約 42,571 件
https://w.atwiki.jp/rcmuseum/pages/700.html
[96/05/15 03 20] KAZN’CHI 「[大会]第15回大会決勝6」 続いて、準決勝第二試合をお届します。 過去の大会の優勝経験者同士の対戦となりました。 RAF-205Bと優勝を争うのはどちらでしょうか。 ●準決勝、第2試合 REYNOLDS vs R.HONEY RANKING-07 RANKING-04 (H LSR ENG) (6 SHL MIS) WIN 03 WIN 02 DRAW 01 マップは砂漠です。 過去の対戦結果はほぼ互角、シールド、レーザー対決の 行方はいかに。 [2.59]レイ、初期移動開始 ハニー、動かず [2.57]ハニー、移動開始 レイ、ターン(初期移動完了) [2.53]ハニー、続けて移動、レイの軸線上へ レイ、ターン、レーザー発射 ハニー、ターン、ミサイルで応戦 [2.52]ハニー、被騨(シールドが飛んだのみ) レイ、回避行動に入るが被騨。着火 ハニー、ヒット&アウェイ [2.48]レイ、充電。 ハニー、前進、前進・・ [2.42]レイ、前進(一、3) [2.36]ハニー、進路変更 レイ、前進 [2.29]ハニー、進路変更(バック) [2.24]レイ、前進 ハニー、前進 [2.15]ハニー、後退(H) [2.13]レイ、後退(レ) [2.10]ハニー、ターン、前進(1) [2.08]ハニー、ターン、前進(2) [2.05]レイ、前進(一) [2.58]ハニー、ターン、前進(1) [2.55]レイ、前進(一) [2.47]レイ、火が消える。(ダメージ約50%) [2.45]レイ、前進 ハニー、バック [2.39]ハニー、バック(1) レイ、ターン ハニー、ターン レイ、レーザー、命中 ハニー、ミサイル、命中(再び着火) [2.36]レイ、回避(一) ハニー、ミサイル、これは当らず。 ハニー、バック(1、二) ハニー、再び前進(H) [2.30]ハニー、再び前進(レ、1) レイ、前進(一、1) [2.25]ハニー、後退(一、H) [2.20]レイ、前進(二、H) 現在のダメージ レイ、90% ハニー、50% [2.17]ハニー、前進 レイ、レーザー発射 -------------------------------------- 微妙な間合とタイミングが勝負を決めました。 相手の間合を計るタイプ同士の場合、千日手で時間切れになりやすいのですが、こ の2体の対戦ではきっちり勝負がつくようです。特に、R・ハニーがあの手この手で いろいろと攻め口を変えてくるのが良いですね。 さて、横浜さんが史上初の連続優勝に王手をかけました。 Rafaleさんが勝てば初優勝。横浜さんが勝てば、連続優勝。 決勝戦はどうなりますやら・・・ 第15回大会実行委員 KAZN’CHI Nifty15 (26)「決勝7(決勝)」へ移動 《第15回 R.C.大会 in Nifty》へ戻る
https://w.atwiki.jp/orisutatournament/pages/26.html
第02回トーナメント:準決勝② No.449 【スタンド名】 タイト・ロープ 【本体】 ドナルド・“ドン”・ハーディン 【能力】 張力を調整できる縄を操作する オリスタ図鑑 No.449 No.3511 【スタンド名】 イーグル・ハート 【本体】 大友 湊沁(オオトモ ソウシン) 【能力】 触れた場所を糸状にして綻ばせる オリスタ図鑑 No.3511 タイト・ロープ vs イーグル・ハート 【STAGE:大聖堂】◆1KCngmSt1w 高い天井、太い柱、派手なステンドグラスに、奥まった所に鎮座するパイプオルガン。 電気で明かりも採れるだろうに、あえて祭壇で炎を揺らす燭台の光が、宗教的な荘厳さにより一層の説得力を与える。 そんな、ある種の神聖さすら帯びた空間に、全く場違いな男2人、肩を並べて中央の通路を歩いていた。 片や、ジャケットを着崩し、右脇に松葉杖をつく男。 片や、着流しにマフラーとマントを合わせるという奇抜なセンスの青年だ。 「しっかし、胡散臭ェ建物だよな……いろんな時代の様式がゴチャ混ぜじゃねぇか」 「そんなモンですかね? うわ、すっげぇ柱。むっちゃ太い。てか、こんなに無駄に立ってたら邪魔じゃん? ……ま、ココは日本人が最近になって建てたゴシック建築『もどき』らしいっすから、伝統なんてあるわけないじゃん。 でもオイラなんかは、これはこれでアリじゃん? って思いますけどねェ」 「ソーシン、お前、アレだろ。 『現代美術』とか称して詐欺師が適当に作った継ぎはぎコラージュ写真を、有難そうに拝んじゃうタイプだろ」 「ドンさん、その言い方ってひでーじゃん? ま、そりゃ『和洋折衷』大好きなオイラにとっちゃ、当たらずとも遠からずって感じだけどさ……」 松葉杖の男の嫌味に、着流しの青年は肩を竦める。 流暢な日本語で建物の様式に文句を言っていたのは、元曲芸師であるドナルド・ハーディン、通称ドン。 和洋折衷を愛する青年は、その名を大友湊沁(オオトモ・ソウシン)と名乗った。 どちらもつい先ほど、この場所で合ったばかりの仲である。 「さて……そろそろ予定の時間か。 それにしても、不意打ちくらいはされるかと覚悟してたんだがな」 「何言ってんだか。そんな隙見せてくれなかったのは、ドンさんじゃん?」 「まあ、そうなんだけどな」 腕時計から視線を上げたドンは、ニヤリと笑うと半身に身構える。 湊沁も好戦的な微笑みを浮かべると、軽く重心を落として身構える。 そう。 この2人が『こんな場所』にて出会ったのは、何もこのインチキ大聖堂について悪口を言いあうためではない。 互いを潰しあうために、出会ったのだ。 恨みはない。 嫌悪もない。 憎悪もない。 それどころか僅かな会話のうちに、好感に近い感情を抱いている。 それでも、互いに譲れない『何か』のために――最も大事な『何か』のために、相手を、叩きのめす。 彼らはそういう男たちであり、また、既に『そういう戦い』を経験し、勝ち抜いてきた者同士であった。 相手を尊敬すればこそ、油断も慢心も容赦もなく、全力をもって叩きのめす……これは、そういう出会いだった。 最初に動いたのは、湊沁だった。 「『イーグル・ハート』ッ!」 湊沁の叫びに応じて、糸くずと埃を固めて作ったような歪な人型が出現する。 鳥のくちばしを備えた頭部。細いが密度の高い筋肉が詰まった上半身。輪郭も曖昧な両拳。 大友湊沁のスタンド、『イーグル・ハート』だ。 それが主の意思に応じて、ドナルド・ハーディン目掛けて突進する! 「その動き……『近距離パワー型』か。真面目に相手するのは、面倒そうだな」 対するドンは冷静だった。 右手で松葉杖をついたまま、左手一本で『何か』を投げ上げる。 それは――蛇のようにうねる、1本のロープ! 服の下にどのようにして隠し持っていたものか、ジャケットの袖口から飛び出した縄は恐ろしい速度で宙を走り、そして…… 大聖堂に立ち並ぶ太い柱の1本に巻きつくと、まるで一本釣りのような動きでドンの身体を跳ね上げる! 「……ッ!!」 「あんまり手の内は見せたくないんだが――しかし、お前さんは『サイボーグ』の小僧よりも『ヤバそう』だ。 『一発殴らせてやる』なんて余裕見せたら、どうにもひどく後悔しちまいそうなんでな」 間一髪、『イーグル・ハート』の拳を避けて虚空を舞いながら、ドンは爽やかに笑う。 そのまま彼は、地上およそ3m、太く長い柱の中ほどに『着地』。 タイミングよくズボンの裾から飛び出したロープが、柱に巻きついて彼を『固定』する。 自在に動く縄の助けを得ているとはいえ、元・花形曲芸師の肩書きに恥じぬ、見事な平衡感覚と体さばきだった。 驚き見上げる湊沁に、左手側のロープを引き戻しながらドンが吼える。 「ソーシンの『能力』はまだ分からねえが…… 経験の差ってやつでな、『突撃』する姿1つ見ただけで、大した『射程距離』がねえってのは分かっちまうもんさ。 悪いが『一方的』に決めさせて貰うぜ! 『タイト・ロープ』ッ!!」 ロープが素早くとぐろを巻いて、人型のスタンドの像を描き出す。 縄の一部を本体の空中固定に割いている分、出来上がる像は上半身だけだが、しかしそれで必要十分。 ドンのスタンド『タイト・ロープ』が、遥か下方にいる『イーグル・ハート』に向けて拳を突き出し―― ――そして、両の拳が宙を切り裂いて飛ぶ! 「おまえの『射程外』から降り注ぐ、『有線ロケットパンチ』のラッシュだ! 捌ききれるモンなら捌いてみやがれっ!!」 「くっ! 『イーグル・ハート』ッ! 迎え撃てっ! 『クケェェェェェェェェェ!』」 『頭上』という人間の生理的死角から降り注ぐ、拳の雨。 前腕から先の拳だけが具現化され、ほどけたロープでスタンド本体と繋がったそのパンチは確かに脅威。 だが、湊沁は慌てなかった。 襲い来る連打を『イーグル・ハート』の拳で迎撃しながら、今度は湊沁が冷静に分析をする番だった。 「『ヤバそう』っていう『勘』だけで『イーグル・ハート』を避けるセンス、 この巧みな位置取り、速攻での出し惜しみのないラッシュ…… 流石はドンさん、ベテランを自認するだけあるじゃん? でもね……!」 互いの拳の弾幕は、ほぼ均衡。 速度は互角。 素のパワーだけなら、『イーグル・ハート』がやや上。 しかし『タイト・ロープ』が高度差で優位を得たことで、パワーに関しては実質プラマイゼロ。 差がつくとしたら、互いの打撃の正確さ――そして、それはドナルド・ハーディンの『タイト・ロープ』の方が圧倒的に上! 既に2~3発、『タイト・ロープ』の拳が湊沁の身体を掠めているし、このまま拳の応酬を続けてもいずれ打ち負ける。 いつかは直撃を食らう。予告どおりに『一方的』に殴られることになる。 そうと分かっていて、しかし、湊沁は逃げなかった。 「でもね――ドンさん」 ニヤリと笑った彼の顔面に、とうとう『イーグル・ハート』の迎撃を潜り抜けた拳が突き刺さって、 「どうやらオイラたちって、ひどく『似たタイプの』スタンドみたいじゃん?」 『タイト・ロープ』の拳の直撃を受けながら――湊沁は、全く余裕の笑みを崩さなかった。 ぼふっ。 気の抜けた音が、広々とした大聖堂の中に響き渡った。 ドンは己の眼を疑った。 いつの間にか――『タイト・ロープ』自慢の『有線ロケット・パンチ』が、巨大なボクシンググローブのように膨れ上がっている! まるで、中に大量に綿を詰め込んだように。 ふわふわで、モコモコで、まるで『殴られても痛くないジョークグッズ』として売られている、おもちゃのグローブのように! いったいいつの間に!? というか、これは……『スタンド能力』!? いったいどういう『能力』だ!? 「なっ――!?」 「何だかんだ言ってドンさん、『油断』したじゃん? こっちの『射程』の外側だから大丈夫だろう、って。 でもね――おかげさまで、その『拳』には、散々『触らせて』貰えた、じゃんっ!」 思わず動きを止めた『タイト・ロープ』の拳、その『隙』を見逃す湊沁ではなかった。 素早く『イーグル・ハート』が『何か』を――『タイト・ロープ』の拳についていた『糸くずのようなもの』を摘み上げると。 『それ』を全力で、『引っ張った』! 「『イーグル・ハート』の能力は、『殴ったモノ』を『ほつれさせる』能力―― 悪いけど、『ロープを操る物質同化型』って、『イーグル・ハート』にとっちゃ最高の『カモ』じゃん!? だからっ! 『無駄ァァァァァァァァァァァァァッ!!』」 あの互いの拳の応酬の中で、『タイト・ロープ』の両拳を構成するロープを対象にして『ほつれ』させ。 細い糸くず状になった『拳』は、クッションのような衝撃吸収性を獲得してしまい、全く脅威ではなくなった。 そして――『タイト・ロープ』を構成しているロープは、全てこの左右の拳と繋がっている! 見る間に全てが『ほどけて』いく。 『イーグル・ハート』が手繰るほどに、『タイト・ロープ』を構成するロープが、細い細い糸へと変わっていく! 血の気を失ったドンもすぐにこの先の結末を悟るが、もう遅い。 『タイト・ロープ』は、あくまで『ロープ』を自在に操るスタンドだ―― それこそ、『ホース』程度のものなら『縄に近いモノ』と見立てて支配できるけれど。 『ロープ』より遥かに細い『糸』は、太さのほとんどない『糸』は、そのコントロールできる範疇にはない! 崩壊はそして、ほんの数秒で訪れた。 ロープはことごとく『ほどけ』て細い細い糸となり、『タイト・ロープ』の人型の上半身も消えうせて。 そして、自らの身体を柱に『固定』していたロープも全て糸くずと化し。 ドナルド・“ドン”・ハーディンは、3mの高さから、成す術もなく無様に落下した。 走馬灯のように、「あの時」の記憶が蘇る。 思い出したくもない自由落下の感覚が、「あの時」の記憶と被る。 命綱なし・セーフティネットなしでの、超高所での綱渡りチャレンジ――「彼」の生涯最後の曲芸公演。 彼はあの時の絶望を忘れない。未だに忘れられない。 足裏から伝わる、ロープがゆっくりとぷちぷちと切れていく、おぞましい感触。 縄のセッティング方法にミスがあったのか、固定された片方の端で、足場になるはずのロープが切れようとしていた。 どこかの角に過剰な加重がかかった縄が、その繊維の1本1本、順番に千切れようとしていた。 もちろん、あらゆる安全対策を放棄して挑んだこの挑戦だ。地面は遥か彼方。ロープが切れたら、まず死ぬしかない。 もはや引き返すには遅すぎて、渡りきるには絶望的で。 見守る観客もスタッフも、未だに「彼」の陥った苦境に気づきもしない。 高空を吹き抜ける強風のせいで、「彼」の叫びも届かない。 必死の形相も身振り手振りも、パフォーマンスの一環と信じて疑わない。 アクロバット界の花形スターとして知られていた「彼」にとっては簡単過ぎるチャレンジだったはずなのに、何故こんなことに。 足の裏から、ロープがゆっくりと切れていく感触が伝わってくる。 今までそれほど明確でなかった感覚が、この生命の危機に研ぎ澄まされる。 ロープが「彼」そのものの肉体の延長として感じられる。 ロープが、命そのものになる。 やがて、千切れゆくロープは限界を超え――「彼」はどうしようもない自由落下へと放り出される。 花形スターを襲った悲劇的な事故は、しかし、「彼」が九死に一生を得たこともあって、大したニュースにもならなかった。 奇跡的に切れたロープの端が絡まって、墜落死を免れたのである。 今にして思えば、それは奇跡などではなく、後に発現するスタンド能力の片鱗だったのかもしれない。 だが、失ったものは大きかった。 スターとしての栄光。彼を応援するファン。出資してくれるスポンサー。 ロープが絡まり全ての加重がかかり、神経に障害が残ってしまった右足の自由。 そして何より――曲芸に対する情熱。 自由落下に身を委ねるしかない僅かな刹那の中、「彼」の中で手に取るように思い出される。 ぷちぷちと、ロープが切れていく。 編み上げられた繊維の1本1本の単位で、ロープが切れていく。 足の裏のロープが、「彼」の身体感覚と重なる。 細い繊維の1本に至るまで、「彼」の身体と一体化して溶け合っていく―― 油断はしない。慢心はしない。容赦もしない。 それが、ドナルド・“ドン”・ハーディン、および『タイト・ロープ』という強敵に対する、最低限の礼儀だった。 大聖堂の柱から落下したドンに向け、『イーグル・ハート』を伴った大友湊沁は、油断なく歩を進める。 「ひょっとしたら気絶くらいはしてもおかしくないけど、でも、それって都合の良すぎる考え方じゃん? 狸寝入りなんかで逆転されても、つまらないし納得もできないじゃん? だから――」 1歩。2歩。湊沁は距離を詰める。 落下の衝撃で意識が朦朧としているのか、倒れたドンが身じろぎする。何やらモゴモゴと呟いている。 素早くその全身に目を走らせる。 大丈夫。もう他にロープは隠し持っていない。全て『糸くず』にまで分解した。 『糸』の単位にまで分解した途端に、あの有様なのだ。この状態になれば、彼の支配は及ばないものと考えていい。 必勝の確信を持って、『イーグル・ハート』が拳を振り上げる。 直接この拳をドンの身体に打ち込んで――ドンの身体を『バラバラ』にする。 殺す気はない。だが、誰がどう見ても『戦闘不能』なくらいのダメージは負ってもらおう。『敗北』を納得してもらおう。 半端なところで勝ち名乗りを上げてみせるのは、それこそ失礼というものだ。 「だから、きっちり決着をつけさせてもらおうじゃんっ! 『イーグル・ハート』ッ!」 湊沁の真摯な叫びに、『イーグル・ハート』はそのくちばしを大きく広げて応え――その、拳を、 「――なるほど、『似たタイプのスタンド』か。 そうだな。まったくもって、その通りだよ」 振り下ろして――『何か』に、その拳を『受け止められた』。 「っ!?」 「――たぶんこれは、『運命』だったんだろう。 ここで俺とお前が出会うことは。 俺とお前が戦うことは。 俺が再び、『落下』を経験することは」 息を飲む湊沁の眼前で、『何物か』が『編みあがっていく』。『何か』を材料に『作り上げられて』いく。 『イーグル・ハート』の拳を受け止めた『掌』。 そこに繋がる『腕』。 その腕を支える『胴体』。 既視感はある。しかし微妙にデザインが違う。『緻密さ』が違う。『構成するもの』の荒さが全然違う! ドンはゆっくりと起き上がると、静かに呟いた。 「お陰で、『成長』できた―― 『タイト・ロープ』第二形態。 俺は今日初めて、『ロープ』の太さの呪縛を逃れ、より細い繊維まで完全なる支配に収めることができた。 全てお前のお陰だよ、ソーシン」 ドンの傍らには、まさに『イーグル・ハート』の拳で分解された『ロープ』の成れの果て―― ――『糸くず』から再構築された、新しい『タイト・ロープ』の姿があった。 「は、は、は……や、やるじゃん!?」 湊沁は乾いた笑いを漏らす。 状況は圧倒的に不利だ。自分はどうやらトンでもないモノの引き金を引いてしまったらしい。 しかし素早く頭を切り替える。 どうやら目の前の『糸』から生まれたスタンドの操作は、ドンにとっても初めての経験であるらしい。 ならば。 ここまでは彼の『経験値』に苦戦を強いられてきたが、今度はそれが逆転するということだ! 散々使い慣れた『イーグル・ハート』で、若葉マークつきの『第二形態』とやらを圧倒してやる! 「そのスタンドもバラバラにすればいいだけじゃんっ!? 『イーグル・ハート』ッ!! 『クケェェェェェェェェェェェッ!』」 「無駄だよ。もう忘れたのか? この『糸』は、お前が『ほぐして』作ったんだ。 お前のスタンドが生み出せる、限界の細さなんだ。 これ以上はどう頑張ったって『ほぐせ』ねぇよ。お前にはな」 湊沁は再び拳の連打を放つ。真正面から最高の速度、最高のパワーで放つ。 しかし当たらない。全て『タイト・ロープ』第二形態に受け止められる。平然と手の平で受け止められる。 さっきと同じように『タイト・ロープ』の『手』を『ほぐそう』としているのに、全く変化が現われない―― まさにドンの言う通り。 既に『ほぐれて』いるものが、『ほぐれたまま』スタンドの形状を取っているものが、これ以上『ほぐれる』訳がない! 彼我のパワーの差も、『タイト・ロープ』第二形態が持つ『柔らかさ』のせいで全て吸収されてしまう。 いや、これは『タイト・ロープ』側の能力というより、『イーグル・ハート』が『糸くず』にした物体の特性か?! 完全に裏目に出た! 「そして――反撃だ。今の『タイト・ロープ』は、どうやらちょっとばかり『小回り』が効くぜ?」 「っがッ!?」 そしてドンの予告通り、『タイト・ロープ』側も拳のラッシュを開始するに至り、完全に攻守は逆転する。 速度は互角。パワーの差は決め手にならない。そして、1発1発の拳の正確さは完全に『タイト・ロープ』が上! 『イーグル・ハート』の拳の隙間を潜り抜けて、『タイト・ロープ』の拳が湊沁を襲う。 もちろん『タイト・ロープ』の拳には『柔らかさ』があるのだが…… インパクトの瞬間、特に強く硬く『編み上げられる』拳には、さほどその『柔らかさ』が残っていない! これもまた、精密で正確な『操作技術』の差による使い分けであった。 「だ、だけどドンさん、これだけじゃ百日手じゃん?」 「ほう?」 「だってオイラは……『自分の肉体』も『ほつれ』させることができるっ! 『打撃』しか攻撃手段のないドンさん相手には、これって『完全なる防御』ジャンっ!」 延々と息もつかせぬラッシュが続く中、湊沁は口の端の血を拭うと最後の手段に出る。 自らの肉体の『糸くず』化。殴られる場所の『糸くず』化。 それは最高の衝撃吸収性を誇り、また、多少引き千切られたくらいでは大したダメージにもならない、自慢の防御手段! これを使用する限り、『イーグル・ハート』を持つ大友湊沁の『敗北』だけはあり得ないはずであった。 だがしかし、ドンは。 「そうだろうな。 それくらいは、出来るだろうな。 だからお前には、『選んで』貰おうと思う」 あっさりとラッシュを打ち切ると、一旦後方へと跳び下がった。 いつの間にやら、その手に握られていたのは…… 「あ、あ、あ……!」 「お前も知ってはいるだろうが、細い『糸』、それに空気を大量に含んだ『綿』って奴は、よ~く『燃える』んだ。 そいつが脂肪分をたっぷり含んだ『人間の肉体』で出来ているなら、それこそ申し分ないだろうな」 淡々とつぶやくドンの手に握られていたのは、何本ものロウソクが炎を揺らす『燭台』。 大聖堂の祭壇の上に、確かに置かれていたものだ。 それはおそらく、ロープ、いや『糸』を伸ばして一瞬で引き寄せたのに違いなかった。 湊沁の顔面が蒼白になる。 無敵にも近い防御力を持つ『イーグル・ハート』、その唯一の『弱点』は、彼自身が誰よりも良く知っている! 身体を『ほぐし』て打撃に耐え、その直後に火を放たれてしまうのか。 それとも、火を恐れて『ほぐす』のをやめ、そのままボコボコに殴られ続けるのか。 ドンが言う『選択』とは、つまりはそういうことだった。 「で、でも、そいつはドンさんの今のスタンドだって、条件は同じじゃん……! 火を付ける前に、ドンさんの方が……!」 「悪いが俺が持参した『ロープ』……お前がバラバラの『糸』にしてくれた『ロープ』は、難燃性の素材で出来ててね。 昔、炎を使うスタンド使い相手に、ロープを燃やされて苦戦したことがあるのさ。何事も経験しておくもんだな」 「…………ッ!!」 「さあ、選ばせてやる。――焼かれて死ぬか、殴られて終わるか」 油断はしない。慢心はしない。容赦もしない。 最高級の敬意を込めて、ドナルド・“ドン”・ハーディンは、大友湊沁に問いかけた。 ドンさん―― ――なんだ? こうなった以上――もう優勝しちゃうしか、ないじゃん?―― ――当たり前だ。俺に任せとけ。だから、まあ、ソーシン。――この辺で、寝とけ。な? ★★★ 勝者 ★★★ No.449 【スタンド名】 タイト・ロープ 【本体】 ドナルド・“ドン”・ハーディン 【能力】 張力を調整できる縄を操作する オリスタ図鑑 No.449 < 第02回:決勝① > 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ トーナメントとは? ] [ オリスタwiki ]
https://w.atwiki.jp/usbfed/pages/36.html
2010年度 福岡都市圏サンデー野球大会 準決勝 準決勝 2010.09.19 13 00~ @西部運動公園 晴れ 詳細はこちら USBオールスターズ 0 0 0 0 0 0 0 0 丸源産業ベースボールクラブ 1 0 0 0 0 0 X 1 勝:? 負:一ノ瀬 【戦評】 USBオールスターズの先発はエース・一ノ瀬投手。 序盤は制球が乱れ初回に失点を与える。 中盤、終盤は立ち直るが、相手は強豪。。。 甘い球は見逃さずヒットなどで出塁され、エンドラン、バントの巧みな攻撃を受ける。 しかし、USBの堅守も光り失点を与えない展開に。 USBのチャンスは2度。 4回表、2番・九産大の青木選手のヒット、3番・九産大の一ノ瀬選手の犠打で 1死2塁を作るが4番、5番が凡退。 6回表、先頭の1番・九産大の納富選手の3ベースで無死3塁と最高の展開に。 しかし後続(2番~4番)が相手堅守に拒まれ得点できず。 最少失点に抑えてUSBらしい試合展開に持ち込んだが、得点できず万事休す。 決勝進出を逃した。 相手は強豪であったが、 強打者を内角攻めで三振に打ち取った一ノ瀬投手。 遊撃手・納富選手、中堅手・大藤選手の好プレー。 走者3塁でのエンドラン阻止など、良い守りが見られた。 ただ、あと一打が足りなかった。 【詳細】 バッテリー:一ノ瀬(九産)- 山下(九州) 本塁打:- 3塁打:納富(九産) 2塁打:-
https://w.atwiki.jp/dangerousurass/pages/53.html
準決勝第一試合 糺礼 名前 性 魔人能力 裸繰埜闇裂練道 男 永劫 糺礼 女 この胸にキミを抱きしめたい 意志乃鞘 女 HERO DESTINY 採用する幕間SS なし 試合内容 二つの拳が交差する。 意志乃鞘の拳はむなしく空を切り、裸繰埜闇裂練道の拳は鞘の顔したたかに殴打する。 よろめき、たたらを踏む鞘の体に追撃の拳が叩きこまれる。 にぶく、思い打撃音。宙を舞った鞘の体が地面にたたきつけられる。 「……やはり、手加減と言うのは上手くいかん」 練道は不満げに自分の拳を見つめる。 鞘が起き上がりつつ練道めがけて蹴りを放つ。 顔を穿とうと鋭く放たれた蹴りは、しかしいとも簡単にかわされる。 カウンター気味に練道の拳が振り下ろされる。 起き上がりかけていたところに再び拳を喰らい、鞘は再度地面に張り付けられる。 「解せん」 倒れている鞘に対して踏みつけを繰り出しながら、練道はそんなことを口に出した。 鞘は地面を転がり練道の攻撃を回避する。 二人の間に少しの距離が生まれる。まともに戦うのならゼロに等しい距離だが、練道は間合いを詰めてはこない。 まるで、鞘の答えを待っているかのように。 鞘は立ち上がると、あくまで臨戦態勢を崩さぬまま練道に声をかける。 「解せん、ね。一体何がだい?」 「お前の行いが、だ」 きっ、と鋭い視線が鞘を貫く。だが、鞘は平然とたたずんでいる。 「まさか、実力差が分からないほど無謀でもないだろう。にもかかわらず、なぜ真正面から俺に挑んできた?」 相変わらず練道は鞘をにらみつけている。 それに対し、さやは実力差ね……と少し間をおいて。 「それは、あなたと渡葉美土ほど大きなものなのかな?」 瞬間、鞘は暴風にさらされたような感覚にとらわれた。 「……あの少女が勝利できたのだから自分も勝てる、とでも思ったのか?」 殺気を収めようともせず鞘に叩きつける練道。 だが、それにすら臆すことなく鞘は言葉をつづける。 「まさか、そこまで思いあがってはいないさ」 「なら、なんだ」 「あなたに勝った彼女は今、勇者と呼ばれている。彼女が勇者のやり方であなたと言う壁に打ち勝ったなら……私は、ヒーローのやり方であなたに勝つ」 練道は構えをとる。 「あの少女の戦術に匹敵するものが、今の貴様にあると?」 「ああ、そのつもりだ」 「そうか、ならば」 練道が消える。消えたと見まごう速度で、鞘との間を詰める。 「それを、見せてみろ!」 先ほどまでを完全に上回る速度での接近、そして、打撃。 今までの戦闘から考えれば、鞘には反応すらできないはずの攻撃だ。 だが―― 「見せて、やるとも!」 練道の攻撃に鞘の拳が合わせられる。完璧なタイミングでのカウンター。 これ一つで試合が決まりかねぬ一撃は、達人を殺るには何歩も足りない。 鞘の体が吹き飛ばされる。 完璧なカウンターに対し、練道は冷や汗一つかかずさらに攻撃を合わせて見せたのだ。 しかし…… つ、と練道の頬に薄く血液がにじむ。 完璧にかわしたと思っていた鞘の一撃は、練道の肌をわずかにかすめていたのだ。 「ふ、ふふ……やっと、一発だ」 ゆらり、と鞘が立ちあがる。 「あなたは強い。強敵……いや、高すぎる壁だ」 その姿は、肌に血がにじんだような騒ぎでは済まない。 全身から血が流れ、おそらく、ひびが入った骨も一本や二本では済まないだろう。 「対する私は……渡葉のように策も持っていない」 足元はふらふらとしておぼつかず、口の中を切ったのか唇の端からはだらだらと血が流れている。 「絶体絶命、だが……」 練道の目に映る鞘の姿は 「戦いの中で成長し!その壁を越えてこそのヒーローというものだろう!」 彼を高ぶらせるには十分すぎるほど、頼もしいものだった。 くつくつ、と練道が笑う。 「今、この場で、俺を超えてみせると言うのか」 鞘は答えず。拳を構えるだけだ。 「面白い、ならば……やってみせろ!」 獰猛な笑みを浮かべ、鞘に襲いかかる練道。 いく度目かの交差。しかし、これまでと違い、鞘の瞳は練道の動きを完璧にとらえている! お互いに全霊の攻撃を叩きこもうとする二人。 しかし、二人の戦闘に対し邪魔が入る。 傍らにあった粗大ごみの山から、ごろごろと音を立てドラム缶が転がってくる。 ドラム缶が二人を直撃する軌道にあることを悟り、鞘と練道はそれぞれ回避を行う。 みれば、ドラム缶からは何か液体がまき散らされている。 臭いの強いその液体は、オイル。 ドラム缶が転がってきた元を見れば、粗大ごみの山の上に立つ女性の姿が見える。 タバコを咥えた彼女は、ライターに火をともすと地面にそれをこすりつけ。 炎が上がる、それはドラム缶の軌道を追うように燃え広がり、鞘と練道の元まで火の手がやってくる。 炎から逃げる二人に、自分から注意がそれた事を悟り粗大ごみの山の上から女性が駆け下りてくる。 彼女は、練道にとっては初対面であり、鞘にとってはすでに何度か言葉を交わしたことのある女性。 糺礼だ。 礼の手に拳銃が握られているのを見た鞘は、射撃を防ぐためにクーゲルシュライバーで迎撃を試みる。 だが、状況が悪かった。 一手先に礼が放った威嚇射撃。 拳銃の射程外から放たれた銃弾は鞘の体をとらえることはなかった。 だが、体をかすめる銃弾の圧力に、ぼろぼろになっていた鞘の体は耐えきれなかった。 引き抜こうとしたクーゲルシュライバーは取り落とされ、ころころと地面に転がる。 対し、あくまで練道はどこまでも冷静であった。 射手を視界に収めていれば銃弾をかわすことは困難ではない。 ならば、間を詰め『永劫』から格闘戦に持ち込めば問題なく対処できる。 駆けだす練道。 『永劫』の射程は拳銃よりも短い、一発は銃弾をかわす必要があるだろう。 だが、そこまでだ。 一合、射撃を交わせばあとは練道の攻撃の番だ。無粋な奇襲者は彼の拳の餌食となるだろう。 拳銃の射程に練道と鞘が入ったことを把握し、礼は足を止める。 そして、一発、練道に向けて銃弾を放つ。 礼との間を詰める練道は速度を落とさずそれをかわす。 礼は改めて練道に照準を合わせ射撃を行おうとする。 だが、もう遅い。 その位置は既に ――――『永劫』! バンッ――! 響く、銃声。 何が起こったか理解できず、練道はとっさに回避を行う。 練道と礼の間が再び開く。 見れば、礼の服の胸部に小さな穴があき、そこから煙が上がっていた。 何らかの方法で『永劫』の効果時間中に射撃が行われたのは確かだ。 だが、練道の付近に着弾した形跡はない。 練道がはねるように鞘の方向を向くのと、礼が止めの射撃を行うのはほぼ同時であった。 ぼろぼろになった意志乃鞘の体に銃痕が二つ。 そこからだらだらと血液が流れている。 鞘は、動かない。 練道は礼の方を向く。礼は銃を構えたまま、練道をにらんでいる。 射撃をすぐに行わないのは、下手な射撃が無意味であると悟っているからか。 それとも、練道の殺気に押されてか。 「ひとつ、聞かせてもらう」 「なんだ」 練道の問いに、礼はあくまで拳銃を向けたまま応える。 「今の射撃……おそらく『反射』か何かを使ったものだろう。見事なものだ」 「……よく一瞬でみぬけるものですね」 練道の推測の通り、先ほどの射撃は反射……人体に備わっている基本的な性質を利用したものだ。 人体は腱の付近を刺激させられると、意志とは関係なく自動的に筋肉が収縮する性質がある。 如何に意志が『永劫』により「動けない」という認識にとらわれていようと、意志の外にある反射までは抑えきれるものでない。 礼は、推測される『永劫』の射程に入った瞬間自分の手首にナイフを突き刺した。 それにより『永劫』が発動しても反射により手が握られ、引き金を引くことが出来た、というわけだ。 「あのトリックを使えば、俺を撃つことが出来たかも知れない。なのに、なぜ意志乃を狙った」 「………一つは、移動する標的よりもあなたの能力で動きが止まっている標的の方が狙いやすかったから」 が、これは半ば言い訳だな。と前置きをし 「もう一つは……殺せる時に殺しておかないと、ヒーロー補正が乗りきる前に倒しておかないと、あいつは非常に恐ろしいから、だ」 分からないか?と礼は問い返すが、練道は答えない。 かわりに、小さな笑い声が練道の口からもれてくる。 漏れる笑い声はいつの間にか哄笑へとかわる。 「面白い!今日は何と面白い日だ!俺を超えられると言う未熟者と、そんな未熟者が俺より脅威だと言う奴、そんな奴らと一度に会えるとはな!」 天を仰ぎ笑う練道を、礼は呆然と見つめていた。 「さあ、あいつは俺を楽しませてくれたぞ。お前はどうするんだ?」 にたり、と笑う練道に、自分をとりもどした礼は口の端を釣りあげ答える。 「そうだな。こうしよう」 そういって礼は練道に向けて数発の銃弾を撃つ。 無論、そんな攻撃が練道にあたったりはしない。 だが、回避のために多少の隙は出来る。 その隙に、礼は踵を返し逃げ出した。 一瞬呆然とした練道だが、楽しそうに口の端をゆがませると礼を追い始めた。 粗大ごみの山の頂上を越えたところで、礼の姿が突然消える。 追う練道が下を見ると、山の斜面を一気に飛び降りた礼の姿が見えた。 距離は一気に離れてしまったが、練道も飛び降りるような愚は犯さない。 射撃武器相手に身動きの取れない空中にでることなど自殺行為以外の何物でもない。 それに、練道の身体能力を持ってすれば、この程度の距離はすぐに詰められる。 銃弾が数発飛んでくるが、軽くかわす。 いまだ炎の消えない山の斜面を駆け降りる練道。 ぐんぐんと、礼と練道の間の距離が詰まっていく。 あきらめたのか礼が立ち止り練道の方を向いてさらに一発銃弾を放つが、当たらない。 あと数歩で永劫の射程内にはいる。 そんな時、練道は礼のシャツの裾からなにかロープのようなものが伸びていることに気付いた。 ロープは練道の方向、燃え盛る粗大ごみの山に続いている。 おそらく、何らかの罠。 考えてみれば、練道と鞘が闘っている間礼にはずっと時間があったのだ。何か仕掛けを作っていてもおかしくはない。 相手がロープを胸の方の手で握って分かりづらくしていたのもあるが、それを差し引いても戦闘の高揚で油断していたな。 と練道は心中で舌打ちをする。 練道がさらに一歩足を進めると、礼は全身を使ってロープを引っ張った。 炎で崩れやすくなっていたのか、粗大ごみの山の斜面がガラガラと音を立てて雪崩を起こす。 背後から、重量物と炎による打撃。 流石の練道も走りながらかわすことは出来ないと判断し、足を止め回避に専念する。 だが、今度は礼の方から間合いを詰めてきた。 しかし、これはある程度練道の予想の範疇にある行動だ。 いくらなんでも相手もこれだけで自分を倒せるとは考えていないだろう。奇襲を仕掛けてくるのは当然だ。 だが、射撃ならともかく格闘戦なら練道に分がある。なにより、相手の判断は練道を有利にするものだ。 視界の端に礼を収め、瓦礫をかわしながら距離を測る。 『永劫』の範囲内に入った瞬間能力を発動すれば、相手は瓦礫の雪崩に巻き込まれるだろう。 そうなれば、無事では済むまい。 能力を発動するタイミングをはかる練道。 その時、礼はポケットから何かを取り出し練道の方に投げつけてきた。 飛んできたのは、不自然に膨らんだタバコの箱だった。 タバコの箱は練道に当たらず炎の中に落ち。 爆発した。 「――ッ!銃弾を詰めて!」 タバコの箱に詰められた銃弾は、熱され暴発しでたらめな方向に飛ぶ。 それを瓦礫に加え銃弾をかわそうとする練道。 その一瞬、練道の警戒から礼は外れる。 しまった、と練道が思ったときには、礼は地面を踏みきり練道に向かってフライングタックルを放っていた。 飛んだ礼の体に炎が落ち、銃弾が当たる。だが、礼は苦痛に耐え捨て身の一撃を練道にあてようとする。 飛んでくる相手には慣性が働く、『永劫』は無意味。 しかし、落ちてくる瓦礫と暴発する銃弾と礼をすべて同時にかわすことは出来ない。 礼と練道は衝突し、もつれ合い地面に転がった。 だが、すぐに練道は体勢を立て直し礼の体を蹴り飛ばす。 礼の体が地面にたたきつけられる。 礼は、動かない。 立ちあがる練道。 だが、その左胸には深々とナイフが突き刺されている。 血を吐き、地面に練道が倒れる。 礼は……起き上がった。 「は、ははは。捨て身で、賭けに出て、それに勝ってもこのざまか」 審判が礼の勝利を告げる声が響く。 だが、礼はそれを無視して1人ごちる。 「これだから。魔人は嫌なんだ」
https://w.atwiki.jp/tournament3news/pages/41.html
準決勝 シベリア超速報 vs モ娘(狼) 午後ラシスケジュール 12 30 00 ニュース+合同竹やりラシ 13 00 00 決まったなラシ1 13 30 00 麻呂ラシ ,. ---――- 、 / / ヽ| ,. -―、,ィ'´,ィT;;T ヽ、/ ヽ ト、| ヽハl />- // ///;;/ i! 知 麻 .画 ス .ヽ l ヽ、Ll {_/__ ノ/ ///;;/ / l _,. -――‐、 っ 呂 像 .レ .ヽト、 <_ノノノ/;;/ / ノ て .に .貼 立 |lヾ'', - ' ´ `ヽ、;;// / た .怒 ら .て | Y '"^ ^`' ヽヽ / ひ 貼 .お か .ら な に l | , ニ丶 ,r,=-、 〈/ と ら っ ? .れ .い .際 .>l ィ'。` ソ { ィ'。`'ァ ../; り な .と マ る と .し ./ l、l `~´/ ,l、  ̄´ // 登 .い 画 ヌ の | ,、 l (、 っ) .、//l 場 1 像 ケ .l/ ', ,.,__、 // .| ∫ が を [[コード]] ノn /.l f{二ミァ ,).//レ l ∫ シベリア超速報 ヽ_____,. -/⌒ヽ/ ヾ、`ー ' // / ハ r'―‐-、 ヽr'=、、ヽ' /-、 /// / ノ | ヽ/ . . ノノ r' 〉 } // /、-、 ̄ヽ__f 、 r'=、、/Y ハ l, 、/\ // / ノ/ . . . . . .ヽ、____ノ ニュース速報ヽ--、__/ヽ='_'l_(__)' 、lー/ ノ  ̄.//-' ) /イ| . . . . . . . . . . . . . . . . . .> http //namidame.2ch.net/news/-イ´ {  ̄ ; ノ、/ |ヽ、f //-ヽノ / イ| . . . . . . _,,. - ´ l 〈`ー----イ// l ヽ//_ ノ__,. - 'l | ヽ、 l ヽ、___;,.-'´ノ l トj レ o ≫ 14 30 00 猛暑ラシ(合同) /////// [[ここにコード]] ///////____________________________ ///////  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /////// (~) チリン /////// /''⌒\ ノ,, /////// ,,...' -‐==''"フ /////// ( ^ω^)あついお ..人 シベリア は涼しいだろうな /////// (つ へへ つ (___) <⌒/ヽ-、___/////// //△ ヽλ ) ) 旦 (___)/<_/____/////// l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l/////  ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄//// ^^^ ^^^ ^^^ ^^^ ニュース速報 http //namidame.2ch.net/news/ 15 00 00 ピーポラシ ┃┏━┛┃┃┃┏━┫┃┃┃┃┏━┛┃┃┃┏━┫┃┃┃┃┏━┛┃┃┃┏━┫┃┃┃┃┃ ┏┛┗┫┃ ┃┗┛┃┃┃ ┏┛┗┫┃ ┃┗┛┃┃┃ ┏┛┗┫┃ ┃┗┛┃┗┛ ┗━━┻┛ ┗━━┛┗┛ ┗━━┻┛ ┗━━┛┗┛ ┗━━┻┛ ┗━━┛ [[コード]] シベリア From ニュース速報┏━━┓ ┏━━┓┃ ━ ┃ , ィ⊃ , -- 、 ┃ ━ ┃┃┏━┛ ,r─-、 ,. ' / ,/ } パ ┃┏━┛┣┻━┓ { ヽ / ∠ 、___/ | ┣┻━┓┗┓┏┛ 署 ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,' ン ┗┓┏┛┏┛┗┓ ヽ ヾ、 ',ニ、 ヽ_/ rュ、 ゙、 / ち ┏┛┗┓┣━━┫ ま \ l トこ,! {`-'} Y ダ ┣━━┫┃ ━ ┃ ヽj 'ー'' ⊆) '⌒` ! ょ ┃ ━ ┃┃┏━┛ で , 、 l ヘ‐--‐ケ } は ┃┏━┛┣┻━┓ ヽ ヽ. _ .ヽ. ゙ ‐y′ / っ ┣┻━┓┃┏┓┃ 来 } '´.-!、 ゝ、_ ~ ___,ノ ┃┏┓┃┃┗┛┃ | -! \` ー一'´丿 \ と ┃┗┛┃┗━━┛ い | -! \` ー一'´丿 \ ┗━━┛┏━━┳━━┳━━┳━━┓┏━━┳━━┳━━┳━━┓┏━━┳━━┳━━┳━━┓┃┏┓┣┓┏┫┏┓┃┏┓┃┃┏┓┣┓┏┫┏┓┃┏┓┃┃┏┓┣┓┏┫┏┓┃┏┓┃┃┗┛┃┃┃┃┗┛┃┃┃┃┃┗┛┃┃┃┃┗┛┃┃┃┃┃┗┛┃┃┃┃┗┛┃┃┃┃ 15 30 00 アフィリエイトラシ [[コード]] 板名 from ニュース速報━┳┓ ━━┓ ┃ ┃ ━┳━ ┏┛ ┃ ┃ ┓ ┃ ┓ ┣━ ╋┏┓ ┃┛ ┏┛ ┃ ┃ ┃ ┏┫ ┣━ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣┛┃ ┃ ┏┛ ┏ ┏┛ ┃ ┛┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┏╋┓ ┫┏╋ ┛ ┛ ┏┫ ━┛ ━┻━ ┃ ┃ ┗ ┗ ┗┛ ┃┗┛━┳┓ ━━┓ ┃ ┃ ━┳━ ┏┛ ┃ ┃ ┓ ┃ ┓ ┣━ ╋┏┓ ┃┛ ┏┛ ┃ ┃ ┃ ┏┫ ┣━ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣┛┃ ┃ ┏┛ ┏ ┏┛ ┃ ┛┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┏╋┓ ┫┏╋ ┛ ┛ ┏┫ ━┛ ━┻━ ┃ ┃ ┗ ┗ ┗┛ ┃┗┛━┳┓ ━━┓ ┃ ┃ ━┳━ ┏┛ ┃ ┃ ┓ ┃ ┓ ┣━ ╋┏┓ ┃┛ ┏┛ ┃ ┃ ┃ ┏┫ ┣━ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣┛┃ ┃ ┏┛ ┏ ┏┛ ┃ ┛┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┏╋┓ ┫┏╋ ┛ ┛ ┏┫ ━┛ ━┻━ ┃ ┃ ┗ ┗ ┗┛ ┃┗┛━┳┓ ━━┓ ┃ ┃ ━┳━ ┏┛ ┃ ┃ ┓ ┃ ┓ ┣━ ╋┏┓ ┃┛ ┏┛ ┃ ┃ ┃ ┏┫ ┣━ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣┛┃ ┃ ┏┛ ┏ ┏┛ ┃ ┛┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┏╋┓ ┫┏╋ ┛ ┛ ┏┫ ━┛ ━┻━ ┃ ┃ ┗ ┗ ┗┛ ┃┗┛ 16 00 00 ローゼンメイデンラシ / V´ *_rー'  ̄ ̄ i Tヽ、* ヽ \ [[コード]] / / ノ  ̄/ i i ヽ、 .} \く レ' / / i ヽ \}. \ \ / / / / / i .i ヽ / Y ` く;; / // // /^レ '" | レ'´ | |__>ァ'-.// /_ェ‐ニL;_ | i | | i レイつ^トv" / イブい/゙| i i .∧ い ヒニソ / ヒ二ソ ./ ./ | シベリア なら勝てる! ,' (V\ \ 、 / /} | ,' } ヽ. `rー -ー-ァ "フ´ ノ__ | ,' { * .} `i 、 `'' _. .イi * / ヽ. ,' {. | i i _| ー‐ .「 i r┴┐| ... |.,' .r┤ レー ' ヽ. .ノ `>く⌒ マ イ__ク .r'´.ハ{ .| ェ=>くェ.く \ ヽ V 「 ヽ| / / ( ハ フ|=="゙ /^Tヽ| ヽ ` ノ | |i ◆ニュース速報 / / ノ |ハ | / |( /\. / | l | http //namidame.2ch.net/news/ 16 30 00 シベリア日没ラシ(合同) ミ;;;; ;;;;;; ;;;;;;;;;. ミ ミ;;,,,,,,;; ;,;; ;,,,,,,,;; ;,;; ;,,,,,,,;; ;ミ ,.-''"´ ゙´ヽ / / \ .\ / ● ● ヽ l l | """ (__人__) """ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;人;;;;;;;; ( ___) ( __), /⌒ヽ ( ) - = - - =-ヽ- - ( ) / ヽ == = = /⌒ ̄⌒ ヽ .| ヽ = - - = / /| | | | 丶ヽ ./ /~~ ノ | | / ,〉 ̄(  ̄ ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ [[ここにコード]]___∧____ __∧_________ ニュース速報 でかいお \ /あれほんとに シベリア か \ 17 00 00 ゆっくりラシ ┃┃┃┃┃┃┏━━┫┃┃┃┃┣━━┓┃┏┓┏┫┃ ┃┣━━┓┃┏━┓┃┃┃┃┗┛┃┗━━┫┗┛┗┛┣━━┛┃┃┃┗┫┗━┛┣━━┛┃┃ ┃┃┣┻┻━━╋━━━┻━━━━┻━━━┻┛┗━┻━━━┻━━━┻┛ ┗┛┃┏━━━┛ シベリア超速報 __ _,,....,,_ [[コード]]┃┗━━━┓  ̄ ̄ ̄二二ニ= , '´ _" ; _____ ______┃┏━━━┛'''''""" ̄ ̄ / ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、┃┗━━━┓ -=ニニニニ=- r‐- .,_/ ; /'r ´ ヽ、ン、┣┳┳┳┳┫ __.) `''ァ-ァ'"´, ','==─- -─==', i┃┃┃┃┃┃ ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |┃┃┃┃┃┃ 、'"ヽ, '´ ,' ; `"''レリイ(ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||┃┗┛┗┛┃ ヽ_/i. /! ハ ハ !!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | _,,-''"┣━━━━┫ 、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、L.',. ヽ _ン L」 ノ| |,-''"; ;,┃┏━━━┛ ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /; ;; ' ,'┃┗━━━┓ V;i| '" ,___, "' 'レ ル`ー--─ ´ルレ レ´ , ' , ' ┗━━━┓┃ i,.人 ヽ _ソ , ;,; ' ; ;; ' ,' 、 , ' , ' ┏━━━┛┃ ノハ ,、 ._____,. ,,. イ; ' ; , ' , ' レ´|`) ,ノ レ|┗━━━━┛ _,,-','"','", ; 'ニュース速報◆ゆっくり連 `ノ´ つ ヽ、 __ノ┏━━┓┏┳━━━┳┓┏┓┏┳━━━┳━━━┳┓ ┏┳━━━┳┓ ┏┓┃┏┓┃┃┃┏━━┫┃┃┃┃┃┏━━┫┏━┓┃┃ ┃┃┏━━┫┃ ┃┃┃┃┃┃┃┃┗━━┫┃┃┃┃┃┗━━┫┗━┛┃┃ ┃┃┗━━┫┗━┛┃ 17 30 00 漫才ラシ(合同) ..人 [[ここにコード]] .( ) シベリア だろ ..( ̄ ̄ ̄) / ̄ ̄ ̄\ ミ ,、 ____ / _ノ \ // _ノ ヽ_\. | ( ●)(●) /っ( >) (<)\ VIP優勝だおwwww | ,. ヽ (__人__)_/ / ⌒(__人__)⌒ \. | / / ` ⌒´ノ__ノ |r┬-/ | / / } ノ ` ̄'´ ノ、 〈 }__//| /\\__ iヽヽ.__,、 /=u' ヽ ノ `u= ヽ.ヽ __ノ \ __ / `ヽ\_ 、 // \\ ) ) )) \\ // (´  ̄`ヽ`ヽ / ̄ ) (  ̄\ニュース速報 http //namidame.2ch.net/news/ 18 10 00 ちんしゅラシ 18 30 00 もしもし、うんこさん電話ですよ?ラシ(合同) ルルルル___)! ___ .(___) ||\ \ [[ここにコード]] (・ω・ ). || |二二| シベリア超速報 ( つつ. ||/ /|二二二二二二二二二二| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄人 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ....(___) ..(___) ガチャ .( ・ω・)コ ( oロ.ノ ヱ `u―u'~~~~'〔◎〕 """"""""""""""" うるせえ  ̄∨ ̄ 人 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ..(___) | うはwwwwおkwww(ω^ ...|. (___) ∠ .| ( ・ω・)コ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( oロ.ノ ヱ `u―u'~~~~'〔◎〕 ニュース速報 http //namidame.2ch.net/news/ 18 45 00 突発ポニョラシ ┃┗┛┃ ,,,,,,pxxvxxg,,,,_┗━━┛ ,,df(^"゛ g、 ^゚゚lq 〈! ,,dl゚゛ ./==x]t,,_ ポーニョポーニョポニョさかなの子青い海からやってきた┏━━┓ ]l.__,,g[,,,,,,,,,,,,,,p4" .l[^k┃ ━ ┣━━┓ ][「,,pr=t、`、 ____ .l[ ] ポーニョポーニョポニョふくらんだまんまるおなかの女の子 ┃ ┏┫┏┓┃ g" ][_ ]! ./「゚^゚9,,「n,,]┣━╋┫┗┛┃ 4゚ .。、.\イ ゚lk ,,g[ .l] ペータペタピョーンピョン足っていいなかけちゃお┃ ┣━┳┫ ]l. 〈^゚ltn4,,,,_ ]┃ ┃ ┃ ヨ。. ゚ll._ ゚"9n......./ff ] パークパクチュッギュッパークパクチュッギュッ┣┻━╋ ┃ ヨ、.\q,,,,____ ,,gf゛ gl゚┃┏┓┣━━┛ ^9nnxxxxx゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚xvtf"゛ [[2ch**-********-**]] シベリア ニュース速報 19 15 00 苺ましまろラシ /!J / / / | |`; |;.. `, [[こーど]]'´ 〉-' ! / // | | 'i |'i .. ヽ / | / ;彳/ | |. !; | | ... `, ./ レ! /// \ !| '; |. | i .. !, / ;! / / \ ! !; | | | .i./ ;;ミ! / __,,,,,,,,ゝ、 `; | | | |ノi;;;;/`ヾ. / / o ヽヽ,ノ ' ! __,,.| ! | |;;i ´`i / / i ` ヽ=ー-ニ.、 | || i; !, |;;! ) ' |rヽ ;! / o ,ヽ,| | .| | ヽi |;;;!、 ( .... `ヽ二,ン / | `| i | | ` |;/i;;ヽ、 !ヽ ;i | | ./| ∧ | ニュー速クズやろう! !' !;;;;;;;;| , ヽ二ン' !/ `!/ V ちゃんと起きてますか!! _, -+-!ヾ、 '''''/  ̄ ヽ ... . / ノ シベリア が勝たないと´ `i, i、 i ヽ |_/ つまんないですよ! i !ヽ!、 \__ ''' ! | | ヽ、  ̄ ` ヽ ノ | | | !`丶 ノ / | ! // ` - ..,___,,,.イ- ''" i ! ! // | | // / ///// // // / アニヲタが意外に多い板速報 http //news23.2ch.net/news/ 19 45 00 米倉ラシ \ \ \ | | // // [[コード]](キ)~~ \二二 \ | | ( ⌒ ⌒ ;; ( ;)) シベリア超速報 (キ)~ \∨ ( ;;;`)) ;; ) (キ)~ (キ)~  ̄ | (⌒( ;;;`) ,_(キ)~~ ヒラヒラ | ((;`)(⌒ ) ノノノノノノノノノ | \\\⊂二二 川`;ω;´)二⊃ | | \\\ 川| / | l | \\\ ( ヽノ ブーーーーッ | l | ノ ノ | l | レレ / / \ ニュース速報 テロ被害者の会 20 00 00 すべり台物語 7話(VIPに便乗) \ \/ヽ [[コード]] シベリア超速報 .\ \/ヽ ...\|| \/ヽ .||\ \/ヽ .||.. \ \/ヽ .||.. \ \/ヽ .||.. \ \/ヽ .||.. \ \/ヽ .||.. \|| \/ヽ .||.. ||\ \/ヽ.,====、 .||.. 頑張れよ || \ \/ヽ_____||_ ,. -一; 、 .||.. 人 ..|| ..\_\||___|^ l ;,. _,.; ゙ミ あれ、誰かが支えてる・・・・・・よく見ると・・・.重いお .||.. .(___) || .||...|| |口| |ω・` ) /⌒ヽ .||.. .(___)|| .||...|| |口| |c ) ( ^ω^)||.. (・∀・ )|| .||...|| |口| ||し ( つつ||.. ( つつ|| .||...|| |口| || _)_) . ||.. _)_)..|| .||...|| |口| || "" '' '' " ⌒ ⌒⌒⌒ "" ニュー速 20 10 09 線路は続くよどこまでもラシ(シベリア主催) ┣━━┫┃ . . └───┘ ゚ i i o 。┗━━┫┃ ∥ ∥ ヽ、_.ノ┏━━┛┃ ⌒ヽ .┌───┐┣━━┳┫ _ノ .└───┘ [[コード]]┃┏┓┣┫ ゚ ∥ ∥ 人 ○┃┃┃┗┫ ○. .┌───┐ (_ ) ┣┫┣━┫ └───┘ .(__) シベリア超速報 ┃┃┗┓┃ ,,,,,,,,,,, ∥ ∥ ⊂(・∀・)⊃ まで続くかな┗┛ ┃┃ [|,,,★,,|] ┌───┐ ∪ ┏┛┃ ヽ(・ ∀・)ノ . └───┘┏━┻━┫ (( ノ( ゚゚:゚)ヽ )) ∥ ∥ ┗━┓━┃ "⌒ヽ.. . ┌───┐ ニュース速報 ┏┛┏┛ i i.. └───┘ http //namidame.2ch.net/news/ ┃┏┛ ○ ヽ _.ノ . ∥ ∥┏┻┻┳┓ ┌───┐ ,"⌒ヽ 20 34 00 珍種ラシ(※12分ラシ) 20 40 00 ニュース系合同滑り台ラシ(最終話) ∧_∧ \/ヽ [[ここにコード]] ,,`ー´ ..\|| .\/ヽ シベリア超速報 (つuuノつ....|| 、 .\/ヽ_/__|__\_...||...\ \/ヽ〈( `・ω・)〉..|| .\ \/ヽ.. ( っっ ||.. ∧_∧.、 ..\/ヽ /■\ o|(・∀・ )\ .\/ヽ ( ^▽^). ||⊂ ヽ \.... \/ヽ |. ..っ|o∧_∧ .⌒|| \/ヽノ ノリノ)リ〉||ミ゚Д゚,,彡 ノリ)リ〉 .\/ヽ.,====、..!从(|.゚ ヮ゚ノ!|o ) 从(|゚ ヮ゚ノ..\ \/ヽ_____||_ ,. -一; 、 / 、_っっ`ヽ___ (φ)報つ 人 、 ..\||___|^ l ;,. _,.; ゙ミ 支えてくれるみんなのためにも .....ゞ★||ハ)))rツ____|| (___) ̄..||...|| |口| |ω;` ) 一生懸命頑張って登るぞ!! . /⌒ヽ0|ω^*ハ.|__.N+..||(___) . ..||...|| |口| |c ) ∧_∧ ..∧∧ ( ^ω^).||c「 〈...ノノiミ ^ヮ^||(・∀・ ) ... ||...|| |口| ||しc( ゚∀゚ )o / 台 \ ( . . つつ||_, ゝ( ⊂) +'0|とと ) .||...|| .|口| || ( ) ∩(^∀^*∩.......と_)_)||J`J ノノく/_|_|_l,|\|(_(_つ...||...|| .|口| || しし | | |.news.∩_,¶__∩ ( 个 )∩∧_∧∩∩∧λ∧∩∩(□.д□)∩ それが、ニュース系すべり台クオリティ! |seven|( ゚∀゚) | |( ´∀`)し ( ゚皿゚.) .. { } http //namidame.2ch.net/news/ 20 46 00 麻呂ラシ(※12分ラシ) 20 58 00 珍種ラシ(※12分ラシ) 21 10 00 VIP主催負け犬ラシ ┃┗┫┃┣━┃━┫ ..━┫┣┫ ┃┗┫┃┣━┃━┫ ..━┫┣┫ ┃┗┫┃┣━┃━┫ ..━┫┣┫┗━┻━┻━┻━┻━┻┛┗┛ ┗━┻━┻━┻━┻━┻┛.┗┛ ┗━┻━┻━┻━┻━┻┛┗┛ 人 ) ...| ̄||[[2ch**-********-**]] 板名 ..(___) <⌒__, '´ ̄`ヽ、__ ...__|_||__ ∩ ..@@@@∩ ./水ヘ ...∩(___)/<_/ゞュ★ノノハ))ツ 人 ...ミ ゚┏┓゚彡// ..(´∀`*@// (´∀` )// ,,_,, `ハリ*^ω^ハ { ´┴` } n .⊂二 V / ⊂二 V / ⊂二 V /∈(・ω・)∋ . ,, -∪─∪、  ̄ \ ( E) | ..) オ / | ..) 母 / | .) 蹴 /.(.i.ハノ)ヘリ -"´ ヽフ l><ト 五輪/  ̄) 母愛/  ̄) 国内/  ̄) liリ ゚ヮ゚ノil/ .. ヽ. /´| l从从!ノ ,.'´ ´ミ、 ⌒ . ...( ⌒ . ( ⌒ . ⊂lli..Å,lilつ ヽ. | ,.ヘ!゚ ヮ゚ノ〈スマ从从ッ) ∩ .∧_,,∧ ∩/ ヽ=Oニノ∩ / ..∧酋∧....∩く゚i゚.ノ__゚i゚ゝ| /\ /\ |___)' ⊂;∞;つ | ij゜ ヮ ゜*ノ// `∀´ // ミ゚Д゚..彡// ‘∀‘# // / ヽ .. l. ヽノ∀! ⊂二 V / ⊂二 V / ⊂二 V /⊂二 V / ヽ ヽ、// (__人__) /// / | ) 金 / | ..) 韓 / | .) 極 / | ) 東 / \、 \ / / 口口/  ̄) 謝罪/  ̄)賠償/  ̄) 責任/  ̄) \ / ( ⌒ . 負け犬連@ニュース速報┏┓┏━┳━┳━┳━━┓┏┓ ┏┓┏━┳━┳━┳━━┓┏┓ ┏┓┏━┳━┳━┳━━┓┏┓┃┃┃┃┃━┫━┫..━...┃┃┃ ┃┃┃┃┃━┫━┫..━....┃┃┃ ┃┃┃┃┃━┫━┫..━...┃┃┃ 21 12 00 不貞寝ラシ(※12分ラシ) 21 20 00 シンデレラエクスプレスラシ(※12分ラシ) 21 27 00 ニュース系合同ラシ ../⌒\ ./⌒\ ∧λ∧ ∧_,,∧ [[2ch2-********-**]](. 个 .)( ´∀`) ( ゚皿゚ .) ( ry `∀´- ヽっ ) シベリア | |.|.news.| ,,.-''" "'' 、 `ヽ=O=ノ ~| |.|seven| ,,.-''´ -=・-H -=・- イi、ノliミゝ.ミ゚Д゚ ,,彡っノノ.( ・∀・ )(,,´∀`) '''' "" .... . 彡ミミ彡ミ`! 乂''"~"" ー- 、.,__ ,;, .. _,.;ii¶,_ 彡ミミ彡ミV ・◇・).,. ,..人,. .,. ,.. .. ゙". ( ゚ ∀゚) 、、,.., ii| ,,.|ii| ./⌒ヽU"' (___) . ,.. .. .. _( O┬O.. ..゙`"'''''''''''''', ,'"".,; .( ^ω^;) ;;゙´Θ`;;,.(∀・; )デル. ,.. ..,; ◎-ヽJ┴◎ .. . . _ ,', ., .,. .゚し-J゚お?/■\⊃⌒*⌒⊂ , ,.. ; .,'',;' ,. -一; 、 ... .... ./_|_\, ., (´⌒;;) .,. ., (^▽^ )./__ノ .ヽ__) ,...,. ,.. ,.,,-' ミ;; ;,. _,.; ゙ミ ≡〈(,, ・∀・)〉, ∥∥(二二OニO=ソ_), . ,,.田 ,. ,. ,, ,.;..,; ' (・ω・`)∩ . .. . ;ノ ノ, .. ∥∥ ..,. ... ... く ヽ⊂|/中)Ol――'" . とィー=ニ彡ノ .三 / >. ,;.∥(´⌒ .,.,,. . ... . (_)し';;. y \. ,..'" ... . (~)、 | . . .... ,' ,. ,.. (´⌒;;)´;;)バヒュー. . . \l\)'". .. ... . ,.. . `J ... . ,;'.,. ,.. (´从 从;;)´;;) ∧∧ ∧_∧ __(⌒ ... ... ;;. ,.. .. ... ... ) ;' . Λ_Λ ... ;;. ,.. ../ 台 \@ノノノヽヽアチー '´ ⌒ヾ .____ __, '´ ̄`ヽ、__ (゚∀゚ ) ヒト (^∀^*(彡*`Д´ ー3 ノ ノリノ)リ_|__.N+_| ゞュ★ノノハ))ツ'. O┬Oノ ヤスミ((_c' c' ( ぅ_ ))从(|.゚ ヮ゚ノ! .ノノiミ ^ヮ゚) ハ*^ω^リハ.,. ◎┴し-◎ .... . └ー、_ノ ヽ_,一┘ ゚し-○゚ ゚し-○゚ ゚し-○゚ 夏のニュースハイキング http //namidame.2ch.net/news/ 21 35 00 独身男性板主催掛け軸ラシ(※12分ラシ) 21 49 00 麻呂ラシ(※12分ラシ) 22 00 00 崖の上のポニョラシ [[コード]] __,.-| i―'''"" )))))))))))))))))))`ヽ、ノ _/ / /;― | i!- 、 )))))))))))))))))))))))) ̄)) ヽ i / ` " ヽ、 )))) ))))))) )))) | | / ヽ ))))))) )))) / ヽ / i))) )))) )))),、'" `ー-J | | ; ,,.-''" | | ―--、........,-― | ; ,,,,--'''"" ̄ ̄〉'"ヾ、ノ | `”'" "”` ! ,.-" ̄)/////// ,.-'" ヾ , 、 i,,.--=二、_,,,..-‐'" ヽ `~" / ヽ ⊂⊃ ノ シベリア超速報 ぽ~にょ ぽ~にょ ぽにょ _ ∩ __ __ l l_| |_ハ ∩ l } (O) |____| |└ー┐ rー-┘└ー〒 /ニニ_ニニ) _ | 「 ̄ _  ̄ ̄l l ̄ ̄ (二ニコ r―- 、 / / r三_三ぅ /_. ヽ | |__ /_ ヽ / 〉 l l 〈ヽ、 ニコ / / / lニi iニl { (ノ ハ } l ̄__  ̄l { (ノ ハ } 〈_/ l l ヽ_〉 /^ー--、 ニユ / ノ lニニニニニl `ー´ し′ ̄  ̄ `ー´ し′ └-┘ `ー―‐´└ー-′ ニュース速報 http //namidame.2ch.net/news/ 22 20 00 ニュース+合同竹やりラシ 22 25 00 ニュー速本ラシ★ バシーンラシ ┣┫ ┣╋┳┓ |l ili l ili iliii| [[コード]]┃┃ ┃┣┻┛ |l ili l ili iliii|┃┃ ┃┃ |l ili l ili iliii|┃┃ ┃┃ / ;ゝ-──- 、._/ ヽ┣┻━╋┫ ヾ-"´ \ | シベリア超速報 ┣━━┫┃ / _ _ ヽ┗━━┫┃ ,-、 人 | / ヽ .... / ヽ l┏━━┛┃ \\. (___) l 。( , ⌒ ノ ▼ ヽ⌒ ノ。┗┳┳━┛ \\ (___) . 、 、、、 (_人_) 、、、., ・ ┃┃ /// .\\( ・∀・) `ー ー' _/ バシーン!バシーン! ┃┃ | | | ⊂ ( つニ二二二二Σ> ┗┛┏┓ \\\ /(/ノ\ \ /从三从三ミ\┏━┓┃┃ / /_) (__)///__ゝ \┗━┛┃┃ '、/ ( | ... ... |┏━━┛┃ .:| /⌒ヽ |┣┳━┳┫ `ー´ `‐´ ┃┃ ┃┃ |l ili ili lilii i| ニュース速報┣┫ ┣┫ |l ili ili lilii i| http //namidame.2ch.net/news/ 22 28 28 嫌儲主催タタタラシ 22 37 00 メガホンラシ [[コード]] ./\ /\ / ヽ____/ ヽ、 / . _ . _ ヽ_ ,. 、 / / / / °ヽ_ヽv / / °ヽ ヽ ,.〃´ヾ.、 / / / /.( ̄( ̄__丶 ..( ̄(\ | / |l ', / / | . ) )/ / tーーー|ヽ) ) . |r'´ ||--‐r、 ', コメント | . ...( (..||. | ( .,..ィ'´ l', '.j '. | . ) )| |⊂ニヽ .| ! 'r '´ ',.r '´ !| \ | ( ( | | | T .| l! .... . . . . . ヽ、 ,l \ \ ) )ト--^^^^^┤ ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ / ( ( ( .( \ シベリア超速報 ニュース速報 22 48 00 ゲハ・ガリ・ダウソ・ν速 乱交ガチホモラシ そ 君 (__ ┌―‐―┐ ) き ん ! (_ |`l TT了| } ゃ な (_ j .| .| | .l | / あ か 待 (_ | | .|j .j | .○ イ |. っ ち (,_ |.| .|l .| | ,. |-‐ /_. っ こ た ( |.|. |! |/ / ! う ま (` `ー /.. \≧,,,、 7___ で え (―――――――――( >'´ == \ ⌒l^⌒_ (⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ ●.. ●.. / / [[コード]].レ⌒Y^'⌒`\________ く | (__人__)/// ;| | | \xく \ ヽ|!!il|!|!l| / | \| | _,....!,,_ \ /  ̄\ lF〒`\ ,,..イ .| , `7´ _,,.ィ //ヽ /ヽ \ | || _,..-/7゙h _| // シベリア超速報 \.{n|.ィァ it} | ) / | r'"三¨7´\| |´.| // | トl、 rュj . \ (/ / / ゚`.|n./ .イl ,∧ | // | ,| 'ーケトr'TTlイ /_`ヾtっ r'l゙ /⌒`lくミV / ,r1´|`'六´ //` ̄´ `Y´ |└┬シj ./ 7ヽ〈 /ヾ)<./ | ∨| |∨ ! { r ,、 _,シ /゙丁〈 / } { { \ | ',| |/ ! l, .| . |/ .| |/ ∧ \| ◆ニュース速報\ ... | | |` | 鬱鬱 | .l l// l|/ / \ |http //namidame.2ch.net/news/───────────────────────────────── . 人 [[コード]] (__) シベリア超速報 ___ (__) /r⌒η ;;; '/ ⌒三\⌒) _ r=、 / /\ \ / ( ○)三(○)\ .;'、===ョ |. | / / .\ \ ⌒(__人__) \ ヽ, 。 ___ ! '゙i; ; ;;!/ / ノ/ . |\ .\ |r┬-| | .i く/⌒゙ ` ,,,,ノ ||| /ノ ;; ..\\ .\ `ー'´ / .ノ| // 、,, ,;. 、,f__ // ; ... ̄\ ヽ / | ( ソ| '" i ゙|__ / r⌒ヽ \ ・ . ・i ノ ~ |,、 !, !ヽ;; | \ ) .| / 。 f, ,y |.ノ | .i \. 3? i / /´ ,ノ ..)/ ;; ; ; | .i ヽ. Д _i ,/ .,;-;" .i、 l |||⌒ヽ, ;;;; ; | .ノ\ .ノ | .¦ ヽ ! |゙ ;.ヾ  ̄ヽ,; ..| ./.. ヽ、__ ( ).. ) | ヽ ヽ. .ヽ. .ヽ; \ ; ? | /.. ;; / / | y′ ヽ ヽ. ⌒⌒\ / /.. ; / / ◆ニュース速報 (_/.. / / http //namidame.2ch.net/news/───────────────────────────────── ]\、_,r Y Y ' 、 /';,'' /,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'', ) \、\ /, /,, ;;, バシーンバシーン ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,, 丿 [ \| |/ ] { > l U ,.< iノ ! ! -=- ノ! ト-、 .ノ \\.".//_-=ニ三 /; γ ヽ、`、 (; . ( ..... i i ミ; ヽ \,.ミ'´ ̄``´ ̄`ノ ヽ 力 ; ; \、、、) i. (_/_/./ 勹 ミ ; ,' JJJ ヽ l l -、 ヽ ヽ ,、 /´ ̄`V ,ヽ ヽ ヽ / \ ./ 、 | / ヽ ,/ `ヽ、 !. i ! / ヽ___,-‐'"'''ヽ| ノ | ヽ | ))おっおおぅ… シベリア 様ぁ…! `ー‐ゝ、 ' / ,. -‐'"´ ,,,,) ―┴― ノ 力 `ー‐' (( /"ー─<二/ ´ヽ、" /,ー、 ◆ニュース速報 勹 `ー----─一-‐'´ ̄´ Y`ゝ(_/_/./' )) http //namidame.2ch.net/news/ 22 52 00 スターリンラシ 22 54 54 狼主催チンコス 23 00 00 ウンコーチキンラシ ※12分ラシとは… コード予約が10分なので、アレをこうしてすぐ打ちまくるというダウソと合同地獄ラシ .
https://w.atwiki.jp/orisutatournament/pages/116.html
第11回トーナメント:準決勝② No.6670 【スタンド名】 アトール 【本体】 スパイダー 【能力】 本体が生成した糸を弾丸代わりに発射する オリスタ図鑑 No.6670 No.5297 【スタンド名】 ギア・エクスペリエンス 【本体】 時任 八千代(トキトウ ヤチヨ) 【能力】 殴ったものに歯車を発生させる オリスタ図鑑 No.5297 アトール vs ギア・エクスペリエンス 【STAGE:廃病院】◆aqlrDxpX0s 空港を飛び立ったヘリコプターは山の方面へと向かっていた。 ビル群が小さくなっていき霞みがかる街並みを見下ろすともう後戻りできないのだなと今更ながらに思った。 山々に横たわる高速道路は、昼間だというのに通る車はまばらだった。 高速道路を通り過ぎてしばらくすると、青々と茂っていた木々がしだいに茶色や灰色にくすんでいき、ついには枯れ木の森が広がっていた。 枯れた森の中に寂しくぽつんと集落がある。 十数軒ならぶ家屋はすべて屋根が赤い錆にまみれており、窓ガラスは割れている。 集落を縦断する道路はアスファルトが砕け、ところどころのすき間から木か雑草かもわからぬ植物が生えている。 上から見える木のないを見渡しても、人の姿はだれひとり見られない。 集落の奥に2階建ての白い建物があるのを見つけた。 看板も錆だらけでよく読めないが、病院であることだけはわかった。 パイロットの話ではそこが戦いの舞台らしい。 駐車場のひびだらけのアスファルトが目下に近づいてくる。 病院の駐車場に立っていた男の誘導でヘリコプターはゆっくりと着陸した。 普段はめったに乗ることの出来ないヘリコプターに乗り空の旅を楽しんだが、耳をつんざく騒音だけは気に入らなかった。 僕は後部座席からアスファルトの上に降り立ち、身なりを今一度整えた。 駐車場で待っていた男がこちらへ近づくと深々とお辞儀をして、ご休憩なさいますかと僕に尋ねた。 いい、構わないと僕が言うと男はもう一度お辞儀をして、僕を病院の出入り口へと促した。 僕は一度その廃病院を見上げると、前を見直して歩き出した。 勝負の詳細についてはヘリコプターの中でパイロットから聴かされていた。 勝負内容はデスマッチである。内容そのものについて僕は何も感慨を抱くことはなかった。 命のやり取りをする覚悟はすでにできていたからだ。 その気持ちはトーナメントへの参加を決めたときも、1回戦を勝ち上がったときにも変わっていない。 しかし少し気になったのは、その勝負内容に決まった理由だった。 パイロット曰く、それ以外に方法がないのだという。 僕の対戦相手はどうやら運営にも手の打ちようがない問題を抱えているらしかった。 もちろん僕はそれについて追究したが、詳しくは教えてはもらえなかった。 ただ、対戦相手はどうやら今回の戦いの舞台となる場所から離れることができないのだとだけは話してもらえた。 いや、離れさせるわけにはいかないということだったか。 とにかく、はっきりとしない事情を抱えていながらも僕の対戦相手はトーナメントの出場者として参加し、 その離れることのできないこの場所で一回戦を勝利したという。 疑問に思ったのは、この場所から離れられないという対戦相手の事情だった。 それがトーナメントとは関係のない、それ以前からの事情だったのだとしたら、やはりそれはおかしいのである。 この集落は、とうてい人の住める環境ではないからだ。 僕にとってここは初めて訪れた国、初めて訪れた場所だ。 このあたりで何が起こったかはわからないが、少なくともつい最近のことではない。何年か、あるいは十何年前からここは廃墟のままだったに違いない。 僕は命のやり取りをすることでなく、得体の知れない対戦相手に対し恐怖を覚えた。 しかし、もう後戻りすることはできない。 ここで立ち止まり、前へ進まないことのほうがずっと恐ろしいことになるのだ。 僕はゆっくりと歩を進め、扉が開いたままの病院へ入っていった。 入り口からロビーへ入ると、すぐに受付のカウンターとソファの並ぶ待合スペースが見えた。 カウンターの上の掛け時計は針が止まったままになっており、カウンターの奥には診察室らしき部屋が見える。 気になったのは、ロビーの床にあった足跡だった。 長年使われていない病院はそこらじゅうが土ぼこりにまみれていた。 しかし、床の足跡はつい数日の間についたようなものだった。 だがその理由はすぐにわかった。 僕の対戦相手は一回戦もここで戦ったということをパイロットが話していたのを思い出したのだ。 足跡があって当然なのである。 しかし、ここで新たな疑問が浮かぶ。 床に残る足跡は、ここで戦いが繰り広げられたという割には少ないのだ。 しかも足跡はすべて同じもの、たった一人の人間のものだった。 もうひとりのものは見つからなかった。 ロビーに残っている足跡は病院の外から入ってきて、そのあと再び中から外へと向かっている。 どういった試合の経緯だったかはわからないが、この足跡の持ち主は外から来て外へ出て行った者なのだ。 つまりは足跡の人物は、ここを離れることができない何者かではないということ、敗北した者のほうだ。 勝利したほう、今回の僕の対戦相手であるその者の足跡はロビーにはなかった。 深く考え込もうとしたが、そこでやめることにした。 足跡の残っていない理由などいくらでもあるだろうし、今はそれを考えるときでもない。 僕が考えるべきはこの試合に勝つことだけなのだ。 そのとき、なにやら虫の羽音のようなものが聞こえた。 その音は次第に大きくなり病院内に響いていく。 僕がまず見たのは駐車場のヘリコプターであった。 思い当たったものがそれだったからだ。 しかし外に停めてあるヘリコプターのプロペラは動いてはいなかった。 だがバラバラバラバラという音は次第に大きく近くなっている。 振り返ると、それは頭上にあった。 はっと見たとき、それは虫の姿に間違いはなかった。 しかし、その背中にはまぎれもなくヘリコプターのプロペラがついており、激しく回転している。 ――敵スタンドが現れた。胸に張りつめていた緊張は一気に解けた。 僕は自らのスタンド『ギア・エクスペリエンス』を発現させ、拳を突き出した。 しかし、それよりも速く敵スタンドは腹の機関砲から白い弾丸を発射させた。 弾丸を受けて拳が砕ける、そう思ったが破裂したのは弾丸の方だった。 弾けた弾はアメーバのように広がり、ギア・エクスペリエンスの拳を覆った。 僕はそれに構わず拳を止めなかった。 だが、ラジコンヘリのようなその敵スタンドは軽やかに上昇し、拳は空を切った。 射程外に敵スタンドが離れていくが、敵の攻撃は止まなかった。 敵スタンドは次々と機関砲から白い弾丸を撃ってくる。 弾丸を撃つ間隔はあまり短くなく、着弾地点を予測してひとつひとつをかわすことはそれほど難しくはなかった。 20発ほど撃った頃だろうか、僕は敵が志向性を持って攻撃をしていることに気がついた。 僕がかわした弾丸は床に着弾して広がり、蜘蛛の巣のトラップと化していた。 かわせばかわすほど必然的に逃げる場所は少なくなり、さらに僕はいつのまにか病院の出入り口から離れ、奥のほうへと追いやられていたのだ。 反撃を考えなかったわけではない。だが、僕は敵スタンドの弾丸の特長に気がついていたのだ。 白い弾丸を受けた拳が開かないのである。 広がった白く細い糸が拳にまとわりつき、ガッチリと固めていたのだ。 今僕が立っているのはロビーの奥から廊下に入ったところだ。 奥には2階へと上がる階段があり、ロビーの方面には敵スタンドが滞空している。 奇妙だったのは、敵のスタンド使いがいまだに姿を見せないことだった。 敵スタンドが遠隔操作タイプであることはもはや明らかであるが、それだけにこのスタンドだけで敵を倒すのは心許ないだろう。 スタンドはひとり一能力。このスタンドの能力は粘つく白い弾丸に他ならない。 それならば多少このスタンドの攻撃を受けても、接近し攻撃することに価値はある。 僕はギア・エクスペリエンスとともに敵スタンドへ向かい駆け出した。 それとほぼ同時に機関砲から弾丸が放たれる。 僕はそれをすでに糸のからみついた拳で受け止めようとした。 そして同時に振りかぶったほうの拳で敵スタンドを叩き落す―― そう、思ったのだが。 白い弾丸は目前で広がり網と化した。 廊下いっぱいに広がる網に対し、僕の逃げ場はなかった。 網は体を覆い、僕は廊下に倒れこんだ。 今までの敵の攻撃のすべてはこのための布石だったのだ。 網と化す能力を隠し、弾丸だけで僕を狭い廊下に追い詰めて網で捕らえる。 網を構成する蜘蛛の糸は軽い力で引き剥がすことはできなかった。 もがき続ける僕に対し敵スタンドは滞空したままだった。 このスタンドに僕に対するとどめを刺すことはできないという予想はどうやら当たっていたらしかった。 それならば、本体が現れて直接息を止めにくるに違いない。 敵スタンドが滞空しているのは蜘蛛の巣のトラップが敷かれたロビーの方面だ。 ならば、本体は階段を下りて僕に近づいてくるのだろうと僕は思った。 僕が階段のほうを注視していると、突然それは起こった。 廊下の天井を何かが強く叩きつけられる音。それが数回響くと天井にヒビが入り、もう一回音が鳴ったところで天井が崩壊し始めた。 ガレキと共に落ちてきたのは、獣のような大きな影。 だが、獣ではなかった。熊や獅子のような獣と見紛うほど巨大な蜘蛛だった。 ガレキの細かい破片が僕の体に当たる。 あっという間に、僕が身動きをとれない間に、ガレキと大蜘蛛が廊下を塞いだ。 それを見た瞬間、すっと僕の体から血の気がひいた。 命を賭ける覚悟はしてきたつもりだった。 だが、それをこのような化け物に対して賭けることなど僕がトーナメントに参加する前には想像もしていなかった。 ただし、この病院に入ってからは少なからず予想はしていた。 とうてい人の住める環境ではない集落、この場所から離れることのできない者、ひとり分の足跡しかないロビー。 人ではない、という予想はしていたのだ。 だが、まさかここまでとは思いもしなかった。 冗談のような、想像上の生き物のような相手だとは。 細く強靭な脚にびっしりと薄い毛が生えそろい、8つある目はすべてこちらを見ているようで気味が悪い。 口にはキバのような鋏が生え、粘液が滴り床に落ちている。 状況を鑑みればこの大蜘蛛がスタンドの本体であることは間違いないだろう。 とすれば今この大蜘蛛が姿を現したのは他でもない、敵であるこの僕の動きを封じ、仕留めるためだ。 大蜘蛛はじりじりと8本の脚を動かし僕に近づいてくる。 カリカリと脚の関節が擦れる音が静かな廊下に響く。 目の前に迫った大蜘蛛は口と鋏を大きく開き、こちらへ近づけていく。 だが、そのまま喰われるのを僕は許さなかった。 ギア・エクスペリエンス――脱出の仕掛けは整えていた。 床に大きさの違う3つの歯車を生み出し噛み合わせた。 一番小さな歯車を回し、その力を受けて少し大きな歯車を回す。 すると一番大きな歯車は高速で回りだす。 その歯に僕の体にまとわりつく糸を近づけ、巻き取らせた。 糸が1本ずつぱりぱりと剥がれていき体の自由を取り戻していく。 それに気づいてか大蜘蛛は鋏で僕の喉元をかき切ろうと素早く迫ってきた。 だが、それよりも速くギア・エクスペリエンスの拳は大蜘蛛の顎を叩き上げた。 大蜘蛛の頭はわずかに仰け反っただけだが、僕がこの状況から脱するだけの時間はできた。 僕は大蜘蛛の背中に飛び乗り、ガレキを越えてそのまま階段へ向かっていった。 2階へ上がった僕は階段の防火シャッターを下ろして階段を塞いだ。 天井を壊した大蜘蛛のパワーならばこの防火シャッターを壊すことなど造作もないことだろうが、少々でも時間稼ぎはできると思った。 近くの病室へ入り扉を閉めると僕は崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。 僕はいつの間にか体中びっしょりと汗をかいていたことに気がついた。 予想だにしなかった化け物を前にして人生最大の恐怖を感じていたのだ。 必死に逃れることだけを考えて大蜘蛛から離れることに成功はしたが、ギア・エクスペリエンスの攻撃は大蜘蛛にほとんど効いていなかった。 それでも、僕は諦めることだけは考えたくなかった。 どうにかして、あの大蜘蛛に勝つ方法を考えなくてはならなかった。 息を整えている間に、病室の壁に新聞の記事が貼られているのを見つけた。 ゆっくりと身を起こしその記事を読んでみる。 英字で書かれているので詳しくは読めなかったが、これは第1面の記事で、この集落の航空写真が載っていた。 多く目についた単語は「Emergency」、「Radioactive contamination」、「Isolation」……。 それを見てはっと気がついた僕は病院の窓の外を見た。 病院からは集落と、病院よりずっと大きな建物が建っていたのだ。 僕の予想が正しければ、その建物は放射性廃棄物の処理場だった。 その瞬間、ガシャンガシャンと大きな音が背後にある廊下のほうから聞こえてきた。 大蜘蛛が防火シャッターを叩き割ろうとしているのだろう。 音から察するに大蜘蛛が防火シャッターを壊すのに時間はそれほどかからないだろう。 僕は廊下へと飛び出した。 そのときちょうど大蜘蛛はシャッターを破壊し、2階の廊下に姿を現していた。 もはや恐れてなどいられない。行動を起こさなければ何も変わらないのだから。 僕は大蜘蛛に向かって駆け出し、ギア・エクスペリエンスで攻撃を仕掛けた。 大蜘蛛のスタンドはそれ自体に戦闘能力はほとんどないと言っていいだろう。 その証拠に大蜘蛛は自らの脚で僕の攻撃に対抗した。 スピードはギア・エクスペリエンスがはるかに上回っていた。 だが、かわりにダメージはほとんど与えられなかった。 大蜘蛛が前脚を叩きつけようと振り上げたところで僕は大蜘蛛から距離をおいた。 僕はそのまま大蜘蛛に背を向けて走り出した。 1階の天井まで開いた穴を避けて奥へと向かっていった。 大蜘蛛も僕を追って廊下を進んでいる。 廊下の奥は行き止まりだった。 僕が再び振り返って大蜘蛛のほうを見ると、大蜘蛛も僕の逃げ道が無いのをわかってか動きを止めた。 大蜘蛛はじっと待ちこちらの出方をうかがっているようだった。 この大蜘蛛は、きっと落ちた歯車なのだ。 僕が思うに、この世のすべての生き物は森羅万象を象る歯車だ。 いかに小さい歯車であれ、ハコの中にある限りすべてのモノに関わっており、欠ければハコの中の時は止まってしまう。 この大蜘蛛もこの集落というハコの中のたった一つの歯車だったのだ。 しかし、なにかがきっかけとなってこの蜘蛛はハコから落ちてしまった。 蜘蛛は本来の役割を超越し、ハコに合わない歯車と化してしまった。 時の止まったハコ、歯車の欠けたハコは時と共に次第に他の歯車もはずれ落ちていき、もう元に戻ることはできなくなった。 このハコにある歯車はもはやこの大蜘蛛だけになってしまった。 しかし、歯車はひとつだけでは回らない。 このハコは誰にも直すことができない。 誰にも。 僕のギア・エクスペリエンスにも、直せない。 大蜘蛛はじっくりと距離を詰めてくる。 この大蜘蛛を戦いへと駆り立てるものは何なのだろうか。 生物としての本能なのか。 いや、ただ生存するために戦っているとは思えなかった。 僕は廊下の一番奥の壁を背にして立っていた。 大蜘蛛はもう目前に迫っている。 大蜘蛛のスタンドが頭上からこちらを機関砲で狙っており、大蜘蛛は前脚の2本を振り上げた。 ――ギア・エクスペリエンス。 大蜘蛛は気づかなかっただろう。僕は追い込まれていたのではなく、誘い込んでいたのだ。 あらかじめ仕込んでいたギア・エクスペリエンスの2つの歯車、その1つを今発動させた。 足元の床に潜ませ、急速に老朽化をすすめるための歯車を。 突如床にヒビがいくつも分かれて走っていく。 床の中の鉄骨やパイプもろとも粉々になり、僕は大蜘蛛もろとも下の階へと落下した。 あたりに砂埃が舞う。 きっと大蜘蛛は驚いたことだろう。 床に落ちた衝撃など屁でもないのだろうが、なぜか身動きがとれないということに。 ――身動きが取れないのは僕も同じなのだが。 落ちた場所は1階のロビー、大蜘蛛のスタンドがあたりに白い弾丸で作った蜘蛛の巣のトラップを敷いた場所だった。 大蜘蛛は運よくトラップの多い場所に落ちて、腹が床にくっついていた。 脚をばたばた動かしたり、踏ん張ったりしてみても自身のスタンド能力で作ったトラップの粘着力には勝てなかった。 一方の僕はしりもちをついた場所にトラップがあり、くっついて離れることはできなかったが、背中を打った場所にトラップは無かったので身を起こすことはできた。 ただし、尻が広い範囲で床とくっついてしまっているので、先ほどのように歯車に噛ませてすぐに剥がすということは不可能だった。 だが、それは僕の想定の範囲内だった。 互いに身動きの取れない状況で効力を発揮するのが、もう一つ仕掛けたギア・エクスペリエンスの歯車なのだから。 僕の予想が正しければ、歯車はまわるはずだ。 大蜘蛛はガシガシと脚を床に打ち鳴らしていた。 時折ふんばっても腹と胸で3ヶ所以上くっついてしまっているトラップは引き剥がせなかった。 僕はそれをじっと見つめていた。 この蜘蛛は、一体どれくらいの間時の止まったハコの中でもがき続けていたんだろう。 何を目的として。 何の未来を見て。 それは興味や疑問でなく同情だった。 ハコからはずれた歯車といえば、僕も同じだったからだ。 しだいに大蜘蛛の暴れる音は小さくなっていった。 それは大蜘蛛が脱出を諦めたからではない。 大蜘蛛の体は徐々に縮んでいたのだ。 ギア・エクスペリエンスは2階での攻防のとき、大蜘蛛の体内に歯車を仕込ませていた。 大蜘蛛が元から化け物でなかったのなら、僕の能力で戻すことができるからだ。 体が縮んでいくにつれて大蜘蛛にはりついた蜘蛛の巣もはがれていく。 ついには蜘蛛は手のひらに乗るほどの大きさになっていた。 こうして見ると本当にただの蜘蛛だった。 はじめ見たときはあれほど恐ろしかった化け物だったのに、今の姿との違いは体の大きさだけだったのだ。 ただし、発現したままの蜘蛛のスタンドの大きさはそのままだった。 だが何故か、こちらを撃ってくる気配はなかった。 蜘蛛はそこらをカサカサと歩き回っている。 さっきまで見ていた景色とは違うことに驚いているのか……僕にはわからなかった。 それからほどなく、小さな音がした。 上を見上げるとパラパラとコンクリートの破片が落ちてきていた。 僕が開けた穴の上には2階の天井が見えている。 しかし、その天井には深いヒビが走っていた。 そこで僕は気がついた。この病院の天井が崩落しようとしているのを。 2階の床に開いた2つの穴は床の中の鉄骨も破壊していた。 それはすなわち建物を支える骨を一部壊していたことに他ならない。 ただでさえ古い建物の中で大蜘蛛が暴れまわっていたのだ。 いつ倒壊してもおかしくはなかったのだ。 2階の天井のヒビはいくつにも分かれて音は大きくなっていく。 ついには大量の砂と共に2階の天井だけでなく壁も剥がれ落ちて来た。 僕は離れようにも、蜘蛛の巣のトラップで離れることができなくなっていた。 僕は身を屈めて天運を祈った……。 騒音が鳴り止んでも、僕は傷一つ負っていなかった。 目を開けてみると、僕の背の上には蜘蛛のスタンドがいた。 だがプロペラは折れ、深い傷がいくつも刻まれ、体液が滴っている。 どうやら僕のことを守ってくれていたようだった。 それがなぜかはわからないが、偶然そうなったわけでないことは明らかだった。 蜘蛛は自らのスタンドを、自分ではなく僕の頭上へと向かわせたのだ。 蜘蛛のスタンドは背中から落ちて床の上でゆっくりと煙のように消えていった。 いつのまにか僕に張り付いていた蜘蛛の巣も剥がれていたようだった。 僕ははっとして蜘蛛のいたところを見た。 そこにはガレキが積もっていた。 しばらく待ってみても、蜘蛛は姿を現さなかった。 その途端、僕はものすごく悲しい気持ちになったのだ。 いつのまにか僕は蜘蛛に自分の姿を重ねていた。 歯車の抜けたハコは時と共に他の歯車も抜け落ちてしまう。 そうなってしまったら、元に戻りたいと思ってももう元には戻れないのだ。 この蜘蛛も、きっと元には戻れなかったのだ。 戻りたいと思ったときには遅すぎたのだ。 僕はまだ、戻ることができるのだろうか。 涙が頬をつたったとき、もう蜘蛛はそこにはいなかった。 ★★★ 勝者 ★★★ No.5297 【スタンド名】 ギア・エクスペリエンス 【本体】 時任 八千代(トキトウ ヤチヨ) 【能力】 殴ったものに歯車を発生させる オリスタ図鑑 No.5297 < 第11回:決勝① > 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ トーナメントとは? ] [ オリスタwiki ]
https://w.atwiki.jp/ponyta_isii/pages/768.html
9タイプのデッキでトーナメント戦やってみた 準決勝とは、ポケモンカード公式チャンネル第583回のこと。 (第582回 ←← 第583回 →→ 第584回) 概要欄 9タイプのデッキでトーナメント戦をやってみたぞ! 果たして勝つのは何タイプ!? 登場するキャラクター ポニータ石井 ピッピ樋口 茶良井沢ダン Youtube動画 字幕・台詞 備考 使用されているBGM
https://w.atwiki.jp/orisutatournament/pages/76.html
第07回トーナメント:準決勝② No.5480 【スタンド名】 オーメンズ・オブ・ラブ 【本体】 満木 葉華(ミツギ ヨウカ) 【能力】 本体の身体に「紙の性質」を付与する オリスタ図鑑 No.5480 No.4796 【スタンド名】 ハイブリッド・セオリー 【本体】 ゴルト・ミュンツェ 【能力】 殴った対象の性質を記憶し、弾丸として撃ち出す オリスタ図鑑 No.4796 オーメンズ・オブ・ラブ vs ハイブリッド・セオリー 【STAGE:カメユーデパート】◆aqlrDxpX0s 狭く薄暗いテントの中で、二人の人間が小さな机を挟んで座っている。 紫色のローブを着た可愛らしい男の子(女の子?)の前には5枚のタロットカードや水晶玉があり、 背後の棚にはあやしげな壺やトルマリンのネックレス、シルクハットや陶器のハトなどが置かれている。 男の子が真剣なまなざしで水晶玉をみつめ、手をかざしている様子を 机の反対側に座る女性……満木葉華(ミツギ ヨウカ)は身を乗り出してじっと睨みつけていた。 「…………タぁッ!!」 突然男の子が声を張り上げ、満木はビクッと肩を震わせた。 「お……お……お…………くるッ! ……キてるぅ!!」 ビクビクと手を震わせながら男の子は水晶玉を凝視していた。 「だ、大丈夫?」 「大丈夫です、演出ですから」 「……あ、そう。それでどうなんですか?」 「恋愛運でしたよね……ええと、スゴいですよ!」 「えッ!?」 「『この数週間のうちに、ステキな男性があなたの目の前に現れる』……そうです!」 「ほ、ほんとですかッ!?」 「ほんとです、僕は占いに関してはウソをつきませんから」 「…………ま、まあ過信はしませんよ。占いなんて非科学的なもの、気分転換にしかなりませんから」 (とかい言ってこの人、毎週来てるんだけどなぁ……) 冷静を取り繕おうとする満木に占い師の男の子は呆れる。 (こないだ届いた『トーナメントの招待状』……まさか占いはこのイベントのことを言っているのかな……) 「……ふふ、うふふふふ…………」 「そして、願いを成就させるラッキーアイテムですが」 「あっ、そ、それ大事ね。聞かせてください」 「『ブルーローズ』です」 「バカにしてんのか」 二回戦の舞台として指定された全国チェーンデパート『カメユーデパート』の前に立ち、満木は大会前に行った占いの館での出来事を思い出していた。 彼女は「ステキなスタンド使いの彼氏」を見つけるためにこのトーナメントの参加を決めた。 その目的は彼女にとって優勝することよりも大事なものかもしれない。 一回戦で出会った男は彼女の理想とはかけはなれていた。 そもそも高校生ではもとから眼中にあるわけ無かったのだが。 (別に年下には興味はないってわけじゃあないけど、せめて歳は近くないとね……) 「臨時休業中の店の前で立っているのを見ると……君が俺の対戦相手かな?」 不意に声をかけられ、満木はその声の方向を向いた。 近づいてきたのは背の高い、顔にヒゲを生やした男。 可愛らしいピースのバッジをつけた、赤いタートルネックのセーターが不思議と似合っている。 「……ん? なんだ、まじまじと見つめて」 「べ、別になんでもありません。事前に相手を見定めたっていいじゃないですか」 「はは、なるほどな。それで、すこしは気に入ってもらえたか俺のことは?」 「だからそういうんじゃないです! これから戦おうってのに!」 「冗談、冗談だよ」 (まあちょっとはそっちの目的もあったんだけど……) 「俺はゴルト・ミュンツェ。まあ何とでも呼んでくれてかまわないぜ」 「私は満木葉華です。それでゴルト、この戦いどうやって決着つけましょうか?」 「ヨーカ、俺はあんまり難しいこと考えるのは苦手でな。単純に、『相手に負けを認めさせる』ってことでどうだ?」 「…………まあわかりやすいっちゃあ、わかりやすいですけど」 「今ココで言ってもいいぜ? あまり女を傷つけるようなことはしたくないしな」 「馬鹿にしないでください、女、男って分けてモノ考えるの嫌いです」 「はは、そりゃあそうか。スマンかった」 ゴルトは笑ってぽりぽりと頭をかく。 満木はそばに立つカメユーデパートを見上げた。 「せっかくの舞台ですし、この中で勝負つけましょう」 くるりと向きを変えて正面入り口から中へ入っていった。 ゴルトはそれを横目で見届けた後、自らもゆっくりとカメユーデパート内へ足を踏み入れる。 カメユーデパートの一階はほとんどが食料品売り場で占めており、エントランスに入ってすぐ左にエスカレーターがあった。 だが直前に入ったはずの満木の姿がどこにも見当たらなかった。 目を離したのは満木が入り口の自動ドアのむこうに消えた一瞬だけ。 開けたエントランスに満木の姿があるはずだった。 「いきなり能力を使ってきたか……? やる気マンマンだなあ」 ゴルトは周囲に注意を払いながら食料品売り場のほうへと歩いていった。 エントランスからゴルトの姿が見えなくなった頃、 正面入り口の床に敷かれたマットの下から「紙のように」ペラペラと薄くなった満木がスルリと這い出てきた。 「私は常に優位に立たせてもらうよ。いろんな意味で、あなたを見極めるためにね」 満木はゴルトの向かった食料品売り場の方向から、壁、床を見渡し、天井を見上げた。 建物は見たところそれなりに年季が入っている。おしゃれ感よりもコストとか手入れのしやすさを重視しているのか、天井はさほど高くなかった。 ゴルトは食料品売り場の従業員入り口からバックヤードへと移動した。 食品の加工などをするこのエリアは、1回戦で戦った学校の廊下と同じような広さになっており、 通路の両端には加工台や流し場が設置されていた。 壁には『防犯強化月間!!』と書かれた社内報が貼ってある。 広い売り場エリアでは姿の見えない敵からの攻撃がどこからくるか分からず、対処するのが困難なため ゴルトは細長い構造のバックヤードへ入った。 (ここなら、通路のどちらから現れても対処できるし、距離を置かれても攻撃は可能だ) ゴルト・ミュンツェのスタンド『ハイブリッド・セオリー』は近距離型のスタンドながら、『銃』としての能力を持っている。 (今、ハイブリッド・セオリーの両腕にはそれぞれ『炎』と『銅』の弾丸を仕込んである。 もうちょっと凝ったものを入れてもいいんだが、それをもったいぶるようになっては行動に支障をきたすからな……) ゴルトはバックヤード内をゆっくりと歩きながらドアや窓を警戒した。 しばらく歩き、人の気配がないのを感じて少し気を緩めると…… 「はぁい、ゴルト」 「!!」 突然、背後から満木の声が聞こえ、振り返ると同時に刃物のようなものがゴルトの顔面めがけて迫ってきた。 「おおっ!!」 上体をそらせて避けようとしたものの、刃先がゴルトの額を横に切り、血が流れ出した。 「む、反応速いですね。まあ血で視界を悪くさせられたし結果オーライかな」 「ヨーカ、あんたどこから……!」 満木は天井から上半身をぶらさげていた。 下半身は天井の『通気口』の中にあり、『オーメンズ・オブ・ラブ』の能力でペラペラにした体を通気口カバーの柵のすき間から出していた。 右手の指先には血がにじんでいる。 「くそ……『ハイブリッド・セオリー』!!」 グオオオオオオオオオオ!! ゴルトの『ハイブリッド・セオリー』が天井から垂れ下がったままの満木に向けパンチを放つ。 満木はガードしようとも、避けようともせずただペラペラのまま動かずにいた。 パンチが満木の顔面に迫ろうとしていたが、スレスレのところで満木の体はフワリと舞い上がり、ハイブリッド・セオリーの拳は満木の体をかすめるだけだった。 「……おいおい、俺のスタンドのスピードは相当なモンだぜ? それを避けるとはなぁ……」 「ふふふ……『避けた』というとちょっと違うかもしれませんね。スタンドのスピードが速いほど、私の体に攻撃は当たりにくくなるのですから」 「ええ?」 「私のスタンド能力は『私自身が紙になること』。スタンドのパワーやスピードが大きいほど空気の流れは大きくなり、攻撃は当たらなくなる……」 「…………」 「私はドコからでも現れる。頭使うのは苦手って言ってたけど……私に攻撃を当てる方法を考えなくては、勝利することはできませんよ」 そう言うと満木はスルリと通気口の中に上半身を戻した。 (くそっ、ここで逃がすわけにはいかないな……! ネズミはあぶりださなきゃあ、この店にとってもよくないぜ!) 「『ハイブリッド・セオリー』、『炎の銃弾』で通気口を撃てッ!!」 バシュン! 『炎の銃弾』は通気口のカバーを突き破り、通気口の内部に着弾した。 ゴウと火が燃え上がる音がゴルトにも聞こえた。 「ヨーカ、君が『紙』なら『火』に燃えるだろう。通気管はこのバックヤードよりも細く狭い通路だ。 そして……通気管は空気を流す管。すると中で炎はどうなる!?」 ガンッ! バックヤードのゴルトが立つ場所から十数メートル先の天井の通気口のカバーが床に落ちた。 そして、満木が通気管の中から飛び出て着地した。 満木は片膝を床についたままゴルトを一瞥する。 「なるほど、炎は強い風もおこす。炎の起こした風を受けて火から逃れたわけか。だがしかし、通気管のなかにいるわけにはいかなくなったんじゃないか?」 「…………ゴホッ、ゴホッ!!」 通気管の中で煙を吸い、満木は咳き込んだ。 「俺の能力も教えてあげるよ。『ハイブリッド・セオリー』は触れたモノを記憶する。それを6発だけ弾丸にして撃ち出すんだ。今の炎のようにな。 そしてもう片方の腕には『銅』を記憶させてる。……つまりはただの銃弾だ。スタンドのパンチは避けられた君だが……銃弾となればそうはいかないだろ?」 「…………ッ!」 満木は立ち上がって、ゴルトに背を向けて走り出した。 ゴルトは満木に『ハイブリッド・セオリー』の銃を撃とうとするが、満木はすぐ角を曲がり、射程から外れた。 「また見失うわけにはいかない!!」 ゴルトも満木を追って走り出した。 満木はバックヤードからさらに外側、倉庫や従業員の休憩所などがあるエリアの廊下に入った。 すぐ後ろをゴルトが追ってくる。 バシュ! バシュ! ハイブリッド・セオリーが銅の弾丸を撃つが、満木には当たらず廊下のゴミ箱や天井に穴を開ける。 「…………!」 15メートルほどゴルトをひきはなしていた満木は廊下のドアを開けて中へ入った。 すぐにゴルトも追いつき、閉じたドアのノブを回すがカギがかけられていた。 「ああちくしょう! 面倒なことしやがるな!」 バシュ! バシュ! バシュ! 「ッチ、壊れねえ……あ、殴ればいいのか」 バギッ!! ハイブリッド・セオリーにドアノブを壊させてゴルトは部屋の中へ入った。 「…………ッ!」 部屋にはいくつかのデスクとパソコン、ファイルのしまわれた棚などがあった。 どうやら事務室のような場所らしい。 だが、満木の姿はそこにはなかった。 (この部屋に窓は無いし、出入りできるのは廊下に通ずるこの扉ひとつだけだ。そして……この部屋にも通気口はあるが、そのカバーは『格子状』になっている。 ヨーカの能力で薄くなっていたとしても、中に入ってこの部屋から出ることは出来ない……) 「つまり……」 ゴルトは振り返って部屋の壁のドアの上を見上げた。 そこにはペラペラになった満木の顔がさかさになって張り付いていた。 バシュ! ハイブリッド・セオリーは銅の弾丸を放ち、満木の額に穴を開けた。 そしてそのままペラリとめくれてフワフワとゴルトの足元に舞い落ちた。 だが……その満木は「首から上しかなく」、額を撃ち抜かれても表情一つ変えなかった。 「…………違う、コレは『コピー』だ。ヨーカの顔を紙に印刷しただけのコピー……」 「そう、そしてゴルト、あなたの『弾丸』は6発すべて撃ちつくした」 「!!」 バックヤードの時と同じく、ゴルトの背後から満木の声が聞こえた。 ドアのほうを向いていたゴルトに対し、満木は部屋の中央の机の上に立っていた。 満木は並べた机と机の間に身を隠していたのだ。 「ここで……決着つけてあげる!」 「……そうかいヨーカ、俺だって同じ気持ちだぜ。だが君はひとつ勘違いをしている」 「何?」 「ハイブリッド・セオリーは……左右それぞれで6発なんだッ!!」 バシュ! 「うッ!!」 ハイブリッド・セオリーが左腕のリボルバーを構えると同時に満木は身を反らして銃撃を避けた。 今度は『紙』になるわけにはいかなかった。 スタンドに憶えこませていたのは銅ともうひとつは『炎』だったからだ。 「あ、危なかった……」 「残念だが、今狙ったのは君じゃあない」 ハイブリッド・セオリーの撃った『炎の銃弾』は、天井に突き刺さり、小さな炎をあげた。 天井に取り付けられた小さな機械のそばで…… ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!! 部屋中、いや店中にけたたましいベルの音が鳴り響いた。 そして、満木とゴルトのいる部屋にどしゃぶりの雨が降り出した。 「……スプリンクラーだ。これは君が通気口に出たり入ったり、廊下でおいかけていたときに見つけたものだ。 今月、この店は『防災強化月間』だったんだっけ? 壁のチラシを見ていたおかげで気づくことができたよ」 『炎の銃弾』が着弾した天井にはスプリンクラーの噴出器と、それを作動させるための火災報知機が取り付けられていた。 火災報知機は温度に反応して作動する仕組み。ハイブリッド・セオリーの撃った『炎の銃弾』の熱に反応したのだ。 「紙は『火』にも弱いが『水』にも弱い。ヨーカ、紙になっていない今でこそ濡れているだけだが、紙になっていたら動くことすらままならなかっただろう」 「………………」 スプリンクラーの水に濡れた満木は机の上に膝立ちしたままゴルトを見ていた。 ゴルトは話し続けた。 「勝負の決着は『相手に負けを認めさせる』ことだったか? まさに今詰み、『王手』の状態だが……まだ続けるか?」 満木は動かない。 スプリンクラーの水はまだ止まっておらず、部屋じゅうの床が水浸しになっている。 「『防災強化月間』じゃありません」 「…………?」 「『防 犯 強化月間』です、この店の社内報のチラシは。あなたはよく読まなかったんですね」 「それがどうしたんだヨーカ、そんな重箱のスミをつっつくようなことを言う女は好かれないぜ?」 「……だいじなことなんだけどね」 「?」 「あなたは私を詰んだのではない、詰ませたのです。私が、あなたをね。 天井の通気口を利用して天井を意識させてスプリンクラーに気づかせたのも作戦、追い込まれるようにこの部屋へきたのも作戦」 「ヨーカ、負けを認めないなら俺は君をもう少しだけ痛めつけなくてはならなくなる」 「『防犯強化月間』のチラシにはこう書いてあった」 満木はゴルトを無視して続けた。 「『近年、全国のカメユーマーケットチェーンの店舗、特に古い建物の店舗にて盗難事故が相次いでおり、 それを受けて今月を防犯強化月間に定め、全店舗の防犯設備を強化し、以下のものを事務室に配備する』……」 「………………」 満木はこの部屋でゴルトの前に姿を現してからずっと片手を隠していた。 その手に握っているものを隠すために。 満木はそれをゴルトに見せた。 「そ、それはッ!!」 「……『防犯用スタンガン』」 満木はこの事務室に入り鍵を閉めた後、バッグから自分の顔をコピー機で印刷した紙をドアのうえに置き、 部屋の棚のスタンガンを探していた。スタンガンはあっさり見つかり、細工を施して置いておき、隠れるだけの時間はあった。 ゴルトは振り向いてドアから部屋の外へ出ようとする。 だが、ドアノブを自分で壊し、なおかつ満木が部屋から出ないようにするために閉じていたので、すぐに出ることができなかった。 「もう、遅いよ」 満木はスタンガンを水たまりのできた床に投げた。 スタンガンはトリガー部分がテープで固定されており、バチバチと火花を散らしていた。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「あなたの立っている場所は水がたまっていて……スプリンクラーの水を受けたあなたもビショ濡れ。電気伝導率は高まっています」 バヂィィィィッッ!! スタンガンがゴルトの足元の水たまりに落ちた瞬間、スタンガンはスパークを出して、電流はゴルトの体に伝わった。 体がしびれ、動かすことができなくなったゴルトは事務室の床に倒れた。 「…………ぐ……う……お……」 「水たまりからの電流なら、せいぜい下半身にしか通っていないはずです。命に別状はありません」 満木はスタンガンをとり、うつぶせに倒れたゴルトの背中の上に乗ってスタンガンを首筋に向けた。 「ただし、頭や心臓ではどうなるかはわかりません。体が濡れて伝導率は高まってますし、もしかしたら死ぬかも…… ですが、これ以外に私があなたを屈服させる方法は見つかりません」 「………………」 「『王手』、です。……まだ、続けますか?」 「………………」 「………………」 「……いや、俺の負けだ。完全敗北だ……『参りました』」 「…………承りました」 スプリンクラーの放水はようやく止まり、火災ベルの音も止んだ。 濡れた髪をかきあげてオールバックにし、衣料品点でいただいた服に着替えた満木がカメユーマーケットの従業員出入り口から出た。 「防犯スタンガンで死ぬとは、大げさじゃねえか?」 「ううぉああっ!!」 突然話しかけられ満木は思わず声を上げる。 話しかけてきたのはシワの寄ったスーツをだらしなく着た中年の男。 「だ、誰ですかあなたは!!」 「おまえらの戦いの立会人……みたいなもんか。戦いを全部見させてもらっていた」 「立ち会ってないじゃない」 「はは、違いない。…………この国で店に置けるスタンガンなんてものは弱い電流で殺傷能力は皆無だ。体のどこにスタンガンをあてようが、電気は体表にしか流れない。相手が外国人で助かったな?」 「…………」 「それに、あの行動すべてが計算ずくのことだったってのは……ムリがあるんじゃねえのか? ゴルトがスプリンクラーに気づかなかったらどうするつもりだったんだ?」 「私がライターか何かであぶるつもりでした」 「ヤツがすぐにドアノブを壊して中に入れていたら?」 「…………」 「……まあ、『たら』『れば』を言っていれば勝負は永久につかないんだがな。大事なのはヤツが負けを認めた、それだけだ。 あんたは環境を利用して見事に戦った。それがあんたの強さなんだろう……」 「あなたは、何がいいたいんですか」 「ただ激励するつもりだったんだがな、悪いクセだ、余計なことばっかり言っちまう」 男は満木に背を向けて、駐車場の外へ向かって歩き出した。 そして途中で振り返って…… 「ン~~~……満木葉華、『強い女』はモテないぜ? 男にはたまに『弱さ』をみせなくっちゃあな」 最後に一つ、皮肉を言い残し去っていった。 「……そういう考え方、嫌いです」 満木葉華は戦いを勝利で飾ったが、すっきりしない幕引きにさせられてしまった。 ★★★ 勝者 ★★★ No.5480 【スタンド名】 オーメンズ・オブ・ラブ 【本体】 満木 葉華(ミツギ ヨウカ) 【能力】 本体の身体に「紙の性質」を付与する オリスタ図鑑 No.5480 < 第07回:決勝① > 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ トーナメントとは? ] [ オリスタwiki ]
https://w.atwiki.jp/kouteieki2010joho/pages/1226.html
朝日新聞記事へ飛ぶ (魚拓) 2010年7月25日21時7分 家畜の伝染病・口蹄疫(こうていえき)の感染拡大防止のため、一般の観客は観戦できない形で実施してきた第92回全国高校野球選手権宮崎大会について、宮崎県高野連の松山孝太郎会長は25日、準々決勝終了後に宮崎市のサンマリンスタジアム宮崎で記者会見し、27日午前0時に県内すべての家畜の移動・搬出制限区域が解除されれば、27日の準決勝と28日の決勝は「防疫対策を徹底したうえで、通常通りの有料観客試合とする」と発表した。 宮崎大会は16日の開幕から準々決勝まで、試合のある野球部員とその保護者に限って球場への入場を認めてきた。 このまま異常がなければ27日に制限区域解除の見通しとなったため、主催の県高野連と朝日新聞社が協議し、制限区域が解除されれば、準決勝と決勝では一般の観客が観戦できるようにした。 7月 復興
https://w.atwiki.jp/orisutatournament/pages/166.html
第16回トーナメント:準決勝② No.5858 【スタンド名】 アイス・エイジ・4 【本体】 阿須名 彗(アズナ ケイ) 【能力】 対象の物体を一定時間無敵にした後、消滅させる オリスタ図鑑 No.5858 No.7492 【スタンド名】 プラスチック・スマイル 【本体】 蘇亜橋 真座利(ソアバシ マザリ) 【能力】 息を吹きかけたものを「膨らませる」 オリスタ図鑑 No.7492 アイス・エイジ・4 vs プラスチック・スマイル 【STAGE:超高層ビル】◆C4zT4u8GVA 春奈・モーテンセンの身長は170cm。体重は不明。 スリーサイズは、B107 W64 H95。 常軌を逸したナイスバディの降星学園高等部三年生の女子高生である。 「……結構いいバイトだなあ。一回やるだけで20万って」 「危険じゃないよ……ね?」 学園のある「星野古島」と本土を結ぶフェリーに揺られながら、そんなことを口に出さず思っていた。 彼女は自分の身体についてある種の割りきりを持っている。 女子にとっては嫉妬の発火剤。男子にとっては性欲の発火剤。 現に二つ後に座っている中等部の男子生徒は、こちらを横切る際に自分の胸を数秒凝視していた。 「……男って単純だなぁ。結局チチのことしか考えてなさそうだし」 そうは思ったが口には出さなかった。 と言うか彼女が喋ることは、本土に着くまで終ぞなかった。 彼女は、なぜその男子がこんな日にフェリーに乗るかも興味を持たなかった。 本日は月曜日の午前九時。 件の男子には、家族の不幸があったのかもしれないが、春奈に決してそんなことはない。 彼女はこれからある場所に、ある任を受けて赴く。 蘇亜橋真座利が運営側から指定された次の対戦会場は、都内の某所に鎮座する高層ビルであった。 現在時刻は丑三つ時。午前三時だが、人気が一切ないエントランスホールの前に一人の女性がいた。 黒一色の暗い服装の、バストが実に豊満な女性だ。 「明らかにあの子。真座利より胸大きいよね」 お付きの幽霊たちの中で、誰もが自重していたが、無来檻だけが言わずともいい事を言った。 「……だ……だいじょびだいじょび。私の『プラスチック・スマイル』ならワンチャンあるから」 檻に対しての返答に余裕はなく、声は震えていた。 それほどに立会人と思しき女性の乳房は巨大であり、真座利を驚愕させる物であった。 ――あの一回戦の戦いから、実に3週間もの時が流れ、 此度の引率には、40度近い熱を出して学校も休んだ安倍農円に代わって五人の幽霊が同行していた。 真座利と「言いだしっぺ」の儀式との間には、まだ多少確執は存在する。 だが、五人が五人とも、真座利との交流を経て少しずつ「異形」が剥がれていっていた。 安倍先生曰く、「成仏」に近づく一歩でもあるというのだが、もちろん彼らには目的がある。 特に刈出部と報道院は「成仏なんぞしてたまるか! こちとら何年この好機を待ったと!」 などと供述しており、未だ消える兆しのない、健在アピールに躍起だ。 「お一人ですか? ええっと」 巨乳の女性は、1m範囲内にまで肉薄した真座利にようやく声を掛けた。 「蘇亜橋真座利です。ええっと…まあ一人ですかね」 「そうですか。私。このトーナメント二回戦の立会人のモーティマーです」 「モーティマー? モーティマー何さん?」 先ほどからずっと黙っていた無理条変太が異様に喰いついた。 正直真座利に、これ以上立会人について踏み込んで知ろうという気はないが、この出歯亀はそれを赦しそうにない。 檻、儀式の制止も一切聞かず、真座利に無言のプレッシャーを掛けてくる。 霊感がないであろうモーティマーにはこの一連のにぎやかさが一切伝わらないのが残念だ。 「ええっと。モーティマーさん。名前は?」 「教えてどうなるんです」 「失礼。でもどうしても知りたくって。何か歳近そうだし」 モーティマー……春奈は驚愕した。 自分を十代と認識した同年代の女性は、同学年のクラスメイト以外では初めてであったから。 これは小学校時代から彼女が味わってきた苦痛。 「…………春奈。母はイギリス人で父は日本人。降星学園の六年生。……ようするに高三です」 「同学年なんですか」 若干ほっこりした空気を、一人の人物が打破した。 阿須名彗。真座利と同じく一回戦を制した人物だ。 容姿と顔立ちは女性的でこそあるものの「人物」敢えて表現したのは、 男性として見たとしても中性的であることが否めないためである。 それほどこの彗が纏っている空気は、絶対零度のように隙のない冷気を発し、 触れようとするものの指先さえ凍らせて壊死させるほどの刺々しさを感じさせた。 「あ。阿須名さんですね」 「ええ。あなたが対戦相手ですね?」 握手のために手を伸ばした真座利に、阿須名も手を伸ばして答えた。 だが、阿須名の手は真座利の手を握らず、真っ直ぐと左の乳房をむんずと掴み、 困惑する真座利を余所に二 #65374;三回揉み、まるで意図するかのごとく先っぽを指先で摘んで、 そしてパチンコを弾くように勢いよく離し、その乳房を揺れさせた。 「!!!!!!!!!」 「ごめん。手が滑った。」 その言い方は棒読み。悪意はなくとも悪気は感じさせる、邪気の混入したお茶目。 真座利もその振る舞いに困惑しながら怒り、咄嗟に自身のスタンドである「プラスチック・スマイル」を発現した。 「…………お」 「おほん」 真面目にこの空気に耐えきれなくなったオッサンである刈出部が咳払いをしようとしたが、 その役目は彼ら幽霊が見えていない春奈が担った。 「二回戦。はじめていいですか?」 「……はい」 来てから時間がそれほどたっていない阿須名はともかく、真座利が春奈に受けた第一印象は「根暗」 失礼とは思いつつも、いまいちハキハキとしない彼女の態度と声の小ささから、彼女はそう思った。 だからこそ彼女は、春奈の一喝に少々驚いた。 それはここにきてから間もない阿須名をも驚愕させたようであり、そこにいる二人と、五人の幽霊を押し黙らせ、 ただ「はい」という簡潔な返答を引き出した。 「対戦内容は簡潔に申しますとこうです」 「最上階に付き、私にタッチする。言わば鬼ごっこですね」 「鬼ごっこじゃないでしょ。鬼がそもそも隠れない」 「そうです。ですけど鬼ごっことしては成立します」 「最上階に付き次第この電話にメールを一斉送信します」 「それを号令としてスタートしてください。なお、エレベーターの使用は禁止としています」 「もし乗りこめばこのスマートホンのアラームが起動し、自動失格となります」 「スマホを壊したり、半径5m以上離しても失格となりますので悪しからず」 そう言って春奈は、真座利・阿須名両人にスマートホンを渡した。 「さすがに最上階のどこかまでは教えてくれないのね春奈っち」 「…春奈っち?」 真座利の無垢な言葉に、春奈の眉間に少ししわが寄った。 「あ・ゴメン。怒った? ちょーっと馴れ馴れしかったかな?」 春奈は、敢えて何も答えなかった。 別に不機嫌を誘発したわけでもなかったが、真座利と自分自身の距離が縮まったとも、思ってはいなかった。 「それでは、数分後にお会いしましょう」 「…………」 ビルは消灯していたが、エレベーターは運営側の根回して起動するようだ。 エレベーターに乗り込むと、彼女は最上階である三〇階にまで設定する。 阿須名について読みとれることはなかったが、真座利については多少なりとも読みとれた。 あんなに自分を、普通の人間として見てくれた人は星野古島にはいなかった。 嫌うか、一方的に性欲のはけ口にされるか、無感情かの三択。 数千人いてその三択しかないあの場所は地獄だ。 だからこそ新鮮ではあった。これは彼女が異様にナイスバディであるからだけではない。 相手が「スタンド使い」だからこそ。というのも多少あったのだ。 エレベーターが最上階に到達すると同時に、彼女は自身の『スタンド』の名を呟いた。 「『カサブランカ』」 スマホが鳴った。試合開始の嚆矢だ。 「…………」 阿須名は、ビルの屋上をじっと押し黙って見上げた。 「阿須名さん? 先に行っちゃいますよー?」 真座利の言葉を余所に、阿須名はその行為をやめはしない。 内心、真座利も「スタンド使わなくてもいいかな?」程度には思っていたが、 彼女は自動ドアを潜って付きあたりの非常階段まで走ろうとすると同時に、彼女はスタンドを発現しようとした。 「?!」 発現のタイミングとしては、非常階段に通じるドアを開いてから、階段が目に入ってすぐだ。 だが真座利は、少し違和感を覚えた。 『プラスチック・スマイル』の射程距離はせいぜい5mほど。 なのに、自分が階段の一段目に足を掛けたというのに、『P・スマイル』は見える場所にいない。 暗いから観失うということは絶対にない。スタンドとは自分自身だ。 そもそも非常用の灯りが階段を淡くとはいえ照らしているので、そもそも暗くもない。 自分の手が急に見えなくなるなんてことがないように、スタンドが見えなくなるなんて有り得ない。 彼女はすぐに階段を上った。そして狭い踊り場のところで見えた。上の階に自身のスタンド像。 明らかに射程距離圏「外」。 なのに消えることなく、依然発現し続けている。 「な…なんで!? なんで私のスタンドが……」 パニック状態になった真座利は、後ろにいる五人の方を見たが、その五人もいない。 階段が狭いから見えないというわけではない。気配を感じないのだ。一切と言っていいほどに。 「…………」 未だ動かない阿須名も、この能力の影響下に置かれていた。 『アイス・エイジ・4』もまた、ゆっくりとした歩みで以て階段の方へと向かってゆく。 「なるほど」 阿須名の双眸は、空から空中に振ってくる紫色の「粉」を見逃さなかった。 真座利は、若干のパニックを覚えながらも階段を上り続けた。 阿須名の追跡の足跡は聴こえないし、抜き足差し脚だとしても確実に感知できる。 「…何が起こっているの? この事態は一体……」 困惑を隠しきれない。だが進むしかない。 不安げな声は何度も上げたが、「五人」は影も形も見えない。 少し、泣きそうになった。 だが、彼女の不安は少しだけ払拭される。 「檻ちゃん?!」 不覚であった。本来この状況で幽霊など出れば絶叫は必至。 五階の、やや広い踊り場で、無来檻を見つけた。 だが今はその幽霊が精神的支柱となり得る。なんとも不可思議だ。 「…………」 異形がはがれかけている幽霊・無来檻は、何も話さず、また真座利の声にも反応しない。 ただ、どこかに向けて引き寄せられるようにゆっくりと歩くのみ。 「檻ちゃん! みんなは一体どこ……」 その瞬間、檻の「異形」が病のように再発し、牙を剥いた。 咄嗟に、真座利は身を引こうとしたが、後ずさりする際に体勢を崩し、 バランスを崩した身体は右ひじから痛みと共に着地した。 「痛ぅ…!」 檻の牙は真っ直ぐ真座利を捉えていたが、不幸中の幸いにも現在、「胸はしぼんでいた」 故にその牙は乳房に刺さらず、檻の攻撃は不発に終わった。 なくてよかった。おっぱい。 「…………何で? 一体どうして……」 どうして。いきなり彼女は自我を失ったように暴れ出したのか。 明らかに件の迷宮にて闘ったときとは違う。 そしてさらに見えた光景は、真座利をさらに絶望させた。 階段の隙間から見えた人影は、そもそも誰かなどと疑いようもない。 四つ連なっているならば、あの四人に他ならない。 「……」 檻もまた、生気(死んでいるからあるのはおかしいのだが)のない目で以てそれを見つめる。 そして檻は、全く真座利に見向きもしなくなり、階段を上り始めた。 その際に真座利を一瞥もしなかった彼女の態度は、悪霊や獣と言うよりも操り人形のそれに近い、 非常に、非情なほどに無機質なものであった。 「やはりいない……か」 パニック状態に陥る真座利とは違い、阿須名の態度は極めて冷静。 スタンドは消失していたが自分が何をすべきかはある程度理解できているつもりだ。 彼女は、数分遅れで非常階段への入り口を潜る。 ―――― 真座利は、意気消沈もほどほどに階段を上りはじめた。右ひじの痛みに耐えながら。 『P・スマイル』が未だに発現している実感こそあるが、檻も含めた五人の姿はすでに見えない。 幽霊ゆえに物理法則など無視して進めているのだろうが、今の彼女にそれを羨ましいなんて思う余裕はない。 彼女の精神は、この短時間の間に確実に摩耗している。 「!」 十階地点で彼女が視たのは、見たことのない、だが明らかにスタンドと言えるヴィジョン。 阿須名のスタンドであることは、予測が付く人型スタンド。 襲いかかってくる気配こそないが、やはりこのスタンドも一直線に何かを目指している。 「ああ、やっぱりな」 そんな時、わざとらしいほど大きな声が遠くから聞こえた。 その声は近づいてきているのが分かる。わざと響かせているかのようなドタドタとした足音は、 この時間帯ではよく響く。 やはり、阿須名だ。阿須名が走ってやってくる。 それを認識した阿須名のスタンド『アイス・エイジ・4』は、 本能的に「それ」が自分の道筋を阻むことを察知した。 一人と一つは見えた瞬間、お互いを磁石のS極とM極であると認識するかのように走りだす。 特攻だ。ぶつかる気でいることは真座利にも分かる。 そのちょうど真ん中に、自分自身がいて殺気が自分に向いているから、当たり前と言えば当たり前だ。 「い……いやあああああああ!」 目を閉じ、衝突を覚悟した真座利であったが、彼女は完全に無傷。 「……え?」 「なるほど。近づけばスタンド能力は使える……というか「使ってくる」ようだな」 「おたく、この事態は多分……と言うか絶対に立会人さんの能力だよ」 「近くにいたら勝手にどっかいったりしないようだけど。どうも繋ぎとめとく必要があるみたいだ」 「スタンドパワーを使って踏ん張る感じ」 「…いや、私のスタンドはもう大分上の方に」 「あっそう」 阿須名の態度は、依然淡々としていたが、これは勝負の世界である。 冷酷だが、これが正しい。 一人を敗北せしめた真座利も理解はしていたつもりだが、やはり虚無感はぬぐえない。 「あっ スマホ落ちてるよ。失格になる」 「!」 気が付くと、地面にスマホが転がっていた。 真座利はすぐに拾い上げようとするが、右ひじの痛みの電撃が走り、すぐに体勢を変えて左手で取り上げる。 「ありが……」 律儀にも礼を言おうとした真座利を余所に、阿須名はすでにその場にいず、ただ階段を駆け上がる音だけが聴こえた。 歩を進める阿須名であったが、二〇階地点であるものが目に入った。 「?」 獣と人が合わさったような、異形の化物。これが立会人のスタンドだろうか。 何にせよ、今の今まで自分の視界に映ることがなかった、急に登場した闖入者に、当然阿須名は警戒する。 阿須名は思考し、そして脅威を感じる。 「『アイス・エイジ・4』は……効かないか?」 彼女のスタンド『アイス・エイジ・4』の能力概要は「無敵にする代わりに、消滅する」という非情に強力な物。 ただしその、自壊誘発とも代償請求とも取れる能力には弱点がある。 生物と言う複雑怪奇なものを能力対象には含まない事だ。 少なくとも、人型であり、ヴィジョンからパワーも感じる時点でスタンドであることを彼女は疑わない。 その怪物は、猪突猛進にこちらに向けて機械的に突進してくる。 「『アイス・エイジ・4ッ!』」 咄嗟の自衛的けん制。 阿須名の反応と、『I・A・4』のヴィジョン能力を差し引いてもギリギリの防御。 防御と言っても、その手段は攻撃。 突き出した右拳でその異形の拳を殴りとめる。 「……攻撃は最大の防御ってね。聞いてるんでしょう立会に……」 阿須名は、ここで二つの違和感を覚える。 一つ目の違和感の原因はすぐに分かった。 自身のスタンドの「能力が発動した」のは、咄嗟のことであったがゆえの生物的反射。 そこはいい。そこはいいのだが―― 「……手ごたえがある…………?」 生物。引いてはその生物の精神エネルギーであるスタンドに、この能力を偶然行使したことは何度かあった。 だが効いたことは一度たりとてない。それは感覚的に理解できる。 発動時点で効かない。鉄の扉に紙の鍵を差し込んで開けようとするような感覚。 それを発動時点で味わうからだ。 だが今回は違う。その紙の鍵でドアが開く感覚を彼女は味わい、そしてその感覚に驚愕した。 その異形は、今まで闘っていた阿須名が見えていないかのように、拳を喰らってすぐに階段を上りはじめた。 「…! お」 おい。そう言おうとしたが、その数秒後に、その「下半身がツチノコ」の異形は階段に足を、 前足(手)を付けることなく、跡形もなく消滅した。 三〇階。周囲にはコイン式の双眼鏡が存在するが、このビルより高いビルなど近くに沢山あるこの状況では 無用の長物としか言いようがない(とは言え、このビルが超高層などと称された古き時代に思いを馳せるにはちょうどいいが)。 そんな三〇階フロアの中央に、春奈・モーティマーは普通に立っていた。 自身のスタンド、『カサブランカ』を発現している状態で。 「…………」 阿須名は無言で、この異様に驚愕を覚える。 自身のキャラとは違うと思いつつも、驚愕せずにはいられない。 あのツチノコ型を消滅させてから、あの手の類の異形とは三度に渡って遭遇した。 そして、それらには全て『効いた』から。 「どうして生きてる? って面してますね。なんでそんな顔できるんです? 私あなたに害されました?」 「…正直、自分でも驚きを隠せないよ。アンタの能力どうなってんだ。あの「粉」とは関係ないのか?」 「あなたのような勘のいい人は嫌いです」 「それでいていまいち鈍い猪武者気質があるところも、ますます嫌いさに拍車を掛けます」 「そいつはどうも。で、質問の答えになってないぞミセス・ホルスタイン」 この呼び方が二重の侮蔑であることを、春奈は即座に理解したが、 彼女は意外にも怒りを抑制し、返答に徹した。 「立会人として、答えます。私のスタンド『カサブランカ』はスタンドを引き寄せる花粉を散布する能力」 「……スタンドを専門に対象とする能力……? 聞いたことがない」 「最も、どうやらスタンドを専門とするというのは私の勝手な思い違いだったようですが」 「いや、それすらも勘違いかも知れんよ。これもスタンドの類か、或いは宇宙人か何かかも」 『カサブランカ』は、顔や肉体を何度も殴打した形跡が残っている、豹やらライオンやらの特徴が配置された異形を 地面から頭を掴んで持ち上げ、まるで賞金首のように阿須名に向けて開示する。 「これ、てっきりあなたか蘇亜橋さんの能力と思ってました。花粉に引き寄せられて来たので、普通に倒しましたけど」 「それはない。私はこれと似た異形を合計4体も倒している」 ではこれは何か。 二人はそれらの異形が、『カサブランカ』の能力の影響下に置かれ、花粉に引きつけられるという形で 霊感のない彼女たちにも見えるようになった「幽霊」であるという発想に辿りつかない。 (もともとスタンド使いだからこそ、霊に関する考え方が他人とあまりにも違うのかもしれないが)。 「なら恐らく、まったくの無関係なんだろう」 「なあ立会人さん。今こうして下から迫ってくる足音が聞こえる以上、蘇亜橋のそれとも思えん」 「試したいことがある。それを渡してはくれまいか」 「思った通りだ。こいつは人型だが自我とか思考とか思想とか、何にも持っていない」 「ではこれは一体なんだったのでしょう。最も、試合の結果には何ら影響を及ぼしませんが」 その光景を、彼女は見ていた。 息も絶え絶えになりながら階段を上り、彼らを探していた。 いつの間にか優先順位は逆転し、屋上を目指していた真座利は、「結果的に屋上に着く」という結果に見舞われた。 そんな彼女は、見てしまった。 白いドレスを着たような形のスタンドに捉えられた増暮儀式が、まるで塵か煙のように消える様を。 その場にいる阿須名と春奈は、まるで実験でもするかのように淡々とその状況に感想を述べる。 舞い上がり、一秒もせぬ間に消えた塵には、微塵も興味を抱かない。 「…………! な……」 何を、だったか。 何で、だったか。 或いは何をするだァーッ! ゆるさんッ!だったか。 真座利はその二人に何かを言おうとしたが、声が出ない。 儀式は、真座利にとって友人の一人の「仇」とも言える存在であった。 だが、声が出ないほどのショックを、今彼女は受けている。 一回戦と二回線をつなぐインターバル期間中に、真座利と件の悪霊集団たちは、絆を結んだ。 彼女は再認識した。 彼らが、自分にとっての愛すべき友人であり、このトーナメントを勝ち抜こうと思えた理由。 女子高生が抱くには重すぎるこの戦う理由を、ある種彼らに押し付けていた感がある。 「……! おや蘇亜橋さん。来ましたか」 真座利に訪れたのは、言葉に言い表せないほどの喪失感。 すでに能力が切れ、平坦な物となった胸に去来する痛みは、槍で貫かれるよりも鋭敏な激痛を放つ。 ある程度理解できてしまう。 儀式以外の四人。檻、無理条、報道院、刈出部ももうすでにいない。 呆気ない。なんとも呆気ない幕切れだ。 蘇亜橋真座利は、すでに自分が全てを失っていることを理解するのに、それから一秒ほどの時間しか必要がなかった。 ここで、怒りか悲しみか、何にせよ負の感情が、真座利の中で渦巻く。 彼女は背を返し、即座にその場から逃げ去ろうとするが、ここで足を滑らせる。 「!!」 彼女は、後頭部から階段へと転がり落ちていった。 高さはそれほどではなかったものの、階段の硬さと落ち方の悪さは、誰が見ても明らかであった。 入口のすぐ近くに阿須名がいれば、助けようとしたかもしれない。 だが何もかも遅かった。 蘇亜橋真座利は、硬い踊り場を枕に、スカートから純白の、中央に赤いリボンをあしらった下着を 乱雑にさらしながら、そのまま動かなくなった。 枕はそのすぐあとに、血でゆっくりと濡れていった。 スカートのポケットからは、彼女の携帯や財布などがこぼれ落ちたが、件の「スマホ」だけは落ちてこない。 十階での遭遇時点で『アイス・エイジ・4』によって抜け目なく消していたことは、今となってはどうでもいい。 阿須名、そして春奈は、その場に立ち尽くし、しばらく何一つ言葉を発することができなかった。 ★★★ 勝者 ★★★ No.5858 【スタンド名】 アイス・エイジ・4 【本体】 阿須名 彗(アズナ ケイ) 【能力】 対象の物体を一定時間無敵にした後、消滅させる オリスタ図鑑 No.5858 < 第16回:決勝① > 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ トーナメントとは? ] [ オリスタwiki ]