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ある日王国の姫君を乗せた馬車が盗賊団に襲われました。 護衛の騎士は皆殺しにされ、姫君は連れ去られ、盗賊の首領のものになりました。 しかし姫君は首領を怒らせ、剣で殺されてしまいました。 盗賊の仲間が根城に戻ってきたとき、門の前で見張りの盗賊が死んでいました。 屋敷の扉は硬く施錠されており、夢魔の紋章が扉に刻印されていました。 盗賊達は不吉なものを感じましたが、扉を強引にこじ開けて入りました。 屋敷の中には姫君と首領の遺体がありました。 盗賊達は姫君と盟約を結んでいた夢魔の仕業であると噂しました。 赤文字 【私はこれより真実を赤で語ります】 【真実の赤は説明不要で真実です】 【姫が殺された時、扉は施錠されていました】 【扉が施錠されている状況であれば、外部から魔法以外の如何なる干渉も出来ず、またトラップも存在しない】 【姫は剣で殺されています】 【首領は剣で殺されています】 【見張りは剣で殺されています】 【自殺者はいません】 【扉が破られたとき、屋敷の隅々を探しましたが、誰もいませんでした。隠れてやり過ごして逃げようとしたものは居ません】 【扉が破られたとき、屋敷の中には姫君と首領の死体のみしか存在しない】 【見張りの剣は使われていません】 【扉が破られたとき、統領と姫君はもちろん死んでいた】 【姫君、首領、見張り、子分たちは全員顔見知りです】 【姫君も首領も屋敷内で死んだ】 【首領が姫君を殺した】 【子分が扉を破ったとき、姫君と首領の死体には剣は刺さっていなかった】 【姫が殺されたとき、首領は生きていた】 【姫は首領を殺していません】 【相打ち殺人は存在しません】 【施錠・解錠は鍵があれば外側から行える。内側であれば鍵が無くても施錠・解錠は可能】 【見張りは生きている時、部外者を通さない】 【盗賊団の構成は首領・見張り・子分たちである】 【子分達は仕事にでたとき、集団で行動しており、相互にアリバイがある】 【見張りは子分が仕事にでた時から姫君が死ぬまでの間、子分を通していない】 【姫君は子分たちが仕事にでるのを見送っている】 【子分たちは見張りを殺していない】 【子分たちは見張りの死に直接的にも間接的にも関わっていない】 【首領は見張りを殺していない】 【首領は見張りの死に直接的にも間接的にも関わっていない】 【子分達が仕事に出たときから扉は施錠されていた。鍵は首領が死ぬまで首領が保持していた】 【首領は子分達が仕事に出たときから死ぬまで扉を開けていない】 【馬車襲撃当時から、首領が死ぬまで、屋敷の内外を行き来したのは姫と首領と見張りと子分たちのみ!!!】 【子分たちが出かけたとき、見張りは門にいました。施錠された屋敷の外です】 【村人はこの事件に関わっていません】 【鍵は馬車襲撃当時から首領が死ぬまで首領が保持していた】 【見張りは門で殺された】 【全員の死体は死後動かされていない】 【姫は扉を解錠していない】 【子分が外出してから姫君の殺害時まで、扉は一度も解錠されていない】 【見張りは頭領を殺していない】 【子分は頭領を殺していない】
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初音ミク(弱音ハク)オリジナル曲『残酷な現実』 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1847769 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1847769 Vocaloid2のオリジナル曲 使用Vocaloidは初音ミク 製作者はぼやきP 一つ前のページにもどる
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残酷なアリアを歌え、壊れモノよ ◆auiI.USnCE ――――壊れたモノは、結局どんな処でも、壊れたままだ。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「ふむ……」 ざあざあと流れる波の音が延々と響いている。 灼熱の太陽に照らされている眼前の海は何処までも蒼かった。 強く吹き付ける潮風が肌に感じて、妙に心地よい。 水平線は何処までも続いているように感じて、何か癪だった。 水平線の彼方にあるモノは何だろうかと、ふと思う。 何となく手を伸ばして、そして無駄な事と直ぐに気付いて興味を失う。 暫く、深い蒼を見続け、やがて 「飽きた」 彼女はふわあと大きな欠伸を上げる。 大きく腕を伸ばして伸びをするが、バランスを崩しそうになってしまう。 すこし、慌てながら、改めて彼女は座りなおす。 自分が座っている場所、灯台の天辺のてすりの上の危うさにようやく気付くが、でも、それもどうでもよかった。 このまま、落ちるのもある意味面白いかとくくっと笑う。 扉を開けてみたら、其処がこの場所であった。 島を一望できそうな高さもある灯台の展望台が、彼女の始まりだった。 とはいえ、だからと言って彼女が特別に何かをすると言う訳でもない。 何となく、そのまま手すりに腰掛けて、広がる海を眺め始めただけ。 でも、それも、もう飽きた。 ただ、ひたすらに退屈だった。 「ふむ……やっぱり私は人形でしかないのだな」 そして、感慨も無しに彼女はぽつりと呟いた。 自身の欠陥を再確認して、自嘲するような笑みを作る。 所詮コワレモノだったなと思いながら、視線を雲が流れる空を見た。 先程見知った顔の首が飛んだ。 でも、それに何か動く事がなかった。 そんな自分はやはり人形でしかないと思う。 ああ、死んだんだなと当たり前の事しか考えなかった。 そして、自分の欠陥を改めて感じ、それで終わった。 彼女には感情を認識する事が無い。 無機質な人形のように、プログラムで動く機械のように、心が無かった。 嬉しいと思う感情も、怒りという感情も、哀しいと感じる事も、楽しいと思った事も、一度も無い。 感情の表現の仕方が、さっぱりわからなかった。 ああ、こんなものだろうなと思うのを演じるだけで。 実感と言うものはありはしない。 そんな、自分はきっと壊れているのだろう。 彼女は、そう思い、だからと言って何か変える訳も無かった。 「……まあ、もうどうでもいいか」 そして、またつまらなそうに。 くだらないと思った思考を打ち切って、次を考える。 終わってしまった夢を。 「……しかし、此処に居るという実感があるというのはそういう事なんだろうな」 あの二人を成長させる夢は、唐突に終わった。 殺し合いという現実によって。 どうしてこうなったという仕組みや理屈は気になるが、まあそういうものなんだろうなと解釈する。 だから、今此処で動くのは彼女の意志だ。 自分自身はどうしたらいいのかと考えて 「………………どっちにしろつまらんな」 乗るか反るか。 彼女が出した結論は結局どっちもつまらないという事だけで。 退屈そうに、彼女は欠伸をする。 支給されたモノは恐らく大当たりだろう。 これがあれば色々有利になれることは間違いはない。 間違いは無いが、対して面白いものも出ない。 好奇心を満たしてくれるものだったらよかったのにと一人愚痴る。 「ここが面白い場所だったら良かったのに」 例えば、沢山の遊具が溢れる遊園地とか。 未知の技術に溢れた場所とか。 世界的にも貴重な建造物、例えば大聖堂とか。 そんな場所であったら、暇潰しにはなっただろう。 「もしくは面白い人間でもいいぞ。理樹君みたいな」 やったら熱い女の子でもいい。 純朴そうな少年でもいい。 若しくは自分と同じ欠陥を持ってるようなヒトとかでもいい。 そんな人間と行動したら実に面白そうだ。 「最も……そんな人間が居たら、色々大変な事になりそうだが」 また一人で彼女は笑い、馬鹿な事だなと思う。 そんな事が起きないから今、とてもつまらない事になっているというのに。 一頻り、自分ひとりで何が可笑しいか解らないのに笑って。 笑って、笑い続けて。 「まぁ、いい加減、決めるか」 取り出したのは一枚のコイン。 表だったら乗る。 裏だったら乗らない。 とてもシンプルかつ簡単に自分の生きる道を運命に任せる。 どうでもよかった。 自分が進む、何もかもが。 だから、運命に身を委ね、コインをトスする。 コインはクルクルと舞い、太陽の光に反射して。 一瞬、空と海の蒼に解けて。 そして、彼女の手元に落ちてくる。 コインが示した、彼女の未来は―――― 「――――なあんだ。結局それか。つまらんな」 退屈そうに、その結果を受け止め、つまらなそうに笑う。 そして、彼女は、何も変わらない海と空を眺めて。 手すりから、くるりと宙返りをしながら、飛び降りて、出口に向かう。 壊れた人形が、とても面白くなさそうに、ゆっくりと、歩き出した。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ その壊れたモノの名は、来ヶ谷唯湖といった。 【時間:1日目午後1時00分ごろ】 【場所:H-8 灯台 展望台】 来ヶ谷唯湖 【持ち物:FN F2000(30/30)、予備弾×150、水・食料一日分】 【状況:健康】 020 夜の扉 時系列順 022 「あさはかなり……」 020 夜の扉 投下順 022 「あさはかなり……」 GAME START 来ヶ谷唯湖 075 ALIEN(異邦の人)
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海賊 修造
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◇ 数多の星々が煌めく夜天の下。 白のワイシャツに、グレーのジャケットを着込んだスラッとした長身の女性。 弓原紗季は、出会って間もない水口茉莉絵と名乗る少女とともに、山道を降っていた。 「――それで、この名簿に載っている桜川九郎さんという方と、岩永琴子さんという方が紗季さんのお知り合いということになるんでしょうか?」 「ええ、そうね。同姓同名の可能性もなくはないけど……知り合いは、私が知りうる限りその二人だけということになるわね」 紗季から見ると、水口茉莉絵は非常に慎ましい少女であった。 律儀に締められたネクタイに、下半身には膝丈のプリーツスカートに黒のストッキング。 蒼のリボンで結い合わせたお下げを靡かせたーー清廉潔白な少女である。 この「殺し合い」を強いられているというあまりにも異常な状況下。 出会った当初こそ、紗季は最大限の警戒を以って茉莉絵に接触していた。 しかし、茉莉絵が本当に無害且つ現状に怯えきっているということを悟ると、警察官として、民間人である茉莉絵を守らねばならないという使命感にかられるようになる。 まずは自分が警察官であることを伝え、茉莉絵を安心させると、そこからは一気に打ち解けようと努めた。 「それにしても、数年前に別れた彼氏が新しい彼女を伴って、目の前に現れるって何だか運命的ですねー。テレビドラマみたいです。でも、昔の彼氏さんが他の女の子と一緒にいるのってやっぱり思うところはあったりしましたか?」 琴子や九郎の素性までは明かしてはいないものの、九郎が元カレだったことや、その九郎の今の彼女が琴子だということを話すと、興味深そうにあれやこれやと聞いてくる。 やはり年頃の女子高生には、所謂恋バナという話のネタは鉄板のようだ。 正直二人との関係性についてはあまり口外したくないものではあったが、それでも茉莉絵の緊張していた表情が解れたところを察するに、少しは気休めになったのかもしれない。 「それは、当初こそ複雑な気分だったけど……今は踏ん切りがついているわ。結局のところ、九郎君や岩永さんと私は住む『世界』が違ったってね」 「そう、なんですね……」 そう……紗季からして見れば、桜川九郎と岩永琴子は異なる「世界」の人間であった。 だから鋼人七瀬の一件が片付いてからは、もう会うこともないだろう、と思っていた。 だが、こうして同じ悪趣味な催しに巻き込まれてしまった現状、殺し合い打倒のためには彼と彼女が持つ「怪異」の力に頼らねばならない。 「それにしても、どうして魔女(ウィキッド)なの、水口さん」 「うーん……そこまで深い意味はないんですけどね。魔女ってどんなことでも出来そうじゃないですか? 現実では不可能なこととか思う存分、望むがままに……」 「なるほど、ね……そんな、何不自由なくこなせる魔女に憧れてーーってところかしら?」 「まぁ、そんなところですね!」 どういう訳か茉莉絵の名簿上での名前は「ウィキッド」という、インターネット上で彼女が利用するハンドルネームで記載されている。 更に驚くべきことに、茉莉絵は最初の会場にいたμを知っているという。 茉莉絵が言うには、μというのは元々ボーカルソフトウェア上のバーチャドールなるもので、茉莉絵達ネットユーザーによって作成された曲を歌う存在だったという。 最近はそういったボーカルソフトなるもので作成した曲を、インターネット上に公開する文化があるというのは耳にしたことはあるが、それが実体化し、あまつさえ人を殺すなど前代未聞のことである。 (何にせよ、まずは九郎君と岩永さんとの合流ね……) あまりにも荒唐無稽なあのμという少女。 常識からあまりも逸脱した存在に「怪異」との関連性を疑いながら、足を早める。 二人の行く先は、市街地エリアーー。 そこで九郎や琴子をはじめとする、この殺し合いからの脱出を目論む他の参加者との合流を目指していた。 「よぉ……。 姉ちゃんたち、そんな急いで何処へ行くつもりなんだァ……?」 不意に野太い第三者の声が聴こえた。 紗季と茉莉絵が踏みしめている山道の左右は、森林地帯となっているがその声は左の茂みの中から聴こえた。 「だっ、誰っ!?」 紗季は茉莉絵を庇うように前に一歩前に踏み出し、声がした方向を睨みつける。 バチリ、バチリと、木を踏みしめる音が聴こえてくる。 怯える茉莉絵と、見構える紗季。 二人の前に姿を現したのはーー ドレッドヘア―が特徴的で、蛇のように鋭い目付き。 黒のスリーブのジャケットを身に纏う、大柄な男性。 良く言えば、ストリートの若者。悪く言えば、ガラの悪いはぐれ者。 紗季は、過去に拘束してきたヤンキー達を思い出した。 「おいおい、そんな警戒することはねえだろォ……。 俺様ちゃんも、こんな訳の分からないゲームにぶち込まれて、困ってるわけよォ……。」 男は、ケラケラと嗤いながら近づいてくる。 ――この男は、危険だ。 そう直感した紗季は男に対し警告を発する。 「真倉坂警察署交通課巡査の弓原紗季です。それ以上は近づかないで。止まりなさい」 「うほほほぉ~!! お姉さん、婦警だったのォ……。 いやぁ良かったぁ、警察なら怖い人から僕ちゃんのこと守ってくれるよねェ……。」 紗季が発した警告など知ったことかとばかりに。 男は尚も下品な笑みを浮かべ。 一歩、また一歩と近づいてくる。 止むなしか、と紗季は一呼吸置いて。 懐から支給品である拳銃を取り出す。 銀色に輝くそれを見て、茉莉絵はビクりと震える。 「さ、紗季さん…」 「――止まりなさい」 「いやいやいやいや~~!! !それはおかしいでしょ、お姉さん。警察が善良な市民である僕ちゃんにそんな物騒なもの向けちゃって良いわけェ……? それに心配しなくても、俺はこの通り丸腰だぜぇ」 男は舌なめずりをしながら、両手を上げる。 しかし、尚も足を止める気配はない。 確かに何かしらの武器を携えているようには、見えない。 しかし、それでも紗季は本能的に、男に気を許すことはなかった。 「まずは止まりなさい、話はそれからよ。それ以上近づくとーー」 「……何をしてくれるのかなぁ、お姉さぁん♪」 「えっ?」 瞬間、紗季の全身に悪寒が走った。 10メートルは離れていたはずの男は、ほんの一瞬で紗季の真横へと立ち、耳元で囁いてきたのだ。男は、硬直する紗季を嘲笑うかのように、その耳たぶに息を吹きかける。 「……っ!!」 ねっとりとした不快な感覚に、紗季は思わず後退る。 表情こそ男を睨みつけたままではあるが、内心では得体の知れない男への恐怖が溢れかえらんとしていた。 ――だが、それでも。 「ギャハハハハハハッ!! さっきまでの威勢はどうしちゃったのかなぁ~? あれれ~ もしかして! もしかすると! もしかしちゃうと! 怖くなってきちゃったぁ―? キャワイイねぇ、お姉さぁんーw」 紗季はチラリと、視線を後方へと向ける。 茉莉絵はガタガタと震えて、今にも泣きだしそうな表情を浮かべている。 ――紗季は逃げるわけにはいかなかった。 「――ッ! 舐めるなァッーーー!!!」 「おっ?」 男の懐へと一気に踏み込み。 拳を構える。 拳銃はあくまでも威嚇用。大怪我でもしたら大変だ。 紗季が考えているのは、眼前の男の無力化及び拘留。殺害ではない。 紗季がこれまで軟派な犯罪者達をシメてきたように。 男の土手っ腹目掛けて、拳を撃ち込んだ。 しかし。 「――えっ?」 紗季の拳には肉を穿つ感覚はなく。 眼前から男の姿はまたしても消えていた。 「え~と、紗季ちゃんだっけか、お姉さんの名前。それじゃあ、この俺様ちゃんから紗季ちゃん達にスペシャルな提案がありまーす!」 「「――っ!?」」 気付けば男は、紗季と茉莉絵の背後に立っていた。 驚愕し振り向く紗季と茉莉絵。 そんな二人の姿を見下ろし、男は実に愉しそうな表情を浮かべる。 「これから鬼ごっこを開始しまーす! 鬼はこの俺様! 逃げるのは紗季ちゃん達ね。もしも俺様に捕まっちゃうとーー」 「貴方何を言ってーーっああああッ!!!!」 「紗季さんっ!!?」 男に掴みかかろうとした紗季は、突如として右手の先端から熱いものを感じ、悲鳴をあげる。 「散々ブチ犯された挙句、バラバラに解体されるから、気を付けな……。」 そんな風にな、と男は先の足元へと指差す。 紗季は視線をそちらへ向ける。 そこには人の指が無造作に五本散らばっていた。 そして、紗季の右手先端の五つの穴からは鮮血が滴り落ちている。 これが意味するところはーーー。 「ッああああああああああああああああああーーーーー!!!!!」 身体の一部が欠損してしまったという絶望と、焼けるような激痛から絶叫を上げる紗季。 そんな紗季の様子を見て、男はゲラゲラと嗤う。 茉莉絵は「嘘、そんな…、紗季さん…」と声をがたがたと震わせ、唖然としている。 「さぁさぁ、楽しい楽しい鬼ごっこの始まりだァ! これから10数えるから、その間に精々俺から離れることだなァ、お姉さん達ぃ~!!!」 「――このっ!」 紗季は歯を食いしばり、痛みを堪えーー まだ指がある方の手で、懐から拳銃を取り出す。 そのまま、男へと銃口を向ける。 先程は威嚇の為であったが、今度こそ撃ち抜く覚悟がある。 しかし、男はそれを冷めた目で一瞥すると、 「あーもうそういうの、いいから」 「――っ!?」 紗季が握りしめていた拳銃は一瞬で先端から細切れとなった。 地面に転がる拳銃の残骸を見て、紗季は呆然とする。 「それじゃあ今度こそカウント始めるから、頑張って逃げてねェ……」 気を取り直した男はそう言い放つと、淡々とカウントを始める。 もはや紗季たちに残された道は、唯一つ。 男の言うように、逃げるしか他はない。 紗季は、指がある方の手で茉莉絵の手を引っ張る。 「水口さん、逃げるわよ! 走って!」 「紗季さん………でも、紗季さんの指が……。あの、わ、私……。」 「今は余計なことを考えないで! ただ逃げることだけを考えなさい!」 紗季の決死の気迫に圧されたのか、茉莉絵はただただコクリと頷いた。 ◇ 「ぎゃははははははは!! 走れっ、走れー!!! 紗季ちゃんも、お下げちゃんもチンタラしてると、食べられちゃうぞォ~!!」 山道から外れた森林の中。 ドレッドヘアの男―――王は、狩りを楽しんでいた。 獲物となるのは、今もなお懸命に逃げ続ける二人の女性である。 紗季と茉莉絵は一心不乱にただひたすらに駆けるーーー迫り来る捕食者から逃れるために。 しかし、追う者と追われる者のその距離は一向に開くことはない。 紗季と茉莉絵がどれだけ大地を駆けようとも、その距離は一瞬にして縮まる。 虚空の王(ベルゼブブ)―――ダーウィンズゲームにより与えられた異能(シギル)は、この殺し合いの舞台においても健在。 王は、この異能(シギル)により空間転移を行使し、二羽の脱兎との距離を一定のものにキープしているのだ。 やろうと思えば、一気に距離を詰め捕らえることなど容易いが、そんな無粋なことはしない。 汗だくになりながら此方へと振り返り、距離が縮まっていないことを確認しては焦燥する二人の反応が非常に楽しいからである。 王は人殺しが大好きだ。この殺し合いにおいても、彼の趣向は変わらない。 殺しを楽しみつつ、優勝を目指す。それが【エイス】のリーダー、王が下したこの殺し合いにおける行動方針であった。 目に留まったものは殺す。殺しがいのあるような人間は徹底的に痛めつけて殺す。 王にとって、他の参加者など所詮は自分の快楽を満たすためだけの玩具に過ぎない。 弓原紗季と水口茉莉絵の二人は、まさに極上の玩具であった。 か弱い女性でありながら、迫り来る死から逃れ、生を渇望するその姿。 時折此方へと向ける、人ではないものを見るような、怯えきった瞳が加虐心をくすぐられる。 息切れを起こし、荒くなる彼女たちの息遣いもまた興奮を覚えさせる。 「あ~、もう堪んねえわァー!!」 王は歓声を上げると、虚空の王(ベルゼブブ)を発動させる。 狙うは学生服を着込んだ、如何にも優等生ですよ、といった雰囲気を醸し出す少女。 その真後ろへと転移し、背中から抱き込むような形で取り押さえる。 「―――ッ!」 「お下げちゃん、つ~かまえたァ♡」 「水口さんっ!!!」 羽交い締めのような格好で拘束された茉莉絵を救出すべく、慌てて駆け寄ってくる紗季。 そんな紗季を、王は嘲笑う。 そのまま見せつけるかのように、茉莉絵の白雪のような頬へと細長い舌を這わせる。 ねっとりとした唾液が茉莉絵の顔を侵していくが、囚われの茉莉絵は、俯いたまま特に反応は示さない。 「あれれ~? お下げちゃんは恐怖のあまり縮こまちゃったのかなァ? 不感症の女は好みじゃないけどォ……。まあいいや、これからお下げちゃんには、僕ちんのスーパー如意棒でたっぷりと女の悦びを教えてあげ―――ウゴォェッー!!」 その瞬間、下衆な笑いを浮かべていた王の表情は一変。呻き声と共に、苦悶の色を浮かべることとなった。 原因は彼のみぞおちに撃ち込まれている茉莉絵の肘にある。 茉莉絵は、か弱い少女の身体からは想像もできないような俊敏な動きで王の拘束を解き、この一撃を叩きこんだのである。 想像だにしなかった重い一撃に、王はみぞおちを押さえ数歩後退。 完全に解放された茉莉絵の元に、紗季が辿り着く。 「大丈夫、水口さん?」 「――――。」 「水口さん……?」 心配そうに尋ねる紗季であったが、茉莉絵は変わらず俯いたままであった。 やはり先程から茉莉絵の様子がおかしいと、紗季は戸惑う。 そんな二人を恨めかしそうに睨みつける王。 その心は、屈辱と怒りにより煉獄のように燃え上がっている (クソがァ……完全に油断した。あのガキ、格闘経験者か、何かかァ……。 だったらよォ!) 王の視線の先で。 とにかく逃げましょう、と紗季が茉莉絵に手を伸ばした瞬間。 ヒュン、という風を切る音がした。 連鎖するようにボトリと何かが落下する音がした。 そして次に鳴り響いたのはーー。 「イヤぁああああああああああああああああああッーーー!!!! 私の腕がァあああああああああッーーー!!!」 左腕を欠落し悶える紗季の絶叫であった。 欠損した左腕からは、鮮血が線香花火のように撒き散らされ。 大地を赤く染め上げる。 また風が吹いた。 指のない片腕で、傷口を押さえのたうち回っていた紗季は突然バランスを失い。 ドサリと地面へと倒れる。 「ひいッ、いぎや”あ”あ”あ”あ”ああああああああああああああああッ!!!!」 自分の身体からまた一つ。右脚というパーツが切り離されていることを悟った紗季は、泣き叫び、腐葉土の上を転がりまわる。 整った顔立ちも涙と鼻水と涎に塗れ、ぐちゃぐちゃになっている。 「ぎゃははははははははは!! 何だ、その踊りは!!」 そんな地獄絵図を見て、王は手を叩いて爆笑している。まるでコントを楽しむ観客のように。 茉莉絵は硬直。ただただ、激痛に悶える紗季を見下ろしている。 王は、更に腕を二回振るう。 「あ“がぐぎが、あ”あ“あ”あ“あああああああああああああああああああッーーー!!!」 まるで火山の噴火のように、紗季の身体から同時に二箇所、血が噴き上がる。 残っていた左脚と右腕も切断されたのである。 四肢全てをもがれた紗季は、掠れた呻き声をあげながら、まるで芋虫のようにうねうねと這いずる。 もはや以前の凛とした婦警の姿はどこにもない。 王は、片手で紗季の後ろ襟を強引に掴む。 そのまま「ほーら紗季ちゃん、高い高いー」と赤ん坊をあやすように持ち上げて、その哀れな姿を茉莉絵へと見せつける。 「ジャジャジャジャーン! 紗季ちゃんダルマの完成で~す!! 性欲を持て余している思春期男子には持って来いのお手軽サイズとなりましたぁ! ――っとやべ、意識失いかけてんな、こいつ。そろそろ出血多量で死ぬかな、これ」 紗季の瞳は白目を剥き掛け、口からは涎と共に「ぅ…ぁ……」という掠れた呻き声が漏れている。 また欠損部分からはボトボトと、血が止めどなく滴り落ちている。 胸が上下に動いていることからまだ息はあるようだが、このままでは息絶えるのも時間の問題である。 「なぁなぁ、お下げちゃんッ! 何もかもお下げちゃんが悪いんだよォ~。 お下げちゃんが俺様ちゃんを怒らせるから、紗季ちゃんはこんなコンパクトなサイズになっちゃったんだよォ~。ねえねえ、良心とか痛まない? 痛むよねェ……?」 王の狙いは、茉莉絵の心をズタズタにすることにあった。 自分のことを命を賭して護ってくれていた婦警が、自分のせいで目の前でズタボロにされるーーー良識のある人間なら、それだけでも胸が張り裂けるであろう 婦警を殺した後は、絶望と罪悪感で苛まれている中で、ゆっくりと拷問し、解体する。 止めてください、と泣き叫ぼうが容赦はしない。 徹底的に犯した挙句、ぶち殺してやる。 と息巻く王ではあったが、それでも茉莉絵は目立った反応は見せない。 ただ虚ろ目で、ジーっと王と紗季を見つめだけであった。 「おいおいおいおい、何だんまりしちゃってんのよォ……? お下げちゃんって、薄情だねぇ……! そこはさぁ『お願いです。紗季さんを助けてください! 何でもしますからぁ』とかお涙頂戴の展開だろう……? ほらっ、紗季ちゃんもなんか言ってやりなよォ……? ――うん? 紗季ちゃん?」 王が問いかけても、紗季から反応はない。 ぐったりとして既に意識を失っていたのだ。 「おいこら」 「がッ!!? いぎがあ“あああああああああああああああああああああああああっ!!」 紗季の顔からポロリと鼻が落ちたと同時に、激痛により彼女の意識は無理やり覚醒させられる。鼻があった場所からドクドクと血が溢れ、顔半分は真っ赤に染め上げられている。 「はははははははっ!! 良かった、まだ生きてんじゃん。ほらっ、お下げちゃんに何か言いたいこととかないの? あるよね?」 「――げで…」 「あん? 聴こえねえよ……」 「に”げでぇ! み、ずぐぢさァんッ!」 血に塗れた顔面で、呼吸すらままならない状況下で、紗季は声を振り絞り少女に訴えた。 せめてものこの娘だけでも、生きてほしいと。 秩序を守るものはいる。 願わくば彼女がその者たちに拾われ、この理不尽から生還してほしいと、願いを込めて。 「ぎゃははははははは!! いやぁ本当感動的だねぇ! 警察官としての義務……? それとも女の友情ってやつゥ……? まあどっちにしろ、紗季ちゃんもお下げちゃんも逃がすつもりはないんだけ「おいっ!」 ドスの利いた声が、王の蔑みを遮った。 声の主はそれまで黙りこくっていた茉莉絵であった。 訝しむ王の視線に、茉莉絵は冷酷な笑みで応える。 「――黙れよ、クソ共……」 「アん?」 「ぇ”っ…?」 その場は静寂に包まる。 王も、紗季も茉莉絵の変貌に目を丸くした。 二人の反応などお構いなしに、茉莉絵は言葉を紡いでいく。 「優等生モードはもう止めた……。くっだらねえ茶番見せつけやがって、最っ高に気分悪いわ。まぁ、とりあえずお前らーー」 茉莉絵は自らの内ポケットに手を忍ばせる。 そこから何やら金属の球体を取り出す。 球体に付属している輪っかを引き抜く。 そして、それを二人に向けて放り込み。 「仲良く死んどけよォッー!!!」 真夜中の森林地帯に爆炎が噴き上がった。 ◇ 鋼人七瀬の一件が解決した後も、彼女は夜が怖かった。 それでも秩序を守るものは必ずいる、と思えば一歩踏み出すことは出来た。 世の中には理不尽はあるけれども、秩序を守るものがいる限り、でたらめになることはない。 彼女はそう信じ勇気を振り絞り、殺人鬼へと立ち向かった。 だが彼女の瞳に最期に映し出されたのは、 護ろうとしていた少女―― 水口茉莉絵が、理不尽へと変貌した姿であった。 【弓原紗季@虚構推理】死亡 ◇ 水口茉莉絵(ウィキッド)は人を壊すことが大好きだ。特に「愛」だの「信頼」だの「仲間」だのそういった反吐が出るような絆を信じるような連中を虐げる時は、極上の瞬間といっても良い。 自分たちが信じていた絆とやらが、如何に下らなく他愛もないものだったのかを知らしめ、絶望させた状態で、地獄へと叩き落す快感は病みつきになってしまう したがって、この殺し合いにおいても、彼女の趣向は変わらない。 最初のホールでは、μ(ポンコツ)の様子がおかしかったり、同じ楽士である少年ドール(引きこもり)が殺されているが、そんなことはウィキッドにとっては、些末なことだ。 思うがままに、殺戮と蹂躙を楽しむーーー。 結局のところ、水口茉莉絵(ウィキッド)は、どこにいたとしても彼女のままであった。 それが例え殺し合いの場であったとしても、だ。 ウィキッドが最初に出会った婦人警官の弓原紗季は、彼女にとって格好の獲物であった。 殺し合いを強要されている異常事態の中で恐怖を押し殺して、警官の務めを果たさそうと、茉莉絵を保護する姿勢は何ともいじらしい。 また元カレとその今カノの二人が参加しているということにも、非常に興味をそそられた。 元カレと今カノとやらと合流した暁には、元カレの手足を切り落として監禁し、助けてほしければ今カノと元カノに互いに殺し合えと脅せば、最高の愛憎劇を鑑賞できたかもしれないーー。 または全員を監禁したうえで、女どもを拷問にかけていき、元カレにどちらを助けるか命の選択をさせるのもまた面白いかもしれないーー。 ウィキッドは、弓原紗季という人間と彼女を取り巻く人間関係を、如何にして蹂躙しようかあれやこれやと思案し、胸を高鳴らせていた。 しかし。 「――それもこれもお前のせいで台無しだァ! 人様の獲物、横取りしてんじゃねぇぞ! 爬虫類野郎ッ!」 「ハンッ! テメエの事情なんざ知ったことかよォ!!」 真夜中の山林に爆音が絶えずに轟く。 相対するは二人の捕食者。 二人が踏みしめる戦場の彼方此方には血肉が飛び散っている。 それは且つて「弓原紗季」と呼ばれていたものの残骸―――。 ウィキッドが最初の手榴弾を放ったあの瞬間――。 王は即座に空間転移を実施し、爆心地から避難した。 しかし、紗季はその地に置き去りにされたまま、爆撃の餌食となってしまったのである。 結果的にウィキッドが紗季の命を平らげたこととなるが、彼女の腸は依然として煮えくり返っている。怒りの矛先は王。 「人が丁寧にお膳立てしているところに蜂蜜ぶちまけやがって! 早漏か、お前はよぉ!」 「良く分かんねえが、チンタラしていたテメェが悪いんだろうがァ!! 笑わせんじゃねえぞォ!」 ウィキッドと王―――。 共に弱者を痛めつけたうえで虐殺することを悦とする点においては、通じ合うものはあるかもしれない。 しかし、王が対象を肉体的に虐げることに重きをおいているのに対し、ウィキッドは、肉体と同時に対象の人間関係を破壊することを重視する。 平たく言えば、ウィキッドの方が何かと注文が多いのである。 もしも、王が最初から水口茉莉絵という少女の本質に気付いていれば、また違った展開になっていたかもしれない。 同好の士として仲良く手を取り合う未来も起こりえたかもしれない。 だが、それはあくまでも、もしもの話。 今回はあまりにも出会いが悪すぎた。 言うなれば、ウィキッドが腕によりをかけて食材に仕込みを始めようとした矢先に、王が横から掻っ攫い、つまみ食いをした形となる。 「とっとと、死ねェッ!!」 「いい加減ウゼえぞォ、テメェッ!」 魔女の怒りは収まらない。 怒声とともに、爆撃は尚も続く。 雨あられと飛び交う爆弾を、王は空間転移で回避していく。 と同時に、ウィキッドがいた場所の座標を試みる。 1mの射程圏内にさえ入れば、空間切断能力で爆弾女を細切れにして決着だ。 だが、ウィキッドは爆弾を投擲してはバックステップで即座に移動し、接近を許さない。 オスティナートの楽士の身体能力は常人のそれとは、一線を画す。 彼女が一つ地を蹴るだけでも、王の空間転移の射程圏外へと離される。 「チッ! ちょこまかと動き回りやがって……!!」 「アハハハハハハハハハッ!! いちいちワンパターンなんだよォ、お前は! オラッ、爆ぜろッ!」 ウィキッドは必要以上に王に接近しようとせず、まるでダンスを踊るかのように爆弾を投擲し続ける。 「ワンパターンはテメェも同じだろうがァ! このイカれ爆弾女がァ! (この女、俺の異能(シギル)の有効範囲に気付いていやがる……。)」 王の推測は当たっていた。 王の異能(シギル)、『虚空の王(ベルゼブブ)』の能力――。 空間転移の有効範囲は10m、空間切断の有効範囲は1mである。 ウィキッドは件の『鬼ごっこ』の際に、王の動きを観察し、空間転移の移動距離を計測していたのである。 紗季の五体を切り裂いた空間切断の有効範囲についても、遠距離であの能力を行使されておらず、先程からウィキッドに接近を試みていることから、至近距離でないと発動できないというものであると推測できていた。 故に虚空の王(ベルゼブブ)は魔女(ウィキッド)を捉えることは出来ない。 手品のタネが割れてしまっている以上、短期決着は難しい。 ウィキッドと雌雄を決するには、相手方の爆弾(リソース)が枯渇し、爆撃が止むまで付き合う必要ある。 だが、一向にその爆撃が止む気配はない。 派手な爆音は絶えず轟いている。 土埃と焼き焦げた匂いが辺り一帯へと蔓延する。 爆炎から逃れながらも、王は思考する。 (クソがっ……。見境なくドンパチやりやがって、アイツの爆弾(おもちゃ)は無尽蔵にあるのかァ……? いやそれとも、爆弾を生成する異能(シギル)か、何かか……?) いずれにしろ、幾重にも爆音が響き渡るこの場所――。 これだけ派手に爆発が続いているのであれば、周囲のエリアから騒ぎを聞きつけた参加者が押し寄せる可能性がある。 特に爆発など物ともせず、自信満々にやってくる【殺し合い乗った側】の参加者が。 序盤も序盤。いまここでそういった参加者達と殺り合うのは得策ではない。 このイカれ女がそういった参加者達と潰し合ってくれるのは結構であるが、巻き添えを喰らうのは御免である。 「はぁああああああああああっ!? お前逃げてんじゃねえぞォ!」 「ハンッ馬鹿がァ! 頭の良い俺様ちゃんは、テメェみてえなイカれ女といつまでも付き合う暇なんざねえんだよォ。 テメェはここで勝手に死んどけやァ……。」 くるりと踵を返した王に、ウィキッドは怒声を浴びせ追いかける。 王の逃走する方向に爆弾を次々と投げ入れ、爆発するたびに森は揺れる。 しかし、王はその悉くを空間転移で回避していく。 結局、怒れる魔女の炎は最期まで王を捉えることはなく、王は夜の闇へと姿を消した。 「クソがァああああああああああああああああああああああああーーー!!!」 独りきりになった魔女は、月へと咆哮する。 魔女の怒りは尚も収まらない。 【F-6/森林地帯/深夜/一日目】 【ウィキッド@Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-】 [状態]:健康、王への怒り [服装]:いつもの制服 [装備]: [道具]:基本支給品一色、不明支給品3つ [思考] 基本:自らの欲望にしたがい、この殺し合いを楽しむ 1:壊しがいのある参加者を探す。特に『愛』やら『仲間』といった絆を信じる連中。 2:参加者と出会った場合の立ち回りは臨機応変に。 最終的には蹂躙して殺す。 3:さっきの爬虫類野郎(王)は見つけ次第殺す。 [備考] ※ 王の空間転移能力と空間切断能力に有効範囲があることを理解しました。 ※ 森林地帯に紗季の支給品のデイパックと首輪が転がっております。 ※ 王とウィキッドの戦闘により、大量の爆発音が響きました。 ◇ 「――ったく、とんだイカれ女だったな……」 壊しがいのありそうなか弱い参加者二人を見つけ、遊んでは見たものの。 其の実、自分と同じ「狩る側」の人間が紛れ込んでいたとは、夢にも思わなかった。 可愛いらしい外見とは裏腹に王ですらドン引きする凶暴性を秘めていたのだから、人は見た目によらず、とはよく言ったものだ。 「さてと、王さんは王さんのやり方で優勝を狙いますよーっと……」 『虚空の王(ベルゼブブ)』は無敵の異能(シギル)だ。 そこは、疑いようがない。 しかし、だからと言って異能(シギル)だけを頼りとして闇雲に暴れ回るだけでは、優勝など出来はしない。 序盤は、先程の女のような厄介な敵との戦闘はなるべく避け、確実に殺せるような玩具を見つけ嬲り殺しを楽しんでいこう。 それこそ、スマートな戦い方と言えるだろう。 ――殺人狂は次なる標的を求め、歩みだす。 【E-6/平原地帯/深夜/一日目】 【王@ダーウィンズゲーム】 [状態]:健康 [服装]:いつもの服装 [装備]: [道具]:基本支給品一色、不明支給品3つ [思考] 基本:人殺しを楽しみつつ、優勝を目指す 1:人が集まりそうな場所へ移動する 2:【サンセットレーベンズ】のメンバーは殺す。特にカナメ君は絶対に殺す 3:イカれ女(ウィキッド)に次会うことがあれば、凌辱した上で殺す [備考] ※参戦時期は宝探しゲーム終了後、シノヅカを拉致する前となります。 前話 次話 ほんとのきもちはひみつだよ 投下順 禍ツ華が哭くころに 前話 キャラクター 次話 GAME START 王 緊急!バトルロワイアル特別番組『エイスチャンネル』前編 GAME START ウィキッド Big Brother GAME START 弓原紗季 GAME OVER
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難易度表/かんたん/残酷な天使のテーゼ
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アンゼロットは数十人の黒服と共に成田空港にいた。 東京に着陸したアメリカからの航空機をロビーで見ていた。 やってきたのは月島、岡部、長門、まどかである。 「ご苦労様ですよ……月島さん」 まるで自分の部下のように月島を労うアンゼロット。 「彼らを手土産とはあなたもやり手ですね」 実は月島は兵藤和尊の命令でジョーカーとして参加者としてまぎれて影でロワを動かしていたのだった。 「少しでも勝率は上げておきたいですしね。今のところ和田アキ子と秋山澪を入れても20%ぐらいしかありませんからね」 まどかと長門を見てアンゼロットは言う。 アンゼロットは確実にノイ・ドヴァイを討つために徹底的に戦略を組んだ。 まずは最強クラスであり7期、8期を生き抜いた和田アキ子を投入することで勝率を上げることから始めた。 だがそれでもノイ・ドヴァイを完全に息の根を止めるにはまだ不十分だった。 いかに和田アキ子が強くても吸収されれば元もこうもないのだ。 無論、強力な特殊支給品を配給させる予定であるが確実とはいえないのだ。 そこでさらに勝率を上げるためにノイ・ドヴァイと縁の深い秋山澪も追加投入を決めた。 他の軽音部員がことごとく死亡に対して澪が生き残っていたのはアンゼロットにとって幸運だった。 友人同士の殺し合いと言う人間性を軽視した残酷なシナリオも用意し、鉄壁な布陣といいたいがまだ不安要素があった。 だが、月島が連れてきた同行者のうち、長門とまどかの二名は実に魅力的だった。 万が一アキ子や澪が提案を蹴ってもそれを見事に代用する素晴らしい戦力が手に入ったのだから。 「では月島さん、男は必要ありませんから女子2名を引き渡してください」 「おや? 例のノイ・ドヴァイの生贄かい?」 「違いますよ……英雄ですよ」 実はアンゼロットには更なる切り札があった。 それはインキュベーター製には劣るが人工的に作った擬似ソウルジェムである。 元々はジョーカー参加者を生み出すために作ったが、この際投入しようと思ったのだ。 無論、鹿目まどかに使用する。 正直アンゼロットは彼女に消えて欲しかったのもあった。 平行世界の女神である高位の鹿目まどかの存在の抹殺―――それもアンゼロットの目的の1つだった。 新参の割には自分より高位の神など彼女にとって認められないのだ。 だったら、この世界の彼女と今や冥魔に等しいノイ・ドヴァイを接触させたら? ノイ・ドヴァイに吸収なりさせたらノイ・ドヴァイと平行宇宙にいる女神両方に何らかの悪影響を与えられるかもしれない。 もしかしたらあの女神をこっちに引っ張り出せる可能性もある。 それに情報統合思念体の端末でもある長門も十分すぎるアドバンテージである。 都合よく進めばノイ・ドヴァイを弱体化する操作ができるかもしれない。 「これでようやく勝率は50%上がりますね……では行きましょう」 「月島さんのお友達ですよね、では喜んで」 おとなしく従う2人に対してアンゼロットは表情を崩さず長門とまどかを連れイシドの待つ集合場所へ向かった。 アンゼロットはこの2人に対して何の哀れみすらなかった。 都合のいい道具だったからだ。 太陽系や宇宙を滅ぼしかねない危険分子を倒すためには手段も選んでられない。 主八界時代以上に冷酷であり残忍にもなるとこのロワに来て以来決意していたのだから。 「ノイ・ドヴァイは絶対に滅ぼしますよ……確実に」 アンゼロットは呟いた。 だが、2人には聞こえない。 【真昼の月アンゼロット@ナイトウィザード】 【思考】 1:バトルロワイアルを運営する 2:イシドと合流場所で落ち合う 3:まどかと長門を使ってノイ・ドヴァイを討つ計画を立てる 4:女神まどかにも消えてもらいたい 5:まどかに擬似ソウルジェムを投与する ※主催側です。 【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]健康、タイムループ15498回目、月島さんに切られた [装備]航空券 [道具]基本支給品一式、不明支給品 【思考】 1:今度こそタイムループから抜け出す 2:月島さんの友達(アンゼロット)について行く 3:ほむらが心配 4:月島さんが居ればタイムループから抜け出せる筈 ※アンゼロットを月島さんの友達と考えています 【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】 【状態】健康、月島さんに切られた 【装備】???、航空券 【道具】支給品一式 【思考】基本:月島さんの友達(アンゼロット)について行く 1:ほむらちゃん…… ※アンゼロットを月島さんの友達と考えています 「行ってしまったね……」 残った月島は1人残された岡部を見た。 「そろそろ開放するか、これ以上の負担は彼を壊しかねないし」 月島はそう呟いて空港から去っていった。 願わくは仲間の銀城に会えることを期待して。 ただ1人岡部を残して。 【一日目・12時55分/日本・成田国際空港】 【月島秀九郎@BLEACH】 【状態】健康 【装備】完現術『ブック・オブ・ジ・エンド』 【道具】支給品一式、本 【思考】基本:??? 1:帝愛グループのために動く 2:主催側の指示を待つ 3:銀城どこかな? ※主催側です。 【岡部倫太郎@Steins;Gate】 [状態]健康、タイムリープ十回くらい目、月島さんに切られた [装備]なし [道具]基本支給品一式、電話レンジ(仮)、不明支給品 [思考] 1:今度こそまゆりと共に生きて脱出する 2:???
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ノックアウトピープルズ ~ちょっと残酷な博覧会~ 【のっくあうとぴーぷるず ちょっとざんこくなはくらんかい】 ジャンル マルチシナリオ アドベンチャー 対応機種 ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア) 発売・開発元 バーンハウスエフェクト 配信開始日 2010年8月18日 価格 500DSiポイント プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所 レーティング CERO B(12歳以上対象) コンテンツアイコン 暴力、言葉・その他 判定 クソゲー ポイント シュールで残酷なテキストアドベンチャー薄い、薄すぎる… 概要 ストーリー 主なルール 問題点 賛否両論点 評価点 総評 概要 下請け開発中心のメーカー、バーンハウスエフェクトがリリースしたニンテンドーDS(DSiウェア)ソフト。同社によるDSiウェアソフトは今現在、本作のみである。 ジャンル的にはテキストアドベンチャーがメイン。それに加えて、若干のおまけゲームも収録されている。 ストーリー 擬人化された動物達が暮らす、現在社会風の世界で起こる物語。 めんどくさがり屋で食欲旺盛な「ブタ」は、周囲の迷惑お構いなしにゴミを撒き散らしながら生活しています。 空気の読めないブタの行く先には、当然の如く様々なトラブルが発生します。プレイヤーはこのブタ視線となり、それらを適任な行動で回避しなければなりません。 もし、トラブル回避の手段を誤ってしまうと、彼の命は消え去ってしまうでしょう…。 主なルール ゲームの流れ。 従来のテキストアドベンチャーと全く同じ方式でゲームが進んでいく。 シナリオ中のテキストを進めると、時折ニ~三択の選択肢が現れる。タッチペン操作で選択肢を選べば次のテキストに進める。 本作における大きな目的は、正しい選択肢を選び続けてハッピーENDを迎える事にある。 もし誤った選択肢を選んでしまうと、バッドEND(ブタ死亡)となりシナリオが即終了となってしまう。 シナリオ中のシステム周りは「バックログ」「テキストスキップ」「テキスト中断後の再開」といった機能が搭載されている。 オートセーブ方式。 クリア後の特典について。 シナリオをハッピーENDでクリアすると、おまけのミニゲームがプレイできる。 ミニゲームは「シナリオ中に登場したモブキャラを操り、ゴミを撒き散らすブタを撃退する」という目的の簡易なアクションゲームとなっている。 なお、ミニゲームをクリアしてもこれといった特典はない。 問題点 あまりにも薄いボリューム 本作における最大の問題点がこれ。この内容で500円相当は正直ぼったくりとしか思えないレベル。 ハッピーENDを迎えるまでにかかる時間はおおよそ5分程度の短さ。しかも、選択肢が「あからさまな地雷か否か」という分かりやすさも相まって、初見プレイでハッピーEND到達という状況もあり得る。 信じられない事にこの簡単に到達できるハッピーENDを迎えるだけで、すべての隠し要素が解禁できてしまう。 全バッドEND遭遇を目指すプレイでも、総プレイ時間は1時間もかからない。どうあがいても本作で楽しめる範囲はその辺が限界である。 さらに、こんなボリュームの割にDSiウェアとしてはかなり高い容量(75ブロック)を必要とする。地味に厄介。 おまけのミニゲームに関しても、「いくらおまけでもこれはない」というべきショボさで、ほとんどあってない様な存在である。 「やっつけ気味に作ったフリーゲームレベルの超短編テキストアドベンチャーを500円で発売」といえば、本作のボリュームの薄さがお分かり頂けるだろうか? システム周りが微妙に不親切。 シナリオ中におけるシステム周りに関しても不便な面が目立つ。 「もっさりとしたテキスト送り」「任意セーブができず、エンディングに到達する度に最初からやり直さなければならない」と、地味にプレイ環境が悪い有様。 しかも残念な事に、上記のプレイ時間は、このシステム周りの不親切さも視野に入れた上での計算である。 今時のテキストアドベンチャーにあるべきものも搭載されていない。 「エンディングリスト」「イベントスチル・BGM鑑賞」は一切未搭載。常識的な感覚だと、この位は普通入れるものと思うのだが…。 賛否両論点 割と多彩な「ブタの死に様」。 多くのプレイヤーはハッピーENDを目指すよりも、バッドENDにおける「ブタの死亡シーンの数々」に面白みを見出すだろう。 死に方の一例としては「ナイフで刺殺される」「化学物質に触れて溶かされる」「理性を完全に失い、そのままゴミ施設へと処理される」など、結構陰湿かつ現実的なシチュエーションで死んでいく。 しかし、所詮はCERO B指定のゲームなので、その手では有名な海外アニメ「サウスパーク」や「ハッピーツリーフレンズ」並(*1)の豪快な死に様よりは控えめに収まっている。 本作の残酷描写に関しては、「適度なグロさが堪能できる」とも「中途半端にグロさがオミットされて物足りない」ともとれ、この辺は賛否が分かれるかもしれない。 評価点 シナリオ内の舞台設定に関しては悪くない。 ブタを筆頭とする擬人化された動物達が住む空間は、何ともいえぬ独特の雰囲気を醸し出している。 絵本風に描かれたイベントスチルの数々も味があっていい感じ。さらにはシーンが切り替わる度に専用のスチルが表示され、スチルの使い回しがほとんどない。 「どんな危険な環境に陥っても無気力な姿勢を崩さず、終始無表情で覇気がまるでない」という、脱力感溢れるブタの容姿が舞台設定のシュール色に拍車を欠けている。 立ち絵の類は一切用意されておらず、イベントスチルしか専用絵がないのは寂しいところ。しかし、シナリオそのものが短すぎる故に、立ち絵を入れる意義が皆無という皮肉さが泣ける。 BGMの雰囲気。 雰囲気はホラー感満載。 ただ、とてもループが短い。 総評 はっきり言って、「DSiウェアを有料公開のフリーウェアと勘違いしているのでないのか?」と思える出来。いくら500円相当でも、このボリュームの薄さは到底擁護できない次第。 とはいえ、ボリュームの薄さ以外での致命的な問題点がなく、「絶対的なクソゲー要因」というものには欠けている。せめてボリュームを現状の数倍に増強していれば、値段相当の作品として評価されたかもしれない。
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残酷な『彼女』のテーゼ ◆h6KpN01cDg ―Side Asuka― 蹴る。蹴る。蹴る。 あたしは、目の前の草壁サツキをさっきから蹴り続けていた。 「何とか、何とか言いなさいよっ!」 そこいつは、あたしたちの前から逃げ出した。向かった先は―――民家の先にある、森。 こいつは、副司令を殺そうとしたんだ! 間違いなかった。こいつは化け物の仲間だ。あの黒いのや緑の化け物と一緒に、加持さんと冬月さんを殺そうとしている! だったら、私が吐かせてやる。詫びさせてやる。 加持さんを危険な目にあわせた罪―――償ってもらうんだから。 あたしは逃げたこいつの後を追った。てっきりなのは辺りが追ってくると思ったけど、来なかった。 多分副司令の手当をしているんだろう。 いや、いない方がいいけどね、あんなうざいの。私がこいつを―――ぼこぼこにするには邪魔だ。 こいつは全身怪我だらけだったから、追いつくのは簡単だった。首根っこをひっつかんで、地面に倒す。後は―――今のとおりだった。 「……や、やめっ……くふっ」 無抵抗のサツキを蹴る。蹴る。蹴る。 あたしの足がサツキの喉を、腹を、肺を、脳を圧迫する。 ざまあみろ。化け物のくせに、かよわいふりなんてするからだ。 「ほら、早く吐きなさいよ。あんた、あの化け物の仲間なんでしょ?で、あんたも本当は人間みたいな外見して、化け物なんでしょ?それで、化け物と結託して加持さんや副司令を殺すつもりだったんでしょう?そうでしょう?……何か言いなさいよ!」 「……わ、私は……化け物じゃ……かはっ」 踵で喉をぐりぐりと踏みにじる。何よ、まだとぼける気? 早く吐きなさいよ。私だってねえ、早く加持さんを助けに行きたいんだから。 「何言ってんのよ、あの黒い化け物にかばわれてたくせに、調子に乗るんじゃないわよ!」 蹴る、蹴る、蹴る。 下腹部を、胃を、腕を、足を、顔を、蹴る。蹴りつける。 殴ることはしない。化け物の仲間になんて、触るのも嫌だった。 「……っ」 「ほら、教えなさいよ。加持さんとタママはどこに行ったの?分かってるんだからね、あの変な装置を作ったのはあんたとあの化け物だってことは!」 蹴る。蹴る。蹴る。 初めは痛い、だとか違います、だとか言っていたこいつも、次第に口数が少なくなり、ぐったりとしてきた。 殺すつもりはない。事実を聞き出すためには、証拠をつきつけるためには、死なれては困る。 加持さんのところまで案内させてからどうするかはともかく、今はこいつから情報を得なければならない。 「で、あんたはどんな人間なの?魔法使い?宇宙人?いい加減本性現しなさいよ!」 さっきから、草壁サツキは攻撃をしてくるそぶりも見せてこない。 ……まさか、本当にただの一般人、ってことはないでしょうね。 いや、一般人だとしても―――化け物に守られているという時点で、あいつらと同罪だ。 殺さない。殺さずに、情報を聞き出してみせる。 動かなくなったサツキの襟首を掴み、もう一度、腹を蹴る 「何寝てんのよ。早く答えなさい!」 それでも、サツキからは反応はない。気絶しているのだろう。 あたしの頭に血が上る。何よ、ふざけんじゃないわよ。 早く起きて喋りなさいよ! 「このっ……!」 あたしはサツキをもう一度蹴ろうとして――― 「サツキ殿おおおおおおお!」 それを―――緑の化け物に阻まれた。 「……なっ!?」 あたしの蹴りはその緑の化け物を直撃し、小柄なそいつは遠くまで吹っ飛ばされた。 な、何なのよ、あいつ!? まるで、こいつを助けるみたいに……! 「……さ、サツキ殿っ……!大丈夫でありますか!?」 それは―――あの時私が殺し損ねた、加持さんにかばわれていた―――緑のカエルの化け物だった。 かあ、と胸の奥が熱くなる。 こいつのせいだ。 『こいつが死んでくれていれば、加持さんは怪我なんてせずに済んだのに!』 「あ、アスカ殿、サツキ殿は何も悪くないであります!冬月殿を傷つけたことを怒っているのなら、それは吾輩の責任でもありますから、だから……」 「……な、何なのよ……何でなのよ……」 どうしてこの化け物は、私の邪魔をするの? 何で、何で何で何で―――死んでくれないのよ! 「……アスカ殿、お話を聞いてほしいであります。アスカ殿は加持殿や冬月殿のお知り合いなのでありましょう?それなら―――」 うるさいうるさいうるさい! 加持さんと副司令を騙しているくせに、よくもそんなことが言えるわね。 「吾輩のげふうっ!?」 化け物を、蹴る。思いっきり真正面から。 黙れ、黙れ、黙れ!化け物の言葉なんて聞きたくない! どうせそうやって私のことも、利用するつもりなんだ! あたしは、ひそかにポケットに忍ばせていたナイフを取り出す。 いい、もう―――こいつはここで殺す。 初めから殺すつもりだったんだ。見たところ、こいつは戦闘能力がない。あるのはあの黒いタママだけだ。 なら、簡単に殺せる。 今すぐにだ。殺すんだ。今すぐにだ―――できる。 「あ、アスカ殿……どうか……サツキ殿のことは……これ以上……」 息が絶え絶えに、ケロロが言う。 その姿が本当にしおらしくて、怒りが増す。もう一度、蹴る。 化け物はうめくが、サツキの前から一歩も引こうとはしない。 蹴る位置を変えても、うまいこと体の向きを変え、サツキに被害が及ぶのを防いでいるようだ。 ああそう、そんな態度で、加持さんたちを騙したのね。 上等じゃない。……殺してあげるわ。 「死ねええええええええ!」 あたしに蹴られたからだろうか、化け物はどこか焦点が合わず、足もふらふらしている。 私はナイフを振り上げ、化け物の腕を突き刺した。 「ひいいいいいいいい!」 次に胴体を、腹を、軌道がそれて帽子を、刺し貫く。化け物は次第に傷だらけになっていく。 でも、死なない。 ―――それは、こいつが絶妙なタイミングで刃をそらし続けているからだ。 サツキの前からは決して離れないように、しかし急所を上手くかわしている。 そして何より―――こいつは、一向に倒れなかった。 ムカついた。短い足にナイフを突き立ててやった。喚いたのでもう一回やった。なのにこいつは、尚も立っていた。 普通に考えれば、立っていられる状況ではないというのに。 立ちはだかるように―――手を広げて。武器も持たずに。 あの黒い化け物ほどではなくても、その両手を使えば抵抗の一つくらいはできるだろうに、それをせず―――サツキを庇うように、ただ攻撃を受けるばかりだ。 それは、とても化け物のやり方とは思えなかった。 こいつは、本当に……本当に、加持さん達を騙しているの? もし本当に人間を利用しているならば―――死にかけてまで、こんな役に立たなそうな女を守るなんて、するの? ……いや、ダメだ、騙されちゃだめよ、アスカ。 こいつら化け物に、本当の思いやりの気持ちがあるわけないんだから。 違う、違う、違う。こいつらは化け物だ。殺すべき存在だ。 だって―――そうじゃないと、私はどうすればいいのよ! 「あああああああああああああああああああああああああっ!」 私は、今度こそ確実に、化け物の腹にナイフを刺し、そして――― 緑の化け物は、崩れ落ちた。 ……はあ、はあ、はあ……や、った……。 ……勝った。 勝った、勝った、勝った、勝った! 私は化け物に勝ったんだ!殺したんだ! 加持さんを利用しようとした罰よ!ざまあみろ! 私はその化け物を足で押しのけ、草壁サツキの襟首を掴んだ。 「……いつまで気絶してんのよ、早く起きなさいよ!」 そして、この化け物の態度で分かった。 やっぱりこいつは、草壁サツキは―――こいつらの仲間だ。 あのカエルにかばわれる理由など、こいつが一般人でないから以外にない。 そう言えば、ここにあたしを連れてきた眼鏡のおっさんの名字も草壁だったかしらね。まあ、確かにそれなら納得する。あんな頭のいかれた奴が人間であるはずがない。それなら、血が繋がっている(多分、娘ね)らしいこいつもきっと人間じゃないんだ。 それにしても、こいついつまで意識を失っているつもり?早く教えなさいよ、もう邪魔な化け物は始末した、もうあんたしかいないのよ。 しかし、草壁サツキからの答えはない。 いい加減に腹が立って、思いっきり踵で踏みつけた。が、反応がない。 「……馬鹿にしてんじゃ……!」 あたしはサツキの体を踏む。踏む。踏み続ける。 何度も何度も何度も。 そして10回ほど踏んだところで、―――さすがにおかしいと思い始めた。 こんなに反応がないものだろうか? ……背筋が凍った。 「……ちょ、ちょっと……」 サツキの体を起こす。 唇は青く、体中はあたしが蹴り続けたせいで傷だらけ。 顔は完全に腫れ上がっている。 そして――― 「……何よ、それ」 気づいた。 草壁サツキの心臓が―――止まっているということに。 ……え? 何よ、それ。 私は、あんたを殺すつもりなんかなかったのに。 あんたから化け物の本性を聞き出して―――加持さんの居場所を聞きたくて―――え? 何よ、…… 化け物のくせに、何でただ蹴り続けただけで死ぬのよ!ばっかじゃないの! 「……あ、は……」 ―――あたし、知らない。 人を殺すつもりはなかった。こいつは化け物の仲間だったけど、殺したいとまでは思っていなかった。 なのに、こんな簡単に死ぬなんて―――嘘でしょ? これじゃあ、こんなに弱いなんて―――まるで普通の人間みたいじゃないっ! 「……あは、あはははははは、……はははははははは!」 悪く、ない。 私は悪くない。 悪いのは―――あの化け物だ。 私はあの化け物のせいで、人殺しになってしまったんだ。 ―――ううん、違う、そんなことはない。違う、よ。 こいつも化け物だ、草壁サツキも化け物なんだ。そうだ。そうだったじゃない。 だから、私はただ化け物をこらしめただけ。 私は、人を殺してなんかいない。 何も間違ったことはしていない。正しいことをしたんだ。 だって私は―――セカンドチルドレン、選ばれた子供だもの! 「……あはははははははは!はははははははははは!」 ……そうだ、いいこと思いついた。 本当はこいつに聞こうと思ってたんだけど、死んじゃったから。 これで、あたしは化け物を二『匹』殺した。 さっきの放送で言ってたよね?三匹化け物を殺したら人の居場所が分かるって。 なあんだ、はじめからそうすればよかったんだ。 あと一匹―――化け物を殺せばいいんじゃない。 草壁サツキみたいに弱い化け物もいるなら、楽勝ね。 そうしたら、加持さんの居場所がすぐに分かる。こいつを拷問なんてしなくてもよかった。早く化け物を殺しさえすればよかったんだ。 ああ―――簡単じゃない。 「……ははははははははは!あっははははははははは!」 笑いが止まらなかった。 罪悪感なんて、なかった。 ただ、走りだす。 だって私は―――皆を救ったんだもの。 感謝しなさいよ、バカシンジ。 あんたを殺す予定だった化け物を、あたしが退治してやったのかもしれないんだからね。 そして、待ってて加持さん。 適当な弱い化け物を殺して―――すぐにそっちに行くからね。 殺すなら、ヴィヴィオがいいな、そう思った。 あいつも、高町なのはの娘なんだ。十分、化け物のはずだ。 あんな弱っちいガキなら、きっとすぐに殺せる。 あの綺麗な髪をぐちゃぐちゃにしてやりたい。 それで首でも切り取って、高町なのはに見せてあげたいな。 どんな顔をするんだろう、あいつ?泣き喚くかな?怒るかな?それとも発狂するかな? ああ、楽しみだなあ。 それを考えるだけで、自然に口元が緩んだ。 あたしの足は、自然に西へと突き進んでいた。 全身を刺すような痛みも、もう気にならない。 ―――化け物を殺すのって、簡単じゃない―――そう、思った。 ―Side Keroro- 吾輩は、どうしてすぐに気づくことができなかったのでありましょうか。 サツキ殿が悲鳴をあげて部屋を飛び出すまで、サツキ殿の状態がどうなっているのか―――吾輩は知らなかった。 その結果が、この事態とは…… 初めから、ずっと共に行動をしていたのに。 それなのに、吾輩は――― サツキ殿の気持ちに気付けなかった。 サツキ殿は普通の少女、混乱して当然であります。 アスカ殿は、先ほどから吾輩を蹴り続けている。 ……あ、刺された。全身を貫くような痛みが走る。 「ぎゃあああああああ!」 我ながら情けないでありますなあ、ははは。 ―――サツキ殿に、近づくな。 感情が渦巻く。我輩の中の『吾輩』が、囁く。 「あの頃」が、繰り返す。 吾輩を、俺を、いざなうように。 ―――『俺』が、この女を殺してやる。 違う、それは、だめでありますよ。 サツキ殿は、そんなこと望んでいないでありますから。 「俺」を、抑え込む。 加持殿は―――吾輩のことを自らを犠牲にしてかばってくれた。 吾輩も、加持殿と同様に―――同じやり方で―――サツキ殿を守るであります。 暴力は使えない。サツキ殿を、怖がらせるわけにはいかないでありますよ。 ―――だから――― 目の前が何も見えない。……吾輩は死んだでありますか? そして襲う鋭い痛み。……ああ、まだ生きている。 吾輩は、まだサツキ殿を守るために生きている。 今度は下半身を刺される、痛いでありますよ。 視界のほとんどは白か赤。いやあ、こんなのあんまりじゃありませんか。 赤……シャア専用ザク……と思うには、さすがに無理がありすぎるでありますな…… そして、アスカ殿がナイフを振り上げたのを最後に――― 意識は、融けた。 ―Side Nanoha― ―――そんな。 私は、その場から動くことができなかった。 力が抜ける。 そんな―――どうして。 サツキちゃん――― 触れる。 ……まだ、体は暖かかった。でも。 心音が、ない。 すぐに、分かった。 ああ、死んでいるんだ、と。 その姿が、ヴィヴィオと、小砂ちゃんと、アスカと重なり、ぐらつく。 「め……ん」 言葉にならない。 視界が、滲む。 気付けば私は、涙を零していた。 「……ご、めん……」 ごめんなさい。ごめんなさい。 私が、また迷ってしまったから。 私は、今ここではこんなにも無力だ。 エースオブエース?それは何?私のこと? ……どこが? 今の私は、エースどころか、力無き人間を救う力もない、ただの優柔不断な人間じゃないか。 スバル、私――― 今の私は、貴方の憧れなんかじゃ…… 「……っ」 私は―――二人も殺してしまった。 二人が死んだのは、私の――― 「…………小砂、ちゃ」 「……ん……た、高町殿……」 ……え? 私ははっとしてサツキちゃんの前に重なり合うように倒れているケロロを見る。 「け、ケロロ!?」 い、……生きてる!? ケロロは、全身血まみれだったが、ゆっくりと顔を持ち上げる。 「……た……かまち殿。……サツキ殿は……」 そして、悟る。 彼は、自分も瀕死の重傷を負いながら、サツキちゃんの身を心配している。 サツキちゃんの無事を、心から信じている―――そんな、顔だった。 そんなケロロに―――私は。 「大丈夫。サツキちゃんは―――無事だよ」 嘘を吐いた。 きっと、これではそう永くは持たない。それならせめて―――最後まで軍人として称えてやりたかった。 「私に任せて……休んで」 だから嘘を吐く。 サツキは―――生きていると。 彼は目的を達成することができたのだ、と。 多分、ケロロは、もう――― 「……そう、……でありますか……良かった……」 弱りながらも、その声は聞き取りやすかった。 軍曹、という地位にふさわしい、態度。 ……本当に、それでいいのか? 私の頭の中に、そんな思考が浮かんだ。 ……いや、駄目だ。 いい訳がない。 あきらめては、駄目だ。 まだ、ケロロは生きてる。今から治療をすれば、まだ間に合うかもしれない。 ―――冬樹殿を弔ってくれて、感謝してもしたりないでありますよ。 私が守れなかった男の子。その友達の、ケロロ。 どの程度の仲だったのかは分からない。でも、きっと私とフェイトちゃんくらいの絆で結ばれていたんだろう。 種族も、星すらも超えた、深い友情で。 自分と同じだ。ケロロは、自分と同じ。 第一回放送で親友の死を知った。でもケロロは―――それでも、サツキちゃんを守り続けているのか。 ―――負けている、場合じゃない。 そっと、呟いた。 『不屈の心は―――この胸に』 そうだ、私は、あきらめちゃいけない。 絶対に、何があっても、私は―――皆を、ヴィヴィオを、守り抜くんだ―――! だから、気付いた。 もし私が、その時決意を固めていなければ、その『気配』に気づかず、背中から焦がしつくされていただろう。 ―――火の、気配。魔法の、気配だ。 「……っ!?」 私はケロロを抱えたまま草むらを転がる。私の真横を、巨大な炎が通り抜け、爆ぜる。 これは―――見覚えがあった。 もしかして、もしかしなくても――― 「……!」 マッハキャリバーを、構える。 ―――いる。 それだけは、分かった。 精神を集中させ、唇を噛む。ケロロを、そっと抱き締める。 本当は寝かせておきたかったが、今一瞬でも気を緩めたら殺される―――それが分かっていた。 ―――ズーマ。 このぴりぴりした気配は―――この魔法は―――おそらくは。 そう、私は、負けない。 だって私は―――ママなのだから。 ねえ、ヴィヴィオ。 私は、―――間違わないから。 「行くよ、……マッハキャリバー」 そして、音もなく、闇が―――動く。 それが、戦闘開始の合図だった。 ―Side Zuma- ふん。 ……思った以上に、反応の早い女だ。 隙だらけに見えたのだが、判断を改める必要がありそうだ。 さて、この女は俺の居場所に気づけるか。 真正面からぶつかれば相性が悪いのは既に学んだ。 それならば―――忍んで殺すだけだ。 俺はアサシン―――暗殺者なのだ。 もう、あのような屈辱的な敗北など、味わうものか。 幸い、ここは建物が多い。身をひそめ、隠れ、利用するには絶好の場所だ。 手段など問わない。 正面から相手を薙ぎ倒す必要など、どこにもない。 殺す。 俺はただ―――殺すだけなのだから。 誰もかもを、殺す。―――依頼を遂行するために。 【草壁サツキ@となりのトトロ 死亡】 【残り35人】 【B-6 市街地端/一日目・昼過ぎ】 【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】 【状態】全身に刺し傷(非常に危険な状態です) 【持ち物】なし 【思考】 0.(気絶中) 1.サツキを何があっても守る。 2.加持、なのはに対し強い信頼と感謝。何かあったら絶対に助けたい 3.冬樹とメイの仇は、必ず探しだして償わせる 4.協力者を探す 5.ゲームに乗った者、企画した者には容赦しない 6.で、結局トトロって誰よ? ※漫画等の知識に制限がかかっています。自分の見たことのある作品の知識は曖昧になっているようです ※首輪探知機のバッテリーが大分減っています。すぐにではないですが、いずれ使用できなくなります ※北高女子の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、ジェロニモのナイフ×1@キン肉マン、自転車@現実、ディパック、基本セット、 サツキのディパック、首輪探知機@現実?、サツキの基本セット、拡声器@現実 はB-6の民家に残されています。 ※ジェロニモのナイフ×1@キン肉マン が、公民館の傍に落ちています。 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労(小)、魔力消費(中)、強い決意 【持ち物】基本セット(名簿紛失) ディパック マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikers ハンティングナイフ@現実 コマ@となりのトトロ、白い厚手のカーテン、ハサミ 【思考】 0.絶対に、ケロロを、ヴィヴィオを、皆を守る。 1.ズーマに対処する 2.一人の大人として、ゲームを止めるために動く 3.アスカと小砂を探す 4.それが済んだら高校にヴィヴィオを探しに行く 5.アスカと小砂を守る 6.ノーヴェを保護する ※「ズーマ」「深町晶」を危険人物と認識しました。ただし本名は知りません ※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。 【B-6 市街地・民家のどこか/一日目・昼過ぎ】 【ラドック=ランザード(ズーマ)@スレイヤーズREVOLUTION】 【持ち物】ベアークロー(右)(刃先がひとつ欠けている)@キン肉マンシリーズ 【状態】疲労(中)魔力消耗(中) 右腕、背中に傷(比較的軽傷) 【思考】 0.参加者を全て殺す 1.高町なのはを、今度こそ殺す 2.リナ=インバース、魔変化の男(アプトム)を必ず殺す 3.ゲームの関係者を全て殺す 4.依頼料を取り戻す ※魔法や身体能力の制限に気づきました。自分だけでなく異能者全員にかかっているのではと思っています ※【B-6】の民家の寝室の箪笥の中に、以下のものが破棄されています デイパック×2、基本セット×2(一部食糧不足)、地球動物兵士化銃@ケロロ軍曹、どんぐり五個@となりのトトロ ―Side Kosuna- 私が『気配』を感じたのは、師匠が冬月さんの治療を始めた、まさにその時だった。 『いる』、そう思ったね。 誰が、かって? 私の本能が告げる。心臓がぞわりと逆立つ。 あれは―――ホテルで会った、ズーマって奴だ。 私は師匠がいなければ、あそこで殺されていた。 恐ろしく戦いなれた、魔法を使う馬鹿強い男。 関わりたくない。私の理性が叫ぶ。 あの時の、死の恐怖が脳裏をよぎり、寒気が走った。 勘っていうのは、私たちの世界においては相当重要な位置を占める。 野生の勘が発達していない奴は、悪人に騙され、利用され、なぶり殺され捨てられる。 そんな世界。 だから―――私は今、この予感が間違ったものではないと確信していた。 それ故に、私は、師匠から距離を置く。 師匠が冬月さんを治療しているのを横目で見つつ―――私は、その場からそっと離れた。 今私がいるのは、地図で言うのならC-6……森の中だ。 「ふう、あいつもここまでは気付かないっしょ」 私はウージーをいじり、弾の装填数を確認。……よし。 ……あ、結果的に師匠をあそこに置いてくることになってしまった。 まずいなあ。 師匠についていた方が魔法を学べるんだけど……でも私はもうあいつとは二度と戦いたくないんだ。 ネブラがいて、空を飛べても圧倒的な戦力差だった。ネブラのいない今の私に勝てる要素は―――微塵だってない。 魔法使いの師匠なら、ズーマと戦闘になったとしてもなんとかなると思う。 ネブラを取り返したい気もしたけれど―――そうしたらタママやケロロを殺さないといけなくなる。いまいち気が乗らない。 このまま、逃げることもできた。 でも、私は便利屋として、為さねばならぬ仕事があった。 仕事とあらば、何が何でも遂行しなければ。 アスカ?あいつは、個人的にはあまりかかわりたくないから、別にいい。 「……えっと、ヴィヴィオちゃん、って子は―――高校にいるんだよね」 ここで話をつけた後、師匠と向かう予定だった場所。 そこに、師匠の『娘』であるヴィヴィオとやらがいるらしい。 私は、その子を先に探してみよう、そう思っていた。 話によると、ヴィヴィオちゃんは小さな女の子。そんな子が今生き延びているとすれば、きっと師匠みたいな優しい人に保護されているのだろう。 それなら、そう接触は難しくないはずだ。 だから、ここから森を抜け、高校とやらを目指す。 いなかったらその時だ、師匠に報告して別の場所を探そう。 これはただの逃亡じゃない、ヴィヴィオちゃんが無事か、そこにいるのかを確かめる偵察でもあった。 私は―――生き残らなきゃならない。 だから、危ない奴らには絶対に ……うう、何だこれ、なんか、心臓がむずむずする。 私も、師匠に感化されちゃったのかもしれない。 師匠に申し訳ない、なんて考えたこともないのに。 ―――でも、そんなに悪くないかもしれない、そう思いながら。 【C-6 森/一日目・昼過ぎ】 【小泉太湖(小砂)@砂ぼうず】 【状態】正常、わずかな罪悪感? 【持ち物】IMIミニウージー(9mm口径短機関銃)(18/32)@現実、清潔なシーツ ディパック、基本セット 【思考】 0.ヴィヴィオを見つけるため、高校に向かう。後でなのはと合流する。 1.「高町なのは」に弟子入りして魔法を教わる。 2.「川口夏子」と合流する 3.アスカに対して深い疑念。殺せるなら殺した方がいい……? 4.「碇シンジ」、「ガルル中尉」を探して接触する 5.「水野灌太」、「雨蜘蛛」には会いたくない。「水野灌太」の存在だけはきちんと確認したい 6. ネブラと合流出来た場合、ネブラとの約束を守るため"闇の者"達を討伐する ※「高町なのは」を魔法使いと認識しました ※「ズーマ」を危険人物と認識しました。ただし本名は知りません ※「深町晶」を危険人物と認識しました。 ※マッハキャリバーと冬月から、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。 ※ 少女は、走る。 高町なのはや、冬月コウゾウのいる場所から正反対の方向―――自分たちがたどってきた道を、走る。 少女は、知らない。 自らの支給品に、ガイバーのユニットが入っているということに。 それは、彼女の知らない本物の『深町晶』が持つ者と同じ代物だということに。 彼女がそれを使用しさえすれば、彼女も彼女自身―――惣流・アスカ・ラングレーその人がもっとも嫌悪する『化け物』になる、ということに。 そして、何より――― 「ははははっはははは!あははははははは!殺してやる!殺してやるわ! 加持さん、待ってて―――私が化け物を殺してやるから!」 彼女は、知らない。 彼女は、知っていて尚耳を塞ぎ続ける。 あまりにも脆い彼女は―――認めたくなかった。 このどうしようもない現実は、彼女を更に追い詰め、病ませる。 彼女の探す人間は、既にもの言わぬ屍となっているということに。 彼女が殺したのは、化け物などではなく―――正真正銘の、普通の人間だということに。 そして――― 化け物への憎悪と嫌悪に身をゆだねる彼女の歪み切った顔こそが―――何よりも『化け物』と呼ぶにふさわしいという事実に。 【B-5 ホテル裏/一日目・昼過ぎ】 【惣流・アスカ・ラングレー@新世紀エヴァンゲリオン】 【状態】右手人差し指喪失(治療済み)、背中に火傷(治療済み)、髪が肩までに焼き切れている(散髪中)、 『化け物』への強い憎悪と殺意、精神不安定 【持ち物】 アーミーナイフ@現実、予備カートリッジ×12@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 コントロールユニット(ガイバーⅡ)@強殖装甲ガイバー、デイパック、基本セット、モッチーの首輪、モッチーの円盤石、 砂ぼうずの特殊ショットシェル用ポーチ(煙幕弾(2/3)、閃光弾(3/3)、グレネード弾(1/3)、ガス弾(1/3))@砂ぼうず、 ホテル外壁のメモ用紙 【思考】 0.「化け物」をあと一体殺して加持の居場所を知りたい。 1.人間以外は問答無用で撃つ。ガイバーⅠ(深町晶)は必ず殺す。 2.高町なのはが大嫌い 3.ヴィヴィオを殺したら……どうなるかな? 【備考】 ※参戦時期は少なくとも第弐拾四話以前。 ※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。 ※ケロロを殺害したと思っています。 時系列順で読む Back ななついろ☆デンジャラス(後編) Next 不屈の心は… 投下順で読む Back ななついろ☆デンジャラス(後編) Next 復讐者と悪魔の出会い ななついろ☆デンジャラス(後編) 惣流・アスカ・ラングレー 心と口と行いと生きざまもて(前編) 小泉太湖(小砂) 高町なのは 不屈の心は… ラドック=ランザード(ズーマ) ケロロ軍曹 草壁サツキ GAME OVER
https://w.atwiki.jp/keito/pages/51.html
#blognavi 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 残酷な社会の底辺 青年よ ニートになれ 老いた親が今 部屋のドアを叩いても 画面だけを ただ見つめて 微笑んでる あなた 暇を潰すもの レスすることに夢中で 就職さえ ままならない 痛いだけの日々 だけどいつか気付くでしょう その暮らしには 遥か未来目指すための 夢がない事 残酷なニートのテーゼ 窓辺からやがて飛び立つ ほとばしるやる気の無さで 両親を裏切るなら このドアをいまだ出られぬ 青年よ ニートになれ! ずっとパラサイト 家は私のゆりかご また今夜も 夢の2ch(ニチャン) 眠らず朝が来る 細いケーブルを 月明かりが照らしてる 世界中の人と共に 消え去りたいけど もしも友と逢えた時に 語り合うなら 奴は聞くよ 「お前は今 何をしてるの?」 残酷な社会のルール 苦しみがそして始まる 両親の他界目にして 現実に目覚めたとき 誰よりも世間を知らぬ 青年よ ニートであれ 親は金を残して逝き 未来を憂う 社会なんて出れないまま 私は生きる 残酷なニートのテーゼ 窓辺からやがて飛び立つ ほとばしる無気力感で 両親を裏切るなら このドアを永久に出られぬ 青年よ ニートであれ! 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2005/07/13(水) 04 45 11 ID ooPYclMH0 J( ー`)し<あなた達自覚してても母さんを楽にしてくれないのね・・ ログ カテゴリ [アニメ] - trackback- 2005年07月16日 00 42 48 #blognavi