約 841,820 件
https://w.atwiki.jp/yggdrasillwar/pages/45.html
天羽奏&バーサーカー ◆7CTbqJqxkE 魔術都市ユグドラシル。 ムーンセルが此度の聖杯戦争の舞台として作りあげた架空都市。 生活の基盤を科学に代わって魔術が支えるその都市で、怪事件が起こった。 一般住宅街、特級住宅街、学術地区の三つの地域を掠める程度の小規模なものであるが、停電が発生したのだ。 ユグドラシルのインフラの比重は魔術による産物が多く、電線は存在せず魔力の伝達によって家々に灯りを点す。 そのためユグドラシルから滾々と湧き出す魔力が尽きない限りは停電などあり得ない。 そして、被害は停電だけではなかった。 停電が発生した時間に該当地域にいた住民全員になんらかの健康被害が起きていた。 その症状は軽度の者は立ち眩みから、重度の者は意識不明まで。 被害者を検査したところ、体内の魔力の瞬間的な消失が全員から確認された。 ここで問題となったのが、消失という点である。 警察は当初、魔力の伝達先を誰かが操作し、停電発生前に確認されたという魔力砲の実験に用いられたと考えていた。 しかし調べてみると魔力経路を弄った痕跡はなく、住民同様に該当地域内で経路が消失していることがわかった。 平時からやる気のない警察は、多少の調査と見回りの増員程度で今回の事件を終わらせることにした。 魔術師という人種が多く存在するこの都市で、怪奇な事件など毎日のように発生している。 ユグドラシルの警察に、たかだか停電の一つや二つに頓着するような者は存在しない。 しかし――――もしこの事件の話を専門家が耳にしていれば、顔色を青白く変えることになっていただろう。 魔力を消滅させるナニカ。生活を魔術によって支えられているこの都市において、そのチカラは間違いなく災厄を齎す。 都市機能がすべて麻痺する程度ならばまだマシな方だ。もしもそれが恵みの源である世界樹に向けられたとき――――この都市(せかい)は死ぬこととなる。 ユグドラシルの小さな地域を襲った謎のチカラ。 それは紛うことなき『世界を殺す猛毒』である。 ● 「聖杯戦争、か……」 曇りなき青い空を見上げながら、少女は独り言ちた。 神話や伝説、歴史上の英雄偉人その他もろもろのデータを再現した存在、サーヴァント。 そのサーヴァントを使役し、他のサーヴァントすべてを退け聖杯を手にするための戦い。 それが聖杯戦争。過去の魔術師たちが行ったという万能の釜の争奪戦。 どのような意図があるかは不明だが、ムーンセルはそれを再現し、そして少女――天羽奏をマスターの一人としてこの地へと招き入れていた。 「死人の願いまで叶えてくれるたぁ、お月様も随分と優しいんだな」 しかし月に招かれた少女は、既にその生を終えていた。 彼女はある聖遺物の起動実験の最中に突如出現したノイズからひとりの少女を救うために命を燃やし、歌った。 世界から消えたはずの彼女は、どういうことかユグドラシルの上で再びその意識を覚醒させたのである。 「なあ、お前はなにか叶えたいことってあるか?」 「……………………」 少女は隣に立っている少年へと語りかける。自身の使い魔(サーヴァント)である少年へ。 月に招かれた者がマスターとして本来の記憶を取り戻した時に月より授けられる、マスターを護る最強の矛にして盾――――サーヴァント。 姿こそ少女よりも年下の少年であるが、それが彼の正体であった。 「……やっぱ答えられないか」 「……………………」 少女の問いかけに、少年は口を開くことはなかった。 別に意地悪で口を閉ざしているとか、少女のことが嫌いで沈黙を貫いているわけではなく、そもそも少年は問いかけに答えることができないのだ。 少年の赤い目には狂気のみが渦巻いており、そこに理性は一欠片たりとも見ることはできない。 少年はバーサーカーのサーヴァント。 目の前にあるすべてを壊し、障害が無くなるまで止まることのない理性無き怪物のクラス。 故に少年が少女の問に答えることは不可能であり、そのことは彼女も理解していた。 「まったく……、こちとら訳がわからないまま連れてこられたっていうのに、頼れる相手がこんなんじゃどうしたらいいのかもわからねえ」 「……………………」 「いっそ本当に聖杯を手に入れてみるか?」 「……………………」 冗談めかしながら奏はバーサーカーに聖杯を手にするかどうか提案してみるが、実のところ奏自身乗気ではなかった。 といっても、願いがないわけではない。そうでなければ聖杯に招かれ参加者となることなど、そうはない。 奏にも、確かな願いはあった。 例えばすべてのノイズの駆逐。 場所、時間を問わず突如出現し、人間のみを襲って炭素の塊に変えてしまう特異災害――ノイズを世界から消滅させる。そうすれば自分と同じ経験をする者もいなくなる。 例えば自分自身の蘇生。 落命した身であるが、聖杯が本当になんでも叶えられるならば蘇ることだってできる。そしたら、またあの泣き虫で弱虫な相棒と共に一対の翼となって、歌うことができる。 若くして亡くなった奏に願いがない、なんてことがあるわけがない。 彼女にはこれから先にもすべき事、したい事が山のようにあったのだから。 だから彼女が聖杯を求めることはなにもおかしなことではない。 だけど奏は、聖杯で願いを叶えることを善しとは思わない。 なぜなら。 「やっぱ違うよな」 なぜなら、彼女は自分の信じたことを果たしてきたのだから。 「全部のノイズをこの手で倒せなかったのは悔しいし、翼とツヴァイウィングを続けられないことは嫌だ。 でも最期に思いっきり歌うことはできたし、あの子も生きることを諦めてなかったんだから、きっと助かってる。 このロスタイムが終了すれば今度こそ御陀仏なんだろうけど、なんだかんだであたしがやるべきことはやってきたんだ。 だったら、聖杯に願うことは死ぬ前のことじゃなくて、死んだ後(いま)のあたしがしたいことであるべきだ。そうだろ? バーサーカー」 「……………………」 返事をすることのない従者に、それでも奏は語りかける。 いつか相方が狂気から解放され、話し返してくれると奏は信じている。少年の人生を夢で見たから。 大半は狂気の渦の中で覗き見ることはできなかったが、自分と同じように復讐のために力をつける努力をしている姿や、助けを求める声のために無茶をやらかす姿を見た。 出会いで変わって、大人たちに支えられて、どことなく自分に似た頼りなくも強い芯を持つ少年のことを、奏は信じると決めていた。 「じゃあ、やることは簡単だな」 この街でやりたいことがあるとすれば、災害に比肩する程の脅威であるサーヴァントから人々を助けることだけ。 昨夜はやりすぎで停電を引き起こしてしまったが、それでもサーヴァントを一騎退かせることには成功した。 少年そのものもサーヴァントであり――ある意味では、この地に招かれた災厄の中でもとびきりの“猛毒”である以上、周囲への被害を考えると極力戦闘は避けていくべきだが、そうも言ってはいられない事態に直面することはこの先も多々あるだろう。 シンフォギアさえあれば、巻き込まれた人が逃げる程度の時間は稼げるだろうが、無い物ねだりをしても仕方ない。 今の自分にできる限りのことを尽くして、今の自分の願いを叶えると、奏はそう決めたのだから。 可能な限り人々を守ることが第一で、後は…… 「……だから、よろしく頼むぜ」 他にやりたいことがあるとすれば――狂気の檻に囚われ、本来の自分を見失ってしまっている相方に自分の歌を聞かせたい。そんなところだろうか。 人生最期に思いっきり歌いはしたが、如何せんオーディエンスがノイズだったということに不満がないわけでもない。 だから今度こそ最期となるこの場所で、自分の相棒として召喚に応じた少年に歌を聞いて欲しいのだ。 だったらやっぱり聖杯なんて必要ない。そんなものなくても、自分たちだけで叶えることはできる。 だからこそ。 「壊すことも殺すことも本当はやりたくないくせに、狂気になんて負けてんじゃねえ。はやく目ぇ覚ませよ、バーサーカー」 少女はただ、少年に語りかけ続ける。 【クラス】バーサーカー 【真名】トーマ・アヴェニール 【出典】魔法戦記リリカルなのは Force 【性別】男性 【属性】秩序・狂 【パラメーター】 筋力:B+ 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:A 幸運:C 宝具:C 【クラススキル】 狂化:A 大半の理性を失う代わりに全ての能力値が上昇する。 本来ならばバーサーカー適正は低かったが、歯止めが効かなくなった殺戮衝動を取り込んだことにより最高ランクの狂化を得ている。 【保有スキル】 ゼロ因子適合者:A ECウィルスに感染、適合したEC感染者の中で、ゼロ因子を起動する資質を持つ者。 この「ゼロ」の起動によりバーサーカーの肉体は大幅に強化され、高い自己再生能力と生体魔導融合による物理エネルギー生成能力を得る。 ただしその強大な力の代償にバーサーカーは通常の視覚や聴覚、触覚といった五感を喪失している。 魔力分断:A 魔力の結合を分断し、同ランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。 Aランクの魔力分断ともなると、近接戦闘においてサーヴァントを構成するエーテル結合にも作用し相手の耐久を1ランクダウンさせることも可能である。 殺戮衝動:- EC感染者に発生する殺人、破壊への激しい欲求。 狂化により理性が喪失したことで最高ランクまで高められたが、同時に狂化の一部として取り込まれ消失している。 【宝具】 『銀十字の書』 ランク:D 種別:管制宝具 レンジ:1~99 最大補足:1000人 バーサーカーの行動を取り仕切る武装端末及び独立管制ユニット。 これによりバーサーカーは狂化しながらも魔術の行使が可能となっている。 自身とバーサーカーの安全を確保することのみを至上としており、マスターはバーサーカーの現界に必要なため攻撃対象となることはないが、場合によってはマスターの命令に背き行動することもある。 また高い索敵能力と付近の物体の解析などの能力も有している。 『分断領域・界蝕零魔(ディバイドゼロ・エクリプス)』 ランク:A++ 種別:対魔術宝具 レンジ:1~40 最大補足:400人 バーサーカーの闘争本能が最高潮に達したときに発動する究極の分断。 レンジ内のあらゆる魔力要素に分断が働き、範囲内に存在する存在にダメージ判定が発生し、それがサーヴァントクラスの魔力で身体を構成している存在の場合は5ターンの間、耐久を1ランクダウンさせる。 あらゆる魔力要素に分断が働くこの宝具の真価は、範囲内に存在するサーヴァントやマスターの契約や魔力供給のパスをLUC判定によって分断する点にある。 なお、このパスの分断に関してのみ、自身も効果の対象として含まれている。 【weapon】 ディバイダー996 【人物背景】 エクリプスウィルス感染者の少年。幼少期に住んでいた村が壊滅しており、その事故現場にいた犯人と思しき二人組に復讐するためにひとりで鍛えていた。 しばらくして近くに特訓に来ていたスバル・ナカジマに拾われ、孤児院で生活を送ることになる。その後もスバルたちと交友しており、学校に通うと同時にナカジマ家の養子にならないかという提案を受ける。しかしその幸せを得ることに抵抗を感じたトーマは過去を払拭するための旅に出る。 世界各地を巡る旅の終盤、宝探しと写真撮影に向かった遺跡にて怪しげな集団を発見する。その際助けを求める声を耳にし、遺跡内の施設へ侵入する。そこで出会った少女、リリィを助けたことにより、少年はエクリプスウィルスとそれを取り巻く問題の中心人物となった。 犯罪一家に勧誘を受けることもあったが、特務六課の一員として自身と同じ病気を持つ者を保護する仕事についた。 そして―― 【サーヴァントとしての願い】 ?????????? 【基本戦術、方針、運用法】 敵意がない者に対してはマスターからの命令がない限り襲うことはしないが、敵意を持つ者には自動で攻撃をしてしまうというメリットかデメリットか判断し難い性質を持つ。 銀十字の書による索敵や魔力分断、魔力弾などにより、騎士クラス以外のサーヴァントにはほぼ有利を取ることができる。 三騎士相手では真正面から切り結ぶには技量面に不安があるが、高いパラメーターと再生能力で力押しすることも可能。接近戦で不利となる場合は対魔力を貫通するディバイド・ゼロなどで攻撃を加えていくことが望ましい。 【マスター】天羽 奏 【出典】戦姫絶唱シンフォギア 【性別】女性 【令呪の位置】左手の甲 【マスターとしての願い】 人々を守り、バーサーカーに自分の歌を聞かせたい。 【weapon】 なし 【能力・技能】 死人ゆえに膨大な量の魔力を供給することが可能。 しかし素質があるわけでもなく、無茶をすれば魂の焼失が訪れることとなる。 【人物背景】 ツインボーカルユニット「ツヴァイウィング」の1人で、シンフォギアシステム3号「ガングニール」の装者。 ノイズに家族を殺された過去を持ち、自らの手でノイズに復讐すべくシンフォギア装者となった。本来ならば適合係数が低く、ギアを纏うことは適わなかったが、適合制御薬「LiNKER」を過剰投与することによってシンフォギア適合者となる。当初は復讐の為だけに歌を歌い槍を振るっていたが、とある戦場で助けた自衛官の言葉から「自分達の歌は誰かを勇気付け、救うことが出来る」事を知り、復讐のためだけではなく、人々をノイズから護るために歌う事を決意する。 完全聖遺物「ネフシュタンの鎧」の起動実験の際、ツヴァイウィングのライブ中に出現したノイズとの戦いで重症を負った立花響を守るために絶唱を使用し命を落とす。 【方針】 聖杯戦争に巻き込まれる一般NPCをサーヴァントから守る。そしてバーサーカーの狂化が解ける方法を探す。
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/1854.html
このページはこちらに移転しました 口の中パサパサ 作詞/一(にのまえ) 1)冷蔵庫に いつものメモ 母ちゃんからの いつものメモ 今日のおやつは カステラだ 口の中の水分が 奪われていくぅ 牛乳ないのかよ なんか飲み物ないのかよ 黒酢しかないのかよ なんか飲み物ないのかよ 今日も学校から 帰って宿題終わらせて 2)冷蔵庫に いつものメモ 母ちゃんからの いつものメモ 今日のおやつは ドーナツだ 口の中の水分が 奪われていくぅ 牛乳ないのかよ なんか飲み物ないのかよ 黒酢しかないのかよ なんか飲み物ないのかよ 母ちゃん・・・いつもおやつありがとう (このページは旧wikiから転載されました)
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/394.html
暗闇の中に光が生まれた。座卓と思しきそこに数人の男女が現れる。 一団の中で上座に座る、機械式眼鏡をかけた一人の老人が口を開いた。 「デウス・エクス・マキーナはカメリア殿を主と認めた。お前の幻視通りか、ユニアよ。」 その眼鏡越しの視線の先には座卓の光に照らされていた一人の女性。 「幻視がなくとも、ここに来るところまでは予想通りでした、父上。」 彫刻家が美の結晶として彫りあげたようなその顔から、低い男の声がした 「彼女は森の国の血こそ引いているものの、ケルトリアの皇統とは縁が無かった筈だが。」 「その筈です。魔導師としては現在の帝国でも十指に入ると思いますが。」 「御霊はそちらを重視したのやも……いや、ないな。」 老人は視線を動かし、暗闇の中で光に照らされている小柄な影を見つめる。 「我が孫よ、何か聞いているか?」 そこに座っていたのは子供だった。少年とも少女とも見える美しい外見をしている。 「『彼女を主と認める。私には彼女が必要だ』とだけ。」 歳相応の声と不相応の落ち着きで子供は質問に答えた。 「ふむ……。」 「しかし。」 再び考えを巡らせる老人に別の男が無精髭を撫でつつ口を開いた。 「デウス・エクス・マキーナの覚醒と解放。教会と魔導師ギルドが黙っちゃいませんな。」 この中で唯一軍の制服を着ている男には、現状を面白がっているような表情があった。 「後者はともかく、死者への敬意より『浄財』とやらを重んじる連中などどうでもよい。」 本当にどうでもよい、という声音で老人が国内最大の宗教勢力を切り捨てる。 「我々も外の一部からは同列と見られていますよ? あるいはもっと悪いものと。」 その態度が虚勢ではない事を知っている男は、苦笑しつつ老人の言葉に応えた。 「貴族と教会と魔導師と商人が徒党を組んで葬儀商売、とでもか?」 言葉にある種の諧謔味を混ぜて老人が返す。 「先祖と死後の供養を盾に無言の脅迫、もつけましょう。」 「私達の真意を理解しない者が多いのは一門がここに居を定めてから変わらないのでしょうか?」 二人の会話を聞いていた子供の口から達観した、あるいは諦観したような言葉が悲しげに漏れた。 「ある程度に誤解されるのは仕方ないが、それが私達に害をなさないようにすべきだ。」 それを宥めるように女性が話す。低い男性の声はどうやら地声らしく、顔との落差が凄まじい。 「その通りだ。そしてこれもまた昔から我らがしてきた事なのだ、我が孫よ。」 女性の言葉を補足して、老人は子供を諭す。 「はい、お爺様。」 まだ座卓の上からは顔程度しか見えない子供は頷いた。 「ともあれ。」 今まで何を言わなかった別の者、壮年の男性が口を開いた。 小さいが人をひきつける瞳に顎鬚を生やした精悍な顔立ちをしている。 「これからはどういたしますか、父上?」 「かの御霊が認めたのだ。我らの採る道は既に決まっている。」 外した普段掛けている日よけ眼鏡を見ながら、男性が老人の決断に応える。 「レイヒルフトが喜びましょう。ならば私と父上はカメリア殿と共に帝都に戻らねばなりますまい。」 「で、あろうな。ユニア、留守と孫を預ける。」 「はい、父上。」 「いってらっしゃいませ、お爺様、伯父様、お父様。」 女性と子供が見送りの言葉を発する。 「……ところで。我が友ながら、彼の進む道は我ら一門にとって甘いとは限りませんぞ?」 男性が日よけ眼鏡を顔に戻しつつ老人に告げる 「時は移り行く。人と国は変わる。諸行は無常だ。」 その警告に老人は、どこか詩か宗教句めいた言葉を返した。 「――ならその変化に自分で関わってしまえばよい、ですか。」 「その点は今までと変わらないわけですな。」 兄弟と思しき同じような声で、男性と男はその句に答え。 「ただ死者と御霊への敬意を旨として。」 三人の言葉を引き継いで、女性が詠うように唇を動かし。 「そうだ。それを守ってきたからこそ、我々は今まで生き延びたのだから。」 そして老人が最後に論を結んだ。 「では、これにて解散とする」 老人は会合の終りを宣言。次々と光と人影が消え、彼と子供のみとなり。 「我が孫よ。」 二人きりとなった時、老人は先ほど言霊を紡ぐ様子を見守っていた子供に声を掛けた。 「はい、お爺様。」 「これから帝国も我が一門も大きな流れに身を任せることになろう。 お前のその能力はその中でかならず役割を果たす。今は自らを磨くが良い。」 「……はい、お爺様。」 そして光は消え、暗闇には誰もいなくなった。
https://w.atwiki.jp/pilgrimageomega/pages/31.html
三春家・蔵の中 謎に包まれた三春家の蔵の中になります。 こちらは正法寺の中にあります階段の一つを上から撮影したものになります。 お寺の住職様方に撮影の許可をいただき撮ったものです。 少々分かりにくいですが… コメント 何か不都合がありましたら削除してしまって結構ですのでよろしく御願いしますm(__)m うわー,ここだったのですね。思わず感動です! -- 管理者の人 (2008-07-08 00 22 03) なるほど…うまい具合に撮れてますなw -- 通りすがり (2009-08-08 15 23 14) たれ込んでもらった画像なのですが、すごいですよねー。 -- 管理者の人 (2009-08-09 21 37 38) コメント コメント
https://w.atwiki.jp/shoshosho/pages/22.html
-世の中の傾向 ここでは、私が個人的に感じる世の中の傾向についてメモします。 パーソナル化 ウェアラブル CtoC 「拡散」しやすい広告 電気自動車 FOMO パーソナル化 私は以前から、「パーソナル化」が進んでいくことを予想しています。 【過去記事】 パーソナル化の行き着く先(2013.2.9) 部屋ビジネスの可能性(パーソナル化の行き着く先)(2013.2.9) 自分を「パッケージ化」する(2013.2.10) そして、そうした傾向は「CtoC」という形でも現れているように思います。 ウェアラブル 身につけるもののデジタル化が進み、 意識せずとも日常で情報の操作が可能になっていきます。 今後リリース予定のウェアラブル サービス 【引用】(2013.7.16) 1. Google Glass | Google - Mountain View, CA 2. Telepathy One | Telepathy - Shibuya, Tokyo 3. JET | Recon Instruments - Vancouver, BC 4. Mio Alpha | Physical Enterprises Inc. - Vancouver, BC 5. FuelBand | Nike - Beaverton, OR 6. Fitbit Flex | Fitbit Inc. - San Francisco, CA 7. Heapsylon | Sensoria - Redmond, WA 8. Pancreum | Pancreum LLC - Palo Alto, CA 9. Melon | Melon - Los Angeles, CA 10. Digital Pain Relief | Thimble Bioelectronics - Mountain View, CA http //www.fashionsnap.com/the-posts/2013-07-15/wearable-10/ Wearable Technologies Conference 2006年から開催されている。 http //www.wearable-technologies.com/conferences/ こういうのもウェアラブルの関連? 「目に見えない」自転車用ヘルメット:スウェーデンの女子大生が発明(8/5) http //wired.jp/2013/08/06/invisible-bicycle-helmet/?utm_source%3Dfeed%26utm_medium%3D これからは装着する時代 注目のウェアラブルデバイス10選 |(7/16) http //www.fashionsnap.com/the-posts/2013-07-15/wearable-10/ 想像を遥かに凌駕するスマートウォッチ『Smile』がついにプロトタイプ完成 | IDEA★HACK(7/13) http //arduino-japan.com/article/559 CtoC CtoC -Amazon、楽天は「時代遅れ」になるか(7/17) http //president.jp/articles/-/9967 「拡散」しやすい広告 Web上のページに「twitter」や「facebook」ボタンがつくようになってからは久しいですが、 今後の広告(特にSNSクチコミ)の傾向として、「拡散」しやすい特徴を持ったコンテンツが 有力視されていくように思います。 例えば6秒動画の「Vine」です。 【引用】2013.8.17 6秒間のループする動画を簡単に作成、投稿できるのが特徴で、Twitterとの親和性も高い。近藤氏は「Twitterはツイートは140文字という文字数の中で凝縮された情報を出していくプラットフォーム。Vineは6秒という非常に限られた映像を共有する」と語り、TwitterとVineの類似性を解説。ユーザーはもちろん、企業に使われるプラットフォームになりつつあることもつけ加えられ、海外での事例として、DoveやGEといった企業の活用事例が紹介された。Vineは当初、「アメリカでは高校生の間で爆発的に広がった」。その後、大学生、社会人、企業に浸透し、日本での本格展開もにらんでいる。 http //internet.watch.impress.co.jp/docs/event/20130508_598567.html なお、日本でも6秒ムービーを簡単に編集できる「ともらっち」というサービスがあるらしいです。 動画は個人情報を含む事が多いため、公開型ではなく限定公開型のようです。 【引用】2013.8.15 動画が無断で使用される可能性もある公開投稿型ではなく、身近な友人や家族など親しい人とプライベート映像を楽しむことを想定している。アプリで撮影した動画はそれぞれにURLが発行される。 http //techable.jp/archives/7329 電気自動車 もし私が車を買うなら、絶対電気自動車ですね。 以前青山で見学した時に、エンジン音がほとんどなくて すごくクールでした。 今後の動きに期待ですね。 超小型電気自動車「i-ROAD」(2013.3.5) http //www.asahi.com/business/update/0305/NGY201303040041.html?tr=pc FOMO 【引用】2013.8.29 ※FOMO:「Fear of Missing Out」の頭文字。楽しい何かを見逃したり取り残されたりすることへの不安、転じて常にSNSをチェックするような状態も表す。 楽しい事を逃すのではないかという不安症候群は、JWTの調査によると、実際に70%もの成人が感じているのだそうです。 これまでにも不安に苛まれたことはいつの時代にもあったはず。ちょっと子供の頃を思い出してみてください。他の子たちが何かをしている時、ご両親があなたにそれをやらせてくれなかったとしたらどんな気分だったでしょう? 大人になった今でも、ひとつの道を選んだそばから他の道が気になることだってあるものです。「姉のように大学院まで行っておけば」とか「会社を辞めて主夫になった同僚の方が自分より幸せな気がするな」とか。 FOMOは「他人の不幸を喜ぶ気持ちの裏返し(他人が好運を得たのを見ることで味わう心の痛み)」と、たとえ手に入れるのが難しそうに思えても「すべてがうまくいくことを望む飽くなき欲求」という2つの感情が絡み合っています。その状態では、人は取り乱し、不幸を感じ、結局望むような幸せに到達しないのです。 http //www.lifehacker.jp/sp/2013/08/130828fear-of-missing-out.html ページ内TOPへ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/54.html
「超人ロック」のロック 注)作者本人の意向で、小ネタへ移動となりました。 鏡の中の使い魔1 鏡の中の使い魔2
https://w.atwiki.jp/daemon/pages/17.html
色箱(赤、黄、緑)と魔力の込められたカード帖の中身について 「古い赤色の箱」、「古い緑色の箱」、「古い黄色の箱」、「魔力が込められたカード帖」の中身は下記。 左にある数値はその種類の箱やカード帖の中での出る確率と思われる。 恐らく左にある数値を全て足したものを分母とし、目的のアイテムの数値を分子としたものがそのアイテムの出る確率。 古い黄色の箱(確率=左の数値/9916) 1000 オシリス人形 1000 バフォメット人形 2000 サル人形 2000 タヌキ人形 2000 バッタ人形 1800 チョンチョン人形 100 古い黄色の箱 5 サングラス(S) 5 グラス(S) 5 GvGコイン 1 ロードカホの角 魔力が込められたカード帖(確率=左の数値/7910) 2500 魔力が込められたカード帖 1000 オシリスカード 100 オーラバフォメットカード 100 オーラドッペルゲンガーカード 100 オーラミストレスカード 100 オーラ黄金蟲カード 100 オーラオークヒーローカード 100 オーラドレイクカード 100 オーラマヤーカード 100 オーラエドガカード 100 オーラ月夜花カード 100 オーラファラオカード 100 オーラフリオニカード 100 オーラオークロードカード 100 オーラストームナイトカード 100 オーラハティーカード 100 オーラダークロードカード 100 オーラタートルジェネラルカード 100 オーラロードオブデスカード 100 オーラドラキュラカード 100 オーライベントバフォメットカード 100 オーラ黒蛇王カード 100 オーラ怨霊武士カード 100 オーラポリンカード 100 オーラアモンラーカード 100 オーラタオグンカカード 100 オーラRSX-0806カード 100 オーラペクソジンカード 100 オーラセシル=ディモン(MVP)カード 100 オーラカトリーヌ=ケイロン(MVP)カード 100 オーライグニゼム=セニア(MVP)カード 100 オーラヴェスパーカード 100 オーラレディータニーカード 100 オーラ魔剣士タナトスの思念体カード 100 オーラデータルザウルスカード 100 オーラキエル-D-01カード 100 オーラランドグリスカード 100 オーラグルームアンダーナイトカード 100 オーラクトルラナックスカード 100 オーラアトロスカード 100 オーライフリートカード 100 オーラ堕ちた大神官ヒバムカード 100 オーラヴェルゼブブカード 100 オーラゴピニクカード 100 オーラクブリンカード 25 オーラオシリスカード 25 GvGコイン 10 オーラセイレン=ウィンザー(MVP)カード 10 オーラエレメス=ガイル(MVP)カード 10 オーラハワード=アルトアイゼン(MVP)カード 10 オーラマーガレッタ=ソリン(MVP)カード 1 オーラ魔王モロクカード 1 オーラニーズヘッグの影カード 1 オーラボイタタカード 1 オーラ女王スカラバカード 1 オーラバロールカード 1 オーラ死眼手カード 1 オーラロボッツカード 1 オーラダークファミリアカード 1 オーララハルカード 1 オーラマーメイドカード 1 オーラ月光仙女カード 1 オーラネフティスカード 1 オーラオブサカード 1 オーラピアメットカード 1 オーラサンタガールカード 1 オーラシーサーペントカード 1 オーラシャインカード 1 オーラ奏でる者カード 1 オーラサルトカード 1 オーラ黄龍カード 古い赤色の箱(確率=左の数値/5055) 400 古い赤色の箱 50 シザーズソード 50 エクスキャリバー 50 テイルフィング 50 ジュエルソード 50 ガイアソード 50 刺身包丁 50 ホーリーアヴェンジャー 50 フランベルジェ 50 ツヴァイハンダー 50 クレイモア 50 シュバイチェルサーベル 50 エクスキューショナー 50 ドラゴンスレイヤー 50 テグリョン 50 バイオレットフィアー 50 グロリアスクレイモア 50 ウィーダーナイフ 50 ゼニーナイフ 50 プリンセスナイフ 50 ホーリーダガー 50 裏切り者 50 冷たい氷柱のカタール 50 尖っているいばらのカタール 50 爆炎のカタール 50 疾風のカタール 50 グロリアスブラッディロア 50 グロリアスジャマダハル 50 クリーヴァー 50 オーキッシュアックス 50 グロリアスクリーヴァー 50 スローター 50 グロリアスツーハンドアックス 50 テュングレティー 50 グングニール 50 グロリアススピア 50 トライデント 50 ビルギザルム 50 妖怪の槍 50 ゲイボルグ 50 ゼピュロス 50 グロリアスランス 50 スラッシュ 50 スタナー 50 スパイク 50 ゴールデンメイス 50 グランドクロス 50 グロリアスモーニングスター 50 荒れ狂う波の書 50 裂けた大地の書 50 燃える太陽の書 50 乾いてる風の書 50 グロリアスタブレット 50 グロリアス黙示録 50 サバイバルロッド(DEX) 50 サバイバルロッド(INT) 50 グロリアスアークワンド 50 グロリアス治癒の杖 50 盗賊の弓 50 吟遊詩人の弓 50 ハンターボウ 50 バリスタ 50 グロリアスハンターボウ 50 ナックルダスター 50 フィスト 50 カイザーナックル 50 ベルセルク 50 グロリアスクロー 50 グロリアスフィスト 50 エレキギター 50 琵琶 50 グロリアスギター 50 ライン 50 ワイヤー 50 テイル 50 ラプチャーローズ 50 グロリアスラリエット 50 グロリアスウィザードスタッフ 50 ポイズンナイフ 50 ソードブレイカー 50 メイルブレイカー 50 グロリアスダマスカス 50 ラクマ 50 グロリアスハンドガン 50 インフェルノ 50 グロリアスライフル 50 グロリアスガトリングガン 50 グロリアスショットガン 50 グロリアスグレネードガン 50 グロリアス風魔手裏剣 50 グロリアスフランベルジェ 50 グロリアスレイピア 50 グロリアスホーリーアヴェンジャー 50 フリストの剣 5 GvGコイン 古い緑色の箱(確率=左の数値/2945) 400 古い緑色の箱 50 メモライズブック 50 神の使者 50 トイシールド 50 シャピニハ海の叫び 50 エベシ嵐のうねり 50 クレイトス大地の裂け目 50 恩寵の法衣 50 天使のドレス 50 忍者スーツ 50 グロリアススーツ 50 グロリアス量産型スーツ 50 グロリアス普及用スーツ 50 ウサギスリッパ 50 ハイヒール 50 黒革のブーツ 50 グロリアスシューズ 50 グロリアス量産型シューズ 50 グロリアス普及用シューズ 50 トレーニングシューズ 50 スケルトンマント 50 ランニングシャツ 50 昔の領主のマント 50 グロリアスマフラー 50 彷徨う者の羽織 40 ネックレス[1] 50 アニバーサリーリング 50 カプラリング 50 おしゃれヒップバッグ 50 月光の指輪 50 命中のガントレット 50 スカーフベルト 50 退魔の指輪 50 名射手のグローブ 50 骸骨の指輪 50 コンチネンタルガードの印章 50 ルーン文字の呪文石 50 死のブローチ 50 ボディーピアス 50 アンクレット 50 グロリアスリング 50 グロリアス量産型リング 50 グロリアス普及用リング 50 シャーマンリング 50 シャーマンイヤリング 50 ダークナイトベルト 50 ダークナイトグローブ 50 アウドムラの恩恵 50 知恵の王の指輪 50 クイールペンリング 50 スプリントメイル 50 RWC2009ネックレス 5 GvGコイン
https://w.atwiki.jp/hyourirowa/pages/93.html
6つの瞳は、ただ真っすぐに渦巻の中心を見つめていた。 何も言わずに青白く光り、ぐるぐると回り続けているそれを見つけてから、数分ほど経過した。 カイン・ハイウインドは考察する。 彼の考え方は、シンプルな場合分けに基づいた思考方法だ。 敵勢力は参加者同士の殺し合いを望んでいる以上は、この渦を踏むことが即死につながるとは考え難い。 逆に会場内に即死のギミックがあるとしたら、これまで動いた場所でそこかしこに罠が置いてあるはずだ。 この渦がデビルロードにあるワープゾーンだったと仮定した場合、どこへ飛ばされるかと言うことだ。 1. この会場の外に出られる 2. 最初に集められたあの広間に出ることになる 3. この会場のどこかに移動する 4. この塔のどこかに移動する 1ならばこれが早い段階で見つかったことは、この上ないアドバンテージだ。 勿論主催者の脅威は消えていないし、首輪という邪魔者も残っているが、外側で準備を整え、再度元の場所に戻るという手もある。 また、この殺し合いに参加させられていないリディアやシド、フースーヤ辺りに協力を求めることも出来る。 最もこれが一方通行で、戻るのに難儀するという可能性も十分あるが、使わないという手はない。 2ならばそれは最悪だ。 転移した先に主催者がいるのはほぼ確定事項だし、良くて元の会場に戻され、最悪の場合逃走を目論んだペナルティとして、その場で殺される。 即死のギミックで無かったとしても、自分達の状況が悪い方向に傾くことは間違いないと考えていい。 3ならば1には遠く及ばないが、中々のアドバンテージだ。 この渦が一方通行か否かは分からないが、広い会場を行き来するのに非常に役に立つ。 当然、自分の目的の1つとしているセシルやほかの仲間の捜索にも使えるだろう。 4ならば危険ではないが、期待外れもいいところだ。 塔のどこかに転移されても、精々その場所までに行く体力と時間の節約ぐらいにしかならない。 安全と言うにしろ、危険と言うにしろ、結論付けるには余りにも情報が足らなさすぎる。 今一番やるべきことは、「この塔について知っている者を探す」ことだ。 この殺し合いの会場は、バロン城があるように、理由こそは分からないが参加者の世界のゆかりの地がある。 ミキタカの話によると「杜王駅」という場所は彼の町にある駅らしいので、この塔とゆかりの深い参加者もいる可能性はそう低くない。 この渦は元々塔にあったのか、あったとするならどのような目的で使われていたか、そういった情報を根掘り葉掘り聞いてから、この渦に入っても遅くはない。 ヌ・ミキタカゾ・ンシは考察する 彼の場合は、この渦に対する興味を基盤にした思考だ。 この渦の形は、どこかで見たことがあると思ったら、ワープ装置を使った時に宇宙空間上に現れるワームホールと似ている。 何万光年も離れた地球に来れたのも、宇宙船に搭載されたワープ装置の賜物だ。 従って、この光を放っているものが同じように、どこかへ飛ばされるものだと容易に推測できた。 しかし、これはワームホールとは決定的に違う点がある。 それは何もない空間上に現れるそれとは異なり、床に設置されているということだ。 この渦は床を吸い込まず、それでいて人を吸い込むのだとしたら、それは自分達の星の技術を集結させても出来ない大発明だ。 カイン曰く敵はスタンドとは異なる「魔法」を用いているとのことだが、この際どんな技術でも良いので、この渦が作られる過程を見たくなる。 それを知るには、まずは入ってこの力をみなければならない。 きっとカインもスクィーラも反対するはずだが、それを押し切ってでも調べてみたい。 スクィーラは考察する。 彼の場合は、「いかにしてこの渦に入らないか」という算段建てだ。 大方どこかへ移動できるらしい渦を目の前にして、他の2人が何を考えているのかは察しが付く。 恐らくは、脱出の可能性があるのではないか、もしそうでなかった場合のリスクはいかほどのものかなどを考えているはず。 しかし、自分にとって「生還」「脱出」という言葉はない。 戻れた所で、元の世界で敗れた自分に残っている時間は、ただ苦しめられるためだけにある。 よしんばこの姿で戻れたとしても、秘密兵器である悪鬼もおらず、部下のほとんどは殺されている以上は、ただ人間達に逆転の余地もなく追い回されるだけの余生を送ることになる。 もしかするとカインかミキタカの世界に行けるかもしれないが、そこでも力を持った人間が統治権を握っているようだし、そこで醜い姿をした自分が高い立場に立つのは難しそうだ。 自分に残されている道とは「優勝して、バケネズミの帝国を作るように願いをかなえてもらえる」という事しかないのだ。 従って、「生還」の必要がない自分にとって、この渦はシンプルにデメリットとなる可能性が極めて高い。 仮にこのどこかへ行けるという渦が、殺し合いに優勝することを考えている者に有利になるように作られていたのだとしても、試しに入るにはリスクが高すぎる。 よく言えば人当たりが良く、悪く言えば警戒心の無いミキタカの尽力もあって、比較的口数の多かったこの3人は、一気に静かになってしまった。 「あの……差し出がましいようで非常に申し訳ありませんが……。」 長い、とは言っても2分もないのだが、非常に長く感じた沈黙を破ったのはスクィーラだった。 「この渦に入るのは、危険ではないでしょうか?そう思いませんか?」 「ああ。俺も同感だ。何より情報が少なすぎる。」 2人が渦に入ることを反対し、これにて渦はひとまず放置されて終わりかと思ったら、そういう訳にもいかなかった。 「ならば、私が入ってみましょう。」 「ミキタカ……あんたは人の話を聞いていたのか?」 興味本位で危険な道へ行こうとするミキタカに対し、流石のカインも呆れざるを得なかった。 「あなた方には被害はありません。それでいいじゃないですか。」 「アンタだけが汚れ仕事を引き受ければいいって訳じゃない。残った俺たちはどうする。 その先が良い場所か悪い場所かは、戻ってこなければ分からない。」 ここへ一人だけで飛び込んでも、状況が好転する保証はない。 そしてこの渦が一方通行という可能性はある以上、帰ってこれない可能性も考慮しなければならない。 結果がどちらに転んだにせよ情報が伝わらなければ意味が無い。 「勿論、私も無策で飛び込むわけではありません。」 ミキタカは塔を上った時の様に、下半身をひらひらとした布状に変化させる。 「カインさんはあそこの柱に、私の下半身を結び付けてください。」 「考えたな。命綱という訳か。だが、これでいいのか?」 「私は構わないと言ったはずです。」 カインが彼の下半身を結び終わると、すぐに渦に飛び込む 「「!!」」 渦から出る光が一層強くなり、カインは目を眩ませる。 暗い場所を良しとするバケネズミのスクィーラは、猶更だった。 「こ、これは!?」 どうなっているのか2人には伝わらなかったが、ミキタカは驚嘆の声を上げた。 しかし、問題はすぐに起こる。 ミキタカの下半身を結び付けた柱が、ボコリと音を立てて崩れた。 古い建物の柱だからか、はたまた渦の力が強いのかは不明だが、2人はまずいことになったと瞬時に気付く。 そのまま上半身のみならず、下半身までも渦に吸い込まれていく。 「ミキタカ!!スクィーラ、お前も手伝え!!」 慌ててカインはミキタカの下半身を掴む。 渦に飛び込むことは最初から反対していたスクィーラも場の圧力に同調して、掴まざるを得なかった。 しかし、常識的に考えて人間の数十倍はある重さの柱が重石として役に立たない状況で、人間やバケネズミが重石として役に立つわけがない。 そのまま3人共吸い込まれていく。 渦に飲まれてから、見えるのは3つの色だけ。 周囲を覆いつくす白。 進行方向でぐるぐると光を飛ばしながら回り続ける青。 青の中心にある黒。 「「「うわあああああああああああああ!!!」」」 そこに響くのは3重の悲鳴。 目がちかちかする上に、自分が立っているのか倒れているのか分からないほど平衡感覚が覚束ない。 3人共同じような状況になっていた。 兎に角カインは二人の手を必死で掴んでいた。 こんな場所で手など離したら最後、永遠に会えなくなるような気がしたからだ。 別にこの二人に好意などあるわけではないが、それはさておきこのような場所で別れてしまったら、寝覚めが悪いのは良く分かっていた。 しかし、それが不幸に繋がった。 まだミキタカの下半身はカーテンのレースのようになっている。 その様になっている相手が、空間が回っている中ですぐ近くにいればどうなるか、幼き頃にカーテンに入ってぐるぐる回る悪戯をした者なら容易に分かるだろう。 予想に違わず、カインもスクィーラも、スパゲッティーを食べる時のフォークの様になる。 藻掻こうにも、重力がどっちの方向に向いているのかさえ分からない状況では、余計事態が悪くなる一方だ。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 「………ここ………は?」 一番先にカインが目を覚ます。 片手は冷たいレンガに触れていた。 まずは自分に絡まっているこれをどうにかすべきだと考えて、辺りをそっちのけてミキタカの下半身を解く。 「カインさん、スクィーラさん、巻き込んでしまい、申し訳ありません。」 丁度全てが解き終わる頃にミキタカも目を覚まし、下半身の姿を戻しながら謝罪する。 「カインさん?」 返事が無いのを案じ、もう一度声をかける。 「何だ……これは……。」 カインの返事は、ミキタカに対して返ってこなかった。 最初の場所とは違う広い部屋にあったのは、大量の石像。 1つ1つが不気味なまでに、人とそっくりだった。 全て男の石像だが、ほとんどが戦士か船乗りのような力仕事をやっていることが分かる屈強な姿をしている。 しかし全員、何か恐ろしいものでも見たかのように、恐怖に満ちた表情を浮かべている。 それが逆に恐ろしさを伝えてきた。 「これは……一体……どういう?」 この部屋の持ち主が、石像を集める趣味を持っているだけとは到底思えず、仮面越しの表情はここにある石像の様に恐怖で引き攣る。 「神様。」 背後から声をかけたのは、スクィーラだった。 相変わらず得体のしれない存在だが、その声や姿さえも愛おしく感じるぐらいには、この空間は未知なる恐怖で包まれていた。 黒いレンガに覆われたこの部屋が妙に明るいと思ったが、そこで初めて、そのタネがつかめた。 しかし、そのタネが掴めた時、カインは先ほどの石像が可愛らしく思えるほど、悍ましい存在を知ってしまった。 石像から背けた視線の先にあるのは、赤赤と光を放っている、大量の蝋燭。 その数は百なのか、千なのか、とにかく数えようのないほど多くの数があった。 問題は蝋燭ではない。 その先にあった2つの物体だ。 蝋燭が置いていない所に、道が作られており、その終点に2つの異物が置いてある。 片方が黒い色の巨大な棺。 そしてもう片方が、人が簡単に入ってしまいそうな、赤やオレンジなど明るい色で覆われた直方体の巨大な箱。 「何だ……あれは。」 片方の棺からは、凄まじく禍々しいものが伝わってきたが、むしろ恐怖を感じたのは、隣の箱の方。 そこから感じたのは何なのか分からない反面、数段恐怖を感じた。 「電話ボックス……?」 ミキタカが呟く。 「何だそれは?」 カインはそれを尋ねる。 勿論声を殺して。 いつこの部屋に誰が入ってくるのかは分からないし、それが主催者であるという可能性も十分にある。 「遠くにいる人と話をするためのものです。しかしなぜこんな所にあるのでしょう。」 ミキタカは不用意に近づこうとする。 それを慌てて羽交い絞めにして止めるカイン。 ミキタカの言うことは最もだったが、まずいのはこれだけでは無かった。 「オロロ〜ン……」 近くにあった扉の方向から、うめき声とも鳴き声とも解釈できる奇怪な声が聞こえてきた。 続いて聞こえて来るのは、カツン、カツンと階段を下りる音。 「もうすぐ……送か。既に10人以上…牲が出て……とは、予想以上だな。」 「!!」 そしてもう一つ声が聞こえて来る。 それは主催による声。 2人組のうち、気味の悪い仮面をつけた黒服の男のものだった。 階段を下りる足音に消されて、上手く聞き取れなかったが、この殺し合いで10人以上犠牲が出た、と言うことで三人の心臓は高鳴った。 「メ………サ。しっかり……むぞ。」 「お〜ま〜か〜せ〜を〜。」 しかし、そうこうしているうちに階段を下りる音はどんどん大きくなる。 即ち、この部屋に近づいているということだ。 あえて奇襲をかけるという手もあるが、それが成功する確率はあまりにも低い。 今の所首輪を付けられているままである以上、攻撃する前に爆破される可能性も十二分にあるし、まだ他の罠を持っているかもしれない。 「カインさん。」 小声でミキタカが指をさした先には、石像の間に紛れて、小さな渦があった。 山奥の塔で見かけた渦、この場所に来たものと同じだ。 我先にと、最初は一番飛び込むのに躊躇っていたスクィーラは、今度は何のためらいもなく飛び込む。 この渦は元の会場に戻るのか、はたまた別の場所に飛ばされるかは分からないが、それでも先程と違い、入らざるを得なかった。 再び、あの青白黒のみで構成された空間の中を、流されていく。 今度はミキタカの下半身は人間のものだったから、最初の時の様に絡まるということはなかった。 しかし、カインとミキタカの心象は穏やかでは無かった。 あそこで見た物は何なのか。 実はこの殺し合いは氷山の一角でしかなく、その裏では何か予想もつかぬことが為されようとしているのか。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ そうこう考えているうちに、次第に目に映る色が多様性を増してくる。 幸か不幸か、その場所は渦に入る前とほとんど変わらない、山奥の塔の1階。 いや、幸か不幸かというのは間違いかもしれない。 彼等にとっての不幸は2つあったからだ。 1つは、出てからすぐに渦巻きが消えたこと。 「どうにか無事に戻ってこれましたね……カインさん、危険な目に遭わせて申し訳ありません。」 「いや、謝罪は無事に帰ってから……スクィーラは!?」 もう1つは、スクィーラが姿を消したことだ。 元々何を考えているのか分からない相手だったが、いざいなくなると何をしでかすか分からない。 「足跡が続いているようです、何があったか不安です。追いかけましょう。」 カインはもちろん、彼ほどスクィーラを疑っている訳ではないミキタカもまた、気になりだして追いかける。 その足跡を追いかけ、1階の端、塔の廊下を走っていた時のことだった。 「うわあああ!!」 「ミキタカ!走れ!!」 急に柱が二人に倒れこんでいた。 パーティーの中でもエッジに次いで瞬発力に長けていたカインがミキタカを引っ張ったことで、事なきを得る。 「やられたな。」 柱が倒れたことによる二次災害が起こらないか、辺りを見回した後にカインはこう呟いた。 仮面を被っていてもその表情は、仲間を助けたものとはとても思えないほど浮かないものだった。 「足跡が無くなっている。大方奴は先に戻ってから、俺たちを嵌めるつもりだったんだ。」 「トラックバック……でしょうか。」 ミキタカは経験したことは無いが、彼の友達である東方仗助から聞いたことだった。 ネズミのような小動物が敢えて足跡を付けることで、それを追いかけた獲物を狙った場所におびき寄せるという戦法ということだ。 「奴は……逃げやがった。」 カインはそう力なく呟いた。 恐らく、相当な奇跡でも起こらない限り、スクィーラはもう見つからない。 そして、万が一追い付き、自分達を嵌めようとしたことを糾弾しても、きっと「それは運が悪かっただけだ」とぼけられってしまう。 朝日が差し込む塔の中を、力なく2人は立ち尽くしていた。 【C-1/山奥の塔/1階 早朝】 【カイン@Final Fantasy IV】 [状態]:健康 服の背面側に裂け目 不安 [装備]:ホーリーランス@DQ7 ミスリルヘルム@DQ7 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:憎まれ役を演じ、対主催勢力を繋げる。 1.セシル、お前はどうしている? 2.あの渦の中で見た物は? 3.スクィーラ…… ※参戦時期はクリア後です 【ヌ・ミキタカゾ・ンシ@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康 不安 [装備]:なし [道具]:基本支給品 魔導士の杖@DQ7 バッジ?@ペーパーマリオRPG 紫のクスリ@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス [思考・状況] 基本行動方針:カインに協力する 1.自分のせいで起こってしまったことへの申し訳なさ ※参戦時期は少なくとも鋼田一豊大を倒した後です。 既に壁の隙間から脱出し、塔から大分離れたスクィーラは、説明書を読んでいた。 「なるほど。そういうことだったのか。」 先程、蝋燭と石像で満ちていた謎の部屋で、スクィーラは一瞬のスキを使ってあることを行っていた。 それは、ニトロハニーシロップの説明書の隠された文字を、部屋の蝋燭で炙り出すことだ。 『ニトロハニーシロップ 普通に飲めば人の怪我を立ちどころに全回復してしまう素晴らしい薬ですが 貝殻などから取れるカルシウムと 「金(きん)」を混ぜ合わせてしばらくすると 電 車 を 吹 き 飛 ば し て し ま う ほ ど の 爆 発 を起こします』 ただでさえ醜悪に見えるバケネズミ特有の表情が、さらに歪む。 これからの方針は定まった。 まずはカルシウムと、金をどこかで調達すること。 そして、上手く対主催の勢力に匿ってもらうことだ。 自分を守ってくれるという点にのみ注目すれば、カイン達は有用な存在ではあったが、警戒心が強すぎたので、逃げ出すことにした。 「さて……次は誰に遭えるか……。」 塔から抜け出し、スクィーラは何処とも分からぬ方向へ走っていった。 【C-1/山奥の塔から離れた場所】 【スクィーラ@新世界より】 [状態]:健康 [装備]:毒針セット(17/20) @無能なナナ [道具]:基本支給品、ニトロハニーシロップ@ペーパーマリオRPG 指輪? [思考・状況] 基本行動方針:人間に奉仕し、その裏で参加者を殺す。 1:カイン・ミキタカからは逃走。新たに匿ってもらえる対主催勢力を探る 2 ニトロハニーシロップで爆弾を作る。その為にカルシウムと金を調達する。 3:朝比奈覚、奇狼丸は危険人物として吹聴する 4:優勝し、バケネズミの王国を作るように、願いをかなえてもらう Back← 051 →Next 050 闇よりも 時系列順 052 第一回放送 投下順 034 うずまき スクィーラ 055 解答まであと一歩 カイン・ハイウインド 059 死刑執行中脱獄進行中(前編) ヌ・ミキタカゾ・ンシ 059 死刑執行中脱獄進行中(前編)
https://w.atwiki.jp/midnightanirowa/pages/50.html
闇の中の少年 ◆RwUmY1K.wU 真壁一騎は竜宮島にすむ14歳の少年だ。 少しぼんやりしているところがあるものの、父子家庭という境遇にもめげずそれなりに正直に育ってきた。 決して人付き合いが得意なタイプではないが、幼い頃からの友人もいて孤独を感じることはさほどなかった。 彼の日常は、フェストゥムの襲来によって幕を閉じた。 人型兵器ファフナーに乗って戦うことを宿命付けられ、親友である皆城総士とともに島を守るために一騎は戦っていた。 そんな中、一騎は仲間を失った。 島を守るために命を落とした羽佐間翔子と、翔子を守れなかった怒りを一騎らにぶつけ同化されていった春日井甲洋、この二人を。 甲洋は正確に言えば生きてはいる。だが、死んでいないだけだ。 現時点では目を覚ます可能性は限りなく低い。 ファフナーに乗り、敗北した者の末路だ。 だが、本当に一騎を打ちのめしたのはそれではなかった。 ――――ファフナーと俺たち……お前にとって、どっちが大切なんだ? ――――ファフナーだ 。 親友は、皆城総士はそう言った。 ずっと一緒に生きてきた仲間ではなく、戦うための機械であるファフナーの方が大事だと。 そのとき、一騎の中で何かが切れた。 疑いながらも目を背けてきた、この世界の本当の姿。 島を守ることが何よりも、仲間の命よりも優先するという総士の言葉。 何が彼をそこまで変えたのか。 楽園の外では一体何が起こっているのか。 それを知るために、一騎は島を出たのだった。 だが、一騎が今いる場所はファフナーの操縦席ではなかった。 アルヴィスでの上官である狩谷と竜宮島を出て本土に向かう途中、目についた廃墟で野営をしていたはずだった。 といってもいつフェストゥムが出るかわからない世界だ。ファフナーの中で眠りについたはず、それなのに。 「殺し合い……だって? 何なんだよ、これ……」 一騎がいる場所は、見覚えのない病院の前だ。 四人の人間が殺されたときは夢でも見ているのかと思っていた。 一瞬で景色が切り替わり、暗い夜道へと放り出されたのは数十分前。 一騎はとりあえず屋内に入ろうと目についた建造物に寄ってきていた。 自負しているわけではないが、一騎の運動能力は島内でもおそらく最高レベルだろう。 走る・跳ぶ・打つ・投げる・泳ぐ、およそ体を動かすあらゆる分野において一騎はオリンピックを狙える逸材である。 ここに来るまで十分以上も全速力で走り続けてきたのに少しも息切れしていない。 病院の中に入り、外から見えないように奥の個室に入り、鍵を閉めて明かりをつけた。 とりあえず外界と隔離されたことでようやく一騎は人心地ついた。 「っと、そうだ。名簿があるとか言ってたな」 ソファに座り、一騎はデイバッグの中を改めた。 取り出したのは名簿など記載されたルールブック、食料、水、コンパスなど数日サバイバル生活をする最低限の装備と、 「……何だこれ。け、剣?」 どう考えてもバッグの中には納まらないであろう長さの、立派な拵えの剣が一騎の手によって引き出された。 ファフナーの装備する剣とは違う。 どこかの美術館に飾られているのが自然であると思わせる、華美な装飾。 作り物かと思うにはずっしりと重く、刃に指を這わせてみると薄く血が滲む。 包丁やカッターナイフなどとは一線を画する、人を切るための本物の剣だ。 ごくりと唾を鳴らして一騎は剣をバッグに戻そうとした。 だがふと思いとどまる。 「もし、誰かに襲われたら……戦わなくちゃ、いけないんだよな」 ファフナーに乗ってフェストゥムと戦うのとは訳が違う。 人と人との殺し合いなのだ。 人の命を奪い合う戦いなのだ。 一騎は剣を戻す手を止めた。しかしそれを剣を抜く覚悟ができたわけではない。 今はいつでも最適な助言をくれる総士はいない。自分の身は自分で守らなければならない。 だからと自分に言い訳をして、一騎は刀をそばに置いた。 次にルールブックをぺらぺらと確認していく。 放送、禁止エリア……基本的な事項を確認し終え、名簿を開いたとき、一騎の手が止まった。 「……羽佐間翔子? それに……春日井甲洋だって?」 名簿には知っている名前が固めて記載されていた。 真壁一騎 皆城総士 遠見真矢 羽佐間翔子 カノン・メンフィス 春日井甲洋 近藤剣司 小楯衛 要咲良 この内自分を除けば7人、一騎の知り合いがいる。 カノンという名前は知らない。島にそんな名前の人はいなかった。 だが今一騎の頭を占めているのはそのカノン何某でも島に残っているはずの総士や剣司、咲良のことでもない。 羽佐間翔子、春日井甲洋 。 文字にしてたった十文字。 この二つの文字列が、激しく一騎を動揺させていた。 「甲洋、回復したのか? それにしてもまだ動ける状態じゃないはず……い、いやそうじゃない! なんで、なんで……!」 震える指でなぞる。 羽佐間翔子、の文字を。 いなくなったはずの友達――ファフナー・マークゼクスごと竜宮島の空に散った、儚い少女の名を。 「なんで翔子の名前が載ってるんだ……?」 あのとき戦えたのは一騎だけだった。 そして一騎は間に合わなかった。 翔子は無理を押してファフナーに乗り込み、島を襲ったフェストゥムを引き連れフェンリルを起動――自爆し果てたはずなのだ。 島の墓地には翔子の墓がある。 だがその下には彼女の痕跡は何一つ埋まっていない。 ファフナーが消滅するほどの規模の爆発だったのだ。 遺体が残るはずもない。 ルールブックを取り落とした。 拍子でページがめくれる。 ふと視線を落とした先に、一騎は瞠目した。 「死者の蘇生?」 優勝したものに与えられる報酬には、死者の蘇生を含むと書かれていた。 皆城総士なら鼻で笑っただろう。死人が生き返るはずがない、と。 彼が今この場にいれば、一騎と同じかそれ以上に取り乱していたか――否。 何せ総士は翔子が逝った瞬間、クロッシングで意識を繋いでいた。 つまり誰よりも確実に翔子の死亡を知っているのが総士だ。 彼ならば間違いなくその「羽佐間翔子」は偽者であると断定しただろう。 だが、ここにいるのは真壁一騎だ。 論理よりも感情を優先する、まだ幼い子供なのだ。 「あいつらが羽佐間を生き返らせたっていうのか?」 だから、信じてしまう。 羽佐間翔子がここにいる。 手の届く場所で生きているのだと。 「……!」 荷物を乱雑にデイバッグに詰め直し、刀を握り締めて一騎は立ち上がった。 翔子が生きているのなら、今度こそ守ってみせる。 そうだ、総士も探さないと。 俺は戦うことしかできないけど、あいつならきっとこの島から逃げる方法だって考え付くはずだ。 遠見、剣司、咲良、衛。お前らもこんなところで死んじゃ駄目なんだ! 甲洋、元気になったのかな。でもあいつは翔子を探すために無茶するかもしれない。早く見つけないと。 みんなを生きて島に帰らせるんだ。それが、俺の…… 「……誰だ!?」 一騎は個室を飛び出した。 100メートルを10秒で駆け抜け、暗いエントランスから外に出ようとした一騎の前に影が伸びていた。 扉を守る門番――あるいは囚人を見張る看守のように。 そいつは、病院の中に押し入った獲物を逃さないために、ここで待ち伏せしていたのだ。 一騎はマグライトをその影に向けた。 外からの光でシルエットだけ見えていたそいつの姿が一瞬明らかになる。 そいつは、何かを振りかぶっていた。 ギャリリリリリリリリリリリリッ! 小型バイクの排気音に等しい獰猛なエンジンの唸り。 空気を裂いて自分の顔へと迫ってくるその塊に圧倒的な脅威を感じ、一騎は即座に横転した。 転がって、しかし相手は追ってくると感じた一騎はそのまま片手を地面につく。 バク転の要領で身軽に体を跳躍させ、足に触った物体――おそらく受付待ちのソファだろう――を思い切り蹴っ飛ばす。 反動でさらに一騎の体は大きく跳び、襲撃者との距離を離した。 ドッドッドッドッド……。 腹に響く重たげな音は続いている。 ちらりと見えた形状の影とその作動音から、それが何か予想がついていた。 そう、それはチェーンソー。 鎖状の刃をモーターないしはエンジンで高速駆動させることによりすさまじい切断力を発揮する自動鋸だ。 樹木伐採用の物だとは知りつつ、一騎は竜宮島で目にしたことがない。 どこかにはあったのだろうが子供の手には危険すぎるし、扱いには資格もいる。 ときおり見るテレビや新聞などで存在は知っていたというだけだ。 当然それは人に向けるべきものではない。 それほどの殺意を持って一騎を殺そうとしている人物がいる。 今度は慎重に、ライトをそいつの顔に向けた。 「……え?」 そこにいたのは。 一騎に向けてチェーンソーを構えているのは。 「甲洋、……なのか?」 紛れもなく一騎の友。 戦いの末に同化され隔離されたはずの、春日井甲洋だった。 本当に回復していた……? 自分の正体が露見したというのに、甲洋は何の感情も浮かべずチェーンソーのパワーを上げた。 唸りを増す鋸に一騎は我に帰る。 「こ、甲洋! 俺だ、真壁一騎だ!」 叫ぶ一騎。 だが甲洋はむっつりと押し黙ったまま、チェーンソーで切りかかってきた。 慌てて身をかわす一騎。 ソファが切り裂かれ、詰まっていた綿がばらばらに引き裂かれて宙を舞う。 そこに一騎は本気の殺意を見た。 一騎自身がファフナーに乗っているときフェストゥムに抱くような、怒りとも憎しみともつかない激しい感情のうねりを。 「甲洋っ!」 「一騎、ここには翔子がいる」 淡々と、ぞっとするくらい冷たい声で甲洋が口を開いた。 聞いたことのないその声に一騎は戸惑うが、何か理由があるのだろうと必死に言葉を紡ぐ。 「そ、そうだ! どういうことかわからないけど、翔子が生きているんだ!だから……」 「だから、俺はお前を殺す」 それでお終いだといわんばかりに甲洋は切りかかってきた。 剣を抜いて応戦しようかとも考えたが、チェーンソー相手にこんな棒切れ一本で勝てるとは思えなかった。 何より、甲洋は仲間だ。 仲間に剣を向けることなど、一騎にはできなかった。 しかし甲洋は一騎に一片の慈悲さえ見せず苛烈な攻撃を繰り返す。 一騎と甲洋では基礎的な運動能力がまさに桁違いなので、一騎はなんとか避け続けることができていた。 だが、いつしか全身にびっしょりと汗をかいていた。 体を動かしたことによる発熱ではない。 本気の殺意をぶつけられたゆえの恐怖。それをしているのが友達だというこの状況。 優しかった面影はどこにもなく、冷徹な殺人者の顔で一騎の前にいる甲洋。 その現実をどうしても受け入れられず、一騎の精神は確実に疲弊していた。 「甲洋、どうして……?」 「言っただろう、一騎。翔子のためなんだ」 「俺を殺すことがどうして翔子のためになるんだ!?」 チェーンソーの音がうるさくても、甲洋の声はやけにはっきりと一騎に届く。 それは決意の表れだ。 迷い流されて戦うことを選んだ一騎と違い、甲洋は今この瞬間はっきりと自分の行為を認識し、肯定し、受け入れている。 一騎を殺すこと、それを純然たる自らの意志で実行していた。 「理由はどうだっていい。翔子が生きてるなら、俺は翔子を守るだけだ」 「守る? じゃあ俺と同じじゃないか!協力して証拠を探そう!」 「違う」 一騎の必死の説得を、甲洋はばっさりと切り捨てる。 ・ ・ 「ルールを読んでないのか、一騎。生き残れるのは一人だけだ」 「ひと……り?」 「そうだ。お前は翔子を探すといったが……総士や他のやつらも探すんだろ?」 「あ……ああ。総士ならこの島から脱出するための考えを持ってるかもしれない。剣司たちだっている」 「それでみんなが集まって……それからどうする? どうせ最後には殺し合わなくちゃいけないんだぞ」 「そ……そんなことはない! 殺し合わなくたってなんとかなるはずだ! 翔子だって今度こそ守れる! きっと総士が何とかしてくれる……」 「嘘だッッッッッ!!!」 咆哮。 若虎のごとき甲洋の叫び。 「そうやって、お前らはそうやって、また翔子を使い捨てて最後には見殺しにするんだろう! 翔子が死んだときのように……お前達だけが助かるために!」 「こ、甲洋……」 「俺はお前らを信じない。もう誰も信じない。俺がこの手で翔子を守るんだ! 他のやつらを皆殺しにしてでも翔子を生き残らせるんだ!」 冷静の仮面をかなぐり捨て、烈火の形相で甲洋は怒鳴る。 「ち、違う! 俺と総士は翔子を見殺しにしたわけじゃない!」 「結果的にそうなっただろう! 島のやつらは翔子のおかげで生き延びられたって言うのに誰一人感謝もしない! あまつさえ翔子の墓を汚した! ファフナーの方が大事だと言っ 総士もだ! そんなやつらが翔子を守るだと? ふざけるのもいい加減にしろっ!」 まなじりは釣りあがり、血が上った顔は真っ赤に染まっている。 今まで見たことのない甲洋の怒りに晒され、一騎は慄いていた。 「……俺は翔子以外の全ての人間を殺す。最後には俺も死ぬ。それで……翔子が優勝だ。翔子は生きられるんだ……」 「…………こ」 「だから、一騎」 恐怖に竦み動けない一騎に、甲洋が一歩二歩と静かに歩み寄ってくる。 手の届く距離。 甲洋がチェーンソーを振り上げる。 「翔子のために、死んでくれ」 振り下ろし――今、一騎の視界が銀色の刃で埋め尽くされた。 「ちょっと待ったァァァァァアアアアアアァァァァアアアアア―――――ッッッ!!!!」 ・ ・ ・ ・ ・ 銀色の、ガラスの刃で。 エントランスのガラス戸を突き破り。 病院内に「出現」してきたのは。 「この勝負、リベリオン合衆国第8航空軍第357戦闘飛行群第363戦闘……飛行隊、中尉……はぁ、はぁ。ごめん、ちょっと待って……」 息継ぎせずに言ったため途中でむせた。 バッグからペットボトルを取り出す。 キャップを捻り、腰に手を当てて豪快に水をのどへと流し込む。 「――プハァッ!……よし、えっとどこまで言ったっけ?ああそうだ、まあとにかく中尉の!」 指を突きつけ、決めポーズ。ビシッ! 「シャーロット・E・イェーガーが預かる!」 突然現れた軍服の女は、胸を揺らしつつそう言った。 ただし下半身は目にもまぶしい脚線美を惜しげもなく晒す、いわゆるローレグの下着一枚だけだった。 「えっ、と……?」 「いかんよ君たち! こんな状況で混乱するのは分かるけど、人間同士で殺し合いなんてやっちゃいけない!」 「……何なんだ、あんたは」 お姉さんぶって言う痴○としか思えない格好の女。 一騎は呆然と、甲洋は苛立ったようにシャーロット、以下シャーリーへと声をかける。 一騎を襲おうとしたチェーンソーはシャーリーに弾かれていた。 艶めかしい脚の先、こちらもチェーンソーに負けず劣らずの回転音を発する小型のリング――チャクラムによって。 「事情はわかんないけどさあ、そういうのは止めときなよ。見たとこ私より年下みたいだけど、やるならこう、素手での殴り合いとかにしときなさい」 「関係ないくせに、邪魔をするな!」 「へ?……わわっ!」 のんきにシュシュッと宙にパンチを繰り出しているシャーリーへ、甲洋はチェーンソーを叩きつける。 だが、たしかに殺したと甲洋が思った瞬間、シャーリーの姿はふっと雷のように消えた。 「なにっ!?」 「ふわぁ、危ない危ない。いくらウィッチでもそんなの当たったら間違いなく死ぬって」 甲洋は振り返る。 10メートルほど離れた場所で、一騎の肩に手を掛けてシャーリーが立っていた。 「すごい、なんて速さだ!」 「そ、これがあたしの魔法なわけよ。ストライカーユニットじゃないから全速ってわけにはいかないけどね」 シャーリーの回避を見ていた一騎には分かった。 チェーンソーが当たる瞬間、シャーリーの足首に装着されたチャクラムが高速回転し、またシャーリー自身の体も発光したことが。 次の瞬間シャーリーは音速もかくやという速度でチェーンソーを回避、一騎の背後にまで回ってきたのだ。 甲洋を迂回するルートで地面に傷跡が残っている。 チャクラムが移動した跡が。 「これがあたしの武装錬金・モーターギア・スカイウォーカーモード! へへっ、すごいだろー!」 「この……馬鹿にするな!」 「おっと、怖い怖い。君、とりあえず逃げるよ!」 激高した甲洋を茶化しつつ、シャーリーは一騎の頭をしっかりと抱え込んだ。胸に。 一騎は双丘に半ば埋まる形になる。 「わ……!?」 「しっかり掴まってなよ!」 気合一声、再びシャーリーの体が発光した。 「待てぇっ!」 「甲よ――――――――!」 吹き上がる衝撃波が散ったガラスを舞い散らし、甲洋の足を止める。 躊躇したその一瞬。 シャーリーと一騎の姿は一瞬にして消失した。 後にはただ呆然とする甲洋だけが残された。 【一日目 C-4 病院 深夜】 【春日井甲洋@蒼穹のファフナー】 [状態]健康 [装備]チェーンソー@現実 [道具]基本支給品×1、不明支給品0~1 [思考] 基本:羽佐間翔子を優勝させる 1:真壁一騎、皆城総士を殺す 2:出会った人間に翔子のことを聞いて、情報を得た後に殺す 3:竜宮島の他の仲間は…… 「あ、あの……」 「シャーリーでいいよ。仲間はみんなそう呼ぶ」 「シャーリー……さん。ありがとうございます、助けてくれて」 いまだシャーリーに抱き締められたまま(腰に掴まろうと思ったがほぼ何も履いてない下の方が危険だと一騎は判断した)、一騎は礼を言った。 病院を飛び出して今、シャーリーと一騎は二階建ての家よりやや高い位置を飛行している。 なんでもそれが彼女に支給された道具、そして彼女自身の能力なのだとか。 「俺、真壁一騎です」 「マカベカズキ……ああ、扶桑の子か。宮藤と同じだな」 「宮藤?」 「私の仲間さ。まあ、その辺は落ち着いたら話すよ。もうちょっと我慢してくれ」 一騎には良く分からないが、空気抵抗や風の影響などウィッチには関係ないらしい。 だからこうして高速で空を飛んでいても声が届くし、風で目を閉じることもない。 「派手にやってたからね。用心してもうちょっと距離を取ろう」 「は、はい……」 あくまで冷静にシャーリーは言う。 さほど自分と歳が離れているようには見えないのに……と一騎は思ったが、同世代の女生徒にはないこの弾力……いや凶器ですらあるかもしれない。 とにかくこの状況、彼女の胸にぎゅっと締め付けられている状況から早く逃れたいと一騎は願った。 あまり恋愛に興味のない一騎とてさすがに恥ずかしかったのだが、シャーリーは気にした風もない。 喋って口を動かすと余計に柔らかな感触が伝わるため、ひたすらに一騎は縮こまる。 (駄目だ、俺……もっと別のことを考えろ!そう、総士とか甲洋のこととか……!) とたん、甲洋が自分を殺そうとしたことを思い出し一騎の血の気は一気に引いた。 シャーリーが安全そうな場所を見つけて降下するまで、彼はしばらくその状態のまま苦しむことになる。 そして胸の中で赤くなったり青くなったりする一騎を見て、シャーリーは (とりあえず助けたけど、この子は危ないって感じはしないなー……でももう一人の方は警戒しとこう) (このモーターギアは使えるって分かった。私の魔法と相性もいい) (でもなんだ、やけに疲れるな……ストライカーじゃないからか?) (とにかく……ルッキーニ、宮藤、みんな。すぐに見つけてやるから、死ぬんじゃないぞ!) そんなことを、つれづれに思っていた。 【一日目 D-5 温泉 深夜】 【シャーロット・E・イェーガー@ストライクウィッチーズ】 [状態]健康 [装備]核鉄「モーターギア・アナザータイプ」@武装錬金 [道具]基本支給品×1、不明支給品0~1 [思考] 基本:501航空団の仲間と合流して脱出する 1:ひとまず安全なところへ 2:ルッキーニと芳佳が心配 3:甲洋には注意する 【真壁一騎@蒼穹のファフナー】 [状態]疲労(小) [装備]宝剣・靖王伝家@真・恋姫†無双 [道具]基本支給品×1、不明支給品0~1 [思考] 基本:竜宮島の仲間を島に帰す 1:総士、翔子を守る 2:竜宮島の仲間を探す 3:甲洋を説得したい 012 冷静と情熱のあいだ 投下順に読む 014 Phantom Beats... 時系列順に読む 000 胎動 シャーロット・E・イェーガー 035 混浴~ふれあい~ 真壁一騎 春日井甲洋 028 フォークト=カンプフ検査法
https://w.atwiki.jp/tsundereidayon/pages/796.html
148 :本当にあった怖い名無し:2010/12/19(日) 19 36 01 ID P2Lcnxrr0 消えたネタの代わりに心理テストを投下 目をつぶって自宅を思い浮かべます。 頭の中で家の一部屋一部屋を回って、全ての窓を開けていきます。 開け終わったら目を開きましょう。 答えは後に・・・・というかググればでますw なかなか面白いので良かったらどうぞ 149 :本当にあった怖い名無し:2010/12/19(日) 21 42 51 ID ybcHt1+e0 148 何か俺の部屋に知らない女の子がいたんだが 150 :本当にあった怖い名無し:2010/12/19(日) 21 53 18 ID N884w2O3P 149 べっ、べつにアンタの生活覗き見してるわけじゃないんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!(/// 152 :本当にあった怖い名無し:2010/12/21(火) 05 41 48 ID gvgg1DiF0 148 その心理テストやってたら途中で寝ちゃった 家の窓多すぎ 157 :本当にあった怖い名無し:2010/12/26(日) 10 57 29 ID hypZxu5V0 148 なんか、天使のようn あ、だれかきt 158 :本当にあった怖い名無し:2010/12/27(月) 22 33 14 ID LLcI7q4L0 157に文字通りのお迎えが・・・