約 299,376 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4374.html
そうだ。俺は《あの日》が起きて以降、ずっと長門を気にかけてきた。こいつに何かあったら助けてやろうと、もう何も、長門が思い悩むことはなくしてしまおうと。そう考えてた俺は、少しずつ感情を露にしていく長門をみて安心していたんだ。 だが、今はどうだ? こいつはまた感情を爆発させて……今度は、一人で苦しんじまってるじゃねえか。言わなきゃ気付かないだって? アホか。こいつはずっと前にサインを出してたんだよ。それに俺が気付かなかっただけだろうが。 そう。何かが起きてからじゃ遅かったんだ。そして、俺はこれを起こさないようにすることは出来たはずなんだ。 だが、俺はその機会を無視してしまった。 俺は二回目の《あの日》、さっさと世界を修正しちまった。そして、もうやり残しはないと胸を撫で下ろしていた。とんだ大間違いだ。俺はあの時に眼鏡付きの長門を見て、あいつの確かな感情の存在に気付いたよな。それは間違いじゃない。そこからが問題なんだ。 ――俺は、それからどうした? 俺は……変わっていくあいつを守っていこうとしただけだ。それじゃダメなんだよ。俺は自分からもっとあいつに干渉しなければならなかった。それぞれの生き方ってのは大事にすべきだが、それ以前に俺たちは仲間じゃないか。もっと深く繋がって、支えあっても良かった。そうすべきだったんだ。今なら、昨日古泉が言っていた言葉の意味が痛いほど分かる。 そうだよ。俺は《あの日》があったお陰で、自分の気持ちを認めることが出来たんだろうが。そして、それから生き方も変わっていったんだろ。 けどな、それは俺が自分で変えたんじゃない。俺の心底に潜むものを長門が教えてくれて、長門が俺を変えてくれたんだ。なのに、俺は変わっていくあいつを見守っていただけだった。なんでだよ。あの日、長門は自分も変わりたかったんじゃなかったのか? それは、俺が変えるべきものじゃなかったのか? 「…………くっ」 ……あいつは俺に世界の選択を委ねた。 でもな。 俺がその決断を任されようとも、俺は長門に聞くべきことがあったんだ。ああ、あのとき、朝倉が消えていく間際に呟いていた疑問だよ。 ――長門の……望んだものについてだ。 世界を改変したキッカケは感情の爆発だったんだろうが、じゃあ長門は何を望んであの世界を作ったのか……俺は分かっているつもりだった。でも俺は、本当はなにも分かっちゃいなかったんだ。その願いをあの場所に置き去りにしてきちまったから、今長門は苦しんでる。そうなんだよ。俺が世界改変の瞬間に飛ばされたのは、実はあいつが自分の気持ちを訴えていた……SOSのサインだったんだ。 今わかった。これから《あの日》に向かってどうなるかなんて……そんなの、考えるべき問題になどなりはしない。 《あの日》はまだ……終わらせちゃいけない――。 そう思うと俺は喜緑さんに礼を言うことも忘れ、無心に長門と古泉の待つ文芸部室へととって返した。 教室内にはパーフェクトに無表情な長門が変わらぬ姿で鎮座しており、無表情というよりは青ざめた顔を浮かべた古泉は帰ってきた俺を認めるやいなやこちらへと近づき、 「長門さんは……どうなされたのです?」 俺は長門をチラリと見やると、喜緑さんから聞いた話を古泉に伝えた。このとき、喜緑さんになんの挨拶もしてなかったことに気付いた俺は、彼女に対して申しわけない気持ちを抱いたのだった。 「……そうですか。一度、死の概念が入ってしまった長門さんのパーソナルデータ……長門さんの人格とも言えるべきものは、情報統合思念体にイレギュラーを起こす懸念材料として……」 視線を落とし、顎を指で支えながら古泉が呟く。 「とにかく、俺は今から大人の朝比奈さんに会いに行く。《あの日》に行くかどうかを判断するためじゃない。行くために、なにがどうなのかってのを説明して貰わなけりゃならないからな」 午後の授業を受けている場合じゃないことは古泉も理解しているようで、 「……では、僕と長門さんは具合を悪くしたとして、保健室で待機しておきます」 無理に作ったスマイルでそう言う古泉に俺は、 「いや、二人にも来て欲しいんだ。多分、そのまま《あの日》に行くことになると思う。もしかしたら古泉、お前もあの瞬間に立ち会うことになるかも知れないんだよ」 「………?」 疑問符を浮かべる古泉。無理もない。俺はまだこいつに話してないことがあったんだ。それは俺の記憶が混濁していたから覚えたんだろうと思い、曖昧な意識の中で見たものだったから特に言わなかった。それは何か。 それは、俺が朝倉に刺されて意識を失う瞬間に見た……北校とも、光陽園学院のそれとも違う制服のハルヒの姿だ。 これが俺の真実見たものであれば、《あの日》に古泉がいなかったから行けないという理由は薄弱となる。そして俺が世界を修正した際、ハルヒの姿さえ見あたらなかったってことは……やはり《あの日》には、俺たちの知らない部分が大いにあるんだ。 しかも大人の朝比奈さんは、今度の規定事項には全員の力が必要だと言っていた。つまり、これからやる行動には古泉の力も絶対に必要なんだ。それがどんな形で必要になるのかは、朝比奈さん(大)に聞かなければ解らないが。 「……なるほど。《あの日》に僕が行けるかも知れない、というのは仮説として成立し得るでしょうね」 と言った古泉は沈鬱な表情を作り、 「ですが……僕が今からあの朝比奈さんの所へと行けるかどうかについては、また別の問題があるのです。僕の機関が、それをさせてくれるでしょうか?」 「古泉」俺は少しもどかしく思いながら「重要なのはそこじゃない。機関がお前にさせないと言ったとしてどうなる? お前はやらねえのか。重要なのは……お前が、やるかやらないかだろ」 「…………」 顔に影を落とす古泉。……こいつを動かすのは至難の業だと思っていると、 「……ちょっといいかなっ」 突然の闖入者の声に俺と古泉は意表を突かれ、声が聞こえてきた方へ覿面と振り向き返った。 「んと……キョンくんが走り回ってたからさっ、ひょっとしてみくる探してんじゃないかなーって思ってねっ」 鶴屋さんは笑顔の中に若干の気まずさを滲ませながら、開け放たれたままだった部室の扉から姿を覗かせていた。 「朝比奈さん……ですか?」俺は鶴屋さんに聞き返すように「いまから呼びに行こうかとは考えてましたが、何でそう思ったんですか?」 ひょっとして鶴屋さんは予知能力者なのかと思っていたら、 「みくるなんだけどね、今あたしん家にいるよん。ずっと前にみくる……から、うっとこの会社に注文されてたもんがあるんだけどさ、今日必要になったから取りに来るって言ってね」 「注文……ですか? そりゃなんの?」 「……それがちょっとワケありの代物なんだっ。古泉くんのバイト先のお偉い方と合同で作ってたんだけど、こっちは何作ってんだかちょろんとも分からなかったんだよねっ。開発コードネームはウラシマだったかな? ま、それが要るんだってんなら……キョンくんたちは今なにかやってるんじゃないかなって考えたわけだっ」 ……浦島? 未来人関係なら、時間の伸び縮みがどうのって理論のウラシマ効果となにか関係があるのだろうか。 「それにね、田丸さん御兄弟だったかなっ? あの人たちも、みくるを手伝いにトラックでうちに来るって言ってたにょろ!」 トラック? なんでトラックなんかが……? ――もしや荷台には工作員がうじゃらに潜んでて、『機関』が朝比奈さんの邪魔をしようと田丸さん兄弟を仕向けたのか? って、『機関』もそれを一緒に作ったんだし、それじゃ行動が支離滅裂だろう。うん? ……機関が合同で作った? 機関は未来人をあまり良く思っていなかったんじゃなかったか? 古泉もなにやら状況が飲み込めていないようだが……。 などと俺が思索していると、 「古泉くん!」SOS団名誉顧問である彼女は力強い視線を副団長に向けて、「なにが起こってんのかは知らないけどさっ、ハルにゃんのSOS団にはキミが必要なはずだっ。それは、古泉くんにしか出来ないことがあるからじゃないっのかなっ?」 このとき古泉はハッとしたような瞳の色を呈し、 「だからさっ、出来るか出来ないかでも……やるかどうかでもないと思うよっ。みんなには、古泉くんが必要なんだ! 古泉くんには……みんなが必要じゃないのかい?」 鶴屋さんは左手を腰に置きつつ顔の横に人差し指を上へ伸ばした右手を添え、ウインクしながら快活と言い放った。俺が古泉に目をやると、そこにはやんわりとした微笑を浮かべた古泉がいて、 「……そうですね。問題などありはしなかった。今の僕にはみんなが必要であるように、誰が欠けてもSOS団は成立しないのですから」 そして古泉は言った。 「行きましょう。あの場所へ。そこはもちろん……」 ああ。もちろんだとも。 「……公園へ急ごう」 そして現在、俺たちは公園にいる。 ここに来るまでも色々あった。どうせ『機関』には行動が筒抜けであるし、みだりな場所から学校を抜けると正当な理由で他者から捕縛されるだろうという理由から、俺たち三人は正面から堂々と学校をサボタージュしたのだ。 門を出ると直ぐに森さん(今回はカジュアルな服装だった)が緑のワンボックスカーからまろび出て、それはもう全速力で逃げようとする俺たちを諭し、森さんたち――運転手は新川さんだった――は協力する姿勢であると懸命に訴えてきた。古泉はずっと懐疑的な視線を送っていたが、実際問題徒歩の俺たちが森さんたちから逃げおおせるわけもなく、長門に何か頼むにも人目が多すぎた。 それで森さんの話を聞いていたのだが、彼女らと言わず『機関』はこちらの行動を阻む気など毛頭なく、むしろ支援の方向で助力してくれるということだった。どうやら機関の上層部に何か動きがあったようで、鶴屋さん邸にいる朝比奈さんを田丸氏御両人がサポートに向かっているのもそのためだったようだ。そして、森さんは古泉に関してこうも言っていた。 「古泉は、どうやら機関が自分の命の是非を問わず阻害してくると考えていたようです。そのようなことは、どう考えても起こりようがありませんのに」 さらに続けて、 「我々の特務機関は、言うなれば彼女(ハルヒだろう)が創設した組織です。身の危険に関しては、これほど安全が確保されている集団はありません。現に閉鎖空間での神人討伐の際、負傷者どころかかすり傷一つ負った者は御座いませんので」 ――ハルヒが、人が傷つくようなことを願やしないからか。 「はい。神人討伐が大変な労役であることには変わりありませんが、それは致し方ありません。そして『機関』はその規模ゆえ厳正に規則が設けられているのですが、組織の本質は彼女の思想と表裏一体なんです。内部には多様な思想が存在しておりますが、本流は彼女の望むところ……あなた方の赴くままへと指針は保たれているんですよ。それが世界の安定へと繋がっていると信じていますので」 なんだ。じゃあ古泉が憂慮してたことはまさに杞憂だったってことじゃないか。と俺が言うと、森さんはクスクスと秀麗な笑顔を浮かべ、 「古泉は若干特撮的展開への思考が強いですから。ですが、古泉の葛藤はそれだけSOS団の皆さんを思っていたゆえのことでしょう。まあ、そのため今日は突飛な行動を起こす可能性がありましたので、わたしたちはここで監視をしていたんです。機関の車だと衆目を集めてしまいますので、このワンボックスカーでね」 この語り口から、俺には森さんたちが信用の置ける人々だと感じ、そして公園まで送って貰ったという運びになったわけだ。正直走り出したは良いものの、公園まで走らなきゃならんのかという他愛のない考えもあったし。 「ホントに……来てくれて良かった。あのときは動転して、ロクなことを伝えられなくてごめんなさい」 「お母さんが謝ることなんてないっ。先輩、お母さんね、あの後泣いてたんだよ。なにがあったの?」 詫びる言葉も見つからない程にひどいことを言ってしまったのさ。……朝比奈さん(大)、泣いてたのか。古泉、俺を殴ってくれ。 「意味がありませんね」 との一言で古泉は俺を一蹴し、俺に棒立ちで気まずい思いをさせるという精神的ボディーブローをかまし、 「それより……初めまして、みゆきさん。そして初めましてというよりは、お久しぶりですと言ったほうが良いでしょうか。可憐な少女の未来に相応しい艶姿ですね、朝比奈みくるさん」 「ふふ。お久しぶりです。古泉くん」「フフ。あたしもお久しぶりって感じです。古泉先輩」 あらためて比べると、ホントに良く似た家族だと思うね。 「キョンくん……昨日はごめんなさい。わたしはあなたの気持ちについてもっと良く考えるべきでした」 おずおずとした雰囲気で言い放つ朝比奈さん(大)に、 「そんな、俺こそスミマセン。今日こうなることは当たり前だったと、自分で気付かなかったのが悪いんだ。……でも、もしかして俺の昨日の行動も規定事項じゃなかったんですか?」 「いえ、キョンくんに手紙を渡せなかったのは予想外の出来事だったわ。ビックリしちゃった。それと、あの手紙の内容はもう済んでます。ここにあなたたち三人で来てもらうことと、涼宮さんには内緒にして欲しいってお願いでしたから。昨日のあの後は……正直、気が気じゃありませんでした。もし涼宮さんに話が伝わってしまっていたら、アウトでしたから」 だとしたらちょっと前に世界終了一歩手前だったが、朝比奈さん(大)も朝の状態の俺にまた手紙を渡そうものなら何を起こすわからないために連絡出来なかったんだろうね。……それはとにかく、現在は無事に過不足なく進行しているようだ。 「長門おねえちゃん……?」 と……朝比奈みゆきは虚に沈んだ長門の顔を訝しげに覗きこみ、長門の周囲をキョドキョドと動き回っている。 ――そういえば、この子は長門から朝比奈さんへの託し子だったんだよな。長門の子供って……父親は誰なんだろうか、いや、あまり深く考えるのはよしとこう。色々と連想しちまう……って俺はなにを考えてるんだろうね? まあ、本人には秘密っぽいのでうかつな話は出来ないな。 俺が朝比奈さん(大)に進展を求める目線を向けていると、神妙な面持ちで頷いた大人の朝比奈さんは、 「みゆきちゃん。長門さんは今……とっても疲れているの。あまり迷惑かけちゃだめよ。こっちにおいで」 「やだっ、先輩のところがいいっ」 そう言いながらドスンと俺に抱きついてくると、顔なじみの野良猫がもつような愛嬌の良さで俺の顔を見上げてきた。妹にお兄ちゃんと呼ばれない分がこれで帳消しになった気がするね。 「もう」 笑みが混じった感じのやれやれといった顔を大人の朝比奈さんはへ浮かべる。 そして古泉は朝比奈さん(大)へと真面目な視線を向けると、 「……時間が余分にある状況ではないと思いますので、失礼ですが話を進めさせていただきます。あなたには色々お聞きしたいことがありますのでね。今日は答えてくれるのでしょう?」 「……ええ。わたしはそのためにここにいますから」 俺は朝比奈みゆきを体から少し離しつつ、 「本題に入る前に、一つ聞きたいことがあるんですが」 どうぞ、と笑顔で答える朝比奈さん(大)に、 「藤原が言ってた本来の歴史ってのは、あいつらにあの事件を起こさせるための嘘だったんですか? 佐々木と俺の関係がどうだってのも……」 朝比奈さん(大)はふるふると髪をなびかせ、 「いいえ。佐々木さんの気持ちが嘘なんかじゃないっていうのは、キョンくんが一番良く知っているはずです。そして、現世界の構成から矛盾を排除した場合……というより、キョンくんと涼宮さんが出会わなかったら、彼が話した通りの世界が存在していたと予測されます」 それも腑に落ちないんだ。ハルヒの能力発現時、俺は全くの他人だったというのに、なんでそれに俺が関係してるんだろうか。 「それは……今からキョンくんに、能力発現以前の中学生の涼宮さんを迎えに行ってもらうことが関係しているの」 「……涼宮さんが時空を改変する前へと時間遡行する、ということでしょうか? それはTPDD……いや、未来人にとって不可能なことで、そのためにあなた方は現代へと舞い降りたのでは?」 古泉の言う通り、そうだよな。大人の朝比奈さんが言ってるのは、時空の断層を超えて過去に行けるってことだ。 「確かに時間平面破壊装置では、能力発現以前の世界の姿である次元構造を渡ることは不可能です。だけど、それが不可能な理由を思い出してみて?」 藤原は、無限のエネルギーがないからだって言ってたっけ。 「ええ。そして、その問題は物質的なTPDDのエネルギーをもって解決出来るんです。これはつまり、物質的なTPDDをまるごと時間平面破壊装置で飛ばすってこと」 ……なるほど。と思っていると横から古泉が、 「……もしそれが可能ならば、何故藤原さんたちはそのTPDDのハイブリッド方法で過去に向かわなかったのですか?」 もっともなことを言い出した。朝比奈さんは、 「それについてはTPDDの詳細についてお話しするといいかな」 一呼吸置いて、 「まず二つのTPDDは、ハカセ君が遺した二大理論を基に構成されています。時間平面理論からは時間平面破壊装置が、そして時量子理論からは時粒子転換探知装置……タイムパーティクルスダイバージョンディテクターが作られたの。この時粒子転換探知装置は小さいわたしが現在取りに行っているもので、古泉くんの『機関』と鶴屋さんたちに制作を依頼した機械になります。そして藤原さんたちが使っていたTPDDは、実はその二つを混合させた完成形のTPDDで、わたしの組織の上層部がそのTPDDの動作を制限して藤原さんがこの時間平面にやってくるようにしたんです。そしてハイブリッドされたTPDDは……みゆき。あなたが今から完成させるの」 「ふえ、あたしが?」 キョトンとした顔で目をパチクリさせる朝比奈みゆきに、 「これから過去に行って涼宮さんを連れてくるために、みゆきには二つのTPDDを同時制御で操作してもらうわね。これはとても難しくって、みゆきにしか出来ないことなの。そして、みゆきの情報処理制御パターンをある基盤に焼きこんで、みんなが運転できるようにする部品も作るから……頑張って」 そう言って朝比奈さん(大)は俺と古泉へと向き返すと、 「では、今からSTC理論について少しだけ補足します」 ……古泉。お前の出番が来たみたいだぞ。 「うふ。そう構えないで大丈夫です。実は現状の世界を形成しているSTC理論は、音楽理論と一緒なんです」 「……なるほど。それならば、全ての現象が非常に分かりやすい」 「どういうことだ?」 古泉は手の平を俺に向けながら、 「STC理論、つまり時間平面理論による世界とは、単一では意味を成さない音符を連続させ、それによって紡ぎ出される『旋律』だという理屈ですよ。そして世界の歴史は、それまでの旋律が記された『楽譜』であり、朝比奈みくるさんは未来の『楽譜』なのです。こうやって考えれば、エンドレスエイトが簡単に説明出来ますね」 「へえ」と俺が言うと、 「そう。エンドレスエイトとは、コード進行のみを決めてあとはアドリブで演奏するジャズだったのです。そしてエンドレスエイトの繰り返しは、あの二週間分を反復して演奏していたのですよ。譜面上では最初に戻ったとしてもそれは曲が逆行するわけではなく、一回目に続いて二回目を演奏するだけなので、あのエンドレスエイトは一列に繋がった一つの曲であると言えます。だから僕たちは、以前のシークエンスの影響を受けていたのでしょうね」 朝比奈さんはこくりと頷き、 「その通り。そして規定事項は、未来の『楽譜』と『旋律』を等しくするための行動なんです。時間遡行は、未来人という『音』が過去の『旋律』に紛れるということ。そこでは未来人は只の雑音なので、基本的に『旋律』を変えてしまうことはないんです。ですが、イレギュラー的に『音』が加わって『旋律』が変わってしまうという事態や、自分の楽譜と過去の旋律が不一致しているなど矛盾した結果も発生してしまうの。……次は、これからの行動についてお話します」 これからの行動……ハルヒの中学時代と、《あの日》に行くことだ。 「能力発現以前の涼宮さんを迎えに行くことには、二つの意味があるんです。一つは、《あの日》での行動に涼宮さんの力が必要だからということ。そしてもう一つは……彼女にかけられた呪いを変えるため」 「……ハルヒに呪いが? 中学生のハルヒに、どんな呪いがかかってるっていうんですか?」 呪いっていうのはものの例えなんだけど、と続けて、 「……わたしが以前話したことを思い出して下さい。自分の知っている過去とは違っている過去、そして、本来生きていなければならない人が死んでしまう過去のこと。……今からキョンくんには、それを変えてもらうんです」 「それって……ハルヒが死んじまうのを変えるってことですか?」 ……ここで朝比奈さん(大)は暗い顔を浮かべ、少し沈黙した後、 「涼宮さんの呪いについては……簡単にいえばね、中学生の彼女は『いばら姫』なの」 いばら姫……つまり、眠り姫か。たしかその話は諸説あったが、お姫様が預言者たちから順番に贈り物をされていると一人の預言者から死の呪いをかけられてしまい、残りの預言者がその呪いを『眠り』の呪いに変える話だ。 「うん。それでね、物語の預言者が未来人だと考えてください。そして、『呪い』について今からお話します。まず……中学生の涼宮さんがキョンくんと出会わず、能力の発現が起こらなかった場合、将来キョンくんは佐々木さんと親密な関係になります。これは二人が中学時代に両想いで、キョンくんが涼宮さんと親しい関係ではなかったから。そしてSOS団を結成しなかった涼宮さんは将来、一人で道を歩いていたときに――えっと、その……」 朝比奈さん(大)は悲しそうな表情を作って「……禁則です」と呟いた。それが本当に禁則である感じはしなかったが、いばら姫の『呪い』を考えると……あまり詳しく聞きたいことじゃないな。俺がそう考えていると古泉が、 「……つまり、それが涼宮さんにかかっている『いばら姫』の呪いであり、その呪いを『眠り』に変える預言者が……朝比奈さん。あなたというわけですね」 「そんなところです」 そう朝比奈さん(大)は答え、俺は……一つ考えていた。 彼女の話によると、ハルヒが世界を変えちまうのは、俺の今からの行動が原因なんだろう。 つまり……。ハルヒに神様じみた能力を付加させたのは――俺なのか? すると公園の前に一台のトラックが停止し、後を追従していた黒塗りのタクシーから二人の人影が乗り出してきた。 「すっすみませんっ! ……遅れちゃいまし――」 その人は朝比奈みくるさん(小)で、後には喜緑さんの姿があった。 「……あ、」朝比奈さん(小)は目を丸くして大人姿の自分を目に入れると「上の……人ですよね? ってゆーか、やっぱり……」 「……お疲れさま。あなたが感じていた通り、わたしは朝比奈みくるです」 「あ、朝比奈先輩だっ。フフ。あとは涼宮先輩だけですねっ」 「ほえ? ……あ。もしかして、この子がみゆきちゃん……?」 これはスリーカードになるのかなと思いつつ朝比奈さん(小)に抱きつく朝比奈みゆきを見ていると、朝比奈さん(小)は長門を見て、 「――そっか。あの子がこんなに大きくなったんですね、安心しました」 この言葉を聞いたみゆきは不思議そうに、 「あの子って何ですか? あたしは先輩の……」 朝比奈さん(小)は自分の口を手で覆って、 「そ、そうでしたっ。みゆきちゃんは、あたしの将来の子供なんですよね。とにかく、可愛く育ってくれて嬉しいです」 えへへ、と笑いながら朝比奈さん(小)に頭を撫でられているみゆきと、それを微笑ましく見つめる大人の朝比奈さん。俺は喜緑さんに、 「……さっきは失礼しました。身勝手な行動をしてしまって」 「いえ、構いません。事態は急を要するので」 喜緑さんは大人の朝比奈さんに体を向けて、 「長門さんに生じた問題を解決するために、情報統合思念体も出来る限りの協力をする意向です。わたしがここに呼ばれたのも、そのことについてなのでしょう?」 「……はい。次元の世界を渡るためには、情報統合思念体の協力が必要なんです」 朝比奈さん(大)は集まった俺たちを見回し、 「これで役者は揃いました。それでは……今から、それぞれの行動についてお話致します」 「まず、キョンくんとみゆきには中学生の涼宮さんを迎えに行ってもらいます。みゆき、昨日教えた魔法の使い方はしっかり覚えてる?」 「うん、大丈夫っ。機械を操縦するときに使うんだよね?」 ……魔法、ね。恐らく情報操作能力のことだろう。大人の朝比奈さんはみゆきに頷くと喜緑さんへと顔を向け、 「そして二人が過去に向かうために、喜緑さんには思念体へアクセスしてもらって、時空改変以前の涼宮さん以外の世界の時を止めて貰います。よろしいですか?」 「了解しました。それだけでいいのでしょうか?」 やんわりとした笑顔で答える喜緑さんに、 「いえ、もう一つ。……長門さんの思念体を、凍結状態から復帰させてください。そして――」 大人の朝比奈さんは振り返り、今度は古泉に向かって、 「キョンくんとみゆきが過去へ行っている間、古泉くんには、長門さんの思念体と共に四年前の七夕の、長門さんの部屋へ行ってもらいます。そこでは、わたしとキョンくんが《あの日》へ行くために訪ねてくる予定ですから、わたしたちがやってくる前にリビングの隣の部屋へと隠れていてください」 それって、俺が長門の作り変えた世界から脱出プログラムで過去の七夕に飛んだ後、長門から話を聞くためにあいつの部屋へ行ったときの話だよな? あそこで長門は、隣の部屋は俺と朝比奈さん(小)のために丸ごと時間を止めたから開かないって言ってたはずだが……。 「そうなんですか?」 朝比奈さん(大)が俺に聞いてきた。 「ええ。っていうか、あなたも居たじゃないですか」 「そっかぁ」と何やら考える様子で、 「じゃあ、扉を開けられないように気をつけないといけませんね」 「……どういうことです?」 「……えっと、」少し思案顔を浮かべた後、俺に微笑みながら「このわたしは、まだその七夕でキョンくんを導いてはいないの。それはわたしが、これから行うことです」 ……つまり、あの七夕の日に来ていた大人の朝比奈さんは、この朝比奈さん(大)だったってことなのか? 「そういうことです。今のわたしは、世界の歴史を整えるために、上層部からの指令をみんなに説明をするよう頼まれているだけなの。わたしもこれからあの七夕へと向かって、世界を修正するために頑張ります」 パチリとウインクをかまし、そして朝比奈さん(大)の放ったハートマークが俺の顔に当たるまでの束の間、俺の生体活動は停止していたかのように思われた。 ――なんてこった。じゃあ、長門と俺と朝比奈さん(大)があのアパートで《あの日》について話していたとき、隣の部屋には……古泉が居たってことじゃないか。なんとゆーか、あいかわらず眩暈がするね。 朝比奈さん(大)は古泉へと面を返し、 「古泉くんには、あなたにしか出来ないことをお願いします。そしてそのまま、小さいわたしがこの規定事項を終えて迎えに来るまで待っていて下さい」 古泉は真剣な顔で首肯すると、 「……なんとなく、僕がやるべきことは感じています。つまり僕は、副旋律を担当するのだと言うのでしょう?」 「……副旋律? なにがだ?」 俺がそう聞くと前髪をピッと弾き、 「これから行う規定事項で、僕たちはそれぞれ自分のパートを受け持つということですよ。音楽的にいえばつまり僕らは演奏者であり、《あの日》へと直接赴くあなた方は主旋律を担当し、そこへ行かない僕は副旋律を担当するようなもの。そして、長門さんが変えてしまった世界から続くこの世界は、この規定事項を完遂させた結果……言わば一つの楽曲なのです。あなたの行動によってあの三日間が発生し、僕のこれからの行動には……恐らく、長門さんの小説が関係しています」 「あいつの小説が? どうしてだよ」 古泉は少し悩んだような顔を浮かべ、 「……僕はずっと、思念体が長門さんを疎遠にしていた問題の答えは、彼女の小説の三枚目の中にあると考えていました。あれに書かれている内容ですが……まず、棺桶というワードに『死』という隠喩があるのは間違いないでしょう。次に、その小説の中で長門さんらしき人物はその『死』を望んでいて、そしてその『死』を阻む存在として、僕や朝比奈さんらしき存在が示されていました。そして物語は顛末を見ないままに終えられている。僕は長門さんに後のストーリーについて聞いてみたのですが、彼女は、この小説は殆ど無意識に近い状態で書き綴ったために答えることが出来ないと仰っていました。そして今……長門さんは『死』を願った代償として思念体から制限を受け、記憶をなくしてしまっています。――これから僕がやることは、あの小説の中で表現されている……彼女が忘れてしまった自らの発表するものを思い出させることです」 「つまり、お前は何をするんだ?」 古泉は大人の朝比奈さんに意味ありげな目配せをして、 「……とにかく、僕は長門さんが抱える問題を解消します。ですが、僕の行動にもあなたの協力が必要不可欠です。なので……」 古泉は決心に満ちた視線で、 「――許可を」 もちろん良いに決まってる。何をするのかはわからんが、わざわざ許可を得る必要なんてないぜ。 「そう言ってくれると信じていました」 古泉は目を細くしながら言い、 「あの小説を読解しましょう。長門さんの忘れている自分が発表するものとは、僕たちも知らない『長門さんが望んだもの』だったのです。そして発表会とは、《あの日》のこと。……僕は、長門さんが発表の舞台へと戻ってこれるように尽力します。あの物語を紡ぐのは、長門さん自身なのですから」 ……ってことは、あの長門の小説は何かしらのヒントだったのか? じゃあ、他の一枚目と二枚目にはどんな意味があるんだろうか。 「ええ。経緯はまだ不明ですが、恐らくあの小説は、長門さんの識閾下から綴られた僕たちへのメッセージだった。そして、二枚目については何となく見当が付いています。あの二枚目こそが長門さんの思い出であり、長門さんの歴史なのでしょう。現在の長門さんはそれを失ってしまっているので、僕はこれから、あなたの協力を得てその失われたページを取り戻すのです」 「……そっか」俺は長門を見る。「……こいつは、こんな風になっちまっても、俺たちを助けてくれるんだな。――次は、こっちが長門を助ける番だ」 ここに集まった全員が一致して頷き、意思の固まりを確認する。大人の朝比奈さんは俺へと微笑み、 「……では、行動を開始します」 さて。俺が今からやるのは、みゆきと一緒に中学ハルヒを連れてくることだ。 俺とみゆきが大人の朝比奈さんに率いられてトラックへと向かっていると、 「中学生の涼宮先輩、どんな感じなんでしょうね? フフ、楽しみです」 みゆきが無邪気に話掛けてきた。なに、俺は一度会ったことがあるが、中学のハルヒは身体的特徴が若干小さいだけで、全く今と変わらんさ。 「フフ。涼宮先輩らしいです」 クスクスと笑みをこぼし、前を向く。そしてトラックの荷台の後部へと着くと朝比奈さん(大)は扉を開け、 「……これが時粒子転換探知装置、タイムパーティクルスダイバージョンディテクターです。一般的な概念から言えば、このTPDDこそがまさにタイムマシンと言えますね」 「ん、」 俺は呟く。中に入っていたのは、一般乗用車程度のサイズのお椀を伏せたような形状の半球から、車ならタイヤがあるべき四方の位置に三十センチメートルほどの突起物が等しい形で付いており、こちらへと向いている正面には、それらよりも二倍ほど長い突起物が……ええい、説明が面倒だ。それにこれはどっからどう見ても……、 「亀じゃないですか」「うわあ、大きいカメさんですね」 そのフォルムはまさに亀であった。 「これは、時量子理論が基になったTPDDなの。この形に意味はないんだけど、ハカセくんがあのとき、川の流れの中を泳ぐ亀を見たことによって生み出されものだから……ふふ、単なる遊び心です」 えらく茶目っ気の効いた科学者たちだなと思いながら、俺は藤原の言葉を思い出していた。 なるほど、物質的なTPDDの形は浦島太郎ね。あいつは俺をおちょくりやがったわけじゃなかったのか。ってことは、もしかしたら浦島太郎の話は実話なのかな。 「うふ。禁則事項です」 大人の朝比奈さんはそう言ってみゆきに、 「じゃあ、今から時空間の座標を教えるね。みゆき、手を出して」 みゆきが差し出した小さな手のひらに朝比奈さん(大)がちょんと触れると、 「りょーかいっ。フフ、失敗しないように頑張ります」 頑張ってね、と言いながらみゆきの頭をナデナデしつつ、 「……じゃあ二人とも、これから直ちに出発して下さい。キョンくん……健闘を祈ります」 「了解しました、朝比奈さん。あのじゃじゃ馬娘を、縄ででも繋いで引っ張ってきますよ」 ――よし。今から……中学生を拉致しに行くとするか。 第四楽章・再
https://w.atwiki.jp/animeotaku/pages/17.html
『涼宮ハルヒの憂鬱』(すずみやハルヒのゆううつ)は、谷川流のライトノベル『涼宮ハルヒシリーズ』を原作とする日本のテレビアニメである。日本では、2006年4月から7月にかけて独立UHF局を中心とした11の放送局の深夜枠で全14話が放送された。2007年7月7日に第2期の制作が発表され、その後「新アニメーション」として再び制作が発表された。2009年4月よりあらためて[1]放送されている。 登場人物 スタッフ 主題歌
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/892.html
涼宮ハルヒの追憶 chapter.4 ――age 16 昨晩は長門のことが気になってほとんど眠れなかった。 自分の無力感から来る情けなさと、それを認める自分に腹を立てた。 眠りについたのは午前五時を過ぎていた。 「キョン君! 起きて朝だよ!」 それでも朝はやってきて、最近かまってやれていない妹が日課のように起こしに来る。 睡眠時間は全く足りず、妹に抵抗する力すらでない。 妹よ、これをいつまで続けるつもりなんだ? 高校生にもなってやってきたら俺はどう対応すればいいんだ? だらだらと学校に向かう。 アホの谷口はこういうときに役立つのだ。 シリアスではない、ハルヒに言わせれば世界で一番くだらないものを 延々と述べるだけの単純な会話。 ほぼ徹夜明けの身体に対する強烈な日差しは殺人罪を適応したいぐらいだったが、 昨日の出来事を夢だと思わせないためにはこのぐらいでちょうどいいのかもしれない。 それより俺は懸案事項を抱えていた。 どうハルヒには説明すればいいんだ? 昨日のことはハルヒに説明できることではない。 長門が消えたなんていったら、この世界を保てるものなのか? ぐるぐると思考をめぐらせても答えは出ず、 結局何もいわないのが上策だろうと結論付けた。 教室でのハルヒはいつもと変わらなかった。 むすっとした表情をキープし、授業をただ聞き流す。 俺は授業のほとんどを睡眠に費やした。 身体は疲れていたし、なにより懸案事項を考えたくないという現実逃避でもある。 この後部室で長門に関する会議が行われると思うと、帰りたくもなった。 ダルダルな授業を終え、放課後に部室に向かう。 さて、ハルヒにはなんて言おうか。 部室に着く。 すでに朝比奈さんと古泉が待機していた。 「こんにちは」 古泉は笑顔で挨拶をした。 「こんにちわぁ」 これは朝比奈さん。やっと朝比奈さんの笑顔で癒されることができた。 昨日は気が動転していて、朝比奈さんの天使スマイルを無視していたからな。 俺が椅子に座ると、 「では、涼宮さんが来るまで少しお話でもしましょうか」 「なんだ」 「長門さんのことです。私達が解散した後、あなたは昨日長門さんにあった。 そして長門さんの家に行った。あっていますね?」 「なぜそのことを知ってる」 「『機関』からの情報です。昨日僕は閉鎖空間にいましたし、ストーキングは不可能です。 しかし問題はそこではありません。 あなたがあの部屋を出た後、『機関』のものが進入を試み、中をのぞくと、 誰もいませんでした。長門さんは消えたのでしょうか?」 「消えたと思う」 「長門さんは消えちゃったんですかぁ?」 朝比奈さんが悲しい顔をして俺を見つめている。 ドアを開ける音が聞こえ、俺達は話を中断する。 「なんだもうみんな揃っているのね」 ハルヒはゆっくりと歩き、団長椅子に座った。 「それじゃあ、始めましょ」 ハルヒは俺と古泉と朝比奈さんをじっと見た。 それから俺達は十分ぐらい黙ったままだった。 ハルヒが足を揺らしているのを俺は見つめていた。 耐えられなくなったのか、ハルヒは突然叫びだした。 「何か有希に関する情報はないの? 役に立たないわねあんたたち! 特にキョン! あんた有希と仲良かったんじゃないの?」 「そこまで仲よかねーよ」 「本当かしら? いっつも有希のことばっか見てたくせに」 「そんなに見てねーよ。お前はなんでそんなにイライラしてるんだ?」 「イライラなんてしてないわよ! あんたがねえ、有希のことを大事にしてるみたいだったから言ったのよ。 でも、あんたに教えなかったってことは あっちはそれほど思ってなかったってことよね?」 ハルヒは意地悪な目で俺を卑下するように見つめた。 「なにをいってるんだお前は。だいた……」 バンッという音と共に隣に座っていた朝比奈さんが突然立ち上がった。 「いい加減にしてくだしゃい! わたしもこんな部活やめてやや、りましゅ! もう、涼宮さんには付き合いきれません! 涼宮さんなんかだいっきらいです!」 「み、みくるちゃん? どうしたの急に?」 「どうもしません! わたしは今日限りでSOS団をや、やめてやりましゅ! もうわたしに関わらないで下さい!」 そういうと朝比奈さんはものすごい勢いで部室を出て行った。 「へ、どうしたのみくるちゃん? なんで?」 ハルヒは呆然と朝比奈さんが去っていったドアを見つめている。 「だいっきらいだとよ。お前に愛想つかして出て行っちまったな。これであと三人か」 「どうして? 何かあたしした?」 「今までの積み重ねじゃないのか?」 俺はハルヒにイライラしていたので、冷たく言い放った。 ハルヒは投げ捨ててあった鞄を拾って、部室から飛び出してしまった。 「どうしたんです? あなたらしくもない。 もう少し冷静にお願いしますよ。 こちらの立場も考えて行動してくれないと困ります」 古泉は明らかに不快そうに言った。 「お前の立場なんか知るか。 お前はハルヒにへつらって、閉鎖空間で神人でも倒してればいいのさ」 ガッ! 古泉は俺に近づいたかと思うと、右手で本気で殴りつけてきた。 俺は壁にぶつかり、座り込んでしまった。 古泉の顔は初めてみる怒りで満たされていた。 「いい加減にしてください! あなたの軽率な行動がどれだけの人に迷惑をかけていると思っているんですか!」 「なんだよいきなり! お前らのことなんか気にしてられるかよ!」 ガッ! 古泉は俺の胸倉を掴みまた殴りつけた。右フックは顔面をとらえた。 「立て! こんなんじゃ足りない! お前は知らないかもしれないがなあ! ……」 古泉はそれ以上を言おうとはしなかった。 古泉は掴んでいた手を離し、 「すみません。でも、軽率な行動だけは控えてください。 今日は僕も帰ります。失礼します」 そう言うと、部室から足早に出て行った。 「くそ痛てえよ。なんだっていうんだ」 口内から出血していた。訳が分からない。 古泉も朝比奈さんも、それにハルヒも。 いったいみんなどうしたんだ? 俺が悪いのか? その日俺は、痛む口を押さえながら家路についた。 家に着くと、妹は出血をしている俺を見て心配していたが、 俺はとにかく自室にこもり、一人になりたかった。 「なんなんだ? なんで俺は古泉に殴られた。 それに朝比奈さんの行動も不自然だったし、 ハルヒにいたっては意味不明だ」 ベッドに横になりながら、今日のことを振り返った。 「俺はどうすればいいんだ? 謝ればいいのか? 馬鹿らしい。そんなことできるか」 古泉殴られたところがまだ痛む。 平和主義者の俺は今まで人に殴られたことなんてなかった。 人と本気のけんかなんかしたことないし、 そういうことはなるべく避けるようにしてきていた。 「くそっ! 頼みの長門は消えちまった。 SOS団も壊滅状態。俺がなんかしたのか? 俺が悪いのか? いや、俺は何も悪くないはずだ」 ベッドで横になっていたせいで少しうとうとしていた。 突然の電話に驚き、そして画面を見る。 「朝比奈さんか。こんな時間になんだ?」 電話にでるか一瞬迷ったが、 朝比奈さんからの電話はでないと世界がなくなる可能性もあるからな。 「はい」 「あ、キョン君。あの、今から話したいことがあるのだけれど」 やっぱり、何か問題でも起きたのか? 電話越しの愛らしい声はいつになく真剣だった。 「あのベンチに来てください」 「いつですか?」 「今すぐです! 早く来てください。お願いします」 分かりました、という前に電話は切れた。 行くしかないだろ。 俺は帰ってきて制服のままだったが、着替えることもせず家を出て、 ママチャリにまたがり、あのベンチに向かった。 最近自転車をこいでばかりだ。しかも全速力で。 息を切らしてあのベンチへ。 世界崩壊の危機じゃなければいいんだがな。 「すみません。間に合いましたか?」 ベンチには朝比奈さんがうつむきながら座っていた。 外はもう真っ暗で、街灯だけが辺りを照らしていた。 「ごめんなさい、急がせちゃって。大丈夫、間に合ってます」 「よかった。横に座っていいですか?」 「どうぞ」 朝比奈さんは少し驚いた様子だ。まだ、うつむいたままだ。 俺は横に座ると朝比奈さんの横顔を見つめた。 綺麗な顔立ち、俺を満たしてくれる。 なんでこんなに丁寧に作られているのだろう。 朝比奈さんを見るのをやめて、街灯を見た。 黄色い光を放つ街灯の周りを蛾が四匹ほど飛び回っていた。 そして、考えた。 俺は朝比奈さんに聞いておかなければならないことがある。 なんで今日あんなことを言ったんだ? 「あの(あの)、朝比奈さん(キョン君)」 こういう時に限って人っていうのは重なるものである。 「朝比奈さんからどうぞ」 「いえ、キョン君から」 しばしの沈黙。俺から話すことに決めた。 「分かりました。聞きたいことは一つです。 なんで今日あんなことをいったのですか?」 「それは……」 「今まではハルヒの機嫌をとることでSOS団は成り立ってきた。 でも、朝比奈さんは突然ハルヒを突き放すようなことをいって出て行った。 もしかして、これも規定事項とはいいませんよね?」 「今回は未来からの要請がありました。涼宮さんから離れなさいって。 そして離れるにはなるべくきついことを言わないといけなかったんです。 涼宮さんはとても強い人ですが、とても打たれ弱いんです。 ましてやわたしみたいにいつも可愛がっていた人に嫌われるのはとても悲しいことでしょう?」 朝比奈さんは泣き笑いみたいな顔で俺を見つめた。 「悲しいことですよね」 「そう。できればしたくなかったんです。 わたしは涼宮さんが大好きだし、SOS団のみんなも大好きなんです」 朝比奈さんはうつむいて、声を震わせながら言った。 「みんなと一緒にいられなくなっちゃいました。 ああ、なんでこんなに突然だったんだろう。 まだやりたいことはたくさんあるのに。 でも、いつかは別れる時が来るの」 「いつかは別れる時が来る」 俺は朝比奈さんの言葉を復唱した。 「分かってたんです。こんな風に悲しくなるっていうのは。 でも、SOS団での楽しい日々のおかげでそんなことは忘れてました。 最初にこの時代に来た時、誰とも仲良くならないつもりでいたんです。 だって、絶対別れが来るって決まってるんですよ? だけど、SOS団や鶴屋さんとはいつの間にか仲良くなっていました。不思議な人たちです」 「鶴屋さんは誰だろうと友達になれそうな人ですからね」 「そうですね」 「ところで、朝比奈さんが聞きたかったことってなんですか?」 「あ、はい」 朝比奈さんは両手を重ねていじりながら、ぽつぽつと言った。 「わたし自身のことなんです」 「朝比奈さんのことですか」 俺がそういうと朝比奈さんは俺を真っすぐに見た。 その顔には涙が伝っていた。 「わたし、すごく悔しいんです」 「悔しい?」 「だって、他のSOS団のみんなはちゃんと頑張ってるんです。 わたしだけ、なにもできないんです。 わたしはお茶を煎れてあげるぐらいしかできない。 涼宮さんの言うことを聞いて、衣装を着るぐらいしかできない わたしは未来に動かされているだけで、何もできない。 だから、せめてみんなを癒してあげるくらいしたかったの」 朝比奈さんは一呼吸置いて続けた。 「なんで、こんなことキョン君に言っちゃうんだろう? わたしはこの悔しさを持って帰るつもりだったのに」 「持って帰る? 朝比奈さん、未来に帰っちゃうんですか?」 俺はすでに分かっていた。 ハルヒの能力がなくなれば、朝比奈さんはこの世界にはいられなくなる。 「そうです。キョン君にお別れを言いに来ました」 「やっぱり、朝比奈さんもいなくなるんですね」 「やっぱりって、あ、そうか長門さんから聞いているんですね」 「そうです。長門はハルヒの能力が収束しているって言ってました」 「そうですか」 「どうして長門も朝比奈さんも、もうちょっと前に言ってくれないんだ。 そうしたらみんなでお別れパーティーの一つだってできたかもしれない」 俺はどうしても朝比奈さんを直視することはできなかった。 「すみません。禁則事項です」 それに、と朝比奈さんは続けた。 「今ここにいるのも本当は禁則事項なんです わたしが予測不能の行動に出るといけないから。 でも、わたしはキョン君に伝えてから帰りたいです」 「伝えてから?」 「本当は言っちゃいけないことなんです。 最重要の禁則事項なんです。 でも、言わないと。私はもう帰らなきゃならないから。えっと」 朝比奈さんはそこまで言うと、突然頭を抱え、じたばたし始めた。 「あ、ダメ! そんな止めて! もうだめなの?」 朝比奈さんが何を言おうとしてるかは分かった。 それはハルヒにとってはおそらく最悪の禁則事項だろうと思われた。 でも、今は横から抱きついて、首に手を回している朝比奈さんの体温を感じていたかった。 ぎこちないその行動を抱きしめ返すことはできなかった。 「キョン君。わたし、ねえキョン君、…キョン君!」 朝比奈さんが耳元でささやく。 俺は興奮していたが、朝比奈さんの言葉を冷静に聞いた。 「ごめんなさい。俺は答えられそうにありません」 「ご、ごめんなさい」 朝比奈さんは俺から離れると、 「ごめんなさい。あっちを向いてもらえますか?」 俺は朝比奈さんが指差したほうを見る。 朝比奈さんとは反対側のほうだ。 向かいないと朝比奈さんに迷惑がかかるだろ。 「時間です。ごめんなさい。ありがとう」 振り返ると、朝比奈さんはいなかった。 俺は立ち上がり、ポケットに便箋が入っていることに気付いた。 俺は破らないように丁寧に開けた。 ――キョン君、わたしはあなたが好きです。 でも、忘れてください。 ごめんなさい。なにもしてあげられなくて。 ごめんなさい。やくただずで。 ありがとう、キョン君。 また、会えるといいですね。 PS.文章短くてごめんなさい。 好きです。―― それは手紙という形をとる。 口に出せないもどかしさ。朝比奈さんの気持ちが少しだけ伝わった気がした。 「朝比奈さん、あなたは俺のアイドルです」 ごめんなさい。また会えるよな? 街灯の明かりだけが残された惨めな俺を優しく照らしてくれた。 俺はその場で一時間ほど呆然と立ち尽くしていた。 一時間というのは家に帰ってから分かったことなのだが。 自分の部屋のベッドに寝転ぶと、俺はようやく事の重大さに気付いた。 長門が消え、朝比奈さんも未来へと帰った。 「次は? 古泉か? だが、古泉はこの世界の人間だ。消えることはない。 もしかして? いやそんなことはないだろ」 自問自答を繰り返しても、古泉に対する答えは最悪のものとなった。 今日の古泉はいつもとは違った。 柔和な笑顔は消え、鬼気迫る表情で俺を殴った。 おそらく古泉もハルヒの能力が消えることによって、 何かしらの被害を被っているに違いない。 「俺はどうなるんだ? ハルヒの能力がなくなることで俺も困ることがあるのか? そもそも俺は関係ないだろ。 ただ、あのSOS団のメンバーで集まれないだけだ」 長門に会いたい。それに、朝比奈さんにも。 会ってまた馬鹿なことがしたいんだ。 俺はその日、やるせない気持ちで眠りについた。 次の日、ハルヒは学校に来ていた。 昨日のことが何もなかったかのように平然と授業を受けていた。 俺はなんだかやる気も出なくて、いつものように授業を寝て過ごした。 帰り際、ハルヒが、 「キョン一緒に帰るわよ、話したいことがあるの」 というので、仕方なく俺はハルヒと帰ることに決めた。 俺はなるべく一人でいたかったのだがな。 で、帰り道。 ハルヒはうつむいたまま俺の前を歩いていて何も話す気配はない。 そのまま、ずっと黙ったままだった。 踏み切りに着くとハルヒは立ち止まり、振り返った。 そして俺をゆっくりと見つめた。 「ねえキョン。あたしおかしいかな?」 「どうした気でも狂ったのか? もとから狂ってる気もするが」 「違うの。あたしはいつだって自分のことを正しいって思ってるわ。 むしろ他の人のがおかしいぐらいよ。 楽しいことを探して、楽しいことをする。すごくまっとうじゃない。 でも私がいってるのは違うの」 ハルヒは続けた。 「前からおかしいとは思ってた。 例えば去年の映画撮影。本当に桜が咲くと思う? 季節は正反対なのよ? その時あたしは『桜が咲いたら絵になるな』と思っていたの。 他にもたくさんあるわ。 雪山でのあの白昼夢だってそうだし、あんなの白昼夢だけで済ませると思う? 実際に体験してしまってるのに、それはないわよね。 でもね、あたしはなにも言わなかった。 言ったら、楽しいことが逃げていってしまう気がしたから。 このまま知らないふりをし続けて、SOS団のみんなで楽しくやっていきたかったの。 でも、それももう終わり。 有希もいなくなっちゃたし、みくるちゃんも出て行っちゃった。 あたし何か悪いことしたのかな? ただあたしは素直に楽しいことだけをやっていきたかっただけなのよ」 俺は押し黙ったまま立ち尽くしていた。 ハルヒは気付いているのか? 気付いたらどうなる? 今すぐ世界が消えてなくなるなんてことはないよな? 「キョン、答えて。 あたしには何かしらの不思議な力があると思うの。 それだけじゃない。有希だって、みくるちゃんだってどこか変。 それぐらいあたしでもすぐに気付くわ。 気付くべきイベントはたくさんあったもの。 これで気付かないほうが変だわ。 そして今回のことで確信したの。ああ、あたしは正しかったんだって。 キョンは何か知ってるんじゃない?」 俺は呆然としてしまっていた。 どうしようもない。ハルヒは気付いてる。 仕方がない。仕方がない。どうしようもないじゃないか。 答えるべきなのか? 答えてそれで? 世界は? 「もういい。帰る」 結局俺はなにも言うことができなかった。 ハルヒは寂しそうな顔をして、立ち尽くす俺を見つめていた。 「キョンはやっぱりキョンね」 それだけを言ってハルヒは走って帰ってしまった。 ごめん、ハルヒ。何も言えなくて。 怖かったんだ。 古泉は言った、ハルヒが自らの能力を認識した時、予測できないことが起きる。 俺はどうすればよかったんだ? 俺は決定的な答えを持ち合わせてなどいなかった。 ただ、ハルヒの一人語りを聞き続けただけだった。 傍観者でいたはずが、当事者に代わっていた。 でも、力なき当事者だ。 何にも抗うことができず、将棋の駒のようにただ動かされるだけだ。 それが、一般人ってものじゃないのか? 知らない間に動かされて、利用されて、捨てられる。 俺はそんな普通の人なんだよ。 悪いか? 俺は悪いのか? 誰か代わってやるよ、こんな役。 朝比奈さんは泣いた。 自分は何もできないと。自分はただ動かされているだけで、何もできない。 だから、せめてみんなを癒してあげるくらいしたかったんだって。 それがわたしの役割だったんだって。 くそっ! 俺は何をすればいい。俺の役割はなんだ。 俺はどうすれば。 また、あの日のSOS団に戻すことができる? chapter.4 おわり。 chapter.5
https://w.atwiki.jp/nicosangokushi/pages/190.html
[部分編集] 涼宮ハルヒの三国志涼宮ハルヒの逆襲三国志の世界で大いに暴れる涼宮ハルヒの団 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2357190 使用ゲーム 三國志Ⅸ シナリオ・担当勢力 - シナリオ設定 - 登録武将 下記参照 史実武将の扱い - 紙芝居・ストーリー - 投稿時期 2008年02月17日~2008年03月02日(涼宮ハルヒの三国志)(完結)2008年03月10日~2009年05月16日(涼宮ハルヒの逆襲)(完結)2009年05月30日~(三国志の世界で大いに暴れる涼宮ハルヒの団) 投稿者名 wktkboy 関連タグ - ニコニコ大百科 - マイリスト 涼宮ハルヒの三国志 涼宮ハルヒの逆襲 三国志の世界で大いに暴れる涼宮ハルヒの団 関連サイト - 備考 - [部分編集] 登録武将(『三国志』) 涼宮ハルヒの憂鬱 らき☆すた ハヤテのごとく! ケロロ軍曹 ギャラクシーエンジェル 赤ずきんチャチャ 信長の野望 革新 [部分編集] 登録武将(『逆襲』) 涼宮ハルヒの憂鬱 らき☆すた ハヤテのごとく! 魔法少女リリカルなのは 赤ずきんチャチャ 型月 ギャラクシーエンジェル [部分編集] 簡単な解説 三国志を模した閉鎖空間に閉じ込められたSOS団が元の世界に戻るために頑張る物語。 『三国志』では江州スタートでとりあえずはぐれてしまったみくる達と合流するのが目標 しかし、周囲からの圧力に悩まされ続け……? 『逆襲』では『三国志』の結末に納得できなかった団長の不満により閉鎖空間が拡大再構築 本気を出した長門の影響などもあり、大幅に世界の改変がなされた上で襄平スタートとなる。 前作のラストにはうp主も反省したのか、今回はスタート時には特に縛りを設けない。 ゲームが進んで自軍が拡大していくにつれて縛りを追加していくとのこと。 [部分編集] 登場作品紹介 登録作品の中に十数年前の作品も入っているので少し解説入れます。 赤ずきんチャチャ アニメ開始が94年というリアルタイムで見たことある人は結構な年いってるかも?な作品。(原作は2000年まで連載) 原作にはない変身系魔法少女の要素を加えた魔法の世界のどたばたギャグアニメ。 ヒロインのチャチャは副主人公のリーヤとしいねと協力することでマジカルプリンセスに変身することができ、 この姿になると強力な魔法アイテムを使えるようになる。 ちなみにチャチャの師匠であるセラヴィーは世界一の魔法使いという設定のため、作中でもチートキャラになる模様。 ときどきニコニコ動画のランキングにアニメ本編が上がっていることがあるので見てみるのもおもしろいかも。 コメント欄 涼宮ハルヒの三国志&涼宮ハルヒの逆襲解説へのコメント 無茶な進攻計画、目論見の甘さ、そんな所が逆に見所。 -- 名無しさん (2008-04-21 03 03 50) 久しぶりに更新されたが、相変わらず行き当たりばったり感がすごい。だがそれがいい! -- 名無しさん (2008-05-27 17 43 18) ついに東方シリーズまで…この苦境を乗り越え、袁家を滅ぼせば…もしかしたら… -- 名無しさん (2008-08-11 14 10 03) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/20.html
キョン「なあハルヒ、お前将来の事とかちゃんと考えてるのか?」 ハルヒ「なによいきなり、あんたらしくない」 キョン「少しは現実的に考えろよ、元気なのはよろしいがそれだけじゃ生きていけんぞ」 ハルヒ「あたしはね、現実的とか普 キョン「そんな事を言ってられるのは中学生までだ」 ハルヒ「そ…それは…そうだ、古泉くんはどうなのよ」 古泉「僕も涼宮さんにはちょっと付き合いきれませんね、非常に残念ですが…」 キョン「ということだ、朝比奈さんも長門もここに来る事はないだろう」 ハルヒ「えっ…ちょっとどういうことなの!?説明しなさい!」 キョン「じゃあな、後は1人で頑張ってくれ」 古泉「それでは失礼します」 ハルヒ「待ちなさい!これは団長命令 バタン! ハルヒ「………なによみんなして…うぐっ…悔しい…」 ハルヒ「キョン大好きっ!うりうり~♪」 キョン「ハルにゃんもかわいい~♪」 古泉・みくる・長門「…」 そして… 古泉「皆さん、同盟を組みましょう、このままでは危険です」 みくる「ああ、いいぜ、だが恨みっこはなしだぜ」 長門「わかった…」 翌日 ハルヒ「みくるちゃ…熱っ!!」 みくる「ひゃ!お茶こぼしちゃいました~☆てれりこてれりこ(爆)」 古泉「あっと!すみません、足が引っかかりました」 ハルヒ「もう…なんなの…」 長門「…」バンッ! ハルヒ「痛…もういい、帰る!」 古泉・みくる・長門(…成功) キョン「あれ?ハルヒはいないのか?」 古泉「さっき帰りましたよ…それよりたまには僕と遊びませんか?」 キョン「そうだな…たまにはオセロでもやるか」 キョン「実は俺も昨日夢見たんだ」 ハルヒ「??どんな夢よ」 キョン「俺が見た夢はな、学校の敷居内にお前と二人で閉じ込められてな・・・最後にキスする夢だよ」 ハルヒ「それ!私も見た!!さっき言ったけど・・・実は悪夢じゃないんだ」 キョン「いや悪夢だろお前とキスする夢なんて、お前もう俺の夢に出てくんなよ気持ち悪いから」 ハルヒ「・・・・・・」 キョン「おいハルヒ、窓から飛び降りてくれ」 ハルヒ「は?何言ってんの?」 みくる「と、飛び降りた方がいいとおもいまぁ~しゅ☆」 長門「涼宮ハルヒは窓から飛び降りる」 古泉「そうですね、僕も賛成します」 ハルヒ「ちょっと…みんなどうしたの?」 一同「涼宮ハルヒは窓から飛び降りる…涼宮ハルヒは窓から飛び降りる…涼宮…」 ハルヒ「ねえ、悪い冗談はやめてよ」 キョン「うるさい、飛べ!飛び降りろ!」 みくる「今すぐ飛び降りてくださ~い!!」 ハルヒ「ほ…本気なの?」 古泉「言っても無駄なようなので僕が突き落とします」 キョン「よし、俺も手伝うぞ」 ハルヒ「ちょ…やめて!本当に落ちちゃう!あ…危ない!ねえ!」 キョン「3、2、1…それっ!」 ハルヒ「あっ……… ドサッ 突然飛び降りた事になっていたハルヒが完治して学校に来ている あのことは忘れたのか久しぶりに部室にやってきた ハルヒ「やっほー!涼宮ハルヒ復活!!」 「…」 ハルヒ「団長が復活したのよ?もっと喜びなさい!」 キョン「ああ喜んでるよ…またおまえを痛めつけられるんだからな…」 キョン「なあみんな、嬉しいよな!?」 みくる「はい、また涼宮さんをいじめられるなんて…すごく嬉しいです!」 ハルヒ「え…?」 古泉「まだわからないんですか?」 古泉はハルヒの腹を殴った ハルヒ「ごはっ…げほ…」 古泉「おっと、声を出されては困りますね、口を塞がなくては」 ハルヒ「ん…んん!」 みくる「怖いんですか~♪それぇ!」 朝比奈さんはハルヒの首を絞めている ここでついにハルヒはあの時のことを思い出してしまったようだ そしてハルヒは失禁したのだ そこで俺達は手を止めた キョン「さてどうする?」 古泉「…そうですね、目を離していた時机に後頭部を強打…という事にしましょう」 キョン「それはいいな、じゃあ早速…」 そしてハルヒが気絶したと職員室に駆け込み、ハルヒは救急車で運ばれていった 翌日ハルヒは学校に来なかった またしばらく入院することになったか不登校なのか… しかし俺達は奴を引きづり出していじめるつもりだ ハルヒ「私ついていくよ~ど キョン「ついてくんな」 ハルヒ「目を見てこr キョン「見たくねーよ」 ハルヒ「私覚悟~しt キョン「キモイからさっさと消えろ」 ハルヒ「… …Gyao」 キョン「キメェwwwwwwww」 ハルヒ「私のプリン食べた?」 キョン「知らん」 ハルヒ「私のこんにゃくゼリー食べた?」 キョン「うざい」 ハルヒ「私のフルーチェ食べ」 キョン「死ね」 ハルヒ「・・・」 キョン「あ、朝比奈さ~んちょっとお茶行きませんか~?そうそう古泉と長門も誘って! ハルヒ?さぁあいつは今日は見てませんねそれはそうと行きましょうよさぁさぁ」 ハルヒ「あぁ・・・くやしい・・・・くやしいのに・・・(ビクンビクン」 岡部「時間がないから自己紹介は名前だけなー」 ハルヒ「涼宮ハルヒ ただの人間にはky」 岡部「はい次ー。」 キョン「なあハルヒ」 ハルヒ「何よ?」 キョン「おまえのポニーテール、やっぱ全然似合ってないな」 ハルヒ「!………ふぇえんっ、キョンなんて嫌い!大っキライ!!」 「おいハルヒ、目のした蚊に食われてるぞ」 「そうなのよ、痒くて痒くて堪んないのよ」 「ちょっと待ってろ、今薬塗ってやるから」 「ほら、目閉じろ・・・」 「へっ、変なことしないでよね/////」 「ほらっ、動くなよ」 「うん・・・・・」 「はい、塗りおわったぞ・・・・」 「ありがとう、キョ・・・・・・・目がっ!!目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「涼宮さんどうしたんですかぁ?。めがっさめがっさなんていっちゃってwキョンくんに薬塗ってもらえるなんて、羨ましいですぅ」 「・・・・・・・何塗ったの?」 「タイガーバーム」 ハルヒ「な……なんなのよぉ……!? なんでみんなそんなこと……わわ私、違うわよぉ……!!」 キョン「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 長門「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 古泉「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ガチャ みくる「あ、もうみんな来て……な、なにしてるんですか?」 バッ キョン「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 長門「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 古泉「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ハルヒ「……や……ヤ~リマン、ヤ~リマン」 みくる「……!?」 みくる「なな、なんなんですか……? やややや、ヤリマンってなんですかぁ……?」 キョン「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 長門「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 古泉「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ハルヒ「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 みくる「そ、それにさっきはみんな涼宮さんに言ってたじゃないですか……!!」 ハッ!! キョン「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 長門「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 古泉「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ハルヒ「ちょちょっと!! なんで私のほうに……!? ちょっとみくるちゃん!!」 みくる「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ハルヒ「ハッ!?」 ハルヒ「キョン!」 キョン「ん?どうしたハルヒ?」 ハルヒ「一度しか言わないからよく聞いてなさいよ。……キョンあたしと付き合いなさい! (やったわ!とうとう言ってやったわ////)」 キョン「はあ?何言ってんだお前は?」 ハルヒ「だ、だからあんたのことが好きだって言ってんのよ! (もうバカキョン!察しなさいよ////)] キョン「そういう意味でなくてだな。どうして俺がお前なんかと付き合わねばいかんのだ」 ハルヒ「え?」 キョン「大体だな俺はもう長門と付き合ってるんだ。お前と付きあえるわけが無いだろ」 ハルヒ「う…嘘」 長門「本当」 ハルヒ「有希!」 長門「彼と私は随分昔から恋人関係気づかなかったのはあなただけ」 ハルヒ「そ、そんな…」 長門「鈍すぎる。憐れ」 ハルヒ「有希!あんた…」 古泉「実は僕たちも付き合ってるんですよ」 ハルヒ「!?」 みくる「あのー涼宮さん本当に気づいてなかったんですか?」 キョン「気づいてたら毎日毎日俺たちを部室に集めるだなんて無粋なこと出来やしませんよ」 みくる「それもそうですね。でも、よかったです」 ハルヒ「な、何がよかったの?」 みくる「だってこれからは涼宮さんに気兼ねなく遊びに行けるじゃないですか」 ハルヒ「え…?」 古泉「そうですね。いや~よかった。まさか涼宮さんそれでも僕たちの邪魔をするだなんて言いませんよね?」 ハルヒ「え?あの、その、もちろんよ…」 長門「よかった。これからはいつでもあなたに甘えられる」 キョン「おいおい、長門。俺はいつだってよかったんだぜ」 古泉「さあ、自由になったことだしダブルデートといきませんか?実は知り合いがオープンしたばかりのレストランのディナー券が4枚あるんですよ」 キョン「お、ナイスだ古泉!長門、いや有希もそれでいいか!」 長門「(コクリ)」 みくる「わぁ~楽しみですぅ~」 古泉「では行きましょうか。あ、涼宮さんはお気になさらずにSOS団の活動に励んでください」 キョン「じゃあなハルヒ。お前もいつまでも馬鹿やってないで恋人でも見つけるんだな」 ハルヒ「待ってキョ バタン! ハルヒ「一体何なんだってのよ、もう………。グスン、また一人になっちゃった…」 長門「あなたには羞恥心が足りない…」 ハルヒ「…」 長門「聞いてるの…」 ハルヒ「申し訳ありません…善処します…」 長門「早朝、この部室でしている自慰行為の声も大き過ぎる」 ハルヒ「…今後注意します…」 長門「何より彼に対する好意が露骨…過剰…目障り…」バキ! ハルヒ「…」 長門「…この状態が続くようなら薬の投与を増やさなければならない…」 ハルヒ「…」 みくる「でもでも長門さん、これ以上増やしちゃうと致死量越えちゃいますよぉ?」 長門「構わない」 ハルヒ「…」 みくる「え~?でもお~このブス死んだら私達とキョン君との接点、無くなっちゃいません?」 長門「問題ない…彼は私の虜…もうこの女は用済み…」 ハルヒ「…」 長門「…ふひっ!ころす…ころス…殺す…死ね!死ね!死ね!」 ハルヒ「なんか甘いもの食べたいわね・・・・・・・・・!!!キョン!!ゼリー買ってきなさい!」 キョン「わかった、行ってくる」 ハルヒ「何よ、妙に聞き分けがいいじゃない」 キョン「・・・・・・」 キョン「ほら、買ってきたぞ」 「朝比奈さんには杏仁豆腐。長門、おまえにはムース。あと古泉、バナナプリンで我慢してくれ」 「あと、ハルヒは一口ゼリーだ」 ハルヒ「なかなか気が利くじゃない、そっれじゃあいっただっきまーす!」 ハルヒ「いっただっきまーす!」 パクッ ムシャムシャムシャ ハルヒ「蜂蜜の味かしら?なかなか美味しいわ」 「これなんて名前なの?」 キョン「カブト虫の餌」 ハルヒ「ねえキョン・・・・・夢のなかでしてくれたこと覚えてる?」 キョン「記憶にございません」 ハルヒ「ほら、ポニーテール好きだって言ってキ、キスしてくれたじゃない///」 キョン「記憶にございません」 ハルヒ「あっ、映画撮ったときさ、みくるちゃんが【キョン】「記憶にございません」 ハルヒ「じゃ、じゃあs【キョン】「記憶にございません」 _ __ _ 〈 r==ミ、くノ i 《リノハ从)〉 从(l|^ ヮ^ノリ キョンキョ~ン ヾ ノ ハつ京ハつ くっヽ_っ キョン「なんだ…用なら後にしてくれないか」 _ __ _ 〈 r==ミ、くノ i 《リノハ从)〉 从(l|#゚Д゚ノリ キョンってば!聞きなさいよ!! ヾ ノ ハつ京ハつ くっヽ_っ キョン「………」 _ __ _ 〈 r==ミ、くノ i 《リノハ从)〉 从(l|゚ ー゚ノリ キョン……ねぇ… ヾ ノ ハつ京ハつ くっヽ_っ キョン「…もういい、出て行く」 _ __ _ 〈 r==ミ、くノ i 《リノハ从)〉 从(l| T-Tリ キョン…うぅ… ヾ ノ ハ京ハ くOUUつ 「この中に、宇宙人、未来人、超能力者がいたら私のところに来なさい。以上」 「…涼宮」 「何よ」 「鏡を見てみろ、宇宙人が映ってるぞ」 ハルヒ「みくるちゃん、お茶!」 みくる「はぁ~い、ただいま」 キョン「おいハルヒ…上級生に頼むならもう少し丁寧な物言いをしたらどうだ。すみません、朝比奈さん」 ハルヒ「あたしは団長だから一番偉いの。学年なんて関係ないわ」 みくる「お待たせしました、どうぞ…キョン君はこっち、涼宮さんはこっちです」 キョン「ありがとうございます。美味しいですよ」 ハルヒ「なにこれ、あたしのは水じゃないの?!」 キョン「えぇ?」 みくる「ふふ、生意気な下級生はカルキ臭い水道水でも飲んでろですぅ」
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1027.html
第七章 俺たちは30分ほどで学校に着いた。 そしてやっぱり神人が暴れていて校舎もめちゃくちゃだったし、校庭には神人に投げ飛ばされたと見られる校舎の残骸が投げ捨てられていてこの世の風景とは思えないようだった。 ハルヒはもうどうしていいのかわからないようにこう言った。 「ねえ、キョン。いったい学校に来てどうするつもりなの?」 「わからん。とりあえず校庭のど真ん中に行こうと思う。」 ど真ん中とはお察しの通り俺とハルヒが昔キスをした場所だ。 そこに着けば恐らく何らかのアクションが起きるはずなのだ、そうでなければあの未来人や朝比奈さんが止めるはずである。 俺はハルヒを半分無理やりど真ん中に連れて行った。 そのとき、ポケットに入っていた金属棒が金色に柱のように光りだし、ハルヒと俺を光の中に入れた。何がどうなってるんだ。 俺は慌ててポケットから金属棒を取り出した。 これでハルヒが普通の人間に戻ったのか? もちろんそんなわけは無く、その金属棒にひびが入った。 ピキピキ…割れていく。 中から茶色い棒が出てきた。 俺の嫌な予感は的中し、金属棒の中からポッ○ーが… やはりそうか。 ポッ○ーゲームか、それでキスしろってのか。 ハルヒは察したのか俺からポッ○ーを奪い取り口に加えて目を閉じた。 俺も目をつむりポッ○ーをくわえたそのとき、前のときのような光が世界を包み俺たちを元の世界に返した。 たまたまグラウンドはどの部活も使用してはいなかった。 あれ?朝比奈さんやら古泉やら長門やらはどこに行ったんだ? 閉鎖空間に閉じ込められたのか?だとしたら神人が全部消滅するまで空間は消滅しないはずである。 だとしたら朝比奈さんたちはどうなる。 いやハルヒの能力が消えたのだから閉鎖空間も消滅したのか?古泉は何も言ってはいなかった。 その時、後ろで俺を呼ぶ声がした。 「キョン君!」 朝比奈さんである。あの未来人と(小)方もいる、気絶したまま(大)にかつがれてるが…。 「朝比奈さんたち、どうしてここに?」 「古泉君に言われたんです。学校に向かってくださいと。これも規定事項ですし。」 「そうですか。」 この時ハルヒがあることに気付いた。 「有希は?」 そうだ長門は?朝倉と交戦中のはずのやつはどこに言ったんだ。 その問いには朝比奈さんが答えた。 「長門さんはあと1分ほどでここに現れるはずです。朝倉さんって人を倒して。」 よかった。 じゃあ古泉はどうなったんだ。 まさかあのとんでも空間に閉じ込められたままなのか? 長門がやってきた、古泉の事を聞いてみる。 「古泉一樹は閉鎖空間に残り、自爆して全て倒すつもり。」 自爆?自爆ってあれか?ボーンってなって死んじまうあれか? 「そう。」 古泉はどうなるんだ。 「死ぬ。」 どうにかならないのか。 「ならない。そうしなければ世界が滅ぶ。古泉一樹は世界を守るために死を選んだ。」 くそっ、俺の許可なしで死にやがって。 ハルヒは悲しい顔で「私のせいよ、私が転校生が来て欲しいなんて思ったから。だから古泉君は…」 落ち着けハルヒ。お前は何も悪くないし古泉のことは悲しいが今はこの状況を何とかすることが先決だ。俺たちを助けてくれた古泉のためにもな。 長門。朝倉はどうなった。 長門はいつぞやのカマドウマのとき同様、校門を指を刺した。 「すぐそこ。すぐ倒す。もう余裕は無いはず。」 その直後、校門から高速で何かが走ってきた。勿論。朝倉である。 朝倉は長門めがけて突っ込んできた。 不謹慎かもしれんがターゲットが長門でよかった。 ターゲットが俺なら一瞬でことは終わっていたからな。 長門は校庭のど真ん中で戦闘をおっぱじめた。 轟音が鳴り響く。 轟音で朝比奈さんが目を覚ました。 「ふえ?ここどこですか?あれ?この人私にそっくり。誰なんですか?そっちの男の人も。古泉君はどこいったんですか?」 なんというか、どっから説明していいのか。 とりあえずここで目を覚ますのは朝比奈さん(大)にとって来てい事項なんだろうか。朝比奈さん(大)に目配せしてみる。 朝比奈さん(大)が頷いた。 俺はいまいち状況を理解できていない朝比奈さんに説明した。 「この人は今の朝比奈さんよりも未来から来た朝比奈さんです。恐らく今まで朝比奈さんに命令を出してたのもこの人です。」 「え?そんな、まさか。」やっぱりと言うかなんと言うか、やはり混乱した。一応孤島のときのこともあるので古泉のことは伏せておいた。 朝比奈さん(大)が口を開く「そうです、私は未来のあなたです、いろいろな指令をいつも出していたのも私です。それからキョン君、この騒動が終わったらこの子にこの子がするべきことを全て教えてあげてください。」 「え?わかりました。」どういう意味だろう。七夕のときや一週間後の朝比奈さんが来たときの手紙のことを教えてあげればいいのだろうか。 長門が交戦中にも関わらずこっちを向いて叫んだ。「ダメッ!!」 すると「確かに頼みましたよ。」といって朝比奈さんの後ろで盾になるように大の字になった。 その瞬間である。鉄砲か何か、もしかしたら光線銃のようなものかも知れない。 一線。 俺の盾となってくれた朝比奈さんは倒れた。飛んできたであろう方向からは何も見えない。 血まみれになって倒れた朝比奈さん(大)を支えてあげる。「これも規定事項ですから…」 そう言って朝比奈さんは目を閉じた。 俺はハルヒに叫んだ。「朝比奈さんに見せるな!!!」 ハルヒは急いで朝比奈さんに抱きつき視界をふさぐ。 だが何もかも遅い。朝比奈さんは泣きじゃくり倒れこんでしまった。 ここで突っ立って傍観していた未来の俺が地団駄を踏み口を開いた。 「まさか!クソっ!それで未来を守ったのか。クソっ!」 そうか。朝比奈さんが朝比奈さん(大)を認識することで現在と未来がつながったのか。 それなら俺と未来人の時でも同じことが言えるのだが恐らくハルヒが生み出した不安定な未来なので朝比奈さんが朝比奈さん(大)を認識することで上書きされたのか。 恐らくこの未来人の規定ではここで朝比奈さんが死に、朝比奈さん(大)の存在に矛盾を出すためだったのであろう。 と言うことは未来人戦はこちらの勝利である。大きな犠牲を払ったが。 とち狂ったように未来人が言った。「もうお前ら全員殺してやる。」 おいおい未来の俺よ。なに言ってやがんだ。 その時、突然空が無数の点により暗くなった。 なんだありゃ。いろいろありすぎてわけがわからん。 第八章
https://w.atwiki.jp/anime_impression/pages/54.html
涼宮ハルヒの憂鬱レビュー (ジャンル:どたばたラブコメ) 全14話 監督:石原立也 アニメーション制作:京都アニメーション 評価 ストーリー キャラクター 声優 映像・作画 2点 5点 14点 16点 合計37/100点 感想 全体的に単調な展開で、(奴隷キャラがハルヒに従うのみ。) ハルヒに不快にさせられて、終わる方も多いと思います。 ストーリーを主として見る人にも厳しいと言えるかも。 この作品は敢えて、ナレーションをいれてます。 しかし、ただナレーションするだけでは退屈なだけです。 ここら辺の工夫はせずに、別の所ばかり力を入れている。 しかもその力の入れ方が雑で、内容とは関係無い事ばかり。 「珍しさ」だけで この作品を見てました。一部の人間にしか受けないアニメです。 「涼宮ハルヒの憂鬱」アニメ公式サイト SOS団公式サイト
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/511.html
涼宮ハルヒの憂鬱 作品情報 5枚 涼宮ハルヒ 長門有希 朝比奈みくる(250x188) 朝倉涼子(248x186) 鶴屋さん
https://w.atwiki.jp/gamebag/pages/251.html
涼宮ハルヒニュース 『テイルズ オブ』シリーズのプロデューサーが「ゼスティリアは危機」との言及を謝罪。作品を否定する意図はなかった - AUTOMATON 【このラノ】「このライトノベルがすごい!」の歴代トップ作品で好きなのは? 3作品を解説!(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース あなたが一番好きなアニソンは?Eve「廻廻奇譚」、LiSA「炎」など…20年~21年の若い曲が上位にランクイン (アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ヒーラーガールズ、2ndライヴ開催 TVアニメ『ヒーラー・ガール』放送&主題歌担当、朗読劇イベントの開催も発表(CDジャーナル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース LiSA『鬼滅の刃』で2年連続1位!2021年カラオケ年間ランキング(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース “クリスマス”アニメといえば?「東京ゴッドファーザーズ」や「School Days」、「アイカツ!」“斧”シーンも人気!「毎年見たくなる」【#クリスマスツリーの日】(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 読書メーターの年間おすすめ本ランキング『読書メーター OF THE YEAR』を発表 - PR TIMES ラノベの越境性とメディアミックス 歴史を紐解く書籍『ライトノベルの新潮流』 - KAI-YOU ファン想いで歌を愛する「天神子兎音」―愛され度満点のパーソナリティとボカロ愛あふれる音楽性 【バーチャルタレント名鑑】(インサイド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 2021年で一番売れたライトノベル『ロシデレ』の最新3巻発売中!ナレーター・立木文彦さんによるストーリー紹介PVも公開! - PR TIMES PUBG Mobileで『涼宮ハルヒの憂鬱』コラボ開催中。SOS団になって戦場を駆けよう - Engadget日本版 人気女性声優8人が王道アニソンなど披露、【AMUSE VOICE ACTORS CHANNEL FES 2021】レポート(Billboard JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 着てみたいアニメの学生服は? 3位「呪術廻戦」都立呪術高専&「コナン」帝丹高校、2位「ヒロアカ」雄英高校 【男子編】<21年版>(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【京アニ】京都アニメーションのテレビアニメ作品で好きなのは? 3作品を紹介(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ハルヒ」「らき すた」「けいおん!」楽曲もスペシャルカバーでお披露目! 京アニ初の音楽フェス開催(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 名作アニメ映画「涼宮ハルヒの消失」 12月18日“世界改変の日”に1日限りの劇場上映会(よろず~ニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 映画「涼宮ハルヒの消失」、“世界改変の日”に復活上映 - AV Watch 秋に聞きたいアニソンは?「鬼滅の刃」「ラブライブ!」「名探偵コナン」…主題歌や“ハロウィン”アイドル曲も人気 (アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「涼宮ハルヒ」最新グッズが続々登場! “長門のメッセージ”デザインのTシャツからマグカップまで(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 杉田智和のハマり役といえば…『銀魂』銀時VS『ハルヒ』キョン、第1位はどっち? (2021年11月13日) - エキサイトニュース 「京アニ」人気作品投票1位に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 作画の美しさも話題(ENCOUNT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【京都アニメーション】おすすめしたい「京アニ」作品ランキング! 第3位は「涼宮ハルヒの憂鬱」!(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『らき☆すた』『涼宮ハルヒの憂鬱』などアニメ見放題も「ニコニコプレミアムDAY」初開催 - ドワンゴジェイピーnews 「涼宮ハルヒの憂鬱」、「らき(ハート)すた」他大人気アニメのプロデュース統括を手がけた元KADOKAWA常務執行役員【安田猛】氏がPolkaFantasyのカルチャーアドバイザーに就任 - PR TIMES 「君の名は。」や「涼宮ハルヒの消失」など! 「Amazonタイムセール祭り」にてBD/DVDが特別価格となってラインナップ - GAME Watch 声優「平野綾」さんが演じたテレビアニメのキャラクターで好きなのは誰?(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『涼宮ハルヒの憂鬱』再放送(28話)は“サムデイ イン ザ レイン”。とある雨の、何も起きない1日 - 電撃オンライン 「涼宮ハルヒ」×「ROLAND」スペシャルコラボ第二弾!【期間限定販売】いとうのいぢ先生の描き下ろしグッズが登場! - PR TIMES 読書の秋!“読書家”キャラといえば? 3位「涼宮ハルヒの憂鬱」長門有希、2位「ヒプマイ」夢野幻太郎、1位は…<21年版> - アニメ!アニメ!Anime Anime 『ハルヒ』でブレイクした平野綾さんの誕生日 本人は読書好きの長門キャラ(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース SOS団vsコンピ研、因縁の対決。『涼宮ハルヒの憂鬱』再放送(27話)は“射手座の日” - 電撃オンライン 『涼宮ハルヒの憂鬱』再放送(26話)は“ライブアライブ”。ハルヒの熱唱に鳥肌! - 電撃オンライン 人気コスプレイヤー・猫田あしゅが涼宮ハルヒに変身!「ハルヒそっくり」「キョンになりたい」と絶賛の声 | ニュース - ABEMA TIMES 『涼宮ハルヒの直観』表紙のハルヒがフィギュアに! - 電撃オンライン 「『涼宮ハルヒ』シリーズ 原作版 涼宮ハルヒ 1/7スケールフィギュア化! 9月17日(金)より予約受付開始! - PR TIMES 『涼宮ハルヒの憂鬱』再放送(24話)は“涼宮ハルヒの溜息V”。この作品はフィクションであり… - 電撃オンライン 「涼宮ハルヒ」シリーズのトレーディングアクリルキーホルダーの受注を開始!!アニメ・漫画のオリジナルグッズを販売する「AMNIBUS」にて - PR TIMES 「涼宮ハルヒの憂鬱」や「文豪ストレイドッグス」の楽曲が弾けるようになる!世界で500万人が利用するピアノアプリ「flowkey」が超人気アニメソングレーベル「Lantis」の楽曲を追加 - PR TIMES 『アイドルマスター シンデレラガールズ』×『涼宮ハルヒの憂鬱』コラボ開催中!【アイマス日記第82回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 『デレステ』で開催中の『涼宮ハルヒの憂鬱』コラボの追加楽曲として『God knows...』(北条加蓮)、『Lost my music』(中野有香)が登場 - ファミ通.com 『涼宮ハルヒの憂鬱』再放送(19話)はエンドレスエイトの終わり回(第8回)。ループする日常の結末とは? - 電撃オンライン 神前暁:「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」作曲家が「クラシックTV」に 劇伴の魅力語る - MANTANWEB ハルヒたちが『ワーフリ』の世界へ!? 『ワーフリ』×『涼宮ハルヒの憂鬱』がコラボ! - 電撃オンライン 「ぼくたちのリメイク」×「涼宮ハルヒの憂鬱」コラボ!志野亜貴がハルヒに扮するビジュアルを公開 - アニメ!アニメ!Anime Anime 『アイマス』未来に向けたコンセプトムービーが発表。2022年初夏に765プロAS単独ライブの開催や『デレステ』と『涼宮ハルヒ』とのコラボなど最新情報が多数発表 - ファミ通.com 『デレステ』と『涼宮ハルヒの憂鬱』のコラボが決定!! - 電撃オンライン 『涼宮ハルヒ』ブレーク後に“ライフライン発言”で炎上… レジェンド声優・?... - まいじつ 涼宮ハルヒ、冴えない彼女、ガンダム…浮世絵とコラボ 人間国宝職人の越前和紙で版画制作、福井県越前市 - 福井新聞 涼宮ハルヒがROLANDの出版をお祝い!? 「涼宮ハルヒ」シリーズ異色のコラボ! 限定グッズ発売のほか、谷川 流&いとうのいぢによる推薦コメントも到着! - PR TIMES ポニーテール女子は好きですか―― 「涼宮ハルヒの憂鬱」ハルヒ「ひぐらし」魅音ら、ABEMAで“厳選ポニテ特集” (2021年7月7日) - エキサイトニュース 「涼宮ハルヒ」シリーズとSuperGroupiesのコラボアイテムが予約開始!腕時計や財布、マフラーが登場|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer 『涼宮ハルヒ』シリーズのコラボ腕時計、財布、マフラーが予約受付開始へ。『消失』長門のマフラーや北高制服カラーの腕時計で日常に非日常を - ニコニコニュース 『涼宮ハルヒの消失』や『メイドインアビス』『この素晴らしい世界に祝福を!』などの劇場アニメ5作品が10時間連続で一挙放送 - 超! アニメディア 勢いは「涼宮ハルヒ」シリーズ級! ロシアンラブコメ第2弾『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん2』が今夏発売決定! - PR TIMES 人気劇場アニメを怒濤の10時間連続放送!『涼宮ハルヒの消失』『メイドインアビス』『ゴブリンスレイヤー』など一挙 | ニュース | ABEMA TIMES - AbemaTIMES 「涼宮ハルヒ」シリーズのSOS団 パーカーの受注を開始!!アニメ・漫画のオリジナルグッズを販売する「AMNIBUS」にて - PR TIMES 涼宮ハルヒの声優、平野綾(33)の現在が衝撃的すぎると話題に - ニコニコニュース 「八月のシンデレラナイン」,マフィア梶田さんがゲストの“涼宮ハルヒの憂鬱”コラボ記念動画が公開 - 4Gamer.net 『八月のシンデレラナイン』5月1日(土)より『涼宮ハルヒの憂鬱』とのコラボ開催決定!コラボ限定のフルボイスイベントに加え、ログインすると涼宮ハルヒがもらえる! - PR TIMES 【ビブリオエッセー】アラサーも安心のSOS団 「涼宮ハルヒの直観」谷川流(角川スニーカー文庫) - 産経ニュース 【涼宮ハルヒ】好きなSOS団メンバーランキングTOP5! 第1位は「長門有希」に決定!【2021年最新結果】(1/2) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 『涼宮ハルヒ』名曲ランキング!ハルヒ役・平野綾が『ハレ晴れユカイ』に“SOS団の絆” - ふたまん+ 『鬼滅の刃』大ヒットに、ハルヒシリーズが与えた影響とは - ダイヤモンド・オンライン 涼宮ハルヒ:聖地・西宮のハルヒ時計がペーパークラフトに - MANTANWEB 【涼宮ハルヒ】SOS団人気No.1を決めよう! あなたが一番好きな団員は誰?【アンケート実施中】 | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 『涼宮ハルヒ』シリーズのオリジナルグッズが手に入るくじが「くじ引き堂」に登場!特大タペストリーやブックカバーなどがラインナップ! - 電撃ホビーウェブ 「涼宮ハルヒ」人気投票結果発表! “令和”に1番支持されたのは、やっぱり長門? 主人公ハルヒ? それとも... - アニメ!アニメ!Anime Anime 『涼宮ハルヒの直観』なぜ“本格ミステリ”な作風に? 17年続く人気シリーズの文脈を紐解く - リアルサウンド BS11の年末年始はアニメざんまい、「涼宮ハルヒの消失」「ガンダムNT」などOA - ナタリー 深夜連続!アニメ祭り 「ハルヒ」「けいおん!」「銀魂」放送決定 - PR TIMES 『涼宮ハルヒの直観』発売記念 ENOZスペシャルライブレポート - WebNewtype honto週間ランキング発表「涼宮ハルヒ」9年半ぶりの最新刊『涼宮ハルヒの直観』が総合ランキング第1位に登場 - PR TIMES 「冒険でしょでしょ?」や劇伴など「涼宮ハルヒの憂鬱」関連楽曲557曲サブスク配信開始 - アニメハック 声優・平野綾、「涼宮ハルヒ」シリーズの9年半ぶり新作発売を祝福「涙が溢れました」 | ニュース - AbemaTIMES 映画「涼宮ハルヒの消失」テレビ愛知で地上波初・ノーカット放送! 最新刊発売で盛り上がる今、名作をもう一度 - アニメ!アニメ!Anime Anime 映画『涼宮ハルヒの消失』テレビ愛知にて12/27に地上波初、ノーカットで放送決定 - ファミ通.com 9年半ぶり「ハルヒ」新刊、発売前から大きな盛り上がり ライトノベル週間ランキング - リアルサウンド 「涼宮ハルヒ」9年ぶりの新刊は「毎週、書きあがった分を……」スニーカー文庫編集部を直撃! - 文春オンライン 小説『涼宮ハルヒ』シリーズのエピソード別・時系列順番まとめ。『憂鬱』から『驚愕』までの既刊や、最新作『直観』のあらすじを紹介 - アニメイトタイムズ 小説『涼宮ハルヒの直観』発売に総勢100名の著名人から応援コメント!「SOS団の100人応援コメント!」第1弾が公開! - PR TIMES 「涼宮ハルヒ」シリーズ、なぜ大ブームになった? 優れたストーリーとキャラの魅力を再考 - リアルサウンド 涼宮ハルヒ:9年半ぶりの新作発表 影響力とその秘密 - MANTANWEB 11月25日発売『涼宮ハルヒの直観』アニメイト限定セットに付く「フルグラフィックTシャツ」の絵柄が解禁! - PR TIMES 9年ぶりの新刊発売も大きな話題に 『涼宮ハルヒの憂鬱』の社会現象を振り返る - リアルサウンド 『涼宮ハルヒの直観』小説カバー初公開! 表紙イラストは いとうのいぢ 描き下ろし「ハルヒ&鶴屋さん」で限定リバーシブルカバーも! 大好評予約受付中 - PR TIMES 完全新作『涼宮ハルヒの直観』表紙イラストが初公開!! - 電撃オンライン 涼宮ハルヒ:9年半ぶり新刊「涼宮ハルヒの直観」カバー公開 いとうのいぢ描き下ろしのハルヒ&鶴屋さん - MANTANWEB 『涼宮ハルヒ』シリーズ|小説 最新刊(次は「直観」)発売日まとめ - アニメイトタイムズ 9年半ぶりのシリーズ最新作『涼宮ハルヒの直観』が11月25日に発売決定! 特典フルグラフィックTシャツが付属するアニメイト限定版が同時発売! - アニメイトタイムズ 「涼宮ハルヒ」シリーズ9年半ぶり完全新作!『涼宮ハルヒの直観』11月25日発売 - ほんのひきだし 「涼宮ハルヒ」完全新作小説、9年半ぶりに発売決定! 250P超の書き下ろし「鶴屋さんの挑戦」ほか2つの短編収録 - アニメ!アニメ!Anime Anime 『涼宮ハルヒ』9年半ぶりの新作小説『涼宮ハルヒの直観』11月25日に発売! 完全書き下ろしエピソード“鶴屋さんの挑戦”と2つの短編を収録 - ファミ通.com 『涼宮ハルヒ』シリーズ最新作が11月25日に発売決定!アニメイト限定セットの予約受付を9月1日より開始! - PR TIMES 【ハルヒ新作】9年半ぶりの小説『涼宮ハルヒの直観』11月発売決定 - 電撃オンライン 最新作『涼宮ハルヒの直観』の発表を受けて秋葉原のアニメイト、ゲーマーズ、書泉で急遽チラシの配布を実施! ゲーマーズでは店員がキレキレの“ハルヒダンス”を披露!? - アニメイトタイムズ 涼宮ハルヒ9年半ぶり新作『涼宮ハルヒの直観』11.25発売 9.1より限定セット予約開始 - クランクイン! 【アニメ今日は何の日?】8月17日は『涼宮ハルヒの憂鬱』エンドレスエイトが発生した日! 終わらない夏休みが始まった! - アニメイトタイムズ 『涼宮ハルヒの憂鬱』公式サイトが謎の更新を実施。本当によくわからない - ファミ通.com 『涼宮ハルヒの憂鬱』笹の葉ラプソディ展が開催決定 - 電撃オンライン 「涼宮ハルヒ」平野綾の「#お家で全力ハレ晴レユカイ」に“コンピ研部長”がコメント 「パソコン返せよ!!」 - アニメ!アニメ!Anime Anime 涼宮ハルヒくちこみ情報 #bf 公式サイト 涼宮ハルヒ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3781.html
※このSSはDSソフト「レイトン教授と悪魔の箱」を基にしています。 ───開けた者は必ず死ぬ─── そんな箱の存在を、あなたは信じますか? ──────────────────────────────── 拝啓 SOS団様 突然のお手紙申し訳ありません。 本当は直接あなた方のところへ伺って依頼を致したかったのですが、 事情によりこのような形となってしまいました。お許しください。 本題ですが、あなた方は「悪魔の箱」と言うものをご存知でしょうか? 開けたものは必ず死ぬ呪いの箱、と噂されているもののことです。 私の父は考古学者で、ぜひこの箱の調査をしてみたいと、先月イギリスの ある町に発ちました。詳しいことは私も知らされておりませんが、レイリス・シュレーダーという博士の助手をしているとだけ聞きました。 ところが先週、父が行方不明になったと…知らされました。 原因も何もかも分からずに、です。 私もイギリスへ行って父を探したいと思ったのですが、 引き止められました。 事実がはっきりしない以上、あなたにも危険が及ぶかも知れないと。 なので、私はあなたたちにこのことを頼みたいと思います。 イギリスで悪魔の箱について調べ、父を見つけてもらいたい… その一心でこの手紙を書きました。 あなたたちならきっとやってくれる…信じています。 5人分の航空券を手配しておきました。 12月26日の午後3時半、ロンドン行きの便です。 よろしくお願い致します。 ──────────────────────────────── 「ねぇ!面白そうじゃない!?呪いの箱と行方不明の父親…まさに不思議って感じじゃない!!」 団長は目をキラキラさせて興奮しながら言った。 「そうですね…僕も興味があります。一度、行ってみたかったですし。イギリス」 古泉が賛成しやがった。面倒なことになりつつある… 「わたしも行ってみたいですぅ」 「…行きたい」 …なんで皆そんな乗り気なんだ? 「どうするの?キョン。あんただけ残る?ノリが悪いわね」 まだ何も言ってないぞ。 「まあ…行ってもいいけどな。妹を預けられるんなら」 「じゃあー決まり!!SOS団の冬合宿inロンドン決定よ!!」 なんかおかしくないか? なぜ俺たちなのか…わざわざチケットを用意してまでSOS団に行かせる理由とは?? もっとしっかりした機関に頼んだほうが確実なのに。 しかも…父親の名だけが書かれた、宛名のない手紙。 調べたらすぐに分かることなのに…敢えて隠してるのか? なんか引っかかる…… まあいいか、ロンドン…行けるとなればこんなチャンスはないからな。 今年もクリスマスがおわって、来年まであと何日と数える時期になった。 12月26日、午後2時─── 「遅い!!罰金!!」 妹を親戚の家に預けた後、 いつもの声を聞きながら俺は最後に集合場所に向かった。 このバス停から空港へ向かうバスに乗るらしい。 時間があまりないので、今日は喫茶店でのおごりはなしだ。ラッキー。 午後2時20分、皆でバスに乗り込んだ。 ここから空港までは45分ほどかかるらしい。 俺はバスに揺られながら、あの時気になったことを隣に座る古泉に相談した。 「実のところ、僕にもよく分からないんです。今回は涼宮さんはあまり絡んでないようですね。つまり、彼女がはじめから望んだ結果ではない…」 「それで、『悪魔の箱』は本当に…?」 「…それもまだ。上の者ですら、その『箱』について一切の情報を持っていません。おそらく涼宮さんも、何かと恐れているものがあるでしょう」 「ハルヒが『箱』の正体を恐れている?」 「……いや、やはり[楽しみにしている]といったほうがいいでしょうかね。『開けたものは必ず死ぬ』…誰だって、興味を引かれますよ」 「俺はあんまり興味なんてないぞ。なにか裏がある気がしてならん…」 そのとき、補助席を挟んだ隣にいる長門が、俺の腕をつついた。 当のハルヒは、また朝比奈さんにいたずらしているようだ。 「今回の依頼状が来たことには、涼宮ハルヒはほとんど関与していない。そして、『箱』の正体について、彼女は急いで真相を究明することを望んでもいない」 長門はこっちを見ずに淡々と話す。 「…どういう意味だ?」 「本来の目的は依頼人の父親を捜すこと…しかし、彼女にとってはどうでもいい、目的としては二の次。本当にロンドンに行きたがる理由は、『箱』に隠された彼女なりの物語が具現化されているのをその目で見ること」 「つまり、涼宮さんは『箱』に隠された秘密というのを、既に頭の中で想像しているようですね。そしてそれが本当であればいい…そういうことです」 「それって、ただ楽しんでるだけじゃないか」 「違う」 「?」 「涼宮ハルヒは『箱』に関わることでその呪いにより我々の中の誰かが死ぬようなことになるのを恐れている…特にあなた。だから、そんな呪いすら始めからなければいいと望んでいる。呪い以外の、何か別の真相を。しかし、彼女の中に葛藤があるのも事実」 「………?」 「簡単に言えば、涼宮さんは『箱』の呪いが実在すれば面白いと思っている…しかし同時に、その呪いによってSOS団の誰かが死んだりすることを恐れてもいる。特にあなたには…そういうことです」 「なんで俺のことをそこまで強調する?…しかしあいつも子供みたいだな…呪いを信じてるわけだろ?」 「しかし涼宮さんが望めば、箱も呪いも実在することになるんですよ?」 「まあそうだが………相変わらずややこしいな……」 そんなこんなで俺たちは空港に着いたのだった。 「さて…搭乗手続きしてくる。みんなここで待ってて」 こういうとき、ハルヒのリーダーシップは少なからず頼りになる。 朝比奈さんは土産屋で可愛いストラップを探している。 残った3人は、バス内で話題を尽くしてしまったために、無言である。 やっぱり気になるな…ハルヒは何を望んでいるのか。 そもそも『箱』は実在するのか? 分からないことが多すぎる…… 一人で深く考えすぎて、いつの間にか時間が来ていた。 午後3時半、俺たちは無事に飛行機に乗り込み、ロンドンへと飛び立った。 およそ9時間半の長旅を終え、俺たちはロンドンの地を踏んでいた。 そこからタクシーで15分、安そうなホテルを探して町へ。 思えば、飛行機以外はこの合宿行き当たりばったりだな…大丈夫なのか? 荷物を預けたあと二班に別れて、第一回不思議探索inロンドンと称し、手紙に書いてあったシュレーダー博士という人のことを調べに回ることにした。 幸運なことに、俺は朝比奈さんと2人だ。 ハルヒたちは市役所へ行って住所を聞いてくるといっていたので、俺たちは町の人に直接聞き込みをして回ることにした。 「朝比奈さん…どう思います?」 「どうって…『箱』のことですか?」 「あの手紙がきたときから、不自然なところがいろいろとあるんですよ。何か知っていることはありませんか?」 「いえ、何も…もし知っていたとしても、キョン君には言えないことが多いので…ごめんなさい」 「禁則事項ですか」 「はい…」 「でも…朝比奈さんが自分で思っていることについては、口止めはされませんよね?」 「へ?」 「『箱』について、朝比奈さん自身はどう思ってるんですか?」 「………正直、分からないです。その呪いというものにしても、私は何も聞いてませんし、そもそも本当にあるのかどうか……」 まあそりゃそうだ。朝比奈さんの意見はもっともである。 「キョン君は、『箱』のことをどう思ってるんですか?」 「僕は…どうも怪しいと思うんです。わざわざ僕たちに依頼した理由…それに差出人の書いてない手紙。呪いじゃないにしろ、なんか裏があるかも…って」 俺たちは誰から情報を聞き出そうとするわけでもなく、気付いたら普通にロンドン市内を探索していた。 ヤバいな、ハルヒに知られたらまた何て言われるか…その時だった。携帯が鳴りだした。ハルヒからの電話である。 「…もしもし」 『ちょっと、有希と古泉くんが急にいなくなっちゃって。連絡はとれるんだけど、あんたたちと合流してって言われたの。今の場所分かる!?』 「ああ……駅西口だけど」 『わかったわ。今から行くから…あーそれと、あのシュレッダー…だっけ?その博士の家がどこかわかったから、そこに行くわよ!じゃ』 プッ 長門と古泉が…はぐれた? あいつらが二人で行動する理由は一つだけど…だけどな… そして電話を切ってみると、古泉からメールが来ていた。 [宿でまた会いましょう] 20分後、俺と朝比奈さんとハルヒは合流し、シュレーダー博士が住んでいるアパートに向かった。 「ハルヒ、何で古泉たちとはぐれたんだ?」 「はぐれたんじゃないわ。なんか急に『用事がありますから』って…こんなところでよ?用事なんてあるわけないじゃない。きっと二人で抜け駆けしたんだわ」 「まあ、あいつらがそんな関係じゃないことくらい知ってるだろ?」 やっぱり…でもまさか…ハルヒは不機嫌そうでもないし…どうしたんだろう? シュレーダー博士のアパートは、ロンドン中心部から少し離れたところにあった。ハルヒがチャイムを鳴らすと、しばらくして白いあごひげを生やした初老の男がでてきた。 「こんばんは…レイリス・シュレーダーさんですか?」 ハルヒは少したどたどしい英語で尋ねた。 「そうですが…あなたたちは?」 「私たちは日本から来ました。最近行方不明になった、あなたの助手の方についてお話を伺いたいのですが」 「…ケイジ……」 「?」 「いや……入りなさい」 部屋のなかはまるでごちゃごちゃした研究室のようだった。博士は真ん中にあるソファを指して「座りなさい」と言い、向かいの椅子に座った。 「それで…話を聞こうかの」 「はい。まず、この手紙を見てください」 ハルヒは依頼状をテーブルの上に置いた。 「差出人は書かれていませんが、この手紙は日本人の女の子からのものです。そして、その子の父親があなたの助手で、『悪魔の箱』と言われるものの調査中に…行方不明になった」 「………」 「その人について、何か教えてもらえますか?」 博士は悲しそうな表情をしていたが、やがて口を開きだした。 「……わかった。話そう。はっきり言って、わしもあまり思い出したくないのじゃが…君たちが彼の捜索をしてくれるなら………」 「あれは今月の頭じゃった。それ以前からずっとわしと彼…ケイジ・オノサキじゃが…二人で、『悪魔の箱』の謎を追っていたんじゃ。ばかげているのはわかっておるが…実際に死亡事件が多発していての。この1ヶ月で6人じゃ。しかも奇妙な共通点があって…」 「共通点?」 「6人全員、死亡原因がわからない。まるで眠ったように…死んでおる」 「それは確かに奇妙だわ…」 「しかも、この6人とも、以前に何かしら『箱』と関わっておるんじゃ」 「それはなぜ分かるの?」 「……それは警察との話で口外してはいけないことになっておる。すまんの」 (…聞いて、どうですか?) 俺は隣にいる朝比奈さんにこっそり尋ねた。 (やっぱり…変ですよね。『箱』に関係している人間が死んでいる…しかも原因不明で) 「それでな。わしらは『箱』について有力な情報が隠されているらしい場所に向かった。そこで調査を進めるうち…そこの町外れの森の中で………急にいなくなってしもうた」 「急に?」 「本当に急に、いなくなってしもうた」 「で…そのまま帰ってきたの?置き去りにして?」 「わしも必死に捜した。捜索班も派遣したが…その人たちもまた…消えてしもうて…」 「…なるほど。で、その場所とはどこですか?」 「フォルセンスと言ってな…キングズクロス駅から特急で2時間半ほどじゃ。じゃが、もし行く気なら気を付けた方がいい。あそこは…まるで呪われておる」 「どうだ?ハルヒ」 アパートを去り、宿に向かう途中、おれは尋ねた。 「どうって?」 「『悪魔の箱』だよ。あると思うか?本当に」 「何言ってんの。あるに決まってるわ。だっておかしいと思わない?博士の話によれば、『箱』に関わった人物が死んだ。尾野崎圭二は行方不明…実際に箱を見たり触れた人は生き残っていない…しかもそれがあるという場所は『まるで呪われている』……呪いの仕業とみて間違いないわ」 「そりゃおまえはそう思うだろうが…」 宿に着くと、既に長門と古泉がいた。 俺は男部屋で古泉に今日のことを尋ねた。長門も呼んで3人で。 「実は今日、小規模ですが…閉鎖空間が発生しました。一応僕が片付けておきましたが、どうやらいつもと違うようでしたので、長門さんにもついて行ってもらったんです」 「いつもとちがう?」 「今日午後5時16分にロンドン郊外のごく限られた地区で局地的閉鎖空間が発生、たまたま近くに居合わせていたため、我々は涼宮ハルヒをあなたの元へ誘導し、午後5時34分に消滅させた。ただし、今回異例なのはそれに涼宮ハルヒが全く関与していないこと」 「それって…ハルヒが発生させた閉鎖空間じゃないってことか?」 「…原因はまだ分からない。しかし、考えられる可能性があるとすれば一つ」 「なんだ?」 「涼宮ハルヒ以外にも、情報統合思念の能力をもつ者がいる。しかも、この地点から半径422.35km以内に」 「ハルヒの能力を持ったやつが…もう一人?」 「…可能性は低い。しかし、もしそうだとすれば厄介」 「厄介って?」 「本来一方向だけに働いている彼女の能力が、もう一つのそれにより一部もしくは全てが阻止された場合、情報統合思念体間衝突によって空間が情報飽和状態に陥り、それが最大許容量を上回ったとき、巨大なビッグバン現象を引き起こす」 「…………」 「例えば、涼宮さんが『神』であるとしましょう。そこにもう一人『神』が現れればどうなるか…世界は涼宮さんの支配下になるものと、もう一方の支配下になるものが生まれる…そうなったとき、なにが一番危険か、と言うことです」 「どういうことだ」 「かつて人間の異なる二大勢力の衝突により勃発した『戦争』という現象…これが全世界を巻き込みます。涼宮さんと『その人物』が直接対面し、彼女がもつ能力が、もう一つのそれと衝突したとき…世界は壊滅する危険にさらされてしまうわけです」 「実際にそうなった場合、そのビッグバン現象を引き起こす可能性は99.79%」 「仮に涼宮さんの力が同時に二つ、真正面からぶつかり合えば、そのときに生じる物理的エネルギーは…そうですね、広島型原子爆弾のおよそ120億倍、とでも言えましょうか」 「………………」 「またそれは、発生から12分以内に地球上のどの場所も壊滅させることができます」 「それを止められるのは、我々の知るところたった一人」 「……………」 「あなた。涼宮ハルヒが選んだ人物」 ……………………… 「ま、まて、ちょっと」 「無理もない。もともと言語伝達には向かない情報」 「いや違う。お前らの言いたいことはわかった。…ちょっとはな」 「とにかく、あなたしかいないんです。涼宮さんに何か起きた場合、あなたに処理してもらわなければ我々にはどうしようもないんです…分かってもらえませんか…ここにきたのは無論『箱』の調査のためですが、新たな問題が発覚した以上、僕と長門さんはこっちのほうも調べる必要があります…あなたや朝比奈さんにも。協力してください。…まあ、先ほどの話はあくまで仮説ですが」 ちょっとまて。訳が分からん。話の規模がでかすぎる…何?世界が壊滅だって?120億倍?え、しかもまた俺なの──── 理解しろだと?無理にも程ってもんがある。今日は歩き疲れたし、時差ボケもあるし…なにも考えたくないんだ。 時計の針は既に12時を少し回っていた。 「……時間をくれ。もうこんな時間だ。長門、もう部屋に帰ったほうがいい。おやすみ」 「…そう」 「おやすみなさい」 その夜俺は遅くまで眠れなかった。 つづく