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死神ブラスター R 闇文明 (6) 呪文 ■S・トリガー ■コスト7以下の進化ではない闇のクリーチャーを1体、自分の墓地からタップしてバトルゾーンに出してもよい。こうして名前に《死神》とあるクリーチャーをバトルゾーンに出した場合、相手のタップされていないクリーチャーを1体破壊する。 フレーバーテキスト 「殲滅」-それこそが我ら死神の存在理由なのだ。 収録 DMA-02「アナザーエピソードⅡ LINKAGE」 死神デッキであれば《地獄門デス・ゲート》に似た働きができる呪文。 あちらと違いリアニメイトできるクリーチャーに文明制限がつくが、出せるクリーチャーのコストが相手に依存しないため、安定性の面では分がある・・・かもしれない。 タップインが玉に傷なので、《死神の邪蹄ベル・ヘル・デ・ガウル》を出して更にデーモンコマンドを展開したり、《死神の邪剣デスライオス》を使いまわしたりなど、無駄の無いようにしたい。 作者:焼きナスオ 評価 名前 コメント
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パチン・・・ 黄色のコードは2つに切断され、静寂に包まれた。 爆弾は・・・爆発しない・・・。 それを確認すると、私は大きく息を吐いて尻餅を搗くように倒れた。 激しい緊張感から解放され、心地良い脱力感に包まれている。 私達は・・・負けなかった。爆弾事件の犯人にも・・・死神にも勝ったのだ。 約1時間半・・・想像を絶する恐怖の中・・・私達は爆弾解体という偉業を達成したのだ。 本当に命懸けで闘ってきたからこそ、この達成感は非常に大きな価値があった。 そんな私達の祝福するかのように・・・ムギ先輩から電話がかかってきた。 「もしもし、ムギ先輩!」ピーピー・・・ 『どうかしら・・・残り2本のコードは切れた?』ピーピー・・・ 「はい!唯先輩が残りのコードも切ってくれましたが、爆発しませんでした!」ピーピー・・・ 『そう・・・良かったぁ!』ピーピー・・・ 「ムギ先輩が指示を出してくれたおかげです!本当にありがとうございます」ピーピー・・・ 『唯ちゃんは・・・大丈夫?』ピーピー・・・ 「何か固まったままですね・・・最後にまた、緊張しちゃったんじゃないですかね・・・」ピーピー・・・ ブツ・・・ 「あっ・・・もしもし?・・・私のケータイも電池切れちゃったみたいですね・・・」 ケータイの電池の残量も何とかギリギリ間に合った・・・。 私は胸を撫で下ろし、私の目の前で固まっている人の名を呼んだ。 「ゆーい先輩、大丈夫ですか?」 「・・・」 「唯先輩!」 「・・・」 「唯先輩・・・?」 「・・・あ・・・あずにゃん・・・」 ようやく振り絞るように出た唯先輩の声は・・・何故か震えていた。 そして・・・もう止まったはずの・・・聞こえてくるはずの無い音が、私の耳に入ってくる・・・。 緩んでいた私の表情も、一気に固まっていく・・・。 チッ チッ チッ チッ チッ・・・ 「ゆ、唯先輩・・・あの・・・まさか・・・そんなわけ・・・無いですよね・・・」 「でも・・・止まらないよ・・・?爆発までの時間・・・」 「な、何で・・・」 「コードも2本残ってる・・・青いコードと赤いコード・・・」 恐る恐る爆弾を覗き込むと・・・確かにカウントダウンが止まっていなかった。 残り時間は13分を示している。 まだ13分・・・いや、もう13分しか残っていない。 ―――――今日ガ、オ前の命日ニナルト言ッタハズダ――――― 「えっ!?」 アイツの声が聞こえた・・・。さっきまで居なかったはずなのに・・・観覧車の外から、こっちを覗き込んでいる。 地上120メートルの高さからこちらを覗き込む、大きな鎌を持った死神・・・。 夢で見た時と同じように、ボゥッと青白い光の下に、そいつは存在している。 「あっ・・・ああっ・・・そ、そんな・・・」 「どうしたの、あずにゃん・・・?」 この世に存在しない物を見るかのように驚き、怯えている私・・・。 その姿をはっきりと見たのは、夢以外では今が初めてだった。 視線を感じたり、声が聞こえたり・・・その存在はずっと私の中にはあった。 しかし、その姿をはっきりと視認し、対峙する・・・圧倒的な威圧感が私を押し潰そうとしていた。 私のあまりの怯えぶりに、さすがに不審に思った唯先輩は、目線を私から観覧車の外に向けようとしていた。 「だ・・・ダメです唯先輩!見ちゃダメです!!」 しかし、私が制止する前に唯先輩は観覧車の外を見てしまった。 顔を外に向けた瞬間・・・その視線は1点にロックされ、表情も固まっている。 遅かった―――――唯先輩には死神の存在に気付いてほしくなかったのに・・・。 死神の標的が私と言うなら、唯先輩だけは助けたかったのに・・・。 直立不動で外を見つめる唯先輩・・・。 死神を目の前にした唯先輩の反応を・・・考えるのが怖かった・・・。 「あずにゃん・・・」 「は、はい・・・」 「外に何か居るの?」 「へっ・・・!?あの・・・その・・・」 唯先輩はクルリと私の方に体を向けると、首をかしげながら私を見つめた。 その表情は、まるで外には何も居ないよと言わんばかりだ。 しかし私が再度外を見ると、やはりあの死神がこちらをジッと見ているのだ。 という事は、私にしか見えていない・・・? 唯先輩に変な恐怖心を与えずに済むのは良い・・・私の取り越し苦労だったと思ったが、唯先輩には全てお見通しのようだ。 「私には見えてないけど・・・あずにゃんには、外に居るように見えるんだね・・・死神が」 「ど、どうしてそれを!?」 「外を見て怯えてるあずにゃんの表情・・・今日、話している中で何度か出てきた『死神』って言葉を聞いた時と同じ表情してたもん」 「・・・」 「そういえば私が朝、あずにゃんに電話した時から様子が変だったよね・・・」 「・・・」 「電話して、すぐに私が生きているかどうか確認するなんて、普段のあずにゃんなら考えられない事だよ~」 「・・・」 「もしかして、あずにゃん・・・死神に遭遇するとか、私が死神に殺されちゃうとか・・・そんな怖い夢見たんじゃない?」 「!?」 「お化け屋敷に入った時も、どうしてこんなに夢と似てるんだろうって言ってたし・・・」 「・・・」 「怖い事は1人で抱え込まなくても良いんだよ、あずにゃん」 「・・・」 「苦しむあずにゃんを救う為なら、私はどんな犠牲も厭わないよ」 「・・・」 「だから・・・怯えている理由を話してごらん?」 「ゆ・・・唯せんぱぁい・・・」 鋭い勘の持ち主だと思っていたけれど・・・私の表情と言動で夢の内容まで当てられるとは思わなかった。 私の事をこんなにも理解してくれている・・・私の心の拠り所で居てくれる・・・その事が嬉しくて、私は思わず泣き出してしまった。 今日ずっと1人で抱え込んでいた、辛くて恐ろしい夢の内容。 それに伴い、デート中も悪夢を思い出しては葛藤していた事。 私の運命のせいで、唯先輩も事件に巻き込んでしまった事。 最初は、唯先輩に余計な心配をかけさせたくないと思い、全てを自分の胸に秘めておこうとさえ思った。 しかし、唯先輩はそんな事は許さず、私の全てを受け入れようとしてくれた。 私は何度も何度も嗚咽しながら、私に縛りついていた思いを全て吐露した。 時折、涙に声が詰まって上手く話せなくなると、私を抱き寄せては優しく撫でてくれる事もあった。 唯先輩は私が全てを話し終わるまで、ずっと黙って聞いていてくれた。 「一つ、聞いても良い?」 私が話し終わると、唯先輩は落ち着いた口調で尋ねてきた。 「夢で言ってた死神の言葉は本当?『死神の弱点、嫌いな物は赤い物』って・・・」 「はい・・・そう言ってました」 「死神自身について言ってた事って、本当にそれだけだったの?」 「はい・・・」 唯先輩は少し何かを考えた後、ニコッと笑った。 「わかった・・・あずにゃんを信じるよ♪」 唯先輩の言った、信じるという言葉・・・この時はまだ、その真意を考えなかった。 その真意を考えられる程、余裕が無かったと言った方が正しいのかもしれない。 唯先輩に全てを打ち明けられた事で、気持ちが少し楽になったものの、私達が置かれている状況が好転したわけではないからだ。 心の全てを曝け出している時、時間の事は頭から離れていたが、今確認すると・・・爆発までのタイムリミットは5分になっている。 「あと・・・5分しかないですね・・・」 「そうだね・・・」 「ど、どっちのコードを切れば・・・」 「大丈夫!・・・私、さっきのあずにゃんの話を聞いて、切るコードは決めたから」 「えっ・・・も、もしかして赤、ですか・・・?」 唯先輩は私の問いには答えずに、ただ黙って爆弾を見つめている。 その間にも、1秒・・・また1秒と、爆発までのカウントダウンが進んで行く。 「あと4分・・・遅かれ早かれ、あと4分で私達の運命って決まるんだね」 「唯先輩・・・」 「勿論、私達が勝つよ!私達は生還する!・・・そう信じてる・・・」 「はい・・・」 「でも・・・心のどこかに、死にたくない・・・切るコード間違ってたらどうしようって・・・恐怖心もあるんだよ・・・」 「・・・私のせいで・・・本当にゴメンなさい・・・」 「あずにゃんが謝る事なんてないんだよ!むしろ、謝るのは私の方・・・」 「な、何でですか・・・!唯先輩は何も悪くないですよ!!」 「だって・・・こんな恐怖心をずっと・・・」 「・・・」 「・・・ずっとあずにゃんに1人で背負わせてたんだもん!もっと早く気付いてあげられれば・・・もっと早く共有してあげられれば良かったのに・・・」 グシグシと泣く唯先輩に、私はかける言葉が見つからなかった。 私の予想していなかった事を言うから・・・。 貴女は一体、どこまで優しすぎる人なんですか・・・。 「唯先輩のバカ・・・」 「あずにゃん・・・」 「唯先輩のバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ!!・・・どうしてこの期に及んでまで・・・そんな事が言えるんですか!」 「ぐすっ・・・だって、あずにゃんが好きなんだもん・・・」 「もうすぐ死ぬかもしれないんですよ!?こういう運命をもたらしてしまった私の事を責めたって良いんですよ!」 「だって、あずにゃんが悪いわけじゃないんだもん・・・」 「そうやって、いつも私の事を庇って、私の事を一番に考えて・・・いっつも、あずにゃんあずにゃんって・・・」 「・・・あずにゃん・・・?」 ここでは文句や不満のような形で言葉が噴出してしまったが・・・感謝の気持ちも含め、唯先輩に言いたい事は他にも山ほどあった。 その中で・・・今、一番何を言いたいのか・・・何を伝えたいのか・・・。 私達に残された、あと2分30秒という時間で・・・何を唯先輩に言えば良いのか・・・。 この短時間で伝えたい事を考えてみた。・・・しかし、新たに思い浮かぶ事は何も無い・・・。 「・・・私・・・死にたくないです・・・」 「・・・」 「まだ17歳ですよ・・・まだまだやりたい事だって沢山あります」 「そうだね・・・」 「軽音部の皆さんと、もっともっと沢山演奏したいです・・・」 「うん・・・」 「憂や純と・・・もっともっと遊んだり話したりしたいです・・・」 「うん・・・」 「それよりも何よりも・・・」 短時間で言いたい事を考えてみても・・・新たに思い浮かぶ事は何も無かった。 だけど、ずっとずっと言いたかった事はある・・・。 伝えたくても、簡単には伝えられない・・・掛け替えの無い大切な気持ちを・・・。 「ずっと・・・」 「大好きな・・・世界で一番大好きな唯先輩とずっと一緒に居たいんです!!」 自分自身の心の奥深くに秘めていた、世界で一番大切な気持ち・・・。 キュンとなったり、ドキッとなったり・・・こんな気持ちがあるから、毎日が楽しいんだ。。 そして、そんな幸せな気持ちにさせてくれる人のぬくもりを求めて・・・私は無意識に体が動いていた。 「あ・・・あずにゃ・・・」 唯先輩の事をギュッと強く抱きしめる私・・・。 今日やっと・・・今日初めて・・・唯先輩に対して素直な態度が取る事ができた。 せっかくのデート・・・こうやって、唯先輩に甘えたかったんだ。 さっきは言えなかったけれど・・・私も唯先輩からギュッとされると、温かな気持ちが体中を覆ってくれる。 とっても幸せな気持ちになれる・・・だからずっとこのまま・・・こうしていたかった。 「ありがとう、あずにゃん・・・」 唯先輩はゆっくりと私を引き離すと、涙でぐしゃぐしゃになっていた私にハンカチを差し出してくれた。 観覧車に乗ってから、何度流した涙なんだろう・・・。私はハンカチを受け取り、静かに涙を拭った。 そして滲んだ視線の先の時間を見ると、いよいよ爆発までの時間は1分を切ろうとしていた。 あと1分・・・その先にあるのは、生か死か――――― ―――――己ノ運命ヲ恨ムノダナ――――― 観覧車の外から見張っているであろう、死神の声が聞こえてくる。 その声を聞いた私は覚悟を決めて、目をゆっくりと閉じる。 思い浮かんでくるのは、唯先輩との楽しかった日々だ。 初めてネコミミを付けさせられた事も・・・。 初めて『あずにゃん』と呼ばれた事も・・・。 初めて夏合宿で2人きりでギターの練習をした事も・・・。 初めての学園祭で、唯先輩が遅れてきたけれど、結果的には大成功だった事も・・・。 初めて私が純の猫を預かった時、毛玉を吐く事を知らずに、ビックリして唯先輩に電話をしたら真っ先に駆けつけてくれた事も・・・。 トンちゃんと私と唯先輩の間に三角関係が生まれそうになった事も・・・。 ギー太と唯先輩と私の間に三角関係が部内で認められてしまった事も・・・。 唯先輩と『ゆいあず』のコンビを組んで、演芸大会に出た事も・・・。 夏休みに夏フェスに行った時、綺麗な星空の下で色々語り合った事も・・・。 夏祭りで唯先輩に手を引かれた時に、唯先輩の背中越しに見えた花火にキュンとなった事も・・・。 私の私物に色々と『なかのあずにゃん』と黒猫のシールを貼っては喜ばれていた事も・・・。 学園祭の前夜に積極的にアプローチされた事・・・そして夜遅くまで色々お話しした事も・・・。 3年生最後の学園祭で、張り切る貴女の横顔や後ろ姿をずっと見ていた事も・・・。 みんなみんな、昨日の事のように思えてくる。 楽しかった唯先輩との日々・・・。 これからも、ずっと未来に続いていくと思っていた私達の関係・・・。 もう・・・味わう事もできないのかな・・・。 閉じた目から、拭ったはずの涙が再び頬を辿って流れ落ちる。 幾度も流した涙・・・沢山泣いて、乾ききったと思ったのに・・・。 最後に、もう一度だけ唯先輩の顔が見たい・・・私はゆっくりと目を開け、唯先輩を見つめた。 そこに居た唯先輩は、私と目が合うと・・・穏やかに微笑んでくれた。 苦しいはずなのに・・・怖いはずなのに・・・最後まで私を落ち着かせようと、彼女らしい笑顔を見せてくれた。 あの時と・・・あの夢と同じ表情を・・・。 チッ チッ チッ チッ チッ・・・ 「私もあずにゃんの事、世界で一番大好き・・・だからあずにゃんの気持ち、凄く嬉しかったよ!」 「はい・・・」 「残り1秒になったら、コードを切るね・・・。1秒でも長く、あずにゃんの事を見ていたいから・・・」 「・・・はい・・・」 「あずにゃん・・・本当にありがとう・・・あと15秒・・・最後に、あずにゃんに言っておくね・・・」 チッ・・・(14秒) 「・・・はい・・・」 チッ・・・(13秒) 「私達・・・」 チッ・・・(12秒) 「どんな事が・・・」 チッ・・・(11秒) 「あっても・・・」 チッ・・・(10秒) 「ずっと・・・」 チッ・・・ 「一緒だよ・・・」 チッ・・・ 「あずにゃん・・・」 チッ・・・ 「・・・そこが・・・」 チッ・・・ 「天国で・・・」 チッ・・・ 「あっても・・・」 チッ・・・ 「ずーっと・・・」 チッ・・・ 「一緒だよ・・・」 チッ・・・ 「あずにゃん・・・!」 チッ・・・ パチン・・・ ― ――― ――――― ―――――――――― 「う・・・う~ん・・・こ、ここは・・・」 私は・・・闇の中でうつ伏せの状態で倒れていた。一点の光も差し込まないような闇の中に・・・。 居るだけで息苦しくなってくる、この空間。先程までは観覧車に居たはずなのに・・・もしかしたら、ここは死後の世界なのだろうか。 何も無い・・・誰も居ない空間・・・だと思ったが、唯先輩が私に背を向けた状態で立っているのがわかった。 今どんな表情をしているのか・・・私の位置から見る事はできない。もしかすると、また死神が化けているのかもしれない・・・。 そんな不安が頭をよぎったが、すぐにこの人が本物の唯先輩だとわかった。 「何故ダ・・・」 聞こえてきたのは、あの死神の声だった。私は何とか起き上がり、立ち上がろうとした。 目の前に居る唯先輩が、死神と対峙しているのがチラッと見えたが、全身に力が入らず、思わずよろけそうになってしまった。 その様子を察知したのか、唯先輩は私に優しく声を掛けてくれた。 「大丈夫だよ、あずにゃん・・・そこに座ってて良いからね」 「す、すみません・・・」 「何故・・・オ前ハ・・・最後・・・青ノコードヲ切ッタンダ!?」 「えっ!?」 最後に残された爆弾のコードは青と赤の2種類だった。 唯先輩は私が話した『死神の弱点、嫌いな物は赤い物』という言葉を信じて、切るコードを決めたと言っていたのに・・・。 だから、唯先輩が切ったコードは赤だと思ってたのに、実際に切ったコードは青だった・・・!? 「あずにゃんから『死神の弱点、嫌いな物は赤い物』って聞いたから、青のコードを切ったんだよ」 「何故、赤ノコードヲ選バカナッタ・・・?」 「だって・・・人間の魂を奪おうとしている者が、自分の弱点を簡単に話すわけないでしょ?」 「あっ・・・」 「だから、死神はあえて嘘を言って、あずにゃんに赤いコードを切らせて・・・爆発させようとしたんじゃないかなって思ったんだ」 私の話を聞いて・・・短時間で、そんな事を考えていたなんて・・・私は唯先輩のとっさの分析力に驚いていた。 唯先輩に全てを話したからこそ、私達は助かったのだ。 もし、夢の事を唯先輩に言わずに1人で抱え込んでいたら・・・死神の言葉を鵜呑みにしていたら・・・そう思うとゾッとする。 「それに・・・私にはどうしても、赤いコードを切るっていう事ができなかったの・・・」 「ドウイウ事ダ」 「赤はあずにゃんのリボンの色・・・あずにゃんを傷つけるみたいで、どうしても切りたくなかった・・・」 「ゆ、唯先輩・・・」 「コノツインテールノ娘ノ魂ヲ奪オウトスルト、オ前ハ邪魔バカリスル。コノ娘ノ夢ノ中デモ・・・観覧車ノ中デモ・・・ソシテ今モ・・・」 「私の大切な人の命を・・・簡単に死神に差し出すなんて事はできない!!私は、あずにゃんをどんな怖い物からでも守るって決めたんだから!!」 「ナラバ・・・ヤハリ、オ前の魂モ一緒ニ奪ウマデダ!!」 「や、止めて!!」 死神は、その手に持った大きな鎌を振り上げた。そのまま振りかざされてしまえば、唯先輩の魂は・・・。 もう、あんなに辛くて怖い体験はしたくない・・・あの夢だけにしてほしい・・・。 私の目の前で、あの惨劇は繰り返してほしくない・・・。私はその一心で、唯先輩に向かって走り出そうとした。 しかし、まだ全身に力が入らなかった為、足がもつれて転んでしまった。 唯先輩は私を庇う為か、右腕を横にビシッと伸ばし、死神が私に近づく事を拒んでいる。 そして微動だにせずに、唯先輩は死神から視線を離していなかった。 「逃げて、唯先輩!!」 私は残っている僅かな力を振り絞って唯先輩に向けて叫んだ。 しかし、その言葉すら唯先輩に届かないのか・・・唯先輩はピクリとも動かない。 すると、死神は持っていた大きな鎌を・・・振りかざそうとした。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 もうダメだ――――― 私の中で全てが崩れてしまいそうになった時・・・死神が思いもよらない言葉を発した。 「・・・止メダ」 「・・・」 「オ前ノ目ハ、全ク恐怖ヲ感ジテイナイ・・・同様ニ、心モ全ク怯エテイナイ」 「・・・」 「ソノツインテールノ娘ヲ守ル・・・ソノ一心ダケミタイダナ」 「・・・」 「カツテ、多クノ人間ヲ見テキタガ、死神ト遭遇スレバ、皆ガ恐怖ニ打チヒシガラレテイタ・・・ソノツインテールノ娘ノヨウニ」 「私だって女の子だもん・・・全然怖くないって言ったら嘘になるけど・・・」 「ゆ、唯先輩・・・」 「でもね・・・守りたい人が居るって思ったら、人間は強くなれるんだよ!私はあずにゃんを守る為なら、どんな困難にも・・・どんな恐怖にも打ち勝ってみせるよ!!」 「唯先輩・・・///」 「ツマラン・・・恐怖ニ怯エル人間ノ魂ヲ奪ッテコソ、死神ニトッテハ至福ナノダ・・・オ前ノヨウナ奴ハ初メテダ・・・」 「例え、何度私達の前に現れたって、必ず私があずにゃんを守るんだから!!」 「フッ・・・ソンナ姿ヲ見セラレタラ、逆ニ気ガ滅入ル。オ前達ノ魂ヲ奪ウ事モ止メダ。モウ、オ前達ノ前ニ現レル事ハ無イダロウ・・・」 死神はそう言い残すとスッと消えていってしまった。 周りは闇が晴れる事はなく真っ暗なままだったが、死神が消えた途端、唯先輩は力尽きるように倒れてしまった。 「唯先輩!?大丈夫ですか!!」 「だ、大丈夫だよ、あずにゃん・・・」 「唯先輩・・・凄い汗じゃないですか!?」 「あずにゃんも・・・汗びっしょりだよ・・・?色々と・・・怖かったもんね」 「唯先輩のおかげで・・・私、助けてもらいました・・・本当に・・・ありがとうございます・・・」 「私達・・・本当に勝ったんだよ・・・私達の絆・・・負けなかった・・・よ・・・」 「・・・唯先輩?」 「・・・」ムニャムニャ 「もう・・・唯先輩ったら・・・」 恐怖に打ち勝った安堵からか・・・唯先輩は眠りに就いていた。 安心しきったその寝顔を見ていると・・・何だか私もホッとして・・・。 全身の力が抜け切って・・・唯先輩に寄り添うように私も眠りに就くのだった・・・。 ―――――――――― ――――― ――― ― 「梓・・・」 「梓ちゃん・・・」 「起きて、梓ぁ・・・」 誰・・・?私の名前を呼んでるのは・・・誰・・・? 「唯・・・」 「唯ちゃん・・・」 「目を開けてよ、唯ぃ・・・」 唯先輩を呼ぶ声も聞こえる・・・。温かい声・・・聞きたかった、皆の声・・・。 皆が居る・・・ここは・・・あの闇の世界じゃないのかな・・・。 「・・・」 ゆっくり目を開けると、そこには真っ白な天井が映えている。 窓から差し込む日射しが眩しかった。 「ここは・・・?」 「あ・・・梓・・・目を覚ました!!」 「梓ちゃん!?・・・良かったぁ!!」 まだ意識が朦朧としている中だったが、憂と純が私に飛びかかるかの勢いで抱きついてきた。 「昨日、梓ちゃんがお姉ちゃんと遊園地の観覧車から救出された後、ずっと病院で眠ってたんだよ」 「お医者さんは2人は凄く汗をかいてたし、脱水症状を起してるから少し安静にしましょうって言ってたけど、もしこのまま梓の意識が 戻らなかったらどうしようって・・・このまま、唯先輩の惚気話が聞けなくなったらどうしようって・・・私、心配で・・・」 「純・・・何の心配してるのよ・・・でも、ありがとう純・・・。憂も・・・心配かけてゴメンね・・・」 「ううん・・・梓ちゃんの意識が戻って本当に良かったよ!!それに・・・」 憂が視線を私から隣のベッドに向けると、そこには律先輩とムギ先輩に私と同じように抱きつかれている唯先輩が居た。 唯先輩も・・・たった今、意識を取り戻したようだ。 「唯ぃ!!・・・本当に無事で良かったぁ!!」 「り、りっちゃん・・・苦しいよぉ・・・」 「こら、律!!唯は安静にしなきゃいけないんだから、そんなに激しく唯を揺さぶるな!!」 「痛っ!!・・・澪がぶったぁ!!」 「まぁまぁまぁまぁまぁまあ・・・ここ、病院内だし、静かに・・・ね?」 「そ、そうだな・・・」 私と唯先輩は、暗くて気付かなかったが、観覧車の中でかなりの汗をかいていたらしい。 1時間30分もの間、爆弾の解体に携わっていたわけで・・・相当のストレスとプレッシャーを感じていたからだろうとの事だった。 そして最後の青いコードを切った瞬間、2人とも緊張の糸が切れて、意識を失って倒れてしまったようだ。 救急隊が私達を見つけた時、爆弾の近くで寄り添うように倒れていた事による、推測ではあるけれど・・・。 とりあえず、私達が入院していたのは脱水症状で意識が無かった事が理由で、他には怪我等はしていなかった。 爆弾を置いた犯人も、昨晩のうちにムギちゃんの通報によって無事に捕まったようだ。 こういう運命になったのは死神のせいだ・・・なんて言っても、きっと誰も信じないだろうな。 だからこの事件の真相は、私と唯先輩の2人だけの秘密という事にしておこう。 「それにしても・・・あの爆弾の設計図に書かれていないコードがあったなんて・・・唯ちゃんは何で最後、青いコードを切ったの?」 さっきの・・・夢の中では、赤は私のリボンの色と同じだから・・・なんて言ってくれた唯先輩。 実際の所もそうなのかな・・・?私は、その唯先輩の答えを期待していた。 「これ、だよぉ♪」 そう言うと、唯先輩は小指を立ててみせた。 しかし、それが何を意味するのか・・・ここに居る皆にはわからなかった。 「小指・・・?」 「どういう意味があるんだぁ、唯?」 「えへへ・・・私とあずにゃんだけの秘密♪」 唯先輩は、不思議そうに聞いてきた澪先輩と律先輩に笑顔で答えてみせた。 私と唯先輩だけの秘密・・・って言われても、私もわからないんだけどな・・・。 「りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん・・・ヒントは、あずにゃんは私の嫁!だよ♪」 「それ・・・昨日の朝の主張じゃないか・・・」 「ヒント・・・なのか、それ?」 「何だかよくわからないけど、異論は無いわ!!」 ちなみに、その答えがわかるのは3年後の事だった――――― 「ふふっ、ここに来ると思い出しますね」 「そうだねぇ・・・もう3年経つんだね、あの日から」 今日も、この遊園地には沢山の子ども達や家族連れ、カップルが訪れている。 あの日と同じように・・・訪れている人達は、皆楽しそうな表情を見せている。 3年前と何も変わらない光景がここにはある。 唯先輩が酔ったジェットコースターも・・・。 私達が初めてお弁当を食べさせあった広場も・・・。 2人で絶叫したお化け屋敷も・・・。 勿論、命を懸けて闘ったステージ・・・大観覧車も健在だ。 「今日は思い出の日・・・そしてここが思い出の場所・・・」 私達はあの事件以来、毎年同じ日にこの遊園地へデートに来ている。 祝日では無いので、平日の場合は、大学はサボ・・・コホン、憂や純に後ほどノートを取らせてもらう事になっているけれど。 最初、あの事件を思い出すとトラウマになるのではないか、と周りからは心配された。 しかし、私達は爆弾事件の事は決して忘れる事は無いが、それもまた一つの思い出という認識で、恐怖心を引きずる事もなかった。 あの日以来、死神も夢には出てこなくなり、私達は何事も無かったかのように平穏な暮らしを送っている。 「ねぇ、あずにゃん。あの日、あずにゃんに伝えたかった事・・・もう1度言っても良い?」 徐々に高度が上がっていく観覧車の中で、唯先輩は私の顔を見つめながら言った。 そういえば、3年前は色々な感情が入った状態で、どうしても唯先輩に伝えておきたい・・・そんな想いで私の気持ちを伝えた。 唯先輩は受け入れてくれたけれど、とても告白ムードという状況ではなく、自分の意思をごり押しするような言い方にしかできなかった。 その後もここでデートをしても、その時の事件について振り返ってみたり、他愛の無い話をしてばかりで、お互いの気持ちを確かめる事もなかった。 私達の絆は固い・・・だから、今更確認する事も無いだろう・・・そう思っていたのかもしれない。 でも・・・今、もし貴女達の関係はどういう関係ですかと問われたら・・・自信を持って言えるのだろうか。 私達、恋人同士ですって――――― 何だか、曖昧な関係になっていると思うとスッキリしない。相手の事を大切に思っているなら、尚更・・・。 だから、もう一度貴女の気持ちを聞きたくて・・・私達の関係を確かめたくて・・・返事をしたんだ。 「はいっ・・・」 私達は向き合う形で見つめ合っている。 相手の気持ちをわかっているとは言え、改めて相手に伝えるとなると、どうも緊張してしまう。 ドックンドックンと鳴り響く私の鼓動・・・。私の鼓動は貴女に聞こえてますか? 5年前、貴女と出会った高校1年生の時から・・・貴女の事を考えるだけで、こうやって私はドキドキしてきた。 貴女の事が好きでいられるからドキドキしている・・・そんな感情を持てる事が嬉しかった。 正直になれなかった3年前の冬・・・。なかなか態度に出す事も、口にする事もできなかった、貴女への想い・・・。 今ではしっかり、態度に出しているつもりだけど・・・ちゃんと届いてますか? 言葉にすると、何だか照れくさいけれど・・・また聞かせてほしいな、唯先輩の本音を・・・。 「あずにゃん・・・私ね・・・あずにゃんの事が世界で一番大好きです・・・だから、これからもずっと・・・私の傍に居てください」 唯先輩が言葉にしてくれたら・・・きっと私も、しっかり言葉で返せると思うから・・・。 「私も、唯先輩の事が世界で一番大好きです。・・・ずっと私の目の届く範囲に居てください」 暫く続く沈黙の時・・・しかし、2人の笑い声がその静かな空気を打ち破った。 真剣な想いを伝えた場だったけれど、今更何言ってるんだろうと言わんばかりに2人で笑い合っている。 だけど、3年越しの告白・・・私達の気持ちにわずかにかかっていた霧も、これでスッキリ晴れた事だろう。 「そういえば、あずにゃん・・・あの爆弾事件の時、何で私が青いコードを切ったか知ってる?」 「えっ・・・?死神の言葉の裏を読んだ事と、私の制服のリボンの色が赤だったからなんじゃないですか?」 「それも・・・そうなんだけどさっ・・・」 すると、唯先輩は笑顔で私に小指を立ててみせた。 この仕草・・・どこかで見たような気がすると思ったら、あの病院でのやりとりと同じだ。 あの時は澪先輩、律先輩、ムギ先輩・・・私もどういう事なのかわからなかった。 どういう意味なのか・・・それを説明しようとする唯先輩の頬がだんだん赤くなっていく。 そして、ゆっくりと口を開く唯先輩。 唯先輩は・・・いくつになっても変わらない・・・恋する純粋な女の子だった。 満面の笑みでその真意を聞いた時・・・私はまた唯先輩の事を好きになった。 きっと、唯先輩以上に顔が赤くなっているんじゃないかなと思う。 でも赤い色は、2人を幸せにしてくれる色・・・そういう事ですよね、唯先輩――――― 「赤いコードはどうしても切れなかったんだよね・・・私とあずにゃんを結んでいる・・・運命の赤い糸と同じ色だから♪」 END
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死神見習いリビー(シニガミミナラい~) p e 属性 火 コスト 27 ランク A 最終進化 S レベル HP 攻撃 合成exp 10 650 1,103 ? 50 1,099 1,865 ? 最大必要exp 19,564 No. 1318 シリーズ リビー Aスキル 闇のレクレイム 敵単体を3回連続攻撃(?%) Sスキル フレイムブレス 敵全体へ火属性の中ダメージ(60%/7turn) 売却価格 8,700 進化費用 - 進化元 - 進化先 死神少女リビー(A) 進化素材 ド1(A) フ1(C+) キ1(C+) ロ1(C+) タ1(C+) - - - 入手方法 備考
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プロフィール 基本情報 特技・超必 個性 能力解放 限界突破 潜在覚醒 エピソード ボイス一覧 imageプラグインエラー 画像URLまたは画像ファイル名を指定してください。 プロフィール キャラクター名 性別 タイプ 種族 黒キ死神メルザ 女 神 英装 職業 武器 出身
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帝王と死神 ◆wSaCDPDEl2 南東の市街地F-6で、一人の死神が北を目指し、 そして背後で殺人鬼がその死神の背中を見つめながら少しずつその距離をつめていた。 太陽はその姿を徐々に現してきているものの、辺りはまだ暗い。 (ククッ……ケンシロウと言ったな……) 鷲巣は思う。 (毎朝毎晩欠かさずの苦痛を伴う筋肉トレーニング…… 味気の無いプロテインや食事…… 毎日決まった生活習慣…… 数多くの代償を支払い強靭な肉体を手に入れた一人の男がいるとして……) 追跡相手の実力を目の当たりにしながらも殺人鬼… 鷲巣巌はシルバースキンに隠れた口を大きく横に広げて黄ばんだ歯を見せるように下非た笑みを顔に出す。 敗北の可能性など微塵も考てはいない。 (そんな物が何になる? 何十年もかけて作ったそんな肉体でも……) 自然にショットガンを握る手が強くなっていく。 (しょせん一本のナイフ……、日々何万本と生産されている何の変哲の無い果物ナイフの一本でもあれば… たとえ空洞のような人生を歩んできた中学生でも……) そしてソレを肩に構え銃口をケンシロウへと向けてみる。 「………」 (その肉体はいとも簡単に崩れ去るっ……!) だが引き金に指を掛けることは無く、鷲巣はそのままショットガンを腰に下ろした。 (クックック……ましてわしは今ナイフなど比では無い……言ってしまえば如何なる物も貫く矛っ……! どのような攻撃も通さぬ盾っ……!) まだケンシロウを撃つつもりは無い。 ただ、今引き金を引けばケンシロウを殺していた…自分はいつでもケンシロウを殺せるのだと、 そんな優越感を持ちたかっただけである。 (キキキ…ケンシロウとやら…貴様がどれほどの期間と努力で、その実力を手に入れたかは知らんが…ク、ククク… クク…キキキ…わしは何の苦労も無く貴様を破滅させる能力を持っておるのだっ…!) 干からびた身体の何処にそんな水分があったのだと思うほど汗が湧き出てくる。 もはや笑いを堪えるのも精一杯だった。 (カッカッカッ……!クククククク……) そしてただひたすら驕り昂る鷲巣は気づいていなかった。 「…………」 銃口をケンシロウに向けた時、ケンシロウが僅かだが反応を見せた事に…。 やがてケンシロウは一つの街灯の下で歩みを止めた。 (?? あ~……?なんだ?) 怪訝に思うが一旦電信柱に身を隠して様子を探る。 「!っ」 途端、街灯が消え辺りが暗闇に包まれる。 再び灯った時すでにケンシロウの姿はそこには無かった。 鷲巣の顔から笑みが消え焦燥が走る。 一体何処へ、と思う間も無く 「一つ言っておく…」 鷲巣の背後から冷たい声が届き、表情に恐慌が追加された。 先ほどとは違う、冷たい汗が体中を走る。 振り返ると予想通り… 「俺は北へ向かうだけだ、関わるな」 自分が先ほどまで追っていた男の冷たい眼が頭一つ上から自分を見下ろしていた。 「き、貴様……何時の間にっ……!?」 「俺は暗殺の訓練を受けてきた…こんな程度わけは無い」 問いかけに特に感情を込める事も無くケンシロウは答える。 「それと…」 鷲巣が腰に構えるショットガン、ケンシロウは自分の頭部に突きつけられたソレを一瞥する。 「それを使うのは止めておけ。この距離ではそんな物何の役にも立たん」 「クッ……!」 (この小僧……!) 強がりでもハッタリでも無いのはすぐに分かった。 これまで数多くの若者の表情を観察してきた鷲巣にとってそれを読み取るのは容易い。 ケンシロウは本気で銃に勝てるつもりでいる。 事実、先ほど見せた力ならばそれが出来てもおかしくは無い。 (舐めおって……舐めおって……このクズッ!クズッ!クズが!!) だが今更後に退けるハズが無い。 自分は王、神に選ばれたのだ。こんな努力でのし上がった程度の凡愚などに見下されてたまるものか、その思考だけが鷲巣を動かす。 「ほざ───」 鷲巣は引き金に掛けた指に力を入れた───途端、ケンシロウは手の甲でショットガンを押し退け、 照準をずらされた銃口から放たれた散弾は全てあらぬ方向へ飛んで行った。 「ぐっ……!」 銃口を捌かれ鷲巣の体も横に大きく崩れてしまう。 「あたぁ!」 体勢を崩したままの鷲巣にケンシロウは渾身の蹴りを放つ。 ケンシロウの足は見事に鷲巣の鳩尾に突き立つが… 「な…!?」 足の裏からは全く手ごたえを感じない。 自分の二倍は体重はある大男を新記録にしたケンシロウの蹴り… それが自分より体格の小さい相手を後ずらせる事も出来なかった。 「なんだと!」 此処に来て初めてケンシロウの頬に汗が走る。 「クックック…」 北斗神拳伝承者の蹴りですらもシルバースキンは防ぎきってしまったのだ。 「はっ!」 そして鷲巣の体から伸びてくる『何か』を感じ取り、咄嗟に避けるが一瞬間に合わず肩当ごと肉を多少抉られてしまった。 「クックック、まだまだ…!」 間髪いれずに飛び交う二、三撃目を紙一重で右、左と避けるケンシロウ。 一旦距離を取ってみると鷲巣の体から物が飛んできたわけでは無いのが分かった。 「それは一体…!」 この世のものなのか…? ケンシロウの目の前にソレは在った。 まるでプラスチックと木材を合わせたような不気味な質感、 毒々しいピンク色、全身に走る網目模様… 人間を模られてはいるものの、遠目で見たとしても人と見間違える事は無いだろう。 だが不気味に感じさせる要素はむしろ顔に集中していた。 フードのように体と同じ網目模様が走っており、 ガラス玉をめり込ませたような無機質な眼球、 額に飾りのようにつけられているもう一つの顔、 異常に小さい唇…そして耳鼻は無い。というより顔面に凹凸自体が殆ど無い。 たくましい体に反し、感情を感じさせる要素が全く無いのだ。 帝王っ…! 常に感情らしい感情を持たず、何者も平伏させる威圧を持るそれはまさに帝王と呼ぶに相応しい代物だった…。 「カッカッカッ……それを知った所でどうにもならんよケンシロウ君……」 背後から勝負を挑むつもりが、背後に回られ… 相手のペースに巻き込まれまくった鷲巣だが自分が優位に立ったと感じてペースを取り戻していた。 顔にもまた笑みが蘇っている。 だがケンシロウは多少の動揺などすぐに抑え、肩に付いた血を指で掬い取り舐めてそれを唾のように吐き出した。 「言っておくが、俺は人形遊びは卒業している」 指をパキポキと刻みのいい音を鳴らす 「キキキ…言いたまえっ……」 脇をしめボクシングに近い構えを取るキング・クリムゾンを前に従えた鷲巣と意に介した様子も無いケンシロウ。 二人の距離は少しずつ、一歩進むごとに近づいて行き…そして 「キング・クリムゾン!!」 先手必勝と言わんばかりに、最初に仕掛けたのは鷲巣だった。 キング・クリムゾンのその拳が真っ直ぐケンシロウに向かってゆく。 破壊力、スピード、あらゆる点において超一流の拳…まともに喰らえばケンシロウですら危うい…が 「なっ…」 あっけなく勝負はついた。 キング・クリムゾンの腕が完全に伸びる前にケンシロウに手首を掴まれてしまったのだ。 いくらスタンドに破壊力があろうが、スピードが速かろうがそれを操る鷲巣は所詮格闘技に関しては素人であり、 攻撃は単調になり予備動作も大きくなる。 その程度の動きなどケンシロウにとっては見切る事は容易かった。 「うがあああ……!」 そのままキング・クリムゾンはケンシロウに手首を締め上げられそのダメージは鷲巣に伝達した。 いかにシルバースキンであってもスタンドからのダメージ伝達を防げるわけが無い。 鷲巣の持つ最強の矛は同時に諸刃の剣でもあったのだ。 「どうやら、この木偶の坊に対する痛みは貴様にも伝わるようだな」 言いながら締め上げる力を強める。 「この小僧っ…ぐっ……!」 残された手でケンシロウを攻撃しようとするがその拳もまたアッサリ捕らえられ同じように締め上げられる。 鷲巣の呻き声が大きくなる。 「言っておくが、そんな玩具では俺は殺せん。これ以上俺に関わらん事だ」 言うが早いか締め付けられていた両手首が開放される。 「失せろ」 捨てるように言い放ちケンシロウは踵を返した。 「くううっ……」 痛む手首を押さえながらも鷲巣は遠ざかっていくケンシロウを睨み付けた。 王である自分をものともせず、むしろ見下した態度を取るケンシロウ…その姿がここに連れて来られるまで戦っていた青年と重なった。 「失せろっ…だと……? わしに言ったのか?あ~??」 再び立ち上がりショットガンをケンシロウに向ける。 「ふざけおってっ……!あの小僧っ……!」 先ほどより距離は遠くなったが外す事は無い。 むしろ近づきすぎたからこそあんな目にあったのだ。 「クックック…」 今度こそ確実に殺す。 確実に。 鷲巣は引き金を───引けないっ 「あっ……!!」 引き金に掛けたはずの指が動かない。 いや、全身が動かせない。 「どうやら口で言っても分からんようだな」 振り向いたケンシロウに視線を向けられただけで、単純な比喩で表すならば蛇に睨みつけられた蛙のように… 鷲巣は体を動かせなくなった。 恐怖っ……!! アカギとの対決の時とはまた別の恐怖っ……!! 鷲巣がこれまでで一番恐れた相手であるアカギとの勝負……。 それはまだ麻雀での事であり、自分のツキを信じる事が出来た……。 だが今鷲巣は己の強運ですらも頼る事の出来ない相手を目の当たりにしている……。 この男には……今目の前にいる男にはキング・クリムゾン、シルバースキン、 そして己の強運……それら全て併せ持っても……死っ……! それは揺るがないのでは無いかっ…… この時……ただ一人の男に睨みつけられた……それだけで……鷲巣の思考は全てそれで塗りつぶされた。 (このガキッ……なぜっ……なぜ王であるわしがっ……動けないんだっ……!あいつ以上の悪魔かっ……) 「違うな」 鷲巣の考えを見透かしたかのようにケンシロウが答える。 「俺は……」 「死神だ」 その一言でタガが外れたかのように引き金を引く。 だが散弾が放たれる時すでに鷲巣の腕はケンシロウによって掴まれていた。 「ふんっ!」 途端、鷲巣には何が起こったか分からなかった。 腕に物凄い力がかかり、同時に回りの風景が目の焦点速度を上回ってグチャグチャにかき乱れる。 それがケンシロウに振り回されているからだと気づいたのは、重力から自分の体が開放された時だった…… ケンシロウによって放り投げられた鷲巣の体は綺麗な放物線を描いて、窓ガラスを割り民家の中に放り込まれた。 ◆ ◇ ◆ 「ググッ……」 顔に鈍いようで鋭い痛みが走る。 割れた窓から入り込む太陽の光は瞼をかい潜って鷲巣の意識を引っ張り出した。 薄く開けた目にまず入ってきたのは白い床だった。 靄のかかった頭で床に手を付いて体を起こそうとするも、その床に手が届かない。 そして床は目の前にあるはず、なのに背中が何かに圧迫されている。 一瞬天井に貼り付けられたのかと思ったが勿論そんな訳が無い。 そこでようやく自分が床だと思っていた物が実は天井だったと気付いた。 上体を起こしあたりを見渡す。 霞んだ視界に入ってきたのはベッド、勉強机、本棚……そして割れた窓に内側に散らばるガラス片… 最初は訳が分からなかった。 まるで夢から覚めた時のような、あるいは夢を見ているような錯覚に陥りかける。 (そうだっ……) 少しずつ思考がクリアになってくると同時にこれまでの事が頭に湧き上がってきた。 (わしはっ……あの男に投げ飛ばされ……!) 思い出すと同時に沸々とした怒りが湧いた。 ショットガンは───ある! 落ちてあったのを拾い上げ窓から身を乗り出し外を覗う。 予想していた通りすでにそこにケンシロウの姿は無い。 「くぅ~…」 逃げられた……。 「クソッ……クソッ……あの小僧がっ……小僧がっ……!」 手始めに本棚に並べられていた本を幾つか掴み、部屋中に投げ飛ばす。 キング・クリムゾンで勉強机を破壊する。 蛍光灯を掴み窓から投げ飛ばす。 無事だった他の窓を叩き割る。 「クッ…くぅ~!!」 しかし鷲巣の破壊行為はそこで終わる。 (グッ落ち着けっ……わしはまだ死んだわけでは無い……わしはあの状況でも生き延びたんだ……!! わしは……ツイているんだ……!今ここで騒いでいたら周りの連中に位置を知らせてしまうような物……! ここは耐えるんだ……!) 残っていた理性を総動員して自分を抑え付けた鷲巣は、そのまま玄関へと向かう。 ただ、殺すべき人物が一人増えた。 (あの小僧っ……必ずっ……殺すっ……必ずっ……) 時刻は間も無く放送に入ろうとしている…。 【F-6 民家 一日目 早朝】 【鷲巣巌@アカギ】 {状態}激しい怒り+やや疲労 顔に少しガラスの破片による切り傷 {装備}シルバースキン@武装錬金、ジャギのショットガン@北斗の拳、キング・クリムゾンのDISC@ジョジョの奇妙な冒険 {道具}、支給品一式×2、ジャギのショットガンの予備弾24@北斗の拳、i-pod、泉こなたのスクール水着@らき☆すた {思考・状況} 基本:殺し合いに乗る 1 優勝する 2 更に強力な武器を手に入れケンシロウだけは殺す 参戦時期:原作13巻終了後 [備考] ※キング・クリムゾンは1秒しか時間を飛ばせません。 時間を飛ばすと大きく体力を消耗する上、連続しては飛ばせません。 【F-5 路上 一日目 早朝】 【ケンシロウ@北斗の拳】 [状態]:カズマのシェルブリット一発分のダメージ有り(痩せ我慢は必要だが、行動制限は無い) キング・クリムゾンにより肩に裂傷 [装備]: [道具]:支給品一式、ランダムアイテム(1~3、本人確認済み) [思考・状況] 基本:殺し合いには乗らない、乗った相手には容赦しない 1:ジャギ・アミバ・ラオウ・勇次郎他ゲームに乗った参加者を倒す 2:助けられる人はできるだけ助ける 3:乗ってない人間に独歩・ジャギ・アミバ・ラオウ・勇次郎の情報を伝える。北に向けて移動中 [備考] ※参戦時期はラオウとの最終戦後です。 072 自分の選んだ道を行け! 投下順 074 第一回放送 072 自分の選んだ道を行け! 時系列順 074 第一回放送 049 上がれ!戦いの幕 鷲巣巌 085 Drastic Soul 049 上がれ!戦いの幕 ケンシロウ 087 悪魔の子
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驚楽園の道化者(アメイズメント・アルルカン)アルベル /A・∀・HH(アメイズメント・アトラクション・ホログラフィック・ホール) 継承元 翆の歴史の《デスピアの導化アルベル》 あるるかん(からくりサーカス) 性能 上面は「アメイズメント」を持つ呪文・タマシードをサーチし、味方の大型が破壊された時に復活できる軽量ブロッカー。 下面はS•トリガー付き超次元呪文。ついでの如くシールドを追加できる。 概要 別次元のアルベルが参戦。驚楽園のメンバーを引き連れ、トレセン学園を襲うサーカス・ディスペクター達と対峙する。 余談 本人は翠の歴史の出を自称するが、トネリコ曰く「翠の歴史におけるアルベルは2世紀前に行方知れずになった」筈らしく……? タグ ロボット 翠の歴史 遊戯王 名前 コメント
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現世 夕方ごろ ここはとある病院 そのうちの個室で二人のAAがいた ベットに横たわっているのはフーン族で水色のAA そしてそれを静かに見守る同じフーン族で黄緑色のAA ピッ ピッ ピッ ピッ と水色のAAの心拍数を告げる 「弟者……」 心配そうに見守る中そっとつぶやく黄緑色のAA 突然! ピーーーーーー(ry 弟者と呼ばれたAAの心臓が停止したことを告げた 「そ、そんな!…と者?弟者!?」 そのとき異変に気づいた医者が部屋へ飛び込んできた 「せ、先生!お、弟者が!弟者が!!」 「落ち着くんだ。兄者くん…」 「っえ…?」 この言葉には何で俺の名を知っている という気持ちも込められていたが ある別の気持ちの方が大きかった 「弟者……」 サヨウナラ ~~~~~~~~~~~~ 「ようこそ。いらしゃい。」 「こ、ここは?お前は…死神?」 「ここはあの世。そして僕は死神。」 今回の魂はフーン族かぁ…。 しぃさん、フーンにはけっこう苦労したとか言ってたなぁ…… そういえばこの人体中傷だらけだけどうしたんだろ? 「な、なぁ…。なんで俺ここに居るんだ…?い、いつのまに!?」 …違う意味で苦労するかも… 「ハァ…。そういう魂って本当に困るんだからな。」 「すまん。本当に知らんのだ…」 「じゃあ、教えてあげるよ。君はついさっき病院で息を引き取ったのさ。」 「そうか…」 「何一人で納得してるの?」 「話すと長くなりますが、何か?」 「別にかまわないけど…;」 ちょうど一話一話が短くて困ってたんだぁ 「じゃあ話すぜ。」 「俺は流石 弟者。 流石家の次男として生まれた。 ちなみに兄とは同い年だ。つまり双子。 流石家は…まぁ普通(?)の家族さ…;」 「な、なるほど…;」 普通って言うのかな…?ここ天界でもある意味有名なんだけどなぁ… 「で、家は知らないうちに大量の借金を抱えていたみたいで…」 「それは、それは…」 お気の毒に… 「やっぱ毎日借金取りがくるわけよ。やくざ五人がな。 っでそいつらは俺と兄者に毎回毎回一本ずつ傷をナイフでつけていくんだ。 『大丈夫。いたくないよ』って。 はじめは足、次は手、胴、頭、耳、と」 「……。」 「ちなみに母者、父者はどっかに連れて行かれた。 妹者や末者が居たから母者はおそらく手出しできなかったんだろうな。」 もう借金取ちゃうやん… 「最終的には、末者も妹者も殺されて…。俺たちは何にもしてやれなかった…。」 ひどい。てか作者…。無理ありすぎなんじゃ…? 「家に残ったのは俺と兄者だけ。俺は変な薬を飲まされ続けた。おそらく麻薬だろう。兄者は痛々しいほどの暴行を受けてたな。」 「信じられないことする人が本当に居るんですね。」 まさかとは思うけど、リアルにはいないよな…。ねぇ。 「続けるが、明くる日。借金取が来なくなったんだ。俺と兄者は大いに喜んださ。けど、母者たちはいつまでたっても帰ってこなかったんだ。」 「え!それって、ま、まさか…。」 「そう。母者たちはもう地上にはいない…。」 よほどの借金だったんだね…。 …しぃさんは何か知ってるかも? 「で俺は誓った『必ずしやこの手で奴等に仇を討つ』ってな。」 「で、全員殺れたんですか?」 そう言うと弟者さんは僕と目を逸らしてこう言った。 「一人だけ生き残った…。」 「弟者さん、一つ聞いてもいいですか?」 「ん?何だ?」 弟者さんの目は不安に満ちていた。 「未練ってありますか?」 突然目つきが変わる。 「あるさ。あるに決まってる。」 やっぱり、生き残った最後の一人の…。 「じゃあ、現世へ?」 僕の心を読んだのか、こう言った。 「俺の未練はそっちのことじゃない。兄者だ。」 「貴方のお兄さん?」 今にも泣き出しそうなのがわかる。 「そう。兄者は今一人だろ。あいつ、一人じゃ何にも出来ないんだ。殺しを働いたのは俺だけであって兄者は何にも関係ない。」 「では、貴方の望みは何ですか?」 弟者さんは今までにもない真剣な目つきでこう言った。 「俺を死神にしてくれないか。」 << TOP 元ネタ有りTOP >>
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宇宙死神デスハール 性別:無性 所持武器:宇宙死神の鎌 能力タイプ:ノーマル 攻撃力:1億 防御力:10億 体力:12億 精神力:5億 FS「現世への執着」:2億 特殊能力 『常闇への一振り』 [発動率78% 成功率:100%] 宇宙死神デスハールはインフレした魔人の魂1個とダンゲロスポイント1つを味方陣営から代償としていただくことで、その特殊能力を使用する契約を結んでいる。 能力使用時、その腕に持つ宇宙死神の鎌が太陽系の半分も覆うほどに巨大化し、 振り下ろされた瞬間、鎌が届く範囲に立つ契約を交わしていない陣営の全ての魔人の魂は現世から切り離され、死神が済む常闇の国へと誘われる。 仕事を果たした後にデスハール自身も頂いた魂とダンゲロスポイントを持って常闇の国へと帰る。 (常闇の国へ行くことは、この世界から死亡したことになる) 計算式 【効果】通常即死:-100 【範囲】周囲3マス:-100 【対象】自陣営以外全員:-25 【時間】一瞬:0 【制約1】自分死亡:+100 【制約2】能力範囲内の任意の味方が死亡:+60 【制約3】DP1消費:+50 【FS】 2 (80-100-100-25+100+60+50)×1.2(FS2)=78% キャラクター説明 手に持つ鎌、全身フード姿と言ういたって普通の死神スタイルだが、その大きさは恒星と同等もあろうかという桁違いのサイズを誇る宇宙を駆ける死神魔人。 普段はこの宇宙と表裏一体の位置に存在する(一説には死後の世界とも言われている) 常闇の国に住まっているが、現世の良質な魂やお宝が大好きで、時にこの宇宙を彷徨っては契約に応えてその鎌を振るう。 宇宙死神の持つ鎌の前に質や量といった概念は無意味であり、デスハールが認識した 空間にいる全ての生物は死滅する運命である。 過去にはダイヤモンドの惑星欲しさにアンドロメダ第51星団を滅ぼしたり、ケンタウロスω星の最強の戦士の魂と引き換えにミノタウロスβ星に住まう生物を死滅させたりしている。 宇宙を見上げ、巨大な死神の影が見えたなら、その鎌が振るわれることなく、過ぎ去ってくれることをお星様に祈ろう。 今回はダンゲロスポイントやインフレした魔人の魂を契約料としていただくべく、戦いに参加した。
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【検索用 しにかみのはなよめ 登録タグ 2017年 VOCALOID し まにゃ 恋愛フラッグ制作委員会 曲 曲さ 混沌のKey 鏡音レン 黒演武】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:混沌のKey 作曲:混沌のKey 編曲:混沌のKey 企画:恋愛フラッグ制作委員会 原案:黒演武 イラスト:まにゃ 唄:鏡音レン 曲紹介 曲名:『死神の花嫁』(しにがみのはなよめ) 歌詞 (PIAPROより転載) ずっと叫べない哀しみだけが胸を覆い尽くしてる 思い切り泣けば辛さを忘れられるのか 君と幸せの扉を開く そんなありふれた事 それすら叶わない願い 僕は君を失った 出会いはいつだったかな?いつの間にか一緒に居て 二人で色々話したね 笑顔の君が居た 一緒の時間は幸せで 永遠に続きそうに感じた いつからか君が居ない この世界は真っ黒に染まった ずっと叫べない哀しみだけが胸を覆い尽くしてる 思い切り泣けば辛さを忘れられるのか そんな事は無いだろ! きっとこの世界には神なんて存在しない 居たとしたらこの仕打ちは何だ! 涙が枯れ果てて 出る事も無いほど この心が枯れてゆく 君と幸せの扉を開く そんなありふれた事 それすら叶わない願い 僕は君を失った 二人で選ぶウェディングドレスも君は笑顔で僕に言うの 「幸せをくれて、ありがとう。」 式を明日に迎えた時は緊張で眠れずに 僕は・・・ ずっと叫べない哀しみだけが胸を覆い尽くしてる 思い切り泣けば辛さを忘れられるのか 少しで良い 辛さを忘れさせて・・・ そう 式に向かう途中で君は事故にあって そのまま君は・・・ 身体が何故か教会に向かって 中に入るとそこには 君と選んだウェディングドレスを付けた骸骨が居たんだ 僕は怖くは無かった だって姿が変わっても君なんだろ? 僕の頬には一筋の涙が流れた ずっと叫べない哀しみだけが胸を覆い尽くしてる 思い切り泣けば辛さを忘れられるのか 僕には解らない 口付けを交わすと君の姿に変わって 僕は君と一緒に結婚式をする 君は泣きながら『ありがとう。』って言ったんだ・・・ コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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- The Unknown King sLXXIIDeofols INDEX Ⅰ - No.1 死神道化 -Death Clown- No.2 ミノタウルス -Minotauros- No.3 黒山羊 -Black Goat- No.4 甲冑人狼 -Armored Werewolf- No.5 極彩鬼 -Prismatic Ogre- No.6 異体 -Alien- No.7 獄楽鳥 -Purgatory Bird- No.8 魔鏡 -Evil Mirror- No.9 亜人・白 -DemiAdam・W- No.10 亜人・黒 -DemiAdam・B- No.11 ≪罪人≫ペッカトール -Peccator- No.12 パンペン -FuwaSaburou- No.13 ≪駱駝≫カメルス -Camelus- No.14 名称不明(雄牛) -Haagenti- No.15 ≪梟≫ノクテュア -Noctua- No.16 名称不明(大黒山羊) -Baphomet- No.17 ≪七咬蛇≫コルベル -Coluber- No.18 ≪鋼獅子≫レオネール -Leonale- No.19 ≪異僧兵≫カタリオール/カタリオーレ -Cattarior/Cattariore- No.20 ≪殻塔蠱≫アラネトリス -Araneturris- No.21 ≪赫昏鴉≫フラマトルム -Flammatrum- No.22 ≪唖奏徒≫レステイーゼ -Lesteize- No.23 ≪穹堕天≫カウェルレ -Cawelle- No.24 ≪貎禽爵≫セヲク -Sewok- ⇒List2 No.1 死神道化 Death Clown 体長:180cm 体重:42kg 全てはここから始まった、記念すべき(?)第一号異形。 道化師の仮面を被った死神のような姿をしている。ふよふよと空も飛べるよ。 掌から紅い蜘蛛の巣を出して相手を絡め取ったり、銀色の大鎌を振るって戦った。 七生 運命に追い詰められ、最後は召喚主であるゲーティアにとどめを刺されて絶命。 No.2 ミノタウルス Minotauros 体長:200cm 体重:110kg 闘牛の頭部に人間の身体、屈強な人型の異形。腰布一枚で筋肉がすごい。 掌から分銅付きの錆びた鎖を撃ち出したり、大きなチェーンソーを振るって戦った。 純黒との戦闘において撃破されるも、後に彼を死に至らしめる強烈な一撃を残した。 No.3 黒山羊 Black Goat 体長:175cm 体重:63kg 黒山羊の頭部に人間の身体、喪服を纏った異形。一定のフレーズのみを喋る。 身の丈程もあるような巨大な処刑斧を振りかざして戦った。 分身することが出来るが、本体以外には『影』が無く、そこを見破られて七生 運命に撃破される。 No.4 甲冑人狼 Armored Werewolf 体長:211cm 体重:103kg 普段は子犬のような姿をしているが、戦闘時には白銀の甲冑を纏った蒼毛の大きな人狼になる。 強靭な脚力と豪腕に加えて冷気属性のブレスを吐く力を持つが、炎や熱には弱い。 纏っている甲冑をキャストオフすることで一段階素早くなるが、その単純な動きを読まれてサバトに撃破された。 No.5 極彩鬼 Prismatic Ogre 体長:220cm 体重:125kg 節分の日に現れた異形、極彩鬼。 虎の毛皮を腰に巻いて、赤い肌に黄色く濁った瞳。黒の乱れ髪からは一本の角が覗く。 後述する形態変化などによって多属性の魔術を扱うが、同じく多属性使いの色冥 鮮によって撃破される。 Ⅰ形態変化 『赤鬼』状態と『青鬼』状態の二つに形態を変化させて戦うことができる。 『赤鬼』の時は“影が蒼く”、パワー重視・炎属性となり、 『青鬼』の時は反対に“影が紅く”、スピード重視・氷属性となる。 Ⅱ恵方巻きバズーカ この極彩鬼の必殺技──『恵方巻きバズーカ』 目の前から『黒いバズーカ砲』を召喚し、四属性の極太レーザーを放つ。 『恵方巻き』と言う名の通り、砲身を海苔巻き部分として、赤・黄・緑・茶の四色レーザーをその具に見立てたものだ。 炎属性の赤色は『紅しょうがや桜でんぶ』、雷属性の黄色は『玉子焼き』、 風属性の緑色は『キュウリ』、地属性の茶色は『干し椎茸や干瓢』をそれぞれ模している。 そんなふざけた設定の割にはかなり強力な技だが、弱点が一つだけあった。 それは、「四属性あるため、一属性当たりの魔力量が四分の一になってしまう」と言うこと。 故に、無属性や一属性のみで放たれるような強い攻撃には容易く力負けしてしまうのだ。 色冥 鮮戦における敗因はそこだった。 彼の放った極太電撃砲に、この恵方巻きバズーカ砲は押し返されて鬼ごと消し炭と化した。 No.6 異体 Alien 体長:244cm 体重:90kg ウナギのような頭部に、非常に骨張った身体。謎の青っぽい二足歩行生物。曰く、人間を食べるらしい。 透明な粘液が表皮を覆い、長い舌と鋭い尾を持つ。その唾液は強力な酸となっており、触れたものを溶かしていく。 コーロコル・サクラメントの使役する屍によって撃破された。 登場時は海の中からばしゃんっと出てきたので、実は貴重な水陸両用なやつだったのかもしれない。 雰囲気を出すために無理やり海中で待機させられていたという説も否めないが、今となっては真相は全て海の中。 ちなみに、この異体Alianの初セリフは「ギギギ……」。 余談だが、ゲーティアと言う生き物はよく水の中に落ちることが多い。その記念すべき第一回目がこの異体での戦闘時だった。 Coffee Break『元ネタ』 見た目の元ネタは名前通り、映画『エイリアン』に登場するそれ。お腹食い破って出てきちゃったりするあれ。 エイリアンは結構色んな形態や種類があるみたいですが、この異体Alianに一番近いのは普通の成体エイリアン。 一応「ビッグチャップ」と言う呼称があるそうです。個人的には「フェイス・ハガー」が一番怖いと思います。 No.7 獄楽鳥 Purgatory Bird 体長:300cm 体重:200kg 虹色の体毛に覆われた巨大な鳥人。首、手首、足首の周りに白い毛がマフラーのように生えている。 見る位置によって様々な色を映すオーロラのような薄い羽を背中に三対生やしているが、これは飛行用ではない。 剣のような硬度と触手のような伸縮性を備えているため、自由に伸び縮みさせて相手を突いたり斬ったりするのが主な用途だ。 ボルタ・ガルヴァーニの発した暴走電波に中てられて、ゲーティアの制御下を離れて火の国を暴走。 そこで遭遇したシャロームに剣で一刀両断されて無事に絶命した。 Ⅰ特殊硬化チョコ液 出現した日は2/14、即ちバレンタインデーであったためなのか、 この異形『獄楽鳥』は、その口から高温のチョコ液を吐きだすことが出来る。 これは何かに当たると急速に硬化してコンクリート並の硬度になるが──チョコはチョコなため一応食べる事は出来る。らしい。 No.8 魔鏡 Evil Mirror 体長:190cm 体重:25kg 見た目は普通の姿見鏡。しかしこれでも一応生きたデオフォルである。 近付いてきた者のドッペルゲンガーを鏡の中から大量に生み出し、その本体を鏡の中へと引きずり込もうとする。 能力まではコピーできないものの、大勢の『自分』が無表情で駆けてくると言うのは精神的にちょっと来るかも。 鏡の中に引きずり込まれた者はどうなるのか──? 引きずり込まれる前にネイガル=セイファートの手によってこの鏡は破壊されたため、その答えを知る者はいない。 尤も、鏡の中の世界に捕らわれた者が帰ってきた試しも無い為、どっちにしろ知られることはないのだろうが── No.9 亞人・白 Demi-Adam・W 体長:310cm 体重:221kg 全身真っ白な肌を持つ異形の巨人。顔面には一本の亀裂が縦に入っており、口以外の器官が無い。 その最大の特徴は、背中から磯巾着のように生えた無数の腕ら。 指先は千枚通しにも似て硬く鋭く尖っており、付け根から切り離して矢の如く射出することが出来る。 瑠雪 晃、レオンハルト、ゲーティアの三つ巴乱戦の中、 手を斬り落とされるわ槍で貫かれるわで大した活躍も無いままに死んでいった。が── この『亞人・白』は死の間際、今までのデオフォルの中で唯一『ゲーティアの命令を無視』した。 No.10 亞人・黒 Demi-Adam・B 体長:310cm 体重:221kg 全身真っ黒な肌を持ち、『亞人・白』に姿が酷似した異形の巨人。 顔面の亀裂や背中の腕らは『亞人・白』と一緒だが、それ以外に異なる点が二つある。 一つ目は、亀裂が開いて中から赤い大目玉が覗くと言う事。そして二つ目は、全身の表面上を這い回る無数の白い文字列たちだ。 赤い大目玉からは強力な紅いレーザービームを放てるが、しかし目玉と言う弱点を晒すことになる。 白い文字列に関する能力?は、発動する前に倒されてしまったために終ぞ日の目を浴びる事は無かった。 コーロコルと共に臨んだネル・ナハト最終決戦、織原ユウトと愛野 海里の正義二人の前に敗れ去った。 No.11 ≪罪人≫ペッカトール Peccator 体長:520cm 体重:740kg 血と錆のこびり付いた鎖を全身に纏い、折れた刀剣や矢が至る所に刺さった異貌の巨人。 見上げる程の巨体に加え、身に纏っている錆びた鎖のせいで物凄い重量級の怪物となっている。 地面を殴って魔力の衝撃波を辺りに広げる位で他に大した異能らしき異能は無いが、 その分凄まじいまで怪力を誇り、生半可な攻撃ではビクともしないタフネスを持つ。 虎牙 龍馬、ユーリー・スミヤーツァ、エルヴィア=クリーシア=フラットの三人の前に敗れ去った後も、 その巨大な腕のみが、腕を失っていたゲーティアの両腕の代わりとして使役されたが──結局は力及ばず敗北を喫した。 No.12 パンペン FuwaSaburou 体長:65cm? 体重:3.5kg? 「なぁー」 ペンギンをベースにパンダとモフモフニウムを配合したような、ちまっこい生物。 恐らく、元はちゃんとした恐ろしい異形だったのだろうが── ゲーティアの体調不良により召喚失敗、そんな感じの可愛らしい愛玩動物になって出てきてしまった。 彼?なりに頑張って戦おうとしたのだが、もふもふとじゃれ付くだけでまるで戦闘にならなかったために、 ゲーティアが怒り呆れて『契約破棄』、後にアリス・如月に「ふわ三郎」と名付けられ引き取られて行った。 召喚後の死亡率はほぼ100%なデオフォルの中で、例外的に生きている貴重な存在。 研究者に売り渡して解剖とかさせたら何か秘密が明らかになるかもしれない。 No.13 ≪駱駝≫カメルス Camelus 体長:250cm 体重:190kg 四肢の欠損したヒトコブラクダを模したような、骨と鋼を組み合わせたホバーバイク型の異形。 黒地に赤い紋様刺繍の入った聖職法衣を纏い、腰に長刀を携えた白い長髪の女剣士が上に乗っている。 一見すると女剣士の方が本体に見えるが、そちらの正体は機械の人形であり、本体は乗り物のようなラクダの方だ。 スピードに長けた異形であったが、オイチャンの前に敗れ去ってしまう。 ⅠImpetus ある魔方陣のゲートを作り出し、その中をくぐる事で爆発的に加速する術。 最初はカメルス前方に『黒』い魔法陣が壁のようにして出現、この時はまだ何も起こらない云わば準備段階だが、 これが『白』い魔法陣へと変わると攻撃の予兆、カメルスがこの魔法陣を通り抜けた瞬間ビデオの早送りのように急加速する。 この術を用いて、砲弾のような体当たりや、急接近しながら繰り出す疾風の抜刀術で敵を追い詰める。 ⅡConfodio 女剣士の携える長刀は伸びる。伸びると言っても伸びっぱなしにはならず、 蛇の舌の如く一瞬伸びてはすぐに引っ込み、間合いの外から突きを放つ形となる。 何処まで伸びるのかは不明だが、きっと13kmまでは伸びない。 ⅢNavigo 『赤』い魔法陣のゲートを二つ練成することで、片方から入ればもう片方から出て行く事が出来る簡易なワープ術。 召喚主の前に予め一つ陣を練成しておき、カメルスがいつでも召喚主の前に戻れるようにするのが主な用途。 No.14 名称不明(雄牛) Haagenti 体長:不明 体重:不明 グリフォンの翼を持つ、黒い肌をした雄牛。どういう訳か、その右腕は『機械仕掛け』であった。 上半身しかその姿を覗かせなかったため全貌は不明のままだが、召喚された時の姿勢から推測するに恐らくは二足歩行の人型だ。 ジョシュアに義手の製作料を払った際に喚び出された謎の異形である。その手から『純金』のインゴットを次々と生み出した。 その時のいやに上機嫌だったゲーティアは「ワインを飲みたければ水を持ってこい、好きなだけ変えてやる」等と発言していたが、 実際のこの雄牛の能力は明らかになっていない。純金のインゴットを多数生み出した後はすぐに引っ込んでしまったからだ。 Coffee Break『ゲーティア? 小鍵? ソロモン?』 ──余談だが、ジョシュアは義手製作の中でゲーティアの魔法陣を『解析』した際に、 その魔術体系があの魔術書『ソロモンの小さな鍵』に酷似していることを見抜いたようであった。 『ソロモンの小さな鍵』と言えばあの有名な『ソロモン七十二柱』の悪魔を喚び出す魔術が記された書であるが── そのソロモン七十二柱の悪魔の中に「ハアゲンティ」又は「ハゲニト」等と呼ばれる地獄の長官がいる。 悪魔「ハアゲンティ」は書き伝えられる所によると、その姿は『グリフォンの翼を持つ逞しい雄牛』であり、 『あらゆる金属を金に変える能力』と『水をワインに、ワインを水に変える能力』を持っているとされている。 ──それは、ゲーティアが喚び出したこの正体不明の雄牛にあまりにも酷似しているのだが…… しかし、彼の魔術との関連性は一切不明、この雄牛が実際何だったのであるのかも全く語られてはいない。 ただ、彼の魔術が『ソロモンの小さな鍵そのもの』ではない事だけは、今まで喚び出してきたものを見れば明らかだろう。 ──彼に関してはまだまだ謎が多そうだ。 No.15 ≪梟≫ノクテュア Noctua 体長:187cm 体重:85kg 頭部がフクロウの骸と化した鳥人。上半身は何も纏っていないため、青白くも強靭な筋肉が覗くが、 両腕には赤紫色をした羽毛が生え揃っており、下半身には紫紺色の積層甲冑を装着している。 そしてこの≪梟≫ノクテュア最大の特徴は、刃渡り70cm程の両刃の剣と化した前腕部分だ。 ハーピィのような軽い身のこなしと双腕の鋭い剣を武器に、舞うようにして敵を切り刻む──筈だったのだが、 相手が悪かったのか、『召喚されて⇒敵に向かって走って⇒転んで⇒死亡』と、素晴らしく軽やかにお亡くなりになった。 と言うのも、当時の彼は刑務所から死刑囚の屍だかを蒐集しており、 それを危険だとみなされたのかどうなのか、召喚主であるゲーティアの方に攻撃が及んでしまい、 本体の回避に精一杯でノクテュアの方は動けなかったからだと言う苦しい理由があったりする。 (この魔術は、喚び出されたデオフォルと本体との間に『フィードバックダメージが無い』代わりに、) (『デオフォルが動いている間は本体がその場から動けず、逆に本体が動くとデオフォルが動けない』と言う制約がある) No.16 名称不明(大黒山羊) Baphomet 体長:222cm 体重:135kg 漆黒の体毛が全身を覆った人型の黒山羊。四肢には鎖の千切れた枷、 背中には大鷲のような黒い双翼が生えている。『バフォメット』と呼ばれるものに近い。 だが哀れなことに、召喚された次の瞬間、ふしぎな地割れに飲まれて消滅した。よって能力も不明のままだ。 No.17 ≪七咬蛇≫コルベル Coluber 体長:73cm×7 体重:12kg×7 七体で一セットのデオフォル。飛び魚のような翅を持つ、海老に似た姿の異形だ。 針のように鋭く尖った尾を持ち、その頭部は大きな矢じりに似た非常に鋭利な形状をしている。 普段は水中に潜んでいるが、攻撃する時は水面から勢い良く飛び上がり、目標に向かって矢の如く高速で飛翔する。 『禁書ヨートゥンヘイム』なる者と湖上にて対峙した際に使役され、 水上、空中、水中と縦横無尽に飛び回ったが、最終的に斬られたり焼かれたりして全滅。 ちなみに、水棲生物っぽいので殻を剥いて火を通せば恐らく食べられる、かも、しれない。 生でもいけるかも、しれない、が──無論のこと味は保障できない。 いや、むしろ健康を害する可能性すらあるのでやっぱり食べない方がいい。無生物すら食すような能力者を除いては。 Coffee Break『名の由来・元ネタ』 コルベル(Coluber)と言う名前の由来 『Coluber』とは羅語(ラテン語)で『蛇』を意味する語。 デザインの元ネタ 『暗黒ライトノベルの始祖にして云々』と名高き『されど罪○は竜と踊る』と言う小説に登場する、 九蛇狐(恐らくは管狐が元ネタ?)と呼ばれる不思議な生物からインスピレーションを得て生まれたもの。 七咬蛇と字面が似ているのはそういうこと。ちなみに「七咬蛇」の読みは「シッコウダ」と設定してありました。 No.18 ≪鋼獅子≫レオネール Leonale 体長:280cm 体重:390kg 武装した鋼の獅子、と形容できそうなライオン型のデオフォル。 顎の下には小さなガトリング砲のようなものを備えており、銀の鬣は剣のように硬く鋭利である。 後ろ足と尻尾のみがサイボーグのように『機械化』されており、どこか生物離れした重厚感を漂わせる。 ずんと腹に響くのは堂々たる威圧の咆哮、しかしてその飛鳥のような躍動は愚鈍さを微塵も感じさせない。 どんな小さな獲物だろうが全力で狩りを行う様は、まさに鋼の王獣に相応しいと言えるだろう。 野生の感とも言うべき獣の第六感で銃相手にすら臆す事無く立ち回って見せたが、 しかしやはり人智の前には力及ばず、フィレス・アルハイドの疾風のような銃弾に眉間を撃ち抜かれて絶命した。 Ⅰ7.62mm衝戟式機関砲 顎の下に装備されている一門のガトリング砲。 射出されるのは衝撃エネルギーを秘めた光弾で、当たった箇所に強く殴打するような衝撃を与える。 一発一発の威力は低く貫通力こそは無いが、ガトリングと言う性質上連続して射出されるため、 もし集中砲火を浴びてしまえば、アートマンのラッシュにも匹敵するようなダメージ総量となる。 Ⅱ刃の鬣 獅子の象徴、百獣の王の証とも言うべき鬣も、追い詰められた時には最後の武器と化す。 剣のように鋭利な鬣が一房ごとに次々と顔から切り離されると、目標を串刺しにすべく、多方向から高速で飛翔していく。 王としてのプライドも全て投げ打って繰り出される、≪鋼獅子≫レオネール最後の切り札だ。 No.19 ≪異僧兵≫カタリオール/カタリオーレ Cattarior/Cattariore 体長:205cm 体重:130kg 二体で一セットの人型デオフォル。色あせた袈裟のような衣を纏っている。 二体の共通点としては、古い血のこびり付いた包帯でその顔面の片目以外を全て覆いつくしていると言うのがまず一つ。 そしてもう一つは、どちらもその両腕が重厚な武器と化していると言うことだ。以下にそれぞれの詳細を記す。 Ⅰ黒鉄・カタリオール 黒い衣を纏っている方が『カタリオール』。『右目』のみの隻眼だ。 右腕が『大剣』、左腕が『大砲』にそれぞれ化しており、一撃一撃が重い。 龍雷寺 宗戒、キーナの二人によって行動不能に追い込まれるも、 戦闘場所であった大聖堂の崩壊に巻き込まれて完全に絶命するまでは、執拗にその大砲で敵を狙い続けていた。 Ⅱ白鋼・カタリオーレ 白い衣を纏っている方が『カタリオーレ』。カタリオールとは逆に『左目』のみの隻眼だ。 こちらは右腕が『大鋏』、左腕が『連弩』となっている。 カタリオールと比べると些かパワーは劣るが、追い詰められて暴走すると無茶苦茶に鋼の矢を乱発し始める。 スレイブに吹っ飛ばされて大聖堂の天井に激突、そのまま落下、ずぐしゃっと潰れて絶命。 Coffee Break『異国よりの兵』 裏設定的なものをだらだらと書き綴るのがこの『Coffee Break』と言う項なので例によって駄文をつらつら。 今までのデオフォルたちはラテン語由来だったり、西洋の悪魔や怪物を元ネタにしたものが多いのですが、 この≪異僧兵≫カタリオール/カタリオーレ(Cattarior/Cattariore)だけは、 実はそのルーツが『インドと南アジア・東南アジア』にあったりします。 『Cattarior/Cattariore』と言う名の由来 ルーツが『インドと南アジア・東南アジア』にあると言うのは、巴語(パーリ語)で「四つの~」と言う意味を持つ、 『Cattari』なる語が名前の由来になっているからであります。へーふうん。 これを無理やりローマ字読みして、ラテン語の格変化っぽく語尾に『or』をつけて生まれた造語が『Cattarior(カタリオール)』 更に『四つの~』と言う意味から取って、『四つの武器』をつけてみようと生まれたのがこの二体の≪異僧兵≫でしたと言うお話。 パーリ語? パーリ語と言うのは上座部仏教の経典などに使われる語であるそうで、 『Cattari』と言う語は『cattAri ariya-saccAni』──四つの(cattari)聖なる(ariya)真理(saccani)と言った風に使われるらしいです。 本当にどうでも良すぎてトリビアにもなりはしない。 早い話が、他のデオフォルたちが『キリスト教的』であるのに対して、 このカタリオール/カタリオーレだけは『仏教的』であると言うことが言いたかった訳であります。 そんな本当に無駄なお話でした。 No.20 ≪殻塔蠱≫アラネトリス Araneturris 体長:255cm(本体のみ) / 430cm(地面から『塔』の頂上までの高さ) 600cm~( 〃 ・伸長時) 体重:121kg 積層された白い甲殻を纏い、胴体から『捩れた黒い塔』を生やした蜘蛛型の異形。 脚が四本、蟷螂のような前肢が二本。顔面は『人の顔』と化しており、 胴から上方に伸びる『黒塔』の表面には、『“目”のついた赤い突起』が無数に生えている。 ≪小塔を持つ蜘蛛≫と称されたが、それはかなり的を射た表現だろう。 ハニー、エストレア、天ヶ谷 双葉の三人による連携によって撃破された。 Ⅰ音声魔術 『人面』の口から、赤子と老人が同時に叫ぶかのような異質な叫喚と共に、『固体化した音撃波』を放つ。 水面に広がる波紋のように、『黒い半輪』が前進するにつれて広がりながら飛んでいくものだ。 これは攻性の音声魔術によるものであり、触れた箇所に激しい振動と衝撃をもたらす。 Ⅱ『塔』 そしてこの≪アラネトリス≫最大の特徴にして最強の武器が、身に背負った『捩れ黒塔』だ。 塔表面の『“目”のついた赤い突起』は、『塔』から切り離して『ミサイル』のようにして射出することが出来る。 射出された後に衝撃が加えられると、中に凝縮された魔力が爆発して、かなりの熱と爆風を発する。 更に『ロックオン』機能も備えており、攻撃対象の足元に追尾する『赤いサークル』を出現させてから放つことで、 微弱な誘導性能をミサイルに持たせることが出来たのだが──能力者達の機転によってその発動は防がれた。 追い詰められると、『捩れ』が元に戻るかのように、逆方向に捩れるようにして回転しながら塔が伸長する。 それによって『赤い突起』の数を増やし、一度に射出できる『ミサイル』の数を増やすことが出来るが、 その反動に耐えるべく脚を地面に突き刺して身体をその場に固定する必要があるため、隙は大きくなる。 Coffee Break『名の由来・元ネタ』 『アラネトリス(Araneturris)』と言う名前の由来 古羅語(古ラテン語)で『蜘蛛』を意味する『Aranea(アラネア)』と、 同じく羅語で『塔』を意味する『Turris(トゥルリス)』を組み合わせた造語。 ちなみに、「殻塔蠱」は「カクトウコ」と読みが裏設定的にあります。 デザインの元ネタ ベースは、ライトノベル版『ぼく○の』に登場する《蜘蛛》に影響を受けたもの。 更なるインパクトを出すために、蟷螂の手と『黒塔』を付け足してみた結果生まれました。 No.21 ≪赫昏鴉≫フラマトルム -Flammatrum- 体長:196cm(本体)/260cm(黒狼) 体重:79kg(本体・鎧抜き)/148kg(黒狼) 純白の貫頭衣を纏いし天使を模ったようなデオフォル。 但しその頭部は巨大な鴉の骸と化しており、背の翼は血で染まったかのような真紅である。 獅子の如くに巨大な黒狼に跨って現れ、炎を自在に生み出し操る事が出来る。 能力者のような強い力を持つ者を相手にする際には、この黒狼が『漆黒の炎』へと姿を変えたのち、 『闇色の鎧』と『血色に輝く禍々しい長剣』となってフラマトルムの武装と化す。 後述する『錬炎術』と相まって、その戦闘力は非常に高い。 本来ならば『使役される側』である筈が、どういった訳かこのデオフォルは、 少年の姿になったゲーティアと思しき人物を、追跡・殺害せんとしていた。 しかし、現れた〝教会〟の異端狩り、ルージュ・コアントローに撃破される。 Ⅰ『練炎術』 フラマトルムの持つ異能──『炎を金属に、金属を炎に変える力』 炎と金属の中間──金属の質量を備えつつ、且つ炎の流動性を持った状態で展開する事も出来る。 丁度『水銀』のような状態に近い。まるで水の如くに、炎が“飛び散ったり”、集まって一つの炎になったりと変幻自在。 対ルージュ・コアントロー戦の中では、『炎』を『鋼の矢』に変えて射出、 相手の身体に刺さったその『矢』を、再び『炎』に変化させてその身体を蝕むように灼く等の使い方が成された。 Coffee Break『名の由来・モデル』 名の由来 ラテン語で『炎』を意味する『Flamma(フランマ)』 同語で『黒いもの』を意味する『Atrum(アートルム)』 その二つを無理やりくっつけた造語。 モデル 『ソロモン七十二柱』が一柱、『アンドラス(Andras)』と呼ばれる悪魔がモデル。あくまでモデル。 序列六十三番、三十の軍団を統べる大公爵。その姿は、天使の身体に黒い鳥の頭部、 鋭い剣を手に携えて、黒い狼に跨っているとされているそうです。 曰く、破壊の化身。隙あらば召喚者すらも纏めて皆殺しにすると言う恐ろしいヤツ。 No.22 ≪唖奏徒≫レステイーゼ -Lesteize- 【Seal of Lesteize】 『序列ノ四十九』。「声亡く奏でる者」 曰く、「狂える異界の音階概念に受肉させた、怨嗟の形〟」──とのことだが…… 表面上に無数の銀ジッパーがなぞった闇色のロングコートに身を包み、純白のタクトを持った長躯。 露出した頭部の皮膚は酷く焼け爛れており、その唇は赤い糸で縫われて塞がれている。 左目に黒い眼帯をしており、大きく見開かれた紅い右目のみの隻眼である。 リリセールによって使役され、少年化していたゲーティアを襲撃、彼を殺害?した。 しかし、その後に訪れた曇華と戦闘し、敗北。最終的には、彼の持っていた魔導人形インディアンズの手によって滅ぼされた。 Ⅰ旋律念動 〝狂奏の手繰る心無き魅了〟 レステイーゼの持つ、強力な念力。 ただしこのレステイーゼの場合、通常の念力とは少し異なる。 この『旋律念動』は、ある『特殊空間の内部でのみ作用する念力』であり、 タクトを振るうことで特殊空間の塊を生成し、それを飛び道具の要領で飛ばしている。 この特殊空間の塊は透明だが、周りの空間を歪ませるため、眼に捉えることは可能。 発生するときにはバイオリンの音色が響き、さらに一直線にしか飛ばないため、攻撃の予測は容易だ。 No.23 ≪穹堕天≫カウェルレ -Cawelle- 体長:201cm 体重:65kg やや青みがかった鉄色の積層装甲を全身に纏った、枯れ木の如き痩躯。 頭部は『大鷲の骸』の其れと化しており、眼孔の奥に紅い光を灯らせている。 携えるは身の丈程もあるような長大な薙刀──そして蒼き炎を自在に生み出し操る力も有しており、 戦闘機の如くに洗練されたフォルムを持つ鋼の板(ホバーボードらしきもの)に乗って空を駆ける異端の者である。 リリセールが、とある街を襲撃した際に使役し、居合わせたカイ=スケイプヴェルトを強襲。 加熱していく戦いの中、最終的にはその魂までもを燃やし尽くして消滅する。 Ⅰ『異能解析』 カウェルレの背中からは、鏃の付いた二対四本の鋼線が生えるが、 これらは意思を持った蛇のように伸縮自在で、相対する能力者を穿たんとして鋭く伸びる。 この鏃が体内へと刺さると、カウェルレはその細胞から情報を読み取り、相手の持つ異能を『解析』し始める。 鏃の殺傷力自体は低いが、相手の能力名からその効能に至るまでを読み取り、 確実に相手を殺戮せしめんとする為、その弱点を割り出して必勝の戦略をシミュレートするのである。 Ⅱ『凍焔』 カウェルレが発火能力《パイロキネシス》の他に有しているのが、『生み出した蒼炎を氷に変える力』だ。 『炎⇒氷』は勿論のこと、『氷⇒炎』への形態変化も自由自在で、かなり応用性の高い能力であった。 一見すると『炎が凍った』かのように見えるが、正確には『炎がその形を保ったまま氷へと姿を変える』のである。 辺りで赫灼と燃え立つ炎の紗幕が一瞬のうちに氷へと変貌する様は、 まるで時を止められたかの如き錯覚すら覚えそうな、壮大な光景になる。 Coffee Break『名の由来』 名の由来 空を駆ける異形──空と言えば、蒼。 羅語で『青色の~』を意味する『Caeruleum(カエルレウム)』という語をもじって生まれた造語。 カエルレウム、カウェルレウム、カウェルレゥム、カウェルレンム、カウェルレ──ね、簡単でしょう。 No.24 ≪貎禽爵≫セヲク -Sewok- 【Seal of Sewok】 その姿は、紅い瞳をした黒豹の頭部を持つ、人身獣頭の異形の者。 紫黒色と白を基調とした騎士服を纏い、背には鷲のような灰褐色の翼が一対生えている。 装備は、左の腰元に下げられている、黄金色の鞘に納まった一振りの長剣のみである。 デオフォル登場回数24回目にして初めて、『序列』の『五十六番目』、 更には『侯爵』であるなどといった言及がなされたが──その詳細は未だ不明である。 闘争や決闘を何よりも重んじる節があり、他の個体と比べると、邪悪さというものは殆ど持ち合わせていなかった。 純粋に、潔く、闘いそのものに価値を見出し、剣と剣が抱擁する様を愛してやまないような武闘者であった。 ランディア古闘技場にて、召喚者もいないのに、ひとりでに『小鍵』から抜け出すようにその姿を現した。 そしてたまたまその場に訪れたエルヴィアを決闘に巻き込んで、結局は敗れたものの、満ち足りた様子で滅びた。 ⅠBlade=Breed 『ブレイド=ブリード』。一言で言い表すならば、“剣から剣を生み出す能力”である。 一振りの長剣を二振りに増やし、二振りの剣を重ねれば一本の大剣が生まれ、大剣は無数の短剣へと姿を変える。 黒豹のようなしなやかな躍動と、そして時には猛禽の翼で空を舞い、 鍛え抜かれた身体と、これらの生きた剣を振るいながら、彼は闘争へと埋没していく。 Ⅱ小さな墓標 彼はその肉体が散った後、自らの魂を小さな一つの短剣に変えて、勝利者であるエルヴィアへと遺した。 小指ほどの大きさの、白銀のアクセサリーである。鍔には翼が、柄尻には豹の頭がそれぞれ彫刻されている。 それにはこの侯爵『セヲク』の、魂の欠片が託されており、念じれば彼の力の一部を借りることが出来る。 〝気高き剣の抱擁を何よりも重んじる時、我は汝に剣の祝福を授くだろう〟〝その大いなる鷲の翼は、何者よりも疾く舞い、何物よりも鋭く裂くものである〟〝汝恐れるなかれ。満天を駆ける汝は、その時、剣が裂く音の意味を知るだろう〟 効果は、以下の通り。 戦闘中に一度だけ(一レス限り)、白銀の剣によって構成された翼を、背に纏うことが出来る。 それを用いれば、空中を自由に、そして素早く駆けることが可能になる。