めるべく設定されたラインのこと。 「脚(あし)は捨てろ」 ベルンはシュバイニに重くてかさばる三脚は捨て、カメラとレンズケースだけ持てと命じている。 「もう立派な擲弾兵ですね」 擲弾兵(Grenadier)とは18~19世紀の擲弾(導火線のついた小型の爆弾で現在の手榴弾の原型)を携行した歩兵のこと。 銃を持たず敵の隊列近くまで前進して擲弾を投げつける擲弾兵は非常な勇気が必要とされた。 擲弾そのものは19世紀に入って廃れたが、「擲弾兵」の名はエリートの象徴として部隊名などに残された。 第二次大戦のドイツ軍では、装甲師団の歩兵連隊がこれにならい「装甲擲弾兵(Panzer Grenadier)」と呼称された。 ここではノイヴィルはおそらく前者の「勇敢な兵士」という意味でマキを賞賛していると思われる。 半装軌車 ドイツ軍のSd.Kfz251装甲兵員輸送車のように、車体前部の車輪で操舵し後部の装軌(キャタピラ)で駆動する車両のこと。 戦車のような全装軌車よりも操舵しやすく、トラックのような装輪車よりも不整地走行能力が高いというメリットがあった。 戦後は全装軌車の性能が向上したため廃れている。 なおSd.Kfz251の定員は操縦手と車載機銃手各1名+乗員10名の計12名である。 「後方で予備の車両に乗り換えるのさ」 おそらく弾薬を撃ちつくしたところで戦車兵は戦車を捨てて後方に退避し、戦車は敵の攻撃をひきつける囮として放置している。 メーメル地方は遠浅の海岸が続き、車両の陸揚げや船舶への搭載は港以外ではほぼ不可能である。 このため北方軍集団は火砲や車両などの重装備は捨て、兵員の退避を最優先させているので後方には大量の車両が余っている。 「2個戦車中隊と1個突撃砲中隊で」 平均的な戦車および突撃砲の中隊は通常14両前後からなる。 34年式特殊増加装甲 ケルベロスの装甲服。 デザインについてはホビージャパン2007年5月号及び鋼鉄の猟犬公式HPを参照のこと。 「狼の皮」 人狼伝説には人が狼の皮を被って人狼となる、というバリエーションがある。 古代のトーテミズム(動物祖霊信仰)に由来するとも言われるが定かではない。 デイライトタイプ(?) シュバイニはおそらくカメラレンズの交換と昼光撮影用のフィルムへの換装を行っていると思われる。 (ここの台詞が聞き取りにくかったので用語が誤っている可能性がある) 「対戦車戦闘準備」 塹壕に入れという指示もなされているようなので、塹壕に潜んで敵戦車をやり過ごしその後方や側面を至近距離からパンツァーファウストなどで攻撃しようという戦法と思われる。 おそらくは対戦車砲など重火器を装備していない装甲猟兵がとりうる唯一の戦法だが、生還は期しがたい過酷なものである。 カチューシャ Katyusha 赤軍の多連装ロケットランチャーのこと。 ロケットを載せるレールと支持架を組み合わせた単純な構造だったために大量に製造され、主にトラックに搭載されて使用された。 132mmBM-13の場合、一度に16発の発射が可能。 当時のロケット兵器の常として命中精度が低かったので、大量発射による面制圧に使用された。 「カチューシャ」は俗称であり、製造工場の刻印「K」にちなみ当時の流行歌からロシア兵が名づけたといわれている。 ドイツ兵はその独特の泣き叫ぶような飛翔音から「スターリンのオルガン(Stalinorgel)」と呼んだ。 http //en.wikipedia.org/wiki/Image Katyusha_launcher_rear.jpg Zis-6トラックに搭載されたBM-13「カチューシャ」 「止まれば背後から撃たれますからね」 独ソ戦初期~中期の赤軍は戦前の大粛清と緒戦の大敗北の結果、将兵の練度が著しく低下していた。 これを補うため、赤軍はしばしば無謀ともいえる突撃を命じ、後方に退いた者や命令を果たせなかったものへの銃撃や銃殺をしばしば行った。 ソ連の勝利が見えてきた大戦後半にはそのようなことはなくなっていったが、終戦に至るまで損害を省みない攻撃の強行がしばしば行われている。 「フラックで掃射しろ」 フラック(FLAK)とは対空火砲(Fliegerabwehrkanone)のこと。 ここで使用されているのはおそらく20mm対空機関砲で、一発で人間の胴体を両断する威力があり対人火器としても多用された。 廃兵 歳を老い、あるいは負傷などでもはや軍務に耐え得ない状態となった兵士のこと。 獣面人心 「人面獣心(人でなし)」の逆。 ハインケルの改造機 おそらくはHe-177グライフ爆撃機のことで、一部機銃の撤去や燃料タンクの増設などにより航続距離を延伸し、反応弾を搭載するために爆弾倉を拡張するなどの改造が施されているものと思われる。 もしくはこれを改良したHe-277あるいはHe-274かもしれない。 グライフはドイツが開発した数少ない4発重爆撃機である。 ひとつのエンジンナセルに収めた二発のエンジンで一つのプロペラを駆動するという方式をとったため、一見双発機のような外観を有する。 ルフトヴァッフェが急降下爆撃能力を要求したため空気抵抗の小さいこの方式を採用したが、エンジンの過熱による火災事故が多発したため成功作とはいえなかった。 (ただし、火災事故の頻度はさほど高いものでなく、欠陥が過大視されているという意見もある) 最高速度488km/h、航続距離5,500km、最大爆弾積載量7,200kg He-277は一発のエンジンで一つのプロペラを駆動するというスタンダードな方式を採用した改良型。 (実際のところ、改造を施したとして重い反応弾を抱えてレニングラードまで飛行するのは困難だろう。) http //www.luftwaffepics.com/lhe1771.htm He-177およびHe-277 分裂反応弾 核分裂爆弾のこと。 「反応弾」という名称は、押井守にも多大な影響を与えた架空戦記作家の佐藤大輔が核兵器の言い換えとして好んで用いている。 おそらくはそれに敬意を表してのことと思われる。 なお「反応弾」という名称そのもののルーツはアニメ「超時空要塞マクロス」である。 史実ではユダヤ人であるアインシュタインが提唱した相対性理論をヒトラーとナチスが最初否定したため、ドイツの核開発の研究の開始はアメリカに大幅に遅れをとった。 またドイツの核開発の責任者であったハイゼンベルクが密かに連合軍に情報提供を図ったり、核兵器の可能性に対して低い評価報告をナチスに行ったためにさらに核開発に遅れをきたし、最終的には頓挫したといわれている。 実際にはドイツが研究を積極的に進めたとしても、アメリカでさえ当時の金額で19億ドルを費やした核兵器の開発は当時の国力では不可能だっただろう。 「1週間後には、極東の戦争にも終結をもたらした」 これは反応弾の使用により日本に対する勝利、少なくとも有利な条件での講和をドイツは得たということなのだろうか。 対日戦についてほとんど語られていないのでその内容は想像するしかないが、これで「鋼鉄の猟犬」は「人狼」へとつながることになるのだろう。 次の戦争への戦間期 ドイツはソ連に勝利したとはいえ、完全に屈服させたわけではない。 またイギリスも作中では敗北していない。 国土の奪回を目論むソ連、抵抗を続ける英国といったドイツの敵は依然として存在し続けている。 おそらくこの世界での戦後はウクライナやアフリカ、東南アジアと極東などの地域をめぐって独ソ間の冷戦と代理戦争が行われるものと思われる。 参考文献 最後に紹介された参考文献は以下のとおり(訳者は省略)。 高価なものや現在入手困難な物もあるので、興味のある方は地元の図書館などを活用することをお奨めする。 「詳解独ソ戦全史」(デビッド・グランツ&ジョナサン・ハウス著 学研M文庫) 「バルバロッサ作戦(上・中・下)」(パウル・カレル著 学研M文庫) 「電撃戦」(レン・デイトン著 ハヤカワNV文庫) 「恐るべき欧州戦 ――第二次大戦知られざる16の戦場」(広田厚司著 光人社NF文庫) 「ヒトラー暗殺計画」(小林正文著 中央公論社中公新書) 「ヒトラーを狙った男たち―ヒトラー暗殺計画・42件」(W・ベルトルト 講談社) 「詳解 武装SS興亡史―ヒトラーのエリート護衛部隊の実像 1939‐45 」(ジョージ・ステイン著 学習研究社) 「ドイツ参謀本部―その栄光と終焉」(渡部昇一著 祥伝社) 「ナチスドイツの映像戦略―ドイツ週間ニュース 1939‐1945」(三貴雅智著 大日本絵画)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1935.html
午後2時30分ごろ 本格的な冬に入っても、雪が降らないアオゾラ町。 勿論、雪が降らない方が寒いともいう。 「久しぶりやな、ここも…」 そう漏らす男が一人。 赤ジャージに黄色いマフラー、さながら00ナンバーサイボーグ。 「…我らが敵、その名は零牙」 「いょし! 行くぞぉぉぉぉっ!!!」 蒼穹の猟犬劇場・その2 「零牙!! わいは二十八回目の正直な逆襲のためやってきたぞぉぉぉぉぉっ!!」 対戦ルームの一同が騒然となる。 誰もが声がした方向に振りかえるが、一人だけため息をついた。 「ま た 張 也 か」「ていうか28回目なんだ……」 そう、形人である。 「おうトリー、零牙の人はまだ来てないのか?」 「誰が鳥だ誰が。来るって言ってたからその内くるだろ」 「ラリー、あんなのがオーナーで疲れない?」 「……正直、少し」 相変わらずハイライトの無い目で答えるラリー、というより疲れからか濁って見える。 「時に、暇だから対戦しないか?」 「それを先に言えって、順番待ち大変なんだから」 ~・~・~・~・~・~・~ ザザンザーザザン ザザンザーザザン そういうコーラスが聞こえそうな対戦模様が展開されたとかされてないとか。 だが本筋と関係ないので省略する。 すれ違いざまにラリーを一文字切り、そして返す刃で唐竹割。 「ザンボット十文字斬り! …なーんちゃってw」 【 Win. 輝 】 「おおおおおおおっ! 零牙と対戦する前に敗れただとぉぉぉ…」 「お前、一回目からどんだけ経過してるか自覚してんのか?」 「約二ヶ月半」 「……わかってるじゃないか」 「あら? 楽しそうですね」 「おお遂に来たか零牙の人!! 早速だが勝負しろぃ!」 「えっと、一週間で何か改善されました?」 「おう色々とな!!」 「お主、いつも苦労してるな?」 「……さっき似たような事を言われた」 「世の中真面目な人は変人に振り回されてるねぇ」 「「お前が言うな、お前が」」 「え゜」 ~・~・~・~・~・~・~ 対戦開始一分前、各自はすでにスタンバイ済み。 ……なのだが 「…………。」 顔が引き攣った零牙という、誰もが驚くであろう状態が発生している。 『さあ。こういう時の為に準備しておきました飛行パックの初陣ですね、零牙』 「……主、他になかったのですか?」 「はい。これだけをボックスに入れておきました」 「………ぅぅ。」 さて、彼女の顔が引き攣っている理由はもちろんバックパックにあった。 異常なまでの安定性のなさ、そこから来る恐ろしい程ピーキーな操縦性、そしてごまんと装備された多数の推進器。 こんなの某雷猫とその知り合いのヤンデレ黒白子ですら手に余るであろう。 それを作った聖憐はすごい天才なのか唯の天然ボケなのか、それは永遠の謎である。 「知ってるか? 神姫オーナーは四つに分けられる。 バトル派、バトル否定の愛好家、どちらでもない普通のオーナー、そしてHENTAI。この三つだ。 お前のオーナーは……?」 「普通と見せかけてHENTAI性が高いぞ、主は。」 ~・~・~・~・~・~・~ [Fight!] 「ぬおおおぉぉぉぉぉおぉお!?」 「うわっ」 開始直後、零牙はものすごい勢いで前方へとすっ飛んでいった。 その推力は、わずか50%。アイドリングとほとんど変わらない。 「ぐぉぉぉぉぉぉぉっ」 壮絶なGと共に急旋回、普通なら空中分解しているところである。 この間、ラリーは何もしていない。 『ど、どうしたのですか零牙!? しっかりしてください!!』 『先輩、装備の相性考えてますか?』 『あんなの使いこなせるの、まずいないよ?』 珍しく慌てる聖憐に冷静にツッコミを入れる形人とヒカル。 『なんや? 戦わんで飛びまわっとる』 「慣れてないと見える。……加速臨界まであと14秒」 『よぅし、やったれ!!』 それを聞くと同時にラリーはパワーダイブ、やや低空をフラフラ飛んでいた零牙の後ろにアッサリと付いた。 「誰にだって苦手分野はあるものだ、だが戦いとなれば話は別。例え遊びでも戦いは非情」 両腕に据え付けられたビームライフルが甲高い駆動音を上げる。 「墜ちろ、猟犬」 粒子加速が限界点まで達した瞬間、閃光が迸った。 ~・~・~・~・~・~・~ 数瞬前。 「何あれ!?」 「ビームガンにしては発射タイムラグが長い…。となると」 「荷電粒子砲!? 避けてください零牙!」 ~・~・~・~・~・~・~ 「!!」 声を聞き、反射的に右翼推力を瞬間的に最大噴射。 半ばスピンする形で左に向かってヨーイングした直後、荷電粒子ビームが翼のあった空間を突きぬける。 「ミスショット。次回発射までのラグは79秒」 『惜しいッ!! 当たれば一撃だっつーのに』 ~・~・~・~・~・~・~ 「ぐ………!!」 横方向へのスピン自体は防げたが、今度は回転が止まらない。 フラップ、ラダー、エアブレーキ。どれを動かしても回転が収まらない。 そもそも、零牙には航空機の操縦に関する知識は皆無だった。 今までそれを必要とされる事がなかったからだ。 理由はまた別の機会に語るとして 『零牙、まずは落ち着いて! 回転方向と反対にロールして、ゆっくりと!』 「………!!」 ヒカルの指示を聞き、右(時計回り)ロール入力。するとあれだけ盛大に回っていたのが直ぐに治まる。 『先輩、自動水平復航機能とかつけてないんですか?』 『えーっと……。申し訳ありません、何が何なのか……』 どうやら聖憐はそれ以上に無知であったらしい。 『零牙。氷男さんはダメみたいだから、少しの間わたしの指示で動いて』 「神姫が神姫に指示を下すと言うのが何やら癪に障るのだが……仕方あるまい。」 『OK。いったん地上に降りて小休止、それまでの間に対策を考えるから』 「暢気なものだ。…しかし、何故ラリーは撃ってこないのだろうか。」 ~・~・~・~・~・~・~ 『どうしたラリー!? なぜ撃たないし動かない!?』 「AWACS、大変申し訳ないが致命的な事実が判明した」 『何?』 「接続が乱暴だったせいで回路にトラブル、粒子加速中は行動不能」 『んなアホな!? 手に括りつけてるレーザーガンを使え! あれならバッテリー別だから使える!』 「了解。加速臨界まであと50秒、レーザー発射」 ~・~・~・~・~・~・~ 『右翼上げ!!』 「!?」 いくらオーナー以外の指示とはいえ、戦闘が始まっていればそれは関係なくなる。 信頼を多少でも持てるからこそ―そして自身に自信がない事もあるが― 『そのまま降下しながら回転! 回転止め! 機首上げ!』 ヒカルの指示をつたなくも忠実に実行する零牙。 その度にレーザーは虚空へと伸びてゆく。 『前方2400ヘッドオン! マイクロミサイル・オートロック、発射!』 「!!」 ヘッドオンという単語が理解できなかったが、本能からか即座にミサイルを発射する。 ミサイルはアニメ的表現の白く伸びる煙を噴きつつ絡みつつ、一直線(?)にラリーの元へ飛んでゆく。 爆発。 『セイバー準備!! バックパック排除!!』 ~・~・~・~・~・~・~ 数瞬前。 「バッテリー切れ」 『なんだってぇぇ!?』 「金ケチって安物を買うからだ」 『じゃかしいわ! 荷電粒子砲が高すぎんだ!』 「『あ』」 着弾、爆発。 黒煙の中から出てくるラリー、だが自慢の翼も荷電粒子砲もボコボコでまさに墜落寸前。 「このクソAWACS!! しっかりレーダーチェックしやがれ!!」 『あーっクソって言ったなポンコツ天使!!』 『二人とも、前見たら?』 「『え゛』」 「零牙流剣技型ノ壱改"蒼閃光唐竹割・光線剣斬"!!」 一閃。 真っ二つとなったラリーの体が泣き別れとなった直後、試合終了のブザーが鳴った。 ……… …… … ~・~・~・~・~・~・~ OTL orz ←今の張也とラリー 「今回は大変世話になった、ありがとう。」 「零牙が礼をいうなんて珍しい」 「馬鹿、我はしっかり礼儀を弁えているんだぞ?」 「先輩、用語まで覚えなくていいですからもっとちゃんとした訓練をするといいですよ」 「あらまぁ。練習はしっかりさせるとして、別の手段もちゃんと考えてありますよ?」 「ちくしょぅ…覚えておけよ! この借りは」「今回は完全な自滅、アキラメロン(噛んだ)」 |||OTL|||ズーン 「これで八件目……」 バラバラにされ、上半身が見るも無残な状態になっている寅型を見てラスターは呟いた。 ここの所頻発している神姫破壊事件。 ハンターたる長瀬一行も行動を開始していたのだ。 「……誰ですか?」 気配がひとつ。 生物ではない、だが普通のMMSの気配でもない。 緊張の糸。 張りつめたそれを切ったのは、ほかならぬ気配の元。勢いよく大空へと飛びあがったのだ。 「待ちなさい!!」 それを追い舞い上がるラスター。 天地が逆転し、頭の上に街が見える。 高度約百メートル、普通の神姫はここまで上昇する事は難しい。 それを可能とするのが、彼女自慢のリアウイングだった。 AAU7よりも後退角が深い翼、二基一対の薄型エアー・ジェットエンジン二つと補助用の液体マイクロ・ロケットエンジン、四本のエクステント・ブースターの接続部を包みこむカバーが特徴である。 しかし、相手はいったい何なのだろうか。 バックパック・ブースターは一見寅型のリアユニットをベースにしているとも思えるが、その他にもゴテゴテと装着されていた。 更には脚にも推進器が装着されており、それらの推進力を練り合わせてこの高度まで飛びあがったのだろうか? そんな事はどうでもいい。その性能からして普通のMMSではない。 だがラスターは相手の体にどこかしらの違和感を感じていた。 「答えてください! 貴女は何者なんですかっ!?」 動きを止めるため、致命傷にならない箇所に照準を合わせ、両翼端のレーザーガンを発射した。 命中。 相手は当たるや否や、キリモミ状態で急降下し始めた。 「待ちなさい!!」 だが重量差からか、ラスターはすぐに急降下する事が出来なかった。 その間にもどんどん遠ざかってゆく。 ラスターが地上へ降下した時には既に遅く、姿形も見えなかった。 「……あれが今回の主犯? 可能性は否定できないけど、何か変ですね……」 違和感、それは何だろうか? それは別の機会に話すとする。 ……事件はまだ始まったばかりである。 流れ流れて神姫無頼に戻る トップページ