約 19,730 件
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/603.html
某トンデモ軍艦ゲーのおまけステージで思いついたネタ ※非エロ。吹雪とデートするだけ 提督は多忙である。 鎮守府の運営や資材調達。艦娘やその装備の開発及び強化計画の立案。 演習や遠征、何より実際の深海棲艦との戦闘とその業務は多岐にわたり、それ以外にも艦娘達のケアもまた提督の仕事である。 例え戦闘以外はほぼルーチンワークでも、艦娘や装備の開発が資材突っ込んでボタン押してお祈りするだけでも、 こちらから艦隊を送り込むのでなければオーダー表を提出するだけの演習でもだ。 「あ~今日なんもやることないな。遠征組帰ってくるまで暇だな」 「目安箱に何件か投函されてますよ」 ……多忙ったら多忙なのである。 この艦隊では上層部からの指示により艦娘達から提督への相談のため目安箱を設置していた。 この目安箱の中身をチェックするのも提督の業務の一環である。 これまで特にトラブルのないこの艦隊では、この目安箱が活躍することは稀だった。 「英独ソが一つ屋根の下で仲良くやってるのもよく考えたらすごいことだよな」 等と独り言を呟いているうちに今日も昨日までと同じ時間に吹雪が目安箱を持ってきた。 艦隊の規模も最初の頃と比べるとかなり大きくなり、最古参である吹雪も秘書を務めることは少なくなったが、 毎日決まった時間に目安箱を回収してくるのは今でも彼女の役割だった。 「珍しいな」 そう軽く驚きながら目安箱をひっくり返して中身を机の上に広げる提督。 取りあえず手近にあった1枚を読み上げてみる。 最近大井っちが魚雷に私の名前を付けて可愛がりはじめた。メンテしながら語りかけたりしていて正直引く。 「これ……北上だな」 「北上さんですね」 一応プライバシー保護の点から記名は任意となっているが、匿名でも誰なのか分かるケースが多い。 「夜のトイレで撃たれそうな気がするが一応やんわりと大井に伝えておこう……」 「北上さんから引かれてると分かったら立ち直れなそうですが…」 方針が決まった所で2枚目へ。 魚雷バカに改二があり、夜戦バカにも改二があり、重巡バカにも改二が実装された今、 この航戦バカの私にはいつ改二が来るのだろうか。 「……たぶん日向さんですね」 「……知るか」 回答を保留して3枚目へ。 正統派アイドル路線で売り出したは良いものの『恋の2-4-11』以降あまり目立てていません。 これからはバラエティータレント路線に切り替えた方が良いでしょうか? 「割と真面目に進路相談ですね」 「マネージャーに相談してくれ」 4枚目へ。 ファンクラブの方から最近面識が一切無いにも拘らず那珂ちゃんの育ての親を名乗り、それを使って商売をしている人がいるというたれ込みがありました。 川内姉さんはマイナスイメージにならないのであれば放っておいてもいいのではと言っていますが、 後々トラブルの原因になりそうな問題は早期に対処したいとも考えています。 法律関係も含め、どのような対応が必要でしょうか。 「神通さんマネージャーだったんですね」 「プロダクションに相談してくれ」 取りあえず法律関係については必要なら弁護士を紹介することにして最後の相談へ。 豚肉(肩ロース) 人参 玉ねぎ じゃがいも 「何だこれ?」 「買い物メモ……ですかね?」 何の相談か全くわからないそれは、他の2通が便箋なのに対し、小さなメモ紙に上記の内容が走り書きされていた。 成程、吹雪の言う通り買い物の内容を書いたメモにも思える。 暫くして提督に一人思い当たる人物があった。 「ああ。鳳翔さんか。きっと買い物メモを間違えて入れたんだろう」 「どうします?ご本人に返してきますか?」 吹雪の問いに少し考えてから提督が答える。 「いや、どうせ暇だし散歩がてら俺が買って来よう。暇なら一緒にどうだ?」 「えっ?あ、はい!ご一緒します!」 ……多忙なのである。 買い出しに向かったのは近所の商店街。大型チェーン店の出店によりシャッター通り化の著しい場所だが、その分生き残った店は安くなっている。 「こうして二人で歩くのも久しぶりだな」 「そうですね……」 吹雪は顔をやや俯かせてはにかんでいる。 提督は吹雪の歩幅に合わせ速度を落として歩いている。 まだ艦隊に吹雪しかいなかった頃、二人で出かけた時にも提督は同じように歩幅を合わせていた。 それに初めて吹雪が気付いた時が今では随分前の様に思えるが、提督の歩く速さはその時と全く変わっていない。 (司令官、私の歩く速さ覚えててくれたんだ) 嬉しいような、こそばゆいような気がして、吹雪の口元が少し緩む。 「顔が赤いぞ。熱でもあるのか?」 「えっ!?い、いえ!!何でもありません!」 (恋人同士って、こういう事するのかな…?) 提督の言葉を否定しながらも、吹雪の頬は赤く染まっていた。 「公園突っ切ろう。こっちの方が近道だ」 二人が中に入った公園には真ん中に大きな池があり、その岸を歩いて対岸に回れば外の道を通るより近道になる。 夏は日差しを遮り、秋には落ち葉で情緒を演出した植え込みの木も、すっかり冬の装いとなって静かな池に寂しげな印象を与えている―ある一点を除いて。 「お、アヒルだ」 丁度提督と吹雪が通りかかった頃、植え込みから池に岸辺を横断するアヒルの一隊を見つけた。 親鳥と思われる白いアヒルは歩く度に尻をふりふりと動かし、その後ろから黄色い三羽の雛たちが小さな体でちょこちょこと後に続く。 「可愛いですね!」 吹雪が弾んだ声を上げる。 アヒルたちは立ち止まった二人の前を横切って池に入っていき、最後の一羽がどういう訳か渡り終えたところで吹雪の方にちょこんと頭を下げたように見えた。 「~~~~~~~~ッ!?」 提督の隣から声にならない悶絶が聞こえた。 吹雪の目には少女漫画よろしく目に星が入っている。 暫くアヒルたちを堪能した後、その後ろ姿を目で追っている吹雪に斜め前から声がかかった。 「そろそろ行こうか」 「あ、ああ、はっ、はい!」 慌てて振り返り歩き出した拍子に何かに足を取られた。 「わっ!?」 「おっと」 危うく転びそうになった吹雪を提督がしっかりと捕まえていた。 しかしその姿はまるで、吹雪が提督に抱き着いてるようになる訳で。 「大丈夫か?」 「すっ、すすすいません!吹雪は大丈夫です!」 その状況に気付き、耳まで真っ赤になった吹雪が提督から慌てて離れる。 混乱のあまり榛名みたいな口調になっている。 白いセーラー服に真っ赤な顔というマッチ棒のような状態で公園を抜けた吹雪と提督は、そのまま買い出しに向かう。 「肩ロースお待ちどう!そっちは娘さん?」 「いえ、娘という訳では…」 肉屋の主と提督とのやり取りに思わずふと考え込む吹雪。 (私と司令官ってどう見えてるんだろう?) 親子と言うには近すぎて、兄妹と言うには離れすぎてもいる。 提督と艦娘と言わなければ、色々勘ぐられてしまうかもしれない。 (勘ぐられるって、何を?) (何をって、それは―) 自問自答の末に辿り着いた答えは、とても既に傾いているとはいえ太陽の下で言えるような言葉ではない。 自分の想像に再びマッチ棒になる吹雪。 (ちっ、違います!私と司令官はただの提督と艦娘であってその関係は健全そのものであって決してそういうその……淫らな事…とか……そんな…っ!!とにかく健全ですっ!) 「よし。これで買い物は終りょ―」 自問自答で赤面している吹雪の、その更に後ろに提督の鋭い視線が飛ぶ。 「司令…官……?」 「誰かに見られている気がしたが……気のせいか」 そう言われて吹雪も辺りを見回すが、特にそれと言って怪しいところは無い。 提督の言葉通り、気のせいだったのだろうか。 鎮守府へ戻る道すがら、再び入った公園内で、不意に提督は持っていた八百屋のビニール袋を吹雪に渡し、脇道へ入っていく。 「どうしたんですか?」 「いや、ちょっとトイレにな」 そう言って姿を消したまま、提督は戻ってこなかった。 (遅いなぁ……) 曇り始めた空の下、池のほとりにあるベンチに腰掛けて待ち続けている吹雪。 待てど暮らせど提督は戻ってこない。 (ちょっと見に行ってみよう) 左手に預かった八百屋のビニール袋、右手に肉屋のビニール袋を持って提督の進んで行った方へ進んでいく吹雪。 暫くして彼女の耳に男が言い争うような声が聞こえてきたが、それを聞いた途端、吹雪は無意識に走り出していた。 (司令官の声だ!) 間に合わなければ二度と彼と会えなくなってしまうような不安に襲われ、それから逃げるように足を全力で動かす。 (待ってください!行かないで!司令官!!) 茂みの向こうに彼の頭が見えた時、丁度道が終わり彼の前に飛び出した。 「司令か……ん…?」 言い争っていたのは彼と 「だから誤解だって言ってるでしょう!さっき身分証も見せましたよね!?」 「ですからお話を伺うために車までご同行ください」 「何故パトカーに連れていく必要が?ここでできない話じゃないでしょう?」 「すぐ終わりますからご同行願います」 二人の警官だった。 「あの~、司令官?」 「おお吹雪!丁度いいところに来てくれた!誤解を解いてくれ、誘拐犯だと思われてる」 「ああ君が通報にあった子だね。この人は知り合い?」 (私を巡って事案が発生している!?) 吹雪の不安はある意味正しかった。 間に合わなければ次に会うのは色々面倒になっただろう。 「あの、この人はかくかくしかじかで…」 吹雪の証言によってようやく疑いが晴れた提督はほっと胸をなでおろす。 警官によれば「目つきの鋭い男が中学生ぐらいの女の子を連れ歩いている」という通報があったらしい。 恐らく、商店街で感じた視線がその通報者だろう。 「いや~良かった良かった。ありがとうな吹雪。助かったよ」 「いえ。あの…」 提督の言葉に吹雪は申し訳なさそうに告げる。 「すいません。私がついてきちゃったから…」 「気にするな。誘ったのは俺だ。それに―」 言いかけた提督の頭にぽつりと雨粒が落ち、すぐにバケツをひっくり返したような土砂降りとなった。 「いかん、来い」 「えっ!?ちょ、司令官!?」 咄嗟に吹雪の手を掴み、一番近い出口へと駆けだした。 「ありがとうございましたー」 出口のすぐ前にあったコンビニに駆け込みビニール傘を買った二人。 だが、問題は傘の数だ。 「まさか最後の一本だったとはな」 店側の発注ミスか、大して量を置いていなかったビニール傘は突然の雨で一瞬のうちに在庫を払底したようだった。 「まあ一本でも手に入ってよかったか」 シュボッと勢いよく傘を開いた提督はそれを左手に持つと、吹雪から再び受け取った野菜を右手に持った。 「ほら、入んな」 「しっ、失礼します!」 傘の左側端っこに、おずおずと吹雪が入った。 (あいあい傘!?司令官と!?こ、これはあくまで傘が一つしかないから仕方なくであって司令官の厚意に甘えているのであって、あいあい傘というあの……そういう感じのあれではなくって…) この世界全てに冷やかされているようでどうにも恥ずかしい。 「あの……やっぱりお気持ちだけで十分です!艦娘は濡れるのは慣れっこですし。その、傘小さいから司令官が濡れてしまいますし……ご迷惑、でしょうし……」 俯きながら、最後の方はほとんど聞き取れないような小声で断る。 その言葉に返ってきたのは、ふん、という小さいため息ひとつ。 「俺は一度もお前を迷惑だなんて思ったことは無いぞ」 頭の上から諭すような口調が降ってくる。 「さっきのはただ運が悪かっただけだ。だから気にするな。それに……」 少し間を空け、もったいぶったような、恥ずかしいような口調で続く。 「好きな娘に頼られるというのはなかなかいい気分だからな」 「!!!!」 吹雪の頭に電撃が迸った。 好きな娘。好きな娘。間違いなくそう言われた。好きな娘―。 「わっ、私も……私も……司令官の事……す…」 「?」 「す……すごく信頼しています!」 まっすぐ前は向けない。 右隣はもっと向けない。 だから、伏し目のまま、今言える精一杯。 「そいつは、嬉しいね」 頭の上から響いた言葉通りの口調の声に、吹雪は右側に体を寄せ、車道側を同じ歩幅で歩く彼の腕にぴったりと密着する。 冷たい雨の中、小さな傘の中だけが温かかった。 おまけという名の蛇足 「鳳翔さん、目安箱に入っていたもの買ってきましたよ」 「目安箱……ですか?いえ。私は何もいれていませんよ」 帰ってきた二人を待っていたのは、鳳翔の意外な返事だった。 「えっ、じゃあ誰が……」 顔を見合わせる二人の後ろから駆け寄る者が一人。 「提督ー!あの、目安箱なんですけど……」 「比叡さん?」 「比叡か。目安箱がどうした?」 駆け寄ってきた比叡は肩で息をしながら慌てて尋ねる。 「あっ、あの、目安箱に間違えて買い物メモ入れちゃって……あっ!それ!買って来てくれちゃったんですか!?すいません!!」 「なに、暇だったんだ気にするな。代金は後でいいぞ」 「ていうか、比叡さんだったんですね」 深々と頭を下げた比叡が、財布を取り出しながら補足する。 「すいません。カレーを作ろうと思って必要なものをメモしてたんですが……」 「「……え?」」 耳に届く、残酷な真実。 「お二人には腕によりをかけて特性比叡カレーご馳走します!」 「「ひええええええーっ!?」」 二人の絶叫が鎮守府にこだました。 終
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/310.html
前の話 739 :提督×龍田:2014/02/25(火) 19 42 31.15 ID JnNbkOGm 「それでねぇー装備の開発をしたら全然成功しなくて。 もう諦めたらいいのに、あの人ったら自棄になっちゃって続けたの。 三式ソナーか三式爆雷が作りたかったみたいなんだけど、笑っちゃうくらい出来なかった。 それにあれって電探に比べたらそんなに資源を使わないでしょ? 次は、次こそは…ってブツブツいいながらあの人はやっていたんだけど、 大量のペンギンちゃんと九九式艦爆で開発室がいっぱいになっちゃって~ でも消費資源が少なくても何百回もやれば資源もなくなるでしょ? ボーキが2000ですよ~って教えたら顔が青ざめちゃって、おかしかったわぁ」 晩御飯を食べて風呂で身を清めて就寝する前、隣の布団で枕に顎を乗せながらこちらを見ている天龍に龍田は子守唄を歌うように開発室での出来事を話していた。 「…ったく、限度ってもんわかんねーのかな、あいつ。開発のせいで出撃できなかったらどうすんだ」 「ホントよね~それでね、これが最後だ!龍田頼むぞ!って言って私の手を両手で…こうぎゅっと握ったの。 神様にお願いするみたいに拝んじゃって。なんだかその姿を見たら少しは頑張っちゃおうかな~って思っちゃった」 「最初から頑張ってやれよ…」 天龍の突っ込みに龍田は楽しそうにウフフと笑うだけだった。 「それで、その最後はどうだったんだ」 「そうそう!それで私もあの人も気合をいれて開発したら~……出来ちゃったの。 零式水上偵察機が!」 アハハハ、と高くて柔らかい声が部屋に響く。龍田はおもしろそうに自分の枕をポンポンと叩いていた。対照的に天龍は呆れた顔だ。 「あーぁ、どうせまた俺が長期遠征に行く破目になるんだろーな」 枕を叩く音と笑い声が小さくなっていく。 「その時はお弁当作ってあげるよ~」 「いらねーよ!ピクニックじゃねーんだぞ」 残念、と龍田は思ってもいなさそうな顔で呟いた。 「私の作ったおにぎりと唐揚、とってもおいしいってあの人も言ってたんだけどなぁ~」 龍田は枕元に置いてある時計を見た。そろそろお喋りは止めて寝ないといけない時間だ。おやすみ、と龍田が言おうとした時、天龍が口を開いた。 「……お前、あいつのことをよく喋るようになったな」 淡い紫色の瞳がパチパチと瞬きをした。 「そう、かな」 あぁ、と天龍は頷く。 「秘書艦やり始めた頃は俺も一緒だったらいいのに、とかよく言ってたけど、最近は言わなくなったし…龍田が楽しそーにやれてんなら良かったよ」 天龍は体を回転させ枕を後頭部の下にした。上の毛布も被りなおす。 「んじゃおやすみ」 部屋が静かになった。 龍田はおやすみを返すのを忘れ、天龍の言葉を頭の中で反芻する。私があの人のことをよく喋るようになった? 龍田は無口な性格ではなかったし、お喋りは嫌いではなかった。他の艦娘や装備妖精と話をすることも多かったが、彼女たちの何人かから「龍田さんは天龍さんの話をする時とても楽しそう」と言われたことがあった。 それは恐らく言葉にしていない者も思っているだろう。龍田自身も天龍のことばかりを話す自分を自覚していた。 龍田にとって世界は天龍を中心に回っているようなものだったからだ。天龍と話をする時も天龍の話ばかりを聞いて満足していたような気がするが、ここ最近は天龍の言う通り提督の話を自ら進んでしていたのかもしれない、と龍田は言われて初めて気付いた。 「……寝よう」 龍田は天龍に背を向けて毛布を被り、目を閉じた。 「…た、龍田?」 「えっ」 龍田はパッと顔をあげると執務机に座る提督が見えた。 「大丈夫か龍田?気分でも悪いのか?」 「え…あ、…ううん、何でもないですよー」 龍田は右手を軽く振って小さく笑った。提督の心配を振り払うように右手を揺らしたが、提督は苦笑した。 「そんなに天龍が心配か?」 本日の天龍は遠征ではなくリランカ島に出撃していた。深海棲艦の潜水艦が多数目撃されたという情報があったので殲滅のために天龍を旗艦とする第二艦隊は海に出ていた。 秘書艦なので必然的に留守番になっている龍田の元気がないのが天龍の身の安全を心配しているせいだと提督は考えた上での発言だったのだろうが、 龍田は天龍のことを考えてはいなかった。 微塵も考えていなかった訳ではないが、それ以上に昨晩天龍に言われたことが龍田の頭を占めていたのだ。 「……違います。本当になんでもないから、気にしないで」 ガタっと提督は椅子から立ち上がった。 「そろそろ昼にしよう。食堂に行くぞ、龍田」 「あ、私はまだお腹すいてないから…後で食べます」 提督は龍田の傍まで来ると肩に手を置いた。 「秘書艦も同席、命令だ」 龍田の肩から手を離して提督は歩いた。龍田はパチクリと瞬きをする。提督はドアを開けると後ろを向いて龍田を見た。そのままお互い動かないまま時間が流れる。 どうやら提督は自分も行かない限り昼ご飯を食べないつもりだ、と悟った龍田は、やれやれと溜息をついて足をドアの方へと向けた。 白く清潔な軍服に身を包んだ男は初めて出会った時と比べて軍服を着こなせるようになっていた。龍田の提督は元から軍人ではなく、深海棲艦との戦争が始まってから指揮官として引き抜かれた一般人であった。 艦娘の指揮官となる人材には軍人もいるが、一般人の中には艦娘の力を上手く引き出せる潜在能力を持った者が少なからずいた。政府はそういう人たちをあらゆる方法で探し出し上手い餌を巻いて戦争に巻き込んでいた。 最初は頼りない人という印象を抱いていたが、提督が深海棲艦との戦いの中で試行錯誤し、戦術を学ぶ傍ら自らも肉体を鍛えて成長していった。 ある艦娘が提督が体を鍛える必要はないのではないか、と言えば、ひょろひょろよりガッシリしていて自信がある上司の下にいる方が安心感があるだろう?と笑顔で答えたと聞いたことがある。 さすがに何年何十年も軍人をやっている人間の体と比べたら丈夫ではないが、少なくとも以前の提督よりも頼もしく感じるっようになっていた。 「……上手い!この鯖の味噌煮、最高だな」 提督はガツガツと昼ご飯を堪能していた。味の濃い鯖の味噌煮、プリッとした白米、ジャガイモ入りの味噌汁、香ばしいごまドレッシングのサラダ、とろとろチーズのハンバーグ。 龍田は頂いたお冷を少しずつ飲みながら目の前で提督の食事風景を見ていた。提督は本当においしそうに食べている。そんな所をじーっと見ていたら、失せていた食欲がむくむくと龍田の中で湧き出てきた。 同時に天龍の言葉に悩んでいた自分がバカらしく思えてきた。 (秘書艦をすることが多くなってこの人といる時間が増えたから、自然とこの人の話もするようになった…きっとそれだけね~) 龍田は通りかかった間宮に声をかけた。 「私にもランチBをくださいな~」 間宮はハイ、と笑顔で返事をした。 「おっ龍田も食べるのか」 「人がおいしそーに食べてるのを見るとつられてお腹が減ってきちゃいます」 「ハハっそれもそうか。間宮さん、俺もおかわりお願いします。龍田と同じやつで」 提督の注文にも間宮は笑顔で答えて台所がある部屋へと入っていった。龍田はクスクスと笑う。 「あら、まだ食べるんですかー?元気ですねぇ」 「上手い飯だと箸が進むんだ…あ、そうだ、龍田」 「なんですか?」 「唐揚作ってくれ、龍田揚げ」 前に天龍に食べさせるつもりで作った唐揚を気紛れで提督にも分けてみたらかなり気に入っていた。提督はこうやって唐揚を要求するようになった。 二日連続でお願いしたり、一週間以上何も言わなかったり、本当に提督の気分次第だった。もしかしたら唐揚が食べたい気分になった時に龍田がいて欲しいから秘書艦を任されることが多いのかもしれない。 「しょうがないですねぇ…夕方に作りますよ」 「楽しみにしてる」 提督が微笑んだ。龍田が何故か直視できなくて目を逸らしたちょうどその時、間宮が二人分のランチBをテーブルに置いた。白米、豚汁、シーフードカレー、シーザーサラダが二人を待っている。 またおかわりしたくなったら遠慮なく呼んで下さいね、と言うと間宮は提督が食べていたランチAが乗ったトレイを代わりに持って行った。 「……間宮さんに作ってもらったらいいんじゃないんですか、唐揚」 目の前に置かれた胃袋を刺激するようなランチBの品々を見ながら龍田は呟く。提督のスプーンがカレーに届く前にピタリと止まる。 「料理上手ですし、私が作ったものよりおいしいんじゃないかしら」 龍田は箸でシーザーサラダのコーンとレタスを持ち上げて自分の口へ運んだ。チーズの風味とシャキシャキとした野菜の歯ごたえが龍田の口の中を幸せにさせる。おいしいなぁ、とゆっくり味を噛み締めていたら提督の手が以前止まったままであることに気付いた。 提督を見ると、おもしろくなさそうに龍田を見ていた。 「龍田が作ったやつが食べたいんだ。それじゃあダメか?」 何を、と思い、すぐに唐揚のことを言っているのだと龍田は察した。 「別にダメではないですけどぉ…私、特別なレシピなんて使ってないですよ?ふつーに作ってるから」 「いいんだよそれで。とにかくよろしく」 スプーンがカレーを掬う。提督は無心にカレーを口へ運んだ。おいしさを堪能するというよりも、龍田の反論を許さないとでも言わんとするその態度に龍田はキョトンとして、それから箸を置いて自分のスプーンも動かし始めた。 舌にお米とルーが乗った瞬間、あっやっぱりおいしいなぁ、と、嬉しくなるのだった。 それから数ヶ月経過した頃か、今日も執務室で秘書艦の仕事をしているとバンッとドアが勢いよく開いた。その音にビックリしてドアに目をやると、息の荒い提督がいた。 「おかえりなさい。どうしたんですかそんなに慌てて。会議で何か言われたんですか?」 本日、提督は朝から議事会に赴いていた。隔月に一度行われる集まりに参加をしていたのだが、提督の様子がおかしい。不思議に思っている龍田に提督は脇目も振らず真っ直ぐに近づくと小さな両肩を強く掴んだ。 その強さに龍田の体が一瞬跳ねたが、提督は気にも留めず興奮気味に言った。 「龍田!オリョールだ!オリョール海の最深部に行くぞ!」 「オリョール海?でも朝に南西諸島の任務は終わったんじゃなかったかしら」 「もう一度行くんだ。とにかく準備をしろ」 「えぇ…わかりました、それじゃあ編成はどうします?潜水艦ちゃんたち?」 手が龍田から離れ、提督は顎に手をかけグルグル回り始めた。 「赤城と加賀、…うん、潜水艦はなしだ。先手必勝で攻めよう。北上、大井、木曾、そして旗艦は龍田で出る」 「赤城さんと加賀さんと北上ちゃんと大井ちゃんと木曾ちゃんと…え?私?」 編成メンバーに自分の名前があったことに龍田は驚いた。聞き間違いかと思ったが、提督はブンブンと頷いた。 「龍田、お前を旗艦にして第一艦隊をオリョール海に出撃、時刻はヒトヨンヒトゴーだ」 「え?それって…」 「早く準備をしろ。他のやつは俺が連絡しておくから」 提督は龍田の背中を押して執務室の外へと押しやった。呆然とする龍田の前でバタンっと執務室のドアが閉じた。 「……出撃時刻が十五分後って、急ねぇ…」 いつもの提督なら出撃も遠征も前日までに予定をたてて伝えていた。当日に何か変更があった場合でも一時間は余裕をもって決めていた。 極たまに危険海域に出撃中の艦隊に緊急事態が発生して慌しくなることもあったが、今回の第二・第三・第四艦隊は比較的安全な資源獲得の遠征中であり、例え何かあったとしても通信室から緊急サイレンがなるので身の安全の意味での緊急事態なら基地にいる者すべてに分かる。 しかしそのサイレンもない。 龍田は訳がわからないまま、とにかく出撃の準備をすることにした。 艦娘たちの装備品を格納している倉庫へ歩を進めながら、そういえば、と龍田は思い出す。自分は久しぶりの出撃だ、と。 「よし!準備は整ったな?!あっ倉庫!倉庫今どうなってる?!……ちょっと詰めすぎか…少し廃棄しよう。 とりあえず流星・流星改・彗星一二甲・烈風以外の艦載機は全部廃棄、あと零式水上偵察機もいらん。あ、お前たち腕ならしに演習してこい。 ………終わったな?よし、第一艦隊、オリョール海最深部へと出撃せよ!」 予定の出撃時刻より三十分遅れて、第一艦隊はついに海へ出た。目指すはオリョール海の最深部だ。天気も悪くなく、視界も良好。 「良いお天気~ お昼寝したくなっちゃうなぁー」 龍田はのほほんとした気持ちで海の上を進んでいた。水面は太陽の光を受けてキラキラと輝いている。 「ここもまだ深海棲艦の勢力は残ってるわ。気を抜かないで頂戴」 暢気な龍田を加賀は咎めた。龍田はハーイ、と楽しそうに答える。 「大丈夫ですよー、久々の出撃だからちょっと…気分が高揚します、よ?」 ふわふわと微笑む顔の中にある目は好戦的であった。加賀がよく言う言葉を龍田はわざと使ったが、加賀はそう、と興味がなさそうに流した。 「それにしても、貴方が出撃なんて何かあったのかしら。演習も一緒にやらせるとは思わなかったわ」 加賀の隣にいた赤城が頷く。 「それに私たちも久々ね…数週間ぶりかしら?」 「っというかぁ~ここにいる面子って基本お留守番組じゃないー?」」 赤城に答えるように北上が声をあげた。大井は楽しそうに海を見つめる。 「フフフ…魚雷、いっぱい打ち込めるわね…」 木曾は右手の拳を左の手の平にぶつけた。 「あぁ、全部沈めてやるさ」 大井と木曾は傍から見て分かりやすすぎるほどワクワクしていた。 「でも、やっぱりおかしいわね…あの人、何が狙いなのかしら… 作戦説明の時も今回の出撃の目的は私たちに伝えていない。わざと話を逸らしたような気がする」 考え込む加賀に合わせて赤城もうーんとうねる。 「私たち、提督が着任した時期からいる古株だから他の艦娘より錬度はかなり高い。他の子を強くさせるために、 ここにいるメンバーは出撃はおろか演習もほとんど参加させなくしていたのにね。装備の開発が今の私たちの仕事みたいになっているわ」 「えぇーでもあたしと大井っちとキッソーは開発もろくにしてないよー」 「そうね、艦載機は赤城さんか私、46cm三連装砲と電探は榛名さん、対潜装備は龍田さんが、っていう担当がいつの間にか定着している。…龍田さん、貴方は何か聞いてないの?」 「え?ううん、特に何も聞いてないですよ」 加賀から話題を振られ、龍田は首を横に振った。加賀は龍田を見つめる。 「私たちを海域や演習に出すのはまだ分かるけど、龍田さんは………あ」 加賀は何かを思いついたのか、龍田を見ながらうんうんと何度か頷いた。龍田は加賀の意図が分からず首を傾げる。 「加賀さんどうしたの?」 赤城の質問に加賀はいえ、とスッキリしたような顔をした。 「多分、アレなんじゃないかと」 「アレ?アレって… ……… ……… あー、大抵の任務って最深部限定だからね…そういうこと」 何々?と球磨型三人が正規空母の周りに集まる。内緒話をするように加賀は手で口を隠しながらヒソヒソと何かを喋ると、あぁーと三人同時に納得の声をあげた。 「え?なに?」 蚊帳の外の龍田は五人に聞くが、五人はただ優しく笑うだけで何も言おうとしない。 「加賀さん、何が分かったんですか」 「帰還したらわかるわ、多分」 「多分…」 「私も予想通りかどうか分からないから何とも言えないけど、まぁ…早く終わらせて基地に帰りましょう」 予想通りか分からないことを自分以外の艦娘には教えるのかと、龍田は思ったが他の四人も教えてくれる雰囲気ではなかった。 「あのぉ…」 「あ、もうすぐでオリョール海に入りますよー」 北上が明るく言った。加賀はパンパンと手を叩くとポンッという煙と共に羅針盤娘が現れた。今回はいつも眠そうな緑髪ショートの娘だった。羅針盤娘は目をこすって加賀の前をふわふわと浮かんでいる。 「こういうことに長く付き合わされるのも嫌だから、分かっているわよね」 「んっんぅ~?」 「最深部以外に行かせたら…分かっているわよね?」 眠気眼がバッと見開かれた。龍田からは見えないが、恐らく加賀は羅針盤娘にものすごい睨みをきかせているのだろう。 艦娘だけではなく妖精や羅針盤娘たちの中でも厳しくて怖い、と共通認識のある加賀が相手では寝坊助の目も覚めるものだ。 「りょ、了解であります…」 珍しく気合の入った緑髪の羅針盤娘、何故かヤル気が出ている他の五人、龍田は何だかむず痒くなった。 (もう…教えてくれてもいいじゃない…) はぁ、と溜息をはいた時、赤城が声を張り上げた。 「艦載機のみなさん、用意はいい?」 その声を合図に、あたりに充満していた緩い空気が一瞬にして変わった。龍田の目がスッと細くなる。鋭い目は遠くにいる敵を捉えた。 (気になることは…後でいいかしら) 潮の香りが一層強くなった気がした。波の音も荒々しい。 「あはははっ♪砲雷撃戦、始めるね」 戦闘開始だ。 つづく これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/669.html
753 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/26(日) 22 40 04 ID A.Hm0BbU [1/9] 宗教ができる程多数の提督を骨抜きにした艦娘は魔性と言えるのではなかろうか。 世に文月のあらんことを ある意味鬱&ガイキチ?なネタ投下します 754 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/26(日) 22 42 38 ID A.Hm0BbU [2/9] 発 第404特別任務艦隊442分遣隊研究班 軽巡洋艦大淀(ID:YTS731141CL) 宛 第404特別任務艦隊第61研究室主任研究官殿 鎮守府内執務室内装の提督及び艦娘の行動への影響に関する実験についての報告 上記の実験について簡潔に報告する。 本実験は、執務室の内装の変更が提督及びその指揮下にある艦娘に対してどのような影響を与えるかについての実験である。 今回の実験は、以前より所謂「教室」と呼ばれる内装の組み合わせ(以下教室)について 以前より羽黒、香取といった特定の艦娘の提督との肉体関係に発展する確率が他の内装の組み合わせ(以下内装)と比較して格段に上昇する現象が 報告されていたことから、その他の艦娘における変化の有無を調査することを目的としている。 実験においては無作為に選定された被験艦隊(以下艦隊)及び、同艦隊指揮官(以下提督)を『バーカウンター設置による提督及び艦娘の嗜好、性格及び行動の変化に関する実験』 と同様の条件で教室での変化の有無を検証する(艦隊及び提督に関しては資料1を参照)。 尚、実験を行った艦娘の人数が多数であるため、本報告においては特異な例のみについて取り上げる(全艦娘及び提督の調査結果は資料2を参照)。 「あら、模様替えなさったのですね」 「ええ。なんでも上から実験に使うからと…」 落ち着かなそうな提督を見て、鳳翔はくすくすと笑う。 「しかし、何と言うかこう……落ち着かないというか…」 「あら。なかなかお似合いですよ。先生」 「よしてください。尻がかゆくなる」 苦笑いする提督だが、鳳翔の方は意外にも生徒用(と思われる)机にちょこんと座っても違和感がない。 正規空母たちに比べれば小柄な彼女だが、年嵩な印象に反して何とも奇妙なものだ。 「ところで提督、あの子たちはどうです?」 「ええ。みんな良くできます。遠征でもだいぶ助かっていますよ」 鳳翔の言うあの子たちとは、彼女が以前引率していた駆逐隊のことである。 この艦隊に加わった駆逐はみな、彼女か天龍の引率で遠征をこなすのが恒例となっていた。 「やはりコーチが良いと違いますね」 「あら、そんな。うふふふ」 ちょっと恥ずかしそうに、だが嬉しそうに笑う鳳翔。 柔らかな日差しの下、和やかな雰囲気が満ちていた。 事例1 軽空母鳳翔(ID YT107442815CVL) 艦娘の性格、行動については変化が見られないが、提督は実験後に「保護者会や父母面談を髣髴とさせる」と述べており、 教室が提督に教員あるいはそれに類するものの疑似体験をさせるという結果が得られた。 尚、この実験結果は被験者である艦娘の性格及び外見的特徴に起因するものと推測される(資料4)。 「てーとくー、なんか瑞鶴ちょっと退屈なんだけど~、ふてくされるぞー」 「もう少しで終わるからちょっと待ってろ」 座ったまま伸びをしながら瑞鶴がごちる。 何もしないで座ったままというのは苦痛に感じる者は多い。 ましてや、唯一同室の男が相手をしてくれず、無駄話にものってこないとなれば自分の仕事が終わってしまえばひどく手持無沙汰なものだ。 机に頬杖をつき、特に見るでもなく窓の外をぼんやりと眺める瑞鶴。 (いい天気だなぁ……あ、あの雲加賀さんに似てる) 不意に書類から顔を上げた提督の目に、そんな瑞鶴の横顔が映る。 ぱっちりとした大きな目、翔鶴の横に並んでいると目立たないが、意外にも色白な頬とその頬を覆っている弓を引く割に細く見える指。 健康的な色の唇は差し込む日光を受けて瑞々しく縁どられている。 案外、それらしく着飾らせて何も知らない人の前で黙っていたらどこかいいところのご令嬢に思われるかもしれない。 「ん?何?提督さん。私の顔に何かついてる?」 提督の視線に気づいた瑞鶴がふとそちらを向く。 「いや、可愛いなと思って」 「なっ!?」 提督はほぼ無意識のうちに言った。 ぼーっとしていたのではあるが、目の前の相手が白い頬を赤く染め上げ、耳の端まで茹だっているのを見ても、 まさか自分が思っていることをそのまま口に出したとは気付いていない様だ。 「なっ……えっ、かわい……と、突然何言って……っ!」 「うん?俺声に出してたか?」 「えっ……もうっ!馬鹿ぁ…」 一人赤くなってぶつぶつ言っている瑞鶴。 「提督は不意打ち過ぎるよ……」 「不意打ち?何がだ?」 精神疾患を疑うレベルに鈍い提督。 事例2 正規空母瑞鶴(ID YT302142739CV) この事例においても提督の言動に変化が見られ、艦娘の感情の変化に鈍感になる。 それに関連して艦娘側の想定していない好意の表明を行うといった所謂『日常系ハーレムラノベ』に近い状況が発生している。 また、こうした現象は古鷹型、青葉型、最上型等の重巡洋艦にも見られるが、全く発生しない艦娘(事例1の鳳翔等)も複数確認されており、 全容の解明には更なる研究が必要と思われる(資料5)。 夕焼けに染まる鎮守府の外れ、一人の男がオレンジの海を見て黄昏る。 海風に吹かれながら遠くを眺める彼の背後に人影が一つ。 「来たぜ。“約束”通り」 人影が男の背中に投げかける。 男は振り返り、人影を真正面から睨みつけると、咥えていた煙草を吐き捨て、足で踏み消す。 「おう。待ってたぜ……この“時”をよ」 そう言って男―提督は不敵に笑い、人影―武蔵も応じて笑う。 「んで、本気かい?」 武蔵が問う。 「決まってんだろ?そのために呼んだンだからよ」 提督が答える。 問答のさなか、二人はゆっくりと歩くように距離を近づけていく。 「へえ……随分と“気合”入ってるんだ……なっ!!」 二人の拳が同時に飛び、互いの頬にめり込む。 クロスカウンターの形となったまま、拳がめり込んだ真上の目が互いを捉え、いびつに変形した口角がにやりと歪む。 赤い世界のただ中で、二人が吠える。 事例3 戦艦武蔵(ID YT719462214BB) この事例においては艦娘と提督に同様の変化が見られた。 両者とも実験前より粗暴な言動が目立ち、好戦的な性格となり、また、普段喫煙の習慣のない提督が喫煙する等、生活習慣においても変化がみられる。 こうした変化は主に夕方、特に日没直前において顕著となり、今回のケースでは乱闘にまで発展してしまっている。 これについて提督、武蔵ともに「教室で夕陽を見ていたら殴りあわなければならないような使命感を感じ、そうすることで友情が芽生えるような気がした」と証言している。 同様のケースは他の艦隊での戦艦霧島についても報告されている(第441分遣隊17次報告)が、武蔵、霧島以外には確認されておらず、 今回のケースもそのケース同様、実験以前は提督、艦娘ともに凶暴化の兆候が一切見られない事からこれも教室の効果と思われるが、詳細は不明である。 尚、この乱闘により提督が負傷したが、実験の継続に問題は無いと思われる。 「さて……」 報告書を書き上げて、ふうと一息つく大淀。 「困りましたねぇ……実験中止とは。治療すれば続けられると思ったんですけど…」 彼女の報告書を見た第61研究室の回答は『被験者の心身に重篤な損害を与える恐れあり』として実験を中止するというものだった。 「私も楽しみにしてたんですよ?提督との教室プレイ」 そう言いながら大淀は席から立ち上がり、それまで背を向けていた部屋の中に振り返る。 コンクリート打ちっぱなしの壁と床に、鉄格子の嵌められた窓。 部屋の隅に置かれたこの部屋唯一の家具といえるベッドには提督が仰向けに横たわっている。 「でも、いいです。こうして二人きりの実験が出来るのだから」 大淀は報告書を書いていたPCの方をちらりと見る。時間だ。 「さあ提督。実験の時間ですよ」 そう言ってベッドに近づく大淀。 提督は虚ろな目をしたまま動かない。死んではいないのだが。 「楽にしていてくださいね」 大淀は提督のズボンを下ろすと、むき出しになった一物を自身の手で包み込み、丁寧にこする。 大淀の指が繰り返し刺激することで、一切反応を示さない提督とは対照的に一物はむくむくと大きくなっていく。 「あはっ、提督お元気ですね」 やがて自分の掌で収まりきらなくなったそれを嬉しそうに眺めながら大淀は言う。 「じゃあ始めましょう」 言うなり彼女もスカートをおろし、下着も脱ぐと、露になった下半身でベッドによじ登り、提督の上に立膝で立つ。 その股ぐらは湿って、雌の臭いがしている。 「んっ……」 反りかえった一物の上に跨り、自分の中にそれを入れていく大淀。 大きなそれは、彼女の中をこすりながら進んで行く。 「んっ…、あっ……、入りました」 しっかりと銜え込むと、大淀の両手が提督の腰を掴む。 「くっ…、さあ、行きますよ……あっ、んあっ…!!」 自分の腰を提督に押し付けながら、大淀が声を上げる。 「あんっ……あっ、ああ……っ」 提督の上で腰を振り、その度に嬌声を上げる大淀。 動きが大きくなるに比例して、その声も大きくなっていく。 「あひっ!て、提督っ……!いっ、いい…っ!あんっ!!」 肩で息をしながら一際大きく動き、声を上げる。 そこに普段の冷静で理知的な彼女の姿は無く、ただの雌が一匹。 「あっ、ひっ、ああっ!!あんっ!提督!提督っ!!あっ!あああーっ!!」 大淀の絶叫。 二人の間から提督の白濁が溢れ出る。 ぴたりと動かなくなった大淀は、肩を弾ませながら提督の上で恍惚の表情を浮かべる。 「ああ……中に、提督のが膣内に……いっぱい……あはっ、あははっ…」 虚空を見つめて大淀が呟く。 ふうと息をつくと提督との結合を離し、ベッドから降りたが、その目は自身の白濁でコーティングされた提督の一物に向いている。 「あら、まだ残ってますね」 嬉しそうにそう言うと大淀はベッドの脇、丁度提督の股の間にひざまずく。 「大丈夫。私がきれいにしますね」 そういってぬらぬらと光る一物を咥えると、舌先で丁寧に舐め上げた。 「んっ…、んっ、んっ」 舌がくまなく何度も一物を往復し、くちゅくちゅと湿った音が二人の間に響く。 不意に一物が再度硬直化し、再び白濁が噴き出る。 突然のことに一瞬むせた大淀だったが、一度口を離し、溢れて顔についた分も指でとって舐めると、母乳を求める子牛のごとく、再度一物に顔を突っ込む。 「んっ!ぷはっ!ふふふふ、提督まだ出るなんて……よっぽど気持ちよかったんですね。うふっ、嬉しいです」 二人の間が再度淫らな音を奏でだす。 その様子を天井の監視カメラだけが見ていた。 発 第404特別任務艦隊443分遣隊研究班 軽巡洋艦大淀(ID KTS510466893CL) 宛 第404特別任務艦隊第63研究室主任研究官殿 『鎮守府内執務室内装の提督及び艦娘の行動への影響に関する実験』における没入症状についての経過報告 上記の件につき簡潔に報告する。 先日行われた『鎮守府内執務室内装の提督及び艦娘の行動への影響に関する実験』(以下教室実験)において、実験中の被験者負傷により実験が中断された際、 試験管であった軽巡洋艦大淀(ID YTS731141CL)がこれに強硬に反対。 試験管というロールへの没入が見られ、これが他の艦隊で行われた同様の実験においては見られない特異な現象であったことから、この艦娘のみ資料1の状況下での試験を行うものである。 内容としては、艦娘と提督の生殖活動による艦娘の能力及び人格への影響の調査と艦娘のみに伝えており、艦娘に対し彼女が試験管であると伝えてある。 実験開始から72時間が経過した時点で重度の没入症状がみられ、症状はレベル4まで進行している。 この実験及び教室実験が被験者の置かれている状況と言う意味で所謂スタンフォード監獄実験の再現になりつつあるとの意見もあり、 提督及び艦娘に重大な身体的、精神的障害をきたす恐れがあるため、実験の中止を提案する。 761 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/26(日) 23 00 02 ID A.Hm0BbU [9/9] 以上スレ汚し失礼しました。 底辺文系出身者が頑張ってレポートっぽく書いてみるテスト 762 名前:名無しの紳士提督[] 投稿日:2015/04/26(日) 23 23 31 ID wQlHx2eE [4/4] GJです! 763 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/26(日) 23 57 10 ID nKQvwvXE 武蔵ノリ良すぎワロタ 二次元においての眼鏡キャラは基本サイコだからね仕方ないね 乙GJ これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/9612.html
130 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/08/11(月) 10 44 22.33 ID gRe1nb9FO [5/5] 艦これスレですべき話かもしれないが、艦これRPGでは、全PCが既成キャラなのだが、明らかに提督(GM)に悪印象もつ原作キャラが提督に砲撃とか爆撃、罵倒をすると演出している場合どうするべきかね? 完全にギャグふうにアフロになったり鎮守府吹っ飛ばして次の瞬間に完全復元させてごまかしているが 度が過ぎると自分のマスタリングが批評罵倒されてる気分でもにょる 困ともいえないし、役割演技でもあるし メタで不快だから控えてくれと言うべきなのか 131 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/08/11(月) 10 57 41.14 ID Q3MD1BqL0 [2/2] 艦これRPGそのものが、ややギャグ感多めの描写のほうが進めやすいのがあるが 事故る前に相談するべきやな 愚痴スレかマスタリングスレにもっていくと、もっといい返事が返ってくるとおもう 132 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/08/11(月) 11 20 42.05 ID bZimlJfy0 [1/2] 130 そういう傾向のキャラをあらかじめピックアップして自分がGMする時は使用禁止ニにすれば? 133 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/08/11(月) 11 51 05.63 ID WOKGgERj0 [1/5] ルールはよく知らんがGMが提督なら解体したのでキャラロストねって言えば済む話だな 134 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/08/11(月) 11 51 45.83 ID rwb7X8Qs0 130 NPCとしての提督を上手く活用してみたらどうだろうか 提督外見決定表からいい感じに攻撃しづらい辺りを選ぶとか (例:元艦娘提督で、卓の誰かの嫁艦を提督にするとか) 135 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/08/11(月) 13 35 41.23 ID eCeD6rek0 [2/3] 本人も言ってるとおり艦これスレですべき話題じゃね? スレ392
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/3256.html
時空提督レンジャー・グロワー 自然 ベリーレア (6)9000 タイムレンジャー ■進化-自分のタイムレンジャー1体の上に置く ■自分のタイムレンジャーがタイム・トラベルの効果によってバトルゾーンに出されたとき、自分の山札を見る。その中から、種族にタイムレンジャーとあるクリーチャーを1体選択し、バトルゾーンに出す。 ■自分の他の種族にタイムレンジャーとあるクリーチャーのパワーは+4000される ■W・ブレイカー 作者:Astral 評価
https://w.atwiki.jp/ouranos/pages/33.html
《赤刃の剣 ホイッド提督》(フラムベルジュ ホイッドていとく) 星5/炎属性/戦士族 ATK/2200・DEF/1900 このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、フィールド上に表側表示で存在する「赤刃の剣 ホイッド提督」以外の「赤刃の剣」と名のついた効果モンスターの効果は無効化される。 固有名はアメリカ海軍ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦より ―関連項目 【赤刃の剣(フラムベルジュ)】
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/631.html
前回の話 「入渠しろ」 何を考えているのか。 どのような采配を取るつもりでいるのか。 気に食わない。 持っている紙の束ばかりに意識を奪われながらそう命令する提督に、 私は艦体を動かすのも多大な労力を持って詰め寄った。 「進軍すれば勝てたのよ! 仮に私が沈んでもっ、設計図がある以上もう一度建造できる!」 「…………」 「こんな指揮ばかりやっていては、燃料弾薬が!! ぐっ……、資材には、限りがあるんですよ!」 悲鳴を上げる艦体を抑え、一方で昂る激情は抑えずにできる限りの最大出力で声を張り上げる。 しかし提督の装甲は紙ではないのか怯んでいなくて、それがまた気に食わない。 紙の束から私へ視線を移した提督は、口だけを動かした。 「馬鹿だな」 「は?」 私は呆然とした。 開口一番で返ってきたのは買い言葉ではなかった。 顔を合わせた当初からずっと維持している冷静沈着な姿勢だが、 包み隠そうともしない悪態を聞いたのはこれが初めてだったと思う。 「またここまで育てなければならん手間を考えろ。その方が非効率的だ。 それに、大井が大打撃を受けた状態では進軍しても敵主力殲滅は不可能だ」 私は少し頭が冷えた。 提督の言う通り、私が沈んでから再度建造したところで一から訓練を重ねる必要がある。 だからそれはいい。 だが後者には異論を唱えたい。 戦艦や空母といった大型艦に対してその理屈を当てはめることは納得できるが、 私はどちらでもない軽巡から派生した重雷装艦なのだ。 形式的に持った小さな主砲の火力が大きいわけがなく、 唯一の武器である四問五基の計二十問の魚雷も当たればいいものの命中率は見るに堪えない。 「そんな事も分からんとは、練習艦の経歴十年なんてのはビッグマウスだったのかね」 嘆息しながらそう呟いて紙の束にまた視線を落とす。 言い争いをしようとか貶そうという目論見も見えず私に失望するだけの提督の態度で、私はまた頭に血が昇るのを感じた。 ――練習艦時代は軽巡であって雷巡じゃないのよ!―― 私の煮えた頭は、そんな反論くらいしか言語化できない。 しかし口に出すことはしなかった。 中途半端にそう的外れな反論だけをしては更に道化になるだけだからだ。 話にならない。 そう思う事にしておいて私は踵を返した。 「入渠はしろよ」 ――うるさい!―― …………………… ………… …… 「大井っちも入渠?」 いた。 北上さんは私が出撃する前に艦隊に召集され中破したので、壁際の湯船に浸かっている。 上部に掲げられた近代的な時計はもうあまり長い時間を示していなかった。 あの男との雲を掴むような対話を切り上げてきて正解だった。 入渠時間があまり長くないことを知っているから私は足早にここに来たのであって、一番の目的は入渠ではない。 ないったらないのよ。 北上さんの姿だけを確認した私は早速不満を打ち明ける。 「聞いてよ北上さん!! あの男ときたら!!」 「ひ、響く……」 しまった。北上さんが耳を抑えている。 音が反響するドックである事も忘れて声を荒げればそうなるのも当然だ。 私は北上さんが顔を歪ませたのを見て頭の血が引いた。 「ごっ、ごめんなさい!! お耳壊れちゃった!? 私が直す!?」 「あーもうなんともないから!」 北上さんに両手で拒絶されて我に帰ったとき、私はお湯の海域に進入して北上さんに詰め寄っていたのだった。 大破しているはずなのに俊敏に動くことに私自身驚いた。 北上さんの指摘で理性を幾分か取り戻したので、ひとまず忘れていた湯かけに取り掛かる。 凝り固まった艦体が、四肢が、適温のお湯で解されてゆくのが分かる。 石鹸を泡立てたタオルで、こびり付いた煤を落としていく。 「で、なんだっけ?」 「そう! 提督ときたら、敵の主力手前の海域で帰投命令なんか出してきたのよ!」 「あー……」 湯に浸かっていっそう気だるげになった声がドックに響いたので、 即座に首を反転させて事のあらましを告げると北上さんは思い当たる点があるように嘆息した。 ドックの換気能力を超える濃霧の中でも呆れているような顔が視認できる。 北上さんのことならこれくらい分かって当然よ。 「私たちを人間と勘違いしてるんじゃないのかしらね!」 艦娘は兵器であって人間ではない。 それは艦娘の共通認識であり常識である。私はそう思っている。 人間みたいに扱って敵を海で遊ばせておくなんてのは言語道断だ。 "前"のときにそんな軍人の存在を耳にしたことはない。耳という器官なんか持ってはいなかったけど。 だからあの男の存在は顔を合わせて間もない頃からとても不自然に見え、違和感を覚えたのだ。 やがてそれが大きくなった今では、軍にそぐわないので排除すべき存在としか見えない。 消極的な命令ばかりを出し、今日になってやっと少しは進軍を覚えたと思ったらこれだ。 そして渋々帰ってきてみれば反省のないあの態度。 腹立たしい。 あの男の存在を頭から振り払うように髪をがしがしと洗浄する。 「別にいいんじゃないの、好きにやらせておけば」 「もう! またそんなこと言う……」 北上さんらしい適当な感想だ。 それでも私は釈然としないのだ。 がむしゃらに敵を沈めてなんぼではなかったのか。 そそくさと煤を落とし、次にもやもやした気持ちを流すために私は湯船に浸かった。 無論北上さんの隣だ。 煙った天井を眺めて煮え滾った艦橋を整備する事に努める。 一つ溜息を漏らすと、それとも、と隣から声がかかる。 「大井っちは提督がクビにならないか心配なのかな?」 「やめてよ。冗談じゃない」 笑い話にもならない。 私があの男の行く末を心配する妄想なんて、身の毛がよだつ。 私と北上さんが気に入らない、 今のように怯えてまともな指揮ができない人間でなければ、提督なんて誰だっていいのだ。 軍艦とは敵の船を沈めるために生み出されたのだ。近海で遊ばせていては艦底が錆びる。 それを分かろうとしないあの役立たずは無用だ。 岸壁で呑気に黄昏ていようものなら後ろから突き落とすのもいいのだけど、 その怯えっぷりからかそのような隙を見せない。 「ま、提督がどうなろうと、こっちは関係ないからさ」 要するに、北上さんはただ無頓着なだけなのだ。 北上さんのその心の持ちようが羨ましいが、北上さんは北上さんで、私は私。 私の個性の短所に悶々とするうち、修復を終えた北上さんはドックを出て行った。 北上さんは私より先に建造されたらしい。 私が建造されて艦隊の一角に三つ編みを垂らしたその姿を確認したときは喜んだものだが、 それよりも提督の在り方の方が気に入らなかった。 既にその艦隊の旗艦に戦艦がいたのだが、聞けば鎮守府近海を彷徨いているだけだというのだ。 その次の海域への進軍を果たしたのも記憶に新しく、思えばそれは私たちが軽巡でなくなったばかりのはずだ。 "南西海域を制圧せよ"とかいう任務に駆り出されたのも最近で、 演習で相手になる別鎮守府の艦隊から聞く近況と比べれば遅い。 しかしあの男は口で言ったところで聞く気がないようなので、不満を心の中で燃焼させる。 それでもその燃焼は不完全で、この修復ドックに立ち込める白い湯気とは違い煤塗れだ。 「はあ、不幸だわ……」 温かなお湯に身を委ねて提督への不満を紛らわせていると、ドックの引き戸が開けられた。 いつもの口癖を呟きながら入ってきたのは艦隊旗艦の山城さんだった。 濃霧の中でも科白だけで誰か分かってしまうのはこの鎮守府に馴染んできた証拠なのかもしれないが、 その頂点にいるのがあの男では素直に喜べない。 山城さんはドックに足を踏み入れたところで私の存在に気づいたようで、互いに会釈した。 提督の指定か、山城さんは私の隣の湯船に浸かる。 "前"のときも、そして今も、扶桑型とは特に縁はない。 ないが、今この山城さんは主力艦隊の旗艦なのだ。 だから私は声をかけた。 「あの提督、また撤退命令を出したんですか?」 山城さんは私の質問に肯定した。 今度は旗艦が中破したから進軍はやめろと言ったらしい。 タフな装甲の戦艦が大きな損害を被るほどの海域でもないから、あの男の指揮が間違っていたのだろう。 それにだ。 この旗艦の考え方は分からないけど、"もう"中破ではなく"まだ"中破なのだ。 それに、戦艦の中破ならまだそれなりの攻撃はできる。 敵艦隊が徘徊している地点も多くはないから進めばいいのに。 「あの男、少し腰抜けが過ぎませんか?」 「え? ……ああ、確かに、提督は駆逐艦一隻犠牲にしようとしたことはないわね」 「ですよね。やっぱり私達を人間と勘違いしてるんじゃないかしらね……」 「秘書なんかやったって、あの提督の考えていることは分からないわよ」 やろうとも思わない。 作戦指揮に口を挟めるかもしれないけど、それ以上に精神不衛生だ。 山城さんに向ける義理は特にないが、それでもあの男の秘書として拘束されたことは少しだけ同情する。 それにしても、補佐をしても考えていることが分からないとはますます食えない男のよう。 これ以上秘書艦に訪ねても湧いた好奇心――ほんの少しだ――を満たすことはできないようなので、 会話を終わらせ黙って湯船に背を預ける。 直後どこからか機械音が響いた。 上を見れば、天井の梯子染みたレールに沿って吊るされた緑色のバケツが運ばれてくる。 それが逆さにされると、私の隣の湯船に中身が投入される。 艦隊旗艦である以上仕方がないとはいえ、入渠する暇さえ与えられないなんて殊更同情するわ。 即座に修復を終えドックを出ていく山城さんを私はそれを横目で追い、耳に意識を集中させる。 やがて向こうの脱衣所さえも物音がしなくなったことを確認してから、私はこっそりドックを抜け出した。 聞いた話によるとこの執務室の壁には防音加工が施されているらしいが、 扉は少々凝った作りになっているだけのただの木製だ。 多くある他の扉とは木の材質も違うようだけど、結局は音を遮断する能力はない。 用心しているのかそうでないのだか。 私は扉に耳を当て、内部を盗聴する。 まだ出撃はしていなかったようで、内部からは提督と山城さんの声が伺える。 脱衣所で装甲を纏う時間を圧縮してきたことが功を成した。 淡々と遂行中の任務消化について提督が山城さんに一方的に伝えている。 その最中"遂行の仕方がおかしいでしょう"などと異論を唱えたい衝動に何度も駆られるが飛び込むわけにもいかない。 なんとか黙って聞いているうち一通り云いたいことが済んだようで沈黙が訪れたが、直後。 『ある艦が"提督は艦娘を人間と勘違いしてるんじゃないか"と言っているのを聞きました』 『……それで?』 『"替えは利くんだからもっと進軍しろ"ということだと思いますけど……。 提督は少し撤退命令が多いんじゃないですか?』 思わぬ展開だが、いい機会だ。 指揮官の根幹を確かめるべく、私は提督の回答を待つ。 やや長い沈黙が流れ、やがて扉越しに声が伝わる。 『人間でなく機械ならぞんざいに扱うべきなのか』 『…………』 『仮に私が先の戦争の時代にいたとしても、犠牲を出さない事に尽力するだろうね』 『いずれにせよ私は私のやり方で行く。考えを改める気はない』 その声はしっかりとした芯があるように聞こえた。 それを聞いて何故か私は悪いことをしているような気分に陥ったので、扉から耳を離してその場をあとにした。 ――ドック、戻らなきゃ―― …………………… ………… …… 時は流れる。 あれからも結局のところ私は海に呑み込まれることなく、二度目の大規模改装を迎えてしまった。 提督の階級や戦果は緩やかにしか上がっておらず、この鎮守府に上から表彰状が贈られたこともない。 工廠を出てみれば装甲と艤装が一変した私と違って質素なままの制服を纏う提督が待ち受けていたので、 私は早速口を開く。 「私が建造されてから随分経つのに、練度向上は牛歩のようですね」 「……ん?」 「提督は腰抜けが過ぎるんですよ」 あら提督。何故首を傾げているんですか? とは聞かなかった。 自分も内心では首を傾いでいるから。 提督と顔を合わせても不思議と精神に乱れの波がない。 それに私、提督に対してここまで本音を包み隠さず言えたかしら……。 「……改装不備でもあったか口が悪くなったな? もう一度工廠に行った方がいいんじゃないか?」 「今までの提督のど素人な指揮に苛々してきた結果です。 こんなことを艦に言わせる提督の方こそ改装してもらったほうがいいんですよ。 二回の改装で直ります? 直りませんよね」 しかし私の方は直った。 実のところタービンの設計が特殊なため扱い辛く不調を多発させたから、私は練習艦にされたのだ。 だがそれも過去に捨てた。 "前"からの、そして再び建造されてからの、扱い辛かったあのタービンはもうない。 これで私は北上さんの足を引っ張ることもないし、心置き無く提督に横槍を入れられる。 一方の提督はと言えば、そんな私の横槍を避けることなく珍しいことに真っ向から受けた。 私がこのとき初めて見た提督の笑みは、挑戦的な含み笑いだった。 「……面白い。早速だが、大井は暫くの間秘書に任命しよう」 「へえ……」 「覚悟してくださいね。私が秘書になったからには撤退三昧のクソみたいな指揮、もうさせませんよ。提督?」 ――この魚雷火力、うまく使ってほしいな―― これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/624.html
前回の話 「吹雪に魚雷の扱い方を教えてやれ」 重雷装艦となって間もない私たちが、提督に呼び出された。 早速重雷装艦の戦力が理解される時が来たかと思ったが、提督は私のそんな期待を切り捨てる命令を吐いた。 なんでそんな雑用のような任務をしなければいけないのか。 私はこの男に聞こえないよう小さく舌打ちした。 「うーん……」 北上さんが唸る。 こんなかったるい任務、断っちゃって。お願いよ。 心の中でそう念じたのが通じたのか、北上さんは横目で私に目配せする。 通じた? 通じたの? 通じたのよね!? しかし都合の悪いことに、北上さんが二の次を告げる前にこの男は動きやがったのだ。 「教えてやってくれ」 どういうわけか言葉遣いは少し腰の低いものに変わったが、私は一瞬にして憤りを感じた。 なんとその男は北上さんを一心に見つめ、あろうことか北上さんの両手を掴んで懇願してきたのだ。 私にとって存在そのものが気に食わないこの男が、私にとって大切な存在である北上さんに触れる。 そんな光景を見て私が我慢できるはずがなかった。 「なっ、あぁ貴方! 何してけつかる!! です!」 「は?」 思わず素の口調でものを言ってしまった。 この意識は別に上官である提督に対して無礼な態度を、ということではなく、 この男に素で接したくない、という精神的装甲に所以しての意識である。 何を言っているのか分からないことから察するに、この男の生まれは私と同じところではないらしい。 それだけは安心できた。 生まれが同じだと分かったらそれだけで反吐が出る自信がある。 提督は私へ首を回転させ、その顔を唖然とさせているらしい。顔は眉一つ動いていないけど。 ああ、その首が二度と回らないようにしてあげたいわ。 「い、いえ、なんでもありません」 「……嫌だってさ」 北上さんが私の言いたいことを言ってくれた。 そうよ。それでいいのよ。 任務受託を拒否してこの執務室を出て終わり。 そういう流れを期待したが、問屋はそうは卸さないらしい。 「なら大井が教えてやれ」 「……はあ?」 あらやだ。また素で返してしまったわ。 私の顔が、眉間が歪んでいることも自覚できる。 口調がよく崩れる奴だな、などと実は何も考えていないようにのんきに提督が呟いた。 「北上に教えさせるのが嫌ならお前がやれ。お前等なら他の艦より少しは分かるだろ」 「あら提督。この文書、出撃命令が書かれているではないですか。私たちなら簡単に敵を殲滅させられますよ」 艦種の名前が"重雷装巡洋艦"なんてものだから、それは考えなくとも分かっているのだろう。 魚雷を扱うなら私たちの右に出る者はいないと思われること自体は悪くない。 それだけの戦闘力があると分かっているなら使い方を間違えるな。私たちを暇にさせるな。 私は暗にそういう訴えを込めてちょうど執務机に置かれていた一枚の紙を掲げる。 「その任務は他の艦に遂行させる。今のお前等の任務は吹雪への講義であって出撃ではない」 「……なんですって?」 ああ、今魚雷が手元にあったら即座に振りかぶっていると思うわ。 私たちは戦闘としては使い物にならないと? 馬鹿にするな。 どちらかと言えば旧式艦に分類される私たちでもいい戦力を持っているのに、 もはや"特型駆逐艦"とかいう たすきが藻屑塗れになっているあの役立たずの詐欺艦は、教えたって無駄よ。 しかし口には出さない。 私が抑えて黙っているのをいいことに、この男は私を睨むかのように真顔で見つめ調子に乗り始める。 「大井は教える事自体が嫌だと言うなら、お前のこれからの処遇を少し厳しく検討せねばならなくなるのだがな」 こんな無能な男の下に配備されるとは、運命とはとても残酷なものだ。 艦隊を組んでも鎮守府周辺海域を徘徊させる事しかできないこの男も "提督"という たすきが煤塗れになっているくせになんて生意気な。 はっきりと戦果を示せないのに大口を叩くだけの上官は最悪だ。 黒い感情に任せて提督へ目を尖らせる。 しかし提督は張り合っているのかいないのか真顔のまま。 鳥のさえずりさえ入ってこない険悪な睨めっこが続く。 それを中断させたのは傍らの北上さんだった。 「……あーもうやめやめ! 大井っちは少し協力しないと駄目だよ。吹雪にはあたしが教えて……」 「私がやります」 即座に私は北上さんの言葉を遮るように被せた。 ごめんなさい北上さん。でもここは私に任せて。 不本意ながら気に食わないこの男に協力する形になってしまうが、背に腹は変えられない。 提督の言う"処遇"がどういったものか鋭く推測はできないけど、 将来的にこの男が私を残して北上さんだけ艦隊に組み込むような事でもあれば私は発狂する。 「北上さんの手を煩わせるくらいなら、私がやります。……提督のさっきの言葉、覚えておきますからね? 下手な指揮で負けておめおめと帰投させるような事があれば、ただじゃおきませんから」 「そうかい。ではそんな事になったら私は暫く雲隠れしておくさ。吹雪の事は頼んだぞ」 渋々ながら任務を受託すると分かったとたん、この男は淡々と踵を返して椅子へ戻っていった。 この男は私の攻撃を回避することが得意らしい。 ああ腹立たしい。気に食わない。 この男がいる部屋には長居したくないので、北上さんの腕を掴んで礼もせず執務室を後にする。 「……行きましょう、北上さん」 「大井っち、痛いってば」 「はあ、はあ……、あ、ありがとうございました……」 「明日もやりますからね」 海上で、満身創痍で息絶え絶えながら頭を下げた吹雪ちゃんに、私は岸壁からそう告げる。 満身創痍といっても、敵が出たとか私たちが相手になって戦闘演習を行ったとかではない。 自分で何度も派手に転覆したり的に衝突しただけだ。 話を聞いただけでも出撃どころか遠征さえ縁がなさそうな艦だと思ってはいたけど。 ――やる気はあるし勉強もしているみたいだけど実技では……。特型とは言うけど大丈夫かしら―― 「なんだかんだ言って、大井っち途中から熱入ってたよね~」 私は横から飛来した北上さんの言葉で我に返った。 私は無意識に顎から当てていた手を離し、弁明に努める。 「えっ!? だ、だって、提督がどうしてもやれって言うから!」 「明日もやれとは言ってなかったと思うけどね」 「この先一緒に出撃して足を引っ張られるような事にでもなったら困るのよ! 全く!」 …………………… ………… …… 「という具合にさ~」 「もう! やめてよ北上さん!」 あの頃とは違い、今や執務室は畳張りとなった。 私は左舷で炬燵の中で胡坐を掻く北上さんを制止する。 恥ずかしいからそんな昔の話は持ち出さないでほしいと訴えかけるばかりだ。 終始話を聞く事に徹していた対面の提督は私へ疑問を投げかける。 「一つ聞きたいのだが、あの時の"何してけつかる"とはどういう意味だ?」 「近畿の方言で、"何してくれてんの"という罵倒です」 そう説明したとたん、提督は顔を歪ませた。 あの頃から見ればこの人は驚くほど感情を露わにするようになった。 嬉しくないといえばそれは嘘になるのだけど、今ばかりはあまりいい気持ちではない。 私は目を細めて問いただす。 「……ニヤニヤしてどうしたんですか、気持ち悪いですよ」 「だそうだ、北上よ」 そこで北上さんに振る意味が分からない。 即座にそちらを見やると、北上さんも提督と同じように顔を歪ませていた。 ……何これ。私は見世物? 北上さんは俯いて暗い顔になってしまった。これ、私のせい? 「あたし気持ち悪いのか~。大井っちに嫌われちゃったな~」 「えっ? あっ、気持ち悪くないです! 嫌ってないです!」 ニヤニヤする北上さんも素敵です! 嫌う理由になりません! 嫌う可能性零です! 私の言葉で安心したのか北上さんは調子を戻す。 一つ安堵。したがここでも問屋は卸さないようだった。 「あちゃあ。提督の事は嫌いになっちゃったのか~」 「……そうか……。大井……」 ちょっと北上さん! 提督に自信喪失を移すのやめてください! 面倒臭いじゃないですか! 提督もいい年してそう軍帽が落ちるくらいに背中を丸めて俯くの、みっともないと思いませんか! 「"提督も愛してます"っていつも言ってるでしょう!」 「感情が篭ってないのだが」 「こっ、こういうのはむやみやたらに言うと価値が下がるんです!!」 激しく突っ込み役に回るばかり、私は言葉が矛盾してしまったかもしれない。 私は昂るあまり炬燵の天板に両手を突いて抗議していた。 やだ。少し顔が熱くなってきちゃった……。 炬燵か隅のダルマストーブ、少し焚き過ぎじゃないかしら……。 私が悶々としていると、急に北上さんは吹き出した。 「やっぱりさ。大井っちはからかうと面白いよね」 「分かっているじゃないか」 からかっていたの!? そして今までの話を私は全て真に受けていたと? 完全に見世物になってしまった。もう嫌だ。数分前の私を魚雷で殴って気絶させてやりたい。 この二人、こんなに意地悪だったかなあ……。 あの頃からは想像つかないが、この二人は意外と相性がいい。 改めて意気投合したらしい提督と北上さんは自然と同時に強く握手を交わした。 私、置物にされていないかしら。いや、見世物だったわね。 それから何故か提督と北上さんから同時に視線を向けられる。 何ですか。その、私が不調に見えるかのような顔は。 「……おや、もう言わないのかな? "何してけつかる!!"」 「"何してけつかる!!"」 「やめてください!!」 好き勝手に振舞う提督と、それに便乗する北上さんを制止する任務を、 やはり不本意ながら遂行させる流れになってしまった。 この二人は、あの頃の私の事を回顧しているんだろう。 でも過去は過去で、今は今。 この人の存在そのものとか、提督が北上さんに触れることが気に食わないとか、 私はそういった思考回路をこの人に改装されてしまった。不本意ではなく本意で。 だから、今の私がこの光景を見て黒い感情を生む事はない。 北上さんだけでなく、提督も大切な人だから。 でも、私で遊ぶのはまた別の話ですからね? 私は引き続きこの二人を制止する任務に取り掛かった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1269.html
152 :4:2012/07/30(月) 20 33 57 提督たちの憂鬱 第6話登場人物一覧 1/3 1932年7月以降 第二次五ヵ年計画 第二次五ヵ年計画:上海事変を片付けた日本政府は第二次五ヵ年計画を開始。 各地で高速鉄道、発電所、湾港施設、巨大製鉄所などの整備が開始された。 軽工業国家からの脱皮を果たすべく重工業の梃入れをこれまで以上に行った。 総額20億円以上という巨大な国家プロジェクトは、夢幻会の全面的な後押しの下で進められていく。 倉崎重蔵:夢幻会メンバー重鎮。名前だけ登場。 倉崎潤一郎:倉崎重蔵の息子。非転生者。夢幻会幹部候補。遼河油田を視察。 『「ははは、まぁ飛行機狂いの父ならそうでしょうね。ですが……」 「………やはり、彼も年か。君が夢幻会における彼の地位を継ぐのも近いな」 「いえいえ、まだ私のような若輩では……」 「気にすることは無い。君より若い人間はいる。馬鹿は不要だが、有能ならば若くても問題はないだろう」 東条は事も無げに言うが、潤一郎は恐縮したままだった。』本編6話より抜粋 東条英機:関東軍参謀。遼河油田を視察。世代交代に不安を覚える。 満州防衛についても問題が山積みで溜息をついた。 『(知らないことはいいことだよ、あんなギャグのような組織が日本を牛耳っているなんて) (……陸海軍、政財界などを支配しているのが実は変人奇人の巣窟なんて、 言えないよな~。世代交代するときはどうしようか、本当に) 遠い将来のことをちょっと、いやかなり不安に思いつつ、東条は石油プラントを後にした。』 『「中国内戦への対応、ソ連への警戒、それにゲリラや匪賊への対応…… おまけに暴走しそうな一部幹部の監視、俺を過労死させる気か?」』本編6話より抜粋 夢幻会会合 大角岑生:会合出席。 真崎甚三郎:会合出席。 白洲次郎:夢幻会の根回しで外務省にスカウト。夢幻会協力者。会合出席。 夢幻会の漫才に困惑する。 辻正信:会合出席。饅頭茶漬けを食べる。 『「……リ○ディ茶でも飲んどけ」 「あれはお茶に対する冒涜ですよ」 「「「………(似たようなものだろうに)」」」 一名だけ訳が判らないといった表情であったが、 夢幻会は今日も平常運転で突っ走っていた。』本編6話より抜粋 陸軍夢幻会派:統制派と呼称されている。 『この統制派は軍近代化を図る一方で非正規戦や諜報活動によって 中ソの分断と瓦解を図っており、明石大将の後継者たちと見做されていた。 現在、この会派には真崎、東条、相沢などの入れ替わり組みと、 史実の皇道派・統制派の一部が所属している。』本編6話より抜粋 蒋介石:名前だけ登場。蒋介石への不満を利用して中国を分断。 153 :4:2012/07/30(月) 20 34 34 2/3 1933年 フランクリン・ルーズベルト大統領選出。 ルーズベルト:名前だけ登場。 フーバー:名前だけ登場。 『中国内戦を利用した特需によって失地回復を目指したフーバー大統領だったが、 大恐慌発生の失敗を補いきれず落選。米国では史実どおり、 フランクリン・ルーズベルトが大統領として選出された。』本編6話より抜粋 ジェームズ・R・マクドナルド:英国宰相。米国と裏では激しい覇権争いを繰り広げる。 華北経済圏を華南経済圏から切り離す為鉄道の敷設を早める。 英国閣僚:数名とジェームズ・R・マクドナルドが協議。 ロスチャイルド家:名前だけ登場。鉄道敷設の為投資を呼び掛ける。 ヒトラー:名前だけ登場。 夢幻会会合 嶋田繁太郎:会合出席。 辻正信:会合出席。MMJのネットワークを使い不穏分子を監視。 新潟の干拓、農業の機械化と効率化の推進。 地主達に企業の創設や投資を促して経済の活性化を図る。 『地主階級の人間について徹底的な調査を行い、様々な醜聞を集めていたのだ。 家主には問題なくても、その息子や娘には問題があるケースが多い。 中には地主階級にも関わらず共産主義思想に染まっている者もいた。 辻はそういったスキャンダルを利用して、硬軟あわせた交渉を行っていたのだ。頑固な人間たちでさえ、 そういった身内の醜聞を持ち出されては、大抵は折れるしかなかった。』本編6話より抜粋 牟田口廉也:会合出席。 真崎甚三郎:会合出席。巫女萌え。 阿部信行:会合出席。不穏分子を監視。 石原莞爾:石原莞爾を中心とした一派は、未だに世界最終戦争論を掲げている。 アジア新秩序:一部には日本を中心としたアジア新秩序構築を主張する者もいる。 日本の政治家:今の政府のやり方を腰抜け呼ばわりする人間が多い。 それも自分達が主導権を握るためだけに、今の方針を貶める輩が少なくない。 154 :4:2012/07/30(月) 20 35 45 3/3 1933年 ニューディール政策実施 米国:ニューディール政策の実施を発表。 夢幻会はこれを予期して投資を行い莫大な利益を得る。 同時に予期せぬイベント発生。米国が大規模な中国支援を開始。 中国国内の富裕層によって軽工業の振興が活発化。 夢幻会会合 嶋田繁太郎:会合出席。夢幻会常識派。 貿易摩擦の発生は戦争を誘発する為不安を覚える。 『この事態を一番深刻に受け止めていたのは、 夢幻会で数少ない常識派とされる嶋田たちであった。』本編6話より抜粋 辻正信:会合出席。一部の人間達の憂慮を笑い飛ばした。 日本本土に直接投資してもらい合弁工場を沢山作ればいい。 米国企業日本法人の製品を中国に輸出すれば問題はある程度はクリアできる。 軍関係者:会合出席。 『この日から日中両国は、これまで以上に、 壮絶な経済戦争を繰り広げることになる。』本編6話より抜粋
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/347.html
543 :名無しさん@ピンキー:2014/04/14(月) 02 33 48.23 ID UtLkv7oI 色々ネタにされてるからやってもいいと思いました(コナミ) もしも○○とコラボしたら 201X年 某日深夜 静まり返った鎮守府の一室にて、一人の提督と彼の秘書艦が今まさにケッコンカッコカリ初夜を迎えようとしていた。 「受けてくれてありがとう金剛。絶対幸せにするからな」 「提督、私はもう十分幸せネ。これ以上の幸せを望むのは罰が当たりマス」 一枚の布団に二つの枕。その上にちょこんと座る金剛の左手の薬指には誇らしげに指輪が輝いている。 「お前が十分幸せなら、俺も十分幸せだ」 提督はそう言って金剛に向かい合い、同じように布団の上に座る。 「フフフ。提督、こっちくるデス」 照れ笑いと共に金剛が言い終わるか否かのうちに提督は愛しき新妻の肩を抱き、そっと唇を寄せる。 金剛もそんな新郎を受け入れるように目を閉じて唇をそっと寄せる。 やがて二人の唇が触れ合い― 「陸軍としては海軍の嫁選びに反対する!」 「うああああっ!!なんだお前!?」 窓からの突然の侵入者によって二人の甘い時間は終わりを告げた。 提督も金剛もこの時は気付いていなかった。 この時丁度日付が変わっていたのを。 そしてその日から新しいコラボ企画が始まっていたことを。 「陸軍としては次の嫁を提案する」 1.あきつ丸 2.まるゆ 3.結婚しない 「どんだけ自分のところの推してんだよ!さては外戚だな!?外戚関係だな!?俺の義父になって頭上がらなくする気だな!?」 「ふん。気付いたところでもう遅い。行けあきつ丸!」 「任せるであります」 いつの間にか窓から飛び込んでいたあきつ丸がすっと提督の前に滑り込む。 「提督殿……不束者ですが……よろしくお願いするであります」 恭しく三つ指ついて頭を下げるあきつ丸。その人形のように白い顔は、ぽっと赤くなっていて、何とも言えない色気を感じさせる。 「ま、待てあきつ丸……落ち着け。落ち着いて話し合おう」 「問答無用であります。それに、自分は『じらしぷれい』などというものは苦手であります」 大真面目にそう答え、あきつ丸は提督ににじり寄り、提督は反対に後ずさる。 「そ、そ、それにほらお前はまだケッコンカッコカリレベルに達してないだろ?だからその……な?」 「心配無用であります。イベント期間中はレベル無関係でばっちこいであります」 「なにそれ理不尽」 既にあきつ丸は布団に上陸し、提督は後退を続け今にも追い出されそうになっている。 そんな提督の背中がなにか心地よく柔らかいものに触れた。 「スタァァァァァァップ!!ヘイあきつ丸!提督から離れるデース!」 後ろから抱きしめるように金剛が提督を庇い、あきつ丸を制止する。 提督の背中に触れた柔らかいものは存分にその存在を主張し、人肌のぬくもりを提督の背中に与え続けている。 「ふん。軟派な英国かぶれなど、海の男たる提督殿には相応しくないであります。その体で誑かしたに決まっているであります」 「なっ!?」 一瞬絶句する金剛。あきつ丸はその隙を逃がさず提督との距離を詰める。 既に二人の息がかかりそうな距離になっている。 しかし、こんな屈辱的な台詞を吐かれて黙っている金剛ではない。 「ふっふ~ん。Nice jokeねあきつ丸。そのPoorな体のあなたが言ってもJealousyにしか聞こえないデース!」 「ぐぬぬ」 「いや、あのお前ら……」 美女二人が自分を巡って争うとは何とも男冥利に尽きるなどと呑気なことを考えている場合ではない。 それはまさしく修羅場。今まさに提督は修羅場の真っただ中にいる。 「ふふふふ。これを見ても同じことが言えるでありますか?」 唐突にあきつ丸は提督のズボンをおろし、大きく立ち上がった一物を掴む。 「おっおい!?何やって……」 「提督殿の提督殿は自分が来てから明らかに大きくなっているであります!」 事実、提督のそれは大きくなってはいる。 しかし、あきつ丸(と陸軍)の乱入まで今まさに結婚初夜という状況であったことを考えてみれば最初から大きくなっていたとしてもまったくおかしくはない。 「出鱈目はよくないネ!あきつ丸が来るまでの間私が提督と何をしていたかを考えれば、これが誰のExploitかは明らかデース!」 だがあきつ丸は動じない。 「さあ、提督殿。自分の手で気持ち良くするであります」 その白い指が提督の一物を包み込み、扱きはじめる。 「ちょっ……やめろ、やめ……くぅ、くっ!」 あきつ丸の手は柔らかく、提督の一物を大切そうに手で弄り回している。 「ささ、提督殿。力を抜いて自分に身を任せるであります」 あきつ丸の愛撫は提督のそれをさらに膨張させ、その頂から溢れた白濁液は彼女の白い指にねっとりと絡みつく。 「あきつ丸……お前……」 何か言いかけた提督の前からあきつ丸が消え、代わりにこれまた白い巫女装束のようなものが視界いっぱいに広がる。 「今度は私の番デス!さあ提督!二人のLoveのPowerをこの泥棒猫に見せつけてやるデース!」 言うなり金剛はその巫女装束をはだけさせ、豊かな谷間がゆっくりと、しかし十分に存在感を示しつつ提督に迫る。 「いや、あの金剛……」 「私が提督を幸せにして見せマス!」 谷間はついに提督の顔に達し、地球上のおよそ半分の者が一度は夢見たであろう状況が誕生した。 「んぐっ!こ、金剛……」 人肌の温もりと柔らかさ、そして鋼材や油がどこへ消えているのか不思議なほどの切ないようなほのかな甘い香りが提督の五感全てを満たしていく。 ―だが、 (うわ、金剛めっちゃいい匂い……うぐっ!?) 提督が一瞬頭を離そうとしたが、二度と放すまいと抱きしめる金剛の両腕がしっかりと後頭部に回っている。 これはつまり頭が離せないという事。 (息ができないっ……!!) 金剛の谷間はしっかりと提督を包み込み、まるでこの世界全てが金剛であるかのような錯覚する抱かせる。 (やばい、やばい。本格的にやばい!死ぬ、死んでしまう!!幸せで死んでしまう!) 呼吸がままならないにも関わらず体にしみこむような甘い金剛の香りは徐々に提督の頭から正常な判断を奪い、命への執着という生命の根幹まで奪い始めていた。 (でも、これで死ねるなら……まあ、いいか……) 薄れゆく意識の中、提督はわずかに口元を緩めた。 それはまるで、全ての苦しみから解放されたような、安らかで満ち足りた笑顔であった。 (こんな夢を見たとは言えないよな……) 「ヘイ提督!今度から夢精じゃなくて私に打ち明けてほしいデース」 騙して悪いが夢落ちなんでな。 以上スレ汚し失礼しました。