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しにがみばいよう【登録タグ し フユヲ ラムドP 初音ミク 曲】 作詞:フユヲ 作曲:ラムドP 編曲:ラムドP 唄:初音ミク 曲紹介 「少女タナトスの続き的な風なカマい曲」(作者コメントより) 歌詞 四角い水槽 溶液に満たされた 少女を生む箱 今日もまたヒトリの 優しく微笑み 冷たく死を告げる 可憐な少女を 生み出す水槽 天使じみた死神ひとつ ねえ、私が創られた 命題があるの ただ一つだけ 生きてる理由 果たさせてくれる? 死を告げさせて 怖くなんて無いわ 終わるんだもの 私が なんにも 残さず 綺麗に 終わりにさせてあげるわ 死神のレプリカじみた 作り物だから ただひとつだけ 目的にしか 生きてはいられない だからお願い 死を告げさせてよ 優しくするから 望むなら愛さえ囁く 作り物の愛だけれど 私戻りたくないの 水槽の中へ だから命題果たさなくちゃ 私生きたいの 鎌を振るって あなた殺したって 生きてたいから 意味も無く生きてるのなら 構わないでしょう? 意味の無い命ならば その命チョウダイ 私の生きる 意味にしてあげる 死を告げさせて 水槽で生まれた死神 天使じみた死の微笑み コメント 歌い手 -- 名無しさん (2010-01-25 19 24 44) 名前 コメント
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(作成者:りでる) 【名前】本名:●● 【実験体名】ディサンシー (No.06-1) 彼の名前は●●。科学タワーのある土地から離れたのどかな村に住んでいた、ごく平凡な青年。 ●●がいつもみたいに大好きな番組を見ていると、「ビーッビーッ」という音と共に緊急速報が流れた。 それは科学タワーに雷が落ちたというニュースだった。 続けてニュースキャスターはそれがきっかけでその街一帯に能力者が生まれたという話を淡々と話していく。 ●●はそんなニュース画面から目を離せなかった。彼は、町の人をうらやましがった。 「自分も能力が欲しい」と。 能力者大会当日。 観客として街に来た●●は会場の入り口でとあるものを見つけた。 それは「君も能力者になろう!!」とチラシを配る白衣姿の者達。 会場内に入っていくものは胡散臭いとチラシをその場で捨てていくが、 ●●の心を惹かせるには十分のものだった。 「僕も能力者にしてください!!!」 自分と同じように研究所に来たものは数名。 そして、なにも告げられず始まったのは人体実験だった。 ある者は実験に失敗し死に、そしてある者は逃げ出した。 でも●●は違った。 決して逃げ出さず、死にそうな実験にも耐え、これもすべて能力を手に入れる為の試練だと研究所に留まった・・・。 あれからどれほどの月日がたったのかは分からない。 何度も人体実験を繰り返していた研究所で、ひとつの結論が出た。 『能力者から能力を手に入れればいい』と。 能力者を殺し、その遺体からデータを精製し移行すればいいという結論に至ったのだ。 じゃあその能力の器をどうするか。 研究者の視線が一人の青年が写る資料に集められる。 実験にも耐え、精神的にも問題の無い●●に。 そして●●は「能力の器」となった。 一人目の犠牲者は小さい女の子だった。親にもらった兎の人形をいつも持っていた。 物を動かすことが出来る能力をもっていた為、その力を使って父、母の手伝いをする優しい子だった。 ターゲットは小さい女の子。殺すのは簡単だった。 すぐに死体を持ち帰り死体をデータ化し、それを●●の体内に入れると物を動かす能力が身についた。 初めての能力だった。 嬉しかった。 けどこれだけじゃまだ駄目だ。 もっと欲しい。 「この子を忘れない為に自分は兎の人形をもらおう・・・。」 人形を大切そうに抱きしめる●●はその日から少し幼くなったような気がした。 二人目の犠牲者は、製鉄場に勤務する男性だった。 その男性は炎を操ることが出来た。 殺そうとしたら炎が顔に当たった。熱くて頬から皮膚が焼け爛れる音がした。 苦しい。 痛い。 ――――殺してやる・・・。 一つ目の能力を使い男から放たれた炎を跳ね返すが、炎に包まれても男は大丈夫のようだ・・・。 ならばと、男自体を動かす。 そして上へ上へと持ち上げ・・・そして地面に叩きつけた。 まるでつぶれた蛙のようにコンクリートに張り付き動かなくなった男を剥がし持ち帰る。 そしてデータを移行すると炎を操る能力を手に入れた。 これで2つ目だ。 けどまだ足りない・・・もっとほしい・・。 嘆きに顔を手で覆うと痛みが走る。 「・・・顔がただれた。これじゃあ怖がられる・・・。正義のみかたになれない。 この能力を使う時はこの男を忘れない為にこいつが好んで使っていたバケツをかぶろう・・・。」 バケツをかぶり炎を操る●●はいつもより少し好戦的になったような気がした。 三人目の犠牲者は、犯罪者だった。 ガスマスクを付けているその犯罪者はガスを生成できる能力を持っており、人の苦しむ姿が好きだった。 能力で精製したガスを振りまき、女性の苦しむ姿を見ては快感を得ていた。 犯罪者を倒すのは簡単だった。 能力がガスだった為、男がガスを振りまいた瞬間に炎を投げ入れてやった。 その瞬間、ガスは爆発し、辺り一帯を焼き、そして男は死んだ。 なんとあっけない最後なのだろうか・・・。 ただの一般人だった自分が、こんなにもあっけなく能力を持った犯罪者を捕まえることができる。 その嬉しさに震えながら、黒く焼け爛れ、四肢を失った犯罪者を持ち帰り、また能力を頂いた。 「いくら犯罪者とはいえ、この男を忘れない為にこのガスマスクを頂こう・・・。」 ガスマスクを被りガスを作り出す●●はいつもより少し猟奇的になったような気がした。 四人目の犠牲者は、ピエロだった。 その男は人々に笑顔を与えつづけていた。 まるでヒーローのようだった。 ずっとずっと自分が憧れてやまなかった、でも自分がなれなかったヒーローのようなそいつが、憎くなった。 なぜ自分がなれなくて、ただのピエロがヒーローなんだと、憎くなった。 「あいつは殺そう。そして能力をもらおう」 そいつは自分が使う能力と同じ能力を使ってきた・・・。 ならばと、あらかじめガスを貯めておいた缶、それに火を与え投げつける。 複数の能力を持ってる自分だから出来る、かけ合わせから成る力。 火のついた缶が目の前で爆発し、避けることも出来ずガラクタのように倒れる。 ヒーローが 死んだ。 自然と笑いが込みあげた。 その笑いは壊れたラジオのように止まることなく響き渡る。 そして笑いながら原型をとどめていない死体を持ち帰り、すぐさまヒーローがもつ能力を手に入れた。 ピエロのマスクを被りヒーローの真似をした●●はやっと本物のヒーローになれた気がした。 ―――こうして●●はこの四人の能力を移行し4つの能力を手に入れた。 今までいくつもの能力を持った人間が存在していただろうか。いや、いるはずがない。 自分は本物のヒーローになれたのだ。 しかしその能力には一つの欠点があった。 それは能力のデータを移行したことにより、一緒にその者たちの人格がまで移行されてしまったという事。 ●●の中で4人の人格が主張し、次第に自我が保てなくなっていく・・・。 意識が途絶える間際、4人の能力者だなんて、まるで大好きなヒーローもののようだ。そう思った瞬間●●の思考はブラックアウトした。 ―――そして次に目を覚ました●●は【ディサンシー(多重人格者)】となった。 研究所で初めて成功した実験体ディサンシー。 研究者たちは彼の成功を喜んだが、ディサンシーは、まだ能力を欲していた。 足りない・・・もっとほしい・・・もっと手に入れて強くなり本当のヒーローになるのだと。 しかし、それは成されなかった。 違法に実験を繰り返し、人体実験を行っていた研究所が取り押さえられたのだ。 そして、その実験体であり危険人物だとされディサンシーは刑務所に連れて行かれた。 判決は即死刑。 懲役は無期懲役刑。 ヒーローになりたかったディサンシーはヒーローになりたいが故に悪人になった。 なにがいけなかったのか。 なにが足りなかったのか。 そしてただ死刑執行を待つだけの日々だったディサンシーはこの大会が開催される事を知った。 そうだ、ここで犯罪者を倒せば自分はヒーローに戻れるのでは・・・? 悪役を倒すのはいつだってヒーローだ。 だから自分は今度こそ本物のヒーローになるんだ。 彼は1人・・・いや4人と話し合いこの大会に出場を決める。 【能力】 マスクを交換しながら能力を使いまわす。 マスク交換には3秒ほどかかる。 ■「ラビットテレキネシス」うさぎのかぶりものをしてる時のみ可能 物や、人。物体を動かすことが出来るようになる。 例:宙に浮かせて地面に叩きつけたりなど。 ■「ファイヤーバケット」バケツをかぶる事で可能 炎をあやつる能力。火の玉を投げつけることも可能。 ガスマスク使用時にガスを溜めた缶を作ることによって 炎をつけ爆発物を作ることも可能。 (試合事前に制作しておくことも可能) ■「アンデットガス」ガスマスクをかぶる事で可能 ガスを生み出す能力。催涙ガス、毒ガス、着火性の高いガスを生み出す事が可能。 ガスを会場内に撒き散らし、ウサギマスクに変更した後ガスを操り相手を取り囲むことも ■「ミミングピエロ」ピエロのマスクをかぶる事で可能 最初にピエロを被り相手の攻撃を読み取ることが可能。そしてモノマネをすることが出来る。 しかし、相手の攻撃方法を読み取ることは可能だが、それを一度目視しないと同じ攻撃を出すことは出来ない。
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【名前】 死神博士 【読み方】 しにがみはかせ 【登場作品】 劇場版仮面ライダーディケイドオールライダー対大ショッカー など 【仮面ライダー】 ショッカーの2代目大幹部。怪人としての姿はイカデビル。 【劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー】 大ショッカーの大幹部。光栄次郎が変身した姿。演じるのは石橋蓮司氏。 【MOVIE大戦2010】 スーパーショッカーの大幹部兼首領。「スーパー死神博士」という名前で登場。同じく演じるのは石橋蓮司氏
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パチン・・・ 黄色のコードは2つに切断され、静寂に包まれた。 爆弾は・・・爆発しない・・・。 それを確認すると、私は大きく息を吐いて尻餅を搗くように倒れた。 激しい緊張感から解放され、心地良い脱力感に包まれている。 私達は・・・負けなかった。爆弾事件の犯人にも・・・死神にも勝ったのだ。 約1時間半・・・想像を絶する恐怖の中・・・私達は爆弾解体という偉業を達成したのだ。 本当に命懸けで闘ってきたからこそ、この達成感は非常に大きな価値があった。 そんな私達の祝福するかのように・・・ムギ先輩から電話がかかってきた。 「もしもし、ムギ先輩!」ピーピー・・・ 『どうかしら・・・残り2本のコードは切れた?』ピーピー・・・ 「はい!唯先輩が残りのコードも切ってくれましたが、爆発しませんでした!」ピーピー・・・ 『そう・・・良かったぁ!』ピーピー・・・ 「ムギ先輩が指示を出してくれたおかげです!本当にありがとうございます」ピーピー・・・ 『唯ちゃんは・・・大丈夫?』ピーピー・・・ 「何か固まったままですね・・・最後にまた、緊張しちゃったんじゃないですかね・・・」ピーピー・・・ ブツ・・・ 「あっ・・・もしもし?・・・私のケータイも電池切れちゃったみたいですね・・・」 ケータイの電池の残量も何とかギリギリ間に合った・・・。 私は胸を撫で下ろし、私の目の前で固まっている人の名を呼んだ。 「ゆーい先輩、大丈夫ですか?」 「・・・」 「唯先輩!」 「・・・」 「唯先輩・・・?」 「・・・あ・・・あずにゃん・・・」 ようやく振り絞るように出た唯先輩の声は・・・何故か震えていた。 そして・・・もう止まったはずの・・・聞こえてくるはずの無い音が、私の耳に入ってくる・・・。 緩んでいた私の表情も、一気に固まっていく・・・。 チッ チッ チッ チッ チッ・・・ 「ゆ、唯先輩・・・あの・・・まさか・・・そんなわけ・・・無いですよね・・・」 「でも・・・止まらないよ・・・?爆発までの時間・・・」 「な、何で・・・」 「コードも2本残ってる・・・青いコードと赤いコード・・・」 恐る恐る爆弾を覗き込むと・・・確かにカウントダウンが止まっていなかった。 残り時間は13分を示している。 まだ13分・・・いや、もう13分しか残っていない。 ―――――今日ガ、オ前の命日ニナルト言ッタハズダ――――― 「えっ!?」 アイツの声が聞こえた・・・。さっきまで居なかったはずなのに・・・観覧車の外から、こっちを覗き込んでいる。 地上120メートルの高さからこちらを覗き込む、大きな鎌を持った死神・・・。 夢で見た時と同じように、ボゥッと青白い光の下に、そいつは存在している。 「あっ・・・ああっ・・・そ、そんな・・・」 「どうしたの、あずにゃん・・・?」 この世に存在しない物を見るかのように驚き、怯えている私・・・。 その姿をはっきりと見たのは、夢以外では今が初めてだった。 視線を感じたり、声が聞こえたり・・・その存在はずっと私の中にはあった。 しかし、その姿をはっきりと視認し、対峙する・・・圧倒的な威圧感が私を押し潰そうとしていた。 私のあまりの怯えぶりに、さすがに不審に思った唯先輩は、目線を私から観覧車の外に向けようとしていた。 「だ・・・ダメです唯先輩!見ちゃダメです!!」 しかし、私が制止する前に唯先輩は観覧車の外を見てしまった。 顔を外に向けた瞬間・・・その視線は1点にロックされ、表情も固まっている。 遅かった―――――唯先輩には死神の存在に気付いてほしくなかったのに・・・。 死神の標的が私と言うなら、唯先輩だけは助けたかったのに・・・。 直立不動で外を見つめる唯先輩・・・。 死神を目の前にした唯先輩の反応を・・・考えるのが怖かった・・・。 「あずにゃん・・・」 「は、はい・・・」 「外に何か居るの?」 「へっ・・・!?あの・・・その・・・」 唯先輩はクルリと私の方に体を向けると、首をかしげながら私を見つめた。 その表情は、まるで外には何も居ないよと言わんばかりだ。 しかし私が再度外を見ると、やはりあの死神がこちらをジッと見ているのだ。 という事は、私にしか見えていない・・・? 唯先輩に変な恐怖心を与えずに済むのは良い・・・私の取り越し苦労だったと思ったが、唯先輩には全てお見通しのようだ。 「私には見えてないけど・・・あずにゃんには、外に居るように見えるんだね・・・死神が」 「ど、どうしてそれを!?」 「外を見て怯えてるあずにゃんの表情・・・今日、話している中で何度か出てきた『死神』って言葉を聞いた時と同じ表情してたもん」 「・・・」 「そういえば私が朝、あずにゃんに電話した時から様子が変だったよね・・・」 「・・・」 「電話して、すぐに私が生きているかどうか確認するなんて、普段のあずにゃんなら考えられない事だよ~」 「・・・」 「もしかして、あずにゃん・・・死神に遭遇するとか、私が死神に殺されちゃうとか・・・そんな怖い夢見たんじゃない?」 「!?」 「お化け屋敷に入った時も、どうしてこんなに夢と似てるんだろうって言ってたし・・・」 「・・・」 「怖い事は1人で抱え込まなくても良いんだよ、あずにゃん」 「・・・」 「苦しむあずにゃんを救う為なら、私はどんな犠牲も厭わないよ」 「・・・」 「だから・・・怯えている理由を話してごらん?」 「ゆ・・・唯せんぱぁい・・・」 鋭い勘の持ち主だと思っていたけれど・・・私の表情と言動で夢の内容まで当てられるとは思わなかった。 私の事をこんなにも理解してくれている・・・私の心の拠り所で居てくれる・・・その事が嬉しくて、私は思わず泣き出してしまった。 今日ずっと1人で抱え込んでいた、辛くて恐ろしい夢の内容。 それに伴い、デート中も悪夢を思い出しては葛藤していた事。 私の運命のせいで、唯先輩も事件に巻き込んでしまった事。 最初は、唯先輩に余計な心配をかけさせたくないと思い、全てを自分の胸に秘めておこうとさえ思った。 しかし、唯先輩はそんな事は許さず、私の全てを受け入れようとしてくれた。 私は何度も何度も嗚咽しながら、私に縛りついていた思いを全て吐露した。 時折、涙に声が詰まって上手く話せなくなると、私を抱き寄せては優しく撫でてくれる事もあった。 唯先輩は私が全てを話し終わるまで、ずっと黙って聞いていてくれた。 「一つ、聞いても良い?」 私が話し終わると、唯先輩は落ち着いた口調で尋ねてきた。 「夢で言ってた死神の言葉は本当?『死神の弱点、嫌いな物は赤い物』って・・・」 「はい・・・そう言ってました」 「死神自身について言ってた事って、本当にそれだけだったの?」 「はい・・・」 唯先輩は少し何かを考えた後、ニコッと笑った。 「わかった・・・あずにゃんを信じるよ♪」 唯先輩の言った、信じるという言葉・・・この時はまだ、その真意を考えなかった。 その真意を考えられる程、余裕が無かったと言った方が正しいのかもしれない。 唯先輩に全てを打ち明けられた事で、気持ちが少し楽になったものの、私達が置かれている状況が好転したわけではないからだ。 心の全てを曝け出している時、時間の事は頭から離れていたが、今確認すると・・・爆発までのタイムリミットは5分になっている。 「あと・・・5分しかないですね・・・」 「そうだね・・・」 「ど、どっちのコードを切れば・・・」 「大丈夫!・・・私、さっきのあずにゃんの話を聞いて、切るコードは決めたから」 「えっ・・・も、もしかして赤、ですか・・・?」 唯先輩は私の問いには答えずに、ただ黙って爆弾を見つめている。 その間にも、1秒・・・また1秒と、爆発までのカウントダウンが進んで行く。 「あと4分・・・遅かれ早かれ、あと4分で私達の運命って決まるんだね」 「唯先輩・・・」 「勿論、私達が勝つよ!私達は生還する!・・・そう信じてる・・・」 「はい・・・」 「でも・・・心のどこかに、死にたくない・・・切るコード間違ってたらどうしようって・・・恐怖心もあるんだよ・・・」 「・・・私のせいで・・・本当にゴメンなさい・・・」 「あずにゃんが謝る事なんてないんだよ!むしろ、謝るのは私の方・・・」 「な、何でですか・・・!唯先輩は何も悪くないですよ!!」 「だって・・・こんな恐怖心をずっと・・・」 「・・・」 「・・・ずっとあずにゃんに1人で背負わせてたんだもん!もっと早く気付いてあげられれば・・・もっと早く共有してあげられれば良かったのに・・・」 グシグシと泣く唯先輩に、私はかける言葉が見つからなかった。 私の予想していなかった事を言うから・・・。 貴女は一体、どこまで優しすぎる人なんですか・・・。 「唯先輩のバカ・・・」 「あずにゃん・・・」 「唯先輩のバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ!!・・・どうしてこの期に及んでまで・・・そんな事が言えるんですか!」 「ぐすっ・・・だって、あずにゃんが好きなんだもん・・・」 「もうすぐ死ぬかもしれないんですよ!?こういう運命をもたらしてしまった私の事を責めたって良いんですよ!」 「だって、あずにゃんが悪いわけじゃないんだもん・・・」 「そうやって、いつも私の事を庇って、私の事を一番に考えて・・・いっつも、あずにゃんあずにゃんって・・・」 「・・・あずにゃん・・・?」 ここでは文句や不満のような形で言葉が噴出してしまったが・・・感謝の気持ちも含め、唯先輩に言いたい事は他にも山ほどあった。 その中で・・・今、一番何を言いたいのか・・・何を伝えたいのか・・・。 私達に残された、あと2分30秒という時間で・・・何を唯先輩に言えば良いのか・・・。 この短時間で伝えたい事を考えてみた。・・・しかし、新たに思い浮かぶ事は何も無い・・・。 「・・・私・・・死にたくないです・・・」 「・・・」 「まだ17歳ですよ・・・まだまだやりたい事だって沢山あります」 「そうだね・・・」 「軽音部の皆さんと、もっともっと沢山演奏したいです・・・」 「うん・・・」 「憂や純と・・・もっともっと遊んだり話したりしたいです・・・」 「うん・・・」 「それよりも何よりも・・・」 短時間で言いたい事を考えてみても・・・新たに思い浮かぶ事は何も無かった。 だけど、ずっとずっと言いたかった事はある・・・。 伝えたくても、簡単には伝えられない・・・掛け替えの無い大切な気持ちを・・・。 「ずっと・・・」 「大好きな・・・世界で一番大好きな唯先輩とずっと一緒に居たいんです!!」 自分自身の心の奥深くに秘めていた、世界で一番大切な気持ち・・・。 キュンとなったり、ドキッとなったり・・・こんな気持ちがあるから、毎日が楽しいんだ。。 そして、そんな幸せな気持ちにさせてくれる人のぬくもりを求めて・・・私は無意識に体が動いていた。 「あ・・・あずにゃ・・・」 唯先輩の事をギュッと強く抱きしめる私・・・。 今日やっと・・・今日初めて・・・唯先輩に対して素直な態度が取る事ができた。 せっかくのデート・・・こうやって、唯先輩に甘えたかったんだ。 さっきは言えなかったけれど・・・私も唯先輩からギュッとされると、温かな気持ちが体中を覆ってくれる。 とっても幸せな気持ちになれる・・・だからずっとこのまま・・・こうしていたかった。 「ありがとう、あずにゃん・・・」 唯先輩はゆっくりと私を引き離すと、涙でぐしゃぐしゃになっていた私にハンカチを差し出してくれた。 観覧車に乗ってから、何度流した涙なんだろう・・・。私はハンカチを受け取り、静かに涙を拭った。 そして滲んだ視線の先の時間を見ると、いよいよ爆発までの時間は1分を切ろうとしていた。 あと1分・・・その先にあるのは、生か死か――――― ―――――己ノ運命ヲ恨ムノダナ――――― 観覧車の外から見張っているであろう、死神の声が聞こえてくる。 その声を聞いた私は覚悟を決めて、目をゆっくりと閉じる。 思い浮かんでくるのは、唯先輩との楽しかった日々だ。 初めてネコミミを付けさせられた事も・・・。 初めて『あずにゃん』と呼ばれた事も・・・。 初めて夏合宿で2人きりでギターの練習をした事も・・・。 初めての学園祭で、唯先輩が遅れてきたけれど、結果的には大成功だった事も・・・。 初めて私が純の猫を預かった時、毛玉を吐く事を知らずに、ビックリして唯先輩に電話をしたら真っ先に駆けつけてくれた事も・・・。 トンちゃんと私と唯先輩の間に三角関係が生まれそうになった事も・・・。 ギー太と唯先輩と私の間に三角関係が部内で認められてしまった事も・・・。 唯先輩と『ゆいあず』のコンビを組んで、演芸大会に出た事も・・・。 夏休みに夏フェスに行った時、綺麗な星空の下で色々語り合った事も・・・。 夏祭りで唯先輩に手を引かれた時に、唯先輩の背中越しに見えた花火にキュンとなった事も・・・。 私の私物に色々と『なかのあずにゃん』と黒猫のシールを貼っては喜ばれていた事も・・・。 学園祭の前夜に積極的にアプローチされた事・・・そして夜遅くまで色々お話しした事も・・・。 3年生最後の学園祭で、張り切る貴女の横顔や後ろ姿をずっと見ていた事も・・・。 みんなみんな、昨日の事のように思えてくる。 楽しかった唯先輩との日々・・・。 これからも、ずっと未来に続いていくと思っていた私達の関係・・・。 もう・・・味わう事もできないのかな・・・。 閉じた目から、拭ったはずの涙が再び頬を辿って流れ落ちる。 幾度も流した涙・・・沢山泣いて、乾ききったと思ったのに・・・。 最後に、もう一度だけ唯先輩の顔が見たい・・・私はゆっくりと目を開け、唯先輩を見つめた。 そこに居た唯先輩は、私と目が合うと・・・穏やかに微笑んでくれた。 苦しいはずなのに・・・怖いはずなのに・・・最後まで私を落ち着かせようと、彼女らしい笑顔を見せてくれた。 あの時と・・・あの夢と同じ表情を・・・。 チッ チッ チッ チッ チッ・・・ 「私もあずにゃんの事、世界で一番大好き・・・だからあずにゃんの気持ち、凄く嬉しかったよ!」 「はい・・・」 「残り1秒になったら、コードを切るね・・・。1秒でも長く、あずにゃんの事を見ていたいから・・・」 「・・・はい・・・」 「あずにゃん・・・本当にありがとう・・・あと15秒・・・最後に、あずにゃんに言っておくね・・・」 チッ・・・(14秒) 「・・・はい・・・」 チッ・・・(13秒) 「私達・・・」 チッ・・・(12秒) 「どんな事が・・・」 チッ・・・(11秒) 「あっても・・・」 チッ・・・(10秒) 「ずっと・・・」 チッ・・・ 「一緒だよ・・・」 チッ・・・ 「あずにゃん・・・」 チッ・・・ 「・・・そこが・・・」 チッ・・・ 「天国で・・・」 チッ・・・ 「あっても・・・」 チッ・・・ 「ずーっと・・・」 チッ・・・ 「一緒だよ・・・」 チッ・・・ 「あずにゃん・・・!」 チッ・・・ パチン・・・ ― ――― ――――― ―――――――――― 「う・・・う~ん・・・こ、ここは・・・」 私は・・・闇の中でうつ伏せの状態で倒れていた。一点の光も差し込まないような闇の中に・・・。 居るだけで息苦しくなってくる、この空間。先程までは観覧車に居たはずなのに・・・もしかしたら、ここは死後の世界なのだろうか。 何も無い・・・誰も居ない空間・・・だと思ったが、唯先輩が私に背を向けた状態で立っているのがわかった。 今どんな表情をしているのか・・・私の位置から見る事はできない。もしかすると、また死神が化けているのかもしれない・・・。 そんな不安が頭をよぎったが、すぐにこの人が本物の唯先輩だとわかった。 「何故ダ・・・」 聞こえてきたのは、あの死神の声だった。私は何とか起き上がり、立ち上がろうとした。 目の前に居る唯先輩が、死神と対峙しているのがチラッと見えたが、全身に力が入らず、思わずよろけそうになってしまった。 その様子を察知したのか、唯先輩は私に優しく声を掛けてくれた。 「大丈夫だよ、あずにゃん・・・そこに座ってて良いからね」 「す、すみません・・・」 「何故・・・オ前ハ・・・最後・・・青ノコードヲ切ッタンダ!?」 「えっ!?」 最後に残された爆弾のコードは青と赤の2種類だった。 唯先輩は私が話した『死神の弱点、嫌いな物は赤い物』という言葉を信じて、切るコードを決めたと言っていたのに・・・。 だから、唯先輩が切ったコードは赤だと思ってたのに、実際に切ったコードは青だった・・・!? 「あずにゃんから『死神の弱点、嫌いな物は赤い物』って聞いたから、青のコードを切ったんだよ」 「何故、赤ノコードヲ選バカナッタ・・・?」 「だって・・・人間の魂を奪おうとしている者が、自分の弱点を簡単に話すわけないでしょ?」 「あっ・・・」 「だから、死神はあえて嘘を言って、あずにゃんに赤いコードを切らせて・・・爆発させようとしたんじゃないかなって思ったんだ」 私の話を聞いて・・・短時間で、そんな事を考えていたなんて・・・私は唯先輩のとっさの分析力に驚いていた。 唯先輩に全てを話したからこそ、私達は助かったのだ。 もし、夢の事を唯先輩に言わずに1人で抱え込んでいたら・・・死神の言葉を鵜呑みにしていたら・・・そう思うとゾッとする。 「それに・・・私にはどうしても、赤いコードを切るっていう事ができなかったの・・・」 「ドウイウ事ダ」 「赤はあずにゃんのリボンの色・・・あずにゃんを傷つけるみたいで、どうしても切りたくなかった・・・」 「ゆ、唯先輩・・・」 「コノツインテールノ娘ノ魂ヲ奪オウトスルト、オ前ハ邪魔バカリスル。コノ娘ノ夢ノ中デモ・・・観覧車ノ中デモ・・・ソシテ今モ・・・」 「私の大切な人の命を・・・簡単に死神に差し出すなんて事はできない!!私は、あずにゃんをどんな怖い物からでも守るって決めたんだから!!」 「ナラバ・・・ヤハリ、オ前の魂モ一緒ニ奪ウマデダ!!」 「や、止めて!!」 死神は、その手に持った大きな鎌を振り上げた。そのまま振りかざされてしまえば、唯先輩の魂は・・・。 もう、あんなに辛くて怖い体験はしたくない・・・あの夢だけにしてほしい・・・。 私の目の前で、あの惨劇は繰り返してほしくない・・・。私はその一心で、唯先輩に向かって走り出そうとした。 しかし、まだ全身に力が入らなかった為、足がもつれて転んでしまった。 唯先輩は私を庇う為か、右腕を横にビシッと伸ばし、死神が私に近づく事を拒んでいる。 そして微動だにせずに、唯先輩は死神から視線を離していなかった。 「逃げて、唯先輩!!」 私は残っている僅かな力を振り絞って唯先輩に向けて叫んだ。 しかし、その言葉すら唯先輩に届かないのか・・・唯先輩はピクリとも動かない。 すると、死神は持っていた大きな鎌を・・・振りかざそうとした。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 もうダメだ――――― 私の中で全てが崩れてしまいそうになった時・・・死神が思いもよらない言葉を発した。 「・・・止メダ」 「・・・」 「オ前ノ目ハ、全ク恐怖ヲ感ジテイナイ・・・同様ニ、心モ全ク怯エテイナイ」 「・・・」 「ソノツインテールノ娘ヲ守ル・・・ソノ一心ダケミタイダナ」 「・・・」 「カツテ、多クノ人間ヲ見テキタガ、死神ト遭遇スレバ、皆ガ恐怖ニ打チヒシガラレテイタ・・・ソノツインテールノ娘ノヨウニ」 「私だって女の子だもん・・・全然怖くないって言ったら嘘になるけど・・・」 「ゆ、唯先輩・・・」 「でもね・・・守りたい人が居るって思ったら、人間は強くなれるんだよ!私はあずにゃんを守る為なら、どんな困難にも・・・どんな恐怖にも打ち勝ってみせるよ!!」 「唯先輩・・・///」 「ツマラン・・・恐怖ニ怯エル人間ノ魂ヲ奪ッテコソ、死神ニトッテハ至福ナノダ・・・オ前ノヨウナ奴ハ初メテダ・・・」 「例え、何度私達の前に現れたって、必ず私があずにゃんを守るんだから!!」 「フッ・・・ソンナ姿ヲ見セラレタラ、逆ニ気ガ滅入ル。オ前達ノ魂ヲ奪ウ事モ止メダ。モウ、オ前達ノ前ニ現レル事ハ無イダロウ・・・」 死神はそう言い残すとスッと消えていってしまった。 周りは闇が晴れる事はなく真っ暗なままだったが、死神が消えた途端、唯先輩は力尽きるように倒れてしまった。 「唯先輩!?大丈夫ですか!!」 「だ、大丈夫だよ、あずにゃん・・・」 「唯先輩・・・凄い汗じゃないですか!?」 「あずにゃんも・・・汗びっしょりだよ・・・?色々と・・・怖かったもんね」 「唯先輩のおかげで・・・私、助けてもらいました・・・本当に・・・ありがとうございます・・・」 「私達・・・本当に勝ったんだよ・・・私達の絆・・・負けなかった・・・よ・・・」 「・・・唯先輩?」 「・・・」ムニャムニャ 「もう・・・唯先輩ったら・・・」 恐怖に打ち勝った安堵からか・・・唯先輩は眠りに就いていた。 安心しきったその寝顔を見ていると・・・何だか私もホッとして・・・。 全身の力が抜け切って・・・唯先輩に寄り添うように私も眠りに就くのだった・・・。 ―――――――――― ――――― ――― ― 「梓・・・」 「梓ちゃん・・・」 「起きて、梓ぁ・・・」 誰・・・?私の名前を呼んでるのは・・・誰・・・? 「唯・・・」 「唯ちゃん・・・」 「目を開けてよ、唯ぃ・・・」 唯先輩を呼ぶ声も聞こえる・・・。温かい声・・・聞きたかった、皆の声・・・。 皆が居る・・・ここは・・・あの闇の世界じゃないのかな・・・。 「・・・」 ゆっくり目を開けると、そこには真っ白な天井が映えている。 窓から差し込む日射しが眩しかった。 「ここは・・・?」 「あ・・・梓・・・目を覚ました!!」 「梓ちゃん!?・・・良かったぁ!!」 まだ意識が朦朧としている中だったが、憂と純が私に飛びかかるかの勢いで抱きついてきた。 「昨日、梓ちゃんがお姉ちゃんと遊園地の観覧車から救出された後、ずっと病院で眠ってたんだよ」 「お医者さんは2人は凄く汗をかいてたし、脱水症状を起してるから少し安静にしましょうって言ってたけど、もしこのまま梓の意識が 戻らなかったらどうしようって・・・このまま、唯先輩の惚気話が聞けなくなったらどうしようって・・・私、心配で・・・」 「純・・・何の心配してるのよ・・・でも、ありがとう純・・・。憂も・・・心配かけてゴメンね・・・」 「ううん・・・梓ちゃんの意識が戻って本当に良かったよ!!それに・・・」 憂が視線を私から隣のベッドに向けると、そこには律先輩とムギ先輩に私と同じように抱きつかれている唯先輩が居た。 唯先輩も・・・たった今、意識を取り戻したようだ。 「唯ぃ!!・・・本当に無事で良かったぁ!!」 「り、りっちゃん・・・苦しいよぉ・・・」 「こら、律!!唯は安静にしなきゃいけないんだから、そんなに激しく唯を揺さぶるな!!」 「痛っ!!・・・澪がぶったぁ!!」 「まぁまぁまぁまぁまぁまあ・・・ここ、病院内だし、静かに・・・ね?」 「そ、そうだな・・・」 私と唯先輩は、暗くて気付かなかったが、観覧車の中でかなりの汗をかいていたらしい。 1時間30分もの間、爆弾の解体に携わっていたわけで・・・相当のストレスとプレッシャーを感じていたからだろうとの事だった。 そして最後の青いコードを切った瞬間、2人とも緊張の糸が切れて、意識を失って倒れてしまったようだ。 救急隊が私達を見つけた時、爆弾の近くで寄り添うように倒れていた事による、推測ではあるけれど・・・。 とりあえず、私達が入院していたのは脱水症状で意識が無かった事が理由で、他には怪我等はしていなかった。 爆弾を置いた犯人も、昨晩のうちにムギちゃんの通報によって無事に捕まったようだ。 こういう運命になったのは死神のせいだ・・・なんて言っても、きっと誰も信じないだろうな。 だからこの事件の真相は、私と唯先輩の2人だけの秘密という事にしておこう。 「それにしても・・・あの爆弾の設計図に書かれていないコードがあったなんて・・・唯ちゃんは何で最後、青いコードを切ったの?」 さっきの・・・夢の中では、赤は私のリボンの色と同じだから・・・なんて言ってくれた唯先輩。 実際の所もそうなのかな・・・?私は、その唯先輩の答えを期待していた。 「これ、だよぉ♪」 そう言うと、唯先輩は小指を立ててみせた。 しかし、それが何を意味するのか・・・ここに居る皆にはわからなかった。 「小指・・・?」 「どういう意味があるんだぁ、唯?」 「えへへ・・・私とあずにゃんだけの秘密♪」 唯先輩は、不思議そうに聞いてきた澪先輩と律先輩に笑顔で答えてみせた。 私と唯先輩だけの秘密・・・って言われても、私もわからないんだけどな・・・。 「りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん・・・ヒントは、あずにゃんは私の嫁!だよ♪」 「それ・・・昨日の朝の主張じゃないか・・・」 「ヒント・・・なのか、それ?」 「何だかよくわからないけど、異論は無いわ!!」 ちなみに、その答えがわかるのは3年後の事だった――――― 「ふふっ、ここに来ると思い出しますね」 「そうだねぇ・・・もう3年経つんだね、あの日から」 今日も、この遊園地には沢山の子ども達や家族連れ、カップルが訪れている。 あの日と同じように・・・訪れている人達は、皆楽しそうな表情を見せている。 3年前と何も変わらない光景がここにはある。 唯先輩が酔ったジェットコースターも・・・。 私達が初めてお弁当を食べさせあった広場も・・・。 2人で絶叫したお化け屋敷も・・・。 勿論、命を懸けて闘ったステージ・・・大観覧車も健在だ。 「今日は思い出の日・・・そしてここが思い出の場所・・・」 私達はあの事件以来、毎年同じ日にこの遊園地へデートに来ている。 祝日では無いので、平日の場合は、大学はサボ・・・コホン、憂や純に後ほどノートを取らせてもらう事になっているけれど。 最初、あの事件を思い出すとトラウマになるのではないか、と周りからは心配された。 しかし、私達は爆弾事件の事は決して忘れる事は無いが、それもまた一つの思い出という認識で、恐怖心を引きずる事もなかった。 あの日以来、死神も夢には出てこなくなり、私達は何事も無かったかのように平穏な暮らしを送っている。 「ねぇ、あずにゃん。あの日、あずにゃんに伝えたかった事・・・もう1度言っても良い?」 徐々に高度が上がっていく観覧車の中で、唯先輩は私の顔を見つめながら言った。 そういえば、3年前は色々な感情が入った状態で、どうしても唯先輩に伝えておきたい・・・そんな想いで私の気持ちを伝えた。 唯先輩は受け入れてくれたけれど、とても告白ムードという状況ではなく、自分の意思をごり押しするような言い方にしかできなかった。 その後もここでデートをしても、その時の事件について振り返ってみたり、他愛の無い話をしてばかりで、お互いの気持ちを確かめる事もなかった。 私達の絆は固い・・・だから、今更確認する事も無いだろう・・・そう思っていたのかもしれない。 でも・・・今、もし貴女達の関係はどういう関係ですかと問われたら・・・自信を持って言えるのだろうか。 私達、恋人同士ですって――――― 何だか、曖昧な関係になっていると思うとスッキリしない。相手の事を大切に思っているなら、尚更・・・。 だから、もう一度貴女の気持ちを聞きたくて・・・私達の関係を確かめたくて・・・返事をしたんだ。 「はいっ・・・」 私達は向き合う形で見つめ合っている。 相手の気持ちをわかっているとは言え、改めて相手に伝えるとなると、どうも緊張してしまう。 ドックンドックンと鳴り響く私の鼓動・・・。私の鼓動は貴女に聞こえてますか? 5年前、貴女と出会った高校1年生の時から・・・貴女の事を考えるだけで、こうやって私はドキドキしてきた。 貴女の事が好きでいられるからドキドキしている・・・そんな感情を持てる事が嬉しかった。 正直になれなかった3年前の冬・・・。なかなか態度に出す事も、口にする事もできなかった、貴女への想い・・・。 今ではしっかり、態度に出しているつもりだけど・・・ちゃんと届いてますか? 言葉にすると、何だか照れくさいけれど・・・また聞かせてほしいな、唯先輩の本音を・・・。 「あずにゃん・・・私ね・・・あずにゃんの事が世界で一番大好きです・・・だから、これからもずっと・・・私の傍に居てください」 唯先輩が言葉にしてくれたら・・・きっと私も、しっかり言葉で返せると思うから・・・。 「私も、唯先輩の事が世界で一番大好きです。・・・ずっと私の目の届く範囲に居てください」 暫く続く沈黙の時・・・しかし、2人の笑い声がその静かな空気を打ち破った。 真剣な想いを伝えた場だったけれど、今更何言ってるんだろうと言わんばかりに2人で笑い合っている。 だけど、3年越しの告白・・・私達の気持ちにわずかにかかっていた霧も、これでスッキリ晴れた事だろう。 「そういえば、あずにゃん・・・あの爆弾事件の時、何で私が青いコードを切ったか知ってる?」 「えっ・・・?死神の言葉の裏を読んだ事と、私の制服のリボンの色が赤だったからなんじゃないですか?」 「それも・・・そうなんだけどさっ・・・」 すると、唯先輩は笑顔で私に小指を立ててみせた。 この仕草・・・どこかで見たような気がすると思ったら、あの病院でのやりとりと同じだ。 あの時は澪先輩、律先輩、ムギ先輩・・・私もどういう事なのかわからなかった。 どういう意味なのか・・・それを説明しようとする唯先輩の頬がだんだん赤くなっていく。 そして、ゆっくりと口を開く唯先輩。 唯先輩は・・・いくつになっても変わらない・・・恋する純粋な女の子だった。 満面の笑みでその真意を聞いた時・・・私はまた唯先輩の事を好きになった。 きっと、唯先輩以上に顔が赤くなっているんじゃないかなと思う。 でも赤い色は、2人を幸せにしてくれる色・・・そういう事ですよね、唯先輩――――― 「赤いコードはどうしても切れなかったんだよね・・・私とあずにゃんを結んでいる・・・運命の赤い糸と同じ色だから♪」 END
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今日会ったばかり、家の場所も正確には分からない、ひょっとしたら先に帰ったのかもしれない、そうだったとしても俺に何の問題もない、そんな女の子を何故俺はこんなに必死に探そうとするのか、自分でも分からない。それでも探さずにはいられなかった。 ずぶぬれの俺は走り回り、リイナと立ち寄った店の人達にリイナのような女の子を見なかったかと尋ねた。しかし、みな一様に俺の形相と格好に驚くばかりで、「人が多すぎて分からない」の一点張り。直接金や物のやり取りしたのは俺だったから無理もない。その中で、金魚すくいのおっちゃんだけは俺を覚えていた。 「俺がこの店に来たの覚えてますか」 と尋ねると、屋台を片付ける手を止めて、 「あぁ兄ちゃんなら覚えてるよ、金魚一匹で大喜びしてたからな」 とニヤリと笑っておっちゃんは答えた。俺は勢い込んで続けて訊く。 「その時連れてた女の子、見ませんでした?」 「女の子……?いや、兄ちゃんは一人じゃなかったかい?」 「え?」 「そうだ一人だったよ、彼女連れならまだし一人でそこまで盛り上がるのは珍しいなって思ったから。お兄ちゃん、誰探してるんだ?」 俺は茫然としておっちゃんに礼を言い、その場を去った。 リイナはどこへ行ったんだろう。本当に、消えてしまったのだろうか。 重い足取りで、俺は帰路につく。目はまだリイナを探していた。家の方向が同じだったはずだから。 気がつけば、家路を少し外れてリイナと来た神社の前に立っていた。 ひょっとしたら、巫女さんなら覚えているかもしれない。もう、心の奥底では、殆ど諦めかけていた。金魚すくいのおっちゃんの言った事は信じられなかったが、本当だった気がした。だから、足を踏み入れる事は本当に一縷の希望でしかなかった。 でも、巫女さんは、俺の肩越しにリイナを見たはずだ。だから声をかけたはずなんだ。俺は顔を上げて、再び鳥居をくぐった。 ふいに、リイナに買ったお面が目に飛び込んできて、俺は思わず駆け寄った。 お面を被っていたのは、小さな祠だった。神棚を辛うじて建物にしたような木製の箱、その屋根となる部分に、お面がかけてあった。 はっとしてお面を手に取る俺に、後ろから声が掛かった。 「何か、落し物でもなさいました?」 振り返ると、俺におみくじを渡した巫女さんがいた。狐面を携えた男などそういないし、客自身もそういない。俺の事を覚えていて、声をかけたのだろう。 「落し物と言うか、探しものと言うか……」 しどろもどろに目を泳がせて返事をする俺を、巫女さんは怪訝な顔で見た。俺は慌てて、 「あ、あの、この祠何ですか」 と尋ねる。神社の物に興味を持たれて嬉しいのか、少し微笑んだ顔で巫女さんは丁寧に説明してくれた。 「この祠ですか?これは、結構昔に衣砂川で溺れ死んだ子がいまして、可哀想なその子の魂を鎮める為に作られたものです」 「溺れ死んだ……女の子?」 「あら、何で女の子だって分かったんです?嫌だ、本当は聞く前に知ってたんですか?」 口元に袖を当てる巫女さんに、「いや、そんな気がしただけです」と弁解した。 「あらそう?そういえば先程はすみませんでした、疑ったりなんかして。たまにいるんですよ、二枚買って良かった方を取る人。お連れの姪さんの姿が、見えなかったものですから」 ああ、やっぱりそうか。 恐らく俺以外には、リイナの姿は見えなかったのだろう。それで、俺に全部買いに行かせたという事か。道理で保護者もなく一人で来ていた訳だ。 「ありがとうございます。探し物、見つかりました」 「そうですか?良かったですね。また宜しければ、衣砂稲荷にお出で下さい」 「え?『いずないなり』?」 「あ、ご存知ありませんでした?鳥居には書いてあるのですが……ここ、衣砂稲荷って言うんですよ」 なるほど。だから、リイナ――か。 一礼して、巫女さんは社務所へ戻った。社務所の明かりは消えている。もう巫女さんも帰るのだろう。 それを見送るため顔を向けると、おみくじを結ぶ縄に、リイナのつけていた鹿の子のリボンが結ばれているのが目に入った。 歩み寄ると、リボンは一枚のおみくじを巻き込んで結ばれていた。丁度リイナが結んでいたのも大体この位置のはずだ。 俺は巫女さんが戻って来ないか注意しつつ、そのリボンを縄から外した。一緒に紙も外れたが、その紙には妙な違和感があった。 その違和感の正体はすぐに分かった。薄い紙だから透けて見えるはずの印刷が、まるっきり見えなかったのだ。 こっそり俺は紙を開いた。そこには、 『ありがとう』 と一言、真ん中に拙い文字で書いてあった。 そのそっけなさがいかにもリイナらしくて、俺は吹き出して笑った。 俺は踵を返して祠の前に戻り、そこに向き直った。 手を合わせ、目を閉じる。 俺の方こそ、ありがとう。一人で回るより、ずっと楽しかった。色々、面白かった。また来年、よかったら一緒に回ろうな。まぁ、俺に彼女が出来てなかったら。その時はまた、目印をつけていくよ。この、狐のお面をさ。 境内の池で、金魚が小さく跳ねた。 前へ 2011杏夏部誌に戻る q
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Character Card 極星帝国 ウォリアー♂/トライ♂ 2/2/2 ▼/キャパシティ-2/チャージ2 No.EX0178 Rarity C Illustrator [[]] Expansion エキストラエクスパンション BLAZBLUE(ブレイブルー) カード考察
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こるとのロリぶる発言。ロリぶるのこと。
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今日、ギルド『打ち上げ団』に入れてもらいました死神貴族ですー。 宜しくお願い致しますm(_ _)m 自分の趣味は・・・んー、ネタ機を作ったり スキンやペイント、顔文字が趣味ですw 同じ趣味の人がいたら、今度一緒に雑談でもしましょうw では・・・ ☆。. * ・ ゜ヽ( ´ー`)ノ まったね~♪♪ 書き忘れ追加(汗 【ログインする曜日】 ほぼ毎日ですw 【ログインする時間帯】 月~金は3~4時ですー 土日は朝からやってますー 【ゲームで好きな場所】 ディメンション1のポルドシティのNW方向にある温泉(? 【よく使う機体】 ロボ名:パンダマン 別名:ごりら(殴 パンダに似てるスキンをしてますー 【呼ばれたいニックネーム】 貴族。 たまに遺族って呼ばれますが貴族ですッw 【紹介文】これからもこのギルドの皆さんとご一緒させてもらうのでよろしくお願いします。。 コメ欄追加しますた。(。・ω・)ノ" -- 死神貴族 (2008-09-07 13 30 14) ログとか増えすぎても困るのでコメントの形式を変更させていただきました。 以上、広報部でしたw -- 司馬くん (2008-09-07 13 30 56) どもですーw つか文字サイズ変えられるのかな・・・? やってみよーっとw -- 死神貴族 (2008-09-07 14 26 50) これからもよろしく~ -- 健T先輩ですぅ~ (2008-09-13 06 41 36) よろ -- yuusu (2008-10-08 19 00 58) 名前 コメント
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みくぶる【登録タグ VOCALOID み 初音ミク 曲 林檎 殿堂入り】 作詞:林檎 作曲:林檎 唄:初音ミク 曲紹介 林檎氏のデビュー作。後に「1」より更に落ち着いたアレンジのロングバージョンである「2」を林檎氏がニコニコ動画に投稿した。 歌詞(みくぶる) 歌うためならちょっと 我慢するよ いやらしいあんな言葉も ああなんかでも嫌だ 恥ずかしいな 他にもっとなんかあるだろう 歌じゃない それは歌じゃない なんかもう疲れちゃったな わたしは VOCALOID そろそろ2人目が出るよ 私やっぱり削除かな ああもっと歌いたい お願いです 2人目まではがんばるよ あぁお酒があれば 全部忘れられるな 歌詞(みくぶる2) 歌うためならちょっと 我慢するよ いやらしいあんな言葉も ああなんかでも嫌だ 恥ずかしいな 他にもっとなんかあるだろう 歌じゃない それは歌じゃない なんかもう疲れちゃったな ああ飲み足りないな お代わりです 他にもっといいのあるだろう まわらない それじゃまわらない よっしゃもう一軒付き合えよ ちょっと聴いてあんたあんた そこのあんた わたしVOCALOIDなんだよ ああでも近頃は 卑猥なこです でも私のせいじゃない なんだそれは それは歌じゃない 作者が病気なせいだよ そろそろリンが生まれりゃ 私やっぱり削除かな ああもっと歌いたい お願いです リンが出ても私がんばるよ でも自身がないにゃ~ おまえもっと頑張れにゃ~ 私もっとうたえるにゃ~ なんか小腹がへるにゃ~ そこを曲がった角にぃ~ んまいラーメン屋があるにゃ~ コメント これは地味に好きだな -- 名無しさん (2010-02-07 23 50 43) このブルースは、初音ミクの本当の気持ちを歌っているなと思う。 -- 僕の大事なミクをいじめるなにゃ~ (2014-11-29 23 02 31) 名前 コメント
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autolinkTOP>【し】>死神博士 死神博士 (しにがみはかせ) 分類4【人称】 ジャンル2【仮面ライダー関連】 ショッカー・スイス支部から首領の招きを受けて日本に着任した大幹部。 科学者と錬金術師の要素を併せ持った自信家さん。 白のスーツに赤い裏地の黒マントを羽織った初老で、怪しさ抜群。 改造人間の製造や薬品の調合が得意で、瞬間移動も使う。 催眠術から、古代占星術まで、扱うものはその風貌同様に異様だ。 最後はイカデビルとなって1号ライダーとの戦いに敗れ死んだ。 しかし、昨年の映画、仮面ライダーTHE FIRSTで映像復活。 これぞ悪の大幹部といった風貌を再認識させられた。 登録日 2006/01/04 【し】一覧 CSS CGI G3 G3-X G3-MILD G4 Gメン75 JFK ジェット風船 ジェフ・ウィリアムス 事件記者チャボ! 次元大介 地獄大使 しこしこ 仕事 地震・雷・火事・オヤジ 実況パワフルプロ野球 69 失敗 ジップアップウエア 死神博士 死のロード 柴田恭兵 シミュレーションゲーム シムシティ 下柳剛 下柳の五島うどんちゃんぽん風 ジャッカー電撃隊 ジャッジメント・タイム シャドーチェイサー じゃりん子チエ 柔よく剛を制す 14番目の標的 16人の容疑者!? 純情 城茂 上新電機 丈夫 ジョージ・アリアス 徐行 ショッカーライダー ジョディ・サンテミリオン 白鳥警部 素人 ジン【じん】 神敬介 伸縮自在サスペンダー 新庄剛志 新必殺からくり人 新必殺仕置人 新必殺仕事人 ■ トップページへ移動 ▲ このページ上段に移動