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平成22年5月23日(日曜・曇り) 今日は学校から帰ってきてから二人が粘土をしたいと願うものだから 粘土を出して遊んだんだけど・・・ 「リー君白いのやだ・・・」 え? 「レン君もちろいのやっ!!ぴんくほしい!!」 え・・・・?・・・・あぁ・・・~はいはい分かったよ とゆうことで絵の具を出してきて絵の具を粘土に練りこんで・・・ 「ママ、りんごさんちゅくってーー」 りんごさん?さんは必要なのだろうか・・・・まぁ、いいや りんごだね そういってやれば嬉しそうにはにかむレン君 赤い絵の具を粘土に練りこんで こねこねこねこね ほら、出来た とまぁ、こんな感じで粘土を作ってその後眠くなって手も洗わずに寝てしまった そしたら底に雲雀さんが帰ってきて 必死に俺を呼ぶ声・・・・ 何事かと思い目を開けると険しい顔をして俺の顔をのぞいてくる 「どうしたの!!??何があったの!!!???」 え、何・・・って・・・何が?? 「この手、どうしたいんだい!!手をきったのかい!!??」 え、手?・・・手・・・・って・・・あぁ・・・・ 手を見てみれば手を汚す赤い絵の具 雲雀さん勘違いしたのかな??? その後にきちんと事情をはなせば苦しいぐらいに背中を抱いてくる雲雀さん ふふふ、俺って愛されてるww 戻る -
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たとえ雪が君を包んでも 僕が溶かしてあげるから ねぇ 溶けない雪なんてないんだよ 君が愛してた あの人はもう遠くで 君の拭いきれない過ちも 流しきれない罪も全部 隠しきれないまま 雪は溶けるのに この気持ち解(ほど)けないよ 冷たい温もり 身体を凍えさせて溶かす 君の事だよ ねぇ 泣かない人なんて居ないんだよ 解(ほど)けない想いなんてないんだよ 君はただ 後悔の日々を 繰り返してるだけだよ そこには 変わらない想いがあるんだよ 君が愛した あの人になれないけれど 君の心に残る深い傷跡も 君の流した涙も全部 受け止めてあげられたら 雪は溶けるのに この気持ち解(と)けないよ 冷たい温もり 優しさで包んて溶かしてく 君の事だよ ねぇ 傷つかない人なんて居ないんだよ 解(と)けない想いなんてないんだよ 傷ついて 泣いても 愛してしまうんだよ 人は人を愛してしまうんだよ 咲かない花なんてないんだよ たとえ雪が君を包んでも 僕が溶かしてあげるから ねぇ 溶けない雪なんてないんだよ
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和ちゃんといけない女教師のうふふふん はじめに、屋上。 和「校内は禁煙ですよ、山中先生。」 風の強い夏の日、絵の具をうすくとかしたような西の空を眺めながら屋上で煙草を吸っていた時のこと。 写真におさめて残しておきたいほど綺麗な色の中を小鳥の群れがアクロバット飛行していた。 さわ子「あら、和ちゃん。」 下の名前で呼ぶと彼女は呆れたように溜息をついた。 真鍋和はすでによく見知った生徒だった。担当するクラスの子であるという以上に。 教師たるもの、特定の生徒に対してだけ他とは違ったふるまいをするなんてあってはいけないことだと思う。それでも彼女や軽音部のばかたちは特別に気の置けない子たちだ。 彼女も私のことをよく知っていた。 綺麗でやさしいさわ子先生がふだん見せない顔、たとえば、放課後の屋上で隠れて煙草を吸うような不良であるところとかも、彼女をふくむ数名の前ではもはやさして隠す意味のないことだった。 さわ子「屋上は立ち入り禁止よ?」 今さらではあったけれど、さすがに生徒の前で煙草を吸い続けるのは気がひけたので、冗談でごまかしながら火を消して携帯灰皿へとしまった。 おまけに眼鏡の奥からとっておきのウインクまで投げつけてみた。 和「帰ろうとしたら煙が見えたので。誰か生徒が吸っているのかと思って。」 案の定彼女はごまかされずに、あくまでまじめだった。 さわ子「そんな悪い生徒はうちにはいないって。」 和「どうでしょうね。先生がこれだから。」 さわ子「大人は大変なのよ。」 和「健康と美容に悪いですよ煙草は。男性の印象もよくないそうですし。」 いやなことをいうな、と思った。 ちょうど三十分ほどまえに付き合っていた男からの最後のメールを受け取ったばかりだったのだ。 さわ子「和ちゃんは男の子に興味ある?」 沈黙すると動揺をさとられるのじゃないか。そう考えた私は、話題はなんでもいいからと話し続けた。 それにしても間の悪いテーマだ。 和「さあ、べつに。」 彼女と同じ年齢の私は恋愛のことばかり考えていた。 今もそうじゃないのかといわれると、そうではないと断言はできない。 高校生の私になくて今の私にあるものは、あきらめのよさ。 振られたこと自体はさびしいが、こうしてお定まりの自暴自棄を演出して、一晩お酒でも飲めば忘れてしまえる。この別れは以前から予想していたことでもあったから。 彼女はいかにも恋愛なんて興味がありません、といった感じの生徒だった。 眼鏡のフレームみたいに、全身が軽金属でできた女の子がいるものだ。 さわ子「彼氏とかいるの?」 いそうにないな、と思いながらも試しに訊いてみる。 和「いません。」 さわ子「やっぱりねぇ。だと思った。」 和「それって失礼です。」 自分でもそう思ったので、ごめんなさい、と謝った。 いいですよ、と答える。 さわ子「独り身はさびしいわよ。あーあ、明日もきっと二日酔いよ。」 和「どうかしたんですか?」 さわ子「振られたの。ついさっき。やんなっちゃう。」 和「恋愛のこととかわかりませんけど、先生はきれいだから、すぐに良い人がみつかりますよ。」 ふざけた風もなく彼女はいう。慰めようとしてくれてるんだな、と思うとおかしかったので、 さわ子「いっそ和ちゃんが付き合ってよ。」 と言ってみた。 和「先生が禁煙したら考えます。」 まじめにそんな答えが返ってくるとは思わなかった。 心臓が5センチくらい跳ね上がった。 和「じゃあ、私帰りますね。屋上の施錠お願いします。」 何食わぬ顔で堂々と退出する彼女の背中に「さよなら」の一言をかけるのも忘れて、その場所にそれから何分も立ち止った。 その時はじめて、自分がずいぶん前から真鍋和という生徒に気をひかれていたことを知った。 とはいえ、彼女には意外とふざけたところもある。それに気付いたのは例の軽音部での集まりのことだった。 屋上での出来事にさかのぼる初夏のこと。 私は日曜日にりっちゃんに誘われてカラオケに行った。 行った、というか、正確にはドライバー役をまかされたというのが実際だ。 暇だったし(すでに恋人との仲は危うかった)下心があってのこととしても、顧問の自分まで誘ってくれたことはすなおに嬉しかった。 途中でりっちゃんと澪ちゃんの二人を拾い、澪ちゃんの案内で新しくできたというカラオケ店へ向かう。 律「さわちゃん、おごってよ!」 澪「おい、ずうずうしいぞ。」 さわ子「いやよ。でも歌声で私に勝てたら考えてあげる。」 律「ほんと? それなら楽勝だ。」 さわ子「あなたね。」 澪「先生、すみません。」 目的地に着くと、店先で他の子たちが待っていた。先に部屋を確保してくれていればいいのに。 メンバーの中には唯ちゃんの妹の憂ちゃんや、軽音部とは関係のない和ちゃんまでいた。 軽音部の集まりとはいうが、それは私を都合よく呼び出すまでの名目で本当はただの遊びだったのだろう。 大人数なので比較的広い部屋に通された。それでも椅子のサイズは十分ではなく、ぎゅうぎゅう詰めで座った。 一度立ったら二度と座れそうもない。 室内は清潔で煙草を一本でも吸ったら真っ白な壁紙がよごれてしまいそうだった。 そもそも禁煙ルームだ。高校生のグループなのだから仕方がないだろう。梓ちゃんなんか中学生に見られたかもしれない。 それぞれ思い思いの曲を入れ、だらだらとした雰囲気だった。 この子たちはきっと、自分たちの時間が永遠に流れると思っているのじゃないかしら。 さわ子「真鍋さんも何か歌ったら?」 隣席の彼女が飲み物ばかり飲んでいたので、無理やりにリモコンを渡す。 和「私はいいですよ聴いてるだけで。下手だから、恥ずかしいです。」 さわ子「だめよ、楽しまなきゃ。それにりっちゃんだって歌ったんだから。」 律「せんせー、それってどういう意味ですか?」 澪「そのままだろ。」 じゃあ、と俯いて彼女はリモコンを操作する。 間をおいて日本のロックバンドの曲が流れ始めた。 さわ子「あなた、この選曲ってわざと?」 マイクを取って彼女は歌い出す。 唯ちゃんが「いよっ、和ちゃん!」とはしゃぎ、憂ちゃんがあんまりリズムに合ってない手拍子をした。 歌声はまずまずというものだろう。 曲が終わると、彼女は悪戯気な笑顔で視線をよこした。 このバンドの歌い手は「山中さわお」というのだった。 …… 屋上での会話からしばらく変わったことはなにも起きなかった。 ほんらい生徒との間に何か起きる方がおかしい。 それでもホームルームや授業の時間、彼女のふとしたしぐさが、折々心にふれた。 ひょっとして自分に目配せしたのでは、とか。 授業中に教師の方を見るのは当たり前なのに。 休み時間肘をついて考え事をしているのを見てさえ、自分について考えてくれるのではないかと期待してしまう。 自分のことながら、相当あぶない。 朝目が覚めて、感じやすい子どものような自分を発見する。 無性におかしかった。 女にそういう関心を抱くことに疑問を持たなかったのは、高校時代の経験があったからかもしれない。 バンドでギター兼ヴォーカルを務めていた私は、自分でいうのもおかしいが校内では目立つ方だった。 そのためかいくにんもの生徒が、すこし恋文じみたファンレターをくれた。 それは女子高でみのまわりに女の子しかいない女子高生の遊び半分の恋愛ごっこだったのだろう。 けれどその中で一人だけ真剣にアタックしてきた子がいたことを覚えている。 他に好きな人がいた私はその子の告白は断ったのだが、そういう縁でライヴの機会があるたびに彼女は楽屋まで足を運んでくれた。 わずらわしく思うこともないではなかったが、自分を好きでいてくれる人間がいるということが嬉しかった。 人懐っこくやわらかい性格の子で、姿恰好も真鍋和とはぜんぜん似ていないが、その子も眼鏡はかけていた。 …… 唯「さわちゃん、最近いーことあった?」 かじりかけのラングドシャを振り回しながら唯ちゃんが訊いた。 さわ子「へ?急になによ。」 唯「最近なんか輝いてるよ。絶対なんかあったでしょ。」 紬「そういえば、最近の先生、ますますおしゃれになってきてる気が……」 さわ子「私は前からおしゃれよー。」 律「あー、ひょっとして、彼氏でもできた?」 梓「ちょっと、律先輩。」 さわ子「残念、はずれよ。彼氏とはついこないだ別れました。」 唯「ふーん。それにしては嬉しそうだね。」 …… 夏休みの直前。軽音部の部室前の廊下。 さわ子「あら真鍋さん。どうしたの。」 和「先生こんにちは。ちょうどよかった、このプリント、軽音部の田井中さんに渡しておいてください。」 さわ子「私を小間使いにする気かしら。」 和「先生も目を通さなければいけない書類なので……よろしくお願いします。」 ぺこり、と一礼をして、あわただしく引き返そうとする彼女の肩に手を載せて引きとめる。 さわ子「ねえ、私、なにか変ったことに気付かない?」 和「さあ。わかりません。」 さわ子「もっとちゃんと考えてよ。ヒントはにおいよ。」 和「そう言われましても……」 さわ子「香水じゃないわ。」 彼女は沈黙して私の顔をまじまじと見る。じれったいなあ。 和「もしかして、煙草やめました?」 さわ子「そ、正解!」 思わず顔がにやけてくる。 『先生が禁煙したら考えます。』 さわ子「忘れたとは言わせないわよ、こないだの話。」 顔を真っ赤にしてあわてふためく彼女が見れることを期待したのだが、そうはならなかった。 和「じゃあ、これあげます。」 といって、千切った手帳の切れはしを渡してくる。 濃い青色のインクで携帯のメールアドレスらしきものが記してあった。 和「先生、さようなら。」 真意を問いただす前に、真鍋和はクールに去って行った。 その翌日、今度は近くの階段の前で彼女を待ち伏せした。 来る保証はなかったが、彼女は来た。 和「そんなところに座ってどうしたんですか。」 さわ子「真鍋さん、今日はどうしたの。もしかして私に会いに来てくれた?」 和「別に、そうじゃありません。」 さわ子「いじわるね。私はあなたが来るのを待っていたんだけどなあ。」 和「じゃあ、私もそうかもしれません。」 さわ子「じゃあってなによ。」 私は笑った。 私たちは内緒話をするみたいに、声を抑えて話す。音楽室の中の子たちに覚られないように。 和「どうして昨日メールをくれなかったんですか。」 さわ子「してよかったの?」 和「当たり前です。」 さわ子「どんなメールを?」 和「先生って、性格悪いって言われません?」 薄暗くてよく分からないが、彼女の頬は今日こそ赤く染まっているのかもしれない。 ようやく私は確信した。 私たちは内緒の話をしているのだ。 誰にも言えない話。 携帯を取り出して、メールを打った。 鈍いバイブ音が響き、あわてて彼女は携帯の画面を開く。 『わたしのこと、好き?』 すぐに返事が来た。 『はい。』 『私も和ちゃんが好き。』 『うれしいです。』 『私たち、付き合っちゃおうか。』 和ちゃんは少し逡巡してから、自分の声で「はい」と答えた。 …… 電話やメールがあれば、いつでも繋がっていられるというのは嘘だ。 会えない間のメールは、その人がそこにいない事実を際立たせるばかりだから。 和ちゃんというのはどういう子なんだろう? あの階段で付き合いはじめて以来、よく考える。 一見してまじめ。クール。 よく見てもまじめで、クール。 ちょっととぼけて、おかしなところもあるみたいだけど。 いったいこの子は、人と付き合うってことを何だと考えているんだろうか。 あの日、彼女はひどく可愛く見えたものだけど、それからはなかなか隙を見せてはくれなかった。 なんだか、おもしろくない。 私はイライラしていた。 彼女は今、私の部屋で読書をしている。 昼日中に界隈を出歩いて、二人でいるところを学校関係者に見られるとことだからという理由で、会いたくなったら彼女が私の家に来る。という約束が出来ていた。 それは仕方のないことだし、いい。けれど、こうして恋人の家にやって来て、一人で本を読んでいるというのはどんな神経をしてるんだろう。 クールなのもいいけど、もうちょっと恋人らしい時間の過ごし方ってのがあるのじゃないか、と思う。 さわ子「和ちゃん。」 眼鏡をかけた横顔を見ながら、名前を呼んでみる。 和「はい?」 和ちゃんは本を置くこともせず、こちらに顔だけ向ける。悔しいけどかわいい。 さわ子「むう。」 私はこの不満をぶつけるべく、思いっきり彼女の顔を睨みつけてみた。 さあ、どうだ。 和「あの、先生。顔が近いんですけど。」 さわ子「……。」 和「先生?」 敵はなかなか動じるようすがない。こうなれば持久戦だ。 私はますます顔をしかめ、目元に力を込める。 ぱちぱちと瞬きをしているのがはっきり見える。 和ちゃんは何度目かの瞬きの後、読みさしの本に栞を挿しこんでテーブルに置き、それから再び私の方へ向き直った。 和「……。」 さわ子「……ちょっと。なんで目を閉じてるのよ。」 和「キス、してくれるのかと思って。」 さわ子「はあ?」 なんでこういうこと言うかな。 私の表情が見えてなかったんじゃないか。眼鏡の度があってないに違いない。フレームも下半分だけだし。おしゃれのつもりかもしれないけど、よく似合っててすてきだし、街中で男の目を引くかもしれないからやめてもらいたい。 和「してくれないんですか?」 さわ子「するに決まってるじゃない。」 和「よかった。」 おもしろくない。 何食わぬ顔で黙っておきながら、こういうことはしっかり要求するのだから。 いいや、キスを奪うのは私の方だ。なまいきな女の子に大人のやりかたを見せてやろう。 和「……なんだか今日はすごかったですね。」 さわ子「感想言うのやめてよ、恥ずかしいんだから。」 和「あら、先生でも恥ずかしくなるんですか?」 こっちの台詞。 顔色一つ変えないくせに。 さわ子「それ、いやみ?」 和「先生は、こういうこと慣れてるんじゃないかと思って。」 和ちゃんは言いにくそうに目を伏せた。ひょっとして、嫉妬してくれてるのだろうか。だとしたらうれしい。 なので、「そりゃあね」と自慢してみる。和ちゃんのクールの壁を崩せるのならどんな手段も惜しまない所存だ。 和「……私は、先生がはじめてなんですから、すこしは気を遣ってください。」 見事に不満げに口を尖らせてくれたので、思わず私は噴き出しそうになった。 さわ子「あなたかわいいわね。時々すっごくかわいくないけど、かわいい。」 和「私はまじめに言ってるんです。」 さわ子「今はあなた一筋よー。キスしていい?」 和「さっきしたじゃありませんか……。」 さわ子「何度してもいいでしょ。キスは一日何回までにするべし、って規則でもあるの?」 和「なんだか勿体ない気がしません?」 この子が普段なにを考えているのかまだよく分からないが、今はなんとなくわかる。これは冗談でなく本気で言っているのだ。 キスなんて勿体ながってどうするんだろう。とっといた分はパックに包んで冷凍保存するつもりだろうか。私にはキスより、こうして一緒にいる時間が流れていくのが惜しい。もしそうできるのなら、この家ごと和ちゃんを閉じこめて、永遠に捕まえておきたい。 さわ子「バカね、惜しんでいたら楽しい時間なんてすぐに消え去っちゃうんだから。若い時間は短いのよ。」 私はなにか言いかけた彼女の口を無理やりにふさぐ。 きちんとキスに反応してくれるのがうれしい。かわいい。 私は満足した。 未完結 戻る ※ 1です ごめんなさい、書けなくなったのでHTML化依頼をさせていただきます プロットを書き上げてから書き始めたのですが、 書いているうちに終わり方に納得がいかなくなってきていました ずっと悩んでいたのですが、このまま更新もなく長く続けるよりは、 いったん打ち切りにする方がよいと判断しました 読んで下さった方、本当にごめんなさい このSS自体はいつか完成させたいとは思っています その時はこの板で、このスレの書きなおしであることを表記して始めたいと思います 応援してくださった方は今までありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/838.html
あの日。 俺は重い体を自転車に乗せ、学校まで行った。 体が重いと感じるのは、前日にいろいろあったのと、ハルヒにあることを言わなければならないからである。 俺は後ろの席のハルヒに適当に挨拶をして、しばらくぼんやりしていると予鈴がなり、岡部が入ってきた。 その日の授業にはてんで身が入らず、昼休みを迎えるとハルヒに後ろからシャーペンでつつかれた。 「あんた今日やけにぼーっとしてるけど、なんかあったの?」 相変わらず、鋭いやつだ。 「昨日いろいろあったんだよ。それはそうとハルヒ、今日暇か?」 「暇だけど、何?」 いったん、深呼吸。 「ちょっと話があるんで、放課後に部室に残っててほしいのだが」 ハルヒは怪訝そうな顔をした後、いかなる理由か、顔を俯かせた。ちょっと赤かった気がするが、見えない。 「いいけど、変なことするんじゃないでしょうね?」 「しない」 そんなことした日には、その日が俺の命日になりそうだ。 鶴屋さんは、許してくれるんじゃないかって言ってたが、ほんとのところどうなんだろう? ……いかん、いかん。考えが脇道にそれてる。しかも、何考えてるんだ俺? 放課後である。 昼休み以降のハルヒのテンションはなぜか高めで、部室に行ってもそれは続き、 主にそのテンションの高さの餌食になるのは朝比奈さんで、 普段の俺なら止めるようなこともしていたが、今日の俺は止めない。 それだけ悩み事に俺のちっぽけな脳をフル動員していたのだ。 ふと顔を上げるとそこにはいつも通りのSOS団がある。 朝比奈さんはメイド服でお茶を入れ、長門は黙々と本を読み、 古泉は俺の前でにこやかな笑い顔で座っている。 そして、ハルヒ。 いつもよりニヤニヤしながらコンピュータの前にいる。時折こっちを見ているようだ。 あぁ、もうこいつらと出会ってから一年か、と無駄に感慨にふけっている。 長門がパタン、と本を閉じ、俺たちは帰り支度を始める。俺とハルヒをのぞいてだが。 古泉がいつもより50パーセント増しのニヤケ顔をこちらに向け、ウインクまでしてきやがった。おぞましい。 長門は黙ったまま部屋を後にし、朝比奈さんも文芸部室を出て行った。 今SOS団アジトには俺とハルヒしかいない。 「で、話って何なの?つまんない話だったら冥王星までぶっ飛ばすわよ」 冥王星ってお前、勘弁してくれ。 「ちょっとまじめな話なんだ。気をしっかりもって、出来ればあんまり熱くならずに聞いてくれるとありがたい」 「何それ?」 ここで自分の肺活量の限界まで深呼吸。そして吐く。 「ハルヒ、俺はSOS団の活動にでられなくなるかもしれない ことのはじまりは昨日の夜である。 前々から俺を予備校に放り込みたくてたまらなかったおふくろの堪忍袋の緒が切れたのだ。 どうやら二年になってまであの謎の団体で遊ぶ、もとい、活動するつもりだとは思ってなかったらしく、 散々なことを言われた。 曰く、ほんとに進学する気はあるのか、とか、あんな成績でどうする、とか。 しまいには、(文化祭の映画を例に出して)あんな馬鹿な遊びをいつまで続ける気か、とまで言われた。 つい俺もかちんときて、売り言葉に買い言葉。 久々に大げんかしたよ。いい歳して何やってんだか。 しかし昨日のおふくろは本気だった。 学校側に話をつけて、我らが未公認団体を活動停止にするとかしないとか。 もし、学校側がまじめに俺の親の要望を聞いて文芸部室から俺たちを排除でもしたら、世界が終わるやも知れん。 ハルヒは一度手に入れたものは意地でも手放そうとしないだろうし、一悶着あるのは確実で、 さらに言えば、俺たちの悪行、というよりハルヒの悪行、を考えれば、近頃は落ち着いてきたとはいえ、いい加減停学になるかもしれない。 だから、ここで親の言うことを聞いて塾にでも入った方が世界のためであるような気がした。 というわけで、俺は気の進まない宣告を今、ハルヒにしているわけだ。 当然のごとく、ものすごい顔でこっちをにらんでいるハルヒ。大きく息を吸い込んで 「バカキョン!絶対認めないからね!脱退するなんて言い出したやつは一万回死刑にしても足りないんだから!」 耳が、耳が、つーか、鼓膜、破れる。いや、本当に。 痛い痛い痛い耳が痛い痛い痛い…… 「…んた…いない…だん……んか…あた…に…いみ…ない……」 ハルヒのやつが悲しそうな顔で何か言っているが、俺の耳はまだ正常に働いていない。 よし、なおってきた。 「今なんて言った?」 「ッ……!教えない!それよりいきなりなんなの、SOS団やめるって」 俺は昨日の親との会話を要約してハルヒに教えた。 「ふむ」 何やら考えている風である。 「わかったわ」 わかってくれたか。でもどこかで強引に反対してくれることを期待していた俺もいるのだが。 「要するにあんたの成績が上がればいいのね」 それは、そうだな。さもなきゃ塾なんぞに行く必要はない。 「安心しなさい、あたしが教えてあげるから」 ハルヒが?ものすごい遠慮したいのだが、そうも言ってられない俺である。 「大丈夫よ。前にも言ったかもしれないけど、半年あればあんたでも国木田レベルまでにしてあげるから」 そこまで行けばおふくろも文句は言わないだろう。問題は半年も待ってくれるかどうか、だが。 「そこはなんとか説得しなさい。だいたい、赤点スレスレだったあんたが一日そこらであがるわけないんだから」 確かに。一年の学期末が赤点レーダーに引っかからなかったのはひとえにハルヒの一夜漬け勉強法のおかげであり、 一夜漬けであれ以上の成績を出すのは無理、と俺は理解している。 「わかった」 その日、俺はなんとかおふくろを説得できた。 どうやら昨日はたまたま機嫌が最高に悪かっただけらしい。だからって子供にあたるなよ。 次の日俺が学校に行くと珍しく古泉が教室の前にいた。 「よう、珍しいな」 「少しあなたに聞きたいことがありまして」 「なんだ」 「昨日久しぶりに閉鎖空間が発生しました。あなたは部室に涼宮さんと残って何をしていたんですか?」 閉鎖空間、ねぇ。まぁ、理由は分かるが。 俺は昨日の出来事を古泉に話した。 「なるほど。出来れば涼宮さんの期待を持ち上げてから 落とすような真似はしてほしくなかったんですが、そういう事情でしたか。」 ハルヒの期待を、持ち上げてから落とす?何だそりゃ? おい、ため息をつくな。あからさまに馬鹿にした目で見るな。 「あなた、本当に男ですか?もしかして女性に興味がないとか? 普通、放課後の部室に呼び出されて期待するものは何ですか?」 そうだな、美人の同級生に刃物を向けられることかな。 ……嘘だよ。冗談だよ。俺はあんな経験二度としたくない。 さらに言えば、俺はホモではない。断じてない。 ともかく、古泉の言いたいことがだいたい分かってきた。 しかしあのハルヒがねぇ。信じられん。どうせ古泉の頭でっかちの推理だろう。 いくら古泉がハルヒの精神分析の専門家でも、間違えることぐらいあるさ。そうに違いない。 「それで、勉強の方はどこでやるつもりですか?」 そうだな。放課後の文芸部室かな。しばらくお前とのボードゲームも封印だ。 「休日は?」 休日くらい、休……んじゃ駄目か、やっぱり。 「そうだな、適当に図書館かなにかで」 「あなたの家でやる方がいいかと思うのですが」 「なんでだ」 また、ため息つきやがった。 「とぼけているんですか、本当にお分かりでないんですか?」 わかってる、わかってるよ、古泉。だから顔が近いって。 「ならいいのですが」 ではまた、とあきれたような、疲れたような声を残し古泉は去っていった。 教室に入ってからしばらくするとハルヒが入ってきた。 「今日から始めるわよ」 「おう。ところで、休みの日はどうする?」 「そうね、土曜日は市内パトロールの日に残しておいて、日曜日にあんたの家で。一日中。」 「わかった」 こうしてハルヒによる地獄の猛勉強が始まったのである。 ハルヒ鬼教師による授業はそれはそれは厳しかったとも。 例えば、数学の問題を汗水たらして解いても、容赦なくバツがつく。 しかも、やけに嬉しそうにバツをつけるんだ。 しかし、ハルヒのおかげで成績は確実に上昇していた。 約束通り、半年後にはクラスの上位にいたからな。 試験の結果を見ながらのおふくろとの会話。 「あんたもやれば出来るのね。それとも、あの子の教え方がうまいのかしら」 後者だね。間違いなく。断言できるのが悲しいが。 おふくろがニヤニヤしながら続ける。 「あんたが学校でいつも遊んでるのはあの子がいるから?もうどこまでいったの?」 親に殺意を抱いたのは初めてだ。 目の前に、刃物、鈍器、銃火器のたぐいがなかったことを感謝しろ。 ある日曜日。 久々に日曜日に外に出たな。 半年間、毎週日曜日にハルヒは俺のうちにきて勉強を教えてくれていたわけだが、 今日はそれはなし。 なぜなら今日はハルヒを誘って、外出予定だからだ。 さすがに今日はハルヒより先に来たぞ。 ところで、半年間という期間は俺が自分の気持ちに素直になるのに十分な期間らしい。 そんなわけで、今俺はハルヒを待ちながらある難問を考えている。 こればっかりは猛勉強しただけでは解けない難問だ。 多分これが正解、なんてのがないからな。その場、その雰囲気で決まるものだしな。 何かって? それはな どうやってハルヒに「好きだ」って伝えるかだ。 fin.
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10/7/27 俺は負けないぜ 69話での染岡さん格言。 吹雪「これを着て、世界の舞台でサッカーしたいよね」 ヒロト「それには先ず、代表に選ばれないと」 , r' ' ´ ̄´ ' ' 、 / r --- 、 \ ./ ヘ「` ヽ Λ / / ( __ `‐、 l l /ニV { ・-、ヾ _,{ |ヽ  ̄ / f・ァ/ 、7l ,、 r'、 { ゙/ 「俺は負けないぜ」 V l {ー`ニ _ 、_ '´/ / \ `ー- У/ r 、 , r く \ -‐ / | } ,.. ''" ヽ ヽ. 一 '´ / [, --、 \ \ \ /\ / レ-- } ヽ \ \ V | \ | レ‐‐ } ヒロト「あぁ、ライバルとして競い合おう」 染岡さん「おう」 当然、この死亡フラグ台詞を発した染岡さんは負けた。 ビンビンの死亡フラグも恐れず立てる、流石は染岡さんと言える名言。男ならかくありたいものである。 一つの画面内に我等が主役の染岡さん、前作メインの吹雪、ジェネシスのヒロトが介する豪華で貴重な場面でもある。 果たしてこの三人の誰が代表に選ばれるのか?本来なら視聴者の興味が掻き立てられるシーンなのだが、ネタバレ代表の人数がきっかり16人であった事から、既に染岡さんファンの殆どは「万が一」の希望を抱く程度で選考落ちの覚悟をしていた。 【関連】 染岡さん 吹雪 ヒロト 選抜試合
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俺は負けないぜ 69話での染岡さん格言。 吹雪「これを着て、世界の舞台でサッカーしたいよね」 ヒロト「それには先ず、代表に選ばれないと」 , r' ' ´ ̄´ ' ' 、 / r --- 、 \ ./ ヘ「` ヽ Λ / / ( __ `‐、 l l /ニV { ・-、ヾ _,{ |ヽ  ̄ / f・ァ/ 、7l ,、 r'、 { ゙/ 「俺は負けないぜ」 V l {ー`ニ _ 、_ '´/ / \ `ー- У/ r 、 , r く \ -‐ / | } ,.. ''" ヽ ヽ. 一 '´ / [, --、 \ \ \ /\ / レ-- } ヽ \ \ V | \ | レ‐‐ } ヒロト「あぁ、ライバルとして競い合おう」 染岡さん「おう」 当然、この死亡フラグ台詞を発した染岡さんは負けた。 ビンビンの死亡フラグも恐れず立てる、流石は染岡さんと言える名言。男ならかくありたいものである。 一つの画面内に(我等が)主役の染岡さん、前作メインの吹雪、ジェネシスのヒロトが介する豪華で貴重な場面でもある。 果たしてこの三人の誰が代表に選ばれるのか?本来なら視聴者の興味が掻き立てられるシーンなのだが、ネタバレ代表の人数がきっかり16人であった事から、既に染岡さんファンの殆どは「万が一」の希望を抱く程度で選考落ちの覚悟をしていた。 染岡さんに影響を受けたのか世界への挑戦!!では7章終了時に流れる8章の次回予告で円堂もこのセリフを言っている。 【関連】 染岡さん 吹雪 ヒロト 選抜試合
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もういきていけない【登録タグ VOCALOID も をかだ 初音ミク 少々P 曲】 作詞:少々P 作曲:少々P 編曲:少々P 唄:初音ミク 曲紹介 10月2日に某ボカロPが襲われた悲劇の実話ナックル曲です イラストはをかだ氏が手がける。 歌詞 (動画より書き起こし) 暗い夜道を 独りで帰る 我が家が見えると 何故だか、もよおす 近くに誰もいないの 確認して 少しだけ右手を広げて 軽くスカそうと思った 衝撃が走るまさかの感覚! 気体とは言えない 何かがポロリ もう、行きていけない 自宅の風呂場で ベソかきながら おきにのスカート ビニール袋に 腿の内側を伝わる悲しみの跡 少しだけ匂いを嗅いで 笑ってしまおうと思った 道路に落とした 恥ずかしいアレを 犬の日常と言い聞かせても もう… 行きていけない コメント 歌詞を追加しました -- 名無しさん (2022-01-20 16 42 33) 名前 コメント
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. 生命の息吹が聞こえない、乾ききった赤い大地。 そこに独り立ち尽くし、ただぼんやりと空を見つめる。 ビームライフルの閃光が、流星のように流れていく。 撃墜された機体の爆発が、空で瞬いては消えていく。 まるで遠い星の輝きのように、光は淀んだ空に散らばって。 けれど、それらは命の断末魔だ。あの宙では、今も人が死んでいく。 鉄騎を繰る戦士が怒号を上げ、獣の様に暴れ、塵の様に果てていく。 あんなにも美しい星の海の中では、あまりにも悍ましい負の感情で充ち満ちている。 何故こんな場所にいるのだろう。朧げな意識で自問する。 自分は今、やらねばならない事があった筈なのに。 応えなければいけない声があった、筈なのに。 そんな時、ガシャリと。 甲冑が揺れる音が、鼓膜を揺らす。 自分以外に誰かいるのかと、緩慢な動作で視界を動かす。 そこにいたのは、赤い、紅い――――――――。 ■ ■ ■ ゼハート・ガレットの目覚めは、顔に受ける暖かな日差しから始まる。 彼は目覚まし時計を使わずとも、懐かしさを覚える日の光だけで目覚める事が出来る。 無理もない、彼にとって、日光とは求めてやまないものの一つなのだから。 掛け布団を畳んでから寝室を出て、顔を洗おうと洗面所へ向かう。 その道中、この家の使用人であるダズ・ローデンと鉢合わせになった。 ゼハート独りでの留学を不安がった両親が、わざわざ彼を家に住まわせたのだ。 「おはようございます、ゼハート様」 まだ眠たげな瞳をしたゼハートに、ダズが温和な口調で挨拶する。 この使用人は彼よりずっと早くに目覚め、家事に取り掛かっていたのだろう。 大柄の体格にまるで似合わないエプロンが、その証拠であった。 「……ああ、あはよう。ダズ」 「朝食なら既に出来上がっております。どうぞ居間のテーブルへ」 ダズの言葉通りに居間に向かうと、そこのテーブルには確かに朝食が用意されていた。 うっすら焦げ目の付いたトーストにハムエッグという、シンプルかつポピュラーなものだ。 テーブルの椅子に座り、まだ温かいパンにバターを塗って口へと運ぶ。 何でもない食物だが、美味しいと素直に言える味だった。少なくとも、ゼハートの故郷ではそう味わえないものだった。 「昨日はよく眠れたでしょうか?以前目覚めが悪いとお聞きしましたが……」 「大丈夫だ。心配されるほどじゃない」 ここ数日、眠りが浅い夜が続くようになったのは事実だ。 理由は自覚しているが、少なくともダズに話して解決できるようなものではない。 それ故、ゼハートは曖昧な対応をとる他ないのだった。 「最近めっきり冷えてきましたからな。身体が寒暖差に追いつけてないのかもしれません」 「そうかもしれんな。日本の冬はよく冷える」 東京に降り立ってから初めての冬は、想像以上のものだった。 それに加えて、近頃は寒暖差の激しい日も珍しくないときた。 この地に慣れてない者では、体調を崩してもおかしくないだろう。 「不調があるのでしたらすぐに申してください、ゼハート様。 貴方に何かあると、ご学友やご両親もさぞや悲しむことでしょう。 何より、今の生き生きとした貴方に万が一があっては、私も辛いのですから」 ダズの言葉に、偽りはない。 自分に万が一の事があれば、周囲に暗い影を落とすのは間違いない。 この肉体が背負っているのは、ゼハート・ガレットという一個人の意志だけではないのだ。 数えきれない程多くの、長い歴史の中で積み上げられてきた命が、自分には――――。 「……ど、どうなさいましたゼハート様?やはり体調がよろしくないのでは!?」 自分を心配するダズの声で、ゼハートは我に返る。 どうやら物思いに耽っている最中に、顔色を青くしていたようだ。 心配ないと話してすぐにこの有様では、余計に気を使わせてしまうだろう。 そう考えてから、これではまるで父親と会話しているようではないかと気づき、思わず笑みが零れる。 「すまない。本当に何でもないんだ。ただ……」 今度は笑顔を見せたゼハートに、ダズはいよいよ怪訝そうな顔をする。 これでは調子が悪いどころか、正気を失っているのではないかと疑われかねない。 ダズとの会話はここで切り上げて、学校に向かう準備をするべきだろう。 「心配してくれるお前がいる事が、なんだか嬉しいんだ」 ■ ■ ■ 留学生として転校してきたゼハートは、学園でも注目の的になっている。 外人というだけでも好奇の目で見られるのに、そこに容姿端麗と文武両道が加われば、嫌でも目立つだろう。 女性は彼の一挙一動に黄色い歓声を上げ、男性はそれを見て嫉妬の炎に燃え上がる。 学園に在籍する者で、ゼハート・ガレットの名声を知らない者などいないくらいだ。 だからこそ、学園で学ぶ多くの者は疑問を抱かずにはいられない。 どうしてゼハートにような有名人が、ロボット研究会で活動しているのかを。 よしんば彼がサッカー部やバスケ部に所属していれば、第一線での活躍を約束されていただろう。 そんな栄光を蹴って、どういう訳かオタクの巣窟である機械いじり専門の部活に身を置いているのだ。 「なんというか、変わってるよなゼハートって」 部活動の時間、機械のメンテナンス中に、部活仲間がそんな事を言った。 工具を持った手を止めて、ゼハートは不思議そうな顔で彼に顔を向ける。 これまで裏でそういった話をされてるのは把握していたが、部員から直接言われたのは初めてだからだ。 「俺がか?別に変な事した覚えはないんだが……」 「いやさ、なんで俺らみたいなオタクとつるんでんだろうなぁって」 「俺がいるのが不満か?」 「馬鹿言うなよ、気になっただけさ」 疑問に思うのは、何も外部の人間だけではない。 仲間である部内の人間にとっても、ゼハートは摩訶不思議な存在に映っていた。 少女漫画に出てくる王子様役のような男が、どうして自分達に力を貸してくれるのだろうか。 「昔から好きなんだ、こういうのが。それに――――」 再度機械のメンテナンスで手を動かし始めながらも、ゼハートは想起する。 戦士ではなくただの学生として過ごしていた、仮初の日常を。 今の部活動とはやる事も触る装置も違ったが、それだけでも思い出すのには十分すぎる。 オイルの臭いが染みつく部屋で、一つも目標に向かって邁進していく日々。 時に意見が対立し、喧嘩にまで発展しながらも、最後にはより強い結束に昇華していく。 そんなありがちな青春が、今となってはあまりに懐かしく、愛おしい。 「ずっとこうしていたかった。そんな気がするんだ」 「なんか爺さんみたいな事言うんだな、お前」 友人の怪訝そうな顔を見て、ゼハートは我に返る。 今朝の一件といい、どうにも上の空に陥りがちだ。 今の時点でこの状態では、今後上手く立ち回れるかどうかさえ定かではない。 「そうだぜゼハートッ!そんなジジ臭い事言ってどうすんだ!」 湿っぽい雰囲気を吹き飛ばしたのは、後ろからぶつけられた大声だ。 気圧されそうな勢いの声を出したのは、ロボット研究会の部長だった。 部室にやってきて早々、彼はゼハートにずんずんと歩み寄る。 「今年はマジで全国狙えるぜ! なにせフロスト先生のお墨付きまで貰ってるんだからな!! ぶっちゃけ勝てるかどうかは俺よりお前の手にかかってる!!」 大げさに自分を持て囃す部長に、ゼハートは苦笑せざるを得なかった。 ドーラ・フロストはこの学校の英語教師であり、ロボット研究会の顧問だ。 かつては機械工学を学んでいた経歴があるそうで、この部活をサポートするに相応しい人材だろう。 そんな男が認めてくれているのだから、誰もがゼハートに期待を寄せるというものだ。 「言い過ぎですよ先輩。俺はそこまでの男じゃ……」 「そんな謙遜するなよ!お前はロボット研究会の、いやこの学園の誇りなんだからさ!!」 そう、自分は皆から期待されている。 表向きは謙遜していたが、部長の言っている事は概ね事実である。 彼が話した通り、大会で結果を出せるかどうかは自分の手にかかってると言っていい。 だからこそ、その期待が酷く重い。 他者から期待を向けられた者は、それに応える義務がある。 祈りを、怒りを、嘆きを、喜びを一手に背負い、前に進まなければならない。 「とにかく期待してるぜゼハート!!俺たちの希望の星ッ!!」 部長に背を向けていた事を、今ほど安堵した時はない。 きっと今の自分は、人には見せられない位青ざめていただろうから。 ■ ■ ■ 授業を終え、部活に励み、帰路に就く。 ゼハートが送っているのは、学生なら誰もが過ごしている日常だ。 少女と並んで帰り道を歩くというイベントも、多くの多感な少年少女が通った道だろう。 当然と言うべきか、容姿端麗な秀才であるゼハートにも、隣で歩く少女がいた。 フラム・ナラという少女だった。 ドーラ・フロストの妹――家庭の事情で苗字が違うが――であり、同時に自分の後輩である。 帰り道が一緒な上に故郷が同じという偶然のお陰で、交流を持つようになった。 「……先輩は、その、クリスマスのご予定はあるのですか?」 いつも通りだと思っていた帰り道、フラムが家族と住む家の前にて。 彼女から藪から棒にそう問われ、ゼハートは僅かに動揺する。 そういえば、クリスマスが目と鼻の先まで近づいている事を、今になって思い出した。 本来は神の生誕を祝う日であるが、日本では恋人と過ごす者が多いと聞く。 「たしか、空いていた筈だが」 「本当ですか?それは……良かった、です」 予定がないのを知ったフラムが、頬をほんのり赤くする。 彼女が次に何を言おうとしているのか、概ね察することができた。 であれば、それを先に口にすべきなのは、彼女の方ではなく自分だろう。 「その件なんだが、フラム。俺も同じ事を考えていた」 「え、えっ?」 「丁度、君と一緒に行きたい場所があるんだ。予定が合うなら出かけないか?」 「それって、つまり、先輩は、その、わっ、私を……!?」 先手を取られたフラムの顔が真っ赤になり、著しく動揺するそぶりを見せる。 彼女としては、まさか相手の方からデートの約束を取り付けられるとは思ってなかっただろう。 こんな可愛らしい反応をしてくれるのかと、ゼハートの表情に笑みが浮かんだ。 「ど、どうして笑うんですか!?」 「いや、すまない。そこまで反応してくれると思わなくてな」 フラムは生真面目で、あまり笑顔を見せない少女だ。 彼女がこうして年相応の子供のような表情をしてくれるのが、ゼハートには新鮮味があるのだ。 何にも強いられなかった彼女は、こんな風に笑う女の子だった。 それがゼハートにとって、堪らなく愛おしく、堪らなく哀しい。 「それで、君の返事を聞きたいんだが」 「も、勿論です!断る理由がないというか、その……」 紡ごうとした言葉は途中で途切れ、挙句にフラムは俯いて何も言えなくなってしまった。 二人の間に流れる空気がもどかしくて、ゼハートまで気恥ずかしさを感じてしまう。 古臭い青春ドラマめいた沈黙がしばし続いた後、 「ありがとうございます、先輩。 私、先輩がいなかったらこんなに毎日楽しくなかったと思います」 無言の間に投げられたのは、フラムからの感謝の言葉だった。 それを言いたいのはこちらも同じだと、言いかけた口を閉ざす。 彼女が笑顔でいてくれる。特別な事などしなくても、ただのそれだけで、ゼハートは満ち足りるのだから。 フラムだけではない。 親代わりでいてくれるダズも、教師として自分を見守るフロストも。 彼らが生きているだけで、傍にいてくれるだけで、自分にとっては替えようのない幸福だった。 だから、だからこそ、これから起こる動乱が、あまりにも――――。 「……すまない」 「何か言いましたか?」 「いや、何も言ってない。空耳だろう」 口から漏れた謝罪が聞き取れない事は、きっと幸運だったのだろう。 せめてフラムには、災いとは一切無縁な、不穏など一欠片もない生活を送ってほしい。 それがあまりに自分勝手な願いである事など、百も承知のうえだった。 「楽しい、か。きっとこれから、もっと楽しくなるさ」 「そうですね。先輩と一緒ならきっと、ずっと幸せです」 嘘をつくなと、背中から声が聴こえる。 その女の幸福を砕くのはお前だと、せせら嗤う声がする。 聞こえない振りをして、家の門を開けようとするフラムに微笑みを向ける。 「楽しいクリスマスにしましょう、先輩!」 何度瞬きしても、目の前の光景に揺らぎが生じることはない。 掌から零れ落ちてきた命が、自分の目の前で笑っていて。 もう二度と取り戻せない日々の中で、自分が暮らしていて。 「――――ああ、最高の日にしよう。約束だ」 だから、はっきりと理解できてしまうのだ。 この穏やかな日々で生きる自分は、間違いなく幸福だった。 こんな時間がずっと続いてくれれば、それだけで自分は満たされてしまうのだろう、と。 ■ ■ ■ 幸せな夢を見た。全てが赦される夢を見た。 掌を真っ赤に染める血が洗い流され、犯した罪も一緒に消えてしまう夢を。 背負った犠牲に疲弊せず、飲み干した苦痛に悶え苦しむ必要もない。 何の咎もないただの人間として、当たり前の日常に埋没していく。 そんなものを、他の誰もが持ち得る平穏を、心のどこかで追い求めていた。 けれど、解ってしまう。そんなものは所詮、偽りの安息でしかない事に。 もしここで全てを手放せば、今まで流れてきた血が全て無価値になってしまう。 自分のために散っていった仲間達が、無意味な犠牲に成り下がってしまう。 それだけは駄目だ。例え自分を否定されても、彼等の死が否定されていい訳がない。 そう、誰も彼も死んでいった。戦いの先にある筈の、楽園(エデン)を追い求めて。 人が人らしく生きられる、地球という名の理想郷。誰もが疫病を恐れずに済む平穏なる世界。 あの青い星を手に入れるという理想を掲げ、ヴェイガン――火星の民は、夥しい数の屍を積み重ねてきた。 一人の子供が老衰する程に長い、長すぎる時間を、地球との戦争に費やしてきたのだ。 だからこそ、止まれない。止まってはいけない。 今の自分の双肩には、長すぎる戦争で喪われた全てが乗せられている。 ヴェイガンの新たな指導者として、その重荷を背負って歩き続けねばならない。 例え、あの戦争の本当の目的を知っていたとしても。 『恒久的戦争を通した、無差別な人類種の選別』。 ヴェイガンの首魁であるイゼルカントは、それが長年続いた殺し合いの真の狙いだと、自分だけに話した。 血で血を洗い続けた闘争の果てに、戦争を恐れ、憎み、決して手段に択ばない優良種だけが宇宙に残る。 現生人類を生贄に、人が人らしく生きることができる、誰もが武を捨てた真の理想郷(エデン)が開かれるのだという。 狂気の沙汰という言葉すら生温い、あまりに悍ましい夢物語の為だけに、夥しい量の資源と人命が費やされていたのだ。 余命いくばくもないイゼルカントは自分に告げた。ヴェイガンの指揮をお前に委ねる、と。 それはつまり、味方の命さえも刈り取る鉈を、自分が振るわねばならないという事であり。 青い地球で穏やかに暮らしたいという仲間の祈りさえ、選別の名の元に踏み躙るという事で。 それでも、首を縦に振るしかなかった。 個人の意思で否定するには、イゼルカントの妄執は長い時間を掛けすぎた。 狂気を飲み干し歩み続ける以外の道なんて、最初から残されてなといなかった。 知っている、この戦争が間違っている事くらい。 分かっている、この先には破滅しか待っていない事も。 けれど、それが犠牲を放り投げていい理由になる訳がない。 逃げ出してしまえば最期、自分を守った消えた命すら、残らず無に還ってしまうのだから。 『貴様が見せた安らぎは、俺がこの手で斬ったものだ。俺がこの手で殺したものだ』 故郷にすら帰れなかった彼等の死を、無駄になど出来ない。 誰もが手を伸ばし、しかし届かなかった楽園に向かうためになら。 『安息に眠る権利など、最早、俺には無い』 血塗れの獣(オニ)になっても、構わない。 ■ ■ ■ 平穏な夜だった。この街では当たり前の夜だった。 けれどもそれは、火星の民の誰もが求め、しかし掴み損ねてきた夜だ。 死病に怯えずに眠れる時間を、ここの住民は当然の様に享受できる。 ゼハートが生きた火星では、濁った雲が常に空を覆っていた。 空気は常に淀んでいて、太陽が照り輝く日など滅多にありはしなかった。 青々しさなど欠片もない、汚れた雪のような色合いの空を見て、街の子供は「いい天気だ」と喜ぶのだ。 その現実に、ゼハートは深く嘆き、強く怒り、そしてより固く決意する。 必ずこの静かな夜を、散っていった同胞たちの故郷に届けてみせる、と。 聖杯の力であれば、多くの犠牲が夢見たであろう楽園に手が届くはずだ。 「――――マスター」 闇の中から声がする。ゼハートの知っている声だ。 声のした先に視線を移せば、そこには一人と一機の姿が見えた。 鬱屈とした表情をした黒服の青年と、蜘蛛の形を模した赤い機械人形。 高潔とは一見無縁な彼等が、ゼハートの召喚した「剣士《セイバー》」の英霊だった。 「始まるのだな、聖杯戦争が」 ゼハートのその言葉に、セイバーは小さく頷いた。 彼の存在は知っていた。何しろ、この街に転移されて最初に遭遇した人物なのだ。 愛する者を犠牲にした一打さえ空振りに終わり、感情に任せ戦場に出た直後、何故かこの街で立ち尽くしていた。 混乱する自分の前に姿を現したセイバーは、万物の願望器たる聖杯と、それを巡る闘争の話をしてくれた。 全ての主従を討った先には、自分が追い求める楽園への片道切符が存在するのだという。 これまで一か月以上もの間、ゼハートはセイバーに周囲を見張らせていた。 今は身を潜め、聖杯戦争の本格的な始まりまで体力を温存すべきだという、彼の判断である。 だが、聖杯戦争が本格的に動くのであれば、潜伏する必要もない。 一介の学生ではなく、ヴェイガンの戦士として戦場に立つ時が来たのだ。 「もう一度確認しますが、当方の契約条件は――――」 「言わなくていい。解っている」 セイバーの刃には、ある呪いが宿っている。 愛した者を殺したのなら、憎い者の命を差し出さねばならない。 憎い者を殺したのなら、愛した者の命を差し出さねばならない。 その呪いの名は『善悪相殺』。武の本質を炙り出す宿業であった。 無論、それはマスターであるゼハート自身にも適応されてしまう。 つまりは、仮にセイバーがサーヴァントを一騎殺めたのであれば。 ダズが、フロストが、フラムが、あるいはゼハートを信じた者が、生贄として差し出される。 彼が愛した日常が、掴んで離したくない平穏が、悪鬼の刃で小間切れにされていく。 「何を犠牲にしてでも聖杯を手に入れねばならない。 その為なら、私は、人の心を捨ててでも……全てを……ッ!」 人の心など、ヴェイガンの指導者となった時に捨てている。 ならば、できる筈なのだ。心を文字通りの鬼に変え、全てを殺し切る事が。 できると信じていたのだ。この世界で、穏やかな日々に浸かるまでは。 「…………本当に、これしか、ないのか?どうしても、避けて通れないのか?」 まるで床に臥せた病人のような、小さくか細い声だった。 ゼハートは力なく項垂れ、何かに縋るような瞳を地面に落とす。 路頭に迷う子犬めいた主人を前にしても、セイバーの表情は揺らがない。 一か月以上もの日常は、人の魂を癒し、鈍らせるには十分すぎた。 ゼハートは今になって恐れている。生きて目の前にいる仲間達に、もう一度死を与える行為を。 聖杯戦争に勝ち上がるのは確定事項だ。それ自体には何の異論もないし、躊躇いもない。 それでも、平穏な日常を自らの手で断ち切る行為に、全身の細胞が拒絶反応を示している。 やめてくれ、と。一度与えてから、また奪い取る気なのか、と。 「ええ。契約ですので。一人の敵を斬れば、同胞を一人斬るべし。 善悪相殺の理。当方の殺人には、例外なく適応されるものと承知頂ければ」 「…………ッ!!」 セイバーから返ってきたのは、無慈悲な現実であった。 この英霊を使役すれば、どうあれ善悪相殺という呪いからは逃れられない。 惨めに泣いて叫んでも、聖杯戦争を続けていけば、自分の身体は血塗れになる。 つい最近まで笑いあっていた、大切な人たちの返り血で。 「……………………そう、だな。契約、だからな」 都合のいい妄言を両断され、その場では諦めがついたのか。 ゼハートは大きく肩を落とし、言い聞かせるようにそう呟いた。 頭では理解しているのだ。この東京の住人は、全て紛い物に過ぎない事くらい。 ゼハートが信を置いていた者たちは、誰も彼も戦火の中に消えているのだから。 ダズ・ローデンは、自分にヴェイガンの未来をを託し、敵機諸共自爆した。 ドール・フロストは、信頼と希望を託しながら、自分を庇って塵になった。 フラム・ナラは、自分と愛を通じながら、砲撃に呑まれ消え去った。 この世界における本物は、自分の肉体だけしかない。 仲間を犠牲にし、理想の為に歩むしかない、ゼハート・ガレットという指導者しか。 「今更、変えられるものでもない。変えていいものじゃ、ないんだ」 きっと、万物の願望期の力さえあれば、今の日常を永遠に続けることさえ出来ただろう。 人生をやり直し、ダズやフラムが死なない未来を現実にさえ出来るに違いない。 だが、都合のいい未来など、信じてはいけない。やり直しなど、望んではいけない。 それを聖杯に口にすれば最期、自分は犠牲に背を向けた最悪の裏切り者になる。 「今のは忘れてくれ。少し、動転していただけだ」 立ち上がり、共に戦う戦士と改めて相対する。 長年身を置いてきた戦場で培った洞察力が、この男は強者であると太鼓判を押している。 一見すると陰気な青年だが、最優のクラスに相応しい腕前を有しているだろう。 だからこそ、歴戦の勇士であると察せられるからこそ、解らない事がある。 「……なあセイバー。お前はずっと、こんな事を続けてきたのか?」 最初に契約内容を聞かされた時から、疑問があった。 どうしてこの剣士は、善悪相殺などという呪いを身に受け、なおも戦い続けるのか。 殺人を畏怖するなら、召喚に応じなければいい。殺人を好むなら、契約の話をする必要などないはずだ。 そのどちらでもないなら、彼が聖杯戦争に参加する理由とは何なのか。 言おうか言うまいか、セイバーは僅かに逡巡した後、 「自分が背負うと誓った、呪い(願い)ですので」 その時。 ゼハートの脳に流れ込んできたのは、闘争への憎悪と嫌悪感だった。 悪意を持って弱者を虐げる戦士への怒り。正義を掲げ悪を嬲る戦士への嫌悪。 そして、それ以上に黒く燃え上がる、刃を握る自分自身への激しい憎悪。 彼が有する『Xラウンダー』――強い精神感知能力が、他者の感情を読み取ったのだ。 この場にいるのは自分とセイバーだけ。つまり、この憎しみを抱えているのは。 「お前は、なぜ――――」 何故争いを憎むその身で、戦場を駆けるのだ。 そう問わずにはいられず、口を開こうとするが。 ベランダの窓を開ける音で、その流れは断ち切られてしまった。 「どうかなさいましたかゼハート様?」 ダズが、自分を信じてきた人が、窓の近くでこちらの様子を伺っていた。 ここ最近、彼には心配をかけてばかりだなと、己の不甲斐なさを恥じる。 セイバーとのやり取りは聞かれていなかった事は、不幸中の幸いだろう。 第三者の気配を事前に察したのか、セイバーも既に霊体化して姿を隠している。 「……何でもない。風に当たりたかっただけだ」 何でもない、なんて。 思ってもない事を言うのは、無理に表情を作るのは、これで何度目だろうか。 これから自分は、こんな風に己を殺し、本音を隠して生きていく。 出来ない訳がない。表情を隠す仮面なら、ヴェイガンの頃にずっと被ってきたではないか。 『これから殺す奴に、随分優しい声をかけるんだな』。 誰もいない筈の背後から、あざ笑う声が聴こえてくる。 振りむけばそこには、戦争の犠牲が――見殺した兄も含めて――こちらをじっと見つめているのだろう。 聞こえない振りをしていても、血に濡れたような冷たさが、背中に張り付き続けていた。 ■ ■ ■ 最初にセイバーと出会った時、ゼハートは男の陰に武者を見た。 等身大のモビルスーツもかくやとばかりの鋼鉄を纏った、赤い甲冑の戦士を。 そう、赤色だ。ゼハート・ガレットという人間の一生で、最も縁近い色だ。 それは、生まれ故郷の「火星」の赤。 それは、己の個性たる「象徴」の赤。 それは、同胞が流した「鮮血」の赤。 あるいは――――――遍く命を斬り裂く、「悪鬼」の赤。 ■ ■ ■ 【CLASS】セイバー 【真名】湊斗景明 【出典】装甲悪鬼村正 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力:B 耐久:A 敏捷:B 魔力:C 幸運:E- 宝具:B(宝具解放時) 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。 セイバーの場合、宝具を解放している時に限りこのスキルが発動する。 騎乗:C 乗り物を乗りこなす才能。 Cランクでは正しい調教、調整がなされたものであれば万全に乗りこなせ、野獣ランクの獣は乗りこなすことが出来ない。 【固有スキル】 善悪相殺:EX 村正の銘を持つ三つの劔冑全てに刻まれた呪い。 一つの命は善と悪を同時に兼ね備え、命を奪う戦いは善と悪を諸共に断つ醜悪なものだということを知らしめるためのもの。 憎悪をもって敵を一人殺せば、愛する味方をも一人殺さなければならないという戒律を使い手に強制する。 村正の仕手である限りこのスキルは絶対に外す事は出来ず、この呪いはセイバーの仕手たるマスターにも伝染する。 仮にセイバーがサーヴァントを殺害した場合、彼はマスターの大切な人をその手に掛けなければならない。 悪鬼:A 己の罪に対する呪いめいた強迫観念がスキルとなったもの。 このクラスを持つ者は属性が混沌・悪に捻じ曲げられ、第一印象が悪くなりやすくなる。 このスキルは外す事が出来ず、セイバー本人も手放す気はない。 心眼(真):B 鍛錬や実戦によって培われた洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 【宝具】 『勢洲右衛門尉村正三世』 ランク:B 種別:対武宝具 レンジ:1 最大補足:1 鍛冶師の魂が宿った剱冑(ツルギ)と呼ばれる甲冑にして、劔冑鍛冶の一門「村正」の流れを汲む妖甲。 「陰義」と呼ばれる固有能力として「磁力制御」を備えており、様々な物に対し磁性を付与する事を可能としている。 更に後天的に「重力制御」の陰義を獲得しており、磁力制御によるエンチャント効果値を更にブーストすることが可能。 が、善悪相殺の呪いを宿す為、一度憎い敵を斬った場合、愛する者も一人斬らなければならない。 独立待機時には蜘蛛、あるいは褐色の美女の形態をとり、高度な自律活動を行う。 『蒐窮一刀(おわりのたち)』 ランク:C 種別:対軍魔剣 レンジ:1~30 最大補足:1~100 村正が持つ磁力制御とセイバーの剣術を組み合わせて使用される抜刀術。電磁抜刀(レールガン)と表記される。 磁力制御を刀一点に極限まで集中させて行い、電磁力と反発・吸着の作用により光速とも表現される速度で斬撃する。 様々なバリエーションが存在しており、射程範囲や威力がそれぞれ異なっている。 『魔剣・装甲悪鬼』 ランク:- 種別:対人魔剣 レンジ:1 最大補足:1 最も憎む自身を殺す事で最も愛する者を殺すという、善悪相殺の呪いを利用した最期の魔剣。 セイバーはこの魔剣で自身を犠牲にする事により、殺戮を繰り返す己の■に愛の証明たる一太刀を与えた。 この魔剣はただ一人に向けられたものであり、それ故、聖杯戦争で日の目を見る事は無い。 【weapon】 『虎徹』 村正の得物たる野太刀。 本来は無銘であったが、ある少女の存在が切っ掛けでこの名が付けられる事となる。 【人物紹介】 その理想は、一人が背負うにはあまりに重すぎた。 【サーヴァントとしての願い】 誰もが武を捨てた世界を望む。 【マスター】ゼハート・ガレット 【出典】機動戦士ガンダムAGE Memory of Eden 【マスターとしての願い】 プロジェクト・エデンの完遂。 【weapon】 無し。 【能力・技能】 『Xラウンダー』 人の脳の中で通常は使われない未知の領域「X領域」の能力を使える人間を指す。 近未来視や反射速度の向上、ビット兵器の操作能力などの力を発現し、高位の能力者は他者との感覚共有すら行えるようになる。 また、Xラウンダーに触れられた人間は、X領域の能力が少しづつ開花されていくケースも見受けられる。 ただし、この能力は酷使すると暴走する危険性があり、そうなると激しい頭痛を伴う半狂乱状態に陥ってしまう。 そのため、ある男はこの能力を「人としての退化、理性を持たぬ獣への回帰」と評している。 【人物紹介】 その大義は、一人が背負うにはあまりに重すぎた。 【方針】 散っていった同胞に報いる為、聖杯を手に入れエデンに至る。 例えそれが、望む未来ではなかったとしても。
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このページはこちらに移転しました キャンバス 作詞/つるかめ 今日は何にもやれなくて 例えるのなら そう、白のキャンバス でも頑張って何か描いても僕の筆はまた白を塗っちゃうんだろうな 誰も気付いてくれない 僕が頑張って描いたのに 誰も気付いてくれない 見えないものは信じてくれないの? でも仕方ないね 僕は白い絵の具しか持ってないんだから いつか虹色の絵の具を 持ってる人がやってきて 僕の白紙のキャンバスを 七色に染め上げてくれる 気づかせてくれたのは 虹の架け橋渡ったあなた 気づかせてくれたのは 色鮮やかなあなた 早く会えると嬉しいな 七色絵の具のあなた
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負けないでンタンは、デンタンカンオウ国のアイドルユニット「TYU」の楽曲。 歌詞 ふとした瞬間に たばたがぶるかる 股間のときめき 覚えているでしょ パステルカラーのたばたに恋した あの日のように輝いてる たばたでいてね 負けないでンタン もう少し 最後まで走り抜けて どんなに離れてても たばたはそばにいるわ 追いかけて遥かなたばた ナニが起きたってヘッチャラな顔して どうにかなるさとおどけてみせるの 今宵はTBTと一緒に踊りましょ 今もそんなたばたが好きよ 忘れないで 負けないでンタンほらそこに たばたは近づいてる どんなに離れてても たばたはそばにいるわ 感じてね見つめるたばた 負けないでンタンもう少し 最後まで走り抜けて どんなに離れてても たばたはそばにいるわ 追いかけて遥かなたばた 負けないでンタンほらそこに たばたは近づいてる どんなに離れてても たばたはそばにいるわ 感じてね見つめるたばた