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碧い眼の海賊 Chronicle 2nd←クリックで前画面に戻る 第十七巻 84ページ… 「大変だお頭、前方に突然巨大な嵐が發生しやがった!」 「あ~ぁありゃセイレーンですぜお頭~!!」 「セイレーン如きでびびってんじゃないよ、情けないねぇ、 あっちが海の魔女なら、こっちは海の美女だっつうの!」 「”麗しき姿<美の女神>(ウェヌス)の如し”と謳われた、 この<海の女神様>(テティス様)を嘗めんじゃないよ…」 「そりゃ”猛き姿<戦の女神>(パラス・アテネ)の如し”の間違いじゃ…」 「ズィマー何か言ったかい?」 「ひぃ~!!!」 「いくよ野郎ども、びびってんじゃないよ!」 「そ~ら、おいでなすったぜ!」 「さあ、漕ぐぞ、漕ぐぞ!さあ、漕ぐぞ、漕ぐぞ、それ!それ!(Haw l altero l altero! Haw l altero l altero hoo! hoo!)」 …波間を漂う襤褸(ぼろ)い板切れ 若い娘を背に乗せ何処へ往くのか… 「よぉ…気が付いたかい?」 「ここは何処?…貴女(あなた)は?」 「此処は<地中海>(メディテラネオ)、 この船は<絶世の美女=海の女神号>(ウェヌス=レティーシァ)、あたいはこの船の船長レティーシァ」 「そっちの図体のデカイ野郎はヤスロー…筋肉馬鹿だ」 「宜しくな、嬢ちゃん」 「こっちの胡散臭い髭の野郎はズィマー…唯の馬鹿だ」 「がび~ん!」 「他にも馬鹿な野郎が大勢乗ってる…で、あんたは?」 「助けて下さってありがとう、私はアニエス、 海の魔女(セイレーン)の嵐に巻き込まれてしまって…嗚呼…みんな今頃きっと昏い海の底に…」 「もう…海の女が泣くんじゃないよぉ…」 「…ってアナタ、その首飾りどうしたのよ?」 「うわぁ…立ち直りの早い娘だねぇ… 昔…溺れかけてたおっさんを助けた時に貰ったのさ、何でも命よりも大事なもんらしい…」 「そのおっさんって私の父(パパ)よ、間違いないわ! 生きてるの?生きてるのね?私の父(パパ)は、いーきーてーるーのーねー!!」 「うわぁ…あんたも生きてた…親父さんも生きてたんだ… あんたの仲間にも、他に生きてる奴がいるんじゃないか?」 「船を出して、今すぐ出して、出して、出しなさい、ふーねーをーだーしーなーさーい!!!」 「どひゃぁ~!!!!!」 波を殴り倒しながら突き進む海賊船 それを導くかのように蒼穹を翔け抜ける白鴉 その白は 真っ直ぐ蒼に溶け込んでゆくように どこまでも…どこまでも…
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《Sin(シン) 真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》 効果モンスター 星7/闇属性/ドラゴン族/攻 2400/守 2000 このカードは通常召喚できない。 自分のデッキから「真紅眼の黒竜」1体を墓地へ送る事でのみ、 手札のこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。 フィールド上に「Sin World」が存在しない場合、このカードを破壊する。 使用キャラクター パラドックス 関連カード 《真紅眼の黒竜》 タグ一覧 効果モンスター Sin
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ウジャト眼の念力 通常罠 相手モンスターが攻撃宣言時に発動する事ができる。 このターンのエンドフェイズ時まで、その攻撃モンスター1体のコントロールを得る。 コントロール 罠
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このバトル・ロワイアルは過酷な世界だ。 単なる人と人による殺し合いだけではない。 大海原の神は全てを飲み込むかのように沈めていく。 ナチスの残党の人狼は己の最期を飾るために奔走する。 番長たる聖騎士は変わることなく浄化の為人を剪定していく。 超人類が、アギトが、ヒューマギアが、鬼狩りが、ミーム汚染の産物が、 戦国乱世の如く、各地にて戦いを繰り広げては、やがて人が消えていく。 何も成せない魔法少女がいた。 後の事を頼まれた少女を無惨に殺され、 ただ純然たる暴に敗北して打ちひしがれている。 逃げることしかできない少女達がいた。 相手は主催の差し向けた刺客。加えて悪辣な陰陽師一行の乱入。 集いこそした者達はただ仲間を犠牲に生きながらえることしかできない。 最悪の置き土産を仲間から受け取った少年がいた。 事実を知ればただの茶番。しかしその事実を語る者は誰もいない。 折れないハートを折る為の、死して尚纏わりつく呪いを与えられて。 自分が守る側だと思った相手に守られた刀使がいた。 守ってくれとは頼んでない。けれど彼はそれでも動いた。 患った病に苦しむ姿が、妹と重なると言うその程度の理由で。 既に多くの命が散り、多くの人達に傷痕を残していく戦い。 百を超える参加者たちが、このありふれた六時間でどれだけ散ったのか。 時代はさながら戦国の中、ただ一つだけ平穏な場所が存在していた。 「今のは8だな!」 「いや、3だだ。近い数字ではある以上、 基礎訓練になるって言うのが完全に否定はできねえな。」 「あ、ホントだ……ってその位置から見えるのか!?」 「彼は仮面ライダーのようだからな。こればかりは実戦経験の差がある。」 「ドロー!」 此処、バッティングセンターだけは至って平和であった。 厳密には平和なわけではない。あくまで此処は神を名乗る男による舞台の一部。 未だ逃れてなおぢない。首輪と言う現実を教えてくれるものはすぐそこにある。 彼等は別に楽観視などしているわけではない。百雲もリゼもできる限り訓練を続け、 足手纏いにならないぐらいの成長が今必要だから此処に留まって鍛えている。 (ココアやチノ達は大丈夫なのかな。) だからと言って、リゼは心愛達の安否が気にならないかで言えば嘘になる。 リゼは運が良かっただけで、殺された麻耶のような可能性だって否定できない。 こうして専用ぶきなるものもあるが、それが他の皆にもあるのかどうかも分からない。 かといってそれを気にして焦って動いてしまえば、それこそ主催の思うつぼだ。 庇わせることを想定して、あえて出会いやすいように配置していた可能性もあるが。 専用ぶきから逆にこうやって訓練して時間を食わせるのが目的もあるのでは、 なんて思ったりと不安は表にこそ出してはいないものの、募っていくばかりだ。 (何より、私は戦いすら起きてない。) 特にこの数時間、敵らしい敵にリゼは出会ってすらいないのだ。 百雲はゴブリン突撃部隊に襲われたので戦いの意味を知っている。 橘や大我は元より戦いに身を置く仮面ライダーをしていたわけだ。 なのでただ一人だけ戦いとは、命掛けとは何か縁遠いものに見えてしまう。 麻耶が殺されたのは目撃したが、言ってしまえばそれだけなのだ。 張り付くような殺意や敵意。そういうのとまったく出会ってない。 基礎訓練も大事だが、実戦も大事なのではと思い始めた時。 平穏なこの場所にも事件は舞い込んでくる。 「な!?」 ボールの番号を見ようと集中していたところ、 遠くない位置からの爆音と、間もなく飛んできたボールに対して、 場外から飛来してきた何かがぶつかることでリゼの方へとボールと共に転がる生物。 「あ、さっきの……」 緑色の肌に簡易的な防具と武装をした異形の生物。 百雲を襲っていたゴブリン突撃部隊と同じようで、 あれは集団でいたことからそれなりの数はいることが分かる。 だが問題なのは、先の音から続いて派手な轟音が止まらないことだ。 参加者がいるのか、それともあの侍のようなNPCがいるのか。 何にせよ、危険な存在である可能性があることは否めない。 「俺達が確認してくる、てめえらは此処で待ってろ!」 この手の状況に慣れている大我達が即座に動く。 橘も即座に動こうとするが二人の方へと振り向き、 「建物の破壊が目的だった場合には備えておくんだ。 戦闘に参加しろとは言わないが、警戒は怠るな。 まずいと思ったら此方の事は考えずに逃げてもいい。 身の安全を最優先する……これを忘れるな。」 そう言ってから大我の後を追う。 見解としてはどちらも正しいことではある。 どちらの選択をとっても間違いとは言いきれない。 ただ、残された二人は顔を合わせると橘の方に従い、外に出られる場所に移動しておく。 先のゴブリンは死体で飛んできたから問題はなかったものの。次もどうかは別だ。 そうなると余計な心配をかけることになるので、そういう意味でも様子を見に行く。 NPCが大群でいるとかであれば、今度は戦えるかどうかの確認も必要故に。 この先の戦いで思いあがらない為にも、今一度自分達がどうなってるかを知りたくもある。 そして、外で何があったのかと言うと。 「最初からこうするべきだったな。」 アテムの戦いを見届けていない方の海馬は冷めた目で周りを見やる。 周囲のモンスターが種族も属性も関係なしに泡を吹いて倒れており、 何が起きているか端から見ては異様な光景とも言えるだろう。 その正体は彼の背後を飛ぶ、三日月の翼を三つ持つ青紫の龍。 パンデミック・ドラゴン。ライフを対価にモンスターの攻撃力を下げる効果を持つ。 名前の通りウイルスのように相手を弱らせる、ウイルスコンボを使う海馬らしいカードだ。 攻撃力も2500とそれなりに高いのもあいまって、雑魚は攻撃力を下げる効果で無力化。 残っている奴は当人の攻撃力で消し飛ばせば、大概の事はなんとかなってしまう。 先ほどまではブルーアイズの火力にものを言わせて周囲を蹂躙していたのだが、 この程度で済むのであれば、先程のは過剰火力であったことがよくわかった。 単純な攻撃力ではない。モンスターの特性もまたこの世界では勝手が変わってくる。 この辺はもう一人と違い、ビッグ5のバーチャルゲームを経験してないが故と言うべきか。 少しばかりこの戦いには手探りでカードの扱いと言うのを試しているのもあり、 時間の経過の割には余り動けていなかった。 (此処だけNPCがやたら多い理由はおおよその予想が付くな。) このエリアにだけ妙にNPCが集まってきていることが、 もう一人の海馬同様空をモンスターに乗って徘徊して気付くことができた。 ゲームに例えられた舞台。となれば、ゲーム的な理由が存在する可能性は高い。 ゲームにおける敵が多い場所とは何があるのか。 殺し合いのバトルロワイアルのゲームをジャンルとするなら、 簡単に起こりうるものがあるとするとして、いくつか心当たりはある。 他にも選択肢はあるにはあったが、後で考察していくことにして三つを考えていく。 ①何かしらのイベントの為に用意されていたNPC。 ②何か重要なものがこのエリアにあるから配置されたNPC。 ③参加者が動かなさすぎているから向かわせたNPC。 ①については多くのゲーム全般に存在するもの。 特定のタイミングにドロップ率アップや、大量にゲットするチャンス。 レイドバトルと言った集団戦闘を想定して用意した、と言う可能性。 ただこれはないと判断した。理由は単純で、殺し合いに乗るなら集団の形成が難しい。 複数人を想定してるイベント。殺し合いを盛り上げるのはどちらか? 確実に乗った側だ。 乗った側がただただ損をするだけだ。物の数にならないとでも言うかのような、 絶対的な力を持っているとかであれば話は別かもしれないが格差は必ずある。 ゲームで実装してもやりこんだ人とやりこんでない人でどうしても差が出るが、 此処では寧ろ運営としては、太客となる存在なのは乗った側の人物になる。 それを乗ってない側の方が得をしやすい状態になってしまうのは好ましくない。 奴もクリエイターの端くれならば、面白みのないイベントなどやらないだろう。 ②についてはRPGにおいてはありふれた要素になる。 別にゲームに限らない。行ってほしくない場所ほど厳重にするのはありがちだ。 開けられたくない金庫を頑丈にした結果、何かがあると分かってしまうような。 加えて檀黎斗はそも首輪を解除して立ち向かって来いとでも言いたげな宣言している。 最初から首輪と言う生殺与奪の権利を握ってる以上、美遊と言う人質は最初から必要ない。 つまり、元より首輪の解除、ならびに殺し合いの脱出は想定済みとしているのならば、 ゲーム感覚で言えばボスを倒す、希少なアイテムを揃える、そういったものが挙げられる。 ただ、これの場合も確率が低い。約100人ぐらいで構成されている殺し合いで、 広大な舞台を探索しきるのはまず不可能だ。乗った参加者がいれば捜索も更にままならない。 よほど誰もが行くであろう場所、と言う目印のようなものでもなければならないだろう。 例えば、檀黎斗に縁の深い場所となるものが存在するとか、そう言うのでもない限りは。 実際に、彼に縁の深い場所には縁のあるNPCがいたわけだったりするが。 ③はFPS、格闘ゲームなどの対人戦を前提とするゲームの停滞の阻止。 知り合いがいたとしても積極的にそいつを探すとは限らない。 もう一人の海馬は遊戯に執着はないのが最たる例である。 まあ、海馬の場合は積極的に動くのでさして問題にはならないが。 やむを得ず動かないのであれば、動かざるを得ない状況へと追い込むためのもの。 禁止エリアと言うFPSにありがちな対策は確かにあるが、それだけでは不足と感じたのだと推測する。 例えば『この周囲のエリアに脅威となる参加者がいなくなってしまった』と言った類だ。 いなくなってしまえば、エリアを一つ移動してもまた安全圏に居座り続けるだけになる。 それはゲームとしては面白くない。ゲームと言う部分に強いこだわりを持つのであれば、 つまらなくなる部分や不公平な部分は潰していくに限る。 ゲームクリエイターとしては当然の行為だ。 なので海馬は妙にNPCが多いこの街へと降りることを選んだ。 NPCの強さは海馬からすれば所詮は有象無象、或いは馬の骨程度のもの。 さしたる苦労もすることなく簡単に決着がついた。 「やはりいたか。」 他の考察を考えようかと思ったいたところ、 推測は当たって騒ぎを聞いて駆け付けた二人が、 近くのバッティングセンターから飛び出す。 さして傷を負ってないところを見るに交戦はほとんどしてないのだと分かるものの、 ベルトは様になっている以上仮面ライダーとしての経験はあるらしいことは伺えた。 「おい、てめえはどっちだ。」 大我が注目するのはコートにつけられた装飾。 KCのロゴ。これはデイバックにもつけられているロゴと一致する。 加えて相手は一人でいるのもあって、警戒に値するだけの存在だった。 特に百雲と違い彼もまたデュエルディスクが様になっていることから熟練者だと察せられる。 裏ボスとしてあの男が用意していたところで、なんらおかしくないのだと。 「フゥン。俺は殺し合いなど欠片も興味はない。 俺は人のロゴをこうして勝手に使って使用権も払わず、 クリエイターの風上にも置けぬ輩と宿命のライバルに用があるだけだ。」 敵意がないことを示す為、パンデミック・ドラゴンを消しカードをデッキに戻す。 先ほどの暴威の一端を見ていたのもあり、その気になれば遠慮なく暴れられるはず。 態々後手に回るような真似をするようにカードを戻したのもあって、敵意はないと判断する。 「どうやら敵ではないようだな。此処で話すのもあれだ。中で話そう。」 死屍累々の場所で話すと言うのもアレなので、 五人はバッティングセンターの中へ戻り話し合う。 互いに得た情報は決して無益とは言い難いものだ。 この戦いの鍵となりうる存在である仮面ライダーとデュエルモンスターズ。 しかも主催となる男や部下が知り合いなので得られたものは決して悪くない。 (なおこの海馬の方ではデュエルモンスターズではなくマジック&ウィザーズだが) とは言え、それ以外参加者に出会えてないことから進展してないのは問題だが。 もう一人の海馬の存在もまた、心愛の存在に信憑性を持たせてくれる。 「仕方ないとは言え時間を費やしすぎたな。俺たちも流石に動くべきだ。」 改めて情報戦において出遅れてることを実感する大我。 百雲のデッキもそういうモンスターはいないため、移動手段が乏しい。 なので徒歩で移動することもあいまってどうしても時間を食っていた。 事実、この数時間で出会ったのは動いてないリゼ達と誰とも出会えてない海馬のみ。 仮面ライダーの力を使えば容易でも、百雲がついてこれない。 これについては橘も同じであり、基礎訓練も相まって動かずにいたツケでもある。 訓練自体は大事だが、これ以上の時間はロスするのは余り良くない。 「俺はモンスターで移動するが、貴様らは……」 「あ、あの海馬さん。」 少し及び腰になりながら百雲が手を上げる。 大我と少し似ているが鋭い目つきで圧が強いところは、 厳格な父と重なる部分があって何処か苦手な雰囲気があった。 友人の琴音が男性に対して嫌悪感を抱いていたのは、 そういうところもあったのかなとも頭の隅で考えつつ。 「時間を使うのでダメだと思うんですが、 ぼくと一度だけデュエルしてもらえませんか?」 デッキの回し方は十分わかった。 2種類の効果を同時に扱えないウィッチクラフトデッキ。 覚えることに時間はかかったが立ち回りはおおよそではあるが理解している。 だがデュエルを実践で試すなら、デュエリストと相手するのが一番だ。 自分のデッキは熟練者から見てちゃんと扱えているのかを。 「あ、殺し合いとかそう言うのじゃなくて、純粋なカードでの対決で……」 勘違いされそうだったので、 慌てふためきながら誤解を解こうとする。 デモンストレーションでは単純なデュエルとかの場合だと、 ダメージがないと言うのが証明されている。無傷で実戦を行えるのは、 デュエルモンスターズ同士のぶつかり合いにおける一つの強みだ。 「初心者か。経験は詰むに越したことはあるまい。 いいだろう。だが俺は相手が誰であろうと容赦はせんぞ。」 「そうしないと、実力も分からないから……お願いします。」 曲がりなりにも最強のデュエリストを倒すべく研鑽してきた男だ。 実力は高く、だからこそ自分がどの程度理解できているかが大事になる。 念のためもしダメージがないのは嘘なのかを試す為適当なモンスターで殴り、 ダメージがないままライフをゼロにできたことを確認してからデュエルを始める。 ただし、海馬のモンスターのサイズの都合窮屈なので外に出てからのデュエルだが。 「行くぞ、デュエル!」 「え? えっと……デュエル!」 初めてデュエルディスクが稼働し、形を変えていく。 まるで逆手持ちに握る刃物のようなそれではあるが、 此処においてはある意味刃物よりも優れた武器かもしれない。 「先行は貴様にくれてやる。」 「え、じゃあ、行きます。手札から魔法カードウィッチクラフト・クリエイションを発動。 デッキからウィッチクラフトモンスター、シュミッタを手札に加えてそのままを通常召喚。」 ウィッチクラフト。 それは魔女たちによる工芸をテーマとしたデッキ。 絵や陶器、宝石と言った工芸を専門の分野に精通した魔女たちバイストリートに集う。 ハンマーと呼ぶべきか怪しい謎の武器を持った、赤髪の少女が登場する。 「シュミッタの①の効果! 手札の魔法カードのウィッチクラフト・バイストリートと、 シュミッタ自身を墓地へ送ることでデッキからウィッチクラフトモンスター、 ウィッチクラフトマスター・ヴェールを守備表示で特殊召喚!」 入れ替わるようにして登場するのは、気だるげにあくびをする青髪の少女。 クリスタルのような鉱物でできた椅子へと座り、余裕の表情を浮かべる。 「更に墓地のシュミッタの②の効果で自身を除外することで、 デッキからウィッチクラフトカードであるウィッチクラフト・サボタージュを墓地に。 ターンエンドと同時に墓地の2枚の効果を発動! バイストリートは②の効果、 サボタージュは①の効果を使用してない場合に発動できる効果があって、 バイストリートはフィールドに表で置いて、サボタージュはそのまま手札に加える。」 「私はカードゲームに特別詳しくないが、 結果的に手札がないのにこえは結構いいんじゃないのか?」 大富豪やUNOと言ったオーソドックスなカードゲームでも、 手札が多いとそれだけやれることが増えて逆転の目が多くなりやすい。 或いは強い札を維持したまま勝利することができる道筋を作りやすい。 デュエルモンスターズに浅くとも、その辺りの理解はリゼにも十分ある。 「大富豪等の要領であれば確かに有利だが、 大富豪で手札が割れているのは同時に痛くもあるな。」 「だがカードゲームになれてる動きだ。 手札がある程度露呈するとしても、この盤面が欲しかったんだろうな。」 元々デュエルファンタジーと言うアプリにおいて、 即死コンボを繰り出すぐらいのガチ勢ではあった身。 デュエリスト以上ではないにしても、常人よりはよっぽどとっつきやすい部類だ。 「俺のターン、ドロー……フゥン。 最初のデュエルではあるが、このデッキは存分に戦いたいようだな。」 「え。」 引いたカードを目にしながら海馬は笑みを浮かべる。 やはりこのデッキはそうでなければな、とでも言わんばかりに。 「俺は手札の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を見せることで、 手札のこのカードを特殊召喚する! いでよ! 青眼の亜白龍(ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)!!」 空に舞い降りるはその名の通りと言うべき青き眼を持ち、 白銀のボディを持った荘厳にして強大なドラゴンの姿。 何かの回路のような線が浮かび上がっており、ドラゴンではあるものの独特の姿をする。 「な、手札消費なしでいきなり3000だって!?」 ヴェールが守備力2800で、 色々手間をかけて出したことを考えれば、 ただ手札を見せる程度で攻撃力3000をポンと出してくる。 いきなり遠慮のない動きだと言うのがよくわかる。 (けど、まだ大丈夫。) 百雲が表で置いたバイストリートには、 ウィッチクラフトモンスターに1ターンに1度破壊されなくする効果を持つ。 攻撃力で勝っていても破壊できなければ意味はなく、加えてヴェールの効果もある。 戦闘で突破するのは容易ではないのが分かる。 「オルタナティブの効果発動! 相手モンスターを一体を対象に破壊する!」 「なら、バイストリートの効果適用! ウィッチクラフトモンスターは1ターンに1度破壊されない!」 「ならば二発目だ! 手札から魔法カード滅びの爆裂疾風弾(バースト・ストリーム)を発動する! フィールドに青眼の白龍が存在する場合に発動可能で、相手フィールドの全てのモンスターを破壊する!」 オルタナティブの口から立て続けに放たれるブレス。 一度目こそ耐え凌いだものの、二度目は容易くモンスターが消滅する。 「待て待て! そのカードはオルタナティブであって、 えっとブルーアイズ……なんとかじゃなかっただろ!?」 「喚くな小娘。オルタナティブにはフィールドか墓地、 どちらかに存在する限りは『青眼の白龍』として扱う効果を持つ。 テキスト上はオルタナティブだが、場にいる限りは青眼の白龍と言う名前になる。」 「あ、ああ。そういうことか……」 「だがあのカード、使うと青眼の白龍は攻撃できなくなるらしいな。」 「分かるのか?」 「これからデュエリストの敵もいるだろうからな。 どういうゲームかを覚えておくことは攻略に必須だ。 無策で突っ込むよりは無駄なく覚えておくに限る。」 デュエルのルールを理解するべく、 大我はアプリでカードを確認しつつ状況を理解する。 だが問題なのは攻撃できないことそのものではない。 オルタナティブは元より破壊効果を使うと攻撃宣言ができなくなる。 デメリットにデメリットを合わせることで損失を減らしてる立ち回りだ。 「中々強かな奴もいるようだな。 だが無論デメリットも対策済みだ。 俺はデッキから青眼の白龍を墓地へ送ることで、 手札からロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの独裁者を特殊召喚する!」 骨のような鎧とマントを着こなし、 ブルーアイズの頭部に類似した法螺貝のような笛を持った、 人型のモンスターが続けざまに召喚される。 「更に俺は手札の強靭!無敵!最強!を墓地へ送ることで、 ドラゴンの独裁者の効果を発動! 墓地に存在する青眼の白龍を特殊召喚する!」 オルタナティブから回路のような線を取り除いた、白き龍が横に並ぶ。 海馬にとっては三千年も前からも続く、長い付き合いのカードにしてエースモンスター。 彼の背後を舞うだけでそのドラゴンは様になってると言ってもいいだろう。 「ま、まずいんじゃないのか?」 「だが青眼の白龍が攻撃できなくなるなら、 あれも同じ名前のカードである以上攻撃はできないはずだ。」 「フゥン、その程度で止まるならば凡百のデュエリストにすぎん 俺は二体の青眼の白龍をリリースし、このモンスターを特殊召喚する! 現れろ、青眼の双爆裂龍(ブルーアイズ・ツイン・バースト・ドラゴン)!!」 二体の龍が渦のように混ざり合ったかと思えば、 その渦から姿を見せたのは、首が二つになったブルーアイズだ。 美しさを損なうことなく、しかしどこか猛々しさを感じさせる姿になる。 「更に魔法カード死者蘇生により、墓地からブルーアイズを復活させる。」 「しかし攻撃はできないはず。何故此処あのモンスターを……」 「俺のフィールドに青眼の白龍が召喚されたことにより、 墓地に存在する罠カード強靭!無敵!最強!の効果を発動する! このカードをフィールドにセットし、発動後ゲームから除外する。」 「な、なんだかまずくないか?」 相手は攻撃できないデメリットをうまく回避し、 更に捨てたカードすら計算に入れてデッキを回している。 素人であるリゼでも流石に相手のプレイングが優れてるのが分かってしまう。 「まずいに決まってんだろ。あのカード、 使えばブルーアイズが他のカードを受け付けなくなる上に、 戦闘でも破壊できずブルーアイズの名前がついてりゃいいからツインバーストも対象だ。」 「ちょ、ちょっと待て! するともぐもは……」 「次のターンがきてもあのドラゴンを突破することはできない、か。」 ただでさえ高い攻撃力を持っているのに、破壊してどかすことすらできない。 海馬が遠慮していないのがよくわかる瞬間だ。 「バトルだ! 独裁者とツイン・バーストで貴様にダイレクトアタック!」 笛からの超音波と、双首の龍のブレス。 攻撃のソリッドビジョンのリアルさに、 思わず百雲は屈みながら避けようと思ってしまう。 無論二重の意味で意味はなく、怪我はなければライフは減るだけだ。 (これが、本物のデュエリスト……) ライフ8000で始まったデュエルのはずだが、 今のダメージは4200。既にライフを半分以上削られたことになる。 ライフがあれば多少のダメージは気にせずに済むが、相手の攻撃力を見るに、 相当な攻撃力を持っているパワータイプのデッキであることは間違いない。 下手なダメージでも致命傷になりかねない。慎重に立ち回る必要があると。 「俺はカードを一枚場にセットし、ターンエンド。」 「もぐも! まずはモンスターの数を減らそう! あの独裁者はどうやら攻撃力が低いみたいだし───」 「いや、それはどうだろうな。」 「え?」 「どうやらドラゴンの独裁者は、 フィールドにブルーアイズがいる場合攻撃対象を自分で選べるそうだ。」 いつの間にか橘もアプリを開いており、 カードの効果を確認しながら互いのデュエルの盤面を理解していく。 カードこそ集める仕事ではあったのだが、カードゲームとは縁は余りない。 なのでどういう意味かを細かく理解してるわけではないにしても、 攻撃を誘導すると考えれば戦いにおいて厄介な効果と言えるだろう。 特に遠距離攻撃のギャレンからすればそれだけでやりづらくなる。 「さっきセットした強靭無敵だっけ、 あれはお互いなんだろ? 罠の効果を受けないんじゃないのか?」 「あれはブルーアイズに効果を与えてるわけじゃない、といったところだろうな。」 高い攻撃力。付与される耐性。戦闘もままならない。 デュエルモンスターズに対する見解が浅い三人では、 この盤面を覆せる攻略法は見つからないままだ。 (どうやって、どのカードだったら突破が……!?) どうすれば攻略できるのか。 焦って手札のカードを見ながらあの盤面の突破の仕方を考える。 何度もテキストを見たりアプリで確認していても不安は拭えない。 仁王立ちで構える男が、とても強大で恐怖の象徴にすら見えてしまう。 (あれ、ダメ……?) 圧倒されそうだった。 まだライフがあると言うのに手札だって十分ある。 考えればきっと逆転できる。決闘者は多くは考えるだろう。 けれど百雲は初めてだ。今この盤面を前に、勝てる気がしないと。 これが熟練の人間と、初心者による決定的な差なのかと折れそうになる。 「デュエルの腕はセンスはあるようだが、此処では通用せんぞ。」 「え……?」 「貴様が見るべきなのが敵ではなく手札の時点で分かる。 もしこれが戦いならば、貴様が視野を阻めてる間にも敵は待たん。 あの三人が傷ついている中でも、貴様はテキストに集中するつもりか?」 その言葉に返すことはできない。 これがデュエルだから。死ぬことはないから。 そんな風に楽観的に捉えたままデュエルしていた。 もし今の二十秒程度の時間で戦局が変わってしまったら、 後は泥沼だ。延々と足を引っ張り続ける未来しか想像できない。 「実戦であればどうなっていたかを想像するがいい。 貴様はそのデッキを扱えてるのかもしれないが、未だ借り物だ。 借り物の力で己の魂を偽ろうとも、貴様自身は何も変わりはしない。 この程度で折れるようならば、貴様は戦場に立たないことだな。 カードと言う武器を手に、まやかしの自信に思い上がれば死が待っているぞ。」 「お、おい。がんばろうとしてるもぐもにその言い方はないだろ!」 「この程度で折れるような奴が本番で戦えると励ますつもりか貴様はッ!!」 覇者の一喝のような剣幕に、リゼも口をつぐんでしまう。 橘も大我も、海馬の言ってることは刺こそあるが事実ではある。 一刻を争う中で心の余裕がないのであれば、戦うべきではないと。 此処は遊びではなく、命懸けの場所なのだから。 「フン! 戦う理由や信念ならどんな弱小な奴にも存在する! 此処であればそこの二人にも、当然貴様ら二人にもある話だ。 重用なのはあるかどうかではない。それに押し潰されるか、守り抜けるかだけだ。 貴様らにはそれがあるのか、今一度、貴様ら自身に問いかけてみることだな。」 海馬は別に百雲を気遣うつもりは欠片もない。 M&Wは小さい子供でも全米チャンピオンにも勝てるカードゲームだ。 此処では無力な一般人が怪物も倒しうることができる可能性を秘めた最高峰の武器。 それを扱うだけの覚悟や信念もないならば、端から戦うべきではないのだと。 信念すらないのでは、王国においてこき下ろした城之内以下でしかないのだから。 (信念……) 改めて百雲は考える。 あくまで百雲の世界は一般的な世界だ。 カードゲームで命懸けの戦いなんかしない。 仮面ライダーと言うヒーローも存在しない。 リゼ達と同じで、どこにでもあるありふれた日常の人間。 だから信念と呼べるものはなく、あるとするならばある種のわがまま。 男としても、男の娘としても、しかし女扱いも違うとして嫌がったのを思い出す。 これは我がままであって信念でも何でもない。これを信念などとのたまったら、 海馬からは『貴様など瓦礫の中にでも埋まっていろ』とでも一蹴されるだろう。 確かに琴音を助けたいと願ったように。自分を否定しなかった人達を守りたい。 そういう信念はあるかもしれないが、それだけでは足りえないだろう。 それだけで戦ってこの有様では、薄っぺらいものと言われてしまいそうで。 (でも、魂なら……) このデッキは主催によって支給され、 大我から譲ってもらった借り物であり、 少し調子づいていたのは何処かにあったのかもしれない。 カードの効果は変わらない。特殊な力でもなければ成しえないことだ。 だから自分の芯となる魂のデッキであれば、カードなどテキストを見る必要はない。 (信じてなかったのは、ぼくなのかな。) 魂とは、ある意味そういうことなのかもしれない。 テキストを見ると言うと分かりにくいが言い換えれば、 自分が手足を動かす際に手足を見ることをしていると言う事だ。 自分と共に戦うそれを、信じてないからそんなことをしているのか。 ならこのデッキを手足のように。このデッキを己の魂のデッキとしなければ。 男と呼ぶにも、女と呼ぶにも言い難い狭間を揺蕩う。 学ランでいるのが嫌だ。黒いランドセルなのが嫌だ。 違和感でしかなかったその感情は、敵のような認識へと至り、 喉仏ができた際は錯乱して喉を抉り取ろうとする程に暴走した過去。 その結果、家庭事情が色々と歪んでしまうことになってしまっている。 そんな複雑であってもその魂を貫き通せ。海馬はその事情を知らないが、 ある意味では百雲にとっての激励としては的確な物とも言えた。 (ぼくがぼくでいられたのは、人に信じて貰えたから。) このデュエルを見守っている三人を見やる。 最初に寄り添ってくれた琴音、クエスチョンの皆、恋人である哲。 他にも、別に自分の性別に対して何か思ったりすることのない此処で出会った人たち。 性別について気にせずいてくれるのも、それはある意味では性別を信じてくれてると言う事。 (だったら、ぼくだってこのデッキを信じないと。) この信念を、この想いと共にデッキを動かす。 カードゲームは基本、誰かと向き合って行うものだ。 対戦相手を、相手のフィールドを見ないで戦うものではない。 前を見て敵と向き合う。それがデュエルの基本とも言える。 「……ぼくのターン、ドロー!」 「立ち上がるか。ならば見せて見ろ! 借り物ではない、貴様自身のデュエルで俺に刃を向けろ!」 「はい! 魔法カードウィッチクラフト・サボタージュの効果発動! 墓地に存在するウィッチクラフトモンスターのヴェールを特殊召喚して、 魔法カードウィッチクラフト・コンフュージョンを発動! このカードは、 ウィッチクラフトを含む素材を手札・フィールドから墓地へ送り融合召喚を行う! 手札のウィッチクラフト・ハイネと、フィールドのヴェールを素材として融合! 融合召喚に必要な素材は、魔法使い族モンスターとのウィッチクラフトモンスター。 融合召喚! これがこのデッキのエース、ウィッチクラフト・バイスマスター!」 渦の中から現れるのは『融合』モンスターとは言うが、 ブルーアイズのように混ざってると言うのとは違うものだった。 眼鏡をかけた緑の服の女性と、紫のドレスが特徴的な女性、 そして黒い服に身を包む妙齢の女性が精悍な顔つきで現れる。 ジェニー、エーデル、ハイネ。三者のウィッチクラフトが三位一体となり、 何処かへ行方をくらましたマスターであるヴェールに代わって、 ハイネが一時的な代理管理人(バイスマスター)を務める姿でもある。 「それが貴様のエースか。だが攻撃力はブルーアイズに届かんぞ?」 攻撃力は2700。確かに高い攻撃力ではあるが、 3000のブルーアイズにはわずかに届かない。 デュエルモンスターズにおいて攻撃力は1でも上回れば基本負けることはない。 (大丈夫、ジェニーの効果は一番分かってる!) 低レベルにもちゃんとモンスター効果がある。 麻耶の戦いを見たことで、特にそのことを重視していた。 だからレベル1のジェニーについては理解が他のよりも深い。 このカードは、言うなればルールのすり抜けができるのだと。 「魔法カード成金ゴブリン発動! 相手のライフを1000回復させる代わりに、 デッキから1枚ドローする効果にチェーンする形でバイスマスターの効果を───」 「そうはさせんぞ! セットされた強靭!無敵!最強!を発動! ブルーアイズモンスターであるツインバーストを対象に発動し、 このターンツインバーストは戦闘で破壊されず、他のカード効果を受けず、 戦闘を行った場合そのモンスターを破壊するが、バイストリートがある以上無意味であり、 更にツインバーストは元々戦闘で破壊できず、戦闘を行って相手モンスターを破壊できなかった場合、 そのモンスターを除外する効果があるがな。だが貴様の目論見は分かっている。そううまく行かせん。」 「ん、今何があったんだ?」 百雲の目論見が全く理解できず、 一人納得する海馬に三者は首をかしげる。 「えっと、バイスマスターは魔法使いか魔法カードの効果を発動したら、 それにチェーン……パズルゲームの連鎖みたいなものって言えばいいのかな。 することで効果が発動できるんだけど、今発動できなかったのを考えると、 間に挟まれちゃうと効果が発動できないんだと思う。」 「うん? 私にはさっぱり分からんぞ。」 「多分だが、変身しようとした俺からベルトを奪えば、変身が行えない。 バイスマスターはその変身に当たる部分が効果で、そこを妨害されたのか?」 「橘さんのその例え方ならわかる、かな……?」 別の例え方であれば、 その意味はなんとなく分かると言えば分かる。 大富豪ではローカルルールに8切りと似たようなものだと。 「なら次は魔法カードおろかな埋葬発動! デッキからモンスターカードを墓地へ送る効果だけど、その効果にチェーンして……」 「させるか! 永続罠真の光を発動! 効果は発動できるが今は効果を使わないでおこう。」 「やはりうまいな彼は。熟知してる動きだ。」 真の光にはブルーアイズのサポート効果があるが、 効果を今すぐ使わないのは、バイスマスターの発動を妨害用に残しておくためだ。 無駄のないプレイングセンスは、一朝一夕で身につかないものだと伺える。 (ヴェールをチェーンすれば行けるけど、 ムキになって使うのが目的かも……使うのはやめよう。) 「次はどうするつもりだ?」 「おろかな埋葬の効果処理でデッキかウィッチクラフト・ジェニーを墓地へ送り、 そのままジェニーの②の効果! 墓地のこのカードとウィッチクラフト魔法カードを除外して、 ジェニーはその効果を得る! サボタージュを除外したのでジェニーの効果はサボタージュの効果、 ウィッチクラフトを墓地から特殊召喚する効果になって、ぼくはもう一度ヴェールを守備表示で特殊召喚する!」 「フゥン、なるほどな。まさか抜け道を使ってくるか。」 「抜け道?」 「ウィッチクラフトのカードは全部が1ターンに1度、 ①か②の効果どっちかしか使えねえ。だから二度目の効果は使えない筈だ。」 「え、でも今サボタージュの効果をもう一回使ってただろ?」 「そこが抜け道だ。今のはジェニーのモンスター効果によってコピーしているものだ。 つまりウィッチ・クラフトジェニーがサボタージュの効果を内蔵したと言う事になる。 サボタージュの発動制限は存在するが、ジェニーの効果となってる今それは関係ない。 よって今のは、サボタージュの効果を発動ではなく、ジェニーの効果でヴェールを復活させている。」 「え、ん? ちょっとまて。さっぱり理解が追いつかない。」 「要するにあれはカード名が違うってことだろ。 SNSとかで別アカウントを使って懸賞に当たるとかと同じだ。」 「ふ、複雑なんだなこのカードゲーム。」 分かるような、分からないような。 説明を別の喩えであってもなんだか引っかかる。 麻耶のデッキもそういう感じで複雑なデッキだったから、 あの時は対抗しようがなかったのではと思えてくる。 初心者に渡して使いこなすには相当の訓練が必要だと察した。 「そしてこれにチェーンして今度こそ!」 「当然させん! 真の光の効果を発動し、手札と墓地に同名カードが存在しない、 青眼の白龍のカード名が記された魔法か罠である、究極融合(アルティメット・フュージョン)をデッキからセットする!」 「クッ、悉く発動が決まらないな。」 「裏を返せばあの男はそれだけあのカードを警戒してると言う事だ。 あのカードを妨害し続けないと、海馬は不利になるってことになるだろうな。」 (多分、こうして手間取らせるのが目的なんだよね。) ヴェールには手札の魔法カードを見せることで、 見せた枚数×1000ポイント攻守を加算する効果を持つ。 攻撃力を容易に5000や6000にはね上げることができれば、 いかに耐性を与えられたブルーアイズでも殴り抜けられる恐れがある。 モンスターが強大でも、ライフを0にすることができれば勝利なのだから。 だから此方の手札その効果を爆発的に使われない程度に消耗させられている。 「ならヴェールの効果発動! 手札の魔法カード、ウィッチクラフト・スクロールを墓地へ送って、 フィールドのモンスターを全て無効にするけど、チェーンするカードは……」 「……ないな。」 「よし! ならバイスマスターの効果発動!」 やっと攻めに転じられる。 戦いの場であることは弁えなければならないものの、 自分のペースになると分かると少しだけ嬉しくなってしまう。 「魔法使いか魔法カードの効果が発動した場合、 それにチェーンすることで三つの効果の内一つを適用できる。 三つの効果の内『墓地のウィッチクラフト魔法カードを一枚手札に加える』効果を適用して、 墓地からコンフュージョンを回収してバトル! バイスマスターでドラゴンの独裁者に攻撃! 効果が無効になってるから独裁者の効果は使えないまま、ヴェールの効果を発動! 手札の魔法カードであるコンフュージョンを見せて、攻撃力を3700にアップさせる!」 三者の三位一体となった魔術が、 独裁者を消し飛ばしその余波が海馬を襲う。 その差は2500。成金ゴブリンで回復したのもあり、 海馬のダメージと比べると少ないが大きく前進できたと言ってもいいだろう。 「エンドフェイズに入って、墓地のスクロールの効果発動! スクロールもバイストリートと同じで②の効果を使ってない場合フィールドに表で置くけど それにチェーンしてバイスマスターの効果で『デッキからレベル6以下のウィッチクラフトモンスターを特殊召喚する効果』で、 ウィッチクラフト・ポトリーを守備表示で特殊召喚して、更に墓地のクリエイションの回収効果を発動して、 それにチェーンしてバイスマスターの効果で『フィールドのカードを1枚破壊する』効果を適用して、真の光を破壊する!」 「……な、なにがなんだかさっぱりだ。」 物凄く長い詠唱をしているかのような、 数式の方がまだ理解できる範疇の言葉が百雲から飛び交う。 カードゲームに精通した人間だからこそスムーズに説明できているが、 そんなもの他人から見たところで分かりはしない。 「慣れないゲームはそんなもんだろ。」 「俺は真なる光の強制効果により、 表でフィールドから離れたことで俺のフィールドのモンスターを全て破壊する。 ただし、耐性を得ているツインバーストを破壊することはない……フゥン。 冷静にカードを見ているな。それが貴様の実力と言ったところか。」 「でも、まだ勝てたわけではないです。」 「その通りだ。この瞬間手札のブルーアイズ・ジェット・ドラゴンの効果発動! 俺の場か墓地に青眼の白龍が存在し、フィールドのカードが破壊された瞬間に発動し、 このカード手札、墓地から特殊召喚する!」 今度はブルーアイズを文字通りジェット機にしたような、 独特なフォルムをした機械のようなドラゴンが空を舞う。 次から次へと攻撃力3000が飛び交うのは圧巻と言うほかない。 「俺のターン、ドロー! 言っておくがジェット・ドラゴンが場にいる限り、 俺の他のカードは貴様の破壊効果を一切受けない。」 「バイスマスターの破壊効果では破壊できないってわけか。 だがヴェールの効果がある上、バイストリートの耐性もある。」 「その上戦闘すればヴェールで返り討ちにあうってことだよな?」 素人では突破困難に見えてくるが、 それすらも容易に突破してくるのではないか。 なんてことをリゼでも想像してしまう。 「俺は魔法カード強欲な壺を発動し、デッキからカードを二枚ドローする。」 (手札の増強。ツインバーストは戦闘すると、 破壊できなかったモンスターを除外してくる。 だからヴェールで止めるなら攻撃宣言の時が……) 「俺は手札から魔法カードクロス・ソウルを発動! 互いのプレイヤーは互いのモンスターを使って生け贄召喚を行うことができる! 貴様の手札に上級モンスターがいれば、そいつを俺のモンスターを生贄にできるが……」 (あ……しまった!) 本来ならばクロス・ソウルは相手も利用できる。 場合によっては多大なリスクを伴うカードではあるのだが、そこは問題ない。 手札のカードは殆どが墓地から回収したものと、ヴェールの効果で見せている。 全てが魔法カード。つまり。そのリスクを受けることがないと分かっていて発動していた。 絶対にモンスターがいないと分かっているからこそできる行為だ。 「けど、その前にボトリーの①の効果! シュミッタと同じコストと効果だけど、スクロールの効果を適用するよ! バイストリートと同じで、スクロールを捨てる魔法の肩代わりにする形で発動! 更にこれにチェーンして、バイスマスターの効果を……」 「させんぞ! セットされた究極融合を発動! 手札、フィールド、墓地から融合素材となるモンスターをデッキに戻し、 ブルーアイズを素材とする融合モンスターを融合召喚することができる!」 (ヴェールの効果を使えばバイスマスターの妨害ができるけど、 ヴェールの効果は1ターンに1度。此処で使ったら妨害の手段を失ってしまう。 此処は使わないのが大事……だと思いたいなぁ。) 「ないならチェーンの逆順処理だ。俺は究極融合の効果により、 墓地のブルーアイズ二枚、そして同じカード名のオルタナティブをデッキに戻し、融合召喚! 貴様に見せてやろう。神にも匹敵する、史上最強にして華麗なる殺戮兵器! 降臨せよ! 青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)!!」 顕現するのはツインバーストを超える三つ首のドラゴン。 ツインバーストの美しさとは別に、猛々しさを特化させたかのような、 勇ましいドラゴンがこのエリアに咆哮と共に君臨する。 「こ、攻撃力4500!?」 さっきまで攻撃力3000だ2800だで戦ってたのに、 素で4500と言うのはリゼからは出鱈目に見えてしまう。 姿も凶暴なドラゴンと思うと、威圧感が別格だ。 「……次にポトリーの効果で、ヴェールを守備表示で特殊召喚するよ。」 「最後に俺はクロス・ソウルの効果により、 ヴェールとバイスマスターを生贄に、手札から三体目のブルーアイズを生け贄召喚する!」 ジェット、ブルーアイズ、アルティメット。 数々の高打点のモンスターが揃っている海馬の盤面。 合計の攻撃力は10500。普通ならライフが一瞬で消し飛ぶ。 「ヴェールの効果を使えば俺のフィールドのモンスターはすべて無効。 ツインバーストの除外も、ジェットのバウンス効果いずれも無効されるか。 そして戦闘で破壊しようにもバイストリートと自身の攻守の上昇の三段構え。 貴様の手札は全て魔法。守備力4800ともなればアルティメットでも倒せんな。」 「じゃあ、このターンは凌げるんだな───」 海馬がそう言うってことは、このターンは大丈夫。 「だが貴様に次のターンはない。」 そう思っていたが、 その程度で負けるようならばアテムを追い求めてなどいない。 勝利宣言とも言うべき宣誓に、リゼと百雲の表情が凍り付く。 「俺は手札から魔法カードアルティメット・バーストを発動! 俺の場に存在するアルティメットはこのターン三回攻撃を行うことができる!」 「どういうことだ? それだけではこの盤面は突破できない筈だ。」 「まだだ。アルティメット・バーストには更にもう一つの効果がある。 それはそのアルティメットが戦闘を行う間、相手は全てのカードを発動を封じる!」 「!?」 魔法も、罠も、モンスター効果全てが封殺される。 それではバトルの時しか使えないヴェールは攻守を上げられない。 しかもあれは魔法で付与したもの。アルティメットは効果を持たないモンスター。 ヴェールの効果を使ったとしても、三回連続攻撃は覆すことはできない。 「バトルフェイズに入る前だ。ヴェールの効果を使うなら今の内だ。」 分かっている。ヴェールの効果と言っても、 使えるのはモンスターを無効にする効果だけであって、 戦闘を行う時にしか②の効果は使用することはできない。 「……ヴェールの効果発動! 手札のクリエイションをコストに、 相手フィールドのモンスター全ての効果を無効にする!」 「バトルだ! アルティメットの攻撃! アルティメット・バースト!」 三つ首の龍から放たれる光のブレス。 全てを蹴散らす、文字通り強靭にして無敵であり最強の攻撃。 「ッ、バイストリートの効果で1ターンに1度バトルで破壊されない!」 この効果は発動ではなく適用。 発動を封じられてる中でも耐性はついている。 結末は分かっている。だとしても、足掻くことを放棄してはいけない。 これを実践と捉えたならば、時間を稼ぐことは決して無駄ではないのだから。 もし時間を稼げば、本当の戦いならその間に大我やリゼが駆け付ける可能性もある。 「アルティメットの攻撃! アルティメット・バースト!」 あくまでそういう場合であり、 今回については本当に一時しのぎの無意味な行為だ。 光に飲み込まれたヴェールは再び消滅し、百雲を守る手段は何もなくなる。 「これで終わりだ。アルティメットの攻撃、アルティメット・バーストッ!!」 最後は百雲を飲み込んでいく。 ツインバーストの時とは違って、 更に強大な力を前にしても百雲は前を向いたままで、 光りに飲み込まれながらライフを尽きさせた。 「腕はいいようだが、まだ甘いな。」 デュエルが終わった後は、 五人はオープンカフェで支給された食事をとる。 よくあるコンビニ弁当の類だが、食えるだけありがたいものだ。 今後も食えるとは限らないので食えるだけに食っておくべきではあるが、 海馬と大我は三人と離れた場所でそれぞれ一人で食べていた。 「貴様はテキストの勘違いをしている。」 「え、間違ってるようには……」 「バイスマスターのテキストをよく見ることだな。」 バイスマスターは魔法使いか魔法カードにチェーンすることで発動できるが、 此処に『自分』とは書かれてない。つまり、相手の魔法使いや魔法カードもトリガーだ。 つまりクロス・ソウルにチェーンしても、究極融合にチェーンしてもいいと言う事だった。 此処が一番のプレイングミス。使っていれば戦局は大分変わっていたかもしれないのだから。 とは言え、想像してみても選択肢を見誤って負けてそうなイメージがあって軽く唸る。 「此処には異なる世界もある。普段ならば非科学的だといいたいところだが、 魔法と言ったものを使う輩のいる可能性もある。それを利用すれば戦局は有利になるだろう。」 「……はい!」 少女のような可愛らしい顔つきなのは変わらない。 それでも、何かが成長したかのような顔つきになっている。 「えっと、褒められてるんだよなあれ。」 「多分な。アイツは素直に言わないタイプだってのは分かる。」 (君も大概だと思うが。) 出会った際の二人のやりとりを見るに、 彼も不器用な人間であることなのは想像に難くない。 現に、二人揃って三人とは別々の席で食事している辺りが似ている。 「だが、焚きつけておいて貴様に死なれては俺の沽券に関わる。 貴様がそのデッキを十割とはいかずとも、八割は使いこなせるだけの腕になるまで鍛えてやる。」 「え。」 自分の腕は把握した。後はデッキを信じ抜くだけ。 概ね分かったものの、まさかの二回戦。 百雲当人も引きつった表情になる。 「食べ終えたら次のデュエルだ。 今度は俺のライフを半分削ることだな。」 「え、えええええ!?」 「なあ、あれほっとくのか?」 「あれぐらいは慣れねえと、今後きついだろ。」 それはごもっともではあるが。 困惑する百雲をよそに時間は過ぎていく。 海馬と言う、教えを乞うには余りにも頼もしい存在なのは間違いなく、 今よりもずっと強くなれるのはある意味保障される時間になるだろう。 放送か、或いは予期せぬ襲撃者か。平穏な時間は遠からず終わりを迎える。 【F-2/一日目/早朝】 【海馬瀬人@遊☆戯☆王】 [状態]:健康 [装備]:海馬瀬人のデッキ&新型デュエルディスク@遊☆戯☆王THE DARK SIDE OF DIMENSIONS [道具]:基本支給品 [思考・状況]基本方針:この決闘を粉砕したのち、アテムと決着をつける 1:檀黎斗と闘うための方法を模索する。あの自称神はこのオレが粉砕してくれるわ! 2:首輪を解除したい 3:アテム及び共に存在しているであろう遊戯を探す。 そうそう死ぬとも思えないが、お友達が死んで心に隙が生まれれば万が一があるかもしれない。 器の遊戯の実力にも興味がある。当然凡骨は放置だ 4:残酷にも殺された少女(条河麻耶)のように闘う意志も牙も持たぬ参加者と遭遇した場合、保護も検討してやろう。 5:百雲を鍛えてやる。貴様を焚きつけて死なせるのは俺の沽券に関わる。 [備考] ※参戦時期は本編終了後から映画本編開始前のどこか。 【天々座理世@ご注文はうさぎですか?】 [状態]:健康 [装備]:リゼ専用スピアー@きららファンタジア [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2 [思考・状況]基本方針:橘さんと一緒に黒幕を倒してみんなを助ける! 1:もぐもと一緒に橘さんに特訓してもらって、みんなを守れる仮面ライダーになる。 2:ココアとチノとメグともぐもは私が守るんだ! も 3:マヤを殺した金髪の男は間違いなく危険人物だ。いつか私が倒してマヤの仇を取ってやる 4:二人いるココアについては両方を信じる! 5:私も押し潰されないようにしないとな。 [備考] ※「ナイト」の戦い方を理解し始めました 【橘朔也@仮面ライダー剣】 [状態]:健康 [装備]:ギャレンバックル@仮面ライダー剣 [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2 [思考・状況]基本方針:剣崎の分まで人々を助ける。ゲームマスターも倒す 1:リゼやその友達、及びもぐもは必ず俺が守る 2:リゼともぐもに戦い方を教える。 3:決闘者の意味すら知らない参加者まで集められてるのは、どういうことだ? 4:葛葉紘汰……君の名前は忘れない [備考] ※参戦時期は最終回後。 ※遊戯王OCGのルールを多少把握しました 【百雲龍之介@不可解なぼくのすべてを】 [状態]:健康、花家大我の白衣を着用 [装備]: デュエルディスクとデッキ(ウィッチクラフト)@遊戯王OCG [道具]:基本支給品 [思考・状況]基本方針:大我さんと一緒に生きて帰る 1:海馬さんに鍛えてもらう。 2:大我さんの優しさを信じるっ! 3:このデッキを、魂のデッキって言えるように。 [備考] ※参戦時期は少なくとも十四話以降かつ二十三話までのどこか ※遊戯王OCGのルールとウィッチクラフトの回し方をだいたい把握しました。 海馬とのデュエルで、さらに成長するかもしれません。 ※先行ドローをしてませんが、別にドローしてもいいことに気付いてません。 (ZEXALまでなので先行ドローがOK) 多分時期に気付きます。 【花家大我@仮面ライダーエグゼイド】 [状態]:健康 [装備]: ゲーマードライバー&バンバンシューティングガシャット@仮面ライダーエグゼイド [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1 [思考・状況]基本方針:このゲームは俺がクリアする 1:もぐもは俺の患者だ。レベル2で倒せるようなNPCに負けるようなやつじゃ、 一人でこの決闘を生き抜けねぇだろ(翻訳:もぐもは俺が守る) 2:ゲンムの情報は出来る限り広めてやる。 3:無数に存在する世界ってのはどうやら嘘じゃなさそうだな。 4:基礎訓練、マジかよ。 5:あんまり戦わせるべきじゃねえが、患者の意見を尊重するのも医者か。 [備考] ※参戦時期は仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング終了後 ※遊戯王OCGのルールを多少把握しました 056 鬼械戦線 投下順 058 これはバトル淫夢でもBB劇場でもない 055 Introduction:未完成の君達へ 時系列順 060 Stronger ─負け犬たちの後夜祭─ 033 Questionな性別 天々座理世 橘朔也 花家大我 百雲龍之介 024 未来への第一歩 海馬瀬人@遊☆戯☆王
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DQⅦ Ⅶに登場する武器。 杖の先端に装飾が勇ましい戦士が彫られている。 攻撃力+103、かっこよさ+60と杖としては最高クラスの性能で、移民の町最終形態でのみ買うことが可能。 名前の通り、メルビンのみ装備することが出来る。 ただし、【理力の杖】と同様に攻撃するたびにMPを3ポイント消費する。このことはあまり知られていない。 というか、なぜか公式ガイドブックにも書かれていない。メルビンのMPは高いとは言え、注意して扱ったほうがいいだろう。 戦闘中に使うと【フバーハ】の効果を発揮するため、メルビンがパーティにいない場合でも買っておくと便利。 3DS版 移民の町のシステムが変更され、店が一つもなくなったので、【マール・デ・ドラゴーン】船内で売られている。 転職システムの仕様変更の関係上、モンスター上級職までたどり着かない限りフバーハを他職に引き継げるようにならないため、この手のアイテムはとても便利。
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蒼眼の戦士-2 1 492 名前: ◆21RFz91GTE 投稿日: 2005/08/13(土) 11 29 16 [ 3dSXljKk ] ■・蒼眼の剣士-1>>365-367 蒼眼の戦士-2 暗い、とても暗い部屋の中で私は一人倒れていた。周りには誰もいない、気がつくとそこは本当に真っ暗なただ一つの空間だった。 自分の体だけが光に照らされ、自分から一メートル先が全く見えない不思議な空間。そう…確か自分は古の昔から、勇敢な戦士としての家計を持ち、その家計の仲の子孫。 名前は覚えていない、五年ほど前に倒れていたところを一人の女性に救われ。近くの都市へとつれてかれたという事だけは記憶に残っている。 その隣に一人の戦士が居た、彼もまた彼女と一緒に旅をしているものだろう。私はその二人が羨ましかった。 自分には記憶が無い、記憶が無いからこそ周りに見えるものが新鮮だった。その新鮮さゆえに私は何時しか道を踏み外してしまう。 黒魔術、世の中ではそう呼ばれている技法だった。私は黒魔術に手を染め、そして肉体を手に入れた。それは魔法都市スマグの優れたるウィザードの体だった。私は彼の潜在意識の中に身を潜めこうして今でも彼の中に寄生している。精神寄生というものだ。 彼の名はアレン、”アレン・ケイレンバック”。彼の体の中はとても居心地が良かった、優れたエレメントの持ち主で、男性としても華麗に成長し、そして今では二人のランサーと、アーチャーと旅をしている。 アレンの目に映るものは、私の目にも映る。そして今彼は目を閉じている。いや、気を失っているといっても過言ではないだろう。 精神寄生してから幾年、私の元の体は今何処で何をしているのだろうか。 うすうす感ずいていた、私の中にもう一人の誰かがいることを。 その誰かは、とても強大な力を持ち。そしてやろうと思えばすぐにでも私の体を乗っ取り操る事が出来る事も。 だが、彼はそうしなかった。理由は定かではない、はっきりとし無い。彼はいまだ私の中で眠り続けている。 私がまだ幼かった頃、それも師匠と出会う少し前の事。私は一人課題提出のためのサンプル採取のために森へと出かけていた。そこで一人の戦士と出会う。目が合った瞬間私は気を失った。気がついたときは病院のベッドの上だったことだけは覚えている。 だれも私がどうやって倒れていたとか、見つかった時の事とかは話そうとはし無い。もう一つ、覚えているといえば私の体に出来た見覚えの無い小さなあざ。それは右足の足首に出来た赤い斑点模様。 私の中に誰かがいることが感じ始めたのはつい最近の事。それはミルと出会ってからの事だった。彼女が私の目の前に現れたとき、私の中に眠る誰かは目を覚ました。今まで感じた事も無い強い力、それが私の中で何かのきっかけで目覚めてしまった事。そして、鏡を見る自分が誰か他の人物かもしれないと感じ始めたのはすぐだった。 今まで茶色い瞳だったものが、突如真っ青に染まってしまった。組織体の異常だと最初は思っていたものが、次第に眼鏡を必要とし無いほどの視力まで回復している。そして体つきが徐々に変わっていくのも一つ。察しがつくのは誰かが私の中で生きている、潜んでいる事だった。 2 493 名前: ◆21RFz91GTE 投稿日: 2005/08/13(土) 11 29 41 [ 3dSXljKk ] 「…さい…おき…い…起きてください!」 誰かが私のことを呼んでいる、ゆっくりと目を覚まし瞳を開ける。そこは倉庫の中だった。小さな倉庫で、周りには何かの袋がたくさん詰まれている。その袋に囲まれるように私と一人の女性が居た。 「…気がつきましたか。」 「…ん…ミト。」 私の体を揺さぶりながら名前を呼んでいたのはミトだった、ゆっくりと起き上がろうとすると激しい頭痛に見舞われる。多分あの盗賊達から攻撃を受けた後遺症だと察するのに時間は掛からなかった。 「…ここは。」 「盗賊団のアジトだと思います。」 ゆっくりと立ち上がり、あたりを見渡す。確かにミトが言ったとおりここは盗賊団のアジトだろうと推測が付く。周りには少量ながら金品やシーフが使用する短剣などが無造作に置かれている。八畳ぐらいの広さで、周りは袋だらけ。 「…ミルは!?」 「…ミルさんは、盗賊の人に連れられて古都へと向かわれました。何かの儀式だとか…そのようにも言っていたように思えます。」 「儀式…。」 アレンは悩むように両手を組み下を向いたまま考え込む、そこへミトがさらに気になることをアレンへと問いかける。 「あの…アレンさん。」 「ん。」 「あの人が言ってたことって…どういうことなんですか?」 ミトは少し不安がちにそういいながらアレンのほうを見た、アレンはまだ直らない頭痛に悩みながら数時間前の事を思い出そうとする。 「…ミルが古都の姫君って話しか。」 「えぇ。」 「…分らない、分らないことだらけだ。あの盗賊団は何が目的で、ミルは一体誰なのか。そして儀式って何なのか。今は分らない事だらけだよ。」 アレンは難しい顔をしてミトを見た、そしてあたりに扉が無いかどうかを確認し、脱出方法を探し出す。 「取り合えず、今はここを脱出しよう。それが先決だ。」 アレンが扉を見つけて一歩、又一歩足を歩ませた時のこと。突然アレンに猛烈な頭痛が襲う、その頭痛は頭が二つに割れるかもしれないほどの強烈な、そして意識をつなげているだけでもいっぱいいっぱいなほどの頭痛だった。 3 494 名前: ◆21RFz91GTE 投稿日: 2005/08/13(土) 11 30 10 [ 3dSXljKk ] 「”あのランサーを助けたいか?”」 アレンの耳元に届くその声、アレンはとっさにあたりを見渡した。だがその倉庫の中にはミトと自分以外の人間はいなかった。 「だ…だれだ!」 頭痛に悩まされながらも声を発する。するとびくっと背中を振るわせてあたりを警戒するミト。だが自分の弓はこの倉庫の中には無かった。 「”お前も気付いているのだろう、私の存在を。”」「どこだ!何処にいる!」 「”お前は知っていた、私の存在を。”」「出て来い、姿を現せ!」 「”何も怯えることは無い、私はお前だ。”」「何をさっきからわけの分らないこと…!」 「”目をそらすな、私は目の前にいる。”」「おまえは誰だ!」 ミトの目には一人で叫んでいるアレンの姿だけが映っている、しかし、アレンは確かに聞こえる不思議な声に翻弄されながらあたりを見渡す。そしてアレンの姿がぴたりと止まる。 「…あんたは。」 アレンはそのままピクリとも動かずに一点だけを見つめている、そこには誰もいない。ミトは不思議そうにアレンが見つめる方向に目を合わせた。 「”お前が望むこと、私がかなえてやりたいが…お前には今の私の姿は見えてもそれを使いこなすことは出来ない。ならば私はお前に知恵を授けよう。”」 「知恵…だと。」 アレンがそう一言つぶやくと当たりに積み重ねられていたたくさんの袋はいっせいに破け、中身を散らばらせた。 中身は白い粉だった、その粉は倉庫中に散乱し、そしてあたり一面を白く漂わせた。 「きゃ!」 ミトが突然のことに声を上げる、アレンはそのまま一点だけを見つめてじっと黙っている。次々と袋は破け白い粉が当たり一面に広がっていく。 「…小麦粉?」 ミトはその白い粉を見てそうつぶやいた、するとアレンはその言葉に敏感に反応する。 「…小麦粉だって?」 アレンは血相を変えて敗れた袋を見つけて中にまだ数量残っている白い粉を手に取りなめる。それは確かに小麦粉だった。あたり一面に積み重ねられていた袋は、小麦粉を大量にしまいこんでいたものだった。 「…小麦粉…なるほど、そういうことか。」 「…アレンさん、どうしたんですか?」 白くて何も見えないほど充満している小麦粉の中、アレンは何かを探すように当たり一体を捜索し始める。そしてアレンはソレを見つけた。 「小麦粉…短剣…。」 アレンは素早くミトを見つけ出し、手を引いて奥のほうへと隠れるように身を伏せた。 「アレンさん、一体何を…。」 「…ミト、できるだけ姿勢を低くして身を護るようにしてくれ。」 「え…はい。」 「…あんたの言うとおり、知恵は貰ったよ。誰だか知らないあんたに私は命令する、あんたが私の中で生きる誰かというのであれば、私たちを無事に救って見せろ!今まで私の中で生きてきたんだ、ソレぐらいの報酬はもらうよ!」 アレンは両手に構えた短剣を大きく振りかぶって短剣と短剣をぶつけて火花を散らした。するとあたり一体は急にさらに白くなり、目の前が真っ白になった。 その瞬間、倉庫の中は突如爆発を引き起こし、倉庫一帯を盛大に吹き飛ばす爆発を引き起こした。 蒼眼の戦士-2 END <前 ▲戻 次>
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■ラタトスクの杖 世界樹の迷宮5で登場する武器。炎獣の角を彷彿させる歪な先端が特徴的な演舞や舞踏によく使われる長めの杖。TP↑↑。 やはり世界樹のリスはラタトスクだったと確信を抱く武器。 同時期に買える他の杖と比べてATKがかなり高く、これよりも高い杖は6層まで出てこない 第4層ボス戦においては剣弓杖のうち堂々一位のATK(除ボスレア武器)。神降ろしとクリアブレスの殴り愛にどうぞ コメント
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(レッドアイズ・アンデットドラゴン) 効果モンスター/レベル7/闇属性/ドラゴン族/攻撃力2400/守備力2000 このモンスターは自分フィールド上に存在する 「真紅眼の黒竜」1体をリリースして特殊召喚することもできる。 このモンスターは「真紅眼の黒竜」としても扱うことができる。 このモンスターの種族は「アンデット族」としても扱うことができる。 このモンスターが破壊された場合、このモンスターを 自分フィールド上に特殊召喚することができる。
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アイテム 道具 流派技能 流派開眼の書・弐 (リュウハカイガンノショ2) 分類 価値 重量 特殊効果 その他 道具 1 0.1 流派の悟り 取引不能 スタックアイテム 効果 型の成長が通常より伸びる 入手情報 吉兵衛のクエストを失敗すると貰えましたー -- お篠さんのクエ成功で入手しました。 -- 名前 コメント
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DQMBⅡ モンスターバトルロードⅡに登場する武器。 本編シリーズにも同名の武器が存在するが、それらと性質が違うことを考慮し別の項目とした。 本編に登場する賢者の杖は【けんじゃのつえ】を参照。 一般カードとしての賢者の杖 第六章で登場した魔法使い、僧侶の両方で使える杖。 上昇ステータスはかしこさ+50 みのまもり+15。 技は「イオラ」と「ダウンオール」。 前者は爆発呪文、後者は相手の能力を全て下げる呪文である。 後者は【メタルキングの剣】のこれとは違い、ダメージを与えられない。 また、【賢者のローブ】、【聖女のたて】と一緒に装備する事で、イオラが「イオナズン」にパワーアップする。 と、ここまでは魔法職ならどちらでも使える以外、普通の杖と全く変わりはない。 マジックダブルスキャンで作る賢者の杖 ところが、賢者を使った際に特定の杖カード2種類をマジックダブルスキャンする事で出来上がる杖は、全く性質は異なるが、なんと賢者の杖なのだ。 賢者の力で2本の杖を合成し、複数の呪文の属性を合成した合体呪文を唱えることが出来るようになる。 名前はいずれも賢者の杖で、形も一緒だが、合成素材によって色が異なる。 いずれも上がるステータスは一般排出の同名カードと同じ。 モチーフは【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】に登場した、賢者ポロンが使用する【合体魔法】。 右手と左手から2つの魔法を同時に放つことで新たな効果を発揮する。 ダブルスキャンというゲームシステムと「賢者」らしさを両立させたナイスアイデアである。 賢者の杖一覧 色 組み合わせ ワザ 白 【まどうしの杖】 メヒャド 敵単体に炎+氷+光属性ダメージを与える呪文 【うみなりの杖】 はくむの杖 霧を発生させ、敵全体に光+爆発属性ダメージと幻惑効果を与える特技 水色 【マジカルメイス】 バヒャド 敵全体に氷+風属性ダメージを与える呪文 【さばきの杖】 ひょうけつの杖 敵単体を氷柱で攻撃し、打撃+氷属性ダメージと物理的行動不能の効果を与える特技 緑 【マグマの杖】 イホイミ 敵全体に光属性ダメージを与える呪文 【しゅくふくの杖】 きゅうしゅうの杖 敵をランダムに狙い、1/2の確率で自分のHPを回復する特技(敵へのダメージはない)。回復量は狙った敵にHPに依存 黒 【ルーンスタッフ】 ラリルマ 敵全体に暗黒属性ダメージと眠り効果を与える呪文 【ねむりの杖】 あくむの杖 敵単体を巨大な髑髏が襲い、暗黒属性ダメージと眠り効果を与える特技。会心の一撃が出る オレンジ 【いかずちの杖】 ギマホーン 敵全体に灼熱+暗黒属性ダメージと呪文封じを与える呪文 【まふうじの杖】 じくうの杖 敵全体を結界に閉じ込めて爆発を起こし、打撃+爆発属性ダメージとダウンオールの効果を与える特技 赤 【りりょくの杖】 メギラ 敵全体に炎+灼熱属性ダメージを与える呪文 【ドラゴンの杖】 炎魔の杖 敵単体を炎で攻撃し、炎属性ダメージと精神的行動不能の効果を与える特技 青 【さばきの杖】 デギマ 敵全体に風+雷属性ダメージを与える呪文 【てんばつの杖】 雷鳴の杖 敵単体に雷属性ダメージと麻痺の追加効果を与える特技 灰 けんじゃの杖 ジゴラ 敵全体に光+爆発属性ダメージと幻惑効果を与える呪文 【ひかりの杖】 聖魔の杖 敵単体に光+爆発属性ダメージを与える特技。悪魔系特効