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女王の本拠地 - 暗闇の中にあるもの そこに現れたのは予想もしなかった女王の姿。 アリスは近寄る。 私はだれ?。 首を切っておしまい。 女王に立ち向かうアリス、アリスは女王を倒し、不思議の国を救えるのか?。 全ては操作する貴方の腕に係っているのだ。 =================================================================
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音奏の意志 マーチ C 光文明 (3) GRクリーチャー:メタリカ/ワンダフォース 2000 ■マナドライブ3(光)-自分のマナゾーンのカードが3枚以上で光文明があれば、このクリーチャーで攻撃するかわりに、タップして次のTT能力を使ってもよい。 TT-自分はGR召喚する。(GR召喚:自分の超GRの上から1枚目を、コストを支払ったものとして召喚する) (ゲーム開始時、GRクリーチャーは山札には含めず、自分の超GRに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、超GRの一番下に戻す) 作者:wha +関連カード カードリスト:wha 評価 名前 コメント
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発言者:天魔・宿儺、天魔・大獄 夜刀の裏面である自分こそが、夜刀の心意を理解し、完遂させるということの宣言。わかりやすくいえば、俺があいつの一番だということ。 彼らの行為は夜刀の表層に同調している他の夜都賀波岐からすれば裏切りともみえる行為であり、ある意味損な役割だが、それすらも彼らは誇っている。 同じ主神の裏面でありながらあらゆる意味で反りが合わない宿儺と大獄だが、根本的に相いれない理由は、「俺こそあいつの一番だ」という相手の自負が気に入らないからであり、それ以上でも以下でもない。お前らどんだけ練炭LOVEなんだよ。 女性陣に嫉妬されるのもよくわかるね! -- 名無しさん (2012-02-04 12 08 53) もはやBLだなwwww -- 名無しさん (2012-02-04 12 20 38) 奴奈比売「大獄……いつか亡き者に」 -- 名無しさん (2012-02-04 12 26 40) ↑2 「すごく・・・一撃必殺です・・・」 -- 名無しさん (2012-02-04 12 31 53) 常世「宿儺……あいつに奪われるくらいなら自分の一物で」 -- 名無しさん (2012-02-04 14 08 48) 神父「おぉ神よ……私は何処で娘の教育を間違えたのでしょう……」 -- 名無しさん (2012-02-04 14 23 08) (∴)「知るか汚らわしいんだよ塵めが」 -- 名無しさん (2012-02-04 14 34 01) ↑6 聖遺物「薄い本」が出・・・いやなんでもない -- 名無しさん (2012-02-04 14 47 06) 宿儺にも穴はあるんだよな…ゴクリ -- 名無しさん (2012-02-04 14 58 11) 宿儺「じゃ行くか夜刀。今夜は寝かせないぜ(はーと)」 -- 名無しさん (2012-02-04 15 14 33) ↑兄さんと大獄入れて男だらけの麻雀大会か -- 名無しさん (2012-02-04 15 20 21) 大嶽は国士無双を連発してくるんですね。わかります -- 名無しさん (2012-02-04 16 19 45) ↑すまん大獄だったorz -- 名無しさん (2012-02-04 16 21 09) 屑兄さんだけか男衆でベタ惚れでないの。それでも信頼はしてるけど -- 名無しさん (2012-02-04 16 22 29) 屑兄さんも蓮と関わり相当薄かったと思うんだけどザミエルと違って憎悪まみれになってるのは何故なんだろう -- 名無しさん (2012-02-04 23 33 05) ↑その辺りはエレ姉と違って蓮の意思に強く同調してるから、の筈。それに、新世界で蓮と仲が良い辺り、性格的な意味でも相性が良いのかも。 -- 名無しさん (2012-02-04 23 36 05) 二人とも渇望の根幹に「誰かを守りたい」があって同調しやすいのと自分から表層の憎悪を引き受けてんじゃなかったっけ? -- 名無しさん (2012-02-04 23 43 09) 女性陣と違ってわざと引き受けてるんだよな -- 名無しさん (2012-02-05 00 00 41) 皆を信頼して最後に勝利すると信じているからこそ、自分に出来る役割に徹しているとあったな 実際この人Diesでろくに出番なかったのにKKKじゃ超主要人物だからなぁ -- 名無しさん (2012-02-05 00 03 30) ↑7 グッズでDiesの麻雀牌とかほしいな。国士無双そろえると獣殿から水銀まで黒円卓全員が並ぶようなヤツ -- 名無しさん (2012-02-05 16 46 08) 戒は「大切な人の為に自分が全ての穢れを引き受けたい」という渇望の持ち主だからこそ、蓮の憎悪すら引き受けたんだと思ってた。そのおかげで大嶽、宿儺、龍明あたりは比較的正気だったのかと。 -- 名無しさん (2012-02-05 21 33 02) ↑その場合、母禮 -- 名無しさん (2012-02-05 21 47 58) ↑ミス。その場合、彼にとっての優先順位からして母禮とかが正気を保っていると思う。 -- 名無しさん (2012-02-05 21 52 05) まあ蓮の苦しみを共有したいって渇望はあったらしいね -- 名無しさん (2012-02-05 22 00 24) 司狼とマキナってカップリング投票の時点で相性悪いって言われてるよね。……まぁ神咒で蓋を開けてみれば理由が何ともはやといった感じだったけどw -- 名無しさん (2012-02-06 07 08 47) ↑この記事の理由とは関係なく純粋に相性が悪い。dies時点で互いにその在り方とかが気に入らないと言われてる -- 名無しさん (2012-02-06 08 58 47) ↑でもいくら理屈つけても「要はおまえ練炭loveなんだろ」で片付きそうなのが神楽の会話だったよなwあれどこかで見たなこの恋愛処女…。 -- 名無しさん (2012-02-06 09 08 26) 母禮「その年で心まで童貞なんて、終わってるのよ!!」 -- 名無しさん (2012-02-06 12 36 17) 赤騎士「腐は消毒だー」 -- 名無しさん (2012-02-06 12 45 19) 男は所詮、駄菓子に過ぎん -- 名無しさん (2012-02-10 16 56 21) ↑やばい、女体化した獣殿を妄想したw -- 名無しさん (2012-02-19 15 09 19) 誰もが己をあいつの一番と崇め、ゆえに誰もあいつの一番に成れない。 -- 名無しさん (2012-02-19 15 40 23) 本当の一番はもういないからな・・・ -- 名無しさん (2012-02-19 15 53 24) ↑2 一番を自称してるのは二人だけだがな 先輩とかは己が刹那の一番になり得ない事を理解してる -- 名無しさん (2012-02-19 16 40 10) なんかイメージ的にこの2人は、顔を合わせる度にメンチきりあってそう -- 名無しさん (2012-05-07 21 07 32) メンチ切る顔がありません! -- 名無しさん (2012-05-07 22 13 35) むしろメンチ切りあったら最悪どちらか死にます! -- 名無しさん (2012-05-07 22 17 58) とにかくめちゃくちゃ仲が悪いよな。 そして当の練炭はそんな2人の思いに気づいてないとか -- 名無しさん (2012-05-07 22 56 13) この二人が逝った時の蓮が絶叫して絞り出すように名前を呼んだシーンは胸にきたなあ -- 名無しさん (2012-05-08 21 08 33) マリィが蓮の一番だけどな -- 名無しさん (2012-05-08 22 43 52) いちいち挑発的な会話の中で、マジギレしかけるのが相手が練炭について語る時だっていうのがなんともはやw -- 名無しさん (2012-06-29 09 16 43) DiesがBLゲームだったら間違いなく攻略対象だよね二人とも -- 名無しさん (2012-08-01 19 06 10) 蓮と司狼とヴィルヘルムの三角関係か…… -- 名無しさん (2012-08-01 19 13 55) 波旬「アイツの意思は、オレの意思だ!」 -- 名無しさん (2012-08-01 19 41 03) ↑ どいつの意志なんだよオイ -- 名無しさん (2012-08-14 18 12 29) この二人は同じ練炭の裏側だけど微妙に違ってたよね。確かマキナがニートの永劫回帰の渇望の停滞と死という表裏で、司狼のほうが練炭の平穏な日常を望むという渇望に潜む破滅願望的な裏側だったかな?両方とも壊すという意味では近いんだけどね。本当に兄弟と親友どちらがより練炭に近いかというのは判断に迷うよね。 -- 名無しさん (2012-08-23 17 55 45) 面倒だから二人が殴り合って決めよう -- 名無しさん (2012-12-16 18 40 57) 戦わなくても練炭に詰め寄ってどっちが一番か聞けばいいだけだな -- 名無しさん (2012-12-16 23 32 45) 女神が一番だろ。夜刀さんはノンケやで -- 名無しさん (2012-12-16 23 41 30) おっと、確かに大将は昔ノンケだったかもしれんが女神が滅ぼされるまでの長い時間マリィがロリィだったりアダルティだったりした事実をお忘れか? -- 名無しさん (2012-12-17 21 16 32) (∴) なんだ、刹那お前は変態だったのか -- 名無しさん (2012-12-17 21 19 20) 刹那「俺は変態じゃないぞ!?仮に変態だとしても変態のと言う名の紳ry司狼「それ俺のネタだろ!!訴えるぞ!?」マキナ「カメラード・・・」 -- 名無しさん (2012-12-17 21 46 12) 波旬はスーパー変態か? -- 名無しさん (2012-12-17 22 16 58) ↑×2○○。「大丈夫だよ。変態さんでも私がちゃんと包むから・・・」 -- 名無しさん (2013-01-27 21 28 49) 抱擁(投獄) -- ゲシュタポ (2013-01-27 22 04 13) つまりアレか。司狼は親友として支え合う純愛ルートに入りたかったのにヤンデレルートに入らされた事が気に入らず、マキナはせっかくヤンデレルートでハッピーエンドを迎えられそうだったのに積み上げた好感度をおじゃんにされたのが気に入らないと。だから二週目のこの時、全力でアッピルしていると。そう言う事なのか? -- 名無しさん (2013-02-09 03 06 09) いたいや練炭の一番は俺だろ -- 名無しさん (2013-02-09 19 00 43) 蝦夷でのやり取りを影から先輩が見て「キメェ」とかぼやいてる姿が想像できる。女子会でもヒかれてたしw -- 名無しさん (2013-02-09 20 12 06) (∴) 鎮静したまえ、刹那。他者愛など、百害あって一利もない -- 名無しさん (2013-02-09 21 14 10) 無間衆道地獄、衆道至高天、衆道回帰の三つ巴か -- 名無しさん (2013-02-09 22 16 04) ↑違いがわかんないww -- 名無しさん (2013-02-09 22 17 51) ↑ってかほぼ同色の覇道じゃねーかwww -- 名無しさん (2013-02-09 22 20 36) 信奉するカップリングの違いじゃないかな…受け攻めとか -- 名無しさん (2013-02-09 23 11 54) 無間衆道地獄:特定のカップリングを永劫至高のモノとして留め続け味わい尽くしたい。 衆道至高天:カプとか受け攻めを気にしないで思うがままの混沌状態、要は何でもありの超雑食。 衆道回帰:カプ、受け攻め論争の末に全てが崩壊する結末を認めず、全てを開始点に戻し至高のカプが出来上がるまで永劫同じ論争を繰り返す。 -- 名無しさん (2013-02-09 23 48 07) えぇい、薔薇はもういい!百合をよこせ、百合を!……それっぽいキャラがいないけど -- 名無しさん (2013-02-11 11 50 41) ふとハッテン道悲想天とか思いついた俺はネツィヴメラーされるべき -- 名無しさん (2013-02-11 12 23 54) ↑↑螢とベア、香純と螢まで妄想したら力尽きた -- 名無しさん (2013-02-11 13 55 28) ↑あえてリザとエレ姉さんのカップリングに挑戦した俺に死角は(モエツキロー! -- 名無しさん (2013-02-11 15 40 40) ↑ロリ蛍とロリ先輩を妄想したのは俺だけでいい・・・ -- 名無しさん (2013-02-11 16 06 55) (咲耶竜胆を妄想したとか言えねえ・・・) -- 名無しさん (2013-02-11 18 42 17) KKKコンシュマーPC版で二次創作機能が再実装されることを切に願う -- 名無しさん (2013-02-11 22 48 45) ↑×7~2までもういいよ・・・そういうの・・・起きたらおきたではじゅん大勝利になるし -- 名無しさん (2013-04-27 00 44 28) ↑妄想するのは自由だと思うの -- 名無しさん (2013-04-27 03 44 11) (∴)俺×俺で決定だろ塵ども -- 名無しさん (2013-04-27 10 48 16) 結局もう一方の自分をぶっ潰してオナニーになるくせに -- 名無しさん (2013-05-08 17 06 54) 奴奈比売「おい、誰かパンッアーファウストもってこい」 -- 名無しさん (2014-12-30 01 12 55) なお隣の英雄譚では主人公の幼なじみ(女)と両翼一体の妖精(男)があいつの事を一番思っているのは貴様ではなくこの俺だと口論しながら俺の辞書にはその単語は存在しないから世界の辞書の内容を書き換える事をしていた模様 -- 名無しさん (2017-01-31 17 33 49) 萌え豚たち「俺がマグの一番だ」マグ「明星最高!流石我が息子!!我が堕天の園に咲いた大輪の華よお前に全てを託そう!!!」 悲しいすれ違いだな -- 名無しさん (2021-05-16 10 51 41) 憧れは理解から最も遠いって某ヨン様もいってた -- 名無しさん (2021-05-17 10 25 31) (∴)俺が天に立つ(女神グシャァ) -- 名無しさん (2021-05-17 21 25 42) 天に立つためにグシャアしたんじゃなくグシャアしたら立つ羽目になったっていう… -- 名無しさん (2021-05-17 21 59 20) 名前 コメント
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ココロの在処 ◆9DPBcJuJ5Q 神敬介は、テントローを走らせる。 その肉体が戦いを求め、破壊を求め、獲物を求めて。 その心は戦いを拒絶し、破壊を嘆き、弱者を救いたいと願った。 だが、敬介の意思とは関係なく、身体は“暗闇”に突き動かされる。 暗闇の種――仮面ライダーの宿敵たる組織の大幹部の一部を、敬介は元居た世界で猛虎との激闘に敗れ、捕らえられた際に埋め込まれていた。 それが伝える、至上の命令は2つ。 ――愚かなる虫けら(ワーム)どもを排除せよ ――仮面ライダーを抹殺せよ 如何なBADANの技術力と、大幹部・暗闇大使の力を以ってしても、仮面ライダーの不撓不屈の魂をも塗り替えることは出来ず、敬介の意識を麻痺させ、簡単な洗脳を施すのが手一杯であった。 それが、この機械仕掛けの殺戮舞台でこのような成果を挙げることになるとは、一体誰が考えられたであろうか? ……殺してくれ。頼む、誰か…………俺を、殺してくれ……。痛い……痛い…………誰かと、戦うのも……誰かを、殺すのも……頭が……心が……すべてが…………痛い…… 「殺して、くれ……」 守るべき者を、共に手を携え戦うべき者達を、そして――後輩をもその手で殺してしまった敬介は、暗闇への抵抗も忘れ、ただただ我が身の滅びを求めた。 血とオイルに塗れ、目からはとめどなく涙を流しながら、破壊の使徒――暗闇の使者と化した怪人・Xカイゾーグは殺戮舞台を駆け抜ける。 ▽ スズキ・GSX750S3 KATANAを操り、ハカイダーは駆け抜ける。この調子ならば、次の放送の前にシャトル発射基地に着くだろう。 順調ではあるが、しかし、ハカイダーには腑に落ちないことがあった。 「…………暴れんのだな」 後部座席に乗る女を見て、ハカイダーはそのような呟きを漏らした。 本郷猛――仮面ライダー1号との決闘の約束の証として連れ去って来た女、フランシーヌを、最初は脇に抱えつつKATANAを操縦するという荒業で運んでいたのだが、 「私は逃げも隠れもしません。このような重心の安定しない体勢を取るよりも、私を後部座席に乗せた方が良いのではないですか?」 などと申し込まれたのだ。実際、脇に抱えたままでは突発的なアクシデントの際に対応が遅れることも充分にありえる。そう考えて、ハカイダーはその通りにした。 その時もフランシーヌは不平や不満など漏らさず、それどころか自己紹介までしてきた。 悪党に攫われた女というものは、泣き叫ぶか暴れるか、と相場は決まっているのだが……。 「どうしました? まさか、私に暴れられた方が好都合なのですか?」 バイクの排気音に掻き消されても不思議ではない呟きを聞き取ったらしく、フランシーヌはそのように訊ねてきた。 「いや。こういう時、捕まったヤツは泣き叫ぶか暴れるものだと思っていたのでな」 自らの悪の知識をフランシーヌに披露し、ハカイダーはKATANAを操縦しつつ、フランシーヌの返答を待った。 「そうでしょうね。ですが、残念ながら、私は笑うことと同様に泣くこともできません。そして暴れないのは、この状況で暴れても意味が無いからです。……それに」 そこでフランシーヌは一旦、言葉を切った。それに続く内容は、余程重要なことなのだろう。 KATANAを止めることはせずとも、せめてスピードを僅かに緩め、ハカイダーは続きの言葉を聞き逃すまいとした。自らが捕らえた者の主張に耳を傾けるのも、悪の美学というものだ。 「貴方を止める為にも、貴方とはゆっくり話をしたいと思っていますので」 意外な言葉ではあった。しかし、それだけだ。 「ふん、そうか」 ハカイダーは別段、フランシーヌに興味を持っていない。ただ、本郷猛の連れである程度の認識しか持っていないし、持とうとは思わない。 なにより、ハカイダーが興味を持つのは、敬意を払うのは――気高く、強く、誇り高い、正義の戦士だけだ。 村雨良。ゼロ。獅子王凱。風見志郎。本郷猛。そして、キカイダー。 彼らのような正義の戦士との戦いこそが、ハカイダーの求める全てであり、唯一欲するものなのだ。 そうだ。今、こうして僅かにでも奴らとの戦いを思い出すだけで、回路<ココロ>が踊るほどに。 そうしてC-6を駆け抜けC-5に至った、その時。 「……む」 脇に見える学校の校庭を猛然と駆け抜けてくる排気音に気付き、ハカイダーはKATANAを止めた。 「あれは……」 フランシーヌもそれに気付いたらしく、音の主が見えた時には声を漏らした。 現れたのは、全身を血とオイルで汚した男だった。 明らかに、この殺し合いに乗っている。それを看破し、ハカイダーは己の幸運に感謝した。 あのままシャトル基地に向かっていたら、この男が仮面ライダー1号との決闘を邪魔していた可能性は大いにあったのだ。その不安要素を前以て排除できることは、都合のいいことだった。 男は途中まで、そのまま体当たりを仕掛けてくるような勢いだったが、ハカイダーの後ろ――フランシーヌに目を遣ると、急にバイクを止めた。 不可思議な急停止を訝しむが、それよりも優先すべきことがある。KATANAに乗ったまま校庭に乗り込み、ハカイダーは問うた。 「おい、貴様。仮面ライダーを知っているか?」 ▽ 敬介はA-4を抜けた後、すぐさま次の目的地を決定した。 それは、人が集まるであろう官庁舎やTV局……ではなく、隣のコロニーの自然公園エリアだった。 理由はない。あるとすれば、それは予感だった。仮面ライダーXとしての直感が、TV局には何があろうと決して向かってはならないと訴えかけたのだ。 その意志は強力で、TV局の倒壊を目撃しても尚、暗闇の意志に、「自身により有利な戦場を確保する為に自然公園エリアへ向かうのだ」と妥協させたほどだ。 そうして、神敬介――否、怪人・Xカイゾーグはマップ北エリアにある街中を移動した。 やがて、数時間前に赤い鎧の剣士と赤い髪の少女と戦った戦場である学校の付近に至ると、改造人間の優れた聴覚がバイクの排気音を聴き付けた。 獲物の存在を感知した暗闇の意志は、敬介の体に刻まれた仮面ライダーとしての技量を遺憾なく発揮してテントローを操縦した。 視界に捉えたのは、バイクに乗った黒髪の、日本人風の男だ。見たところ、バイクは改造人間が使うようなカスタム品ではなく、通常のものに見える。ならば、このまま突撃して……。 暗闇の意志が効率の良い戦闘を実行しようとした、正にその時、敬介は男の後ろに女性がいることに気付いた。 その女性の姿が、似ても似つかないのに……『彼女達』と、ダブッて見えた。 敬介は必死に暗闇の意志を押さえつけ、結果、彼らから10m程の距離を取ってテントローを停止した。 今の内に、彼らが逃げてくれればいい。なにしろ、今の自分は返り血とオイルに塗れている、殺人鬼にしか見えない風体だ。 ……だから、頼む……俺を、殺さなくていいから………………逃げてくれ。 敬介は暗闇の意志を押さえ込みながら、切にそう願った。 だが、男は離れるどころか近付いてきて、敬介に問うたのだ。 「おい、貴様。仮面ライダーを知っているか?」 それは、考え付く限り、この場で最悪の問いだった。 「仮面……ライ、ダァ…………!」 ▽ 仮面ライダー。それは、本郷猛を初めとした悪と戦う10人の仮面の戦士の総称であり、この壊し合いの舞台に招かれた5人の戦士を指す言葉だった。 強さだけでなく優しさをも兼ね備えた頼もしき男、本郷猛。 この壊し合いの開始早々に墓を打ち立てていたという、城茂。 ハカイダーとの戦いに敗れその命を散らしたという、村雨良。 そして、まだ見ぬ風見志郎と神敬介。 彼らを象徴する言葉を聞くと、目の前の男はそれを、まるで壊れかけの自動人形のような口調で繰り返し、バイクに乗ったまま苦悶の表情を浮かべた。 その様子をフランシーヌはもとより、ハカイダーまでもが近寄りがたい様子で見ていた。 「…………ゲ……ル……う、ぐ……ぎ……が、ああ、ああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」 何事かを呟いた、直後、男はまるで気でも狂れたかのような絶叫を上げた。 「な、なんだ?」 ハカイダーは男の奇行に目を点にしていた。恐らく、こういうものを見るのは彼も初めてだったのだろう。 フランシーヌも驚いたのは同様だった。だが、男の表情に見覚えがあるような気がして……やがて、あの時のことを思い出した。 「泣いている……? けど、彼らとは違う……」 アンジェリーナがエレオノールを出産した時、それは“難産”という出産の中でも非常に危険な状態であり、母子共に命の危険に晒されていた。 その時、正二やギイを初め、多くの人々が“泣きそうな顔”をしているのを、フランシーヌは見ていた。あの時はそれが何かは分からなかったが、今ならそうと分かる。 エレオノールも出産の直後にフランシーヌが叩くと、大声で泣き出した。それを見届けていた人々もまた、幾人かがつい先刻までとは違った顔で泣いていた。 それらの記憶と、目の前の男の顔を見比べると、確かに“泣きそうな顔”や“泣いている顔”に似ている。しかし、フランシーヌの知るどの顔とも、その表情は……。 そこまで考えて、唐突に1人の、決して忘れられない……忘れられるはずの無い顔が、フランシーヌの記憶の中から浮かび上がってきた。 「こ、ころ………れ」 「なに?」 その男の顔と、目の前にいる男の表情は、とてもよく似ていた。 「殺して、くれ」 目の前の男の表情は、フランシーヌの創造主――白金が、フランシーヌの首を絞め、打ち棄てて行った時の顔と、あまりにも似ていた。 ――その時の白金と、今の神敬介。彼らがその顔面に浮き彫りにするほど、彼らの心に深く刻まれた、暗い虚のような感情。 ――人はそれを、“絶望”という。 「………………俺が……茂、を、お、おおお、おおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」 男の絶叫が、再び辺りに響き渡る。そして今度ははっきりと聞こえた名前に、フランシーヌは戸惑った。 「シゲル……? まさか、城茂……!?」 その名は紛れもなく、本郷が語った後輩の名前。その名前が、あのような口振りで語られたということは、つまり……! すると、フランシーヌが呟いた一言が引き金となったのか、男の表情は自動人形のような無表情へと変貌し、そして、力の込められた動作を行い、その体を光で包んだ。 この光景には、見覚えがあった。そう、本郷が見せた“変身”と、酷似……いや、全く同じ――! 「その姿……馬鹿な! 貴様は……」 光が収まり、露となった男のもう1つの姿に、フランシーヌは言葉を失い、ハカイダーは絶句した。 銀の仮面に、光を失った薄暗い赤い複眼。胸部の装甲には亀裂が走り、銀の体を返り血とオイルで赤黒く汚したその姿は、紛れも無く―― 「ライドル――」 銀の仮面の怪人はPDAを操作して取り出した、大きな刀を手に握ると、前方宙返りをしながらハカイダーとフランシーヌに迫った。 「仮面ライダー! 貴様は――仮面ライダーではないのか!?」 「――っ……脳天、割り」 ハカイダーの絶叫を聞き、銀の仮面ライダーの動きが鈍った。しかし、それでもその刃は過つことなくフランシーヌへと迫り―― 「ちぃっ……!」 寸前のところで、ハカイダーがバイクを走らせることでその凶刃から逃れた。 初動がここまで遅れるとは、ハカイダーも動揺していたのだろう。 当然だ。強い正義の戦士に敬意を表し、その破壊を誓う悪の戦士だからこそ、ハカイダーは誰よりも正義の戦士について理解しているのだ。 まして、仮面ライダーとはZXを破壊し、V3とは共闘し、1号とは決闘を約束した仲なのだ。ハカイダーはこの会場にいる誰よりも、仮面ライダーを理解しているという自負があった。 だからこそ、フランシーヌが困惑する以上に困惑し、フランシーヌが理解に苦しむ以上に解せないのだ。仮面ライダーが凶刃を振るうという現実が、どうしても信じられないのだ。 ハカイダーは校庭の隅にバイクを止めると、サブローの姿から変身してすぐに降車した。そして、フランシーヌに彼女のPDAとゼロバスターを投げ渡してきた。 「貴様は下がっていろ」 一方的に宣告して、それきりフランシーヌを無視するように、ハカイダーは銀の仮面ライダーを睨み付けた。 「しかし……」 仮面ライダーのことは、フランシーヌも本郷を通じてよく知っている。 あの本郷の後輩なのだ、悪人であるはずが無い。……なのに、あの銀の仮面ライダーは、凶刃を握り、フランシーヌを破壊しようとした。 それには、何か理由があるはずだ。そしてできることならば、彼を止めたい。そう思い、フランシーヌはハカイダーの決定に抗おうとした。だが。 「お前は、俺と仮面ライダー1号の決闘の約束、その証であり、証人だ。他の戦いに巻き込んで死なせる気など毛頭無い」 「ハカイダー……」 背を向けたまま語るハカイダーの決然とした言葉に、フランシーヌは何も言えなくなった。 何故なら、ハカイダーのその後ろ姿が―― 「だが、折角武器を返してやったのだ。最低限、自分の身ぐらい守ってみせろ」 ――とても、頼もしく見えたから。 ▽ ギンガはTV局の倒壊を目撃したが、現在位置から距離が離れていることと、情報不足による不確定要素が多いことから一先ず無視して、変わらずシャトル発射基地を目指していた。 その途中、どこからか、何者かの声が聞こえてきたことを察知した。 生体センサーには……反応無し。恐らく、余程の大声なのだろう。生体センサーの探知範囲外から響いてきたものと予測される。 その場に一時静止し、再び声が聞こえてこないかと待ち受け……聞こえてきた。方角と現在位置を素早く把握し、PDAのマップと照らし合わせる。推測される位置は、『学校』の近辺、若しくは内部。 状況を把握し終えると、ギンガは来た道を引き返し、現地の調査よりも優先される事項――帰還の障害となる者の排除の為に行動を開始した。 それと並行して、フットパーツのダッシュ機能による新たな移動方法の練習も、欠かさず行った。 ▽ 校庭の中央に近い位置で、ハカイダーは銀の仮面ライダーと戦闘を開始した。 目の前の仮面ライダーはZXやV3、そして1号とは違い、長ドスという武器を用いていた。ならばそれは、他の3人と比べて身体機能が劣るということなのか? 否。そんなことは決してない。 長ドスを縦横無尽に操りながら、その合間に繰り出される拳や蹴りの冴えは、他の仮面ライダーと比べてなんら遜色無い。 そう、この銀の仮面ライダー――Xライダーは、仮面ライダーとしての身体能力に加えて武器の扱いにも優れた、変幻自在の戦いを得意とする技巧派の仮面ライダーなのだ。 鉄をも打ち抜くハカイダーの蹴りを、銀の仮面ライダーは長ドスを地面に突き刺し、柄の部分を基点に体を持ち上げることで回避し、そこから更に体に捻りを加え、変形の廻し蹴りをハカイダーの頭部目掛けて打ち込んだ。 それを何とか右腕で受け止めて防御したが、流石は仮面ライダーの蹴り。得意の飛び蹴りでこそないが、その威力はキカイダーをも上回るか。 銀の仮面ライダーはその外見からも、ハカイダーと同じかそれ以上の数の戦闘を行ったことが分かる。それを、回復を一切せずに、回復したハカイダーを相手に一歩も引かずにここまで戦うのだから、流石の実力だ。 相手の実力を理解すればするほど、ハカイダーの苛立ちは募っていく。 ハカイダーの拳をいなし、銀の仮面ライダーは回避の動作からそのまま長ドスを振るい、ハカイダーの首を斬り落とさんとする。それを前方へ転がり込むことで回避し、そのまま体を回転させて足払いを仕掛ける。 足払いは当然の如く、ジャンプによって回避された。そう、銀の仮面ライダーはジャンプして―― 「Xキック」 ――遂に、自らを象徴するライダーキックを放ってきた。 両腕を交差させてXキックを防御しつたが、Xキックの反動で、ハカイダーはしゃがんだ状態のまま数mほど地面を抉りながら後退させられた。 「ぬぉ……!」 さしたるタメも無しに発揮された威力に、ハカイダーの口からも驚愕の声が漏れる。 これが正義の戦士との決闘であったら、どれほど胸の悪魔回路が唸りを上げ、回路<ココロ>が踊ったことか……! 瞬時に間合いを詰めた銀の仮面ライダーが袈裟に斬り落とした長ドスの一撃を、ハカイダーは容易くかわし、そして、憤怒の言葉と共に拳を叩きつけた。 その拳は、銀の仮面をへこませるほどの、強烈な一撃だった。 「何故だ! 銀(しろがね)の仮面ライダーよ!!」 この戦いが、銀の仮面ライダーの意志によって行われているものならば、ハカイダーとてそれを受けて立ち、破壊することは吝かではない。 だが、そんなことは断じてない。それは、先程までの様子を見ていれば分かるだろうが、今の銀の仮面ライダーの様子を見ても一目瞭然であった。 「嫌だ……い、や……だぁぁ…………」 銀の仮面ライダーは先程から、呪詛のような言葉を呟きながら―― 「何故貴様は、そんな醜態を曝している!!」 ――血涙を流していた。 ハカイダーは既に、目の前の敵が仮面ライダーの姿形を借りた何者かということを看破していた。ならば偽装や変装の類かと思ったが……このような呻きを聞いては、この男が仮面ライダーだと認めざるを得ない。 ならば、どうして仮面ライダーが己の意思に反して、血涙を流しながら破壊を、悪行をしているのか? そんな疑問は陳腐なものだ。 自分達をここに集めたシグマは、体に爆弾を埋め込んだと言い、水色の髪の少女を爆破することによってそれを証明した。ならば、爆弾を埋め込まれる以外の処置――洗脳を受けた者が居たところで、何の不思議も無い。 「もう、殺したくない……奪いたく、ない……失わせたく、ない…………」 容赦の無い攻撃を繰り返しながら、仮面ライダーは呻き続ける。 その姿が、心だけが正義を志し、体が悪を為すという光景が、ハカイダーの回路<ココロ>を激しく憤らせる。 「ならば、貴様が守ってみせろ! それこそが、正義の戦士――仮面ライダーではないのか!?」 叫びながら、亀裂の走っている装甲目掛けて、仮面ライダーの十八番である飛び蹴りを敢えて放った。すると、銀の仮面ライダーはこの一撃に対して一切の回避も防御もせず、それをあっさりと受けた。 突然の“悪”の行動停止に、ハカイダーはにやりと笑う。 「俺、は……俺は……俺はぁ…………!」 そう、そうだ! 燃え上がれ、正義の魂よ! 奮い立て、正義の戦士よ! そうでなければ、貴様を破壊する意味など無い!! そうあってこそ、貴様を破壊することに意義がある!! 仮面ライダーが己を取り戻し始めた兆候を見て、ハカイダーは期待に胸を高鳴らせた。 だが、よろよろと立ち上がった仮面ライダーは、なにもしようとはせず―― 「俺は……もう…………仮面ライダーには、戻れない。……だから――――殺してくれ」 ………………今、こいつは何と言った? 正義の戦士が、仮面ライダーが! 悪の改造人間ハカイダーに、自ら破壊されることを望んだ……だと!? ハカイダーはありったけの怒りを込めた渾身の拳を、仮面ライダーの顔面に叩き込んだ。 その勢いのまま、再び地面に倒れ伏した仮面ライダーに、ハカイダーは言葉を叩きつけた。 「甘ったれるな、銀の仮面ライダー!! シグマに改造されたか洗脳されたかは知らんが、お前の気高き心は! 熱き正義の魂は! 完全に屈服したわけではあるまい!! ならば、既に死の覚悟を決めたというのなら……死力を尽くして、悪に抗え! 悪に打ち克て! 仮面ライダーよ!!」 それこそが、ハカイダーが敬意を表する正義の在り方、戦士の姿。 如何なる状況であろうと、その体現者の1人である仮面ライダーがそこから逃げ出すなど、何があっても許し難いことであった。 「死力を、尽くして…………悪に、抗う……!」 ハカイダーの言葉を、まるで出来の悪い壊れかけの録音機のように、銀の仮面ライダーは繰り返した。 それに頷き、更にハカイダーは、仮面ライダーに発破をかけた。 「そうだ! そして、貴様の目の前にいるのは、貴様の後輩である仮面ライダーZXを殺し! 貴様の先輩である仮面ライダー1号に決闘を挑んだ悪の改造人間、ハカイダーだ!!」 この宣言を聞いた仮面ライダーは、ゆらり、と、幽鬼の如く立ち上がった。 「ゼクロス……本郷、先輩…………悪の、改造人間……!」 仮面ライダーの声から少しずつ、唯一表れていた感情である絶望が失われ、無の感情へと帰ろうとしていた。 悪を斃すのなら良いだろうと、悪に身を委ねるのか?……いや、違う。断じて違う。 「さぁ、奮い立て、銀の仮面ライダーよ!! そして、自らの意志で、悪を――貴様を操る悪意と、悪の戦士である俺を破壊してみせろ!!」 言い終わった頃には、銀の仮面ライダーは無感情へと戻り、容赦なく長ドスを振るってきた。 だが、魂と肉体の合一せぬ攻撃の、なんと拙劣なる事か。 最早ハカイダーは、“今の”銀の仮面ライダーに負ける気が寸毫もしなかった。 何故なら、始まったからだ。目に見えぬところで、正義と悪の戦いが。 薄暗い暗闇に沈んだ赤い複眼の奥底に、ほんの僅かだが、正義の炎が灯ったことを、ハカイダーは確信していた。 ならば、その決着が付くまで、自分は最も近くで見届けるとしよう。……その前に俺に破壊されるような間抜けであれば、この男は仮面ライダーとして失格だったというだけのこと! そのように心に決めて、ハカイダーは本気で銀の仮面ライダーと戦い続けた。 ▽ 目の前で繰り広げられる激闘を、フランシーヌは決して目を離すことなく見ていた。 ハカイダーと仮面ライダー。両者の動きは人間の領域を遥かに超えた域にあり、自動人形の中でもあれほどの動きを見せるのは、“最古の四人”でもどうかというほどだ。 その彼らの一挙一動を、フランシーヌは確かに全て見届けていたのだ。 “真夜中のサーカス”で100年もの間、絶えることなく日々繰り返された道化となりし自動人形達による曲芸の数々。それらを余すことなく、全てを見ていたフランシーヌならばこその眼力と言えるだろう。 しかし、そのフランシーヌをしても、両者の動きを追うことは困難であった。 自動人形達の見せるものが“曲芸”ならば、ハカイダーと銀の仮面ライダーが繰り広げているのは“極芸”と称すべき激闘、死闘だ。 世界と時間――時空を越えて実現した正義と悪の改造人間の戦いは、自動人形の見せるどのような芸よりも鮮烈であり、過激であり、激烈であり、凄まじいものだった。 この時、フランシーヌの傍らに冷静な第三者がいたら、こう語ったことだろう。 「フランシーヌは目の前の戦いに見惚れている」と。 数多の自動人形が求めてやまなかったその姿を、フランシーヌは誰に見せることもせずにそうしていたのだ。 そのようになった理由は、2つ。 1つは、ハカイダーが銀の仮面ライダーに発した言葉の数々。同じ機械仕掛けの存在とは思えない、才賀正二や才賀アンジェリーナを髣髴とさせる“熱く激しい”言葉は、銀の仮面ライダーだけでなく、フランシーヌの“何か”をも揺り動かしていた。 そしてもう1つ、銀の仮面ライダーに生じた変化だ。ここからでは聞き取れないような、囁くような声を幾度か発し、ハカイダーの言葉を聞いた彼の動きに、明らかな変化が見えたのだ。 強いて言うなら、それはぎこちなさ。まるで、意志と体がそれぞれバラバラに動いているような、そのような違和感を覚えるのだ。 その変化は、ごくごく僅かなものでしかない。同じ仮面ライダーや実際に戦っているハカイダーを除けば、数々の芸を見ることによって鍛えられた眼力を持つフランシーヌでなければ、それを見抜くことは出来なかっただろう。 そして、彼に――変身の直前に、その表情を創造主である白金と同じものから、フランシーヌのような無表情へと変化させていた銀の仮面ライダーの様子は、何よりもフランシーヌの興味を引いた。 自分はこの戦いを見届けることによって、今度こそ、求めてやまなかったもの……いや、きっと今も求めている“心”を得ることができるのではないかと、不謹慎ながらそんな期待を抱いていた。 戦いが佳境に至り、ハカイダーの拳を受け止めた長ドスに皹が入った、その瞬間、フランシーヌは何者かの気配を察した。 そう、これは……“真夜中のサーカス”でフランシーヌを笑わせるべく、自動人形達が試行錯誤の末に考え出した演出の1つ。 芸の途中で他の道化が現れる手法――“乱入”だ。 「っ!?」 それに気付き、上を見る。そこには青く長い髪を靡かせた女性が、剣を片手に高速で飛び掛ってくるところだった。 ▽ ギンガがフットパーツのダッシュ機能により新たに得た移動手段。それは『ダッシュジャンプ』と呼ばれる技術だった。 ダッシュジャンプとはその名の通り、ダッシュの勢いを殺さずそのままジャンプするというものだ。安直なネーミングではあるが、この技術にはその単純さからは考えられないほど高い効果があった。 簡潔に述べると、ジャンプの速度、飛距離、最高到達点――これらが全て、通常のジャンプの数倍にまで伸びるのだ。 加えて、微細な力加減により高さを低めに飛距離のみを伸ばす。飛距離を短めに高さのみを伸ばすなど、その運用方法は多彩であった。 フットパーツによる戦闘もほぼ完熟していたギンガは、この単純な技術を応用も含めて、数十分程度でほぼ完璧にマスターしていた。これで空中ダッシュも併用すれば、戦術の幅は格段に広がる。 そして学校の近辺に至ると、戦闘音を感知。ギンガは戦闘の主達に気付かれないように、戦闘の余波で破壊されたらしい体育館の屋上へ跳躍し、着地。そこから、生体レーダーと合わせて状況を把握する。レーダーの反応は2つ。 校庭の中央付近には、黒と銀の――Aクラスの警戒対象である『カメンライダー』と近似したフォルムの2体がおり、戦闘を繰り広げていた。遠目でははっきりと確認できないが、少なくとも、軽視できない戦闘能力の持ち主であることは確かだ。 その2体が戦闘をしているとなれば、ギンガの選択は1つ――傍観である。 あれほどの接戦。どちらが勝利するにしても、極度の消耗は必至である。ならば、戦闘が終わってから、消耗した勝ち残った方とだけ戦うことこそが最善である。 行動を決定し、その他の要因を確認すべく、ギンガは校庭を見回した。 確認されるのは、放置された2台のバイクと、その内の1台の傍にいる女性。 レーダーを確認し、女性の位置と照らし合わせる。レーダーに女性の反応は無し。ならば、これはどういうことか? 暫し思案し、ギンガはあれが生体パーツを用いていない純粋なロボットであると判断した。それならば、“生体”レーダーに反応しないはずである。 ギンガは再度、位置関係を確認する。そして、女性型ロボットの挙動から戦闘能力が低いことを推測し――後の不安要素を確実に排除すべく、行動を開始した。 体育館の屋上からロボット目掛けてダッシュジャンプを行う。中央付近での戦闘音に、ジャンプの音は掻き消された。誰もギンガの跳躍に気付いたものはいない。 ジャンプの描く曲線も、高低差も含めて計算通り。更にダッシュジャンプの勢いに重力加速度も加わり、このまま誰に気付かれることも無く、右手に握った天王剣で女性型ロボットを過つことなく始末できると、ギンガは判断した。 しかし、何の落ち度があったというのか、女性型ロボットは寸前でギンガの強襲に気付き、身をかわしたのだ。 予想外の回避にも、ギンガは慌てず、状況を分析する。 今のタイミングで奇襲に気付いたことには高い評価が与えられる。だが、回避の際の速度も身のこなしも、ギンガの認識する『一般人』程度のレベルであり、このまま始末することは不可能ではないと判断。加えて、中央付近の2体は未だにこちらに気付いていない。 ――この間、僅か0.1秒。 ギンガは再び天王剣を構え……またも予想外の事態に翻弄される。 ロボットの右手に、本人の意匠からかけ離れたパーツが装備されていたのだ。そこから発射されたエネルギー弾を、ギンガは回避した。 だが、今の発射音で間違いなく、中央の2体に気付かれたはず。 次の発砲を警戒しつつ、ギンガは中央で戦う2人に目を向けた……が、変化無し。依然として戦闘を継続している。 ならば、ここで女性型ロボットを速やかに撃破し、一時離脱するのがベスト。 そのように判断し、ギンガは女性型ロボットの撃破を再開した。 ▽ 神敬介は戦っていた。眼前に立つ黒い破壊の戦士とではなく、己を包む暗黒の意志と。 暗黒の意志がハカイダーに拳を振るう度、敬介は蹴りを放つ。 暗黒の意志がライドルの如く長ドスを振るう度、敬介は拳を放つ。 しかし、それを幾度繰り返しても、暗黒の意志を振り払うのには足りない。何度払いのけても、まるで無限に湧き出る泉の如く、暗闇は幾度でも立ち込める。 心象風景の中、精神の領域――言わば夢の中で行われている、孤独な戦い。だというのに、疲れも、不快感も、何もかもが現実味のあるものだった。 荒く呼吸をして……そこからも暗闇の意志が入り込もうとしてくる。敬介はそれを慌てて打ち払う。 その時、腹に強烈な一撃が入れられた。 「ガッ……ハ、ァ……!」 ハカイダーの膝蹴りが、Xカイゾーグの腹に入ったのだ。それにより一瞬怯むが、Xカイゾーグはすぐにハカイダーを打ち払い、距離を取る。 ……くっ…………流石は、悪の改造人間。容赦が無いな。 そのように考え……敬介は自嘲した。 ……なにが、悪の改造人間だ。それって、今の俺のことじゃないか。ハカイダー……だったか。寧ろ、力の無い女性を守って戦うこの男こそ……仮面ライダーに相応しいんじゃないのか? 悪の戦士が聞いたら激昂すること間違い無しの思考をした、その時、ハカイダーの後ろから発砲音が聞こえてきた。 見ると、ハカイダーの連れである銀髪の女性が、見覚えのない青い髪の女に襲われていた。 「しまった……!」 ハカイダーは見てこそいないが、発砲音で襲撃者の存在を気取ったのだろう。 だが、暗闇の意志にそんなものなど関係ない。Xカイゾーグの攻め手は増し、逆にハカイダーは何とか離脱しようとして攻め手を欠き、防戦一方に陥ろうとしていた。 ……おい、何をしているんだ。 Xカイゾーグの蹴りが、ハカイダーを捉える。 ――青い髪の女の足元を撃って撹乱し、銀髪の女性は必死に逃げようとしている。 ハカイダーは蹴りをものともせず、踏み止まる。 ――青い髪の女はそんなもの意にも介さずに突き進み、銀髪の女性との距離をあっという間に詰めた。 その瞬間。 敬介は、無我夢中で動いた。 ハカイダーが放った強烈な一撃も、長ドスを盾代わりにして何とかやり過ごすと、そのままハカイダーに構わず、銀髪の女性の下とへと急ぐ。 ……間に合え。 青い髪の女の剣を辛うじてかわしたものの、銀髪の女性の右腕は斬り落とされ、そこから銀色の液体が滴った。 そう……まるで、銀がそのまま血になったような、そんな液体だった。 思い出がフラッシュバックする。 BADANの名も知らず、『選ばれし民』という通称でさえも掴めていなかった頃。神敬介はスペインのコルタ・デル・ソル近海で発生していた『海の銀』事件を追っていた。 そこで知ったのは、1人の老人と、その息子夫婦を襲った悲劇。そして、人の幸せを己の邪悪な欲望で穢し、それを奪われた悲しみと、憎悪と、絶望にさえも付け込んだ、悪辣なる“銀の髑髏”。 それは、人々の恐怖を糧として、それを形として成す、銀と見紛う液体金属を精製していた。 その銀が今、目の前にあるようだった。 ……あの時は、間に合えた。 青い髪の女が、剣を振り被る。銀髪の女性は、諦めてしまったのか、それ以上動こうとしなかった。 ……だから、今度も! 今度こそ! 「間に合えええええええええええええええええ!!!!」 敬介は――仮面ライダーXは暗闇の呪縛を、今、この時だけは完全に打ち破り、怒涛の如く駆け抜けた。 そして、仮面ライダーXの行動は……寸前のところで、間に合った。 銀髪の女性の襟首を掴んで、強引に手前に引っ張りよせ、凶刃から救ったのだ。 ……漸く、救えた。 その実感に安堵した……のが、いけなかったのか。暗闇の意志が、体の支配権を奪い返さんと暴れ始めた。それを押さえつけるために、仮面ライダーXは行動停止を余儀なくされ、隙だらけになった。 青い髪の女――ギンガは、それを見逃さなかった。 「ナックルバンカー」 原因不明の一時停止だが、今こそAランクの脅威を排除する好機と見たギンガは、魔力を纏った拳を、容赦なく仮面ライダーXの胸部の赤い装甲に叩き込んだ。 度重なる激戦で亀裂が走り、ハカイダーとの戦いで極限まで磨耗していた装甲は、その一撃に耐えることが出来なかった。 「ゲ、ボァァ……」 口元から血を吐き、仮面ライダーXは倒れた。 ……その変身が解かれていないのは、如何なる執念によるものか。 ▽ ハカイダーは、自分の目の前でたった今起きた出来事を冷静に把握していた。 銀の仮面ライダーは途中で自分との戦いを放棄し、フランシーヌを乱入者の女の凶刃から救った。ここまではいい。正しく、正義の味方の行いだ。……だが。 己の体を支配せんとする悪の意志を、完全に倒すことができていなかったのか。銀の仮面ライダーはフランシーヌを助けた直後に、突如としてその場に硬直し……乱入者の女の拳を喰らい、血反吐を吐いて、倒れた。 そして、その女は今またフランシーヌを……! 「貴様……貴様ぁぁぁぁぁぁ!!!」 ハカイダーは憤激の絶叫と共に、全力で青い髪の女へと突進した。 それを察知した女は、フランシーヌへのトドメの一撃を放棄して、バックステップを取った。 いい判断だ。続行していたらその脳漿を、肉片を、血液を、頭髪を、余すことなく辺り一面にぶちまけていたところだ。 女と2人の間に立ちはだかると、ハカイダーは女を睨みつけつつ、フランシーヌと仮面ライダーの様子を窺った。 フランシーヌの失われた腕から流れていた銀色の血液は、今は止まっていた。恐らく、すぐに止血される構造か、自分自身で処置をしたのだろう。そして、フランシーヌは銀の仮面ライダーに必死に呼びかけていた。 変身こそ解けていないが、銀の仮面ライダーはうつ伏せのままピクリとも動かない。 なんという闘志であろうか。仮面ライダーは未だに、己の体を奪わんとする悪と、戦い続けているのだ。解かれていない変身こそが、その何よりの証拠。 それを見て、ハカイダーの怒りは更に昂ぶった。 「戦士の戦いを穢し、背後から弱者を狙う卑怯者よ! 貴様のような下衆には、悪として生きる道も無いと知れ!!」 時系列順で読む Back 煮え切らない Next ココロの在処(後編) 投下順で読む Back 煮え切らない Next ココロの在処(後編) 105 鬼【イレギュラー】(前編) ハカイダー 112 ココロの在処(後編) 105 [鬼【イレギュラー】(前編) フランシーヌ人形 112 ココロの在処(後編) 094 Wake Up . The ヒーロー その1 神敬介 112 ココロの在処(後編) 104 その身に纏う心の向きは ギンガ・ナカジマ 112 ココロの在処(後編)
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暗闇の果てで君を待つ くらやみのはてできみをまつ 高坂貴彦(CV.成田剣)
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暗闇の司令官ジュドアー レア 闇 (6) クリーチャー デーモン・コマンド 4000 このクリーチャーがバトルゾーンにある間、バトルゾーンにあるデーモン・コマンドすべてのパワーは+4000される。 このクリーチャーをバトルゾーンに出したとき、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターンの終わりまで、そのクリーチャーのパワーは-1000される。 このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。 (F)暗闇の司令官ジュドアーは縁の下の力持ち。 作者 柳 評価・意見
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登場作品 サモンナイトシリーズ全般 解説 リィンバウムに存在する万物全ての源たる存在。 ~の意志と書いてエルゴと読むのが通例。 ネタ ネタバレ 初代から存在するフレーズであり世界観の根底をなす要素。 関連ページ
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_6 ――ブルースは耐えたのよ ピンクはその時のことを思い出してしまう。 彼女を守るためにブルースはフォルテの攻撃を受け止めた。 そして、耐えたのだ。 シールド展開のタイミング。角度。気力。要求される全てを正確にこなし、ブルースは耐えた。 けれど、どうしようもない硬直を晒してしまった。 仕方ないだろう。あんな攻撃を受け止めれば、どうやっても隙ができてしまう。 そこをフォルテは狙い、そして―― 「あの赤いナビ……オフィシャルも見つけ次第、デリートする」 フォルテが冷徹に言い放った。 そこに込められた深い憎悪にピンクはその身を震わせた。 ――ブルースは死ななかった。 ある意味で彼は運がよかったのだろう。 フォルテの攻撃を受け、ブロック外まで弾き飛ばされたのだから。 “迷いの森”のイベント中であるため、一度ブロック外に出てしまうと追撃は難しい。 それがきっとブルースの命を救った。 けれどそのせいでピンクはフォルテと取り残されてしまった。 「早く来い」 不意に呼び止められ、ピンクは肩を、びく、と上げる。 そして言われるがままその後ろをついていく。剣を握ってはいるが、逆らう気力など沸こう筈もない。 恐ろしい。 ただただ恐ろしい。 圧倒的な力を持ったこの死神が。 だからこうしてピンクはフォルテにつき従っている。 終らない森に破壊をまき散らしながら、彼女はただ言われるがままに彼を追った。 「……何でよ」 そうして幾度かの戦いを経て、遂にピンクは口を開いた。 何度もためらい、その度に恐怖に震え、そうして意を決して出たのは悪を糾弾する言葉ではなく―― 「何で、あたしを殺さないのよ」 ――そんな弱弱しい問いかけだった。 顔は俯き、言葉尻は震え、剣を持てども振るう様子はない。 そんな中で必死に絞り出したのは、自分の置かれた状況についての問いかけだった。 ブルースが消えた時、フォルテはピンクを一撃で縊り殺せるはずだった。 あの時ピンクは視てしまった。彼女の超感覚がフォルテが自分を殺す瞬間を捉えたのだ。 しかし彼は何の戯れかこうしてわざわざ自分を同行させている。 「ふん」 フォルテは背中を向けながら、 「貴様に興味が沸いた訳だ。 見れば分かる。貴様は――“力”しか信じていないのだろう?」 「そんな、あたしは“正義”の」 ヒーローだ、と言おうとした。 しかし言い切る前にフォルテに遮られてしまう。 「あのオフィシャルと同じだとでもいうのか? 違うな。貴様は人間だからな。貴様にとって“力”が全てなのだ。 あのオフィシャルの犬だって、その大事に抱えているチップと同じなのだろう? ただの“道具”だ。 貴様にとっては何の意味も持つまい。自分以外のものなど」 「違うあたしはそんな――」 「そうか? ならば何故貴様は俺に襲い掛かってこない。 貴様が仲間だの正義だの、そうしたお題目を並べる奴らならば、ナビがいなくとも俺に挑む筈だろう? それかあのナビを必死に探しにいこうとするだろう。助けるためにな。 しかし貴様はそんなことはしない。ただ俺を恐れ、残った力にすがっている――」 そんな筈はない。 あたしはヒーローで、正義の為に戦っていて、ブルースは道具じゃなく仲間だ。 ピンクはそう言おうとした。言うべきだと思っていた。 しかしどういう訳か、声が出なかった。 間違っているはずのフォルテの言葉が無慈悲に心に突き刺さり、ピンクの心の奥にあるものをずたずたにしていった。 フォルテは断言する。 「貴様が信じているものは“正義”などではない。 ――“力”だ」 と。 「だからこそ、俺は貴様の強さとやらが気になった。 俺は貴様たち人間の愚かさと狡猾さを知っている。だから何物にもよらぬ個を手に入れようとした。 だからお前の強さを、信じる“力”を正面から打ち砕いてやりたい。同類としてな」 フォルテはなおも背中を見せている。 先手は必ず取れる。 以前の使用から既に六時間以上経っている。 ジ・インフィニティをぶち込むことができれば勝てる可能性は十分にある。 「ほら、使ってみるがいい。お前の信じる“力”を。 勝機が薄くとも“正義”があるというのならば振るえる筈だ」 フォルテの嘲笑は続く。 向こうはピンクの超感覚や未来予知を知らない。 場合によっては本当に一矢報いることが―― 「……無理よ」 ――できなかった。 ピンクは駆けだすことなく膝をつき、うなだれる様に頭を押さえた。 それでも腕は剣を必死に握りしめている。自分に残された“力”。これだけは離す訳にはいかない。 だって“力”がなければ何もできないから。 “力”が届かないのに、戦うことを選択できる訳もない。 「やはりな。人間が語る“正義”など所詮その程度のものだ。 貴様こそ――愚かな人間の象徴だ」 フォルテの言葉にピンクは心が抉られていく。 その言葉に言い返すことなどできるはずもない。 正義だのなんだの言いつつ、いざとなれば何もできないような、こんな惨めな人間が何を言うのだ。 “幼稚で浅はかな考えとしか言いようがないな。 オフィシャルが勝つ為に正義を名乗っているとでも?” ブルースのかつての言葉がフラッシュバックした。 ああそれは――この森でアドミラルに向けた言葉だ。 あれを聞いたとき、自分は思い出したと思った。 何故自分が正義のヒーローだなんて名乗っていたか。 どうして自分が戦っているのか。 ダークスピアを恐れて何もできなかった自分は、その言葉で再起できたと思ったのだ。 けれど本当は違った。 結局、自分は正義など見ていなかったのだ。 最初何もできなかったのもダークスピアの“力”を恐れてのことだし、 途中から調子に乗ったのもブルースの存在や何よりジ・インフィニティの“力”があったからだ。 そんなことだからフォルテという強大な“力”を前に何もできなくなる。 ああなるほど。 確かにフォルテの言う通りじゃないか。 全て“力”を中心に物事を考えてきた。 自分は――勝てるから正義を名乗っていたのだ。 そのことに気付くと、ピンクの想いは沈下していった。 取り繕っていた戦意は消え、ただただ惨めな無力感だけが胸を席巻する。 視界がまっくらになった気がした。心がこの現実を受け入れることを拒否していた。 このアバターは本物の身体ではない。 けれど、同じことだ。現実世界でのヒーロー“ピンク”という身体も、置換可能なアバターに過ぎなかった。 何もかもが上っ面。そんな人間だった。 きっとアーチャーはそれを見抜いていたのだ。だからあんなことを言った。 でもアーチャーの言葉も、ブルースの警告も、全て無視してしまった。 だからこんなことになってしまった。 ――ジロー…… 沈みゆく意識の中で思ったのはネットを通じて出会い、リアルでも共に戦うことになったフリーターの名前だった。 彼は、彼はどうったのだろう。 珍しいことにネットとリアルの乖離がゼロに等しかった。 ありのままの姿でこの社会を過ごしてきた。そんな彼はヒーローを騙る少女を見て何を思ったのだろう。 ――アイツの方が…… よほどヒーローらしかった。 なりゆきでピンクとダークスピアの戦いに巻き込まれ、結果的に戦えないピンクを鼓舞し、共に戦うことになった。 対ダークスピアの戦術まで考えてくれた。何も関係ない筈の、ただのフリーターなのに 今なら分かる。 彼のほうがよほどヒーローらしかった、と。 自分にはヒーローとして必要なありとあらゆるものが欠けている。 名前や肩書ばっかりあって、その実“正義”がない。 そもそも“力”だってない。ピンクと“合体”したジローは、あの身体をよほどうまく扱ってみせた。 ――何でここにいないのよ…… アイツさえいれば、ジローと合体できれば、そう思うのと同時に、結局それも“力”を求めているだけだと気付き、更なる無力感に打ちのめされた。 フォルテの言うように自分はジローだって“道具”として見ていたのだろうか。 「君を装備した」だなんて言われて「アイテム扱いするな」って返したけれど、思えば皮肉なやり取りだ。 アイテム扱いしてたはあたしの方じゃない。そうピンクは思い、同時になぜか笑いたい気分になった。 「ふん、もう折れたか」 ――そうしているうちにフォルテがつまらなさそうにそう呟いていた。 ゆっくりと振り返り、彼は大鎌をピンクへと向ける。 その刃が首に迫った。恐怖が胸を駆け抜ける。が、それよりも今までのすべてが否定された絶望感が胸を蝕んだ。 ああ死ぬんだ。 何もかもが厭になる。 なんでこんなのが現実がなんだろう。 あの高校に助っ人として現れてから、ずっと、ヒーローになりたかったのは本当なのに。 こんな世の中が悪いんだ。ダークスピアが悪いんだ。そうやって現実を呪う言葉があふれてくる。 でも、知ってた。 本当に厭なのは、一番なくなってしまえと思うのは――こんな惨めな自分だって。 だからこれでいいのかもしれない。 ヒーローもどきは悪の手にかかって死ぬ。 エンディングにもならない打ち切りだけど、押し付けられるハッピーエンドよりはいい。 勘違いしたまま恋愛映画みたいな終わり方するよりは、まだしも救いが―― 「――そこまでだ」 鋭い声が聞こえた。 同時に赤い閃光が駆け抜けた。 “ソード”がきらめき、颯爽と彼は現れる。 フォルテは舌打ちをし、鎌で“ソード”を受け止める。 刃と刃が押し合いつつも、駆け付けた赤い閃光はピンクへと語りかける。 「大丈夫か?」 と。 ――ああ、その姿は 鋭角的なフォルム。たなびく白い髪。そして何より駆けつけたタイミング。 赤い閃光――ブルースを見上げながらピンクは思った。 ――本当、ヒーローみたい。 だなんて。 素直にそう思ってしまった。 「なんでアンタ来たのよ。 見捨てればよかったじゃない、あたしなんて」 ……でも口から出たのはそんな憎まれ口だった。 心が砕かれた彼女は、そんなことしか言うことができない。 愚痴愚痴と卑屈なことを言うしかないのだ。だってヒーローじゃないから。 こんなことを言えばブルースも自分を見捨てるに違いない。そう思った。 しかし、 「――言った筈だろう。 オフィシャルの“正義”は“法”を守り“人”を守るものだと」 ブルースは毅然としてそう言い放った。 そして――駆ける。 “ソード”をきらめかせブルースはフォルテに肉薄する。 「懲りずにまた来たか。 だがお前では俺の“力”には及ばん」 「だとしても守るべき者はいるならば駆けるのみだ。 それがオフィシャルとして、伊集院炎山のネットナビとしての“正義”だ」 ふん、とフォルテは吐き捨てると依然と同じようにローブをはためかせ、距離を取った。 単純な速度ではブルースのほうが勝るが、手数では圧倒的にフォルテが勝っている。 その点でブルースはどうしても一歩譲ってしまうのだ。 そしてフォルテは腕をバスターへとコンバートし、先の戦闘の焼き直しが―― 「バトルチップ【ダッシュコンドル】」 ――それを阻むようにブルースはチップを使用した。 鷹のマシンがブルースの隣に出現する。彼は鷹に乗るようにして――急加速した。 フォルテの目が見開かれる。腕を鎌へと戻そうとするが、しかしもう遅い。 既にブルースはフォルテへと迫っている。 中距離戦へと移行しかけていたフォルテはその対応がまだできていない。 そこに間髪入れずに“ソード”が走る。 「一閃」 ブルースは止まらない。角度をつけフォルテを斬りつける。 「二閃」 そこに重ねる様にブルースは更なる斬撃を加えんと地を蹴った。 「三閃」 その斬撃の軌道は外から見ると特徴的な形をしているように見えた。 三角、いや少しずれている。Δの形に酷似しているように見えた。 ――その技は本来デルタレイエッジと呼ばれるものだった 炎山が独自に編み出した連続斬撃。 要するに“ソード”の連続発動だが、相手に反撃の余地を与えることなく達成する為にはシビアな反応速度が求められる。 一流ネットバトラーの炎山だからこそ成し遂げることのできる技だ。 それをブルースは単独で再現しようとした。 一度距離を取られれば勝機はない。それゆえ【ダッシュコンドル】による不意打ちで距離を詰め、この技で完封する。 それが唯一の活路だと考えたブルースは迷うことなくそれを成さんとした。 むろん炎山なしでの【デルタレイエッジ】の再現は困難だ。 しかし躊躇う理由がどこにある。守るべき者と、戦うべき敵がここにいる。 そうしてブルースは戦いに臨み、そして成功を―― 「危ない! ブルース」 その時ピンクは視た。 一歩先の未来、迫りくる危険性を。 ブルースが、はっ、とした時には既に遅かった。 斬撃を受けフォルテは、しかしその指先を動かすことには成功していた。 ――release_mgi(b) コードキャストによる反撃だった。 斬り刻まれながらも戦意を劣らせなかったフォルテは、半ば捨て身で発動に成功していた。 斬撃後の隙を突かれブルースはその攻撃をまともに喰らう。 ――結果として共に彼らは倒れた。 攻撃を喰らい、弾き飛ばされる。 互いが互いに隙を晒す。 こうなれば先に立ち上がった方が圧倒的な優位に立つが。 ――明暗を分けたのは攻撃に付加された効果だった ブルースのデルタレイエッジは単純な攻撃力こそ高いが、いわば単なる“ソード”の連携攻撃であり、それ以上の効果はない。 一方で礼装【空気撃ち/二の太刀】に付加されていたコードキャストは威力こそ低いが“スタン”効果を持っており…… ――先に立ち上がったのはフォルテだった。 彼は一瞬で立ち上がった。 ダメージは深いのだろう。その獣のような形相には痛みが走っていた。 しかしそれを上回る憎悪がある。憎悪を“力”に乗せ彼は解放した。 その手から閃光を――アースブレイカーを放つ。 閃光、そして轟音。土が抉れ、ビームがブルースを穿つ。 まともに受けたブルースは、ごろごろと地面を転がる。 そしてその首筋をフォルテに掴まれた。 「――決着だ」 ブルースを持ち上げながらフォルテはそう言い放つ。 純粋な憎悪を言葉に乗せ、傲岸にも彼は言う。 「所詮貴様たちはこの程度ということだ。 人間なしでは戦えもしない、弱者だ。 俺はお前たちとは違う。俺には“力”がある」 そうそれで勝敗は決した。 ブルースが万全であれば、伊集院炎山のオペレーティングがあればこの結果は訪れなかったかもしれない。 しかしこの場に彼はおらず、ブルースは敗けた。それが現実だった。 「哀れだな」 フォルテの言葉にブルースが返したのはそんな言葉だった。 哀れ。 戦いに敗れながらも、ブルースはフォルテをそう評して見せた。 「お前はただ自分が持てていないだけだ。“力”がなければ、お前はお前でいられなくなる。 だから“力”にこだわり続ける。それしかないからだ」 「そうだ、所詮すべては“力”だろう?」 「それは自分がないのと同じだ。自分を律する芯が脆弱な、孤独で哀れな悪だ」 「お前にはあるというのか。愚かなナビよ」 「ある。炎山様との“正義”だ。 それが自分をネットナビ・ブルースたらしめている。 選ぶことができる。オフィシャルとして、炎山のネットナビとして――」 フォルテは激昂しその手に力を込めた。 ぐっ、と音がしてデータが砕かれる。ブルースはその身を散らし、フォルテは怒りのままにそれを喰らった。 ゲットアビリティプログラム。 そうしてブルースの力を吸い上げるフォルテは、飢えた獣のように見えた。 「――次は貴様だ」 そしてフォルテが振り向いた先に、ピンクはいた。 憎悪に塗れた眼光がこちらを向く。その迸る殺意から逃れることはもはやできまい。 「……やっぱりさ、ちょっと違うわよ」 けれどピンクはどこか落ち着いていた。 先ほどよりよほど絶望的なのに、しかし不思議と言葉はすらすらと出た。 彼女は今絶望していた。しかし自分がここで何を言うべきなのか分かっていた。 「あたしは――あなたほど孤独じゃない」 そう言った時、フォルテの動きが止まった。 同時に瞳に灯る憎悪の色が強まったのが分かった。 しかしそれでもピンクの言葉は止まらない。 「あたしは確かに“正義”なんて見ていなかった。ヒーローとしては失格だった。 でも――悲しいのも事実なのよ。 “正義”のブルースが戦いに敗れたことが。もう“正義”の味方と会えないことが。 “道具”だなんて思わない。ああなりたい。ああなりたかったって、憧れてる」 それに、と彼女は付け加える。 「あたしはハッピーエンドに耐えられない人間だった。 あまのじゃくで誰かを信じられなくて恋愛アレルギーで……相思相愛なんてものが現実にあると思えないような、そんな人間。 でもそんなあたしにだって“繋がり”はあった」 フォルテが迫ってくる。 その手には鎌がある。 ああ、あれであたしは終わるのだろう。そう思った。 「でなれけば――ジローにさよならって言えないことが、こんなにも……だなんて、おかしいわよ」 どうしてこんな結末を迎えたかはわかっている。 信じなかったからだ。 “正義”も“力”も“繋がり”も、もう少し信じればよかった。 それが結局“自分”になる。 同時にピンクは思う。 そう思えるんだから、やはりフォルテとあたしは違う、と。 端から諦めているこいつと、信じたくても信じられなかったあたしは違う。 いやそれとも――こいつも同じか。 本当はこいつも信じたくても、でも無理だから“力”にすがるしかなかっただけなのかもしれない。 だとすればやっぱりこいつは―― 「黙れ」 鎌が一閃され、彼女はそこで命を落とした。 何もかもが中途半端だった少女の物語はここで終わる。 ――そういえば、結局、恋愛映画は好きにはなれなかったな 【ブルース@ロックマンエグゼ3 Delete】 【ピンク@パワプロクンポケット12 Delete】 _7 「…………」 新たに二人のプレイヤーを喰らったが、フォルテの胸は晴れなかった。 ただただ苛立ちが募っていく。 “力”が全て。 それこそが自分の意志を形作っている。 その絶対の律がフォルテを支えてきた。 しかしそれを――哀れだと? ブルース。そしてピンクの言葉を思い起こし、フォルテは力任せにバスターを放った。 土が抉れ、木が倒れていく。轟音を立てて森が破壊されていく。 “力”の発露だ。これこそがフォルテがフォルテたる証明だ。 唯一無二の絶対の個。 それを孤独などと、馬鹿なことを。 フォルテはそう切り捨てるが、しかし気分は晴れなかった。 そして胸に渦巻く苛立ちは、あるいはネオに敗れた時以上に不快なのだ。 そうこれはあのロックマンと戦っていたときのような、相手の存在したことそのものが許せないという、そんな苛立ちなのだ。 もう敵は喰らったというのに、不快さは引かない。 「ふん」 だからフォルテは更なる破壊を求める。 それこそが己の存在証明と信じて。 〔E-5/森/1日目・日中〕 【フォルテ@ロックマンエグゼ3】 [ステータス]:HP25%、MP40/70 [装備]:{死ヲ刻ム影、ゆらめきの虹鱗鎧、ゆらめきの虹鱗}@.hack//G.U.、空気撃ち/二の太刀@Fate/EXTRA [アイテム]:基本支給品一式、ジ・インフィニティ@アクセル・ワールド、ダッシュコンドル@ロックマンエグゼ3、黄泉返りの薬@.hack//G.U×2、SG550(残弾24/30)@ソードアート・オンライン、マガジン×4@現実、不明支給品1~2、アドミラルの不明支給品0~2(武器以外)、ロールの不明支給品0~1、基本支給品一式、ロープ@現実 不明支給品0~1個、参加者名簿 [ポイント]:2120ポイント/4kill(+3) [思考・状況] 基本:全てを破壊する。生身の人間がいるならそちらを優先して破壊する。 1:アリーナへ向かう。 2:ショップをチェックし、HPを回復する手段を探す。 3:このデスゲームで新たな“力”を手に入れる。 4:シルバー・クロウの使ったアビリティ(心意技)に強い興味。 5:キリトに対する強い苛立ち。 6:ロックマンを見つけたらこの手で仕留める。 [備考] ※参戦時期はプロトに取り込まれる前。 ※ゲットアビリティプログラムにより、以下のアビリティを獲得しました。 剣士(ブレイドユーザー)のジョブ設定 ・『翼』による飛行能力(バルムンク) 『成長』または『進化の可能性』(レン)・デュエルアバターの能力(アッシュ・ローラー) “ソード”“シールド”(ブルース)・超感覚及び未来予測(ピンク) 各種モンスターの経験値 ※参加者名簿を手に入れたのでロックマンがこの世界にいることを知りました。 _1 ……メンテナンスを間際に控え、ピンクとブルースは森で会話を交わしていた。 まだ“痛みの森”のイベントは継続中であり、危険なPKがいないか彼は探し回っていたのである。 「“法”と“人”か」 その最中、ブルースが呟いた。 「え?」 「少し思うことがあってな。あのアーチャーの言葉だ。 守りたいものは“法”なのか“人”なのか――奴はそんなことを言っていたな」 ブルースは思い起こすように言う。 あれは数時間前、キリトやサチをめぐる戦いに巻き込まれた時のことだ。 錯綜の末にキリトたちと戦い、一応は収拾は付いたが、多くの痛みを齎してしまった。 「そんなの……だから言ったじゃない。“法”は“人”を守るためにあるんだから、一緒じゃない」 ピンクは鞘に入った剣を振り上げながら言った。 しかしブルースはあくまで冷静に、 「いや違う。“法”はそれだけではただの“力”だ。 それを裁定し、振るうのは結局“人”だ。プログラムが人を裁くことはない。 だから場合によっては、“力”の振るい方次第では犠牲になることもある」 ブルースの脳裏に浮かぶのは一体のナビだ。 かつて人間が創り出し、しかしその危険性故に恐れられ、排斥されたナビ。 事の顛末はブルースも知っている。彼が今や悪に堕ちたが、そこに彼を追い込んだのは“法”なのだ。 「だったら、アンタはどうするのよ。 アンタは何を守るっているのよ」 ブルースは答えた。 「“法”も“人”もどちらも守らねばならないだろう」 と。 「何よそれ答えになってないじゃない。そんな簡単に事が進まないから悩んでたんじゃないの」 「そうだ。今だって悩み、迷っている。 オフィシャルとして社会秩序を守ることと、その結果生まれる弱者を救うことは、時には相反するものの筈だ。 しかしどちらかを切り捨て、一方によることが“正義”だとは思わない」 かつてのブルースなら――ロックマンと出会う前であったら違っただろう。 悪は斬る。社会の悪を斬る為であれば、犠牲を厭わない。 そうしていた筈だ。 しかしもう自分たちは知っている。 伊集院炎山はオフィシャルとして“人”を守ろうとしている。 「どちらも切り捨てず、常にジレンマを抱えながらも、それでも“法”も“人”も守る。 それが“正義”だ。そうしたジレンマとの戦いこそが“正義”だと、ロックマン、そして光熱斗が教えてくれた」 もはやあのナビ――“法”によって悪に追い込まれたナビは許しがたい存在だ。 多くの罪を犯した以上、デリートすることに躊躇いはない。 それが自分たちの“正義”であるが、しかしそれは決して唯一無二のものではない。 カイトたちやロックマンは別の答えを導くかもしれない。それもまた間違いではないのだ。 みながみな、ジレンマを抱えている。 それでも考えることを止めてしまってはいけない。ジレンマと戦い続けることが“正義”となる。 「――炎山様はこれからも“法”と“人”の間で悩み続けるだろう。 それを支え、共に悩んでいくことがネットナビとしての役目だ」 それがブルースの答えだった。 100 再会 投下順に読む 102 異空間より絆をこめて 100 再会 時系列順に読む 102 異空間より絆をこめて 079 勇気を胸に ブルース Delete 079 勇気を胸に ピンク Delete 093 EXS.extream crossing sky“クレィドゥ・ザ・スカイ” フォルテ 116 EXE.Endless, Xanadu, Engaging“再会”
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暗闇の飾り珠(くらやみのざりだま) 概要 ハーツに登場したお守り系の装飾品。 登場作品 + 目次 ハーツ 関連リンク関連品 ネタ ハーツ 作中説明 装飾品の一種。通常攻撃に暗闇?の追加効果が付く。 ノークイン等のアクセサリ屋で690ガルドで合成できる。 No. 022 分類 装飾品 買値 - 売値 3484 特殊効果 通常攻撃に暗闇?の追加効果が付く 入手方法 合 エストレーガ・アクセサリ屋(後半)ノークイン・アクセサリ屋ラプンツェル・アクセサリ屋 材 虚念石×1金×3黒真珠草の夜露×3(690ガルド) 盗 ハルファス狂い啼く守護者 ▲ 関連リンク 関連品 熱毒の飾り珠 疲労の飾り珠 反転の飾り珠 石化の飾り珠 呪いの飾り珠 加重の飾り珠 減重の飾り珠 ▲ ネタ ▲