約 19,731 件
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/512.html
295 名前:クズ ◆MUB36kYJUE[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 23 09 30 ID 83ch0TLo [1/10] 前スレ 807から大鳳と祥鳳の修羅場ものを投下したものです。 続編を書いたので投下します。 例によってドロドロが苦手な方はスルーをお願いします。 三章 1 自然な目覚め。ぼやけた意識が輪郭を取り戻すと、ある焦燥がさあっと胸を撫ぜ下ろした。上体をばねの様に跳ね起こし、未だ視界 の霞むまま、提督は枕元に時計の時刻を見る。盤面上の短針は、ちょうど五を指した所であった。 それは習慣だった。大鳳が朝の走りこみに彼を誘うようになってから、彼は自身の寝顔の見られることを嫌い、五時の十分前に目覚 ましを鳴らしているのである。傷心の昨晩、ただただ逃避を求めた提督は、何にも意の向かうことなくベッドへと沈んだ。裏側のつま みを押し上げるだけのごく小さな手間さえ億劫でならなかった。時刻をセットしなければという観念はあったのだが、結局意識の落ち るまでにそれを果たすことはできなかったのである。 体躯が独りでに覚醒したのは、羞恥と恐怖による作用があったためだ。寝顔を見られる、意識の無い間に部屋に入られる。自身の秘匿、 意識的なものであれ無意識的なものであれ、そういったものが露呈してしまうという事に厭悪の念がある提督であった。こと大鳳が相 手となると、なにやらぞっとしないのである。 その朝、彼女は部屋へとやってこなかった。どちらにせよ、万斛の愁いに浸った今の精神状態ではランニングなぞできるわけもない。 朝食まで無聊な時間を過ごす事ができたのは幸いであって、彼は彼女と会ったときへの備えとしてあらかじめ言葉を選び取ることがで きた。 非は自身にあるから相手の出方に合わせねばならない。だがそれでも、深刻なことにはならなそうだと楽観できた。あのあてつけは、 向けられていた好意を知っていた上で行われた。舌を差し込んだとき、一瞬の恍惚と悦楽の吐息が唇に感じられたし、落涙は嫌悪によ るものでない事も分かっていた。祥鳳について無遠慮に踏み込んだあの発言がトリッガーだった事を、彼女とて自覚しているはずであ る。ならば反省やら悔悟やらが凝結して、寧ろ相手の方から様子を伺ってくるやもしれない。気遣わしく思う必要はないと結論付ける のに、大して時間は掛からなかった。 大鳳が執務室の戸を開けたのは九時丁度、通常の業務開始時刻である。奇妙な緊張感を纏いながら、彼女は提督の隣に黙って並んだ。 仔細な様子はなかった。積まれた書類を手前に引き寄せ電卓を弾きペンを持ち、彼がそうして仕事をおずおず始めてみると、大鳳も 黙して自身の職務に手をつけた。デスクワークの時間においては、普段の日も割りに静かではある。だが今日は何時ものように挨拶を 端緒としなかったために、異様な重苦しさが両者の息をきりきり詰まらせるのだった。 この展開は、提督が想定した中では最も面倒なものであった。いっそ赤ら顔に怒ってくれていたほうが、まだ宥めようもあったのだ。 恬然とした表情が作り物であることに疑いは無い。だとしてもこちらから不意に謝ってしまっては、寧ろ彼女の機嫌は修復不可能なレ ベルにまで損なわれてしまうだろう。生娘の心理の機微ほど明瞭でないものもなく、提督とてその夜陰の原野には迂闊に踏み込めない のだった。 昼を食べるときに必要最低限のコミュニケーションはあったものの、結局日の落ちるまで気散じな会話はなかった。もし業務外の雑談 をしようとすれば、その話題はどう繕ってみた所で昨晩の事となってしまう。口を開いたが最後、今日やらねばならない最低限の事さ え手に付かなくなるだろうことを、両者は察知していたのだった。 即ち、口火の切られたのは執務の終了後、部屋をでる直前になってからであった。 倦怠の体を労わるように、開いた窓から風が通る。部屋に篭る執務の熱が、攪拌されて冷まされた。互いが互いを散々忖度し尽くし た為に、寧ろ停滞してしまったこの状況において、解決の端緒となるは、やはり立ち去る権利の有された彼女の方であったのだった。 「提督」 見送る視線をうなじに感じ、ドアノブに掛かる指が強張っていた。大鳳は緊張によって震える声音にそう一言呼びかけると、小さな 双肩を縮こまらせた。 「なんだ?」 背中へ聞き返し、彼は椅子から立ち上がる。机の前に立ち、少しだけ体重を預けてみると、ぎしりと耳障りな音が鳴った。 厭に間が開いた。彼女の中では、既に言葉は定まっているはずであった。呼びかけてしまった時点で後に引く事もできないのに、躊 躇が喉を狭めているらしい。人差し指で机の淵を叩いてみると、彼女の体躯は、発せられた硬質の音にびくついた。 それが契機となったらしい。一つの長い深呼吸の後、彼女は大仰に振り返る。顰められた眉、睨みつけていると言ってもいいほどに 細められた眼。口は固く結ばれ、背負う覇気は重々しかった。 真剣な表情にしかし、提督は自身も真面目らしい顔を維持するのにかなりの労をとっていた。まさしく沈黙の半日を象徴する表情だ なと心の中で一人言つと、それもまた何やら面白く思われ、ひくつく頬を押さえ込み、目を逸らして何も考えないようにする。死地に 赴かんばかりの純真さは、立場が違えばコメディだった。 入念に熟成されすぎた言葉が、薄い唇を割った。 「昨晩のことは、忘れたほうがいい?」 癌を告知するような、厳かな風を漂わせた発言だった。しかしこれは朝の暇の間、まず真っ先に予想できたものでもあったのだ。こ の肩透かしな言葉を聞くや、腹底から猛然と駆け上がってきた嘆息を、彼はすんでの所で飲み込んだ。 どう返答するかも決めていた。間髪いれずに 「お前は忘れたいのか」 そう聞き返すと、彼女は吃驚したように目を見開き、遅れて頬を淡く染める。 「質問を質問で返さないで!」 「なんで」 「あの、困るわ。そんな事聞かれたって、私、答えられない」 両者の間が詰まる。一歩一歩、提督はゆったりと彼女に近づいてゆく。絨毯の踏まれる足音が耳に入るたび、脅えたように眼が涙を 湛えたようだった。とうとう耐え切れなくなると、大鳳は体ごと視線を背ける。ドアノブにもたれる様にして、背が小さく丸められた。 横顔に垂れる一房の髪が、掬い取られ、撫ぜられた。震える肩の強張り、筋立つ手の甲。眼は瞑られ、その拍子に一滴の雫が流れ落ち る。目尻から頬、そして頤へと煌く筋が顕れ、色白で滑らかな肌を彩った。 頬に手を這わせる。従順に正面へと向いた顔には、しかし脅えの色があった。 「駄目。提督、駄目です……あっ」 僅か押される腕。引き離そうとするその動きに、ほとんど力は込められていない。唇の重なり合うと同時、大鳳は自ずから目を閉ざ してしまったのだった。 啄びの最中、口の少し離れるたびに、小さな嬌声交じりの吐息が漏れ出す。嬲られる唇の甘い刺激が、胸を締め付けてならなかった。 彼女は縋るようにして、彼の胸元、縒れた白の上着を掴む。浮いた背の隙間に、すかさず腕が入り込み、両者の体躯はぴったりと密着 させられた。 彼の舌が口腔内へと進入する。口の離れた時にしか発せられなかった吐息が、開かれた隙間、唾液の跳ねる音と共に、常時聞こえる ようになる。羞恥と悦に腰の抜けそうになった彼女は、股の下に差し込まれた大腿に支えられて、何とか立ち続けることができていた。 快楽の蹂躙に蕩けた思考は、更にその先を求めだしたらしい。恐々と言った風ではあったが、大鳳は遂に自ずからも舌を差し出し始 める。ぬめる両者が口と口との間に触れ合うと、羞恥の熱が遅れて彼女の胸を焼く。 供物の捧げられたのを感じ、彼はすかさずにそれを絡めとった。吸い、嬲り、大きな水音の響くたび、記憶の辛さが溶けるように和 らいだ。今、目前の娘を感じ、補填による充足が気を軽くしている。満たされるという感覚ではなく、代替によって補われ、癒えると いった風だった。自身の腹底の暗い事に驚懼し、だが湧き出す自嘲の痛みさえ、この補填が紛らしてしまうのである。 「ベッドに行くか?」 口を離し、伝う橋もそのままに聞くと、彼女はこくりと頷いた。提督の眼に滲むのは、ただただ深い憐憫の情のみである。 2 彼女は褥に横たわった。 既に腹部と首元の装甲は外されていた。肩に掛かる上着を脱がしてみると、滑らかな色白の肌が凄艶である。軽く握られた掌が顔の 横に置かれる。今や露わになった腕の華奢さに、危うげな、無垢の妖艶を感じて、提督は生唾を飲み込んだ。 手折られた茎を思わせる手首に、彼は唇を近づけた。僅かに膨らむ筋を食み、舌を這わせると、閉じられていた指が開いていった。 覆いかぶさる体温と、感ぜられる吐息の熱さ。そして舌の淫靡な感触に、大鳳は胸奥を痒がらせる。意想外の部位であった。故に、 与えられる刺激への覚悟が無く、たちどころに力の抜けるような感じがした。 数分間続いたこの手首への愛撫は彼女の思考悉くを蕩けさせ、眼は溶け落ちそうに潤んでいる。 インナーと肌との間には一縷の隙間も無く、体躯の細さがより際立つ。一度上体を持ち上げた提督は、彼女を俯瞰した後、今度は首筋 へと口を下ろした。 「あっ……」 鎖骨に触れた湿りが、彼女の喉を鳴らした。差し出された舌はそのまま首を登攀し、丁度頤に目尻の触れる場所まで辿り着くと、深く 咥えこむように唇が開かれた。 吸われ、跡の付けられていることを知覚し、大鳳は慌てて抵抗しだした。力の緩びきっていた体が、息を吹き返したかのように暴れる。 顔を背け、肩をよじり、腕は彼の胸を押した。 真意の掴めない内に、恋人のような睦みを受ける不安。それが漠然とした恐怖となって、彼女の胸を痛ませた。ましてや、キスの跡と は所有の証とも捉えられかねないのである。身の堕ちる感覚が、背徳の悦でもあり、屈辱でもあった。 「駄目、やめ……んっ」 幾ら頭を振っても、彼の口は離れない。一秒、二秒と時間の経過してゆく度、彼女の快楽はその暗がりを増していった。自身の純真 が犯され、蹂躙されている事を、泣き出したい気持ちに受け止めている。それは決して厭悪の感触ではなく、寧ろ被虐の悦びを享受し ている風だった。首筋のこそばゆさは、やがてぴりぴりとした刺激に変化する。 舌で慰撫した後、口を離して眺めてみれば、濫りがましい鮮やかな朱色が咲いていた。指先で拭うように触れてみると、彼女の口から は熱い息が吐き出された。 「服で隠しきれないね」 煽られた嗜虐心に従い、そう言って見せると、彼女の瞳には絶望の色が滲んだ。見咎められる場面でも想像したか、眼は潤み、頬は これ以上ないほどに赤くなった。 腕が、再びぱたりとベッドに落ちる。提督は手首を押さえると、今度は優しく口にキスをする。舌も差し込まず、ただ唇同士を触れ 合わせるだけの接吻であった。 その効果が如何なるものか、きちんとした予測はあった。果たして大鳳の心情は、それとまったく同じ動きを見せたのである。即ち 仮初の恋慕。望む望まざるに関わらず、彼女は想いの通じ合う喜びを垣間見た。甘い歓喜に身を震わせ、刹那の慰みが心中を癒した。 だが奥深く、根源の感情は寧ろ、引き千切れそうなほどの切なさ。どうせ裏切られるのだろうという諦観の観測が、胸底を炙り疼かせ るのだった。 悦楽への端緒として、最終的、そして究極的な感情は悲壮である。身の結合とは反対に、感情においては繋がらない。そういった背反 の空虚こそが、性の快楽を最大のものとさせる。提督は大鳳を好いてはいなかった。そして、ただ彼女のよがる姿を見、それを慰めと したかったのだ。 このキスに、いや愛撫全てにおいて慈しみなど込もってはいない。慕情の無きを伝播させるに、恋愛的好意を用いるのだった。彼女 を貪婪にさせ、ひいては淫猥と呼べるほどにまで乱れさせる。その目的への手段として、清白な純真を踏み躙り、汚すのだ。 後ろ首の留め具を外す。腹の辺りの弛みを掴み、引っ張った。インナーは滑らかな肌をするすると滑り、遂に薄い膨らみを通り越え た。 露わになった頂を隠そうとしたのか、ほんの少し、腕の動く気配があった。だが逡巡の硬直の後、僅かに浮いた手の甲は、力の入っ たまま降ろされる。含羞の顔を横へと逸らし、彼女は唇を噛み締めて、体に注がれる視線を受け止めた。 やはりコンプレックスなのだろうと思われた。提督は平坦のそこ見、加虐の悦を押さえ込む事も無く、頬を吊り上げ口を開いた。 「ちっちゃい」 嘲る語調が癪に障ったか、珍しく本気で怒っているらしい眼を持って、彼女は提督を睨みつける。申し訳なさの欠片もない、余裕の 笑みを視界に入れて、口惜しさは一向募るばかり。 彼唯一の弱点を知った身上、報復としてその話題を出すのに躊躇はなかった。彼女は、彼以上の嘲りの声音に、 「祥鳳さんと比べて?」 と言う。果たして、彼の目にも怒りの色が滲み、胸のすっとする様な心地になったのもつかの間、胸底の痒くなるような快楽が思考 を中断させた。 「あっ……ん、はぁ」 右胸の蕾が無遠慮に摘まれ、空いているほうには遅れて唇の感触があった。繊細な指遣いと動物的なぬめりに、背筋がぴんと強張っ た。 ただ痛くはないというだけの、容赦の無い愛撫である。温もりと形容されるような、精神的充足を感じさせる行為ではなかった。皮 膚感覚の敏感な所を執拗に刺激され、彼女の口からは熱い吐息が漏れ出した。 やがて彼のキスの及ぶ範囲は、上腹や脇にまで広がるが、その間も手は僅かな膨らみをしつこく撫ぜ続けた。指は沈み込み、掌の蠕 動が柔らかく肌を波打たせた。色付く頂が擦られると、吐き出される息には声が乗る。羞恥を感じる暇もなく、大鳳は快楽に翻弄され るだけであった。 「んぁ……はっ、ぁあ!」 勃ったそこが弾かれると、彼女は一段高い声に啼いた。刺激の残滓として痺れが残り続け、それは次第に思考までをも侵蝕する。再 び摘まれたそこの引っ張られ離される瞬間、痛みへの恐怖はしかし、快感への期待と変わっている。 飽きるまで弄び、臍の辺りに口付けた後、提督は一度上体を起こした。 「腰、浮かせて」 スカートとスパッツに手をかけて、彼女を伺い見てみると、虚空を眺める瞳に遅れて意思の光が燈る。 「……はい」 年甲斐もない甘える声の返事と共に、ゆるゆると持ち上がった腰に合わせて、彼は手に掛かる全ての布を一気にずり下げた。 今や生まれたままの姿となっている事を、彼女は他人事のように感じていた。太ももを滑る指が一度下腹部にまで登った後、とうと うその直下へと下ろされていった。蛇の進行が如くもったいぶった動きで、徐々に徐々にと近づいてゆく。 「……ぅぁ」 陰唇の上端に触れかける寸前、指の動きは完全に止まった。ちょうど、三流の悪役が獲物を目の前に舌なめずりをするのと同じよう なものであった。恋愛の無い情事において、その慰めは嗜虐によって達成されるのだ。 男を知らないそこは、恥丘の膨らみから谷の垂線まで、清白の極限であった。だが不釣合いにその全体は淫靡な粘液に濡れ、桃色の 襞が婀娜やかにひくついている。再び動き出した指先が陰唇の上端を掠めると、歓喜の嬌声が彼女の意思に反して漏れ出した。 「あぅ……ん、ぁ!」 這わされた指は、その全体が包まれるようにうずまり、細かく上下に震わすと、卑猥な水音が部屋に響くようだった。時折軽く叩く ようにすれば、その音はより鮮明になり、飛沫はシーツと脚とを汚してゆく。 今すぐに舌を噛み切りたいと思うほどの羞恥に苛まれ、大鳳はかぶりを振った。胸への愛撫を受けた際には、ただぼうっと思考の蕩 ける感じがするだけであった。だが直接的な、下準備としての行為は、自身の雌としての本能を無理やりに剥き出しにさせられてるよう で、侵される矜持に我慢がならないのだ。 提督はずいと体を寄せたかと思うと、空いていた方の手で髪を梳きながら、耳の淵へと舌を伸ばした。輪郭をなぞり上げ、耳たぶを 軽く甘噛みし、思わず足の緊張の解けたのが感じられるや、すかさず陰部への刺激を大きくする。解きほぐすようにして、表面から奥 深くへ、蒸れた卑猥の孔を穿った。 「ま、待って! ひぐっ……んぅ」 懇願は無視をされる。最早与えられる過大な快楽に僅かな抵抗さえできない彼女は、ただただ一方的に嬲られるという被虐の悦を享 楽するしかなかった。 自身が自身でなくなるような恐怖を抱き、彼女は提督の体躯にしがみつく。喘ぎ声を聞かせるような格好をしている事に、気が付く 余裕も無い。頬を擦りあわせ喉の震えるまま、獣性の蹂躙をその身に受け続けた。 時間間隔の希薄になるほど蕩けきった思考が、快楽による拷問の終わった事をようやく遅れて認知した。横隔膜の絞られた痛みや、 臀部にまで感じられるシーツの湿り気。そういった残滓が一つ一つ知覚され、今現実に再び帰還したような心地となった。 布擦れの音と視界の肌色に、どうやら彼も服を脱いだらしい事が分かった。大鳳は逡巡の後、その行為の意図を察すと、慌てて迫る 胸を押した。 「あの、提督」 「なに?」 「愛してるって、言ってください」 ハスキーな声音が、より掠れている。提督の胸には憐憫や寂寥がわだかまり、咄嗟の返答をできなくさせた。 「愛してるって言ってくれなきゃ、入れちゃ駄目なんだから。……私、祥鳳さんの代わりなんて、厭」 答えを待つ視線が焦りに揺らいだのは、それを言い終えた直後だった。 罪悪の意識が無かったわけではない。それでも、その一語を言うに未だ提督は臆病すぎたのだ。無理やりに開かせた足の間、肉槍の 迫っている事を感じ取り、大鳳は半ば悲鳴に近い声を出す。 「駄目、いやぁ! 提督、待って!」 本気らしい抵抗があった。拳が胸を叩き、足と腰はそれを遠ざけようと懸命に暴れる。しかし既に覆いかぶされている状態では、全 て無駄な足掻きだった。 その痛み、自身が犯されたと気が付いた時のその表情を見て、提督は暗い愉悦を感じた。 「……ひどい」 吐き出される呪詛が耳に心地よい。向けられる恨めしい視線が慰めだった。腰を振れば、強気な彼女の表情も、恍惚と悲壮に歪むのだ。 自身に内在する暴力性が、相手の完全な屈服を求めた。提督は腹黒い笑顔に、躊躇わずそれを口にする。 「でも、身体は悦んでる」 指が肉芽に伸びると、彼女の膣は咥え込んだ彼を扱く様にして蠢く。必死に首を振る彼女を見下ろし、尚追撃は緩めず、落涙を舐め て耳を食む。 反復され続けた悦楽の指教が、体躯を極限まで淫らにした。精神は未だ清く彼の恋情を欲したとしても、最早体の方は剥き出しの本 能に従う獣となった。下腹部を圧する彼の存在に、満足を覚えている自身。厭で厭で仕様が無いはずなのに、言葉で責められれば言い 返せないのだった。 それからどれだけ責め苦は続いたか。穢しぬかれ、淫らに湿潤蓄えたそこは、彼を咥え扱く女の肉壷となった。 動きの速まりを感じて、彼女は緩くかぶりをふった。 「中に出すぞ」 征服の証が刻まれる。その事への厭悪と被虐の悦が複雑に混ざり合い、慟哭とも嬌声とも取れない声となって溢れ出す。絶望的な心 境の中、腹内に広がった温かみが、彼女を否応無しに絶頂させた。 3 祥鳳は全てを聞いていた。 かつて提督と恋仲にあった時、褥を共にし迎えた朝。心地よいまどろみに、つい起床時刻の直前まで体を横たえらせていた事が幾度 もあった。 存外朝に弱い提督は、それに気付く事もなかったから、毎晩シーツに温もりの残滓を認めるだけだったのだろう。毎夜毎夜、その行 為が夢であったかのように、忽然と消えている彼女の姿。それは、彼にとって一種の耽美に思われたはずだ。 実際には、より泥臭い方法をもってして、この演出は行われていたのだった。早起きの艦娘に見つからないよう、宿舎棟、自身の部 屋まで移動する方法として、やはり理想は廊下を歩む事をせず、窓から進入することだった。問題は彼女の部屋は二階にあり、裏庭と も言うべき窓側の空き地からの帰還はとてもできそうにもなかったことである。 鎮守府本棟の提督の寝室は二階、つまりその建物においての最上階にあって、構造上屋根の端が窓視界の上端に掛かっていた。艦娘 としての非凡な能力を用いれば、そこに手を掛けよじ登る事など造作もなく、彼女は起床の時刻の遅かった時、何時も屋根伝いにて、 部屋へと帰還していたのだった。 途中渡り廊下の天井へ飛び降り、対岸の艦娘宿舎の壁を、小窓の突起を用いて登攀する。自身の部屋の直上まで辿り着けば、後は開け ておいた窓の位置を確認して、身を滑り込ませるだけであった。意外にも試みは容易く成功し、以来彼女は、就寝に不安も感じなくな ったのだった。 虚偽の恨み言をぶつけた事へ罪悪と悔悟の念に苛まれていた祥鳳は、その日、増幅するそれらの感情にとうとう耐えられなくなると、 謝罪と真意を告白する決心を固めた。ただ、夜の早いうちに執務室を訪ればあの装甲空母が邪魔であるし、かといってわざわざ二人で 話をしたいと面向かいに言うのもいらぬ誤解を与えかねなかった。悩む彼女の頭には、いつしか意識の敷居の下にその思い出が巡りだ し、それが突破口となって一つの策謀が胎を結んだ。 夜半、彼の就寝時刻直前。祥鳳は部屋の窓から身を乗り出し、屋根の路を進んだのだった。 幾ら大鳳と言えど、未だ同衾関係にまでなってはいまい。ならば、彼の寝室にて待っていれば二人っきりで話ができると、彼女はそ う思い至った。 個人の部屋に無断で忍び込む事について良心が痛まないわけでもないが、それ以上の罪を重ねた身上、致し方ないと結論付ける。自 責の痛みをこれ以上我慢することは、とてもできそうになかったのだ。月光の照らす中、足音を忍ばせ、本棟寝室の真上にまで到達す る。 窓から部屋への進入に成功した彼女は、まだベッドに彼のいないことを確認した後、隣の執務室へ聞き耳を立てていた。明瞭でない 彼と彼女との会話の声は、しばらくの時間の後、ぱったりとまったく聞こえなくなる。 廊下への扉の開く気配も無い。疑問に思っていると、今度はカーペットを踏みしめる音、それも四足二人分が徐々に大きく聞こえきて、 彼女はぎょっとして壁から離れた。部屋の中央に立ち尽くすし、焦りと混乱の中、とにかく隠れる事のできる場所を探した。まず真っ 先に視線の向かったのは洗面所であったが、両者の一方でもトイレに赴けばその時点でばれてしまう。ドアノブが回されたのを視界の 隅に捉え、半ば思考の外の反射に、彼女はよりにもよってベッドの下へと潜り込んだのだった。 木板とマットレス、合わせておよそ一尺の厚みを挟んで、情事の生々しい音を聞き続けるしかなかった。嬌声も水音も、スプリング の軋みにさえ吐き気が催され、思わず声を上げたくなるのを口を押さえて飲み込んだ。大鳳の濫りがましい嬌声に殺意を抱き、彼の荒 い口付けの吐息が、胸を辛く痛ませる。目尻から涙を流すまま、透視でもしているかの如く、ひたすらその底板を睨んでいた。 だが耳をそばだて続けていると、一つの救いが垣間見えた。大鳳のその懇願が無視をされたらしい事。提督から愛しているという言 の出なかった事に、至上の喜びを覚えた彼女でもある。別れを告げて半年が過ぎても、未だ心はすぐ側にあったと気付き、感動が胸を 馳騁する。 この行為にあてつけと慰め以上の意味は無い。寝具に阻まれていようとも、たとえ実際に抱かれているのは大鳳なんだとしても、精 神の交錯は今この場においても成っているのだ。 思わず彼女は 「私、浮気には寛容です」 極々小さく、一寸先の人にも聞こえないような声でそう呟いた。 寝具の上の遊戯は、もうすぐ終端を迎えるらしい。中に出すぞという彼の言葉が、甘く耳の側に響いた気がした。 彼女の心内は、甚だ複雑な様相を呈していた。胸をのたうつ嫉妬の情は、一向に烈しさを増すばかりだが、直上の彼の姿を想像すれ ば途端に甘い悦楽が湧き出してくる。 彼の思考にあるのは自身であるはずだった。ならばその吐き出される精も、向かう先は自身なのだ。ただ物理的に受け止める艦娘が違 うだけであって、故に彼はまだ私のものだ。 祥鳳は心の中に、そう独り言ちた。目の前の板に触れてみる。まるでそのまま貫通し、彼の体躯を抱きしめにいくかのように。 大きくなった吐息の音を聞き、祥鳳の女陰もまた独りでに蠢いた。今、空想と吐き捨てるには余りにリアルな触感がある。容赦なく 押し広げてくる堅い彼と、その先端から注がれる白濁の温かさ。出し終えた後も、彼は二、三回ほど奥を突くのだ。限界まで吐き出され た精が、更に深くへと押し込められる。その歓喜が完璧に再現された。 彼女もまた、彼らと同じく、絶頂を覚えていたのだった。肩が強張り足は伸びて、嬌声を我慢するのにはかなりの労をとっていた。 恍惚の表情は、しかしおぞましい凄みを発してもいる。涙は留らず口角は吊りあがり、瞳が異様なほど燦爛としていた。 提督を取り戻す、提督を取り戻す。口の動きだけで、彼女はその言葉を繰り返し続けた。 <続く> これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/473.html
824 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 32 31 ID WPQREMKw 二章 1 暦の上では秋にもなれど、赤トンボが飛ぶわけでもなく椛が色付くわけでもなく、早秋とは名ばかりに、海面は未だぎらつく太陽に 焦がされ続けていた。滲む汗は珠となり、いつかはつぅと滑り落ちる。それが上着の肩口に吸着すると、接着剤のように皮膚と肌とを 張り付け始める。不快な感触に、だがもうすぐそれも終わると胸の中で唱えれば、幾らか気分はましになるのだった。 北方海域への遠征任務。航空機輸送の報酬として鋼材とボーキサイトを受領するその作戦は、丁度往路の半分にまで差し掛かったと ころである。祥鳳を旗艦とする軽空母三隻(此れを特務臨時編成航空戦隊)護衛の駆逐艦三隻(此れを特務護衛駆逐隊)それらを纏め て『第三特務臨時編成艦隊』は、茹った海に波紋を刻みながら粛々とと航行していた。 睦月型三隻を率いるように鳳翔が先導し、後方警戒には龍驤、祥鳳がついていた。空に木霊する駆逐艦の姦しい声は、鳳翔によって やんわりと包み込まれていた。それは窘めているのではなく、ただその煩い会話がきちんと管理されているという風である。彼女の持 つ天性の母性が駆逐艦達の喧しい声を、それでも煩過ぎることにはしていなかったのだった。 残された年長組二人は、実に気楽なものである。和気藹々とした朗らかな雰囲気に、だが片一方祥鳳だけは取りこぼされたかのよう に物憂げだった。 龍驤との会話に返事はする。その話の内容もきちんと理解はしている。別段心ここにあらずといったことではなく、ただわだかまる 憂鬱が気を萎えさせていた。 看破されることはないだろうと高を括っていた。今の自身を客観視する分には、どこにも異常はないはずだと思われた。そう思った 矢先にしかし、突飛に放たれた龍驤の一言はその考え全てを否定した。 「なんや、うち小難しい話しとるつもりないんやけど」 会話の最中に脈絡なく、ふとしたら聞き逃してしまうような自然さ。思わず顔を向けてみれば、訝しげに眇めた眼がちくりと刺すよ うな視線を送っていた。 祥鳳の失敗だったのはその後何も言い返すこともできず、息を詰まらせてしまったことであった。取り繕わなかったということが、 まさしく肯定の返事そのものである。すかさずに龍驤は追撃の次手を口にする。 「こないなしちめんどくさい遠征任務なんやからおもろい話があるなら出し惜しみせんでほしいんやけど。……提督やろか? 原因 は」 825 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 32 50 ID WPQREMKw 果たして図星の真ん中をつかれ、祥鳳の反応は分かり易さの極みである。「そんなんじゃない」と「ちがう」を壊れたように繰り返 し、頭の飛んでいきそうなほどかぶりを振る。けらけらと笑い続ける龍驤は、得心いった様子で先を続けた。 「ええでええで、隠さんでも。きょうび提督は大鳳にぞっこんやからなぁ。寂しくなるのもようわかるで」 「ほんとに違うんだから!」 「まぁ予想の範囲ではあったけどね。キミ分かりやすいからなぁ」 流石に、過去の関係のことまでは漏洩していないようだった。そこに安堵を覚えつつ、しかし龍驤の言葉は本質を悉く突いていた。 即ち、提督と大鳳の様子が視界に入ると、それだけでもう面白くないのである。この遠征任務の通達、つい二時間ほど前のことであ ったが、当然執務机に腰掛ける彼の隣には、あの秘書艦の姿があった。 以前は自身のものであった役職に他人が収まっている様子。それを受け入れるには、未だ整理というものが終わっていなかった。自 分から去っておきながらと、何も弁明しない決意をしておきながらと。自嘲は重ね重ね、だが勝手な感情は際限なく胸の内をのた打ち 回る。惰弱で幼稚で惨めであった。そういった自覚が、より一層彼女を病ませていた。 祥鳳は消化しきれない思いを抱き続け、今この時でさえ彼らの様子を気にしているのである。まさかまだ進展と呼べるような事は起 こっていないはずだと、妄想と焦燥に頭を疼かせ、兎にも角にもいち早く帰りたかった。 「まぁあの提督は色恋に興味無いやろうから、当分心配は無いんやない? あの子も仮に気があったとして、どう見ても晩生やから なぁ」 彼女が悪気無しに放ったこの慰めの言葉に、息の詰まる感じがした。彼は色恋に興味は無い。その一文が、心内でしつこく反芻される。 まさしくそれが、その思い込みこそ祥鳳の決意の源泉だった。自身が他の娘とは違うという確証を得る事ができないでいた事。たと え同衾したとて、夜が明ければ他の娘との区別はない。秘匿が完璧であったからこそ、恋人である意義も薄れていたように思えたのだ。 嫉妬ではなく、不信。普通以上のことを求めた故の破局だった。自身が特別だという確証が、そんな何をどうやっても得られないよ うな代物が欲しくて仕様がなくなった。その自分勝手な驕慢さへの自覚から、提督に苦しみを告白することもできなかった。そして挙 句、精神的な破裂を感じ取ったその日に、彼女は別れを告げたのだ。 今、当時の胃を痛くしながらの心配が杞憂に終わった。大鳳の様子を見れば、あの時の自分が周りからはどう見られていたか、推し て知るべしである。特別な場所にいた事を知らなかった愚鈍さが、悔悟となって嫉妬へ変わる。 水面の波紋を消す術は、唯一つ待つことだけである。心内のざわつきは、未だ留まることを知らなかった。 826 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 38 07 ID WPQREMKw 2 遠征に空母が必要となれば、必然的に祥鳳を組み込まざるを得なくなる。つい何時間か前、この執務室には彼女がやって来て、もう それだけで提督はこの上ないほどの憂鬱に苛まれていた。 吐き出される溜息は際限なく、肺の奥底から湧き出している。これでは良くないと自身の仕事に傾注するも、そこに並ぶ事柄に愉快 なものなどある訳がない。先に送付した支給資材上限拡張の依頼書が、慇懃な“お断り”と共に返送されたのを視界に入れ、遂に彼は 机に伸び伏せた。 「えっと、何かお茶でも入れてきましょうか?」 何回聞いたかも分からない大仰な溜息に被せ、大鳳はおずおずとそう聞いた。気遣う顔つきをしながらも、決して提督の方を見よう とはしていなかった。書類の淵を指でなぞりながら、几帳面にその線を合わせている。時折落ちてこようとする髪の一束を、指で掬い 取っては耳に掛けていた。 実を言うならば、この艦娘の態度そのものにも、いくらか煩わしさを感じている提督である。樽俎、と言うには余りに煌びやかさが 足りなかったが、あの酒の席以来、彼女の提督に対する素振りは露骨に変わった。 具体的には、視線を合わせなくなった。別段、今まで顔を突き合わせて会話したことなど一度もなかったが、普段の生活の中でふと 目が合いそうになるだけで、仰々しく不自然に顔を背けるのである。見せ付ける為にわざとやっているのだとしたら何とも腹立たしい 事この上ないのだが、しかし当の彼女を観察すれば悪意というか、下心に基づいた行動ではないらしい。腹の色が淀んでいないのは彼 女の美点でもあるが、だからこそ接する方としては、厭に気を使ってしまう。 この執務室にやたら長く居座ろうともしだした。業務の終わった後、何かと話題を見つけては、ずっと側を離れないのだ。恐らくは 再びの酒宴を待ち望んでいるのだろうが、生憎尻尾を振ってる様を見せ付けられると意地の悪くなる彼の性癖。就寝時刻が遅くなる苛々 も相俟って、願望を叶える気は絶無となっていた。 兎に角、気に入らなかった。一挙一動が悪意の針となって、脳みそをつついているのだった。 嫌悪の削ぎ落ちた煩わしさである。まさしくそれを部屋中に振りまかれているから、どうにも鼻について仕方ないのだ。 「あの、提督?」 不安げな声音が、静けさに圧迫された鼓膜を撫でた。体は起こさず顔だけ大鳳の方へ向けてみると、不安げに揺れた瞳が視界の中央 に鎮座した。勿論、ただの一瞬で目は逸らされ、後には視線の紡いだ糸らしきものの残滓が、眉間に感じられるだけになった。 827 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 38 38 ID WPQREMKw 胸の内で散々悪態をついてみる。お前は少女漫画のヒロインか。無自覚なあざとさの、どれだけ煩わしいかを知っているのか。そう いう態度は同姓から一番に嫌われるぞ、等々。 じっと横顔を見つめ続けていると、ほんの少しだけ瞳の見ることのできる瞬間がある。大鳳はちらりと提督へ眼を向けては、慌てて 逸らすのを繰り返していた。 「飯、食いに行かないか」 姿勢をそのまま、彼は口だけ動かしてそう言った。空調の音に紛れてしまいそうなほど、弱く覇気の無い声音であったが、大鳳はすか さずに反応を寄こし、 「え?」 首を傾け、そう聞き返す。 「飯食いに行こう。腹減った」 視線がしっかりと交錯したことに満足を覚えながら、彼は腕立て伏せをするような格好で体を起こした。膝裏で椅子を押しのけ立ち 上がり、欠伸をしながら伸びもする。 戸惑う彼女は、外出の準備をし始めた彼の周りを、おろおろとうろついているだけであった。ものの一分で支度を終えた提督は、一 旦の制止を呼びかける大鳳を無視し、そのまま出口へと向かっていった。 もちろん執務中の外出は、原則禁止されていた。しかも彼は見るからにこの鎮守府の敷地外にまで出ようとしている様子。秘書であ る所の大鳳がこれを看過できる訳は無かったのだった。 とうとう扉が開かれて、その足は廊下へと伸びていった。執務室に留まり、 「わ、私は行きませんからね」 そう言ってみても、彼の歩みは止まらない。酷薄な態度に苛立ちは募り、このまま一人で行かせればいいんだわと心内で愚痴を零す。 だが、こちらは何も悪くないのに、大人気なく駄々をこねた風な状況になっているというのも癪に障り、結局は彼を追うこととした。 提督は気障ったらしく、壁に背を付け待っていた。 「戻ってください」 幾らそう繰り返したとて何も反応は返されず、小言は孤独にただ廊下をひた走っていた。見えない磁力に引っ張られるようにして、吐 き出す言葉とは裏腹、彼の後ろから離れられなかった。 いよいよ玄関にまでたどり着く頃、彼女はもう沈黙してしまい、ただとぼとぼと金魚の糞をするだけになった。だがそれは決して精 神が諦観の域に達したのではない。むしろ、提督の暴走を止める事のできる防波堤をついぞ発見した為である。 鎮守府正門。その脅威の枢軸は、大仰で荘厳な鉄柵門そのものよりも、横にあるこじんまりとした警備常駐室である。そこには守衛 の妖精が、それこそ物の怪の類というのは決まって土着しているように、四六時中いつでも一人は居るのだった。 どうやら鎮守府の主が近づいてくるのを察したらしい。遠く小さい窓の向こう、一人の妖精が顔を覗かせた。 「やぁ、君。ちょっとお願いがあるんだけれど」 提督は警備室に近づくと、馴れ馴れしく小窓に顔を突き合わせて言った。一枚のガラス越し異様に接近した顔に、堪らず妖精は後ず さる。ファンシーな見た目とは裏腹、渋い声音の返答がある。 828 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 39 09 ID WPQREMKw 「仕事をおっぽり出してデートとは感心致しませなんだ」 「いやなに、甲斐性さ。ねぇ、ここを開けてくれ」 「さぼってもいいですが、人を巻き込むのはいただけませんな」 「まぁそう言うな。私は何も君にボランティアを強いているんじゃない。これは取引なんだよ」 提督は、細めた眼を横へと滑らす。相手の反応を楽しみにしている際の癖のようなものである。 彼が嗜虐への愉悦に造詣の深い事を、大鳳は身をもって知っていた。湧き出す危機感と焦燥、無意識の内に拳を握りしめ、祈るよう な心地に二人のやり取りを盗み見る。望み薄なのは重々分かった上、それでもこの妖精に屈強な精神力のあることを、望まずにはいら れなかった。 「君はたしか、今月の酒保の購入分が給料を上回っていたね」 妖精は堅く締まった表情を気丈にも維持しようとしていたが、生憎口角の吊りあがったことは一歩離れていた大鳳にも見て取れた。 「私たちがここを通り過ぎるのを見過ごしてしまったなら、私も君の酒保記録を誤って紛失してしまうかもしれない。仕事でミスす るのなんて、幾ら気をつけても起こるときは起こる物さ。ねぇ、どうだろう。君は、今日、少し仕事でミスをする。誰にも気付かれない 些細なミスだよ。そして私も、帰ってからミスをする。ね? いいだろ?」 果たして、きりきり音を立てながら開いてゆく門である。恨めしい視線から逃れるように、妖精は部屋の奥へと姿を消した。 アスファルトの発する熱が、靴越しに足の裏を焦がしている。歩くだけで汗の止まらない厳しい残暑だが、肌に感じられる海風は幾 らか乾いてもいた。そう遠くない秋の予感が、過ぎた日々を意識させた。 海鳥の舞踏を横目に見ながら、提督はかつての恋路を思い出した。海軍兵学校時代、初めてできた恋人との睦みである。 丸顔でよく笑う、気の置けない娘であった。ロマン・ロランであったか。恋愛的友情は恋愛よりも美しいと言うが、あの娘との関係は 友情に限りなく接近していたように思う。 様々な所に遊びに行った。暇さえあれば常に一緒だった。往来で手を繋いでいたのを見咎められた事もある。だがキスをしたのは一 度、体を重ねたのも一度きり。祥鳳とは真逆の方向性において、育まれた恋慕であった。 横須賀の街の細部を知り得たのも、彼女と遊び練り歩いたおかげである。今、大鳳を連れて外へ出たのは、きっと無意識にその初恋 を追い求めているからであろう。祥鳳への当て付けとして、懐古に楽しさを再現しようとしている。 下種な事をしているという自覚はあった。大鳳が自身を慕ってくれているということを、知った上で、その純真を踏みにじっているの だ。寂しさを紛らわせるためだけに、想いを利用している。苛立たしげなのを装い、しかし瞳からは隠しきれない期待があふれ出して いる。この娘のあどけない純真、白壁に爪を立てる心地だった。 七百メートルは歩いた後、デフォルメされたマグロの看板を掲げる、一軒の寿司屋が見て取れた。学生の頃、その彼女とよく昼を食 べに行っていた店である。ムードも何も無い所であるが、だからこそあの時の二人には都合が良かった。安く、気軽で、高尚じゃない ことが至上の価値だと、斜に構える時代には思えるものなのである。 829 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 39 52 ID WPQREMKw 横滑りの戸を開けると、中はまばらな賑わい。昼時というには少し遅い時分であるから、繁盛していないという訳ではないだろう。レ ジに立っていた年増の女給は、提督の姿を見るなり、 「あら、お久しぶりね」 「うん。久しぶり」 「お二人? もしかして新しい……」 「違うよ。さぼりできているんだ。内密に頼むよ」 「まぁ、べつに言いふらしたりしないけど、あなたはいいとして後ろのお嬢さんの格好は中々目立つわね」 口を開くのも億劫になり、むっつり黙って提督に続いていた大鳳は、その言葉を聞き、途端羞恥に駆られた。鎮守府ではより露出の 多い艦娘が跋扈しているために、自身の服飾デザインの大胆さには気が付かなかったのだ。大きく開いた脇や短いスカートに、何とも心 細い感じを抱き、しかし露骨に腕で隠そうとすればそれはそれで恥ずかしい。 ぼっと頬を染めた彼女を見、女給はにたついた笑顔になる。 「なら二階を使っていいわよ。特別にね」 「ありがとう」 提督は慣れた様子で、レジ奥に伸びる階段へと向かった。 六畳一間、ぽつねんと机の置かれた畳の部屋である。メニュー表のある所を見るに、特殊な客を匿う事など日常茶飯事であるようで あった。 腹を膨れさせれば機嫌も直るだろうという提督の予想は、果たしてまったく正解であった。むっつりと黙ったままであった大鳳は、 しかし満腹の幸福を隠しおおせるほど器用な娘ではない。 この店で昼時に最も人気なのは、六百五十円の海鮮丼である。日毎に余りそうなネタで作るそれは、日替わりなのは当然として机に 置かれるまで何が入っているのかも分からない。手頃な値段とこのマンネリの無いシステムが受けて、とりあえず迷ったらこれにしと こうというような、定番の地位にあるメニューである。 この丼をそれぞれ一つずつ、更に提督は追加して、小うどんと穴子、イカ、ハマチ、それから目に付いたオコゼなどという変り種の 握りを一つずつ。握りは一貫に二つ皿に載り、大鳳と分け合う形となったが、唯一オコゼだけは彼女が全てをたいらげた。 肝心の丼であるが、今日は運よく当たりの日であったらしい。ネタの種類、量は記憶にある中で最大級に豊富であり、多かった。 まず中央に艶やかなイクラ、その脇には大葉が敷かれ、わさびと極少量のツマが上に乗る。放射状に外へと伸びる刺身は薔薇の大輪 のようであった。透き通った油が蛍光灯を反射していた。マグロは赤味とトロが同等量。主役たらんと白米を覆い隠し、補色のアジが 脇を支えている。良く見ればネギトロによる小皿の上、凝った造詣のイカが、良家の娘の髪飾りが如く置かれている。提督にはそれが つつましく、含羞の表情をしている風に思われた。 飾りの菊がさり気ないコントラストであった。丼ものの多くにありがちな、白米の量が多すぎて余るという事は起きず、ぴったりと 同時に胃に収まった。食後に茶を啜りつつ、機嫌の回復した彼女は気に掛かっていた疑問を口にする。 「前にも、ここに来たことがあるの?」 言外に問われている事が何なのかを察知し、提督は逡巡した。正直に答えたところで特に不都合は無いらしいことが分かると、ようや く遅れて返答する。湯飲みに手を伸ばし、この開いた間は特に不自然な風にもならなかった。 830 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 40 13 ID WPQREMKw 「鎮守府に着任してからは初めて」 聞き、大鳳は理由無き嬉しさに微笑した。 つまり、以前の秘書艦は連れられて外出する事をしなかった。頭の中に浮かんでいた祥鳳の影は霧散して、遂には一、二時間程前の 自身の生真面目ささえなくなったようだ。ついてきてよかったと心の中で独り言ち、表情が緩んでいることにも気が付かない様子。そ うしてうとうと睡眠欲の出始めた頃合、まさか心地よく昼寝する訳にもいかない。多少の倦怠を我慢しつつ、席を立ち、店を出た。 鎮守府正門妖精詰所。悪魔の取引に矜持を投げ打ったあの妖精は、陽気な声音の会話を耳に捉えると、ただ押し黙って門を開けた。 そうして彼らがくぐる前に部屋奥の暗がりに身を隠し、気配を完全に消失させる。味方であったはずの大鳳は、すでに篭絡されている。 最早この妖精の行動に同情を示す者は無く、談笑の種として消化されるのみであった。忌々しさに握られた拳が、閉と書かれた緑のボタ ンを叩く音を、果たして気に留めた者はいない。 やがて提督は、執務室前にまで辿り着き勢い良く戸を開けた、その瞬間である。散歩の心地よい疲れが、安堵の途端に表層へ顕れ、 気の弛ぶほんの一瞬に、彼女が視界に映り込んだ。 意想外な事は、大抵罰の当たったと思えるような状況下にて発生する。何時だかに聞いたこの言葉が記憶の底から引き摺りあがった。 直面した状況が、無意識に思考を逃避させるほどの衝撃を孕んでいた。 驚懼に瞼が震え、目の前に認めた彼女、祥鳳の姿は、おぼろげに霞んだようだった。 「……提督、あの。波の良かったおかげで予定より早く遠征が終わって……その報告を、えっと」 目を逸らし、途切れ途切れ言葉を選びながら彼女は言う。今、両者、脳内に遠征についての思考はない。そして、状況の理解につい ては提督の刹那の知覚が悉くを当てている。 彼と大鳳が二人で外に出ていた事について、それを認めての猛烈な感情の濁流に、祥鳳は眩暈を感じるほどである。晩生、と龍驤は評 した。それに安心を感じていた。報告のためこの部屋に立ち入り、しかし二人そろって姿は無く、焦燥と不安の疑心がわだかまった。 待機する事、既に一刻。最早弁明もできやすまい。否、弁明する気さえも起きないのだろう。怒りか、虚しさか。わだかまりはその 中間点のものに変化をし、伸展留まりもしない。 提督は、彼女の胸中に増大する黒い物を察知している。決して誤解だとは言えないが、意味する所についてはまったく違う。乖離し てゆく想いが目に見えるようで、もどかしく苦しかった。 「あとで資材の増量を確認してください」 「……あぁ。ありがとう」 表面上、何も無かったかのような、至極何時も通りのやり取り。どこかぎこちなく感じられる動きで、祥鳳は提督の横を通り過ぎ、 早足に執務室を後にした。 大鳳は両者の仔細な顔つきを見た。かつて抱いた疑念、恋の暗香が再び鼻につく。気のせいだと断じるには、部屋の空気が、或いは 今目の前にする彼の雰囲気が余りにも気まずさに包まれている。 午後の長閑は一瞬にして崩れた。 831 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 43 52 ID WPQREMKw 3 外出は萎えた気分を立て直すためであったのだが、しかし現状彼の憂鬱はより一層酷くなっている。集中は途切れ、自己弁護と弁解 の言葉が頭を馳騁し、書類や事務的な懸念に思考を割く余裕は無かった。 海の暗黒に航空誘導灯の赤が差し込む。窓からの景色を漫然と見ていた提督は、大鳳に肩を叩かれ我に帰った。 「ここ、記入漏れです」 その言葉と共に、視界には幾枚かの書類と、それを摘む大鳳の細い指が映り込む。午後、仕事を再開してより既に五回目のミスである。 この一時だけで、この鎮守府着任以来の緩怠の総数は二倍に増えた。自身の貧弱なメンタルが情けなく思え、しかもそれがよりにも よって大鳳に咎められるのである。彼女の怪訝な、それでいてどこか憐憫も滲んでいるような視線に、屈辱の怒りが腹底より湧き出す。 そしてとうとう煮えた感情の我慢できなくなる一瞬、提督は欝々しく立ち上がった。 「あの、どこへ?」 「トイレ」 言い捨てて、早足に執務室を出る。 行く当ても無く、ただ感情の昂ぶった衝動が足をせわしなく動かしていた。勿論、厠などに行く気はない。ただあの空間にいるのが 苦痛でならないだけである。どこか遠くへ、大鳳のほんの少しの気配も感じられない所へと、独り物寂しい廊下を突き進んだ。 腹内に抱える原理が同じならば、行動が似るのも当然なのだろう。彼はやがて正面玄関にまで辿り着き、そのまま靴を履いて外へと 向かった。意識の下で、祥鳳の影を追い求める自身というものが、足先の指す方向を定めたらしかった。 昼間蓄えられた日の温かみは既に無く、ひんやりとした肌寒い空気に露出した首が鳥肌立つ。時折夜空を仰ぎ見ながら岸壁沿いに歩 を進め、海風を浴びる。肺腑が淀みのない空気に洗浄されて、熱くなった頭は徐々に冷静さを取り戻していった。 ふと、平常の中に佇むと湧き出してくる予感があった。確信に限界まで接近した直感らしきものである。何ヶ月もわだかまり、まる で腐ったようにもなっている胸中の疑問が、喉元近くにまで競りあがった。情動の高鳴りが、センサーの如くその存在を知らせてくれ るのだ。歩は速めず、驚くほど起伏の無い心緒のまま、彼は注意深くあたりを見渡した。 因縁の防波堤、黒い海へ突き出た姿がうっすら暗闇に顕れだした頃合。向こうからてくてくと歩いてくる、一人の女の姿が認められ た。予想が的中した事に薄寒さを覚える提督は、或いは彼女も同じような心境にあるかもしれないと思い至ると、その胸のうちに微笑 ましい、愉快な気持ちが沸きだすのを感じた。 「お前も、夜の散歩か?」 声の聞こえる距離にまで近づくと、彼はその娘、祥鳳に向かって声をかけた。 「はい」 「奇遇だね」 「そうですね」 互いに停止し、開いてしまった微妙な距離が、彼らの気まずさを無言のうちに表現している。 832 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 44 19 ID WPQREMKw 奇遇、と提督は言ったが、寧ろこの邂逅は、両者の意思の介在によってなされたものであった。実は冬以来、たびたびこの防波堤に足 を伸ばしている二人である。今まで鉢合わせにならなかったのは、巡り合わせの悪さもあるのだが、どこか望み通りの出会いを果たし た時への、恐怖があったのだった。相手が来るわけのない時間を選び取り、しかしもしかしたらと期待を胸に抱き続け、部屋に戻ると 運の無さを無念がる。 今日、二人は大鳳という一艦娘によって、恐怖を上回る欲求を得た。それが、いかにも偶然らしき巡りあわせに作用したのだ。 取りとめもない会話は、鎮守府玄関の見えるまで続いた。本題を放出する機会を伺う、その緊張感を保ったままのダイアローグにつ いては、記すにも及ばない。拮抗した実力を持つ武士が、両者決め手に欠ける状況下、型の決まった打ち合いをするようなものであっ た。 先に踏み込んだのは祥鳳である。 「最近大鳳さんと仲がいいみたいですね」 不気味なほどいつも通りな声音に、提督はすかさず反応した。 「別に、そんなことはないと思うが」 これもまた、平常どおり。彼女は聞くや目を眇め、忌々しげに口を閉ざした。 言動と反応を見て、寧ろ不満を抱えたのは提督である。なぜその立場にありながら、嫉妬を匂わす発言をするのか。彼女の身勝手と、 僅か期待を抱いてしまう自身の惰弱さに拳が震える。罵りの言葉が幾らも頭に沸いたが、どうにか何重にもオブラートに包んだ表現へ 変換して、生唾を飲み込んだ後それを口に出した。 「前から疑問があった」 「はい」 「なんでお前は、私をふったんだ」 提督は、自身の未練が醸し出されやしないかと危惧していた。何か下を見られるのは嫌であったし、感情はどうであれ理性の方では、 もう諦観を享受しているのである。 実際には、この言葉は彼の意図したものとは違う解釈をされた。彼は彼女が持つ未練について一切気が付いていなかったし、燻って いる情緒の本懐についても認知できている訳が無かったのだ。 即ち祥鳳は、彼が大鳳と恋仲になるために自身との関係を完全に切り離そうとしているのだと考えた。別れを切り出した理由を聞く 事によって、漫然としたつながりを断とうとしているのだと。 不服である。納得できるわけは無かった。未だ自分は引き摺っているというのに、彼は心に痛みを感じる事も無く鞍替えするのだ。 その怒りが、胸を焼き、目の前が真っ赤に染まったようだ。 嫉妬深い自身を自覚したのは、今この時が初めてであった。彼女は未知の、熱く暗い怒りの爆発を他人事のように感じていた。もう 一人の自分が、殺意の湧き出すのを一身に受け止める。宥める事は叶わず、とうとう獣の咆哮が如き、悪意と敵意の言が飛び出した。 「飽きたからです」 どうすれば相手を傷つける事ができるか。それだけを考え、ひねり出した答えである。執着や憎しみが事実を押し込め、意想外の事 を表に出した。果たして彼は目を瞠っている。その様子に溜飲下がる様な悦びを覚え、彼女は衝動のままに喉を振るわせる。 833 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 44 51 ID WPQREMKw 「逢えず話せずで、もういいかなって思ったんです。楽しいって思えることが少なかったし……。ごめんなさい。でももう時間も経 ったから言ってもいいですよね。未練なんて、あなたも無いでしょう?」 「……ああ。うん。そうか、聞けてよかった」 既に場所は、鎮守府の中である。互いにおやすみを言って、別れた。提督は失意によって、何も視界に入れることができなくなって いた。彼女の僅かに赤く腫れた眼や、握りこみ震える拳などにも、気が付くことはなかったのである。 ふらふらと覚束ない足取りで階段を昇り、壁にもたれながら廊下を進む。思考が放棄されたとき、人はなすべきことをなさねばなら ぬと、自身の任務に傾注する。提督も、意識の上に昇るのは仕事のことのみであった。 執務室の戸を開けると、頬を膨らました大鳳が見えた。 「もう、提督! どこに行っていたんですか」 快活な声に彼女は言い、彼の神経を逆撫でたのにも気が付かず言葉を続ける。 「休憩したいのなら言ってくれれば、私そこまで鬼じゃないわ」 「うん。ごめん」 許容の限界を超え、その為にか提督の外見は朗らかだった。詫びの笑顔に屈託はなく、大鳳は彼の不調を看破できなかった。 仕事の中断ついでにと、彼女は昼からのわだかまりを口にすることにした。外の空気を吸った事でリフレッシュもされて、機嫌もい いだろうから聞いてしまっても大丈夫だろう。そういった判断である。運の無さと感情の機微に疎い性質が、迫る最悪を知覚できなくさ せた。 「提督、そういえば昼の事なんですけど……」 「うん」 「祥鳳さんと提督って、昔なにかあったの?」 蓄積し続けた感情へ、重い撃鉄が振り下ろされた。一度引かれたトリッガーに、もう後戻りは許されない。彼女の声を端緒として、 提督は我に帰るような心地だった。 目の前の娘について、極限まで憎らしい存在だと思われた。糾弾し、矯正しなくてはならない。ただ胸の内に蠢く暴力性によって、 屈服させなければならない。散々痛めつけられた自身を、更に足蹴にしたこいつには、然るべき報いを受けさせなければならないのだ と、猛然と暗い感情が馳騁する。様々な要因にて溜まった鬱憤が、今一個人に向け晴らされようとしていた。 のしのしと無言に近づいてくる提督を見て、ようやく彼女は、地雷を踏み抜いたらしい事を自覚した。 「あの、提督?」 声をかけ、だが無視をされ、肌にぴりぴりと感じられる危機感は抱く信頼によって黙殺される。胸元に両手を置き、下から伺い見る。 その様子は、彼の嗜虐心を駆り立てた。 頤に指が這わされた。親指が唇を撫でた後、上向きに力が働いた。たまらず彼女は顎を上げ、まるで口を突き出すような格好になる。 834 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 21 46 08 ID WPQREMKw キスされたことを認知したのは、かなり遅れてからだった。ただ目を見開いていただけだった彼女は、顔の間近に息づかいを感じて、 ようやく顔を朱に染める。しかしその段になっても未だ現実感は沸かず、何をどうすればいいのか検討もつかないのだった。 抵抗の少ない事を意外に思いつつ、提督はより深く彼女を求めだした。掌を顎間接の奥へ這わせ直し、強引に舌を差し込んでゆく。 強張り縮こまっているだけだった腕が、彼の胸板を叩いた。引き剥がそうと力を入れても、既に体は密着している。鍛錬の怠らない屈強 さを持ってしても、この状態にあっては体格差を覆せはしないのだった。くぐもる悲鳴を聞き、腰に回されていた提督の腕はより強く 彼女の体躯を引きつける。 小柄を自称する祥鳳よりも、更に小さく細い体である。比較をしながら、彼は確かめるような手付きで服越しの肌をなで始める。 そこにはしなやかさと強かさを両立した、合理的な美があった。柔らかくふくよかな、母性を感じさせるものではなく、だが故に、 寧ろ促される情欲もあるのだ。 腰骨の出っ張りを過ぎ、とうとう尻の膨らみへその手がかかる。腰まわりの引き締まりから、途端弾力のある部位に指が沈む。彼女 は背筋をびくつかせ、キスの合間に抗議の声を出した。舌の嬲られたままでは、到底言葉にもならないが、良く聞けば、どうやら謝り ますからと繰り返しているらしい。その余りに嗜虐のそそられる様、女性的柔らかさの欠ける者の女性的か弱さ。そういった背反が異 常の興奮を引き出すのだった。 臀部からは一旦手を離し、脇の開口部から覗く肋骨の窪みをなぞった。危うい所へ触れかける、そのスリルがこそばゆいのか、彼女 の悲鳴はより一層その音階を高くした。二本、三本と撫でるたび指はより奥深くへ進行し、遂に僅かな膨らみを登攀するにいたる。 口を離すと粘性の橋が両者の間に掛かる。それが自重で崩れる間の後、彼女の大きな瞳からは雫が零れた。 躊躇が生まれた。震盪によって機能のほとんどを失った頭が、提督の眼前に幻を見せる。祥鳳の泣き顔、そのリフレインによる胸の締 め付けが、一瞬の硬直を引き起こしたのだ。 隙をつき絡みつく腕をはらうと、大鳳は涙の流れるまま走り、執務室を飛び出した。嫌悪や怒りはなく、ただ驚懼による反射だった。 漫然としたショックに、心臓の跳ねる感じがしている。自身の荒れた息づかいや濡れた唇、掌の感触の残滓が、羞恥と寂寞の複雑に混ざ り合った感情を沸き立たせた。 開け放たれた戸を眺め、追い縋ることもせず、提督は立ち尽くしている。余りに感情が揺れ動きすぎた。その倦怠によって、もう何 も感じる事ができなくなったのだ。 祥鳳との記憶を掘り返し、俯瞰して無感動に眺め続ける。それだけであった。 <続く> これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/gensouiri/pages/1681.html
提督二人とオマケが幻想郷入り 提督二人と○○が幻想郷入り 検索しやすいように -- (名無しさん) 2008-11-24 04 43 48
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/368.html
196 :6-632:2014/05/04(日) 02 40 20.93 ID IuMuSz5/ 1.完全に原作無視となります 2.深海棲艦対策は「海軍」国民の財産・生命を守る役割が「海上自衛隊」であると 独自の解釈に基づいて書いています。 3.皐月(6-632)の続きです ***************************************************************** 「今年の候補生諸君は、気力・体力・精神力共に覇気があり期待できる」 俺は身重になった皐月の身を案じ、皐月とごく少数の親しい艦娘を連れて 艦隊勤務からここ“深海棲艦対策海軍・海上自衛隊”の幹部候補生学校に赴任した ここでの役割は学校長。この学校では海軍出身者であっても、自衛隊の階級も一緒に付与される 請願移動であったが為、俺は今までの中将から1階級降格され少将となった。 自衛隊側では少将相当の「海将補」と呼ばれている。 5月。愛する妻の名前を冠する月 今日は新人である提督候補・艦候補と自衛隊幹部候補の入所後初の訓練成果を見る日だった 正直3月まで艦隊指揮を執っていた俺は海自側副校長から提示された文を読んだだけだった 今日のお勤めを終え宿舎へ帰る 「お帰り、司令官!」 皐月がいつもと変わらない様子で出迎えてくれた。 皐月を妊娠させてしまってからケッコンしたことにより、色んな方面から叩かれたが この笑顔を見るとそんなのはどうでもよくなってしまう。 「ただいま。皐月」 皐月にキスをすると大きくなったお腹を撫でる 「早く会いたいな」 「うん。ボクも早く会いたい」 俺が言うと皐月も同意し一緒にお腹を撫でる。 それに応える様に俺たちの子が皐月のお腹を蹴る。 皐月はこの子が生まれたら艦娘養成学校の教官をやるんだと今から色々と準備をしている 「はい、司令官。ボクが作ったカレーだよ」 夕食には皐月の作ってくれたカレー 妊娠してから俺は皐月を艦隊勤務から外し、司令部付の人事にしていた その時に間宮さんに色々料理を教えてもらっていたらしい 「どうだい?おいしい?」 皐月が俺の顔を覗き込む 「ああ、すごくおいしいよ」 俺がは子供のような笑顔で皐月に返す 「よかった。ボク。この子にもママのごはん美味しいって言ってもらえるかな?」 ちょっと不安そうな顔をみせる 「当たり前だろ?皐月の作るメシは世界一美味しいよ」 そういって、頭を撫でた 食事の後は二人で入浴。 お腹が大きくなり、浴槽に入るのも一苦労する皐月 転倒してお腹を打ってしまわないか心配で心配で俺から一緒に入るようになってしまった 「ねぇ、司令官。ごめんなボクがこんな事になっちゃったから、少将に降格して ボクを守るためにこんなところまで来ちゃって」 突然、皐月が言い始めた 「あのね。あの・・・。実はボク。司令官の赤ちゃんが欲しくて、欲しくてどうしようもなくて 赤ちゃんできないように、司令官がいつも付けてくれてたのに穴あけちゃったんだ」 衝撃の告白。あのコンドームの穴は事故や初期不良ではなく、皐月が俺の子欲しさに 自分で穴をあけていたらしい 「だから、全部ボクが悪いんだ。ごめん。司令官・・・・」 今にも泣きだしそうな皐月 「なぁ、皐月。泣かないで。俺も本当は皐月に赤ちゃん産んでほしくてさ、あんなの付けたくない って劣ってた時期があったんだよ。」 皐月は驚いたような表情を見せる 「だからさ、皐月に赤ちゃんができたって聞いたときはびっくりしたさ。でもそれよりも嬉しかった 今、この江田島で静かに過ごしてるのもすごく幸せなんだ。皐月。ありがとう」 さそれだけ言って皐月にキスをする。 俺は舌を皐月の口内に侵入させ皐月の舌と絡める 皐月も嫌がることなく舌を絡ませてくる ケッコンいや皐月が妊娠する前までこのディープキスは互いに「エッチしたい」という合図になっていた 俺は久しぶりに皐月に欲情してしまった。 妊娠してから何回かはお互いの性器を舐めあいそれで満足する行為をしていたが もう我慢できなかった しかし、ここまで子供が大きくなった子宮に精液を流し込むと早産の恐れがあり またこの子にミルクを上げるために普段おり大きくなった胸への愛撫も女性は痛いと言う 俺は皐月につらい思いをさせたくなかったので、皐月を愛撫することをためらっていた すると皐月の手が俺のペニスに触れる 亀頭を優しく刺激し、竿を緩急をつけ扱いてゆく そしてより一層激しく舌を絡めてきた 風呂から上がり俺は皐月の性器を丹念に舐めてゆく クリトリス。そして膣内に舌を這わせる 妊娠して大きくなったお腹を見ると背徳感も湧いてくるが、 互いに発情しきってしまい、そんな事はもうどうでもよくなっていた。 皐月の膣奥から愛液がどんどん溢れてくる。 気持ちよさそうな喘ぎを出しつつ、その手は俺のペニスから出るカウパーを 潤滑剤にし、亀頭を丹念に攻める。 入れたい。皐月の中に出したい。 俺の理性は今にも焼き切れそうだ。 ペニスを皐月の膣口にあてがい、挿入しようとしたとき 俺たちの子が思い切り皐月のお腹を蹴る これがブレーキになった。 しかし、もう止められない。止めたくない。 俺は「ある方法」を思いついた 俺は皐月の溢れ出る愛液をすくい、皐月の肛門へ塗りたくる それだけじゃ足りないだろうとローションをたっぷり塗りたくる。 「ふぁっ、司令官。そこおしりだよ。」 皐月の肛門に指を入れ統括筋をほぐしていると皐月が驚いて声をあげだ 「皐月。俺はどうしても皐月とエッチしたい。でもこの子にもしものことがあったら」 それだけ言うと激しいキスをしつつ、アナルをほぐしてゆく 時間をかけゆっくりとほぐし、指が3本程入るようになってから皐月を見つめ、 ローションをたっぷりとつけたペニスを皐月のアナルにあてがう 「司令官!そこおしりだよ。おちんちん入れるところじゃないよ」 皐月は抗議の声を出す。 俺はそれに応えずに皐月にキスをする。 「皐月。皐月の2つ目の処女も俺が貰いたい。いや誰にも渡したくない」 俺ははっきりという 「うん・・・。昔さ、如月から聞いたんだ。処女は2つあるって。」 初めてした時のように。皐月の処女を貰った時のように目を硬くとじて恐怖と戦っている皐月 「司令官。ボクの処女。全部貰ってほしい」 その言葉を聞くと俺はゆっくりとペニスをアナルに埋めていく 時間をかけてほぐしたからだろうか、殆ど痛みもなかったらしく 「え?入ったの?」 と聞いてくる皐月 「全部入ったよ。俺は皐月の処女を2回も貰えて幸せだ」 「ボクもだよ。司令官」 見つめあってお互いに言う 俺はゆっくりと腰を動かす 「あっ!」 急に皐月が声をあげる 「痛かったか?」 咄嗟に腰を動かすのをやめて問いかける 「違うよ・・・。おしりなのに気持ち良くてその・・・」 自分は変態なのかもしれないという羞恥心から耳まで真っ赤にし小さな声で 皐月がつぶやく 俺はそれを聞いて激しく腰を動かし始めた 最初は羞恥心から声を抑えていた皐月も大きく喘ぎ声を出すようになった 俺はペニスの根元に与えられる締め付けで今にも射精しそうになる 「皐月。愛してるこのままイクよ」 「うん。ボクも司令官のとこ大好き」 皐月のこの言葉を聞き俺は大量の精液を肛内に出した。 事後のまったりした甘いひと時。 俺は幸せをかみしめていた 「司令官、お腹が痛いよ!ボク、死んじゃう!」 激しい痛みにポロポロ涙を流しながら耐える皐月。 次の瞬間、皐月の股間から水が流れ出てくる 「ボク、おもらししちゃったの?」 痛みに耐え、うずくまりながら聞いてくる皐月。 俺も気が動転していた 俺たちの子は?まさか、流産 そんな嫌な考えが頭をよぎり、気づいたら「非常召集」をかけていた 俺と皐月の部屋に古鷹が飛び込んでくる 事態を察知し皐月を病院へ緊急搬送 それを眺めながらが顔面蒼白になる俺に対し優しい顔で古鷹は告げる 「提督、慌てないで、大丈夫だから」 古鷹・加古・青葉に付き添われ病院へ 皐月が入ったであろう処置室の前で待つこと数時間 元気な赤ちゃんの泣き声が聞こえる 看護師に呼ばれ部屋に入るとそこには皐月と俺たちの子が 「司令官。女の子だよ」 それを聞き、俺は皐月の手を強く握り 「ありがとう。皐月。良く頑張ったな」 何度も何度も皐月に言い聞かせた 愛する妻の名前『皐月』を冠した月に 最愛の娘が誕生した。 俺は幸せをかみしめながらも、この笑顔を皐月をいや妻を娘を守るため 今まで以上に気合を入れねばと心に誓った
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/4201.html
今日 - 合計 - 提督の決断III withパワーアップキットの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 15時23分19秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/7777.html
龍次元提督トリニティー・ディオス R 光/闇/火文明 (7) クリーチャー:アポロニア・ドラゴン/ドラゴン・ゾンビ/ボルケーノ・ドラゴン 5000 ■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。その中から闇のドラゴンを好きな数選び、手札に加える。その後、残りをすべて山札に加えてシャッフルし、こうして手札に加えた闇のドラゴン1体につき、相手のパワー4000以下のクリーチャーを1体破壊する。 ■相手のカードの効果によって、このクリーチャーが手札から捨てられる時、かわりにバトルゾーンに出してもよい。 作者:赤烏 収録 DMW-25 「テンプレア編III テンペスト・ミスター」18/55 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/54.html
第六駆逐隊といっしょ! 「あ、もうすぐアレじゃないかしら」 隣に座る雷がふと呟いた。 「アレ?アレって?」 テーブルの向かいの席で響が雷に尋ねる。 「アレよアレ、ねぇ暁」 雷は顔を右に向けて暁に聞いた。暁には雷の言っているアレが何なのか全く分からない。分からないが、暁型姉妹艦の長女であり一人前のレディーとしてのプライドが「アレとは何か」という質問を押さえ込んでいた。 「暁は知ってるの?」 響の質問でさらに暁は「知らない」とは言えなくなった。代わりに口から出た答えが、 「も、もちろん!アレでしょアレ!」 ただの見栄であった。ううう、とあれこれと考えを巡らせて雷の言うアレが何なのかを考えるが、ノーヒントで一発で的中させろというのが無理難題である。へぇ、と興味がなさそうに響は言った。他の姉妹と比べて感情の起伏がほとんどない響だが、今の「へぇ」には暁の心情を見抜いたように聞こえた。暁はむぅ、と口を尖らせた。 「それで、結局何なのさ、雷」 しかし響は暁の虚栄を見抜いても意地の悪い質問を暁本人に問うたことはない。こうやって暁の姉としての立場をたててくれる。暁は内心ホッとした。 「だからー」 雷が言葉を続けようとした時にガラッと音がした。三人が音の方向へ顔を向けると部屋のドアを開いた電がそこにいた。 「良かった、みんないたのです」 電の手には書類が握られていた。 「電、それは?」 トタトタと三人が座るテーブルまで近づいてくる電に響は問いかけた。 「今度の遠征の詳細なのです!」 遠征。その言葉を聞いて暁と響はピンときた。十中八九、雷の言っていたアレとは遠征のことだろう。駆逐艦と軽巡は月に1,2回はローテーションで遠征に出ることになっていた。 「あら、それでいつなのよ」 「一週間後なのです雷」 電は一人に一枚ずつ書類を配った。 「詳細はそれに書いているので、みんな確認しておいてなのです!近くなったら司令官さんが改めて説明するそうです」 それぞれ書類を手にとって内容を確認した。暁たちが参加する遠征は艦隊決戦援護作戦で、メンバーは旗艦が神通、荒潮、そして第六駆逐隊である暁・響・雷・電の六隻だ。 「神通さんだ…」 暁はほっとした。他の三人も同じだった。 「とにかく!みんな遠征がんばるんだからね!」 暁の気合の入った声に三人は頷いた。 「遠征前に大怪我はしちゃダメだよ」 響は淡々と言った。 「当たり前よ!一人前のレディーはヘマなんてしないわ」 「き、気をつけます…」 「心配しなくてもだーいじょうぶ!」 えいえいおー!と四人は手をあげた。長時間の遠征ではあったが、四人一緒であったし、何よりも旗艦の軽巡が神通だった。四人は今回の遠征も何事もなく終わるだろうと信じるのであった。 「はわわわっ た、大変なのです!」 電が慌てて部屋に入って来たのは遠征の前日だった。 「どうしたのよ電!そんなに慌てちゃってさ」 雷が驚いた声をあげた。 「あ、明日の遠征が…」 「とりあえず落ち着きなさい。ほらここに座って」 暁が姉らしく気を遣って電を座布団の上に座らせた。 「深呼吸深呼吸」 暁の言葉に合わせて電はスーハーと息を吸って吐いた。その様子を響も静かに見ていた。 「それで、明日の遠征がどうしたの」 暁に促されて電は言葉を落としていった。 「あの…神通さんと荒潮さんが…今日の出撃で怪我しちゃったのです…」 「大丈夫なのそれ?」 雷が心配そうに声をかける。 「それでドックが今全部埋まっていて… バケツも少ないから使わないようにしていて… でも遠征は予定通り決行するのです…」 「二人は怪我を治さないままで遠征するのかい?」 「違うのです響… その…」 口ごもる電に雷はもー!と声を荒げた。 「ハッキリ言いなさいよ!んでどうすんのよー」 「あの…あの… 代わりに…由良さんと夕立さんをいれるって」 場の空気が固まった。 「えっ マ、マジ…?」 「マジなのです…」 「………」 「………」 「………」 「………」 どうしよう。四人の頭の中にはその言葉しか浮かばなかった。 翌朝。 暁、響、雷、電の四人はソワソワした気持ちで港で待っていた。集合時間よりも三十分早い。 「ううう…早めに来たけどやっぱり落ち着かないのです」 「でも二人が先にいる方がさらに来にくいだろう」 「それもそうなんだけどー あー!もう何で代わりがあの二人なのかしら!司令官のバカ!」 「雷声が大きいわよ!シーっ」 暁の注意に雷は口を手で押さえた。 「今回の遠征は15時間なのです…ううう 気が重いのです…」 電が不安そうに呟くと周りの三人は黙り込んだ。 「はぁ~……」 四人は同時に溜息をはいた。 「おっ もういたのかお前たち」 低い声が聞こえて四人はビクリッと体を震わせた。振り返ると提督と、その後ろに由良と夕立がついていた。 「今日は遅刻しなかったんだな。偉い偉い」 提督は嬉しそうにすぐ近くにいた暁の頭を撫でた。暁は何も言わずされるがままだ。提督が撫でる手を止めた。 「どうしたんだ暁。調子が悪いのか?」 いつもの暁なら頭を撫でると「子供扱いしないで!」と言って手を払いのける。そしたら雷が司令官私もー!と強請り、電が自分も、と照れながらお願いする。その様子を我関せずといった風に静かに眺める響。しかし今の第六駆逐隊は提督よりも彼の後ろにいる艦娘の方が気がかりだった。 暁がちらりと提督の後ろに目をやると由良と夕立がこちらを見ていた。 「んー何々?不調?大丈夫じゃないっぽい?」 夕立が心配そうに言っていた。その声には何かの含みは感じられない。本当に心配しているように聞こえる。 「あ……暁は大丈夫、なんだから…」 暁はスカートの裾をぎゅっと握った。 「代わりを立てなくていいか?」 濃い紫色の髪がブンブンと横に揺れた。 「一人前のレディーだから大丈夫なのよ司令官」 「そうか…じゃあ作戦の説明をするぞ」 提督は暁から離れた。暁たちと夕立は横に整列した。由良は作戦の説明をしている提督の隣に立っていた。夕立は暁の左にいて居心地が悪かったが、それよりも由良の視界に自分が映っていることの方が落ち着かなかった。暁は下を向いてスカートを握り締める。 「……第六駆逐隊、話を聞いているか」 暁は慌てて顔をあげた。提督が苦々しい表情で暁と右に並ぶ三人に目を向けた。 「私が言っていることは事前に配った書類の内容と変わらない。だからといって遠征前に気を緩められても困るんだ。今回は奇襲だ。お前たち次第で主力艦隊の決戦に影響が出る。重要な作戦なんだ」 嬉しそうに暁の頭を撫でた時とは違い、提督は冷徹な目で第六駆逐隊を見ていた。普段は優しい提督だが、仕事モードに入った時の提督は可愛がっている第六駆逐隊相手でも決して贔屓はしなかった。暁は提督を怒らせてしまったことを後悔し、体が小さく震えていた。他の三人も同じだった。自分たちの事情のことだけを考えていた。言い訳ができないほど提督が怖くなり、ただ無言で提督の叱責を受ける。 「第六駆逐隊は下がれ。他の駆逐艦に…」 「待ってください提督さん」 提督を止める声があがった。由良の声だ。 「この子たちは大丈夫ですよ」 「しかし、由良…」 「いいから、由良に任せて下さい…ね?」 由良は提督に甘えるようにお願いした。提督が何も言わずに腕を組んだのを見て、由良は暁に近づくと響、雷、電を手で招いた。三人は恐る恐る由良の周りに集まる。由良は膝をついて四人と目線を合わせた。 「ごめんなさいね、昨日の夜の内に話をしておけば良かったね」 由良は顔の前に手を合わせて謝罪をした。 「あなた達の部屋に夜行ったんだけどね、…ドアが少し開いてて、そこから由良の話をしているのを聞いちゃったら入りにくくて」 はわわわっ、と電の声がした。電が持ってきたニュースを聞いた後四人であれやこれやと喋っていた。それを聞かれていたのだろう、何とも罰が悪くて暁は顔を伏せた。 「提督さんの話が終わった後に話をしようと思っていたんだけど…あのね、由良は由良だけど、あなた達が知っている由良そのものではないんだよ」 暁は顔をあげた。由良は優しい表情のままだった。 「昔の記憶はあるけどそれはもう昔の話。終わったことなの。今起こっていることじゃない」 「でも、」 暁は震える声で言った。 「また起こらないとは言い切れない」 遠い昔、人間と人間が戦争をしていた時代、軽巡洋艦の由良は雷撃処分された。自分たち、第六駆逐隊が犯した失態のせいで。彼女を軽巡洋艦で一番最初に戦没した軽巡にさせてしまったのだ。あの時第六駆逐隊が失敗しなければ由良はもっと輝かしい最期を迎えられたかもしれない。それほど期待されていた艦船が仲間の失態で泥を被り、仲間に雷撃処分され、どんな気持ちで海に沈んでいったのか。暁にも、響にも、雷にも、電にも、想像することは出来なかった。 由良は首を横に振った。 「大丈夫だよ。由良は昔の由良じゃないから」 由良は四人と順番に目を合わせる。 「あなた達も昔のあなた達じゃないから」 「でも…」 響はまだ納得していなさそうだった。 「そんなに自分たちのことが信じられない?」 由良の言葉に四人はコクリと頷いた。 「そっか、それなら由良のことを信じて」 四人は目を見開いた。 「由良も暁ちゃんも響ちゃんも雷ちゃんも電ちゃんも大丈夫!」 由良の迷いを感じさせない言葉に暁たちは互いに顔を見合わせた。どう返事をしていいのか分からなかったからだ。 「それに、提督さんにあんな事言われて悔しくない?由良たちでちゃんと出来ること、証明して提督さんを見返そうよ。由良に協力してくれる?」 あとね、と由良は言葉を続けた。 「夕立ちゃんとも仲良くなれたから、あなた達とも仲良くなりたい。……ね?」 由良の甘えるような笑顔に、暁たちは再び顔を見合わせ、そしてしばらくしてから四人同時に首を縦に振った。 「艦隊帰投しました。こちらが報告書です」 由良は執務机に腰掛けている提督に書類を差し出した。提督は手を伸ばして受け取った。 「お疲れ様。あいつらはどうだった?」 「最初はちょっとぎこちなかったけど、夕立ちゃんも間に入ってくれたお陰でちょっとずつ話をしてくれるようになりました。作戦決行する時もうまく連繋ができて、帰る頃にはすっかり懐いてくれましたよ」 「それは良かった」 提督は嬉しそうに表情を緩ませた。あの厳しい表情とは打って変わって見ていると穏やかな気持ちになる。 「でも提督さんも人が悪いですよ。あの時わざと怒ったんでしょ?」 「さぁ…何のことやら」 「いつもの提督さんなら厳しく注意はしても代わりを出すなんて言わないもの。由良があの子たちを庇い易いように言ったんですよね」 ハハハ、と提督はおもしろそうに笑った。 「由良は俺を買い被り過ぎだ」 「そんなことない。提督さんは優しいもの……遠征前夜だって落ち込んでいた由良を励ましてくれたじゃないですか」 遠征前夜、由良が暁たちの会話を部屋の外から聞いてしまった後、沈んだ気持ちで廊下を歩いていたら提督が声をかけた。司令官室に移動して提督は由良に茶をいれ、話を聞いてあげた。話を聞いた後に内線で夕立を呼び出し、三人で軽いお茶会をして気落ちした由良の心を和らげてくれた。 夕立と由良は同じ頃にこの基地にやってきた縁もあってすぐに仲良くなれたが、第六駆逐隊とは時期がずれており、向こうも由良のことを避けていた節もあり中々話す機会がなかった。だから今回、神通の代わりの旗艦に名乗り出たのだ。まさか夕立も一緒に代わりを申し出たことに驚いたが、夕立がいてくれたお陰で第六駆逐隊と話がしやすくなって有難かった。 「提督さん、ありがとうございます」 由良は頭を下げた。 「…じゃあお礼にお茶を淹れてくれよ」 提督の言葉に由良は首を傾げた。 「いいですけど……秘書の時にやっていることと変わりませんね」 「由良が淹れたお茶が久しぶりに飲みたいんだ、俺が」 「久しぶりって…一昨日飲みましたよね?」 「つべこべ言わない。上官命令だぞ」 由良はクスリと笑った。 「はいはい、今すぐ淹れますね」 由良は隣の給湯室へ入った。電気ポッドに水を入れてスイッチを押した。上の棚からお茶パックを取り出し、湯飲みに一袋いれる。由良の作るお茶というのは、金剛のように水や淹れ方に拘ったものではない。誰にでも出来る簡単な方法で作っている。それでも提督は「由良が淹れたお茶が欲しい」と言うのだ。他の艦娘が提督の秘書をやっている時もきっとこういう感じなのだろう、と由良は考える。それでも特別扱いされているように感じて由良は少し嬉しかった。あと由良と二人でいる時に一人称が「私」から「俺」に変わって口調が少し砕けるのも嬉しかった。 由良はトレイにポッドと湯飲みを載せて司令官室へと戻った。どうぞ、と言って執務机にトレイを置く。 「ありがとう由良」 秘書として当たり前の行動でも提督は常に礼の言葉を忘れなかった。由良は頬を緩ませた。 「遠征で疲れただろう、もう部屋に帰っていいぞ」 「お手伝いをしなくても大丈夫ですか?」 「急ぎのものはないから…ゆっくりおやすみ」 「わかりました。由良は部屋に帰ります」 由良は会釈をするとドアへと向かった。ドアノブを引っ張った時に由良、と呼び声がした。 「何かあったらいつでも俺を頼っていいからな」 由良はハイ、と頷く。 「ありがとうございます提督さん。おやすみなさい」 「おやすみ」 ドアがバタンと閉まり、提督ただ一人が部屋に残された。 「やれやれ…」 由良が司令官室から出て行った後、提督は腰掛けたリクライニングチェアーをグルグルと回転させる。 「どうもあいつには甘くなってしまうなぁ…」 提督の頭に浮かんでいるのは先ほどまでこの部屋にいた由良だ。真面目で頑張り屋さんで、素直で可愛くて。「ね?」と甘えるようにお願いされるのもたまらない。由良に秘書を頼むことが多いが、由良はその理由に気付いているだろうか?それとも知らないだろうか?先日も落ち込んだ由良を抱きしめたくて仕方なかったが理性が欲望に打ち勝ち冷静さを保った。間違いが起きないように夕立も呼んで保険をかけたのだ。上司と部下のラインを超えなかった自分を褒め称えるべきか、情けない!と自省するべきか。 「さっさと仕事を終わらせよう」 気を取り直す為に提督は湯飲みをとって口へ運んだ。由良の淹れてくれたお茶。自分で淹れたものよりもあったかい。温度ではなく心がそう感じる。 「暁たちとも話さないとな… 明日は間宮さんにデザートを作ってもらうように頼むか」 その時は由良と夕立も一緒に呼ぼう。他の艦娘には内緒で、司令官室でお茶会だ。 提督は湯飲みをトレイに置くと、分厚いファイルを開くのだった。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/352.html
23 :6-632:2014/04/18(金) 00 19 54.00 ID QtNW1+0J 今回も結構胸糞悪いかもしれません また、ゲーム中では絶対に起こり得ない描写があるのです。 いつも通り、書き溜めはしていないので、話がトンちゃうかもしれないのです。 ****************************************************************** あぁ、のぞみを捨てなければ奇跡は起こるんだ。 俺はそう思った。 そして、永遠の愛をこの病室で誓い合ったのだった。 これからきっとつらい事もあるだろう。俺が彼女を支えなくては・・・・。 ************************************************************** 俺はこの横須賀鎮守府に第六駆逐隊の指揮官として配属された。 駆逐艦たちの指揮はいつもハラハラの連続だ、 以前いた呉では戦艦や重巡洋艦の指揮を執っており安定した戦いができたが 彼女たち駆逐艦は攻撃力の高くなく、装甲も弱い。作戦立案に相当時間がかかってしまう 俺は次の作戦の為に毎回「夜更かし」をしてしまうのだ。 今日は日ごろの夜更かしが祟り、「寝坊」をしてしまった。 慌てて執務室に飛び込む。セーフか?遅刻か? 「もう、司令官!遅刻じゃないの!!」 秘書艦である雷が“めっ”と言わんばかりに大声を上げてきた 定刻より15分遅刻である。 本日の作戦は遠征と演習 彼女たちはもくもくとこなしている。 俺は次の大作戦に向けての作戦立案だ。 次の作戦、大本営から俺に押し付けられた作戦ではあるが 第六駆逐隊だけで敵の懐に忍び込み、敵戦艦を撃破するというかなり無茶な作戦だ 彼女たちは遠征や演習が終わり各自の部屋へ戻って行った 俺は当然残業。 誰一人失わない。そして敵を仕留めるための作戦を考えるために 作戦を考えては見たものの、何度シミュレートをしても誰かが大破、もしくは轟沈という結果が出る 俺は頭を抱えていた。 何時間たったのだろう、いや何百回シミュレートしたのだろう はぁ~と大きなため息をついてしまった 突然執務室の扉が開き、雷が入ってきた 「司令官。やっぱり悩んでるの?」 雷が心配した口調で問いかけてくる 「うん・・・・まぁ・・・」 俺はため息を吐きながら答えてしまった 「元気ないわねーそんなんじゃダメよ!」 雷はいつも通りの口調で俺を叱咤激励しつつ、シミュレート結果を俺から奪い ふむふむと言いながら見つめていた 「司令官。もっと私を頼っていいのよ?」 大破した艦のところを指でさしながら雷は俺に言う 「だが、しかし下手をすればお前がごうち・・・」 轟沈と言いかけたとの時、俺の唇に雷は自分の唇を押しつけてきた 「私は司令官のの事が大好きだから、少しでも頼ってほしいの!」 雷がすかさず言ってきた 俺はと言うと情けないことに雷の突然のキスで不覚にも勃起してしまった。 「ありがとう、雷。もう一回キスしても良いか?」 俺はそれだけ言うと雷を抱きしめた 「うん」 雷がそう答えると遠慮なく、唇を重ね、自らの舌を雷の口内へ侵入させていく 雷は拒むことなく俺の舌に、舌を絡ませてきて俺の勃起したペニスを触り 刺激を与えてくる 俺もそれに応えるようふくらみ始めたばかりの胸を優しく揉む お互いに服の上から刺激し合っていたが徐々にお互いの手を服の中に忍ばせていく 雷は俺のペニスを直接しごき、俺は雷の乳首をこねくり回す 舌を絡ませあってはいるものの互いに甘い声が混じる。 長いキスを終えいお互いに生まれたままの姿になる 幼く、そして申し訳程度に膨らんだ彼女の胸。その乳首にむしゃぶりつく 雷の口から甘い声が漏れる 俺の手は徐々に下半身へ伸びてゆき、まだ毛の生えていない雷の性器を弄る かなり興奮しているのかすでに愛液でぐしょぐしょになっていた 指でクリトリスを弄る。 それにあわせ、雷も俺の亀頭を刺激する 「司令官も・・・。濡れてるわ」 甘い声を出しながらも、雷が一言言ってきた 俺のカウパー液を指先に付け、ぬちゃぬちゃいやらしい音を出している 俺は我慢できず、雷の性器にしゃぶりつく 膣を舌で刺激するとものすごく甘い声をあげる 「司令官、司令官!だめ、そこ、あああっ」 雷が奇声を上げると、性器から大量の蜜が勢いよく噴射された。 「司令官、もっとして。司令官のおちんちんで私の事もっと気持ち良くして」 雷が訴えてくる 俺はそれに応えるように、ペニスを雷の膣口にあてがいキスをしながら ペニスを雷に埋めていった 俺は腰を動かし、ペニスに与えられる快感を貪っていた 「あっ、司令官、奥、そこ、コツコツされるのすきぃ」 雷の一番奥、子宮口にペニスが当たると彼女は大きな声を出して何度も何度も叫ぶ 「司令官、でももっと奥、赤ちゃんの部屋も気持ちよくして、赤ちゃんの部屋が疼いちゃうの」 ペニスが届かない子宮までも突いてほしい懇願してくる雷 俺は子宮口にペニスを勢い良くぶつける 「そこ、そこのもっと奥、司令官!願い!」 「子宮にはちんちん届かないよ。雷」 俺はピストン速度を落とし丹念にペニスと子宮口をキスさせながら雷を諭す 「でも、司令官奥が、奥に司令官が欲しいよ。」 少し涙を浮かべながら懇願する雷 「うん。でもちんちんは届かないんだ。精子でも良い?」 俺は激しいピストンを再開すると雷に問いかける 「うん。赤ちゃんの素でも良いから奥に、私の奥にちょうらい」 安心したように、腰をくねらせる雷 正直俺ももう限界だった 「イクよ、このまま奥で」 それだけ言うとペニスを一番奥まで挿れて、欲望をぶちまけた 「司令官の、赤ちゃんの素私の中に入ってくる。うれしい」 雷は恍惚とした表情で精液が体内に注がれるのを喜んでいた 翌日 雷を旗艦としあの殴り込み作戦が展開された 何とか敵旗艦を撃破したものの、帰還途中で敵の増援部隊に遭遇 雷が大破状態に陥った 俺は慌てて救難信号を発信し、救助隊に陸戦用の対人銃を携行させカッターで 艦隊に近づく もう少しだけ持ってくれ そう何度も祈った だが、祈りは届かなかった 雷が沈んだ 俺は咄嗟にカッターに積んでおいた酸素ボンベを背負い、海へもぐった 雷の身体はかなりの速度で下へ下へと沈んでいく 俺は必死に沈みゆく雷を追った。 俺は何とか雷の足を引っ張ると雷の身体を引き寄せ、抱きしめながら上へ上へと昇ってゆく 無論息ができるか不明な状態ではあったが、酸素を雷にも分け与え、カッターへ這い上がる 急いで陸地へ向かうカッター 俺は必死で雷に水を吐かせ、人工呼吸施し、心臓マッサージを繰り返す 頼む、雷、目を開けてくれよ 何度祈ったか、何度願ったか 陸地へ付き衛生兵が雷を収容。近くの病院へ急行した 俺は医師に呼び出された 雷は一命を取り留めた、しかし脳へのダメージが大きく 仮に意識が戻ったとしても何等かの障害がでるであろうと告げられた。 鈍器で頭を殴られた気分だった。 俺は、雷を海軍航空部隊の基地の傍の病院へ転院させ、大本営の艦隊勤務から 航空基地勤務への転属を志願した。 艦隊勤務から離れ、新たな地である航空隊藤枝基地副司令として着任した俺は 暇さえあれば雷の見舞へ行った。 「雷、最近桜が綺麗なんだよ。今度見に行こうな」 雷の病室で俺は雷に話しかける しかし、彼女はぼーっと外を眺めているだけ。 命の代償として雷の耳はほとんど聞こえなくなり、またしゃべることもほとんどできなくなった トントンと雷の肩を叩く 俺の方を見るとちょっと悲しそうな笑顔を向ける 俺はスムーズな会話の為に幼児用の音の出るあいうえおパネルを雷にプレゼントした これはひらがなが書いてあるボードでひらがなに触れると、書いてある文字を発音する 機能を有している 雷がボードを操作していく 「し、れ、い、か、ん、ご、め、ん、ね」 「こ、ん、な、わ、た、し、の、た、め、に」 無機質なパネルの朗読機能が雷の言葉を紡いでいく 俺は雷を抱きしめ大きな声で言った 「雷が悪い訳じゃない!俺があんな作戦却下しておけば、雷だってこんな身体にはならなかったのに」 雷は俺の頭を撫でた後、パネルを操作する 「し、れ、い、か、ん、は、わ、る、く、な、い」 「わ、た、し、が、ゆ、だ、ん、し、た、か、ら」 俺は自分を責めた。なんで雷がこんな目に合わなければならないんだろうと 「わ、た、し、が、ん、ば、つ、て、り、は、び、り、す、る、か、ら」 そう打ち込むと俺の耳元で 「だから、自分を責めないで司令官」 弱弱しくはあったが、消えそうな声ではあったが 雷の声で確かにそう言ってくれた。 数か月後 「司令官、おはよう。今日はリンゴが食べたいわ」 聴力はまだあまり回復はしていないものの、なんと話せるレベルまでに回復していた のぞみを捨てなければ奇跡もおこせる。 どんなに辛くても二人で生きて行こうな。絶対に俺が支えていくから 愛してる、雷。 俺は雷の耳元でこうはっきり伝えた 「今度は、私が司令官を頼っちゃうからね。愛してる。司令官」 病室でお互い幸せなキスを交わした + 後書き 28 :6-632:2014/04/18(金) 01 57 41.88 ID QtNW1+0J 何か中途半端感が否めませんが・・・・。 ちなみに提督が赴任した藤枝基地とは艦これの現段階での最新サーバ群である 岩川基地を管轄していた芙蓉部隊の司令部・練習場が置かれた基地であります 芙蓉部隊は岩川⇔藤枝で航空機・パイロットの補充、回収をし特別攻撃をせずとも 安定した勝率を誇っていたそうで ちなみにその後、藤枝基地は静浜基地と名前を変更し現在でも航空自衛隊の基地 として機能しておりまする 次は皐月の続きをいい加減書くか 曙か エロ抜きで今年50周年を迎える「アレ」と加賀さん。提督のウンチク混じり のどれかを書こうと思います これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/44.html
鶴姉妹とお風呂に入ってみた 翔鶴姉ぇ、背中流してあげるね」 「うん、よろしくね」 「いいなぁ~お肌すべすべ~」ぺたぺた 「瑞鶴のお肌も綺麗よ。終わったら交代しましょ?」 「うん、お願いね~」 ちゃぷん 「はぁ~、お風呂はいいねぇ~一日の疲れが吹っ飛んじゃよー」 「そうねぇ~、しっかり疲れを流して明日も元気に迎えようね」 「うむうむ、その意気やよし。さすが五航戦といったところか」 「あらやだ提督、おだてても何も出ませんよ?」 「うんうん、私たち明日もバシっとやるからね・・・ってなんで当たり前の顔してさらっと入ってるのさ提督さぁーん!?ここ混浴じゃないよね!?」 「はっはっは!翔鶴にお願いしてみるものだな!」 「翔鶴姉ぇなにやってんの!?」 「だって・・・『やだやだ翔鶴とお風呂はいるまで仕事やらないやだやだ~』って駄々をこねた後に『真面目に仕事するからお願いします』って土下座までされたらなんだか一緒に入ってあげないとかわいそうで ・・・」 「どんだけ甘やかすの!?そんなんじゃ将来悪い男に引っかかっちゃうよ!」 「安心しろ、俺がいる限りそんな輩に手出しはさせん!」キリッ 「筆頭が何言ってんのよ!爆撃するわよ!?」 「まぁまぁ瑞鶴も落ち着いて、のぼせちゃうわ」にこにこ 「というか出ていかないのだな、お前は」 「・・・今でてったら思いっきり裸を見られちゃうじゃない」※お風呂は残念ながら乳白色です 「ふむ・・・一理ある(背中流すところとかばっちり見てるんだけどなー)」 「まぁ、なんにせよ美人の鶴姉妹と風呂をご一緒できるとは感無量だな。地面に頭をこすり付けてみるものだ」 「提督さんにプライドってものはないの・・・?」 「ないことはないが時には捨てる勇気も必要だな」 「今じゃないよねぇそれ!?」 「あらあら」 「・・・で、仕事はちゃんとしたの?」 「無論。仕事をおろそかにしては翔鶴との約束をたがえることになるからな」 「ものすごい速さで片づけていましたよね、提督」 「鶴姉妹との時間を思えばなんのことはない」 「・・・まぁ、ちゃんとやって翔鶴姉ぇのオッケーもらってるんならいいけどさ・・・」ブクブク 「ありがたいことだ・・・ところで」じぃ~ 「な、なによ・・・///」 「・・・?」きょとん ぽん 「強く生きろ」グッb 「どこ見て言ってんのよぉー!!!」 「やだ提督、恥ずかしいです///」 「なに、恥じ入ることはない。豊かな胸は女性らしさの象徴。誇るがいい・・・瑞鶴、お前にもまだ未来はあるはずだ。あきらめるな」 「うるさいバカ!瑞鶴のどこが貧乳だっていうのよぉー!」バッシャア 「あ」 「」 「あ、あああ、あうあうあう・・・!」 「わーたしさくらんぼー」ちょんちょん 「歌うな突っつくなぁー!このエロ提督がぁー!」バッシーン! 「うぼあぁー」バッシャーン 「うわああああん!もうやだお風呂でるぅー!」バタバタ 「提督」 「うむ」 「あとでちゃんと謝ってあげてくださいね?」なでなで 「承知した」 「はい、いい子です」なでなで 「うぅ、裸見られた・・・」 「翔鶴姉ぇばっかみてるしでれでれ鼻の下伸ばしてるし・・・瑞鶴のことだって・・・」 「・・・ちっちゃくないもん、提督さんのばか、ばかばーか・・・」 おしまい
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/7739.html
偽りの提督(コードシップ) ミスター CAP10(キャプテン) UC 水文明 (6) クリーチャー:トップミスター/アンノウン 7000 ■支配力2―このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のマナゾーンにあるコスト2の呪文を1枚選び、コストを支払わずに自分が唱える。その後、その呪文を持ち主の墓地に置く。 ■W・ブレイカー ■相手のカードの効果によって、このカードが自分の手札から捨てられる時、かわりにバトルゾーンに出す。 作者:赤烏 収録 DMW-25 「テンプレア編III テンペスト・ミスター」22/55 評価 名前 コメント