約 660,749 件
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/10802.html
77 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/17(木) 21 11 56.80 ID 2UkPBbOD0 直接言わずに独り言みたいな形で嫌味な事言うのエアリプって言うんだっけ。 あれをやってくる人の話をさせてくれ 同じサークルに属してるんだけど、別卓でGMやってる時に俺の卓が諸々あってセッション終了予定時刻になっても終わらなかったんだ それで、終わりの会やったあとのロスタイムでもまだ続けていたら 「時間管理ができないGMってさー、何と言うかGMとしての段取り悪そうだよねー」 みたいな事を言っていたり、準備不足だった時にそれを聞きつけて 「何でベストを尽くさないんだろうね。不思議だよね~」 通りすがりにチクッと言って来る 他にもサークルの連絡用掲示板で 「時間通りに終わらせられないGMって僕は無能だと思うなあ」 など書いて消したりとか チクチクチクチクやってくる 「言いたい事あったら直接言ってくれ」 とは言った事あるが返答は 「別に?なんで僕が君に何か言ってる前提になってるの?被害妄想?怖い怖い」 と言われただけだった 過去に何かあった記憶も少なくとも俺には無いが、何かにつけ嫌味やあてこすりを言われるのが嫌になって来ている 78 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/17(木) 21 21 00.12 ID B8qbpLAS0 77 何か言うたびに臆病な卑怯者と言ってやれ 79 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/17(木) 21 25 57.99 ID BPGObVTT0 [3/3] 「言いたいことも言えないチキン野郎が」と独り言で言ってやればいいんじゃない 80 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/17(木) 21 33 22.38 ID OF5eK/Im0 そいつが野放しになってるようなサークルの方が少し怖い どうせ万事その調子なんだろうし 81 名前:ゲーム好き名無しさん[] 投稿日:2015/09/17(木) 22 18 19.26 ID JjWeKpJ20 [4/4] 本来ならサークル責任者とかの第三者を経由して問題解決するべきなんだが、そのサークルのメンバーがよくわからんから相談しろとは言えんね 個人で対処するなら「気にすんな」か「抜けろ」しかないな 86 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 00 09 08.98 ID 7Wp1L7I90 77 そいつの後ろで無意味かつランダムに舌打ちしてやるといいんじゃないかな 87 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 00 20 59.45 ID G2prybV60 [1/2] 厨返ししてはならぬ 困と同じよ 88 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 01 10 22.28 ID zU5E7aSx0 [1/2] 個人的に舌打ちはゲップより下品な行動だと思っている。 89 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 01 10 56.30 ID 8yfvNbOf0 たしかに厨返しはよろしくはないが ここまで露骨に喧嘩売ってきてる相手にだんまり決め込んでも余計に調子に乗りそうだがな… 90 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 01 38 06.61 ID G2prybV60 [2/2] 89 売られたからといって買っては損 すべきは周囲への根回し 追い出しちゃいましょう 追い出せなくても味方を作っておく意味はある 91 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 02 13 35.02 ID 6ahUOxhK0 [1/2] 77 つい先日似たような流れでうちのサークル内では短気なことで有名な土方の兄ちゃんが陰口野郎に一発決めて「シャッキリしろや!女々しいんじゃオカマか!」って怒鳴りつける騒ぎになりました 実を言うと陰口言われてたのがワシ(年長者)なんで即座に止めに入ったが気の利いた台詞なんか浮かばないんで「お兄さん、もういいでしょう」とか水戸黄門みたいな感じになってしまって非常に顔が熱かったです やっぱり陰口はいけないことなんだなぁ、と思いました。 92 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 03 19 50.34 ID tCjD0Rnv0 それフォローが良くないと兄ちゃんが止められたことで 自分が間違いで無かったと認識した(困はこの程度よくやる)陰口野郎が図に乗って まともな方との信頼が壊れるパターンでは 93 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 06 29 44.83 ID VkWIVm7u0 [1/3] それは重要だな 94 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 06 31 26.07 ID CSzPyqM30 91 そういう事なかれ主義は加害者の味方してフォローしてくれた人間の背中撃つ行為だって認識したほうがいいぞ 95 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 06 49 12.86 ID GjX4lyuQ0 俺は正論を言っているだけ(ドヤァ)つもりなんだろうから こっちも正論を言ってやればいいんじゃないか 「卓ごとに色々と事情があることもあるし一概に決めつけて非難するのもどうかと思いますよ」とか 「自己弁護バロス」と言われたら「あれ?一般論じゃなかったんですか?」と返せばいい 96 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 07 47 38.14 ID VuwVkiAxO [1/2] 背後からコソコソ皮肉だけいう奴に人がついていくとは思えないが、弁だけはたつんだよなぁ 97 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 07 52 14.23 ID i5uxnvKn0 [1/2] 一人生贄を決めてそいつを囲んで蹴り続ける構図を作ればその集団は結束するからな そういう輩ではないだろうけど 98 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 08 12 51.82 ID ucJWvBaS0 つかそういうのに反応するから(反応が大きいから)報告者がタゲられてるんだと思われ 何言っててもスルーが一番よ 106 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 09 46 49.26 ID 6ahUOxhK0 [2/2] 94 陰口野郎が既にリアルに頭をめった打ちにされてたんで兄ちゃんの怒りを鎮める方向で動いてしまったのは俺の責任だな まあ止めた後フルオートで土下座してくれたし陰口野郎も反省したんじゃない?まあ、一般論でね? 107 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/09/18(金) 10 20 33.56 ID JvsRx3s90 106 これ以上書き込むとお前のゲスっぷりが浮き彫りになるから止めとけ スレ424
https://w.atwiki.jp/rowarowa/pages/253.html
ぎゅっと握り締める ――おまえはどうするんだ? 傍らに佇むハルワタートが真紅へと問いかける。 意識を喪い、傷ついた男と少女。 そして離れたところで激戦を繰り広げている 三人の男を交互に見やって。 時間のなさをもどかしく思いつつ、 真紅は必死に最適な道は何かと考える。 ――おまえには生きて欲しい 真紅のリュックの中には桜田ジュンの裁縫道具と 彼の神業を写した精微な写実本がある。 「水銀燈は金糸雀を想い遣っていたそうよ」 声なき言葉で語りかけるハルワタート、水に浮かぶ仮面を 真紅はそっと撫でて微笑んだ。 「おかしなものね。 それなりにあの子のことは知っていたはずなのに そんなことを私は想像すらしなかった」 雪はまだ降り続けている。 倒れたマルコ達に積もる雪は確実に体力を奪うだろうが ハルワタートの力で水の傘を作ることにより防いでいた。 ――けれど おまえは言っていたもんな 「そうね、これは私の闘いよ。 誰かの闘いはその人だけのもの」 ハルワタートから少し離れると 真紅は手を掲げ、高らかに命じた。 「合体よ、ハルワタート」 ――――――――――。 雪が降っているとわかる方法は 少し離れた世界を見ることと、 遥かに高い上空を見上げることだけだった。 咆哮とともに暴れ狂う龍と一体化した男。 猛々しい叫びは桐山を確かに打ちつけるが そこに意思は感じられず、ただ純粋な感情だけがあった。 桐山の背後から雪を踏みしめる音が聞こえた。 剣を握り直すと真後ろを突き刺し、 そのまま旋回する。 手応えはない。 忍び装束に身を包んだ小四郎が着地したのが見えた。 上から超質量の光球が落とされ、 落ちていく氷の羽が瞬時に蒸発した。 だが地面が焼け焦げ、陥没したときには 桐山はすでにブックの背後、正確には背中にしがみついていた。 「ぐぐあああああああ!」 意味の取れない言葉を喚き散らし、 口の端から血の泡をブックは次々に吐き出している。 精神を喪った魔物使いの首に両手を巻きつけた 伊賀忍の秘薬、七代盲の香を手に桐山は 振り落とされないよう気をつけ。 ブックの顔の覆われていない部分へと向けて――。 「ぎゃあああああ!!」 予想外の出来事に精神が動揺したのか ブックは顔を抑えてあらぬ方を飛び回った。 すでにブックの背中から飛び降りていた桐山は 着地地点で待ち構えていた 小四郎へデリンジャーを向けて発砲する。 だが銃口の向きからか着弾点を読んでいた 小四郎は横へとわずかにステップすることでそれを躱し。 口を卵のような 小さな楕円形の形にし、真空を産みだした。 ブックが離れたことで雪は常のように熱を受けることなく しんしんと枯葉のような大きさで空から溢れ落ちる。 それにより、ある程度の場所はわかるはずだったのだが。 ひゅるるるるるるる 桐山を待ち受ける前に地面に潜ませていた 超大の真空が解き放たれ、周囲の雪が舞い上がる。 桐山の視界を雪が覆い、目の前すら見渡せない状態が続く。 そして、桐山は真空へと呑まれた。 すんでマントを展開した桐山は辛うじて直撃を避けたが 衝撃によって変身が解かれ、雪原を何度も弾み転がる。 仰向けになった桐山、小四郎からの追撃はまだなく。 代わりに目前に迫る盲目の猛獣が 弱者の匂いを嗅ぎつけ突撃してきた。 未だ桐山の手足は動かない。 剣は数m先に落ちており、 振るえる武器は何一つない。 目と鼻の先にブックの爪が光った。 ひゅるるるるるるるるるるるるるるるるる だがブックの爪が桐山の端正な顔を切り裂く前に 桐山が展開していた真空の玉が、ブックの頭部を 今度こそ致命的なまでに引き裂いた。 それでもまだ生命を保っているのは さすがは旅人筆頭のシグドラというべきか。 よろけ、虚ろな目で後ずさったブック。 しかしそこにはもう何者かが放った鎌が突き刺さっていた。 「ここまで弱らせればただの刃でも刺さるか」 生命が抜け去った頭から鎌を抜き、 小四郎は流れるような手つきでブックの首を刈り取る。 「…………何をしている?」 桐山の問いには答えず。 小四郎はブックの首に かけられていた首飾りを自身につけ。 ブックの足元で小動物になって気絶していた 龍、銀嶺から契約の玉を取り出した。 「よせ、銀嶺を解放するつもりか」 「いいや」 小四郎はブックの持っていた魔本を手に取ると そこに書かれていた文字を読み上げた。 「さいす」 近くもなく、遠くもない場所で疾風が天へと放たれ、 小四郎に呼び寄せられるかのように 気絶したはずの少女がこちらへと駆け寄ってくる。 「やはりあの魔物使い。 あの娘の心にも何らかの催眠術を施してあったか」 少女ティオへと契約の玉を放り、 小四郎は改めて契約の言葉を口にする。 「着殻」 光りに包まれた後、現れたのは 1000mは優に越える龍と苦悶する鬼女の顔を胴部につけた小四郎の姿。 「……手際がいいな」 「おれの支給品はこれだ」 ようやく起き上がった桐山の元へ放られたのは名簿。 しかし通常の参加者に支給されたものよりは遥かに分厚い。 「荒唐無稽な記述ではあったがな。 謎の火薬を使う男を目の当たりにしてようやく信じられた。 遙か未来の世。面妖な童たちによる殺戮。 そして異国ではない地獄を彷徨う稀人」 滔々と語る小四郎へとブックの支配から解き放たれ、 目覚めた銀嶺が牙を剥き襲いかかる。 「鎮まれ」 しかし、語気鋭い、疾風の命が。 銀嶺に伝わると瞬く間にひれ伏し牙を収めた。 「龍といえど所詮は獣。 魔王には勝てまいよ」 桐山にもわかる。 今の小四郎は先程よりも遙かに強大な力を持っている。 小四郎が手を挙げると それに付き従う銀嶺が再戦の狼煙と火炎を噴き。 雪を降らせた雲に風穴を開け、晴れ間を覗かせる。 縦に伸びた龍は地上からでは 頭部まで視界に収めることができない。 これを一人で倒すにはどうするべきか。 桐山は高速に動き出す脳の演算装置で考える。 しかし、 「まずは小手調べだ」 魔王の腕に自身の腕をかぶせた小四郎は 桐山へと腕を振るい、唱える。 「さいす」 放たれたものは桐山が小四郎より盗み、 修めた技よりも強く撃たれた真空の鎌鼬。 避ける手段もなく今度こそ桐山は、死ぬ。 しかし、桐山の前に突如鋭い水の鎌が現れた。 「大丈夫、カズオ?」 ティオが走ってきた位置からそう離れていないと思ってはいたが 声のした方を振り向いた桐山が目にしたのは真紅とマルコの姿。 「…………離れろといったはずだ」 「嫌よ」 「戦場だったな。真紅を抱えてここから逃げろ」 「一人でどうするつもりだよ。 っつうか俺の心配なしか。 事前に精力吸ってなかったら今頃お陀仏だったんだぜ?」 広大な雪原そのものと同化したハルワタートを駆る真紅。 水の中で仮面をかぶり浮かび上がる姿。 水は雪を吸い込もうと大きく広がり、華美なドレスの裾のようになっている。 禍々しさとともに神々しさ。異教の原初神ヌンを想起させた。 「これを貴方に」 真紅から手渡されたのは小さな裁縫道具と 少年と青年の裁縫風景が描かれた一冊の本。 「これを俺にどうしろと」 「絆があれば、何かを得られるかもしれない。 貴方は水銀燈に芽生えた炎に触れたのだから。 取り返しのつかないほどに体が壊れ、 概念と魂しか残っていないあの娘にも何かができるかも」 真紅の言葉に桐山は沈黙し、 亡骸となった金糸雀を見た。 真空に蹂躙された金糸雀。 砕け散ったボディからは かつての容姿を想像できる者はいないだろう。 まして、短い間しか会っていない桐山には…… 額に痛みが走った。 それは針に刺されるくらいのものだったが。 思わず傷んだ箇所に手を触れた 桐山の肩に暖かな光が灯った。 「そうか。だから、お前がいるんだな」 桐山は誰にも聞こえないほどの小さな声で呟き、 真紅とマルコを背に、金糸雀の亡骸へと走る、走る。 ――――――――。 孤独とはなんだろうか。 それは誰もいない劇場で 小さなスポットライトがあたるのに似ている。 その灯りは生きていくのにたしかに十分すぎるもので。 少し動けば灯りも一緒についてきてくれるから 何かを得るのに不自由することはない。 けれど、時が経つに連れて、誰もが忘れてしまうのだ。 自分の心と体がどうであったのか。 他者に触れるとはどういうことか。 他者に光をあてることがないから。 閉ざした恍惚感と葛藤のない思索。 永遠の夢幻のとき。 いつかそれではまったく満足できなくなり。 長らく続くと自分を導く糸すら見えなくなり。 真の暗闇が心を照らす。 それが、孤独だと少女は思っていた。 金糸雀の瞳が開いた。 鼻をくすぐる羽の感触があったから。 ありえないはずの意識をまた持って。 金糸雀は横たわったまま、四肢の感覚がないままに。 まぶたを開いた。 ――あぁ 声はでない。言葉をまとめることももうできない。 これはたゆたう思考、魂、概念が発する瞬きに過ぎない。 けれど、そこにはたしかに金糸雀の姉がいた。 いつものように苛烈な刺々しい瞳で何を言うこともなく。 彼女へと視線を注ぐだけの、そんな姉がいた。 ――変なの 口を開いた、ような気がする。 音には誰よりも精通していても、 体が壊れてはどうしようもない。 それを嫌だと思ったし怖いとも思ったが。 金糸雀は、一瞬だけ戻った両手の感覚を必死に動員し。 空へと手を伸ばした。 ただ、伸ばしただけで。 何に触れるわけでもない。 何を手に入れるわけでもない。 本来ありえなかったことだとは金糸雀も理解していた。 けれど、金糸雀は、ほんの少しだけ寂しいと―― 体をなにかに包まれた気がした。 暖炉の前よりも暖かく、手で撫でられるよりもくすぐったい感触。 黒い羽が両翼ともに広げられて、 金糸雀をたしかに抱きしめる。 力強く、壊れないように。存在を伝える。 ――いっつもいっつも ひとりで離れたところにいて 金糸雀の口元に笑みが浮かんだ。 金糸雀の瞳から涙がこぼれた。 ――なのに けっきょくはお姉さんなんだから ぎゅっと抱きしめられた金糸雀は再び崩壊していく 体を繋ぎ止めることはできず、黒の天使の腕の中で死んだ。 ――大好き、水銀燈 それだけのできごと。 戻ったものは何も成すことなくまた死んだ。 意味があった行為とは到底言えない無駄骨。 けれど、 「これが《孤独》か」 金糸雀を抱きしめていた少年は 「想いだした」 たしかにそう呟いて。 ――――――。 小四郎と銀嶺のまえに屈する真紅とマルコ。 「無駄だったな。お前たち二人ではおれたちに敵うまい。 あの男がいたとしても焼け石に水だったろうがな」 まだ行使できる力の源は膨大にあるが 真紅とマルコにはそれを振るうだけの体力、 それ以上に畳かかかる攻撃に反応し切ることができない。 「無様なことだ」 冷徹にそう告げると、小四郎はとどめの一撃のために。 体中に力を蓄え。放とうとし―― 「させるか」 それを黒の一撃により遮られた。 乱入は予想していたがこめられた力は先程とは段違い。 苦鳴の音を漏らした小四郎は大きく距離をとった。 「戦場、おまえに渡しておくものがある」 そう言って桐山がマルコへと放ったものは 一組のエンゲージリング。 「これは……!」 「後で渡しておくつもりだったんだが。 大切なものなんだろう。 今のうちに渡しておく」 体勢を立て直し終えたマルコと真紅を 振り返ることなく桐山は話す。 「お前たち二人は銀嶺をやれ。 俺はそれまでにこいつを倒しておく」 無謀とも言える提案に異を唱えようとした二人だが 振り返った桐山の表情を見て言葉に詰まってしまう。 「不服なら早いうちに片付けて援護に来い。 それで問題ないだろう」 「……気をつけて」 「ほどほどに頑張れや」 真紅とマルコが銀嶺へと改めて挑もうとしたに、 桐山は真紅を呼び止めた。 「ありがとう」 「……え?」 「恐らくだが金糸雀の最期の言葉だ。 お前に言うのが相応しいと思った」 真紅はそう話す桐山に笑みを見せて、 今度こそ龍へと飛び立った。 残ったのは魔王の力を手に入れた忍と、 ただの少年の二人だけ。 雪がやみ、降り積もった雪では 吸い込みきれない激闘の音が周囲に木霊する。 「…………ひとりで勝てると思うのか?」 「……ひとり?」 桐山は小四郎へと歩み出す。 足を、前へと踏み出す。 「一人か」 ――右手に力をこめる。 水銀燈のローザミスティカが激しく輝く。 「独りか」 ――左手に力をこめる。 金糸雀のローザミスティカが可憐に瞬く。 「俺がひとりに見えるのならば」 桐山は駈け出した、そして消えた。 現れたのは小四郎の懐。 両手が小四郎に触れて、 衝撃が体中を駆け巡る。 「お前に勝ち目はないぞ、魔忍者」 【ブック 死亡確認】 【残り19名】 【桐山和雄@バトル・ロワイアル】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、重傷(治療済み) 、 「愛」の概念を思い出しました 「孤独」の概念を思い出しました。 [装備]:ローザミスティカ(水銀燈)、ローザミスティカ(金糸雀)、カードデッキ(ナイト)、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎 、デリンジャー(0/2)@現実 [道具]:基本支給品×4、たくさん百円硬貨が入った袋(破れて中身が散乱している)、手鏡 水銀燈の首輪、水銀燈の羽、予備弾薬12発、 エディアール家の刀@waqwaq 、夜叉丸の糸@バジリスク、首輪探知機@オリジナル、 千銃@ブレイブ・ストーリー~新説~、基本支給品、 ブーメラン@バトルロワイアル 、 神業級の職人の本@ローゼンメイデン [思考・状況] 基本行動方針:アリスゲームを守る。そのために影の男を殺す。 1:小四郎を討つ。 2:可能ならば、2時半までに病院に戻る。 【備考】 ※参戦時期は死亡後です。 ※リュウガのカードデッキは破損しました。 ※ローザミスティカと深く通じ合えば思い出すという形で記憶の継承ができます。 それ以上のなにかもありえるかもしれません。 ※ブレイブ・ストーリー~新説~側の事情をだいたい把握しました。 ※ジュンの裁縫セットは壊れました。 ※ジュンの技術を修得しましたが本人ほどの異常な才能はないので技量は劣ります。 ※小四郎の忍術を修得しました。 【真紅@ローゼンメイデン】 [状態]: 疲労(小)、“願い”インストール、七原の戦闘技術と知識継承 [装備]: ハルワタート@waqwaq、真紅の懐中時計@ローゼンメイデン [道具]:基本支給品、ホーリエ、ハリセン@現実 、 レミントンM870(8/8) 、レミントンM870(8/8)、 ヴァルセーレの剣@金色のガッシュ、レミントンM870の弾(16発) 、 不明支給品×1 [思考・状況] 基本行動方針:七原秋也の意志と共に 。 1:銀嶺を討つ 2:可能ならば2時半までに病院に戻る。 ※ブレイブ・ストーリー~新説~側の事情をだいたい把握しました。 【戦場マルコ@未来日記】 [状態]:ダメージ(大)、頭部に傷、顔中腫れ上がっている、 [装備]:交換日記のレプリカ・戦場マルコ用@未来日記、 アムルタート@waqwaq、レーダーのレプリカ@BTOOOM! ヨキの弓矢(8/10)@waqwaq 、マルコと愛のエンゲージリング@未来日記 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:愛をとりもどす 1:銀嶺を討つ。 【筑摩小四郎@バジリスク~甲賀忍法帖~】 [状態]:首筋に痣。疲労(中)、ダメージ(中) [装備]:鎌@バトルロワイアル 、人別帖@バジリスク~甲賀忍法帳~ 契約の玉(ティオに装着)@ブレスト、ジュリー(銀嶺)@ブレスト、双眼鏡@現実、 [道具]:基本支給品、詳細名簿、不明支給品 、青酸カリ@バトルロワイアル、魔本(ティオ)@金色のガッシュ!!、 [思考・状況] 基本行動方針:天膳様の優勝への道を支援する。 1:腑抜けの皮を被っていたが、機は熟した。今こそ動く時。 ※香川英行の名前を知りません ※詳細名簿はムルムルが執筆したことから主催者の情報も記されています。 (例)【コト】段取りを踏めば最強に近いがその段取りが色々と面倒くさい。 素のスペックでこいつに負ける参加者、主催者はいない。 【キク】コトを補佐する縁の下の力持ちを本人は自負しているのだろうが なにぶんスペックがバカ高くルックスもイケメンなことから 縁の下からはみ出しきっているという不運の人物。 ※近くに基本支給品、首輪(霞刑部)、首輪(平清)、常勝無敗のケンカ日記のレプリカ@未来日記、 不明支給品2~3が入ったデイバックが落ちています。金糸雀の装備していたものは全て壊れています。 【ティオ@金色のガッシュ!!】 [状態]:体力消費(大)、着殻状態 [装備]: [道具]:基本支給品、 [思考・状況] 基本行動方針:??? 1:………… ※一度、ブックが死んだことにより狂戦士の術は解除されました。 過去の産声 投下順 雪原の祝福 破滅の時計盤も時には 時系列順 雪原の祝福 ぬくもりのなかであたしを殺して 筑摩小四郎 花弁も遺すことなく 戦場マルコ 雪原の祝福 ティオ 花弁も遺すことなく 真紅 雪原の祝福 桐山和雄 花弁も遺すことなく ブック GAME OVER
https://w.atwiki.jp/qkonh23/pages/21.html
9/18(火)回生会議にあたり募った【どんな回生でありたいか】という意見を文責者なりに分類・整理してみました。順不同。若干の修正を加えていますが、基本的には原文のままです。 9/20現在 22人 文責;はやかわ 考え方とか姿勢とか 回生の中では認め合いたい。個人的に嫌いな(苦手な)人がいたとしても、それを理由に活動に支障をきたすことは仕方ないことではない。「話しても分かってくれない」と思うことはあるかもしれないけれど、執行を一緒に頑張るなら諦めてほしくない。 お互い信頼しあって、仕事を任せられる回生に 閉鎖的な回生にならない。OBOG・他団体に対してもそうだし、上・下回生に対してももっと自主的に絡んでいく、自分の回生だけで固まらない。でも、自分の回生にも閉鎖的にならない。 遠慮しあわない回生。思ってることを遠慮して言わないのが普通の人だと思うけれど、そこを遠慮せずに言えるようになればいい。現実にするのは難しいかもしれないけど、せめてそれを目指す人たちでありたい。 少人数の飲み会で語ることを回生みんなで共有したい。回生会議も定期的に。 回生で一つの「~な回生」という目標を全員で納得して決めるのは無理だろうから、一人ひとりがちゃんと考えて各々の信念のもとで活動していければいい。 みんなに無理をさせない回生。ただ合唱を楽しむために九混に来ている人に練習の無理強いすることがないように等 団員のそれぞれの事情を考えられる。団員一人ひとりに事情や考えがあるので、自分の考えを互いに押し付けたくない。 意見の対立があった時に、対立するだけじゃなくてお互いに歩み寄ろうとする回生 みんな誰だって意見を持っていて、それを言い出せないのは、その人の勇気もあるけど周りの雰囲気もある。「言えばいいのに」と簡単に言う人の気持ちも分かるけど、みんなと違うことで受け入れてもらえるか不安に感じるのは普通。 大人数でマナーが良くないなら、マナーを知らない人を責めるのではなくみんなで学べるチャンスだって考えたらいい 自分自身にいつでも危機感をもった執行学年に お互いの足りないところを認め合って、補い合える回生 いい意味でぶつかりあえる回生に 派閥を作らずに、ちゃんと意見を言い合える、仲のいい回生に 他の人(下回生、他団体、一般人etc)から見られて恥ずかしくない回生。ウチからは良くも悪くも手本、見本となり、ソトからは九混をまとめる代、責任者と思われるから。 アグレッシブな学年に挟まれているので、いいとこは吸収しつつも落ち着きをもっていたい、全体を見てバランスのとれる回生に きつい状況の中でいかに楽しめるか 運営の話もだけど、飲み会中に楽譜を楽譜引っ張り出して「ここはこんな風にしたい!」みたいなことをみんなでできるといい。 自分や自分たちと正直に向き合って成長していけるか いろんな人が集まっているから、意見が食い違ったり何かしら不満に思ったり、そういう壁にぶつかることも要領がよくない人がいるのも仕方ない弱みだからこそ、それを強みに変える執行学年に。一生懸命に考えて頑張ってる人をまわりが急かす必要なんてない。誰かのやり方に「もっとこうしたらいい」って思うなら、こそこそせずに真っ直ぐに伝えたらその人も助かるはず。「担当の人が頑張ればいい」という甘い考えは捨てたい。45人みんな合わせて執行学年だから。 行動面 リーダーシップをとるのは一部の人でも、その他の人は無関心にならずに自分にあった形で九混を支えていけたら 制度が変わったコンクール(編集注:来年度のコンクールから大学部門がなくなりユース部門が導入される)や50周年など、山場があるから、特に音系は今まで以上に負担がかかるので、いかに周りが支えるか 合唱することを色々なことの目的に(する意識を持って仕事を)したい。事務も音系も、指示に従うだとか、支払い、出欠、会議、マナーとか、元を正せば全部一緒のはず。何のために仕事とか作業をしているのか考えたら、もっとできるのでは? 「これだけ人数がいるから、誰かがやってくれるだろう」ではなく、自分は欠けてはならぬ団体の一部分としての自覚を持って行動できる回生に 目配り気配り心配りをみんなが心がける。練習中に先輩が喋っていては、九混は成長できない。真面目にやろうというよりも空気を読もう。 「九混が楽しい!」と思える環境づくりを、人任せじゃなくて皆で行える回生 和気あいあいとした雰囲気を保ちつつ、段取りや動きは確実にできる回生に 人数を長所にするために、一人ひとりが責任ある行動を 局や委員会を越えた仕事を分担、依頼することになった場合でも快く引き受けてほしい。依頼する側は早めに動く、明確な指示を。 個人の想いや事情を最大限に考慮しつつ、コンクールや定期演奏会などの共通の目標を持って活動できる回生に 後輩へ 後輩のことを考えたい。後輩を占有して、自分をその後輩の“特別”にしてしまうと、なかなか色んな情報、考え方が入らなくなると思う。少し、自分が1回生だったときのことを考えるべきかも。 50周年記念定演のその先も考えておかないと 自分の代だけに執着しない、長い目で見た後輩指導等に力を入れた回生に 九混として 九混が一人一人にとってなんらかの形で居場所を感じられるような空間であれば 九混に関わる人(九混を作ってきたOBOG、ついてきてくれる後輩、お客さんetc…)全てに感謝を忘れない 九混活動中(練習、本番)と普段(それ以外)の区別をつける。最近の雰囲気が個人的に気になるので。いい歌を歌うために、私たちの回生で徹底したい 後輩たちが伸び伸びと活動できる環境を提供でき、かつ質の高い音が苦を創り上げていくために邁進できる組織 居心地の良さと、より良い音楽を目指すこと、両方を実現したい。本によると、人が任意団体に求めるのは、共同性と目的性の2つだそう ヨコの繋がりが全体としてしっかりするのは勿論、タテの繋がりも安定した、九混が一つの大家族みたいに一丸となる為の、原動力、中心になっている回生に 活動の始めと終わりにしっかりその日の課題を見つめる黙想の時間をとるなど、規律やメリハリある雰囲気に 音楽面 (福岡で上手い人だけ集めて合唱をすることもできる中で)九混として出る意義を見いだせるのか、勝ち抜けるか 50周年ですごいOBがいる中でも自分たちの音楽を示せるか。一人ひとりがどんな音楽をしたいか考えられるといい。 執行学年は一人ひとりが音系だという気持ちでぶつかりたい。理想だし、押し付けではなく、あくまで好きなようにしてもらってもいいけども。 今までの九混の先輩方、自分たちに対して自信をもって「これだ」と言えるような音楽ができるか 合唱の楽しさの感じ方は違うかもしれないけれど、みんなで曲を創り上げて、歌うことでいろんな人たちに私たちの気持ちや願いを伝えるのが嬉しい気持ちはひとつになれると思う
https://w.atwiki.jp/dangerousss4/pages/199.html
2.崎々亭主人の悲恋 <登場人物> 蒿雀ナキ 雀の妖怪。修行不足を痛感し、崎々亭の主人である空海に師事する事となった。 ツクモガミの親分 天地宇宙を創造した天帝(創造神)を自称する。今はその力のほとんどが失われたらしい。 表裏を自在に入れ替える事の出来る小銭の宝貝「黄渾幣」を持つ。 崎々亭の主人 海と同化し崎々亭をその背に乗せる竜神さま。なぜか親分に頭が上がらない。 意識を人の姿に具現化し、空海と名乗って崎々亭の主人として振舞う。 ツクモガミの親分はかつて仙人を目指す道士だった。しかし、その才能はどんな水も漏らさぬ手厚い指導にも必ず隙間を見つけて落ちこぼれるほどに細い。あまりの見込みのなさに「どちらかと言えば仙人骨がある」と言われる有様であった。 教えた事は何一つ満足にできないくせに、教えてもいない不遜で傲岸で気ままな振る舞いは一丁前である。師匠から絶えずいただく小言に腹を立てた彼は、あろうことか師匠に恥をかかせてやろうと出鱈目な宝貝を開発し、企みの内にあえなくばれて破門を言い渡される事になった。 破門を受けたとはいえ、親分には天賦に授かる唯我独尊、分を弁えず師匠に噛みつく傲岸不遜の意気がある。勝手に仙人を名乗り、乾坤一擲を掲げて術の研究に勤しんだ。仙人の名を騙っても何のお咎めも無かったあたり、如何に彼が仙人界に相手にされていなかったかが伺える。 しかし、親分は最後には最高峰の術である「転化の術」に至る事となる。 似非仙人は世界をめくるめく縛る因果の鎖について考えた。全く何も分からなかった。 仕方が無いので、風とは何か、火とは何かを考えたが、これも分からなかった。水、土も同様、千年かけて九割まで理解できても残りの一割が分からない。その一割のうち九分を千年かけて埋めても最後の一分が未解決であるから、分かったつもりの九割九分も本当に真理に有るのか判然としない。九厘、九毛、九糸……どこまで行っても最後の一が分からないので元素について考える事もひとまず止めた。 そうやって考えて、考えるのを止めて、考えて、考えるのを止めてを繰り返すうちに「考える事も無いのに考えている」境地に近づいていく。広がりきった宇宙がしぼんで彼の周囲一畳まで狭まった時、彼はとうとう因果を脱却し「転化の術」を見出したのである。 せっかく「転化の術」に至ったのに、光の速さで収縮する宇宙はもはや一畳の広さしか残っていない。やむなく親分は新たな宇宙に転化した。 その宇宙で生まれ、仙人を目指し、落ちこぼれ、破門にあい、術の研究をしているのが今の親分なのだという。 何の事は無い。つまり仙人を騙るに飽き足らず、今度は天帝を自称しようと言うのである。 聞いたところで損した気分にしかならない話だが、親分は数多のツクモガミを誑かす希代の詐欺師である。その口が紡ぐ言葉は誰しもに「信じても信じなくても結局のところ大差ない」と思わせる妖力を含んでいる。そうやって気分だけでなく実損を被る破目になった者は多くはないが少なくもなかった。 親分に大損を押し付けられている一人が崎々亭の主人、空海である。彼は親分に対して全く頭が上がらない。どんな借りがあるかは分からないが、タダより高いものは無いというから、案外何も借りていないのだろう。 崎々亭は創業二百年を超える老舗旅館である。 江戸時代の中期から末、東京湾には「希望崎」という海上都市が浮かんでいた。そのほとんどは取り壊されて残っていないが、崎々亭とその一角だけが文化財として保存されている。この海上都市の名残が二百年以上も沈まずに堪えているのは、ひとえにこの空海のおかげであるが、彼はかつて希望崎を襲った大災害でもあった。 竜神である彼はかつて、崎々亭に暮らす人間の女と恋に落ちた。彼は道ならぬ恋の許しを得るため恋人を地上に残し天界へ上った。急いでいた彼は宴をも辞して、とくとくと一族が与える試練に取りかかる。体重の三倍はあろうかという酒をぐびぐび飲み干すと、今度はさっきの三倍の酒が出てきた。やがて竜神の力が酔いによって封じられ、人の一生分は使い物にならないと判断されたら釈放となり、人間と交わる事が許されるのだった。 しかし、天界から戻った竜神を恋人は待ってくれてはいなかった。誰に聞いてもその行方はようとして知れない。酔いは竜神の力を抑えるどころか、悲しみと混然となって手がつけられないものにした。竜の尾に叩かれ、鼻息にさらされ、顎に噛まれて希望崎はみるみる傷んでいく。堪りかねた住人たちは彼の恋人を探し、とうとう見つけ出した。 竜神が天界からの帰り、ついつい微睡む間に、恋人は天寿を全うしてしまっていた。 真っ青に酔いのさめた竜神は自分の行いを悔い、背に希望崎を乗せて今日も東京湾にぷかぷか浮かんでいるのだった。 崎々亭2階のありふれた部屋で、空海は客人の相手をしていた。空海はその意識を人の姿に変え、今日まで希望崎の復旧から商売の手助けに至るまで、慌ただしく二百年余りを過ごしてきた。 「蒿雀ナキは巧くやってるかい?」 今や崎々亭の主人としてその繁盛を支える空海が自ら相手をする客、それはツクモガミの親分だった。善通寺との戦いで修行不足を痛感したナキに、親分は崎々亭の主人にして偉大な竜神である空海を師として紹介した。 「親分さんの言う通り、厨房で下働きをさせていますよ」 ふぅん。と呟いて親分は料理に箸を伸ばす。崎々亭の料理と言えば凝ったものとして知れている。 「私などに頼まずとも、親分さんが鍛錬をつけてあげればよろしいのに」 「今の私は力なき仙人崩れだ。それに術の鍛錬も宝貝の開発も時間がかかり過ぎる。君の竜精でも吸っていた方が幾らか実りがあるだろう」 崎々亭をその背に支える竜神は水の神である。その強大な霊気を浴びるのは霊界に生きる者にとって覿面に効果がある。三十三日も竜精を体に取りこめば、変化の術が竜の一息で解けてしまうようなヤワな事にはならないくらいの力がつく。 そんな強い竜神が仙人界で落ちこぼれ破門を受けた男に、こうも頭を低くするのだから何気に愉快である。 「竜精を浴びるだけなら下働きなどさせずとも、座っているだけで十分でしょう?」 実のところ、空海はナキに少々手を焼いていた。呑気なもののけの手際は悪い。メキメキ音を鳴らしているのは鍛錬の成果ではなく、仕事の段取りの方である。 「何もせず座っていろ、か。そんな事だから君は恋人との逢瀬を五十年も寝過ごすんだ」 「これは手厳しい」 歯に衣着せない親分の言葉に空海は苦笑した。彼は人間と交わる許しを頂こうと天界へ上り、その帰りに五十年ほど転寝してしまった過去がある。 「彼は自分が人と共に生きられる時間の短さを悲観している。変化で姿だけ人の寿命に似せて繕うのはその悲観と弱さの表れだ」 「命の長さが違うもの同士、その恋の果ては悲劇しかないのかもしれませんね」 「命儚き人が、飽くほどの命があるもののけに寄り添う場合はそうだろう。だが、もののけが人に添う事だって出来る」 人と同じ忙しさの中を生き、春のひとつひとつを同じように愛でる。それが出来れば例え命の長さが違うもの同士の恋でも、その結末が悲劇になるとは限らない。親分はそう考えを述べた。 「私にも、そのような生き方が出来たでしょうか」 「出来る。君がこの旅館を支えてきた二百年は楽しかったはずだ」 大切な事ほど事もなげに、親分は言う。 このページのトップに戻る|トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1128.html
1 世界に色なんてなかった。 今こうして見上げているソメイヨシノは、本来持ち得ているはずの淡い色彩を失い大きく美観を損ねている。 そう見えるのは私だけなのだろうけど。 セピア色の世界は見慣れた色彩となった。いや、「見慣れた」というのは大きな語弊がある。 私はまだ、この世界を受け入れられていない。 卒業から1年。キョンと別れてから二度目の春。思い返せば、私の色はあの時から薄れていったのだ。 さくらの花が散る。一片の花びらが大地へ舞い落ちていく。 記憶が舞い戻る。一枚の花弁が舞うたびに、キミを思い出す。 橘さんと落ち合う場所は、公園の入り口を予定している。 時間まで1時間の猶予が残されているが、こんなにも早く待ち合わせ場所に赴いたのには私なりの理由というものがある。 あと少しで、私の凍てついた時間が融解する。かといってこの殺風景な世界には何の未練も無い。 最後に、止まってしまったあの頃を追憶したかっただけだ。ただそれだけ。 私の足は自然と、思い出にすがるように桜並木の奥へ向かっていく。 記憶とは所詮、過ぎ去った時間の1シーンでしかない幻。時流に身を委ねるうちに、不確かで不鮮明な形となり、いずれ消えてしまうほど儚いものだ。この桜のように。 咲き誇る姿を見せては刹那に花を散らし、若葉が映えては冬に裸となる。そうして、再び新しい蕾を宿しては開花する。 決して同じ花冠を咲かすことは無い。一度竺から離れてしまった花びらを、再び咲かせることはできないのだ。 これが人の記憶との符号点。日々蓄積されていく情報に、受け皿から押しのけられ零れ落ちていく。落ちたら最後、二度と読み返すことはできない。 私にはそれが耐えられなかった。彼と共に歩んできた証が消えることを、私の心が許さなかった。 何度も読み返した。何度も見続けた。何度も掘り起こした。 そうやって常に手元へ置いていた。端まで追いやられないように、思い出が消えてしまわないように。 2 捨ててしまえば、どんなに楽になるだろうか。 昔日の二人を眺めて、この現実にいつも心を痛めていた。 私の隣に彼はいない、私の言葉が彼に届かない、私の想いは現実の前に霧散してしまう。 残酷な事実だけが、私の胸を無慈悲に穿ち続けている。 ――忘れてしまえばいい。今からでも十分間に合うから 理性の訴えに、何度耳を傾けたことだろう。 恋愛なんて精神障害の一種、一時の感情に惑わされた気の迷い。自分自身にそう言い聞かせて、過去の虚像として割り切ろうとしていた。 けれど、結局捨てることができなかった。忘れることを心が頑なに拒んでいた。 捨てれば、私の世界は色を取り戻す。彼に縛り付けている鎖から開放される。 そのことを知りながらも、私は最後まで心に残すことを選んだのだ。 もう、私の拠り所としていた理性でさえ抑えることができないまでに成長した彼への思い。 でも……彼がいなければ、私の心が満たされることはない。 忘却することなどできない、許さない。 現実を受け入れることもできない、認めない。 そんな半端な気持ちでいたから、彼に連絡をとることもできずに月日を重ね、色付いていた世界から色彩が抜け落ちてしまったのだろう。 けど、それも今日で終わる。 だからこれは、私にとって最後の世界になるはずだ。 3 暖かい風が頬を撫でる。春の薫りというのだろう、あの独特ともいえる匂いが私の嗅覚を刺激した。 1年前と変わらない芳香、情景、春の靡き。登場する存在は一つだけを残して過去の景色と重なった。 ぽっかりと空いたまま、埋まることの無いたった一つの空白。どこにいても、何をしても喪失感が付き纏う日常。 気付いた時にはもう手遅れだった。無くしてしまったピースの代用など存在しないのだから。 だから、目を閉じて完成した絵を夢想する。失ってしまう前の、輝いていたあの日々を思い出す。 けど、その絵に触れることは叶わない。触れようと手を伸ばせばすり抜けていく過去からの幻に、今を生きる私が干渉できるはずがなかった。 視界を開けば、キミの姿は望んでいた景色から切り取られ、陽炎となってどこかに消えてしまう。 残る情景はセピアの写真。被写体が変わろうとも、彩りが元に戻ることはなかった。 別れてしまったあの日から、何も変わることが無かった私の世界。 散っていく桜に語りかけても、答えは返らない。 私の耳に響き、心に染み付いているキミの声、今はもう聞こえない。 4 突然の頬をくすぐる刺激に、私は一瞬思考が凍結した。 それはまるで、指先が僅かに触れたように微かな感触だった。 振り返る――――わかってる、彼はここにいない。後ろから差し伸ばされた彼の手は幻想なのだと。 それでも希望が突き動かす。彼がここにいるのだという淡い期待が、私の冷静な理性を伏して体の行動権利を支配していた。 首を回らした先にキョンはいない。 ただ、私の肩に一片の花びらが舞い落ちていた。 摘んで目の前に掲げた。光源を遮ることもできないほどに薄い一枚の散華。 こんな小さなカケラですら彼と勘違いしてしまうほどに、私の心は病んでいるようだ。 恋愛とは、やはり精神障害だ。理屈を凌駕してメンタルを絶え間なく変動させるこの気持ちを、病気といわずして何と言おう。 でも、私は患ってしまった。あれほど彼に恋愛の非効率さについて説いていたというのに、いざこうして直面するとあらゆる理論すらも意味を成さないのだ。 目を閉じればキミに会える。傍にいる。そんな錯覚さえ信じてしまう。 その度に、嘗ての日常から移り変わった現実を思い知らされていたというのに。 私の視覚が、記憶が、心が、何度でもキミの姿を再生し続ける。 今となっては願おうとも戻ることができない眩しかった日々が、私を置いて目の前を通り過ぎていく。 走馬灯のように駆け巡る記憶の断片に、私の心は囚われたままだ。 それも今日が最後だ。 これから私は、もう一度キミとこの時間を共用するのだから。 5 「――――佐々木さん」 ここ最近で聞きなれた声が、私の幻想を打ち砕く。 音源に視線を送れば、案の定橘さんが真剣な面持ちで立っていた。 「そろそろキョンさんが到着する時間です。行きましょう」 もうそんな時間なのかい?感傷に浸ってただけなのに、これほど時間が進むのを早く感じてしまうとは。 もっとも、そんなことは離れ離れとなったこの1年で痛いほど実感している。 私はこれから、偶然を装って彼に会う。そういう段取りになっている。 伝えたいことは幾らでもある。それでも私は、本心を語ることは無いだろう。 一人でいる時は何度も理性を打ち破っているというのに、彼の前では顔を覗かせることも無くなる。そんな気がするのだ。ここまでくると人格障害に近い。 少なくともまだ、私は 僕 として彼と接していくことになる。それはきっと辛い痛みとして私の心に重く圧し掛かってくるであろう。 それでも私は耐えられる。空洞ができたように中身の伴わないこの1年間と比較したら、どれほどの辛さになるというのか。 親友、それが私と彼との関係。キョンの認識においての私の立ち位置。 その場所に私がもう一度上がるだけ。それだけで私の世界は色を取り戻すはずだ。 セピアの情景は今日で終わる。時間はかかるかもしれないが、あの輝いていた時間を取り戻せるのならば苦にはならない。 その為に、私は彼に会うことを決心したのだから。 けれど――――もしこの気持ちが彼の前でも溢れ出してしまったら、私は一体どうなるのだろう? 未来への不安と期待が渦巻く心を落ち着けて、私は新しい世界に向けて歩み始めた。 終
https://w.atwiki.jp/laislabonita/pages/102.html
Last up date 2010/09/06 09 33 12 ayumin 老後のレアハント 錬金に向けて準備ちうぬ・x・ スキルの枠との戦いは永遠に続くぬOrz だいぶ昔にビルボたんに作ってもらったお船がやっと乗れるようになってうれしすな今日この頃ぬ ステータスとか・x・ 見ての通り微妙な感じぬ 国籍 : ヴェネツィア 性別 : ♀ 職業 : 船大工 爵位 : 三等勲爵士 称号 : 冒険 : 47 (名声 49744) 交易 : 64 (名声 126113) 海事 : 43 (名声 60674) 船 : 商用大型ガレオン , 商用大型クリッパー 副官 : アネット(ソムリエ) , エマ(会計士) , ニーナ(広域海賊) , イゴール(船大工) , ランスロット(賞金稼ぎ) 生産 : 幅広くあゆみんチェーン展開ちぅ(謎 ・家具屋(Ayumin s★Furniture) ・料理屋(小料理屋あゆみん) ▲ アパとか・x・ インド風R4に住んでるぬ 遊びにきてぬ・x・ + アパ内赤裸々公開・x・? #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (alt=) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (alt=) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (alt=) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (alt=) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (alt=) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (alt=) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (alt=) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (alt=) ▲ スキルとか・x・ 生産スキル スキル ランク その他 調理 16 工芸 16 保管 9 縫製 15 鋳造 15 造船 9 取引スキル スキル ランク スキル ランク スキル ランク 食料品取引 12 調味料取引 8 酒類取引 6 嗜好品取引 6 香辛料取引 9 繊維取引 8 貴金属取引 5 鉱石取引 5 香料取引 7 宝石取引 5 家畜取引 火器取引 7 工芸品取引 5 工業品取引 8 冒険系スキル スキル ランク スキル ランク スキル ランク スキル ランク 調達 9 釣り 採集 9 探索 12 開鍵 12 美術 12 財宝鑑定 9 考古学 5 海事系スキル スキル ランク スキル ランク スキル ランク 救助 5 外科手術 6 修理 11 回避 7 砲術 10 水平射撃 7 弾道学 8 兵器技術 4 収奪 3 戦術 6 その他スキル あるけどUPするのめんどくさすなので放置ぬ ▲ まるごと日記・x・ 2010年9月6日 タキガレ乗りたいけれど…漕ぐスキルとか白兵スキルそろってなす;x; むーーーーのりたす… でもスキルの壁Orz 枠ーーーーーーーーーーーっ!!! + 2010年 2010年 + 8月 8月 2010年8月10日 地味にふっかちゅしてまする 浦島太郎状態・x・ 南蛮貿易もうかるねぃ・x・ でもめんどくさすねぃ + 3月 3月 2010年3月9日 オーナメント作りたくなりますた! とりあえず希少クエ以外で色々つくってみようと思うぬ! + 2月 2月 2010年2月26日 造船ちょっと飽きてきちゃったぬ・x・ てなわけで暴走モード突入ぬ! 火器取引を強化してみますた ブーストでR10になったので家具がまた1つつくれるようになりますた! こりゃめでたすぬ!!! 調子に乗ったわたすは香料でも上げようかすらと思いつつ… 造船にまだ未練があるのか転職もせず南蛮目指す準備をするのですた・x・ 準備をしていたはずなのに香料商人に・x・ えぇ。 香料ブースト込みでR10目指して+3家具つくれるようにするんだぬ! そすてブースト込みでR7になりますた もつろんお金もさくっとなくなりますた・x・v これで家具屋って胸張っていえる予感ぬ・x・ さて…お小遣いも一気になくなったしパティシエになるかぬ…w 2010年2月25日 カッターオンライン・x・ 海事やりながら造船したほうがいいよねぃ・x・; なんてことをビルボたんに言ったら間違いないと即答されますた! R8になったら別のことしようかなぁなんて思ってまする… んが!!! RL仕事やりながらだと造船オンラインでいいのかなぁと思ったり 相変わらず優柔不断な日々を送ってるぬ・x・ 造船スキル上げてなにやりたいん?って思われるかもでつが カンストしないと気が済まないだけらすぃ 2010年2月22日 松岡鋳造がR15になりますた・x・ 長さんのパクリでつ・x・ ちょっと気にいったのでしばらく使い続けると思うぬ 次は造船のヨカーン!!!! 2010年2月20日 ビルボたんからカテ2を大量に奪い…もとい売ってもらって鋳造上げしますた なんとかR10の目標は達成しますた ビルボたんありがたふ! カンスト目指すか… それとも造船するか… とりあえず使ったら悩もうと思うです! レベル上げを重視してカテ消費激すぃけどダブリン行こうかちょっと悩みちう さ あ ど う す る ? あと今日は22時からどどめたんと冒険ツアー! 楽しみぬ・x・ 2010年2月17日 おひさしぶりぬ・x・ 近々大幅にページをリニュしたいとおもうておりまする・x・ ジェノヴァの投資戦でお金ないのに160M突っ込んでしまった今日この頃・x・; わたすは生きていけるんだろうか・x・; そんなこと思いつつ南蛮貿易しようかぬーと船をだすもPKにやられてちぃーん んでも東アジアが危険海域にもどったので行かずにすんである意味良かったのかも? がむばれわたす!! いつか貧乏生活からおさらばしてやるぬ! + 2009年 2009年 + 8月 8月 2009年8月20日 そういえば…課金されてるぬ・x・; まったくもって浦島太郎状態ぬ・x・ またみなさまよろすくお願いいたしまする・x・v + 5月 5月 2009年5月11日 そういえば…課金がきれてるぬ・x・; 2009年5月8日 冒険しまくりんぐぬ・x・ 視認を一時的にサヨナラしていろいろおぼえてみますた・x・ キャラバンになるためにってのが目的だったのでつが 冒険にどっぷりはまりんぐぬ・x・ 学問全部ほしすねぃ うーーーむ なんでもかんでもやりたくなるわたすには危険信号ぬwww とりあえず冒険がんばるぬーっ! + 4月 4月 2009年4月29日 ぼ・・・冒険がよんでるはずぬ・x・ めざせキャラバン・x・ 帰りにぼーっとしててNPCにやられてメインフルリグドセイル1枚うばわれますた フ…いいのです…w 新しいのかってやるぬ;x; フンダッ 海事は目標の32突破でうれしす・x・ だからいいんだぬ かなしくなんてないぬ ペペペッ 2009年4月28日 公式に新規のイベントで身体言語が100%きまるみたいなことかいてたので 身体言語鬼上げしようと思いますた・x・ これでR10だぬーーーーーーぅ・x・ でも鬼上げしなくても6月までに勝手にR10になってそうなw うれしすぅーーーっ 100%だぉ?w 2009年4月27日 造船をはじめてみますた・x・ 海事あげながら造船でけるのはいいですねぃ ダウいぱーーいつくるぬ 海事の方は@2レベルっ キャラバンがちょこっとづつ近づいてきますた 今日からペルシア湾で海事はじめてまする ソロではまだ恐ろしくて1回もでてませぬが…いけるのかすら…w 2009年4月21日 ソロでジェノスクやってみますた ソロでできるじゃん… 船とか大砲とか帆とかごっそり耐久へるけどぬwww やればできる子宣言…してもいいでつか・x・? 鋳造あげればよかったと激しく後悔ぬ・x・ そんなわけで船大工に転職したひ今日この頃 INしたらリス行ってシャウトしてみよう…かなぁ… 名工大工たくさん買ってやるぅーーーー 赤字だっていいじゃまいか…それくらいがんばれよわたすっ! じゃないとお船の耐久が;x; 2009年4月20日 木の実&オリーブ持参でマグロ漁船をしつつマグステ&塩魚つくるの巻き 作りすぎちゃった感ありありでつが 海事あげるとすぐなくなっちゃうらすぃのでまぁいっかとおもいつつ爆走ちぅぬ どどめたんにもらった調達+2の服が今回大活躍なんだぬ・x・ せっかくもらった服だからと大切にしてたのに ぼーっとしててそのままお船にのって耐久1へりますた;x; カナシスカナシス;x; 海事のお船は商用大型ガレオンを海事用にかえて乗ろうかなぁとおもいつつ… ビルボたんのオトコマエ鉄バルシャも捨てがたす(ウソデスゴメンナサヒ おとなしく商用大型ガレオンでがんばるぬ・x・ 修理&外科手術がどこまであがるかが気になるところぬ 2009年4月19日 昨日は大投資戦でベルゲンまでいってくますた・x・ 初投資戦でわくわくぬ・x・ 爵位が1個きて晴れて五等勲爵士でアパ改装ワーイだったのでつ もう1個爵位きたらR4なので今度はじっくり悩んできめなきゃぬ…w 個人的にはカリブっぽいアパだったらいいんだけどぬぅ~(そんなアパないのでつが・x・; そうそう、交易レベル56がみえてきたので新しいお船を新調せねばと思っていまする そすて鋳造あげようと思ってお話してたらやっぱす取引とらなきゃいけないねってことで 枠拡張するにもレベル上げ… ウン・・・海事or冒険であげるしかなす! 来月の大会戦はヴェネ参戦らすぃので海事をあげようかなぁと思ってる今日この頃ぬ まずは調達あげという名のお弁当作りを・x・v 馬いっぱいーな予感なので商会ショップでさばかねばっ あと…いつかパテシエになるためにププランツリーもいっぱいつくらねばっw そすて塩魚が大量にできる予感 2009年4月17日 昨日、宝石取引がR5になって理論上自力でクエ出しできるようになりますた・x・ なってたものの帰りにベルベ織って帰ろうかなぁと思ったのがいけなかったのか… カルカッタに到着したらPKさんいてガクブルしますた・x・ セイロンの時みたく街で放置プレイしてる間にRLでお出かけして… 帰ってきてもPKさんいたのでそのまま放置してZzz なんてわたすはチキンなんでせぅ・x・ 交易系の副官二人選択みすったなぁと昨日ずっと思ってますた・x・; アネットさん選んだ時点で失敗だと思いつつエマちゃんを雇って… シルビアちゃん&フランシーヌちゃんがよかったなぁと激しく後悔しつつ現在に至る・x・ フランシーヌちゃんの強奪系のスキル…激しくうらやましすぬ ど…どうしませぅ…O..................rz 2009年4月15日 昨日の日記?の日付が1日まちがってたらすぃぬ・x・ ちょっくらなおしますた・x・ 4月16日がRLお誕生日なので今週~来週末にかけて夜はちょくちょくINへりまする お誕生日会という名の飲み会が…w 口実はなんでもいいのでつワイワイたのすぃですねぃ・x・ 2009年4月14日 やったよままん・x・ 縫製カンストしたぬ 相場がだいぶ悪かったけどつっぱしりますた・x・v これで次に移れるぬん そすてアネットさんも工芸+1になってR17まで作れるようになったり エマちゃんも貴金属+1になったりとうれしすなことがかさなりますた えぇわすれてはいけませぬっ交易名声45k越えぬ これでパテシェのクエが出るようになりますた(理論上 あとは引きだけだぬ^^^^^^^^^^^^^^^ ひけるわけがないぬ^^^^^^^^^^^^ それにしてもクイズたんにはお世話になりっぱだぬ・x・; 2009年4月7日 花のヘッドドレスの在庫が減ってきたので400kで放置・x・ ちょと金策して加工木材のレシピを買う段取りを…w 段取りを… もうあれしかなす・x・v 2009年4月12日 材料そろったので花のヘッドドレスを大量生産しますた・x・v 只今商会ショップで350kで販売ちぅぬ これを機会に売り子キャラが誕生しますた イスッパ子ののえるちゃん・x・ 売り子活動がんばってもらわねばばばばw + 3月 3月 2009年3月30日 この数日でスキルちょこっと忘れたり覚えたりしますた・x・ 名声ほしぃ…でも繊維取引あげたす… 名声ほすぃ…でも繊維取引あげたす… 色々葛藤して取引あげるのを優先しますた・x・ そんなわけでオスロにこもってるわけでつが 繊維取引8がみえてきますた・x・ それにつられて縫製Rもすくすくと育っていくますた せっかくなのでこのまま縫製カンスト目指すかなぁ…と思ったりしてる今日この頃ぬ でも家具つくりたいしなぁ… うぅ~む そすて副官3人目ランスロットにしようと思いつつまだ踏ん切りつかず放置ぷれぃ 2009年3月28日 とりあえず海事20達成して大きなお船にのれるようになりますた・x・ クイズたんからお船を2隻売ってもらいますた!(超感謝なんだぬぅ) んでもって今日から始まる繊維取引UP週間・x・ これも家具のためだぬ ホントは織物取引・染料取引とかもほすぃのでつがどうにもこうにもスキルの枠がなく… こまりんぐだぬ クイズたんから竹ぼうきをかりて縫製オンライン同時開催ちぅ そすて今はどどめたんの繊維取引支援でもりもり取引Rがあがってる予定・・・ ですた 会計士だったのをすっかりわすれて超ロスタイムちぅ(ぉぃ そんなわけで今日もどこかぬけまくっている感じぬ 家具はいつでけるのやら・x・;; 2009年3月24日 湯水のようにお金が飛んでいくんだぬ・x・ 香辛料あげに比べたらかわいい子ちゃんだけどぬ そんなわたすは只今調味料あげなんだぬ せっかくカテ1を使うんだからって同時に食料品もあげあげちう 食料品はどんどん上がっていくのに調味料ってなかなかあがらなすぅ~ 集中してしないとぬ・x・ 交易レベルもあげたいわたすはちょくちょくアクア&ウィスキーつくったり 気がついたら45が見えてきたり 1つぶでイロイロまぃぅ~らすぃ 洋上でこれをつくればさらに管理技術もあがるのだろうけどそこまでは時間かけられなす とりあえず支援なしの取引あげは極力しないようにしようと思う今日この頃ぬ でもしちゃうんだろうと思ったり・x・ 2009年3月22日 この3連休は商会のプチイベントですた・x・ みなさまおちかれさまですた・x・ イベントの話はラーデ史にきっとまとめてかいてくれると信じてここまでにしとくぬ 他力本願ぬ わたす的なことでかいていくますと… 勅命をスルーしてたのでつがクイズたんにつれられて2つやりますた そのおかげでオーストラリアまでいけるようになりますた・x・v クイズたんありがとぬ そすてそんなわたすをみてラーデ選手も勅命うけたいっていうので一緒にいくことに 上納いるって知ってるのにもかかわらずなんとかなるさで向かったものの 案の定帰りはボロボロになりますた・x・ 交易品奪われたりお金奪われたりは許せるのでつがレシピだけが困りまする レシピは奪われることなくなんとか帰ってこれますた やっぱす上納は必要なんだぜ・x・? 2009年3月16日 交易40になってエマちゃんを雇いますた・x・ だらだら作っていた副官料理は ・フルーツ盛り合わせ ・ズッキーニのマハシー ・ポルトガル風ブイヤベース で完成するぬ・x・けっこうがんばったぬ ちなみにそのほかは999づつ共有倉庫でねむってまする・x・ わたすのお小遣いUPまでもうちょっとな感じぬ・x・ ちなみに調理師の転職状も斡旋20枚以内でGETで引き強説? 2009年3月6日 副官料理の材料がそろってきた今日この頃ぬ・x・ 共有倉庫には料理が999個づつたまっていくとかいかないとか…w テラめんどくさすな子羊とカブのスープが2k個超えてかなり自己満足ちう ▲
https://w.atwiki.jp/nagoyabandsession/pages/116.html
日時: 2017年8月20日(日) 13:00-18-00(5時間) ※人数。内容によっては変動します 緊急連絡先: nagoyabandsession@gmail.com 会場: スタジオアサヒドー 4階ホール室 http //www.asahidocamera.com/studio/equipment.html TEL 0522613588(道に迷ったらここへ電話してください) 料金:ビジター料金5600円×時間 アンプ1台別料金500円 ドラム1台につき1500円 段取り説明(初参加の方は全員必ずお読みください): http //www24.atwiki.jp/nagoyabandsession/pages/86.html 打ち上げ: 中日ビル ビアガーデン http //chunichi-bldg.jp/ 19時00分入室予定です。 二次会から直行の方はこちらの時間に合わせて下さい。 ■おおまかな説明■ 楽器を持ち寄って、大きなリハーサルスタジオで 演奏して遊ぶオフ会です。 ライブ、コンテストのような資格や細かい手続きは不要です。 事前にバンドを組んでの演奏ではなく 課題曲ごとに演奏者を交代します。 参加表明を頂いた方には 連絡用掲示板へとご案内いたします。 初参加の方は簡単なご挨拶をして頂けましたら そのまま打ち合わせにご参加下さい。 幹事、常連参加者さんがフォローいたします。 掲示板のやり取り、メールによる連絡が不便な方には 幹事とのLINEによる個別連絡を致しますので その旨をお伝え下さい。 ■募集パート■ 全パート、無制限に募集! リクエスト曲のジャンルは ロック、ポップス、ハードロック、アニソン、 パンク、歌謡曲、インスト、ボカロ、 等、選曲は自由です。 ■見学者も受付中■ 参加費は無料です。 演奏参加として参加表明なさった方も 都合により演奏ができなくなった場合は 見学者へのチェンジをお申し付けください。 また、今回のイベントでは会場のメインスタジオの隣のサブスタジオにて ジャムセッションが同時に開催されます。 そちらのみの参加でも可能です。 パート、人数は不問ですが 必ず満足してお楽しみ頂ける保証はございませんので ご了承の上、参加表明の際は ジャムセッション参加を希望と明記なさって下さい。 ■参加資格■ 中学生未満は保護者同伴にての参加ができる方 18歳未満は保護者の同意を得てから参加ができる方 連絡用掲示板、幹事からのお知らせを長期に渡り放置せず 積極的に連絡、打ち合わせに応じられる方 自分だけではなくご一緒される方とお互いフォローし合えるように 心がけて頂ける方 自分とは違う趣味、価値観、離れている年齢層の方へ 不快な発言などをせず、最低限の尊重ができる方 演奏技術については上限、下限は一切ございません。 ■演目について■ ジャンルは不問です。 ロック、ポップス、アニソン、ボーカロイド、インスト等 ご自由にご提案下さい。 それぞれの希望曲をお互いに手伝って、 演奏して遊びましょう。 ただし、コピーが難しい曲を希望曲に挙げられたり 他の方の希望曲のパート埋めを手伝わない方の 希望曲のパートが埋まらない場合の フォローは致しません。ご注意ください。 ■募集パート■ ボーカル:男性0名 女性3名 (男性5名 女性5名募集) ギター:4名(10名募集) ベース:3名(8名募集) ドラム:3名(8名募集) キーボード:1名(5名募集) サックス:1名 他、パート無制限にて募集しております。 ダンサーの参加も歓迎いたします。 人数制限につきましては未定ですが 参加人数が35人を越えた所からルールを変更していきますので 参加保留を申し出た方が本参加を表明される前に人数締め切りとなった場合 ギャラリーでの参加、又は参加お断りとなる可能性がございます。 演奏の他にギャラリー希望者を呼んで頂く事は歓迎いたしますが スタジオ利用人数の確認の為にも、大雑把でも結構ですので お連れする人数の数は随時ご連絡くださいませ。 ■見学者も受付中■ 参加費は無料です。 演奏参加として参加表明なさった方も 都合により演奏ができなくなった場合は 見学者へのチェンジをお申し付けください。 ■参加資格■ 中学生未満は保護者同伴にての参加ができる方 18歳未満は保護者の同意を得てから参加ができる方 連絡用掲示板、幹事からのお知らせを長期に渡り放置せず 積極的に連絡、打ち合わせに応じられる方 自分だけではなくご一緒される方とお互いフォローし合えるように 心がけて頂ける方 自分とは違う趣味、価値観、離れている年齢層の方へ 不快な発言などをせず、最低限の尊重ができる方 演奏技術については上限、下限は一切ございません。 ■注意事項■ 一部の方による、事前連絡もない当日欠席により 他の参加者さんを不快にさせる事態が 残念ながら起こる場合がございます。 参加表明後、もしも参加をキャンセルされる場合は いかなる理由でも結構ですので 必ず幹事、又は紹介者様にご連絡するか、連絡用掲示板にて その旨をお伝え下さい。 その場合は、責任の追及は致しません。 特に、演奏での参加をお考えの方は以下のページを必ずお読み下さい。 新規参加者の皆様への重要なお願い ■課題曲について■ 00:Superfly-タマシイレボリューション https //www.youtube.com/watch?v=Z2tedgbqJJs 全パート募集 00:天使の3P挿入歌/深海プリズナー https //www.youtube.com/watch?v=Jj7NCw-DRJE 全パート募集 01:ギルティギアBGM/Holy Orders (Be Just or Be Dead) https //www.youtube.com/watch?v=Sa0NDydh8B4 https //www.youtube.com/watch?v=WROR-L6dSb4 (シンセ無し版) ギター、シンセ募集 02:ONE OK ROCK/Mighty Long Fall https //www.youtube.com/watch?v=i7seozLvbHw ボーカル募集 03:B z/Blue Sunshine https //youtube.com/watch?v=eaAbsfM0NGs ギター以外募集 03:くるり/東京 https //www.youtube.com/watch?v=ADhKHajw33g ベース募集 04:中島愛/星間飛行 https //www.youtube.com/watch?v=GpylgrmGa4M ベース、ドラム、シンセ募集 05:mush co./明日も https //youtube.com/watch?v=VKyJrrb0Oi0 ベース募集 06:flumpool/君に届け https //www.youtube.com/watch?v=ZNu10SawQgc シンセ募集 07:BiSH / スパーク https //www.youtube.com/watch?v=a9WWGXaVkZ4 ベース、ドラム募集 08:ZARD/マイフレンド https //m.youtube.com/watch?v=Ou9263dG5Hk ドラム募集 09:パスピエ/MATATABISTEP https //m.youtube.com/watch?v=v4P1JsHOe88 ドラム募集 10:光るなら(初心者枠) https //www.youtube.com/watch?v=qAo9fPt1YGA (構成はこちら参照) https //www.youtube.com/watch?v=SnXkhkEvNIM ベース、シンセ募集 11 上田正樹/悲しい色やね https //www.youtube.com/watch?v=xQeEOoKhIqg https //www.youtube.com/watch?v=lceUaHm1ep0 (こんな感じでやりたい) ボーカル、サックス以外募集 12:スピッツ/空も飛べるはず https //www.youtube.com/watch?v=h-kQw4JqCHE ベース、ドラム募集 戻る
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/647.html
私はサボったその日、すぐに家に帰って寝ていた。 家に帰ってきたのが午前九時半で、今は午後十時だった。 どうやらまるまる十二時間は寝ていたみたいだった。 お昼御飯も晩御飯も食べていない。 だけど全然食欲はなく、頭には律の顔が浮かんでいた。 (……律) 律。 私の、初めての友達。 今まで誰とも友達にならなかった、そしてなれなかった私にとって、初めての。 初めてあんなに人と話した。 初めて家族じゃない人とご飯を食べた。 一緒に授業を受けた。 一緒に買い物にも行った。 お互いの誕生日を祝った。 クリスマスも一緒にいて。 冬休みは、同じ地方だって知ってたから一緒に帰って。 それで、実家も近くだったから一緒に遊んで。 年越しも一緒で。 初詣も。 ずっと。 この一年ずっと、ずっと一緒だった。 律は友達がたくさんいるのに、いつも私と一緒にいてくれた。 私は律しか友達がいない。 律はたくさん友達がいる。 だけど律は、私といることを選んでくれた。 律は、私の寂しさを知っていたかもしれない。 知らなかったのかもしれない。 律が私じゃない誰かと一緒にいることが、私は嫌なのだと。 それを律が知ってたから、私と一緒にいてくれたのかもしれない。 そうじゃないのかもしれない。 でも、どっちでもいい。 律は私と一緒にいた。 どんな時も、一緒にいたんだよ。 だから、一緒にいられないのも怖いんだよ。 律のことを好きだと言っている、その子と食事をするって聞いて。 怖くて。 一緒にバレンタインを過ごせないのかなって、怖くて。 そしてもしかしたら。 律が私を放って、その子のところに行っちゃうんじゃないかって。 怖いんだ。 平沢さんと、律が話してる場面に出くわした時、怖くなった。 律が曽我部さんと元々知り合いだったと知った時、痛くなった。 律が誰かと一緒にいたりすることを想像する時、震えた。 私は、律に嫉妬してるんじゃない。 律と一緒にいる、私以外の誰かに嫉妬してたんだ……。 だけど律と一緒にいるのは、楽しいんだ。 話してるのは、楽しい。 だけど、それだけじゃなくて。 最近は律といたら、恥ずかしくって。 律の事見てると、可愛いなって思ったり。 律の体を変に意識しちゃったり。 エッチなこと考えたり。 笑ってくれたりすると、私はドキドキしてしまう。 律の隣にいて、一緒にいて、ご飯食べて、一緒に講義受けて。 一緒に演奏して。 名前を呼んでくれるだけで、痺れるんだ。 『澪』って、律の口から出るだけで、心が躍ったりするんだ。 一つ一つが、楽しいのに。 最近は、直視できないよ。 律を見ていたら、胸が張り裂けそうになるんだよ。 『田井中さんの事、好き?』 『私にとっても、澪は特別』 『澪』――。 『澪を一人にしたら悲しんじゃうだろうしなー』 『もっと早く出会いたかったな』 これが。 これが、好きってことなの? 律のことが、私は。 好き。 好きなんだ。 律のことが、好き。 律の顔を思い出すだけで、落ち着けなくなって高揚したり。 律が話しかけてくれるだけで、嬉しくて楽しくて。 律が他の誰かと仲良くしてて、胸が痛くなるのも。 一日中律のことを考えてるのも。 好きだから。 私は、律に恋してるんだ。 「律……」 律は、私の初めてをなんでも奪っていく。 今度も、奪われちゃったな。 初恋。 ■ 三連休だった。 今まで祝日は律と一緒にいたけれど、律を突き飛ばした揚句逃げた。 さらにメールも電話も無視した手前、少しだけいつものように律と会うのは居た堪れない。 だから今回の祝日三連休は律とは会わないことにした。 私は律に今ものすごく会いたい。でも、律は怒ってるんじゃないだろうか。 そう思ったのだ。 三連休の初日の今日は、建国記念日の十一日だ。 バレンタインまで、あと今日含めて三日。 十四日には、律は『理学部の子』と食事をするんだ。 もしかしたら、律との恋が成立してしまうかもしれない。 律に限って、そんなことはないだろうけど……。 でも二人がくっついてしまったらどうしよう。 信じてるけど、でも、怖い。 でも、どうしようかも全然思いつかなかった。 結局お昼の十二時までは、寝たり起きたりしていた。 でもやっぱり、律の顔は浮かんでくる。 それだけで胸は痛いのだけど、でもやっぱりふわふわした気持ちはするのだ。 (……詩) ふと、頭に浮かんだ。 私は文芸部で、詩を書いていた時期がある。 あの時は意味不明な、よくある言葉の模倣でしかなかった。 (……作詞) 今は『詩』ではなく、『詞』なのかもしれない。 一応、音楽やってるわけだから。 律とやってて、いつかは歌詞を書いてみたいと思ってた。 それが今、ふと思い出されたのだ。 私は、布団からのそりと出て勉強机に向かってみた。 適当なルーズリーフに、ペンを走らせる。 不思議なほどに、言葉が溢れてきた。 律を見てると、胸がドキドキする。 ふわふわしてるし、暖かい。 (君を見てると――) 好きって昨日自覚して、さらに眠れなくなって。 夜が切なくなった。 (好きになるほど――) もう少し私が勇気を振るえば、何かが変わるのかもしれない。 昨日みたいに、恥ずかしいから逃げるんじゃなくてさ。 (何かが変わるのかな――) でも、律を見るとやっぱり恥ずかしさで顔が真っ赤になりそうだ。 そうなると、普通に話すのはどう考えても難しい。 だからって段取り考えたって、それは全然自然でもない。 (全然、自然じゃないよね――) でも、話したら。 なんとか話せば。 その後は、どうにかなるよな。 だって律といるのは、楽しいし嬉しいから。 私に笑顔を、たくさんくれるから。 (どうにかなるよね) 「書けた……」 律の事考えてたら、律の事だけで歌詞が書けた。 これに曲をつければ、もう立派な曲になる。 もちろんバンドなんてないのだけど。 私はルーズリーフを机に置いて、それを見つめた。 ……恥ずかしい歌詞かもしれない。 律に歌詞を書いてみたよって言ったら、笑われちゃうかな。 それも、いいかもな。 タイトルは、どうしようかな。 「ふわふわ……タイム」 ふわふわ時間。 それはまさに、私が律と出会って送った日々のことだった。 律と恋人同士になりたい。 そんな想いは、どんどん膨れ上がっていた。 ■ 2月11日 くもり 澪、怒ってるかなあ。 メールもしたし電話もしたのに、応答がないってことはそうだよな。 今までずっと一緒にいたのに、バレンタインは他の子となんて。 私の馬鹿野郎。大馬鹿野郎だ。 最初に澪が行けばって言ったから、少し頭にきて。 澪の嫉妬が見てみたいななんて気持ちで受けるんじゃなかった。 「これでいいかよ」なんて煽ったけど、私馬鹿みたいだな。 いや、実際馬鹿だ。本当に馬鹿だ。 馬鹿律。マジで情けない。 でも下宿まで行ったら迷惑だろうな。 会いたいな。でも、そっとしておいた方がいいのかな。 ってか、澪の奴鈍感だよなー。 気付けって。私の気持ちぐらい。 澪、大好きだよ。 日記に書いても意味ねーよ私も。 戻|TOP|次
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/649.html
いつも通り大学に行くと、いつも通り律がいた。 「おはよ、澪」 「……おはよう、律」 私は先週、律を突き飛ばして逃げ帰り、そのままだった。 だから律には申し訳ない気持ちで一杯だった。 律も多少は怒ってるんじゃないかって思っていた。 だけど、律はそんなのも忘れたようにケロッと笑っているのだ。 私は拍子抜けすると同時に、優しすぎる律に泣きそうになった。 律は、本当にいつも通りだった。 講義が終わったら、あの子と食事に行くくせに。 そんな兆候も微塵と見せない。 「行こうぜ」 「……うん」 いつも通りのはずだけど、ほんの少しだけ静かだった。 廊下を歩いている間は、全然話さなかった。 講義室に入っても話さない。 私はチラチラと律を見てしまう。律と何度も目が合った。 その度に、恥ずかしくなって目を逸らすのだった。 何を私は緊張してるんだ……。 緊張してるのは、当たり前だ。 私は、今日の内に律に告白するんだ――。 だからこんなにも、落ち着けなくて。 律の方が気になるんだ。 講義の間も、律は比較的普通だった、気がする。 でも、いつもよりそわそわしているように感じた。 律はいつも講義をいい加減に……というよりも、外見だけはあまり真面目ではない空気がある。 頬杖を突いて、いつも眠そうな横顔を見せているからだ。 でも今日は、お気に入りだという黄色のペンでたまにチャカチャカ机を叩いたり…… そしてやっぱり何度も私と目が合うのだった。律も私を気にしてるのかな……。 いつも通りに隣に座っている。 でも、糸がピンと張っているように張り詰めた雰囲気。 講義中だからそりゃ静かなものだけど、でもいつものように穏やかではなかった。 何より体に力が入る。いつものようにちょっと力を抜くようなことができなかったのだ。 私は人差し指のお腹のあたりを親指で何度もさすっているだけしかできなかった。 熱があるんじゃないかと思うほど、額も熱い。 講義は、ノートこそ真面目に取ってみるものの頭にはまるで入らず、教授の言葉は右から左へと通り抜けて行っていた。 ただ頭には、律にどうやって告白しよう。そしてどうやってチョコレートを渡そうかの段取りを決めることだけしかなかった。 ふわふわ時間には、段取り考えてる時点で、もう駄目だと書いたけど。 でも、頭でその状況を思い描かなければ、とてもその時になって言葉など出てきそうもなかった。 実際、律のことを好きだと自覚してから、先ほどの挨拶しかしていない。 今までは、律のことを好きだと思っても、それは恋愛感情ではなく、友達としてだと思ってたんだ。 だから、律のことが恋愛として好きだと自分が知っている状態で律と話すのは、多分もっと緊張する。 口下手になる。 想いなんて、伝わりにくくなってしまう。 私に振り向いてもらいたい。 もしあの子が、律と付き合う気がなくても。 律に、私を好きになってほしいんだ。 だから、頑張るんだ。 精一杯想いを伝えるんだ。 それから、いつものように食堂の窓際の席で、律と一緒に昼食を食べる。 この席で昼食を食べることは暗黙の了解と化していたので、まったく言葉を交わさなくても私たちはここに座り、昼食をとっていた。 それでも、お互いが頑なに喋らない。 だけど、最初に沈黙を破ったのは律だった。 「……澪」 「……何?」 律は、食事会の事もあるからかあんまりお腹を満たすようなものは頼まなかった。 先週と同じハンバーガーだ。しかもそれ一つだけ。 私は突然の呼びかけに、やっぱり声は出なかった。 だけど、律と話せないのも心苦しくはあったので、絞り出すように返事はできた。 「講義終わったら、どうすんの澪は? やっぱり……帰るのか?」 実は『理学部の子』と四時半に噴水で待ち合わせしているのだけど、それは言ってはいけない約束になっている。 特に律には言うなと念を押されているから、なんとか誤魔化さなければいけなかった。 だけど、上手い嘘が思い浮かばなかった。 第一、律の前で酷く緊張しドキドキしているのに、まともな嘘など吐けそうもない。 第一なぜ誰にも言ってはいけないのかよくわからないのだ。 でも一応言われているのだから、言ってはいけないんだろうな。 私はなんとか言葉を捻りだした。 「……帰るよ。律は食事会だし、特にやることもないし」 嘘だ。 しかし、一瞬だけ律は表情を失くした。 でもすぐに笑う。 「そっか。わかった」 寂しそうに目を細めて、ハンバーガーを食べるのを再開した。 私は、どうしようもないけど。 でも嘘をついたことはちょっとだけ申し訳なかった。 後で嘘をついたことは謝るしかない。 問題は、いつチョコレートを渡すかだ……タイミングが全然掴めない。 誰かに物をプレゼントすること自体が、私には慣れないことなのだ。 律には何度も物を渡したことはある。初めてあげたあのオススメの文庫本もそうだ。 だけど今度ばかりは違うんだ。渡すことや、それを言うことによって。 ……関係が崩れちゃうことだってあるんだ。 それが、まだ怖いままで。 想いを伝えるんだって昨日から、何度も意気込んでる。 確かに意気込んではいるのに、でも友達でも親友でもいいから、関係が続くのなら告白なんてしなくてもいいんじゃないかって怖いんだ。 私は、律しかいない。 だから律を失ったら、私はまた一人だ。 ……違う。 一人に戻るのが怖いから、律と関係を崩したいわけじゃないんだ。 純粋に、律と離れたくないよ……。 でも、食事会がどうとか、××さんに恋愛感情がどうとかって話されてから。 もうそんなのが抑えきれなくなって。 このままで私は満足かって、全然そんなことなくて……。 恋人になりたいなって気持ちもどんどん出てきたから。 だからこうして、鞄にチョコレートを潜めている。 どうにかして渡したい。 律に受け取って欲しい。 できるならば、律と付き合いたい。 恋人同士になりたい。 律は私の事、好きじゃないのかもしれない。 たくさんいる友達の中の、一人かもしれない。 だけど、私にとってはたった一人なんだ。 いろんなことを教えてくれたし、私の初めてばっかりの律。 だから特別な律と、もっと特別になりたい。 こんなこと思える相手も、律だけだから。 ■ その日の講義が終わった。 今は四時。これから三十分後に、噴水の前で『理学部の子』と私は話をする。 一体どんな話なのかわからない。想像もできない。 顔も名前も知らない相手と、初対面で何を話すのだろう。 それはずっと疑問だった。 でも、私はもっと不安なことがある。 このままじゃ、律にチョコレートを渡せない。 朝から、渡そう渡そうって思ってるのに。 ふとした瞬間でも、さあ渡すぞって気にはなるのだけど、恥ずかしくて、そして怖くて鞄から取り出せない。 言葉を出そうとしたって、唇の上で彷徨うだけに終わった。 渡したいけど、『渡したい』のままの私。 情けなくて。悔しくて、講義中に何度泣きそうになったかわからない。 結局私は、律にいろんなことを教えてもらったけど、それを返せない臆病者なんだって……。 何が自信を持つために律と口調を似せるだよ。 結局口調だけ変わったって自信も何もついてないじゃないか。 律にだって怖がる。ただ好きだよって言葉が言えないなんて。 たった四文字にいつまで悩んでるんだよって。 昨日まで、詞まで書いてあんなにふわふわしてたのに。 幸福がどうだとか、祈ってたくせに。 今は、もう諦めようかって気さえしてきたのだ。 もういいんじゃないかって。 チョコレートなんて、捨ててしまおうかな。 律が私のこと好きなわけないだろ……。 「澪、じゃあ私行くから」 律が立ち上がって、私に言った。まだ私は椅子に座って、教材を鞄に詰めている途中だった。 律は何食わぬ顔で私を見降ろしていて、私は小さな声で返事するだけしかできなかった。 「う、うん……」 「それと」 律はそれから、目を逸らして頬をかきながら言った。 微妙に頬を染めているのはなんでかわからなかったけど、私は心が全然穏やかじゃなかったのでその表情には何も言えなかった。 「……やっぱり何でもないわ。じゃあな。また後で」 律は手を振って、講義室から出て行った。 私はその後ろ姿を見つめていて、どうしようもなく胸が縛られた。 それを振り払うように、鞄へ教材をしまう行為を再開する。 だけど、やっぱり胸は痛いままだった。 それでいいんだろうか。 あんなにも頑張って、律への想いを込めたチョコレートを作った。 あの時は、初恋が律だって気付いてやたらとふわふわして、よくわからなくて。 嬉しいような、でも気付いてしまった寂しさもあって……。 まるで絡んだ糸みたいに、一体それがどんな風に交わって絡んでいるのか自分でもわからないぐらいぐちゃぐちゃだった。 そんな勢いのまま、今日を迎えてるから。 今になって、怖い。 怖いよ。 失敗したら、律はどこかへ行っちゃうのかな。 私から、遠くに行っちゃうかもしれない。 そんなの、耐えられない。 私は、律が大好きだから。 律がいなきゃ、駄目なのに。 もし律が私から離れちゃったら、どうなるんだろう。 ……やっぱり、告白なんてやめよう。 チョコレートも、どうせ美味しくなんかないだろうし。 律が気に入ってくれるわけがないんだ。 あんなの捨ててしまえばいいんだ。 私が告白しなければ、律は今までみたいに一緒にいてくれるかもしれないんだ。 昨日勇気が出てきたとか意気込んでたくせに……。 土壇場で逃げるなんて。 やっぱり私、駄目な奴だな……。 私は鞄に荷物をしまい終えて、立ち上がった。 時計を見ると、四時五分だった。あと二十五分はある。 中庭へはすぐに到着するけど、遅れて迷惑を掛けるのも申し訳ない。 十五分ぐらいは早く行けばいいかな。 それぐらいなら全然余裕だし、向こうより遅くなるなんてことはないだろう。 私は、講義室を出た。 早く話を終わらせよう。 どんな話かもわからないけれど。 ゆっくりと廊下を歩く。 ……律とあの子は、五時に待ち合わせと言っていた。 一体どこで待ち合わせてるんだろう。噴水前じゃないと思うし、もしどこかのレストランへ行くのならバスか何かを使うのかな。 そうなると大学前のバス停とかかな。 付き合う気はないし、私から奪う気もない? どういう意味か、昨日からずっとわからないままだ。 じゃあ何のために、律と今日の計画を立てたんだろう。 律に告白するためじゃないのか? 律とバレンタインを過ごしたいからじゃないのか? 律にチョコレートを受け取ってほしいからじゃないのかよ。 それなのに、付き合う気もないって。この日の食事会は何のためにあるんだろう。 一日だけ律と一緒に過ごせれば、それで彼女は満足なのだろうか。 名前も顔も知らない。ただ一度だけ電話しただけ。 その電話の声すらも、私には何の情報もくれやしない。 そんな彼女が、これから律と食事会に行く。 やっぱりモヤモヤしてる。 ……律は、五時まで何をしているんだろう。一度家に帰ったりしてるのだろうか。 五時集合なら全然間に合うし。それとも、どこかで時間を潰してたりするのかな。 私は首を振った。 ……律のことは、今はいい。 私はその『理学部の子』と話すことだけ考えてればいいんだ。 私は中庭に出た。 ちょっと歩けば、待ち合わせ場所の噴水だ。 だけど、そこには思いがけない人物がいた。 「……澪?」 「……律?」 そこに立っていたのは、律だった。 ■ 「……澪?」 噴水前で、『理学部の子』に会いに来た私。 でもそこにいたのは、律だった。 「……律?」 私は訳がわからなかった。 今の時刻は、四時十七分。待ち合わせは四時半だった。 もう少しで、あの子はやってくるはずなのに、実際いるのは律。 どういうことなのだろう。 五時に、あの子とどこかで待ち合わせをするんじゃなかったのか? 予想外の展開に、心臓が高鳴り始めた。 律が表情を引きつらせながら私に尋ねてくる。 「……ど、どうしたんだ? 何か用でもあったのか?」 「い、いや……違うんだ」 「じゃあ、なんでここに?」 律自身も、なんで? というように辺りを見回して混乱している様子だった。 私は唇を舐めた。 口の中もカラカラに乾き始める。 やばい、混乱してるぞ私。 「律こそ……なんで、ここにいるんだ?」 私は左手で自分の鞄を撫でていた。 渡せなかったチョコレートが眠っている。 律は後頭部を触りながら返した。 「えっと、ここで待ち合わせしてるんだ、理学部の子とさ。四時半に」 「――えっ?」 なんだって? 私は思わず声をあげてしまった。 聞き取れなかったから声をあげたんじゃない。 律の言った言葉が、どうにも私の考えていた答えと大きく食い違っていたからだ。 私の動作に、律は不思議に思ってか首を傾げる。 「どうしたんだよ?」 「本当に……ここに、四時半?」 「って、私は言われたけれど」 どうなってるんだ? 私は焦りに焦っていた。というよりも、これは焦りというより状況が噛み合わないことに対する混乱だった。 自分の持っている情報と律の情報が噛み合わない。 しかし落ち着こうにも律と突然出会うものだから、心臓が高鳴って落ち着けない。 ドキドキして顔も熱くなって……もう訳がわからない。 落ち着け。 律は、四時半に噴水前で、その理学部の子と待ち合わせだった。 私は、四時半に噴水前で、その理学部の子と待ち合わせだった。 実際そこにいるのは、律じゃないか。 どういうことだ。 第一あの子は言っていた。 『田井中さんとは五時に待ち合わせしているんです』って……でも今律は、四時半にここで待ち合わせしていると確かに言ったのだ。 おかしい。情報がうまく伝わっていないのか? あの子の口調からして確かにきちんと取り決めているように思えたのに。 じゃあ、どうして律はここにいるんだ? 「私も、理学部の子に、四時半にここにきてって言われたんだけど……」 「マジかよ!?」 私の言葉に、律も顔を歪ませた。 「……どうなってんだ?」 それはこっちが聞きたい。というよりも、私と律が『理学部の子』に問い質したいところだ。 どう考えてもおかしいんだ。食い違いなんてものじゃない。 だってあの子は五時に律とどこかで待ち合わせと言ったじゃないか! なのにどうして、四時半にもなっていない噴水で、私の目の前に律がいるんだ! よりにもよって、律だなんて……。 ただでさえ律といるのは自分の胸をドキドキさせる要因であるのに、いざ『理学部の子』と話そうと思って噴水に来てみたら律がいる。 そんな予想もしなかった展開も相まって、もう胸が爆発しそうだった。 お互いが訳がわからないから、やっぱり視線が交錯しあう。 その度に私は、この胸の高鳴りが律に聞こえてやしないか、顔が真っ赤になっているのを悟られてはいないかと冷や冷やしていた。 現実、喉が震えて声も出にくい。 「とりあえず、えっと……? 澪は、四時半にここに来てと言われた」 「う、うん……」 状況確認のためか、律は落ち着いた様子だった。 でも、後頭部を撫でながら喋るのは律の、恥ずかしがったり照れている時の癖でもある。 だけど私は、今律が何を考えているか読めなかった。 律の心を簡単に読めれるのなら苦労なんて何もないのだ。 「私も……ここに四時半に来てと言われたんだ」と律。 「『理学部の子』に?」 「いや、××さんを通してだけど……」 「じゃ、じゃあそこで何か伝言ミスがあったんじゃないか?」 そうとしか考えられない。 つまり、私は『理学部の子』から直接電話をもらった。 しかし、律はその子ではなく××さんから連絡をもらったようだ。 となると、本人ではない××さんの情報の方が間違っている確率が高いんじゃないか。 本人の口からの方が信憑性は高いだろうし……でも、××さんが間違うのかなあ。 律は、息を吐いて言った。 「……ま、まあ待ってようぜ。本人が来ればわかるだろ」 「そ、そうだな……」 私と律は、お互いにぎこちなく笑い合った。 時刻は四時二十五分。 私たちは噴水の縁に、二人分ぐらいの距離を置いて座った。 第二話|TOP|次
https://w.atwiki.jp/83452/pages/18061.html
171 : ◆ywLV/X/JUI 2012/06/17(日) 19 48 10 ID /VgVoijY0 * 和は生徒会の仕事を手早く切り上げると、けいおん部の部室へと急いだ。そこが、澪と話し合った事を実行する場所となる。 昨日提案した事は澪との話し合いで、早くも今日に決行する事に決まっていた。和が昨日提出を受けた書類の件で部室を訪れ、そのまま澪に誘われて茶を共にする。そしてそのティータイムの中で、澪と和が仲良く振る舞って見せる、という段取りだった。 けいおん部の部室に辿り付いた和は、深呼吸をしてからドアノブを捻った。「ごめん、澪、居る?昨日提出してもらった書類だけど、不備があったから訂正お願いしたくて」 そう言いながら、和は部室内へと足を踏み入れた。実際には、提出を受けた時点では書類に不備などなかった。和が部室を訪れる口実の為に、澪に改竄してもらったのだ。「えっ?ごめんな、和。何処か抜けてたか?」 不知を装う澪の態度は、和が感心する程堂々としていた。後ろめたさなど微塵も感じ取れない。「ええ。それと、表記がおかしい部分が」「今すぐに訂正するな。わざわざ来てくれて、ありがとう。まぁここに座って、待っててよ」 澪に誘われるまま、澪の隣に和は腰掛けた。澪は早速、丁寧な字で書類の訂正に取り掛かった。そのまま澪の手元を見詰めていると、程無くして紬がカップを運んでくれた。「わざわざご苦労様。お茶でも飲んで、寛いでてね。けいおん部自慢の紅茶なの」 事前の打ち合わせ通りに、事が運んでいた。和が椅子に腰掛ければ、必ず紬が茶を用意する。澪が言っていたとおりだ。そして茶が用意されれば、長居する自然なシチュエーションが出来上がる。「はい、訂正終わったよ」 澪から書類を受け取った和は、椅子から腰を浮かせながら言う。「ありがと、じゃあ私、そろそろお暇するわね」 これも、打ち合わせた故の台詞だった。一旦は帰る姿勢を見せる事で、自然を装う狙いがある。 173 : ◆ywLV/X/JUI 2012/06/17(日) 20 05 18 ID /VgVoijY0 「おいおい、もう行くのか?生徒会の仕事が立て込んでないなら、ゆっくりしていきなよ。折角、ムギがお茶淹れてくれたんだし」 澪が言うと、唯も続いて加勢した。「そうだよー、お茶飲も?和ちゃんっ」 澪の台詞は段取り通りだが、唯の言葉は意図せぬ僥倖だった。更に自然を装う事ができたと唯に胸中感謝しつつ、和は再び腰を椅子に落とした。「それもそうね。私も、偶には澪と話したいし」 和は澪を見つめながら言った。「私も、だよ。和とは、最近話してないからな。去年話してみて、色々と気が合う事は分かっているのに」 澪の声が、甘く和の耳朶を擽る。芝居だと分かっていても、和の心は高揚に包まれた。「そういえば、去年ほど二人は話さなくなったねー」 唯が横槍を入れてくるが、和は無視した。ここからは、澪との濃密な空気を形成しなければならない。他の人間を話に入れる訳にはいかないのだ。「ええ。気が合うせいか、楽しかったわ」「やっぱり和、生徒会の仕事が忙しい?もうちょっと和にも暇ができれば、また二人で色々と遊べるのにな」 澪の言葉が本当なら、どれ程嬉しいだろうか。そう思いながら、和は律を盗み見た。まだ、表情から変化は感じ取れない。「そうね。色々と立て込んでるし。まぁ今日は、偶々仕事が少ない日だけどね。だからこうして、お茶も一緒にできる訳だけど」「お疲れ様。じゃあ今日は、日頃の労を癒していきなよ。肩、貸してやるな」 澪の手が和の顔に当てられ、そのまま胸へと引き寄せられた。「肩、って、聞いたけど?」「こっちの方が柔らかいだろ?」 澪は妖艶に笑った。その笑顔と柔らかさに包まれながら、和は律の様子を窺った。打ち合わせの時点では、澪に対してあまり律を見過ぎるなと注意していた。だが結局は、自分が律を何度も見ている。その事に、和は内心で自嘲を浴びせた。 その律は、流石に表情に不機嫌さを浮き上がらせていた。この場所が自分だけのものであると、そう言いたいのかもしれない。ただ、表情に変化が訪れている者は、律に限っていない。唯も紬も梓も一様に、戸惑ったような表情を浮かべている。只ならぬ雰囲気を察知しているのだろう。 174 : ◆ywLV/X/JUI 2012/06/17(日) 20 30 36 ID /VgVoijY0 「確かに。それに、いい匂いもするわ」 実際に、母性を感じさせる懐かしい匂いが立ち込めている。「それはどうも。和はどうなんだ?」 匂いに酔っていた和の胸に、澪の手が当てられた。「ひゃっ」 陶酔に浸っていた和は、不意を衝かれた形となった。意図せぬ声が、漏れ出てしまった。「可愛い声で鳴くよな。ん、和の胸も、十分柔らかいじゃないか。匂いもいい香りがするのかな?」 澪が首を伸ばして、和の胸元へと鼻を当ててきた。直後に響く吸引音に、思わず和は顔を赤らめた。自分から提案した事ではあるのだが、いざ実践してみれば冷静にはなれなかった。「うん、和も甘い匂いがするよ。ここ、気に入ったよ。ふふ、こういう和の表情、生徒会の子達に見せてあげたいな。いや、全校生徒に見せてあげたいかも。お堅い和のイメージ、覆すチャンスじゃないか?」 サディスティックな澪の言葉に、和の胸中は昂ぶった。更なる満足を得ようと、律の表情を再び見遣る。 これだけ見せ付けたせいか、律にはあからさまな変化が訪れていた。寂しそうに俯いて、胸元のリボンを弄っている。その姿にもう普段の快活さは、見受けられない。「駄目よ。この顔も、澪だけのお気に入りにしておけばいいじゃない」「胸や顔だけじゃない。この髪だって、お気に入りにしたいよ。ふふ、触り心地、いいな」 澪は再び和を胸に収めると、今度は髪を触ってきた。澪の手が優しく髪を擽る度、和の背筋に震えが走る。「あ……そ、そう?自分じゃこの髪質、あまり好きじゃないんだけど」 和は愚痴るように言った。「あ、そういえば私も、前にムギから、髪の毛が柔らかいとか褒められた事あったっけ。これも、触り心地いいのかなー」 唐突に、律が声を上げながら言う。傍目にと空元気と分かる、繕った笑顔を添えて。 澪はそんな律に、一瞥さえくれなかった。それでも律は、髪を自分で弄って必死にアピールしていた。痛々しい姿だった。滑稽な姿だった。その痛々しさも滑稽さも、和には愉快だった。 175 : ◆ywLV/X/JUI 2012/06/17(日) 20 48 41 ID /VgVoijY0 「私は和の髪質、好きだけどな。そういえば和って、割と独特のセンスしてるよな。映画とかも、やっぱり変わったのが好きなのか?」 澪は律を無視して、和に言葉を向けてきた。演技だと分かっていても、和はそれを嬉しく思えた。「まぁ、そうかもしれない。割とマニアックなのが、好き、かな」「マニアックでもいい、教えてくれないか?和の好み、色々と知りたいんだ」 澪の装う和への好意は、より露骨な言葉となって表れている。 その状況に耐え切れなくなったのか、律が言葉を割り込ませてきた。澪の関心を、どうしても引きたいのだろう。「あ、和ー、澪は怖いの苦手だから、ホラーとか教えちゃ駄目だぞー。そうしたらまたぐずって、私のところに泣きに」「律っ。今私は、和と話してるんだ。余計な事言って、邪魔しないでくれないか?」 律の言葉は、澪の一喝によって遮られた。確かに和は、律に厳しい態度で当たる事が効果的だと教えている。だが、ここまで厳しく当たるとは、想定外だった。「あ……ごめん……」 律は弱々しい声で謝ると、顔を俯かせてしまった。それでも顔を寝かせている和には、涙を堪えている律の瞳が覗けた。「ちょっ、ちょっと、澪ちゃん。今のは、流石にりっちゃんが可哀想だよ」 見るに見かねたのか、唯が言葉を挟んできた。それに対しても、澪は落ち着いた表情を見せている。「じゃあ、唯が律と話してろよ。私は普段話せない和と、今は話しておきたいんだから」「私も、今は澪と話したいわ。ごめんね、唯」 和が澪に加勢して言うと、唯は納得のいかない表情ながらも頷いた。「う、うん。じゃあ、りっちゃん。私と話そうか。でも……大丈夫?顔色、あんまり良くないみたいだけど」「うん、ありがと、唯。大丈夫、私は大丈夫。いっつも元気な、ひまわりっちゃんだから。大丈夫。それに、澪とはいつも話してるから。澪だって偶には、他の人とも話しこみたいだろうし」 律と唯のやり取りを見ていると、和の耳に急かすような澪の声が届いた。「で、お勧めの映画っていうのは?」「あ、そうね。オラフ・イッテンバッハとか、アンドレアス・シュナースとか。ジャーマンゴアの代表格が、好き、かな」「ゴアとかも苦手なんだよな。痛そうだし、気持ち悪いし。だから、今度、一緒に見てくれるか?」「ええ。構わないわ。約束する」 見る事は、無いだろう。それが分かっていても、約束という言葉を添えずにはいられない。 179 : ◆ywLV/X/JUI 2012/06/17(日) 21 20 34 ID /VgVoijY0 「ありがと。私、和のそういう所、好きだよ」 澪はそう言うと、和の耳朶を軽く噛んできた。「あ……っ」 和の口から、切ない吐息が漏れる。「相変わらず、可愛い声で鳴くんだね。もっと、聞いてみたいな」 澪の手が、和のスカートの中に入り込んできた。和も負けじと、澪のスカートに手を入り込ませる。「私だって、澪の鳴く声、聞きたいわ」 触らない、そういう約束だった。だが勢いあまって、和の指が澪のショーツに触れてしまっていた。 和が約束を違えても、澪は約束を守ってくれている。もし触れられれば、演技ではない本物の声が漏れてしまうだろう。また、濡れていると気付かれ、澪に本心を見抜かれてしまうだろう。そうならなかった事に、和は安堵した。 それとともに、澪が声を上げなかった事を恨めしく思った。澪が乾いていた事も、悔しかった。「ほら、我慢せずに鳴いてみな?和」 泣きたかった。恨めしさが、悔しさが、涙腺を突き上げている。その衝動に、身を委ねたかった。それでも我慢して、和は言う。「澪こそ、我慢せずに、鳴けばいいのに」 その時、部室に大きな音が響いた。音の方向に視線を向けると、律が勢いよく席を立ったせいだと分かった。「あー、ごめん。なんか私、調子悪いから、帰るな。具合、悪いみたいで」 律は顔を伏せたまま、明るい声でそう言った。だが、声とは対照的に、顔は既に落涙へと至っている。 180 : ◆ywLV/X/JUI 2012/06/17(日) 21 21 17 ID /VgVoijY0 「り、りっちゃん……あの」「じゃあ、また明日、な」 心配そうな唯の声に耳を貸す事なく、律は急ぎ足で部室から出て行った。「流石にちょっと、やり過ぎたかな。まぁでも、いい下地にはなったか」 澪はそう言うと、和を離して立ち上がった。「そうね。行ってあげなさい。寂しがらせた分、存分に甘えさせてあげなさい」 和はそう言うと、見送るように手を振った。「ああ。ありがとな、和」 そう言いながら、澪は既に歩き出していた。その背が部室の外へと消えてから、和も立ち上がる。「お騒がせしたわね。じゃあ私も、今度こそ本当にお暇するわ。お茶、ありがとね」「いえ、お茶はいいのだけれど。えっと……どういう、事?」 紬が説明を求めるように、和を見つめてきた。「ちょっとしたお節介、よ。いつまでも関係が進展しない二人に、スパイス一匙刺激をあげただけ」 それ以上説明するつもりのない和は、背を翻して歩き始めた。唯も紬も、納得したわけではないだろうが黙って和を見送っていた。だが、梓の席の側を通りがかった際、不意に声を掛けられた。「ちょっと、待って下さい。だからって、あんな事、許されると思ってるんですか?律先輩が可哀想です」 和を咎める声は、それまで黙っていた梓のものだった。和はすぐには答えず、部室を出る直前になって振り向いて言う。「そうね。許されないわね。だから、謝罪もしないわ」 胸が痛みに軋んでも、後悔は無かった。”許されない事”を、澪と共有できた。澪と共犯になれた。自分は確かに澪と特別な関係を築いたのだと。それが和には、誇らしかった。<FIN> 172 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/17(日) 20 01 30 ID XYoUnqLg0 【澪和】和「もしもし? ああ澪、どうしたのこんな時間に」和「え? 明日? いいわよ、ちょうど駅前の本屋さんに行こうと思ってたし」和「でも何の用事なのかしら? 今日も学校で会ったばかりでしょ」和「え? 私に伝えたいこと? それって今じゃだめなの?」和「真剣な話って何なのよ、怖いわね」和「うん、それはいいけど……」和「わかった、じゃあ11時にね」 ピッ和「……」 ピッ ピッピッピッ和「あ、もしもし、真鍋です。 夜分にごめんなさい」和「明日の生徒会の打ち合わせだけど、ちょっと用事で出られなくなっちゃって……」 おしまい 176 :いえーい!名無しだよん! 2012/06/17(日) 20 59 19 ID GJjJ5O1Q0 憂ちゃん! 177 :いえーい!名無しだよん! 2012/06/17(日) 21 01 20 ID JRnZndQw0 純ちゃん! 178 :いえーい!名無しだよん! 2012/06/17(日) 21 02 28 ID HGzM.4d.0 折角だしお題水着 181 : ◆WOzlYvh7m2 2012/06/17(日) 22 00 00 ID 4yDX0LvM0 純「ねえ憂、いっしょに水着買いにいかない?」憂「水着?」純「そ、水着。二人で」憂「うんいいよ。でもどうして二人なの?」純「そりゃあ私らが梓を誘ったら嫌味になっちゃうからさ~」憂「えー?そうかな?」純「憂は梓も誘いたい?」憂「うーん、梓ちゃんそういうの気にしないとおもうけどな」純「いやいや、うちのあずにゃんさんは意外と繊細ですよー?」憂「そっかぁ。じゃあ二人で行っちゃおうか?」純「決まりだね!よっし、二人でデートだー!」憂「うん、デートだね~」純「えへへ」終 185 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/17(日) 22 33 39 ID XYoUnqLg0 【憂純】シャワーを浴びてバスルームを出る洗面台の鏡に映るのは濡れた髪の私まだ残っている日焼け、胸に残る水着の跡これがついたあの夏の日、あの日の私はまだ無邪気な少女彼女とは友達、ずっと良い友達……そう思っていたなのに今は……水着の跡を指でなぞる。さっき彼女がしてくれたように、優しくゆっくり、ゆっくりと水着の跡は薄れて、やがて消える最近気付いた好きになればなるほど、幸せになればなるほどそれを失うのが怖くなるこの想いも薄れていくのだろうか消えてしまうのだろうかそれとも……「でももう戻れないよね」そう私は話しかけた鏡に映る女の顔をした私に おしまい 「いつもの時間にお逢いしましょう。待っています。xxx」 9