約 40,492 件
https://w.atwiki.jp/shinsen/pages/10347.html
柳生屋敷 柳生里の若者 レベル 33-36:4-5 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 柳生里の若者 侍(刀剣) 30 一喝、金縛りの計、看破、連撃、三連撃、四連撃 柳生の無頼漢 鍛(棍棒) 29 仁王立ち、連撃、三連撃 柳生の監視人 忍(刀剣) 29 ▲ 三連撃、霞斬り・参 裏街道の薬師 薬(懐剣) 29 ▲ 呪い・弐、蘇生・壱、治療・弐、全体治療・弐、意気消沈・参、攻撃防御付与/呪詛 ドロップアイテム 柳生の服 その他情報 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/otassya2/pages/10053.html
柳生屋敷 柳生里の若者 レベル 33-36:4-5 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 柳生里の若者 侍(刀剣) 30 一喝、金縛りの計、看破、連撃、三連撃、四連撃 柳生の無頼漢 鍛(棍棒) 29 仁王立ち、連撃、三連撃 柳生の監視人 忍(刀剣) 29 ▲ 三連撃、霞斬り・参 裏街道の薬師 薬(懐剣) 29 ▲ 呪い・弐、蘇生・壱、治療・弐、全体治療・弐、意気消沈・参、攻撃防御付与/呪詛 ドロップアイテム 柳生の服 その他情報 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hsrwiki/pages/308.html
防衛軍の衛生兵 クラス 種族 レアリティ マナ 初期LV 初期HP 初期ATK 最大LV 最大HP 最大ATK 固有スキル 昇格 プリースト 人 1 3 1 4 2 15 無し 無し 昇格素材 入手方法 ドロップリスト(暫定版) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hondadream04/pages/388.html
兵庫 日本ハム→日、西武→西、ソフトバンク→ソ、ロッテ→ロ、オリックス→オ、楽天→楽 中日→中、阪神→神、ヤクルト→ヤ、読売→巨、広島→広、横浜→横 野手 投手 先発 中継ぎ セットアッパー 抑え 野手 球団 守 名前 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 打順適正 巧打 長打 走力 バント 守備 精神 守備適正 捕 一 ニ 三 遊 外 日 遊 尾崎 匡哉 右/右 23 B 兵庫 2 BCA型 50 52 61 55 51 47 - E E E E - 西 三 黒田 哲史 右/右 32 O 兵庫 2 CBA型 48 50 56 55 70 57 - E D C C - 西 遊 中島 裕之 右/右 25 A 兵庫 8 77 75 70 50 66 77 - - - - C - 西 外 栗山 巧 右/左 24 O 兵庫 5 CAB型 62 61 64 50 49 70 - - - - - E ソ 捕 山崎 勝己 右/右 25 O 兵庫 4 CBA型 53 46 53 78 68 69 C - - - - - ソ 外 大村 直之 左/左 31 O 兵庫 8 ACB型 80 59 75 64 77 81 - - - - - A ロ 外 南 竜介 右/右 26 A 兵庫 2 CBA型 49 50 55 46 61 48 - - - - - D オ 捕 的山 哲也 右/右 37 A 兵庫 4 CBA型 54 50 44 72 75 53 C - - - - - オ 一 北川 博敏 右/右 35 A 兵庫 6 CAB型 74 70 46 44 50 83 - E - - - - オ 二 森山 周 右/右 26 A 兵庫 4 ACB型 65 44 79 52 61 50 - - - C D - オ 外 大西 宏明 右/右 27 O 兵庫 6 ACB型 63 65 66 52 68 66 - E - - - C オ 外 下山 真二 右/右 32 A 兵庫 4 BCA型 66 60 57 47 48 56 - - - - - E オ 外 坂口 智隆 右/左 23 O 兵庫 3 ACB型 49 49 73 58 57 54 - - - - - D 楽 遊 塩川 達也 右/両 24 O 兵庫 3 BCA型 51 47 65 49 59 49 - - D D C E 中 捕 小田 幸平 右/右 30 A 兵庫 4 CBA型 52 47 42 70 72 57 B - - - - - 中 外 中村 公治 右/右 26 AB 兵庫 2 CBA型 52 49 55 51 56 59 - - - - - D 神 二 藤本 敦士 右/左 30 O 兵庫 5 BCA型 59 55 71 72 71 57 - - B E B - 神 三 今岡 誠 右/右 33 A 兵庫 6 CAB型 64 71 44 50 60 68 - - C C - - ヤ 捕 古田 敦也 右/右 42 B 兵庫 5 65 51 42 59 71 73 C - - - - - ヤ 外 武内 晋一 左/左 24 O 兵庫 2 CBA型 47 60 58 50 52 52 - D - - - E 横 捕 鶴岡 一成 右/右 30 A 兵庫 5 CBA型 62 56 52 63 65 57 C - - - - - 打順適正 例)ABC型 → 1~2番◎、3~5番○、6~9番× (リードオフマン型) 例)CAB型 → 1~2番×、3~5番◎、6~9番○ (クリーンナップ型) 例)BCA型 → 1~2番○、3~5番×、6~9番◎ (下位打線型) 例)BBB型 → 1~2番○、3~5番○、6~9番○ (バランス型) 投手 先発 球団 名 前 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 体力 球速 球威 変化 制球 精神 変化球 速度 シュ Hシュ カー フォ スラ Hスラ シン Sカー カット チェ スク サー ツー パー ナッ Vスラ SFF オ 光原 逸裕 右/右 27 O 兵庫 3 66 68 58 56 62 55 - - E E D E - - - - - - - - - - - 149 楽 田中 将大 右/右 19 A 兵庫 5 78 74 70 70 59 62 - - E D B - - - - - - - - - - C - 152 神 能見 篤史 左/左 28 AB 兵庫 5 65 62 63 67 66 63 - - - C C - - D - C - - - - - - - 146 巨 金刃 憲人 左/左 23 B 兵庫 5 66 64 68 70 69 67 C - - C B - - - - D - - - - - - - 147 中継ぎ 球団 名 前 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 体力 球速 球威 変化 制球 精神 変化球 速度 シュ Hシュ カー フォ スラ Hスラ シン Sカー カット チェ スク サー ツー パー ナッ Vスラ SFF 西 山本 歩 右/右 24 O 兵庫 1 47 58 45 44 47 46 F - - - E - - - E - - - - - - - - 144 ロ 木興 拓哉 左/両 21 AB 兵庫 1 55 54 53 43 46 46 - - F - E - - - - - E - - - - - - 142 神 辻本 賢人 右/右 18 - 兵庫 1 51 54 51 50 47 50 E - D - - - - - - - - - - - - - - 142 巨 野間口 貴彦 右/右 24 A 兵庫 4 63 72 63 63 63 65 - - D C C - - - D E - - - - - - - 151 セットアッパー 球団 名 前 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 体力 球速 球威 変化 制球 精神 変化球 速度 シュ Hシュ カー フォ スラ Hスラ シン Sカー カット チェ スク サー ツー パー ナッ Vスラ SFF 抑え 球団 名 前 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 体力 球速 球威 変化 制球 精神 変化球 速度 シュ Hシュ カー フォ スラ Hスラ シン Sカー カット チェ スク サー ツー パー ナッ Vスラ SFF 球種 シュート→シュ 高速シュート→Hシュ カーブ→カー スローカーブ→Sカー シンカー→シン スクリュー→スク スライダー→スラ 高速スライダー→Hスラ カットボール→カット ツーシーム→ツー フォーク→フォ チェンジアップ→チェ 縦スライダー→Vスラ サークルC→サー パーム→パ ナックル→ナッ
https://w.atwiki.jp/mitamond/pages/476.html
(1527~1606)戦国時代の土豪・剣法家。名は宗厳。柳生新陰流の祖。若年より武術を好むが、上泉伊勢守に完敗してその門下に入り、二年後には一国一人の印可を受けた。後に京で徳川家康に招かれ、宗矩と共に剣技を披露して、柳生家が将軍家指南役になるきっかけを作った。 忍者旋風 徳川家康の命令で息子と共に服部半蔵に協力して竜煙の書争奪戦に参加。後に竜煙の書を偶然手に入れるが、それが柳生一門の地位を脅かすことを恐れて秘匿。竜煙の書をかけて風魔小太郎と決闘し、秘奥「一葉浮水のかまえ」を披露するが引き分けた。 魔剣士 黒鬼反魂篇 本能寺の変を耳にして息子の又右衛門(後の柳生宗矩)を連れて京に入った際に、斎藤伝鬼房、そして奥月桔梗と遭遇。立ち合いを望むが、桔梗がこの世のものならぬ存在と見てとって断念した。
https://w.atwiki.jp/aoari/pages/814.html
柳生屋敷 柳生里の若者 レベル 33-36:4-5 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 柳生里の若者 侍(刀剣) 30 一喝、金縛りの計、看破、連撃、三連撃、四連撃 柳生の無頼漢 鍛(棍棒) 29 仁王立ち、連撃、三連撃 柳生の監視人 忍(刀剣) 29 ▲ 三連撃、霞斬り・参 裏街道の薬師 薬(懐剣) 29 ▲ 呪い・弐、蘇生・壱、治療・弐、全体治療・弐、意気消沈・参、攻撃防御付与/呪詛 ドロップアイテム 柳生の服 その他情報 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kenkaku/pages/280.html
顔合わせ ◆cNVX6DYRQU 「ん……」 休憩を終えた武田赤音は思い切り伸びをする。 辰の刻を告げる鐘が鳴ったのは少し前の事。休み始めたのは日の出をかなり過ぎてからだから、休めたのは一、二時間程か。 「そっちも終わったか」 赤音が目を向けた先に居るのは、剣聖上泉伊勢守信綱と、その同行者であった林崎甚助……正確には、甚助であった骸。 岡田以蔵を斬った後、信綱と赤音は、残して来た林崎甚助と神谷薫の元に戻ろうとしていた。 そんな時、夜明けと共に響いて来たあの声。 信綱はその声の主に心当たりがありそうな素振りを見せていたが、直後に表情を一変させる。 足を早めて戻ってみると、そこには、薫の姿は無く、あの声が告げた通り息絶えた甚助の死体が。 そこから殺害者のものと思しき血の跡を追って行くと、城下から出る橋が崩落した辺りで途切れていた。 橋の破壊と血の主に関係があるのか、その者がここから何処へ向かったのか、どちらも現時点では全く不明。 信綱は仕方なく甚助の元に戻って血に塗れた姿を整えてやり、その間、赤音は一休みしていたという訳だ。 「なら、俺は行かせてもらうぜ。あの女も、『林崎甚助』を殺る程の使い手なら、助けなんて無用だろうしな」 そう言って立ち上がる赤音。だが、信綱はその件に関して疑念を捨てきれずにいる。 「本当に、その神谷なる女人が、彼と勝負して打ち勝ったのだと思うかね?」 確かに、持っている刀を折られ、その切っ先で喉を突かれるという甚助の死因は、相手が無手であった事を強く示唆する。 いくら好戦的でも武器を持たない者がわざわざ甚助を襲うとも思えず、甚助もまた好んで素手の相手に挑むような者ではない。 ……その相手が、尊敬する上泉伊勢守に刃を向ける不届き者の仲間でさえなければ。 そういう訳で、状況証拠から見れば林崎甚助の死に神谷薫が関わっている疑いは非常に濃い。 だが、信綱には、その神谷薫に林崎甚助を討てるような力量があるとは、信じかねている。 先程、気配を感じた時に危険さを感じなかったというのは、まあ、薫が己の剣呑さを隠すのに長けていたとすれば説明は付く。 問題は、甚助の刀を折ったそのやり口。 先程から、信綱は甚助の死体と折れた剣を仔細に観察し、甚助を破った神谷薫と思われる者の技を再現しようと務めていた。 結果、甚助の剣を折った技もその使い手も、無刀取りを長らく研究して来た信綱からすれば、非常に未熟なものに思える。 この程度の腕であの卍抜けに対抗できる筈もなく、この一件には何か裏があるように思えるのだが…… 「あん?まあ、連れがあんな小娘にやられたのを認めたくないのもわかるがな」 赤音とて、あの無力そうな娘に、居合いの祖とも言われる大剣豪を討てたとは信じ難い。 だが、いくら考えても真相はわかる筈ないし、赤音としては、そんな無駄な事に時間を浪費するつもりはないのだ。 のんびりしている内に戦い甲斐のある剣士は互いに殺しあって数を減らして行っているだろうし、 主催者がああして干渉して来たという事は、誰かがそれを手掛かりに、赤音に先んじて彼等を討ってしまう恐れすらある。 薫が甚助を討ったのであれば、いずれ仕合の相手として再会できるかもしれず、そうなれば甚助を討てた真相も判明しよう。 という訳で、赤音は信綱を渋々でも納得させ、さっさと別れる方向に話を持って行こうとしていた。 「相手が武器も持ってない女だから油断したんだろう。まあ……」 「ならば、その者は所詮、剣の道を歩むには相応しくなかったという事だな」 いきなり、信綱でも赤音でもない者の声が、赤音の言葉に応じる。 だが、信綱も赤音もその声が語る言葉をまともに聞いていない。 「な」の音が響いた瞬間、二人は全力で跳躍し、その場を離れたからだ。 もっとも、彼等が即座に動かなければ、言葉と同時に放たれた剣によって両断され物聞けぬ骸になっていたのだから、 この言葉は所詮、はじめから誰にも聞かれず空しく響く運命だったとも言えるのだが。 何時の間にか忍び寄っていた男の言葉に囚われず奇襲をかわした二人は、その不動明王に似た男に相対した。 「随分と気の利いた挨拶じゃねえか」 気配を消して近距離まで近付いた技量、剣の一撃の凄まじさ、そして、まず声を掛ける事で殺気から気を逸らす遣り口。 面白い勝負ができそうな相手の登場に笑う武田赤音。 「貴殿は?」 上泉信綱も、相手が只者でない事を悟ったのか、心持ち丁寧な口調で問い掛ける。 「宮本武蔵玄信と申す」 いきなり発せられた大剣豪の名に、赤音は驚愕に目を瞠り、続いてにやりと笑った。 確かに、林崎甚助や 師岡一羽・斎藤伝鬼坊がいるのなら、宮本武蔵が参加していても何の不思議も無い。 この分だと、雲燿の剣を見せてくれたあの老人はやはり東郷重位だったのだろう。 戦意を燃やし始めた赤音を制して、信綱も自己紹介を返す。 「私は、上泉信綱と申す者……」 言った途端、武蔵の強烈な殺気が叩き付けられ、信綱は穏便にこの場を収めるのが困難だと悟る。 赤音としても、目の前の老人があの剣聖伊勢守だった事に何も感じない訳ではないが、今は宮本武蔵の方が重要だ。 史上最強とすら言われる達人であり、現在まで残る精緻な兵法理論を創出した大剣客。 加えて、多くの対戦相手を打ち殺し、子供や素人にすら容赦しなかったという武蔵なら、赤音にも手加減などするまい。 武蔵本人は赤音よりも信綱の方に興味がありそうだが、こんな極上の獲物を誰が譲ってなどやるものか。 素早く信綱の前に出ると、いきなり飢虎を繰り出して先制攻撃を仕掛ける。 「!?」 あっさりと攻撃を弾かれ、驚愕が赤音を襲う。 無論、宮本武蔵に奇襲が簡単に通じるとは、赤音もはじめから思っていない。 しかし、今の武蔵の動きは明らかに反応が早過ぎる。まるで、赤音が動き始めた瞬間に飢虎を読んだかのように。 (こいつ、まさか刈流を……) 「ほう。お前はあの男の同門か」 武蔵が、赤音の疑念を裏付ける一言を放った。 「あの男?」 「この島には、お主と同じ剣を使う男が参加しておろう。濃紺の着流しの男だ」 (伊烏!) 死者を含めれば刈流を修めた剣士は相当の数になるだろうし、服などはいくらでも着替えられる。 だから、赤音と同じ流派、濃紺の着流しというだけでは、武蔵が言う剣士が伊烏義阿とは限らない。 それでも、もしも伊烏がこの島に来ているとすれば…… 「あいつに、会ったのか……?」 「会いたいならば、ここから半里、北東に向かうが良い。今ならまだそこに居よう」 半里……そんな近くに伊烏が居るというのか。伊烏は、死した後でも変わらず自分を追い求めてくれているのだろうか…… チン! 鍔鳴りの音で赤音が我に帰ると、上泉は剣に手を掛けて武蔵と相対し、武蔵の方も既に刀を抜き、上段に構えていた 「行かれよ。但し、短慮は控えるが良かろう」 (二人して俺を体よく追い払おうとしてやがるな) 赤音は心中で毒づくが、まあ、彼等の立場からしたらそれも無理ないかもしれない。 武蔵が求めるのは己の剣の進歩と勝利。ならば、大事なのは対手の腕前と剣者としての器量のみ。 無論、赤音とて相当の達人であろうとわかってはいるが、剣術界における上泉伊勢守の名はあまりに巨き過ぎる。 一方の信綱からしても、放置した場合の危険は武蔵の方がより大きいと判定したのは妥当なところだろう。 伊烏が求めるのは強者との仕合だが、武蔵は勝利の為なら強者も弱者もかまわず殺そうとするであろうから。 それに、赤音にとっても、伊烏に会えるなら、武蔵や信綱などはっきり言ってどうでも良い存在でしかないのだ。 赤音は、見る人によっては「頂上決戦」と称されてもおかしくない世紀の対決に背を向けると、北東を指して走り出した。 【へノ肆 城下町/一日目/午前】 【武田赤音@刃鳴散らす】 【状態】:健康 【装備】:逆刃刀・真打@るろうに剣心、野太刀、殺戮幼稚園@刃鳴散らす 【所持品】:支給品一式 【思考】基本:伊烏を探す。 一:北東に向かい、伊烏を探す。 二:強そうな剣者がいれば仕合ってみたい。とりあえずは老人(東郷重位)の打倒が目標。 三:女が相手なら戦って勝利すれば、“戦場での戦利品”として扱う。 四:この“御前試合”の主催者と観客達は皆殺しにする。 五:己に見合った剣(できれば「かぜ」)が欲しい。 六:一輪のこれ(殺戮幼稚園)、どうすっかな? 【備考】※人別帖をまだ読んでません。神谷薫、上泉信綱、宮本武蔵の顔と名前は把握。 「一の太刀を使われるか」 さすがに、信綱は瞬時に見抜いていた。 武蔵の構えは、最強を謳われ、信綱にとっても最も尊敬する先達である、塚原卜伝の奥義のそれであると。 「そうか。やはり、これが一の太刀なのは間違いないか」 既に足利義輝に確認していた事だが、あれが詐術であった可能性もこれで消えたと、ほぼ確信して頷く武蔵。 その武蔵の反応も、信綱には予測の内。彼の一の太刀の構えを見れば、それが正式に伝授されたのでない事は歴然としている。 信綱の見るところ、武蔵の一の太刀は卜伝のそれに比べて不完全だ。 もっとも、一の太刀を完全な物として修得している者は卜伝の弟子の中にもいないだろうが、問題は不完全さの方向性。 武蔵は、一の太刀の深奥の部分に関しては、信綱が驚く程に良く会得しており、欠けているのは基礎の方。 卜伝が新当流を基礎から修めていない者に一の太刀の伝授を許す筈がなく、武蔵は卜伝の弟子では有り得なかった。 だが、それにしても…… 「実にお見事」 信綱は素直に感嘆する。 元々新当流の剣士でない為に武蔵の一の太刀は基礎が不完全だが、奥義の核心と言える部分は、信綱の見る限り完璧だ。 一の太刀をここまで盗み取ったのも大したものだが、より感嘆に値するのは、盗んだ相手が塚原卜伝当人であろう事。 上で述べたように、卜伝の弟子には一の太刀を伝授された者が幾人か居るが、誰も奥義を完全に物にしたとは言えない。 もっとも、一の太刀は卜伝が己の全てを掛けて編み出した秘技なのだから、卜伝ならざる剣士が完全に会得できないのは当然。 例えば、信綱の弟子でもある足利義輝は、一の太刀の威力では卜伝に及ばない代わりに、その剣には卜伝に無い高貴さがある。 だから、弟子達の一の太刀が不完全であるからと言って、それは彼等が剣客として師に及ばない事を意味する訳ではないが、 とにかく、卜伝以外の者は完全な一の太刀を使えないのだから、武蔵がこういう形で一の太刀を盗める相手は卜伝のみ。 つまり、武蔵は卜伝の一の太刀を見、その核心を盗める程に卜伝の剣を理解しながら、同じ道を進もうとしている。 誰にでも出来る事ではない……少なくとも、信綱には出来なかった。 塚原卜伝は、信綱の見る所、非の打ち所のない完全な剣士だ。 仮に、信綱が卜伝と同じ道を進んだとして、望み得る最高の場合でも、卜伝に並ぶのが精一杯だっただろう。 その場合、この世に塚原卜伝が二人居たとしても意味はなく、信綱は剣術の発展の為に如何なる寄与も出来ない。 だから、信綱は、生涯に何百人を殺したと誇らしげに語る卜伝とは逆に、活人の先にある剣を目指した。 奥義として選んだのも、転・無刀取りなど、一の太刀とは対照的に、相手を先に動かし、その力を逆用して制する技。 見方によっては、塚原卜伝との真っ向勝負を避けて別の道に逃げたとも言えるし、 卜伝なら己が進む道にある剣理は全て探し尽すだろうから、自身は他の道を探せば良いという、信頼の表れとも言える。 しかし、この男は……一の太刀をここまで修得できている事から考えて、元々卜伝とごく近い道を歩んで来たのだろう。 そして、卜伝のあの一の太刀を目の当たりにしながら、自分も同じ技を身に付け、卜伝を含む全参加者に勝つつもりのようだ。 塚原卜伝と同じ道を進んでいても、己ならば追い越せるという強い自負。 これ程の相手の威を、果たして自分に受け止め切れるか…… 信綱は、意識せず、剣から手を放していた。 武蔵は、信綱が剣から手を放し、無手で構えたのを見て歯噛みする。 元々、一の太刀は剣で剣に対する際の技であり、剣を持たない相手を斬るにはあまり向かない。 卜伝が剣神天真正と立ち合い見出した故か、剣神を祀る神官家の者として剣の他の「外の物」相手に奥義など不要との自負か。 どちらにせよ、素手の相手にわざわざ一の太刀を使う事は基本的に想定していないのだ。 特に、信綱が狙っているであろう無刀取りにとっては、上段からの振り下ろしは基本の型の中で最も取り易い形。 出来れば正眼に構え直したいところだが、上段に構えた剣をそのまま下ろせば、一瞬、自分の腕で己の視界を遮ってしまう。 片手を放してから構え直せば視界は確保できるが、片手を遊ばせる隙が出来る事には違いがない。 もちろん、冷静に考えればそれでも、剣を構えた武蔵が素手の信綱よりは幾らか有利の筈。 しかし、一の太刀の利点を潰される恰好になった事と、新陰流開祖の名声が武蔵の心に焦りを生む。 一流の剣客同士の勝負では、僅かな心の隙が武器の有無以上に大きく勝敗を分ける事がある。 こうなれば手は一つ……武蔵は意を決すると、剣を上段から振り下ろした。 武蔵は間合いの外で剣を振り下ろすと同時に手を放し、信綱に飛ばす。 信綱は素早く手で刀身の平を打って叩き落すが、そのすぐ後から突っ込んできた武蔵の拳をかわし切れず、一撃を受ける。 咄嗟に武蔵の腕を掴んで固めようとするが、武蔵は腕を強く捻って振りほどく。 続いて武蔵は蹴りつけようとするが、信綱に軸足を払われてたたらを踏む。 術技の限りを尽して殴り合い、蹴り合う二人の大剣豪。 無論、剣客……とくに戦国の世に生きる剣士は、剣のみならず無手を含む多数の武術を併修するもの。 新陰流や二天一流もその例外ではなく、柔術の技法をも豊富に含んでいる。 新陰流の無刀取りは柔術に通じる技だし、気楽流なる柔術流派は新陰流の技を取り込み信綱を開祖と称したという。 また、武蔵も格闘術に長け、天下一を称する新当流の有馬喜兵衛を、組み打ちに持ち込むことで倒したのは有名な話だ。 だから、二人の無手の技が劣っているという事は決してないのだが、それでも、剣術こそが彼等の表芸なのは間違いない。 無論、二人の達人が相手の技を深く読み合い、互いの無手の敵への対処に瑕疵を見つけたが故の格闘戦ではあるのだが、 超一級の剣客二人が素手で撲り合うさまは、滑稽と言って良いだろう。 命懸けでありながら滑稽な争いを続ける二人……その不毛な争いを止める男は、既に間近に迫っていた。 (老人の方は、新陰流だな) 争う二人に忍び寄る柳生厳包は、信綱の動きからそれを悟る。但し、厳包と同じ尾張柳生ではあるまい。 尾張にあれ程の達人が居れば厳包の耳に入らない筈がないというのもあるが、老人の技法そのものが尾張柳生とは少し違う。 老人の構えは腰を落とした介者剣法の型であり、尾張柳生では初代利厳が素肌剣法に適応した直立の構えを採用している。 もっとも、必ずしも足元が整備されていない野試合では、安定を重視する介者剣法が直立の構えに劣るとは限らないが。 だが、直立の構えは、急激に変化する世に生きた柳生利厳の大きな成果であり、尾張柳生の誇るべき構えだ。 よって、あの老人は利厳の技を継ぐ尾張柳生の剣士では有り得ない。 また、聞く所によれば、江戸柳生も宗矩の指導の下で素肌剣法への適応を進めたとか。 それが本当だとすれば、あの老人は、柳生以外にも無数に存在する新陰流の一派の遣い手という事になる。 厳包にとっては、新陰流正統を争う敵手とも考えられるが、彼はそんな卑小な理由で二人を襲おうとしているのではない。 そもそも、彼には白井亨を見つけ出すという急務がある訳で、単に新陰流の剣士を見付けただけなら寄り道などしなかった。 先を急ぐ厳包の足を止め、針路を変えさせたのは、この二人の剣客の信じ難い程の腕前。 剣を使っていなくても、動きを見れば、老人も、その相手も、己に劣らぬ一流の剣士である事は一目瞭然。 一方で、刀や木刀を腰に差したまま素手で戦う二人の有り様は、厳包から見れば明らかな隙。 隙を見出したならば、そこを衝き、指摘してやるのが剣客同士の礼儀というもの。 それでどちらかが死亡したとしても、生き残った方が闘いから何かを得られれば、結果的には剣術の発展に繋がる。 剣の為という、満天下を覆い過去未来を貫く、剣士にとって絶対の大義が、主の為という、己一個の義を圧倒したのだ。 使命感に身を任せ、厳包は二人へ近付いて行った。 厳包はぐんぐんと二人に近付いて行くが、一向に気付かれる様子は無い。 信綱と武蔵が目の前の相手との戦いに気を取られているせいもあるが、最大の秘密は厳包の歩法。 それは柳生新陰流秘奥の術。 新陰流の奥義と言っても信綱が創出したものではなく、厳包の曽祖父である石舟斎が考案した……いや、改良したもの。 石舟斎晩年の愛弟子に、金春七郎なる猿楽師が居た。 七郎は石舟斎から幾度も極意を伝授されているが、それは単に彼の剣士としての才が優れていたからというだけではない。 石舟斎は七郎に新陰流の奥義を伝える代わりに、七郎から猿楽金春流の秘伝を習ったという。 柳生の血には猿楽狂いの性が秘められてはいるが、この場合、石舟斎の目当ては猿楽の技を剣術に活かす事。 古書に曰く、芸の至上は、人の意識の外にありながら、人の心に和を作り出す事なりと。 派手な芸で見る人を驚かすのも一つの道だろうが、存在を意識させず、無意識に働きかけて人の心を和ませるという道もある。 今回、厳包がやっているのも同様で、気配を消すのではなく、相手の心と調和させる事で、意識に上るのを防いでいるのだ。 そのまま、相手に刀を抜く暇を与えない為に超接近戦を続ける二人に近付くと、一気に薙ぎ払った。 厳包の一撃を受けて転がる信綱と武蔵。但し、直前に殺気を感じ取って刃筋をずらした為、共に斬られては居ない。 無論、鉄の塊で打たれて痛くない筈はないが、戦闘力が大きく減る程の痛手ではなく、素早く立ち上がって得物を抜く。 もしも、二人を一度に薙ぎ払うという無茶をしていなければ、彼等の片方は負傷させられていたかもしれない。 だが、厳包の思惑としてはそれで良いのだ。 負傷させずとも、二人は今までの戦いでそれなりに体力と気力を消耗している筈。加えて、地の利。 信綱と武蔵が、相手に地の利を与えない為に牽制し合っていた為、空いていた絶好の位置。 そこを漁夫の利を得る形で厳包が占め、今の一撃で二人を追い払ってこの位置を確保した。 この二つの優位さえあれば、どんな達人が相手でも必ず勝てるという自信を、厳包は持っている。 「柳生殿!?」「柳生兵庫助!」 どうやらこの二人は共に柳生に縁を持つようだが、今まで戦っていた手前、結束して厳包と戦う訳にもいくまい。 先程の一撃で平等に両者を攻撃し、彼等の間の均衡を崩さなかったのは、そういう狙いもあったのだ。 十分な勝算を持って、厳包は偉大なる大先達二人に刃を向けた。 鼎立の状態で睨み合う三人の剣豪。 暫く、隙を突かれるのを恐れて誰も動けない状況が続くが、やがて吹いて来た突風が均衡を破る。 風下に立ち不利な状況に追いやられた武蔵は、隙を伺う構えから防御重視に構え直した。 その瞬間を逃さず、信綱は厳包との間合いを詰めて行く。 武蔵の横槍を心配しなくてせずに済む内に、厳包の剣を確かめておこうという肝か。 厳包としてもそれは望む所。 信綱か突いて来た剣を叩き落すと、剣を回して斬り付ける厳包。 回避し身を一転させての打ち込みを、厳包は手を峰に添えて受け、そのまま剣を滑らせての一撃を信綱が身を沈めて避ける。 数回の応酬の後、風がやむ直前に、厳包の追撃を紙一重でやり過ごして身を引く信綱。 信綱の着物が裂けているところを見ると、現段階ではやはり、疲れと地形が厳包を優位に立たせているらしい。 しかし、実際に戦ってみて信綱の真価を実感した厳包の心には、焦りが生まれていた。 最初に感じた通り、信綱の新陰流は厳包のものより古く、その点では厳包に約八十年の利がある。 無論、技が新しければそれだけで勝てるというものでもないが、問題はその技の有利も信綱相手には風前の灯だという事。 今の数合の前の段階で二人の技の時代差が八十年だったとすれば、今は七十九年程になっているだろう。 このごく短い闘いの間に、信綱は凄まじい勢いで、厳包から技法を学び取っているのだ。 この調子で一刻も戦い続ければ、石舟斎と利厳が心血を注いで新陰流に加えた新技を、残らず盗まれてしまうかもしれない。 そうして利点を一つ失った時、厳包は果たして、老年に似合わぬ天稟と、歳以上の老練さを持つ信綱に対抗できるのか…… 信綱に強い脅威を感じ、密かに短期決戦を目論む厳包。 しかし、今、厳包が対峙している相手は、信綱一人ではない。 そしてもう一人の相手、宮本武蔵は、厳包の心に生じた微かな弱気と、己から注意が逸れた事を見逃す甘い剣客ではなかった。 信綱が退いて出来た隙間を埋めるように前へ出ると、畳み掛けるように攻めて行く。 変幻自在の木刀の攻めに一歩引くかに見えた厳包だが、思い直して前に出る。 木刀は遠間での防衛を苦手とする武器であり、間合いを保ちつつ武蔵の攻めが切れるのを待てば、厳包は優位に立てるだろう。 だが、それをやれば結局の所、戦いの流れが緩やかなものとなり、長期戦となる可能性が高い。 闘いが長引けばそれだけ多くの技を信綱に奪われる訳で、それが厳包には我慢できなかった。 木刀の突きをいなした厳包のの大上段からの切り下ろしを、見切って間合いを外したかに見えた武蔵が、いきなりのけぞる。 厳包が切り下ろしの最中に手の中で剣を滑らせ、間合いを見かけよりも伸ばしたのに直前で気付いたのだ。 岩本虎眼が先の戦いで使って見せ、厳包を殺しかけた技。厳包はこの場面で、敢えて他流の技を使う事を選択した。 信綱に新陰流の手を見せてそれを盗まれるのを恐れた、という一面ももちろんある。 だが、それ以上に、これは厳包が上泉伊勢守という巨大な存在に刺激され、更なる進歩を求め始めた証左。 信綱のようにこちらの技法を瞬間で学び取る剣士に対抗する為には、ただ新陰流正統の技を墨守するのみでは不足、 この島で出会った剣士達の技をも取り込んで、己の新陰流を更に進化させ続ける事で、信綱に対しようとしているのだ。 見切りに優れた武蔵は、予測より早く身をかわすが、厳包はぎりぎりまで刀を滑らせ、遂にその刃先は武蔵の額に届く。 無論、両手どころか、片手の指二本で支える所まで滑らせた剣では、武蔵の頭蓋骨を割る程の威力は発揮し得ない。 そして次の瞬間、武蔵の刀の鞘による抜き打ちが己に斬り付けた刀を強く叩き、厳包の手から弾き飛ばす。 だが、それも全て厳包の計算の内。二人がそのまま馳せ違った瞬間、厳包の手には既に別の刀が握られている。 それは、最初に武蔵が信綱に投げ付け、叩き落された刀。 その存在が頭にあり、間合いを伸ばし過ぎて剣を落としたとしても、すぐ補充できる見込みがあってのあの行動だったのだ。 対して、振り向いた武蔵の顔……目の上には厳包の剣による傷。 ごく浅い傷ではあるが、このまま止血せずに戦い続ければ、流血によって視界を塞がれ、戦闘能力を大きく減らす事になる筈。 飛び違って位置を変えた事で、武蔵に対する地の利は失ったが、相手の視界を塞ぐ事による利はそれに勝るだろう。 総合すると厳包に得な一閃だった。この時点では、厳包にはそう思えたのだが…… 傷を受けた武蔵は、すぐさま鞘を投げ付けて信綱を牽制すると、再び厳包に襲い掛かる。 だが、その動きもまた、厳包の予想を外れるものではない。 そもそも、この闘いを短期決戦に持ち込むのは厳包の狙いだった。 とはいえ、膠着し易い三つ巴の戦いで流れをそちらに持って行くには、三人の内、少なくとも二人がそれを望む事が必要。 そこで、目の上の掠り傷という、時間を置く事で不利になる傷を狙ったのだ。 望み通り、武蔵は短期決戦を挑んで来てくれ、厳包は十分な自身を持ってそれを迎え撃つ。 無論、武蔵とて信綱に劣らぬ凄まじい達人である事に、厳包も気付いていない訳ではない。 五分の条件なら勝負がどう転ぶかは不明だし、流血が未だ武蔵の視界を遮らない内の決戦なら、多くの面で条件はほぼ五分。 しかしただ一点、厳包が真剣を持っているのに対して武蔵の得物は木刀。ただでさえ、木刀は威力という点では真剣劣る武器。 まして、厳包は剣の鋭さに関しては絶対の自信を持っている。 前述したように、尾張柳生の技法は、厳包の父利厳の代に介者剣法から素肌剣法に移行した。 利厳自身は加藤清正に従って功を建てた事などからわかるように、介者剣法をも極めていたが、子に教えたのは素肌剣法のみ。 だが、それは決して、新陰流正統として合戦での働きや鎧武者との勝負を捨てたという事を意味しない。 現に、厳包の兄である清厳は、病身でありながら天草の乱に参戦し、数限りない敵を討ち取ったという。 狙い所からして介者剣法とは異なる素肌剣法の技で、甲冑で固めた敵と戦える秘密……それこそが、剣の鋭さだ。 鎧を容易く切り裂ける鋭ささえあれば、鎧武者も素肌の武士より動きが重いだけの敵でしかない。 もちろん、武蔵ほどの達人が持つ木刀を切断するのは、凡庸な武者の兜を両断するより遥かに困難だろう。 それでも自分の渾身の一撃なら必ず行けるとの確信を持って、厳包は武蔵を迎撃する。 ぶつかり合う厳包の刀と武蔵の木刀。 「!?」 厳包の剣は木刀に切り込むが、両断するには到らず、武蔵に力任せにはね上げられた。 厳包の技が武蔵に劣っていたというよりも、問題があったのは刀の方。 と言っても、刀の質が悪かった厭う事ではなく、柄の仕掛けが僅かに厳包の刃筋を狂わせたのだ。 厳包は知らず、直前までこれを使っていた武蔵は熟知している事だが、この刀の柄には、刃が仕掛けられている。 そのせいで、刀の重心がほんの僅かに通常の剣と僅かにずれ、それが厳包の剣を一糸だけ狂わせた。 本来ならば、仕込み柄による重心の差が、勝負を大きく分ける事などまずないないだろう。 特にこの剣は、ただの暗器ではなく、普通の刀として使う事も十分に想定している武器。 もう僅かでも時間があれば、厳包はこの刀の特異性に気付いて打ち込みを修正していた筈。 そうなれば、重心の狂いによる不利などほぼ皆無。少なくとも、目を塞がれる事の不利とは比較になるまい。 だがただ一瞬、厳包自身がそれに気付く前ならば、この小さな弱点は致命的なものになり得る。 だからこそ、武蔵は厳包との勝負を急いだのだ。 不利が顕れるのを懼れたからではなく、有利が消える前にそれを活かす為に。 その事を悟った時には、武蔵の木刀が振り下ろされ、厳包は意識を失っていた。 倒れる厳包。しかし、衝撃の割に傷自体は大したものではない。 信綱が、武蔵が飛ばした鞘を刀で叩き落しつつ、己の鞘を木刀の軌道に差し込んで、厳包を救ったのだ。 武蔵は厳包の身体を挟んで信綱と対峙し、素早く袖を破って鉢巻とし、流血を防ぐ。 予想通り、信綱はその絶好の隙を衝こうともせず、ゆっくりと横に動いて行く。 その動きがが自分を気絶した厳包から引き離す事を意図してのものだと見切って、武蔵は笑う。 よく見ると兵庫助利厳とは別人だが、面差しと技から見て、倒した男が柳生の一族である事は明らか。 あの老人が本物の上泉伊勢守ならば、いや、ただ伊勢守に私淑しているだけだとしても、柳生を守ろうとするのは当然。 武蔵としても、既に倒した相手にとどめを刺す事は興味の外であり、今大事なのは信綱を討つ事。 すぐに戦いの場を移してやってもいいくらいだが、精々気力を使わせてやろうと、焦らしつつ移動して行く。 武蔵と信綱は徐々に移動し、城下南東の橋付近までやって来た。 橋の一部が崩落しているのを見て、武蔵は信綱の狙いを悟る……悟ったと考える。 今までの行動を見る限り、信綱に武蔵を殺す気はないようだ。 と言って、あの衝撃なら厳包が目覚めるには暫く時が掛かる筈だし、それまで戦い続ける体力は既に残っていまい。 だが、武蔵を橋の向こうに追いやる、または誘い込み、橋を完全に破壊すれば…… 橋がなくても川を渡るのはそう難しくないが、濡れれば体力を消耗するし、渡河中には隙が出来る。 そうまでして敵にとどめを刺す欲求は武蔵にはないから、この手で厳包を救う事は出来よう。 別に武蔵もそれは構わないのだが、信綱が武蔵を引き離す事にこだわってくれれば、そこに隙が生まれる筈。 その好機を伺いつつ、武蔵は信綱と睨み合い、時に打ち合いつつ橋に近付いて行った。 戦いの場は、信綱の誘導に武蔵が乗る形で橋の上に移り、信綱が袴の内で膝を撓めるのを見切った武蔵は一気に勝負に出る。 武蔵は上段からの大きな振り下ろしで信綱を襲い、目論見通りに身をかわした信綱が跳躍すると、切り返しを放つ。 だが、剣を振り上げつつ武蔵は予想外の事態に驚愕する。 予想外の一つは、信綱が橋の向こう側ではなく、真上に跳躍した事。 もっともそれ自体は大した問題ではない。 木刀の軽さを十分に活かした武蔵の切り返しは、疾さだけなら佐々木小次郎の燕返しにも匹敵するだろう。 故に、この一撃を空中にいながら凌ぎきる事は如何に剣聖でも不可能……それが万全の状態で放たれていたならば。 それが予想外のもう一つ。予期せぬ異変により、武蔵の切り上げの軌道は、思っていたのとは僅かにずれている。 剣を振り上げ始めた途端に異常を悟った武蔵は、眼前を過ぎる木刀の刀身に、金属片が食い込んでいるのを見た。 武蔵には知る由もない事ではあるが、それは林崎甚助の形見であり、彼の命を奪った凶器でもある長柄刀の切っ先。 見せ太刀としての切り下ろしをかわした際、信綱はそれを厳包との対決で木刀に刻まれた切れ込みに嵌め込んだのだ。 予期せぬ重心の狂いによって乱れた切り上げを空中でかわした信綱は、身を翻して木刀の上に乗る。 信綱の重さによって下がる木刀。 この状況を許しておけば、信綱が相手を殺さないように手加減したとしても武蔵の必敗。 腕に全力を込めて、信綱を木刀の上から跳ね飛ばす。 飛ばされて武蔵の背後に着地した信綱は、それ以上は戦おうとせず、厳包が倒れている方向に向かって歩いて行く。 「また後ほど」という一言だけを残して。 武蔵はそれを追わない……いや、追えなかった。 それどころか、今、信綱が踵を返して仕掛けて来でもすれば、川に飛び込んで逃れるしか手がなかっただろう。 木刀の先に乗る重量を支えるには、梃子の原理により、その重量自体の何倍もの力が必要となる。 人一人分の重量を一気に跳ね飛ばした負担で、武蔵の腕は痺れ、存分に剣を振るえなくなっているのだ。 無念の想いで睨みつける武蔵を背に、信綱は愛弟子の曾孫の元に向かうのだった。 立ち去る信綱を見送りながら、痺れた腕を見詰める武蔵。 今は十分に力が入らない状況だが、少し休めば問題なく動くようになるだろう。 しかし、この程度の被害で済んだのは、武蔵の鍛錬の結果でも、僥倖によるものですらなく、信綱の意図によるもの。 跳ね飛ばされる瞬間、信綱はうまく重量を分散して、武蔵の腕に過度の負担が掛かるのを防いだのだ。 僅かな重心の狂いで生じる隙を利用した手法は、柳生厳包との戦いで武蔵が用いた策と似ているように見えるが、 武蔵のは厳包が仕掛けのある刀を手にした偶然を利用したものなのに対し、信綱は自分でその状況を作って見せた。 あれがとうに死んだ筈の剣聖だというのを本気で信じたくなる、見事な兵法である。 武蔵にも引けを取らぬ技、知略、そして武蔵にはない活人剣の利。 敵に殺意も悪意も持たない信綱の剣は殺気を発さないのだ。 これは、武蔵のような相手の動きを予測してそれに対応する型の剣士に対しては、非常に有効な武器。 気配を察知できず、五感のみで相手の動きを探るのでは、どうしても読みに遅れと不確実性が出来てしまう。 そして信綱は、読みの微妙なずれから生じる微かな隙を、瞬時に最大限に活かす判断力をも持っている。 相手を殺さずに制するという、ただ倒すより遥かに困難な戦いを続ける事で養われた能力だろうか。 今回は自分が勝ち得なかった事を、さすがの武蔵も認めざるを得ない。 だが、負けた訳でもない。武蔵はこうして生きているのだから。 余人ならばいざ知らず、宮本武蔵を殺さずに制するなど、何者にも不可能。無論、殺す事も不可能だが。 今回の勝負で、信綱のやり方はかなりの程度まで把握できた。 相手の剣を知った後での対応力ならば、武蔵の右に出る者は無い筈。 信綱を打ち倒す策を様々に構築しながら城下に戻り始めた武蔵は、一本の木が切り倒されているのを発見。 丁度良いと、武蔵は木刀で手頃な枝を叩き折ると、木刀を捨てて、長柄刀の切っ先を使って削り始めた。 木刀を得意とする武蔵だが、やはり出来合いの物ではどうしても限界があるようだ。 膂力に優れる武蔵ならば、通常よりずっと長く重い木刀でも自在に振るえる。 自作の木刀ならば製作の過程で細部まで把握できるから、僅かな異常も素早く察知する事が出来る筈。 そして、形状を工夫する事で、今回のように余計な物を付け足されたり、逆に削られた時の影響も最小限にする事が可能。 本来、強敵との勝負では、得物の選択からじっくりと戦略を立てるのが武蔵の本来のやり方。 その場合、武器は必ずしも自作の物とは限らないが、今回のように支給される武器を選べない戦いでは自作こそが最も堅実。 最初にあの一の太刀使いの老人に会って、その技を盗むのに夢中になってしまったが、そろそろ基盤を固め直す時期か。 武蔵は腰を据えて武器の形を整え続ける。 再び立ち上がる時、彼はこれまでよりも更に一段進んだ剣客となっているだろう。 【とノ肆 川の近く/一日目/午前】 【宮本武蔵@史実】 【状態】疲労 【装備】製作中 【所持品】長柄刀の切っ先 【思考】 最強を示す 一 一の太刀を己の物とする 二 一の太刀を完成させた後に老人(塚原卜伝)を倒す 【備考】 ※人別帖を見ていません。 「流石は……」 先程の戦いの場に戻った信綱は、その場に厳包の姿がなくなっているのを見て呟く。 あの強烈な打撃を受けてもう意識を取り戻したとは思いにくいが、無意識の内にこの場から脱したという事か。 誰かに運ばれたとも考えられるが、あれだけの剣士なら、敵意を持つ者に抵抗の跡もなく連れ去られる事はまずあるまい。 どちらにせよ、この分なら信綱の出る幕はないだろう。 一応の保険を掛けたとはいえ、知人に会いに行った武田赤音を放っておく訳にもいかないし。 本心を言えば、あの男の素性や剣術の由来を聞いておきたかったのだが。 柳生宗厳の一族である事は間違いないだろうが、あの異様なまでに進化した新陰流は一体…… 確かに宗厳は信綱の弟子の中でも特に優れた素質を持ってはいたが、あれだけの進歩は数年ではとても不可能。 考えながら、信綱は意識せずに刀を抜き、厳包がしたような直立の構えを取っていた。 厳包が信綱に見せてくれたのは彼の新陰流の中のほんの一端。 しかし、その中からでも、この進歩を引き起こした者の思想や経験をある程度は推測する事ができる。 数少ない手掛かりから、信綱は、未来の新陰流を学び取ろうとしていた。 【へノ肆 城下町/一日目/午前】 【上泉信綱@史実】 【状態】疲労、足に軽傷(治療済み)、腹部に打撲、爪一つ破損、指一本負傷、顔にかすり傷 【装備】オボロの刀@うたわれるもの 【所持品】なし 【思考】基本:他の参加者を殺すことなく優勝する。 一:武田赤音と合流する。 二:宮本武蔵とはあらためて勝負する。 三:機会があれば柳生連也斎の新陰流をもっと見たい。 【備考】※服部武雄から坂本竜馬、伊東甲子太郎、近藤勇、土方歳三の人物像を聞きました。 ※己の活人剣で以蔵を救えず、赤音の殺人剣でこそ以蔵が救われた事実に、苦悩を抱いています。 ※己の活人剣の今回の敗北を率直に認め、さらなる高みを模索しようとしています。 【へノ肆 民家の中/一日目/午前】 【柳生連也斎@史実】 【状態】胸部に重傷、意識朦朧 【装備】中村主水の刀@必殺シリーズ 【所持品】支給品一式、「仁」の霊珠(ただし、文字は「如」に戻っています) 【思考】 基本:主催者を確かめ、その非道を糾弾する。 一:白井亨を見つけ出し、口を封じる。 二:城に行ってみる。 三:戦意のない者は襲わないが、戦意のある者は倒す。 四:江戸柳生は積極的に倒しに行く。 【備考】※この御前試合を乱心した将軍(徳川家光)の仕業だと考えています。 時系列順で読む 前話 ]] 次話 [[ 投下順で読む 前話 主水、不運を嘆く 次話 悪夢の終わり すくいきれないもの 武田赤音 [[]] 弟子と向き合う 宮本武蔵 [[]] すくいきれないもの 上泉信綱 [[]] 技比べ 柳生連也斎 [[]]
https://w.atwiki.jp/dangerousew/pages/115.html
12月某日 東京都府中市 米軍府中基地跡 市街地の中に残る広大な廃墟の中に、あひる侍はいた。 「うううっ……私は何てことを……」 あの日の決闘。毎晩のように見る悪夢。 決闘の地は人気の無いところを選んだつもりだった。 子供が飛び出してきた時点で決闘を中断すべきだった。 だが、咄嗟の事だったため、勢い余って彼は刀を振り下ろしてしまった。 子供は斬らなかったが、子供を連れ戻そうとした母親を彼は斬った。 母親は即死した。彼は母親の一家に浮かぶ怨恨の目に堪えることができなった。 いや、彼はそう思い込んでいた。そう思い込む事で、彼は母親の一家へ謝罪する事から逃げていた。 その日から、彼は放浪した。 僅かな情報だったとしても、何としてもあの日に戻れるならという思いで、彼は動いた。 情報が間違っていたとしても、次の情報を頼りに彼は動き続けた。 それにより、彼は幾度と無く死体を作った。多くの敵も作った。 もはや彼は、日の当たる場所を歩けないだろう。 それでも、あの日をやり直せるなら……! そんな中、彼は山乃端一人を殺せば、ダンゲロスと呼ばれる願いが叶う大会が開かれるという情報を得た。 情報の出どころは彼には分からなかった。それでも彼は構わなかった。 今更山乃端一人という女性を殺す事に対して、彼に躊躇いは無かった。 『山乃端一人は今府中近辺にいるらしい』 その情報を手に入れた彼は、米軍府中基地跡を拠点にし、山乃端一人をひたすら探していた。 この日も、あひる侍は山乃端一人についてそれ以上の有力な情報を得ることができなかった。 米軍府中基地跡にある彼の寝床に戻ると、一枚の手紙が置かれているのを彼は見つけた。 あひる侍へ 俺も確証を持って書いている訳では無いが、もしあひる侍が柳生総二なら、俺は会いたい。 今日の深夜0時、多磨霊園で待つ。 柳生優一郎 柳生総二……もはやその名前は捨て、あひる侍として生きていくことを決心した彼だが、何処か懐かしく感じた。 「兄上……」 総二がずっと目標にしていた歳の離れた兄、柳生優一郎の手紙だったからだ。 あひる侍の目に、名古屋の実家で暮らしていた頃の記憶がよみがえった。 「この!この!この!」 「ははは、総二、こんなんじゃまだまだ!」 兄、柳生優一郎に向かい、竹刀を振り回す子供、柳生総二。だが、優一郎は余裕で対処する。 「さて、稽古はここまでだ。早くお母さんの元へ戻ろう」 「お兄ちゃん!なんでこんなに強いの?」 「そうだね、先生の言う事を聞いたからかな?だから総二も先生の言う事を聞くんだよ」 「うん!」 名古屋の柳生家の分家として生まれた2人は、実家の道場で毎日のように剣術の稽古をしていた。 優一郎は、道場に通う高校生の中では最も強かった。まだ小学生の総二も、それを目標にして、剣術の稽古をしていた。 ある日、総二はそんな優一郎に夢を聞いた事があった。 「お兄ちゃん、そんなに強くなってどうするの?」 「そうだなぁ、戦闘機のパイロットになろうと思っている」 「えっ?何で?剣士にならないの?」 「俺だって剣の道で食べていけるならそうなっていたよ。ただ、俺はそこまで強くなかった。そんな俺が更なる高みを求める事ができる戦場は何処だと考えて思いついたのが空だった」 「空?」 「空は過酷だぞ。音速を超える速さで飛び、もの凄い重力がかかる世界だ。意識を失いかける事もあるらしい。俺はそんな世界に身を置きたいと考えている」 「何だかよく分からないけど、凄いね!」 「ああ、ごめん、ちょっと難しい言葉が混じったね。とにかく俺は、パイロットになろうと思っている」 そして兄はその夢を叶え、航空自衛隊の戦闘機パイロットとなった。 あひる侍は悩んでいた。 こんな姿、兄に見せられるかどうか。 だが、久しぶりに兄に会えるならという思いも、あひる侍には浮かんできた。 深夜0時 東京都府中市 多磨霊園 あひる侍が向かうと、既に優一郎が待っていた。 「ようやく来たか。あひる侍、いや、ここに来たということは、総二か?」 「……そうだ」 「お前に何があったかは大体知っている。まずはそのあひるの被り物を外したらどうだ?」 「……今の私には、兄上の前でこれを外す資格はない」 「兄としては久々に弟の顔を見たいが、無理強いはしない、そのまま話そう」 優一郎の顔は老けたものの、あの日総二に優しく話しかけた表情をしている。 「そもそも何故兄上がここに……?」 「1か月前に府中基地司令に任命されてね。府中市にあひるの被り物をした剣士の恰好をした人がいるという話を聞き、まさかと思ったら総二だった訳だよ」 府中基地……米軍府中基地跡の南にある自衛隊の基地だ。あひる侍も時折府中基地から訓練の声が上がっているのを聞いている。 兄はそのトップ、司令になっていたのか……。あひる侍は驚いていた。 「さて、早速本題に移るが総二、いまだに無関係の女性を斬った事を悔いているようだな」 「……」 「更にそれをやり直そうと思い情報を漁り、結果更に多くの人を斬っているようだな」 「兄上……!」 痛いところを突かれ、苦悶の表情を被り物の下でするあひる侍。 「今度は何の情報を追い求めて府中に来た?」 「……山乃端一人を斬れば、ダンゲロスという願いが叶う騒乱が開かれると聞いてやって来た」 「……そうか……」 あひる侍が山乃端一人を斬ると言っても、優一郎はあひる侍の事を軽蔑する事は無かった。 「2年前の俺なら、何も考えずにその身を挺してでも総二の事を止めていただろうな……」 「……」 「だが、1年前、俺は……俺のミスで部下を死なせてしまった……!」 「兄上……!」 「上層部は他にも要因があるということで、俺を減給や停職にする事は無かった。だが、これは間違いなく俺のミスだ……!」 兄も人を死なせてしまったのか……。あひる侍は何も言えなかった。 「俺だって、山乃端一人の命を奪ってミスを帳消しにできるなら、そうしたい!ただ、それは駄目なんだ……!」 「……」 「確かに俺にとって、部下は大切な存在だ。一方で山乃端一人にも、家族だったり、友達だったり、色々な大事な人がいるだろう。そういう思いを、俺の欲望で奪っていいものか!?」 あひる侍も、最初はそういう思いだった。だが、もう戻れない。 「……すまない、興奮してしまった。今なら総二の気持ちも、少しだけ分かる……」 「……私はそれでも、山乃端一人を斬ろうと思っている」 「気持ちとしては止めたいが、正直、俺も迷いがあって総二を止める事はできないだろう」 「……そうか」 「……総二、俺の事を斬るか?今の剣の腕は明らかに総二の方が上だろう」 「私は兄上を斬りたくない。が、山乃端一人を斬る邪魔をするなら、兄上と雖も斬るかもしれない」 「分かった。俺はこの辺りで去ることにするよ。兄としては、弟に会えただけでも嬉しいよ」 優一郎はその場を離れた。 一人残されたあひる侍は、兄、優一郎の事を思いつつ、その場に佇んでいた。 12月某日 東京都八王子市 私、瑞浪星羅は一人さんが入院している病院にお兄ちゃんと一緒に来ていた。 病院の受付に名前を書くと、面会室に案内された。 一人さんの怪我は幸いにも内臓を傷つける事無く、また塗られていたと思われる毒も軽いものだったため、今は普通に歩ける程度まで回復しているようだ。 面会室でしばらく待つと、とても嬉しそうな表情をして、一人さんが入ってきた。 「星羅さん!衛さん!来てくれたんですね!」 「一人さん!大丈夫?」 「それが傷は本当に軽いみたいで、24日には退院ができるって医師が言っていた!」 「本当!?」 「だから25日のクリスマスパーティには参加できるって小松川さんに言っておいて!」 「分かった!」 そう、25日は待ちに待ったシャーロキアンのクリスマスパーティ。通常営業終了後にシャーロキアンの常連を集めてケーキを食べたりプレゼント交換をする会なんだけれども、小松川さんもこの日は気合いを入れて大きいケーキを頼んだり高いお酒を買ったりするから、私も含めて結構楽しみな人が多い。 ま、私は19歳でまだお酒を飲めないんだけどね。来年のクリスマスパーティには絶対お酒を飲むんだから! ちなみに25日にクリスマスパーティを行うのは、24日は家族と過ごしたいという人がシャーロキアンの常連には多いからである。 そう言えば一人さんは初めてクリスマスパーティに参加するんだっけ。きっと驚くだろうなぁ。 「あー、クリスマスパーティは俺も楽しみだし、山乃端が参加してくれるのはとてもありがたいと思うのだが、一つ山乃端に話しておきたい事がある」 お兄ちゃんが話の流れを止めるかのように話した。 「どうかしましたか?」 「山乃端、単刀直入に言う。今、山乃端の命は狙われている」 「……!」 一人さんは驚いたような顔をした。 「この前も誘拐され、殺されかけただろう。幸いにもこの事件は解決したが、実は山乃端の命を狙う計画は他にもいくつかある」 「……本当……ですか」 「俺が聞いた情報だと、山乃端が殺されると東京が壊滅すると言われているようだ。どのようにして東京が壊滅するかは分からないが……」 えっ、一人さんが殺されると東京が壊滅ってどういうこと!? 「そう……ですか……」 「おそらく東京を壊滅させたい勢力は山乃端の事を消したいと思っているだろうし、そうでなくても、東京が壊滅する事とは関係なく、山乃端の事を消そうと思っている人もいるだろう。……山乃端、くれぐれも気を付けろ……」 「はい……」 一人さんの表情は暗い。 「山乃端は各地のカフェを巡るのが好きだと聞いているが」 「そうですね」 その話は私も知っている。山乃端さんは本当に東京近郊のカフェに詳しくて、今度、小金井にあるドーナツが美味しいカフェに行こうと私を誘ってくれた。カフェのために神楽坂や清澄白河にも行ったことがあるみたい。 「今後、一人でカフェ巡りをするのはやめた方がいいかもしれない」 「そうですね……」 趣味を封じられ、落ち込む一人さん。 「どうしてもカフェに行きたかったら、極力、俺を連れていって欲しい。俺は探偵見習いとして父の興信所を手伝っているが、今の俺の仕事はほぼ山乃端に関係する事だから、いつでも対応できる。一応、ある程度の荒事も経験しているから、いざという時には護衛することができる」 「……」 「ま、確かに俺と2人でというのは行きづらいところがあるかもしれない。その時は、星羅も連れていくといい」 「一人さん、私も一人さんに何かがあった時は助けたいから!」 「ありがとう……」 「ただ、星羅は荒事には慣れていない。星羅と2人でカフェというのもできる限り避けて欲しい」 「分かりました」 一人さんの趣味に対し、何とか落としどころと付けられたせいか、安堵する一人さん。私も一人さんの紹介するカフェに行きたいと思っていたから、完全に禁止とならなくて良かったと思っている。 と言うより、これはお見舞いに行く前、私がお兄ちゃんに頼み込んで条件を変えてもらった。お兄ちゃんは一人さんのカフェ巡りをできるだけ禁止させたかったみたいなんだけれど……。 「さて、面会時間も後僅かだ。こんな話ばかりだと滅入るだろう。クリスマスパーティの概要に移るとしよう」 「はい!」 「参加にはプレゼントの持ち込みが必要だが、値段は500円まで。後は誰に渡るか分からないから、誰に渡っても喜ばれるようなものを選ぶといい」 「誰に渡っても喜ばれるようなもの?」 「迷ったら図書カード500円分でも大丈夫だし、過去にはうまい棒500円分とかビールをプレゼントした人がいるみたいだから、深く考えなくてもいいよ。さすがにビールは未成年者に当たって他の参加者と交換することになったけれども……」 「分かりました」 私達はクリスマスパーティの話に戻った。 同日 東京都立川市 小松川健一は、山乃端とは別の病院を訪れていた。 横には深い傷を負った誘拐犯の一人、雲井がベッドの上にいた。 「……何だ?お前は」 「小松川興信所の元所長、小松川健一だ。雲井、少し話が聞きたい」 「ちっ、小松川の健さんに目を付けられたというのか……。引退したと聞いているが」 「俺も一回は手を引いたつもりだったが、どうしても見過ごすことができない事が発生してしまってね」 「そんな健さんが一体何の用だ?」 「山乃端一人の事だ」 山乃端一人、その名前を聞くと、雲井はビビった。 「お、俺は知らねぇ!山乃端一人という女を殺して銀時計を奪って欲しいという依頼が入っただけなんだ!それだけなんだ!誘拐は俺達が勝手に考えた事なんだ!」 「知らないなら無理に話す事は無い。今の俺は探偵ではなくただのカフェの店主だ」 「ただ、山乃端一人をいざ誘拐してみると、何かがおかしいとは思った」 「どういう事だ?」 「俺は山乃端一人について、多摩市の女子高に通う高校生で、頭をポニーテールにしていると聞いていた、だが誘拐した山乃端一人は明らかに高校を卒業した雰囲気だったし、頭もポニーテールでは無かった」 「なに……?」 「仲間でもあいつは人違いじゃないのかと一回は揉めたよ。ただ、銀時計を首に掛けていた事から、やはり山乃端だと判断し、誘拐することを決めた」 誘拐された山乃端の特徴は小松川も知っている山乃端だった。既に姫代学園を卒業している事から高校生ではない。 それにも関わらず多摩市の女子高に通っているとは……?山乃端一人という同姓同名の人がいるのか? 「分かった……。貴重な情報をありがとう」 「俺の知っている事はそれだけだ。健さんとはできるだけ喋りたくない。さっさと出て行ってくれ」 小松川はその場を去った。 12月25日 東京都八王子市 カフェ『シャーロキアン』 「メリークリスマス!」 八王子市役所職員の本郷さんの掛け声と共に、クリスマスパーティが始まった。 参加者は10名程。お父さんやお母さん、居酒屋店主の勝浦さんは不参加だけど、小説家の八幡さん、警察官の鳴海さんも参加していた。 勿論、一人さんやお兄ちゃんは同じテーブルにいる。 「それでは今年のケーキの登場です!」 そう本郷さんが言うと、小松川さんがクリスマスケーキを裏から運んできた。10人前ということもあり、かなり大きい。 「今年はオーソドックスに、ショートケーキとなっております!」 ケーキの上には苺が乗り、更にサンタの砂糖菓子も付いている。 「サンタの砂糖菓子が欲しい方はいらっしゃいますか?」 本郷さんがそう言うと、一人さんは大きく手を挙げた。 「はい、欲しいです!」 「山乃端さんが名乗り出ましたが、他に欲しい方はいらっしゃいますか?」 そう呼ばれても、誰も手は挙げなかった。どうやら初参加の一人さんに砂糖菓子を譲るつもりらしい。 「それでは山乃端さん、砂糖菓子の乗ったケーキをどうぞ!」 一人さんはケーキをもらいに行く。 「私しか砂糖菓子が欲しい人が居なかったけど、大丈夫かな……?」 「大丈夫だって。初参加なんだから遠慮なくもらっちゃいなよ」 そう私が言うと、一人さんは笑顔になった。 やっぱり一人さんの笑顔はいいなぁ……。 参加者の食事をする手が大体止まった辺りで、本郷さんが再び前に立つ。 「それでは本日のメインイベント、プレゼント交換に移りたいと思います!」 そう言うと、カウンターに大小さまざまな袋に包まれたプレゼントが用意された。 「プレゼントにはそれぞれ番号が付けられています。これから、参加者には番号の書かれたくじを引いてもらいます。書かれた番号のプレゼントを持っていって下さい!」 本郷さんはくじの入ったレジ袋を持ち、私達のところにやってきた。 私はくじを引く。9番だ。9番のプレゼントは随分小さい。 開けてみると500円分の図書カードだった。 「ごめん……それ、私なの。プレゼントを選ぶ時間が無かったので……」 恥ずかしそうに一人さんが喋る。 「いやいや、大丈夫だよ。むしろ欲しかった本の足しにできるから!本当にありがとう!」 次に一人さんがくじを引く。3番だ。中には今話題の鬼を倒す漫画のキャラが描かれたキーホルダーが入っていた。 「えっ!これは?」 「私。こういうのならプレゼントにしてもいいかなと思って選んだけど、まさか一人さんに当たるとは思っていなかったな」 「星羅さんからのキーホルダーね、ありがとう!大切にするよ」 私がこれを選んだのには理由がある。 勿論、今話題の漫画だからという理由はあるけれども、命を狙われている一人さんを助ける、ヒーローみたいな存在がいたらいいかなって思い、その願いを漫画のキャラに込めた。 ……まぁ、本当に一人さんに当たるとは思わなかったし、正直、その漫画も大ヒットしたアニメ映画しか見ていないので、詳しい事は分からないんだけど……。 ちなみに、お兄ちゃんは小松川さんからの、使い捨てではないカイロが当たった。小松川さんからのプレゼントに、お兄ちゃんは何度も「ありがとうございます!」と言っていた。 今年のクリスマスパーティは、山乃端さんがいてくれたおかげで、例年以上に楽しいと思った。 同日 東京都府中市 府中駅前 イルミネーションが輝きを見せる中、柳煎餅は一人、通りのベンチに座っていた。 「はぁ……一体ここは何処なんだろう……」 幾度となく襲う自動生成柳生に、柳は疲れ果てていた。 確かにお金は自動生成柳生を退治すれば何とかなる。しかしそれをすると警察と呼ばれる人達が柳を追いかけてくる。柳は幾度となく警察を斬ろうと思ったが、自動生成柳生以外を斬って面倒事になるのを避けるため、ひたすら逃げた。 そのような事を繰り返しているうちに、柳は海沿いから内陸の府中まで逃げる事となった。 そして、あの日出遭った山乃端一人ともはぐれてしまった。 「鏡助ってヤツに言われたのはいいけどさ……一体どこに行ったんだろう……」 柳は自分の境遇を嘆いていた。 周囲を見ると、赤い服を着たお爺さんや、トナカイをデフォルメしたキャラに光が灯されており、元の世界には無いイルミネーションに柳は何度も美しいと思った。 だが、美しいものを見たところで、何も変わらない。 そう思った矢先、通行人の一人が柳に向かって襲い掛かる。 額には”柳生”と書かれている。柳は知る由も無いが、柳生クリぼっちが、彼女を求めてさまよっているようだ。 「はぁ……またか」 柳は呆れつつも、柳生クリぼっちを一刀両断する(刀は持っていないが)。 柳生クリぼっちはその場に倒れたものの、いきなりの凶行に、通行人は驚き、その場から離れていった。 一人になる柳。もうすぐ警察もここに来るだろう。 「もう、どうしたらいいんだろう」 柳がそう思うと、路地裏から一人の少女が現れた。 髪は黒のポニーテール、お洒落な制服を着ているが、あちこちが擦り切れている。 普段の柳であれば、気にも留めなかっただろう。もしかしたら、斬っていたかもしれない。 しかし、その顔、いつかあの日に出遭った少女に似ていた。 その少女に向かって、別の柳生クリぼっちが襲い掛かってきた。 少女は少し回りを見渡しながら、懐中時計を掲げようとした。 (助けなければ……!) 柳は迷わなかった。少女に襲い掛かろうとした柳生クリぼっちに向けて、剣禅一如を発動した。 無の刀より出るビームにより、柳生クリぼっちははるか遠くのビルまで吹き飛んだ。 「大丈夫?」 「……何者?」 少女は自分が助けられた事よりも、自分の前で起こった事態に対して驚いていた。 「私は柳煎餅。襲い掛かられそうになったから助けた」 「あ……ありがとう……。私は山乃端一人。この恩は必ずお返しするわ」 「山乃端一人……!?」 柳は驚いた。あの日出遭った少女と同じ名前だったからである。 府中駅に近い大國魂神社の周辺に移動した2人は、お互いの事について話した。 「ふーん、要するに煎餅さんは私と同姓同名の少女を助けたって訳ね」 「助けたかどうか分からないけど、鏡助にとっては助けた事になったみたい」 「しかし、山乃端一人を守って欲しいと言った鏡助という男は気になるわね」 「私も鏡助がどんな男かは知らないし、私の助けた山乃端一人と貴方が関係あるかどうかは分からない。ただ……」 柳は少し悩みつつも強く答えた。 「よく分からないけど、山乃端一人は助けなければならないと思う。それは私が出遭った山乃端一人もだし、貴方もそう」 「それはありがたい話だけれども、私には近寄らない方がいいかもしれない」 「どうして?」 そう山乃端が言うと、ポケットから銀時計を取り出した。 「私の家は、この銀時計に12体の魔神(デミ・ゴッド)を封印している。……とは言っても、残り1体なんだけれど」 「でみ……ごっど?」 「この世のものではない生物のこと。危険すぎるから封印されているとは言われているけど、私はそうは思わない」 魔神(デミ・ゴッド)……私の世界の柳生みたいなものだろうか?柳は想像を膨らませていた。 「私は魔神(デミ・ゴッド)もちゃんと話せば付いてきてくれると思っているし、仲間だと思っている。けど、そう思わない勢力が、山乃端の名を汚しているといい、私の命を狙っている。父さんも母さんも、その勢力によって殺された」 「……」 「それに、最後の魔神(デミ・ゴッド)、クリープは現れるだけで周囲全てに被害を与える能力を持っている。それでもわたしを助けようというの!?」 柳の答えは決まっていた。 「それでも、助けるよ。それに私だって……」 2人が話している間に、刀を持ち、額に”柳生”と書かれた神職、柳生神職が襲い掛かろうとしている。 「私だって、柳生という勢力に追われている。だから、私に近寄ると、危ないかもしれない」 「……お互い様ね。大丈夫?煎餅さん。疲れていない?」 柳は答えなかったが、先ほどの剣禅一如の疲れが多少残っているようだった。 山乃端は続けた。 「ここは私に任せて。ただ、私がいいと言うまで、私の方を絶対に見ないでね」 「分かった」 柳が目を隠したのを確認したのち、山乃端は懐中時計を掲げた。 「来て!クリープ!」 そう山乃端が言うと、懐中時計が光り、赤い瞳を持つ銀髪の女性、クリープが出現した。 全く、お嬢様も私の力を出し惜しみするなんて困りますね。 しかし、そこがお嬢様の優しいところ、まぁ、今のところは私もお嬢様に逆らおうとは思っていませんが。 「クリープ、額に"柳生"を書かれた敵を倒して!」 「お任せください。お嬢様」 私の姿を確認した敵は、早速「や……柳生……クリープ……」と私の事を考え始めています。 まぁ、それ程知性の無い相手なので、しばらくすれば私の思い通りになるでしょう。 敵は私に対して近づき、刀を振り下ろしてきました。 しかし、その太刀筋はとても迷いがあるもの。私は余裕でダマスカスナイフを右手に持ち、防ぎます。 今度は横に向かって刀を振り下ろしましたが、それも私は防ぎます。 「まぁ、このまま廃人にしても構わないのですが、お嬢様はここを離れたいと思っているので、早めに終わらせましょう」 私は即座に2本目のダマスカスナイフを左手に持ち、敵の胸に突きつけます。 刀を2度も防がれた事により、動揺した敵は、私の攻撃を防ぐ事無く、胸にナイフが突き刺さりました。 敵はその場に倒れます。 「もういいわ。クリープ。戻って」 了解です。お嬢様。 「……煎餅さん。もう大丈夫」 山乃端がそう言うと、柳はゆっくりと目を開いた。 そこには、柳生神職が血を流して倒れていた。 「一体、何をやったの……?」 「これが、クリープの力。クリープは強い。けど、煎餅さんは、それを見てはいけない」 「何で?」 「クリープは他を魅了する。それは、例え味方であっても。私は無関係な人たちを巻き込みたくない」 一体どういう事なのだろう。柳にはよく分からなかったが、とりあえずクリープを見てはいけない事だけは理解できた。 「……で、これからどうしよう」 柳はこれからの事を心配した。例え自動生成柳生を倒したとしても、何も状況は変わらない。 「私も戻れるなら煎餅さんを連れて家に戻りたいけど、稲城にある私の家はすでに私の敵によって押さえられているでしょうね。戻る訳にはいかないわ」 「えっ……じゃあ私は」 「家にあったお金はある程度持ってきているから、しばらくはホテルに泊まろうかしら。できれば煎餅さんにもホテル代を出してもらいたいけど、さすがに持っていないよね……」 「お金なら持っているけど」 「あ、意外と持っているのね……」 2人は府中市にあるホテルに向かった。 12月27日 東京都八王子市 カフェ『シャーロキアン』 昨日は定休日だったから行けなかったけど、今日はいつものようにお兄ちゃん、一人さんと一緒にシャーロキアンでお茶会だ。 私も一人さんも大学が冬休みに入ったので、午前中から来ている。 昨日は一人さんと会えなかったけど、特に襲撃者とかは来なかったみたい。まぁ、ベイカー街の人たちも24時間365日一人さんを見張っているって訳にはいかないからね。勿論緊急時はお兄ちゃんか小松川さんに連絡するように言っているけど。 「一人さん、大丈夫?」 「怪我の調子はかなりいいかな。命を狙われている事については……不安だけど、気を付けて行動するしかないね」 「そう……」 一人さん、やっぱりストレスが溜まっているのかな……?とても心配。 「そう言えばお兄ちゃん。今年、まだ行っていなかったよね。墓参り」 「言われてみればそうか」 「墓参り?」 「ああ、一人さん。私の両親の墓参りの事ね。例年であれば両親の命日に、育ての両親、お兄ちゃんと一緒に多磨霊園にある瑞浪家の墓に行くんだけど、今年は忙しくて行けなかったんだよね」 「まぁ、星羅の事情と言うよりかは俺や父の仕事の関係だったんだけどな。今年の年末もお父さんとお母さんは忙しいから、今年中に行くなら2人でバスを使う事になるが、それでもいいか?」 待って、良い事思いついた! 「うーん、お兄ちゃん。さすがに一人さんと一緒に年末に墓参りっていうのはできないよね。そのついでに小金井のドーナツが美味しいカフェに行きたい!」 多磨霊園に向かうバスは、確か武蔵小金井駅から出ていたはず。午前中に多磨霊園で墓参りをして、お昼頃に武蔵小金井駅に戻れば、そのカフェに行けるんじゃないかなと思う。 「おいおい、それは山乃端が戸惑うだろ……」 「別に私は一緒に多磨霊園に行っても構わないと思っています。カフェの為に私だけ後から武蔵小金井駅で合流というのも面倒ですし、今の状況なら2人と一緒に居た方がいいかなと思っているので」 「まぁ……それなら俺も行ってもいいとは思うが……」 「折角だから明日行こうよ!」 「え?明日!?まぁ……俺も明日は空いているから構わないのだが……山乃端は?」 「私も明日は空いていますね」 「じゃあ明日は3人で墓参りに行こう!」 本当は墓には楽しんで行くところではないのかもしれないけど、私はお父さんとお母さんに私が笑顔なところを見せたいと思っている。きっとお父さんもお母さんも許してくれると思う。 ……まぁ、カフェが楽しみっていう理由は大きいんだけれども。ごめんね。お父さん、お母さん。 同日 東京都府中市 府中の森公園 柳とクリープを封印している山乃端は、府中の森公園にいた。 山乃端を狙う追手や自動生成柳生を警戒し、2日間府中市内を転々としていたが、不思議と追手は25日の柳生クリぼっち、柳生神職以来出てこなかった。 追いかけられる日々から一時とは言え開放された2人は、安堵していた。 「追手がいないのはありがたい事ね。まだ油断は禁物だけど」 「私も柳生のいない日々は久しぶりだから、力が抜けそう」 「全くだわ」 ふと、2人は、府中の森公園の横にある、柵に囲まれた敷地を見ていた。 「山乃端さん、あれは?」 「あれは自衛隊の基地みたいね」 「自衛隊?」 「ええと、国に何かあった時に守る人たちの事」 自衛隊……柳生に何かあった時に動く柳生旗本団みたいな人達だろうか?柳は推測していた。 2人が耳を澄ませると、訓練と思わしき声が柵の中から聴こえてきた。 それを山乃端が聞くと、独り言のように喋った。 「あーあ、警察や自衛隊の人たちが私の追手を何とかしてくれるといいんだけど」 「私じゃ力不足?」 「そういう訳じゃないんだけど、一人で私の事を守っていたら、疲れるでしょ」 「まぁ……そうだけど」 そういう取り留めの無い話をしていると、2人はある人物を目撃する。 「……!」 「どうしたの?煎餅さん?」 「待って、何かこいつ、様子がおかしい」 まだ遠くにはいるものの、あひるの被り物をした武士のような人が、周囲を見渡しているようだった。 被り物には血が涙のように滲んでおり、明らかに危ない臭いがしていた。 「!!山乃端ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 あひるの被り物をした怪人物が2人に気づくと、山乃端の名前を叫び、刀を抜き、こちらに向かって走ってきた。 「山乃端さん!ここは逃げるよ!」 「待って煎餅さん!こいつも柳生なんちゃらじゃないの!?」 「柳生の追手は山乃端さんを襲う事を主目的にしていないから、こいつは違う!!」 2人は全力で走り、その場を離れた。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 「何とかあいつから逃れたようだね」 2人は府中の森公園から大きく離れ、東にある多磨霊園の辺りまで来ていた。 「……とは言え、さっきの武士のような人も明らかに山乃端さんを狙っていたから、何処かで倒さなければいけないだろうね」 「何か考えはある?」 「あの時は急だったから一旦逃げたけど、私の柳生新陰流なら、きっと勝てる」 「明らかに古武道の柳生新陰流と違うような気がするけど、頼んだわ」 柳は決意を固めていた。 「そう言えば、この近く、多磨霊園なんだ……」 ふと、山乃端は多磨霊園の方を向いた。 「多磨霊園に何かある?」 「私の家の墓がここにあるの」 「寄っていく?」 「多磨霊園はかなり広いし、今日はとりあえずいいわ。けど明日、爺ちゃんに挨拶するために寄っていこうかしら」 「そうするといいと思う。ご先祖様を敬うのは良いことだと、私は教えられたから」 そう言いつつ、柳は少し寂しい思いになった。柳生の世界でも先祖や父母を大事にするのがよいと教えられたし、初代柳生皇帝で、現在の柳生皇帝の祖父、柳生石舟斎は神格化されている。けど、私の先祖って一体……。 ともかく、明日は多磨霊園に山乃端さんと一緒に行こう。柳はそう思った。 あひる侍は悔いていた。 あの少女は確かに銀時計を付けていた。まず間違いなく山乃端一人だった。 だが、ようやく山乃端を見つけた興奮で、正面から襲い掛かってしまった。 その結果、早い段階で見つかり、逃げられてしまった。 「次に見つけた時は、そうはいかん……」 2人は東の方面へと逃げた。 あひる侍も東に向かう事にした。 同時刻 東京都府中市 府中基地 西に府中の森公園、北に米軍府中基地跡がある府中基地は、いつものように訓練が行われていた。 一見何の変哲も無い光景に思える。 しかし、府中基地のトップ、司令の名前は『柳生優一郎』。 これが災いし、府中基地は若干とは言え、柳生の気が強いスポットとなった。 顕著となったのは、柳煎餅、いや、柳生千兵衛が府中市に来た事。 自動生成柳生は25日以来、生成させていなかった訳ではなかった。 ここ、府中基地に集中して生成されていたのだ。 同日 カフェ『シャーロキアン』 星羅、衛、そして2人と親しい山乃端は、正午頃にシャーロキアンを後にした。 その夕方、とある客がシャーロキアンを訪れていた。 「久しぶりだな。柳生」 「ご無沙汰しております。小松川さん」 「いつ東京に戻った?」 「1か月前です。その前は岐阜基地にいました」 府中基地司令、柳生優一郎だ。 優一郎はコーヒーを頼んだ。 しばらく待っていると、小松川がサービスで砂糖菓子を出した。 「小松川さん、これは?」 「一昨日のクリスマスパーティの余りだ。遠慮なく食べてくれ」 「……いただきます」 優一郎は砂糖菓子を頬張った。 「……その顔だと随分と疲れているようだな」 「ええ、実はずっと会えていなかった弟と会えまして、何でも山乃端一人という女性を斬れば、ダンゲロスという願いが叶う騒乱が開かれるという事を言っていまして……いくら過去を清算したいと言っても、人を斬るのは良くないですよね……?」 「山乃端一人……!?」 小松川は衝撃を受けた。 「えっ、山乃端一人という女性に何か問題でもあるのですか?」 「……いや……何でもない」 「ええ、人を斬るのは良くないとは思いつつも、俺も1年前に部下をミスで失っているので、正直気持ちとしては分かるところもあり、とても悩んでいるのですよ」 「……」 「大丈夫ですか?小松川さん」 「……済まない。ちょっと俺も疲れているのかもしれない。話を続けてくれ」 山乃端一人を斬るとダンゲロスと呼ばれる願いが叶う騒乱が開かれる……?小松川はずっと気になり、その後の優一郎の話を上手く聞き取る事が出来なかった。 「……やっぱり様子がおかしいですよ。小松川さん。俺はこの辺りで退店するので、今日は早めに休んだ方がいいですよ」 「本当に申し訳ない……」 12月28日 東京都府中市 多磨霊園 私、お兄ちゃん、一人さんは瑞浪家の墓の前に到着した。 私とお兄ちゃんは墓石を水で洗った後、花とお菓子をお供えした。 「星羅さん!私も手伝った方がいい?」 「さすがに一人さんにさせる訳にはいかないよ!」 そして、私は、線香に火をつけ、線香立てに立てた。 それに合わせて、3人は墓に向かって手を合わせた。 私の脳裏に、両親との思い出が蘇ってくる。 お父さん……仕事が忙しくてなかなか構ってもらえなかったけど、休みの日、2人で高尾山に登った事ははっきり覚えている。 お母さん……今でもお母さんが作る野菜炒めの味が一番だと思っている。 今の育ての両親とも高尾山には行ったし、野菜炒めは美味しいと思っているけど、やっぱり、実の両親との思い出はとても大事だ。 なのに、何で事件に巻き込まれたんだろう……。 私は思わず涙が出てきた。 「……ごめんね、お兄ちゃん。お父さんとお母さんには笑顔を見せたいと思ったけど、やっぱり私、悲しいよ」 「……俺だって悲しい、が、星羅の悲しみはそれ以上だろう。今は気が済むまで泣け。カフェに行ったら、思いっきり話を聞いてやる」 お兄ちゃんがそっと私の肩に手を添える。 「……大丈夫。あまり一人さんを待たせる訳には行かないから、片づけたら武蔵小金井駅に戻ろう」 「そうだな」 私とお兄ちゃんは、お供え物の片づけをし始めた。 ふと、墓の近くの道を2人の少女が通っていくのに気付いた。 一人はポニーテールの黒髪の少女、もう一人は薄い桜色の髪の少女。 それだけなら気にも留めなかったが、ポニーテールの少女は一人さんが持っているような懐中時計を持っており、かつ顔つきも何処か一人さんと似ているような気がした。 私は思わずその2人の少女の方を凝視していた。 すると、2人の少女が私に気づいた。 「……何か、私に用ですか?」 「……いえ、何でもありません」 ところが、少女の持つ銀時計に気づいたお兄ちゃんは、機転を利かせて質問した。 「申し訳ございません。私、小松川興信所の瑞浪衛という者です。山乃端一人さんという方についてお聞きしたい事がありますが、少々お時間宜しいでしょうか?」 「山乃端一人……?私の事でしょうか?」 山乃端一人!?この少女も山乃端一人という名前なの!? 私達5人は多磨霊園内の休憩所に移動した。 少女の身分証明書を確認したが、確かに名前は山乃端一人だった。 どうやら稲城に住んでいたらしいが、魔神(デミ・ゴッド)と呼ばれる人外を巡る争いに巻き込まれたらしく、今、命を狙われていると言った。 何か私の知っている一人さんみたいだな……。 一人さんにその事を聞くと、そう言えば姫代学園に同姓同名の人が居たのを確認したけど、別に友人付き合いは無かったし、周囲の人がややこしいだけで特に気にする事は無かったと言った。 しかもこの山乃端さん、姫代学園ではなく多摩市の女子高の人なんだけど……。えっ?山乃端一人って名前、そんなにありふれているものなの……? 「正直、そんなにいるとは思わなかったが、山乃端一人という名前の人が一人ではないというのは間違いないようだな……」 どうやらお兄ちゃんは、山乃端一人という名前の女性が複数人いる可能性がある事を小松川さんから聞いていたらしい。 「今後、ややこしくなるので、住んでいる場所を取り、私達の知っている山乃端を八王子の山乃端と呼び、ポニーテールの山乃端さんを稲城の山乃端さんと呼びますが、宜しいでしょうか」 「別にそれで構いません」 稲城の山乃端さんは丁寧に答えた。 お兄ちゃんは話を続ける。 「さて、稲城の山乃端さんが既に命を狙われているとおっしゃったので、この忠告は今更のものになるのですが、今、山乃端一人という女性の命を狙う計画が、いくつもあります」 「まぁ、そうでしょうね」 「しかし、山乃端一人という女性が一人ではない以上、別の山乃端一人を狙う計画が混同している可能性があります。現に、八王子の山乃端も誘拐されましたが、実行犯は、稲城の山乃端さんを誘拐するつもりで犯行に及んだと答えております」 「立川の方にも、私の追手がいたのね……」 稲城の山乃端さんは複雑な表情を浮かべた。 「その混同の原因の一つが、おそらく銀時計にあると考えております。八王子の山乃端、銀時計をしっかり見せてくれないか?」 「はい」 一人さんは、首から掛けた銀時計を正面に掲げた。 「……貴方も銀時計を持っていますか」 稲城の山乃端さんは驚いていた。 「山乃端一人を狙う計画の中には、この銀時計を目印にするものが多々あります。しかし、2人の山乃端さんも銀時計を別の所に置くという事はしたくないですよね」 「私は魔人能力に関わっているので……」 「私もですね」 「2人とも、今後はできるだけ銀時計を目の前に出さないでください。お願いします」 そうお兄ちゃんが言うと、2人の山乃端さんは銀時計を隠した。 「さて、稲城の山乃端さんと柳さんに忠告しておかなければならないのは、現在府中市近辺には、山乃端一人を斬ると、ダンゲロスと呼ばれる願いが叶う騒乱が開かれると信じてやまない、武士のような恰好をしたあひる侍と呼ばれる怪人物が出没しています。最大の特徴は、名前の通り、頭にあひるの被り物を被っているようです」 「まさか、昨日、公園で出会ったヤツの事!?」 「既に出会っているのですか!あひる侍に出会ったらくれぐれも気を付けて下さい!」 私も墓参りに行く前、お兄ちゃんからあひるの被り物をした怪人物には気を付けろと散々言われていたけど、2人は見覚えがあるらしい。 「それとは別に府中市近辺では事件が多発しており、その共通点がどこかしらに”柳生”があるという話があります。こちらも気を付けた方がいいでしょう」 そうお兄ちゃんが言うと、柳さんが申し訳無さそうに答えた。 「多分、それは私の追手です。やっぱり自動生成柳生、他の人を巻き込んでいたんだ……」 柳さんはとても沈んでいた。 同時刻、柳生優一郎も多磨霊園に居た。 彼は休みになると、自宅近くの多磨霊園でジョギングをするという習慣がある。 今日もその習慣を行っているに過ぎないが、何処かで弟、柳生総二の事が頭に浮かんでいた。 (総二……馬鹿な真似はしないでくれ……) まだ自分自身に迷いがあるものの、やはり、弟が凶行に走る事を、兄としては見過ごす事ができない。念のため、優一郎は竹刀を持って行った。 (俺は非魔人だが、子供の頃に習った柳生新陰流と、パイロットで培った判断力がある。総二には敵わないだろうが、足止めする事位はできるだろう……) 優一郎の悪い予感は的中した。遠くの方にあひる侍、いや、総二が何かを探しているように動いているのを見つけた。 (総二……!) 優一郎は総二を尾行する事にした。 同時刻 府中基地 府中基地正門から、幾台もの自衛隊車両がゾロゾロと出発した。 どの車両にも、多くの自衛官が乗っていた。その額や小銃には、”柳生”の文字が確認できる。 その数、約1,000人。 府中基地にて結成された、柳生自衛官により構成された部隊、柳生科連隊は、柳煎餅の命を狙わんと、多磨霊園へと向かった。 私とお兄ちゃん、一人さんは、稲城の山乃端さんと連絡先を交換した(柳さんは携帯電話を持っていなかった)。 「何かあったら、私の携帯電話に連絡して下さい。できるだけ、力になりたいと思います」 「ありがとうございます。さ、煎餅さん、行くわよ」 2人が私達と別れようとしたその時、柳さんが警戒を強めた。 「……気を付けて……あひる侍!」 柳さんの見る方向には、あひるの被り物の、武士のような恰好をした人がいた。 「あれが……あひる侍!」 「……見つかる前にここを立ち去るぞ!」 お兄ちゃんはこう言い、その場を離れようとする。だが、あひる侍はこちらの方に走ってきた。 「お前が、山乃端か!!」 あひる侍は、私達の事を怒鳴りつけた。 私達は一目散に逃げた。 「はぁ……はぁ……」 「大丈夫!?一人さん!」 「大丈夫……逃げないと!」 一人さんはかなり疲れているそうだが、ここは逃げないといけない。 しばらく逃げると、自衛官らしき人の集団を見つけた。 何故ここに自衛官?と疑問を持つ事無く、私達はその場を走り去ろうとした。だが。 ダダダダダッ! 自衛官の人たちが私達に向けて一斉に小銃を発射した。 「こ……こいつらは自動生成柳生!」 柳さんは動揺した。 よく見ると、小銃の先には刃がつけられており、また、額には”柳生”と書かれていた。 彼らの登場により、私達はバラバラに逃げる事となった。 府中基地司令、柳生優一郎 あひる侍、柳生総二 柳煎餅、いや、柳生千兵衛 そして、柳生科連隊が多磨霊園に集まった。 これにより、多磨霊園は一大柳生スポットと化した。 それを喜ぶかのように、多磨霊園の納骨堂、みたま堂からは、大量の柳生ゾンビが沸きあがる……! 「星羅!何処に行った!」 「山乃端さん!!いたら返事して!」 「はい!私はここにいます!」 「貴方じゃない!ポニーテールの山乃端さんの事!でも守ってみせるよ!」 柳、衛、八王子の山乃端は、何とか合流できたものの、柳生科連隊の苛烈な攻撃に苦しめられていた。 柳生科連隊の隊員一人一人はそれほど強くはない。しかし、数が非常に多く、柳にも衛にも疲れの顔が見えていた。 更に墓より湧き出る柳生ゾンビも加わり、もはやそこら中敵だらけといった感じだ。 「どうしますか、柳さん」 「どうするもこうするも、これは私を狙った追手、私が始末するしかない」 柳は息を整えた。 「-『勇之事(ゆうのこと)』!」 そう柳が気合いを入れると、柳を中心にドーム状のオーラが生成された。 「……はっ!」 オーラは更に広がり、近くに寄ってきた柳生自衛官と柳生ゾンビを吹き飛ばしていく。 勇之事(ゆうのこと)とは、勇気を持つことにより、その力で相手を物理的に吹き飛ばす異界産柳生新陰流の技である。 「す、凄い……」 衛は柳の力に、素直に驚いていた。だが、即座に柳生自衛官の一人が山乃端に向かって襲い掛かってきた。 「デミゴット!頼んだ!」 そう山乃端が言うと、銀時計が光り、白く光る蛇が柳生自衛官に襲い掛かった。 隊員は白く光る蛇に噛まれ、その場に倒れた。 「大丈夫か!山乃端!」 「大丈夫!それよりアレを見て!」 柳生ゾンビは想像の通り、多磨霊園に葬られた遺骨が柳生の力によって蝕まれ、復活したもの。 当然、柳生ゾンビの中には、著名人を元にした柳生ゾンビもいる。 三島・柳生・由紀夫! 岡本・柳生・太郎! 丹波・柳生・哲郎! 3人の柳生ゾンビ達が柳たちの元に立ちふさがった。 「この3人……明らかに他の柳生ゾンビと風格が違う……」 「それでも……やるしかないな……」 「私も頑張る!」 柳達は覚悟を決めた。 ゴゴゴゴゴゴゴ…… 岡本・柳生・太郎が地面に手を当てると、その下から何かがせり上がってきた。 その形は万博記念公園の太陽の塔に極めてよく似ているが、刀のようなものが右腕のような部分に付いている。 ―――柳生太陽の塔だ。3人は柳生太陽の塔に乗って柳達を見下ろした。 そこに丹波・柳生・哲郎がお経のようなものを唱えると周囲にいた柳生自衛官及び柳生ゾンビが一斉に襲い掛かる。柳は再び勇之事(ゆうのこと)を使おうとする。だが、それが丹波・柳生・哲郎の狙いだった。 即座に柳生太陽の塔の先端から芸術的エネルギーによりビームが発生。柳達の足元が爆発する。そこら中に吹き飛ぶ柳生自衛官と柳生ゾンビ。 勝ちを確信した3人だが、咄嗟に柳が刀中蔵(とうちゅうぞう)を使った。柳達の前には巨大な刀が出現し、ビームを防いだ。 「な……何なんだよ!こいつら!」 「俺も自信は無いですが、何処かで見た事のある顔ですね」 「要するに有名人の柳生ゾンビって訳だな!」 ビームにより倒れないと見るや、三島・柳生・由紀夫は残り2人に後方を任せ、一人柳生太陽の塔を降りた。その手には、関孫六が握られている。 柳は見えない刀を三島・柳生・由紀夫に対し振り下ろすも、それを上手く躱し、逆に柳を斬りつける。 「ぐっ……!」 「大丈夫か!」 心配する衛だが、丹波・柳生・哲郎がお札のようなものを飛ばし、衛に貼り付けた。 「ぐっ、何だこれは……!」 衛は徐々に自分の身体が思い通りに動かなくなっているのを感じた。丹波・柳生・哲郎により呼び出された柳生幽霊が、衛に取り憑いたのである。 衛はポケットよりピアノ線を出し、魔人能力『必殺仕事人』を使い、山乃端一人の首にピアノ線を巻き付けた。 「な……何でだ……身体が思い通りに動かせない……!」 「山乃端さん!」 その場に駆け付けようとする柳、だが、三島・柳生・由紀夫が邪魔をし、助けに行くことができないでいた。 「助けて……デミゴット……」 その時、山乃端の銀時計が再び光った。今度は白く光る馬が多磨霊園に現れた。 馬は柳生太陽の塔に体当たりをした。体当たりをした部分が爆発を起こし、馬は傷つくも、それでも体当たりを続けた。 柳生太陽の塔は揺れ、バランスを崩した2人は柳生太陽の塔から落下。丹波・柳生・哲郎がひるんだ事により、衛は柳生幽霊から一時的に開放された。 すぐさま山乃端からピアノ線を外し、今度は落下した2人に対し、『必殺仕事人』を発動。ピアノ線が2人に巻き付く。 動きが取れなくなった2人に対し、白く光る馬が最後の力を振り絞り、体当たりをした。2人は完全に戦闘不能となった。 力を使い果たした馬は、光になって消えていった。山乃端も疲れ果て、その場に倒れた。 「さて、残りはあんただけだな」 2対1になったとしても、三島・柳生・由紀夫は動じる事は無かった。むしろ、その顔には気迫すら感じられる。 今度は三島・柳生・由紀夫の方から仕掛けた。彼は無刀取りの刀の位置まで読んだつもりだった。 「そうはさせない……っ!」 そこに衛が三島・柳生・由紀夫の腕にピアノ線を巻き付け、動きを封じた。焦りの表情を見せる三島・柳生・由紀夫。 「-『三学円之太刀(さんがくえんのたち)』」 そう柳が呟き、刀を振った。すると、三島・柳生・由紀夫の身体が2つに斬られ、その場に横たわった。 「……ふぅ、危なかった」 「大丈夫ですか?」 「そっちこそ」 柳も衛もかなり疲れているようだが、2人共無事なようだ。 衛は倒れた山乃端のところに向かう。 「大丈夫か!山乃端!」 「……大丈夫……疲れただけ」 山乃端も無事なようだ。 「まだ自動生成柳生はそこらじゅうにいる。急いでポニーテールの山乃端さんのところに急ごう!」 「煎餅さん!一体何処に!」 「お兄ちゃん!」 星羅と稲城の山乃端もまた、合流はしたものの、柳生自衛官と柳生ゾンビの苛烈な攻撃に苦しめられていた。 ドン!近くで柳生迫撃砲が着弾し、大きな音が鳴り響く。 「うわっ!」 その場に転ぶ山乃端。 「大丈夫?立てる?」 星羅がそう言うが、星羅の力を借りる事無く山乃端は立ち上がった。 「この位は、自分で何とかできますから」 だが、その顔には疲れが見えた。何とか多磨霊園を抜け出さなければ……! しかし、二人の目の前にあひる侍が立ちはだかる。 「山乃端……山乃端ァァァァァァァァ!」 「!!!!」 あまりの気迫にビビる2人。 そこに、一人の壮年の男性が駆け付けた。 「おじさん!危ないです!」 思わず叫ぶ星羅だが、男性は気にする事無く、2人の前に出た。 すると、不思議とあひる侍は大人しくなった。 「……兄上……」 「総二、やはり、山乃端一人を斬るのだな」 「……もう私は元には戻れない。私は山乃端一人を斬ることでしか救われないのだ!!」 「なら俺が相手しよう!2人共、早く逃げろ!」 そう男性は言うものの、星羅は男性の事を見捨てる事ができなかった。 「どなたかは存じ上げませんが、私も山乃端一人を守らなければならないのです。ここは私が戦います!」 星羅は魔人能力『ノックスの十戒』により、大鎌を出した。 「そうか……魔人だったか……だが、俺もあひる侍を止めなければならない。ならば一緒に戦おう。名前は」 「瑞浪星羅と言います」 「俺は柳生優一郎……あそこにいるあひる侍、柳生総二の兄だ……」 あひる侍の兄。だからこそ、あひる侍を止めようとしている。 星羅はその気持ちを、強く受け止めた。 あひる侍は、中段の構えをしている。 星羅はそこに向かって、鎌を横に振った。 だが、あひる侍に近寄った時、違和感を覚えた。 「!!!」 身体の動きがとても遅くなっているのだ。 あひる侍は余裕で星羅の攻撃を躱し、かつ星羅の胴体を刀で斬りつけた。 「がっ……!」 猛烈な痛みに堪えつつ、星羅は立ったままだった。 「どういう事だ!総二」 「兄上、見ての通りだ」 そうあひる侍が言うと、今度はあひる侍の方から星羅に近寄った。 優一郎もあひる侍に近づき、対抗しようとする。 だが、優一郎もあひる侍に近寄った時、動きがとても遅くなったように思えた。 「兄上、御免……!」 あひる侍は優一郎の方を振り向き、刀を突きたてた。 「ぐっ……」 刀を優一郎から抜くあひる侍。優一郎からは大量に出血するものの、立ち上がったままだった。 「まだだ……まだ、負ける訳には……」 「兄上、2人掛かりで来られても私は負けない。山乃端一人の首を差し出せ!」 お嬢様は相当悩んでいました。 私、クリープをこの場に呼ぶか、呼ばないか。 私が出さえすれば、あひる侍も手玉に取る事ができるでしょう。 しかし、お嬢様は戦っている2人に被害が出るのを嫌がっているようです。 2人共、お嬢様と出会ったのはさっきの事でしょう。 何も迷わず、私を出せばいいのに。 観念したお嬢様は、銀時計を手に取り、私を呼び出そうとします。 稲城の山乃端はクリープを呼び出そうと、銀時計を取り出そうとした。 その時、1人の柳生ゾンビがあひる侍に向かって後ろから襲い掛かった。 「な!」 「ここだ!」 星羅はその隙を見て、あひる侍に再び近寄ろうとした。 柳生ゾンビはあひる侍に近づくと動きが遅くなり、その間にあひる侍が一刀両断した。 だが、後ろから襲い掛かられた事で、あひる侍に大きな隙が発生、何とか対処し、星羅を斬りつけるものの、あひる侍の腕に星羅の大鎌の傷が付いた。 そして、斬りつけられる直前、星羅は柳生ゾンビの顔を見た。 それは星羅の父親の顔(・・・・・・・)だった。 お父さん!お父さん! 何でまたお父さんの苦悶の表情を見なければならないの! 私が何かしたっていうの!? やっぱり魔人のせいじゃないの!? そうに決まっている。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 魔人が悪い。 ………… 星羅は倒れた。しかし、血まみれになりながらも、すぐ起き上がった。 「瑞浪さん!大丈夫か!」 心配そうに声を掛ける優一郎。だが、星羅の様子がおかしい事に気づく。 山乃端もクリープを出す手を止め、その様子を見ていた。 「まだ立ち上がるとは、随分としぶといな」 あひる侍は呆れつつも、中段の構えを取り、星羅の攻撃を防ごうとした。 「貴方のせいで……お父さんがまた苦しんだ……絶対に許さない」 そう言い放ち、星羅があひる侍に近づく。 「何度やっても無駄な事!」 あひる侍も星羅の攻撃を読み、刀を振る。だが、近づかれても星羅の動きは遅くならない。 戸惑う暇も無く、あひる侍の身体に星羅の大鎌が深く刺さる。 「な……何だと!ガハッ!」 あひる侍は刀を手から放し、その場に倒れた。 「教えてあげる。私の能力は魔人を否定する能力」 星羅はあひる侍に大鎌を振り下ろした。 「私の大鎌に傷ついた魔人は、能力が使えなくなる」 星羅はあひる侍に大鎌を振り下ろした。 「どんな魔人能力を持っていたとしても、無駄ってわけ」 星羅はあひる侍に大鎌を振り下ろした。 「貴方はまだ死なせない。最上に苦しんでから死ね」 星羅はあひる侍に大鎌を振り下ろした。 ………… 薄れゆく意識の中、あひる侍は一つの言葉を思い出していた。 『仁義礼智信』 仁とは、人を思いやる事。 義とは、人として正しい事。 礼とは、礼儀と感謝の心。 智とは、道理をよく得ている事。 信とは、うそを付かない事。 母親を斬った時、謝罪をしていれば、こんな事にならなかっただろう。 過去の罪に固執しなければ、こんな事にならなかっただろう。 情報に惑わされ、人を斬らなければ、こんな事にならなかっただろう。 ダンゲロスの開催を願わなければ、こんな事にならなかっただろう。 仁義礼智信を破った私は、地獄に堕ちるだろう。 「やめろ!!」 優一郎が星羅に向けて、強く竹刀を振り下ろした。 それにより、星羅は意識を失い、その場に倒れた。 「確かに弟は人の道を外れたかもしれない!それでも弟だ!兄にとっては大事な弟だ!それをこんな目に……!」 優一郎は憤っていた。 優一郎はあひる侍の元に向かい、あひる侍に話しかけた。 「大丈夫か!総二!」 「……兄上……申し訳……ない……」 あひる侍、いや、柳生総二は兄、優一郎の腕の中で息を引き取った。 「ぐっ……すまない……すまない……総二……」 優一郎は泣いていた。 優一郎に対して、山乃端は、何も言えなかった。 しばらく泣いた後、優一郎は何か憑き物が落ちたかのような表情となり、山乃端の方を向いた。 「総二……俺は決心した……!」 優一郎は山乃端の方にゆっくり歩いた。 「……山乃端一人、覚悟!」 いきなり竹刀を構え、山乃端の頭に向けて振り下ろした。 全く、不意打ちでお嬢様に攻撃するなんて卑怯者ですね。 「な、なんだ……お前は……」 突然私が出てきた事により、優一郎はお嬢様から距離を取ります。 「何故お嬢様を守ろうとした貴方が、いきなりお嬢様を攻撃したのですか」 私は優一郎に問い詰めます。 「お嬢様とは山乃端一人のことか?俺は確かに、総二……弟が凶行に及ぶ事を止めたかった。しかし、俺もまた、山乃端一人の命を奪う事で、ダンゲロスを引き起こし、それによって願いが叶うのなら、山乃端一人の命を奪いたい……ッ!俺はもう迷わない!部下を蘇らせる事ができるなら、弟を蘇らせる事ができるなら、弟の罪を清算することができるなら、俺は修羅になってやる!」 「そう……、それは困りますね。私はお嬢様に死なれたら困りますもの」 「ならお前の命も奪う!!」 優一郎は私に対し、竹刀を振り下ろしました。 私は衣装からダマスカスナイフを取り出しますが、竹刀は強く打っており、思わずナイフを手放してしまいました。 優一郎は非魔人かと思われますが、かなり強いですね。 更に優一郎は、竹刀を続けて私に対し打ってきます。 これには私も防ぎようがありません。 「ぐっ……!」 「お前は人間ではないかもしれない。だがな、お前は俺が必ず倒す!」 私もナイフを使い、優一郎に対し攻撃しますが、その度に竹刀でナイフを弾かれ、逆に私が攻撃を受けてしまいます。 これを何度も繰り返され、私の身体も痛みで動かなくなりつつありました。 「これは……まずい……ですね……」 「覚悟しろ!」 「ですが……これで十分でしょう……柳生自衛官の皆さん!」 そう私が言うと、周囲にいた柳生自衛官が、優一郎に向かって一斉に小銃を乱射します。 「ぐっ……何だ!」 「柳生自衛官、確かに統率は取れていると思います。しかし、知性はそれ程では無かったようですね。あっと言う間に私の言いなりになりましたよ」 「どういう事だ……?」 「大丈夫、貴方のそのうち、あのようになりますから……」 優一郎は被弾により大量の血を流し、倒れました。 「私を守ってくれてありがとう、クリープ」 「いえいえ、お嬢様の為とあらば、いつでも」 さて、お嬢様の仲間と合流する前に、私は引っ込みましょうか。 優一郎が倒れてしばらくすると、柳、衛、八王子の山乃端がやってきた。 柳は稲城の山乃端が無事だと知ると、泣いて喜んだ。 「山乃端さん!良かったよぉ……」 「私は大丈夫よ。それより、星羅さんが……」 稲城の山乃端が指す方向を見ると、あひる侍と星羅が横たわっていた。また、稲城の山乃端の近くには優一郎が横たわっていた。 衛は星羅のところに向かう。 「星羅!星羅!」 倒れている星羅に向けて、衛は呼びかける。 しばらくすると、星羅が目を覚ました。しかし、衛に向けて、星羅は大鎌を振り回した。 何とか避ける衛だが、完全には避けきれず、顔に若干切り傷を作ってしまった。 「くっ……!別人格が発現していたのかっ!」 衛は愕然としていた。 「貴方たちも魔人……魔人は絶対に消さなければならない存在……」 そう言うと、星羅は柳に向かい、大鎌を大きく振った。 柳は無刀取りで対応するが、鎌の先の方が胴体に当たり、そこに小さい傷が作られた。 「!!、刀が!」 柳は焦った。無刀取りの刀があるような感覚が無くなったからである。 だが、周囲にいた柳生科連隊と柳生ゾンビが、一度に消えた。 全員が驚いたが、これを見た八王子の山乃端はデミゴットを呼び出した。再び白く光る馬が現れ、星羅に体当たりをした。 衛は柳と稲城の山乃端に叫ぶ。 「今のうちに逃げろ!星羅は何とかする!」 それを聞いた2人は、その場から離れた。 馬のデミゴットの体当たりにより、再び気絶する星羅。 衛は警戒しつつ、星羅の元に向かった。 「大丈夫か……星羅……」 「……お兄ちゃん……私は……痛っ!」 星羅は無事なようだ。人格も元に戻っている。あひる侍に斬られた傷で、とても痛そうだ。 「そうだ……あひる侍は……?」 星羅が言うと、衛はあひる侍のところに行った。大鎌で何度も刺したかのような傷が残っており、既に生きている様子は無かった。 星羅もあひる侍のところへ向かう。 「!!……これは!!?」 「星羅、見るんじゃない。あいつは星羅の命も狙ったんだろう。これは星羅だけが悪いという訳じゃない……正当防衛だ……」 「まさか、私は、あひる侍の事を……!」 星羅は強いショックを受けていた。いくら一人さんの命を狙っていたとは言え、あんな風に人を殺してしまうとは……! 「う……う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 星羅は大泣きした。 柳と稲城の山乃端は、多磨霊園駅付近まで逃げていた。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 「大丈夫……山乃端さん……?」 「何とか……」 柳は怪我をしており、時折痛そうな顔をしていたが、それ以上の山乃端の事が心配だった。 柳が念じると、再び手に刀が握られる感触がした。 「魔人能力が戻った……」 また山乃端を守れると思った柳は、安堵していた。 「そう言えば星羅さん、さっき魔人の能力を否定する能力とか言っていたわ。あの大鎌に斬りつけられると能力が使えなくのかもしれない」 「斬りつけられた時に自動生成柳生が消えたという事は、あれも私の能力の一つなのかな……?」 「その可能性はあるわね」 「と言うことは、また、あいつらが襲ってくるのか……」 柳は意気消沈した。 「煎餅さん、これからどうするつもり?」 「何も決まっていないけど、私が最初に出会った山乃端一人にまた会えればと思っている」 「どの辺りで出会ったか覚えていたりする?」 「そう言えば会った場所の近くで町田って地名を見たような気がする」 「町田?まさか、電車とか乗らずにここまで来たの!?」 「電車って横を走っているあれ?」 丁度、京王線の電車が2人の横を通って行った。確かに柳と合流してからは、電車を使わずに移動していたことを山乃端は思い出した。 「中に人が乗っているようだったけど、私だけでは乗り方が分からないから歩いてきた」 「町田から府中まで歩いてきたってどういう事よ……いいわ、電車の乗り方を教えてあげる」 「どういう事……?」 「私も付いていくわ。町田に行き、煎餅さんの出会った山乃端一人を探しましょう」 山乃端の申し出に、柳は嬉しい反面、自動生成柳生によって迷惑を掛ける事に申し訳なく思っていた。 同日 東京都府中市 柳生優一郎は、怪我がひどかった為、多磨霊園からの匿名通報により、病院に運ばれた。 救急隊が多磨霊園に来た時には、既に優一郎一人だった。あひる侍、総二の死体は何処かに消えていた。 優一郎はいまだ、憤っていた。 確かに弟は人を何人も斬っており、矯正は望めないかもしれない。 だが、それでも弟には生きていてもらいたかった……! それを、あそこまで無残に殺されるとは……! もう俺の立場はどうなっても構わない。瑞浪星羅と山乃端一人を殺してやる! 優一郎は改めて、復讐とダンゲロスの開催を誓った。 それはそれとして、最後の戦った女性、何者なのだろうか? 優一郎の心に、クリープの記憶が強くこびりついていた。 12月31日 東京都八王子市 私、瑞浪星羅は入院していた。 多磨霊園で受けた傷が深く、しばらく安静にしなければならなかったからだ。 比較的傷の浅かったお兄ちゃんと一人さんは、入院しなかった。 あの日から、私は夜になると、血だらけのあひる侍の夢を見るようになった。 毎晩のように、私はお前のせいで死んだんだと言い続ける夢だ。 お兄ちゃんはあひる侍の事は忘れろと言っていたが、あんな酷い傷、私は見た事が無かった。 これを、私がやったなんて……。 確かに一人さんは大事だけれども、人を殺してまで守ったら……!! 『松田、OUT!』 テレビでは、5人のタレントが、笑うとお尻を叩かれる番組をやっていた。 毎年楽しみにしているが、とてもじゃないけど今年は楽しむ事はできない。 年越しはどうでもいい。もう、寝よう。 1月1日 東京都八王子市 瑞浪邸 大晦日恒例のお尻を叩かれる番組が終わり、衛がお風呂から出ると、洗面所から何かの声が聞こえた。 「衛さん、明けましておめでとうございます。」 「……鏡助か?」 鏡の方から声がする。衛はこれが小松川さんや父が言っていた鏡助かと、今更ながら思っていた。 「そうですね。まずは山乃端一人を守っていただき、ありがとうございます」 「山乃端一人を守っていただきありがとうございます……?ふざけるな!」 衛は鏡助に怒鳴っていた。 「確かに俺達は山乃端一人の命は守った!そしてそのうちの一人は俺達にとって大事な友達だ!だが、その結果、俺の大切な従妹の星羅が戦いに巻き込まれ、殺人を犯し、心を閉ざしてしまった!どういう訳か警察は追ってこないが、これが感謝される事か!?俺は最悪山乃端一人を犠牲にしてでも星羅の事を守りたい!」 「そうですか……ですが、私は山乃端一人を守ってもらわなければ困るのです」 「教えてくれ……山乃端一人の命が奪われた結果起こるダンゲロスとは、一体何のことなんだ……!?」 「そうですね、色々な形態がありますが、今回の場合、東京で大きな魔人同士の殺し合いが繰り広げられる事となるでしょう」 「今の状況でも十分大きな魔人同士の殺し合いが起こっていると思うが……」 「この比ではないですね。それこそ、東京が壊滅するレベルの争いですね」 「そうか……」 「私にとってはこれが起こると困りますからね、本当にお願いしますよ!」 そう言うと、鏡助は鏡の中から去っていった。 「ダンゲロス……鏡助がそこまでして防ぎたいものとは一体……いや、まずは俺の知っている山乃端と星羅を守ることだけを考えよう」 鏡助は頭を抱えていた。 『この世界には山乃端一人が複数いる』 鏡助の知識では、山乃端一人は1つの世界に1人のはずだった。それが、どうしてこんな事に……。 もしかしたら、1人位殺されても東京は壊滅しないかもしれないし、1人でも殺されれば東京は壊滅するかもしれない。 分からない以上、山乃端一人は全員守らなければならない。 心配な事と言えば、瑞浪星羅の事だ。 多磨霊園での戦いで、山乃端一人は2人共無事、あひる侍の死体は協力者により何とか隠す事ができたものの、星羅が殺人をしたという事実までは表の人格に対し隠す事ができず、星羅の心は大きなダメージを負ってしまった。 星羅が転校生になる条件を、鏡助は大体推測していた。そして、星羅がその行動を起こすかは、星羅の心の状態に左右されるという事も、鏡助は想定していた。 「このままでは山乃端一人が殺される前に、星羅が転校生になってしまう可能性がある……!もし星羅が転校生になったら……全てが終わる!」 鏡助にとって、それは絶対に避けたい事だった。
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/758.html
【名前】柳生喚瞑(やぎゅう かんめい) 【性別】男 【所属】科学 【能力】設定移動(クリエイトポイント) レベル4 【能力説明】 空間移動系能力。一度に85.7kgまでしか空間移動させる事が出来ないので、自身を空間移動させる事は出来ない(柳生の体重は96kg) 11次元絶対座標における始点or終点を予め物体(正確には物体近く)に設定しないと空間移動出来ない 正確には、始点or終点を設定した地点の位置情報を元に理論値を補強しないと能力は発動出来ない 始点(or終点)設定後に終点(or始点)を設定出来るタイムラグは3秒 よって、自分自身を空間移動させる事が不可能・始点と終点を同時に設定出来ない・ 物体の無い3次元座標上には空間移動不可能等、瞬間的な能力としては他の空間移動系能力者に大きく劣る それでもレベル4に認定されている理由は、それ以外の能力が極めて優秀だからである 移動距離の上限である始点と終点の直線上の距離は1.08km以内 始点と終点が設定されてさえあれば、接触無しで複数の物体の空間移動や物体の同時入れ替えも可能 予め始点or終点を設定している為に、能力発動間のタイムラグが0.15秒に短縮されており、演算負担も軽減されている 普段は予め終点を自分から離れている地点にいくつも設定している 例 ある物体に終点を設定→数百m離れた物体に始点を設定→空間移動 〃 →落ちてくる複数の物体全てに始点を設定→同じ終点に空間移動(設定済みの複数に渡る終点に別々に空間移動も可) ある物体に始点を設定→始点付近に対象がいる=数百m離れた物体に終点を設定→空間移動 ある物体(石 3kg)5つに始点を設定→落ちてくる5つの物体(合計70kg)全てに終点を設定→入れ替え(始点・終点の順序が逆でも入れ替えは可) etc… (注 ↑に出てくる「物体」には「人間」も含まれます) 【概要】 長点上機学園2年生の17歳。風紀委員175支部に所属している クールで真面目で堅物な少年。「自分を取り巻く状況における最善を尽くす」事を信条としており 自分の能力の欠陥も学園の能力至上主義も平然と受け入れている。成績も優秀 そのせいか他人からいらぬ誤解や反発を受けやすいが、柳生自身は何故そうなるのかイマイチ理解出来ないでいる 姫野七色と同じクラスメイト。机が隣同士という縁もあってか、多忙な彼女の為に不在期間の授業内容等を記したノートを見せたり教えたりしている 趣味は体作りで、彼のボディは筋肉の鎧と化している。格闘術・運動神経も抜群。クールな性格とはある意味真逆の風貌とも言える 痩せれば自身の空間移動も可能になるかもしれないのを理解しているが、わざわざ今の体質を捨ててまで追い求めるものでは無いと判断している 同僚の鳥束華憩と至極普通に付き合える精神力の持ち主。何故なら、彼女の傲慢とも取れる発言なんざ全く気にも留めていないからである 【特徴】 身長188cm、体重96kg。茶髪のサラサラヘアー。眉太 休日は通い付けのジムで一日中汗を流している。余り遊ばない 【台詞】礼儀正しい物言い。お堅いとも言う 「『自分を空間移動させる事もできねえのにレベル4を名乗りやがって』…か。全く以ってその通りだな」 「姫野。これがお前がいない間に習った数学の内容だ。ああ、そのノートを返すのはいつでもいいぞ」 「鳥束…結局お前は俺に何を言いたいのだ?お前の話はいつも別方向に脱線して理解しにくい」 【SS使用条件】 特に無し
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/7820.html
国・地域 / 尼崎市 / 斎藤元彦 + ニュースサーチ 兵庫県「ひょうごフィールドパビリオン」商談会を開催 旅行会社25 社が参加 - 神戸経済ニュース 兵庫 斎藤知事パワハラ疑い 不信任決議案でヤマ場 - nhk.or.jp 泉房穂氏 兵庫県知事の今後に言及「自分の非を認めないと思う…もしかしたら通ると」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース 元副知事「やっとったんちゃうんかい」 兵庫・斎藤知事の指示で…亡くなった元県民局長への“追及記録”明らかに - 日テレNEWS 秋季兵庫県高校野球、準々決勝は明石と姫路で各2試合 開始予定時刻は午前10時、午後1時 - 神戸新聞NEXT 重大局面の兵庫・斎藤元彦知事 騒動でよみがえる「号泣県議」の記憶 - J-CASTニュース 重大局面の兵庫・斎藤元彦知事 騒動でよみがえる「号泣県議」の記憶(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース 兵庫県民、知事にも県議会にも厳しい目 19日に不信任案「成立なら辞任を」「解散も必要」|社会 - 神戸新聞NEXT 「どっち向いて仕事してんねん」兵庫県・斎藤元彦知事(46)“それでも辞めない知事”に有権者が漏らした本音《県議会で不信任決議案可決へ》(文春オンライン) - Yahoo!ニュース 兵庫県知事の選択は失職か議会解散か これからどうなる内部告発問題 - 朝日新聞デジタル 「どっち向いて仕事してんねん」兵庫県・斎藤元彦知事(46)“それでも辞めない知事”に有権者が漏らした本音《県議会で不信任決議案可決へ》 - 文春オンライン 兵庫知事巡る疑惑 内部文書の内容 - Yahoo!ニュース 「俺の悪口も書いてあった。どないやねん」兵庫・元副知事による聴取記録を入手 斎藤知事が指示か - 日テレNEWS どう出る兵庫知事 19日に不信任案 - Yahoo!ニュース ミヤネ屋専門家 斎藤兵庫県知事は今後「一番お金のかかるやり方」選ぶ 可能性4つも「議会が間違っていると打ち出すために」 - Yahoo!ニュース 【新事実】兵庫・斎藤元彦知事“告発者捜し”内容詳細判明「聞き回っとるんやろ」片山安孝前副知事の告発者追及“やりとり全容” - Yahoo!ニュース 兵庫・斎藤知事進退、重大局面へ 19日に不信任案、可決確実(共同通信) - Yahoo!ニュース 兵庫・斎藤知事進退、重大局面へ 19日に不信任案、可決確実 - 神戸新聞NEXT 「兵庫県で人気のスーパーマーケット」ランキング! 2位は鮮魚・精肉が充実していると評判の「パル・ヤマト 西宮店」、1位は?【2024年9月版】(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース 斎藤元彦兵庫県知事は「辞めない初の首長」になるのか…泣きながらも「自分は悪くない」と開き直る本当の理由 - Yahoo!ニュース 斎藤元彦兵庫県知事は「辞めない初の首長」になるのか…泣きながらも「自分は悪くない」と開き直る本当の理由 - PRESIDENT Online 19日に不信任案が議会へ「失職」か「議会解散」か どう出る兵庫・斎藤知事 - テレビ朝日 兵庫県の豊岡演劇祭 街に溶け込む舞台、全70作品【公演レビュー随時更新】 - 日本経済新聞 【知ってた?】卵かけごはんの名店が兵庫県西脇市に移転オープン 早速行ってみた(きょん。) - エキスパート - Yahoo!ニュース 兵庫・斎藤知事への「デマは修正しなければ」維新県議「ゆかたまつり」騒動を説明 高須院長が支援する理由 - Yahoo!ニュース 「絶対やめない」兵庫県・斎藤元彦知事は「県民のため」と言うが ネットには「応援団」も登場 - Yahoo!ニュース 「絶対やめない」兵庫県・斎藤元彦知事は「県民のため」と言うが ネットには「応援団」も登場 - Yahoo!ニュース 秋季兵庫県高校野球 東洋大姫路、西脇工、神戸国際大付など16強(神戸新聞NEXT) - Yahoo!ニュース 秋季兵庫県高校野球 東洋大姫路、西脇工、神戸国際大付など16強|24年秋季県大会|兵庫の高校野球 - 神戸新聞NEXT 「兵庫県で人気のケーキ」ランキングTOP10! 1位は「ケーキハウス ツマガリ 甲陽園本店」【2024年9月版/Googleクチコミ】 | 兵庫県 ねとらぼリサーチ - ねとらぼ 【地元の60代に聞いた】「永住したいと思う兵庫県の街」ランキングTOP22! 第1位は「西宮市」【2023年最新調査結果】(1/6) | 兵庫県 ねとらぼリサーチ - ねとらぼ 報徳が初戦敗退、3季連続甲子園出場は絶望的 西脇工にサヨナラ負け 秋季県高校野球|24年秋季県大会|兵庫の高校野球 - 神戸新聞NEXT 【難読地名】「地元民しか読めないと思う兵庫県の市町名」ランキング! 第2位は「養父市」、1位は?(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース 浅田舞、斎藤元彦・兵庫県知事問題で私見 「どれが事実で、どれが事実じゃないかという情報があふれている」(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース 学費無償化 国に要請/こむら比例予定候補と青年ら/兵庫 - しんぶん赤旗 兵庫知事巡り 県に批判電話5000件 - Yahoo!ニュース 「辞職してすべて終わり」が正義なのか? 斎藤元彦・兵庫県知事の選択が焦点に【「表と裏」の法律知識】(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース 「兵庫県で人気の道の駅」ランキングTOP20! 1位は「道の駅うずしおinうずまちテラス」【2024年9月版/Googleクチコミ】(1/2) | 兵庫県 ねとらぼリサーチ - ねとらぼ 「兵庫県で人気の道の駅」ランキング! 2位は明石海峡大橋の景観を楽しめる「道の駅 あわじ」、1位は?【2024年9月版】 - Yahoo!ニュース 石丸伸二氏 兵庫県知事は「当然悪い」も「国民は連日の報道で飽きていると思う」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース 泉房穂氏 “次”の兵庫県知事に言及「最後は兵庫県民の判断になる。告示日までには『是非この人を』と…」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース 泉房穂氏 “次”の兵庫県知事に言及「最後は兵庫県民の判断になる。告示日までには『是非この人を』と…」 - スポニチアネックス Sponichi Annex 兵庫 17歳の高校生が列車にはねられ死亡 - nhk.or.jp 兵庫県知事 前例なき“議会解散”に踏み切る?「大義なし」専門家から疑問の声(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース 列車にはねられ高校生死亡 兵庫・たつの - 東京新聞 兵庫県知事「公務やっていく」 - Yahoo!ニュース 「もう1回聞くけど作ってないんかい」兵庫県知事“パワハラ疑惑”の告発者を追いつめた、犯人捜しの詳細記録を独自入手【報道特集】(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース 兵庫県知事 “不信任決議案可決なら議会解散検討”重ねて示す - nhk.or.jp 兵庫県議会の全議員の辞職要求に「公務を一日一日やっていく」 斎藤知事、改めて辞職否定(神戸新聞NEXT) - Yahoo!ニュース 高須克弥氏 斎藤元彦兵庫県知事を全面支援「命懸けで守ります」「誇り高く戦う項羽」 - Yahoo!ニュース 泉房穂氏、兵庫県知事選への出馬説に「2万%ない」今は「アイドル路線ですから」(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース 神院大付、明石商に逆転勝ち 西宮東、兵庫大会4強の社破り16強に 秋季県高校野球 - 神戸新聞NEXT 「兵庫県で人気の洋食」ランキング! 2位は県庁前駅近くにある「洋食GURa」、1位は?【2024年9月版】(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース ここから未来の研究者も誕生!? 神戸市で夏休み自由研究の展示会/兵庫県(サンテレビ) - Yahoo!ニュース 社が2回戦敗退 10季連続4強以上の記録止まる 秋季県高校野球|24年秋季県大会|兵庫の高校野球 - 神戸新聞NEXT 兵庫県知事 故郷で証言「視察先で無礼、謝罪なし」 批判電話5000件で県職員疲労 (テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース 兵庫県知事 故郷で証言「視察先で無礼、謝罪なし」 批判電話5000件で県職員疲労 - テレビ朝日 斎藤元彦兵庫県知事は「自己矛盾に陥る」と専門家 もし不信任決議応じず議会解散なら経費16億 (日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース 斎藤元彦兵庫県知事は「自己矛盾に陥る」と専門家 もし不信任決議応じず議会解散なら経費16億 - ニッカンスポーツ 「パワハラ」「おねだり」疑惑の斎藤元彦兵庫県知事、かつて出向した宮城県庁での評判は?(河北新報) - Yahoo!ニュース 斎藤兵庫県知事は「時代感覚にかなりのズレ」石原都政支えた元側近が資質に言及(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース 斎藤兵庫県知事は「時代感覚にかなりのズレ」石原都政支えた元側近が資質に言及 - ニッカンスポーツ 【総選挙に影響か…】兵庫・斎藤知事に辞職申し入れも「推薦責任」の維新&自民が悩む「水面下の攻防」(FRIDAY) - Yahoo!ニュース 兵庫県、25%お得なデジタル商品券『第4弾はばタンPay+』が販売へ。11月下旬頃の募集開始は予定通りになる? - 神戸ジャーナル 兵庫県知事 県議会解散も排除せず検討する考え - nhk.or.jp <主張>兵庫県知事 身を引く決断するときだ 社説 - 産経ニュース 斎藤元彦兵庫県知事の不信任決議案 維新の会が19日に提出へ 失職か議会解散か - スポニチアネックス Sponichi Annex 石丸伸二氏 兵庫県知事は「当然悪い」も「国民は連日の報道で飽きていると思う」 - スポニチアネックス Sponichi Annex 兵庫県の港湾利権⁉ - 自社 兵庫斎藤知事、迫られる失職か議会解散 県議会維新も不信任案共同提出、19日可決へ - 産経ニュース 兵庫県知事 不信任決議案 全会派共同で定例議会初日に提出へ - nhk.or.jp 兵庫県知事が全力で辞任を拒む「3つの拠り所」 「辞めるタイミング」を逃した大きなリスク - 東洋経済オンライン 【独自】「もはや災害…」兵庫県現役職員の悲鳴 斎藤元彦知事への苦情電話やまず 松沢成文氏「自分の進路を決断すべき」 - Yahoo!ニュース 不信任案が可決見通しとなった兵庫県・斎藤元彦知事「続投したいという気持ちが強い」 - 読売新聞オンライン 兵庫県知事 続投に意欲 “不信任決議案可決なら議会解散検討” - nhk.or.jp 「感情高ぶり申し訳なかった」斎藤兵庫県知事、県議会からの辞職要求受け会見 - 産経ニュース パワハラ疑惑の兵庫県知事、続投強調 議会解散の可能性否定せず - 毎日新聞 兵庫県知事に辞職要求 → 知事ってやめさせることできるの?|一色清の「このニュースって何?」|朝日新聞EduA - 朝日新聞EduA 兵庫県知事 不信任決議案 全会一致での可決目指し詰めの調整へ - nhk.or.jp 兵庫県知事 不信任決議案 自民が19日提出へ 維新も賛同の方針 - nhk.or.jp 兵庫県知事の不信任決議案、19日に全会派賛成で可決の見通し…斎藤元彦知事は辞職要求に応じず - 読売新聞オンライン 花粉情報 - hyogo.lg.jp 令和6年度当初予算の概要 - hyogo.lg.jp 日頃からの災害への備え(兵庫県危機管理部) - hyogo.lg.jp 被災建築物応急危険度判定 - hyogo.lg.jp 兵庫県 斎藤知事に辞職を求める 自民など4会派と無所属議員 - nhk.or.jp 兵庫 斎藤知事にきょう辞職要求へ 県議会最大会派の自民党など - nhk.or.jp 「誰から聞いたんや、名前言え」「グルやったんちゃうんか」 兵庫県知事告発者捜しの全容 - 産経ニュース 兵庫県 斎藤知事“県民から負託” 辞職しない考え重ねて示す - nhk.or.jp 「兵庫県知事」の言動に世間が覚えた違和感の正体 職員への異様な要求は 霞が関文化 の副産物か - 東洋経済オンライン 斎藤元彦・兵庫県知事の後援会、トップの尾山氏辞任 - 日本経済新聞 兵庫 斎藤知事 辞職要求“重く受け止め”も応じない考え - nhk.or.jp 兵庫県知事の辞職、維新も要求へ 「県政を混乱」全会派一致の見通し - 朝日新聞デジタル 兵庫県知事・不信任決議秒読みか〉「(県庁に届く贈答品は)私が全部いただく」おねだり知事のあきれた“マイルール”に百条委員会では「支離滅裂やん」と大ブーイング(集英社オンライン - Yahoo!ニュース 脳科学者がバッサリ「メンタルが強いというより」斎藤兵庫県知事は「認めたら負けと思ってる人の典型」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース 兵庫県職員(公衆衛生医師)の募集 - hyogo.lg.jp 兵庫県知事のパワハラ疑惑を内部告発した職員は、なぜ死に追い込まれたのか 県の“告発者捜しマニュアル”を独自入手【報道特集】 - TBS NEWS DIG Powered by JNN 兵庫県知事、「カニを職員の分も持ち帰り」「カキ独り占め」か…職員アンケートに複数の記述 - 読売新聞オンライン 舌打ちし「何が悪いか分かるか」…「瞬間湯沸かし器」斎藤元彦知事にエレベーターを開けておく係 - 読売新聞オンライン 関与してない発言連発の斎藤知事は、兵庫県が生んだアイヒマンか - JBpress 「これは他には言っていないことだから…」斎藤元彦・兵庫県知事(46)の側近副知事が文春記者を呆れさせた“ある一言” - 文春オンライン 【兵庫県知事問題】2人め自殺者発覚、県庁でささやかれる元局長の“弔い告発”決意と「知事を辞めさせる義務がある」代議士の名前(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース ◆ 落ち着け神戸!焦って「避難韓国」を発令してしまいネット失笑 「秒間sunday(2015.7.17)」より / 台風11号が四国近畿を中心として猛威をふるい、各地で土砂災害等の被害が発生する中、神戸市で異例とも思える勧告が発令されてしまった。その名も「避難韓国」である。一体どういうことなのかよくわからないが、直ちに避難所に避難を始めてくれということだ。あまりの事態にネットも困惑し、このキーワードもトレンド入りしている。 (※mono.--前後略、詳細はサイト記事で) ★ 神戸市から緊急速報メールで「避難韓国」が発令されて市民ざわつく 市「誤りでした」 「Yahoo!news - ねとらぼ(2017.7.17)」より / 台風11号が岡山県周辺を通過した11時ごろ。兵庫県神戸市民の携帯端末へ「避難韓国の発令について」というタイトルの緊急速報メールが市から届き、市民がTwitterでツッコミを入れたりしてざわつく事態が発生してしまいました。避難“韓国”? 【次に到着した「誤りがありました」の訂正メール】 神戸市ではいつも風水害時、エリアメールで避難勧告や避難指示情報などを緊急速報しています。「避難韓国の発令について」の内容は、ある区域に土砂災害のおそれが高まったため土砂災害警戒区域として避難をすすめるもの。本文にもしっかり「避難勧告を発令」と表記されているので、件名は変換ミスであるのは明らかです。Twitterでは「避難韓国!ww 落ち着いて落ち着いて~~」「誤変換の悲劇」「MERS続報かと思ったら誤字w」と、受け取った人々が間違いを指摘。 約27分後、再び市から「避難勧告の発令について(訂正)」という緊急速報メールが。「先ほど送信した緊急速報メールのタイトルについて誤りがありましたので、深くお詫びの上訂正いたします」と謝罪するもので、やはりタイトルは誤字でした。結局Twitterでは一連の流れについて次々とツイートされ、「避難韓国」の4文字がトレンドキーワードに入ったりYahoo!リアルタイム検索の1位になったりし、最終的に全国のネットユーザーに認知されたようです。 なお誤りは件名だけで、避難勧告の内容は事実。神戸市の中央・兵庫・北・長田・須磨・垂水・西区は土砂災害警戒区域だとして、住民に対し警戒区域外にある緊急避難場所など安全な場所に避難するよう市は呼びかけています。 ☆ 避難韓国の発令について 「全国の安全・安心メール、防災メール、防犯メール、不審者情報の情報を集めたサイトです(2015.7.17)」より (※mono.--おわびメールが送信されたとのことだが、兵庫県のホームページにはまだ「避難韓国の発令について」というページは残存しているww。以下にページの保存画像を残しておこうとおもう。) .